JP2021529728A - 慢性腎疾患を持つ糖尿病対象を治療する方法 - Google Patents

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Abstract

本開示は、イメグリミンの有効量をそれを必要とする対象に投与する工程を含み、対象が慢性腎疾患を有している、前糖尿病又は1型若しくは2型糖尿病を治療する方法を対象とする。

Description

本発明は、腎機能障害又は慢性腎疾患(CKD)を持つ患者の、前糖尿病(pre-diabetes、糖尿病予備軍、境界型糖尿病)、1型及び2型糖尿病等の代謝障害を治療するための、イメグリミンの使用に関する。
代謝障害は、患者の正常な代謝過程に影響を及ぼし、前糖尿病及び1型又は2型糖尿病を含む。2型糖尿病(T2DM)は、高血糖、インスリン抵抗性、及び相対的インスリン不足によって特徴付けられる、長期代謝障害である。2型糖尿病の有病率は世界的に増加しつつあり、2017年では約4億5100万人の成人が糖尿病に罹患しており;この数は、2045年までに6億9300万人まで増加すると予想される。糖尿病のこの世界的蔓延は、特に糖尿病の多血管合併症の存在下で、膨大な個人的、社会的、及び経済的負担を課す。前糖尿病は、糖尿病の前の前駆段階であり、糖尿病と診断するのに必要な症状が全て存在するわけではなく、血糖値が正常値よりも高いが糖尿病と呼ぶのに十分高いわけではない。前糖尿病は、肥満(特に、腹部又は内臓肥満)、高トリグリセリド及び/又は低HDLコレステロールの脂質異常症、並びに高血圧を伴う。したがって代謝性素因又は症候群であり、通常は症状がなく、単独の徴候として高血糖のみ伴う。若年性糖尿病又はインスリン依存性糖尿病としてかつて公知であった1型糖尿病は、膵臓がインスリンをほとんど又は全く生成しない慢性状態である。
慢性腎疾患(CKD)は、経時的に腎機能が徐々に失われることによって特徴付けられる、状態である。糖尿病である全ての人々の30〜50%は、慢性腎疾患に罹患していると推定され:CKDである対象の40%超は、T2DMも有すると推定される。更に糖尿病は、CKD及び末期腎疾患(ESRD)の、最も頻度の高い、基礎をなす原因であり、T2DMは、発病ESRD症例の50%超に存在する。Tuttle等、Diabetic kidney disease: a report from an ADA Consensus Conference、Diabetes Care. 2014; 37(10): 2864〜2883を参照されたい。
糖尿病性腎疾患は、療法の選択肢が限られた慢性進行性疾患である。この集団に対する標準治療には、進行したCKD及びT2DMの同時発生が非常に加速された心血管(CV)リスクを提示することが一般に認められているので、高血糖及び心血管疾患の危険因子の管理を含む腎保護及び糖尿病治療のためのレニン・アンギオテンシン系(RAS)の阻害剤による療法が含まれる。Palsson R、Patel UD、Cardiovascular complications of diabetic kidney disease、Adv. Chronic. Kidney Dis. 2014; 21(3):273〜80。事実、糖尿病患者の中での過度な死亡率は、腎疾患を持つサブグループに大きく限定されるようであり、それらの心血管疾患の高い負荷率により説明されるようである。
米国特許第7,034,021号 米国特許第7,452,883号 米国特許第7,767,676号 米国特許第7,501,511号 米国特許第8,227,465号 米国特許第8,791,115号 米国特許第8,217,040号 米国特許第8,461,331号 米国特許第8,846,911号 米国特許第9,035,048号 米国特許第8,742,102号 米国特許第8,592,370号 米国特許第8,980,828号 米国特許第8,742,103号 米国特許第9,271,984号 米国特許第8,937,066号
Tuttle等、Diabetic kidney disease: a report from an ADA Consensus Conference、Diabetes Care. 2014; 37(10): 2864〜2883 Palsson R、Patel UD、Cardiovascular complications of diabetic kidney disease、Adv. Chronic. Kidney Dis. 2014; 21(3):273〜80 American Diabetes Association、Standards of Medical Care in Diabetes-2018 Zhang, S.等、Drug Discovery Today、12(9/10)、373〜381(2007) 「感染及び蔓延(Infections and Infestations)」及び「胃腸障害(Gastrointestinal disorders)」器官別大分類(SOC)
血糖値異常の程度は、腎症の発症を予測することが明らかであり、持続した集中的血糖制御は、糖尿病の微小血管合併症の発症からの保護をもたらす。しかし、同時発生するT2DM及び臨床上有意なCKDを持つ患者の集団での臨床結果に対する集中的血糖制御の長期的影響は、それほど明らかではない。T2DM患者の高血糖症を管理するための、15を超えるクラスの薬物の利用可能性にも関わらず、これらの療法剤の多くは、付随する中等症又は重症のCKDの存在下では推奨されず又は著しい用量低減が必要とされる。したがって、CKD、特に中等症又は重症のCKDを持つ糖尿病患者のために、より良い治療の選択肢を開発することが求められている。
本開示は、慢性腎疾患、特に中等症及び重症CKDを持つ対象の糖尿病を治療する方法であって、イメグリミンの有効量を、それを必要とする対象に経口投与する工程を含む方法を提供する。
フェーズ1研究での、全日にわたるイメグリミン1000mg QDの後の、種々の程度の腎機能障害を持つ対象における、イメグリミンの幾何平均血漿中濃度を示す図である(線形スケール)。 フェーズ1研究での、1日目のイメグリミン1000mg QDの後の、種々の程度の腎機能障害を持つ対象における、イメグリミンの幾何平均血漿中濃度を示す図である(片対数スケール)。 フェーズ1研究での、8日目のイメグリミン1000mg QDの後の、種々の程度の腎機能障害を持つ対象における、イメグリミンの幾何平均血漿中濃度を示す図である(片対数スケール)。 フェーズ1研究での、全日にわたるイメグリミン500mg bidの後の、正常な腎機能を持つ対象対重症腎機能障害を持つ対象における、イメグリミンの幾何平均血漿中濃度を示す図である(線形スケール)。 日本人T2DM対象のフェーズ2b研究における、3つの用量群でのHbA1cのプラセボ調節された変化を示す図である。 日本人T2DM対象のフェーズ2b研究における、3つの用量群でのHbA1cベースラインによるHbA1cのプラセボ調節された変化を示す図である。 日本人T2DM対象のフェーズ2b研究における、救援療法のパーセンテージを示す図である。 日本人T2DM対象のフェーズ2b研究における、レスポンダーのパーセンテージを示す図である。 日本人T2DM対象のフェーズ2b研究における、3つの用量群での空腹時血漿血糖値(FPG)のプラセボ調節された低下を示す図である。 様々な段階の腎機能を持つ対象において推奨されるイメグリミン投薬レジメン後の、AUCss24シミュレーションのボックスプロットを示す図である。 フェーズ1b研究に関して予測される1日定常状態曝露量(平均及びSD)と、先のフェーズ2b研究からの実際の1日定常状態曝露量とを示す図である。 治療及びCKD段階ごとの15日目の血漿中イメグリミン最大濃度を示す図である。中塗りの円=算術平均、及び×=幾何平均。ボックスは、第1四分位数(Q1)、中間値、及び第3四分位数(Q3)を表す。ウィスカーは、下側境界内の最小観察値と、上側境界内の最大観察値とを表す。下側及び上側境界は、それぞれ、Q1-1.5×(Q3-Q1)及びQ3+1.5×(Q3-Q1)と定義される。 治療及びCKD段階ごとの、血漿中濃度-時間(AUC)プロファイルの下の、15日目のイメグリミン面積を示す図である。中塗りの円=算術平均、及び×=幾何平均。ボックスは、第1四分位数(Q1)、中間値、及び第3四分位数(Q3)を表す。ウィスカーは、下側境界内の最小観察値と、上側境界内の最大観察値とを表す。下側及び上側境界は、それぞれ、Q1-1.5×(Q3-Q1)及びQ3+1.5×(Q3-Q1)と定義される。
本開示をより容易に理解できるようにするために、ある特定の用語について最初に定義する。本出願で使用されるように、他に本明細書で明らかに提示されるもの以外、下記の用語のそれぞれは以下に述べる意味を有するものとする。追加の定義については、本出願の全体を通して記述する。
本明細書及び添付される特許請求の範囲において、単数形「a」、「an」、及び「the」は、文脈がその他のことを明示しない限り、複数の指示対象を含む。「a」(又は「an」)と言う用語、並びに「1つ又は複数」及び「少なくとも1つ」と言う用語は、本明細書では同義に使用することができる。ある特定の態様では、「a」又は「an」と言う用語は、「単一」を意味する。他の態様では、「a」又は「an」と言う用語は、「2つ以上」又は「多数」を含む。
更に、本明細書で使用される「及び/又は」は、2つの指定された特徴又は構成要素のそれぞれの、他方との又は他方なしでの特定の開示と解釈されることになる。したがって、本明細書の「A及び/又はB」等の文言で使用される「及び/又は」という用語は、「A及びB」、「A又はB」、「A」(単独)、及び「B」(単独)を含むものとする。同様に、「A、B、及び/又はC」等の文言で使用される「及び/又は」という用語は、下記の態様: A、B、及びC; A、B、又はC; A又はC; A又はB; B又はC; A及びC; A及びB; B及びC; A(単独); B(単独);及びC(単独)のそれぞれを包含するものとする。
他に定義されない限り、本明細書で使用される全ての技術的及び科学的用語は、本開示が関係する分野の当業者に一般に理解されるものと同じ意味を有する。
本明細書及び特許請求の範囲の全体を通して数値と併せて使用される「約」と言う用語は、当業者に馴染みのある且つ許容される精度区間を示す。そのような精度区間は±10%である。
「治療期間」と言う用語は、対象に薬物が投与される期間を意味し、対象の、ある特定のパラメーターは、測定され且つベースライン値と比較される。例えば、治療期間は、約2週間から約2年とすることができる。一部の実施形態では、治療期間は、約2、約4、約6、約8、約10、約12、約14、約16、約18、約20、約24、約52、約76、又は約104週間とすることができる。薬物の効力は、ある特定のパラメーターを測定し、治療期間にわたるベースラインからの変化を計算することによって、評価することができる。効力パラメーターには、グリコシル化ヘモグロビン(HbA1c)パーセンテージのプラセボ差し引き減少及び空腹時血漿血糖値(FPG)プラセボ差し引き減少が含まれるがこれらに限定するものではない。
本明細書で使用される「AUC」と言う用語は、血漿中濃度対薬物投与後の時間のプロットの曲線下の面積を指す。
本開示は、前糖尿病又は糖尿病及びCKDステージ3B又はステージ4を持つ対象を治療するためにイメグリミンを使用する方法についても記述する。本開示は、T2DM及びCKDステージ3B又はステージ4を持つ対象を治療するためにイメグリミンを使用する方法について記述する。本開示は、1型糖尿病及びCKDステージ3B又はステージ4を持つ対象を治療するためにイメグリミンを使用する方法についても記述する。
高血糖症の管理は、糖尿病性腎疾患を持つ対象において特定の難題を提示する。これらの対象における腎機能の損失により、腎臓によって排除される認可されたクラスの抗高血糖症療法剤の多くは、用量を低減させる必要があり又は推奨されない。したがって、腎疾患、特に中等症又は重症CKDを持つ対象の糖尿病管理に対する療法の選択肢は限られている。インスリン、及び選択されたインスリン分泌促進物質、例えばスルホニル尿素の投薬は、この集団において頻繁に使用され;しかしインスリンの低減したクリアランスは、インスリン作用の持続期間を延ばし、それによって重症低血糖症を含む低血糖事象のリスクが増大する。CKD患者における集中的血糖管理の実質的な低血糖症のリスクを考慮して、最近の臨床指針は、中等症又は重症CKDの存在下で7.0%の目標HbA1cを推奨する。American Diabetes Association、Standards of Medical Care in Diabetes-2018を参照されたい。
ほとんどの認可された抗高血糖症療法薬は、推算糸球体濾過値(eGFR)が45ml/分/1.73m2程度に低い患者(即ち、CKDステージ3Aを経た)で使用することができる。しかしほとんどの療法剤は、CKDステージ3B及び4(eGFR 15〜44ml/分/1.73m2)で用量が低減され又は禁忌であり、米国内のほぼ200万の現有症例で毎年約200,000の発病症例に影響を及ぼす。例えばメトホルミンは、推算糸球体濾過値(eGFR)が30mL/分/1.73m2よりも低い患者において禁忌であり、eGFRが30〜44mL/分/1.73m2の間である患者には推奨されない。更に、CKDを持つ糖尿病患者に使用することができる多くの療法剤の場合、患者の腎機能が低下するとしばしば効力を失う。したがって、この程度の進行性糖尿病性腎疾患を持つかなりの数の患者で、血糖制御に関する安全で有効な患者の選択肢のセットは限定されている。
イメグリミンは、5,6-ジヒドロ-4-ジメチルアミン-2-イミノ-6-メチル-1,3,5-トリアジンとして開示され、米国特許第7,034,021号、第7,452,883号、第7,767,676号、第7,501,511号、第8,227,465号、第8,791,115号、第8,217,040号、第8,461,331号、第8,846,911号、第9,035,048号、第8,742,102号、第8,592,370号、第8,980,828号、第8,742,103号、第9,271,984号、及び第8,937,066号に記載される。世界保健機関(WHO)の基準によれば、イメグリミンは、(6R)-N2,N2,6-トリメチル-3,6-ジヒドロ-1,3,5-トリアジン-2,4-ジアミンと呼ぶことができる。化合物Iは、イメグリミンとして更に公知である。
Figure 2021529728
イメグリミンは、経口抗糖尿病剤の、新しいテトラヒドロトリアジン含有クラスの最初のものであり、ミトコンドリアの生体エネルギー及び機能を標的とする独自の作用機序を持つ。
イメグリミンは、T2DMを持つ対象で、単独療法として、またメトホルミン及びシタグリプチンへの追加物として、最長24週間研究されてきた。各研究においてイメグリミンは、1日2回(BID)の1500mgの用量に関して-0.42%から-0.72%の範囲で、グリコシル化ヘモグロビン(HbA1c)でのプラセボ及びプラセボ差し引き低減の場合に匹敵する安全性プロファイルに十分耐えた。
イメグリミンの薬物動態(PK)は、250から2000mgの範囲にわたる用量の増大と共に用量比例的曝露が少なくなること、低タンパク質結合(<8%結合)、標準的なin vitroアッセイでの認識できない代謝、及び主排泄経路としての腎排出によって特徴付けられる。
治療方法
本発明は、腎機能障害又は慢性腎疾患を持つ患者の代謝障害の治療で、イメグリミンを使用する方法に関する。
ある特定の実施形態では、本開示の方法を受け易い患者は、下記の疾患、障害、又は状態の1つ若しくは複数を有していてもよく又はそれらのリスクがあってもよい:1型糖尿病、2型糖尿病、耐糖能障害(IGT)、空腹時血糖障害(IFG)、高血糖症、食後高血糖、空腹時高血糖症、成人における潜在性自己免疫性糖尿病(LADA)、過体重、肥満、脂質異常症、高脂血症、高コレステロール血症、高トリグリセリド血症、高血圧症、アテローム性動脈硬化症、内皮機能不全、骨粗しょう症、慢性全身性炎症、非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)、多嚢胞性卵巣症候群、代謝症候群、腎障害、微量又は顕性アルブミン尿症、タンパク尿症、網膜症、白内障、神経症、学習又は記憶障害、神経変性又は認知障害、心血管疾患、組織虚血、糖尿病性足病又は潰瘍、心筋梗塞、急性冠症候群、不安定狭心症、安定狭心症、末梢動脈閉塞性疾患、心筋症(例えば、尿毒性心筋症を含む)、心不全、心臓肥大、心臓リズム障害、血管狭窄、卒中、(腎臓、心臓、脳、又は肝臓)虚血/再潅流傷害、(腎臓、心臓、脳、又は肝臓)線維症、(腎臓、心臓、脳、又は肝臓)血管リモデリング;糖尿病性疾患、特に2型糖尿病(例えば、基礎疾患等)。
一態様では、本開示は、イメグリミンの有効量を、それを必要とする対象に投与する工程を含み、この対象が慢性腎疾患を有している、前糖尿病又は1型若しくは2型糖尿病を治療する方法に関する。イメグリミンが、正常な腎機能を持つ患者に比べて中等症から重症の慢性腎疾患を持つ患者に対して、類似の安全性及び効力を提供することは、予期せぬことである。
別の態様では、提示された開示は、イメグリミンの有効量を、それを必要とする対象に投与する工程を含み、前糖尿病又は1型若しくは2型糖尿病を有し、慢性腎疾患を有する対象の血糖制御を改善する方法を提供する。
別の態様では、提示された開示は、イメグリミンの有効量を、それを必要とする対象に投与する工程を含み、食事及び運動の補助として前糖尿病又は1型若しくは2型糖尿病を有し、慢性腎疾患を有する対象の血糖制御を改善する方法を提供する。
一部の実施形態では、対象が前糖尿病を有する。一部の実施形態では、対象が1型又は2型糖尿病を有する。一部の実施形態では、対象が2型糖尿病を有する。
患者は、3カ月を超えて存在する腎機能又は構造の異常を有する場合、慢性腎疾患を有すると見なされる。CKDの定義は、腎損傷のマーカーを持つ全ての個体又は間に90日を挟む少なくとも2回の機会で60ml/分/1.73m2未満の推算糸球体濾過値(eGFR)を持つ全ての個体(腎損傷のマーカーがある又はない)を含む。腎疾患のマーカーは:システイン-C、アルブミン尿(アルブミンのクレアチニンに対する比(ACR)>3mg/mmol)、血尿(又は推定された若しくは確認された腎由来)、尿細管障害に起因する電解質異常、腎組織異常、撮像により検出された構造異常(例えば、多発性嚢胞腎、逆流腎症)、又は腎移植の履歴を含んでいてもよい。
Figure 2021529728
一部の実施形態では、対象は、軽度な腎機能障害を有する。一部の実施形態では、対象は、ステージ2の慢性腎疾患を有する。
一部の実施形態では、対象は、軽度から中程度の腎機能障害を有する。一部の実施形態では、対象は、中程度から重度の腎機能障害を有する。一部の実施形態では、対象は、ステージ3A(又はステージ3a)の慢性腎疾患を有する。一部の実施形態では、対象は、ステージ3B(又はステージ3b)の慢性腎疾患を有する。ステージ3A及びステージ3Bは一緒に、ステージ3の慢性腎疾患と見なされる。
一部の実施形態では、対象は、重度の腎機能障害を有する。一部の実施形態では、対象は、ステージ4の慢性腎疾患を有する。
一部の実施形態では、対象は、ステージ3B又はステージ4の慢性腎疾患を有する。
一部の実施形態では、対象は、約45ml/分/1.73m2から約59ml/分/1.73m2のeGFRを有する。
一部の実施形態では、対象は、約15ml/分/1.73m2から約44ml/分/1.73m2のeGFRを有する。
一部の実施形態では、対象は、約15ml/分/1.73m2から約29ml/分/1.73m2のeGFRを有する。一部の実施形態では、対象は、約30ml/分/1.73m2から約44ml/分/1.73m2のeGFRを有する。
一部の実施形態では、対象は、約30ml/分/1.73m2から約59ml/分/1.73m2のeGFRを有する。
一部の実施形態では、CKDは、患者のアルブミン/クレアチニン比(ACR)に基づいて分類することができる。アルブミン尿は、尿中アルブミンの増加排泄であり、腎損傷のマーカーである。正常な個体は、非常に少量のタンパク質を尿中に排泄する。アルブミン/クレアチニン比(ACR)は、高タンパク質を検出する方法である。ACRは、ミリグラムを単位とするアルブミン濃度を、グラムを単位とするクレアチニン濃度によって割ることにより計算される。微量アルブミン尿(ACR 30〜300mg/g)として公知の、中程度に増大するアルブミン尿は、正常範囲よりも高いが、総タンパク質に関する試験によって検出されたレベルよりも低い、アルブミン排泄量を指す。顕性アルブミン尿(ACR>300)として公知の、重度に増加したアルブミン尿は、糸球体濾過値進行性の低下に関連した、アルブミンのより高い上昇を指す。
一部の実施形態では、本開示は、代謝障害(例えば、T2DM)及び慢性腎疾患を有する対象を治療するための方法であって、
対象の慢性腎疾患の重症度を決定する工程;
慢性腎疾患の重症度に基づいて、対象に関するイメグリミンの有効投薬レジメンを決定する工程;及び
投薬レジメンに従って対象にイメグリミンを投与する工程
を含む方法を提供する。
一部の実施形態では、方法は、イメグリミンの有効量を、それを必要とする対象に経口投与する工程を含む。一部の実施形態では、イメグリミンは、静脈内注射等の注射を介して対象に投与することができる。
一部の実施形態では、本明細書に記述される方法によるイメグリミンでの治療は、十分耐性がある。
一部の実施形態では、イメグリミンで治療した対象、又はイメグリミンで治療した対象の群は、対象又は対象の群がイメグリミン治療を開始する前と比較して、乳酸アシドーシスの頻度の増加を経験しない。
一部の実施形態では、イメグリミンで治療した対象、又はイメグリミンで治療した対象の群は、対象又は対象の群がイメグリミン治療を開始する前と比較して、血漿中乳酸の増加又は上昇を経験しない。
一部の実施形態では、イメグリミンで治療した対象、又はイメグリミンで治療した対象の群は、対象又は対象の群がイメグリミン治療を開始する前と比較して、3mmol/L(27mg/dL)の閾値よりも高い血漿中乳酸の増加又は上昇を経験しない。
一部の実施形態では、イメグリミンで治療した対象、又はイメグリミンで治療した対象の群は、プラセボで治療した対象又は本明細書に記述される例示的な抗糖尿病剤を含む第2の医薬剤で治療した対象よりも、対象又は対象の群がイメグリミン治療を開始する前と比較して血漿中乳酸の増加又は上昇を経験する可能性がより高くはない又はより低い。
一部の実施形態では、イメグリミンで治療した対象、又はイメグリミンで治療した対象の群は、プラセボで治療した対象又は対象の群に類似した又は同じ頻度の、治療により発現した有害事象を有する。
一部の実施形態では、本明細書に記述される方法による対象又はイメグリミンで治療された対象の群は、既存の(pre-existing)医学的状態を有する。一部の実施形態では、既存の医学的状態は、慢性腎疾患ではない。
一部の実施形態では、イメグリミンで治療した対象の、又はイメグリミンで治療した対象の群の、1つ又は複数の既存の状態は、対象又は対象の群が、本明細書に記述される例示的な抗糖尿病剤を含む第2の医薬剤を摂取した場合に予測可能な場合と比較して、イメグリミンによる治療後に重症度又は症候が悪化しない。
一部の実施形態では、イメグリミンで治療した対象、又はイメグリミンで治療した対象の群は、対象又は複数の対象がイメグリミン治療を開始する前と比較して、対象の1つ若しくは複数の症状、又は対象の1つ若しくは複数の既存の医学的状態の増大を経験しない。
一部の実施形態では、イメグリミンで治療した対象、又はイメグリミンで治療した対象の群の、1つ又は複数の既存の状態が、イメグリミンでの治療後に重症度又は症候を悪化させない。一部の実施形態では、イメグリミンで治療した対象、又は対象の群の、1つ又は複数の既存の状態は、対象又は複数の対象がイメグリミン治療を開始する前と比較して、イメグリミンでの治療後に重症度又は症候を悪化させない。
一部の実施形態では、既存の医学的状態は、高カリウム血症、高血圧症、心障害、胃腸障害、神経系障害、血液及びリンパ系障害(貧血等)、眼障害、内分泌障害、又はこれらの組合せから選択される。
一部の実施形態では、既存の医学的状態が心障害である。一部の実施形態では、心障害は、冠動脈疾患、心房細動、うっ血性心不全、心筋梗塞、又はこれらの組合せから選択される。
一部の実施形態では、既存の医学的状態は、胃腸障害である。一部の実施形態では、胃腸障害は、腹痛、便秘、下痢、鼓腸、胃食道逆流、消化不良、吐き気/嘔吐、又はこれらの組合せから選択される。
一部の実施形態では、既存の医学的状態は、神経系障害である。一部の実施形態では、神経系障害は、糖尿病性神経障害、末梢神経障害、又はこれらの組合せから選択される。
一部の実施形態では、既存の医学的状態が、血液及びリンパ系障害である。一部の実施形態では、血液及びリンパ系障害は、貧血、悪性貧血、ビタミンB12依存性貧血、ビタミンB12欠乏症、又はこれらの組合せから選択される。
一部の実施形態では、既存の医学的状態が眼障害である。一部の実施形態では、眼障害は、緑内障、白内障、又はこれらの組合せから選択される。
一部の実施形態では、既存の医学的状態は、内分泌又は代謝障害である。一部の実施形態では、内分泌又は代謝障害は、糖尿病、痛風、高尿酸血症、尿酸上昇、続発性副甲状腺機能低下症、又はこれらの組合せから選択される。
一部の実施形態では、1日当たり投与されるイメグリミンの量が、約500mgから3000mgである。一部の実施形態では、1日当たり投与されるイメグリミンの量が、約750mgから約3000mg、約1000mgから約3000mg、約1250mgから約3000mg、約1500mgから約3000mg、約1750mgから約3000mg、約2000mgから約3000mg、約2250mgから約3000mg、約2500mgから約3000mg、又は約2750mgから約3000mgである。
一部の実施形態では、1日当たり投与されるイメグリミンの量は、約500mgから約2750mg、約500mgから約2500mg、約500mgから約2250mg、約500mgから約2000mg、約500mgから約1750mg、約500mgから約1500mg、約500mgから約1250mg、約500gから約1000mg、又は約500mgから約750mgである。
一部の実施形態では、1日当たり投与されるイメグリミンの量は、約500mg、約550mg、約600mg、約650mg、約675mg、約700mg、約725mg、約750mg、約775mg、約800mg、約825mg、約850mg、約900mg、約1000mg、約1100mg、約1200mg、約1300mg、約1400mg、約1500mg、約1600mg、約1700mg、約1800mg、約1900mg、約2000mg、約2100mg、約2200mg、約2300mg、約2400mg、約2500mg、約2600mg、約2700mg、約2800mg、約2900mg、約3000mg、又は先の値のいずれか2つの間の範囲内である。
一部の実施形態では、1日当たり投与されるイメグリミンの量は、約500mgから約750mg、約750mgから約1250mg、約900mgから約1100mg、約1000mgから約2000mg、約1250mgから約1750mg、又は約1400から約1600mgである。
一部の実施形態では、1日当たり投与されるイメグリミンの量が約1000mgである。一部の実施形態では、1日当たり投与されるイメグリミンの量が約1500mgである。一部の実施形態では、1日当たり投与されるイメグリミンの量が約2000mgである。一部の実施形態では、1日当たり投与されるイメグリミンの量が1000mgである。一部の実施形態では、1日当たり投与されるイメグリミンの量が1500mgである。一部の実施形態では、1日当たり投与されるイメグリミンの量が2000mgである。
一部の実施形態では、1日当たり、CKDを持つ糖尿病対象に投与されるイメグリミンの量は、正常な腎機能を持つ糖尿病対象に投与される量と実質的に同じにすることができる。
一部の実施形態では、1日当たり、CKDを持つ糖尿病対象に投与されるイメグリミンの量は、正常な腎機能を持つ糖尿病対象に投与される量よりも少ない。
一部の実施形態では、1日当たり、CKD(例えば、ステージ3BのCKD又はステージ4のCKD)を持つ糖尿病対象に投与されるイメグリミンの量は、正常な腎機能を持つ糖尿病対象に投与される量の約20%、約30%、約40%、約50%、約60%、約70%、約80%、約90%、若しくは約100%であり、又は任意の2つの先の値の間の範囲にあり、例えば、正常な腎機能を持つ糖尿病対象に投与される量の約20%から約100%である。
一部の実施形態では、1日当たり、CKD(例えば、ステージ3BのCKD又はステージ4のCKD)を持つ糖尿病対象に投与されるイメグリミンの量は、正常な腎機能を持つ糖尿病対象に投与される量の、約20%から約40%、約20%から約30%、約30%から約50%、約30%から約40%、約40%から約60%、約40%から約50%、約50%から約70%、約50%から約60%、又は約60%から約70%である。
一部の実施形態では、1日当たり、CKD(例えば、ステージ3BのCKD又はステージ4のCKD)を持つ糖尿病対象に投与されるイメグリミンの量は、約750mg、約1000mg、約1500mg、約2000mg、又は任意の2つの先の値の間の範囲である。
一部の実施形態では、イメグリミンは、食事なしで又は食事の前に投与される。一部の実施形態では、イメグリミンは、食事の2時間以上前に投与される。一部の実施形態では、イメグリミンは、食事と共に投与される。一部の実施形態では、イメグリミンは、食事の2時間以上後に投与される。
一部の実施形態では、イメグリミンは、1日当たり1回、1日当たり2回、又は1日当たり3回投与される。一部の実施形態では、イメグリミンは、1日当たり1回投与される。一部の実施形態では、イメグリミンは、1日当たり2回投与される。
一部の実施形態では、イメグリミンは、1日当たり2回、約500mgが対象に投与される。一部の実施形態では、イメグリミンは、1日当たり2回、約750mgが対象に投与される。一部の実施形態では、イメグリミンは、1日当たり2回、約1000mgが対象に投与される。一部の実施形態では、イメグリミンは、1日当たり2回、約1500mgが対象に投与される。
一部の実施形態では、イメグリミンは、1日当たり1回、約750mgが対象に投与される。一部の実施形態では、イメグリミンは、1日当たり1回、約1000mgが対象に投与される。一部の実施形態では、イメグリミンは、1日当たり1回、約1500mgが対象に投与される。
一部の実施形態では、対象が哺乳類である。一部の実施形態では、対象がヒト又は動物である。一部の実施形態では、対象がヒトである。
一部の実施形態では、対象がオスである。一部の実施形態では、対象がメスである。
一部の実施形態では、対象が、約18歳よりも上である。一部の実施形態では、対象が約18歳よりも下である。一部の実施形態では、対象は、約6から約18歳、約6から約12歳、又は約12から約18歳の間である。一部の実施形態では、対象は、約20歳よりも上である。一部の実施形態では、対象は、約25歳よりも上である。一部の実施形態では、対象が約30歳よりも上である。一部の実施形態では、対象が約35歳よりも上である。一部の実施形態では、対象が40歳よりも上である。一部の実施形態では、対象が、45歳よりも上である。一部の実施形態では、対象が、50歳よりも上である。一部の実施形態では、対象が、55歳よりも上である。一部の実施形態では、対象が、60歳よりも上である。一部の実施形態では、対象が65歳よりも上である。一部の実施形態では、対象が70歳よりも上である。一部の実施形態では、対象が75歳よりも上である。
一部の実施形態では、イメグリミンは、遊離塩基又はその薬学的に許容される塩の形で投与される。一部の実施形態では、イメグリミンは、遊離塩基の形で投与される。一部の実施形態では、イメグリミンは、その薬学的に許容される塩の形で投与される。イメグリミンが、薬学的に許容される塩の形をとる場合、塩は、無機酸との塩、有機酸との塩、及び酸性アミノ酸との塩を含むことができる。無機酸との塩の有用な例には、塩酸、臭化水素酸、硝酸、硫酸、及びリン酸との塩が含まれる。
有機酸との塩の有用な例には、ギ酸、酢酸、トリフルオロ酢酸、フタル酸、フマル酸、シュウ酸、酒石酸、マレイン酸、クエン酸、コハク酸、リンゴ酸、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、及びp-トルエンスルホン酸との塩が含まれる。
一部の実施形態では、イメグリミンは、塩酸塩の形で投与される。本明細書で記述される、対象に投与されるイメグリミンの量は、イメグリミン遊離塩基の量を指す。本明細書に記述される例は、イメグリミン塩酸塩を使用した場合の「イメグリミン」を指してもよい。
一部の実施形態では、対象は、約6.8%から約12.0%のベースライングリコシル化ヘモグロビン(HbA1c)パーセンテージを有する。
一部の実施形態では、対象は、約7.0%、約8.0%、約9.0%、約10.0%、約11.0%、若しくは約12.0%、又は先の値のいずれか2つの間の範囲にある、ベースライングリコシル化ヘモグロビン(HbA1c)パーセンテージを有する。
イメグリミンの効力は、治療期間にわたる対象の、ある特定のパラメーターの変化を測定することによって、評価することができる。ベースラインからのプラセボ差し引き変化又はプラセボ調節変化は、イメグリミンを受けた対象に関する変化と、プラセボを受けた対象に関する変化との間の差を指す。一部の実施形態では、ベースラインからの変化は、最小二乗平均(LS平均)を使用して計算される。
イメグリミンの効力の主要評価は、グリコシル化ヘモグロビン(HbA1c)のレベルに基づく。主な基準は、ベースラインから、治療期間の終わりまでの、プラセボと比較したHbA1cの変化である。
一部の実施形態では、対象は、治療期間にわたるグリコシル化ヘモグロビン(HbA1c)パーセンテージの、プラセボ差し引き減少を経験する。一部の実施形態では、治療期間にわたるHbA1cパーセンテージのプラセボ差し引き減少は、約-0.5%から約-1.2%である。一部の実施形態では、治療期間にわたるHbA1cパーセンテージのプラセボ差し引き減少は、約-0.6%から約-1.1%、約-0.7%から約-1.0%、又は約-0.8%から約-0.9%である。
一部の実施形態では、治療期間にわたるHbA1cパーセンテージのプラセボ差し引き減少は、約-0.5%、約-0.6%、約-0.7%、約-0.8%、約-0.9%、約-1.0%、約-1.1%、若しくは約-1.2%、又は先の値のいずれか2つの間の範囲にある。一部の実施形態では、治療期間にわたるHbA1cパーセンテージのプラセボ差し引き減少は、約-0.8%である。一部の実施形態では、治療期間にわたるHbA1cパーセンテージのプラセボ差し引き減少は、約-1.0%である。
一部の実施形態では、対象は、空腹時血漿血糖値(FPG)のプラセボ差し引き減少を経験する。一部の実施形態では、治療期間にわたるFPGのプラセボ差し引き減少は、約-20mg/dLから約-30mg/dLである。一部の実施形態では、治療期間にわたるFPGのプラセボ差し引き減少は、約-21mg/dLから約-28mg/dL、約-22mg/dLから約-27mg/dL、約-23mg/dLから約-26mg/dL、又は約-24mg/dLから約-25mg/dLである。
一部の実施形態では、治療期間にわたるFPGのプラセボ差し引き減少は、約-20mg/dL、約-21mg/dL、約-22mg/dL、約-23mg/dL、約-24mg/dL、約-25mg/dL、約-26mg/dL、約-27mg/dL、約-28mg/dL、約-29mg/dL、若しくは約-30mg/dL、又は先の値のいずれか2つの間の範囲にある。一部の実施形態では、治療期間にわたる空腹時血漿血糖値のプラセボ差し引き減少は、約-25mg/dLである。
一部の実施形態では、対象は、約10μg・時/mLから約100μg・時/mLの、イメグリミンの1日定常状態曝露量(AUC24,ss)を有する。一部の実施形態では、対象は、約10μg・時/mL、約15μg・時/mL、約20μg・時/mL、約25μg・時/mL、約30μg・時/mL、約35μg・時/mL、約40μg・時/mL、約45μg・時/mL、約50μg・時/mL、約55μg・時/mL、約60μg・時/mL、約65μg・時/mL、約70μg・時/mL、約75μg・時/mL、約80μg・時/mL、約90μg・時/mL、約100μg・時/mL、又は先の値のいずれか2つの間の範囲にある、イメグリミンの1日定常状態曝露量(AUC24,ss)を有する。
一部の実施形態では、対象は、約10μg・時/mLから約50μg・時/mL、約10μg・時/mLから約40μg・時/mL、約10μg・時/mLから約30μg・時/mL、又は約10μg・時/mLから約20μg・時/mLの、イメグリミンの1日定常状態曝露量(AUC24,ss)を有する。一部の実施形態では、対象は、約20μg・時/mLから約80μg・時/mL、約20μg・時/mLから約70μg・時/mL、約20μg・時/mLから約60μg・時/mL、約20μg・時/mLから約50μg・時/mL、約20μg・時/mLから約40μg・時/mL、又は約20μg・時/mLから約30μg・時/mLの、イメグリミンの1日定常状態曝露量(AUC24,ss)を有する。
一部の実施形態では、対象は、事前の抗糖尿病治療を受けており、例えば2型糖尿病の治療を受けている。
前治療は、アセチル-CoAカルボキシラーゼ-2(ACC-2)阻害剤、ホスホジエステラーゼ (PDE)-10阻害剤、ジアシルグリセロールアシルトランスフェラーゼ(DGAT)1又は2阻害剤、スルホニル尿素(例えば、アセトヘキサミド、クロルプロパミド、ジアビネーゼ、グリベンクラミド、グリピジド、グリブリド、グリメピリデ、グリクラジド、グリペンチド、グリキドン、グリソラミド、トラザミド、及びトルブタミド)、メグリチニド、α-アミラーゼ阻害剤(例えば、デンタミスタット、トレスタチン、及びAL-3688)、α-グルコシドヒドロラーゼ阻害剤(例えば、アカルボース)、α-グルコシダーゼ阻害剤(例えば、アジポシン、カミグリボース、エミグリテート、ミグリトール、ボグリボース、プラジミシン-Q、及びサルボスタチン)、PPARγアゴニスト(例えば、バラグリタゾン、シグリタゾン、ダルグリタゾン、エングリタゾン、イサグリタゾン、ピオグリタゾン、ロシグリタゾン、及びトログリタゾン)、PPAR α/γアゴニスト(例えば、CLX-0940、GW-1536、GW-1929, GW-2433、KRP-297、L-796449、LR-90、MK-0767、及びSB-219994)、ビグアニド(例えば、メトホルミン)、グルカゴン様ペプチド1(GLP-1)アゴニスト(例えば、エキセンジン-3及びエキセンジン-4)、タンパク質チロシンホスファターゼ-1B(PTP-1B)阻害剤(例えば、トロズスクエミン、ヒルチオサール抽出物、及びZhang, S.等、Drug Discovery Today、12(9/10)、373〜381(2007)により開示された化合物)、SIRT-1阻害剤(例えば、レセルバトロール)、ジペプチジルペプチダーゼIV(DPP-IV)阻害剤(例えば、シタグリプチン、ビルダグリプチン、アログリプチン、及びサキサグリプチン)、インスリン分泌促進剤、脂肪酸酸化阻害剤、A2アンタゴニスト、c-junアミノ末端キナーゼ(INK)阻害剤、インスリン、インスリンミメティック、グリコーゲンホスホリラーゼ阻害剤、VPAC2受容体アゴニスト、グルコキナーゼ活性化剤、及びナトリウムグルコーストランスポーター(SGLT2又はSGLT1/2)阻害剤を含むがこれらに限定することのない、適切な抗糖尿病剤とすることができる。
一部の実施形態では、対象は、事前の抗糖尿病治療、例えば2型糖尿病の治療を受けていない。
一部の実施形態では、イメグリミンは、第2の医薬剤と共に投与される。一部の実施形態では、イメグリミンは、第2の医薬剤と同時に投与される。一部の実施形態では、イメグリミンは、第2の医薬剤と順次投与される。
一部の実施形態では、第2の医薬剤は、インスリン、アルファ-グルコシダーゼ阻害剤、ビグアニド、ドーパミンアゴニスト、DPP-4阻害剤、グルカゴン様ペプチド、メグリチニド、ナトリウムグルコーストランスポーター(SGLT2又はSGLT1/2)阻害剤、スルホニル尿素、及びチアゾリジンジオンからなる群から選択される。
第2の医薬剤は、本明細書に記述される例示的な抗糖尿病剤を含むことができる。第2の医薬剤は:アルファ-グルコシダーゼ阻害剤、例えばアカルボース(Glucor(登録商標))及びミグリトール(Diastabol(登録商標));インスリン感受性促進剤、例えばチアゾリジンジオン(TZD)、例えばピオグリタゾン(Actos(登録商標))及びロシグリタゾン(Avandia(登録商標));グリコーゲン生成を低減させる薬剤、例えばビグアニド、例えばメトホルミン(Glucophage(登録商標)、Stagid(登録商標));スルホニル尿素(SU)、例えばカルブタミド(Glucidoral(登録商標))、グリベンクラミド/グリブリド(Daonil(登録商標)、Euglucan(登録商標))、グリボムリド(Glutril(登録商標))、グリクラジド(Diamicron(登録商標))、グリメピリド(Amarel(登録商標))、グリピジド(Glibenese(登録商標))、クロルプロパミド、及びトラザミド;メグリニド、例えばレパグリニド(NovoNorm(登録商標));ドーパミンアゴニスト、例えばブロモクリプチン; DPP-4阻害剤、例えばアログリプチン、リナグリプチン、サキサグリプチン、シタグリプチン、又はビルダグリプチン;ナトリウムグルコーストランスポーター(SGLT2又はSGLT 1/2)阻害剤、例えばダパグリフロジン、カナグリフロジン、エムパグリフロジン、又はソタグリフロジンも含むことができる。
一部の実施形態では、第2の医薬剤がDPP-4阻害剤である。一部の実施形態では、第2の医薬剤がシタグリプチンである。
一部の実施形態では、第2の医薬剤がメトホルミンである。
一部の実施形態では、事前の抗糖尿病治療、例えば2型糖尿病の治療は、対象の代謝障害の、適切な制御をもたらさず又は適切に制御しない。一部の実施形態では、代謝障害が2型糖尿病である。一部の実施形態では、事前の抗糖尿病治療は、対象の血糖パラメーター、非血糖パラメーター、又は両方の、適切な制御をもたらさず又は適切に制御しない。一部の実施形態では、対象は、約7.5%以上のHbA1cによって又は7.5%から10%のHbA1cによって定義されるように、事前の抗糖尿病治療によって適切に制御されない。
一部の実施形態では、事前の抗糖尿病治療は単独療法である。一部の実施形態では、単独療法は、インスリン、アルファ-グルコシダーゼ阻害剤、ビグアニド、ドーパミンアゴニスト、DPP-4阻害剤、グルカゴン様ペプチド、メグリチニド、ナトリウムグルコーストランスポーター(SGLT2又はSGLT1/2)阻害剤、スルホニル尿素、及びチアゾリジンジオンからなる群から選択される医薬剤を含む。一部の実施形態では、単独療法は、本明細書に記述される例示的な抗糖尿病剤を含む医薬剤である。
(実施例1)
急性腎不全(ARF)ラットモデルにおける乳酸アシドーシスのリスクに対するイメグリミン、メトホルミン、及びフェンホルミンの比較効果
メトホルミンは、腎及び/又は心不全の患者における乳酸アシドーシスのリスクに関連付けられる。腎不全におけるメトホルミンの血漿中蓄積は、この乳酸アシドーシスの発症のリスクの因子である。急性腎不全(ARF)は、ゲンタマイシンによりラットで行うことができ、尿細管細胞壊死を直接生成し且つ腎血流の低下も引き起こし得る。
ビグアニジドメトホルミン及びフェンホルミンと比較した、イメグリミンによる治療後の急性腎機能不全のラットにおける乳酸アシドース誘発のリスクを調査する研究を、終了した。
ラットの腎不全は、ゲンタマイシン(200mg/kg s.c.)の投与後に発症し、その後、ランダム化を行った:正常(クレアチニン<0.6mg/dL)、中等症(0.6mg/dL<クレアチニン<2mg/dL)、及び重症腎不全(クレアチニン>2mg/dL)。ゲンタマイシンを、4日間にわたって1日1回、皮下経路によって投与した(投与体積: 1ml/kg質量)。腎機能不全の程度に相関させたクレアチニンレベルを、各ラットごとに、ゲンタマイシンの最初の注射から7日後に試験した。ゲンタマイシンの投与後、腎不全が発症し、血清クレアチニンが1から3mg/dLであるのに対して正常なラットでは0.5mg/dLであった。クレアチニンレベルは、ラット血漿試料中のIL試験クレアチニンを使用して、Monarch Chemistry Systemsで決定した。この単色光分析は、アルカリ条件下でのクレアチニンとピクリン酸との間の赤色錯体の形成に基づく。
生理食塩液に溶解したイメグリミン、メトホルミン、又はフェンホルミンを、8ml/時/kgの一定速度で180分間にわたり静脈内投与した。用量は、正常な群に関して100mg/時/kg(イメグリミン及びメトホルミン)及び50mg/時/kg(フェンホルミン)であり、中等症及び重症群に関しては25、50、75、100mg/時/kg(イメグリミン及びメトホルミン)及び25、50mg/時/kg(フェンホルミン)であった。
正常なラットにおいて、100mg/時/kgの用量でのイメグリミンの潅流は、血漿血糖値を60分から著しく低下させた(6.5±0.4対7.6±0.4mmol/L基礎t p<0.001)。同じ作用が、50mg/時/kgでのフェンホルミン又はメトホルミン100mg/kg/時の輸液後に観察された。しかし血漿血糖値のこの減少は、時間(180分)でより著しく、フェンホルミン後に2.9±1mmol/Lであり、それに対してイメグリミン後に5.4±0.4mmol/L及びメトホルミン後に4±0.7mmol/Lであった。この低血糖作用は、同じ血漿濃度レベルのイメグリミン(65.16±15.8μg/ml)及びメトホルミン(84.77±12.27μg/ml)で得られた。
軽度又は高度ARFのラットにおいて、イメグリミンによる血漿血糖値の減少は著しく、時間依存的であった。しかしメトホルミン及びフェンホルミンとは異なって、重症の低血糖は、イメグリミンで観察されなかった。フェンホルミン及びメトホルミンは、血漿血糖値を、120分までゆっくり低下させ;次いで血漿血糖値の急峻な降下が現れ、メトホルミンに関して1.9±1mmol/Lであり、フェンホルミンに関して2.4±1.1mmol/Lであった。
正常なラットでは、100mg/時/kgのメトホルミン及び50mg/時/kgのフェンホルミンが、乳酸血症を著しく増大させた。フェンホルミンは、メトホルミンの場合よりも高い乳酸塩の生成を誘発させた(9.4±2.1対4.6±0.4mmol/L)。イメグリミンは、結晶中乳酸塩レベルを変化させなかった。ARFラットでは、メトホルミン及びフェンホルミン治療が、血漿中乳酸塩を著しく増加させた。血漿中乳酸塩に対するこの作用は、用量依存的あるが時間依存的でもあった。メトホルミンによって誘発された血漿中乳酸塩レベルの増加は、上述のクレアチニンレベルにより定義されたように、高度ARFのラットにおいて、軽度ARFの場合よりも非常に大きかった。これらのビグアニドとは対照的に、イメグリミンは、このARFラットモデルで血漿中乳酸塩を著しく増加させなかった。
ARFラットでは、メトホルミン及びフェンホルミンは、血漿中H+濃度を著しく増大させた。この作用は、潅流から2時間後に現れ、用量依存的であった。このpH修正は、いずれかの化合物に関してARF重症度の程度に相関するように見えなかった。イメグリミン治療による代謝性アシドーシスの徴候は、観察されなかった。
ARFラットでは、フェンホルミン及びメトホルミン潅流が、[HCO3 -]の血漿中濃度を著しく減少させ、この作用はARFの重症度に依存した。高クレアチニンレベルの群では、メトホルミン100mg/kgの後に[HCO3 -]が著しく降下し、11.8±1.1に対して対照では22.8±0.8mmol/Lであり(p<0.001)、フェンホルミン50mg/kgの後では、17.7±1.3に対して対照では22.8±0.8mmol/L(p<0.001)であった。またイメグリミンは、対照群に対してではなく基礎期間に対して、血漿中[HCO3 -]が著しく低下した。この作用は、ARF重症度の程度にも化合物濃度にも依存しなかった。
50mg/kg/時から、フェンホルミンは死亡率85%を誘発し、これはクレアチニン血漿中濃度に依存した。この作用は、高血漿中クレアチニン群においてのみ現れた。この死亡率の主な生化学特性は、低血糖、高乳酸塩血症、血漿pHの降下(<7.2)、及び[HCO3 -]濃度であった。これらの生化学的変化は、乳酸アシドーシスの生理的な顕著な特徴である。
ARFラットモデルでは、メトホルミン及びイメグリミンの血漿中蓄積が観察された。この作用は、用量に依存するようであるが、ARF重症度の程度にも依存するようであった。血漿中メトホルミンと血漿中乳酸塩の濃度間の有意な直接関係が観察され、r=0.758、p<0.001であった。類似の有意な相関は、血漿中メトホルミンと血漿中H+との濃度間に現れ、r=0.611、p<0.0156であった。イメグリミン血漿中濃度と血漿中乳酸塩又はH+レベルとの間に有意な相関は観察されなかった。
この急性腎不全ラットモデルにおけるメトホルミン又はフェンホルミンの潅流は、乳酸アシドーシスを誘発させた。この致命的副作用は、血漿中乳酸塩及びH+の用量依存的増加と、[HCO3 -]レベルの減少によって特徴付けられた。乳酸塩レベルと血漿中H+濃度との間に有意な関係が観察された。
(実施例2)
正常な腎機能を持つ対象と比較した、腎機能障害を持つ対象におけるイメグリミンの薬物動態を調査するためのフェーズ1の臨床研究
正常な陣機能を持つ対象と比較した、腎機能障害を持つ対象におけるイメグリミンの薬物動態を調査するための、非盲検並行群多施設多重経口投与研究を完了した。
この研究では、合計で51対象に、1000mgの1日用量でイメグリミンを与え、8日間の間に1000mg QD(1日に1回)又は500mg bid(1日に2回)のいずれかで投与した。慢性腎機能障害を持つ27対象のうち、9対象(5対象にはQDを与え、4対象にはbidレジメンを与えた)は軽症(クレアチニンクリアランス(CLCrea)50〜80mL/分)の、12対象(6対象にはQDを与え、6対象にはbidレジメンを与えた)は中等症(CLCrea 30〜<50mL/分)の、及び6対象(bidレジメンを与えた)は重症の、腎機能障害(CLCrea<30mL/分)を有していた。正常な腎機能を持つ24名の対照対象は、軽症及び中等症(10対象はQDを受け、8対象はbidレジメンを受けた)並びに重症(6対象はbidレジメンを受けた)腎機能障害対象に一致した。24時間尿サンプリングを使用した、クレアチニンの尿/血漿比の測定値を計算した(CLCrea)。
イメグリミンを、1日1回1000mgを与える対象群に、連続8日間にわたって朝投与し、1日2回500mgを与える対象群では、連続7日間にわたって朝及び夕方に投与しその後、8日目の朝に500mgを朝投与した。1日目及び8日目の朝投与は、終夜絶食した10時間後の空腹状態で、及びイメグリミン投与後の4時間の間に行った。
組入れ基準:正常な腎機能を持つ対象の場合: -2日目の24時間サンプリングを使用した計算に基づいてCLCrea>80mL/分。損なわれた腎機能を持つ対象の場合: -2日目の24時間サンプリングを使用した計算に基づいて、軽症腎機能障害を持つ対象ではCLCrea 50から80mL/分、中等症腎機能障害を持つ対象では30から<50mL/分、及び重症腎機能障害を持つ対象では<30mL/分。
治療の8日目に得られたイメグリミンの平均薬物動態パラメーターを、Table 1(表2)及びTable 2(表3)に提示する。薬物動態パラメーターには、血管外投与後の終末期中の見掛けの分布容積(Vz/F)、時間の関数としての結晶中濃度の曲線下面積(AUC0〜t)、最大観察濃度(Cmax)、最大濃度までの時間(tmax)、血漿中半減期(t1/2)、血管外投与後の血漿からの薬物の全身クリアランス(CL/F)、及びその他のパラメーターが含まれた。
メジアンTmaxを、投与後3.5から5時間で観察したが、腎機能又は時間に関して差は観察されなかった。イメグリミンの定常状態は、1000mg QD及び500mg bidの反復投与の6日目に実現され、これはT1/2(13から26時間)に一致する。
腎機能障害は、重症腎機能障害を持つ対象において最大3.6倍のイメグリミンの蓄積をもたらした。腎機能障害を持つ対象と正常な対象との間の曝露の差は、軽症、中等症、及び重症腎機能障害を持つ対象で、8日目にそれぞれ最大1.5倍、2.3倍、及び3.6倍大きかった。一般に、正常な腎機能群と比較した中等症及び重症群の高い曝露量のみ、統計的に確認された。1000mgのイメグリミンQDを受けた、様々な程度の腎機能障害を持つ対象での、1日目から8日目の平均観測血漿プロファイルを、図1〜3に示す。正常な腎機能を持つ及び重症腎機能障害を持つ、500mgのイメグリミン bidを受けた対象の、全日にわたる平均観測血漿プロファイルを、図4に示す。
全経口全身クリアランス及び腎クリアランスは、正常な対象と比べて重症腎機能障害を持つ対象において、腎機能障害が増大するにつれてそれぞれ最大72%及び74%減少した。
用量のかなりの割合が、12時間の投薬間隔の間に500mg bidレジメンで尿中に排泄され、正常な対象では44%から46%、軽症では43%、重症では42%、及び中等症の腎機能障害を持つ対象では40%と推定された。
Figure 2021529728
Figure 2021529728
8日目の、イメグリミンのQD又はbid経口投与後の種々の程度の腎機能障害を持つ対象におけるイメグリミンの尿排泄パラメーターを、Table 3(表4)及びTable 4(表5)にまとめる。測定したパラメーターは、時間の関数として尿中に排泄された、変化していない薬物の量(Ae0-t)、腎クリアランス(CLR)、及び1つの投薬間隔中に尿中に排泄された、変化していない薬物の量(Ae0-τ)、及び1つの投薬間隔中に尿中に排泄された、投与された用量のパーセンテージ(feτ)を含む。
Figure 2021529728
Figure 2021529728
正常な及び軽症腎機能障害を持つ対象の生化学及び血液学的パラメーターは、ほとんどの場合に正常であり、ただ1つの場合のみ、正常範囲外にあった。これら全ての症例は、臨床的に関連がないと評価した。予測されたように、中等症及び重症腎機能障害を持つ対象は、それらの根底をなす疾患に起因して、いくつかのパラメーターに関して正常な範囲外の値を示した。尿及びクレアチニンの値は、全ての症例で正常範囲の外にあり、臨床上関連があると評価した。血液学的パラメーターは、単一症例で正常範囲外にあり、臨床上関連がないと評価したが、それらの根底をなす疾患に起因すると予測された。単一症例では、無機リン酸塩、ALT、GLDH、CK、トリグリセリド、リパーゼ、及びグルコースが、中等症及び重症腎機能障害を持つ対象で増加し、これらの症例は、臨床上関連があると評価された。正常値からの関連ある逸脱は、ナトリウム、カリウム、及び塩化物レベルで観察されなかった。臨床研究パラメーターに、著しい異常は観察されなかった。平均収縮及び拡張期血圧値は、重症腎機能障害を持つ対象において、予想されるように僅かに高かった。バイタルサインは、イメグリミンの投与後に、臨床上関連のあるいかなる変化も示さなかった。PR間隔の平均値は、試験の時間的経過中に、関連あるいかなる変化も示さなかった。QRS-、QT間隔、並びにBazett及びFridericiaにより補正されたQTc-間隔は、治験薬の投与に関連した、関係のあるいかなる変化も明らかにしなかった。
1000mgイメグリミンQD(即ち、合計用量が8000mgのイメグリミン)又は500mgイメグリミンBID(即ち、合計用量が7500mgのイメグリミン)の多重経口用量の安全性及び忍容性の評価では、実験室試験(血液学、臨床化学、尿検査)、バイタルサインの決定、ECG記録、AEの質問、及び身体検査を行った。全ての安全性パラメーターは、研究の過程で、関連あるいかなる変化も示さなかった。研究の過程で観察されたAEの発生率は、低かった。51対象のうち、全体で31対象で、54の治療下発現AEが報告された。これらの中で、15対象のみが、治験薬に関連するようであると判定された。大多数(39AE)は、関連しそうにないと評価された。これらの低い発生率に基づいて、用量レジメン同士の差及び腎機能障害群同士の差を、示すことができない。全般的な安全性及び忍容性の評価は、イメグリミンの良好な又は非常に良好な忍容性を示した。全体として、8日間にわたる、1日1回投与される1000mgイメグリミン又は500mgイメグリミンbidの合計1日用量の安全性及び忍容性は、良好と見なされる。
(実施例3)
日本人2型糖尿病対象における治療から24週後の、イメグリミン3用量の効力及び安全性の、用量範囲決定ランダム化二重盲検プラセボ制御並行群多施設研究
この研究では、T2DMを持つ合計299対象に、イメグリミンを、3つの用量(500、1000、及び1500mg bid)の1つで与え3又はプラセボを与えた。この研究の主な目的は、主要評価項目としてグリコシル化ヘモグロビン(HbA1c)を使用した、治療から24週後のT2DMを持つ男性及び女性対象において、プラセボと比較して、3つの用量(500、1000、及び1500mg bid)で、イメグリミンの用量応答性を評価することであった。組入れ基準:対象が、スクリーニング時にeGFR≧50mL/分/1.73m2を有し、事前ランダム化来診時に>=45である。合計で299対象を1:1:1:1にランダム化して4つの試験群の1つにし、268対象について試験を終了した。
研究は、その主要評価項目を満たした。HbA1c対ベースラインにおけるプラセボ調節変化には、用量依存的減少があり、3つの用量に関して統計的有意性に到達した(-0.52%; -0.94%、及び-1.0%; p<0.0001、それぞれ500mg、1000mg、及び1500mg bidに関して)。Table 5(表6)及び図5を参照されたい。
Figure 2021529728
HbA1cの変化を、ベースラインHbA1c<8%又は≧8%に応じて分析した。HbA1cの変化は、500mg bid(-0.47%及び-0.58%、それぞれベースライン<8%及び≧8%に関して)用量で、及び1000mg bid(-0.93%及び-0.90%、それぞれベースライン<8%及び≧8%に関して)の用量で類似しているが、ベースラインでより高いHbA1c(-0.82%及び-1.2%、それぞれベースライン<8%及び≧8%に関して)を持つ患者では1500mg bidの用量で、より大きい。図6を参照されたい。
レスポンダーのパーセンテージは、24週間の二重盲検治療期間の終わりにHbA1c≦7%の値に到達した対象のパーセンテージと定義された。分析は、ベースラインで7.0%よりも大きいHbA1c値を持つ対象に関し、FASを使用して行った。
イメグリミンの2トップドーズでは、レスポンダー速度に統計的有意性及び類似の増大があった(33.3%及び32.9%、1000mg bid及び1500mg bidのイメグリミン群において vs. 8.2%、プラセボ群において)。二重盲検治療期間中、不十分な血糖制御に起因して救援療法を必要とする対象のパーセンテージは、イメグリミン1500mg bidのトップドーズで救援療法を必要とする対象がいないその他の群と比較して、プラセボ群においてより高かった(10.7%)。図7A及び7Bを参照されたい。
FPGの減少は、1000及び1500mg bidのトップドーズで観察された(-24.6mg/dL又は1.37mmol/L p<0.001)、同様の作用を持つ同じプロファイルに従う。Table 6(表7)及び図8を参照されたい。
Figure 2021529728
糖化アルブミン(FAS)のベースラインからの変化を、Table 7(表8)に示す。
Figure 2021529728
任意の有害事象(AE)を示す対象の全発生率は、群全体にわたって類似しており73%(イメグリミン1000mg)から77.3%(イメグリミン1500mg)に及んだ。治療下発現(TE)AEを示す対象の発生率は、62.2%(イメグリミン1000mg)から73.3%(イメグリミン1500mg)に及んだ。
最も一般的な有害事象は、「感染及び蔓延(Infections and Infestations)」から及び「胃腸障害(Gastrointestinal disorders)」器官別大分類(SOC)からである。TEAEのほとんどは、軽強度のものであった。
ごく僅かな数の患者が、治験薬に関連すると見なされるTEAEを示し、プラセボと、イメグリミンの最初の2つの用量との間には類似の発生率、5.3%(イメグリミン500mg)、5.4%(イメグリミン1000mg)、及び8%(プラセボ)があり、トップドーズでの増大、24%(イメグリミン1500mg)であった。後者の群におけるこのより高い発生率は、部分的には、胃腸障害SOCからのTEAEの発生率の増加によって推進され、14.7%(プラセボ及びイメグリミン500mg)、18.9%(イメグリミン1000mg)、及び32%(イメグリミン1500mg)であった。
中断に至るTEAEは、救援療法を必要とする高血糖症と、その他のSOCの有害事象との両方を含んでおり、イメグリミン用量群(500mgで2.7%、1000mgで6.8%、及び1500mgで6.7%)に対してプラセボ(13.3%)で増加した。中止に至る非高血糖有害事象の中で、実際の傾向はなかった。
6つの重症TEAEが、研究の過程で生じた(それぞれ、イメグリミン1000mg bidで5.4%、イメグリミン1500mg bid及びプラセボ群で1.3%、イメグリミン500mg bidでなし)。それらの中で、治験薬に関連したものはなかった。非関連重症TEAEで、実際の傾向はなかった。1つの重症TEAEが、1500mgの群で死亡に至った(転移性膵臓がんが研究の過程で発見された)。
結論すると研究は、ベースラインからのプラセボ調節HbA1c変化の用量依存的減少を示す、その主要評価項目を満たしており、用量1000mg及び1500mg bidは、類似の最大効果を示した。
事後分析では、効力及び安全性/忍容性プロファイルを、それらの腎機能に応じて患者で調査した(CKD 1=eGFR≧90mL/分/1.73m2、CKD2=60≦eGFR<90mL/分/1.73m2、CKD3A=45≦eGFR<60mL/分/1.73m2)。299名の患者をランダム化した。患者の74%はCKD2を有し、14%はCKD1を有し、12%はCKD3Aを、それぞれ有していた。主要評価項目は、1,000及び1,500mg bidの2トップドーズがそれぞれ-0.94%及び-1.00%のHbA1c減少に達する3用量で、HbA1cの統計的有意性の用量依存的プラセボ差し引き減少を満たした(Table 5(表6))。イメグリミンは、プラセボに比べてHbA1c低下の改善を実証した。治療中断に至るAE、SAE、又はAEの発生率に大きな差はなかった。中断に至るSAE又はAEは、CKD3a下位群で観察されなかった。
T2D及びステージ2 CKDの対象において、HbA1cの低減対プラセボは、24週で、500mg BID、1000mg BID、及び1500mg BIDのイメグリミンに関してそれぞれ-0.60、-1.03、及び-1.11であった。更に、T2D及びステージ3a CKDの対象で、HbA1cの低減対プラセボは、24週で、500mg BID、1000mg BID、及び1500mg BIDのイメグリミンに関してそれぞれ-0.54、-0.44、及び-1.07であった(Table 8(表9))。CKDのSGLT2iで観察された、低減したHbA1c効力とは異なって、これらのデータが優れていることは、CKDを持つ対象のイメグリミンによる更に大きなHbA1c効力が、腎機能に依存しておらず、CKDで減少しないことを示唆している。
eGFRカテゴリー別に分けた対象におけるイメグリミンに関する24週までのベースラインからのHbA1cの平均変化(%)を、Table 8(表9)に列挙する。
Figure 2021529728
空腹時血漿血糖値(FPG)は、CKDステージ2及び3aを持つ対象で、一貫して減少した(Table 9(表10))。SGLT2iで観察されたCKDでの、低減したFPG効力とは異なって、これらのデータが優れていることは、正常な腎機能を持つ対象に比べ、CKDを持つ対象においてイメグリミンによるFPG効力が更に大きいことを示唆する。
eGFRカテゴリー別に分けた対象の、イメグリミンに関する24週(治療の終わり)までのベースラインからのFPG(mg/dL)の平均変化を、Table 9(表10)に列挙する。
Figure 2021529728
(実施例4)
2型糖尿病(T2DM)を持つ対象における及び健康な対象における、イメグリミンに関する母集団薬物動態(popPK)モデル研究
2型糖尿病(T2DM)を持つ対象における及び健康な対象における反復経口投与後の、イメグリミン単独療法に関する母集団薬物動態(popPK)モデルを開発して、慢性腎疾患(CKD)を持つ対象において必要とされる用量調節を支援した。popPKモデルは、健康な日本人及び白人対象におけるフェーズ1研究、腎機能が損なわれておりその他の点では健康な白人対象におけるフェーズ1研究、フェーズ2a研究、及びフェーズ2b研究からのPKデータ集合を使用して構築した。popPKモデルは、種々の投薬レジメン後の定常状態での、及び腎機能障害の程度に応じた、血漿曝露をシミュレートするのに使用した。シミュレーションは、慢性腎疾患CKD2(軽症腎機能障害)、CKD3(中等症腎機能障害、3A及び3Bを含む)、及びCKD4(重症腎機能障害)対象における、投薬レジメンの選択を支援するのに行った。投薬レジメンは、T2DM対象で観察された有効な用量に基づいて定められた。シミュレーション並びにフェーズ2b研究で得られた忍容性及び安全性データは、CKD対象における下記の投薬調節を支援した:図9に示されるように、正常な腎機能を持ち及びCKD2を持つ対象において、1000mg/1500mg bid; CKD3対象において、1000mg bid; CKD4対象において、750mg QD。
更に、フェーズ1b研究でCKDステージ3B又は4を持つT2DM対象における500mg BID、1500mg QD、及び1000mg BIDの用量に関して、予測された1日定常状態曝露量(AUC24,ss)を、母集団PKモデルからのパラメーターを使用して推定し;平均AUC24,ss値及び標準偏差を図10に示す。参照のため、フェーズ2b臨床研究からの平均AUC24,ss及び標準偏差も、図10に含め;その研究における1500mg BID治療群での平均AUC24,ssは、36.5μg・時/mL(AUC24,ss範囲は、10.1から169.3μg・時/mL)であった。3つの用量レベルのそれぞれで、CKD3Bを持つT2DM対象とCKD4を持つT2DM対象との間での曝露の有意な重なりは、各用量レベルでのCKD3B対象とCKD4対象との間の標準偏差バーの重なりによって明らかにされると予測された。
シミュレーションからの投薬レジメンは、様々なステージのCKDを持つ糖尿病対象を治療するのに使用することができる。
(実施例5)
2型糖尿病(T2DM)及び中等症から重症の慢性腎疾患(CKD)を持つ対象におけるイメグリミンの安全性、忍容性、及び薬物動態を評価するための非盲検並行群研究
このフェーズ1b研究は、T2DM及びCKDステージ3B又は4を持つ対象におけるイメグリミンの安全性、忍容性、及び薬物動態(PK)を評価するためのものである。
この研究に含まれる用量は、28日の治療期間にわたり、2型糖尿病、及び境界も含めて15から29(CKD4)又は30から44(CKD3B)ml/分/1.73m2の間の、MDRD方程式を使用して計算された平均eGFRに反映されるCKDステージ3B又は4を持つ対象に与えられた、500mgを1日2回(BID)、1500mgを1日1回(QD)、及び1000mgを1日2回(BID)である。対象は、3つの治療薬の1つ又はプラセボを受けるようにランダムに割り当てられることになる。
組入れ基準
1) >40歳且つ<75歳である男性又は女性対象。
2) 対象は、スクリーニングの少なくとも2年前にT2DMと診断され、メトホルミンを除いて、スクリーニング開始前の少なくとも12週間にわたる安定用量で、認可された抗高血糖薬物療法の任意のバックグラウンドレジメンを受けた。非薬理学的糖尿病管理(食事及び運動)のみ受けた対象も含めてよい。
3) 2型糖尿病、及び境界も含めた15から29(CKD4)又は30から44(CKD3B)ml/分/1.73m2の間の、MDRD方程式を使用して計算された、最短で3日の間を置いてスクリーニング期間中に得られた2つのeGFR値に基づく平均eGFRに反映されるCKDステージ3B又は4を持つ対象。
4) 対象は、スクリーニング開始の少なくとも12週前に、安定な、療法上適切な用量で、アンギオテンシン変換酵素阻害薬(ACEi)及び/又はアンギオテンシンII受容体拮抗薬(ARB)によるそれらの糖尿病性腎臓病の標準治療を受けるべきである。処方情報に従い、スクリーニング前の12週にわたって安定である場合、最小許容用量よりも低い用量が、許容可能である。病歴に文書化されたACEi又はARB療法に不耐容である対象を、登録してもよい。
5) スクリーニングで、境界も含めて6.8%から12.0%の間のHbA1c。
主要評価項目
3つの投薬群のそれぞれの15日目の、投与後の時間0から12時間までの濃度-時間曲線下の面積(AUC0〜12)、最大濃度(Cmax)、及び最大濃度までの時間(tmax)を、計算することができる。空腹時血漿血糖値(FPG)、糖化アルブミン、及びグリコシル化ヘモグロビン(HbA1c)の、ベースラインからの変化も測定することができる。
安全性は、臨床実験室試験の評価、身体検査、バイタルサイン測定、及び研究中の様々な時点でのECG読取りによって、並びにAEの文書化によって、評価することができる。
AE逐語的テキストは、MedDRA器官別大分類(SOC)及び優先用語(PT)を使用して、体系及び優先(コード化)用語によってコードされ分類されることになる。
治療下で発現した有害事象(TEAE)の発生率を、治療ごとにまとめる。TEAE分析は、下記の概要を含むことになる:
1) 下記のカテゴリーのいずれかで、少なくとも1つのAEを持つ対象に関する有害事象の概観: AE、SAE、AEであって死亡の結果を持つもの、及び被験薬の中断に至るAE;
2) SOC及びPTによる全てのTEAE;
3) 優先用語及び調査者の因果関係評価(関連するものvs.関連しないもの)、及び最大強度による、全てのTEAE;
4) SOC及びPTによる全てのSAE;
5) 治療中断に至るTEAE;
6) 特に注目すべき全ての有害事象(AESI)。
臨床化学、血液学、及び尿検査値を、各対象ごとに列挙し、適切な場合には正常範囲よりも高いか低いかのフラグ付けをする。全ての連続実験室パラメーターを、ベースラインからの対応する変化と一緒に、治療群ごとに各来診時の絶対値により記述的にまとめる。記述的要約統計量は、治療及び来診ごとに創出されることになる。
腎機能は、MDRD方程式を使用して血清クレアチニンから誘導されたeGFRによって評価される、この研究における安全性パラメーターである。記述的要約は、治療及び来診ごとに、スポット尿試料からのeGFR、血清クレアチニン、尿アルブミン、クレアチニン及び計算された尿中アルブミン対クレアチニン比(ACR)に関して提供されることになる。
血漿中乳酸塩は、ベースラインからの対応する変化と一緒に、治療群ごとに各来診時の絶対値によって、記述的に要約されることになる。
バイタルサイン及び身体検査は、治療及び来診ごとに記述的に要約されることになる。詳細は、SAPで提供されることになる。
薬物動態(PK)データは、治療群ごとに記述的に要約できる。PKパラメーターは、非コンパートメント法を使用して決定される。いくつかのPK要約は、ベースラインCKDステージ群によって表示することもできる。定常状態は、トラフ濃度データを使用して評価することができる。
記述的薬力学(PD)要約は、FPG、糖化アルブミン、及びHbA1cに関するベースラインからの対応する変化と一緒に、治療群ごとに絶対値に関して提示することができる。
T2DM及びCKDステージ3B又は4を持つ対象におけるイメグリミンの安全性、忍容性、及び薬物動態(PK)を評価するための上記フェーズ1b研究の終了後、研究データは、CKDステージ3B又は4を有する対象におけるイメグリミンの安全性及び忍容性を裏付ける。
CKDを持つ患者は、それらのCKDを引き起こし且つ心血管事象及び死亡のリスクに関与する、その他の併存症を有する。中等症から重症CKDを持つ患者は、この研究に登録されたCKDステージ3B及び4を持つ対象によって明らかなように、これらの併存症の高い有病率を有し、その100%はT2DMを持ち、100%は高血圧症であり、41%が心障害を持ち、63%が貧血症であり、41%が内分泌障害であり、53%が眼障害を持つ(Table 10(表11))。この患者集団において有意な基礎をなす状態にも関わらず、イメグリミンは、CKD重症度が増大する状態(ステージ4まで)で十分な忍容性があり、重症の有害事象の発生がなく、乳酸アシドーシスがなく、血漿中乳酸の上昇が確認された症例はなかった。全ての、治療下で発現した有害事象(TEAE)は、治験薬に関係があってもなくても、全て軽症又は中等症であり、CKDステージ3B及び4の両方に関してプラセボと比較すると、イメグリミンで治療した対象に関して頻度が類似していた(Table 11(表12))。治験薬に関係するTEAEは、ほとんど全てが軽度であり、CKDステージ3B及び4に関してイメグリミンとプラセボとの間で頻度が類似していた。最も一般的な有害事象である胃腸障害は、イメグリミンで治療した及びプラセボで治療した対象に関して類似していた。これらのデータは、メトホルミンに関して報告されたプラセボと比較して、より良い胃腸忍容性を示唆し、乳酸アシドーシスのリスクは増大しない。
薬物動態分析用の広範な血液採取を、15日目に行った。15日目のイメグリミンの午前中の投与後、最大観察濃度(Cmax)は用量依存的に増大した(図11)。濃度-時間下面積(AUC)プロファイル(AUC)は、500mg BIDと1500mg BIDとの治療群の間で類似していたが、1000mg BID治療群では増大した(図12)。AUCは、1500mg QD及び1000mg BID治療群において、CKD3Bと比較してCKDステージ4を持つT2DMで増大した(図12)。これは、これらの対象における低減した腎臓濾過速度に起因するようである。1000mg BIDイメグリミンが投与されたCKDステージ4群での全身曝露量(AUC)の有意な増大にも関わらず、有害事象の発生率は、その他の治療群に比較して増大しなかった(Table 11(表12))。意外にも胃腸事象の率は、1000mg BID治療群において、1500mg QD治療群よりも低い率を示す傾向があるが、これは前者におけるイメグリミンへの全身曝露量が高いにも関わらず生ずる(Table 11(表12))。
Figure 2021529728
Figure 2021529728
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(実施例6)
T2DMを持つ対象における、24週フェーズIIb用量範囲決定ランダム化二重盲検プラセボ制御並行群安全性及び効力研究
5つの並行群は、イメグリミン用量(500、1000、1500、又は2000mgを1日2回)の4つの群と、1つのプラセボ群とを含んでいた。主要評価項目は、主要評価基準として24週までのベースラインからのHbA1cの変化を使用して、T2D対象における用量応答性を評価することであった。対象は、治療未経験者又は任意の経口抗糖尿病単独療法で治療されたものとすることができ、≧50mL/分/1.73m2のeGFRを有することであった。合計で382名の対象を、5つの研究群の1つに対して1:1:1:1:1にランダム化し、315名の対象が研究を終了した。T2D並びにステージ2及び3aのCKD[eGFRが<90mL/分/1.73m2(n=211)]を持つ対象の事後分析では、イメグリミンは、プラセボと比較してHbA1c低下の改善を実証した。
T2D並びにステージ2及び3aのCKDを持つ対象における、イメグリミンに関する24週までの(治療の終わり)、ベースラインからのHbA1cの平均変化(%)を、以下のTable 12(表13)に列挙する。
Figure 2021529728
(実施例7)
2型糖尿病(T2DM)を持つ日本人患者に経口投与されたイメグリミンの、効力、安全性、及び忍容性を評価するための、24週フェーズIIIランダム化二重盲検プラセボ制御単独療法研究
合計で213名の対象を1:1の比にランダム化して、イメグリミン(1000mg BID)又はプラセボBIDを24週にわたって受けるようにし、194名の対象は、被験医薬品(IMP)の中断なしに研究を終了した。この研究の主な目的は、プラセボと比較した、イメグリミン治療の24週後のベースラインからのHbA1cの変化を、決定することであった。試験の副次評価項目には、その他の標準的血糖値及び非血糖値パラメーターと一緒に、空腹時血漿血糖値が含まれた。対象は、そのeGFRがスクリーニング時に≧50mL/分/1.73m2であり、事前ランダム化において>45mL/分/1.73m2であった。T2D並びにステージ2及び3aのCKD[eGFRが<90mL/分/1.73m2(n=178)]を持つ対象の事前に指定された分析で、イメグリミンは、プラセボと比較したA1C低下の改善を実証した。
この研究では、HbA1cの低減を24週目に評価した。イメグリミン1000mg BIDで治療した正常なeGFR(>90mL/分/1.73m2)を持つ対象では、プラセボ補正されたHbA1cの低減が-0.59%であった。プラセボ補正されたHbA1cの低減は、CKDを持つ対象において大きく;ステージ2のCKD及びステージ3aのCKDに関してそれぞれ-0.96%及び-0.70%であった。実施例3の結果と同様に、これらのデータが優れていることは、CKDを持つ対象におけるイメグリミンでのより大きいHbA1c効力が腎機能とは無関係で、CKDと共に減少しないことを示唆する。
eGFRカテゴリー別に分けた対象におけるイメグリミンに関する24週(治療の終わり)までの、ベースラインからのHbA1cの平均変化(%)を、以下のTable 13(表14)に示す。
Figure 2021529728
本発明について、ここに十分記述してきたが、当業者なら、これを広く且つ同様の範囲の条件、配合、及びその他のパラメーターで、本発明又はその任意の実施形態の範囲に影響を及ぼすことなく行うことができることが理解されよう。
本発明のその他の実施形態は、本明細書に開示される本発明の仕様及び実施を考慮することから当業者に明らかにされよう。本明細書及び実施例は単なる例示として見なされ、本発明の真の範囲及び精神は、下記の特許請求の範囲によって示されるものである。
本明細書に引用される全ての特許、特許出願、及びその他の刊行物は、それらの全体が本明細書に参照により十分に組み込まれる。

Claims (73)

  1. イメグリミンの有効量を、それを必要とする対象に投与する工程を含み、前記対象が慢性腎疾患を有する、前糖尿病又は1型若しくは2型糖尿病を治療する方法。
  2. イメグリミンの有効量を、それを必要とする対象に投与する工程を含み、前記対象が慢性腎疾患を有する、前糖尿病又は1型若しくは2型糖尿病を有する対象の血糖制御を改善する方法。
  3. イメグリミンを投与する前記工程が、食事及び運動の補助として使用される、請求項2に記載の方法。
  4. 前記対象が、2型糖尿病を有する、請求項1から3のいずれか一項に記載の方法。
  5. 前記対象が、中等症腎機能障害又はステージ3慢性腎疾患を有する、請求項1から4のいずれか一項に記載の方法。
  6. 前記対象が、軽症から中等症腎機能障害又はステージ3A慢性腎疾患を有する、請求項5に記載の方法。
  7. 前記対象が、中等症から重症腎機能障害又はステージ3B慢性腎疾患を有する、請求項5に記載の方法。
  8. 前記対象が、重症腎機能障害又はステージ4慢性腎疾患を有する、請求項1から4のいずれか一項に記載の方法。
  9. 前記対象が、ステージ3B又はステージ4慢性腎疾患を有する、請求項1から4のいずれか一項に記載の方法。
  10. 前記対象が、約30ml/分/1.73m2から約59ml/分/1.73m2の間の推算糸球体濾過値(eGFR)を有する、請求項1から9のいずれか一項に記載の方法。
  11. 前記対象が、約45ml/分/1.73m2から約59ml/分/1.73m2の間のeGFRを有する、請求項10に記載の方法。
  12. 前記対象が、約30ml/分/1.73m2から約44ml/分/1.73m2の間のeGFRを有する、請求項10に記載の方法。
  13. 前記対象が、約15ml/分/1.73m2から約29ml/分/1.73m2の間の推算糸球体濾過値(eGFR)を有する、請求項1から9のいずれか一項に記載の方法。
  14. 前記対象が、約15ml/分/1.73m2から約44ml/分/1.73m2の間の推算糸球体濾過値(eGFR)を有する、請求項1から9のいずれか一項に記載の方法。
  15. 前記対象が、約6.8%から約12.0%の間のベースライングリコシル化ヘモグロビン(HbA1c)パーセンテージを有する、請求項1から14のいずれか一項に記載の方法。
  16. 前記対象が、既存の医学的状態を有する、請求項1から15のいずれか一項に記載の方法。
  17. 前記既存の医学的状態が、慢性腎疾患ではない、請求項16に記載の方法。
  18. イメグリミンで治療した対象が、プラセボで治療した対象と類似の又は同じ頻度の治療下で発現した有害事象を有する、請求項1から15のいずれか一項に記載の方法。
  19. 前記イメグリミンで治療した対象が、前記対象がイメグリミン治療を開始する前と比較して、前記対象の1つ又は複数の既存の医学的状態の1つ又は複数の症状の増大を経験しない、請求項16又は17に記載の方法。
  20. 前記イメグリミンで治療した対象の1つ又は複数の既存の状態が、イメグリミンによる治療後に重症度又は症候が悪化しない、請求項16又は17に記載の方法。
  21. 前記イメグリミンで治療した対象の1つ又は複数の既存の状態が、前記対象がイメグリミン治療を開始する前と比較して、イメグリミンによる治療後に重症度又は症候が悪化しない、請求項20に記載の方法。
  22. 前記イメグリミンで治療した対象の1つ又は複数の既存の状態が、前記対象が第2の医薬剤を摂取した場合に予測され得るものと比較して、イメグリミンによる治療後に重症度又は症候が悪化しない、請求項20に記載の方法。
  23. 前記既存の医学的状態が、高カリウム血症、高血圧症、心障害、胃腸障害、神経系障害、血液及びリンパ系障害(貧血等)、眼障害、内分泌障害、又はこれらの組合せから選択される、請求項16から22のいずれか一項に記載の方法。
  24. 前記既存の医学的状態が胃腸障害である、請求項23に記載の方法。
  25. 前記胃腸障害が、腹痛、便秘、下痢、鼓腸、胃食道逆流、消化不良、吐き気/嘔吐、又はこれらの組合せから選択される、請求項24に記載の方法。
  26. イメグリミンによる治療が、十分な耐容性を示す、請求項1から25のいずれか一項に記載の方法。
  27. 前記イメグリミンで治療した対象が、前記対象がイメグリミン治療を開始する前と比較して、乳酸アシドーシスの頻度の増大を経験しない、請求項1から26のいずれか一項に記載の方法。
  28. 前記イメグリミンで治療した対象が、前記対象がイメグリミン治療を開始する前と比較して、血漿中乳酸の増大又は上昇を経験しない、請求項1から27のいずれか一項に記載の方法。
  29. 前記イメグリミンで治療した対象が、前記対象がイメグリミン治療を開始する前と比較して、3mmol/L(27mg/dL)の閾値よりも高い血漿中乳酸の増大又は上昇を経験しない、請求項28に記載の方法。
  30. 前記イメグリミンで治療した対象が、プラセボで治療した対象又は第2の医薬剤で治療した対象よりも、前記対象がイメグリミン治療を開始する前と比較して血漿中乳酸の増加又は上昇を経験する可能性がより高くはない又はより低い、請求項1から29のいずれか一項に記載の方法。
  31. 前記対象がヒトである、請求項1から30のいずれか一項に記載の方法。
  32. イメグリミンが経口投与される、請求項1から31のいずれか一項に記載の方法。
  33. 1日当たり、前記対象に投与されるイメグリミンの量が、前糖尿病又は1型若しくは2型糖尿病を持つが正常な腎機能を持つ対象に投与される量の約20%から約100%である、請求項1から32のいずれか一項に記載の方法。
  34. 前記イメグリミンの量が、1日当たり約500mgから約3000mgである、請求項1から33のいずれか一項に記載の方法。
  35. 前記イメグリミンの量が、1日当たり約1000mgから約3000mgである、請求項34に記載の方法。
  36. 前記イメグリミンの量が、1日当たり約1000mgから約2000mgである、請求項35に記載の方法。
  37. 前記イメグリミンの量が、1日当たり約1000mg、約1500mg、又は約2000mgである、請求項1から36のいずれか一項に記載の方法。
  38. イメグリミンが、1日1回、2回、又は3回投与される、請求項1から37のいずれか一項に記載の方法。
  39. イメグリミンが、1日2回投与される、請求項38に記載の方法。
  40. イメグリミンが、500mgを1日2回、1000mgを1日2回、又は1500mgを1日1回投与される、請求項38に記載の方法。
  41. イメグリミンが、食事と共に投与される、請求項1から40のいずれか一項に記載の方法。
  42. イメグリミンが、食事なしで投与される、請求項1から40のいずれか一項に記載の方法。
  43. イメグリミンが、遊離塩基又はその薬学的に許容される塩の形で投与される、請求項1から42のいずれか一項に記載の方法。
  44. イメグリミンが、塩酸塩の形で投与される、請求項43に記載の方法。
  45. 前記対象が、治療期間にわたり、約-0.5%から約-1.2%の間のグリコシル化ヘモグロビン(HbA1c)パーセンテージのプラセボ差し引き減少を経験する、請求項1から44のいずれか一項に記載の方法。
  46. 前記対象が、治療期間にわたり、約-0.8%から約-1.1%の間のグリコシル化ヘモグロビン(HbA1c)パーセンテージのプラセボ差し引き減少を経験する、請求項45に記載の方法。
  47. 前記対象が、治療期間にわたり、約-20mg/dLから約-30mg/dLの間の空腹時血漿血糖値(FPG)のプラセボ差し引き減少を経験する、請求項1から46のいずれか一項に記載の方法。
  48. 前記対象が、治療期間にわたり、約-25mg/dLの空腹時血漿血糖値(FPG)のプラセボ差し引き減少を経験する、請求項47に記載の方法。
  49. 前記治療期間が、4週から52週である、請求項45から48のいずれか一項に記載の方法。
  50. 前記治療期間が24週である、請求項49に記載の方法。
  51. 前記対象が、約20μg・時/mLから約100μg・時/mLの、イメグリミンの1日定常状態曝露量(AUC24,ss)を有する、請求項1から50のいずれか一項に記載の方法。
  52. 前記対象が、事前の抗糖尿病治療を受けている、請求項1から51のいずれか一項に記載の方法。
  53. 前記事前の抗糖尿病治療が、前記対象の前糖尿病又は1型若しくは2型糖尿病の適切な制御を提供しない又は適切に制御しない、請求項52に記載の方法。
  54. 前記対象が、事前の抗糖尿病治療を受けていない、請求項1から51のいずれか一項に記載の方法。
  55. イメグリミンが、第2の医薬剤と共に投与される、請求項1から54のいずれか一項に記載の方法。
  56. イメグリミンが、前記第2の医薬剤と同時に投与される、請求項55に記載の方法。
  57. イメグリミンが、前記第2の医薬剤と、順次投与される、請求項55に記載の方法。
  58. 前記第2の医薬剤が、インスリン、アルファ-グルコシダーゼ阻害剤、ビグアニド、ドーパミンアゴニスト、DPP-4阻害剤、グルカゴン様ペプチド、メグリチニド、ナトリウムグルコーストランスポーター(SGLT2又はSGLT1/2)阻害剤、スルホニル尿素、及びチアゾリジンジオンからなる群から選択される、請求項55から57のいずれか一項に記載の方法。
  59. 前記第2の医薬剤がメトホルミンである、請求項55から58のいずれか一項に記載の方法。
  60. 前記第2の医薬剤がシタグリプチンである、請求項55から58のいずれか一項に記載の方法。
  61. 慢性腎疾患を有する対象の前糖尿病又は1型若しくは2型糖尿病を治療するための方法で使用されるイメグリミン。
  62. 前糖尿病又は1型若しくは2型糖尿病を有し、慢性腎疾患を有する対象の血糖制御を改善するための方法で使用されるイメグリミン。
  63. 慢性腎疾患を有する、前糖尿病又は1型若しくは2型糖尿病の対象を、治療する医薬を製造するための、イメグリミンの使用。
  64. 前糖尿病又は1型若しくは2型糖尿病を有し、慢性腎疾患を有する対象の血糖制御を改善する医薬を製造するための、イメグリミンの使用。
  65. イメグリミンの有効量を含む、慢性腎疾患を有する対象の前糖尿病又は1型若しくは2型糖尿病を治療するための医薬。
  66. イメグリミンの有効量を含む、前糖尿病又は1型若しくは2型糖尿病を有し慢性腎疾患を有する対象の血糖制御を改善するための医薬。
  67. イメグリミンが、食事及び運動の補助として使用される、請求項61から64のいずれか一項に記載の使用又は請求項65若しくは66に記載の医薬。
  68. 前記対象が2型糖尿病を有する、請求項61から64のいずれか一項に記載の使用又は請求項65若しくは66に記載の医薬。
  69. 前記対象が、中等症腎機能障害又はステージ3慢性腎疾患を有する、請求項61から64のいずれか一項に記載の使用又は請求項65若しくは66に記載の医薬。
  70. 前記対象が、軽症から中等症腎機能障害又はステージ3A慢性腎疾患を有する、請求項61から64のいずれか一項に記載の使用又は請求項65若しくは66に記載の医薬。
  71. 前記対象が、中等症から重症腎機能障害又はステージ3B慢性腎疾患を有する、請求項61から64のいずれか一項に記載の使用又は請求項65若しくは66に記載の医薬。
  72. 前記対象が、重症腎機能障害又はステージ4慢性腎疾患を有する、請求項61から64のいずれか一項に記載の使用又は請求項65若しくは66に記載の医薬。
  73. 前記対象が、ステージ3B又はステージ4慢性腎疾患を有する、請求項61から64のいずれか一項に記載の使用又は請求項65若しくは66に記載の医薬。
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