JP2022016327A - 医療用アーム装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】医療用器具を支持するために使用される医療用アーム装置を提供する。【解決手段】先端部は、前記医療用器具の長手方向軸回りの回転軸、リンクの先端に対して前記医療用器具を左右に回転させるヨー軸、前記リンクの先端に対して前記医療用器具を上下に回転させるピッチ軸の順に3つの回転軸が配置された構造であり、前記ヨー軸の回転伝達用の第1のワイヤと、前記ロール軸の回転伝達用の第2のワイヤと、前記ピッチ軸と前記ヨー軸間で前記第1のワイヤの経路を変更する第1の経路変更プーリと、前記ピッチ軸と前記ヨー軸間で前記第2のワイヤの経路を変更する第2の経路変更プーリと、前記ヨー軸と前記ロール軸間で前記第2のワイヤの経路を変更する第3の経路変更プーリを配置する。【選択図】 図1
Description
本明細書で開示する技術(以下、「本開示」とする)は、例えば医療用器具を支持するために使用される医療用アーム装置に関する。
腹腔鏡手術は、開腹を必要とせず、患者への負担が少なく、術後の回復が早いため、広く行われている。腹腔鏡手術において、内視鏡の視野調整は手術の進行に影響するが、オペレータ(術者、スコピスト)毎にコントロール技術が一定でない。このため、内視鏡を支持する医療用アーム装置(例えば、特許文献1を参照のこと)を導入して、オペレータの人件費などのコスト削減と、内視鏡のコントロール技術の高精度化、安全性の向上が図られている。
腹腔鏡手術では、術者が操作する鉗子などの医療用器具の付近を内視鏡で撮影する必要があり、内視鏡と医療用器具をそれぞれ保持する部位同士が近傍で動作する。医療用アーム装置の内視鏡を支持する先端部が大きいと、術者による医療用器具の操作を阻害してしまう。一方、患部周辺を広角で撮影するには、内視鏡をなるべく広範囲で動作させる必要がある。したがって、医療用アーム装置の先端はなるべく細く、コンパクトでありながら、内視鏡を保持できるほどに高トルクの多自由度能動関節を凝縮させることが好ましい。
従来からワイヤや歯車を用いて細径な先端部を駆動する構造を有するマニピュレータが提案されている(例えば、特許文献2及び3を参照のこと)。歯車を用いると無限回転構造を実現し易いが、伝達部においてガタを生じ易い。内視鏡のように長さのある構造物を支持する場合、ガタがあると大きく揺れてしまうので、歯車を用いた駆動機構は適当でない。
本開示の目的は、小型で且つ内視鏡などの医療用器具を保持できるほどに高トルクで多自由度能動関節を凝縮させた先端部を備える医療用アーム装置を提供することにある。
本開示は、上記課題を参酌してなされたものであり、
医療用器具を保持する先端部及び前記先端部を支持するリンクを有する第1のアーム部と、
前記第1のアーム部を支持する第2のアーム部と、
を具備し、
前記先端部は、
最先端部から順に、前記医療用器具の長手方向軸回りの回転軸、前記リンクの先端に対して前記医療用器具を左右に回転させるヨー軸、前記リンクの先端に対して前記医療用器具を上下に回転させるピッチ軸の順に3つの回転軸が配置された構造であり、
前記ヨー軸の回転伝達用の第1のワイヤと、前記ロール軸の回転伝達用の第2のワイヤと、前記ピッチ軸と前記ヨー軸間で前記第1のワイヤの経路を変更する第1の経路変更プーリと、前記ピッチ軸と前記ヨー軸間で前記第2のワイヤの経路を変更する第2の経路変更プーリと、前記ヨー軸と前記ロール軸間で前記第2のワイヤの経路を変更する第3の経路変更プーリを前記リンクに配置する、
医療用アーム装置である。
医療用器具を保持する先端部及び前記先端部を支持するリンクを有する第1のアーム部と、
前記第1のアーム部を支持する第2のアーム部と、
を具備し、
前記先端部は、
最先端部から順に、前記医療用器具の長手方向軸回りの回転軸、前記リンクの先端に対して前記医療用器具を左右に回転させるヨー軸、前記リンクの先端に対して前記医療用器具を上下に回転させるピッチ軸の順に3つの回転軸が配置された構造であり、
前記ヨー軸の回転伝達用の第1のワイヤと、前記ロール軸の回転伝達用の第2のワイヤと、前記ピッチ軸と前記ヨー軸間で前記第1のワイヤの経路を変更する第1の経路変更プーリと、前記ピッチ軸と前記ヨー軸間で前記第2のワイヤの経路を変更する第2の経路変更プーリと、前記ヨー軸と前記ロール軸間で前記第2のワイヤの経路を変更する第3の経路変更プーリを前記リンクに配置する、
医療用アーム装置である。
前記第1の経路変更プーリ又は前記第2の経路変更プーリのうち少なくとも一方は、前記ピッチ軸回りに回転する構造体の反対側に同一軸上に配置された直径が異なる1組の経路変更プーリからなる。
本開示に係る医療用アーム装置は、前記第1の経路変更プーリ又は前記第2の経路変更プーリの同一軸を構成するシャフトは、前記第1のワイヤが巻き付いて前記ヨー軸回りに回転するヨー軸プーリとの干渉回避部を有する。前記干渉回避部は、前記シャフトの中央部の細径部又はDカット構造部からなる。
また、本開示に係る医療用アーム装置は、前記ヨー軸回りの回転時における前記第2の経路変更プーリと前記第3の経路変更プーリとの干渉を回避する干渉回避構造を有する。前記干渉回避構造は、前記第2の経路変更プーリを構成する、互いの回転軸が交差するように配置された1組の経路変更プーリ、並びに、前記第3の経路変更プーリを構成する複数のプーリを所定領域内に集中して配置した構造を含む。
本開示によれば、小型且つ軽量で、内視鏡の姿勢を決める3自由度の直交する回転軸を集中的に配置する構造からなる先端部を備える医療用アーム装置を提供することができる。
なお、本明細書に記載された効果は、あくまでも例示であり、本開示によりもたらされる効果はこれに限定されるものではない。また、本開示が、上記の効果以外に、さらに付加的な効果を奏する場合もある。
本開示のさらに他の目的、特徴や利点は、後述する実施形態や添付する図面に基づくより詳細な説明によって明らかになるであろう。
以下、図面を参照しながら本開示に係る技術について、以下の順に従って説明する。
A.概要
B.医療用アーム装置の構成
C.内視鏡保持構造
D.先端部の制御について
E.先端部の他の構造(1)
F.先端部の他の構造(2)
G.高トルク化について
H.先端部の軽量化によるアクチュエータの負荷低減について
I.アクチュエータの配置について
J.ピッチ軸回転対応の2溝プーリについて
K.ピッチ軸と同軸の2溝プーリについて
L.ロール軸駆動用のプーリについて
M.ヨー軸駆動用プーリの最大化について
N.効果
O.アクチュエータの配置について
B.医療用アーム装置の構成
C.内視鏡保持構造
D.先端部の制御について
E.先端部の他の構造(1)
F.先端部の他の構造(2)
G.高トルク化について
H.先端部の軽量化によるアクチュエータの負荷低減について
I.アクチュエータの配置について
J.ピッチ軸回転対応の2溝プーリについて
K.ピッチ軸と同軸の2溝プーリについて
L.ロール軸駆動用のプーリについて
M.ヨー軸駆動用プーリの最大化について
N.効果
O.アクチュエータの配置について
A.概要
本開示は、3自由度の能動関節を持つ先端部に内視鏡を支持し、各能動関節をワイヤ駆動して内視鏡の姿勢を決めることができる医療用アーム装置である。本開示は、以下の各要件を満たし、装置の大型化を抑制し、アームの高自由度化と可動範囲の広域化を実現する医療用アーム装置を実現するものである。
本開示は、3自由度の能動関節を持つ先端部に内視鏡を支持し、各能動関節をワイヤ駆動して内視鏡の姿勢を決めることができる医療用アーム装置である。本開示は、以下の各要件を満たし、装置の大型化を抑制し、アームの高自由度化と可動範囲の広域化を実現する医療用アーム装置を実現するものである。
(1)先端部が内視鏡を保持できるだけの高トルクを有する。
(2)先端部を小型且つ軽量な構造とすることで、鉗子などの腹腔内の他の医療用器具と先端部との干渉、アームと術者の手や腕との衝突を回避する。
(3)先端部を小型且つ軽量な構造とすることで、先端部の能動関節を駆動するモータの負荷を低減し、装置の全重量、コスト、及び消費電力を低減する。
(4)先端部の3自由度の能動関節をガタなしで駆動する。
(2)先端部を小型且つ軽量な構造とすることで、鉗子などの腹腔内の他の医療用器具と先端部との干渉、アームと術者の手や腕との衝突を回避する。
(3)先端部を小型且つ軽量な構造とすることで、先端部の能動関節を駆動するモータの負荷を低減し、装置の全重量、コスト、及び消費電力を低減する。
(4)先端部の3自由度の能動関節をガタなしで駆動する。
B.医療用アーム装置の構成
図1には、腹腔鏡手術に適用される医療用アーム装置100の外観構成例を示している。図示の医療用アーム装置100は、多リンク構造からなるアームで、先端部で内視鏡を支持し、内視鏡の姿勢を決める3自由度の直交する回転軸を集中的に配置する構造を備えている。
図1には、腹腔鏡手術に適用される医療用アーム装置100の外観構成例を示している。図示の医療用アーム装置100は、多リンク構造からなるアームで、先端部で内視鏡を支持し、内視鏡の姿勢を決める3自由度の直交する回転軸を集中的に配置する構造を備えている。
具体的には、医療用アーム装置100は、ベース部にほぼ垂直に取り付けられた第1のリンク101と、第1のリンク101の先端の、水平回転軸(又は、第1のリンク101の長手軸)回りの自由度を持つ第1の関節部111と、第1の関節部111を介して第1のリンク101の先端に水平方向に取り付けられた第2のリンク102と、第2のリンク102の先端の、水平回転軸(又は、第2のリンク102の長手軸と直交する軸)回りの自由度を持つ第2の関節部112と、第2の関節部112を介して第2のリンク102の先端にほぼ垂直に取り付けられた第3のリンク103と、第3のリンク103の先端の、水平回転軸とは直交する上下回転軸(又は、第3のリンク103の長手軸と直交する軸)回りの自由度を持つ第3の関節部113と、第3の関節部113を介して第3のリンク103の先端に取り付けられた第4のリンク104と、第4のリンク104の先端で内視鏡を支持する先端部を備えている。なお、ベース部は、例えば手術ベッドのフレームに取り付けられてもよいし、手術室の床面上に設置されていてもよいし、天井に設置されてもよい。
第4のリンク104の遠位端で内視鏡110を支持する先端部は、内視鏡110の姿勢を決める3自由度の直交する回転軸を集中的に配置する構造となっている。先端部の3自由度の直交する回転軸を集中的に配置する構造は、例えば、直交する3つの回転軸がリンクを介さずに接続されている構造、又は、3つの回転軸に対応する各関節部材が直接接続されている構造に相当し、より具体的には3つの関節部を接続する部材はアーム長を稼ぐリンクではなく各関節部を接続する部品のみである。なお、内視鏡200を支持する先端部及び先端部を有する第4のリンク104を第1のアーム部とする。また、2つの水平回転軸(第1の関節部111と第2の関節部112)を含むリンク部分(第1のリンク101及び第2のリンク)を第2のアーム部とする。図1に示す医療用アーム装置100は、第2のアーム部は、上下回転軸回りの自由度を持つ第3の関節部113によって連結されている。
図2には、医療用アーム装置100のうち内視鏡200を支持する先端部の構造を拡大して示している。内視鏡200は、先端の患者の体腔内に挿入される鏡筒201と、鏡筒201の基端に接続されるカメラヘッド202で構成される。鏡筒201は、硬性の鏡筒からなる硬性鏡、又は軟性の鏡筒からなる軟性鏡のいずれであってもよい。カメラヘッド202内には光学系及び撮像素子(いずれも図示しない)が配設されている。術部などの観察対象からの反射光(観察光)は、光学系によって撮像素子に結像される。もちろん、医療用アーム装置100の先端部は内視鏡200以外の医療用器具を支持していてもよい。
図2に示すように、医療用アーム装置100の先端部は、第4のリンク104の先端の、上下回転軸(又は、第4のリンク104の長手軸と直交する軸)回りの自由度を持ち、内視鏡200を上下方向に振る上下回転軸部114と、上下回転軸部114に隣接し、上下回転軸とは直交する左右回転軸回りの自由度を持ち、内視鏡200を左右方向に振る左右回転軸部115と、内視鏡200(又は内視鏡200の鏡筒201)の光軸回りの自由度を持つ光軸回転軸部116を備えている。したがって、内視鏡200の姿勢を決める3自由度の直交する回転軸は、最先端部から順に、内視鏡200の光軸回転軸、左右回転軸、上下回転軸の順に配置された構造である。
なお、左右回転軸部115は内視鏡200の観察方向を変更するパン軸、上下回転軸部114をチルト軸と言うことができる。あるいは、光軸回転軸部116をロール軸とした場合に、左右回転軸部115をヨー軸、上下回転軸部114をピッチ軸と言うこともできる。これら3軸に対応する関節部を合わせた体積が人の手首と手を合わせた体積よりも小さければ、スコピストに代えて医療用アーム装置100を利用するメリットがある。光軸回転軸部116は、内視鏡200の有効長を減らすことがないように、内視鏡200の軸方向に把持する長さを最小化することが望ましい。また、上下回転軸部114と光軸回転軸部116の距離はアームの自己干渉を回避する長さに設定することが望ましい。
図2に示すような、3自由度の直交する回転軸を集中的に配置する構造は、3自由度の回転軸に対応する各関節部材が直接接続された構造、又は、長手方向軸回りの回転軸に対応する関節とピッチ軸に対応する関節との間の距離が、ピッチ軸回りに回転した際に干渉を生じない距離を有する構造である。したがって、先端部の動きによって影響を受ける空間を小さくすることができ、術者のワークスペースとの干渉を抑えることができるといった効果がある。ちなみに上下回転軸部114をより根元側に配置した場合、上下回転軸部114を動作させると術者の手元側での動きが大きくなることが想定される。
図3には、医療用アーム装置100を腹腔鏡手術に活用する例を示している。但し、図3では、医療用アーム装置100のベース部は、手術ベッドの側部に長さ方向に沿って設けられたベッドレール310に取り付ける取り付け構造部301を備えている。
取り付け構造部301をベッドレール310に沿って移動させて固定することによって、医療用アーム装置100の配置位置を、患者の患部位置に応じて調整することができる。手術中に手術ベッドの傾きが調整されたときに、患者と医療用アーム装置100の相対的な位置関係を保つことができる。手術中に、手術ベッドを例えば30deg程度傾けることがあるが、そのような場合であっても本開示に係る医療用アーム装置100を使用することが可能である。
また、医療用アーム装置100は、患者(又は手術ベッド)を挟んで術者の反対側から、術者の手元の空いているスペースにアクセスすることが可能になる。このように術者の対面からのアクセスにより、術者の手や腕とアーム先端部との干渉を回避することができる。
C.内視鏡保持構造
続いて、医療用アーム装置100の先端部において内視鏡200を保持する構造についてさらに詳細に説明する。図2にも示したように、医療用アーム装置100の先端部は、上下回転軸回りの自由度を持ち、内視鏡200を上下方向に振る上下回転軸部114と、上下回転軸部114に隣接し、上下回転軸とは直交する左右回転軸回りの自由度を持ち、内視鏡200を左右方向に振る左右回転軸部115と、内視鏡200の光軸回りの自由度を持つ光軸回転軸部116を備えている。以下では、光軸回転軸部116をロール軸、左右回転軸部115をヨー軸、上下回転軸部114をピッチ軸と言うことにして説明する。
続いて、医療用アーム装置100の先端部において内視鏡200を保持する構造についてさらに詳細に説明する。図2にも示したように、医療用アーム装置100の先端部は、上下回転軸回りの自由度を持ち、内視鏡200を上下方向に振る上下回転軸部114と、上下回転軸部114に隣接し、上下回転軸とは直交する左右回転軸回りの自由度を持ち、内視鏡200を左右方向に振る左右回転軸部115と、内視鏡200の光軸回りの自由度を持つ光軸回転軸部116を備えている。以下では、光軸回転軸部116をロール軸、左右回転軸部115をヨー軸、上下回転軸部114をピッチ軸と言うことにして説明する。
図4には、第4のリンク104の先端にロール軸116、ヨー軸115、及びピッチ軸114の構成部品をそれぞれ配置した例を示している。これら3軸はいずれも能動軸であるが、先端の小型化のため、ワイヤを用いた駆動方式が適用されている。すなわち、ロール軸116、ヨー軸115、及びピッチ軸114の各軸を駆動するモータは、それぞれ第4のリンク104の根元側(近位端側)に配置され、各モータの出力による駆動力は、ワイヤとプーリを使って伝達される。図5には、ピッチ軸114、ヨー軸115、及びロール軸116の構成部品をそれぞれ牽引するするピッチ軸用ワイヤ501、ヨー軸用ワイヤ502、及びロール軸用ワイヤ503の構造を示している。また、図6には、ピッチ軸114、ヨー軸115、及びロール軸116をそれぞれ駆動するピッチ軸用モータ601、ヨー軸用モータ602、及びロール軸用モータ603を第4のリンク104の根元に配置した様子を示している。
図6に示すように、各軸用のモータ601~603を第4のリンク104の根元側に配置している。各モータ601~603は、回転軸がいずれもピッチ軸114と平行となるように固定されている。そして、図5にも示したように、各モータ601~603の出力軸プーリ611~613から先端部に向かってワイヤ501~503をそれぞれ伸ばしている。各ワイヤ501~503を直線で長く伸ばしている第4のリンク104は「腕」に相当し、第4のリンクの先端部の3軸は「手首」に相当する。腕から手首にかけての部位を全体として細く構成できると、腹腔内の他の医療用器具と先端部との干渉、アームと術者の手や腕との衝突を回避する点で有効である。したがって、図6に示すように、各軸用のモータ601~603を腕すなわち第4のリンク104の長手方向に沿って一列に配置することが好ましい。
また、モータ601~603を第4のリンク104の根元側に配置することによって、第4のリンク104をさらに支持するモータ群(例えば、第3の関節部113を駆動するモータ)のトルクが低減される。したがって、各軸用のモータ601~603を第4のリンク104の根元側で、可能な限り短い距離に寄せて配置することが好ましい。
C-1.ピッチ軸回りの構造
ピッチ軸114は、内視鏡200の鏡筒201を上下回転させるチルト軸に相当する。図7には、医療用アーム装置100の先端部のうち、ピッチ軸114回りの回転自由度を実現するための構造を抜き出して示している。また、図7では、第4のリンク104などその他の部品は輪郭を点線で示している。
ピッチ軸114は、内視鏡200の鏡筒201を上下回転させるチルト軸に相当する。図7には、医療用アーム装置100の先端部のうち、ピッチ軸114回りの回転自由度を実現するための構造を抜き出して示している。また、図7では、第4のリンク104などその他の部品は輪郭を点線で示している。
ピッチ軸構成部品701は、第4のリンク104の先端付近で、ピッチ軸114と同軸のシャフト703によって、ピッチ軸114回りに回転可能となるように支持されている。また、図6に示したように、ピッチ軸用モータ601は、出力軸がピッチ軸114に平行となるように配置されているので、ピッチ軸用モータ601の出力軸プーリ611に巻き付けられたピッチ軸用ワイヤ501の他端を、ピッチ軸構成部品701と一体のプーリ702に巻き付けることで、ピッチ軸構成部品701以降の先端部をピッチ軸114回りに回転駆動することができる。図7に示す例では、他のプーリを介さず、ピッチ軸用ワイヤ501をピッチ軸用モータ601の出力軸とプーリ702に直接巻き付けているが、必要に応じて他のプーリを用いて経路を調整してからプーリ702にピッチ軸用ワイヤ501の巻き付けを行うようにしてもよい。
ピッチ軸114(又は、ピッチ軸構成部品701)の回転可動域は、構造的には±120deg程度にすることも可能である。但し、ピッチ軸114は内視鏡200のチルト軸であり、内視鏡200を保持することを考えると、±90deg程度の回転可動域があれば十分である。むしろピッチ軸114回りの回転可動域が大き過ぎると、内視鏡200が第4のリンク104などのアームとぶつかってしまうおそれがある。構造設計としては、ピッチ軸114の回転可動域が±90deg未満でよい場合には、図7に示すようプーリ702を1溝プーリとすればよい。±90deg以上のピッチ軸114の回転可動域が必要な場合には、プーリ702を2溝プーリとして、ピッチ軸用ワイヤ501を往路と復路で別の溝に巻き付ければよい。
図7に示した、ピッチ軸114回りの回転自由度を実現するための構造は、ピッチ軸114に平行に配置したピッチ軸用モータ601の出力トルクをピッチ軸用ワイヤ501でプーリ702に伝達するという簡単な構造である。ピッチ軸用モータ601の出力トルクを、リンク機構や歯車機構などピッチ軸用ワイヤ501以外の伝達機構に置き換えて、ピッチ軸114回りの回転自由度を実現するための構造を構成することは容易である。また、伝達機構を使わず、ピッチ軸用モータ601でピッチ軸114を直接回転駆動させる構造であってもよい。
C-2.ヨー軸回りの構造
ヨー軸115は、内視鏡200の観察方向を変更するパン軸に相当する。図8及び図9には、医療用アーム装置100の先端部のうち、ヨー軸115回りの回転自由度を実現するための構造を抜き出して示している。また、図8及び図9では、第4のリンク104などその他の部品は輪郭を点線で示している。
ヨー軸115は、内視鏡200の観察方向を変更するパン軸に相当する。図8及び図9には、医療用アーム装置100の先端部のうち、ヨー軸115回りの回転自由度を実現するための構造を抜き出して示している。また、図8及び図9では、第4のリンク104などその他の部品は輪郭を点線で示している。
ヨー軸プーリ801は、ヨー軸115と同軸で回転可能となるように、ピッチ軸構成部品701(図8及び図9では図示を省略)の先端面に支持されている。また、図6に示したように、ヨー軸用モータ602は、ピッチ軸用モータ601及びロール軸用モータ603とともに回転軸がピッチ軸114と平行となるように、第4のリンク104の根元側に配置されている。そして、ヨー軸用モータ602の出力軸プーリ612に巻き付けられたヨー軸用ワイヤ502を、各プーリ901、902、903、904を介して経路を調整しながら、ヨー軸プーリ801に巻き付けることで、ヨー軸プーリ801以降の先端部をヨー軸115回りに回転駆動することができる。
ヨー軸用ワイヤ502をヨー軸プーリ801に巻き付ける構造について具体的に説明する。ヨー軸用ワイヤ502の巻き付け構造には、ピッチ軸114よりも根元側でピッチ軸114と平行な回転軸回りに回転可能でピッチ軸114回りの回転に対応するための2溝プーリ901と、ピッチ軸114回りに回転可能でピッチ軸114に沿って経路を変更するための2溝プーリ902と、ピッチ軸とヨー軸間でヨー軸用ワイヤ502の経路変更を行う2個の経路変更プーリ903及び904が使用される。
2溝プーリ901は、ピッチ軸114よりも根元側のシャフト704によってピッチ軸114と平行な回転軸回りに回転可能に支持され、2溝プーリ902は、ピッチ軸114と同軸のシャフト703によってピッチ軸114回りに回転可能となるように支持されている(前述及び図10を参照のこと)。また、経路変更プーリ903及び904は、ピッチ軸114及びヨー軸115と直交する軸回りに同一軸で回転可能となるように、ピッチ軸構成部品701(図8及び図9では図示を省略)の反対側の側面にそれぞれ支持されている。
ヨー軸用ワイヤ502は、往路側では、ヨー軸用モータ602の出力軸プーリ612(図8及び図9には図示しない)から出ると、第4のリンク104の長手方向(又はピッチ軸方向)から根元側の2溝プーリ901、ピッチ軸114と同軸の2溝プーリ902の順で巻き付いてピッチ軸に沿って経路を変更した後、経路変更プーリ903に巻き付いてピッチ軸方向からヨー軸方向に経路変更して、ヨー軸プーリ801に巻き付けられる。
また、ヨー軸用ワイヤ502は、復路側では、ヨー軸プーリ801から出た直後に経路変更プーリ904に巻き付いてヨー軸方向からピッチ軸方向に経路変更すると、ピッチ軸114と同軸の2溝プーリ902、根元側の2溝プーリ901の順で巻き付いてピッチ軸に沿って経路を変更した後、ヨー軸用モータ602の出力軸プーリ612(図8及び図9には図示しない)に巻き付けられる。
次いで、ヨー軸プーリ801とヨー軸用ワイヤ502の固定方法について考える。ヨー軸プーリ801を2溝プーリとし、ヨー軸用ワイヤ502の往路と復路をそれぞれ別の溝に固定することによって、ヨー軸115の回転可動域を±90deg以上とり得る構造にすることができる。但し、本実施形態では、基本構造として、ヨー軸115回りの回転可動域が±80degとなっている。ヨー軸プーリ801の直径は大きければ大きいほど、大きい伝達トルクに対応できるため好ましい。ヨー軸プーリ801に使用する2溝プーリの各溝の直径は同一であることが、構造の簡素化のため重要である。
図8及び図9に示した構成例では、ピッチ軸とヨー軸間でヨー軸用ワイヤ502の経路変更を行うために、2個の経路変更プーリ903及び904が使用される。部品点数の削減及び構造の簡素化のために、異なる直径を持つ2個のプーリを同一軸に配置して経路変更プーリ903及び904を構成すると、2溝プーリ902との相性がよくヨー軸用ワイヤ502を滑らかに経路変更することができる。図9に示す例では、経路変更プーリ903よりも経路変更プーリ904の方の直径が大きい。したがって、ヨー軸用ワイヤ502の往路側では、2溝プーリ902の内側の溝に巻き付いて経路変更プーリ903によってピッチ軸方向からヨー軸方向に経路が変更され、ヨー軸用ワイヤ502の復路側では、経路変更プーリ904によってヨー軸方向からピッチ軸方向に経路が変更された後、2溝プーリ902の外側の溝に巻き付いている。
また、ヨー軸用ワイヤ502をピッチ軸方向に沿って経路を変更するために、ピッチ軸114と同軸の2溝プーリ902の各溝の直径は同一であることが重要であり、さらにヨー軸プーリ801と同一の直径であることが設計的には好ましい。
また、ピッチ軸114よりも根元側の2溝プーリ901の各溝の直径は同一である必要はない。軽量化の観点からは、2溝プーリ901は小型であることが好ましい。
図10には、医療用アーム装置100の先端部をピッチ軸及びヨー軸に平行な平面(又は、ロール軸に直交する平面)で切断した断面図を示している。同図に示すように、ヨー軸プーリ801の根元側(又は、近位端側)には、ピッチ軸構成部品701と接続する第1の接続部1001が配置されている。また、ヨー軸プーリ801の先端側(又は、遠位端側)には、後述するロール軸構成部品(ロール軸プーリ)と接続する第2の接続部1002が配置されている。ヨー軸プーリ801と第1の接続部1001及び第2の接続部1002は、ネジなどの固定方法によって一体となるように締結されて、ヨー軸構成部品を構成している。したがって、ヨー軸プーリ801をヨー軸回りに回転させると、第1の接続部1001及び第2の接続部1002も連動する。ロール軸構成部品も、第2の接続部1002に追従してヨー軸115回りに回転する。
なお、図10にはベアリングの配置も示している。図10中、ベアリング部分をドット柄で塗り潰している。ヨー軸構成部品は、第1の接続部1001において、ピッチ軸構成部品701に対してヨー軸115回りに回転可能となるように、ベアリングを介して支持されている。また、ヨー軸構成部品は、第2の接続部1002において、図示しないロール軸構成部品(後述)をロール軸116回りに回転可能となるように、ベアリングを介して支持している。
ピッチ軸114回りの回転に対応するための2溝プーリ901は、ピッチ軸114と平行な回転軸を持つシャフト704に、ベアリングを介して支持されており、シャフト704と同軸回りに回転可能である。ピッチ軸114に沿って経路を変更するための2溝プーリ902は、ピッチ軸114と同軸のシャフト703に、ベアリングを介して支持されており、シャフト703と同軸すなわちピッチ軸114回りに回転可能である。
また、後述するが、ロール軸回りの回転自由度を実現する部品として、ピッチ軸114回りの回転に対応するための2溝プーリ1102と、ピッチ軸114に沿って経路を変更するための2溝プーリ1103が使用される。2溝プーリ1102は、ピッチ軸114と平行な回転軸を持つシャフト704に、ベアリングを介して支持されており、シャフト704と同軸回りに回転可能である。2溝プーリ1103は、ピッチ軸114と同軸のシャフト703に、ベアリングを介して支持されており、シャフト703と同軸すなわちピッチ軸114回りに回転可能である。
C-3.ロール軸回りの構造
ロール軸116は、内視鏡200の鏡筒201の光軸に相当する。図11及び図12には、医療用アーム装置100の先端部のうち、ロール軸116回りの回転自由度を実現するための構造を抜き出して示している。また、図11及び図12では、第4のリンク104などその他の部品は輪郭を点線で示している。
ロール軸116は、内視鏡200の鏡筒201の光軸に相当する。図11及び図12には、医療用アーム装置100の先端部のうち、ロール軸116回りの回転自由度を実現するための構造を抜き出して示している。また、図11及び図12では、第4のリンク104などその他の部品は輪郭を点線で示している。
ロール軸プーリ1101は、ロール軸116回りに回転可能となるように、ベアリングを介して第2の接続部1002の先端部に支持されている(図10を参照のこと)。ロール軸プーリ1101は、中空の円筒からなる構造体であり、円筒の両端に1組のロール軸用ワイヤ503の往路及び復路をそれぞれ巻き付けるプーリ1101a及び1101bを備えている。1組のプーリ1101a及び1101bは一体となってロール軸116回りに回転するように締結されて、プーリ1101を構成している。図11及び図12には図示を省略するが、ロール軸プーリ1101の円筒内には内視鏡200が取り付けられている。また、図6に示したように、ロール軸用モータ603は、ピッチ軸用モータ601及びヨー軸用モータ602とともに回転軸がピッチ軸114と平行となるように、第4のリンク104の根元側に配置されている。そして、ロール軸用モータ603の出力軸プーリ613に巻き付けられたロール軸用ワイヤ503の両端を、複数のプーリ1102、1103、…を介して、ロール軸プーリ1101の1組のプーリ110a1及び1101bにそれぞれ巻き付けることで、ロール軸プーリ1101に取り付けられている内視鏡200(又は鏡筒201)をロール軸116回りに回転駆動することができる。
ロール軸用ワイヤ503をロール軸プーリ1101に巻き付ける構造について具体的に説明する。ロール軸用ワイヤ503の巻き付け構造には、ピッチ軸114よりも根元側でピッチ軸114と平行な回転軸回りに回転可能でピッチ軸114回りの回転に対応するための2溝プーリ1102と、ピッチ軸114回りに回転可能でピッチ軸114に沿って経路を変更するための2溝プーリ1103と、ピッチ軸とヨー軸間でロール軸用ワイヤ503の経路変更を行う2個の経路変更プーリ1104及び1105と、ヨー軸115に沿って経路変更を行うヨー軸115と同軸の2溝プーリ1106と、ヨー軸とロール軸間でロール軸用ワイヤ503の経路変更を行う2個の経路変更プーリ1107及び1108が使用される。
2溝プーリ1102は、ピッチ軸114よりも根元側のシャフト704によってピッチ軸114と平行な回転軸回りに回転可能に支持され、2溝プーリ1103は、ピッチ軸114と同軸のシャフト703によってピッチ軸114回りに回転可能となるように支持されている(前述及び図10を参照のこと)。経路変更プーリ1104及び1105は、ピッチ軸114及びヨー軸115と直交する軸回りに同一軸で回転可能となるように、ピッチ軸構成部品701(図8及び図9では図示を省略)の反対側の側面にそれぞれ支持されている。2溝プーリ1106は、ヨー軸115回りに回転可能となるように、ベアリングを介してピッチ軸構成部品701の先端面に支持されている(図10を参照のこと)。経路変更プーリ1107は、ロール軸116と平行な軸回りに回転可能となるように第2の接続部1002(図11及び図12には図示しない)の側面に支持されている。また、経路変更1108は、ロール軸116と直交する軸回りに回転可能となるように第2の接続部1002(図11及び図12には図示しない)の側面に支持されている。
ロール軸用ワイヤ503は、往路側では、ロール軸用モータ603の出力軸プーリ613(図11及び図12には図示しない)から出ると、第4のリンク104の長手方向(又はピッチ軸方向)から根元側の2溝プーリ1102、ピッチ軸114と同軸の2溝プーリ1103の順で巻き付いてピッチ軸に沿って経路を変更した後、経路変更プーリ1104に巻き付いてピッチ軸方向からヨー軸方向に経路変更し、次いで2溝プーリ1106に巻き付いてヨー軸に沿って経路を変更し、さらに経路変更プーリ1107に巻き付いてヨー軸方向からロール軸方向に経路変更して、ロール軸プーリ1101の一方のプーリ1101aに巻き付けられる。
また、ロール軸用ワイヤ503は、復路側では、ロール軸プーリ1101の他方のプーリ1101bから出た直後に経路変更プーリ1108に巻き付いてロール軸方向からヨー軸方向に経路変更し、次いで2溝プーリ1106に巻き付いてヨー軸に沿って経路を変更し、さらに経路変更プーリ1105に巻き付いてヨー軸方向からピッチ軸方向に経路変更した後、ピッチ軸114と同軸の2溝プーリ1103、根元側の2溝プーリ1102の順に巻き付いてピッチ軸に沿って経路を変更した後、ロール軸用モータ603の出力軸プーリ613(図11及び図12には図示しない)に巻き付けられる。
次いで、ロール軸プーリ1101とロール軸用ワイヤ503の固定方法について考える。ロール軸プーリ1101は1組のプーリ1101a及び1101bを有するが、ヨー軸と同様に2溝プーリとすることもできる。本実施形態では、基本構造として、ロール軸116回りの回転可動域が±170degとなっている。ロール軸プーリ1101の1組のプーリ1101a及び1101bの直径は同一である必要がある。これらの直径は大きければ大きいほど、大きい伝達トルクに対応できるため好ましい。
図11及び図12に示す例では、ヨー軸とロール軸間でロール軸用ワイヤ503の経路変更を行う2個の経路変更プーリ1107及び1108が使用されるが、そのうちの一方のプーリは、ピッチ軸とヨー軸間でロール軸用ワイヤ503の経路変更を行う2個の経路変更プーリ1104及び1105と干渉する。このようなプーリ同士の干渉を回避するため、上述したように、ヨー軸115回りの回転可動域が±80degとなっている。
ピッチ軸に沿って経路を変更するためにピッチ軸114よりも根元側の2溝プーリ1102とピッチ軸114と同軸の2溝プーリ1103を使用するが、これらの2溝プーリ1102及び1103は相互に同一直径であることが重要である。さらにこれらの2溝プーリ1102及び1103は、ロール軸プーリ1101と同一直径であることが設計上好ましい。
図11及び図12に示す例では、ピッチ軸とヨー軸間でロール軸用ワイヤ503の経路変更を行う2個の経路変更プーリ1104及び1105が使用されるが、部品点数の削減及び構造の簡素化のために、異なる直径を持つ2個のプーリを同一軸に配置して経路変更プーリ1104及び1105を構成すると、2溝プーリ1103との相性がよくロール軸用ワイヤ503を滑らかに経路変更することができる。図11及び図12に示す例では、経路変更プーリ1105よりも経路変更プーリ1104の方の直径が大きい。したがって、ロール軸用ワイヤ503の往路側では、2溝プーリ1103の内側の溝に巻き付いて経路変更プーリ1104によってヨー軸方向からピッチ軸方向に経路が変更され、ロール軸用ワイヤ503の復路側では、経路変更プーリ1105によってピッチ軸方向からヨー方向に経路が変更された後、2溝プーリ1104の外側に巻き付いている。
また、ロール軸用ワイヤ503をピッチ軸方向に沿って経路を変更するために、ピッチ軸114と同軸の2溝プーリ1103の各溝の直径は同一であることが重要であり、さらにヨー軸プーリ801と同一の直径であることが設計的には好ましい。
また、ピッチ軸114よりも根元側の2溝プーリ1102の各溝の直径は同一である必要はない。軽量化の観点からは、2溝プーリ1102は小型であることが好ましい。
図4~図12を参照しながら説明したように、基本構造は、3軸駆動用の各モータ601~603を可能な限り短い距離に寄せて配置し、ワイヤ駆動によって先端部を駆動することが可能な構造となっている。
なお、ピッチ軸114の駆動に関しては、ピッチ軸114とピッチ軸用モータ501の出力軸と言う平行な2軸間の回転伝達を行っているのみである。したがって、ベルトや歯車、リンク機構など任意の伝達方法に置き換えることが可能である。
D.先端部の制御について
続いて、上記C項で説明した先端部の制御方法について説明する。まず、以下の説明で使用する記号について示しておく。
続いて、上記C項で説明した先端部の制御方法について説明する。まず、以下の説明で使用する記号について示しておく。
ピッチ軸114駆動用のプーリ702の半径: Rp
ピッチ軸114の回転角度: θp
ヨー軸115駆動用のヨー軸プーリ801の半径: Ry
ヨー軸115の回転角度: θy
ロール軸116駆動用のロール軸プーリ1101の半径: Rr
ロール軸116の回転角度: θr
ヨー軸115駆動用のピッチ軸114と同軸のプーリ902の半径: Rpy
ロール軸116駆動用のピッチ軸114と同軸のプーリ1103の半径:Rpr
ロール軸116駆動用のヨー軸115と同軸のプーリ1103の半径: Ryr
ピッチ軸用モータ601の出力軸の回転角度: θmp
ピッチ軸用モータ601の出力軸プーリ611の半径: Rmp
ヨー軸用モータ602の出力軸の回転角度: θmy
ヨー軸用モータ602の出力軸プーリ612の半径: Rmy
ロール軸用モータ603の出力軸の回転角度: θmr
ロール軸用モータ603の出力軸プーリ613の半径: Rmr
ピッチ軸114の回転角度: θp
ヨー軸115駆動用のヨー軸プーリ801の半径: Ry
ヨー軸115の回転角度: θy
ロール軸116駆動用のロール軸プーリ1101の半径: Rr
ロール軸116の回転角度: θr
ヨー軸115駆動用のピッチ軸114と同軸のプーリ902の半径: Rpy
ロール軸116駆動用のピッチ軸114と同軸のプーリ1103の半径:Rpr
ロール軸116駆動用のヨー軸115と同軸のプーリ1103の半径: Ryr
ピッチ軸用モータ601の出力軸の回転角度: θmp
ピッチ軸用モータ601の出力軸プーリ611の半径: Rmp
ヨー軸用モータ602の出力軸の回転角度: θmy
ヨー軸用モータ602の出力軸プーリ612の半径: Rmy
ロール軸用モータ603の出力軸の回転角度: θmr
ロール軸用モータ603の出力軸プーリ613の半径: Rmr
また、ピッチ軸114、ヨー軸115、ロール軸116、及び各軸用モータ601~603の出力軸の回転の正負方向の定義は図6に示した通りとする。
上記の条件に基づいて、逆運動学を求める。各軸駆動用のモータ601~603の出力軸の回転角度θmp、θmy、θmrは、先端部のピッチ軸114、ヨー軸115、ロール軸116の各回転角度θp、θy、θrに基づいてそれぞれ下式(1)~(3)のように導き出される。
ここで、各モータ601~603の出力軸の回転角度θmp、θmy、θmrは、各モータ601~603の出力軸に取り付けたエンコーダによって計測可能である。
順運動学により先端部のピッチ軸114、ヨー軸115、ロール軸116の各回転角度θp、θy、θrを求める場合には、上記の連立方程式(1)~(3)を各回転角度θp、θy、θrに関して整理するだけでよく、下式(4)~(6)のように求まる。
上式(1)~(6)を用いることで、各モータ及び各プーリが対応可能でなければならない回転可動域を導き出すことができる。
まず、ピッチ軸114、ヨー軸115、ロール軸116の各関節角θp、θy、θrの回転可動域は、上述したようにそれぞれ下式(7)~(9)で示される範囲で設定されている。
機構設計上、Ry=Rpy、及びRr=Rpr=Ryrとすることで、簡素、低コストで且つ滑らかにワイヤ501~503の経路を生成することができる。このことを考慮して、上記の値を代入すると、上式(7)~(9)で示した各関節の回転可動域を実現するために必要な、各モータ601~603の出力軸の回転角度θmp、θmy、θmrをそれぞれ下式(10)~(12)のように簡易的に算出することができる。
厳密には設計次第であるが、ピッチ軸用モータ601の出力軸の回転角度θmpは半回転程度、ヨー軸用モータ602の出力軸の回転角度θmyは1回転程度、ロール軸用モータ603の出力軸の回転角度θmrは2回転程度の回転可動域がそれぞれ必要となる。したがって、2回転以上の回転が可能となるように、ロール軸用モータ603の出力軸プーリ613にワイヤ503を螺旋状に巻き付けている。
ところで、1回転を上回る回転可動域が必要なモータの出力軸に搭載するアブソリュートエンコーダは1回転では不足となる。このため、多回転のアブソリュートエンコーダを搭載する、又は関節部(例えば、ロール軸プーリ1101)にアブソリュートエンコーダを搭載する必要が生じる。
多回転のアブソリュートエンコーダは一般に、何回転目であるかを保持する必要があり、電池を搭載して電気的に保持する、又はネジなどの構造を用いて機構的に保持する方法が挙げられるが、いずれの方法でも部品点数や重量が増加する問題がある。一方、関節部にアブソリュートエンコーダを搭載する場合、アームの先端部への配線が増え、敗戦の工夫が必要になるとともに、先端部の重量が増加するため各モータ601~603の負荷も増大するといった問題がある。
そこで、本開示では、ロール軸用モータ603の出力軸に1回転のアブソリュートエンコーダの計測値から何回転目であるかを導出する方法を用いている。
先端部のすべての姿勢を網羅するように、ピッチ軸114、ヨー軸115、ロール軸116の各目標角度θp、θy、θrに対応する各軸用モータ601~603の出力軸の回転角度θmp、θmy、θmrを、上式(1)~(3)に示した逆運動学を用いて導出してみた。その結果、各軸用モータ601~603の出力軸の回転角度θmp、θmy、θmrはそれぞれ下式(13)~(15)の範囲で変動することが分かったが、これは上式(10)~(12)に示した簡易計算の結果と一致している。
ここで、ロール軸116に1回転のアブソリュートエンコーダを搭載して、ロール軸116の回転角度θrを0~360degの範囲で計測できると仮定する。そして、この角度の範囲に収まるようにロール軸用モータ603の出力軸の回転角度θmrを変換した値を疑似ロール軸モータ出力回転角θmr_1とする。
したがって、元のモータ出力軸の回転角度θmrに代えてこの値θmr_1を用いて上式(4)~(6)に示した順運動学演算を行って、同様に先端部の姿勢を導出できればよいことになる。
先端部のすべての姿勢を網羅するように、値θmr_1を用いた順運動学演算によりピッチ軸114、ヨー軸115、ロール軸116の各目標角度θp、θy、θrを計算してみると、ピッチ軸114及びヨー軸115の各目標角度θp、θyについては元々の(すなわち元の値θmrを用いて計算した場合の)目標値と一致した値を導出できることを確認することができた。一方、代替値θmr_1rを用いて導出したロール軸116の目標角度θr_1rについては、値が2つの集団に分かれて、片方の集団に関してはロール軸116の回転可動域限界である-170degよりも下回っていることを確認することができた。これは、ロール軸用モータ603の出力軸に1回転のアブソリュートエンコーダを用いることで、本来は-10degといった数値が350degと計測されることに起因している。そこで、本開示では、上式(4)~(6)に示した順運動学を下式(16)~(19)のように補正する。
上式(16)~(20)で表される順運動学を用いて、元通りの先端部の姿勢を導出できることを確認することができた。したがって、上式(19)及び(20)を用いた補正演算を導入することによって、各軸用モータ601~603の出力軸に1回転のアブソリュートエンコーダをそれぞれ搭載するだけで、先端部の姿勢を、上式(16)~(20)で表される順運動学を利用して容易に導出することが可能であることが分かる。
但し、上式(19)及び(20)を用いた補正演算が成立するためには、ロール軸用モータ603の出力軸プーリ611の半径Rmrの方がロール軸プーリ1101の半径Rrよりも大きいこと、すなわち下式(21)であることが条件となる。これにより、ロール軸用モータ603の出力軸の回転角度θmrの回転可動域を2回転以内に抑えることができる。
なお、大きなトルクを安全に伝達するという点では、ピッチ軸114駆動用のプーリ702の半径Rp、ヨー軸プーリ801の半径Ry、及びロール軸プーリ1101の半径はいずれも、大きければ大きいほどよい。医療用アーム装置100の腕及び手首を必要十分に小型化できる範囲で、より大きなプーリの直径を選択することが好ましい。
E.先端部の他の構造(1)
上記C項で説明した内視鏡保持構造では、ヨー軸とロール軸間でロール軸用ワイヤ503の経路変更を行う2個の経路変更プーリ1107及び1108が使用される(図11及び図12を参照のこと)。このうち経路変更プーリ1107はロール軸116と平行な軸回りに回転可能となるように第2の接続部1002の側面に支持され、経路変更1108はロール軸116と直交する軸回りに回転可能となるように第2の接続部1002の側面に支持されている。これに対し、第2の内視鏡保持構造では、経路変更プーリ1107を削減して、部品点数削減とワイヤ503の全長の短縮化を実現している。図13及び図14には、第2の内視鏡保持構造のうち、ロール軸116回りの回転自由度を実現するための構造を抜き出して示している。
上記C項で説明した内視鏡保持構造では、ヨー軸とロール軸間でロール軸用ワイヤ503の経路変更を行う2個の経路変更プーリ1107及び1108が使用される(図11及び図12を参照のこと)。このうち経路変更プーリ1107はロール軸116と平行な軸回りに回転可能となるように第2の接続部1002の側面に支持され、経路変更1108はロール軸116と直交する軸回りに回転可能となるように第2の接続部1002の側面に支持されている。これに対し、第2の内視鏡保持構造では、経路変更プーリ1107を削減して、部品点数削減とワイヤ503の全長の短縮化を実現している。図13及び図14には、第2の内視鏡保持構造のうち、ロール軸116回りの回転自由度を実現するための構造を抜き出して示している。
上述したように、経路変更プーリ1107は、往路側のロール軸用ワイヤ503を、ヨー軸方向からロール軸方向に経路変更する役割を担っていた。一方、第2の内視鏡保持構造では、図13及び図14に示すように、2溝プーリ1106からプーリ1101aにロール軸用ワイヤ503を直接巻き付けることによって、経路変更プーリ1107を使わずに、ロール軸用ワイヤ503をヨー軸方向からロール軸方向に経路変更している。図13及び図14中で、ロール軸用ワイヤ503が2溝プーリ1106からプーリ1101aに引き渡される場所を、それぞれ参照番号1301及び1401で示している。ヨー軸プーリ801とロール軸116間の距離を短縮することで、2溝プーリ1106からロール軸プーリ1101aにワイヤ503を直接渡すことが可能となり、経路変更プーリ1107を削減することができる。
第2の内視鏡保持構造では、プーリ1107が削減される分だけ部品点数及びワイヤ503の全長が短縮されるという利点がある。但し、2溝プーリ1106からロール軸プーリ1101aにワイヤ503を直接渡してヨー軸方向からロール軸方向に経路変更するため、ワイヤ503の摩耗や回転時の抵抗が増大することや、ワイヤ503の脱輪には留意すべきである。
なお、図13及び図14に示した第2の内視鏡保持構造においても、上記C項で説明した内視鏡保持構造と同じ運動学(上記D項を参照のこと)を適用することができる。
F.先端部の他の構造(2)
上記C項で説明した内視鏡保持構造では、ヨー軸115回りに回転したときに、ヨー軸方向からロール軸方向に経路変更する経路変更プーリ1107と、ピッチ軸方向からヨー軸方向に経路変更する経路変更プーリ1104の干渉が生じる(図15を参照のこと)。このため、ヨー軸115回りの片側の回転可動域が80deg程度に制限される。
上記C項で説明した内視鏡保持構造では、ヨー軸115回りに回転したときに、ヨー軸方向からロール軸方向に経路変更する経路変更プーリ1107と、ピッチ軸方向からヨー軸方向に経路変更する経路変更プーリ1104の干渉が生じる(図15を参照のこと)。このため、ヨー軸115回りの片側の回転可動域が80deg程度に制限される。
経路変更プーリ同士の干渉に関して、詳しく説明する。図16には、上記C項で説明した内視鏡保持構造(医療用アーム装置100の先端部)を上から見下ろして示している。図16から、ヨー軸方向からロール軸方向に経路変更する経路変更プーリ1107と、ロール軸方向からヨー軸方向に経路変更プーリ1108が、第2の接続部1002のロール方向を向く側面とこれに直交する側面に分散して配置されることが分かる。また、図16から、ピッチ軸方向からヨー軸方向に経路変更する経路変更プーリ1104と、ヨー軸方向からピッチ軸方向に経路変更する経路変更プーリ1105が、ピッチ軸構成部品701の側面で、ピッチ軸114と直交する共通の(又は、互いに平行な)軸回りに回転可能となるように支持されている。このような各経路変更プーリ1104~1108の配置では、図15を参照しながら説明したように、ヨー軸115回りの回転可動域を大きくすると、ヨー軸プーリ801付近で経路変更プーリ同士が干渉するリスクがある。
これに対し、第3の内視鏡保持構造では、ピッチ軸とヨー軸間でワイヤ503の経路変更を行う2個の経路変更プーリ1104及び1105、並びに、ヨー軸とロール軸間でワイヤ503の経路変更を行う2個の経路変更プーリ1107及び1108を、それぞれなるべく狭い範囲に集めて配置することによって、経路変更プーリ同士が干渉するリスクを可能な限り低減している。図17には、上記C項で説明した内視鏡保持構造(医療用アーム装置100の先端部)を上から見下ろして示している。
具体的には、第3の内視鏡保持構造では、ピッチ軸とヨー軸間でワイヤ503の経路変更を行う2個の経路変更プーリ1104及び1105を、互いの回転軸が交差するように配置することで、各経路変更プーリ1104及び1105を、ヨー軸プーリ801に対して接する領域を最小化している。
また、第3の内視鏡保持構造では、ヨー軸とロール軸間でワイヤ503の経路変更を行う2個の経路変更プーリ1107及び1108をともに、第2の接続部1002のロール軸116に直交する方向を向く側面に集中して配置することで、各経路変更プーリ1107及び1108を、ヨー軸プーリ801に対して接する領域を最小化している。図17を図16と比較して分かるように、経路変更プーリ1107は、第2の接続部1002の、ロール軸116の方向を向く側面から、第2の接続部1002のロール軸116に直交する方向を向く側面に移動して配置される。
このように各経路変更プーリ1104及び1105、及び経路変更プーリ1107及び1108を、それぞれヨー軸プーリ801に対して接する領域を最小化することによって、ロール軸構成部品がヨー軸115回りに大きく回転したときに経路変更プーリ同士が干渉するリスクを抑えることができる。
図18には、第3の内視鏡保持構造をヨー軸115の正方向に回転させた様子を示している。また、図19には、第3の内視鏡保持構造をヨー軸115の負方向に回転させた様子を示している。図18及び図19から、ヨー軸115回りに回転させた際に経路変更プーリ同士の干渉が回避できていることを理解できよう。第3の内視鏡保持構造によれば、ヨー軸115回りに±120deg程度の回転可動域を実現することができる。
なお、図18を参照すると、ロール軸用ワイヤ503は、往路側で、2溝プーリ1106にヨー軸に沿って巻き付き、次いで経路変更プーリ1107に巻き付いてヨー軸方向からロール軸と直交する方向に経路変更し、さらに経路変更プーリ1801に巻き付いてロール軸と直交する方向からロール軸方向に経路変更した後に、ロール軸プーリ1101の一方のプーリ1101aに巻き付けられる。経路変更プーリ1107は、第2の接続部1002のロール軸116に直交する方向を向く側面に移動して配置されるため(前述)、ロール軸と直交する方向からロール軸方向へワイヤ503の経路変更を行う経路変更プーリ1801が必要になる。経路変更プーリ1801は、ヨー軸115回りの回転時に他の経路変更プーリ1104及び1105との干渉を回避するように、第2の接続部1002の側面の高い位置に配置されている。
また、ロール軸部(ロール軸プーリ1101)が少々大きくなっても許容される場合や、1組のプーリ1101a及び1101bのうち一方に寄せてロール軸用ワイヤ503を巻き付けたい場合には、ヨー軸とロール軸間でワイヤ503の経路変更を行う2個の経路変更プーリ1107及び1108についても、互いの回転軸が交差するように配置するようにしてもよい(図示を省略)。
G.高トルク化について
上記で説明した内視鏡保持構造において、各軸駆動用のワイヤ501~503にステンレスワイヤロープなどを使用すると、医療用アーム装置100の先端部で内視鏡200を支持するのに十分なトルクを発生させることが可能である。
上記で説明した内視鏡保持構造において、各軸駆動用のワイヤ501~503にステンレスワイヤロープなどを使用すると、医療用アーム装置100の先端部で内視鏡200を支持するのに十分なトルクを発生させることが可能である。
H.先端部の軽量化によるアクチュエータの負荷低減について
図6には、第4のリンク104の根元側に各軸用モータ601~603を可能な限り短い距離に寄せて配置することを示した。第4のリンク104の先端側などアームの遠位端にこれらのアクチュエータを配置した場合と比べると、モーメントを3分の2程度に抑えられることが計算上分かっている。したがって、図6に示した各軸用モータ601~603の配置により、先端部を軽量化して各軸用モータ601~603の負荷を低減することができる。
図6には、第4のリンク104の根元側に各軸用モータ601~603を可能な限り短い距離に寄せて配置することを示した。第4のリンク104の先端側などアームの遠位端にこれらのアクチュエータを配置した場合と比べると、モーメントを3分の2程度に抑えられることが計算上分かっている。したがって、図6に示した各軸用モータ601~603の配置により、先端部を軽量化して各軸用モータ601~603の負荷を低減することができる。
I.アクチュエータの配置について
図6では、先端側からピッチ軸用モータ601、ヨー軸用モータ602、ロール軸用モータ603の順で配置した例を示したが、これらのモータを配置する順番を入れ替えてもよい。但し、重量のあるモータの順に根元側(又は近位端側)から配置することで、先端部の3自由度を駆動させるために必要な出力を小さくすることができるので好ましい。
図6では、先端側からピッチ軸用モータ601、ヨー軸用モータ602、ロール軸用モータ603の順で配置した例を示したが、これらのモータを配置する順番を入れ替えてもよい。但し、重量のあるモータの順に根元側(又は近位端側)から配置することで、先端部の3自由度を駆動させるために必要な出力を小さくすることができるので好ましい。
一方、ピッチ軸114回りの駆動に高いトルクが必要であることから、図5に示したように、ヨー軸115回りの駆動用のプーリ群(例えば図8~図9を参照のこと)及びロール軸116回りの駆動用のプーリ群(例えば図10~図11を参照のこと)よりも、ピッチ軸用ワイヤ501のプーリ群(例えば図5、図7を参照のこと)が内側となるように各部品を配置することが、小型化且つ高トルク化に貢献することができる。
また、ロール軸116は、内視鏡200の光軸回転に活用するので(図2を参照のこと)、小さなトルクで十分であり、ロール軸116回りの駆動用のプーリ群をもっとも外側に配置しても、設計上は問題がない。
これらを総合すると、図6に示したように、先端側からピッチ軸用モータ601、ヨー軸用モータ602、ロール軸用モータ603の順で配置することが理想的と言うことができる。
J.ピッチ軸回転対応の2溝プーリについて
上記C-2項でも説明したように、ヨー軸用ワイヤ502をピッチ軸114回りの回転に対応させるために、ピッチ軸114の手前側(近位端側)に2溝プーリ901が使用される。また、上記C-3項でも説明したように、ロール軸用ワイヤ503をピッチ軸114回りの回転に対応させるために、ピッチ軸114の手前側(近位端側)に2溝プーリ1102が使用される。
上記C-2項でも説明したように、ヨー軸用ワイヤ502をピッチ軸114回りの回転に対応させるために、ピッチ軸114の手前側(近位端側)に2溝プーリ901が使用される。また、上記C-3項でも説明したように、ロール軸用ワイヤ503をピッチ軸114回りの回転に対応させるために、ピッチ軸114の手前側(近位端側)に2溝プーリ1102が使用される。
これら2つの2溝プーリ901及び1102はともに、ピッチ軸114と平行なシャフト704で支持される。これらピッチ軸回転対応の2溝プーリ901及び1102はそれぞれ、ピッチ軸と同軸の2溝プーリ902及び1103に対して近接していることが好ましいが、多少離れていてもよい。図7、図9、及び図11に示す例では、ピッチ軸回転対応の2溝プーリ901及び1102はそれぞれ、ピッチ軸と同軸の2溝プーリ902及び1103に対して近接して配置されている。
ピッチ軸回転対応用のこれらの2溝プーリ901及び1102は、同一の直径でなくてもよい。
図4~図12に示した実施形態では、ピッチ軸回転対応用の2溝プーリ901及び1102はともに、ピッチ軸114と同軸のシャフト702に回転可能に支持されているが、互いに異なるシャフトに支持されていてもよい。また、2溝プーリ901を支持するシャフトと2溝プーリ1102を支持するシャフトが同一軸でなくてもよい。2溝プーリ901を支持するシャフトと2溝プーリ1102を支持するシャフトを分けた場合、先端への配線のレイアウトの設計が容易になるといったメリットがある。
K.ピッチ軸と同軸の2溝プーリについて
上記C-2項でも説明したように、ヨー軸用ワイヤ502をピッチ軸114に沿って経路を変更するために、2溝プーリ902が使用される。また、上記C-3項でも説明したように、ロール軸用ワイヤ503をピッチ軸114に沿って経路を変更するために、2溝プーリ1103が使用される。これら2つの2溝プーリ902及び1103はともに、ピッチ軸114と同軸のシャフト703で支持される。
上記C-2項でも説明したように、ヨー軸用ワイヤ502をピッチ軸114に沿って経路を変更するために、2溝プーリ902が使用される。また、上記C-3項でも説明したように、ロール軸用ワイヤ503をピッチ軸114に沿って経路を変更するために、2溝プーリ1103が使用される。これら2つの2溝プーリ902及び1103はともに、ピッチ軸114と同軸のシャフト703で支持される。
ピッチ軸回転対応用のこれらの2溝プーリ902及び1103は、同一の直径でなくてもよい。また、ピッチ軸回転対応用のこれらの2溝プーリ902及び1103はいずれも、ピッチ軸駆動用のプーリ702と同一の直径でなくてもよい。
なお、プーリは、一般的には円盤外周に沿って2つのフランジとその間に溝が穿設された部品であり、ワイヤのような柔軟性を有する索状物を逸脱しないように円盤外周の溝に掛けて、ワイヤによる引張力の伝達やワイヤの経路(力の方向)の変更のために使用される。また、2溝プーリは、円盤の外周に溝が2つ設けられたプーリであるが、1溝のプーリを同軸上に一体化させて構成されてもよい。
L.ロール軸駆動用のプーリについて
図5などを参照すると、中空の円筒からなる構造体1101の両端にロール軸116回りに回転可能に取り付けられた1組のプーリ1101a及び1101bの各々にロール軸用ワイヤ503の往路及び復路をそれぞれ巻き付けている。その変形例として、中空円筒の構造体1101の片側に2溝プーリを取り付けて、この2溝プーリの各溝にロール軸用ワイヤ503の往路及び復路をそれぞれ巻き付けるように構成してもよい。
図5などを参照すると、中空の円筒からなる構造体1101の両端にロール軸116回りに回転可能に取り付けられた1組のプーリ1101a及び1101bの各々にロール軸用ワイヤ503の往路及び復路をそれぞれ巻き付けている。その変形例として、中空円筒の構造体1101の片側に2溝プーリを取り付けて、この2溝プーリの各溝にロール軸用ワイヤ503の往路及び復路をそれぞれ巻き付けるように構成してもよい。
M.ヨー軸駆動用プーリの最大化について
ヨー軸115は、内視鏡200の観察方向を変更するパン軸に相当する(前述)。ヨー軸115回りの駆動トルクの向上(高トルク化)を実現するために、腕から手首にかけての構造全体を細く保ったまま(具体的には、第4のリンク104の寸法を大きくしないで)、ヨー軸プーリ801の直径を最大化することが好ましい。
ヨー軸115は、内視鏡200の観察方向を変更するパン軸に相当する(前述)。ヨー軸115回りの駆動トルクの向上(高トルク化)を実現するために、腕から手首にかけての構造全体を細く保ったまま(具体的には、第4のリンク104の寸法を大きくしないで)、ヨー軸プーリ801の直径を最大化することが好ましい。
図20には、医療用アーム装置100の先端部のうち、ヨー軸115回りの回転自由度を実現するための構造を拡大して示している。ヨー軸プーリ801は、ヨー軸115と同軸で回転可能となるように、ピッチ軸構成部品701の先端面に支持されている。また、2溝プーリ1106は、ヨー軸プーリ801とともに、ヨー軸115と同軸で回転可能となるように、ピッチ軸構成部品701の先端面に支持されている。
他方、ピッチ軸用ワイヤ501をヨー軸とピッチ軸間で経路変更する1対の経路変更プーリ903及び904が、ピッチ軸構成部品701の側面に支持されている。ピッチ軸114回りに回転する2溝プーリ902との相性がよくヨー軸用ワイヤ502を滑らかに経路変更してヨー軸プーリ801に巻き付けるために、異なる直径を持つ2個の経路変更プーリ903及び904を同一軸に配置している。図20に示すように、2個の経路変更プーリ903及び904は、同一軸を構成するシャフト2001に回転可能に支持されている。
また、ロール軸用ワイヤ503をヨー軸とピッチ軸間で経路変更する1対の経路変更プーリ1104及び1105が、ピッチ軸構成部品701の反対側の側面に支持されている。同様に、ピッチ軸114回りに回転する2溝プーリ1103との相性がよくロール軸用ワイヤ503を滑らかに経路変更して2溝プーリ1106に巻き付けるために、異なる直径を持つ2個の経路変更プーリ1104及び1105を同一軸に配置している。図20に示すように、2個の経路変更プーリ1104及び1105は、同一軸を構成するシャフト2002に回転可能に支持されている。
腕から手首にかけての構造全体の寸法を細く保ったまま、ヨー軸プーリ801の直径を大きくと、シャフト2001又はシャフト2002が中央付近でヨー軸プーリ801と干渉するおそれがある。そこで、図20に示すように、シャフト2001及びシャフト2002の中央部を細く、又は、中央部をDカット構造に形成することにより、ヨー軸プーリ801の直径を最大化するようにしてもよい。
N.内視鏡保持構造の効果
このN項では、本開示に係る内視鏡保持構造及びワイヤ駆動方法によってもたらされる効果についてまとめておく。
このN項では、本開示に係る内視鏡保持構造及びワイヤ駆動方法によってもたらされる効果についてまとめておく。
(1)本開示に係る医療用アーム装置は、内視鏡を保持できるだけの高トルクを持つ、能動的に駆動可能な3自由度手首関節を備えている。
(2)本開示によれば、3自由度の能動関節を持つ先端部を小型で軽量な構造にすることができる。したがって、先端部で内視鏡を支持する医療用アーム装置は、患者(又は手術ベッド)を挟んで術者の反対側から、術者の手や腕との干渉を回避して、術者の手元の空いているスペースにアクセスすることが可能になる。
(3)本開示によれば、3自由度の能動関節を持つ先端部を小型で軽量な構造にすることができる。したがって、各能動関節を駆動するアクチュエータの負荷を低減し、装置全体の重量、コスト、及び消費電力を低減することができる。
(4)本開示によれば、3自由度の先端部の各能動関節をワイヤ駆動方式により駆動することができるので、バックラッシュなどによるガタがない。したがって、先端部で内視鏡を支持する医療用アーム装置は、内視鏡の位置及び姿勢、並びに光軸回転を高精度で決めることができる。
(5)本開示によれば、3自由度の先端部の各回転軸回りの広い回転可動域を持つことができる。特に、上記F項(図18~図19を参照のこと)に示したように各経路変更プーリの配置によって経路変更プーリ同士の干渉を回避することによって、ヨー軸回りの回転可動域を拡大することができる。
(6)本開示によれば、3自由度の先端部の各能動関節を駆動するアクチュエータを、例えば第4のリンク104の根元側(又は、近位端側)に集中して配置することができるので、各アクチュエータのブレーキも配置し易くなる。また、アクチュエータ、エンコーダ、及びブレーキのための配線は第4のリンク104の根元側まででよい。したがって、先端部への配線を削減することができ、制御外乱を低減することができる。
(2)本開示によれば、3自由度の能動関節を持つ先端部を小型で軽量な構造にすることができる。したがって、先端部で内視鏡を支持する医療用アーム装置は、患者(又は手術ベッド)を挟んで術者の反対側から、術者の手や腕との干渉を回避して、術者の手元の空いているスペースにアクセスすることが可能になる。
(3)本開示によれば、3自由度の能動関節を持つ先端部を小型で軽量な構造にすることができる。したがって、各能動関節を駆動するアクチュエータの負荷を低減し、装置全体の重量、コスト、及び消費電力を低減することができる。
(4)本開示によれば、3自由度の先端部の各能動関節をワイヤ駆動方式により駆動することができるので、バックラッシュなどによるガタがない。したがって、先端部で内視鏡を支持する医療用アーム装置は、内視鏡の位置及び姿勢、並びに光軸回転を高精度で決めることができる。
(5)本開示によれば、3自由度の先端部の各回転軸回りの広い回転可動域を持つことができる。特に、上記F項(図18~図19を参照のこと)に示したように各経路変更プーリの配置によって経路変更プーリ同士の干渉を回避することによって、ヨー軸回りの回転可動域を拡大することができる。
(6)本開示によれば、3自由度の先端部の各能動関節を駆動するアクチュエータを、例えば第4のリンク104の根元側(又は、近位端側)に集中して配置することができるので、各アクチュエータのブレーキも配置し易くなる。また、アクチュエータ、エンコーダ、及びブレーキのための配線は第4のリンク104の根元側まででよい。したがって、先端部への配線を削減することができ、制御外乱を低減することができる。
O.アクチュエータの配置について
図21には、図1に示した医療用アーム装置100の術式対応例を示している。図21に示す例では、手術ベッドを挟んで術者の反対側に医療用アーム装置100に設置されている。そして、術者は、医療用アーム装置100の先端に保持された内視鏡(図示しない)を用いて観測される腹腔内の術部の様子を観察しながら、手術ベッド上の患者の腹腔鏡手術を行っている。
図21には、図1に示した医療用アーム装置100の術式対応例を示している。図21に示す例では、手術ベッドを挟んで術者の反対側に医療用アーム装置100に設置されている。そして、術者は、医療用アーム装置100の先端に保持された内視鏡(図示しない)を用いて観測される腹腔内の術部の様子を観察しながら、手術ベッド上の患者の腹腔鏡手術を行っている。
上述したように、本開示が適用される医療用アーム装置100では、先端部は、内視鏡の姿勢を決める3自由度の直交する回転軸を集中的に配置して小型且つ軽量な構造を実現して、術者の手や腕との干渉を回避することができる。ところが、図21を参照すると、3自由度の先端部だけでなく、先端部を支持する第4のリンク104も術者の手や腕との干渉領域にある。したがって、術者の手や腕との衝突を回避するために、第4のリンク104を細径化してデザインすることが望ましいということができる。
図4には、第4のリンク104の先端にロール軸116、ヨー軸115、及びピッチ軸114の構成部品をそれぞれ配置した例を示した。また、図5には、ピッチ軸114、ヨー軸115、及びロール軸116の構成部品をそれぞれ牽引するするピッチ軸用ワイヤ501、ヨー軸用ワイヤ502、及びロール軸用ワイヤ503の構造を示し、図6には、ピッチ軸用モータ601、ヨー軸用モータ602、及びロール軸用モータ603を第4のリンク104の根元に配置した例を示した。
ここで、図22には、ピッチ軸用モータ601、ヨー軸用モータ602、及びロール軸用モータ603に使用されるモータ2200の外観構成を模式的に示している。但し、モータ601~603はいずれも、円筒形状の電磁式アクチュエータを想定している。一般に、回転式のモータ本体2201の出力軸には、ブレーキ2202、減速機2203、回転位置検出用のエンコーダ2204、及び出力軸に作用する外力検出用のトルクセンサ2205、回路部2206が配置される。これらブレーキ2202、減速機2203、エンコーダ2204、及びトルクセンサ2205は、基本的にはモータ本体2201の出力軸方向に取り付ける必要があり、モータ2200全体の出力軸方向の寸法を拡張する。このため、回転式モータ2200は、細径で出力軸方向に長い円柱形状になる。なお、回路部2206は、センサ信号や駆動信号の信号処理などを行う回路チップを搭載したプリント配線基板(PWB:Printed Wired Board)からなるが、特に配置位置は限定されない。図22に示すように、モータ本体2201の出力軸方向に回路部2206も配置する場合、モータ2200の外形は、細径を保ったまま出力軸方向の寸法がさらに拡張する。
図6には、先端部を駆動する、ピッチ軸用モータ601、ヨー軸用モータ、及びロール軸用モータ603を、第4のリンク104の根元側で、出力軸がいずれもピッチ軸114と平行となるように、言い換えれば第4のリンク104の長手方向に直交する方向に揃えて配置している例を示した。このようなモータ601~603の配置では、第4のリンク104の太さはモータ601~603の出力軸方向の寸法以上になってしまうので、第4のリンクの細径化を実現することは困難となる。
そこで、このO項では、先端部を駆動する、ピッチ軸用モータ601、ヨー軸用モータ、及びロール軸用モータ603のうち少なくとも1つのモータを、出力軸方向を第4のリンク104の長手方向に揃えて配置することによって、第4のリンク104の細径化を実現する、アクチュエータの配置方法について提案する。
なお、モータ2200に使用されるエンコーダ2204はアブソリュートエンコーダであるものとする。また、モータ2200がロール軸用に使用される場合には、出力軸に1回転のアブソリュートエンコーダの計測値から何回転目であるかを導出する方法(上記D項を参照のこと)が採用されるものとする。
O-1.アクチュエータの配置例(1)
図23には、3つの回転機構を有する先端部の各回転機構を駆動する3つのモータ2301~2303をすべて、出力軸方向を第4のリンク104の長手方向に揃えて配置した例を示している。図23に示すように、第4のリンク104は中空の円筒形状からなる。そして、先端部側から根元側に向かって、第1のモータ2301、第2のモータ2302、第3のモータ2303の順で、第4のリンク104の中空円筒内に配置されている。但し、3つのモータ2301~2303はいずれも、図22に示したように出力軸方向に長い円筒形状で構成された電磁式アクチュエータであるものとする。
図23には、3つの回転機構を有する先端部の各回転機構を駆動する3つのモータ2301~2303をすべて、出力軸方向を第4のリンク104の長手方向に揃えて配置した例を示している。図23に示すように、第4のリンク104は中空の円筒形状からなる。そして、先端部側から根元側に向かって、第1のモータ2301、第2のモータ2302、第3のモータ2303の順で、第4のリンク104の中空円筒内に配置されている。但し、3つのモータ2301~2303はいずれも、図22に示したように出力軸方向に長い円筒形状で構成された電磁式アクチュエータであるものとする。
図4を参照しながら既に説明したように、先端部は、内視鏡200を上下方向に振る上下回転軸(ピッチ軸)部114と、上下回転軸部114に隣接し、上下回転軸とは直交する左右回転軸回りの自由度を持ち、内視鏡200を左右方向に振る左右回転軸(ヨー軸)部115と、内視鏡200の光軸回りの自由度を持つ光軸回転軸(ロール軸)部116を備えている。第1のモータ2301、第2のモータ2302、第3のモータ2303をそれぞれいずれの軸方向の回転駆動に使用するかは任意である。但し、第4のリンク104の第3の関節部113の関節軸回りの慣性モーメントを小さくして、第3の関節部113の駆動用のアクチュエータの出力を低減するには、先端部側から根元側に向かって、軽量な順でモータを配置することが好ましい。
ロール軸回りには内視鏡200の光軸回転のみの低トルクで駆動することが可能であるが、ピッチ軸回りには先端部全体を駆動するために高トルクが必要である。そして、モータの出力がモータの重量にほぼ比例する(すなわち、モータの出力を大きくするほどモータの重量が増大する)という関係が成立すると仮定すると、第1のモータ2301で鏡筒201のロール軸116回りの回転駆動を行い、第2のモータ2302で内視鏡200のヨー軸115回りの回転駆動を行い、第3のモータ2303で先端部全体のピッチ軸114回りの回転駆動を行うというモータの割り当てが好ましいと考えられる。
なお、先端部の構造は上記C項で説明した通りなので、図23では先端部の図示を省略している。また、図23では、図面の簡素化のため、各モータ2301~2303の回転を先端部側に伝達するためのワイヤと、ワイヤの経路変更などを行うプーリからなるワイヤ伝達機構の図示も省略している。回転力の伝達にワイヤ伝達機構を用いることで、アクチュエータの駆動力を高効率で且つガタの発生を抑制して高精度に伝達することができるという利点がある。先端部の3自由度の各回転機構は負荷トルクが比較的小さいので、ワイヤ伝達機構の欠点である低強度をカバーすることができる。また、ワイヤ伝達機構の長所である小型且つ軽量の駆動伝達を最大限に活用することが可能である。各モータ2301~2303を、先端部の実際の関節位置から離間して、第4のリンク104の根元側に配置することから、先端部が軽量化し、各関節の駆動に要求されるトルクを低減することができるので、医療用アーム装置100全体の小型化に貢献する。
O-2.アクチュエータの配置例(2)
図24及び図25には、3つの回転機構を有する先端部の各回転機構を駆動する3つのモータ2401~2403のうち第1のモータ2401及び第2のモータ2402は出力軸方向を第4のリンク104の長手方向に揃えて配置する一方、根元側の第3のモータ2403は出力軸方向を第4のリンク104の長手方向に直交する方向に向けて配置した例を示している。図24は第3のモータ2403の側面の方向から眺めた様子を示し、図25は第3のモータ2403の回転軸の方向から眺めた様子を示している。但し、3つのモータ2401~2403はいずれも、図22に示したように出力軸方向に長い円筒形状の電磁式アクチュエータであるものとする。
図24及び図25には、3つの回転機構を有する先端部の各回転機構を駆動する3つのモータ2401~2403のうち第1のモータ2401及び第2のモータ2402は出力軸方向を第4のリンク104の長手方向に揃えて配置する一方、根元側の第3のモータ2403は出力軸方向を第4のリンク104の長手方向に直交する方向に向けて配置した例を示している。図24は第3のモータ2403の側面の方向から眺めた様子を示し、図25は第3のモータ2403の回転軸の方向から眺めた様子を示している。但し、3つのモータ2401~2403はいずれも、図22に示したように出力軸方向に長い円筒形状の電磁式アクチュエータであるものとする。
図24及び図25に示すアクチュエータの配置例によれば、第3のモータ2403を配置した区間の長さはモータ2403の直径程度に短縮される。すなわち、第4のリンク104のリンク長を短縮することができる。但し、図24に示すアクチュエータの配置例では、第4のリンク104のうち第1のモータ2401及び第2のモータ2402を配置した区間については細径化を実現できるが、第3のモータ2403を配置した区間については大径化しなければならない。第4のリンク104の径の増加が許容される場合には、有効な設計である。これに対し、図23に示したアクチュエータの配置例の場合、第4のリンク104のリンク長は、最短でも、各モータ2301~2303の出力軸方向の寸法の合計よりも長くなってしまう。要するに図24及び図25に示すアクチュエータの配置例によれば、第4のリンク104の細径化とリンク長の短縮化のバランスをとることができる。
図24及び図25に示すアクチュエータの配置例においても、第4のリンク104の第3の関節部113の関節軸回りの慣性モーメントを小さくして、第3の関節部113の駆動用のアクチュエータの出力を低減するには、先端部側から根元側に向かって、軽量な順でモータを配置することが好ましい。具体的には、第1のモータ2401で鏡筒201のロール軸116回りの回転駆動を行い、第2のモータ2402で内視鏡200のヨー軸115回りの回転駆動を行い、第3のモータ2403で先端部全体のピッチ軸114回りの回転駆動を行うというモータの割り当てが好ましいと考えられる。
なお、先端部の構造は上記C項で説明した通りなので、図24及び図25では先端部の図示を省略している。また、各モータ2401~2403の回転を先端部側に伝達するためにワイヤ伝達機構が用いられるが、図24及び図25では図面の簡素化のためワイヤ伝達機構の図示も省略している。ワイヤ伝達機構を用いることで、アクチュエータの駆動力を高効率で且つガタの発生を抑制して高精度で各モータ2401~2403の回転を伝達することができる。先端部の3自由度の各回転機構は負荷トルクが比較的小さいので、ワイヤ伝達機構の欠点である低強度をカバーすることができる。また、ワイヤ伝達機構の長所である小型且つ軽量の駆動伝達を最大限に活用することが可能である。各モータ2401~2403を、先端部の実際の関節位置から離間して、第4のリンク104の根元側に配置することから、先端部が軽量化し、第4のリンク104の回転駆動に要求されるトルクを低減することができるので、医療用アーム装置100全体の小型化に貢献する。
O-3.アクチュエータの配置例(3)
図26及び図27には、3つの回転機構を有する先端部の各回転機構を駆動する3つのモータ2601~2603のうちモータ2601を、出力軸方向を第4のリンク104の長手方向に揃えて配置する一方、第2のモータ2602及び第3のモータ2603は出力軸方向を第4のリンク104の長手方向に直交する方向に向けて配置した例を示している。図26は第2のモータ2602及び第3のモータ2603の側面の方向から眺めた様子を示し、図27は第2のモータ2602及び第3のモータ2603の回転軸の方向から眺めた様子を示している。但し、3つのモータ2601~2603はいずれも、図22に示したように出力軸方向に長い円筒形状の電磁式アクチュエータであるものとする。
図26及び図27には、3つの回転機構を有する先端部の各回転機構を駆動する3つのモータ2601~2603のうちモータ2601を、出力軸方向を第4のリンク104の長手方向に揃えて配置する一方、第2のモータ2602及び第3のモータ2603は出力軸方向を第4のリンク104の長手方向に直交する方向に向けて配置した例を示している。図26は第2のモータ2602及び第3のモータ2603の側面の方向から眺めた様子を示し、図27は第2のモータ2602及び第3のモータ2603の回転軸の方向から眺めた様子を示している。但し、3つのモータ2601~2603はいずれも、図22に示したように出力軸方向に長い円筒形状の電磁式アクチュエータであるものとする。
図26及び図27に示すアクチュエータの配置例によれば、第2のモータ2602及び第3のモータ2603を配置した区間の長さは各モータ2602及び2603の直径程度に短縮されるので、第4のリンク104の細径化部分を形成しつつ、図24及び図25に示したアクチュエータの配置例よりもさらに第4のリンク104のリンク長を短縮することができる。第4のリンク104の径の増加が許容される場合には、有効な設計である。要するに図26及び図27に示すアクチュエータの配置例によれば、第4のリンク104の細径化とリンク長の短縮化のバランスをとることができる。
なお、図26及び図27に示すアクチュエータの配置例においても、第4のリンク104の第3の関節部113の関節軸回りの慣性モーメントを小さくして、第3の関節部113の駆動用のアクチュエータの出力を低減するには、先端部側から根元側に向かって、軽量な順でモータを配置することが好ましい。具体的には、第1のモータ2601で鏡筒201のロール軸116回りの回転駆動を行い、第2のモータ2602で内視鏡200のヨー軸115回りの回転駆動を行い、第3のモータ2603で先端部全体のピッチ軸114回りの回転駆動を行うというモータの割り当てが好ましいと考えられる。
なお、先端部の構造は上記C項で説明した通りなので、図26及び図27では先端部の図示を省略している。また、各モータ2601~2603の回転を先端部側に伝達するためにワイヤ伝達機構が用いられるが、図26及び図27では図面の簡素化のためワイヤ伝達機構の図示も省略している。ワイヤ伝達機構を用いることで、アクチュエータの駆動力を高効率で且つガタの発生を抑制して高精度で各モータ2601~2603の回転を伝達することができる。先端部の3自由度の各回転機構は負荷トルクが比較的小さいので、ワイヤ伝達機構の欠点である低強度をカバーすることができる。また、ワイヤ伝達機構の長所である小型且つ軽量の駆動伝達を最大限に活用することが可能である。各モータ2601~2603を、先端部の実際の関節位置から離間して、第4のリンク104の根元側に配置することから、先端部が軽量化し、第4のリンク104の回転駆動に要求されるトルクを低減することができるので、医療用アーム装置100全体の小型化に貢献する。
O-4.アクチュエータの配置例(4)
図28及び図29には、3つの回転機構を有する先端部の各回転機構を駆動する3つのモータ2801~2803のすべてを、出力軸方向を第4のリンク104の長手方向に揃えて配置した例を示している。図28はモータ2801~2803の側面の方向から眺めた様子を示し、図29はモータ2801~2803の回転軸の方向から眺めた様子を示している。但し、3つのモータ2801~2803はいずれも、図22に示したように出力軸方向に長い円筒形状の電磁式アクチュエータであるものとする。
図28及び図29には、3つの回転機構を有する先端部の各回転機構を駆動する3つのモータ2801~2803のすべてを、出力軸方向を第4のリンク104の長手方向に揃えて配置した例を示している。図28はモータ2801~2803の側面の方向から眺めた様子を示し、図29はモータ2801~2803の回転軸の方向から眺めた様子を示している。但し、3つのモータ2801~2803はいずれも、図22に示したように出力軸方向に長い円筒形状の電磁式アクチュエータであるものとする。
図28及び図29に示すアクチュエータの配置例と、図6に示したアクチュエータの配置例の相違は、第4のリンク104のうち3つのモータ2801~2803が配置されていない先端部側の一部の区間を細径化している点である。
なお、先端部の構造は上記C項で説明した通りなので、図28及び図29では先端部の図示を省略している。また、各モータ2801~2803の回転を先端部側に伝達するためにワイヤ伝達機構が用いられるが、図28及び図29では図面の簡素化のためワイヤ伝達機構の図示も省略している。
O-5.アクチュエータの配置例(5)
図30及び図31には、3つの回転機構を有する先端部の各回転機構を駆動する3つのモータ3001~3003のうち第1のモータ3001及び第2のモータ3002を、出力軸方向を第4のリンク104の長手方向に揃えて第4のリンク104に配置する一方、第3のモータ3003は出力軸方向を第4のリンク104の長手方向に直交する方向に向けて第4のリンク104の外(根元側)に配置した例を示している。図30は第3のモータ3003の側面の方向から眺めた様子を示し、図31は第3のモータ3003の回転軸の方向から眺めた様子を示している。但し、3つのモータ3001~3003はいずれも、図22に示したように出力軸方向に長い円筒形状の電磁式アクチュエータであるものとする。
図30及び図31には、3つの回転機構を有する先端部の各回転機構を駆動する3つのモータ3001~3003のうち第1のモータ3001及び第2のモータ3002を、出力軸方向を第4のリンク104の長手方向に揃えて第4のリンク104に配置する一方、第3のモータ3003は出力軸方向を第4のリンク104の長手方向に直交する方向に向けて第4のリンク104の外(根元側)に配置した例を示している。図30は第3のモータ3003の側面の方向から眺めた様子を示し、図31は第3のモータ3003の回転軸の方向から眺めた様子を示している。但し、3つのモータ3001~3003はいずれも、図22に示したように出力軸方向に長い円筒形状の電磁式アクチュエータであるものとする。
なお、先端部の構造は上記C項で説明した通りなので、図30及び図31では先端部の図示を省略している。また、各モータ3001~3003の回転を先端部側に伝達するためにワイヤ伝達機構が用いられるが、図30及び図31では図面の簡素化のためワイヤ伝達機構の図示も省略している。
図30及び図31に示すアクチュエータの配置例は、第1のモータ3001及び第2のモータ3002は出力軸方向を第4のリンク104の長手方向に揃えて配置する一方、根元側の第3のモータ3003は出力軸方向を第4のリンク104の長手方向に直交する方向に向けて配置するという点で、図24及び図25に示したアクチュエータの配置例と共通する。但し、図30及び図31に示すアクチュエータの配置例では、第3のモータ3003を第4のリンク104の外に配置している点で、図24及び図25に示した例とは相違する。図24及び図25に示したアクチュエータの配置例では、第3のモータ2403は第4のリンク104内に配置されている。第3のモータ3003を第4のリンク104の外に配置することで、第4のリンク104のコンパクト化を実現することができる。
具体的には、第3のモータ3003は、第4のリンク104の根元側の回転機構部に配置されている。ここで言う、第4のリンク104の根元側の回転機構部は、図1中の第3の関節部113に相当する。第3の関節部113は、第4のリンク104を根元側にて上下回転軸(又は、ピッチ軸)回りに回転させる回転機構である。第3のモータ3003を第4のリンク104の根元側から外に配置することで、第4のリンク104の回転駆動に要求されるトルクをさらに低減して、医療用アーム装置100全体のさらなる小型化に貢献する。
第3のモータ3003を第3の関節部113内に配置すると、第4のリンク104をピッチ軸回りに回転させるためのモータ3004を、第3の関節部113内に配置できなくなる。そこで、図30及び図31に示すアクチュエータの配置例では、第3の関節部113を駆動用のモータ3004を、第3の関節部113の外(第4のリンク104の反対側)に配置している。そして、このモータ3004の回転力を、スチールベルト3005を使って、第3のモータ3003を収容する第3の関節部113に伝達して、第4のリンク104のピッチ軸回りの回転を実現している。
図30及び図31を参照すると、第3の関節部113は、ピッチ軸方向の中心軸を持つ中空円筒の構造からなり、第4のリンク104の内壁と接合して一体となっている。一方、第3のモータ3003及びモータ3004は、第3のリンク103のフレームに固定されている。第3のモータ3003は、回転軸が第3の関節部113の関節軸と一致するように第3の関節部113の中空円筒内に配置され、且つ、ベアリングを介して関節軸回りに回転可能に支持されている。
モータ3004の出力軸プーリ3006はモータ3004の外周を覆う中空円筒からなる。そして、第3の関節部113と出力軸プーリ3006にはスチールベルト3005が巻設されている。したがって、モータ3004の回転はスチールベルト3005を介して第3の関節軸113に伝達され、第4のリンク104を第3の関節部113の関節軸回り(ピッチ軸回り、又は上下回転軸回り)に回転動作させることができる。その際、第3のモータ3003は、第3の関節部113の中空円筒内にベアリングを介して回転可能に支持されているので、モータ3004の回転動作は第3のモータ3003には伝わらない。また、モータ3004の回転の伝達機構に、ステンレス鋼などの金属板からなるスチールベルト3005を用いることにより、高強度、広可動域、高効率で、且つガタのない高精度な駆動伝達が可能である。
O-6.アクチュエータの配置例(6)
図32及び図33には、3つの回転機構を有する先端部の各回転機構を駆動する3つのモータ3201~3203をすべて、出力軸方向を第4のリンク104の長手方向に揃えて第4のリンク104に配置するとともに、第3の関節部113を駆動用のモータ3204を、第3の関節部113の外(第4のリンク104の反対側)に配置した例を示している。図32はモータ3204の側面の方向から眺めた様子を示し、図33はモータ3204の回転軸の方向から眺めた様子を示している。但し、3つのモータ3201~3203はいずれも、図22に示したように出力軸方向に長い円筒形状の電磁式アクチュエータであるものとする。
図32及び図33には、3つの回転機構を有する先端部の各回転機構を駆動する3つのモータ3201~3203をすべて、出力軸方向を第4のリンク104の長手方向に揃えて第4のリンク104に配置するとともに、第3の関節部113を駆動用のモータ3204を、第3の関節部113の外(第4のリンク104の反対側)に配置した例を示している。図32はモータ3204の側面の方向から眺めた様子を示し、図33はモータ3204の回転軸の方向から眺めた様子を示している。但し、3つのモータ3201~3203はいずれも、図22に示したように出力軸方向に長い円筒形状の電磁式アクチュエータであるものとする。
なお、先端部の構造は上記C項で説明した通りなので、図32及び図33では先端部の図示を省略している。また、各モータ3201~3203の回転を先端部側に伝達するためにワイヤ伝達機構が用いられるが、図32及び図33では図面の簡素化のためワイヤ伝達機構の図示も省略している。
図32及び図33に示すアクチュエータの配置例は、第3の関節部113を駆動用のモータ3204を、第3の関節部113の外(第4のリンク104の反対側)に配置するという点で、図30及び図31に示したアクチュエータの配置例と共通する。但し、図32及び図33に示すアクチュエータの配置例では、第1乃至第3のモータ3201~3201を第4のリンク104内に配置し、第3の関節部113内にはいずれのアクチュエータも配置しないという点で、図30及び図31に示した例とは相違する。図32及び図33に示すアクチュエータの配置例では、モータ3201~3203をすべて、出力軸方向を第4のリンク104の長手方向に揃えて第4のリンク104に配置することで、第4のリンク104全体の細径化を実現することができる。また、第3の関節部113内にはいずれのモータを配置しないことにより、第3の関節部113を小型化することで、第4のリンクの104の細径部を長い区間で確保することができる。
第3の関節部113は、第4のリンク104を根元側にて上下回転軸(又は、ピッチ軸)回りに回転させる回転機構である(前述)。図32及び図33を参照すると、第3の関節部113は、ピッチ軸方向の中心軸を持つ中空円筒の構造からなり、第4のリンク104の内壁と接合して一体となっている。また、第3の関節部113は、中空円筒内に配置されたベアリングを介して、関節軸回りに回転可能に、第3のリンク103に支持されている。
モータ3204の出力軸プーリ3206はモータ3204の外周を覆う中空円筒からなる。そして、第3の関節部113と出力軸プーリ3206にはスチールベルト3205が巻設されている。したがって、モータ3204の回転はスチールベルト3205を介して第3の関節軸113に伝達され、第4のリンク104を第3の関節部113の関節軸回り(ピッチ軸回り、又は上下回転軸回り)に回転動作させることができる。また、モータ3204の回転の伝達機構に、ステンレス鋼などの金属板からなるスチールベルト3205を用いることにより、高強度、広可動域、高効率で、且つガタのない高精度な駆動伝達が可能である。
O-7.ワイヤ伝達機構の配置
上記O-1項乃至O-6項で説明したように、先端部のロール軸、ヨー軸、及びピーチ軸から離間して、第4のリンク104の根元側に各軸用のモータを配置する場合、先端部に各モータの回転力を伝達する伝達機構が必要である。本開示では、回転力の伝達にワイヤ伝達機構を用いることで、アクチュエータの駆動力を高効率で且つガタの発生を抑制して高精度に伝達するようにしている。先端部の3自由度の各回転機構は負荷トルクが比較的小さいので、ワイヤ伝達機構の欠点である低強度をカバーすることができる。また、ワイヤ伝達機構の長所である小型且つ軽量の駆動伝達を最大限に活用することが可能である。
上記O-1項乃至O-6項で説明したように、先端部のロール軸、ヨー軸、及びピーチ軸から離間して、第4のリンク104の根元側に各軸用のモータを配置する場合、先端部に各モータの回転力を伝達する伝達機構が必要である。本開示では、回転力の伝達にワイヤ伝達機構を用いることで、アクチュエータの駆動力を高効率で且つガタの発生を抑制して高精度に伝達するようにしている。先端部の3自由度の各回転機構は負荷トルクが比較的小さいので、ワイヤ伝達機構の欠点である低強度をカバーすることができる。また、ワイヤ伝達機構の長所である小型且つ軽量の駆動伝達を最大限に活用することが可能である。
このO-7項では、上記O-1項乃至O-6項でそれぞれ説明した各モータの配置において、第4のリンク104内で各モータの回転力を先端部に伝達するワイヤ駆動機構の配置例について説明する。基本的には、モータの出力軸に取り付けられた出力軸プーリに巻き付けたワイヤを使ってモータの回転力が取り出される。そして、経路変更プーリを適宜使ってワイヤのピッチ軸又はロール軸の位置や方向を変更して、出力軸プーリと先端部との間に存在する他のモータやその他の部品との干渉を回避して、モータと対象とする部品間をワイヤで接続する。
図34及び図35には、上記O-1項で説明した、3つのモータ3401~3403をすべて、出力軸方向を第4のリンク104の長手方向に揃えて配置した場合におけるワイヤ伝達機構の構成例を示している。但し、図34と図35とで第4のリンク104の長手軸回りの回転位置を90度だけ変えて示している。
第1のモータ3401の出力軸プーリ3411に巻き付けられたワイヤ3410は、往路側の経路変更プーリ3412及び復路側の経路変更プーリ3413を介して第4のリンク104内の位置が調整されて、先端部側に向かっている。また、第2のモータ3402の出力軸プーリ3421に巻き付けられたワイヤ3420は、往路側の経路変更プーリ3422及び復路側の経路変更プーリ3423を介して第4のリンク104内の位置が調整されている。ここで、経路変更プーリ3422及び3423は、経路変更プーリ3412及び3413とは、長手軸回りの回転位置を180度だけ変えることによって、ワイヤ3410とは干渉しないように、ワイヤ3420を配置している。また、第3のモータ3403の出力軸プーリ3431に巻き付けられたワイヤ3430は、往路側の経路変更プーリ3432及び復路側の経路変更プーリ3433を介して第4のリンク104内の位置が調整されている。ここで、経路変更プーリ3432及び3433は、経路変更プーリ3412及び3413とは長手軸回りの同じ回転位置で、径方向(又は、幅方向)に異なる位置にして、ワイヤ3410とは干渉しないように、ワイヤ3430を配置している。
なお、各ワイヤ3410、3420、3430の先端部側の構成については図示を省略するが、適宜経路変更プーリなどを使用して、例えば図7~図12に示したワイヤの配置と整合するように構成されるものとする。
図36及び図37には、上記O-2項で説明した、3つのモータ3601~3603のうち第1のモータ3601及び第2のモータ3602は出力軸方向を第4のリンク04の長手方向に揃えて配置する一方、根元側の第3のモータ3603は出力軸方向を第4のリンク104の長手方向に直交する方向に向けて配置した場合におけるワイヤ伝達機構の構成例を示している。但し、図36と図37とで第4のリンク104の長手軸回りの回転位置を90度だけ変えて示している。
第1のモータ3601の出力軸プーリ3611に巻き付けられたワイヤ3610は、往路側の経路変更プーリ3612及び復路側の経路変更プーリ3613を介して第4のリンク104内の位置が調整されて、先端部側に向かっている。また、第2のモータ3602の出力軸プーリ3621に巻き付けられたワイヤ3620は、往路側の経路変更プーリ3622及び復路側の経路変更プーリ3623を介して第4のリンク104内の位置が調整されている。図34及び図35に示した例と同様に、経路変更プーリ3622及び3623は、経路変更プーリ3612及び3613とは、長手軸回りの回転位置を180度だけ変えることによって、ワイヤ3610とは干渉しないように、ワイヤ3620を配置している。また、第3のモータ3603の出力軸プーリ3631に巻き付けられたワイヤ3630を、先端側に配置された第1のモータ3601と第2のモータ3602及び各ワイヤ3610、3620などとの干渉を回避するように、第4のリンク104内に配線することができる。もちろん、ワイヤ3630の往路側又は復路側の少なくとも一方に、経路変更又は位置調整のためのプーリ(図示しない)をさらに配設してもよい。
なお、各ワイヤ3610、3620、3630の先端部側の構成については図示を省略するが、適宜経路変更プーリなどを使用して、例えば図7~図12に示したワイヤの配置と整合するように構成されるものとする。
図38及び図39には、上記O-3項で説明した、3つのモータ3801~3803のうち第1のモータ3801は出力軸方向を第4のリンク104の長手方向に揃えて配置する一方、第2のモータ3802及び第3のモータ3803は出力軸方向を第4のリンク104の長手方向に直交する方向に向けて配置した場合におけるワイヤ伝達機構の構成例を示している。但し、図38と図39とで第4のリンク104の長手軸回りの回転位置を90度だけ変えて示している。
第1のモータ3801の出力軸プーリ3811に巻き付けられたワイヤ3810は、往路側の経路変更プーリ3812及び復路側の経路変更プーリ3813を介して第4のリンク104内の位置が調整されて、先端部側に向かっている。また、第2のモータ3802は出力軸が第4のリンク104の長手方向に直交し、且つ、第2のモータ3802の出力軸プーリ3821はワイヤ3810とは反対の向きに配設されている。したがって、出力軸プーリ3821に巻き付けられたワイヤ3820を、先端側に配置された第1のモータ3801及びワイヤ3810などとの干渉を回避するように、第4のリンク104内に配線することができる。もちろん、ワイヤ3820の往路側又は復路側の少なくとも一方に、経路変更又は位置調整のためのプーリ(図示しない)をさらに配設してもよい。また、第3のモータ3803は第2のモータ3802と同様に出力軸が第4のリンク104の長手方向に直交し、且つ、第3のモータ3803の出力軸プーリ3831は第2のモータ3802の出力軸プーリ3821と同じ向きに配設されている。図38から分かるように、出力軸プーリ3821と重ならないように、第4のリンク104の長手方向に直交する方向に出力軸プーリ3831の位置をずらしている。したがって、出力軸プーリ3831に巻き付けられたワイヤ3830を、先端側に配置された第1のモータ3801と第2のモータ3802及び各ワイヤ3810、3820などとの干渉を回避するように、第4のリンク104内に配線することができる。もちろん、ワイヤ3830の往路側又は復路側の少なくとも一方に、経路変更又は位置調整のためのプーリ(図示しない)をさらに配設してもよい。
なお、各ワイヤ3810、3820、3830の先端部側の構成については図示を省略するが、適宜経路変更プーリなどを使用して、例えば図7~図12に示したワイヤの配置と整合するように構成されるものとする。
以上、特定の実施形態を参照しながら、本開示について詳細に説明してきた。しかしながら、本開示の要旨を逸脱しない範囲で当業者が該実施形態の修正や代用を成し得ることは自明である。
本明細書では、本開示を内視鏡を支持する医療用アーム装置に適用した実施形態を中心に説明してきたが、本開示の要旨はこれに限定されるものではない。内視鏡以外の、例えば鉗子や気腹チューブ、エネルギー処置具、攝子、レトラクタなどの医療用器具を先端で支持する医療用アーム装置に対しても同様に本開示を適用することができ、支持する医療用器具の姿勢を直交する3自由度でガタなしで決定することができる。
要するに、例示という形態により本開示について説明してきたのであり、本明細書の記載内容を限定的に解釈するべきではない。本開示の要旨を判断するためには、特許請求の範囲を参酌すべきである。
なお、本開示は、以下のような構成をとることも可能である。
(1)医療用器具を保持する先端部及び前記先端部を支持するリンクを有する第1のアーム部と、
前記第1のアーム部を支持する第2のアーム部と、
を具備し、
前記先端部は、
最先端部から順に、前記医療用器具の長手方向軸回りの回転軸、前記リンクの先端に対して前記医療用器具を左右に回転させるヨー軸、前記リンクの先端に対して前記医療用器具を上下に回転させるピッチ軸の順に3つの回転軸が配置された構造であり、
前記ヨー軸の回転伝達用の第1のワイヤと、前記ロール軸の回転伝達用の第2のワイヤと、前記ピッチ軸と前記ヨー軸間で前記第1のワイヤの経路を変更する第1の経路変更プーリと、前記ピッチ軸と前記ヨー軸間で前記第2のワイヤの経路を変更する第2の経路変更プーリと、前記ヨー軸と前記ロール軸間で前記第2のワイヤの経路を変更する第3の経路変更プーリを前記リンクに配置する、
医療用アーム装置。
(2)前記先端部は、前記3つの回転軸に対応する各関節部材が直接接続された構造を有する、
上記(1)に記載の医療用アーム装置。
(3)前記先端部は、前記ロール軸に対応する関節と前記ピッチ軸に対応する関節との間の距離が、前記ピッチ軸回りに回転した際に干渉を生じない距離を有する構造である、
上記(2)に記載の医療用アーム装置。
(4)前記第1の経路変更プーリ又は前記第2の経路変更プーリのうち少なくとも一方は、前記ピッチ軸回りに回転する構造体の反対側に同一軸上に配置された直径が異なる1組の経路変更プーリからなる、
上記(1)乃至(3)のいずれかに記載の医療用アーム装置。
(5)前記第1の経路変更プーリ又は前記第2の経路変更プーリの同一軸を構成するシャフトは、前記第1のワイヤが巻き付いて前記ヨー軸回りに回転するヨー軸プーリとの干渉回避部を有する、
上記(4)に記載の医療用アーム装置。
(6)前記干渉回避部は、前記シャフトの中央部の細径部又はDカット構造部からなる、
上記(5)に記載の医療用アーム装置。
(7)前記ヨー軸回りの回転時における前記第2の経路変更プーリと前記第3の経路変更プーリとの干渉を回避する干渉回避構造を有する、
上記(1)乃至(6)のいずれかに記載の医療用アーム装置。
(8)前記干渉回避構造は、前記第2の経路変更プーリを構成する、互いの回転軸が交差するように配置された1組の経路変更プーリを含む、
上記(7)に記載の医療用アーム装置。
(9)前記干渉回避構造は、前記第3の経路変更プーリを構成する複数のプーリを所定領域内に集中して配置した構造を含む、
上記(7)又は(8)のいずれかに記載の医療用アーム装置。
(10)前記ピッチ軸の回転伝達用の第3のワイヤ、リンク機構、歯車機構、又は前記ピッチ軸を直接回転させるモータのうち少なくとも1つをさらに備える、
上記(1)乃至(9)のいずれかに記載の医療用アーム装置。
(11)前記ピッチ軸回りの駆動力を供給するピッチ軸用アクチュエータ、前記ヨー軸回りの駆動力を供給するヨー軸用アクチュエータ、及び前記ロール軸回りの駆動力を供給するロール軸用アクチュエータをさらに備える、
上記(1)乃至(10)のいずれかに記載の医療用アーム装置。
(12)前記先端部から近い順に前記ピッチ軸用アクチュエータ、前記ヨー軸用アクチュエータ、前記ロール軸用アクチュエータが配置される、
上記(11)に記載の医療用アーム装置。
(13)前記ピッチ軸用アクチュエータ、前記ヨー軸用アクチュエータ、前記ロール軸用アクチュエータにそれぞれ使用される1回転のアブソリュートエンコーダをさらに備える、
上記(11)又は(12)のいずれかに記載の医療用アーム装置。
(14)前記ロール軸は1回転より大きい回転可動域を有し、
順運動学に基づく補正式を用いて、前記アブソリュートエンコーダの計測値から前記先端部の姿勢を一意に導出する、
上記(13)に記載の医療用アーム装置。
(15)前記ロール軸用アクチュエータの出力軸プーリの直径は、前記ロール軸の回転伝達用の第2のワイヤが巻き付いて前記ロール軸回りに回転するロール軸プーリの直径以上である、
上記(14)に記載の医療用アーム装置。
(16)前記第1のワイヤの経路を前記ピッチ軸に沿って変更する第1の2溝プーリと、前記第2のワイヤの経路を前記ピッチ軸に沿って変更する第2の2溝プーリをさらに備える、
上記(1)乃至(15)のいずれかに記載の医療用アーム装置。
(17)前記第1の2溝プーリと前記第2の2溝プーリは同一のシャフトで支持されている、
上記(16)に記載の医療用アーム装置。
(18)前記第1の2溝プーリと前記第2の2溝プーリは互いに異なるシャフトで支持されている、
上記(16)に記載の医療用アーム装置。
(19)前記第1の2溝プーリと前記第2の2溝プーリは同一軸でない、
上記(18)に記載の医療用アーム装置。
(20)前記医療用器具は医療用観察装置であり、
前記先端部は、最先端部から順に、前記医療用観察装置の光軸回転軸(ロール軸)、前記医療用観察装置の観察方向を変更するパン軸(ヨー軸)、チルト軸(ピッチ軸)の順に配置された構造である、
上記(1)乃至(19)のいずれかに記載の医療用アーム装置。
(21)前記リンクの根元側に、複数の自由度を有する前記先端部を駆動する複数のアクチュエータのうち少なくとも1つのアクチュエータの出力軸方向を前記リンクの長手方向に揃えて配置する、
上記(1)に記載の医療用アーム装置。
(21-1)前記リンクの根元側に、前記複数のアクチュエータのすべての出力軸方向を前記リンクの長手方向に揃えて配置する、
上記(21)に記載の医療用アーム装置。
(21-2)前記リンクの根元側に、前記複数のアクチュエータのうち一部の出力軸方向を前記リンクの長手方向と異ならせて配置し、他のアクチュエータの出力軸方向を前記リンクの長手方向に揃えて配置する、
上記(21)に記載の医療用アーム装置。
(22)前記リンクは、前記少なくとも1つのアクチュエータの出力軸方向を前記リンクの長手方向に揃えて配置した区間を含む細径化部を含む、
上記(21)に記載の医療用アーム装置。
(23)前記リンクを他のリンクに対して回転させるリンク回転用アクチュエータを、前記リンクの根元側を他のリンクと回転可能に結合する回転機構部の回転軸と前記リンク回転用アクチュエータの出力軸が一致しないように配置する、
上記(21)又は(22)のいずれかに記載の医療用アーム装置。
(24)前記回転機構部内に、前記複数のアクチュエータのうちいずれか1つを配置する、
上記(23)に記載の医療用アーム装置。
(24-1)前記回転機構部は、前記リンクをピッチ軸回りに回転するように前記他のリンクと結合する関節部である、
上記(24)に記載の医療用アーム装置。
(25)前記リンク回転用アクチュエータの回転力を前記回転機構部に伝達するスチールベルト機構をさらに備える、
上記(23)又は(24)のいずれかに記載の医療用アーム装置。
(1)医療用器具を保持する先端部及び前記先端部を支持するリンクを有する第1のアーム部と、
前記第1のアーム部を支持する第2のアーム部と、
を具備し、
前記先端部は、
最先端部から順に、前記医療用器具の長手方向軸回りの回転軸、前記リンクの先端に対して前記医療用器具を左右に回転させるヨー軸、前記リンクの先端に対して前記医療用器具を上下に回転させるピッチ軸の順に3つの回転軸が配置された構造であり、
前記ヨー軸の回転伝達用の第1のワイヤと、前記ロール軸の回転伝達用の第2のワイヤと、前記ピッチ軸と前記ヨー軸間で前記第1のワイヤの経路を変更する第1の経路変更プーリと、前記ピッチ軸と前記ヨー軸間で前記第2のワイヤの経路を変更する第2の経路変更プーリと、前記ヨー軸と前記ロール軸間で前記第2のワイヤの経路を変更する第3の経路変更プーリを前記リンクに配置する、
医療用アーム装置。
(2)前記先端部は、前記3つの回転軸に対応する各関節部材が直接接続された構造を有する、
上記(1)に記載の医療用アーム装置。
(3)前記先端部は、前記ロール軸に対応する関節と前記ピッチ軸に対応する関節との間の距離が、前記ピッチ軸回りに回転した際に干渉を生じない距離を有する構造である、
上記(2)に記載の医療用アーム装置。
(4)前記第1の経路変更プーリ又は前記第2の経路変更プーリのうち少なくとも一方は、前記ピッチ軸回りに回転する構造体の反対側に同一軸上に配置された直径が異なる1組の経路変更プーリからなる、
上記(1)乃至(3)のいずれかに記載の医療用アーム装置。
(5)前記第1の経路変更プーリ又は前記第2の経路変更プーリの同一軸を構成するシャフトは、前記第1のワイヤが巻き付いて前記ヨー軸回りに回転するヨー軸プーリとの干渉回避部を有する、
上記(4)に記載の医療用アーム装置。
(6)前記干渉回避部は、前記シャフトの中央部の細径部又はDカット構造部からなる、
上記(5)に記載の医療用アーム装置。
(7)前記ヨー軸回りの回転時における前記第2の経路変更プーリと前記第3の経路変更プーリとの干渉を回避する干渉回避構造を有する、
上記(1)乃至(6)のいずれかに記載の医療用アーム装置。
(8)前記干渉回避構造は、前記第2の経路変更プーリを構成する、互いの回転軸が交差するように配置された1組の経路変更プーリを含む、
上記(7)に記載の医療用アーム装置。
(9)前記干渉回避構造は、前記第3の経路変更プーリを構成する複数のプーリを所定領域内に集中して配置した構造を含む、
上記(7)又は(8)のいずれかに記載の医療用アーム装置。
(10)前記ピッチ軸の回転伝達用の第3のワイヤ、リンク機構、歯車機構、又は前記ピッチ軸を直接回転させるモータのうち少なくとも1つをさらに備える、
上記(1)乃至(9)のいずれかに記載の医療用アーム装置。
(11)前記ピッチ軸回りの駆動力を供給するピッチ軸用アクチュエータ、前記ヨー軸回りの駆動力を供給するヨー軸用アクチュエータ、及び前記ロール軸回りの駆動力を供給するロール軸用アクチュエータをさらに備える、
上記(1)乃至(10)のいずれかに記載の医療用アーム装置。
(12)前記先端部から近い順に前記ピッチ軸用アクチュエータ、前記ヨー軸用アクチュエータ、前記ロール軸用アクチュエータが配置される、
上記(11)に記載の医療用アーム装置。
(13)前記ピッチ軸用アクチュエータ、前記ヨー軸用アクチュエータ、前記ロール軸用アクチュエータにそれぞれ使用される1回転のアブソリュートエンコーダをさらに備える、
上記(11)又は(12)のいずれかに記載の医療用アーム装置。
(14)前記ロール軸は1回転より大きい回転可動域を有し、
順運動学に基づく補正式を用いて、前記アブソリュートエンコーダの計測値から前記先端部の姿勢を一意に導出する、
上記(13)に記載の医療用アーム装置。
(15)前記ロール軸用アクチュエータの出力軸プーリの直径は、前記ロール軸の回転伝達用の第2のワイヤが巻き付いて前記ロール軸回りに回転するロール軸プーリの直径以上である、
上記(14)に記載の医療用アーム装置。
(16)前記第1のワイヤの経路を前記ピッチ軸に沿って変更する第1の2溝プーリと、前記第2のワイヤの経路を前記ピッチ軸に沿って変更する第2の2溝プーリをさらに備える、
上記(1)乃至(15)のいずれかに記載の医療用アーム装置。
(17)前記第1の2溝プーリと前記第2の2溝プーリは同一のシャフトで支持されている、
上記(16)に記載の医療用アーム装置。
(18)前記第1の2溝プーリと前記第2の2溝プーリは互いに異なるシャフトで支持されている、
上記(16)に記載の医療用アーム装置。
(19)前記第1の2溝プーリと前記第2の2溝プーリは同一軸でない、
上記(18)に記載の医療用アーム装置。
(20)前記医療用器具は医療用観察装置であり、
前記先端部は、最先端部から順に、前記医療用観察装置の光軸回転軸(ロール軸)、前記医療用観察装置の観察方向を変更するパン軸(ヨー軸)、チルト軸(ピッチ軸)の順に配置された構造である、
上記(1)乃至(19)のいずれかに記載の医療用アーム装置。
(21)前記リンクの根元側に、複数の自由度を有する前記先端部を駆動する複数のアクチュエータのうち少なくとも1つのアクチュエータの出力軸方向を前記リンクの長手方向に揃えて配置する、
上記(1)に記載の医療用アーム装置。
(21-1)前記リンクの根元側に、前記複数のアクチュエータのすべての出力軸方向を前記リンクの長手方向に揃えて配置する、
上記(21)に記載の医療用アーム装置。
(21-2)前記リンクの根元側に、前記複数のアクチュエータのうち一部の出力軸方向を前記リンクの長手方向と異ならせて配置し、他のアクチュエータの出力軸方向を前記リンクの長手方向に揃えて配置する、
上記(21)に記載の医療用アーム装置。
(22)前記リンクは、前記少なくとも1つのアクチュエータの出力軸方向を前記リンクの長手方向に揃えて配置した区間を含む細径化部を含む、
上記(21)に記載の医療用アーム装置。
(23)前記リンクを他のリンクに対して回転させるリンク回転用アクチュエータを、前記リンクの根元側を他のリンクと回転可能に結合する回転機構部の回転軸と前記リンク回転用アクチュエータの出力軸が一致しないように配置する、
上記(21)又は(22)のいずれかに記載の医療用アーム装置。
(24)前記回転機構部内に、前記複数のアクチュエータのうちいずれか1つを配置する、
上記(23)に記載の医療用アーム装置。
(24-1)前記回転機構部は、前記リンクをピッチ軸回りに回転するように前記他のリンクと結合する関節部である、
上記(24)に記載の医療用アーム装置。
(25)前記リンク回転用アクチュエータの回転力を前記回転機構部に伝達するスチールベルト機構をさらに備える、
上記(23)又は(24)のいずれかに記載の医療用アーム装置。
100…医療用アーム装置、101…第1のリンク
102…第2のリンク、103…第3のリンク、104…第4のリンク
111…第1の関節部、112…第2の関節部、113…第3の関節部
114…上下回転軸部(チルト軸、ピッチ軸)
115…左右回転軸部(パン軸、ヨー軸)
116…光軸回転軸部(ロール軸)
200…内視鏡、201…鏡筒、202…カメラヘッド
501…ピッチ軸用ワイヤ、502…ヨー軸用ワイヤ
503…ロール軸用ワイヤ
601…ピッチ軸用モータ、602…ヨー軸用モータ
603…ロール軸用モータ
701…ピッチ軸構成部品、702…ピッチ軸駆動用プーリ
703…シャフト、704…シャフト
801…ヨー軸プーリ、901…2溝プーリ、902…2溝プーリ
903…経路変更プーリ、904…経路変更プーリ
1001…第1の接続部、1002…第2の接続部
1101…ロール軸プーリ、1102…2溝プーリ
1103…2溝プーリ、1104…経路変更プーリ
1105…経路変更プーリ、1106…2溝プーリ
1107…経路変更プーリ、1108…経路変更プーリ
1801…経路変更プーリ、2001…シャフト
2200…モータ、2201…モータ本体、2202…ブレーキ
2203…減速機、2204…エンコーダ、2205…トルクセンサ
2206…回路部
2301…第1のモータ、2302…第2のモータ
2303…第3のモータ
2401…第1のモータ、2402…第2のモータ
2403…第3のモータ
2601…第1のモータ、2602…第2のモータ
2603…第3のモータ
2801…第1のモータ、2802…第2のモータ
2803…第3のモータ
3001…第1のモータ、3002…第2のモータ
3003…第3のモータ、3004…モータ
3005…スチールベルト
3006…プーリ(モータ3004の出力軸プーリ)
102…第2のリンク、103…第3のリンク、104…第4のリンク
111…第1の関節部、112…第2の関節部、113…第3の関節部
114…上下回転軸部(チルト軸、ピッチ軸)
115…左右回転軸部(パン軸、ヨー軸)
116…光軸回転軸部(ロール軸)
200…内視鏡、201…鏡筒、202…カメラヘッド
501…ピッチ軸用ワイヤ、502…ヨー軸用ワイヤ
503…ロール軸用ワイヤ
601…ピッチ軸用モータ、602…ヨー軸用モータ
603…ロール軸用モータ
701…ピッチ軸構成部品、702…ピッチ軸駆動用プーリ
703…シャフト、704…シャフト
801…ヨー軸プーリ、901…2溝プーリ、902…2溝プーリ
903…経路変更プーリ、904…経路変更プーリ
1001…第1の接続部、1002…第2の接続部
1101…ロール軸プーリ、1102…2溝プーリ
1103…2溝プーリ、1104…経路変更プーリ
1105…経路変更プーリ、1106…2溝プーリ
1107…経路変更プーリ、1108…経路変更プーリ
1801…経路変更プーリ、2001…シャフト
2200…モータ、2201…モータ本体、2202…ブレーキ
2203…減速機、2204…エンコーダ、2205…トルクセンサ
2206…回路部
2301…第1のモータ、2302…第2のモータ
2303…第3のモータ
2401…第1のモータ、2402…第2のモータ
2403…第3のモータ
2601…第1のモータ、2602…第2のモータ
2603…第3のモータ
2801…第1のモータ、2802…第2のモータ
2803…第3のモータ
3001…第1のモータ、3002…第2のモータ
3003…第3のモータ、3004…モータ
3005…スチールベルト
3006…プーリ(モータ3004の出力軸プーリ)
Claims (20)
- 医療用器具を保持する先端部及び前記先端部を支持するリンクを有する第1のアーム部と、
前記第1のアーム部を支持する第2のアーム部と、
を具備し、
前記先端部は、
最先端部から順に、前記医療用器具の長手方向軸回りの回転軸、前記リンクの先端に対して前記医療用器具を左右に回転させるヨー軸、前記リンクの先端に対して前記医療用器具を上下に回転させるピッチ軸の順に3つの回転軸が配置された構造であり、
前記ヨー軸の回転伝達用の第1のワイヤと、前記ロール軸の回転伝達用の第2のワイヤと、前記ピッチ軸と前記ヨー軸間で前記第1のワイヤの経路を変更する第1の経路変更プーリと、前記ピッチ軸と前記ヨー軸間で前記第2のワイヤの経路を変更する第2の経路変更プーリと、前記ヨー軸と前記ロール軸間で前記第2のワイヤの経路を変更する第3の経路変更プーリを前記リンクに配置する、
医療用アーム装置。 - 前記先端部は、前記3つの回転軸に対応する各関節部材が直接接続された構造を有する、
請求項1に記載の医療用アーム装置。 - 前記先端部は、前記ロール軸に対応する関節と前記ピッチ軸に対応する関節との間の距離が、前記ピッチ軸回りに回転した際に干渉を生じない距離を有する構造である、
請求項2に記載の医療用アーム装置。 - 前記第1の経路変更プーリ又は前記第2の経路変更プーリのうち少なくとも一方は、前記ピッチ軸回りに回転する構造体の反対側に同一軸上に配置された直径が異なる1組の経路変更プーリからなる、
請求項1に記載の医療用アーム装置。 - 前記第1の経路変更プーリ又は前記第2の経路変更プーリの同一軸を構成するシャフトは、前記第1のワイヤが巻き付いて前記ヨー軸回りに回転するヨー軸プーリとの干渉回避部を有する、
請求項4に記載の医療用アーム装置。 - 前記干渉回避部は、前記シャフトの中央部の細径部又はDカット構造部からなる、
請求項5に記載の医療用アーム装置。 - 前記ヨー軸回りの回転時における前記第2の経路変更プーリと前記第3の経路変更プーリとの干渉を回避する干渉回避構造を有する、
請求項1に記載の医療用アーム装置。 - 前記干渉回避構造は、前記第2の経路変更プーリを構成する、互いの回転軸が交差するように配置された1組の経路変更プーリを含む、
請求項7に記載の医療用アーム装置。 - 前記干渉回避構造は、前記第3の経路変更プーリを構成する複数のプーリを所定領域内に集中して配置した構造を含む、
請求項7に記載の医療用アーム装置。 - 前記ピッチ軸の回転伝達用の第3のワイヤ、リンク機構、歯車機構、又は前記ピッチ軸を直接回転させるモータのうち少なくとも1つをさらに備える、
請求項1に記載の医療用アーム装置。 - 前記ピッチ軸回りの駆動力を供給するピッチ軸用アクチュエータ、前記ヨー軸回りの駆動力を供給するヨー軸用アクチュエータ、及び前記ロール軸回りの駆動力を供給するロール軸用アクチュエータをさらに備える、
請求項1に記載の医療用アーム装置。 - 前記ピッチ軸用アクチュエータ、前記ヨー軸用アクチュエータ、前記ロール軸用アクチュエータにそれぞれ使用される1回転のアブソリュートエンコーダをさらに備える、
請求項11に記載の医療用アーム装置。 - 前記ロール軸は1回転より大きい回転可動域を有し、
順運動学に基づく補正式を用いて、前記アブソリュートエンコーダの計測値から前記先端部の姿勢を一意に導出する、
請求項12に記載の医療用アーム装置。 - 前記ロール軸用アクチュエータの出力軸プーリの直径は、前記第2のワイヤが巻き付いて前記ロール軸回りに回転するロール軸プーリの直径以上である、
請求項13に記載の医療用アーム装置。 - 前記第1のワイヤの経路を前記ピッチ軸に沿って変更する第1の2溝プーリと、前記第2のワイヤの経路を前記ピッチ軸に沿って変更する第2の2溝プーリをさらに備える、
請求項1に記載の医療用アーム装置。 - 前記リンクの根元側に、複数の自由度を有する前記先端部を駆動する複数のアクチュエータのうち少なくとも1つのアクチュエータの出力軸方向を前記リンクの長手方向に揃えて配置する、
請求項1に記載の医療用アーム装置。 - 前記リンクは、前記少なくとも1つのアクチュエータの出力軸方向を前記リンクの長手方向に揃えて配置した区間を含む細径化部を含む、
請求項16に記載の医療用アーム装置。 - 前記リンクを他のリンクに対して回転させるリンク回転用アクチュエータを、前記リンクの根元側を他のリンクと回転可能に結合する回転機構部の回転軸と前記リンク回転用アクチュエータの出力軸が一致しないように配置する、
請求項16に記載の医療用アーム装置。 - 前記回転機構部内に、前記複数のアクチュエータのうちいずれか1つを配置する、
請求項18に記載の医療用アーム装置。 - 前記リンク回転用アクチュエータの回転力を前記回転機構部に伝達するスチールベルト機構をさらに備える、
請求項18に記載の医療用アーム装置。
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