JP2022007299A - 電動モータ - Google Patents

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哲平 時崎
Teppei Tokisaki
義親 川島
Yoshichika Kawashima
夏海 田村
Natsumi Tamura
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Abstract

【課題】駆動騒音を確実に低減できる電動モータを提供する。【解決手段】回転軸線を中心に点対称位置に存在するコイルの巻回方向が同一で、かつ回転軸線回り方向で隣り合うコイルの巻回方向が互いに逆方向であり、複数のセグメント15は、各々微小スリット17を間に挟んで配置され、各微小スリット17の周方向中央と回転軸線を通る2つの直線の間の角度が、23.5°、22.5°、21.5°、22.5°の順に割り当てられている。【選択図】図6

Description

本発明は、電動モータに関する。
一般に、電動モータとして、例えば、円筒状のヨークの内周面にマグネットを配置し、このマグネットよりも径方向内側に、アーマチュアを回転軸線回りに回転自在に設けたブラシ付きの直流モータが知られている。アーマチュアは、ヨークに対して回転軸線回りに回転自在に設けられたシャフトと、シャフトに固定されたアーマチュアコアと、アーマチュアコアの各ティースに巻回されたコイルと、シャフトに固定され、アーマチュアコアと一体となって回転するコンミテータと、コンミテータに摺接され外部電源と電気的に接続されたブラシと、を備えている。
アーマチュアコアは、シャフトに嵌合固定される円環状のコア本体を有している。このコア本体の外周に、径方向外側に向かって放射状に延びる複数のティースが設けられている。コイルは、各ティース間に形成されるスロットを介し、各ティースに巻回されている。コンミテータは、回転軸線回り方向に互いに絶縁された状態で並んで配置された複数のセグメントを有している。各コイルの端末部は、回転軸線回り方向に隣接するセグメント間、又はこのセグメント間の同等の電位差のセグメント間に接続される。各セグメントに、複数のブラシが摺接される。
このような構成のもと、ブラシによりセグメントを介して各コイルに直流電流が供給されると、アーマチュアコアに磁界が形成される。そして、この磁界とマグネットとの間に生じる磁気的な吸引力や反発力により、アーマチュア及びシャフトが回転する。この回転によってブラシが摺接されるセグメントが順次変更され、コイルに流れる電流の向きが切り替えられる、いわゆる整流が行われる。そして、継続的にアーマチュアが回転され、回転出力がシャフトから取り出される。
ところで、このような電動モータにおいて、例えば、陽極側及び陰極側のブラシのセグメントへの当接が、一方は1つのセグメントに当接し、他方は2つのセグメントに跨るように当接する状態になってしまうと、等価電気回路のコイル数に差が生じ、各々コイルを流れる電流にバラツキが生じてしまう。これが電動モータの整流を悪化させるとともに電動モータの駆動時の振動や騒音の原因となってしまう可能性がある。そこで、磁気バランスの優れた電動モータとすることで整流悪化を改善するとともに駆動時の振動や騒音を低減することができる電動モータが提案されている。
特開2007-202391号公報
しかしながら、上述の従来技術にあっては、整流悪化を改善でき、かつ電動モータの駆動騒音を低減できる点では優れているが、コギングトルクやトルクリップルのP-P値(Peak to Peak値)が増加してしまう可能性があった。そして、電動モータの駆動騒音を確実に低減できるとはいいにくいという課題があった。
そこで、本発明は、駆動騒音を確実に低減できる電動モータを提供する。
上記の課題を解決するために、本発明に係る電動モータは、回転軸線回りに回転自在に設けられ、前記回転軸線に直交する径方向に沿って延びる16個のティースを有するアーマチュアコアと、前記回転軸線回りの方向で隣り合う4つの前記ティースに跨って巻回される複数のコイルと、前記コイルの端末部が接続され、前記回転軸線回りに各々スリットを間に挟んで配置された16個のセグメントと、前記セグメントを介して前記コイルに給電を行うブラシと、前記ティースと前記径方向で対向配置され、前記回転軸線回りに4極の磁極が配列されたマグネットと、を備え、前記回転軸線を中心に点対称位置に存在する前記コイルの巻回方向が同一で、かつ前記回転軸線回り方向で隣り合う前記コイルの巻回方向が互いに逆方向であり、各前記スリットの周方向中央と前記回転軸線を通る2つの直線の間の角度が、23.5°、22.5°、21.5°、22.5°の順に割り当てられていることを特徴とする。
本発明に係る電動モータは、回転軸線回りに回転自在に設けられ、前記回転軸線に直交する径方向に沿って延びる16個のティースを有するアーマチュアコアと、前記回転軸線回りの方向で隣り合う4つの前記ティースに跨って巻回される複数のコイルと、前記コイルの端末部が接続され、前記回転軸線回りに配置された16個のセグメントと、前記セグメントを介して前記コイルに給電を行うブラシと、前記ティースと前記径方向で対向配置され、前記回転軸線回りに配置された4個のマグネットと、を備え、前記回転軸線を中心に点対称位置に存在する前記コイルの巻回方向が同一で、かつ前記回転軸線回り方向で隣り合う前記コイルの巻回方向が互いに逆方向であり、前記4個のマグネットは、前記ティースとの対向面の磁極が前記回転軸線回り方向で交互になるように配置されており、前記回転軸線回り方向で隣り合う前記マグネットの間に形成される隙間は、幅の狭い狭隙間と前記狭隙間の幅よりも広い幅の広隙間とが前記回転軸線回り方向で順番に並んでいることを特徴とする。
本発明に係る電動モータは、回転軸線回りに回転自在に設けられ、前記回転軸線に直交する径方向に沿って延びる16個のティースを有するアーマチュアコアと、前記回転軸線回りの方向で隣り合う4つの前記ティースに跨って巻回される複数のコイルと、前記コイルの端末部が接続され、前記回転軸線回りに各々スリットを間に挟んで配置された16個のセグメントと、前記セグメントを介して前記コイルに給電を行うブラシと、前記ティースと前記径方向で対向配置され、前記回転軸線回りに配置された4個のマグネットと、を備え、前記回転軸線を中心に点対称位置に存在する前記コイルの巻回方向が同一で、かつ前記回転軸線回り方向で隣り合う前記コイルの巻回方向が互いに逆方向であり、各前記スリットの周方向中央と前記回転軸線を通る2つの直線の間の角度が、23.5°、22.5°、21.5°、22.5°の順に割り当てられており、前記4個のマグネットは、前記ティースとの対向面の磁極が前記回転軸線回り方向で交互になるように配置されており、前記回転軸線回り方向で隣り合う前記マグネットの間に形成される隙間は、幅の狭い狭隙間と前記狭隙間の幅よりも広い幅の広隙間とが前記回転軸線回り方向で順番に並んでいることを特徴とする。
本発明によれば、電動モータの駆動騒音を確実に低減できる。
本発明の実施形態における減速機付きモータの外観側面図。 本発明の実施形態における減速機付きモータの断面図。 図1のA-A線に沿う断面図。 本発明の実施形態におけるアーマチュアの側面図。 本発明の実施形態におけるアーマチュア及びマグネットを展開した図。 本発明の実施形態におけるセグメントの周方向の幅についての説明図。 本発明の実施形態における均等セグメントと不等セグメントとのスリットの位置を比較した図。 本発明の実施形態における電動モータのトルクリップルの変化を均等セグメントと不等セグメントとで比較したグラフ。 本発明の実施形態におけるブラシの後端電圧を均等セグメントと不等セグメントとで比較したグラフ。 本発明の実施形態の変形例におけるヨーク及びアーマチュアの径方向に沿う断面図。 本発明の実施形態の変形例における電動モータのコギングトルク及びトルクリップルのP-P値を、マグネットの間隔が等間隔の場合と不等間隔の場合とで比較したグラフ。 本発明の実施形態の変形例におけるブラシの後端電圧を、グネットの間隔が等間隔の場合と不等間隔の場合とで比較したグラフ。
次に、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
<減速機付きモータ>
次に、この発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明に係る電動モータ2が適用された減速機付きモータ1の外観側面図である。図2は、減速機付きモータ1の断面図である。図3は、図1のA-A線に沿う断面図である。
図1から図3に示すように、減速機付きモータ1は、例えば、自動車のワイパ駆動用に用いるものである。減速機付きモータ1は、電動モータ2と、電動モータ2に連結された減速機構4と、を備えている。電動モータ2は、有底筒状のモータハウジングを兼ねたヨーク5と、ヨーク5内に回転軸線C回りに回転自在に設けられたアーマチュア6と、アーマチュア6に給電を行うためのブラシ21と、を備えた、いわゆるブラシ付きの直流モータである。
以下の説明では、アーマチュア6の回転軸線C方向を単に軸方向、アーマチュア6の回転軸線C回り方向を周方向、軸方向及び周方向に直交するアーマチュア6の径方向を単に径方向と称して説明する。
ヨーク5の筒部53は、円筒状に形成されている。ヨーク5の底壁51には、径方向中央に、軸方向外側に向かって突出する軸受ハウジング19が形成されている。軸受ハウジング19に、シャフト3の一端を回転自在に軸支するための滑り軸受18が設けられている。滑り軸受18は、シャフト3の調心機能を有している。
筒部53の開口部には、径方向外側に向かって張り出す外フランジ部52が屈曲形成されている。外フランジ部52に、減速機構4のギアハウジング23の端部が固定される。これにより、電動モータ2と減速機構4とが一体に結合される。
また、筒部53の内周面53aには、4つのマグネット7が周方向に等間隔で設けられている。マグネット7のアーマチュア6との対向面の磁極は、N極とS極とが周方向に交互になる。マグネット7は、軸方向からみて筒部53の内周面53aに沿うように円弧状に形成されている。より具体的には、マグネット7における外周面7aの曲率半径Rm1は、筒部53における内周面53aの曲率半径Ry1と同一である。これに対し、マグネット7における内周面7bの曲率半径Rm2は、曲率半径Rm1よりも大きい。このため、マグネット7は、周方向中央から周方向両端に向かうに従って、漸次径方向の厚さが薄くなる。
<アーマチュア>
図4は、アーマチュア6の側面図である。
図2から図4に示すように、アーマチュア6は、シャフト3の外周面でマグネット7に対応する位置に嵌合固定されたアーマチュア本体80と、シャフト3の他端側(減速機構4側)に配置されたコンミテータ10と、を備えている。
アーマチュア本体80は、アーマチュアコア8と、アーマチュアコア8に巻回されたコイル9と、を有している。アーマチュアコア8は、プレス加工等によって打ち抜かれた磁性材料のコアプレートを軸方向に積層することで形成された積層コアである。しかしながらこれに限れるものではなく、例えばアーマチュアコア8を、軟磁性粉を加圧成形した圧粉コアとしてもよい。
<アーマチュアコア>
図4に示すように、アーマチュアコア8は、円環状のコア本体11を有している。コア本体11の中心には、シャフト3を圧入するための貫通孔11aが形成されている。また、コア本体11の外周部には、周方向に等間隔でティース12が放射状に16個設けられている。各ティース12は、軸方向からみてT字型に形成されている。すなわち、各ティース12は、コア本体11から径方向に沿って放射状に突出するティース本体12aと、ティース本体12aの先端から周方向に沿って延び、アーマチュアコア8の外周を構成する鍔部12bと、により構成されている。
このような構成により、周方向で隣接するティース12間には、スロット13が16個形成されている。これらスロット13にコイル9を通し、ティース本体12aの外周にコイル9を重巻方式で巻回している。コイル9の巻回方法の詳細は、後述する。
ここで、ティース12の鍔部12bはアーマチュアコア8の外周を構成しており、その曲率半径Rt1は、ヨーク5の筒部53における内周面53aの曲率半径Ry1と同一である。また、ティース12の鍔部12bは、マグネット7と径方向で対向している。マグネット7における内周面7bの曲率半径Rm2は、筒部53における内周面53aの曲率半径Ry1よりも大きい。このため、ティース12の鍔部12bとマグネット7の内周面7bとの間隔は、マグネット7の周方向中央から周方向両端に向かうに従って漸次大きくなる。
<コンミテータ>
図3に示すように、コンミテータ10はシャフト3の外周面に嵌合固定されている。コンミテータ10の外周面には、導電材で形成された16個のセグメント15が周方向に互いに絶縁が確保されて並んで設けられている。つまり、本実施形態の電動モータ2は、磁極数が4極、スロット13の個数が16個、セグメント15の個数が16個のいわゆる4極16スロット16セグメントのブラシ付き直流モータである。
図5は、アーマチュア6及びマグネット7を展開した図である。
ここで、図3、図5に示すように、セグメント15は、周方向の幅が異なる3つの不等セグメント15x,15y,15z(第1不等セグメント15x、第2不等セグメント15y、第3不等セグメント15z)からなる。これら不等セグメント15x,15y,15zが、第1不等セグメント15x、第2不等セグメント15y、第3不等セグメント15z、第2不等セグメント15y、・・・、第1不等セグメント15x、第2不等セグメント15y、第3不等セグメント15z、第2不等セグメント15yの順で周方向に並んで配置されている。すなわち、セグメント15に1番から16番まで周方向に順に番号を付したとき、1,5,9,13番のセグメント15は、第1不等セグメント15xとなる。2,4,6,8,10,12,14,16番のセグメント15は、第2不等セグメント15yとなる。3,7,11,15番のセグメント15は、第3不等セグメント15zとなる。以下、不等セグメント15x,15y,15zの周方向の幅について説明する。
図6は、セグメント15(不等セグメント15x,15y,15z)の周方向の幅についての説明図である。
図5、図6に示すように、各不等セグメント15x,15y,15zの間には、微小スリット(請求項におけるスリットの一例)17が形成されている。この微小スリット17を介して各不等セグメント15x,15y,15zが周方向に並んで配置されることにより、各不等セグメント15x,15y,15zの絶縁が確保される。微小スリット17の周方向の幅は全て同一である。
ここで、各微小スリット17の周方向中央と回転軸線Cとを通る2つの直線L1,L2の間の角度θは、23.5°、22.5°、21.5°、22.5°の順に割り当てられている。そして、角度θが23.5°の領域に、第1不等セグメント15xが配置されている。角度θが22.5°の領域に、第2不等セグメント15yが配置されている。角度θが21.5°の領域に、第3不等セグメント15zが配置されている。以下の説明では、第1不等セグメント15xが配置されている角度領域を角度θxとする。第2不等セグメント15yが配置されている角度領域を角度θyとする。第3不等セグメント15zが配置されている角度領域を角度θzとする。
なお、各角度θx,θy,θzは、高精度に上記角度である必要はなく、製造誤差の許容範囲内であればよい。例えば、各角度θx,θy,θzの製造誤差は、-0.5°程度あってよい。
図2、図3に戻り、各不等セグメント15のアーマチュアコア8側の端部には、径方向外側に折り返す形で折り曲げられたライザ16が一体成形されている。ライザ16には、コイル9の端末部が掛け回わされ(図示略)、ヒュージングなどにより固定されている。これにより、不等セグメント15と、これに対応するコイル9とが導通される。
また、図5に示すように、ライザ16には、同電位となる不等セグメント15同士(機械角で180°間隔をあけて配置され、シャフト3を中心にして対向配置されているセグメント同士)を接続する接続線14が設けられている。すなわち、1,9番の不等セグメント15同士、2,10番の不等セグメント15同士、3,11番の不等セグメント15同士、4,12番の不等セグメント15同士、5,13番の不等セグメント15同士、6,14番の不等セグメント15同士、7,15番の不等セグメント15同士、8,16番の不等セグメント15同士は、それぞれ図示しない接続線を介して接続されている。
このように構成されたコンミテータ10は、図2に示すように、減速機構4のギアハウジング23に臨まされている。ギアハウジング23には、減速機構4の歯車群41が収納されている。また、ギアハウジング23の電動モータ2側には、ブラシ収納部22が一体成形され、ここに電動モータ2のコンミテータ10が臨まされている。
ブラシ収納部22の内側に、ホルダステーやブラシホルダ(いずれも図示しない)を介して複数のブラシ21が出没自在に収納されている。ブラシ21は、図示しないスプリングによってコンミテータ10側に向かって付勢されている。ブラシ21の先端が、不等セグメント15に摺接されている。
ブラシ21は、陽極(+)側に接続されている低速用ブラシ21a、及び高速用ブラシ21bと、これら低速用ブラシ21aと高速用ブラシ21bとに共通使用され陰極(-)側に接続されている共通ブラシ21cと、で構成されている。低速用ブラシ21aと共通ブラシ21cは互いに電気角で180°間隔をあけて配設されている。一方、高速用ブラシ21bは、低速用ブラシ21aから周方向に一定の角度だけ離間して配置されている。なお、この実施形態では、共通ブラシ21cを陰極側とし、低速用ブラシ21a及び高速用ブラシ21bを陽極側として説明するが、陽極側と陰極側を反対にしてもよい。
<コイルの形成方法>
次に、図5に基づいて、コイル9の形成方法の一例について説明する。図5において、隣接するティース12間の空隙がスロット13に相当している。また、図5では、各ティース12、及び形成されたコイル9に、それぞれ符号を付して説明する。
ここで、不等セグメント15x,15y,15zに付した番号のうち、1番に相当する位置は、1番ティース12に対応する位置とする。図5において、各ティース12へのコイル9の巻回方向が時計回りであるときを順方向と称し、反時計回りであるときを逆方向と称して説明する。
図5に示すように、コイル9は、周方向で隣り合う4つのティース12に跨って巻回される。換言すれば、コイル9は、周方向で3つのスロット13を飛ばしたスロット13間に順次巻装する重巻方式にて巻回する。
より具体的には、例えば、コイル9の巻き始め端(請求項における端末部の一例)9aを2番の第2不等セグメント15yより巻き始める場合、この後、コイル9を2番の第2不等セグメント15yの近傍に存在する16-1番ティース12の間のスロット13に引き込む。そして、このスロット13と4-5番ティース12の間のスロット13との間に、コイル9を順方向に巻回し、第1コイル91を形成する。
次に、4-5番ティース9の間のスロット13と8-9番ティース12の間のスロット13との間に、コイル9を逆方向に巻回し、第2コイル92を形成する。
次に、8-9番ティース9の間のスロット13と12-13番ティース12の間のスロット13との間に、コイル9を順方向に巻回し、第3コイル93を形成する。
次に、12-13番ティース9の間のスロット13と16-1番ティース12の間のスロット13との間に、コイル9を逆方向に巻回し、第4コイル94を形成する。
この後、12-13番ティース12の間のスロット13から引き出されたコイル9の巻き終わり端(請求項における端末部の一例)9bを、2番の第2不等セグメント15yに隣接する3番の第3不等セグメント15zに接続する。
そして、これを順次各隣接するセグメント15の間に、4つのコイル91~94を繰り返しながら巻き進むことにより、各隣接するセグメント15の間に、周方向に機械角で90°の角度間隔を有する4つの第1~第4コイル91~94が形成される。すなわち、各マグネット7に対向する各スロット13間には、都合4つのコイル91~94が重ねて巻回された短節巻線のコイル9が形成される。
また、4つのコイル91~94は、回転軸線Cを中心に対称配置されている第1コイル91と第3コイル93の巻回方向が順方向で同一方向である。さらに、回転軸線Cを中心に対称配置されている第2コイル92と第4コイル94の巻回方向が逆方向で同一方向である。一方、周方向で隣り合うコイル91~94の巻回方向は互いに逆方向になる。以下、このように形成された4つのコイル91~94を、バランス巻きのコイル91~94と称する場合がある。
<電動モータの動作>
次に、電動モータ2の動作について説明する。
例えば、図5に示すように、低回転駆動時において3番の不等セグメント15zに低速用ブラシ21a、7番の不等セグメント15zに共通ブラシ21cが摺接した場合、高速用ブラシ21bは12番の不等セグメント15yと13番の不等セグメント15xとに跨って摺接する。このとき、12番の不等セグメント15yは4番の不等セグメント15yと短絡し、13番の不等セグメント15xは5番の不等セグメント15xと短絡しているため、各コイル91~94が高速用ブラシ21bによって短絡される。
しかしながら、これらコイル91~94は四方に等分に巻回されているため、通電されているコイル9のエリアが四方共に等しくなる。すなわち、回転軸線C(シャフト3)を中心に四方の通電コイルの有効導体数が等しくなる。コイル9が通電されることにより、アーマチュア6(ティース12)に磁界が形成される。この磁界とマグネット7との間に、磁気的な吸引力や反発力が生じ、シャフト3が回転する。
次に、各コイル9への通電状態について説明する。
例えば、低速用ブラシ21a(陽極側)と共通ブラシ21c(陰極側)を用いて電動モータ2を低回転駆動させた場合、低速用ブラシ21aが摺接している3番の不等セグメント15zに接続されているコイル9に電流が流れ、この電流は引き続き各不等セグメント15x,15y,15z、接続線14、及びこれらに対応するコイル9を通って共通ブラシ21cが摺接している7番の不等セグメント15xへと流れていく。
一方、11番の不等セグメント15zは、低速用ブラシ21aが摺接している3番の不等セグメント15zに接続線14によって短絡されている。このため、11番の不等セグメント15zに接続されているコイル9にも電流が流れる。そして、この電流は引き続き各不等セグメント15x,15y,15z、接続線14、及びこれらに対応するコイル9を通って共通ブラシ21cが摺接している7番の不等セグメント15zへと流れていく。
すなわち、低速用ブラシ21aが3番の不等セグメント15zを印加することによって流れる電流は、3番の不等セグメント15zに接続されているコイル9から共通ブラシ21cに向かって流れる電流と、11番の不等セグメント15zに接続されているコイル9から共通ブラシ21cに向かって流れる電流との2通り存在することになる。したがって、コイル9は2つの並列回路数を有する構造になっていることになる。このことは、高速用ブラシ21b(陽極側)と共通ブラシ21c(陰極側)を用いて電動モータ2を高回転駆動させた場合であっても同様である。このように、バランス巻きのコイル91~94とすることで磁気バランスの優れた電動モータ2とすることができ、整流悪化を改善するとともに駆動時の振動や騒音を低減することができる。
次に、図7に基づいて、各不等セグメント15x,15y,15zの作用について説明する。
図7は、周方向の幅が全て同一のセグメント(均等セグメント)と、不等セグメント15x,15y,15z,15yとの微小スリット17の位置を比較した図である。
図7に示すように、不等セグメント15x,15y,15zが配置される角度θx,θy,θz(角度領域)は、それぞれ23.5°、22.5°、21.5°である。このため、例えば1-2番の不等セグメント15x,15y間の微小スリット17が、進角0°に位置しているのに対し、3-4番の不等セグメント15z,15y間の微小スリット17、及び4-5番の不等セグメント15y,15x間の微小スリット17が進角側に変位する。
次に、図8、図9に基づいて、不等セグメント15x,15y,15zによる効果について説明する。
図8は、縦軸を電動モータ2のトルクリップル〔Nm〕とし、横軸を次数成分としたときのトルクリップルの変化を示すグラフである。また、図8は、コンミテータに使用されるセグメントとして、セグメント幅が全て同一の均等セグメント(以下、単に均等セグメントと称する)を用いた場合と本実施形態の不等セグメント15x,15y,15zを用いた場合とを比較している。
図8に示すように、均等セグメントを用いた場合と比較して不等セグメント15x,15y,15zを用いた場合のトルクリップルが低減されていることが確認できる。とりわけ、トルクリップルのピークが低減されていることが確認できる。
図9は、整流終期のセグメント15に対するブラシ21の後端接触電圧△V(以下、ブラシ21の後端電圧と称する)〔V〕を、コンミテータに使用されるセグメントとして均等セグメントを用いた場合と本実施形態の不等セグメント15x,15y,15zを用いた場合とで比較したグラフである。
図9に示すように、均等セグメントを用いた場合と不等セグメント15x,15y,15zを用いた場合とでブラシ21の後端電圧に殆ど差が無いことが確認できる。
したがって、上述の実施形態によれば、4極16スロット16セグメントの電動モータ2で、かつバランス巻きのコイル91~94を有する電動モータ2において、駆動騒音を確実に低減できる。
〔変形例〕
図10は、本実施形態の変形例におけるヨーク5及びアーマチュア6の径方向に沿う断面図である。図10は、前述の図3に対応している。
ここで、上述の実施形態では、ヨーク5における筒部53の内周面53aに、4つのマグネット7が周方向に等間隔で設けられている場合(以下、単にマグネット7の間隔が等間隔の場合と称する)について説明した。しかしながらこれに限られるものではなく、図10に示すように、周方向で隣り合うマグネット7の間に形成される隙間Sは、幅の狭い狭隙間Snと狭隙間Snの幅よりも広い幅の広隙間Swとが周方向で順番に並んでいてもよい。なお、以下の説明では、狭隙間Snと広隙間Swとが交互に並ぶ場合をマグネット7の間隔が不等間隔の場合と称する。このようなマグネット7の間隔が不等間隔の場合、セグメント15は、不等セグメント15x,15y,15zで構成されていなくてもよく、均等セグメントで構成されていてもよい。
図11は、電動モータ2のコギングトルクのP-P値〔Nm〕及び電動モータ2のトルクリップルのP-P値〔Nm〕を、マグネット7の間隔が等間隔の場合と不等間隔の場合とで比較したグラフである。図11では、セグメント15は均等セグメントである。
図11に示すように、マグネット7の間隔が不等間隔の場合、マグネット7の間隔が等間隔の場合よりも電動モータ2のコギングトルクのP-P値及びトルクリップルのP-P値が低減されることが確認できる。
図12は、ブラシ21の後端電圧〔V〕を、マグネット7の間隔が等間隔の場合と不等間隔の場合とで比較したグラフである。
図12に示すように、マグネット7の間隔が等間隔の場合と不等間隔の場合とでブラシ21の後端電圧に殆ど差が無いことが確認できる。
したがって、マグネット7の間隔を不等間隔とした場合であっても、前述の実施形態と同様の効果を奏することができる。
なお、マグネット7の間隔を不等間隔とし、さらにセグメント15を不等セグメント15x,15y,15zで構成してもよい。このような場合であっても、上述の実施形態及び変形例と同様の効果を奏する。
また、本発明は上述の実施形態に限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、上述の実施形態に種々の変更を加えたものを含む。
例えば、上述の実施形態では、減速機付きモータ1は、自動車のワイパ駆動用に用いるものである場合について説明した。しかしながら、これに限られるものではなく、さまざまな用途に減速機付きモータ1を採用することが可能である。
上述の実施形態では、マグネット7は、外周面7aの曲率半径Rm1と内周面7bの曲率半径Rm2とが異なり、周方向中央から周方向両端に向かうに従って、漸次径方向の厚さが薄くなるように形成されている場合について説明した。しかしながら、これに限られるものではなく、マグネット7は、径方向の厚さが均一な軸方向からみて円弧状に形成されていてもよい。
1…減速機付きモータ、2…電動モータ、3…シャフト、4…減速機構、5…ヨーク、6…アーマチュア、7…各マグネット、7…マグネット、7a…外周面、7b…内周面、8…アーマチュアコア、9…コイル、9a…巻き始め端(端末部)、9b…巻き終わり端(端末部)、10…コンミテータ、11…コア本体、11a…貫通孔、12…ティース、12a…ティース本体、12b…鍔部、13…スロット、14…接続線、15…セグメント、15x…第1不等セグメント、15y…第2不等セグメント、15z…第3不等セグメント、16…ライザ、17…微小スリット、18…滑り軸受、19…軸受ハウジング、21…ブラシ、21a…低速用ブラシ、21b…高速用ブラシ、21c…共通ブラシ、22…ブラシ収納部、23…ギアハウジング、41…歯車群、51…底壁、52…外フランジ部、53…筒部、53a…内周面、80…アーマチュア本体、91…第1コイル、92…第2コイル、93…第3コイル、94…第4コイル、C…回転軸線、Sn…狭隙間、Sw…広隙間

Claims (3)

  1. 回転軸線回りに回転自在に設けられ、前記回転軸線に直交する径方向に沿って延びる16個のティースを有するアーマチュアコアと、
    前記回転軸線回りの方向で隣り合う4つの前記ティースに跨って巻回される複数のコイルと、
    前記コイルの端末部が接続され、前記回転軸線回りに各々スリットを間に挟んで配置された16個のセグメントと、
    前記セグメントを介して前記コイルに給電を行うブラシと、
    前記ティースと前記径方向で対向配置され、前記回転軸線回りに4極の磁極が配列されたマグネットと、
    を備え、
    前記回転軸線を中心に点対称位置に存在する前記コイルの巻回方向が同一で、かつ前記回転軸線回り方向で隣り合う前記コイルの巻回方向が互いに逆方向であり、
    各前記スリットの周方向中央と前記回転軸線を通る2つの直線の間の角度が、23.5°、22.5°、21.5°、22.5°の順に割り当てられている
    ことを特徴とする電動モータ。
  2. 回転軸線回りに回転自在に設けられ、前記回転軸線に直交する径方向に沿って延びる16個のティースを有するアーマチュアコアと、
    前記回転軸線回りの方向で隣り合う4つの前記ティースに跨って巻回される複数のコイルと、
    前記コイルの端末部が接続され、前記回転軸線回りに配置された16個のセグメントと、
    前記セグメントを介して前記コイルに給電を行うブラシと、
    前記ティースと前記径方向で対向配置され、前記回転軸線回りに配置された4個のマグネットと、
    を備え、
    前記回転軸線を中心に点対称位置に存在する前記コイルの巻回方向が同一で、かつ前記回転軸線回り方向で隣り合う前記コイルの巻回方向が互いに逆方向であり、
    前記4個のマグネットは、前記ティースとの対向面の磁極が前記回転軸線回り方向で交互になるように配置されており、
    前記回転軸線回り方向で隣り合う前記マグネットの間に形成される隙間は、幅の狭い狭隙間と前記狭隙間の幅よりも広い幅の広隙間とが前記回転軸線回り方向で順番に並んでいる
    ことを特徴とする電動モータ。
  3. 回転軸線回りに回転自在に設けられ、前記回転軸線に直交する径方向に沿って延びる16個のティースを有するアーマチュアコアと、
    前記回転軸線回りの方向で隣り合う4つの前記ティースに跨って巻回される複数のコイルと、
    前記コイルの端末部が接続され、前記回転軸線回りに各々スリットを間に挟んで配置された16個のセグメントと、
    前記セグメントを介して前記コイルに給電を行うブラシと、
    前記ティースと前記径方向で対向配置され、前記回転軸線回りに配置された4個のマグネットと、
    を備え、
    前記回転軸線を中心に点対称位置に存在する前記コイルの巻回方向が同一で、かつ前記回転軸線回り方向で隣り合う前記コイルの巻回方向が互いに逆方向であり、
    各前記スリットの周方向中央と前記回転軸線を通る2つの直線の間の角度が、23.5°、22.5°、21.5°、22.5°の順に割り当てられており、
    前記4個のマグネットは、前記ティースとの対向面の磁極が前記回転軸線回り方向で交互になるように配置されており、
    前記回転軸線回り方向で隣り合う前記マグネットの間に形成される隙間は、幅の狭い狭隙間と前記狭隙間の幅よりも広い幅の広隙間とが前記回転軸線回り方向で順番に並んでいる
    ことを特徴とする電動モータ。
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