JP2022000357A - 四輪駆動機構 - Google Patents

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Kenji Fukazawa
晃 中村
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Abstract

【課題】本発明は、製造コストを低く抑えながらも二輪駆動状態における駆動損失を低減することができる四輪駆動機構を提供する。【解決手段】本発明の四輪駆動機構は、駆動源が発生した動力を左右の前輪のそれぞれに分配して伝達する第一動力伝達装置と、前記第一動力伝達装置を介して前記動力を後方に伝達するプロペラシャフトと、前記プロペラシャフトから左右の後輪のそれぞれに前記動力を分配して伝達する第二動力伝達装置と、を備える四輪駆動機構であって、前記第二動力伝達装置は、前記プロペラシャフトよりも前記後輪の回転速度が速い場合に前記プロペラシャフトと前記後輪との間における動力伝達部の係合を解くクラッチ装置を有することを特徴とする。【選択図】図1

Description

本発明は、四輪駆動機構に関する。
従来、駆動源から前輪に伝達する動力の一部を、トランスファとプロペラシャフトとを介して後輪に伝達する四輪駆動機構が知られている(例えば、特許文献1参照)。この四輪駆動機構においては、トランスファ側からプロペラシャフトへの動力伝達のオンオフを切り替えることによって二輪駆動又は四輪駆動のいずれかが選択される。
国際公開第2010/140433号
ところで、このような従来の四輪駆動機構(例えば、特許文献1参照)においては、トランスファを非伝動状態にした前輪駆動時(二輪駆動時)は、駆動されていない後輪への動力伝達系が、前後輪駆動時(四輪駆動時)とは逆に、トルクを後輪側からトランスファ側へ伝達する逆駆動状態になる。つまり、後輪側ドライブシャフト、後輪側ディファレンシャル装置、後輪側プロペラシャフト、トランスファの後輪側クラッチ要素などが、路面を転動する後輪に伴って一緒に回転することとなる。これにより軸受け、歯車などでの摩擦抵抗や回転イナーシャによって、この四輪駆動機構は駆動損失を生じさせる。
そこで、このような四輪駆動機構においては、四輪駆動から二輪駆動への切替え時に、後輪と後輪への動力伝達系との接続を断つ機構の導入も考えられる。しかしながら、このような四輪駆動機構においては、後輪への動力伝達系に設ける断続装置やこの断続装置の制御系の構築によって、これを搭載する車両の製造コストが高くなる問題がある。
本発明の課題は、製造コストを低く抑えながらも二輪駆動状態における駆動損失を低減することができる四輪駆動機構を提供することにある。
前記課題を解決した本発明の四輪駆動機構は、駆動源が発生した動力を左右の前輪のそれぞれに分配して伝達する第一動力伝達装置と、前記第一動力伝達装置を介して動力を後方に伝達するプロペラシャフトと、前記プロペラシャフトから左右の後輪のそれぞれに動力を分配して伝達する第二動力伝達装置と、を備える四輪駆動機構であって、前記第二動力伝達装置は、前記プロペラシャフトと前記後輪との回転速度差により係合・非係合を決定し、前記プロペラシャフトよりも前記後輪の回転速度が速い場合に前記プロペラシャフトと前記後輪との間における動力伝達部の係合を解くクラッチ装置を有することを特徴とする。
本発明の四輪駆動機構によれば、製造コストを低く抑えながらも二輪駆動状態における駆動損失を低減することができる。
本発明の第一実施形態である四輪駆動機構の構成を説明する模式図である。 図1の四輪駆動機構を構成するフロントディファレンシャル装置の説明図である。 図1の四輪駆動機構を構成するトランスファの説明図である。 図1の四輪駆動機構を構成するリアディファレンシャル装置の説明図である。 本発明の第二実施形態である四輪駆動機構を構成するリアディファレンシャル装置の説明図である。 本発明の第一実施形態及び第二実施形態で使用したフロントディファレンシャル装置の変形例を示した構成説明図である。 本発明の第一実施形態及び第二実施形態で使用したトランスファの変形例を示した構成説明図である。
次に、本発明を実施するための形態(第一実施形態及び第二実施形態)の四輪駆動機構ついて適宜図面を参照しつつ詳細に説明する。
本発明の実施形態に係る四輪駆動機構は、プロペラシャフトよりも後輪の回転速度が速い場合にプロペラシャフトと後輪との間における動力伝達部の係合を解くクラッチ装置を有することを主な特徴とする。
<第一実施形態>
図1は、本発明の第一実施形態である四輪駆動機構100の構成を説明する模式図である。
図1に示すように、四輪駆動機構100は、エンジンE(駆動源)が発生した動力を左右の前輪FW,FWのそれぞれに分配して伝達するフロントディファレンシャル装置1(以下、フロントデフ装置1と略記することがある)と、エンジンEから前輪FW,FWに伝達する動力の一部を、後方に延びるプロペラシャフト6に伝達するトランスファ2と、プロペラシャフト6から左右の後輪RW,RWのそれぞれに動力を分配して伝達するリアディファレンシャル装置3(以下、リアデフ装置3と略記することがある)とを主に備えて構成されている。
なお、フロントデフ装置1は、特許請求の範囲にいう「第一動力伝達装置」に相当する。また、リアデフ装置3は、特許請求の範囲にいう「第二動力伝達装置」に相当する。そして、このリアデフ装置3は、後に詳しく説明するように、ワンウェイクラッチ装置37(図1参照)を含んで構成されている。このワンウェイクラッチ装置37は、特許請求の範囲にいう「クラッチ装置」に相当する。
また、四輪駆動機構100においては、フロントデフ装置1が備える後記の多板クラッチ機構14によって、プロペラシャフト6に対する動力の伝達又は非伝達が切り替えられる。これにより四輪駆動機構100を搭載する車両Vの二輪駆動走行又は四輪駆動走行が選択される。
ちなみに、この四輪駆動機構100が搭載される車両Vの前輪FW,FWは、二輪駆動走行時又は四輪駆動走行時の何れであっても主駆動輪となる。そして、後輪RW,RWは、二輪駆動走行時には従動輪となる一方で四輪駆動走行時には副駆動輪となる。
図1中、符号9で示される自動変速機は、エンジンEで発生した動力を、次に説明するフロントデフ装置1に伝達する。本実施形態での自動変速機9は、複数の遊星歯車装置及び摩擦係合装置(クラッチ、ブレーキ)を備え、摩擦係合装置を選択的に係合させることで変速段が選択される有段式自動変速機を想定している。ただし、変速機はこれに限定されるものではない。
(フロントデフ装置)
次に、フロントデフ装置1(図1参照)について説明する。
図1に示すように、本実施形態でのフロントデフ装置1は、自動変速機9と同じギアボックス9a内に配置されている。そして、自動変速機9の出力歯車(ファイナルギア)9bは、フロントデフ装置1のリングギア11と噛み合っている。これによりエンジンEで発生した動力は、自動変速機9を介してフロントデフ装置1に伝達される。
図2は、フロントデフ装置1の部分拡大図である。
図2に示すように、フロントデフ装置1は、フロントデフケース10と、リングギア11と、ピニオンギア12と、サイドギア13と、多板クラッチ機構14とを主に備えて構成されている。なお、多板クラッチ機構14は、特許請求の範囲にいう「プロペラシャフトに対する動力断続装置」に相当する。
図1に戻って、フロントデフケース10は、左右一対のフロントアクスル4L,4Rの回転軸と同軸の軸C1周りに回転するように配置されている。
つまり、自動変速機9の出力歯車9bが噛み合うリングギア11によって、フロントデフケース10は、軸C1周りに回転する。
図2に示すように、フロントデフケース10は、傘歯車からなるピニオンギア12とサイドギア13とを収容する略球形状のデフケース本体10aと、軸C1に対して垂直方向(デフケース本体10aの半径方向)の外側に張り出すフランジ10bとを有している。そして、フランジ10bには、軸C1と同軸となるようにリングギア11が締結されている。また、フランジ10bには、後に詳しく説明する多板クラッチ機構14のオイルバッフル19aが、このリングギア11とボルトBにて共締めされている。
デフケース本体10aの内側には、一対のピニオンギア12,12の回転軸12aが回転可能に支持されている。各ピニオンギア12,12は、左右のサイドギア13,13に噛み合わされている。サイドギア13,13は、左右のフロントアクスル4L,4Rにそれぞれ一体回転可能に連結されている。ちなみに、本実施形態でのフロントアクスル4Rは、後記するトランスファ2(図1参照)側に向けて延びる筒状の入力軸21(図2参照)の内側に回転可能に配置されている。
なお、デフケース本体10aとピニオンギア12とサイドギア13とは、特許請求の範囲にいう「差動歯車装置」を構成している。
この「差動歯車装置」においては、車両V(図1参照)が直進する際には、リングギア11(図2参照)を介してのフロントデフケース10(図2参照)の回転に応じて、ピニオンギア12(図2参照)が自転することなく、フロントアクスル4L,4R(図1参照)の回転軸、つまり軸C1(図2参照)上を公転する。そして、左右のサイドギア13,13(図2参照)のそれぞれが回転することで、「差動歯車装置」の全体が一体となって回転する。これにより左右の前輪FW,FW(図1参照)は、互いに等速度で回転する。これに対して車両V(図1参照)がカーブを描いて進行する際には、ピニオンギア12,12(図2参照)が公転しつつ自転することで、左右のサイドギア13,13(図2参照)同士の間には回転速度に差が生じる。これにより、左右の前輪FW,FW(図1参照)の差動回転が許容されることとなる。
図2に示すように、多板クラッチ機構14は、フロントデフケース10と、プロペラシャフト6(図1参照)の後記する入力軸21との間で動力を断続する動力断続装置である。本実施形態での多板クラッチ機構14は、オイルによる湿式クラッチを想定している。
この多板クラッチ機構14は、「差動歯車装置」を構成するデフケース本体10aの周方向外側に配置されている。
本実施形態での多板クラッチ機構14は、クラッチハブ15と、内側クラッチ板16と、外側クラッチ板17と、クラッチハウジング19と、アクチュエータ18と、を備えている。
クラッチハブ15は、デフケース本体10aの外周側で軸C1方向に沿って円筒状に延びる本体部15aと、この本体部15aに接続されて後記するトランスファ2(図1参照)側に向かうほど徐々に縮径して入力軸21に連結される縮径部15bと、を有している。
このようなクラッチハブ15は、デフケース本体10aに対して軸C1周りに回転可能となっている。
内側クラッチ板16は、クラッチハブ15の本体部15aの外周側に軸C1方向に沿って複数並ぶように係合配置されている。
外側クラッチ板17は、隣接する内側クラッチ板16同士の間に配置されて軸C1方向に沿って複数並ぶように配置されている。
クラッチハウジング19は、外側クラッチ板17の外周側に配置されて多板クラッチ機構14のケーシングの機能を有しているとともに、その内周側に外側クラッチ板17を軸C1方向に沿って複数並ぶように係合配置している。
このようなクラッチハウジング19は、前記のオイルバッフル19aを兼ねており、フランジ10b側に延びた先端部にて、図2に示す断面視で軸C1側に向かってL字状に屈曲している。そして、このようなオイルバッフル19a(クラッチハウジング19)は、この先端屈曲部でフランジ10bに対してリングギア11とボルトBにて共締めされている。
本実施形態でのアクチュエータ18は、モータ(図示省略)により駆動するウォームギア18aと、ウォームギア18aに係合するカム18bとを有する電気制御式であるものを想定している。ただし、アクチュエータ18は、これに限定されずに、他の方式(例えば油圧式)によるものでも構わない。
このような多板クラッチ機構14によれば、アクチュエータ18が駆動して内側クラッチ板16と外側クラッチ板17とが圧接すると、軸C1周りのデフケース本体10aの回転動作に伴ってクラッチハブ15が回転する。そして、回転するクラッチハブ15は、後記するように、入力軸21を介してトランスファ2(図1参照)にてプロペラシャフト6(図1参照)に動力を伝達する。
なお、このようなプロペラシャフト6に対する「動力断続装置」としての多板クラッチ機構14は、これに代えてドッグクラッチとすることもできる。
(トランスファ)
図1に示すように、トランスファ2は、フロントデフ装置1に対してフロントアクスル4L,4Rの軸方向(軸C1方向)に並ぶように配置されている。このトランスファ2は、エンジンEからフロントデフ装置1に伝達された動力の一部を、プロペラシャフト6に伝達するように構成されている。
図3は、トランスファ2の構成説明図であり、軸C1を含む水平面におけるトランスファ2の部分拡大断面図である。
図3に示すように、トランスファ2は、入力軸21と、リングギア22と、出力軸23と、これらを収容するトランスファケース24とを主に備えて構成されている。
入力軸21は、前記のように、軸C1方向に延びる筒状体であって、図示を省略するが、入力軸21の内側にはフロントアクスル4Rが軸C1周りに回転可能に配置されることとなる。
そして、入力軸21は、複数の軸受27によってトランスファケース24内で軸C1周りに回転可能に支持されている。図3中、符号26は、トランスファケース24内に充填したオイルのシール部材である。
入力軸21のフロントデフ装置1(図1参照)側に臨む端部は、前記のように、クラッチハブ15(図2参照)に連結されている。
このような入力軸21には、リングギア22が軸C1と同軸となるように取り付けられている。このリングギア22は、入力軸21と一体に回転する。
そして、リングギア22は、次に説明する出力軸23のピニオンギア25に噛み合っている。
出力軸23は、図3に示す平面視で、入力軸21に対してT字を形成するようにトランスファケース24内で前後方向に延びている。そして、出力軸23は、複数の軸受28によってトランスファケース24内で軸C1と直交する軸C2周りに回転可能に支持されている。
ピニオンギア25が設けられる出力軸23の前端とは反対側の後端には、図示を省略するが、プロペラシャフト6(図1参照)の前端が連結される。
このようなトランスファ2によれば、多板クラッチ機構14(図2参照)によって、フロントデフケース10(図2参照)から入力軸21(図2参照)へと伝達された動力は、図3に示すリングギア22とピニオンギア25を有する出力軸23とを介してプロペラシャフト6(図1参照)に伝達される。そして、プロペラシャフト6(図1参照)に伝達された動力は、プロペラシャフト6の後端に設けられたドライブピニオンギアシャフト7(図1参照)を介して次に説明するリアデフ装置3(図1参照)に伝達される。
(リアデフ装置)
図1に示すように、リアデフ装置3は、プロペラシャフト6の後方に配置されている。つまり、リアデフ装置3は、トランスファ2と軸C2方向に並ぶように配置されている。このリアデフ装置3は、トランスファ2からプロペラシャフト6へと伝達された動力を、左右の後輪RW,RWのそれぞれに分配して伝達する。このリアデフ装置3は、前記したように、特許請求の範囲にいう「第二動力伝達装置」に相当し、ワンウェイクラッチ装置37(特許請求の範囲にいう「クラッチ装置」に相当する)を含んで構成されている。
図4は、リアデフ装置3の構成説明図であり、軸C2を含む水平面におけるリアデフ装置3の部分拡大断面図である。
図4に示すように、リアデフ装置3は、リアデフケース31と、リングギア34と、ピニオンギア35と、サイドギア36と、ワンウェイクラッチ装置37(クラッチ装置)とを備えている。
前記のドライブピニオンギアシャフト7は、ハウジング8a内に収容されて車両V(図1参照)の前後方向に延びている。また、リアデフ装置3は、ハウジング8aと、このハウジング8aの後部に配置されるリアカバー8bとの間に配置されている。具体的には、リアデフ装置3は、リングギア34が、ドライブピニオンギアシャフト7の後端に形成されたピニオンギア7aと噛み合うように、複数の軸受7bを介してハウジング8aとリアカバー8bとの間に回転可能に支持されている。
図1に戻って、リアデフ装置3のリアデフケース31は、左右一対のリアアクスル5L,5Rの回転軸と同軸の軸C3周りに回転するように配置されている。
つまり、プロペラシャフト6に連結されたドライブピニオンギアシャフト7のピニオンギア7aが噛み合うリングギア34によって、リアデフケース31は、軸C3周りに回転する。
図4に示すように、リアデフケース31は、デフケース本体32と、リアアクスル挿通部33とを主に備えている。
デフケース本体32は、軸C3と同軸に配置される略円筒部32aと、略円筒部32aの軸C3方向における両端のそれぞれに配置されるサイドギア支持壁部32bとで主に構成されている。
サイドギア支持壁部32bのそれぞれには、軸C3と同軸になるように、略円筒部32aよりも小径の略円筒体からなるリアアクスル挿通部33が一体となるように接続されている。これにより略円筒部32aの内側とリアアクスル挿通部33の内側とが連通することとなる。
略円筒部32aの内側には、軸C3と交差する方向に延びる回転軸32cが回転可能に支持されている。この回転軸32cには、傘歯車からなる一対のピニオンギア35,35が回転可能に支持されている。
これらのピニオンギア35,35は、軸C3と同軸となるようにサイドギア支持壁部32bに支持された、傘歯車からなる左右のサイドギア36,36に噛み合わされている。そして、各サイドギア36,36は、リアアクスル挿通部33,33内に回転可能に配置された左右のリアアクスル5L,5Rのそれぞれに一体回転可能に連結されている。
このようなリアデフ装置3を構成するリアデフケース31、ピニオンギア35,35、及びサイドギア36,36は、前記のフロントデフ装置1(図2参照)を構成するデフケース本体10a(図2参照)、ピニオンギア12(図2参照)、及びサイドギア13(図2参照)と同様に機能することで、左右の後輪RW,RW(図1参照)の差動回転を許容する。
図4に示すように、ワンウェイクラッチ装置37(クラッチ装置)は、リアデフケース31におけるデフケース本体32の外周面上に配置されている。
本実施形態でのワンウェイクラッチ装置37は、内輪としてのデフケース本体32の外周面上に、外輪を構成するように軸C3と同軸に配置された外筒部38と、デフケース本体32と外筒部38との間でデフケース本体32の周方向に等間隔に複数配置されたスプラグ39とを主に備えて構成されている。
外筒部38は、図4に示す軸C3に沿う断面視で、デフケース本体32の略円筒部32aからリアアクスル挿通部33にわたってクランク状に形成されている。具体的には、外筒部38は、デフケース本体32の略円筒部32a上に形成される大筒部38aと、リアアクスル5R側のリアアクスル挿通部33上に形成される小筒部38bと、大筒部38aと小筒部38bとの間を繋ぐ中間部38cとを備えている。
スプラグ39は、図示を省略するが、軸C3に直交する断面視で、軸C3を中心とする遠心方向に長い略繭形状を呈している。そして、スプラグ39は、小筒部38bとリアアクスル挿通部33との間に配置される内外二連のリング状保持器(図示を省略)によって、軸C3方向に見たそれぞれのスプラグ39の長軸が軸C3周りの一方の周方向に傾斜するように支持されている。
つまり、本実施形態におけるスプラグ39の長軸は、リングギア34を介してデフケース本体32に動力を伝達するように大筒部38aに回転荷重がかかる場合には、スプラグ39が外筒部38(小筒部38b)とデフケース本体32(リアアクスル挿通部33)との間に噛み込むように傾斜している。これとは逆に、本実施形態におけるスプラグ39の長軸は、前記の車両V(図1参照)の二輪駆動走行時のように、リアアクスル5L,5Rを介してデフケース本体32に回転荷重がかかる場合には、デフケース本体32は、外筒部38に対して空転するように傾斜していることとなる。
このようなワンウェイクラッチ装置37(クラッチ装置)においては、車両V(図1参照)の走行時に、プロペラシャフト6よりも後輪RW,RWの回転速度が速い場合にプロペラシャフト6と後輪FWとの間における動力伝達部、つまりデフケース本体32と、リングギア34との間の係合を解くこととなる。
なお、本実施形態での「クラッチ装置」は、このワンウェイクラッチ装置37を想定しているが、本発明の四輪駆動機構100においては、このワンウェイクラッチ装置37に代えてツーウェイクラッチ装置を使用することもできる。このツーウェイクラッチ装置としては、内外二連のリング状保持器について、互いに逆の周方向に変位させることで、スプラグ39の前記の長軸傾斜方向を、一方の周方向又は他方の周方向のいずれかに選択できる構成のものが挙げられる。ただし、本発明の四輪駆動機構100で使用できるワンウェイクラッチ装置37及びツーウェイクラッチ装置は、前記のものに限定されるものではなく、公知の他の構造のものを使用することもできる。
≪作用効果≫
次に、第一実施形態の四輪駆動機構100の奏する作用効果について説明する。
本実施形態の四輪駆動機構100においては、リアデフ装置3(第二動力伝達装置)が、プロペラシャフト6と後輪RW,RWとの回転速度差により係合・非係合を決定し、プロペラシャフト6よりも後輪RW,RWの回転速度が速い場合にプロペラシャフト6と後輪RW,RWとの間における動力伝達部の係合を解くクラッチ装置(ワンウェイクラッチ装置37、ツーウェイクラッチ装置(図示省略))を有している。
このような四輪駆動機構100によれば、従来の四輪駆動機構(例えば、特許文献1参照)と異なって、二輪駆動時には駆動されていない後輪への動力伝達系が後輪側からの逆駆動状態となることによる駆動損失を低減することができる。
また、四輪駆動機構100によれば、ワンウェイクラッチ装置37やツーウェイクラッチ装置(図示省略)といった簡素な構成にて前記の駆動損失を低減することができるので、これを搭載する車両Vの製造コストを低く抑えることができる。
一般の四輪駆動機構においては、フロントディファレンシャル装置側からプロペラシャフト側にエンジンの動力を分配する動力断続装置は、フロントディファレンシャル装置から車幅方向に離れたトランスファ側に配置されている。
これに対して、本実施形態の四輪駆動機構100においては、多板クラッチ機構14(動力断続装置)は、フロントデフ装置1(差動歯車装置)の周方向外側に配置されている。
このような四輪駆動機構100によれば、フロントディファレンシャル装置から動力断続装置を離反させた一般の四輪駆動機構と異なって、フロントアクスル4L,4R(図1参照)の回転軸、つまり軸C1(図1参照)方向の省スペース化及びレイアウト性の向上を図ることができる。
また、このような四輪駆動機構100によれば、多板クラッチ機構14(動力断続装置)の取付部をフロントデフ装置1(差動歯車装置)に設定することができるので、多板クラッチ機構14とフロントデフ装置1とは、互いに同じ部材を共通部材として流用し合うことができる。これにより四輪駆動機構100は、省スペースかつ廉価な構成となる。
また、この四輪駆動機構100においては、フロントデフケース10のフランジ10bに、リングギア11とオイルバッフル19aとが共締めされている。
このような四輪駆動機構100によれば、オイルバッフル19aの支持部材を別途設ける必要がないので部品点数を削減することができる。
また、このような四輪駆動機構100によれば、オイルバッフル19aによるオイル保持性が向上するため、フロントデフ装置1における焼付き防止性能が一段と向上する。
また、四輪駆動機構100においては、電気制御式の多板クラッチ機構14を使用したことで、動力伝達の程度をコントロールすることができる。
<第二実施形態>
次に、本発明の第二実施形態である四輪駆動機構について説明する。
第二実施形態の四輪駆動機構は、第一実施形態の四輪駆動機構100(図1参照)におけるリアデフ装置3(図1参照)の構成のみが異なっている。以下では、第二実施形態の四輪駆動機構のリアデフ装置についてのみ説明し、第一実施形態の四輪駆動機構100と同一構成のその他の装置等についての詳細な説明は省略する。
図5は、本発明の第二実施形態である四輪駆動機構100を構成するリアデフ装置3の説明図であり、前記第一実施形態における図4に対応する図である。なお、以下の第二実施形態の説明において、第一実施形態と同一の構成要素については同じ符号を使用している。
図5中、符号7は、ドライブピニオンギアシャフト、符号7aは、ピニオンギア、符号34は、リングギア、符号37は、ワンウェイクラッチ装置(クラッチ装置)、符号31は、リアデフケースである。
図5に示すように、第二実施形態でのリアデフ装置3は、第一実施形態での傘歯車式のリアデフ装置3(図4参照)と異なって、遊星歯車式の構成となっている。このリアデフ装置3は、ダブルピニオン型の遊星歯車装置を想定している。
図5に示すように、このリアデフ装置3は、リアデフケース31の内周側に形成された内歯車41と、リアアクスル5Rの車幅方向の内側端部に配置されるサンギア42Sと、内歯車41とサンギア42Sの一方及び他方とそれぞれ噛み合うとともに互いに噛み合う複数対の遊星ギア42P,42Pと、これらの遊星ギア42P,42Pを回転可能に支持するとともにリアアクスル5Lに取り付けられるキャリア43と、を主に備えて構成されている。
このようなリアデフ装置3においては、リングギア34からワンウェイクラッチ装置37を介してリアデフケース31へと伝達された動力は、内歯車41、サンギア42S及び複数対からなる遊星ギア42P,42Pを介して差動的にリアアクスル5L,5Rのそれぞれに分配される。
このような遊星歯車式のリアデフ装置3によれば、車両の幅方向における省スペース化を達成することができる。
以上、本発明の第一実施形態及び第二実施形態について説明したが、本発明は前記の実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々変更することができる。
図6は、前記の第一実施形態及び第二実施形態で使用したフロントデフ装置1(図2参照)の変形例を示した構成説明図である。なお、この変形例に係るフロントデフ装置1において、第一実施形態及び第二実施形態で使用したフロントデフ装置1(図2参照)と同様の構成要素については同一の符号を付してその詳細な説明は省略する。
図2に示した第一実施形態及び第二実施形態で使用したフロントデフ装置1は、クラッチハブ15をデフケース本体10aに対して軸C1周りに回転可能に配置するとともに、入力軸21側と連結した構成となっている。
これに対して、図6に示す変形例のフロントデフ装置1は、クラッチハブ15がデフケース本体10aの外周に固定されているとともに、クラッチハブ15の外周側に配置されるクラッチハウジング19が入力軸21と連結された構成となっている。
このようなフロントデフ装置1によれば、クラッチハウジング19がオイルバッフル19aとして確実に機能することで、多板クラッチ機構14周りでのオイル保持性が良好となる。これによりフロントデフ装置1における焼付き防止性能が一段と高まることとなる。
また、第一実施形態及び第二実施形態で使用したフロントデフ装置1(図2参照)及びこの変形例に係るフロントデフ装置1(図6参照)は、前記のように、傘歯車式の構成を想定しているが、これらフロントデフ装置1は、前記の第二実施形態で使用したリアデフ装置3(図5参照)と同様の遊星歯車式の構成とすることもできる。
次に、前記の第一実施形態及び第二実施形態で使用したトランスファ2(図3参照)の変形例について説明する。
第一実施形態及び第二実施形態の四輪駆動機構100(図1参照)は、プロペラシャフト6(図1参照)に対する動力断続装置(多板クラッチ機構14(図2参照))をフロントデフ装置1(図2参照)のデフケース本体10a(図2参照)の周方向外側に配置した構成となっている。
このような四輪駆動機構100においては、プロペラシャフト6(図1参照)に対する動力断続装置をトランスファ2(図3参照)側に配置することもできる。
図7は、第一実施形態及び第二実施形態で使用したトランスファ2の変形例を示した構成説明図である。なお、この変形例に係るトランスファ2において、第一実施形態及び第二実施形態で使用したトランスファ2(図3参照)と同様の構成要素については同一の符号を付してその詳細な説明は省略する。
図7に示すように、この変形例に係るトランスファ2は、入力軸21と、入力軸21の後方で、この入力軸21と平行に延びる動力伝達軸33と、動力伝達軸33に設けられたリングギア34と、ピニオンギア25を有する出力軸23と、多板クラッチ機構14と、これらを収容するトランスファケース24と、を備えている。
入力軸21は、フロントデフ装置1(図2参照)から延びる入力軸本体21aに加えて、この入力軸本体21aとは分離されて軸C1と同軸に配置される断接入力軸21bを備えている。
この断接入力軸21bは、多板クラッチ機構14によって入力軸本体21aと断接されるようになっている。そして、断接入力軸21bの周面には、動力伝達軸33に一体に成形された平歯車33aが噛み合う図示しない外歯車が形成されている。
多板クラッチ機構14は、入力軸本体21aにおける断接入力軸21b側の端部に形成されたクラッチハブ15と、断接入力軸21bからクラッチハブ15の外周側に延びるように形成されたクラッチハウジング19と、内側クラッチ板16と、外側クラッチ板17と、図示しないアクチュエータと、を備えている。
このような多板クラッチ機構14において、図示しないアクチュエータによって内側クラッチ板16と、外側クラッチ板17とが圧接すると、入力軸本体21aは、断接入力軸21b、動力伝達軸33、及び出力軸23を介してプロペラシャフト6(図1参照)へと動力を伝達する。
つまり、車両V(図1参照)は、四輪駆動状態となる。また、多板クラッチ機構14によって、入力軸本体21aと断接入力軸21bとの間の接続が解かれると、車両V(図1参照)は、二輪駆動状態となる。
なお、このような変形例に係るトランスファ2においては、多板クラッチに代えてドッグクラッチとすることもできる。
以上の変形例に係るトランスファ2によれば、動力断続装置(多板クラッチ機構14)と、プロペラシャフト6(図1参照)に向けての出力軸23とを近接配置することができ、動力伝達効率が向上する。
1 フロントデフ装置(第一動力伝達装置)
3 リアデフ装置(第二動力伝達装置)
6 プロペラシャフト
7 ワンウェイクラッチ装置(クラッチ装置)
10a フロントデフ装置のデフケース本体(差動歯車装置)
12 フロントデフ装置のピニオンギア(差動歯車装置)
13 フロントデフ装置のサイドギア(差動歯車装置)
14 多板クラッチ機構(動力断続装置)
100 四輪駆動機構
E エンジン(駆動源)
FW 前輪
RW 後輪

Claims (4)

  1. 駆動源が発生した動力を左右の前輪のそれぞれに分配して伝達する第一動力伝達装置と、
    前記第一動力伝達装置を介して前記動力を後方に伝達するプロペラシャフトと、
    前記プロペラシャフトから左右の後輪のそれぞれに前記動力を分配して伝達する第二動力伝達装置と、
    を備える四輪駆動機構であって、
    前記第二動力伝達装置は、前記プロペラシャフトよりも前記後輪の回転速度が速い場合に前記プロペラシャフトと前記後輪との間における動力伝達部の係合を解くクラッチ装置を有することを特徴とする四輪駆動機構。
  2. 前記クラッチ装置は、ワンウェイクラッチ装置であることを特徴とする請求項1に記載の四輪駆動機構。
  3. 前記クラッチ装置は、ツーウェイクラッチ装置であることを特徴とする請求項1に記載の四輪駆動機構。
  4. 前記第一動力伝達装置は、前記プロペラシャフトに対する動力断続装置と、左右の前記前輪のそれぞれに動力を分配する差動歯車装置と、を備え、
    前記動力断続装置は、前記差動歯車装置の周方向外側に配置されていることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の四輪駆動機構。
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