JP2022018235A - 高甘味度甘味料を含有する飲料、飲料の製造方法、及び、飲料の香味向上方法 - Google Patents

高甘味度甘味料を含有する飲料、飲料の製造方法、及び、飲料の香味向上方法 Download PDF

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Abstract

【課題】味の厚みと味の持続感とが増強された飲料、及び、飲料の製造方法、並びに、飲料の味の厚みと味の持続感とを増強させる香味向上方法を提供することを課題とする。【解決手段】本発明に係る飲料は、高甘味度甘味料を含有する飲料であって、α-ターピネオールの含有量が1.0~3.0ppmであり、カルベオールの含有量が0.25~3.0ppbである。本発明に係る飲料の香味向上方法は、高甘味度甘味料を含有する飲料の味の厚みと味の持続感とを増強させる香味向上方法であって、前記飲料のα-ターピネオールの含有量を1.0~3.0ppmとし、カルベオールの含有量を0.25~3.0ppbとする工程を含む。【選択図】なし

Description

本発明は、高甘味度甘味料を含有する飲料、飲料の製造方法、及び、飲料の香味向上方法に関する。
近年、健康志向の高まりに伴い、消費者の低カロリー志向が進んでいる。そして、低カロリー、低糖質・糖類を訴求する製品は、炭酸飲料や缶コーヒーに留まらず、様々な飲料で登場している。
そして、これらの製品は、砂糖の代替の甘味料として高甘味度甘味料が使用される場合が多い。ここで、高甘味度甘味料とは、甘味料の中でも砂糖の数百倍、数千倍の甘味度を有するものであることから、飲料に甘味を付与する際の添加量も少なくてすみ、カロリーやコストが抑えられるというメリットがある。
このような高甘味度甘味料を含有する飲料について、研究開発が進められており、以下のような技術が提案されている。
例えば、特許文献1には、酸味付与物質と苦味付与物質とを含んでなる、高甘味度甘味料含有飲料であって、高甘味度甘味料の味質が改善され、かつ、苦味付与物質が、クワシンおよび/またはイソα酸である、飲料が開示されている。
特開2015-180218号公報
特許文献1に係る発明は、高甘味度甘味料の味質を改善するためにクワシンやイソα酸を含有させている。
そして、特許文献1のような高甘味度甘味料を含有する飲料は、前記したとおり、カロリーやコストを抑えられるというメリットを有する一方、味の厚み(ボディ感)に乏しいといデメリットがある。
また、本発明者は、高甘味度甘味料を含有する飲料の香味について検討した結果、味の厚みを増強させるだけでは、飲みごたえのある飲料にはならず、この味の厚みを持続させる必要があることを確認した。
そこで、本発明は、味の厚みと味の持続感とが増強された飲料、及び、飲料の製造方法、並びに、飲料の味の厚みと味の持続感とを増強させる香味向上方法を提供することを課題とする。
前記課題は、以下の手段により解決することができる。
(1)高甘味度甘味料を含有する飲料であって、α-ターピネオールの含有量が1.0~3.0ppmであり、カルベオールの含有量が0.25~3.0ppbである飲料。
(2)前記高甘味度甘味料がスクラロース、アセスルファムカリウム、ステビアの少なくとも1つである前記1に記載の飲料。
(3)前記高甘味度甘味料の含有量がショ糖甘味度換算で45~150g/Lである前記1又は前記2に記載の飲料。
(4)前記α-ターピネオールの含有量をAppmとし、前記カルベオールの含有量をBppbとした場合にB/Aが0.25~1.50である前記1から前記3のいずれか1つに記載の飲料。
(5)高甘味度甘味料を含有する飲料の製造方法であって、α-ターピネオールの含有量を1.0~3.0ppmとし、カルベオールの含有量を0.25~3.0ppbとする工程を含む飲料の製造方法。
(6)高甘味度甘味料を含有する飲料の味の厚みと味の持続感とを増強させる香味向上方法であって、前記飲料のα-ターピネオールの含有量を1.0~3.0ppmとし、カルベオールの含有量を0.25~3.0ppbとする工程を含む飲料の製造方法。
本発明に係る飲料は、味の厚みと味の持続感とが増強している。
本発明に係る飲料の製造方法は、味の厚みと味の持続感とが増強している飲料を製造することができる。
本発明に係る飲料の香味向上方法は、高甘味度甘味料を含有する飲料について、味の厚みと味の持続感とを増強することができる。
以下、本発明に係る高甘味度甘味料を含有する飲料、飲料の製造方法、及び、飲料の香味向上方法を実施するための形態(本実施形態)について説明する。
[飲料]
本実施形態に係る飲料は、高甘味度甘味料を含有する飲料であって、α-ターピネオールとカルベオールとを含有する飲料である。
以下、本実施形態に係るアルコール飲料を構成する各要素について説明する。
(高甘味度甘味料)
高甘味度甘味料とは、甘味を付与する甘味料の中でも非常に高い甘味度を呈する甘味料である。
そして、高甘味度甘味料は、例えば、ショ糖の甘味度を1.0とした場合において、100以上8000以下の甘味度を呈する甘味料である。
そして、高甘味度甘味料は、食品衛生法において食品添加物に分類される物質であって、人工甘味料(合成甘味料)と天然甘味料とに分けることができる。
高甘味度甘味料として、例えば、スクラロース、サッカリン、アスパルテーム、アセスルファムカリウムなどの人工甘味料や、ステビア、カンゾウ、ソーマチンなどの天然甘味料が挙げられ、これらの中でも、スクラロース、アセスルファムカリウム、ステビアの少なくとも1つ、または、スクラロース、アセスルファムカリウム、ステビアのいずれか1つが好ましい。
高甘味度甘味料の含有量は、特に限定されないものの、例えば、以下のとおりである。
高甘味度甘味料の含有量(ショ糖甘味度換算)は、45g/L以上が好ましく、50g/L以上、60g/L以上、70g/L以上、80g/L以上、85g/L以上、90g/L以上がより好ましい。高甘味度甘味料の含有量が所定値以上であることによって、飲料に対して所望の甘味を付与することができる。
高甘味度甘味料の含有量(ショ糖甘味度換算)は、150g/L以下が好ましく、140g/L以下、130g/L以下、120g/L以下、110g/L以下、100g/L以下がより好ましい。高甘味度甘味料の含有量が所定値以下であることによって、香味のバランスを良好なものにできるとともに、本発明の課題(味の厚みを感じ難い)がより明確になる。
ここで、高甘味度甘味料のショ糖甘味度換算の含有量とは、飲料中における高甘味度甘味料の含有量をショ糖の甘味度1を基準として換算したものであって、ショ糖換算の含有量ともいう。具体的には、スクラロースの含有量が0.15g/Lの飲料の場合、高甘味度甘味料の含有量(ショ糖甘味度換算)は、「0.15g/L」×「600(スクラロースの甘味度)」/「1(ショ糖の甘味度)」で90g/Lとの値を算出することができる。
そして、各高甘味度甘味料の甘味度については、ショ糖の甘味度を1とした場合、スクラロース:600、サッカリン:400、アスパルテーム:200、アセスルファムカリウム:200、ステビア:450、カンゾウ:250、ソーマチン:3000という値を用いればよい。
なお、各高甘味度甘味料の含有量(ショ糖甘味度換算ではない)は、例えば、高速液体クロマトグラフ(HPLC)を用いて定量することができる。
(α-ターピネオール)
α-ターピネオール(α-Terpineol)とは、化学式C1018Oで表されるモノテルペンアルコールの一種であり、α-テルピネオールとも呼ばれる。そして、α-ターピネオールは、ハーバル様(薬草様)の香気であって劣化臭を呈する物質として知られている(特開2016-165310号公報)。
本発明者は、驚くべきことに、高甘味度甘味料を含有する飲料に対して、このα-ターピネオールと後記するカルベオールの両者を含有させることによって、味の厚みを増強させるだけでなく、味の持続感をも増強させることを見出した。
α-ターピネオールの含有量は、1.0ppm以上が好ましく、1.2ppm以上、1.5ppm以上、1.8ppm以上、2.0ppm以上がより好ましい。α-ターピネオールの含有量が所定値以上であることによって、本発明の効果(味の厚みと味の持続感との増強効果)が発揮されることとなる。
α-ターピネオールの含有量は、3.0ppm以下が好ましく、2.8ppm以下、2.5ppm以下、2.3ppm以下がより好ましい。α-ターピネオールの含有量が所定値以下であることによって、本発明の効果をしっかりと発揮させることができる。
なお、本明細書において、「ppm」という単位は「mg/L」と同義である。
α-ターピネオールの含有量は、例えば、固相マイクロ抽出-質量分析計付きガスクロマトグラフィー(Solid Phase MicroExtraction-Gas Chromatography-Mass Spectrometry:SPME-GC-MS)法や溶媒抽出-質量分析計付きガスクロマトグラフィー法により測定することができる。
(カルベオール)
カルベオール(carveol)とは、化学式C1016Oで表されるテルペノイドアルコールの一種である。そして、本発明者がカルベオールの香味を検討したところ、単品では埃様の香りを呈し、飲料に適用すると飲みにくくなることを確認していた。
しかしながら、前記したとおりであるが、本発明者は、驚くべきことに、高甘味度甘味料を含有する飲料に対して、このカルベオールと前記のα-ターピネオールの両者を含有させることによって、味の厚みを増強させるだけでなく、味の持続感をも増強させることを見出した。
カルベオールの含有量は、0.25ppb以上が好ましく、0.5ppb以上、0.8ppb以上、1.0ppb以上、1.5ppb以上、2.0ppb以上がより好ましい。カルベオールの含有量が所定値以上であることによって、本発明の効果(味の厚みと味の持続感との増強効果)が発揮されることとなる。
カルベオールの含有量は、3.0ppb以下が好ましく、2.8ppb以下、2.5ppb以下、2.3ppb以下がより好ましい。カルベオールの含有量が所定値以下であることによって、本発明の効果をしっかりと発揮させることができる。
なお、本明細書において、「ppb」という単位は「μg/L」と同義である。また、カルベオールには異性体が複数存在するものの、本明細書において、カルベオールの含有量とは、全ての異性体の合計含有量(つまり、全てのカルベオールの含有量)である。
カルベオールの含有量は、例えば、固相マイクロ抽出-質量分析計付きガスクロマトグラフィー(Solid Phase MicroExtraction-Gas Chromatography-Mass Spectrometry:SPME-GC-MS)法や溶媒抽出-質量分析計付きガスクロマトグラフィー法により測定することができる。
(α-ターピネオールの含有量に対するカルベオールの含有量の比率)
本実施形態に係る飲料は、α-ターピネオールの含有量とカルベオールの含有量とが、其々、前記した範囲内となっていればよいものの、α-ターピネオールの含有量をAppmとしカルベオールの含有量をBppbとした場合の両者の比率(B/A)が以下のような値となるのが好ましい。
B/Aは、0.25以上が好ましく、0.40以上、0.50以上、0.80以上、1.00以上がより好ましい。B/Aが所定値以上であることによって、本発明の効果(味の厚みと味の持続感との増強効果)がより確実に発揮されることとなる。
B/Aは、1.50以下が好ましく、1.30以下、1.20以下、1.10以下がより好ましい。B/Aが所定値以下であることによって、本発明の効果をよりしっかりと発揮させることができる。
(吸光度)
本実施形態に係る飲料の波長660nmの吸光度は、0.05以下が好ましく、0.03以下、0.02以下、0.015以下がより好ましい。吸光度が所定値以下であることによって、本発明の課題(味の厚みがない)がさらに明確となる。一方、波長660nmの吸光度の下限は限定されず、0でもよい。
そして、波長660nmの吸光度は、例えば、市販の分光光度計によって測定することができる。
なお、吸光度については、後記する添加物や果汁などの量を制限することによって調整することができる。
(酸性飲料)
本実施形態に係る飲料は、酸性飲料(酸味が付与された飲料、pH7未満の飲料)としてもよいし、中性飲料(pHが中性域の飲料)としてもよく、特に限定されない。
例えば、酸性飲料とする場合は、酸味料としてクエン酸を0.01g/L以上25.0g/L以下(好ましくは0.04g/L以上15.0g/L以下、より好ましくは0.1g/L以上3.0g/L以下)含有させればよい。
また、例えば、酸性飲料とする場合は、酸味料を含有させて、酸味度(クエン酸換算の酸味度)を、10ppm以上25000ppm以下(好ましくは40ppm以上15000ppm以下、より好ましくは100ppm以上3000ppm以下)としてもよい。
なお、本明細書において、「酸味度(クエン酸換算の酸味度)」とは、飲料中における酸味料の含有量(クエン酸換算量)であって、「飲料中の所定酸味料の含有量(ppm)」×「所定酸味料の酸味度」/「クエン酸の酸味度(1)」で算出される値である。例えば、乳酸の含有量が10ppmの飲料の場合、クエン酸換算の酸味度は12ppm(=10×1.2/1)となる。
そして、各酸味料の酸味度については、クエン酸の酸味度を1とした場合、乳酸:1.2、リンゴ酸:1.2、酒石酸:1.3、フマル酸:1.8、コハク酸:1.15、酢酸:1.0、リン酸:2.0、アジピン酸:0.9、グルコン酸:0.7という値を用いればよい。
なお、飲料が2種以上の酸味料を含む場合や果汁中に有機酸を含む際には、それぞれの酸味料や有機酸について、クエン酸の酸味度に換算した値を算出し、その総和が上記範囲であればよい。
(炭酸飲料)
本実施形態に係る飲料は、炭酸飲料であってもよい。なお、本発明における炭酸飲料とは、20℃におけるガス圧(全圧)が0.5kg/cm以上であることをいう。
(その他)
本実施形態に係る飲料は、例えば、本発明の所望の効果が阻害されない範囲で飲料として通常配合される甘味料、酸化防止剤、香料、酸味料、塩類、食物繊維など(以下、適宜「添加剤」という)を添加することもできる。甘味料としては、例えば、果糖ぶどう糖液糖、グルコース、ガラクトース、マンノース、フルクトース、ラクトース、スクロース、マルトース、グリコーゲンやデンプンなどを用いることができる。酸化防止剤としては、例えば、ビタミンC、ビタミンE、ポリフェノールなどを用いることができる。酸味料としては、例えば、アジピン酸、クエン酸、クエン酸三ナトリウム、グルコノデルタラクトン、グルコン酸、グルコン酸カリウム、グルコン酸ナトリウム、コハク酸、コハク酸一ナトリウム、コハク酸二ナトリウム、酢酸ナトリウム、DL-酒石酸、L-酒石酸、DL-酒石酸ナトリウム、L-酒石酸ナトリウム、二酸化炭素、乳酸、乳酸ナトリウム、氷酢酸、フマル酸、フマル酸一ナトリウム、リン酸などを用いることができる。塩類としては、例えば、食塩、酸性りん酸カリウム、酸性りん酸カルシウム、りん酸アンモニウム、硫酸マグネシウム、硫酸カルシウム、メタ重亜硫酸カリウム、塩化カルシウム、塩化マグネシウム、硝酸カリウム、硫酸アンモニウムなどを用いることができる。食物繊維としては、例えば、難消化性デキストリン、ペクチン、ポリデキストロース、グアーガム分解物などを用いることができる。
また、本実施形態に係る飲料は、アルコールを含有させることによってアルコール飲料としてもよい。
本実施形態に係る飲料は、フルーツフレーバー(フルーツ様の香りを付与するフレーバー)、果汁(果実を搾った汁)、果実エキス(果実又は果汁から水やアルコールなどを用いて当該果実の有効成分を抽出した抽出物)を含有させることもできる。そして、果汁としては、例えば、濃縮果汁、還元果汁、ストレート果汁といった各種果汁、果実ピューレ(火を通した果実あるいは生の果実をすりつぶしたり裏ごししたりした半液体状のもの)、これらの希釈液、濃縮液、混合液などを用いることができる。
果汁の由来となる果実(および、果実フレーバーや果実エキスの果実種)は、柑橘類果実である、レモン、ライム、ミカン、オレンジ、グレープフルーツ、ユズ、シークワーサー等や、バラ科果実である、梅、リンゴ、イチゴ、桃等、これら以外にも、ぶどう、プラム、ざくろ、ブルーベリー、カシス、クランベリー、マキベリー、いちご、アップル、ピーチ、マンゴー、パイナップル、キウイ、梨等といった従来公知の果実も挙げることができる。
なお、本発明におけるα-ターピネオールとカルベオールに基づく効果(味の厚みと味の持続感との増強)は、フレーバー・果汁・果実エキスの香味タイプや香味の強弱によって、消失してしまうといったことはないと考えることから、フレーバーなどによる香味タイプは前記のとおり多様であってもよく、含有量についても特に限定されない。ただし、後記する実施例で本発明の効果が確認されている柑橘類果実(特にレモン)の果汁等を用いるのが好ましい。
(容器詰め飲料)
本実施形態に係る飲料は、各種容器に入れて提供することができる。各種容器にアルコール飲料を詰めることにより、長期間の保管による品質の劣化を好適に防止することができる。
なお、容器は密閉できるものであればよく、金属製(アルミニウム製又はスチール製など)のいわゆる缶容器・樽容器を適用することができる。また、容器は、ガラス容器、ペットボトル容器、紙容器、パウチ容器などを適用することもできる。容器の容量は特に限定されるものではなく、現在流通しているどのようなものも適用することができる。なお、気体、水分および光線を完全に遮断し、長期間常温で安定した品質を保つことが可能な点から、金属製の容器を適用することが好ましい。
以上説明したように、本実施形態に係る飲料は、味の厚みと味の持続感とが増強している。
[飲料の製造方法]
次に、本実施形態に係る飲料の製造方法を説明する。
本実施形態に係る飲料の製造方法は、混合工程と、後処理工程と、を含む。
混合工程では、混合タンクに、水、高甘味度甘味料、α-ターピネオール、カルベオール、添加剤などを適宜投入して混合後液を製造する。
この混合工程において、α-ターピネオールの含有量やカルベオールの含有量などが前記した所定範囲内となるように各原料を混合し、調整すればよい。
そして、後処理工程では、例えば、ろ過、殺菌、炭酸ガスの付加、容器への充填などの処理を必要に応じて選択的に行う。
なお、後処理工程のろ過処理は、一般的なフィルター又はストレーナーによって行うことができる。また、後処理工程の殺菌処理は、処理速度等の観点から、プレート殺菌によって行うのが好ましいが、同様の処理を行うことができるのであればこれに限定されることなく適用可能である。また、後処理工程の充填処理は、飲料品の製造において通常行われる程度にクリーン度を保ったクリーンルームにおいて充填するのが好ましい。そして、後処理工程での各処理の順序は特に限定されない。
なお、混合工程及び後処理工程において行われる各処理は、RTD飲料などを製造するために一般的に用いられている設備によって行うことができる。
以上説明したように、本実施形態に係る飲料の製造方法によると、味の厚みと味の持続感とが増強している飲料を製造することができる。
[飲料の香味向上方法]
次に、本実施形態に係る飲料の香味向上方法を説明する。
本実施形態に係る飲料の香味向上方法は、高甘味度甘味料を含有する飲料の味の厚みと味の持続感とを増強させる香味向上方法であって、飲料にα-ターピネオールとカルベオールとを含有させる方法である。
なお、各成分の含有量等については、前記した「飲料」において説明した値と同じである。
以上説明したように、本実施形態に係るアルコール飲料の香味向上方法によると、高甘味度甘味料を含有する飲料について、味の厚みと味の持続感とを増強することができる。
次に、本発明の要件を満たす実施例とそうでない比較例とを例示して、本発明について説明する。
[サンプルの準備]
表1~8の各サンプルは、表に示す量となるように、高甘味度甘味料(スクラロース、アセスルファムカリウム、ステビア)、クエン酸、α-ターピネオール、カルベオール、純水を適宜配合してサンプルを準備した。なお、表1~8の各サンプルのBxは0.22であった。
表9の各サンプルは、表に示す量となるように、レモン果汁、レモン香料、高甘味度甘味料(スクラロース)、クエン酸、α-ターピネオール、カルベオール、純水を適宜配合してサンプルを準備した。なお、表9の各サンプルのBxは0.24であった。
[試験内容]
前記の方法により製造した各サンプルについて、訓練された識別能力のあるパネルが下記評価基準に則って「味の厚みと味の持続感」について、1~5点の5段階評価で各々のパネルが点数付けし、その平均値を算出した。
なお、表1のサンプルはパネル7名で評価を行い、表2~9のサンプルはパネル5名で評価を行った。
また、全ての評価は、サンプルを飲んで評価した。
そして、官能評価は、サンプル番号の後方番号が1であるサンプルを対象サンプルとし、当該対象サンプルを3点(基準点、表では「-」と示している)として評価を行った。そして、官能評価は、サンプル番号の前方番号が同じ対象サンプルと比較して評価した。具体的には、対象サンプルは、サンプル1-1、2-1、3-1、4-1、5-1、6-1、7-1、8-1、9-1であり、例えば、サンプル2-3の官能評価は、サンプル番号の前方番号が同じであって後方番号が1であるサンプル2-1(対象サンプル)を3点(基準点)として、この対象サンプルとの比較によって評価を行った。
(官能評価:味の厚みと味の持続感の評価基準)
味の厚みと味の持続感の官能評価は、各対象サンプルの基準点を考慮しつつ、「味の厚みと味の持続感とがある」場合を5点、「味の厚みと味の持続感とがややある」場合を4点、「味の厚みと味の持続感とが対象サンプルと変わらない」場合を3点、「味の厚みと味の持続感とがややない」場合を2点、「味の厚みと味の持続感とがない」場合を1点と評価した。そして、官能評価は、点数が高いほど増強されており、好ましいと判断できる。
ここで、「味の厚み」とは、ボディ感であり、「味の持続感」とは、厚くなった味が持続する感覚である。
(吸光度)
各サンプルの波長660nmの吸光度について、分光光度計(UV-1800、SHIMADZU社製)を用いて測定を行った。
サンプル9-1、9-2の波長660nmの吸光度は、0.015であり、それ以外のサンプルは全て、0.000であった。
表に、各サンプルの含有量等を示すとともに、各評価の結果を示す。なお、表に示す各成分の数値は、最終製品における含有量である。そして、表に示す各成分の含有量は、各成分の添加量から算出した値である。
なお、表に示す「B/A」は、「カルベオールの含有量B(ppb)/α-ターピネオールの含有量A(ppm)」で算出される値である。
Figure 2022018235000001
Figure 2022018235000002
Figure 2022018235000003
Figure 2022018235000004
Figure 2022018235000005
Figure 2022018235000006
Figure 2022018235000007
Figure 2022018235000008
Figure 2022018235000009
(結果の検討)
表1のサンプル1-1~1-3の結果によると、α-ターピネオール単独では味の厚みと味の持続感とが対象サンプルから十分には上昇せず、カルベオール単独では味の厚みと味の持続感とが対象サンプルから低下してしまうことが確認できた。
そして、表1のサンプル1-1~1-4の結果によると、α-ターピネオールだけでもカルベオールだけでも所望の効果は発揮されないが、両者を一緒に飲料に含有させることによってはじめて所望の効果が得られることが確認できた。
表2のサンプル2-1~2-7の結果によると、α-ターピネオールの含有量とカルベオールの含有量とが其々、所定範囲内となることによって、味の厚みと味の持続感とが増強されることが確認できた。
なお、サンプル2-1~2-7の中でも、サンプル2-3~2-7について好ましい結果(4.0以上)が得られ、特に、サンプル2-4~2-7が非常に好ましい結果(4.4以上)が得られた。
表1のサンプル1-1、1-4、表3のサンプル3-1、3-2、表4のサンプル4-1、4-2の結果によると、高甘味度甘味料として、スクラロースを使用した場合だけでなく、アセスルファムカリウムやステビアでも同様の効果が得られることが確認できた。
これらの結果から、本発明は、所定の高甘味度甘味料に限定される効果ではなく、様々な高甘味度甘味料を含有する飲料に適用できることが確認できた。
表1のサンプル1-1、1-4、表5のサンプル5-1、5-2、表6のサンプル6-1、6-2、表7のサンプル7-1、7-2、表8のサンプル8-1、8-2の結果によると、高甘味度甘味料の含有量(ショ糖甘味度換算)が変化しようと、所望の効果が得られることが確認できた。
そして、これらの結果によると、高甘味度甘味料の含有量(ショ糖甘味度換算)が表1、5、6、7、8に示す範囲内であれば、確実に所望の効果が得られることも確認できた。
表9のサンプル9-1、9-2の結果によると、果汁や香料が含まれた飲料であろうとも、所望の効果が十分に発揮されることが確認できた。

Claims (6)

  1. 高甘味度甘味料を含有する飲料であって、
    α-ターピネオールの含有量が1.0~3.0ppmであり、カルベオールの含有量が0.25~3.0ppbである飲料。
  2. 前記高甘味度甘味料がスクラロース、アセスルファムカリウム、ステビアの少なくとも1つである請求項1に記載の飲料。
  3. 前記高甘味度甘味料の含有量がショ糖甘味度換算で45~150g/Lである請求項1又は請求項2に記載の飲料。
  4. 前記α-ターピネオールの含有量をAppmとし、前記カルベオールの含有量をBppbとした場合にB/Aが0.25~1.50である請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の飲料。
  5. 高甘味度甘味料を含有する飲料の製造方法であって、
    α-ターピネオールの含有量を1.0~3.0ppmとし、カルベオールの含有量を0.25~3.0ppbとする工程を含む飲料の製造方法。
  6. 高甘味度甘味料を含有する飲料の味の厚みと味の持続感とを増強させる香味向上方法であって、
    前記飲料のα-ターピネオールの含有量を1.0~3.0ppmとし、カルベオールの含有量を0.25~3.0ppbとする工程を含む飲料の製造方法。
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