JP2021530527A - 治療誘発性炎症の軽減への使用のための糞便微生物叢組成物 - Google Patents

治療誘発性炎症の軽減への使用のための糞便微生物叢組成物 Download PDF

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Abstract

本発明は、それを必要とする個人における全身性及び腸内治療により誘発された炎症を予防し、そして/又は軽減するためへの糞便微生物叢移植の使用に関する。【選択図】なし

Description

本発明は、局所又は全身性炎症を誘発する治療を必要とする抗癌療法又は他の療法の分野に関し、そして医原性炎症を予防し、そして/又は軽減し、それにより有害事象を低減する手段及び組成物を提供する。
急性骨髄性白血病(AML)は比較的まれであるが、しかし実質的に致命的な血液癌である。AMLは、骨髄及び末梢血流内の悪性で、低分化の骨髄性細胞の異常な増殖により特徴づけられる(Saultz and Garzon, 2016)。AMLの標準的治療法は、幹細胞移植を伴うか又は伴わない従来の化学療法に依存している。適格な患者は、最初に集中的化学療法による誘導期を経験する。完全な寛解が達成された場合、反応を深め、そして長期続く寛解を達成するために、強化療法が実施される。標準的な誘発及び強化療法は、患者のリスクプロファイルに依存して、集中的化学療法及び/又は造血幹細胞移植(MSCT)の1サイクル又は数サイクルを含む(Dohner, Weisdorf and D, 2015)。AMLの異なる治療段階は、生命を脅かす感染性合併症の高いリスクのために、保護された環境での長期入院及び抗生物質治療の複数のコースを必要とする(Mayer et al., 2015)。
そのような治療は、ヒト腸内微微生物叢の組成を劇的に変えることが実証されている(Galloway-Pena et al., 2016; Galloway-Pena et al., 2017)。誘発されたいわゆる腸内毒素症は、全体的な微生物の多様性の低下、宿主の防御をサポートする善玉菌の破壊、及びいくつかの病原体及び病原菌、及び多剤耐性(MDR)細菌を含む、通常は亜優勢な細菌種の優勢的上昇により特徴付けられる(Jandhyala et al., 2015; Montassier et al., 2015)。従って、化学療法及び抗生物質治療は、宿主と微生物との間の相互関係を破壊し、そして制御されていない局所免疫応答及び潜在的に全身性炎症を含む病的状態を促進する(Palm, Zoete and Flavell, 2015)。
最近の研究は、高い腸内細菌の多様性が、患者における改善された臨床学的結果及び低められた感染性合併症と関連付けられることを示している(Galloway-Pena et al., 2016; Galloway-Pena et al., 2017; Malard et al., 2018)。導入化学療法の過程での微生物の多様性の有意な低下が、AML患者からの便サンプルに観察された。さらに、導入化学療法は、胃腸上皮上に劇的な結果をもたらすことが知られており、重度の腹痛を伴う大腸炎、下痢、腸の炎症の証拠を伴う血便を引起す(Hogan et al., 2002; Camera et al., 2003).。AML患者の全身性炎症状態は、炎症の以下の2つの血清マーカー、すなわちC反応性タンパク質(CRP)及びフェリチンレベルにより測定されるように、導入化学療法の後に、有意に高められることが知られている(Khitam AW Ali, Alaa F Alwan, 2015)。したがって、AML治療の腸への影響は、以下の患者の最適なケアを妨げる可能性がある:感染関連の合併症(例えば、敗血症)の上昇、悪い栄養状態、長い入院期間、治療毒性による強化コースの中断又は遅延(Elting et al., 2003)。
AML患者の抗癌治療により誘発された腸の炎症を軽減するための治療解決策を開発する必要がある。
疾患の治療中に失われた多様な微生物群集を回復し、そして結果的に、AML患者の治療関連合併症を抑制又は低められるための糞便微生物叢移植(FMT)などの戦略の開発は、新しい治療可能性を提供する可能性がある(Khanna, 2018; Malard et al., 2018) Khanna 2017)。実施例1に報告されたシングルアーム前向き臨床試験の目的は、腸内微生物叢の多様性を回復し、そして治療により誘発されたMDRB保菌を低めるために、集中的な化学療法及び抗生物質により治療されたAML患者に自家FMT(AFMT)を使用することであった。驚くべきことには、本発明者はまた、AML患者におけるFMTが炎症、特に局所腸炎症の軽減をもたらすことを示した。この試験の臨床プロトコル(ODYSSEEと称する)の説明は、Mohtyなどにより公開された["Prevention of Dysbiosis Complications with Autologous Fecal Microbiota Transplantation (auto-FMT) in Acute Myeloid Leukemia (AML) Patients Undergoing lntensive Treatment (ODYSSEE study): First Results of a Prospective Multicenter Trial", Blood, 7 December 2017 eA17-12-07]。糞便微生物叢サンプルの調製方法も、試験の結果の何れも、この文書に開示されていない。
多くの出版物は、化学療法により誘発された腸内毒素症の治療へのFMTの使用を開示している。例えば、以下を参照のこと:Wang et al:"P038 Fecal Microbiota Transplant (Fmt) For Immunocheckpoint Inhibitor-Induced Colitis (ICI-C) in 50 Year Old Female with Bladder Cancer", Inflammatory Bowel Diseases, vol.24, no. 51 , 18 January 2018 (2018-01-18), page S13, Le Bastard et al: discloses "Fecal microbiota transplantation reverses antibiotic and chemotherapy-induced gut dysbiosis in mice", Scientific Reports, vol. 8, no. 1, 18 April 201 8 (201 8-04-1 8), 及び Cui et al: "Faecal microbiota transplantation protects against radiation-induced toxicity", EMBO Molecular medicine (online), vol. 9, no. 4,27 February 2017 (2017-02-27), pages 448-461。
今日、癌、特にAMLの継続的な蔓延の点から、既存のAML治療を補足するか、その有効性を拡張するか、又はその副作用を低める、信頼が高く、再現性があり、且つ効果的な治療解決法を提供する必要がある。もちろん、そのような治療解決法は、患者、特に癌を患っている人々などの脆弱な集団への使用に適切であるべきである。
具体的には、安全性及び有効性の観点から、現在の医薬要件を満たす治療解決法を提供する必要がある。そのような治療製品は、適正製造基準(GMP)に準拠した方法を用いて製造され得る必要がある。
本発明は、それを必要とする個人における治療誘発性炎症を予防し、そして/又は軽減するためへの糞便微生物叢組成物の使用に関する。
本発明の1つの実施形態によれば、微生物叢組成物は、下記工程:
(i)便サンプルを収集し、そして、収集後最大5分で嫌気性条件下に置く工程;
(ii)まだ嫌気性条件下で、前記サンプルと、少なくとも凍結防止剤及び/又は増量剤を含む生理食塩水溶液とを混合する工程;及び
(iii)前記希釈されたサンプルを濾過する工程、
を含む方法により得られた。
本発明の1つの実施形態によれば、糞便微生物叢組成物は、同じ個人からの少なくとも2つ、又は少なくとも3つ、又は少なくとも4つの便サンプルからの微生物叢を含む。
本発明の1つの実施形態によれば、糞便微生物叢組成物は、炎症を軽減するための治療を必要とする個人からの少なくとも1つの糞便サンプルから得られた微生物叢を含む。
本発明の1つの実施形態によれば、糞便微生物叢組成物は、その必要な個人における治療誘発性腸炎症を予防し、そして/又は軽減するのに使用される。
本発明の1つの実施形態によれば、糞便微生物叢組成物は、化学療法を含む抗癌療法により誘発された炎症の予防及び/又は軽減に使用される。
本発明の1つの実施形態によれば、前記炎症の予防及び/又は軽減は、抗癌療法の終了後1〜30日で少なくとも1回のFMTの実施により行われる。好ましくは、2回のFMTが、1〜7日間隔で行われ得る。
本発明の1つの実施形態によれば、糞便微生物叢組成物は、腸内のネオプテリンの減少、及び/又は治療される患者の血清中のCRP及び/又はフェリチンの減少を導く。
本発明の1つの実施形態によれば、糞便微生物叢組成物の投与は、治療される個人の胃腸管における善玉菌の割合の増加及び有害な細菌の割合の減少をもたらす。
本発明の1つの実施形態によれば、以下の15属のいくつか又は全ての割合が、抗癌療法の終了後のレベルと比較して高められる:Blautia、Faecalibacterium、Alistipes、Eubacterium、Bifidobacterium、Ruminococcus、Clostridium、Coprococcus、Odoribacter、Roseburia、Holdemanella、Anaerostipes、Oscillibacter、 Subdoligranulum及びButyrivibrio。
本発明の1つの実施形態によれば、投与される糞便微生物叢組成物は、以下の15属からの微生物叢を含む:Blautia、Faecalibacterium、Alistipes、Eubacterium、Bifidobacterium、Ruminococcus、Clostridium、Coprococcus、Odoribacter、Roseburia、Holdemanella、Anaerostipes、Oscillibacter、 Subdoligranulum及びButyrivibrio。
本発明の1つの実施形態によれば、治療されるべき前記個人は、癌患者である。
本発明の1つの実施形態によれば、治療されるべき個人は、造血系疾患を有する。
本発明の1つの実施形態によれば、治療されるべき前記個人は、急性白血病である。
図1は、オデッセイ研究フローチャートを示す。
図2は、治療された患者集団(n=25)についての生化学的及び免疫学的パラメーターの進展を示す。(a)全身レベル:IL−6、CRP及びフェリチン。(b)局所レベル:ネオプテリン、IgA。
図3は、治療された集団(n=25)についての生化学的及び免疫学的パラメーターの進展を示す。(a)sCD14、(b)TAS、(c)TNFα。
図4は、プロトコルごとの集団(n=20)についてAFMTの投与の前及びその投与の後、AML診断での糞便微生物叢の特性評価を示す。(a)種の多様性。(b)種レベルでのシンプソン指数。(c)種レベルでのブレイカーチス指数。(d)微生物群集の遺伝子の総数。
図5は、プロトコルごとの患者(n=20)の微生物叢における有益な(a)及び有害な(b)細菌の割合で示す。
図6は、各病院訪問V、V、V及びV後のODYSSEE研究での患者における選択された15の酪酸生成属(すなわち、「Butycore」)、すなわちBlautia、Faecalibacterium、Alistipes、Eubacterium、Bifidobacterium、Ruminococcus、Clostridium、Coprococcus、Odoribacter、Roseburia、Holdemanella、Anaerostipes、Oscillibacter、 Subdoligranulum及びButyrivibrioの相対的存在量を示す。
図7は、治療された患者についての生存曲線を示す。(a)全生存曲線。(b)白血病のない生存(LFS)曲線。
図8は、OSIRIS研究フローチャートを示す。
図9は、フォローアップを行ったOSIRIS患者(n=42)についての生化学的及び免疫学的パラメーターの進展を示す。(a)ゾヌリン。(b)ネオプテリン。
本テキストにおいては、以下の一般的な定義が使用される:
腸内細菌叢:
「腸内細菌叢」(以前は、腸内細菌叢(gut flora)又は微生物叢(microflora)と呼ばれていた)は、動物界に属する任意の生物(ヒト、動物、昆虫など)の腸内に生息する微生物(細菌、古細菌、真菌、ウィルス)の集団を示している。各個人は固有の微生物叢組成を有するが、60〜80の細菌類が、合計400〜500の異なる細菌種/個人に基いて、サンプリングされたヒト集団の50%以上で共有されている。
腸内細菌叢は、全ての個人で類似する主要な生理学的機能を果たし、そして個人の健康に直接の影響を及ぼす:
・それは、胃及び小腸が、消化できない特定の食品(主に非消化性繊維)の消化に寄与し:
・それは、いくつかのビタミン(B及びK)の生産に寄与し;
・それは、他の微生物からの攻撃から保護し、腸粘膜の完全性を維持し;
・それは、適切な免疫システムの発達に主要な役割を果たし;
・健康的で、多様な且つバランスの取れた腸内細菌叢は、適切な腸機能を確保するためのキーである。
腸内細菌叢が身体の正常な機能及びそれが達成する異なる機能において果たす主要な役割を考慮すれば、それは、今日では「器官」として見なされている。しかしながら、微生物による腸のコロニー形成は、出生直後に始まり、そしてその後、生涯を通して永久的に進化し、そして種々の環境の影響(分娩様式、食事、医原性ストレス要因など)の結果であるので、それは「後天的な」器官である。
優勢な腸内細菌叢の一般的な組成は、ほとんどの健康なヒト(4つの主要な門、すなわち、Firmicutes、Bacteroidetes、Actinobacteria 及び Proteobacteria)において類似するが、種レベルでの組成は、高度にパーソナライズされており、そして主に、個人の遺伝子、環境、食事及び病歴により決定される。
腸内毒素症:
変化に適応でき、そして高い回復能力を有するが、腸内細菌叢の組成のバランスの喪失が、いくつかの特定の状況下で生じる可能性がある。これは、「腸内毒素症」と呼ばれ、主要な細菌群の存在量及び多様性(すなわち、腸内の潜在的に「有害な」細菌と「有益な」細菌との間の不均衡)の点から「健康な」微生物叢と見なされるものへの逸脱であり、宿主とその微生物叢との間の共生関係の崩壊を導く。腸内毒素症は、健康問題、例えば機能性腸障害、炎症性腸疾患、アレルギー、肥満及び糖尿病に関連している可能性がある。それはまた、医学的治療、例えば細胞毒性治療(すなわち、化学療法)、又は抗生物質治療の結果でもあり得、そして有害事象、例えば腹痛及び下痢を引起す可能性がある。治療により誘発された腸内毒素症はまた、感染症及び敗血症などの重度の有害事象にも有利に働く可能性がある。
抗癌療法:
「抗癌療法」とは、本明細書においては、化学療法、生物学的療法(免疫療法を含む)、放射線療法及び外科手術などの癌と戦うために使用される種類の治療を意味する。
抗癌化学療法:
「化学療法」は、本明細書において、1又は複数の「化学療法剤」による癌の治療として定義される。化学療法剤は、急速に分裂する細胞(すなわちほとんどの癌細胞の主要な特性の1つである)を殺すことにより作用する化学分子である。化学療法は、以下を含む:
−アルキル化剤、例えば窒素マスタード(メクロレタミン、シクロホスファミド、メルファラン、クロラムブシル、イホスファミド、ブスルファンなど)、ニトロソウレア(N-ニトロソ-N-メチル尿素(MNU)、カルムスチン(BCNU)、ロムスチン(CCNU)、セムスチン(MeCCNU)など)、テトラジン(ダカルバジン、ミトゾロミド、テモゾロミドなど)、アジリジン(チオテパ、ミトマイシン、ジアジクオン(AZQ)など)、及び非古典的アルキル化剤(プロカルバジン、ヘキサメチルメラミンなど);
−紡錘体毒、例えばメベンダゾール、コルヒチン;
−有糸分裂阻害剤(タキサン(パクリタキセル(タキソール)(登録商標))、ドセタキセル(タキソテール)(登録商標)))及びビンカアルカロイド(例:ビンクリスチン、ビンブラスチン、ビノレルビン、ビンデシン)を含む);
−細胞毒性/抗腫瘍抗生物質、例えばアントラサイクリン(例えば、ドキソルビシン、ダウノルビシン、アドリアマイシン、イダルビシン、エピルビシンおよびミトキサントロン、バルルビシン)、ストレプトミセス(例えば、アクチノマイシン、ブレオマイシン、ミトマイシン、プリカマイシン);
−代謝拮抗剤(例えば、ピリミジン類似体(例えば、フルオロピリミジン類似体、5-フルオロウラシル(5−FU)、フロクスウリジン(FUDR)、シトシンアラビノシド(シタラビン)、ゲムシタビン(Gemzar(登録商標))、カペシタビン;プリン類似体(例えば、アザチオプリン、メルカプトプリン、チオグアニン、フルダラビン 、クラドリビン、カペシタビン、クロファラビン)、葉酸類似体(例えば、メトトレキサート、葉酸、ペメトレキセド、アミノプテリン、ラルチトレキサート、トリメトプリム、ピリメタミン)、葉酸類似体(例えば、メトトレキサート、葉酸、ペメトレキセド、アミノプテリン、ラルチトレキサート、トリメトプリム、ピリメタミン);
−トポイソメラーゼ阻害剤(例えば、カンプトテシン、イリノテカン、トポテカン、アムサクリン、エトポシド、リン酸エトポシド、テニポシド);
−DNAメチルトランスフェラーゼ阻害剤、例えば、2‘−デオキシ−5−アザシチジン(DAC)、5−アザシチジン、5−アザ−2’−デオキシシチジン、1−β−D−アラビノフラノシル−5−アザシチジン、ジヒドロ−5−アザシチジン;
―血管破壊剤、例えばフラボン酢酸誘導体、5,6−ジメチルキサンテノン−4−酢酸(DMXAA)及びフラボン酢酸(FAA);
−他の化学療法薬、例えばアプレピタント、ボルテゾミブ(Velcade(登録商標)、Millenium Pharmaceuticals)、メシル酸イマチニブ(Gleevec(登録商標))、カルムスチン(BCNU)、ロムスチン(CCNU)、タモキシフェン、ゲフィチニブ、エルロチニブ、カルボキシアミドトリアゾール、エファプロキシラル、チラパザミン、キシトリン、チマルファシン、ビンフルニン。
抗癌生物学的療法:
抗癌の「生物学的療法」は、癌細胞を直接的に標的にするか、又は癌細胞に対して作用するよう、身体の免疫系を刺激する(「免疫療法」)ことにより、癌を治療するために、生体、生体由来の物質又はそのような物質の実験室で生成されたバージョンの使用を含む生物学的療法は、以下を含む:癌細胞表面を標的とするもの(例えば、リツキシマブ及びアレムツズマブ)を含むモノクローナル抗体(Mab);免疫チェックポイントを標的とする抗体、例えば抗−CTLA4 Mabs(例えばイピリムマブ)、抗PD1 Mabs、抗PD−L1 Mabs(例えばアテゾリズマブ又はデュルバルマブ)、抗−PD−L2 Mabs、抗−Tim3 Mabs、抗−ICOS Mabsなど;成長因子を標的とする抗体(例えばベバシズマブ、セツキシマブ、パニツムマブ、及びトラスツズマブ); 免疫複合体(例えば90Y−イブリツモマブチウキセタン、131I−トシツモマブ、及びアド−トラスツズマブエムタンシン)。他の生物学的療法は、以下を含む:サイトカイン(IFNαなどのインターフェロン;インターロイキン例え、例えばIL−2、IL−11、G−CSM、GM−CSFを含む)、療用ワクチン(例えば、Sipuleucel-T(Provenge(登録商標)))、細菌桿菌Calmette-Guerin、癌殺害ウイルス、遺伝子治療、及び養子T細胞移植。
抗癌免疫療法:
本明細書における「免疫療法」は、上記のような生物学的療法又は他の任意の剤を用いて、患者免疫系の調節を通して作用する任意の療法を指す。
癌、治療など:
本明細書で使用される場合、「癌」とは、全タイプの癌を意味する。特に、癌は、固形癌又は非固形癌である可能性がある。癌の非制限的例は、以下である:癌腫又は腺癌、例えば乳癌、前立腺癌、卵巣癌、肺癌、膵臓癌、又は結腸癌、肉腫、リンパ腫、骨髄腫、黒色腫、白血病、胚細胞がん、及び芽細胞腫。
他の定義は、必要に応じて、以下で特定されるであろう。
以下の実験部分で説明されるように、本明細者らは、以下を実証した:抗生物質と組合わされた導入化学療法後に糞便微生物叢移植(FMT)を受けたAML患者は、腸内細菌叢の多様性の回復及び治療誘発されたMDRB保菌の減少の恩恵を受けただけでなく、また身体及び局所の腸レベルで、炎症の低下も有した。この予測しない結果は、抗癌治療のいくつかの有害事象が炎症に関連しているので、非常に重要である。
従って、第1の側面によれば、本発明は、それを必要とする個人における治療誘発性炎症を予防し、そして/又は軽減するためへの糞便微生物叢組成物の使用に関する。
本テキストにおいては、治療誘発性炎症を予防し、そして/又は軽減するためにFMTを必要とする個人は、ヒト個人又は非ヒト動物である。
本テキストにおいては、「糞便微生物叢組成物」は、生きた糞便細菌を含む糞便材料を含む組成物、特に糞便微生物叢移植(FMT)のために適切な組成物を指す。特定の実施形態によれば、の糞便微生物叢組成物は、異なるサンプルから得られた、糞便サンプル又はそのような微生物叢のプールに存在する微生物叢全体を含む。
本発明者らは、CRPレベル及び/又はフェリチンレベルの低下により証明されるように、FMTが治療誘発性又は医原性の全身性炎症を軽減することを示した。全身性炎症は、抗癌治療などの重度の治療に関連する重度の有害事象(例えば、敗血症)の原因又は危険因子として知られているので、この減少は患者にとって非常に有益である。一貫して、本発明者らは、本発明によるFMTを受けた後、少なくとも40日以内に、AML患者において何れの敗血症も観察しなかった。従って、本発明は、より具体的には、全身治療により誘発された炎症及び敗血症などの関連する合併症を予防し、そして/又は軽減するためへの糞便微生物叢組成物の使用に関する。
本発明者らは、FMTが糞便ネオプテリンレベルの低下により証明されるように、局所腸炎症を軽減することも実証した。従って、特定の実施形態によれば、糞便微生物叢組成物は、腸炎症及び関連する胃腸症状、例えば大腸炎及び下痢を予防し、そして/又は軽減するために使用される。
本発明の特定の実施形態によれば、治療誘発性炎症を予防し、そして/又は軽減するために使用される糞便微生物叢組成物は、下記工程:
(i)便サンプルを収集し、そして、収集後最大5分で嫌気性条件下に置く工程;
(ii)まだ嫌気性条件下で、前記サンプルと、少なくとも凍結防止剤及び/又は増量剤を含む生理食塩水溶液とを混合する工程;及び
(iii)前記希釈されたサンプルを、例えば約265μmで濾過する工程、
を含む方法により得られた。
好ましい実施形態によれば、工程(ii)で使用される水溶液は、マルトデキストリン及び/又はトレハロースを含み、その結果、マルトデキストリンの最終濃度(w/vol)は、5%〜15%の範囲である。
以下の追加の任意の工程が、上記工程に追加され得る:
(ia)便サンプルを管理する工程:
−個人への病原菌及び/又は多剤耐性細菌(MDRB)の投与を回避するために、サンプルに対して微生物的検査を実施する工程;
−出発材料に尿及び血液がないことを視覚的に評価する工程;
−出発材料のブリストルスツールスケーリングする工程;
−生成物の均一性及び色を視覚的に評価し、そしてサンプルに存在する細菌の生存率を調べる(灰培養による)工程;
(iv)工程(iii)のいくつかの生成物をプールする工程:複数の前記生成物を混合し、そしてその混合物を均質化する工程;
(va)工程(iii)又は(iv)の生成物を−80℃で凍結する工程;解凍の後、この液体接種物は浣腸による投与のために適している;
(vb)工程(iii)又は(iv)の生成物を、通常の凍結乾燥材料及びプロトコルを用いて凍結乾燥する工程;次に、接種物の凍結乾燥物は、液体溶液中、浣腸により、又は胃抵抗性カプセル内での経口的に、投与のために適切であり;
(vc)工程(vb)の凍結乾燥された材料を、経口投与のための適切なカプセルに入れる工程;
(vi)工程(iii)、(iv)、(va)、(vb)又は(vc)で得られた生成物中の細菌の生存率及び多様性、及び/又は前記生成物中の病原菌及びMDRBの不在を調べる工程。
本発明に従って使用される糞便微生物叢組成物は、単一のドナー又は複数のドナーからの微生物叢を含むことができる。例えば、いくつかの希釈及び濾過されたサンプルが、上記方法の工程(iv)で混合され得る。当業者は、状況に応じて、患者が単一ドナーFMT(例えば、患者自身又は患者の親族から)、又は複数ドナーFMTを受けることが好ましいかどうかを選択するであろう。
特定の実施形態によれば、糞便微生物叢組成物は、炎症を軽減するために治療が必要な個人からの便サンプルから得られた微生物叢を含む。この実施形態は、自家FMT(AFMT)(すなわち、組成物がこの個人からの便材料のみから製造される)、及び個人の微生物叢が少なくとも1人の他の個人からの微生物叢と共にプールされる場合、複数ドナーFMTを包含する。
自家FMTが本発明の枠内で実施される場合、以下の実施例1に示されるように、炎症及び/又は腸内毒素症を誘発するであろう治療の開始の前、患者から便を収集することが好ましい。
別の特定の実施形態によれば、糞便微生物叢組成物は、使用されるサンプルに存在する属の少なくとも90%を含む。特に、AFMTの場合、糞便微生物叢組成物は、炎症軽減治療の前に収集される個人のサンプルに存在する属の少なくとも90%を含む。
抗癌治療は通常、全身性及び/又は局所性炎症を誘発し、これは不快の原因であり、そして時々、重度の有害事象の原因と成り得る(これは、治療が中止される可能性がある)。従って、特定の実施形態によれば、本発明は、たぶん抗生物質療法及び/又は造血幹細胞移植(HSCT)と組合わされた、抗癌療法により誘発された炎症を予防し、そして/又は軽減するために、上記糞便微生物叢組成物の使用に関する。
別の特定の実施形態によれば、本発明は、たぶん抗生物質療法及び/又は造血幹細胞移植(HSCT)と組合わされた、抗腫瘍剤により誘発された炎症を予防し、そして/又は軽減するために、上記糞便微生物叢組成物の使用に関する。本明細書において、「抗腫瘍剤」は、外科手術を除く癌の任意の治療を指す。それらは、化学療法、免疫療法を含む生物学的療法、及び放射線療法を含む。
さらに別の特定の実施形態によれば、本発明は、たぶん抗生物質療法及び/又は造血幹細胞移植(HSCT)と組合わされた、化学療法により誘発された炎症を予防し、そして/又は軽減するために、上記糞便微生物叢組成物の使用に関する。
本発明を実施する場合、糞便微生物叢組成物は、抗癌療法の前、間及び/又は後、例えば一次化学療法の前、間及び/又は後、例えば導入化学療法(例えば、シタラビン及びアントラサイクリン系抗生物質又はダウノルビシンによる「7 + 3」化学療法)の前、間及び/又は後、糞便微生物叢移植(FMT)のために投与され得る。
いくつかの投与レジメンが、本発明の枠内で想定され得る。以下の実施例1に示される特定の実施形態によれば、少なくとも1回のFMTが、抗癌療法の終了後1〜30日で、より具体的には、導入化学療法の終了後20〜30日で実施される(これは、それらの患者のためには、抗生物質療法の終了に対応する)。
下記実施例1にも示される別の特定の実施形態によれば、少なくとも2回のFMTが1〜7日間隔で実施される。
本発明はまた、抗癌治療を受けている個人における治療誘発性炎症を予防し、そして/又は軽減するために、上記のような糞便微生物叢組成物の使用に関し、ここで糞便微生物叢組成物は、経口カプセルで、癌診断時に、前記抗癌治療の間及び/又は後に毎日、投与される。特定の実施形態によれば、糞便微生物叢組成物を含む経口カプセルの毎日の摂取は、導入化学療法の開始で始められ、そして少なくとも3〜6ヶ月間、続く。
すでに述べたように、本発明者らは、以下を実証した:FMTは、収集された便中のネオプテリンのレベルの低下により証明される、治療された患者の医原性腸の炎症の軽減を導く。本発明の特定の実施形態によれば、上記のような糞便微生物叢組成物のFMTは、腸におけるネオプテリンの低下をもたらし、これは、治療された個人からの便サンプルで測定される。より具体的には、ネオプテリンのレベルは、少なくとも10%、少なくとも20%、少なくとも30%、又は少なくとも40%、減少する。
本発明者らはまた、FMTが、癌所の血清中のCRP及び/又はフェリチンのレベルの低下により証明される、治療された患者における医原性全身性炎症の減少を導くことを実証した。本発明の特定の実施形態によれば、上記のような糞便微生物叢組成物によるFMTは、治療された個人の血清におけるCRP及び/又はフェリチンの低下をもたらす。より具体的には、CRPの血清レベルは、少なくとも10%、少なくとも20%、少なくとも30%又は少なくとも40%減少し、そして/又はフェリチンの血清レベルは、少なくとも10%、少なくとも20%、少なくとも30%又は少なくとも40%減少する。
本発明の別の側面は、個人における治療誘発性炎症を予防し、そして/又は軽減するためのへの上記のような糞便微生物叢組成物の使用であり、ここで前記糞便微生物叢組成物によるFMTは、善玉菌叢の割合の上昇、及び胃腸管における有害な細菌叢の割合の低下を導く。
本発明の文脈において、「善玉菌」は、Lachnospiraceae、Ruminococcaceae、Bifidobacteriaceae、Streptococcaceae、Akkermansiaceae、 Lactobacillaceae、Eubacteriaceae、Erysipelotrichaceae、Eggerthellaceae、Clostridiaceae、Prevotellaceae、Oscillospiraceae、 Rikenellaceae及び Odoribacteraceaeファミリーに属する細菌を含み、そして「有害な細菌」は、Bacteroidaceae 及びEnterococcaceaeファミリーに属する細菌を含む。本発明によれば、糞便微生物叢組成物は、前記組成物を用いたFMT後、2日〜3日の間に、胃腸菅における善玉菌の割合の上昇、及び有害な細菌の割合の低下をもたらすと見なされ、上記の善玉菌の存在量の合計は、FMTの直前に測定されたものより卓越しており、そして上記有害な細菌の存在量の合計は、FMTの直前に測定されたものよりも劣っている。
出願人のデータ(下記実施例を参照のこと)は、本発明が、癌に苦しむ患者における治療誘発性炎症を予防し、そして/又は軽減するために特に有用であることを確認している。
本発明はまた、造血系疾患、例えば急性白血病(例えば、急性骨髄性白血病−AML)、自己免疫性血球減少症及び特発性骨髄形成不全に罹患している患者における治療誘発性炎症を予防し、そして/又は軽減するために特に有用である。
さらに、下記実施例における出願人のデータは、血液疾患、特に悪性疾患に対する他の治療と組合して微生物療法の可能性を明らかにしている。
具体的には、FMT製品による治療は、FMTにより治療される患者(実施例2)とは対照的に、患者における炎症状態の減少(実施例1)と関連している。炎症及び炎症性症候群は、患者の高められた併存疾患及び負のスコアに関連している。実際、血液炎症マーカー、例えばCRP及び血清フェリチンは、HSCTを受けた患者における全身性感染の発生率を予測する価値がある(Hong et al., 2015)。興味あることには、治療前(すなわち、HSTCコンディショニングの前)CRPは、以下の同種HSCT結果の予想因子である:CPRレベルが高いほど、グレード3〜4の感染毒性、肝毒性、より長いHCT入院期間、aGVHDの増加、非再発死亡率の増加及び低い全生存率と相関している(Artz et al., 2008)。従って、本発明の1つの実施形態によれば、化学療法コース中の白血病患者ケア中に繰り返されるFMTは、炎症状態及びCRPレベルを低下させ、従って、同種−HSCT毒性及び関連する罹患率/死亡率(同種HSCTのための候補であるそれらの患者において)を防止する。さらに、局所的な腸の炎症に対する正の影響は、例えば腹痛及び/又は下痢などの胃腸管障害の軽減と共に、患者の生活の質に対して有益な効果を有する。
対照的に、実施例2における発明者のデータは、追跡された患者において報告された96の胃腸管関連AEを伴ってのOSIRISプロトコルで実証された、長期の抗生物質療法での治療の有害な影響を示している。それらの患者は、FMTを受けていなかった。そのような結果は、腸関連炎症及び関連する合併症を軽減するための併用治療の必要性を強調している。
最近、腸内細菌叢が癌療法(化学療法、放射線療法及び免疫療法)への反応、及び毒性副作用への感受性を調節できることが示されている(Roy and Trinchieri, 2017; Routy et al., 2018)。従って、多様性の上昇を伴っての腸内細菌叢の回復は、有効性を改善し、そして毒性を低めることが示唆されている(Alexander et al., 2017)。さらに、腸内細菌叢の高い多様性は、同種HSCT後の全生存及びGvHD患者の結果において重要な役割を果たすことが示されている(Taur et al., 2014)。全体として、それらの議論は、癌及び特に血液悪性腫瘍の患者の結果に対する「健康的な」及び多様性微生物叢の有益な影響を証明し、そして全ての患者のケア中に補助療法として微生物療法を用いるための理由を強く支持している。
IDYSSEE患者の微生物叢における善玉菌及び有害な細菌の比率は、IC後に明らかに変化し、血液及び糞便において評価された炎症マーカーの上昇と相関して、それぞれ善玉菌及び有害な細菌が大幅に減少した。実際、善玉菌の中で、発明者らは、以下の15の非常に善玉菌族の特定グループを発見した:Blautia、Faecalibacterium、Alistipes、Eubacterium、Bifidobacterium、Ruminococcus、Clostridium、Coprococcus、Odoribacter、Roseburia、Holdemanella、Anaerostipes、Oscillibacter、 Subdoligranulum及びButyrivibrio。発明者らは、この属の組を「ブティコア(butycore)」と命名した。
実施例1に記載されるように、本明細者らは、患者における炎症マーカー(糞便及び血漿)、ネオプテリン及び血漿CRPのレベルにより証明されるように、上記15の属の存在を、腸炎症の減少と相関させた。従って、FMTにおいて投与される糞便サンプルにおけるそれらの15の属の存在は、前記サンプルの抗炎症能力を最大化するために望ましい。
従って、本発明は、後者の15の有益な属のいくつか又は全てが存在する糞便微生物叢サンプルの投与を含む。
有害な細菌の中で、Escherichia 又は Klebsiellaなどの前炎症性細菌を含むいくつかのファミリーが特定されている。それらの前炎症性細菌のいくつかは、Enterococcusなどの多剤耐性である可能性があり(Steck et al., 2011; Strickertsson et al., 2013)、それらは患者におけるそれらの微生物の運搬を減らす合理性を強化する。注目すべきことには、OSTRISプロトコルの患者の32%は、抗生物質投与後に、多剤耐性細菌の糞便獲得を示した(データは示されていない)。FMT後の多様性、及び有益/有害細菌の比率の回復は、ODYSSEE研究において局所的及び全身的に炎症の減少と関連しており、宿主に対するFMTの潜在的な有益な抗炎症効果を強調している。
従って、本発明の1つの実施形態によれば、糞便微生物叢組成物の患者への投与は、上記15の属の相対存在量を高め、そして/又は有害な前炎症性細菌の存在量を減少させる。
特に、本発明の好ましい実施形態によれば、糞便微生物叢組成物は、Blautia、Faecalibacterium、Alistipes、Eubacterium、Bifidobacterium、Ruminococcus、Clostridium、Coprococcus、Odoribacter、Roseburia、Holdemanella、Anaerostipes、Oscillibacter、 Subdoligranulum及びButyrivibrioを含む。
一般的に、及び上記に示されるように、治療の観点から、糞便微生物叢組成物におけるそれらの15の属の存在は、腸内炎症、特に腸内毒素症に関連する炎症の治療において有利である。
患者に糞便微生物叢組成物を提供することは、一般的に、腸の炎症を調節し、そして他の抗癌治療をより強力にする可能性がある。
本明細書において、記載されるFMT生成物は、腸内微生物叢、腸内代謝、腸上皮及び全身循環の間に特定の正の相互作用ループを創造する広範囲の活性を提供する。従って、この正のループは、癌細胞、特に血液癌細胞、例えばAML患者に骨髄性芽球と戦うための免疫工程における重要な段階である。
一般的に、腸内毒素症誘発性の結果、例えば感染症、及び胃腸症状、例えば大腸炎、下痢、腹痛、膨満感は、糞便微生物叢組成物の投与により軽減される。好ましくは、患者に投与される糞便微生物叢組成物は、上記の酪酸産生細菌属のいくつか、又はより好ましくは全てを含む。本発明の好ましい実施形態によれば、患者に投与される糞便微生物叢組成物は、同じ患者からの少なくとも1つ、又は少なくとも2つ、又は少なくとも3つ、又は少なくとも4つの糞便サンプルに由来する。例えば、本発明の1つの実施形態によれば、FMTサンプルは、下記工程:
(i)便サンプルを収集し、そして、収集後最大5分で嫌気性条件下に置く工程;
(ii)まだ嫌気性条件下で、前記サンプルと、少なくとも凍結防止剤及び/又は増量剤を含む生理食塩水溶液とを混合する工程;及び
(iii)前記希釈されたサンプルを、例えば約265μmで濾過する工程;及び
(iv)工程(iii)のいくつかの生成物をプールし;2つ以上の前記生成物を混合し、そしてその混合物を均質化する工程。
従って、患者は、少なくとも2つのプールされた糞便接種物(すなわち、工程(iii)の生成物)に由来する微生物叢組成物を受けることができる。例えば、患者は、抗癌療法が行われる前、1日、又は2日又は3日連続して1つ又は複数の便サンプルを提供することができる。それらの便サンプルは、接種物(工程(iii)の生成物)を調製するために使用され、次にプールされ(上記工程(iv))、そして抗癌療法(例えば、化学療法又は免疫療法)に続いて、1つ又は2つ(又はそれ以上)の均質FMT生成物として投与される。1つ又は複数のさらなる抗癌療法の投与が想定される場合、次の便サンプルは、腸内細胞叢が個人で十分に回復した後、通常、前のFMT治療の後、約1週間(又は前記細胞叢が回復した場合は、それ以前)から収集できる。従って、この手順は、必要に応じて反復され、そして抗癌療法が実施される限り、反復され得る。
本発明の特定の実施形態によれば、便サンプルは、健康なドナー(患者ではない)から収集され得る。この場合、自家FMTの代わりに、同種FMTが実行される。この場合、ドナーサンプルが患者の治療に使用するのに適切であるように、例えば、サンプルが病原性細菌又はウィルスを含まないように、スクリーニングされる。同種異系FMTの場合、糞便接種物(すなわち、異なるドナーからの工程(iii)の生成物)は、上記のようにプールされ得る。従って、1人又は2人、又は3人又は4人又はそれ以上のドナーからの同種異系FMTサンプルが使用され得る。好ましくは、プールされた同種異系生成物が使用される場合、少なくとも4人のドナーが使用される。
移植された生成物の細菌の多様性は、可能な限り高く、そして同じ人に移植された生成物の異なる用量間で均一性(バッチ内均一性)が存在する。生成される異なるバッチ間の均一性(バッチ間均一性)もまた生存する。細菌の生存率もまた維持される。本明細書に記載される糞便微生物叢組成物の投与により示されるように、高い腸内微生物叢の多様性の維持は、上記の有益な効果を有する。
本発明者らは、別の臨床研究(ULYSSE、データは示されていない)において、AMLに罹患し、そして何れのFMTも受けなかった12人の患者の腸内微生物叢組成が、化学療法の最初のラウンド後に悪影響を受け、そしてその後、負に変化し、微生物種の豊富さが低く、そして微生物組成がベースライン微生物叢の組成とは非常に異なる(低いBray Curtis類似性)ことを注目していた。
ODYSSEE研究の一種のネガティブアームとみなされ得るULYSSEからのデータ(但し、異なるコホート)は、実施例1で観察された抗炎症効果が、上記のように、FMT生成物の投与によるものであることを示している。
本発明の他の特徴はまた、本発明の枠組みで実施され、その範囲を制限することなく、必要な実験的支援を提供する生物学的アッセイの以下の説明の過程で明らかになるであろう。
実施例1:自家便微生物叢移植(FMT)による集中化学療法を受けている急性骨髄性白血病(AML)患者における腸内微生物多様性の回復:Odys see研究の結果:
患者及び方法:
患者及び研究企画
2016年6月から2017年7月の間にフランスの7つの医療センターからのデノボAMLと診断された24〜69歳の合計62人の患者を、スクリーニングし、そして2018年6月まで追跡した(ClinicalTrials識別子NCT02928523)。急性前骨髄球性白血病の患者、及び/又は消化器障害(炎症性腸疾患、重度の大腸炎など)を含む他の重度の疾患を有する患者、又は研究を含める4日前まで抗生物質療法を受けた患者が、この試験から除外された(表1)。封入直後に採取された糞便の細菌学的安全性を評価し、そしてMDR細菌、細菌病原体、Clostridium difficile、寄生虫、ノロウィルス及び/又はロタウィルスの検出により、患者を除外した。最終的に、治療コホートは、全ての選択基準を満たす25人の患者で構成された。
Figure 2021530527
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患者を含めた直後、及び導入化学療法(IC)及び任意の抗生物質療法の開始の前、糞便及び血液を採取した(訪問V1、0日前)(研究フローチャートについては、図1を参照のこと)。細菌学的、生化学的及びメタゲノム分析を、糞便サンプルに対して実施し、そして免疫学的及び生化学的分析を、血漿サンプルに対して行った。糞便は、将来の患者の治療のために、適正製造基準(GMP)プラットフォームでAFMT製品として製造され、そして貯蔵された。次に、患者は、ICの開始のために入院し、そして血液学部門の標準的な手順に従って、臨床学的に及び生物学的にモニターされた。造血回復の後、糞便及び血液を、生化学的、細菌学的、メタゲノミクス及び免疫学的分析のために、抗生物質の中止の前2日以内に採取した(訪問V2)。AFMTを、抗生物質の中止の24時間後(ICの終了時、及び強化化学療法の開始前)、手順の前夜及び/又は1時間前、直腸浣腸の後、実施した。患者は、彼らの直腸に導入された直腸プローブを用いて、1日間隔で20gの糞便を含む150mlの2接種を受け、そして移植工程中、及び退院までモニターされた。強化化学療法の開始の前、糞便及び血液を、以前と同じ分析のために収集し(訪問V3)、そして入院の最後で、最後の糞便サンプルを収集した(訪問V4)。患者の生活の質を、可動性、セルフケア、通用の活動、痛み/不快、不安及び鬱を評価するEQ−5D−5L質問票を用いて、各訪問(V1〜V4)で評価した。最後に、6ヶ月(訪問V5)及び1年(訪問V6)の後、臨床情報及び安全性の評価を報告した。
治療された25人の患者のうち、4人の患者は、最初の強化化学療法の後、AFMTを受け、患者の状態のために前ではなく(大腸炎又は痔のためにAFMTは不可能であった)、そして1つのプロトコル逸脱が1人の患者で観察された:従って、20人の患者が、プロトコルに従って考慮された。全ての図及び表は、特に明記されていない限り、それらの患者から得られたデータを示している。
AFMT接種物の製造
糞便を、ICの開始の前、患者の入院時に収集した。糞便を、国際公開第2016/170285 (A1) 号及び国際公開第2017/103550 (A1)号に記載されているような凍結防止希釈剤を用いて、GMP条件下で、独自の装置(国際公開第2016/170290 (A1)号に記載されているものと同じ)において、72時間以内に処理し、濾過し、コンディショニングし、そして移植まで−80℃で凍結保存した。より正確には、最初の目視検査により、尿及び血液のないことを確認し、そしてブリストル便スケールに基づいて、そのテキスチャを評価した。次に、使用される凍結防止希釈剤の量を調整するために糞便を計量した。次に、希釈剤を装置に添加し、そして両方を穏やかに混合することで、懸濁液の均質化を確保した。懸濁液を、混合物が篩を通過するのと同時に、濾過した。全てのそれらの工程は、密閉された装置で実行され、空気非微生物叢と接触しないようにする。次に、懸濁液を、装置の下部ポートを介して収集し、そして密閉システム及び耐寒性プラスチックバック内の菅を介して調整し、いくつかの接続を表示し、別々の方法で生成物の出入を可能にした。サンプルを、QCとして使用されるこの工程の最後で収集した。生成物を、最終的に、−80℃で保存した。微生物学的検査(保健機関のガイドラインに従って新鮮な便に対して実施される)、及びフローサイトメトリーによる生存性評価を、生成物のリリース前、最終的に実施した。
並行して、厳密な微生物学的スクリーニングを実施し(微生物学的分析のセクション及び表3を参照のこと)、そして検疫期間の後、治験薬(IMP)の放出を可能にした。
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微生物学的分析
C. difficile、Salmonella sp.、Shigella sp.、及びMDR細菌(メチシリン耐性Staphylococcus aureus、バンコマイシン及びグリコペプチド耐性Enterococci、拡張スペクトルベータラクタマーゼ(ESBL)産生細菌及びカルバペネマーゼ産生細菌)の検出を、それぞれ、PCR及び特定の分離培地上での培養を用いて、最初の3回の訪問の間に収集された糞便サンプルにおいて実施した。寄生虫、ウィルス及び病原菌、AFMT使用のための糞便の安全性を検証するために、最初の訪問の間に収集された糞便サンプルでスクリーニングした。寄生虫を、糞便濃縮の後、PCR(Microsporidia, Dientamoeba fragilis)、又は顕微鏡検査(Strongyloides stercoralis、Cyclospora sp.、Isospora sp.、 Entamoeba histolytica、 Giardia intestinalis、Cryptosporidium sp.、Blastocystis hominis)を用いて検査した。ノロウィルスを、それぞれ、PCR及び免疫クロマトグラフィーにより同定し、そして病原菌を、PCR(カンピロバクター)及び培養(Listeria sp.、Vibrio sp.、Yersinia sp.)を用いて検出した。
生化学及び免疫学的分析
生化学的及び免疫学的分析を、最初の3回の訪問の間に収集された異なる血液及び糞便サンプルに対して行った。ネオプテリン及び分泌型IgA(slgA)を、それぞれネオプテリンELISA(IBL International)及びIgA分泌ヒトELISA(EUROBIO)キットを用いて、糞便上清液から測定した。総抗酸化状態(TAS)を、Hitachi 912キット (RANDOX Laboratories)を用いて、血漿から測定し、CRP及びフェリチンを、独自の内部手順に従って、種々の医療センターにおける血漿/血清サンプルから測定した。免疫学的マーカーを、血漿サンプルから測定した:IL6 及び TNFα (ヒトサイトカイン/ケモカイン磁気ビーズパネルキット (EMD Millipore));可用性CD14 (sCD14) (ヒトCD14 Quantikine ELISA キット(R&D System)。
DNAの単離及びメタゲノム配列決定
ゲノムDNAを、NucleoSpin Soilキット (Macherey Nagel)を用いて最初の4回の訪問の間に収集された糞便サンプルから抽出した。配列決定ライブラリーを、TruSeqキット(Illumina)を用いて、その製造業者の説明書に従って、各DNAサンプルについて構築した。次に、ライブラリーを、2つのペアエンド(2 x 125 bp) HiSeq2500 (Illumina)実行で配列決定した。
バイオインフォマティクス分析
Trimmomatic (Bolger, Lohse and Usadel, 2014)を用いての品質濾過の後、宿主配列の除染を、Bowtie2 (Langmead, Ben and Salzberg, 2013)を用いて実施した。従って、936060〜37212124対の読み取り(平均:34811750対の読み取り)を、異なるサンプルから取得した。公平な比較のために各サンプルの配列番号を、同じ配列決定深度、すなわちサンプル当たり1500000対末端配列に対してランダムに正規化した。次に、分類学的プロファイリングを、Kraken v.0.10.5-beta (Wood 2014) 及び RefSeqゲノムデータベース (June 2015リリース, http://www.ncbi.nlm.nih.gov/refseq/)を用いて、実施した。中央値のα−及びβ−多様性指数の測定を、vegan and phyloseqパッケージを用いて10回のサブサンプリング(R Core Team 2015, バージョン3.4.4, http://www.R-project.org)の後、R統計ソフトウェアで実行した。善玉菌の割合を、以下の有益な微生物ファミリーの相対的存在量(微生物叢の分類学的プロファイリングに基く)の合計として定義した:Lachnospiraceae、Ruminococcaceae、Bifidobacteriaceae、Streptococcaceae、Akkermansiaceae、Lactobacillaceae、Eubacteriaceae、Erysipelotrichaceae、Eggerthellaceae、Clostridiaceae、 Prevotellaceae 及び Oscillospiraceae。同様に、有害な細菌の割合は、Bacteroidaceae及び Enterococcaceaeファミリーの存在量の合計として定義された。
遺伝子に基く及び抗生物質耐性分析を、それぞれ、統合遺伝子カタログ(IGC) (Li et al., 2014)及び MEGARes (https://megares.meglab.org/)データベースを用いて、Bowtie2での遺伝子マッピングを通して実施した。
統計学的分析
次のパラメーターのV3/V1及びV2/V1の比率が、両側対応t検定のおかげで比較された:
−種及び遺伝子の豊富さの指数
−種についてのSimpson指数
Wilcoxonのペア検定を、以下のパラメーターに適用した:
−抗生物質耐性のコピー数
−有益−有害な細菌(%)
−Bray−Curtis指数
−CRP、フェリチン、ネオプテリン、IL−6、sCD14、IgA、TNFα、 TAS。
結果
患者の特性
合計62人のAML患者を、7つの異なるセンターにおいてスクリーニングし、25人をAFMTにより治療し、そして20人を、以下の分析が実施されたプロトコルごとの母集団として見なした。治療された、及びプロトコルごとの患者のベースライン特性を表4に示す。プロトコルごとの患者集団(比率、3:1)には、女性よりも男性の方が多く、そして年齢の中央値は50歳であった。ほとんどの患者(治療された及びプロトコルごとの患者の80%)は、中リスクのAMLであると見なされ、ところが治療された集団の3人及び2人の患者は、それぞれ、好ましいリスク及び好ましくないリスクグループであった。全ての患者は、集中的導入化学療法(古典的な「3+7」レジメン又は同等のもの)を受けた。
Figure 2021530527
安全性の結果
平均AFMT製品保持時間は、予測よりも長く(推奨される120分ではなく、第1回目及び第2回目のAFMTについては、それぞれ189.50分及び173.33分)、浣腸処理の実現可能性及び患者の不快感がないことを示している。
AFMT治療の間、治療された患者のバイタルサイン(心拍数、血圧)に有害な変化は観察されなかった。次に、AFMT後の最初の24時間、5つの有害事象(AE)が、4人の治療された患者(16%)で報告された(表5)。
治療された集団において、この期間中には、重度の有害事象(SAE)は報告されなかった。
Figure 2021530527
AFMT後の最初の24時間後、及び1年間の追跡期間の最後まで、25人の治療された患者のうち24人(96%)で、415のAEが報告されている(表6)。それらの中で、2つは浣腸処置に関連し、そして1つはAFMT製品に関連していた。他のAEは、全て白血病患者のプロファイルと一致していた。最も一般的なAEは、血液及びリンパ系障害(n=58、14%)、胃腸障害(n=78、19%)、一般的な障害及び投与部位の状態(n=39、9%)、及び感染症及び寄生虫症(n=88、21%)であった。ほとんどのAEは、包含とAFMT(V1−V2)との間(発生率27.06%)、及び訪問V3と訪問V4との間(発生率15.07%)で発生した(補足図S2)。さらに、15人の患者(15%)において、30の重度の有害事象(SAE)が報告されており(表7)、それらのほとんどは感染及び寄生虫症であった(n=13、43%)。AEに関しては、ほとんどのSAEは、包含とAFMT(V1−V2)との間(発生率1.57%)及び訪問V3と訪問V4との間(発生率0.90%)に発生した。それらのSAEは、AFMT後の最初の月では発生せず、そしてサイト調査により、AFMT治療に関連している可能性があると宣言されたのは、わずか1つであった。患者は、2回目のAFMTの93日後に高体温及び胃腸症状を示し、そして大腸菌敗血症と診断された。対照の過去の病歴は、強化化学療法のための入院後、すなわち2回目のAFMTの22日後、糞便中の多剤耐性大腸菌によるコロニー形成を含んだ。抗生物質療法後、患者は完全に回復した。この多剤耐性細菌は、強化化学療法の開始時に収集された糞便には検出されなかった。このSAEは、AFMTの3ヶ月後に発生し、従って、投与される治療との関連性に疑問が生じる。
Figure 2021530527
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25人の治療された患者の中で4人の死亡が報告された(16%)(プロトコルごとの母集団で同じ結果:20人の患者の中で4人の死亡(20%))(表8)。2回目のAFMTからの死亡までの期の中央値は、182.5日であった(範囲:113〜225日)。1人の患者は、HSCTの34日後(AFMTの147日後)、多臓器不全で死亡した。別の患者は、同種移植後の形成不全(AFMTの113日後)の間に感染症の状況で多臓器不全を経験した。肺塞栓症後の心臓発作は、多分慢性心房細動及び動脈性高血圧の病歴に関連していると報告された。死亡は、AFMTの225日後に発生した。4番目の死亡(AFMTの222日後)は、ESBL産生Klebsiella pneumoniae及びStenotrophomonas maltophiliaに対する敗血症により悪化されたグレードIV耐性胃腸GvHD、尿中の多剤耐性Enterobacter cloacaeの存在、サイトメガロウィルス再活性化、ヒトへルぺスウィルス6型ウィルス血症、及び急性脳炎の状況によるものであった。全ての死亡は、現場調査員により考慮され、そしてデータ、及び安全性監視委員会(DMSB)により、AFMT治療とは無関係であることが確認された。
Figure 2021530527
プロトゴルごとに、患者の生活の質を、臨床試験を通して評価した。得られたデータは、AFMT(V3)後の質問票の結果が、AFMT前のV2の結果(特に、セルフケア、通常の活動及び不安、鬱パラメーター)に比較して、類似しているか、又は改善する傾向があることを示しており、これは、患者の全体的な健康にAFMTの悪影響を及ぼさないことを強調している(表9)。同様に、有意なBMI変動は、治療された患者の研究を通して観察されなかったが、しかし平均体重はV2とV3との間で上昇する傾向があり(26.89から27.26)、これは、治療された患者に消化器系の問題がないことを示唆している。
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AFMTの安全性を、最初の3回の訪問時に、腸において局所的に、及び血漿において系統的に炎症パラメーターの測定により評価した。全身的アプローチにおいては、血漿における炎症性のタンパク質及びサイトカイン、例えばC−反応性タンパク質(CRP)、フェリチン、IL−6、TNFα及びsCD14を測定した(図2及び3)。V2(V1: 11.80 ± 18.25 mg/L; V2: 24.40 ± 23.92 mg/L; p = 0.04)でのCRPの有意な上昇、及びV3(V3: 10.16 ± 22.07 mg/L; V2 vs V3: p= 0.02)でのベースラインへの戻りを観察した。フェリチンレベルは、V2での上昇及びV3でのベースラインへの戻りという同じ変動に従った。AFMT治療の後、IL−6、TNFα及びsCD14の有意な上昇を示さない他の炎症パラメーターの定量化で、追加の傾向を観察した(図3)。腸内細菌叢の変化により誘発され得る酸化ストレスのマーカーとして、血漿中の総抗酸化状態(TAS)をまた測定した。以前の研究は、酸化ストレスが癌の発生及び発症に密接に関連しており(Wu et al., 2017)、そしてまた、腸内毒素症にも関連することを報告している。炎症中に発生する酸化ストレスは、腸内の微生物の多様性を強く低めることにより、及び特定の細菌分類群の増殖を促進することにより、腸内毒素症を増幅する要因である(Weiss and Hennet, 2017)。V1とV2との間でのTASレベルの減少(V1: 1.33 ± 0.09 mmol/L; V2: 1.31 ± 0.19°mmol/L)及び腸内細菌叢の回復に関連している可能性がある、AFMT後の有意な増加(V3: 1.59 ± 0.58 mmol/L; p=0.006)を観察した。
腸内の局所免疫性及び炎症を、糞便ネオプテリン及び分泌型IgAを測定することにより評価した。ネオプテリンは、種々の誘導物質、例えばIFMγ、INFα及び細菌成分により刺激された活性化マクロファージから生成され、そして放出され(Nancey et al., 2013)、そして細胞性免疫応答の程度及びそれにより、腸内炎症を反映する。IC後の平均糞便ネオプテリンレベルの有意な上昇を観察し(V1: 2.79 ± 4.02 ng/g の糞便対 V2:32.70 ± 40.15 ng/gの糞便; p=0.0006)、これは、IC及び抗生物質療法の後の患者の予想される炎症性腸内状態を強調する。レベルは有意に低められ、そしてAFMT後にベースラインに戻った(V3: 5.41 ± 7.42 ng/g の糞便; p =0.001)。それらの変動は、CRP変動と一致する。局所免疫性の鏡として、分泌型IgAをまた糞便において測定し、そして類似する傾向を観察した(V1: 1.95 ± 2.05 mg/g の糞便; V2: 2.75 ± 1.81 mg/g の糞便; V3: 2.39 ± 2.15 mg/g の糞便)。全体として、それらのデータは、AFMT後の局所的及び統計的な両方で、有害な炎症反応がないことを明確に示している。
腸内細菌叢組成物の進展
次に、プロトコルごとの患者の糞便微生物叢の系統発生的豊富さ及び多様性に対するIC及び続くAFMT治療の影響を試験した。本発明者らは、ICが微生物集団の劇的な変化を誘発し、種レベルでV1とV2との間のα−多様性指数の統計的に有意な減少を示すことを実証した:平均豊富さの39.3%の推定減少(960.45から589.71種; p <0.001)(図4a)及び平均Simpson指数の42.3%の推定減少(0.85〜0.50; p <0.001)(図4b及び図5)。AFMT治療の後、種の豊富さ(957.70種;p<0.001)及びSimpson指数(0.86;p<0.001)は、V1とV3との値間に統計的差異がなく、初期レベルに戻った。従って、AFMT後のV3での腸内細菌叢は、種レベルでの豊富さ及びSimpson指数の両方に基づいて、プロトコルごとの母集団で90%以上に再構築される(p<0.001)。微生物群集のこの変化はまた、β−多様性の測定でも観察される(図4c及び5)。実際、Bray−Curtis非類似性度指数(BC)は、IC後の微生物性腸内毒素症の誘発(平均BC V1−V2:0.76)、及びその組成は種レベルで初期群集の組成に近い、AFMT治療後の微生物群集の回復(平均BC V1−V3:0.40(図5)を示している。
次に、V1とV3との間のプロトコルごとの患者の微生物叢における善玉菌及び有害な細菌の割合(図5a及び5b)を測定した。善玉菌の割合は、V1とV2との間で大幅に減少し(平均V1:5.54%; V2:2.43%; p <0.01)、そして次に、AFMT後、V3でそのベースラインに戻るように増加した(平均V3:6.82%)。逆に、善玉菌の割合は、V2で有意に高められ(平均V1:10.95%; V2:32.29%; p <0.5)、そしてAFMT後、V3でその初期状態に戻るように低められた(平均V3:10.65%)。
治療過程にわたっての腸内細菌叢の機能的豊富さを評価するために、プロトコルごとの患者の腸内細菌叢の遺伝子の総数を、IGCデータベースに対する読み取りのマッピングを通して評価した。結果は、遺伝子の平均数がIC後、78%(531500.20から21361.50の総遺伝子; p <0.001)、又は大幅に低められ、そしてAFMT後、大幅に高められ(424374.15遺伝子)、結果的に、初期遺伝子の豊富さの70%以上がプロトコルごとの母集団で回復される(p=0.025)(図4d、図5)。
臨床データに基く低められた炎症に関連する酪酸生産体の洗練されたリストの決定
文献から構築された34の酪産産生属のリストに基いて、発明者らは、酪酸生産体(プチコアと呼ばれる)の洗練されたリストを決定するために、ODYSSEE試験の患者における各属のレベルと、糞便ネオプテリン(炎症マーカー)との間の相関試験を実施した。Spearman相関及びSpearman相関検定を、R(統計パッケージの関数相関検定)を用いて計算した。複数の試験補正は、それらの分析には適用されなかた。
糞便中のネオプテリンと有意に相関し、そしてODYSSEE研究において0.1%以上の推定相対的存在量を有する15の酪酸生産体属のリストを決定した。このリストは、Blautia、Faecalibacterium、Alistipes、Eubacterium、Bifidobacterium、Ruminococcus、Clostridium、Coprococcus、Odoribacter、Roseburia、Holdemanella、Anaerostipes、Oscillibacter、 Subdoligranulum及びButyrivibrio属から構成される。
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ODYSSEE試験においては、15の酪酸生産属は、糞便及び血漿中のネオプテリン及びCRPと負の相関がある。相対存在量は、化学療法及びIC後、V2で減少し、そしてAFMT治療後、V3でベースラインに戻る。ほとんどの患者に関して、15属の大部分はV1(ベースライン)で存在し、ほとんどの属はV2で排除され、そしてV1で測定されたものと同様のプチコアを示すV3でのFMTにより回復される(図6)。
MDRB除菌
患者の糞便中のC.difficile及びMDRBの存在を、メタゲノムデータベースセットにおける耐性遺伝子の分析によりV1とV3との間で評価した。
総配列決定読み取りを、MEGARes抗生物質耐性遺伝子データベースにマッピングした。IC及び関連する抗生物質治療が、プロトコルごとの患者について、V2での抗生物質耐性遺伝子に対してマッピングされた読み取りの平均数の有意な上昇(167546から371465読み取り、p<0.01)を誘発したことが見られた。次に、マッピングされた読み取りの平均数の43%の大幅な減少が、AFMT後のV3で観察された(211127読み取り、p<0.001)。
臨床結果
臨床結果は、表2に要約される。死亡した患者の追跡期間の中央値は、7.13ヶ月(範囲、4.8〜8.5ヶ月)であった。6ヶ月で、全生存率(OS)は88%(範囲、4.8〜8.5ヶ月)であった(図8)。治療された患者のうち、21人(84%)が血液学的反応に基いて完全な寛解を達成し、そして1人(4%)が部分的寛解を達成した。治療された集団の1年OS率は84%(4人の死亡)であった(図8)。合計17人の患者(68%)は、12ヶ月でまだ完全に寛解しており、そして1人の患者(4%)は、部分的に寛解していた。さらに、白血病の進行が、1年で、治療された患者の3人(12%)で観察された。
実施例2:医原性腸内毒素症及び腸内炎症がFMTの不在下で正常化しないことを示すオシリス臨床研究の結果
患者及び方法:
患者及び研究企画
2017年1月〜2017年9月の間に5つのフランス医療センターから骨及び関節感染症(BJI)の疑いのある合計62人の患者をスクリーニングし、そして2018年3月まで追跡した(ClinicalTrials識別子NCT03011502)。患者を以下の3つのカテゴリーに分類した:生来(n=27、平均年齢=56)、骨接合(n=13、平均年齢=52)及び補綴(n=22、平均年齢=66)BJI。
Figure 2021530527
患者を含めた直後、及び抗生物質療法の開始の前、糞便及び血液を採取した(訪問V12、0日目)(研究フローチャートについては図8を参照のこと)。細菌学的、生化学的及びメタゲノム分析を、糞便サンプルに対して実施し、そして生化学的分析を、血漿サンプルに対して実施した。抗生物質療法の完結後、糞便及び血液を、生化学的、細菌学的、メタゲノム分析のために採取した(訪問V3)。抗生物質療法の中止の2週間後、以前と同じ分析のために、糞便及び血液を採取した(訪問V4)。患者の生活の質を、EQ−5D−5L質問票(可動性、セルフケア、通常の活動、痛み/不快感、不安及び鬱を評価する)を用いて、各訪問(V1〜V4)で評価した。最後に、包含の6ヶ月後(訪問V5)、臨床情報及び安全性評価を報告した。
微生物学的分析
C. difficile, Salmonella sp., Shigella sp., 及びMDR細菌(メチシリン耐性Staphylococcus aureus、バンコマイシン耐性及びグリコペプチド耐性Enterococci、拡張スペクトルベータラクタマーゼ(ESBL)産生菌及びカルバペネマーゼ産生菌)の検出を、それぞれ、PCR及び特定の単離培地での培養を用いて、5日の訪問の間に採取された糞便サンプルで実施した。
生化学的分析
生化学的分析を、訪問V1、V3及びV4の間に採取された糞便のサンプルで実行した。ネオプテリン及び分泌IgA(slgA)を、それぞれ、ネオプテリンELISA(IBL International)及びIgA分泌型ヒトELISA(EUROBIO)キットを用いて、糞便上清液から測定した。CRPを、異なる医療センターの血漿サンプルから、独自の内部手順に従って測定した。
DNA単離及びメタゲノム配列決定
ゲノムDNAを、NucleoSpin Soilキット (Macherey Nagel)を用いて、最初の4回の訪問の間に収集された糞便サンプルから抽出した。配列決定ライブラリーを、TruSeq キット (Illumina)を用いて、その製造業者の説明書に従って、各DNAサンプルについて構築した。次に、ライブラリーを、2ペアエンド(2 x 125 bp)HiSeq2500(イルミナ)ランで配列決定した。
バイオインフォマティクス分析
Trimmomatic (Bolger, Lohse and Usadel, 2014)を用いての品質濾過の後、宿主配列の除染を、Bowtie2 (Langmead, Ben and Salzberg, 2013)を用いて実施した。公平な比較のために、各サンプルの配列番号を、同じ配列決定深度、すなわちサンプル当たり1500000ペアエンド配列に対してランダムに正規化した。次に、分類学的プロファイリングを、Kraken v.0.10.5-beta(Wood 2014)及びRefSeqゲノムデータベース(2015年6月リリース、http://www.ncbi.nlm.nih.gov/refseq/)を用いて実行した。中央値のα−及びβ−多様度指数を、vegan 及びphyloseqパッケージを用いて、10回のサブサンプリング(R Core Team 2015、バージョン3.4.4、http://www.R-project.org)の後、R統計ソフトウェアで実行した。遺伝子ベースの抗生物質耐性分析を、それぞれ、統合遺伝子カタログ(IGC)(Li et al。、2014)及びMEGARes(https://megares.meglab.org/)データベースを用いて、Bewtie2での遺伝子マッピングを通して実行した。
統計学的分析
対応のあるも検定:
結果
患者の特徴
合計62人のBJI患者を、5つの異なるセンターで我々の研究でスクリーニングし、42人を、いくつかの分析が行われた集団を治療する意図として考慮した。合計及びプロトコルごとの患者のベースライン特性を、表12に列挙する。プロトコルごとの患者(比率、2:1)において女性よりも男性が多く、そして年齢の中央値は59歳であった。
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次に、腸内局所免疫性及び炎症を、糞便中のゾヌリン、カルプロテクチン、ネオプテリン及び分泌型IgAを測定することにより評価した。抗生物質療法後の平均糞便ネオプテリンレベルの有意な増加を観察し(V1: 97.7ng/gの糞便対治療後の504 ng/g の糞便; p<0.001)、これは、抗生物質療法の患者の予想される炎症性腸の状態を強調する。レベルは、抗生物質療法の終了後2週間のベースラインに戻らなかった(285.4 ng/gの糞便; p =0.02)。それらの変動は、ゾヌリン濃度と一致する。
全体として、それらのデータは、抗生物質療法後の局所的な有害な炎症反応の存在を明確に示している。注目すべきことに、FMT治療を受けていないOSIRISプロトコルからの患者のほぼ70%が、胃腸症状に苦しんでいた。追跡調査された42人の患者のうち9人が、重度の下痢症状を示した。
腸内細菌叢組成物の進展
種レベルで測定されたBray-Curtis (BC) 非類似度指数(データは示されていない)は、抗菌治療後の微生物性腸内毒素症の誘発(平均BC V1−V3:0.321)、及び2日後の最初の微生物群集の回復の欠如(平均BC V1−V4:0.367)を示している。
OSIRIS研究においては、上記15の酪酸産生属の相対的存在量はまた、糞便中のネオプテリンと負の相関がおり、そして抗菌治療後のブチコアの相対的存在量は減少する。
実施例3:糞便微生物叢組成物を生成するために使用される便サンプルの細菌プロファイルは最終生成物で維持される
国際公開第2016/170285A1号に記載されているように、独自の装置(国際公開第2016/170290A1号に記載されるのと同様な)に製造された接種物は、収集されたヒト微生物叢に属する細菌の全てのファミリー及び属の優れた保存を可能にする。さらに、密封された方法は、他の環境細胞による汚染を防ぐ。
上記方法に従って製造された4つの新鮮な便及び接種物を、16S rDNA分析を用いて分析した。全てのサンプルを、−80℃で保存し、そしてDNAを、NucleoSpin(登録商標)土壌キット(Macherey Nagel)を用いて抽出した。16S rDNAライブラリーを、V3−V4領域を標的とするプライマーを用いて、MyTag HS Mix キット(Bioline)で実行した。ライブラリーごとに80000〜90000対の読み取り(160000〜180000読み取り)を得るために、配列決定を実施した。16S rDNAライブラリーの配列決定を、MiSeq V3 2x300 bp シーケンサー(Illumina)を用いて実現した。
微生物叢を、全ての分類学的レベルで分析し、そして主なファミリー及び属についての結果を、表13及び表14に示している。
それらの分析は、この方法が、元の便に存在する全ての細菌を比較的豊富に保存できることを示しており;通常、最初の便に観察された属の90%以上が凍結製品で維持される。
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さらに、記載された方法により生成された接種物を用いて、無菌マウスを接種した。凍結サンプルを調製するために使用される新鮮な微生物叢をまた、無菌マウスに接種した。国際公開第2016/170285(A1)号に提供されるデータは、卓越した一貫性が、新鮮な便を接種されたマウスに観察された属と、処理された便を接種されたマウスとの間に見られたことを示す。より具体的には、好気性条件に対して非常に敏感であることが知られているFacelibacterium属は、両方のグループで同じレベルでマウスの腸にコロニーを形成したが、ところがNaCl処理された微生物叢を接種された対照グループにおいては、Facelibacteriumはコロニー形成に成功しなかった。それどころか、Bacteroides属は、NaClグループにおいて過度に増殖し、ここでそれは、新鮮な便と処理された便を接種されたマウスでは、類似するレベルで発見された。結論は、国際公開第2016/170285(A1)号に記載される方法は、収集された便に存在する主な属の卓越した回復が可能になったということであった。
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Claims (15)

  1. 下記工程:
    (i)便サンプルを収集し、そして、収集後最大5分で嫌気性条件下に置く工程;
    (ii)まだ嫌気性条件下で、前記サンプルと、少なくとも凍結防止剤及び/又は増量剤を含む生理食塩水溶液とを混合する工程;及び
    (iii)前記希釈されたサンプルを濾過する工程、
    を含む方法により得られた、それを必要とする個人における治療誘発性炎症の予防及び/又は軽減への使用のための糞便微生物叢組成物。
  2. 工程(ii)において、前記生理食塩水溶液が少なくとも凍結防止剤及び増量剤を含む、請求項1に記載の糞便微生物叢組成物。
  3. 前記糞便微生物叢組成物が、個人からの1又はいくつかの便サンプルからの微生物叢を含む、請求項1又は2に記載の糞便微生物叢組成物。
  4. 前記糞便微生物叢組成物が、個人からの少なくとも1つのサンプルに存在する種の少なくとも90%を含む、請求項3に記載の糞便微生物叢組成物。
  5. それを必要とする個人の治療誘発性腸炎症の予防及び/又は軽減への使用のための、請求項1〜4のいずれか1項に記載の糞便微生物叢組成物。
  6. 抗癌治療により誘発される炎症の予防及び/又は軽減への使用のための、請求項1〜5のいずれか1項に記載の糞便微生物叢組成物。
  7. 少なくとも1回の糞便微生物叢移植(FMT)が、抗癌療法の終了後1〜30日で実施される、請求項1〜6のいずれか1項に記載の糞便微生物叢組成物。
  8. 2回のFMTが、1〜7日間隔で実施される、請求項1〜7のいずれか1項に記載の糞便微生物叢組成物。
  9. 前記糞便微生物叢組成物によるFMTが、腸内のネオプテリンの減少、及び/又は血清中のCRP及び/又はフェリチンの減少を導く、請求項1〜8のいずれか1項に記載の糞便微生物叢組成物。
  10. 前記糞便微生物叢組成物によるFMTが、胃腸管における善玉菌の割合の増加、及び有害な細菌の割合の減少を導く、請求項1〜9のいずれか1項に記載の糞便微生物叢組成物。
  11. 以下の15属のいくつか又は全ての割合が、FMTの前のレベルと比較して高められる:Blautia、Faecalibacterium、Alistipes、Eubacterium、Bifidobacterium、Ruminococcus、Clostridium、Coprococcus、Odoribacter、Roseburia、Holdemanella、Anaerostipes、Oscillibacter、 Subdoligranulum及びButyrivibrio、請求項1〜10のいずれか1項に記載の糞便微生物叢組成物。
  12. 投与される糞便微生物叢組成物は、以下の15属のいくつか又は全てを含む:Blautia、Faecalibacterium、Alistipes、Eubacterium、Bifidobacterium、Ruminococcus、Clostridium、Coprococcus、Odoribacter、Roseburia、Holdemanella、Anaerostipes、Oscillibacter、 Subdoligranulum及びButyrivibrio、請求項1〜11のいずれか1項に記載の糞便微生物叢組成物。
  13. 前記個人が、癌患者である、請求項1〜12のいずれか1項に記載の糞便微生物叢組成物。
  14. 前記個人が、造血系疾患を有する、請求項1〜13のいずれか1項に記載の糞便微生物叢組成物。
  15. 前記個人が、急性白血病を有する、請求項1〜14のいずれか1項に記載の糞便微生物叢組成物。
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