JP2005261598A - 包装体入りアズレン誘導体含有組成物 - Google Patents

包装体入りアズレン誘導体含有組成物 Download PDF

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Abstract

【課題】 本発明の目的は、光によるアズレン誘導体の分解を抑制できる包装体にアズレン誘導体含有組成物を収容している、包装体入り組成物を提供することである。
【解決手段】 アズレン誘導体を含有する組成物を、波長320〜450nmの光線を遮断する遮光手段が施されている包装体に収容する。
【選択図】 なし

Description

本発明は、包装体入りアズレン誘導体含有組成物に関する。更に詳しくは、光によるアズレン誘導体の分解を抑制できる包装体に、アズレン誘導体含有組成物を収容している包装体入り組成物に関する。また、本発明は、アズレン誘導体の光分解を抑制する方法に関する。
アズレン誘導体は、光によって徐々に分解し、退色する性質があり、アズレン誘導体を含有する医薬製剤では、製品の色調変化とそれに伴う薬効の低下が不可避的に生じてしまう。特に、アズレン誘導体は、水溶液中では光に極めて不安定であるので、水性組成物において、かかる不都合が顕著に現れる。そのため、アズレン誘導体を含有する医薬製剤、特に水性医薬製剤では、製造や市場流通段階での安定性と共に開封後の長期安定性を担保することが極めて重要である。
従来、光に不安定な薬理活性物質を含有する製剤を安定に保存するために、アルミ製包装袋や紫外線吸収剤を練り込んだ包装体等に製剤を充填したり、光を透過しにくいビニール製収容袋や紙箱に収容して携帯保管できるように工夫が施されている。しかしながら、従来使用されている包装体では、アルミ等の光を完全に遮断できるものを除いては、アズレン誘導体の光による分解を有効に抑制できていないのが現状である。また、光を完全に遮断している包装体は、コストが高くなるという問題点に加え、外観が悪くなるので消費者に受け入れ難くなるといった欠点があり、実用的なものではない。
更に、点眼剤、洗眼剤や注射剤といった医薬製剤では、品質管理において異物確認試験が薬事法上(日本薬局方で)規定されており、医薬製剤の容器は内部を観察できる透明の容器であることが要求されている。また、このような規定のない製剤であっても、使用者にとっては、残存量の確認のためにも内部を肉眼で観察できる程度の透明性を備えている容器が望ましいといえる。
一方、製剤処方の観点から、アズレン誘導体に安定性を付与することが種々報告されている。例えば、キサンチン化合物(特許文献1)、エデト酸又はその塩(特許文献2)、ラウリル硫酸ナトリウム(特許文献3)、炭酸水素塩及びアルコール類(特許文献4)、アルミニウム塩(特許文献5)等の物質がアズレン誘導体に安定性を付与することが報告されており、これらの物質をアズレン誘導体含有組成物に配合することが試みられている。また、アズレン誘導体にβ又はγシクロデキストリンを反応させることにより、アズレン誘導体に光安定性を付与できることも報告されている(特許文献6)。しかしながら、薬物を収容する包装体を改変することにより光に対してアズレン誘導体を安定に保持する手段については一切報告されていない。
このような従来技術を背景として、光によるアズレン誘導体の分解を抑制できる包装体にアズレン誘導体を収容している包装体入り組成物の開発が望まれていた。特に、内部を視認できる包装体によって、アズレン誘導体に光に対する安定性を備えさせる技術の開発が求められていた。
特開1−121216号公報 特開2003−128537号公報 特開昭60−199831号公報 特公平7−35342号公報 特公昭65−4485号公報 特開昭56−30927号公報
本発明の目的は、上記従来技術の課題を解決することである。詳細には、本発明は、光によるアズレン誘導体の分解を抑制できる包装体にアズレン誘導体含有組成物を収容している、包装体入り組成物を提供することを目的とする。特に、包装体として、内部を視認できる包装体が用いられている、上記の包装体入り組成物を提供することを目的とする。また、本発明は、アズレン誘導体の光による分解を抑制する方法を提供することを目的とする。
本発明者等は、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、波長320〜450nmの光線を遮断する包装体にアズレン誘導体を収容することにより、収容されたアズレン誘導体の光による分解を抑制できることを見出した。更に、波長320〜450nmの光線を遮断する上記包装体は、内部の視認が可能となる程度に透明な包装体として調製できるので、当該包装体を採用することにより、アズレン誘導体の光による分解を抑制し、且つ内部視認性をも確保できることを見出した。本発明は、かかる知見に基づいて、更に検討を重ねることによって完成したものである。
即ち、本発明は、下記に掲げる包装体入り組成物である:
項1. 一般式(1)で表される化合物
Figure 2005261598
(式中、R1、R2及びR3は、同一又は異なって、水素原子又はアルキル基を示し、R4は酸性基又はその塩を示す)
を含有する組成物を、波長320〜450nmの光線を遮断する包装体に入れてなる、包装体入り組成物。
項2. 包装体の波長320〜450nmの波長領域の平均光透過率が20%以下である、項1に記載の包装体入り組成物。
項3. 包装体が透明部分を有するものである、項1又は2に記載の包装体入り組成物。
項4. 組成物が、点眼剤、洗眼剤、含嗽用剤、注射剤、皮膚外用剤、点鼻剤、口腔用製剤又はコンタクトレンズ用剤である、項1乃至3のいずれかに記載の包装体入り組成物。
また、本発明は、下記に掲げるアズレン誘導体の光分解抑制方法である:
項5. 一般式(1)で表される化合物
Figure 2005261598
(式中、R1、R2及びR3は、同一又は異なって、水素原子又はアルキル基を示し、R4は酸性基又はその塩を示す)
の光による分解を抑制する方法であって、当該一般式(1)で表される化合物を含有する組成物を、波長320〜450nmの光線を遮断する包装体に収容することを特徴とする光分解抑制方法。
以下、本発明を詳細に説明する。なお、本明細書において、水性組成物(又は製剤)とは、組成物(又は製剤)中に水を少なくとも5重量%以上、好ましくは20重量%以上、更に好ましくは50重量%以上含有するものを意味する。
(I)包装体入り組成物
本発明の包装体入り組成物は、アズレン誘導体を含有する組成物(以下、単にアズレン誘導体含有組成物ということもある)が、波長320〜450nmの光線を遮断する包装体に収容されてなるものである。
アズレン誘導体含有組成物
本発明の包装体入り組成物の含有成分であるアズレン誘導体とは、下記一般式(1)で表される化合物又はその塩である。
Figure 2005261598
一般式(1)中、R1、R2及びR3は、同一又は異なって、水素原子又はアルキル基であり、R4は酸性基又はその塩である。
一般式(1)において、R1〜R3で表されるアルキル基としては、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、s−ブチル、t−ブチル、ヘキシル基等の直鎖状又は分岐鎖状C1-6アルキル基が例示できる。好ましいアルキル基は、直鎖状又は分岐鎖状C1-4アルキル基である。
一般式(1)において、好ましくは、R1及びR2は、同一又は異なって水素原子又はC1-2アルキル基(特にメチル基)であり、R3は直鎖状又は分岐鎖状C2-4アルキル基(特にC2-3アルキル基)である。
一般式(1)において、R4で表される酸性基としては、スルホン酸基、カルボキシル基などが例示でき、酸性基の塩としては、アンモニウム塩、アルカリ金属(ナトリウム、カリウム、リチウムなど)との塩、アルカリ土類金属(カルシウム、マグネシウム、バリウムなど)との塩等が例示できる。R7で表される酸性基又はその塩の代表的な例は、スルホン酸基又はそのナトリウム塩である。
一般式(1)で表される化合物の具体例としては、例えば、ジメチルイソプロピルアズレン(グアイアズレン、1,4−ジメチル−7−イソプロピルアズレン)、アズレンスルホン酸(水溶性アズレン、グアイアズレンスルホン酸、1,4−ジメチル−7−イソプロピルアズレン−3−スルホン酸)、ジメチルエチルアズレン(カマアズレン、1,4−ジメチル−7−エチルアズレン)、1,4−ジメチル−7−エチルアズレン−3−スルホン酸(カマアズレンスルホン酸)などが使用できる。
また、一般式(1)で表される化合物は、薬学的又は生理学的に許容されることを限度として、塩の形態で使用してもよい。薬理学的又は生理学的に許容できる塩としては、例えば、有機酸塩(例えば、乳酸塩、酢酸塩、酪酸、トリフルオロ酢酸塩、フマル酸塩、マレイン酸塩、酒石酸塩、クエン酸塩、コハク酸塩、マロン酸塩、メタンスルホン酸塩、トルエンスルホン酸塩、トシル酸塩、パルミチン酸塩、ステアリン酸塩等)、無機酸塩(例えば、塩酸塩、硫酸塩、硝酸塩、臭化水素酸塩、リン酸塩等)、有機塩基との塩(例えば、メチルアミン、トリエチルアミン、トリエタノールアミン、モルホリン、ピペラジン、ピロリジン、アミノ酸、トリピリジン、ピコリンなどの有機アミンとの塩等)、無機塩基との塩(例えば、アンモニウム塩、ナトリウム、カリウムなどのアルカリ金属、カルシウム、マグネシウム等のアルカリ土類金属、アルミニウム等の金属との塩等)等が例示できる。
上記一般式(1)で表される化合物の内、好ましくはジメチルイソプロピルアズレン、アズレンスルホン酸、及びこれらの塩、更に好ましくはジメチルイソプロピルアズレン及びそのスルホン酸塩が例示される。
本発明において、上記一般式(1)で表される化合物又はその塩は、1種単独で使用しても、また2種以上を任意に組み合わせて使用してもよい。
更に、一般式(1)で表される化合物又はその塩は、他の物質との混合物の形態で用いてもよい。このような混合物の例としては、例えば、アズレンスルホン酸ナトリウム・L−グルタミン、アズレンスルホン酸ナトリウム・炭酸水素ナトリウム等が例示できる。
本発明において包装体に収容される組成物は、上記アズレン誘導体と共に、薬学的に(製薬上)許容される基材や担体、その他添加剤を適宜配合して調製される。
アズレン誘導体含有組成物中のアズレン誘導体の濃度は、組成物の用途、剤形、使用形態等によって異なるが、例えば、一日使用(又は投与)量として、0.05〜20mg、好ましくは1〜5mgとなるように適宜設計することができる。例えば、組成物の総重量に対してアズレン誘導体が0.00001〜10重量%、好ましくは0.00001〜5重量%となる割合を挙げることができる。また例えば、アズレン誘導体含有組成物が水性組成物の場合であれば、該水性組成物の総重量に対してアズレン誘導体が、更に好ましくは0.0001〜1重量%、特に好ましくは0.0001〜0.1重量%となる割合を挙げることができる。
本発明において、アズレン誘導体含有組成物に、上記アズレン誘導体と共に、更にキレート剤を組み合わせて配合すると、さらに安定性の高い組成物が得られる。当該キレート剤としては、例えば、エデト酸(エチレンジアミン四酢酸,EDTA)、エチレンジアミン二酢酸(EDDA)、ジエチレントリアミン五酢酸(DTPA)、N−(2−ヒドロキシエチル)エチレンジアミン三酢酸(HEDTA)、N−(2−ヒドロキシエチル)イミノ二酢酸(HIDA)、クエン酸、酒石酸、リン酸類(ポリリン酸、ヘキサメタリン酸、メタリン酸)、コハク酸、トリヒドロキシメチルアミノメタン、ニトリロトリ酢酸、1−ヒドロキシエタン−1,1−ジホスホン酸などが例示できる。これらのキレート剤は1種又は2種以上配合でき、薬理学的に又は生理学的に許容される塩として使用してもよい。好ましいキレート剤としては、エチレンジアミン四酢酸、クエン酸およびこれらの塩である。特に好ましいキレート剤は、エチレンジアミン四酢酸又はその塩、例えば、エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム、エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム・二水和物(エデト酸ナトリウム)などである。
キレート剤の配合比は、例えば、アズレン誘導体1重量部に対して0.01〜1000重量部、好ましくは0.1〜1000重量部、更に好ましくは0.1〜100重量部、特に好ましくは0.01〜10重量部程度が例示される。また、キレート剤の組成物中の配合量としては、例えば、該組成物の総重量に対して、該キレート剤が、通常0.001〜1.0重量%、好ましくは0.001〜0.5重量%、更に好ましくは0.005〜0.3重量%程度が例示される。
また、アズレン誘導体含有組成物が水性組成物である場合、該組成物に特定の緩衝剤を配合することによって、製剤処方の観点からアズレン誘導体に光安定を備えさせることができる。かかる緩衝剤としては、ホウ酸緩衝剤、リン酸緩衝剤、及び炭酸緩衝剤等が挙げられる。これらの中で好ましくは、ホウ酸緩衝剤及びリン酸緩衝剤である。緩衝剤を配合する場合、組成物に含まれる緩衝剤の割合としては、緩衝剤の総量の濃度として、通常0.0001〜10重量%程度、好ましくは0.001〜5重量%程度、より好ましくは0.01〜3重量%程度を挙げることができる。
更に、アズレン誘導体含有組成物は、エチレンジアミン四酢酸若しくはその塩のいずれか少なくとも一つを含有することによって一層効果的に光安定を備えることができる。エチレンジアミン四酢酸の塩としては、エチレンジアミン四酢酸ナトリウム、エチレンジアミン四酢酸2ナトリウム、エチレンジアミン四酢酸4ナトリウムなどのアルカリ金属塩を好適に例示できる。これらの中でも、特に、エチレンジアミン四酢酸2ナトリウムの2水和物(以下、これを「エデト酸ナトリウム」ともいう。)を好適に使用することができる。EDTA若しくはその塩を配合する場合、その配合割合としては、組成物中に、通常0.001〜1.0重量%程度、好ましくは0.005〜0.5重量%程度、より好ましくは0.01〜0.3重量%程度、さらに好ましくは0.01〜0.2重量%程度となる範囲を挙げることができる。
また、アズレン誘導体含有組成物に、特定の非イオン性界面活性剤を配合することによって、製剤安定性を高めることができる。かかる非イオン性界面活性剤としては、ポリオキシエチレン(以下、POEともいう。)−ポリオキシプロピレン(以下、POPともいう。)ブロックコポリマー (例えば、ポロクサマー407、ポロクサマー235、ポロクサマー188等);POEソルビタン脂肪酸エステル類(例えば、モノラウリル酸POE(20)ソルビタン(ポリソルベート20) ,モノオレイン酸POE(20)ソルビタン (ポリソルベート80) ,POEソルビタンモノステアレート(ポリソルベート60),POEソルビタントリステアレート(ポリソルベート65)等);及びPOE硬化ヒマシ油類(例えば、POE硬化ヒマシ油5,POE硬化ヒマシ油10,POE硬化ヒマシ油20,POE硬化ヒマシ油40,POE硬化ヒマシ油50、POE硬化ヒマシ油60,POE硬化ヒマシ油100等)等が挙げられる。これらの中で好ましくは、ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレンブロックコポリマー、ポリソルベート80、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油60である。非イオン性界面活性剤を配合する場合、その配合割合は、界面活性剤の種類などによって異なるので一概に規定できないが、通常0.0001〜5重量%、好ましくは0.001〜1重量%、より好ましくは0.005〜0.5重量%程度で用いられる。
アズレン誘導体含有組成物が水性組成物である場合のpHは、通常pH4〜9の範囲、アズレン誘導体の光安定を良好に保持するとの観点からは好ましくはpH6〜8.5、より好ましくはpH7〜8.5、特に好ましくはpH7〜8である。浸透圧は、生理食塩液に対する浸透圧比として通常、0.3〜4.1の範囲、好ましくは0.3〜2.1、特に好ましくは0.5〜1.4程度であることが望ましい。
本発明においてアズレン誘導体含有組成物は、種々の担体(水等の水性担体、親水性担体、油性担体や、液状担体、粉粒状担体など)と組み合わせることにより、目的に応じた種々の形態、例えば、固形剤、半固形剤、液剤等の剤形に調製できる。具体的には、固形剤(錠剤、散剤、顆粒剤、カプセル剤、ドライシロップなど)、半固形剤[軟膏剤(硬軟膏剤、軟軟膏剤など)、クリーム剤など]、液剤[点眼剤、ローション剤、エキス剤、懸濁剤、乳剤、シロップ剤、注射剤(用時調製型の注射剤を含む)、エアゾール剤、軟カプセル剤、ドリンク剤など]などの形態に調製できる。特に、水溶液中での光の暴露によって引き起こされるアズレン誘導体の不安定化を効果的に抑制できるという本発明の効果に鑑みれば、本発明で使用する組成物の好ましいものとして、水性組成物を挙げることができる。このような水性組成物としては、液剤や、水を含む半固形剤が挙げられる。本発明で使用する組成物として、特に好ましくは液剤である。
本発明で使用するアズレン誘導体含有組成物は、注射薬、坐薬、内服薬、吸入用製剤等であってもよく、また、光に曝露されやすい身体部位に局所適用される製剤であってもよい。また、皮膚適用のみならず刺激を感じやすい粘膜(角膜及び結膜等の眼粘膜、歯茎、舌、口唇、口腔粘膜、鼻腔粘膜、咽頭部粘膜等)へ適用される製剤であってもよい。例えば、本発明で使用するアズレン誘導体含有組成物の一例として、皮膚外用剤(外皮用軟膏、外皮用クリーム、外皮用液剤等)、点眼薬(点眼剤)、洗眼薬(洗眼剤)、眼軟膏薬、コンタクトレンズ装着液、コンタクトレンズ用剤(洗浄液、保存液、消毒液、マルチパーパスソリューションなど)、点鼻薬(点鼻剤)、鼻洗浄液、口腔咽頭薬、含嗽薬(含嗽用剤)、点耳薬、口腔用製剤(口内清涼剤、歯磨き剤等)などが挙げられる。なお、本明細書において、コンタクトレンズとは、ハードコンタクトレンズ(酸素透過性ハードコンタクトレンズも含む)、ソフトコンタクトレンズなどのあらゆるタイプのコンタクトレンズを包含する。これらの中で、好ましくは点眼薬(点眼剤)、洗眼薬(洗眼剤)、含嗽薬(含嗽用剤)、注射剤、皮膚外用剤、点鼻剤、口腔用製剤及びコンタクトレンズ用剤を挙げることができる。
特に、包装体が透明部分を有する場合には、外部から容器内のアズレン誘導体含有組成物を肉眼で観察して異物の有無の検査が可能であり、しかもアズレン誘導体の光による分解を抑制できるので、日本薬局方における点眼剤の製剤総則の規定や注射剤の不溶性異物検査法を好適に実施できるという利点がある。かかる観点から、透明部分を有する包装体を使用する場合、該包装体に収容するアズレン誘導体含有組成物として、好ましくは、点眼剤、洗眼剤、注射剤等の医薬製剤を例示できる。また、複数回の使用(又は投与)量のアズレン誘導体を含む製剤(以下、複数回使用製剤という)が包装体に収容されている場合、包装体が透明部分を有していれば、使用毎に使用者が製剤の残存量を視認できるので、このような複数回使用製剤も、透明部分を有する包装体に収容される組成物として好適である。複数回使用製剤の具体例としては、点眼剤、洗眼剤、皮膚外用剤、点鼻剤、コンタクトレンズ用剤及び口腔用製剤を例示できる。
本発明で使用する組成物は、本発明の効果を損なわない限り、上記した成分のほかに、種々の成分(薬理活性成分や生理活性成分を含む)を組み合わせて含有してもよい。このような成分の種類は特に制限されず、例えば、充血除去成分、眼調節薬成分、抗炎症薬成分または収斂薬成分、抗ヒスタミン薬成分又は抗アレルギー薬成分、ビタミン類、アミノ酸類、抗菌薬成分、殺菌薬成分、糖類、多糖類またはその誘導体、セルロース又はその誘導体又はそれらの塩、前述以外の水溶性高分子、局所麻酔薬成分、ステロイド成分、緑内障治療薬などが例示できる。本発明において好適な成分としては、例えば、次のような成分が挙げられる。
例えば、エピネフリン、塩酸エピネフリン、塩酸エフェドリン、塩酸オキシメタゾリン、塩酸テトラヒドロゾリン、塩酸ナファゾリン、塩酸フェニレフリン、塩酸メチルエフェドリン、酒石酸水素エピネフリン、硝酸ナファゾリン、コリンエステラーゼ阻害剤、メチル硫酸ネオスチグミン、トロピカミド、ヘレニエン硫酸アトロピン、硫酸亜鉛、乳酸亜鉛、アラントイン、イプシロン−アミノカプロン酸、インドメタシン、塩化リゾチーム、硝酸銀、プラノプロフェン、グリチルリチン酸二カリウム、ジクロフェナクナトリウム、ブロムフェナクナトリウム、塩化ベルベリン、硫酸ベルベリン、アシタザノラスト、アンレキサノクス、イブジラスト、トラニラスト、塩酸ジフェンヒドラミン、塩酸レボカバスチン、フマル酸ケトチフェン、クロモグリク酸ナトリウム、ペミロラストカリウム、マレイン酸クロルフェニラミン、酢酸レチノール、パルミチン酸レチノール、塩酸ピリドキシン、フラビンアデニンジヌクレオチドナトリウム、リン酸ピリドキサール、シアノコバラミン、パンテノール、パントテン酸カルシウム、パントテン酸ナトリウム、アスコルビン酸、酢酸トコフェロール、アミノエチルスルホン酸(タウリン)、グルタミン酸、クレアチニン、アスパラギン酸カリウム、アスパラギン酸マグネシウム、アスパラギン酸マグネシウム・カリウム混合物、グルタミン酸ナトリウム、硫酸アミノデオキシカナマイシン、硫酸カナマイシン、硫酸ゲンタマイシン、硫酸シソマイシン、硫酸ストレプトマイシン、トブラマイシン、硫酸ミクロノマイシン、アルキルポリアミノエチルグリシン、クロラムフェニコール、スルファメトキサゾール、スルフイソキサゾール、スルファメトキサゾールナトリウム、スルフイソキサゾールジエタノールアミン、スルフイソキサゾールモノエタノールアミン、スルフイソメゾールナトリウム、スルフイソミジンナトリウム、塩酸テトラサイクリン、塩酸オキシテトラサイクリン、オフロキサシン、ノルフロキサシン、レボフロキサシン、塩酸ロメフロキサシン、スルベニシンナトリウム、塩酸セフメノキシム、ベンジルペニシリンカリウム、硫酸ベルベリン、塩化ベルベリン、ヒアルロン酸ナトリウム、コンドロイチン硫酸ナトリウム、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、メチルセルロース、ポリビニルアルコール(完全又は部分ケン化物)、ポリビニルピロリドン、塩酸オキシブプロカイン、塩酸コカイン、塩酸コルネカイン、塩酸ジブカイン、塩酸テトラカイン、塩酸パラブチルアミノ安息香酸ジエチルアミノエチル、塩酸ピペロカイン、塩酸プロカイン、塩酸プロパラカイン、塩酸ヘキソチオカイン、塩酸リドカインなど。これらはd体、l体又はdl体のいずれでもよい。
組成物中のこれらの成分の配合量は製剤の種類、活性成分の種類などに応じて適宜選択され、内服用、外皮用、粘膜用製剤などにおける各種成分の配合量は当該技術分野で既知である。例えば、製剤全体に対して0.0001〜30重量%、好ましくは、0.001〜10重量%程度の範囲から選択できる。
また、本発明のアズレン誘導体含有組成物には、発明の効果を損なわない範囲であれば、その用途や形態に応じて、常法に従い、様々な成分や添加物を適宜選択し、一種またはそれ以上を併用して含有させてもよい。それらの成分または添加物として、例えば、半固形剤や液剤等の調製に一般的に使用される担体(水、水性溶媒、水性または油性基剤等)、増粘剤、糖類、界面活性剤、防腐剤、殺菌剤又は抗菌剤、pH調節剤、等張化剤、香料または清涼化剤、キレート剤、緩衝剤等の各種添加剤を挙げることができる。
以下に、アズレン誘導体含有組成物に配合される代表的な成分を例示するが、これらに限定されない。例えば、カルボキシビニルポリマー、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、メチルセルロース、アルギン酸、ポリビニルアルコール(完全、又は部分ケン化物)、ポリビニルピロリドン、マクロゴール、コンドロイチン硫酸ナトリウム、グルコース、シクロデキストリン、キシリトール、ソルビトール、マンニトール、アルキルジアミノエチルグリシン、アルキル4級アンモニウム塩(具体的には、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、塩酸アルキルジアミノエチルグリシン、安息香酸ナトリウム、エタノール、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、グルコン酸クロルヘキシジン、クロロブタノール、ソルビン酸、ソルビン酸カリウム、デヒドロ酢酸ナトリウム、パラオキシ安息香酸メチル、パラオキシ安息香酸エチル、パラオキシ安息香酸プロピル、パラオキシ安息香酸ブチル、硫酸オキシキノリン、フェネチルアルコール、ベンジルアルコール、ビグアニド化合物(具体的には、ポリヘキサメチレンビグアニドなど)、グローキル(ローディア社製 商品名)、トリエタノールアミン、モノエタノールアミン、亜硫酸水素ナトリウム、亜硫酸ナトリウム、塩化カリウム、塩化カルシウム、塩化ナトリウム、塩化マグネシウム、酢酸カリウム、酢酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、チオ硫酸ナトリウム、硫酸マグネシウム、リン酸水素二ナトリウム、リン酸二水素ナトリウム、リン酸二水素カリウム、グリセリン、プロピレングリコール、カンフル、ゲラニオール、ボルネオール、メントール、リュウノウ、ウイキョウ油、クールミント油、スペアミント油、ハッカ水、ハッカ油、ペパーミント油、ベルガモット油、ユーカリ油、ローズ油、アスコルビン酸、エデト酸四ナトリウム、エデト酸ナトリウム、クエン酸等。
包装体
本発明において、上記アズレン含有組成物を収容する包装体は、波長320〜450nmの光線を遮断する包装体である。
本発明でいう包装体には、上記組成物を直接収容する包装体(以下、これを一次包装体という)のみならず、包装体に収容されている包装体入り組成物を更に収容し、組成物を二重又はそれ以上に包装するための包装体(以下、これを二次包装体という)も含まれる。
本発明において、二次包装体を有する包装体入り組成物の場合であれば、一次包装体と二次包装体の中のいずれか少なくとも一つの包装体が、上記光線を遮断すればよい。流通時や保管時だけでなく、使用時においても、包装体中のアズレン誘導体の分解を抑制するという観点から、一次包装体が上記光線を遮断するものであることが望ましい。
当該包装体の形態は、上記組成物を収容できることを限度として特に制限されず、収容する組成物の形態や用途、一次包装体又は二次包装体の別等に応じて適宜選択、設定できる。当該包装体の形態の一例として、一次包装体の場合であれば、サシェットタイプ(小袋タイプ)の包装袋、チューブ状容器、ボトル状容器、PTP包装、点眼剤容器、点鼻剤容器、ポンプ容器(定量取り出し機能付き容器)等が挙げられる。また、二次包装体の場合であれば、ピロー包装袋、箱状包装体等が例示される。
当該包装体として、透明部分を有している包装体(以下、単に透明包装体という)は、包装体に収容した上記組成物を該透明部分から肉眼で観察できるので、特に好ましい。具体的には、透明包装体として、その透明部分における455〜780nmの可視光領域での光透過率の平均(以下、455〜780nmの可視光領域の平均光透過率という)が、30%以上、好ましくは40%以上、更に好ましくは50%以上、特に好ましくは70%以上であるものを例示できる。かかる455〜780nmの可視光領域の平均光透過率を備えることによって、包装体内部の視認性を確保することができる点で有利である。なお、本発明において、光透過率の測定方法は、JIS K7150に規定の方法に準じる。また、455〜780nmの可視光領域にける平均透過率は、例えば、455〜780nmの間で、5nm毎に光透過率を測定し、得られた各光透過率からそれらの平均値を算出することによって求めることができる。
なお、上記透明包装体において、透明部分は、少なくとも包装体の一部分に確保されていれば包装体内の組成物を視認可能であるので、必ずしも包装体の全面又は大部分を占めていなくてもよい。例えば、収容するアズレン誘導体含有組成物が点眼剤や注射剤である場合、日本薬局方における点眼剤の製剤総則の規定や注射剤の不溶性異物検査法を実施するという観点からは、容器(包装体)の側面の面積の少なくとも80%以上、好ましくは90%以上において、透明部分が占めていればよい。ここでいう容器の側面とは、容器の側面部分、即ち、容器の全表面から容器のふたに被覆される部位と底に相当する部位を除いた部分を意味する。
また、透明包装体は、例えば、流通段階であれば、包装体表面に成分や商品名を表示するためのラベルが施されることより包装体の内部視認性(透明性)が損なわれていることを妨げるものではない。
本発明において、波長320〜450nmの光を遮断するとは、波長320〜450nmの光の透過率の平均(以下、320〜450nmの波長領域の平均光透過率という)が20%以下であることを意味する。ここで、455〜780nmの可視光領域の平均光透過率の場合と同様、320〜450nmの波長領域の光透過率は、JIS K7150に規定の方法に準じて測定でき、また、320〜450nmの波長領域の平均光透過率は、例えば、320〜450nmの間で、5nm毎に光透過率を測定し、得られた各光透過率からそれらの平均値を算出することによって求めることができる。
アズレン誘導体の光による分解をより効果的に抑制するという観点からは、320〜450nmの波長領域の平均光透過率が、好ましくは15%以下、より好ましくは10%以下、更に好ましくは8%以下、特に好ましくは5%以下の包装体が望ましい。
このように、包装体に波長320〜450nmの光を遮断して、当該波長領域の光が包装体内に透過することを防止することによって、包装体内のアズレン誘導体に安定性を付与することが可能になる。
波長320〜450nmの光を遮断する包装体を調製するには、例えば、包装体の非遮光部分に波長320〜450nmの光を遮断する遮光手段を施せばよい。ここでいう非遮光部分とは、光が透過可能な部分のことである。当該非遮光部分には、上記透明部分の他に、光が透過する限りにおいて不透明の部分も含まれる。
上記のように波長320〜450nmの光を遮断する遮光手段を包装体に備えさせるには、例えば、包装体の材料中に波長320〜450nmの光線を遮断する物質を練り込み、これを用いて包装体を調製する方法;包装体に波長320〜450nmの光線を遮断する物質を塗布する方法;波長320〜450nmの光線を遮断する物質を練り込んだフィルムを包装体に装着する方法を、単独で又は組み合わせて適用することができる。
波長320〜450nmの光線を遮断する物質については、特に制限されないが、例えば、アントラキノン系染料やアゾ系化合物等を挙げることができる。また、包装体の材料中に波長320〜450nmの光線を遮断する物質を練り込む場合、包装体材料中における該物質の配合割合は、該物質の種類、包装体材料の種類等によって異なるが、一例として、包装体材料中に該物質が0.001〜15重量%、好ましくは0.001〜10重量%、更に好ましくは0.001〜5重量%となる割合を挙げることができる。かかる配合割合であれば、320〜450nmの光線を遮断することが可能となる。
波長320〜450nmの光線を遮断する物質については、特に制限されないが、例えば、アントラキノン系染料やアゾ系化合物等が挙げられる。また、包装体の材料中に波長320〜450nmの光線を遮断する物質を練り込む場合、包装体材料中における該物質の配合割合は、該物質の種類、包装体材料の種類等によって異なるが、一例として、包装体材料中に該物質が0.001〜15重量%、好ましくは0.001〜10重量%、更に好ましくは0.001〜5重量%となる割合を挙げることができる。また、波長320〜450nmの光線を遮断する物質を練り込んだフィルムを包装体に装着する場合、該フィルムにおける該物質の配合割合については、該物質の種類、フィルムの種類や厚み、包装体の形態等によって異なるが、例えば、該フィルム中に、該物質が、総量で0.001〜15重量%、好ましくは0.001〜10重量%、更に好ましくは0.001〜5重量%となる割合が例示される。かかる配合割合であれば、320〜450nmの光線を遮断することが可能となる。
本発明で使用される包装体は、その素材(材料)については制限されず、ガラス製、プラスチック製、セルロース製、パルプ製、ゴム製等のいずれであってもよい。収容するアズレン誘導体含有組成物が水性組成物の場合、スクイズ性及び耐久性の観点からは、プラスチック製の包装体が好ましい。
本発明で使用されるプラスチック製包装体の樹脂としては、熱可塑性樹脂が好ましく、例えば、オレフィン系樹脂(ポリエチレン、ポリプロピレンなど)、ポリエステル系樹脂、ポリフェニレンエーテル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリスルホン系樹脂、ポリアミド系樹脂、塩化ビニル樹脂、スチレン系樹脂(ポリスチレン、アクリロニトリル−スチレン共重合体(AS樹脂)など)などが例示できる。好ましい樹脂は、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂であり、特に好ましい樹脂は、ポリエステル系樹脂である。
該ポリエステル系樹脂としては、ジカルボン酸成分(フタル酸、テレフタル酸、ナフタレンジカルボン酸などの芳香族ジカルボン酸成分など)とジオール成分とで構成された樹脂が使用できる。具体的には、芳香族ポリエステル系樹脂、例えば、ポリアルキレンテレフタレート[ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)などのポリC2-4アルキレンテレフタレートなど]、ポリアルキレンナフタレート[ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリブチレンナフタレートなどのポリC2-4アルキレンナフタレートなど]、ポリシクロアルキレンテレフタレート[ポリ(1,4−シクロヘキシレンジメチレンテレフタレート)(PCT)など]、ポリアリレート類(ビスフェノール類(ビスフェノール−Aなど)とフタル酸類(フタル酸、テレフタル酸)とで構成された樹脂など)などのホモポリエステルが挙げられる。また、ポリエステル系樹脂には、前記ホモポリエステル単位を主成分(例えば、50重量%以上)として含むコポリエステル、前記ホモポリエステルの共重合体(PETとPCTとの共重合体など)なども含まれる。中でも、オレフィン系樹脂(ポリエチレンなど)、芳香族ポリエステル系樹脂(ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリアリレートなど)及びポリカーボネート系樹脂が好ましい。ポリカーボネート系樹脂は、例えば、ビスフェノール類(ビスフェノール−Aなど)をベースとする芳香族ポリカーボネートである。
本発明においてプラスチック製包装体は、強度、光透過性、ガス又は水蒸気バリア性(透湿性)等に悪影響を及ぼさない限り、ポリマーアロイ(ポリマーブレンドなど)であってもよい。好ましいポリマーアロイには、複数の合成樹脂のポリマーブレンド(PETとPENとのポリマーブレンドなど)が含まれる。また、樹脂は、スクイズ性が良好で、繰り返しの押圧に対して耐久性を有する樹脂であることが好ましい。また、紫外線吸収剤や赤外線吸収剤等を樹脂に含有させたり、前記成分を含むコーティング剤を樹脂表面に塗布したりすることにより、本発明の効果と協働させて、さらにアズレン誘導体の光安定性を向上させてもよい。
(II)光分解抑制方法
前述するように、波長320〜450nmの光を遮断する包装体には、アズレン誘導体の光による分解を抑制することができる。故に、本発明は、更に、別の観点から、アズレン誘導体を含有する組成物を、上記包装体に収容することを特徴とする、アズレン誘導体の光分解抑制方法を提供する。
かかる方法において、使用するアズレン誘導体の種類や組成物中の含有割合、組成物に配合される他の成分、組成物の形態、組成物を収容する包装体等については、前記包装体入り組成物の場合と同様である。
本発明の包装体入り組成物は、包装体に非遮光部分を有していながらも、光暴露により引き起こされるアズレン誘導体の分解が顕著に抑制されている。
また、本発明に使用される包装体には、透明部分を備えさせて、包装体内のアズレン誘導体含有組成物を肉眼で観察可能ならしめることもできる。それ故、本発明の包装体入り組成物における包装体として、透明部分を有するものを使用することにより、アズレン誘導体を含有する組成物の製造工程管理や品質管理を確実ならしめ、且つまたアズレン誘導体を含有する組成物の保存安定性を高めることができる。また、透明包装体入り組成物は、該組成物の使用者にとっても、包装体の外部から該組成物の量や性状を肉眼で確認した上で使用できるという点でも利点がある。
また、本発明のアズレン誘導体の光分解抑制方法によれば、波長320〜450nmの光を遮断する包装体に、アズレン誘導体を含有する組成物を収容するという簡便な方法で、アズレン誘導体の光による分解を顕著に抑制することができる。
また、当該方法において、波長320〜450nmの光を遮断する透明包装体を用いることによって、アズレン誘導体の光による分解を抑制できると共に、包装体内の組成物の量や性状や不溶性異物を肉眼で観察できるので、アズレン誘導体含有組成物を製造する上での品質管理が容易化される。
以下に、実施例、試験例等に基づいて本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらによって限定されるものではない。
試験例1 アズレン誘導体の分解抑制確認試験
表1に示すアズレン誘導体含有組成物を調製し、これを0.2μmメンブランフィルターにてろ過した後、各アズレン誘導体含有組成物10mlを表2に示す各種容器(容量10ml)に収容し、密閉した。斯くして得られた各種容器入りアズレン誘導体含有組成物に、光安定性試験装置(「Light-Tron LT-120 D3CJ型」、ナガノ科学株式会社製)を用いて、D65ランプを光源として、室温25℃の下、0.5万luxの光を120時間連続照射することにより、各アズレン誘導体含有組成物に積算照射量60万lux・hrの光を曝光した。その後、各アズレン誘導体含有組成物中のアズレン誘導体濃度を高速液体クロマトグラフィーで分析し、アズレン誘導体の残存濃度を定量した。測定したアズレン誘導体の残存濃度から、光照射前に対するアズレン誘導体の残存割合(%)を算出した。また、本試験に使用した容器及び容器に装着させた各種フィルムの光透過性を評価するために、各容器及び各種フィルムを平面状に切り取り、これを検体として、眼鏡レンズ分光透過率計TM−1(株式会社トプコン製)により光透過率を測定し(図1〜9参照)、320〜450nmにおける平均光透過率及び455〜780nmにおける平均光透過率を求めた。
Figure 2005261598
試験に使用した容器は、ガラス製、PET製、又はPEN製の容器である。これらの容器に、遮光手段として、各種フィルムを装着したもの及び黄緑色又は灰色に着色したものを試験に用いた(表2参照)。なお、フィルムの装着は、容器の側面全体にフィルムを巻き付け、テープで固定することによって行った。なお、試験に使用したフィルムの入手元は、次の通りである:赤色フィルム(株式会社トーヨー、赤色セロファン)、黄色フィルム((株式会社トーヨー、黄色セロファン)、緑色フィルム(株式会社トーヨー、緑色セロファン)、及び青色フィルム(株式会社トーヨー、青色セロファン)。
試験に使用した容器の内部視認性について、下記評価基準に基づいて評価した。
<評価基準>
◎ 内部の組成物の量や異物を明瞭に視認できる
○ 内部の組成物の量や異物を視認できる
△ 内部の組成物の量については視認できるが、異物については視認できない
× 内部の組成物の量を視認できない
得られた結果を表2に併せて示す。本試験に使用した何れの容器でも、455〜780nmにおける平均光透過率が高く、内部の組成物を視認可能な程度に透明性を備えていた。また、容器内部のアズレン誘導体の残存率については、320〜450nmの波長の光を遮断した容器を使用した場合に高い値を示した。これに対して、320〜450nmの波長の光を透過する容器した場合では、アズレン誘導体の残存率が低く、アズレン誘導体が分解されていることが確認された。
以上の結果から、アズレン誘導体の光暴露による分解には、320〜450nmの光線が関与していることが明らかとなり、かかる波長領域の光を遮断することによって、アズレン誘導体の光暴露による分解を抑制できることが明らかとなった。また、波長320〜450nmの光線を遮断しても、包装体に内部を視認可能な程度に透明性を確保できることも確認された。
Figure 2005261598
実施例6−10
表3に示す各種処方の点眼剤を調製し、これを表3に示す各容器に収容して、包装体入り点眼剤を調製した(実施例6−7)。得られた包装体入り点眼剤を用いて、上記試験例1と同様の方法で、分解抑制確認試験を行った。その結果、いずれの包装体入り点眼剤においても、60万lx光照射後のアズレン誘導体の残存率は80%以上であった。
Figure 2005261598
試験例1において使用した赤色フィルムの光透過性を示す図である。 試験例1において使用した黄色フィルムの光透過性を示す図である。 試験例1において使用した緑色フィルムの光透過性を示す図である。 試験例1において使用した黄緑色着色ポリエチレンテレフタレート製容器の光透過性を示す図である。 試験例1において使用したガラス製の透明容器の光透過性を示す図である。 試験例1において使用した青色フィルムの光透過性を示す図である。 試験例1において使用したポリエチレンテレフタレート製の透明容器の光透過性を示す図である。 試験例1において使用した灰色着色ポリエチレンテレフタレート製の容器の光透過性を示す図である。 試験例1において使用したポリエチレンナフタレート製の透明容器の光透過性を示す図である。

Claims (5)

  1. 一般式(1)で表される化合物
    Figure 2005261598
    (式中、R1、R2及びR3は、同一又は異なって、水素原子又はアルキル基を示し、R4は酸性基又はその塩を示す)
    を含有する組成物を、波長320〜450nmの光線を遮断する包装体に入れてなる、包装体入り組成物。
  2. 包装体の波長320〜450nmの波長領域の平均光透過率が20%以下である、請求項1に記載の包装体入り組成物。
  3. 包装体が透明部分を有するものである、請求項1又は2に記載の包装体入り組成物。
  4. 組成物が、点眼剤、洗眼剤、含嗽用剤、注射剤、皮膚外用剤、点鼻剤、口腔用製剤又はコンタクトレンズ用剤である、請求項1乃至3のいずれかに記載の包装体入り組成物。
  5. 一般式(1)で表される化合物
    Figure 2005261598
    (式中、R1、R2及びR3は、同一又は異なって、水素原子又はアルキル基を示し、R4は酸性基又はその塩を示す)
    の光による分解を抑制する方法であって、当該一般式(1)で表される化合物を含有する組成物を、波長320〜450nmの光線を遮断する包装体に収容することを特徴とする光分解抑制方法。

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