JP2022000605A - 給湯の方法、システム、プログラムおよび装置 - Google Patents
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Abstract
Description
このような熱交換に関し、蓄熱タンクの熱媒を給水に熱交換した際、蓄熱タンクの蓄熱量によっては設定温度に給水を加熱する際、不足熱量が生じる。この不足熱量を補助加熱源によって補填し、設定温度に温水温度を上昇させることが知られている(特許文献1)。
しかしながら、蓄熱タンクの蓄熱が少ない場合でも、給水加熱に全面的に利用しようとすれば、熱交換器に流れる給水に対して熱媒の循環量を極限まで増加させることになる。このような制御では、熱交換器たとえば、プレート熱交換器では給水通路が細く、圧力損失を無視することができない。
そこで、この発明の目的は上記課題に鑑み、熱交換器における圧力損失の低減を図って効率的な給湯を実現することにある。
この給湯方法において、さらに、熱交換前の前記給水を前記熱交換器およびバイパス路に流し、該バイパス路に分配された前記給水と前記熱交換器で得られる温水とを混合させる工程と、前記第2の設定温度による出湯時、前記バイパス路に分配された給水量を前記熱交換器に流す給水量より増加させる工程とを含んでよい。
上記目的を達成するため、本発明の給湯システムの一側面によれば、発電で生じた熱が熱交換された熱媒を溜める蓄熱タンクと、前記蓄熱タンクから熱媒を循環させ、該熱媒の熱と給水とを熱交換する熱交換器と、熱交換前の前記給水を前記熱交換器およびバイパス路に流し、該バイパス路に分配された前記給水と前記熱交換器で得られる温水とを混合させる混合手段と、第1の設定温度と、該第1の設定温度より所定温度だけ低い第2の設定温度とが設定され、前記第1の設定温度で出湯可能かを前記熱媒の温度により判断し、出湯可能であれば、前記第1の設定温度で出湯させ、出湯不可であれば、前記第2の設定温度に切り替えて出湯させ、前記熱交換器に流す前記給水の分配量を低減して前記熱交換器の圧力損失を低減させる制御部とを含む。
(2) 蓄熱タンクの蓄熱が設定温度の出湯に必要な熱量に到達していない場合、熱交換器に流れる熱交換給水量を低減でき、熱交換器側での圧力損失を低減できる。
(4) 蓄熱タンクに蓄積される熱媒の成層状態を乱すことがなく、熱媒熱量の効率的な利用を図ることができる。
図1は、本発明の一実施の形態に係る給湯システムを示している。図1に示す構成は一例であり、斯かる構成に本発明が限定されるものではない。
この給湯システム2には給湯部4および補助加熱部6が備えられる。給湯部4は熱媒ME1の熱を給水Wに熱交換し、温水HWを補助加熱部6に導く。補助加熱部6では、給湯部4からの温水HWが設定温度であれば、その温水HWをそのまま出湯し、設定温度未満であれば、補助加熱により設定温度まで昇温させ、設定温度の温水HWを出湯する。
ポンプ9は、熱媒ME1の熱を給水Wに熱交換する際に動作させ、熱交換器10に熱媒ME1を循環させる。
熱交換器10にはたとえば、プレート熱交換器が用いられる。熱交換時、蓄熱タンク8の上層側から循環路13に取り出された熱媒ME1はポンプ9を動作させることにより、循環路13を通して熱交換器10に循環し、熱交換後に蓄熱タンク8の下層側に戻される。
蓄熱タンク8から熱交換器10に循環する熱媒ME1の温度は温度センサー22で検出される。出湯管18の温水HWにバイパス管16の給水Wを混合した温水HWの温度は、温度センサー24により検出される。
この制御について、給湯部4を要約して示す図2を参照する。
a)熱交換器10通過後の温水HWの温度である検出温度To1(熱交換後温度)が温度(Ts1+α1)になるように、ポンプ9の回転数を制御する。To1>(Ts1+α1)であれば、ポンプ9の回転数を減少させ、To1<(Ts1+α1)であれば、ポンプ9の回転数を増加させる。
b)水量調整部12の流路について、ミキシング弁M1の熱交換器10側ポートをAルート、ミキシング弁M1のバイパス管16側ポートをBルートとすれば、検出温度Tm1が設定温度Ts1になるように、Aルート、Bルートの流量割合(ミキシング割合)を制御する。
検出温度To1と給水Wの検出温度Ti1の関係は通常、To1>Ti1であるから、流量割合の制御では、Tm1>Ts1であれば、Bルートの流量割合を増加させ、Tm1<Ts1であれば、Aルートの流量割合を増加させる制御が行われる。
b)の制御では、検出温度To1が温度(Ts1+α1)に維持されていれば、その制御が継続するが、検出温度To1が低下するにつれ、Aルートの流量割合が増加し、最終的にはAルートの流量割合が100〔%〕に到達することになる。
ポンプ9の回転数が増加することを改善するため、特許第5577135号では、検出温度T1が所定温度を下回ると、検出温度To1が、検出温度T1より所定温度α2(たとえば、5〔℃〕)だけ低い温度、つまり検出温度To1=(T1−α2)になるように制御する。これにより、ポンプ9の回転数の過剰増加を防止できる。しかし、検出温度Tm1が設定温度Ts1になるように、ミキシング制御を行った場合、検出温度To1の低下に伴い、Aルートの流量割合が増加することとなり、給水Wの圧力損失が増加する傾向となる。
Ts2=(To1+Ti1)/2=(T1−α2+Ti1)/2
に切替えれば、AルートおよびBルートの流量割合は50〔%〕になる。
このように設定温度Ts1からTs2に切り替える制御では、検出温度Tm1が所定温度になるようにハンチング等を防止しつつ、ミキシング弁M1を制御する給湯制御を併用できる。
したがって、蓄熱タンク8の熱媒ME1の検出温度T1により設定温度Ts1、Ts2の切替えを行い、給湯部4による給湯、給湯部4および補助加熱部6による給湯、補助加熱部6のみによる給湯を行う。
(1) 熱媒ME1で給水Wを設定温度Ts1まで加熱可能な場合:補助加熱部6による補助加熱を用いることなく、給湯部4のみで設定温度Ts1の給湯が可能である。
(2) 熱媒ME1の検出温度T1は給水Wの温度より高いが、給水Wを設定温度Ts1まで加熱できない場合:補助加熱部6による補助加熱を併用して、設定温度Ts1の給湯が可能である。
斯かる制御では、通常、温水の出湯温度が設定温度Ts1になるようにミキシング弁M1が制御されるのに対し、一定の条件つまり熱媒ME1の蓄熱によっては設定温度Ts1での出湯ができない場合、この設定温度Ts1から低い設定温度Ts2に切り替え、この設定温度Ts2によりミキシング弁M1のミキシング割合を強制的に変更させている。
図3はこの給湯システム2の給湯制御の処理手順を示している。
熱媒ME1の検出温度を取込み(S11)、この検出温度により、設定温度Ts1で出湯が可能かを判定する(S12)。
設定温度Ts1で出湯が可能であれば(S12のYES)、水量調整部12の制御により、設定温度Ts1の温水HWを生成する(S13)。この場合、給湯部4から設定温度Ts1の温水HWが供給されるので、補助加熱部6は補助加熱モードに移行することなく(S17のYES)、出湯管40(図1)から設定温度Ts1の温水HWが得られる(S18)。
熱媒ME1の検出温度T1が給水Wとの熱交換が不可の温度であれば(S14のNO)、熱交換器10に給水Wを通すことなく、給湯部4から補助加熱部6に流す(S16)。
補助加熱部6では、給水管30に流れる給水Wまたは温水HWが設定温度Ts1以上かを判断する(S17)。設定温度Ts1以上であれば(S17のYES)、補助加熱を行うことなく給湯する(S18)。設定温度Ts1未満であれば(S17のNO)、補助加熱モードに移行し、給水Wまたは温水HWを熱媒ME2の熱と熱交換して昇温させ、設定温度Ts1での給湯を行う(S19)。
この一実施の形態によれば次の効果が得られる。
(1) 給湯部4で設定温度Ts1の温水HWが得られない場合、設定温度Ts1から低い設定温度Ts2に切り替え、給湯部4側の熱交換器10に流れる水量を抑制するので、熱交換器10による圧力損失を低減することができる。
(2) 給湯部4で設定温度Ts1の温水HWが得られない場合、補助加熱部6の補助加熱により設定温度Ts1に昇温させた温水HWの給湯が行える。
(3) 熱交換器10に流す給水量を蓄熱に応じて加減するので、蓄熱タンク8の熱媒ME1の利用効率を高め、蓄熱タンク8側の成層状態を乱すことがない。
この実施例1の給湯システム2では燃料電池ユニット42、給湯ユニット44およびバックアップ給湯ユニット46が備えられる。
燃料電池ユニット42には燃料電池48、熱交換器50および循環ポンプ52が備えられる。燃料電池48は熱源の一例であり、発電時の発熱を熱源に利用する。熱交換器50は、燃料電池48の排気ME3の熱を蓄熱タンク8側の熱媒ME1に熱交換する。循環ポンプ52は熱媒ME1の循環路54に設置され、駆動時、蓄熱タンク8の下層側から熱媒ME1を熱交換器50に循環させるとともに、熱交換後の熱媒ME1を蓄熱タンク8の上層側に戻す。
燃料電池48の発電時、循環ポンプ52を駆動し、蓄熱タンク8の下層側から熱媒ME1を熱交換器50に循環させ、熱媒ME1に排気ME3の熱を熱交換し、加熱された熱媒ME1が蓄熱タンク8の上層側に戻される。これにより、蓄熱タンク8で成層蓄熱が行われる。熱交換器50の入側には温度センサー56が設置され、蓄熱タンク8の下層側の熱媒ME1の温度が検出される。熱交換器50の出側には温度センサー58が設置され、蓄熱タンク8の上層側に戻される熱媒ME1の温度が検出される。
給水管14には水道管などが接続され、給水Wが供給される。給水管14にはミキシング弁68、水量センサー70、温度センサー72が備えられるとともに、ミキシング弁68およびバイパス管16を介して出湯管18が接続されている。出湯管18には水制御弁74、温度センサー76、78が備えられる。バイパス管16は、ミキシング弁68により分流させた給水Wを出湯管18側に流し込む。水制御弁74は、出湯管18から出湯する温水HWまたは給水Wの水量を制御する。温度センサー76はプレート熱交換器60の出側の温水温度を検出する。温度センサー78は、温水HWと給水Wとをミキシングした温水HWの温度を検出する。
出湯管40には温度センサー90、92が備えられる。温度センサー90はプレート熱交換器80の出側の温水温度を検出する。温度センサー92はバイパス管36からの給水Wまたは温水HWと出湯管40側の温水HWとを混合した温水HWの温度を検出する。
プレート熱交換器80には循環路94が備えられ、熱媒ME2を循環させる。循環路94には熱交換器82、循環ポンプ96、開放タンク98、温度センサー100が備えられる。循環ポンプ96は、駆動時、熱媒ME2を循環路94に循環させる。プレート熱交換器80は、熱媒ME2の熱を給水Wまたは温水HWに熱交換する。熱交換器82は、バーナー102の燃焼熱を熱媒ME2に熱交換する。開放タンク98は、循環路94に循環する熱媒ME2の体積変動を吸収する。
図5は、給湯システム2の制御部20(図1)を示している。この制御部20には電池制御部104、給湯ユニット制御部106、バックアップ制御部108、リモコン制御部110が備えられる。電池制御部104は燃料電池ユニット42を制御する。給湯ユニット制御部106は給湯ユニット44を制御する。バックアップ制御部108はバックアップ給湯ユニット46を制御する。リモコン制御部110はリモコン装置に備えられ、電池制御部104、給湯ユニット制御部106およびバックアップ制御部108と有線または無線により連係する。
電池制御部104はコンピュータで構成され、プロセッサ112、メモリ部114、入出力部(I/O)116、システム通信部118が備えられる。プロセッサ112はメモリ部114にあるOS(Operating System)や電池制御プログラムを実行する。メモリ部114にはROM(Read-Only Memory)やRAM(Random-Access Memory)を備え、OSや電池制御プログラムを格納する。システム通信部118はリモコン制御部110、給湯ユニット制御部106のシステム通信部126、バックアップ制御部108のシステム通信部134と制御データの送受を行う。I/O116には温度センサー56、58の検出温度が制御情報として入力されるとともに、循環ポンプ52の制御出力が得られる。
バックアップ制御部108はコンピュータで構成され、プロセッサ128、メモリ部130、入出力部(I/O)132、システム通信部134が備えられる。プロセッサ128はメモリ部130にあるOSやバックアップ制御プログラムを実行する。メモリ部130にはROM、EEPROMやRAMを備え、OSやバックアップ制御プログラムを格納する。システム通信部134はリモコン制御部110、電池制御部104のシステム通信部118、給湯ユニット制御部106のシステム通信部126と制御データの送受を行う。I/O132には温度センサー84、90、92、100の検出温度、水量センサー85の検出水量が制御情報として入力されるとともに、循環ポンプ96、水制御弁86およびミキシング弁88の制御出力が得られる。
図6のAは、給湯設定温度(以下「設定温度Ts1」と称する)が35〔℃〕の場合の給水温度と最低熱媒温度の関係、図6のBは、設定温度Ts1が40〔℃〕の場合の給水温度と最低熱媒温度の関係、図6のCは、設定温度Ts1が45〔℃〕の場合の給水温度と最低熱媒温度の関係を示している。
これらの関係から、図7は、設定温度Ts1をパラメータとする給水温度と最低熱媒温度の関係グラフを示している。図7において、Aは設定温度Ts1=35〔℃〕、Bは設定温度Ts1=40〔℃〕、Cは設定温度Ts1=45〔℃〕の場合である。
この関係からたとえば、給水温度が15〔℃〕で設定温度Ts1が40〔℃〕であれば、最低熱媒温度は60.6〔℃〕であることが必要である。
図8のAは、給湯ユニット44が熱媒ME1で設定温度Ts1の給湯が可能な場合の動作を示している。図8のAにおいて、太線は給水W、温水HW、熱媒ME1の流動を示している。
熱媒ME1で設定温度Ts1の給湯が可能な場合、給湯ユニット44では、温度センサー76の検出温度To1(熱交換後温度)が設定温度Ts1よりたとえば、6〔℃〕だけ高い値(Ts1+6〔℃〕)(熱交換の第1の目標温度)になるように、与熱ポンプ64の回転数を制御する。温度センサー78の検出温度Tm1が設定温度Ts1になるように、ミキシング弁68のポートa、bの開度を制御する。
図8のBは、給湯ユニット44が熱媒ME1で設定温度Ts1の給湯ができない場合の給湯動作を示している。図8のBにおいて、太線は給水W、温水HW、熱媒ME1、ME2の流動を示している。
この場合、検出温度To1=(T1−5〔℃〕)になるように、与熱ポンプ64の回転数制御を行う。検出温度Tm1の目標温度が通常の設定温度Ts1であると、検出温度To1の低下に伴いaルートの流量比率が高まり、最終的には全水量が熱交換器60の影響を受けてしまう。そこで、検出温度Tm1の目標温度をミキシング弁68のaルートとbルートのミキシングが行われる温度にする。つまり、検出温度Tm1に対し、設定温度Ts1から設定温度Ts2(<Ts1)に変更する。この設定温度Ts2は設定温度Ts1より低い温度であればよく、たとえば、To1=(T1−5〔℃〕)に制御されていると、第1に、設定温度Ts2=(Ti1+(T1−5))/2を目標温度とすれば、ミキシング弁68の開度が調整され、各ポートa、bのそれぞれに50〔%〕の流量となる。この結果、aルート側に給水Wが流れることによる圧力損失を低減することができる。
このように、設定温度Ts1を設定温度Ts2に変更するだけで、ミキシング弁68の制御形態を変更する必要がない。このため、ソフトウェアの再設計は不要である。
この場合、バックアップ給湯ユニット46側では、循環ポンプ96を駆動し、バーナー102を燃焼させ、検出温度Tj=80〔℃〕に制御する。検出温度Ti2は、設定温度Ts1より低いので、検出温度To2≒80〔℃〕とミキシングし、検出温度Tm2が設定温度Ts1になるように、ミキシング弁88の開度制御を行う。
このとき、検出温度Ti2は検出温度To2より設定温度Ts1に近いため、ミキシング弁88のポートc側流量、ポートd側流量は、ポートc側流量<ポートd側流量となる。
ここで、設定温度Ts2は、
(Ti1+T1−5)/2=(20+35)/2=27.5〔℃〕
となり、検出温度Tm1の目標温度を設定温度Ts1より設定温度Ts2に変更すれば、ミキシング弁68のa側流量、b側流量は、a側流量:b側流量=50:50となり、検出温度Tm1=27.5〔℃〕となる。
検出温度Ti2は27.5〔℃〕であるから、検出温度To2≒80〔℃〕の温水HWとミキシングし、検出温度Tm2を40〔℃〕に制御すると、ミキシング弁88のポートc側流量、ポートd側流量は、ポートc側流量:ポートd側流量≒24:76となる。したがって、全水量の50〔%〕が熱交換器60の影響を受け、全水量の24〔%〕程度が熱交換器80の影響を受けることになる。これにより、熱交換器60、80による圧力損失が低減される。
図8のCは、熱媒ME1による熱交換不可の場合の動作を示している。図8のCにおいて、太線は給水W、熱媒ME2の流動を示している。
熱媒ME1による熱交換不可の場合、給湯ユニット44では蓄熱が低く、給湯のための熱交換に利用できないため、ミキシング弁68はポートb側に100〔%〕の給水Wを流すように制御し、与熱ポンプ64は停止状態とする。この場合、検出温度Tm1は検出温度Ti1になる。
検出温度Ti2は設定温度Ts1未満であるから、検出温度To2≒80〔℃〕の温水HWとミキシングし、検出温度Tm2が設定温度Ts1になるように、ミキシング弁88の開度の制御を行う。
検出温度Ti2は検出温度To2より設定温度Ts1に近いため、ミキシング弁88のポートc側流量、ポートd側流量の比率は、ポートc側流量<ポートd側流量となる。
このとき、ミキシング弁68のポートa側流量、ポートb側流量の比率は、ポートa側流量:ポートb側流量=0:1となる。このとき、ポートb側に全流量の100〔%〕が流れる。
検出温度Ti2=Tm1=Ti1=20〔℃〕なので、検出温度To2≒80〔℃〕とミキシングし、検出温度Tm2を設定温度Ts1=40〔℃〕に制御すると、ミキシング弁88のポートc側流量、ポートd側流量の比率は、ポートc側流量:ポートd側流量≒1:2となる。
したがって、全水量の1/3が熱交換器80の影響を受け、熱交換器60による圧力損失は発生しない。
図9は、給湯システム2の制御の処理手順を示している。この制御にはリモコン制御部110、電池制御部104、給湯ユニット制御部106およびバックアップ制御部108の各制御が含まれ、各制御が連係して実行される。
リモコン制御部110ではイニシャライズ(S101)の後、入力受付処理(S102)、表示出力処理(S103)が繰り返し実行される。表示出力処理では電池制御部104、給湯ユニット制御部106またはバックアップ制御部108で得られる状態情報をLCD(Liquid Crystal Display)に表示する。
給湯ユニット制御部106ではイニシャライズ(S106)の後、入力受付処理(S102)により設定温度Ts1の指示を受け、図11に示す給湯処理(S107)に移行し、この給湯処理で得られる状態情報をリモコン制御部110に提供する。
バックアップ制御部108ではイニシャライズ(S108)の後、入力受付処理(S102)により設定温度Ts1の指示を受け、図12に示すバックアップ給湯処理(S109)に移行し、このバックアップ給湯処理で得られる状態情報をリモコン制御部110に提供する。
図10は、電池制御部104による熱回収処理の処理手順を示している。この処理手順ではリモコン制御部110の入力受付処理(S102)の運転スイッチの操作を監視し(S201)、運転スイッチ=ONであれば(S201のYES)、燃料電池48を駆動し(S202)、温度センサー58の出力温度がたとえば、75〔℃〕になるように循環ポンプ52の回転を制御する(S203)。
運転スイッチ=OFFであれば(S201のNO)、燃料電池48を停止し(S204)、循環ポンプ52を停止させる(S205)。
図11は、給湯ユニット44の給湯処理の処理手順を示している。この処理手順では、給湯使用か否かを判断し(S301)、給湯使用でなければ(S301のNO)、与熱ポンプ64を停止し(S302)、この処理を終了する。
給湯使用であれば(S301のYES)、検出温度T1が設定温度Ts1の供給が可能な温度以上であるかを判断する(S303)。検出温度T1が設定温度Ts1の供給が可能な温度以上であれば(S303のYES)、図8のAに示す給湯処理を実行する(S304)。この処理では、検出温度To1が設定温度Ts1より一定温度ΔT1たとえば、6〔℃〕だけ高い温度(=設定温度Ts1+ΔT1)になるように与熱ポンプ64の回転を制御し(S305)、同時に検出温度Tm1が設定温度Ts1になるようにミキシング弁68の開度を制御する(S306)。
この処理では、検出温度To1が検出温度T1より一定温度ΔT2たとえば、5〔℃〕だけ低い温度(=T1温度−ΔT2)になるように与熱ポンプ64の回転を制御し(S309)、同時に検出温度Tm1の目標温度を算出する(S310)。
この処理では、検出温度To1(=T1−ΔT2)と給水Wの検出温度Ti1より目標温度を算出する。たとえば、第1の目標温度として(To1+Ti1)/2、または第2の目標温度として(To1+Ti1+Ti1)/3とすればよい。
そして、これらいずれかの目標温度が得られるように、ミキシング弁68の制御を行う(S311)。
図12は、バックアップ給湯処理の処理手順を示している。この処理手順では、給湯使用か否かを判断する(S801)。この判断は水量センサー85の検出水量により判断すればよい。
給湯使用でなければ(S801のNO)、給湯動作を停止し(S802)、このバックアップ給湯処理を終了する。
給湯使用であれば(S801のYES)、検出温度Ti2が設定温度Ts1より低いかを判断する(S803)。検出温度Ti2が設定温度Ts1より低ければ(S803のYES)、給水加熱に移行し、必要熱量に応じた回転数で循環ポンプ96を動作させる(S804)。このとき、検出温度Tjが所定温度たとえば、80〔℃〕になるようにバーナー102の燃焼を制御する(S805)。同時に検出温度Tm2が設定温度Ts1になるようにミキシング弁88の開度比率を制御する(S806)。
検出温度Ti2が設定温度Ts1以上であれば(S803のNO)、加熱動作を停止し、ポートd側に100〔%〕の水量となるように、ミキシング弁88の開度比率を制御する。
図13は、熱交換器60側の流量比率に対する圧力損失の関係を示している。この圧力損失の関係は、全流量として16〔リットル/min〕を流した場合である。この関係からすれば、流量が増加すれば、二次関数的に圧力損失も増加している。尚、0〔%〕の流量であっても、圧力損失があるのは、給湯ユニット44の給水口と給湯口間にて測定を行っているため、共通経路及びバイパス管16側の圧力損失のためである。
斯かる関係は熱交換器60の特性であるが、バックアップ給湯ユニット46側の熱交換器80においても、熱交換器60と同一仕様であれば、同様の傾向となる。
この実施例1によれば、次の効果が得られる。
(1) 蓄熱タンク8の蓄熱に応じてその熱量を給湯に利用することができる。
(2) 蓄熱が低く、給湯に利用できない場合には給湯ユニット44を通過させた給水Wをバックアップ給湯ユニット46で設定温度Ts1まで加熱し、設定温度Ts1での給湯が可能である。
(3) 設定温度Ts1まで給水Wを昇温させることができないが、ある程度の熱交換が可能な蓄熱では、熱交換器60に流す給水量を抑え、圧力損失の低減や与熱ポンプ64の回転数を抑制し、効率的な蓄熱利用を図ることができる。
(5) ミキシング弁68の開度比率と流量比率は一般的に比例関係にない。これは、圧力損失が高いポート側が流れにくくなることによる。これは、開度制御では流量が少ない場合、熱交換器60側の流量比率が低下することが想定される。換言すれば、このような現象を想定すると、蓄熱タンク8の蓄熱の利用率が低下するが、斯かる制御では、熱交換器60側に流れる流量が補償され、蓄熱の有効利用が図られる。
(1) 上記実施の形態では、水量調整部12にミキシング弁M1を備える構成、水量調整部38にミキシング弁M2を備える構成を例示しているが、バイパス管16に比例弁を備えて流量を調整してもよい。
(2) 熱媒ME1の熱源として燃料電池48を例示しているが、エンジンなどの排熱源であってもよい。
(3) 熱媒ME2の熱源にバーナー102を用いているが、電熱などの他の熱源を用いてもよい。
(4) メモリ部122、130には設定温度Ts1、Ts2を個別に格納する格納部を備えてよい。
(5) 上記実施例では、設定温度Ts1から設定温度Ts2に切り替えられた際、補助加熱部6から設定温度Ts1の温水HWを出湯しているがこれに限定されない。設定温度Ts1より高いまたは低い温度の温水HWを補助加熱部6から出湯させてもよい。
(6) 出湯温度の制御について、温度センサー24の検出温度を用いて設定温度Ts1に出湯温度を制御してもよいし、温度センサー92の検出温度を用いて設定温度Ts1に出湯温度を制御してもよい。後者の場合、給湯ユニット44、45からバックアップ給湯ユニット46に至る配管が長い場合など、バックアップ給湯ユニット46の補助加熱によって、給湯ユニット44、45からの温水HWの温度低下をバックアップすることができる。
4 給湯部
6 補助加熱部
8 蓄熱タンク
10 熱交換器
12 水量調整部
14 給水管
16 バイパス管
18 出湯管
20 制御部
22 温度センサー
24 温度センサー
26、28 熱交換器
30 給水管
32 温度センサー
34 熱源
36 バイパス管
38 水量調整部
40 出湯管
42 燃料電池ユニット
44、45、47 給湯ユニット
46 バックアップ給湯ユニット
48 燃料電池
50 熱交換器
52 循環ポンプ
54 循環路
56、58 温度センサー
60 プレート熱交換器
62 循環路
64 与熱ポンプ
66 温度センサー
68 ミキシング弁
70 水量センサー
72 温度センサー
74 水制御弁
76、78 温度センサー
80 プレート熱交換器
82 熱交換器
84 温度センサー
85 水量センサー
86 水制御弁
88 ミキシング弁
90、92 温度センサー
94 循環路
96 循環ポンプ
98 開放タンク
100 温度センサー
102 バーナー
104 電池制御部
106 給湯ユニット制御部
108 バックアップ制御部
110 リモコン制御部
112、120、128 プロセッサ
114、122、130 メモリ部
116、124、132 入出力部(I/O)
118、126、134 システム通信部
4 給湯部
6 補助加熱部
8 蓄熱タンク
9 ポンプ
10 熱交換器
12 水量調整部
13 循環路
14 給水管
16 バイパス管
18 出湯管
20 制御部
22 温度センサー
24 温度センサー
26、28 熱交換器
30 給水管
32 温度センサー
34 熱源
36 バイパス管
38 水量調整部
40 出湯管
42 燃料電池ユニット
43 タンクユニット
44、45、47 給湯ユニット
46 バックアップ給湯ユニット
48 燃料電池
50 熱交換器
52 循環ポンプ
54 循環路
56、58 温度センサー
60 プレート熱交換器
62 循環路
64 与熱ポンプ
66 温度センサー
68 ミキシング弁
70 水量センサー
72 温度センサー
74 水制御弁
76、78 温度センサー
80 プレート熱交換器
82 熱交換器
84 温度センサー
85 水量センサー
86 水制御弁
88 ミキシング弁
90、92 温度センサー
94 循環路
96 循環ポンプ
98 開放タンク
100 温度センサー
102 バーナー
104 電池制御部
106 給湯ユニット制御部
108 バックアップ制御部
110 リモコン制御部
112、120、128 プロセッサ
114、122、130 メモリ部
116、124、132 入出力部(I/O)
118、126、134 システム通信部
Claims (5)
- 発電で生じた熱を熱媒に熱交換し、該熱媒を蓄熱タンクに溜める工程と、
前記蓄熱タンクから熱媒を熱交換器に循環させ、該熱媒の熱と給水とを熱交換する工程と、
第1の設定温度と、該第1の設定温度より所定温度だけ低い第2の設定温度とが設定され、前記第1の設定温度で出湯可能かを前記熱媒の温度により判断し、出湯可能であれば、前記第1の設定温度で出湯させ、出湯不可であれば、前記第2の設定温度に切り替えて出湯させ、前記熱交換器に流す給水量を低減して前記熱交換器の圧力損失を低減させる工程と、
を含む、給湯方法。 - さらに、熱交換前の前記給水を前記熱交換器およびバイパス路に流し、該バイパス路に分配された前記給水と前記熱交換器で得られる温水とを混合させる工程と、
前記第2の設定温度による出湯時、前記バイパス路に分配された給水量を前記熱交換器に流す給水量より増加させる工程と、
を含む、請求項1に記載の給湯方法。 - 発電で生じた熱が熱交換された熱媒を溜める蓄熱タンクと、
前記蓄熱タンクから熱媒を循環させ、該熱媒の熱と給水とを熱交換する熱交換器と、
熱交換前の前記給水を前記熱交換器およびバイパス路に流し、該バイパス路に分配された前記給水と前記熱交換器で得られる温水とを混合させる混合手段と、
第1の設定温度と、該第1の設定温度より所定温度だけ低い第2の設定温度とが設定され、前記第1の設定温度で出湯可能かを前記熱媒の温度により判断し、出湯可能であれば、前記第1の設定温度で出湯させ、出湯不可であれば、前記第2の設定温度に切り替えて出湯させ、前記熱交換器に流す前記給水の分配量を低減して前記熱交換器の圧力損失を低減させる制御部と、
を含む、給湯システム。 - コンピュータに実行させるためのプログラムであって、
蓄熱タンクから熱交換器に循環させる熱媒の温度情報を取得する機能と、
給水を熱交換器およびバイパス路に流す混合弁の熱交換器側の開度と前記バイパス路側の開度を制御する機能と、
第1の設定温度と、該第1の設定温度より所定温度だけ低い第2の設定温度とが設定され、前記第1の設定温度で出湯可能かを前記熱媒の温度により判断し、出湯可能であれば、前記第1の設定温度で出湯させ、出湯不可であれば、前記第2の設定温度に切り替えて出湯させ、前記熱交換器に流す前記給水の分配量を低減して前記熱交換器の圧力損失を低減させる機能と、
を前記コンピュータに実行させるためのプログラム。 - 発電で生じた熱が熱交換された熱媒を溜める蓄熱タンクから前記熱媒を循環させ、該熱と給水とを熱交換する熱交換器と、
熱交換前の前記給水を前記熱交換器およびバイパス路に流し、該バイパス路に分配された前記給水と前記熱交換器で得られる温水とを混合させる混合手段と、
第1の設定温度と、該第1の設定温度より所定温度だけ低い第2の設定温度とが設定され、前記第1の設定温度で出湯可能かを前記熱媒の温度により判断し、出湯可能であれば、前記第1の設定温度で出湯させ、出湯不可であれば、前記第2の設定温度に切り替えて出湯させ、前記熱交換器に流す前記給水の分配量を低減して前記熱交換器の圧力損失を低減させる制御部と、
を含む、給湯装置。
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