JP2002346380A - グリース阻集器用油吸着シート - Google Patents
グリース阻集器用油吸着シートInfo
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Abstract
るのに適した油吸着シートを提供する。 【解決手段】 少なくとも1層のポリプロピレン系樹脂
製綿層(A)と少なくとも1層の特定目付のポリプロピ
レン系樹脂製不織布層(B)積層された油吸着シートで
油吸着シートの厚み(t:mm)と油吸着シートの目付
(M:g/m2 )との比が77〜90であることを特徴
とするグリース阻集器用油吸着シート。
Description
離する装置であるグリース阻集器に捕集された油脂類を
吸着する油吸着シートに関する。
(以下阻集器と略す)は、厨房や調理場からの排水中に
含まれる油脂(グリース)分を自然浮上の原理で分離さ
せて除去し、油脂分が排水中に流入して管を詰まらせる
のを防ぐ設備である。この設備は昭和50年建設省告示
第1597号(昭和57年に改訂)によって、汚水が油
脂、ガソリン、土砂その他排水の配管設備の機能を著し
く妨げる場合には、設置が義務づけされている。
かずに放置すると、阻集器からオーバーフローして配管
の詰まりの原因になったり、加熱調理等により酸化した
油脂分が悪臭の原因になることが問題になっている。油
脂分の除去は、従業員が平均的には週1回、多いところ
では毎日柄杓や容器ですくって取り除くことが一般的に
行われている。一方水面に浮かんだ油を簡単に除去する
方法として、合成繊維又は天然繊維製の不織布シート
(油吸着シート)で油を吸着させて除去する方法が、海
難事故で流出した原油や工場等で使用しているマシンオ
イル等を除去する方法として知られている。特に海難事
故用には昭和59年運輸省船舶局長通達舶査52号に定
める性能試験基準に合格したものが使われている。
ン系樹脂製不織布(B)の両面にポリプロピレン系樹脂
製綿(A)がA/B/Aの3層構造に積層された油吸着
シート(以下、従来の油吸着シートと呼ぶ)が知られて
いる。そこで、この従来の油吸着シートで阻集器中の油
脂分を吸着・除去する方法を試みたところ、今まで行わ
れてきた柄杓や容器による除去に比べると作業性に優れ
作業時間が大幅に短縮されることが分かった。柄杓や容
器による除去作業では、水面の上に浮いている酸化して
不透明な油脂分のみをすくいとる必要があり、作業者は
かがんだ姿勢で、水を極力すくわないよう注意しながら
油脂分のみをすくわなければならず手間が掛かってい
た。また油脂分は悪臭を放っているので大変いやな作業
のひとつであった。
は、油脂分の上に油吸着シートを浮かべておけば水は吸
わずに油脂分のみを選択的に吸着し、十分に油脂分を吸
着させた油吸着シートは棒の先端に釘を打ち付けた様な
道具で引っかけて簡単に除去することが出来た。しかし
上記従来の油吸着シートは重油やマシンオイルを有効に
吸着させる目的で設計されており、阻集器に捕集された
油脂分を吸着させる用途には不十分であった。
の油吸着シートが有する油脂分の廃棄作業性は維持した
上で油吸着性に優れるグリース阻集器用油吸着シートを
提供することを目的とする。
用油吸着シートは、少なくとも1層のポリプロピレン系
樹脂製綿層(A)と少なくとも1層のポリプロピレン系
樹脂製不織布層(B)が積層された油吸着シートにおい
て、Bの目付が15〜40g/m2 且つ積層された油吸
着シート全体の厚み(t:mm)と油吸着シート全体の
目付(M:g/m2 )との比(M/t)が77〜90で
あることを特徴とする。
先ず、本発明のグリース阻集器用油吸着シートが従来の
海難事故で流出した油やマシンオイル等を吸着させる為
の油吸着シートに比べ優れることを表1を用いて説明す
る。表1には、後述する方法で作成された本発明の一例
である油吸着シート(実施例1、Run.No.1)の
性能を、市販されている油吸着シート(Run.No.
2〜Run.No.4)と比較して示されている。性能
評価の項は、後述する方法で測定された飽和吸油量、吸
水量、飽和吸油量に対する初期(具体的には1分間)の
吸油量の割合で示した吸油速度、及び実用評価として阻
集器中に捕集された油脂分を吸着させた時の吸油性能、
廃棄作業性である。
kg/m2 の油を吸着することが出来ることが分かる。
また吸油速度も97%と高い値であることが分かる。ま
た実際にグリース阻集器に捕集された酸化して褐色に変
色した油脂分を吸着させたところ、みるみるシートが吸
着した油脂分によってシート全体がほぼ均一に変色して
いき、阻集器中の油脂分を殆ど吸着することが出来た。
釘で引っかけて取り除く際にも破れずに簡単に取り除く
ことが出来た。
ート(Run.No.1)と同様にポリプロピレン系樹
脂製綿(A)とポリプロピレン系樹脂製不織布(B)と
がA/B/Aの3層に積層されている従来の油吸着シー
ト(Run.No.2)は、飽和吸着量が3.8kg/
m2 と本発明の油吸着シートよりも若干少ない程度であ
るが吸油速度は84%であり、本発明のほうが優れてい
た。実際にグリース阻集器に捕集された油脂分を吸収さ
せた場合には、サラダ油で評価した場合よりも更に吸油
速度が遅かった。
/m2 である市販の特殊PP繊維不織布油吸着シート
(Run.No.3)の飽和吸着量は2.4kg/m2
で本発明の油吸着シートのほうが優れていた。また厚み
が9.0mm、目付が250g/m2 の天然繊維のウエ
ブを形成した市販の油吸着シート(Run.No.4)
は、単位面積当たりの飽和吸油量は5.3kg/m2 と
本発明の油吸着シートよりも優れていたが、単位体積当
りの飽和吸油量が本発明の油吸着シートの約1/3程度
であり、同量の油脂分を吸着させる為に必要な油吸着シ
ートを保管する場合には3倍のスペースが必要となり、
狭い厨房や調理場に保管するには問題があることが分か
る。またこの油吸着シートは取扱中に綿が舞ったり、吸
油後シートを引き上げようとすると破れる恐れもあり、
グリース阻集器用油吸着シートとしては性能が十分では
なかった。
用油吸着シートが従来の海難事故で流出した油やマシン
オイル等を吸着させる為の油吸着シートに比べ優れてお
り、単に海難事故で流出した油やマシンオイル等を吸着
させる為の油吸着シートを代用しうるレベル以上の性能
をもった油吸着シートであることが分かる。
のポリプロピレン系樹脂製不織布層(B)の目付が15
〜40g/m2 である必要性について説明する。先ず、
Bの目付が15g/m2 の後述する実施例2、Run.
No.5の油吸着シートと同13g/m2 の比較例2、
Run.No.7の油吸着シートとを比較すると、Ru
n.No.5の油吸着シートは廃棄作業が容易に行えた
のに対し、Run.No.7の油吸着シートは釘穴から
破れて、手でつまみ上げなければならなかった。以上の
ことから、ポリプロピレン系樹脂製不織布層(B)の目
付が15g/m 2 以上であることが従来の油吸着シート
の強度、即ち廃棄作業性を維持する上で必要なことが分
かる。
2、Run.No.6の油吸着シートと同42g/m2
の比較例2、Run.No.8の油吸着シートとを比較
すると、飽和吸油量に差が見られなかったが、吸油速度
が前者は90%であるのに対して69%であり、また吸
油性能も本願発明のほうが優れていた。以上のことから
Bの目付は油吸着シートの吸油速度の点から40g/m
2 以下である必要性が分かる。
み(t:mm)と油吸着シート全体の目付(M:g/m
2 )との比(M/t)が77〜90であることの必要性
について説明する。先ず、M/tが77の実施例3、R
un.NO.9の油吸着シートと、同76の比較例3、
Run.No.11の油吸着シートとの比較において、
前者の飽和吸水量(Hsa)が0.3kg/m2 と僅か
に水を吸着する程度であるのに対し、後者ではHsaが
1.3kg/m2 と4倍以上の水を吸着した。
器中の油脂分を吸着させたところ、油吸着シートが油脂
分の吸着と並行して水も吸着している為に油脂分がまだ
らに吸着してしまい、本来Run.No.11の油吸着
シートがもっている吸油性能を十分に発揮出来なかっ
た。また、油吸着シートを引き上げた時に水が垂れてな
かなか収まらずに、廃棄に時間が掛かってしまった。以
上のことからM/tは77以上であることが、水を吸着
せず且つ油吸着シートが本来持っている吸油性能を発揮
させる為には必要であることが分かる。
o.10の油吸着シートと、同92の比較例3、Ru
n.No.12の油吸着シートとの比較において、飽和
吸油量は前者が3.9kg/m2 後者が4.1kg/m
2 と後者の方が若干大きい程度であったが、吸油速度が
前者が90%に対して後者が70%と本願発明のほうが
優れていた。実際にグリース阻集器に使用してもこの違
いは明らかで、Run.No.1の油吸着シートとRu
n.No.2の油吸着シートとの場合以上に差が見られ
た。
ることが吸油速度の点から必要であることが分かる。
尚、本発明の油吸着シートの厚み(t)はM/tの値や
綿の特性、不織布の密度等に影響されるので一概には言
えないが、2.0〜3.5mmであることが好ましい。
又、ポリプロピレン系樹脂製綿層(A)の目付は80〜
310g/m2 であることが好ましい。
品、B格品、C格品等等級は問わないが、製造工程にお
いてカーディング装置に掛ける都合上捲縮加工が施され
たものが好ましい。尚材質については、排水中には界面
活性剤等も混ざっているので、比重が1よりも軽いもの
が良く、且つ焼却する場合に有害なガスの発生が少ない
ものが良くポリエチレン系樹脂綿でも代用可能ではある
が、強度がある程度必要なことを考慮するとポリプロピ
レン系樹脂製が良い。繊維径については、低粘度油の場
合には繊維径が細い程吸着される吸油量が多くなるが、
吸着させる油の粘度が比較的高い油の場合では繊維径を
細くしても吸油量が増加しないことが知られており、吸
油性能と繊維の強度やコストから1〜5デシテックス程
度が好ましい。
(B)は、プロピレン単独重合体、エチレン、ブテン−
1等との共重合体、芯鞘構造体等比重が1以下で焼却時
有害ガスの発生が少ないもの、強度がある程度あるもの
等から選ばれる繊維で構成された不織布が好ましく、繊
維間の接着はケミカルボンド法、サーマルボンド法、ス
パンレース法等いずれの方法でも良い。好ましくは、ス
パンボンド法にて形成された不織布である。不織布の見
掛けの密度は、吸油性能の観点から0.11〜0.16
g/cm3 程度が好ましい。
ポリプロピレン系樹脂製不織布(B)との積層方法は、
ニードルパンチ法、スパンレース法、サーマルボンド
法、ケミカルボンド法等で行うことが出来るが、好まし
くはニードルパンチ法である。AとBは、A1/B1の
2層、A1/B1/A2、B1/A1/B2の3層等に
積層されるが、好ましくは両外層にA層がある場合であ
る。尚A1/B1/A2の場合、A1とA2とに吸油性
能差が無い場合が好ましく、A1及びA2を構成するポ
リプロピレン系樹脂製綿に違いが無く目付の違いのみで
ある場合には目付の差がA1とA2とで3倍未満である
ことが好ましい。
用方法について述べる。本発明の油吸着シートはグリー
ス阻集器に捕集された油脂分を吸着させる為のシートで
あり、通常は捕集された油脂分の上から油吸着シートを
かぶせて十分に油脂分を吸着させた後廃棄する。好まし
い使用方法として、一度グリース阻集器内を清掃した
後、阻集器内の清浄な水面に本油吸着シートを浮かべて
置いて、営業時間中又は週の終わりまで等一定の期間中
に排水に含まれる油脂分を十分に吸着させた後に油吸着
シートを廃棄する方法がある。この様にするとグリース
阻集器の壁面に付着したり、配管中に流れてしまう油脂
分を大幅に減少出来る他に臭いの発散をある程度抑える
ことが出来る。また常温では固体やグリース状になる動
物系油脂も、排出時には60℃程度の温度で液体の状態
で排出されているので固化する前に本油吸着シートに吸
着させて簡単に除去することが出来る。
先ず測定法を記す。 (1)ポリプロピレン系樹脂製不織布(B)の目付 積層されている油吸着シートの一定面積を機械的に各層
に分離して、Bの質量を測定して目付を求めた。 (2)油吸着シートの厚み(t) 倍率が25〜50倍の拡大率をもつ顕微鏡で油吸着シー
トの断面写真を5箇所撮り平均厚み(t)(mm)を求
めた。 (3)油吸着シートの目付(M) 10cm×10cmの大きさに5枚切り出し、その質量
測定の平均値から求めた。
出しその質量(w1)(g)を測定した後、幅220m
m×奥行275mm×高さ45mmのステンレス製バッ
トに20〜30℃に保った1リットルの日清製油(株)
製、日清サラダ油(深さ約18mm)の上に静かに浮か
べて5分間放置した。その後直ちにサンプルを取り出
し、呼び寸法が16mmのステンレス製ふるいの上に5
分間放置し、再度質量(w2)(g)を測定した。(w
2−w1)/w1で単位質量当りの飽和吸油量(Os
w:g/g)を、(w2−w1)/(10×t)で単位
体積当りの飽和吸油量(Osv:g/cm3)を、(w
2−w1)×0.1で単位面積当たりの飽和吸油量(O
sa:kg/m2 )を求めた。油を吸着させる時間を5
分にしたのは、吸着させる時間を変化させて油の吸着量
を測定したところ全てのサンプルが約3分程度で飽和す
ることが分かったので余裕をみて5分とした。
した。 (6)吸油速度 吸油時間を1分とした他は飽和吸油量と同様に測定して
1分間の吸油量を求め、飽和吸油量に対する1分間の吸
油量の割合を求めた。
cm、幅約50cm、深さ約30cmの中央の槽にサラ
ダ油とオリーブオイルとラードと水が5:5:1:1の
混合物を200℃で約30分間熱して酸化させた油脂を
2.5kgを浮かべて、50cm×50cmに切り出し
た油吸着シートサンプルを油脂分の上にかぶせて2分間
放置させた後、油吸着シートを5寸釘を指した棒で引っ
かけて除去した。この時の観察結果を以下の基準に従い
判定した。 ・判定基準 記号 備考 1枚で油脂分が綺麗に除去できた(若干は残る)。 ◎ 吸油性能に優れる 1枚では油吸着シートを引き上げる際に油が多少 垂れて残る。 ○ 以上、合格レベル 1.5枚使えば油脂分が除去出来る。 △ 1.5枚使っても油脂分は取り除けない。 ×
に、油吸着シートが破れなかったものを「○」、破れた
ものを「×」とした。
装置に掛けて目付が95g/m2 になるように均一なウ
エブ(A1)を形成して、目付が30g/m2 の旭化成
社製ポリプロピレン・スパンボンド不織P03030
(B1)の上から重ねてニードルパンチ法で積層して巻
き取った。巻き取ったものを再度繰り出して、上記と同
様にして目付が95g/m2 A格品のポリプロピレン綿
(A1)を積層して巻き取りA1/B1/A1の3層構
成の油吸着シートを作成した(Run.No.1)。出
来た油吸着シートを上記方法に従って評価した。尚厚み
は2.7mm、目付は230g/m2 、M/tは85で
あった。
プロピレン系樹脂製綿(A)とポリプロピレン系樹脂製
不織布(B)からなるA/B/Aの3層構成で厚みが
2.5mm、目付が230g/m2 、M/tが92の油
吸着シートである従来の油吸着シート(Run.No.
2)、厚みが2.0mm、目付が200g/m2 の特殊
PP繊維不織布からなる市販の油吸着シート(Run.
No.3)、厚みが9.0mm、目付が250g/m2
の天然繊維製の市販の油吸着シート(Run.No.
4)について、実施例1と同様に評価した。
の油吸着シートの評価結果をまとめて表1に示す。以下
に、本発明の油吸着シートはグリース阻集器用油吸着シ
ートとして優れており、単に海難事故で流出した油やマ
シンオイル等を吸着させる為の油吸着シートで代用しう
るレベル以上の性能をもった油吸着シートであることを
説明する。実施例1、Run.No.1の油吸着シート
は、飽和吸油量及び吸油速度共に優れ且つ吸水も殆どな
く、実用評価においても吸油性能及び廃棄作業性に優れ
ており、グリース阻集器用油吸着シートとして優れてい
ることが分かる。
シート(Run.No.3)は本発明の油吸着シート
(Run.No.1)に比べて飽和吸油量が少なく、吸
油性能でも本発明のほうが優れていた。更に、天然繊維
製の市販の油吸着シート(Run.No.4)は、単位
質量当り及び単位面積当たりの飽和吸油量は優れていた
が、単位体積当りの吸油量は本発明のほうが優れてい
た。またこの油吸着シートは取扱中に綿が舞ったり、吸
油後シートを引き上げようとすると破れたりして強度は
実用には適さないレベルのものであった。
グリース阻集器用油吸着シートとして優れており、単に
海難事故で流出した油やマシンオイル等を吸着させる為
の油吸着シートで代用しうるレベル以上の性能をもった
油吸着シートであることが分かる。
A格品のポリプロピレン綿(A2)にし、またB1を繊
維径が約1デシテックスで目付が15g/m2 のポリプ
ロピレン・スパンボンド不織布(B2)に替えた他は実
施例1と同様な操作を繰り返した(Run.No.
5)。尚油吸着シートの厚み(t)は2.7mm、目付
(M)は235g/m2 で、M/tは87であった。ま
た同様にA1を目付が90g/m2 のA格品のポリプロ
ピレン綿(A3)にし、またB1を目付が40g/m2
の旭化成社製ポリプロピレン・スパンボンド不織布P0
3040(B3)に替えた他は実施例1と同様な操作を
繰り返した(Run.No.6)。尚油吸着シートの厚
み(t)は2.6mm、目付(M)は220g/m2
で、M/tは86であった。
A格品のポリプロピレン綿(A2)にし、またB1を繊
維径が約1デシテックスで目付が13g/m2 の旭化成
社製ポリプロピレン・スパンボンド不織布(B4)に替
えた他は実施例1と同様な操作を繰り返した(Run.
No.7)。尚油吸着シートの厚み(t)は2.8m
m、目付(M)は233g/m2 で、M/tは83であ
った。
格品のポリプロピレン綿(A3)にし、またB1を繊維
径が約1デシテックスで目付が42g/m2 のポリプロ
ピレン・スパンボンド不織布(B5)に替えた他は実施
例1と同様な操作を繰り返した(Run.No.8)。
尚油吸着シートの厚み(t)は2.6mm、目付(M)
は222g/m2 で、M/tは87であった。以上、シ
ートの厚み(t)は2.6〜2.8mm、目付(M)は
220〜235g/m2 で、M/tは83〜87の範囲
にあるRun.No.5〜Run.No.8の油吸着シ
ートの評価結果を表2にまとめて示す。
のポリプロピレン系樹脂製不織布層(B)の目付が15
〜40g/m2 である必要性について説明する。先ず、
Bの目付が15g/m2 の後述する実施例2、Run.
No.5の油吸着シートと同13g/m2 の比較例2、
Run.No.7の油吸着シートとを比較すると、Ru
n.No.5の油吸着シートは廃棄作業が容易に行えた
のに対し、Run.No.7の油吸着シートは釘穴から
破れて、手でつまみ上げなければならなかった。
不織布層(B)の目付が15g/m 2 以上であることが
従来の油吸着シートの強度、即ち廃棄作業性を維持する
上で必要なことが分かる。また、 Bの目付が40g/
m2 の実施例2、Run.No.6の油吸着シートと同
42g/m2 の比較例2、Run.No.8の油吸着シ
ートとを比較すると、飽和吸油量に差が見られなかった
が、吸油速度が前者は90%であるのに対して69%で
あり、吸油性能も本発明のほうが優れていた。以上のこ
とからBの目付は油吸着シートの吸油速度の点から40
g/m2 以下である必要性が分かる
格品のポリプロピレン綿(A3)にし、またB1を目付
が40g/m2 の旭化成社製ポリプロピレン・スパンボ
ンド不織布P03040(B3)に替え、ニードルパン
チの圧を弱める方向で調整して油吸着シートの厚み
(t)が2.9mm、目付(M)が220g/m2 で、
M/tが77にした他は実施例1と同様な操作を繰り返
した(Run.No.9)。また同様にA1を目付が1
00g/m2 のA格品のポリプロピレン綿(A4)に
し、またニードルパンチの圧を高める方向で調整して油
吸着シートの厚み(t)が2.6mm、目付(M)が2
30g/m2 で、M/tが90にした他は実施例1と同
様な操作を繰り返した(Run.No.10)。
格品のポリプロピレン綿(A3)にし、またニードルパ
ンチの圧を下げる方向で調整して油吸着シートの厚み
(t)が2.8mm、目付(M)が210g/m2 で、
M/tが76にした他は実施例1と同様な操作を繰り返
した(Run.No.11 )。また同様にA1を目付
が100g/m2 のA格品のポリプロピレン綿(A4)
にし、またB1を目付が40g/m2 の旭化成社製ポリ
プロピレン・スパンボンド不織布P03040(B3)
に替え、ニードルパンチの圧を高める方向で調整して油
吸着シートの厚み(t)が2.6mm、目付(M)が2
40g/m2 で、M/tは92にした他は実施例1と同
様な操作を繰り返した(Run.No.12)。
9mm、目付(M)は210〜240g/m2 の範囲に
あるRun.No.9〜Run.No.12の油吸着シ
ートの評価結果を表3にまとめて示す。以下に、表3を
用いて油吸着シート全体の厚み(t:mm)と油吸着シ
ート全体の目付(M:g/m2 )との比(M/t)が7
7〜90であることの必要性について説明する。
油吸着シートと、同76のRun.No.11の油吸着
シートとの飽和吸水量の比較において、Run.No.
9のシートはHsaが0.3kg/m2 と僅かに水を吸
着する程度であるのに対し、Run.No.11のシー
トではHsaが1.3kg/m2 と4倍以上の水を吸着
した。 Run.No.11の油吸着シートを阻集器中
の油脂分を吸着させたことろ、油吸着シートにまだらに
油脂分がついて本来油吸着シートがもっている吸油性能
を十分に発揮出来なかった。
とが、水を吸着せず且つ油吸着シートが本来持っている
吸油性能を発揮させる為には必要であることが分かる。
次にM/tが90のRun.No.10の油吸着シート
と、同92のRun.No.12の油吸着シートとの比
較において、飽和吸油量は殆ど差がなかったが、吸油速
度はRun.No.10の油吸着シートのほうがNo.
12の油吸着シートに比べて優れていた。以上のことか
ら、 M/tは90以下であることが吸油速度の点から
必要であることが分かる。
が80g/m2 のA格品のポリプロピレン綿(A5)
に、またB1を目付15g/ m2 のB2に替えた他は
実施例1と同様な操作を繰り返した(Run.No.1
3)。また同様に、A1を目付が160g/m2 のA格
品のポリプロピレン綿(A6)に、またB1を目付40
g/ m2 のB4に替えた他は実施例1と同様な操作を
繰り返した(Run.No.14)。
o.14の各シート評価結果を表4に示す。Run.N
o.13の油吸着シートは、飽和吸油量(Osa)が
3.5kg/m2 で、実用試験における吸油性能では阻
集器中の油脂分がぎりぎり吸着出来たレベルであった。
このとこから、本実施例に用いたポリプロピレン系樹脂
製綿及びポリプロピレン系樹脂製不織布を用いる場合に
は、油吸着シートの厚み(t)は2.0mm以上である
ことが好ましい。又同様にポリプロピレン系樹脂製
(A)の目付は80g/m2 以上であることが好まし
い。
Osaが5.8kg/m2 と優れていて実用評価でも吸
油性能に優れていたが、吸油速度が90%程度に留まっ
ており、更に油吸着シートの厚み(t)を厚くしても吸
油速度がは更に下がって、厚み(t)を増加させた割に
は吸油性能が向上しない傾向にあった。従って経済性の
面からは、油吸着シートの厚み(t)は3.5mm以下
であることが好ましい。また同様に、ポリプロピレン系
樹脂製綿の目付は160g/m2 以下であることが好ま
しい。以上のことから、ポリプロピレン系樹脂製綿の目
付は好ましくは80〜160g/m2 であり、油吸着シ
ートの厚み(t)は好ましくは2.0〜3.5mmであ
る。
装置に掛けて、目付が190g/m 2 になるように均一
なウエブ(A7)を形成し、目付が30g/m2 不織布
(B1)の上から重ねてニードルパンチ法で積層して巻
き取って油吸着シートを作成した(Run.No.1
5)。出来た油吸着シートを上記評価方法に従って評価
した。尚油吸着シートの厚み(t)は2.7mm、目付
(M)は220g/m2、M/tは81であった。
ポリプロピレン綿(A8)に、B1を上記B3(目付4
0g/m2 )に替え、若干ニードルパンチの圧を弱める
方向で調整して油吸着シートの厚み(t)が3.2m
m、目付(M)が240g/m 2、M/tが75になる
様にした他は実施例5と同様な操作を繰り返した(Ru
n.No.16)。
o.16の油吸着シートの評価結果を表5にまとめて示
す。因みに、Run.No.15及びRun.No.1
6の油吸着シートを顕微鏡で観察したところ、両者共に
3層に見え、各層の比率(g/m2 )は前者が130/
30/60であり、後者が140/40/40であっ
た。表5に示した吸油量及び吸水量の値は、目付の多い
A面が油又は水に接した場合(以下A面が下と記す)と
目付の少ないA面が油又は水に接した場合(以下B面が
下と記す)との平均値である。
合、Run.No.15ではA面が下では18.0g/
g、B面が下では17.5g/gと両面間の差は見られ
なかったが、Run.No.16では同順に17.0g
/g、12.5g/gと両面間に差が見られた。実用上
はどちらかの面を指定して下にして貰うことは容易では
ないので、両面間で差が無い方が良い。上記結果から
は、両面のポリプロピレン系樹脂製綿層の目付の差は
2.5倍以下であることが好ましい。
6g/gに留まったのに対して後者が5.3g/gと大
きな値になった。この違いは、M/tの値が前者が81
に対して後者が75と77よりも小さかったことによる
と考えられる。またM/tの値はニードルパンチの圧に
も影響を受けており、前者に比べ後者の方がニードルパ
ンチの圧が小さかった為に、Run.NO.14はRu
nNo.13に比べB層を突き抜けるポリプロピレン系
樹脂製綿の量が少なくて面差が出たものと推察される。
廃棄作業性は維持した上で吸油性能に優れるグリース阻
集器用油吸着シートを提供することができた。
Claims (1)
- 【請求項1】 少なくとも1層のポリプロピレン系樹脂
製綿層(A)と少なくとも1層のポリプロピレン系樹脂
製不織布層(B)が積層された油吸着シートにおいて、
Bの目付が15〜40g/m2 且つ積層された油吸着シ
ート全体の厚み(t:mm)と油吸着シート全体の目付
(M:g/m2 )との比(M/t)が77〜90である
ことを特徴とするグリース阻集器用油吸着シート。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP2001155238A JP4825364B2 (ja) | 2001-05-24 | 2001-05-24 | グリース阻集器用油吸着シート |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2002346380A true JP2002346380A (ja) | 2002-12-03 |
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ID=18999467
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- 2001-05-24 JP JP2001155238A patent/JP4825364B2/ja not_active Expired - Lifetime
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---|---|
JP4825364B2 (ja) | 2011-11-30 |
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