図1は、多関節ロボット110及び補足計測位置座標決定システム150を含むロボットシステム100の第1の例示的な実施例のブロック図である。補足計測位置座標決定システム150は、以下で更に詳しく記載するように、動作位置合わせサブシステム処理回路/ルーチン190に接続された位置合わせセンサASenを少なくとも含む動作位置合わせサブシステムOASの第1の例示的な実施例を含むように示されている。
多関節ロボット110は、第1及び第2のアーム部120及び130、第1及び第2の回転継手125及び135、位置センサSEN1及びSEN2、エンドツール構成ETCN、並びにロボット移動制御及び処理システム140を含む。第1のアーム部120は、第1のアーム部120の近位端PE1において第1の回転継手125に実装されている。第1の回転継手125(例えば支持ベース部BSEの上端に位置付けられている)は、z軸方向に沿って位置合わせされた回転軸RA1を有し、第1のアーム部120が第1の回転継手125を中心としてz軸に直交するxy面内で移動するようになっている。第1のアーム部120の遠位端DE1に第2の回転継手135が位置付けられている。第2の回転継手135は、z軸方向に沿ってノミナルに位置合わせされた回転軸RA2を有する。第2のアーム部130は、第2のアーム部130の近位端PE2において第2の回転継手135に実装されて、第2のアーム部130が第2の回転継手135を中心としてz軸にノミナルに直交するxy面内で移動するようになっている。様々な実施例において、第1及び第2の回転継手125及び135を中心とした第1及び第2のアーム部120及び130の角度位置(すなわちxy面内)をそれぞれ決定するため、位置センサSEN1及びSEN2(例えば回転エンコーダ)を利用することができる。
様々な実施例において、エンドツール構成ETCNは、Z移動機構ZMM、Zアーム部ZARM、位置センサSEN3、及び、エンドツールETLに結合するエンドツール結合部ETCPを含むことができる。様々な実施例において、エンドツールETLは、エンドツール検知部ETSNと、(例えばワークピースWPの表面に接触するための)測定点MPを備えたエンドツールスタイラスETSTと、を含むことができる。Z移動機構ZMMは、第2のアーム部130の遠位端DE2の近傍に位置付けられている。Z移動機構ZMM(例えばリニアアクチュエータ)は、Zアーム部ZARMをz軸方向で上下に移動させるように構成されている。いくつかの実施例において、Zアーム部ZARMは、z軸方向に平行な軸を中心として回転するよう構成することも可能である。いずれの場合であっても、エンドツールETLは、エンドツール結合部ETCPに結合され、対応する座標(例えばx座標、y座標、及びz座標)を持つ対応するエンドツール位置ETPを有する。様々な実施例において、エンドツール位置ETPは、Zアーム部ZARMの遠位端DE3に対応するか又は遠位端DE3の近傍とすることができる(例えば、エンドツール結合部ETCPにあるか又はその近傍にある)。
移動制御システム140は、ロボット精度として規定された精度レベルでエンドツールETLのエンドツール位置ETPを制御するように構成されている。より具体的には、移動制御システム140は概して、少なくとも部分的に、位置センサSEN1及びSEN2を用いて第1及び第2の回転継手125及び135を中心とした第1及び第2のアーム部120及び130の角度位置(すなわちxy面内)を検知及び制御することに基づいて、エンドツール位置ETPのx座標及びy座標をロボット精度で制御するように構成されている。様々な実施例において、移動制御及び処理システム140は第1及び第2の回転継手制御及び検知部141及び142を含むことができ、これらは、第1及び第2のアーム部120及び130の角度位置を検知するため位置センサSEN1及びSEN2からそれぞれ信号を受信する、及び/又は第1及び第2のアーム部120及び130を回転させるため第1及び第2の回転継手125及び135における制御信号を(例えばモータ等に)提供できる。
更に、移動制御システム140は概して、少なくとも部分的に、Z移動機構ZMM及び位置センサSEN3を用いてZアーム部ZARMの線形位置(すなわちz軸に沿った)を検知及び制御することに基づいて、エンドツール位置ETPのz座標をロボット精度で制御するように構成されている。様々な実施例において、移動制御及び処理システム140はZ移動機構制御及び検知部143を含むことができ、これは、Zアーム部ZARMの線形位置を検知するため位置センサSEN3から信号を受信する、及び/又はZアーム部ZARMのz位置を制御するためZ移動機構ZMM(例えばリニアアクチュエータ)に制御信号を提供できる。
また、移動制御及び処理システム140は、エンドツール検知部ETSNから信号を受信することができる。様々な実施例において、エンドツール検知部ETSNは、ワークピースWPを検知するためのエンドツールETLの動作に関連した回路及び/又は構成を含み得る。以下で更に詳しく記載されるように、様々な実施例において、エンドツールETL(例えばタッチプローブ、スキャンプローブ、カメラ等)は、ワークピースWP上の表面ロケーション/位置/ポイントに接触するため又は他の方法でそれらを検知するために利用され、これに対応した様々な信号がエンドツール検知部ETSNによって受信、決定、及び/又は処理され、エンドツール検知部ETSNは対応する信号を移動制御及び処理システム140に提供することができる。様々な実施例において、移動制御及び処理システム140はエンドツール制御及び検知部144を含むことができ、これは、エンドツール検知部ETSNに制御信号を提供する及び/又はエンドツール検知部ETSNから検知信号を受信することができる。様々な実施例において、エンドツール制御及び検知部144とエンドツール検知部ETSNはマージされる及び/又は区別できない場合がある。様々な実施例において、第1及び第2の回転継手制御及び検知部141及び142、Z移動機構制御及び検知部143、並びにエンドツール制御及び検知部144は全て、ロボット位置処理部145に出力を提供する及び/又はロボット位置処理部145から制御信号を受信することができる。ロボット位置処理部145は、ロボット移動制御及び処理システム140の一部として、多関節ロボット110及び対応するエンドツール位置ETPの全体的な配置を制御及び/又は決定できる。
様々な実施例において、補足計測位置座標決定システム150は、多関節ロボット110と共に含めるか又は他の方法で多関節ロボット110に追加することができる(例えば、既存の多関節ロボット110に追加するための改造構成の一部として等)。一般に、補足計測位置座標決定システム150は、エンドツール位置ETPの決定における精度レベルを向上させるために利用できる。より具体的には、以下で更に詳しく記載されるように、補足計測位置座標決定システム150を用いて、少なくともz軸に直交するxy面内のx及びy計測位置座標について、エンドツール位置ETPの計測位置座標を示す相対位置を、ロボット精度よりも良好な精度レベルで決定することができる。
図1に示されているように、補足計測位置座標決定システム150は、第1の撮像構成160、XYスケール170、画像トリガ部181、及び計測位置座標処理部185を含む。第1の撮像構成160は静止要素STEに結合されている。様々な実施例において、静止要素STEは、多関節ロボット110の動作可能な作業範囲OPVの少なくとも一部よりも上方に配置されたフレームを含むことができ、第1の撮像構成160は、動作可能な作業範囲OPVの一部よりも上方でこのフレームに固定されている。様々な実施例において、静止要素STEは、静止要素STEを多関節ロボット110に対して固定位置に(例えば固定の位置及び/又は向きで)維持するための1つ以上の構造支持要素SSP(例えば床や天井等から延出している)を含み得る。
第1の撮像構成160は第1のカメラCAM1を含み、z軸に対して平行に位置合わせされた光軸OA1を有する(例えばロボット精度に基づいてノミナルに位置合わせされるか、又は位置合わせセンサ信号に基づいて更に良好な精度で位置合わせされている)。第1の撮像構成160は、光軸OA1に沿った有効合焦範囲REFPを有する。様々な実施例において、範囲REFPは第1及び第2の有効合焦位置EFP1及びEFP2によって画定できる。これについては以下で更に詳しく記載する。所与の時点で、第1の撮像構成160は、範囲REFP内に収まる有効合焦位置EFPを有する。可変焦点距離(VFL)レンズが使用される実施例では、範囲REFPはVFLレンズの合焦範囲に対応し得る。
様々な実施例において、使用されるVFLレンズは可変音響式屈折率分布型(TAG:tunable acoustic gradient index of refraction)レンズとすることができる。このようなTAGレンズの一般的な動作に関して、様々な実施例では、レンズコントローラ(例えば第1の撮像構成制御及び画像処理部180に含まれる)が、迅速にTAGレンズの屈折力を周期的に調整又は変調して、250kHz、又は70kHz、又は30kHz等の(すなわちTAGレンズ共振周波数の)周期的変調が可能な高速TAGレンズを達成することができる。このような構成では、第1の撮像構成160の有効合焦位置EFPを、範囲REFP(例えば自動合焦サーチ範囲)内で(迅速に)移動させることができる。有効合焦位置EFP1(又はEFPmax)はTAGレンズの最大屈折力に対応し、有効合焦位置EFP2(又はEFPmin)はTAGレンズの負の最大屈折力に対応し得る。様々な実施例において、範囲REFPの中央はEFPnomと示され、TAGレンズのゼロの屈折力に対応し得る。
様々な実施例では、このようなVFLレンズ(例えばTAGレンズ)及び対応する範囲REFPを好都合に選択することで、この構成は、有効合焦位置EFPを変更するための第1の撮像構成160の巨視的機械的調整及び/又はコンポーネント間の距離の調整の必要性を限定又は排除することができる。例えば、第2のアーム部130の遠位端DE2において未知の量の傾斜又は「たわみ(sag)」が発生する可能性のある(例えば、第1及び第2のアーム部120及び130の重さ及び/又は特定の向き等に起因して)実施例では、第1の撮像構成160からXYスケール170までの精密な合焦距離は未知である及び/又はアームの異なる向き等によって変動する可能性がある。このような構成では、有効合焦位置EFPをスキャンするか又は他の方法で調整してXYスケール170を特定し正確に合焦を実行できるVFLレンズを利用することが望ましい場合がある。
様々な実施例において、XYスケール170は、ノミナルで平面状の基板SUB(図4に示されている)を含む。平面状の基板SUBとノミナルで一致するようにスケール面が規定され、このスケール面に垂直な方向をスケール撮像軸方向SIAとして規定することができる。図示されている実施例において、XYスケール170は、スケール撮像軸方向SIAが第1の撮像構成160の光軸OA1と少なくともノミナルで位置合わせされる(すなわち平行である)動作構成に位置合わせされている。
いくつかの実施例では、動作位置合わせサブシステムOASの動作位置合わせアクチュエータ構成AActを省略する(又は使用しない)ことがあり、多関節ロボット110の1つ以上の姿勢(pose)において、スケール撮像軸方向SIAは単に光軸OA1及び/又はz軸とノミナルに位置合わせされる(例えばロボット精度に基づいて)。このような位置合わせは「受動的」又は開ループであり、小さいたわみ/傾きの位置ずれ角度MisAng(例えば図2Bに示されている)に関連した小さい位置合わせ誤差が発生し得ることは認められよう。これは、図1に示されている多関節ロボット110のロボット精度、及び/又はこのロボットの様々な姿勢において重力の結果生じる不可避のロボット変形に基づくか又はそれらに起因するものである。本明細書で用いられる慣習に従って、このような小さい位置合わせ誤差は、本明細書で概説される様々な実施例における「名目」動作構成の規定内及び/又は「名目」位置合わせの規定内に収まると見なすことができる。
しかしながら、他の実施例では、動作位置合わせアクチュエータ構成AAct(例えば図1に示されている別個の動作位置合わせアクチュエータ構成AAct)が動作位置合わせサブシステムOASに含まれ、使用される。このような実施例では、位置合わせセンサからの信号(光軸OA1に対して既知の及び/又は安定した位置合わせを有する)に基づいて、動作位置合わせアクチュエータ構成AActは、多関節ロボット110の動作中の1又は複数の所望の時点で、多関節ロボット110の1つ以上の姿勢においてスケール撮像軸方向SIAを光軸OA1と能動的に位置合わせすることができる。このような位置合わせが能動的又は閉ループであり、多関節ロボット110の動作中の1又は複数の所望の時点で上述の小さいたわみ/傾斜の位置ずれ角度MisAngに応じた小さい位置合わせ誤差を能動的に補正できることは認められよう。図示されている実施例において、位置合わせ誤差を能動的に補正するには、位置合わせ制御部192で発生した1又は複数の位置合わせ制御信号AContを用いて、位置合わせセンサASenにより与えられた1又は複数の位置合わせ信号Asigに基づいて可動XYスケール170の位置合わせを調整するように別個の動作位置合わせアクチュエータ構成AActを制御し、位置合わせ信号Asigで示されるように、光軸OA1及びスケール撮像軸方向SIAが平行に配置されるXYスケール170及び第1の撮像構成160の動作構成を提供すればよい。
先に概説したように、図1に示されている実施例において、動作位置合わせサブシステムOASは、位置合わせセンサASen、別個の動作位置合わせアクチュエータAAct、及び動作位置合わせサブシステム処理回路/ルーチン190を含む。動作位置合わせサブシステム処理回路/ルーチン190は少なくとも位置合わせ信号処理部191を含み、これは、位置合わせセンサAsenの1もしくは複数の位置合わせ信号Asigのための主な信号調節及び/又は補正、及び/又は、1もしくは複数の位置合わせ信号Asigに対応する位置ずれ角度/ベクトルもしくは残留位置ずれ角度/ベクトルを決定する解析を行う信号処理を実行することができる。これについては以下で更に詳しく記載する。
動作位置合わせサブシステムOASが何らかの形態の動作位置合わせアクチュエータAActを含む実施例では、動作位置合わせサブシステム処理回路/ルーチン190は更に位置合わせ制御部192を含む。位置合わせ制御部192は概して、位置合わせセンサASenにより与えられる1又は複数の位置合わせ信号Asigに基づいてXYスケール又は第1の撮像構成のうち可動のものの位置合わせを調整するように構成されており、これによって、(例えば上記で概説したように)位置合わせ信号Asigで示されるように、第1の撮像構成の光軸(例えばOA1)及びスケール撮像軸方向SIAが平行に配置されるXYスケール及び第1の撮像構成の動作構成を提供する。
図1に示され、上記で概説された動作位置合わせサブシステム処理回路/ルーチン190の構成は、単なる例示であって限定ではないことは認められよう。様々な実施例において、位置合わせサブシステム処理回路/ルーチン190の様々な部分は、外部制御システムECSの外部に(例えば動作位置合わせセンサASenに)配置することができるか、又は補足計測位置座標決定システム150の他の部分(例えば部分185及び/又は187)とマージされる及び/又は区別できない場合がある。いくつかの実施例では、動作位置合わせサブシステム処理回路/ルーチン190は、本明細書に開示されている様々な動作原理又は機能を実施するため、破線193で示されるように、ロボット移動及び制御処理システム140と位置及び/又は位置合わせ情報及び/又は制御信号を交換することができる。本明細書に開示されている原理に従った様々な動作位置合わせサブシステムOASの前述の態様及び他の態様については、以下で追加の図を参照して更に詳しく記載する。
XYスケール170は、基板SUB上に分散した複数のそれぞれ撮像可能な要素を含み得る。それぞれ撮像可能な要素は、XYスケール170上の既知のx及びyスケール座標に配置されている。様々な実施例において、XYスケール170は、図4及び図5を参照して以下で更に記載されるように、インクリメンタルスケール又はアブソリュートスケールとすることができる。
様々な実施例において、画像トリガ部181及び/又は計測位置座標処理部185は、外部制御システムECSの一部として(例えば外部コンピュータ等の一部として)含めることができる。画像トリガ部181は、第1の撮像構成制御及び処理部180の一部として含めることができる。様々な実施例において、画像トリガ部181は、エンドツール位置ETPに関連した少なくとも1つの入力信号を入力し、この少なくとも1つの入力信号に基づいて第1の撮像トリガ信号のタイミングを決定し、更に、この第1の撮像トリガ信号を第1の撮像構成160に出力するよう構成されている。様々な実施例において、第1の撮像構成160は、第1の撮像トリガ信号の受信に応答して、画像取得時点でXYスケール170のデジタル画像を取得するよう構成されている。様々な実施例において、計測位置座標処理部185は、取得された画像を入力し、XYスケール170の取得された画像に含まれる少なくとも1つの撮像可能要素及び関連する既知のXYスケール座標位置を識別するように構成されている。様々な実施例において外部制御システムECSは、対応するモードを実施するため、標準ロボット位置座標モード部147及び補足計測位置座標モード部187も含むことができる。これらについては以下で更に詳しく記載する。
様々な実施例において、第1の撮像構成160は、カメラCAM1の画像積分を定期的に(例えば設定されたタイミング間隔で)活性化するコンポーネント(例えばサブ回路、ルーチン等)を含むことができ、第1の撮像トリガ信号は、ストロボ光タイミング、又は事実上動きを止めると共に対応して積分期間内の露光を決定する他の機構を活性化できる。このような実施例では、積分期間中に第1の撮像トリガ信号が受信されない場合、得られる画像を破棄することができ、積分期間中に第1の撮像トリガ信号が受信された場合、得られる画像をセーブする及び/又は他の方法で処理/解析して相対位置を決定することができる。これについては以下で更に詳しく記載する。
様々な実施例において、異なるタイプのエンドツールETLは、画像トリガ部181に対して使用され得る異なるタイプの出力を提供できる。例えば、エンドツールETLが、ワークピースを測定するために使用されるタッチプローブであり、ワークピースに触れるとタッチ信号を出力する実施例では、画像トリガ部181は、そのタッチ信号又はそれから導出された信号を少なくとも1つの入力信号として入力し、それに基づいて第1の撮像トリガ信号のタイミングを決定するように構成できる。別の例として、エンドツールETLが、ワークピースを測定するために使用されるスキャンプローブであり、各サンプルタイミング信号に対応した各ワークピース測定サンプルデータを与える実施例では、画像トリガ部181は、その各サンプルタイミング信号又はそれから導出された信号を少なくとも1つの入力信号として入力するように構成できる。別の例として、エンドツールETLが、各ワークピース画像取得信号に対応した各ワークピース測定画像を与えるために使用されるカメラである実施例では、画像トリガ部181は、そのワークピース画像取得信号又はそれから導出された信号を少なくとも1つの入力信号として入力するように構成できる。
図1の例示的な実施例において、補足計測位置座標決定システム150は、第2のアーム部130の遠位端DE2の近傍で第2のアーム部130に結合されたXYスケール170と、静止要素STE(例えば多関節ロボット110よりも上方に配置されたフレーム)に結合されると共に第1の参照位置REF1を規定する第1の撮像構成160と、を用いて構成されている。代替的な実施例では(例えば以下で図3を参照して更に詳しく記載されるように)、補足計測位置座標決定システムは、第2のアーム部130の遠位端DE2の近傍で第2のアーム部130に結合された第1の撮像構成160と、静止要素STEに結合されると共に第1の参照位置REF1を規定するXYスケール170と、を用いて構成されている。
いずれの場合であっても、以下で更に詳しく記載するように、z軸に沿ったXYスケール170の位置は、第1の撮像構成160の合焦の範囲内であり(例えば合焦位置はVFLレンズによって又は他の方法で調整され得る)、補足計測位置座標決定システム150は、取得した画像内で識別された少なくとも1つの撮像可能要素の画像位置の決定に基づいて、計測位置座標処理部185が、XYスケール170又は第1の撮像構成160のうち可動のものと第1の参照位置REF1との相対位置(例えばx及びy座標を含む)をロボット精度よりも良好な精度レベルで決定するように動作可能であるよう構成されている。決定された相対位置は、画像取得時点におけるエンドツール位置ETPの計測位置座標について、少なくともz軸の横断方向又は直交方向であるxy面内のx及びy計測位置座標をロボット精度よりも良好な精度レベルで示す。様々な実施例において、補足計測位置座標決定システム150は、決定された相対位置、及び、エンドツール位置ETPとXYスケール170又は第1の撮像構成160のうち可動のものとの間の既知の座標位置オフセット(x及びy座標オフセット)に基づいて、画像取得時点におけるエンドツール位置ETPの計測位置座標を決定するように構成できる。このようなシステムが種々の代替的なシステムよりも優れたいくつかの利点を有し得ることは認められよう。例えば様々な実施例において、本明細書に開示されるようなシステムは、ロボット移動/位置を追跡するためにレーザトラッカ又は写真測量法のような技術を利用する代替的なシステムに比べて、小型である及び/又は低費用である可能性があり、更に、いくつかの実施例では精度が高い可能性もある。また、開示されるシステムは、動作可能な作業範囲OPVのどの部分も占有したり覆い隠したりしないが、代替的なシステムは、ワークピースに作業及び/又は検査等が実行される可能性のあるエリア(例えば動作可能な作業範囲)内の地上もしくはステージ上もしくは他の場所に、スケール又は基準を含むことがある。
図2A及び図2Bは、第1の撮像構成160及び動作位置合わせサブシステムOASの位置合わせセンサASenが静止要素STE(例えば図1の静止要素STE)に結合されている、図1のロボットシステム100と同様のロボットシステム200の第2の例示的な実施例の等角投影図である。図2Bは、図2Aのロボットシステムの等角投影図であり、位置合わせセンサASenによって示すことができるいくつかの誤差を示している。
図2A及び図2Bのいくつかの番号を付けたコンポーネント(例えば1XX又は2XX)は、図1の同一又は同様の番号を付けた対応するコンポーネント(例えば1XX)に相当する及び/又はそれらと同様の動作を有し、それらと同様又は同一であると理解することができ、そうでなければ類推によって及び以下で記載するように理解され得ることは認められよう。同様の及び/又は同一の設計及び/又は機能を有する要素を示すためのこの番号付けスキームは、同一の又は同様の番号を付けた対応するコンポーネントを含む本明細書の他の様々な図にも適用される。場合によっては、後の図における明らかに同様の又は同一の要素の参照番号を省略することで、視覚的な混乱を回避すると共に、それらの後の図で導入される新たな要素又は異なる要素をいっそう明確に図示し強調する。このような同様の又は同一の要素は、様々な図において、記載又は文脈で指示される場合を除いて前述の記載からの類推により認識及び理解することができる。
図2A及び図2Bの構成では、図1に示されている動作位置合わせアクチュエータ構成AActは省略され、XYスケール170は第2のアーム部130の遠位端DE2の近傍で第2のアーム部130に結合されている。様々な実施例において、図1を参照して上述したように、第1の撮像構成160が結合されている静止要素STEは、多関節ロボット110よりも上方に配置されたフレームを含み得る。様々な実施例において、多関節ロボット110のコンポーネントのいくつかの移動、座標、及び角度に言及するため、異なる参照軸及び参照線を指定することがある。例えば、第1及び第2のアーム部120及び130には、各アーム部の中心を通る水平中心線CL1及びCL2をそれぞれ指定できる。第1のアーム部120の中心線CL1とxz面との間に生じる角度A1を指定できる(例えば、第1の回転軸RA1を中心とする第1の回転継手125の回転量に従って)。第1のアーム部120の水平中心線CL1と第2のアーム部130の水平中心線CL2との間に生じる角度A2を指定できる(例えば、第2の回転軸RA2を中心とする第2の回転継手135の回転量に従って)。
様々な実施例において、エンドツール構成ETCNは、第2のアーム部130の遠位端DE2の近傍で第2のアーム部130に結合することができ、第2のアーム部130の中心線CL2とノミナルで交差するエンドツールETLのエンドツール軸EAを有することを指定でき、エンドツール軸EAは一般に、回転軸RA2及びz軸に平行であると仮定される。様々な実施例において、エンドツール軸EAはエンドツール位置ETPを通り、XYスケール170からの既知の座標位置オフセットを有する(すなわちx及びy座標)。これに応じて、エンドツール位置ETPとXYスケール170との間には既知の座標位置オフセットが存在し得る。例えばXYスケール170は、(例えばXYスケール170の中心又はエッジに)指定された参照点を有することができ、この参照点は、エンドツール軸EAから、及び、これに応じてエンドツール位置ETPから、xy面内で既知の座標位置オフセット(例えば既知の距離)を有する。様々な実施例において、このような既知の座標位置オフセットは、既知のxオフセット及び既知のyオフセットで表現することができる。
様々な実施例において、エンドツール位置ETPとXYスケール170との間の既知の座標位置オフセットは、エンドツール位置ETPの計測位置座標を決定するためのプロセスの一部として利用できる。更に具体的には、上述のように、補足計測位置座標決定システム150は、取得した画像内で識別された(すなわちXYスケール170の)少なくとも1つの撮像可能要素の画像位置の決定に基づいて、計測位置座標処理部185が、XYスケール170と第1の参照位置REF1(すなわち静止している第1の撮像構成160によって規定される)との間の相対位置を決定するように動作するよう構成できる。補足計測位置座標決定システム150は更に、決定された相対位置、及び、エンドツール位置ETPと可動XYスケール170との間の既知の座標位置オフセットに基づいて、エンドツール位置ETPの計測位置座標を決定するように構成できる。1つの具体的な例示の実施例では、エンドツール位置ETPの計測位置座標を決定するため、既知の座標位置オフセット(例えば、既知のxオフセット及び既知のyオフセットで表現される)を、決定された相対位置に加算するか又は他の方法でこれと組み合わせることができる。
1つの具体的な例示の位置座標構成として、XYスケール170は、参照位置(例えば原点位置)をX0、Y0、Z0に有することを指定できる(例えば原点位置は0、0、0の値を有し得る)。このような構成では、参照位置REF1(すなわち静止している第1の撮像構成160によって規定される)は相対座標X1、Y1、Z1に存在し、これに対応する視野FOV1(例えば取得された画像に対応する)の中心は相対座標X1、Y1、Z0に存在し得る。XYスケール170から延出するxy面内のエンドツール軸EAの位置は、相対座標X2、Y2、Z0を有すると指定できる。エンドツール位置ETPは座標X2、Y2、Z2を有すると指定できる。様々な実施例において、エンドツールETLは、座標X3、Y3、Z3を有すると指定できる測定点MP(例えばワークピースに接触するためのエンドツールスタイラスETSTの端部にある)を有し得る。エンドツールETLの測定点MPがエンドツールの残り部分に対してx方向又はy方向に変動しない実施例では、X3及びY3座標はそれぞれX2及びY2座標に等しい可能性がある。
1つの具体的な例示の実施例では、取得された画像を計測位置座標処理部185によって解析して、相対位置を決定することができる(例えば、静止している第1の撮像構成160の視野FOV1の中心に対応するX1、Y1座標を決定する)。このような決定は、(例えばスケールに対するカメラの位置を決定するための)標準的なカメラ/スケール画像処理技法に従って実行できる。このような技法の様々な例が、米国特許第6,781,694号、第6,937,349号、第5,798,947号、第6,222,940号、及び第6,640,008号に記載されている。これらの各々は援用により全体が本願に含まれる。様々な実施例では、このような技法を用いて、スケール範囲内(例えばXYスケール170内)の視野の位置(例えばカメラの位置に対応している)を決定できる。様々な実施例において、このような決定は、XYスケール170の取得された画像内に含まれる少なくとも1つの各撮像可能要素及びそれに関連した各既知のXYスケール座標位置を識別することを含み得る。このような決定は、XYスケール170と第1の参照位置REF1(すなわち静止している第1の撮像構成160によって規定される)との間の相対位置を決定することに対応し得る。次いで、エンドツール位置ETPとXYスケール170との間の既知の座標位置オフセットに従って、相対X2、Y2座標(すなわちエンドツール位置ETPの)を決定することができる(例えば、X2及びY2を決定するためX1及びY1にx及びy位置オフセット値を加算する)。
先に概説したように、図2A及び図2Bが示す実施例では、第1の撮像構成160及び動作位置合わせサブシステムOASの位置合わせセンサASenが静止要素STEに結合され、XYスケール170が可動第2のアーム部130に結合されている。位置合わせセンサASenは第1のカメラCAM1の近傍に配置され、既知の方法に従って、第1のカメラCAM1及び第1の撮像構成160に対して剛性構成に実装されている。この剛性構成では、位置合わせセンサASenにより出力される位置合わせビームABeamを、第1の撮像構成160の光軸OA1と平行に又はほぼ平行に位置合わせすることが望ましい。このような事例において、位置合わせビームABeamがXYスケールに対して垂直に位置合わせされている場合、必要に応じてスケール撮像軸方向SIAを光軸OA1に対して平行に位置合わせして、本明細書に開示され特許請求される原理に従って所望の動作構成を確立する。しかしながら、位置合わせビームABeam及び光軸OA1がほぼ平行であるに過ぎない場合、実際的な結果として、様々な用途では、重要でないか又は補償の対象となる可能性のある一定のオフセット誤差が生じる。
説明のため、図2Aは名目動作構成の理想的な事例を示している。これは、本明細書において前述した慣習によれば、受動的又は開ループの位置合わせ構成であり、XYスケール170に対して垂直に規定されたスケール撮像軸方向SIA及び光軸OA1は、セットアップ手順中に相互に対してノミナルで平行にセットアップされ、その後この構成で動作する。図示されている理想的な事例では、ロボットシステム200の様々なアーム部に大きいたわみ又はねじれは存在せず、所望の動作構成(XYスケール170に対して垂直に規定されたスケール撮像軸方向SIAが光軸OA1に対して平行に位置合わせされている)が一度セットアップされると、この所望の動作構成は、たわみ又はねじれ等による残留位置ずれMisAngが存在しない状態で、図示されている位置において及びロボットシステム200の他の位置において維持される。
位置合わせセンサASenは、名目又は参照の向きに対して限られた範囲内の残留位置ずれMisAng(図2Bに示されている)でXYスケールに対する垂直方向を決定するのに適した任意のタイプのものとすればよい。図示されている実施例において、所望の動作構成は、反射位置合わせビームABeamRがXYスケール170上の位置合わせ反射要素ARFから反射して、出力位置合わせビームABeamと同一の経路に沿って位置合わせセンサAsenに戻り、ヌル又は参照位置で位置合わせセンサAsenの検出器に入射することに対応する。これにより、残留位置ずれを示さない(MisAng=0)前述の位置合わせ信号ASigのヌル又は参照信号値が発生する。位置合わせセンサASenにおいて使用できる例示的な構成については、以下で図14を参照して更に説明する。XYスケール170及び位置合わせ要素ARFに使用できる例示的な構成については、以下で図4及び図5を参照して更に説明する。
可動XYスケールは、エンドツール実装構成ETMC、エンドツールETL、(例えばエンドツール位置ETP)、及びエンドツールETLの測定点MPに対して剛性関係に構成されていることは認められよう。このため、XYスケール170とエンドツール位置ETP及び/又は測定点MPとの間の座標オフセットは一定であり、較正することができる。更に、位置合わせセンサAsenによって定量的に示され得る限られた範囲内の残留位置ずれMisAngにおいて、エンドツールETLの残留位置ずれ(例えば位置ずれ角度又はベクトル)を知ることができ、示された残留位置ずれに基づいて、対応するエンドツール位置ETP及び/又は測定点MPの位置ずれ又は誤差を決定し、少なくとも部分的に補正又は補償できることは認められよう。これについては以下で図2Bを参照して更に詳しく記載する。
図2Bは、図2Aに示されているものと同じ構成を示すが、ロボットシステム200の様々なアーム部が著しい量のたわみ又はねじれ(例えば数十又は数百ミクロンのオーダー)を有する理想的でない事例すなわち実例である。先に概説した慣習に従って、この構成も、予想された又は指定された名目範囲内のロボット精度(例えば、様々な従来技術のロボットシステムで予想及び/又は許容されている)の配置及び測定結果を提供する名目動作構成を与えるものとして説明できる。
図2Bに示されている現実の事例では、ロボットシステム200の様々なアーム部は著しいたわみ及び/又はねじれを有し、この結果、XYスケール170は対応する残留位置ずれMisAng(例えば残留位置ずれ角度)に偏向する。多くの実際のロボットシステムでは、このような残留位置ずれMisAngの角度は小さく、XYスケール170は、残留位置ずれMisAngによってX及びYに著しく変位することなくZに著しく変位する可能性がある。従って、図2Aに比べて光軸OA1は、同一のX及びY座標(X1、Y1)であるが異なるZ座標(Z0でなくZ0’)でXYスケールと交差するように図示されている。
しかしながら、「タッチプローブ」エンドツールETLのエンドツール位置ETP及び測定点位置MPは、XYスケール170のスケール面に対するそれぞれのオフセットLoffEPT及びLoffMPと残留位置ずれMisAngの角度が相互作用することに起因して、X及びYにも著しく変位すると共にZにも著しく変位することが観察され得る。オフセットLoffEPT及びLoffMPは、スケール面に垂直な方向(及び/又は名目Z軸)に沿った方向であることがわかる。これらのオフセットは設計又は較正によって知ることができる。測定位置MPの座標変位又は誤差について、(X3’−X3)はSIN(MisAngX)*LoffMPで近似でき、(Y3’−Y3)はSin(MisAngY)*LoffMPで近似できることは当業者に認められよう。ここで、MisAngX及びMisAngYは、それぞれXZ面及びYZ面における残留位置ずれMisAngの角度成分である。同様に、エンドツール位置ETPの座標変位又は誤差について、(X2’−X2)はSIN(MisAngX)*LoffETPで近似でき、(Y2’−Y2)はSIN(MisAngY)*LoffETPで近似できる。上記で概説したように残留位置ずれが存在する場合、残留位置ずれMisAngに基づくこれらの決定された座標変位又は誤差を用いて、エンドツール位置ETP又はエンドツールの測定点位置MPを示す計測位置座標セットを、少なくとも部分的に補正又は補償できる。すなわち、少なくとも、その計測位置座標セットのうち、スケール撮像軸方向の横断方向又は直交方向(例えばX及びY座標)の少なくとも1つのベクトル成分を補正又は補償できる。いくつかの実施例では、位置合わせセンサASenによって示される残留位置ずれMisAng、並びにロボットシステム200の様々なアーム部及び軸受の既知の幾何学的形状と向き及び機械的特徴(例えばビーム特性)に基づいて、(Z2’−Z2)及び/又は(Z3’−Z3)に関連する座標変位又は誤差を近似できる。このような実施例では、位置合わせセンサASenによって示される残留位置ずれに基づいて、計測位置座標セットのZ座標に存在する誤差も少なくとも部分的に補正又は補償することができる。いくつかの実施例では、動作位置合わせサブシステムOASの動作において残留位置ずれMisAngの大きさを査定することができ、この大きさが所定の閾値(例えば関連する誤差限度)を超えている場合、視野FOV1におけるXYスケール170の並進又は変位を補償又は補正することに関連した動作を実行できる。例えば、位置合わせセンサASenによって示される残留位置ずれMisAng、並びにロボットシステム200の様々なアーム部及び軸受の既知の幾何学的形状と向き及び機械的特徴(例えばビーム特性)に基づいて、大きい残留位置ずれに起因したXYスケール170のX及びY変位を近似できる。このような実施例では、位置合わせセンサASenによって示される残留位置ずれに関連する計算に基づいて、XYスケール170の撮像可能要素のXY画像位置座標及び/又は対応する計測位置座標セットに存在する誤差を少なくとも部分的に補正又は補償することができる。XYスケール又は第1の撮像構成のうち可動のものと第1の参照位置との間の相対位置を示す計測位置座標セットに、このようなX及びY画像位置補正を含めるか否かの決定は、残留位置ずれの大きさ及び特定の用途において望まれる精度に基づき得ることは認められよう。
図3A及び図3Bは、図1のロボットシステム100並びに図2A及び図2Bのロボットシステム200と同様のロボットシステム300の第3の例示的な実施例の等角投影図であるが、異なる点は、第1の撮像構成160及び動作位置合わせサブシステムOASの位置合わせセンサASenが第2のアーム部130の遠位端DE2の近傍で可動の第2のアーム部130に結合され、XYスケール170が静止要素STEに結合されると共に第1の参照位置REF1を規定していることである。特に、図3Bは図3Aのロボットシステムの等角投影図であり、位置合わせセンサASenで示すことができるいくつかの誤差を例示している。図2A及び図2Bの構成と同様、図1に示されている動作位置合わせアクチュエータ構成AActは省略されている。
前述のように、図3A及び図3Bのいくつかの番号を付けたコンポーネント(例えば3XX又)は、図1A、図2A、及び図2Bの同一又は同様の番号を付けた対応するコンポーネント(例えば1XX、2XX)に相当し、それらと同様又は同一であり、それらからの類推によって及び以下で記載するように理解され得る。場合によっては、後の図における明らかに同様の又は同一の要素の参照番号を省略することで、視覚的な混乱を回避することがあるが、それらは先に概説したように理解され得る。
図3Aは、多くの点で図2Aの前述の記載に対する類推から理解することができ、従って以下では大きな相違点のみが強調される。図3Aに関して、第1の撮像構成160は、(例えば第1の撮像構成160の有効レンズ位置の中心に)指定された参照点を有し、これは座標(X1、Y1、Z1)を有するものとして図示されている。
図2Aと同様、説明のために、図3Aは名目動作構成の理想的な事例を示している。これは、図2Aを参照して前述されたものと同じ慣習によれば、受動的又は開ループの位置合わせ構成であり、スケール撮像軸方向SIA及び光軸OA1は相互に対してノミナルで平行にセットアップされ、その後この構成で動作する。図示されている理想的な事例では、ロボットシステム200の様々なアーム部に大きいたわみ又はねじれは存在せず、所望の名目動作構成が維持される。図示されている実施例において、所望の動作構成は、図2Aを参照して前述したように、反射位置合わせビームABeamRがXYスケール170上の位置合わせ反射要素ARFから反射して、出力位置合わせビームABeamと同一の経路に沿って位置合わせセンサAsenに戻り、残留位置ずれを示さない(MisAng=0)前述の位置合わせ信号ASigのヌル又は参照信号値を発生することに対応する。
可動の第1の撮像構成160及び位置合わせセンサASenは、相互に対して、また、エンドツール実装構成ETMC、エンドツールETL、(例えばエンドツール位置ETP)、及びエンドツールETLの測定点MPに対して、剛性関係に構成されていることは認められよう。このため、第1の撮像構成160の指定された参照点とエンドツール位置ETP及び/又は測定点MPとの間の座標オフセットは一定であり、較正することができる。更に、位置合わせセンサAsenによって定量的に示され得る限られた範囲内の残留位置ずれMisAngにおいて、エンドツールETLの残留位置ずれ(例えば位置ずれ角度又はベクトル)を知ることができ、示された残留位置ずれに基づいて、対応するエンドツール位置ETP及び/又は測定点MPの位置ずれ又は誤差を決定し、少なくとも部分的に補正又は補償できることは認められよう。これについては、図2Bを参照して先に概説した同様の決定及び補償又は補正に対する類推から理解すればよい。
図3Bは、図3Aに示されているものと同じ構成を示すが、ロボットシステム300の様々なアーム部が著しい量のたわみ又はねじれ(例えば数十又は数百ミクロンのオーダー)を有する理想的でない事例すなわち実例である。先に概説した慣習に従って、この構成も、予想された又は指定された名目範囲内のロボット精度(例えば、様々な従来技術のロボットシステムで予想及び/又は許容されている)の配置及び測定結果を提供する名目動作構成を与えるものとして説明できる。図3Aは、多くの点で図2Bの前述の記載に対する類推から理解することができ、従って以下では大きな相違点のみが強調される。
図3Bに関して、図2A及び図2Bに示された構成には存在しない残留位置ずれMisAngに起因した追加の誤差が発生する可能性がある。具体的には、残留位置ずれMisAngに応じて、第1の撮像構成160の視野FOV1は、XYスケール170において所望の又は参照位置合わせ位置(例えば図3Aに示されている)から並進し、FOV位置ずれ誤差を生じる。XYスケール170に対する第1の撮像構成160の見かけの位置(少なくともX、Y座標に関する)は、概ね、取得された画像内のXYスケール170の少なくとも1つの識別可能要素の画像位置を決定することに基づいて推論されることは理解されよう。残留位置ずれMisAngに関する情報が存在しない場合、上記のFOV位置ずれ誤差は概して検出不可能であり、XYスケール170の少なくとも1つの識別可能要素の決定された画像位置の誤差として現れる。例えば図3Aでは、MisAng=0である場合、取得された画像内で光軸OA1に沿って配置されたスケール要素は、第1の撮像構成160の指定された参照点の位置座標(X1、Y1)と同一のX及びY位置座標(X1、Y1)を有することが示されている。これに対し、図3Bに示されている残留位置ずれMisAngに起因して、取得された画像内で光軸OA1に沿って配置されたスケール要素は、第1の撮像構成160の指定された参照点の実際の位置座標(X1、Y1)とは異なる「並進した」X及びY位置座標(X1’、Y1’)を有し、この結果、その取得画像に基づいて第1の撮像構成の位置を推定又は決定する場合、対応する誤差(FOV位置ずれ誤差)が生じる。
しかしながら、位置合わせセンサAsenによって定量的に示され得る限られた範囲内の残留位置ずれMisAngにおいて、残留位置ずれ(例えば位置ずれ角度又はベクトル)を知ることができ、示された残留位置ずれMisAngに基づいて、対応するFOV位置ずれ誤差を決定し、少なくとも部分的に補正又は補償することができる。X方向に沿ったFOV位置ずれ誤差(X1’−X1)をSIN(MisAngX)*IDで近似し、Y方向に沿ったFOV位置ずれ誤差(Y1’−Y1)をSIN(MisAngY)*IDで近似することができ、MisAngX及びMisAngYはそれぞれXZ及びYZにおける残留位置ずれMisAngの角度成分であることは、当業者によって認められよう。残留位置ずれMisAngに基づくそのように決定されたFOV位置ずれ変位又は誤差を用いて、画像位置誤差及び/又は得られる計測位置座標セットを少なくとも部分的に補正又は補償できること、すなわち、少なくとも、その計測位置座標セットのうち、スケール撮像軸方向の横断方向又は直交方向(例えばX及びY座標)の少なくとも1つのベクトル成分を補正又は補償できることは理解されよう。
残留位置ずれ誤差と各オフセットが組み合わされることに起因してエンドツール位置ETP及び/又は測定点MPに実行され得る前述の補正と共に、上記の画像位置補正を用いることで、画像取得時点におけるエンドツール位置ETP又はエンドツールの測定点位置を示す計測位置座標セットをロボット精度よりも良好な精度レベルで決定できる、すなわち、少なくとも、その第2の計測位置座標セットのうち、スケール撮像軸方向の横断方向又は直交方向の少なくとも1つのベクトル成分を決定できることは理解されよう。いくつかの実施例では、位置合わせセンサASenによって示される残留位置ずれ、並びにロボットシステム300の様々なアーム部及び軸受の既知の幾何学的形状と向き及び機械的特徴(例えばビーム特性)に基づいて、(Z2’−Z2)及び/又は(Z3’−Z3)に関連する座標変位又は誤差を近似できる。このような実施例では、位置合わせセンサASenによって示される残留位置ずれに基づいて、計測位置座標セットのZ座標に存在する誤差も少なくとも部分的に補正又は補償することができる。
動作位置合わせサブシステムOASが動作位置合わせアクチュエータ構成AActを含まない、図2A、図2B、図3A、及び図3Bを参照して先に概説された様々な構成及び動作は、以下のようにまとめることができる。ロボットシステム200、300は、可動アーム構成MAC及び移動制御システムを備えるロボットを含む。可動アーム構成MACは、可動アーム構成MACの遠位端の近傍に配置されたエンドツール実装構成ETMCを含む。ロボットは、エンドツール実装構成ETMCに実装されたエンドツールETLの少なくとも一部をエンドツール作業範囲内で少なくとも2次元に沿って移動させるように、可動アーム構成MACを移動させるよう構成されている。移動制御システムは、少なくとも、ロボットに含まれる少なくとも1つの位置センサSENを用いて可動アーム構成MACの位置を検知及び制御することに基づいて、エンドツール位置ETP又はエンドツールETLの測定点位置MPをロボット精度として規定された精度レベルで制御するように構成されている。ロボットシステムは更に補足計測位置座標決定システム150を含み、これは、第1の撮像構成160、XYスケール170、動作位置合わせサブシステムOAS、画像トリガ部181、計測位置座標処理部185を含む。第1の撮像構成160は第1のカメラCAM1を含み、光軸OA1を有する。以下で更に詳しく記載されるように、XYスケール170は、ノミナルで平面状の基板と、この基板上に分散した複数のそれぞれ撮像可能な要素と、を含む。各撮像可能要素はXYスケール上の既知のXYスケール座標に配置され、スケール面はXYスケールの平面状基板とノミナルで一致するように規定され、このスケール面に垂直な方向はスケール撮像軸方向SIAとして規定される。動作位置合わせサブシステムOASは、少なくとも位置合わせセンサASenを含む。位置合わせセンサASenは、第1のカメラCAM1の近傍に位置付けられ、第1のカメラCAM1に対して剛性構成に実装されている。位置合わせセンサASenは、スケール撮像軸方向SIAを示す位置合わせ信号ASigを提供するように構成されている。画像トリガ部は、エンドツール位置ETP又はエンドツールETLの測定点位置MPに関連した少なくとも1つの入力信号を入力し、少なくとも1つの入力信号に基づいて第1の撮像トリガ信号のタイミングを決定し、第1の撮像トリガ信号を第1の撮像構成160に出力するよう構成されている。第1の撮像構成160は、第1の撮像トリガ信号の受信に応答して画像取得時点でXYスケールのデジタル画像を取得するよう構成されている。計測位置座標処理部は、取得された画像を入力し、XYスケールの取得された画像に含まれる少なくとも1つの撮像可能要素及び関連する既知のXYスケール座標位置を識別するように構成されている。
このような構成において、補足計測位置座標決定システム150は、XYスケール170又は第1の撮像構成160及び位置合わせセンサASenのうち可動のものが可動アーム構成MACに結合され、XYスケール170又は第1の撮像構成160及び位置合わせセンサASenのうち他方のものがロボットの近傍で静止要素STEに結合され、XYスケール170又は第1の撮像構成160のうち静止しているものが第1の参照位置を規定するように構成されている。ロボットシステムは、補足計測位置座標決定システム150の少なくとも名目動作構成を与えるように構成されている。補足計測位置座標決定システム150の名目動作構成において、XYスケール170及び第1の撮像構成160は、第1の撮像構成160の光軸OA1がスケール撮像軸方向SIAの方向とノミナルで平行であるように、かつ、スケール面がスケール撮像軸方向SIAに沿った第1の撮像構成160の合焦範囲内に位置付けられるように配置されている。ロボットシステムは更に、位置合わせセンサASenによって提供される位置合わせ信号ASigで示される光軸OA1とスケール撮像軸方向SIAとの間の残留位置ずれMisAngを決定するように動作位置合わせサブシステムOASを動作させるよう構成されている。補足計測位置座標決定システム150は更に、XYスケール170又は第1の撮像構成160のうち可動のもの及びXYスケール170又は第1の撮像構成160のうち静止しているものが名目動作構成に配置されている場合、かつ、XYスケール170が第1の撮像構成160の視野FOV1内にあるように可動アーム構成MACが配置されている場合、計測位置座標決定システム150が画像取得時にXYスケール170のデジタル画像を取得し、対応する残留位置ずれMisAngを決定するように動作可能であるよう構成されている。補足計測位置座標決定システムは次いで、取得された画像内の少なくとも1つの撮像可能要素の画像位置及び対応する残留位置ずれMisAngに基づいて、XYスケール170又は第1の撮像構成160のうち可動のものと第1の参照位置との間の相対位置を示す第1の計測位置座標セットをロボット精度よりも良好な精度レベルで決定できる。すなわち、少なくとも、第1の計測位置座標セットのうち、スケール撮像軸方向の横断方向又は直交方向の少なくとも1つのベクトル成分を決定することができる。計測位置座標処理部150は更に、第1の計測位置座標セット及び対応する残留位置ずれMisAngに基づいて、画像取得時点におけるエンドツール位置ETP又はエンドツールETLの測定点位置MPを示す第2の計測位置座標セットをロボット精度よりも良好な精度レベルで決定する、すなわち、少なくとも、第2の計測位置座標セットのうち、スケール撮像軸方向SIAの横断方向又は直交方向の少なくとも1つのベクトル成分を決定するように動作可能であり得る。
図4は、インクリメンタルXYスケール170Aの例示的な実施例の等角投影図である。図4に示されているように、インクリメンタルXYスケール170Aは、均等に離間したインクリメンタル撮像可能要素IIFのアレイを含む。様々な実施例において、インクリメンタルXYスケール170Aは、100ミクロンよりも小さい周期を有し得る(例えば、x軸及びy軸に沿ったインクリメンタル撮像可能要素IIF間の周期的間隔XSP1及びYSP1はそれぞれ100ミクロン未満とすることができる)。様々な実施例において、インクリメンタルXYスケール170Aを用いて決定される位置情報は、少なくとも10ミクロンの精度を有し得る。いくつかの実施例では約100ミクロン以上であり得るロボット精度に対して、このようなXYスケール170Aを用いて決定される精度はロボット精度の少なくとも10倍とすることができる。1つの具体的な例示の実施例では、インクリメンタルXYスケール170Aは更に高い約10ミクロンの周期性を有することができ、第1の撮像構成160の倍率が約1であり内挿が10倍で実行される場合、約1ミクロンの精度を達成できる。このような構成は、約100ミクロンのロボット精度の約100倍の精度向上を与える。
様々な実施例において、インクリメンタルXYスケール170A内の第1の撮像構成160の視野FOVの位置は、XYスケール170Aと第1の参照位置REF1との間の相対位置の指示を与えることができる。様々な実施例において、第1の撮像構成160をインクリメンタルXYスケール170Aと組み合わせて、カメラ/スケール画像処理構成の一部として利用できる。例えば計測位置座標処理部185は、取得された画像内のXYスケール170Aの部分によって示されるように、更に、カメラ/スケール画像処理技法の技術において既知のように(例えば上述のように本願に含まれる引例に記載されているように)、インクリメンタルXYスケール170A内の視野FOVの位置に基づいて、XYスケール170Aと第1の参照位置REF1との間の相対インクリメンタル位置を決定できる。様々な実施例において、インクリメンタルXYスケール170Aは、視野FOVに対して様々な大きさとすることができる(例えば、インクリメンタルXYスケール170Aは視野FOVの少なくとも4倍、10倍、20倍等とすればよい)。
様々な実施例において、XYスケール170Aで示されるインクリメンタル位置を、多関節ロボット110からの位置情報と組み合わせて、比較的精密な及び/又は絶対的な位置を決定することができる。例えば、多関節ロボット110のセンサSEN1及びSEN2(例えば回転エンコーダ)はエンドツール位置ETPをロボット精度で示すことができ、XYスケール170Aによって示されたインクリメンタル位置を用いてこの決定されたエンドツール位置ETPを更に改善することで、ロボット精度よりも高い精度が得られる。1つのそのような実施例において、計測位置座標処理部185は、取得された画像内の1つ以上の撮像可能要素IIFの画像位置に基づいて、更に、画像取得時点に対応して移動制御システム140から導出された多関節ロボット位置データに基づいて、XYスケール170Aの取得された画像に含まれる1つ以上の撮像可能要素IFFを識別するように構成できる。
そのような構成において、XYスケール170Aの各撮像可能要素IFFは、ロボット精度内で許される最大位置誤差よりも大きい距離だけ相互に等間隔で離間するように基板上に分散させた同様の撮像可能要素IFFのセットを含み得る。図4に示されているように、撮像可能要素IFFは、代表的な撮像可能要素IFFを取り囲む円で表されている最大位置誤差MPEよりも大きく(例えば間隔XSP1及びYSP1で)離間されている。このような構成において、位置決定のためのロボット精度は、撮像可能要素IFF間の間隔よりも大きい精度で位置を決定するためには充分であることは認められよう。更に具体的には、様々な実施例において、XYスケール170A上の単一の撮像可能要素IFFは(すなわち、撮像可能要素は全てスケール全体にわたる均等な間隔に従ってXYスケール170A上で、既知のx及びy計測位置座標に存在する)、このように、2つの撮像可能要素IFFが相互に混同されないよう充分な精度で多関節ロボット位置データによって識別できる。このような構成では、次いで、取得された画像内の単一の撮像可能要素IFFの位置を用いてエンドツール位置ETPを更に改善し、少なくともz軸に直交するxy面内のエンドツール位置ETPのx及びy計測位置座標についてロボット精度よりも高い精度を得ることができる。
図2を参照して上述したように、1つの具体的な例示の実施例において、XYスケール170Aは、参照位置(例えば原点位置)をX0、Y0、Z0に有することを指定できる(例えば原点位置は0、0、0の値を有し得る)。このような構成において、参照位置REF1(すなわち静止している第1の撮像構成160によって規定される)は相対座標X1、Y1、Z1に存在し、対応する視野FOV(例えば取得した画像内でキャプチャされる)の中心は相対座標X1、Y1、Z0に存在し得る。XYスケール170から延出するxy面内のエンドツール軸EAの位置は、相対座標X2、Y2、Z0を有すると指定できる。エンドツール位置ETPは座標X2、Y2、Z2を有すると指定できる。
動作中、取得された画像を計測位置座標処理部185によって解析して、静止している第1の撮像構成160の視野FOVの中心に対応するX1、Y1座標を決定することができる。様々な実施例において、このような決定は、スケール範囲内(例えばXYスケール170A内)の視野の位置(例えばカメラの位置に対応している)を決定するための標準的なカメラ/スケール画像処理技法に従って実行できる。標準的なカメラ/スケール画像処理技法に従って、そのような決定を行うために、参照位置/原点位置X0、Y0、Z0が視野FOV内にある必要はないことは認められよう(すなわち、相対位置は、均等に離間したインクリメンタル撮像可能要素IIFを含むスケール要素によって部分的に与えられる、XYスケール170Aに沿った任意の位置のスケール情報から決定できる)。様々な実施例において、このような決定は、XYスケール170の取得された画像内に含まれる少なくとも1つの撮像可能要素、及びそれに関連する既知のXYスケール座標位置を識別することを含み得る。このような決定は、XYスケール170と第1の参照位置REF1(すなわち静止している第1の撮像構成160によって規定される)との相対位置を決定することに対応し得る。次いで、エンドツール位置ETPとXYスケール170との間の既知の座標位置オフセットに従って、相対X2、Y2座標(すなわちエンドツール位置ETPの)を決定することができる(例えば、X2及びY2を決定するためX1及びY1にx及びy位置オフセット値を加算する)。
多関節ロボット110からの位置情報をXYスケール170Aで示されるインクリメンタル位置情報と組み合わせて比較的精密な及び/又は絶対的な位置を決定する具体例は、以下の通りである。図4に示されているように、取得された画像は、視野FOVの中心が4つのインクリメンタル撮像可能要素IIFの中央にあることを示し得るが、XYスケール170のどの特定の4つのインクリメンタル撮像可能要素IIFが画像内に含まれるかは示さない可能性がある。多関節ロボット110からの位置情報は、XYスケール170Aの特定の4つのインクリメンタル撮像可能要素IIFを識別できるそのような情報を与えるのに充分な精度を有し得る(例えば、各撮像可能要素IFFを一意に識別できるように、各撮像可能要素IFFが代表的な円形エリアMPEで表される最大位置誤差よりも大きく離間している上述の原理に部分的に基づく)。次いで、取得された画像を計測位置座標処理部185によって解析して、XYスケールのそのセクション(すなわち特定の4つのインクリメンタル撮像可能要素IIFを含む)内のどこに視野の中心(すなわち座標X1、Y1、Z0)があるかを精密に決定できる。次いで、(例えば対応してエンドツール位置ETPのX2及びY2座標を決定するため)このプロセスは上述のように継続することができる。
位置合わせセンサASenと共にXYスケール170A等を使用することに関して、図2A〜図3Bに示されているように、位置合わせビームABeamは、スケール面に平行な表面上の位置合わせ反射要素ARFから反射される。様々な実施例において、反射要素ARFは撮像可能要素IFFとすることができ、位置合わせビームABeamは、そのためにロボットを移動させることに基づいてそのような要素から反射するように配置すればよい(ロボット精度の使用で充分である)。位置合わせセンサは、XYスケール170A上の全ての場所において動作する必要はなく、連続して動作する必要もないことは認められよう。例えば取得されたスケール画像内で関連した「ノイズ」を回避するため、位置合わせビームABeamを間欠的に動作させてもよい。
位置合わせセンサの最良の性能のために、位置合わせ反射要素ARFが位置合わせビームAbeamのスポットサイズよりも大きいことが望ましい場合がある。このことが撮像可能要素IFFの所望のサイズと矛盾する場合、図4に示す任意選択的な位置合わせ反射要素ARFで概略的に表されているように、より大きい追加の要素ARFをXYスケール上の様々な位置に提供すればよい。他の実施例では、位置合わせビームABeamが第1の撮像構成160に見えない波長を有し(例えばカメラ感度又は波長フィルタリングに基づいて)、XYスケール170Aが全ての場所に波長固有の反射層を含み、これによって位置合わせセンサASenがXYスケール170A上の全ての場所で及び/又は連続的に動作できることは認められよう。
図5は、アブソリュートXYスケール170Bの例示的な実施例の等角投影図である。位置合わせセンサASenと共にXYスケール170B等を使用すること関して、考慮すべき事項は図4を参照して先に概説したものと同一であることは理解されよう。図5の例では、インクリメンタルXYスケール170Aと同様、アブソリュートXYスケール170Bは、均等に離間したインクリメンタル撮像可能要素IIFのアレイを含み、更に、一意の識別可能パターン(例えば16ビットパターン)を有するアブソリュート撮像可能要素AIFのセットも含む。動作中、アブソリュートXYスケール170B内の第1の撮像構成160の視野FOV(すなわちキャプチャした画像に含まれる)の位置は、XYスケール170Bと第1の参照位置REF1との間の絶対的な位置の指示を与える。図5の実施例において、アブソリュート撮像可能要素AIFのセットは、第1の撮像構成160の視野FOVの直径方向の距離に対応する距離よりも小さい距離だけ(例えば間隔XSP2及びYSP2で)離間するように基板SUB上に分散している(すなわち、少なくとも1つのアブソリュート撮像可能要素AIFが常に視野内に含まれるようになっている)。動作中、計測位置座標処理部185は、各アブソリュート撮像可能要素AIFの一意の識別可能パターンに基づいて、XYスケール170Bの取得された画像に含まれる少なくとも1つのアブソリュート撮像可能要素AIFを識別するように構成されている。このような実施例は、少なくとも、z軸に直交するxy面内のエンドツール位置ETPのx及びy計測位置座標について、エンドツール位置ETPを示す絶対的な位置をロボット精度よりも良好な精度で独立して決定できることは認められよう(例えば、インクリメンタルXYスケール170Bとは対照的に、絶対的な位置を決定するため多関節ロボット110からの位置情報と組み合わせる必要がない場合がある)。
アブソリュート撮像可能要素AIFを用いて比較的精密な絶対的な位置を決定する具体例は、以下の通りである。図5に示されているように、取得された画像は、視野FOVの中心が多数のインクリメンタル撮像可能要素IIFの中央にあることを示し得る。含まれる2つのアブソリュート撮像可能要素AIFからの位置情報は、この画像がXYスケール170Bのどのセクションを含むかを示すので、含まれるXYスケール170のインクリメンタル撮像可能要素IIFも識別することができる。従って、取得された画像を計測位置座標処理部185によって解析することで、XYスケールのそのセクション(すなわち2つのアブソリュート撮像可能要素及び複数のインクリメンタル撮像可能要素IIFを含む)内のどこに視野の中心(すなわち座標X1、Y1、Z0)があるかを精密に決定できる。次いで、(例えば対応してエンドツール位置ETPのX2及びY2座標を決定するため)このプロセスは上述のように継続することができる。
図6は、ロボットと、動作位置合わせアクチュエータ構成AActを含まない動作位置合わせサブシステムを含む補足計測位置座標決定システムと、を含むロボットシステムを動作させるためのルーチン600の例示的な実施例を示すフロー図である。図6Aに示されているように、判断ブロック610では、ロボットシステムを補足計測位置座標モードで動作させるか否かを決定する。様々な実施例において、補足計測位置座標モード又は標準ロボット位置座標モードの選択及び/又は活性化は、ユーザによって行う、及び/又は特定の動作及び/又は命令に応答してシステムによって自動的に行うことができる。例えば1つの実施例では、多関節ロボットが特定の位置に移動した場合(例えばエンドツールを、アセンブリ又は他の動作が実行される一般エリアから、ワークピース検査動作が典型的に実行され、補足計測位置座標モードが利用される特定エリアに移動させた場合)、補足計測位置座標モードを開始することができる(例えば自動的に又はユーザによる選択に従って)。様々な実施例では、このようなモードは外部制御システムECSによって実施できる(例えば、標準ロボット位置座標モード部147及び補足計測位置座標モード部187を使用する図1の外部制御システムECS等)。様々な実施例では、ハイブリッドモードを、独立して又は補足計測位置座標モードの一部として動作させる及び/又はモード間の切り替えとして実施することができる。これについては図7を参照して以下で更に詳しく記載する。
判断ブロック610において、ロボットシステムを補足計測位置座標モードで動作させないことが決定された場合、ルーチンはブロック615に進み、ロボットシステムを標準ロボット位置座標モードで動作させる。標準ロボット位置座標モードの一部として、多関節ロボットの位置センサ(例えば回転エンコーダ)を用いて、ロボット精度(例えば、多関節ロボットの位置センサの精度に少なくとも部分的に基づく)で、多関節ロボットの移動及び対応するエンドツール位置を制御及び決定する。上述のように、第1及び第2の回転エンコーダは、XYスケールを用いて決定される位置情報よりも低い精度で第1及び第2のアーム部の位置を示し得る。一般に、ロボット位置座標モードは、多関節ロボットの独立した及び/又は標準的な動作モードに対応し得る(例えば、補足計測位置座標決定システムがアクティブでないか又は他の理由で提供されない場合に多関節ロボットを独立して動作させるモード)。
ロボットシステムを補足計測位置座標モードで動作させる場合、ルーチンはブロック620に進み、ロボット及び補足計測位置座標決定システムは、補足計測位置座標決定システムの「名目」動作構成を与えるように配置される。「名目」動作構成は、本明細書で用いられる慣習に従って予め規定されている。スケール面はXYスケールの平面状基板とノミナルで一致するように規定され、スケール面に垂直な方向はスケール撮像軸方向として規定される。「名目」動作構成において、XYスケール又は第1の撮像構成のうち少なくとも1つは、第1の撮像構成の光軸がスケール撮像軸方向の方向にノミナルで平行であるように配置され、スケール面は、スケール撮像軸方向に沿った第1の撮像構成の合焦範囲内に位置付けられる。
ブロック630では、多関節ロボットのエンドツール位置又はエンドツールの測定点位置に関連した少なくとも1つの入力信号を受信する(すなわち画像トリガ部で)。この少なくとも1つの入力信号に基づいて第1の撮像トリガ信号のタイミングを決定し、この第1の撮像トリガ信号を第1の撮像構成に出力する。第1の撮像構成は、第1の撮像トリガ信号の受信に応答して、画像取得時点でXYスケールのデジタル画像を取得する。
ブロック635では、(例えばロボットシステムによって)動作位置合わせサブシステムを動作させて、光軸と位置合わせセンサにより与えられた位置合わせ信号で示されるスケール撮像軸との間の残留位置ずれを決定する。残留位置ずれは、取得したデジタル画像に対応している。様々な実施例において、取得したデジタル画像に対応する残留位置ずれは状況によって異なる可能性がある。最良の精度のため、残留位置ずれは、ブロック630の動作中に使用されたのと同一の(又はほぼ同一の)位置及び/又は姿勢のロボットの可動アーム構成を用いて決定することが望ましい場合がある。しかしながら、ロボットアーム構成が充分に剛性である場合、及び/又はブロック635の動作中に使用される位置及び/又は姿勢がブロック630の動作中に使用されたものに近い場合、及び/又は特定の状況における精度の要求があまり厳しくない場合は、ブロック635及び630の動作を異なる位置及び/又は時点で実行することができ、ブロック635で決定される残留位置ずれはブロック630で取得したデジタル画像に充分に対応し得る。
ブロック640では、取得した画像を(例えば計測位置座標処理部で)受信し、XYスケールの取得した画像に含まれる少なくとも1つの撮像可能要素、及びそれに関連する既知のXYスケール座標位置を識別する。
ブロック650では、XYスケール又は第1の撮像構成のうち可動のものと第1の参照位置との間の相対位置を示す第1の計測位置座標セットをロボット精度よりも良好な精度で決定できる。すなわち、少なくとも、第1の計測位置座標セットのうち、スケール撮像軸方向の横断方向又は直交方向の少なくとも1つのベクトル成分を決定できる。第1の計測位置座標セットは、取得した画像内で識別された少なくとも1つの撮像可能要素の画像位置及び対応する残留位置ずれに基づいて決定される(例えば、図2A、図2B、図3A、及び/又は図3Bを参照して先に概説したように)。
任意選択的なブロック655では、第1の計測位置座標セット及び対応する残留位置ずれに基づいて、画像取得時点におけるエンドツール位置又はエンドツールの測定点位置を示す第2の計測位置座標セットをロボット精度よりも良好な精度レベルで決定できる。すなわち、少なくとも、第2の計測位置座標セットのうち、スケール撮像軸方向の横断方向又は直交方向の少なくとも1つのベクトル成分を決定できる。ブロック650で決定された第1の計測位置座標セットは、XYスケール又は第1の撮像構成のうち可動のものの局所参照位置を示すことは理解されよう。このブロック655の動作は、例えば図2A及び図2Bの記載で強調されているように、エンドツール位置又はエンドツールの測定点とXYスケール又は第1の撮像構成のうち可動のものの参照位置との間の既知のオフセットに対する残留位置ずれの効果に関する誤差を補正することに関連している。ブロック650(又は655)の動作の後、ルーチンは終了することができる。
あるいは、ブロック650(又は655)の動作の後、ルーチンを部分的に又は全体的に繰り返してもよい。例えば、(例えばブロック655からの)決定された位置情報は、ワークピース上の第1の表面位置の決定に対応するか、又はこれを決定するため使用することができ、ルーチンを繰り返して、次いでワークピース上の第2の表面位置を決定することができる(例えば、ワークピースの要素の測定のようなワークピース測定の一部として)。ルーチンの繰り返しにおいて、様々な実施例では、ブロック620の動作を繰り返す必要はない。いずれの場合であっても、ルーチン600の繰り返しにより決定された、第1及び第2の相対位置及び/又は関連する位置情報を示す第1及び第2の決定された計測位置座標を用いて、各画像取得時点でワークピース上の第1及び第2の表面位置等に接触した場合の各エンドツール位置又はエンドツールの測定ポイント位置に対応するワークピース上の第1及び第2の表面位置間の距離に相当するワークピースの寸法を決定できる。ロボットの位置センサ(例えば回転エンコーダ、リニアエンコーダ等)を用いてロボット精度でワークピース上の第1及び第2の表面位置を決定するよりも、本明細書に記載されている技法を用いると、より正確な位置情報を決定できることは認められよう。更に具体的には、第1及び第2の表面位置(すなわち、XYスケール上の第1及び第2の位置に対応する第1及び第2の決定された計測位置座標に対応する。上述した技法を用いてこのような座標/位置間の精密な距離をXYスケールの精度に応じて決定できる)の決定によって、第1及び第2の表面位置間の(例えばワークピース要素の)ワークピースの対応する寸法を、高い精度で決定することが可能となる。
図7は、移動タイミングの異なる部分の間にそれぞれ異なる技法を使用することができる、エンドツール位置を決定するためのルーチン700の1つの例示的な実施例を示すフロー図である。概して、移動タイミングの間に、多関節ロボットの1つ以上のアーム部を第1の回転位置から第2の回転位置へ移動させる(例えば、回転継手を中心としてアーム部を第1の回転向きから第2の回転向きへ回転させることを含み得る)。図7に示されているように、判断ブロック710では、移動タイミング中のエンドツール位置を決定するためにハイブリッドモードを利用するか否かを決定する。様々な実施例において、ハイブリッドモードは、補足計測位置座標モードと標準ロボット位置座標モードとの切り替えを含むプロセスも表し得る。ハイブリッドモードが利用されない場合、ルーチンはブロック720に進み、移動タイミング中のエンドツール位置を決定するために多関節ロボットの位置センサ(例えば回転エンコーダ)のみを単独で利用する。
ハイブリッドモードが使用される場合、ルーチンはブロック730に進み、移動タイミングの第1の部分の間、エンドツール位置を決定するため多関節ロボットに含まれる位置センサを使用する。このような動作中、エンドツール位置を決定するために補足計測位置座標決定システムの相対位置は決定されない及び/又は利用されない可能性がある。ブロック740では、移動タイミングの第1の部分の後に生じる移動タイミングの第2の部分の間、補足計測位置座標決定システムの決定された相対位置を用いてエンドツール位置を決定する。このような動作によって、システムは、移動タイミングの第1の部分の間にエンドツール位置の初期の/高速の/粗い移動を実行できると共に、移動タイミングの第2の部分の間にエンドツール位置の高精度の最後の/低速の/細かい移動を実行できることは認められよう。
図8は、ロボット810及び補足計測位置座標決定システム850を含むロボットシステム800の第4の例示的な実施例のブロック図である。補足計測位置座標決定システム850は、位置合わせセンサASenと、ロボットシステム800の可動アーム構成MAC’並びにロボット移動制御及び処理システム840に含まれる要素を備えた動作位置合わせアクチュエータ構成AActと、を含む動作位置合わせサブシステムOASの第2の例示的な実施例を含むことが図示されている。これらについては以下で更に詳しく記載する。位置合わせセンサASen及び動作位置合わせアクチュエータ構成AActは、動作位置合わせサブシステム処理回路/ルーチン890に接続されている(又はこれと相互運用される)。
ロボット810(例えば多関節ロボット)は、可動アーム構成MAC’とロボット移動制御及び処理システム840を含む。補足計測位置座標決定システム850は、第1の撮像構成860、XYスケール870、画像トリガ部881、及び計測位置座標処理部885を含む。図8の構成において、XYスケール870は可動アーム構成MAC’に結合されている。以下で更に詳しく記載されるように、第1の撮像構成860は、動作構成にある場合にスケール撮像軸方向SIAに対して平行とすることができる第1の光軸OA1を有する。
図8の例において、可動アーム構成MAC’は、下方ベース部BSE’、アーム部821〜825、移動機構831〜835、位置センサSEN1’〜SEN5、及びエンドツール実装構成ETMCを含む。以下で更に詳しく記載し、また図9にも示すように、アーム部821〜825の各々はそれぞれ近位端PE1’〜PE5及び遠位端DE1’〜DE5を有し得る。様々な実施例において、アーム部821〜825のいくつか又は全ては、各アーム部821〜825の各近位端PE1’〜PE5において各移動機構831〜835に実装することができる。図8の例において、移動機構831〜835(例えば、対応するモータを備えた回転継手及び/又はリニアアクチュエータ等)のいくつか又は全ては、各アーム部821〜825の(例えば各回転軸RA1’〜RA5を中心とした、又はこれらの各軸に沿った)移動(例えば回転や線形移動等)を可能とする。様々な実施例において、位置センサSEN1’〜SEN5(例えば回転エンコーダ、リニアエンコーダ等)は、各アーム部821〜825の位置(例えば角度方位、線形位置等)を決定するために使用できる。
様々な実施例において、可動アーム構成MAC’は、終端部として指定される部分(例えば第5のアーム部825)を有し得る。図8の例示的な構成において、エンドツール実装構成ETMCは、可動アーム構成MAC’の遠位端に対応する(例えば終端部として指定された)第5のアーム部825の遠位端DE5の近傍に位置付けられている(例えば遠位端DE5に位置付けられている)。様々な実施例において、XYスケール870は、可動アーム構成MAC’の遠位端の近傍にあるように可動アーム構成MAC’に結合することができる。図8の実施例において、XYスケール870は、可動アーム構成MAC’の遠位端の近傍の位置で第5のアーム部825に結合されている。本明細書に開示されている原理に従ったいくつかの実施例において、補足計測位置座標決定システムは、XYスケール(例えば870)又は第1の撮像構成(例えば860)のうち可動のものを動作位置合わせアクチュエータ構成AActに結合するように構成されており、動作位置合わせアクチュエータ構成AActは、可動アーム構成(例えばMAC’)に結合されているか又はその一部である。図8、図9、及び図10に示されている実施例は、動作位置合わせアクチュエータ構成AActが、可動アーム構成MAC’に含まれる第1の回転要素835/825及び第2の回転要素834/824を含むので、この記載に対応する。
様々な実施例において、エンドツール実装構成ETMCは、可動アーム構成MAC’の遠位端の近傍にエンドツールETLを結合し維持するための様々な要素を含み得る。例えば様々な実施例において、エンドツール実装構成ETMCは、オートジョイント接続、磁気結合部、及び/又はエンドツールETLを対応する要素に実装するための当技術分野において既知である他の結合要素を含み得る。また、エンドツール実装構成ETMCは、エンドツールETLの少なくとも一部との間で(例えばエンドツール検知部ETSNとの間で)電力及び/又は信号を提供及び/又は伝送するための電気的接続(例えば電力接続、1つ以上の信号線等)も含み得る。
様々な実施例において、エンドツールETLは、エンドツール検知部ETSNと、(例えばワークピースWPの表面に接触するための)エンドツールの測定点MPを備えたエンドツールスタイラスETSTと、を含むことができる。第5の移動機構835は、第4のアーム部824の遠位端DE4の近傍に位置付けられている。様々な実施例において、第5の移動機構835(例えば対応するモータを備えた回転継手)は、第5のアーム部825を、回転軸RA5を中心として回転させるように構成できる。いずれの場合であっても、エンドツールETLは、エンドツール実装構成ETMCに実装され(例えば結合され)、対応する計測位置座標(例えばx、y、及びz座標)を持つ対応するエンドツール位置ETPを有する。様々な実施例において、エンドツール位置ETPは、エンドツール実装構成ETMCの位置に相当するか又はその近傍とすることができる(例えば、可動アーム構成MAC’の遠位端に対応する第5のアーム部825の遠位端DE5にあるか又はその近傍にある)。
移動制御システム840は、ロボット精度として規定された精度レベルでエンドツールETLのエンドツール位置ETPを制御するように構成されている。より具体的には、移動制御システム840は概して、少なくとも部分的に、アーム部821〜825の位置を検知及び制御するため移動機構831〜835及び位置センサSEN1’〜SEN5を使用することに基づいて、ロボット精度でエンドツール位置ETPの計測位置座標(例えばx、y、及びz座標)を制御するように構成されている。様々な実施例において、移動制御及び処理システム840は移動機構制御及び検知部841〜845を含むことができ、これらは、各アーム部821〜825の位置(例えば角度位置や線形位置等)を検知するため各位置センサSEN1’〜SEN5からそれぞれ信号を受信する、及び/又は各アーム部821〜825を移動させるため各移動機構831〜835(例えば回転継手、リニアアクチュエータ、モータ等を含む)に制御信号を提供することができる。
また、移動制御及び処理システム840は、エンドツール検知部ETSNから信号を受信することができる。様々な実施例において、エンドツール検知部ETSNは、ワークピースWPを検知するためのエンドツールETLの動作に関連した回路及び/又は構成を含み得る。以下で更に詳しく記載するように、様々な実施例において、エンドツールETL(例えばタッチプローブ、スキャンプローブ、カメラ等)は、ワークピースWP上の表面ロケーション/位置/ポイントに接触するため又は他の方法でそれらを検知するために利用され、これに対応した様々な信号がエンドツール検知部ETSNによって受信、決定、及び/又は処理され、エンドツール検知部ETSNは対応する信号を移動制御及び処理システム840に提供することができる。様々な実施例において、移動制御及び処理システム840はエンドツール制御及び検知部846を含むことができ、これは、エンドツール検知部ETSNに制御信号を提供する及び/又はエンドツール検知部ETSNから検知信号を受信することができる。様々な実施例において、エンドツール制御及び検知部846及びエンドツール検知部ETSNはマージされる及び/又は区別できない場合がある。様々な実施例において、移動機構制御及び検知部841〜845並びにエンドツール制御及び検知部846は全て、ロボット位置処理部847に出力を提供する及び/又はロボット位置処理部847から制御信号を受信することができる。ロボット位置処理部847は、ロボット移動制御及び処理システム840の一部として、ロボット810の可動アーム構成MAC’及び対応するエンドツール位置ETPの全体的な配置を制御及び/又は決定できる。
様々な実施例において、補足計測位置座標決定システム850は、ロボット810と共に含めるか又は他の方法でロボット810に追加することができる(例えば、既存のロボット810に追加するための改造構成の一部として等)。一般に、補足計測位置座標決定システム850は、エンドツール位置ETPの決定における精度レベルを改善するために利用できる。より具体的には、以下で更に詳しく記載されるように、補足計測位置座標決定システム850を用いて、少なくとも、スケール撮像軸方向SIAの横断方向又は直交方向の少なくとも1つの計測位置座標のベクトル成分について、エンドツール位置ETPを示す計測位置座標をロボット精度よりも良好な精度レベルで決定することができる。様々な実施例において(例えば、スケール撮像軸方向SIA及びエンドツールスタイラスETSTがz方向に平行である場合)、これは、少なくともz軸に直交するxy面内のx及びy計測位置座標について、精度レベルがロボット精度よりも良好であることに対応し得る。
図8に示されているように、第1の撮像構成860は、ロボット810の近傍で静止要素STEに結合されている。様々な実施例において、静止要素STEは、エンドツール作業範囲ETWV’の少なくとも一部よりも上方に配置されたフレームを含むことができ、第1の撮像構成860は、エンドツール作業範囲ETWV’の一部よりも上方でこのフレームに固定されている。様々な実施例において、静止要素STEは、静止要素STEをロボット810に対して固定位置に(例えば固定の位置及び/又は向きで)維持するための1つ以上の構造支持要素SSP(例えば床や天井等から延出している)を含み得る。
様々な実施例において、エンドツール作業範囲ETWV’は、エンドツールETL及び/又はXYスケール870のうち少なくとも一方の少なくとも一部を移動させることができる範囲(volume)から成る。図8の例では、エンドツール作業範囲ETWV’は、ワークピースを検査する場合にエンドツールETLの測定点MPを移動させることができる範囲を含むものとして図示されている。1つの代替的な例では、エンドツール作業範囲は、ワークピースを検査するためエンドツールETLを移動させる場合にXYスケール870が移動できる範囲を含み得る。様々な実施例において、ロボット810は、エンドツール実装構成ETMCに実装されたエンドツールETLの少なくとも一部(例えばエンドツールETLの測定点MP)を、エンドツール作業範囲ETWV’内で少なくとも2次元(例えばx及びy次元)に沿って移動させるように、可動アーム構成MAC’を移動させるよう構成されている。図8の例において、エンドツールETLの一部(例えばエンドツールETL’の測定点MP)は、ロボット810によって3次元(例えばx、y、及びz次元)で移動可能である。
第1の撮像構成860は第1のカメラCAM1を含み、光軸OA1を有する。補足計測位置座標決定システム850の動作構成において、第1の撮像構成860の光軸OA1はスケール撮像軸方向SIAの方向に平行である。第1の撮像構成860は、光軸OA1に沿った有効合焦範囲REFPを有する。様々な実施例において、範囲REFPは第1及び第2の有効合焦位置EFP1及びEFP2によって画定できる。これについては以下で更に詳しく記載する。所与の時点で、第1の撮像構成860は、範囲REFP内に収まる有効合焦位置EFPを有する。可変焦点距離(VFL)レンズが使用される実施例では、範囲REFPはVFLレンズの合焦範囲に対応し得る。
様々な実施例において、使用されるVFLレンズは可変音響式屈折率分布型(TAG)レンズとすることができる。このようなTAGレンズの一般的な動作に関して、様々な実施例では、レンズコントローラ(例えば第1の撮像構成制御及び画像処理部880に含まれる)が、迅速にTAGレンズの屈折力を周期的に調整又は変調して、250kHz、又は70kHz、又は30kHz等の(すなわちTAGレンズ共振周波数の)周期的変調が可能な高速TAGレンズを達成することができる。このような構成では、第1の撮像構成860の有効合焦位置EFPを、範囲REFP(例えば自動合焦サーチ範囲)内で(例えば迅速に)移動させることができる。有効合焦位置EFP1(又はEFPmax)はTAGレンズの最大屈折力に対応し、有効合焦位置EFP2(又はEFPmin)はTAGレンズの負の最大屈折力に対応し得る。様々な実施例において、範囲REFPの中央はEFPnomと示され、TAGレンズのゼロの屈折力に対応し得る。
様々な実施例では、このようなVFLレンズ(例えばTAGレンズ)及び/又は対応する範囲REFPを好都合に選択することで、この構成は、有効合焦位置EFPを変更するために第1の撮像構成860の巨視的機械的調整及び/又はコンポーネント間の距離の調整を行う必要性を限定又は排除することができる。例えば、第5のアーム部825の遠位端DE5(例えば可動アーム構成MAC’の遠位端に対応する)において未知の量の傾斜又は「たわみ」が発生する可能性がある(例えば、アーム部821〜825の重さ及び/又は特定の向き等に起因して)実施例では、第1の撮像構成860からXYスケール870までの精密な合焦距離は未知である及び/又はアーム部の異なる向き等によって変動する可能性がある。また、図8の例示的な構成では、(例えばワークピースWPの表面をスキャンするための動作の一部として)エンドツール位置ETPをスケール撮像軸方向SIAに沿って第1の撮像構成860から異なる位置/距離へ移動させる可動アーム構成MAC’の一般的な動作に従って、XYスケール870と第1の撮像構成860との間の距離は概ね変化し得ることは認められよう。このような構成では、有効合焦位置EFPをスキャンするか又は他の方法で調整してXYスケール870を特定し正確に合焦を実行できるVFLレンズを利用することが望ましい場合がある。様々な実施例では、VFLレンズを用いるこのような技法を他の合焦調整技法と組み合わせて使用してもよい(例えば、第1の撮像構成860に含まれ得る変更可能対物レンズと組み合わせて使用する等)。
先に概説したように、図8に示されている実施例では、動作位置合わせサブシステムOASは、位置合わせセンサASenと、可動アーム構成MAC’の要素を含む動作位置合わせアクチュエータAActと、動作位置合わせサブシステム処理回路/ルーチン890と、を備える。動作位置合わせサブシステム処理回路/ルーチン890は位置合わせ信号処理部891を含み、これは、位置合わせセンサASenの1もしくは複数の位置合わせ信号Asigのための主な信号調節及び/又は補正、及び/又は、1もしくは複数の信号Asigに対応する位置ずれ角度/ベクトルもしくは残留位置ずれ角度/ベクトルを決定する解析を行う信号処理を実行することができる。これについては以下で更に詳しく記載する。動作位置合わせサブシステム処理回路/ルーチン890は更に位置合わせ制御部892を含み、これは概して、上述のように、位置合わせセンサASenにより与えられる1又は複数の位置合わせ信号Asigに基づいてXYスケール又は第1の撮像構成のうち可動のものの位置合わせを調整するように構成されており、これによって、位置合わせ信号Asigで示されるように、第1の撮像構成の光軸(例えばOA1)及びスケール撮像軸方向SIAが平行に配置されるXYスケール及び第1の撮像構成の動作構成を提供する。
図8に示され、上記で概説された動作位置合わせサブシステム処理回路/ルーチン890の構成は、単なる例示であって限定でないことは認められよう。様々な実施例において、位置合わせサブシステム処理回路/ルーチン890の様々な部分は、外部制御システムECSの外側に(例えば動作位置合わせセンサASenに)配置することができるか、又は補足計測位置座標決定システム850の他の部分(例えば部分885及び/又は887)とマージされる及び/又は区別できない場合がある。図示されている実施例では、動作位置合わせサブシステム処理回路/ルーチン890は、本明細書に開示されている様々な動作原理又は機能を実施するため、破線893で示されるように、ロボット移動及び制御処理システム840と位置及び/又は位置合わせ情報及び/又は制御信号を交換する。上記で概説した様々な要素及び動作については以下で更に詳しく記載する。
様々な実施例において、XYスケール870は、図4及び図5に関して上述したXYスケール170と同一とすることができるか、又は本明細書に開示されている原理に従って構成されている。様々な実施例において、ロボットシステム800は、図9及び図10を参照して以下で更に詳しく記載するように、補足計測位置座標決定システム850の動作構成を与えるように動作できる。補足計測位置座標決定システム850の動作構成において、可動XYスケール870は、位置合わせセンサASenの位置合わせ信号Asigで示されるようにスケール撮像軸方向SIAの方向が第1の撮像構成860の光軸OA1に平行であるように、かつ、スケール面がスケール撮像軸方向SIAに沿った第1の撮像構成860の合焦範囲REFP内に位置付けられるように配置される。補足計測位置座標決定システム850を上記の特徴を備えた動作構成に配置するため、以下で図9を参照して記載されるように、位置合わせセンサASenの位置合わせ信号Asig、及び動作位置合わせサブシステムOASの動作位置合わせアクチュエータAActと見なされるアクチュエータセットに基づいて、可動アーム構成MAC’のアーム部821〜825の位置/向きに対して様々な調整を実行できることは認められよう。言い換えると、ロボットシステム800は、位置合わせセンサASenによって提供される位置合わせ信号に基づいてXYスケール870又は第1の撮像構成860のうち可動のものの位置合わせを調整して補足計測位置座標決定システム850の動作構成を与えるように、動作位置合わせサブシステムOAS及び動作位置合わせアクチュエータ構成AActを動作させるよう構成されている。補足計測位置座標決定システム850の動作構成では、XYスケール870及び第1の撮像構成860は、第1の撮像構成860の光軸OA1が1又は複数の位置合わせ信号Asigで示されるスケール撮像軸方向SIAと平行であるように配置されている。
様々な実施例において、画像トリガ部881及び/又は計測位置座標処理部885は、外部制御システムECS’の一部として(例えば外部コンピュータ等の一部として)含めることができる。画像トリガ部881は、第1の撮像構成制御及び処理部880の一部として含めることができる。様々な実施例において、画像トリガ部881は、エンドツール位置ETPに関連した少なくとも1つの入力信号を入力し、この少なくとも1つの入力信号に基づいて第1の撮像トリガ信号のタイミングを決定し、更に、この第1の撮像トリガ信号を第1の撮像構成860に出力するよう構成されている。様々な実施例において、第1の撮像構成860は、第1の撮像トリガ信号の受信に応答して、画像取得時点でXYスケール870のデジタル画像を取得するよう構成されている。様々な実施例において、計測位置座標処理部885は、取得された画像を入力し、XYスケール870の取得された画像に含まれる少なくとも1つの撮像可能要素及び関連する既知のXYスケール座標位置を識別するように構成されている。様々な実施例において外部制御システムECS’は、対応するモードを実施するため、標準ロボット位置座標モード部849及び補足計測位置座標モード部887も含むことができる。これらについては以下で更に詳しく記載する。
様々な実施例において、第1の撮像構成860は、カメラCAM1の画像積分を定期的に(例えば設定されたタイミング間隔で)活性化するコンポーネント(例えばサブ回路、ルーチン等)を含むことができ、画像トリガ部881からの第1の撮像トリガ信号は、ストロボ光タイミング、又は事実上移動を止めると共に対応して積分期間内の露光を決定する他の機構を活性化できる。このような実施例では、積分期間中に第1の撮像トリガ信号が受信されない場合、得られる画像を破棄することができ、積分期間中に第1の撮像トリガ信号が受信された場合、得られる画像をセーブする及び/又は他の方法で処理/解析して計測位置座標を決定することができる。これについては以下で更に詳しく記載する。
様々な実施例において、異なるタイプのエンドツールETLは、画像トリガ部881に対して使用され得る異なるタイプの出力を提供できる。例えば、エンドツールETLが、ワークピースを測定するため使用されるタッチプローブであり、ワークピースに触れると(例えば測定点MPがワークピースに接触すると)タッチ信号を出力する実施例では、画像トリガ部881は、そのタッチ信号又はそれから導出された信号を少なくとも1つの入力信号として入力し、それに基づいて第1の撮像トリガ信号のタイミングを決定するように構成できる。エンドツールETLがタッチプローブである様々な実施例では、タッチプローブの中心軸をスケール撮像軸方向SIAに沿うように配向することができる(例えば、タッチプローブの中心軸がエンドツール軸EAに対応するように)。別の例として、エンドツールETLが、ワークピースを測定するため使用されるスキャンプローブであり、各サンプルタイミング信号に対応した各ワークピース測定サンプルデータを与える実施例では、画像トリガ部881は、その各サンプルタイミング信号又はそれから導出された信号を少なくとも1つの入力信号として入力するように構成できる。別の例として、エンドツールETLが、各ワークピース画像取得信号に対応した各ワークピース測定画像を与えるために使用されるカメラである実施例では、画像トリガ部881は、そのワークピース画像取得信号又はそれから導出された信号を少なくとも1つの入力信号として入力するように構成できる。
図8の例示的な実施例において、補足計測位置座標決定システム850は、可動アーム構成(例えばMAC’)に結合されているか又はその一部である動作位置合わせアクチュエータ構成AActに結合されたXYスケール870を用いて構成されている。図8、図9、及び図10に示されている実施例は、動作位置合わせアクチュエータ構成AActが、可動アーム構成MAC’に含まれる第1の回転要素835/825及び第2の回転要素834/824を含むので、この記載に対応する。更に、第1の撮像構成860及び位置合わせセンサASenは、静止要素STE(例えばロボット810よりも上方でロボット810の近傍に配置されたフレーム)に結合され、第1の参照位置REF1を規定する。代替的な実施例では(例えば以下で図10を参照して記載されるように)、補足計測位置座標決定システムは、可動アーム構成MAC’の遠位端の近傍で可動アーム構成(例えばMAC’)に結合されているか又はその一部である動作位置合わせアクチュエータ構成AActに結合された第1の撮像構成860及び位置合わせセンサASenと、静止要素STEに結合されると共に第1の参照位置REF1を規定するXYスケール870と、を用いて構成されている。
いずれの場合であっても、以下で更に詳しく記載するように、補足計測位置座標決定システム850は、XYスケール870又は第1の撮像構成860のうち可動のもの及びXYスケール870又は第1の撮像構成860のうち静止しているものが、位置合わせセンサASenからの位置合わせ信号Asigに基づいて(又はこれによって示されるように)動作構成に配置されるように、かつ、XYスケール870が可動アーム構成MAC’によって第1の撮像構成860の視野FOV内及び合焦範囲内にあるように構成することができる。計測位置座標処理部885は次いで、取得された画像内で識別された少なくとも1つの撮像可能要素の画像位置の決定に基づいて、XYスケール870又は第1の撮像構成860のうち可動のものと第1の参照位置REF1との相対位置を示す計測位置座標をロボット精度よりも良好な精度レベルで決定する、すなわち、少なくとも、計測位置座標のうち、スケール撮像軸方向SIAの横断方向又は直交方向の少なくとも1つのベクトル成分を決定するように動作する。決定された計測位置座標は、少なくとも、スケール撮像軸方向SIAの横断方向又は直交方向の少なくとも1つの計測位置座標のベクトル成分について、画像取得時点におけるエンドツール位置ETP及び/又はエンドツールの測定点位置MPをロボット精度よりも良好な精度レベルで示す。様々な実施例において、補足計測位置座標決定システム850は、XYスケール870又は第1の撮像構成860のうち可動のものの相対位置を示す決定された計測位置座標、並びに、エンドツール位置ETP及び/又はエンドツールの測定点位置MPとXYスケール870又は第1の撮像構成860のうち可動のものとの間の既知の座標位置オフセットに基づいて、画像取得時点におけるエンドツール位置ETP及び/又はエンドツールの測定点位置MPの計測位置座標を決定するように構成できる。
図1及び図8に示されているようなロボットシステムが、種々の代替的なシステムよりも優れたいくつかの利点を有し得ることは認められよう。例えば様々な実施例において、本明細書に開示されるようなシステムは、ロボット移動/位置を追跡するためにレーザトラッカ又は写真測量法のような技法を利用する代替的なシステムに比べて、小型である及び/又は低費用である可能性があり、更に、いくつかの実施例では精度が高い可能性もある。また、開示されるシステムは、エンドツール作業範囲ETWV又はETWV’のどの部分も占有したり覆い隠したりしないが、代替的なシステムは、ワークピースに作業及び/又は検査等を行う可能性のあるエリア(例えばエンドツール作業範囲ETWV又はETWV’)内の地上もしくはステージ上もしくは他の場所に、スケール又は基準を含むことがある。
図9及び図10は、双方とも、図2B及び図3Bを参照して先に概説された、能動的な位置合わせを用いてX及びY誤差を除去する実施例を示すという点で同様である。能動的な位置合わせにより、これらの誤差は実質的に排除される。この能動的な位置合わせは、位置合わせセンサASenからの1又は複数の信号Asigに基づく「閉ループ」位置合わせ手順である。これらの図に示されている可動アーム構成MAC’には、(例えば図2B及び図3Bに示されているものと同様の)たわみ及びねじれが存在するが、視覚的な混乱を避けるため、たわみ及びねじれは図示されていないことは理解されよう。たわみ及びねじれの効果は、本明細書に開示されている原理に従って、所望の動作構成を達成するための位置合わせセンサ信号に基づく能動的な位置合わせによって補償又は打ち消す(negate)ことができる(少なくともX座標及びY座標に関して)ことは理解されよう。能動的な位置合わせは、手作業で又は自動的に、所望の動作構成を確立するためのロボットシステム900(1000)の動作中の所望の時点で少なくとも1度、又は間欠的に所望の時点で(例えばロボットの姿勢が変更された時)、又はいくつかの実施例では高頻度でもしくは連続的に、実行することができる。
動作構成中に可動アーム構成MAC’のたわみ及びねじれから生じるZ誤差に関して、このZ誤差は、図2B及び図3Bを参照して先に概説した通り、少なくとも近似的に(approximately)補正することができる。例えば、動作構成を達成するためたわみ及びねじれを補正する際に必要な動作位置合わせアクチュエータAActの調整の大きさを知ることができ、動作位置合わせサブシステム回路/ルーチン890(又は190)に記録できることは認められよう。あるいは、このような調整の前に動作位置合わせアクチュエータAActが既知の又は基準の状態にある場合の残留位置ずれMisAngの大きさを知り、記録することができる。いずれの場合であっても、位置合わせセンサASen、可動アーム構成MAC’の遠位端、及び/又はエンドツールETLの近傍のたわみ/ねじれ位置ずれ(例えばたわみ/ねじれ位置ずれ角度又はベクトル)を、少なくとも近似的に知ることができるか又は推論することができる。
いくつかの実施例では、上述したように決定されたたわみ/ねじれ位置ずれに基づいて、これをロボットシステム900(又は1000)の様々なアーム部及び軸受の既知の幾何学的形状と向き及び機械的特徴(例えばビーム特性)と組み合わせることで、図9及び図10に示されているZ2及び/又はZ3座標に関連した座標変位又は誤差を近似できる。このような実施例では、上述のたわみ/ねじれ位置ずれ決定は結局のところ、位置合わせセンサASenによって示される残留位置ずれに帰するか又はこれに基づくことは理解されよう。このため、1つのタイプの記載に従って、このような実施例では、結局は位置合わせセンサASenによって示される残留位置ずれに基づく、上記のように決定されたたわみ/ねじれ位置ずれに基づいて、計測位置座標セットのZ座標に存在する誤差を少なくとも部分的に補正又は補償することができる。
図9及び図10に示されている実施例では、動作位置合わせアクチュエータ構成AActは、可動アーム構成MAC’に含まれ動作位置合わせサブシステムOASで使用される移動機構834及び835を備える。このような実施例では、多関節ロボット110の動作中の1又は複数の所望の時点で、多関節ロボット110の1つ以上の姿勢においてスケール撮像軸方向SIAを光軸OA1と能動的に位置合わせすることができる。このような位置合わせが能動的であり(すなわち、位置合わせセンサASenからの位置合わせ信号に基づいて「閉ループ」で確立される)、多関節ロボット110の動作中の1又は複数の所望の時点で、本明細書において上述された小さいたわみ/ねじれ位置ずれ角度MisAngに応じた小さい位置合わせ誤差を能動的に補正できることは認められよう。図示されている実施例において、位置合わせ誤差を能動的に補正するには、位置合わせ制御部892で発生した1又は複数の位置合わせ制御信号を用いて、位置合わせセンサASenにより与えられた1又は複数の位置合わせ信号Asigに基づいて可動XYスケール870の位置合わせを調整するように動作位置合わせアクチュエータ構成AActを制御し、位置合わせ信号Asigで示されるように、光軸OA1及びスケール撮像軸方向SIAが平行に配置されるXYスケール870及び第1の撮像構成860の動作構成を提供すればよい。例えば、動作位置合わせサブシステム処理回路/ルーチン890は、本明細書に開示されている様々な動作原理又は機能を実施するため、破線893で示されるように、ロボット移動制御及び処理システム840と、特定の位置及び/又は位置合わせ情報及び/又は制御信号を交換することができる。図9及び図10に示されている多くの態様及び機能は概して、様々な前述の図における類似の態様及び機能についての前述の説明及び記載に基づいて理解できる。いくつかの他の態様及び機能については以下で更に詳しく記載する。
図9は、第1の撮像構成860及び動作位置合わせサブシステムOASの位置合わせセンサASenが静止要素STEに結合されている、図8のロボットシステム800と同様のロボットシステム900の第5の例示的な実施例の一部の等角投影図である。位置合わせセンサASenは、移動要素上に配置されたXYスケール870の動作位置合わせを管理する。上述の番号付けスキームと同様、図9のいくつかの名前又は番号を付けたコンポーネント(例えば8XX、8XX’、又は9XX)は、図8又は他の図における同一又は同様の名前又は番号を付けた対応するコンポーネント(例えば8XX)に相当する及び/又はそれらと同様の動作を有し、それらと同様又は同一であると理解することができ、そうでなければ類推によって及び以下で記載するように理解され得ることは認められよう。上述のように、同様の及び/又は同一の設計及び/又は機能を有する要素を示すためのこの名前付け及び番号付けスキームは、本出願の様々な図に概ね適用される(例えば図1〜図5、図8、図9、及び図10)。
図9の構成において、第1の撮像構成860が結合されている静止要素STEは、ロボット810よりも上方に配置されたフレームを含み得る。可動アーム構成MAC’はアーム部821〜825を含む。図9に示されている様々な実施例において、動作位置合わせアクチュエータ構成AActは、可動アーム構成MAC’に含まれ動作位置合わせサブシステムOASで使用される移動機構834及び835を備える。XYスケール870は、アーム部又はブラケット825に結合され、これにより動作位置合わせアクチュエータ構成AActに結合され、これにより可動アーム構成MAC’の残り部分に結合されている。他の構成では、XYスケール870を可動アーム構成MAC’に結合するために他の結合構成を利用してもよい。様々な実施例において、可動アーム構成MAC’に結合されたXYスケール870の位置及び/又は向きは調整可能としてもよいが、(例えば一連の測定等のため)所与の位置/向きで一時的にロックするか又は他の方法で固定してもよい。いずれの場合であっても、補足計測位置座標決定システム850の動作構成において、第1の撮像構成860は、第1の撮像構成860の光軸OA1がスケール撮像軸方向SIAの方向に平行であると共に、スケール面がスケール撮像軸方向SIAに沿った第1の撮像構成860の合焦範囲内に位置付けられるように配置することができる。
ロボット810は既知のタイプであるので、ここでは簡潔に説明する。図9に示されているように、第1のアーム部821(例えば上方ベース部)は、第1のアーム部821の近位端PE1’において第1の移動機構831(例えば回転継手を含む)に実装されている。第1の移動機構831は、下方サポートベース部BSE’の上端に位置付けられ、Z軸に沿って位置合わせされた回転軸RA1’を有する。光軸OA1及びスケール撮像軸方向SIAが所望の動作構成に配置されている場合にこれらと直交する面内で第1のアーム部821が回転するように、光軸OA1及びスケール撮像軸方向SIAをZ軸と位置合わせできることは認められよう。第1のアーム部821の角度位置(例えば角度向き)を決定するため、位置センサSEN1’(例えば回転エンコーダ)を使用できる。第1のアーム部821の遠位端DE1’の近傍に、第2の移動機構832が位置付けられている。第2の移動機構832は、Z軸にノミナルに直交する回転軸RA2’を有する。第2のアーム部822は、第2のアーム部822の近位端PE2’で第2の移動機構832に実装されて、第2のアーム部822が回転軸RA2’を中心として移動するようになっている。第2のアーム部822の角度位置A2’を決定するため、位置センサSEN2’を使用できる。第2のアーム部822の遠位端DE2’に、第3の移動機構833が位置付けられている。第3の移動機構833は、Z軸にノミナルに直交する回転軸RA3’を有する。第3のアーム部823は、第3のアーム部823の近位端PE3’で第3の移動機構833に実装されて、第3のアーム部823が回転軸RA3’を中心として移動するようになっている。第3のアーム部823の角度位置A3’を決定するため、位置センサSEN3’を使用できる。第3のアーム部823の遠位端DE3に、第4の移動機構834が位置付けられている。第4の移動機構834は、Z軸にノミナルに直交する回転軸RA4を有する。第4のアーム部824は、第4のアーム部824の近位端PE4で第4の移動機構834に実装されて、第4のアーム部824が回転軸RA4を中心として回転するようになっている。(例えばZ軸に平行な面内の)第4のアーム部824の角度位置を決定するため、位置センサSEN4を使用できる。第5の移動機構835は、第4のアーム部824の遠位端DE4に位置付けることができ、様々な実施例において回転軸RA4とノミナルに直交し得る回転軸RA5を有する。第5のアーム部825(例えばブラケット)は、第5のアーム部825の近位端PE5で第5の移動機構835に実装されて、第5のアーム部825が回転軸RA5を中心として回転するようになっている。回転軸RA5を中心とした第5のアーム部825及び/又はXYスケール870の角度位置を決定するため、位置センサSEN5を使用できる。いくつかの実施例では、以下で更に詳しく記載するように、XYスケール870のスケール面を回転軸RA5と平行に配置することが望ましい場合がある。図9に示されているように、第2及び第3のアーム部822及び823には、各アーム部の中心を通る中心線CL2’及びCL3をそれぞれ指定できる。第2のアーム部822の中心線CL2’と面(例えば動作構成においてスケール面と平行な面であり、光軸OA1がz軸と平行な場合はxy面内に存在し得る)との間に生じる角度A2’(例えば第2の移動機構832の回転量に対応し得る)を指定できる。第2のアーム部822の中心線CL2’と第3のアーム部823の中心線CL3との間に生じる角度A3’(例えば第3の回転軸RA3’を中心とした第3の移動機構833の回転量に応じる)を指定できる。可動アーム構成MAC’のコンポーネントのいくつかの移動、座標、及び角度に言及するため、他のアーム部も同様に、対応する参照線及び/又は参照軸等を有し得ることは認められよう。
様々な実施例において、可動XYスケール870(例えば図8及び図9に示されている)は、回転軸RA4を中心として回転する回転要素(例えば移動機構834に結合されたアーム部824)及び回転軸RA5を中心として回転する回転要素(例えば移動機構835に結合されたブラケット又はアーム部825)を含む遠位小部分を介して、可動アーム構成MAC’の中央小部分(例えばアーム部823及びその近傍の少なくともいくつかの要素を含む)に結合されているものとして記載できる。前述のように、移動機構834及び835は、動作位置合わせアクチュエータ構成AActとして考えることができ、上記で概説され以下で更に詳しく記載される所望の動作位置合わせを行うために使用できる。図9に示されている例示的な動作位置合わせアクチュエータ構成AActにおいて、回転軸RA5は、XYスケール870のスケール面にノミナルで平行であると共にスケール撮像軸方向SIAにノミナルで直交する。回転軸RA4は回転軸RA5にノミナルで直交する。本明細書で使用される慣例に従って、方向ベクトルのドット積がゼロであるように配向された2つの軸は、それらが交差しているか否かには無関係に、直交するか又は垂直であると理解される。回転軸のこの配置によって、単純かつ便利な移動制御及び検知処理が可能となるが、これは単なる例示であって限定でないことは理解されよう。この実施例では、動作位置合わせアクチュエータ構成AActの回転要素は可動アーム構成MAC’に含まれるが、他の実施例では、回転要素(典型的に第1及び第2の回転要素)を、可動アーム構成MACの遠位端の近傍に配置された別個の動作位置合わせアクチュエータ構成に含めてもよい(例えば図12及び図13を参照して以下で記載する)。
図9(及び図10)に示されている実施例において、回転軸RA4は、可動アーム構成MAC’の1つ以上の他の回転軸(例えばRA2、RA3)に平行である。このような場合、回転軸RA4が、可動アーム構成MAC’における平行な回転軸の角度回転に反対及び等しい方向に逆回転すると、必要に応じてロボット810の様々な移動及び配置を通して補足計測位置座標決定システム850の所望の動作構成を維持できることは認められよう。更に一般的には、XYはロックされるか、又は、特定の測定に望ましい向き/位置を達成するため可動アーム構成MAC’に対して様々な固定の向き/位置に調整可能/回転可能である。
様々な実施例において、エンドツールETLは、第5のアーム部825の遠位端DE5の近傍でエンドツール実装構成ETMCに実装(例えば結合)することができる。エンドツールETLは、エンドツール軸EA(例えばスタイラスETSTの中央及び/又は中心軸を通る)を有することを指定できる。図示されている実施例では、エンドツール軸EAは、エンドツール位置ETPを通り、XYスケール870から既知の座標位置オフセットを有し(例えば、Z座標位置オフセット成分はオフセットLoffMPで示される)、動作構成においてスケール撮像軸方向SIAに平行である(例えば、スタイラスETSTを備えるエンドツールETLはスケール撮像軸方向SIAと平行に配向されている)。図2A〜図2Bを参照して上記で概説したように、エンドツール位置ETPとXYスケール870との間には既知の座標位置オフセットが存在し得る。例えばXYスケール870は、(例えばXYスケール870の中心又はエッジに)指定された参照点を有することができ、この参照点は、エンドツール軸EAから(例えば、これに応じてエンドツール位置ETPから)既知の座標位置オフセット(例えば、スケール面又は他のものと平行な面内における既知の距離)を有する。様々な実施例において、このような既知の座標位置オフセットは、既知のオフセット成分で表現することができる。
前述のように、エンドツール位置ETPとXYスケール870との間の既知の座標位置オフセットは、エンドツール位置ETPの計測位置座標を決定するためのプロセスの一部として利用できる。更に具体的には、上述のように、補足計測位置座標決定システム850は、取得した画像内で識別された(すなわちXYスケール870の)少なくとも1つの撮像可能要素の画像位置の決定に基づいて、計測位置座標処理部885が、XYスケール870と第1の参照位置REF1(すなわち静止している第1の撮像構成860によって規定される)との間の相対位置を示す計測位置座標を決定するように動作するよう構成できる。補足計測位置座標決定システム850は更に、相対位置(すなわちXYスケール870と第1の参照位置REF1との間の)を示す決定された計測位置座標、並びに、エンドツール位置ETP及び/又はエンドツールの測定点位置MPと可動XYスケール870との間の既知の座標位置オフセットに基づいて、エンドツール位置ETP及び/又はエンドツールの測定点位置MPの計測位置座標を決定するように構成できる。1つの具体的な例示の実施例では、エンドツールETP及び/又はエンドツールETLの測定点位置MPの計測位置座標を決定するため、既知の座標位置オフセット(例えば、既知のxオフセット及び既知のyオフセット及び既知のzオフセット等、既知のオフセット成分で表現される)を、相対位置(すなわちXYスケール870と第1の参照位置REF1との間の)を示す決定された計測位置座標に加算するか又は他の方法でこれと組み合わせることができる。
1つの具体的な例示の位置座標構成として、動作構成でスケール撮像軸方向SIAがz軸と平行である実施例では、XYスケール870は、X0、Y0、Z0に原点を有することを指定できる(例えば、スケールの中心にある原点位置であり、0、0、0のスケール座標値を有し得る)。参照位置REF1(すなわち静止している第1の撮像構成860によって規定される)は計測座標X1、Y1、Z1を有し、これに対応する視野FOV1(例えば取得された画像に対応する)の中心は計測座標X1、Y1、Z0に存在し得る。XYスケール870から延出するxy面内のエンドツール軸EAの位置は、相対計測位置座標X2、Y2を有すると指定できる。エンドツール位置ETPは計測位置座標X2、Y2、Z2を有すると指定できる。様々な実施例において、エンドツールETLは、計測位置座標X3、Y3、Z3を有すると指定できる測定点MP(例えばワークピースに接触するためのエンドツールスタイラスETSTの端部にある)を有し得る。エンドツールETLの測定点MPがエンドツールの残り部分に対してx方向又はy方向に変動せず、エンドツール軸EAが動作構成においてz軸に平行である実施例では、X3及びY3座標はそれぞれX2及びY2座標に等しい可能性がある。
1つの具体的な例示の実施例では、取得された画像を計測位置座標処理部885によって解析して、静止している第1の撮像構成860の視野FOV1の中心に対応する計測位置座標X1、Y1に対応するスケール座標を決定することができる。このような決定は、(例えばスケールに対するカメラの位置を決定するための)標準的なカメラ/スケール画像処理技法に従って実行できる。このような技法の様々な例が、米国特許第6,781,694号、第6,937,349号、第5,798,947号、第6,222,940号、及び第6,640,008号に記載されている。これらの各々は援用により全体が本願に含まれる。様々な実施例では、このような技法を用いて、図4及び図5に関連付けて上述したように、スケール範囲内(例えばXYスケール870内)の視野FOV1の位置(例えばカメラの位置に対応している)を決定できる。様々な実施例において、このような決定は、XYスケール870の取得された画像内に含まれる少なくとも1つの各撮像可能要素及びそれに関連した各既知のXYスケール座標位置を識別することを含み得る。このような決定は、XYスケール870と第1の参照位置REF1(すなわち静止している第1の撮像構成860によって規定される)との間の相対位置を示す計測位置座標を決定することに対応し得る。次いで、エンドツール位置ETP及び/又はエンドツールETLの測定点位置MPとXYスケール870との間の既知の座標位置オフセットに従って、相対X2、Y2座標(すなわちエンドツール位置ETPの)を決定することができる(例えば、X2、Y2、Z2及び/又はX3、Y3、Z3を決定するため、X1及びY1及びZ0に既知のx及びy及びz位置オフセット値を加算する)。
図9に示されている実施例の動作を要約すると、上記のように提供された所望の動作構成において、位置ずれセンサASenに基づきこれによって示される残留位置ずれMisAngはゼロに低減される。従って、残留位置ずれMisAngに応じて生じる誤差(例えば図2A〜図3Bを参照して上記で概説した)は実質的に防止されるので、補正又は補償する必要はない。例えば、非ゼロの残留位置ずれに起因した追加の補正又は補償を行う必要なく、本明細書で概説したように、様々なコンポーネント間の様々なオフセット量及び/又は位置ずれ誤差を較正データとして決定及び/又はセーブして使用することができる。
図10は、図9のロボットシステム900と同様のロボットシステム1000の第6の例示的な実施例の一部の等角投影図であるが、異なる点は、第1の撮像構成860及び動作位置合わせサブシステムOASの位置合わせセンサASenが可動アーム構成MAC’の移動要素に結合され、位置合わせセンサASenが、静止要素STE上に配置されたXYスケール870に対する第1の撮像構成860の動作位置合わせを管理していることである。
図10の構成において、XYスケール870が結合されている静止要素STEは、ロボット810よりも上方に配置されたフレームを含み得る。図10に示されている実施例において、動作位置合わせアクチュエータ構成AActは移動機構834及び835を含み、これらは、図9を参照して先に概説したように、可動アーム構成MAC’に含まれて動作位置合わせサブシステムOASで使用される。第1の撮像構成860及び位置合わせセンサASenは、アーム部又はブラケット825に結合され、これにより動作位置合わせアクチュエータ構成AActに結合され、これにより可動アーム構成MAC’の残り部分に結合されている。他の構成では、第1の撮像構成860を可動アーム構成MAC’に結合するために他の結合構成を利用してもよい。様々な実施例において、可動アーム構成MAC’に結合された第1の撮像構成860の位置及び/又は向きは調整可能としてもよいが、(例えば一連の測定等のため)所与の位置/向きで一時的にロックするか又は他の方法で固定してもよい。いずれの場合であっても、補足計測位置座標決定システム850の動作構成において、第1の撮像構成860は、第1の撮像構成860の光軸OA1がスケール撮像軸方向SIAの方向に平行であると共に、スケール面がスケール撮像軸方向SIAに沿った第1の撮像構成860の合焦範囲内に位置付けられるように配置することができる。
ロボット810は実質的に図9を参照して前述した通りとすることができる。様々な実施例において、可動の第1の撮像構成860(例えば図10に示されている)は、回転軸RA4を中心として回転する回転要素(例えば移動機構834に結合されたアーム部824)及び回転軸RA5を中心として回転する回転要素(例えば移動機構835に結合されたブラケット又はアーム部825)を含む遠位小部分を介して、可動アーム構成MAC’の中央小部分(例えばアーム部823及びその近傍の少なくともいくつかの要素を含む)に結合されているものとして記載できる。前述のように、移動機構834及び835は、動作位置合わせアクチュエータ構成AActとして考えることができ、上記で概説され以下で更に詳しく記載される所望の動作位置合わせを行うために使用できる。いくつかの実施例では、例えば図10に示され以下で更に詳しく記載されるように、第1の撮像構成860の光軸OA1を回転軸RA5に直交して配置することが望ましい場合がある。回転軸RA4は回転軸RA5にノミナルで直交する。本明細書で使用される慣例に従って、方向ベクトルのドット積がゼロであるように配向された2つの軸は、それらが交差しているか否かには無関係に、直交するか又は垂直であると理解される。回転軸のこの配置によって、単純かつ便利な移動制御及び検知処理が可能となるが、これは単なる例示であって限定でないことは理解されよう。この実施例では、動作位置合わせアクチュエータ構成AActの回転要素は可動アーム構成MAC’に含まれるが、他の実施例では、回転要素(典型的に第1及び第2の回転要素)を、可動アーム構成MACの遠位端の近傍に配置された別個の動作位置合わせアクチュエータ構成に含めてもよい(例えば図12及び図13を参照して以下で記載する)。
図10に示されている実施例において、回転軸RA4は、可動アーム構成MAC’の1つ以上の他の回転軸(例えばRA2、RA3)に平行である。このような場合、回転軸RA4が、可動アーム構成MAC’における平行な回転軸の角度回転に反対及び等しい方向に逆回転すると、必要に応じてロボット810の様々な移動及び配置を通して補足計測位置座標決定システム850の所望の動作構成を維持できることは認められよう。更に一般的には、XYはロックされるか、又は、特定の測定に望ましい向き/位置を達成するため可動アーム構成MAC’に対して様々な固定の向き/位置に調整可能/回転可能である。
様々な実施例では、(様々なオフセット寸法等の様々な小さい相違以外は)実質的に図9を参照して前述したものと同様の機能特性及び要素を有する構成において、エンドツールETLは、第5のアーム部825の遠位端DE5の近傍に実装(例えば結合)することができる。図3A〜図3Bを参照して上記で概説したように、エンドツール位置ETPと第1の撮像構成860との間には既知の座標位置オフセットが存在し得る(例えば、Z座標位置オフセット成分はオフセットLoffMPで示される)。例えば第1の撮像構成860は、エンドツール位置ETPから既知の座標位置オフセットを有する指定された参照点を(例えばレンズの中心で、計測座標位置ラベルX1、Y1、Z1に)有することができる。様々な実施例において、このような既知の座標位置オフセットは既知のオフセット成分で表現することができる。
前述のように、エンドツール位置ETPと第1の撮像構成860との間の既知の座標位置オフセットは、エンドツール位置ETPの計測位置座標を決定するためのプロセスの一部として利用できる。更に具体的には、上述のように、補足計測位置座標決定システム850は、取得した画像内で識別された(すなわちXYスケール870の)少なくとも1つの撮像可能要素の画像位置の決定に基づいて、計測位置座標処理部885が、第1の撮像構成860と第1の参照位置REF1(すなわち静止しているXYスケール870によって規定される)との間の相対位置を示す計測位置座標を決定するように動作するよう構成できる。補足計測位置座標決定システム850は更に、相対位置(すなわち第1の撮像構成860と第1の参照位置REF1との間の)を示す決定された計測位置座標、並びに、エンドツール位置ETP及び/又はエンドツールの測定点位置MPと可動の第1の撮像構成860との間の既知の座標位置オフセットに基づいて、エンドツール位置ETP及び/又はエンドツールの測定点位置MPの計測位置座標を決定するように構成できる。1つの具体的な例示の実施例では、エンドツールETP及び/又はエンドツールETLの測定点位置MPの計測位置座標を決定するために、既知の座標位置オフセット(例えば、既知のxオフセット及び既知のyオフセット及び既知のzオフセット等、既知のオフセット成分で表現される)を、相対位置(すなわち第1の撮像構成860と第1の参照位置REF1との間の)を示す決定された計測位置座標に加算するか又は他の方法でこれと組み合わせることができる。
1つの具体的な例示の位置座標構成として、動作構成で光軸OA1がスケール撮像軸SIA及びZ軸と平行である実施例では、XYスケール870は、REF1位置X0、Y0、Z0に原点を有することを指定できる。スケールの中心にある原点位置はスケール座標値0、0、0を有し得るので、この特定の実施例ではスケール座標系及び計測座標系は一致する。第1の撮像構成860の光軸に沿った視野FOV1(例えば取得した画像に対応する)の中心の位置は、計測座標X1、Y1、Z0に存在し得る。所望の動作構成において、第1の撮像構成860の参照点は計測座標X1、Y1、Z1を有すると理解できる。エンドツール位置ETPは計測位置座標X2、Y2、Z2を有すると指定できる。様々な実施例において、エンドツールETLは、計測位置座標X3、Y3、Z3を有すると指定できる測定点MP(例えばワークピースに接触するためのエンドツールスタイラスETSTの端部にある)を有し得る。エンドツール位置ETP及びエンドツールETLの測定点MPが第1の撮像構成860の参照点に対してx方向又はy方向に変動しない実施例では、X2、Y2及びX3、Y3座標はそれぞれX1、Y1座標に等しい可能性がある。
1つの具体的な例示の実施例では、取得された画像を計測位置座標処理部885によって解析して、静止している第1の撮像構成860の視野FOV1の中心に対応する計測位置座標X1、Y1に対応するスケール座標を決定することができる。このような決定は、(例えばスケールに対するカメラの位置を決定するための)標準的なカメラ/スケール画像処理技法に従って実行できる。このような技法の様々な例が、米国特許第6,781,694号、第6,937,349号、第5,798,947号、第6,222,940号、及び第6,640,008号に記載されている。これらの各々は援用により全体が本願に含まれる。様々な実施例では、このような技法を用いて、図4及び図5に関連付けて上述したように、スケール範囲内(例えばXYスケール870内)の視野FOV1の位置(例えばカメラの位置に対応している)を決定できる。様々な実施例において、このような決定は、XYスケール870の取得された画像内に含まれる少なくとも1つの各撮像可能要素及びそれに関連した各既知のXYスケール座標位置を識別することを含み得る。このような決定は、第1の撮像構成860と第1の参照位置REF1(すなわち静止しているXYスケール870によって規定される)との間の相対位置を示す計測位置座標を決定することに対応し得る。次いで、エンドツール位置ETP及び/又はエンドツールETLの測定点位置MPと第1の撮像構成860との間の既知の座標位置オフセットに従って、相対X、Y座標(すなわちエンドツール位置ETPの)及び/又はエンドツールETLの測定点位置MPを決定することができる(例えば、X2、Y2、Z2及び/又はX3、Y3、Z3を決定するため、X1及びY1及びZ1に既知のx及びy及びz位置オフセット値を加算する)。
図10に示されている実施例の動作を要約すると、上記のように提供された所望の動作構成において、位置ずれセンサASenに基づきこれによって示される残留位置ずれMisAngはゼロに低減される。従って、残留位置ずれMisAngに応じて生じる誤差(例えば図2A〜図3Bを参照して上記で概説した)は実質的に防止されるので、補正又は補償する必要はない。例えば、非ゼロの残留位置ずれに起因した追加の補正又は補償を行う必要なく、本明細書で概説したように、様々なコンポーネント間の様々なオフセット量及び/又は位置ずれ誤差を較正データとして決定及び/又はセーブして使用することができる。
図9及び図10を参照して上述された実施例は、可動アーム構成MACに含まれる動作位置合わせアクチュエータAActを使用する。あるいは、所望の場合、動作位置合わせサブシステムOASが別個の動作位置合わせアクチュエータAActのセットを提供できることは認められよう(例えば、関連付けられた可動アーム構成が、動作位置合わせサブシステムOASによって使用するのに適したアクチュエータを含まない場合)。このような別個の動作位置合わせアクチュエータAActのセットは、実質的に図9及び図10を参照して上述されたものと同様に動作し、本明細書に開示されている原理に従って同様の利点を提供することができる。図12及び図13はそのような実施例を示す。
図12は、図2A及び図2Bのロボットシステムと同様のロボットシステム1200の実施例の一部を示す等角投影図である。XYスケール870、並びに動作位置合わせサブシステムOASの位置合わせアクチュエータ構成AActは、移動要素に結合されている。位置合わせセンサASen及び位置合わせアクチュエータ構成AActを用いて、静止要素STE上に配置された撮像構成860に対するXYスケール870の動作位置合わせを管理する。動作位置合わせサブシステムOASに関連する機能及び動作は、図9を参照して上記で概説したものと同様である。上述の番号付けスキームと同様、図12のいくつかの名前又は番号を付けたコンポーネント(例えば1XX、8XX、8XX’)は、図2A、図2B、図9、又は他の図における同一又は同様の名前又は番号を付けた対応するコンポーネント(例えば1XX、8XX)に相当する及び/又はそれらと同様の動作を有し、それらと同様又は同一であると理解することができ、そうでなければ類推によって及び以下で記載するように理解され得ることは認められよう。上述のように、同様の及び/又は同一の設計及び/又は機能を有する要素を示すためのこの名前付け及び番号付けスキームは、本出願の様々な図に概ね適用される(例えば図1〜図5、図8、図9、図10、図12、及び図13)。
図12の構成において、第1の撮像構成860が結合されている静止要素STEは、ロボット810よりも上方に配置されたフレームを含み得る。可動アーム構成MACは、図2Aに示されているものと同一とすればよい。図12に示されている実施例において、動作位置合わせアクチュエータ構成AActは、動作位置合わせサブシステムOASの一部とすることができる別個の移動機構834’及び835’を含む。例えば、動作位置合わせアクチュエータ構成AActはアーム部又はブラケット825に結合することができ、アーム部又はブラケット825はXYスケール870及びエンドツール構成ETCNのエンドツールETLに結合することができる。エンドツール構成ETCNは、エンドツール実装構成ETMCで可動アーム構成MACに機械的及び電気的に接続されている。図示されている実施例では、別個の移動機構834’及び835’は、それぞれ回転軸RA4及びRA5を中心とした比較的小さい角度範囲の移動に対応するだけで充分である。従ってこれらは、図12に概略的に示されている通り、薄型の(low profile)コンパクトな2軸アクチュエータに一体化することができる。このようなアクチュエータに関する教示は、例えば米国特許第5,583,691号及び第9,323,025号に開示されている。これらは援用により全体が本願に含まれる。別個の移動機構834’及び835’からの制御及び位置信号を、本明細書にすでに開示されている及び/又は当技術分野で一般的に既知である可動アーム構成MACを含むロボットシステムのものと組み合わせることができることは認められよう。
様々な実施例において、動作位置合わせアクチュエータ構成AActに結合され、これによって可動アーム構成MACに結合されたXYスケール870の位置及び/又は向きは、調整可能としてもよいが、(例えば一連の測定等のため)所与の位置/向きで一時的にロックするか又は他の方法で固定してもよい。いずれの場合であっても、補足計測位置座標決定システム850の動作構成において、第1の撮像構成860は、第1の撮像構成860の光軸OA1がスケール撮像軸方向SIAの方向に平行であると共に、スケール面がスケール撮像軸方向SIAに沿った第1の撮像構成860の合焦範囲内に位置付けられるように配置することができる。
図12に示されているように、移動機構834’は、いくつかの実施例では(例えば著しいたわみ又はねじれが存在しない場合)Z軸にノミナルで直交し得る回転軸RA4を有する。移動機構834’は、回転軸RA4を中心として回転するように移動機構834’に結合されたアクチュエータ部AP824(例えばプレート)を含むことができる。(例えばZ軸に平行な面内での)アクチュエータ部AP824の角度位置を決定するため、移動機構834’の位置センサを使用することができる。
移動機構835’は、アクチュエータ部AP824に結合することができ、様々な実施例において回転軸RA4にノミナルで直交し得る回転軸RA5を有する。移動機構835’は、回転軸RA5を中心として回転するように移動機構835’に結合されたアクチュエータ部AP825(例えばプレート)を含むことができる。アクチュエータ部AP825にアーム部825’(例えばブラケット)を実装することができる。アクチュエータ部AP825、アーム部825’、及び/又はXYスケール870の角度位置を決定するため、移動機構835’の位置センサを使用することができる。いくつかの実施例では、XYスケール870のスケール面を回転軸RA5と平行に配置することが望ましい場合がある。
様々な実施例において、可動XYスケール870は、回転軸RA4を中心として回転する回転要素(例えば移動機構834’に結合されたアクチュエータ部AP824)及び回転軸RA5を中心として回転する回転要素(例えば移動機構835’に結合されたアクチュエータ部AP825及び/又はブラケットもしくはアーム部825’)を含む別個の動作位置合わせアクチュエータ構成AActを介して、可動アーム構成MACの中央小部分(例えばアーム部130及びその近傍の少なくともいくつかの要素を含む)に結合されているものとして記載できる。図12に示されている例示的な動作位置合わせアクチュエータ構成AActでは、回転軸RA5は、XYスケール870のスケール面にノミナルで平行であり、スケール撮像軸方向SIAにノミナルで直交する。回転軸RA4は、回転軸RA5にノミナルで直交する。回転軸のこの配置によって、単純かつ便利な移動制御及び検知処理が可能となるが、これは単なる例示であって限定でないことは理解されよう。
図12に示されている実施例において、可動アーム構成MACは、位置合わせセンサASen及び動作位置合わせアクチュエータAActを用いて補足計測位置座標決定システム850の所望の動作構成が一度確立されたら、必要に応じて、ロボット810の様々な移動又は配置を通してこの所望の動作構成をノミナルで維持できるように構成されている。動作構成において可能な限り最良の位置合わせを保証することが望ましい場合、位置合わせセンサASenに基づきこれによって示される通りに所望の動作位置合わせを行うように1又は複数の動作位置合わせアクチュエータAActの位置を調整することで、任意の所望の時点で動作位置合わせを調整できる。
前述のように、エンドツール位置ETP及び/又はエンドツールの測定点位置MPとXYスケール870との間の既知の座標位置オフセットは、エンドツール位置ETPの計測位置座標を決定するためのプロセスの一部として利用できる。更に具体的には、上述のように、補足計測位置座標決定システム850は、取得した画像内で識別された(すなわちXYスケール870の)少なくとも1つの撮像可能要素の画像位置の決定に基づいて、計測位置座標処理部885が、XYスケール870と第1の参照位置REF1(すなわち静止している第1の撮像構成860によって規定される)との間の相対位置を示す計測位置座標を決定するように動作するよう構成できる。補足計測位置座標決定システム850は更に、相対位置(すなわちXYスケール870と第1の参照位置REF1との間の)を示す決定された計測位置座標、並びに、エンドツール位置ETP及び/又はエンドツールの測定点位置MPと可動XYスケール870との間の既知の座標位置オフセットに基づいて、エンドツール位置ETP及び/又はエンドツールの測定点位置MPの計測位置座標を決定するように構成できる。1つの具体的な例示の実施例では、エンドツール位置ETP及び/又はエンドツールETLの測定点位置MPの計測位置座標を決定するため、既知の座標位置オフセット(例えば、既知のxオフセット及び既知のyオフセット及び既知のzオフセット等、既知のオフセット成分で表現される)を、相対位置(すなわちXYスケール870と第1の参照位置REF1との間の)を示す決定された計測位置座標に加算するか又は他の方法でこれと組み合わせることができる。
1つの具体的な例示の実施例では、取得された画像を計測位置座標処理部885によって解析して、静止している第1の撮像構成860の視野FOV1の中心に対応する計測位置座標X1、Y1に対応するスケール座標を決定することができる。このような決定は、(例えばスケールに対するカメラの位置を決定するための)標準的なカメラ/スケール画像処理技法に従って実行できる。様々な実施例では、このような技法を用いて、図4及び図5に関連付けて上述したように、スケール範囲内(例えばXYスケール870内)の視野FOV1の位置(例えばカメラの位置に対応している)を決定できる。様々な実施例において、このような決定は、XYスケール870の取得された画像内に含まれる少なくとも1つの各撮像可能要素及びそれに関連した各既知のXYスケール座標位置を識別することを含み得る。このような決定は、XYスケール870と第1の参照位置REF1(すなわち静止している第1の撮像構成860によって規定される)との間の相対位置を示す計測位置座標を決定することに対応し得る。次いで、エンドツール位置ETP及び/又はエンドツールETLの測定点位置MPとXYスケール870との間の既知の座標位置オフセットに従って、相対X2、Y2座標(すなわちエンドツール位置ETPの)を決定することができる(例えば、X2、Y2、Z2及び/又はX3、Y3、Z3を決定するため、X1及びY1及びZ0に既知のx及びy及びz位置オフセット値を加算する)。
図12に示されている実施例の動作を要約すると、上記のように提供された所望の動作構成において、位置ずれセンサASenに基づきこれによって示される残留位置ずれMisAngはゼロに低減される。従って、残留位置ずれ角度MisAngに応じて生じる誤差(例えば図2A〜図3Bを参照して上記で概説した)は実質的に防止されるので、補正又は補償する必要はない。例えば、非ゼロの残留位置ずれに起因した追加の補正又は補償を行う必要なく、本明細書で概説したように、様々なコンポーネント間の様々なオフセット量及び/又は位置ずれ誤差を較正データとして決定及び/又はセーブして使用することができる。
図13は、図12、図3A、及び図3Bのロボットシステムと同様のロボットシステム1300の実施例の一部を示す等角投影図である。撮像構成860、並びに動作位置合わせサブシステムOASの位置合わせセンサASen及び位置合わせアクチュエータ構成AActは、移動要素に結合されている。位置合わせセンサASen及び位置合わせアクチュエータ構成AActを用いて、静止要素STE上に配置されたXYスケール870に対する撮像構成860の動作位置合わせを管理する。
動作位置合わせサブシステムOASに関連する機能及び動作は、図10及び図12を参照して上記で概説したものと同様である。上述の番号付けスキームと同様、図13のいくつかの名前又は番号を付けたコンポーネント(例えば1XX、8XX、8XX’)は、図3A、図3B、図10、図12、又は他の図における同一又は同様の名前又は番号を付けた対応するコンポーネント(例えば1XX、8XX)に相当する及び/又はそれらと同様の動作を有し、それらと同様又は同一であると理解することができ、そうでなければ類推によって及び以下で記載するように理解され得ることは認められよう。
図13の構成において、XYスケール870が結合されている静止要素STEは、ロボット810よりも上方に配置されたフレームを含み得る。可動アーム構成MACは、図2A又は図3Bに示されているものと同一とすればよい。図13に示されている実施例において、動作位置合わせアクチュエータ構成AActは、動作位置合わせサブシステムOASの一部とすることができる別個の移動機構834’及び835’を含む。例えば、動作位置合わせアクチュエータ構成AActはアーム部又はブラケット825に結合することができ、アーム部又はブラケット825は第1の撮像構成860及びエンドツール構成ETCNのエンドツールETLに結合することができる。エンドツール構成ETCNは、エンンドツール実装構成ETMCで可動アーム構成MACに機械的及び電気的に接続されている。図示されている実施例では、別個の移動機構834’及び835’は、それぞれ回転軸RA4及びRA5を中心とした比較的小さい角度範囲の移動に対応するだけで充分である。従ってこれらは、図13に概略的に示されているように、薄型のコンパクトな2軸アクチュエータに一体化することができる。このようなアクチュエータに関する教示は、例えば米国特許第5,583,691号及び第9,323,025号に開示されている。これらは援用により全体が本願に含まれる。別個の移動機構834’及び835’からの制御及び位置信号を、本明細書にすでに開示されている及び/又は当技術分野で一般的に既知である可動アーム構成MACを含むロボットシステムのものと組み合わせることができることは認められよう。
様々な実施例において、動作位置合わせアクチュエータ構成AActに結合され、これにより可動アーム構成MACに結合された第1の撮像構成860の位置及び/又は向きは、調整可能としてもよいが、(例えば一連の測定等のため)所与の位置/向きで一時的にロックするか又は他の方法で固定してもよい。いずれの場合であっても、補足計測位置座標決定システム850の動作構成において、第1の撮像構成860は、第1の撮像構成860の光軸OA1がスケール撮像軸方向SIAの方向に平行であると共に、スケール面がスケール撮像軸方向SIAに沿った第1の撮像構成860の合焦範囲内に位置付けられるように配置することができる。
図13に示されているように、移動機構834’は、いくつかの実施例では(例えば著しいたわみ又はねじれが存在しない場合)Z軸にノミナルで直交し得る回転軸RA4を有する。移動機構834’は、回転軸RA4を中心として回転するように移動機構834’に結合されたアクチュエータ部AP824(例えばプレート)を含むことができる。(例えばZ軸に平行な面内での)アクチュエータ部AP824の角度位置を決定するため、移動機構834’の位置センサを使用することができる。
移動機構835’は、アクチュエータ部AP824に結合することができ、様々な実施例において回転軸RA4にノミナルで直交し得る回転軸RA5を有する。移動機構835’は、回転軸RA5を中心として回転するように移動機構835’に結合されたアクチュエータ部AP825(例えばプレート)を含むことができる。アクチュエータ部AP825にアーム部825’(例えばブラケット)を実装することができる。アクチュエータ部AP825、アーム部825’、及び/又はXYスケール870の角度位置を決定するため、移動機構835’の位置センサを使用することができる。いくつかの実施例では、第1の撮像構成860の光軸OA1を回転軸RA5と直交するように配置することが望ましい場合がある。
様々な実施例において、可動の第1の撮像構成860は、回転軸RA4を中心として回転する回転要素(例えば移動機構834’に結合されたアクチュエータ部AP824)及び回転軸RA5を中心として回転する回転要素(例えば移動機構835’に結合されたアクチュエータ部AP825及び/又はブラケット又はアーム部825’)を含む別個の動作位置合わせアクチュエータ構成AActを介して、可動アーム構成MACの中央小部分(例えばアーム部130及びその近傍の少なくともいくつかの要素を含む)に結合されているものとして記載できる。図13に示されている例示的な動作位置合わせアクチュエータ構成AActでは、回転軸RA5は、第1の撮像構成860の光軸OA1にノミナルで直交し、これと位置合わせされている。回転軸RA4は、回転軸RA5にノミナルで直交する。回転軸のこの配置によって、単純かつ便利な移動制御及び検知処理が可能となるが、これは単なる例示であって限定でないことは理解されよう。
図13に示されている実施例において、可動アーム構成MACは、位置合わせセンサASen及び動作位置合わせアクチュエータAActを用いて補足計測位置座標決定システム850の所望の動作構成が一度確立されたら、必要に応じて、ロボット810の様々な移動又は配置を通してこの所望の動作構成をノミナルで維持できるように構成されている。動作構成において可能な限り最良の位置合わせを保証することが望ましい場合、位置合わせセンサASenに基づきこれによって示される通りに所望の動作位置合わせを行うように1又は複数の動作位置合わせアクチュエータAActの位置を調整することで、任意の所望の時点で動作位置合わせを調整できる。
前述のように、エンドツール位置ETP及び/又はエンドツールの測定点位置MPと第1の撮像構成860との間の既知の座標位置オフセットは、エンドツール位置ETPの計測位置座標を決定するためのプロセスの一部として利用できる。更に具体的には、上述のように、補足計測位置座標決定システム850は、取得した画像内で識別された(すなわちXYスケール870の)少なくとも1つの撮像可能要素の画像位置の決定に基づいて、計測位置座標処理部885が、第1の撮像構成860と第1の参照位置REF1(すなわち静止しているXYスケール870によって規定される)との間の相対位置を示す計測位置座標を決定するように動作するよう構成できる。補足計測位置座標決定システム850は更に、相対位置(すなわち第1の撮像構成860と第1の参照位置REF1との間の)を示す決定された計測位置座標、並びに、エンドツール位置ETP及び/又はエンドツールの測定点位置MPと可動の第1の撮像構成860との間の既知の座標位置オフセットに基づいて、エンドツール位置ETP及び/又はエンドツールの測定点位置MPの計測位置座標を決定するように構成できる。1つの具体的な例示の実施例では、エンドツール位置ETP及び/又はエンドツールETLの測定点位置MPの計測位置座標を決定するため、既知の座標位置オフセット(例えば、既知のxオフセット及び既知のyオフセット及び既知のzオフセット等、既知のオフセット成分で表現される)を、相対位置(すなわち第1の撮像構成860と第1の参照位置REF1との間の)を示す決定された計測位置座標に加算するか又は他の方法でこれと組み合わせることができる。
1つの具体的な例示の実施例では、取得された画像を計測位置座標処理部885によって解析して、静止している第1の撮像構成860の視野FOV1の中心に対応する計測位置座標X1、Y1に対応するスケール座標を決定することができる。このような決定は、(例えばスケールに対するカメラの位置を決定するための)標準的なカメラ/スケール画像処理技法に従って実行できる。様々な実施例では、このような技法を用いて、図4及び図5に関連付けて上述したように、スケール範囲内(例えばXYスケール870内)の視野FOV1の位置(例えばカメラの位置に対応している)を決定できる。様々な実施例において、このような決定は、XYスケール870の取得された画像内に含まれる少なくとも1つの各撮像可能要素及びそれに関連した各既知のXYスケール座標位置を識別することを含み得る。このような決定は、第1の撮像構成860と第1の参照位置REF1(すなわち静止しているXYスケール870によって規定される)との間の相対位置を示す計測位置座標を決定することに対応し得る。次いで、エンドツール位置ETP及び/又はエンドツールETLの測定点位置MPとXYスケール870との間の既知の座標位置オフセットに従って、相対X2、Y2及び/又はX3、Y3座標を決定することができる(例えば、X2、Y2、Z2及び/又はX3、Y3、Z3を決定するため、X1及びY1及びZ0に既知のx及びy及びz位置オフセット値を加算する)。
図13に示されている実施の動作を要約すると、上記のように提供された所望の動作構成において、位置ずれセンサASenに基づきこれによって示される残留位置ずれMisAngはゼロに低減される。従って、残留位置ずれ角度MisAngに応じて生じる誤差(例えば図2A〜図3Bを参照して上記で概説した)は実質的に防止されるので、補正又は補償する必要はない。例えば、非ゼロの残留位置ずれに起因した追加の補正又は補償を行う必要なく、本明細書で概説したように、様々なコンポーネント間の様々なオフセット量及び/又は位置ずれ誤差を較正データとして決定及び/又はセーブして使用することができる。
図11は、ロボットと、動作位置合わせアクチュエータ構成AActを備える動作位置合わせサブシステムを含む補足計測位置座標決定システムと、を含むロボットシステムを動作させるためのルーチン1100Aの例示的な実施例を示すフロー図である。図11に示されているように、判断ブロック1110では、ロボットシステムを補足計測位置座標モードで動作させるか否かを決定する。様々な実施例において、補足計測位置座標モード又は標準ロボット位置座標モードの選択及び/又は活性化は、ユーザによって行う、及び/又は特定の動作及び/又は命令に応答してシステムによって自動的に行うことができる。例えば1つの実施例では、ロボットが特定の位置に移動した場合(例えばエンドツールを、アセンブリ又は他の動作が実行される一般エリアから、ワークピース検査動作が典型的に実行される及び/又は補足計測位置座標モードが利用される特定エリアに移動させた場合)、補足計測位置座標モードを開始することができる(例えば自動的に又はユーザによる選択に従って)。様々な実施例では、このようなモードは外部制御システムによって実施できる(例えば、標準ロボット位置座標モード部147及び補足計測位置座標モード部187を使用する図1の外部制御システムECS、又は、標準ロボット位置座標モード部849及び補足計測位置座標モード部887を使用する図8の外部制御システムECS’)。様々な実施例では、ハイブリッドモードを、独立して又は補足計測位置座標モードの一部として動作させる及び/又はモード間の切り替えとして実施することができる。これについては図7を参照して上記で概説されている。
判断ブロック1110において、ロボットシステムを補足計測位置座標モードで動作させないことが決定された場合、ルーチンはブロック1115に進み、ロボットシステムを標準ロボット位置座標モードで動作させる。標準ロボット位置座標モードの一部として、ロボットの位置センサ(例えば回転エンコーダやリニアエンコーダ等)を用いて、ロボット精度(例えば、ロボットの位置センサの精度に少なくとも部分的に基づく)で、ロボットの移動及び対応するエンドツール位置又はエンドツールの測定点位置を制御及び決定する。本明細書で上述したように、ロボットの位置センサは、XYスケールを用いて決定される位置情報よりも低い精度で可動アーム構成MAC又はMAC’の位置(例えばアーム部の位置)を示し得る。一般に、ロボット位置座標モードは、ロボットの独立した及び/又は標準的な動作モードに対応し得る(例えば、補足計測位置座標決定システムがアクティブでないか又は他の理由で提供されない場合にロボットを独立して動作させるモード)。
ロボットシステムを補足計測位置座標モードで動作させる場合、ルーチンはブロック1120に進み、ロボット及び補足計測位置座標決定システムは、位置合わせセンサにより提供される位置合わせ信号に基づいてXYスケール又は第1の撮像構成のうち可動のものの位置合わせを調整して補足計測位置座標決定システムの動作構成を与えるように、動作位置合わせサブシステム及び動作位置合わせアクチュエータ構成を動作させるよう構成されている。スケール面はXYスケールの平面状基板とノミナルで一致するように規定され、このスケール面に垂直な方向はスケール撮像軸方向として規定される。動作構成において、XYスケール及び第1の撮像構成は、第1の撮像構成の光軸が位置合わせ信号で示されるスケール撮像軸方向の方向に平行であると共にスケール面がスケール撮像軸方向に沿った第1の撮像構成の合焦範囲内に位置付けられるように配置される。
前述のように、様々な実施例において、動作構成を提供するためのこのプロセスは、動作位置合わせアクチュエータAActを用いて様々な位置調整を行うことを含み得る。動作位置合わせアクチュエータAActは、動作位置合わせサブシステムOASの別個のアクチュエータ、及び/又は可動アーム構成MACもしくはMAC’に含まれるアクチュエータを含み得る。1つの具体例として、図8、図9、及び図10の実施例では、第4及び第5の移動機構834及び835が、XYスケール870を回転させて、位置合わせセンサASenの位置合わせ信号で示される通りスケール撮像軸方向SIAを光軸OA1と平行にするように、第4及び第5のアーム部824及び825を回転させるよう動作させることができる。いくつかの実施例において、このような調整は、自動的に行うか又はユーザもしくは検査プログラム等により指示することができる。様々な実施例では、スケール撮像軸方向SIAに沿った第1の撮像構成860の合焦範囲内にスケール面を配置するように、第1の撮像構成860に様々な調整を行うことができる(例えば、倍率及び/又は合焦範囲等を調整できる)。
ブロック1130では、ロボットのエンドツール位置又はエンドツールの測定点位置に関連した少なくとも1つの入力信号を(例えば、画像トリガ部181又は881等の画像トリガ部で)受信する。この少なくとも1つの入力信号に基づいて第1の撮像トリガ信号のタイミングを決定し、この第1の撮像トリガ信号を第1の撮像構成に出力する。第1の撮像構成は、第1の撮像トリガ信号の受信に応答して、画像取得時点でXYスケールのデジタル画像を取得する。様々な実施例において、異なるタイプのエンドツールは、少なくとも1つの入力信号に対して使用され得る異なるタイプの出力を提供できる。例えば、エンドツールが、ワークピースを測定するために使用されるタッチプローブであり、ワークピースに触れるとタッチ信号を出力する実施例では、そのタッチ信号又はそれから導出された信号を少なくとも1つの入力信号として入力し、それに基づいて第1の撮像トリガ信号のタイミングを決定する。別の例として、エンドツールが、ワークピースを測定するために使用されるスキャンプローブであり、各サンプルタイミング信号に対応した各ワークピース測定サンプルデータを与える実施例では、その各サンプルタイミング信号又はそれから導出された信号を少なくとも1つの入力信号として入力できる。別の例として、エンドツールが、各ワークピース画像取得信号に対応した各ワークピース測定画像を与えるために使用されるカメラである実施例では、そのワークピース画像取得信号又はそれから導出された信号を少なくとも1つの入力信号として入力できる。
ブロック1140では、取得された画像を(例えば、計測位置座標処理部185又は885等の計測位置座標処理部で)受信し、XYスケールの取得された画像に含まれる少なくとも1つの撮像可能要素及び関連する既知のXYスケール座標位置を識別する。ブロック1150では、取得した画像内で識別された少なくとも1つの撮像可能要素の画像位置の決定に基づいて、XYスケール又は第1の撮像構成のうち可動のものと第1の参照位置との間の相対位置を示す計測位置座標をロボット精度よりも良好な精度で決定する。決定された計測位置座標は、少なくとも、スケール撮像軸方向の横断方向又は直交方向の少なくとも1つの計測位置座標のベクトル成分について、画像取得時点におけるエンドツール位置をロボット精度よりも良好な精度レベルで示す。ブロック1160では、決定された位置情報(例えば、相対位置を示す決定された計測位置座標、エンドツール位置又はエンドツールの測定点位置の決定された計測位置座標、及び/又は他の関連する決定された位置情報)を、指定された機能(例えばワークピース測定、ロボットの可動アーム構成の配置制御等)のために使用する。ブロック1160における動作の後、ルーチンは終了することができる。このような動作の一部として又は他として、ルーチンは次いでポイントAに進み、様々な実施例ではここでルーチンは終了することができる。あるいは、ブロック1160における動作の後、ルーチンを部分的に又は全体的に繰り返してもよい。例えば、(例えばブロック1160からの)決定された位置情報は、ワークピース上の第1の表面位置の決定に対応するか、又はこれを決定するため使用することができ、ルーチンを繰り返して、次いでワークピース上の第2の表面位置を決定することができる(例えば、ワークピースの要素の測定のようなワークピース測定の一部として)。ルーチンの繰り返しにおいて、ブロック1120における動作を繰り返すか否かは特定の状況に依存し得る。最良の精度のため、ブロック1120で上述した動作位置合わせは、ブロック1130及び/又は1140の動作中に使用されるのと同じ(又はほぼ同じ)位置及び/又は姿勢のロボットの可動アーム構成を用いて確立することが望ましい場合があり、動作は、位置合わせセンサにより提供された位置合わせ信号に基づいて、XYスケール又は第1の撮像構成のうち可動のものの位置合わせを調整する。しかしながら、ロボットアーム構成が充分に剛性である場合、及び/又は第2の表面位置において使用される位置及び/又は姿勢が第1の表面位置において使用されたものに近い場合、及び/又は特定の状況における精度の要求があまり厳しくない場合は、いくつかのそのような状況では必要に応じてブロック1120の動作の繰り返しを省略してもよい。
いずれの場合であっても、ルーチン1100の繰り返しにより決定された、第1及び第2の相対位置及び/又は関連する位置情報を示す第1及び第2の決定された計測位置座標を用いて、各画像取得時点でワークピース上の第1及び第2の表面位置等に接触した場合の各エンドツール位置又はエンドツールの測定点に対応するワークピース上の第1及び第2の表面位置間の距離に相当するワークピースの寸法を決定する。ロボットの位置センサ(例えば回転エンコーダ、リニアエンコーダ等)を用いてロボット精度でワークピース上の第1及び第2の表面位置を決定するよりも、本明細書に記載される技法を用いると、より正確な位置情報を決定できることは認められよう。更に具体的には、第1及び第2の表面位置(すなわち、XYスケール上の第1及び第2の位置に対応する第1及び第2の決定された計測位置座標に対応する。上述した技法を用いてこのような座標/位置間の精密な距離をXYスケールの精度に応じて決定できる)の決定によって、第1及び第2の表面位置間の(例えばワークピース要素の)ワークピースの対応する寸法を、高い精度で決定することが可能となる。
上記で概説した様々な技法は、基準又は他の参照マークを利用する技法とは異なるものとして記載される(例えば、同一の基準又は参照マークが各画像に存在する必要があるのに対し、XYスケール170又は870では、位置情報をXYスケール170又は870の全領域にわたって決定することができ、従って撮像構成160又は860の視野FOV又はFOV1に対応する画像内に含まれるXYスケール170又は870の任意の部分について決定できる)。
図6を参照して上述したルーチンを、対応する動作位置合わせサブシステムOAS(例えば図1〜図3Bを参照して記載されている)と共に使用するか、又は、図11を参照して上述したルーチンを、対応する動作位置合わせサブシステムOAS(例えば図8〜図10、及び/又は以下の図12〜図13を参照して記載されている)と共に使用することで、図7を参照して上述したハイブリッドモードを実施できることは認められよう。特に、このようなルーチン及び対応する動作位置合わせサブシステムOASは、図7のブロック740の動作で使用することができる。
図14は、本明細書に開示されている原理に従った動作位置合わせサブシステムOASの様々な実施例において使用できる位置合わせセンサASenの第1の例示的な構成の図1400である。1つのタイプの記載に従って、これは、位置合わせビームABeamを用いてXYスケール170又は870等の残留位置ずれMisAngを検出するためのレーザオートコリメータ(auto collimator)と考えることができる。図14に示されているように、位置合わせセンサASenは概して、レーザビーム光源LD(例えばレーザダイオード及びレンズ)と、偏光ビームスプリッタPBSと、レーザビーム源LDの波長に対応する4分の1波長板PXと、対物レンズLと、位置センサPSDと、を含み得る。光源LDの発光点は、対物レンズLの焦点に配置されている。偏光ビームスプリッタPBSは、光源LDが発する光ビームの光路上に配置され、光源LDから距離「b」だけ離れている。偏光ビームスプリッタPBSは、位置合わせビームABeam内の光を偏光する。4分の1波長板PXは、既知の原理に従って位置合わせビームABeam内の光の偏光を回転させ、次いで位置合わせビームABeamは、対物レンズLを介して本明細書で前述されているXYスケール170(870)に出力される。
XYスケール170(870)は、本明細書で前述したように、位置合わせビームABeamを反射位置合わせビームABeamRとして反射する。反射位置合わせビームABeamRは、図示されているように、対物レンズL及び4分の1波長板PXを通って戻り、偏光ビームスプリッタPBSから位置センサPSDへ反射する。位置検出器PSDは、偏光ビームスプリッタPBSから距離「b」だけ離間している。
XYスケールが位置合わせビームABeamに対して残留位置ずれ角θを有する場合、反射位置合わせビームABeamRが角度2*θで反射することは理解されよう。これは、本明細書で前述した様々な図において残留位置ずれ2*MisAngで示されている。従って、図示されている構成では、位置検出器PSD上で合焦する反射位置合わせビームABeamRの変位又は位置「d」は、以下の関係に従う。
θ=d/2F
ここで、f(=a+b)は対物レンズLの焦点距離である。
前述の記載は1つの面内での位置ずれ検出を説明しているが、位置検出器PSDが2つの検知軸及びそれらに対応する出力信号を有する場合、同一の検出器及び同一の検出原理を2つの面内に適用できることは理解されよう。例えば様々な実施例において、位置検出器PSDを既知のタイプの象限検出器とすることができ、反射位置合わせビームABeamRに対して、「X」軸及び「Y」軸に沿った変位又は位置「d」を示す既知のタイプの差動信号を提供できる。このような信号は、位置合わせセンサASenの前述した位置合わせ信号ASigと見なすことができる。
本開示において、要素170、170A、170B、870等に関して要素名「XYスケール」を用いたが、この要素名は単なる例示であって限定ではないことは理解されよう。これはデカルト座標系に関連付けて「XYスケール」と称され、ノミナルに平面状の基板を含むものとして記載されている(例えば、いくつかの実施例では、z軸に平行であり得るスケール撮像軸方向に対してノミナルに直交して配置されている)。しかしながら更に一般的には、要素名XYスケールは、本明細書に開示されるように動作できるならば、任意の参照スケールであって、このスケール上の既知の2次元座標(例えば2次元の正確な位置及び/又は正確に較正された位置)に対応する複数の要素又はマークを含むものを指すと理解するべきである。例えばそのようなスケール要素は、その参照スケール上のデカルト座標系、又は極座標系、又は他の任意の好都合な座標系で表現する及び/又は指し示すことができる。更に、そのような要素は、これらの要素がスケール上の既知の2次元座標に対応すると共に本明細書に開示されるように動作できるならば、動作スケールエリア全体にわたって均一に又は不均一に分散させた要素を含み、目盛の付いた又は目盛の付いていないスケールマークを含むことができる。
本明細書に開示され説明されるロボットシステム及び対応する可動アーム構成は、概ね特定の数のアーム部(例えば3つのアーム部、5つのアーム部等)を参照して図示され記載されるが、このようなシステムはそのように限定されないことは理解されよう。様々な実施例において、本明細書に記載される及び/又は特許請求されるもののようなアーム部を含むならば、ロボットシステムは所望の場合はより少ないか又はより多くのアーム部を含むことも可能である。
XYスケール又は参照スケール及びスケールを撮像するために使用されるカメラは、ロボットシステムの移動及び/又は位置に応じて、相互に対して回転し得ることは理解されよう。(例えば本願に含まれる引用文献に開示されているような)当技術分野において既知の方法を用いて、そのような相対的な回転を正確に決定する及び/又は必要な座標変換を実行すること、及び/又はそのような相対的な回転にかかわらず本明細書に開示される原理に従ってカメラ及びスケールの相対位置を解析することが可能であることは認められよう。本明細書で言及される計測位置座標は、様々な実施例において、そのような相対的な回転を考慮に入れていることは理解されよう。更に、いくつかの実施例において、本明細書で言及される計測位置座標は、所望の場合、そのような相対的な回転の精密な決定値及び/又は指示を含む座標セットを含み得ることは理解されよう。
本開示の好適な実施例について図示及び記載したが、本開示に基づいて、図示及び記載した要素の構成及び動作のシーケンスにおける多数の変形が当業者には明らかであろう。種々の代替的な形態を用いて本明細書に開示された原理を実施することができる。更に、上述の様々な実施例を組み合わせて別の実施例を提供することも可能である。本明細書において言及した米国特許及び米国特許出願は全て援用によりその全体が本願に含まれるものとする。これらの様々な特許及び出願の概念を用いて更に別の実施例を提供するために必要な場合は、上述の実施例の態様は変更可能である。
前述の記載に照らして、実施例にこれら及び他の変更を行うことができる。一般に、以下の特許請求の範囲において、使用される用語は本明細書及び特許請求の範囲に開示される特定の実施例に特許請求の範囲を限定するものとして解釈されず、そのような特許請求の範囲の権利が与えられる均等物の全範囲に加えて全ての可能な実施例を包含するものとして解釈されるべきである。