JP2022020086A - 送電装置、送電装置の制御方法、およびプログラム - Google Patents

送電装置、送電装置の制御方法、およびプログラム Download PDF

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Abstract

【課題】送電装置から受電装置へ適切に送電する。【解決手段】1つ以上の受電装置200へ無線で送電する送電装置100は、受電装置から受信された受電電力の値に基づいて、送電装置100と受電装置200との間の電力損失のデータを導出し、電力損失のデータに基づいて異物検出を行う。送電装置100は、送電装置100の送電可能範囲における送受電状態の変化を検出した場合に、電力損失のデータを再度導出する。【選択図】図5

Description

本発明は、無線電力伝送技術に関する。
近年、無線電力伝送システムの技術開発が広く行われている。特許文献1には、無線充電規格の標準化団体Wireless Power Consortium(WPC)が策定する規格(WPC規格)に準拠した送電装置および受電装置が開示されている。また、特許文献2には、WPC規格における、異物検出(Foreign Object Detection)の方法が開示されている。ここで異物とは、金属片などの導電性の物体である。WPC規格では、送電装置における送電電力と受電装置における受電電力との差分から、送電装置-受電装置間の異物がない状態の電力損失を事前に算出し、当該算出値を送電処理中の通常状態(異物がない状態)における電力損失であるとする。そのうえで、その後の送電中に算出した送電装置-受電装置間の電力損失が、基準となる通常状態の電力損失から閾値以上離れた場合に異物がある 又は異物が存在する可能性があると判定するものである。
特開2015-56959号公報 特開2017-70074号公報
複数の受電装置に同時に送電が可能な送電装置において、送電装置上に第1の受電装置と第2の受電装置が載置された場合、送電装置と第1の受電装置間の電力損失は、第2の受電装置の影響を受ける可能性がある。また同様に、送電装置と第2の受電装置間の電力損失は、第1の受電装置の影響を受ける可能性がある。よって、送電装置上に載置される受電装置の状態(台数等)に変化があった場合、事前に算出した通常状態の送電-受電装置間の電力損失にも変化が生じ、異物検出精度が低下するという課題があった。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、送電装置から受電装置へ適切に送電することを目的とする。
上記課題を解決するための一手段として、本発明の送電装置は以下の構成を有する。すなわち、
送電装置であって、
1つ以上の受電装置へ無線で送電する送電手段と、
前記1つ以上の受電装置との通信を行う通信手段と、
前記通信手段を介して受電装置から受信された受電電力の値に基づいて、前記送電装置と前記受電装置との間の電力損失のデータを導出する導出手段と、
前記電力損失のデータに基づいて、前記通信を行う受電装置とは異なる物体の検出を行う異物検出手段と、
前記送電装置の送電可能範囲における送受電状態の変化を検出する検出手段と、を有し、
前記送電手段により前記受電装置へ送電をしている間に、前記検出手段により前記送受電状態の変化が検出された場合に、前記導出手段は、前記電力損失のデータを再度導出する。
送電装置から受電装置へ適切に送電することが可能となる。
送電装置の構成例を示すブロック図である。 受電装置の構成例を示すブロック図である。 送電装置の制御部の機能構成例を示すブロック図である。 送電装置により実行される処理のフローチャートである。 送電制御処理の例示的なフローチャートである。 Calibrationデータ再導出判定処理の例示的なフローチャートである。 システムで実行される第1の処理例の動作シーケンスを示す。 システムで実行される第2の処理例の動作シーケンスを示す。 システムで実行される第3の処理例の動作シーケンスを示す。 送電装置の保持する送電アンテナ(送電コイル)情報の例を示す。 パワーロス手法に基づく異物検出方法を説明する図である。 無線電力伝送システムの構成例を示す。
以下、添付図面を参照して実施形態を詳しく説明する。尚、以下の実施形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものではない。実施形態には複数の特徴が記載されているが、これらの複数の特徴の全てが発明に必須のものとは限らず、また、複数の特徴は任意に組み合わせられてもよい。さらに、添付図面においては、同一若しくは同様の構成に同一の参照番号を付し、重複した説明は省略する。
[パワーロス手法に基づく異物検出方法]
はじめに、WPC(Wireless Power Consortium)規格で規定されているパワーロス手法に基づく異物検出方法について、図11を用いて説明する。図11は、パワーロス手法に基づく異物検出方法を説明する図である。図11において、横軸は送電装置の送電電力、縦軸は受電装置の受電電力を示す。異物とは、金属片などの導電性の物体であり、受電装置とは異なる物体である。
まず、送電装置が受電装置に対して送電を行い、送電装置は、受電装置が受電した受電電力値Pr1(Light Loadという)を、受電装置から受信する。そして送電装置はその時の送電電力値Pt1を記憶する(点1100)。ここで、送電電力値Pt1又は受電電力値Pr1は、予め定められた最小の送電電力又は受電電力である。このとき、受電装置は、受電する電力が最小の電力となるように、負荷を制御する。例えば、受電装置は、受電した電力が負荷(充電回路及びバッテリ等)に供給されないように、受電アンテナから負荷を切断しうる。なお、この状態は、Light Load状態(軽負荷状態)と呼ばれうる。この時送電装置は、送電電力としてPt1を送電したときの、送電装置と受電装置間の電力損失はPt1-Pr1(Ploss1)である、として認識することができる。次に、送電装置は、受電装置が受電した受電電力値Pr2(Connected Loadという)の値を受電装置から受信する。このとき、受電装置は、受電した電力を負荷に供給する。そして送電装置はその時の送電電力値Pt2を記憶する(点1101)。ここで、送電電力値Pt2又は受電電力値Pr2は、予め定められた最大の送電電力又は受電電力である。このとき、受電装置は、受電する電力が最大の電力となるように、負荷を制御する。たとえば、受電装置は、受電した電力が負荷に供給されるように、受電アンテナと負荷とを接続する。なお、この状態は、Connected Load状態(負荷接続状態)と呼ばれうる。この時送電装置は、送電電力としてPt2を送電したときの、送電装置と受電装置間の電力損失はPt2-Pr2(Ploss2)である、として認識することができる。そして送電装置は、点1100と点1101を直線補間し直線1102を作成する。直線1102は送電装置と受電装置の周辺に異物が存在しない状態における送電電力と受電電力の関係を示している。よって、送電装置は送電電力値と直線1102から異物がない状態における受電電力を予想することができる。例えば、送電電力値がPt3の場合は、送電電力値がPt3を示す直線1102上の点1103から、受電電力値はPr3であると予想することができる。
ここで、送電装置がPt3の送電電力で受電装置に対して送電した場合に、送電装置が受電装置から受電電力値Pr3’という値を受信したとする。送電装置は当該異物が存在しない状態における受電電力値Pr3から実際に受電装置から受電した受電電力値Pr3’を引いた値Pr3-Pr3’(=Ploss_FO)を算出する。このPloss_FOは、送電装置と受電装置間に異物が存在する場合に、その異物で消費される電力損失と考えることができる。よって、異物で消費されたであろう電力Ploss_FOがあらかじめ決められた閾値以上の場合に、“異物あり”又は“異物が存在する可能性あり”と判断する。
あるいは送電装置は、事前に、当該異物が存在しない状態における受電電力値Pr3から、送電装置と受電装置間の電力損失Pt3-Pr3(Ploss3)を求めておく。そして次に、異物が存在する状態において受電装置から受電した受電電力値Pr3’から、異物が存在する状態での送電装置と受電装置間の電力損失Pt3-Pr3’(Ploss3‘)を求める。そして、Ploss3’-Ploss3 (=Ploss_FO)で、異物で消費されたであろう電力Ploss_FOを求めてもよい。
以上述べたように、異物で消費されたであろう電力Ploss_FOの求め方としては、Pr3-Pr3’(=Ploss_FO)として求めてもよいし、Ploss3’-Ploss3 (=Ploss_FO)として求めてもよい。以下の本明細書中においては、基本的にPloss3’-Ploss3 (=Ploss_FO)として求める方法について述べるが、Pr3-Pr3’(=Ploss_FO)として求める方法においても適用可能である。以上がパワーロス手法に基づく異物検出の説明である。
[本実施形態による異物検出方法の概要]
次に、複数の受電装置に対して送電が可能な送電装置における異物検出方法について説明する。図12に、本実施形態における無線電力伝送システムの構成例を示す。以下では、送電装置をTXと呼び、受電装置をRXと呼ぶ場合がある。なお、TX100とRX200~220の構成はそれぞれ図1と図2に示し、詳細は後述する。
TX100は、送電アンテナ105a、105b、105cを介して、TX100上(例えば、送電アンテナ105a、105b、105cに近接して配置された充電台(載置面)上)に載置されたRX200、210、220に対して送電を行う。RX200、210、220はそれぞれ、受電アンテナ205を介してTX100から送電された電力を受電する。なお、TXと各RX間の通信も、送電アンテナと受電アンテナを介して行われる。
図12(a)に示すTX100は、送電アンテナ105a~105bを有し、例えば、図12(b)に示すように、RX200とRX210に送電を行う。また、図12(c)に示すTX100は、送電アンテナ105a~105cを有し、例えば、図12(d)に示すように、RX200~220に送電を行い、図12(e)、(f)に示すように、RX200とRX210に送電を行う。
ここで、TXと複数のRX間における各TX-RX間の電力損失について考える。複数のRX(例えば第1のRXと第2のRX)に送電(充電)が可能なTXにおいて、TXと第1のRX間の電力損失と、TXと第2のRX間の電力損失は異なる。例えば、図12(c)に示すTX100は、送電アンテナ105aおよびRX200が有する受電アンテナ205を介して、RX200に送電を行う。さらに、図12(c)に示すTX100は、送電アンテナ105bおよびRX210が有する受電アンテナ205を介して、RX210に送電を行う。このとき、TX100とRX200間の電力損失と、TX100とRX210間の電力損失は異なる。その理由としては、送電アンテナの特性、受電アンテナの特性、TX(送電アンテナ)とRXの位置関係、RX200が送電アンテナ105bの電気特性に与える影響、RX210が送電アンテナ105aの電気特性に与える影響、RX内の回路の状態(たとえば受電アンテナと負荷(充電回路やバッテリなど)の接続状態等)等々がある。
このため、TX上に第1のRXと第2のRXが載置された場合、TXと第1のRX間の電力損失は、第2のRXの影響を受ける可能性がある。また同様に、TXと第2のRX間の電力損失は、第1のRXの影響を受ける可能性がある。よって、TX上に載置されるRXの状態(台数、載置される位置等)に変化があった場合、事前に算出したTXとRX間に異物が存在しない時の電力損失、あるいは図11に示したような送電電力と受電電力の関係を示す直線にも変化が生じ、異物検出精度が低下するという課題が生じる。
このような課題を解決するために、本実施形態によるTXは、TXや、TX上に載置されるRXの状態が異なったこと(TXの送電可能範囲における送受電状態の変化)を検出した場合、「TX-RX間の電力損失」の算出をやり直す。ここで、「TXや、TX上に載置されるRXの状態」の一例は、載置されたRXの台数であるが、これに限らない。例えば、送電アンテナの特性、受電アンテナの特性、送電装置(送電アンテナ)とRXの位置関係、RX200が送電アンテナ105bの電気特性に与える影響、RX210が送電アンテナ105aの電気特性に与える影響)等であってもよい。そうすることで、異物がない状態でのTX-RX間の電力損失を事前に算出する時と、送電中にTX-RX間の電力損失を算出する時とにおいて、送電アンテナの特性、受電アンテナの特性、TX(送電アンテナ)とRXの位置関係、RX200が送電アンテナ105bの電気特性に与える影響、RX210が送電アンテナ105aの電気特性に与える影響、RX内の回路の状態(たとえば受電アンテナと負荷(充電回路やバッテリなど)の接続状態)等々の状態を同じにすることが可能となる。よって、TXが複数のRXに対して送電を行う無線電力伝送システムにおいて、適切に異物検出を行うことが可能になる。
[システムの構成]
図12に示した本実施形態における無線電力伝送システムについてより詳細に説明する。TX100とRX200、210、220は、WPC規格に準拠している。RX200、210、220は、TX100より電力を受電し、バッテリへの充電を可能とする。TX100は、TX100上に載置されたRX200、210、220に対して無線で送電する電子機器である。以下では、RX200、210、220がTX100上に載置された場合を例にして説明を行う。ただし、TX100がRX200、210、220に送電するうえで、RX200、210、220はTX100の送電可能範囲の中に存在していれば、TX100上に載置されなくてもよい。
また、RX200、210、220とTX100は、非接触充電以外のアプリケーションを実行する機能を有しうる。RX200、210、220の一例はスマートフォンであり、TX100の一例はそのスマートフォンを充電するためのアクセサリ機器である。RX200、210、220及びTX100は、タブレットや、ハードディスク装置やメモリ装置などの記憶装置であってもよいし、パーソナルコンピュータ(PC)などの情報処理装置であってもよい。また、RX200、210、220及びTX100は、例えば、撮像装置(カメラやビデオカメラ等)やスキャナ等の画像入力装置であってもよいし、プリンタやコピー機、プロジェクタ等の画像出力装置であってもよい。また、TX100がスマートフォンであってもよい。この場合、RX200、210、220は、別のスマートフォンでもよいし、無線イヤホンであってもよい。また、TX100は、自動車内のコンソール等に設置される充電器であってもよい。
本システムは、WPC規格に基づいて、非接触充電のための電磁誘導方式を用いた無線電力伝送を行う。すなわち、RX200、210、220とTX100は、RX200、210、220の受電アンテナ205とTX100の送電アンテナ105a~105cとの間で、WPC規格に基づく非接触充電のための無線電力伝送を行う。なお、本システムに適用される無線電力伝送方式(非接触電力伝送方式)は、WPC規格で規定された方式に限られず、他の電磁誘導方式、磁界共鳴方式、電界共鳴方式、マイクロ波方式、レーザー等を利用した方式であってもよい。また、本実施形態では、無線電力伝送が非接触充電に用いられるものとするが、非接触充電以外の用途で無線電力伝送が行われてもよい。
ここで、TXとしてTX100、RXとしてRX200、210、220を例に、WPC規格に従う電力伝送制御について説明する。WPC規格では、RX200、210、220がTX100から受電する際に保証される電力の大きさが、Guaranteed Power(以下、「GP」と呼ぶ)と呼ばれる値によって規定される。GPは、例えばRX200、210、220とTX100の位置関係が変動して受電アンテナと送電アンテナとの間の送電効率が低下したとしても、RX200、210、220の負荷(例えば、充電用の回路、バッテリー等)への出力が保証される電力値を示す。例えばGPが5ワットの場合、受電アンテナと送電アンテナの位置関係が変動して送電効率が低下したとしても、TX100は、RX200、210、220内の負荷へ5ワットを出力することができるように制御して送電を行う。
またWPC規格では、TX100が、TX100の周囲に(受電アンテナ近傍に)RXではない物体(異物)が存在することを検出する手法が規定されている。より詳細には、TX100における送電電力とRX200、210、220における受電電力の差分により異物を検出するパワーロス手法と、TX100における送電アンテナ(送電コイル)の品質係数(Q値)の変化により異物を検出するQ値計測手法が規定されている。パワーロス手法による異物検出は、電力伝送(送電)中(後述のPower Transferフェーズ)に実施される。また、Q値計測手法による異物検出は、電力伝送前(後述のNegotiationフェーズまたはRenegotiationフェーズ)に実施される。
本実施形態によるRX200、210、220とTX100は、WPC規格に基づく送受電制御のための通信を行う。WPC規格では、電力伝送が実行されるPower Transferフェーズと実際の電力伝送が行われる前の1以上のフェーズとを含んだ、複数のフェーズが規定され、各フェーズにおいて必要な送受電制御のための通信が行われる。電力伝送前のフェーズは、Selectionフェーズ、Pingフェーズ、Identification and Configurationフェーズ、Negotiationフェーズ、Calibrationフェーズを含みうる。なお、以下では、Identification and ConfigurationフェーズをI&Cフェーズと呼ぶ。
Selectionフェーズでは、TX100が、Analog Pingを間欠的に送信し、物体がTX100に載置されたこと(例えばTX100の充電台にRX200、210、220や導体片等が載置されたこと)を検出する。TX100は、Analog Pingを送信した時の送電アンテナの電圧値と電流値の少なくともいずれか一方を検出し、電圧値がある閾値を下回る場合又は電流値がある閾値を超える場合に物体が存在すると判断し、Pingフェーズに遷移する。
Pingフェーズでは、TX100が、Analog Pingより大きい電力が大きいDigital Pingを送信する。Digital Pingの大きさは、TX100の上に載置されたRX200、210、220の制御部201(図2)が起動するのに十分な電力である。RX200、210、220は、受電電圧の大きさをTX100へ通知する。このように、TX100は、そのDigital Pingを受信したRX200、210、220からの応答を受信することにより、Selectionフェーズにおいて検出された物体がRX200、210、220であることを認識する。TX100は、受電電圧値の通知を受けると、I&Cフェーズに遷移する。
I&Cフェーズでは、TX100は、RX200、210、220を識別し、RX200、210、220から機器構成情報(能力情報)を取得する。そのため、RX200、210、220は、ID Packet及びConfiguration PacketをTX100に送信する。ID PacketにはRX200、210、220の識別情報が含まれ、Configuration Packetには、RX200、210、220の機器構成情報(能力情報)が含まれる。ID Packet及びConfiguration Packetを受信したTX100は、アクノリッジ(ACK、肯定応答)で応答する。そして、I&Cフェーズが終了する。
Negotiationフェーズでは、RX200、210、220が要求するGPの値やTX100の送電能力等に基づいてGPの値が決定される。またTX100は、RX200、210、220からの要求に従って、Q値計測手法を用いた異物検出処理を実行する。また、WPC規格では、一旦Power Transferフェーズに移行した後、RXの要求によって再度Negotiationフェーズと同様の処理を行う方法が規定されている。Power Transferフェーズから移行してこれらの処理を行うフェーズのことをRenegotiationフェーズと呼ぶ。
Calibrationフェーズでは、WPC規格に基づいて、RX200、210、220が所定の受電電力値(軽負荷状態における受電電力値/最大負荷状態における受電電力値)をTX100へ通知し、TX100が、効率よく送電するための調整を行う。TX100へ通知された受電電力値は、パワーロス手法による異物検出処理のために使用されうる。
Power Transferフェーズでは、送電の開始、継続、及びエラーや満充電による送電停止等のための制御が行われる。TX100とRX200、210、220は、これらの送受電制御のために、WPC規格に基づいて無線電力伝送を行う際に使用するものと同じ送電アンテナ(送電コイル)、受電アンテナ(受電コイル)を用いて、送電アンテナあるいは受電アンテナから送信される電磁波に信号を重畳する通信を行う。なお、TX100とRX200、210、220との間で、WPC規格に基づく通信が可能な範囲は、TX100の送電可能範囲とほぼ同様である。
[送電装置と受電装置の構成]
続いて、本実施形態による送電装置と受電装置の構成について図1と図2を用いて説明する。図1は、本実施形態によるTX(送電装置)100の構成例を示すブロック図である。また、図2は、本実施形態によるRX(受電装置)200の構成例を示すブロック図である。なお、RX210とRX220はRX200と同様の構成を有する。なお、以下で説明する構成は一例に過ぎず、説明される構成の一部(場合によっては全部が)他の同様の機能を果たす他の構成と置き換えられ又は省略されてもよく、さらなる構成が説明される構成に追加されてもよい。さらに、以下の説明で示される1つのブロックが複数のブロックに分割されてもよいし、複数のブロックが1つのブロックに統合されてもよい。また、以下に示す各機能ブロックは、ソフトウェアプログラムとして機能が実施されるものとするが、本機能ブロックに含まれる一部または全部がハードウェア化されていてもよい。
まず、TX100(図1)について説明する。図1に示すように、TX100は、制御部101、電源部102、送電部103、通信部104、送電アンテナ105a~105c、メモリ106、アンテナ切替え部107を有する。図1では制御部101、電源部102、送電部103、通信部104、メモリ106、アンテナ切替え部107は別体として記載しているが、これらの内の任意の複数の機能ブロックは、同一チップ内に実装されてもよい。
制御部101は、例えばメモリ106に記憶されている制御プログラムを実行することにより、TX100全体を制御する。また、制御部101は、TX100における機器認証のための通信を含む送電制御に関する制御を行う。さらに、制御部101は、無線電力伝送以外のアプリケーションを実行するための制御を行ってもよい。制御部101は、例えばCPU(Central Processing Unit)又はMPU(MicroProcessor Unit)等の1つ以上のプロセッサを含んで構成される。なお、制御部101は、特定用途向け集積回路(ASIC:Application Specific Integrated Circuit)等の特定の処理に専用のハードウェアで構成されてもよい。また、制御部101は、所定の処理を実行するようにコンパイルされたFPGA(Field Programmable Gate Array)等のアレイ回路を含んで構成されてもよい。制御部101は、各種処理を実行中に記憶しておくべき情報をメモリ106に記憶させる。また、制御部101は、タイマ(不図示)を用いて時間を計測しうる。
電源部102は、各機能ブロックに電源を供給する。電源部102は、例えば、商用電源又はバッテリである。バッテリには、商用電源から供給される電力が蓄電される。
送電部103は、電源部102から入力される直流又は交流電力を、無線電力伝送に用いる周波数帯の交流周波数電力に変換し、その交流周波数電力を送電アンテナ105a~105cへ入力することによって、RXに受電させるための電磁波を発生させる。例えば、送電部103は、電源部102が供給する直流電圧を、FET(Field Effect Transister)を使用したハーフブリッジ又はフルブリッジ構成のスイッチング回路で交流電圧に変換する。この場合、送電部103は、FETのON/OFFを制御するゲ-トドライバを含む。
送電部103は、制御部101による制御により、送電アンテナ105a~105cに入力する電圧(送電電圧)又は電流(送電電流)、又はその両方を調節することにより、出力させる電磁波の強度を制御する。送電電圧又は送電電流を大きくすると電磁波の強度が強くなり、送電電圧又は送電電流を小さくすると電磁波の強度が弱くなる。また、送電部103は、制御部101の指示に基づいて、送電アンテナ105a~105cからの送電が開始又は停止されるように、交流周波数電力の出力制御を行う。また、送電部103はWPC規格に対応したRXの充電部(RX200~220の場合、充電部206(図2))に15ワット(W)の電力を出力するだけの電力を供給する能力があるものとする。
通信部104は、制御部101による制御により、RXとの間で、上述のようなWPC規格に基づく送電制御のための通信を行う。通信部104は、送電アンテナ105a~105cから出力される電磁波を変調し、RXへ情報を伝送して、通信を行う。また、通信部104は、送電アンテナ105a~105cから出力されてRXにおいて変調された電磁波を復調してRXが送信した情報を取得する。すなわち、通信部104で行う通信は、送電アンテナ105a~105cから送信される電磁波に信号が重畳されて行われる。また、通信部104は、送電アンテナ105a~105cとは異なるアンテナを用いたWPC規格とは異なる規格による通信でRXと通信を行ってもよいし、複数の通信を選択的に用いてRXと通信を行ってもよい。
メモリ106は、制御プログラムを記憶するほかに、TX100及びRXの状態(受信電力値等)なども記憶しうる。例えば、TX100の状態は制御部101により取得され、RXの状態はRX制御部(RX200~220の場合、制御部201(図2))により取得され、通信部104を介して受信されうる。
アンテナ切替え部107には、複数の送電アンテナ(コイル)105a~105cが接続される。アンテナ切替え部107は、複数のアンテナ(コイル)のうち、1つ以上を選択し、切り替える。なお、図1では3つの送電アンテナ105a~105cを示しているが、送電コイルの数はこの数に限定されない。また、以下の説明において、送電アンテナ105a~105cを送電アンテナ105と総称する場合がある。
次に、RX200(図2)について説明する。前述したように、RX210とRX220は、RX200と同様の構成を有する。図2に示すように、RX200は、制御部201、UI(ユーザインタフェース)部202、受電部203、通信部204、受電アンテナ205、充電部206、バッテリ207、メモリ208、スイッチ部209を有する。なお、図2に示す複数の機能ブロックを1つのハードウェアモジュールとして実現してもよい。
制御部201は、例えばメモリ208に記憶されている制御プログラムを実行することによりRX200全体を制御する。すなわち、制御部201は、図2で示す各機能部を制御する。さらに、制御部201は、無線電力伝送以外のアプリケーションを実行するための制御を行ってもよい。制御部201の一例は、CPU又はMPU等の1つ以上のプロセッサを含んで構成される。なお、制御部201が実行しているOS(Operating System)との協働によりRX200全体(RX200がスマートフォンである場合には当該スマートフォン全体)を制御するようにしてもよい。
また、制御部201は、ASIC等の特定の処理に専用のハードウェアで構成されてもよい。また、制御部201は、所定の処理を実行するようにコンパイルされたFPGA等のアレイ回路を含んで構成されてもよい。制御部201は、各種処理を実行中に記憶しておくべき情報をメモリ208に記憶させる。また、制御部201は、タイマ(不図示)を用いて時間を計測しうる。
UI部202は、ユーザに対する各種の出力を行う。ここでいう各種の出力とは、画面表示、LEDの点滅や色の変化、スピーカーによる音声出力、RX200本体の振動等の動作である。UI部202は液晶パネル、スピーカー、バイブレーションモーター等により実現される。
受電部203は、受電アンテナ205において、TX100の送電アンテナ105から放射された電磁波による発生する電磁誘導により生じた交流電力(交流電圧及び交流電流)を取得する。そして、受電部203は、交流電力を直流又は所定周波数の交流電力に変換して、バッテリ207を充電するための処理を行う充電部206に電力を出力する。すなわち、受電部203は、RX200における負荷に対して電力を供給する。上述のGPは、受電部203から出力されることが保証される電力である。受電部203は、充電部206がバッテリ207を充電するための電力を供給し、充電部206に15ワットの電力を出力するだけの電力を供給する能力があるものとする。スイッチ部209は、受電した電力をバッテリ(負荷)に供給するか否かを制御するためのものである。充電部206とバッテリ207を、スイッチ部209が接続すれば、受電した電力はバッテリ207に供給される。スイッチで充電部206とバッテリ207を、スイッチ部209が切断すれば、受電した電力はバッテリ207に供給されない。なお、スイッチ部209は、図2においては、充電部206とバッテリ207の間に配置されているが、受電部203と充電部206の間に配置されてもよい。あるいは、図2ではスイッチ部209を一つのブロックとし手記載しているが、スイッチ部を充電部206の一部として実現することも可能である。通信部204は、TX100が有する通信部104との間で、上述したようなWPC規格に基づく受電制御ための通信を行う。通信部204は、受電アンテナ205から入力された電磁波を復調してTX100から送信された情報を取得する。そして、通信部204は、その入力された電磁波を負荷変調することによってTX100へ送信すべき情報に関する信号を電磁波に重畳することにより、TX100との間で通信を行う。なお通信部204は、受電アンテナ205とは異なるアンテナを用いたWPC規格とは異なる規格による通信でTX100と通信を行ってもよいし、複数の通信を選択的に用いてTX100と通信を行ってもよい。
メモリ208は、制御プログラムを記憶するほかに、TX100及びRX200の状態なども記憶する。例えば、RX200の状態は制御部201により取得され、TX100の状態はTX100の制御部101により取得され、通信部204を介して受信されうる。
[送電装置の制御部の機能構成]
次に、本実施形態によるTX(送電装置)100の制御部101の機能構成について、図3を用いて説明する。図3は、制御部101の機能構成例を示すブロック図である。制御部101は、通信制御部301、送電制御部302、異物検出部303、算出部304、判定部305を有する。
通信制御部301は、通信部104を介してWPC規格に基づいたRXとの制御通信を行う処理部である。送電制御部302は、送電部103を制御し、RXへの送電を制御する処理部である。異物検出部303は、送電部103における送電電力や、送電アンテナ105におけるQ値を計測して異物を検出する処理部である。異物検出部303は、パワーロス手法による異物検出機能と、Q値計測手法による異物検出機能を実現しうる。また異物検出部303は、その他の手法を用いて異物検出処理を行ってもよく、例えばNFC(Near Feald Communication)通信機能を備えるTXにおいては、NFC規格による対向機検出機能を用いて異物検出処理を行ってもよい。また、異物検出部303は、異物を検出する以外の機能として、TX100上の状態が変化したことを検出することもできる。例えば、TX100上のRXの台数の増減も、検出することが可能である。算出部304は、送電部103を介してRXに対して出力する電力を計測し、単位時間ごとに平均出力電力値を計算する。異物検出部303は、算出部304による計算結果と通信制御部301を介してRXから受信する受電電力情報をもとに、パワーロス手法による異物検出処理を行う。判定部305は、Calibrationデータを再度導出するかを判定する。また、判定部305は、送電を行っている送電アンテナが、Calibrationデータの再導出対象のアンテナであるかを判定する。Calibrationデータについては後述する。
通信制御部301、送電制御部302、異物検出部303、算出部304、判定部305は、制御部101において動作するプログラムとしてその機能が実現される。各処理部は、それぞれが独立したプログラムとして構成され、イベント処理等によりプログラム間の同期をとりながら並行して動作しうる。
[送電装置による処理の流れ]
続いて、TX100が実行する処理の流れについて説明する。図4に、TX100に実行される処理のフローチャートを示す。本処理は、例えばTX100の制御部101がメモリ106から読み出したプログラムを実行することによって、実現されうる。なお、以下の手順の少なくとも一部がハードウェアによって実現されてもよい。この場合のハードウェアは、例えば、所定のコンパイラを用いて、各処理ステップを実現するためのプログラムからFPGA等のゲートアレイ回路を用いた専用回路を自動的に生成することによって実現されうる。また、本処理は、TX100の電源がオンとされたことに応じて、TX100のユーザが非接触充電アプリケーションの開始指示を入力したことに応じて、又は、TX100が商用電源に接続され電力供給を受けていることに応じて、実行されうる。また、他の契機によって本処理が開始されてもよい。なお、TX100は、複数の送電アンテナ105を用いて本処理を実行するが、そのうちの1つを逐次選択して用いて実行してもよいし、そのうちの複数または全ての送電アンテナにおいて並行して実行してもよい。
なお、以下の説明において、1台以上のRXがTX100上(例えば、TX100において複数の送電アンテナに近接するように構成された充電台(載置面)上)に載置される場合を想定するが、当該TX100の送電可能範囲の中に存在する場合を想定してもよい。
まず、TX100の通信制御部301は、SelectionフェーズとPingフェーズの処理を実行し、物体がTX100上に載置されるのを待ち受ける(S401)。TX100の異物検出部303は、通信制御部301を介した通信により、載置された物体がRXであることを検知する(S402)。ここで、異物検出部303は、RXを検出した送電アンテナ105を特定し、当該特定した送電アンテナ105の情報およびRXの台数(例えば、特定した送電アンテナ105の数)の情報を取得する。送電アンテナの情報には、当該送電アンテナの識別情報(識別子)や当該送電アンテナの位置情報が含まれてもよいし、これに限るものではない。通信制御部301は、取得した情報をメモリ106に記憶する。
次に、TX100はI&Cフェーズに移行し、通信制御部301は、RXの識別情報や能力情報を取得する(S403)。ここで、RXの識別情報は、WPC規格のManufacturer CodeとBasic Device IDとを含みうる。RXの能力情報は、対応しているWPC規格のバージョンを特定可能な情報要素、RXが負荷に供給できる最大電力を特定する値であるMaximum Power Value、WPC規格のNegotiation機能を有するか否かを示す情報を含みうる。なお、これらは一例であり、RXの識別情報及び能力情報は、他の情報によって代替されてもよいし、上述の情報に加えて他の情報を含んでもよい。例えば、識別情報は、Wireless Power ID等の、RXの個体を識別可能な任意の他の識別情報であってもよい。また、TX100は、I&Cフェーズの通信以外の方法でRXの識別情報と能力情報を取得してもよい。通信制御部301は、取得したRXの識別情報や能力情報をメモリ106に記憶する。
続いて、TX100の通信制御部301は、Negotiationフェーズの処理を実行し、RXの要求に基づいてGPの値を決定する(S404)。なお、S404では、Negotiationフェーズの通信に限らず、GPを決定する他の手順が実行されてもよい。また、TX100は、RXがNegotiationフェーズに対応していないことを示す情報を(例えばS403において)取得した場合に、Negotiationフェーズの通信を行わず、GPの値を(例えばWPC規格で予め規定された)小さな値としてもよい。
TX100の通信制御部301は、GPを決定後、その決定したGPに基づいて、Calibrationフェーズを実行する(S405)。Calibrationフェーズでは、TX100は、図11を用いて前述したように、異物がない状態における、送電電力に対する受電電力の関係を導出する。具体的には、TX100の異物検出部303は、WPC規格に基づいて、RXから取得した所定の受電電力値(軽負荷状態/Ligh Loadにおける受電電力値、最大負荷/Connected Load状態における受電電力値を含む)を用いて、異物がない状態でのTX-RX間の電力損失を示すデータ(電力損失のデータ)を導出する(図11における直線1102に対応)。以下、当該電力損失のデータを、Calibrationデータと呼ぶ。当該Calibrationデータは、パワーロス手法による異物検出処理のために使用することができる。パワーロス手法に基づく異物検出の説明は上述の通りである。すなわち、Calibrationデータと送電中に受信したRXにおける受電電力値をもとに算出した、送電中のTX-RX間の電力損失が、所定の閾値以上の場合に、TXは“異物あり”又は“異物が存在する可能性あり”と判定する。
TX100の通信制御部301がCalibrationデータの導出後、送電制御部302は、送電を開始する(S406)。送電は、Power Transferフェーズの処理により行われる。ただし、これに限られず、WPC規格以外の方法で送電が行われてもよい。TX100は、送電を開始すると、送電制御処理を実行する(S407)。当該送電制御処理については後述する。TX100の送電制御部302が送電制御処理を終了すると、異物検出部303は、TX100上にRXが載置されていないことを確認する(S408)。例えば、異物検出部303は、通信制御部301を介した通信により、RXがTX100上に載置されておらず、RXを検出する送電アンテナ105はないことを確認する。その後、処理はS401のSelectionフェーズに戻る。なお、TX100は通信制御部301を介してWPC規格のEnd Power TransferをRXから受信した場合は、TX100は、WPC規格に従って、どの処理フェーズにおいてもその処理を終了し、送電を停止した上で、処理はS401に戻る。なお、満充電となった場合にも、RXからEnd Power Transferが送信されるため、処理はS401に戻る。
(送電制御処理(S407)の流れ)
次に、図5を用いて、TX100が図4のS407で実行する送電制御処理の流れの例について説明する。図5は、送電制御処理の例示的なフローチャートである。本処理は、例えばTX100の制御部101がメモリ106から読み出したプログラムを実行することによって、実現されうる。なお、以下の手順の少なくとも一部がハードウェアによって実現されてもよい。この場合のハードウェアは、例えば、所定のコンパイラを用いて、各処理ステップを実現するためのプログラムからFPGA等のゲートアレイ回路を用いた専用回路を自動的に生成することによって実現されうる。
以下の説明において、図4のS406で送電を行っている送電アンテナを対象送電アンテナと称する。まず、TX100の異物検出部303は、TX100上(対象送電アンテナの近傍)に載置されたRXの台数に変化があるか否かを判定する(S501)。例えば、異物検出部303は、S402とS408で取得された、TX100上に載置されたRXの有無/台数に関する情報に基づいて、TX100上に載置されたRXの台数に変化(他のRXの追加または除去)があるか否かを判定する。なお、これに限らず、異物検出部303は、例えば、Power Transferフェーズの処理を実行しているRXの台数で判定してもよい。RXの台数に変化があると判定した場合(S501でYES)、処理はS502へ進み、RXの台数に変化がないと判定した場合(S501でNO)、処理はS503へ進む。
S502において、TX100の判定部305は、対象送電アンテナについて、Calibrationデータを再度導出するかを判定する(Calibrationデータ再導出判定処理)。Calibrationデータ再導出判定処理は、Calibrationデータを再導出すべきか否かを判定する処理である。Calibrationデータ再導出判定処理については図6を用いて後述する。
S503において、TX100の判定部305は、S502の処理に基づいて、判定部305は、対象送電アンテナについて、Calibrationデータの再導出を開始するか否かを判定する。判定部305は例えば、通信制御部301を介してRXから所定の受電電力値(低負荷状態における受電電力値)が通知された場合に、再導出を開始すると判定するが、これに限られない。例えば、判定部305は、通信制御部301を介してRXからCalibrationフェーズを開始する所定の通知が受信された場合に、再導出を開始すると判定してもよい。また、判定部305は、通信制御部301を介してCalibrationデータ再導出通知をRXに送信したことに応じて、再導出を開始すると判定してもよい。Calibrationデータの再導出を開始すると判定した場合(S503でYES)、通信制御部301は、Calibrationデータの導出、すなわち、Calibrationフェーズの処理を実行し(S504)、処理はS505へ進む。一方、Calibrationデータの再導出を開始しないと判定した場合(S503でNO)は、処理はS505へ進む。
S505において、TX100の通信制御部301は、送電出力変更指示を受信したか否かを判定する。ここで、送電出力変更指示は、WPC規格のControl Errorメッセージに、電圧の変更量を示す値であるControl Error Valueが含められることによって行われる。Control Error Valueには、送電出力を上げる場合は正の値、送電出力を下げる場合は負の値、送電出力を変更しない場合は0が格納される。送電出力変更指示を受信した場合(S505でYES)、送電制御部302は、指示された変更量に基づいて送電出力を変更し(S506)、処理はS507へ進む。一方、送電出力変更指示を受信していない場合(S505でNO)は、送電制御部302は何もせずに、処理はS507へ進む。
S507において、TX100の通信制御部301は、RXから受電電力値を受信したか否かを判定する。ここで、受電電力値は、RXにおいてその時点で実際に受電している受電電力の値である。なお、受電電力値は、WPC規格で規定されたReceived Power(mode0)メッセージによって送受信されるが、これに限られない。なお、受電電力値は複数回にわたって受信されてもよい。1つ以上の受電電力値を受信した場合(S507でYES)、処理はS508へ進み、受電電力値を受信していない場合(S507でNO)、処理はS515へ進む。
S508において、TX100の異物検出部303は、パワーロス手法による異物検出のための電力損失の差分(異物が存在しない状態における受電電力値と、送電中にRXから受電した受電電力値の差分(図11の説明を参照))を算出する。そして、異物検出部303は、当該差分が閾値以上であるか否かの判定を行う(S509)。電力損失の差分が閾値以上である場合(S509でYES)、処理はS510へ進み、電力損失の差分が閾値未満である場合(S509でNO)、処理はS511へ進む。
S510において、TX100の判定部305は、対象送電アンテナがCalibrationデータの再導出対象のアンテナであるか否か、すなわち、S502でCalibrationデータを再導出すると判定されたアンテナか否かの判定を行う。対象送電アンテナが再導出対象である場合(S510でYES)、異物検出部303は、S508で算出した電力損失、および送電中にRXから受電した受電電力値をメモリ106に記憶する(S511)。なお、S508で取得し、S511で記憶する、RXから受電した受電電力値は、S507で受信した複数の受電電力値の時間平均値や、中央値であってもよい。
その後、通信制御部301は、受諾応答をRXへ送信して(S512)、処理はS515へ進む。一方、対象送電アンテナが再導出対象でない場合(S510でNO)、異物検出部303は、“異物あり”又は“異物が存在する可能性あり”と判定する(S513)。その後、通信制御部301は、拒否応答をRXへ送信し(S514)、処理はS515へ進む。
このように、TX100は、パワーロス手法による異物検出のための電力損失の差分が閾値以上となった場合であっても、送電対象アンテナがCalibrationデータの再導出対象である場合には“異物あり”又は“異物が存在する可能性あり”と判定しない。これにより、TX上の状態が変化した場合において、異物の誤検出、すなわち、不要な送電停止や送電効率の低下を抑制することができる。
なお、前述の閾値とは異なる第2の閾値を設けて、異物検出のための電力損失の差分が第2の閾値以上となった場合に、異物検出部303は、“異物あり”又は“異物が存在する可能性あり”と判定してもよい。例えば、第2の閾値を、送電対象アンテナに隣接する送電アンテナの影響として想定される最大の電力損失の差分よりも大きい値に設定することで、他の受電装置が載置または除去された際に異物が混入した場合であっても、異物を検出することができる。
S515において、TX100の送電制御部302は、送電を停止するか否かの判定を行う。ここで、送電を停止するか否かの判定は、S513で“異物あり”又は“異物が存在する可能性あり”と判定したか否かにより判定を行うが、これに限られない。例えば、送電制御部302は、通信制御部301を介してEnd Power Transferを受信したことにより送電を停止すると判定してもよいし、TX100自身の発熱等により送電制御部302が異常を検知した場合に送電を停止すると判定してもよい。TX100の送電制御部302は、送電を停止すると判定した場合(S515でYES)、送電を停止し(S516)、本処理を終了する。一方、送電制御部302は、送電を停止しない、すなわち、送電を継続すると判定した場合(S515でNO)、処理はS501へ戻る。
なお、S504において、対象送電アンテナにおけるCalibrationデータの導出は、他の送電アンテナを介した送電が行われている状態で行いうる。これにより、他のRXが送電対象アンテナの電気特性に与える影響や送電しているRXが他のRXの送電アンテナの電気特性に与える影響等を含むCalibrationデータの導出を行うことが可能である。
なお、図5の変形として、S501において、TXの送電可能範囲における送受電状態の変化(送電アンテナ・受電アンテナの特性、TX(送電アンテナ)とRXの位置関係、他のRXが送電対象アンテナの電気特性に与える影響、送電しているRXが他のRXの送電アンテナの電気特性に与える影響等)が検知された場合に、S502へ進むように構成されてもよい。また、S502、S503の処理を省略して、S501でYesの場合に、S504へ進むように構成されてもよい。
[Calibrationデータ再導出判定処理]
次に、図6を用いて、TX100がS502で実行するCalibrationデータ再導出判定処理の流れの例について説明する。図6は、Calibrationデータ再導出判定処理の例示的なフローチャートである。本処理は、例えばTX100の制御部101がメモリ106から読み出したプログラムを実行することによって、実現されうる。なお、以下の手順の少なくとも一部がハードウェアによって実現されてもよい。この場合のハードウェアは、例えば、所定のコンパイラを用いて、各処理ステップを実現するためのプログラムからFPGA等のゲートアレイ回路を用いた専用回路を自動的に生成することによって実現されうる。
処理を開始すると、TX100の判定部305は、TX100の送電可能範囲における送受電状態の変化により、対象送電アンテナの異物検出に影響が生じるかを判定する。例えば、判定部305は、RXの載置数の変化に影響のある送電アンテナ、すなわち、載置/除去されたRXへ送電する他の送電アンテナが、対象送電アンテナの異物検出に影響があるか否かの判定を行う。当該判定は、図10に示すような事前に保持された送電アンテナ情報に基づいて行われうる。図10は、TX100の保持する送電アンテナ(送電コイル)情報の例を示す。図10では、図12(c)に示すように送電アンテナ105a~105cが配置される場合の、対象送電アンテナと隣接送電アンテナの関係の例である。ここでは、隣接送電アンテナは、対象送電アンテナの異物検出に影響があると判定されるものとするが、これに限られない。例えば、TX100は、各送電アンテナの位置情報を事前に保持し、対象送電アンテナと、載置/除去された他のRXへ送電する他の送電アンテナとの距離を算出して、当該距離が閾値以内である場合に、影響があると判定してもよい。
TX100の判定部305は、処理送電アンテナの異物検出に影響があると判定した場合(S601でYES)、処理はS602へ進み、影響がないと判定した場合(S601でNO)、Calibrationデータの再導出は不要と判定して本処理を終了する。S602において、TX100の判定部305は、対象送電アンテナ上でRXと決定したGPが閾値以上であるか否かの判定を行う。GPが閾値以上である場合(S602でYES)、処理はS603へ進み、GPが閾値未満である場合(S602でNO)、判定部305は、Calibrationデータの再導出は不要と判定して本処理を終了する。なお、GPが閾値以上であるか否かの判定は、他のRXが載置された送電アンテナ上で決定されたGPに基づいて判定を行ってもよく、これに限るものではない。
S603において、TX100の判定部305は、通信制御部301を介してRXから受電電力値を受信したか否かを判定する。受電電力値を受信した場合(S603でYES)、処理はS604へ進み、受電電力値を受信していない場合(S603でNO)、受信するまでS603の処理が繰り返される。なお、受電電力値は複数回にわたって受信されてもよい。RXから1つ以上の受電電力値を受信すると、判定部305は、S508で取得しS511で記憶された送電中の受電電力値と、S603で受信した受電電力値との差分を、送電中の電力損失の差分として算出する(S604)。そして、判定部305は、当該差分が基準値以上であるか否かの判定を行う(S605)。これにより、判定部305は、他のRXが載置または除去される前と後における電力損失の変化を実測すること、すなわち、実際に対象送電アンテナにおける異物検出に影響が生じているか否かを判定することができる。
なお、電力損失を求めるための2つの受電電力値はそれぞれ、S505とS603で受信した複数の受電電力値の時間平均値や中央値であってもよい。これにより、RXの動作状態や載置されている位置等の影響により受電電力値に揺らぎが発生するような状況下であっても、実際に対象送電アンテナにおける異物検出に影響が生じているか否かを相対的に安定して判定することができる。
電力損失の差分が基準値以上である場合(S605でYES)、判定部305は、対象送電アンテナをCalibrationデータの再導出対象にセットして、メモリ106に記憶する(S606)。その後、判定部305は、通信制御部301を介してRXにCalibrationデータ再導出通知を送信して(S607)、本処理を終了する。ここで、Calibrationデータ再導出通知は、受電電力値の通知に対する応答として、当該事由を含めて送信するが、これに限るものではない。例えば、受電電力値の通知に対する応答を送信後、別のメッセージとして個別に送信してもよいし、受電装置から受信した他のメッセージに対する応答として送信してもよい。
このように、TX100は、RX(および他のRXへ送電中に)他のRXが載置または除去されて異物検出への影響が生じている場合に、RXにCalibrationデータ再導出を通知することで、確実にCalibrationデータの再導出が実施できる。これにより、異物の誤検出、すなわち、不要な送電停止や送電効率の低下を抑制することが可能となる。一方、差分が基準値未満である場合(S605でNO)、TX100はRXへ受諾応答を送信し(S608)、Calibrationデータの再導出は不要として本処理を終了する。
なお、図6に示す処理において、S601とS602を省略して、S603から開始されるように構成されてもよい。
以上のように、他のRXの載置または除去によって送電中の異物検出への影響が生じる場合に、Calibrationデータの再導出を行うことで、異物の誤検出による不要な送電停止や送電効率の低下を抑制することができる。一方、他のRXが載置または除去された場合であっても、送電アンテナの位置やGP、実際の電力損失の変化に応じて、送電中の異物検出への影響がない、または、十分に小さいと判断できる場合には、Calibrationデータの再導出を行わない。これにより、RXにおける受電電力値を変化させるための送電出力の制御等、不要なCalibartionフェーズの処理の実行を抑制し、相対的に高い送電出力での高速送電を継続することができる。
[システムで実行される処理の流れ]
次に、図4~図6を用いて説明したTX100の処理フローについて、いくつかの状況を想定して説明する。なお、初期状態として、RXはTX100に載置されておらず、TX100はRXの要求するGPでの送電を実行可能な程度の十分な送電能力を有しているものとする。また、他のRXの載置前と載置後の電力損失の差分(受電電力値の差分)に対する基準値と、送電中のパワーロス手法による異物検出のための電力損失の差分(異物が存在しない状態における受電電力値と、送電中にRXから受電した受電電力値の差分(図11の説明を参照))に対する閾値は、所定値としてあらかじめTX100に設定されているものとする。なお、当該基準値と当該閾値は、ユーザによる入力操作等により設定されてもよい。以下に示す各処理例では、当該基準値は100mW、当該閾値は750mWとするが、これに限られない。例えば、それぞれの値が同じであってもよいし、当該閾値が当該基準値より大きくなるように設定されてもよい。また、以下の説明における、TX100の送電アンテナ105a~105c上にRXが載置される、という表現は、当該送電アンテナ105a~105cに近接して構成される充電台(載置面)にRXが載置されることや、当該送電アンテナ105a~105cの近傍(送電可能範囲)にRXが配置されることと同義である。
<第1の処理例>
まず、第1の処理例について説明する。本処理例では、システム構成として図12(c)で示すように、TX100は、送電アンテナ105a~105cを有するものとする。TX100が処理を開始すると、TX100の送電アンテナ105a上にRX200が載置され、Calibrationデータ導出後、送電が開始される。そして、TX100は、RX200への送電開始後、TX100の送電アンテナ105b上にRX210が載置される。ここで、図12(e)に示すように、RX210が載置されている送電アンテナ105bは、RX200が載置されている送電アンテナ105aと隣接している。また、送電アンテナ105aにおけるRX210の載置前と載置後の電力損失の差分(受電電力値の差分)が所定の基準値以上となるため、TX100は、異物検出に影響があると判断して送電アンテナ105aをCalibrationデータの再導出対象とする。その後、パワーロス手法による異物検出のための電力損失の差分が所定の閾値以上であるものの、Calibrationデータの再導出対象であるため、TX100は、異物を検出したとは判断せず、Calibrationフェーズの処理を再度実行する。
図7に、第1の処理例における動作シーケンスを示す。TX100は、送電アンテナ105aにおいて、Analog Pingによって物体が載置されるのを待つ(S401、F701)。TX100は、RX200が載置されることにより、Analog Pingに変化が生じ、これにより物体が載置されたことを検知する(F702、F703、F704)。RX200は、続くDigital Pingにより、RX200自身がTX100上(送電アンテナ105aの近傍)に載置されたことを検知する(F705、F706)。また、TX100は、Digital Pingの応答により、載置された物体がRX(RX200)であることを検知する(S402)。続いて、I&Cフェーズの通信により、TX100は、RX200から識別情報および能力情報を取得する(S403、F707)。次に、TX100とRX200は、Negotiationフェーズの通信を実行し、GP=15Wに決定されたものとする(S404、F708)。
続いて、TX100及びRX200は、Calibrationフェーズの通信を開始し、送電アンテナ105aにおけるCalibrationデータの導出を行う(S405)。その後、TX100は、RX200への送電を開始し、送電制御処理を行う(S406、S407)。ここでは、他の送電アンテナ105b、105c上に載置されているRXの台数に変化がないため、Calibrationデータの再導出は実施しない(S501でNO、S503でNO)。TX100は、RX200から送電出力を変更しないことを指示する送電出力変更指示を受信すると、指示に従って送電出力の変更を行わない(S505でYES、S506、F710)。続いて、TX100は、RX200から受電電力値=15Wの通知を受信し、パワーロス手法による異物検出のための電力損失の差分を算出する(S507でYES、S508、F711、F712)。ここでは、載置されているRXの台数の変化や異物の混入はなく、電力損失の差分は閾値未満であるため、TX100は当該受電電力値を記憶してACKを送信する(S509でNO、S511、S512、F713、F714)。
一方、TX100は、送電アンテナ105bにおいても同様に、Analog Pingによって物体が載置されるのを待つ(S401、F715)。TX100は、RX210が載置されることにより、Analog Pingに変化が生じ、これにより物体が載置されたことを検知する(F716、F717、F718)。RX210は、続くDigital Pingにより、RX210自身がTX100上(送電アンテナ105bの近傍)に載置されたことを検知する(F719、F720)。また、TX100は、Digital Pingの応答により、載置された物体がRX(RX210)であることを検知する(S402)。続いて、I&Cフェーズの通信により、TX100は、RX210から識別情報および能力情報を取得する(S403、F721)。次に、TX100とRX210は、Negotiationフェーズの通信を実行し、GP=15Wに決定されたものとする(S404、F722)。
続いて、TX100は、載置されているRXの台数に変化があるため、送電アンテナ105aにおいてCalibrationデータ再導出判定処理を開始する(S501でYES、S502)。TX100は、RX210が載置された送電アンテナ105bが送電アンテナ105aと隣接しているため、異物検出に影響があると判定する(S601でYES)。続いて、TX100は、RX200と決定したGPが閾値以上であるため、RX200から受電電力値=14Wの通知を受信し、RX210の載置前と載置後の電力損失の差分を算出する(S602でYES、S603でYES、S604、F723、F724)。TX100は、電力損失の差分(受電電力値の差分)(=1W)が基準値以上であるため、異物検出に影響が発生しているとして送電アンテナ105aをCalibrationデータの再導出対象とする(S605でYES、S606、F725)。そして、TX100は、RX200にCalibrationデータ再導出通知を送信する(S607、F726)。続いて、TX100は、再度RX200から受電電力値(=14W)の通知を受信すると、パワーロス手法による異物検出のための電力損失の差分を算出する(S507でYES、S508、F727、F728)。このとき、TX100は、電力損失の差分が閾値以上であるが、Calibrationデータの再導出対象であるため、異物ありと判定せずに当該受電電力値(=14W)を記憶してACK(承諾応答)を送信する(S509でYES、S510でYES、S511、S512、F729、F730)。その後、TX100は、送電アンテナ105a及び105bについてCalibrationフェーズの処理を実行し、それぞれのCalibrationデータの導出を行う(S405、F731、S503でYES、S504、F732)。
以上に説明した動作によれば、TX100はRX200への送電開始後、RX210が載置された際、RX200への送電における異物検出に影響が生じるため、Calibrationデータの再導出を行う。また、この時、TX100は、パワーロス手法による異物検出のための電力損失の差分が、異物なしと判定されうる範囲を超えた場合であっても、異物ありと判定しない。これにより、TX100における異物の誤検出による不要な送電停止や送電効率の低下を抑制することができる。
<処理例2>
次に、第2の処理例について説明する。本処理例では、システム構成として図12(c)で示すように、TX100は、送電アンテナ105a~105cを有するものとする。TX100が処理を開始すると、TX100の送電アンテナ105a上にRX200が載置され、Calibrationデータ導出後、送電が開始される。そして、TX100は、RX200への送電開始後、TX100の送電アンテナ105b上にRX210が載置される。ここで、図12(f)に示すように、RX210が載置されている送電アンテナ105cは、RX200が載置されている送電アンテナ105aとは隣接していない。そのため、TX100は、異物検出に影響がないと判断して送電アンテナ105aをCalibrationデータの再導出対象とせず、Calibrationフェーズの処理を再度実行しない。
図8に、第2の処理例における動作シーケンスを示す。F801~F822の処理は、図7のF701~F722と同様のため、説明を省略する。TX100は、載置されているRXの台数に変化があるため、Calibrationデータ再導出判定処理を開始する(S501でYES、S502)。TX100は、RX210が載置された送電アンテナ105cは送電アンテナ105aと隣接していないため、異物検出に影響がないと判定してCalibrationデータの再導出対象としない(S601でNO、F823)。その後、TX100は、RX200から受電電力値(=15W)の通知を受信し、パワーロス手法による異物検出のための電力損失の差分を算出する(S507でYES、S508、F824、F825)。このとき、TX100は、電力損失の差分が閾値未満であるため異物はないと判定し、当該受電電力値(=15W)を記憶してACKを送信する(S509でNO、S511、S512、F826、F827)。その後、TX100は、送電アンテナ105cのみについてCalibrationフェーズの処理を実行し、Calibrationデータの導出を行う(S405、F828)。
以上に説明した動作によれば、TX100はRX200への送電開始後、RX210が載置された際、送電アンテナ105aと送電アンテナ105cの位置からRX200への送電に影響を及ぼさないと判断して、Calibrationデータの再導出を行わない。これにより、TX100において、RX200における受電電力値を変化させるための送電出力の制御等、不要なCalibartionフェーズの処理の実行が抑制され、相対的に高い送電出力での高速送電を継続することができる。
<処理例3>
次に、第3の処理例について説明する。本処理例では、システム構成として図12(c)で示すように、TX100は、送電アンテナ105a~105cを有するものとする。TX100が処理を開始すると、TX100の送電アンテナ105a上にRX200が載置され、Calibrationデータ導出後、送電が開始される。そして、TX100は、RX200への送電開始後、TX100の送電アンテナ105b上にRX210が載置される。ここで、図12(e)に示すように、RX210が載置されている送電アンテナ105bは、RX200が載置されている送電アンテナ105aと隣接している。しかしながら、送電アンテナ105aにおけるRX210の載置前と載置後の電力損失の差分(受電電力値の差分)が所定の基準値未満であるため、TX100は、異物検出に影響がないと判断して送電アンテナ105aをCalibrationデータの再導出対象とせず、Calibrationフェーズの処理を再度実行しない。
図9に、第3の処理例における動作シーケンスを示す。F901~F922の処理は、図7のF701~F722と同様のため、説明を省略する。TX100は、載置されているRXの台数に変化があるため、Calibrationデータ再導出判定処理を開始する(S501でYES、S502)。TX100は、RX210が載置された送電アンテナ105bが送電アンテナ105aと隣接しているため、異物検出に影響があると判定する(S601でYES)。その後、TX100は、RX200との間で決定したGPが閾値以上であるため、RX200から受電電力値(=15W)の通知を受信し、RX210の載置前と載置後の電力損失の差分(受電電力値の差分)を算出する(S603、S604、F823、F824)。TX100は、当該差分が基準値未満であるため、異物検出に影響が発生していないとして送電アンテナ105aをCalibrationデータの再導出対象とせず、ACKを送信する(S605でYES、S606、S607、F825、F826)。その後、TX100は、再度RX200から受電電力値(=15W)の通知を受信し、パワーロス手法による異物検出のための電力損失の差分を算出する(S507でYES、S508、F827、F828)。このとき、TX100は、電力損失の差分が閾値以下であるため、異物はないと判定し、当該受電電力値(=15W)を記憶してACKを送信する(S509でNO、S511、S512、F829、F830)。その後、TX100は、送電アンテナ105bのみについてCalibrationフェーズの処理を実行し、Calibrationデータの導出を行う(S405、F931)。
以上に説明した動作によれば、TX100はRX200への送電開始後、RX210が載置された際、載置前と載置後の電力損失の差分(受電電力値の差分)からRX200への送電に影響がないと判断できるため、Calibrationデータの再導出を行わない。これにより、TX100において、RX200における受電電力値を変化させるための送電出力の制御等、不要なCalibartionフェーズの処理の実行が抑制され、相対的に高い送電出力での高速送電を継続することができる。
このように、以上に述べた実施形態によれば、送電装置上に載置される受電装置の状態(台数等)に変化があった場合に、送電-受電装置間の異物がない状態の電力損失を再度算出することで、送電処理中の異物検出精度を向上させることが可能となる。
[その他の実施形態]
上述した実施形態では、TXが1つの送電部から全ての送電アンテナに電力を入力可能である場合について説明を行ったが、複数の送電部を有し、各送電部が電力を入力可能な送電コイル群が異なってもよい。この時、Calibrationデータを再導出するか否かの判定は、RXが載置/除去された送電アンテナがどの送電部から電力を入力可能であるか否かにより判定しうる。例えば、RXが載置/除去された送電アンテナが、他のRXに対して送電中の送電部から電力を入力可能である場合には、他のRXへの送電における異物検出に影響があるものとして、Calibrationデータの再導出を行うと判定する。一方、他のRXに対して送電中の送電部から電力を入力可能でない場合は、他のRXへの送電における異物検出には影響がないものとして、Calibrationデータの再導出を行わないと判定する等である。また、RXが載置/除去された送電アンテナがどの送電部から電力を入力可能であるか否かに加えて、他のRXへ送電中の送電アンテナとの位置が隣接しているか否かに応じてCalibrationデータの再導出を行うか否かを判定してもよく、これに限るものではない。これにより、複数の送電部を有するTXにおいても、適切にCalibrationデータを再導出するか否かを判定することが可能となり、送電処理中の異物検出精度を向上させることが可能となる。
上述した実施形態では、Calibrationデータの再導出を行うか否かの判定を、載置されたRXの台数の変化(他のRXの追加または除去)を契機に行うようにしたが、他の契機であってもよい。例えば、他のRXにおける送電が満充電や異物を検出したことにより停止した場合等である。これにより、載置されたRXの台数の変化がない場合であっても、送電を停止したRXが他のRXの送電アンテナの電気特性に与える影響等を考慮し、送電処理中の異物検出精度を向上させることが可能となる。
上述した実施形態では、電力損失の差分に基づいた他のRXへの送電における異物検出への影響の有無の判定を、RXが載置/除去された送電アンテナと他のRXへ送電中の送電アンテナの位置が隣接しているか否かにより行うようにしたが、これに限られない。例えば、RXが載置/除去された送電アンテナと他のRXへ送電中の送電アンテナが物理的に重複しているか否かにより判定する等である。この時、重複している場合には、他のRXへ送電中の送電アンテナにおける電気特性への影響、すなわち、異物検出への影響が高い確率で発生するため、電力損失の差分に基づいた判定を行うことなくCalibrationデータの再導出を行う。これにより、TXにおける異物の誤検出による不要な送電停止や送電効率の低下をより迅速に抑制することができる。
上述した実施形態では、RXが載置/除去された送電アンテナが、他のRXへ送電中の送電アンテナが隣接している場合に、電力損失の差分に基づきCalibrationデータの再導出を行うか否か判定した。しかしながら、電力損失は発熱等の影響を受けやすく、異物検出への影響があるにも関わらずなしと判定してしまう等の誤判定の可能性が否定できない。したがって、電力損失とは異なる別の値を用いて判定してもよい。例えば、RXの載置前と載置後の送電波形の減衰状態を表す時間領域におけるQ値(以降、第二Q値と呼ぶ)の差分が所定の基準値未満であるか否かにより判定を行う等である。これにより、より精度よく影響の有無を判定することが可能となり、送電-受電装置間の異物がない状態の電力損失を再度算出することで、送電処理中の異物検出精度を向上させることが可能となる。また、電力損失および第二Q値の両方を用いて判定してもよい。例えば、電力損失の差分に基づいた判定により、影響がないと判定された場合に、第二Q値の差分に基づき判定を行う等である。また、電力損失に基づいた判定の前に第二Q値に基づいた判定が行われてもよく、これに限るものではない。このように、複数の値を組み合わせることにより、1つの値を用いて判定した場合と比べてより高い確率で異物検出への影響の有無を判定することが可能となる。
第二Q値は、以下の式で表されてもよい。時間と電圧で表される送電波形において、A1は時間T1における電圧値、A2は時間T2における電圧値である。Fは、高周波電圧の周波数fである。
Q=πf(T2-T1)/ln(A1/A2) (式1)
第二Q値は、(A1-A2)/(T2-T1)から求められる直線の傾きの値から取得されてもよい。あるいは、観測する時間が固定であるならば、電圧値の差を表す(A1-A2)や、電圧値の比(A1/A2)の値を比較することで、RXの載置前と載置後の第二Q値を比較してもよい。あるいは、送電を行うときの電圧値A1が一定であるならば、所定の時間経過後の、電圧値A2の値を比較することでもよい。あるいは、電圧値A1が所定の電圧値A2になるまでの時間(T2-T1)の値を比較することでもよい。また、第二Q値は、時間と電流で表される送電波形に基づいて取得されてもよい。
また上述した実施形態においては、送電装置は、一つの送電部に、複数の送電アンテナから選択された一つの送電アンテナが接続される構成の場合について説明した。しかし、一つの送電アンテナには、複数の送電部が接続される構成であってもよい。すなわち、送電装置は、第一の送電部(送電回路)と第二の送電部(送電回路)を有し、第一の送電アンテナと第二の送電アンテナを有する場合、第一の送電アンテナには、第一の送電部、あるいは第二の送電部のどちらかが接続可能な構成であってもよい。ここで、第一の送電アンテナに第一の送電部(送電回路)が接続されており、受電装置に送電を実施していたが、第一の送電アンテナに接続する送電部(送電回路)を、第一の送電部(送電回路)から第二の送電部(送電回路)に切り替える場合について考える。第一の送電部と第二の送電部の電気特性が同一である場合、上述したCalibrationデータは変わらないので、すでに取得済みのCalibrationデータを用いて、上述の実施形態で述べた方法で、第二の送電部(送電回路)から受電装置に対して送電を実施することが可能である。一方で、第一の送電部と第二の送電部の電気特性が異なる場合は、上述したCalibrationデータも変化するため、すでに取得済みのCalibrationデータを用いて送電を行うことはできない。よって、上述の実施形態で述べた方法で、再度Calibrationデータを導出(取得)し、当該Calibrationデータを用いて第二の送電部(送電回路)から受電装置に対して送電を実施することが可能になる。なおこの時、送電装置は、送電対象のRXの情報と、送電に使用する送電アンテナの情報と、送電に使用する送電部(送電回路)の情報を対応付けた情報をメモリに保存しておく。
本発明は、上述の実施形態の1以上の機能を実現するプログラムを、ネットワーク又は記憶媒体を介してシステム又は装置に供給し、そのシステム又は装置のコンピュータにおける1つ以上のプロセッサがプログラムを読出し実行する処理でも実現可能である。また、1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても実現可能である。
発明は上記実施形態に制限されるものではなく、発明の精神及び範囲から離脱することなく、様々な変更及び変形が可能である。従って、発明の範囲を公にするために請求項を添付する。
100 送電装置(TX)、200~220 受電装置(RX)

Claims (14)

  1. 送電装置であって、
    1つ以上の受電装置へ無線で送電する送電手段と、
    前記1つ以上の受電装置との通信を行う通信手段と、
    前記通信手段を介して受電装置から受信された受電電力の値に基づいて、前記送電装置と前記受電装置との間の電力損失のデータを導出する導出手段と、
    前記電力損失のデータに基づいて、前記通信を行う受電装置とは異なる物体の検出を行う異物検出手段と、
    前記送電装置の送電可能範囲における送受電状態の変化を検出する検出手段と、を有し、
    前記送電手段により前記受電装置へ送電をしている間に、前記検出手段により前記送受電状態の変化が検出された場合に、前記導出手段は、前記電力損失のデータを再度導出する
    ことを特徴とする送電装置。
  2. 前記送電手段により前記受電装置へ送電をしている間に、前記送受電状態の変化として、前記検出手段により前記送電可能範囲に存在する受電装置の台数の変化が検出された場合に、前記導出手段は、前記電力損失のデータを再度導出することを特徴とする請求項1に記載の送電装置。
  3. 前記送電手段により前記受電装置へ送電をしている間に、前記検出手段により前記送電可能範囲に他の受電装置が追加されたことが検出された場合に、前記導出手段は、前記電力損失のデータを再度導出することを特徴とする請求項2に記載の送電装置。
  4. 前記送電手段により前記受電装置と他の受電装置へ送電をしている間に、前記検出手段により前記送電可能範囲から前記他の受電装置が除去されたことが検出された場合に、前記導出手段は、前記電力損失のデータを再度導出することを特徴とする請求項2に記載の送電装置。
  5. 前記送電手段により前記受電装置へ送電をしている間に、前記検出手段により前記送受電状態の変化が検出された場合に、当該送受電状態の変化に基づいて、前記電力損失のデータを再導出するかを判定する判定手段を更に有し、
    前記判定手段により前記電力損失のデータを再導出すると判定された場合に、前記導出手段は、前記電力損失のデータを再度導出することを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の送電装置。
  6. 前記送電手段により前記受電装置へ送電をしている間に、前記送受電状態の変化として、前記検出手段により前記送電可能範囲に他の受電装置が追加されたことが検出された場合、
    前記通信手段を介して受信された、前記送電手段による所定の送電電力に対する、前記他の受電装置の追加が検出される前と後での前記受電装置における受電電力の値の差分を算出する第1の算出手段をさらに有し、
    前記判定手段は、当該差分が所定の閾値以上である場合に、前記電力損失のデータを再導出すると判定することを特徴とする請求項5に記載の送電装置。
  7. 前記他の受電装置の追加が検出される前と後での前記受電装置における受電電力の値の少なくともいずれかは、複数の受電電力の値の時間平均値または中央値として示されることを特徴とする請求項6に記載の送電装置。
  8. 前記差分が前記所定の基準値以上である場合に、前記通信手段は、前記受電装置に対して、前記電力損失のデータを再度導出する通知を送信することを特徴とする請求項6または7に記載の送電装置。
  9. 受電装置へ無線で送電するための複数のアンテナを有し、
    前記複数のアンテナのうち、前記受電装置へ送電している第1の送電アンテナと、前記他の受電装置へ送電している第2のアンテナとの距離を算出する第2の算出手段を更に有し、
    前記第1の算出手段は、前記距離が所定の閾値以内である場合に、前記差分を算出することを特徴とする請求項6から8のいずれか1項に記載の送電装置。
  10. 前記第1の算出手段は、予め前記送電装置と前記受電装置との間で決定された、前記受電装置において保証される受電電力の値が所定の値以上の場合に、前記差分を算出することを特徴とする請求項6から9のいずれか1項に記載の送電装置。
  11. 前記判定手段により、前記電力損失のデータを再度導出すると判定された場合に、前記導出手段による前記電力損失のデータが導出されてから、前記異物検出手段は、前記物体の検出を行うことを特徴とする請求項6から10のいずれか1項に記載の送電装置。
  12. 前記送電装置は、Wireless Power Consortiumの規格に準拠することを特徴とする請求項1から11のいずれか1項に記載の送電装置。
  13. 送電装置の制御方法であって、
    1つ以上の受電装置へ無線で送電する送電工程と、
    前記1つ以上の受電装置との通信を行う通信工程と
    前記通信工程において受電装置から受信された受電電力の値に基づいて、前記送電装置と前記受電装置との間の電力損失のデータを導出する導出工程と、
    前記電力損失のデータに基づいて、前記通信を行う受電装置とは異なる物体の検出を行う異物検出工程と、
    前記送電装置の送電可能範囲における送受電状態の変化を検出する検出工程と、
    前記送電工程における前記受電装置への送電の間に、前記検出工程において前記送受電状態の変化が検出された場合に、前記電力損失のデータを再度導出する再導出工程と、
    を有することを特徴とする制御方法。
  14. コンピュータを、請求項1から12のいずれか1項に記載の送電装置として機能させるためのプログラム。
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