JP2022014986A - 束巻き電線、及び、束巻き電線の製造方法 - Google Patents

束巻き電線、及び、束巻き電線の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】電線を引き出す際の作業性を従来技術よりも向上させることができる束巻き電線、及び、この束巻き電線の製造方法を提供する。【解決手段】束巻き電線21は、電線束2と、電線束2を被覆するとともに電線束2の内周面7側から電線4を引き出し可能に形成された引き出し口28を有するフィルム22と、を備える。フィルム22は、上面23及び下面24の少なくとも一方に、フィルム22を切り取り可能に形成される径方向切り取り手段26と、周方向切り取り手段27と、を設ける。径方向切り取り手段26は、電線束2の中心軸を中心に電線束2の径方向に延在するように複数形成される。周方向切り取り手段27は、電線束2の中心軸から同心円状に少なくとも1つ形成される。【選択図】図4

Description

本発明は、電線を巻回してなる電線束の外面に包装を施した束巻き電線、及び、この束巻き電線の製造方法に関する。
従来より、電線を巻回してなる電線束の運搬時及び保管時における汚損等を防止するために、電線束を包装体(例えば、熱収縮性フィルム)にて被覆包装した束巻き電線が用いられている。このような束巻き電線としては、例えば、特許文献1や、特許文献2に開示されたものが知られている。
特許文献1の図2Bに図示する束巻き電線は、電線を円筒状に巻回してなる電線束Bと、この電線束Bの外面を被覆する熱収縮性プラスチックシートC(上記包装体に相当)と、を備えている。束巻き電線には、シート重なり部8が形成されている。シート重なり部8は、熱収縮性プラスチックシートCが電線束Bの外面に被覆された状態において、熱収縮性プラスチックシートCの一端と他端とが重なり合い熱融着にて一体化される部分である。
特許文献1では、例えば、電線束Bから電線を引き出す際、熱収縮性プラスチックシートCを切り開く必要がある。熱収縮性プラスチックシートCを切り開くには、電線束Bの内周面側からシート重なり部8を切り離し、電線束Bの外面を被覆する熱収縮性プラスチックシートCを除去する。
特許文献2の図1に図示する束巻き電線(特許文献2においては、「熱収縮性フィルム包装束巻電線」と呼ばれている)は、電線を円筒状に巻回してなる電線束11と、この電線束11を押え巻きする結束バンド12と、電線束11の内周面を除く外面を被覆して包装した熱収縮フィルム13と、を備えている。
特許文献2では、特許文献2の図1に図示するように、熱収縮フィルム13に切り取り線14が設けられている。この切り取り線14は、電線束11の穴部を連通する一方の開口端部から他方の開口端部まで設けられている。この切り取り線14は、電線束11に結束バンド12が巻き付けられている位置に合わせて設けられている。
特許文献2では、例えば、電線束11から電線を引き出す際、特許文献2の図3に図示すように、切り取り線14の上をなぞるようにカッター17の刃先を入れ、切り取り線14に沿って熱収縮フィルム13を切り開く。しかる後、特許文献2の図4に図示するように、結束バンド12を切断し、電線束11の内周側から電線を繰り出している。
特開平9-202372号公報 特開2004-217237号公報
ところで、特許文献1に開示された技術(以下、本明細書において、「従来技術1」と呼ぶ)では、熱収縮性プラスチックシートCを切り開く際、シート重なり部8をカッター等で切り離す必要があった。したがって、従来技術1では、カッター等にて電線束Bの電線を傷つけてしまう虞があるという問題点があった。
一方、特許文献2に開示された技術(以下、本明細書において、「従来技術2」と呼ぶ)では、切り取り線14は、電線束11に結束バンド12が巻き付けられている位置に合わせて設けられている。このため、切り取り線14にカッター17の刃先を入れ熱収縮フィルム13を切断してもカッター17の刃先が結束バンド11に接触し、カッター17の刃先と電線とが接触しないようになっている。したがって、従来技術2では、従来技術1に比べて、電線束11の電線を傷つけてしまう虞が低減されていると言える。
しかしながら、従来技術2では、熱収縮フィルム13を切断した後、結束バンド12を切断しなければ、電線束11の内周側から電線を引き出すことができなかった。したがって、従来技術2では、電線を引き出す際の作業性に影響を来す虞があるという問題点があった。
本発明は、上記した事情に鑑みてなされたもので、電線を引き出す際の作業性を従来技術よりも向上させることができる束巻き電線、及び、この束巻き電線の製造方法を提供することを課題とする。
(1)上記課題を解決するためになされた請求項1記載の本発明の束巻き電線は、電線を円筒状に巻回してなる電線束と、該電線束の外面を被覆するとともに該電線束の内周面側から前記電線を引き出し可能に形成された引き出し口を有する包装体と、を備え、該包装体の外面のうち前記電線束の軸方向における両端面を覆う外面の少なくとも一方に、前記包装体を切り取り可能に形成される径方向切り取り手段と、周方向切り取り手段と、を設け、前記径方向切り取り手段は、前記電線束の中心軸を中心に該電線束の径方向に延在するように複数形成され、前記周方向切り取り手段は、前記電線束の中心軸から同心円状に少なくとも1つ形成されることを特徴とする。
上記(1)のような特徴を有する本発明によれば、包装体の外面に径方向切り取り手段を複数設けるとともに、周方向切り取り手段を少なくとも1つ設けることにより、作業者は、手で包装体を径方向切り取り手段、周方向切り取り手段に沿って切り離すことができる。したがって、作業者は、カッター等を用いることなく包装体を剥がすことができ、電線を傷つけてしまう虞が無くなる。また、本発明によれば、電線束の内周面側から電線を引き出す際、径方向切り取り手段、周方向切り取り手段を手で切るか、又は、電線を引き出しながら径方向切り取り手段に沿って包装体が切れるため、包装体に引っ掛かることなく電線を引き出すことができる。
また、本発明によれば、作業者が手で包装体を径方向切り取り手段、周方向切り取り手段に沿って切り離すことができるため、引き出し口が包装体に覆われていたとしても、包装体を径方向切り取り手段、周方向切り取り手段に沿って切り離すことにより、電線を容易に引き出すことができる。
また、本発明によれば、径方向切り取り手段と、周方向切り取り手段とを、包装体の外面のうち電線束の軸方向における両端面を覆う外面の少なくとも一方に設け、包装体の外周面には設けないため、外周面が、径方向切り取り手段、周方向切り取り手段に沿って切られることはない。したがって、電線を引き出す際、径方向切り取り手段、周方向切り取り手段に沿って包装体を切っても外周面が切られないため、外周面にて電線束の形状(円筒状)を保持したまま、電線を引き出すことができる。
(2)請求項2記載の本発明の束巻き電線は、請求項1に記載の束巻き電線において、前記径方向切り取り手段と、前記周方向切り取り手段と、は、それぞれ、前記包装体の外面に破線状に切り込むように形成されるミシン目であることを特徴とする。
上記(2)のような特徴を有する本発明によれば、径方向切り取り手段、周方向切り取り手段として、包装体の外面にミシン目が形成されることから、作業者は、手でミシン目を破ることにより、包装体を容易に切り取ることができる。
(3)請求項3記載の本発明の束巻き電線は、請求項1又は2に記載の束巻き電線において、前記周方向切り取り手段は、当該束巻き電線の半径の中間部から当該束巻き電線の外縁までの位置に設けられることを特徴とする。
上記(3)のような特徴を有する本発明によれば、周方向切り取り手段を束巻き電線の半径の中間部から束巻き電線の外縁までの位置に設けることにより、引き出し口が、この中心軸が電線束の中心軸からずれた位置に形成された場合であっても、包装体を径方向切り取り手段、周方向切り取り手段に沿って切り離すことにより、電線を容易に引き出すことができる。
(4)請求項4記載の本発明の束巻き電線は、請求項1、2又は3に記載の束巻き電線において、前記包装体は、この外面が印字可能に形成されていることを特徴とする。
上記(4)のような特徴を有する本発明によれば、包装体の外面に印字し易くすることができる。
(5)上記課題を解決するためになされた請求項5記載の本発明の束巻き電線の製造方法は、電線を円筒状に巻回してなる電線束の外面を被覆する包装体を製造する包装体製造工程と、前記電線束の外面を前記包装体にて被覆するとともに前記電線束の内周面側から前記電線を引き出し可能な引き出し口を形成する包装体被覆工程と、を含み、前記包装体製造工程において、前記包装体の外面のうち、前記電線束の外面を前記包装体にて被覆したとき、前記電線束の軸方向における両端面を覆う外面の少なくとも一方に、前記包装体を切り取り可能で、且つ、前記電線束の中心軸を中心に該電線束の径方向に延在する径方向切り取り手段を複数設けるとともに、前記包装体を切り取り可能で、且つ、前記電線束の中心軸から同心円状に形成される周方向切り取り手段を少なくとも1つ設け、前記包装体被覆工程において、前記径方向切り取り手段と前記周方向切り取り手段とを設けた前記包装体の外面が前記電線束の軸方向における両端面の少なくとも一方を覆うように前記電線束の外面を前記包装体にて被覆することを特徴とする。
上記(5)のような特徴を有する本発明によれば、包装体の外面に径方向切り取り手段を複数設けるとともに、周方向切り取り手段を少なくとも1つ設けることにより、手で包装体を径方向切り取り手段、周方向切り取り手段に沿って切り離すことができるような束巻き電線を製造することができる。したがって、作業者は、カッター等を用いることなく包装体を剥がすことができ、電線を傷つけてしまう虞が無くなる。また、本発明によれば、電線束の内周面側から電線を引き出す際、径方向切り取り手段、周方向切り取り手段を手で切るか、又は、電線を引き出しながら径方向切り取り手段に沿って包装体が切れるような束巻き電線を製造することができるため、包装体に引っ掛かることなく電線を引き出すことができる。
また、本発明によれば、作業者が手で包装体を径方向切り取り手段、周方向切り取り手段に沿って切り離すことができるような束巻き電線を製造することができるため、引き出し口が包装体に覆われていたとしても、包装体を径方向切り取り手段、周方向切り取り手段に沿って切り離すことにより、電線を容易に引き出することができる。
また、本発明によれば、径方向切り取り手段と、周方向切り取り手段とを、包装体の外面のうち電線束の軸方向における両端面を覆う外面の少なくとも一方に設け、包装体の外周面には設けない束巻き電線を製造することができるため、外周面が、径方向切り取り手段、周方向切り取り手段に沿って切られることはない。したがって、電線を引き出す際、径方向切り取り手段、周方向切り取り手段に沿って包装体を切っても外周面が切られないため、外周面にて電線束の形状(円筒状)を保持したまま、電線を引き出すことができる。
本発明によれば、電線を引き出す際の作業性を従来技術よりも向上させることができるという効果を奏する。
本発明に係る束巻き電線の実施例1を示す斜視図である。 電線束の外面に被覆する前のフィルム(包装体)を示す平面図である。 束巻き電線から電線を引き出す作業を示す斜視図である。 本発明に係る束巻き電線の実施例2を示す斜視図である。 電線束の外面に被覆する前のフィルム(包装体)を示す平面図である。 束巻き電線における引き出し口がフィルム(包装体)に覆われている状態を示す斜視図である。 束巻き電線から電線を引き出す作業を示す斜視図である。
以下、図1-図3を参照しながら、本発明に係る束巻き電線の実施例1について、図4-図7を参照しながら、本発明に係る束巻き電線の実施例2について、それぞれ説明する。
図1は本発明に係る束巻き電線の実施例1を示す斜視図、図2は電線束の外面に被覆する前のフィルム(包装体)を示す平面図、図3は電線束から電線を引き出す作業を示す斜視図である。
なお、図中の矢印は、上下方向を示している(矢印の方向は一例であるものとする)。
図1において、引用符号1は、本発明に係る束巻き電線の実施例を示している。図1に図示する束巻き電線1は、円筒状(ドーナツ状)に形成され、電線束2と、この電線束2を被覆包装(包囲)するフィルム3と、を備えている。以下、束巻き電線1の各構成について説明する。
まず、電線束2について説明する。
図1に図示する電線束2は、電線4を円筒状(ドーナツ状)に巻回してなるものである。電線4は、特に図示しないが、導体と、導体の外周に被覆される絶縁被覆と、を備える絶縁線心である。
本実施例において、フィルム3にて被覆包装される対象として、電線束2を挙げているが、これに限らず、ケーブルを円筒状(ドーナツ状)に巻回してなるケーブル束であってもよいものとする。このように、フィルム3にて被覆包装される対象をケーブル束としたとき、本発明に係る束巻き電線を、「束巻きケーブル」と読み替えるものとする。
つぎに、フィルム3について説明する。
図1及び図2に図示するフィルム3は、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート等からなる、所謂、熱収縮性フィルム(シュリンクフィルム)である。フィルム3は、電線束2を被覆する前は帯状の形状を有し(図2参照)、電線束2を覆った後、加熱して熱収縮を起こさせることにより、電線束2を被覆包装(包囲)する部材である。
フィルム3は、図1に図示するように、電線束2の内周面7以外の外面(電線束2の上面5、下面6、及び、外周面8)を包囲している。図1及び図2に図示するフィルム3は、上面9と、下面10と、を有している。
図1において、フィルム3の外面のうち、引用符号11にて指示する面は、束巻き電線1の外周面であるものとする。また、図1において、引用符号13は、引き出し口であるものとする。引き出し口13は、電線束2から電線4をフィルム3の外部へと引き出し(繰り出し)可能に形成されている(図3参照)。
図1及び図2に図示するフィルム3は、この外面のうち、例えば、上面9と下面10とが印字可能に形成されている。具体的には、上面9と下面10とに印字可能な表面処理、表面加工が施されているものとする。図1-図3において、上記表面処理、表面加工が施された外面(図1-図3においては、上面9)は、ドット柄にて図示している(後に参照する図4-図7も同様であるものとする)。
上記表面処理、表面加工の具体例としては、コロナ処理(基材表面をコロナ放電照射により改質させる表面処理技術)や、エンボス構造の付加(エンボス加工)等が挙げられる(一例であるものとする)。上記表面処理、表面加工を施すことにより、フィルム3の外面(上面9、下面10)に印字し易くすることができる。
図1及び図2に図示する上面9と下面10とには、それぞれ、切り取り手段12が複数設けられている。本実施例では、切り取り手段12が、上面9と下面10とに、それぞれ6つ設けられている(数は一例であるものとする)。なお、切り取り手段12は、上面9と、下面10とのいずれか一方に設けるものであってもよいものとする。
図1及び図2に図示する切り取り手段12は、フィルム3を切り取り可能に形成されるミシン目である。より具体的には、切り取り手段12は、フィルム3の上面9と下面10とに、破線状に切り込むように形成されている。切り取り手段12は、作業者が手で刳り貫く(破る)ことが可能に形成されているものとする。
図1に図示するように、切り取り手段12は、束巻き電線1(電線束2)の中心軸を中心に束巻き電線1(電線束2)の径方向において、フィルム3の上面9と、下面10、それぞれの外縁14まで延在するように形成されている。切り取り手段12は、束巻き電線1(電線束2)の中心軸から放射状に延在し、束巻き電線1(電線束2)の周方向に等間隔に配置されている。
つぎに、束巻き電線1の製造作業(製造方法)について説明する。
図1に図示する束巻き電線1の製造作業(製造方法)は、フィルム製造工程と、フィルム被覆工程と、を含むものである。以下、各工程について説明する。
まず、フィルム製造工程について説明する。
フィルム製造工程では、電線束2をフィルム3にて被覆したときの上面9と下面10とに相当する外面に、切り取り手段12を複数設ける(図2参照)。
なお、フィルム製造工程では、フィルム3の上面9と下面10とに印字可能な表面処理、表面加工(例えば、コロナ処理や、エンボス構造の付加(エンボス加工)等)を施すものとする。
つぎに、フィルム被覆工程について説明する。
フィルム被覆工程では、電線束2の上面5、下面6、及び、外周面8をフィルム3にて被覆する。しかる後、フィルム3を加熱して熱収縮を起こさせることにより、電線束2をフィルム3にて被覆包装(包囲)する。このとき、引き出し口13を形成する(図1参照)。
電線束2のフィルム3による被覆にあたっては、切り取り手段12を設けたフィルム3の上面9が電線束2の上面5を覆うとともに、切り取り手段12を設けたフィルム3の下面10が電線束2の下面6を覆うものとする(図1参照)。以上により、束巻き電線1の製造作業が完了する。
つぎに、束巻き電線1から電線4を引き出す作業について説明する。
まず、図1において、例えば、電線束2の内周面7側から電線4を引き出す際、作業者は、切り取り手段12を引き出し口13側(電線束2の内周面7側)から切り取り手段12に沿って手で切り離していく。
しかる後、作業者は、電線束2の内周面7側のフィルム3の端部をめくり、電線4をフィルム3の外部へと引き出し(繰り出し)ていく(図3参照)。さらに引き出し口13を拡張したい場合は、作業者が切り取り手段12を手で切るか、又は、電線4を引き出しながら切り取り手段12に沿ってフィルム3が切れるようになっている。
本実施例によれば、フィルム3の上面9及び下面10に切り取り手段12を複数設けることにより、作業者は、手でフィルム3を切り取り手段12に沿って切り離すことができる。したがって、作業者は、カッター等を用いることなくフィルム3を剥がすことができ、電線4を傷つけてしまう虞が無くなる。
また、本実施例によれば、電線束2の内周面7側から電線4を引き出す際、切り取り手段12を手で切るか、又は、電線4を引き出しながら切り取り手段12に沿ってフィルム3が切れるため、フィルム3に引っ掛かることなく電線4を引き出すことができる。
また、本発明によれば、切り取り手段12をフィルム3の上面9及び下面10に設け、外周面11には設けないため、外周面11が切り取り手段12に沿って切られることはない。したがって、電線4を引き出す際、切り取り手段12に沿ってフィルム3を切っても外周面11が切られないため、外周面11にて電線束2の形状(円筒状)を保持したまま、電線4を引き出すことができる。
また、本実施例によれば、切り取り手段12として、フィルム3の上面9及び下面10にミシン目が形成されることから、作業者は、手でミシン目を破ることにより、フィルム3を容易に切り取ることができる。
つぎに、本実施例の効果について説明する。
以上、図1-図3を参照しながら説明してきたように、本実施例によれば、電線4を引き出す際の作業性を従来技術よりも向上させることができるという効果を奏する。
本発明に係る束巻き電線は、実施例1の他、下記の実施例2を用いてもよいものとする。以下、図4-図7を参照しながら、実施例2について説明する。
図4は本発明に係る束巻き電線の実施例2を示す斜視図、図5は電線束の外面に被覆する前のフィルム(包装体)を示す平面図、図6は束巻き電線における引き出し口がフィルム(包装体)に覆われている状態を示す斜視図、図7は束巻き電線から電線を引き出す作業を示す斜視図である。
なお、図中の矢印は、上下方向を示している(矢印の方向は一例であるものとする)。また、実施例1と同一の構成部材には同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
図4に図示する束巻き電線21は、フィルム22を備える点において実施例1と異なっている。フィルム22は、特許請求の範囲に記載される「包装体」に相当するものである。図4に図示するフィルム22は、実施例1におけるフィルム3(図1及び図2参照)に、後述する周方向切り取り手段27を付加したような構成を備えている。以下、フィルム22について説明する。
図4に図示するフィルム22は、上面23と、下面24と、を有している。上面23と、下面24とは、特許請求の範囲に記載される「包装体の外面のうち前記電線束の軸方向における両端面を覆う外面」に相当するものである。図4において、フィルム22の外面のうち、引用符号25にて指示する面は、束巻き電線21の外周面であるものとする。また、図4において、引用符号28は、引き出し口であるものとする。引き出し口28は、実施例1における引き出し口13(図1参照)に相当する部分である。
図4及び図5に図示する上面23と、下面24とには、それぞれ、径方向切り取り手段26と、周方向切り取り手段27と、が設けられている。本実施例では、径方向切り取り手段26が、上面23と、下面24とに、それぞれ6つ設けられている(数は一例であるものとする)。また、本実施例では、周方向切り取り手段27が、上面23と下面24とに、それぞれ1つ設けられている(数は一例であるものとする。2以上設けられていてもよいものとする)。なお、径方向切り取り手段26と、周方向切り取り手段27とは、上面23と下面24とのいずれか一方に設けるものであってもよいものとする。
図4及び図5に図示する径方向切り取り手段26と、周方向切り取り手段27とは、それぞれ、フィルム22を切り取り可能に形成されるミシン目である。より具体的には、径方向切り取り手段26と、周方向切り取り手段27とは、それぞれ、フィルム22の上面23と下面24とに、破線状に切り込むように形成されている。径方向切り取り手段26と、周方向切り取り手段27とは、それぞれ、作業者が手で刳り貫く(破る)ことが可能に形成されているものとする。
図4に図示するように、径方向切り取り手段26は、フィルム22の上面23と、下面24、それぞれにおいて、束巻き電線21(電線束2)の中心軸を中心に束巻き電線21(電線束2)の径方向において、フィルム22の上面23と、下面24、それぞれの外縁29まで延在するように形成されている。径方向切り取り手段26は、束巻き電線21(電線束2)の中心軸から放射状に延在し、束巻き電線21(電線束2)の周方向に等間隔に配置されている。
図4に図示するように、周方向切り取り手段27は、フィルム22の上面23と、下面24、それぞれにおいて、束巻き電線21(電線束2)の中心軸から同心円状に形成されている。周方向切り取り手段27は、図4における束巻き電線21の半径Rの中間部Yから、フィルム22の上面23と、下面24、それぞれの外縁29までの位置に設けられている。
図5に図示する周方向切り取り手段27は、フィルム22の上面23においては、フィルム22の幅方向の一端30から所定の間隔をあけて設けられるとともに、フィルム22の下面24においては、フィルム22の幅方向の他端31から所定の間隔をあけて設けられるものとする。
具体的には、図5において、フィルム22の幅方向の全体幅を「W1」、フィルム22の上面23におけるフィルム22の幅方向の一端30から周方向切り取り手段27までの幅を「W2」、フィルム22の下面24におけるフィルム22の幅方向の他端31から周方向切り取り手段27までの幅を「W3」としたとき、W2、W3は、それぞれ、W1の10%以上且つ25%以下であるものとする。本実施例においては、W2、W3は、それぞれ、W1の約15%であるものとする。
つぎに、束巻き電線21の製造作業(製造方法)について説明する。
図4に図示する束巻き電線21の製造作業(製造方法)は、実施例1における束巻き電線1(図1参照)の製造作業(製造方法)と同様、フィルム製造工程と、フィルム被覆工程と、を含むものである。以下、各工程について説明する。
まず、フィルム製造工程について説明する。
フィルム製造工程は、特許請求の範囲に記載される「包装体製造工程」に相当するものである。フィルム製造工程では、電線束2をフィルム22にて被覆したときの上面23と下面24とに相当する外面に、径方向切り取り手段26と、周方向切り取り手段27と、を設ける(図5参照)。
なお、フィルム製造工程では、実施例1におけるフィルム製造工程と同様、フィルム22の上面23と下面24とに印字可能な表面処理、表面加工(例えば、コロナ処理や、エンボス構造の付加(エンボス加工)等)を施すものとする。
つぎに、フィルム被覆工程について説明する。
フィルム被覆工程は、特許請求の範囲に記載される「包装体被覆工程」に相当するものである。フィルム被覆工程では、電線束2の上面5、下面6、及び、外周面8をフィルム22にて被覆する。しかる後、フィルム22を加熱して熱収縮を起こさせることにより、電線束2をフィルム22にて被覆包装(包囲)する。このとき、引き出し口28(図4参照)を形成する。
電線束2のフィルム22による被覆にあたっては、径方向切り取り手段26と、周方向切り取り手段27と、を設けたフィルム22の上面23が電線束2の上面5を覆うとともに、径方向切り取り手段26と、周方向切り取り手段27と、を設けたフィルム22の下面24が電線束2の下面6を覆うものとする(図4参照)。以上により、束巻き電線21の製造作業が完了する。
つぎに、束巻き電線21から電線4を引き出す作業について説明する。
まず、図4において、例えば、電線束2の内周面7側から電線4を引き出す際、作業者は、径方向切り取り手段26を引き出し口28側(電線束2の内周面7側)から径方向切り取り手段26に沿って手で切り離していく。
しかる後、作業者は、電線束2の内周面7側のフィルム22の端部をめくり、電線4をフィルム22の外部へと引き出し(繰り出し)ていく。束巻き電線21から電線4を引き出す作業については、実施例1と同様であるため、詳細な説明を省略する。
ここで、図6に図示するように、引き出し口28がフィルム22に覆われている場合における、束巻き電線21から電線4を引き出す作業について説明する。
束巻き電線21における引き出し口28は、通常、図4に図示するように、束巻き電線21の中心軸から同心円状に形成されている。したがって、この場合、束巻き電線21の中心と、引き出し口28の中心とは、平面視したとき、一致している。
一方、図6に図示するように、束巻き電線21における引き出し口28の中心X2が束巻き電線21の中心X1からずれてしまう場合があり得る。この場合、引き出し口28が、図6に図示するように、部分的に(又は、全体的に)フィルム22に覆われてしまうため、電線4を引き出し難くなることが懸念されると言える。
ここで、本実施例によれば、作業者が手でフィルム22を径方向切り取り手段26、周方向切り取り手段27に沿って切り離すことができる。このため、図6に図示するように、引き出し口28がフィルム22に覆われていたとしても、フィルム22の一部(図6においては、周方向切り取り手段27よりも内側の部分)を、図7に図示するように、径方向切り取り手段26と、周方向切り取り手段27と、に沿って切り離すことにより、電線4を容易に引き出すことができる。
また、本実施例によれば、径方向切り取り手段26と、周方向切り取り手段27とを、フィルム22の上面23及び下面24に設け、フィルム22の外周面25には設けないため、外周面25が、径方向切り取り手段26、周方向切り取り手段27に沿って切られることはない。したがって、電線4を引き出す際、径方向切り取り手段26、周方向切り取り手段27に沿ってフィルム22を切っても外周面25が切られないため、外周面25にて電線束2の形状(円筒状)を保持したまま、電線4を引き出すことができる。
つぎに、本実施例の効果について説明する。
以上、図4-図7を参照しながら説明してきたように、本実施例によれば、実施例1と同様の効果を奏する。
この他、本発明は本発明の主旨を変えない範囲で種々変更実施可能なことは勿論である。
1、21…束巻き電線、 2…電線束、 3、22…フィルム(包装体)、 4…電線、 5、9、23…上面、 6、10、24…下面、 7…内周面、 8、11、25…外周面、 12…切り取り手段、 13、28…引き出し口、 14、29…外縁、 26…径方向切り取り手段、 27…周方向切り取り手段、 30…一端、 31…他端、 R…半径、 X1…束巻き電線の中心、 X2…引き出し口の中心、 Y…中間部

Claims (5)

  1. 電線を円筒状に巻回してなる電線束と、
    該電線束の外面を被覆するとともに該電線束の内周面側から前記電線を引き出し可能に形成された引き出し口を有する包装体と、
    を備え、
    該包装体の外面のうち前記電線束の軸方向における両端面を覆う外面の少なくとも一方に、前記包装体を切り取り可能に形成される径方向切り取り手段と、周方向切り取り手段と、を設け、
    前記径方向切り取り手段は、前記電線束の中心軸を中心に該電線束の径方向に延在するように複数形成され、
    前記周方向切り取り手段は、前記電線束の中心軸から同心円状に少なくとも1つ形成される
    ことを特徴とする束巻き電線。
  2. 請求項1に記載の束巻き電線において、
    前記径方向切り取り手段と、前記周方向切り取り手段と、は、それぞれ、前記包装体の外面に破線状に切り込むように形成されるミシン目である
    ことを特徴とする束巻き電線。
  3. 請求項1又は2に記載の束巻き電線において、
    前記周方向切り取り手段は、当該束巻き電線の半径の中間部から当該束巻き電線の外縁までの位置に設けられる
    ことを特徴とする束巻き電線。
  4. 請求項1、2又は3に記載の束巻き電線において、
    前記包装体は、この外面が印字可能に形成されている
    ことを特徴とする束巻き電線。
  5. 電線を円筒状に巻回してなる電線束の外面を被覆する包装体を製造する包装体製造工程と、
    前記電線束の外面を前記包装体にて被覆するとともに前記電線束の内周面側から前記電線を引き出し可能な引き出し口を形成する包装体被覆工程と、
    を含み、
    前記包装体製造工程において、
    前記包装体の外面のうち、前記電線束の外面を前記包装体にて被覆したとき、前記電線束の軸方向における両端面を覆う外面の少なくとも一方に、前記包装体を切り取り可能で、且つ、前記電線束の中心軸を中心に該電線束の径方向に延在する径方向切り取り手段を複数設けるとともに、前記包装体を切り取り可能で、且つ、前記電線束の中心軸から同心円状に形成される周方向切り取り手段を少なくとも1つ設け、
    前記包装体被覆工程において、
    前記径方向切り取り手段と前記周方向切り取り手段とを設けた前記包装体の外面が前記電線束の軸方向における両端面の少なくとも一方を覆うように前記電線束の外面を前記包装体にて被覆する
    ことを特徴とする束巻き電線の製造方法。

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