JP2022001029A - ジペプチジルペプチダーゼ−iv阻害剤及びそれを含む食品組成物 - Google Patents

ジペプチジルペプチダーゼ−iv阻害剤及びそれを含む食品組成物 Download PDF

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Abstract

【課題】優れたヒトDPP−4の阻害作用を有する化合物を含むDPP−4阻害剤、並びにそれを含有する食品組成物及び医薬組成物の提供。【解決手段】Val−Pro−Ile、Ile−Pro−Gln、Ile−Pro−Leu、Ile−Pro−Tyr、Ile−Pro−Lysから選択される少なくとも1種のトリペプチドを有効成分として含む、ジペプチジルペプチダーゼ−IV阻害剤。該ジペプチジルペプチダーゼ−IV阻害剤を含む、食欲抑制用食品組成物。該ジペプチジルペプチダーゼ−IV阻害剤を含む、糖尿病予防又は治療用医薬組成物。【選択図】なし

Description

本発明は、ジペプチジルペプチダーゼ−IV阻害剤及びそれを含む食品組成物に関する。本発明によれば、食欲抑制、並びに糖尿病の予防及び治療に用いることができる。
インクレチンのグルカゴン様ペプチド1(以下、「GLP−1」と称することがある)は、食後に放出されるペプチドであり、血糖(グルコース)依存的に、膵臓β細胞に作用し、インスリンを分泌させることによって、血糖値を下げる作用を有する。そして、GLP−1は、ジペプチジルペプチダーゼ−IV(以下、DPP−4と称することがある)によって分解されることが知られている。すなわち、DPP−4を阻害することによって、GLP−1の分解が抑制され、血中濃度が上昇する。その結果、膵臓β細胞からのインスリン分泌が促進され、血糖値を低下させることができる。
従って、DPP−4を阻害する化合物は、糖尿病の治療薬として期待されており、研究が進められている。例えば、茶に含まれるカテキン類が、DPP−4阻害剤としての作用を有することが開示されている(特許文献1)。また、乳タンパク質の加水分解物である3〜7アミノ酸からなるオリゴペプチドが、DPP−4阻害剤として作用することも報告されており(特許文献2)、更にジペプチド(特許文献3)、トリペプチド(特許文献4〜6、非特許文献1〜2)、テトラペプチド(特許文献7〜8)、及びペンタペプチド(特許文献9)などがDPP−4阻害作用を有することが開示されている。
特開2018−118939号公報 特表2008−525430号公報 特開2013−184962号公報 国際公開第2013/125622号 国際公開第2013/133031号 特開2016−136966号公報 国際公開第2013/133032号 特開2016−222601号公報 特開2015−84694号公報
「ザ・ジャーナル・オブ・アンチバイオティクス(The Journal of Antibiotics)」(日本)1984年、第37巻、p422−425 「フード・ケミストリー(Food Chemistry)」(オランダ)2019年、第279巻、p70−79
本発明者らは、非特許文献1に記載のディプロチンA(Ile-Pro-Ile)及びディプロチンB(Val-Pro-leu)について、ヒトのジペプチジルペプチダーゼ−IV(hDPP−4)の阻害作用を検討した。しかしながら、これらのオリゴペプチドのヒトDPP−4の阻害作用は十分なものではなかった。
本発明の目的は、優れたヒトDPP−4の阻害作用を有する化合物を含むDPP−4阻害剤を提供することである。
本発明者は、優れたヒトDPP−4の阻害作用を有する化合物を含むDPP−4阻害剤について、鋭意研究した結果、驚くべきことに、特定のアミノ酸配列を有するトリペプチドが優れたヒトDPP−4阻害作用を有することを見出した。
本発明は、こうした知見に基づくものである。
従って、本発明は、
[1]Val−Pro−Ile、Ile−Pro−Gln、Ile−Pro−Leu、Ile−Pro−Tyr、Ile−Pro−Lysからなる群から選択される少なくとも1種のトリペプチドを有効成分として含む、ジペプチジルペプチダーゼ−IV阻害剤、
[2]Val−Pro−Ileを有効成分として含む、[1]に記載のジペプチジルペプチダーゼ−IV阻害剤、
[3][1]又は[2]に記載のジペプチジルペプチダーゼ−IV阻害剤を含む、食欲抑制用食品組成物、及び
[4][1]又は[2]に記載のジペプチジルペプチダーゼ−IV阻害剤を含む、糖尿病予防又は治療用医薬組成物、
に関する。
本発明のDPP−4阻害剤によれば、優れたヒトジペプチジルペプチダーゼ−IVの阻害作用を示し、グルカゴン様ペプチド1の作用を持続させることができる。また、本発明の食品は食欲抑制作用を有する。また、本発明の医薬組成物は、糖尿病の予防及び治療に用いることができる。本発明に用いるトリペプチドは、半減期が長く、長時間にわたって有効性を維持することができる。
VPX(Xは任意のアミノ酸)のトリペプチドの混合物をHPLCで分離したチャートを示した図である。 IPX(Xは任意のアミノ酸)のトリペプチドの混合物をHPLCで分離したチャートを示した図である。 Val−Pro−Ile(実施例1)、Ile−Pro−Ile(参考例1)、並びにVPX−14、VPX−15、IPX−3、及びIPX−13(参考例3)のヒトDPP−4に対する安定性を示したグラフである。
本発明のジペプチジルペプチダーゼ−IV阻害剤は、Val−Pro−Ile(以下、VPIと称することがある)、Ile−Pro−Gln(以下、IPQと称することがある)、Ile−Pro−Leu(以下、IPLと称することがある)、Ile−Pro−Tyr(以下、IPYと称することがある)、Ile−Pro−Lys(以下、IPKと称することがある)からなる群から選択される少なくとも1種のトリペプチドを有効成分として含む。前記トリペプチドは、好ましくはVal−Pro−Ileである。
前記Val(V)は、下記式(1):
Figure 2022001029
で表されるバリンを意味する。
前記Pro(P)は下記式(2):
Figure 2022001029
で表されるプロリンを意味する。
前記Ile(I)は、式(3):
Figure 2022001029
で表されるイソロイシンを意味する。
前記Gln(Q)は式(4):
Figure 2022001029
で表されるグルタミンを意味する。
前記Leu(L)式(5):
Figure 2022001029
で表されるロイシンを意味する。
前記Tyr(Y)は、式(6):
Figure 2022001029
で表されるチロシンを意味する。
前記Lys(K)は、式(7):
Figure 2022001029
で表されるリシンを意味する。
本発明に用いられるアミノ酸は、D型及びL型のいずれのアミノ酸でもよいが、好ましくはL型アミノ酸である。本発明に用いるトリペプチドでは、2つのアミノ酸のカルボキシル基とアミノ基とがペプチド結合によって結合している。前記トリペプチドは、優れた安定性を有する。すなわち、ジペプチジルペプチダーゼ−IVによる分解に対して優れた耐性を有している。
(ジペプチジルペプチダーゼ−IV)
ジペプチジルペプチダーゼ−IV(DPP−4)は、インクレチンのグルカゴン様ペプチド1(GLP−1)及びグルコース依存性インスリン分泌刺激ポリペプチド(以下、GIPと称することがある)を分解する。細胞膜上及び可溶性タンパク質として血液中に存在する。ヒトのDPP−4は、766のアミノ酸からなる1回膜貫通型のタンパク質であり、細胞内ドメインは6アミノ酸残基、膜貫通ドメインが24アミノ酸残基である。本発明に用いるトリペプチドは、DPP−4の作用を抑制することができる。
(グルカゴン様ペプチド1)
グルカゴン様ペプチド1(GLP−1)は、プレプログルカゴンが切断され、37アミノ酸からなるGLP−1(1−37)として生成される。そして、更にN−末端側のアミノ酸が切断され、GLP−1(7−37)及びGLP−1(7−36)アミドとなり、これらが強い生理活性を有する。GLP−1の作用としては、インスリンの生合成及び分泌に対するグルコース誘導性の刺激、グルカゴン分泌抑制、遺伝子発現の調整、Β細胞に対する栄養性の効果、食物摂取の抑制、並びに胃内容排出の緩徐化が挙げられる。
一方、例えば活性型GLP−1(7−37)はDPP−IVの作用により、アミノ末端のジペプチドが除去され、不活性型のGLP−1(9−37)に変換されることで、生理活性を失う。
前記のとおり、本発明のトリペプチドは、GLP−1を分解するDPP−4の作用を阻害する。GLP−1の半減期は、2〜5分と報告されているが、本発明のトリペプチドによって、半減期が長くなる。従って、本発明のトリペプチドは、GLP−1の分解を抑制することによって、インスリンの生合成及び分泌に対するグルコース誘導性の刺激、グルカゴン分泌抑制、遺伝子発現の調整、B細胞に対する栄養性の効果、食物摂取の抑制、並びに胃内容排出の緩徐化などの作用を示す。
前記の通り、前記トリペプチドは、ジペプチジルペプチダーゼ−IV阻害作用によって、GLP−1の作用を促進する。従って、GLP−1と同じ作用を有する。すなわち本発明のジペプチジルペプチダーゼ−IV阻害剤は、血糖値上昇抑制剤、高血糖改善剤、血管内皮機能低下抑制剤、血管内皮障害抑制剤、血管障害抑制剤、血管内皮細胞保護剤、及び食欲抑制剤として用いることができる。
本発明の食欲抑制用食品組成物は、本発明のジペプチジルペプチダーゼ−IV阻害剤及び食品又は飲料を含むものを意味する。
また、本発明の食品組成物は、血糖値上昇抑制用、高血糖改善用、血管内皮機能低下抑制用、血管内皮障害抑制用、血管障害抑制用、血管内皮細胞保護用、及び食欲抑制用の食品組成物として用いることができる。
食品としては、具体的には、サラダなどの生鮮調理品;ステーキ、ピザ、ハンバーグなどの加熱調理品;野菜炒めなどの炒め調理品;トマト、ピーマン、セロリ、ニガウリ、ニンジン、ジャガイモ、及びアスパラガスなどの野菜及びこれら野菜を加工した調理品;クッキー、パン、ビスケット、乾パン、ケーキ、煎餅、羊羹、プリン、ゼリー、アイスクリーム類、チューインガム、クラッカー、チップス、チョコレート及び飴等の菓子類;うどん、パスタ、及びそば等の麺類;かまぼこ、ハム、及び魚肉ソーセージ等の魚肉練り製品;チーズ、クリーム、及びバターなどの乳製品;みそ、しょう油、ドレッシング、ケチャップ、マヨネーズ、スープの素、麺つゆ、カレー粉、みりん、ルウ、シーズニングスパイス等の調味料類;豆腐などの大豆食品;こんにゃく;並びにサプリメントなどを挙げることができる。
飲料としては、例えばコーヒー飲料;ココア飲料;前記の野菜から得られる野菜ジュース;グレープフルーツジュース、オレンジジュース、ブドウジュース、及びレモンジュース等の果汁飲料;緑茶、紅茶、煎茶、及びウーロン茶等の茶飲料;ビール、ワイン(赤ワイン、白ワイン、又はスパークリングワインなど)、清酒、梅酒、発泡酒、ウィスキー、ブランデー、焼酎、ラム、ジン、及びリキュール類等のアルコール飲料;乳飲料;豆乳飲料;流動食;並びにスポーツ飲料などを挙げることができる。
食品又は飲料には、動物に対する飼料が含まれる。対象となる動物は、例えばヒトなどの霊長類、ウシ、ブタ、ヒツジ、ヤギ、ウマ、イヌ、ネコ、ウサギ、ラット、又はマウス等が挙げられる。
これらの食品又は飲料には、所望により、酸化防止剤、香料、酸味料、着色料、乳化剤、保存料、調味料、甘味料、香辛料、pH調整剤、安定剤、酸化防止剤、植物油、動物油、糖及び糖アルコール類、ビタミン、有機酸、果汁エキス類、野菜エキス類、穀類、豆類、野菜類、肉類、魚介類等の食品添加物及び食品素材を単独で又は2種以上組み合わせて配合することができる。これらの食品素材及び食品添加物の配合量は、本発明の目的を損なわない範囲内で適宜決定することができる。
これらの食品又は飲料は、例えばレトルト及びオートクレーブなどの加熱加圧滅菌、バッチ式殺菌、プレート殺菌、通電加熱殺菌、マイクロ波加熱殺菌、並びに、インジェクション及びインフュージョンなどのスチーム殺菌などの一般的な殺菌処理を行うことができる。
食品及び飲料には、機能性食品(飲料)及び健康食品(飲料)が含まれる。本明細書において「健康食品(飲料)」とは、健康に何らかの効果を与えるか、あるいは、効果を期待することができる食品又は飲料を意味し、「機能性食品(飲料)」とは、前記「健康食品(飲料)」の中でも、生体調節機能(すなわち、免疫賦活機能)を充分に発現することができるように設計及び加工された食品又は飲料を意味する。機能性食品及び健康食品は、顆粒状、固形状、液状、カプセル状、ゲル状、又は錠剤状であることができる。
本発明の糖尿病予防又は治療用医薬組成物は、本発明のジペプチジルペプチダーゼ−IV阻害剤を含む。
本発明の医薬組成物は、糖尿病以外にジペプチジルペプチダーゼ−IVに起因する疾患又は症状として、高血糖症、糖尿病合併症、血管内皮障害、又は血管障害等に用いることができる。更に、高血糖症、糖尿病によって誘導される疾患として、糖尿病性の細小血管症(例えば、網膜症、腎症、又は神経障害等)、及び大血管合併症(例えば、狭心症・心筋梗塞等の虚血性心疾患、脳梗塞、閉塞性動脈硬化、又は壊疽等)が挙げられる。従って、本発明の医薬組成物は、これらの疾患の予防又は治療用医薬組成物として使用することができる。
本発明の医薬組成物の投与剤型としては、特には限定がなく、経口剤及び非経口剤を挙げることができるが、経口剤が好ましい。前記経口剤は、例えば、細粒剤、顆粒剤、錠剤、カプセル剤、及び丸剤等の固形状又は粉末状製剤、並びに懸濁液、エマルジョン剤、シロップ剤、及びエキス剤等の液状製剤を挙げることができる。非経口剤としては、例えば、注射剤を挙げることができる。
本発明の医薬組成物は、前記トリペプチドから成るものでもよく、また、前記トリペプチドを含むものでもよい。本発明の医薬組成物が、前記トリペプチドを含むものである場合、他の添加剤を含むことができる。
本発明の医薬組成物が経口剤である場合、他の添加剤としては、賦形剤、結合剤、崩壊剤、乳化剤、滑沢剤、流動性促進剤、希釈剤、保存剤、着色剤、香料、矯味剤、安定化剤、保湿剤、防腐剤、酸化防止剤、又は懸濁化剤を挙げることができ、具体的には、例えば、ゼラチン、アルギン酸ナトリウム、澱粉、コーンスターチ、白糖、乳糖、ぶどう糖、マンニット、カルボキシメチルセルロース、デキストリン、ポリビニルピロリドン、結晶セルロース、大豆レシチン、ショ糖、脂肪酸エステル、タルク、ステアリン酸マグネシウム、ポリエチレングリコール、ケイ酸マグネシウム、無水ケイ酸、又は合成ケイ酸アルミニウムなどであることができる。
本発明の医薬組成物が非経口剤である場合、他の添加剤としては、生理食塩水若しくはリンゲル液等の水溶性溶剤、植物油若しくは脂肪酸エステル等の非水溶性溶剤、ブドウ糖若しくは塩化ナトリウム等の等張化剤、溶解補助剤、安定化剤、防腐剤、懸濁化剤、又は乳化剤などを挙げることができる。
本発明の医薬組成物は、前記トリペプチドを、90重量%以上、50重量%以上、10重量%以上、又は1重量%以上含むことができる。
本発明の医薬組成物の投与量又は摂取量は、製剤形態、並びに使用する対象の年齢、性別、体重及び疾患の症状の程度などに応じて適宜調整することができるが、当該医薬組成物を投与又は摂取することで、糖尿病等の発症を予防するか、又は発症した糖尿病等を緩和若しくは治療することができる量であることが好ましい。具体的には、トリペプチドの添加量に換算して、0.01〜1000mg/kg体重/日、好ましくは、0.1〜750mg/kg体重/日、より好ましくは1〜500mg/kg体重/日、更に好ましくは5〜400mg/kg体重/日、更に好ましくは10〜300mg/kg体重/日、更に好ましくは15〜200mg/kg体重/日、又は最も好ましくは20〜150mg/kg体重/日であることができる。
もちろん、上記の投与法は一例であり、他の投与法であってもよい。ヒトへの医薬組成物の投与方法、投与量、投与期間、及び投与間隔等は、管理された臨床治験によって決定されることが望ましい。
本発明の医薬組成物は、ヒトに対して投与することができるが、投与対象はヒト以外の動物であってもよく、イヌ、ネコ、ウサギ、ハムスター、モルモット、及びリス等のペット;牛及び豚等の家畜;マウス、ラット等の実験動物;並びに、動物園等で飼育されている動物等が挙げられる。
前記医薬組成物には、医薬品及び医薬部外品が含まれる。医薬品としては、例えば、生薬製剤及び漢方製剤などを挙げることができる。医薬部外品としては、例えば、栄養ドリンク及び生薬含有保健薬などを挙げることができる。
以下、実施例によって本発明を具体的に説明するが、これらは本発明の範囲を限定するものではない。
《実施例1》
本実施例では、Val−Pro−Ileを合成し、DPP−4の阻害作用を検討した。
Val−Pro−Ileのトリペプチドは、GenScript社に依頼して合成及び精製した。純度は95%以上であった。
ヒトDPP−4阻害試験は以下のように実施した。Val−Pro−Ileのトリペプチドを段階希釈した溶液(20μL)、基質溶液(Gly−Pro−pNA;2mM;2μL)及びTris−HClバッファー(pH8.0;20μL)の混合液を96ウエルプレートに100μL分注した。40μLのヒトDPP−4(hDPP-4:最終濃度0.025units/mL)を加え37℃、60分インキュベートした。マイクロリーダーを用いて405nmの吸光度を測定した。半分の吸光度を示したペプチド濃度をIC50とした。表1に結果を示す。
《実施例2》
本実施例では、Ile−Pro−Glnを合成し、DPP−4の阻害作用を検討した。Val−Pro−Ileのトリペプチドに代えて、Ile−Pro−Glnのトリペプチドを合成したことを除いては、実施例1の操作を繰り返した。表1に結果を示す。
《実施例3》
本実施例では、Ile−Pro−Leuを合成し、DPP−4の阻害作用を検討した。Val−Pro−Ileのトリペプチドに代えて、Ile−Pro−Leuのトリペプチドを合成したことを除いては、実施例1の操作を繰り返した。純度は、94.8%であった。表1に結果を示す。
《実施例4》
本実施例では、Ile−Pro−Tyrを合成し、DPP−4の阻害作用を検討した。Val−Pro−Ileのトリペプチドに代えて、Ile−Pro−Tyrのトリペプチドを合成したことを除いては、実施例1の操作を繰り返した。表1に結果を示す。
《実施例5》
本実施例では、Ile−Pro−Lysを合成し、DPP−4の阻害作用を検討した。Val−Pro−Ileのトリペプチドに代えて、Ile−Pro−Lysのトリペプチドを合成したことを除いては、実施例1の操作を繰り返した。表1に結果を示す。
《参考例1》
本参考例では、Ile−Pro−Ileを合成し、DPP−4の阻害作用を検討した。Val−Pro−Ileのトリペプチドに代えて、Ile−Pro−Ileのトリペプチドを合成したことを除いては、実施例1の操作を繰り返した。純度は99%であった。表1に結果を示す。
《参考例2》
本実施例では、Val−Pro−Leuを用いて、DPP−4の阻害作用を検討した。Val−Pro−LeuのトリペプチドをBioVision社から購入したことを除いては、実施例1の操作を繰り返した。表1に結果を示す。
Figure 2022001029
《参考例6》
本実施例では、VPX(Xは任意のアミノ酸)のトリペプチドの混合物、及びIPX(Xは任意のアミノ酸)のトリペプチドの混合物を合成し、それぞれのトリペプチドをHPLCによって分離した。VPXの混合物及びIPXの混合物の合成は、GenScript社に依頼して行った。
図1にVPXのHCLPのチャートを、図2にIPXのHCLPのチャートを示す。
《安定性試験》
実施例1で得られたVal−Pro−Ile、参考例1で得られたIle−Pro−Ile、及び参考例3で得られたVPX−14、VPX−15、IPX−3、及びIPX−13を用いて、各トリペプチドの安定性を検討した。
50μLのヒトDPP−4(最終濃度0.0625units/mL)に、200μLの各ペプチドを添加し、37℃で、1時間又は2時間インキュベーションした。0時間、1時間及び2時間のサンプルをHPLCで解析した。結果を図3に示す。
実施例1で得られたVal−Pro−Ileは優れた安定性を示した。
本発明のジペプチジルペプチダーゼ−IV阻害剤は糖尿病をはじめとするジペプチジルペプチダーゼ−IVに起因する疾患等の治療などに食品組成物又は医薬組成物として用いることができる。

Claims (4)

  1. Val−Pro−Ile、Ile−Pro−Gln、Ile−Pro−Leu、Ile−Pro−Tyr、Ile−Pro−Lysからなる群から選択される少なくとも1種のトリペプチドを有効成分として含む、ジペプチジルペプチダーゼ−IV阻害剤。
  2. Val−Pro−Ileを有効成分として含む、請求項1に記載のジペプチジルペプチダーゼ−IV阻害剤。
  3. 請求項1又は2に記載のジペプチジルペプチダーゼ−IV阻害剤を含む、食欲抑制用食品組成物。
  4. 請求項1又は2に記載のジペプチジルペプチダーゼ−IV阻害剤を含む、糖尿病予防又は治療用医薬組成物。
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