JP2022013125A - 接近通報システム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】通報音出力装置15は、歩行者検出装置16が自動車に所定距離以内に接近している自動車前方の歩行者を検出したならば、自動車の接近を知らせる所定の通報音をオーディオミクスチャ18を介してスピーカ12から自動車前方に向けて出力する。能動型騒音制御装置11は、エラーマイク13と参照マイク14を用いて、歩行者検出装置16が検出した歩行者の位置において、周囲環境音をキャンセルするキャンセル音を生成し、オーディオミクスチャ18を介してスピーカ12から自動車前方に向けて出力する。
【選択図】図1
Description
また、上記した前記歩行者検出手段が検出した歩行者の位置において周囲の環境音をキャンセルする音であるキャンセル音を生成する接近通報システムは、前記能動型騒音制御手段を、前記自動車の周囲の環境音を収音する第1のマイクと、前記自動車の車外の音を収音する第2のマイクと、前記第1のマイクの出力を入力とする適応フィルタと、適応フィルタの出力を前記キャンセル音として出力するスピーカと、前記第1のマイクの出力を入力とする、前記自動車前方の各々異なる複数の位置に対応する複数の補助フィルタと、前記第2マイクの出力を、対応する位置が前記歩行者検出手段が検出した歩行者の位置に最も整合する補助フィルタの出力を用いて補正してエラー信号として前記適応フィルタに出力するエラー補正手段とをより構成してもよい。ここで前記適応フィルタは、前記エラー補正手段から入力するエラー信号を用いて、所定の適応アルゴリズムを実行して当該適応フィルタの伝達関数を更新し、前記複数の補助フィルタには、対応する位置において、キャンセル音によって騒音がキャンセルされたときに、前記第2のマイクの出力を当該補助フィルタの出力を用いて補正した信号が0となる伝達関数として学習した伝達関数を予め設定する。
また、前記スピーカとしてパラメトリックスピーカを用いるようにしてもよい。
以上のような接近通報システムによれば、自動車前方の歩行者に対して、自動車の接近を知らせる通報音と共に、歩行者に聞こえる周囲の環境音をキャンセルすることが期待できるキャンセル音を出力する。したがって、自動車前方の歩行者は、聞こえる環境音が低減した状態において、自動車の接近を知らせる通報音を聞くこととなる。また、自動車前方の歩行者は、聞こえる周囲環境音の突然の低減に対する生理的反応によって音に対する注意力が鋭敏となった状態において通報音を聞くこととなる。したがって、自動車前方の歩行者に対して、自動車の接近を知らせる通報音を明瞭に認知させることができる。
図1に、本実施形態に係る接近通報システムの構成を示す。
接近通報システム1は、ハイブリッド車や電気自動車等の電気モータ走行を行う自動車に搭載されるシステムであり、図示するように、能動型騒音制御装置11、スピーカ12、エラーマイク13、参照マイク14、通報音出力装置15、歩行者検出装置16、前方監視装置17、オーディオミクスチャ18を備えている。
また、スピーカ12は、可聴音で変調した超音波を出力する超指向性のパラメトリックスピーカであり、自動車の前方に向けて音を出力するように配置されている。
次に、エラーマイク13は自動車の前端等の自動車前方の歩行者にできるだけ近くなる位置に配置され、自動車の車外の音を収音する。また、参照マイク14は自動車の周囲環境音を収音するように配置される。
通報音出力装置15は、歩行者検出装置16が自動車に所定距離以内に接近している歩行者を検出している期間中、自動車の接近を知らせる所定の通報音をオーディオミクスチャ18に出力する。
図示するように、能動型騒音制御装置11は、参照マイク14で収音した周囲環境音を表す騒音信号x(n)と、エラーマイク13でピックアップした音声信号であるマイクエラー信号err(n)を用いて、キャンセルポイントにおいて周囲環境音をキャンセルするキャンセル音CA(n)を生成し、オーディオミクスチャ18を介してスピーカ12から出力する。
信号処理部111は、可変フィルタ1111、適応アルゴリズム実行部1112、予め伝達関数S^(z)が設定された推定フィルタ1113、減算器1114、各々予め伝達関数H1(z)、H2(z)、H3(z)、...、Hn(z)が設定されたn個の補助フィルタ1115、切替制御部112の制御に従ってn個の補助フィルタ1115の出力のうちの一つの出力を選択して減算器1114に出力するセレクタ1116とを備えている。
また、入力した騒音信号x(n)はn個の補助フィルタ1115をそれぞれ通ってセレクタ1116に送られ、セレクタ1116は、切替制御部112の制御に従ってn個の補助フィルタ1115の出力のうちの一つの出力を選択して減算器1114に送る。減算器1114は、エラーマイク13でピックアップしたマイクエラー信号err(n)からセレクタ1116の出力を減算し、エラーとして、適応アルゴリズム実行部1112に出力する。
すなわち、iを1からnまでの整数とし、iが異なるdiは異なる距離であるものとして、伝達関数Hi(z)は、標準的な体格の人物が自動車から前方に距離di離れた位置にいるときの当該人物の頭部の位置であるキャンセルポイントPiに対応している。
iを1からnの整数のうちの任意の数として、伝達関数Hi(z)を学習する際には、学習用マイク41は、キャンセルポイントPiに配置する。すなわち、図4に示すように、伝達関数H1(z)を学習するときには、キャンセルポイントP1に学習用マイク41を配置し、伝達関数H2(z)を学習するときには、キャンセルポイントP2に学習用マイク41を配置し、伝達関数H3(z)を学習するときには、キャンセルポイントP3に学習用マイク41を配置する。
第2段階学習処理部6は、段階の学習処理の結果として得た伝達関数W(z)を伝達関数として設定した固定フィルタ61と、可変フィルタ62と、適応アルゴリズム実行部63と、減算器64を備えている。
また、入力した騒音信号x(n)は可変フィルタ62を通って減算器64に送られ、減算器64はエラーマイク13でピックアップした信号から可変フィルタ62の出力を減算し、エラーとして、適応アルゴリズム実行部63に出力する。
切替制御部112は、歩行者検出装置16が検出した歩行者の自動車に対する相対位置に応じて、セレクタ1116で出力を選択して減算器1114に送る補助フィルタ1115を切り替える。
すなわち、切替制御部112は、歩行者検出装置16が検出した歩行者の相対位置から求まる当該歩行者の頭部の位置が間に存在する二つのキャンセルポイントPiとPi+1を算定し、二つのキャンセルポイントPiとPi+1に対応する二つの補助フィルタ1115の出力が減算器1114に出力される時間比率が、対応するキャンセルポイントPiとPi+1と頭部の位置との間の距離の逆数の比率となるように、セレクタ1116に二つのキャンセルポイントPiとPi+1に対応する二つの補助フィルタ1115の出力を交互に減算器1114に出力させてもよい。
このように本実施形態によれば、自動車前方の歩行者に対して、自動車の接近を知らせる通報音と共に、歩行者に聞こえる周囲環境音をキャンセルすることが期待できるキャンセル音を出力する。したがって、自動車前方の歩行者は、聞こえる周囲環境音が低減した状態において、自動車の接近を知らせる通報音を聞くこととなる。また、自動車前方の歩行者は、聞こえる周囲環境音の突然の低減に対する生理的反応によって音に対する注意力が鋭敏となった状態において通報音を聞くこととなる。したがって、自動車前方の歩行者に対して、自動車の接近を知らせる通報音を明瞭に認知させることができる。
なお、以上の実施形態では、n個の補助フィルタ1115の伝達関数H1(z)、H2(z)、H3(z)、...、Hn(z)に対応するn個のキャンセルポイントを、自動車からの前後方向の距離が相互に異なるn個のキャンセルポイント、すなわち、自動車に対する前後方向の相対位置が相互に異なるn個のキャンセルポイントとしたが、n個のキャンセルポイントとしては、自動車に対する前後方向の相対位置、自動車に対する左右方向の相対位置、自動車に対する上下方向の相対位置のうちの少なくとも一つが他のキャンセルポイントとは異なるn個のキャンセルポイントを設定するようにしてよい。
Claims (7)
- 自動車に搭載された、当該自動車の接近を通報する通報音を出力する接近通報システムであって、
前記自動車前方に向けて前記通報音を出力する通報音出力手段と、
少なくとも前記通報音出力手段が前記通報音を出力しているときに、前記自動車の周囲の環境音を収音し、収音した周囲の環境音に基づいて前記自動車前方の位置において周囲の環境音をキャンセルする音であるキャンセル音を生成し、前記自動車前方に向けて出力する能動型騒音制御手段とを有することを特徴とする接近通報システム。 - 自動車に搭載された、当該自動車の接近を通報する通報音を出力する接近通報システムであって、
前記自動車前方の歩行者の位置を検出する歩行者検出手段と、
少なくとも前記歩行者検出手段が検出した歩行者の位置が当該自動車に接近しているときに、前記自動車前方に向けて前記通報音を出力する通報音出力手段と、
少なくとも前記通報音出力手段が前記通報音を出力しているときに、前記自動車の周囲の環境音を収音し、収音した周囲の環境音に基づいて前記歩行者検出手段が検出した歩行者の位置において周囲の環境音をキャンセルする音であるキャンセル音を生成し、前記自動車前方に向けて出力する能動型騒音制御手段とを有することを特徴とする接近通報システム。 - 請求項1または2記載の接近通報システムであって、
前記キャンセル音を前記自動車前方に出力するパラメトリックスピーカを備えていることを特徴とする接近通報システム。 - 請求項2記載の接近通報システムであって、
前記能動型騒音制御手段は、
前記自動車の周囲の環境音を収音する第1のマイクと、
前記自動車の車外の音を収音する第2のマイクと、
前記第1のマイクの出力を入力とする適応フィルタと、
適応フィルタの出力を前記キャンセル音として出力するスピーカと、
前記第1のマイクの出力を入力とする、前記自動車前方の各々異なる複数の位置に対応する複数の補助フィルタと、
前記第2マイクの出力を、対応する位置が前記歩行者検出手段が検出した歩行者の位置に最も整合する補助フィルタの出力を用いて補正してエラー信号として前記適応フィルタに出力するエラー補正手段とを有し、
前記適応フィルタは、前記エラー補正手段から入力するエラー信号を用いて、所定の適応アルゴリズムを実行して当該適応フィルタの伝達関数を更新し、
前記複数の補助フィルタには、対応する位置において、キャンセル音によって騒音がキャンセルされたときに、前記第2のマイクの出力を当該補助フィルタの出力を用いて補正した信号が0となる伝達関数として学習した伝達関数が予め設定されていることを特徴とする能動型騒音制御システム。 - 請求項2記載の接近通報システムであって、
前記能動型騒音制御手段は、
前記自動車の周囲の環境音を収音する第1のマイクと、
前記自動車の車外の音を収音する第2のマイクと、
前記第1のマイクの出力を入力とする適応フィルタと、
適応フィルタの出力を前記キャンセル音として出力するスピーカと、
前記第1のマイクの出力を入力とする、前記自動車前方の各々異なる複数の位置に対応する複数の補助フィルタと、
二つの補助フィルタであって、当該二つの補助フィルタに対応する二つの位置の間が、前記歩行者検出手段が検出した歩行者の位置となる二つの補助フィルタを、第1混合対象補助フィルタと第2混合対象補助フィルタとして、前記第2のマイクの出力を第1混合対象補助フィルタの出力で補正したエラー信号と、前記第2のマイクの出力を第2混合対象補助フィルタの出力で補正したエラー信号とを、前記第1混合対象補助フィルタに対応する位置と前記歩行者検出手段が検出した歩行者の位置との距離と前記第2混合対象補助フィルタに対応する位置と前記歩行者検出手段が検出した歩行者の位置との距離との比に応じて定まる時間的比率で交互に前記適応フィルタに出力するエラー補正手段とを有し、
前記適応フィルタは、前記エラー補正手段から入力するエラー信号を用いて、所定の適応アルゴリズムを実行して当該適応フィルタの伝達関数を更新し、
前記複数の補助フィルタには、対応する位置において、キャンセル音によって騒音がキャンセルされたときに、前記第2のマイクの出力を当該補助フィルタの出力を用いて補正した信号が0となる伝達関数として学習した伝達関数が予め設定されていることを特徴とする能動型騒音制御システム。 - 請求項4、5記載の接近通報システムであって、
前記スピーカは、前記キャンセル音の出力と前記通報音の出力に共用されることを特徴とする接近通報システム。 - 請求項4、5または6記載の接近通報システムであって、
前記スピーカはパラメトリックスピーカであることを特徴とする接近通報システム。
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