JP2022000882A - 半導体装置および半導体装置の製造方法 - Google Patents

半導体装置および半導体装置の製造方法 Download PDF

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和貴 上村
Kazuki Uemura
源宜 窪内
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Abstract

【課題】ダイオード領域とIGBT領域とを備え、ダイオード領域をIGBT領域よりも高耐圧にできる半導体装置および半導体装置の製造方法を提供する。【解決手段】半導体装置は、トランジスタ部70とダイオード部80を有する。トランジスタ部70は、第1導電型の半導体基板18と、第2導電型の第1半導体領域14と、第1導電型の第2半導体領域12と、ゲート絶縁膜50と、ゲート電極51と、第1導電型の第1半導体層20と、第2導電型の第3半導体領域22と、第1電極130と、第2電極24と、を有する。ダイオード部80は、半導体基板18と、第1半導体領域14と、第1半導体層20と、第1導電型の第4半導体領域82と、第1電極130と、第2電極24と、を有する。トランジスタ部70の第1半導体層20の半導体基板18の裏面からの深さは、ダイオード部80の第1半導体層20の半導体基板18の裏面からの深さより大きい。【選択図】図2

Description

この発明は、半導体装置および半導体装置の製造方法に関する。
近年、産業機械、鉄道車両、電気自動車、発電分野など様々な分野において、直流と交流の変換、直流同士、または交流同士の電圧電流変換を行う電力変換回路が使われている。その制御のため、IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor:絶縁ゲート型バイポーラトランジスタ)と当該IGBTに逆並列に接続されたFWD(Free Wheeling Diode:還流ダイオード)の機能が使われる。
このIGBTと、このIGBTに逆並列に接続したFWDとを同一半導体基板上に一体化した逆導通型IGBT(RC(Reverse Conducting)−IGBT)が公知である。RC−IGBTなどのパワー半導体装置では、n-型ドリフト層の内部に、n-型ドリフト層よりも不純物濃度が高いn型フィールドストップ(FS:Field Stop)層を形成することが一般的である。
従来のn型FS層を有するRC−IGBTの製造方法について説明する。図26〜図28は、従来のn型FS層を有するRC−IGBTの製造途中の状態を示す断面図である。まず、通常採用される厚い状態のn-型半導体基板118のおもて面側に、一般的な方法により、MOSゲート(金属−酸化膜−半導体からなる絶縁ゲート)、層間絶縁膜およびおもて面電極(電極パッド)などのおもて面素子構造(不図示)を形成する。次に、n-型半導体基板118を裏面側から研削していき、半導体装置として用いる製品厚さの位置まで研削する。
次に、n-型半導体基板118の研削後の裏面からリン(P)やセレン(Se)をイオン注入200し、n-型半導体基板118の裏面側の内部に、IGBT領域からダイオード領域にわたってn+型FS層120を形成する。ここまでの状態が図26に記載される。
次に、n-型半導体基板118の裏面からホウ素(B)をイオン注入200し、n-型半導体基板118の裏面の表面層の、n+型FS層120よりも浅い位置に、IGBT領域からダイオード領域にわたってp+型コレクタ領域122を形成する。ここまでの状態が図27に記載される。
次に、フォトリソグラフィにより、n-型半導体基板118の裏面に、ダイオード領域に対応する部分を開口したレジストマスク201を形成する。次に、このレジストマスク201をマスクとしてn-型半導体基板118の裏面からリンをイオン注入し、n-型半導体基板118の裏面の表面層の、ダイオード領域におけるp+型コレクタ領域122をn型に反転させてn+型カソード領域182を形成する。ここまでの状態が図28に記載される。
次に、灰化(アッシング)処理によりレジストマスク201を除去する。次に、n-型半導体基板118にイオン注入した不純物を熱処理により拡散させる。次に、n-型半導体基板118のおもて面に、ポリイミド表面保護膜を形成する。次に、半導体ウエハの裏面に、p+型コレクタ領域122およびn+型カソード領域182に接する裏面電極を形成する。その後、n-型半導体基板118を切断(ダイシング)して個々のチップ状に個片化することで、従来のRC−IGBTが完成する。
また、第1領域に設けられた第1導電型の第1半導体層と、第2領域に設けられた第2導電型の第2半導体層と、第1半導体層上及び第2半導体層上に設けられた第2導電型の第4半導体層と、第4半導体層上に設けられた第1導電型の第5半導体層と、第5半導体層上の第1領域の一部に設けられた第2導電型の第6半導体層と、第1領域に設けられた第2電極と、第2領域に設けられた第3電極と、を備え、第3半導体層と第3電極との間の距離、及び第2領域における第3半導体層と第5半導体層との距離のうち、少なくとも一方は、第3半導体層と第2電極との距離よりも短い半導体装置が公知である(例えば、下記特許文献1参照。)。
また、基板裏面側から異なる飛程で複数回のプロトン照射を行い、深さの異なる第1〜4n型層を形成した後、プロトンを活性化させ、基板裏面からプロトン照射の飛程よりも深い位置にヘリウムを照射し、格子欠陥を導入し、格子欠陥量を調整する熱処理時に、第5n型層を形成することで、n型FS層を構成する半導体装置が公知である(例えば、下記特許文献2参照。)。
特開2016−139719号公報 国際公開第2017/047285号
しかしながら、n+型FS層120、p+型コレクタ領域122の順で形成していくと、n+型FS層120は、n-型半導体基板118の裏面からの距離が均一の層として形成されてしまう。この場合、IGBT領域とダイオード領域とで同一の耐圧を有する半導体装置が製造されてしまう。
スイッチング速度の高速化によって逆回復サージ電圧が大きくなると、ダイオード領域にはIGBT領域と比較して高い電圧が印加される。このため、IGBT領域とダイオード領域とで同一の耐圧であると、ダイオード領域の方が先に破壊されやすいという課題がある。
この発明は、上述した従来技術による問題点を解消するため、ダイオード領域とIGBT領域とを備え、ダイオード領域をIGBT領域よりも高耐圧にできる半導体装置および半導体装置の製造方法を提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、本発明の目的を達成するため、この発明にかかる半導体装置は、次の特徴を有する。半導体装置はトランジスタ部とダイオード部とを備える。トランジスタ部は、第1導電型の半導体基板と、前記半導体基板のおもて面側に設けられた、第2導電型の第1半導体領域と、前記第1半導体領域の、前記半導体基板側に対して反対側の表面層に選択的に設けられた第1導電型の第2半導体領域と、前記第1半導体領域に接触するゲート絶縁膜と、前記ゲート絶縁膜の前記第1半導体領域と接触する面と反対側の表面に設けられたゲート電極と、前記半導体基板の内部に設けられた、第1導電型の第1半導体層と、前記半導体基板の裏面側に設けられた、第2導電型の第3半導体領域と、前記第1半導体領域および前記第2半導体領域の表面に設けられた第1電極と、前記第3半導体領域の表面に設けられた第2電極と、を有する。ダイオード部は、前記半導体基板と、前記第1半導体領域と、前記第1半導体層と、前記半導体基板の裏面側に設けられた、第1導電型の第4半導体領域と、前記第1半導体領域の表面に設けられた前記第1電極と、前記第4半導体領域の表面に設けられた前記第2電極と、を有する。前記トランジスタ部の前記第1半導体層の前記半導体基板の裏面からの深さは、前記ダイオード部の前記第1半導体層の前記半導体基板の裏面からの深さより大きい。
また、この発明にかかる半導体装置は、上述した発明において、前記トランジスタ部の前記第1半導体層の厚さは、前記ダイオード部の前記第1半導体層の厚さと同じであり、前記トランジスタ部では、前記第1半導体層と前記第3半導体領域との間に前記半導体基板が存在することを特徴とする。
また、この発明にかかる半導体装置は、上述した発明において、前記トランジスタ部と前記ダイオード部とを備え、電流が流れる活性領域と、前記活性領域の外側に配置され、前記活性領域の周囲を囲む耐圧構造が形成された終端構造部と、を有し、前記終端構造部は、前記半導体基板と、前記第1半導体層と、前記第4半導体領域と、前記第2電極と、を有し、前記ダイオード部の前記第1半導体層の前記半導体基板の裏面からの深さは、前記終端構造部の前記第1半導体層の前記半導体基板の裏面からの深さと同じであることを特徴とする。
また、この発明にかかる半導体装置は、上述した発明において、前記トランジスタ部と前記ダイオード部とは、上面視において、前記活性領域内に並列に設けられていることを特徴とする。
また、上述した課題を解決し、本発明の目的を達成するため、この発明にかかる半導体装置の製造方法は、次の特徴を有する。トランジスタ部とダイオード部を有する半導体装置の製造方法である。半導体基板のおもて面側に、第2導電型の第1半導体領域を形成する第1工程を行う。次に、前記第1半導体領域の、前記半導体基板側に対して反対側の表面層に選択的に第1導電型の第2半導体領域を形成する第2工程を行う。次に、前記トランジスタ部に、前記第1半導体領域に接触するゲート絶縁膜と、前記ゲート絶縁膜の前記第1半導体領域と接触する面と反対側の表面にゲート電極とを形成する第3工程を行う。次に、前記トランジスタ部の、前記第1半導体領域および前記第2半導体領域の表面と、前記ダイオード部の前記第1半導体領域の表面とに第1電極を形成する第4工程を行う。次に、前記半導体基板の、前記ダイオード部に対応する裏面層の結晶欠陥の量を、前記半導体基板の、前記トランジスタ部に対応する裏面層の結晶欠陥の量より多くする第5工程を行う。次に、前記第5工程より後、アニール処理を行う前に、前記半導体基板の裏面側から第1導電型となる不純物を注入して、第1導電型の第1半導体層を形成する第6工程を行う。次に、前記半導体基板の、前記トランジスタ部に対応する裏面上に第2導電型の第3半導体領域を形成する第7工程を行う。次に、前記半導体基板の、前記ダイオード部に対応する裏面上に第1導電型の第4半導体領域を形成する第8工程を行う。次に、前記第3半導体領域と前記第4半導体領域の表面に第2電極を形成する第9工程を行う。
また、この発明にかかる半導体装置の製造方法は、上述した発明において、前記第1半導体層を形成するために、リン(P)を用いることを特徴とする。
また、この発明にかかる半導体装置の製造方法は、上述した発明において、前記ダイオード部に対応する裏面層の結晶欠陥の量を前記トランジスタ部に対応する裏面層の結晶欠陥の量より多くするために、アルゴン(Ar)、キセノン(Xe)またはシリコン(Si)のイオン注入により行うことを特徴とする。
また、上述した課題を解決し、本発明の目的を達成するため、この発明にかかる半導体装置の製造方法は、次の特徴を有する。トランジスタ部とダイオード部を有する半導体装置の製造方法である。半導体基板のおもて面側に、第2導電型の第1半導体領域を形成する第1工程を行う。次に、前記第1半導体領域の、前記半導体基板側に対して反対側の表面層に選択的に第1導電型の第2半導体領域を形成する第2工程を行う。次に、前記トランジスタ部に、前記第1半導体領域に接触するゲート絶縁膜と、前記ゲート絶縁膜の前記第1半導体領域と接触する面と反対側の表面にゲート電極とを形成する第3工程を行う。次に、前記トランジスタ部の、前記第1半導体領域および前記第2半導体領域の表面と、前記ダイオード部の前記第1半導体領域の表面とに第1電極を形成する第4工程を行う。次に、前記半導体基板の裏面側から、第2導電型となる不純物を注入して、第2導電型の第3半導体領域を形成する第5工程を行う。次に、前記ダイオード部に対応する前記第3半導体領域に、第1導電型となる不純物を注入して、第1導電型の第4半導体領域を形成する第6工程を行う。次に、前記第6工程より後、アニール処理を行う前に、前記半導体基板の裏面側から第1導電型となる不純物を注入して、第1導電型の第1半導体層を形成する第7工程を行う。次に、前記第3半導体領域と前記第4半導体領域の表面に第2電極を形成する第8工程を行う。
また、この発明にかかる半導体装置の製造方法は、上述した発明において、記第5工程で注入する不純物はホウ素(B)で、前記第6工程で注入する不純物はリン(P)あるいはヒ素(As)であることを特徴とする。
また、上述した課題を解決し、本発明の目的を達成するため、この発明にかかる半導体装置の製造方法は、次の特徴を有する。トランジスタ部とダイオード部を有する半導体装置の製造方法である。まず、半導体基板のおもて面側に、第2導電型の第1半導体領域を形成する第1工程を行う。次に、前記第1半導体領域の、前記半導体基板側に対して反対側の表面層に選択的に第1導電型の第2半導体領域を形成する第2工程を行う。次に、前記トランジスタ部に、前記第1半導体領域に接触するゲート絶縁膜と、前記ゲート絶縁膜の前記第1半導体領域と接触する面と反対側の表面にゲート電極とを形成する第3工程を行う。次に、前記トランジスタ部の、前記第1半導体領域および前記第2半導体領域の表面と、前記ダイオード部の前記第1半導体領域の表面とに第1電極を形成する第4工程を行う。次に、前記半導体基板の裏面側から、第2導電型となる不純物を注入して、第2導電型の第3半導体領域を形成する第5工程を行う。次に、前記第3半導体領域の活性化のためのレーザーアニールを、前記ダイオード部に対応する前記第3半導体領域に対するレーザーアニールの強度を前記トランジスタ部に対応する前記第3半導体領域に対するレーザーアニールの強度より弱く、行う第6工程を行う。次に、前記半導体基板の裏面側から第1導電型となる不純物を注入して、第1導電型の第1半導体層を形成する第7工程を行う。次に、前記ダイオード部に対応する前記第3半導体領域に、第1導電型となる不純物を注入して、第1導電型の第4半導体領域を形成する第8工程を行う。次に、前記第3半導体領域と前記第4半導体領域の表面に第2電極を形成する第9工程を行う。
また、上述した課題を解決し、本発明の目的を達成するため、この発明にかかる半導体装置の製造方法は、次の特徴を有する。トランジスタ部とダイオード部を有する半導体装置の製造方法である。まず、半導体基板のおもて面側に、第2導電型の第1半導体領域を形成する第1工程を行う。次に、前記第1半導体領域の、前記半導体基板側に対して反対側の表面層に選択的に第1導電型の第2半導体領域を形成する第2工程を行う。次に、前記トランジスタ部に、前記第1半導体領域に接触するゲート絶縁膜と、前記ゲート絶縁膜の前記第1半導体領域と接触する面と反対側の表面にゲート電極とを形成する第3工程を行う。次に、前記トランジスタ部の、前記第1半導体領域および前記第2半導体領域の表面と、前記ダイオード部の前記第1半導体領域の表面とに第1電極を形成する第4工程を行う。次に、前記半導体基板の裏面側から、第2導電型となる不純物を注入して、第2導電型の第3半導体領域を形成する第5工程を行う。次に、前記ダイオード部に対応する前記第3半導体領域に、第1導電型となる不純物を注入して、第1導電型の第4半導体領域を形成する第6工程を行う。次に、前記第3半導体領域および前記第4半導体領域の活性化のためのレーザーアニールを、前記第4半導体領域に対するレーザーアニールの強度を前記第3半導体領域に対するレーザーアニールの強度より弱く、行う第7工程を行う。次に、前記半導体基板の裏面側から第1導電型となる不純物を注入して、第1導電型の第1半導体層を形成する第8工程を行う。次に、前記第3半導体領域と前記第4半導体領域の表面に第2電極を形成する第9工程を行う。
上述した課題を解決し、本発明の目的を達成するため、この発明にかかる半導体装置は、次の特徴を有する。半導体装置は、第1導電型の半導体基板と、前記半導体基板のおもて面側に設けられた、第2導電型の第1半導体領域と、前記第1半導体領域の、前記半導体基板側に対して反対側の表面層に選択的に設けられた第1導電型の第2半導体領域と、前記第1半導体領域に接触するゲート絶縁膜と、前記ゲート絶縁膜の前記第1半導体領域と接触する面と反対側の表面に設けられたゲート電極と、を備える。さらに、前記半導体基板の内部に設けられた、第1導電型の第1半導体層と、前記半導体基板の裏面側に設けられた、第2導電型の第3半導体領域と、前記第1半導体領域および前記第2半導体領域の表面に設けられた第1電極と、前記第3半導体領域の表面に設けられた第2電極と、を備える。前記第1半導体層の所定の領域の前記半導体基板の裏面からの深さは、前記第1半導体層の前記所定の領域以外の領域の前記半導体基板の裏面からの深さより大きい。
また、上述した課題を解決し、本発明の目的を達成するため、この発明にかかる半導体装置の製造方法は、次の特徴を有する。まず、半導体基板のおもて面側に、第2導電型の第1半導体領域を形成する第1工程を行う。次に、前記第1半導体領域の、前記半導体基板側に対して反対側の表面層に選択的に第1導電型の第2半導体領域を形成する第2工程を行う。次に、前記第1半導体領域に接触するゲート絶縁膜と、前記ゲート絶縁膜の前記第1半導体領域と接触する面と反対側の表面にゲート電極とを形成する第3工程を行う。次に、前記第1半導体領域および前記第2半導体領域の表面に第1電極を形成する第4工程を行う。次に、前記半導体基板の裏面側から、第2導電型となる不純物を注入して、第2導電型の第3半導体領域を形成する第5工程を行う。次に、前記第3半導体領域の活性化のためのレーザーアニールを、前記第3半導体領域の所定の領域に対するレーザーアニールの強度を前記第3半導体領域の前記所定の領域以外の領域に対するレーザーアニールの強度より弱く、行う第6工程を行う。次に、前記半導体基板の裏面側から第1導電型となる不純物を注入して、第1導電型の第1半導体層を形成する第7工程を行う。次に、前記第3半導体領域の表面に第2電極を形成する第8工程を行う。
また、上述した課題を解決し、本発明の目的を達成するため、この発明にかかる半導体装置の製造方法は、次の特徴を有する。まず、半導体基板のおもて面側に、第2導電型の第1半導体領域を形成する第1工程を行う。次に、前記第1半導体領域の、前記半導体基板側に対して反対側の表面層に選択的に第1導電型の第2半導体領域を形成する第2工程を行う。次に、前記第1半導体領域に接触するゲート絶縁膜と、前記ゲート絶縁膜の前記第1半導体領域と接触する面と反対側の表面にゲート電極とを形成する第3工程を行う。次に、前記第1半導体領域および前記第2半導体領域の表面に第1電極を形成する第4工程を行う。次に、前記半導体基板の裏面側から、第2導電型となる不純物を注入して、第2導電型の第3半導体領域を形成する第5工程を行う。次に、前記第3半導体領域の活性化のためのレーザーアニールを行う第6工程を行う。次に、前記第3半導体領域の所定の領域にAr(アルゴン)またはシリコン(Si)のイオン注入を行う第7工程を行う。次に、前記半導体基板の裏面側から第1導電型となる不純物を注入して、第1導電型の第1半導体層を形成する第8工程を行う。次に、前記第3半導体領域の表面に第2電極を形成する第9工程を行う。
また、この発明にかかる半導体装置の製造方法は、上述した発明において、前記第6工程は、前記第7工程より後、前記第8工程より先に行うことを特徴とする。
上述した課題を解決し、本発明の目的を達成するため、この発明にかかる半導体装置は、次の特徴を有する。半導体装置は、第1導電型の半導体基板と、前記半導体基板のおもて面側に設けられた、第2導電型の第1半導体領域と、前記半導体基板の内部に設けられた、第1導電型の第1半導体層と、を備える。さらに、前記半導体基板の裏面側に設けられた、第1導電型の第4半導体領域と、前記第1半導体領域の表面に設けられた第1電極と、前記第4半導体領域の表面に設けられた第2電極と、を備える。前記第1半導体層の所定の領域の前記半導体基板の裏面からの深さは、前記第1半導体層の前記所定の領域以外の領域の前記半導体基板の裏面からの深さより大きい。
また、上述した課題を解決し、本発明の目的を達成するため、この発明にかかる半導体装置の製造方法は、次の特徴を有する。まず、半導体基板のおもて面側に、第2導電型の第1半導体領域を形成する第1工程を行う。次に、前記第1半導体領域の、前記半導体基板側に対して反対側の表面層に選択的に第1導電型の第2半導体領域を形成する第2工程を行う。次に、前記第1半導体領域の表面に第1電極を形成する第3工程を行う。次に、前記半導体基板の裏面側から、第1導電型となる不純物を注入して、第1導電型の第4半導体領域を形成する第4工程を行う。次に、前記第4半導体領域の活性化のためのレーザーアニールを、前記第4半導体領域の所定の領域に対するレーザーアニールの強度を前記第4半導体領域の前記所定の領域以外の領域に対するレーザーアニールの強度より弱く、行う第5工程を行う。次に、前記半導体基板の裏面側から第1導電型となる不純物を注入して、第1導電型の第1半導体層を形成する第6工程を行う。次に、前記第4半導体領域の表面に第2電極を形成する第8工程を行う。
また、上述した課題を解決し、本発明の目的を達成するため、この発明にかかる半導体装置の製造方法は、次の特徴を有する。まず、半導体基板のおもて面側に、第2導電型の第1半導体領域を形成する第1工程を行う。次に、前記第1半導体領域の、前記半導体基板側に対して反対側の表面層に選択的に第1導電型の第2半導体領域を形成する第2工程を行う。次に、前記第1半導体領域の表面に第1電極を形成する第3工程を行う。次に、前記半導体基板の裏面側から、第1導電型となる不純物を注入して、第1導電型の第4半導体領域を形成する第4工程を行う。次に、前記第4半導体領域の活性化のためのレーザーアニールを行う第5工程を行う。次に、前記第4半導体領域の所定の領域にAr(アルゴン)またはシリコン(Si)のイオン注入を行う第6工程を行う。次に、前記半導体基板の裏面側から第1導電型となる不純物を注入して、第1導電型の第1半導体層を形成する第7工程を行う。次に、前記第4半導体領域の表面に第2電極を形成する第8工程を行う。
また、この発明にかかる半導体装置の製造方法は、上述した発明において、前記第5工程は、前記第6工程より後、前記第7工程より先に行うことを特徴とする。
上述した発明によれば、IGBT領域(トランジスタ部)では、ダイオード領域(ダイオード部)より深い位置にn+型FS層(第1導電型の第1半導体層)が設けられる。ここで、深いとはn-型半導体基板(第1導電型の半導体基板)の裏面を基準としている。n-型半導体基板の裏面とは、n-型半導体基板の裏面側の表面層に設けられたp+型コレクタ領域(第2導電型の第3半導体領域)およびn+型カソード領域(第1導電型の第4半導体領域)の裏面電極(第2電極)側の表面である。これにより、ダイオード領域では、n-型半導体基板(第1導電型の半導体基板)よりなるドリフト層の厚さが厚く、空乏層がn+型FS層のおもて面に届きにくくなり、ダイオード領域の耐圧を増加させることができる。このため、十分な耐圧の確保が可能となり、大きな逆回復サージ電圧がかかった場合でも、素子が破壊されにくくなり、信頼性の高い半導体装置となる。
本発明にかかる半導体装置および半導体装置の製造方法によれば、ダイオード領域とIGBT領域とを備え、ダイオード領域をIGBT領域よりも高耐圧にできるという効果を奏する。
実施の形態1にかかる半導体装置の構造を示す平面図である。 実施の形態1にかかる半導体装置の構造を示す断面図である。 実施の形態1にかかる半導体装置のカソード領域のキャリア濃度分布を示す特性図である。 実施の形態1にかかる半導体装置のFS層のキャリア濃度分布を示す特性図である。 実施の形態1にかかる半導体装置の製造方法を示すフローチャートである。 実施の形態1にかかる半導体装置の製造途中の活性領域の状態を示す断面図である(その1)。 実施の形態1にかかる半導体装置の製造途中の活性領域の状態を示す断面図である(その2)。 実施の形態1にかかる半導体装置の製造途中の活性領域の状態を示す断面図である(その3)。 実施の形態2にかかる半導体装置の製造途中の活性領域の状態を示す断面図である(その1)。 実施の形態2にかかる半導体装置の製造途中の活性領域の状態を示す断面図である(その2)。 実施の形態2にかかる半導体装置の製造途中の活性領域の状態を示す断面図である(その3)。 実施の形態2にかかる半導体装置の製造途中の活性領域の状態を示す断面図である(その4)。 実施の形態3にかかる半導体装置の製造途中の活性領域の状態を示す断面図である(その1)。 実施の形態3にかかる半導体装置の製造途中の活性領域の状態を示す断面図である(その2)。 実施の形態4にかかる半導体装置の製造途中の活性領域の状態を示す断面図である。 実施の形態5にかかる半導体装置の製造途中の活性領域の状態を示す断面図である(その1)。 実施の形態5にかかる半導体装置の製造途中の活性領域の状態を示す断面図である(その2)。 実施の形態5にかかる半導体装置の製造途中の活性領域の状態を示す断面図である(その3)。 実施の形態6にかかる半導体装置の製造途中の活性領域の状態を示す断面図である(その1)。 実施の形態6にかかる半導体装置の製造途中の活性領域の状態を示す断面図である(その2)。 実施の形態6にかかる半導体装置の製造途中の活性領域の状態を示す断面図である(その3)。 実施の形態6にかかる半導体装置の製造途中の活性領域の状態を示す断面図である(その4)。 レーザーアニールの強度の強い領域、弱い領域を作り分ける方法を示す図である(その1)。 レーザーアニールの強度の強い領域、弱い領域を作り分ける方法を示す図である(その2)。 レーザーアニールの強度の強い領域、弱い領域を作り分ける方法を示す図である(その3)。 従来のn型FS層を有するRC−IGBTの製造途中の状態を示す断面図である(その1)。 従来のn型FS層を有するRC−IGBTの製造途中の状態を示す断面図である(その2)。 従来のn型FS層を有するRC−IGBTの製造途中の状態を示す断面図である(その3)。
以下に添付図面を参照して、この発明にかかる半導体装置および半導体装置の製造方法の好適な実施の形態1を詳細に説明する。本明細書および添付図面においては、nまたはpを冠記した層や領域では、それぞれ電子または正孔が多数キャリアであることを意味する。また、nやpに付す+および−は、それぞれそれが付されていない層や領域よりも高不純物濃度および低不純物濃度であることを意味する。なお、以下の実施の形態1の説明および添付図面において、同様の構成には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。本明細書では、ミラー指数の表記において、“−”はその直後の指数につくバーを意味しており、指数の前に“−”を付けることで負の指数を表している。そして、同じまたは同等との記載は製造におけるばらつきを考慮して5%以内まで含むとするのがよい。
(実施の形態1)
実施の形態1にかかる半導体装置の構造について、RC−IGBTを例に説明する。図1は、実施の形態1にかかる半導体装置の構造を示す平面図である。図2は、実施の形態1にかかる半導体装置の構造を示す断面図である。図1および図2に示す実施の形態1にかかる半導体装置は、トレンチゲート構造のIGBTと、このIGBTに逆並列に接続したダイオードとを同一の半導体基板(半導体チップ)上に一体化したRC−IGBT150である。
図1に示すように、RC−IGBT150は、活性領域90と、活性領域90の周囲を囲むエッジ終端領域91とを備える。活性領域90は、オン状態のときに電流が流れる領域である。エッジ終端領域91は、ドリフト領域の半導体基体おもて面側の電界を緩和し耐圧を保持する耐圧保持領域を含む。なお、活性領域90とエッジ終端領域91との境界は、片側のみに後述するn+型エミッタ領域12が設けられた、または両側にn+型エミッタ領域12が設けられないダミートレンチ30の中心である。活性領域90の同一の半導体基板上に、IGBTの動作領域となるIGBT領域(トランジスタ部)70と、ダイオードの動作領域となるダイオード領域(ダイオード部)80とが並列に設けられている。
活性領域90のn-型ドリフト層となるn-型半導体基板(第1導電型の半導体基板)18のおもて面の表面層には、n型蓄積層16が設けられていてもよい。n型蓄積層16は、キャリアの広がり抵抗を低減させる、いわゆる電流拡散層(Current Spreading Layer:CSL)である。n型蓄積層16上(n-型半導体基板18のおもて面側)にIGBT領域70からダイオード領域80にわたってp型ベース領域(第2導電型の第1半導体領域)14が設けられている。p型ベース領域14は、ダイオード領域80においてp型アノード領域として機能する。p型ベース領域14を貫通してn-型半導体基板18に達するゲートトレンチ40およびダミートレンチ30が設けられている。ゲートトレンチ40は、両側にn+型エミッタ領域12が設けられ、IGBT領域70に所定の間隔で例えばストライプ状の平面レイアウトに配置され、p型ベース領域14を複数の領域(メサ部)に分離する。ゲートトレンチ40の内部には、ゲートトレンチ40の内壁に沿ってゲート絶縁膜50が設けられ、ゲート絶縁膜50の内側にゲート電極51が設けられている。ダミートレンチ30は、IGBT領域70のダイオード領域80およびエッジ終端領域との境界と、ダイオード領域80とに設けられ、ゲートトレンチ40と同一の構造を有してよい。
IGBT領域70において、p型ベース領域14の内部には、各メサ部にそれぞれn+型エミッタ領域(第1導電型の第2半導体領域)12が選択的に設けられている。n+型エミッタ領域12は、ゲートトレンチ40の内壁に設けられたゲート絶縁膜50を挟んでゲート電極51に対向する。ダイオード領域80において、p型ベース領域14の内部には、n+型エミッタ領域12は設けられていない。おもて面電極(第1電極)130は、コンタクトホールを介してn+型エミッタ領域12に接するとともに、層間絶縁膜38によってゲート電極51と電気的に絶縁されている。n+型エミッタ領域12には、選択的に開口が設けられ、その開口において、おもて面電極130とp型ベース領域14が電気的に接続していてもよい。おもて面電極130は、IGBT領域70においてエミッタ電極52として機能し、ダイオード領域80においてアノード電極として機能する。
-型半導体基板18の内部には、基板裏面側に、n+型フィールドストップ(FS)層(第1導電型の第1半導体層)20が設けられている。n+型FS層20は、オフ時にp型ベース領域14とn-型半導体基板18との間のpn接合から後述するp+型コレクタ領域22側に伸びる空乏層の伸びを抑制する機能を有する。n+型FS層20は、IGBT領域70とダイオード領域80とでは、異なった深さに設けられ、n+型FS層20は波打った形状となっている。一般的に、イオン注入によって異なる深さに不純物層を形成する場合、深い不純物層の方が浅い不純物層に比べ不純物層の厚さが厚くなる傾向があるが、実施の形態1にかかる半導体装置のn+型FS層20は、IGBT領域70でもダイオード領域80でも厚さwは製造におけるばらつきの範囲内であった。
図2に示すように、IGBT領域70では、ダイオード領域80より深い位置にn+型FS層20が設けられる。n+型FS層20は、図2に示すようにY軸方向へ延伸して設けられているIGBT領域70の全体で略同じ深さであってよい。また、n+型FS層20は、図2に示すようにY軸方向へ延伸して設けられているダイオード領域80の全体で略同じ深さであってよい。ここで、深い、浅いとはn-型半導体基板18の裏面を基準としており、深い位置とは、n-型半導体基板18の裏面からの距離が長いことを意味し、浅い位置とは、n-型半導体基板18の裏面からの距離が短いことを意味する。n-型半導体基板18の裏面とは、n-型半導体基板18の裏面側の表面層に設けられたp+型コレクタ領域22およびn+型カソード領域82の裏面電極24側の表面である。つまり、IGBT領域70でのn+型FS層20の深さd1は、ダイオード領域80でのn+型FS層20の深さd2より大きくなっている(d1>d2)。深さとは、n-型半導体基板18の裏面からn+型FS層20のおもて面側(p型ベース領域14側)の表面までの長さである。深さの差(d1−d2)は、0.5μm以上3μm以下であることが好ましい。IGBT領域70では、n+型FS層20とp+型コレクタ領域22との間に、深さの差(d1−d2)に対応する厚さのn-型半導体基板18が存在している。n+型FS層20とp+型コレクタ領域22との間にn-型半導体基板18が存在していることにより、n+型FS層20およびp+型コレクタ領域22の不純物濃度の高い領域が離れることで、この部分での耐圧が向上する。一方、ダイオード領域80では、n+型カソード領域82のおもて面側の表面(裏面電極24側と反対側の表面)にn+型FS層20が設けられてもよい。
これにより、ダイオード領域80では、ドリフト層であるn-型半導体基板18の厚さが厚く、空乏層がn-型半導体基板18の裏面に届きにくくなり、ダイオード領域80の耐圧を増加させることができる。例えば、スイッチング速度を高速化すると逆回復サージ電圧が大きくなり、素子破壊の危険性が高くなるが、ダイオード領域80のn+型FS層20を裏面から浅い(n-型半導体基板18の裏面からの距離が短い)位置に設けることで、十分な耐圧の確保が可能となり、大きな逆回復サージ電圧がかかった場合でも、素子が破壊されにくくなり、信頼性の高い半導体装置となる。
また、n-型半導体基板18の内部には、ダイオード領域80において、n+型FS層20よりもn-型半導体基板18のおもて面から浅い位置に、ヘリウム(He)照射によりライフタイムキラーとなる空孔(V)などの格子欠陥(×印で示す)を導入してなるライフタイム制御領域72が設けられている。ライフタイム制御領域72は、IGBT領域70の、ダイオード領域80との境界付近にまで延在していてもよい。また、ライフタイム制御領域72は、エッジ終端領域91のチップ端(エッジ終端領域91の活性領域90側とは反対側の端)まで延在していてもよい。n-型半導体基板18のキャリア濃度は、ライフタイム制御領域72を設けた部分で他の部分より低くなっている。このため、ダイオード領域80においてn-型半導体基板18のキャリアライフタイムが短くなり、ダイオードの逆回復時のキャリアの消滅を早めて逆回復損失を低減させることができる。
-型半導体基板18の裏面側の表面層の、n+型FS層20よりもn-型半導体基板18の裏面から浅い位置には、IGBT領域70にp+型コレクタ領域(第2導電型の第3半導体領域)22が設けられ、ダイオード領域80にn+型カソード領域(第1導電型の第4半導体領域)82が設けられている。n+型カソード領域82は、p+型コレクタ領域22に隣接する。裏面電極(第2電極)24は、p+型コレクタ領域22およびn+型カソード領域82の表面(n-型半導体基板の裏面全体)に設けられている。裏面電極24は、IGBT領域70においてコレクタ電極として機能し、ダイオード領域80においてカソード電極として機能する。
エッジ終端領域91の活性領域90側にp+型ウェル領域11が設けられる。エッジ終端領域91には、p+型のガードリング92およびチップ端部に接したn+型チャネルストッパ174が設けられる。また、チャネルストッパは、p型であってもよい。ガードリング92は、X軸方向負側から正側に向かって、複数設けられてよい。図2には、ガードリング92が複数設けられた状態の例を示している。
ガードリング92は、エッジ終端領域91に活性領域90を囲うように設けられてよい。ガードリング92が複数設けられている場合、ガードリング92の不純物濃度は同じであってもよい。また、フィールドプレート電極94が、n+型チャネルストッパ174およびガードリング92の表面と接するように層間絶縁膜38の上面に設けられている。
エッジ終端領域91の裏面構造は、ダイオード領域80と同様にn+型カソード領域82を設け、エッジ終端領域91のすべてに、n+型FS層20が浅い位置に設けられていることが好ましい。つまり、エッジ終端領域91でのn+型FS層20の深さd3は、ダイオード領域80でのn+型FS層20の深さd2とほぼ同じになっている(d3≒d2)。少なくとも、図2に示すように、チップ端部からp+型ウェル領域11までは、n+型FS層20が浅い位置に設けられていることが好ましい。これにより、エッジ終端領域91では、領域Aで示すように電界の幅が広くなり、活性領域90側のp+型ウェル領域11では、領域Bで示すように電界の幅が狭くなる。このため、アヴァランシェ降伏は活性領域90側のp+型ウェル領域11で発生しやすくなり、エッジ終端領域91が破壊されるのを防止することができる。
また、エッジ終端領域91のチップ端部からp+型ウェル領域11までのすべてに、n+型FS層20を浅い位置に設けられなくてもよい。アヴァランシェ降伏が発生しやすい箇所だけ、n+型FS層20を浅い位置に設けることで、この箇所にアヴァランシェ降伏を発生しにくくすることができる。
図3は、実施の形態1にかかる半導体装置のカソード領域のキャリア濃度分布を示す特性図である。図3において、縦軸はキャリア濃度を示し、単位はcm-3であり、横軸は、n-型半導体基板18の裏面からの深さを示し、単位はμmである。図3は、加速電圧110keV、ドーズ量3×1015cm-2でn+型カソード領域82を形成した場合のキャリア濃度をSR法(Spreading Resistance Profiler)で測定した結果である。図3では、約0.35μmのn+型カソード領域82が形成されていることがわかる。
図4は、実施の形態1にかかる半導体装置のFS層のキャリア濃度分布を示す特性図である。図4において、縦軸はキャリア濃度を示し、単位はcm-3であり、横軸は、n-型半導体基板18の裏面からの深さを示し、単位はμmである。図4は、加速電圧620keV、ドーズ量1.7×1012cm-2でn+型FS層20を形成した場合のキャリア濃度をSR法で測定した結果である。図4では、約1.4μmのn+型FS層20が形成されていることがわかる。
(実施の形態1にかかる半導体装置の製造方法)
次に、実施の形態1にかかる半導体装置の製造方法について説明する。図5は、実施の形態1にかかる半導体装置の製造方法を示すフローチャートである。図6〜図8は、実施の形態1にかかる半導体装置の製造途中の活性領域90の状態を示す断面図である。ここで、図6〜図8は、おもて面素子構造の図示を省略している。
まず、活性領域90のn型ドリフト層となるn-型半導体基板18のおもて面側に、一般的な方法により、ゲートトレンチ40、ゲート絶縁膜50およびゲート電極51を順に形成してMOSゲートを形成する。また、ダミートレンチ30も、活性領域90およびエッジ終端領域91の活性領域90側のn型ドリフト層となるn-型半導体基板18のおもて面側に、ゲートトレンチ40と同様に、形成する。n-型半導体基板18のおもて面側に、ゲートトレンチ40の底よりもn-型半導体基板18のおもて面から浅い深さで、例えばエピタキシャル成長によりn型蓄積層16を形成してもよい。
次に、エッジ終端領域91において、ホウ素(B)などのp型不純物のイオン注入により、基板おもて面の表面層に、p+型ウェル領域11およびガードリング92を選択的に形成する。次に、リン(P)や砒素(As)などのn型不純物のイオン注入により、基板おもて面の表面層に、n+型チャネルストッパ174を選択的に形成する。
次に、活性領域90およびエッジ終端領域91のp+型ウェル領域11より活性領域90側に、ホウ素(B)などのp型不純物のイオン注入により、ゲートトレンチ40の底よりもn-型半導体基板18のおもて面から浅い深さでp型ベース領域14を形成する。あるいは、n型蓄積層16のある場合はn型蓄積層16よりもn-型半導体基板18のおもて面から浅い深さでp型ベース領域14を形成する。上記製造方法では、ガードリング92およびn+型チャネルストッパ174を形成した後にp型ベース領域14を形成したが、p型ベース領域14を形成後にガードリング92およびn+型チャネルストッパ174を形成してもよい。
次に、リン(P)や砒素(As)などのn型不純物のイオン注入により、IGBT領域70のp型ベース領域14の内部にn+型エミッタ領域12を選択的に形成する。次に、ゲート電極51を覆うように、例えばBPSG膜などの層間絶縁膜38を堆積(形成)する。
次に、層間絶縁膜38をパターニングしてコンタクトホールを形成し、IGBT領域70においてn+型エミッタ領域12を露出させ、ダイオード領域80においてp型ベース領域14を露出させ、エッジ終端領域91においてn+型チャネルストッパ174、p+型ウェル領域11およびガードリング92を露出させる。次に、コンタクトホールの内部に、バリアメタル(不図示)を介してプラグ電極(不図示)を形成する。次に、例えばスパッタリング法により、コンタクトホールの内部のプラグ電極に接するように、層間絶縁膜38の表面全体を覆うおもて面電極130を形成する。エッジ終端領域91でも、例えばスパッタリング法により、コンタクトホールの内部のプラグ電極に接するように、層間絶縁膜38の表面の一部を覆うフィールドプレート電極94を形成する。このようにして、実施の形態1にかかる半導体装置のおもて面素子構造を形成する(ステップS1:第1工程〜第4工程)。
次に、n-型半導体基板18を裏面側から研削していき、半導体装置として用いる製品厚さの位置まで研削する。次に、n-型半導体基板18裏面全体に例えばホウ素(B)などのp型不純物をイオン注入100し、n-型半導体基板18裏面全体の表面層にp+型コレクタ領域22を形成する(ステップS2:第5工程)。パーティクルなどでp型不純物が注入されない箇所があると、耐圧不良となってしまうため、n-型半導体基板18の裏面が露出している状態でプロセスが進まないように、注入面が清浄である状態からすぐにp型不純物をイオン注入している。ここまでの状態が図6に記載される。
次に、フォトリソグラフィにより、n-型半導体基板18裏面上に、ダイオード領域80およびエッジ終端領域91に対応する部分を開口したレジストマスク101を形成する(ステップS3)。次に、このレジストマスク101をマスクとして例えばリン(P)などのn型不純物をイオン注入100し、n-型半導体基板18裏面の表面層の、ダイオード領域80およびエッジ終端領域91におけるp+型コレクタ領域22をn型に反転させてn+型カソード領域82を形成する(ステップS4:第6工程)。このようにして、n+型領域とp+型領域が並んだRFC(Relaxed Field of Cathode)構造が形成される。ここまでの状態が図7に記載される。
次に、灰化(アッシング)処理によりレジストマスク101を除去する。次に、n-型半導体基板18裏面全体に例えばリンなどのn型不純物をイオン注入100し、n-型半導体基板18の内部にn+型FS層20を形成する(ステップS5:第6工程)。ここまでの状態が図8に記載される。
ここで、n+型カソード領域82とp+型コレクタ領域22とに注入された不純物を活性化する前に、n+型カソード領域82およびp+型コレクタ領域22越しにイオン注入を行っている。n+型カソード領域82とp+型コレクタ領域22とで、結晶欠陥の量に差があり、n+型カソード領域82で結晶欠陥が多いため、n型不純物はn+型カソード領域82を通過しにくくなっている。このため、IGBT領域70では、ダイオード領域80よりn-型半導体基板18の裏面から深い位置にn+型FS層20が形成され、n+型FS層20は波打った形状に形成される。このため、実施の形態1では、従来よりもプロセス工数を増やすことなく、1回のイオン注入で、IGBT領域70では、深い位置にn+型FS層20を形成して、ダイオード領域80では、浅い位置にn+型FS層20を形成することができる。
このように、結晶欠陥の量に差がある領域を形成して、アニールを行わず、不純物を活性化する前にn+型FS層20を形成するためのイオン注入を行う。これにより、n+型FS層20が波打った形状に形成される。上述の方法では、結晶欠陥の量に差がある領域の形成方法として、n+型カソード領域82とp+型コレクタ領域22とを形成しているが、この方法に限らない。例えば、アルゴン(Ar)あるいはキセノン(Xe)などの希ガス元素、あるいはシリコン(Si)などの基板の電気特性に影響を及ぼさない元素などをn-型半導体基板18裏面に選択的に注入することにより、結晶欠陥の量に差がある領域を形成してもよい。この場合、ダイオード領域80に例えばアルゴンを注入し、アニールを行う前に、n-型半導体基板18裏面全体に例えばリンなどのn型不純物をイオン注入することで、IGBT領域70では、ダイオード領域80よりn-型半導体基板18の裏面から深い位置にn+型FS層20が形成され、n+型FS層20は波打った形状に形成される。また、チャネリングを考慮して、イオン注入の際にチャネリングの起こりやすい結晶方位からイオン注入することによって、結晶欠陥量の差により波打った形状が形成される効果が顕著となり、波打った形状のn+型FS層20を形成可能となる。
また、n+型FS層20を形成するためのイオン種は、リン、水素、ヒ素(As)等が挙げられる。その中でもリンであることが好ましい。その理由は、リンを用いてn+型FS層20を形成するイオン注入をすることで、結晶欠陥量の差により波打った形状が形成される効果が顕著になり、波打ったn+型FS層20がより容易に形成されるためである。水素はリンより軽い元素であるため、より深くにまで注入が可能であり、リンを用いる場合より、深い位置に波打ったn+型FS層20を形成しやすい。ヒ素はリンよりも重い元素であるため、リンを用いる場合より、浅い位置に波打ったn+型FS層20を形成するのに大きなエネルギーで注入する必要がある。その他に用いられることのあるイオン種として、セレン、硫黄等があるが、拡散しやすいため、n+型FS層20は波打った形状に形成されにくい。
また、n-型半導体基板18裏面に選択的にn型不純物、例えばリン(P)あるいはヒ素(As)などをイオン注入し、n-型半導体基板18のダイオード領域80における裏面の表面層に選択的にn+型カソード領域82を形成し、その後に、n-型半導体基板18裏面に選択的にp型不純物、例えばホウ素(B)をイオン注入し、IGBT領域70における裏面の表面層に選択的にp+型コレクタ領域22を形成した後、n+型FS層20を形成するn型不純物をイオン注入することでも、RFC構造が形成されるとともに、n+型FS層20を形成することができる。n型不純物であるリンあるいはヒ素は、p型不純物であるホウ素よりも質量数が大きく結晶欠陥ができやすいため、結晶欠陥の量に差がある領域を形成できる。n+型カソード領域82およびp+型コレクタ領域22を形成する順番は適宜変更可能である。
なお、n-型半導体基板18裏面全体にn型不純物をイオン注入し、n-型半導体基板18裏面全体の表面層にn+型カソード領域82を形成し、その後に、n-型半導体基板18裏面に選択的にp型不純物をイオン注入し、IGBT領域70におけるn+型カソード領域82をp型に反転させてp+型コレクタ領域22を形成した後、n+型FS層20を形成するn型不純物をイオン注入することで、RFC構造が形成されるとともに、実施の形態1と逆に波打ったn+型FS層20を形成することができる。つまり、この場合IGBT領域70では、ダイオード領域80よりn-型半導体基板18の裏面から浅い位置にn+型FS層20が形成される。
なお、フォトリソグラフィにより、n-型半導体基板18裏面上に、IGBT領域70に対応する部分を開口したレジストマスク101を形成し、このレジストマスク101をマスクとして例えばp型不純物をイオン注入し、n-型半導体基板18裏面の表面層に選択的に、p+型コレクタ領域22を形成した後、n-型半導体基板18裏面全体の表面層にn型不純物をイオン注入し、p+型コレクタ領域22をn型に反転させないようn+型カソード領域82を形成し、その後n+型FS層20を形成するn型不純物をイオン注入する。この製造方法によっても、RFC構造が形成されるとともに、実施の形態1と逆に波打ったn+型FS層20を形成することができる。つまり、IGBT領域70では、ダイオード領域80よりn-型半導体基板18の裏面から浅い位置にn+型FS層20が形成される。
次に、熱処理(アニール)により、n+型カソード領域82、p+型コレクタ領域22およびn+型FS層20を活性化させる。n+型FS層20の活性化に適した温度と、他の不純物により形成された層の活性化に適した温度が異なるため、n+型FS層20の活性化は、n+型カソード領域82とp+型コレクタ領域22との活性化と別に行う。例えば、n+型カソード領域82とp+型コレクタ領域22の活性化はレーザーによる加熱で行ってもよい。n+型FS層20の活性化は、n+型カソード領域82とp+型コレクタ領域22の活性化とは、処理条件を変えたレーザーによる加熱で行ってもよいし、400℃程度以下の比較的低温での炉によるアニールで行ってもよい。次に、基板おもて面全体を例えばポリイミド膜などの表面保護膜(不図示)で覆った後、表面保護膜をパターニングしておもて面電極130や各電極パッドを露出させる。
次に、基板裏面からヘリウム照射を行い、ダイオード領域80からIGBT領域70の、ダイオード領域80との境界付近にわたってn-型半導体基板18にライフタイムキラーとなる格子欠陥を導入し、ライフタイム制御領域72を形成する。
次に、熱処理(アニール)により、ヘリウム照射による格子欠陥を回復させて半導体基板中の格子欠陥量を調整することにより、キャリアライフタイムを調整する。
次に、半導体基板の裏面全体に、n+型カソード領域82およびp+型コレクタ領域22に接する裏面電極24を形成する。その後、半導体ウエハを切断(ダイシング)して個々のチップ状に個片化することで、図2に示すRC−IGBT150が完成する。
以上、説明したように、実施の形態1によれば、IGBT領域では、ダイオード領域よりn-型半導体基板の裏面から深い位置にn+型FS層が設けられる。これにより、ダイオード領域では、ドリフト層であるn-型半導体基板の厚さが厚く、空乏層がn-型半導体基板の裏面に届きにくくなり、ダイオード領域の耐圧を増加させることができる。このため、十分な耐圧の確保が可能となり、大きな逆回復サージ電圧がかかった場合でも、素子が破壊されにくくなり、信頼性の高い半導体装置となる。
(実施の形態2)
実施の形態2にかかる半導体装置の構造は、実施の形態1にかかる半導体装置の構造と同じであるため、記載を省略する。
(実施の形態2にかかる半導体装置の製造方法)
次に、実施の形態2にかかる半導体装置の製造方法について説明する。図9〜図12は、実施の形態2にかかる半導体装置の製造途中の活性領域90の状態を示す断面図である。ここで、図9〜図12は、おもて面素子構造の図示を省略している。これ以降の図13〜図22も同様である。
まず、実施の形態1と同様に、n型ドリフト層となるn-型半導体基板18のおもて面側に、おもて面素子構造を形成する(第1工程〜第4工程)。
次に、n-型半導体基板18を裏面側から研削していき、半導体装置として用いる製品厚さの位置まで研削する。次に、n-型半導体基板18裏面全体に例えばホウ素(B)などのp型不純物をイオン注入100し、n-型半導体基板18裏面全体の表面層にp+型コレクタ領域22を形成する(第5工程)。パーティクルなどでp型不純物が注入されない箇所があると、耐圧不良となってしまうため、n-型半導体基板18の裏面が露出している状態でプロセスが進まないように、注入面が清浄である状態からすぐにp型不純物をイオン注入している。ここまでの状態が図9に記載される。
次に、n-型半導体基板18裏面からレーザーアニール102を行う(第6工程)。バンド端よりも高エネルギーのレーザーを照射し、加熱することでイオン注入したp型不純物を活性化させる。この際、レーザーの走査速度を変化させる等により、レーザーアニール102の強度の強い領域、弱い領域を作り分ける。レーザーアニールの強度については図24〜図25を用いて後述する。図10において、細い矢印がレーザーアニール102の強度の弱い部分で、太い矢印がレーザーアニール102の強度の強い部分であることを示す。p型不純物をイオン注入100により、p+型コレクタ領域22に結晶欠陥が形成されるが、レーザーアニール102が強いと、熱により多くの結晶欠陥が回復して、結晶欠陥の密度が低い領域ができる。一方、レーザーアニール102が弱いと、熱により多くの結晶欠陥が十分に回復せず、結晶欠陥の密度が高い領域ができる。このように、レーザーアニール102の強度の強弱により、n-型半導体基板18の裏面に結晶欠陥の量の差を作る。
例えば、レーザーアニール102時にレーザー光を平行に走査して、縦軸50%以上のオーバーラップ率(重なりあう部分の面積の割合)で、パルス幅を半値幅で100ns以上300ns以下、エネルギー密度jを1.6J/cm2以上2.0J/cm2以下、周波数を1kHz〜3kHzとすることで、結晶欠陥をなくすことができる。このため、上記の条件より、レーザーのエネルギー密度jを小さくすることで、結晶欠陥が残る部分を形成することができる。
ここで、実施の形態2では、n+型カソード領域82が形成される領域に対するレーザーアニールの強度を、p+型コレクタ領域22が形成される領域に対するレーザーアニールの強度より弱くしている。これにより、p+型コレクタ領域22が形成される領域に結晶欠陥の密度が低い領域を形成し、n+型カソード領域82が形成される領域に結晶欠陥の密度が高い領域を形成する。ここまでの状態が図10に記載される。
次に、n-型半導体基板18裏面全体に例えばリンなどのn型不純物をイオン注入100し、n-型半導体基板18の内部にn+型FS層20を形成する(第7工程)。n-型半導体基板18裏面に、結晶欠陥の量に差があり、結晶欠陥の密度が高い領域では、n型不純物はn+型カソード領域82を通過しにくくなっている。このため、IGBT領域70では、ダイオード領域80よりn-型半導体基板18の裏面から深い位置にn+型FS層20が形成され、n+型FS層20は波打った形状に形成される。このため、実施の形態2では、1回のイオン注入で、IGBT領域70では、深い位置にn+型FS層20を形成して、ダイオード領域80では、浅い位置にn+型FS層20を形成することができる。ここまでの状態が図11に記載される。
次に、フォトリソグラフィにより、n-型半導体基板18裏面上に、ダイオード領域80およびエッジ終端領域91に対応する部分を開口したレジストマスク101を形成する。次に、このレジストマスク101をマスクとして例えばリン(P)などのn型不純物をイオン注入100し、n-型半導体基板18裏面の表面層の、ダイオード領域80およびエッジ終端領域91におけるp+型コレクタ領域22をn型に反転させてn+型カソード領域82を形成する(第8工程)。このようにして、n+型領域とp+型領域が並んだRFC(Relaxed Field of Cathode)構造が形成される。ここまでの状態が図12に記載される。
次に、灰化(アッシング)処理によりレジストマスク101を除去する。また、n+型FS層20を形成するためのイオン種は、リン、水素、ヒ素(As)等が挙げられる。その中でもリンであることが好ましい。その理由は、リンを用いてn+型FS層20を形成するイオン注入をすることで、結晶欠陥量の差により波打った形状が形成される効果が顕著になり、波打ったn+型FS層20がより容易に形成されるためである。水素はリンより軽い元素であるため、より深くにまで注入が可能であり、リンを用いる場合より、深い位置に波打ったn+型FS層20を形成しやすい。ヒ素はリンよりも重い元素であるため、リンを用いる場合より、浅い位置に波打ったn+型FS層20を形成するのに大きなエネルギーで注入する必要がある。その他に用いられることのあるイオン種として、セレン、硫黄等があるが、拡散しやすいため、n+型FS層20は波打った形状に形成されにくい。
次に、熱処理(アニール)により、n+型カソード領域82およびn+型FS層20を活性化させる。n+型FS層20の活性化に適した温度と、他の不純物により形成された層の活性化に適した温度が異なるため、n+型FS層20の活性化は、n+型カソード領域82の活性化と別に行う。例えば、n+型カソード領域82の活性化はレーザーによる加熱で行ってもよい。n+型FS層20の活性化は、n+型カソード領域82の活性化とは、処理条件を変えたレーザーによる加熱で行ってもよいし、400℃程度以下の比較的低温での炉によるアニールで行ってもよい。次に、基板おもて面全体を例えばポリイミド膜などの表面保護膜(不図示)で覆った後、表面保護膜をパターニングしておもて面電極130や各電極パッドを露出させる。
次に、基板裏面からヘリウム照射を行い、ダイオード領域80からIGBT領域70の、ダイオード領域80との境界付近にわたってn-型半導体基板18にライフタイムキラーとなる格子欠陥を導入し、ライフタイム制御領域72を形成する。
次に、熱処理(アニール)により、ヘリウム照射による格子欠陥を回復させて半導体基板中の格子欠陥量を調整することにより、キャリアライフタイムを調整する。
次に、半導体基板の裏面全体に、n+型カソード領域82およびp+型コレクタ領域22に接する裏面電極24を形成する(第9工程)。その後、半導体ウエハを切断(ダイシング)して個々のチップ状に個片化することで、図1および図2に示すRC−IGBT150が完成する。
以上、説明したように、実施の形態2によれば、実施の形態1と同様にIGBT領域では、ダイオード領域よりn-型半導体基板の裏面から深い位置にn+型FS層が設けられる。これにより、実施の形態1と同様の効果を有する。
(実施の形態3)
実施の形態3にかかる半導体装置の構造は、実施の形態1にかかる半導体装置の構造と同じであるため、記載を省略する。
(実施の形態3にかかる半導体装置の製造方法)
次に、実施の形態3にかかる半導体装置の製造方法について説明する。図13および図14は、実施の形態3にかかる半導体装置の製造途中の活性領域90の状態を示す断面図である。
まず、実施の形態1と同様に、n型ドリフト層となるn-型半導体基板18のおもて面側に、おもて面素子構造を形成する(第1工程〜第4工程)。
次に、n-型半導体基板18を裏面側から研削していき、半導体装置として用いる製品厚さの位置まで研削する。次に、n-型半導体基板18裏面全体に例えばホウ素(B)などのp型不純物をイオン注入100し、n-型半導体基板18裏面全体の表面層にp+型コレクタ領域22を形成する(第5工程)。パーティクルなどでp型不純物が注入されない箇所があると、耐圧不良となってしまうため、n-型半導体基板18の裏面が露出している状態でプロセスが進まないように、注入面が清浄である状態からすぐにp型不純物をイオン注入している。ここまでの状態は実施の形態2の図9と同じになる。
次に、フォトリソグラフィにより、n-型半導体基板18裏面上に、ダイオード領域80およびエッジ終端領域91に対応する部分を開口したレジストマスク(不図示)を形成する。次に、このレジストマスクをマスクとして例えばリン(P)などのn型不純物をイオン注入100し、n-型半導体基板18裏面の表面層の、ダイオード領域80およびエッジ終端領域91におけるp+型コレクタ領域22をn型に反転させてn+型カソード領域82を形成する(第6工程)。このようにして、n+型領域とp+型領域が並んだRFC構造が形成される。
次に、灰化(アッシング)処理によりレジストマスクを除去する。次に、n-型半導体基板18裏面からレーザーアニール102を行うことにより、n+型カソード領域82およびp+型コレクタ領域22を活性化させる(第7工程)。バンド端よりも高エネルギーのレーザーを照射し、加熱することでイオン注入したp型不純物およびn型不純物を活性化させる。この際、レーザーの走査速度を変化させる等により、レーザーアニール102の強度の強い領域、弱い領域を作り分ける。図13において、細い矢印がレーザーアニール102の弱い部分で、太い矢印がレーザーアニール102の強い部分であることを示す。レーザーアニール102が強いと、熱により多くの結晶欠陥が回復して、結晶欠陥の密度が低い領域ができる。一方、レーザーアニール102が弱いと、熱により多くの結晶欠陥が十分に回復せず、結晶欠陥の密度が高い領域ができる。このように、レーザーアニール102の強弱により、n-型半導体基板18の裏面に結晶欠陥の差を作る。
ここで、実施の形態3では、n+型カソード領域82が形成される領域に対するレーザーアニールの強度を、p+型コレクタ領域22が形成される領域に対するレーザーアニールの強度より弱くしている。これにより、p+型コレクタ領域22が形成される領域に結晶欠陥の密度が低い領域を形成し、n+型カソード領域82が形成される領域に結晶欠陥の密度が高い領域を形成する。ここまでの状態が図13に記載される。
次に、n-型半導体基板18裏面全体に例えばリンなどのn型不純物をイオン注入100し、n-型半導体基板18の内部にn+型FS層20を形成する(第8工程)。n-型半導体基板18裏面に、結晶欠陥の量に差があり、結晶欠陥の密度が高い領域では、n型不純物はn+型カソード領域82を通過しにくくなっている。このため、IGBT領域70では、ダイオード領域80よりn-型半導体基板18の裏面から深い位置にn+型FS層20が形成され、n+型FS層20は波打った形状に形成される。このため、実施の形態3では、1回のイオン注入で、IGBT領域70では、深い位置にn+型FS層20を形成して、ダイオード領域80では、浅い位置にn+型FS層20を形成することができる。ここまでの状態が図14に記載される。
実施の形態3では、レーザーアニール102の前に、n+型カソード領域82およびp+型コレクタ領域22の形成のためイオン注入を行っている。このため、p+型コレクタ領域22の形成のためイオン注入のみである実施の形態2より、結晶欠陥の差が多くなっており、IGBT領域70とダイオード領域80とでn+型FS層20の深さの差をより大きくすることができる。また、n+型カソード領域82の部分のレーザーアニール102の強弱を変化させることで、ダイオード領域80でのn+型FS層20の深さを調節することが可能になる。
次に、熱処理(アニール)により、n+型FS層20を活性化させる。n+型FS層20の活性化は、n+型カソード領域82の活性化とは、処理条件を変えたレーザーによる加熱で行ってもよいし、400℃程度以下の比較的低温での炉によるアニールで行ってもよい。次に、基板おもて面全体を例えばポリイミド膜などの表面保護膜(不図示)で覆った後、表面保護膜をパターニングしておもて面電極130や各電極パッドを露出させる。
次に、基板裏面からヘリウム照射を行い、ダイオード領域80からIGBT領域70の、ダイオード領域80との境界付近にわたってn-型半導体基板18にライフタイムキラーとなる格子欠陥を導入し、ライフタイム制御領域72を形成する。
次に、熱処理(アニール)により、ヘリウム照射による格子欠陥を回復させて半導体基板中の格子欠陥量を調整することにより、キャリアライフタイムを調整する。
次に、半導体基板の裏面全体に、n+型カソード領域82およびp+型コレクタ領域22に接する裏面電極24を形成する(第9工程)。その後、半導体ウエハを切断(ダイシング)して個々のチップ状に個片化することで、図2に示すRC−IGBT150が完成する。
以上、説明したように、実施の形態3によれば、実施の形態1と同様にIGBT領域では、ダイオード領域よりn-型半導体基板の裏面から深い位置にn+型FS層が設けられる。これにより、実施の形態1と同様の効果を有する。実施の形態3では、レーザーアニールの前に、n+型カソード領域およびp+型コレクタ領域の形成のためイオン注入を行っている。このため、p+型コレクタ領域の形成のためイオン注入のみである実施の形態2より、結晶欠陥が多くなっており、IGBT領域とダイオード領域でのn+型FS層の深さをより大きくすることができる。
(実施の形態4)
実施の形態1〜3では、トレンチゲート構造のIGBTと、このIGBTに逆並列に接続したダイオードとを同一の半導体基板(半導体チップ)上に一体化したRC−IGBT150であった。しかしながら、本発明は、RC−IGBT150だけでなく、IGBT単体、ダイオード単体にも適用可能である。
実施の形態4にかかる半導体装置のIGBTの構造は、図2において、IGBT領域70とエッジ終端領域91とから構成される。つまり、図2から、ダイオード領域80を除外した構成である。一方、実施の形態4にかかる半導体装置のダイオードの構造は、図2において、ダイオード領域80とエッジ終端領域91とから構成される。つまり、図2から、IGBT領域70を除外した構成である。
(実施の形態4にかかる半導体装置の製造方法)
次に、実施の形態4にかかる半導体装置の製造方法について説明する。図15は、実施の形態4にかかる半導体装置の製造途中の活性領域90の状態を示す断面図である。図15は、IGBTを形成した場合の製造途中の活性領域90の状態であり、ダイオードを形成した場合の製造途中の活性領域90の状態は、p+型コレクタ領域22の部分がn+型カソード領域82となる。
まず、実施の形態1と同様に、n型ドリフト層となるn-型半導体基板18のおもて面側に、おもて面素子構造を形成する(第1工程〜第4工程、第1工程〜第3工程、IGBTの場合、ダイオードの場合の順で示す。以下も同様である。)。
次に、n-型半導体基板18を裏面側から研削していき、半導体装置として用いる製品厚さの位置まで研削する。次に、n-型半導体基板18裏面全体に例えばホウ素(B)またはリン(P)などのp型不純物またはn型不純物をイオン注入100し、n-型半導体基板18裏面全体の表面層にp+型コレクタ領域22またはn+型カソード領域82を形成する(第5工程、第4工程)。パーティクルなどでp型不純物またはn型不純物が注入されない箇所があると、耐圧不良となってしまうため、n-型半導体基板18の裏面が露出している状態でプロセスが進まないように、注入面が清浄である状態からすぐにp型不純物またはn型不純物をイオン注入している。IGBTを形成した場合のこれまでの状態は、実施の形態2の図9と同じになる。ダイオードを形成した場合のこれまでの状態は、実施の形態2の図9でp+型コレクタ領域22の部分がn+型カソード領域82となる。
次に、n-型半導体基板18裏面からレーザーアニール102を行う(第6工程、第5工程)。バンド端よりも高エネルギーのレーザーを照射し、加熱することでイオン注入したp型不純物またはn型不純物を活性化させる。この際、レーザーの走査速度を変化させる等により、p+型コレクタ領域22またはn+型カソード領域82の所定の領域に対するレーザーアニールの強度を、p+型コレクタ領域22またはn+型カソード領域82の所定の領域以外の領域に対するレーザーアニールの強度より弱くして、レーザーアニール102の強度の強い領域、弱い領域を作り分ける。ここで、実施の形態4では、所定の領域をn+型FS層20を深く形成する領域として、結晶欠陥の密度が低い領域を形成し、所定の領域以外の領域をn+型FS層20を浅く形成する領域として、結晶欠陥の密度が高い領域を形成する。
次に、n-型半導体基板18裏面全体に例えばリンなどのn型不純物をイオン注入100し、n-型半導体基板18の内部にn+型FS層20を形成する第6工程、第5工程)。n-型半導体基板18裏面に、結晶欠陥の量に差があり、結晶欠陥の密度が高い領域では、n型不純物はn+型カソード領域82を通過しにくくなっている。このため、n+型FS層20は波打った形状に形成される。このため、実施の形態4では、1回のイオン注入で、IGBTおよびダイオードに、波打った形状のn+型FS層20を形成することができる。ここまでの状態が図15に記載される。
この後、実施の形態1の熱処理(アニール)以降の工程を行うことにより、IGBTまたはダイオードが完成する。
以上、説明したように、実施の形態4によれば、IGBT単体およびダイオード単体に対して、波打った形状のn+型FS層を形成することができる。例えば、IGBTまたはダイオードにおいて、活性領域とエッジ終端領域でn+型FS層の深さを変えて、活性領域とエッジ終端領域とで耐圧を異なるようにすることができる。
(実施の形態5)
実施の形態5にかかる半導体装置の構造は、実施の形態4にかかる半導体装置の構造と同じである。つまり、IGBT単体、ダイオード単体の構造である。
(実施の形態5にかかる半導体装置の製造方法)
次に、実施の形態5にかかる半導体装置の製造方法について説明する。図16〜図18は、実施の形態5にかかる半導体装置の製造途中の活性領域90の状態を示す断面図である。図16〜図18は、IGBTを形成した場合の製造途中の活性領域90の状態であり、ダイオードを形成した場合の製造途中の活性領域90の状態は、p+型コレクタ領域22の部分がn+型カソード領域82となる。
まず、実施の形態1と同様に、n型ドリフト層となるn-型半導体基板18のおもて面側に、おもて面素子構造を形成する(第1工程〜第4工程、第1工程〜第3工程)。
次に、n-型半導体基板18を裏面側から研削していき、半導体装置として用いる製品厚さの位置まで研削する。次に、n-型半導体基板18裏面全体に例えばホウ素(B)またはリン(P)などのp型不純物またはn型不純物をイオン注入100し、n-型半導体基板18裏面全体の表面層にp+型コレクタ領域22またはn+型カソード領域82を形成する(第5工程、第4工程)。パーティクルなどでp型不純物またはn型不純物が注入されない箇所があると、耐圧不良となってしまうため、n-型半導体基板18の裏面が露出している状態でプロセスが進まないように、注入面が清浄である状態からすぐにp型不純物またはn型不純物をイオン注入している。IGBTを形成した場合のこれまでの状態は、実施の形態2の図9と同じになる。ダイオードを形成した場合のこれまでの状態は、実施の形態2の図9でp+型コレクタ領域22の部分がn+型カソード領域82となる。
次に、n-型半導体基板18裏面からレーザーアニール102を行う。バンド端よりも高エネルギーのレーザーを照射し、加熱することでイオン注入したp型不純物またはn型不純物を活性化させる(第6工程、第5工程)。この際、レーザーアニール102の強度は均一に行う。ここまでの状態が図16に記載される。
次に、フォトリソグラフィにより、n-型半導体基板18裏面上に、n+型FS層20を浅く形成する領域に対応する部分を開口したレジストマスク101を形成する。次に、このレジストマスク101をマスクとしてアルゴン(Ar)またはSiをイオン注入100する。アルゴン(Ar)またはSiが注入された領域は、結晶欠陥が崩れ、結晶欠陥の密度が低い領域となる(第7工程、第6工程)。ここまでの状態が図17に記載される。
次に、灰化(アッシング)処理によりレジストマスク101を除去する。次に、n-型半導体基板18裏面全体に例えばリンなどのn型不純物をイオン注入100し、n-型半導体基板18の内部にn+型FS層20を形成する(第8工程、第7工程)。n-型半導体基板18裏面に、結晶欠陥の量に差があり、結晶欠陥の密度が高い領域では、n型不純物はn+型カソード領域82を通過しにくくなっている。このため、n+型FS層20は波打った形状に形成される。このため、実施の形態5では、1回のイオン注入で、IGBTおよびダイオードに、波打った形状のn+型FS層20を形成することができる。ここまでの状態が図18に記載される。
この後、実施の形態1の熱処理(アニール)以降の工程を行うことにより、IGBTまたはダイオードが完成する。
以上、説明したように、実施の形態5によれば、実施の形態4と同様にIGBT単体およびダイオード単体に、波打った形状のn+型FS層を形成することができる。これにより、実施の形態4と同様の効果を有する。
(実施の形態6)
実施の形態6にかかる半導体装置の構造は、実施の形態4にかかる半導体装置の構造と同じである。つまり、IGBT単体、ダイオード単体の構造である。
(実施の形態6にかかる半導体装置の製造方法)
次に、実施の形態6にかかる半導体装置の製造方法について説明する。図19〜図22は、実施の形態6にかかる半導体装置の製造途中の活性領域90の状態を示す断面図である。図19〜図22は、IGBTを形成した場合の製造途中の活性領域90の状態であり、ダイオードを形成した場合の製造途中の活性領域90の状態は、p+型コレクタ領域22の部分がn+型カソード領域82となる。
まず、実施の形態1と同様に、n型ドリフト層となるn-型半導体基板18のおもて面側に、おもて面素子構造を形成する(第1工程〜第4工程、第1工程〜第3工程)。
次に、n-型半導体基板18を裏面側から研削していき、半導体装置として用いる製品厚さの位置まで研削する。次に、n-型半導体基板18裏面全体に例えばホウ素(B)またはリン(P)などのp型不純物またはn型不純物をイオン注入100し、n-型半導体基板18裏面全体の表面層にp+型コレクタ領域22またはn+型カソード領域82を形成する(第5工程、第4工程)。パーティクルなどでp型不純物またはn型不純物が注入されない箇所があると、耐圧不良となってしまうため、n-型半導体基板18の裏面が露出している状態でプロセスが進まないように、注入面が清浄である状態からすぐにp型不純物またはn型不純物をイオン注入している。ここまでの状態が図19に記載される。
次に、フォトリソグラフィにより、n-型半導体基板18裏面上に、n+型FS層20を浅く形成する領域に対応する部分を開口したレジストマスク101を形成する。次に、このレジストマスク101をマスクとしてArまたはSiをイオン注入100する。ArまたはSiが注入された領域は、結晶欠陥が崩れ、結晶欠陥の密度が低い領域となる(第7工程、第6工程)。ここまでの状態が図20に記載される。
次に、灰化(アッシング)処理によりレジストマスク101を除去する。次に、n-型半導体基板18裏面からレーザーアニール102を行う。バンド端よりも高エネルギーのレーザーを照射し、加熱することでイオン注入したp型不純物またはn型不純物を活性化させる(第6工程、第5工程)。この際、レーザーアニール102の強度は均一に行う。ここまでの状態が図21に記載される。
次に、n-型半導体基板18裏面全体に例えばリンなどのn型不純物をイオン注入100し、n-型半導体基板18の内部にn+型FS層20を形成する(第8工程、第7工程)。n-型半導体基板18裏面には、イオン注入100の影響で、レーザーアニール102の後でも結晶欠陥の量に差がある。結晶欠陥の密度が高い領域では、n型不純物はn+型カソード領域82を通過しにくくなっている。このため、n+型FS層20は波打った形状に形成される。このため、実施の形態5では、1回のイオン注入で、IGBTおよびダイオードに、波打った形状のn+型FS層20を形成することができる。ここまでの状態が図22に記載される。実施の形態6では、p型不純物またはn型不純物をイオン注入した後にレーザーアニール102を行っているため、実施の形態5より、結晶欠陥の量を少なくでき、n+型FS層20の深さの差を、実施の形態5より小さくすることができる。
この後、実施の形態1の熱処理(アニール)以降の工程を行うことにより、IGBTまたはダイオードが完成する。
以上、説明したように、実施の形態6によれば、実施の形態4と同様にIGBT単体およびダイオード単体に、波打った形状のn+型FS層を形成することができる。これにより、実施の形態4と同様の効果を有する。
次に、レーザーアニールの強度の強い領域、弱い領域を作り分ける方法を説明する。図23〜図25は、レーザーアニールの強度の強い領域、弱い領域を作り分ける方法を示す図である。図23では、レーザーアニールの際、レーザーの走査速度を変化させている。例えば、図23のAのようにレーザーの走査速度を遅くすることで、単位面積あたりに照射されるレーザーの時間を増やして、レーザーアニールの強度の強い領域を形成することができる。また、図23のBのようにレーザーの走査速度を速くすることで、単位面積あたりに照射されるレーザーの時間を減らして、レーザーアニールの強度の弱い領域を形成することができる。また、レーザーの走査速度を同じにして、電気的なフィルター等でレーザーパルスを間引くことで、単位面積あたりに照射されるレーザーの量を減らして、レーザーアニールの強度の弱い領域を形成することもできる。
図24では、レーザーアニールの際、レーザーパルスのオーバーラップの重なりを変化させている。例えば、図24のAのように走査ラインを移すとき、移す長さを短くして、隣の走査ラインとの重なりを多くすることで、単位面積あたりに照射されるレーザー照射の回数を増やして、レーザーアニールの強度の強い領域を形成する。また、図24のBのように走査ラインを移すとき、移す長さを長くして、隣の走査ラインとの重なりを少なくすることで、単位面積あたりに照射されるレーザー照射の回数を減らして、レーザーアニールの強度の弱い領域を形成する。例えば、同じ箇所に4回レーザーが照射されるようにして、レーザーアニールの強度の強い領域を形成し、同じ箇所に2回レーザーが照射されるようにして、レーザーアニールの強度の弱い領域を形成する。この方法は、パルスレーザーではなく連続波レーザーにも適用可能である。
図25では、レーザーアニールの際、レーザーパルスのエネルギーを変化させている。例えば、図25のAのようにレーザーパルスのエネルギーを高くすることで、単位面積あたりに照射されるレーザーのエネルギーを増やして、レーザーアニールの強度の強い領域を形成する。また、図25のBのようにレーザーパルスのエネルギーを低くすることで、単位面積あたりに照射されるレーザーのエネルギーを減らして、レーザーアニールの強度の弱い領域を形成する。例えば、マスク(シャッター/フィルター)を介してレーザー照射することで、任意のパターンでレーザー強度分布を生じさせることができ、これにより基板の任意の位置のレーザー強度を高くすることができる。この方法は、パルスレーザーではなく連続波レーザーにも適用可能である。
これ以外にも、レーザーの波長を変えることで、レーザーアニールの強度の強い領域、弱い領域を作り分けることも可能である。これらの中で、パルスレーザーのスポットは矩形の形状であるため、オーバーラップの重なりを変化させることや、フィルターでレーザーパルスを間引くことが好ましい。
以上において本発明では、シリコン基板の第1主面上にMOSゲート構造を構成した場合を例に説明したが、これに限らず、半導体の種類(例えば、炭化珪素(SiC)など)、基板主面の面方位などを種々変更可能である。また、本発明の実施の形態1では、トレンチ型RC−IGBTを例に説明したが、これに限らず、プレーナ型半導体装置など様々な構成の半導体装置に適用可能である。また、本発明では、各実施の形態1では第1導電型をn型とし、第2導電型をp型としたが、本発明は第1導電型をp型とし、第2導電型をn型としても同様に成り立つ。
以上のように、本発明にかかる半導体装置および半導体装置の製造方法は、電力変換装置や種々の産業用機械などの電源装置などに使用される高耐圧半導体装置に有用である。
11 p+型ウェル領域
12 n+型エミッタ領域
14 p型ベース領域
16 n型蓄積層
18、118 n-型半導体基板
20、120 n+型FS層
22、122 p+型コレクタ領域
24 裏面電極
30 ダミートレンチ
38 層間絶縁膜
40 ゲートトレンチ
50 ゲート絶縁膜
51 ゲート電極
52 エミッタ電極
70 IGBT領域
72 ライフタイム制御領域
80 ダイオード領域
82、182 n+型カソード領域
90 活性領域
91 エッジ終端領域
92 ガードリング
94 フィールドプレート電極
100、200 イオン注入
101、201 レジストマスク
102 レーザーアニール
130 おもて面電極
150 RC−IGBT
174 n+型チャネルストッパ

Claims (19)

  1. 第1導電型の半導体基板と、
    前記半導体基板のおもて面側に設けられた、第2導電型の第1半導体領域と、
    前記第1半導体領域の、前記半導体基板側に対して反対側の表面層に選択的に設けられた第1導電型の第2半導体領域と、
    前記第1半導体領域に接触するゲート絶縁膜と、
    前記ゲート絶縁膜の前記第1半導体領域と接触する面と反対側の表面に設けられたゲート電極と、
    前記半導体基板の内部に設けられた、第1導電型の第1半導体層と、
    前記半導体基板の裏面側に設けられた、第2導電型の第3半導体領域と、
    前記第1半導体領域および前記第2半導体領域の表面に設けられた第1電極と、
    前記第3半導体領域の表面に設けられた第2電極と、
    を有するトランジスタ部と、
    前記半導体基板と、
    前記第1半導体領域と、
    前記第1半導体層と、
    前記半導体基板の裏面側に設けられた、第1導電型の第4半導体領域と、
    前記第1半導体領域の表面に設けられた前記第1電極と、
    前記第4半導体領域の表面に設けられた前記第2電極と、
    を有するダイオード部と、
    を備え、
    前記トランジスタ部の前記第1半導体層の前記半導体基板の裏面からの深さは、前記ダイオード部の前記第1半導体層の前記半導体基板の裏面からの深さより大きいことを特徴とする半導体装置。
  2. 前記トランジスタ部の前記第1半導体層の厚さは、前記ダイオード部の前記第1半導体層の厚さと同じであり、
    前記トランジスタ部では、前記第1半導体層と前記第3半導体領域との間に前記半導体基板が存在することを特徴とする請求項1に記載の半導体装置。
  3. 前記トランジスタ部と前記ダイオード部とを備え、電流が流れる活性領域と、
    前記活性領域の外側に配置され、前記活性領域の周囲を囲む耐圧構造が形成された終端構造部と、を有し、
    前記終端構造部は、
    前記半導体基板と、
    前記第1半導体層と、
    前記第4半導体領域と、
    前記第2電極と、
    を有し、
    前記ダイオード部の前記第1半導体層の前記半導体基板の裏面からの深さは、前記終端構造部の前記第1半導体層の前記半導体基板の裏面からの深さと同じであることを特徴とする請求項1または2に記載の半導体装置。
  4. 前記トランジスタ部と前記ダイオード部とは、上面視において、前記活性領域内に並列に設けられていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の半導体装置。
  5. トランジスタ部とダイオード部を有する半導体装置の製造方法であって、
    半導体基板のおもて面側に、第2導電型の第1半導体領域を形成する第1工程と、
    前記第1半導体領域の、前記半導体基板側に対して反対側の表面層に選択的に第1導電型の第2半導体領域を形成する第2工程と、
    前記トランジスタ部に、前記第1半導体領域に接触するゲート絶縁膜と、前記ゲート絶縁膜の前記第1半導体領域と接触する面と反対側の表面にゲート電極とを形成する第3工程と、
    前記トランジスタ部の、前記第1半導体領域および前記第2半導体領域の表面と、前記ダイオード部の前記第1半導体領域の表面とに第1電極を形成する第4工程と、
    前記半導体基板の、前記ダイオード部に対応する裏面層の結晶欠陥の量を、前記半導体基板の、前記トランジスタ部に対応する裏面層の結晶欠陥の量より多くする第5工程と、
    前記第5工程より後、アニール処理を行う前に、前記半導体基板の裏面側から第1導電型となる不純物を注入して、第1導電型の第1半導体層を形成する第6工程と、
    前記半導体基板の、前記トランジスタ部に対応する裏面上に第2導電型の第3半導体領域を形成する第7工程と、
    前記半導体基板の、前記ダイオード部に対応する裏面上に第1導電型の第4半導体領域を形成する第8工程と、
    前記第3半導体領域と前記第4半導体領域の表面に第2電極を形成する第9工程と、
    を含むことを特徴とする半導体装置の製造方法。
  6. 前記第1半導体層を形成するために、リン(P)を用いることを特徴とする請求項5に記載の半導体装置の製造方法。
  7. 前記ダイオード部に対応する裏面層の結晶欠陥の量を前記トランジスタ部に対応する裏面層の結晶欠陥の量より多くするために、アルゴン(Ar)、キセノン(Xe)またはシリコン(Si)のイオン注入により行うことを特徴とする請求項5または6に記載の半導体装置の製造方法。
  8. トランジスタ部とダイオード部を有する半導体装置の製造方法であって、
    半導体基板のおもて面側に、第2導電型の第1半導体領域を形成する第1工程と、
    前記第1半導体領域の、前記半導体基板側に対して反対側の表面層に選択的に第1導電型の第2半導体領域を形成する第2工程と、
    前記トランジスタ部に、前記第1半導体領域に接触するゲート絶縁膜と、前記ゲート絶縁膜の前記第1半導体領域と接触する面と反対側の表面にゲート電極とを形成する第3工程と、
    前記トランジスタ部の、前記第1半導体領域および前記第2半導体領域の表面と、前記ダイオード部の前記第1半導体領域の表面とに第1電極を形成する第4工程と、
    前記半導体基板の裏面側から、第2導電型となる不純物を注入して、第2導電型の第3半導体領域を形成する第5工程と、
    前記ダイオード部に対応する前記第3半導体領域に、第1導電型となる不純物を注入して、第1導電型の第4半導体領域を形成する第6工程と、
    前記第6工程より後、アニール処理を行う前に、前記半導体基板の裏面側から第1導電型となる不純物を注入して、第1導電型の第1半導体層を形成する第7工程と、
    前記第3半導体領域と前記第4半導体領域の表面に第2電極を形成する第8工程と、
    を含むことを特徴とする半導体装置の製造方法。
  9. 前記第5工程で注入する不純物はホウ素(B)で、前記第6工程で注入する不純物はリン(P)あるいはヒ素(As)であることを特徴とする請求項8に記載の半導体装置の製造方法。
  10. トランジスタ部とダイオード部を有する半導体装置の製造方法であって、
    半導体基板のおもて面側に、第2導電型の第1半導体領域を形成する第1工程と、
    前記第1半導体領域の、前記半導体基板側に対して反対側の表面層に選択的に第1導電型の第2半導体領域を形成する第2工程と、
    前記トランジスタ部に、前記第1半導体領域に接触するゲート絶縁膜と、前記ゲート絶縁膜の前記第1半導体領域と接触する面と反対側の表面にゲート電極とを形成する第3工程と、
    前記トランジスタ部の、前記第1半導体領域および前記第2半導体領域の表面と、前記ダイオード部の前記第1半導体領域の表面とに第1電極を形成する第4工程と、
    前記半導体基板の裏面側から、第2導電型となる不純物を注入して、第2導電型の第3半導体領域を形成する第5工程と、
    前記第3半導体領域の活性化のためのレーザーアニールを、前記ダイオード部に対応する前記第3半導体領域に対するレーザーアニールの強度を前記トランジスタ部に対応する前記第3半導体領域に対するレーザーアニールの強度より弱く、行う第6工程と、
    前記半導体基板の裏面側から第1導電型となる不純物を注入して、第1導電型の第1半導体層を形成する第7工程と、
    前記ダイオード部に対応する前記第3半導体領域に、第1導電型となる不純物を注入して、第1導電型の第4半導体領域を形成する第8工程と、
    前記第3半導体領域と前記第4半導体領域の表面に第2電極を形成する第9工程と、
    を含むことを特徴とする半導体装置の製造方法。
  11. トランジスタ部とダイオード部を有する半導体装置の製造方法であって、
    半導体基板のおもて面側に、第2導電型の第1半導体領域を形成する第1工程と、
    前記第1半導体領域の、前記半導体基板側に対して反対側の表面層に選択的に第1導電型の第2半導体領域を形成する第2工程と、
    前記トランジスタ部に、前記第1半導体領域に接触するゲート絶縁膜と、前記ゲート絶縁膜の前記第1半導体領域と接触する面と反対側の表面にゲート電極とを形成する第3工程と、
    前記トランジスタ部の、前記第1半導体領域および前記第2半導体領域の表面と、前記ダイオード部の前記第1半導体領域の表面とに第1電極を形成する第4工程と、
    前記半導体基板の裏面側から、第2導電型となる不純物を注入して、第2導電型の第3半導体領域を形成する第5工程と、
    前記ダイオード部に対応する前記第3半導体領域に、第1導電型となる不純物を注入して、第1導電型の第4半導体領域を形成する第6工程と、
    前記第3半導体領域および前記第4半導体領域の活性化のためのレーザーアニールを、前記第4半導体領域に対するレーザーアニールの強度を前記第3半導体領域に対するレーザーアニールの強度より弱く、行う第7工程と、
    前記半導体基板の裏面側から第1導電型となる不純物を注入して、第1導電型の第1半導体層を形成する第8工程と、
    前記第3半導体領域と前記第4半導体領域の表面に第2電極を形成する第9工程と、
    を含むことを特徴とする半導体装置の製造方法。
  12. 第1導電型の半導体基板と、
    前記半導体基板のおもて面側に設けられた、第2導電型の第1半導体領域と、
    前記第1半導体領域の、前記半導体基板側に対して反対側の表面層に選択的に設けられた第1導電型の第2半導体領域と、
    前記第1半導体領域に接触するゲート絶縁膜と、
    前記ゲート絶縁膜の前記第1半導体領域と接触する面と反対側の表面に設けられたゲート電極と、
    前記半導体基板の内部に設けられた、第1導電型の第1半導体層と、
    前記半導体基板の裏面側に設けられた、第2導電型の第3半導体領域と、
    前記第1半導体領域および前記第2半導体領域の表面に設けられた第1電極と、
    前記第3半導体領域の表面に設けられた第2電極と、
    を備え、
    前記第1半導体層の所定の領域の前記半導体基板の裏面からの深さは、前記第1半導体層の前記所定の領域以外の領域の前記半導体基板の裏面からの深さより大きいことを特徴とする半導体装置。
  13. 半導体基板のおもて面側に、第2導電型の第1半導体領域を形成する第1工程と、
    前記第1半導体領域の、前記半導体基板側に対して反対側の表面層に選択的に第1導電型の第2半導体領域を形成する第2工程と、
    前記第1半導体領域に接触するゲート絶縁膜と、前記ゲート絶縁膜の前記第1半導体領域と接触する面と反対側の表面にゲート電極とを形成する第3工程と、
    前記第1半導体領域および前記第2半導体領域の表面に第1電極を形成する第4工程と、
    前記半導体基板の裏面側から、第2導電型となる不純物を注入して、第2導電型の第3半導体領域を形成する第5工程と、
    前記第3半導体領域の活性化のためのレーザーアニールを、前記第3半導体領域の所定の領域に対するレーザーアニールの強度を前記第3半導体領域の前記所定の領域以外の領域に対するレーザーアニールの強度より弱く、行う第6工程と、
    前記半導体基板の裏面側から第1導電型となる不純物を注入して、第1導電型の第1半導体層を形成する第7工程と、
    前記第3半導体領域の表面に第2電極を形成する第8工程と、
    を含むことを特徴とする半導体装置の製造方法。
  14. 半導体基板のおもて面側に、第2導電型の第1半導体領域を形成する第1工程と、
    前記第1半導体領域の、前記半導体基板側に対して反対側の表面層に選択的に第1導電型の第2半導体領域を形成する第2工程と、
    前記第1半導体領域に接触するゲート絶縁膜と、前記ゲート絶縁膜の前記第1半導体領域と接触する面と反対側の表面にゲート電極とを形成する第3工程と、
    前記第1半導体領域および前記第2半導体領域の表面に第1電極を形成する第4工程と、
    前記半導体基板の裏面側から、第2導電型となる不純物を注入して、第2導電型の第3半導体領域を形成する第5工程と、
    前記第3半導体領域の活性化のためのレーザーアニールを行う第6工程と、
    前記第3半導体領域の所定の領域にAr(アルゴン)またはシリコン(Si)のイオン注入を行う第7工程と、
    前記半導体基板の裏面側から第1導電型となる不純物を注入して、第1導電型の第1半導体層を形成する第8工程と、
    前記第3半導体領域の表面に第2電極を形成する第9工程と、
    を含むことを特徴とする半導体装置の製造方法。
  15. 前記第6工程は、前記第7工程より後、前記第8工程より先に行うことを特徴とする請求項14に記載の半導体装置の製造方法。
  16. 第1導電型の半導体基板と、
    前記半導体基板のおもて面側に設けられた、第2導電型の第1半導体領域と、
    前記半導体基板の内部に設けられた、第1導電型の第1半導体層と、
    前記半導体基板の裏面側に設けられた、第1導電型の第4半導体領域と、
    前記第1半導体領域の表面に設けられた第1電極と、
    前記第4半導体領域の表面に設けられた第2電極と、
    を備え、
    前記第1半導体層の所定の領域の前記半導体基板の裏面からの深さは、前記第1半導体層の前記所定の領域以外の領域の前記半導体基板の裏面からの深さより大きいことを特徴とする半導体装置。
  17. 半導体基板のおもて面側に、第2導電型の第1半導体領域を形成する第1工程と、
    前記第1半導体領域の、前記半導体基板側に対して反対側の表面層に選択的に第1導電型の第2半導体領域を形成する第2工程と、
    前記第1半導体領域の表面に第1電極を形成する第3工程と、
    前記半導体基板の裏面側から、第1導電型となる不純物を注入して、第1導電型の第4半導体領域を形成する第4工程と、
    前記第4半導体領域の活性化のためのレーザーアニールを、前記第4半導体領域の所定の領域に対するレーザーアニールの強度を前記第4半導体領域の前記所定の領域以外の領域に対するレーザーアニールの強度より弱く、行う第5工程と、
    前記半導体基板の裏面側から第1導電型となる不純物を注入して、第1導電型の第1半導体層を形成する第6工程と、
    前記第4半導体領域の表面に第2電極を形成する第8工程と、
    を含むことを特徴とする半導体装置の製造方法。
  18. 半導体基板のおもて面側に、第2導電型の第1半導体領域を形成する第1工程と、
    前記第1半導体領域の、前記半導体基板側に対して反対側の表面層に選択的に第1導電型の第2半導体領域を形成する第2工程と、
    前記第1半導体領域の表面に第1電極を形成する第3工程と、
    前記半導体基板の裏面側から、第1導電型となる不純物を注入して、第1導電型の第4半導体領域を形成する第4工程と、
    前記第4半導体領域の活性化のためのレーザーアニールを行う第5工程と、
    前記第4半導体領域の所定の領域にAr(アルゴン)またはシリコン(Si)のイオン注入を行う第6工程と、
    前記半導体基板の裏面側から第1導電型となる不純物を注入して、第1導電型の第1半導体層を形成する第7工程と、
    前記第4半導体領域の表面に第2電極を形成する第8工程と、
    を含むことを特徴とする半導体装置の製造方法。
  19. 前記第5工程は、前記第6工程より後、前記第7工程より先に行うことを特徴とする請求項18に記載の半導体装置の製造方法。
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