JP2022006419A - 燃料集合体及び沸騰水型原子炉 - Google Patents

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Abstract

Figure 2022006419000001
【課題】最外層に配置される燃料棒とチャンネルボックスとの間に形成される間隙に、偏在して流通する冷却水の流れを抑制し、最外層付近に配置される燃料棒の発熱分布を考慮し、最外層から1層内側に配置される燃料棒の除熱性能を向上させる燃料集合体を提供する。
【解決手段】燃料集合体は、三角格子状に配置される複数の燃料棒201と、燃料棒を配置する四角筒状のチャンネルボックス203と、を有し、燃料棒は、中央領域に配置される第1燃料棒2011と、その周囲に配置される第2燃料棒2012と、更に、その周囲に配置される第1燃料棒とを、有し、第1燃料棒は、燃料棒の有効長方向において、1つの燃料濃縮度の燃料を有し、第2燃料棒は、燃料棒の有効長方向において、2つの燃料濃縮度の燃料を有し、第2燃料棒の下部の燃料の燃料濃縮度は、第1燃料棒の燃料の燃料濃縮度よりも、低いことを特徴とする。
【選択図】図2

Description

本発明は、燃料集合体及び沸騰水型原子炉に関する。
沸騰水型原子炉には、その炉心に装荷される燃料集合体の燃料棒を三角格子状に配置し、四角筒状のチャンネルボックスを有する沸騰水型原子炉(低減速スペクトル沸騰水型原子炉)が存在する。
本技術分野の背景技術として、特開2018-66690号公報(特許文献1)がある。特許文献1には、運転中に中性子スペクトルを硬化させる低減速スペクトル沸騰水型原子炉が記載され、ボイド反応度係数を改善し、原子炉の安全性が向上する燃料集合体が記載されている。
特開2018-66690号公報
特許文献1には、低減速スペクトル沸騰水型原子炉の炉心に装荷される燃料集合体が記載されている。
一般的に、低減速スペクトル沸騰水型原子炉の炉心に装荷される燃料集合体は、四角筒状のチャンネルボックスに、燃料棒を三角格子状に配置するため、最外層に配置される燃料棒とチャンネルボックスとの間に、必然的に、間隙が形成される。
一方、この間隙が形成されることにより、燃料棒を冷却する冷却水は、この間隙に偏在(集中)して流通する可能性がある。これにより、燃料集合体の最外周に流通する冷却水が増加し、これよりも内側に流通する冷却水が減少し、燃料集合体の内側に配置される燃料棒の除熱性能が低下する可能性がある。
つまり、低減速スペクトル沸騰水型原子炉の炉心に装荷される燃料集合体では、最外層に配置される燃料棒とチャンネルボックスとの間に形成される間隙に、冷却水が偏在して流通する可能性があるため、この間隙に偏在して流通する冷却水の流れを抑制する必要がある。
更に、最外層に配置される燃料棒とチャンネルボックスとの間に形成される間隙には、多くの冷却水が流通するため、最外層付近(最外層及び最外層から1層内側)に配置される燃料棒は熱出力が高くなる。
最外層に配置される燃料棒は、冷却水が十分に供給されるため、十分に除熱される。しかし、最外層から1層内側に配置される燃料棒は、冷却水が十分に供給されない可能性があるため、十分に除熱されない可能性がある。
特許文献1には、低減速スペクトル沸騰水型原子炉の炉心に装荷される燃料集合体において、最外層に配置される燃料棒とチャンネルボックスとの間に形成される間隙に偏在して流通する冷却水の流れを抑制すること、及び、最外層付近に配置される燃料棒の発熱分布を考慮し、最外層から1層内側に配置される燃料棒の除熱性能を向上させることは、記載されていない。
そこで、本発明は、最外層に配置される燃料棒とチャンネルボックスとの間に形成される間隙に偏在して流通する冷却水の流れを抑制し、最外層付近に配置される燃料棒の発熱分布を考慮し、最外層から1層内側に配置される燃料棒の除熱性能を向上させる燃料集合体及び沸騰水型原子炉を提供する。
上記した課題を解決するため、本発明の燃料集合体は、三角格子状に配置される複数の燃料棒と、燃料棒を配置する四角筒状のチャンネルボックスと、を有し、燃料棒は、中央領域に配置される第1燃料棒と、その周囲に配置される第2燃料棒と、更に、その周囲に配置される第1燃料棒とを、有し、第1燃料棒は、燃料棒の有効長方向において、1つの燃料濃縮度の燃料を有し、第2燃料棒は、燃料棒の有効長方向において、2つの燃料濃縮度の燃料を有し、第2燃料棒の下部の燃料の燃料濃縮度は、第1燃料棒の燃料の燃料濃縮度よりも、低いことを特徴とする。
また、本発明の沸騰水型原子炉は、炉心に装荷される上記した燃料集合体を有することを特徴とする。
本発明によれば、最外層に配置される燃料棒とチャンネルボックスとの間に形成される間隙に偏在して流通する冷却水の流れを抑制し、最外層付近に配置される燃料棒の発熱分布を考慮し、最外層から1層内側に配置される燃料棒の除熱性能を向上させる燃料集合体及び沸騰水型原子炉を提供することができる。
なお、上記した以外の課題、構成及び効果については、下記する実施例の説明により、明らかにされる。
実施例1に記載する低減速スペクトル沸騰水型原子炉100を説明する説明図である。 実施例1に記載する燃料集合体200の水平断面を説明する説明図である。 実施例1に記載する燃料集合体200に配置される2種類の燃料棒201の鉛直断面を説明する説明図である。 実施例1に記載する燃料集合体200の鉛直断面を説明する説明図である。 実施例2に記載する燃料集合体500の水平断面を説明する説明図である。 実施例3に記載する燃料集合体200に配置される2種類の燃料棒601の鉛直断面を説明する説明図である 実施例4に記載する燃料集合体700の水平断面を説明する説明図である。 実施例4に記載する燃料集合体700に配置される3種類の燃料棒701の鉛直断面を説明する説明図である。
以下、本発明の実施例を、図面を使用して説明する。なお、実質的に同一又は類似の構成には、同一の符号を付し、説明が重複する場合には、その説明を省略する場合がある。
本実施例において、沸騰水型原子炉には、冷却材として冷却水を使用し、再循環ポンプで冷却水を、原子炉圧力容器外へ流出させ、再び、原子炉圧力容器内へ流入させることにより、冷却水を循環させる沸騰水型原子炉(Boiling Water Reactor:BWR)、インターナルポンプを有し、冷却水を原子炉圧力容器の内部で循環させる改良型沸騰水型原子炉(Advanced Boiling Water Reactor:ABWR)、ABWRにおけるインターナルポンプを使用しない、高経済性単純化沸騰水型原子炉(Economic Simplified Boiling Water Reactor:ESBWR)などを含む。
まず、実施例1に記載する低減速スペクトル沸騰水型原子炉100を説明する。
図1は、実施例1に記載する低減速スペクトル沸騰水型原子炉100を説明する説明図である。
実施例1では、低減速スペクトル沸騰水型原子炉100を使用して説明する。特に、有効長が長尺燃料の半分である燃料棒が配置される燃料集合体を炉心に装荷するABWRを使用して説明する。
なお、実施例1に記載する低減速スペクトル沸騰水型原子炉100は、炉心に装荷される燃料集合体の燃料棒を三角格子状(水平断面が正三角形の格子状)に稠密に配置し、運転中に、四角筒状(水平断面が正方形状の筒状)のチャンネルボックスでボイドを発生させることにより、中性子スペクトルを硬化させ、核分裂プルトニウム転換比を向上させる沸騰水型原子炉である。
つまり、低減速スペクトル沸騰水型原子炉100は、四角筒状のチャンネルボックスに、三角格子状に燃料棒を配置し、水対燃料体積比を低減し、核分裂性プルトニウム転換比を向上させるものである。
低減速スペクトル沸騰水型原子炉100は、以下の構成を有する。
・円筒状の原子炉圧力容器101、
・原子炉圧力容器101の内部に配置される円筒状の炉心シュラウド102、
・炉心シュラウド102の内部に配置され、複数の燃料集合体を正方格子状に装荷する炉心103、
・原子炉圧力容器101の内部に配置され、炉心103を覆うシュラウドヘッド104、
・シュラウドヘッド104の上部に配置され、上方へと延伸する気水分離器105、
・気水分離器105の上方に配置される蒸気乾燥器106、
・炉心シュラウド102の内部に配置され、シュラウドヘッド104の下方で、炉心シュラウド102に取り付けられ、炉心103の上端部に位置する上部格子板107、
・炉心シュラウド102の内部に配置され、シュラウドヘッド104の下方で、炉心シュラウド102に取り付けられ、炉心103の下端部に位置する炉心支持板108、
・炉心支持板108に配置される複数の燃料支持金具109、
・原子炉圧力容器101の内部に配置され、燃料集合体の核反応を制御するため、炉心103に水平断面が十字状の制御棒(十字型制御棒)を挿入可能とする複数の制御棒案内管110、
・原子炉圧力容器101の底部よりも下方に配置される制御棒駆動機構ハウジング(図示せず)の内部に配置され、制御棒と連結する制御棒駆動機構111、
・原子炉圧力容器101の底部で、その下方から原子炉圧力容器101の内部へ貫通するように配置される複数のインターナルポンプ113。
複数のインターナルポンプ113は、複数の制御棒案内管110の最外周よりも外側で、環状に相互に所定の間隔を形成して、配置される。これにより、インターナルポンプ113は、制御棒案内管110と干渉することはない。
インターナルポンプ113のインペラ117は、円筒状の炉心シュラウド102の外面と円筒状の原子炉圧力容器101の内面との間に形成される環状のダウンカマ114に向けられ、配置される。
原子炉圧力容器101の内部の冷却水118は、インターナルポンプ113のインペラ117により、原子炉圧力容器101の底部側から、炉心103の内部に流入する。
炉心103の内部に流入する冷却水118は、燃料集合体の核反応により加熱され、気液二相流となり、気水分離器105に流入する。気水分離器105に流入する気液二相流は、湿分を含む蒸気(気相)と水(液相)とに分離される。
水(液相)は、再び、冷却水118としてダウンカマ114に降下する。
一方、蒸気(気相)は、蒸気乾燥器106に流入し、湿分が除去され、主蒸気配管115を介して、タービン(図示せず)に供給される。タービンに供給される蒸気は、復水器(図示せず)で水に戻され、この水は、給水配管116を介して、原子炉圧力容器101の内部に流入する。
原子炉圧力容器101の内部に流入する水は、冷却水118としてダウンカマ114に降下する。
このように、インターナルポンプ113は、炉心103に装荷される燃料集合体の核反応により発生する熱を、効率良く冷却するため、冷却水118を、原子炉圧力容器101の底部側から、炉心103の内部に強制的に供給し、冷却水118を原子炉圧力容器101の内部で循環する。
なお、冷却水118は、原子炉圧力容器101の底部側から、つまり、燃料集合体200の下部から上部に向かって、炉心103の内部に、流入する。
そして、低減速スペクトル沸騰水型原子炉100は、下記する燃料集合体を有する。
次に、実施例1に記載する燃料集合体200の水平断面を説明する。
図2は、実施例1に記載する燃料集合体200の水平断面を説明する説明図である。
炉心103に正方格子状に装荷される複数の燃料集合体200は、三角格子状に配置される複数の燃料棒201と、燃料棒201を配置する四角筒状(水平断面が正方形状の筒状)のチャンネルボックス203と、を有する。
チャンネルボックス203とチャンネルボックス203との間、つまり、燃料集合体200と燃料集合体200との間には、冷却水118が流通する水ギャップ224が形成される。
また、チャンネルボックス203とチャンネルボックス203との間、つまり、燃料集合体200と燃料集合体200との間には、燃料集合体200の核反応を制御するため、水平断面が十字状の制御棒204が配置される。
チャンネルボックス203は、正方形状のそれぞれ1辺に相当する側壁部211、側壁部212、側壁部213、側壁部214を有する。
なお、燃料集合体200は、四角筒状のチャンネルボックス203に、燃料棒201を三角格子状に配置するため、最外層に配置される燃料棒201とチャンネルボックス203との間に、必然的に、間隙が形成される。
最外層に配置される燃料棒201とチャンネルボックス203との間に形成される間隙とは、冷却水118が流通する流路であり、具体的には、以下のとおりである。
(1)チャンネルボックス203の4つのコーナ部分に形成される間隙220、
(2)チャンネルボックス203の側壁部212と最外層に配置される燃料棒201とで形成される、及び、チャンネルボックス203の側壁部214と最外層に配置される燃料棒201とで形成される間隙221、
(3)チャンネルボックス203の側壁部211と最外層に配置される燃料棒201とで形成される、及び、チャンネルボックス203の側壁部213と最外層に配置される燃料棒201とで形成される間隙222。
また、3本の燃料棒201で囲まれる間隙223(冷却水118が流通する流路)も形成される。
なお、間隙220の断面積は、間隙223の断面積よりも、8倍以上大きい。また、冷却水118が流通する流路の代表直径を表現する熱的等価直径において、間隙220は、間隙223よりも、4倍以上大きい。
また、間隙220の断面積は、間隙221の断面積よりも、大きく、間隙221の断面積は、間隙222の断面積よりも、大きく、間隙222の断面積は、間隙223の断面積よりも、大きい。
このように、この大きさが相違する4つの間隙が形成されることにより、燃料棒201を冷却する冷却水118は、特に、間隙220、間隙221、間隙222に偏在して流通する可能性がある。これにより、燃料集合体200の最外周、つまり、チャンネルボックス203の最外周に流通する冷却水118が増加し、これよりも内側に流通する冷却水118が減少する。
更に、間隙220、間隙221、間隙222には、多くの冷却水118が流通するため、最外層付近(最外層及び最外層から1層内側)に配置される燃料棒201は熱出力が高くなる。
このように、最外層に配置される燃料棒201は、冷却水118が十分に供給されるため、その除熱性能が維持される。しかし、最外層から1層内側に配置される燃料棒201は、冷却水118が十分に供給されない可能性があるため、その除熱性能が低下する可能性がある。
なお、実施例1では、複数の燃料棒201の直径は、全て8.2mmであり、チャンネルボックス203には、合計184本の燃料棒201が配置される。燃料棒201と燃料棒201との間隔(ピッチ)は、1.5mmである。
燃料棒201は、側壁部211や側壁部213に平行に、15列(側壁部211から側壁部213に(図中、上から下に)向かって、第1列から第15列まで)が、配置される。
そして、燃料棒201は、以下のとおり、配置される。
(1)第1列、第15列は、11本の燃料棒201(第1燃料棒配列231)、
(2)第2列、第4列、第6列、第8列、第10列、第12列、第14列は、12本の燃料棒201(第2燃料棒配列232)、
(3)第3列、第5列、第7列、第9列、第11列、第13列は、13本の燃料棒201(第3燃料棒配列233)。
つまり、燃料棒201は、側壁部211や側壁部213に平行に、3つの燃料棒配列を有する。
このように、第1燃料棒配列231は、最外層に配置される。また、第2燃料棒配列232と第3燃料棒配列233とは、側壁部211や側壁部213に平行に、交互に配置される。
また、第1燃料棒配列231に含まれる燃料棒201は、第2燃料棒配列232に含まれる燃料棒201よりも、1本少なく、第2燃料棒配列232に含まれる燃料棒201は、第3燃料棒配列233に含まれる燃料棒201よりも、1本少ない。これは、第1燃料棒配列231の両端部が、チャンネルボックス203のコーナ部分に位置するためである。
また、第2燃料棒配列232の一端部の燃料棒201A1とチャンネルボックス203の側壁部212との間の間隔は、第3燃料棒配列233の一端部の燃料棒201B1とチャンネルボックス203の側壁部212との間の間隔よりも、大きい。
同様に、第2燃料棒配列232の他端部の燃料棒201A2とチャンネルボックス203の側壁部214との間の間隔は、第3燃料棒配列233の他端部の燃料棒201B2とチャンネルボックス203の側壁部214との間の間隔よりも、大きい。
このように、燃料棒201を三角格子状に配置することにより、チャンネルボックス203の4つのコーナ部分に間隙220が形成され、チャンネルボックス203の側壁部212と最外層に配置される燃料棒(201A1や201B1)との間に、及び、チャンネルボックス203の側壁部214と最外層に配置される燃料棒(201A2や201B2)との間に、間隙221が形成される。
そして、実施例1に記載する燃料集合体200は、燃料棒201が、燃料集合体200の中央領域に配置される第1燃料棒2011(白丸)と、その周囲に配置される第2燃料棒2012(斜線丸)と、更に、その周囲(最外層)に配置される第1燃料棒2011(白丸)とを、有する。
つまり、燃料棒201は、中央領域及び最外層に配置される第1燃料棒2011と、中央領域と最外層との間の層に配置される第2燃料棒2012と、を有する。
つまり、燃料棒201は、中央領域及び最外層に配置される第1燃料棒2011と、最外層から1層内側に配置される第2燃料棒2012と、を有する。
ここで、燃料集合体200における、第1燃料棒2011及び第2燃料棒2012の配置を具体的に説明する。第1燃料棒2011及び第2燃料棒2012の配置は、以下のとおりである。
(1)第1燃料棒配列231(第1列、第15列)に配置される燃料棒201は、11本全て、第1燃料棒2011、
(2)第2燃料棒配列232に配置され、第2列、第14列に配置される燃料棒201は、中央部の10本が第2燃料棒2012、その外側の左右1本づつ(合計2本)が第1燃料棒2011、
(3)第3燃料棒配列233に配置され、第3列、第13列に配置される燃料棒201は、中央部の7本が第1燃料棒2011、その外側の左右2本づつ(合計4本)が第2燃料棒2012、更に、その外側の左右1本づつ(合計2本)が第1燃料棒2011、
(4)その他の第2燃料棒配列232に配置され、第4列、第6列、第8列、第10列、第12列に配置される燃料棒201は、中央部の8本が第1燃料棒2011、その外側の左右1本づつ(合計2本)が第2燃料棒2012、更に、その外側の左右1本づつ(合計2本)が第1燃料棒2011、
(5)その他の第3燃料棒配列233に配置され、第5列、第7列、第9列、第11列に配置される燃料棒201は、中央部の9本が第1燃料棒2011、その外側の左右1本づつ(合計2本)が第2燃料棒2012、更に、その外側の左右1本づつ(合計2本)が第1燃料棒2011。
ここで、中央領域に配置される燃料棒201とは、第2燃料棒配列232のうち、第4列、第6列、第8列、第10列、第12列の中央部及び第3燃料棒配列233の中央部に配置される燃料棒201である。
また、最外層に配置される燃料棒201とは、第1燃料棒配列231、第2燃料棒配列232の最外側(左右両側の最も外側)及び第3燃料棒配列233の最外側(左右両側の最も外側)に配置される燃料棒201である。
また、最外層から1層内側に配置される燃料棒201とは、以下の燃料棒201である。
・第2燃料棒配列232のうち、第4列、第6列、第8列、第10列、第12列、及び、第3燃料棒配列233のうち、第5列、第7列、第9列、第11列において、最外側から1層内側に配置される燃料棒201、
・第2燃料棒配列232のうち、第2列、第14列の中央部に配置される燃料棒201、
・第3燃料棒配列233のうち、第3列、第13列において、最外側から1層及び2層内側に配置される燃料棒201。
このように、燃料棒201は、合計184本の燃料棒201が配置される燃料集合体200(以下、この燃料集合体200を「184燃料集合体200」と称する場合がある。)の中央領域に、第1燃料棒2011が配置され、その周囲に第2燃料棒2012が配置され、更に、その周囲に第1燃料棒2011が配置される。
つまり、燃料棒201は、中央領域及び最外層に、第1燃料棒2011が配置され、中央領域と最外層との間の層(最外層から1層内側)に、第2燃料棒2012が配置される。
つまり、燃料棒201は、中央領域及び最外層に、第1燃料棒2011が配置され、最外層から1層内側に、第2燃料棒2012が配置される。
そして、第1燃料棒2011は、第1燃料棒配列231(第1列、第15列)に11本が配置され、第2燃料棒配列232(第2列、第14列)の最外層の左右に1本づつ(合計2本)が配置され、第3燃料棒配列233(第3列、第13列)の最外層の左右に1本づつ及び中央領域に7本(合計9本)が配置され、第2燃料棒配列232(第4列、第6列、第8列、第10列、第12列)の最外層の左右に1本づつ及び中央領域に8本(合計10本)が配置され、第3燃料棒配列233(第5列、第7列、第9列、第11列)の最外層の左右に1本づつ及び中央領域に9本(合計11本)が配置される。
また、第2燃料棒2012は、第2燃料棒配列232(第2列、第14列)の中央部に10本が配置され、第3燃料棒配列233(第3列、第13列)の最外層から1層及び2層内側の左右に2本づつ(合計4本)が配置され、第2燃料棒配列232(第4列、第6列、第8列、第10列、第12)の最外層から1層内側の左右に1本づつ(合計2本)が配置され、第3燃料棒配列233(第5列、第7列、第9列、第11列)の最外層から1層内側の左右に1本づつ(合計2本)が配置される。
これにより、最外層に配置される燃料棒201とチャンネルボックス203との間に形成される間隙に偏在して流通する冷却水118の流れを抑制し、最外層から1層内側に配置される燃料棒201の除熱性能を向上させることができる。
そして、特に、184燃料集合体200は、チャンネルボックス203の4つのコーナ部分に、間隙220が形成され、また、チャンネルボックス203の側壁部212と最外層に配置される燃料棒201との間に、及び、チャンネルボックス203の側壁部214と最外層に配置される燃料棒201との間に、間隙221が形成される。そして、間隙220の断面積は、間隙221の断面積や間隙222の断面積よりも、大きい。
これにより、特に、184燃料集合体200は、チャンネルボックス203の4つのコーナ部分の近傍に配置される燃料棒201の熱出力が高くなる。つまり、184燃料集合体200は、チャンネルボックス203の4つのコーナ部分の近傍に配置される燃料棒201の除熱性能を向上させることが、特に、重要である。
チャンネルボックス203の4つのコーナ部分の近傍に配置される燃料棒201(第2燃料棒2012)とは、以下の燃料棒201である。
・第2燃料棒配列232であって、第2列、第14列のうち、最外側から2層目及び3層目の左右2本づつ(合計4本)に配置される燃料棒201、
・第3燃料棒配列233であって、第3列、第13列のうち、最外側から2層目及び3層目の左右2本づつ(合計4本)に配置される燃料棒201、
・第2燃料棒配列232であって、第4列、第12列のうち、最外側から1層目の左右1本づつ(合計2本)に配置される燃料棒201。
なお、これら燃料棒201を、「コーナ部分に配置される燃料棒201」と称する場合がある。
実施例1では、第3燃料棒配列233のうち、第3列、第13列において、最外側から内側に2層目に配置される4つの燃料棒201を、第2燃料棒2012とする。そして、実施例1では、特に、この4つの燃料棒201を、最外層から1層内側に配置される燃料棒201に含める。つまり、実施例1では、コーナ部分に配置される燃料棒201に、第2燃料棒2012を使用する。これにより、特に、間隙220に偏在して流通する冷却水118の流れを抑制し、コーナ部分に配置される燃料棒201の除熱性能を向上させることができる。
そして、実施例1では、図中、上下方向外側(第1列から第4列及び第12列から第15列)の第2燃料棒配列232及び第3燃料棒配列233に配置される第2燃料棒2012の本数は、図中、上下方向内側(第5列から第11列)の第2燃料棒配列232及び第3燃料棒配列233に配置される第2燃料棒2012の本数よりも、多い。
また、実施例1では、間隙220が形成される領域の内側に配置される第2燃料棒2012(コーナ部分に配置される燃料棒201)は、チャンネルボックス203の中心からチャンネルボックス203の4つのコーナ部分に向かって、2層に配置され、間隙221や間隙222が形成される領域の内側に配置される第2燃料棒2012(第2列、第14列の中央部に配置される6本の燃料棒201や第5列から第11列の最外層から1層内側の左右に配置される1本づつ(合計2本)の燃料棒201)は、1層に配置される。
つまり、間隙220が形成される領域の内側に配置される第2燃料棒2012であって、チャンネルボックス203の中心からチャンネルボックス203の4つのコーナ部分に向かって配置される第2燃料棒2012の本数は、間隙221や間隙222が形成される領域の内側に配置される第2燃料棒2012であって、チャンネルボックス203の中心からチャンネルボックス203の4つの側壁部に向かって配置される第2燃料棒2012の本数よりも、多い。
これにより、最外層に配置される燃料棒201とチャンネルボックス203との間に形成される間隙に偏在して流通する冷却水118の流れを抑制し、特に、チャンネルボックス203の4つのコーナ部分の近傍に配置される燃料棒201の除熱性能を向上させることができる。
次に、実施例1に記載する燃料集合体200に配置される2種類の燃料棒201の鉛直断面を説明する。
図3は、実施例1に記載する燃料集合体200に配置される2種類の燃料棒201の鉛直断面を説明する説明図である。
実施例1では、燃料集合体200の中央領域及び最外層に配置される第1燃料棒2011(白丸)と、中央領域と最外層との間の層に配置される第2燃料棒2012(斜線丸)と、の2種類の燃料棒201を使用する。
第1燃料棒2011は、燃料棒201の有効長方向(上下方向)において、1つの燃料濃縮度の燃料(1種類の燃料ペレット)が使用され、第2燃料棒2012は、燃料棒201の有効長方向(上下方向)において、2つの燃料濃縮度の燃料(2種類の燃料ペレット)が使用される。
なお、実施例1では、第1燃料棒2011の燃料の燃料濃縮度は、軸方向(上下方向)で一様であるが、軸方向に任意の分布を有してもよい。また、実施例1では、第1燃料棒2011の熱出力は、水平方向で一様であるが、第1燃料棒2011ごとに水平方向で相違してもよい。つまり、燃料集合体200の下部において、第1燃料棒2011の熱出力が、第2燃料棒2012の熱出力よりも、高ければよい。
第1燃料棒2011は、燃料棒201の有効長方向において、1つの燃料濃縮度の燃料を有し、第2燃料棒2012は、燃料棒201の有効長方向において、2つの燃料濃縮度の燃料を有する。
そして、実施例1では、特に、燃料集合体200の下部において、中央領域及び最外層に配置される第1燃料棒2011の燃料の燃料濃縮度が高く、中央領域と最外層との間の層に配置される第2燃料棒2012の燃料の燃料濃縮度が低い。
図3に示すように、第1燃料棒2011の燃料の燃料濃縮度を「A」とする場合、第2燃料棒2012の上部の燃料の燃料濃縮度は、第1燃料棒2011の燃料の燃料濃縮度と同等の「A」となり、第2燃料棒2012の下部の燃料の燃料濃縮度は、第2燃料棒2012の上部の燃料の燃料濃縮度「A」や第1燃料棒2011の燃料の燃料濃縮度「A」よりも低い「B」となる。
つまり、実施例1では、第2燃料棒2012の下部の燃料の燃料濃縮度は、第2燃料棒2012の上部の燃料の燃料濃縮度や第1燃料棒2011の燃料の燃料濃縮度よりも、低い。なお、燃料濃縮度とは、核燃料物質の濃縮度である。
このように、第1燃料棒2011は、燃料棒201の有効長方向(上下方向)において、1つの燃料濃縮度「A」の燃料(1種類「A」の燃料ペレット)が使用される。一方、第2燃料棒2012は、燃料棒201の有効長方向(上下方向)において、2つの燃料濃縮度「A」及び燃料濃縮度「B」の燃料(2種類(「A」及び「B」)の燃料ペレット)が使用される。なお、燃料濃縮度「B」は、燃料濃縮度「A」よりも、燃料濃縮度が低い。
なお、「A」を加熱領域(発熱する燃料を使用する領域)とし、「B」を非加熱領域(発熱しない燃料を使用する領域)とすることもできる。
つまり、第1燃料棒2011は、上下方向に1つの燃料濃縮度の燃料を有し、第2燃料棒2012は、上下方向に2つの燃料濃縮度(下部の燃料濃縮度は、上部の燃料濃縮度よりも、低い)の燃料を有する。
これら燃料棒201に使用される燃料には、例えば、劣化ウラン、天然ウラン、減損ウラン、低濃縮ウランの少なくとも1つを含むウランに、プルトニウムを富化した核燃料、又は、プルトニウムとアクチノイド核種とを富化した核燃料が、使用される。
また、第1燃料棒2011の核分裂性プルトニウム富化度は、軸方向に「A」の1種類であり、第2燃料棒2012の核分裂性プルトニウム富化度は、軸方向に「A」及び「B」の2種類である。
第2燃料棒2012の上部の核分裂性プルトニウム富化度は、第1燃料棒2011の核分裂性プルトニウム富化度と同等であり、第2燃料棒2012の下部の核分裂性プルトニウム富化度は、第1燃料棒2011の核分裂性プルトニウム富化度や第2燃料棒2012の上部の核分裂性プルトニウム富化度よりも、低い。
なお、燃料棒201の核分裂性プルトニウム富化度が高いほど、燃料棒201の熱出力が高い。
つまり、第1燃料棒2011の燃料には、高富化度燃料が使用され、第2燃料棒2012の上部の燃料には、高富化度燃料が使用され、第2燃料棒2012の下部の燃料には、低富化度燃料が使用される。
なお、実施例1では、第1燃料棒2011の直径と第2燃料棒2012の直径とは同等であり、第1燃料棒2011の軸方向長さと第2燃料棒2012の軸方向長さとは同等である。実施例1では、直径は8.2mm、軸方向長さは1.8mである。
そして、実施例1では、第1燃料棒2011の燃料濃縮度「A」の領域は1.8m、第2燃料棒2012の燃料濃縮度「A」の領域は1.5m及び燃料濃縮度「B」の領域は0.3mとする。
また、実施例1では、燃料集合体200の水平断面における燃料棒201ごとの発熱係数について、最外層付近に配置される燃料棒201の発熱係数は、平均の発熱係数の1.3倍となり、これら以外に配置される燃料棒201(中央領域に配置される燃料棒201)の発熱係数は、平均の発熱係数の0.8倍となり、最外層付近に配置される燃料棒201の熱出力が高くなることを考慮する。なお、平均の発熱係数とは、燃料集合体200(集合体として)の平均の発熱係数である。
なお、実施例1では、燃料集合体200の水平断面における燃料棒201の発熱係数は、燃料集合体200の最外周のどの間隙に隣接していても一様に設定される。
そこで、実施例1では、燃料集合体200の下部において、中央領域及び最外層に配置される第1燃料棒2011の燃料の燃料濃縮度を高く(燃料棒201は熱出力が高く)設定し、中央領域と最外層との間の層(最外層から1層内側)に配置される第2燃料棒2012の燃料の燃料濃縮度を低く(燃料棒201は熱出力が低く)設定する。
また、間隙220、間隙221、間隙222には、多くの冷却水118が流通するため、最外層付近に配置される燃料棒201は熱出力が高くなる。
このように、実施例1では、第1燃料棒2011及び第2燃料棒2012が配置され、また、間隙220、間隙221、間隙222が形成されることにより、燃料集合体200の下部において、最外層に配置される燃料棒201の熱出力は、高くなり、中央領域に配置される燃料棒201の熱出力は、最外層に配置される燃料棒201の熱出力よりも、低くなり、中央領域と最外層との間の層に配置される燃料棒201の熱出力は、中央領域に配置される燃料棒201の熱出力よりも、低くなる。
つまり、燃料集合体200の下部において、最外層に配置される燃料棒201や中央領域に配置される燃料棒201は、中央領域と最外層との間の層に配置される燃料棒201よりも、冷却水118の沸騰が、早い。
一方、蒸気を含む冷却水118は、蒸気を含まない冷却水118よりも、圧力損失係数が大きい。このため、燃料集合体200の下部において、中央領域と最外層との間の層に配置される燃料棒201に供給される冷却水118の圧力損失係数は、最外層に配置される燃料棒201や中央領域に配置される燃料棒201に供給される冷却水118の圧力損失係数よりも、小さい。
これにより、実施例1によれば、冷却水118が、燃料集合体200の最外周から1層内側に流れ込み(燃料集合体200の最外周から1層内側に流通する冷却水118が増加し)、中央領域と最外層との間の層に配置される燃料棒201の除熱性能を向上させる。
つまり、最外層に配置される燃料棒201とチャンネルボックス203との間に形成される間隙に偏在して流通する冷却水118の流れを抑制し、中央領域と最外層との間の層に配置される燃料棒の除熱性能を向上させることができる。
そして、実施例1によれば、最外層に配置される燃料棒201とチャンネルボックス203との間に形成される間隙(側壁部211、側壁部212、側壁部213、側壁部214)に、偏在して流通する冷却水118の流れを抑制し、中央領域と最外層との間の層に配置される燃料棒201に積極的に冷却水118を供給することができ、圧力損失を増加させることなく、中央領域と最外層との間の層に配置される燃料棒201の除熱性能を向上させることができる。
なお、実施例1では、所定の燃料棒201の直径及び所定の燃料棒201と燃料棒201との間隔を有する燃料集合体200を使用して説明したが、間隙220の断面積や間隙221の断面積が、間隙222の断面積や間隙223の断面積よりも大きい燃料集合体200であれば、実施例1に記載する技術を、使用することができる。
また、実施例1に記載する技術は、燃料集合体200に配置される燃料棒201の本数や炉心103に装荷される燃料集合体200の体数には、限定されない。
次に、実施例1に記載する燃料集合体200の鉛直断面を説明する。
図4は、実施例1に記載する燃料集合体200の鉛直断面を説明する説明図である。
燃料集合体200は、第1燃料棒2011、第2燃料棒2012、チャンネルボックス203、タイロッド404、スペーサ405、下部タイプレート407、ハンドル408、上部タイプレート409を有する。
実施例1では、第1燃料棒2011の軸方向長さ及び第2燃料棒2012との軸方向長さは、1.8mである。なお、実施例1では、燃料棒201の有効長が、長尺燃料の半分であり、チャンネルボックス203(軸方向長さが3.6m)の半分の短尺の燃料棒201を使用するが、長尺の燃料棒201を使用することもできる。
第1燃料棒2011及び第2燃料棒2012は、軸方向に配置される複数の燃料スペーサ405により、燃料棒201が、相互に所定の間隔を形成して、保持される。また、燃料棒201とチャンネルボックス203とは、タイロッド404により、所定の間隔を形成して、保持される。
タイロッド404は、第1燃料棒2011及び第2燃料棒2012よりも、長く(例えば、3.6m)、下部タイプレート407及び上部タイプレート409に固定される。そして、タイロッド404は、スペーサ405を保持する。
第1燃料棒2011及び第2燃料棒2012は、その下端が下部タイプレート407で固定され、その上端がスペーサ405で固定される。
また、第2燃料棒2012の下部406の燃料の燃料濃縮度は、同等の高さの水平断面に配置される、第1燃料棒2011の下部410の燃料の燃料濃縮度よりも、低い。なお、第1燃料棒2011の下部410を発熱領域とし、第2燃料棒2012の下部406を非発熱領域としてもよい。つまり、燃料集合体200の下部において、第1燃料棒2011の熱出力が、第2燃料棒2012の熱出力よりも、高くなればよい。
なお、第2燃料棒2012の下部406を非発熱領域とする場合には、第2燃料棒2012の下部406の燃料を、核分裂性のプルトニウムを含まない、例えば、劣化ウラン、天然ウラン、減損ウラン、低濃縮ウランの少なくとも1つを含むウラン(ブランケット)としてもよい。
また、燃料集合体200の下部において、第1燃料棒2011の熱出力と第2燃料棒2012の熱出力とを同等にした場合(AAの場合)と、実施例1のように、燃料集合体200の下部において、第2燃料棒2012の熱出力を第1燃料棒2011の熱出力よりも低くした場合(BBの場合)と、を比較した。なお、それぞれの場合の燃料集合体200の除熱性能を、冷却水流動評価手法を使用して、評価した。
この結果、AAの場合に比較してBBの場合は、MCPR(最小限界出力比:Minimum Critical Power Ratio)が、約5%向上した。なお、MCPRとは、BWRの熱的余裕を評価するものであり、限界出力比(限界熱出力/燃料集合体200の発生熱出力)のうち、炉心103に装荷される燃料集合体200のうちで、最小となるものである。
また、同様の冷却水流動評価手法を使用して、燃料集合体200の圧力損失を評価した。この結果、AAの場合に比較してBBの場合は、圧力損失が、約5%低下した。これは、蒸気と冷却水118とを含む流れの軸方向長さ(沸騰長)が、AAの場合に比較してBBの場合は、短くなり、圧力損失係数が低下するためである。
このように、実施例1によれば、最外層に配置される燃料棒201とチャンネルボックス203との間に形成される間隙に偏在して流通する冷却水118の流れを抑制することができ、最外層から1層内側に配置される燃料棒201の除熱性能を向上させることができる。
なお、実施例1では、低減速スペクトル沸騰水型原子炉100の炉心103に装荷される燃料集合体200を使用して説明したが、間隙220や間隙221を有する燃料集合体200であれば、実施例1に記載する技術を、使用することができる。
また、実施例1では、第1燃料棒2011は、燃料棒201の有効長方向において、1つの燃料濃縮度の燃料が使用されるが、燃料棒201の有効長方向において、任意の分布を有してもよい。
また、実施例1では、第2燃料棒2012は、燃料棒201の有効長方向において、2つの燃料濃縮度の燃料が使用されるが、燃料棒201の有効長方向において、それぞれが任意の分布を有してもよい。
次に、実施例2に記載する燃料集合体500の水平断面を説明する。
図5は、実施例2に記載する燃料集合体500の水平断面を説明する説明図である。
実施例2に記載する燃料集合体500は、実施例1に記載する燃料集合体200と比較すると、燃料棒201の配置が相違する。
図5を使用して、燃料集合体500における、第1燃料棒2011及び第2燃料棒2012の配置を具体的に説明する。第1燃料棒2011及び第2燃料棒2012の配置は、以下のとおりである。
(1)第1燃料棒配列531(第1列、第15列)に配置される燃料棒201は、12本全て、第1燃料棒2011、
(2)第2燃料棒配列532に配置され、第2列、第14列に配置される燃料棒201は、中央部の11本が第2燃料棒2012、その外側の左右1本づつ(合計2本)が第1燃料棒2011、
(3)その他の第1燃料棒配列531に配置され、第3列、第5列、第7列、第9列、第11列、第13列に配置される燃料棒201は、中央部の8本が第1燃料棒2011、その外側の左右1本づつ(合計2本)が第2燃料棒2012、更に、その外側の左右1本づつ(合計2本)が第1燃料棒2011、
(4)その他の第2燃料棒配列532に配置され、第4列、第6列、第8列、第10列、第12列に配置される燃料棒201は、中央部の9本が第1燃料棒2011、その外側の左右1本づつ(合計2本)が第2燃料棒2012、更に、その外側の左右1本づつ(合計2本)が第1燃料棒2011。
つまり、実施例2では、燃料棒201は、合計187本の燃料棒201が配置される燃料集合体500(以下、この燃料集合体500を「187燃料集合体500」と称する場合がある。)の中央領域に、第1燃料棒2011が配置され、その周囲に第2燃料棒2012が配置され、更に、その周囲に第1燃料棒2011が配置される。
つまり、実施例2では、燃料棒201は、中央領域及び最外層に、第1燃料棒2011が配置され、中央領域と最外層との間の層(最外層から1層内側)に、第2燃料棒2012が配置される。
つまり、実施例2では、燃料棒201は、中央領域及び最外層に、第1燃料棒2011が配置され、最外層から1層内側に、第2燃料棒2012が配置される。
実施例2において、中央領域に配置される燃料棒201とは、第1燃料棒配列531のうち、第3列、第5列、第7列、第9列、第11列、第13の中央部に、及び、第2燃料棒配列532のうち、第4列、第6列、第8列、第10列、第12列の中央部に、配置される燃料棒201である。
また、最外層に配置される燃料棒201とは、第1燃料棒配列531のうち、第1列、第15列、第1燃料棒配列531のうち、第3列、第5列、第7列、第9列、第11列、第13列の最外側(左右両側の最も外側)に、及び、第2燃料棒配列532の最外側(左右両側の最も外側)に、配置される燃料棒201である。
また、最外層から1層内側に配置される燃料棒201とは、第1燃料棒配列531のうち、第3列、第5列、第7列、第9列、第11列、第13列において、最外側から1層内側に、第2燃料棒配列532のうち、第2列、第14列の中央部に、及び、第2燃料棒配列232のうち、第4列、第6列、第8列、第10列、第12列において、最外側から1層内側に、配置される燃料棒201である。
このように、第1燃料棒2011は、第1燃料棒配列531(第1列、第15列)に12本が配置され、第2燃料棒配列532(第2列、第14列)の最外層の左右に1本づつ(合計2本)が配置され、第1燃料棒配列531(第3列、第5列、第7列、第9列、第11列、第13列)の最外層の左右に1本づつ及び中央領域に8本(合計10本)が配置され、第2燃料棒配列532(第4列、第6列、第8列、第10列、第12列)の最外層の左右に1本づつ及び中央領域に9本(合計11本)が配置される。
また、このように、第2燃料棒2012は、第2燃料棒配列532(第2列、第14列)の中央部に11本が配置され、第1燃料棒配列531(第3列、第5列、第7列、第9列、第11列、第13列)の最外層から1層内側の左右に1本づつ(合計2本)が配置され、第2燃料棒配列532(第4列、第6列、第8列、第10列、第12)の最外層から1層内側の左右に1本づつ(合計2本)が配置される。
また、実施例2において、最外層に配置される燃料棒201とチャンネルボックス203との間に形成される間隙とは、具体的には、以下のとおりである。
(1)チャンネルボックス203の4つのコーナ部分に形成される間隙520、
(2)チャンネルボックス203の側壁部212と最外層に配置される燃料棒201とで形成される、及び、チャンネルボックス203の側壁部214と最外層に配置される燃料棒201とで形成される間隙521、
(3)チャンネルボックス203の側壁部211と最外層に配置される燃料棒201とで形成される、及び、チャンネルボックス203の側壁部211と最外層に配置される燃料棒201とで形成される間隙522。
実施例2では、つまり、187燃料集合体500では、間隙520の断面積は、間隙521の断面積よりも、小さい。これにより、間隙520に偏在して流通する冷却水118の流れは、間隙521に偏在して流通する冷却水118の流れよりも、少ない。
このため、実施例2では、つまり、187燃料集合体500では、第1燃料棒2011を、最外層に、均等に(一律に、1層のみ)配置し、第2燃料棒2012を、最外層から1層内側に、均等に(一律に、1層のみ)配置することができる。
つまり、187燃料集合体500では、第1燃料棒2011を、中央領域及び最外層の1層のみに配置し、第2燃料棒2012を、最外層から1層内側の1層のみに配置することにより、最外層から1層内側に配置される燃料棒201の除熱性能を向上させることができる。
つまり、187燃料集合体500のような、間隙520の断面積が、間隙521の断面積よりも、小さい燃料集合体500においては、第1燃料棒2011及び第2燃料棒2012を、実施例2のように配置することにより、最外層から1層内側に配置される燃料棒201の除熱性能を向上させることができる。
実施例2によれば、最外層に配置される燃料棒201とチャンネルボックス203との間に形成される間隙に偏在して流通する冷却水118の流れを抑制し、最外層付近に配置される燃料棒201の発熱分布を考慮し、最外層から1層内側に配置される燃料棒201の除熱性能を向上させることができる。
次に、実施例3に記載する燃料集合体200に配置される2種類の燃料棒601の鉛直断面を説明する。
図6は、実施例3に記載する燃料集合体200に配置される2種類の燃料棒601の鉛直断面を説明する説明図である。
実施例3に記載する燃料棒601は、実施例1に記載する燃料棒201と比較すると、第2燃料棒の燃料の燃料濃縮度が相違する。
図6を使用して、実施例3において配置する燃料棒601である、第1燃料棒6011と第2燃料棒6012とを具体的に説明する。
第1燃料棒6012は、第1燃料棒6011の燃料の燃料濃縮度を「A」とする場合、第2燃料棒6012の上部の燃料の燃料濃縮度「C」は、第1燃料棒6011の燃料の燃料濃縮度「A」よりも、低くなり、第2燃料棒6012の下部の燃料の燃料濃縮度「B」は、第2燃料棒6012の上部の燃料の燃料濃縮度「C」よりも、低くなる。
第1燃料棒6011の燃料の燃料濃縮度を「A」とし、第2燃料棒6012の下部の燃料の燃料濃縮度を「B」とし、第2燃料棒6012の上部の燃料の燃料濃縮度を「C」とする。
燃料集合体200(集合体として)の平均の燃料濃縮度を1とする場合、「A」は以下の式(1)で算出される。
A=C×{1+(1-B)×(N/N)×(L/L)}・・・・・(1)
ここで、Nは、第2燃料棒6012の本数であり、Nは、第1燃料棒6011の本数及び第2燃料棒6012の本数の和(燃料集合体200の全ての燃料棒の本数)である。また、Lは、第2燃料棒6012の上部の燃料濃縮度「A」の領域の長さ及び第2燃料棒6012の下部の燃料濃縮度「B」の領域の長さの和であり、Lは、第2燃料棒6012の下部の燃料濃縮度「B」の領域の長さである。
つまり、実施例3では、式(1)は、式(2)となる。
A=C×{1+(1-B)×(N/N)×(0.3/1.8)}・・・・・(2)
ここで、「1.8」は、第2燃料棒6012の燃料濃縮度「A」の領域の長さ及び第2燃料棒6012の燃料濃縮度「B」の領域の長さの和であり、「0.3」は、第2燃料棒6012の燃料濃縮度「B」の領域の長さである。
また、「0.3/1.8」は、第2燃料棒6012の燃料濃縮度「A」の領域の長さ及び第2燃料棒6012の燃料濃縮度「B」の領域の長さの和に対する、第2燃料棒6012の燃料濃縮度「B」の領域の長さの割合である。
そして、「B」の燃料濃縮度を、平均の燃料濃縮度「1」よりも小さく設定し、「C」の燃料濃縮度を、平均の燃料濃縮度「1」と設定すると、「A」の燃料濃縮度は、平均の燃料濃縮度「1」よりも、大きくなる。
このように、実施例3では、第1燃料棒6011の燃料濃縮度「A」を、平均の燃料濃縮度「1」よりも、大きくすることができる。
実施例3では、第2燃料棒6012の下部に、平均の燃料濃縮度「1」よりも、小さい、燃料濃縮度「B」の燃料を使用し、第1燃料棒6011に、平均の燃料濃縮度「1」よりも、大きい、燃料濃縮度「A」の燃料を使用する。
これにより、実施例3では、平均の燃料濃縮度を維持することができ、平均の燃料濃縮度の低下を抑制することができる。
実施例3によれば、燃料集合体200の平均の燃料濃縮度を維持し、最外層に配置される燃料棒201とチャンネルボックス203との間に形成される間隙に偏在して流通する冷却水118の流れを抑制し、最外層付近に配置される燃料棒201の発熱分布を考慮し、最外層から1層内側に配置される燃料棒201の除熱性能を向上させることができる。
次に、実施例4に記載する燃料集合体700の水平断面を説明する。
図7は、実施例4に記載する燃料集合体700の水平断面を説明する説明図である。
実施例4に記載する燃料集合体700は、実施例1に記載する燃料集合体200と比較すると、燃料棒201の配置が相違する。
図7を使用して、燃料集合体700における、第1燃料棒7011、第2燃料棒7012、及び第3燃料棒7013の配置を具体的に説明する。第1燃料棒7011、第2燃料棒7012、及び第3燃料棒7013の配置は、以下のとおりである。
(1)第1燃料棒配列231(第1列、第15列)に配置される燃料棒701は、11本全て、第1燃料棒7011、
(2)第2燃料棒配列232に配置され、第2列、第14列に配置される燃料棒701は、中央部の6本が第1燃料棒7011、その外側の左右1本づつ(合計2本)が第2燃料棒7012、更に、その外側の左右1本づつ(合計2本)が第3燃料棒7013、更に、その外側の左右1本づつ(合計2本)が第1燃料棒7011、
(3)第3燃料棒配列233に配置され、第3列、第13列に配置される燃料棒701は、中央部の7本が第1燃料棒7011、その外側の左右1本づつ(合計2本)が第2燃料棒7012、更に、その外側の左右1本づつ(合計2本)が第3燃料棒7013、更に、その外側の左右1本づつ(合計2本)が第1燃料棒7011、
(4)第2燃料棒配列232に配置され、第4列、第12列に配置される燃料棒701は、中央部の8本が第1燃料棒7011、その外側の左右1本づつ(合計2本)が第2燃料棒7012、更に、その外側の左右1本づつ(合計2本)が第1燃料棒7011、
(5)その他の第2燃料棒配列232に配置され、第6列、第8列、第10列に配置される燃料棒701は、12本全て、第1燃料棒7011、
(6)その他の第3燃料棒配列233に配置され、第5列、第7列、第9列、第11列に配置される燃料棒701は、13本全て、第1燃料棒7011。
そして、実施例4では、チャンネルボックス203の4つのコーナ部分の近傍に配置される燃料棒701の熱出力が最も高くなるとの知見を考慮する。
つまり、実施例4では、燃料棒701は、合計184本の燃料棒701が配置される燃料集合体700(以下、この燃料集合体700を「184燃料集合体700」と称する場合がある。)のチャンネルボックス203の4つのコーナ部分の近傍に、第2燃料棒7012及び第3燃料棒7013が配置され、これら以外に、第1燃料棒7011が配置される。
なお、実施例4では、チャンネルボックス203の4つのコーナ部分の近傍に配置される燃料棒7012及び第3燃料棒7013とは、第2燃料棒配列232であって、第2列、第14列のうち、最外側から2層目及び3層目の左右2本づつ(合計4本)に配置され、第3燃料棒配列233であって、第3列、第13列のうち、最外側から2層目及び3層目の左右2本づつ(合計4本)に配置され、第2燃料棒配列232であって、第4列、第12列のうち、最外側から1層目の左右1本づつ(合計2本)に配置される燃料棒701である。
また、実施例4では、チャンネルボックス203の4つのコーナ部分の近傍に配置される燃料棒7012及び第3燃料棒7013とは、第2燃料棒配列232であって、第2列、第14列のうち、中央部の外側の左右2本づつ(合計4本)に配置され、第3燃料棒配列233であって、第3列、第13列のうち、中央部の外側の左右2本づつ(合計4本)に配置され、第2燃料棒配列232であって、第4列、第12列のうち、中央部の外側の左右1本づつ(合計2本)に配置される燃料棒701である。
そして、実施例4では、第2燃料棒7012の下部の燃料の燃料濃縮度及び第3燃料棒7013の下部の燃料の燃料濃縮度は、第1燃料棒7011の燃料の燃料濃縮度よりも、低い。更に、実施例4では、第3燃料棒7013の下部の燃料の燃料濃縮度は、第2燃料棒7012の下部の燃料の燃料濃縮度よりも、低い。
つまり、燃料棒701は、チャンネルボックス203の4つのコーナ部分の近傍に配置される燃料棒701に、第2燃料棒7012及び第3燃料棒7013を使用すると共に、これら以外に配置される燃料棒701に、第1燃料棒7011を使用する。
このように、実施例4では、チャンネルボックス203の4つのコーナ部分の近傍に配置される燃料棒701の熱出力が最も高くなるとの知見に基づいて、チャンネルボックス203の4つのコーナ部分の近傍に配置される燃料棒701に、第2燃料棒7012及び第3燃料棒7013を使用する。これにより、チャンネルボックス203の4つのコーナ部分の近傍に配置される燃料棒701の除熱性能を向上させることができる。
また、第2燃料棒7012は、第2燃料棒配列232であって、第2列、第14列のうち、中央部の外側の左右1本づつに配置され、第3燃料棒配列233であって、第3列、第13列のうち、中央部の外側の左右1本づつに配置され、第2燃料棒配列232であって、第4列、第12列のうち、中央部の外側の左右1本づつに配置される。
また、第3燃料棒7013は、第2燃料棒配列232であって、第2列、第14列に配置される第2燃料棒7012の外側の左右1本づつに配置され、第3燃料棒配列233であって、第3列、第13列に配置される第2燃料棒7012の外側の左右1本づつに配置される。
そして、燃料棒701は、チャンネルボックス203の4つのコーナ部分の近傍に配置される燃料棒701であって、チャンネルボックス203の中心からチャンネルボックス203の4つのコーナ部分に向かって、内側(説明の便宜上、「コーナ部分の内側」と称する)に第2燃料棒7012が配置され、外側(説明の便宜上、「コーナ部分の外側」と称する)に第3燃料棒7013が配置される。
これにより、特に、コーナ部分に配置される燃料棒701の除熱性能を向上させることができる。
次に、実施例4に記載する燃料集合体700に配置される3種類の燃料棒701の鉛直断面を説明する
図8は、実施例4に記載する燃料集合体700に配置される3種類の燃料棒701の鉛直断面を説明する説明図である。
実施例4では、燃料棒701として、第1燃料棒7011(白丸)と、コーナ部分の内側に配置される第2燃料棒7012(斜線丸)と、コーナ部分の外側に配置される第3燃料棒7013(黒丸)と、を使用する。
第1燃料棒7011は、燃料棒701の有効長方向(上下方向)において、1つの燃料濃縮度の燃料(1種類の燃料ペレット)が使用され、第2燃料棒7012は、燃料棒701の有効長方向(上下方向)において、2つの燃料濃縮度の燃料(2種類の燃料ペレット)が使用され、第3燃料棒7013は、燃料棒701の有効長方向(上下方向)において、第2燃料棒7012と同等の2つの燃料濃縮度の燃料(第2燃料棒7012と同等の2種類の燃料ペレット)が使用される。
そして、実施例4では、第1燃料棒7011の燃料濃縮度「A」の領域は1.8m、第2燃料棒7012の燃料濃縮度「A」の領域は1.5m及び燃料濃縮度「B」の領域は0.3m、第3燃料棒7013の燃料濃縮度「A」の領域は1.2m及び燃料濃縮度「B」の領域は0.6mとする。
つまり、第2燃料棒7012と第3燃料棒7013とでは、燃料棒701の下部の燃料濃縮度「B」の有効長が相違し、第3燃料棒7013の下部の燃料濃縮度「B」の有効長が、第2燃料棒7012の下部の燃料濃縮度「B」の有効長よりも、長い。
そして、第2燃料棒7012の上部の核分裂性プルトニウム富化度及び第3燃料棒7013の上部の核分裂性プルトニウム富化度は、第1燃料棒2011の核分裂性プルトニウム富化度と同等である。
また、第2燃料棒2012の下部の核分裂性プルトニウム富化度及び第3燃料棒7013の下部の核分裂性プルトニウム富化度は、第1燃料棒2011の核分裂性プルトニウム富化度、第2燃料棒2012の上部の核分裂性プルトニウム富化度、第3燃料棒7013の上部の核分裂性プルトニウム富化度よりも、低い。
また、第3燃料棒7013の下部の核分裂性プルトニウム富化度は、第2燃料棒2012の下部の核分裂性プルトニウム富化度よりも、低い。
燃料濃縮度「B」の燃料の核分裂性プルトニウム富化度は、燃料濃縮度「A」の燃料の核分裂性プルトニウム富化度よりも、低い。これにより、第2燃料棒2012の下部の燃料の燃料濃縮度及び第3燃料棒7013の下部の燃料の燃料濃縮度は、第1燃料棒2011の燃料の燃料濃縮度よりも、低い。
そして、第3燃料棒7013の下部の燃料濃縮度「B」の有効長が、第2燃料棒7012の下部の燃料濃縮度「B」の有効長よりも、長いため、第3燃料棒7013の下部の燃料の燃料濃縮度は、第2燃料棒2012の下部の燃料の燃料濃縮度よりも、低い。
そして、実施例4では、特に、コーナ部分の外側に配置される燃料棒701の熱出力が更に高くなるとの知見を考慮する。
実施例4では、燃料集合体700の水平断面における燃料棒701の発熱係数は、以下のとおりである。
(1)第2燃料棒配列232であって、第2列、第14列に配置され、最外層から1層内側の左右1本づつに配置される燃料棒701、及び、第3燃料棒配列233であって、第3列、第13列に配置され、最外層から1層内側の左右1本づつに配置される燃料棒701、の平均の発熱係数は、燃料集合体700の平均の発熱係数の、1.5倍である。
(2)第2燃料棒配列232であって、第2列、第14列に配置され、最外層から2層内側の左右1本づつに配置される燃料棒701、第3燃料棒配列233であって、第3列、第13列に配置され、最外層から2層内側の左右1本づつに配置される燃料棒701、第2燃料棒配列232であって、第4列、第12列に配置され、最外層から1層内側の左右1本づつに配置される燃料棒701、第1燃料棒配列231(第1列、第15列)に配置され、左右1本づつに配置される燃料棒701、第2燃料棒配列232であって、第2列、第4列、第6列、第8列、第10列、第12列、第14列に配置され、最外層の左右1本づつに配置される燃料棒701、及び、第3燃料棒配列233であって、第3列、第5列、第7列、第9列、第11列、第13列に配置され、最外層の左右1本づつに配置される燃料棒701、の平均の発熱係数は、燃料集合体700の平均の発熱係数の、1.3倍である。
(3)第1燃料棒配列231(第1列、第15列)に配置され、左右1本づつに配置される燃料棒701を除く部分に配置される燃料棒701、の平均の発熱係数は、燃料集合体700の平均の発熱係数の、1.2倍である。
(4)これら以外に配置される燃料棒701の平均の発熱係数は、燃料集合体700の平均の発熱係数の、0.8倍である。
なお、燃料棒701の発熱係数が高いほど、燃料棒701の熱出力が高くなる。そして、発熱係数は、燃料棒701に使用される燃料の燃料濃縮度を調整することにより、設定することができる。
実施例1では、燃料集合体200の水平断面における燃料棒201の発熱係数は、燃料集合体200の最外周のどの間隙に隣接していても一様に設定される。一方、実施例4では、燃料集合体700の水平断面における燃料棒701の発熱係数は、隣接する間隙の大きさに応じて設定される。
このように、実施例4では、チャンネルボックス203の4つのコーナ部分の近傍に、第2燃料棒7012及び第3燃料棒7013を配置し、これら以外に、第1燃料棒7011を配置し、コーナ部分の内側に第2燃料棒7012を配置し、コーナ部分の外側に第3燃料棒7013を配置する。
そして、実施例4では、燃料集合体700の下部において、第1燃料棒7011の燃料の燃料濃縮度を高く設定し、第2燃料棒7012の燃料の燃料濃縮度を、第1燃料棒7011の燃料の燃料濃縮度よりも、低く設定し、第3燃料棒7013の燃料の燃料濃縮度を、第2燃料棒7012の燃料の燃料濃縮度よりも、低く設定する。なお、燃料棒701の燃料の燃料濃縮度が高いほど、燃料棒701の熱出力が高い。
これにより、実施例4によれば、特に、コーナ部分の外側に配置される燃料棒701の除熱性能を向上させることができる。
そして、実施例4によれば、最外層に配置される燃料棒701とチャンネルボックス203との間に形成される間隙に偏在して流通する冷却水118の流れを抑制し、最外層付近に配置される燃料棒701の発熱分布を考慮し、コーナ部分に配置される燃料棒701の除熱性能を向上させることができる。
なお、本発明は上記した実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記した実施例は本発明を分かりやすく説明するために、具体的に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を有するものに限定されるものではない。
また、ある実施例の構成の一部を、他の実施例の構成の一部に置換することもできる。また、ある実施例の構成に他の実施例の構成を追加することもできる。また、各実施例の構成の一部について、それを削除し、他の構成の一部を追加し、他の構成の一部と置換することもできる。
100…低減速スペクトル沸騰水型原子炉、101…原子炉圧力容器、102…炉心シュラウド、103…炉心、104…シュラウドヘッド、105…気水分離器、106…蒸気乾燥器、107…上部格子板、108…炉心支持板、109…燃料支持金具、110…制御棒案内管、111…制御棒駆動機構、113…インターナルポンプ、114…ダウンカマ、115…主蒸気配管、116…給水配管、117…インペラ、118…冷却水、200、500、700…燃料集合体、201、701…燃料棒、2011、6011、7011…第1燃料棒、2012、6012、7012…第2燃料棒、7013…第3燃料棒、203…チャンネルボックス、204…制御棒、211、212、213、214…側壁部、220、221、222、223、520、521、522…間隙、224…水ギャップ、231、531…第1燃料棒配列、232、532…第2燃料棒配列、233…第3燃料棒配列、404…タイロッド、405…スペーサ、406…第2燃料棒2012の下部、407…下部タイプレート、408…ハンドル、409…上部タイプレート、410…第1燃料棒2011の下部。

Claims (10)

  1. 三角格子状に配置される複数の燃料棒と、前記燃料棒を配置する四角筒状のチャンネルボックスと、を有する燃料集合体であって、
    前記燃料棒は、中央領域に配置される第1燃料棒と、その周囲に配置される第2燃料棒と、更に、その周囲に配置される前記第1燃料棒とを、有し、
    前記第1燃料棒は、前記燃料棒の有効長方向において、1つの燃料濃縮度の燃料を有し、
    前記第2燃料棒は、前記燃料棒の有効長方向において、2つの燃料濃縮度の燃料を有し、
    前記第2燃料棒の下部の燃料の燃料濃縮度は、前記第1燃料棒の燃料の燃料濃縮度よりも、低いことを特徴とする燃料集合体。
  2. 請求項1に記載する燃料集合体であって、
    前記第2燃料棒の上部の燃料の燃料濃縮度は、前記第1燃料棒の燃料の燃料濃縮度と同等であることを特徴とする燃料集合体。
  3. 請求項2に記載する燃料集合体であって、
    前記第2燃料棒の上部の核分裂性プルトニウム富化度は、前記第1燃料棒の核分裂性プルトニウム富化度と同等であり、前記第2燃料棒の下部の核分裂性プルトニウム富化度は、前記第1燃料棒の核分裂性プルトニウム富化度及び前記第2燃料棒の上部の核分裂性プルトニウム富化度よりも、低いことを特徴とする燃料集合体。
  4. 請求項2に記載する燃料集合体であって、
    前記第1燃料棒を、最外層の1層のみに配置し、前記第2燃料棒を、最外層から1層内側の1層のみに配置することを特徴とする燃料集合体。
  5. 請求項1に記載する燃料集合体であって、
    前記第2燃料棒の上部の燃料の燃料濃縮度は、前記第1燃料棒の燃料の燃料濃縮度よりも低く、前記第2燃料棒の下部の燃料の燃料濃縮度は、前記第2燃料棒の上部の燃料の燃料濃縮度よりも低いことを特徴とする燃料集合体。
  6. 請求項5に記載する燃料集合体であって、
    前記第1燃料棒の燃料の燃料濃縮度をA、前記第2燃料棒の下部の燃料の燃料濃縮度をB、前記第2燃料棒の上部の燃料の燃料濃縮度をC、前記第2燃料棒の本数をN、全ての燃料棒の本数をNと、前記第2燃料棒の下部の燃料濃縮度の領域の長さ及び前記第2燃料棒の上部の燃料濃縮度の領域の長さの和をLと、前記第2燃料棒の下部の燃料濃縮度の領域の長さLと、する場合、
    A=C×{1+(1-B)×(N/N)×(L/L)}
    であることを特徴とする燃料集合体。
  7. 三角格子状に配置される複数の燃料棒と、前記燃料棒を配置する四角筒状のチャンネルボックスと、を有する燃料集合体であって、
    前記燃料棒は、前記チャンネルボックスの4つのコーナ部分の近傍に配置される第2燃料棒及び第3燃料棒と、これら以外に配置される第1燃料棒とを、有し、
    前記第1燃料棒は、前記燃料棒の有効長方向において、1つの燃料濃縮度の燃料を有し、
    前記第2燃料棒及び第3燃料棒は、前記燃料棒の有効長方向において、2つの燃料濃縮度の燃料を有し、
    前記第2燃料棒及び第3燃料棒の下部の燃料の燃料濃縮度は、前記第1燃料棒の燃料の燃料濃縮度よりも、低いことを特徴とする燃料集合体。
  8. 請求項7に記載する燃料集合体であって、
    前記第3燃料棒の下部の燃料濃縮度の有効長が、前記第2燃料棒の下部の燃料濃縮度の有効長よりも、長いことを特徴とする燃料集合体。
  9. 請求項8に記載する燃料集合体であって、
    前記第2燃料棒が、コーナ部分の内側に配置され、
    前記第3燃料棒が、コーナ部分の外側に配置されることを特徴とする燃料集合体。
  10. 請求項1に記載する燃料集合体を有することを特徴とする沸騰水型原子炉。
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