JP2022017958A - 柔軟袋 - Google Patents

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Abstract

【課題】枕袋やクッション等に木毛を充填した柔軟袋において、木毛の長さ、材質、その他を所定の規格とすることにより、従来の木毛に伴う枕やクッション等の充填材としての欠点を解消することができる柔軟袋を提供する。【解決手段】本体101中に木毛を充填した柔軟袋である寝具用枕100において、木毛は下記の所定の規格を有すること。即ち、長さは最低でも180mm以上、厚さは0.2mm以上であって、好ましくは、0.2mm~1.0mmの範囲、幅は1mm~2mmの範囲、断面は矩形状若しくは小判形、本体101の内容量に対する充填量は、内容積:充填容積の比率が概ね10:7~10:9の程度範囲、材質は特有の香りがある、松、杉、ヒノキ、或いはその他の香木である。【選択図】図1

Description

この発明は、木毛(モクメン)を充填材として用いた寝具用枕やクッション等(以下、これらをまとめて「柔軟袋」とよぶ)に係り、特に長期間に亘って弾力性を持続して快適に使用できる柔軟袋に関する。
従来、寝具などの一つとして使用する枕やソファーなどで使用するクッションなどの柔軟袋にあっては、例えば寝具用枕については、袋体(以下、「枕袋」とよぶ)の中にクッション材などを充填させたものが多い。また、この寝具用枕は、使用者の体型や頭部の大きさ等、個々の使用者の外形的な特徴などに対応して枕の大きさ、充填物の収容量、固さ等が異なる各種タイプのものが形成されており、使用者に最適な使い心地となるように各種の工夫がなされている。
特に最近の枕は、プラスチック樹脂製の充填材を使用することにより充填材全体の形状やクッション性を自在に変更でき、同時に安価で、しかも弾性係数の高いもの等が一般的となっている。このように、かかる枕の充填物は、クッション機能を充分に発揮し安価で大量に生産することができるように、樹脂系素材のスポンジ等の弾性体で構成することが多くなっている。
ところで、最近、プラスチック素材の海中投棄や合成樹脂材料の再処理問題等で化学素材に由来する公害問題が生起しており、環境汚染防止の観点から、かかる化学素材の使用回避の風潮にある。そこで、このような公害問題を解決するために、従来の化学素材に替わるものとして、木材や紙パルプ素材などの天然素材が注目され始めている。
かかる素材変革の中にあって、寝具用枕の充填物についても木材等の天然素材へと変換の必要性が出てきた。このような事情から、枕の充填物として木材チップ小片の集合体により構成するものが提案されている(特許文献1)。さらに、このような充填物として、例えば精神安定作用のある特有の香りを放つ檜材や松木のような樹種木材を使用するものもある。
ところで、特許文献1に記載の木材チップ小片のものよりももっと小さなものとして、木毛(或いはウッドパッキン)が知られている。この木毛は、旧来、陶磁器類等の輸送の際の割れ防止や表面保護などのクッション材として陶磁器収納ケース等に充填して使用されていたものであるが、クッション性に優れたこの木毛を寝具用枕の充填物として新たに使用することが検討され始めている(特許文献2、特許文献3、特許文献4)。
実用新案登録第3076119号公報 特開平10-108771号公報 実公昭46-19965号公報 特開2014-90935号公報
ところが、旧来の木毛を寝具用枕にそのまま使用すると、クッション性と復元力はあるものの、睡眠中の寝返り等によって枕の上で頭部が移動したときに、枕袋内部の木毛が互いにこすれ合い、木くずが発生して粉末となることがある。その結果、この粉末状の木くずが、枕袋の繊維の隙間から外に飛び出し、寝ている人が無意識に吸入する虞がある。また、頭部摺動時に木毛のこすれによる異音や不協音が発生して睡眠の妨げとなる虞もある。
さらに、この木毛をそのまま枕充填物に使用するとしても、その木毛が、寝具用枕に最適な形状、厚さ、幅、長さなどになっているか否かの検討及び検証などは何らなされていない。従って、単にクッション機能材としてそのまま使用するのであれば、快適な使用感を実現するには甚だ不適切なものである。
また、ソファーなどにおいて臀部、腰、頭などを押し当てて休むようなときに使用するクッションについても、上述した寝具用枕と事情は類似しており、快適な使用感を実現するには不適切なものである。
この発明の目的は、枕袋やクッション等に木毛を充填した柔軟袋において、木毛の長さ、材質、その他を所定の規格とすることにより、従来の木毛に伴う枕やクッション等の欠点を解消することができる柔軟袋を提供せんとするものである。
この発明の要旨は、枕袋やクッション等の袋の本体中に木毛を充填した柔軟袋であって、
前記木毛の長さ、幅、厚さ、断面形状、充填容積比、及び木材の材質について、以下のような要件を具備することを特徴とした柔軟袋。
1)前記木毛の長さは、一般的、標準的な長さのものに比べて短すぎることがない、最低でも1.5倍以上の長さに形成されていること。
2)前記木毛の幅は、前記袋の本体の繊維の隙間或いは編目から抜け出すことがない程度の幅であること。
3)前記木毛の厚さは、木毛端部や側部のエッジ部分が頭部に鋭く接触して、ごつごつ感や痛みを感じることがないような薄い厚さであるとともに、薄すぎて長期間などの使用に伴い、簡単に木くずが発生しない程度の厚さは確保していること。
4)前記木毛の断面形状は、枕に頭部、臀部、背中などをのせたときにごつごつせず、かつ、接触して違和感や痛みを伴うことがない、上下表面がでこぼこのないフラットな形状であること。
5)前記袋の本体の内容積に対する木毛の充填量は、頭部、臀部、背中などを載せたときに最低限の嵩高を確保し所定以上の沈みを生じない充填量であるとともに、通気性確保などの条件を加味し、その内容積:充填容積の比率が、概ね、10:7~10:9の程度範囲であること。
6)前記木毛の材質は、接触して痛みを生じることがない硬さ、若しくは比較的軟質な樹種であること。
また、この発明では、枕袋やクッション等の袋の本体中に木毛を充填した柔軟袋であって、
前記木毛の長さ、幅、厚さ、断面形状、充填容積比、及び木材の材質は、次の要件を持たすことを特徴とした柔軟袋。
1)前記木毛の長さは、一般的、標準的な長さのものに比べ、最低でもその1.5倍以上の180mm以上であること、
2)前記木毛の幅は、1mm~2mmの範囲であること、
3)前記木毛の厚さは、0.2mm以上であって、好ましくは、0.2mm~1.0mmの範囲内であること、
4)前記木毛の断面形状は、矩形状若しくは小判形であること、好ましくは角部が面取り或いはR取りされていること、
5)前記袋本体の内容積に対する充填容量は、内容積:充填容積の比率が、概ね、10:7~10:9の程度範囲であること、
6)前記木毛の材質は、特有の香りがある、松、杉、ヒノキ、或いはその他の香木であることを特徴とする。
また、この発明では、前記袋の本体の内部は、上下方向について、単層であって、水平方向について、複数の部屋に区分され、
前記各部屋には、少なくとも木毛を含む各種充填材が充填されていることを特徴とする。
また、この発明では、前記木毛を充填する袋の本体の内部は、少なくとも上下複数層に区分されているとともに、前記区分された上下各区画は、それぞれ平面的に複数の部屋に区分され、前記各部屋には、少なくとも木毛を含む各種充填材が充填されていることを特徴とする。
また、この発明では、前記複数に区画されている各部屋には、少なくとも低反発材及び活性炭のいずれかを含む木毛の充填材が充填されていることを特徴とする。
この発明によれば、枕袋やクッション等の袋の本体中に木毛を充填した柔軟袋であって、
前記木毛の長さ、幅、厚さ、断面形状、充填容積比、及び木材の材質について、以下のような要件を具備することを特徴とした柔軟袋。
1)前記木毛の長さは、一般的、標準的な長さのものに比べて短すぎることがない、最低でも1.5倍以上の長さに形成されていること。
2)前記木毛の幅は、前記袋の本体の繊維の隙間或いは編目から抜け出すことがない程度の幅であること。
3)前記木毛の厚さは、木毛端部や側部のエッジ部分が頭部に鋭く接触して、ごつごつ感や痛みを感じることがないような薄い厚さであるとともに、薄すぎて長期間などの使用に伴い、簡単に木くずが発生しない程度の厚さは確保していること。
4)前記木毛の断面形状は、枕に頭部、臀部、背中などをのせたときにごつごつせず、かつ、接触して違和感や痛みを伴うことがない、上下表面がでこぼこのないフラットな形状であること。
5)前記袋の本体の内容積に対する木毛の充填量は、頭部、臀部、背中などを載せたときに最低限の嵩高を確保し所定以上の沈みを生じない充填量であるとともに、通気性確保などの条件を加味し、その内容積:充填容積の比率が、概ね、10:7~10:9の程度範囲であること。
6)前記木毛の材質は、接触して痛みを生じることがない硬さ、若しくは比較的軟質な樹種であること。
これにより、従来の木毛の使用に伴う枕やクッションなどの柔軟袋の充填材としての欠点を解消することができる。即ち、
1)の要件により、所定容積の袋の本体内へ充填する木毛本数をできるだけ少なくして所要の内容積を稼ぐことができる。その結果、木毛本数が少ない分、エッジとなり触れると不快感をもたらす虞のある木毛の端部の数も最小限に抑えることができる。換言すれば、袋の本体の外から頭部、臀部、背中などに触れる木毛端部の数も最小限に抑えられ、頭部、臀部、背中などに対する不快感や痛みが生じるのを防止することができる。
また、2)の要件により、幅広となる分、接触力強度の分散が図れるので、袋の本体を介して内部の木毛の両側面端のエッジが頭部、臀部、背中などへ鋭く当接することが回避できる。
また、3)の要件により、厚さが薄いことで、木毛端部や側部のエッジ部分が鋭角になりすぎず、頭部、臀部、背中などに鋭く接触して、ごつごつ感や痛みを感じることがない。また、薄すぎず、長期間などの使用に伴い、簡単に木くずが発生しない。さらに、粉末状の木くずが発生し難いので、袋の本体の繊維間の隙間から外に飛び出し、寝ている人や体を凭れている人などが無意識に吸入するのを回避できる。また、袋の本体と頭部、臀部、背中などとが摺動する時に木毛のこすれによる異音や不協音が発生するも防止でき、安眠にもつながる。さらに、嵩高を得るのに好都合な厚さであって多数の木毛が絡み合う構成なので、快適なクッション性も得られる。
また、4)の要件により、例えば断面矩形若しくは断面小判形、つまり、略平面形状を有する断面であって、袋の本体を介して外から触れても、でこぼこが形成され難いので、快適な乗せ心地をもたらすことが可能となる。
また、5)の要件により、頭部、臀部、背中などを載せたときに最低限の嵩高を確保でき、しかも所定以上の沈みを生じない充填量であり、通気性確保などの点でも好都合である。また、袋の本体の上から頭部、臀部、背中などからの重力が作用してもへたることなく一定の復元力を発揮できるとともに頭部、臀部、背中などを載せたときに頸椎、尾骨又は仙骨、脊椎などへの負担がない程度の保持力が得られる。また、枕に頭部、臀部、背中などを乗せたときに、袋の本体を通して中の木毛のエッジ部分が頭部、臀部、背中などと接触して違和感やごつごつ感、或いは痛みを感じることを最小限に抑えることができる。
また、6)の要件により、袋の本体の外から触れても痛みを生じることがなく、しかも心地よい精神安定作用をもたらし、ベッドでの安眠やソファーでの寛いだ癒しの休息にもつながる。
また、請求項2に記載の発明によれば、枕袋やクッション等の袋の本体中に木毛を充填した柔軟袋であって、
前記木毛の長さ、幅、厚さ、断面形状、充填容積比、及び木材の材質は、次の要件を持たすことを特徴とした柔軟袋。
1)前記木毛の長さは、一般的、標準的な長さのものに比べ、最低でもその1.5倍以上の180mm以上であること、
2)前記木毛の幅は、1mm~2mmの範囲であること、
3)前記木毛の厚さは、0.2mm以上であって、好ましくは、0.2mm~1.0mmの範囲内であること、
4)前記木毛の断面形状は、矩形状若しくは小判形であること、好ましくは角部が面取り或いはR取りされていること、
5)前記袋本体の内容積に対する充填容量は、内容積:充填容積の比率が、概ね、10:7~10:9の程度範囲であること、
6)前記木毛の材質は、特有の香りがある、松、杉、ヒノキ、或いはその他の香木であること。これにより、請求項1と同様の効果が得られる。
また、請求項3に記載の発明によれば、前記袋の本体の内部は、上下方向について、単層であって、水平方向について、複数の部屋に区分され、前記各部屋には、少なくとも木毛を含む各種充填材が充填されている。これにより、例えば枕として使用する場合、主に頭部が接触する中央側の区画の木毛を、左右両端側の区画に比べて細幅、薄厚、短尺の木毛の集合体とした構成のものにあっては、左右両端側の区画に比べて当たりがソフトで頭部を柔らかく接触・保持することができ、その分、寝返りなどがスムースに行える。一方、左右両端側の区画の木毛は、中央側に比べて大きな保持力が発揮できるので、頸椎などをしっかりと安定的に保持することができる。
また、請求項4に記載の発明によれば、前記木毛を充填する袋の本体の内部は、少なくとも上下複数層に区分されているとともに、前記区分された上下各区画は、それぞれ平面的に複数の部屋に区分され、前記各部屋には、少なくとも木毛を含む各種充填材が充填されている。これにより、例えば枕として使用する場合には、頭部が接触する上方区画は、例えば檜を充填させる構成したときには、この檜が放出する、抗菌性のあるヒノキチオール(Hinokitiol)やフィトンチッド(phytoncide)による森林浴効果により、黴の発生を抑えるとともに、精神的なリラックス効果が得られる。一方、下方区画では、例えば松ノ木を充填材として使用する場合にあっては、この松の木から抗菌や抗真菌抗ウィルス作用や呼吸器系循環器系の不調にも役立つ成分などが含まれたアロマ成分が放出され、首や頸椎などに近いこの下方区画では、アロマ成分がこれら首や頸椎などの部位に程よく作用する。
また、請求項5に記載の発明によれば、前記複数に区画されている各部屋には、少なくとも低反発材及び活性炭のいずれかを含む木毛の充填材が充填されている。これにより、例えば上方区画の中央部側に低反発材を充填した構成のものにあっては、頭部が上に乗ることが多い上方区画の中央部側でのホールド性を高めることで、寝心地のよい枕を構成することができる。一方、例えば上方区画の中央部側に活性炭を充填させた構成のものにあっては、脱臭或いは除湿効果が得られることで、衛生的で快適な環境での使用が実現できる。
(a)は本発明の柔軟袋の第1の実施形態に係る寝具用枕を示す破断斜視図、(b)はその要部破断図。 本発明の柔軟袋の第1の実施形態に係る寝具用枕に収納する中袋を示す斜視図。 その中袋の要部である閉合部及び蓋部を示す拡大破断図。 (a)は図1のA-A線矢視断面図、(b)は図1のB-B線矢視断面図、(c)は図1のC-C線矢視断面図。 (a)は本発明の柔軟袋の第1の実施形態に係る寝具用枕に充填する木毛を示す平面図、(b)は(a)におけるE-E線矢視断面図、(c)は同じく(a)におけるE-E線矢視断面図であって(b)の変形例。 図5に示す木毛を多数個絡ませて形成した木毛の塊を示す説明図。 (a)及び(b)はそれぞれ図3(a)及び(b)における使用時に枕袋内の偏倚状態を示す説明図。 (a)は本発明の柔軟袋の第2の実施形態に係る寝具用枕の中袋の上段の各部屋を示す模式図、(b)は同じく中袋の下段の各部屋を示す模式図である。 (a)は本発明の柔軟袋の第3の実施形態に係る寝具用枕の中袋の上段の各部屋を示す模式図、(b)は同じく中袋の下段の各部屋を示す模式図である。 (a)は本発明の柔軟袋の第4の実施形態に係る寝具用枕の中袋の上段の各部屋を示す模式図、(b)は同じく中袋の下段の各部屋を示す模式図である。 (a)は本発明の柔軟袋の第5の実施形態に係る寝具用枕の中袋の上段の各部屋を示す模式図、(b)は同じく中袋の下段の各部屋を示す模式図である。 (a)は本発明の柔軟袋の第6の実施形態に係るクッションを示す破断斜視図、(b)は同図(a)のE-E線矢視断面図であって、中袋の模式図である。
この発明の要旨は、枕袋やクッション等の袋の本体中に木毛を充填した柔軟袋であって、
前記木毛の長さ、幅、厚さ、断面形状、充填容積比、及び木材の材質について、以下のような要件を具備することを特徴とした柔軟袋。
1)前記木毛の長さは、一般的、標準的な長さのものに比べて短すぎることがない、最低でも1.5倍以上の長さに形成されていること。
2)前記木毛の幅は、前記袋の本体の繊維の隙間或いは編目から抜け出すことがない程度の幅であること。
3)前記木毛の厚さは、木毛端部や側部のエッジ部分が頭部に鋭く接触して、ごつごつ感や痛みを感じることがないような薄い厚さであるとともに、薄すぎて長期間などの使用に伴い、簡単に木くずが発生しない程度の厚さは確保していること。
4)前記木毛の断面形状は、枕に頭部、臀部、背中などをのせたときにごつごつせず、かつ、接触して違和感や痛みを伴うことがない、上下表面がでこぼこのないフラットな形状であること。
5)前記袋の本体の内容積に対する木毛の充填量は、頭部、臀部、背中などを載せたときに最低限の嵩高を確保し所定以上の沈みを生じない充填量であるとともに、通気性確保などの条件を加味し、その内容積:充填容積の比率が、概ね、10:7~10:9の程度範囲であること。
6)前記木毛の材質は、接触して痛みを生じることがない硬さ、若しくは比較的軟質な樹種であること、とすることにより、従来の木毛を用いた枕やクッションなどでの充填材としての欠点を解消することができる柔軟袋としたことにある。
また、この発明のもう一つの要旨は、枕袋やクッション等の袋の本体中に木毛を充填した柔軟袋であって、
前記木毛の長さ、幅、厚さ、断面形状、充填容積比、及び木材の材質は、次の要件を持たすことを特徴とした柔軟袋。
1)前記木毛の長さは、一般的、標準的な長さのものに比べ、最低でもその1.5倍以上の180mm以上であること、
2)前記木毛の幅は、1mm~2mmの範囲であること、
3)前記木毛の厚さは、0.2mm以上であって、好ましくは、0.2mm~1.0mmの範囲内であること、
4)前記木毛の断面形状は、矩形状若しくは小判形であること、好ましくは角部が面取り或いはR取りされていること、
5)前記袋本体の内容積に対する充填容量は、内容積:充填容積の比率が、概ね、10:7~10:9の程度範囲であること、
6)前記木毛の材質は、特有の香りがある、松、杉、ヒノキ、或いはその他の香木であることにより、従来の木毛に伴う枕充填材としての欠点を解消することができる柔軟袋としたことにある。
また、前記袋の本体の内部は、上下方向について、単層であって、水平方向について、複数の部屋に区分され、前記各部屋には、少なくとも木毛を含む各種充填材が充填されていることを特徴とする。
また、前記木毛を充填する袋の本体の内部は、少なくとも上下複数層に区分されているとともに、前記区分された上下各区画は、それぞれ平面的に複数の部屋に区分され、前記各部屋には、少なくとも木毛を含む各種充填材が充填されていることを特徴とする。
また、前記複数に区画されている各部屋には、少なくとも低反発材及び活性炭のいずれかを含む木毛の充填材が充填されていることを特徴とする。
この発明の実施例を添付図面に基づき詳細に説明する。
(第1の実施形態)
図1は、本発明の柔軟袋の第1の実施形態に係る、木毛1が充填された寝具用枕100の一部破断斜視図を示すものであって、この寝具用枕100は、大略構成として、枕の本体である枕袋101と、この枕袋101の内部に収納された中袋10との2重袋構造で構成されている。
本実施形態の2重袋構造の2つの袋は、殆ど隙間を生じない略同程度のサイズで、かつ、同じ固有形状を有する構造であり、中袋10が枕袋101内部で空滑りして位置がずれることがなく、同時に、頭部の摺動に伴う木毛のこすれにより異音や不協音が発生するのを防止するようになっている。なお、例えば材質などにより、枕袋に対して中袋が滑りやすい場合には、単一袋構造であってもよい。
寝具用枕100の枕袋101に充填した木毛1は、その長さ、幅、厚さ、断面形状、及び材質等について所定の規格のものが選定されており、この規格については、後に詳述する。
枕袋101は、柔らかい適宜素材で、例えば綿や毛などの天然繊維を縫製して通気性のある袋状に形成している。特に、本実施形態の枕袋101は、綿などを用いて形成した略直方体形状の袋であって、繊維の隙間から充填材の木毛1ができる限り抜け出さないような構成となっている。また、この枕袋101は、本実施形態のような固有形状を長期間保持するため、細長い一定幅で補強加工部101Cが全面角部分に沿ってライン状に形成されており、全体形状の型崩れ防止が図られている。また、この枕袋101は、頭部を乗せたときに触れることの少ない側面部分にファスナーFを設けており、このファスナーFを開いて中袋10が出し入れ可能になっている。
ファスナーFは、布地部分が付いている通常の幅広タイプのものでもよいが、布地部分がないスリムなタイプのもの、即ち、Air String(登録商標) (YKK社製の登録商標)などで構成してもよい。即ち、このタイプのファスナーは、ファスナーテープを省いたものであって、ファスナーのかみあう本体部分(「エレメント」)のみで構成されている。本実施形態では、このエレメントを枕袋101に取付ける場合には、専用のミシン(例えばJUKI社製)を用い、エレメントを枕袋101のファブリック(生地)に直接ジグザグ縫いで縫付け一体化させてある。これにより、スリム、かつ、ソフトで開け閉めの操作もスムースなファスナーが設置できる。
本実施形態の枕袋101は、図1に示すような独特の形状に形成されている。即ち、枕袋101は、少なくとも表面側101Aが、頭部を乗せたときに首や肩の上部が当たる手前側の部分(以下、「手前部102」とよぶ)と、頭頂部及びこれよりも先に対応する奥側の部分(以下、「奥部103」とよぶ))と、が若干高まった形状、つまり前後2つの丘形状を有する。また、この枕袋101の裏面101Bは、全面フラットな形状に形成してもよいが、表面101Aと同様な形状であってもよい。なお、本発明では、特にこの形状に限定されるものではない。
中袋10は、枕袋101に対して材質的に滑りにくく、かつ、型崩れし難い、さらに通気性のある適宜の植物繊維を用いた布2を縫製して袋状に構成している。また、この中袋10は、上下二分割されているとともに上下分割部分の内部は複数に区分されている。従って、その上下境界部分及び複数に区分させる隔壁部分には、頭部が外から触れても気にならない程度の硬さ或いは不快にならない程度の硬さを有する所定材質の隔壁体10Aを張設している。なお、その隔壁体10Aは、布2で被覆することで材質的な硬さを和らげるようになっている。
また、中袋10は、上袋部20と、下袋部30との上下2層構造となっている。これらの上袋部20と、下袋部30とには、図3に示すように、手前側及び両側に設けた閉合部20A、30Aを開放させることで、夫々一定長さ(上下各袋部20、30の8割~9割程度の長さL1、L2;図2参照)まで外側に大きく開放可能な蓋部20B、30Bを設けている。
即ち、上袋部20及び下袋部30は、普段は、図3に示すように、閉合部20A、30Aで閉合わせておくよう、手前側及び両側に適宜の閉合手段50を設けてある。また、その閉合手段20A、30Aで閉合させたときに中袋10を所定の形状(つまり、2つの丘形状)に保持させておくため、本実施形態では、両サイド縁部21に、手を離すと所定の形状に戻るくせがついた、プラスチック線材からなる形状保持部材40(例えば、三井化学株式会社製の登録商標テクノロート)を設けている。
この中袋10は、形状保持部材40を使用することで、同時に、中袋10の固有形状が型崩れするのを防止する機能も有している。換言すれば、頭部を上乗せさたときに頭部の重みで中袋10が型崩れを起こして両側面が開き、上下分割された部屋内に充填されていた木毛1が開いた側面部分から飛び出し、中袋10と枕袋101との間の隙間にはみ出てくる、といったことを防止できる。
なお、閉合手段50としては、所謂マジックテープ(登録商標)(クラレファスニング株式会社の登録商標)、即ち面ファスナー(或いはベルクロUSA社の登録商標であるベルクロ(登録商標))でもよいし、ベルト状マグネット(マグネットベルト)などでもよい。特に、これらについては、特に薄く頭に接触してもあまり気にならない柔軟性のあるものが好ましい。
上袋部20と下袋部30とは、内部を開放して収納する木毛1を交換するようなときには、閉合部20A、30Aから蓋部20B、30Bを大きく開ける構成となっており、開放された上袋20と下袋30の後述する各区画内へ木毛1を収めたり、木毛1を交換したりできる。
尚、本発明では、上袋部20と下袋部30とが一体不可分な構成のものに限定されるものではなく、例えば上下の袋部が別体であって、それらの背中部分を抱き合わせした状態で、面ファスナーその他の固定手段で一体化させたり、分離させるような構成であってもよい。
また、この中袋10は、本実施形態のような固有形状を長期間保持するため、細長い一定幅で補強加工部101Cが全面角部分に沿ってライン状に形成されており、型崩れの防止が図られている。
本実施形態の上袋部20及び下袋部30は、図2に示すように、例えば通気性が良好で柔らかなガーゼ或いは紗などの適宜の薄手の柔軟素材でメッシュ状などに形成されているが、特にこれらに限定されるものではない。同様の効果が得られるものであればそれでもよい。
なお、下袋部30については、上袋部20と同様のもので形成してもよいが、枕自体を安定的に保持するため上袋部20のものよりも固めの適宜素材を用いて形成するのが好ましい。
これら上袋部20及び下袋部30の内部は、図4に示すように、複数の部屋に区画されており、具体的には、上方区画3つ (即ち、図4(b)に示すように、「室内空間α,β、γ」)と、下方区画9つ(即ち、図4(c)に示すように、「室内空間α1~α3,β1~β3、γ1~γ3」)と、に分割されている。
3つの上方区画(大空間1つと、中空間2つ)と9つの下方区画(中空間1つと小空間8つ)とは、各部屋内が、横方向は同一寸法であるが、縦方向及び深さ方向(或いは高さ)は、上方区画の方が下方区画のものより大きく形成されている。
このような構成にするとともに後述する所定規格の木毛1を使用することにより、頭部を載置した場合に、上袋部20は柔軟性を有しているために、頭部が多少沈んで頭部の座りが良好となる。
一方、下袋部30は上部に比し固く硬化性を有している。これにより、特に小空間内の充填材が頭部の重量により揺動するのと移動するのを最小限度に抑え、安定的に頭部を支持して睡眠中の寝返りによっても頭部を確実に、かつ、安定的に支持できる。
なお、上下の区画の縦横寸法については、図4(b)、(c)に示すように、横寸法比は、
上方区画が、
(α:β:γ)=a:b:a (但し、a≦b)、
下方区画が、
(α1:β1:γ1)=(α2:β2:γ2)=(α3:β3:γ3)
=a:b:a (但し、a<b)
である。
また、左右両端部は、長さがともに同じaであって、左右対称形である。中央部については、横寸法bが左右両端部の長さaより長い比率であって、寝返りの際にそれに追従して頭部が左右に動き回れるだけの余裕(遊び)を設けている。
一方、下方区画の縦寸法比については、
(α1:α2:α3)=(β1:β2:β3)=(γ1:γ2:γ3)
=c:d:e (但し、e≦c<d)
であって、中央部が手前部及び奥部よりも長い比率であり、小空間内の充填材が頭部の重量による揺動と移動を最小限度に制限し、安定的に頭部を支持して睡眠中の寝返りによっても頭部を確実に、かつ、安定的に支持できる。
また、上方区画には檜を材質とした木毛1を収納し、下方区画には松ノ木を材質とした木毛1を収納している。さらに、上方区画の木毛1の方は、下方区画の木毛1に比し、細幅、薄厚、短尺の木毛1の集合体であって、それぞれ、後述するような塊状に形成している。即ち、上方区画の木毛1は、例えば、下方区画の木毛1に比して幅は約半分とし、厚さは2分の1から3分の1の厚さとし、長さは3分の1の長さとしている。
次に、本実施形態の寝具用枕100の中袋10に充填された木毛1について詳細に説明する。
木毛1は、所望の樹種の木材の皮を剥いて、製材・カットされたのち、木毛製造機によって、1本1本が図5に示すような薄手で細幅な形状に形成されている。特に、上下両面は凹凸の形成を極力さけるために一定の表面加工、平坦加工が施され、フラットな平面形状を有している。
また、図5に示すように、木毛1の形状については、次に説明するような所定の長さL、幅W、及び厚さDに形成されており、それに伴い、同時に記載しているような特有の効果が得られる。なお、下記の条件1)から5)のうち、特に1)から3)については、上方区画に収納する木毛1についての条件であって、下方区画に収納する木毛1については、それぞれ、長さが3倍、幅が2倍、厚さが2倍から3倍程度に増大させてある。
1)木毛の長さが標準的な長さに比べて最低でも1.5倍以上の長さに形成されていること。これにより、所定容積の中袋10内へ充填する木毛1の本数を減らして必要最小限にしても、所要の必要な内容積を稼ぐことができる。従って、その木毛1の本数が少ない分、形成した塊状木毛1Aの外部に現出する木毛1端部の絶対数も最小限に抑えることができる。その結果、木毛1端部により、枕袋101を介して頭部に不快感をもたらす可能性を最小限に抑えることができる。つまり、頭部に点接触或いは線接触してごつごつ感や痛みを感じる、といったことが少なくなる。
2)木毛1の幅は、中袋10及び枕袋101の繊維の隙間或いは編目から抜け出すことがない程度の幅であること。これにより、幅広となる分、接触力強度の分散が図れるので、枕袋を介して内部の木毛の両側面端のエッジが頭部へ鋭く当接することが回避できる。
3)木毛の厚さは、木毛端部や側部のエッジ部分が頭部に鋭く接触して、ごつごつ感や痛みを感じることがないような薄い厚さであるとともに、薄すぎて長期間などの使用に伴い、簡単に木くずが発生しない程度の厚さは確保していること。これにより、厚さが薄いことで、木毛端部や側部のエッジ部分が鋭角になりすぎず、頭部に鋭く接触して、ごつごつ感や痛みを感じることがない。また、薄すぎず、長期間などの使用に伴い、簡単に木くずが発生しない。さらに、粉末状の木くずが発生し難いので、枕袋の繊維間の隙間から外に飛び出し寝ている人が無意識に吸入する、ことを回避できる。また、頭部摺動時に木毛のこすれによる異音や不協音が発生するも防止でき、安眠にもつながる。さらに、嵩高を得るのに好都合な厚さであって多数の木毛が絡み合う構成なので、快適なクッション性も得られる。また、嵩高を得るのに好都合な厚さであって、枕袋の上から頭部からの重力が作用しても、へたることなく一定の復元力を発揮できる。
4)木毛の断面形状は、枕に頭部をのせたときにごつごつせず、かつ、接触して違和感や痛みを伴うことがない、上下表面がでこぼこのないフラットな形状であること。これにより、例えば断面矩形若しくは断面小判形、つまり、略平面形状を有する断面であって、枕袋を介して外から触れても、でこぼこが形成され難いので、快適な使い心地をもたらすことが可能となる。
5)枕袋本体の内容積に対する充填容量は、内容積:充填容量の比率が、概ね、10:7~10:9の程度範囲であること。頭部を載せたときに頸椎などへの負担がない程度の保持力が得られるので、快適なクッション性も得られる。頭部を載せたときに最低限の嵩高を確保でき、しかも所定以上の沈み(上方区間では、h2→h2´(図7(a)参照。また下方区画ではh1→h1´(図7(b))参照。)を生じない充填量であり、通気性確保などの点でも好都合である。
ちなみに、本実施形態では、図7のように寝具用枕100に頭部を載せたときには、その中袋10の各区画の横及び縦の寸法が、図4に示す頭を載せていない場合の各方向での寸法(a、b、a)及び(c、d、e)に対して、(a´、b´、a´)及び(c´、d´、e´)となる。但し、ここでは、
a≒a´、
b≒b´、
c≒c´、
d≒d´、
e≒e´
であることが好ましい。このような条件を満たすことができる理由は、隔壁体10Aの存在によるものであり、この隔壁体10Aが平面方向での木毛の移動・変形を最小限に抑えているからである。なお、各区画内において、頭部で押し出された分の木毛は、水平方向ではなく垂直上方へ木毛が移動することで、頭部が入り込む分の空間を生み出すようになっている。
また、枕袋の上から頭部の重力が作用してもへたることなく一定の復元力を発揮できるとともに、頭部を載せたときに頸椎などへの負担がない程度の保持力が得られる。また、枕に頭を乗せたときに、枕袋を通して中の木毛のエッジ部分が頭部と接触して違和感やごつごつ感、或いは痛みを感じることを最小限に抑えることができる。
6)木毛の材質は、接触して痛みを生じることがない硬さ、若しくは比較的軟質な樹種であること。これにより、枕袋の外から触れても痛みを生じることがない。
本実施形態に係る木毛1について、具体的には、以下のような数値条件を持たすことが好ましい(但し、この数値には必ずしも限定されるものではない)。
1´)木毛1の長さLは、一般的、標準的な長さのものに比べ長い、最低でもその1.5倍以上の180mm以上であること、
2´)木毛の幅は、一般的、標準的な長さのものに比べやや広めであって、1mm~2mmの範囲であること、
3´)木毛の厚さは、一般的、標準的な長さのものに比べ薄すぎることがなく、例えば0.2mm以上であって、好ましくは、0.2mm~1.0mmの範囲内であること、
4´)木毛の断面形状は、横長手状薄板の長方形としており、特に断面の四隅の角部は面取り(或いはR取り)されてアール状をなし、角部をなくしていること、具体的には、矩形状若しくは小判形であること、
5´)枕袋本体の内容積に対する充填容量は、内容積:充填容量の比率が、概ね、10:7~10:9の程度範囲であること、
6´)木毛の材質は、特有の香りがある、檜材、松、杉、その他の芳しい香りを放つ樹種であること。
また、このような形状の木毛1は、図6に示すように、多数のものが互いに絡み合い略ボール状のもの(以下、「塊状木毛1A」とよぶ)としてまとまっている。また、個々の木毛1自体は自身が復元力(或いはばね力や弾性力)を備えているが、それが多数集合した塊状木毛1Aとなることで、塊状木毛1A全体が大きな弾性力を発揮する。
なお、上述したように、木毛1については、これらの定量的要件は本発明の寝具用枕を必ずしも拘束させるものではなく、同様の効果を発揮できる別の具体的な数値などがあれば、その数値などであってもよい。
このように、木毛1については、かかる規格、即ち数値条件を満たすことにより、条件1´)から3´)及び5´)については、それぞれ、これと対応してその直前に説明した定性的要件の1)から3)及び5)と同様の効果を有する。
また、条件4´)については、面取り或いはR取りされていることで、枕袋を介して内部の木毛の両側面端のエッジが頭部へ鋭く当接することがなく、載せている頭部に対してより一層ソフトな感覚をもたらす。一方、条件6´)については、精神的なリラックス作用、精神安定作用により、一層、快適で落ち着いた安眠につながる。
従って、本実施形態によれば、木毛1を充填する枕袋101の内部の中袋10は、それぞれ、上下に区分して上方区画と下方区画とすると共に、平面的に各上下区画を3部屋及び9部屋と複数個の平面区画とした。これにより、頭部が上に乗る上方区画(通常、大空間をなす中央部側)では、ホールド性を高めるように、木毛の長さ、幅、厚さ、断面形状、充填容積比、木材の材質を適宜に選択することで、寝心地のよい枕を実現している。
さらに、本実施形態によれば、木毛を充填する枕袋101の内部は上下に区分して上袋部20及び下袋部30とし、上方区画の木毛は下方区画の木毛に比し細幅、薄厚、短尺の木毛の集合体とした。これにより、頭部が接触する上方区画の木毛は下方区画に比べて当たりがソフトで頭部を柔らかく接触・保持することができ、その分、寝返りなどがスムースに行える。一方、下方区画の木毛は、上方区画に比べて大きな保持力が発揮できるので、頸椎などをしっかりと安定的に保持することができる。
また、本実施形態によれば、木毛1を充填する枕袋101の内部の中袋10は上下に区分して上方区画の木毛1は檜の材質とし、下方区画の木毛1は松ノ木の材質とした。これにより、頭部が接触する上方区画は檜が放出する抗菌性のあるヒノキチオール(Hinokitiol)やフィトンチッド(phytoncide)による森林浴効果により、黴の発生を抑えるとともに、精神的なリラックス効果が得られる。
一方、頭部から少し離れた下方区画からは、松ノ木から抗菌や抗真菌抗ウィルス作用や呼吸器系循環器系の不調にも役立つ成分が含まれたアロマ成分が放出され、首や頸椎などの部位に対してアロマ成分が程よく作用する。
(第2の実施形態)
次に、本発明の柔軟袋に係る第2の実施形態の寝具用枕200について説明する。
図8(a)及び(b)は、本発明の第2の実施形態に係る木毛が充填された寝具用枕200の、図示しない枕袋の内部に収納される中袋60について、上段及び下段での水平断面を示すものである。なお、この実施形態では、枕袋及び中袋の構造については、第1の実施形態と同一構成のものを用いており、それらの説明は省略する。
また、本実施形態では、中袋60に充填する木毛の種類が第1の実施形態の図4に示す中袋20に充填させる木毛とは種類のみ異なるものであって、中袋60の構造については第1の実施形態ものと同一構成である。そのため、図8では便宜的に中袋60の構造を簡略化させてある。
本実施形態の寝具用枕200では、この中袋60の内部に充填する木毛が、第1の実施形態の木毛1と異なり、上段側の各部屋α´、β´、γ´に充填する木毛1Bの方が、下段の各部屋α´1~γ´1、α´2~γ´2、α´3~γ´3に充填する木毛1Cよりも、細径又は細幅のものを使用した構成となっている。
また、本発明の寝具用枕に用いる木毛の種類としては、この第2の実施形態
で使用する木毛のような外径又は幅の異なる寸法のものの他に、第3の実施形態以降で説明しているような各種形状、タイプのものが使用可能である。
また、その木毛に用いる材質としても、第1の実施形態で前述したような、一般的な硬さ、若しくは比較的軟質な樹種、例えば檜材、松、杉、その他の芳しい香りを放つ樹種のものに限定されるものではなく、例えば第4の実施形態以降で説明するような構成としてもよい。
(第3の実施形態)
次に、本発明の柔軟袋に係る第3の実施形態の寝具用枕300について説明する。
図9(a)及び(b)は、本発明の第3の実施形態に係る木毛が充填された寝具用枕300の、図示しない枕袋の内部に収納される中袋70について、上段及び下段での水平断面を示すものである。なお、この実施形態でも、枕袋及び中袋の構造については、第1の実施形態と同一構成のものを用いており、それらの説明は省略する。
また、本実施形態でも、中袋70に充填する木毛の種類が第1の実施形態の図4に示す中袋20に充填させる木毛とは種類のみ異なるものであって、中袋70の構造自体については第1の実施形態ものと同一構成である。そのため、この図9でも便宜的に中袋70の構造を簡略化させてある。
本実施形態の寝具用枕300では、この中袋70の内部に充填する木毛が、第1、第2の実施形態の木毛と異なり、ストレートな形状でなく、円形状或いは螺旋状に丸まった巻き毛形状のものを使用している。
また、この木毛は、例えば上段側の各部屋α´´、β´´、γ´´に充填する木毛1Dの巻き毛の方が、下段の各部屋α´´1~γ´´1、α´´2~γ´´2、α´´3~γ´´3に充填する木毛1Eの巻き毛のよりも、細径又は細幅の巻き毛を使用した構成となっている。
本発明に係る柔軟袋に用いる木毛の形状としては、本実施形態のような巻き毛タイプのものに限定されるものではなく、例えば連続するS字形状のようなものなど各種の形状が適用可能であって、要は、本発明の効果を奏する形状であればよい。
さらに、上段の各部屋に充填する木毛と下段の部屋に充填する木毛とが特に同一タイプの形状である必要はなく、
(上段に使用する木毛、下段に使用する木毛)=(ストレート、ストレート)、(巻き毛、巻き毛)、(S字、S字)の外に、例えば(ストレート、巻き毛)、(ストレート、S字)、(巻き毛、ストレート)、(巻き毛、S字)、(S字、ストレート)、(S字、巻き毛)等の組み合わせてあってもよい。
(第4の実施形態)
次に、本発明の柔軟袋に係る第4の実施形態の寝具用枕400について説明する。
図10(a)及び(b)は、本発明の第4の実施形態に係る木毛が充填された寝具用枕400の、図示しない枕袋の内部に収納された中袋80について、上段及び下段での水平断面を示すものである。なお、この実施形態でも、枕袋及び中袋の構造については、第1の実施形態と同一構成のものを用いており、それらの説明は省略する。
また、本実施形態でも、中袋80に充填する木毛の種類が第1の実施形態の図4に示す中袋20に充填させる木毛とは種類のみ異なるものであって、中袋80の構造自体については第1の実施形態ものと同一構成である。そのため、図10でも便宜的に中袋80の構造を簡略化させてある。
本実施形態の寝具用枕400では、この中袋80の内部に充填する木毛が、第1~第3の実施形態のものと異なり、上下段の各部屋に充填する充填材1F、1Gとして、木毛とともに従来使用されている各種の植物性の材料、例えばそば殻、小豆、ヒマワリの種、カボチャの種などのものを混在させている。
即ち、この場合には、上段の方が下段よりも小粒形のものが好ましく、例えば上段の充填材1Fには木毛にそば殻や小豆を混入させたものを、下段の充填材1Gには木毛にヒマワリの種、カボチャの種などを混入させた構成が好ましいが、特にそれらに限定するわけではない。
また、場合によっては、上段にのみ木毛を使用し、下段には上述の植物性の材料を使用してもよい。さらに、この場合には、使用者の嗜好によっては、上述した植物性材料として、上記以外の各種の種子、例えば椿の種子、アボカドの種子、その他大粒の種子を下段の充填材1Fに充填させ、頭部のマッサージ効果を付加してもよい。
(第5の実施形態)
次に、本発明の柔軟袋に係る第5の実施形態の寝具用枕500について説明する。
図11(a)及び(b)は、本発明の第5の実施形態に係る木毛が充填された寝具用枕500の、図示しない枕袋の内部に収納された中袋90について、上段及び下段での水平断面を示すものである。なお、この実施形態でも、枕袋及び中袋の構造については、第1の実施形態と同一構成のものを用いており、それらの説明は省略する。
また、本実施形態でも、中袋90に充填する木毛の種類が第1の実施形態の図4に示す中袋20に充填させる木毛とは種類のみ異なるものであって、中袋90の構造自体については第1の実施形態ものと同一構成である。そのため、図11でも便宜的に中袋90の構造を簡略化させてある。
本実施形態の寝具用枕500では、この中袋90の内部に充填する充填材として、上段の充填材には、これまでの実施形態で使用した各種の充填材1、1B~1Gの何れかを使用するとともに、下段の充填材1Hには天然材料ではないが、木毛とともに樹脂製の気泡緩衝材、即ち、例えば「エアキャップ、ミナパック」(登録商標)(ともに、酒井化学工業の登録商標)或いは「プチプチ、エアピロン」(登録商標)(ともに、川上産業の登録商標)などを混在させるような構成としている。
また、この気泡緩衝材の代替手段として、低反発材、例えば一般的なウレタンフォームと同様に、ポリオールとポリイソシアネ―トを主成分として発泡剤、整泡剤、触媒等を撹拌混合して発泡させて形成したものであってもよい。特に、この低反発弾性フォームの原料としては、ポリオールの構造等に特徴があり、圧縮後にゆっくりとした復元性を有するものであって、エネルギー吸収性能を高めるために、粘弾性的にポリウレタン樹脂組成を変性して形成されているものなどを用いてもよい。
なお、本発明に係る柔軟袋の寝具用枕は、上記構成に限定されるものではなく、例えば上下2層ではなく、単層であって左右方向については、複数区画、例えば2部屋又は4部屋などに分割されているような構成であってもよい。また、これらの部屋には、木毛以外に、例えば樹脂製の低反発材や活性炭などを充填材として単独或いは他の充填材と組み合わせて使用してもよい。
さらに、本発明の柔軟袋が適用される充填袋としては、上述した寝具用の枕に限定されるものではなく、例えば、次に説明するソファーなどに横臥又は着座したときなどに利用するクッションであってもよいし、さらに、椅子や車用のシートの座面や背面に設置して使用するクッションなどであってもよい。
(第6の実施形態)
次に、本発明の柔軟袋に係る第6の実施形態のクッション600について説明する。ただし、本実施形態において、第1乃至第5の実施形態と同一部分には同一符号を付して重複説明を避ける。
図12(a)は本発明の第6の実施形態に係る木毛が充填されたクッション600の破断図、図12(b)は同図(a)におけるE-E線矢視断面を示す模式図である。
本実施形態のクッション600は、その本体を構成するクッション袋601の中にこれとほぼ同サイズの中袋6を収納させてある。この中袋6は、単層であって、内部が複数に区分されており、具体的には、左右が区画4つ(即ち、図12(b)に示すように、「室内空間δ1~δ4」)に分割されている。なお、この室内空間については、特にこの実施形態のような分割態様に限定されるものではなく、各種態様の分割区分が可能であり、また、単一室内であってもよい。
また、上記したこれらの室内空間δ1~δ4には、充填材として、木毛で形成した塊状木毛1Aの他に、例えば第5の実施形態で使用した低反発材や樹脂製の気泡緩衝材、即ち、例えば「エアキャップ、ミナパック」(登録商標)(ともに、酒井化学工業の登録商標)或いは「プチプチ、エアピロン」(登録商標)(ともに、川上産業の登録商標)などを適宜に混合させるような構成としてもよい。また、それらの混合割合については、クッション600としての使用に好適な割合であればよい。
なお、本発明は上述した実施形態に限られず、上述した実施形態の中で開示した各構成を相互に置換したり組合せを変更したりした構成、公知発明並びに上述した実施形態の中で開示した各構成を相互に置換したり組合せを変更したりした構成等も含まれる。また、本発明の技術的範囲は上述した実施形態に限定されず、特許請求の範囲に記載された事項とその均等物まで及ぶものである。
1 木毛(充填材)
1A 塊状木毛
1B、1C 木毛(充填材:ストレート形状)
1D、1E 木毛(充填材:巻き毛形状)
1F 充填材(植物の種子などが混在)
1G 充填材(植物の種子などが混在)
1H 充填材(樹脂製の気泡緩衝材が混在)
2 布
6 中袋(クッション用)
10、60~90 中袋(枕用)
10A 隔壁体
20 上袋部
20A 閉合部
20B 蓋部
21 両サイド縁部
30 下袋部
30A 閉合部
30B 蓋部
40 形状保持部材
50 閉合手段(面ファスナー)
60 中袋
70 中袋
80 中袋
90 中袋
100 寝具用枕
101 枕袋(枕の本体)
101A 表面側
101B 裏面
101C 補強加工部
102 手前部
103 奥部
200 寝具用枕
300 寝具用枕
400 寝具用枕
500 寝具用枕
600 クッション
601 クッション袋(クッションの本体)
D 厚さ(木毛)
F ファスナー
L 長さ(木毛)
W 幅(木毛)
a、a´、b、b´ 横寸法(寝具用枕の中袋)
c、c´、d、d´、e、e´ 縦寸法(寝具用枕の中袋)
h1→h1´ 沈み(下方区画)
h2→h2´ 沈み(上方区間)
α、β、γ 上段の部屋(室内空間)
α´、β´、γ´ 上段の部屋
α´´、β´´、γ´´ 上段の部屋
α´´´、β´´´、γ´´´ 上段の部屋
α´´´´、β´´´´、γ´ 上段の部屋
α1~α3,β1~β3、γ1~γ3 (下段)室内空間
α1´~α3´,β1´~β3´、γ1´~γ3´ 下段の部屋
α1´´~α3´´,β1´´~β3´´、γ1´´~γ3´´ 下段の部屋
α1´´´~α3´´´,β1´´´~β3´´´、γ1´´´~γ3´´´ 下段 の部屋
α1´´´´~α3´´´´,β1´´´´~β3´´´´、γ1´´´´~γ3 ´´´´ 下段の部屋
δ1~δ4 (単層での)室内空間

Claims (5)

  1. 枕袋やクッション等の袋の本体の中に木毛を充填した柔軟袋であって、
    前記木毛の長さ、幅、厚さ、断面形状、充填容積比、及び木材の材質について、以下のような要件を具備することを特徴とした柔軟袋。
    1)前記木毛の長さは、一般的、標準的な長さのものに比べて短すぎることがない、最低でも1.5倍以上の長さに形成されていること。
    2)前記木毛の幅は、前記袋の本体の繊維の隙間或いは編目から抜け出すことがない程度の幅であること。
    3)前記木毛の厚さは、木毛端部や側部のエッジ部分が頭部に鋭く接触して、ごつごつ感や痛みを感じることがないような薄い厚さであるとともに、薄すぎて長期間などの使用に伴い、簡単に木くずが発生しない程度の厚さは確保していること。
    4)前記木毛の断面形状は、枕に頭部、臀部、背中などをのせたときにごつごつせず、かつ、接触して違和感や痛みを伴うことがない、上下表面がでこぼこのないフラットな形状であること。
    5)前記袋の本体の内容積に対する木毛の充填量は、頭部、臀部、背中などを載せたときに最低限の嵩高を確保し所定以上の沈みを生じない充填量であるとともに、通気性確保などの条件を加味し、その内容積:充填容積の比率が、概ね、10:7~10:9の程度範囲であること。
    6)前記木毛の材質は、接触して痛みを生じることがない硬さ、若しくは比較的軟質な樹種であること。
  2. 枕袋やクッション等の袋の本体の中に木毛を充填した柔軟袋であって、
    前記木毛の長さ、幅、厚さ、断面形状、充填容積比、及び木材の材質は、次の要件を持たすことを特徴とした柔軟袋。
    1)前記木毛の長さは、一般的、標準的な長さのものに比べ、最低でもその1.5倍以上の180mm以上であること、
    2)前記木毛の幅は、1mm~2mmの範囲であること、
    3)前記木毛の厚さは、0.2mm以上であって、好ましくは、0.2mm~1.0mmの範囲内であること、
    4)前記木毛の断面形状は、矩形状若しくは小判形であること、好ましくは角部が面取り或いはR取りされていること、
    5)前記袋本体の内容積に対する充填容量は、内容積:充填容積の比率が、概ね、10:7~10:9の程度範囲であること、
    6)前記木毛の材質は、特有の香りがある、松、杉、ヒノキ、或いはその他の香木であること。
  3. 前記袋の本体の内部は、
    上下方向について、単層であって、
    水平方向について、複数の部屋に区分され、
    前記各部屋には、少なくとも木毛を含む各種充填材が充填されている、
    ことを特徴とした請求項1又は2に記載の柔軟袋。
  4. 前記木毛を充填する袋の本体の内部は、少なくとも上下複数層に区分されているとともに、
    前記区分された上下各区画は、それぞれ平面的に複数の部屋に区分され、
    前記各部屋には、少なくとも木毛を含む各種充填材が充填されている、
    ことを特徴とした請求項1乃至3のいずれか1項に記載の柔軟袋。
  5. 前記複数に区画されている各部屋には、少なくとも低反発材及び活性炭のいずれかを含む木毛の充填材が充填されている、
    ことを特徴とした請求項1乃至4のいずれか1項に記載の柔軟袋。

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