[0093]本開示は、患者の脈管構造から血栓を除去するための吸引システムを含む吸引カテーテルシステムと、吸引カテーテルシステムのための監視、警告および通信システムとに関する。このような脈管構造は、冠状動脈、頸動脈、大脳動脈、ならびに頭部および頸部の他の動脈を含む、静脈および動脈を含み得る。例えば大きな血栓によって、吸引カテーテルが詰まることは、ユーザに共通の関心事である。カテーテル内の物質の詰まり/閉塞を回避するための技術は、多くの場合、吸引カテーテルを素早く、積極的に前進させること、または小さな片もしくは部分のみを一度に導入することを確実にするために血栓の端で優しく摘出することに関与し、この片は、吸引ルーメンを詰まらせないまたは閉塞させないために十分に小さい。デバイスが使用中に詰まった場合、下流に向かう血栓の偶発的な抜去の可能性が高まり;これは、末梢塞栓と呼ばれる。このタイプの吸引手順は、多くの場合、高度に技術的な緊急設定で使用されているため、吸引中のユーザのための吸引カテーテルの早期の詰まり検出が、手順の成功および臨床転帰に貢献することができる。いくつかのソースが、使用した吸引カテーテルの最大50%が使用中に詰まることを報告している。
[0094]ユーザは、システム内が真空または負圧になっているか否かを判断することが困難な場合がある。例えば、ユーザは、真空または負圧であるか否か(例えば、真空源がオンまたはオフにされたか)を判断することが困難な場合がある。さらに、例えば、流体で満たされたシリンジ(または他の真空源)や、システム内のリークの理由により、ユーザは、システム内で真空度低下があったかどうかを判断することが難しい。血液は比較的不透明であり、シリンジの壁をコーティングすることができるため、シリンジが満たされたときを判断することが難しくなる。これにより、十分な真空または負圧が吸引カテーテルに加えられているかどうかを判断することが難しくなる。シリンジが満たされる前でさえ、負圧勾配が許容できないレベルに変わることがある。拡張チューブまたは他のチューブはまた、システム内に真空度低下または負圧の減少を引き起こす可能性がある。特定のチューブねじれは、ユーザが見るか識別することが困難な場合がある。シリンジが吸引流体で満たされる前であっても、真空度低下または負圧の減少のための別の原因となり得る、システム内の空気漏れがあるかどうかを判断することも難しい。
[0095]吸引カテーテルを用いた血栓の吸引中は、血栓が積極的に吸引されているとき、または血液を単に吸引しているときを特定することは難しい。一般に、正常な血液量と血圧を維持することが重要であるため、血管から正常な血液を大量に吸引しないことが望まれる。しかし、血栓の近傍に吸引カテーテルの先端を追跡するときに、吸引カテーテルが血栓に積極的に関与したかどうか、吸引カテーテルが血栓の少なくとも一部を吸引したかどうか、または吸引カテーテルが血栓に関与せず、血液を吸引しただけかどうかを、知ることは難しい。末梢血管または動静脈瘻管に使用されるようないくつかの吸引カテーテルは、約50cmまたはそれ以下であり得るが、吸引カテーテルの先端は、同じ場合に、ユーザの手から90cmより離れているか、ユーザの手から135cmほど離れているか、または場合によっては150cmほど離れており、カテーテルの先端における吸引能力の特定の状態は、ユーザには分からないことが多い。したがって、ユーザは、重大で有用な感覚フィードバックなしに、やみくもにカテーテルを本質的に突き刺している可能性がある。カテーテルの外径は、6フレンチ(French)まで、またはそれ以上であってもよく、高さは、10フレンチ以上であってもよい。増加したカテーテルの外径は、潜在的な血管内の外傷の懸念を引き起こす可能性がある。吸引カテーテルの使用は、したがって、非効率的であり、所望のようにユーザの治療の長さを最小限にできず、脱血を引き起こす可能性があり、重症例では輸血を必要とする。また、吸引される正常な血液量の増加は、真空源(例えば、シリンジ)が、より短い時間で満たされることを意味し、したがって、真空源のより頻繁な交換が必要とされる。負圧勾配が十分ではなく、まだユーザが認識していない場合は、末梢塞栓が発生する可能性がある。
[0096]場合によっては、血液および/または血栓で完全にまたはほとんど満杯のシリンジが引き続き使用されてもよいが、この状態では、血栓または望ましくない物質を効果的に吸引する十分な圧力がないため、時間が非効率的に使用され、処置が長くなる。場合によっては、ユーザは誤って(シリンジを排気するために)シリンジのプランジャが引き戻されていないことを認識しないことがある。場合によっては、シリンジ自体が故障している可能性があり、ユーザが気づかずに十分な負圧が得られないことがある。場合によっては、処置の検査室で、または単に同時に行われる活動の程度から視認性が悪いために、ねじれたチューブ、ライン、またはカテーテルが気づかれないことがある。多くの場合、ユーザの眼は、例えば、蛍光透視モニタもしくは他の画像モニタ、または患者の重要なデータを有するモニタなどのモニタ上に向けられる、すなわち焦点が合わせられる。ユーザは、断続的な観察に伴う薄暗い照明で、透明または部分的に透明なルーメン(拡張チューブなど)を通る流れを見ることができるが、ユーザの意思で不透明な液体(血液/血栓など)の流れを処理することは困難である。良好な照明で眼の焦点を合わせても、視覚による流動効果が適用された真空または負圧に対して遅れる可能性があるので、拡張チューブを通る流体の動きが吸引状態の正確な画像を示さないことがある。複数の医療機器の要員が、互いの感覚情報を共有して、互いの意識の中に吸引処置の現状を構築しようとしていることがある。あるユーザが別の人の解釈に頼っている場合、特にどちらかがマルチタスキングをしている場合、状態の誤った感覚が発生する可能性がある。吸引カテーテルに取り付けられたシリンジは、例えば不均一な表面上に置かれた場合、ねじれを引き起こすことがある。吸引カテーテルの吸引ルーメン内の遠位開口部は、血管壁に対して直接吸引する傾向があり、したがって、一時的に血管壁に突き当たり、吸引ルーメン全体にわたって流れを止める可能性がある。場合によっては、大きすぎる負圧勾配が、誤ってまたは不適切に吸引カテーテルの吸引ルーメンに適用され、有効性を制限することがある(例えば、それが吸引ルーメンを取り囲む壁を崩壊させ、それにより吸引ルーメンを通る流れを著しく減少させる場合)。吸引カテーテルの吸引ルーメンに接続するための真空源として時々使用されるシリンジは、正常に機能しなくなり、完全に作動/排気されないことがある。しかし、シリンジが正しく機能している場合でも、予測するのが困難な瞬間に充填される傾向があり、したがって、一般に、負圧勾配が与えられていない期間を有する。凝血塊/血栓の一部が吸引ルーメンを通って吸引されている場合には、血栓の現在の位置で著しい圧力降下が生じる可能性があり、したがって、吸引ルーメンの近位端部から遠位に血栓の地点までのみ十分な負圧が存在し得る。したがって、吸引ルーメンの遠位端部、例えば吸引カテーテルの遠位端部に不十分な負圧が存在し、不十分な吸引を引き起こし得る。吸引ルーメン内のある中間点に実際の詰まりがある場合には、同じ状況が起こり得る。これらの状態のいずれにおいても、吸引ルーメンの遠位端部における不十分な吸引のために、血栓または塞栓が脈管構造の遠位に送られるリスクがあり、これにより、実行されているインターベンションまたは処置の位置に応じて、閉塞、脳卒中、肺塞栓症、または他の障害を引き起こす可能性がある。現行の装置および技術では、これらの状況は、発生時に検出することが非常に困難である。50%もの血栓吸引処置で、何らかの不具合が発生すると推定されている。
[0097]吸引システム2が、図1に示されており、カテーテル吸引のリアルタイムでの監視を可能にするように構成されている。吸引システム2は、吸引カテーテル4、真空源6、バルブ8、拡張チューブ10、およびインライン圧力変換器12を備えた吸引監視システム48を含んでいる。吸引カテーテル4は、近位端部14および遠位端部16と、近位端部14から遠位端部16に延びる吸引ルーメン18を有する。吸引ルーメン18を、血栓の吸引のためのサイズとすることができ、いくつかの実施形態では、吸引ルーメン18は、約0.38ミリメートル(0.015インチ)〜約2.54ミリメートル(0.100インチ)の内径を有することができる。吸引カテーテル4は吸引カテーテル4の近位端部にハブ20を含み、ハブ20は、雌ルアーコネクタ22を含むことができる。吸引カテーテル4の遠位端部16に、吸引ルーメン18は、曲がりくねったまたは閉塞した血管系を通じて追跡するのを助ける傾斜開口部24を含むことができる。いくつかの実施形態では、ガイドワイヤルーメン26は、吸引カテーテル4の遠位端部16に接続され、ガイドワイヤ28によって追跡するように構成されている。真空源6は、シリンジを含んでもよく、5ml〜100ml、または20ml〜60mlのサイズであってもよい。真空源6は、ユタ州サウスジョーダンのメリットメディカル社製のVacLok(登録商標)シリンジを含んでもよい。真空源6は、バレル30に関連した位置にプランジャ32を保持するように構成されたロック34を伴う、バレル30とプランジャ32とを含むことができ、例えば、プランジャ32がD方向に引き戻されると、バレル30内に負圧(真空)が作成される。いくつかの実施形態では、真空源6は、任意の他の種類の排気可能容器を含んでもよく、または真空ポンプを含んでもよい。真空源6は、拡張チューブ10とバルブ8を介して吸引カテーテル4の吸引ルーメン18に接続されている。いくつかの実施形態では、真空源6を、吸引カテーテル4の吸引ルーメン18に直接接続することができる。雄ルアーコネクタ36と雌ルアーコネクタ38が、図1に示されている。図示のように、バルブ8を、標準的な二方コックとすることができる。
[0098]吸引監視システム48の圧力変換器12は、真空源6と吸引カテーテル4との間に流体接続されるように構成されている。図2Aでは、吸引監視システム48は、第1の実施形態の自己完結型のデバイスとして示されている。圧力変換器12は、第1ポート44と第2ポート46との間に延在する空洞42を有する筐体40を含んでいる。いくつかの実施形態では、第1ポート44は雌ルアーを備え、第2ポート46は雄ルアーを備える。いくつかの実施形態では、第1ポート44は雌ルアーロックを含み、第2ポート46は雄ルアーロックを含み、その各々は反対の性別の対応するルアーロックに着脱可能である。第1ポート44は、真空源6に、直接接続されるか、または間に接続されたバルブ8および/または拡張チューブ10を用いて接続されるように構成されている。第2ポート46は、例えば、吸引カテーテル4のハブ20に直接または間接的に第2ポート46を接続することによって、吸引カテーテル4の吸引ルーメン18に接続されるように構成されている。吸引システム2が、例えば血液および/または血栓である、体液および/または物質を吸引するために使用される場合、この体液および/または物質は、遠位端部16の傾斜開口部24から近位端部14の雌ルアーコネクタ22に吸引カテーテルの吸引ルーメン18を通じて吸引され、次にまず圧力変換器12の第2ポート46を通過し、空洞42を通過し、その後第1ポート44を通過する。真空源6によって適用される真空度または負圧と、流動抵抗の量およびその結果として生じる吸引システム2に沿った圧力低下に応じて、空洞42内の圧力が変化することになる。例えば、血液のような粘性の高い流体や、固体、半固体、またはゲル状粒子もしくはゲル状部分を有する流体により、比較的小さな吸引カテーテル4の吸引ルーメン18を介して、水または生理食塩水の場合よりも、より高い流動抵抗を生成することになる。このように、圧力変換器12の空洞42内の圧力は、吸引ルーメン18内の流動抵抗が高くなるにつれて低くなる(負圧勾配が大きくなる)。
[0099]定義の目的のために、「真空(度)」について言えば、例えば、−15000パスカル(−2.18ポンド毎平方インチ、すなわちpsi)の圧力は、−10000パスカル(−1.45psi)より「大きな真空」である。実際には、その容積の中に分子が存在しないという真の真空は極めて困難である。さらに、−15000パスカルは−10000パスカルよりも「低い圧力」である。また、−15000の絶対値が−10000の絶対値よりも大きいので、−15000パスカルは、−10000パスカルよりも大きい「絶対真空圧」を有する。図2Aでは、真空センサ50は、筐体40の空洞42内に配置され、空洞42を通過する流体と流体連通している。真空センサ50を、正の圧力を測定するために主に設計された圧力センサを含む、標準的な圧力センサまたは変換器とすることができる。これは、MEMS技術を含む当技術分野で公知の圧力感知技術のいずれかのタイプを使用してもよい。いくつかの実施形態では、真空センサ50は、約0パスカル〜約−101325パスカル(−14.70psi)、または約−45000パスカル(−6.53psi)〜約−90000パスカル(−13.05psi)、または約−83737パスカル(−12psi)〜約−96527パスカル(−14psi)の圧力の範囲内で最高の精度および/または正確さのために構成されている。いくつかの実施形態では、真空センサのための電力要件を、2.5ボルトDC〜10ボルトDCの範囲とすることができる。いくつかの実施形態では、真空センサ50は、出力電圧のアナログゲージであってもよい。図2Aの自己完結型の実施形態において、真空センサ50は、1つまたは複数のバッテリ52によって電力供給される。本明細書に記載の真空センサ50の電力要件、および吸引監視システム48の他の構成要素の電力要件に基づいて、いくつかの実施形態では、1つまたは複数のバッテリ52を、1.5ボルト〜9ボルトの範囲とすることができる。いくつかの実施形態では、マイクロプロセッサを含み得る測定装置54もまた、筐体内に含まれる。測定装置54は、真空センサ50に接続され、リアルタイム測定された圧力を示す真空センサ50からの信号を受信する。いくつかの実施形態では、測定装置54は、例えば計算で、測定装置54によって使用され得る、情報が格納されるメモリモジュール56を含んでいる。情報は、例えば、1つまたは複数の圧力値のアレイを含むことができる。いくつかの実施形態では、1つまたは複数の圧力値のアレイを、1つまたは複数の異なる対応するシステムモデルまたはカテーテルモデルと相関させることができる。真空センサ50は、場合によっては、真空源6(例えば、シリンジ)が十分に満たされているかどうかを監視し、したがって変更する必要があるかどうかを監視する目的で、真空または負圧の存在またはその大きさのみを検出するために使用され得る。真空センサ50は、場合によっては、システム内に真空または負圧が存在しないかどうかを検出するために使用されてもよい。例えば、真空または負圧とされたか否か(例えば、真空源がオンまたはオフにされたか)を検出する。
[00100]1つまたは複数の通信装置58a,58b,58cは、吸引監視システム48内に含まれており、測定装置54に接続されている。1つまたは複数の通信装置58a〜58cの各々は、測定装置54の動作および出力の少なくとも一部に応答して、アラート信号60a〜60cを含むアラートのタイプを生成するように構成されている。いくつかの実施形態では、通信装置58aは1つまたは複数のLED(発光ダイオード)を含んでもよく、このLEDは、連続的に照明されるか、または点滅パターンで照明されるライトのような可視アラート信号60aを介して可視アラートを生成するように構成されている。いくつかの実施形態では、LEDは、様々な異なる位置から容易に見ることができるように、通信装置58aの複数の側に向けられてもよい。いくつかの実施形態では、LED以外のライトが使用されてもよい。視覚インジケータを複数の位置および/または向きにさらに配置するために、光パイプまたは他の照明導管を実施形態に組み込むこともできる。いくつかの実施形態では、通信装置58bが1つまたは複数の振動発生器を含んでもよく、この振動発生器は、触覚アラート信号60bを介して触覚アラートを生成するように構成され、これは、振動や熱を含み得るがこれらに限定されるものではない。いくつかの実施形態では、振動装置は、ビデオゲームコントローラに類似していてもよい。いくつかの実施形態では、振動発生器は、電圧が印加されたときに振動するように構成された圧電素子を含んでもよい。いくつかの実施形態では、通信装置58cは、連続的なノイズ、または繰り返しノイズのような可聴アラート信号60cを介して可聴アラートを生成するように構成された1つまたは複数の音発生装置を含んでもよい。いくつかの実施形態では、通信装置58cは、ヒトの可聴範囲および/またはヒトの許容範囲内の任意の多様な周波数(Hz)または音圧(dB)で任意の多様な音を生成するためのスピーカを備えてもよい。通信装置58cは、可聴感覚の代わりに振動または他の触覚感覚として信号が感知されることが意図されている実施形態において、ヒトの可聴範囲外の音を生成するように構成されてもよい。いくつかの実施形態では、音発生装置は、電圧が印加されると1つまたは複数の可聴域のピッチを発するように構成されたブザーを含んでもよい。いくつかの実施形態では、通信装置58bに関連して説明したような圧電素子は、通信装置58cに含まれるような音発生装置としても機能することが可能である。アラート信号60a〜60cは、ユーザが処置中に他の要因に集中しすぎた場合に、ユーザに対して「注意(wake up)」警報として機能することができる。
[00101]吸引システム2のユーザは、吸引システム2の使用中に発生する可能性があるいくつかの状態が通知されることを望むかもしれない。これらの潜在的な状態には、詰まり、真空源6の装填およびまたは吸引システム2内の破損、割れ、パンクに起因する真空度低下または負圧の減少、および、血栓のような非液体、固体、または半固体物質の関与すなわち吸引を含むが、これらに限定されるものではない。図2Aの吸引監視システム48は、動作状態を含む吸引システム2のリアルタイムの状態について吸引システム2のユーザに警告するように構成されており、その状態は:真空または負圧とされているか否か;血栓が関与しているかどうか、血栓が積極的に吸引されているかどうか、システムが空気を漏らしているかどうか、システムが詰まっているかどうか、真空源6が完全であるかおよび/または変更される必要があるかどうか、を含むフロー状態;または、他の潜在的な設定の問題を含んでいる。提供されるリアルタイムのフィードバックは、不適切なまたは望ましくないフロー状態や操作状態について、真空源6、拡張チューブ10、または吸引システム2の他の部分の過度の個人的な監視の必要性から、ユーザまたはオペレータを解放し、したがって、患者が治療を受ける際に、ユーザがより集中することができる。ユーザは、凝血塊が吸引されているかもしくは既に吸引されたか、または詰まりがあるかどうかを把握している。さらに、ユーザは、患者から採取される血液の量が多すぎるか、またはシステム内の漏れまたはチューブねじれのような障害状態が存在するかどうかを把握している。真空センサ50に遠位のチューブねじれを(例えば、測定された負圧の増加によって)識別することができ、真空センサ50に近位のチューブねじれを(例えば、負圧勾配の低下または減少によって)識別することができる。場合によっては、ユーザは、既に満杯である(したがって、有意な負圧勾配を有さない)真空源6を用いてカテーテルを操作しようと試みることができる。場合によっては、ユーザは吸引を開始するためにバルブ8を開くのを忘れるかもしれないが、吸引監視システム48は、システムがまだ機能していないことを識別し、(測定された特定の圧力波形に対して)潜在的なエラーまたは特定のエラーのリストを伝達することもできる。動作状態に関係する多くの要因をリアルタイムで認識することにより、処置がより安全に行われ、処置の時間が短縮され、失血が減少する可能性がある。
[00102]吸引監視システム48の圧力変換器12は、吸引システム2のクローズドシステム内の絶対圧力振幅を連続的に測定しかつ監視するように構成されており、また、吸引システム2の流れ回路内の注目すべき流れの変化を検出するために経時的に相対圧力を測定しかつ監視するように構成されている。いくつかの変更は、絶対圧力測定により識別できるが、より微妙な圧力変形は、メモリ内に格納されているライブラリと比較され得る。注目すべき状態を、適時にユーザに知らせることができる。いくつかの実施形態では、フィルタリングされていない信号は、例えば、信号対雑音比を増加させるために、増幅器によって増幅され、フィルタによってフィルタリングされてもよい。フィルタリングされていない信号での(バックグラウンド)ノイズ57の例を、図5A〜図5Dに見ることができる(図5Aにラベル付き)。いくつかの実施形態では、1つまたは複数のアルゴリズムを、本明細書に記載されるように、関心のある特定の状態を特定するために使用することができる。
[00103]図2Bは、筐体40の空洞42内に配置された真空センサ50を有する圧力変換器12を有する吸引監視システム62の第2の実施形態を示している。真空センサ50は、少なくとも1つのバッテリ52によって電力供給され得る。いくつかの実施形態では、圧力変換器12は、再使用可能であり、直接充電方法によって、または当技術分野で公知の誘導電力転送方法および装置によって、バッテリ52またはコンデンサ(不図示)の充電を可能にするように構成され得る。図2Aの吸引監視システム48とは異なり、図2Bの吸引監視システム62は、圧力変換器12の外部にある測定装置64、メモリモジュール66、および通信装置68を備える。電源モジュール72もまた外部にあり、この電源モジュール72を、測定装置64、メモリモジュール66、または通信装置68のいずれかに電力を供給するために使用することができる。通信装置68は、図2Aの吸引監視システム48に関連して説明した通信装置58a,58b,58cのいずれであってもよく、アラート信号70を介してアラートを生成するように構成されている。通信装置68は携帯可能であり得るため、ユーザの近くに置くことができる。
[00104]いくつかの実施形態では、通信装置68は、ユーザが装着可能であってもよい。図3は、測定装置76に接続されたアンテナ80を含む吸引監視システム78を示している。測定装置76は、アンテナ80を介して通信信号84を通信装置74の対応するアンテナ82に無線送信することを除いて、前述の実施形態の測定装置54と同様である。いくつかの実施形態では、通信装置74は、ユーザが着用するリストバンドを含み、このリストバンドは、振動発生器または熱発生器を含んでもよい。いくつかの実施形態では、通信装置74は、機器に、あるいは患者またはユーザにも取り付けることができるオーディオスピーカを含む。いくつかの実施形態では、通信装置74は、ユーザが着用することができるイヤピースまたはイヤホン付きのオーディオスピーカを含む。いくつかの実施形態では、Bluetooth(登録商標)通信技術を使用してもよい。吸引監視システム62によって提供されるリアルタイムのフィードバックは、吸引システム2が血栓に関与することなく積極的に吸引している時間を短縮して、吸引によって失われる非血栓性血液の量を最小限に抑えることができる。これは、より大きなボアカテーテル、例えば、7フレンチ以上の直径を有するカテーテルにおいて特に有益であり得る。リアルタイムのフィードバックはまた、カテーテルが血管を通して前後に追跡される総時間を最小にし、血管の内膜への潜在的な損傷、血管の切開、または遠位の塞栓形成を最小にすることができる。吸引カテーテル先端部が血管壁に対して(吸引によって)捕捉されるリスクを低下させることにより、吸引ルーメンの遠位端部は、最適な吸引特性のためにより積極的に設計され得る。さらに、吸引カテーテルを使用する技法は、さらに、吸引状態または負圧勾配の充足性を断続的または連続的に知ることで、より洗練された方法で実行され得る。例えば、血栓片を吸引し、続いて血液吸引の「チェイサー(chaser)」、続いて別の血栓片などを吸引してもよい。
[00105]図4Aは、少なくとも1つの血栓88を有する血管86内の吸引カテーテル4の遠位端部16を示している。吸引カテーテル4は、順方向Fに進められているが、吸引カテーテル4の遠位端部16は、まだ血栓88の近位端94に到達していない。真空源6(図1)は、吸引カテーテル4の吸引ルーメン18に接続されており、血液96を吸引ルーメン18内に吸引させる(矢印A)ように起動される(すなわち、バルブ8が開く)。図5Aを参照すると、対応する曲線98は、図4Aの状態に対して経時的に、通常の流体(例えば、血液)の真空度または負圧について表されている。曲線98は、提示される任意の実施形態の真空センサ50によって経時的に検知された真空度または負圧を表している。漏れはなく、血栓が排出されていないと、真空源6が、比較的安定した状態に圧力変換器12の空洞42内の圧力を下げるとき、曲線98は、下り傾斜99を含む。血液96が吸引されている間、安定した圧力曲線97は継続する。真空源6が、例えば、バルブ8を閉じることによって、または任意の2つのポート(例えば、ルアー)を取り外すことによって吸引ルーメン18から外されると、あるいは、真空源6が、血液96で完全に満たされた場合、次に、上り傾斜95が測定される。
[00106]測定装置54,64は、この状態を識別するために、メモリモジュール56,66に格納された情報と曲線97を比較するように構成されている。いくつかの実施形態では、測定装置54,64は、比較を行うためにアルゴリズムを使用する。いくつかの実施形態では、測定装置54,64は、その後、通信装置58a〜58c,74に信号を送信し、通信装置58a〜58c,74は、適切なアラートを生成する。例えば特定のカラーLEDである通信装置58aは、照明されてもよく、LEDは、特定のパターンや点滅回数で点滅してもよい。通信装置58bは、特徴的な音を作成してもよく、いくつかの言語で音声メッセージを生成してもよい。例えば、音声メッセージは、「血栓に遭遇した」または「血栓に遭遇しなかった」と述べることができる。「血栓に遭遇した」、「能動的に流れている」、および「真空が存在しない」の複数の「モード」のそれぞれに対して異なるタイプの音を使用することができる。例えば、「血栓に遭遇した」場合にはバズ音、「真空が存在しない」場合にはビープ音などが使用される。変化し得る音の特性として、音色、音質、スペクトル、エンベロープ、持続時間、位相、ピッチ(周波数)、音の数(繰り返し)などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。通信装置58cは、例えば、特定数の繰り返しや繰り返しの間の特定の頻度での、特徴的なパターンで振動させてもよく、加熱してもよい。追加の透視画像(例えば、血管造影法)または他のイメージングモダリティにより、血栓88の位置をより良好に特定する必要があるかもしれないことを、ユーザが判断することができる。
[00107]図4Bは、吸引カテーテル4の遠位端部16が血栓88の近位端94に接触する位置まで前進した、吸引カテーテル4の遠位端部16を示している。図5Bの対応する曲線93は、提示される任意の実施形態の真空センサ50によって経時的に検知された真空度または負圧を表している。図4Bに状態として、図5Bでグラフ化されているように、曲線93は、安定した圧力曲線97に続く下り傾斜99を最初に有するが、吸引カテーテル4の遠位端部16が血栓88の近位端94に接触するとき、吸引により、血栓88の一部(例えば、大きなまたは比較的堅い部分)が吸引ルーメン18に入ってトラップされる場合、その後、詰まり状態が発生する。吸引カテーテル4の遠位端部16が吸引効果によって血栓88に引っ掛かっている場合、吸引ルーメン18を通って事実上何も流れていない、同様の状態が発生する。いずれかの状態で、曲線93は、流体圧力91の偏差(または妨害)を含む。詰まり(またはスタック状態)が継続する場合は、平坦な、低下した圧力89が測定される。
[00108]測定装置54,64は、この状態を識別するために、メモリモジュール56,66に格納された情報と曲線93を比較するように構成されている。いくつかの実施形態では、測定装置54,64は、比較を行うためにアルゴリズムを使用する。いくつかの実施形態では、予め設定された圧力差ΔP1を、閾値としてメモリモジュール56,66に格納することができ、それによって、この閾値未満の圧力差81を測定すると、結果として、測定装置54,64は、アラート信号60a〜60c,70を送信することを、通信装置58a〜58c,74に命令しない。いくつかの実施形態では、圧力差81が予め設定された圧力差ΔP1を超える(または、より大きいか等しい)場合、その後、測定装置54,64は、通信装置58a〜58c,74に信号を送信し、通信装置58a〜58c,74は、適切なアラートを生成する。例えば特定のカラーLEDである通信装置58aは、照明されてもよく、LEDは、特定のパターンや点滅回数で点滅してもよい。通信装置58bは、特徴的な音を作成してもよく、いくつかの言語で音声メッセージを生成してもよい。例えば、音声メッセージは、「詰まり状態」を述べることができる。通信装置58cは、例えば、特定数の繰り返しや繰り返しの間の特定の頻度での、特徴的なパターンで振動させてもよく、加熱してもよい。ユーザが、詰まり状態が存在することを認識すると、ユーザは、吸引され得る血栓88の一部と接触させるように試みて、吸引カテーテル4を引っ張り、それを後進させることができる。血栓の一部が吸引ルーメン18に詰まって、吸引カテーテル4の再配置により、良好な結果が得られない場合は、吸引カテーテル4を除去することができ、吸引システム2を、例えば正の加圧によって、再パージすることができる。
[00109]図4Cは、吸引システム2内に破損が発生した際の、一般的な状況での吸引カテーテル4の遠位端部16を示している。例えば、割れ、漏れ、パンク、ピンホール、緩み、または断線により、空気を、吸引カテーテル4の吸引ルーメン18、圧力変換器12の空洞42、拡張チューブ10の内部、バルブ8、または真空源6に引き込む可能性がある。図5Cの曲線85でグラフ化されているように、下り傾斜99とそれに続く安定した圧力曲線97が測定されるが、破損の時点87で、上り傾斜83が始まる。
[00110]測定装置54,64は、この状態を識別するために、メモリモジュール56,66に格納された情報と曲線85を比較するように構成されている。いくつかの実施形態では、測定装置54,64は、比較を行うためにアルゴリズムを使用する。いくつかの実施形態では、測定装置54,64は、その後、通信装置58a〜58c,74に信号を送信し、通信装置58a〜58c,74は、適切なアラートを生成する。例えば特定のカラーLEDである通信装置58aは、照明されてもよく、LEDは、特定のパターンや点滅回数で点滅してもよい。通信装置58bは、特徴的な音を作成してもよく、いくつかの言語で音声メッセージを生成してもよい。例えば、音声メッセージは、「システムリーク」を述べることができる。通信装置58cは、例えば、特定数の繰り返しや繰り返しの間の特定の頻度での、特徴的なパターンで振動させてもよく、加熱してもよい。アラートを受信すると、ユーザは吸引システム2の構成要素をチェックすることになり、そして、破損を修理するか、あるいは吸引システム2の構成要素のうちの1つまたは複数を交換する。例えば、いくつかの場合において、測定装置54,64が適用された真空または負圧の減少を確認したときに、通信装置58a〜58c,74は、ユーザが(例えば、血液および/または血栓で満たすことによって)消耗した真空源6を変更またはリチャージできるように、ユーザに警告することができる。
[00111]図4Dは、血栓88の片または部分90の吸引成功時の吸引カテーテル4の遠位端部16を示している。いくつかの場合において、片または部分90は、吸引ルーメン18を通って引かれる間の吸引ルーメン18の内壁との障害や衝突に起因して、曲がりくねった経路92を進む可能性がある。いくつかの場合において、片または部分90は、例えば、長さ方向に沿った吸引ルーメン18の内径の変動に起因して、吸引ルーメン18の内壁をキャッチしたり、中でスリップしたりする可能性がある。片または部分90が吸引ルーメン18を通って移動している間に、これらの状況のいずれかにより、圧力変換器12によって検出される圧力に対応する一連の増減を引き起こす可能性がある。図5Dの曲線79でグラフ化されているように、下り傾斜99とそれに続く安定した圧力曲線97が測定されるが、血栓88の片または部分90が吸引カテーテル4の吸引ルーメン18を下って移動するにつれて、圧力における1つ以上の増減(真空度または負圧の増減)を含む流体圧力の偏差77が測定される。血栓88の片または部分90が、吸引カテーテル4の吸引ルーメン18の近位端部を出ると、第2の安定した圧力曲線75が測定される。偏差77の継続時間67は、血栓88の特定の重要な片または部分90の通過時間である。継続時間67を、かなりの範囲とすることができるが、いくつかの場合には、1秒未満であってもよく、約30秒までであってもよい。吸引される単一の血栓は、測定装置54,64によって識別される単一の圧力低下(ブリップ)を引き起こすことがある。その後、この発生は、通信装置58a〜58c,74によってユーザに伝達されてもよい。繰り返し、血栓88の追加の片または部分90が吸引されて、吸引カテーテル4の吸引ルーメン18を下って移動すると、圧力における1つ以上の増減(真空度または負圧圧の増減)を含む流体圧力の別の偏差73が測定される。曲線79の終端で、真空源6は、血液96および血栓88の片または部分90で完全に満たされていることが示され、そして、上り傾斜95が測定される。
[00112]血栓88の片または部分90が、偏差77および偏差73のように、積極的に吸引されているときと、血栓88の片または部分が、安定した圧力曲線97、安定した圧力曲線75、および安定した圧力曲線71のように、積極的に吸引されていないか、または実質的に吸引されていないときと、を識別するために、測定装置54,64は、メモリモジュール56,66に格納された情報と曲線79を比較するように構成されている。いくつかの実施形態では、測定装置54,64は、比較を行うためにアルゴリズムを使用する。いくつかの実施形態では、予め設定された圧力差ΔP2を、閾値としてメモリモジュール56,66に格納することができ、それによって、この閾値未満の圧力差69を測定すると、結果として、測定装置54,64は、アラート信号60a〜60c,70を介して第1のタイプのアラートを送信することを、通信装置58a〜58c,74に命令しない。いくつかの実施形態では、圧力差69が予め設定された圧力差ΔP2を超える(または、より大きいか等しい)場合、その後、測定装置54,64は、通信装置58a〜58c,74に信号を送信し、通信装置58a〜58c,74は、適切なアラートを生成する。例えば特定のカラーLEDである通信装置58aは、照明されてもよく、LEDは、特定のパターンや点滅回数で点滅してもよい。いくつかの実施形態では、通信装置58aはライトを含んでもよく、ライトの強度は、圧力に比例して増加する。通信装置58bは、特徴的な音を作成してもよく、いくつかの言語で音声メッセージを生成してもよい。例えば、音声メッセージは、「血栓が吸引されている」と述べることができる。いくつかの実施形態では、通信装置58bは、1つまたは複数のノイズまたはビープ音を含んでもよい。いくつかの実施形態では、通信装置58bは、それぞれ異なる状態に対応する特定の連続したビープ音を含んでもよい。例えば、3つの短いビープ音が、血栓が吸引されていないことに対応することができ、一方で、5つの長い、大きなビープ音がシステムリークに対応することができる。いくつかの実施形態では、複数の異なるトーン(ピッチ)が、異なる状態についてユーザに警告するために使用されてもよい。一例として、低ピッチ音を、第1の状態(例えば、血栓が吸引されていない)のために使用することができ、第2のより高いピッチオンを、第2の状態(例えば、システムリーク)のために使用することができる。いくつかの実施形態では、異なる複数のトーンを、第1の状態についてユーザに警告するために使用することができ、第2の複数のトーン(例えば、異なる組み合わせで、または、追加のトーンを用いて)を、第2の状態についてユーザに警告するために使用することができる。通信装置58cは、例えば、特定数の繰り返しや繰り返しの間の特定の頻度での、特徴的なパターンで振動させてもよく、加熱してもよい。ユーザが、血栓が吸引されていることを認識すると、ユーザは、例えば、透視可視化によって、血栓88の吸引を継続する試みで、血栓88の長さ方向に沿って、吸引カテーテル4を前進させる(または後退させる)ことを選択することができる。いくつかの場合において、ユーザは、血栓88の片または部分90が吸引ルーメン18を完全に出ることを可能にするために、アラートが生成された後、一定の時間で吸引カテーテル4の前進または後退を停止することを選択することができる。測定装置54,64が、偏差77,73の後に続く安定した圧力曲線75,71を特定すると、測定装置54,64は、いくつかの実施形態では、通信装置58a〜58c,74にアラート信号60a〜60c,70によって第2のタイプのアラートを生成させる信号を送信する。例えば、いくつかの実施形態では、通信装置58bは、「これ以上血栓は吸引されない」と述べる音声メッセージを送信することができる。ユーザが、これ以上血栓は吸引されないと認識すると、ユーザは、吸引され得る血栓88の別の部分と接触させるように試みて、吸引カテーテルを前進または後進させることができる。いくつかの実施形態では、偏差77を、血栓が積極的に吸引されていることを示す真の偏差として確実に識別することができ、圧力差69は、約700パスカル〜約1700パスカルである。いくつかの実施形態では、偏差77を、血栓が積極的に吸引されていることを示す真の偏差として確実に識別することができ、圧力差69は、約1000パスカル〜約1300パスカルである。いくつかの実施形態では、偏差77を、血栓が積極的に吸引されていることを示す真の偏差として確実に識別することができ、圧力差69は、約1138パスカルである。圧力差69は、基準圧力63およびピーク圧力61を決定すること、および絶対値の差を決定することによって測定され得る。
[00113]例えば:
絶対値の差(AVD)=|(−89631パスカル)−(−90769パスカル)|=1138パスカル
または、例えば:
絶対値の差(AVD)=|(−43710パスカル)−(−45102パスカル)|=1281パスカル
[00114]また、圧力差81(図5B)は、通信装置58a〜58c,74が、「詰まり状態」のような適切なアラートを生成した後、同様の方法で識別することができる偏差を表すことができる。
[00115]真空度または負圧が0未満の公称値を有するため、ピーク圧力61は、図5Dに示すように、基準圧力63よりも実際に低い数値である。いくつかの実施形態では、測定装置54,64は、格納された差分時間t1と、偏差77の圧力における1つ以上の増減のうちのただ1つの継続時間65との間の比較を、例えばアルゴリズムを使用することによって行うように構成されてもよい。例えば、いくつかの実施形態では、継続時間が約0.001秒〜約0.50秒である場合、偏差は、血栓が積極的に吸引されていることを示す真の偏差として積極的に識別され得る。いくつかの実施形態では、継続時間が約0.005秒〜約0.10秒である場合、偏差は、血栓が積極的に吸引されていることを示す真の偏差として積極的に識別され得る。いくつかの実施形態では、継続時間が約0.05秒〜約0.20秒である場合、偏差は、血栓が積極的に吸引されていることを示す真の偏差として積極的に識別され得る。いくつかの実施形態では、測定装置54,64は、圧力における2つ以上の増減を測定した後に、偏差77を認識するように構成されている。いくつかの実施形態では、測定装置54,64は、圧力における5つ以上の増減を測定した後に、偏差77を認識するように構成されている。いくつかの実施形態では、測定装置54,64は、圧力における10以上の増減を測定した後に、偏差77を認識するように構成されている。
[00116]基準圧力63は、いくつかの実施形態では、予め決定されてもよく、メモリモジュール56,66に格納されてもよい。いくつかの実施形態では、基準圧力63は、吸引監視システム48,62,78の製造中にメモリモジュール56,66に格納されてもよいが、基準圧力63は、特定の処置の前または間にユーザによって入力されてもよい。いくつかの実施形態では、基準圧力63は、測定された圧力の特定の数のサンプルの平均化に基づいて、測定装置54,64,76によって決定されるか、またはその他の方法で規定されてもよい。基準圧力63は、走行平均または回転平均のような移動平均として構成されてもよい。単純移動平均、累積移動平均、加重移動平均、または指数移動平均を含むいくつかのタイプの移動平均が使用されてもよい。これらの場合のいずれにおいても、閾値は、決定された基準圧力63および既知の圧力差ΔPに基づいて、測定装置54,64,76によって決定され得る。ある場合には、決定された基準圧力63および既知の閾値に基づいて、測定装置54,64,76によって圧力差ΔPを計算することもできる。
[00117]図2Aの実施形態または図2Bの実施形態のいずれかと一致する圧力変換器12の挿入は、空洞42が比較的短くかつ比較的大きな内径を有するので、吸引システム2の性能特性をほとんど変更せず、したがって、流体の流動抵抗の重要なソースではない。いくつかの実施形態では、内径を、約2.2ミリ(0.086インチ)〜約3.2ミリ(0.125インチ)とすることができる。いくつかの実施形態では、予め画定された設定値(例えば特定の閾値の)がファームウェア、マイクロコントローラ、または他の位置に含まれていてもよいため、測定装置54,64,76は、マイクロプロセッサを含む必要はない。いくつかの実施形態では、図2Bの実施形態に限定されるものではないが、圧力変換器12は、他の構成要素で変更または拡張された既製の血圧モニタシステムであってもよい。いくつかの実施形態では、既製の血圧モニタシステムは、吸引監視システム48,62,78の出力として使用されてもよい。いくつかの実施形態では、吸引カテーテル4は、遠位端部16に圧力変換器を有していてもよい。この圧力変換器を、吸引監視システム48,62,78の圧力変換器12として使用することができる。いくつかの実施形態では、圧力センサは、Tuohy−Borstバルブ、および吸引ルーメン18と流体連通している、導入シース、ガイドカテーテル、またはシステムの他の構成要素内に配置されてもよい。いくつかの実施形態では、圧力センサを、吸引カテーテルの吸引ルーメン内のどこにでも配置することができる。
[00118]いくつかの実施形態では、LEDの代わりに、ディスプレイを備えた通信装置58aによって視覚的なアラートを提供することができ、このディスプレイは、例えば、「血栓に遭遇した」、「血栓に遭遇しなかった」、「詰まり状態」、「システムリーク」、「真空度低下」、「血栓が吸引されている」、または「これ以上血栓は吸引されない」という、特定の言語での視覚的なメッセージを表示する。視覚的なメッセージを、本明細書に記載の他のアラート信号60a〜60c,70のいずれかと組み合わせることができる。本明細書中に記載の吸引監視システム48,62,78は、吸引システム2による血栓の除去などの吸引手順を実行するユーザにリアルタイムで認識を与える。当業者であれば、吸引システム2のリアルタイム状態を知ることによって、結果を最適化するため、患者および/または医療従事者のための安全性を高めるため、コスト(例えば、必要とされる真空源6の数)を削減するため、および、処置時間(また、費用効果)を低減するために、ユーザは、すぐに手順を変更することができることは認識されよう。ユーザが、通常、吸引手順の間に複数のタスクを実行しているので、吸引監視システム48,62,78が提供する感覚的援助により、視覚的に監視することがしばしば困難である状況を継続的に監視しようとしなくても、ユーザは、これらのタスクに集中することができる。また、ユーザは、入力59(図2B)によって吸引監視システム48,62,78を変更および制御することが可能であり、この入力59は、データエントリモジュール、キーボード、またはディスプレイに付属する一連のボタンであってもよい。入力59は、いくつかの実施形態では、音声コマンドを受け取る聴覚入力を含んでもよい。あるいは、ユーザは、情報を入力し、そして吸引監視システム48,62,78を遠隔で制御してもよい。吸引監視システム48,62,78でユーザが選択または選択解除することができるいくつかのアラートは:吸引システム2が潜在的にブロックされたり詰まったりしているか、または正常に流れているかどうか;血栓に接触したか否か;詰まりが発生したかどうか;真空源6が適切であるかどうか、または真空源6が消耗して、交換を必要としているかどうか;吸引システム2にリークが存在するかどうか;吸引システム2の構成要素の設定または接続が正しくまたは誤って行われたかどうか;カテーテルを遠位に前進させるかどうか;カテーテルを後進させるかどうか;同じ速度でカテーテルを移動し続けるかどうか;カテーテル前進の速度を増減させるかどうか;血栓が積極的に吸引されているかどうか;および、血栓が積極的に吸引されるのを止めるかどうか、を含むが、これらに限定されるものではない。ユーザが吸引監視システム48,62,78に精通するにつれて、ユーザは無意識にシステムに対する特定の応答を開始することもできる。例えば、ユーザは、凝血塊警告信号(例えば、3回のビープ音)を聞いてカテーテルを自動的に引き戻し、自由な血流信号(例えば、2回のビープ音)を聞いて自動的にカテーテルの前進を開始し、および/または蛍光透視視覚化を開始してもよい。吸引監視システム48,62,78とカテーテルとが「1つに」なることにより、ユーザは反応および動作を最適化する。これは、カテーテルに血栓の小さな「片(bite)」を取らせるスキルを向上させるのに役立つことができ、一部の速く流れる血液の「チェイサー(chaser)」に伴う「片(bite)」に続いて、ルーメンを洗浄する/開ける。これはまた、詰まりの機会を最小限に抑えるのに役立ち、システムの維持または修正(カテーテルの除去、患者の外側でのルーメンのフラッシング、カテーテルの置換)を低減させることになる。ユーザがすぐに満足のいく結果を得て、懸念されるエラーまたはインスタンスが即座に通知されるため、ユーザの全体的な経験が向上する。
[00119]いくつかの実施形態では、例えば、AC/DCコンバータ付きまたはAC/DCコンバータ無しの標準のAC電源;既存の装置(例えば真空ポンプ等)への直接接続;ソーラパワーである、代替の電源を使用してもよい。吸引監視システム48,62,78を、当業者に公知の技術によって、無菌でパッケージ化するか、または再滅菌可能にすることができる。いくつかの実施形態では、例えば、詰まり、または真空度または負圧の大きさの変化を決定するために、圧力計12と併用して、または圧力計12の代わりに、流量計またはボリューム計を使用してもよい。いくつかの実施形態では、入力59、電力モジュール72、測定装置64、メモリモジュール66、および通信装置68(例えば図2Bの)はすべて、場合によっては別個に販売され得る単一の外部装置に組み込まれてもよい。いくつかの実施形態では、外部装置は、カテーテルに吸引および/または注入(負圧および/または正圧)を提供するなどの他の機能も有することができる。他の実施形態では、外部装置は、入力59、電力モジュール72、測定装置64、メモリモジュール66、および通信装置68のうちのいくつかを含み得るが、これらすべてを含み得るわけではない。例えば、いくつかの実施形態では、通信装置58(図2A)は、外部通信装置68を置き換えることができ、吸引監視システム48上に搭載することができ、一方で、入力59、電力モジュール72、測定装置64、メモリモジュール66(図2B)は、単一の外部装置に組み込まれる。本明細書でより詳細に説明するように、多くの組合せが可能である。
[00120]血栓の吸引を詳細に説明したが、吸引監視システム48,62,78は、異種媒体が吸引されている任意の吸引アプリケーションにおいて有用性を有する。これは、身体のダクト、血管、または空洞からの、あるいは、非限定的に、脂肪、胸部、および癌性組織の部分体を含む、身体の固体または半固体部分からの、塞栓(血栓性塞栓を含まない)の吸引を含み得る。
[00121]いくつかの実施形態では、吸引システム2は、説明した構成要素のすべてまたはいくつかを有するキットとしてユーザに提供されることになるが、他の実施形態では、吸引監視システム48のみが提供される。本明細書での議論は、血栓や血液を吸引するための実施形態を含むが、用語「流体」の定義は、液体および気体を含むように全体に理解されるべきでる。
[00122]いくつかの実施形態では、非限定的に、ドップラセンサ、赤外線センサ、またはレーザフロー検出装置を含む、追加のまたは代替のセンサが、ユーザに通知するためのフロー状態を監視するために使用されてもよい。いくつかの実施形態では、外付けドップラセンサを用いることができる。いくつかの実施形態では、赤外線センサやレーザフロー検出装置を、拡張チューブ10の周囲に使用することができる。
[00123]さらなる実施形態は、センサ50によって測定される流体圧力の特定の値(例えば、真空レベルまたは負圧レベル)のリアルタイム通信を可能にする。例えば、負圧勾配が増加するにつれて、可聴音は、音の強さまたは音圧レベル(dB)に比例して増加し得る。あるいは、負圧勾配が増加するにつれて、可聴音のピッチ(周波数)を上昇させることができ、負圧勾配が減少するにつれてピッチを低下させることができる(サイレンと同様に)。信号の振幅または信号の周波数のいずれかを流体圧力に比例させて制御することにより、システムは、負圧勾配が増加しているか、減少しているか、またはそれにとどまっているか、ならびに圧力がゼロに近いかゼロとは全く異なるか、のリアルタイムの感知をユーザに与えることができる。可聴音が信号として使用されるとき、透視画像のモニタ、患者、または機器の別の部分を見ることによって、ユーザの眼はその処置に焦点を当て続けることができる。
[00124]図6は、時間(x軸)および複数の変数(y軸)のグラフ800を示している。圧力曲線802は、圧力降下808で適用される真空度または負圧と、真空度または負圧の減少812および真空度または負圧の増加814を伴う真空度の維持810aを示している。真空度または負圧の除去816は、圧力曲線802の終わりに示されている。場合によっては、真空度または負圧の減少812は、システム内の一時的または永続的な漏れまたは剥離によって、あるいは真空源(例えば、シリンジ)の装填によって引き起こされ得る。図6では、真空度または負圧の減少812が一時的に示され、続いて真空度の維持810bが示されている。真空度または負圧の増加814は、場合によっては、血栓がシステムを介して吸引されることによって引き起こされることがあり、短時間または長時間にわたって発生する可能性があり、安定的または断続的であり得る。圧力曲線802に適用される減圧量は変化するが、いくつかの実施形態では、一般に真空または負圧が適用されているか否かのみをユーザに示すことが望ましい場合がある。測定装置54,64,76は、破線の曲線804によって表される逆の値を計算する真空センサ50(圧力センサ)からの信号にアルゴリズムを適用するように構成され得る。測定装置54,64,76は、例えばヒトの可聴識別(聴覚)範囲内で、識別を容易にするために信号を増加、増幅、またはその他の方法で増強するアルゴリズムをさらに適用することができる。例えば、圧力曲線802によって表される真空センサ50からの信号との以下の一般的な数学的関係を有する変更された信号曲線806を作成することができる。
[00125]音圧レベル(dB)=A+B×(1/流体圧力)
ここで、Aは第1の定数であり、
Bは第2の定数である。
[00126]1つの特定の例では、圧力曲線802によって表される真空センサ50からの信号との以下の数学的関係を有する変更された信号曲線806を作成することができる。
[00127]音圧レベル(dB)=70+20×(1/流体圧力(kPa))
ここで、dBはデシベル単位であり、
kPaはキロパスカル単位である。
[00128]変更された信号曲線806は、音圧レベルが比較的小さな真空または負圧の大きさでヒトの聴覚の可聴レベルよりも低下するようにアルゴリズムによって構成されることができ、適用される真空または負圧の「オン/オフ」認識をユーザに与える。
[00129]図7は、時間(x軸)および複数の変数(y軸)のグラフ820を示している。圧力曲線822は、圧力降下828で適用される真空または負圧と、真空度または負圧の減少832および真空度または負圧の増加834を伴う真空度または負圧の維持830aを示している。真空度または負圧の除去836は、圧力曲線822の終わりに示されている。場合によっては、真空度または負圧の減少832は、システム内の一時的または永続的な漏れまたは剥離によって、あるいは真空源(例えば、シリンジ)の装填によって引き起こされ得る。図7では、真空度または負圧の減少832が一時的に示され、続いて真空度または負圧の維持830bが示されている。真空度または負圧の増加834は、場合によっては、血栓がシステムを介して吸引されることによって引き起こされることがあり、短時間または長時間にわたって発生する可能性があり、安定的または断続的であり得る。いくつかの場合または構成では、適用される真空度(一般的には負圧勾配)の大きさまたはレベルの非常に特定のリアルタイム特性または近似のリアルタイム特性を有することがユーザにとって望ましい場合がある。測定装置54,64,76は、破線の曲線824によって表される絶対値を計算する真空センサ50(圧力センサ)からの信号にアルゴリズムを適用するように構成され得る。測定装置54,64,76は、例えばヒトの可聴識別(聴覚)範囲内で、識別を容易にするために信号を増加、増幅、またはその他の方法で増強するアルゴリズムをさらに適用することができる。例えば、圧力曲線822によって表される真空センサ50からの信号との以下の一般的な数学的関係を有する変更された信号曲線826を作成することができる。
[00130]音圧レベル(dB)=A+B×|(流体圧力)|
ここで、Aは第1の定数であり、
Bは第2の定数である。
[00131]1つの特定の例では、圧力曲線822によって表される真空センサ50からの信号との以下の数学的関係を有する変更された信号曲線826を作成することができる。
[00132]音圧レベル(dB)=2×|(流体圧力(kPa))|
ここで、dBはデシベル単位であり、
kPaはキロパスカル単位である。
[00133]変更された信号曲線826は、音圧レベルが適用されている真空または負圧の大きさに従う、したがって真空度または負圧が増加するにつれて大きくなるようにユーザに見えるようなアルゴリズムで構成され得る。
[00134]図8は、時間(x軸)および複数の変数(y軸)のグラフ840を示している。圧力曲線842は、圧力降下848で適用される真空度または負圧と、真空度または負圧の減少852および真空度または負圧の増加854を伴う真空度または負圧の維持850aを示している。真空度または負圧の除去856が、圧力曲線842の終わりに示されている。場合によっては、真空度または負圧の減少852は、システム内の一時的または永続的な漏れまたは剥離によって、あるいは真空源(例えば、シリンジ)の装填によって引き起こされ得る。図8では、真空度または負圧の減少852が一時的に示され、続いて真空度または負圧の維持850bが示されている。真空度または負圧の増加854は、場合によっては、血栓がシステムを介して吸引されることによって引き起こされることがあり、短時間または長時間にわたって発生する可能性があり、安定的または断続的であり得る。上述したように、いくつかの場合または構成では、適用される真空度(一般的には負圧勾配)の大きさまたはレベルの非常に特定のリアルタイム特性または近似のリアルタイム特性を有することがユーザにとって望ましい場合がある。測定装置54,64,76は、破線の曲線844によって表される絶対値を計算する真空センサ50(圧力センサ)からの信号にアルゴリズムを適用するように構成され得る。測定装置54,64,76は、例えばヒトの可聴識別(聴覚)範囲内で、ヒトの可聴周波数範囲内で変化する可聴音の周波数(またはピッチ)を決定するアルゴリズムをさらに適用することができる。例えば、圧力曲線842によって表される真空センサ50からの信号との以下の一般的な数学的関係を有する変更された信号曲線846を作成することができる。
[00135]音周波数(Hz)=A+B×|(流体圧力)|
ここで、Aは第1の定数であり、
Bは第2の定数である。
[00136]1つの特定の例では、圧力曲線842によって表される真空センサ50からの信号と以下の数学的関係を有する変更された信号曲線846を作成することができる。
[00137]音周波数(Hz)=50×|(流体圧力(kPa))|
ここで、Hzはヘルツ(1/秒)であり、
kPaはキロパスカル単位である。
[00138]変更された信号曲線846は、音周波数が、適用されている真空度または負圧の大きさに従うようユーザに見えるようなアルゴリズムで構成され得る。この実施形態では、音のピッチは、真空度または負圧が増加する(流体圧力が減少する)ときに「より高く」、真空度または負圧が減少するときに「より低く」なる。あるいは、その反対に、真空度または負圧が増加するときに音のピッチがより低くなるように選択されてもよい。
[00139]図9は、時間(x軸)および複数の変数(y軸)のグラフ860を示している。圧力曲線862は、圧力降下868で適用される真空度または負圧と、1つまたは複数の圧力の減少および増加872を伴う真空度または負圧の維持870とを示している。これらの1つまたは複数の圧力の減少および増加872(または、真空度または負圧の増加および減少)は、場合によっては、凝血塊が吸引カテーテルの吸引ルーメンを通して吸引されることを表すことができる。場合によっては、圧力の単回の減少873(真空度または負圧の増加)が起こることがある。1つまたは複数の圧力872の減少および増加のいずれかと同様に、圧力873の単一減少は、場合によっては、図9に示すように持続時間を延長することができる。いくつかの場合または構成では、これらの小さな混乱が起こっているときに、カテーテルが血栓の一部を見つけて吸引することに対応し得るため、非常に特定のリアルタイム特性または近似のリアルタイム特性を有することがユーザにとって望ましい場合がある。測定装置54,64,76は、例えばヒトの可聴識別(聴覚)範囲内で、ヒトの可聴周波数範囲内で変化する可聴音の周波数(またはピッチ)を決定するアルゴリズムを適用するように構成される。例えば、圧力曲線862によって表される真空センサ50からの信号との以下の一般的な数学的関係を有する変更された信号曲線866を作成することができる。
[00140]音周波数(Hz)=A+B×(流体圧力)
ここで、Aは第1の定数であり、
Bは第2の定数である。
[00141]1つの特定の例では、圧力曲線862によって表される真空センサ50からの信号と以下の数学的関係を有する変更された信号曲線866を作成することができる。
[00142]音周波数(Hz)=40×(流体圧力(kPa))
ここで、Hzはヘルツ(1/秒)であり、
kPaはキロパスカル単位である。
[00143]この式では、絶対値は使用されず、流体圧力の実際の値が使用されることに留意されたい。あるいは、場合によっては絶対値(または負の値)が使用されてもよい。
[00144]変更された信号曲線866は、凝血塊がカテーテルを通って吸引されるまで音が安定したピッチを維持し、そのときピッチはわずかに、ただし安定したピッチからはっきりと変化するようなアルゴリズムで構成され得る。例えば、いくつかの実施形態では、ピッチは、約1kPa〜約2kPa、または約40Hz〜約80Hzの圧力変化に対応するように、約20Hz〜約2000Hzで変化してもよい。
[00145]いずれの例においても、信号の変更は、フィルタリング、増幅、または分離を含むがこれに限定されない、任意のタイプの信号調整または信号変更を含むことができる。変更された信号曲線806,826,846,866は、通信装置58,68,74によって生成される出力信号を決定するために使用される。上述したように、通信装置58,68,74の出力信号が可聴音であるように構成されている場合、音圧レベルが変化してもよいし、音周波数が変化してもよい。いくつかの実施形態では、通信装置58,68,74の出力信号は、その音圧レベルおよび音周波数の両方を変化させることができる。一実施形態では、音周波数は流体圧力に比例して連続的に変化するが、流体圧力の1つまたは複数の特定の閾値では、音圧レベルが非常に突然かつ顕著に変化することがある。したがって、連続的なリアルタイム状態インジケータと断続的なアラートインジケータ(障害、危険性など)の2つの部分で通信が行われる。場合によっては、連続的なリアルタイム状態インジケータは第1の連続信号を表し、アラートインジケータは第2のアラート信号を表すことができる。他の場合には、連続的なリアルタイム状態インジケータおよびアラートインジケータを組み合わせて、同じ信号に統合することができる。いくつかの実施形態では、心理音響学の他の特性を、可変音発生装置を使用して変更することができる。いくつかの実施形態では、スペクトルエンベロープを変更することができる。いくつかの実施形態では、明るいおよび暗い、暖かいおよび過酷な、または異なるノイズ「色」(ピンク、白、青、黒など)の間でレベルを変化させるように音色を変更することができる。
[00146]通信装置58,68,74からの可聴出力は、図6〜図9の例で説明したが、視覚信号または触覚信号を含む他の通信信号を使用することもできる。触覚信号はまた、振動装置または熱発生装置を含むことができ、そのいずれかが、測定された流体圧力に関連して(説明したように)変更され得る。どちらかの周波数の振幅を、既に説明した可聴信号以外の信号を含む通信信号において同様に変化させることができる。例えば、光の強度を変化させることができるか、または光の周波数(例えば、色)を変化させることができる。振動装置の変位の振幅を変化させることができる(または振動強度を変化させる他の技術)か、または振動の周波数を変化させることができる。
[00147]場合によっては、真の可変出力の代わりに疑似連続アナログを使用することができる。例えば、強度が連続的に変化する単一の光の代わりに、複数の光のアレイ、例えば複数のLEDを含むアレイを使用することができ、真空または負圧のレベルが増加すると点灯するLEDの数が増加し、真空または負圧のレベルが減少すると点灯するLEDの数が減少する。複数の振動要素を含むアレイでは、同じことが可能であり、用途に応じた流体圧力の増減により多くの要素が振動し始める。
[00148]図6〜図9に関連して説明した実施形態のいずれにおいても、変数として流体圧力に依存する音圧レベルまたは音周波数に関する式は、実際に測定された流体圧力、または実際に測定された流体圧力の絶対値に依存することができるが、測定された流体圧力を代替方法で使用することも可能である。例えば、任意の他の方法(平均化など)によって事前に設定された、事前に決定された、または決定されもしくは計算された基準圧力63を用いて、測定圧力と基準圧力63との間の差を変数として使用することができ、この変数は特定の依存性(例えば、比例関係)に基づくものである。
[00149]したがって、図6の実施形態に関して説明された比例関係とともに使用される基本的な数学的関係を、次のように表すことができる。
[00150]音圧レベル(dB)=A+B×(1/ΔP)
ここで、Aは第1の定数であり、
Bは第2の定数であり、
ΔPは、基準圧力と測定された流体圧力との差である。
[00151]同様に、図7の実施形態に関して説明された比例関係とともに使用される基本的な数学的関係を、次のように表すことができる。
[00152]音圧レベル(dB)=A+B×|(ΔP)|
ここで、Aは第1の定数であり、
Bは第2の定数であり、
ΔPは、基準圧力と測定された流体圧力との差である。
[00153]同様に、図8の実施形態に関して説明した比例関係で使用される基本的な数学的関係を、次のように表すことができる。
[00154]音周波数(Hz)=A+B×|(ΔP)|
ここで、Aは第1の定数であり、
Bは第2の定数であり、
ΔPは、基準圧力と測定された流体圧力との差である。
[00155]同様に、図9の実施形態に関して説明した比例関係で使用される基本的な数学的関係を、次のように表すことができる。
[00156]音周波数(Hz)=A+B×(ΔP)
ここで、Aは第1の定数であり、
Bは第2の定数であり、
ΔPは、基準圧力と測定された流体圧力との差である。
[00157]吸引カテーテル4を含む吸引システムに接続するための、吸引監視システム900の圧力変換器912が図10に示されている。圧力変換器912は、筐体40、第1ポート44、第2ポート46、および信号を伝えるためのケーブル902を含む。ケーブル902は、吸引監視システム900のコンソール908のポート906に接続するように構成されたインタフェース904またはプラグを含む。圧力変換器912の筐体40は、第1ポート44と第2ポート46との間に延びる空洞42を含む。コンソール908は、コンソール908に接続された電力モジュール972によって電力が供給され、ACまたはDC電源を含むことができる。コンソール908は、先の実施形態で説明したように互いに接続され、通信装置968が信号970を生成することができるように構成され得る測定装置964、メモリモジュール966、および通信装置968を含むことができ、この信号970は、アラート信号、連続信号、合成信号、または他のタイプの信号であってもよい。コンソール908は、モニタ931のような健康管理サイトに見られる他のインタフェースまたはディスプレイとの有線または無線接続を含むこともできる。いくつかの実施形態では、モニタ931は、蛍光透視画像または血管造影画像も表示するモニタであってもよく、心電図または血圧グラフィックスまたは他の情報も表示するモニタであってもよい。モニタ931は、吸引の状態を維持する部分を有してもよい。例えば、「血栓が吸引されている」または「血栓が検出されなかった」を読み取ることができる。圧力変換器912(筐体40、ポート44,46、ケーブル902、インタフェース904)は、滅菌されて販売されてもよく、コンソール908、例えばコンソール908の測定装置964によって受信される信号を出力するように構成されてもよい。圧力変換器912は、それ自体の内部電源(例えば、図2Aのバッテリ52)を有してもよいし、コンソール908との接続によって、あるいは、吸引カテーテル4または拡張チューブ10との接続によって電力を供給されてもよい。いくつかの実施形態では、コンソール908は、例えば、圧力変換器912の特定のモデルを認識するために、圧力変換器912を識別および/または認識するように構成されてもよい。いくつかの実施形態では、コンソール908は、圧力変換器のタイプ(例えば、モデル)を識別するために、圧力変換器912内の2つの電気接点間の抵抗を測定するように構成されてもよい。いくつかの実施形態では、コンソール908は、圧力変換器912上のRFIDチップを読み取るように構成されてもよい。コンソール908はまた、圧力変換器の2つ以上の異なるモデルに接続するように構成されてもよい。ポート906は、2つ以上のポートを含むことができる少なくとも1つのポートを備えてもよく、各ポートは、異なるモデルの圧力変換器の接続を可能にするように構成されてもよい。
[00158]図11の吸引システム1000は、吸引カテーテル4に、例えば吸引カテーテル4のコネクタ22(例えば、雌ルアー)に接続するためのコネクタ1002またはハブ(例えば雄ルアー)を有する吸引コンソール1001を含んでいる。吸引コンソール1001は、吸引コンソール1001に接続され、AC電源またはDC電源を含むことができる電力モジュール972によって電力が供給さる。吸引コンソール1001は、吸引された物質を収集するためのキャニスタ1006を含むことができ、吸引を生成するための真空を生成する真空ポンプ1004を含むことができる。チューブ1008を、キャニスタ1006とコネクタ1002との間に接続することができる。いくつかの実施形態では、キャニスタ1006は取り外し可能または交換可能である。吸引監視システム900は、チューブ1008と流体連通する圧力センサ1010(例えば、真空センサ)を含む。チューブ1008は、代わりに、製造された部品の内部に形成されたルーメンを備えていてもよい。吸引監視システム900は、図12にさらに詳細に示されており、図10に関連して説明した特徴の一部または全部を含むことができる。吸引コンソール1001は、モニタ931のような健康管理サイトに見られる他のインタフェースまたはディスプレイとの有線または無線接続を含むこともできる。いくつかの実施形態では、モニタ931は、蛍光透視画像または血管造影画像も表示するモニタであってもよく、心電図または血圧グラフィックスまたは他の情報も表示するモニタであってもよい。この処置に関連するすべての通信を単一のモニタでまたは単一のモニタ位置で組み合わせることにより、ユーザは中断されない焦点を達成することができ、そのユーザは血栓の近くで吸引カテーテルの安全な前進および配置に自由に専念することができる。
[00159]図13の強制(または補助)吸引システム1100は、強制吸引カテーテル1013の注入ルーメン1020に接続するための第1のコネクタ1016またはハブ(例えば、雄ルアー)と、強制吸引カテーテル1013の吸引ルーメン1018に接続するための第2のコネクタ1012またはハブ(例えば、雄ルアー)とを有する吸引/注入コンソール1101を含む。強制吸引カテーテル1013の近位端部14で第1のコネクタ1016は、yコネクタ1022のコネクタ1024(例えば、雌ルアー)に接続するように構成され、第2のコネクタ1012は、yコネクタ1022のコネクタ1026に接続するように構成される。吸引/注入コンソール1101は、吸引コンソール1101に接続され、AC電源またはDC電源を含むことができる電力モジュール972によって電力が供給される。吸引コンソール1101は、吸引された物質を収集するためのキャニスタ1106を含むことができ、吸引を生成するための真空または負圧を生成する真空ポンプ1104を含むことができる。チューブ1108を、キャニスタ1106とコネクタ1012との間に接続することができる。正圧ポンプ1014は、流体源1032(例えば、生理食塩水バッグ)に接続され、注入液を高圧でコネクタ1016から注入するように構成されている。吸引監視システム900は、チューブ1108と流体連通する圧力センサ1110(例えば、真空センサ)を含む。代わりに、チューブ1108は、製造された部品の内部に形成されたルーメンを備えていてもよい。吸引監視システム900は、図14にさらに詳細に示されており、図10に関連して説明した特徴の一部または全部を含むことができる。強制吸引カテーテル1013の遠位端部16において、注入ルーメン1020はオリフィス1028で終端し、オリフィス1028を出る高圧注入液から形成されたジェット1030を生成するように構成されている。ジェット1030は、吸引ルーメン1018に入り、物質(例えば、血栓)を吸引ルーメン1018およびキャニスタ1106に押し込む強制吸引カテーテル1013の遠位端部16に吸引力を生成する。吸引/注入コンソール1101は、モニタ931のような健康管理サイトに見られる他のインタフェースまたはディスプレイとの有線または無線接続を含むこともできる。いくつかの実施形態では、モニタ931は、蛍光透視画像または血管造影画像も表示するモニタであってもよく、心電図または血圧グラフィックスまたは他の情報も表示するモニタであってもよい。
[00160]別の実施形態では、吸引カテーテル4の強制吸引カテーテル1013は、追加の装置もしくはツールを配置するための追加のルーメンまたはガイドチャネルを有してもよい。いくつかの実施形態では、ガイドワイヤルーメン26をこの追加のルーメンとして使用することができ、カテーテルの全長または大部分の長さに延在することができるため、ルーメンが近位端部14からアクセス可能となる。追加の装置またはツールは、血栓または他の物質を破壊するために、レーザファイバ、機械ねじ、振動ワイヤまたは様々な他の様式を含むことができる。
[00161]提示された実施形態のいずれにおいても、システムは、構成要素のほとんどまたはすべてが共に供給されるように構成され得る。例えば、互いに永続的に取り付けられたカテーテルおよび吸引監視システムが挙げられる。いくつかの実施形態では、吸引カテーテルおよび/または吸引監視システムは、再処理(例えば、清浄化または再滅菌)することを意図的に困難にする構成を含むことができ、これにより、患者への感染および/または装置の誤作動のリスクがあり得る推奨されないまたは保証されない可能性のある使用を妨げる。例えば、センサまたはセンサに隣接する部分は、意図的にアクセスまたは清掃することが困難な場合がある。あるいは、1つまたは複数のバッテリがアクセスまたは変更できない場合がある。
[00162]いくつかの実施形態では、圧力測定または別の測定された特性と組み合わせた圧力測定に結び付けることができる他の記述的な警告を有することが望ましい場合がある。例えば、吸引カテーテル内のセンサ(加速度計または温度センサ)を用いてカテーテルの動きを検出する場合、このセンサの変化を圧力センサに結び付けることができる。このようにして、その先端で血栓と係合し、動かされる(例えば、患者から引き抜かれ始める)カテーテルは、「警告します。カテーテルを動かさないでください。血栓塞栓症のリスクがあります。」という警告を引き起こすことがある。
[00163]図15は、補助吸引システム510を示す概略図である。吸引システム510は、流体ポンプ526およびオペレータ制御インタフェース506を備えたリモートハンドピース512を含む。1つの考えられる実施形態では、システム510は、単回使用の使い捨てユニットである。吸引システム510はまた、流体灌注ルーメン502および吸引ルーメン504を備え、吸引システム510で行われる処置中にハンドピース512の再配置を必要とせずにカテーテル516の独立した操作を可能にする拡張チューブ514を含むことができる。拡張チューブ514はまた、圧力アキュムレータとしても機能することができる。容積型ポンプを含むことができるポンプ526からの高圧流体流は、ポンプ526の各ストロークでパルスを発生し、各正弦波のピークと谷との間の明確な変動を有する正弦波圧力マップを生成する。拡張チューブ514は、ポンプ526と整合して、各ポンプパルスと一致して膨張および収縮し、ポンプパルスによって引き起こされる圧力の変化を低減して、カテーテル516の先端で滑らかなまたはより滑らかな流体の流れを生成することができる。適切なコンプライアンス特性を有する任意のチューブを使用することができる。拡張チューブ514は、ポンプ526に永続的に取り付けられてもよく、またはコネクタ544によってポンプ526に取り付けられてもよい。コネクタ544は、拡張チューブ514がポンプ526に誤って取り付けられないことを保証するように構成される。
[00164]インタフェースコネクタ518は、拡張チューブ514とカテーテル516を一緒に結合する。1つの考えられる実施形態では、インタフェースコネクタ518は、拡張チューブ514の高圧流体注入ルーメン502とカテーテル516の高圧注入ルーメン536との間にフィルタアセンブリ508を含むことができる(図17)。カテーテル516および拡張チューブ514は、インタフェースコネクタ518によって永続的に結合されてもよい。あるいは、インタフェースコネクタ518は、選択されたカテーテル516を拡張チューブ514に取り付けることができるように、標準化された接続を含んでもよい。いくつかの実施形態では、フィルタアセンブリ508は、迅速に接続解除できる接続によって拡張チューブ514に取り外し可能に接続されてもよい。本明細書に提示される吸引監視システムの実施形態の圧力変換器を、吸引ルーメン504に沿った点または吸引ルーメン504の任意の拡張部に配置することができる。
[00165]ハンドピース512には、流体源520および真空源522が取り付けられている。標準的な病院の生理食塩水バッグを流体源520として使用することができ、このようなバッグは、医師が容易に入手可能であり、処置を実行するのに必要な量を提供する。真空ボトルは、真空源522を提供してもよく、真空源522は、シリンジ、真空ポンプ、または他の適切な真空源によって提供されてもよい。フィルタアセンブリ508は、高圧注入ルーメン536およびオリフィス542(図17)の詰まりを避けるために、流体源520から微粒子を濾過する働きをする。本明細書で説明するように、高圧注入ルーメン536の遠位セクションは、小さな内径で構成されることができ、フィルタアセンブリ508は、その連続機能を保護する働きをする。様々なカテーテル516の1つを、例えば様々なルーメン構成(内径、長さなど)を有する補助吸引システム510に組み込むことによって、様々な吸引品質(吸引速度、ジェット速度、ジェット圧力)を1人または複数の患者に適用することができる。これらの吸引品質を、ポンプ特性(流量、ポンプ圧力)を変更するために、ポンプ526の調整によってさらに達成することができる。いくつかの実施形態では、カテーテル516は、例えばポンプ526なしに手動で使用され、手作業での注入によって制御されてもよい。カテーテル516の手動使用は、特定の患者の状態に適切であり、処置のコストを低減するのに役立ち得る。
[00166]1つの考えられる実施形態では、カテーテル516の剛性は変化することができ、近位端部でより強く、遠位端部でより柔軟である。カテーテル516の剛性の変化は、2つの隣接するチューブ片の間に半径方向の結合がない単一のチューブによって実現され得る。例えば、カテーテル516のシャフトを、シャフトの柔軟性を提供するためにチューブの長さを螺旋状に切断した単一の長さの金属チューブから作ることができる。変化する剛性は、金属チューブの異なる長さに沿った螺旋カットのピッチを変化させることによって生成され得る。例えば、螺旋カットのピッチは、より大きな柔軟性を提供するために、装置の遠位端部で、より小さいとよい(螺旋カットのターン(ターン:螺旋の一回り)同士が互いにより接近しているとよい)。逆に、剛性を高めるために、近位端部での螺旋カットのピッチは、より大きいとよい(螺旋カットのターン同士が互いにより離れているとよい)。単一のジャケットが金属チューブの長さを覆い、真空気密(内外に対して気密)のカテーテルシャフトを提供する。以下では、図17を参照して、カテーテル516の他の特徴を説明する。
[00167]図16は、ハンドピース512および補助カテーテル吸引システム510の近位部分をより詳細に示す概略図である。ハンドピース512は、電力システムおよび制御システムが配置される制御ボックス524を含む。ポンプ526は、一定の出力を有するモータ駆動の容積型ポンプであってもよい。吸引ルーメン538(図17)内のカテーテル高圧ルーメン536のオリフィス542(出口)の位置と連動したカテーテル容積に対するこのポンプ変位により、すべての加圧流体が吸引ルーメンによって排気されるので、生理食塩水ポンプから患者にエネルギーが伝達されないことが保証される。主ボタン528が、主バルブ530に機械的に接続されている。使用のために装置を準備する場合、空気塞栓の可能性を低減するために、加圧流体システムからすべての空気を排気することが好適である。主ボタン528を押すことにより、ユーザは、ポンプ526を介して流体源520を真空源522に接続する。これにより、全ポンプシステムを通して流体(例えば、0.9%NaCl溶液、すなわち「生理食塩水」、または「通常の生理食塩水」ではないヘパリン化生理食塩水)を強制的に吸引し、すべての空気を除去し、安全な操作のためにシステムを積極的にプライミングする。圧力/真空バルブ532は、流体圧力システムと同期して真空または負圧をオンオフするために使用される。1つの考えられるバルブ532は、ポート付き一方向バルブである。このようなバルブは、2つの主要システムの動作を機械的かつ自動的に組み合わせることによって耐タンパー安全機能として作動するため、手動または電子バルブシステムに対して好適である。圧力/真空バルブ532を有することにより、流体システムを作動させることなく真空または負圧をオンにする可能性が排除される。
[00168]オペレータ制御インタフェース506は、電力システム548(バッテリまたは送電線のような)によって電力が供給され、1つまたは複数のスイッチ552および1つまたは複数のインジケータランプ554を使用してユーザが操作することができる電子制御ボード550を備えることができる。制御ボード550はまた、過圧および気泡検出および真空チャージまたは負圧チャージを含むいくつかの装置安全機能を監視および制御する。圧力センサ564は圧力を監視し、気泡の存在を感知する。あるいは、光学装置566を用いて気泡を感知することができる。1つの考えられる実施形態では、ポンプ圧力は、その圧力を生成するのに必要な電流に比例する。したがって、ポンプ526によって必要とされる電流が予め設定された限度を超える場合、制御ボードは、ポンプへの電力を切断することによってポンプを作動不能にする。気泡の検出を、特定の瞬間にポンプを駆動するのに必要な電流を監視することによっても監視することができる。容積型ポンプ526が高い流体圧力に達するためには、ポンプ526または接続システム(カテーテル516および拡張チューブ514を含む)内に存在する空気(高度に圧縮可能である)がほとんどまたは全くない方がよい。流体容積は、システム内の空気によりポンプヘッドに圧力が発生しないように十分に小さい。制御ボードは、空気がシステムに入ったことを示す可能性のある急激に下降する変化に対するポンプ電流を監視する。降下速度が予め設定された制限よりも速い場合、制御ボードは、問題が修正されるまで、ポンプへの電力を切り離してポンプを作動不能にする。同様に、組織もしくは繊維性の血栓の侵入または固体塞栓が原因となり得る高圧ルーメン536内のブロックを、ポンプ526を流れる電流を監視することによって検出することができる。通常の使用では、ポンプ526の電流束は比較的高い。例えば、ポンプは、通常の動作中に電流が200ミリアンペア以上変動するように構成されてもよく、電流束が200ミリアンペア未満に低下したときに空気が識別され、システムが停止するようになる。あるいは、空気がシステム内にあることを識別するために、例えば50ミリアンペア〜75ミリアンペアの範囲の電流束を使用することができる。さらに、電流または電流束の増加は、高圧ルーメン536内の凝血塊または血栓の存在を示すことができる。例えば、600ミリアンペアを超える電流は、血栓が高圧ルーメン536、または吸引ルーメン538を部分的または完全にブロックすることを示すことができる。
[00169]真空源522に接続された真空ライン556を、負圧センサ558に接続することができる。真空源522の真空度または負圧が低い場合、または真空ライン556に漏れが検出された場合、制御ボード550は、問題が修正されるまでポンプ526を作動不能にする。負圧センサ558は、真空が存在しない場合にポンプ526を作動させない安全回路560の一部であってもよい。それによって、安全回路560、圧力センサ564および/または光学装置566、ならびに負圧センサ558を含む包括的な安全システム562は、システムが動作するためのポンプ圧力および真空または負圧の両方を必要とする。問題が存在する場合(例えば、許容できないほど低いポンプ圧力が存在するか、または有意な真空または負圧を有さない場合)、制御ボード550は、すべての問題が修正されるまで、ユーザが吸引システム510を操作することを許可しない。これにより、空気が患者に注入されるのを防ぎ、吸引システム510が誤ったパラメータで動作しないことを保証する。
[00170]図17は、補助カテーテル吸引システム510の遠位端部分568の概略図であり、カテーテル516をより詳細に示している。カテーテル516は、1人のオペレータが交換するカテーテルであり、装置の遠位端部に取り付けられた短いガイドワイヤルーメン534を含む。ガイドワイヤルーメン534は、長さが約1cm〜約30cm、長さが約5cm〜約25cm、長さが約5cm〜約20cm、または長さが約13.5cmであってもよい。吸引ルーメン538は、真空または負圧(例えば、真空源522から)により吸引ルーメン538に血栓物質を引き込むことを可能にする遠位開口部540を含む。高圧ルーメン536は、遠位開口部540の近位に設定量だけ設定された遠位オリフィス542を含む。例えば、遠位オリフィス42を、約0.0508cm(0.020インチ)だけ、または0.0508cm±0.00762cm(0.020インチ±0.003インチ)だけ、または別の所望の量だけ、遠位開口部540の近位に設定することができる。オリフィス542は、例えば、血栓物質の有効粘度を低下させることによって、真空源522への輸送のために、血栓物質を浸軟および/または希釈するために、吸引ルーメンを横切って噴霧するように構成される。流体オリフィス542を軸線方向に配置することにより、対向するルーメン壁との噴霧パターン相互作用が噴霧ミストを生成し、塞栓物質を遠位開口部540から押し出すことができる渦巻パターンではないようにする。システムは、灌注流体が約3447378パスカル(500psi)〜約10342135パスカル(1500psi)の圧力でポンプから出るように構成されてもよい。いくつかの実施形態では、高圧ルーメン536に沿った圧力ヘッド損失の後、灌注流体は、約4136854パスカル(600psi)〜約8273708パスカル(1200psi)、または約4481592パスカル(650psi)〜約5,860,543パスカル(850psi)の圧力でオリフィス542を出る。場合によっては、ポンプ526を操作することなく補助カテーテル吸引システム510を使用することが可能であり(かつ所望され)、したがって例えばシリンジを介して手作業で生理食塩水を注入しながらカテーテル516を使用することができる。あるいは、場合によっては、高圧ルーメン536を通してシリンジを使用して手作業で生理食塩水の注入を行いながら、ポンプ526を取り付けずに補助カテーテル吸引システム510を使用することもできる。詰まりが発生した場合には、例えば、高圧ルーメン536の詰まりを取り除く目的で、シリンジを取り外し、ポンプ526を取り付けて開始することができる。
[00171]アテローム性動脈硬化病変および/または血栓症から閉塞を解除した後に正常な血流が達成されるとき、時折、再灌流傷害のリスクがある。これは、塞栓性脳卒中の治療のために脳に供給する血管の血栓摘出後、または心筋に供給する冠動脈の血栓摘出後に特に重要であり得る。冠動脈インターベンション(例えば、血栓摘出)後の心筋の血管再生の場合も挙げられる。再灌流傷害および微小血管障害は、血管再生心筋の有意なまたは完全な回復を制限する機構であり得る。以前に灌流されていなかった心筋の部分の突然の再灌流は、心筋を麻痺させたり損傷させたりする一連の生理的プロセスを引き起こす可能性がある。血栓の小部分、血小板およびアテロームのような遠位冠動脈塞栓もまた関係する可能性がある。リスクのある心筋の制御されたプレコンディショニングが、再灌流傷害および微小血管障害の影響を制限するために提案されている。本明細書に提示される血栓摘出システム100,300の実施形態は、血栓摘出後の再灌流による潜在的な危険性を制限するために、流れ制御を可能にすることを目的とする追加の特徴と組み合わせることができる。
[00172]図18は、注入ポート1204および吸引ポート1206を有する多目的カテーテル1202を含む多目的システム1200を示している。注入ポート1204および吸引ポート1206は、それぞれ、雌ルアーロックコネクタのようなルアーコネクタを備えることができる。チューブセット1208および圧力センサ1210は、真空源1212と一列に接続されている。ケーブル1214は、圧力センサ1210からの信号を吸引監視システム1216(図19)に運び、吸引監視システム1216のコンソール1222のポート1220に接続するように構成されたインタフェース1218またはプラグを介して吸引監視システム1216に接続する。本明細書に記載の装置および方法を使用して、吸引監視システム1216を使用して吸引を監視することができる。1つの使用方法では、シリンジ1224(図18)を使用して、多目的カテーテル1202の注入ポート1204および注入ルーメン1225(例えば、高圧ルーメン)を通して手動で注入することができる。シリンジ1224は、約5ml以下、またはいくつかの実施形態では、約1ml以下の注入可能な容積を有してもよい。注入ルーメン1225は、いくつかの実施形態では、比較的高圧でまたは高圧もしくは低圧のいずれかで生理食塩水を注入するように構成され得る。バルブ1226(例えば、活栓)が閉じられて、真空源1212が吸引ポート1206を介して吸引ルーメン1227を減圧することまたは負圧にすることを阻止する場合、注入ルーメン1225を通した注入により、注入ルーメン1225の遠位出口付近の(多目的カテーテル1202の遠位端部のところにある)血管内の部位に注入液が送達され得る。あるいは、真空源1212が吸引ルーメン1227から取り外されているか、または単純に接続されていない場合、注入ルーメン1225を通した注入により、注入ルーメン1225の遠位出口付近の血管内の部位に注入液が送達される。これらの技術のいずれかを用いて、血管壁、またはアテローム硬化性プラーク、または血栓に薬剤を投与することができる。場合によっては、凝血塊を破壊する薬剤(組織プラスミノーゲンアクチベーター(tPA)、トロンボキナーゼ、ウロキナーゼ、トロンビン、プラスミン)が凝血塊または血栓に注入され、ある期間にわたって作用することができる。1つの目的は、時間の経過とともに血栓を軟化させることである。溶解剤、糖タンパク質阻害剤(GPI)、血管拡張剤、および他の薬剤は、血管を拡張させるため、またはその領域の疾患を治療するために使用され得る。制御された、正確な局所的な送達は、薬剤の有効な使用を可能にし、所望の量が、最小限の流出または浪費で治療される組織に送達される。これらの薬剤の多くは非常に高価であるため、この効率は処置上のコストを削減する。注入ルーメン1225の正確な直径およびその既知の長さのために、注入ルーメン1225は、既知の容積またはデッドスペースを含む。これは、さらに、既知の、制御された、正確な薬剤の注入を可能にする。代表的な注入ルーメン1225の長さは150cmであり、内径は0.038cm(0.015インチ)であり、したがって、合計の容積はわずか0.17mlである。注入ルーメン1225の容積を、注入ルーメン1225の内径の直径および/または注入ルーメン1225の長さを制御することによって変更することができる。例えば、注入ルーメン1225の容積は、約0.08ml〜約0.26ml、または約0.14ml〜約0.20mlの間であってもよい。小口径のシリンジ(例えば、1ml)または精密ポンプで注入ルーメン1225を通して注入することにより、送達される薬剤の正確な測定を行うことができる。ただし、バルブ1226または活栓が開かれ、真空源1212を吸引ポート1206に接続し、吸引ルーメン1227を減圧するまたは負圧にする場合、本明細書で説明するように、強制吸引が開始される。上述のように、注入ルーメン1225は、クローズドシステム(吸引)またはオープンシステム(注入液の注入)のいずれかに役立ち得る。処置の開始時に、どのような異なる動作が必要であるかは必ずしも分かっていないので、多目的カテーテル1202および多目的システム1200の使用は、複数のカテーテル(例えば、マイクロカテーテルおよび単一機能の吸引カテーテル)を使用する必要性を排除することができる。
[00173]図20〜図24は、注入ポート1244および吸引ポート1246を有する多目的カテーテル1242を備えた多目的システム1240を示している。冷却された生理食塩水を、生理食塩水バッグ1248(図23)から、スパイク1252を介して生理食塩水バッグ1248に取り付けられたチューブセット1250を通して注入することができる。ピストンポンプなどの容積型ポンプを含み得るポンプ1254(図24)は、カセット1258(図20)を取り付けるためのインタフェース1256を含む。いくつかの実施形態では、ポンプ1254は、制御された量の流体を注入するために、カセット1258内の移動ピストン1255に接続する可動部分を有する。図18の多目的システム1200に関連して説明したように、拡張チューブ1264を介して真空源1262を吸引ポート1246に接続するバルブ1260が開いているか閉じているか、または単純に真空源1262が取り付けられているか取り付けられていないかに応じて、注入は、クローズドシステム(吸引)またはオープンシステム(注入液の注入)のいずれかに役立ち得る。圧力センサ1266は、拡張チューブ1264の内部と連通しているが、流路の他の部分の内部と連通していてもよい。ケーブル1268は、圧力センサ1266からの信号を吸引監視システム1270(図22)に運び、吸引監視システム1270のコンソール1276のポート1274に接続するように構成されたインタフェース1272またはプラグを介して吸引監視システム1270に接続する。マルチモードにおける多目的システム1200,1240の有用性は、(小型シリンジ1224または精密ポンプ1254のいずれかによる)正確な容積制御と組み合わせた滅菌流体経路によって促進される。さらに、吸引監視システム1216,1270は、ユーザへのリアルタイムフィードバックを可能にし、制御された送達および/または吸引をさらに容易にする。
[00174]多目的システム1200,1240は、単純化、ケースフロー、およびコストのために、経皮的冠動脈インターベンション(PCI)などの介入処置を最適化する。薬剤を冠状動脈内に注入すると、典型的にはガイドカテーテルの先端によってアクセス可能な場所よりも遠位(例えば、より超選択的)であり得る病変部位に直接高濃度の薬剤を配置することにより、凝血塊が吸引される。これにより、使用される薬剤の量を最小限に抑えることができる。特定の薬剤の量を制限することにより、全身合併症(出血など)を最小限に抑えるかまたは排除することができる。薬剤を例えば血栓そのものに直接適用することにより、血栓を軟化または解離させることができる。多目的カテーテル1242の注入ルーメン1257を介して注入された生理食塩水ジェット1278(図21)による血栓の浸軟は、中断することなくカテーテル吸引ルーメン1259を常時開存性に保持し、例えば、(血栓に関して)血管内の近位位置から遠位位置へカテーテルをゆっくりと動かしながら、標準化されたカテーテル前進技術を可能にする。浸軟はまた、最適な吸引効率のために近位に流れる吸引物を希釈する。特定の状況では、正常な血流が復元される(少なくとも有意なレベルになる)まで吸引を行うことができ、その後、バルブ1260を介して真空源1262を閉鎖することができ、冷却された注入液を血管に注入することができる。結果として起こるこの領域の選択的冷却は、虚血性の細胞代謝を潜在的に遅くすることによって再灌流傷害を減少させるのに役立つ。冷却された注入液の注入は、吸引装置を取り外すことなく、新しい注入装置を前進させることなく、吸引後の、ステント挿入の前の任意の時間に使用することができる。多目的カテーテル1202,1242が既に配置されているので、この重要な操作を直ちに開始することができる。これらの機能性をすべて1つのカテーテルに持たせることにより、ユーザにかかるコストを節約することもできる。
[00175]吸引モードでは、吸引監視システム1216,1270は、常に吸引回路の適切な機能を監視することができる。ユーザは、警告が伝達されるとき、またはシステム(例えば、モータ)がシャットダウンするとき、重要なイベントが発生したとき、出席が必要なイベントを知っている。この知識は、ユーザが遠位にカテーテルを突き刺して遠位の塞栓症を引き起こす可能性を回避するのに役立つ。注入/注入液冷却モードでは、ポンプ1254は、一定温度の冷却用注入液を送達するために所定の一定量または一定速度でポンプする。中核体温のフィードバック(例えば、直腸、食道、耳または他の温度プローブによる)を用いて、さらなる冷却を止めなければならないことをシステムに示すことができる。例えば、35℃未満または34℃未満の中核体温である。閾値を下回る温度のフィードバックを用いて、ポンプを停止し、および/または警告を送信し得る。カテーテル先端および/または虚血領域に正確かつ直接的な注入液経路は、集中的な冷却をもたらし、最低限の全身低体温を引き起こす。(例えば、バルブ1260が閉じられた状態で)吸引ルーメンをバイパスすることにより、意図しない塞栓物が血管内に逆流する可能性が低くなり、したがって危険領域に下流に送られる可能性は低くなる。これにより、流れが復元された後に装置を交換する必要がなくなる。
[00176]場合によっては、注入モードにおいて、注入液は、比較的低い圧力で流体注入ルーメン1225,1257に注入される。場合によっては、浸軟は比較的高圧で行われる。場合によっては、注入ポート1244に取り付けられたシリンジを用いて生理食塩水の注入を手作業で行いながら、ポンプ1254を取り付けずに多目的システム1240を使用することができる。詰まりが生じた場合には、例えば、注入ルーメン1257の詰まりを取り除く目的で、シリンジを取り外し、ポンプ1254を取り付けて開始することができる。例示的な処置では、ユーザは、図18の多目的カテーテル1202または図20〜図21の多目的カテーテル1242と同様のカテーテルを脈管構造内に配置する。初めに、ユーザは、ポンプ1254も、多目的カテーテル1202,1242に取り付けられたシリンジ1224(図18)も有さないことを選択することができる。次いで、ユーザは、真空源1212,1262を介して吸引ルーメン1227,1259を通して吸引を開始することができ、したがって多目的カテーテル1202,1242を単純な(真空または負圧のみの)吸引カテーテルとして利用することができる。例えば、詰まりを克服したり、遅い吸引を克服したり、血栓の浸軟または希釈を強めるために、ユーザが、生理食塩水および/または薬剤の追加の正圧注入が必要であると判断した場合、ユーザは、ポンプ1254またはシリンジ1224を注入ポート1204,1244に取り付け、生理食塩水および/または薬剤を注入し始めることができる。
[00177]一実施形態では、吸引システムは、近位端部および遠位端部を有する細長いカテーテルを含み、カテーテルは、近位端部および遠位端部を有する吸引ルーメンと、近位端部および遠位端部を有し、カテーテルの近位端部から吸引ルーメンの遠位端部に隣接する位置まで延びる高圧注入ルーメンと、高圧注入ルーメンの遠位端部またはその近くにあり、高圧注入ルーメンを通して注入された高圧液体が吸引ルーメン内に放出されるように構成された少なくとも1つのオリフィスと、を含み、高圧注入ルーメンの近位端部は、1つまたは複数の注入モジュールに繰り返し接続および接続解除可能であるように構成される。いくつかの実施形態では、1つまたは複数の注入モジュールは、第1の注入モジュールおよび第2の注入モジュールを含む。いくつかの実施形態では、第1の注入モジュールはポンプを備え、第2の注入モジュールはシリンジを備える。いくつかの実施形態では、第2の注入モジュールは、約5ml以下の容積を有するシリンジを備える。いくつかの実施形態では、第2の注入モジュールは、約1ml以下の容積を有するシリンジを備える。いくつかの実施形態では、第2の注入モジュールは薬剤を含むシリンジを備える。
[00178]図25〜図33は、本明細書に提示されている吸引監視システム48,62,78,900,1216,1270のいずれか1つの機能の一部または全部を共有する吸引監視システムにおける構成要素として機能するように構成された圧力センサ1300を有する装置のいくつかの異なる実施形態を示している。図25は、遠位端部1304および近位端部1306を有する吸引カテーテル1302を示し、近位端部1306は、雌ルアーコネクタ1308を備える。圧力センサ1300は、吸引カテーテル1302のルーメンと流体連通している(例えば、流体的に接続される)。図26は、雄ルアー1312および雌ルアー1314、拡張チューブ1316、ならびに活栓1318を有するチューブセット1310を示している。圧力センサ1300は、拡張チューブ1316のルーメンと流体連通している。図27は、雄ルアー1322、雌ルアー1324、およびバルブ1326を有する活栓1320を示しており、バルブ1326は、圧力センサ1300の近位に配置されている。圧力センサ1300は、活栓1320の内部空洞と流体連通している。図28は、雄ルアー1330、雌ルアー1332、およびバルブ1334を有する活栓1328を示しており、バルブ1334は、圧力センサ1300の遠位に配置されている。圧力センサ1300は、活栓1328の内部空洞と流体連通している。図29は、雄ルアー1342、バレル1338、およびプランジャ1340を有するシリンジ1336を示している。VacLok(登録商標)シリンジなどシリンジ1336は、プランジャ1340をバレル1338に対してロックすることを可能にするロック機構1344を含むことができる。圧力センサ1300は、バレル1338の遠位に配置され、バレル1338の内部空洞と流体連通している。
[00179]図30は、雄ルアー1352(すなわち、ルアーコネクタ、ルアーロック)、バレル1348、およびプランジャ1350を有するシリンジ1346を示している。シリンジ1346は、ロック機構1344を含むことができる。圧力センサ1300は、バレル1348の内部空洞と流体連通しており、バレル1348または雄ルアー1352のいずれかに直接接続されていてもよく、またはそれらの間の中空の移行部1351に直接接続されてもよい。図31は、雄ルアー1357、バレル1358、およびプランジャ1360を有するシリンジ1356を備えた吸引システム1354を示している。シリンジ1356は、ロック機構1344を含むことができる。吸引システム1354はまた、雄ルアー1362、バルブ1364、および雌ルアー1365(図31の雄ルアー1357の下に接続されている)を含むコネクタアセンブリ1361を備える。圧力センサ1300は、シリンジ1356のバレル1358とコネクタアセンブリ1361の雄ルアー1362との間の内部ルーメンすなわち空洞と流体連通している。図32は、雄ルアー1369、バレル1370、およびプランジャ1372を有するシリンジ1368を備えた吸引システム1366を示している。シリンジ1368は、ロック機構1344を含むことができる。吸引システム1366は、雄ルアー1374、バルブ1376、および雌ルアー1377(図32の雄ルアー1369の下に接続されている)を含むコネクタアセンブリ1373も備える。圧力センサ1300は、シリンジ1368のバレル1370とコネクタアセンブリ1373の雄ルアー1374との間の内部ルーメンすなわち空洞と流体連通している。図33は、雄ルアー1382、バレル1384、およびプランジャ1386を有するシリンジ1380を備えた吸引システム1378を示している。シリンジ1380は、ロック機構1344を含むことができる。吸引システム1378は、雄ルアー1390および雌ルアー1392を有するチューブセット1388をさらに備える。バルブ1394は、圧力センサ1300の近位または遠位のいずれかに配置される。拡張チューブ1396は、チューブセット1388の1つまたは複数の構成要素を接続するために利用され得るが、場合によっては、構成要素が直接的に接続されてもよい。圧力センサ1300は、チューブセット1388の内部ルーメンと流体連通している。これらの実施形態のいずれかにおける活栓またはバルブは、一方活栓または三方活栓または一方向バルブまたは三方向バルブであってもよい。本明細書に提示される各実施形態の1つまたは複数の要素を組み合わせた他の実施形態が存在し得る。これらの実施形態はまた、本開示の範囲内に含まれる。雄ルアーが使用される実施形態のいずれにおいても、雌ルアーまたは別の液密性コネクタでそれを置き換えることができる。雌ルアーが使用される実施形態のいずれにおいても、雄ルアーまたは別の液密性コネクタでそれを置き換えることができる。このように、コネクタアセンブリ1361,1373のいずれかは、シリンジ1356,1368に逆の態様で接続されてもよく、すなわち、遠位端部が近位端部となり、したがってシリンジ1356,1368に接続され、近位端部が遠位端部となることが可能である。
[00180]図34は、血栓104を浸軟させて吸引するために、液体、例えば滅菌生理食塩水の高圧注入を組み込んだ血栓摘出システム300を示している。ガイドカテーテル108は、近位端部144と遠位端部120との間に延びる内部ルーメン110を有する。先の実施形態に関して説明したように、ガイドカテーテル108の近位端部144に接続されたyコネクタ148は、近位シール150およびサイドポート152を含み、ガイドカテーテル108の内部ルーメン110を真空源146に接続するように構成される。先の実施形態に関して説明したように、血栓摘出カテーテル306は、遠位端部316および近位端部318を有する遠位チューブ314を備え、近位端部318は、ガイドカテーテル108と遠位チューブ314との間の環状部342を密封するための1つまたは複数の密封部材324を組み込む。遠位チューブ314は、吸引ルーメン330を有する。ルーメン370を有するサポート/供給チューブ368が遠位チューブ314に接続されている。サポート/供給チューブ368は、血栓摘出カテーテル306を押し引きするための支持部材として機能するが、近位端部372から遠位端部374に注入される高圧生理食塩水用の導管(ルーメン370を介して)でもある。生理食塩水は生理食塩水供給源376(例えば生理食塩水バッグ、ボトル)から供給され、ポンプ378で加圧され、供給チューブ380を通り、サポート/供給チューブ368に接続されたルアーハブ384に接続されたルアーコネクタ382を通る。いくつかの実施形態では、サポート/供給チューブ368は、ハイポチューブを含む。いくつかの実施形態では、サポート/供給チューブ368は、ステンレス鋼またはニチノールを含む。遠位チューブ314の遠位端部316は、患者の脈管構造を通る遠位チューブ314の追従性を助けるスカイブ358を含むことができる。いくつかの実施形態では、遠位チューブ314の吸引ルーメン330の内径は、ガイドカテーテル108の内部ルーメン110の内径よりも約1フレンチサイズ小さくてもよい。いくつかの実施形態では、血栓摘出カテーテル306は、支持/供給チューブを置き換えるために支持チューブまたは支持シャフトを含み、それは管腔370を含まない。したがって、吸引は、遠位チューブ314の吸引管腔330と組み合わせたガイドカテーテル108の内部管腔110の吸い込みによってのみ制御され、高圧液体の注入は必要ない。血栓摘出カテーテル306の他の実施形態は、2016年9月6日に発行された米国特許第9,433,427号「血栓症の管理のためのシステムおよび方法」に記載されている。
[00181]図35は、図34の血栓摘出カテーテル306のような、吸引カテーテルと共に使用されるガイドカテーテル108の近位端部を示している。yコネクタ390の止血バルブ389は、サポート/供給チューブ391およびガイドワイヤ28の両方を密封する。止血バルブ389(例えば、Touhy−Borst、長手方向にばね荷重されるシールなど)は、カテーテルおよび/またはガイドワイヤ28の移動(並進、回転)を可能にするように調整されなければならないが、吸引中に空気がルーメンに引き込まれないようにしなければならない。止血バルブ389に必要とされることが多い、例えばカテーテルおよび/またはガイドワイヤの移動を補助するための継続的調整のために、止血バルブ389は、漏れる可能性のある空気の量に大きなばらつきを生じさせることがある。漏れ(例えば、位置393で)は速いことがあり、ユーザには知られないことがある。本明細書に記載の吸引監視システムのいずれかと併せて使用される圧力センサ394は、yコネクタ390の止血バルブ389のシールが正しく密封されていないかどうかをユーザが直ちに知ることを可能にする。さらに、yコネクタ390の遠位ルアー388とガイドカテーテル108のルアーハブ386との間の漏れを、吸引監視システムによって検出することができる。さらに、圧力センサ394のルアー392とyコネクタ390のサイドポート395との間、または拡張チューブ387のルアーコネクタ396と圧力センサ394のルアーフィッティング397との間の漏れを、吸引監視システムによって検出することができる。吸引監視システムは、吸引回路の任意の構成要素(例えば、吸引カテーテル、シリンジ/真空源)と一体であるか、または取り付け可能に構成されてもよく、またはこれらの構成要素間で(任意の点で)直列に接続されてもよい。いくつかの実施形態では、吸引監視システムは、構成要素と直列または並列であるか、または構成要素と直列または並列に配置されるように構成された流れセンサもしくは圧力センサまたは検出器を備えることができる。これらの構成のいずれにおいても、本明細書に開示された実施形態の吸引監視システムによって、いくつかの異なる漏れ位置を評価することができる。吸引監視システムは、変化、相対変化、絶対変化、閾値、絶対値、圧力および/または流れの存在もしくは不足を検出するように構成されてもよい。吸引監視システムは、吸引ルーメンを有するカテーテルを含むシステムの動作状態を判断するように構成されてもよい。場合によっては、吸引監視システムは、血管造影、音、感覚、もしくは他の視覚、聴覚、触覚などの典型的な手がかり、またはシステム自体からの他のフィードバックから識別できないシステムの動作に関する情報を提供するように構成されてもよい。
[00182]図36は、蠕動ポンプ1408に接続するように構成された、開放遠位端部1405および近位端部1406を有する吸引ルーメン1404を含む細長いシャフト1401を備える吸引カテーテル1402を備える吸引システム1400を示している。蠕動ポンプ1408は、ベース1426と、ベース1426によって運ばれる圧力シュー1428と、ベース1426に回転可能に接続され、2つ以上のローラ1432a〜1432dを運ぶ回転可能なヘッド1430とを有するローラポンプであり得る。ローラ1432a〜1432dは、回転可能なヘッド1430の周囲1434の周りに配列されている。回転可能なヘッド1430は、回転軸線1499に対して少なくとも第1の回転方向1436で回転可能であるように構成される。回転可能なヘッド1430は、モータ1497によって、直接、または歯車列1495と共に回転させることができる。蠕動ポンプ1408は電池式であり得、そして電池は有線または無線によって再充電可能であり得る。蠕動ポンプ1408は、代替的に、またはさらに、電源に接続するように構成された電源コード1493によって電力を供給され得る。遠位端部1440および近位端部1442を有し、それを通って延びるルーメン1444を有する拡張チューブ1438は、コネクタ1424を介して吸引ルーメン1404の近位端部1406に液圧で接続されている。拡張チューブ1438は、吸引カテーテル1402と共に(例えば、滅菌されて)供給され得るか、または別個に包装されて供給され得る。コネクタ1424に搭載されたTouhy−Borstシール1446は、コネクタ1424および吸引ルーメン1404を通してガイドワイヤ1448を挿入することを可能にするために緩められる/開かれるように構成される。したがって、吸引ルーメン1404を使用して、被験者の血管系を通るガイドワイヤ1448を介して吸引カテーテル1402を追跡することができる。Touhy−Borst1446を締めて、ガイドワイヤ1448を密封し、止血を維持することができる。Touhy−Borst1446の代わりに、ばね荷重がかけられ、長手方向に圧縮可能で作動可能なシールを含む他のタイプのシールを組み込むことができる。拡張チューブ1438は、コネクタ1424の雌型ルアー1452に接続するために、その遠位端部1440に雄型ルアー1450を含む。雄型ルアー1450は、開位置(示されている)または閉位置の間で選択するように回転するように構成された活栓1454を含み得る。拡張チューブ1438およびその構成要素は、単一のユニットとして無菌状態で供給され得る。あるいは、拡張チューブ1438は、吸引ルーメン1404と一体であり得るか、またはコネクタ1424に恒久的に取り付けられ得る。使用中、回転可能なヘッド1430を回転方向1436に回転させると、ローラ1432による圧縮可能部分1437の圧縮を介して、一回ずつ、流体が拡張チューブ1438のルーメン1444を通して遠位端部1440から近位端部1442まで強制されるように、拡張チューブ1438の圧縮可能部分1437は蠕動ポンプ1408の圧力シュー1428内に配置される。圧縮可能部分1437を蠕動ポンプ1408に接続するための単一の挿入ステップは、単純で、迅速で、信頼性が高く、シールしなければならない接続(例えば、ルアーなど)を必要としない。また、真空ポンプや真空シリンジと比較して、蠕動ポンプが正常に動作しているかどうかを視覚化するのは簡単である。これは、比較的高い真空度または負圧条件下で、血液がキャビテーションを起こす傾向があり、したがって、過剰なガス量のために加速された速度で容器(例えば、キャニスタまたはシリンジ)の空間を満たすためである可能性がある。気泡はまた、内部を見て状態を視覚的に検査することをより困難にする可能性がある。任意選択で、蠕動ポンプ1408上のインタフェース1456は、ユーザが蠕動ポンプ1408またはシステム1400の他の構成要素に情報またはコマンドを入力することを可能にするように構成される。それ以外の場合、ハードウェアまたはファームウェアは、特定の実行パラメータ(モータ速度、回転速度など)で事前にプログラムされている可能性がある。いくつかの実施形態では、2つのローラ1432のみが存在する。他の実施形態では、3つのローラ1432が存在する。さらに他の実施形態では、示されるように、4つのローラ1432が存在する。代替の実施形態では、ローラの代わりに、剛性材料の滑らかで丸みを帯びた隆起が圧縮可能部分1437上をスライドし、それを圧縮する。この代替の実施形態では、圧縮可能部分1437および/または隆起は、潤滑性材料で処理され得るか、または圧縮可能部分1437と隆起との間の滑り摩擦を好むように著しく潤滑性の材料から構築され得る。図36の実施形態に戻ると、圧縮可能部分1437は、シリコーンチューブ、ポリウレタンチューブ、ポリ塩化ビニルチューブ、または他の圧縮可能チューブを含み得る。圧縮可能セクション1437は、拡張チューブ1438の周辺端に取り付け可能および取り外し可能である比較的短いセクションであり得るか、または他の実施形態では、遠位端部1440と近位端部1442との間の拡張チューブ1438の全体を含み得る。拡張チューブ1438の近位端部1442は、内部1460を有するキャニスタ1458のハブ1457に接続されて、拡張チューブ1438を通過する流体1459が内部1460に通過することを可能にすることができる。キャニスタ1458内の追加のハブ1462は、(示されるように)開いたままにして、チャージ(減圧)されていない内部1460が大気圧に一致することを可能にすることができる。あるいは、キャニスタ1458は、バッグ、より具体的には、吸引物をその中に収集するように構成された空の注入バッグなどの別のタイプのレセプタクルと交換することができる。
[00183]吸引カテーテル1402はさらに、例えば、高圧ポンプ1412を介して、流体源1479から生理食塩水を注入するための高圧注入ルーメン1410を有する。チューブセット1464は、ピストン、またはベローズ、またはポンプ1412が内部モータ1491を使用して操作することができる他の可動要素を有するポンプカートリッジ1466を含み得、したがって、流体源1479からの生理食塩水(または他の流体)を著しく高い圧力で加圧して、生理食塩水が吸引カテーテル1402の注入ルーメン1410を通して強制されるようにする。チューブセット1464は、チューブセット1464を流体源1479に液圧で接続するためのスパイク1489または他の接続要素を有する近位端部1468を含む。チューブセット1464は、雄型ルアーを含み得、雌型ルアー1472を介してチューブセット1464を注入ルーメン1410に液圧で接続するように構成された遠位端部1470をさらに有する。チューブセット1464は、単一のユニットとして無菌状態で供給されてもよく、あるいは、吸引カテーテル1402に恒久的に取り付けられてもよい。使用中、注入された生理食塩水は、ポンプ1412によって注入ルーメン1410を通って強制され、注入ルーメン1410の遠位端部1476でオリフィス1474を出る。注入ルーメン1410は、実質的または完全にシャフト1401内にある別個のチューブ1478(注入チューブ)内に延在することができる。いくつかの実施形態では、チューブ1478は、遠位端部分1403でのみシャフト1401の内壁に取り付けられている。したがって、吸引ルーメン1404内のチューブ1478の残りの部分の自由浮遊性は、シャフト1401の柔軟性および追跡可能性を高める。また、シャフト1401の曲げがチューブ1478に直接適用されないため、シャフト1401の屈曲のためにチューブ1478がねじれる可能性が減少する。高圧生理食塩水は、注入チューブ1478を通ってオリフィス1474から強制され、ジェット1487を引き起こす。ジェット1487は、開放遠位端部1405のすぐ近位にある吸引ルーメン1404内にあり、これはベンチュリ効果を生じさせて、外部で開放遠位端部1405に隣接する血液または血栓を吸引ルーメン1404に押し込むことができる。回転可能なヘッド1430が第1の回転方向1436に回転する蠕動ポンプ1408の動作は、拡張チューブ1438のルーメン1444内の流体柱を連続的かつ強制的に移動させ、それと共に吸引ルーメン1404内の流体柱を引っ張ることによって、流体および血栓を、吸引ルーメン1404の開放遠位端部1405から拡張チューブ1438の近位端部1442に移動させる。蠕動ポンプ1408の動作と高圧生理食塩水によって生成されたジェット1487との組み合わせは、血栓の浸軟、および吸引ルーメン1404を開放遠位端部1405から近位端部1406まで通り、コネクタ1424の内部1485を通り、拡張チューブ1438のルーメン1444を遠位端部1440から近位端部1442まで通り、最後に、キャニスタ1458の内部1460に入る物質(生理食塩水/血液/浸軟された血栓/血栓の小片)の移動/流れを引き起こす。したがって、被験者の血管内の血栓を、システム1400を使用することによって浸軟および除去することができる。血管は、末梢血管、冠状血管、または頸動脈もしくは大脳動脈を含む被験者の頭または首内の血管を含み得る。
[00184]圧力変換器1416を含む吸引監視システム1414は、例えば、拡張チューブ1438の遠位端部1440とコネクタ1424との間、および/または吸引カテーテル1402の吸引ルーメン1404の近位端部1406との間で接続され得る。吸引監視システム1414は、本明細書に開示される他の吸引監視システム48,62,78,900,1216,1270に関連して説明される特徴のいずれかを含むことができる。圧力変換器1416からの信号は、電気ケーブル1480上でポンプ1412の入力1482に運ばれる。ポンプ1412内のコントローラ1484は、モータ1491を含むポンプ1412の動作を制御するように構成されるが、コントローラ1484はまた、ケーブル1486を介して、または無線で蠕動ポンプ1408の動作を制御するように構成され得る。コントローラ1484は、マイクロコントローラを備え得る。あるいは、コントローラ1484は、蠕動ポンプ1408内に配置されてもよく、または別の場所に配置されてもよい。圧力変換器1416からの測定された圧力の信号を使用する制御は、追加の安全要素をシステム1400に追加する。さらに、機能していないシステム1400またはシステム1400の特定のコンポーネントを迅速に識別することができる。例えば、漏れ、不完全な接続、ルーメンの1つの不完全なプライミング、破裂、または破損は、圧力変換器1416からの信号の変化を引き起こし、したがってそれらの識別を可能にすることができる。許容できないほど高い圧力も迅速に識別でき、コントローラ1484は、ポンプ1412を自動的にシャットダウンするように構成され、したがって、ポンプ1412のモータ1491を焼損または過熱、ならびにそれに関連する故障または危険から保護する。蠕動ポンプ1408はまた、コントローラ1484によってシャットダウンされ得る。いくつかの実施形態では、蠕動ポンプ1408は、ポンプ1412がシャットダウンされた後(例えば、有限遅延の後)に、コントローラ1484によってシャットダウンされるように構成される。遅延は、約0.01秒から約1.00秒の間、または約0.10秒から約0.25秒の間であり得る。チューブ1478の完全性も保護され、例えば、破裂につながる可能性のある不自然に高い圧力を回避する。いくつかの実施形態では、蠕動ポンプ1408は電池式であり得、コントローラ1484は蠕動ポンプ1408内に配置され得、したがって、ある場所から別の場所に容易に移動され得る自己完結型の蠕動ポンプ1408を実現し得る。いくつかの実施形態では、蠕動ポンプ1408は、患者の近くの無菌領域などの無菌領域内に配置することができるように、容易に洗浄および滅菌可能でさえあり得る。いくつかの実施形態では、ポンプ1412は、非滅菌領域にとどまるように構成され、蠕動ポンプ1408は、滅菌使用のために構成される。押しボタン1411は、蠕動ポンプ1408に搭載され得、ユーザ、例えば、無菌物品の接触のみのためにスクラブされるユーザによるアクティブ化のために構成され得る。押しボタン1411は、蠕動ポンプ1408の動作を開始または停止するように構成され得る。さらに、押しボタンは、ポンプ1412の動作を開始または停止するように構成され得る(例えば、ケーブル1486を介して)。いくつかの実施形態では、蠕動ポンプ1408およびポンプ1412は、単一のコンソールに組み合わされる。これにより、標準のIVポールに取り付けることができるより小さなサイズが可能になる。
[00185]いくつかの実施形態では、ユーザの指による押しボタン1411のアクティブ化は、蠕動ポンプ1408の動作を開始し、次に、蠕動ポンプ1408が開始された後わずかに遅れて、ポンプ1412の動作を開始する。遅延は、注入ルーメン1410を通して加圧流体(例えば、生理食塩水)を注入する前に、いくらかの吸引またはかなりの量の吸引が吸引ルーメン1404に適用されていることを保証するのに有用である。したがって、開放遠位端部1405の近くの血管または他の血管系は、代わりに、吸引された血栓または血液と共に、吸引ルーメン1404を通して吸引されるので、高圧ジェットからの流体の注入を免れる。さらに、いくつかの実施形態では、ポンプ1412および蠕動ポンプ1408の動作中のユーザの指による押しボタン1411のアクティブ化は、ポンプ1412の動作および蠕動ポンプ1408の動作を同時に停止する。他の実施形態では、例えば、ポンプ1412が停止し、その後、蠕動ポンプ1408がわずかに遅れて停止されるように、遅延を実現することができる。記載された遅延の長さは、約0.01秒から約1.00秒の間、または約0.10秒から約0.25秒の間であり得る。いくつかの実施形態では、コントローラ1484は、蠕動ポンプ1408の回転可能なヘッド1430の回転速度を変更するように、例えば、速度を上げるか、または速度を下げるように構成される。いくつかの実施形態では、コントローラ1484は、ポンプ1412の流量(注入速度)を変更する、例えば、注入速度を増加させるか、または注入速度を減少させるように構成される。いくつかの実施形態では、コントローラ1484は、両方のポンプ1408,1412の流速/流量を同時に変更するように構成される。いくつかの実施形態では、コントローラ1484は、ポンプ1408,1412のうちの1つの流速/流量を変更し、次に特定の遅延後にポンプ1408,1412の他の流速/流量を変更するように構成される。コントローラ1484からのこれらのコマンドのいずれも、圧力変換器1416から受信した信号の変化に応答し得る。そのピークパルス(例えば、正弦波ピーク振幅)における蠕動ポンプ1408は、詰まり状態の圧力変換器1416の読み取り値とフリーフロー状態の圧力変換器1416の読み取り値との間の差が増幅されるように、有意な負圧勾配を提供する。したがって、吸引カテーテル1402の吸引ルーメン1404の開放遠位端部1405から血栓が放出されるなど、より多くの潜在的な血栓塞栓性イベントが回避される。圧力変換器1416の圧力変動は、蠕動ポンプ1408を使用する場合、真空ポンプまたは他の真空源(例えば、真空シリンジ)を使用する場合よりも著しく大きくなる傾向がある。1つの重要な利点は、血餅/血栓が吸引されていないとき、したがって吸引がフリーフローであり、血栓1402を除去せずに失血を引き起こすとき、ユーザに明確に気付かせることができることである。吸引カテーテルの開放遠位端部1405の状態を認識することははるかに容易である。現在の真空ポンプには、アクティブ状態と休止状態を示す同様の明確な方法がない。したがって、ユーザに通知され、失血を最小限に抑え、血栓への再配置を可能にするために、ポンプ1408,1412が停止される。蠕動ポンプ1408はまた、真空ポンプよりも騒音が少なく、処置中の医療関係者のコミュニケーションを妨害したり、ストレスを増大させたりする可能性が低い傾向がある。
[00186]蠕動ポンプ1408を停止すると、拡張チューブ1438の圧縮可能部分1437を圧縮する位置に少なくとも1つのローラ1432が残る。したがって、開閉バルブ、ピンチバルブ、活栓、またはその他のバルブは必要ない。回転可能なヘッド1430がすでに動いているという事実は、蠕動ポンプ1408が停止されたときに、ローラ1432が大きな慣性要件なしに急速に閉塞位置に移動することを意味する。したがって、これにより、最初は動かず、つまむ前に動かす必要がある標準の電気的にアクティブ化されるピンチバルブのアクティブ化よりも速くすることができる。モータ1497は、回転可能なヘッドがローラ1432の1つを方向付けて、圧縮可能部分1437で拡張チューブ1438のルーメン1444を閉塞するように方向付けられる(例えば、コントローラ1484によって)ステッピングモータを備え得る。図36において、ローラ1432cは、ルーメン1444を閉塞する位置にある(モータ1497が停止された場合)。したがって、蠕動ポンプ1408自体は、ポンプの即時またはほぼ即時の停止が停滞を引き起こすので、本質的に遠位塞栓の可能性を最小限に抑えることができる。あるいは、ブラシレスDCモータなどの非ステッピングモータを、ステッピングモータの代わりに、エンコーダ(例えば、光学エンコーダ)または別のタイプの位置センサと共に利用することができる。さらに、浸軟されていない血餅は、したがって、吸引ルーメン1404に入るのを止めることができる。説明したように、他の実施形態では、ローラ1432は、ロールオーバする代わりに、拡張チューブ1438の圧縮可能部分1437上をスライドする非回転隆起または突起によって置き換えられ得る。いくつかの実施形態では、隆起/突起および/または圧縮可能部分1437の外面は、摩擦を低下させるために、シリコーン、親水性、または他の潤滑性材料でコーティングされ得る。
[00187]コントローラ1484は、ポンプ1412の動作を制御して、ポンプ1412に加圧流体を脈動的に注入させるように構成され得る。高圧ジェットは、血栓の一部でのジェットの切断能力を最適化するために、脈動するように適用される。例えば、吸引カテーテル1402の吸引ルーメン1404の開放遠位端部1405に吸引される血栓の一部を、レシプロソーと同じように、脈動ジェットによってより容易に切断することができる。コントローラ1484は、1つまたは複数のジェットが脈動するように、注入ルーメンを通して流体を加圧するためにポンプ1412を作動させるように構成される。コントローラ1484はまた、蠕動ポンプ1408を作動させて、注入ルーメンを通して注入されたその加圧流体が1つまたは複数のジェットを脈動させることをさらに支援するように構成される。例えば、コントローラ1484は、信号を送信して、モータ1491の速度に正弦波変動を引き起こすことができる。拍動性の程度(脈拍数、ピークパルス、脈波形状、立ち上がり時間、オン時間、オフ時間)は、ポンプ1412および/または蠕動ポンプ1408上のコントローラ1484によって調整され、制御可能に適用され得る。
[00188]蠕動ポンプ1408の使用は、拡張チューブ1438の吸引ルーメン1404およびルーメン1444の内部、ならびにその内容物が接触されないことを保証し、したがって、無菌性の維持をさらに保証する。蠕動ポンプ1408の使用はまた、除去される血液へのキャビテーションを最小限に抑えるか、または実質的に引き起こさない。蠕動ポンプ1408の近位で、吸引中にキャビテーションがあった場合、血液および吸引物がローラ1432を通過した後、血液は大気圧にさらされ、キャビテーションは消える。したがって、キャニスタ1458に収集された、または収集されている血液の量を判断するのはより簡単であり、それは、収集された血液の指示量がはっきりと見え、測定するのに信頼できるように、気泡または泡によって隠されないからである。さらに、例えば、被験者に再注入される場合、血液を迅速に再利用することがより簡単である。また、大きな気泡のない血液を注入する方が安全で信頼性が高くなる。魔法瓶や真空シリンジなどの真空源を使用すると、キャビテーションが大きくなる傾向があり得る。したがって、蠕動ポンプ1408は、効率的な処置を実現するために、また、再注入され得る血液の量を最大化するために使用され得る。チューブセット1464は、コネクタ1424の雄型ルアー1410で注入ルーメン1410の拡張部を吸引ルーメン1404から分離し、したがって、拡張チューブ1438の圧縮可能部分1437のみがローラ1432によって圧縮される必要がある。したがって、吸引カテーテル1402の他の部分は、ローラ1432によって圧縮されておらず、したがって、押しつぶされたり、さもなければ損傷したりする危険がない。吸引カテーテル1402の遠位端部1483は、いくつかの実施形態では、図17のカテーテル516の遠位端部に類似し得る。吸引カテーテル1402は、いくつかの実施形態では、図34の血栓摘出システム300、または2016年9月6日に発行され、“Systems and Methods for Management of Thrombosis”と題され米国特許第9433427号明細書に記載された血栓摘出カテーテル306によって置き換えられてもよい。蠕動ポンプ1408の使用は、真空ポンプと比較して追加の利点を有する。蠕動ポンプ1408は、ポンプ1412が注入しているときにのみ作動するように、コントローラ1484によって制御されるように構成され得る。したがって、真空ポンプは常にオン(動作状態)であるため、真空ポンプを使用するシステムと比較して、ノイズが低減される。
[00189]図37は、3つの異なるモダリティで血液が注入されている病院のベッド1502またはテーブルにいる被験者1500を示している。血栓摘出処置中に、血栓/血餅が被験者1500の血管から除去される。場合によっては、患者の血液量が異常に少なくなり、体液や血液を患者に再注入する必要がある。第1のモダリティでは、図36のシステム1400の蠕動ポンプ1408が示されている。吸引カテーテル1402が被験者1500に挿入され、吸引(血栓摘出)処置が実行されている。キャニスタ1458の代わりに、その遠位端部1442での拡張チューブ1438は、被験者1500の静脈に挿入される血管内(IV)ライン1504に接続されている。血液は、蠕動ポンプ1408のローラ1432によって駆動されて、血液フィルタ1506を通過し、これにより、血液が被験者の静脈に注入される前に、残留血栓または粒子を除去する。ヘパリンまたは他の添加物はまた、血管内(IV)ライン1504と連通するポート1481で被験者1500に注入されるときに血液に添加され得る。血液は単一の滅菌複合導管を通って流れるだけなので、効率的できれいな再注入方法が実現される。血液は、例えば、溶血を受けた赤血球または赤血球の一部を除去するために精製され得る。そのような再注入装置の1つは、Haemonetics Cell Saver(登録商標)Elite+Autotransfusion Systemである。蠕動ポンプ1408は、血球への損傷が少ないと考えられており、したがって、もしあれば、必要な洗浄が少なくなる可能性がある。したがって、蠕動ポンプ1408の利点のために、Cell Saverを使用した後のより高い血液収量が可能である。また、血液は、真空源で使用される収集容器からの移送では不可能である、拡張チューブ1438から直接、非接触の方法でCell Saverに容易に移送され得る。Cell Saverに直接送られると、血液は無菌状態に保たれることさえできる。いくつかの実施形態では、拡張チューブ1438は、有意に半透明であり得るので、血栓は、吸引中に評価され得る。ビデオカメラまたは拡大要素(低倍率顕微鏡など)の焦点を拡張チューブ1438に合わせて、吸引されている血栓の状態(量、浸軟の量)をよりよく識別することができる。患者の血管系内から除去されている血栓の状態について、ほぼリアルタイムのフィードバックがあり得る。
[00190]第2のモダリティでは、血液は、前の処置でキャニスタ1458に収集される(図36)。次に、血液を濾過するか、遠心分離機で回転させて特定の成分を得ることができる。ヘパリンまたは他の添加物も血液に加えることができる。次に、血液は、血液バッグ1508(または血液ボトル)に入れられ、IVライン1510を介した受動点滴を使用して(例えば、重力のみによって)被験者1500の静脈に注入される。他の場合には、加圧可能なバッグ1512を血液バッグ1508の周りに使用して、血液バッグ1508の圧縮を増加させ、したがって、静脈への流量を増加させることができる。場合によっては、血液は、例えば動脈ライン(a−line)を介して動脈系に直接注入されることさえあり得る。血液は、上記のようにさらに精製され得る。
[00191]第3のモダリティでは、血液は、前の処置でキャニスタ1458に収集される(図36)。次に、血液を濾過するか、遠心分離機で回転させて特定の成分を得ることができる。ヘパリンまたは他の添加物も血液に加えることができる。次に、血液は血液バッグ1514に入れられ、注入ポンプ1516を使用して被験者1500の静脈にポンプで送られる。挿入点1518a、1518b、1518cは、それぞれ第1、第2、および第3のモダリティについて示されている。血液は、上記のようにさらに精製され得る。
[00192]図38は、蠕動ポンプ1408に接続するように構成された開放遠位端部1405’および近位端部1406’を有する吸引ルーメン1404’を含む細長いシャフト1401’を備える吸引カテーテル1402’を備える代替の吸引システム1400’を示している。蠕動ポンプ1408は、ベース1426と、ベース1426によって運ばれる圧力シュー1428と、ベース1426に回転可能に接続され、2つ以上のローラ1432a〜1432dを運ぶ回転可能なヘッド1430とを有するローラポンプであり得る。ローラ1432a〜1432dは、回転可能なヘッド1430の周囲1434の周りに配列されている。回転可能なヘッド1430は、回転軸線1499に対して少なくとも第1の回転方向1436で回転可能であるように構成される。回転可能なヘッド1430は、モータ1497によって、直接、または歯車列1495と共に回転させることができる。蠕動ポンプ1408は電池式であり得、そして電池は有線または無線によって再充電可能であり得る。蠕動ポンプ1408は、代替的に、またはさらに、電源に接続するように構成された電源コード1493によって電力を供給され得る。遠位端部1440および近位端部1442を有し、それを通って延びるルーメン1444を有する拡張チューブ1438は、コネクタ1424’を介して吸引ルーメン1404’の近位端部1406’に液圧で接続されている。拡張チューブ1438は、吸引カテーテル1402’と共に(例えば、滅菌されて)供給され得るか、または別個に包装されて供給され得る。Touhy−Borstシール1446’は、コネクタ1424’に接続および取り外し可能であり(例えば、ルアー接続1750,1752を介して)、コネクタ1424’および吸引ルーメン1404’を通してガイドワイヤ1448を挿入できるように緩められる/開かれるように構成されている。したがって、吸引ルーメン1404’を使用して、被験者の血管系を通るガイドワイヤ1448を介して吸引カテーテル1402’を追跡することができる。Touhy−Borst1446’を締めてガイドワイヤ1448を密封し、止血を維持することができる。Touhy−Borst1446’の代わりに、ばね荷重がかけられ、長手方向に圧縮可能で作動可能なシールを含む他のタイプのシールを組み込むことができる。拡張チューブ1438の遠位端部1440は、yコネクタ1756の第1のバーブフィッティング1754上を滑る。第2の拡張チューブ1760は、yコネクタ1756の第2のバーブフィッティング1758上を滑る遠位端部1761を有する。第3の拡張チューブ1762は、yコネクタ1756の第3のバーブフィッティング1764上に滑り込む近位端部1763を有する。第2の拡張チューブ1760および第3の拡張チューブ1762は、崩壊することなく負圧下で動作するように構成され、標準的な吸引チューブを含み得る。第3の拡張チューブ1762の遠位端部1765は、成形、または接着接続もしくは溶接によって、またはルアー1766などの取り付け可能および取り外し可能な接続によって、コネクタ1424’の雌型ルアー1452’サイドポートに接続されている。第2の拡張チューブ1760および第3の拡張チューブ1762のそれぞれの長さは変えることができる。いくつかの実施形態では、第3の拡張チューブ1762は比較的短く、yコネクタ1756は、患者の近くの無菌領域に配置されるように構成される。他の実施形態では、第3の拡張チューブ1762は、比較的長くなるように構成され、yコネクタ1756は、患者から離れた非滅菌領域に配置されるように構成される。第2の拡張チューブ1760はオプションであり、第3の拡張チューブ1762ははるかに長い長さを有し得、圧力変換器1416/吸引監視システム1414は、バーブフィッティング1758の位置でyコネクタ1756に直接取り付けられ得る。この接続は直接接続であってもよく、このためバーブフィッティング1758もオプションである。より長い第3の拡張チューブ1762を使用する場合、yコネクタ1756および吸引監視システム1414は両方ともポンプ1412の近くにあり得、両方とも非滅菌領域に存在し得る。
[00193]使用中、回転可能なヘッド1430を回転方向1436に回転させると、ローラ1432による圧縮可能部分1437の圧縮を介して、一回ずつ、流体が拡張チューブ1438のルーメン1444を通して遠位端部1440から近位端部1442まで強制されるように、拡張チューブ1438の圧縮可能部分1437は蠕動ポンプ1408の圧力シュー1428内に配置される。任意選択で、蠕動ポンプ1408上のインタフェース1456は、ユーザが蠕動ポンプ1408またはシステム1400’の他の構成要素に情報またはコマンドを入力することを可能にするように構成される。それ以外の場合、ハードウェアまたはファームウェアは、特定の実行パラメータ(モータ速度、回転速度など)で事前にプログラムされている可能性がある。いくつかの実施形態では、2つのローラ1432のみが存在する。他の実施形態では、3つのローラ1432が存在する。さらに他の実施形態では、示されるように、4つのローラ1432が存在する。説明したように、ローラ1432を、隆起または突起によって置き換えることができる。圧縮可能部分1437は、シリコーンチューブ、ポリウレタンチューブ、ポリ塩化ビニルチューブ、または他の圧縮可能チューブを含み得る。圧縮可能セクション1437は、拡張チューブ1438の周辺端に取り付け可能および取り外し可能である比較的短いセクションであり得るか、または他の実施形態では、遠位端部1440と近位端部1442との間の拡張チューブ1438の全体を含み得る。拡張チューブ1438の近位端部1442は、内部1460を有するキャニスタ1458のハブ1457に接続されて、拡張チューブ1438を通過する流体1459が内部1460に通過することを可能にすることができる。キャニスタ1458内の追加のハブ1462は、(示されるように)開いたままにして、チャージされていない内部1460が大気圧に一致することを可能にすることができる。あるいは、キャニスタ1458は、その中に吸引物を収集するように構成された、空の注入バッグなどのバッグと交換することができる。
[00194]吸引カテーテル1402’はさらに、例えば、高圧ポンプ1412を介して、流体源1479から生理食塩水を注入するための高圧注入ルーメン1410’を有する。チューブセット1464は、ピストンもしくはベローズ、またはポンプ1412が内部モータ1491を使用して操作することができる他の可動要素を有するポンプカートリッジ1466を含み得、したがって、流体源1479からの生理食塩水(または他の流体)を著しく高い圧力で加圧して、生理食塩水が吸引カテーテル1402’の注入ルーメン1410’を通して強制されるようにする。チューブセット1464は、スパイク1489、またはチューブセット1464を流体源1479に液圧で接続するための他の接続要素を有する近位端部1468を含む。チューブセット1464は、雌型ルアー1472’を介して注入ルーメン1410’に液圧で接続するように構成された遠位端部1470(雄型ルアーを含み得る)をさらに有する。使用中、注入された生理食塩水は、ポンプ1412によって注入ルーメン1410’を通って強制され、注入ルーメン1410’の遠位端部1476’のオリフィス1474’から出る。注入ルーメン1410’は、実質的に完全にシャフト1401’内にある別個のチューブ1478’(注入チューブ)内に延在することができる。いくつかの実施形態では、チューブ1478’は、遠位端部分1403’でのみシャフト1401’の内壁に取り付けられている。したがって、吸引ルーメン1404’内のチューブ1478’の残りの部分の自由浮遊性は、シャフト1401’の柔軟性および追跡可能性を高める。高圧生理食塩水は、注入チューブ1478’を通ってオリフィス1474’から強制され、ジェットを引き起こす(図36のジェット1487と同様)。ジェットは、開放遠位端部1405’のすぐ近位の吸引ルーメン1404’内に向けられ、これはベンチュリ効果を生じさせ、外部で開放遠位端部1405’に隣接する血液または血栓を吸引ルーメン1404’に押し込む可能性がある。蠕動ポンプ1408の動作と高圧生理食塩水によって生成されたジェットとの組み合わせは、血栓の浸軟、および吸引ルーメン1404’を開放遠位端部1405’から近位端部1406’まで通り、コネクタ1424’の雌型ルアー1452’を通り、拡張チューブ1438のルーメン1444を遠位端部1440から近位端部1442まで通り、最後に、キャニスタ1458の内部1460に入る物質(生理食塩水/血液/浸軟された血栓/血栓の小片)の移動/流れを引き起こす。したがって、被験者の血管内の血栓を、システム1400’を使用することによって浸軟および除去することができる。血管は、末梢血管、冠状血管、または頸動脈もしくは大脳動脈を含む被験者の頭または首内の血管を含み得る。
[00195]圧力変換器1416を備える吸引監視システム1414は、圧力変換器1416が吸引ルーメン1404’に液圧で接続されるように、例えば、コネクタ1424’の近位および/または吸引カテーテル1402’の吸引ルーメン1404’の近位端部1406’の近位に接続され得る。図38の吸引システム1400’では、吸引監視システム1414は、吸引監視システム1414が非滅菌領域に存在するように、比較的長い第2の拡張チューブ1760によって(あるいは、図74の吸引システム2100の場合のように、比較的長い第3の拡張チューブ1762によって)、yコネクタ1756から距離を置いて配置される。したがって、吸引監視システム1414は、技術者、営業担当者、看護師、または「スクラブ」されておらず、したがって無菌状態を維持する必要のない他の医療関係者によって設定、準備、較正、および作動され得る。例えば、吸引監視システム1414は、ポンプ1412の近くに、またはポンプ1412と同じテーブル上に配置され得る。吸引監視システム1414は、本明細書に開示される他の吸引監視システム48,62,78,900,1216,1270に関連して説明される特徴のいずれかを含むことができる。圧力変換器1416からの信号は、電気ケーブル1480上でポンプ1412の入力1482に運ばれる。ポンプ1412内のコントローラ1484は、モータ1491を含むポンプ1412の動作を制御するように構成されるが、コントローラ1484はまた、ケーブル1486を介して、または無線で蠕動ポンプ1408の動作を制御するように構成され得る。コントローラ1484は、マイクロコントローラを備え得る。あるいは、コントローラ1484は、蠕動ポンプ1408内に配置されてもよく、または別の場所に配置されてもよい。圧力変換器1416からの測定された圧力の信号を使用する制御は、追加の安全要素をシステム1400’に追加する。さらに、機能していない装置(リーク、不完全な接続、不完全なプライミング、破裂、閉塞のため)をすばやく特定できる。許容できないほど高い圧力も迅速に識別でき、ポンプ1412のモータ1491を焼損または過熱の危険から保護する。チューブ1478’の完全性も保護され、例えば、破裂につながる可能性のある不自然に高い圧力を回避する。
[00196]吸引カテーテル1402’は、雌型ルアー1452’が雌型ルアー1472’からコネクタ1424’の遠位に位置することを除いて、図36の吸引カテーテル1402と同様である。したがって、吸引された血液/血栓/生理食塩水は、コネクタ1424’内の内部の不規則性1425’(ジオメトリ、形状における)に接触する必要なしに雌型ルアー1452’に入り、不規則性1425’は、さもなければ流れ抵抗を引き起こしたり、血栓を捕らえたりする可能性がある(例えば、チューブ1478’とコネクタ1424’の内部との間。
[00197]フットペダル1451は、ベース1453と、ベース1453に接続され、ユーザの足の適用によって移動可能または作動可能であるペダル1455とを有する。ペダル1455は、ばね荷重がかけられ、モーメントまたは圧縮力の適用によって押し下げられ得るか、または代わりに膜スイッチを備え得る。ペダル1455は、アクティブ化されると、いくつかの実施形態ではオンとオフを切り替えることができ、他の実施形態では、力、圧力、またはモーメントが加えられると作動可能であり、力、圧力、またはモーメントが加えられないときに非アクティブ化され得る。第1のケーブル1461は、入力ジャック1467に接続されたプラグ1465を介して、フットペダル1451からポンプ1412に信号を運ぶ。いくつかの実施形態では、ユーザの足によるペダル1455のアクティブ化により、第1のケーブル1461を介した信号がコントローラ1484によって受信され、ポンプ1412に始動するように命令し、ケーブル1486を介して、蠕動ポンプ1408に始動するように命令するので、ポンプ1412の動作を開始し、同時に蠕動ポンプ1408の動作を開始する。いくつかの実施形態では、ユーザの足によるペダル1455のアクティブ化は、蠕動ポンプ1408の動作を開始し、次に、蠕動ポンプ1408が開始された後わずかに遅れて、ポンプ1412の動作を開始する。遅延は、注入ルーメン1410’を通して加圧流体(例えば、生理食塩水)を注入する前に、いくらかの吸引またはかなりの量の吸引が吸引ルーメン1404’に適用されていることを保証するのに有用である。したがって、開放遠位端部1405’の近くの血管または他の血管系は、代わりに、血栓または血液と共に、吸引ルーメン1404’を通して吸引されるので、高圧ジェットからの流体の注入を免れる。いくつかの実施形態では、フットペダル1451のプラグ1465は、抵抗器1759を含み得、ポンプ1412は、抵抗器1759の抵抗値を読み取るように構成された識別回路1757を含み得る。例えば、抵抗器1759は、ポンプ1412がフットペダル1451を認識し、それに応じて動作することができるように、識別回路1757上に搭載される部分的なホイートストンブリッジを完成させることができる。あるいは、抵抗器1759は、プラグ1465の代わりに、フットペダル1451自体に存在し得る。ケーブル1461は、その特定の場合に抵抗器1759への電気的接続を実現し得る。あるいは、抵抗器1759は、識別回路1757によって電力が供給され、読み取られるように構成されたRFIDチップによって置き換えられ得る。
[00198]さらに、いくつかの実施形態では、ポンプ1412および蠕動ポンプ1408の動作中にユーザの足によるペダル1455のアクティブ化は、ポンプ1412の動作および蠕動ポンプ1408の動作を同時に停止する。他の実施形態では、例えば、ポンプ1412が停止し、その後、蠕動ポンプ1408がわずかに遅れて停止されるように、遅延を実現することができる。記載された遅延の長さは、約0.01秒から約1.00秒の間、または約0.10秒から約0.25秒の間であり得る。フットペダル1451を介したポンプ1412および/または蠕動ポンプ1408の作動(オン/オフ)は、ハンズフリー起動を可能にし、単一ユーザが両手で吸引カテーテル1402’およびガイドワイヤ1448を操作することを可能にする。フットペダル1451の位置は、ユーザが患者および/または任意のモニタ、あるいは他の医療関係者との視覚的接触を維持しながら、ユーザの足で触覚的に見つけることができる。あるいは、第2のケーブル1463は、入力ジャック1471に接続されたプラグ1469を介して、フットペダル1451から蠕動ポンプ1408に直接信号を運ぶ。したがって、フットペダル1451の動作は、例えば、ケーブル1486がない実施形態において、蠕動ポンプ1408の動作を制御するように構成され得る。しかしながら、ケーブル1486を含む図38の実施形態では、ケーブル1463は必要とされない。
[00199]他の実施形態では、フットペダル1451は、トグルオン/オフ押しボタンもしくはハンドスイッチ、音声作動スイッチ(音声作動、拍手作動、クリック作動)、光スイッチ(手または足の遮断用のビーム/光センサ)、または医療関係者がアクティブにできるその他の種類のスイッチを含むがこれらに限定されない別のタイプのスイッチで置き換えられ得る。スイッチは、離れた場所(例えば、制御室)にある場合もあれば、処置領域の近くにある場合もある。スイッチはまた、無菌スイッチである場合もあれば、無菌領域上の位置のために滅菌可能である場合もある。
[00200]場合によっては、蠕動ポンプ1408によって吸引ルーメン1404’に適用される吸引流のアクティブ化および非アクティブ化(オンおよびオフにすること)は、ユーザが活栓1454を開閉する間、蠕動ポンプ1408を運転状態のままにすることによって行うことができる。いくつかの実施形態では、コントローラ1484は、蠕動ポンプ1408とポンプ1412の両方の開始を略同時に制御する。いくつかの実施形態では、コントローラ1484は、蠕動ポンプ1408の開始を制御し、特定の遅延に続いて、ポンプ1412の開始を制御する。遅延は、前述の範囲内であり得る。
[00201]コントローラ1484はまた、過圧検出、気泡検出、および真空チャージまたは負圧チャージを含むいくつかの装置安全機能を監視および制御する。コネクタ1424’に搭載された追加の圧力変換器1415’は、圧力(すなわち、注入圧力)を監視し、気泡の存在を感知する。あるいは、または組み合わせて、光学装置1417’を使用して気泡を感知することができる。1つの考えられる実施形態では、ポンプ圧力は、その特定の圧力を生成するためにポンプ1412が必要とする電流に比例する。したがって、ポンプ1412によって必要とされる電流が予め設定された限度を超える場合、コントローラ1484は、ポンプ1412への電力を切断することによってポンプ1412を作動不能にする。気泡の検出を、特定の瞬間にポンプ1412を駆動するのに必要な電流を監視することによっても監視することができる。ポンプ1412が高い流体圧力に到達するために、ポンプ1412または接続システム(吸引カテーテル1402’の吸引ルーメン1404’およびチューブセット1464を含む)に空気(非常に圧縮性である)がほとんどまたは全く存在しないはずである。流体容積は、システム内の空気によりポンプヘッドに圧力が発生しないように十分に小さい。有限量の空気を流すには、近位に十分な量の液体が必要である。コントローラ1484は、空気がシステムに入ったことを示す可能性のある急激に下降する変化に対するポンプ1412電流を監視する。降下速度が予め設定された制限よりも速い場合、コントローラ1484は、問題が修正されるまで、ポンプ1412への電力を切断することによってポンプ1412を作動不能にする。
[00202]いくつかの実施形態では、流体レベルセンサ1473は、キャニスタ1458の側面に搭載され、キャニスタ1458がそのフルレベルに近づいたか、またはそれに達したときを感知するように構成される。流体レベルセンサ1473は、ポンプ4112の入力1477(プラグ/ジャック)を介して取り付けられたケーブル1475を介して信号を出力するように構成される。流体レベルセンサ1473からの信号は、前述のように、ポンプ1412と、ケーブル1486を介して蠕動ポンプ1408を同時に、またはそれらの間で遅延して即時に停止するように構成できるコントローラ1484によって受信され得る。流体レベルセンサ1473は、光学センサを含み得、キャニスタ1458は、流体が隣接して存在しない場合、または流体が隣接して存在する場合に、光学センサが反射変動を測定することを可能にするために、透明な壁を有し得る。あるいは、流体レベルセンサ1473は、「フル」キャニスタ1458を表す所望の高さで、キャニスタ1458の容積1460内にあるピエゾ抵抗圧力センサを含み得る。フロート、ひずみゲージ、レーザセンサ、超音波センサ、または静電容量センサなど、他のタイプの流体センサも検討されている。これらの実施形態のそれぞれにおいて、信号は、無線でまたはケーブル1475を介して送信され、その結果、蠕動ポンプ1408および/またはポンプ1412は、「フル」レベルに達したときにシャットダウンされ得る。
[00203]いくつかの実施形態では、蠕動ポンプ1408およびポンプ1412は、単一のコンソールに組み合わされる。これにより、標準のIVポールに取り付けることができるより小さなサイズが可能になる。図74は、図38の1400’である吸引システムのすべての特徴を有する吸引システム2100を示しているが、蠕動ポンプ特徴2108および注入ポンプ特徴2112は両方とも単一のコンソール2102に含まれている。第3の拡張チューブ1762は細長く、吸引監視システム1414は、yコネクタ1756に直接接続されるかまたは接続可能である。吸引監視システム1414は、非滅菌領域に存在し得る。したがって、吸引監視システム1414は、技術者、営業担当者、看護師、または「スクラブ」されておらず、したがって無菌状態を維持する必要のない他の医療関係者によって設定、準備、較正、および作動され得る。例えば、吸引監視システム1414は、コンソール2102と同じテーブル上に配置され得る。同様の接続がコンソール2100の内部に配置されているので、図38のシステム1400’のケーブル1486は必要ではない。ケーブル1461は、フットペダル1451との間ですべての信号を転送することができるので、図38のシステム1400’のケーブル1463も必要ではない。ルアー1766は、取り付け可能および取り外し可能であり得るか、または他の実施形態では、コネクタ1424’の雌型ルアー1452’に恒久的に接続され得る。
[00204]図39は、図38の吸引カテーテル1402’を含む代替の吸引システム1400’’を示している。しかしながら、蠕動ポンプ1408の代わりに遠心ポンプ1409が代用されている。拡張チューブ1438の近位端部1442は、吸引物がチャンバ1419に入ることを可能にする入口1413に接続されている。インペラ1421は、第1のベアリング1423および第2のベアリング1427によってチャンバ1419内に回転可能に保持される。第1のシール1429および第2のシール1431は、吸引物が漏れることなくインペラ1421を回転させる(湾曲した矢印)ことを可能にする。モータ1433は、インペラ1421を回転させるように構成される。吸引物は、出口1435から、キャニスタ1458のハブ1457に接続された出口チューブ1439に押し出される。ユーザインタフェース1441は、遠心ポンプ1409を作動させるためにユーザによって操作され得る。いくつかの実施形態では、Angiodynamics AngioVac遠心ポンプを遠心ポンプ1409として使用することができる。
[00205]図36、図38、および図39の吸引カテーテル1402,1402’は、注入ルーメン1410,1410’を介した加圧流体注入を有するものとして示されている。しかしながら、吸引カテーテル1402,1402’が図1の吸引カテーテル4などの標準的な吸引カテーテルによって置き換えられる、吸引システム1400,1400’の他の実施形態は、注入ルーメンを有さない。
[00206]吸引された物質を血液バッグ、血液ボトル、またはキャニスタ1458に収集する代わりに、吸引された成分(血液、血栓、生理食塩水、スラリーなど)を、Stryker ConstaVac(CBCII)Blood Conservation System、またはHaemonetics OrthoPAT Orthopedic Perioperative Autotransfusion Systemなどの再注入装置に配置できる。血液は、例えば、溶血を受けた赤血球または赤血球の一部を除去するために、再注入装置によって精製され得る。そのような再注入装置の1つは、Haemonetics Cell Saver(登録商標)Elite+Autotransfusion Systemである。
[00207]いくつかの実施形態では、血液は、注入される前に冷却され得る。いくつかの実施形態において、血液は、注入される前に加熱され得る。いくつかの実施形態において、他の薬物は、それが挿入される前に血液に加えられ得る。場合によっては、血液を生理食塩水で希釈して、粘度を下げたり、ヘマトクリット値を下げたりすることがある。これにより、溶血の減少が起こる可能性がある。場合によっては、キャニスタ1458に収集された血液、または拡張チューブ1438から来る血液は、別の患者に注入するためのドナー血液としてさえ使用され得る。
[00208]いくつかの実施形態では、ドップラセンサ、赤外線センサ、またはレーザフロー検出装置を含むが、これらに限定されない追加のまたは代替のセンサが、ユーザに通知するためのフロー状態を監視するために使用されてもよい。いくつかの実施形態では、外部に取り付けられた(非接触)ドップラセンサが使用されてもよい。いくつかの実施形態では、赤外線センサやレーザフロー検出装置が、拡張チューブ1438の周囲に使用されてもよい。代替センサ(例えば、フローセンサなど)は、吸引経路に沿ったいくつかの異なる場所に配置されてもよく、異なる場所には、拡張チューブ1438上またはその中、遠心ポンプ1409のインペラ1421の遠位、あるいは遠心ポンプ1409のインペラ1421の近位にある出口チューブ1439上またはその中が含まれる。または、蠕動ポンプ1408を使用する実施形態では、代替センサは、蠕動ポンプ1408の回転可能なヘッド1430の遠位または近位の拡張チューブ1438上またはその中に配置され得る。
[00209]超音波センサ1602を利用する吸引システム1600が図40〜図42に示されている。吸引システム1600は、超音波センサ1602および他の関連する構成要素が追加されていることを除いて、図38の吸引システム1400’に類似している。代替の実施形態は、本明細書に開示される他の吸引システムの実施形態の教示を利用することができる。超音波センサは、例えば、0ボルトDCから1ボルトDC、または0ボルトDCから5ボルトDC、または0ボルトDCから10ボルトDCの範囲で、アナログ出力(例えば、可変電圧出力を有する)用に構成され得る。図41を参照すると、超音波センサ1602は、yコネクタ1604のサイドポート1606内に挿入されている。yコネクタ1604は、チューブ1610の近位端部1603に取り付けられた遠位コネクタ1608を有する。チューブ1610は、遠位コネクタ1608を構成するバーブ1605上をスライドする。チューブ1610の遠位端部1607は、コネクタ1609およびコネクタ1424’の雌型ルアー1452’に取り付けられた吸引監視システム1414を介して、吸引カテーテル1402’の吸引ルーメン1404’の近位端部1406’に接続されている。yコネクタ1604の近位コネクタ1612は、拡張チューブ1614の摩擦フィッティング1616に接続されている。近位コネクタ1612はまた、バーブを備える。拡張チューブ1614は、蠕動ポンプ1608に接続可能であるが、代わりに、遠心ポンプ1409、または本明細書に記載の真空源の1つに接続され得る。超音波センサ1602は、その遠位端部1618が吸引流(直線矢印)に隣接するように配置される。超音波センサ1602の近位端部にあるフィッティング1620は、超音波センサ1602をその所望の位置でサイドポート1606に固定するように構成される。これは、摩擦嵌合、ねじ取り付け、スナップ、および接着接続、熱接続、または他の固定手段であり得る。超音波センサの出力(例えば、電圧)は、ケーブル1622を介して伝達される。ケーブル1622およびフィッティング1620に接続されたストレインリリーフ1601は、ケーブル1622の第1の端部1611を、曲げ、張力、または圧縮による損傷から保護するように機能する。
[00210]一実施形態では、超音波センサ1602は、0から5ボルトDCの間で変化する、接地を基準とする信号を出力するアナログチャネルを有する。非常に小さい流量の場合、信号は正弦波であることがよくあるが、血餅/血栓/血液の吸引中に一般的に発生する高い流量では、流量が十分に大きいため、チャネルが飽和し、流れにほぼ比例した可変デジタルパルスストリームとして表示される。このチャネルのパルス周波数は比較的高い。つまり、流量が特定の値を超えると、疑似デジタルオン/オフが発生する。この特定の値は、適切な電子機器を接続することで調整され得る。チャネルの疑似デジタル特性と共に、優先度の高い割り込みハンドラに給電する専用のデジタルI/Oピンが利用される。これにより、このパルスストリームの立ち上がり信号遷移を一定の時間間隔で非常に効率的にカウントできる。1つまたは複数の事前に決定された閾値を上回る/下回るパルスカウントは、最終的に、システム全体がフリーフロー状態か血餅除去状態か、そしてそれがどの程度かを決定する。
[00211]図42は、ケーブル1622の第2の端部1613にあるプラグ1628が取り付けされる入力ジャック1626を有するコンソール1624を示している。コンソール1624は、超音波センサ1602によって出力されている信号が所定の閾値振幅Aを超える所定の期間Pの間に回数Nをカウントするように構成された内部測定装置1630を含む。測定装置1630は、回数Nが(a)所定の値Vよりも大きい(または以上)か(b)所定の値Vより小さい(または以下)かを決定するようにさらに構成される。例えば、一実施形態では、所定の期間Pは、0.33秒として(例えば、ユーザインタフェース1632を介して)測定装置1630に入力される。測定装置1630内のアルゴリズムは、この所定の期間Pの間に超音波センサ1602によって出力される閾値交差数をカウントする。次に、測定装置1630は、特定の論理スキームを適用する。いくつかの実施形態では、この論理スキームは、単に「フロー」または「フローなし」であり得る。例えば、期間P内に0カウントから150カウントがある場合、「フローなし」条件が識別され、期間P内に151以上のカウントがある場合、「フロー」条件が識別される。測定装置1630は、マイクロプロセッサを備え得る。コンソール1624に搭載された通信装置1634は、測定装置1630によって、または別個のコントローラによって制御されて、「フローなし」状態の第1の通信モードおよび「フロー」状態の第2の通信モードを識別することができる。いくつかの実施形態では、第1の通信モードは、通信装置1634からの信号が存在しないこと(例えば、光が点灯しない、音が発生しない、振動または熱が発生しない)を含み得、第2の通信モードは、光が点灯すること、またはメッセージが表示されること(例えば、「フロー」という単語)、または音声メッセージが再生されること(「吸引が発生している」ことを示す音声)、または音声警告(例えば、「ビープ音」)、または機械的警告(例えば、振動)を含み得る。通信の振幅(例えば、音のdB、光の強さなど)は、増加ボタン1615を押すことによって増加するか、または減少ボタン1617を押すことによって減少することができる。振幅の現在のレベルがディスプレイ1619に表示される。ディスプレイは、点灯するように構成された一連のLED1621を備え、より高い振幅がより多くのLEDが点灯することに対応するようにすることができる。
[00212]他の実施形態では、第1の通信モードおよび第2の通信モードはそれぞれ、それぞれが互いに異なるいくつかの知覚可能な信号(聴覚、視覚、触覚)を含み得る。他の実施形態では、より複雑な論理スキームを使用することができる。例えば、0.33秒の所定の期間Pについて、期間P内に0カウントから150カウントがある場合、「フローなし」状態が識別される;期間P内に151から225のカウントがある場合、「低フロー」状態が識別される;期間P内に226から350のカウントがある場合、「中フロー」状態が識別される;また、351以上のカウントがある場合、「高フロー」状態が識別される。「フローなし」状態は、第1の通信モードに対応し、「低フロー」状態は、第2の通信モードに対応し、「中フロー」状態は、第3の通信モードに対応し、「高フロー」状態は、第4の通信モードに対応し得る。第1の通信モードは、無音および/または非視覚的/非振動的/非加熱などのままである通信装置1634によって処理され得る。第2の通信モードは、2Hzの周波数での通信装置のビープ音(オーディオスピーカを介して)または点滅(導かれたまたは他の光を介して)によって処理され得る。第3の通信モードは、4Hzの周波数での通信装置のビープ音(オーディオスピーカを介して)または点滅(導かれたまたは他の光を介して)によって処理され得る。第4の通信モードは、10Hzの周波数での通信装置のビープ音(オーディオスピーカを介して)または点滅(導かれたまたは他の光を介して)によって処理され得る。別の実施形態では、第2の通信モードは、0.5Hzの周波数での通信装置のビープ音(オーディオスピーカを介して)または点滅(導かれたまたは他の光を介して)によって処理され得る。第3の通信モードは、1Hzの周波数での通信装置のビープ音(オーディオスピーカを介して)または点滅(導かれたまたは他の光を介して)によって処理され得る。第4の通信モードは、2Hzの周波数での通信装置のビープ音(オーディオスピーカを介して)または点滅(導かれたまたは他の光を介して)によって処理され得る。さらに、または代わりに、信号の強度は、第2の通信モードから第4の通信モードにかけて増加し得る。例えば、第2から第3まで10dB増加し、第3から第4までさらに10dB増加する。または、毎回5dBずつ増加する。
[00213]代替の実施形態では、超音波センサ1602は、アナログデジタルモジュールを有し得、1(特定の閾値流量以上のフロー)または0(特定の閾値流量未満のフロー)に特有のデジタル信号のみを出力し得る。
[00214]所定の期間Pは、約0.01秒から約1.00秒の間、または約0.10秒から約0.50秒の間、または約0.20秒から約0.40秒の間であり得る。所定の期間Pは、例えば、ユーザインタフェース1632を介して、ユーザによって調整可能であり得る。
[00215]特定の吸引処置では、血栓が十分に吸引されていないが吸引が続く場合、容認できないほど大量の血液が患者から吸引される可能性がある。これは、脱水症、血圧の低下、さらには患者の失血を引き起こす可能性があり、すべての潜在的に深刻なイベントは、処置の成功を危険にさらし、患者を危険にさらす可能性がある。血液が許容できない速度で吸引されているかどうかを常に認識する能力は、高度な安全性と効率を達成するための重要な要因である。
[00216]一定期間にわたって患者から吸引される流体、血液、血栓、または他の物質を計量することによって決定されるように、フロー状態および/または流量情報をユーザに伝達するように構成されるカテーテル吸引のためのシステムが本明細書に開示される。
[00217]図43は、蠕動ポンプ208に接続するように構成された開放遠位端部205および近位端部206を有する吸引ルーメン204を含む細長いシャフト201を備える吸引カテーテル202を備える吸引システム200を示している。蠕動ポンプ208は、ベース226と、ベース226によって運ばれる圧力シュー228と、ベース226に回転可能に接続され、2つ以上のローラ232a〜232dを運ぶ回転可能なヘッド230とを有するローラポンプであり得る。ローラ232a〜232dは、回転可能なヘッド230の周囲234の周りに配列されている。回転可能なヘッド230は、少なくとも第1の回転方向236で回転可能であるように構成される(例えば、図36に示されるように、モータによって、直接、または歯車列を用いて)。蠕動ポンプ208は電池式であり得、そして電池は有線または無線によって再充電可能であり得る。蠕動ポンプ208は、代替的に、またはさらに、電源に接続するように構成された電源コードによって電力を供給され得る。遠位端部240および近位端部242を有し、それを通って延びるルーメン244を有する拡張チューブ238は、コネクタ224を介して、吸引カテーテル202の吸引ルーメン204の近位端部206に液圧で接続されている。拡張チューブ238は、吸引カテーテル202と共に(例えば、滅菌されて)供給され得るか、または別個に包装されて供給され得る。コネクタ224に搭載されたTouhy−Borstシール246は、コネクタ224および吸引ルーメン204を通してガイドワイヤ248を挿入できるように緩められる/開かれるように構成され、これは、被験者の血管系を通して吸引カテーテル202を追跡するために使用され得る。Touhy−Borst246を締めて、ガイドワイヤ248を密封し、止血を維持することができる。Touhy−Borst246の代わりに、ばね荷重がかけられ、長手方向に圧縮可能で作動可能なシールを含む他のタイプのシールを組み込むことができる。拡張チューブ238は、コネクタ224の雌型ルアー252に接続するために、その遠位端部240に雄型ルアー250を含む。または、示されるように、吸引監視システム214がそれらの間に取り付けられてもよい。雄型ルアー250は、開位置(示されている)または閉位置を選択するために回転するように構成された活栓254を含み得る。あるいは、拡張チューブ238は、吸引ルーメン204と一体であり得るか、またはコネクタ224に恒久的に取り付けられ得る。使用中、(例えば、ユーザによるインタフェース256への入力を介して)回転可能なヘッド230を回転方向236に回転させると、ローラ232による圧縮可能部分237の圧縮を介して、一回ずつ、流体が拡張チューブ238のルーメン244を通して遠位端部240から近位端部242まで強制されるように、拡張チューブ238の圧縮可能部分237は蠕動ポンプ208の圧力シュー228内に配置される。いくつかの実施形態では、2つのローラ232のみが存在する。他の実施形態では、3つのローラ232が存在する。さらに他の実施形態では、示されるように、4つのローラ232が存在する。説明したように、ローラ232を、隆起または突起によって置き換えることができる。圧縮可能部分237は、シリコーンチューブ、ポリウレタンチューブ、ポリ塩化ビニルチューブ、または他の圧縮可能チューブを含み得る。圧縮可能部分237は、拡張チューブ238の周辺端部に取り付け可能および取り外し可能である比較的短いセクションであり得るか、または他の実施形態では、遠位端部240と近位端部242との間の拡張チューブ238全体を含み得る。拡張チューブ238の近位端部242は、キャニスタ258のキャップ213上に形成されたハブ257に接続され得、内部260を有するキャニスタ258は、拡張チューブ238を通過する流体259が内部260に入ることを可能にすることができる。キャニスタ258内に追加のハブ262が設けられてもよく、そして(示されるように)開いたままにして、満たされていない内部260が大気圧に一致することを可能にすることができる。
[00218]使用中、吸引カテーテル202の遠位セクションは、開放遠位端部205が血栓に隣接するか、または血栓内にあるように、被験者の血管系に挿入される。次に、血栓を含む流体が、蠕動ポンプ208の作用によって吸引ルーメン204に吸引され、吸引システム200を使用して除去される。治療される血管は、末梢血管、肺動脈などの肺血管、冠状血管、または頸動脈もしくは大脳動脈を含む被験者の頭または首内の血管を含み得る。
[00219]吸引システム200は、吸引の状態に関する情報をユーザに提供するように構成された吸引監視システム1800をさらに備える。吸引監視システム1800は、複数の時点でキャニスタ258の内部260の底部に蓄積した流体259を測定し、したがって、拡張チューブ238のルーメン244から出る流体259の(体積)流量を推定することによって機能する。吸引監視システム1800は、ベース1804を有するスケール1802(または天びん)を備える。計量プラットフォーム1806は、ベース1804に接続され、ベース1804に対して移動可能であり(例えば、垂直軸線Vに沿って)、このため、キャニスタ258の底部に蓄積された流体259の重量により、重量を示す信号1808が出力される。スケールは、重量を示す信号1808を出力するように構成され得、またはいくつかの実施形態では、質量の値を出力できるように、スケール1802が存在する特定の高度(海抜)がスケール1802に入力され得る。標準設定では、処置が海面位で行われると想定し、それに応じて質量を計算する場合がある。いくつかの実施形態では、スケール1802は、質量を出力できるように、高度を自動的に決定するための高度計または他のセンサを含むことさえできる。とにかく、重量が出力された場合でさえ、経時的な流体259の重量の変化は、任意の特定の高度での経時的な流体259の質量の変化に比例する。したがって、信号1808は、時間の経過に伴う流体259の質量の変化を実証することを可能にする範囲内にとどまりながら、質量を示すか、または重量を示すことができる。したがって、システム200は、キャニスタ258に捕捉された血液の総累積重量/質量の評価によって、患者からの失血を予測することができる。測定された血液の重量/質量を、システム200によって失われた血液の量(ml)に変換することができる。
[00220]信号1808は、プロセッサ1810に送信される。図44も参照されたい。マイクロプロセッサを備え得るプロセッサ1810は、時間データと信号からの重量または質量値との組み合わせを可能にするクロックを含む。いくつかの実施形態では、スケール1802は、キャニスタ258の風袋重量を、スケール1802によって計量される量から差し引くことができるように、風袋ボタンまたは制御装置を含み得る。したがって、スケール1802は「ゼロ化」され、キャニスタ258内の流体259の重量または質量のみが各時点で計量される。信号1808の値がタイムスタンプと共に取得されるサンプルレートは、約0.01Hzから約10kHzの間、または約0.02Hzから約1kHzの間、または約1Hzから約100Hzの間の範囲であり得る。処理された信号1812は、ユーザが見るためにグラフィックディスプレイ1814に出力される。いくつかの実施形態では、グラフィックディスプレイ1814は、x−yグラフ1816を表示することができ、ここで、x軸は時間を表し、y軸は、キャニスタ258内の流体259の重量または質量を表す。他の実施形態では、グラフィックディスプレイ1814は、x−yグラフ1816を表示することができ、ここで、x軸は時間を表し、y軸は流量を表す。流量(FR)を、次の式から計算できる。
[00221]FR=(Wc−Wp)/(Tc−Tp)、ここで
Wcは、流体259の重量の現在の値
Wpは、流体259の重量の以前の値
Tcは、現在のタイムスタンプ値
Tpは、以前のタイムスタンプ値である。
[00222]他の実施形態では、流量(FR)を、以下の式から計算できる。
[00223]FR=(Wc−Wpn)/(Tc−Tpn)、ここで
Wcは、流体259の重量の現在の値
Wpnは、流体259の重量のn番目の前の値
Tcは、現在のタイムスタンプ値
Tpnは、n番目の前のタイムスタンプ値である。
[00224]他の実施形態では、流量は、ランニング平均またはローリング平均などの移動平均として構築され得る。単純移動平均、累積移動平均、加重移動平均、または指数移動平均を含むいくつかのタイプの移動平均が使用されてもよい。
[00225]x−yグラフの代わりに、1つまたは複数のLEDライトを備える視覚的ディスプレイが使用されてもよい。例えば、より高い流量は、緑の色合いの範囲によって示され得、一方、より低い流量は、赤の色合いの範囲によって示され得る。あるいは、光の強度は、流量の変化、または重量もしくは質量の変化に応じて変化し得る。例えば、光の強度は、測定された/計算された流量に比例し得る。ラウドスピーカは、時間の経過に伴う重量/質量の変化、または時間の経過に伴う流量の変化を、値の変化に比例して変化するピッチを有する連続または継続音として提示する場合がある。例えば、ピッチが高いと、流量が多い。あるいは、音の強さを変えることもできる(より高い流量=より高いdB)。
[00226]流量の変化は、吸引システム200における動作の発生の数を示し得る。例えば、有意な量を突然減少させる流量は、血栓が吸引ルーメン204または拡張チューブ238のルーメン244内で詰まっていることを示し得る。場合によっては、90%以上の流量の減少は詰まりを示している可能性がある。詰まりが発生すると、吸引されてキャニスタ258に供給される流体の量が厳しく制限される可能性がある。ラウドスピーカ1818はまた、流量の閾値を交差したときに可聴警報を生成するように構成される。閾値流量は、ユーザインタフェース1820を使用して、スケール1802のメモリ1822に入力することができる。流量が閾値流量よりも低い値に減少すると、ラウドスピーカ1818は警報を鳴らすようにされる。いくつかの実施形態では、蠕動ポンプ208内のコントローラ215は、プロセッサ1810に(有線または無線で)接続され得、ラウドスピーカ1818の警報をアクティブにするように構成され得る。流量が閾値流量を超えて増加すると、警報が鳴らなくなるように、ラウドスピーカ1818が非アクティブ化され得る。あるいは、ラウドスピーカ1818は、視覚警報および/または触覚警報によって置き換えられるか、または増強され得る。視覚警報は、1つまたは複数のLEDを含む1つまたは複数の光を含み得る。触覚警報は、圧電などの振動装置、または重量オフセット回転装置を含み得る。
[00227]流量の変化は、管状部材の1つの壁の破裂、または接続の1つの切断など、状態の他の変化を示している場合もある。これらの漏れ状態の1つでは、流量が大幅に減少する可能性があり、したがって、吸引監視システム1800によって測定された流量変化によって識別される。システム200は、血液のフリーフローが検出されたときに(例えば、ラウドスピーカ1818を介して)警報をアクティブにするように構成され得る。言い換えれば、システムが明らかに血液のみを吸引しており、血栓を吸引していないときである。したがって、自由に流れる血液を示すメモリ1822に記憶された特定の閾値を超えて交差する測定された流量は、コントローラ215に警報をアクティブ化させ得る。
[00228]圧力変換器216を含む二次吸引監視システム214は、例えば、拡張チューブ238の遠位端部240と、吸引カテーテル202の吸引ルーメン204のコネクタ224および/または近位端部206との間に接続され得る。圧力変換器216からの信号は、無線で、またはケーブル(図示せず)によってコントローラ215に運ばれ得る。コントローラ215は、マイクロコントローラを備え得る。コントローラ215は、蠕動ポンプ208内に配置されてもよく、あるいは別の構成要素または場所に配置されてもよい。測定された圧力を使用して制御することにより、システム200に追加の安全要素が追加される。さらに、機能していない装置(リーク、不完全な接続、不完全なプライミング、破裂、閉塞のため)をすばやく特定できる。許容できないほどの高圧または低圧も迅速に識別でき、蠕動ポンプ208のモータを焼損または過熱の危険から保護する。圧力変換器216およびスケール1802からのデータを一緒に使用して、吸引流を示す、または血餅/血栓の存在、詰まりの存在、破裂の存在もしくは流体回路の切断を示す、より正確な信号を最適化または作成することができる。
[00229]ベース253と、ベース253に接続され、ユーザの足の適用によって移動可能または作動可能であるペダル255とを有するフットペダル251が示されている。ペダル255は、ばね荷重がかけられ、モーメントまたは圧縮力の適用によって押し下げられ得るか、または代わりに膜スイッチを備え得る。ペダル255は、アクティブ化されると、いくつかの実施形態ではオンとオフを切り替えることができ、他の実施形態では、力、圧力、またはモーメントが加えられると作動可能であり、力、圧力、またはモーメントが加えられないときに非アクティブ化され得る。ケーブル263は、入力ジャック271に接続されたプラグ269を介して、フットペダル251から蠕動ポンプ208に信号を運ぶ。ペダル255は、蠕動ポンプ208の動作を開始または停止するために、ユーザの足によってアクティブ化され得る。
[00230]他の実施形態では、フットペダル251は、トグルオン/オフ押しボタンもしくはハンドスイッチ、音声作動スイッチ(音声作動、拍手作動、クリック作動)、光スイッチ(手または足の遮断用のビーム/光センサ)、または医療関係者がアクティブにできるその他の種類のスイッチを含むがこれらに限定されない別のタイプのスイッチで置き換えられ得る。スイッチは、離れた場所(例えば、制御室)にある場合もあれば、処置領域の近くにある場合もある。スイッチはまた、無菌スイッチである場合もあれば、無菌領域上の位置のために滅菌可能である場合もある。
[00231]場合によっては、蠕動ポンプ208によって吸引ルーメン204に適用される吸引流のアクティブ化および非アクティブ化(オンおよびオフにすること)は、ユーザが活栓254を開閉する間、蠕動ポンプ208を運転状態のままにすることによって行うことができる。あるいは、拡張チューブ238に接続されたピンチバルブ(図示せず)を使用して、ルーメン244を開閉し、したがって吸引を開始および停止することができる。ピンチバルブは、フットペダル(フットペダル251と同様)によって作動させることができ、または別の制御装置(例えば、蠕動ポンプ208のインタフェース256上)によって作動させることができる。
[00232]吸引された物質を血液バッグ、血液ボトル、またはキャニスタ258に収集した後、吸引された成分(血液、血栓、生理食塩水、スラリーなど)を、Stryker ConstaVac(CBCII)Blood Conservation System、またはHaemonetics OrthoPAT Orthopedic Perioperative Autotransfusion Systemなどの再注入装置に配置できる。
[00233]いくつかの実施形態では、血液は、注入される前に冷却され得る。いくつかの実施形態において、血液は、注入される前に加熱され得る。いくつかの実施形態において、他の薬物は、それが挿入される前に血液に加えられ得る。場合によっては、血液を生理食塩水で希釈して、粘度を下げたり、ヘマトクリット値を下げたりすることがある。これにより、溶血の減少が起こる可能性がある。場合によっては、キャニスタ258に収集された血液、または拡張チューブ238から来る血液は、別の患者に注入するためのドナー血液としてさえ使用され得る。
[00234]いくつかの実施形態では、ドップラセンサ、赤外線センサ、またはレーザフロー検出装置を含むが、これらに限定されない追加のまたは代替のセンサが、ユーザに通知するためのフロー状態を監視するために使用されてもよい。いくつかの実施形態では、外部に取り付けられた(非接触)ドップラセンサが使用されてもよい。いくつかの実施形態では、赤外線センサやレーザフロー検出装置が、拡張チューブ238の周囲に使用されてもよい。代替センサ(例えば、フローセンサなど)は、蠕動ポンプ208の回転可能なヘッド230の近位または遠位のいずれかで、拡張チューブ238上またはその中を含む、吸引経路に沿ったいくつかの異なる位置に配置されてもよい。
[00235]図45は、蠕動ポンプ408に接続するように構成された開放遠位端部405および近位端部406を有する吸引ルーメン404を含む細長いシャフト401を備える吸引カテーテル402を備える強制吸引システム400を示している。蠕動ポンプ408は、ベース426と、ベース426によって運ばれる圧力シュー428と、ベース426に回転可能に接続され、2つ以上のローラ432a〜432dを運ぶ回転可能なヘッド430とを有するローラポンプであり得る。ローラ432a〜432dは、回転可能なヘッド430の周囲434の周りに配列されている。回転可能なヘッド430は、少なくとも第1の回転方向436で回転可能であるように構成される(例えば、図36に示されるように、モータによって、直接、または歯車列を用いて)。蠕動ポンプ408は電池式であり得、そして電池は有線または無線によって再充電可能であり得る。蠕動ポンプ408は、代替的に、またはさらに、電源に接続するように構成された電源コードによって電力を供給され得る。遠位端部440および近位端部442を有し、それを通って延びるルーメン444を有する拡張チューブ438は、コネクタ424を介して、吸引カテーテル402の吸引ルーメン404の近位端部406に液圧で接続されている。拡張チューブ438は、吸引カテーテル202と共に(例えば、滅菌されて)供給され得るか、または別個に包装されて供給され得る。コネクタ424に搭載されたTouhy−Borstシール446は、コネクタ424および吸引ルーメン404を通してガイドワイヤ448を挿入できるように緩められる/開かれるように構成され、これは、被験者の血管系を通して吸引カテーテル402を追跡するために使用され得る。Touhy−Borst446を締めて、ガイドワイヤ448を密封し、止血を維持することができる。Touhy−Borst246の代わりに、ばね荷重がかけられ、長手方向に圧縮可能で作動可能なシールを含む他のタイプのシールを組み込むことができる。拡張チューブ438は、コネクタ424の雌型ルアー452に接続するために、その遠位端部440に雄型ルアー450を含む。または、示されるように、吸引監視システム414がそれらの間に取り付けられてもよい。雄型ルアー450は、開位置(示されている)または閉位置を選択するために回転するように構成された活栓454を含み得る。あるいは、拡張チューブ438は、吸引ルーメン404と一体であり得るか、またはコネクタ424に恒久的に取り付けられ得る。使用中、(例えば、ユーザによるインタフェース456への入力を介して)回転可能なヘッド430を回転方向436に回転させると、ローラ432による圧縮可能部分437の圧縮を介して、一回ずつ、流体が拡張チューブ438のルーメン444を通して遠位端部440から近位端部442まで強制されるように、拡張チューブ438の圧縮可能部分437は蠕動ポンプ408の圧力シュー428内に配置される。いくつかの実施形態では、2つのローラ432のみが存在する。他の実施形態では、3つのローラ432が存在する。さらに他の実施形態では、示されるように、4つのローラ432が存在する。説明したように、ローラ432を、隆起または突起によって置き換えることができる。圧縮可能部分437は、シリコーンチューブ、ポリウレタンチューブ、ポリ塩化ビニルチューブ、または他の圧縮可能チューブを含み得る。圧縮可能部分437は、拡張チューブ438の周辺端に取り付け可能および取り外し可能である比較的短いセクションであり得るか、または他の実施形態では、遠位端部440と近位端部442との間の拡張チューブ438全体を含み得る。拡張チューブ438の近位端部442は、内部460を有するキャニスタ458のハブ457に接続されて、拡張チューブ438を通過する流体459が内部460に通過することを可能にすることができる。キャニスタ458内の追加のハブ462は、(示されるように)開いたままにして、チャージされていない内部460が大気圧に一致することを可能にすることができる。フィルタ443(オプション)は、患者から吸引された血栓を捕捉するために、拡張チューブ438とキャニスタ458との間に一列に配置される。フィルタ443は、医師または他の医療スタッフが、各ピースのサイズ、ピースの数、血栓の総量(例えば、容積に関して)、または血栓もしくは残存血栓の状態(組織化/線維性、または軟性)などで、血栓を視覚的に評価できるように、透明な側壁を有し得る。フィルタ443内の血栓の蓄積、またはその欠如は、吸引カテーテル402の開放遠位端部405を異なる位置に移動するための、または一時的もしくは恒久的に処置を停止するための、またはポンプの速度を増加もしくは減少させるための手がかりとして利用され得る。
[00236]吸引カテーテル402はさらに、例えば、高圧ポンプ412を介して、流体源499から生理食塩水を注入するための高圧注入ルーメン410を有する。チューブセット464は、ピストンもしくはベローズ、またはポンプ412が内部モータ(図示せず)を使用して操作することができる他の可動要素を有するポンプカートリッジ466を含み得、これは、生理食塩水が吸引カテーテル402の注入ルーメン410を通して強制されるように、流体源499からの生理食塩水に高圧を加える。チューブセット464は、スパイク497またはそれを流体源499に液圧で接続するための他の要素を有する近位端部468を含む。チューブセット464は、雌型ルアー472を介して注入ルーメン410に液圧で接続するように構成された遠位端部470(雄型ルアーを含み得る)をさらに有する。注入された生理食塩水は、ポンプ412によって注入ルーメン410を通って強制され、注入ルーメン410の遠位端部476にあるオリフィス474を出る。注入ルーメン410は、実質的または完全にシャフト401内にあるチューブ478内にあってもよい。いくつかの実施形態では、チューブ478は、遠位端部分403でのみシャフト401の内壁に取り付けられている。したがって、吸引ルーメン404内のチューブ478の残りの部分の自由浮遊性は、シャフト401の柔軟性および追跡可能性を高める。高圧生理食塩水がオリフィス474を通って強制され、ジェットを引き起こす。ジェットは、開放遠位端部405のすぐ近位にある吸引ルーメン404内に向けられ、これは、ベンチュリ効果を生じさせて、外部で開放遠位端部405に隣接する血液または血栓を吸引ルーメン404に押し込む可能性がある。蠕動ポンプ408の動作と高圧生理食塩水によって生成されたジェットとの組み合わせは、血栓の浸軟、および吸引ルーメン404を開放遠位端部405から近位端部406まで通り、コネクタ424を通り、拡張チューブ438のルーメン444を遠位端部440から近位端部442まで通り、最後に、キャニスタ458の内部460に入る物質(生理食塩水/血液/浸軟された血栓/血栓の小片)の移動/流れを引き起こす。したがって、被験者の血管内の血栓を、システム400を使用することによって浸軟および除去することができる。治療される血管は、末梢血管、肺動脈などの肺血管、冠状血管、または頸動脈もしくは大脳動脈を含む被験者の頭または首内の血管を含み得る。
[00237]強制吸引システム400は、吸引の状態に関する情報をユーザに提供するように構成された吸引監視システム1800をさらに備える。吸引監視システム1800は、複数の時点でキャニスタ458の内部460の底部に蓄積した流体459を測定し、したがって、拡張チューブ438のルーメン444から出る流体459の流量を推定することによって機能する。吸引監視システム1800は、ベース1804を有するスケール1802(または天びん)を備える。計量プラットフォーム1806は、ベース1804に接続され、ベース1804に対して移動可能であり(例えば、垂直軸線Vに沿って)、このため、キャニスタ458の底部に蓄積された流体459の重量により、重量を示す信号1808が出力される。スケールは、重量を示す信号1808を出力するように構成され得、またはいくつかの実施形態では、質量の値を出力できるように、スケール1802が存在する特定の高度(海抜)がスケール1802に入力され得る。いくつかの実施形態では、スケール1802は、質量を出力できるように、高度を自動的に決定するための高度計または他のセンサを含むことさえできる。とにかく、重量が出力された場合でさえ、経時的な流体459の重量の変化は、任意の特定の高度での経時的な流体459の質量の変化に比例する。したがって、信号1808は、時間の経過に伴う流体459の質量の変化を実証することを可能にする範囲内にとどまりながら、質量を示すか、または重量を示すことができる。したがって、システム400は、キャニスタ458に捕捉された血液の総累積重量/質量の評価によって、患者からの失血を予測することができる。測定された血液の重量/質量は、システム400によって失われた血液の量(ml)に変換することができる。
[00238]信号1808は、プロセッサ1810に送信される。図44も参照されたい。マイクロプロセッサを備え得るプロセッサ1810は、時間データと信号からの重量または質量値との組み合わせを可能にするクロックを含む。いくつかの実施形態では、スケール1802は、キャニスタ458の風袋重量を、スケール1802によって計量されている量から差し引くことができるように、風袋ボタンまたは制御装置を含み得る。したがって、スケール1802は「ゼロ化」され、キャニスタ458内の流体459の重量または質量のみが各時点で計量される。信号1808の値がタイムスタンプと共に取得されるサンプルレートは、約0.01Hzから約10kHzの間、または約0.02Hzから約1kHzの間、または約1Hzから約100Hzの間の範囲であり得る。処理された信号1812は、ユーザが見るためにグラフィックディスプレイ1814に出力される。いくつかの実施形態では、グラフィックディスプレイ1814は、x−yグラフ1816を表示することができ、ここで、x軸は時間を表し、y軸は、キャニスタ458内の流体459の重量または質量を表す。他の実施形態では、グラフィックディスプレイ1814は、x−yグラフ1816を表示することができ、ここで、x軸は時間を表し、y軸は流量を表す。流量(FR)を、次の式から計算できる。
[00239]FR=(Wc−Wp)/(Tc−Tp)、ここで
Wcは、流体459の重量の現在の値
Wpは、流体459の重量の以前の値
Tcは、現在のタイムスタンプ値
Tpは、以前のタイムスタンプ値である。
[00240]他の実施形態では、流量(FR)を、以下の式から計算できる。
[00241]FR=(Wc−Wpn)/(Tc−Tpn)、ここで
Wcは、流体459の重量の現在の値
Wpnは、流体459の重量のn番目の前の値
Tcは、現在のタイムスタンプ値
Tpnは、n番目の前のタイムスタンプ値である。
[00242]他の実施形態では、流量は、ランニング平均またはローリング平均などの移動平均として構築され得る。単純移動平均、累積移動平均、加重移動平均、または指数移動平均を含むいくつかのタイプの移動平均が使用されてもよい。
[00243]x−yグラフの代わりに、1つまたは複数のLEDライトを備える視覚的ディスプレイが使用されてもよい。例えば、より高い流量は、緑の色合いの範囲によって示され得、一方、より低い流量は、赤の色合いの範囲によって示され得る。あるいは、光の強度は、流量の変化または重量もしくは質量の変化に応じて変化し得る。例えば、光の強度は、測定された/計算された流量に比例し得る。ラウドスピーカは、時間の経過に伴う重量/質量の変化、または時間の経過に伴う流量の変化を、値の変化に比例して変化するピッチを有する連続または継続音として提示する場合がある。例えば、ピッチが高いと、流量が多い。あるいは、音の強さを変えることもできる(より高い流量=より高いdB)。
[00244]流量の変化は、強制吸引システム400における動作の発生の数を示し得る。例えば、有意な量を突然減少させる流量は、血栓が吸引ルーメン404または拡張チューブ438のルーメン444内で詰まっていることを示し得る。場合によっては、90%以上の流量の減少は詰まりを示している可能性がある。詰まりが発生すると、吸引されてキャニスタ458に供給される流体の量が厳しく制限される可能性がある。ラウドスピーカ1818はまた、流量の閾値を交差したときに可聴警報を生成するように構成される。閾値流量は、ユーザインタフェース1820を使用して、スケール1802のメモリ1822に入力され得る。流量が閾値流量よりも低い値に減少すると、ラウドスピーカ1818は警報を鳴らすようにされる。いくつかの実施形態では、ポンプ412上のコントローラ484、または他の構成要素の1つにある異なるコントローラは、プロセッサ1810に(有線または無線で)接続され得、ラウドスピーカ1818の警報をアクティブにするように構成され得る。流量が閾値流量を超えて増加すると、警報が鳴らなくなるように、ラウドスピーカ1818が非アクティブ化され得る。あるいは、ラウドスピーカ1818は、視覚警報および/または触覚警報によって置き換えられるか、または増強され得る。視覚警報は、1つまたは複数のLEDを含む1つまたは複数の光を含み得る。触覚警報は、圧電などの振動装置、または重量オフセット回転装置を含み得る。
[00245]流量の変化は、管状部材の1つの壁の破裂、または接続の1つの切断など、状態の他の変化を示している場合もある。これらの漏れ状態の1つでは、流量が大幅に減少する可能性があり、したがって、吸引監視システム1800によって測定された流量変化によって識別される。システム400は、血液のフリーフローが検出されたときに(例えば、ラウドスピーカ1818を介して)警報をアクティブにするように構成され得る。言い換えれば、システムが明らかに血液のみを吸引しており、血栓を吸引していないときである。したがって、自由に流れる血液を示すメモリ1822に記憶された特定の閾値を超えて交差する測定された流量は、コントローラ484に警報をアクティブ化させ得る。
[00246]圧力変換器416を含む二次吸引監視システム414は、例えば、拡張チューブ438の遠位端部440と、吸引カテーテル402の吸引ルーメン404のコネクタ424および/または近位端部406との間に接続され得る。圧力変換器416からの信号は、電気ケーブル480上でポンプ412の入力482に運ばれる。ポンプ412内のコントローラ484は、ポンプ412の動作を制御するように構成されるが、ケーブル486を介して、または無線で蠕動ポンプ408の動作を制御するようにも構成され得る。コントローラ484は、マイクロコントローラを備え得る。あるいは、コントローラ484は、蠕動ポンプ408内に配置されてもよく、あるいは別の構成要素または場所に配置されてもよい。測定された圧力を使用する制御は、システム400に追加の安全要素を追加する。さらに、機能していない装置(リーク、不完全な接続、不完全なプライミング、破裂、閉塞のため)をすばやく特定できる。許容できないほど高い圧力も迅速に識別でき、ポンプ412のモータを焼損または過熱の危険から保護する。チューブ478の完全性も保護され、例えば、チューブ478の破裂につながる可能性のある不自然に高い圧力を回避する。圧力変換器416およびスケール1802からのデータを一緒に使用して、吸引流を示す、または血餅/血栓の存在、詰まりの存在、破裂の存在もしくは流体回路の切断を示す、より正確な信号を最適化または作成することができる。
[00247]雌型ルアー452は、雌型ルアー472からコネクタ424上で遠位に配置されている。したがって、吸引された血液/血栓/生理食塩水は、コネクタ424内の内部の不規則性425(ジオメトリ、形状における)に接触する必要なしに雌型ルアー452に入り、不規則性425は、さもなければ流れ抵抗を引き起こしたり、血栓を捕らえたりする可能性がある(例えば、チューブ478とコネクタ424の内部との間。
[00248]ベース453と、ベース453に接続され、ユーザの足の適用によって移動可能または作動可能であるペダル455とを有するフットペダル451が示されている。ペダル455は、ばね荷重がかけられ、モーメントまたは圧縮力の適用によって押し下げられ得るか、または代わりに膜スイッチを備え得る。ペダル455は、アクティブ化されると、いくつかの実施形態ではオンとオフを切り替えることができ、他の実施形態では、力、圧力、またはモーメントが加えられると作動可能であり、力、圧力、またはモーメントが加えられないときに非アクティブ化され得る。第1のケーブル461は、入力ジャック467に接続されたプラグ465を介して、フットペダル451からポンプ412に信号を運ぶ。第2のケーブル463は、入力ジャック471に接続されたプラグ469を介して、フットペダル451から蠕動ポンプ408に信号を運ぶ。いくつかの実施形態では、ユーザの足によるペダル455のアクティブ化は、ポンプ412の動作を開始し、同時に蠕動ポンプ408の動作を開始する。いくつかの実施形態では、ユーザの足によるペダル455のアクティブ化は、蠕動ポンプ408の動作を開始し、次に、蠕動ポンプ408が開始された後わずかに遅れて、ポンプ412の動作を開始する。コントローラ484は、遅延または遅延の欠如を与えるようにプログラムされるまたはプログラム可能である。遅延は、注入ルーメン410を通して加圧流体(例えば、生理食塩水)を注入する前に、いくらかの吸引、またはかなりの量の吸引が吸引ルーメン404に適用されていることを保証するのに有用である。すべては、フットペダル451からのケーブル463を介した信号に応答して、ポンプ412のコントローラ484によって制御され得る。したがって、開放遠位端部405の近くの血管または他の血管系は、代わりに吸引ルーメン404を通して吸引されるので、高圧ジェットからの流体の注入を免れる。
[00249]さらに、いくつかの実施形態では、ポンプ412および蠕動ポンプ408の動作中にユーザの足によるペダル455のアクティブ化は、ポンプ412の動作および蠕動ポンプ408の動作を同時に停止する。他の実施形態では、ポンプ412が停止され、その後、蠕動ポンプ408がわずかに遅れて停止されるように、遅延を(例えば、コントローラ484によって)実現することができる。記載された遅延の長さは、約0.01秒から約1.00秒の間、または約0.10秒から約0.25秒の間であり得る。フットペダル451を介したポンプ412および/または蠕動ポンプ408の作動(オン/オフ)は、ハンズフリー起動を可能にし、単一ユーザが両手で吸引カテーテル402およびガイドワイヤ448を操作することを可能にする。
[00250]他の実施形態では、フットペダル451は、トグルオン/オフ押しボタンまたはハンドスイッチ、音声作動スイッチ(音声作動、拍手作動、クリック作動)、光スイッチ(手または足の遮断用のビーム/光センサ)、または医療関係者がアクティブにできるその他の種類のスイッチを含むがこれらに限定されない別のタイプのスイッチで置き換えられ得る。スイッチは、離れた場所(例えば、制御室)にある場合もあれば、処置領域の近くにある場合もある。スイッチはまた、無菌スイッチである場合もあれば、無菌領域上の位置のために滅菌可能である場合もある。
[00251]場合によっては、蠕動ポンプ408によって吸引ルーメン404に実現される吸引流のアクティブ化および非アクティブ化(オンおよびオフにすること)は、ユーザが活栓454を開閉する間、蠕動ポンプ408を運転状態のままにすることによって行うことができる。あるいは、拡張チューブ438に接続されたピンチバルブ(図示せず)を使用して、ルーメン444を開閉し、したがって吸引を開始および停止することができる。ピンチバルブを、フットペダル(フットペダル451と同様)によって作動させることができ、または別の制御装置(例えば、蠕動ポンプ408のインタフェース456またはポンプ412のインタフェース上)によって作動させることができる。
[00252]コントローラ484はまた、過圧検出、気泡検出、および真空チャージまたは負圧チャージを含むいくつかの装置安全機能を監視および制御する。追加の圧力変換器415は、圧力(すなわち、注入圧力)を監視し、気泡の存在を感知する。あるいは、または組み合わせて、光学装置417を使用して気泡を感知することができる。1つの考えられる実施形態では、ポンプ圧力は、その圧力を生成するのに必要な電流に比例する。したがって、ポンプ412によって必要とされる電流が予め設定された限度を超える場合、コントローラ484は、ポンプ412への電力を切断することによってポンプ412を作動不能にする。特定の瞬間にポンプ412を駆動するのに必要な電流を監視することによっても気泡の検出を監視することができる。ポンプ412が高い流体圧力に到達するために、ポンプ412または接続システム(吸引カテーテル402の吸引ルーメン404およびチューブセット464を含む)に空気(非常に圧縮性である)がほとんどまたは全く存在しないはずである。流体容積は、システム内の空気によりポンプヘッドに圧力が発生しないように十分に小さい。有限量の空気を流すには、近位に十分な量の液体が必要である。コントローラ484は、空気がシステムに入ったことを示す可能性のある急激に下降する変化に対するポンプ412電流を監視する。降下速度が予め設定された制限よりも速い場合、コントローラ484は、問題が修正されるまで、ポンプ412への電力を切断することによってポンプを作動不能にする。
[00253]吸引された物質を血液バッグ、血液ボトル、またはキャニスタ458に収集した後、吸引された成分(血液、血栓、生理食塩水、スラリーなど)を、Stryker ConstaVac(CBCII)Blood Conservation System、またはHaemonetics OrthoPAT Orthopedic Perioperative Autotransfusion Systemなどの再注入装置に配置できる。
[00254]いくつかの実施形態では、血液は、注入される前に冷却され得る。いくつかの実施形態において、血液は、注入される前に加熱され得る。いくつかの実施形態において、他の薬物は、それが挿入される前に血液に加えられ得る。場合によっては、血液を生理食塩水で希釈して、粘度を下げたり、ヘマトクリット値を下げたりすることがある。これにより、溶血の減少が起こる可能性がある。場合によっては、キャニスタ458に収集された血液、または拡張チューブ438から来る血液は、別の患者に注入するためのドナー血液としてさえ使用され得る。
[00255]いくつかの実施形態では、ドップラセンサ、赤外線センサ、またはレーザフロー検出装置を含むが、これらに限定されない追加のまたは代替のセンサが、ユーザに通知するためのフロー状態を監視するために使用されてもよい。いくつかの実施形態では、外部に取り付けられた(非接触)ドップラセンサが使用されてもよい。いくつかの実施形態では、赤外線センサやレーザフロー検出装置が、拡張チューブ438の周囲に使用されてもよい。代替センサ(例えば、フローセンサなど)は、蠕動ポンプ408の回転可能なヘッド430の近位または遠位のいずれかで、拡張チューブ438上またはその中を含む、吸引経路に沿ったいくつかの異なる位置に配置されてもよい。
[00256]図46は、図44の吸引監視システム1800と特徴を共有するが、キャニスタ258,458を計量プラットフォーム1806で支持されるフレーム1906から延びるフック1902,1904から吊り下げることによって、キャニスタ258,458に含まれる流体259,459を計量するように構成される代替の吸引監視システム1900を示している。フレーム1906は、2つの垂直脚1910,1912と、垂直脚1910,1912のそれぞれに接続されたクロスバー1908とを備える。クロスバー1908は、フック1902,1904およびキャニスタ258,458(吊り下げられている場合)を支持するように構成される。キャニスタ258,458は、フック1902,1904の一方または両方と係合してインタフェースするように構成されたフック、くぼみ、またはループを含み得る。
[00257]以上、本開示の実施形態について述べてきたが、本発明の基本的な範囲から逸脱することなく、他のさらなる実施形態を考案することができる。あるいは、蠕動ポンプ208,408と共に使用されるように構成された拡張チューブ238,438を使用する代わりに、拡張チューブ238,438は、その近位端部にルアーコネクタ(または他のシーリングコネクタ)を含み得、排気可能なシリンジ(例えば、20mlまたは30ml)に取り付けられるように構成され得る。シリンジは、フック1902,1904(または同等のもの)から吊るすことができ、シリンジおよび拡張チューブ238,438の重量は、スケール1802から風袋引きされ得る。したがって、シリンジが満たされると、シリンジに集まる吸引物の重量/質量の増加が、キャニスタ258,458の内容物が計量されるのと同じ方法で、経時的に測定される。排気可能なシリンジは、真空ポンプに接続されたベルジャーに置き換えることも可能であり、ベルジャーと接続チューブは、測定された重量/質量から風袋引きされる。図47は、蠕動ポンプ208およびキャニスタ258が、真空ポンプ1930および真空チャンバ1934、またはベース1936およびその上に密封可能に配置された蓋1938を有するベルジャーによって置き換えられることを除いて、図43の吸引システム200と同様の吸引システム1928を示している。真空ポンプ1930は、その外面1997に搭載された制御装置1999によって作動され得るか、またはフットペダル251によって制御可能(オン/オフ)であり得る。真空チューブ1932は、真空ポンプ1930を真空チャンバ1934の内部1940に接続する。制御弁1948は、真空チューブ1932と真空チャンバ1934の内部1940との間のアパーチャを制御するために調整可能である。内部1940は、真空チャンバ1934のポート1942に接続されている近位端部242を介して、拡張チューブ238のルーメン244と連通している。調整可能なバルブ1946は、真空チャンバ1934の内部1940と拡張チューブ238のルーメン244との間のアパーチャを制御する。真空ポンプ1930は、テーブル、カート、または他の支持体上で別々に支持される。真空チューブ1932および拡張チューブ238の重量は、スケール1802の読み出しから風袋引きすることができるので、真空チャンバ1934の内部1940に引き込まれた流体/血餅などの重量のみが経時的に測定される。
[00258]動脈や静脈などの血管を含む血管系内の血栓症(血栓、血餅)は、衰弱させ、死に至ることさえある重大な危険因子である。吸引カテーテルを含む吸引システムには、ヘパリン化生理食塩水などの加圧流体を吸引ルーメンの遠位部分に注入して、より大きな吸引圧力勾配を作成し、重要な血栓の浸軟および除去を可能にするように構成された吸引専用装置ならびに強制吸引装置が含まれる。これらの吸引システムの多くは末梢動脈または冠状動脈で使用されるが、首と頭の動脈が関与する血栓塞栓性脳卒中も懸念される。大脳動脈、脳底動脈、および近接する他の伝達動脈を含む首と頭の動脈の多くは、大腿動脈や橈骨動脈など、従来の挿入/穿刺位置からかなり離れた場所にある。これらの動脈への経路が非常に曲がりくねっていることもあり、血管はしばしば小口径であるため、遠位端部に大きな柔軟性を備えた長くて小さな直径のカテーテルが利用される。これらの設計基準の多くは、吸引流を増やすための大径の吸引ルーメンや、カテーテルシャフト全体の小さな直径に収まらなければならない強制吸引カテーテルの複数のルーメンなど、吸引カテーテルの他の物理的要件を混乱させる。
[00259]例えば大きな血栓によって、吸引カテーテルが詰まることは、ユーザに共通の関心事である。カテーテル内の物質の詰まり/閉塞を回避するための技術は、多くの場合、吸引カテーテルをすばやく、積極的に前進させること、または小さな片もしくは部分のみを一度に導入することを確実にするために血栓の端で優しく摘出することに関与し、この片は、吸引ルーメンを詰まらせないまたは閉塞させないために十分に小さい。装置が使用中に詰まった場合、下流に向かう血栓の偶発的な抜去の可能性が高まり;これは、末梢塞栓と呼ばれる。このタイプの吸引処置は、多くの場合、高度に技術的な緊急設定で使用されているため、吸引中のユーザのための吸引カテーテルの早期の詰まり検出が、処置の成功および臨床転帰に貢献することができる。いくつかのソースが、使用した吸引カテーテルの最大50%が使用中に詰まることを報告している。
[00260]ユーザは、システムに真空または負圧勾配があるかどうかを判断するのが難しい場合がある。例えば、ユーザは、真空または負圧が適用されているかどうかを判断するのが難しい場合がある(例えば、真空源または負圧供給ポンプがオンまたはオフにされている)。さらに、例えば、シリンジ(または他の真空源または負圧供給ポンプ)が流体で満たされているため、またはシステムの漏れが原因で、ユーザは、システム内の真空度または負圧低下があったかどうかを判断するのが難しい場合がある。血液は比較的不透明であり、シリンジの壁をコーティングすることができるため、シリンジが満たされたときを判断することが難しくなる。これにより、十分な真空または負圧が吸引カテーテルに適用されているかどうかを判断することが難しくなる。シリンジが満たされる前でさえ、真空レベルまたは負圧レベルは許容できないレベルに変わることがある。拡張チューブまたは他のチューブも、システム内の真空または負圧勾配の低下を引き起こす可能性がある。特定のチューブのねじれは、ユーザが見るか識別することが困難な場合がある。シリンジが吸引流体で満たされる前であっても、真空度低下または負圧低下のための別の原因となり得る、システム内の空気漏れがあるかどうかを判断することも難しい。
[00261]図48は、蠕動ポンプ608に接続するように構成された、開放遠位端部605および近位端部606を有する吸引ルーメン604を含む細長いシャフト601を備える吸引カテーテル602を備える吸引システム600を示している。蠕動ポンプ608は、ベース626と、ベース626によって運ばれる圧力シュー628と、ベース626に回転可能に接続され、2つ以上のローラ632a〜632dを運ぶ回転可能なヘッド630とを有するローラポンプであり得る。ローラ632a〜632dは、回転可能なヘッド630の周囲634の周りに配列されている。回転可能なヘッド630は、少なくとも第1の回転方向636で回転可能であるように構成される(例えば、図示されていない、モータによって、直接、または歯車列を用いて)。蠕動ポンプ608は電池式であり得、そして電池は有線または無線によって再充電可能であり得る。蠕動ポンプ608は、代替的に、またはさらに、電源に接続するように構成された電源コード(図示せず)によって電力を供給され得る。遠位端部640および近位端部642を有し、それを通って延びるルーメン644を有する拡張チューブ638は、コネクタ624を介して吸引ルーメン604の近位端部606に液圧で接続されている。Touhy−Borstシール646は、本明細書に記載されるように、コネクタ624および吸引ルーメン604を通してガイドワイヤ648の挿入を可能にし、ガイドワイヤ648は、被験者の血管系を通して吸引カテーテル602を追跡するために使用され得る。Touhy−Borst646を締めて、ガイドワイヤ648を密封し、止血を維持することができる。拡張チューブ638は、コネクタ624の雌型ルアー652に接続するために、その遠位端部640に雄型ルアー650を含み得る。雄型ルアー650は、開位置(示されている)または閉位置の間で回転するように構成された活栓654を含み得る。あるいは、拡張チューブ638は、吸引ルーメン604と一体であり得るか、またはコネクタ624に恒久的に取り付けられ得る。使用中、(例えば、ユーザによるインタフェース656への入力を介して)回転可能なヘッド630を回転方向636に回転させると、ローラ632による圧縮可能部分637の圧縮を介して、一回ずつ、流体が拡張チューブ638のルーメン644を通して遠位端部640から近位端部642まで強制されるように、拡張チューブ638の圧縮可能部分637は蠕動ポンプ608の圧力シュー628内に配置される。いくつかの実施形態では、2つのローラ632のみが存在する。他の実施形態では、3つのローラ632が存在する。さらに他の実施形態では、示されるように、4つのローラ632が存在する。説明したように、ローラ632を、隆起または突起によって置き換えることができる。圧縮可能部分637または本明細書に記載のいずれかの圧縮可能部分は、シリコーンチューブ、ポリウレタンチューブ、ポリ塩化ビニルチューブ、熱可塑性エラストマー(TPE)、例えば、米国のマサチューセッツ州ウィルミントンにあるワトソンマーロー社の登録商標であるバイオプレン(登録商標)、または他の圧縮可能なチューブを含み得る。圧縮可能セクション637は、拡張チューブ638の周辺端に取り付け可能および取り外し可能な比較的短いセクションであり得るか、または他の実施形態では、遠位端部640と近位端部642との間の拡張チューブ638全体を含み得る。拡張チューブ638の近位端部642は、内部660を有するキャニスタ658に接続されて、拡張チューブ638を通過する流体659が内部660に通過することを可能にすることができる。拡張チューブ638の近位端部642は、ルーメン644の開通性を損なうことなく拡張チューブ638を長手方向に保持するチューブクランプ657によってキャニスタ658に接続されている。拡張チューブの近位端部642での流体抵抗を最小限にするために、エンドホール621に加えて、サンプチューブと同様に、複数のサイドホール623もある。他の実施形態では、エンドホール621は、複数のサイドホール623からのみ放出される流出を伴って遮断され得る。サイドホール623は、拡張チューブ638内の流れ抵抗の最小領域が近位端部642にないことを保証する。サイドホール623は、キャニスタ658への噴出を防ぐのに役立つ。血液の噴出は否定的な要素であり、血液に剪断応力を加え、溶血または血小板のアクティブ化を引き起こし、したがって、患者への再注入を望まれていた可能性のある血液を損傷または変化させる。キャニスタ658内の追加のハブ662は、(示されるように)開いたままにして、チャージされていない内部660が大気圧に一致することを可能にすることができる。
[00262]吸引カテーテル602は、重要な器官(心臓、脳など)に供給する可能性のある動脈に挿入されるように構成されているため、カテーテルを通る流れの厳密な制御により、より高いレベルの安全性が可能になる。吸引カテーテル602が蠕動ポンプ608および注入ポンプ612でのみ使用され、吸引および注入に関して同じレベルの制御を有さない代替装置では使用されないことを保証するために、認識システムが提供される。蠕動ポンプ608内の識別回路619は、コントローラ684に(例えば、ケーブル686を介して)接続され、また、第1のポート611および第2のポート613に電気的に接続する。拡張チューブ638は、第1のポート611に差し込むか、さもなければ近接して固定されるように構成された第1の識別モジュール607を有する第1のテザー690を備えてもよい。さらに、または代わりに、吸引カテーテル602は、第2のポート613に差し込むか、さもなければ非常に近接して固定されるように構成された第2の識別モジュール609を有する第2のテザー688を備えてもよい。コントローラ684は、識別モジュール607,609の一方または両方が識別回路619によって正しい構成要素(正しいモデル、正しいサイズ、正しい臨床応用など)であると識別された場合にのみ、注入ポンプ612および/または蠕動ポンプ608の動作が発生することを可能にするように構成される。したがって、ポンプ612,608は、識別モジュール607,609によって提供される情報に応じて、コントローラ684によって有効または無効にされる。いくつかの実施形態では、識別モジュール607,609の一方または両方は、RFID(無線周波数識別)チップと、データを受信して読み取るためにRFIDチップに電力を供給するように構成された識別回路619とを備える。いくつかの実施形態では、識別回路619は、RFIDチップに書き込むようにさらに構成され得る。他の実施形態では、識別モジュール607,609の一方または両方は、抵抗器と、抵抗器の抵抗値を読み取るように構成された識別回路619とを備える。例えば、抵抗器は、識別回路619に搭載された部分的なホイートストンブリッジを完成させることができる。
[00263]吸引カテーテル602はさらに、例えば、高圧ポンプ612を介して、流体源679から生理食塩水を注入するための高圧注入ルーメン610を有する。チューブセット664は、ピストンまたはベローズまたはポンプ612が内部モータ691を使用して操作することができる他の可動要素を有するポンプカートリッジ666を含み得、したがって、生理食塩水または他の流体を流体源679から著しく高圧で加圧して、生理食塩水が吸引カテーテル602の注入ルーメン610を通して強制されるようにする。チューブセット664は、スパイク689またはそれを流体源679に液圧で接続するための他の要素を有する近位端部668を含む。チューブセット1464は、雌型ルアー672を介して注入ルーメン610に液圧で接続するように構成された遠位端部670(雄型ルアーを含み得る)をさらに有する。注入された生理食塩水は、ポンプ612によって注入ルーメン610を通って強制され、注入ルーメン610を含む注入チューブ678の遠位端部676に接続された中空端部分675のオリフィス674を出る。チューブ678は、実質的または完全にシャフト601内にあってもよい。いくつかの実施形態では、チューブ678は、遠位端部分603でのみシャフト601の内壁に取り付けられている。したがって、吸引ルーメン604内のチューブ678の残りの部分の自由浮遊性は、シャフト601の柔軟性および追跡可能性を高める。高圧生理食塩水がオリフィス674を通って強制され、ジェット、すなわち1つまたは複数のジェットを引き起こす。ジェットは、開放遠位端部605のすぐ近位にある吸引ルーメン604内に向けられ、これは、ベンチュリ効果を生じさせて、外部で開放遠位端部605に隣接する血液または血栓を吸引ルーメン640に押し込む可能性がある。蠕動ポンプ608の動作と高圧生理食塩水によって生成されたジェットとの組み合わせは、血栓の浸軟、および吸引ルーメン604を開放遠位端部605から近位端部606まで通り、コネクタ624を通り、拡張チューブ638のルーメン644を遠位端部640から近位端部642まで通り、最後に、キャニスタ658の内部660に入る物質(生理食塩水/血液/浸軟された血栓/血栓の小片)の移動/流れを引き起こす。したがって、被験者の血管内の血栓を、システム600を使用することによって浸軟および除去することができる。血管は、末梢血管、冠状血管、または頸動脈、脳動脈、脳底動脈および伝達動脈を含む、被験者の頭または首内の血管を含み得る。圧力変換器616を含む吸引監視システム614は、例えば、拡張チューブ638の遠位端部640と、吸引カテーテル602の吸引ルーメン604のコネクタ624および/または近位端部606との間に接続され得る。吸引監視システム614または本明細書に記載される他の任意のものは、2016年8月23日に出願され、2017年3月2日に公開されたLookらの米国特許出願第2017/0056032号明細書に記載される吸引監視システムに関連して記載される特徴のいずれかを含むことができる。圧力変換器616からの信号は、電気ケーブル680上でポンプ612の入力682に運ばれる。ポンプ612内のコントローラ684は、モータ691を含むポンプ612の動作を制御するように構成されるが、コントローラ684は、ケーブル686を介して、または無線で蠕動ポンプ608の動作を制御するように構成されてもよい。コントローラ684は、マイクロコントローラを備え得る。あるいは、コントローラ684は、蠕動ポンプ608内に配置されてもよく、または別の場所に配置されてもよい。圧力変換器616からの測定された圧力の信号を使用する制御は、追加の安全要素をシステム600に追加する。さらに、機能していない装置(リーク、不完全な接続、不完全なプライミング、破裂、閉塞のため)をすばやく特定できる。許容できないほど高い圧力も迅速に識別でき、ポンプ612のモータ691を焼損または過熱の危険から保護する。チューブ678の完全性もまた保護され、例えば、破裂につながる可能性のある不自然に高い圧力を回避する。
[00264]吸引カテーテル602の雌型ルアー652は、雌型ルアー672からコネクタ624上で遠位に配置されている。したがって、吸引された血液/血栓/生理食塩水は、コネクタ624内の内部の不規則性625(ジオメトリ、形状における)に接触する必要なしに雌型ルアー652に入り、不規則性625は、さもなければ流れ抵抗を引き起こしたり、血栓を捕らえたりする可能性がある(例えば、チューブ678とコネクタ624の内部との間。
[00265]フットペダル651は、ベース653と、ベース653に接続され、ユーザの足の適用によって移動可能または作動可能であるペダル655とを有する。ペダル655は、ばね荷重がかけられ、モーメントまたは圧縮力の適用によって押し下げられ得るか、または代わりに膜スイッチを備え得る。ペダル655は、アクティブ化されると、いくつかの実施形態ではオンとオフを切り替えることができ、他の実施形態では、力、圧力、またはモーメントが加えられると作動可能であり、力、圧力、またはモーメントが加えられないときに非アクティブ化され得る。第1のケーブル661は、入力ジャック667に接続されたプラグ665を介して、フットペダル651からポンプ612に信号を運ぶ。第2のケーブル663は、入力ジャック671に接続されたプラグ669を介して、フットペダル651から蠕動ポンプ608に信号を運ぶ。いくつかの実施形態では、ユーザの足によるペダル655のアクティブ化は、ポンプ612の動作を開始し、同時に蠕動ポンプ608の動作を開始する。いくつかの実施形態では、ユーザの足によるペダル655のアクティブ化は、蠕動ポンプ608の動作を開始し、次に、蠕動ポンプ608が開始された後わずかに遅れて、ポンプ612の動作を開始する。遅延は、注入ルーメン610を通して加圧流体(例えば、生理食塩水)を注入する前に、いくらかの吸引またはかなりの量の吸引が吸引ルーメン604に適用されていることを保証するのに有用である。したがって、開放遠位端部605の近くの血管または他の血管系は、代わりに吸引ルーメン604を通して吸引されるので、高圧ジェットからの流体の注入を免れる。
[00266]さらに、いくつかの実施形態では、ポンプ612および蠕動ポンプ608の動作中にユーザの足によるペダル655のアクティブ化は、ポンプ612の動作および蠕動ポンプ608の動作を同時に停止する。他の実施形態では、例えば、ポンプ612が停止され、その後、蠕動ポンプ608がわずかに遅れて停止されるように、遅延を実現することができる。記載された遅延の長さは、約0.01秒から約1.00秒の間、または約0.10秒から約0.25秒の間であり得る。フットペダル651を介したポンプ612および/または蠕動ポンプ608の作動(オン/オフ)は、ハンズフリー起動を可能にし、単一ユーザが両手で吸引カテーテル602およびガイドワイヤ648を操作することを可能にする。フットペダル651の位置は、ユーザが患者、および/または任意のモニタ、あるいは他の医療関係者との視覚的接触を維持しながら、ユーザの足で触覚的に見つけることができる。
[00267]他の実施形態では、フットペダル651は、トグルオン/オフ押しボタンまたはハンドスイッチ、音声作動スイッチ(音声作動、拍手作動、クリック作動)、光スイッチ(手または足の遮断用のビーム/光センサ)、または医療関係者がアクティブにできるその他の種類のスイッチを含むがこれらに限定されない別のタイプのスイッチで置き換えられ得る。スイッチは、離れた場所(例えば、制御室)にある場合もあれば、処置領域の近くにある場合もある。スイッチはまた、無菌スイッチである場合もあれば、無菌領域上の位置のために滅菌可能である場合もある。
[00268]場合によっては、蠕動ポンプ608によって吸引ルーメン604に適用される吸引流のアクティブ化および非アクティブ化(オンおよびオフにすること)は、ユーザが活栓654を開閉する間、蠕動ポンプ608を運転状態のままにすることによって行うことができる。他の実施形態では、活栓をピンチバルブ(図示せず)に置き換えて、拡張チューブ638を開くかまたは圧縮することができる。ピンチバルブを、フットスイッチまたは押しボタン(オン/オフ)によって操作できる。
[00269]コントローラ684はまた、過圧検出、気泡検出、および真空チャージまたは負圧チャージを含むいくつかの装置安全機能を監視および制御する。コネクタ624に搭載された追加の圧力変換器615は、圧力(すなわち、注入圧力)を監視し、気泡の存在を感知する。あるいは、または組み合わせて、光学装置617を使用して気泡を感知することができる。1つの考えられる実施形態では、ポンプ圧力は、その特定の圧力を生成するためにポンプ612が必要とする電流に比例する。したがって、ポンプ612によって必要とされる電流が予め設定された限度を超える場合、コントローラ684は、ポンプ612への電力を切断することによってポンプ612を作動不能にする。気泡の検出を、特定の瞬間にポンプ612を駆動するのに必要な電流を監視することによっても監視することができる。ポンプ612が高い流体圧力に到達するために、ポンプ612または接続システム(吸引カテーテル604の吸引ルーメン604およびチューブセット664を含む)に空気(非常に圧縮性である)がほとんどまたは全く存在しないはずである。流体容積は、システム内の空気によりポンプヘッドに圧力が発生しないように十分に小さい。有限量の空気を流すには、近位に十分な量の液体が必要である。コントローラ684は、空気がシステムに入ったことを示す可能性のある急激に下降する変化に対するポンプ612電流を監視する。降下速度が予め設定された制限よりも速い場合、コントローラ684は、問題が修正されるまで、ポンプ612への電力を切断することによってポンプを作動不能にする。
[00270]図48の吸引カテーテル602は、注入ルーメン610を介した加圧流体注入を有するものとして示されている。しかしながら、吸引システム600の他の実施形態では、吸引カテーテル602が、注入ルーメンを有さない標準的な吸引カテーテルによって置き換えられる。
[00271]吸引された物質を血液バッグ、血液ボトル、またはキャニスタ658に収集する代わりに、吸引された成分(血液、血栓、生理食塩水、スラリーなど)を、Stryker ConstaVac(CBCII)Blood Conservation System、またはHaemonetics OrthoPAT Orthopedic Perioperative Autotransfusion Systemなどの再注入装置に配置できる。いくつかの実施形態では、キャニスタ658自体は、再注入装置を備え得る。再注入によって吸引された血液の少なくとも一部を患者に戻すことは、吸引に固有の欠点の1つである失血を減らすのに役立つ。
[00272]いくつかの実施形態では、血液は、注入される前に冷却され得る。いくつかの実施形態において、血液は、注入される前に加熱され得る。いくつかの実施形態において、他の薬物は、それが挿入される前に血液に加えられ得る。場合によっては、血液を生理食塩水で希釈して、粘度を下げたり、ヘマトクリット値を下げたりすることがある。これにより、溶血の減少が起こる可能性がある。場合によっては、キャニスタ658に収集された血液、または拡張チューブ638から来る血液は、別の患者に注入するためのドナー血液としてさえ使用され得る。
[00273]いくつかの実施形態では、ドップラセンサ、赤外線センサ、またはレーザフロー検出装置を含むが、これらに限定されない追加のまたは代替のセンサが、ユーザに通知するためのフロー状態を監視するために使用されてもよい。いくつかの実施形態では、外部に取り付けられた(非接触)ドップラセンサが使用されてもよい。いくつかの実施形態では、赤外線センサやレーザフロー検出装置が、拡張チューブ638の周囲に使用されてもよい。代替センサ(例えば、フローセンサなど)は、蠕動ポンプ608の回転可能なヘッド630の近位または遠位のいずれかで、拡張チューブ638上またはその中を含む、吸引経路に沿ったいくつかの異なる位置に配置されてもよい。
[00274]図49は、細長いシャフト702を有し、シャフト702の遠位端部706に取り付けられた放射線不透過性マーカバンド704を備えた吸引カテーテル700を示している。シャフト702は、開放遠位端部710を有する吸引ルーメン708を画定する。遠位端部714を有する注入チューブ712は、微細加工キャップ716でキャップオフされている。微細加工キャップ716は、注入チューブ712の遠位端部714上に配置するように構成された内側円筒空洞718を有する。注入チューブ712の遠位端部714の外側円筒面720は、内側円筒空洞718で微細加工キャップ716に密封接続され、その結果、注入チューブ712の注入ルーメン722は、遠位端部714で閉じられ、密封され、高圧に抵抗する。外側円筒面720は、接着剤、エポキシ、溶接(例えば、超音波溶接、または他の材料の融合)、または溶媒のうちの少なくとも1つによって、内側円筒空洞718で微細加工キャップ716に接続され得る。あるいは、円周シール(薄いエラストマーリング)を、内側円筒空洞718で外側円筒面720と微細加工キャップ716との間に挿入して、シールおよび摩擦嵌合を作成することができる。微細加工キャップ716は、ポリマまたは金属を含むいくつかの異なる材料を含み得る。微細加工キャップ716は、マイクロマシニング、マイクロ射出成形、三次元印刷、フォトリソグラフィー、シャドウマスキング、エッチング、またはマイクロフォーミングを含む、いくつかの異なるプロセスによって構築され得る。これらのプロセスには、加法プロセスと減法プロセスが含まれる。オリフィス730は、注入チューブ712の壁732に形成され、図48のオリフィス674と同様の機能を有する。注入チューブ712の遠位端部714が密封されているので、高圧流体は、オリフィス730から吸引ルーメン708(矢印)に押し出される。
[00275]注入チューブ712の外面724は、接着剤728(またはエポキシ、または他の接合手段)で吸引ルーメン708の内面726に接続されている。注入チューブ712は、オリフィス730が吸引ルーメン708内の反対側の表面734に向けられるように、吸引ルーメン708に対して特定の回転方向で接続されている。非接続セクション736は、吸引カテーテル700の長さのかなりの部分を近位方向に延び、したがって、柔軟性および追跡可能性の向上を可能にする。オリフィス730の中心は、オリフィス730から発するジェットが微細加工キャップ716を通過するように、微細加工キャップ716の近位端部から距離d2、例えば、約0.05mmから約10.00mmの間に配置され得る。オリフィス730の中心は、微細加工キャップ716の遠位端部が吸引ルーメン708から延在しないように、吸引ルーメン708の開放遠位端部710から距離d1に配置される。しかしながら、いくつかの実施形態では、微細加工キャップは、鋭利な先導的特徴を有さない限り、吸引ルーメン708から延びるように構成され得る。
[00276]図50は、細長いシャフト742を有し、シャフト742の遠位端部746に取り付けられた放射線不透過性マーカバンド744を備えた吸引カテーテル740を示している。シャフト742は、開放遠位端部750を有する吸引ルーメン748を画定する。遠位端部754を有する注入チューブ752は、微細加工キャップ756でキャップオフされている。微細加工キャップ756は、注入チューブ752の遠位端部754上に配置するように構成された内側円筒空洞758を有する。注入チューブ752の遠位端部754の外側円筒面760は、内側円筒空洞758で微細加工キャップ756に密封接続され、その結果、注入チューブ752の注入ルーメン762は、遠位端部754で閉じられ、密封され、高圧に抵抗する。補強リング795は、遠位端部754で注入チューブ752の注入ルーメン762に取り付けられて、遠位端部754を補強し、より高い強度のシールを可能にする。補強リング795はまた、摩擦嵌合シールを可能にするように構成され得る。補強リングは、ステンレス鋼などの高強度金属材料、または硬質ポリマを含み得る。外側円筒面760は、図49の吸引カテーテル700に関連して記載された方法または材料のいずれかによって、内側円筒空洞758で微細加工キャップ756に接続および/または密封され得る。微細加工キャップ756は、任意の材料を含み得、図49の微細加工キャップ716に関連して説明されたプロセスのいずれかによって形成され得る。オリフィス770は、注入チューブ752の壁772に形成され、図48のオリフィス674と同様の機能を有する。注入チューブ752の遠位端部754が密封されているので、高圧流体は、オリフィス770から吸引ルーメン748に押し出される。
[00277]注入チューブ752の外面764は、接着剤768(またはエポキシ、または他の接合手段)で吸引ルーメン748の内面766に接続されている。注入チューブ752は、オリフィス770が吸引ルーメン748内の対向する表面774に向けられるように、吸引ルーメン748に対して特定の回転方向で接続されている。接着剤768の接続は、吸引カテーテル740の長さのかなりの部分を近位方向に延びる。
[00278]図51は、細長いシャフト703を有し、シャフト703の遠位端部707に取り付けられた放射線不透過性マーカバンド705を備えた吸引カテーテル701を示している。シャフト703は、開放遠位端部711を有する吸引ルーメン709を画定する。遠位端部715を有する注入チューブ713は、微細加工キャップ717でキャップオフされている。遠位端部715は、加熱および/または引張延伸プロセスによって注入チューブ713の残りの部分からネックダウンされて、遠位端部715のより小さな外径を作り出す。微細加工キャップ717は、注入チューブ713の縮小された直径の遠位端部715の上に配置するように構成された内側円筒空洞719を有する。注入チューブ713の遠位端部715の外側円筒面721は、内側円筒空洞719で微細加工キャップ717に密封接続され、その結果、注入チューブ713の注入ルーメン723は、遠位端部715で閉じられ、密封され、高圧に抵抗する。遠位端部715および内側円筒空洞719のより小さな直径は、それによって遠位端部715のフープ強度が増加するため、比較的高い強度の接続を可能にする。外側円筒面721は、図49の吸引カテーテル700に関連して記載された方法または材料のいずれかによって、内側円筒空洞719で微細加工キャップ717に接続および/または密封され得る。微細加工キャップ717は、任意の材料を含み得、図49の微細加工キャップ716に関連して説明されたプロセスのいずれかによって形成され得る。オリフィス731は、注入チューブ713の壁733に形成され、図48のオリフィス674と同様の機能を有する。注入チューブ713の遠位端部715が密封されているので、高圧流体は、オリフィス731から吸引ルーメン709に押し出される。
[00279]注入チューブ713の外面725は、吸引ルーメン709の内面727に接続されていない。代わりに、微細加工キャップ717は、接着剤729(またはエポキシ、または他の接合手段)で内面727に接続されている。注入チューブ713の非接続セクション737は、吸引カテーテル701の長さのかなりの部分を近位方向に延び、したがって、柔軟性および追跡可能性の向上を可能にする。微細加工キャップ717は、注入チューブ713が吸引ルーメン709に対して特定の回転方向に保持されるように接続され、その結果、オリフィス731は、吸引ルーメン709内の対向する表面735に向けられる。
[00280]図52は、細長いシャフト743を有し、シャフト743の遠位端部747に取り付けられた放射線不透過性マーカバンド745を備えた吸引カテーテル741を示している。シャフト743は、開放遠位端部751を有する吸引ルーメン749を画定する。遠位端部755を有する注入チューブ753は、微細加工キャップ757でキャップオフされている。微細加工キャップ757は、注入チューブ753の遠位端部755上に配置するように構成された近位部分799を含む内側円筒空洞759を有する。注入チューブ753の遠位端部755の外側円筒面761は、円筒空洞759の内側近位部分799で微細加工キャップ757に密封接続され、その結果、注入チューブ753の注入ルーメン763は、密封され、高圧に抵抗する。外側円筒面761は、図49の吸引カテーテル700に関連して記載された方法または材料のいずれかによって、内側円筒空洞759の近位部分799で微細加工キャップ757に接続および/または密封され得る。微細加工キャップ757は、任意の材料を含み得、図49の微細加工キャップ716に関連して説明されたプロセスのいずれかによって形成され得る。オリフィス771は、近位部分799と連通する内側円筒空洞759の遠位部分797の出口である。図52の内側円筒空洞759は湾曲した形状を有するが、代わりにL字形を形成するか、または吸引カテーテル741の長手方向軸に対して45°の角度をとることができる。角度は45°から135°の間で変化する可能性がある。オリフィス771は、微細加工キャップ757の壁773に形成され、図48のオリフィス674と同様の機能を有する。高圧流体は、注入チューブ753の遠位端部755が密封されているため、内側円筒空洞759を通って、オリフィス771から出て、吸引ルーメン749に押し込まれる。
[00281]注入チューブ753の外面765は、接着剤769(またはエポキシ、または他の接合手段)で吸引ルーメン708の内面767に接続されている。注入チューブ753は、オリフィス771が吸引ルーメン749の対向する表面775に向けられるように、吸引ルーメン749に対して特定の回転方向で接続されている。非接続セクション777は、吸引カテーテル741の長さのかなりの部分を近位方向に延び、したがって、柔軟性および追跡可能性の向上を可能にする。図49〜図52の吸引カテーテル700,740,701,741の個々の特徴のうちの1つまたは複数は、他の新しい実施形態を作成するために再配置され得る。個々の特徴はそれぞれ、頭と首の血管系などの遠位血管系を追跡できる小径の吸引カテーテルの製造を可能にし、高圧強制注入を含む吸引も実現する。
[00282]図53〜図56は、挿入可能な注入チューブ920、およびそれを患者に使用するための方法を示している。簡単にするために患者は図示されておらず、装置はまっすぐな構成で示されているが、使用中は、装置が患者の血管系の屈曲を通って追跡されるのが一般的である。図53では、マイクロカテーテル924は、ウィリス動脈輪および大脳動脈を含む患者の神経血管系を追跡するように構成されている。マイクロカテーテル924は、吸引システム922(図54〜図56)の構成要素として組み込まれ得るか、またはユーザによって別個に購入された標準的なマイクロカテーテルであり得る。マイクロカテーテル924は、近位端部928および遠位端部930を有するシャフト926と、シャフト926を通って延びるルーメン932とを備える。ルアーハブ934(例えば、雌型ルアーコネクタ)は、シャフト926の近位端部928に密封的に取り付けられる。マイクロカテーテル924は、図49〜図52の吸引カテーテル700,740,701,741の放射線不透過性マーカバンド704,744,705,745と同様の方法で適用される遠位放射線不透過性マーカ(図示せず)を有し得る。コネクタ936は、ルアーハブ934に接続するための雄型ルアー938を含み、バルブ940を含むことができ、これは、Touhy−Borstまたは同等のものを含み得る。コネクタ936のサイドポート942は、図48に関連して詳細に説明されるシステム600の拡張チューブ638の雄型ルアー650に接続するための雌型ルアーを含み得る。図53では、ユーザは、ガイドワイヤ944を介してマイクロカテーテル924を対象領域である血管に追跡する。場合によっては、対象領域は、血栓946(図54)が患者に血栓塞栓性脳卒中を引き起こしている、脳動脈または近くの他の動脈の1つであり得る。
[00283]図54では、ユーザは、ガイドワイヤ944を取り外し、挿入可能な注入チューブ920を、Touhy−Borst940を通して、コネクタ936およびマイクロカテーテル924のルーメン932に挿入する。挿入可能な注入チューブ920は、図49〜図52の実施形態のいずれかに記載されているように、微細加工キャップ948を含み得るか、または代替の構成を含み得る。しかしながら、挿入可能な注入チューブ920は、少なくとも、ステンレス鋼、ニッケルチタン合金、ポリイミド、またはマイクロカテーテル924のルーメン932を通して挿入されるのに十分なカラム強度を有する他の高強度材料を含み得る高強度中空チューブ952を備える。微細加工キャップ924は、図52の微細加工キャップ757のオリフィス771と同様に、加圧流体のジェットを提供するように構成されたオリフィス950を含む。図55では、ユーザは、挿入可能な注入チューブ920を、マイクロカテーテル924のルーメン932を通って遠位端部930に向かってさらに前進させる。ストップ954は、高強度中空チューブ952の外側に接続され、オリフィス950の中心がマイクロカテーテル924の遠位端部から好ましい距離(例えば、図49のようにd1)に位置するときに、コネクタ936の近位面958に突き当たるように構成された前面956を有する。挿入可能な注入チューブ920は、それぞれが前面956とオリフィス950の中心との間で異なる長さを有し、それぞれが特定の長さのマイクロカテーテル924もしくは特定のモデルのマイクロカテーテル924、または特定のマイクロカテーテル924モデル/コネクタ936モデルの組み合わせと共に使用されるように構成された異なるモデルで実現され得る。いくつかの実施形態では、コネクタ936は、挿入可能な注入チューブ920の構成要素であり得、そして、Touhy−Borst940の代わりに、恒久的に密封され、近位領域で高強度中空チューブ952に接続され得る。したがって、雄型ルアー938のルアーハブ934への接続は、d1距離を制御する長手方向のストップを実現する。
[00284]血管の小さな直径と屈曲のために、高圧注入で強制される吸引能力(図48)を有する吸引カテーテル602を神経血管系に追跡することが常に可能であるとは限らない場合がある。したがって、挿入可能な注入チューブ920は、マイクロカテーテル924を強制吸引カテーテルに変換することを可能にする。したがって、強制吸引は、非常に遠位の場所、および通常はマイクロカテーテルが好ましいアクセス手段である、重大な屈曲の遠位にある場所で発生する可能性がある。小径の挿入可能な注入チューブ920は、マイクロカテーテル924が対象領域に挿入された後、マイクロカテーテル924のルーメン932を通して挿入することができる。システムの代替処置および代替実施形態では、ガイドワイヤ944上に挿入されるマイクロカテーテル924は、ガイドワイヤなしで対象領域に挿入される挿入可能な注入チューブ920の配置のために構成されたルーメンを有する流れ指向カテーテルによって置き換えられ得る。
[00285]図57は、挿入可能な注入チューブ920の遠位端部913の特定の遠位構成を示している。この構成により、微細加工キャップ948およびオリフィス950は、マイクロカテーテル924のルーメン932を通して制御可能かつ繰り返し挿入されることができ、その結果、オリフィスが自動的に向けられ、オリフィス950(すなわち1つまたは複数のオリフィス950)から発する1つまたは複数のジェットが、マイクロカテーテル924のルーメン932内の反対側の壁929に対して方向付けられる。微細加工キャップ948は、フィレットもしくはベベル、または他のタイプの引き込み形状を含み得る遠位テーパ960を有する。遠位テーパ960の目的は、コネクタ936、ルアーハブ934、またはルーメン932(図54)への挿入を容易にし、特にシャフト926が曲がりくねった状態であるとき、ルーメン932を通る微細加工キャップ948の前進を容易にすることである。スプラインループ962は、微細加工キャップ948に接続され、ステンレス鋼またはコバルト−クロム−ニッケル−モリブデンなどのワイヤから形成され得るか、またはニッケル−チタン合金などの超弾性材料を含み得る。スプラインループ962は、マイクロカテーテル924のルーメン932の直径よりもわずかに小さいか、等しいか、またはわずかに大きい直径を有するように構成される。図58を参照すると、スプラインループ962の第1の端部921は、微細加工キャップ948の円周方向の溝923に接続されている。スプラインループ962の第1の端部921と第2の端部927との間にギャップ925があり、これにより、2つの端部921,927が互いに接近するためのスペースが可能になり、したがって、例えば、マイクロカテーテル924のルーメン932の周りの壁からスプラインループ962に加えられた応力によって、スプラインループ962の直径が強制的に小さくなる。スプラインループ962と微細加工キャップ948との間の回転の向きは、(第1の端部921を溝923に接続することによって)互いに対して固定されるので、オリフィス950は、ルーメン932内の反対側の壁929に向けられたままである。スプラインループ962は、微細加工キャップ948上のオリフィス950とは異なる長手方向位置に配置され、したがって、スプラインループ962は、オリフィス950から発するジェットを遮断または偏向させない。この実施形態では、スプラインループ962は、オリフィス950に対してわずかに遠位であるが、他の実施形態では、代わりに近位に配置され得る。他の代替の実施形態では、スプラインループ962(または任意の類似の構造)を実際に使用して、例えば少なくとも部分的に近位長手方向にジェットを偏向させるなど、ジェットの形状または方向を変更する目的で、オリフィス950から発するジェットを少なくともいくらか偏向させることができる。したがって、これらの代替の実施形態では、スプラインループ962を、オリフィス950と略同じ長手方向位置に配置することが実際に望ましい場合がある。
[00286]図59では、スプラインループ962は、微細加工キャップ948の代わりに高強度中空チューブ952に取り付けられているスプラインリング933によって置き換えられている。スプラインリング933は、フラットワイヤ(ステンレス鋼またはニッケルチタン合金など)または硬いポリマストリップ(ポリイミドまたは他の硬いポリマ)から形成され、数字「6」のような形状をしており、第1の端部935と第2の端部937との間に延びる。第1のループ部分939は、その上に接続するために高強度中空チューブ952の周りに延びるように構成され、第2のループ部分941は、図57〜図58のスプラインループ962と同じ目的を果たして、微細加工キャップ948を案内し、オリフィス950をルーメン932内に回転して向ける。あるいは、ルーメン932の片側の壁に対して微細加工キャップ948を維持するのに役立つ、および/またはマイクロカテーテル924のシャフト926と高強度中空チューブ952または微細加工キャップ948(2つのいずれかがオリフィス950を含む)のいずれかとの間の回転に抵抗するのに役立つ他のスプライン形状が使用されてもよい。スプラインループ962またはスプラインリング933は、それぞれ、放射線不透過性材料から作製され得るか、ベース、またはメッキもしくはコーティングとして放射線不透過性材料を含み得る。したがって、処置中、マイクロカテーテル924のルーメン932を下るオリフィス950の動きをX線または蛍光透視法で視覚化することがより容易になる。微細加工キャップ948はまた、または代わりに、放射線不透過性材料または放射線不透過性コーティングもしくはメッキを含み得る。提示された実施形態における挿入可能な注入チューブ920は、マイクロカテーテル924のルーメン932から取り外し可能であるように構成され、その結果、マイクロカテーテル924は、その後、他の機能(塞栓コイルまたは塞栓材料、薬物を送達する、ガイドワイヤ944を交換する、または空のルーメン932を通して吸引する)の1つに使用され得る。代替の実施形態では、微細加工キャップ948のオリフィス950を使用して、例えば、ルーメン932の近位端部にかかる減圧または負圧を停止または回避することによって、薬物または他の材料を血管系に注入することができる。
[00287]図60〜図63は、図48の吸引システム600を使用して、吸引カテーテル602、または代替の吸引カテーテル700,740,701,741のいずれかを使用して、患者を治療するための方法を示している。あるいは、この方法は、吸引システム922を使用して、またはマイクロカテーテル924、ガイドカテーテル、またはガイドシース(長いシース)などの標準的な単一ルーメンのカテーテルを備えた挿入可能な注入チューブ920を使用して達成され得る。これらのシステムのすべてにおいて、図48に記載されているようなポンプ612および蠕動ポンプ608を利用することができる。図60では、吸引カテーテル602は、血管943内に追跡されており(例えば、ガイドワイヤ648を使用して)、開放遠位端部605が血栓947の近位端部945に隣接するように前進される。場合によっては、蠕動ポンプ608によって拡張チューブ638に与えられる遠位から近位への流れインパルスと組み合わされた、チューブセット664を通るポンプ612からの高圧注入を利用する吸引は、血栓947を開放遠位端部605および吸引ルーメン604に十分に吸引させて、浸軟および吸引できるようにするのに十分ではない。時々、これの原因は、血栓947の遠位の空間949が相対的な真空として作用し、力で(例えば、遠位に、吸引カテーテル602から離れて)血栓を引っ張って、血栓を吸引するのを困難にすることである。血管943は比較的正常な状態で示されているが、血栓947による閉塞による血圧の不足のために、血管が崩壊した可能性がある。他の場合には、血栓947のいくつかは、遠位から近位方向への流れの能力を妨げるはっきりとした固体または半固体の部分を有し得る。
[00288]ユーザは、ポンプ612および蠕動ポンプ608の作動を介して吸引しようとしている間にこの状態に遭遇し、吸引カテーテル602は、図60に示されるように血管943に挿入および前進される。次に、ユーザは、吸引システム600を用いた技術を使用して、実質的に流れのない状態を緩和することができる。図61において、ユーザは、吸引ルーメン604の開放遠位端部605が血栓947の遠位になるように、吸引カテーテル602を前進させる。血栓947を通過する吸引カテーテル602の開放遠位端部605の前進は、ガイドワイヤ648を使用せずに行うことができるが、特定の例では、ガイドワイヤ648を使用して、カニューレを挿入し、血栓947を通過して、次に、吸引カテーテル602を追跡する必要がある。
[00289]図62では、蠕動ポンプ608が作動されていない間に、ユーザはポンプ612を作動させて流体を注入する。したがって、加圧流体(例えば、ヘパリン化生理食塩水、または血栓溶解薬と混合された生理食塩水)は、チューブ678の注入ルーメン610を通って、オリフィス674を通って、吸引ルーメン604に注入され、次いで、開放遠位端部605(矢印)から出て血管943の空間949に入る。これは、吸引ルーメン604を介した吸引がなく、停止した蠕動ポンプ608が閉鎖弁として機能し、ローラ632の1つが拡張チューブ638の圧縮可能部分637を圧縮するために発生する。流体の注入は、空間949の流体容積を増加させ、そうすることによって、その内圧も増加させることができ、したがって、空間949によって引き起こされる以前の相対的な真空効果を中和することができる。空間949内に流動性材料があり、このため、蠕動ポンプ608をポンプ612と共に使用する吸引により、血栓947の浸軟および吸引を開始することができる(ここで蠕動ポンプ608をオンにすることにより)。吸引カテーテル602はまた、図63に示されるように引っ込められて、血栓947と良好に接触し、吸引される血栓947のパーセンテージを増加させることができる。これを、血栓947のすべてまたは少なくとも臨床的に重要な部分が吸引されるまで続けることができる。
[00290]図62に戻ると、血栓塞栓性脳卒中などの特定の場合において、下流組織は、血栓947によって引き起こされる閉塞のために十分な流れを受けていない可能性がある。ユーザは、チューブセット664が動作し得る熱交換器または熱電冷却器951(図48)などの冷却システムを介して流体源679から流体を流すことができ、それによって流体を冷却することができる。さらに、体外回路953(図62)をチューブセット664に取り付けることができ、その結果、患者から除去された血液(例えば、大腿動脈、大腿静脈、または頸静脈シース955を介して)が、流体源679からの流体に加えられ、その結果、いくらかの酸素化された血液が空間949に注入され、そのうちいくらかは潜在的に下流の組織に酸素または栄養素を供給する可能性がある。冷却された流体(生理食塩水、血液、または生理食塩水と血液)は、下流の組織を積極的に冷却することにより、代謝要求をさらに減らすことができる。本発明者らは、ピストンを有する取り外し可能なカートリッジを利用するポンプ612を使用して、約10%の血液を含む混合物から約80%の血液を含む混合物に、この種の注入中および注入された生理食塩水と血液の混合中に、溶血を許容できる低い値に維持できることを実証した。
[00291]図64〜図65は、図48の吸引システム600を使用して患者を治療するための方法を示しているが、並進可能な注入チューブ959を有する吸引カテーテル957を組み込んでいる。吸引カテーテル957は、近位端部971および開放遠位端部961を備えた吸引ルーメン965を有する細長いシャフト963を有する。並進可能な注入チューブ959は、近位端部975および遠位端部977を有する注入ルーメン973を有する。遠位端部977は、図52のオリフィス771のように、注入ルーメン973を通して注入された加圧流体がオリフィス981から出るように、オリフィス981を有する微細加工キャップ979に接続されている。十分に高い注入圧力では、流体は、ジェットのオリフィス981から放出され得る。あるいは、注入ルーメン973の遠位端部977は、塞がれるか、または蓋をされてもよく、図49〜図51のように、注入チューブ959の壁に形成されたオリフィスがあってもよい。図48に記載のポンプ612および蠕動ポンプ608を利用することができる。図64では、吸引カテーテル957は、血管943内に追跡されており(例えば、ガイドワイヤ648を使用して)、開放遠位端部961が血栓947の近位端部945に隣接するように前進される。近位の雌型ルアーコネクタ983は、注入ルーメン973に接続され、チューブセット664の雄型ルアー/遠位端部670に接続するように構成される。フィルタ985は、粒子を濾過するために、雌型ルアーコネクタ983と雄型ルアー670との間に挿入され得る(図65)。フィルタは、近位の雌型ルアー987および遠位の雄型ルアー989を有する。フィルタ985は、流体が(意図的であろうとなかろうと)患者の血流に注入され得る、本明細書に記載の実施形態のいずれかと共に使用され得る。
[00292]説明したように、場合によっては、蠕動ポンプ608によって拡張チューブ638に与えられる遠位から近位への流れインパルスと組み合わされた、チューブセット664を通るポンプ612からの高圧注入を利用する吸引は、血栓947を開放遠位端部961および吸引ルーメン965に十分に吸引させて、浸軟および吸引できるようにするのに十分ではない。剛性チューブ991は、近位の長さで注入チューブ959上に同軸に接続されるか、または注入チューブ959自体を近位方向に剛性に作ることができる。剛性チューブ991および/または雌型ルアーコネクタ983および/または取り付けられたフィルタ985は、ユーザが剛性チューブ991および注入チューブ959を順番に遠位方向に前進させることができるように、ユーザが把持することができ、微細加工キャップ979およびオリフィス981が、血栓947を通って、血栓947の遠位の空間949内に遠位方向に移動されるようにする。場合によっては、血栓947の遠位部分に遠位方向に移動することで十分である可能性がある。動的シール993(Oリング、クワッドリングなど)は、剛性チューブ991のすべての長手方向位置で剛性チューブ991上に密封され得る。オリフィス981が空間949内に配置されると、ポンプ612は、蠕動ポンプ608の動作なしで(または蠕動ポンプの設定が著しく低い状態で)動作し、これにより、流体が注入ルーメン973を通ってオリフィス981から注入され、空間949に入る。
[00293]流体の注入は、空間949の流体容積を増加させ、そうすることによって、その圧力も増加させることができ、したがって、空間949からの以前の相対的な真空効果を中和することができる。蠕動ポンプ608をポンプ612と共に使用する吸引が、(蠕動ポンプ608をオンにすることにより)血栓947の浸軟および吸引を開始することを可能にするように、空間949内に流動性材料が存在する。カテーテル957のシャフト963はまた、吸引されている血栓947のパーセンテージを増加させるために、吸引中に前進および後退することができる。さらに、注入チューブ959は、カテーテルに対して前進または後退することができる。オリフィス981は、吸引ルーメン965の内側、または吸引ルーメン965のわずかに外側の適切な位置に調整され得る。これを、血栓947のすべてまたは少なくとも臨床的に重要な部分が吸引されるまで続けることができる。説明したように、脳卒中を含む血栓947によって引き起こされる特定の虚血状態に関連して、ユーザは、チューブセット664が動作し得る熱交換器または熱電冷却器951(図48)などの冷却システムを介して流体源679から流体を流すことができ、それによって流体を冷却することができる。さらに、体外回路953(図62のように)をチューブセット664に取り付けることができ、その結果、患者から除去された血液(例えば、大腿動脈、大腿静脈、または頸静脈シース955を介して)が、流体源679からの流体に加えられ、その結果、いくらかの酸素化された血液が空間949に注入され、そのうちいくらかは潜在的に下流の組織に供給する可能性がある。冷却された流体(生理食塩水、血液、または生理食塩水と血液)は、下流組織の代謝要求をさらに減らすことができる。
[00294]図66〜図69は、図48の吸引システム600を使用して患者を治療するための方法を示しているが、並進可能な注入チューブ969を有する吸引カテーテル967を組み込んでいる。吸引カテーテル967は、近位端部999および開放遠位端部2066を備えた吸引ルーメン997を有する細長いシャフト995を有する。並進可能な注入チューブ969は、近位端部2070および遠位端部974を有する注入ルーメン2068を有する。遠位端部974は、図69のように、注入ルーメン2068を通して注入された加圧流体がオリフィス2072から出るように、遠位オリフィス2072を有する。十分に高い注入圧力では、流体がジェットで放出され得る。図48に記載のポンプ612および蠕動ポンプ608を利用することができる。図68および図70を参照すると、細長いシャフト978と、その近位端部984にあるハンドル980とを備えるオクルーダ976は、接続部材988によってその遠位端部986に接続されたエラストマー閉塞要素982を有する。閉塞要素982は、円形リングまたは回転楕円体もしくは卵形を含み得、シリコーンなどの任意のエラストマー材料、または熱可塑性エラストマーで形成され得る。閉塞要素982は、注入ルーメン2068の直径よりわずかに大きい直径を有し、注入ルーメン2068内のその特定の長手方向位置の遠位の流れを著しく閉塞するように構成される。図70に示される位置は、注入チューブ969の壁992のサイドオリフィス990の遠位にある長手方向位置で注入ルーメン2068を閉塞する閉塞要素982を示している。したがって、オクルーダ976が図68および図70に示される位置にあるとき、オリフィス2072は、閉塞要素982によって遮断され、加圧流体は、サイドオリフィス990(曲線矢印、図70)を通って流れる。接続部材988は、放射線不透過性材料を含み得る。注入チューブ969に取り付けられた放射線不透過性マーカ994は、放射線不透過性接続部材988と共にX線または蛍光透視法で観察されて、サイドオリフィス990に対する閉塞要素982の特定の相対的長手方向位置を評価し得る。必要に応じて、放射線不透過性マーカ994は、サイドオリフィス990のすぐ近位に配置することができるが、図70では、サイドオリフィス990のすぐ遠位に示されている。図71に示されるように閉塞要素982が引っ込められ、図69に示されるようにオクルーダ976が除去される場合、注入ルーメン2068を介した流体の注入は、オリフィス2072を出ることができる。サイドオリフィス990のサイズは、オリフィス2072よりもサイドオリフィス990を介してより多くの抵抗があるという事実のために、オクルーダ976が除去されたときに、注入された流体の大部分がオリフィス2072を出るように十分に小さくすることができる。したがって、注入チューブ969がシャフト995に対して特定の長手方向位置にある場合、オリフィス2072を介して空間949に注入するか、またはサイドオリフィス990を介して吸引カテーテル967の吸引ルーメン997に注入するかを、オクルーダ976を使用して選択することができる。
[00295]図72は、図66〜図69のシステムおよびステップと併せて使用され得る、追加のまたは代替の実施形態およびステップを示している。ブロッキング部材996は、近位でより大きな直径であり、遠位でより小さな直径であり得る細長いシャフト998を含む。ブロッキング部材996はまた、その遠位端部にらせん状のブロッキング要素(または特徴)899と、その近位端部にハンドル897とを含む。ブロッキング部材996は、2018年4月24日に出願され、2018年11月1日に国際公開第2018/200566号パンフレットとして公開された、Incuvate,LLCと共同所有の国際出US2018/029196号明細書に記載されているブロッキング部材に関連して記載されている実施形態または特徴のいずれかで構成され得るか、またはそれらを含み得る。ブロッキング要素899は、図72に示されるように、注入ルーメン2068の下に配置され、オリフィス2072から空間949に送達されて、潜在的な遠位塞栓を捕捉し、下流組織(脳組織、心臓組織、など)を保護するように構成される。いくつかの実施形態では、ブロッキング要素899は、オクルーダ976の遠位端部に取り付けられ得、その結果、それらは、単一の構成要素に組み合わされる。したがって、図68〜図71に関連して説明された閉塞は、図72に関連して説明された遠位保護/遮断と共に起こり得る。
[00296]図38の吸引システム1400’を使用する代替モードが図73に示されている。コントローラ1484は、両端が湾曲した矢印1701に示されるように、回転可能なヘッド1430が前後に回転するように、蠕動ポンプ1408に双方向に動作するように命令するようにプログラムされるまたはプログラム可能である。前後の回転は、吸引カテーテル1402’の吸引ルーメン1404’に引き込まれた血栓のための「逆流」モードを作り出すことができる。コントローラ1484はまた、蠕動ポンプ1408が「逆流」モードにある間、ポンプ1412をシャットダウンするように構成され得る。モータの継続的な逆転による自動サイクリングにより、例えば、繰り返しの引っ張りおよび押し込みサイクルによる血栓のさらなる浸軟が可能になる。コントローラ1484は、特定のサイクル数を実行し、次に吸引方向(図38の第1の回転方向1436)に戻って血栓を完全に除去するように構成され得る。
[00297]例として図36を使用するが、説明をグローバルに適用すると、蠕動ポンプ1408を利用して説明される実施形態のいずれかにおいて、蠕動ポンプ1408が逆方向に(第1の回転方向1436の反対側に)実行され得る代替の動作モードが可能であり、その結果、拡張チューブルーメン1444および/または吸引カテーテル1402の吸引ルーメン1404内の流体の少なくとも一部が、吸引ルーメン1404の開放遠位端部1405から注入される。例えば、吸引カテーテル1402が患者から取り外された場合、吸引カテーテル1402を再利用する前に、物質(血栓、塞栓、他の詰まった物質)を開放遠位端部1405から空にすることができる。別の使用法では、血管系内に吸引カテーテル1402を用いて、拡張チューブ1438の近位端部1442を、造影剤もしくは溶解薬、または他の薬物で満たされた容器に入れることができ、次に、蠕動ポンプ1408を逆方向に実行して、造影剤または薬物を患者の血管系に注入することができる。したがって、追加の注入部位またはルアー接続の取り外しは必要ない。
[00298]別の代替動作モードでは、蠕動ポンプ1408が停止されるか、またはコントローラ1484によって停止させられ、溶解薬が流体源1479として使用される。次に、ポンプ1412は、チューブ1478の高圧注入ルーメン1410を介して、吸引ルーメン1404の開放遠位端部1405を通って、患者の血管系(例えば、血栓またはその近く)に溶解物を脈動させるために使用される。蠕動ポンプ1408を遮断することにより、注入ルーメン1410(およびオリフィス1474)を介した注入により、溶解薬を開放遠位端部1405から患者の血管系に送り出すことができる。
[00299]蠕動ポンプ1408,408,608,2102/2108または遠心ポンプ1409を吸引ルーメンと注入ルーメンの両方を有する吸引カテーテル1402,1402’,402,602と一緒に利用する吸引システム1400,1400’,1400’’,400,600,2100のいずれかを、吸引ルーメン204を有し、注入ルーメンを有さない吸引カテーテル202と共に、または注入ルーメンを通して注入せずに吸引カテーテル1402,1402’,402,602と共に代替的に使用することもできる。蠕動ポンプ1408,408,608,2102/2108、または遠心ポンプ1409のみを使用して、血栓を吸引することができる。
[00300]本明細書に記載の吸引システムのいずれかを使用して、遠位血圧は、ポンプ1408,1412がオフになっているか接続されていない状態で、吸引カテーテル1402の吸引ルーメン1404の開放遠位端部によって、罹患した冠状動脈、末梢動脈、または他の動脈において測定され得、Svanerudhらの“Method and System for Determining Physiological Variables”と題された米国特許第6565514号明細書に開示されているように、フラクショナルフローリザーブ(FFR)の値を決定する。圧力センサ1416は、吸引ルーメン1404内の圧力を測定するために使用され得る。例えば、第1のステップにおいて、ユーザは、ポンプ1412が注入ルーメン1410を通して積極的に生理食塩水を圧送していないことを保証し、蠕動ポンプ1408が吸引ルーメン1404を通して積極的に吸引していないことを保証する。第2のステップにおいて、ユーザは、アテローム性動脈硬化症病変、狭窄、または動脈内の関心のある部分の閉塞、あるいは血栓またはアテローム性動脈硬化症と血栓の組み合わせによって著しく引き起こされる部分的閉塞もしくは狭窄の遠位に、吸引ルーメン1404の開放遠位端部1405を配置する。次に、ユーザは、第3のステップで、吸引監視システム1414を使用して吸引ルーメン1404の開放遠位端部1405で圧力を測定すると同時に、例えば、ガイドカテーテルに接続された圧力変換器を用いて病変の近位の圧力も測定する。第4のステップでは、ユーザはフラクショナルフローリザーブ(FFR)を取得または計算して、部分的な閉塞の狭窄の重要性を判断するのを助ける。
[00301]以下の条項は、本開示の実施形態を説明する。
[00302]血栓摘出処置を実行するための方法であって、この方法は、被験者の血管内に配置するように構成された細長いシャフトを備える吸引カテーテルを設けるステップであって、シャフトは吸引ルーメンおよび注入ルーメンを有し、吸引ルーメンは開放遠位端部および近位端部を有し、注入ルーメンは吸引ルーメン内に延在し、遠位端部および近位端部を有し、注入ルーメンの遠位端部は吸引ルーメンの開放遠位端部近くの吸引ルーメン内に位置し、吸引カテーテルは、加圧流体が注入ルーメンを通して注入されるときに1つまたは複数のジェットを生成するように構成された注入ルーメンの遠位端部のオリフィスをさらに備える、ステップと、細長いシャフトの少なくとも遠位部分を被験者の血管に配置するステップと、遠位端部および近位端部とそれらの間に延びるルーメンとを有する拡張チューブを配置するステップであって、拡張チューブは、拡張チューブの遠位端部と近位端部との間に配置された拡張チューブの圧縮可能部分がローラポンプの回転可能なヘッドの2つ以上のローラによって係合可能であるようなローラポンプ内で、吸引カテーテルの吸引ルーメンに液圧で接続されるように構成されている、ステップと、加圧流体を吸引カテーテルの注入ルーメンを通して近位端部から遠位端部に注入し、それがオリフィスを通って吸引ルーメンに入るようにし、それによって一部の体液を吸引カテーテルの吸引ルーメンに入れるステップと、吸引カテーテルの吸引ルーメンに押し込まれた体液が拡張チューブを通って拡張チューブの遠位端部から拡張チューブの近位端部まで通過するようにローラポンプを作動させるステップと、を含む。いくつかの実施形態では、体液は少なくともいくらかの血液を含む。いくつかの実施形態では、この方法は、血液を被験者の血管系に戻すステップをさらに含む。いくつかの実施形態では、この方法は、戻すステップの前に血液を濾過するステップをさらに含む。いくつかの実施形態では、この方法は、2つ以上のローラのうちの1つが圧縮可能部分上の位置を圧縮することによって拡張チューブのルーメンを閉じるようにローラポンプの動作を停止するステップをさらに含む。いくつかの実施形態では、加圧流体を注入するステップおよびローラポンプを作動させるステップは、同時に開始される。いくつかの実施形態では、この方法は、少なくともいくらかの血液を収集するステップをさらに含む。いくつかの実施形態では、この方法は、少なくともいくらかの血液を濾過するステップをさらに含む。いくつかの実施形態では、この方法は、濾過された血液を被験者の血管系に戻すステップをさらに含む。
[00303]カテーテル吸引のためのシステムであって、このシステムは、被験者の血管内に配置するように構成された細長いシャフトを備える吸引カテーテルであって、シャフトは吸引ルーメンおよび注入ルーメンを有し、吸引ルーメンは開放遠位端部および近位端部を有し、注入ルーメンは吸引ルーメン内に延在し、遠位端部および近位端部を有し、注入ルーメンの遠位端部は吸引ルーメンの開放遠位端部近くの吸引ルーメン内に位置する、吸引カテーテルと、加圧流体が注入ルーメンを通して注入されるときに1つまたは複数のジェットを生成するように構成されている、注入ルーメンの遠位端部のオリフィスと、遠位端部および近位端部とそれらの間に延びるルーメンとを有する拡張チューブであって、拡張チューブの遠位端部は、吸引カテーテルの吸引ルーメンに液圧で接続されるように構成され、拡張チューブは、拡張チューブの遠位端部と近位端部との間に配置された圧縮可能部分をさらに有し、圧縮可能部分は、蠕動ポンプの動作により、吸引カテーテルの吸引ルーメンからの流体が拡張チューブを通って拡張チューブの遠位端部から拡張チューブの近位端部まで移動するように、蠕動ポンプ内に配置するように構成されている、拡張チューブと、拡張チューブに液圧で接続され、遠位から近位まで拡張チューブを通過した被験者流体の血管系に戻るように構成された戻り導管と、を含む。いくつかの実施形態では、蠕動ポンプはローラポンプを備える。いくつかの実施形態では、戻り導管は拡張チューブと一体である。いくつかの実施形態では、ローラポンプのローラは、ローラポンプが非作動状態にあるときに拡張チューブの圧縮可能部分を圧縮してそのルーメンを閉じることによって、導管を通る流体の流れを停止するように構成される。いくつかの実施形態では、システムは、拡張チューブと戻り導管との間に配置されたフィルタをさらに備える。いくつかの実施形態では、戻り導管は血管シースを含む。いくつかの実施形態では、血管シースは静脈シースを備える。いくつかの実施形態では、流体は、被験者の血管系からの少なくともいくつかの浸軟した血栓を含む。いくつかの実施形態では、システムは、圧力シューおよび回転可能なヘッドを有するポンプベースを備えるローラポンプをさらに備え、回転可能なヘッドは、その周囲に配列された2つ以上のローラを含む。いくつかの実施形態では、細長いシャフトは、被験者の末梢血管内に配置するように構成される。いくつかの実施形態では、細長いシャフトは、被験者の頭または首内の血管内に配置するように構成される。いくつかの実施形態では、システムは、ローラポンプを作動させ、注入ルーメンを通して流体を加圧するように構成されたポンプを作動させるように構成されたコントローラをさらに備える。いくつかの実施形態では、コントローラは、ローラポンプとポンプを略同時に開始するように構成される。いくつかの実施形態では、コントローラは、ローラポンプとポンプを略同時に停止するように構成される。いくつかの実施形態では、コントローラは、ローラポンプの開始とポンプの開始との間に遅延を与えるように構成される。いくつかの実施形態では、コントローラは、ローラポンプの停止とポンプの停止との間に遅延を与えるように構成される。いくつかの実施形態では、コントローラは、流体圧力の偏差に少なくとも部分的に基づいてその動作を変化させる。いくつかの実施形態では、測定装置はマイクロプロセッサを備える。いくつかの実施形態では、戻り導管は、皮下注入針を含む。
[00304]カテーテル吸引のためのシステムであって、このシステムは、蠕動ポンプと、被験者の血管内に配置するように構成された細長いシャフトを備える吸引カテーテルであって、シャフトは吸引ルーメンおよび注入ルーメンを有し、吸引ルーメンは開放遠位端部および近位端部を有し、注入ルーメンは吸引ルーメン内に延在し、遠位端部および近位端部を有し、注入ルーメンの遠位端部は吸引ルーメンの開放遠位端部近くの吸引ルーメン内に位置する、吸引カテーテルと、加圧流体が注入ルーメンを通して注入されるときに1つまたは複数のジェットを生成するように構成されている、注入ルーメンの遠位端部のオリフィスと、遠位端部および近位端部とそれらの間に延びるルーメンとを有する拡張チューブであって、拡張チューブの遠位端部は、吸引カテーテルの吸引ルーメンに液圧で接続され、拡張チューブは、拡張チューブの遠位端部と近位端部との間に配置された圧縮可能部分をさらに有し、圧縮可能部分は、蠕動ポンプの動作により、吸引カテーテルの吸引ルーメンからの流体が拡張チューブを通って拡張チューブの遠位端部から拡張チューブの近位端部まで移動するように、蠕動ポンプ内に配置するように構成されている、拡張チューブと、吸引カテーテルの吸引ルーメンおよび拡張チューブのルーメンを含む導管内に配置されたフィルタであって、フィルタは、オリフィスと拡張チューブの圧縮可能部分との間に配置されている、フィルタと、を含む。
[00305]カテーテル吸引のためのシステムであって、このシステムは、被験者の血管内に配置するように構成された細長いシャフトを備える吸引カテーテルであって、シャフトは吸引ルーメンおよび注入ルーメンを有し、吸引ルーメンは開放遠位端部および近位端部を有し、注入ルーメンは吸引ルーメン内に延在し、遠位端部および近位端部を有し、注入ルーメンの遠位端部は吸引ルーメンの開放遠位端部近くの吸引ルーメン内に位置する、吸引カテーテルと、加圧流体が注入ルーメンを通して注入されるときに1つまたは複数のジェットを生成するように構成されている、注入ルーメンの遠位端部のオリフィスと、遠位端部および近位端部とそれらの間に延びるルーメンとを有する拡張チューブであって、拡張チューブの遠位端部は、吸引カテーテルの吸引ルーメンに液圧で接続されるように構成され、拡張チューブは、拡張チューブの遠位端部と近位端部との間に配置された圧縮可能部分をさらに有し、圧縮可能部分は、蠕動ポンプの動作により、吸引カテーテルの吸引ルーメンからの流体が拡張チューブの遠位端部から拡張チューブの近位端部まで拡張チューブを通って移動するように、蠕動ポンプ内に配置するように構成されている、拡張チューブと、注入ルーメンを通して流体を加圧するように構成されたピストンポンプを作動させるように構成されたコントローラと、注入ルーメンに注入されたまたは注入ルーメンを通して注入された加圧流体内の空気の存在を感知するように構成されたセンサであって、センサはコントローラに信号を出力するように構成されている、センサと、を含む。いくつかの実施形態では、コントローラは、センサからの信号の変化に少なくとも部分的に基づいて、ピストンポンプの動作を停止するように構成される。いくつかの実施形態では、センサは、加圧流体と流体接触している圧力変換器を備える。いくつかの実施形態では、センサは、加圧流体中の1つまたは複数の気泡の存在を感知するように構成された光学センサを含む。いくつかの実施形態では、センサは、ピストンポンプを駆動する電流を測定するように構成される。
[00306]カテーテル吸引のためのシステムであって、このシステムは、被験者の血管内に配置するように構成された細長いシャフトを備える吸引カテーテルであって、シャフトは開放遠位端部および近位端部を有する吸引ルーメンを有する、吸引カテーテルと、遠位端部および近位端部とそれらの間に延びるルーメンとを有する拡張チューブであって、拡張チューブの遠位端部は吸引カテーテルの吸引ルーメンに液圧で接続されるように構成され、拡張チューブは、拡張チューブの遠位端部と近位端部との間に配置された圧縮可能部分をさらに有し、圧縮可能部分は、ローラポンプの動作により、吸引カテーテルの吸引ルーメンからの流体が拡張チューブの遠位端部から拡張チューブの近位端部まで拡張チューブを通って移動するように、ローラポンプ内に配置するように構成されている、拡張チューブと、拡張チューブのルーメンおよびカテーテルの吸引ルーメンを含む導管と流体連通して配置するように構成された圧力センサと、圧力センサに接続され、流体圧力の偏差を測定するように構成された測定装置と、測定装置に接続され、流体圧力の偏差に関連する信号を生成するように構成された通信装置と、を含む。
[00307]カテーテル吸引のためのシステムであって、このシステムは、被験者の血管内に配置するように構成された細長いシャフトを備える吸引カテーテルであって、シャフトは開放遠位端部および近位端部を有する吸引ルーメンを有する、吸引カテーテルと、遠位端部および近位端部とそれらの間に延びるルーメンとを有する拡張チューブであって、拡張チューブの遠位端部は吸引カテーテルの吸引ルーメンに液圧で接続されるように構成され、拡張チューブは、拡張チューブの遠位端部と近位端部との間に配置された圧縮可能部分をさらに有し、圧縮可能部分は、蠕動ポンプの動作により、吸引カテーテルの吸引ルーメンからの流体が拡張チューブの遠位端部から拡張チューブの近位端部まで拡張チューブを通って移動するように、蠕動ポンプ内に配置するように構成されている、拡張チューブと、拡張チューブのルーメンおよびカテーテルの吸引ルーメンを含む導管と流体連通して配置するように構成された圧力センサと、圧力センサに接続され、流体圧力の偏差を測定するように構成された測定装置と、測定装置に接続され、流体圧力の偏差に関連する信号を生成するように構成された通信装置と、を含む。
[00308]血栓摘出処置を実行するための方法であって、この方法は、被験者の血管内に配置するように構成された細長いシャフトを備える吸引カテーテルを設けるステップであって、シャフトは開放遠位端部および近位端部を有する吸引ルーメンを有する、ステップと、細長いシャフトの少なくとも遠位部分を被験者の血管内に配置するステップと、遠位端部および近位端部とそれらの間に延びるルーメンとを有する拡張チューブを配置するステップであって、拡張チューブは、拡張チューブの遠位端部と近位端部との間に配置された拡張チューブの圧縮可能部分がローラポンプの回転可能なヘッドの2つ以上のローラによって係合可能であるようなローラポンプ内で、吸引カテーテルの吸引ルーメンに液圧で接続されるように構成されている、ステップと、吸引カテーテルの吸引ルーメンに押し込まれた体液が拡張チューブの遠位端部から拡張チューブの近位端部まで拡張チューブを通って移動するようにローラポンプを作動させるステップと、を含む。
[00309]カテーテル吸引のためのシステムであって、このシステムは、被験者の血管内に配置するように構成された細長いシャフトを備える吸引カテーテルであって、シャフトは開放遠位端部および近位端部を有する吸引ルーメンを有する、吸引カテーテルと、遠位端部および近位端部とそれらの間に延びるルーメンとを有する拡張チューブであって、拡張チューブの遠位端部は吸引カテーテルの吸引ルーメンに液圧で接続されるように構成され、拡張チューブは、拡張チューブの遠位端部と近位端部との間に配置された圧縮可能部分をさらに有し、圧縮可能部分は、蠕動ポンプの動作により、吸引カテーテルの吸引ルーメンからの流体が拡張チューブの遠位端部から拡張チューブの近位端部まで拡張チューブを通って移動するように、蠕動ポンプ内に配置するように構成されている、拡張チューブと、拡張チューブに液圧で接続され、遠位から近位まで拡張チューブを通過した被験者流体の血管系に戻るように構成された戻り導管と、を含む。
[00310]カテーテル吸引のためのシステムであって、このシステムは、遠心ポンプと、被験者の血管内に配置するように構成された細長いシャフトを備える吸引カテーテルであって、シャフトは開放遠位端部および近位端部を有する吸引ルーメンを有する、吸引カテーテルと、遠心ポンプを作動させるように構成されたコントローラと、を含む。
[00311]カテーテル吸引のリアルタイム監視のためのシステムであって、このシステムは、カテーテルの吸引ルーメンを少なくとも部分的に含むルーメンと流体連通して配置するように構成された超音波センサであって、吸引ルーメンは負圧源に接続するように構成され、超音波センサは信号を出力するように構成されている、超音波センサと、超音波センサに接続され、超音波センサによって出力された信号が所定の閾値振幅Aを超える所定の期間P中の回数Nをカウントするように構成された測定装置であって、測定装置は、回数Nが所定の値V未満もしくは所定の値V以下であるかどうか、または回数Nが所定の値Vを超えるもしくは所定の値V以上であるかどうかを決定するようにさらに構成されている、測定装置と、測定装置に接続され、回数Nが所定の値V未満もしくは所定の値V以下の場合は第1の通信モードになり、回数Nが所定の値Vを超えるもしくは所定の値V以上の場合は第2の通信モードとなるように構成された通信装置と、を含む。いくつかの実施形態では、第1の通信モードまたは第2の通信モードの一方は、知覚可能な信号が送信されないようにされるモードを含む。いくつかの実施形態では、第1の通信モードまたは第2の通信モードの他方は、1つまたは複数の知覚可能な信号が送信されるようにされるモードを含む。いくつかの実施形態では、知覚可能な信号は、可聴信号、視覚信号、または触覚信号のうちの少なくとも1つを含む。いくつかの実施形態では、1つまたは複数の知覚可能な信号は、カテーテルの吸引ルーメンを通る特定の流れ状態を示す。いくつかの実施形態では、第1の通信モードは、第1の繰り返し周波数を有する第1の一連の離散的な可聴、視覚、または触覚インパルスを含む。いくつかの実施形態では、第2の通信モードは、第2の繰り返し周波数を有する第2の一連の離散的な可聴、視覚、または触覚インパルスを含む。いくつかの実施形態では、第2の繰り返し周波数は、第1の繰り返し周波数よりも大きい。いくつかの実施形態では、第1の一連の離散的な可聴、視覚、または触覚インパルスおよび第2の一連の離散的な可聴、視覚、または触覚インパルスは、可聴インパルスを含む。いくつかの実施形態では、第2の一連の離散的な可聴、視覚、または触覚インパルスの可聴インパルスは、第1の一連の個別の可聴、視覚、または触覚インパルスの可聴インパルスよりも高い平均音圧レベルを有する。いくつかの実施形態では、所定の期間Pは、約0.01秒から1.00秒の間である。いくつかの実施形態では、所定の期間Pは、約0.10秒から約0.50秒の間である。いくつかの実施形態では、所定の期間Pは、約0.20秒から約0.40秒の間である。いくつかの実施形態では、所定の期間Pは、ユーザによって調整可能である。
[00312]カテーテル吸引のためのシステムであって、このシステムは、被験者の血管内に配置するように構成された細長いシャフトを備える吸引カテーテルであって、シャフトは、開放遠位端部および近位端部を有する吸引ルーメンを含む、吸引カテーテルと、遠位端部および近位端部とそれらの間に延びるルーメンとを有する拡張チューブであって、拡張チューブの遠位端部は、吸引カテーテルの吸引ルーメンの近位端部に液圧で接続されるように構成されている、拡張チューブと、内部容積を有するレセプタクルであって、拡張チューブの近位端部は、拡張チューブのルーメンからレセプタクルの内部容積に流れる物質を送達するように構成されている、レセプタクルと、少なくともレセプタクル内に含まれる物質を計量するように構成されたスケールと、レセプタクル内に含まれる物質の質量の経時変化をユーザに示すように構成された通信要素と、を含む。いくつかの実施形態では、スケールは、ベースと、ベース上で移動可能な計量プラットフォームとを備え、計量プラットフォームは、その上にレセプタクルを配置するように構成されている。物質は経時的にレセプタクル内に含まれる。いくつかの実施形態では、レセプタクルは、スケールから吊り下げられるように構成される。いくつかの実施形態では、スケールは、レセプタクルおよびレセプタクル内に含まれる物質を計量するように構成される。いくつかの実施形態では、スケールは、レセプタクル内に含まれる物質の質量のみが通信要素によって伝達されるように、レセプタクルの質量を風袋引きするように構成される。いくつかの実施形態では、スケールは、質量および時間のデータを操作するように構成されたプロセッサを含む。いくつかの実施形態では、通信装置は、操作されたデータに基づいて情報をユーザに通信するように構成される。いくつかの実施形態では、通信装置は視覚的ディスプレイを備える。いくつかの実施形態では、ディスプレイは、経時的にレセプタクル内に含まれる物質の質量のグラフを示す。いくつかの実施形態では、グラフは、時間に基づくx軸と、レセプタクルに含まれる物質の質量に基づくy軸とを有する。いくつかの実施形態では、視覚的ディスプレイは可変照明を備える。いくつかの実施形態では、可変照明は、1つまたは複数のLEDを備える。いくつかの実施形態では、可変照明は、その色を変更するように構成される。いくつかの実施形態では、可変照明は、その強度を変更するように構成される。いくつかの実施形態では、通信装置は、可聴信号を含む。いくつかの実施形態では、可聴信号は、数値を説明する口頭でのコミュニケーションを含む。いくつかの実施形態では、数値は流量を含む。いくつかの実施形態では、可聴信号は、1つまたは複数の動作状態を説明する口頭でのコミュニケーションを含む。いくつかの実施形態では、通信要素は警報を含む。いくつかの実施形態では、警報は可聴インジケータを含む。いくつかの実施形態では、警報は視覚的インジケータを含む。いくつかの実施形態では、警報は触覚インジケータを含む。いくつかの実施形態では、警報は、経時的にレセプタクル内に含まれる物質の質量の変化率の閾値を交差することに応答してアクティブ化されるように構成される。いくつかの実施形態では、警報は、吸引カテーテルの吸引ルーメンを介した吸引の減少または停止と併せてアクティブ化されるように構成される。いくつかの実施形態では、吸引カテーテルは、吸引ルーメン内に延在し、遠位端部および近位端部を有する注入ルーメンをさらに備え、注入ルーメンの遠位端部は、吸引ルーメンの開放遠位端部近くの吸引ルーメン内に位置する。いくつかの実施形態では、通信要素は警報を含む。いくつかの実施形態では、システムは、注入ルーメンを通して加圧流体を注入するように構成されたポンプをさらに備え、ポンプによる注入ルーメンを通しての流体の注入の場合、警報は、減少または停止と併せて開始される。いくつかの実施形態では、警報は、吸引カテーテルの吸引ルーメンを介した吸引の減少または停止と併せて開始される。いくつかの実施形態では、システムは、拡張チューブを遠位から近位に通過し、レセプタクルの内部に入る被験者流体の血管系に戻るように構成された戻り導管をさらに備える。いくつかの実施形態では、拡張チューブは、拡張チューブの遠位端部と近位端部との間に配置された圧縮可能部分をさらに有し、圧縮可能部分は、蠕動ポンプの動作により吸引カテーテルの吸引ルーメンからの流体が拡張チューブの遠位端部から拡張チューブの近位端部まで拡張チューブを通って移動するように、蠕動ポンプ内に配置するように構成される。いくつかの実施形態では、システムは蠕動ポンプをさらに備える。いくつかの実施形態では、蠕動ポンプはローラポンプである。いくつかの実施形態では、経時的なレセプタクル内に含まれる物質の質量の変化率は、拡張チューブのルーメンからレセプタクルの内部容積への流量を推定する。いくつかの実施形態では、警報は、経時的にレセプタクル内に含まれる物質の質量の変化率の閾値を下回る交差に応答してアクティブ化されるように構成される。いくつかの実施形態では、警報は、経時的にレセプタクル内に含まれる物質の質量の変化率の閾値を超える再交差に応答して非アクティブ化されるように構成される。いくつかの実施形態では、警報は、吸引カテーテルの吸引ルーメンを介した吸引の増加と併せてアクティブ化されるように構成される。いくつかの実施形態では、警報は、経時的にレセプタクル内に含まれる物質の質量の変化率の閾値を超える交差に応答してアクティブ化されるように構成される。いくつかの実施形態では、警報は、経時的にレセプタクル内に含まれる物質の質量の変化率の閾値を下回る再交差に応答して非アクティブ化されるように構成される。
[00313]血栓摘出処置を実行するための方法が、吸引のためのシステムを設けるステップであって、このシステムは、被験者の血管内に配置するように構成された細長いシャフトを備える吸引カテーテルであって、シャフトは開放遠位端部および近位端部を有する吸引ルーメンを有する、吸引カテーテルと、遠位端部および近位端部とそれらの間に延びるルーメンとを有する拡張チューブであって、拡張チューブの遠位端部は、吸引カテーテルの吸引ルーメンの近位端部に液圧で接続されるように構成されている、拡張チューブと、内部容積を有するレセプタクルであって、拡張チューブの近位端部は、拡張チューブのルーメンからレセプタクルの内部容積に流れる物質を送達するように構成されている、レセプタクルと、少なくともレセプタクル内に含まれる物質を計量するように構成されたスケールと、を備える、ステップと、細長いシャフトの少なくとも遠位部分を被験者の血管に配置するステップと、少なくとも一部の血栓が、被験者の血管から、吸引カテーテルの吸引ルーメンを通って、拡張チューブのルーメンを通って、レセプタクルの内部容積に吸引されるようにするステップと、レセプタクル内の物質の質量の経時変化を監視するステップと、を含む。
[00314]カテーテル吸引のためのシステムであって、このシステムは、被験者の血管内に配置するように構成された細長いシャフトを備える吸引カテーテルであって、シャフトは吸引ルーメンを有し、吸引ルーメンは開放遠位端部および近位端部を有する、吸引カテーテルと、注入ルーメンが内部に延在する注入チューブであって、注入チューブは吸引ルーメン内に延びるように構成され、遠位端部および近位端部を有し、注入チューブの遠位端部は吸引ルーメンの開放遠位端部近くの吸引ルーメン内に位置するように構成されている、注入チューブと、注入チューブの遠位端部の外周を外部から覆ってシールを実現する微細加工キャップと、微細加工キャップまたは微細加工キャップの近位の注入チューブの少なくとも1つにあるオリフィスであって、加圧流体が注入ルーメンを通して注入されるときに、吸引ルーメンに1つまたは複数のジェットを生成するように構成されている、オリフィスと、を含む。いくつかの実施形態では、オリフィスは、微細加工キャップの近位端部に近位の約0.05mmから約10.00mmの間の位置で、注入チューブの壁を通って延びる。いくつかの実施形態では、微細加工キャップは、注入チューブの遠位端部を覆うように構成された近位部分と遠位部分を有する空洞を含み、その中で、オリフィスは、空洞の遠位部分から微細加工キャップの壁を通って延びる。いくつかの実施形態では、注入チューブの遠位端部の遠位端部は、くびれた部分を含む。いくつかの実施形態では、システムは、注入チューブの遠位端部にある注入チューブの注入ルーメン内に挿入された補強リングをさらに備える。いくつかの実施形態では、微細加工キャップは、接着剤、エポキシ、溶接部、または溶媒のうちの少なくとも1つによって、注入チューブの遠位端部の外周に固定されている。いくつかの実施形態では、微細加工キャップは、延在する中間円周シールによって、注入チューブの遠位端部の外周に固定されている。いくつかの実施形態では、オリフィスは、微細加工キャップに形成されたチャネルの端部にある。いくつかの実施形態では、チャネルは、微細加工キャップの壁を通って略半径方向に延びる。いくつかの実施形態では、微細加工キャップは、加法プロセスによって形成される。いくつかの実施形態では、微細加工キャップは、減法プロセスによって形成される。いくつかの実施形態では、微細加工キャップは、マイクロマシニング、マイクロ射出成形、三次元印刷、フォトリソグラフィー、シャドウマスキング、エッチング、またはマイクロフォーミング、のうちの少なくとも1つのプロセスによって形成される。いくつかの実施形態では、微細加工キャップの外側部分または注入チューブの遠位端部近くの注入チューブの外側部分の少なくとも1つが、吸引ルーメンの内面に固定されている。いくつかの実施形態では、注入チューブの近位部分は、吸引ルーメンの内面に固定されていない。いくつかの実施形態では、注入チューブは、吸引ルーメンの近位端部から吸引ルーメンを通して、吸引ルーメンの開放遠位端部に向かって遠位方向に、ユーザによって挿入されるように構成される。いくつかの実施形態では、注入チューブまたは微細加工キャップの少なくとも1つの遠位部分は、吸引ルーメンに対してオリフィスを向けるように構成された1つまたは複数の特徴を備える。いくつかの実施形態では、1つまたは複数の特徴は、微細加工キャップの外部部分に搭載されている。いくつかの実施形態では、1つまたは複数の特徴は、微細加工キャップに隣接する注入チューブの外部部分に搭載されている。いくつかの実施形態では、1つまたは複数の特徴は、1つまたは複数のスプラインを含む。いくつかの実施形態では、1つまたは複数の特徴は、吸引ルーメンを通しての注入チューブおよび微細加工キャップの挿入を容易にするようにさらに構成される。いくつかの実施形態では、1つまたは複数の特徴は、先細りのプロファイルを含む。いくつかの実施形態では、1つまたは複数の特徴は、放射線不透過性マーカバンドを含む。いくつかの実施形態では、マーカバンドは、吸引ルーメンを通しての注入チューブおよび微細加工キャップの挿入を容易にするように構成される。いくつかの実施形態では、マーカバンドはテーパを含む。いくつかの実施形態では、1つまたは複数の特徴は、1つまたは複数のワイヤ形態を含む。いくつかの実施形態では、1つまたは複数のワイヤ形態は、ニッケルチタン合金を含む。いくつかの実施形態では、吸引カテーテルは、マイクロカテーテルを備える。いくつかの実施形態では、吸引カテーテルは、ガイドカテーテルまたはガイドシースを備える。いくつかの実施形態では、吸引カテーテルは、標準的なマイクロカテーテルを備える。いくつかの実施形態では、吸引カテーテルは、標準的なガイドカテーテルまたはガイドシースを備える。
[00315]血栓を吸引する方法であって、この方法は、近位端部および開放遠位端部を有する吸引ルーメンを有する細長いシャフトを有する吸引カテーテルと、吸引ルーメン内に延在し、近位端部、閉じた遠位端部、および閉じた遠位端部にあるかそれに隣接するオリフィスを有する注入ルーメンを有する注入チューブとを設けるステップと、加圧可能な流体源を注入ルーメンの近位端部に取り付けるステップと、遠位から近位方向の吸引ルーメンを通して流体を吸引するように構成された吸引ルーメンの近位端部にポンプを接続するステップと、吸引ルーメンの開放遠位端部が血栓内または血栓に隣接するように、吸引カテーテルのシャフトの遠位領域を患者の血管系に挿入するステップと、注入ルーメンを介した加圧流体の注入と、吸引ルーメンを介したポンプによる吸引の組み合わせが血栓の吸引を引き起こすのに十分ではないと判断するステップと、吸引ルーメンの開放遠位端部が血栓の遠位になるまで吸引カテーテルを前進させるステップと、加圧流体が吸引ルーメンを通過して吸引ルーメンに入り、吸引ルーメンの開放遠位端部から血栓の遠位の空間に入るように、吸引ルーメンでポンプを作動させずに注入ルーメンを通して加圧流体を注入するステップと、吸引ルーメンでポンプを作動させながら、加圧流体を注入することにより、血栓の少なくとも一部を吸引するステップと、を含む。いくつかの実施形態では、この方法は、加圧流体を冷却するステップをさらに含む。いくつかの実施形態では、この方法は、加圧流体に酸素化された血液を加えるステップをさらに含む。いくつかの実施形態では、酸素化された血液は、加圧流体に加えるステップの前に患者から除去される。
[00316]カテーテル吸引のためのシステムであって、このシステムは、被験者の血管内に配置するように構成された細長いシャフトを備える吸引カテーテルであって、シャフトは吸引ルーメンを有し、吸引ルーメンは開放遠位端部および近位端部を有する、吸引カテーテルと、注入ルーメンが内部に延在する注入チューブであって、注入チューブは吸引ルーメン内に延びて、細長いシャフトに対して長手方向に調整可能であり、注入ルーメンは開放遠位端部および近位端部を有し、注入ルーメンの開放遠位端部は吸引ルーメンの開放遠位端部から遠位に延びるように構成されている、注入チューブと、注入ルーメンの開放遠位端部の近位にある注入チューブの壁を通るオリフィスであって、オリフィスは、加圧流体が注入ルーメンを通して注入されたとき、および注入チューブの注入ルーメンが注入チューブの壁を通してオリフィスの遠位で閉塞されたときに、吸引ルーメンに1つまたは複数のジェットを生成するように構成されている、オリフィスと、を含む。システムを吸引処置に利用するための方法は、吸引カテーテルのシャフトの遠位領域を患者の血管系に挿入して、吸引ルーメンの開放遠位端部が血栓内または血栓に隣接するようにし、注入ルーメンの開放遠位端部が血栓の遠位にあるようにするステップと、注入ルーメンを通して加圧流体を注入し、それが血栓の遠位にある注入ルーメンの開放遠位端部を出るようにするステップと、を含む。いくつかの実施形態では、この方法は、注入ルーメンを通してオクルーダを挿入し、オクルーダの遠位部分のオクルーダ部材が、注入チューブの壁を通してオリフィスの遠位の長手方向位置で注入ルーメンを閉塞するようにするステップをさらに含む。いくつかの実施形態では、この方法は、注入ルーメンを通して加圧流体を注入し、加圧流体が注入チューブの壁を通ってオリフィスを出るようにするステップをさらに含む。
[00317]以上、本開示の実施形態について述べてきたが、本発明の基本的な範囲から逸脱することなく、他のさらなる実施形態を考案することができる。
[00318]本明細書に開示される範囲はまた、任意のおよびすべての重複、サブ範囲、およびそれらの組み合わせを包含する。「まで(up to)」、「少なくとも」、「より大きい」、「未満」、「間(between)」などの用語は、列挙された数を含む。本明細書で使用される「およそ」、「約」、および「実質的に」などの用語が前に付く数字は、列挙された数字を含み(例えば、約10%=10%)、また、記載された量に近い量を表し、それでも目的の機能を実行するか、目的の結果を達成する。例えば、「およそ」、「約」、および「実質的に」という用語は、記載された量の10%未満、5%未満、1%未満、0.1%未満、および0.01%未満の量を指す場合がある。