JP2022015200A - グリーストラップ用廃油回収用シート - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明の目的は、グリーストラップ内の排水に浮遊する油脂の吸着に優れ、排水から容易に除去することができるグリーストラップ用油吸着シートを提供することである。【解決手段】ポリオレフィン系樹脂繊維を含み、厚みが2mm以上で全体が一体化されており、表面積における側面積の割合が10%以上(厚み方向から見て10cm×10cmの略正方形状の試験片を切り出して測定)である部分を有することを特徴とする、グリーストラップ用油吸着シート。【選択図】なし

Description

本発明は、油吸着シートに関し、より具体的には、グリーストラップ(阻集器)内の排水に含まれる油脂(グリース)を吸着するための油吸着シートに関する。
近年、公共下水道の発達に伴い、下水道の保守が課題となっている。飲食店や食品加工場等における業務用厨房等からの排水には多量の油脂分が含まれており、そのまま排出すると、冷却固形化した油脂分が下水管内に付着して詰まりの原因となる虞がある。そのため、業務用厨房等には、油脂分を除去するためのグリーストラップの設置が義務付けられている(昭和50年建設省告示第1597号(昭和57年改訂))。グリーストラップは、排水を下水管に排出する前に一旦貯留し、水と油脂との比重差による自然浮上の原理を利用して排水中の油脂分を浮上させ、分離する設備である。
このグリーストラップ内で分離した油脂分は、定期的に除去せずに放置すると、グリーストラップからオーバーフローして配管の詰まりの原因となったり、酸化・腐敗して悪臭の原因となったりする。一般に、グリーストラップ内の油脂分の除去は、従業員が平均的には週1回、多いところでは毎日、柄杓や容器で油脂分をすくい出すことにより行われている。また、専門業者が大型吸引機で清掃する場合もある。
更に、水面に浮遊する油脂を簡単に除去する方法として、ポリオレフィン系樹脂繊維等の合成繊維又は天然繊維製の不織布シート(油吸着シート)に油脂を吸着させて除去する方法も知られ、業務用厨房等の排水に含まれる油脂の他、海難事故で海水中に流出した原油や工場等で使用されるマシンオイルを吸着させるための油吸着シートが提案されている(例えば、特許文献1~3参照)。特に海水中に流出した原油用の油吸着シートには、「排出油防除資材の性能試験基準」(昭和59年運輸省舶査第52号)に合格したものが使われており、これら従来の油吸着シートの動植物油脂に対する油吸着性能は、約3~5kg/mである。
上記従来の油吸着シートは、グリーストラップ内に溜まった油脂分の除去作業を簡便化し、作業時間を大幅に短縮すると考えられ、使用のメリットが大きいはずであるが、あまり利用されていないのが実状である。その理由の1つとして、グリーストラップ内に溜まった油脂分の量が、上記従来の油吸着シートの油吸着性能を上回っていることが挙げられる。そのため、油吸着シートの油吸着性能を向上させる提案がなされている。
油吸着シートの吸油量を増加させる方法としては、例えば、ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂繊維を含む油吸着シートにおいて、シートの厚みを増加させたり、原料繊維を繊維径の細いものとしたり、繊維の一部を破砕して繊維の比表面積を増加させたりすることが提案されている(例えば、特許文献4及び5参照)。
しかしながら、上記ポリオレフィン系樹脂繊維を含む油吸着シートは、実際にグリーストラップで使用した場合に、本来の吸油性能を発揮し切れないことが判明している。その原因として、油吸着シートが排水中の水分も吸収してしまうことにより、吸油量が低下することが挙げられる。
ポリオレフィン系樹脂繊維を含む油吸着シートは、ポリオレフィン系樹脂繊維の比重(約0.9)が水の比重(1.0)よりも小さく、菜種油等の油脂の比重(約0.8)よりも大きいため、排水に浮かべると、不織布やウエブ等の形態とはいえ、排水の水分(下層の水層)と油脂分(上層の油脂層)との間に位置する状態となり、油吸着シートの下面は水分に、上面は油脂分に接触することになる。
ポリオレフィン系樹脂繊維を含む油吸着シートは、通常の水や海水であれば、接触してもその撥水性(親油性)により吸水が妨げられる。しかしながら、業務用厨房等からの排水のように、食器用洗剤や厨房用の洗剤・消毒薬等の界面活性剤が含まれる水に接触した場合には、その撥水性を発現できず、吸水が進んで吸油量が低下する。
また、吸水した油吸着シートは、次第にその比重が増加し、水面下に沈んでいく。水面下に沈んだ油吸着シートからは、吸着した油脂分が徐々に抜け出ていき、吸油量が更に低下する。
特許文献6には、吸油材を上面のみに塗布加工した消臭調湿紙において、消臭調湿紙に開けた穴を通じて上面の吸油材に油脂分を誘導し、吸着する技術が記載されている。しかしながら、この消臭調湿紙も次第に全体が水面下に沈んでしまうため、十分な吸油性能を発揮するには更なる改良の余地がある。
特開平6-277657号公報 特開2000-5597号公報 特開2002-346380号公報 特開2004-33838号公報 実開平3-74694号公報 特開2004-308087号公報
そのため、吸水による油吸着性能の低下を防ぎ、油吸着シート本来の吸油性能を発揮させるには、油吸着シートが油脂を速やかに吸着して、吸油が吸水を上回って進行するようにすることが求められる。
吸水の進行を抑制する方法として、撥水性の袋で油吸着シートを覆うことも検討されているが、粘度の高い油脂分は撥水性の袋の中に含浸しにくいため、吸油量は依然として低く、更なる改善が望まれる。
そこで、本発明は、グリーストラップ内の排水に浮遊する油脂の吸着に優れ、排水から容易に除去することができるグリーストラップ用油吸着シートを提供することを目的とする。
本発明者は、上述の課題を解決するべく鋭意検討を重ねた結果、ポリオレフィン系樹脂繊維を含み、特定の厚みを有するシートにおいて、側面を増やすことにより表面積における側面積の割合が特定の割合以上となるようにすることで、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は以下のとおりである。
[1]
ポリオレフィン系樹脂繊維を含み、厚みが2mm以上で全体が一体化されており、表面積における側面積の割合が10%以上(厚み方向から見て10cm×10cmの略正方形状の試験片を切り出して測定)である部分を有することを特徴とする、グリーストラップ用油吸着シート。
[2]
切り込み及び/又は穴を有する、[1]に記載のグリーストラップ用油吸着シート。
[3]
厚み方向から見て10cm×10cmの略正方形状の任意の試験片を切り出して測定したとき、表面上の任意の1点と、該1点の最も近くに位置する側面との距離が、40mm以下である、[2]に記載のグリーストラップ用油吸着シート。
[4]
張力がかかると、前記切り込み及び/又は穴が変形し、厚み方向から見たときの前記切り込み及び/又は穴の面積が変化する、[2]又は[3]に記載のグリーストラップ用油吸着シート。
[5]
前記切り込み及び/又は穴の変形により網目状となる、[4]に記載のグリーストラップ用油吸着シート。
[6]
前記ポリオレフィン系樹脂繊維がポリプロピレンを含む、[1]~[5]のいずれかに記載のグリーストラップ用油吸着シート。
[7]
少なくとも一方の表面に撥水剤が付着している、[1]~[6]のいずれかに記載のグリーストラップ用油吸着シート。
本発明によれば、グリーストラップ内の排水に浮遊する油脂の吸着に優れ、排水から容易に除去することができるグリーストラップ用油吸着シートを提供することができる。
一般的なグリーストラップの概略構成を示す側断面図である。 (a)及び(b)は、本実施形態のグリーストラップ用油吸着シートの一例を示す概略平面図である。(c)は、(b)のグリーストラップ用油吸着シートに黒色矢印方向の張力をかけた後の形状を示す概略平面図である。 (a)~(c)は、本実施形態のグリーストラップ用油吸着シートの一例を示す概略平面図である。 比較例のグリーストラップ用油吸着シートを示す概略平面図である。
以下、本発明を実施するための形態(以下、「本実施形態」という。)について、詳細に説明するが、本発明は以下の記載に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で種々変形して実施できる。
本実施形態のグリーストラップ用油吸着シート(以下、単に「油吸着シート」ともいう。)は、飲食店や食品加工場等の業務用厨房等に設置される任意のグリーストラップに適用可能であり、グリーストラップ内の排水に浮遊する油脂分を吸着することができる。
初めに、一般的なグリーストラップの基本構造について、図を参照しながら説明する。
図1は、一般的なグリーストラップの概略構成を示す側断面図である。グリーストラップ1は、全体が直方体のタンク構造をなし、隔壁8及び隔壁10により、第1槽(前処理槽)3、第2槽(油分離槽)4、及び第3槽(後処理槽)5の3つの槽に仕切られている。
業務用厨房等からの排水Aは、先ず、流入管2から第1槽(前処理槽)3に流入する。第1槽(前処理槽)3では、排水A中の残飯や野菜くず等のごみBが網目状のバスケット7により捕捉され、スカム(汚泥・沈殿物)Cが自重により底部に沈殿する。続いて排水は、隔壁8の下端隙間を通って第2槽(油分離槽)4へと移動し、仕切り板9に沿って上方に移動する。
第2槽(油分離槽)4では、排水中の油脂と水とが分離し、水よりも比重の小さい油脂が液面側に浮上することにより、排水上部に浮遊する油脂分D(上層の油脂層)と水分(下層の水層)とに分離する。仕切り板9を越えた排水は、下方に移動し、隔壁10の下端隙間を通って第3槽(後処理槽)5へと移動する。
第3槽(後処理槽)5では、第2槽(油分離槽)4までで分離しきれなかった油脂やスカム等を更に分離させる。こうして処理された排水は、処理水Eとしてトラップ管6から下水道等へと排出される。
なお、図1中の矢印は、排水の流通方向を示している。
第2槽(油分離槽)4で分離される油脂分は、飲食店や食品加工場の規模や形態、稼働状況によってその量が異なるが、オーバーフローや異臭の発生、阻集効率の低下等を防ぐため、定期的に除去する必要がある。
本実施形態のグリーストラップ用油吸着シートは、この第2槽(油分離槽)4に溜まった油脂分Dの吸着に特に好適に使用することができる。本実施形態の油吸着シートを排水に浮かべて油脂分Dを吸着させた後、取り出して廃棄するだけで、油脂分Dを効率よく簡単に除去することができる。なお、本実施形態の油吸着シートは、第2槽(油水離槽)4に限らず、油脂を含む排水が滞留して油脂分(油脂層)と水分(水層)とに分離する液槽であれば、いずれの液槽においても使用することができる。
〈グリーストラップ用油吸着シート〉
本実施形態のグリーストラップ用油吸着シートは、ポリオレフィン系樹脂繊維を含み、厚みが2mm以上で全体が一体化されており、表面積における側面積の割合が10%以上(厚み方向から見て10cm×10cmの略正方形状の試験片を切り出して測定)である部分を有することを特徴とする。
本実施形態のグリーストラップ用油吸着シートは、ポリオレフィン系樹脂繊維を含むことにより、撥水性を発揮することができる。
また、本実施形態のグリーストラップ用油吸着シートは、厚みが2mm以上で全体が一体化されているため、取り扱い強度に優れ、油吸着後に排水から容易に除去することができ、廃棄が簡便である。
本実施形態のグリーストラップ用油吸着シートは、油吸着シートから切り出して得た厚み方向から見て10cm×10cmの略正方形状の試験片で測定したときに、表面積における側面積の割合が10%以上である部分を有する。上記割合は、好ましくは10~30%、より好ましくは10~22%である。本実施形態の油吸着シートは、上記表面積における側面積の割合が上記範囲である、即ち、界面活性剤を含む水分(水層)よりも排水上部に浮遊する油脂分(油脂層)に接触しやすい面である側面を上記割合で有するため、油脂分との接触面積が、吸油が吸水を上回って進行するのに十分に広いものとなり、これにより吸水の進行が抑制されて油吸着性能の低下を防ぐことができる。
本実施形態のグリーストラップ用油吸着シートは、油吸着性能がより高まることから、油吸着シートの全ての部分において、表面積における側面積の割合が10%以上であることが好ましい。
ここで、「表面積」は、油吸着シートの上下面(表裏面)の面積と側面の面積との合計であり、「側面」は、油吸着シートが後述の切り込み及び/又は穴を有する場合は、切り込み及び/又は穴の側面も含む。
また、本開示で、「略正方形状」とは、厳密な正方形に限られるものではなく、頂点が明確でないもの(例えば、角に丸みを帯びたもの)、各辺が直線状ではないもの(例えば、各辺の少なくとも一部が曲線状であるもの、後述の図3(b)及び(c)の油吸着シートのように各辺の少なくとも一部にギザや特定形状の切り込みを有するもの)等も含むことを意味する。また、略正方形状の一辺の長さ(縦幅及び横幅)は、10cm±1cmであるものとする。
本実施形態のグリーストラップ用油吸着シートにおいて、表面積における側面積の割合を調整する方法としては、例えば、シート基材に後述の切り込み及び/又は穴を設けることにより、切り込み及び/又は穴による側面を形成して、側面の面積及び数を増やす方法等が挙げられる。特に、シート基材の厚み方向から見て線状に延びる切り込みを設けると、シート基材の上下面の面積を変えずに側面の面積のみを増加させことができるため、表面積における側面積の割合を容易に増加させることができる。
なお、油吸着シートを細かく切り刻むことによっても表面積における側面積の割合を増加させることができるが、排水に細かく分散した油吸油シートを取り除くのには時間と手間を要する。その点、本実施形態のグリーストラップ用油吸着シートは一体化されているため、排水から容易に回収することができ、廃棄が簡便である。
本実施形態のグリーストラップ用油吸着シートの形状は、特に限定されないが、上述のように、切り込み及び/又は穴を有することが好ましい。油吸着シートは、切り込み及び/又は穴を有することにより、切り込み及び/又は穴を有しない場合と比較して側面が増加する、即ち、界面活性剤を含む水分(水層)よりも排水上部に浮遊する油脂分(油脂層)に接触しやすい面の面積が増加するため、吸油量及び吸油スピードが増加する。また、切り込み及び/又は穴を有することにより、後述するように油吸着シートに張力をかけて切り込み及び/又は穴の面積を増加させ、油吸着シート全体がカバーする面積(油吸着シート上面又は下面の面積と切り込み及び/又は穴の面積との合計)を増加させることができる場合がある。この場合、排水に投入した際に、排水上部に浮遊する油脂分(油脂層)を油吸着シート全体でより広範にカバーすることができるようになり、吸油量及び吸油スピードを増加させることができる。更に、張力によって広がった切り込み及び/又は穴の中の油脂分が、張力を緩めると切り込み及び/又は穴の面積が減少してかき集められたようになり、吸油スピードが上昇する。
本開示で、「切り込み」とは、油吸着シートの厚み方向から見て線状に延びる切れ目だけでなく、例えば、シートの縁のギザ等、油吸着シートの厚み方向から見て油吸着シートの縁から内側に延びる任意の形状の切れ目も含む。
切り込みの側面は、シートの厚み方向に平行又は略平行であることが好ましい。平行又は略平行であると、切り込みの側面が排水上部に浮遊する油脂分(油脂層)に接触しやすく、油脂分を効率よく吸着することができる。
ここで、図2(a)及び(b)、並びに図3(b)及び(c)は、本実施形態のグリーストラップ用油吸着シートの一例を示す概略平面図である。なお、図2及び図3並びに後述する図4の各図中のZ軸方向は、油吸着シートの厚み方向に対応しており、いずれの図も厚み方向(Z軸方向)から見た油吸着シートを示している。図2(a)及び(b)は、油吸着シートの厚み方向(Z軸方向)から見てY軸方向に線状に延びる切り込みを有する油吸着シートの例であり、図3(b)及び(c)は、厚み方向(Z軸方向)から見て油吸着シートの縁から内側に延びる切り込みを有する例である。図3(b)は、油吸着シートの縁がギザになっており、図3(c)は、切り込みにより油吸着シート全体が卍形状となっている。
本実施形態のグリーストラップ用油吸着シートにおいて、「穴」は、シートの厚み方向又は略厚み方向に貫通していることが好ましい。厚み方向又は略厚み方向に貫通している穴であると、穴の側面が排水上部に浮遊する油脂分(油脂層)に接触しやすく、油脂分を効率よく吸着することができる。
穴の開口形状は、特に限定されず、例えば、円形、三角形及び四角形等の多角形等が挙げられる。開口面積は、特に限定されないが、取り扱い強度、油脂との接触容易性の観点から、10~80mmであることが好ましく、より好ましくは15~60mm、更に好ましくは20~40mmである。特に、開口形状が円形である場合、その直径は3~15mmであることが好ましく、より好ましくは4~10mm、更に好ましくは5~8mmであるである。
ここで、図3(a)は、油吸着シートの厚み方向(Z軸方向)に貫通し、開口形状が円形である穴を有する本実施形態のグリーストラップ用油吸着シートの一例である。
本実施形態のグリーストラップ用油吸着シートは、張力(特に、シートの上下面に沿う方向の張力)をかけたときに、切り込み及び/又は穴が変形し、厚み方向から見たときの切り込み及び/又は穴の面積が変化することが好ましい。
具体的には、例えば、図2(c)は、図2(b)のグリーストラップ用油吸着シートに黒色矢印方向の張力をかけた後の形状を示す概略平面図である。図2の(b)と(c)とを比較すると、図2(b)の油吸着シートに設けられた切り込みは、黒色矢印方向の張力により開いて変形し、厚み方向(Z軸方向)から見たときの切り込みの面積が増加したことが分かる。また、図2(c)の形状となった油吸着シートに、油吸着シートの厚み方向(Z軸方向)及び先の黒色矢印方向のいずれにも垂直な張力をかけると、特に油吸着シート内部の切り込みは閉じるような状態に変形し、当該切り込みの面積は減少する。
なお、本開示で、「切り込みの面積」とは、切り込みが油吸着シートの縁にかからずに内側に設けられている場合は、厚み方向から見たときに切り込み線によって囲まれた部分の面積を意味する。縁のギザのように、切り込みが油吸着シートの縁にかかって設けられている場合は、縁にかかる各切り込み線のシート外側の端点について、2つの隣接する端点を結ぶ線分を考え、この線分と、この2つの端点をそれぞれ有する2つの切り込み線とを含んで囲まれた部分の面積を意味する。
また、「穴の面積」とは、油吸着シートの厚み方向から見たときの穴開口部の面積を意味する。
本実施形態のグリーストラップ用油吸着シートは、張力がかけられて切り込み及び/又は穴の面積が増加することが好ましい。切り込み及び/又は穴の面積が増加すると、油吸着シート全体がカバーする面積(油吸着シート上面又は下面の面積と切り込み及び/又は穴の面積との合計)が増加し、排水に投入した際に、油吸着シート全体が排水上部に浮遊する油脂分(油脂層)をカバーする面積が増加するため、油脂分を効率よく速やかに吸着することができる。また、張力によって広がった切り込み及び/又は穴の中の油脂分が、張力を緩めると、切り込み及び/又は穴の面積が減少してかき集められたようになり、吸油スピードが上昇する。そのため、排水に投入する前に、油吸着シートに張力をかけて切り込み及び/又は穴の面積を増加させておくことが好ましい。
本実施形態のグリーストラップ用油吸着シートは、厚み方向から見て10cm×10cmの略正方形状の任意の試験片を切り出したとき、当該略正方形状の対向する2組の2辺のうちの少なくとも1組において、当該1組の2辺に垂直で、且つ当該2辺を離す方向に100gの張力をかけた際に、切り込み及び/又は穴の面積の合計が、5~200cmであることが好ましく、より好ましくは10~150cm、更に好ましくは20~100cmである。切り込み及び/又は穴の面積の合計が上記範囲であると、油脂分を効率よく速やかに吸着することができる。
なお、100gの張力の負荷方法は、初めに、略正方形状の試験片の対向する2辺の中央からそれぞれ5mm程度内側のところを、クリップ幅62mm程度の目玉クリップで挟み、2つの目玉クリップが上下垂直に配置されるようにして、上方の目玉クリップで試験片をぶら下げる。次に、下方の目玉クリップに重り(小型クリップ等)をぶら下げ、下方の目玉クリップと重りとの総質量を100gに調整することにより、試験片に100gの張力をかける。
本実施形態のグリーストラップ用油吸着シートは、張力により切り込み及び/又は穴が変形して、図2(c)に示すような網目状となることが好ましい。網目状であると、排水に投入した際に、排水上部に浮遊する油脂分(油脂層)を油吸着シート全体がより広範にカバーしやすくなり、油脂分をより効率よく速やかに吸着することができる。そのため、本実施形態のグリーストラップ用油吸着シートは、張力により網目状となるように、図2(a)及び(b)に示すような切り込みを有するもの(網飾り切りしたもの)であることが好ましい。
本実施形態のグリーストラップ用油吸着シート厚みは、取り扱い強度及び油吸着量の観点から、2mm以上であり、好ましくは2.2~4.0mm、より好ましくは2.4~3.3mmである。
なお、本開示で、油吸着シートの厚みは、ダイヤルゲージを用いて5か所について測定した値の平均値とする。
本実施形態のグリーストラップ用油吸着シートのサイズ(上下面の面積)は、特に限定されず、グリーストラップ(特に、油分離槽)の形状及びサイズ等に応じて定めてよい。
また、本実施形態のグリーストラップ用油吸着シートは、複数の層からなる層構造を有していてもよい。
本実施形態のグリーストラップ用油吸着シートの比重は、排水に浮遊する油脂分(油脂層)により安定して接触することができるという観点から、水の比重1.0よりも小さく、一般的な油脂類の比重0.8よりも大きいことが好ましい。
本実施形態のグリーストラップ用油吸着シートの目付は、50~1000g/mであることが好ましく、100~700g/mであることがより好ましく、200~400g/mであることが更に好ましい。油吸着シートの目付が上記範囲であると、排水に浮かべやすく、グリーストラップに溜まった廃油を効率よく吸着除去することができる。
本実施形態のグリーストラップ用油吸着シートは、厚み方向から見て10cm×10cmの略正方形状の任意の試験片を切り出して測定したとき、表面上の任意の1点と、該1点の最も近くに位置する側面との距離が、40mm以下であることが好ましく、より好ましくは5~20mm、更に好ましくは7~15mmである。油吸着シートでは、側面からの距離が大きい点ほど吸油スピードが低い傾向にあるところ、上記任意の1点と側面との距離が上記範囲であると、油吸着シート上の全ての点において吸油が吸水を上回って進むのに十分な吸油スピードを有することが可能となり、これにより吸水の進行が抑制され、油吸着性能の低下を防ぐことができる。
なお、表面上の任意の1点と、該1点の最も近くに位置する側面との距離は、油吸着シートの厚み方向から見たときに、油吸着シートの上面上の任意の1点と、切り込み線又は穴の輪郭線のうち、当該任意の1点から最も近くに位置する切り込み線又は穴の輪郭線までの距離として測定することができる。
本実施形態のグリーストラップ用油吸着シートは、吸油開始から5分後の吸油量が、吸油前の油吸着シートの質量1g当たり0.65~10.0gであることが好ましく、0.90~6.0gであることが好ましく、1.0~3.0gであることがより好ましい。吸油開始から5分後の吸油量が上記範囲であると、吸油が吸水を上回って進行し、吸油性能を十分に発揮することができる。
なお、吸油開始から5分後の吸油量は、具体的には後述する実施例に記載の方法により測定することができる。
《ポリオレフィン系樹脂繊維》
本実施形態のグリーストラップ用油吸着シートに含まれるポリオレフィン系樹脂繊維としては、特に限定されず、例えば、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、エチレン系共重合体、及びプロピレン系重合体等の繊維が挙げられる。また、芯鞘構造の繊維であってもよく、中でも、ポリプロピレン樹脂を芯、ポリエチレン樹脂を鞘にした芯鞘構造の繊維は、サーマルボンド法等で繊維間を熱接着することが容易であるため、好ましく用いることができる。
上記ポリオレフィン系樹脂繊維は、1種単独で用いても、2種以上を併用してもよい。例えば、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、エチレン系共重合体、又はプロピレン系重合体等の繊維と、ポリプロピレン樹脂を芯、ポリエチレン樹脂を鞘にした芯鞘構造の繊維とを併用してもよい。
ポリオレフィン系樹脂繊維の平均繊維径は、吸油性能、繊維の強度、及びコストの観点から、1~20dtexであることが好ましく、より好ましくは4~15dtex、更に好ましくは5~10dtexmである。
ポリオレフィン系樹脂繊維は、シート状(板状)に加工されていることが好ましく、不織布、ウエブ、織物、編物、及び一方向配列シート等のいずれの形態であってもよい。中でも、繊維の隙間に油脂が入り込みやすいことから、不織布及びウエブが好ましい。また、不織布とウエブとが積層されたもの等、異なる形態のものが積層されていてもよい。
ポリオレフィン系樹脂繊維のシートの目付は、50~1000g/mであることが好ましく、100~700g/mであることがより好ましく、200~400g/mであることが更に好ましい。ポリオレフィン系樹脂繊維シートの目付が上記範囲であると、排水に浮かべやすく、グリーストラップに溜まった廃油を効率よく吸着除去することができる。
ポリオレフィン系樹脂繊維の含有量は、撥水性を高める観点から、油吸着シートを100質量%として、90~100質量%であることが好ましく、95~100質量%であることがより好ましく、100質量%であることが更に好ましい。
《撥水剤》
本実施形態のグリーストラップ用油吸着シートは、少なくとも一方の表面(上下面)に撥水剤が付着していることが好ましく、上下面の両方に付着していることがより好ましく、上下面の両方に加えて少なくとも1つの側面にも付着していることが更に好ましい。撥水剤が付着していると、界面活性剤による撥水性の発現低下を抑制することができるため、吸水の進行が抑制されて吸油性能を十分に発揮することができる。
撥水剤としては、ポリオレフィン系樹脂繊維を含むシート基材に付着可能であれば特に限定されず、フッ素系、シリコーン系、パラフィン系、エチレンウレア系、ジルコニウム系、メチロールアミド系、ワックス系等が挙げられる。中でも、界面活性剤を含む水に対する撥水性の観点から、フッ素系が好ましい。
撥水剤の含有量(エアゾールの場合はガス揮散後の含有量)は、油吸着シートの質量を100質量%として、0.0001~0.5質量%であることが好ましく、より好ましくは0.001~0.2質量%、更に好ましくは0.01~0.1質量%である。撥水剤の含有量が上記範囲であると、吸水の進行を良好に抑制して、油吸着シートの吸油性能を十分に発揮することができる。
油吸着シートに撥水剤を付着させる方法としては、特に限定されず、噴霧塗布、含浸、印刷、添着不織布の張付け等の公知の方法を用いることができる。
《その他の成分》
本実施形態のグリーストラップ用油吸着シートは、本発明の目的を損なわない範囲で、難燃剤、熱安定剤、酸化防止剤、帯電防止剤、顔料、香料、防水剤等の各種添加剤、上記ポリオレフィン系樹脂繊維以外の合成繊維、天然繊維等を必要に応じて含有することができる。
各種添加剤の含有量は、油吸着シートの質量を100質量%として、10質量%以下であることが好ましい。
以下、本実施形態について、具体的な実施例及び比較例を挙げて説明するが、本実施形態はこれらに限定されるものではない。
実施例及び比較例で用いた原材料について、以下に説明する。
(1)ポリプロピレンシート
ポリプロピレン綿(繊維径7.8dtex、繊維長64mm)をカーディング装置に掛け、目付が190g/mの均一なウエブを作製した。得られたウエブをポリプロピレン不織布(目付30g/m)の上に重ねてニードルパンチ法で積層し、巻き取って、ポリプロピレンシート(厚み2.7mm、目付220g/m、ポリプロピレン繊維の比重0.90)を作製した。
なお、ポリプロピレンシートの厚みは、ダイヤルゲージを用いて5か所について測定した値の平均値とした。
(2)撥水剤
・フッ素系防水スプレー(FK社製、製品名「超撥水」)
実施例及び比較例で用いた測定方法及び評価方法について、以下に説明する。
(1)吸油量の測定
145mm×145mm×63mmの角型プラスチック容器に、食器用洗剤(フロッシュ(登録商標)食器用洗剤パフュームフリー、旭化成ホームプロダクツ(株)製)の0.05%水溶液(界面活性剤濃度:約0.005%)を250mL入れ、その上面に4mLの菜種油(ボーソー油脂(株)製)を注射器で注入した。撹拌棒で50回程度強く撹拌し、グリーストラップ内の油分離槽と同様な状態を作り出した。撹拌後、すぐに実施例及び比較例で作製した吸油量測定用の油吸着シートを浮かべ、5分間静置した。次いで、油吸着シートをピンセットで取り出し、メッシュ状の金網(17mm目、線径1mm)上に5分間放置して、自重で垂れ落ちる油水を取り除いた。次いで、油吸着シートを60℃の恒温槽で一晩乾燥させ、水分を蒸散させた。油吸着シートの質量(吸着した菜種油と吸油前の油吸着シートとの合計質量)を測定し、吸油量(吸着した菜種油の質量(g)/吸油前の油吸着シートの質量(g))を求めた。なお、吸油量は、各3枚の油吸着シートについて測定した値の平均値とした。また、比較例1の吸油量(吸着した菜種油の質量(g)/吸油前の油吸着シートの質量(g))を100%としたときの他の実施例及び比較例の吸油量の割合(%)を求めた。
(2)廃棄容易性の評価
557mm×397mm×154mmのステンレスバッドに、食器用洗剤(フロッシュ(登録商標)食器用洗剤パフュームフリー、旭化成ホームプロダクツ(株)製)の0.05%水溶液(界面活性剤濃度:約0.005%)を10L入れた後、1.5Lの菜種油(ボーソー油脂(株)製)を入れ、洗剤水溶液(水層)上に浮かせた。実施例及び比較例で作製した廃棄容易性評価用の油吸着シートを油面上に浮かべ、5分間静置して菜種油を十分に吸着させた。次いで、油吸着シートの端から5cmの部分をペンチで持ち上げて、除去したときの様子を観察し、以下の評価基準に従って判定した。
[評価基準]
◎(優れる):油吸着シートが裂けることなく一体となった状態のまま、一度で簡単に取り除くことができた。
〇(良好):吸着した油の重みにより油吸着シートの一部が破れたが、複数に分断されずに一体となった状態のまま、一度で簡単に取り除くことができた。
×(不良):吸着した油の重みにより油吸着シートの一部が破れて複数に分断された状態となったため、或いは、その他の事由により油吸着シート(又はシートの断片)が複数存在する状態であったため、油吸着シートを一度で簡単に取り除くことができず、手間がかかった(時間を要した)。
[比較例1]
ポリプロピレンシートを、吸油量測定用に「10cm×10cm×2.7mm」に裁断し、切り込み及び穴を形成せずにそのまま油吸着シートとした。
また、ポリプロピレンシートを、廃棄容易性評価用に「30cm×30cm×2.7mm」に裁断し、切り込み及び穴を形成せずにそのまま油吸着シートとした。
上記測定及び評価を行う(吸油させる)前に油吸着シートの表面積を測定し、表面積における側面積の割合(%)を求めた。また、同様に吸油前に、油吸着シートの表面上の任意の1点と該1点の最も近くに位置する側面との距離を測定し、その最大値(mm)を測定結果とした。
測定・評価結果を表1に示す。
[実施例1]
ポリプロピレンシートを、吸油量測定用に「10cm×10cm×2.7mm」に裁断し、図2(a)に示す形状となるように切り込みを形成して(網飾り切り)、油吸着シートを作製した。切り込みは、シートの縁にかかるものを30mm、シートの縁にかからない内側のものを60mmの長さとし、シートの一辺に平行に形成した。
また、ポリプロピレンシートを、廃棄容易性評価用に「30cm×30cm×2.7mm」に裁断し、図2(a)に示す切り込みを縦横それぞれ3回ずつ(3×3)繰り返し形成した形状(図2(a)に示す形状の上記吸油量測定用シート9枚を、縦横3枚ずつ並べて繋ぎ合わせたような形状)とすることにより、油吸着シートを作製した。
上記測定及び評価を行う(吸油させる)前に油吸着シートの表面積を測定し、表面積における側面積の割合(%)を求めた。また、同様に吸油前に、油吸着シートの表面上の任意の1点と該1点の最も近くに位置する側面との距離を測定し、その最大値(mm)を測定結果とした。
油吸着シートを洗剤水溶液及び菜種油を含む溶液に浮かべると、切り込みが次第に開いて変形し、油吸着シートの厚み方向(液面に垂直な方向)から見たときの切り込みの面積が増加した。これは、溶液に浮かべたことで、油吸着シートに何らかの張力がかかったものと推察される。また、この切り込みの変形により、厚み方向から見たときに、油吸着シートが網目状となった。
なお、吸油させていない状態の吸油量測定用油吸着シートについて、厚み方向から見て切り込みに垂直な方向(図2(a)のX軸方向)に、切り込みに平行な縁2辺を引き離すようにして、100gの張力をかけた場合の切り込みの面積の合計は、約100cmであった。張力の負荷方法としては、初めに、油吸着シートの切り込みに平行な縁2辺の中央からそれぞれ約5mm内側のところを、クリップ幅約62mmの目玉クリップで挟み(目玉クリップ間の間隔は約90mm)、2つの目玉クリップが上下垂直に配置されるようにして、上方の目玉クリップで試験片をぶら下げた。次に、下方の目玉クリップに小型クリップをぶら下げ、下方の目玉クリップと小型クリップとの総質量を100gに調整することにより、試験片に100gの張力をかけた。
測定・評価結果を表1に示す。
[実施例2]
切り込みの形状が図2(b)に示す形状となるように切り込みを形成した(網飾り切り)こと以外は実施例1と同様にして、吸油量測定用及び廃棄容易性評価用の油吸着シートをそれぞれ作製した。
油吸着シートを洗剤水溶液及び菜種油を含む溶液に浮かべると、切り込みが次第に開いて変形し、油吸着シートの厚み方向(液面に垂直な方向)から見たときの切り込みの面積が増加した。これは、溶液に浮かべたことで、油吸着シートに何らかの張力がかかったものと推察される。また、この切り込みの変形により、厚み方向から見たときに、油吸着シートが網目状となった(図2(c)参照)。
なお、吸油させていない状態の吸油量測定用油吸着シートについて、厚み方向から見て切り込みに垂直な方向(図2(b)のX軸方向)に、切り込みに平行な縁2辺を引き離すようにして(図2(b)の黒色矢印方向に)、実施例1と同様に目玉クリップを用いて100gの張力をかけた場合の切り込みの面積の合計は、約200cmであった。
測定・評価結果を表1に示す。
[実施例3]
切り込みではなく、図3(a)に示す穴形状となるように、シートの厚み方向に貫通する6mm径の円形状の穴(吸油量測定用は25個、廃棄容易性評価用は225個(25個×3×3))を形成したこと以外は実施例1と同様にして、吸油量測定用及び廃棄容易性評価用の油吸着シートをそれぞれ作製した。
測定・評価結果を表1に示す。
なお、吸油させていない状態の吸油量測定用油吸着シートについて、厚み方向から見て対向する2組の2辺(の縁)のうちの1組に垂直な方向(図3(a)のX軸方向)に、当該縁2辺を引き離すようにして、実施例1と同様に目玉クリップを用いて100gの張力をかけた場合の穴の面積の合計は、約10cmであった。
[実施例4]
ポリプロピレンシートを、吸油量測定用に「10cm×10cm×2.7mm」に裁断し、図3(b)に示す形状となるように、ポリプロピレンシートの各辺から一辺1cmの正三角形を9枚ずつ切り取って縁にギザを形成し、油吸着シートを作製した。
また、ポリプロピレンシートを、廃棄容易性評価用に「30cm×30cm×2.7mm」に裁断し、縁をギザギザに切り取って(図示せず)、油吸着シートを作製した。
なお、吸油量測定用油吸着シートの縦幅及び横幅(図3(b)における縦方向及び横方向の幅)は、いずれも9.5~10cmであった。
測定・評価結果を表1に示す。
[実施例5]
切り込みの形状が図3(c)に示す卍形状となるようにポリプロピレンシートを切り取った(卍切り)こと以外は実施例1と同様にして、吸油量測定用及び廃棄容易性評価用の油吸着シートをそれぞれ作製した。
なお、吸油量測定用油吸着シートの縦幅及び横幅(図3(c)における縦方向及び横方向の幅)は、いずれも9.5~10cmであった。
測定・評価結果を表1に示す。
[実施例6]
切り込みの形状が図2(a)に示す形状となるように切り込みを形成した(網飾り切り)後、撥水剤を上下面の片面のみに100cm(10cm角)当たり2秒×2回(合計約0.01g(ガス揮散後))塗布したこと以外は実施例1と同様にして、吸油量測定用及び廃棄容易性評価用の油吸着シートをそれぞれ作製した。
なお、洗剤水溶液及び菜種油を含む溶液に浮かべる際には、撥水剤を塗布した側の面が下側(液面側)となるようにして浮かべた。
測定・評価結果を表1に示す。
なお、吸油させていない状態の吸油量測定用油吸着シートについて、厚み方向から見て切り込みに垂直な方向(図2(a)のX軸方向)に、切り込みに平行な縁2辺を引き離すようにして、実施例1と同様に目玉クリップを用いて100gの張力をかけた場合の切り込みの面積の合計は、100cmであった。
[実施例7]
撥水剤を両面にそれぞれ100cm(10cm角)当たり2秒×2回(合計約0.01g(ガス揮散後))塗布したこと以外は実施例6と同様にして、吸油量測定用及び廃棄容易性評価用の油吸着シートをそれぞれ作製した。
測定・評価結果を表1に示す。
なお、吸油させていない状態の吸油量測定用油吸着シートについて、厚み方向から見て切り込みに垂直な方向(図2(a)のX軸方向)に、切り込みに平行な縁2辺を引き離すようにして、実施例1と同様に目玉クリップを用いて100gの張力をかけた場合の切り込みの面積の合計は、100cmであった。
[比較例2]
ポリプロピレンシートを「2.5cm×2.5cm×2.7mm」のサイズに裁断したものを油吸着シートとし、吸油量測定に16枚、廃棄容易性評価に144枚使用したこと以外は比較例1と同様にして、吸油量測定用及び廃棄容易性評価用の油吸着シートをそれぞれ作製した。
測定・評価結果を表1に示す。
なお、廃棄容易性評価において、当該比較例では油吸着シートが多数枚存在する状態であったため、一度に全てを取り除くことができず、手間がかかった(時間を要した)。そのため、「×(不良)」と評価した。
[比較例3]
切り込みの形状が図4(a)に示す形状となるように、シートの中央にシートの一辺に平行な切り込み(長さ50mm、吸油量測定用は1本、廃棄容易性評価用は9本(1本×3×3))を形成したこと以外は実施例1と同様にして、吸油量測定用及び廃棄容易性評価用の油吸着シートをそれぞれ作製した。
測定・評価結果を表1に示す。
なお、吸油させていない状態の吸油量測定用油吸着シートについて、厚み方向から見て切り込みに垂直な方向(図4(a)のX軸方向)に、切り込みに平行な縁2辺を引き離すようにして、実施例1と同様に目玉クリップを用いて100gの張力をかけた場合の切り込みの面積の合計は、約2cmであった。
[比較例4]
切り込みの形状が図4(b)に示す形状となるように、シートの一辺に平行な切り込み(長さ50mm、吸油量測定用は2本、廃棄容易性評価用は18本(2本×3×3))を形成したこと以外は実施例1と同様にして、吸油量測定用及び廃棄容易性評価用の油吸着シートをそれぞれ作製した。
測定・評価結果を表1に示す。
なお、吸油させていない状態の吸油量測定用油吸着シートについて、厚み方向から見て切り込みに垂直な方向(図4(b)のX軸方向)に、切り込みに平行な縁2辺を引き離すようにして、実施例1と同様に目玉クリップを用いて100gの張力をかけた場合の切り込みの面積の合計は、約5cmであった。
Figure 2022015200000001
本発明のグリーストラップ用油吸着シートは、排水に浮遊する油脂の吸収に優れ、容易に廃棄することができるため、飲食店や食品加工場等の業務用厨房等からの排水から油脂を分離除去するグリーストラップにおいて好適に使用することができる。
1:グリーストラップ
2:流入管
3:第1槽(前処理槽)
4:第2槽(油分離槽)
5:第3槽(後処理槽)
6:トラップ管
7:バスケット
8、10:隔壁
9:仕切り板
A:排水
B:ごみ
C:スカム(汚泥・沈殿物)
D:油脂分
E:処理水

Claims (7)

  1. ポリオレフィン系樹脂繊維を含み、厚みが2mm以上で全体が一体化されており、表面積における側面積の割合が10%以上(厚み方向から見て10cm×10cmの略正方形状の試験片を切り出して測定)である部分を有することを特徴とする、グリーストラップ用油吸着シート。
  2. 切り込み及び/又は穴を有する、請求項1に記載のグリーストラップ用油吸着シート。
  3. 厚み方向から見て10cm×10cmの略正方形状の任意の試験片を切り出して測定したとき、表面上の任意の1点と、該1点の最も近くに位置する側面との距離が、40mm以下である、請求項2に記載のグリーストラップ用油吸着シート。
  4. 張力がかかると、前記切り込み及び/又は穴が変形し、厚み方向から見たときの前記切り込み及び/又は穴の面積が変化する、請求項2又は3に記載のグリーストラップ用油吸着シート。
  5. 前記切り込み及び/又は穴の変形により網目状となる、請求項4に記載のグリーストラップ用油吸着シート。
  6. 前記ポリオレフィン系樹脂繊維がポリプロピレンを含む、請求項1~5のいずれか一項に記載のグリーストラップ用油吸着シート。
  7. 少なくとも一方の表面に撥水剤が付着している、請求項1~6のいずれか一項に記載のグリーストラップ用油吸着シート。
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