JP2022019577A - フルオロポリエーテル変性アミドシラン化合物及び表面処理剤組成物並びに物品 - Google Patents

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安則 坂野
Yasunori Sakano
浩一 山口
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Abstract

【課題】フッ素系溶剤を実質的に使用せずに物品表面に塗工でき、硬化物表面に優れた表面特性を付与することができる表面処理剤として使用できるフルオロポリエーテル変性アミドシラン化合物、及び該フルオロポリエーテル変性アミドシラン化合物及び/又はその部分加水分解縮合物を主成分とする表面処理剤組成物、並びに該表面処理剤組成物の硬化被膜を有する物品を提供する。【解決手段】下式(1)で示されるフルオロポリエーテル変性アミドシラン化合物。TIFF2022019577000049.tif17121(Rfは数平均分子量1,500~20,000の2価パーフルオロポリエーテル基、Zは少なくとも1つのSi-O-Siの結合を含む2価の連結基、Mは炭素数1~10のアルコキシ基、炭素数2~10のアルコキシアルコキシ基、炭素数2~10のアシロキシ基、炭素数2~10のアルケニルオキシ基及びハロゲン原子から選ばれる加水分解性基、Rは炭素数1~6の1価炭化水素基、aは2又は3。)【選択図】なし

Description

本発明は、撥水撥油性、離型性、防汚性等に優れた硬化被膜を与える新規なフルオロポリエーテル変性アミドシラン化合物、このアミドシラン化合物及び/又はその部分加水分解縮合物を主成分とする表面処理剤組成物、及びこの表面処理剤組成物の硬化被膜を有する物品に関する。
一般にフルオロポリエーテル基含有化合物は、その表面エネルギーが非常に小さいために、撥水撥油性、耐薬品性、潤滑性、離型性、防汚性などの性状を有する。その性質を利用して、工業的にはガラス、金属、樹脂、紙、繊維などの幅広い物質表面の撥水撥油防汚剤、磁気記録媒体の滑剤、精密機器の防油剤、離型剤、化粧料、保護膜など幅広く利用されている。
しかし、その性質は、同時に他の基材に対する非粘着性、非密着性があることを示しており、基材表面に塗布することはできても、被膜を形成し、密着させることはできなかった。
一方、ガラスや布などの基材表面と有機化合物とを結合させるものとしては、シランカップリング剤がよく知られている。シランカップリング剤は、1分子中に有機官能基と反応性シリル基(一般にはアルコキシシリル基)を有する。アルコキシシリル基は、空気中の水分などによって自己加水分解縮合反応を起こしてシロキサンとなり、被膜を形成する。それと同時に、ガラスや金属などの表面と化学的・物理的に結合することによって、耐久性を有する強固な被膜となる。シランカップリング剤はこの性質を利用して各種基材表面のコーティング剤として幅広く利用されている。
これらの特徴を生かしたものとして、特開2000-327772号公報(特許文献1)には、下記式で示されるようなフルオロアミドシラン化合物が示され、パーフルオロヘキサンに溶解した塗工液を塗布、硬化することで、ガラス表面にパーフルオロポリエーテル(PFPE)の特性を付与している。
Figure 2022019577000001
また、特開2002-121277号公報(特許文献2)では、より耐久性、潤滑性が優れる化合物として、以下の基を有する化合物が示され、パーフルオロ(2-ブチルテトラヒドロフラン)に溶解させた塗工液を塗布、硬化することで、ガラス表面にパーフルオロポリエーテルの特性を付与している。
Figure 2022019577000002
これらのような化合物を使ってパーフルオロポリエーテルの特性を物質表面に付与するには、できるだけフッ素含有率が高い構造、つまり長鎖フルオロポリエーテル構造を有するほうがよい。その一方でフッ素含有率の高い化合物は、非フッ素系化合物(非フッ素系溶剤)への溶解性が極めて悪く、物質表面に均一に塗工するにはフッ素を含有する低分子の揮発性成分、すなわちフッ素系溶剤を配合する必要がある。
一方、近年、環境面や生物に対する蓄積性、毒性などの懸念からPFOS(ペルフルオロオクタンスルホン酸)、PFOA(ペルフルオロオクタン酸)などに代表される低分子フッ素化合物の規制が強化されてきており、フッ素系溶剤を使用するには一般有機溶剤とは異なる専用の除外設備、作業者への安全対策の強化などが必要になってきている。また一般的な非フッ素系溶剤と比較してフッ素系溶剤の価格は高価であり、コスト面からもフッ素系溶剤の使用量は低減を求められている。
このような社会的な背景から、近年フッ素系溶剤は使用できる量や作業環境が大きく制限される傾向にあり、フッ素系溶剤を使用せずに硬化物表面に優れたフッ素ポリマー(フルオロポリエーテル基含有化合物)の特性を付与できる化合物が求められている。
特開2000-327772号公報 特開2002-121277号公報
本発明は、上記事情に鑑みなされたもので、フッ素系溶剤を実質的に使用せずに物品表面に塗工でき、硬化物表面に優れた表面特性を付与することができる表面処理剤として使用できるフルオロポリエーテル変性アミドシラン化合物、及び該フルオロポリエーテル変性アミドシラン化合物及び/又はその部分加水分解縮合物を主成分とする塗工用組成物(表面処理剤組成物)、並びにフルオロポリエーテル変性アミドシラン化合物及び/又はその部分加水分解縮合物によって形成される硬化被膜を有する物品を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記目的を達成するために鋭意検討を重ねた結果、下記一般式(1)で示される新規なフルオロポリエーテル変性アミドシラン化合物が、フッ素原子を含まない有機溶剤で希釈、塗工することが可能であり、得られた塗膜を乾燥硬化させることで、物質表面に撥水撥油性、防汚性等、優れたパーフルオロポリエーテルの特性を付与することができることを見出し、本発明をなすに至った。
Figure 2022019577000003
(式中、Rfは数平均分子量1,500~20,000の2価パーフルオロポリエーテル基であり、Zはそれぞれ独立に少なくとも1つのSi-O-Siの結合を含む2価の連結基であり、Mはそれぞれ独立に、炭素数1~10のアルコキシ基、炭素数2~10のアルコキシアルコキシ基、炭素数2~10のアシロキシ基、炭素数2~10のアルケニルオキシ基及びハロゲン原子からなる群より選ばれる加水分解性基であり、Rはそれぞれ独立に炭素数1~6の1価炭化水素基であり、aは2又は3である。)
従って、本発明は、下記のフルオロポリエーテル変性アミドシラン化合物及び表面処理剤組成物並びに物品を提供する。
[1]
下記一般式(1)
Figure 2022019577000004
(式中、Rfは数平均分子量1,500~20,000の2価パーフルオロポリエーテル基であり、Zはそれぞれ独立に少なくとも1つのSi-O-Siの結合を含む2価の連結基であり、Mはそれぞれ独立に、炭素数1~10のアルコキシ基、炭素数2~10のアルコキシアルコキシ基、炭素数2~10のアシロキシ基、炭素数2~10のアルケニルオキシ基及びハロゲン原子からなる群より選ばれる加水分解性基であり、Rはそれぞれ独立に炭素数1~6の1価炭化水素基であり、aは2又は3である。)
で示されるフルオロポリエーテル変性アミドシラン化合物。
[2]
上記一般式(1)において、Rfが下記一般式(2)で示されるものである[1]に記載のフルオロポリエーテル変性アミドシラン化合物。
-CF(Y)-O-Rf1-CF(Y)- (2)
(式中、YはF又はCF3であり、Rf1は以下のパーフルオロオキシアルキレン単位の1種又は2種以上から選ばれる繰り返し単位からなる。)
-CF2O-
-CF2CF2O-
-CF2CF2CF2O-
-CF(CF3)CF2O-
-CF2CF(CF3)O-
-CF2CF2CF2CF2O-
-CF2CF2CF2CF2CF2O-
-CF2CF2CF2CF2CF2CF2O-
-CF2CF2OCF2CF2CF2CF2O-
[3]
上記一般式(1)において、Rfが、以下のいずれかで示されるものである[1]又は[2]に記載のフルオロポリエーテル変性アミドシラン化合物。
-CF2O(CF2O)p(CF2CF2O)qCF2
(式中、pは10~300の整数、qは5~170の整数であり、かつp+qは15~470の整数のうち、Rfの数平均分子量が1,500~20,000を満たす数であり、各繰り返し単位の配列はランダムである。)
Figure 2022019577000005
(式中、s、tは独立に1~120の整数であり、かつs+tは2~240の整数のうち、Rfの数平均分子量が1,500~20,000を満たす数であり、uは1~6の整数であり、vは0~10の整数である。)
-CF2CF2O[CF2CF2CF2O]wCF2CF2
(式中、wは8~119の整数である。)
-Cz2zO(CF2CF2O)x(CF2CF2CF2CF2O)yz2z
(式中、xは2~300の整数、yは2~80の整数であり、かつx+yは4~380の整数のうち、Rfの数平均分子量が1,500~20,000を満たす数である。zは単位毎に独立に1又は2である。各繰り返し単位の配列はランダムである。)
[4]
上記一般式(1)において、Zが下記式(3)で示される2価の連結基である[1]~[3]のいずれかに記載のフルオロポリエーテル変性アミドシラン化合物。
Figure 2022019577000006
(式中、mは2~10の整数であり、nは2~10の整数であり、lは1~6の整数である。)
[5]
上記一般式(1)において、Zが下記式で示され、aが3である[1]~[4]のいずれかに記載のフルオロポリエーテル変性アミドシラン化合物。
Figure 2022019577000007
[6]
上記一般式(1)において、Mが炭素数1~10のアルコキシ基である[1]~[5]のいずれかに記載のフルオロポリエーテル変性アミドシラン化合物。
[7]
不揮発性フッ素含有有機化合物を含有する表面処理剤組成物であって、該不揮発性フッ素含有有機化合物が、[1]~[6]のいずれかに記載のフルオロポリエーテル変性アミドシラン化合物及び/又はその部分加水分解縮合物を80質量%以上含むものである表面処理剤組成物。
[8]
不揮発性フッ素含有有機化合物の平均フッ素含有率が40~65質量%である[7]に記載の表面処理剤組成物。
[9]
更に、沸点が25~260℃の有機溶剤を含有する表面処理剤組成物であって、該表面処理剤組成物中における上記フルオロポリエーテル変性アミドシラン化合物及び/又はその部分加水分解縮合物の含有率が0.01~95質量%である[7]又は[8]に記載の表面処理剤組成物。
[10]
有機溶剤がフッ素原子を含まないものである[9]に記載の表面処理剤組成物。
[11]
[7]~[10]のいずれかに記載の表面処理剤組成物の硬化被膜を有する物品。
本発明の新規なフルオロポリエーテル変性アミドシラン化合物は、フッ素原子を含まない有機溶剤で希釈、塗工することが可能であり、該アミドシラン化合物及び/又はその部分加水分解縮合物を主成分とする表面処理剤組成物を物品の表面に塗工し、塗膜を乾燥硬化させて硬化被膜を得ることで、物質表面に撥水撥油性、防汚性等、優れたパーフルオロポリエーテルの特性を付与することができる。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明のフルオロポリエーテル変性アミドシラン化合物は、下記一般式(1)で示されるものである。
Figure 2022019577000008
(式中、Rfは数平均分子量1,500~20,000の2価パーフルオロポリエーテル基であり、Zはそれぞれ独立に少なくとも1つのSi-O-Siの結合を含む2価の連結基であり、Mはそれぞれ独立に、炭素数1~10のアルコキシ基、炭素数2~10のアルコキシアルコキシ基、炭素数2~10のアシロキシ基、炭素数2~10のアルケニルオキシ基及びハロゲン原子からなる群より選ばれる加水分解性基であり、Rはそれぞれ独立に炭素数1~6の1価炭化水素基であり、aは2又は3である。)
上記一般式(1)において、Rfは数平均分子量1,500~20,000、好ましくは1,500~10,000の2価パーフルオロポリエーテル基である。Rfの数平均分子量が1,500未満であると化合物中のフッ素含有率が低すぎるため付与できるパーフルオロポリエーテルの特性が不十分となり、20,000を超えるとフッ素含有基(パーフルオロポリエーテル基)の構造が長くなりすぎるため非フッ素系溶剤に対する溶解が困難になる。
なお、本発明において、分子量(又は重合度もしくは繰り返し単位の数)は、フッ素系溶剤を展開溶媒としたゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)分析によるポリスチレン換算あるいはポリメタクリル酸メチル換算の数平均分子量(又は数平均重合度)として求めることができるが、好適には、1H-NMR分析及び19F-NMR分析に基づくフルオロポリエーテル変性アミドシラン化合物の末端構造と主鎖構造との特性ピーク強度比率から算出される数平均分子量(又は数平均重合度)である(以下、同じ)。
Rfとして、特には、下記一般式(2)で示される2価パーフルオロポリエーテル基であることが好ましい。
-CF(Y)-O-Rf1-CF(Y)- (2)
ここで、一般式(2)中、YはF又はCF3であり、Rf1は以下のパーフルオロオキシアルキレン単位の1種又は2種以上から選ばれる繰り返し単位からなる。なお、繰り返し単位数は、Rfの数平均分子量が1,500~20,000を満たす数である。
-CF2O-
-CF2CF2O-
-CF2CF2CF2O-
-CF(CF3)CF2O-
-CF2CF(CF3)O-
-CF2CF2CF2CF2O-
-CF2CF2CF2CF2CF2O-
-CF2CF2CF2CF2CF2CF2O-
-CF2CF2OCF2CF2CF2CF2O-
特に、上記一般式(1)におけるRf(又は上記一般式(2);-CF(Y)-O-Rf1-CF(Y)-)で示される2価パーフルオロポリエーテル基としては、以下の例示式で示されるものが好ましい。
-CF2O(CF2O)p(CF2CF2O)qCF2-、
Figure 2022019577000009
-CF2CF2O[CF2CF2CF2O]wCF2CF2-、
-Cz2zO(CF2CF2O)x(CF2CF2CF2CF2O)yz2z
上記式中、pは10~300の整数であり、好ましくは10~100の整数である。qは5~170の整数であり、好ましくは10~100の整数である。p+qは15~470の整数のうち、Rfの数平均分子量が1,500~20,000を満たす数であり、好ましくは17~300の整数であって、Rfの数平均分子量が1,500~20,000を満たす場合であり、より好ましくは20~200の整数である。p、qがこれらの範囲より小さいと、十分にパーフルオロポリエーテルの特性を与えることが難しくなり、これらの範囲より大きくなると沸点が25~260℃の有機溶剤(特にフッ素原子を含まない有機溶剤)への溶解性(以下、溶解性に関して同じ)が低下する。更にq/pの値が0.7以上1.5以下であることが好ましく、0.8以上1.2以下であることがより好ましい。0.7より小さくなるとフルオロポリエーテル構造の耐久性が低下し、1.5より大きくなるとポリマーの柔軟性が失われ、溶解性が低下する。なお、p、qが付された括弧内に示される各繰り返し単位の配列はランダムである。
上記式中、s、tは独立に1~120の整数であり、好ましくは5~60の整数であり、かつs+tは2~240の整数のうち、Rfの数平均分子量が1,500~20,000を満たす数であり、好ましくは4~119の整数であって、Rfの数平均分子量が1,500~20,000を満たす場合であり、より好ましくは10~100の整数であり、更に好ましくは15~100の整数である。s+tがこれより小さいと十分にパーフルオロポリエーテルの特性を与えることが難しくなり、これより大きくなると溶解性が大きく低下する、uは1~6の整数であり、好ましくは2~4の整数であり、vは0~10の整数であり、好ましくは1~4の整数である。
上記式中、wは8~119の整数であり、好ましくは10~100の整数である。この範囲より小さいと、十分にパーフルオロポリエーテルの特性を与えることが難しくなり、これより大きくなると溶解性が低下する。
上記式中、xは2~300の整数であり、好ましくは2~100の整数であり、yは2~80の整数であり、好ましくは2~60の整数であり、x+yは4~380の整数
のうち、Rfの数平均分子量が1,500~20,000を満たす数であり、好ましくは5~163の整数であって、Rfの数平均分子量が1,500~20,000を満たす場合であり、より好ましくは6~140の整数であって、Rfの数平均分子量が1,500~20,000を満たす場合である。x、yがこれらの範囲より小さいと、十分にパーフルオロポリエーテルの特性を与えることが難しくなり、これらの範囲より大きくなると溶解性が低下する。zは単位毎に独立に1又は2である。また、x、yが付された括弧内に示される各繰り返し単位の並びはランダムであるが、-CF2CF2OCF2CF2CF2CF2O-の配列を繰り返し構造としていてもよい。
これらの上記した群の繰り返し単位には、製法、精製法などの理由により、例示される繰り返し単位以外に炭素数が1~6のフルオロアルキルエーテル構造が溶解性や表面処理剤組成物として与える特性に影響の無い範囲、具体的には0~3モル%の範囲で混入していてもよい。
上記一般式(1)において、Zはそれぞれ独立に少なくとも1つのSi-O-Siの結合を含む2価の連結基、特には直鎖状のジオルガノポリシロキサン構造を含有する連結基であり、特に下記式(3)で示されるものが好ましい。なお、下記の構造において、左側の結合手はNと、右側の結合手はSiと結合することが好ましい。
Figure 2022019577000010
(式中、mは2~10の整数であり、好ましくは2~6の整数であり、nは2~10の整数であり、好ましくは2~6の整数であり、lは1~6の整数であり、好ましくは1~3の整数である。)
式(3)で示される構造としては、下記に示すものが例示できる。なお、下記の構造において、左側の結合手はNと、右側の結合手はSiと結合する。
Figure 2022019577000011
式(3)で示される構造の中でも、特に下記に示すものが好適である。
Figure 2022019577000012
上記一般式(1)において、Mはそれぞれ独立に、炭素数1~10、好ましくは炭素数1~6のアルコキシ基、炭素数2~10、好ましくは炭素数2~4のアルコキシアルコキシ基、炭素数2~10、好ましくは炭素数2~7のアシロキシ基、炭素数2~10、好ましくは炭素数2~6のアルケニルオキシ基及びハロゲン原子からなる群より選ばれる加水分解性基である。具体的には、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基等のアルコキシ基、メトキシメトキシ基、メトキシエトキシ基、エトキシメトキシ基、エトキシエトキシ基等のアルコキシアルコキシ基、アセトキシ基等のアシロキシ基、イソプロペノキシ基等のアルケニルオキシ基、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等のハロゲン原子などが挙げられ、これらの中でも、特にメトキシ基、エトキシ基、メトキシメトキシ基、アセトキシ基が好適である。
上記一般式(1)において、Rはそれぞれ独立に炭素数1~6の1価炭化水素基であり、具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、tert-ブチル基、ペンチル基、ネオペンチル基、ヘキシル基等のアルキル基、シクロヘキシル基等のシクロアルキル基、ビニル基、アリル基、プロペニル基等のアルケニル基、フェニル基などが挙げられ、特にメチル基が好ましい。
上記一般式(1)において、aは2又は3であるが、特に3が好ましい。
このようなフルオロポリエーテル変性アミドシラン化合物の具体的な合成方法としては、例えば、以下の方法を示すことができる。
第1の方法として、下記一般式(4)
Figure 2022019577000013
(式中、Rfは上記と同じであり、R1は独立に水素原子又は炭素数1~6の1価炭化水素基であり、dは単位毎に独立に0~8の整数であり、但し、連結するCH2=CR1d2dの炭素数の合計はそれぞれ2~10である。)
で示される分子鎖両末端にそれぞれ2個ずつ(分子中に4個の)アルケニル基を有するフルオロポリエーテルアミド化合物の4個のアルケニル基に、それぞれ下記一般式(5)
Figure 2022019577000014
(式中、M、R、l、n、aは上記と同じである。)
で示される分子鎖片末端にSiH基(ケイ素原子に結合した水素原子)を有し、他方の末端に加水分解性シリル基を有するオルガノシロキサン化合物のSiH基をヒドロシリル化付加反応により付加する方法が挙げられる。
また第2の方法として、上記一般式(4)で示される分子鎖両末端にそれぞれ2個ずつ(分子中に4個の)アルケニル基を有するフルオロポリエーテルアミド化合物の4個のアルケニル基に、モル当量として過剰量の下記一般式(6)
Figure 2022019577000015
(式中、lは上記と同じである。)
で示される分子鎖両末端にSiH基(ケイ素原子に結合した水素原子)を有するオルガノシロキサン化合物の片方のSiH基をヒドロシリル化付加反応によって付加させたのちに、残存する上記一般式(6)で示される化合物を取り除き、得られた下記一般式(7)
Figure 2022019577000016
(式中、Rf、m、lは上記と同じである。)
で示される化合物の分子鎖両末端のSiH基に、下記一般式(8)
Figure 2022019577000017
(式中、M、R、aは上記と同じであり、R2は水素原子又は炭素数1~6の1価炭化水素基であり、eは0~8の整数であり、但し、連結するCH2=CR2e2eの炭素数の合計は2~10である。)
で示されるアルケニル基含有加水分解性シラン化合物のアルケニル基をヒドロシリル化付加反応によって付加することで合成できる。
ここで、上記一般式(4)で示される分子鎖両末端にそれぞれ2個ずつ(分子中に4個の)アルケニル基を有するフルオロポリエーテルアミド化合物は、例えば下記一般式(9)で示されるフルオロポリエーテルカルボン酸誘導体に、下記一般式(10)で示される末端アルケニル基含有1価炭化水素基を2個有するアミン化合物を公知のアミド化の手法により反応させることで合成可能である。
Figure 2022019577000018
(式中、Rfは上記と同じであり、Xは独立に脱離基であり、例えば水酸基、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基等の炭素数1~6のアルコキシ基、又はフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等のハロゲン原子である。)
[CH2=CR1d2d2-NH (10)
(式中、R1、dは上記と同じであり、但し、連結するCH2=CR1d2dの炭素数の合計はそれぞれ2~10である。)
一般式(9)で示されるフルオロポリエーテルカルボン酸誘導体の具体的な例としては、下記に示すものを挙げることができる。
Figure 2022019577000019
(式中、Rfは上記と同じである。)
一般式(10)で示される末端アルケニル基含有1価炭化水素基を2個有するアミン化合物の具体的な例としては、ジアリルアミン、ジ(3-ブテニル)アミン、ジ(4-ペンテニル)アミン、ジ(5-ヘキセニル)アミン等を示すことができる。
一般式(9)で示される化合物と一般式(10)で示される化合物の反応では、特に一般式(9)で示される化合物がカルボン酸ハロゲン化物であるものに、必要に応じて、溶剤、反応触媒等を加えて攪拌、あるいは加熱攪拌する方法が簡便である。ここで、加熱する場合の条件としては、0~150℃、特に20~100℃にて5分~200時間、特に30分~24時間とすることが好ましい。
上記の反応に使用する一般式(10)で示される化合物の量は、一般式(9)で示される化合物中に含まれるCOX基のモル数を1としたときに、1~5モル、好ましくは1~1.5倍モルであることが望ましい。1モルより小さいと、未反応の末端基が残存し、5モルより大きいと未反応の一般式(10)で示される化合物を除去する際の負担が大きくなる。
また上記の反応は、溶剤が存在しなくても、反応系内を十分攪拌することで実施可能であるが、必要に応じて溶剤で希釈してもよい。このとき希釈溶剤は一般式(9)で示される化合物と一般式(10)で示される化合物の両方を溶解する溶剤を利用することができるが、溶剤としては、沸点が目的とする反応温度以上でかつ反応を阻害せず、反応に使用する一般式(9)で示される化合物、一般式(10)で示される化合物及び生成する一般式(4)で示される化合物が、上記反応温度において可溶であるものが好ましい。このような溶剤としては、例えば、m-キシレンヘキサフロライド、ベンゾトリフロライド等のフッ素変性芳香族炭化水素系溶剤、メチルパーフルオロブチルエーテル等のフッ素変性エーテル系溶剤などの部分フッ素変性された溶剤が望ましく、特にm-キシレンヘキサフロライドが好ましい。
溶剤を使用する場合、その使用量は、式(9)で示される化合物100質量部に対して、好ましくは5~2,000質量部であり、より好ましくは50~500質量部である。これより少なければ溶剤による希釈の効果が薄くなり、多ければ希釈度が高くなりすぎて反応速度の低下を招く場合がある。
反応触媒を用いる場合、公知のいかなるものを用いてもよいが、脱離するHX(Xは上記と同じ)と塩を形成するトリエチルアミン等のトリアルキルアミンなどの3級アミン類や、ジアザビシクロウンデセン、ジアザビシクロノネン等及びこれらの混合物が望ましい。
反応触媒を用いる場合、その使用量は、脱離するHX量に対して、好ましくは1~5倍モル、より好ましくは1~2倍モルである。反応触媒が1倍モルより少ないと塩を形成しないHXが残存するため除去しにくくなる場合があり、5倍モルより多いと余剰の触媒の除去がしにくくなる場合がある。
反応終了後、未反応の式(10)で示される化合物、反応触媒、及び溶剤等を減圧留去、抽出、吸着等の公知の方法で除去することが好ましい。
上記一般式(4)で示される分子鎖両末端にそれぞれ2個ずつ(分子中に4個の)アルケニル基を有するフルオロポリエーテルアミド化合物としては、例えば、下記に示すものが例示できる。
Figure 2022019577000020
(式中、Rfは上記と同じである。)
上記一般式(5)で示される分子鎖片末端にSiH基(ケイ素原子に結合した水素原子)を有し、他方の末端に加水分解性シリル基を有するオルガノシロキサン化合物としては、例えば、下記に示すものが例示できる。
Figure 2022019577000021
また、上記一般式(6)で示される分子鎖両末端にSiH基(ケイ素原子に結合した水素原子)を有するオルガノシロキサン化合物としては、例えば、下記に示すものが例示できる。
Figure 2022019577000022
上記式(4)で示される化合物と上記式(5)又は式(6)で示される化合物との反応は、公知のヒドロシリル化反応によってなされる。このヒドロシリル化(付加)反応は、式(4)で示される化合物と、式(5)又は式(6)で示される化合物とを混合し、白金族金属系の付加反応触媒存在下、反応温度50~150℃、好ましくは60~120℃で、1分~48時間、特に10分~12時間反応を行うことが望ましい。反応温度が低すぎると反応が十分に進行しないまま停止してしまう場合があり、高すぎるとヒドロシリル化の反応熱による温度上昇で反応が制御できなくなり、突沸や原料の分解などが起こる場合がある。
上記式(4)で示される化合物と、上記式(5)で示される化合物の反応割合は、式(4)で示される化合物のアルケニル基の総モル数に対して、式(5)で示される化合物を1~2倍モル、特に1~1.5倍モル使用して反応させることが望ましい。式(5)で示される化合物がこれより少なすぎると式(4)で示される化合物の片末端にアルケニル基が残存した化合物が副生成物として発生する。式(5)で示される化合物がこれより多すぎると反応溶液の均一性が低下して反応速度が不安定となる。また反応後に未反応の式(5)で示される化合物の除去を行う場合に、加熱、減圧、抽出等の条件を未反応分が増える分だけ厳しくする必要が出てくる。
上記式(4)で示される化合物と、上記式(6)で示される化合物の反応割合は、式(4)で示される化合物のアルケニル基の総モル数に対して、式(6)で示される化合物をモル当量として過剰量、すなわち2~20倍モル、特に4~10倍モル使用して反応させることが望ましい。式(6)で示される化合物がこれより少なすぎると式(6)で示される化合物の両末端SiH基が式(4)で示される化合物のアルケニル基と反応した化合物が副生成物として発生し、目的物を得ることができない。式(6)で示される化合物がこれより多すぎると反応溶液の均一性が低下して反応速度が不安定となる。また反応後に未反応の式(6)で示される化合物の除去を行う場合に、加熱、減圧、抽出等の条件を未反応分が増える分だけ厳しくする必要が出てくる。
上記一般式(4)で示される分子鎖両末端にそれぞれ2個ずつ(分子中に4個の)アルケニル基を有するフルオロポリエーテルアミド化合物と上記一般式(6)で示される化合物とを反応させて得られる上記一般式(7)で示される化合物としては、例えば、下記に示すものが例示できる。
Figure 2022019577000023
(式中、Rfは上記と同じである。)
また、上記一般式(7)と反応させる上記一般式(8)で示されるアルケニル基含有加水分解性シラン化合物としては、例えば、下記に示すものが例示できる。
Figure 2022019577000024
上記式(7)で示される化合物と上記式(8)で示される化合物との反応は、公知のヒドロシリル化反応によってなされる。このヒドロシリル化(付加)反応は、上記式(7)で示される化合物と上記式(8)で示される化合物とを混合し、白金族金属系の付加反応触媒存在下、反応温度50~150℃、好ましくは60~120℃で、1分~48時間、特に10分~12時間反応を行うことが望ましい。反応温度が低すぎると反応が十分に進行しないまま停止してしまう場合があり、高すぎるとヒドロシリル化の反応熱による温度上昇で反応が制御できなくなり、突沸や原料の分解などが起こる場合がある。
上記式(7)で示される化合物と、上記式(8)で示される化合物の反応割合は、式(7)で示される化合物のSiH基の総モル数に対して、式(8)で示される化合物を1~5倍モル、特に1~1.5倍モル使用して反応させることが望ましい。式(8)で示される化合物がこれより少なすぎると、SiH基が残存した化合物が副生成物として発生し、目的物を得ることができない。式(8)で示される化合物がこれより多すぎると反応溶液の均一性が低下して反応速度が不安定となる。また反応後に未反応の式(8)で示される化合物の除去を行う場合に、加熱、減圧、抽出等の条件を未反応分が増える分だけ厳しくする必要が出てくる。
上記ヒドロシリル化(付加)反応に用いる付加反応触媒は、例えば、白金、ロジウム又はパラジウム等の白金族金属を含む化合物を使用することができる。中でも白金を含む化合物が好ましく、ヘキサクロロ白金(IV)酸六水和物などの塩化白金酸、白金カルボニルビニルメチル錯体、塩化白金酸(白金)-ジビニルテトラメチルジシロキサン錯体、塩化白金酸(白金)-シクロビニルメチルシロキサン錯体、塩化白金酸(白金)-オクチルアルデヒド/オクタノール錯体などの塩化白金酸とアルコールやビニルシロキサンとの錯体、あるいは活性炭に担持された白金を用いることができる。
付加反応触媒の配合量は、式(4)又は式(7)で示される化合物に対し、含まれる金属量が0.1~5,000質量ppmとなる量であることが好ましく、より好ましくは0.2~1,000質量ppmとなる量である。
上記ヒドロシリル化(付加)反応は、溶剤が存在しなくても実施可能であるが、必要に応じて溶剤で希釈してもよい。このとき希釈溶剤は、トルエン、キシレン、イソオクタンなど、広く一般に用いられている有機溶剤を利用することができるが、沸点が目的とする反応温度以上でかつ反応を阻害せず、反応に使用する化合物と生成物が、上記反応温度において可溶であるものが好ましい。このような溶剤としては、例えば、m-キシレンヘキサフロライド、ベンゾトリフロライド等のフッ素変性芳香族炭化水素系溶剤、メチルパーフルオロブチルエーテル等のフッ素変性エーテル系溶剤等の部分フッ素変性された溶剤が望ましく、特にm-キシレンヘキサフロライドが好ましい。
溶剤を使用する場合、その使用量は、式(4)又は式(7)で示される化合物100質量部に対して、好ましくは5~2,000質量部であり、より好ましくは40~500質量部である。これより少なければ溶剤による希釈の効果が薄くなり、多ければ希釈度が高くなりすぎて反応速度の低下を招く場合がある。
上記ヒドロシリル化(付加)反応終了後、それぞれ未反応の式(5)、式(6)あるいは式(8)で示される化合物、触媒残渣、及び希釈溶剤等を減圧留去、抽出、吸着等の公知の方法で除去することが好ましい。
特に、最終的に式(1)で示されるフルオロポリエーテル変性アミドシラン化合物として単離する際に、常圧における沸点260℃以下の含フッ素溶剤、例えば、m-キシレンヘキサフロライド、ベンゾトリフルオライド、メチルノナフルオロブチルエーテル、メチルノナフルオロイソブチルエーテル、エチルノナフルオロブチルエーテル、エチルノナフルオロイソブチルエーテル、3-メトキシパーフルオロ(3-メチルペンタン)、2-(トリフルオロメチル)-3-エトキシドデカフルオロヘキサン等を含む場合は、該含フッ素溶剤が式(1)で示されるフルオロポリエーテル変性アミドシラン化合物全体の1質量%未満となるように除去することが好ましい。
ここで、常圧における沸点260℃以下の含フッ素溶剤の含有量は、例えば反応に使用した各溶剤の19F-NMRスペクトル又は1H-NMRスペクトルを元に、必要によって上記一般式(1)で示されるフルオロポリエーテル変性アミドシラン化合物に内部標準物質を加えたNMR測定結果から算出できる。また簡易的にはそれぞれの溶剤の不揮発分が1質量%未満となる条件下での加熱減量試験によって判断することもできる。
以上のようにして得られる上記一般式(1)で示されるフルオロポリエーテル変性アミドシラン化合物としては、以下の化合物を例示できる。
Figure 2022019577000025
Figure 2022019577000026
Figure 2022019577000027
Figure 2022019577000028
Figure 2022019577000029
Figure 2022019577000030
Figure 2022019577000031
上記式において、Rfaは上記Rfと同様のものが例示できるが、以下の式のいずれかで示されるものであることが好ましい。
Figure 2022019577000032
Figure 2022019577000033
-CF2O(CF2O)p1(CF2CF2O)q1CF2
(式中、s1+t1の平均値は15~100であり、p1+q1の平均値は15~80であり、かつq1/p1は0.8~1.2である。なお、p1、q1が付された括弧内に示される各繰り返し単位の配列はランダムである。)
本発明の式(1)で示されるフルオロポリエーテル変性アミドシラン化合物は、以上に示した通りであり、これらの化合物は常圧(大気圧中)で沸点を持たない高分子量化合物であり、本発明の表面処理組成物の使用において不揮発性を示す。
本発明のさらなる実施形態は、式(1)で示されるフルオロポリエーテル変性アミドシラン化合物及び/又はその部分加水分解縮合物を含む表面処理剤組成物を各種表面に塗工し、その表面に撥水性、撥油性、防汚性、耐指紋性、指紋除去性、滑り性、耐摩耗性、耐擦傷性、耐溶剤性、耐薬品性、液滴滑落性、着雪滑落性、着氷滑落性、防曇性、表面レベリング性、離型性、低屈折率性、反射防止性等の優れた性質を与える不揮発性フッ素含有有機化合物を含有する表面処理剤組成物としての使用法である。
本発明の表面処理剤組成物は、各種基材表面に式(1)で示されるフルオロポリエーテル変性アミドシラン化合物及び/又はその部分加水分解縮合物の特性を付与するものである。本発明の表面処理剤組成物は、不揮発性フッ素含有有機化合物を含有する表面処理剤組成物であって、該不揮発性フッ素含有有機化合物が、上記式(1)で示されるフルオロポリエーテル変性アミドシラン化合物及び/又はその部分加水分解縮合物を含むものであることを特徴とする。ここで、不揮発性とは、大気圧中260℃の加熱では揮発しないことを意味する。該表面処理剤組成物には、例えば、原料に含まれる不純物や製造プロセスで発生した副生成物が残存、混入することが考えられる。
このような混入されうる不純物及び副生成物として、具体的には使用した各原料、各中間体及びこれらに含まれた不純物や、Rf基の一部がフッ素化されていない構造を有するもの、下記一般式(11)
Figure 2022019577000034
(式中、Yは1価の基であり、水素原子、フッ素原子、カルボキシル基及びその塩、水酸基、エステル基、アミド基、ホルミル基等が挙げられる。)
で示される片末端官能化合物、更に式(1)で示されるフルオロポリエーテル変性アミドシラン化合物あるいは上記式(11)で示される化合物の-[Z-Si-Ma3-a]基の一つ以上が他の官能基に置き換わったもの等が挙げられる。
これら混入物は、式(1)で示されるフルオロポリエーテル変性アミドシラン化合物及び/又はその部分加水分解縮合物の溶解性や付与できる表面特性に大きな影響を与えない範囲で存在することは実用上問題にならないが、本発明の表面処理剤組成物は、その付与特性を維持するため、不揮発成分中に式(1)で示されるフルオロポリエーテル変性アミドシラン化合物及び/又はその部分加水分解縮合物が80質量%以上含まれることが望ましい。同様の理由から、不揮発成分中のフッ素含有量を測定した際に40~65質量%であることが望ましい。フッ素含有率は標準物質等を使用した不揮発分の19F-NMRから計算で求める。あるいは不揮発分の元素分析を行うことで求めることができる。
本発明の表面処理剤組成物は、予め溶剤によって希釈しておくことが望ましく、該溶剤としては、式(1)で示されるフルオロポリエーテル変性アミドシラン化合物及び/又はその部分加水分解縮合物を均一に溶解させるものであれば特に限定されないが、保存安定性と塗工後の乾燥における利便性から沸点が25~260℃、特に45~150℃の範囲にあることが望ましい。これより沸点が低いと、保存性が低下し、作業者の揮発分対策も難しくなり、これより高いと乾燥工程が困難になる。
このような溶剤として、具体的には、フッ素変性脂肪族炭化水素系溶剤(パーフルオロヘプタン、パーフルオロオクタンなど)、フッ素変性芳香族炭化水素系溶剤(m-キシレンヘキサフロライドなど)、フッ素変性エーテル系溶剤(メチルパーフルオロブチルエーテル、エチルパーフルオロブチルエーテル、パーフルオロ(2-ブチルテトラヒドロフラン)など)、フッ素変性アルキルアミン系溶剤(パーフルオロトリブチルアミン、パーフルオロトリペンチルアミンなど)、あるいはフッ素原子を含まない溶剤、具体的には炭化水素系溶剤(ヘキサン、ヘプタン、オクタン、イソオクタン、イソノナン、イソデカン、ペンタメチルヘプタン、石油ベンジン、トルエン、キシレンなど)、ケトン系溶剤(アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ジイソブチルケトンなど)、エーテル系溶剤(ジイソプロピルエーテル、ジブチルエーテル、モノグライム、ジグライム、テトラヒドロフラン、2-メチルテトラヒドロフラン、シクロペンチルメチルエーテル)、エステル系溶剤(酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸イソプロピル、酢酸ブチル)、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、3-エトキシプロピオン酸エチル等が挙げられる。
これらの中でも、本発明の式(1)で示されるフルオロポリエーテル変性アミドシラン化合物及び/又はその部分加水分解縮合物の特性を十分に活用するために、フッ素原子を含まない溶剤であることが好ましい。上記溶剤は1種を単独で使用しても2種以上を混合して使用してもよい。
溶剤に溶解させる式(1)で示されるフルオロポリエーテル変性アミドシラン化合物及び/又はその部分加水分解縮合物の最適濃度は、処理方法により異なり、秤量し易い量であればよく、溶剤に溶解させる場合、表面処理剤組成物中における式(1)で示されるフルオロポリエーテル変性アミドシラン化合物及び/又はその部分加水分解縮合物の含有率が0.01~95質量%であることが好ましい。これらのうち、直接塗工する場合は、溶剤とフルオロポリエーテル変性アミドシラン化合物及び/又はその部分加水分解縮合物の合計質量に対して式(1)で示されるフルオロポリエーテル変性アミドシラン化合物及び/又はその部分加水分解縮合物の含有率が0.01~10質量%、特に0.05~5質量%であることが好ましく、蒸着処理をする場合は、溶剤に溶解させなくてもよいし、溶剤に溶解させる場合は溶剤とフルオロポリエーテル変性アミドシラン化合物及び/又はその部分加水分解縮合物の合計質量に対して式(1)で示されるフルオロポリエーテル変性アミドシラン化合物及び/又はその部分加水分解縮合物の含有率が1~95質量%、特に3~30質量%であることが好ましい。またこれらの希釈は事前に一定濃度に希釈されたものを、使用の度に必要な濃度に希釈して用いてもよい。
本発明の表面処理剤組成物は、刷毛塗り、ディッピング、スプレー、蒸着処理など公知の方法で基材に施与することができる。蒸着処理時の加熱方法は、抵抗加熱方式でも、電子ビーム加熱方式のどちらでもよく、特に限定されるものではない。また、硬化温度は、硬化方法によって異なるが、例えば、ディッピング処理や蒸着処理で施与する場合は、20~200℃の範囲が望ましい。また、加湿下で硬化させてもよい。硬化被膜の膜厚は、基材の種類により適宜選定されるが、通常0.1~100nm、特に1~20nmである。
また、本発明の表面処理剤組成物の一般的な使用形態としては、本発明の表面処理剤組成物層が硬化後に密着又は接着するものであればいかなる基材上に塗布することもできるが、紙、布、金属及びその酸化物、皮、合成皮革、樹脂、木材、ガラス、SiO2処理されたガラス及び樹脂フィルム、セラミック(陶器)、石英、サファイア基材、石材など各種材質、これら基材に各種塗料によって塗装された塗膜表面などが挙げられる。これらは、フィルム、板状、及び成形部材等任意の形態をとるものに対してその表面に使用できる。
本発明の表面処理剤組成物によって得られる硬化被膜(硬化樹脂層)は、具体的には、タブレット型コンピュータ、ノートPC、携帯電話・スマートフォン等の携帯(通信)情報端末、デジタルメディアプレイヤー、デジタルカメラ、デジタルビデオカメラ、電子ブックリーダーなど各種機器の筐体及び表示部、操作部、時計型・眼鏡型ウェアラブルコンピュータ、心拍計・、脈拍系等の人体あるいは動物向けウェアラブルセンサー、ヘッドマウントディスプレイ、液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイ、有機EL(エレクトロルミネッセンス)ディスプレイ、背面投写型ディスプレイ、蛍光表示管(VFD)、フィールドエミッションプロジェクションディスプレイ、CRT、トナー系ディスプレイ、量子ドット(QD)ディスプレイなどの各種フラットパネルディスプレイ及びTVの画面などの表示操作機器表面及びこれらの内部に使用される各種光学フィルム類、GPS表示記録機器、自動車用等のナビゲーション装置、自動車用等の制御パネル、自動現金引出し預け入れ装置、現金自動支払機、自動販売機、デジタルサイネージ(電子看板)、セキュリティーシステム端末、POS端末、リモートコントローラなど各種コントローラ、車載装置用パネルスイッチなどの表示入力装置、ピアノや家具の光沢表面、大理石等の建築用石材表面、家具調度の表面、トイレ、風呂、洗面所等の水周りの装飾建材、衛生陶器、美術品展示用保護ガラス、ショーウインドー、ショーケース、フォトフレーム用カバー、腕時計、化粧品容器の外装及び内装、装飾品の外装、装飾品容器の外装、自動車及び列車等の各種車両の窓用ガラス、自動車及び列車等の各種車両の内装外装用の樹脂及び金属部分、車両用塗装のオーバーコート、屋内屋外の看板、広告表示、道路標識、案内板、屋内外の照明器具の発光部、各種信号機及びLED標識の表示部のコーティング、自動車用電子ミラーの表示部、各種建造物の屋外塗装、列車航空機等の輸送装置の窓ガラス及び内装外装、各種印刷用プリンターのインクノズル周辺部品、各種3Dプリンターの材料吐出ノズル周辺部品、自動車ヘッドライト・テールランプなどの透明なガラス製又は透明なプラスチック製(アクリル、ポリカーボネートなど)部材、ミリ波レーダー等の車用センサーのカバー部材、各種ミラー部材等の塗装膜及び表面保護膜として使用である。
更にメガネレンズ、プリズム、レンズシート、ペリクル膜、偏光板、光学フィルター、レンチキュラーレンズ、フレネルレンズ、反射防止膜、各種カメラ用レンズ、各種レンズ用フィルター、光ファイバーや光カプラーなどの光学部品・光デバイスの表面保護被膜としても使用できる。
本発明の表面処理剤組成物は、基材表面に塗布して硬化させることにより、表面に優れた防汚性、撥水性、撥油性、及び耐指紋性を有する硬化被膜を提供する。これによって各種基材に、雨、砂塵、花粉、生物の糞、虫の衝突による汚れ、各種工業オイル、食品オイル、調味料、指紋や皮脂あるいは汗等の人脂、化粧品などの付着、インクや塗料による落書き等により汚れ難くなり、汚れが付着した場合であっても拭き取り性に優れ、またガム、シール等粘着物が貼り付いた場合も容易に除去できる表面を与える。このため、本発明のフルオロポリエーテル変性アミドシラン化合物及び/又はその部分加水分解縮合物を80質量%以上含む表面処理剤組成物は、各種基材への保護膜を形成するために有用である。
以下、合成例、合成実施例、合成比較例、実施例及び比較例を示し、本発明を具体的に説明するが、本発明は下記の合成実施例、実施例に制限されるものではない。
[合成例1]
攪拌装置と還流装置を備えた4つ口フラスコに、下記式(12)
Figure 2022019577000035
19F-NMRから求めたs2+t2の平均値は32.5であり、これを元に求めた2価パーフルオロポリエーテル基の数平均分子量は5,821であり、計算から求めた-COF基濃度は0.000344モル/gである。)
で示される化合物1,500g(-COF基として0.515モル)、ジアリルアミン67.6g(0.70モル)、及びトリエチルアミン52.4g(0.52モル)を仕込み、50℃で攪拌混合した。4時間後に行った反応液のIR測定で、1,780cm-1の酸フロライドのカルボニル基の吸収が消失し、新たに1,685cm-1にアミド基のカルボニル基由来の吸収が発生したことを確認した。次いで、炭酸カルシウム36.8gを投入し、攪拌を継続しながら95℃まで昇温し、95℃に到達後1時間攪拌を継続し、そののち冷却した。室温まで冷却した反応溶液を、ロータリーエバポレーターで150℃/0.8kPaで留出液が無くなるまで加熱減圧した。フラスコを冷却後に得られた成分を、スリーエムジャパン製フッ素溶剤 PF-5060 1,000g、活性炭15g、及び共和界面科学製吸着剤 キョーワード700 15gと共に2時間攪拌し、アドバンテック東洋(株)製のNA-500濾過板で加圧ろ過した。得られたろ液をロータリーエバポレーターで120℃/0.8kPaで減圧留去を行い、1,445gの無色透明液体を得た。得られた化合物は、19F-NMR、1H-NMR、IR測定の結果から下記式(I)で示される化合物であることを確認した。
Figure 2022019577000036
19F-NMRから求めたs2+t2の平均値は32.5である。)
[合成例2]
仕込み量を、下記式(13)
Figure 2022019577000037
19F-NMRから求めたs3+t3の平均値は20.8であり、これを元に求めた2価パーフルオロポリエーテル基の数平均分子量は3,879であり、計算から求めたCOF基濃度は0.000515モル/gである。)
で示される化合物1,500g(-COF基として0.77モル)、ジアリルアミン92.5g(0.95モル)、及びトリエチルアミン95.3g(0.94モル)とした以外は合成例1と同様にして、1,513gの無色透明液体である下記式(II)で示される化合物を得た。
Figure 2022019577000038
19F-NMRから求めたs3+t3の平均値は20.8である。)
[合成実施例1]
攪拌装置と還流装置を備えた4つ口フラスコに、上記式(I)の化合物600g(アリル基として0.40モル)、m-キシレンヘキサフロライド240g、及び塩化白金酸/ビニルシロキサン錯体のトルエン溶液0.6g(Pt単体として1.5×10-6モルを含有)を仕込み、窒素雰囲気下で攪拌しながら85℃まで昇温した。ここに、下記式(III)
Figure 2022019577000039
で示される化合物138g(0.49モル)を滴下し、2時間攪拌を継続したのちに、反応液の1H-NMRを測定した。1H-NMR測定の結果、上記式(I)の化合物のアリル基が消失したことを確認し、加熱を停止して冷却した。冷却後の溶液を孔径0.2mのPTFEフィルターでろ過したのちに、窒素バブリング下で150℃/1.3kPaで減圧留去を行い、692gの淡黄色の透明液体を得た。得られた化合物の19F-NMR、1H-NMR、IR測定の結果から、上記(III)で示される化合物及び溶媒のm-キシレンヘキサフロライドは残存せず、下記式(IV)で示される化合物のみであることを確認した。
Figure 2022019577000040
19F-NMRから求めたs2+t2の平均値は32.5であり、これから求められる平均フッ素含有率は55.8質量%である。)
[合成実施例2]
上記式(I)の化合物の代わりに上記式(II)の化合物600g(アリル基として0.60モル)を使用し、上記式(III)の化合物の仕込み量を174g(0.62モル)とした以外は、合成実施例1と同様の手順で、701gの淡黄色の透明液体を得た。得られた化合物の19F-NMR、1H-NMR、IR測定の結果から、上記(III)で示される化合物及び溶媒のm-キシレンヘキサフロライドは残存せず、下記式(V)で示される化合物のみであることを確認した。
Figure 2022019577000041
19F-NMRから求めたs3+t3の平均値は20.8であり、これから求められる平均フッ素含有率は50.9質量%である。)
[合成比較例1]
攪拌装置と還流装置を備えた4つ口フラスコに、上記式(I)の化合物60g(アリル基として0.040モル)、m-キシレンヘキサフロライド100g、及び塩化白金酸/ビニルシロキサン錯体のトルエン溶液0.2g(Pt単体として0.5×10-6モルを含有)を仕込み、窒素雰囲気下で攪拌しながら80℃まで昇温した。ここにトリメトキシシラン13g(0.11モル)を滴下し、8時間攪拌を継続したのちに、反応液の1H-NMRを測定した。1H-NMR測定の結果、上記式(I)の化合物のアリル基が消失したことを確認し、加熱を停止して冷却した。冷却後の溶液を孔径0.2mのPTFEフィルターでろ過したのちに、窒素バブリング下で100℃/1.3kPaで減圧留去を行い、61gの淡黄色の透明液体を得た。得られた化合物の19F-NMR、1H-NMR、IR測定の結果から、上記トリメトキシシラン及び溶媒のm-キシレンヘキサフロライドは残存せず、下記式(VI)で示される化合物のみであることを確認した。
Figure 2022019577000042
19F-NMRから求めたs2+t2の平均値は32.5であり、これから求められる平均フッ素含有率は61.2質量%である。)
[実施例1、2及び比較例1]
溶解性の確認:
合成実施例1、2及び合成比較例1で得られた上記式(IV)、(V)、(VI)で示される各化合物16gと表1に示す脱水した各溶剤64gを密閉した100mlの透明バイアル瓶の中で均一に攪拌混合し、20℃で静置したのちに外観を目視で確認した。透明均一に溶解したものを「○」、相溶せず分離したものを「×」で評価した。結果を表1に示す。
Figure 2022019577000043
[実施例3、4及び比較例2]
合成実施例1、2で得られた上記式(IV)、(V)で示される各化合物をそれぞれ脱水した酢酸イソプロピルで0.1質量%に希釈した溶液(表面処理剤組成物)に、スライドガラスを10秒間浸漬し、150mm/minで引き上げたのちに、80℃、湿度80%の恒温恒湿器内で4時間保持して上記化合物の硬化被膜(膜厚:6nm)を得た。得られたコーティング表面(硬化被膜)及び未塗工ガラスの水接触角(撥水性)及び防汚性(マジックハジキ性、マジック拭き取り性)を以下に示す方法で評価した。
[撥水性の評価]
接触角計(協和界面科学(株)製 DropMaster)を用い、水2μLの液滴を硬化被膜又はガラス表面上に滴下して1秒後の水接触角を測定した。N=5の平均値を測定値とした。結果を表2に示す。
[マジックハジキ性の評価]
硬化被膜又はガラス表面にマジックペン(ゼブラ(株)製 ハイマッキー太字)で直線を描き、そのはじき具合を目視観察によって評価した。結果を表2に示す。
[マジック拭き取り性の評価]
硬化被膜又はガラス表面にマジックペン(ゼブラ(株)製 ハイマッキー太字)で直線を描き、1分後にティッシュペーパーで軽く3回擦って、マジックの跡が残らなかったものを「拭き取れる」、跡が残ったものを「拭き取れない」で評価した。結果を表2に示す。
Figure 2022019577000044

Claims (11)

  1. 下記一般式(1)
    Figure 2022019577000045
    (式中、Rfは数平均分子量1,500~20,000の2価パーフルオロポリエーテル基であり、Zはそれぞれ独立に少なくとも1つのSi-O-Siの結合を含む2価の連結基であり、Mはそれぞれ独立に、炭素数1~10のアルコキシ基、炭素数2~10のアルコキシアルコキシ基、炭素数2~10のアシロキシ基、炭素数2~10のアルケニルオキシ基及びハロゲン原子からなる群より選ばれる加水分解性基であり、Rはそれぞれ独立に炭素数1~6の1価炭化水素基であり、aは2又は3である。)
    で示されるフルオロポリエーテル変性アミドシラン化合物。
  2. 上記一般式(1)において、Rfが下記一般式(2)で示されるものである請求項1に記載のフルオロポリエーテル変性アミドシラン化合物。
    -CF(Y)-O-Rf1-CF(Y)- (2)
    (式中、YはF又はCF3であり、Rf1は以下のパーフルオロオキシアルキレン単位の1種又は2種以上から選ばれる繰り返し単位からなる。)
    -CF2O-
    -CF2CF2O-
    -CF2CF2CF2O-
    -CF(CF3)CF2O-
    -CF2CF(CF3)O-
    -CF2CF2CF2CF2O-
    -CF2CF2CF2CF2CF2O-
    -CF2CF2CF2CF2CF2CF2O-
    -CF2CF2OCF2CF2CF2CF2O-
  3. 上記一般式(1)において、Rfが、以下のいずれかで示されるものである請求項1又は2に記載のフルオロポリエーテル変性アミドシラン化合物。
    -CF2O(CF2O)p(CF2CF2O)qCF2
    (式中、pは10~300の整数、qは5~170の整数であり、かつp+qは15~470の整数のうち、Rfの数平均分子量が1,500~20,000を満たす数であり、各繰り返し単位の配列はランダムである。)
    Figure 2022019577000046
    (式中、s、tは独立に1~120の整数であり、かつs+tは2~240の整数のうち、Rfの数平均分子量が1,500~20,000を満たす数であり、uは1~6の整数であり、vは0~10の整数である。)
    -CF2CF2O[CF2CF2CF2O]wCF2CF2
    (式中、wは8~119の整数である。)
    -Cz2zO(CF2CF2O)x(CF2CF2CF2CF2O)yz2z
    (式中、xは2~300の整数、yは2~80の整数であり、かつx+yは4~380の整数のうち、Rfの数平均分子量が1,500~20,000を満たす数である。zは単位毎に独立に1又は2である。各繰り返し単位の配列はランダムである。)
  4. 上記一般式(1)において、Zが下記式(3)で示される2価の連結基である請求項1~3のいずれか1項に記載のフルオロポリエーテル変性アミドシラン化合物。
    Figure 2022019577000047
    (式中、mは2~10の整数であり、nは2~10の整数であり、lは1~6の整数である。)
  5. 上記一般式(1)において、Zが下記式で示され、aが3である請求項1~4のいずれか1項に記載のフルオロポリエーテル変性アミドシラン化合物。
    Figure 2022019577000048
  6. 上記一般式(1)において、Mが炭素数1~10のアルコキシ基である請求項1~5のいずれか1項に記載のフルオロポリエーテル変性アミドシラン化合物。
  7. 不揮発性フッ素含有有機化合物を含有する表面処理剤組成物であって、該不揮発性フッ素含有有機化合物が、請求項1~6のいずれか1項に記載のフルオロポリエーテル変性アミドシラン化合物及び/又はその部分加水分解縮合物を80質量%以上含むものである表面処理剤組成物。
  8. 不揮発性フッ素含有有機化合物の平均フッ素含有率が40~65質量%である請求項7に記載の表面処理剤組成物。
  9. 更に、沸点が25~260℃の有機溶剤を含有する表面処理剤組成物であって、該表面処理剤組成物中における上記フルオロポリエーテル変性アミドシラン化合物及び/又はその部分加水分解縮合物の含有率が0.01~95質量%である請求項7又は8に記載の表面処理剤組成物。
  10. 有機溶剤がフッ素原子を含まないものである請求項9に記載の表面処理剤組成物。
  11. 請求項7~10のいずれか1項に記載の表面処理剤組成物の硬化被膜を有する物品。
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