JP2022012717A - クリップ - Google Patents

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Satoshi Kato
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Abstract

【課題】ワイヤハーネスと隣接物との間に所定の間隔を保持することができるクリップを提供する。【解決手段】クリップ1は、クリップ本体3と、アンカー部材4と、キー部材5と、を備える。クリップ本体3には、延在部8、78を設けている。アンカー部材4には、挿通孔29と収容孔30とを有する挿通筒部21が設けられている。延在部8は、上面12と下面13とに係合溝14、15が設けられている。挿通孔29には、係合溝14、15と係合可能な第一係合突起が設けられている。キー部材5には、係合溝14、15と係合可能に形成される第二係合突起が設けられている。【選択図】図1

Description

本発明は、ワイヤハーネスを車体パネルに配索する際に用いるクリップに関する。
従来より、ワイヤハーネスを車体パネルに配索する際に、クリップ(その他、「ワイヤハーネス用クリップ」とも呼ばれている)が用いられている。このようなクリップとしては、例えば、特許文献1に開示されたものが知られている。
特許文献1の図1に図示するクリップ10は、ワイヤハーネスW/Hをテープ巻き固定する固定部材11と、固定部材11にスライド可能に取り付ける調節部材12と、を備えている。固定部材11は、基板部と、この基板部より突出するスライドガイド部13と、を一体成形したものである。スライドガイド部13は、上壁13aと、下壁13bと、を有し、上壁13aには、ネジ穴13iが設けられている。このネジ穴13iには、ネジ14が螺嵌されている。調節部材12は、スライドガイド部13の内部空間Sにスライド可能に挿入されるスライド板15と、このスライド板15の先端下面に突設され車体パネルのクリップ穴(図示せず)に係止される車体係止部16と、が一体成形されている。
基板部に固定されたワイヤハーネスW/Hから車体係止部16までのオフセット量は、スライドガイド部13の内部空間Sに挿入するスライド板15の挿入量に応じて微調節される。所要のオフセット量に達した位置で、ネジ14をねじ込み、スライド板15をスライドガイド部13の下壁13bに固定して、スライド板15を位置決め固定している。
特開2002-345129号公報
ところで、特許文献1に開示された技術(以下、本明細書において、「従来技術」と呼ぶものとする)では、ワイヤハーネスW/Hを、例えば、車両における配索経路に沿って配索する場合、下記のような問題点があった。
すなわち、従来技術では、ワイヤハーネスW/Hの上記配索において、本特許出願の図30に図示するように、ワイヤハーネスW/Hを固定したクリップ10の車体係止部16が車両の車体パネル100に固定されている。このような状態において、図30に図示するように、ワイヤハーネスW/Hの軸方向に直交する方向に隣接する隣接物200が存在する場合、ワイヤハーネスW/Hと隣接物200との間に所定の間隔Xを確保してワイヤハーネスW/Hを配索する必要があった。なお、隣接物200としては、具体的には、車両に搭載される機器や、車体パネル100の一部が挙げられる。
従来技術では、図30において、所定の間隔Xを確保するため、スライドガイド部13の内部空間に挿入するスライド板15の挿入量を調整し、ネジ14による締め付けにより、スライド板15をスライドガイド部13の下壁13bに固定して、スライド板15の、この挿入方向におけるスライドを規制している。
しかしながら、従来技術では、例えば、(1)車両走行時の振動等によるネジ14の緩み、(2)ネジ14の締め付け作業におけるネジ14の締め付けが甘かった、又は、作業者がネジ14の締め付けを忘れていた、(3)ワイヤハーネスW/Hの配索時において作業者がワイヤハーネスW/Hやクリップ10に不意に外力を加えてしまう等の理由により、スライド板15が、この挿入方向においてスライドしてしまう可能性があった。したがって、従来技術では、ワイヤハーネスW/Hと隣接物200との間に所定の間隔Xを確保(保持)できなくなる虞があるという問題点があった。
本発明は、上記した事情に鑑みてなされたもので、ワイヤハーネスと隣接物との間に所定の間隔を保持することができるクリップを提供することを課題とする。
(1)上記課題を解決するためになされた請求項1記載の本発明のクリップは、ワイヤハーネスを固定可能なワイヤハーネス固定部を有するクリップ本体と、該クリップ本体に係合可能に形成され、且つ、固定対象物に固定可能に形成されるアンカー部材と、を備え、前記クリップ本体と前記アンカー部材のいずれか一方に、延在部を設け、前記クリップ本体と前記アンカー部材のいずれか他方に、前記延在部を挿通可能に形成される挿通孔と、該挿通孔に連通する収容孔と、を有する挿通筒部を設け、前記延在部は、この一方の面と他方の面それぞれに前記延在部の延在方向に沿って連続する係合溝が設けられ、前記挿通孔は、この内面のうち、前記挿通孔に挿通された前記延在部の一方の面と他方の面のいずれか一方と対向する内面に前記係合溝と係合可能に形成される第一係合突起が設けられ、さらに、前記収容孔に収容可能に形成されるキー部材を備え、該キー部材は、前記収容孔に収容された状態において前記延在部の一方の面と他方の面のいずれか他方と対向する側に前記係合溝と係合可能に形成される第二係合突起が設けられ、前記係合溝と、前記第一係合突起と、前記第二係合突起と、は、前記第一係合突起が前記延在部の一方の面と他方の面のいずれか一方の前記係合溝と係合され、且つ、前記第二係合突起が前記延在部の一方の面と他方の面のいずれか他方の前記係合溝と係合された状態において、前記固定対象物に固定された前記アンカー部材と係合された前記クリップ本体に固定される前記ワイヤハーネスと、該ワイヤハーネスに隣接する隣接物と、の間に、所定の間隔を保持可能となるように配置形成されることを特徴とする。
上記(1)のような特徴を有する本発明によれば、第一係合突起が延在部の一方の面と他方の面のいずれか一方の係合溝と係合するとともに、第二係合突起が延在部の一方の面と他方の面のいずれか他方の係合溝と係合することにより、クリップ本体とアンカー部材とは、相対的にスライドすることはない。したがって、固定対象物に固定されたアンカー部材と、クリップ本体と、が係合した状態において、クリップ本体に固定されるワイヤハーネスと、ワイヤハーネスに隣接する隣接物との間に所定の間隔が保持される。
(2)請求項2記載の本発明のクリップは、請求項1に記載のクリップにおいて、前記係合溝は、この内面に前記延在部の延在方向に直交する直交面が形成され、前記第一係合突起と前記第二係合突起それぞれには、係止面が形成され、該係止面は、前記第一係合突起と前記第二係合突起それぞれが前記係合溝に係合した状態において、前記延在部が前記挿通孔に対する挿通方向に沿ってスライドしようとしたとき前記直交面に面接触可能に形成されることを特徴とする。
上記(2)のような特徴を有する本発明によれば、第一係合突起と第二係合突起それぞれが係合溝に係合した状態において、延在部が挿通孔に対する挿通方向に沿ってスライドしようとしても、第一係合突起と第二係合突起それぞれの係止面が直交面に面接触する。このため、クリップ本体とアンカー部材とは、相対的にスライドし難くなることが、より明確になる。
(3)請求項3記載の本発明のクリップは、請求項1又は2に記載のクリップにおいて、前記収容孔は、本被係合部と、仮被係合部と、を備え、前記キー部材は、前記本被係合部と前記仮被係合部それぞれに係合可能に形成される係合部を備え、前記本被係合部は、前記係合部と係合された状態において、前記係合溝と前記第二係合突起との係合を保持可能に形成され、前記仮被係合部は、前記係合部と係合された状態において、前記係合溝と前記第二係合突起とが係合する前の状態にて前記キー部材を前記収容孔内に保持可能に形成されることを特徴とする。
上記(3)のような特徴を有する本発明によれば、本被係合部と係合部とが係合された状態において、係合溝と前記第二係合突起との係合を保持することができるため、クリップ本体とアンカー部材とは、相対的にスライドし難くなることが、より明確になる。また、本発明によれば、仮被係合部と係合部とが係合された状態において、係合溝と第二係合突起とが係合する前の状態にてキー部材を収容孔内に保持することができるため、クリップ本体、又は、アンカー部材可能と、キー部材とをアッセンブリとして取り扱うことができる。したがって、本発明によれば、クリップ本体、又は、アンカー部材可能と、キー部材とを個別に取り扱う場合に比べ、取り扱いが容易となる(取扱性が向上する)。
(4)請求項4記載の本発明のクリップは、請求項1、2又は3に記載のクリップにおいて、少なくとも前記延在部は、樹脂にて成形されることを特徴とする。
上記(4)のような特徴を有する本発明によれば、少なくとも延在部が樹脂にて成形されることから、延在部における不要な部分を切断し易くなる。
本発明によれば、ワイヤハーネスと隣接物との間に所定の間隔を保持することができるという効果を奏する。
本発明に係るクリップの実施例1と、このクリップに固定されるワイヤハーネスと、を示す斜視図である。 図1におけるクリップ本体を示す斜視図である。 図1におけるアンカー部材を示す斜視図である。 図3におけるA-A間断面図である。 図1におけるキー部材を示す斜視図である。 本発明に係るクリップの組み立て作業を説明する図であり、(a)はクリップ本体にアンカー部材を係合する前の状態を示す斜視図、(b)は挿通筒部の挿通孔に延在部を挿通させた状態を示す斜視図である。 図6に続く図であり、(a)は挿通筒部の収容孔にキー部材を本係合する前の状態を示す斜視図、(b)は挿通筒部の収容孔にキー部材を本係合した状態を示す斜視図である。 図7(b)におけるB-B間断面図である。 本発明に係るクリップへのワイヤハーネスの固定作業を説明する図であり、(a)はワイヤハーネス固定部にワイヤハーネスを固定する前の状態を示す斜視図、(b)はワイヤハーネス固定部にワイヤハーネスを固定した状態を示す斜視図である。 本発明に係るクリップへのワイヤハーネスの他の固定作業を説明する図であり、(a)はワイヤハーネス固定部にワイヤハーネスを固定する前の状態を示す斜視図、(b)はワイヤハーネス固定部にワイヤハーネスを固定した状態を示す斜視図である。 本発明に係るクリップの他の組み立て作業を説明する図であり、(a)はクリップ本体にアンカー部材を係合する前の状態を示す斜視図、(b)はクリップ本体にアンカー部材を係合した状態を示す斜視図である。 ワイヤハーネスを車体パネルに第1の配索状態にて配索した場合における実施例1の作用を説明する図である。 ワイヤハーネスを車体パネルに第2の配索状態にて配索した場合における実施例1の作用を説明する図である。 ワイヤハーネスを車体パネルに第3の配索状態にて配索した場合における実施例1の作用を説明する図である。 ワイヤハーネスを車体パネルに第4の配索状態にて配索した場合における実施例1の作用を説明する図である。 本発明に係るクリップの実施例2と、このクリップに固定されるワイヤハーネスと、を示す斜視図である。 図16におけるクリップ本体を示す図であり、(a)はクリップ本体の斜視図、(b)は(a)におけるD-D間で破断した斜視図である。 図16におけるアンカー部材を示す斜視図であるである。 本発明に係るクリップの組み立て作業を説明する図であり、(a)はクリップ本体にアンカー部材を係合する前の状態を示す斜視図、(b)は挿通筒部の挿通孔に延在部を挿通させた状態を示す斜視図である。 図19に続く図であり、(a)は挿通筒部の収容孔にキー部材を本係合する前の状態を示す斜視図、(b)は挿通筒部の収容孔にキー部材を本係合した状態を示す斜視図である。 本発明に係るクリップへのワイヤハーネスの固定作業を説明する図であり、(a)はワイヤハーネス固定部にワイヤハーネスを固定する前の状態を示す斜視図、(b)はワイヤハーネス固定部にワイヤハーネスを固定した状態を示す斜視図である。 本発明に係るクリップの他の組み立て作業を説明する図であり、(a)はクリップ本体にアンカー部材を係合する前の状態を示す斜視図、(b)はクリップ本体にアンカー部材を係合した状態を示す斜視図である。 図22に続く図であり、(a)は挿通筒部の収容孔にキー部材を本係合する前の状態を示す斜視図、(b)は挿通筒部の収容孔にキー部材を本係合した状態を示す斜視図である。 本発明に係るクリップへのワイヤハーネスの他の固定作業を説明する図であり、(a)はワイヤハーネス固定部にワイヤハーネスを固定する前の状態を示す斜視図、(b)はワイヤハーネス固定部にワイヤハーネスを固定した状態を示す斜視図である。 本発明に係るクリップの他の組み立て作業を説明する図であり、(a)はクリップ本体にアンカー部材を係合する前の状態を示す斜視図、(b)はクリップ本体にアンカー部材を係合した状態を示す斜視図である。 ワイヤハーネスを車体パネルに第1の配索状態にて配索した場合における実施例2の作用を説明する図である。 ワイヤハーネスを車体パネルに第2の配索状態にて配索した場合における実施例2の作用を説明する図である。 ワイヤハーネスを車体パネルに第3の配索状態にて配索した場合における実施例2の作用を説明する図である。 ワイヤハーネスを車体パネルに第4の配索状態にて配索した場合における実施例2の作用を説明する図である。 従来技術の問題点を説明するための図である。
以下、図1-図15を参照しながら、本発明に係るクリップの実施例1について、図16-図29を参照しながら、本発明に係るクリップの実施例2について、それぞれ説明する。
図1は本発明に係るクリップの実施例1と、このクリップに固定されるワイヤハーネスと、を示す斜視図、図2は図1におけるクリップ本体を示す斜視図、図3は図1におけるアンカー部材を示す斜視図、図4は図3におけるA-A間断面図、図5は図1におけるキー部材を示す斜視図、図6は本発明に係るクリップの組み立て作業を説明する図であり、(a)はクリップ本体にアンカー部材を係合する前の状態を示す斜視図、(b)は挿通筒部の挿通孔に延在部を挿通させた状態を示す斜視図、図7は図6に続く図であり、(a)は挿通筒部の収容孔にキー部材を本係合する前の状態を示す斜視図、(b)は挿通筒部の収容孔にキー部材を本係合した状態を示す斜視図、図8は図7(b)におけるB-B間断面図、図9は本発明に係るクリップへのワイヤハーネスの固定作業を説明する図であり、(a)はワイヤハーネス固定部にワイヤハーネスを固定する前の状態を示す斜視図、(b)はワイヤハーネス固定部にワイヤハーネスを固定した状態を示す斜視図、図10は本発明に係るクリップへのワイヤハーネスの他の固定作業を説明する図であり、(a)はワイヤハーネス固定部にワイヤハーネスを固定する前の状態を示す斜視図、(b)はワイヤハーネス固定部にワイヤハーネスを固定した状態を示す斜視図、図11は本発明に係るクリップの他の組み立て作業を説明する図であり、(a)はクリップ本体にアンカー部材を係合する前の状態を示す斜視図、(b)はクリップ本体にアンカー部材を係合した状態を示す斜視図、図12はワイヤハーネスを車体パネルに第1の配索状態にて配索した場合における実施例1の作用を説明する図、図13はワイヤハーネスを車体パネルに第2の配索状態にて配索した場合における実施例1の作用を説明する図、図14はワイヤハーネスを車体パネルに第3の配索状態にて配索した場合における実施例1の作用を説明する図、図15はワイヤハーネスを車体パネルに第4の配索状態にて配索した場合における実施例1の作用を説明する図である。
なお、図中の矢印は、上下、左右、前後の各方向を示している(矢印の方向は一例であるものとする)。
図1において、引用符号1は、本発明に係るクリップの実施例1を示している。図1に図示するクリップ1は、ワイヤハーネス2を車体パネル50(図12-図15参照)に配索する際に、ワイヤハーネス2を固定するための部材であり「ワイヤハーネス用クリップ」とも呼ばれているものである。なお、図1に図示するワイヤハーネス2は、詳細な説明を省略するが、複数の電線6を束ねてなるものである。
図1に図示するクリップ1は、クリップ本体3と、このクリップ本体3に係合可能に形成されたアンカー部材4と、このアンカー部材4に係合可能に形成されたキー部材5と、を備えている。以下、クリップ1の各構成について説明する。
まず、クリップ本体3について説明する。
図1及び図2に図示するクリップ本体3は、樹脂材料にて成形され、平面視T字状の形状を有する平板状に形成されている部材である。クリップ本体3は、樹脂材料にて成形されていることから、ニッパー等の工具にて容易に切断できるようになっている。クリップ本体3は、ワイヤハーネス固定部7と、延在部8と、を備えている。
図1及び図2に図示するワイヤハーネス固定部7は、上面9と、下面10と、を有し、上面9、下面10のいずれか一方にワイヤハーネス2(図1参照)を固定可能に形成されている。ワイヤハーネス固定部7へのワイヤハーネス2の固定は、固定手段にて行う。本実施例において、固定手段として、テープ11(図9(b)参照)を採用するものとする(その他、結束バンド等であってもよいものとする)。
図1及び図2に図示する延在部8は、ワイヤハーネス固定部7の長手方向における略中間部に連続し、且つ、ワイヤハーネス固定部7から離れる方向に向かって延在するように形成されている。延在部8は、上面12と、下面13と、を有している。上面12には、上面側係合溝14が形成されている。また、下面13には、下面側係合溝15が形成されている。
図1及び図2に図示する上面側係合溝14と、下面側係合溝15とは、それぞれ、特許請求の範囲に記載される「係合溝」に相当するものである。上面側係合溝14と、下面側係合溝15とは、それぞれ、延在部8の延在方向に沿って連続するように設けられている。
ここで、図8を参照しつつ、上面側係合溝14と、下面側係合溝15、それぞれについて、より詳細に説明する。図8に図示する上面側係合溝14は、直交面16と、傾斜面17と、を有している。直交面16は、延在部8の延在方向に直交するように形成されている。傾斜面17は、直交面16に連続して形成され、且つ、図8において、上面側係合溝14の最低部から延在部8の延在方向(図8においては、前方向)に行くにしたがって、漸次、上下方向の高さが高くなるような傾斜形状に形成されている。
図8に図示する下面側係合溝15は、直交面18と、傾斜面19と、を有している。直交面18と、傾斜面19とは、上面側係合溝14の直交面16及び傾斜面17と同様の形状を有していることから、詳細な説明を省略する。
つぎに、アンカー部材4について説明する。
図1及び図3に図示するアンカー部材4は、樹脂材料にて成形される部材である。アンカー部材4は、軸部20と、挿通筒部21と、アンカー部22と、を備えている。
図1及び図3に図示する軸部20は、アンカー部材4の軸方向に沿って形成されている。軸部20は、この軸方向(図3においては、上下方向)の一端(上端)に挿通筒部21が設けられるとともに、上記軸方向の他端(下端)にアンカー部22が設けられている。
図3に図示する挿通筒部21は、上面23と、下面24と、左側面25と、右側面26と、前面27と、背面28と、を有している。さらに、挿通筒部21は、挿通孔29と、収容孔30と、を備えている。
図3に図示する挿通孔29は、前面27から背面28にわたって貫通形成され、且つ、延在部8(図1参照)を挿通可能に形成されている。挿通孔29は、この底面31に第一係合突起32が突設されている。第一係合突起32は、図3及び図4に図示するように、延在部8(図1参照)の挿通方向に直交する方向(図3においては、左右方向)に延び、且つ、係止面33と、傾斜面34と、を有している。
図8に図示するように、係止面33は、延在部8(図1参照)の挿通方向に直交するように形成されている。係止面33は、第一係合突起32が下面側係合溝15に係合した状態において、延在部8が挿通孔29に対する挿通方向(図8においては、前後方向)に沿ってスライドしようとしたとき下面側係合溝15の直交面18に面接触可能に形成されている。
図8に図示するように、傾斜面34は、係止面33に連続して形成され、且つ、図8において、第一係合突起32の頂部(係止面33と傾斜面34とが連続する部分)から第一係合突起32の基端側(底面31側)に行くにしたがって、漸次、上下方向の高さが低くなるような傾斜形状に形成されている。
図3及び図4に図示する収容孔30は、挿通筒部21の上面23に開口形成され、且つ、挿通孔29に連通するように形成されている。収容孔30は、この内部に、後述するキー部材5(図5参照)が収容及び係合可能に形成されている。
図4に図示するように、収容孔30は、この内面に、一対の仮被係合部35と、一対の本被係合部36と、を備えている。仮被係合部35は、後述するキー部材5の係合部44(図5参照)と係合された状態において、上面側係合溝14と、後述するキー部材5の第二係合突起41(図5参照)とが係合する前の状態にてキー部材5を収容孔30内に保持可能に形成されている。本被係合部36は、キー部材5の係合部44と係合された状態において、上面側係合溝14と、上記第二係合突起41との係合を保持可能に形成されている。
図3及び図4に図示するアンカー部22は、図12-図15に図示する車体パネル50の取付面51に設けられた固定孔53に固定可能に形成されている。なお、取付面51は、特許請求の範囲に記載される「固定対象物」に相当するものである。アンカー部22は、詳細な説明を省略するが、下側から固定孔53に挿入され、且つ、上面が固定孔53内の被係合部(図示せず)に係合することにより上記固定を実現している。
つぎに、キー部材5について説明する。
図1及び図5に図示するキー部材5は、樹脂材料にて成形され、収容孔30内に収容及び係合可能に形成される部材である。図5に図示するキー部材5は、上面37と、下面38と、左側面39と、右側面40と、を有し、且つ、第二係合突起41と、一対の係合部44と、を有している。
図5に図示する第二係合突起41は、下面38から下方向に突設され、且つ、キー部材5が収容孔30に収容された状態において延在部8の上面側係合溝14と係合可能に形成されている。第二係合突起41は、図5に図示するように、下面38の長手方向(図5においては、左右方向)に沿って延び、且つ、係止面42と、傾斜面43と、を有している。
図8に図示するように、係止面42は、挿通孔29に対する延在部8の挿通方向(図8においては、前後方向)に直交するように形成されている。係止面42は、第二係合突起41が上面側係合溝14に係合した状態において、延在部8が上記挿通方向に沿ってスライドしようとしたとき上面側係合溝14の直交面16に面接触可能に形成されている。
図8に図示するように、傾斜面43は、係止面42に連続して形成され、且つ、図8において、第二係合突起41の頂部(係止面42と傾斜面43とが連続する部分)から第二係合突起41の基端側(下面38側)に行くにしたがって、漸次、上下方向における下面38との距離が短くなるような傾斜形状に形成されている。
図5に図示する係合部44は、左側面39、右側面40、それぞれから突設され、仮被係合部35、本被係合部36、それぞれに係合可能に形成されている。
つぎに、クリップ1の組み立て作業(組み立て方法)について説明する。
まず、図6(a)に図示するように、クリップ本体3の延在部8の開放端側に、アンカー部材4を配置する。しかる後、図6(b)に図示するように、挿通筒部21の挿通孔29に延在部8を挿通する。
しかる後、図7(a)、(b)に図示するように、キー部材5を挿通筒部21の収容孔30に挿入、収容する。このとき、キー部材5の係合部44(図5参照)は、本被係合部36(図4参照)に係合される。以上により、クリップ1の組み立て作業が完了する。尚、キー部材5は、予め、挿通筒部21の収容孔30に挿入し、キー部材5の係合部44を仮被係合部35に係合させた状態で収容しておいても良い。
上記の通り、クリップ1の組み立てが完了すると、図8に図示するように、第一係合突起32が下面側係合溝15に係合するとともに、第二係合突起41が上面側係合溝14に係合する。図8において、延在部8が挿通孔29に対する挿通方向(図8においては、前後方向)に沿ってスライドしようとしたとき、第一係合突起32の係止面33が下面側係合溝15の直交面18に面接触するとともに、第二係合突起41の係止面42が上面側係合溝14の直交面16に面接触することになる。したがって、クリップ本体3とアンカー部材4との相対的なスライドが規制される。
つぎに、クリップ1へのワイヤハーネス2の固定作業(固定方法)について説明する。
まず、図9(a)に図示するように、ワイヤハーネス固定部7の上面9にワイヤハーネス2を載置する。しかる後、図9(b)に図示するように、ワイヤハーネス固定部7と、ワイヤハーネス2と、をテープ11にて結束し固定する。以上により、クリップ1へのワイヤハーネス2の固定作業が完了する。
なお、クリップ1へのワイヤハーネス2の固定にあたっては、図9に図示するもの以外の他の固定方法を用いてもよいものとする。具体的には、図10(a)に図示するように、ワイヤハーネス固定部7の下面10にワイヤハーネス2を宛てがった後、図10(b)に図示するように、ワイヤハーネス固定部7と、ワイヤハーネス2と、をテープ11にて結束し固定するようにしてもよいものとする。
また、クリップ1の組み立てにあたっては、図6及び図7に図示するもの以外の他の組み立て方法を用いてもよいものとする。具体的には、図11(a)、(b)に図示するように、アンカー部材4を、延在部8の延在方向における略中間部に配置させるようにしてもよいものとする。
クリップ1を図11(b)に図示するように組み立てた場合、延在部8の開放端側の部分(図11(b)においては、引用符号Cの指示する部分)が不要となるため、ニッパー等の工具にて切断してもよいものとする。
つぎに、図12を参照しつつ、ワイヤハーネス2を車体パネル50に第1の配索状態にて配索した場合における本実施例の作用について説明する。なお、図12において、クリップ1は、図6及び図7に図示する組み立て方法にて組み立てられたものである。また、ワイヤハーネス2は、図9に図示する固定方法にてクリップ1に固定されている。
図12において、車体パネル50の取付面51における固定孔53がボディーエッジ54側に設けられている場合であっても、本実施例によれば、ワイヤハーネス2を、クリップ1を介して車体パネル50に固定することが可能である。
本実施例によれば、第一係合突起32が下面側係合溝15に係合するとともに、第二係合突起41が上面側係合溝14に係合することにより、クリップ本体3とアンカー部材4との相対的なスライドが規制される。したがって、図12に図示するように、ワイヤハーネス2と隣接面56との間に所定の間隔X1を保持することができることになる。
つぎに、図13を参照しつつ、ワイヤハーネス2を車体パネル50に第2の配索状態にて配索した場合における本実施例の作用について説明する。なお、図13において、クリップ1は、図11に図示する組み立て方法にて組み立てられたものである。また、ワイヤハーネス2は、ワイヤハーネス固定部7の上面9に載置させた状態にてクリップ1に固定されている。
図13において、車体パネル50の取付面51における固定孔53がボディーエッジ55側に設けられている場合であっても、本実施例によれば、ワイヤハーネス2を、クリップ1を介して車体パネル50に固定することが可能である。
本実施例によれば、第一係合突起32が下面側係合溝15に係合するとともに、第二係合突起41が上面側係合溝14に係合することにより、クリップ本体3とアンカー部材4との相対的なスライドが規制される。したがって、図13に図示するように、図12に図示する場合と同様、ワイヤハーネス2と隣接面56との間に所定の間隔X1を保持することができることになる。
つぎに、図14を参照しつつ、ワイヤハーネス2を車体パネル50に第3の配索状態にて配索した場合における本実施例の作用について説明する。なお、図14において、クリップ1は、図6及び図7に図示する組み立て方法にて組み立てられたものである。また、ワイヤハーネス2は、図10に図示する固定方法にてクリップ1に固定されている。
図14において、車体パネル50の取付面51における固定孔53がボディーエッジ54側に設けられ、且つ、ワイヤハーネス2を配索するスペースが車体パネル50の凹部52のみである場合であっても、本実施例によれば、ワイヤハーネス2を、クリップ1を介して車体パネル50に固定することが可能である。
本実施例によれば、第一係合突起32が下面側係合溝15に係合するとともに、第二係合突起41が上面側係合溝14に係合することにより、クリップ本体3とアンカー部材4との相対的なスライドが規制される。したがって、図14に図示するように、ワイヤハーネス2と隣接面56との間に所定の間隔X1を保持するとともに、ワイヤハーネス2と隣接面57との間に所定の間隔X2を保持することができることになる。
つぎに、図15を参照しつつ、ワイヤハーネス2を車体パネル50に第4の配索状態にて配索した場合における本実施例の作用について説明する。なお、図15において、クリップ1は、図11に図示する組み立て方法にて組み立てられたものである。また、ワイヤハーネス2は、ワイヤハーネス固定部7の下面10に宛がわれた状態にてクリップ1に固定されている。
図15において、車体パネル50の取付面51における固定孔53がボディーエッジ55側に設けられ、且つ、ワイヤハーネス2を配索するスペースが車体パネル50の凹部52のみである場合であっても、本実施例によれば、ワイヤハーネス2を、クリップ1を介して車体パネル50に固定することが可能である。
本実施例によれば、第一係合突起32が下面側係合溝15に係合するとともに、第二係合突起41が上面側係合溝14に係合することにより、クリップ本体3とアンカー部材4との相対的なスライドが規制される。したがって、図15に図示するように、図14に図示する場合と同様、ワイヤハーネス2と隣接面56との間に所定の間隔X1を保持するとともに、ワイヤハーネス2と隣接面57との間に所定の間隔X2を保持することができることになる。
以上、説明した通り、本実施例によれば、クリップ本体3とアンカー部材4とが係合した状態において、クリップ本体3とアンカー部材4は、相対的にスライドすることはないため、車体パネル50にワイヤハーネス2が配索され、クリップ1にてワイハーネス2が固定された状態において、ワイヤハーネス2と隣接面56、57との間を所定の間隔X1、X2にて保持することができる。
また、本実施例によれば、車両に応じワイヤハーネス2と隣接面56、57との所定の間隔や、車体パネル50の取付面31における固定孔53の位置が変わった場合であっても、ワイヤハーネス2と隣接面56、57との間に所定の間隔X1、X2を保持することができることになる。
つぎに、本実施例の効果について説明する。
以上、図1-図15を参照しながら説明してきたように、本実施例によれば、ワイヤハーネス2と隣接面56、57との間に所定の間隔X1、X2を保持することができるという効果を奏する。
本発明に係るクリップは、実施例1の他、下記の実施例2を用いてもよいものとする。以下、図16-図29を参照しながら、実施例2について説明する。
図16は本発明に係るクリップの実施例2と、このクリップに固定されるワイヤハーネスと、を示す斜視図、図17は図16におけるクリップ本体を示す図であり、(a)はクリップ本体の斜視図、(b)は(a)におけるD-D間で破断した斜視図、図18は図16におけるアンカー部材を示す斜視図、図19は本発明に係るクリップの組み立て作業を説明する図であり、(a)はクリップ本体にアンカー部材を係合する前の状態を示す斜視図、(b)は挿通筒部の挿通孔に延在部を挿通させた状態を示す斜視図、図20は図19に続く図であり、(a)は挿通筒部の収容孔にキー部材を本係合する前の状態を示す斜視図、(b)は挿通筒部の収容孔にキー部材を本係合した状態を示す斜視図、図21は本発明に係るクリップへのワイヤハーネスの固定作業を説明する図であり、(a)はワイヤハーネス固定部にワイヤハーネスを固定する前の状態を示す斜視図、(b)はワイヤハーネス固定部にワイヤハーネスを固定した状態を示す斜視図、図22は本発明に係るクリップの他の組み立て作業を説明する図であり、(a)はクリップ本体にアンカー部材を係合する前の状態を示す斜視図、(b)はクリップ本体にアンカー部材を係合した状態を示す斜視図、図23は図22に続く図であり、(a)は挿通筒部の収容孔にキー部材を本係合する前の状態を示す斜視図、(b)は挿通筒部の収容孔にキー部材を本係合した状態を示す斜視図、図24は本発明に係るクリップへのワイヤハーネスの他の固定作業を説明する図であり、(a)はワイヤハーネス固定部にワイヤハーネスを固定する前の状態を示す斜視図、(b)はワイヤハーネス固定部にワイヤハーネスを固定した状態を示す斜視図、図25は本発明に係るクリップの他の組み立て作業を説明する図であり、(a)はクリップ本体にアンカー部材を係合する前の状態を示す斜視図、(b)はクリップ本体にアンカー部材を係合した状態を示す斜視図、図26はワイヤハーネスを車体パネルに第1の配索状態にて配索した場合における実施例2の作用を説明する図、図27はワイヤハーネスを車体パネルに第2の配索状態にて配索した場合における実施例2の作用を説明する図、図28はワイヤハーネスを車体パネルに第3の配索状態にて配索した場合における実施例2の作用を説明する図、図29はワイヤハーネスを車体パネルに第4の配索状態にて配索した場合における実施例2の作用を説明する図である。
なお、図中の矢印は、上下、左右、前後の各方向を示している(矢印の方向は一例であるものとする)。また、実施例1と同一の構成部材には同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
図16において、引用符号61は、本発明に係るクリップの実施例2を示している。クリップ1は、クリップ本体62と、このクリップ本体62に係合可能に形成されたアンカー部材63と、このアンカー部材63に係合可能に形成されたキー部材5と、を備えている。以下、クリップ1の各構成について説明する。
まず、クリップ本体62について説明する。
図16及び図17に図示するクリップ本体62は、樹脂材料にて成形され平板状に形成されている部材である。クリップ本体62は、これ自体が、特許請求の範囲に記載された「ワイヤハーネス固定部」に相当するものである。
図16及び図17に図示するクリップ本体62は、上面64と、下面65と、を有し、下面65のいずれか一方にワイヤハーネス2(図16参照)を固定可能に形成されている。クリップ本体62へのワイヤハーネス2の固定は、固定手段にて行う。本実施例において、固定手段として、テープ11(図9(b)参照)を採用するものとする(その他、結束バンド等であってもよいものとする)。
図17に図示するクリップ本体62は、この上面64に挿通筒部66を備えている。挿通筒部66は、挿通孔70と、収容孔71と、を備えている。挿通孔70と、収容孔71とは、実施例1における挿通孔29、収容孔30と、基本的な構成及び構造において、略同一である。挿通孔70は、この底面72に第一係合突起73が突設されている。第一係合突起73は、図17に図示するように、延在部78(図16参照)の挿通方向に直交する方向に延び、且つ、係止面74と、傾斜面75と、を有している。第一係合突起73は、基本的な構成及び構造において、実施例1における第一係合突起32と略同一であるため、詳細な説明は省略する。
図17に図示する収容孔71は、この内面に、一対の仮被係合部76と、一対の本被係合部77と、を備えている。仮被係合部76と、本被係合部77とは、基本的な構成及び構造において、実施例1における仮被係合部35、本被係合部36と略同一であるため、詳細な説明は省略する。
つぎに、アンカー部材63について説明する。
図16及び図18に図示するアンカー部材63は、樹脂材料にて成形される部材である。アンカー部材63は、軸部87と、延在部78と、アンカー部88と、を備えている。
図16及び図18に図示する軸部87は、この軸方向の一端に延在部78が設けられるとともに、上記軸方向の他端にアンカー部88が設けられている。
図18に図示する延在部78は、平板状に形成され、上面79と、下面80と、を有している。上面79には、上面側係合溝81が形成されている。また、下面80には、下面側係合溝82が形成されている。上面側係合溝81は、直交面83と、傾斜面84と、を有している。また、下面側係合溝82は、直交面85と、傾斜面86と、を有している。上面側係合溝81と、下面側係合溝82とは、基本的な構成及び構造において、実施例1における上面側係合溝14、下面側係合溝15と略同一であるため、詳細な説明は省略する。
図18に図示するアンカー部88は、図26-図29に図示する車体パネル90の取付面91に設けられた固定孔93に固定可能に形成されている。なお、取付面91は、実施例1における取付面31と同様、特許請求の範囲に記載される「固定対象物」に相当するものである。アンカー部88は、詳細な説明を省略するが、下側から固定孔93に挿入され、且つ、上面が固定孔93内の被係合部(図示せず)に係合することにより上記固定を実現している。
つぎに、クリップ61の組み立て作業(組み立て方法)について説明する。
まず、図19(a)に図示するように、アンカー部材63の延在部78の開放端側に、クリップ本体62を配置する。しかる後、図19(b)に図示するように、挿通孔70に延在部78を挿通する。
しかる後、図20(a)、(b)に図示するように、キー部材5を収容孔71に挿入、収容する。このとき、キー部材5の係合部44(図5参照)は、本被係合部77(図17(b)参照)に係合される。以上により、クリップ61の組み立て作業が完了する。尚、キー部材5は、予め、挿通筒部66の収容孔71に挿入し、キー部材5の係合部44を仮被係合部76に係合させた状態で収容しておいても良い。
上記の通り、クリップ61の組み立てが完了すると、特に図示しないが、第一係合突起73が下面側係合溝82に係合するとともに、第二係合突起41が上面側係合溝81に係合する。延在部78が挿通孔70に対する挿通方向に沿ってスライドしようとしたとき、第一係合突起73の係止面74が下面側係合溝82の直交面85に面接触するとともに、第二係合突起41の係止面42が上面側係合溝81の直交面83に面接触することになる。したがって、クリップ本体62とアンカー部材63との相対的なスライドが規制される。
つぎに、クリップ61へのワイヤハーネス2の固定作業(固定方法)について説明する。
まず、図21(a)に図示するように、クリップ本体62の下面65にワイヤハーネス2を宛がう。しかる後、図21(b)に図示するように、クリップ本体62と、ワイヤハーネス2と、をテープ11にて結束し固定する。以上により、クリップ61へのワイヤハーネス2の固定作業が完了する。
なお、クリップ1の組み立てにあたっては、図19及び図20に図示するもの以外の他の組み立て方法を用いてもよいものとする。具体的には、図22(a)、(b)に図示するように、クリップ本体62の下面65を上側に配置して挿通孔70に延在部78を挿通するようにしてもよいものとする。しかる後、図23(a)、(b)に図示するように、キー部材5を収容孔71に挿入、収容する。以上により、クリップ61の組み立て作業が完了する。
図23(b)に図示するように組み立てられたクリップ61へのワイヤハーネス2の固定方法としては、図24(a)に図示するように、クリップ本体62の下面65にワイヤハーネス2を載置する。しかる後、図24(b)に図示するように、クリップ本体62と、ワイヤハーネス2と、をテープ11にて結束し固定する。以上により、クリップ61へのワイヤハーネス2の固定作業が完了する。
また、クリップ61の組み立てにあたっては、図19及び図20、又は、図22及び図23に図示するもの以外の、さらに他の組み立て方法を用いてもよいものとする。具体的には、図25(a)、(b)に図示するように、クリップ本体62(挿通筒部66)を、延在部78の延在方向における略中間部に配置させるようにしてもよいものとする。
クリップ61を図25(b)に図示するように組み立てた場合、延在部78の開放端側の部分(図25(b)においては、引用符号Eの指示する部分)が不要となるため、ニッパー等の工具にて切断してもよいものとする。
つぎに、図26を参照しつつ、ワイヤハーネス2を車体パネル90に第1の配索状態にて配索した場合における本実施例の作用について説明する。なお、図26において、クリップ61は、図19及び図20に図示する組み立て方法にて組み立てられたものである。また、ワイヤハーネス2は、図21に図示する固定方法にてクリップ61に固定されている。
図26において、車体パネル90の取付面91における固定孔93がボディーエッジ94側に設けられ、且つ、ワイヤハーネス2を配索するスペースが車体パネル90の凹部92のみである場合であっても、本実施例によれば、ワイヤハーネス2を、クリップ61を介して車体パネル90に固定することが可能である。
本実施例によれば、第一係合突起73が下面側係合溝82に係合するとともに、第二係合突起41が上面側係合溝81に係合することにより、クリップ本体62とアンカー部材63との相対的なスライドが規制される。したがって、図26に図示するように、ワイヤハーネス2と隣接面96との間に所定の間隔X3を保持するとともに、ワイヤハーネス2と隣接面97との間に所定の間隔X4を保持することができることになる。
つぎに、図27を参照しつつ、ワイヤハーネス2を車体パネル90に第2の配索状態にて配索した場合における本実施例の作用について説明する。なお、図27において、クリップ61は、図25に図示する組み立て方法にて組み立てられたものである。また、ワイヤハーネス2は、クリップ本体62の下面65に宛がわれた状態にてクリップ61に固定されている。
図27において、車体パネル90の取付面91における固定孔93がボディーエッジ95側に設けられ、且つ、ワイヤハーネス2を配索するスペースが車体パネル90の凹部92のみである場合であっても、本実施例によれば、ワイヤハーネス2を、クリップ61を介して車体パネル90に固定することが可能である。
本実施例によれば、第一係合突起73が下面側係合溝82に係合するとともに、第二係合突起41が上面側係合溝81に係合することにより、クリップ本体62とアンカー部材63との相対的なスライドが規制される。したがって、図27に図示するように、ワイヤハーネス2と隣接面96との間に所定の間隔X3を保持するとともに、ワイヤハーネス2と隣接面97との間に所定の間隔X4を保持することができることになる。
つぎに、図28を参照しつつ、ワイヤハーネス2を車体パネル90に第3の配索状態にて配索した場合における本実施例の作用について説明する。なお、図28において、クリップ61は、図22及び図23に図示する組み立て方法にて組み立てられたものである。また、ワイヤハーネス2は、図24に図示する固定方法にてクリップ61に固定されている。
図28において、車体パネル90の取付面91における固定孔93がボディーエッジ94側に設けられる場合であっても、本実施例によれば、ワイヤハーネス2を、クリップ61を介して車体パネル90に固定することが可能である。
本実施例によれば、第一係合突起73が上面側係合溝81に係合するとともに、第二係合突起41が下面側係合溝82に係合することにより、クリップ本体62とアンカー部材63との相対的なスライドが規制される。したがって、図28に図示するように、ワイヤハーネス2と隣接面96との間に所定の間隔X3を保持することができることになる。
つぎに、図29を参照しつつ、ワイヤハーネス2を車体パネル90に第4の配索状態にて配索した場合における本実施例の作用について説明する。なお、図29において、クリップ61は、クリップ本体62(挿通筒部66)を、延在部78の延在方向における略中間部に配置させるようにして組み立て方法にて組み立てられたものである。また、ワイヤハーネス2は、クリップ本体62の下面65に載置された状態にてクリップ61に固定されている。
図29において、車体パネル90の取付面91における固定孔93がボディーエッジ95側に設けられる場合であっても、本実施例によれば、ワイヤハーネス2を、クリップ61を介して車体パネル90に固定することが可能である。
本実施例によれば、第一係合突起73が上面側係合溝81に係合するとともに、第二係合突起41が下面側係合溝82に係合することにより、クリップ本体62とアンカー部材63との相対的なスライドが規制される。したがって、図29に図示するように、ワイヤハーネス2と隣接面96との間に所定の間隔X3を保持することができることになる。
以上、説明した通り、本実施例によれば、クリップ本体62とアンカー部材63とが係合した状態において、クリップ本体62とアンカー部材63は、相対的にスライドすることはないため、車体パネル90にワイヤハーネス2が配索され、クリップ61にてワイハーネス2が固定された状態において、ワイヤハーネス2と隣接面96、97との間を所定の間隔X3、X4にて保持することができる。
また、本実施例によれば、車両に応じワイヤハーネス2と隣接面96、97との所定の間隔や、車体パネル90の取付面91における固定孔93の位置が変わった場合であっても、ワイヤハーネス2と隣接面96、97との間に所定の間隔X3、X4を保持することができることになる。
つぎに、本実施例の効果について説明する。
以上、図16-図29を参照しながら説明してきたように、本実施例によれば、実施例1と同様の効果を奏する。
この他、本発明は本発明の主旨を変えない範囲で種々変更実施可能なことは勿論である。
上記説明では、実施例1における車体パネル50の一部である隣接面56、57(図12-図15参照)や、実施例2における車体パネル90の一部である隣接面96、97(図26-図29参照)は、それぞれ、特許請求の範囲に記載される「隣接物」に相当するものであるが、「隣接物」の具体例としては、隣接面36、37、96、97に限らず、車両に搭載される機器(図示せず)であってもよいものとする。
1、61…クリップ、 2…ワイヤハーネス、 3、62…クリップ本体、 4、63…アンカー部材、 5…キー部材、 6…電線、 7…ワイヤハーネス固定部、 8、78…延在部、 9、12、23、37、64、79…上面、 10、13、24、38、65、80…下面、 11…テープ(固定手段)、 14、81…上面側係合溝(係合溝)、 15、82…下面側係合溝(係合溝)、 16、18、83、85…直交面、 17、19、34、43、75、84、86…傾斜面、 20、87…軸部、 21、66…挿通筒部、 22、88…アンカー部、 25、39…左側面、 26、40…右側面、 27…前面、 28…背面、 29、70…挿通孔、 30、71…収容孔 31、72…底面、 32、73…第一係合突起、 33、42、74…係止面、 35、76…仮被係合部、 36、77…本被係合部、 41…第二係合突起、 44…係合部、 50、90…車体パネル、 51、91…取付面(固定対象物)、 52、92…凹部、 53、93…固定孔、 54、55…ボディーエッジ、 56、57、96、97…隣接面(隣接物)、 X1、X2、X3、X4…所定の間隔

Claims (4)

  1. ワイヤハーネスを固定可能なワイヤハーネス固定部を有するクリップ本体と、
    該クリップ本体に係合可能に形成され、且つ、固定対象物に固定可能に形成されるアンカー部材と、
    を備え、
    前記クリップ本体と前記アンカー部材のいずれか一方に、延在部を設け、
    前記クリップ本体と前記アンカー部材のいずれか他方に、前記延在部を挿通可能に形成される挿通孔と、該挿通孔に連通する収容孔と、を有する挿通筒部を設け、
    前記延在部は、この一方の面と他方の面それぞれに前記延在部の延在方向に沿って連続する係合溝が設けられ、
    前記挿通孔は、この内面のうち、前記挿通孔に挿通された前記延在部の一方の面と他方の面のいずれか一方と対向する内面に前記係合溝と係合可能に形成される第一係合突起が設けられ、
    さらに、前記収容孔に収容可能に形成されるキー部材を備え、
    該キー部材は、前記収容孔に収容された状態において前記延在部の一方の面と他方の面のいずれか他方と対向する側に前記係合溝と係合可能に形成される第二係合突起が設けられ、
    前記係合溝と、前記第一係合突起と、前記第二係合突起と、は、前記第一係合突起が前記延在部の一方の面と他方の面のいずれか一方の前記係合溝と係合され、且つ、前記第二係合突起が前記延在部の一方の面と他方の面のいずれか他方の前記係合溝と係合された状態において、前記固定対象物に固定された前記アンカー部材と係合された前記クリップ本体に固定される前記ワイヤハーネスと、該ワイヤハーネスに隣接する隣接物と、の間に、所定の間隔を保持可能となるように配置形成される
    ことを特徴とするクリップ。
  2. 請求項1に記載のクリップにおいて、
    前記係合溝は、この内面に前記延在部の延在方向に直交する直交面が形成され、
    前記第一係合突起と前記第二係合突起それぞれには、係止面が形成され、
    該係止面は、前記第一係合突起と前記第二係合突起それぞれが前記係合溝に係合した状態において、前記延在部が前記挿通孔に対する挿通方向に沿ってスライドしようとしたとき前記直交面に面接触可能に形成される
    ことを特徴とするクリップ。
  3. 請求項1又は2に記載のクリップにおいて、
    前記収容孔は、本被係合部と、仮被係合部と、を備え、
    前記キー部材は、前記本被係合部と前記仮被係合部それぞれに係合可能に形成される係合部を備え、
    前記本被係合部は、前記係合部と係合された状態において、前記係合溝と前記第二係合突起との係合を保持可能に形成され、
    前記仮被係合部は、前記係合部と係合された状態において、前記係合溝と前記第二係合突起とが係合する前の状態にて前記キー部材を前記収容孔内に保持可能に形成される
    ことを特徴とするクリップ。
  4. 請求項1、2又は3に記載のクリップにおいて、
    少なくとも前記延在部は、樹脂にて成形される
    ことを特徴とするクリップ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN114937954A (zh) * 2022-05-25 2022-08-23 安徽江淮汽车集团股份有限公司 一种线束固定装置

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