JP2021536506A - 疼痛を処置するためにフェノキシプロピルアミン化合物を使用する方法 - Google Patents

疼痛を処置するためにフェノキシプロピルアミン化合物を使用する方法 Download PDF

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Abstract

本開示は、疼痛、線維筋痛、ニューロパシー、化学療法誘発性疼痛の処置、抗痛覚過敏効果の促進、および疼痛に対する感受性の低減を必要とする対象における、疼痛、線維筋痛、ニューロパシー、化学療法誘発性疼痛を処置する方法、抗痛覚過敏効果を促進する方法、および疼痛に対する感受性を低減する方法であって、治療有効量の化合物I、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、もしくはプロドラッグを投与することを含む、方法に関する。

Description

関連出願
本出願は、2018年9月4日に出願された米国仮出願第62/726,800号に対する優先権およびその利益を主張するものであり、その出願の内容は全体として参照により本明細書に組み込まれる。
開示の分野
本開示は、疼痛、例えば、急性疼痛、慢性疼痛、毒性疼痛、ニューロパシー性疼痛(neuropathic pain)、侵害受容性疼痛(nociceptive pain)、炎症性疼痛、術後疼痛、内臓疼痛、化学療法誘発性疼痛(chemotherapy−induced pain)、またはそれらの組合せを処置する方法に関する。
開示の背景
疼痛の処置のための治療オプションは、有害反応、耐性、依存性、および生活の質の低下のために、しばしば有効でないことがある。例えば、米国では、公衆衛生上の緊急事態として、オピオイドへの依存が持ち上がってきている。例えば、2016年には、米国だけで63,632人の過剰用量による死亡があった(Scholl, L. et al. “Drug and Opioid-Involved Overdose Deaths-United States, 2013-2017” MMWR Morb Mortal Wkly Rep. 2019 67(5152):1419-1427。したがって、疼痛を処置するための追加の非オピオイド治療オプションの開発が必要である。
開示の概要
一態様において、本出願は、処置を必要とする対象における疼痛を処置または予防する方法であって、対象に、治療有効量の化合物I
Figure 2021536506
またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、もしくはプロドラッグを投与することを含む、方法に関する。
一態様において、本出願は、処置を必要とする対象における疼痛を処置する方法であって、対象に、治療有効量の化合物I
Figure 2021536506
またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、もしくはプロドラッグを投与することを含む、方法に関する。
一態様において、本出願は、処置を必要とする対象における疼痛を予防する方法であって、対象に、治療有効量の化合物I
Figure 2021536506
またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、もしくはプロドラッグを投与することを含む、方法に関する。
一実施形態において、疼痛は、急性疼痛、慢性疼痛、毒性疼痛、ニューロパシー性疼痛、侵害受容性疼痛、炎症性疼痛、術後疼痛、内臓疼痛、化学療法誘発性疼痛、またはそれらの組合せである。
一実施形態において、疼痛は、末梢性ニューロパシーである。
一実施形態において、疼痛は、末梢性単ニューロパシー(peripheral mononeuropathy)である末梢性ニューロパシーである。
一実施形態において、疼痛は、末梢性多発ニューロパシー(peripheral polyneuropathy)である末梢性ニューロパシーである。
一実施形態において、疼痛は、化学療法誘発性末梢性ニューロパシーである。
一実施形態において、疼痛は、化学療法誘発性末梢性ニューロパシーであり、化学療法はパクリタキセルである。
一態様において、本出願は、処置を必要とする対象における線維筋痛を処置または予防する方法であって、対象に、治療有効量の化合物I
Figure 2021536506
またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、もしくはプロドラッグを投与することを含む、方法に関する。
一態様において、本出願は、処置を必要とする対象におけるニューロパシーを処置または予防する方法であって、対象に、治療有効量の化合物I
Figure 2021536506
またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、もしくはプロドラッグを投与することを含む、方法に関する。
一実施形態において、ニューロパシーは末梢性ニューロパシーである。
一実施形態において、ニューロパシーは末梢性単ニューロパシーである。
一実施形態において、ニューロパシーは末梢性多発ニューロパシーである。
一実施形態において、ニューロパシーは化学療法によって誘発される。
一態様において、本出願は、処置を必要とする対象における化学療法誘発性疼痛を処置または予防する方法であって、対象に、治療有効量の化合物I
Figure 2021536506
またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、もしくはプロドラッグを投与することを含む、方法に関する。
一実施形態において、化学療法誘発性疼痛は、末梢性ニューロパシー性疼痛である。
一実施形態において、化学療法はパクリタキセルである。
一態様において、本出願は、痛覚過敏を患う対象における抗痛覚過敏効果(antihyperalgesic effect)を促進する方法であって、対象に、治療有効量の化合物I
Figure 2021536506
またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、もしくはプロドラッグを投与することを含む、方法に関する。
一態様において、本出願は、対象における疼痛に対する感受性を低減する方法であって、対象に、治療有効量の化合物I
Figure 2021536506
またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、もしくはプロドラッグを投与することを含む、方法に関する。
一実施形態において、本明細書に開示される本出願のいずれかの方法について、治療有効量の化合物Iは0.1mg/kg〜100mg/kgである。
一実施形態において、本明細書に開示される本出願のいずれかの方法について、治療有効量の化合物Iは約10mg/kgである。
一実施形態において、本明細書に開示される本出願のいずれかの方法について、治療有効量の化合物Iは1mg〜1,000mgである。
一実施形態において、本明細書に開示される本出願のいずれかの方法について、治療有効量の化合物Iは、対象に1日1回、1日2回、1日3回、1日4回、2日に1回、3日に1回、4日に1回、5日に1回、6日に1回、1週間に1回、2週間に1回、3週間に1回、または1ヶ月に1回投与される。
一実施形態において、本明細書に開示される本出願のいずれかの方法について、化合物Iは、1種または複数の薬学的に許容される賦形剤を含む医薬組成物として製剤化されている。一実施形態において、医薬組成物は、疼痛の処置のための追加の治療剤をさらに含む。
一実施形態において、本明細書に開示される本出願のいずれかの方法について、化合物I、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、もしくはプロドラッグ、あるいは化合物I、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、もしくはプロドラッグを含む医薬組成物は、経口的に、非経口的に、静脈内に、筋肉内に、髄腔内に、皮下に、局所的に、全身的に、皮膚に、舌下に、口腔に、直腸に、膣に、眼に、耳に、鼻に、吸入により、噴霧により、または経皮的に投与される。
一実施形態において、本明細書に開示される本出願のいずれかの方法について、化合物I、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、もしくはプロドラッグ、あるいは化合物I、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、もしくはプロドラッグを含む医薬組成物は、対象に経口的に投与され、錠剤、カプセル剤、咀嚼剤、ゲル剤、ペースト剤、多粒子剤、ナノ粒子剤、ロゼンジ剤、トローチ剤、顆粒剤、散剤、溶液、噴霧剤、エマルション、懸濁液、シロップ剤、マウスウォッシュ、または点眼剤として製剤化されている。
一実施形態において、本明細書に開示される本出願のいずれかの方法について、化合物I、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、もしくはプロドラッグ、あるいは化合物I、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、もしくはプロドラッグを含む医薬組成物は、対象に局所的に投与され、クリーム剤、ペースト剤、ローション剤、ゲル剤、パッチ剤、または噴霧剤として製剤化されている。
一実施形態において、本明細書に開示される本出願のいずれかの方法について、方法は、疼痛の処置のための追加の治療剤を投与することをさらに含む。一実施形態において、追加の治療剤と、化合物Iまたは化合物Iを含む医薬組成物とは、時間的に近接(temporal proximity)して投与される。
一実施形態において、本明細書に開示される本出願のいずれかの方法について、対象はヒトである。
一実施形態において、本明細書に開示される本出願のいずれかの方法について、対象の疼痛、線維筋痛、ニューロパシー、もしくは化学療法誘発性疼痛の改善、対象における抗痛覚過敏効果の促進、または対象の疼痛に対する感受性の低減に際して、対象に、化合物Iおよび/または疼痛の処置のための追加の治療剤の維持用量が投与される。一実施形態において、化合物Iおよび/または追加の治療剤の維持用量が、誘導用量よりも低用量であるか、誘導用量よりも少ない頻度で投与されるか、または誘導用量よりも低用量でありかつ誘導用量よりも少ない頻度で投与される。
一実施形態において、本明細書に開示される本出願のいずれかの方法について、化合物Iは塩酸塩である。
一態様において、本出願は、処置を必要とする対象における疼痛の処置または予防に使用するための、化合物I
Figure 2021536506
またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、もしくはプロドラッグを含む医薬組成物に関する。
一態様において、本出願は、処置を必要とする対象における疼痛の処置に使用するための、化合物I
Figure 2021536506
またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、もしくはプロドラッグを含む医薬組成物に関する。
一態様において、本出願は、処置を必要とする対象における疼痛の予防に使用するための、化合物I
Figure 2021536506
またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、もしくはプロドラッグを含む医薬組成物に関する。
一実施形態において、疼痛は、急性疼痛、慢性疼痛、毒性疼痛、ニューロパシー性疼痛、侵害受容性疼痛、炎症性疼痛、術後疼痛、内臓疼痛、化学療法誘発性疼痛、またはそれらの組合せである。
一実施形態において、疼痛は、末梢性ニューロパシーである。
一実施形態において、疼痛は、末梢性単ニューロパシーである末梢性ニューロパシーである。
一実施形態において、疼痛は、末梢性多発ニューロパシーである末梢性ニューロパシーである。
一実施形態において、疼痛は、化学療法誘発性末梢性ニューロパシーである。
一実施形態において、疼痛は、化学療法誘発性末梢性ニューロパシーであり、化学療法はパクリタキセルである。
一態様において、本出願は、処置を必要とする対象における線維筋痛の処置または予防に使用するための、化合物I
Figure 2021536506
またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、もしくはプロドラッグを含む医薬組成物に関する。
一態様において、本出願は、処置を必要とする対象におけるニューロパシーの処置または予防に使用するための、化合物I
Figure 2021536506
またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、もしくはプロドラッグを含む医薬組成物に関する。
一実施形態において、ニューロパシーは、末梢性ニューロパシーである。
一実施形態において、ニューロパシーは、末梢性単ニューロパシーである。
一実施形態において、ニューロパシーは、末梢性多発ニューロパシーである。
一実施形態において、ニューロパシーは化学療法によって誘発される。
一態様において、本出願は、処置を必要とする対象における化学療法誘発性疼痛の処置または予防に使用するための、化合物I
Figure 2021536506
またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、もしくはプロドラッグを含む医薬組成物に関する。
一実施形態において、化学療法誘発性疼痛は、末梢性ニューロパシー性疼痛である。
一実施形態において、化学療法は、パクリタキセルである。
一態様において、本出願は、痛覚過敏を患う対象における抗痛覚過敏効果の促進に使用するための、化合物I
Figure 2021536506
またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、もしくはプロドラッグを含む医薬組成物に関する。
一態様において、本出願は、対象における疼痛に対する感受性の低減に使用するための、化合物I
Figure 2021536506
またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、もしくはプロドラッグを含む医薬組成物に関する。
一実施形態において、本明細書に開示される本出願の使用のいずれかについて、化合物Iを含む医薬組成物の治療有効量は0.1mg/kg〜100mg/kgである。
一実施形態において、本明細書に開示される本出願の使用のいずれかについて、化合物Iを含む医薬組成物の治療有効量は約10mg/kgである。
一実施形態において、本明細書に開示される本出願の使用のいずれかについて、化合物Iを含む医薬組成物の治療有効量は1mg〜1,000mgである。
一実施形態において、本明細書に開示される本出願の使用のいずれかについて、化合物Iを含む医薬組成物の治療有効量は、対象に1日1回、1日2回、1日3回、1日4回、2日に1回、3日に1回、4日に1回、5日に1回、6日に1回、1週間に1回、2週間に1回、3週間に1回、または1ヶ月に1回投与される。
一実施形態において、本明細書に開示される本出願の使用のいずれかについて、化合物Iを含む医薬組成物は、1種または複数の薬学的に許容される賦形剤を含んで製剤化されている。一実施形態において、医薬組成物は、疼痛の処置のための追加の治療剤をさらに含む。
一実施形態において、本明細書に開示される本出願の使用のいずれかについて、化合物I、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、もしくはプロドラッグを含む医薬組成物は、経口、非経口、静脈内、筋肉内、髄腔内、皮下、局所、全身、皮膚、舌下、口腔、直腸、膣、眼、耳、鼻、もしくは経皮投与のために、または吸入もしくは噴霧のために製剤化されている。
一実施形態において、本明細書に開示される本出願の使用のいずれかについて、化合物I、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、もしくはプロドラッグを含む医薬組成物は、錠剤、カプセル剤、咀嚼剤、ゲル剤、ペースト剤、多粒子剤、ナノ粒子剤、ロゼンジ剤、トローチ剤、顆粒剤、散剤、溶液、噴霧剤、エマルション、懸濁液、シロップ剤、マウスウォッシュ、または点眼剤として、経口投与のために製剤化されている。
一実施形態において、本明細書に開示される本出願の使用のいずれかについて、化合物I、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、もしくはプロドラッグを含む医薬組成物は、クリーム剤、ペースト剤、ローション剤、ゲル剤、パッチ剤、または噴霧剤として、局所投与のために製剤化されている。
一実施形態において、本明細書に開示される本出願の使用のいずれかについて、使用は、疼痛の処置のための追加の治療剤をさらに含む。一実施形態において、追加の治療剤と、化合物Iを含む医薬組成物とは、時間的に近接して投与される。
一実施形態において、本明細書に開示される本出願の使用のいずれかについて、対象はヒトである。
一実施形態において、本明細書に開示される本出願の使用のいずれかについて、対象の疼痛、線維筋痛、ニューロパシー、もしくは化学療法誘発性疼痛の改善、対象における抗痛覚過敏効果の促進、または対象の疼痛に対する感受性の低減に際して、対象に、化合物Iおよび/または疼痛の処置のための追加の治療剤を含む医薬組成物の維持用量が投与される。一実施形態において、化合物Iおよび/または追加の治療剤を含む医薬組成物の維持用量は、誘導用量よりも低用量であるか、誘導用量よりも少ない頻度で投与されるか、または誘導用量よりも低用量でありかつ誘導用量よりも少ない頻度で投与される。
一実施形態において、本明細書に開示される本出願の使用のいずれかについて、化合物Iは塩酸塩である。
一態様において、本出願は、処置を必要とする対象における疼痛の処置または予防に使用するための、化合物I
Figure 2021536506
またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、もしくはプロドラッグに関する。
一態様において、本出願は、処置を必要とする対象における疼痛の処置に使用するための、化合物I
Figure 2021536506
またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、もしくはプロドラッグに関する。
一態様において、本出願は、処置を必要とする対象における疼痛の予防に使用するための、化合物I
Figure 2021536506
またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、もしくはプロドラッグに関する。
一実施形態において、疼痛は、急性疼痛、慢性疼痛、毒性疼痛、ニューロパシー性疼痛、侵害受容性疼痛、炎症性疼痛、術後疼痛、内臓疼痛、化学療法誘発性疼痛、またはそれらの組合せである。
一実施形態において、疼痛は、末梢性ニューロパシーである。
一実施形態において、疼痛は、末梢性単ニューロパシーである末梢性ニューロパシーである。
一実施形態において、疼痛は、末梢性多発ニューロパシーである末梢性ニューロパシーである。
一実施形態において、疼痛は、化学療法誘発性末梢性ニューロパシーである。
一実施形態において、疼痛は、化学療法誘発性末梢性ニューロパシーであり、化学療法はパクリタキセルである。
一態様において、本出願は、処置を必要とする対象における線維筋痛の処置または予防に使用するための、化合物I
Figure 2021536506
またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、もしくはプロドラッグに関する。
一態様において、本出願は、処置を必要とする対象におけるニューロパシーの処置または予防に使用するための、化合物I
Figure 2021536506
またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、もしくはプロドラッグに関する。
一実施形態において、ニューロパシーは、末梢性ニューロパシーである。
一実施形態において、ニューロパシーは、末梢性単ニューロパシーである。
一実施形態において、ニューロパシーは、末梢性多発ニューロパシーである。
一実施形態において、ニューロパシーは、化学療法によって誘発される。
一態様において、本出願は、処置を必要とする対象における化学療法誘発性疼痛の処置または予防に使用するための、化合物I
Figure 2021536506
またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、もしくはプロドラッグに関する。
一実施形態において、化学療法誘発性疼痛は、末梢性ニューロパシー性疼痛である。
一実施形態において、化学療法はパクリタキセルである。
一態様において、本出願は、痛覚過敏を患う対象における抗痛覚過敏効果の促進に使用するための、化合物I
Figure 2021536506
またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、もしくはプロドラッグに関する。
一態様において、本出願は、対象における疼痛に対する感受性の低減に使用するための、化合物I
Figure 2021536506
またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、もしくはプロドラッグに関する。
一実施形態において、本明細書に開示される本出願の使用のいずれかについて、治療有効量の化合物Iは0.1mg/kg〜100mg/kgである。
一実施形態において、本明細書に開示される本出願の使用のいずれかについて、治療有効量の化合物Iは約10mg/kgである。
一実施形態において、本明細書に開示される本出願の使用のいずれかについて、治療有効量の化合物Iは1mg〜1,000mgである。
一実施形態において、本明細書に開示される本出願の使用のいずれかについて、治療有効量の化合物Iが、対象に1日1回、1日2回、1日3回、1日4回、2日に1回、3日に1回、4日に1回、5日に1回、6日に1回、1週間に1回、2週間に1回、3週間に1回、または1ヶ月に1回投与される。
一実施形態において、本明細書に開示される本出願の使用のいずれかについて、化合物Iは、1種または複数の薬学的に許容される賦形剤と共に製剤化されている。一実施形態において、化合物Iは、1種または複数の薬学的に許容される賦形剤および疼痛の処置のための追加の治療剤と共に製剤化されている。
一実施形態において、本明細書に開示される本出願の使用のいずれかについて、化合物I、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、もしくはプロドラッグは、経口、非経口、静脈内、筋肉内、くも膜下、皮下、局所、全身、皮膚、舌下、口腔、直腸、膣、眼、耳、鼻、もしくは経皮投与のために、または吸入もしくは噴霧のために製剤化されている。
一実施形態において、本明細書に開示される本出願の使用のいずれかについて、化合物I、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、もしくはプロドラッグは、錠剤、カプセル剤、咀嚼剤、ゲル剤、ペースト剤、多粒子剤、ナノ粒子剤、ロゼンジ剤、トローチ剤、顆粒剤、散剤、溶液、噴霧剤、エマルション、懸濁液、シロップ剤、マウスウォッシュ、または点眼剤として、経口投与のために製剤化されている。
一実施形態において、本明細書に開示される本出願の使用のいずれかについて、化合物I、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、もしくはプロドラッグは、クリーム剤、ペースト剤、ローション剤、ゲル剤、パッチ剤、または噴霧剤として、局所投与のために製剤化されている。
一実施形態において、本明細書に開示される本出願の使用のいずれかについて、使用は、疼痛の処置のための追加の治療剤をさらに含む。一実施形態において、追加の治療剤と、化合物Iとは、時間的に近接して投与される。
一実施形態において、本明細書に開示される本出願の使用のいずれかについて、対象はヒトである。
一実施形態において、本明細書に開示される本出願の使用のいずれかについて、対象の疼痛、線維筋痛、ニューロパシー、もしくは化学療法誘発性疼痛の改善、対象における抗痛覚過敏効果の促進、または対象の疼痛に対する感受性の低減に際して、対象に、化合物Iおよび/または疼痛の処置のための追加の治療剤の維持用量が投与される。一実施形態において、化合物Iおよび/または追加の治療剤の維持用量が、誘導用量よりも低用量であるか、誘導用量よりも少ない頻度で投与されるか、または誘導用量よりも低用量でありかつ誘導用量よりも少ない頻度で投与される。
一実施形態において、本明細書に開示される本出願の使用のいずれかについて、化合物Iは塩酸塩である。
一態様において、本出願は、処置を必要とする対象における疼痛を処置または予防するための医薬の製造に使用するための、化合物I
Figure 2021536506
またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、もしくはプロドラッグに関する。
一態様において、本出願は、処置を必要とする対象における疼痛を処置するための医薬の製造に使用するための、化合物I
Figure 2021536506
またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、もしくはプロドラッグに関する。
一態様において、本出願は、処置を必要とする対象における疼痛を予防するための医薬の製造に使用するための、化合物I
Figure 2021536506
またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、もしくはプロドラッグに関する。
一実施形態において、疼痛は、急性疼痛、慢性疼痛、毒性疼痛、ニューロパシー性疼痛、侵害受容性疼痛、炎症性疼痛、術後疼痛、内臓疼痛、化学療法誘発性疼痛、またはそれらの組合せである。
一実施形態において、疼痛は、末梢性ニューロパシーである。
一実施形態において、疼痛は、末梢性単ニューロパシーである末梢性ニューロパシーである。
一実施形態において、疼痛は、末梢性多発ニューロパシーである末梢性ニューロパシーである。
一実施形態において、疼痛は、化学療法誘発性末梢性ニューロパシーである。
一実施形態において、疼痛は、化学療法誘発性末梢性ニューロパシーであり、化学療法はパクリタキセルである。
一態様において、本出願は、処置を必要とする対象における線維筋痛を処置または予防するための医薬の製造に使用するための、化合物I
Figure 2021536506
またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、もしくはプロドラッグに関する。
一態様において、本出願は、処置を必要とする対象におけるニューロパシーを処置または予防するための医薬の製造に使用するための、化合物I
Figure 2021536506
またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、もしくはプロドラッグに関する。
一実施形態において、ニューロパシーは、末梢性ニューロパシーである。
一実施形態において、ニューロパシーは、末梢性単ニューロパシーである。
一実施形態において、ニューロパシーは、末梢性多発ニューロパシーである。
一実施形態において、ニューロパシーは、化学療法によって誘発される。
一態様において、本出願は、処置を必要とする対象における化学療法誘発性疼痛を処置または予防するための医薬の製造に使用するための、化合物I
Figure 2021536506
またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、もしくはプロドラッグに関する。
一実施形態において、化学療法誘発性疼痛は、末梢性ニューロパシー性疼痛である。
一実施形態において、化学療法はパクリタキセルである。
一態様において、本出願は、痛覚過敏を患う対象における抗痛覚過敏効果の促進のための医薬の製造に使用するための、化合物I
Figure 2021536506
またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、もしくはプロドラッグに関する。
一態様において、本出願は、対象における疼痛に対する感受性を低減するための医薬の製造に使用するための、化合物I
Figure 2021536506
またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、もしくはプロドラッグに関する。
一実施形態において、本明細書に開示される本出願の使用のいずれかについて、化合物Iを含む医薬の治療有効量は0.1mg/kg〜100mg/kgである。
一実施形態において、本明細書に開示される本出願の使用のいずれかについて、化合物Iを含む医薬の治療有効量は約10mg/kgである。
一実施形態において、本明細書に開示される本出願の使用のいずれかについて、化合物Iを含む医薬の治療有効量は1mg〜1,000mgである。
一実施形態において、本明細書に開示される本出願の使用のいずれかについて、化合物Iを含む医薬は、対象に1日1回、1日2回、1日3回、1日4回、2日に1回、3日に1回、4日に1回、5日に1回、6日に1回、1週間に1回、2週間に1回、3週間に1回、または1ヶ月に1回投与される。
一実施形態において、本明細書に開示される本出願の使用のいずれかについて、医薬は、1種または複数の薬学的に許容される賦形剤を含んで製剤化されている。一実施形態において、医薬は、疼痛の処置のための追加の治療剤をさらに含む。
一実施形態において、本明細書に開示される本出願の使用のいずれかについて、化合物I、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、もしくはプロドラッグを含む医薬は、経口、非経口、静脈内、筋肉内、くも膜下、皮下、局所、全身、皮膚、舌下、口腔、直腸、膣、眼、耳、鼻、もしくは経皮投与のために、または吸入もしくは噴霧のために製剤化されている。
一実施形態において、本明細書に開示される本出願の使用のいずれかについて、化合物I、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、もしくはプロドラッグを含む医薬は、錠剤、カプセル剤、咀嚼剤、ゲル剤、ペースト剤、多粒子剤、ナノ粒子剤、ロゼンジ剤、トローチ剤、顆粒剤、散剤、溶液、噴霧剤、エマルション、懸濁液、シロップ剤、マウスウォッシュ、または点眼剤として、経口投与のために製剤化されている。
一実施形態において、本明細書に開示される本出願の使用のいずれかについて、化合物I、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、もしくはプロドラッグを含む医薬は、クリーム剤、ペースト剤、ローション剤、ゲル剤、パッチ剤、または噴霧剤として、局所投与のために製剤化されている。
一実施形態において、本明細書に開示される本出願の使用のいずれかについて、使用は、疼痛の処置のための追加の治療剤をさらに含む。一実施形態において、追加の治療剤と、化合物Iを含む医薬とは、時間的に近接して投与される。
一実施形態において、本明細書に開示される本出願の使用のいずれかについて、対象はヒトである。
一実施形態において、本明細書に開示される本出願の使用のいずれかについて、対象の疼痛、線維筋痛、ニューロパシー、もしくは化学療法誘発性疼痛の改善、対象における抗痛覚過敏効果の促進、または対象の疼痛に対する感受性の低減に際して、対象に、化合物Iおよび/または疼痛の処置のための追加の治療剤を含む医薬の維持用量が投与される。一実施形態において、化合物Iおよび/または追加の治療剤を含む医薬の維持用量が、誘導用量よりも低用量であるか、誘導用量よりも少ない頻度で投与されるか、または誘導用量よりも低用量でありかつ誘導用量よりも少ない頻度で投与される。
一実施形態において、本明細書に開示される本出願の使用のいずれかについて、化合物Iは塩酸塩である。
以下でより詳細に議論される前述の概念および追加の概念の全ての組合せ(そのような概念が相互に矛盾しない場合)が、本明細書に開示される本発明の主題の一部として企図されていることを理解されたい。特に、本開示の最後に示される特許請求される主題の全ての組合せが、本明細書に開示される本発明の主題の一部として企図されている。また、参照により組み込まれるいずれかの開示においても示され得る、本明細書に明示的に使用される用語は、本明細書に開示される特定の概念と最も一致する意味が付与されるべきであることも理解されたい。
他の方法および特徴は、以下の図面および詳細な説明を調べると当業者に明らかになるであろう。そのような方法および特徴の全てが本説明に含まれ、本発明の範囲内となり、添付の特許請求の範囲によって保護されることが意図されている。
図1は、ALGOGram(商標)における0.1mg/kgおよび1mg/kg用量の腹腔内(i.p.)でのMIN−117の単回投与の効果の結果をまとめている。 図2は、ラットでのカラギーナン誘発性機械的痛覚過敏モデル(損傷した足)におけるMIN−117(0.01、0.1、および1mg/kg i.p.)、モルヒネ(3mg/kg i.p.、陽性対照)、およびビヒクル(陰性対照)の単回i.p.投与の効果を示すグラフである。結果は、平均±s.e.m.として表す(###:対応する群の対照(損傷していない)足と比較してp<0.05、マン−ホイットニー順位和検定)。(:ビヒクル処置群と比較してp<0.05、有意なクラスカル−ウォリスの順位に基づく一元配置分散分析後のTuckey検定)($$$:ビヒクル処置群と比較してp<0.001、マン−ホイットニー順位和検定)。 図3は、ラットでの末梢性ニューロパシーモデルにおける様々な用量のMIN−117の単回腹腔内投与、モルヒネ、およびビヒクルの効果を示す一連の棒グラフである。侵害受容性閾値は、ビヒクルまたはMIN−117投与の120分後、およびモルヒネ注射の30分後に測定した。結果は、平均±s.e.m.として表す。パーセンテージは活性のパーセンテージとして表す。(###:対応する群の対照の足と比較してp<0.001、マン−ホイットニー順位和検定)。(:ビヒクル処置群と比較してp<0.05、有意なクラスカル−ウォリスの順位に基づく一元配置分散分析後のTuckey検定)。($$:対応する群のベースラインと比較してp<0.01、ウィルコクソン順位和検定)。 図4は、ラットでのカラギーナン誘発性機械的痛覚過敏モデルにおける様々な用量のMIN−117の単回腹腔内投与、モルヒネ、およびビヒクルの効果を示す一連の棒グラフである。侵害受容性閾値は、ビヒクルまたはMIN−117投与の120分後、およびモルヒネ注射の30分後に測定した。結果は、平均±s.e.m.として表す。パーセンテージは活性のパーセンテージとして表す。###:対応する群の対照の足と比較してp<0.001、マン−ホイットニー順位和検定。:ビヒクル処置群と比較してp<0.05、クラスカル−ウォリスの順位に基づく一元配置分散分析。$$:対応する群のベースラインと比較してp<0.01、ウィルコクソン順位和検定。結果は、平均±s.e.m.として表す。変動のパーセンテージは、薬物前閾値、ビヒクル処置群、もしくは対照の足と比較して増加(+)もしくは減少(−)として、または活性のパーセンテージとして表す。###:対応する群の対照の足と比較してp<0.001、マン−ホイットニー順位和検定。;ビヒクル処置群と比較してp<0.05、クラスカル−ウォリスの順位に基づく一元配置分散分析。$$:対応する群のベースラインと比較してp<0.01、ウィルコクソン順位和検定。NS:有意でない。 図5は、化学療法誘発性ニューロパシー性疼痛研究におけるパクリタキセル注射前のラットのベースライン体重を表す一連の棒グラフである。(データは平均値±s.e.m.として表す)。反復測定分散分析では群間に有意な差は見られなかった。 図6は、実施例5に記載の化学療法誘発性ニューロパシー性疼痛研究中のラットの体重を表す一連の線グラフである。1日目、3日目、5日目および7日目の矢印はパクリタキセル注射日を示し、14日目の矢印はMIN−117またはガバペンチン(陽性対照)投与日を示す。(データは平均値±s.e.m.として表す)。反復測定分散分析では群間に有意な差は見られなかった。 図7は、様々な処置群(ビヒクル、ガバペンチン、および様々な用量のMIN−117)間のパクリタキセル注射前後のベースライン足引っ込め閾値(paw withdrawal threshold)の効果を示す一連の棒グラフである。(データは平均値±s.e.m.として表す)。分散分析では、処置前の処置群間に有意な差は見られなかった。 図8は、第1のパクリタキセル処置から14日目の足引っ込め閾値に対するガバペンチン、様々な用量のMIN−117、およびビヒクルの効果を示す一連の棒グラフである。(データは平均値±s.e.m.として表す)。ビヒクルと比較してp<0.05。 図9は、パクリタキセル誘発性末梢性ニューロパシー性疼痛の予防におけるMIN−117の有効性を決定するための実験をまとめた概略図である。 図10は、パクリタキセル誘発性末梢性ニューロパシー性疼痛の効果を逆転(reverse)させるMIN−117の有効性を決定するための実験をまとめた概略図である。 図11は、実施例6に記載のパクリタキセル誘発性末梢性ニューロパシー性疼痛研究中のラットの体重に対するパクリタキセルおよび試験化合物の効果を表す一連の線グラフである。(データは平均値±s.e.m.として表す)。 図12は、1日目、3日目、5日目、および7日目のパクリタキセル処置後8日目、10日目、14日目、および21日目の足引っ込め閾値に対するガバペンチン、様々な用量のMIN−117、およびビヒクルの効果を示す一連の棒グラフである。(データは平均値±s.e.m.として表す)。ビヒクルと比較してp<0.05。 図13は、実施例6に記載のパクリタキセル誘発性末梢性ニューロパシー性疼痛の逆転研究中のラットの体重に対するパクリタキセルおよび試験化合物の効果を表す一連の線グラフである。(データは平均値±s.e.m.として表す)。 図14は、ベースライン足引っ込め閾値に対するパクリタキセル処置の効果を示す一連の棒グラフである。(データは平均値±s.e.m.として表す)。 図15は、1日目、3日目、5日目、および7日目のパクリタキセル処置後14日目、21日目、28日目、および35日目の足引っ込め閾値に対するガバペンチン、様々な用量のMIN−117、およびビヒクルの効果を示す一連の棒グラフである。(データは平均値±s.e.m.として表す)。ビヒクルと比較してp<0.05。 図16は、足引っ込め閾値(処置前および処置後60分)に対するビヒクルおよび様々な用量のデュロキセチンの効果を示す一連の棒グラフである。(データは平均値±s.e.m.として表す)。ビヒクル/ビヒクルと比較してp<0.05。 図17は、足引っ込め閾値(処置前および処置後60分)に対するビヒクルおよび様々な用量のアミトリプチリンの効果を示す一連の棒グラフである。(データは平均値±s.e.m.として表す)。ビヒクル/ビヒクルと比較してp<0.05。パクリタキセル/ビヒクルと比較してp<0.05。
本明細書で定義され、使用される全ての定義は、辞書の定義、参照により組み込まれる文献における定義および/または定義された用語の通常の意味より優先すると理解されるべきである。
「約」という用語は、本明細書で使用されるとき、特に明記しない限り、列挙された値+/−10%、+/−5%、+/−2.5%、+/−1%、+/−0.5%、または+/−0%を指す。例えば、「約」は、列挙された値+/−5%を指し得る。あるいは、別の実施形態では、「約」は、列挙された値+/−0%を指し得る。
本明細書および特許請求の範囲で使用されるとき、不定冠詞「a」および「an」は、反対のことが明確に示されない限り、「少なくとも1つ」を意味すると理解されるべきである。
句「および/または」は、本明細書および特許請求の範囲で使用されるとき、そのように結合される要素の「いずれかまたは両方」、つまり、ある場合には結合的に存在し、他の場合には分離的に存在する要素を意味すると理解されるべきである。「および/または」で列挙される複数の要素は、同じ様式で解釈されるべきであり、つまり要素の「1つまたは複数」が同様に結合される。「および/または」の句によって具体的に定義される要素以外の他の要素が、それらの具体的に特定された要素に関連するまたは関連しないかどうかにかかわらず、存在してもよい。したがって、非限定的な例として、「Aおよび/またはB」への言及は、「含む」等のオープンエンドの言語と組み合わせて使用されるとき、一実施形態では、Aのみ(B以外の要素を含んでもよい)、別の実施形態では、Bのみ(A以外の要素を含んでもよい)、さらに別の実施形態では、AおよびBの両方(他の要素を含んでもよい)等を指すことができる。
本明細書で使用されるとき、「および/または」を含む句、例えば「A、B、および/またはC」は、以下のいずれかを指す:Aのみ;Bのみ;Cのみ;AおよびB;AおよびC;BおよびC;A、BおよびC。
本明細書および特許請求の範囲で使用されるとき、「または」は、上記で定義される「および/または」と同じ意味を有すると理解されるべきである。例えば、項目を分離するとき、「または」あるいは「および/または」は、包括的であると解釈され、つまり、要素のいくつかまたはリストの少なくとも1つだけでなく、2つ以上も含み、場合により列挙されていない追加的項目も含む、と解釈されるべきである。逆のことを明確に示す用語、例えば「の1つのみ」または「まさに1つの」または特許請求の範囲で使用される「からなる」のみが、要素のいくつかまたはリストのまさに1つの要素の包含を指すであろう。一般に、本明細書で使用されるとき、用語「または」は、排他性の用語、例えば、「いずれか」「1つの」「1つのみの」または「まさに1つの」が先行するとき、排他的選択肢(つまり「1方または他方であるが両方でない」)を示すものとして解釈されるにすぎない。特許請求の範囲で使用されるとき、「から本質的になる」は、特許法の分野で使用される通常の意味を有する。
本明細書および特許請求の範囲で使用されるとき、1つまたは複数の要素のリストを参照する句「少なくとも1つ」は、要素のリストにおける任意の1つまたは複数の要素から選択される少なくとも1つの要素を意味するが、要素のリスト内に具体的に列挙されたそれぞれおよび全ての要素の少なくとも1つを必ずしも含むものではなく、要素のリスト内の要素の組合せを排除するものではないと理解されるべきである。またこの定義は、句「少なくとも1つ」が指す要素のリスト内で具体的に特定された要素以外の要素が、それらの具体的に特定された要素に関連するまたは関連しないかどうかにかかわらず、適宜存在し得ることを認める。したがって、非限定的な例として、「AおよびBの少なくとも1つ」(または同等に「AまたはBの少なくとも1つ」または同等に「Aおよび/またはBの少なくとも1つ」は)は、一実施形態では、少なくとも1つの、1を超えてもよい、Aを含むがBは存在しない(およびB以外の要素を含んでもよい)ことを指すことができ、別の実施形態では、少なくとも1つの、1を超えてもよい、Bを含むがAは存在しない(およびA以外の要素を含んでもよい)ことを指すことができ、さらに別の実施形態では、少なくとも1つの、1を超えてもよい、Aを含み、および少なくとも1つの、1を超えてもよい、Bを含む(および他の要素を含んでもよい)等である。
特許請求の範囲において、上記の明細書と同様に、「含む(comprising)」、「含む(including)」、「保有する」、「有する」、「含有する」、「関与する」、「保持する」、「から構成される」等の全ての移行句は、オープンエンドであること、すなわち、含むが、限定しないことを意味することを理解されたい。米国特許商標庁特許審査便覧第2111.03章に記載されているように、「からなる」および「から本質的になる」という移行句のみが、それぞれクローズドまたはセミクローズド移行句となる。
本明細書で使用されるとき、「プロドラッグ」は、代謝手段(例えば、加水分解)によってインビボ(in vivo)で変換可能であり、本出願の式によって示される任意の化合物をもたらす化合物を意味する。様々な形態のプロドラッグが当該技術分野で公知であり、例えば、Bundgaard, (ed.), Design of Prodrugs, Elsevier (1985); Widder, et al, (ed.), Methods in Enzymology, vol.4, Academic Press (1985); Krogsgaard-Larsen, et al,(ed). Design and Application of Prodrugs, Textbook of Drug Design and Development, Chapter5,113-191 (1991); Bundgaard, et al, Journal of Drug Deliver Reviews,8:1-38 (1992); Bundgaard, J. of Pharmaceutical Sciences,77: 285et seq. (1988), Higuchi and Stella (eds.) Prodrugs as Novel Drug Delivery Systems, American Chemical Society (1975);およびBernard Testa & Joachim Mayer, “Hydrolysis In Drug And Prodrug Metabolism: Chemistry, Biochemistry And Enzymology”, John Wiley and Sons, Ltd. (2002)で検討されている。
本明細書で使用されるとき、用語「薬学的に許容されるプロドラッグ」は、健全な医学的判断の範囲内で、過度の毒性、刺激、アレルギー反応等を伴い、ヒトおよび下位動物の組織と接触させて使用するために適切であり、妥当な利益/リスク比に相応し、それらの意図される使用に有効である、化合物I、またはその薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物のプロドラッグを指す。
一実施形態において、「薬学的に許容されるプロドラッグ」は、「薬学的に許容されるエステル」を含む。
本明細書で使用されるとき、用語「薬学的に許容されるエステル」は、化合物I、またはその薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物のエステルであって、インビボで加水分解し、ヒト体内で容易に分解して親化合物もしくはその塩を残すものを含む、エステルを指す。適切なエステル基として、例えば、薬学的に許容される脂肪族カルボン酸、特にアルカン酸、アルケン酸、シクロアルカン酸およびアルカン二酸から誘導されるものが挙げられ、各アルキルまたはアルケニル部分は、有利には、6個以下の炭素原子を有する。特定のエステルとしては、ホルメート、アセテート、プロピオネート、ブチレート、アクリレート、およびエチルスクシネートが挙げられるが、これらに限定されない。
句「薬学的に許容される賦形剤」は、以下の成分のクラスのいずれかを指す:充填剤、結合剤、滑剤、崩壊剤、流動促進剤(例えば、二酸化ケイ素)、香味剤、および着色剤。好適な結合剤としては、例えば、結晶セルロース(例えば、Avicel PH200LM、PH112、PH101、PH102、PH103、PH113、PH105、PH200.DG)、マンニトール、リン酸二カルシウム、無水リン酸二カルシウム、ポビドン、ラクトース、グルコース、デンプン、ゼラチン、アカシアガム、トラガカントガム、アルギン酸ナトリウム、カルボキシメチルセルロース、ポリエチレングリコール、ワックス等が挙げられる。滑剤としては、例えば、ジベヘネートグリセリル、水素化植物油、オレイン酸ナトリウム、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸マグネシウム、二酸化ケイ素、安息香酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、塩化ナトリウム等が挙げられる。他の賦形剤としては、例えば、デンプン、メチルセルロース、寒天、ベントナイト、キサンタンガム、デンプングリコール酸ナトリウム、クロスポビドン、クロスカルメロースナトリウム等が挙げられる。カプセル剤用の追加の賦形剤としては、マクロゴールまたは脂質、および/または当該技術分野で既知の他の任意の賦形剤が挙げられる。
本明細書で使用されるとき、用語「薬学的に許容される塩」は、健全な医学的判断の範囲内で、過度の毒性、刺激、アレルギー反応等を伴わずにヒトおよび下位動物の組織と接触させて使用するために適切であり、妥当な利益/リスク比に相応する、化合物Iの塩をいう。薬学的に許容される塩は、当該技術分野で周知である。例えば、S. M. Bergeらは、J. Pharmaceutical Sciences, 66: 1-19 (1977)において、薬学的に許容される塩を詳細に記載している。塩は化合物Iの最終の単離および精製の間に、インサイチュ(in situ)で調製することができるか、または適切な酸と反応させることによって別個に調製することができる。
「時間的に近接」とは、追加の治療剤の投与が、化合物I、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、もしくはプロドラッグの投与の前または後の期間内に生じ、これにより、追加の治療剤または療法の治療効果が、化合物I、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、もしくはプロドラッグの治療効果と重複することを意味する。いくつかの実施形態において、追加の治療剤の治療効果は、化合物I、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、もしくはプロドラッグの治療効果と完全に重複する。いくつかの実施形態において、「時間的に近接」とは、追加の治療剤の投与が、化合物I、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、もしくはプロドラッグの投与の前または後のある期間内に生じ、これにより、追加の治療剤と、化合物I、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、もしくはプロドラッグとの間に相乗効果があることを意味する。
「時間的に近接」は、治療剤が投与される対象の年齢、性別、体重、遺伝的背景、病状、病歴、および治療歴;処置または改善される疾患または状態;達成される治療転帰;治療剤の投与量、投与頻度、および投与期間;治療剤の薬物動態および薬力学、ならびに治療剤が投与される経路(複数可)を含むが、これらに限定されない様々な要因に応じて変化し得る。いくつかの実施形態では、「時間的に近接」とは、15分以内、30分以内、1時間以内、2時間以内、4時間以内、6時間以内、8時間以内、12時間以内、18時間以内、24時間以内、36時間以内、2日以内、3日以内、4日以内、5日以内、6日以内、1週間以内、2週間以内、3週間以内、4週間以内、6週間以内、または8週間以内を意味する。いくつかの実施形態において、1つの治療剤の複数回の投与は、別の治療剤の1回の投与に時間的に近接して生じ得る。いくつかの実施形態において、「時間的に近接」は、処置サイクルの間または投薬レジメン内で変化し得る。
本明細書において相互に交換可能に使用される用語「制御放出」または「持続放出」は、所定の速度で1種または複数の活性化合物を放出するように設計された様式で調製される医薬組成物をいう。活性化合物(複数可)は、インプラントおよびマイクロカプセル化送達系を含む制御放出製剤等、急速な吸収または体内からの急速な排出に対して化合物を保護する薬学的に許容される担体と共に調製することができる。エチレン酢酸ビニル、ポリ無水物、ポリグリコール酸、コラーゲン、ポリオルトエステル、およびポリ乳酸等の生分解性、生体適合性ポリマーを使用してもよい。そのような製剤の調製方法は当業者には明らかである。リポソーム懸濁液(ウイルス抗原に対するモノクローナル抗体を用いた、感染細胞を標的にするリポソームを含む)もまた、薬学的に許容される担体として使用することができる。これらは、例えば、その全体が参照により本明細書に組み込まれる米国特許第4,522,811号に記載されているように、当業者に既知の方法に従って調製することができる。
本明細書で使用されるとき、句「治療有効量」または「有効量」は、対象に、または対象の細胞、組織、もしくは器官に投与して、治療効果、例えば、改善効果またはその代わりに治癒効果を達成するために必要な量を示す。
一態様において、化合物I、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、もしくはプロドラッグの治療有効量は、対象における疼痛を処置するために必要な量である。
一態様において、化合物I、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、もしくはプロドラッグの治療有効量は、対象における疼痛を予防するために必要な量である。
一態様において、化合物I、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、もしくはプロドラッグの治療有効量は、対象における疼痛を改善するために必要な量である。
一態様において、化合物I、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、もしくはプロドラッグの治療有効量は、対象における疼痛を消去するために必要な量である。
一態様において、化合物I、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、もしくはプロドラッグの治療有効量は、対象における疼痛の症状を軽減するために必要な量である。
一態様において、化合物I、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、もしくはプロドラッグの治療有効量は、対象における線維筋痛または線維筋痛の症状を処置、予防、消去、または軽減するために必要な量である。
一態様において、化合物I、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、もしくはプロドラッグの治療有効量は、対象におけるニューロパシーまたはニューロパシーの症状を処置、予防、消去、または軽減するために必要な量である。
一態様において、化合物I、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、もしくはプロドラッグの治療有効量は、対象における化学療法誘発性疼痛を処置、予防、消去、または軽減するために必要な量である。
一態様において、化合物I、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、もしくはプロドラッグの治療有効量は、痛覚過敏を患う対象における抗痛覚過敏効果を促進するために必要な量である。
一態様において、化合物I、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、もしくはプロドラッグの治療有効量は、対象における疼痛に対する感受性を低減するために必要な量である。
本明細書で使用されるとき、用語「対象」は、マウス、ラット、モルモット、イヌ、ネコ、ウマ、またはヒト等の任意の温血動物を指すが、これらに限定されない。一実施形態において、対象はヒトである。
一実施形態において、対象は、「絶食条件」または「絶食状態」にある。対象を説明するために使用される「絶食条件」または「絶食状態」とは、対象が、目的の時点、例えば、化合物Iを投与する時間の前の少なくとも4時間、食べていないことを意味する。一実施形態において、絶食状態の対象は、化合物Iの投与の前の少なくとも6、8、10、または12時間、食べていない。
一実施形態において、対象は、「摂食条件」または「摂食状態」にある。本明細書における対象を説明するために使用される「摂食条件」または「摂食状態」とは、対象が、目的の時点、例えば、化合物Iを投与する時間の前の4時間未満に食べていることを意味する。一実施形態において、摂食状態の対象は、化合物Iの投与の前の少なくとも3、2、1、または0.5時間、食べていない。
本明細書で使用されるとき、句「疼痛の処置のための治療剤」は、本明細書に開示されるいずれかの種類の疼痛の処置および/または予防に使用される化合物I、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、もしくはプロドラッグ以外の任意の薬剤を指す。
一実施形態において、化合物Iおよび疼痛の処置のための追加の治療剤は、1種または複数の薬学的に許容される賦形剤をさらに含む単一の医薬組成物として製剤化されている。
一実施形態において、本明細書に開示されるいずれかの方法は、処置を必要とする対象への、疼痛の処置のための追加の治療剤の投与をさらに含む。一実施形態において、化合物Iと、疼痛の処置のための追加の治療剤とは同時に投与される。一実施形態において、化合物Iは、疼痛の処置のための追加の治療剤の前に投与される。一実施形態において、化合物Iは、疼痛の処置のための追加の治療剤の後に投与される。一実施形態において、化合物Iと、疼痛の処置のための追加の治療剤とは、時間的に近接して投与される。
一実施形態において、疼痛の処置のための追加の治療剤は、モルヒネ、コデイン、パパベリン、テバイン等のオピオイド;オキシコドン、ジモルヒネ、ジヒドロコデイン等の半合成オピオイド;フェニルピリジン誘導体、例えば6−アミノ−5−(2,3,5−トリクロロフェニル)−ピリジン−2−カルボン酸メチルアミド等の合成オピオイド;フェニルピペリジン誘導体、例えばフェンタニル、スルフェンタニル、アルフェンタニル等;モルフィナン誘導体、例えば、レボルファノール、ブトルファノール等;ジフェニルヘプタン誘導体、例えばメタドン、プロポキシフェン等;ベンゾモルファン誘導体、例えばペンタゾシン、フェナゾシン等;オピエート受容体および/またはモノアミン再取り込みトランスポーターで作用する薬物、つまりトラマドール等;NSAID、例えば、アスピリン、インドメタシン、スリンダク、エトドラック、トルメチン、ケトロラック、ナブメトン、ジクロフェナク、イブプロフェン、ナプロキセン、フェノプロフェン、ケトプロフェン、フルルビプロフェン、オキサプロジン、ピロキシカム、メロキシカム、テノキシカム、メフェナム酸、メクロフェナム酸、フルフェナム酸、およびそれらの薬学的に許容される塩である。
化合物I
化合物I、すなわち、(2S)−1−(4−(3,4−ジクロロフェニル)ピペリジン−1−イル)−3−((2−(5−メチル−1,3,4−オキサジアゾル−2−イル)ベンゾフラン−4−イル)オキシ)プロパン−2−オールは、以下の構造:
Figure 2021536506
を有する。
化合物Iの一塩酸塩、すなわち、(2S)−1−(4−(3,4−ジクロロフェニル)ピペリジン−1−イル)−3−((2−(5−メチル−1,3,4−オキサジアゾル−2−イル)ベンゾフラン−4−イル)オキシ)プロパン−2−オール塩酸塩は、MIN−117またはMIN117とも呼ばれる。
化合物I、およびMIN−17を含むその塩は、いずれも参照によりその全体が本明細書に組み込まれる米国特許第6,720,320号および同第7,196,199号に記載された方法に従って調製することができる。化合物Iおよびその塩の使用を開示するさらなる刊行物として、いずれも参照によりその全体が本明細書に組み込まれる米国特許出願公開第2014/0206722号および同第2019/0183874号が挙げられる。
一実施形態において、化合物Iは、薬学的に許容される塩の形態で存在することができる。例えば、一塩酸塩(MIN−117)。
薬学的に許容される塩の例としては、限定されないが、塩酸、臭化水素酸、リン酸、硫酸および過塩素酸等の無機酸もしくは酢酸、マレイン酸、酒石酸、クエン酸、コハク酸もしくはマロン酸等の有機酸を用いてまたはイオン交換等の当該技術分野で使用されるその他の方法を使用することによって形成されるアミノ基の塩である非毒性酸付加塩が挙げられる。他の薬学的に許容される塩として、限定されないが、アジピン酸塩、アルギン酸塩、アスコルビン酸塩、アスパラギン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、安息香酸塩、重硫酸塩、ホウ酸塩、酪酸塩、ショウノウ酸塩、ショウノウスルホン酸塩、クエン酸塩、シクロペンタンプロピオン酸塩、ジグルコン酸塩、ドデシル硫酸塩、エタンスルホン酸塩、ギ酸塩、フマル酸塩、グルコヘプトン酸塩、グリセロリン酸塩、グルコン酸塩、ヘミ硫酸塩、ヘプタン酸塩、ヘキサン酸塩、ヨウ化水素酸塩、2−ヒドロキシエタンスルホン酸塩、ラクトビオン酸塩、乳酸塩、ラウリン酸塩、ラウリル硫酸塩、リンゴ酸塩、マレイン酸塩、マロン酸塩、メタンスルホン酸塩、2−ナフタレンスルホン酸塩、ニコチン酸塩、硝酸塩、オレイン酸塩、シュウ酸塩、パルミチン酸塩、パモ酸塩、ペクチン酸、過硫酸塩、3−フェニルプロピオン酸塩、リン酸塩、ピクリン酸塩、ピバル酸塩、プロピオン酸塩、ステアリン酸塩、コハク酸塩、硫酸塩、酒石酸塩、チオシアン酸塩、p−トルエンスルホン酸塩、ウンデカン酸塩、吉草酸塩等が挙げられる。代表的なアルカリまたはアルカリ土類金属塩として、ナトリウム、リチウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム等が挙げられる。さらに薬学的に許容される塩として、適切な場合、非毒性のアンモニウム、第四級アンモニウム、およびハロゲン化物、水酸化物、カルボキシレート、スルフェート、ホスフェート、ニトレート、1〜6個の炭素原子を有するアルキル、スルホネートおよびアリールスルホネート等の対イオンを用いて形成されるアミン陽イオンが挙げられる。
加えて、化合物I、または化合物Iの塩は、溶媒和物として存在することができ、これは、化学量論量または非化学量論量の溶媒を含む溶媒付加形態を意味する。いくつかの化合物は、結晶性固体状態で定まったモル比の溶媒分子を捕捉する傾向があり、したがって溶媒和物を形成する。溶媒が水である場合、形成される溶媒和物は、水和物であり、溶媒がアルコールである場合、形成される溶媒和物は、アルコレートである。水和物は、1つまたは複数の分子の水と、水和もしくは非水和(無水)形態のHOとしてまたは他の溶媒分子との溶媒和物として水がその分子状態を保持する1分子の物質との組合せによって形成される。水和物の非限定的な例としては、一水和物、二水和物等が挙げられる。溶媒和物の非限定的な例としては、エタノール溶媒和物、アセトン溶媒和物等が挙げられる。
処置方法
一態様において、本出願は、処置を必要とする対象に、治療有効量の化合物I、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、もしくはプロドラッグを投与することを含む、疼痛を処置および予防する方法に関する。
一態様において、本出願は、処置を必要とする対象に、治療有効量の化合物Iの薬学的に許容される塩を投与することを含む、疼痛を処置および予防する方法に関する。
一態様において、本出願は、処置を必要とする対象に、治療有効量の化合物Iの塩酸塩、つまりMIN−117を投与することを含む、疼痛を処置および予防する方法に関する。
一実施形態において、本出願の方法によって処置および/または予防される疼痛は、急性疼痛である。
急性疼痛としては、限定されないが、損傷によって引き起こされる有害な強度に近いもしくはそれを超える刺激に応答する感覚神経線維の熱、機械もしくは化学刺激から生じる侵害受容性疼痛または炎症性疼痛、ならびに/または慢性疲労症候群(CFS)を伴うか伴わない過敏性腸症候群(IBS)、炎症性腸疾患(IBD)、クローン病、食中毒、食物アレルギーを含むがこれらに限定されない内臓疼痛、ガス、ヘルニアに伴う疼痛、胆石および/もしくは腎臓結石、子宮内膜症、胃食道逆流症(GERD)、虫垂炎、間質性膀胱炎に伴う疼痛、深部体性疼痛(例えば、捻挫、骨折)、体性感覚神経系に影響を及ぼす損傷または疾患によって引き起こされるニューロパシー性疼痛、ならびに表面体性疼痛(例えば、火傷)が挙げられる。
一実施形態において、本出願の方法によって処置および/または予防される疼痛は、侵害受容性疼痛である。
侵害受容性疼痛としては、特に、熱、寒さ、圧力、つまみ、ねじれ、擦り、化学物質等からの身体に対する物理的損傷から生じる疼痛が挙げられるが、これらに限定されない。侵害受容性疼痛の具体例としては、捻挫、骨折、火傷、打撲、挫傷、炎症、閉塞、および筋膜痛が挙げられる。
一実施形態において、本出願の方法によって処置および/または予防される疼痛は、炎症性疼痛である。
炎症性疼痛としては、限定されないが、関節炎を含む炎症から生じる疼痛が挙げられる。
一実施形態において、本出願の方法によって処置および/または予防される疼痛は、内臓疼痛である。
内臓疼痛としては、胸部、骨盤、腹部臓器の膨張、虚血、および侵害受容体の炎症から生じる疼痛が挙げられるが、これらに限定されない。
一実施形態において、本出願の方法によって処置および/または予防される疼痛は、慢性、つまり、持続性疼痛である。
慢性疼痛としては、術後疼痛、がん性疼痛(例えば、化学療法誘発性疼痛)、変性大関節疾患性疼痛(例えば、変形性関節症、関節リウマチ、強直性脊椎炎、ライター症候群、乾癬性関節炎、痛風、偽痛風、感染性関節炎、腱炎、滑液包炎、骨病変、および関節軟組織炎症)頭痛(例えば、クラスター頭痛、片頭痛、緊張型頭痛)、血管痛(例えば、動脈硬化性斜視、血栓性血管炎、急性動脈閉塞、塞栓症、先天性動脈性動脈瘤、血管痙攣性疾患、レイノー病、先端チアノーゼ、急性静脈閉塞、血栓、静脈瘤、およびリンパ浮腫)、筋膜または筋肉痛(例えば、顳下顎関節(TMJ)症/症候群)、慢性筋骨格疼痛、慢性疲労症候群を伴うか伴わない線維筋痛、筋膜疼痛症候群または関連痛)、神経痛(三叉神経痛、ヘルペス後、舌咽頭痛)、帯状疱疹、ニューロパシー、中枢疼痛症候群、複合性局所疼痛症候群、痛覚過敏、異痛、中枢感作、末梢感作、脱抑制、および増強された促通が挙げられるが、これらに限定されない。
一実施形態において、本出願の方法によって処置および/または予防される疼痛は、化学療法誘発性疼痛である。
一実施形態において、本出願の方法によって処置および/または予防される疼痛は、術後疼痛である。
術後疼痛としては、限定されないが、手術後の筋肉痙攣と組み合わさる場合がある組織損傷が挙げられる。
一実施形態において、本出願の方法によって処置および/または予防される疼痛は、線維筋痛および/または線維筋痛の症状である。線維筋痛は、しばしば疲労および/または睡眠障害を伴う広範囲の筋骨格痛を特徴とする障害である。
一実施形態において、本出願の方法によって処置および/または予防される疼痛は、慢性疲労症候群を有する線維筋痛、および/または慢性疲労症候群を有する線維筋痛の症状である。
一実施形態において、本出願の方法によって処置および/または予防される疼痛は、ニューロパシー性疼痛、つまり、ニューロパシーである。一実施形態において、ニューロパシー性疼痛は、神経系または体性感覚系の任意の部分に対する損傷または疾患によって引き起こされ得る。ニューロパシー性疼痛のタイプとしては、糖尿病性ニューロパシー、末梢性ニューロパシー、糖尿病性末梢性ニューロパシー、つまり糖尿病性末梢性ニューロパシー性疼痛が挙げられるが、これらに限定されない。
体性感覚系の任意の部分に対する損傷または疾患によって引き起こされるニューロパシー性疼痛としては、幻肢疼痛、多発化学物質過敏症、シックハウス症候群、反復ストレス傷害、慢性鞭打ち症、慢性石灰病、シリコーン乳房インプラントの副作用、カンジダ症過敏症、湾岸戦争症候群、食物アレルギー、僧帽弁逸脱症、および低血糖症が挙げられるが、これらに限定されない。
一実施形態において、本出願の方法によって処置および/または予防される疼痛は、糖尿病性ニューロパシー、つまり、糖尿病によって引き起こされる神経損傷である。
一実施形態において、本出願の方法によって処置および/または予防される疼痛は、末梢性ニューロパシー、つまり、末梢性ニューロパシー性疼痛であり、これは、末梢神経系の感覚、運動、および/または自律神経に影響を与える損傷または疾患である。
末梢性ニューロパシー性疼痛は、末梢神経が脳と脊髄との間で情報を運ぶことができない時に生じ、疼痛、感覚の喪失、または筋肉の制御不能を生じる。いくつかの場合において、血管、腸、および他の臓器を制御する神経の不全は、異常な血圧、消化障害、および他の基本的な身体プロセスの喪失をもたらす。症状は、状態が全身に影響を及ぼすか、または1つの神経のみに影響を及ぼすかによっても異なる。ニューロパシーの危険因子には、糖尿病、アルコールの大量使用、ある特定の化学物質および薬物への曝露、神経への長時間の圧力が含まれる。末梢性ニューロパシーの遺伝的素因を有する人もいる。
一実施形態において、対象における末梢性ニューロパシーは、毒素への曝露、アルコール乱用、栄養失調、糖尿病、ギラン−バレー症候群、または腎不全からの合併症、癌からの合併症、感染症(例えば、エイズ、帯状疱疹、ライム病)、腎臓病、甲状腺疾患、副甲状腺疾患、および/または手根管症候群から生じる。
末梢性ニューロパシー性疼痛の原因としては、限定されないが、糖尿病性ニューロパシーのような全身疾患に関連するニューロパシー、アルコール性ニューロパシーおよび灼熱性足症候群のような代謝状態に関連するニューロパシー、帯状疱疹およびHIVのようなウイルス感染に関連するニューロパシー、栄養失調に関連するニューロパシー、毒素に関連するニューロパシー、腫瘍圧迫に関連するニューロパシー、悪性腫瘍の遠隔発現に関連するニューロパシー、化学療法のような薬物に関連するニューロパシー、放射線に関連するニューロパシー、免疫介在障害に関連するニューロパシー、および神経幹への身体的外傷に関連するニューロパシーが挙げられる。
末梢性ニューロパシー性疼痛の4つの主要パターンは、単ニューロパシー、多発性単ニューロパシー(mononeuropathic multiplex)、多発ニューロパシー、および自律神経ニューロパシーである。
一実施形態において、本出願の方法によって処置および/または予防される疼痛は、末梢性単ニューロパシーである末梢性ニューロパシーである。単ニューロパシーは、単一の神経または神経群に影響を及ぼす機能喪失または病理学的変化を伴う末梢性ニューロパシーである。単ニューロパシーは、傷害または外傷から生じる局所領域の損傷によって引き起こされることがほとんどであるが、時折、全身性障害が、単離した神経損傷を引き起こすことがある。通常の原因は、直接的な外傷、神経への長時間の圧力、および近くの身体構造の膨張または損傷による神経の圧迫である。
一実施形態において、単ニューロパシーからの損傷は、神経または神経細胞(軸索)の一部のミエリン鞘(被覆)の破壊を含む。この損傷は、神経を通るインパルスの伝導を遅くするか、または妨げる。単ニューロパシーは、身体の任意の部分に関与し得る。単ニューロパシー性疼痛は、例えば、坐骨神経機能障害、一般的な腓骨神経機能障害、橈骨神経機能障害、尺骨神経機能障害、頭蓋単ニューロパシーVI、頭蓋単ニューロパシーVII、頭蓋単ニューロパシーIII(圧迫型)、頭蓋単ニューロパシーIII(糖尿病型)、腋窩神経機能障害、手根管症候群、大腿神経機能障害、脛骨神経機能障害、ベル麻痺、胸郭出口症候群、手根管症候群または他の局所閉塞性ニューロパシー、および第六(外転性)神経麻痺に関連する。例えば、単ニューロパシーは尺神経麻痺、橈骨神経麻痺、または腹膜神経麻痺である。
一実施形態において、本出願の方法によって処置および/または予防される疼痛は、多発性単ニューロパシーである末梢性ニューロパシーである。多発性単ニューロパシーは、非対称様式で連続的または同時にいくつかの非連続性神経に影響を及ぼす機能喪失または病理学的変化を伴う末梢性ニューロパシーである。多発性単ニューロパシーに基づくニューロパシー性疼痛は、数日から数年かけて発症する場合があり、典型的には、個々の神経の感覚および運動機能の急性または亜急性の喪失を示す。関与のパターンは非対称的であるが、疾患の進行に伴い、欠損は、より収束的かつ対称的になり、多発ニューロパシーとの区別が困難になる。多発性単ニューロパシーはまた、夜に悪化し、腰、股関節、または脚に頻繁に現れる、深部のずきずきした痛みを特徴とする疼痛を引き起こし得る。多発性単ニューロパシーはまた、急性片側重度の四肢痛、続いて前筋力低下および膝反射の喪失として特徴付けられる疼痛を引き起こし得る。多発性単ニューロパシー性疼痛は、例えば、糖尿病、感染症、例えば、ハンセン病、ライム病、HIV、および毒性に関連する。
一実施形態において、本出願の方法によって処置および/または予防される疼痛は、末梢性多発ニューロパシーである末梢性ニューロパシーである。末梢性多発ニューロパシーは、対称的様式で、全身の複数のニューロパシーに影響を与える機能喪失または病理学的変化を伴う末梢性ニューロパシーである。多発ニューロパシーは、急性であり、予告なしに現れるか、または慢性であり、より長い期間にわたって徐々に発症し得る。多くの多発ニューロパシーは、運動および感覚の両方に関与し、一部はまた、自律神経系の機能障害を伴う。これらの障害はしばしば対称的であり、通常、末梢神経系全体に影響を与える様々な系統的疾病および疾患過程に起因する。多発ニューロパシーは、頻繁に足と手に影響を与え、脱力感、感覚の喪失、チクチクする感覚、または灼熱性疼痛を引き起こす。多発ニューロパシーは、原因別、進行速度別、または関係する体の部位別等、さまざまな方法で分類することができる。多発ニューロパシーのクラスはまた、軸索、ミエリン鞘、または細胞体のうち、神経細胞のどの部分が主に影響を受けるかによって区別される。
多発ニューロパシー性疼痛の原因としては、ポリオ後症候群、乳房切除後症候群、糖尿病性ニューロパシー、アルコールニューロパシー、アミロイド、毒素、エイズ、甲状腺機能低下症、尿毒症、ビタミン欠乏症、化学療法誘発性疼痛、2’,3’−ジデオキシシチジン(didexoycytidine)(ddC)治療、ギラン−バレー症候群、およびファブリー病が挙げられるが、これらに限定されない。
一実施形態において、本出願の方法によって処置および/または予防される疼痛は、自律性ニューロパシーである末梢性ニューロパシーである。自律性ニューロパシーは、非自発性、非感覚性の神経系(すなわち、自律神経系)に影響を及ぼす機能喪失または病理学的変化を伴う末梢性ニューロパシーである。自律神経失調症は、主に膀胱、筋肉、心血管系、消化管、生殖器等の内臓に影響を及ぼす多発ニューロパシーの一形態である。
一実施形態において、末梢性および/または糖尿病性ニューロパシーを有する対象における疼痛の処置および/または予防には、ピリピリ感、しびれ、感覚の喪失(例えば、腕および/または脚における)、ならびに発熱感覚(例えば、足および/または手における)からなる群から選択される対象における1つまたは複数の症状の減少が含まれる。
一実施形態において、本出願の方法によって処置される疼痛は、化学療法によって誘発されるニューロパシーである。
一実施形態において、本出願の方法によって予防される疼痛は、化学療法によって誘発されるニューロパシーである。
一実施形態において、本出願の方法によって処置および/または予防される疼痛は、タキサンを用いる化学療法によって誘発されるニューロパシーである。例えば、パクリタキセル、ドセタキセル、アブラキサン、またはタキソテール。
一実施形態において、本出願の方法によって処置および/または予防される疼痛は、アルキル化剤を用いる化学療法によって誘発されるニューロパシーである。例えば、シクロホスファミド、メクロレタンミン、クロラムブシル、メルファラン、デカルバジン、ニトロソウレア、またはテモゾロミド。
一実施形態において、本出願の方法によって処置および/または予防される疼痛は、アントラサイクリンを用いる化学療法によって誘発されるニューロパシーである。例えば、ダウノルビシン、ドキソルビシン、エピルビシン、イダルビシン、ミトキサントロン、またはバルルビシン。
一実施形態において、本出願の方法によって処置および/または予防される疼痛は、代謝拮抗剤またはヌクレオシド類似体を用いる化学療法によって誘発されるニューロパシーである。例えば、フルオロウラシル(Adrucil)、カペシタビン(Xeloda)、ヒドロキシウレア(Hydrea)、メルカプトプリン(Purinethol)、ペメトレキセド(Alimta)、フルダラビン(Fludara)、ネララビン(Arranon)、クラドリビン(Cladribine Novaplus)、クロファラビン(Clolar)、シタラビン(Cytosar−U)、デシタビン(Dacogen)、シタラビンリポソーム(DepoCyt)、ヒドロキシウレア(Droxia)、プララトレキサート(Folotyn)、フロキサリジン(FUDR)、ゲムシタビン(Gemzar)、クラドリビン(Leustatin)、フルダラビン(Oforta)、メトトレキサート(MTX;Rheumatrex)、メトトレキサート(Trexall)、チオグアニン(Tabloid)、TS−1またはシタラビン(Tarabine PFS)。
一実施形態において、本出願の方法によって処置および/または予防される疼痛は、CDK阻害剤を用いる化学療法によって誘発されるニューロパシーである。例えば、パルボシクリブ、ディナシクリブ、P276−00、ロニシクリブ、リボシクリブ、P1446A−05、AT7519M、SNS−032、SCH727965、AG−024322、ヒグロリジン、ファスカプリシン、アベマシクリブ、アーシリアフラビン(arcyriaflavin)A、CINK4、AM−5992、CDK4阻害剤(CAS#546102−60−7)、CDK4阻害剤III(CAS#265312−55−8)、Cdk4/6阻害剤IV(CAS#359886−84−3)、MM−D37K、NSC625987、またはON−123300。(参照によりその全体が本明細書に組み込まれるLaw, M. E. et al. “Cyclin-Dependent Kinase Inhibitors as Anticancer Therapeutics” Mol. Pharmacol.88:846-852 (2015)を参照されたい。)
一実施形態において、本出願の方法によって処置および/または予防される疼痛は、ビンカアルカロイドまたはその誘導体を用いる化学療法によって誘発されるニューロパシーである。例えば、ビンブラスチン、ビンクリスチン、ビンデシン、またはビノレルビン。
一実施形態において、本出願の方法によって処置および/または予防される疼痛は、白金系薬剤を用いる化学療法によって誘発されるニューロパシーである。例えばシスプラチン、カルボプラチン、またはオキサリプラチン。
一実施形態において、本出願の方法によって処置および/または予防される疼痛は、ヌクレオチド類似体またはヌクレオチド前駆体類似体を用いる化学療法によって誘発されるニューロパシーである。例えば、アザシチジン、アザチオプリン、カペシタビン、シタラビン、ドキシフルリジン、フルオロウラシル、ゲムシタビン、ヒドロキシウレア、メルカプトプリン、メトトレキサート、またはチオグアニン。
一実施形態において、本出願の方法によって処置および/または予防される疼痛は、トポイソメラーゼ阻害剤、例えば、トポイソメラーゼIの阻害剤またはトポイソメラーゼIIの阻害剤を用いる化学療法によって誘発されるニューロパシーである。例えば、イリノテカン、トポテカン、エトポシド、テニポシド、またはタフルポシド。
一実施形態において、本出願の方法によって処置および/または予防される疼痛は、ダクチノマイシン、ブレオマイシン、ソラフェニブ、レンバチニブ、レゴラフェニブ、スニチニブ、パルボシクリブ、アファチニブ、アレクチニブ、アキシチニブ、ボルテゾミブ、ボスチニブ、カボザンチニブ、カーフィルゾミブ、セリチニブ、コビメチニブ、クリゾチニブ、ダブラフェニブ、エルロチニブ、ゲフィチニブ、イブルチニブ、イデラリシブ、イマチニブ、イキサゾミブ、ラパチニブ、ニロチニブ、ニンテダニブ、ニラパリブ、オシメルチニブ、パゾパニブ、ペガプタニブ、ポナチニブ、ルカパリブ、ルキソリチニブ、ソニデギブ、トファシチニブ、トラメチニブ、バンデタニブ、ベムラフェニブ、ビスモデギボア、ネシツムマブ、セツキシマブ、ネラチニブ、パニツムマブ、またはダコミチニブを用いる化学療法によって誘発されるニューロパシーである。
一実施形態において、本出願の方法によって処置および/または予防される疼痛は、毒性疼痛である。
毒性疼痛としては、限定されないが、毒素、毒物、および化学物質との接触に関連する疼痛が挙げられる。一実施形態において、これは、薬物もしくは化学物質の乱用を通じて、または職場もしくは環境における工業用化学物質への曝露を通じて(限定的または長期的な曝露のいずれかの後に)起こり得る。例えば、毒素、毒物、および/または化学物質は、殺虫剤、溶媒、接着剤、または漢方薬に見出され得る。
一実施形態において、毒性疼痛は、以下のうちの1つまたは複数との接触から生じる:アクリルアミド、アルコール、ヒ素、ブレベトキシン(貝類を介して)、バックソーンベリー毒素、枯葉剤、二硫化炭素、シガテラ毒素(貝類を介して)、ダイオキシン、エタノール、エチレングリコール(凍結防止剤)、ヘキサカーボン、テトロドトキシン(フグを介して)、鉛、水銀、一酸化窒素、有機リン酸類(organophosphate)、サキシトキシン(貝類を介して)、タリウム、または亜鉛。
一態様において、本出願は、処置を必要とする対象に、治療有効量の化合物I、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、もしくはプロドラッグを投与することを含む、疼痛を処置する方法であって、ここで、疼痛は、投与後8時間未満で、対象において処置されるか、改善されるか、または消去されるか、または疼痛の症状が、対象において軽減される、方法に関する。例えば、治療有効量の化合物I、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、もしくはプロドラッグの投与後7時間、6時間、5時間、4時間、3時間、2時間、1時間、45分、30分、20分、15分、10分、または5分未満。
一態様において、処置される疼痛は、例えば、急性疼痛、慢性疼痛、毒性疼痛、ニューロパシー性疼痛、侵害受容性疼痛、炎症性疼痛、術後疼痛、内臓疼痛、化学療法誘発性疼痛、またはそれらの組合せを含む、本明細書に開示される任意の種類の疼痛であり得る。
一態様において、本出願は、疼痛を予防する方法、すなわち、疼痛を予防的に処置する方法に関する。例えば、化学療法を受けようとする対象は、疼痛が始まる前に化学療法によって誘発されるニューロパシーの発生を予防するために、化合物I、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、もしくはプロドラッグを投与され得る。
一実施形態において、本明細書に開示される疼痛を予防するいずれかの方法について、方法は、処置を必要とする対象に、治療有効量の化合物I、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、もしくはプロドラッグを投与することを含み、ここで化合物Iは、化学療法を開始する前に対象に投与される。例えば、化学療法の投与前8時間、化学療法の投与前7時間、化学療法の投与前6時間、化学療法の投与前5時間、化学療法の投与前4時間、化学療法の投与前3時間、化学療法の投与前2時間、化学療法の投与前1時間、化学療法の投与前45分、化学療法の投与前30分、化学療法の投与前20分、化学療法の投与前15分、化学療法の投与前10分、または化学療法の投与前5分。
一態様において、予防される疼痛は、例えば、急性疼痛、慢性疼痛、毒性疼痛、ニューロパシー性疼痛、侵害受容性疼痛、炎症性疼痛、術後疼痛、内臓疼痛、化学療法誘発性疼痛、またはそれらの組合せを含む、本明細書に開示される任意の種類の疼痛であり得る。
一態様において、本出願は、対象が現在罹患している疼痛を同時に処置すること、および対象における将来の疼痛の発生を予防することに関する。
例えば、化学療法を受ける対象は、化学療法によって誘発されるニューロパシーを処置するために、治療有効量の化合物Iを投与され得る。同じ対象は、化学療法または本明細書に開示される任意の他の種類の疼痛、例えば、急性疼痛、慢性疼痛、毒性疼痛、侵害受容性疼痛、炎症性疼痛、術後疼痛、内臓疼痛、および化学療法誘発性疼痛によって誘発される将来的なニューロパシーを予防するために、化合物Iを投与され得る。
侵害受容体は、末梢組織傷害の存在下で様々な機構によって過興奮性(感作性)になり得る。感作された個々の侵害受容体は、以前は活性化を引き起こすほど強くなかった刺激によって(異痛症)、ならびにさらに大きな痛みを感じさせるようになった以前の有害な刺激によって(痛覚過敏症)、活性化され得る。この変化した誘発性疼痛応答の電気生理学的相関関係には、それぞれ、侵害受容体活性化に対する閾値の低下、ならびに閾値を超える刺激に対する応答の発射頻度の増加が含まれる。さらに、自発的疼痛の臨床症状は、侵害受容体における自発的スパイク発射と直接的に相関し得る。末梢感作は、多くの場合、中枢感作、または脊髄内の背角ニューロンのシナプス有効性および自発的活性の増加につながる。
本明細書で使用されるとき、用語「過敏症」は、対象における疼痛に対する極端なまたは増加した感受性を指す。
本明細書で使用されるとき、用語「抗痛覚過敏効果」は、対象の疼痛に対する感受性の低減を指す。
一態様において、治療有効量の化合物I、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、もしくはプロドラッグは、抗痛覚過敏効果を誘導または促進する、すなわち、対象の疼痛に対する感受性を低減する。したがって、別の態様において、本出願は、対象の疼痛に対する感受性を低減する方法であって、対象に、治療有効量の化合物I、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、もしくはプロドラッグを投与することを含む、方法に関する。
一態様において、治療有効量の化合物I、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、もしくはプロドラッグは、投与後8時間未満で、対象における抗痛覚過敏効果を誘導または促進する。例えば、治療有効量の化合物I、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、もしくはプロドラッグの投与後7時間、6時間、5時間、4時間、3時間、2時間、1時間、45分、30分、20分、15分、10分、または5分未満。
一実施形態において、治療有効量の化合物I、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、もしくはプロドラッグは、抗痛覚過敏効果を誘導または促進する、すなわち、疼痛の処置のための対象によるオピオイド使用によってもたらされる疼痛に対する対象の感受性を低減する。
一実施形態において、治療有効量の化合物I、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、もしくはプロドラッグの抗痛覚過敏効果は、対象の疼痛に対する感受性を、約10%、約20%、約30%、約40%、約50%、約60%、約70%、約80%、約90%、または約100%低減または促進する。
本明細書に開示されるいずれかの方法において、対象における疼痛、線維筋痛、ニューロパシー、もしくは化学療法誘発性疼痛の処置もしくは改善、対象における抗痛覚過敏効果の促進、または対象の疼痛に対する感受性の低減は、当該技術分野において公知の多くの方法のいずれか1つを使用して医師によって行われる対象の評価の前後に決定され得る。(Haefeli, M. “Pain Assessment” Eur. Spine J. 2006 Jan;15 (Suppl 1): S17-S24; Stewart, J. “The Challenges of Cancer Pain Assessment” Ulster Med. J. 2014 Jan;83 (1):44-46.)
本明細書に開示される例において、侵害受容性閾値試験は、疼痛、鎮痛薬の有効性を研究するために、ならびに投薬レベルおよび効果の期間を確立するために、対象に意図的に有害な刺激を適用する。ベースラインレベルが確立された後、試験薬を投与し、特定の時点で閾値の上昇を記録する。試験薬が消耗したら、閾値はベースライン(処置前)の値に戻るべきである。
例えば、動物(例えば、ラット)の後足へのカラギーナン溶液の足底内注射は、侵害受容性閾値の顕著かつ有意な低下によって証明されるように、機械的痛覚過敏を誘発する。陽性対照として使用されるモルヒネは、投薬30分後に最大効果に達し、機械的痛覚過敏を完全に逆転させる。
他の例では、坐骨神経結紮は、陽性対照として使用され得るモルヒネによって有意に低減される侵害受容性閾値の顕著かつ有意な減少によって証明されるように、機械的痛覚過敏を誘発する。
他の例では、パクリタキセル誘発性疼痛応答を逆転させるかまたはそれを予防する、パクリタキセル誘発性ニューロパシー性疼痛に対する化合物Iの長期投与の有効性を評価した。一実施形態において、化合物Iは、1、3および10mg/kgで、閾値を伴う疼痛の有意な増加を示し、それによって、化合物Iが、化学療法誘発性末梢性ニューロパシー性疼痛の処置および予防において有効であることを示唆する。
本出願の処置および/または予防方法に従って、所望の結果を達成するために必要な量および時間で、対象に、治療有効量の化合物I、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、もしくはプロドラッグを投与することによって、疼痛は、対象において処置、改善、治癒、または予防される。
本出願の処置方法に従って、所望の結果を達成するために必要な量および時間で、対象に、治療有効量の化合物I、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、もしくはプロドラッグを投与することによって、疼痛は、対象において処置される。
本出願の処置方法に従って、所望の結果を達成するために必要な量および時間で、対象に、治療有効量の化合物I、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、もしくはプロドラッグを投与することによって、疼痛の1つまたは複数の症状は、対象において軽減される。
本出願の処置方法に従って、所望の結果を達成するために必要な量および時間で、対象に、治療有効量の化合物I、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、もしくはプロドラッグを投与することによって、疼痛は、対象において改善される。
本出願の処置方法に従って、所望の結果を達成するために必要な量および時間で、対象に、治療有効量の化合物I、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、もしくはプロドラッグを投与することによって、疼痛は、対象において治癒される。
本出願の処置方法に従って、所望の結果を達成するために必要な量および時間で、対象に、治療有効量の化合物I、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、もしくはプロドラッグを投与することによって、疼痛は、対象において予防される。
医療分野において十分に理解されているように、治療有効量の化合物I、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、もしくはプロドラッグは、任意の医療処置に適用可能な合理的な利益/リスク比におけるものである。
一態様において、本出願は、急性および毒性疼痛、ニューロパシー性疼痛、炎症性疼痛、術後疼痛、内臓疼痛、ならびに行動および急性毒性を含むが、これらに限定されない、様々な疼痛領域における、化合物I、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、もしくはプロドラッグの有効性に関する。有効性は、ラットにおいてハイスループットスクリーニング(つまり、ALGOGram(商標))を使用し、様々な用量の化合物I、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、もしくはプロドラッグに関するデータを既知の対照と比較して、評価され得る。例えば、モルヒネ(急性疼痛、毒性疼痛、ニューロパシー性疼痛、および術後疼痛について)、ガバペンチン(ニューロパシー性疼痛について)、インドメタシン(炎症性疼痛について)、およびU−50488(急性疼痛、毒性疼痛、および内臓疼痛について)。
一態様において、本出願は、ラットでのカラギーナン誘発性機械的痛覚過敏モデルにおける、化合物I、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、もしくはプロドラッグの抗痛覚過敏効果に関する。このモデルでは、炎症は、ラットの足にカラギーナンを足底内注射することによって誘発される。カラギーナンは、様々な海藻から得られる多糖である。足底または膝関節に注入すると、カラギーナンは局所的な炎症を引き起こし、それゆえに重量ベアリングを減少させ、処置された四肢の防御を変更させ、熱および機械的痛覚過敏/異痛を誘発する。このタイプのモデルは、新しい鎮痛剤の有効性を明らかにするために広くかつ信頼して使用されている。一実施形態において、様々な用量の化合物I、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、もしくはプロドラッグの腹腔内投与は、対照群と比較して、侵害受容性閾値の増加を誘導する。
一態様において、本出願は、ラットでの末梢性単ニューロパシーのモデルにおける、化合物I、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、もしくはプロドラッグの抗痛覚過敏効果に関する。このモデルでは、片側末梢性単ニューロパシーを、麻酔ラットにおけるラット右後足の坐骨神経の外科的な緩い結紮によって誘発した。一実施形態において、様々な用量の化合物I、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、もしくはプロドラッグの腹腔内投与は、対照群と比較して、侵害受容性閾値の増加を誘導する。
一態様において、本出願は、ラットでの化学療法誘発性末梢性ニューロパシー性疼痛のモデルにおける、化合物I、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、もしくはプロドラッグの鎮痛有効性に関する。一実施形態において、化合物I、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、もしくはプロドラッグによる処置は、対照群と比較して、ラットにおけるニューロパシー性疼痛を顕著に低減した。
一般に、化合物I、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、もしくはプロドラッグは、単独で、または1種もしくは複数の治療剤との組合せで、当該技術分野において既知の通常かつ許容される任意の様式のいずれかを介して、治療有効量で投与される。治療有効量は、選択された用量に影響を与える他の要因の中でも、疼痛の重症度、対象の年齢および相対的な健康状態、レシピエント対象の臨床状態、ならびに治療を施す臨床医または開業医の経験および判断に応じて大きく変化し得る。
一実施形態において、治療有効量の化合物Iが、対象に、日単位(例えば、1日に1回、2回もしくは3回)、週単位(例えば、1週間に1回、2回、3回、4回もしくは5回)、または月単位(例えば、1ヶ月に1回、2回、3回、4回、5回、6回、7回、8回、9回または10回)で投与され得る。適切な投薬スケジュールの決定は、当該技術分野における通常のスキルのレベル内である。
治療有効量の化合物Iが、最大30日間またはより長い日数、1日に1または複数回投与され、続いて化合物Iが1日以上、非投与であってもよい。このタイプの処置スケジュール、すなわち、化合物Iの連続日数での投与、続く化合物Iの連続日数での非投与は、処置サイクルと称され得る。処置サイクルは、意図される影響を達成するために必要な回数繰り返され得る。
一実施形態において、治療有効量の化合物Iは、0.01、0.05、0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1、1.5、2、2.5、3、3.5、4、4.5、5、5.5、6、6.5、7、7.5、8、8.5、9、9.5、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、100、105、110、115、120、125、130、135、140、145、150、155、160、165、170、175、180、185、190、195、200、205、210、215、220、225、230、235、240、245、250、255、260、265、270、275、280、285、290、295、300、305、310、315、320、325、330、335、340、345、350、355、360、365、370、375、380、385、390、395、400、405、410、415、420、425、430、435、440、445、450、455、460、465、470、475、480、485、490、495、500、525、550、575、600、625、650、675、700、725、750、775、800、825、850、875、900、925、950、975、1000、1025、1050、1075、1100、1125、1150、1175、1200、1225、1250、1275、1300、1325、1350、1375、1400、1425、1450、1475、1500、1525、1550、1575、1600、1625、1650、1675、1700、1725、1750、1775、1800、1825、1850、1875、1900、1925、1950、1975、または2000mgで、1日、2日、3日、4日、5日、6日、7日、8日、9日、10日、11日、12日、13日、14日、15日、30日の連続する日数に1日1回、2回、3回、4回、もしくはより多い回数、または2ヶ月、3ヶ月、4ヶ月、5ヶ月、6ヶ月、もしくはより長い期間に1日1回、2回、3回、4回、もしくはより多い回数投与される。
一実施形態において、治療有効量の化合物Iは、約10〜約40mg、約20〜約50mg、約30〜約60mg、約40〜約70mg、約50〜約80mg、約60〜約90mg、約70〜約100mg、約80〜約110mg、約90〜約120mg、約100〜約130mg、約110〜約140mg、約120〜約150mg、約130〜約160mg、約140〜約170mg、約150〜約180mg、約160〜約190mg、約170〜約200mg、約180〜約210mg、約190〜約220mg、約200〜約230mg、約210〜約240mg、約220〜約250mg、約230〜約260mg、約240〜約270mg、約250〜約280mg、約260〜約290mg、約270〜約300mg、約280〜約310mg、約290〜約320mg、約300〜約330mg、約310〜約340mg、約320〜約350mg、約330〜約360mg、約340〜約370mg、約350〜約380mg、約360〜約390mgまたは約370〜約400mgを単回または分割用量で、1日1回、2回、3回、4回もしくはそれより多い回数で投与される(この用量は、患者の体重(kg)、体表面積(m)および年齢(年)で調整され得る)。
治療有効量の化合物Iは、1日当たり約0.001mg/kg〜1日当たり約1,000mg/kgの範囲であり得る。一態様において、治療有効量の化合物Iは1日当たり約0.01mg/kg〜1日当たり約100mg/kgの範囲であり得る。一態様において、治療有効量の化合物Iは1日当たり約0.05mg/kg〜1日当たり約50mg/kgの範囲であり得る。一態様において、治療有効量の化合物Iは1日当たり約0.1mg/kg〜1日当たり約25mg/kgの範囲であり得る。一態様において、治療有効量の化合物Iは1日当たり約0.25mg/kg〜1日当たり約20mg/kgの範囲であり得る。一態様において、治療有効量の化合物Iは1日当たり約0.5mg/kg〜1日当たり約10mg/kgの範囲であり得る。一態様において、治療有効量の化合物Iは1日当たり約0.75mg/kg〜1日当たり約5mg/kgの範囲であり得る。一態様において、治療有効量の化合物Iは1日当たり約0.10mg/kg〜1日当たり約1mg/kgの範囲であり得る。治療有効量の化合物Iは、好都合に、例えば、より小さい用量に分割されて投与されてもよく、制御放出形態または持続放出形態で1日に2回、3回、または4回投与されてもよい。
一実施形態において、治療有効量の化合物Iは1日当たり約0.05mg/kg、1日当たり約0.10mg/kg、1日当たり約0.15mg/kg、1日当たり約0.20mg/kg、1日当たり約0.25mg/kg、1日当たり約0.30mg/kg、1日当たり約0.35mg/kg、1日当たり約0.40mg/kg、1日当たり約0.45mg/kg、1日当たり約0.50mg/kg、1日当たり約0.55mg/kg、1日当たり約0.60mg/kg、1日当たり約0.65mg/kg、1日当たり約0.70mg/kg、1日当たり約0.75mg/kg、1日当たり約0.80mg/kg、1日当たり約0.85mg/kg、1日当たり約0.90mg/kg、1日当たり約0.95mg/kg、または1日当たり約1.00mg/kgである。治療有効量の化合物Iは、好都合に、例えば、より小さい用量に分割されて投与されてもよく、制御放出形態または持続放出形態で1日に2回、3回、または4回投与されてもよい。
一実施形態において、治療有効量の化合物Iは1日当たり約1.05mg/kg、1日当たり約1.10mg/kg、1日当たり約1.15mg/kg、1日当たり約1.20mg/kg、1日当たり約1.25mg/kg、1日当たり約1.30mg/kg、1日当たり約1.35mg/kg、1日当たり約1.40mg/kg、1日当たり約1.45mg/kg、1日当たり約1.50mg/kg、1日当たり約1.55mg/kg、1日当たり約1.60mg/kg、1日当たり約1.65mg/kg、1日当たり約1.70mg/kg、1日当たり約1.75mg/kg、1日当たり約1.80mg/kg、1日当たり約1.85mg/kg、1日当たり約1.90mg/kg、1日当たり約1.95mg/kg、または1日当たり約2.00mg/kgである。治療有効量の化合物Iは、好都合に、例えば、より小さい用量に分割されて投与されてもよく、制御放出形態または持続放出形態で1日に2回、3回、または4回投与されてもよい。
一実施形態において、治療有効量の化合物Iは1日当たり約2.05mg/kg、1日当たり約2.10mg/kg、1日当たり約2.15mg/kg、1日当たり約2.20mg/kg、1日当たり約2.25mg/kg、1日当たり約2.30mg/kg、1日当たり約2.35mg/kg、1日当たり約2.40mg/kg、1日当たり約2.45mg/kg、1日当たり約2.50mg/kg、1日当たり約2.55mg/kg、1日当たり約2.60mg/kg、1日当たり約2.65mg/kg、1日当たり約2.70mg/kg、1日当たり約2.75mg/kg、1日当たり約2.80mg/kg、1日当たり約2.85mg/kg、1日当たり約2.90mg/kg、1日当たり約2.95mg/kg、または1日当たり約3.00mg/kgである。治療有効量の化合物Iは、好都合に、例えば、より小さい用量に分割されて投与されてもよく、制御放出形態または持続放出形態で1日に2回、3回、または4回投与されてもよい。
一実施形態において、治療有効量の化合物Iは1日当たり約3.05mg/kg、1日当たり約3.10mg/kg、1日当たり約3.15mg/kg、1日当たり約3.20mg/kg、1日当たり約3.25mg/kg、1日当たり約3.30mg/kg、1日当たり約3.35mg/kg、1日当たり約3.40mg/kg、1日当たり約3.45mg/kg、1日当たり約3.50mg/kg、1日当たり約3.55mg/kg、1日当たり約3.60mg/kg、1日当たり約3.65mg/kg、1日当たり約3.70mg/kg、1日当たり約3.75mg/kg、1日当たり約3.80mg/kg、1日当たり約3.85mg/kg、1日当たり約3.90mg/kg、1日当たり約3.95mg/kg、または1日当たり約4.00mg/kgである。治療有効量の化合物Iは、好都合に、例えば、より小さい用量に分割されて投与されてもよく、制御放出形態または持続放出形態で1日に2回、3回、または4回投与されてもよい。
一実施形態において、治療有効量の化合物Iは1日当たり約4.05mg/kg、1日当たり約4.10mg/kg、1日当たり約4.15mg/kg、1日当たり約4.20mg/kg、1日当たり約4.25mg/kg、1日当たり約4.30mg/kg、1日当たり約4.35mg/kg、1日当たり約4.40mg/kg、1日当たり約4.45mg/kg、1日当たり約4.50mg/kg、1日当たり約4.55mg/kg、1日当たり約4.60mg/kg、1日当たり約4.65mg/kg、1日当たり約4.70mg/kg、1日当たり約4.75mg/kg、1日当たり約4.80mg/kg、1日当たり約4.85mg/kg、1日当たり約4.90mg/kg、1日当たり約4.95mg/kg、または1日当たり約5.00mg/kgである。治療有効量の化合物Iは、好都合に、例えば、より小さい用量に分割されて投与されてもよく、制御放出形態または持続放出形態で1日に2回、3回、または4回投与されてもよい。
一実施形態において、治療有効量の化合物Iは1日当たり約5.05mg/kg、1日当たり約5.10mg/kg、1日当たり約5.15mg/kg、1日当たり約5.20mg/kg、1日当たり約5.25mg/kg、1日当たり約5.30mg/kg、1日当たり約5.35mg/kg、1日当たり約5.40mg/kg、1日当たり約5.45mg/kg、1日当たり約5.50mg/kg、1日当たり約5.55mg/kg、1日当たり約5.60mg/kg、1日当たり約5.65mg/kg、1日当たり約5.70mg/kg、1日当たり約5.75mg/kg、1日当たり約5.80mg/kg、1日当たり約5.85mg/kg、1日当たり約5.90mg/kg、1日当たり約5.95mg/kg、または1日当たり約6.00mg/kgである。治療有効量の化合物Iは、好都合に、例えば、より小さい用量に分割されて投与されてもよく、制御放出形態または持続放出形態で1日に2回、3回、または4回投与されてもよい。
一実施形態において、治療有効量の化合物Iは1日当たり約6.05mg/kg、1日当たり約6.10mg/kg、1日当たり約6.15mg/kg、1日当たり約6.20mg/kg、1日当たり約6.25mg/kg、1日当たり約6.30mg/kg、1日当たり約6.35mg/kg、1日当たり約6.40mg/kg、1日当たり約6.45mg/kg、1日当たり約6.50mg/kg、1日当たり約6.55mg/kg、1日当たり約6.60mg/kg、1日当たり約6.65mg/kg、1日当たり約6.70mg/kg、1日当たり約6.75mg/kg、1日当たり約6.80mg/kg、1日当たり約6.85mg/kg、1日当たり約6.90mg/kg、1日当たり約6.95mg/kg、または1日当たり約7.00mg/kgである。治療有効量の化合物Iは、好都合に、例えば、より小さい用量に分割されて投与されてもよく、制御放出形態または持続放出形態で1日に2回、3回、または4回投与されてもよい。
一実施形態において、治療有効量の化合物Iは1日当たり約7.05mg/kg、1日当たり約7.10mg/kg、1日当たり約7.15mg/kg、1日当たり約7.20mg/kg、1日当たり約7.25mg/kg、1日当たり約7.30mg/kg、1日当たり約7.35mg/kg、1日当たり約7.40mg/kg、1日当たり約7.45mg/kg、1日当たり約7.50mg/kg、1日当たり約7.55mg/kg、1日当たり約7.60mg/kg、1日当たり約7.65mg/kg、1日当たり約7.70mg/kg、1日当たり約7.75mg/kg、1日当たり約7.80mg/kg、1日当たり約7.85mg/kg、1日当たり約7.90mg/kg、1日当たり約7.95mg/kg、または1日当たり約8.00mg/kgである。治療有効量の化合物Iは、好都合に、例えば、より小さい用量に分割されて投与されてもよく、制御放出形態または持続放出形態で1日に2回、3回、または4回投与されてもよい。
一実施形態において、治療有効量の化合物Iは1日当たり約8.05mg/kg、1日当たり約8.10mg/kg、1日当たり約8.15mg/kg、1日当たり約8.20mg/kg、1日当たり約8.25mg/kg、1日当たり約8.30mg/kg、1日当たり約8.35mg/kg、1日当たり約8.40mg/kg、1日当たり約8.45mg/kg、1日当たり約8.50mg/kg、1日当たり約8.55mg/kg、1日当たり約8.60mg/kg、1日当たり約8.65mg/kg、1日当たり約8.70mg/kg、1日当たり約8.75mg/kg、1日当たり約8.80mg/kg、1日当たり約8.85mg/kg、1日当たり約8.90mg/kg、1日当たり約8.95mg/kg、または1日当たり約9.00mg/kgである。治療有効量の化合物Iは、好都合に、例えば、より小さい用量に分割されて投与されてもよく、制御放出形態または持続放出形態で1日に2回、3回、または4回投与されてもよい。
一実施形態において、治療有効量の化合物Iは1日当たり約9.05mg/kg、1日当たり約9.10mg/kg、1日当たり約9.15mg/kg、1日当たり約9.20mg/kg、1日当たり約9.25mg/kg、1日当たり約9.30mg/kg、1日当たり約9.35mg/kg、1日当たり約9.40mg/kg、1日当たり約9.45mg/kg、1日当たり約9.50mg/kg、1日当たり約9.55mg/kg、1日当たり約9.60mg/kg、1日当たり約9.65mg/kg、1日当たり約9.70mg/kg、1日当たり約9.75mg/kg、1日当たり約9.80mg/kg、1日当たり約9.85mg/kg、1日当たり約9.90mg/kg、1日当たり約9.95mg/kg、または1日当たり約10.00mg/kgである。治療有効量の化合物Iは、好都合に、例えば、より小さい用量に分割されて投与されてもよく、制御放出形態または持続放出形態で1日に2回、3回、または4回投与されてもよい。
治療有効量の化合物Iは、初めに、動物モデル、通常はラット、マウス、ウサギ、イヌ、またはブタのいずれかにおいて推定され得る。また動物モデルを用いて適切な濃度範囲および投与経路を決定してもよい。次いで、そのような情報を用いて、ヒトにおける投与のための有用な用量および経路を決定することができる。治療/予防上の有効性および毒性は、実験動物における標準的な薬学的手順によって決定され得る。投与量は、用いられる剤形、患者の感受性、および投与経路に応じて、この範囲内で変化し得る。
対象の疼痛の改善に際し、誘導用量の化合物I、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、もしくはプロドラッグを用いた初期治療の後、維持用量の化合物I、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、もしくはプロドラッグが、必要に応じて投与され得る。続いて、化合物I、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、もしくはプロドラッグの投与の用量または頻度またはその両方が、症状の関数として、改善された状態が保持されるレベル、つまり、維持用量に低減され得る。さらに、症状が所望のレベルまで軽減された場合およびそのとき、化合物I、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、もしくはプロドラッグによる処置は、中止すべきである。しかしながら、対象は、疾患症状のいずれかの再発に応じて、またはその再発を予防するために、長期的に、化合物I、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、もしくはプロドラッグによる断続的処置を必要とし得る。
対象の疼痛、線維筋痛、ニューロパシー、もしくは化学療法誘発性疼痛の改善、対象における抗痛覚過敏効果の促進、または対象の疼痛に対する感受性の低減に際して、対象の疼痛に対する感受性の低減に際して、誘導用量の化合物I、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、もしくはプロドラッグを用いた初期治療の後、維持用量の化合物I、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、もしくはプロドラッグが、必要に応じて投与され得る。続いて、維持用量の化合物I、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、もしくはプロドラッグは、症状の関数として、改善された状態が保持されるレベルに低減され得る。さらに、症状が所望のレベルまで軽減された場合およびそのとき、化合物I、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、もしくはプロドラッグによる処置は、中止すべきである。しかしながら、対象は、疾患症状のいずれかの再発に応じて、またはその再発を予防するために、長期的に、化合物I、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、もしくはプロドラッグによる断続的処置を必要とし得る。
対象の疼痛、線維筋痛、ニューロパシー、もしくは化学療法誘発性疼痛の改善、対象における抗痛覚過敏効果の促進、または対象の疼痛に対する感受性の低減に際して、誘導用量の化合物I、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、もしくはプロドラッグを用いた初期治療の後、維持用量の化合物I、疼痛の処置のための追加の治療剤、またはそれらの組合せが、必要に応じて投与され得る。化合物Iおよび/または追加の治療剤の維持用量は、誘導用量よりも低用量であり得、誘導用量よりも少ない頻度で投与され得、または誘導用量よりも低用量でかつ少ない頻度で投与され得る。
続いて、維持用量の化合物I、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、もしくはプロドラッグ、追加の治療剤、またはそれらの組合せが、対象の症状の関数として、改善された状態が保持されるレベルに低減され得る。さらに、症状が所望のレベルまで軽減された場合およびそのとき、化合物I、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、もしくはプロドラッグ、追加の治療剤、またはそれらの組合せによる処置は、中止すべきである。しかしながら、対象は、疾患症状の再発を予防するために、またはその再発に応じて疾患症状を処置するために、長期的に、化合物I、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、もしくはプロドラッグ、追加の治療剤、もしくはそれらの組合せの断続的処置を必要とし得る。
しかしながら、本出願の化合物および組成物の総一日使用量は、健全な医学的判断の範囲内で主治医によって決定されることが理解されるであろう。任意の特定の患者についての特定の抑制用量は、処置される障害および障害の重症度、使用される特定の化合物の活性、使用される特定の組成物、患者の年齢、体重、総体的健康状態、性別および食事、投与時間、投与経路、および使用される特定の化合物の排泄速度、処置期間、併用してまたは使用される特定の化合物と同時に使用される薬物、および医学分野で周知の同様の因子を含む種々の要因に依存する。
疼痛を処置するための本出願の方法は、抗痙攣剤、抗うつ剤、非ステロイド性抗炎症薬、グルココルチコイド、ガバペンチン、プレガバリン、カンナビノイド、ボツリヌス毒素、栄養補助食品(例えば、アルファリポ酸、ベンホチアミン)、神経調節剤、および外用剤(例えば、リドカイン)を含み得るが、これらに限定されない、1種または複数の追加の治療剤の投与をさらに含んでもよい。
疼痛を治療するための本出願の方法は、針灸、電気神経刺激、低侵襲性脊椎手技、および心理学的治療を含むがこれらに限定されない追加の療法をさらに含み得る。
本出願はまた、(a)遊離形態または薬学的に許容される塩形態である、本明細書に開示される本出願の化合物Iである第1の薬剤と、適宜(b)少なくとも1つの助剤とを含む薬学的組合せ、例えばキットを提供する。キットは、その投与のための説明書を含むことができる。
医薬組成物
本明細書に記載の任意の組成物または医薬組成物は、その全体が本明細書に組み込まれるRemington : The Science and Practice of Pharmacy, 21st Edition, 2000, Lippincott Williams & Wilkinsに開示されている技術等の従来の技術に従って、薬学的に許容される担体または希釈剤ならびに任意の他の既知のアジュバントおよび賦形剤と共に製剤化し得る。一態様において、本開示は、錠剤、カプセル剤、経口製剤、散剤、顆粒剤、丸剤、注射用もしくは注入用液、溶液、懸濁液、エマルジョン、坐剤、軟膏、クリーム剤、ローション剤、ロゼンジ剤、咀嚼剤、ゲル剤、ペースト剤、多粒子剤およびナノ粒子剤、ゲル剤、固溶剤、リポソーム剤、ナノ粒剤、フィルム剤、腔坐剤、噴霧剤、注射剤、液剤、または経皮送達デバイスの形態である化合物Iを含む医薬組成物に関する。
経口投与用の液体剤形として、薬学的に許容されるエマルジョン、マイクロエマルジョン、溶液、懸濁液、シロップ剤およびエリキシル剤が挙げられる。活性化合物の他に、液体剤形は、当該技術分野で一般に使用される不活性希釈剤、例えば、水または他の溶媒、可溶化剤、ならびにエチルアルコール、イソプロピルアルコール、炭酸エチル、酢酸エチル、ベンジルアルコール、安息香酸ベンジル、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ジメチルホルムアミド、油(特に、綿実油、ラッカセイ油、トウモロコシ油、胚芽油、オリーブ油、ヒマシ油、およびゴマ油)、グリセロール、テトラヒドロフルフリルアルコール、ポリエチレングリコールおよびソルビタン脂肪酸エステル等の乳化剤、ならびにこれらの混合物を含み得る。不活性希釈剤以外に、経口組成物は、湿潤剤、乳化剤および懸濁剤、甘味料、風味料、および香料等のアジュバントも含むことができる。
注射用製剤、例えば、滅菌注射用の水性または油性懸濁液は、適切な分散剤または湿潤剤および懸濁剤を用いて公知の技術に従って製剤化することができる。滅菌注射用製剤は、非毒性の非経口的に許容される希釈剤または溶媒中の滅菌注射用溶液、懸濁液またはエマルジョン、例えば1,3−ブタンジオール中の溶液であってもよい。使用し得る許容されるビヒクルおよび溶媒としては、水、リンゲル液、U.S.P.、等張塩化ナトリウム溶液が挙げられる。さらに、滅菌不揮発性油が、溶媒または懸濁媒体として従来から使用されている。この目的のために、合成モノグリセリドまたはジグリセリドを含む任意の低刺激性の不揮発性油を使用することができる。さらに、オレイン酸等の脂肪酸も同様に注射剤の調製に使用することができる。
薬物の効果を延長するために、多くの場合、皮下または筋肉内注射からの薬物の吸収を遅らせることが望ましい。これは、水溶性の低い結晶または非晶質材料の液体懸濁液の使用によって達成し得る。次いで、薬物の吸収速度は、その溶解速度に依存し、次に、結晶サイズおよび結晶質形態に依存し得る。あるいは、非経口的に投与された薬物形態の遅延吸収は、薬物を油性ビヒクルに溶解または懸濁することによって達成される。
直腸または膣投与用組成物は、好ましくは、坐剤であり、坐剤は、適切な非刺激性賦形剤または担体、例えばココアバター、ポリエチレングリコール、または周囲温度では固体であるが体温で液体であって、直腸または膣腔内で融解して活性化合物を放出する坐剤ワックスと、本出願の化合物を混合することによって調製することができる。
同様の種類の固体組成物も、ラクトースまたは乳糖、ならびに高分子量ポリエチレングリコール等の賦形剤を使用して、軟質および硬質充填ゼラチンカプセル剤中の充填剤として使用し得る。
活性化合物は、上述のように、1種または複数の賦形剤と共にマイクロカプセル化された形態であってもよい。錠剤、糖衣錠、カプセル剤、丸剤、および顆粒剤の固体剤形は、腸溶コーティング、放出制御コーティング、および医薬製剤分野で周知の他のコーティング等のコーティングおよびシェルを用いて調製することができる。かかる固体剤形において、活性化合物は、スクロース、ラクトースまたはデンプン等の少なくとも1つの不活性希釈剤と混合してもよい。そのような剤形はまた、通常のプラクティスと同様に、不活性希釈剤以外のさらなる物質、例えば、錠剤潤滑剤、および他の錠剤補助剤、例えばステアリン酸マグネシウムおよび微結晶セルロース等を含んでもよい。カプセル剤、錠剤および丸剤の場合、剤形は緩衝剤を含んでもよい。
本出願の化合物の局所または経皮投与用の剤形として、軟膏、ペースト剤、クリーム剤、ローション剤、ゲル剤、散剤、溶液、噴霧剤、吸入剤またはパッチ剤が挙げられる。活性成分は、薬学的に許容される担体、および任意の必要な保存剤もしくは必要とされ得る緩衝剤と、無菌条件下で混合される。眼科用製剤、点耳薬、眼軟膏、散剤、および溶液もまた、本発明の範囲内として企図されている。
軟膏、ペースト剤、クリーム剤およびゲル剤は、本出願の活性化合物の他に、動物性および植物性脂肪、油、ワックス、パラフィン、デンプン、トラガカント、セルロース誘導体、ポリエチレングリコール、シリコーン、ベントナイト、ケイ酸、タルク、および酸化亜鉛、またはそれらの混合物等の賦形剤を含んでもよい。
散剤および噴霧剤は、本出願の化合物の他に、ラクトース、タルク、ケイ酸、水酸化アルミニウム、ケイ酸カルシウムおよびポリアミド粉末、またはこれらの物質の混合物等の賦形剤を含有することができる。噴霧剤はさらに、クロロフルオロハイドロカーボン等の慣用の推進剤を含有することができる。
経皮パッチ剤は、化合物の体内への制御された送達を提供するさらなる利点を有する。当該剤形は、適切な媒体に化合物を溶解または分散することによって作製することができる。吸収促進剤も、皮膚を通過する化合物の流動を増加させるために使用することができる。速度は、速度制御膜を提供することによって、またはポリマーマトリックスもしくはゲル中に化合物を分散させることによって制御することができる。
一般的なプラクティスとして、組成物は、通常、目的の処置に使用するための書かれたまたは印刷された説明書を伴う。
本出願の組成物は、1種または複数の治療剤をさらに含み得る。一実施形態において、治療剤も、対象の疼痛の処置のために使用され得る。治療剤には、抗痙攣剤、抗うつ剤、非ステロイド性抗炎症薬、グルコルチコイド、ガバペンチン、プレガバリン、カンナビノイド、ボツリヌス毒素、栄養補助食品(例えば、アルファリポ酸、ベンホチアミン)、神経調節剤、および外用剤(例えば、リドカイン)が含まれるが、これらに限定されない。
実施例の概要
0.1mg/kg MIN−117および1.0mg/kg MIN−117の単回投与の効果を、ALGOGram(商標)における、急性および毒性疼痛、ニューロパシー性疼痛、炎症性疼痛、術後疼痛、内臓疼痛を含む様々な疼痛領域において評価した:ならびに行動および急性毒性を、0.1mg/kg MIN−117および1.0mg/kg MIN−117(i.p.)でモデル試験を用いて評価した。各試験について、比較のための対照として、内部基準(例えば、モルヒネ)を用いた。処置の2時間後に試験を実施した。
ラットでのカラギーナン誘発性機械的痛覚過敏のモデルにおけるMIN−117の単回腹腔内投与の抗痛覚過敏効果を評価した。カラギーナンは、様々な海藻から得られる多糖である。足底または膝関節に注入すると、カラギーナンは局所的な炎症を引き起こし、それゆえに重量ベアリングを減少させ、処置された四肢の防御を変更させ、熱および機械的痛覚過敏/異痛を誘発する。
このモデルでは、炎症は、ラットの右後足にカラギーナン(2%)を足底内注射することによって誘発される。3時間後、足加圧試験(paw pressure test)を用いて反応閾値を測定する。ラットの両方の後足(炎症のあるものおよび対照)に徐々に圧力を加え、反応閾値を、足引っ込めまたは発声を誘発するために必要な圧力(g)として求める。陽性対照として、モルヒネ(3mg/kg、s.c.)を用いた。
このアッセイは、覚醒ラットでの炎症性疼痛モデルにおける新しい鎮痛剤の有効性を明らかにするために広くかつ信頼して使用されている。
静的機械的痛覚過敏を、足加圧試験またはRandall&Selitto試験を用いて評価した。この試験は、平らな面と鈍い針の間にある後足に、増加する圧力を加えることを要する。この試験は、通常、注射により炎症を起こしたまたは結紮により損傷した片方の後足と、片方の正常な後足とを有する動物を用いて、薬物の鎮痛作用を評価するために使用される。装置により、圧力が徐々に増加して加えられ、反応閾値は、足の引っ込めおよび/または発声を誘発するために必要な圧力(g)として決定される。一実験において、静的機械的痛覚過敏を評価した。両方の後足について各反応閾値測定を行った。
各10匹のラットの5つの実験群を用いた。各群には、最初に右後足の足底側に100μLの2%カラギーナン懸濁液を注射した。カラギーナン注射の3時間後、足加圧試験を用いて足引っ込め閾値を測定した(ベースライン)。次いで、5つの群に、以下を投与した:ビヒクル(0.5%HPMC、i.p.)、MIN−117(0.01mg/kg、i.p.)、MIN−117(0.1mg/kg、i.p.)、MIN−117(1mg/kg、i.p.)、およびモルヒネ(3mg/kg、s.c.)。
ビヒクル、MIN−117、またはモルヒネを投与した後、0分(T)、30分、60分、120分、および240分で足加圧試験を使用して、化合物の抗痛覚過敏効果を評価した。
ビヒクルおよびMIN−117は、10mL/kgで腹腔内投与した。モルヒネは、5mL/kgで皮下投与した。モルヒネ処置群を除き、投与および試験は盲検実験者によりランダムな順序で実施した。用量は遊離活性物質に換算して表した。ラットは実験終了時にCO吸入により屠殺した後、認可を受けた企業により取り除かれた。
全ての処置群は、対照の足と比較して、損傷した足の侵害受容性閾値の有意な低下を示した。ビヒクル処置群のラットは、損傷した足について、対照の足と比較して低減された安定な侵害受容性閾値を、試験の観察期間を通じて示した。3mg/kgで皮下投与したモルヒネは、ビヒクル処置群と比較して、処置30分後に最大効果に達し、投与30分後から120分後まで、損傷した足の引っ込め閾値の顕著かつ有意な増加を誘導した。0.01または0.1mg/kgで腹腔内投与されたMIN−117は、経時的研究を通じて、足引っ込め閾値に何ら有意な増加を誘導しなかった。しかしながら、1mg/kgで腹腔内投与されたMIN−117は、ビヒクル処置群と比較して、注射120分後に有意となる侵害受容性閾値のわずかな増加を誘導した。
ラットの末梢性単ニューロパシーモデル(ベネットモデル)におけるMIN−117の単回腹腔内投与の抗痛覚過敏効果を評価した。
慢性絞扼損傷(Chronic Constriction Injury、CCI)モデルは、離散的な末梢神経損傷に基づいており、患者が経験する外傷後/術後のニューロパシー性疼痛に関連し得る。片側末梢性単ニューロパシーは、麻酔ラット(キシラジン10mg/kg i.p.、ケタミン60mg/kg i.p.)における右後足のラットの坐骨神経の緩い結紮によって誘発した。大腿二頭筋を通じて鈍切開により大腿の中央部レベルで総坐骨神経(common sciatic nerve)を露出させた。坐骨神経三分岐部の近位には、約1mmの間隔で4本の結紮糸を緩やかに巻き付けた。細心の注意を払って結紮糸を結び、神経の直径のほんのわずかな絞扼が見られた。
14日後、静的機械的痛覚過敏を、足加圧試験を用いて評価する。この試験は、平らな面と鈍い針の間にある後足に、増加する圧力を加えることを要する。この試験は、通常、注射により炎症を起こしたまたは結紮により損傷した片方の後足と、片方の正常な後足とを有する動物を用いて、薬物の鎮痛作用を評価するために使用される。装置により、圧力が徐々に増加して加えられ、反応閾値は、足の引っ込めおよび/または発声を誘発するために必要な圧力(g)として決定される。
手術の14日後、組み入れ基準を満たす動物を選択するために、侵害受容性反応閾値を測定した。20g<足引っ込め閾値<240g(ベースライン)。
実験において、静的機械的痛覚過敏を評価した。両方の後足について各反応閾値を測定した。
各10匹のラットの5つの実験群を用いた。CCI(慢性絞扼損傷)/ビヒクル(0.5%HPMC、i.p.):CCI/MIN−117(1mg/kg、i.p.)、CCI/MIN−117(3mg/kg、i.p.)、CCI/MIN−117(10mg/kg、i.p.)、およびCCI/モルヒネ(3mg/kg、s.c.)。
ビヒクルおよびMIN−117は、10mL/kgで腹腔内投与した。モルヒネは、5mL/kgで皮下投与した。モルヒネ処置群を除き、投与および試験は盲検実験者によりランダムな順序で実施した。
モルヒネ注射の30分後、足加圧試験を使用してモルヒネの抗痛覚過敏効果を評価した。ビヒクルおよびMIN−117投与について、足加圧試験を用いて、120分後に抗痛覚過敏効果を評価した。
ラットは実験終了時にCO吸入により屠殺した。
14日後、坐骨神経結紮は、5つの実験群において、侵害受容性閾値の顕著で有意で均質な減少を誘導した。
0.5%HPMC処置群は、損傷した足について、処置の120分後に、安定した侵害受容性閾値を示した。
3mg/kgで皮下投与したモルヒネは、投与30分後に、侵害受容性閾値の顕著かつ有意な増加を誘導した。
MIN−117の1mg/kgでの腹腔内投与は、処置120分後に、侵害受容性閾値に何ら有意な増加を誘導しなかった。しかしながら、MIN−117を3および10mg/kgで投与した場合は、120分後に侵害受容性閾値の有意な増加を誘導した。
ラットでのカラギーナン誘発性機械的痛覚過敏モデルにおけるMIN−117の単回腹腔内投与の抗痛覚過敏効果も評価した。
このモデルでは、炎症は、ラットの右後足にカラギーナン(2%)を足底内注射することによって誘発される。3時間後、足加圧試験を用いて反応閾値を測定する。ラットの両方の後足(炎症のあるものおよび対照)に徐々に圧力を加え、反応閾値を、足引っ込めまたは発声を誘発するために必要な圧力(g)として求める。陽性対照として、モルヒネ(3mg/kg、s.c.)を用いた。
このアッセイは、覚醒ラットでの炎症性疼痛モデルにおける新しい鎮痛剤の有効性を明らかにするために広くかつ信頼して使用されている。
各10匹のラットの5つの実験群を用いた。各群には、最初に右後足の足底側に100μLの2%カラギーナン懸濁液を注射した。カラギーナン注射の3時間後、組み入れ基準を満たす動物を選択するために、侵害受容性反応閾値(発声または足引っ込め)を測定した:20g<足引っ込め閾値<240g(ベースライン)。次いで、5つの群に、以下を投与した:ビヒクル(0.5%HPMC、i.p.)、MIN−117(1mg/kg、i.p.)、MIN−117(3mg/kg、i.p.)、MIN−117(10mg/kg、i.p.)、およびモルヒネ(3mg/kg、s.c.)。
モルヒネ注射の30分後、足加圧試験を使用してモルヒネの抗痛覚過敏効果を評価した。ビヒクルおよびMIN−117投与について、足加圧試験を用いて、120分後に抗痛覚過敏効果を評価した。
ビヒクルおよびMIN−117は、10mL/kgで腹腔内投与した。モルヒネは、5mL/kgで皮下投与した。モルヒネ処置群を除き、投与および試験は盲検実験者によりランダムな順序で実施した。用量は遊離活性物質に換算して表した。
投与前に、全ての群は、2%カラギーナン懸濁液の注射3時間後の対照の足と比較して、損傷した足の侵害受容性閾値の有意な低下を示した。ビヒクル処置群のラットは、損傷した足について、処置の120分後に安定した侵害受容性閾値を示した。3mg/kgで皮下投与したモルヒネは、注射30分後に、侵害受容性閾値の顕著かつ有意な増加を誘導した。
MIN−117の1mg/kgでの腹腔内投与は、侵害受容性閾値に何ら有意な増加を誘導しなかった。しかしながら、MIN−117を3および10mg/kgで投与した場合は、120分後に侵害受容性閾値の有意な増加を誘導した。
von Freyフィラメントを使用したニューロパシー性疼痛の評価も行った。ラットに1日おきに4回(1日目、3日目、5日目および7日目)、パクリタキセル(2mg/kg)を投与した。von Freyフィラメントを使用して、ベースラインおよび処置後の足引っ込め閾値(PWT)を評価した。
動物を穿孔金属プラットフォームに配置し、各試験セッションの前に少なくとも15分間周囲に適応させた。各フィラメントを足底表面に垂直に、足にわずかな座屈を引き起こすのに十分な力で突きつけた後、陽性反応が認められる(足を急に引っ込める)まで保持した。Chaplan,S.R.らによって説明されているように、閾値を超えたら、閾値を横切る2つの応答が最初の2つの応答として遡及的に指定される。4つの追加の応答を、動物の応答に基づいて刺激が順次上下に変化するように測定した。
パクリタキセルは、1mL/kgの用量体積で、1日おきに4回(1日目、3日目、5日目および7日目)の合計4回、i.p.(2mL/kg)注射した。
14日目に、ベースラインのvon Frey応答を測定して、全てのラットが安定したニューロパシー性疼痛応答を示すことを確かめた。その後、ラットを、パクリタキセル後のPWT値に基づいて釣り合いをとって処置群に割り当てた。試験日に、PWTを、ビヒクルまたはMIN−117注射の2時間後、およびガバペンチン投与の1時間後に評価した。
14日目のPWTに対するガバペンチンまたはMIN−117の効果を評価した。ガバペンチンは、試験の60分前に、1mL/kgの用量体積で経口投与した。MIN−117(1、3および10mg/kg)は、1mL/kgの用量体積でi.p.投与した。MIN−117は、試験の2時間前に投与した。
一元配置分散分析は、群間の有意な差を示した。ガバペンチンは、ビヒクルと比較してPWTの有意な増加を示した。MIN−117(3および10mg/kg)で処置した動物も、ビヒクルと比較してPWTの有意な増加を示した。
長期注射後の化学療法誘発性末梢性ニューロパシー性疼痛のラットモデルにおけるMIN−117の鎮痛有効性を評価した。参考製剤:パクリタキセル(2mL/kg)を1日おきに4回(1日目、3日目、5日目および7日目)の合計4回、1mL/kgの用量体積でi.p.注射した。ガバペンチン(100mL/kg)を生理食塩水に溶解させ、1mL/kgの用量体積で経口投与した。予防研究において、MIN−117(10mg/kg)を、1mL/kgの用量体積で、7日間または14日間にわたり、1日1回i.p.投与した。試験日には、MIN−117を試験の2時間前に投与した。
逆転研究において、MIN−117(1、3および10mL/kg)を、1日1回1mL/kgの用量体積で2週間i.p.投与した。試験日には、MIN−117を試験の2時間前に投与した。
予防研究のために、単回用量(10mg/kg)を試験し、パクリタキセルの1日前から開始して7日間または14日間注射した。この処置レジメンでは、ビヒクルと比較して、PWTの有意な増加が、投与10日後および14日後に見られた。
逆転研究のために、MIN−117を、2週間の投与後1、3および10mg/kgで試験した。全ての用量が、試験開始から14日目、21日目および28日目に対応するMIN−117処置の1日目、7日目および14日目に試験したときに、PWTの有意な増加を示した。
ラットを処置の中止から1週間後に試験したとき、いずれの研究においても、MIN−117のどの用量でも鎮痛効果が見られず、その効果が長く持続しないことが示唆された。
ガバペンチンは、長期的または短期的に投与されるとき、PWTの有意な増加を示した。ガバペンチンの鎮痛効果も長く持続せず、処置の中止後、ビヒクルと比較してPWTへの有意な効果は見られなかった。
足引っ込め閾値(PWT)実験において、2つのクラスの抗うつ剤、つまり、セロトニンノルエピネフリン再取り込み阻害剤であるデュロキセチンと三環式抗うつ剤であるアミトリプチリンも評価した。デュロキセチンは、パクリタキセル処置ラットにおいてPWTに効果を有しないことが示された、つまり、デュロキセチンは、ラットにおいてパクリタキセル誘発性ニューロパシーを逆転させることは見出されなかった。アミトリプチリンは、このニューロパシーを、試験した最高用量(30mg/kg)でのみ、部分的にのみ逆転させたことが示された。
本出願のさらなる態様は、以下を含む:
A. 処置を必要とする対象に、治療有効量の化合物I、またはその薬学的に許容される塩、もしくは溶媒和物を投与することを含む、疼痛を処置する方法。
B. 処置を必要とする対象に、治療有効量の化合物Iの薬学的に許容される塩を投与することを含む、疼痛を処置する方法。
C. 処置を必要とする対象に、治療有効量の化合物Iの塩酸塩を投与することを含む、疼痛を処置する方法。
D. 処置を必要とする対象に、治療有効量の化合物I、またはその薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物を投与することを含む、疼痛を処置する方法であって、疼痛が、急性疼痛、慢性疼痛、毒性疼痛、ニューロパシー性疼痛、侵害受容性疼痛、炎症性疼痛、術後疼痛、内臓疼痛、化学療法誘発性疼痛、またはそれらの組合せである、方法。例えば、疼痛は、化学療法誘発性末梢性ニューロパシー性疼痛である。
E. 処置を必要とする対象に、治療有効量の化合物I、またはその薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物を投与することを含む、線維筋痛を処置する方法。
F. 処置を必要とする対象に、治療有効量の化合物Iの薬学的に許容される塩を投与することを含む、線維筋痛を処置する方法。
G. 処置を必要とする対象に、治療有効量の化合物Iの塩酸塩を投与することを含む、線維筋痛を処置する方法。
H. 処置を必要とする対象に、治療有効量の化合物I、またはその薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物を投与することを含む、ニューロパシーを処置する方法。
I. 処置を必要とする対象に、治療有効量の化合物Iの薬学的に許容される塩を投与することを含む、ニューロパシーを処置する方法。
J. 処置を必要とする対象に、治療有効量の化合物Iの塩酸塩を投与することを含む、ニューロパシーを処置する方法。例えば、ニューロパシーは、末梢性ニューロパシーである。例えば、ニューロパシーは、化学療法によって誘発される。
K. 処置を必要とする対象に、治療有効量の化合物I、またはその薬学的に許容される塩、もしくは溶媒和物を投与することを含む、化学療法誘発性末梢性ニューロパシー性疼痛を処置する方法。
L. 処置を必要とする対象に、治療有効量の化合物Iの薬学的に許容される塩を投与することを含む、化学療法誘発性末梢性ニューロパシー性疼痛を処置する方法。
M. 処置を必要とする対象に、治療有効量の化合物Iの塩酸塩を投与することを含む、化学療法誘発性末梢性ニューロパシー性疼痛を処置する方法。
N. 本明細書に開示されるいずれかの方法であって、治療有効量の化合物I、またはその薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物による処置は、対象における抗痛覚過敏効果を促進する、方法。
O. 態様A〜Nの方法を含む、本明細書に開示されるいずれかの方法であって、化合物I、またはその薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物の治療有効量が0.1mg/kg〜100mg/kgである、方法。例えば10mg/kg。
P. 態様A〜Nの方法を含む、本明細書に開示されるいずれかの方法であって、化合物I、またはその薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物の治療有効量が0.5mg/kg〜50mg/kgである、方法。
Q. 態様A〜Nの方法を含む、本明細書に開示されるいずれかの方法であって、化合物I、またはその薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物の治療有効量が1mg/kg〜20mg/kgである、方法。
R. 態様A〜Nの方法を含む、本明細書に開示されるいずれかの方法であって、対象に投与される化合物I、またはその薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物の量が0.1mg〜6,000mgである、方法。
S. 態様A〜Nの方法を含む、本明細書に開示されるいずれかの方法であって、対象に投与される化合物I、またはその薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物の量が1mg〜1,000mgである、方法。
T. 態様A〜Nの方法を含む、本明細書に開示されるいずれかの方法であって、対象に投与される化合物I、またはその薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物の量が、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95または100mgである、方法。
U. 態様A〜Nの方法を含む、本明細書に開示されるいずれかの方法であって、対象に投与される化合物I、またはその薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物の量が、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、または100mgである、方法。
V. 態様A〜Nの方法を含む、本明細書に開示されるいずれかの方法であって、対象に投与される化合物I、またはその薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物が、対象に1日1回、1日2回、1日3回、1日4回、2日に1回、3日に1回、4日に1回、5日に1回、6日に1回、1週間に1回、2週間に1回、3週間に1回、または1ヶ月に1回投与される、方法。
W. 態様A〜Nの方法を含む、本明細書に開示されるいずれかの方法であって、化合物I、またはその薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物が、1種または複数の薬学的に許容される賦形剤を含む医薬組成物として製剤化されている、方法。
X. 態様A〜Nの方法を含む、本明細書に開示されるいずれかの方法であって、医薬組成物が、疼痛の処置のための追加の治療剤をさらに含む、方法。
Y. 態様A〜Nの方法を含む、本明細書に開示されるいずれかの方法であって、化合物I、またはその薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物、あるいは化合物I、またはその薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物を含む医薬組成物が、経口的に、非経口的に、静脈内に、筋肉内に、髄腔内に、皮下に、局所的に、全身的に、皮膚に、舌下に、口腔に、直腸に、膣に、眼に、耳に、鼻に、吸入により、噴霧により、または経皮的に投与される、方法。
Z. 態様A〜Nの方法を含む、本明細書に開示されるいずれかの方法であって、化合物I、またはその薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物、あるいは化合物I、またはその薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物を含む医薬組成物が、対象に経口的に投与され、錠剤、カプセル剤、咀嚼剤、ゲル剤、ペースト剤、多粒子剤、ナノ粒子剤、ロゼンジ剤、トローチ剤、顆粒剤、粉末、溶液、噴霧剤、エマルション、懸濁液、シロップ剤、マウスウォッシュ、または点眼剤として製剤化されている、方法。
AA. 態様A〜Nの方法を含む、本明細書に開示されるいずれかの方法であって、化合物I、またはその薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物、あるいは化合物I、またはその薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物を含む医薬組成物が、対象に局所的に投与され、クリーム剤、ペースト剤、ローション剤、ゲル剤、パッチ剤、または噴霧剤として製剤化されている、方法。
BB. 態様A〜Nの方法を含む、本明細書に開示されるいずれかの方法であって、疼痛の処置のための追加の治療剤を投与することをさらに含む、方法。
CC. 態様A〜Nの方法を含む、本明細書に開示されるいずれかの方法であって、疼痛の処置のための追加の治療剤を投与することをさらに含み、疼痛の処置のための追加の治療剤と、化合物I、またはその薬学的に許容される塩、もしくは溶媒和物、あるいは化合物I、またはその薬学的に許容される塩、もしくは溶媒和物を含む医薬組成物とが、時間的に近接して投与される、方法。
DD. 態様A〜Nの方法を含む、本明細書に開示されるいずれかの方法であって、対象がヒトである、方法。
EE. 処置を必要とする対象における疼痛の処置に使用するための、化合物I、またはその薬学的に許容される塩、もしくは溶媒和物を含む医薬組成物。例えば、処置を必要とする対象における疼痛の処置に使用するための、化合物Iの塩酸塩を含む医薬組成物。
FF. 処置を必要とする対象における疼痛の処置に使用するための、化合物I、またはその薬学的に許容される塩、もしくは溶媒和物。例えば、処置を必要とする対象における疼痛の処置に使用するための、化合物Iの塩酸塩。
GG. 処置を必要とする対象における疼痛を処置するための医薬の製造における、化合物I、またはその薬学的に許容される塩、もしくは溶媒和物。例えば、処置を必要とする対象における疼痛を処置するための医薬の製造における、化合物Iの塩酸塩。
均等論
当業者は、本明細書に記載された特定の実施形態および方法に対する多くの均等物を認識し、通例にすぎない実験を使用して確認することができる。そのような均等物は、本出願の範囲に包含されることが意図されている。本明細書で引用される全ての特許、特許出願、および参照文献は、参照によりそれらの全体が明示的に本明細書に組み込まれる。
刊行物および特許文献の引用は、いずれかが従来技術に関連することを認めることを意図するものではなく、また、その内容または日付に関して認めることを構成するものでもない。
本発明は、ここに書面による記述によって説明されているが、当業者は、本発明が様々な実施形態で実施され得ること、ならびに前述の説明および以下の実施例が、以下の特許請求の範囲の例示のためであり、限定ではないことを認識するであろう。
ALGOGram(商標)における2用量でのMIN−117の単回投与の有効性の評価(ラットにおけるハイスループットスクリーニング)
ALGOGram(商標)における2用量のMIN−117の単回投与の効果を、図1にまとめている。0.1mg/kg MIN−117および1.0mg/kg MIN−117(i.p.)のモデル試験を用いて、様々な疼痛領域(急性および毒性疼痛;ニューロパシー性疼痛;炎症性疼痛;術後疼痛;内臓疼痛;ならびに行動および急性毒性)を評価した。各試験について、比較のための対照として内部基準(例えば、モルヒネ)を使用した。処置の2時間後に試験を実施した。n=4/モデル/試験。結果は、各群について、ビヒクル処置した動物の平均値から算出した活性のパーセンテージとして、試験に応じて未処置動物、対照足またはカットオフ値と比較して表す。
ラットでのカラギーナン誘発性機械的痛覚過敏モデルにおけるMIN−117の単回腹腔内投与の鎮痛効果の評価
ラットでのカラギーナン誘発性機械的痛覚過敏モデルにおけるMIN−117の単回腹腔内投与の抗痛覚過敏効果を評価した。
カラギーナンは、様々な海藻から得られる多糖である。足底または膝関節に注入すると、カラギーナンは局所的な炎症を引き起こし、それゆえに重量ベアリングを減少させ、処置された四肢の防御を変更させ、熱および機械的痛覚過敏/異痛を誘発する。
このモデルでは、炎症は、ラットの右後足にカラギーナン(2%)を足底内注射することによって誘発される。3時間後、足加圧試験を用いて反応閾値を測定する。ラットの両方の後足(炎症のあるものおよび対照)に徐々に圧力を加え、反応閾値を、足引っ込めまたは発声を誘発するために必要な圧力(g)として求める。陽性対照として、モルヒネ(3mg/kg、s.c.)を用いた。
このアッセイは、覚醒ラットでの炎症性疼痛モデルにおける新しい鎮痛剤の有効性を明らかにするために広くかつ信頼して使用されている。
本研究における実験では、各体重が204〜260グラムである雄のSprague−Dawleyラット(SPFステータス、Janvier、フランス)50匹を使用した。ラットを温度(20〜24℃)および相対湿度(45%〜65%)制御室に収容し、12時間の明(午前6時半〜午後6時半)/12時間の暗の人工昼夜サイクルに適応させた。ラットは、滅菌された水道水に自由にアクセスでき、ペレット化された完全食を自由に摂取できた(参照A04、S.A.F.E.)。ラットを1ケージ(ケージタイプE)当たり4匹収容し、いずれの試験の前にも少なくとも5日間順応させた。各ラットを尾部マーキングによって識別した。動物施設のSPFステータスに基づいて、試験結果に支障をきたす可能性があるレベルで食品、水、寝具に混入物質が存在したと予測される理由はない。
MIN−117は、白色〜淡黄色の力または結晶性粉末としてMinerva Neuroscience,Inc.より供給され、使用前は室温で保存した。
モルヒネは、Francopia(カタログ参照番号3695、バッチ番号HR00002)により供給され、使用前は室温で保存した。
ビヒクル(HPMC、水、生理食塩水)は、4℃で保存した。注射用水中の0.5%(w/v)ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)80〜120センチポイズを、MIN−117用ビヒクルとして使用した。0.9%NaClをモルヒネ用ビヒクルとして使用した。
カラギーナンは、Sigma−Aldrich(カタログ参照番号C1013、バッチ番号SLBD1934V)より供給され、4℃で懸濁保存した。0.9NaCl(w/v)を2%カラギーナン懸濁液用ビヒクルとして使用した。
足加圧試験には、Ugo Basile鎮痛剤(Ugo Basile、イタリア)を使用した。
SigmaStatソフトウェアバージョン3.5(SPSS Science Software, Erkrath, ドイツ)およびLab Xダイレクトソフトウェアバージョン2.4(Mettler Toledo,フランス)をデータ処理に使用した。
疼痛試験:静的機械的痛覚過敏を、足加圧試験またはRandall & Selitto試験(Randall, L. O. and Selitto, J.J., A method for measurement of analgesic activity on inflamed tissue, Arch Int Pharmacodyn, 1957(111):409-419)を用いて評価した。この試験は、平らな面と鈍い針の間にある後足に、増加する圧力を加えることを要する。この試験は、通常、注射により炎症を起こしたまたは結紮により損傷した片方の後足と、片方の正常な後足とを有する動物を用いて、薬物の鎮痛作用を評価するために使用される。装置により、圧力が徐々に増加して加えられ、反応閾値は、足の引っ込めおよび/または発声を誘発するために必要な圧力(g)として決定される。実験においては、動物を実験者によって穏やかに取り扱い、静的機械的痛覚過敏を評価した。両方の後足について各反応閾値測定を行った。
各10匹のラットの5つの実験群を用いた。各群には、最初に右後足の足底側に100μLの2%カラギーナン懸濁液を注射した。カラギーナン注射の3時間後、足加圧試験を用いて足引っ込め閾値を測定した(ベースライン)。次いで、以下の5つの群を投与した:
群1:ビヒクル(0.5%HPMC)、i.p.、溶液(陰性対照);
群2:0.5%HPMC中MIN−117(0.01mg/kg、i.p.)、懸濁液;
群3:0.5%HPMC中MIN−117(0.1mg/kg、i.p.)、懸濁液;
群4:0.5%HPMC中MIN−117(1mg/kg、i.p.)、懸濁液;および
群5:0.9%NaCl中のモルヒネ(3mg/kg、s.c.)、溶液(陽性対照)。
ビヒクル、MIN−117、またはモルヒネを投与した後、0分(T)、30分、60分、120分、および240分で足加圧試験を用いて、化合物の抗痛覚過敏効果を評価した。
ビヒクルおよびMIN−117は、10mL/kgで腹腔内投与した。モルヒネは、5mL/kgで皮下投与した。モルヒネ処置群を除き、投与および試験は盲検実験者によりランダムな順序で実施した。用量は遊離活性物質に換算して表した。ラットは実験終了時にCO吸入により屠殺した後、認可を受けた企業により取り除かれた。
結果を以下のように評価した:個々の足引っ込め閾値から計算した、各群についての接触圧力のグラム単位での足引っ込め閾値(平均±s.e.m.);ビヒクル処置群の平均値から計算した足引っ込め閾値の変動のパーセンテージ;および/または活性のパーセンテージ。被験物質および基準物質の統計効果を判定するために、ノンパラメトリック検定によりデータを分析した。有意レベルはp<0.05であった。
表1および図2に要約されるように、表2の生のデータは、投与前に、全ての処置群が、対照の足と比較して、損傷した足の侵害受容性閾値を50%〜53%の範囲で有意に低下させた(p<0.001)ことを示す。ビヒクル処置群(0.5%HPMC)のラットは、試験の観察期間を通じて、損傷した足について、対照の足と比較して低減された安定な侵害受容性閾値を示した(T+30分で178±7.0g、T+60分で188+6.1gの範囲)。3mg/kgで皮下投与されたモルヒネは、ビヒクル処置群と比較して、処置30分後に最大効果に達し、投与30分後から120分後に、損傷した足の引っ込め閾値の顕著かつ有意な増加を誘導した(592±31.3g対178±7.0g、+233%、p<0.05)。0.01または0.1mg/kgで腹腔内投与されたMIN−117は、経時的研究を通じて、足引っ込め閾値に何ら有意な増加を誘導しなかった。しかしながら、1mg/kgで腹腔内投与されたMIN−117は、ビヒクル処置群と比較して、侵害受容性閾値のわずかな増加を誘導し、注射120分後に有意になった(図2の$$$を参照)(232±7.4g対186±7.3、+25%、p<0.001、マン−ホイットニー順位和検定)。
Figure 2021536506
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ラットでの末梢性単ニューロパシーモデル(ベネットモデル)におけるMIN−117の単回腹腔内投与の鎮痛効果の評価
ラットでの末梢性単ニューロパシーモデル(ベネットモデル)におけるMIN−117の単回腹腔内投与の抗痛覚過敏効果を評価した。
慢性絞扼損傷(CCI)モデルは、離散的な末梢神経損傷に基づいており、患者が経験する外傷後/術後のニューロパシー性疼痛に関連し得る(Bennett, G. J. and Xie, Y. K., A peripheral mononeuropathy in rat that produces disorders of pain sensation like those seen in man), Pain, 1988 (33): 87-107)。片側末梢性単ニューロパシーは、麻酔ラット(キシラジン10mg/kg i.p.、ケタミン60mg/kg i.p.)における右後足の坐骨神経の緩い結紮によって誘発した。大腿二頭筋を通じて鈍切開により大腿の中央部レベルで総坐骨神経を露出させた。坐骨神経三分岐部の近位には、約1mmの間隔で4本の結紮糸を緩やかに巻き付けた。細心の注意を払って結紮糸を結び、神経の直径のほんのわずかな絞扼が見られた。
14日後、静的機械的痛覚過敏を、足加圧試験を用いて評価する(Randall, L. O. and Selitto, J. J., A method for measurement of analgesic activity on inflamed tissue, Arch Int Pharmacodyn, 1957(111): 409-419)。この試験は、平らな面と鈍い針の間にある後足に、増加する圧力を加えることを要する。この試験は、通常、注射により炎症を起こしたまたは結紮により損傷した片方の後足と、片方の正常な後足とを有する動物を用いて、薬物の鎮痛作用を評価するために使用される。装置により、圧力が徐々に増加して加えられ、反応閾値は、足の引っ込めおよび/または発声を誘発するために必要な圧力(g)として決定される。足加圧試験にはUgo Basile鎮痛剤(Ugo Basile、イタリア)を用いた。
手術の14日後(D)、組み入れ基準を満たす動物を選択するために、侵害受容性反応閾値(発声または足引っ込め)を測定した:20g<足引っ込め閾値<240g(ベースライン)。
手術当日に体重が133〜181グラムである雄のSprague−Dawleyラット(SPFステータス、Janvier、フランス)50匹を使用した。ラットを温度(20〜24℃)および相対湿度(45%〜65%)制御室に収容し、12時間の明(午前6時半〜午後6時半)/12時間の暗の人工昼夜サイクルに適応させた。ラットは、滅菌された水道水に自由にアクセスでき、ペレット化された完全食を自由に摂取できた(参照A04、S.A.F.E.)。動物を1ケージ(ケージタイプE)当たり4匹収容し、いずれの試験の前にも少なくとも5日間順応させた。各ラットを尾部マーキングによって識別した。動物施設のSPFステータスに基づいて、試験結果に支障をきたす可能性があるレベルで食品、水、寝具に混入物質が存在したと予測される理由はない。
実験においては、動物を実験者によって穏やかに取り扱い、静的機械的痛覚過敏を評価した。両方の後足について各反応閾値を測定した。
各10匹のラットの5つの実験群を用いた:
群1:CCI(慢性絞扼損傷)/ビヒクル(0.5%HPMC)、i.p.、溶液(陰性対照);
群2:CCI/0.5%HPMC中MIN−117(1mg/kg、i.p.)、懸濁液;
群3:CCI/0.5%HPMC中MIN−117(3mg/kg、i.p.)、懸濁液;
群4:CCI/0.5%HPMC中MIN−117(10mg/kg、i.p.)、懸濁液;
群5:CCI/0.9%NaCl中モルヒネ(3mg/kg、s.c.)、溶液(陽性対照)。
MIN−117は、白色〜淡黄色の力または結晶性粉末としてMinerva Neuroscience,Inc.より供給され、使用前は室温で保存した。モルヒネは、陽性対照としての参照物質として使用され、Francopia(カタログ参照番号3695、バッチ番号HR00002)により供給され、使用前は室温で保存した。ビヒクル(HPMC、水、生理食塩水)は4℃で保存した。注射用水中の0.5%(w/v)ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)80〜120センチポイズを、MIN−117用ビヒクルとして使用した。0.9%NaClをモルヒネ用ビヒクルとして使用した。
ビヒクルおよびMIN−117は、10mL/kgで腹腔内投与した。モルヒネは、5mL/kgで皮下投与した。モルヒネ処置群を除き、投与および試験は盲検実験者によりランダムな順序で実施した。
モルヒネ注射の30分後、足加圧試験を使用してモルヒネの抗痛覚過敏効果を評価した。ビヒクルおよびMIN−117投与について、足加圧試験を用いて、120分後に抗痛覚過敏効果を評価した。
ラットは実験終了時にCO吸入により屠殺した後、認可を受けた企業により取り除かれた。
結果は以下のように表した:
個々の足引っ込め閾値から計算した、各群の接触圧力のグラム単位での足引っ込め閾値(平均値±s.e.m.);
ビヒクル処置群の平均値から計算した足引っ込め閾値の変動のパーセンテージ;
以下のように計算される、坐骨神経結紮によって誘発される機械的痛覚過敏に対する化合物の活性のパーセンテージ:
Figure 2021536506
被験物質および基準物質の統計効果を判定するために、ノンパラメトリック検定によりデータを分析した。SigmaStatソフトウェアバージョン3.5(SPSS Science Software, Erkrath、ドイツ)およびLab X directソフトウェアバージョン2.4(Mettler Toledo、フランス)をデータ処理に使用した。有意レベルはp<0.05であった。
表3および図3に要約されるように、表4の生データは、14日後、坐骨神経結紮が、5つの実験群において、侵害受容性閾値の顕著で有意な均質な減少を、対照足と比較して49%〜55%の範囲で誘導したことを示す(p<0.001)。
0.5%HPMC処置群は、損傷した足について、処置の120分後に安定な侵害受容性閾値を示した(166±6.7g対Tの178±6.3g)(図3の最左列)。
3mg/kgで皮下投与したモルヒネ(図3の最右列)は、投与30分後に、+165%の活性パーセンテージで、侵害受容性閾値の顕著かつ有意な増加を誘導した(486±42.8g対188±10.4g、p<0.01、処置前ベースラインと比較して)。
MIN−117の1mg/kgでの腹腔内投与(図3の左から2列目)は、ビヒクル処置群と比較して、処置120分後に、侵害受容性閾値に何ら有意な増加を誘導しなかった(活性のパーセンテージ:+9%)。しかしながら、MIN−117を3および10mg/kgで投与した場合(それぞれ、図3の中央の列および右から2列目)は、120分後に、ビヒクル処置群と比較してそれぞれ+29%および+59%の活性のパーセンテージで、侵害受容性閾値の有意な増加を誘導した(それぞれ222±9.2gおよび280±20.9g対166±6.7g)。
Figure 2021536506
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ラットでのカラギーナン誘発性機械的痛覚過敏モデルにおけるMIN−117の単回腹腔内投与の抗痛覚過敏効果の評価
ラットでのカラギーナン誘発性機械的痛覚過敏モデルにおけるMIN−117の単回腹腔内投与の抗痛覚過敏効果を評価した。
このモデルでは、炎症は、ラットの右後足にカラギーナン(2%)を足底内注射することによって誘発される。3時間後、足加圧試験を用いて反応閾値を測定する。ラットの両方の後足(炎症のあるものおよび対照)に徐々に圧力を加え、反応閾値を、足引っ込めまたは発声を誘発するために必要な圧力(g)として求める。陽性対照として、モルヒネ(3mg/kg、s.c.)を用いた。
このアッセイは、覚醒ラットでの炎症性疼痛モデルにおける新しい鎮痛剤の有効性を明らかにするために広くかつ信頼して使用されている。
本研究における実験では、実験フェーズ中に各体重が183〜244gである雄のSprague−Dawleyラット(SPFステータス、Janvier,フランス)50匹を使用した。ラットを温度(20〜24℃)および相対湿度(45%〜65%)制御室に収容し、12時間の明(午前6時半〜午後6時半)/12時間の暗の人工昼夜サイクルに適応させた。ラットは、滅菌された水道水に自由にアクセスでき、ペレット化された完全食を自由に摂取できた(参照A04、S.A.F.E.)。動物を1ケージ(ケージタイプE)当たり4匹収容し、いずれの試験の前にも少なくとも5日間順応させた。各ラットを尾部マーキングによって識別した。動物施設のSPFステータスに基づいて、試験結果に支障をきたす可能性があるレベルで食品、水、寝具に混入物質が存在したと予測される理由はない。
MIN−117は、白色〜淡黄色の力または結晶性粉末としてMinerva Neuroscience,Inc.より供給され、使用前は室温で保存した。
モルヒネは、Francopia(カタログ参照番号3695、バッチ番号HR00002)により供給され、使用前は室温で保存した。
ビヒクル(HPMC、水、生理食塩水)は4℃で保存した。MIN−117のビヒクルとして、注射用水中の0.5%(w/v)ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)80〜120センチポイズを使用した。0.9%NaClをモルヒネ用ビヒクルとして使用した。
カラギーナンは、Sigma−Aldrich(カタログ参照番号C1013、バッチ番号SLBD1934V)より供給され、4℃で懸濁保存した。0.9NaCl(w/v)を2%カラギーナン懸濁液用ビヒクルとして使用した。
足加圧試験には、Ugo Basile鎮痛剤(Ugo Basile、イタリア)を使用した。
SigmaStatソフトウェアバージョン3.5(SPSS Science Software, Erkrath、ドイツ)およびLab Xダイレクトソフトウェアバージョン2.4(Mettler Toledo、フランス)をデータ処理に使用した。
静的機械的痛覚過敏を、足加圧試験またはRandall & Selitto試験(Randall, L. O. and Selitto, J. J., A method for measurement of analgesic activity on inflamed tissue, Arch Int Pharmacodyn, 1957(111): 409-419)を用いて評価した。この試験は、平らな面と鈍い針の間にある後足に、増加する圧力を加えることを要する。この試験は、通常、注射により炎症を起こしたまたは結紮により損傷した片方の後足と、片方の正常な後足とを有する動物を用いて、薬物の鎮痛作用を評価するために使用される。装置により、圧力が徐々に増加して加えられ、反応閾値は、足の引っ込めおよび/または発声を誘発するために必要な圧力(g)として決定される。実験においては、動物を実験者によって穏やかに取り扱い、静的機械的痛覚過敏を評価した。両方の後足について各反応閾値測定を行った。
各10匹のラットの5つの実験群を用いた。各群には、最初に右後足の足底側に100μLの2%カラギーナン懸濁液を注射した。カラギーナン注射の3時間後、組み入れ基準を満たす動物を選択するために、侵害受容性反応閾値(発声または足引っ込め)を測定した:20g<足引っ込め閾値<240g(ベースライン)。次いで、以下の5つの群を投与した:
群1:ビヒクル(0.5%HPMC)、i.p.、溶液(陰性対照);
群2:0.5%HPMC中MIN−117(1mg/kg、i.p.)、懸濁液;
群3:0.5%HPMC中MIN−117(3mg/kg、i.p.)、懸濁液;
群4:0.5%HPMC中MIN−117(10mg/kg、i.p.)、懸濁液;および
群5:0.9%NaCl中のモルヒネ(3mg/kg、s.c.)、溶液(陽性対照)。
モルヒネ注射の30分後、足加圧試験を使用してモルヒネの抗痛覚過敏効果を評価した。ビヒクルおよびMIN−117投与について、足加圧試験を用いて、120分後に抗痛覚過敏効果を評価した。
ビヒクルおよびMIN−117は、10mL/kgで腹腔内投与した。モルヒネは、5mL/kgで皮下投与した。モルヒネ処置群を除き、投与および試験は盲検実験者によりランダムな順序で実施した。用量は遊離活性物質に換算して表した。
ラットは実験終了時にCO吸入により屠殺した後、認可を受けた企業により取り除かれた。
結果は以下のように表した:
− 個々の足引っ込め閾値から計算した、各群の接触圧力のグラム単位での足引っ込め閾値(平均値±s.e.m.);
− ビヒクル処置群の平均値から計算した足引っ込め閾値の変動のパーセンテージ;
− 以下のように計算される、カラギーナン誘発性機械的痛覚過敏に対する化合物の活性の活性のパーセンテージ:
Figure 2021536506
被験物質および基準物質の統計効果を判定するために、ノンパラメトリック検定によりデータを分析した。有意レベルはp<0.05であった。
表5および図4に要約されるように、表6の生データは、投与前に、全ての群が、2%カラギーナン懸濁液の注射3時間後の対照の足と比較して、損傷した足について、侵害受容性閾値を46%〜50%の範囲で有意に低下させた(p<0.001)ことを示したことを示す。ビヒクル処置群のラット(0.5%HPMC、図4の最左列)は、損傷した足について、処置の120分後に安定した侵害受容性閾値を示した(204±6.5g対Tの200±7.3g)。3mg/kgで皮下投与した(図4の最右列)モルヒネは、+190%の活性パーセンテージで注射30分後に、侵害受容性閾値の顕著かつ有意な増加を誘導した(524±35.6g対200±6.7g、p<0.01、処置前ベースラインと比較して)。
MIN−117の1mg/kgでの腹腔内投与(図4の左から2列目)は、ビヒクル処置群と比較して、処置120分後に、侵害受容性閾値に何ら有意な増加を誘導しなかった(活性のパーセンテージ:+15%)。しかしながら、MIN−117を3および10mg/kgで投与した場合(それぞれ図4の中央の列および右から2列目)は、120分後に、ビヒクル処置群と比較してそれぞれ+55%および+64%の活性のパーセンテージで、侵害受容性閾値の有意な増加を誘導した(それぞれ296±20.8gおよび312±22.7g対204±6.5g)(p<0.05)。結果は、平均±s.e.m.として表す。パーセンテージは活性のパーセンテージとして表す。###:対応する群の対照の足と比較してp<0.001、マン−ホイットニー順位和検定。;ビヒクル処置群と比較してp<0.05、クラスカル−ウォリスの順位に基づく一元配置分散分析。$$:対応する群のベースラインと比較してp<0.01、ウィルコクソン順位和検定。
Figure 2021536506
Figure 2021536506
Figure 2021536506
Figure 2021536506
Figure 2021536506
Figure 2021536506
化学療法誘発性末梢性ニューロパシー性疼痛のSprague DawleyラットモデルにおけるMIN−117の腹腔内投与後のニューロパシー性疼痛に対するMIN−117の鎮痛有効性の評価
von Freyフィラメントを用いてニューロパシー性疼痛の評価を行った。ラットに1日おきに4回(1日目、3日目、5日目および7日目)、パクリタキセル(2mg/kg)を投与した。様々な剛性(0.4、0.7、1.2、2.0、3.6、5.5、8.5、10、15、26g)のvon Freyフィラメント(Semmes−Weinsteinフィラメント、Stoelting、Wood Dale、IL、USA)を使用して、ベースラインおよび処置後の足引っ込め閾値(PWT)を評価した。動物を穿孔金属プラットフォームに配置し、各試験セッションの前に少なくとも15分間周囲に適応させた。各フィラメントを足底表面に垂直に、足にわずかな座屈を引き起こすのに十分な力で突きつけた後、陽性反応が認められる(足を急に引っ込める)まで保持した。Chaplan, S.R. et al., “Qualitative Assessment of Tactile Allodynia in the Rat Paw” Journal of Neuroscience Methods, 53 (1994), 55-63(「Chaplan」)によって説明されているように、閾値を超えたら、閾値を横切る2つの応答が最初の2つの応答として遡及的に指定される。4つの追加の応答を、動物の応答に基づいて刺激が順次上下に変化するように測定した。閾値のすぐ近くにある6つの応答を使用して、50%g閾値を計算した:
50%g閾値=(10[xf+k*d])/10000
Xfは、(log単位での)使用される最終フィラメントである。パラメータkは、Chaplanの付録1からのものであり、von Frey応答のパターンによって決定した(例えば、OXOXOX、ここで「O」は応答がないことを示し、「X」は引っ込めを示す)。パラメータdは、Chaplanが定数d=0.224を使用した刺激の差である。10gと26gのフィラメントの使用に対応するため、刺激の正確な差を使用した。
試験には、雄のSprague Dawleyラット(Envigo,Indiana,USA)を用いた。動物は約250gで受け取り、到着時に1ケージに3匹で収容した。試験開始前に、全てのラットを検査し、取り扱い、体重を測定し、適切な健康および適性を確かめた。試験経過中、12時間/12時間の明/暗サイクルを維持した。室温を20〜23℃に維持し、相対湿度を約50%に維持した。試験期間中、固形飼料および水を自由に摂取させた。全ての試験は、動物の明サイクル期中に行った。動物の苦しみを最小限に抑えるためにあらゆる努力を行った。ベースラインPWTが12g未満のラットは試験に含めなかった。ラットを、体重によって、およびそれらのパクリタキセル前PWT値によって、釣り合わせた。パクリタキセル注射前の全てのラットのベースライン体重(BW)を図5に示す。分散分析では、処置群間に有意な差は見られなかった。
パクリタキセルは、Biolyse Pharma(Ontario,カナダ)から購入し、1mL/kgの用量体積で、1日おきに4回(1日目、3日目、5日目および7日目)の合計4回、i.p.(2mL/kg)注射した。
14日目に、ベースラインVF応答を測定して、全てのラットが安定したニューロパシー性疼痛応答を示したことを確認した。その後、ラットを、パクリタキセル後のPWT値に基づいて釣り合いをとって処置群に割り当てた。試験日に、PWTをビヒクルまたはMIN−117注射の2時間後、およびガバペンチン投与の1時間後に評価した。
パクリタキセル処置中およびMIN−117投与中の全てのラットの体重を図6に示す。反復測定分散分析では群間に有意な差は見られなかった。
パクリタキセル注射の前および後のベースライン足の引出し閾値(PWT)を図7に示す。分散分析で、処置前の処置群間に有意な差は見られなかった。
14日目のPWTに対するガバペンチンまたはMIN−117の効果を図8に示す。ガバペンチンは、Toronto Research Chemicalsから購入し、生理食塩水に溶解し、試験の60分前に1mL/kgの用量体積で経口投与した。0.5%(w/v)のヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC、Sigma−Aldrich)で製剤化したMIN−117(1、3および10mg/kg)を1mL/kgの用量体積でi.p.投与した。MIN−117は、試験の2時間前に投与した。
一元配置分散分析で、群間の有意差が示された。ガバペンチン(図8の左から2列目)は、ビヒクル(図8の最左列)と比較してPWTの有意な増加を示した。MIN−117を3mg/kgの用量で処置した動物(図8の右から2列目)およびMIN−117を10mg/kgの用量で処置した動物(図8の最右列)も、ビヒクルと比較してPWTの有意な増加を示した。MIN−117を1mg/kgの用量で処置した動物(図8の中央の列)は、ビヒクルと比較してPWTに有意な増加を示さなかった。これらの実験の生データは、以下の表7に含まれる。
Figure 2021536506
Figure 2021536506
MIN−117(3および10mg/kg)による処置は、パクリタキセル−ビヒクル群と比較して有意に増加したPWTによって示されるように、ニューロパシー性疼痛を有意に低減した。
化学療法誘発性末梢性ニューロパシー性疼痛のラットモデルにおける長期投与後のMIN−117の鎮痛有効性の評価
この研究の目的は、長期注射後の化学療法誘発性末梢性ニューロパシー性疼痛のラットモデルにおけるMIN−117の鎮痛有効性を評価することであった。
試験には、Envigoの雄のSprague Dawleyラットを用いた。動物は約250gで受け取り、到着時に1ケージに3匹で収容した。試験開始前に、全てのラットを検査し、取り扱い、体重を測定し、適切な健康および適性を確かめた。試験経過中、12/12の明/暗サイクルを維持した。室温を20〜23℃に維持し、相対湿度を約50%に維持した。試験期間中、固形飼料および水を自由に摂取させた。全ての試験は、動物の明サイクル期中に行った。
(参考製剤:パクリタキセル(2mg/kg)は、Biolyse Pharmaから購入し、1mL/kgの用量体積で、1日おきに4回(1日目、3日目、5日目および7日目)の合計4回、i.p.注射した。
ガバペンチン(100mL/kg)は、生理食塩水に溶解し、1mL/kgの用量体積で経口投与した。予防研究については、ガバペンチンを14日目の試験60分前に投与した。逆転研究については、ガバペンチンを1日1回、2週間投与した。試験日には、試験の60分前に投与した。
治験依頼者試験項目
予防研究:MIN−117(10mg/kg)を、水中80〜120センチポイズの0.5%(w/v)ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)中で製剤化し、1mL/kgの用量体積で7日間または14日間、1日1回i.p.投与した。試験日には、MIN−117を試験の2時間前に投与した。
逆転試験:MIN−117(1、3および10mg/kg)を、水中80〜120センチポイズの0.5%(w/v)ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)中で製剤化し、1mL/kgの用量体積で2週間、1日1回i.p.投与した。試験日には、MIN−117を試験の2時間前に投与した。
行動試験
体重(BW)を、処置中は毎日測定し、投与中止後は週2回測定した。
von Freyフィラメントを使用した足引っ込め閾値
ラットに、1日おきに4回(1日目、3日目、5日目、および7日目)、パクリタキセル(2mg/kg)を投与した。ベースラインおよび処置後の足引っ込め閾値(PWT)を、様々な剛性(0.4、0.7、1.2、2.0、3.6、5.5、8.5、10、15、26g)のvon Freyフィラメント(Semmes−Weinstein filaments, Stoelting, Wood Dale, IL,USA)を使用して評価した。動物を穿孔金属プラットフォームに配置し、各試験セッションの前に少なくとも15分間周囲に適応させた。各フィラメントを足底表面に垂直に、足にわずかな座屈を引き起こすのに十分な力で突きつけた後、陽性反応が認められる(足を急に引っ込める)まで保持した。Chaplanら、1994によって説明されているように、閾値を超えたら、閾値を横切る2つの応答が最初の2つの応答として遡及的に指定される。4つの追加の応答を、動物の応答に基づいて刺激が順次上下に変化するように測定した。閾値のすぐ近くにある6つの応答を使用して、50%g閾値を計算した。
50%g閾値=(10[xf+k*d])/10000
Xfは、(log単位での)使用される最終フィラメントである。パラメータkは、Chaplanの付録1からのものであり、von Frey応答のパターンによって決定した(例えば、OXOXOX、ここで「O」は応答がないことを示し、「X」は引っ込めを示す)。パラメータdは、Chaplanが定数d=0.224を使用した刺激の差である。10gと26gのフィラメントの使用に対応するため、刺激の正確な差を使用した。
パクリタキセル前のvon Freyスコアが12g未満のラットは、試験に含めなかった。図9(予防)および図10(逆転研究)の概略図に従ってPWTを測定した。
統計分析
データを分散分析(ANOVA)によって分析し、適切な場合は事後比較を行った。p<0.05の場合、効果は有意と見なされる。データは、平均および平均に対する標準誤差(s.e.m.)として表した。平均値の2標準偏差を上回るか下回る統計異常値を特定したが、最終解析からは除外しなかった。
結果
体重
ベースライン体重 − 一元配置分散分析では、処置前の群間でBWに差が見られなかった。
処置中の体重 − 試験全体を通してのBWに対するパクリタキセルおよび試験化合物の効果を図11に示す。反復測定分散分析で、有意な処置効果と治療x日の相互作用が見出された。ビヒクル(図11の●による線)と比較して、MIN−117の10mg/kgで処置したラット(図11の△および◆による線)は、体重の減少を示した。2日目から11日目まで効果が見られた。
足引っ込め閾値(PWT)
一元配置分散分析では、処置群間でベースラインのPWTに差が見られなかった。一方、MIN−117が8日目、10日目、14日目および21日目にPWTに及ぼす効果を図12に示す。一元配置分散分析で、10日目および14日目に有意な処置効果が見られた。ビヒクル(図12の最左列)と比較して、MIN−117で10mg/kgの用量で1週間(図12の右から2列目)または2週間(図12の最右列)にわたって処置したラットは、投与後2時間試験したとき、有意に高いPWTを示した。14日目に試験したガバペンチンも、ビヒクルと比較して有意に高いPWTを示した(図12の左から2列目)。
21日目に、処置の中止から1週間または2週間で、MlN−117−10mg/kg処置群のPWT応答はビヒクルレベルに戻り、様々な処置群間で有意差は見られなかった。
逆転研究結果
体重
ベースライン体重 − 一元配置分散分析では、処置前の群間でBWに差が見られなかった。
パクリタキセル後ベースライン体重 − 一元配置分散分析では、処置前の群間でBWに差が見られなかった。
処置中の体重 − 研究全体を通してBWに対するパクリタキセルおよびMIN−117の効果を図13に示す。反復測定分散分析で、有意な処置効果は見られなかった。治療x日の相互作用は、ビヒクルと比較して有意であったが、いずれの処置もBWに対する有意な効果を示さなかった。
足引っ込め閾値(PWT)
分散分析で、処置群間にベースラインPWTの有意な差は見られなかった(図14)。
14日目、21日目、28日目、および35日目のPWTに対するMIN−117の効果を図15に示す。分散分析で、14日目、21日目、28日目に有意な処置効果が示された。ビヒクル(図15の最左列)と比較して、1mg/kg(図15の中央の列)、3mg/kg(図15の右から2列目)、および10mg/kg(図15の最右列)の用量のMIN−117または100mg/kgの用量のガバペンチン(図15の左から2列目)で処置されたラットは、投与2時間後に試験した時に有意に高いPWTを示した(ガバペンチンは、投与後1時間で試験した)。35日目に、処置中止後1週間で、MIN−117またはガバペンチンで処置した群のPWT応答はビヒクルレベルに戻り、様々な処置群間で有意差は見られなかった。
まとめ
この研究では、パクリタキセル誘発性疼痛応答を逆転させるかまたはそれを予防する、パクリタキセル誘発性ニューロパシー性疼痛に対するMIN−117の長期投与の有効性を評価した。
予防研究については、単回用量を試験し(10mg/kg)、パクリタキセルの1日前から開始して7日間または14日間注射した。この治療レジメンでは、ビヒクルと比較して、PWTの有意な増加が投与10日後および14日後に見られた。
逆転研究については、MIN−117を、1、3および10mg/kgで、2週間投与後に試験した。全ての用量が、試験開始から14日目、21日目および28日目に対応するMIN−117処置の1日目、7日目および14日目に試験したときに、PWTの有意な増加を示した。
ラットを、処置の中止後1週間試験したとき、いずれの研究においてもMIN−117のどの用量でも鎮痛効果は見られず、その効果が長く持続しないことが示唆された。
ガバペンチンは、長期的または短期的に投与されるとき、PWTの有意な増加を示した。ガバペンチンの鎮痛効果も長く持続せず、処置の中止後、ビヒクルと比較してPWTへの有意な効果は見られなかった。
化学療法誘発性ニューロパシーの処置における他の抗うつ薬の評価
足引っ込め閾値(PWT)実験において、2つのクラスの抗うつ剤、つまり、セロトニンノルエピネフリン再取り込み阻害剤であるデュロキセチンと三環式抗うつ剤であるアミトリプチリンも評価した。実施例6に記載の実験と同様の方法でこれらの実験を行った。
パクリタキセル投与後22日目に(図16の最左列はパクリタキセルを投与していないラットに対応)、ラットにビヒクル(図16の左から2列目)またはデュロキセチン(経口)を投与し、注射後60分でPWTを評価した。データは平均値±s.e.m.を表す(ビヒクル/ビヒクルと比較してp<0.05)。
デュロキセチンの3mg/kg(図16の中央の列)、10mg/kg(図16の右から2列目)、および30mg/kg(図16の最右列)の用量では、パクリタキセル処置ラットのPWTに効果はなかったことが示された。つまり、デュロキセチンは、ラットにおけるパクリタキセル誘発性ニューロパシーを逆転させることは見出されなかった。
パクリタキセル投与後27日目に(図17の最左列はパクリタキセルを投与していないラットに対応)、ラットにビヒクル(図17の左から2列目)またはアミトリプチリン(経口)を投与し、注射後60分でPWTを評価した。データは平均値±s.e.m.を表す(ビヒクル/ビヒクルに対してp<0.05、#パクリタキセル/ビヒクルに対してp<0.05)。
アミトリプチリンは、このニューロパシーを、試験した最高用量、つまり30mg/kgでのみ、部分的にのみ逆転させたことが示された(図17の最右列)。アミトリプチリンは、ラットにおいて、3mg/kg(図17の中央の列)および10mg/kg(図17の右から2列目)の用量でパクリタキセル誘発性ニューロパシーを逆転させることは見出されなかった。

Claims (33)

  1. 処置を必要とする対象における疼痛を処置または予防する方法であって、対象に、治療有効量の化合物I
    Figure 2021536506
    またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、もしくはプロドラッグを投与することを含む、方法。
  2. 疼痛が、急性疼痛、慢性疼痛、毒性疼痛、ニューロパシー性疼痛、侵害受容性疼痛、炎症性疼痛、術後疼痛、内臓疼痛、化学療法誘発性疼痛、またはそれらの組合せである、請求項1に記載の方法。
  3. 疼痛が末梢性ニューロパシーである、請求項1に記載の方法。
  4. 末梢性ニューロパシーが末梢性単ニューロパシーである、請求項3に記載の方法。
  5. 末梢性ニューロパシーが末梢性多発ニューロパシーである、請求項3に記載の方法。
  6. 疼痛が化学療法誘発性末梢性ニューロパシーである、請求項1に記載の方法。
  7. 化学療法がパクリタキセルである、請求項6に記載の方法。
  8. 処置を必要とする対象における線維筋痛を処置または予防する方法であって、対象に、治療有効量の化合物I
    Figure 2021536506
    またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、もしくはプロドラッグを投与することを含む、方法。
  9. 処置を必要とする対象におけるニューロパシーを処置または予防する方法であって、対象に、治療有効量の化合物I
    Figure 2021536506
    またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、もしくはプロドラッグを投与することを含む、方法。
  10. ニューロパシーが末梢性ニューロパシーである、請求項9に記載の方法。
  11. ニューロパシーが末梢性単ニューロパシーである、請求項9に記載の方法。
  12. ニューロパシーが末梢性多発ニューロパシーである、請求項9に記載の方法。
  13. ニューロパシーが化学療法によって誘発される、請求項9に記載の方法。
  14. 処置を必要とする対象における化学療法誘発性疼痛を処置または予防する方法であって、対象に、治療有効量の化合物I
    Figure 2021536506
    またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、もしくはプロドラッグを投与することを含む、方法。
  15. 化学療法誘発性疼痛が末梢性ニューロパシー性疼痛である、請求項14に記載の方法。
  16. 化学療法がパクリタキセルである、請求項14または15に記載の方法。
  17. 痛覚過敏を患う対象における抗痛覚過敏効果を促進する方法であって、対象に、治療有効量の化合物I
    Figure 2021536506
    またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、もしくはプロドラッグを投与することを含む、方法。
  18. 対象における疼痛に対する感受性を低減する方法であって、対象に、治療有効量の化合物I
    Figure 2021536506
    またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、もしくはプロドラッグを投与することを含む、方法。
  19. 治療有効量の化合物Iが0.1mg/kg〜100mg/kgである、先行の請求項のいずれか一項に記載の方法。
  20. 治療有効量の化合物Iが約10mg/kgである、先行の請求項のいずれか一項に記載の方法。
  21. 治療有効量の化合物Iが1mg〜1,000mgである、請求項1〜18のいずれか一項に記載の方法。
  22. 治療有効量の化合物Iが、対象に1日1回、1日2回、1日3回、1日4回、2日に1回、3日に1回、4日に1回、5日に1回、6日に1回、1週間に1回、2週間に1回、3週間に1回、または1ヶ月に1回投与される、先行の請求項のいずれか一項に記載の方法。
  23. 化合物Iが、1種または複数の薬学的に許容される賦形剤を含む医薬組成物として製剤化されている、先行の請求項のいずれか一項に記載の方法。
  24. 医薬組成物が、疼痛の処置のための追加の治療剤をさらに含む、請求項23に記載の方法。
  25. 化合物I、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、もしくはプロドラッグ、あるいは化合物I、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、もしくはプロドラッグを含む医薬組成物が、経口的に、非経口的に、静脈内に、筋肉内に、髄腔内に、皮下に、局所的に、全身的に、皮膚に、舌下に、口腔に、直腸に、膣に、眼に、耳に、鼻に、吸入により、噴霧により、または経皮的に投与される、先行の請求項のいずれか一項に記載の方法。
  26. 化合物I、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、もしくはプロドラッグ、あるいは化合物I、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、もしくはプロドラッグを含む医薬組成物が、対象に経口的に投与され、錠剤、カプセル剤、咀嚼剤、ゲル剤、ペースト剤、多粒子剤、ナノ粒子剤、ロゼンジ剤、トローチ剤、顆粒剤、散剤、溶液、噴霧剤、エマルション、懸濁液、シロップ剤、マウスウォッシュ、または点眼剤として製剤化されている、先行の請求項のいずれか一項に記載の方法。
  27. 化合物I、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、もしくはプロドラッグ、あるいは化合物I、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、もしくはプロドラッグを含む医薬組成物が、対象に局所的に投与され、クリーム剤、ペースト剤、ローション剤、ゲル剤、パッチ剤、または噴霧剤として製剤化されている、先行の請求項のいずれか一項に記載の方法。
  28. 疼痛の処置のための追加の治療剤を投与することをさらに含む、先行の請求項のいずれか一項に記載の方法。
  29. 疼痛の処置のための追加の治療剤と、化合物I、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、もしくはプロドラッグ、あるいは化合物I、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、もしくはプロドラッグを含む医薬組成物とが、時間的に近接して投与される、請求項28に記載の方法。
  30. 対象がヒトである、先行の請求項のいずれか一項に記載の方法。
  31. 対象の疼痛、線維筋痛、ニューロパシー、もしくは化学療法誘発性疼痛の改善、対象における抗痛覚過敏効果の促進、または対象の疼痛に対する感受性の低減に際して、対象に、化合物Iおよび/または疼痛の処置のための追加の治療剤の維持用量が投与される、先行の請求項のいずれか一項に記載の方法。
  32. 化合物Iおよび/または追加の治療剤の維持用量が、誘導用量よりも低用量であるか、誘導用量よりも少ない頻度で投与されるか、または誘導用量よりも低用量でありかつ誘導用量よりも少ない頻度で投与される、請求項31に記載の方法。
  33. 化合物Iが塩酸塩である、先行の請求項のいずれか一項に記載の方法。
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