JP2022019611A - 外用医薬組成物 - Google Patents

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浩之 市川
Hiroyuki Ichikawa
小織 坂本
Saori Sakamoto
大之 田中
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Abstract

【課題】 ミノキシジルと低級アルコールを含有する外用医薬組成物を収容する包装容器にデラミネーションが生じない外用医薬組成物を提供する。【解決手段】 二層以上の層を含み、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、又は環状ポリオレフィンからなる層を最内層とする積層フィルムを含む容器中に、(a)ミノキシジル、及び(b)低級アルコールを含有する外用医薬組成物が、前記積層フィルムの最内層と接して収容された製品。【選択図】なし

Description

本発明は、ミノキシジルと低級アルコールを含有する外用医薬組成物であり、最内層が特定の材質である包装容器に収容されてなる外用医薬組成物に関する。
ミノキシジルは化学名を6-(1-ピペリジニル)-2、4-ピリミジンジアミン-3-オキサイドと称し、育毛剤としての適応が知られており(特許文献1)、優れた育毛・発毛効果を発揮する薬剤として多数の報告がある。ミノキシジルを配合した育毛剤に求められる基本的な性能は、頭皮からのミノキシジルの吸収性に優れることである(特許文献2)。
特許文献1には、ミノキシジルを含有する育毛剤をアルミピロー包装された単回使用容器(ユニットドーズ容器)に収容したことが開示されているものの、包装材料の最内層の材質に関することは開示されていない。
特許文献2には、薬物とエタノールと酸を含む外用液剤を含み、該包材の層構成が外用液剤側からポリエチレン層、アルミニウム層、ポリエチレンテレフタレート層である外用液剤が記載されているが、デラミネーションに関する課題については記載されていない。
特許文献3には基材層、バリア層、シーラント層等を、積層した積層体を、シーラントして作成した包装袋に、高濃度アルコールのような浸透性の高い液体を収容すると長期保存中に包装袋が破損するという課題があることが知られているが、ミノキシジルを含有した液体を収容する方法については記載されていない。
特許文献4には、アルコールを含む内容物を積層体パウチに充填した場合、プラスチック基材とシーラント層との間のラミネート強度の経時的な低下やデラミネーション(剥離)を起こしやすく、特に、内容物が消毒有効成分としてアルコールを含む消毒液である場合には、アルコールの他に、香料、クエン酸、乳酸等の添加剤が含まれることが多いため、アルコールとともにこれら成分が包材内を浸透透過して、上記の問題をより一層発生させやすくすることが記載されている。
特開平11-46849号公報 特開2017-190314号公報 特開2016-124565号公報 特開2013-173258号公報
ミノキシジルを含有する育毛剤には、ミノキシジルを溶解するために高濃度アルコール類が配合されている。しかしながら、包装用材料にミノキシジルを含有する育毛剤を収容した際の課題については知られていない。
本発明は、ミノキシジルと低級アルコールを含有する外用医薬組成物を、最内層が特定の材質である包装用材料(単回使用容器)に収容することで、包装容器にデラミネーションが生じない外用医薬組成物を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明は、(a)ミノキシジル、(b)低級アルコール、を含有する外用医薬組成物であって、最内層の材質がポリエチレン層、ポリエチレンテレフタレート層、環状ポリオレフィン層からなる積層フィルムに該外用医薬組成物が収容されてなる外用医薬組成物を提供する。
すなわち本発明は以下を包含する。
[1] 二層以上の層を含み、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、又は環状ポリオレフィンからなる層を最内層とする積層フィルムを含む容器中に、(a)ミノキシジル、及び(b)低級アルコールを含有する外用医薬組成物が、前記積層フィルムの最内層と接して収容された製品。
[2] 前記外用医薬組成物が1~15w/v%のミノキシジルを含む、[1]に記載の製品。
[3] 前記低級アルコール(b)が炭素数1~5の低級アルコールである、[1]又は[2]に記載の製品。
[4] 前記外用医薬組成物が多価アルコールを更に含有する、[1]乃至[3]のいずれか一項に記載の製品。
[5] 前記多価アルコールが、1,3-ブチレングリコール、ジプロピレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、及びポリエチレングリコールからなる群から選択される少なくとも1種である、[4]に記載の製品。
[6] 前記外用医薬組成物がpH調整剤を更に含有する、[1]乃至[5]のいずれか一項に記載の製品。
[7] 前記外用医薬組成物が5~75w/v%の水を含む、[1]乃至[6]のいずれか一項に記載の製品。
[8] 前記外用医薬組成物が高級脂肪酸を更に含有する、[1]乃至[7]のいずれか一項に記載の製品。
[9] 前記外用医薬組成物が、液剤、ゲル剤、クリーム剤、ローション剤又はトニック剤である、[1]乃至[8]のいずれか一項に記載の製品。
[10] 前記外用医薬組成物が5.0以上9.2以下のpHを有する、[1]乃至[9]のいずれか一項に記載の製品。
[11] 前記容器中に、1回の使用量の前記外用医薬組成物が収容された、[1]乃至[10]のいずれか一項に記載の製品。
[12] 前記容器が0.1~2mLの容量を有する、[1]乃至[11]のいずれか一項に記載の製品。
[13] 前記容器がパウチである、[1]乃至[12]のいずれか一項に記載の製品。
ミノキシジルを含有する育毛剤を積層フィルムに収容した際、意外なことに、積層フィルムの最内層の材質によってデラミネーションの発生に異なる結果が得られた。
本発明により、(a)ミノキシジル、(b)低級アルコールを含有する外用医薬組成物であって、該外用医薬組成物を最内層の材質がポリエチレン層、ポリエチレンテレフタレート層、環状ポリオレフィン層からなる積層フィルムに収容することにより、包装容器にデラミネーションが生じない外用医薬組成物を提供することが可能になった。
<外用医薬組成物>
本発明に係る外用医薬組成物は、(a)ミノキシジル、及び(b)低級アルコールを含有する。
本発明の外用医薬組成物において用いるミノキシジルは、通常医薬品に用いられる品質のものを適宜使用することができる。本発明に用いるミノキシジルの含有量に特に制限はないが、外用医薬組成物全体に対して、通常1w/v%以上、好ましくは3w/v%以上、更に好ましくは5w/v%以上であり、通常15w/v%以下、好ましくは15w/v%未満、更に好ましくは10w/v%以下である。
本発明の低級アルコールとしては特に限定はないが、炭素数1~5のものが好ましく、例えばエタノールやイソプロパノールなどが好ましく、これらを組み合わせて使用しても良い。本発明の外用医薬組成物中の低級アルコールの含有量は、全組成物中20w/v%以上が好ましく、より好ましくは30w/v%以上であり、更に好ましくは35w/v%以上であり、更に好ましくは50w/v%以上である。上限は80w/v%が好ましい。
本発明の外用医薬組成物には必要により多価アルコールを配合することができる。多価アルコールの例としては、1,3-ブチレングリコール、ジプロピレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、ポリエチレングリコール等が挙げられ、これらを1種又は2種以上組み合わせてもよい。多価アルコールの含有量は、本発明の外用医薬組成物中好ましくは5w/v%以上、より好ましくは10w/v%以上であり、上限はべたつきが少なくなるなどの使用感も考慮すると30w/v%以下が好ましい。
本発明の外用医薬組成物には、pH調整剤を更に含有させることができる。そのようなpH調整剤の具体例としては、例えば、クエン酸、乳酸、酒石酸、グルコン酸、酢酸、マレイン酸、リンゴ酸及びピルビン酸等の有機酸、塩酸、硫酸、リン酸、ホウ酸及び硝酸等の無機酸が挙げられる。
本発明の外用医薬組成物には必要により水を配合することができる。水の含有量は外用医薬組成物中、通常1w/v%以上、好ましくは5w/v%以上であり、より好ましくは8w/v%以上、最も好ましくは15w/v%以上であり、通常75w/v%以下、好ましくは50w/v%以下、より好ましくは30w/v%以下、最も好ましくは30w/v%未満である。本発明の外用医薬組成物中の水の含有量の測定は、カール・フィッシャー法により行うことができる。
本発明の外用医薬組成物には、必要により高級脂肪酸を配合することができる。高級脂肪酸の例としては、炭素数10~22のものが好ましく、例えばイソステアリン酸、オレイン酸、ステアリン酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、パルミトレイン酸、リノール酸、リノレン酸、エライジン酸、アラキジン酸、アラキドン酸、ベヘン酸、エイコサペンタエン酸、ドコサヘキサエン酸等が挙げられ、これらを1種又は2種以上組み合わせてもよい。このうち、炭素数18のものが好ましく、特にイソステアリン酸又はオレイン酸が好ましい。高級脂肪酸の配合量は、全組成物中通常0.1w/w%以上、好ましくは1w/w%以上であり、通常10w/w%以下、好ましくは6w/w%以下である。
本発明の外用医薬組成物は、上記した各成分の他に、本発明の効果を損なわない範囲で、必要な活性成分や補助成分を加えることができる。本発明の外用医薬組成物に添加、配合することが好ましい薬効成分としては、メントール、ビタミンEアセテート、ヒノキチオール、塩酸ピリドキシン、グリチルレチン酸、塩酸ジフェンヒドラミン、パントテニールエチルエーテル、パンテノールから成る群より選ばれた成分が挙げられる。これら添加量は、特に制約はなく、使用感やミノキシジルの安定性又は溶剤系組成等を考慮しながら実験的に定めることができる。
本発明の外用医薬組成物においては、上記した成分の他、本発明の効果を損なわない範囲で、一般の外用剤に用いられる種々の活性成分や補助成分を配合することができる。例えば、賦形剤、育毛成分(6-ベンジルアミノプリン、アデノシン、ペンタデカン酸グリセリド、何首鳥等)、血管拡張剤(塩化カルプロニウム、ニコチン酸ベンジル、センブリ抽出液、オタネニンジンエキス、チクセツニンジンチンキ、トウガラシチンキ等)、抗ヒスタミン剤(塩酸イソチペンジル等)、抗炎症剤(グアイアズレン等)、角質溶解剤(サリチル酸等)、殺菌剤(グルコン酸クロルヘキシジン、イソプロピルメチルフェノール、第4級アンモニウム塩、ピロクトンオラミン等)、保湿剤(ヒアルロン酸又はその塩、コンドロイチン硫酸等)、各種動植物(イチイ、ボタンピ、カンゾウ、オトギリソウ、附子、ビワ、カワラヨモギ、コンフリー、アシタバ、サフラン、サンシシ、ローズマリー、セージ、モッコウ、セイモッコウ、ホップ、プラセンタ、ノコギリヤシ、パンプキンシード等)の抽出物、ビタミン類(アスコルビン酸、硝酸チアミン、シアノコバラミン、ビオチン等)、抗酸化剤(ジブチルヒドロキシトルエン、ピロ亜硫酸ナトリウム、トコフェロール、エデト酸ナトリウム、アスコルビン酸、イソプロピルガレート等)、溶解補助剤(アジピン酸ジイソプロピル、ミリスチン酸イソプロピル、各種植物油、各種動物油、アルキルグリセリルエーテル、炭化水素類等)、代謝賦活剤、ゲル化剤(水溶性高分子等)、粘着剤、香料、清涼化剤(ハッカ油、カンフル等)、染料等の通常使用される成分を配合することができる。
また、本発明の外用医薬組成物は、液状の剤形であることが好ましく、液剤、ゲル剤、クリーム剤、ローション剤、トニック剤などの適当な外用医薬組成物とすることができる。
本発明の外用医薬組成物の調製は、常法に従い、上記各成分を含有することにより調製される。
本発明の外用医薬組成物のpHには、組成物中に含まれる上記各成分に変性、分解等の悪影響を及ぼさない限り、特に制限はないが、好ましくは5.0以上、又は6.0以上であり、9.2以下、8.0以下、又は7.0以下である。
かくして得られる本発明の外用医薬組成物は、頭髪用剤、睫毛用剤、眉毛用剤等の皮膚適用製剤等として使用することができる。
<容器>
本発明に係る容器は包装用材料によって構成され、当該包装用材料は、外用医薬組成物と接する内層及び外用医薬組成物と接しない層(外層、中間層等)を含む、二層以上の層を含む多層構造を有する。
外用医薬組成物と接する層を構成する材料については、PET(ポリエチレンテレフタレート)系、PE(ポリエチレン)系、COC(環状オレフィンコポリマー)系が好ましい。
外用医薬組成物と接しない層(外層又は中間層)を構成する材料については特に制限されない。構成する材料は、例えば、樹脂、金属及びガラスよりなる群から選択される1種以上を含んでもよい。本発明による効果をより顕著に奏する観点から、樹脂を含むことが好ましい。
外用医薬組成物と接しない層を構成する材料に含まれる樹脂としては、例えば、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂が挙げられる。
熱可塑性樹脂としては、例えば、熱変形温度(融点)が150℃以上380℃未満の熱可塑性樹脂(非結晶性の樹脂として、PES(ポリエーテルサルフォン)、PEI(ポリエーテルイミド)、PAI(ポリアミドイミド)等;結晶性の樹脂として、PEEK(ポリエーテルエーテルケトン)、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)、PPS(ポリフェニレンスルファイド)、PEN(ポリエチレンナフタレート)等);熱変形温度(融点)が100℃以上150℃未満の熱可塑性樹脂(非結晶性の樹脂として、PC(ポリカーボネート)、PPE(変性ポリフェニレンエーテル)等;結晶性の樹脂として、PA(ポリアミド)、PET(ポリエチレンテレフタレート)、PBT(ポリブチレンテレフタレート)、POM(ポリアセタール)、EVOH(エチレン・ビニルアルコールコポリマー)、COC(環状オレフィンコポリマー)、COP(環状オレフィンポリマー)等);熱変形温度(融点)が100℃未満の熱可塑性樹脂(非結晶性の樹脂として、PMMA(ポリメタクリル酸メチル)、PS(ポリスチレン)、ABS(アクリロニトリルブタジエンスチレン)等;結晶性の樹脂として、PP(ポリプロピレン)、PE(ポリエチレン;LDPE(低密度ポリエチレン)、MDPE(中密度ポリエチレン)、HDPE(高密度ポリエチレン)、LLDPE(直鎖状低密度ポリエチレン))等)が挙げられる。
熱硬化性樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、又はこれらのうち少なくとも2つ以上を組み合わせてなる樹脂(例えば、エポキシフェノール、エポキシフェノールメラミン等)等が挙げられる。
外用医薬組成物と接しない層を構成する材料に含まれる金属としては、例えば、アルミニウム等が挙げられる。
外用医薬組成物と接しない層を構成する材料には、安定化剤、改質剤、着色剤、紫外線吸収剤、金属酸化物、酸素吸収剤、抗菌剤、可塑剤、ガラス繊維等の添加剤が含まれていてもよい。
<容器への外用医薬組成物の収容>
本実施形態に関わる外用医薬組成物は、前記積層フィルムの最内層と接するように前記容器に収容されて提供される。
本発明の外用医薬組成物を容器に収容する方法については特に限定されない。充填機を用いて収容してもよいし、ピペット等の器具を用いて収容してもよい。
前記容器中に、1回の使用量の前記外用医薬組成物が収容されていれば、消費者のために大変便利である。具体的には、前記容器の容量は、通常0.1mL以上、好ましくは0.5mL以上、より好ましくは0.8mL以上、最も好ましくは0.8mL超であり、通常2mL以下、好ましくは2mL未満、より好ましくは1.5mL以下、最も好ましくは1.2mL以下である。1mL±0.1mLであることが特に好ましい。
更に、本発明に係る外用医薬組成物は、前記外用医薬組成物が収容された容器が複数個(例えば、2個、3個、4個、5個、6個、7個、8個、9個、又は10個)連設された外用医薬組成物キット(連設容器入り外用医薬組成物)として提供されてもよい。当該外用医薬組成物キットは、1回使用毎に指等で連設部を切り離し、切り離した包装用材料に収容された外用医薬組成物を使用するように用いることができる。この場合、各容器に収容される外用医薬組成物の量は特に限定されないが、通常0.1~2mLの範囲内であり、例えば、0.5~2mLであることが好ましく、0.5~1.5mLであることがより好ましく、0.8~1.2mLであることが更に好ましく、1mL±0.1mLであることが特に好ましい。
容器の形状は特に限定されず、目的、用途に応じて適宜設定すればよい。例えば、一体成形された容器であってもよく、チューブ容器であってもよく、シートを貼り合わせた容器であってもよい。特に、容器がパウチであると使い勝手が良い。
以下に、実施例、比較例を記載し、本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例により何ら制約されるものではない。
使用した原料について、最内層の材質、メーカー名を以下表1、表3、表5に示す。
(試験液の調製-1)
ミノキシジル5g、1,3-ブチレングリコール10g、エタノール60g、リン酸適量、ジブチルヒドロキシトルエン0.05g、精製水で全量を100mLとし、撹拌溶解してpH6.14の外用医薬組成物を得た。
(接着性評価-1)
得られた外用医薬組成物を下記の表1に示す各積層フィルム包装材料に1mL充填し、40℃75%加湿条件下にて180日間保存した。包装材料をハサミで切り開き、内面に残った製剤を拭きとった後、包装材料を表面に皺が残る程度まで揉み、層間剥離の状態を目視で確認した。
Figure 2022019611000001
表1中の略号の意味は以下の通りである。
PE: ポリエチレン
LLDPE:直鎖状低密度ポリエチレン
PET:ポリエチレンテレフタレート
COC:環状オレフィンコポリマー
EVOH:エチレン・ビニルアルコール共重合体
CPP:無延伸ポリプロピレン
表1には最内層のみを表示したが、各包装材料は、最内層及び最内層以外の層からなる積層材である。
Figure 2022019611000002
(試験液の調製-2)
ミノキシジル5g、1,3-ブチレングリコール10g、グリセリン10g、エタノール50g、イソステアリン酸1g、ジブチルヒドロキシトルエン0.2g、精製水で全量を100mLとし、撹拌溶解してpH6.77の外用医薬組成物を得た。
(接着性評価-2)
得られた外用医薬組成物を下記の表3に示す各積層フィルム包装材料に1mL充填し、50℃条件下にて60日間及び40℃75%加湿条件下にて180日間保存した。包装材料をハサミで切り開き、内面に残った製剤を拭きとった後、包装材料を表面に皺が残る程度まで揉み、層間剥離の状態を目視で確認した。
Figure 2022019611000003
Figure 2022019611000004
(試験液の調製-3)
ミノキシジル5g、1,3-ブチレングリコール20g、グリセリン10g、エタノール48g、精製水で全量を100mLとし、撹拌溶解してpH9.05の外用医薬組成物を得た。
(接着性評価-3)
得られた外用医薬組成物を下記の表5に示す各積層フィルム包装材料に1mL充填し、65℃条件下にて14日間及び40℃75%加湿条件下にて180日間保存した。包装材料をハサミで切り開き、内面に残った製剤を拭きとった後、包装材料を表面に皺が残る程度まで揉み、層間剥離の状態を目視で確認した。
Figure 2022019611000005
Figure 2022019611000006
なお、包装材料1と4、2と3、9と10、7と13、6と14と15は最内層材質とメーカー名は同じであるが、最内層以外の層構成が異なる。
表2、4、6に示した通り、最内層がEVOH層、CPP層であった比較例1、2の包装容器では剥離が認められたのに対して、実施例1~19の包装容器には剥離が認められなかった。
(試験液の調製-4)
ミノキシジル5g、1,3-ブチレングリコール10g、グリセリン10g、エタノール50g、イソステアリン酸1g、ジブチルヒドロキシトルエン0.2g、精製水で全量を100mLとし、撹拌溶解してpH6.74の外用医薬組成物を得た。
(試験液の調製-5)
ミノキシジル5g、1,3-ブチレングリコール20g、グリセリン10g、エタノール48g、精製水で全量を100mLとし、撹拌溶解してpH8.93の外用医薬組成物を得た。
(試験液の調製-6)
ミノキシジル5g、1,3-ブチレングリコール20g、グリセリン10g、エタノール48g、リン酸0.6mL、精製水で全量を100mLとし、撹拌溶解してpH5.99の外用医薬組成物得た。
(着色評価)
得られた外用組成物を包装材料―13及びポリエチレンテレフタレート(PET)製容器(3mL容量、マルエム社製)に1mL充填し、50℃条件下にて30日間保存した後、紫外線可視分光光度計(UV-2450、島津製作所)にて波長420nmにおける吸光度を測定し、着色の進行度を以下の計算式を用いて算出した。
着色進行度=吸光度(50℃30日間保存後)/吸光度(評価開始前)
各試験液ごとに包装材料-13に入れた際の着色進行度がPET製容器に入れた際と比較してどれくらい変化しているか,以下計算式を用いて算出した。
着色変化率(%)=包装材料-13で保管した際の着色進行度/PET製容器で保管した際の着色進行度×100
Figure 2022019611000007
Figure 2022019611000008
表8に示した通り、リン酸を配合した試験液-6では、包装材料-13に充填した液がPET製容器に充填した液に比べて着色の変化が大きく、製剤の着色が悪化した。一方、試験液-4及び試験液-5では包装材料に充填した際の着色の変化が小さく包装材料に充填した際の着色の悪化を抑制できた。
また、本発明の外用組成物として、例えばミノキシジル0.1~10w/v%、活性成分や補助成分としてメントール0.1~5w/v%、ビタミンEアセテート0.001~1w/v%、塩酸ピリドキシン0.001~1w/v%、ヒノキチオール0.001~1w/v%、グリチルレチン酸又はグリチルリチン酸ジカリウム0.001~1w/v%、塩酸ジフェンヒドラミン0.001~1w/v%、パントテニールエチルエーテル又はパンテノール0.1~5w/v%、アラントイン0.001~1w/v%、イソプロピルメチルフェノール0.001~1w/v%、尿素1~5w/v%、ニコチン酸ベンジル0.001~1w/v%、クロタミトン1~5w/v%、アミノ安息香酸エチル0.5~5w/v%、セチリピリジニウム及び/又はその塩0.04~0.2w/v%、ベンゼトニウム及び/又はその塩0.05~0.5w/v%、ベンザルコニウム及び/又はその塩0.05~0.5w/v%、アズレンスルホン酸ナトリウム0.001~1w/v%、1,3-ブチレングリコール2~30w/v%、グリセリン1~30w/v%、プロピレングリコール1~30w/v%、エタノール20~70w/v%、抗酸化剤(ジブチルヒドロキシトルエン、ジブチルヒドロキシアニソール、ピロ硫酸ナトリウム、エデト酸ナトリウム、又は没食子酸ピロピル)0.001~1w/v%、pH調整剤適量、グリシン0.00001~1w/v%、L-アルギニン0.00001~1w/v%、アスコルビン酸0.000001~1w/v%を配合し、残量を水で調製したものが挙げられる。これら活性成分や補助成分は使用感やミノキシジルの安定性あるいは溶剤系組成等を考慮し適宜配合することができる。これらの外用組成物を最内層の材質がポリエチレン層、ポリエチレンテレフタレート層、環状ポリオレフィン層、ポリプロピレン、エチレン・ビニルアルコール共重合体からなる積層フィルムに収容することができる。処方例を表9に示す。
Figure 2022019611000009

Figure 2022019611000010

Figure 2022019611000011

Figure 2022019611000012
本発明により、(a)ミノキシジル、(b)低級アルコールを含有する外用医薬組成物であって、該外用医薬組成物を最内層の材質がポリエチレン層、ポリエチレンテレフタレート層、環状ポリオレフィン層からなる積層フィルムに収容することにより、包装容器にデラミネーションが生じない外用医薬組成物を提供することが可能になった。

Claims (13)

  1. 二層以上の層を含み、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、又は環状ポリオレフィンからなる層を最内層とする積層フィルムを含む容器中に、(a)ミノキシジル、及び(b)低級アルコールを含有する外用医薬組成物が、前記積層フィルムの最内層と接して収容された製品。
  2. 前記外用医薬組成物が1~15w/v%のミノキシジルを含む、請求項1に記載の製品。
  3. 前記低級アルコール(b)が炭素数1~5の低級アルコールである、請求項1又は2に記載の製品。
  4. 前記外用医薬組成物が多価アルコールを更に含有する、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の製品。
  5. 前記多価アルコールが、1,3-ブチレングリコール、ジプロピレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、及びポリエチレングリコールからなる群から選択される少なくとも1種である、請求項4に記載の製品。
  6. 前記外用医薬組成物がpH調整剤を更に含有する、請求項1乃至5のいずれか一項に記載の製品。
  7. 前記外用医薬組成物が5~75w/v%の水を含む、請求項1乃至6のいずれか一項に記載の製品。
  8. 前記外用医薬組成物が高級脂肪酸を更に含有する、請求項1乃至7のいずれか一項に記載の製品。
  9. 前記外用医薬組成物が、液剤、ゲル剤、クリーム剤、ローション剤又はトニック剤である、請求項1乃至8のいずれか一項に記載の製品。
  10. 前記外用医薬組成物が5.0以上9.2以下のpHを有する、請求項1乃至9のいずれか一項に記載の製品。
  11. 前記容器中に、1回の使用量の前記外用医薬組成物が収容された、請求項1乃至10のいずれか一項に記載の製品。
  12. 前記容器が0.1~2mLの容量を有する、請求項1乃至11のいずれか一項に記載の製品。
  13. 前記容器がパウチである、請求項1乃至12のいずれか一項に記載の製品。
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