JP2022006993A - 多孔質粒子の製造方法、多孔質粒子、及び、充填剤 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】置換基を有してもよいフェニレン基を主鎖に有する高分子化合物と有機溶媒とを混合して、加熱溶解させ、溶液を得ることと、上記溶液を冷却してゲルを得ることと、上記ゲルを粉砕し、上記高分子化合物と前記特定有機溶媒との共結晶を含む多孔質粒子を得ることと、を含み、上記有機溶媒の沸点が100℃以上であり、かつ、上記有機溶媒のハンセン溶解度パラメータの水素結合項が7.4MPa0.5以下であるか、又は、上記水素結合項が7.4MPa0.5を超え、上記ハンセン溶解度パラメータの分極項が11.4MPa0.5未満である、多孔質粒子の製造方法。
【選択図】図1
Description
[2] 上記高分子化合物が、後述する式1Aで表される繰り返し単位を有する、[1]に記載の多孔質粒子の製造方法。
[3] 上記高分子化合物が、後述する式1Bで表される繰り返し単位を有する、[1]又は[2]に記載の多孔質粒子の製造方法。
[4] 上記有機溶媒の沸点が130℃以上である、[1]~[3]のいずれかに記載の多孔質粒子の製造方法。
[5] 上記有機溶媒の沸点が200℃以上である、[4]に記載の多孔質粒子の製造方法。
[6] 上記有機溶媒が、ニトロベンゼン、1、2-ジメトキシベンゼン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、γ-ブチロラクトン、モルフォリン、及び、アニリンからなる群より選択される少なくとも1種である、[1]~[3]のいずれかに記載の多孔質粒子の製造方法。
[7] 更に、粉砕した上記ゲルを乾燥することを含む、[1]~[6]のいずれかに記載の多孔質粒子の製造方法。
[8] 上記有機溶媒と相溶し、上記高分子化合物の貧溶媒であり、かつ、沸点が上記有機溶媒より低い溶媒を用いて、粉砕した上記ゲルを乾燥させる前に、粉砕した上記ゲルを上記溶媒で洗浄することを含む、[7]に記載の多孔質粒子の製造方法。
[9] 上記溶液の全質量に対する上記高分子化合物の含有量の含有質量比が0.2~0.6である、[1]~[8]のいずれかに記載の多孔質粒子の製造方法。
[10] 上記有機溶媒が、ニトロベンゼン、及び、1,2-ジメトキシベンゼンからなる群より選択される少なくとも1種であり、上記高分子化合物が、後述する以下の式1Bで表される繰り返し単位を有する、[1]~[9]のいずれかに記載の多孔質粒子の製造方法。
[11] 置換基を有してもよいフェニレン基を主鎖に有する高分子化合物と、有機溶媒との共結晶を含み、上記有機溶媒の沸点が100℃以上であり、かつ、上記有機溶媒のハンセン溶解度パラメータの水素結合項が7.4MPa0.5以下であるか、又は、上記水素結合項が7.4MPa0.5を超え、上記ハンセン溶解度パラメータの極性項が11.4MPa0.5未満である、多孔質粒子。
[12] 上記高分子化合物が、後述する式1Aで表される繰り返し単位を有する、[11]に記載の多孔質粒子。
[13] 上記有機溶媒が、ニトロベンゼン、及び、1,2-ジメトキシベンゼンからなる群より選択される少なくとも1種であり、上記高分子化合物が、後述する式1Bで表される繰り返し単位を有する、[11]又は[12]に記載の多孔質粒子。
[14] [11]~[13]のいずれかに記載の多孔質粒子を含む充填剤。
以下に記載する構成要件の説明は、本発明の代表的な実施形態に基づいてなされることがあるが、本発明はそのような実施形態に制限されるものではない。
なお、本明細書において、「~」を用いて表される数値範囲は、「~」の前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む範囲を意味する。
(共結晶)
本明細書において、「共結晶」とは、25℃、大気下で一週間乾燥させた試料、又は、3回以上のメタノール洗浄を行った後に室温で真空乾燥を一晩実施した試料(洗浄、乾燥の条件は実施例に記載したとおりとする)について、以下の条件で熱重量分析を行うことで得られる「Mass Change」が-3質量%以下(3質量%以上減少する状態)であり、かつ、粉末X線回折測定で、結晶に由来する回折ピークが確認される状態を意味する。
なお、共結晶は、3回以上のメタノール洗浄を行った後に室温で真空乾燥を一晩実施した試料について、上記回折ピークが確認されることが好ましい。
使用装置 :Netzsch社製「STA2500 Regulus」
試料 :5~10mgをアルミニウム製の開放パンに充填する。
測定温度範囲:(室温)~(後述する「特定有機溶媒」の沸点以上であって、高分子化合物のガラス転移温度以上であって、かつ、高分子化合物の分解温度未満の温度)
昇温速度 :5℃/分
その他 :測定は、窒素雰囲気下(流量20mL/分)で実施する
(式)Mass change(質量%)=(W35-W250)/W35×100
上記式中、「W35」は、35℃における質量減少率(質量%)を表し、W250は、250℃における質量減少率(質量%)を表す。
使用装置 :リガク社製「MiniFlex 300/600」
測定条件 :40kV、15mA、CuKα(λ=1.54184オングストローム)、スキャン速度2.0deg/min、角度範囲:4.0-60.0deg、室温、大気下
本明細書における「ゲル」には、高分子化合物の共有結合により形成される3次元網目構造を含むゲル、例えば、化学的な結合によって架橋された高分子化合物によるゲルは含まれない。本明細書における「ゲル」は典型的には、分子間力等により固化した「物理ゲル」を意味する。
本明細書において「ゲル」とは、以下に示す試験方法により判定される。
直径25mm、容量20mLの蓋つきガラスバイアルに、対象物を密閉する。次に、バイアルを上下反転させ、3分間保持する。3分後、流下せず、バイアル上部(反転前の下部)に残った対象物がゲルと判定される。なお、試験は25℃で行うものとする。
本明細書において、「ハンセン溶解度パラメータ」とは、ヒルデブランド(Hildebrand)によって導入された溶解度パラメータを、分散項(dD)、分極項(dP)、水素結合項(dH)の3成分に分割し、3次元空間に表したものである。分散項(dD)は分散力による効果、分極項(dP)は双極子間力による効果、水素結合項(dH)は水素結合力による効果を示す。
また、特定有機溶媒を2種以上用いる場合は、それぞれの特定有機溶媒の質量分率を重みとした加重平均を用いる。
本発明の実施形態に係る多孔質粒子の製造方法(以下、「本製造方法」ともいう。)は、置換基を有してもよいフェニレン基を主鎖に有する高分子化合物(以下「特定高分子化合物」ともいう。)と後述する「特定有機溶媒」とを混合して、加熱溶解させ、溶液を得ること(加熱溶解工程)と、溶液を冷却してゲルを得ること(ゲル化工程)と、ゲルを粉砕し、特定高分子化合物と特定有機溶媒との共結晶を含む多孔質粒子を得ること(粉砕工程)と、を含む多孔質粒子の製造方法である。以下では、本製造方法について、工程ごとに詳述する。
加熱溶解工程は、特定高分子化合物と特定有機溶媒とを混合して、加熱溶解させ、溶液を得る工程である。本工程によって、特定有機溶媒と特定高分子化合物とを含む均一な溶液が調製され、後段の工程において、効率的に多孔質粒子を製造することができる。
まず、特定有機溶媒は沸点が100℃以上であるため、得られる共結晶の熱的な安定性がより高まりやすく、結果として、より低い温度でゲル化が誘起されるものと推測される。また、ゲル化には、ハンセン溶解度パラメータの分散項以外(分極項、水素結合項)の寄与が大きく、中でも、水素結合項の寄与がより大きいことを、本発明者は実験的に確かめている。
このとき、特定高分子化合物を溶解し得る、言い換えれば、ガラス状態の特定高分子化合物に浸透し得る分子サイズを有し、かつ、ハンセン溶解度パラメータの分散項と水素結合項が所定の範囲内である特定有機溶媒は、この空隙に浸入、維持され、結果として、共結晶構造が安定化されやすいものと推測される。
特定有機溶媒としては、例えば、ニトロベンゼン(20.0、10.6、3.1、210.9)、1,2-ジメトキシベンゼン(19.2、4.4、9.4、206.3)、シクロペンタノン(17.9、11.9、5.2、130.8)、シクロヘキサノン(17.8、8.4、5.1、155.7)、γ-ブチロラクトン(18.0、16.6、7.4、203.9)、及び、モルフォリン(18.0、4.9、11.0、129.0)、アニリン(20.1、5.8、11.2、184.5)等が挙げられ、ニトロベンゼン、1,2-ジメトキシベンゼン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、及び、γ-ブチロラクトンからなる群より選択される少なくとも1種が好ましく、ニトロベンゼン、1,2-ジメトキシベンゼン、及び、γ-ブチロラクトンからなる群より選択される少なくとも1種がより好ましく、ニトロベンゼン、及び、1,2-ジメトキシベンゼンからなる群より選択される少なくとも1種が更に好ましく、得られる多孔質粒子の構造がより安定化しやすい観点で、特定有機溶媒はニトロベンゼンが特に好ましい。
なお、特定有機溶媒を2種以上用いる場合には、その混合物の沸点が上記数値範囲内であることが好ましい。
すでに説明したとおり、剛直で屈曲した分子構造を有する高分子化合物は、内部に空隙をより作りやすく、特定有機溶媒との間で共結晶を形成しやすい。
nは0~10の整数を表し、nが0のとき、mは1以上の整数であり、nは0~3の整数が好ましく、1~2の整数が好ましい。pは1~3の整数が好ましく、1又は2が好ましい。
なお、式1B中の各記号の基及び数の例は、式1A中の各記号の基及び数として説明したのと同義であり、好適形態も同一である。
また、特定高分子化合物としては、非晶性高分子化合物であることが好ましい。
なお、特定高分子化合物、及び/又は、特定有機溶媒を2種以上用いる場合は、その合計含有量が上記範囲内であることが好ましい。
なかでも、粒子を得る際の溶液の温度をより高くできる観点で、加熱温度は5℃より高いことが好ましく、10℃以上がより好ましく、25℃以上が更に好ましく、50℃以上が特に好ましい。
本製造方法は、特定高分子化合物と、特定有機溶媒とという特定の組合せを選択したことで両者の優れた親和性を得ている。
なお、エネルギー効率をより高める観点からは、加熱温度は、50~150℃が好ましい。
ゲル化工程は、特定高分子化合物と特定有機溶媒とを含有する溶液を冷却して、ゲル(物理ゲル)を得る工程である。冷却方法としては特に制限されず、公知の方法が使用できる。具体的には、加熱攪拌して得られた溶液を、攪拌しながら冷却し、所定の温度で維持する方法等が挙げられる。本工程により、特定高分子化合物と特定有機溶媒との共結晶を含む多孔質粒子を含むゲルが得られる。
また、本製造方法は、剛直で屈曲した分子構造を有する特定高分子化合物と、特定有機溶媒とを組み合せて用いるもので、これにより、5℃以下に冷却しなくても、ゲル化できる。
また、保持時間は、例えば、1~48時間が好ましい。
粉砕工程は、ゲルを粉砕して、特定高分子化合物と特定有機溶媒の共結晶を含む多孔質粒子を得る工程である。粉砕方法としては特に制限されず、乾式粉砕法、及び、湿式粉砕法のいずれを用いることもできる。
乾式粉砕には、例えば、乳鉢、ジェットミル、ハンマーミル、ピンミル、回転ミル、振動ミル、遊星ミル、及び、ビーズミル等が使用できる。
湿式粉砕には、ボールミル、高速回転粉砕機、ジェットミル、ビーズミル、超音波ホモジナイザー、及び、高圧ホモジナイザー等が使用できる。
粉砕したゲルが遊離状態の特定有機溶媒を含有する場合、粉砕して表面積が大きくなったゲルはより効率よく乾燥させることができ、その結果、多孔質粒子中における共結晶の純度をより向上させることができる。
また、乾燥時間としては特に制限されないが、1時間~1か月程度が好ましい。
洗浄溶媒は、特定有機溶媒と相溶し、高分子化合物の貧溶媒であり、かつ、沸点が特定有機溶媒より低い。そのため、粉砕したゲルを洗浄溶媒で洗浄すると、粉砕したゲルに含まれる遊離状態の特定有機溶媒が洗浄溶媒により希釈、交換される。また、洗浄溶媒は高分子化合物の貧溶媒であるため、得られた多孔質粒子の構造をより壊しにくい。
ゲルに含まれる特定有機溶媒が洗浄溶媒により希釈、交換されると、多孔質粒子の乾燥時間をより短くすることができる。
洗浄方法としては、例えば、粉砕したゲルを含有する懸濁液に洗浄溶媒を加え、攪拌した後遠心分離して固形分を回収する方法等が挙げられる。この方法を2回以上繰り返して実施してもよい。
本製造方法で得られる多孔質粒子(「本粒子」ともいう。)は、すでに説明した特定高分子化合物と、特定有機溶媒との共結晶を含む。
なお、特定高分子と特定有機溶媒はすでに説明したのと同様であり、好適形態も同様である。
本粒子は優れた耐熱性、耐薬品性、及び、マトリクス樹脂への親和性を有するため、樹脂等に充填して用いる充填剤(填料)、汚染物質等の吸着材、空隙に対象物(薬剤、微生物、及び、生体分子等)が担持された対象物担持担体、カラムクロマトグラフィーにおいて化合物を分離するためにカラムに充填される充填剤、及び、顔料等として利用可能である。
ポリエーテルスルホン粉末(住友化学社製、商品名「スミカエクセル3600P」)4.0gをニトロベンゼンの6.0gに添加し(40質量%)、加熱下で撹拌(100℃、15分)して、溶解させ、溶液を得た。次に、この溶液を撹拌下で自然放冷した(室温は25℃)。
次に、流動液体を室温下で200mLのメタノールに滴下した。次に、発生した沈殿を遠心分離(3500rpm、15min)で回収した。
このメタノール洗浄と遠心分離による回収を3回繰り返し、過剰なニトロベンゼンを除去した。最後に室温で真空乾燥を一晩実施し、乾燥した粒子を回収した。
ニトロベンゼンに代えて1,2-ジメトキシベンゼン(実施例2)、シクロペンタノン(実施例3)、シクロヘキサノン(実施例4)、γ-ブチロラクトン(実施例5)、モルフォリン(Morpholine、実施例6)、及び、アニリン(実施例7)を用いた以外は実施例1と同様にして、粒子を得た。
ポリエーテルスルホン粉末の2.0gをジクロロメタンの8.0gに添加し、室温下で15分間撹拌し、溶解させ、溶液を得た。次に、この溶液を撹拌下で放置したところ、約30分の間に溶液が白色ゲル状に固化した。
このゲルを粉砕し、室温下で200mLのメタノールに投入し、30分間撹拌した。溶液中の固形分を遠心分離(3500rpm、15min)で回収した。
このメタノール洗浄と遠心分離による回収を3回繰り返し、過剰なジクロロメタンを除去した。最後に室温で真空乾燥を一晩実施し、乾燥した粒子を回収した。
ポリエーテルスルホン粉末の2.0gをクロロホルムの8.0gに添加し、加熱下で攪拌(50℃、3時間)した。50℃で3時間保持しても、ポリエーテルスルホンが溶解せず、溶液は白濁状態のままだった。ポリエーテルスルホンが完全には溶解しなかったため、粒子は得られなかった。
ニトロベンゼンに代えてN,N-ジメチルアセトアミド(DMAc、比較例3)、ジメチルホルムアミド(DMF、比較例4)、ジメチルスルホキシド(DMSO、比較例5)、及び、N,N-ジエチルホルムアミド(比較例6)を用いたことを除いては実施例1と同様の操作を行った。その結果、いずれの溶液も、室温で一晩放置しても、溶液は透明のままで、ゲル状に固化せず、粒子は得られなかった。
ニトロベンゼンに代えてN-メチルホルムアミド(比較例7)、N-エチルホルムアミド(比較例8)、アニソール(メトキシベンゼン、比較例9)、クロロベンゼン(比較例10)、エチルシンナメート(E-けい皮酸エチル、比較例11)、o-ジブロモベンゼン(比較例12)、ジエチレングリコールモノメチルエーテル(比較例13)、エチレングリコールモノベンジルエーテル(比較例14)、1,2-ジクロロエタン(比較例15)、及び、o-ジクロロベンゼン(比較例16)を用いたことを除いては実施例1と同様の操作を行った。その結果、いずれもポリエーテルスルホン粉末が各溶媒に溶解せず、粒子は得られなかった。
実施例1~5で得られた粒子を、それぞれカーボン両面テープ上に散布し、走査型電子顕微鏡(日立FE-SEM S-4800、加速電圧5kV、加速電流10mA)で観察した。なお、観察中の試料の帯電を防止するため、イオン液体のエタノール溶液(1質量%)を滴下して乾燥させた。
画像解析には三谷商事社製「WinROOF2018 Ver4.12.0」を使用した。まず、SEM画像において粒子形状が明確に認められる粒子を20~25個選び、それらの粒子を領域選択した。次に、選択された領域の面積から、領域形状を円形と仮定した場合の直径を求めた(円相当径)。選び取った20~25個のデータ点を平均して、平均円相当径と分散を算出した。
次に、得られた粒子についてTGA(Thermogravimetric analysis)分析を行った。装置は、Netzsch社製「STA2500 Regulus」を用いた。まず、実施例1~5の粉末、及び、実施例1で原料として用いたポリエーテルスルホン粉末をそれぞれ5~10mg計量し、アルミニウム製の開放パンに充填し、室温から300℃まで昇温(昇温速度5℃/min)して、この間の試料の質量変化を測定した。なお、測定は窒素雰囲気下(流量20mL/min)で実施した。図3~8は、温度に対する各試料の残留質量(%)の関係を表す曲線を示す図である。また、表2は、得られた試験結果をまとめた表である。
(式)Mass change(質量%)=(W35-W250)/W35×100
上記式中、「W35」は、35℃における質量減少率(質量%)を表し、W250は、250℃における質量減少率(質量%)を表す。
また、表2中、Tonset(℃)は、質量減少が開始する温度であり、Tinflection(℃)は、質量減少の開始温度と、質量減少終了温度との間の変曲点を意味する。
ガス吸着測定により、粒子の多孔性について評価した。ガス吸着測定は、マイクロトラック・ベル社製「Belsorp-max」を用いて実施した。
実施例1~5の粉末を室温で一晩真空乾燥させ、-196℃で窒素ガス吸着測定を行った。測定結果からガス吸着量とp/p0(相対圧、p0:飽和蒸気圧)との関係(吸着等温線)が得られ、ここから、BET比表面積(SBET:単位m2/g)、全細孔容積(Vtotal、単位:cm3/g)、メソ孔容積(Vmeso、単位:cm3/g)が計算された。表3はその結果を表す表である。
ポリエーテルスルホン粉末(住友化学社製、商品名「スミカエクセル3600P」)4.0gをニトロベンゼンの6.0gに添加し(40質量%)、加熱撹拌(100°C、15分)して、溶解させ、溶液を得た。次に、この溶液を撹拌下で自然放冷した(室温は25℃)。
ニトロベンゼンに代えて1,2-ジクロロベンゼン(実施例9)、及び、シクロペンタノン(実施例10)を用いたこと以外は実施例8と同様にして、粒子を得た。
ポリエーテルスルホン粉末の2.0gをジクロロメタンの8.0gに添加し、室温下で15分間撹拌し、溶解させ、溶液を得た。次に、この溶液を撹拌下で放置したところ、約30分の間に溶液が白色ゲル状に固化した。
このゲルを粉砕し、25℃で一週間保持して乾燥させ、粒子を得た。
実施例1、実施例8~10、比較例1、及び、比較例17の粒子について、粉末X線回折測定を行った。各粒子をサンプルホルダに充填し、室温、大気下で測定した。なお、装置は、「MiniFlex 300/600」を用い、測定条件は、40kV、15mA、CuKα(λ=1.54184オングストローム)、スキャン速度2.0deg/min、角度範囲:4.0-60.0degとした。図9~図12は、それぞれ実施例1(図9)、実施例8(図10)、実施例9(図11)、及び、実施例10(図12)の粒子の測定結果を示す図である。また、図13は比較例1の粒子の測定結果を示す図である。
なお、非特許文献2には、溶液を5℃に冷却することでゲル化し、多孔質構造が得られたことが記載されている(なお、非特許文献2には、多孔質「粒子」が得られたことは記載されていない)。
この理由は、比較例4の方法では、ゲル化工程が室温で実施されているためであると推測される。
このことから、本製造方法は、剛直で屈曲した分子構造を有する特定高分子と、特定の特定有機溶媒を組合わせて用いているために、結晶構造を有する固形物(ゲル)を得るために、室温より低く冷却しなくても、所望の結晶構造を有する多孔質粒子が得られるという、優れた効果が得られるものであることが理解される。
また、得られた粒子は、従来の多孔質粒子と同様、汚染物質の吸着、薬剤の担持等に使用することができる。また、樹脂への分散性にも優れているため、樹脂添加剤としても使用することができ、また、それ自体を顔料として使用することもできる。
Claims (14)
- 置換基を有してもよいフェニレン基を主鎖に有する高分子化合物と有機溶媒とを混合して、加熱溶解させ、溶液を得ることと、
前記溶液を冷却してゲルを得ることと、
前記ゲルを粉砕し、前記高分子化合物と前記特定有機溶媒との共結晶を含む多孔質粒子を得ることと、を含み、
前記有機溶媒の沸点が100℃以上であり、かつ、
前記有機溶媒のハンセン溶解度パラメータの水素結合項が7.4MPa0.5以下であるか、又は、前記水素結合項が7.4MPa0.5を超え、前記ハンセン溶解度パラメータの分極項が11.4MPa0.5未満である、多孔質粒子の製造方法。 - 前記有機溶媒の沸点が130℃以上である、請求項1~3のいずれか1項に記載の多孔質粒子の製造方法。
- 前記有機溶媒の沸点が200℃以上である、請求項4に記載の多孔質粒子の製造方法。
- 前記有機溶媒が、ニトロベンゼン、1、2-ジメトキシベンゼン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、γ-ブチロラクトン、モルフォリン、及び、アニリンからなる群より選択される少なくとも1種である、請求項1~3のいずれか1項に記載の多孔質粒子の製造方法。
- 更に、粉砕した前記ゲルを乾燥することを含む、請求項1~6のいずれか1項に記載の多孔質粒子の製造方法。
- 前記有機溶媒と相溶し、前記高分子化合物の貧溶媒であり、かつ、沸点が前記有機溶媒より低い溶媒を用いて、粉砕した前記ゲルを乾燥させる前に、粉砕した前記ゲルを前記溶媒で洗浄することを含む、請求項7に記載の多孔質粒子の製造方法。
- 前記溶液の全質量に対する前記高分子化合物の含有量の含有質量比が0.2~0.6である、請求項1~8のいずれか1項に記載の多孔質粒子の製造方法。
- 前記有機溶媒が、ニトロベンゼン、及び、1,2-ジメトキシベンゼンからなる群より選択される少なくとも1種であり、前記高分子化合物が、以下の式1Bで表される繰り返し単位を有する、請求項1~9のいずれか1項に記載の多孔質粒子の製造方法。
(式1B中、L2、及び、L3はそれぞれ独立に、単結合、又は、2価の基を表し、R1、R2、及び、R3はそれぞれ独立に1価の置換基を表し、x、y、及び、zはそれぞれ独立に0~4の整数を表し、mは0以上の整数を表し、nは0~10の整数を表し、nが0のとき、mは1以上の整数であり、pは1~3の整数を表し、L2、及び、L3はそれぞれ同一でも異なってもよく、R1、R2、及び、R3はそれぞれ同一でも異なってもよい。) - 置換基を有してもよいフェニレン基を主鎖に有する高分子化合物と、有機溶媒との共結晶を含み、
前記有機溶媒の沸点が100℃以上であり、かつ、
前記有機溶媒のハンセン溶解度パラメータの水素結合項が7.4MPa0.5以下であるか、又は、前記水素結合項が7.4MPa0.5を超え、前記ハンセン溶解度パラメータの極性項が11.4MPa0.5未満である、多孔質粒子。 - 前記有機溶媒が、ニトロベンゼン、及び、1,2-ジメトキシベンゼンからなる群より選択される少なくとも1種であり、前記高分子化合物が、以下の式1Bで表される繰り返し単位を有する、請求項11又は12に記載の多孔質粒子。
(式1B中、L2、及び、L3はそれぞれ独立に、単結合、又は、2価の基を表し、R1、R2、及び、R3はそれぞれ独立に1価の置換基を表し、x、y、及び、zはそれぞれ独立に0~4の整数を表し、mは0以上の整数を表し、nは0~10の整数を表し、nが0のとき、mは1以上の整数であり、pは1~3の整数を表し、L2、及び、L3はそれぞれ同一でも異なってもよく、R1、R2、及び、R3はそれぞれ同一でも異なってもよい。) - 請求項11~13のいずれか1項に記載の多孔質粒子を含む充填剤。
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2020
- 2020-06-25 JP JP2020109608A patent/JP7521782B2/ja active Active
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