JP2022003609A - 二次電池負極及び導電材用炭素質材料の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】良好な放電容量を有する二次電池(例えばリチウムイオン二次電池、ナトリウムイオン二次電池、リチウム硫黄電池、リチウム空気電池)の負極材料や導電材に用いる炭素質材料(非水電解質二次電池用炭素質材料等)を原料から少ない工程数且つ回収率よく得られる製造方法の提供。【解決手段】原料として多糖類を用い、特定の加熱工程、炭化工程、焼成工程を含むことを特徴とする、炭素質材料の製造方法。【選択図】なし
Description
本発明は、リチウムイオン二次電池に代表される二次電池の負極材料や導電材に適した炭素質材料の製造方法に関する。
リチウムイオン二次電池等の非水電解質二次電池は、エネルギー密度が高く、出力特性に優れるため、携帯電話やノートパソコンのような小型携帯機器に広く用いられている。近年では、ハイブリッド自動車や電気自動車などの車載用途への適用も進められている。リチウムイオン二次電池の負極材としては、黒鉛の理論容量372mAh/gを超える量のリチウムのドープ(充電)および脱ドープ(放電)が可能な難黒鉛化性炭素が開発され、使用されてきた(例えば特許文献1および2、ならびに非特許文献1)。
難黒鉛化性炭素は、例えば、糖類等を炭素源に用いて熱処理を行うことで得ることができる。しかし、これらの原料を用いて難黒鉛化性炭素を作製する場合、熱処理時に発泡・膨張が生じ、生産性が悪い上に、該熱処理工程により比表面積が増加する傾向がある。
また、難黒鉛化性炭素は、例えば、椰子殻を炭素源に用いて熱処理を行っても得ることができる。しかし、これらの原料には不純物として金属が含まれているため、これらの原料を用いて難黒鉛化性炭素を作製する場合、精製工程が必要になる上に、該精製工程により、比表面積の増加や炭素構造の部分的な破壊が生じる傾向がある。
Journal of The Electrochemical Society、2016、Vol.163、No.7、A1295−A1299
本発明の目的は、良好な放電容量を有する二次電池(例えばリチウムイオン二次電池、ナトリウムイオン二次電池、リチウム硫黄電池、リチウム空気電池)の負極材料や導電材に用いる炭素質材料(非水電解質二次電池用炭素質材料等)を原料から少ない工程数且つ回収率よく得られる製造方法を提供することにある。
本発明者らは、以下に説明する本発明の非水電解質二次電池負極用炭素質材料の製造方法により上記目的を達成できることを見出した。
すなわち、本発明は、以下の好適な態様を包含する。
[1] 非水電解質二次電池用炭素質材料の製造方法であって、
(1A)多糖類を、不活性ガス雰囲気下、100℃/時間以上の昇温速度で、500〜900℃の範囲の第1温度まで加熱する工程、
(1B)前記多糖類を、不活性ガスの供給下、500〜900℃の温度で熱処理して炭化物を得る工程、ここで、不活性ガスの供給量は多糖類の単位表面積あたり0.01〜5.0L/(分・m2)である、
(2A)前記炭化物を、不活性ガス雰囲気下、100℃/時間以上の昇温速度で、1000〜1600℃の範囲の第2温度まで加熱する工程、および
(2B)前記炭化物を、不活性ガスの供給下、1000〜1600℃の温度で熱処理して炭素質材料を得る工程、ここで、不活性ガスの供給量は炭化物の単位表面積あたり0.01〜5.0L/(分・m2)である、
を少なくとも含むことを特徴とする、炭素質材料の製造方法。
[2] 前記多糖類が、融点を持たない、[1]記載の製造方法。
[3] 前記多糖類がセルロース又はその類縁体である、[1]または[2]に記載の製造方法。
[4] 前記多糖類が架橋構造を含む、[1]または[2]に記載の製造方法。
[5] 元素分析による窒素原子含有量が0.4質量%以上1.0質量%未満であり、かつ、レーザーラマン分光法により観測されるラマンスペクトルの1360cm−1付近のピークの半値幅の値が180〜220cm−1である、炭素質材料。
[6] BET法による比表面積が100m2/g以下である、前記[4]に記載の炭素質材料。
[7] BuOH法による真密度が1.45以上である、前記[4]または[5]に記載の炭素質材料。
[8] 平均粒子径D50が30μm以下である、前記[4]〜[6]のいずれかに記載の炭素質材料。
[9] 広角X線回折法によるBragg式を用いて算出される炭素面間隔d002が3.75Å以上である、前記[4]〜[7]のいずれかに記載の炭素質材料。
[10] 糖類骨格を有する物質に由来する、前記[4]〜[8]のいずれかに記載の炭素質材料。
[11] 糖類骨格を有する物質が、融点を持たない多糖類である、前記[9]の炭素質材料。
すなわち、本発明は、以下の好適な態様を包含する。
[1] 非水電解質二次電池用炭素質材料の製造方法であって、
(1A)多糖類を、不活性ガス雰囲気下、100℃/時間以上の昇温速度で、500〜900℃の範囲の第1温度まで加熱する工程、
(1B)前記多糖類を、不活性ガスの供給下、500〜900℃の温度で熱処理して炭化物を得る工程、ここで、不活性ガスの供給量は多糖類の単位表面積あたり0.01〜5.0L/(分・m2)である、
(2A)前記炭化物を、不活性ガス雰囲気下、100℃/時間以上の昇温速度で、1000〜1600℃の範囲の第2温度まで加熱する工程、および
(2B)前記炭化物を、不活性ガスの供給下、1000〜1600℃の温度で熱処理して炭素質材料を得る工程、ここで、不活性ガスの供給量は炭化物の単位表面積あたり0.01〜5.0L/(分・m2)である、
を少なくとも含むことを特徴とする、炭素質材料の製造方法。
[2] 前記多糖類が、融点を持たない、[1]記載の製造方法。
[3] 前記多糖類がセルロース又はその類縁体である、[1]または[2]に記載の製造方法。
[4] 前記多糖類が架橋構造を含む、[1]または[2]に記載の製造方法。
[5] 元素分析による窒素原子含有量が0.4質量%以上1.0質量%未満であり、かつ、レーザーラマン分光法により観測されるラマンスペクトルの1360cm−1付近のピークの半値幅の値が180〜220cm−1である、炭素質材料。
[6] BET法による比表面積が100m2/g以下である、前記[4]に記載の炭素質材料。
[7] BuOH法による真密度が1.45以上である、前記[4]または[5]に記載の炭素質材料。
[8] 平均粒子径D50が30μm以下である、前記[4]〜[6]のいずれかに記載の炭素質材料。
[9] 広角X線回折法によるBragg式を用いて算出される炭素面間隔d002が3.75Å以上である、前記[4]〜[7]のいずれかに記載の炭素質材料。
[10] 糖類骨格を有する物質に由来する、前記[4]〜[8]のいずれかに記載の炭素質材料。
[11] 糖類骨格を有する物質が、融点を持たない多糖類である、前記[9]の炭素質材料。
本発明によれば、原料から少ない工程数且つ良好な回収率で得られ、高い充放電容量および充放電効率を有する非水電解質二次電池用炭素質材料の製造方法を提供することができる。また、本発明の好ましい一態様において、高い放電容量を有し、低い内部抵抗を有する非水電解質二次電池を与える炭素質材料を提供することも可能である。
以下、本発明の実施の形態について、詳細に説明する。なお、本発明の範囲はここで説明する実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更を加えることができる。
本実施形態の非水電解質二次電池用炭素質材料の製造方法は、
(1A)多糖類を不活性ガス雰囲気下、100℃/時間以上の昇温速度で、500〜900℃の範囲の第1温度まで加熱する工程、
(1B)前記多糖類を、不活性ガスの供給下、500〜900℃の温度で熱処理して炭化物を得る工程、ここで、不活性ガスの供給量は多糖類の単位表面積あたり0.01〜5.0L/(分・m2)である、
(2A)前記炭化物を、不活性ガス雰囲気下、100℃/時間以上の昇温速度で、1000〜1600℃の範囲の第2温度まで加熱する工程、および
(2B)前記炭化物を、不活性ガスの供給下、1000〜1600℃の温度で熱処理して炭素質材料を得る工程、ここで、不活性ガスの供給量は炭化物の単位表面積あたり0.01〜5.0L/(分・m2)である、
を含む。
(1A)多糖類を不活性ガス雰囲気下、100℃/時間以上の昇温速度で、500〜900℃の範囲の第1温度まで加熱する工程、
(1B)前記多糖類を、不活性ガスの供給下、500〜900℃の温度で熱処理して炭化物を得る工程、ここで、不活性ガスの供給量は多糖類の単位表面積あたり0.01〜5.0L/(分・m2)である、
(2A)前記炭化物を、不活性ガス雰囲気下、100℃/時間以上の昇温速度で、1000〜1600℃の範囲の第2温度まで加熱する工程、および
(2B)前記炭化物を、不活性ガスの供給下、1000〜1600℃の温度で熱処理して炭素質材料を得る工程、ここで、不活性ガスの供給量は炭化物の単位表面積あたり0.01〜5.0L/(分・m2)である、
を含む。
上記工程(1)で用いる多糖類は、続く熱処理等の工程を経て本発明の炭素質材料を与える多糖類であれば特に限定されない。例えばでんぷん;グリコーゲン;アガロース;ペクチン;セルロースおよびその類縁体などが挙げられる。セルロースの類縁体としては、セルロースの水酸基を官能基で置換したものが挙げられ、例えば、アセチルセルロース(水酸基の一部または全部をアセチル基で置換)、キチン(二位の水酸基をアセチルアミド基で置換)、キトサン(二位の水酸基をアミノ基で置換)などが挙げられる。これらの多糖類を、単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。これらの多糖類の中で、粉砕・分級工程の省略による工程簡略化と回収率向上の観点から、融点を持たない多糖類が好ましい。ここで、融点を持たないとは、TG−DTAを測定した際に室温(例えば、20℃)〜400℃の範囲において、DTAの吸熱ピークがないことを意味する。多糖類としては、特に、融点を持たないことと入手の観点からセルロースとその類縁体、架橋構造を含む多糖類(例えば、架橋構造を含むでんぷんなど)がより好ましい。架橋構造については、以下に限定されるものではないが、例えばエステル架橋、リン酸架橋、アセタール架橋、エーテル架橋などが挙げられる。多糖類の融点よりも熱分解温度が高いという観点から、特にエステル架橋とエーテル架橋が好ましい。
工程(1A)は、多糖類を、不活性ガス雰囲気下、100℃/時間以上の昇温速度で、500〜900℃の範囲の第1温度まで加熱する工程であり、工程(1B)は、次いで、該多糖類を、不活性ガスの供給下、500〜900℃の温度で熱処理して炭化物を得る工程である。なお、本明細書において、当該工程(1A)および/または(1B)を低温焼成(工程)とも称する。工程(1A)における不活性ガスの供給量は、多糖類の単位表面積あたり0.01〜5.0L/(分・m2)、好ましくは0.015〜4.0L/(分・m2)、より好ましくは0.020〜3.0L/(分・m2)である。工程(1A)も上記不活性ガスの供給量で不活性ガスを供給しながら行われることが好ましい。不活性ガスの供給量が0.01L/(分・m2)未満では、多糖類からの発生水分や熱分解物が滞留し、融着・発泡することがあり、工程簡略化が出来ないことがある。不活性ガスの供給量が3.0L/(分・m2)を超えると、炭素前駆体が飛散し、回収率が低下することがある。不活性ガスとしては、例えば、アルゴンガス、ヘリウムガス、窒素ガスが挙げられ、好ましくは窒素ガスである。
工程(1A)における昇温速度は、上記特徴を有する炭素質材料を最終的に得やすい観点から、好ましくは100℃/時間以上、より好ましくは300℃/時間以上、さらに好ましくは400℃/時間以上、特に好ましくは500℃/時間以上である。昇温速度の上限は特に限定されないが、急激な熱分解による比表面積増大を抑制し易い観点から、好ましくは1000℃/時間以下、より好ましくは800℃/時間以下である。工程(1A)における第1温度は、500〜900℃、好ましくは550〜880℃、より好ましくは600〜860℃、さらに好ましくは700〜840℃である。
次いで、工程(1B)では、前記工程(1A)を経た多糖類を、不活性ガスの供給下、500〜900℃の温度で熱処理して炭化物を得る。工程(1B)における熱処理温度を以下において低温焼成温度とも称する。工程(1B)における低温焼成温度は、500〜900℃、好ましくは550〜880℃、より好ましくは600〜860℃、さらに好ましくは700〜840℃である。低温焼成温度が上記の範囲内であれば、上記特徴を有する炭素質材料を最終的に得やすい。低温焼成温度は、一定の温度であってよいが、上記範囲内であれば特に限定されない。不活性ガスの供給量は、多糖類の単位表面積あたり0.01〜5.0L/(分・m2)、好ましくは0.015〜4.0L/(分・m2)、より好ましくは0.020〜3.0L/(分・m2)である。また、操作を簡便にし易い観点から、工程(1A)における第1温度と工程(1B)における熱処理温度と不活性ガスの供給量とが等しいことが好ましい。工程(1B)における熱処理時間は、好ましくは0.1〜5時間、より好ましくは0.3〜3時間、さらにより好ましくは0.5〜2時間である。
工程(2A)は、前記工程(1B)で得た炭化物を、不活性ガス雰囲気下、100℃/時間以上の昇温速度で、1000〜1600℃の範囲の第2温度まで加熱する工程であり、工程(2B)は、次いで、該炭化物を、不活性ガスの供給下、1000〜1600℃の温度で熱処理して炭素質材料を得る工程である。ここで、工程(2A)は、不活性ガス雰囲気下で行われ、工程(2B)は、不活性ガスの供給下で行われ、工程(2B)における不活性ガスの供給量は炭素前駆体の単位表面積あたり0.01〜5.0L/(分・m2)である。ここで、不活性ガス雰囲気下、不活性ガス供給下という条件については、上記で(1A)および(1B)について記載したとおりである。また、本明細書において、当該工程(2A)および/または(2B)を高温焼成(工程)とも称する。不活性ガスとしては、上記で(1A)および(1B)について上記に記載したものが挙げられ、好ましくは窒素ガスである。
工程(2A)における昇温速度は、上記特徴を有する炭素質材料を最終的に得やすい観点から、好ましくは100℃/時間以上、より好ましくは300℃/時間以上、さらに好ましくは400℃/時間以上、特に好ましくは500℃/時間以上である。昇温速度の上限は特に限定されないが、急激な熱分解による比表面積増大を抑制し易い観点から、好ましくは800℃/時間以下、より好ましくは700℃/時間以下、さらにより好ましくは600℃/時間以下である。工程(2A)における第2温度は、1000〜1600℃、好ましくは1050〜1500℃、より好ましくは1100〜1400℃、さらに好ましくは1200〜1350℃である。
リチウムイオンを吸蔵しやすい構造を作り、放電容量を高めやすい観点から、通常、工程(1B)に続いて工程(2A)が行われる。したがって、工程(2A)における昇温工程は、500〜900℃の範囲の低温焼成温度から、上記1000〜1600℃の範囲の第2温度まで昇温する工程である。例えば、上記の昇温速度で、低温焼成温度(500〜900℃)から第2温度(1000〜1600℃)まで、好ましくは低温焼成温度(550〜880℃)から第2温度(1050〜1500℃)まで、より好ましくは低温焼成温度(600〜860℃)から第2温度(1100〜14000℃)まで、さらにより好ましくは低温焼成温度(700〜840℃)から第2温度(1200〜1350℃)まで、昇温される。
次いで、工程(2B)では、炭化物を、不活性ガスの供給下、1000〜1600℃の温度で熱処理して炭素質材料を得る。工程(2B)における熱処理温度を以下において高温焼成温度とも称する。工程(2B)における高温焼成温度は、操作を簡便にしやすく、上記特徴を有する炭素質材料を最終的に得やすい観点から、1000〜1600℃、好ましくは1050〜1500℃、より好ましくは1100〜1400℃、さらに好ましくは1200〜1350℃である。高温焼成温度は、一定の温度であってよいが、上記範囲内であれば特に限定されない。工程(2B)における熱処理時間は、好ましくは0.1〜5時間、より好ましくは 0.3〜3時間、さらにより好ましくは0.5〜2時間である。不活性ガスの供給量は、炭化物の単位表面積あたり0.01〜5.0L/(分・m2)、好ましくは0.015〜4.0L/(分・m2)、より好ましくは0.020〜3.0L/(分・m2)である。工程(2A)も上記不活性ガスの供給量で不活性ガスを供給しながら行われることが好ましい。また、操作を簡便にしやすい観点から、工程(2A)における第2温度と工程(2B)における熱処理温度とが等しいことが好ましい。
高温焼成温度(すなわち工程(2B)における焼成温度)は、好ましくは上記工程(2A)における第2温度と等しく、電極に用いた際に高い充放電容量および充放電効率と低い抵抗を与える炭素質材料を得やすい観点で、工程(1B)における焼成温度(好ましい態様において工程(1A)における第1温度)以上の温度であることが好ましい。高温焼成温度は、低温焼成温度よりも、好ましくは50〜700℃、より好ましくは100〜600℃、さらにより好ましくは150〜500℃、特に好ましくは200〜400℃高い温度である。
本発明の炭素質材料の製造方法は、炭化物を高温で焼成する工程(2A)および(2B)に供する前に、工程(1B)で得た炭化物に少なくとも1種の揮発性有機物を添加する工程(3)をさらに含んでいてもよい。工程(3)を行うことにより、炭化物を高温で焼成する際に揮発した有機物が炭化物表面に付着し、その結果、本発明の炭素質材料の特徴を維持しつつ、より低い比表面積を有する炭素質材料を製造しやすくなる。このような炭素質材料は、高い充放電容量および充放電効率を維持しつつ、炭素質材料中に存在する水分の量を低下させ、水分による電解液の加水分解および水の電気分解を抑制することができる。
揮発性有機物は、窒素等の不活性ガス雰囲気下、例えば500℃以上の温度で熱処理をする際に、ほぼ炭化せず(例えば物質の好ましくは80%以上、より好ましくは90%以上が炭化せず)、揮発する(気化もしくは熱分解し、ガスになる)有機化合物である。揮発性有機物としては、以下に限定されるものではないが、例えば熱可塑性樹脂、低分子有機化合物、有機酸が挙げられる。熱可塑性樹脂としては、ポリスチレン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ(メタ)アクリル酸、ポリ(メタ)アクリル酸エステル等が挙げられる。なお、本明細書において、(メタ)アクリルとは、メタクリルとアクリルの総称である。低分子有機化合物としては、トルエン、キシレン、メシチレン、スチレン、ナフタレン、フェナントレン、アントラセン、ピレン等が挙げられる。有機酸としては、特に限定されないが、クエン酸、フマル酸、リンゴ酸、マレイン酸等のカルボン酸が挙げられる。焼成温度下で揮発し、熱分解した場合に炭素前駆体の表面を酸化賦活しないものが好ましいことから、熱可塑性樹脂としてはポリスチレン、ポリエチレン、ポリプロピレンが好ましい。低分子有機化合物としては、さらに安全上の観点から常温下(たとえば20℃)において揮発性が小さい化合物がさらに好ましく、ナフタレン、フェナントレン、アントラセン、ピレン等が特に好ましい。
工程(3)において、工程(1B)で得た炭化物に少なくとも1種の揮発性有機物を添加する。添加方法は特に限定されないが、例えば工程(1B)で得た炭化物と少なくとも1種の揮発性有機物とを混合して添加を行ってよい。揮発性有機物の添加量は、特に限定されないが、炭化物100質量部に対して、好ましくは2〜30質量部、より好ましくは4〜20質量部、さらに好ましくは5〜15質量部である。
本発明の炭素質材料の製造方法は、炭化物および/または炭素質材料を粉砕・分級する工程(4)をさらに含んでいてもよい。粉砕・分級工程(4)は、多糖類、炭化物および/または炭素質材料を、通常の方法、例えばボールミルやジェットミルを用いる方法等により行ってよい。粉砕・分級工程(4)は、例えば工程(1B)および/または(2B)の後で行ってよいが、多糖類が融点を持たず工程(1B)で溶融しないため、工程簡略化及び回収率向上の観点から、省略することが好ましい。
本発明の炭素質材料において、元素分析による窒素原子含有量は0.4質量%以上1.0質量%未満である。炭素質材料における窒素原子含有量が0.4質量%よりも少ないと、充放電時にリチウムイオンを吸脱着するサイトが少なくなり、十分な充放電容量が得られない。充放電容量を高めやすい観点から、本発明の炭素質材料における窒素原子含有量は、好ましくは0.45質量%以上であり、より好ましくは0.5質量%以上であり、さらに好ましくは0.6質量%以上である。また、炭素質材料における窒素原子含有量が1.0質量以上であると、炭素質材料の構造に歪みが生じやすくなり、層状構造が維持できなくなる。その結果、リチウムイオンを吸脱着するサイトが少なくなり、十分な充放電容量が得られない。また、窒素原子含有量が1.0質量以上である場合、炭素骨格内に取り込まれなかった窒素原子が、例えば−NH2基のような表面官能基として存在すると予想される。このような表面官能基の量が多くなると、充放電時に生じ得る不可逆的な副反応を抑制することができず、放電容量が低下し、充放電効率が低下する。充放電時の不可逆的な副反応を抑制し、放電容量および充放電効率を高めやすい観点から、本発明の炭素質材料における窒素原子含有量は、好ましくは0.95質量%以下、より好ましくは0.95質量%未満、さらに好ましくは0.90質量%以下、特に好ましくは0.85質量%以下である。窒素原子含有量の測定の詳細は後述の通りであり、元素分析法(不活性ガス溶解法)により測定される。炭素質材料における窒素原子含有量を上記の範囲に調整する方法は何ら限定されないが、例えば、炭素質材料の原料となる炭化物を、不活性ガス雰囲気下で熱処理する工程を含む、後述する炭素質材料の製造方法を用いることができる。特に、供給する不活性ガスの供給量を大きくする、昇温速度を下げる、熱処理温度を高くすると、窒素原子が脱離しやすい傾向があるため、不活性ガスの供給量、昇温速度および熱処理温度を調整し、窒素原子含有量を所望の範囲に調整することができる。
本発明の炭素質材料において、レーザーラマン分光法により観測されるラマンスペクトルの1360cm−1付近のピークの半値幅の値は、180〜220cm−1である。ここで、1360cm−1付近のピークとは、一般にDバンドと称されるラマンピークであり、グラファイト構造の乱れ・欠陥に起因するピークである。1360cm−1付近のピークは、通常、1345cm−1〜1375cm−1、好ましくは1350cm−1〜1370cm−1の範囲に観測される。なお、本明細書における半値幅は、半値全幅である。
1360cm−1付近のピークの半値幅の値は、炭素質材料に含まれるグラファイト構造の乱れ・欠陥の量に関係する。このような構造の乱れは、例えば窒素原子が炭素骨格内に導入されることにより引き起こされ得る。1360cm−1付近のピークの半値幅の値が180cm−1より小さいと、炭素質材料に含まれるグラファイト構造の乱れ・欠陥が少なすぎて、グラファイト構造の発達により結晶間の微細孔が減少する。その結果、リチウムイオンが吸蔵されるサイトが少なくなり、充放電容量が低下する。充放電容量を高めやすい観点からは、1360cm−1付近のピークの半値幅の値は、好ましくは185cm−1以上、より好ましくは190cm−1以上である。また、半値幅が220cm−1より大きいと、炭素質材料に含まれるグラファイト構造の乱れ・欠陥が多くなるため、非晶質が多くなり、リチウムを吸蔵し得るサイトが減少する。その結果、リチウムイオンの吸蔵量が低下し、充放電容量が低下する。充放電容量を高めやすい観点からは、1360cm−1付近のピークの半値幅の値は、好ましくは215cm−1以下、より好ましくは214cm−1以下、さらにより好ましくは213cm−1以下、さらにより好ましくは212cm−1以下、さらにより好ましくは211cm−1以下、さらにより好ましくは210cm−1以下、さらにより好ましくは208cm−1以下、さらにより好ましくは206cm−1以下、さらにより好ましくは204cm−1以下、特に好ましくは202cm−1以下である。
ラマンスペクトルの測定は、ラマン分光器(例えば、堀場製作所製ラマン分光器「LabRAM ARAMIS(VIS)」)を用いて行う。具体的には、例えば、測定対象粒子を観測台ステージ上にセットし、対物レンズの倍率を100倍とし、ピントを合わせ、測定セル内に532nmのアルゴンイオンレーザ光を照射しながら、露光時間1秒、積算回数100回、測定範囲を50−2000cm−1として測定する。
1360cm−1付近のピークの半値幅の値を上記の範囲に調整する方法は何ら限定されないが、例えば、炭素質材料の原料となる炭化物を、不活性ガス雰囲気下で熱処理する工程を含む、後述する炭素質材料の製造方法を用いることができる。特に、供給する不活性ガスの供給量を大きくする、昇温速度を下げる、熱処理温度を高くすると、炭素質材料に含まれるグラファイト構造の乱れ・欠陥を引き起こす要因となる窒素原子等が脱離しやすく、その結果、1360cm−1付近のピークの半値幅の値が小さくなる傾向がある。したがって、不活性ガスの供給量、昇温速度および熱処理温度を調整し、半値幅の値を所望の範囲に調整することができる。
元素分析による窒素原子含有量が0.4質量%以上1.0質量%未満であり、かつ、レーザーラマン分光法により観測されるラマンスペクトルの1360cm−1付近のピークの半値幅の値が180〜220cm−1である本発明の炭素質材料によれば、炭素質材料がリチウムイオンを吸蔵するに十分な微細孔を有するため高い充放電容量が得られる。さらに、本発明の好ましい一態様において、上記特徴を有する本発明の炭素質材料は、炭素エッジ部が少なく、炭素平面が広がっているために、リチウムイオンの輸送効率が高まり、その結果、低抵抗が達成される。
本発明の炭素質材料において、ラマンスペクトルの1360cm−1付近のピーク強度(I1360)と1580cm−1付近のピーク強度(I1580)の強度比(R値=I1360/I1580)は、非水電解質二次電池の内部抵抗を低下させやすい観点から、好ましくは1.10〜1.28である。ここで、1360cm−1付近のピークとは、半値幅に関して上記に述べた一般にDバンドと称されるラマンピークであり、グラファイト構造の乱れ・欠陥に起因するピークである。1580cm−1付近のピークとは、一般にGバンドと称されるラマンピークであり、グラファイト構造に由来するピークである。ここで、1580cm−1付近のピークは、通常1565cm−1〜1615cm−1、好ましくは1560cm−1〜1610cm−1の範囲に観測される。
これらのピークの強度比であるR値は、炭素質材料の結晶性に関係する。炭素質材料の結晶性が高すぎると、グラファイト構造の発達により炭素エッジが減少し、Liが挿入サイトが少なくなる。そのため、低温での特性が低下したり、抵抗が高くなるなどの問題が生じる。また、炭素質材料の結晶性が低すぎると、非晶質が多くなり、炭素エッジが多くなり、リチウムと反応する炭素末端の反応基が多くなる。そのためリチウムイオンの利用効率が低下する。上記の観点から、R値は、好ましくは1.10以上、より好ましくは1.13以上、さらにより好ましくは1.15以上、特に好ましくは1.17以上である。また、R値は、好ましくは1.28以下、より好ましくは1.25以下、さらにより好ましくは1.22以下、特に好ましくは1.20以下である。
本発明の炭素質材料の窒素吸着BET法による比表面積は、好ましくは100m2/g以下、より好ましくは80m2/g以下、さらに好ましくは60m2/g以下、さらに好ましくは40m2/g以下、さらに好ましくは30m2/g以下、さらに好ましくは28m2/g以下、さらに好ましくは27m2/g以下、さらに好ましくは26m2/g以下、特に好ましくは25m2/g以下である。比表面積が上記の上限以下である場合、炭素質材料の吸湿性を低下させやすく、炭素質材料中に存在する水分の量を低下させやすい。その結果、水分による電解液の加水分解および水の電気分解が抑制され、これらに伴う酸およびガスの発生を抑制させやすい。また、比表面積が上記の上限以下である場合、空気と炭素質材料との接触面積を低下させやすく、炭素質材料自体の酸化を抑制させやすい。炭素質材料の窒素吸着BET法による比表面積の下限は特に限定されないが、電解液との接触面積を増やし、電池の抵抗を下げやすい観点から、好ましくは3m2/g以上、より好ましくは5m2/g以上である。本明細書において、BET法による比表面積は、窒素吸着BET多点法により定まる比表面積を意味する。具体的には後述する方法を用いて測定することができる。
BET法による比表面積を上記の範囲に調整する方法は何ら限定されないが、例えば、後述する炭素質材料の製造方法において、炭素前駆体を得る工程および/または炭化物を得る工程の温度を低くしたり、加熱時間を短くすると、熱による構造の収縮が抑制されること等により、最終的に得られる炭素質材料のBET比表面積は大きくなる傾向がある。そのため、所望の範囲のBET比表面積を有する炭素質材料を得るために、焼成温度や焼成時間を調整すればよい。
本発明の炭素質材料のBuOH法による真密度(ρBt)は、好ましくは1.45g/cm3以上、より好ましくは1.47g/cm3以上、さらに好ましくは1.48g/cm3以上である。BuOH法による真密度が上記の下限以上であると、電池における質量あたりの容量を高めやすい。真密度の上限は特に限定されないが、リチウムイオンを吸蔵できる構造を増やしやすい観点から、好ましくは1.80g/cm3以下、より好ましくは1.70g/cm3以下、さらに好ましくは1.65g/cm3以下である。ブタノール法による真密度の測定方法の詳細は、実施例に記載する通りであり、JIS R 7212に定められた方法に従い、ブタノール法により測定することができる。このような真密度を有する炭素質材料は、例えば、後述する炭素質材料の製造方法を用いて製造することができる。
本発明の炭素質材料のヘリウム法による真密度(ρHe)は、好ましくは2.00g/cm3以上、より好ましくは2.01g/cm3以上、さらに好ましくは2.02g/cm3以上である。ヘリウム法による真密度が上記の下限以上であると、電池における質量あたりの容量を高めやすい。真密度の上限は特に限定されないが、リチウムイオンを吸蔵できる構造を増やしやすい観点から、好ましくは2.25g/cm3以下、より好ましくは2.15g/cm3以下、さらに好ましくは2.10g/cm3以下である。ヘリウム法による真密度の測定方法の詳細は、実施例に記載する通りであり、JIS R 1620に定められた方法に従い、気体置換法により測定することができる。このような真密度を有する炭素質材料は、例えば、後述する炭素質材料の製造方法を用いて製造することができる。
本発明の炭素質材料の平均粒子径D50は、好ましくは30μm以下、より好ましくは25μm以下、さらに好ましくは20μm以下、さらにより好ましくは18μm以下、特に好ましくは16μm以下、最も好ましくは15μm以下である。平均粒子径が上記の上限以下である場合、電極作製時の塗工性が良好となることに加えて、炭素質材料の粒子内でのリチウムイオンの拡散自由行程が少なくなるため、急速な充放電が得やすくなる。さらに、リチウムイオン二次電池では、入出力特性を向上させるために電極面積を大きくすることが重要であり、そのためには、電極調製時に集電板への活物質の塗工厚みを薄くする必要がある。活物質となる炭素質材料の平均粒子径が上記の上限以下である場合、電極調製時に塗工厚みを薄くしやすい。また、本発明の炭素質材料の平均粒子径D50は、好ましくは2μm以上、より好ましくは3μm以上、さらに好ましくは4μm以上、さらにより好ましくは5μm以上、さらにより好ましくは6μm以上、さらにより好ましくは7μm以上、さらにより好ましくは8μm以上、特に好ましくは9μm以上である。平均粒子径D50が上記の下限以上である場合、炭素質材料中の微粉による比表面積の増加および電解液との反応性の増加を抑制し、不可逆容量の増加を抑制しやすい。また、炭素質材料を用いて負極を製造する場合に、炭素質材料の間に形成される空隙を確保しやすく、電解液中でのリチウムイオンの移動が抑制されにくく、非水電解質二次電池の抵抗を低下させやすい。平均粒子径D50は、累積体積が50%となる粒子径であり、例えば粒子径・粒度分布測定装置(マイクロトラック・ベル株式会社製「マイクロトラックMT3300EXII」)を用いたレーザー散乱法により粒度分布を測定することにより求めることができる。
本発明の炭素質材料において、広角X線回折法によるBragg式を用いて算出される炭素面間隔d002は、好ましくは3.75Å以上、より好ましくは3.80Å以上、さらにより好ましくは3.81Å以上、特に好ましくは3.82Å以上である。炭素面間隔d002は、例えば、黒鉛のように最も炭素面が近接する場合には3.35〜3.40Å程度であり、4.00Åを超えると炭素面同士が相互作用できなくなり、層構造を維持できなくなる。本発明の炭素質材料において、炭素面間隔d002が上記の下限以上であると、リチウムイオンが効率良く移動しやすくなり、非水電解質二次電池の抵抗を低下させやすい。炭素面間隔d002は、層構造を維持しやすい観点から、好ましくは4.00Å以下、より好ましくは3.97Å以下、さらにより好ましくは3.95Å以下である。炭素面間隔d002の測定方法の詳細は、実施例に記載するとおりであり、粉末X線回折法により観測されるピーク位置(回折角2θ)からBraggの式により算出される。
前記炭化物において、窒素吸着BET法による比表面積は、好ましくは520m2/g以下、より好ましくは510m2/g以下、さらに好ましくは500m2/g以下、特に好ましくは490m2/g以下である。比表面積が上記の上限以下である場合、最終的に得られる炭素質材料の吸湿性を低下させやすく、炭素質材料中に存在する水分の量を低下させやすい。その結果、水分による電解液の加水分解および水の電気分解が抑制され、これらに伴う酸およびガスの発生を抑制させやすい。また、比表面積が上記の上限以下である場合、空気と炭素質材料との接触面積を低下させやすく、炭素質材料自体の酸化を抑制させやすい。炭化物の窒素吸着BET法による比表面積の下限は特に限定されないが、好ましくは350m2/g以上、より好ましくは360m2/g以上である。炭化物の窒素吸着BET法による比表面積は、炭素質材料について記載した方法と同様にして測定することができる。
前記炭化物において、平均粒子径D50は、好ましくは5μm以上、より好ましくは7μm以上、さらにより好ましくは8μm以上、さらにより好ましくは9μm以上、特に好ましくは10μm以上である。また、該平均粒子径D50は、好ましくは30μm以下、より好ましくは25μm以下、さらにより好ましくは22μm以下、特に好ましくは20μm以下である。炭化物における平均粒子径D50が上記の範囲内である場合、該炭化物から製造した炭素質材料における平均粒子径D50を、炭素質材料に関して上記に述べた範囲に調整しやすく、非水電解質二次電池における充放電容量および充放電効率を高めやすい。炭化物の平均粒子径D50は、炭素質材料について記載した方法と同様にして測定することができる。
本発明の炭素質材料は、糖類骨格を有する物質に由来することが好ましく、糖類骨格を有する物質としては、多糖類が挙げられ、例えばでんぷん;グリコーゲン;アガロース;ペクチン;セルロースおよびその類縁体などが挙げられる。セルロースの類縁体としては、セルロースの水酸基を官能基で置換したものが挙げられ、例えば、アセチルセルロース(水酸基の一部または全部をアセチル基で置換)、キチン(二位の水酸基をアセチルアミド基で置換)、キトサン(二位の水酸基をアミノ基で置換)などが挙げられる。
これらは単独でも、複数組み合わせられていてもよい。中でも、より簡便に炭素質材料が得られる観点から、融点を持たない多糖類が好ましい。多糖類としては、入手の観点、および容量、抵抗、回収率のいずれにも優れる観点から特に、セルロースとその類縁体、架橋構造を含む多糖類(例えば、架橋構造を含むでんぷんなど)がより好ましい。架橋構造については、以下に限定されるものではないが、例えばエステル架橋、リン酸架橋、アセタール架橋、エーテル架橋などが挙げられる。多糖類の融点よりも熱分解温度が高いという観点から、特にエステル架橋とエーテル架橋が好ましい。
これらは単独でも、複数組み合わせられていてもよい。中でも、より簡便に炭素質材料が得られる観点から、融点を持たない多糖類が好ましい。多糖類としては、入手の観点、および容量、抵抗、回収率のいずれにも優れる観点から特に、セルロースとその類縁体、架橋構造を含む多糖類(例えば、架橋構造を含むでんぷんなど)がより好ましい。架橋構造については、以下に限定されるものではないが、例えばエステル架橋、リン酸架橋、アセタール架橋、エーテル架橋などが挙げられる。多糖類の融点よりも熱分解温度が高いという観点から、特にエステル架橋とエーテル架橋が好ましい。
本発明の炭素質材料、又は、本発明の製造方法により得られる炭素質材料は、非水電解質二次電池の負極活物質として好適に使用することができる。本発明はまた、本発明の炭素質材料を含む非水電解質二次電池用負極ならびに該負極を有する非水電解質二次電池も提供する。
以下において、本発明の非水電解質二次電池用の負極の製造方法を具体的に述べる。本発明の負極は、例えば、本発明の炭素質材料に結合剤(バインダー)を添加し、適当な溶媒を適量添加した後、これらを混練し電極合剤を調製する。得られた電極合剤を、金属板等からなる集電板に塗布および乾燥後、加圧成形することにより、本発明の非水電解質二次電池用の負極を製造することができる。
本発明の炭素質材料を用いることにより、導電助剤を添加しなくとも高い導電性を有する電極(負極)を製造することができる。さらに高い導電性を賦与することを目的として、必要に応じて電極合剤の調製時に、導電助剤を添加することができる。導電助剤としては、導電性のカーボンブラック、気相成長炭素繊維(VGCF)、ナノチューブ等を用いることができる。導電助剤の添加量は、使用する導電助剤の種類によっても異なるが、添加する量が少なすぎると期待する導電性が得られないことがあり、多すぎると電極合剤中の分散が悪くなることがある。このような観点から、添加する導電助剤の好ましい割合は0.5〜10質量%(ここで、活物質(炭素質材料)量+バインダー量+導電助剤量=100質量%とする)であり、さらにより好ましくは0.5〜7質量%、特に好ましくは0.5〜5質量%である。結合剤としては、PVDF(ポリフッ化ビニリデン)、ポリテトラフルオロエチレン、およびSBR(スチレン・ブタジエン・ラバー)とCMC(カルボキシメチルセルロース)との混合物等のように電解液と反応しないものであれば特に限定されない。中でもSBRとCMCとの混合物は、活物質表面に付着したSBRとCMCがリチウムイオン移動を阻害することが少なく、良好な入出力特性が得られるため好ましい。SBR等の水性エマルジョンやCMCを溶解し、スラリーを形成するために、水等の極性溶媒が好ましく用いられるが、PVDF等の溶剤性エマルジョンをN−メチルピロリドン等に溶解して用いることもできる。結合剤の添加量が多すぎると、得られる電極の抵抗が大きくなるため、電池の内部抵抗が大きくなり電池特性を低下させることがある。また、結合剤の添加量が少なすぎると、負極材料の粒子相互間および集電材との結合が不十分になることがある。結合剤の好ましい添加量は、使用するバインダーの種類によっても異なるが、例えば溶媒に水を使用するバインダーでは、SBRとCMCとの混合物など、複数のバインダーを混合して使用することが多く、使用する全バインダーの総量として0.5〜5質量%が好ましく、1〜4質量%がより好ましい。一方、PVDF系のバインダーでは好ましくは3〜13質量%であり、より好ましくは3〜10質量%である。また、電極合剤中の本発明の炭素質材料の量は、80質量%以上が好ましく、90質量%以上がより好ましい。また、電極合剤中の本発明の炭素質材料の量は、100質量%以下が好ましく、97質量%以下がより好ましい。
電極活物質層は、基本的には集電板の両面に形成されるが、必要に応じて片面に形成されていてもよい。電極活物質層が厚いほど、集電板やセパレータ等が少なくて済むため、高容量化には好ましい。しかし、対極と対向する電極面積が広いほど入出力特性の向上に有利なため、電極活物質層が厚すぎると入出力特性が低下することがある。活物質層の厚み(片面当たり)は、電池放電時の出力の観点から、好ましくは10〜80μm、より好ましくは20〜75μm、さらにより好ましくは30〜75μmである。
本発明の非水電解質二次電池は、本発明の非水電解質二次電池用負極を含む。本発明の炭素質材料を含む非水電解質二次電池用負極を有する非水電解質二次電池は、高い充放電容量および充放電効率を有する。
本発明の炭素質材料を用いて非水電解質二次電池用の負極を形成する場合、正極材料、セパレータ、および電解液などの電池を構成する他の材料は特に限定されることなく、非水溶媒二次電池として従来使用され、あるいは提案されている種々の材料を使用することが可能である。
例えば、正極材料としては、層状酸化物系(LiMO2又はNaMO2と表されるもので、Mは金属:例えばLiCoO2、LiNiO2、LiMnO2、NaFeO2、NaNiO2、NaCoO2、NaMnO2、NaVO2またはLiNixCoyMnzO2、NaNixMnzO2(ここでx、y、zは組成比を表わす))、オリビン系(LiMPO4又はNaMPO4で表され、Mは金属:例えばLiFePO4、NaFePO4など)、スピネル系(LiM2O4又はNaM2O4で表され、Mは金属:例えばLiMn2O4、NaMn2O4など)の複合金属カルコゲン化合物が好ましく、これらのカルコゲン化合物を必要に応じて混合して使用してもよい。これらの正極材料を適当なバインダーと電極に導電性を付与するための炭素材料とともに成形して、導電性の集電材上に層形成することにより正極が形成される。
これらの正極および負極と組み合わせて用いられる非水溶媒型電解液は、一般に非水溶媒に電解質を溶解することにより形成される。非水溶媒としては、例えばプロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、ジメトキシエタン、ジエトキシエタン、γ−ブチルラクトン、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、スルホラン、または1,3−ジオキソラン等の有機溶媒を、一種または二種以上を組み合わせて用いることができる。また、電解質としては、リチウムイオン二次電池用途にLiClO4、LiPF6、LiBF4、LiCF3SO3、LiAsF6、LiCl、LiBr、LiB(C6H5)4、またはLiN(SO3CF3)2等が、ナトリウムイオン二次電池用途にNaClO4、NaPF6、NaBF4、NaCF3SO3、NaAsF6、NaCl、NaBr、NaB(C6H5)4、またはNaN(SO3CF3)2等が用いられる。
非水電解質二次電池は、一般に上記のようにして形成した正極と負極とを必要に応じて透液性セパレータを介して対向させ、電解液中に浸漬させることにより形成される。このようなセパレータとしては、二次電池に通常用いられる不織布、その他の多孔質材料からなる透過性または透液性のセパレータを用いることができる。あるいはセパレータの代わりに、もしくはセパレータと一緒に、電解液を含浸させたポリマーゲルからなる固体電解質を用いることもできる。
本発明の炭素質材料は、例えば自動車などの車両に搭載される電池(典型的には車両駆動用非水電解質二次電池)用炭素質材料として好適である。本発明において車両とは、通常、電動車両として知られるものや、燃料電池や内燃機関とのハイブリッド車など、特に限定されることなく対象とすることができるが、少なくとも上記電池を備えた電源装置と、該電源装置からの電源供給により駆動する電動駆動機構と、これを制御する制御装置とを備えるものである。車両は、さらに、発電ブレーキや回生ブレーキを備え、制動によるエネルギーを電気に変換して、前記非水電解質二次電池に充電する機構を備えていてもよい。
本発明の炭素質材料は、好ましくは低抵抗性を有することから、例えば、電池の電極材に導電性を付与する添加剤として使用することもできる。電池の種類は特に限定されないが、非水電解質二次電池、鉛蓄電池が好適である。このような電池の電極材に添加することにより、導電ネットワークを形成することができ、導電性が高まることで、不可逆反応を抑制することができるため、電池を長寿命化することもできる。
以下、実施例によって本発明を具体的に説明するが、これらは本発明の範囲を限定するものではない。なお、以下に炭素質材料の物性値の測定法を記載するが、実施例を含めて、本明細書中に記載する物性値は、以下の方法により求めた値に基づくものである。
(元素分析)
株式会社堀場製作所製、酸素・窒素・水素分析装置EMGA−930を用いて、不活性ガス溶解法に基づいて元素分析を行った。
当該装置の検出方法は、酸素:不活性ガス融解−非分散型赤外線吸収法(NDIR)、窒素:不活性ガス融解−熱伝導法(TCD)、水素:不活性ガス融解−非分散型赤外線吸収法(NDIR)であり、校正は、(酸素・窒素)Niカプセル、TiH2(H標準試料)、SS−3(N、O標準試料)で行い、前処理として250℃、約10分で水分量を測定した試料20mgをNiカプセルに取り、元素分析装置内で30秒脱ガスした後に測定した。試験は3検体で分析し、平均値を分析値とした。上記のようにして、試料中の窒素原子含有量、酸素原子含有量および水素原子含有量を得た。
株式会社堀場製作所製、酸素・窒素・水素分析装置EMGA−930を用いて、不活性ガス溶解法に基づいて元素分析を行った。
当該装置の検出方法は、酸素:不活性ガス融解−非分散型赤外線吸収法(NDIR)、窒素:不活性ガス融解−熱伝導法(TCD)、水素:不活性ガス融解−非分散型赤外線吸収法(NDIR)であり、校正は、(酸素・窒素)Niカプセル、TiH2(H標準試料)、SS−3(N、O標準試料)で行い、前処理として250℃、約10分で水分量を測定した試料20mgをNiカプセルに取り、元素分析装置内で30秒脱ガスした後に測定した。試験は3検体で分析し、平均値を分析値とした。上記のようにして、試料中の窒素原子含有量、酸素原子含有量および水素原子含有量を得た。
(ラマンスペクトル)
ラマン分光器(堀場製作所製「LabRAM ARAMIS(VIS)」)を用い、測定対象粒子(炭素質材料または炭化物)を観測台ステージ上にセットし、対物レンズの倍率を100倍とし、ピントを合わせ、アルゴンイオンレーザ光を照射しながら測定した。測定条件の詳細は以下のとおりであり、得られたラマンスペクトルの1360cm−1付近のピークの半値幅の値、ラマンスペクトルの1360cm−1付近のピーク強度(I1360)と1580cm−1付近のピーク強度(I1580)の強度比(R値、I1360/I1580)を算出した。
アルゴンイオンレーザ光の波長:532nm
試料上のレーザーパワー:15mW
分解能:5−7cm−1
測定範囲:50−2000cm−1
露光時間:1秒
積算回数:100回
ピーク強度測定:ベースライン補正 Polynom−3次で自動補正
ピークサーチ&フィッテイング処理 GaussLoren
ラマン分光器(堀場製作所製「LabRAM ARAMIS(VIS)」)を用い、測定対象粒子(炭素質材料または炭化物)を観測台ステージ上にセットし、対物レンズの倍率を100倍とし、ピントを合わせ、アルゴンイオンレーザ光を照射しながら測定した。測定条件の詳細は以下のとおりであり、得られたラマンスペクトルの1360cm−1付近のピークの半値幅の値、ラマンスペクトルの1360cm−1付近のピーク強度(I1360)と1580cm−1付近のピーク強度(I1580)の強度比(R値、I1360/I1580)を算出した。
アルゴンイオンレーザ光の波長:532nm
試料上のレーザーパワー:15mW
分解能:5−7cm−1
測定範囲:50−2000cm−1
露光時間:1秒
積算回数:100回
ピーク強度測定:ベースライン補正 Polynom−3次で自動補正
ピークサーチ&フィッテイング処理 GaussLoren
上記の近似式を用いて、液体窒素温度における、窒素吸着による多点法により所定の相体圧(p/p0)における実測される吸着量(v)を代入してvmを求め、次式により試料の比表面積(SSA:単位はm2g−1)を計算した。
上記の式中、vmは試料表面に単分子層を形成するに必要な吸着量(cm3/g)、vは実測される吸着量(cm3/g)、p0は飽和蒸気圧、pは絶対圧、cは定数(吸着熱を反映)、Nはアボガドロ数6.022×1023、a(nm2)は吸着質分子が試料表面で占める面積(分子占有断面積)である。
具体的には、カンタクローム社製「Autosorb−iQ−MP」を用いて、以下のようにして液体窒素温度における炭素質材料への窒素の吸着量を測定した。測定試料を試料管に充填し、試料管を−196℃に冷却した状態で、一旦減圧し、その後所望の相対圧にて測定試料に窒素(純度99.999%)を吸着させた。各所望の相対圧にて平衡圧に達した時の試料に吸着した窒素量を吸着ガス量vとした。
(ブタノール法による真密度)
真密度ρBtは、JIS R 7212に定められた方法に従い、ブタノール法により測定した。内容積約40mLの側管付比重びんの質量(m1)を正確に量った。次に、その底部に試料を約10mmの厚さになるように平らに入れた後、その質量(m2)を正確に量った。これに1−ブタノールを静かに加えて、底から20mm程度の深さにした。次に比重びんに軽い振動を加えて、大きな気泡の発生がなくなったのを確かめた後、真空デシケーター中に入れ、徐々に排気して2.0〜2.7kPaとした。その圧力に20分間以上保ち、気泡の発生が止まった後に、比重びんを取り出し、さらに1−ブタノールを満たし、栓をして恒温水槽(30±0.03℃に調節してあるもの)に15分間以上浸し、1−ブタノールの液面を標線に合わせた。次に、これを取り出して外部をよくぬぐって室温まで冷却した後、質量(m4)を正確に量った。次に、同じ比重びんに1−ブタノールだけを満たし、前記と同じようにして恒温水槽に浸し、標線を合わせた後、質量(m3)を量った。また使用直前に沸騰させて溶解した気体を除いた蒸留水を比重びんにとり、前記と同様に恒温水槽に浸し、標線を合わせた後、質量(m5)を量った。真密度ρBtは次の式により計算した。このとき、dは水の30℃における比重(0.9946)である。
真密度ρBtは、JIS R 7212に定められた方法に従い、ブタノール法により測定した。内容積約40mLの側管付比重びんの質量(m1)を正確に量った。次に、その底部に試料を約10mmの厚さになるように平らに入れた後、その質量(m2)を正確に量った。これに1−ブタノールを静かに加えて、底から20mm程度の深さにした。次に比重びんに軽い振動を加えて、大きな気泡の発生がなくなったのを確かめた後、真空デシケーター中に入れ、徐々に排気して2.0〜2.7kPaとした。その圧力に20分間以上保ち、気泡の発生が止まった後に、比重びんを取り出し、さらに1−ブタノールを満たし、栓をして恒温水槽(30±0.03℃に調節してあるもの)に15分間以上浸し、1−ブタノールの液面を標線に合わせた。次に、これを取り出して外部をよくぬぐって室温まで冷却した後、質量(m4)を正確に量った。次に、同じ比重びんに1−ブタノールだけを満たし、前記と同じようにして恒温水槽に浸し、標線を合わせた後、質量(m3)を量った。また使用直前に沸騰させて溶解した気体を除いた蒸留水を比重びんにとり、前記と同様に恒温水槽に浸し、標線を合わせた後、質量(m5)を量った。真密度ρBtは次の式により計算した。このとき、dは水の30℃における比重(0.9946)である。
(ヘリウム法による真密度)
真密度ρHeは、JIS Z 8807に定められた方法に従い、ヘリウム法により測定した。具体的には次のようにして測定した。内容積約4.5cm3の測定容器を洗浄し、十分に乾燥させた。ガス供給弁を有する試料室と排気弁とを有する膨張室とが接続弁により接続された装置を測定装置として用いた。試料室のガス供給弁を閉じ、測定容器を試料室へ入れた。ガス供給弁と接続弁を開き、試料室内に1分間、ヘリウムガスを流入することで、試料室と膨張室内をヘリウムガスで置換した。その後、排気弁と接続弁を閉じ、試料室内を18psiまで加圧してからガス供給弁を閉じ、圧力計により試料室内の圧力(p1C)を測定した。接続弁を開き、圧力計により試料室及び膨張室の圧力(p2C)を測定した。続いて、測定容器に体積標準物質を入れ、上記と同様の操作を繰り返し、ガスを導入した時の圧力(p1S)及び接続弁を開きガスを膨張させたときの圧力(p2S)を測定した。排気弁を開き、測定容器及び体積標準物質を取り出した。続いて、測定試料の重量を測定した後に、測定容器に入れた。上記と同様の操作を繰り返し、ガスを導入した時の圧力(p1)及び接続弁を開きガスを膨張させたときの圧力(p2)を測定した。真密度ρは、上記測定結果からJISZ8807に記載の計算式に従い、算出した。
真密度ρHeは、JIS Z 8807に定められた方法に従い、ヘリウム法により測定した。具体的には次のようにして測定した。内容積約4.5cm3の測定容器を洗浄し、十分に乾燥させた。ガス供給弁を有する試料室と排気弁とを有する膨張室とが接続弁により接続された装置を測定装置として用いた。試料室のガス供給弁を閉じ、測定容器を試料室へ入れた。ガス供給弁と接続弁を開き、試料室内に1分間、ヘリウムガスを流入することで、試料室と膨張室内をヘリウムガスで置換した。その後、排気弁と接続弁を閉じ、試料室内を18psiまで加圧してからガス供給弁を閉じ、圧力計により試料室内の圧力(p1C)を測定した。接続弁を開き、圧力計により試料室及び膨張室の圧力(p2C)を測定した。続いて、測定容器に体積標準物質を入れ、上記と同様の操作を繰り返し、ガスを導入した時の圧力(p1S)及び接続弁を開きガスを膨張させたときの圧力(p2S)を測定した。排気弁を開き、測定容器及び体積標準物質を取り出した。続いて、測定試料の重量を測定した後に、測定容器に入れた。上記と同様の操作を繰り返し、ガスを導入した時の圧力(p1)及び接続弁を開きガスを膨張させたときの圧力(p2)を測定した。真密度ρは、上記測定結果からJISZ8807に記載の計算式に従い、算出した。
(レーザー散乱法による平均粒子径D50)
炭素質材料または炭化物の平均粒子径(粒度分布)は、以下の方法により測定した。試料を界面活性剤(和光純薬工業株式会社製「ToritonX100」)が5質量%含まれた水溶液に投入し、超音波洗浄器で10分以上処理し、水溶液中に分散させた。この分散液を用いて粒度分布を測定した。粒度分布測定は、粒子径・粒度分布測定装置(マイクロトラック・ベル株式会社製「マイクロトラックMT3300EXII」)を用いて行った。D50は、累積体積が50%となる粒子径であり、この値を平均粒子径として用いた。
炭素質材料または炭化物の平均粒子径(粒度分布)は、以下の方法により測定した。試料を界面活性剤(和光純薬工業株式会社製「ToritonX100」)が5質量%含まれた水溶液に投入し、超音波洗浄器で10分以上処理し、水溶液中に分散させた。この分散液を用いて粒度分布を測定した。粒度分布測定は、粒子径・粒度分布測定装置(マイクロトラック・ベル株式会社製「マイクロトラックMT3300EXII」)を用いて行った。D50は、累積体積が50%となる粒子径であり、この値を平均粒子径として用いた。
(X線回折)
炭素質材料または炭化物の粉末を試料ホルダーに充填し、リガク社製MiniFlexIIを用いて、X線回折測定を行った。CuKα(λ=1.5418Å)を線源とし、走査範囲は10°<2θ<35°とした。
炭素質材料または炭化物の粉末を試料ホルダーに充填し、リガク社製MiniFlexIIを用いて、X線回折測定を行った。CuKα(λ=1.5418Å)を線源とし、走査範囲は10°<2θ<35°とした。
(電極密度)
後述の電極の作製の方法で作製した電極の重量を計測し、該重量を電極面積と電極の厚さの積から算出した電極体積で除することで、電極密度を算出した。
後述の電極の作製の方法で作製した電極の重量を計測し、該重量を電極面積と電極の厚さの積から算出した電極体積で除することで、電極密度を算出した。
(実施例1)
セルロース(D50=10μm、融点なし)40gを、窒素ガス雰囲気中、600℃の第1温度まで加熱した。この際、600℃までの昇温速度は600℃/時間(10℃/分)とした。次いで、窒素ガス気流下、600℃の低温焼成温度で60分間熱処理することにより炭化処理し、炭化物を得た。この際、窒素ガスの供給量は、セルロース10gあたり1L/分であり、セルロースの単位表面積あたり0.098L/(分・m2)であった。回収された炭化物は6.94gであり、セルロースに対する回収率は17.4%であった。得られた炭化物はセルロースの原料形状及びD50を維持していたため、粉砕・分級工程を省略した。次いで、得られた炭化物3gを、1200℃の第2温度まで加熱した。この際、1200℃までの昇温速度は600℃/時間(10℃/分)とした。次いで、1200℃の高温焼成温度で60分間熱処理することにより高温焼成処理を行い、炭素質材料を得た。第2温度まで加熱する昇温工程および1200℃で60分間熱処理する高温焼成処理は、窒素ガス気流下で行った。窒素ガスの供給量は、炭化物1gあたり1L/分であり、炭化物の単位表面積あたり0.328L/(分・m2)であった。回収された炭素質材料は2.68gであり、炭化物に対する回収率は89.1%であり、セルロースに対する回収率は15.5%であった。
セルロース(D50=10μm、融点なし)40gを、窒素ガス雰囲気中、600℃の第1温度まで加熱した。この際、600℃までの昇温速度は600℃/時間(10℃/分)とした。次いで、窒素ガス気流下、600℃の低温焼成温度で60分間熱処理することにより炭化処理し、炭化物を得た。この際、窒素ガスの供給量は、セルロース10gあたり1L/分であり、セルロースの単位表面積あたり0.098L/(分・m2)であった。回収された炭化物は6.94gであり、セルロースに対する回収率は17.4%であった。得られた炭化物はセルロースの原料形状及びD50を維持していたため、粉砕・分級工程を省略した。次いで、得られた炭化物3gを、1200℃の第2温度まで加熱した。この際、1200℃までの昇温速度は600℃/時間(10℃/分)とした。次いで、1200℃の高温焼成温度で60分間熱処理することにより高温焼成処理を行い、炭素質材料を得た。第2温度まで加熱する昇温工程および1200℃で60分間熱処理する高温焼成処理は、窒素ガス気流下で行った。窒素ガスの供給量は、炭化物1gあたり1L/分であり、炭化物の単位表面積あたり0.328L/(分・m2)であった。回収された炭素質材料は2.68gであり、炭化物に対する回収率は89.1%であり、セルロースに対する回収率は15.5%であった。
(実施例2)
セルロース(D50=10μm、融点なし)を、窒素ガス雰囲気中、800℃の第1温度まで加熱した。この際、800℃までの昇温速度は600℃/時間(10℃/分)とした。次いで、窒素ガス気流下、800℃の低温焼成温度で60分間熱処理することにより炭化処理し、炭化物を得た。ここで、窒素ガスの供給量は、炭素前駆体10gあたり1L/分であり、炭素前駆体の単位表面積あたり0.047L/(分・m2)であった。その後の高温焼成処理は、実施例1と同様に行い、炭素質材料を得た。
セルロース(D50=10μm、融点なし)を、窒素ガス雰囲気中、800℃の第1温度まで加熱した。この際、800℃までの昇温速度は600℃/時間(10℃/分)とした。次いで、窒素ガス気流下、800℃の低温焼成温度で60分間熱処理することにより炭化処理し、炭化物を得た。ここで、窒素ガスの供給量は、炭素前駆体10gあたり1L/分であり、炭素前駆体の単位表面積あたり0.047L/(分・m2)であった。その後の高温焼成処理は、実施例1と同様に行い、炭素質材料を得た。
(比較例1)
原料としてグルコース(D50=15μm、融点=156℃)40gを、窒素ガス雰囲気中、1000℃の第1温度まで加熱した。この際、1000℃までの昇温速度は600℃/時間(10℃/分)とした。次いで、窒素ガス気流下、1000℃の低温焼成温度で60分間熱処理することにより炭化処理し、炭化物を得た。この際、窒素ガスの供給量は、グルコース10gあたり1L/分であり、グルコースの単位表面積あたり0.049L/(分・m2)であった。回収された炭化物は7.68gであり、グルコースに対する回収率は19.2%であった。得られた炭化物は、融着・発泡しており、グルコースの原料形状を維持していなかったため、ボールミルを用いて粉砕し、ジェットミルを用いて分級し、D50=10μmの粉砕炭化物を回収率65.4%で得た。次いで、得られた粉砕炭化物3gを、1200℃の第2温度まで加熱した。この際、1300℃までの昇温速度は600℃/時間(10℃/分)とした。次いで、1300℃の高温焼成温度で60分間熱処理することにより高温焼成処理を行い、炭素質材料を得た。第2温度まで加熱する昇温工程および1300℃で60分間熱処理する高温焼成処理は、窒素ガス気流下で行った。窒素ガスの供給量は、粉砕炭化物1gあたり1L/分であり、炭化物の単位表面積あたり0.328L/(分・m2)であった。回収された炭素質材料は2.83gであり、炭化物に対する回収率は94.3%であり、グルコースに対する回収率は11.8%であった。
原料としてグルコース(D50=15μm、融点=156℃)40gを、窒素ガス雰囲気中、1000℃の第1温度まで加熱した。この際、1000℃までの昇温速度は600℃/時間(10℃/分)とした。次いで、窒素ガス気流下、1000℃の低温焼成温度で60分間熱処理することにより炭化処理し、炭化物を得た。この際、窒素ガスの供給量は、グルコース10gあたり1L/分であり、グルコースの単位表面積あたり0.049L/(分・m2)であった。回収された炭化物は7.68gであり、グルコースに対する回収率は19.2%であった。得られた炭化物は、融着・発泡しており、グルコースの原料形状を維持していなかったため、ボールミルを用いて粉砕し、ジェットミルを用いて分級し、D50=10μmの粉砕炭化物を回収率65.4%で得た。次いで、得られた粉砕炭化物3gを、1200℃の第2温度まで加熱した。この際、1300℃までの昇温速度は600℃/時間(10℃/分)とした。次いで、1300℃の高温焼成温度で60分間熱処理することにより高温焼成処理を行い、炭素質材料を得た。第2温度まで加熱する昇温工程および1300℃で60分間熱処理する高温焼成処理は、窒素ガス気流下で行った。窒素ガスの供給量は、粉砕炭化物1gあたり1L/分であり、炭化物の単位表面積あたり0.328L/(分・m2)であった。回収された炭素質材料は2.83gであり、炭化物に対する回収率は94.3%であり、グルコースに対する回収率は11.8%であった。
(比較例2)
原料としての椰子殻(粒径4〜6mm、融点なし)100gを、窒素ガス雰囲気中、600℃まで昇温した。この際、600℃までの昇温速度は600℃/時間(10℃/分)とした。次いで、窒素ガス気流下、600℃で60分間熱処理することにより炭化処理を行い、炭化物を得た。この際、窒素ガスの供給量は、原料20gあたり1L/分であった。回収された炭化物は25.4gであり、椰子殻に対する回収率は25.4%であった。得られた炭化物は椰子殻の原料形状及び粒径を維持していたが、負極を作製するために適した粒径ではないため、ボールミルを用いて粉砕し、ジェットミルを用いて分級し、D50=10μmの粉砕炭化物を回収率60.0%で得た。次に、粉砕炭化物25gを、900℃まで昇温し、900℃で60分間熱処理を行い、熱処理粉砕炭化物を得た。上記の昇温は窒素ガス気流下で行い、熱処理は2vol%/98vol%塩化水素/窒素混合ガス気流下で行った。混合ガスの供給量は粉砕炭化物10gあたり、10L/分であった。更に、得られた熱処理粉砕炭化物を1200℃まで昇温し、1200℃で60分間熱処理することにより高温焼成処理を行い、炭素質材料を得た。この際、1200℃までの昇温速度は600℃/時間(10℃/分)とした。上記の昇温および熱処理は窒素ガス気流下で行った。窒素ガスの供給量は、熱処理粉砕炭化物5gあたり3L/分であった。回収された炭素質材料は20.1gであり、粉砕炭化物に対する回収率は80.5%であり、椰子殻に対する回収率は12.3%であった。
原料としての椰子殻(粒径4〜6mm、融点なし)100gを、窒素ガス雰囲気中、600℃まで昇温した。この際、600℃までの昇温速度は600℃/時間(10℃/分)とした。次いで、窒素ガス気流下、600℃で60分間熱処理することにより炭化処理を行い、炭化物を得た。この際、窒素ガスの供給量は、原料20gあたり1L/分であった。回収された炭化物は25.4gであり、椰子殻に対する回収率は25.4%であった。得られた炭化物は椰子殻の原料形状及び粒径を維持していたが、負極を作製するために適した粒径ではないため、ボールミルを用いて粉砕し、ジェットミルを用いて分級し、D50=10μmの粉砕炭化物を回収率60.0%で得た。次に、粉砕炭化物25gを、900℃まで昇温し、900℃で60分間熱処理を行い、熱処理粉砕炭化物を得た。上記の昇温は窒素ガス気流下で行い、熱処理は2vol%/98vol%塩化水素/窒素混合ガス気流下で行った。混合ガスの供給量は粉砕炭化物10gあたり、10L/分であった。更に、得られた熱処理粉砕炭化物を1200℃まで昇温し、1200℃で60分間熱処理することにより高温焼成処理を行い、炭素質材料を得た。この際、1200℃までの昇温速度は600℃/時間(10℃/分)とした。上記の昇温および熱処理は窒素ガス気流下で行った。窒素ガスの供給量は、熱処理粉砕炭化物5gあたり3L/分であった。回収された炭素質材料は20.1gであり、粉砕炭化物に対する回収率は80.5%であり、椰子殻に対する回収率は12.3%であった。
(電極の作製)
各実施例および各比較例で得た炭素質材料をそれぞれ用いて、以下の手順に従って負極を作製した。
炭素質材料95質量部、導電性カーボンブラック(TIMCAL製「Super−P(登録商標)」)2質量部、CMC1質量部、SBR2質量部および水90質量部を混合し、スラリーを得た。得られたスラリーを厚さ18μmの銅箔に塗布し、乾燥後プレスして、厚さ45μmの電極を得た。得られた電極の密度は、表2に示す通りであった。
各実施例および各比較例で得た炭素質材料をそれぞれ用いて、以下の手順に従って負極を作製した。
炭素質材料95質量部、導電性カーボンブラック(TIMCAL製「Super−P(登録商標)」)2質量部、CMC1質量部、SBR2質量部および水90質量部を混合し、スラリーを得た。得られたスラリーを厚さ18μmの銅箔に塗布し、乾燥後プレスして、厚さ45μmの電極を得た。得られた電極の密度は、表2に示す通りであった。
(インピーダンス)
上記で作製した電極を用いて、電気化学測定装置(ソーラトロン社製「1255WB型高性能電気化学測定システム」)を用い、25℃で、0Vを中心に10mVの振幅を与え、周波数10mHz〜1MHzの周波数で定電圧交流インピーダンスを測定し、周波数1kHzにおける実部抵抗をインピーダンス抵抗として測定した。得られた結果を、表2中、初回充放電時インピーダンスとして示す。
上記で作製した電極を用いて、電気化学測定装置(ソーラトロン社製「1255WB型高性能電気化学測定システム」)を用い、25℃で、0Vを中心に10mVの振幅を与え、周波数10mHz〜1MHzの周波数で定電圧交流インピーダンスを測定し、周波数1kHzにおける実部抵抗をインピーダンス抵抗として測定した。得られた結果を、表2中、初回充放電時インピーダンスとして示す。
(直流抵抗値、電池初期容量および充放電効率)
上記で作製した電極を作用極とし、金属リチウムを対極および参照極として使用した。溶媒として、エチレンカーボネートとジメチルカーボネートとエチルメチルカーボネートを、体積比で1:1:1となるように混合して用いた。この溶媒に、LiPF6を1mol/L溶解し、電解質として用いた。セパレータにはポリプロピレン膜を使用した。アルゴン雰囲気下のグローブボックス内でコインセルを作製した。
上記構成のリチウム二次電池について、充放電試験装置(東洋システム株式会社製、「TOSCAT」)を用いて、初期充電前に直流抵抗値を測定後、充放電試験を行った。リチウムのドーピングは、活物質質量に対し70mA/gの速度で行い、リチウム電位に対して1mVになるまでドーピングした。さらにリチウム電位に対して1mVの定電圧を8時間印加して、ドーピングを終了した。このときの容量(mAh/g)を充電容量とした。次いで、活物質質量に対し70mA/gの速度で、リチウム電位に対して2.5Vになるまで脱ドーピングを行い、このとき放電した容量を放電容量とした。放電容量/充電容量の百分率を充放電効率(初期の充放電効率)とし、電池内におけるリチウムイオンの利用効率の指標とした。得られた結果を、表2中、初回充放電時直流抵抗、放電容量、不可逆容量および充放電効率として示す。
上記で作製した電極を作用極とし、金属リチウムを対極および参照極として使用した。溶媒として、エチレンカーボネートとジメチルカーボネートとエチルメチルカーボネートを、体積比で1:1:1となるように混合して用いた。この溶媒に、LiPF6を1mol/L溶解し、電解質として用いた。セパレータにはポリプロピレン膜を使用した。アルゴン雰囲気下のグローブボックス内でコインセルを作製した。
上記構成のリチウム二次電池について、充放電試験装置(東洋システム株式会社製、「TOSCAT」)を用いて、初期充電前に直流抵抗値を測定後、充放電試験を行った。リチウムのドーピングは、活物質質量に対し70mA/gの速度で行い、リチウム電位に対して1mVになるまでドーピングした。さらにリチウム電位に対して1mVの定電圧を8時間印加して、ドーピングを終了した。このときの容量(mAh/g)を充電容量とした。次いで、活物質質量に対し70mA/gの速度で、リチウム電位に対して2.5Vになるまで脱ドーピングを行い、このとき放電した容量を放電容量とした。放電容量/充電容量の百分率を充放電効率(初期の充放電効率)とし、電池内におけるリチウムイオンの利用効率の指標とした。得られた結果を、表2中、初回充放電時直流抵抗、放電容量、不可逆容量および充放電効率として示す。
各実施例および各比較例における焼成条件、および、得られた炭素質材料の物性の評価結果を表1に示す。また、電池特性の評価結果を表2に示す。
各実施例の製法は低温焼成時に融着しないことで粉砕・分級工程を省略でき、高い回収率で炭素質材料を得られることが確認された。また、各実施例の炭素質材を用いて作製した電池は、一定の充放電効率を維持しつつ、高い放電容量を示し、抵抗値も低いことが確認された。一方で、融点を持つ単糖類を原料とした比較例の製法で得られた炭素質材料は、抵抗値は低いものの放電容量が低く、低温焼成時の形状変化により粉砕・分級工程を含む必要があり、低い回収率となった。また、粒径の大きい椰子殻を原料とした比較例の製法で得られた炭素質材料は、放電容量、抵抗値が共に低く、低温焼成時の形状変化しないものの、粒径が負極作製に適さないため、粉砕・分級工程を含む必要があり、低い回収率となった。
Claims (4)
- 非水電解質二次電池用炭素質材料の製造方法であって、
(1A)多糖類を、不活性ガス雰囲気下、100℃/時間以上の昇温速度で、500〜900℃の範囲の第1温度まで加熱する工程、
(1B)前記多糖類を、不活性ガスの供給下、500〜900℃の温度で熱処理して炭化物を得る工程、ここで、不活性ガスの供給量は多糖類の単位表面積あたり0.01〜5.0L/(分・m2)である、
(2A)前記炭化物を、不活性ガス雰囲気下、100℃/時間以上の昇温速度で、1000〜1600℃の範囲の第2温度まで加熱する工程、および
(2B)前記炭化物を、不活性ガスの供給下、1000〜1600℃の温度で熱処理して炭素質材料を得る工程、ここで、不活性ガスの供給量は炭化物の単位表面積あたり0.01〜5.0L/(分・m2)である、
を少なくとも含むことを特徴とする、炭素質材料の製造方法。 - 前記多糖類が、融点を持たない、請求項1に記載の製造方法。
- 前記多糖類がセルロース又はその類縁体である、請求項1または2に記載の製造方法。
- 前記多糖類が架橋構造を含む、請求項1または2に記載の製造方法。
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