JP2022001466A - 車両用シート基材と車両用シート - Google Patents

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Abstract

【課題】軽量でクッション性が良好であり、かつクッション材と車両用シート基材との接着性が良好な車両用シート基材と、その車両用シート基材を用いる車両用シートを提供する。【解決手段】車両用シート基材11にクッション材21が積層された車両用シート10において、車両用シート基材11を、密度(JIS K 7222準拠)30〜70kg/m3の軟質ウレタンフォームで構成した。車両用シート基材11を構成する軟質ウレタンフォームの硬さは、2%圧縮硬さが25〜100N未満、5%圧縮時の硬さが45〜200N未満、10%圧縮時の硬さが65〜300N未満であるのが好ましい。【選択図】図1

Description

本発明は、車両用シート基材と車両用シートに関する。
車両用シートとして、基材にクッション材が積層されたものが使用されている。基材は、車両用シートの軽量化のため、金属フレームに代えて硬質発泡体(好ましい比重が0.1〜0.25(密度100〜250kg/m)を用いるものが提案されている(特許文献1)。
他の車両用シートとして、発泡ポリプロピレンからなる硬質フォーム部に軟質フォーム部が積層されたものが提案されている(特許文献2)。
特許第3474571号公報 特許第4503020号号公報
しかし、近年、ガソリン車やハイブリッドカーにおける燃費向上や、電気自動車における走行可能距離の増大のため、車両用シートについてもより軽量化が求められており、車両用シート基材が硬質発泡体からなるものは、重すぎて好ましくなかった。
また、発泡ポリプロピレンからなる硬質フォーム部を有する車両用シートは、硬質フォーム部を構成する発泡ポリプロピレンが平滑な表面を有するため、発泡ポリプロピレンからなる硬質フォーム部と軟質フォーム部との接着性が弱い問題がある。
さらに、車両用シート基材が硬質発泡体からなるものも、発泡ポリプロピレンからなる硬質フォーム部を有するものも、何れも基材部分が硬質からなるために車両用シートは底突き感があり、クッション性が損なわれる問題がある。
本発明は前記の点に鑑みなされたものであって、軽量でクッション性が良好であり、かつクッション材と車両用シート基材との接着性が良好な車両用シート基材と車両用シートの提供を目的とする。
請求項1の発明は、クッション材が積層される車両用シート基材であって、密度が30〜70kg/m、2%圧縮硬さが25〜100N未満である軟質ウレタンフォームからなることを特徴とする。
請求項2の発明は、請求項1において、前記軟質ウレタンフォームは、5%圧縮時の硬さが45〜200N未満、10%圧縮時の硬さが65〜300N未満であることを特徴とする。
請求項3の発明は、車両用シート基材にクッション材が積層された車両用シートであって、前記車両用シート基材は、密度が30〜70kg/m、2%圧縮硬さが25〜100N未満である軟質ウレタンフォームからなることを特徴とする。
請求項4の発明は、請求項3において、前記軟質ウレタンフォームは、5%圧縮時の硬さが45〜200N未満、10%圧縮時の硬さが65〜300N未満であることを特徴とする。
請求項5の発明は、請求項3または4において、前記クッション材は、密度が35〜80kg/mであり、
前記車両用シート基材の密度は、前記クッション材の密度以下であることを特徴とする。
本発明の車両用シート基材及び車両用シートは、クッション材が積層される車両用シート基材を、密度が30〜70kg/m、2%圧縮硬さが25〜100N未満である軟質ウレタンフォームとしたことにより、軽量性が良好なものである。また、軟質ウレタンフォームは硬質ウレタンフォームと異なり、弾性を有するため、軟質ウレタンフォームからなる本発明の車両用シート基材及びその車両用シート基材を用いる本発明の車両用シートは底突き感を防ぐことができる。さらに、車両用シート基材が軟質ウレタンフォームからなるため、車両用シート基材とそれに積層されるクッション材との接着性が良好になる。
また、車両用シート基材の5%圧縮時の硬さを45〜200N未満、10%圧縮時の硬さを65〜300N未満とすることにより、着座初期の硬さ及び着座後の良好なクッション性を得ることができる。
また、この構成にさらに、主にシート基材の断面形状が臀部よりもひざ下部分を厚肉にすることで、車両の衝突や急ブレーキをかけた時等による衝撃発生時にシートに着座している着座者が着座面から前方へ滑り出す、いわゆる、サブマリン現象を防止する機能を備えることができる。すなわち、着座者の大腿部下部に相当するシートクッションの下の層に位置する車両用シート基材の前端部分を上方に押し上げる形状とするとともに所定の硬さとすることで、着座者の前方への滑り出し、つまり、サブマリン現象を防止するように構成することができる。
さらに、車両用シート基材の密度を、車両用シート基材に積層されるクッション材の密度以下に(車両用シート基材の密度を、車両用シート基材に積層されるクッション材の密度と同じか又はそれより低く)することにより、車両用シートの積層体全体として軽量性を良好なものにできる。
また、シート基材を構成する軟質ウレタンフォームと、クッション材としての軟質ウレタンフォームとは、何れもウレタンフォームからなるため、接着性が良好で強固に接着することができる。
車両用シートの一例の断面図である。 車両用シート基材の比較例と実施例の構成と物性を示す表である。 比較例と実施例の硬質、軟質ウレタンフォームの配合を示す表である。 クッション性の評価結果を示す表である。
以下、本発明の実施形態について説明する。図1に示す本発明の車両用シート10は、車両用シート基材11とクッション材21との積層体からなる。
車両用シート基材11は、軟質ウレタンフォームからなる。軟質ウレタンフォームは、ウレタンフォームの一種である。軟質ウレタンフォームは、弾性復元性が良好なフォームである。一方、硬質ウレタンフォームは、荷重がかかってもほとんど変形せず、荷重負担能力が大きいが、弾性限界が小さく変形量がある程度以上大きくなると回復しなくなる。軟質ウレタンフォームは、硬質ウレタンフォームとは異なって弾性を有するため、軟質ウレタンフォームで車両用シート基材11を構成することにより、車両用シート10の底突き感を防ぐことができる。軟質ウレタンフォームは、荷重がかかって変形しても、その荷重を取り除いたときに弾性回復する。
軟質ウレタンフォームは、ポリオール、イソシアネート、発泡剤、触媒を含むウレタンフォーム原料を混合させて、ポリオールとイソシアネートを反応させることにより得られる。
ポリオールとしては、ポリウレタンフォーム用のポリオールを使用することができ、例えば、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリエーテルエステルポリオール、ポリマーポリオールの何れでもよく、それらの一種類あるいは複数種類を使用してもよい。
ポリエーテルポリオールとしては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ブチレングリコール、ネオペンチルグリコール、グリセリン、ペンタエリスリトール、トリメチロールプロパン、ソルビトール、シュークロース等、及びそれらの多価アルコールにエチレンオキサイド(EO)、プロピレンオキサイド(PO)等のアルキレンオキサイドを付加したポリエーテルポリオールを挙げることができる。
ポリエステルポリオールとしては、例えば、マロン酸、コハク酸、アジピン酸等の脂肪族カルボン酸やフタル酸等の芳香族カルボン酸と、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール等の脂肪族グリコール等とから重縮合して得られたポリエステルポリオールを挙げることできる。
また、ポリエーテルエステルポリオールとしては、前記ポリエーテルポリオールと多塩基酸を反応させてポリエステル化したもの、あるいは1分子内にポリーエーテルとポリエステルの両セグメントを有するものを挙げることができる。
ポリマーポリオールは、ポリオール中にポリアクリロニトリルやポリスチレンを分散させたポリオールである。
本発明における軟質ウレタンフォーム用のポリオールのうち、5重量部以上使用するポリオール(メインポリオール)としては、分子量1000〜8000、官能基数2〜4、水酸基価12〜300mgKOH/gのポリエーテルポリオールとポリマーポリオールが好ましい。
イソシアネートとしては、イソシアネート基を2以上有する脂肪族系または芳香族系ポリイソシアネート、それらの混合物、およびそれらを変性して得られる変性ポリイソシアネートを使用することができる。脂肪族系ポリイソシアネートとしては、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ジシクロヘキサメタンジイソシアネート等を挙げることができ、芳香族ポリイソシアネートとしては、トルエンジイソシアネート(TDI)、ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、ナフタレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ポリメリックMDI(クルードMDI)等を挙げることができる。なお、その他プレポリマーも使用することができる。
イソシアネートインデックス(INDEX)は、80〜120が好ましく、より好ましくは85〜120である。イソシアネートインデックスは、イソシアネートにおけるイソシアネート基のモル数をポリオールの水酸基などの活性水素基の合計モル数で割った値に100を掛けた値であり、[イソシアネートのNCO当量/活性水素当量×100]で計算される。
発泡剤としては、水、代替フロンあるいはペンタンなどの炭化水素を、単独または組み合わせて使用できる。水の場合は、ポリオールとイソシアネートの反応時に炭酸ガスを発生し、その炭酸ガスによって発泡がなされる。発泡剤としての水の量は、ポリオール100重量部に対して2.0〜5.0重量部が好ましい。
触媒としては、公知のウレタン化触媒を併用することができる。例えば、トリエチルアミン、トリエチレンジアミン、ジエタノールアミン、ジメチルアミノモルフォリン、N−エチルモルホリン、テトラメチルグアニジン等のアミン触媒や、スタナスオクトエートやジブチルチンジラウレート等のスズ触媒やフェニル水銀プロピオン酸塩あるいはオクテン酸鉛等の金属触媒(有機金属触媒とも称される。)を挙げることができ、アミン触媒と金属触媒の何れか一方のみ、あるいは両者の併用でもよい。触媒の量は、ポリオール100重量部に対して0.5〜3.0重量部が好ましい。
なお、ウレタンフォーム原料には、その他、整泡剤、難燃剤、着色剤等が適宜配合される。
車両用シート基材11を構成する軟質ウレタンフォームの密度(JIS K 7222準拠)は、30〜70kg/mが好ましい。軟質ウレタンフォームの密度を前記範囲とすることにより、車両用シート基材11及び車両用シート10を軽量にすることができる。
また、車両用シート基材11を構成する軟質ウレタンフォームの硬さは、2%圧縮硬さが25〜100N未満である。5%圧縮時の硬さは45〜200N未満、より好ましくは45〜170Nである。10%圧縮時の硬さは65〜300N未満、より好ましくは65〜250Nである。なお、2%圧縮時の硬さは5%圧縮時の硬さよりも低く、また、5%圧縮時の硬さは10%圧縮時の硬さよりも低い値である。
(硬さ試験方法)
前記シート基材11(100mmt×400mm×400mm)を予備圧縮なしで、圧縮速度50mm/minによって荷重が1000Nに達するまで圧縮し、その後、圧縮を速度50mm/minで解除して求めた荷重―たわみ曲線において、2%圧縮時、5%圧縮時、10%圧縮時のそれぞれの荷重を求めた。なお、加圧板は直径100mmを用いた。
軟質ウレタンフォームの2%圧縮硬さを25〜100N未満とし、さらに5%圧縮時の硬さを45〜200N未満、より好ましくは45〜170Nとすることにより、車両用シート10の圧縮量が小さい着座初期の段階において、硬い感触を和らげることができる。
一方、軟質ウレタンフォームの10%圧縮時の硬さを65〜300N未満、より好ましくは65〜250Nとすることにより、車両用シート10の圧縮量が大きい着座後の底突きを防ぎ、クッション性を良好にすることができる。
なお、本発明の軟質ウレタンフォームからなるシート基材と、硬質材からなるシート基材との違いを明確にするため、発泡ビーズからなるものと、硬質ウレタンフォームからなるものについて測定した硬さを次に示す。
発泡ビーズにより成形したシート状基材(発泡ポリプロピレン製、密度33kg/m)の5%圧縮時の硬さは1000Nを超えたので、その時点で測定を中止した。
また、硬質ウレタンフォームにより成形したシート状基材(密度150kg/m)の5%圧縮時の硬さも1000Nを超えたので、その時点で測定を中止した。
なお、車両用シート基材11に積層されるクッション材21(密度35〜80kg/m)は、5%圧縮時の硬さが15〜50N、好適には20〜45N、10%圧縮時の硬さが20〜70N、好適には30〜65Nであった。
(アスカーC硬度)
前記シート基材11をアスカーC硬度計(加圧面高さ:2.54mm、直径5.08mm)を用い、加圧面を接触させて硬度を測定した。
車両用シート基材11を構成する軟質ウレタンフォームのアスカーC硬度は、4〜20度、より好適には8〜20度であった。
一方、発泡ビーズにより成形したシート状基材(発泡ポリプロピレン製、密度33kg/m)のアスカーC硬度は、55度であった。
また、硬質ウレタンフォームにより成形したシート状基材(密度150kg/m)のアスカーC硬度は、92度であった。
なお、車両用シート基材11に積層されるクッション材21(密度35〜80kg/m)のアスカーC硬度は0〜6度、より好適には1〜3度であった。
以上のように車両用シート基材11を構成する軟質ウレタンフォームは、硬質フォームである発泡ビーズにより成形したシート状基材や、硬質ウレタンフォームにより成形したシート状基材よりも柔らかく、車両用シート基材11に積層されるクッション材21よりも硬いものである。
車両用シート基材11の断面形状は、臀部11aよりもひざ下部分11bを厚肉にするのが好ましい。さらには、ひざ下部分11bにおけるクッション材21の厚みよりも車両用シート基材11の厚みが厚いほうが、好ましい。その形状にすることで、車両の衝突や急ブレーキをかけた時等による衝撃発生時にシートに着座している着座者が着座面から前方へ滑り出す、いわゆる、サブマリン現象を防止することができる。すなわち、着座者の大腿部下部に相当するシートクッションの下の層に位置する車両用シート基材11の前端部分(ひざ下部分11b)を上方に押し上げる形状とするとともに所定の硬さ(好適には10%圧縮時の硬さを65〜300N未満)とすることで、着座者の前方への滑り出し、つまり、サブマリン現象を防止するように構成することができる。
車両用シート基材11は、モールド発泡によって成形されたものが好ましい.モールド発泡は、金型にウレタンフォーム原料(この場合は軟質ウレタンフォーム原料)を注入して金型内で発泡させる発泡成形方法であり、公知の発泡成形方法である。また、車両用シート基材11は、モールド成型により発泡成形されるため、ワイヤーフレーム,不織布などを容易にインサート成型できる。
車両用シート基材11に積層されるクッション材21は、軟質ウレタンフォームが好ましい。軟質ウレタンフォームは、良好な弾性を有するため、車両用シート10のクッション性を良好にすることができる。
クッション材21を構成する軟質ウレタンフォームは、車両用シート基材11を構成する軟質ウレタンフォームと同じか又は密度の高いもの、すなわち車両用シート基材11の密度をクッション材21の密度と同じか又はより低くすることにより、優れたクッション性を発現させることができ、かつ、車両用シートの積層体全体として軽量性を良好なものにできる。具体的にはクッション材21の密度(JIS K 7222準拠)は、35〜80kg/mが好ましい。
また、クッション材21を構成する軟質ウレタンフォームは、車両用シート基材11よりも硬さが低いものが好ましく、具体的な硬さはアスカーC硬度が0〜6度である。
また、クッション材21を構成する軟質ウレタンフォームの25%圧縮時の硬さ(JIS K 6400−2、D法、準拠)は、150〜400N未満が好ましい。クッション材21を前記硬さの範囲とすることにより、車両用シート10のクッション性が良好になる。
クッション材21は、車両用シート基材11と別々に発泡成形し、積層したもの、又は、両者を接着させたものとすることができる。さらには、クッション材21は、車両用シート基材11と一体に発泡成形されたものであってもよい。
クッション材21を車両用シート基材11と一体に発泡成形する方法は、予め成形した車両用シート基材11を金型にセットし、その金型にウレタンフォーム原料(この場合は軟質ウレタンフォーム原料)を注入して車両用シート基材11と一体に発泡させるモールド一体発泡成形を挙げる。モールド一体発泡成形時、ウレタンフォーム原料(軟質ウレタンフォーム原料)の接着性によってクッション材21を車両用シート基材11に接着することができ、クッション材21の成形工程と接着工程とを兼ねることができ好ましい。
また、クッション材21を構成する軟質ウレタンフォームと、車両用シート基材11を構成する軟質ウレタンフォームとは何れもウレタンフォームからなるため、互いの接着性が良好であり、接着後に剥離のおそれがない。
なお、車両用シート10は、ファブリック等からなる表皮材(図示せず)で表面が覆われて車両に取り付けられる。
図2に、車両用シート基材の比較例と実施例について、その構成と物性を示す。比較例1は品名:EPP、JSP製の発泡ポリプロピレンを、100mmt×400mm×400mmに裁断して使用した例である。他の比較例及び実施例は、図3の配合からなるウレタンフォーム原料を使用してモールド発泡法により製造した。なお、図3に示す原料は後記する。
各比較例及び各実施例について、密度、圧縮硬さ、アスカーC硬度、座屈の有無について測定した。
密度は、JIS K 7222に準拠して測定した。
圧縮硬さの2%、5%、10%は、100mmt×400mm×400mmのサンプルについて、予備圧縮なしで、圧縮速度50mm/minによって荷重が1000Nに達するまで圧縮し、その後、圧縮を速度50mm/minで解除して求めた荷重―たわみ曲線において、2%圧縮時、5%圧縮時、10%圧縮時のそれぞれの荷重を求めた。加圧板は直径100mmを用いた。
座屈有無の測定は、サンプルの表面をφ10の加圧子で5mm加圧して窪ませ、加圧直後(解除直後)の窪みの深さ(mm)と、加圧解除1h(時間)後の窪みの深さ(mm)を測定した。
・比較例1
比較例1は、発泡ポリプロピレンの例である。比較例1は、密度33kg/m、厚み40mm、2%圧縮硬さが955N、5%圧縮硬さ及び10%圧縮硬さが1000Nより大、アスカーC硬度が55度、座屈は加圧解除直後及び1時間後の何れも1.2mmであり、硬すぎてクッション性が悪く、また座屈の復元性に劣るものである。
・比較例2
比較例2は、図3に示す比較例2の配合からなる硬質ウレタンフォーム原料を、キャビティ寸法100mmt×400mm×400mmの金型に2400g注入して、発泡させた硬質ウレタンフォームの例である。比較例2は、密度150kg/m、厚み100mm、2%圧縮硬さ、5%圧縮硬さ、10%圧縮硬さの何れも1000Nより大、アスカーC硬度が92度であり、硬すぎてクッション性が悪いものである。
・比較例3
比較例3は、図3に示す比較例3の配合からなる硬質ウレタンフォーム原料を、キャビティ寸法100mmt×400mm×400mmの金型に960g注入して、発泡させた硬質ウレタンフォームの例である。比較例3は、密度60kg/m、厚み100mm、2%圧縮硬さ、5%圧縮硬さ、10%圧縮硬さの何れも1000Nより大、アスカーC硬度が75度、座屈は加圧解除直後が2.46mm、1時間後が2.14mmであり、硬すぎてクッション性が悪く、また座屈が大きく、復元性に劣るものである。
・比較例4
比較例4は、図3に示す比較例4の配合からなる軟質ウレタンフォーム原料を、キャビティ寸法100mmt×400mm×400mmの金型に640g注入して、発泡させた軟質ウレタンフォームの例である。比較例4は、密度40kg/m、厚み100mm、2%圧縮硬さが13N、5%圧縮硬さが23N、10%圧縮硬さが32N、アスカーC硬度が1度、座屈は加圧解除直後及び1時間後の何れも0mmであり、柔らか過ぎてクッション性が悪いものである。
・比較例5
比較例5は、図3に示す比較例5の配合からなる軟質ウレタンフォーム原料を、キャビティ寸法100mmt×400mm×400mmの金型に880g注入して、発泡させた軟質ウレタンフォームの例である。比較例5は、密度55kg/m、厚み100mm、2%圧縮硬さが18N、5%圧縮硬さが32N、10%圧縮硬さが43N、アスカーC硬度が3度、座屈は加圧解除直後及び1時間後の何れも0mmであり、柔らか過ぎてクッション性が悪いものである。
・実施例1
実施例1は、図3に示す実施例1の配合からなる軟質ウレタンフォーム原料を、キャビティ寸法100mmt×400mm×400mmの金型に640g注入して、発泡させた軟質ウレタンフォームの例である。実施例1は、密度40kg/m、厚み100mm、2%圧縮硬さが31N、5%圧縮硬さが72N、10%圧縮硬さが106N、アスカーC硬度が12度、座屈は加圧解除直後が0.1mm、1時間後が0mmであり、好ましい圧縮硬さでクッション性が良好であり、かつ座屈が小さく、復元性が良好なものである。
・実施例2
実施例2は、図3に示す実施例2の配合からなる軟質ウレタンフォーム原料を、キャビティ寸法100mmt×400mm×400mmの金型に800g注入して、発泡させた軟質ウレタンフォームの例である。実施例2は、密度50kg/m、厚み100mm、2%圧縮硬さが65N、5%圧縮硬さが125N、10%圧縮硬さが170N、アスカーC硬度が14度、座屈は加圧解除直後が0.1mm、1時間後が0mmであり、好ましい圧縮硬さでクッション性が良好であり、かつ座屈が小さく、復元性が良好なものである。
・実施例3
実施例3は、図3に示す実施例3の配合からなる軟質ウレタンフォーム原料を、キャビティ寸法100mmt×400mm×400mmの金型に880g注入して、発泡させた軟質ウレタンフォームの例である。実施例3は、密度55kg/m、厚み100mm、2%圧縮硬さが29N、5%圧縮硬さが54N、10%圧縮硬さが73N、アスカーC硬度が4度、座屈は加圧解除直後が0mm、1時間後が0mmであり、好ましい圧縮硬さでクッション性が良好であり、かつ座屈が小さく、復元性が良好なものである。
・実施例4
実施例4は、図3に示す実施例4の配合からなる軟質ウレタンフォーム原料を、キャビティ寸法100mmt×400mm×400mmの金型に960g注入して、発泡させた軟質ウレタンフォームの例である。実施例4は、密度60kg/m、厚み100mm、2%圧縮硬さが78N、5%圧縮硬さが148N、10%圧縮硬さが199N、アスカーC硬度が15度、座屈は加圧解除直後が0.1mm、1時間後が0mmであり、好ましい圧縮硬さでクッション性が良好であり、かつ座屈が小さく、復元性が良好なものである。
図3に示した原料は以下のとおりである。
・ポリオールA;分子量400、官能基数3、水酸基価420mgKOH/g
・ポリオールB;分子量5000、官能基数3、水酸基価33.6mgKOH/g
・ポリオールC;分子量7000、官能基数3、水酸基価24mgKOH/g
・ポリオールD;ポリマーポリオール、固形分(ポリマー含有量)33%、分子量5000、水酸基価24mgKOH/g
・ポリオールE;グリセリン、分子量92、官能基数3、水酸基価1826mgKOH/g
・発泡剤;水
・触媒A;東ソー製、TOYOCAT−ETS
・触媒B;東ソー製、L33PG
・触媒C;三井化学製、DEA−80
・整泡剤;MOMENTIVE製、L−3184J
・イソシアネート;住化コベストロウレタン製、スミジュール44V20L。
着座初期の硬さ及び着座後の良好なクッション性等について、以下のように評価した。比較例1と実施例3の車両用シート基材を用いて、これらに軟質クッション材(比較例4の軟質ウレタンフォーム)を表面側クッション材として積層して用いた。これらの積層体に圧縮荷重試験を行い、所定圧縮時の荷重を読み取って、それぞれのクッション性の評価を行った。評価結果を図4に示す。
(圧縮荷重試験方法)
前記積層体からなる試料を予備圧縮なしで、圧縮速度50mm/minによって荷重が1000Nに達するまで圧縮し、その後、圧縮を速度50mm/minで解除して求めた荷重―たわみ曲線において、10mm圧縮時、20mm圧縮時、25mm圧縮時のそれぞれの荷重を求めた。なお、加圧板は、ISO6549の鉄研盤(300mm×250mm)を用いた。
着座初期の荷重は、10mm圧縮時の荷重で評価し、測定値が220N未満の場合に着座初期の感触が良好と判断して評価を「〇」、測定値が220N以上の場合に着座初期の感触が硬すぎると判断して評価を「×」とした。
着座時の荷重は、20mm圧縮時の荷重で評価し、測定値が320〜380N未満の場合に着座時の荷重が良好と判断して評価を「〇」、測定値が320N未満、380N以上の場合に着座時の荷重が柔らかい、もしくは硬いと判断して評価を「×」とした。
底付き感の評価荷重は、25mm圧縮時の荷重で評価し、測定値が520N未満の場合に底付き感は無く良好と判断して評価を「〇」、定値が520N以上の場合に底付き感有りと判断して評価を「×」とした。
比較例1の車両用シート基材(発泡ポリプロピレン)にクッション材(比較例4と同じ軟質ウレタンフォーム)を積層した積層体(車両用シート)の結果は、着座初期の荷重「〇」、着座時の荷重「〇」、底付き感「×」であった。
一方、実施例3の車両用シート基材(軟質ウレタンフォーム)にクッション材(比較例4と同じ軟質ウレタンフォーム)を積層した積層体(車両用シート)の結果は、着座初期の荷重「〇」、着座時の荷重「〇」、底付き感「〇」であった。
このように、本発明の車両用シート基材と車両用シートは、軽量でクッション性が良好であり、かつクッション材と車両用シート基材との接着性が良好である。
10 車両用シート
11 車両用シート基材
21 クッション材

Claims (5)

  1. クッション材が積層される車両用シート基材であって、密度が30〜70kg/m、2%圧縮硬さが25〜100N未満である軟質ウレタンフォームからなることを特徴とする車両用シート基材。
  2. 前記軟質ウレタンフォームは、5%圧縮時の硬さが45〜200N未満、10%圧縮時の硬さが65〜300N未満であることを特徴とする請求項1に記載の車両用シート基材。
  3. 車両用シート基材にクッション材が積層された車両用シートであって、前記車両用シート基材は、密度が30〜70kg/m、2%圧縮硬さが25〜100N未満である軟質ウレタンフォームからなることを特徴とする車両用シート。
  4. 軟質ウレタンフォームは、5%圧縮時の硬さが45〜200N未満、10%圧縮時の硬さが65〜300N未満であることを特徴とする請求項3に記載の車両用シート。
  5. 前記クッション材は、密度が35〜80kg/mであり、
    前記車両用シート基材の密度は、前記クッション材の密度と同じか又はよりも低いことを特徴とする請求項3または4に記載の車両用シート。
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