JP2021536268A - 木樽を調整する方法 - Google Patents

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Abstract

本明細書に開示されるのは、木樽の調整のためのプロセス、特に、木樽の迅速な調整のためのプロセスである。開示されるプロセスは、木樽を加熱して木の温度を上昇させること、木樽の加熱された内面を流体添加物と接触させること、次に、任意選択で、木樽の内部を加圧環境にさらし、かつ/あるいは木樽をさらに加熱すること、1つまたは複数のステップを繰り返すこと、木樽を冷ますかまたは冷却して、調整された木樽を提供することを含む1つまたは複数のステップを含み得る。また、木樽の内部に袋及び液体添加物を所定の期間入れて、添加物の木への吸収を促進するステップを含む別のプロセスも開示され、ここで、袋は、液体添加物が木樽の内面と接触するように、木樽の内容積を減少させる。調整された木樽及びその使用も本明細書に開示される。

Description

関連出願の相互参照
本出願は、2018年9月3日に出願されたオーストラリア仮特許出願第2018903242号の優先権を主張し、その内容のすべてが参照により本明細書に組み込まれる。
本開示は一般に、木樽の調整のためのプロセスに関し、詳細には木樽の迅速な調整のためのプロセスに関する。本開示はまた、調整された木樽及びその使用に関する。
ウォッカ、テキーラ、ラム酒、バーボン、ウイスキー、ブランデーなどのアルコール飲料は、通常、蒸留プロセスによって製造される。蒸留により、主にエタノールが生成されるが、アルデヒド、エステル、脂肪酸も生成され、これらはすべて、非常に特有の風味と香りを持っている。スピリッツを互いに異なるものにするのは、これらの化学物質の固有の組み合わせである。複数回の蒸留とろ過により、これらの化合物の多くを除去して、「クリーンな」または香りの無い、風味の無いスピリッツ(すなわち、ウォッカ)を作り出すことができる。原材料の選択、発酵プロセス、及び蒸留技術と設備はすべて、全体的な化学組成に影響を与え、したがって最終的な蒸留生成物の匂いと味に影響を与える。
蒸留後、アルコール飲料の味と滑らかさを改善するために、生成物は一般的に熟成される。例えば、バーボンとウイスキーは通常、消費用に販売される前に少なくとも3年熟成される。ラム酒、テキーラ、ブランデーは、2年から10年、またはそれ以上の様々な期間、熟成される。
過去には、例えばバーボンやウイスキーなどのアルコール蒸留酒は、木(通常はオーク)の樽や大樽で長期間、熟成されてきた。飲料は、不要な成分を取り除き、特定の色、風味、香り、芳香、口当たりを与えて飲料の滑らかさと味を高めるために、木製の容器で熟成される。熟成プロセス中に、蒸留液は、リグニン、タンニン、炭水化物などの木の成分と反応する可能性がある。
様々な理由のために、アルコール蒸留酒は伝統的に、ワインや酒精強化ワイン(例えば、ポートワインやシェリー酒を含む)などの他のアルコール飲料を保存するために以前に使用されていた木樽、いわゆる「熟成された」または「調整された」木樽で熟成されていた。異なる調整が行われた木樽でのアルコール蒸留酒の熟成は、最終的な熟成生成物に違いをもたらすこと、すなわち、木と木樽の以前の内容物は、熟成プロセスと最終的な熟成生成物の最終特性に重要な役割を果たすことが以前から認識されていた。
アルコール飲料製造業界の変化により、アルコール蒸留酒の生産者は、適切な及び/または望ましい調整された木樽の供給が不足している。スコッチウイスキー業界を例にとると、スコットランドの初期のウイスキーメーカーは通常、スペインの古いシェリー樽を使用してウイスキーを熟成させていた。しかし、19世紀半ばには、商取引、消費者の嗜好、生産規制の変化により、スコットランドに到着し、ウイスキーの製造に使用できるシェリー樽が大幅に減少した。
スコッチウイスキー業界は、シェリー樽の不足に多くの方法で対処しようと試みてきた。1つの方法は、シェリー酒以外のアルコール飲料に使用されていた古い樽を調達することである。例えば、古いワイン樽またはポート樽などの他の酒精強化ワイン樽を使用する場合がある。さらに、バーボンは新しいオーク樽で熟成する必要があるため、バーボン業界はウイスキーの製造に使用済み樽のかなりの割合を提供している。ただし、特にバーボン樽を使用すると、製造されるウイスキーの特性が変化する。同様に、以前にワインやポートワインなどのシェリー酒以外の酒精強化ワインに使用されていた樽は、製造されるウイスキーの特性を変化させる。シェリー酒以外の樽で熟成されたウイスキーの変化した特性は、すべてではないが、一部のウイスキー消費者には魅力となっている。
ウイスキー業界がシェリー樽の不足に対処しようと試みたもう1つの方法は、樽の木をウイスキーの熟成に使用するのに適したものにする樽の調整方法を使用することであった。以前の樽調整方法は、「パハレテ(paxarette)」(「pajarete」と綴られることもある)を伴った。パハレテは、スペインの甘い濃縮白ワインで、一般的にペドロヒメネス種のブドウで作られ、そのワインを、それぞれ、マストを5分の1、3分の1に煮詰めることによって製造されたアロペまたはサンコチョと呼ばれるエッセンスと混ぜ合わせて仕上げられる。
ウイスキー及び他のアルコール蒸留酒業界は、適切な及び/または望ましい調整された木樽の供給不足によって大きな影響を受ける。したがって、これらの産業に適した及び/または望ましい調整された木樽の供給要件を満たす新しいプロセスが必要である。従来の木樽の調整にかかる時間は商業的ニーズを満たすには長すぎるため、木樽の迅速な調整を伴うプロセスが必要である。
本発明者らは、木樽の迅速な調整のためのプロセスを開発した。詳細には、本発明者らは、従来の中性の樽及び/または調整された樽と同じまたは類似の官能特性及び/または化学的特性を、木樽が飲料の製造に使用されるときに、飲料に与える木樽の製造に適したプロセスを開発した。さらに、プロセスは、木樽が飲料の製造に使用されるときに、カスタマイズ及び/または規定された官能特性及び/または化学的特性を飲料に与える木樽の製造に適している。
一態様では、木樽を調整するためのプロセスが提供され、このプロセスは、以下を含む。
(a)木樽を加熱して、木の温度を上昇させること、
(b)木樽の加熱された内面を流体添加物と接触させること、
(c)任意選択で、木樽の内部を加圧環境にさらして、流体添加物の木への吸収を促進すること、
(d)任意選択で、木樽をさらに加熱すること、
(e)任意選択で、ステップ(b)、(c)及び(d)の少なくとも1つを繰り返すこと、及び、
(f)木樽を冷まして、または、木樽を冷却して、調整された木樽を提供すること。
別の態様では、木樽調整のためのプロセスが提供され、このプロセスは、以下を含む。
(i)木樽の内部に袋及び液体添加物を、所定の時間、入れて、添加物の木への吸収を促進すること。ここで、袋は、液体添加物が木樽の内面に接触するように、木樽の内容積を減らす。
別の態様では、本明細書に記載のプロセスによって製造された調整済みの木樽が提供される。
別の態様では、熟成されたアルコール蒸留酒の製造のために、本明細書に記載される木樽の使用が提供される。
本開示の好ましい実施形態を、添付の図面を参照して、単なる例示としてさらに記載及び示す。
新造のスピリッツ(60%)にオークの樽板を浸した構成を示す。 オークの揮発性物質分析の正規化された結果を示す。 オークの揮発性物質分析の正規化された結果のスパイダーグラフを示す。 T5V1、T5V2、T5V3、T5V4、T5V12、及びT5V13のワイン揮発性物質分析の正規化された結果を示す。 T5V1、T5V2、T5V3、T5V4、T5V12、及びT5V13のワイン揮発性物質分析の正規化された結果のスパイダーグラフを示す。 T5V8、T5V9、T5V11、及びT5V13のワイン揮発性物質分析の正規化された結果を示す。 T5V8、T5V9、T5V11、及びT5V13のワイン揮発性物質分析の正規化された結果のスパイダーグラフを示す。 T5V1、T5V2、T5V3、T5V4、T5V12、及びT5V13の発酵由来のワイン揮発性物質分析の正規化された結果を示す。 T5V1、T5V2、T5V3、T5V4、T5V12、及びT5V13のワイン揮発性物質分析の正規化された結果のスパイダーグラフを示す。 T5V8、T5V9、T5V11、及びT5V13の発酵由来のワイン揮発性物質分析の正規化された結果を示す。 スピリッツサンプルの比色分析の空間マップを示す。 プロセス試験のオーク分析の結果を示す。 再現性試験のオーク分析の結果を示す。 樽板プロファイリングのオーク分析の結果を示す。 強化された調査のオーク分析の結果を示す。 5−メチルフルフラールとフルフラールの濃度に関するオーク分析の結果を示す。 プロセス試験の香り分析の結果を示す。 再現性試験の香り分析の結果を示す。 樽板プロファイリングの香り分析の結果を示す。 強化された調査の香り分析の結果を示す。 プロセス試験の揮発性芳香分析の結果を示す。 再現性試験の揮発性芳香分析の結果を示す。 樽板プロファイリングの揮発性芳香分析の結果を示す。 強化された調査の揮発性芳香分析の結果を示す。 酢酸エチルと2−メチルプロパノールに焦点を当てた揮発性芳香分析の結果を示す。 オクタン酸エチル、デカン酸エチル、及びデカン酸に焦点を当てたプロセス試験の揮発性芳香分析の結果を示す。 酢酸、3−メチルブタノール、及び2−メチルブタノールに焦点を当てた再現性試験の揮発性芳香分析の結果を示す。 オクタン酸エチル、デカン酸エチル、及びデカン酸に焦点を当てた再現性試験の揮発性芳香分析の結果を示す。 酢酸、3−メチルブタノール、及び2−メチルブタノールに焦点を当てた樽板プロファイリングの揮発性芳香分析の結果を示す。 オクタン酸エチル、デカン酸エチル、及びデカン酸に焦点を当てた樽板プロファイリングの揮発性芳香分析の結果を示す。 酢酸、3−メチルブタノール、2−メチルブタノールに焦点を当てた強化された調査の揮発性芳香分析の結果を示す。 オクタン酸エチル、デカン酸エチル、及びデカン酸に焦点を当てた強化された調査の揮発性芳香分析の結果を示す。 選択したサンプルの官能データの主成分分析を示す。 選択したサンプルの官能データのレーダプロットを示す。
本開示は、木樽の迅速な調整のためのプロセスを特定するために行われる調査に関連する、以下の様々な非制限的な例を記載する。木樽を加熱して木の温度を上昇させることと、加熱された木を流体添加物と接触させることと、任意選択で、樽の内部を加圧して、流体添加物の木への吸収を促進することと、任意選択で、木樽をさらに加熱するプロセスを使用して、木樽を迅速に調整できることを発見したのは驚くべきことであった。本明細書に記載のプロセスは、従来の中性の樽及び/または調整済みの樽と同じまたは類似の官能特性及び/または化学的特性を、樽が飲料の製造に使用されるときに飲料に与える木樽の製造に適していることが分かった。さらに、本明細書に記載のプロセスは、樽が飲料の製造に使用されるときに、カスタマイズ及び/または規定された官能特性及び/または化学的特性を飲料に与える木樽の製造に使用されてよい。
一般的定義及び用語
別段の具体的な定義がない限り、本明細書で使用される全ての専門用語及び科学用語は、当業者(例えば、アルコール蒸留酒の製造、ワイン製造、樽製造等)によって一般に理解されるものと同じ意味を有するとみなされる。
文脈によって別段の要求がない限り、単数形の用語は複数形を含むものとし、複数形の用語は単数形を含むものとする。したがって、本明細書及び添付の特許請求の範囲で使用される、単数形「a」、「an」、及び「the」は、文脈により別様に明確に示されない限り、複数形の指示対象を含む。
「及び/または」という用語、例えば、「X及び/またはY」は、「X及びY」または「XまたはY」のいずれかを意味すると理解され、両方の意味またはいずれかの意味を明示的に支持すると解釈されるべきである。
本明細書を通して、単語「含む(comprise)」、または「含む(comprises)」もしくは「含む(comprising)」などの変形は、既定された要素、整数もしくはステップ、または要素群、整数群もしくはステップ群を包含するが、いかなる他の要素、整数もしくはステップ、または要素群、整数群もしくはステップ群をも排除することを意味するものではないことが理解されよう。
本明細書を通して、「ウイスキー(whisky)」という言葉は、「ウイスキー(whisky)」と「ウイスキー(whiskey)」を含むことを意図しており、交換可能に使用されてよい。
本明細書を通して、木樽に関する「調整(condition/conditioning/condition)」という言葉は、「熟成(mature/matured/maturing)」「シーズニング(season/seasoning/seasoned)」及び「熟成(age/aging/aged)」を含むことを意図しており、これらの任意の1つまたは複数と交換可能に使用されてよい。
本明細書で使用される「約」という用語は、指定された値の+/−5%の範囲を指す。
本明細書を通して、様々な態様と構成要素が範囲形式で示されている。範囲形式は便宜上含まれており、開示の範囲に対する柔軟性のない制限として解釈されるべきではない。したがって、範囲の記載は、特に明記されていない限り、すべての可能なサブ範囲とその範囲内の個々の数値を具体的に開示していると見なされるべきである。例えば、1〜5などの範囲の記載は、整数が要求されている、または文脈から暗黙に示されている場合を除き、1〜3、1〜4、1〜5、2〜4、2〜5、3〜5などのサブ範囲と、例えば、1、2、3、4、5、5.5及び6のような、記載の範囲内の個々の数及び部分的数(partial number)、とを具体的に開示していると見なされるべきである。これは、開示された範囲の幅に関係なく適用される。特定の値が必要な場合、これらは明細書に示される。
本明細書のいずれの実施形態も、別段の記載がない限り、任意の他の実施形態に準用されると見なされる。
本開示は、本明細書に記載の特定の実施形態によって範囲を限定されないものとする。このような特定の実施形態は、例示のためである。機能的に同等のステップ、生成物、及び方法は、本明細書に記載されるように、明らかに本開示の範囲内にある。
本明細書を通して、別段の記載のない限り、または文脈上、そうでないことを必要とされていない限り、単一のステップ、生成物、ステップ群または生成物群への言及は、これらのステップ、生成物、ステップ群、または生成物群の1つ及び複数(すなわち、1つまたは複数)を包含すると見なされる。
木樽の要件
上記のように、アルコール蒸留酒業界は、適切な及び/または望ましい調整済み木樽の供給不足によって大きな影響を受ける。迅速に木を調整し、適切で望ましい木樽を提供する新しいプロセスが必要である。
適切な及び/または望ましい木樽は、「中性の」または「従来の調整済み」木樽と同じまたは類似の官能態様及び/または化学的特性を有する木樽であってよい。
中性の木樽は、最初にワインで満たされ、長年保管されると、ワインによって樽が「中性」になり、オークの風味や色が出なくなる。ワイン業界では、中性の樽を生成するためには、ワインが3〜5年間木と接触している必要があると一般的に認識されている。ウイスキー業界を含むアルコール蒸留酒業界では、中性の樽を生成するためには、ワインが少なくとも10年間木と接触している必要があると一般的に認識されている。中性の樽は、アルコール蒸留酒の熟成に使用されて、蒸留成分の酸化、アルコールの一部が蒸発する際の風味の濃縮、及び木への吸収による望ましくないまたは未熟な成分の除去を通じて品質を向上させることができる。
従来の調整済み木樽は、ワイン(ただし、中性の樽までは進んでいない)、シェリー酒やポートワインなどの酒精強化ワイン、またはバーボンなどのアルコール蒸留酒を生産するために1年または複数年、使用された木樽である。複数の異なる飲料(例えば、最初にワイン、次に酒精強化ワイン)に使用された樽も、従来の調整済みの樽である。従来の調整済みの樽をアルコール蒸留酒の熟成に使用して、木に染み込んだ最初及び/または2番目の飲料、及び木自体から与えられる風味、色、及び香りを追加し、また、中性の木樽の使用時のように、酸化、濃縮、及び、望ましくないもしくは未熟な成分の除去を通して、品質を向上させることができる。
現行の技術を使用すると、中性の及び従来の調整済みの樽の製造には、最初及び/または2番目の液体充填物が長期間、通常は長年、樽内に留まる必要があるため、長年かかる。例えば、シェリー酒を造るプロセスは、一般的にシェリー樽が理論的には3年から30年後にしか使用できないことを意味する。しかし、実際には、シェリー酒製造者はシェリー樽を何度も再利用できるため、シェリー樽を蒸留所に放出することには消極的である。別の例としてワイン樽を取り上げると、アルコール蒸留酒業界にとって、3年以上の待機時間は望ましくなく、現在の市場の需要を満たすには不十分である。
本発明者らは、木樽の迅速な調整のためのプロセスを開発した。木樽を加熱して木の温度を上昇させることと、加熱された木を流体添加物と接触させることと、任意選択で、樽の内部を加圧して、流体添加物の木への吸収を促進することと、任意選択で、木樽をさらに加熱するプロセスを使用して、木樽を迅速に調整できることを発見したのは驚くべきことであった。本明細書に記載のプロセスは、従来の中性及び/または調整済みの樽と同じまたは類似の官能特性及び/または化学的特性を、木樽が飲料の製造に使用されるときに、飲料に与える木樽の製造に適していることが分かった。さらに、本明細書に記載のプロセスは、木樽が飲料の製造に使用されるときに、カスタマイズ及び/または規定された官能特性及び/または化学的特性を飲料に与える木樽の製造に使用されてよい。
一実施形態では、木樽は中性である。別の実施形態では、木樽は、ワインに約5年から約8年使用されてきた。別の実施形態では、木樽は、スピリッツに少なくとも10年使用されてきた。さらに別の実施形態では、木樽は、ワインに約5年から約8年、スピリッツに少なくとも10年使用されてきた。
第1の態様では、本開示は、木樽を調整するためのプロセスを提供し、このプロセスは、以下を含む、または、以下からなる。
(a)木樽を加熱して、木の温度を上昇させること、
(b)木樽の加熱された内面を流体添加物と接触させること、
(c)任意選択で、木樽の内部を加圧環境にさらして、流体添加物の木への吸収を促進すること、
(d)任意選択で、木樽をさらに加熱すること、
(e)任意選択で、ステップ(b)、(c)及び(d)の少なくとも1つを繰り返すこと、及び、
(f)木樽を冷まして、または、木樽を冷却して、調整済み木樽を提供すること。
第1の態様の一実施形態では、プロセスは、例えば、ステップ(a)、(b)、(c)、(d)、(e)及び/または(f)の前、最中、及び/または後に、吸引(vacuum)の使用を伴わない。
第2の態様では、本開示は、木樽を調整するためのプロセスを提供し、このプロセスは、以下を含む。
(i)木樽の内部に袋と液体添加物を、所定の時間、入れて、添加物の木への吸収を促進すること、ここで、袋は、液体添加物が木樽の内面に接触するように、木樽の内容積を減らす。
第2の態様の一実施形態では、プロセスは、例えば、ステップ(a)、(b)、(c)、(d)、(e)及び/または(f)の前、最中、及び/または後に、吸引の使用を伴わない。
さらなる実施形態では、上記の第1の態様及び第2の態様のプロセスは、任意の順番で一緒に組み合わせられてよい。例えば、一実施形態では、第2の態様によるプロセス、または第2の態様の任意の実施形態もしくは例は、第1の態様、または第1の態様の任意の実施形態もしくは例によるプロセスの前に提供される。言い換えれば、この実施形態では、第1の態様のステップ(i)は、第1の態様のステップ(a)〜(f)への前処理ステップを構成し得る。
木樽
本開示のプロセスは、任意のサイズ及び形状の樽を使用してよい。使用し得る樽の例には、パイプ、バット、ホッグズヘッド、アメリカンスタンダード樽(ASB)、パンチョン、ダンピーパンチョン、ボルドータイプ、ブルゴーニュタイプ、ガロン、ランドレット、ティアス、タン、ファーキン、キルダーキン、フードル、及びバット(vat)が含まれるが、これらに限定されない。
樽は、飲料の製造、特にアルコール飲料の製造の使用に適した任意の木材を含み得る。樽の木は、様々な複雑な風味をワインやアルコール蒸留酒に伝える。木の種類によって、風味、化合物、多孔質効果のレベルが異なる。適切な木には、オーク、栗、桜、アカシア、アッシュ、桑、カエデ、ヒッコリー、レッドウッド、スギ、及びクルミが含まれるが、これらに限定されない。
熟成に使用される樽は、フレンチコモンオーク(Quercus roburまたはQuercus petraea)、スペインオーク(Quercus pyrenaica)、アメリカンホワイトオーク(Quercus alba)、ジャパニーズオーク(ミズナラオーク)、チャイニーズオークなどのオークで作られることが多い。
いくつかの実施形態では、樽は、オーク、栗、桜、アカシア、アッシュ、桑、カエデ、ヒッコリー、レッドウッド、スギ及び/またはクルミからなる。いくつかの実施形態では、樽はオークからなる。いくつかの実施形態では、樽はアメリカンオークからなる。いくつかの実施形態では、樽はヨーロッパオークからなる。いくつかの実施形態では、樽はアメリカン及び/またはヨーロッパオークからなる。いくつかの実施形態では、ヨーロッパオークはフレンチオークである。いくつかの実施形態では、ヨーロッパオークはハンガリーオークである。
本開示のプロセスは、新しい木樽または以前に使用された木樽を使用してよい。新しい木樽は、以前にアルコール飲料の製造に使用されていない木材からなるため、「バージン」オーク樽と呼ばれることが多い。新しい木樽は、現在のサイズと形状で使用されてよい、または、新しいサイズと形状に作り直されてよい。
いくつかの実施形態では、樽は新しい木樽である。いくつかの実施形態では、樽は、バージン木材からなる。
以前に使用された木樽は、ワイン、シェリー酒やポートワインなどの酒精強化ワイン、またはバーボンなどのアルコール蒸留酒を製造するために1回または複数回、使用された木樽である。新しい木樽と同様、古い木樽は、現在のサイズと形状で使用されてよい、または、新しいサイズと形状に作り直されてよい。以前に使用された樽は、上記のように従来の調整済み樽であってよい。以前に使用された樽には、以前に使用された木樽から得られた樽板から作り直された樽が含まれる。
いくつかの実施形態では、樽は使用済みの木樽である。いくつかの実施形態では、樽はワイン製造に使用されていた。いくつかの実施形態では、樽は酒精強化ワイン製造に使用されていた。いくつかの実施形態では、樽は酒精強化ワイン製造には使用されていない。いくつかの実施形態では、樽はシェリー酒製造に使用されていた。いくつかの実施形態では、樽は、アルコール蒸留酒製造に使用されていた。いくつかの実施形態では、樽はバーボン製造に使用されていた。
古い樽の前処理:洗浄と再生
本開示のプロセスにおいて、古い木樽が使用される場合、これらは一般に、最初に洗浄及び/または再生される。古い樽の洗浄及び/または再生プロセスには、樽を洗浄及び/または再生させるために必要な1つまたは複数のステップが含まれる。このようなステップには、木樽の内面を熱湯または蒸気にさらすこと、内面の一部または全部を削ること、樽を形状変更またはサイズ変更すること、樽の内面をトースティングすること、及び/または樽の内面をチャーリングすることが含まれるが、これらに限定されない。このようなステップは、当業者によって適切であると判断された任意の順序で行われてよい。
いくつかの実施形態では、プロセスは、以下のステップのうちの任意の1つまたは複数を、任意の順序で含む、またはそれらからなる。
・木樽の内面を熱湯または蒸気に接触させること、
・木樽の内面を削ること、
・木樽を形状変更することまたはサイズ変更すること、及び/または、
・木樽の内面をトースティング及び/またはチャーリングすること。
一実施形態では、プロセスは、削ること及びチャーリング、例えば、約30秒間、任意選択でより長くチャーリングすることを含む。
木樽の内面を熱湯または蒸気と接触させることにより、木を湿らせ、樽を消毒し、及び/または以前の不要な内容物を除去し得る。樽が以前にワイン製造に使用されていた場合、本開示のプロセスで一般に熱湯または蒸気による消毒が行われる。樽と蒸気との接触は、高温及び/または高圧で行われてよい。このステップが行われる時間は、樽の状態によって決まり、当業者によって容易に決定されるであろう。
いくつかの実施形態では、プロセスは、木樽の内面を高圧蒸気と接触させることを含む。いくつかの実施形態では、プロセスは、木樽の内面を熱湯と接触させることを含む。いくつかの実施形態では、プロセスは、木樽の内面を熱湯と接触させることを含み、ここで、湯の温度は、約70℃を超え、最大で約180℃を超える。いくつかの実施形態では、プロセスは、木樽の内面を熱湯と接触させることを含み、湯の温度は、約、70℃、80℃、90℃、100℃、110℃、120℃、130℃、140℃、150℃、160℃、170℃または180℃を超える。いくつかの実施形態では、プロセスは、木樽の内面を熱湯と接触させることを含み、湯の温度は、約80℃〜約120℃の間である。いくつかの実施形態では、プロセスは、木樽の内面を熱湯と接触させることを含み、湯の温度は、約80℃〜約110℃の間である。
樽の内面を削ることは、以前にトースティングまたはチャーリングされた木の層を取り除くために行われてよい。以前にトースティングまたはチャーリングされた層を取り除くと、新しい木の層が露出し、新しい木の層は、後に樽に追加される内容物に接触し得る、または、トースティング及び/またはチャーリングされ得る。削ることは、例えば、約2〜3mmまたは最大約5mmの薄い木の層を除去することであってよい、または削ることは、例えば、最大約10mmまたは最大約20mmのより厚い木の層を除去することであってよい。削ることは、樽のすべての樽板に行われてよい。削ることは、樽の一部の樽板に行われてよい。削ることは、樽の樽板の一部分に行われてよい。
いくつかの実施形態では、プロセスは、樽の内面を削ることを含む。いくつかの実施形態では、プロセスは、樽の内面を削って、最大約5mmの木の層を除去することを含む。いくつかの実施形態では、プロセスは、樽の内面を削って、最大約3mmの木の層を除去することを含む。
いくつかの実施形態では、プロセスは、樽の内面のトースティング及び/または樽の内面のチャーリングを含む。樽の内部を加熱することによって、樽の内面を穏やかに「トースティング」し、木の化学的性質を変化させ、多くの有益な効果を提供する。トースティングによって、木のタンニンを熟成させ、樽が後の内容物に与え得る風味を、原木からよりスパイシーなバニラノートに変え、トースティングによって、木のセルロースからのバニリン放出を助ける。軽いトースティングから強いトースティングまで、様々な程度のトースティングがあり、トースティングのレベルは、最終的な熟成された生成物の特性に影響を与える。本質的に、トースティングが強いほど、樽の風味は強くなる。
当業者は、当業者の目的に必要なトースティングのレベルを決定することができるであろう。当業者はまた、所望のレベルのトースティングに必要な熱量及び時間の長さを決定することができるであろう。一般に、トースティングは、樽の内部を少なくとも約160℃〜約220℃、または少なくとも約180℃〜約210℃の温度に加熱することによって達成される。いくつかの実施形態では、トースティングは、樽の内部を少なくとも約160℃、170℃、180℃、190℃、200℃、210℃、または200℃の温度に加熱することによって達成される。一般に、トースティングは、樽の内部を最大約5分〜最大約120分加熱することによって達成される。いくつかの実施形態では、トースティングは、樽の内部を最大約120分、最大約90分、最大約60分、最大約30分、最大約15分、最大約10分間、または最大約5分加熱することによって達成される。いくつかの実施形態では、トースティングは、樽の内部を少なくとも約20分、最大約100分加熱することによって達成される。いくつかの実施形態では、トースティングは、樽の内部を少なくとも約30分、最大約90分加熱することによって達成される。
いくつかの実施形態では、プロセスは、樽の内面のトースティングを含む。いくつかの実施形態では、樽の内面のトースティングは、直火(例えば、ガス、木材)または輻射熱(例えば、電気、ガス)による。いくつかの実施形態では、樽の内面のトースティングは、直火による。いくつかの実施形態では、樽の内面のトースティングは、ガスの直火による。いくつかの実施形態では、樽の内面のトースティングは、木材の直火による。いくつかの実施形態では、樽の内面のトースティングは、輻射熱による。いくつかの実施形態では、樽の内面のトースティングは、電気で生成された輻射熱による。いくつかの実施形態では、樽の内面のトースティングは、ガスの輻射熱による。
チャーリングも樽に実施して、風味、色、及び様々な香りを作り出す。樽のチャーリングは、樽の内面に炭化層を作るために、樽の内部が短時間発火する必要がある。このプロセスからの熱が徐々に木に浸透するにつれて、木の内部で多くの複雑な反応が起こり、内部の木の層の化学的性質が大幅に変化する。炭化層はフィルターとして機能して、不要な化合物(例えば、硫黄化合物)を除去し、オークの細胞壁を破壊して、後の樽の内容物が木から風味を抽出できるようにする。チャーリングされた樽は、その後の樽の内容物に、濃い色、スモーキーなノートと、カラメル、蜂蜜、及びスパイシーなアクセントとを与える。チャーリングされた樽は、ワインや酒精強化ワインよりもアルコール蒸留酒の熟成によく使用される。
当業者は、当業者の目的に必要なチャーリングのレベルを決定することができるであろう。当業者はまた、所望のレベルのチャーリングに必要な時間の長さを決定することができるであろう。一般的に、樽の内部は、最大約10秒から最大約10分間、火にかけられる。いくつかの実施形態では、樽の内部は、最大約30秒から最大約5分間火にかけられる。いくつかの実施形態では、樽の内部は、最大約30秒から最大約3分間火にかけられる。いくつかの実施形態では、樽の内部は、最大約10分、8分、6分、5分、4分、3分、2分、1分、45秒、30秒、または10秒間、火にかけられる。
いくつかの実施形態では、プロセスは、樽の内面のチャーリングを含む。いくつかの実施形態では、樽の内面のチャーリングは、直火による。いくつかの実施形態では、直火はガス火である。いくつかの実施形態では、直火は木材の火である。
いくつかの実施形態では、プロセスは、樽の内面のトースティング及び/または樽の内面のチャーリングを含む。いくつかの実施形態では、プロセスは、直火による樽の内面のトースティング及び/または樽の内面のチャーリングを含む。いくつかの実施形態では、直火はガス火である。いくつかの実施形態では、直火は木材の火である。
当業者は理解されるように、洗浄及び/または再生のステップを行うために、樽は、部分的または完全に分解することが必要な場合がある。樽が分解されている場合、再組み立てが必要となる。さらに、所望のサイズ及び形状の樽を提供するために、洗浄及び/または再生のステップは、樽がサイズ変更及び形状変更される作り直しステップを含み得る。樽のサイズ変更及び形状変更は、当業者の技術の範囲内である。
いくつかの実施形態では、プロセスは、木樽の内面を高圧蒸気と接触させることと、樽の内面を削ることと、樽を形状変更またはサイズ変更することと、樽の内面をトースティング及び/またはチャーリングすることとを含む。いくつかの実施形態では、プロセスは、樽の内面を削ることと、樽を形状変更またはサイズ変更することと、樽の内面をトースティング及び/またはチャーリングすることとを含む。いくつかの実施形態では、プロセスは、木樽の内面を高圧蒸気と接触させることと、樽を形状変更またはサイズ変更することと、樽の内面をトースティング及び/またはチャーリングすることとを含む。いくつかの実施形態では、プロセスは、木樽の内面を高圧蒸気と接触させることと、樽の内面を削ることと、樽の内面をトースティング及び/またはチャーリングすることとを含む。いくつかの実施形態では、プロセスは、樽の内面を削ることと、樽の内面をトースティング及び/またはチャーリングすることとを含む。
新しい樽の前処理
本開示のプロセスにおいて、新しい木樽が使用される場合、プロセスは、木樽の内面を熱湯または蒸気に接触させるステップ、樽の内面をトースティングするステップ、及び/または樽の内面をチャーリングするステップのうちの任意の1つまたは複数をさらに含んでよい、またはそれらのステップからなってよい。このようなステップは、当業者によって適切であると判断された任意の順序で行われてよい。このようなステップはは、古い樽について前述したとおりである。
木樽の迅速な調整
任意選択の前処理ステップが行われると、第1の態様の木樽を調整するためのプロセスは、以下を含む、または、以下からなる。
(a)木樽を加熱して、木の温度を上昇させること、
(b)木樽の加熱された内面を流体添加物と接触させること、
(c)任意選択で、木樽の内部を加圧環境にさらして、流体添加物の木への吸収を促進すること、
(d)任意選択で、木樽をさらに加熱すること、
(e)任意選択で、ステップ(b)、(c)及び(d)の少なくとも1つを繰り返すこと、及び、
(f)木樽を冷まして、または、木樽を冷却して、調整された木樽を提供すること。
流体添加物は、木樽に吸収されることが望まれる任意の添加物であってよい。流体添加物は、気体または液体であってよい。添加物は、添加物単独であってよい、または、添加物は、送達液体または送達気体などの送達手段中の添加物であってよい。送達液体は、水性またはアルコール性液体を含むがこれらに限定されない添加物を送達するための任意の適切な液体であってよい。送達気体は、空気、酸素、窒素及びアルゴンを含むがこれらに限定されない、添加物を送達するための任意の適切な気体であってよい。
流体添加物の1つまたは複数は、使用前に濃縮されてよい。一実施形態では、1つまたは複数の流体添加物が、任意選択でキャリア液体またはキャリア気体と共に液滴または粒子の形態で添加される。別の実施形態では、1つまたは複数の流体添加物が、噴霧スプレーの形態で導入される。さらに別の実施形態では、1つまたは複数の流体添加物は、1つまたは複数のキャリア液体及び/または1つまたは複数のキャリア気体を含む混合物中に液滴、液体または噴霧スプレーの形態で導入される。スプレー、粒子、または噴霧を使用すると、流体添加物のすべてが残留物の流出なしに樽に直接吸収されることを確実にし得る。
一実施形態では、加圧後(例えば、任意選択のステップ(C)の後)に、1つまたは複数の流体添加物の追加の噴霧適用が存在する。これに続いて、流体添加物の注入を濃縮及び酸化することができる輻射熱源に戻ってよい。
気体添加物には、シーズニングされた気体とウッドスモークが含まれるが、これらに限定されない。気体添加物はウッドスモークであってよい。ウッドスモークに使用される木は、サンダルウッド、ユーカリ、オーク、栗、チェリー、アカシア、アッシュ、桑、カエデ、ヒッコリー、レッドウッド、スギ、クルミ、及びそれらを混合したものを含むがこれらに限定されない、所望の特性、属性または風味を与える任意の木であってよい。気体添加物はピートスモークであってよい。ピートスモークは、ピートを加熱または燃焼させることによって調製されてよい。気体添加物は、シーズニングされた気体であってよい。シーズニングされた気体は、任意の望ましい特性、属性、または風味、例えば、植物を組み込んだ気体であってよい。シーズニングされた気体は、当業者によって決定される任意の適切な方法で調製されてよい。例示的な調製方法は、望ましい特性、属性、または風味を含む材料を加熱または燃焼し、結果として生じる「シーズニングされた」気体を捕捉することを含む。シーズニングされた気体は、植物を加熱または燃焼させることによって調製されてよい。
気体添加物は、単独で、または送達気体と組み合わせて使用されてよい。送達気体は、空気、酸素、窒素またはアルゴンであってよい。本開示のプロセスでは、1つまたは複数の気体添加物が使用されてよい。複数の気体添加物を使用する場合、気体添加物は同時にまたは連続して使用されてよい、すなわち、プロセスは、樽の加熱された内面を気体添加物と同時にまたは順次に接触させることを伴ってよい。
いくつかの実施形態では、流体添加物は気体である。いくつかの実施形態では、気体はウッドスモークである。いくつかの実施形態では、気体はピートスモークである。いくつかの実施形態では、気体はシーズニングされた気体である。いくつかの実施形態では、シーズニングされた気体は、植物シーズニング気体である。
液体添加物には、飲料、特にアルコール飲料、風味及び色が含まれるが、これらに限定されない。液体添加物は、ワイン、酒精強化ワイン、アルコール蒸留酒またはそれらの混合物を含むがこれらに限定されないアルコール性液体であってよい。ワインは、任意の適切な赤ワインまたは白ワインであってよい。酒精強化ワインは、シェリー酒、ポートワイン、マデイラワイン、マルサーラ酒、ベルモット酒、デザートワインを含むがこれらに限定されない、任意の適切な酒精強化ワインであってよい。アルコール蒸留酒は、ウイスキー、バーボン、ラム酒、ブランデー、コニャック、ウォッカ、テキーラ、メスカル酒、シュナップス、及びジンを含むがこれらに限定されない、任意の適切なアルコール蒸留酒であってよい。
液体添加物は、風味、例えば、濃縮フルーツ(ブドウなど)シロップもしくはマスト、フルーツ風味もしくはエッセンス(例えば、イチゴ、ラズベリー、ブラックベリー、ブルーベリー、チェリー、クランベリー、イチジク、オレンジ、レモン、ライム、リンゴ、ナシ、桃、ネクタリン、ブドウ、マンゴー、パッションフルーツ、梅、バナナ、パイナップル、ココナッツ)、チョコレート、カラメル、スパイス(シナモン、生姜、八角、クローブ、オールスパイス、ペッパーコーン、カルダモンポッド、バニラの実など)、ナッツ(ピーカン、クルミ、アーモンドなど)、ハーブ(ミント、ローズマリー、パセリタイム、バジル、ディル、レモングラスなど)、植物(ハイビスカス、エルダーフラワー、ラベンダー、他の食用花など)、これらの任意の1つまたは複数の抽出物、及びそれらの混合物であってよい。当業者は理解するように、液体添加物は、使用前に調製を要する場合がある。例えば、液体添加物が植物である場合、例示的な調製方法は、特性、属性、及び/または風味が液体に抽出されるように、植物材料を液体に一定期間浸すことを含む。本開示のプロセスにおいて、植物材料が除去され、残りの液体が、添加物として、または添加物の一部として使用される。
液体添加物は色であってよい。色は、自然色及び/または人工色であってよい。色には、カーマインE120(赤)、E150a−d(カラメル)、アナトーE160b(赤)、エルダーベリージュースE163(赤)、リコピンE160d(赤)、キノロンイエローE104(黄色)、カルモイシンE122(赤)、ポンソー4R E124(赤)、パテントブルーV E131(青)、ブリリアントブルーFCF E133(青)、インジゴチンE132(藍)、ファストグリーンE143(ターコイズ)、エリスロシンE127(ピンク)、アルラレッドE129(赤)、タルトラジンE102(黄色)、及びサンセットイエローE110(オレンジ)が含まれるが、これらに限定されない。
液体添加物は、単独で、または送達液体と組み合わせて使用されてよい。送達液体は、水性またはアルコール性液体を含むがこれらに限定されない、添加物を送達するための任意の適切な液体であってよい。本開示のプロセスでは、1つまたは複数の液体添加物が使用されてよい。複数の液体添加物を使用する場合、液体添加物は同時にまたは連続して使用されてよい、すなわち、プロセスは、樽の加熱された内面を液体添加物と同時にまたは次々に接触させることを伴ってよい。
液体添加物は、木樽に接触する前に加熱されてもよい。液体添加物を加熱して、例えば、液体添加物を濃縮、及び/または液体添加物を変化させるもしくは修正することができる。液体添加物の変化または修正には、液体添加物内の成分の酸化が含まれる。液体添加物が使用前に加熱される場合、液体添加物は、その特定の液体添加物に応じて、任意の所望の温度に加熱されてよい。
液体添加物は、木樽の加熱された内面に接触する前に、約40℃から約200℃に加熱されてよい。いくつかの実施形態では、液体添加物は、木樽の加熱された内面に接触する前に、少なくとも約、40℃、50℃、60℃、70℃、80℃、90℃、100℃、110℃、120℃、130℃、140℃、150℃、160℃、170℃、180℃、190℃、または200℃の温度に加熱される。液体添加物は、これら上記温度値のいずれか2つによって提供される範囲内の温度に加熱されてよい。いくつかの実施形態では、液体添加物は、約60℃〜約75℃、約60℃〜約100℃、約40℃〜約70℃、または約100℃〜約150に加熱される。
いくつかの実施形態では、流体添加物は液体添加物である。いくつかの実施形態では、液体添加物はアルコール性液体である。いくつかの実施形態では、液体添加物は、ワインまたは酒精強化ワインまたはアルコール蒸留酒である。いくつかの実施形態では、液体添加物はワインである。いくつかの実施形態では、液体添加物は酒精強化ワインである。いくつかの実施形態では、液体添加物はアルコール蒸留酒である。いくつかの実施形態では、液体添加物は風味である。いくつかの実施形態では、液体添加物は、濃縮フルーツシロップもしくはマスト、またはフルーツ風味もしくはエッセンスである。いくつかの実施形態では、液体添加物は植物である。いくつかの実施形態では、液体添加物は色である。いくつかの実施形態では、液体添加物はカラメル色である。
ステップ(a)において、木樽を加熱することは、木の温度を上昇させることである。木の温度を上げると、木の細孔が開き、流体添加物の吸収が可能になる。理論にとらわれることなく、木が流体添加物を吸収するためには、木の温度が約100℃以上になる必要があると考えられる。木が流体添加物を吸収できるように木の温度を上げることは、樽の内部を約100℃〜約250℃の間の温度に加熱することによって達成されてよい。いくつかの実施形態では、樽の内部温度は約、100℃、110℃、120℃、130℃、140℃、150℃、160℃、170℃、180℃、190℃、200℃、210℃、220℃、240℃、250℃、またはそれ以上である。樽の内部温度は、これら上記温度値のいずれか2つによって提供される範囲内にあってよい。いくつかの実施形態では、樽の内部温度は、約100℃〜約150℃、約120℃〜約150℃、約120℃〜約200℃、約150℃〜約200℃、約160℃〜約190℃、または約160℃〜約180℃である。一実施形態では、樽の内部温度は約160℃である。
当業者は理解するように、任意の適切な方法を使用して、ステップ(a)で木樽を加熱してよい。方法には、火(例えば、木材、ガス)、輻射熱(例えば、電気、ガス)蒸気及び/または水で木樽を加熱することが含まれるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、木樽の加熱は火を用いる。いくつかの実施形態では、木樽の加熱は、木材の火を用いる。いくつかの実施形態では、木樽の加熱はガス火を用いる。いくつかの実施形態では、木樽の加熱は、輻射熱を用いる。いくつかの実施形態では、木樽の加熱は、蒸気を用いる。いくつかの実施形態では、木樽の加熱は水を用いる。
ステップ(a)において、木樽を加熱することは、当業者によって適切であると判断される任意の時間の間である。木樽を加熱するのは、約30秒〜約120分の間の時間であってよい。いくつかの実施形態では、木樽を加熱することは、最大約30秒もしくは60秒、または最大約、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、100、105、110、115もしくは120分である。いくつかの実施形態では、木樽を加熱することは、最大約、2分、5分、10分、15分、20分、30分、または60分である。いくつかの実施形態では、樽の加熱は、最大約2分〜最大約5分、約5分〜最大約10分、約5分〜最大約20分、約10分〜最大約30分、または約30分〜最大約60分である。
ステップ(b)において、樽の加熱された内面が流体添加物と接触する。接触は、当業者によって決定される任意の適切な方法によってよい。適切な方法には、噴霧、注入、浸漬、及びコーティングが含まれるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、接触は、木樽の内面に添加物を噴霧することを含む。いくつかの実施形態では、接触は、木樽の内面に添加物をコーティングすることを含む。流体添加物の1つまたは複数は、使用前に濃縮されてよい。流体添加物の1つまたは複数は、液体または分散した粒子または液滴の形態であってよい。一実施形態では、1つまたは複数の流体添加物の接触方法は、スプレーとしてである。別の一実施形態では、1つまたは複数の流体添加物の接触方法は、噴霧スプレーとしてである。さらに別の実施形態では、任意選択のステップ(c)の後に流体添加物の追加の適用があり、追加の適用は、1つまたは複数の流体添加物をスプレーとして、任意選択で噴霧スプレーとして、及び任意選択でキャリア液体及び/または気体と接触させることを含む。流体添加物は、当業者に既知の方法、例えば適切なサイズの液滴を提供する適切に構成されたノズルを使用して、スプレー、例えば噴霧スプレーとして導入されてよい。一実施形態では、少なくとも流体添加物がスプレー、任意選択で噴霧スプレーとして添加される。
ステップ(b)で使用される流体添加物の量は、当業者によって適切であると判断された任意の量である。添加物の量は、すべての添加物が接触すると木に吸収されるような量であってよい。あるいは、添加物の量は、添加物のすべてが接触時に木に吸収されるわけではなく、余剰の添加物が除去されるか、または流出することができるような量であってよい。気体添加物と液体添加物の両方について、添加物の量は、約100mL〜約5L、約100mL〜約3L、約100mL〜約2L、約100mL〜約1L、または約500mL〜約1Lであってよい。いくつかの実施形態では、添加物の量は約、100mL、500mL、1L、1.5L、2L、2.5L、3L、3.5L、4L、4.5L、または5Lである。
ステップ(b)において、樽の内部温度は約100℃〜約250℃の間である。いくつかの実施形態では、樽の内部温度は約、100℃、110℃、120℃、130℃、140℃、150℃、160℃、170℃、180℃、190℃、200℃、210℃、220℃、240℃、250℃、またはそれ以上である。樽の内部温度は、これら上記温度値のいずれか2つによって提供される範囲内にあってよい。いくつかの実施形態では、樽の内部温度は、約100℃〜約150℃、約120℃〜約150℃、約120℃〜約200℃、約150℃〜約200℃、約160℃〜約190℃、または約160℃〜約180℃である。
ステップ(c)は任意選択のステップである、すなわち、本開示のプロセスは、ステップ(c)を含む場合も含まない場合もある。一実施形態では、プロセスは、本明細書に記載の実施形態または例のいずれかに従って提供され得るステップ(c)を含む、またはさらにステップ(c)からなる。ステップ(c)が実行されるとき、木樽の内部は、流体添加物の木への吸収を促進する加圧環境にさらされる。当業者は理解されるように、任意の適切な方法を使用して、ステップ(c)で加圧環境を提供してよい。方法には、樽の両端を密封すること、内圧を増加させること、樽を密閉チャンバ内に配置すること、チャンバ及びチャンバ内の樽の内圧を上昇させることが含まれるが、これらに限定されない。
いくつかの実施形態では、ステップ(c)が実行され、木樽の内部は、流体添加物の木への吸収を促進する加圧環境にさらされる。いくつかの実施形態では、ステップ(c)の加圧環境は、樽の両端を密封し、内圧を上昇させることによって達成される。いくつかの実施形態では、ステップ(c)の加圧環境は、樽を密閉されたチャンバ内に配置し、チャンバ及びチャンバ内の樽の内圧を上昇させることによって達成される。
ステップ(c)において、木樽の内圧は、約10psi〜約100psiの間である。いくつかの実施形態では、木樽の内圧は約、10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95または100psiである。内圧は、これら上記値のいずれか2つによって提供される範囲内にあってよい。いくつかの実施形態では、内圧は、約15psi〜約40psi、約20psi〜約30psi、約20psi〜約40psi、約15psi〜約30psi、約30psi〜約50psi、約20psi〜約50psi、または約30psi〜約70psiである。
ステップ(c)において、加圧環境は、当業者によって適切であると判断された任意の時間の間維持される。加圧環境は、約30秒〜約120分の間維持されてよい。いくつかの実施形態では、加圧環境は、最大約30秒もしくは60秒、または最大約、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、100、105、110、115もしくは120分の間、維持される。いくつかの実施形態では、加圧環境は、最大約、2分、約5分、約10分、または約20分間維持される。いくつかの実施形態では、加圧環境は、約30秒〜最大約2分、約1分〜最大約5分、約5分〜最大約10分、または約10分〜最大約20分間維持される。
代替形態では、ステップ(c)が実行されるとき、木樽の内部は、流体添加物の木への吸収を促進する減圧環境にさらされる。当業者は理解されるように、任意の適切な方法を使用して、(c)で減圧環境を提供してよい。方法には、樽の両端を密封し、吸引して木樽の内圧を下げることと、樽を密閉されたチャンバ内に配置して、吸引してチャンバ及びチャンバ内の樽の内圧を下げることとが含まれるが、これらに限定されない。一実施形態では、ステップ(c)の前、最中、及び/または後に吸引は使用されない。
ステップ(c)において、流体添加物が液体添加物である場合、添加物が木に完全に吸収される場合がある、または液体添加物が木に完全には吸収されない場合がある。換言すれば、ステップ(c)において、使用される液体添加物の量は、液体添加物のすべてが木に吸収されるような量であってよい、または使用される液体添加物の量は、液体添加物の一部は木に吸収され、液体添加物の一部は過剰として樽の表面に残るような量であってよい。液体添加物が木に完全には吸収されない場合、過剰な添加物を取り除くことが必要な場合がある。過剰な液体添加物の除去は、過剰な液体添加物を流出させること、樽を傾けて液体添加物を強制的に流出させること、及び吸引を使用して過剰な液体添加物を除去することを含むがこれらに限定されない任意の適切な方法によって達成されてよい。いくつかの実施形態では、液体添加物は、ステップ(c)で樽に完全に吸収される。いくつかの実施形態では、液体添加物は、ステップ(c)で樽に完全には吸収されない。いくつかの実施形態では、ステップ(c)において、液体添加物は、ステップ(c)において樽に完全には吸収されず、過剰な液体添加物が除去される。
ステップ(d)は任意選択のステップである、すなわち、本開示のプロセスは、ステップ(d)を含む場合も含まない場合もある。一実施形態では、プロセスは、本明細書に記載の実施形態または例のいずれかに従って提供され得るステップ(d)を含む、またはさらにステップ(d)からなる。ステップ(d)が実行されるとき、木樽はさらに加熱される。添加物が液体添加物である場合、さらなる加熱は、必ずではないが、木の内部の液体添加物を酸化及び/または濃縮し得る。当業者は理解されるように、任意の適切な方法を使用して、ステップ(d)で木樽を加熱してよい。方法には、火(例えば、木材、ガス)、輻射熱(例えば、電気、ガス)蒸気、及び電気が含まれるが、これらに限定されない。
いくつかの実施形態では、ステップ(d)が実行され、樽がさらに加熱される。いくつかの実施形態では、ステップ(d)における樽の加熱は火を用いる。いくつかの実施形態では、ステップ(d)における樽の加熱は木材の火を用いる。いくつかの実施形態では、ステップ(d)における樽の加熱はガス火を用いる。いくつかの実施形態では、ステップ(d)における樽の加熱は、輻射熱を用いる。いくつかの実施形態では、ステップ(d)における樽の加熱は蒸気を用いる。いくつかの実施形態では、ステップ(d)における樽の加熱は、木の内部の液体添加物を酸化させる及び/または濃縮する。いくつかの実施形態では、ステップ(d)における樽の加熱は、木の内部の液体添加物を酸化させる。いくつかの実施形態では、ステップ(d)における樽の加熱は、木の内部の液体添加物を濃縮する。いくつかの実施形態では、ステップ(d)における樽の加熱は、木の内部の液体添加物を酸化させ、且つ、濃縮する。
ステップ(d)において、木樽の加熱は、当業者によって適切であると判断される任意の時間の間である。樽の加熱は、約30秒〜約120分の間の時間であってよい。いくつかの実施形態では、樽の加熱は、最大約30秒もしくは60秒、または最大約、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、100、105、110、115もしくは120分である。いくつかの実施形態では、樽の加熱は、最大約2分、5分、10分、15分、20分、30分、または60分である。いくつかの実施形態では、樽の加熱は、最大約2分〜最大約5分、約5分〜最大約10分、約5分〜最大約20分、約10分〜最大約30分、または約30分〜最大約60分である。
本開示によるプロセスは、ステップ(b)、(c)及び(d)のうちの任意の1つまたは複数を2回以上実行することを含んでよい、またはそれからなってよい。任意選択でステップ(c)及び/または(d)と共にステップ(b)を実行すると、追加の流体添加物が樽に供給され、追加の流体添加物が木に吸収される。このプロセスは、ステップ(b)を複数回実行することを含んでよい。このプロセスは、ステップ(c)を複数回実行することを含んでよい。このプロセスは、ステップ(d)を複数回実行することを含んでよい。このプロセスは、ステップ(b)及び(c)を複数回実行することを含んでよい。このプロセスは、ステップ(b)及び(d)を複数回実行することを含んでよい。このプロセスは、ステップ(c)及び(d)を複数回実行することを含んでよい。このプロセスは、ステップ(b)、(c)及び(d)を複数回実行することを含んでよい。本開示によるプロセスは、ステップ(b)、(c)及び(d)のいずれか1つを2回または3回または4回または5回または6回または7回または8回または9回または10回実行することを含んでよい。
いくつかの実施形態では、プロセスは、ステップ(b)及び(c)をそれぞれ2回または3回または4回実行することを含む。いくつかの実施形態では、プロセスは、ステップ(b)及び(c)をそれぞれ2回実行することを含む。いくつかの実施形態では、プロセスは、ステップ(b)及び(c)をそれぞれ3回実行することを含む。いくつかの実施形態では、プロセスは、ステップ(b)及び(c)をそれぞれ4回実行することを含む。いくつかの実施形態では、プロセスは、ステップ(b)、(c)及び(d)をそれぞれ2回または3回または4回実行することを含む。いくつかの実施形態では、プロセスは、ステップ(b)、(c)及び(d)をそれぞれ2回実行することを含む。いくつかの実施形態では、プロセスは、ステップ(b)、(c)及び(d)をそれぞれ3回実行することを含む。いくつかの実施形態では、プロセスは、ステップ(b)、(c)及び(d)をそれぞれ4回実行することを含む。ステップ(a)に加えて、プロセスは、上記の実施形態を含んでよい、またはさらに上記の実施形態からなってよい。
ステップ(e)において、木樽を冷ますこと、または、木樽を冷却することは、調整された木樽を提供することである。一実施形態では、プロセスは、本明細書に記載の実施形態または例のいずれかに従って提供され得るステップ(e)を含む、またはさらにステップ(e)からなる。ステップ(e)では、木樽を冷ましてよい。これは、木樽が室温まで冷めるのに十分な時間、木樽を室温に置くことによって達成されてよい。ステップ(e)において、木樽は冷却されてよい。これは、木樽が所望の温度、例えば室温に到達するのに十分な時間、室温よりも低い温度の部屋に木樽を置くことによって達成されてよい。あるいは、これは、水、空気または他の気体を含むがこれらに限定されない冷却手段を使用することによって達成されてよい。
一実施形態では、ステップ(a)、(b)、(c)、(d)、(e)及び/または(f)の前、最中、及び/または後に吸引は使用されない。
プロセスは、当業者によって適合されてよい。
一実施形態では、プロセスは、以下のステップのうちの1つまたは複数を含む。
・木樽を削ること、
・木樽を任意選択で約30秒間チャーリングすること、
・ステップ(a)について、木樽を加熱して木の温度を上昇させて、任意選択で木樽の内部温度を約160℃にすること、
・ステップ(b)について、木樽の加熱された内面を流体添加物と接触させること、
・ステップ(c)について、木樽の内部を約20PSIの加圧環境に、任意選択で約10分間さらすこと、
・以前の流体添加物と同じ場合もあり同じでない場合もある流体添加物を導入することによって、ステップ(b)を繰り返すこと、
・ステップ(d)について、例えば約10分間、木樽をさらに加熱すること、
・以前の流体添加物と同じ場合もあり同じでない場合もある流体添加物を導入することによって、ステップ(b)を繰り返すこと、
・木樽の内部を約20PSIの加圧環境に、任意選択で約10分間さらすことによって、ステップ(c)を繰り返すこと、
・例えば約10分間、木樽をさらに加熱することによって、ステップ(d)を繰り返すこと、及び/または、
・以前の流体添加物と同じ場合もあり同じでない場合もある流体添加物を導入することによって、ステップ(b)を繰り返すこと、
一実施形態では、プロセスは以下を含む。
・任意選択で木樽を削ること、
・木樽を任意選択で約30秒間チャーリングすること、
・ステップ(a)について、木樽を加熱して木の温度を上昇させて、任意選択で木樽の内部温度を約160℃にすること、
・ステップ(b)について、木樽の加熱された内面を流体添加物と接触させること、
・ステップ(c)について、木樽の内部を約20PSIの加圧環境に、任意選択で約10分間さらすこと、
・以前の流体添加物と同じ場合もあり同じでない場合もある流体添加物を導入することによって、ステップ(b)を繰り返すこと、
・ステップ(d)について、例えば約10分間、木樽をさらに加熱すること、
・以前の流体添加物と同じ場合もあり同じでない場合もある流体添加物を導入することによって、ステップ(b)を繰り返すこと、
・木樽の内部を約20PSIの加圧環境に、任意選択で約10分間さらすことによって、ステップ(c)を繰り返すこと、及び、
・以前の流体添加物と同じ場合もあり同じでない場合もある流体添加物を導入することによって、ステップ(b)を繰り返すこと。
別の実施形態では、プロセスは以下を含む。
・任意選択で木樽を削ること、
・木樽を任意選択で約30秒間チャーリングすること、
・ステップ(a)について、木樽を加熱して木の温度を上昇させて、任意選択で木樽内部温度を約160℃にすること、
・ステップ(b)について、木樽の加熱された内面を流体添加物と接触させること、
・ステップ(c)について、木樽の内部を約20PSIの加圧環境に、任意選択で約10分間さらすこと、
・以前の流体添加物と同じ場合もあり同じでない場合もある流体添加物を導入することによって、ステップ(b)を繰り返すこと、
・ステップ(d)について、例えば約10分間、木樽をさらに加熱すること、
・以前の流体添加物と同じ場合もあり同じでない場合もある流体添加物を導入することによって、ステップ(b)を繰り返すこと、
・例えば約10分間、木樽をさらに加熱するステップ(d)を繰り返すこと、及び、
・以前の流体添加物と同じ場合もあり同じでない場合もある流体添加物を導入することによって、ステップ(b)を繰り返すこと。
袋を使用した木樽の調整
いずれかの任意選択の前処理ステップが実行されると、木樽を調整するためのプロセスは、以下を含み得る。
(i)木樽の内部に袋と液体添加物を、所定の時間、入れて、添加物の木への吸収を促進すること。袋は、液体添加物が木樽の内面に接触するように、木樽の内容積を減らす。
ステップ(i)において、袋を木樽の内部に追加して、木樽の内容積を減らす。袋を使用して樽の内容積を減らすことは、液体添加物などの液体が樽の内面と接触することが望まれる場合に有利である。袋を使用することで内容積が減少するため、樽の内面に接触するために必要な液体添加物などの液体が少なくてすむ。これは、液体が樽の内面の大部分またはすべてと接触することが望ましい場合に特に有利である。
いくつかの実施形態では、袋は、液体添加物が樽の内面のすべてと接触するのに十分な、木樽の内部の容積を占める。いくつかの実施形態では、袋は、液体添加物が樽の内面の少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、または少なくとも約95%と接触するのに十分な木樽の内部の容積を占める。いくつかの実施形態では、袋は、液体添加物が木樽の内面の少なくとも約80%と接触するのに十分な木樽の内部の容積を占める。いくつかの実施形態では、袋は、液体添加物が木樽の内面の少なくとも約90%と接触するのに十分な木樽の内部の容積を占める。
さらに、樽の内部に袋を使用すると、圧力を加えることで液体添加物の木への吸収を促進することができる。理論に拘束されることなく、圧力を加えると、吸収速度が上がり、木樽に吸収される液体添加物の量を増やすことができる。いくつかの実施形態では、袋は、液体添加物に圧力を加えて添加物の木への吸収を促進するのに十分な容積を木樽の内部に占める。
使用される袋は、当業者によって決定される適切な任意の袋であってよい。使用される袋は、非反応性材料及び食品グレードの材料(例えば、食品グレードのプラスチック、食品グレードのポリエステル、食品グレードのプラスチック被覆ポリエステル、食品グレードのゴム、食品グレードのシリコンゴム、食品グレードの金属、ガラス)を含むがこれらに限定されない任意の適切な材料からできてよい。非反応性材料とは、反応性がない、または厳しい条件下でない限り反応性がないと一般的に見なされる材料である。食品グレードの材料は、直接接触したり近くにある状態で、食品を有害な材料で汚染しない材料である。いくつかの実施形態では、袋は非反応性材料から構成される。いくつかの実施形態では、袋は食品グレードの材料で構成される。いくつかの実施形態では、袋は食品グレードのプラスチックで構成される。いくつかの実施形態では、袋は、食品グレードのプラスチックでコーティングされたポリエステルから構成される。いくつかの実施形態では、袋は、食品グレードのシリコンゴムから構成される。
袋は、固定されたサイズ及び形状であってよい、または袋は、拡張可能な袋であってよい、すなわち、サイズ及び形状は、調整可能である。いくつかの実施形態では、袋は固定されたサイズ及び形状である。いくつかの実施形態では、袋は拡張可能な袋である。固定されたサイズ及び形状の袋は、場合によっては、袋が調整なしで樽の内部に単に挿入されるという点で、使いやすさいという利点を有し得る。拡張可能な袋は、簡単に調整できるため、場合によっては、様々な樽のサイズと形状で使用できるという利点がある。拡張可能な袋はまた、本開示のプロセス中に調整することができるという利点を有する。例えば、拡張可能な袋の使用は、袋が樽の第1の内容積を占め、プロセス中に第2の内容積を占めるように調整されるのを可能にする。当業者は理解するように、プロセスは、プロセス中に袋が占める体積を1、2、3回、またはそれ以上調整することを含み得る。
袋は、当業者によって決定される任意の適切な内容物を含んでよい。袋は、例えば、気体または液体を含み得る。気体は、空気、窒素、アルゴン、及びヘリウムを含むがこれらに限定されない任意の気体であってよい。液体は、水、ワイン、または他のアルコール性液体を含むがこれらに限定されない任意の液体であってよい。いくつかの実施形態では、袋は気体を含む。いくつかの実施形態では、袋は空気を含む。いくつかの実施形態では、袋は窒素を含む。いくつかの実施形態では、袋は液体を含む。いくつかの実施形態では、袋は水を含む。
本開示のプロセスにおいて、袋は、液体添加物を樽に添加する前に樽に追加されてよい、または液体添加物は、袋を樽に添加する前に樽に添加されてよい。袋が拡張可能な袋である場合、袋は、樽に追加される前に所望のサイズ及び形状に調整されてよい、または袋が樽内にあるときに袋は所望のサイズ及び形状に調整されてよい。いくつかの実施形態では、プロセスは、ステップ(i)で液体添加物を木樽に加える前に、袋を木樽に加えることを含む。いくつかの実施形態では、プロセスは、ステップ(i)で袋を木樽に加える前に、液体添加物を木樽に添加することを含む。いくつかの実施形態では、プロセスは、拡張可能な袋を、樽に追加する前に、所望のサイズ及び形状に調整することを含む。いくつかの実施形態では、プロセスは、袋が樽内にあるときに、拡張可能な袋を所望のサイズ及び形状に調整することを含む。
木樽の内面は、液体添加物の木への吸収を促進するのに十分な所定の時間、液体添加物と接触させる。期間は、例えば、使用する特定の液体添加物、木の種類、温度、圧力(環境と袋によって加えられる圧力の両方)、及び望ましい吸収レベルを含む、様々な要因によって決まる。
当業者は、ステップ(i)において、木樽の内面が液体添加物と接触するのに必要な期間を容易に決定することができる。期間は、約1日〜約10年の期間であってよい。いくつかの実施形態では、期間は、最大で約、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、20、30、40、50、60、70、80、90、100、110、120、130、140、150、200、250、300、350、または365日である。いくつかの実施形態では、期間は、最大で約、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、20、30、40、50、60、70、80、90、100、110、120、130、140、150、200、250、300、350、または350週である。いくつかの実施形態では、期間は、最大で約、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、30、36、42、48、56、62、68、または74か月である。いくつかの実施形態では、期間は、最大で約、1、2、3、4、5、6、7、8、9、または10年である。いくつかの実施形態では、期間は、約2ヶ月〜約24ヶ月、約1ヶ月〜約6ヶ月、または約1週間〜約120週である。いくつかの実施形態では、期間は最大で、1週間、1ヶ月、6ヶ月、1年、2年、3年、または5年である。
本開示のさらに別の態様では、ステップ(i)は、ステップ(a)〜(f)の前に実行されてよい。つまり、ステップ(i)は、ステップ(a)〜(f)への前処理ステップを構成してよい。したがって、第3の態様は、木樽調整のためのプロセスを提供し、そのプロセスは以下を含む。
(i)木樽の内部に袋と液体添加物を、所定の時間、入れて、添加物の木への吸収を促進すること。袋は、液体添加物が木樽の内面に接触するように、木樽の内容積を減らす、
(a)木樽を加熱して、木の温度を上昇させること、
(b)木樽の加熱された内面を流体添加物と接触させること、
(c)任意選択で、木樽の内部を加圧環境にさらして、流体添加物の木への吸収を促進すること、
(d)任意選択で、木樽をさらに加熱すること、
(e)任意選択で、ステップ(b)、(c)及び(d)の少なくとも1つを繰り返すこと、及び、
(f)木樽を冷まして、または、木樽を冷却して、調整された木樽を提供すること。
当業者は理解するように、上記のプロセスにおいて、袋は、ステップ(i)の後、ステップ(a)の前に、樽の内部から除去される。いくつかの実施形態では、液体添加物は、ステップ(i)の後、ステップ(a)の前に、樽の内部から除去される。いくつかの実施形態では、液体添加物は、ステップ(i)の後、ステップ(a)の前に、樽の内部から除去されない。
本開示のプロセスは、木樽の製造に使用される。木樽は、従来の中性の木樽及び/または従来の調整済み木樽と同じまたは類似の官能特性及び/または化学的特性を、木樽が飲料の製造に使用されるときに飲料に与え得る。従来の中性の木樽及び従来の調整済み木樽には、本開示で前述したものが含まれる。
いくつかの実施形態では、木樽が飲料の製造に使用されるとき、木樽は、従来の中性及び/または調整済み木樽と同じまたは類似の官能特性を飲料に与える。いくつかの実施形態では、木樽が飲料の製造に使用されるとき、木樽は、従来の中性及び/または調整済み木樽と同じまたは類似の化学的特性を飲料に与える。いくつかの実施形態では、木樽が飲料の製造に使用されるとき、木樽は、従来の中性及び/または調整済み木樽と同じまたは類似の官能特性及び化学的特性を飲料に与える。
官能特性及び/または化学的特性は、当業者によって決定されるような任意の関連する官能特性及び/または化学的特性である。官能特性及び/または化学的特性には、香り属性、味覚/風味属性、口当たり、及びそれらの組み合わせのうちの1つまたは複数が含まれるが、これらに限定されない。
木の揮発性物質は、樽の木に由来する揮発性化合物であり、飲料の香りと風味に大きく寄与する。このような化合物には、シス−ラクトン、トランス−ラクトン、グアイアコール、4−メチルグアイアコール、4−エチルグアイアコール、4−メチルフェノール、バニリン、フルフラール、5−メチルフルフラール、オイゲノール、4−エチルフェノール、イソオイゲノール、5−ヒドロキシ−メチルフルフラール、シリンガアルデヒド、コニフェリルアルデヒド、シナピルアルデヒド、及びそれらの混合物のうちの1つまたは複数が含まれるが、これらに限定されない。
典型的なワインの揮発性物質は、ワインに由来する揮発性化合物であり、飲料の香りと風味の重要な要因である。典型的なワインの揮発性物質には、エステル類、ノルイソプレノイド類、酸化アルデヒド類及び/またはモノテルペン類のうちの1つまたは複数が含まれるが、これらに限定されない。ワイン揮発性物質の特定の例には、アルファ−テルピネオール、ベータ−イオノン、ダマセノン、デカン酸エチル、ヘキサン酸エチル、オクタン酸エチル、ゲラニオール、リナロール、ナフタレン、ネロール、ローズオキシド、及びトリメチルジヒドロナフタレン(TDN)、及びそれらの混合物の1つまたは複数が含まれるが、これらに限定されない。
ワインの発酵中に、エチルエステル、酢酸塩、アルコールなど、様々なワイン化合物(発酵由来のワイン化合物)が形成される。発酵由来のワインの揮発性物質は、ワイン由来の揮発性発酵化合物であり、飲料の香りと風味のプロファイルに大きく寄与する。発酵由来のワイン揮発性物質の特定の例には、酢酸エチル、酢酸2−メチルブチル、酢酸3−メチルブチル、プロパン酸エチル、酢酸ヘキシル、2−メチルプロパン酸エチル、酢酸2−フェニルエチル、ブタン酸エチル、2−メチルプロパノール、2−メチルブタン酸エチル、ブタノール、3−メチルブタン酸エチル、2−メチルブタノール、ヘキサン酸エチル、2−メチルブタノール、3−メチルブタノール、酢酸2−メチルプロピル、ヘキサノール、酢酸2−メチルブチル、酢酸、プロパン酸、2−メチルプロパン酸、ブタン酸、2−メチルブタノール酸、3−メチルブタノール酸、ヘキサン酸、2−フェニルエタノール、オクタン酸、デカン酸及びそれらの混合物の1つまたは複数が含まれるが、これらに限定されない。
色も特性の一つである。飲料の色の特性は、いくつかの要因による場合がある。飲料の色は、飲料の色、樽の木、樽の木に染み込んだワインまたは他の飲料、着色添加物、及びそれらの組み合わせの結果であり得る。場合によっては、飲料が特定の色を有することが望ましい場合がある。
木樽によって飲料に与えられる特性は、例えば、飲料の官能分析、例えば、飲料の官能パネル分析(例えば、味、匂い、及び視覚を含む)ガスクロマトグラフィ/質量分析(例えば、GC−MS)、液体クロマトグラフィ/質量分析(LC−MS)、UV分光分析、UV−Vis分光分析、IR分光分析、及びNMR分光分析を含む任意の適切な方法(または方法の組み合わせ)によって決定されてよい。官能特性及び/または化学的特性を決定するための適切な方法を選択することは、当業者の技術の範囲内である。一実施形態では、特性は官能分析によって決定される。一実施形態では、特性は、ガスクロマトグラフィ/質量分析(GC−MS)によって決定される。別の実施形態では、特性は、ガスクロマトグラフィ/質量分析(GC−MS)によって決定される。別の実施形態では、特性は、UV分光分析によって決定される。別の実施形態では、特性は、UV−Vis分光分析によって決定される。別の実施形態では、特性は、NMR分光分析によって決定される。
いくつかの実施形態では、本開示のプロセスは、従来の中性の木樽及び/または従来の調整済み木樽の飲料の約0.05%から約80%以内の飲料に任意の1つまたは複数の官能特性及び/または化学的特性を与える木樽を提供する。いくつかの実施形態では、木樽は、従来の中性の木樽及び/または従来の調整済み木樽の飲料の約、または少なくとも約、0.05、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、20、25、30、35、40、45、50、60、70、及び80%内の飲料に任意の1つまたは複数の官能特性及び/または化学的特性を与える。木樽は、これらの上述の値のいずれか2つによって提供される範囲内で、飲料に任意の1つまたは複数の官能特性及び/または化学的特性を与え得る。値は、各官能特性及び/または化学的特性に一緒にまたは別々に適用し得る、すなわち、複数の官能特性及び/または化学的特性が飲料に与えられる場合、値は、各官能特性及び/または化学的特性について同じまたは異なる場合がある。
いくつかの実施形態では、木樽は、従来の中性の木樽及び/または従来の調整済み木樽の飲料の約、または少なくとも約、0.05、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、20、25、30、35、40、45、50、60、70、及び80%内の飲料に少なくとも、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、20、25、30、40または50の官能特性及び/または化学的特性を与える。木樽は、これらの上述の値のいずれか2つによって提供される範囲内で、飲料に官能特性及び/または化学的特性を与え得る。いくつかの実施形態では、木樽は、従来の中性の木樽及び/または従来の調整済み木樽の飲料の約、または少なくとも約、0.05、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、20、25、30、35、40、45、50、60、70、及び80%内の飲料に3〜20、5〜15、5〜10、3〜10、または50〜20の官能特性及び/または化学的特性を与える。
いくつかの実施形態では、木樽は、従来の中性の木樽及び/または従来の調整済み木樽の飲料の約0.05%〜約50%以内の飲料に任意の1つまたは複数の官能特性及び/または化学的特性を与える。いくつかの実施形態では、木樽は、従来の中性の木樽及び/または従来の調整済み木樽の飲料の約5%〜約10%以内の飲料に任意の1つまたは複数の官能特性及び/または化学的特性を与える。いくつかの実施形態では、木樽は、従来の中性の木樽及び/または従来の調整済み木樽の飲料の約5%〜約20%以内の飲料に任意の1つまたは複数の官能特性及び/または化学的特性を与える。いくつかの実施形態では、木樽は、従来の中性の木樽及び/または従来の調整済み木樽の飲料の約10%〜約20%以内の飲料に任意の1つまたは複数の官能特性及び/または化学的特性を与える。いくつかの実施形態では、木樽は、従来の中性の木樽及び/または従来の調整済み木樽の飲料の約5%〜約30%以内の飲料に任意の1つまたは複数の官能特性及び/または化学的特性を与える。いくつかの実施形態では、木樽は、従来の中性の木樽及び/または従来の調整済み木樽の飲料の約1%〜約10%以内の飲料に任意の1つまたは複数の官能特性及び/または化学的特性を与える。
いくつかの実施形態では、本開示のプロセスは、ワインを用いた従来の調整プロセスを通して製造された樽と同じまたは類似の官能特性及び/または化学的特性を、樽が飲料の製造に使用されるときに飲料に与える樽を提供する。従来の調整プロセスは、赤ワイン、白ワイン、酒精強化ワイン、またはアルコール蒸留酒の使用を伴っていた場合がある。いくつかの実施形態では、従来の調整プロセスは、赤ワインの使用を伴った。いくつかの実施形態では、従来の調整プロセスは、白ワインの使用を伴った。いくつかの実施形態では、従来の調整プロセスは、酒精強化ワインの使用を伴った。いくつかの実施形態では、従来の調整プロセスは、シェリー酒の使用を伴った。いくつかの実施形態では、従来の調整プロセスは、ポートワインの使用を伴った。いくつかの実施形態では、従来の調整プロセスは、アペラ(Apera)の使用を伴った。いくつかの実施形態では、従来の調整プロセスは、トウニ―(tawny)の使用を伴った。
別の実施形態では、本開示のプロセスは、アルコール蒸留酒を用いた従来の調整プロセスを通して製造された樽と同じまたは類似の官能特性及び/または化学的特性を、樽が飲料の製造に使用されるときに飲料に与える樽を提供する。いくつかの実施形態では、従来の調整プロセスは、バーボンの使用を伴った。いくつかの実施形態では、従来の調整プロセスは、ラム酒の使用を伴った。いくつかの実施形態では、従来の調整プロセスは、ウイスキーの使用を伴った。いくつかの実施形態では、従来の調整プロセスは、ブランデーの使用を伴った。いくつかの実施形態では、従来の調整プロセスは、コニャックの使用を伴った。いくつかの実施形態では、従来の調整プロセスは、ウォッカの使用を伴った。いくつかの実施形態では、従来の調整プロセスは、テキーラの使用を伴った。いくつかの実施形態では、従来の調整プロセスはメスカル酒の使用を伴った。いくつかの実施形態では、従来の調整プロセスは、シュナップスの使用を伴った。いくつかの実施形態では、従来の調整プロセスは、ジンの使用を伴った。
本開示のいくつかの実施形態は、従来の中性の木樽及び/または従来の調整済み木樽と同じまたは類似の官能特性及び/または化学的特性を飲料に与える木樽を提供するが、本開示の木樽は、従来の中性の木樽及び/または従来の調整済み木樽と同じまたは類似の官能特性及び/または化学的特性を飲料に与える必要はない。
本開示のプロセスはまた、木樽が飲料の製造に使用されるときに、カスタマイズ及び/または規定された官能特性及び/または化学的特性を飲料に与える木樽の製造に使用することができる。例えば、本開示のプロセスは、当業者が、所望の特定の官能特性及び/または化学的特性を特定し、次に、飲料の製造時に、本開示のプロセスを使用して、所望の特定の感覚及び/または化学的特性を飲料に与え得る木樽を製造することを可能にする。本開示では、本明細書のプロセスに従って製造されたカスタマイズされた木樽は、調整済み木樽とも呼ばれ、調整済み木樽と見なされる。
本開示のプロセスによって製造された木樽は、任意の目的または機能のために使用されてよい。調整された木樽の使用には、飲料の製造が含まれるが、これに限定されない。飲料はアルコール飲料であってよい。アルコール飲料は、アルコール蒸留酒であってよい。ウォッカ、テキーラ、メスカル酒、ラム酒、バーボン、ウイスキー、ブランデー、コニャック、ジン、シュナップスなどのアルコール飲料は、アルコール飲料の味、滑らかさ、及び/または他の官能態様及び特性を向上させるために、蒸留後に調整済み木樽で熟成されてよい。アルコール飲料は、アルコール飲料の製造に必要な任意の期間、木樽で熟成されてよい。例えば、ウォッカ、テキーラ、メスカル酒、ラム酒、バーボン、ウイスキー、ブランデー、コニャック、ジン、シュナップスは、消費用に販売される前に1年、2年、3年、4年、5年、またはそれ以上熟成されてよい。アルコール飲料はまた、赤ワイン、白ワイン、及び(例えば、ポートワイン及びシェリー酒を含む)酒精強化ワインを含むがこれらに限定されないワインであってよい。ワインは、ワインの味、滑らかさ、及び/または他の官能及び特性の態様を改善及び/または変えるために、調整済みの樽で熟成されてよい。ワインは、消費のために販売される前に、1年、2年、3年、4年、5年、またはそれ以上熟成されてよい。
いくつかの実施形態では、木樽は、アルコール飲料の製造に使用される。いくつかの実施形態では、木樽は、熟成されたアルコール飲料の製造に使用される。いくつかの実施形態では、木樽は、熟成されたアルコール蒸留酒の製造に使用される。いくつかの実施形態では、木樽は、熟成された、ウォッカ、テキーラ、メスカル酒、ラム酒、バーボン、ウイスキー、ブランデー、コニャック、ジンまたはシュナップスの製造に使用される。いくつかの実施形態では、木樽は、熟成されたウォッカの製造に使用される。いくつかの実施形態では、木樽は、熟成されたテキーラまたはメスカル酒の製造に使用される。いくつかの実施形態では、木樽は、熟成されたラム酒、バーボン、またはウイスキーの製造に使用される。いくつかの実施形態では、木樽は、熟成されたブランデー、コニャック、またはシュナップスの製造に使用される。いくつかの実施形態では、木樽は、熟成されたジンの製造に使用される。いくつかの実施形態では、木樽は、熟成されたラム酒の製造に使用される。いくつかの実施形態では、木樽は、熟成されたバーボンの製造に使用される。いくつかの実施形態では、木樽は、熟成されたウイスキーの製造に使用される。いくつかの実施形態では、木樽は、熟成されたワインの製造に使用される。いくつかの実施形態では、木樽は、熟成された赤ワイン、白ワイン、または酒精強化ワインの製造に使用される。いくつかの実施形態では、木樽は、熟成された赤ワインの製造に使用される。いくつかの実施形態では、木樽は、熟成された白ワインの製造に使用される。いくつかの実施形態では、木樽は、熟成された酒精強化ワインの製造に使用される。いくつかの実施形態では、木樽は、熟成されたポートワインの製造に使用される。いくつかの実施形態では、木樽は、熟成されたシェリー酒の製造に使用される。
アルコール飲料は、アルコール飲料の製造に必要な任意の期間、木樽で熟成されてよい。期間は、約1日〜約10年の期間であってよい。いくつかの実施形態では、期間は、最大で約、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、20、30、40、50、60、70、80、90、100、110、120、130、140、150、200、250、300、350、または365日である。いくつかの実施形態では、期間は、最大で約、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、20、30、40、50、60、70、80、90、100、110、120、130、140、150、200、250、300、350、または350週である。いくつかの実施形態では、期間は、最大で約、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、30、36、42、48、56、62、68、または74か月である。いくつかの実施形態では、期間は、最大で約、1、2、3、4、5、6、7、8、9、または10年である。いくつかの実施形態では、期間は、約2ヶ月〜約24ヶ月、約1ヶ月〜約6ヶ月、または約1週間〜約120週である。いくつかの実施形態では、期間は、最大で、1週間、1ヶ月、6ヶ月、1年、2年、3年、4年、5年、10年、15年、または20年である。
本開示の広い一般的な範囲から逸脱することなく、多くの変形例及び/または修正が、上記の実施形態に対して行われてよいことが、当業者は理解されよう。したがって、本実施形態は、あらゆる点において例示的であり、制約的ではないとみなすべきである。
実施例1 強化された注入プロセス
本実施例は、本開示に従って調製された樽からウイスキー蒸留酒への重要な特性の転移を調査する。
設定
本開示のプロセスに従って、8つの樽バリアントのサブセット(表1及び2)を調製した。次に、処理された樽バリアントの木のサンプルをシングルモルトウイスキー蒸留酒に約2週間暴露して、樽バリアントのウイスキーサンプルを提供した。樽バリアントのウイスキーサンプルは、対照の樽のウイスキーサンプルと比較して、化学分析を行った。5つの樽バリアントのウイスキーサンプルを、オークの揮発性物質、ワインの揮発性物質、発酵由来のワインの揮発性物質の化学分析、及び比色分析にかけた。3つの樽バリアントのウイスキーサンプルを、ワインの揮発性物質と発酵由来のワインの揮発性物質の化学分析にかけた。
対照の樽は、20年以上にわたってマクウィリアムズ(McWilliams)のアペラの製造に使用されたアメリカンオーク樽であった。樽バリアントの概要を表1及び2に示す。
Figure 2021536268
Figure 2021536268
各樽バリアントの樽板の内側表面から深さ0〜12mmで採取した一連の6つの樽板サンプル(2つの代表的な樽板からの3つのサンプル)を、500mlの新造のウイスキースピリッツに60%ABVで14日間浸した。3×100%の新しいオーク相当濃度を表した(図1)。再現性を評価するために、各樽バリアントの2つの複製を準備した。
浸漬が完了すると、それぞれの化学分析のためにサブサンプルを採取した。
化学分析
化学分析は、樽バリアントの使用から製造されたウイスキーサンプルで行われた。すべての化学分析は、ウイスキー浸漬サンプルからの単一の複製で行われた。
オークの揮発性物質
オーク風味分析が、ガスクロマトグラフィ/質量分析(GC−MS)と重水素標識標準物質を使用して行われ、樽バリアントのウイスキーサンプル中の次の化合物の濃度を測定した。
・4−エチルグアイアコール
・4−エチルフェノール
・4−メチルグアイアコール
・5−メチルフルフラール
・シスオークラクトン
・オイゲノール
・フルフラール
・グアイアコール
・トランスオークラクトン
・バニリン
典型的なワインの揮発性物質
様々な典型的な香り及び風味化合物(エステル、ノルイソプレノイド、及びモノテルペン)にわたるワインの揮発性物質を、GC−MSを使用して評価し、樽バリアントのウイスキーサンプル中の揮発性化合物の濃度を特定した。これらの化合物は以下を含む。
・アルファ−テルピネオール
・ベータイオノン
・ダマセノン
・デカン酸エチル
・ヘキサン酸エチル
・オクタン酸エチル
・ゲラニオール
・リナロール
・ナフタレン
・ネロール
・ローズオキシド
・TDN
発酵由来のワインの揮発性物質
発酵由来のワイン揮発性物質分析が、Gerstel MPS2多目的サンプラーを備え、Agilent 5975C VL質量選択検出器に接続されたAgilent 7890Aガスクロマトグラフで行われた。
サンプルバイアルとその内容物を攪拌しながら5分間40℃に加熱した。SPMEファイバ(ポリアクリレート)をサンプルのヘッドスペースに15分間さらした後、インジェクタ(スプリットレスモード)で15分間脱着した。インジェクタ温度は260℃に設定した。
分析された化合物は次のとおりである。
・酢酸エチル
・2−メチルプロパノール
・酢酸
・ブタノール
・プロパン酸エチル
・2−メチルプロパン酸エチル
・3−メチルブタノール
・2−メチルブタノール
・プロパン酸
・酢酸2−メチルプロピル
・ブタン酸エチル
・2−メチルプロパン酸
・2−メチルブタン酸エチル
・3−メチルブタン酸エチル
・ブタン酸
・酢酸3−メチルブチル
・酢酸2−メチルブチル
・ヘキサノール
・3−メチルブタン酸
・2−メチルブタン酸
・酢酸ヘキシル
・ヘキサン酸
・2−フェニルエタノール
・オクタン酸
・酢酸2−フェニルエチル
・デカン酸
AgilentsのChemStationソフトウェア(v E.02.02.1431)からの生データは、MassHunterデータファイルに変換され、定量分析用のMassHunterワークステーションソフトウェア(v B.04.00)を使用して処理された。サンプル中の分析物の濃度は、安定同位体希釈分析(SIDA)を使用して決定され、μg/Lで報告された。
比色分析
比色分析は、(Compendium of International Analysis Methodsから引用した)方法OIV‐MA‐AS2‐11「Determination of chromatic characteristics according to CIELab」に従って、以下の設定パラメータを用いてCIELab方法論を用いて、Cary60 UV‐Vis分光光度計を使用して行った。
Figure 2021536268
結果
オークの揮発性物質
樽バリアントのウイスキーサンプルのオーク揮発性分析(オーク風味化合物)を図2に示し、分析のスパイダーグラフを図3に示す。シスオークラクトン、トランスオークラクトン、及びオイゲノールは図3に含まれていない。データは、比較のために、対照の樽のウイスキーサンプル(T5V13)のデータに正規化されている。完全な生データと正規化データを表4と5に示す。
Figure 2021536268
Figure 2021536268
シスオークラクトン、オイゲノール、トランスオークラクトン、及びバニリンなどのオーク風味化合物の一部は、対照の樽のウイスキーサンプルと比較して、すべてのバリアント樽のウイスキーサンプルで有意に高く、バリアント樽のウイスキーサンプルは2〜10倍の間の濃度の差を示す。ただし、4−エチルグアイアコール、4−メチルグアイアコール、5−メチルフルフラール、フルフラール、及びグアイアコールを含む残りのオークの揮発性物質は、対照の樽のウイスキーサンプルと比較して、バリアント樽のウイスキーサンプルで比較的一貫していた。
典型的なワインの揮発性物質
スピリッツサンプルの典型的なワインの揮発性物質分析(風味と香り)を図4〜7に示す。データは比較のために対照の樽のウイスキーサンプル(T5V13)のデータに正規化されている。完全な生データと正規化データを表6〜9に示す。
Figure 2021536268
Figure 2021536268
Figure 2021536268
Figure 2021536268
アルファテルピネオール(樽バリアントのウイスキーサンプルT5V2)、オクタン酸エチル(樽バリアントのウイスキーサンプルT5V2及びT5V11)、デカン酸エチル(樽バリアントのウイスキーサンプルT5V11)、及びリナロール(樽バリアントのウイスキーサンプルT5V11)を除き、バリアント樽のウイスキーサンプルのすべての化合物は、対照の樽のウイスキーサンプルの±30%の濃度内であった。全体として、バリアント樽のウイスキーサンプルで達成されたワインの揮発性物質には妥当なレベルの一貫性があり、プロファイルは対照の樽のウイスキーサンプル内で表される程度を示す。
アルファテルピネオールは、このサンプルの濃度がLOQを下回った(<10μg/L)ため、図4ではT5V2に関して示されていない。比較すると、対照のアルファテルピネオールの濃度は11μg/Lであったため、正規化によって示される不一致は、図4に表示されるものほど顕著ではない。
発酵由来のワインの揮発性物質
ウイスキーサンプル中の発酵由来のワインの揮発性物質の分析結果を図8〜10に示す。データは、比較のために、対照の樽のウイスキーサンプル(T5V13)のデータに正規化されている。完全な生データと正規化データを表10〜13に示す。
Figure 2021536268
Figure 2021536268
Figure 2021536268
Figure 2021536268
酢酸、オクタン酸、デカン酸を除いて、樽バリアントのウイスキーサンプル中の発酵由来のワインの揮発性物質はすべて、対照の樽のウイスキーサンプルの±30%内の濃度であった。T5V9とT5V12を除くすべてのバリアントのウイスキーサンプルは、対照の樽のウイスキーサンプルと比較して、酢酸の濃度が40%を超える上昇を示した。さらに、すべての樽バリアントのウイスキーサンプルは、対照の樽のウイスキーサンプルと比較して、オクタン酸の濃度が30%を超える減少を示した。
全体として、すべての樽バリアントのウイスキーサンプルのワインの揮発性物質(風味/香りと発酵由来の両方)は、対照の樽のウイスキーサンプルの妥当な枠組みの範囲内にある。
比色分析
新造のウイスキーサンプルの比色分析のグラフを図11に示す。グラフィック表現(空間マップ)は、L、a、及びb座標に基づいて生成され、これらの座標は、サンプルの透明度(黒/白)、赤/緑、及び黄/青の色成分によってそれぞれ規定される。座標データと、対照データからの差とを表14に示す。
Figure 2021536268
上記のCIELabデータに基づくと、バリアント樽のウイスキーサンプルT5V12は、対照の樽のウイスキーサンプル(T5V13)に比色的に最も近いが、色調の差(ΔH*)と全体的な比色の差(ΔE)に基づくと、これらのウイスキーサンプルは実質的に類似している。バリアント樽のウイスキーサンプルT5V1〜T5V4は、図11に示すように、互いに同程度の色を示し、ある程度のクラスター化を示す。当業者は、同程度の色が望ましいが必須ではないことを理解されよう。
実施例2
様々な以前の強化樽バリアントを対象とした第2のセットの試験を行った。
設定
樽バリアントの選択は、本開示に従って調製された。選択した樽バリアントサンプルは、オークの揮発性物質、香り、ワインの揮発性物質、及び発酵由来のワインの揮発性物質などの化学分析と、比色分析とにかけられた。
対照の樽はT6V21(チャーリングなし)とT6V22(チャーリング済み)であった。樽バリアントの概要を表15及び16に示す。
Figure 2021536268
Figure 2021536268
各樽バリアントの樽板の内側の樽板表面から深さ0〜12mmで採取した一連の樽板サンプルを、500mlの新造のウイスキースピリッツに60%ABVで14日間浸した。3×100%の新しいオーク相当濃度を表した。再現性を評価するために、各樽バリアントの2つの複製を設定した。浸漬が完了したら、分析のためにサンプルを採取した。
化学分析
実施例1で行われた調査に沿って、化学分析は、樽バリアントの使用から生成されたサンプルに対して実施された。
オークの揮発性物質
オーク風味分析は、ガスクロマトグラフィ/質量分析(GC−MS)と重水素標識標準を使用して行い、樽バリアントのウイスキーサンプル中の以下の化合物の濃度を測定した。
・4−エチルグアイアコール
・4−メチルグアイアコール
・5−メチルフルフラール
・シスオークラクトン
・オイゲノール
・フルフラール
・グアイアコール
・トランスオークラクトン
・バニリン
プロセス試験の結果を図12に示す。バニリン及びシスオークラクトン(ココナッツ)と、フルフリル及び5−メチルフルフラール(カラメル/バタースコッチ)に関して差が示されている。バリアントT6V22(前のセペルッツフィールド樽、対照)は、他の処理と比較して、バニリンとシスオークラクトンのレベルが低いが、フルフリルと5−メチルフルフラールのレベルは高いことが示されている。
再現性試験の結果を図13に示す。結果は、バニリン、フルフラール、シスオークラクトンの濃度レベルに差があり、セット全体で2〜3倍の差があることを示す。
樽板プロファイリング(図14)に関しては、バニリンとシスオークラクトンに関する差が示され、バニリンはオークの深さと共に減少するように見える。
強化サンプルを使用した調査も行われた(図15)。結果は、バニリンとシスオークラクトンの変化を示す。
テストサンプル中の5−メチルフルフラールとフルフラールの濃度を図16に示す。T6V10サンプルは、T6V22サンプルとのより良い相関関係を提供した。
典型的なワインの揮発性物質
様々な典型的な香り及び風味の化合物(エステル、ノルイソプレノイド、及びモノテルペン)にわたるワインの揮発性物質を、GC−MSを使用して評価し、樽バリアントのサンプル中の揮発性化合物の濃度を特定した。これらの化合物は以下を含む。
・ダマセノン
・デカン酸エチル
・ヘキサン酸エチル
・オクタン酸エチル、及び、
・リナロール
プロセス試験、再現性試験、樽板プロファイリング、及び強化された調査の結果を、それぞれ図17、図18、図19、及び図20に示す。
プロセス試験では、デカン酸エチルとオクタン酸エチル(甘い、石鹸状)に関して差が示されている。
樽板プロファイリングでは、樽板の深さに関連する有意差は認められなかった。
強化された調査では、スピリッツの種類による差は限定的であった。
発酵由来のワインの揮発性物質
発酵由来のワインの揮発性物質分析は、Gerstel MPS2多目的サンプラーを備え、Agilent 5975C VL質量選択検出器に接続されたAgilent 7890Aガスクロマトグラフで行われた。
サンプルバイアルとその内容物を攪拌しながら5分間40℃に加熱した。SPMEファイバ(ポリアクリレート)をサンプルのヘッドスペースに15分間さらした後、インジェクタ(スプリットレスモード)で15分間脱着した。インジェクタ温度は260℃に設定した。
分析された化合物は次のとおりである。
・酢酸エチル
・2−メチルプロパノール
・酢酸
・プロパン酸エチル
・2−メチルプロパン酸エチル
・3−メチルブタノール
・2−メチルブタノール
・酢酸2−メチルプロピル
・ブタン酸エチル
・2−メチルプロパン酸
・酢酸メチルブチル
・酢酸2−メチルブチル
・3−メチルブタン酸
・2−メチルブタン酸
・ヘキサン酸エチル
・酢酸ヘキシル
・オクタン酸
・酢酸2−フェニルエチル
・デカン酸
・デカン酸エチル、及び
・オクタン酸エチル
AgilentsのChemStationソフトウェア(v E.02.02.1431)からの生データは、MassHunterデータファイルに変換され、定量分析用のMassHunterワークステーションソフトウェア(v B.04.00)を使用して処理された。サンプル中の分析物の濃度は、安定同位体希釈分析(SIDA)を使用して決定され、μg/Lで報告された。
プロセス試験、再現性試験、再現性試験、樽板プロファイリング、及び強化された調査の結果を、それぞれ図21、図22、図23、及び図24に示す。図25は、テストしたサンプルの酢酸エチルと2−メチルプロパノールの濃度に焦点を当てている。
プロセス試験では、多くの揮発性化合物がサンプルセット全体でほぼ類似の濃度で存在する。再現性試験のデータは、分析された揮発性芳香化合物に関して、プロセスが比較的再現性があることを示す。樽板プロファイリングのサンプルは、揮発性芳香プロファイルが木の4つの増分セクションで類似していることを示す。強化されたサンプルに関して、データは、揮発性芳香プロファイルが異なるサンプルタイプ間でほぼ類似していることを示す。
図27、図29、及び図31は、選択したサンプル中の酢酸、3−メチルブタノール、及び2−メチルブタノールの濃度を示す。図26、図28、図30、及び図32は、選択したバリアントのオクタン酸エチル、デカン酸エチル、及びデカン酸の濃度を示す。
官能データ
記述的分析(色、方向、味覚の属性)は、選択されたサンプルで行われた。サンプルを評価するために、評価者のパネルが召集された。すべてのパネリストは、外部のオーストラリアワイン研究所の訓練を受けた記述分析パネルのメンバーであり、飲料の記述的官能分析の豊富な経験がある。
評価者は1つのトレーニングセッションに参加して、以前に使用された属性リストに、正式なセッションでの格付けに適した記述子がまだ含まれているかどうかを判断した。このセッション中に、評価者は調査からのすべてのサンプルを評価した。スピリッツサンプルは、外観と香りのみで評価した。芳香基準が提示され、議論され、必要に応じてレシピが調整された。これらの基準は、ブースの練習セッションと正式な評価セッションでも利用できた。
トレーニングセッション終了後、正式セッションと同じ条件で、官能ブースでの練習セッションに参加した。練習セッションの後、調整が必要な用語が議論され、用語の最終リストが決定された。
正式な格付けセッションでは、サンプルは30mLのアリコートで、3桁のコードが付いた、カバー付きのISO標準ワイングラスで、22〜24℃で、日中の照明の下で隔離されたブースで、ランダムな提示順序でパネリストに提示された。各属性の強度は、0から10までの構造化されていない15cmのラインスケールを使用して格付けされ、「低」と「高」のインデントされたアンカーポイントがそれぞれ10%と90%に配置された。データは、Compusense Cloud官能評価ソフトウェア(カナダ、グエルフのCompusense社)を使用して取得した。
結果の主成分分析(PCA)プロットとレーダプロットをそれぞれ図33と図34に示す。
データから、重要な属性は次のとおりであった。
・ゴールド(色)
・オレンジの皮(香り)
・ウッディ(香り)
・甘いスパイス(香り)
このサンプルセット全体で、ドライフルーツとナッツ/穀物の香りはほぼ有意であった。
サンプルT6V20及びT6V12は、6つの主要な属性のほとんど、特にウッディ及び甘いスパイスについて比較的格付けが高かった。
データは、支配的な官能属性が、プロセスで使用されるアペラスピリッツによって影響を受けるのではなく、より木に関連している可能性があることを示唆している。結果は、サンプルセットのサイズの文脈で見ることができる。
比色分析
比色分析は、(Compendium of International Analysis Methodsから引用した)方法OIV‐MA‐AS2‐11「Determination of chromatic characteristics according to CIELab」に従って、以下の設定パラメータを用いてCIELab方法論を用いて、Cary 60UV‐Vis分光光度計を使用して行った。
Figure 2021536268
色分析は4つの領域に焦点を合わせた。
・プロセス試験−個々の(アペラ)プロセスパラメータが色にどのように影響するかに焦点を当てる。
・再現性試験−「標準」処理を使用して、色の影響に応じたプロセスがどのように再現可能か。
・樽板プロファイリング−深さ0〜12mmの「標準」タイルと比較して、処理後の木の増分3mmタイルの断面を調べて、層の効果を確認する。
・強化サンプル−アペラプロファイルを、ラム酒、ボトリチス、シェリー酒(Pedro Ximenez)、シングルモルトのプロファイルと比較する。
調査された属性は次のとおりである。
・透明度(鮮やかさの尺度)
・個々の色成分(赤/緑/黄/青)
・色濃度(色の強さ/深さ)
・色差(対照との)
結果を表18に示す。対照はT6V22であった。
Figure 2021536268
Figure 2021536268
表18では、L、a、及びbは、それぞれサンプルの透明度(黒/白)、赤/緑、及び黄/青の色成分によって規定される。彩度はCで示される。対照からの全体的な比色の差と対照からの色調の差は、それぞれΔEとΔHで表される。
再現性試験では、サンプルは、色プロファイルに関してある程度の再現性があることを示す。
樽板プロファイリングテストでは、ほとんどの色が木の最初の0〜3mmにあり、他の層はアペラ樽(T6V21)と同様に比較的中間色を有することが示される。
当業者は、同程度の色が望ましいが必須ではないことを理解されよう。

Claims (48)

  1. 木樽を調整するプロセスであって、
    (a)木樽を加熱して、木の温度を上昇させること、
    (b)前記木樽の加熱された内面を流体添加物と接触させること、
    (c)任意選択で、前記木樽の内部を加圧環境にさらして、前記流体添加物の前記木への吸収を促進すること、
    (d)任意選択で、前記木樽をさらに加熱すること、
    (e)任意選択で、ステップ(b)、(c)及び(d)の少なくとも1つを繰り返すこと、及び、
    (f)前記木樽を冷ますかまたは前記木樽を冷却して、調整された木樽を得ること、
    を含む、プロセス。
  2. 前記プロセスは、前記木樽の前記内部を加圧環境にさらして、前記流体添加物の前記木への吸収を促進するステップ(c)を行うことを含む、請求項1に記載のプロセス。
  3. 前記プロセスは、ステップ(b)及び(c)をそれぞれ2回以上行うことを含み、さらなる流体添加物が前記木に吸収される、請求項1に記載のプロセス。
  4. 前記プロセスは、ステップ(b)、(c)及び(d)をそれぞれ2回以上行うことを含む、請求項3に記載のプロセス。
  5. 前記プロセスは、ステップ(b)及び(c)をそれぞれ2回または3回または4回行うことを含む、請求項3に記載のプロセス。
  6. 前記プロセスは、ステップ(b)、(c)及び(d)をそれぞれ2回または3回または4回行うことを含む、請求項4に記載のプロセス。
  7. 前記プロセスは、ステップ(a)において、火、蒸気及び/または水を用いて木樽を加熱することを含む、請求項1〜6のいずれか1項に記載のプロセス。
  8. ステップ(a)において、前記木樽の内部温度が約150℃〜約200℃、または約160℃〜約190℃、または約160℃〜約180℃である、請求項1〜7のいずれか1項に記載のプロセス。
  9. ステップ(b)及び(c)において、前記木樽の内部温度が約150℃〜約200℃、または約160℃〜約190℃、または約160℃〜約180℃である、請求項1〜8のいずれか1項に記載のプロセス。
  10. 前記プロセスは、ステップ(b)において、前記木樽の前記内面に前記流体添加物を噴霧することを含む、請求項1〜9のいずれか1項に記載のプロセス。
  11. ステップ(c)において、前記木樽の内圧が約15psi〜約40psi、または約20psi〜約30psiである、請求項1〜10のいずれか1項に記載のプロセス。
  12. 前記プロセスは、ステップ(c)において、前記加圧環境を最大約5分間または最大約10分間維持することを含む、請求項1〜11のいずれか1項に記載のプロセス。
  13. 前記プロセスは、前記木樽をさらに加熱するステップ(d)を行うことを含む、請求項1〜12のいずれか1項に記載のプロセス。
  14. 前記プロセスは、ステップ(d)において前記木樽を火で加熱することを含む、請求項13に記載のプロセス。
  15. 前記プロセスは、ステップ(d)において前記木樽を最大約10分間または最大約20分間加熱することを含む、請求項13または請求項14に記載のプロセス。
  16. 前記流体添加物は、液体添加物であり、ステップ(d)で前記木樽を加熱することにより、木の内部の前記液体添加物が酸化及び/または濃縮される、請求項13〜15のいずれか1項に記載のプロセス。
  17. 前記プロセスは、ステップ(a)の前に、
    ・前記木樽の内面を熱湯または蒸気と接触させるステップ、
    ・前記木樽の内面を剃るステップ、
    ・前記木樽を形状変更することまたはサイズ変更するステップ、及び、
    ・前記木樽の前記内面をトースティング及び/またはチャーリングするステップ、
    のいずれか1つまたは複数を任意の順序で行うことを含む、請求項1〜16のいずれか1項に記載のプロセス。
  18. 前記プロセスは、ステップ(a)の前に、前記木樽の前記内面をトースティング及び/またはチャーリングすることを含む、請求項17に記載のプロセス。
  19. 前記木樽の前記内面は、最大約60秒間、火によってチャーリングされる、請求項18に記載のプロセス。
  20. 前記流体添加物は、液体添加物である、請求項1〜19のいずれか1項に記載のプロセス。
  21. 前記液体添加物は、アルコール性液体である、請求項20に記載のプロセス。
  22. 前記液体添加物は、ワインまたは酒精強化ワインまたは蒸留酒である、請求項21に記載のプロセス。
  23. 前記液体添加物は、風味である、請求項20に記載のプロセス。
  24. 前記プロセスは、液体添加物を含み、ステップ(b)において、前記液体添加物を前記木樽の前記加熱された内面に接触させる前に加熱することをさらに含む、請求項1〜23のいずれか1項に記載のプロセス。
  25. 前記液体添加物は、ステップ(b)において、前記木樽の前記加熱された内面に接触させる前に、約60℃〜約75℃に加熱する、請求項24に記載のプロセス。
  26. 前記流体添加物は、気体である、請求項1〜19のいずれか1項に記載のプロセス。
  27. 前記気体は、ピートスモークである、請求項26に記載のプロセス。
  28. 前記気体は、ウッドスモークである、請求項26に記載のプロセス。
  29. 前記木樽は、オークからなる、請求項1〜28のいずれか1項に記載のプロセス。
  30. 前記オークは、アメリカ及び/またはヨーロッパのオークである、請求項29に記載のプロセス。
  31. 前記木樽は、バージン木材からなる、請求項1〜30のいずれか1項に記載のプロセス。
  32. 前記木樽は、以前にワインまたは蒸留酒の製造に使用されていた、請求項1〜30のいずれか1項に記載のプロセス。
  33. 前記木樽は、酒精強化ワインの製造に使用されたことはない、請求項1〜32のいずれか1項に記載のプロセス。
  34. 前記流体添加物は、液滴または粒子の形態である、請求項1〜19のいずれか1項に記載のプロセス。
  35. 前記流体添加物は、噴霧スプレーの形態である、請求項1〜19のいずれか1項に記載のプロセス。
  36. 木樽を調整するプロセスであって、
    (i)木樽の内部に袋及び液体添加物を、所定の時間、入れて、前記液体添加物の木への吸収を促進すること、
    を含み、
    前記袋は、前記木樽の内容積を減少させて、前記液体添加物が前記木樽の内面に接触するようにする、プロセス。
  37. 前記袋は、前記液体添加物に圧力を加えて前記流体添加物の前記木への吸収を促進するのに十分な前記木樽の前記内部の容積を占める、請求項36に記載のプロセス。
  38. 前記袋は、拡張可能である、請求項36または37に記載のプロセス。
  39. 前記袋は、気体を含む、請求項36〜38のいずれか1項に記載のプロセス。
  40. 前記袋は、液体を含む、請求項36〜38のいずれか1項に記載のプロセス。
  41. 前記プロセスは、ステップ(i)において、前記液体添加物を前記木樽に入れる前に、前記袋を前記木樽に入れておくことを含む、請求項36〜40のいずれか1項に記載のプロセス。
  42. 前記プロセスは、ステップ(i)において、前記袋を前記木樽に入れる前に、前記液体添加物を前記木樽に入れておくことを含む、請求項36〜41のいずれか1項に記載のプロセス。
  43. 前記プロセスは、ステップ(i)において、約2ヶ月〜約24ヶ月の期間、前記木樽の前記内面を前記液体添加物と接触させることを含む、請求項36〜42のいずれか1項に記載のプロセス。
  44. 前記プロセスは、請求項1〜35のいずれか1項に記載のプロセスの前に行われる、請求項36〜43のいずれか1項に記載のプロセス。
  45. 請求項1〜44のいずれか1項に記載のプロセスによって製造される調整済み木樽。
  46. 前記木樽は、酒精強化ワインを用いた従来の調整プロセスによって製造された木樽と同じまたは類似の官能特性及び/または化学的特性を、前記木樽が飲料の製造に使用されるときに前記飲料に与える、請求項45に記載の木樽。
  47. 熟成した蒸留酒の製造のための請求項45または46に記載の木樽の使用。
  48. ウイスキーの製造のための請求項47に記載の木樽の使用。
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