JP2022014654A - 毛髪化粧料 - Google Patents

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祥子 西垣
Sachiko Nishigaki
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Abstract

【課題】本発明は、毛髪の滑らかさ、指通り、しっとり感に優れ、かつ、柔らかさ、毛先のまとまりにも優れる毛髪化粧料を提供することを課題とする。【解決手段】本発明の毛髪化粧料は、アルキル基の炭素数が8である炭酸ジアルキル(A)1~90質量%と、25℃で液状の不揮発性油(B)10~99質量%とを含み、前記25℃で液状の不揮発性油(B)が、シリコーンオイル(B1)を含む場合には、シリコーンオイル(B1)を、0.5~20質量%含む。【選択図】なし

Description

本発明は、毛髪化粧料に関する。
家庭における毛髪ケアとしては、シャンプー、コンディショナー、洗い流さないアウトバストリートメントを行うことが一般的である。これらの中でも、アウトバストリートメントは、洗髪後のドライヤー乾燥前や乾燥後に用いられており、剤形としてはヘアミスト、ヘアミルク、ヘアオイルなどがある。
ヘアオイルは、毛髪に油分を補い、光沢、滑らかさを付与する目的で用いられており、従来から、ツバキ油、オリーブ油等の植物油、流動パラフィン等の鉱物油、高級脂肪酸等が配合されてきた。近年では、上記の非水系の成分に、さらにシリコーンオイルを配合することで、指通りやしっとり感を付与するヘアオイルも開発されている。
しかし、ヘアオイルは、毛髪に光沢、滑らかさ、指通り、しっとり感を付与するものの、毛髪を柔らかくする効果においては、満足な品質ではなかった。
そのため、ヘアオイルのような非水系の剤で毛髪を柔らかくする効果を付与する検討が進められてきた。例えば、特許文献1では、毛髪の柔軟性を付与することを目的に、カチオン界面活性剤、揮発性シリコーン、および液状アルコールを含有させた非水系毛髪処理剤が提案されている。特許文献2では、シリコーンオイルのビルドアップ(毛髪表面への蓄積性)の問題に鑑み、非シリコーン化合物を用いて、シリコーン化合物と同様の感触、つや向上を目的に、特定のポリエステルを配合した毛髪化粧料が提案されている。
特開2005-206505号公報 特開2014-009259号公報
しかし、特許文献1の技術では、毛髪の柔軟性は付与されるものの、指通り、しっとり感、毛先のまとまりは満足な品質ではなかった。また、特許文献1に係る発明の非水系毛髪処理剤は、液状アルコールが配合されているため、毛髪のカラーを退色させてしまう問題があった。
特許文献2の技術では、毛髪の指通り、しっとり感は付与されるものの、柔軟性、滑らかさが充分ではなかった。また、硬さやべたつきがあり、満足な品質ではなかった。
このようなことから、本発明は、毛髪の滑らかさ、指通り、しっとり感に優れ、かつ、柔らかさ、毛先のまとまりにも優れる毛髪化粧料を提供することを課題とする。
本発明者は上記課題を解決すべく鋭意検討した。その結果、以下の構成を有する毛髪化粧料は上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明は、例えば、以下の[1]~[7]である。
[1]アルキル基の炭素数が8である炭酸ジアルキル(A)1~90質量%と、25℃で液状の不揮発性油(B)10~99質量%とを含み、前記25℃で液状の不揮発性油(B)が、シリコーンオイル(B1)を含む場合には、シリコーンオイル(B1)を、0.5~20質量%含む、毛髪化粧料。
[2]25℃で液状の揮発性油(C)5~70質量%をさらに含む、[1]に記載の毛髪化粧料。
[3]ダイマージリノール酸エステル(D)0.5~20質量%をさらに含む、[1]または[2]に記載の毛髪化粧料。
[4]前記アルキル基の炭素数が8である炭酸ジアルキル(A)が、炭酸ジカプリリルおよび炭酸ジエチルへキシルから選択される少なくとも1種である、[1]~[3]のいずれかに記載の毛髪化粧料。
[5]前記25℃で液状の不揮発性油(B)が、トリ(カプリル酸/カプリン酸)グリセリル、イソノナン酸エチルへキシル、イソノナン酸イソノニル、イソステアリン酸イソステアリル、エチルヘキサン酸アルキル(C14-18)、コハク酸ジエチルへキシル、植物性スクワラン、マカダミアナッツ油、アーモンド油、コメヌカ油、オリーブ油、ゴマ油、ユチャ油、アンズ核油、ホホバ種子油、および軽質流動イソパラフィンから選択される少なくとも1種を含む、[1]~[4]のいずれかに記載の毛髪化粧料。
[6]前記シリコーンオイル(B1)が、メチルポリシロキサン、高重合メチルポリシロキサン、ジメチコノール、およびアミノ変性シリコーンから選択される少なくとも1種である、[1]~[5]のいずれかに記載の毛髪化粧料。
[7]洗い流さないトリートメントである、[1]~[6]のいずれかに記載の毛髪化粧料。
本発明によれば、毛髪の滑らかさ、指通り、しっとり感に優れ、かつ、柔らかさ、毛先のまとまりにも優れる毛髪化粧料を提供することができる。
次に本発明の毛髪化粧料について具体的に説明する。
<毛髪化粧料>
本発明の毛髪化粧料は、アルキル基の炭素数が8である炭酸ジアルキル(A)1~90質量%と、25℃で液状の不揮発性油(B)10~99質量%とを含み、前記25℃で液状の不揮発性油(B)が、シリコーンオイル(B1)を含む場合には、シリコーンオイル(B1)を、0.5~20質量%含む。
本発明の毛髪化粧料は、洗い流さないトリートメントであることが好ましく、ヘアオイルであることがより好ましい。
なお、本発明における各成分の含有量は、毛髪化粧料を100質量%とした場合の含有量を示している。
<アルキル基の炭素数が8である炭酸ジアルキル(A)>
本発明の毛髪化粧料は、アルキル基の炭素数が8である炭酸ジアルキル(A)を、成分(A)とも記す。
本発明の毛髪化粧料は、アルキル基の炭素数が8である炭酸ジアルキル(A)を1~90質量%、好ましくは3~50質量%、より好ましくは5~30質量%含む。
成分(A)が前記範囲内にあると、滑らかさと、柔らかさとを両立させることができる。また、成分(A)が前記範囲内にあると、しっとり感、毛髪化粧料の均一塗布性、および毛髪へのなじみに優れ、べたつきを抑えることができる。
成分(A)が前記下限量より少ないと、滑らかさおよび柔らかさの持続性が悪くなってしまう。また、成分(A)が前記上限量より多いと、滑らかさおよび柔らかさの持続性には優れるが、毛髪が濡れたような質感になり、好ましくない。
成分(A)としては、例えば、炭酸ジカプリリル、炭酸ジエチルへキシルが挙げられる。成分(A)が炭酸ジカプリリルおよび炭酸ジエチルへキシルから選択される少なくとも1種であることが好ましく、仕上がりの柔らかさに優れることから、炭酸ジカプリリルがより好ましい。
成分(A)は炭酸ジアルキルの炭素数が8であるため、毛髪に柔らかさと滑らかさを付与することができる。炭酸ジアルキルの炭素数が8より大きい炭酸ジアルキルでは、毛髪の柔らかさと滑らかさが悪くなる。
成分(A)は、1種単独で用いても、2種以上組み合わせて用いてもよい。
<25℃で液状の不揮発性油(B)>
本発明の毛髪化粧料は、25℃で液状の不揮発性油(B)を、成分(B)とも記す。
本発明の毛髪化粧料は、25℃で液状の不揮発性油(B)を10~99質量%、好ましくは15~80質量%、より好ましくは20~60質量%含む。
前記25℃で液状の不揮発性油(B)が、シリコーンオイル(B1)を含む場合には、毛髪化粧料を100質量%とした場合、シリコーンオイル(B1)を、0.5~20質量%、好ましくは1~15質量%、より好ましくは2~10質量%含む。
成分(B)が前記範囲内にあると、滑らかさおよびしっとり感と、柔らかさおよび毛先のまとまりとを両立させることができる。
成分(B)がシリコーンオイル(B1)を含む場合には、シリコーンオイル(B1)が前記下限量より少ないと、しっとり感、毛先のまとまりを付与することができない。また、シリコーンオイル(B1)が前記上限量より多いと、柔らかさおよび滑らかさの持続性が悪くなってしまう。
成分(B)としては、例えば、炭化水素、動植物油、ロウ類、高級アルコール、高級脂肪酸、脂肪酸エステル類、シリコーンオイル(B1)等が挙げられる。
具体的に、炭化水素としては、α-オレフィンオリゴマー、軽質流動イソパラフィン、合成スクワラン、植物性スクワラン、スクワラン、ポリブテン、流動イソパラフィン、流動パラフィン;
動植物油としては、オリーブ油、ツバキ油、ユチャ油、サザンカ油、サフラワー油、ヒマワリ油、大豆油、綿実油、ゴマ油、トウモロコシ油、落花生油、ナタネ油、コメヌカ油、コメ胚芽油、小麦胚芽油、ハトムギ油、ブドウ種子油、アーモンド油、アボカド油、アンズ核油、カロット油、マカダミアナッツ油、ヒマシ油、アマニ油、ヤシ油、ローズヒップ油、アルガン油、ミンク油、オレンジラフィー油、卵黄油;
ロウ類としては、融点が60℃未満のものが好ましく、ホホバ種子油(融点6.8~7.0℃);
高級アルコールとしては、イソステアリルアルコール、2-オクチルドデカノール、デシルテトラデカノール、オレイルアルコール、2-ヘキシルデカノール、リノレイルアルコール、リノレニルアルコール;
高級脂肪酸としては、イソステアリン酸、オレイン酸、リノール酸;
脂肪酸エステル類としては、アジピン酸ジイソプロピル、アジピン酸ジイソブチル、アジピン酸ジエチルへキシル、アジピン酸ジ-2-ヘキシルデシル、アジピン酸ジイソステアリル、ミリスチン酸イソステアリル、ミリスチン酸イソトリデシル、ミリスチン酸イソプロピル、ミリスチン酸オクチルドデシル、オクタン酸セチル、イソノナン酸イソノニル、イソノナン酸イソデシル、イソノナン酸イソトリデシル、イソノナン酸エチルへキシル、エチルヘキサン酸アルキル(C14-18)、セバシン酸ジイソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、パルミチン酸エチルへキシル、ラウリン酸ヘキシル、オレイン酸デシル、オレイン酸オレイル、コハク酸ジエチルへキシル、コハク酸ジエトキシエチル、ジメチルオクタン酸ヘキシルデシル、安息香酸アルキル(C12-15)、乳酸ラウリル、乳酸オクチルドデシル、ステアリン酸イソセチル、イソステアリン酸イソステアリル、イソステアリン酸イソセチル、ジオクタン酸エチレングリコール、ジペンタエリスリトール脂肪酸エステル、カプリル酸セチル、トリカプリル酸グリセリル、トリ(カプリル酸/カプリン酸)グリセリル、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、リンゴ酸ジイソステアリル;
シリコーンオイル(B1)としては、メチルポリシロキサン、高重合メチルポリシロキサン、ジメチコノール、メチルフェニルポリシロキサン、メチルシクロポリシロキサン、ポリエーテル変性シリコーン、アミノ変性シリコーン、ベタイン変性シリコーン、アルキル変性シリコーン、アルコキシ変性シリコーンが挙げられる。
これらの中でも、成分(B)が、トリ(カプリル酸/カプリン酸)グリセリル、イソノナン酸エチルへキシル、イソノナン酸イソノニル、イソステアリン酸イソステアリル、エチルヘキサン酸アルキル(C14-18)、コハク酸ジエチルへキシル、植物性スクワラン、マカダミアナッツ油、アーモンド油、コメヌカ油、オリーブ油、ゴマ油、ユチャ油、アンズ核油、ホホバ種子油、および軽質流動イソパラフィンから選択される少なくとも1種を含むことが好ましく、トリ(カプリル酸/カプリン酸)グリセリル、植物性スクワラン、マカダミアナッツ油、およびアーモンド油から選択される少なくとも1種を含むことがより好ましい。
成分(B)が、シリコーンオイル(B1)を含む場合には、シリコーンオイル(B1)が、メチルポリシロキサン、高重合メチルポリシロキサン、ジメチコノール、およびアミノ変性シリコーンから選択される少なくとも1種であることが好ましい。
しっとり感および毛先のまとまりの持続性に優れる態様では、成分(B)が、植物性スクワラン、アーモンド油、マカダミアナッツ油、オリーブ油、ゴマ油、コメヌカ油、ユチャ油、アンズ核油、およびホホバ種子油から選択される少なくとも1種であることが好ましく、さらに仕上がりの滑らかさにも優れることから植物性スクワラン、アーモンド油、およびマカダミアナッツ油から選択される少なくとも1種であることがより好ましい。
仕上がりのしっとり感に優れる態様では、成分(B)が、トリ(カプリル酸/カプリン酸)グリセリル、イソノナン酸エチルへキシル、イソノナン酸イソノニル、イソステアリン酸イソステアリル、エチルヘキサン酸アルキル(C14-18)、およびコハク酸ジエチルへキシルから選択される少なくとも1種であることが好ましく、さらに柔らかさの持続性にも優れることからトリ(カプリル酸/カプリン酸)グリセリルであることがより好ましい。
仕上がりの指通りに優れる態様では、成分(B)が、メチルポリシロキサン、高重合メチルポリシロキサン、ジメチコノール、およびアミノ変性シリコーンから選択される少なくとも1種であることが好ましい。
成分(B)は、1種単独で用いても、2種以上組み合わせて用いてもよい。
成分(B)が、シリコーンオイル(B1)を含む場合には、軽質流動イソパラフィンとともに用いることが好ましい。例えば、成分(B)としてシリコーンオイル(B1)を0.5~20質量%含む場合には、軽質流動イソパラフィンを50~69.5質量%含むことが好ましい。
<25℃で液状の揮発性油(C)>
本発明の毛髪化粧料は、25℃で液状の揮発性油(C)を、成分(C)とも記す。
本発明の毛髪化粧料は、25℃で液状の揮発性油(C)を好ましくは5~70質量%、より好ましくは10~60質量%、最も好ましくは20~50質量%含む。
成分(C)が前記範囲内にあると、剤の伸びに優れ、毛先から根元まで均一に塗布しやすいため好ましい。また、仕上がりの質感が重くならないため好ましい。
成分(C)としては、例えば、25℃で揮発性の炭化水素、鎖状シリコーン、環状シリコーンが挙げられる。具体的に、25℃で揮発性の炭化水素としては、ドデカン、イソドデカン、軽質イソパラフィン等の炭素数6~16の炭化水素;鎖状シリコーンとしては、オクタメチルトリシロキサン、デカメチルテトラシロキサン、ヘキサメチルジシロキサン、沸点260℃以下のメチルポリシロキサン、ドデカメチルペンタシロキサン等の鎖状ジメチルポリシロキサン;環状シリコーンとしては、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン等の環状ジメチルポリシロキサンが挙げられる。
これらの中でも、仕上がりの質感に優れることから、成分(C)が、ドデカン、イソドデカン、デカメチルシクロペンタシロキサン、および沸点260℃以下のメチルポリシロキサンから選択される少なくとも1種であることが好ましく、イソドデカンであることがより好ましい。
25℃で液状の揮発性油(C)は、1種単独で用いても、2種以上組み合わせて用いてもよい。
<ダイマージリノール酸エステル(D)>
本発明の毛髪化粧料は、ダイマージリノール酸エステル(D)を好ましくは0.5~20質量%、より好ましくは1~15質量%、最も好ましくは2~10質量%を含む。
ダイマージリノール酸エステル(D)が前記範囲内にあると、指通りに優れるため好ましい。
ダイマージリノール酸エステル(D)としては、例えば、ダイマージリノール酸とアルコール、アルコール混合物、またはダイマージオールとのエステルが挙げられる。具体的には、ダイマージリノール酸ダイマージリノレイル、ダイマージリノール酸ジ(イソステアリル/フィトステリル)が挙げられる。
これらの中でも、乾燥時の柔らかさと滑らかさに優れることから、ダイマージリノール酸エステル(D)がダイマージリノール酸ダイマージリノレイルであることがより好ましい。
ダイマージリノール酸エステル(D)は、1種単独で用いても、2種以上組み合わせて用いてもよい。
<その他成分>
本発明の毛髪化粧料は、本発明の効果を損なわない範囲で、上記成分以外に、保湿剤、生薬類、pH調整剤、キレート剤、防腐剤、酸化防止剤、清涼剤、ビタミン類、タンパク質、香料、抗菌剤、および色素等の添加剤を含有することができる。
本発明の毛髪化粧料は、例えば、酸化防止剤として、トコフェロールを用いることができる。
本発明の毛髪化粧料は、水を実質的に含まないことが好ましい。水を実質的に含まないとは、各成分の不純物として存在する水や、本発明の毛髪化粧料を製造する際に大気中から混入する水については、毛髪化粧料に含まれていてもよいが、通常水を意図的に添加しないことを意味する。水を実質的に含まないとは、具体的には、本発明の毛髪化粧料中の水の含有量が、通常は0~2質量%、好ましくは、0~0.5質量%、より好ましくは、0~0.1質量%であることを意味する。
<毛髪化粧料の製造等>
本発明の毛髪化粧料は、上述した各成分を上述の量で使用する以外は、例えば公知の方法で、撹拌、混合、加熱、溶解、分散等することによって製造することができ、製造方法は特に限定されない。製造方法としては各成分を均一に混合するために、加熱条件下で行ってもよい。加熱条件下で製造する場合の温度としては、例えば75~85℃が挙げられる。
本発明の毛髪化粧料は、上述した各成分を上述の配合量で混合することにより製造することが可能であり、製造直後に使用すること、一定期間経過後に使用することもできる。
本発明の毛髪化粧料の状態としては、液状であることが好ましく、ヘアオイルであることが好ましい。
本発明の毛髪化粧料は、噴射剤とともに用いることによりスプレー用組成物として用いることもできる。
本発明の毛髪化粧料の外観としては、透明な外観であることが好ましい。
本発明の毛髪化粧料は、毛髪に塗布して使用することができる。
本発明の毛髪化粧料は、整髪料、トリートメントとして使用することができる。本発明の毛髪化粧料は、洗い流さないトリートメントであることが好ましい。
次に本発明について実施例を示してさらに詳細に説明するが、本発明はこれらによって限定されるものではない。
〔実施例1~58、比較例1~4〕
実施例、および比較例では、表1に記載の市販品を使用した。
Figure 2022014654000001
表3~9の処方の数値は、毛髪化粧料を100質量%とした場合の、各成分の質量%を表しており、純分換算した値を示す。
表3~9に示す処方で各成分を混合することにより毛髪化粧料を製造し、試料として以下の方法で評価した。
〔評価方法〕
専門パネラー(美容師)10名が1人ずつ、(1)~(16)の各項目に記載した評価基準に従って官能評価を行った。(1)では、試料の物性について評価を行い、(2)~(16)では、あらかじめ一般人の毛髪の痛みを再現するために以下のダメージ処理をした毛束を用いて評価を行った。
(ダメージ処理)
毛束(約30cm、10gの人毛)(製品名BS-B3A、ビューラックス社製)を、表2に記載の配合割合で調製したダメージ処理用水溶液に60℃で、10分間浸漬して、ダメージを与えた。その後ダメージ処理用水溶液から毛束を取り出して水洗し、乾燥させた。
Figure 2022014654000002
ダメージ処理した毛束をシェルパデザインサプリD-1シャンプー、およびトリートメント(株式会社アリミノ製)各1gで処理し、水洗した。軽く水気を切った後、タオルドライを行った。
タオルドライを行った後、毛束に試料0.2gを塗布して(2)の評価を行った。その後、ドライヤーで乾燥させる際に(5)および(6)の評価を行った。ドライヤーで乾燥させた後(7)~(16)の評価を行った。
上記のタオルドライを行い、ドライヤーで乾燥させた後、毛束に試料0.2gを塗布して(3)および(4)の評価を行った。
各項目につき10名の評価点の平均を算出し、以下のとおり評価した。
◎:10人の専門パネラー(美容師)の評価点の平均が3.5点以上である。
○:10人の専門パネラー(美容師)の評価点の平均が2.5点以上3.5点未満である。
△:10人の専門パネラー(美容師)の評価点の平均が1.5点以上2.5点未満である。
×:10人の専門パネラー(美容師)の評価点の平均が1.5点未満である。
〔評価項目および評価基準〕
(1)剤の伸び
試料0.2gを手のひらにとり、手のひらに広げる際の伸びやすさを触感で評価した。
4点:非常に伸びが良い
3点:伸びが良い
2点:やや伸びが悪い
1点:非常に伸びが悪く広がりにくい
(2)タオルドライ後の塗布時の均一塗布性
タオルドライ後の毛束に試料を塗布する際、毛先から根元まで均一に塗布しやすいかどうかを触感で評価した。
4点:非常に均一に塗布しやすい
3点:均一に塗布しやすい
2点:やや均一に塗布しにくい
1点:非常に均一に塗布しにくい
(3)乾燥後の塗布時の均一塗布性
乾燥後の毛束に試料を塗布する際、毛先から根元まで均一に塗布しやすいかどうかを触感で評価した。
4点:非常に均一に塗布しやすい
3点:均一に塗布しやすい
2点:やや均一に塗布しにくい
1点:非常に均一に塗布しにくい
(4)乾燥後の塗布時のべたつきの無さ
乾燥後の毛束に試料を塗布した後、毛髪の表面にべたつきがあるかを触感で評価した。
4点:全くべたつきがない
3点:べたつきがない
2点:ややべたつく
1点:非常にべたつく
(5)乾燥時の指通り
タオルドライ後の毛束に試料を塗布した後、ドライヤーで乾燥させているときの指通りを触感で評価した。
4点:非常に指通りが良い
3点:指通りが良い
2点:やや指通りが悪い
1点:非常に指通りが悪い
(6)乾燥時の柔らかさと滑らかさ
タオルドライ後の毛束に試料を塗布した後、ドライヤーで乾燥させているときの柔らかさと滑らかさを触感で評価した。
4点:非常に柔らかさと滑らかさを感じる
3点:柔らかさと滑らかさを感じる
2点:やや硬さとざらつきを感じる
1点:硬さとざらつきを感じる
(7)仕上がりの柔らかさ
タオルドライ後の毛束に試料を塗布し、ドライヤーで乾燥させた後の柔らかさを触感で評価した。
4点:非常に柔らかい
3点:柔らかい
2点:やや硬い
1点:非常に硬い
(8)仕上がりの滑らかさ
タオルドライ後の毛束に試料を塗布し、ドライヤーで乾燥させた後の滑らかさを触感で評価した。
4点:非常に滑らかである
3点:滑らかである
2点:ややざらつきがある
1点:非常にざらつきがある
(9)仕上がりの指通り
タオルドライ後の毛束に試料を塗布し、ドライヤーで乾燥させた後の指通りを触感で評価した。
4点:非常に指通りが良い
3点:指通りが良い
2点:やや指通りが悪い
1点:非常に指通りが悪い
(10)仕上がりのしっとり感
タオルドライ後の毛束に試料を塗布し、ドライヤーで乾燥させた後のしっとり感を触感で評価した。
4点:非常にしっとり感がある
3点:しっとり感がある
2点:あまりしっとり感がない
1点:全くしっとり感がない
(11)仕上がりの毛先のまとまり
タオルドライ後の毛束に試料を塗布し、ドライヤーで乾燥させた後の毛先のまとまりを触感と目視で評価した。
4点:非常にまとまりが良い
3点:まとまりが良い
2点:まとまりが弱い
1点:全くまとまらない
(12)柔らかさの持続性
タオルドライ後の毛束に試料を塗布し、ドライヤーで乾燥させた後、25℃、湿度50%の状態で5時間放置した。放置後の毛束の柔らかさを触感で評価した。
4点:非常に柔らかく感じる。
3点:柔らかく感じる。
2点:硬く感じる。
1点:非常に硬く感じる。
(13)滑らかさの持続性
タオルドライ後の毛束に試料を塗布し、ドライヤーで乾燥させた後、25℃、湿度50%の状態で5時間放置した。放置後の毛束の滑らかさを触感で評価した。
4点:非常に滑らかである
3点:滑らかである
2点:ややざらつきがある
1点:非常にざらつきがある
(14)指通りの持続性
タオルドライ後の毛束に試料を塗布し、ドライヤーで乾燥させた後、25℃、湿度50%の状態で5時間放置した。放置後の毛束の指通りを触感で評価した。
4点:非常に指通りが良い
3点:指通りが良い
2点:やや指通りが悪い
1点:非常に指通りが悪い
(15)しっとり感の持続性
タオルドライ後の毛束に試料を塗布し、ドライヤーで乾燥させた後、25℃、湿度50%の状態で5時間放置した。放置後の毛束のしっとり感を触感で評価した。
4点:非常にしっとり感がある
3点:しっとり感がある
2点:あまりしっとり感がない
1点:全くしっとり感がない
(16)毛先のまとまりの持続性
タオルドライ後の毛束に試料を塗布し、ドライヤーで乾燥させた後、25℃、湿度50%の状態で5時間放置した。放置後の毛束の毛先のまとまりを触感と目視で評価した。
4点:非常にまとまりが良い
3点:まとまりが良い
2点:まとまりが弱い
1点:全くまとまらない
Figure 2022014654000003
Figure 2022014654000004
Figure 2022014654000005
Figure 2022014654000006
Figure 2022014654000007
Figure 2022014654000008
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実施例1~58で製造した毛髪化粧料は、(1)~(16)の評価項目において良好な結果となった。実施例54および55は、特に良好な結果となった。
本発明の毛髪化粧料は、毛髪の滑らかさ、指通り、しっとり感に優れ、かつ、柔らかさ、毛先のまとまりにも優れる毛髪化粧料であることがわかる。
比較例1で製造した毛髪化粧料は、アルキル基の炭素数が8である炭酸ジアルキル(A)が配合されていないため、柔らかさおよび滑らかさの持続性が得られなかった。また、べたつきがあり、均一塗布性も悪かった。
比較例2で製造した毛髪化粧料は、25℃で液状の不揮発性油(B)が配合されていないため、仕上がりのしっとり感および毛先のまとまりが悪かった。また、しっとり感および毛先のまとまりの持続性も悪かった。
比較例3で製造した毛髪化粧料は、25℃で液状の不揮発性油(B)が配合されていないため、仕上がりのしっとり感および毛先のまとまりが悪かった。また、しっとり感および毛先のまとまりの持続性も悪かった。
比較例4で製造した毛髪化粧料は、アルキル基の炭素数が8である炭酸ジアルキル(A)が配合されておらず、代わりにアルキル基の炭素数が8ではない炭酸ジアルキル(C14、15)が配合されていたため、柔らかさおよび滑らかさの持続性が悪かった。また、べたつきがあり、均一塗布性も悪かった。

Claims (7)

  1. アルキル基の炭素数が8である炭酸ジアルキル(A)1~90質量%と、25℃で液状の不揮発性油(B)10~99質量%とを含み、
    前記25℃で液状の不揮発性油(B)が、シリコーンオイル(B1)を含む場合には、シリコーンオイル(B1)を、0.5~20質量%含む、毛髪化粧料。
  2. 25℃で液状の揮発性油(C)5~70質量%をさらに含む、請求項1に記載の毛髪化粧料。
  3. ダイマージリノール酸エステル(D)0.5~20質量%をさらに含む、請求項1または2に記載の毛髪化粧料。
  4. 前記アルキル基の炭素数が8である炭酸ジアルキル(A)が、炭酸ジカプリリルおよび炭酸ジエチルへキシルから選択される少なくとも1種である、請求項1~3のいずれか一項に記載の毛髪化粧料。
  5. 前記25℃で液状の不揮発性油(B)が、トリ(カプリル酸/カプリン酸)グリセリル、イソノナン酸エチルへキシル、イソノナン酸イソノニル、イソステアリン酸イソステアリル、エチルヘキサン酸アルキル(C14-18)、コハク酸ジエチルへキシル、植物性スクワラン、マカダミアナッツ油、アーモンド油、コメヌカ油、オリーブ油、ゴマ油、ユチャ油、アンズ核油、ホホバ種子油、および軽質流動イソパラフィンから選択される少なくとも1種を含む、請求項1~4のいずれか一項に記載の毛髪化粧料。
  6. 前記シリコーンオイル(B1)が、メチルポリシロキサン、高重合メチルポリシロキサン、ジメチコノール、およびアミノ変性シリコーンから選択される少なくとも1種である、請求項1~5のいずれか一項に記載の毛髪化粧料。
  7. 洗い流さないトリートメントである、請求項1~6のいずれか一項に記載の毛髪化粧料。
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