JP2021525292A - ポリマーの分子量を増加させるための電子供与体化合物を含むチーグラーーナッタ触媒 - Google Patents

ポリマーの分子量を増加させるための電子供与体化合物を含むチーグラーーナッタ触媒 Download PDF

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Abstract

不均一プロ触媒は、予め形成された不均一プロ触媒と、金属−配位子錯体とを含む。予め形成された不均一プロ触媒は、チタン種と、塩化マグネシウム(MgCl2)支持体とを含む。金属−配位子錯体は、構造式(L)aM(Y)m(XR2)bを有し、式中、Mが、金属カチオンであり、各Lが、中性配位子または(=O)であり、各Yが、ハロゲン化物または(C1ーC20)アルキルであり、各XR2が、アニオン性配位子であり、Xが、ヘテロ原子、またはヘテロ原子含有官能基であり、R2が、(C1−C20)ヒドロカルビルまたは(C1−C20)ヘテロヒドロカルビルであり、nが、0、1、または2であり、mが、0〜4であり、bが、1〜6である。金属−配位子錯体は、全体的に電荷が中性である。不均一プロ触媒は、改善された平均分子量能力を呈する。触媒系は、不均一プロ触媒と、助触媒とを含む。不均一プロ触媒を生成するためのプロセス、および不均一プロ触媒を利用してエチレン系ポリマーを生成するためのプロセスも開示される。【選択図】なし

Description

関連出願の相互参照
本出願は、2018年6月1日出願の米国仮特許出願第62/679,263号の優先権を主張し、これは参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
本開示の実施形態は、一般に、オレフィン重合に有用なチーグラーーナッタ触媒に関する。より具体的には、本開示の実施形態は、増加した分子量および高密度画分を有するエチレン系ポリマーを生成するためのチーグラーーナッタ触媒に関する。
ポリエチレンポリマーは、最も一般的なプラスチックのうちの1種であり、ポリマーの構造に応じて多様な方式、例えば、袋/ライナ、キャップ/クロージャ、衛生フィルム、工業用射出成形などで使用され得る。毎年約8000万トンのエチレン系ポリマーが生成されていると推定される。ポリエチレン業界では、ポリマー製品の大幅かつ継続的な差別化が必要であるため、研究者らは、多大な努力を重ねて、そのような新たな製品をもたらすプロセスの変更を探してきた。
例えばLLDPEなどの多くのポリエチレンポリマーおよびコポリマーでは、エチレンは、一般に短鎖オレフィンコモノマー(例えば、1ーブテン、1ーヘキセン、および/または1ーオクテン)と共重合される。得られるポリエチレンポリマーは実質的に線形であるが、かなりの数の短い分岐が含まれており、これらの特徴は、低密度ポリエチレン(LDPE)よりも高い引張強度、高い衝撃強度、および高い耐パンク性を与える。これらの改善された特性とは、その結果より薄い厚さ(ゲージ)のフィルムを作製することができ、製品が改善された環境応力亀裂耐性を呈することを意味する。LLDPEは、その靭性、柔軟性、および相対的な透明性により、主にフィルム用途で使用される。製品の例は、農業用フィルム、食品保護ラップ、気泡緩衝材から、多層フィルムおよび複合フィルムまで多岐にわたる。
チーグラーーナッタ触媒は、LLDPEを含む多様なポリエチレンの生成に長年使用されてきた。これらの触媒は、一般に、ハロゲン化マグネシウム支持体および少なくとも1つの遷移金属化合物、典型的にはチタン種を含む。これらの触媒は効果的ではあるが、一般に、特に高い重合温度では分子量能力が制限される。加えて、チーグラーーナッタ触媒によって作製されたポリマーの組成を調整することは困難である。
したがって、新しい、異なるLLDPEポリマーを生成するためのプロセス、触媒組成物、および方法に対する継続的な必要性が存在する。特に、増加した重量平均分子量(Mw)、増加した高密度画分(HDF)、および/または低減したコモノマー重量パーセントを有するエチレン系ポリマーを生成するためのプロセス、触媒組成物、および方法に対する継続的な必要性が存在する。本開示は、増加したMwおよびHDF、ならびに減少したコモノマー重量パーセントを有するエチレン系ポリマーを生成するための、不均一プロ触媒および触媒系、ならびにこれらの不均一プロ触媒および触媒系を利用する方法およびプロセスを対象とする。
少なくとも1つの実施形態によれば、不均一プロ触媒は、チタン種と、少なくとも100m/gの比表面積を有する予め形成された塩化マグネシウム(MgCl)支持体と、構造式Al(Cl)(R3−xまたはSi(Cl)(R4−yを有する塩素化剤であって、式中、Rが、(C−C30)ヒドロカルビルであり、xが、1、2、または3であり、yが、1、2、3、または4である、塩素化剤と、を含む。不均一プロ触媒はまた、構造式(L)M(Y)(XRを有する金属−配位子錯体を含み得、式中、Mが、金属カチオンであり、各Lが、中性配位子または(=O)であり、各Yが、ハロゲン化物または(C−C20)アルキルであり、各XRが、アニオン性配位子であり、Xが、ヘテロ原子またはヘテロ原子含有官能基であり、Rが、(C−C20)ヒドロカルビルまたは(C−C20)ヘテロヒドロカルビルであり、nが、0、1、または2であり、mが、0、1、2、3、または4であり、bが、1、2、3、4、5、または6であり、金属−配位子錯体は、全体的に電荷が中性である。
少なくとも別の実施形態によれば、不均一プロ触媒は、予め形成された不均一プロ触媒と、金属−配位子錯体とを含み得る。予め形成された不均一プロ触媒は、チタン種と、MgCl支持体とを含み得る。金属−配位子錯体は、構造式(L)M(Y)(XRを有し得、式中、Mが、金属カチオンであり、各Lが、中性配位子または(=O)であり、各Yが、ハロゲン化物または(C−C20)アルキルであり、各XRが、アニオン性配位子であり、Xが、ヘテロ原子またはヘテロ原子含有官能基であり、Rが、(C−C20)ヒドロカルビルまたは(C−C20)ヘテロヒドロカルビルであり、nが、0、1、または2であり、mが、0、1、2、3、または4であり、bが、1、2、3、4、5、または6であり、金属−配位子錯体は、全体的に電荷が中性である。いくつかの実施形態では、オレフィン重合のための触媒系は、不均一プロ触媒、および有機アルミニウム化合物を含む助触媒を含み得る。
なお他の実施形態によれば、オレフィン重合のための触媒系は、予め形成された不均一プロ触媒、金属−配位子錯体、および有機アルミニウム化合物を含む助触媒を含み得る。予め形成された不均一プロ触媒は、チタン種と、MgCl支持体とを含み得る。金属−配位子錯体は、構造式(L)M(Y)(XRを有し得、式中、Mが、金属カチオンであり、各Lが、中性配位子または(=O)であり、各Yが、ハロゲン化物または(C−C20)アルキルであり、各XRが、アニオン性配位子であり、Xが、ヘテロ原子またはヘテロ原子含有官能基であり、Rが、(C−C20)ヒドロカルビルまたは(C−C20)ヘテロヒドロカルビルであり、nが、0、1、または2であり、mが、0、1、2、3、または4であり、bが、1、2、3、4、5、または6であり、金属−配位子錯体は、全体的に電荷が中性である。
なお他の実施形態によれば、不均一プロ触媒を調製するためのプロセスは、塩化マグネシウム成分を塩素化剤、チタン種、および金属−配位子錯体と接触させることを含み得る。塩化マグネシウム成分は、少なくとも100m/gの比表面積を有する予め形成されたMgCl支持体であり得る。塩素化剤は、構造式Al(Cl)(R3−xまたはSi(Cl)(R4−yを有し得、式中、Rが、(C−C30)ヒドロカルビルであり、xが、1、2、または3であり、yが、1、2、3、または4である。金属−配位子錯体は、構造式(L)M(Y)(XRを有し得、式中、Mが、金属カチオンであり、各Lが、中性配位子または(=O)であり、各Yが、ハロゲン化物または(C−C20)アルキルであり、各XRが、アニオン性配位子であり、Xが、ヘテロ原子またはヘテロ原子含有官能基であり、Rが、(C−C20)ヒドロカルビルまたは(C−C20)ヘテロヒドロカルビルであり、nが、0、1、または2であり、mが、0、1、2、3、または4であり、bが、1、2、3、4、5、または6であり、金属−配位子錯体は、全体的に電荷が中性である。
なお他の実施形態によれば、不均一プロ触媒を調製するプロセスは、さらに塩素化することなく成分(1)と(2)とを接触させることを含み得る。成分(1)は、チタン種と、MgCl支持体とを含む、予め形成された不均一プロ触媒であり得る。成分(2)は、構造式(L)M(Y)(XRを有する金属−配位子錯体であり得、式中、Mが、金属カチオンであり、各Lが、中性配位子または(=O)であり、各Yが、ハロゲン化物または(C−C20)アルキルであり、各XRが、アニオン性配位子であり、Xが、ヘテロ原子またはヘテロ原子含有官能基であり、Rが、(C−C20)ヒドロカルビルまたは(C−C20)ヘテロヒドロカルビルであり、nが、0、1、または2であり、mが、0、1、2、3、または4であり、bが、1、2、3、4、5、または6であり、金属−配位子錯体は、全体的に電荷が中性である。
追加の特徴および有益性は、以下の「発明を実施するための形態」に記載され、一部は、その説明から当業者に容易に明らかになるか、または以下の「発明を実施するための形態」、および特許請求の範囲を含む本明細書に記載される実施形態を実践することによって認識されるであろう。上記の一般的な説明および下記の詳細な説明の両方は、様々な実施形態を説明し、特許請求される主題の性質および特徴を理解するための概要または枠組みの提供を意図していることを理解されたい。
「ポリマー」という用語は、同一または異なるタイプのモノマーにかかわらず、モノマーを重合することにより調製されたポリマー化合物を指す。したがって、ポリマーという総称は、1つのタイプのモノマーのみから調製されたポリマーを指すために通常用いられる用語「ホモポリマー」、および2つ以上の異なるモノマーから調製されたポリマーを指す「コポリマー」を包含する。
「エチレン系ポリマー」とは、50重量%超のエチレンモノマーから誘導された単位を含むポリマーを意味する。これは、ポリエチレンホモポリマーまたはコポリマー(2つ以上のコモノマーから誘導された単位を意味する)を含む。当該技術分野において既知のエチレン系ポリマーの一般的な形態としては、低密度ポリエチレン(LDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、超低密度(Ultra Low Density)ポリエチレン(ULDPE)、超低密度(Very Low Density)ポリエチレン(VLDPE)、直鎖状低密度樹脂と実質的に直鎖状の低密度樹脂との両方を含むシングルサイト触媒直鎖状低密度ポリエチレン(mーLLDPE)、中密度ポリエチレン(MDPE)、および高密度ポリエチレン(HDPE)が挙げられる。
本明細書で使用される場合、「溶液重合反応器」とは、任意選択的にコモノマーを含むエチレンモノマーを、触媒を含有する非反応性溶媒に溶解させた後に、重合または共重合する、溶液重合を実施する容器である。溶液重合反応器に、および反応器を1つ以上の熱交換器に取り付けることによってなど反応器の後に、熱を除去または加えてもよい。ポリマーを液体状態に保つには、高い反応器温度が必要であり得る。溶液重合プロセスでは、水素が利用され得るが、全ての溶液重合プロセスにおいて必要なわけではない。
チーグラーーナッタ触媒は、エチレンおよび1つ以上のアルファーオレフィンコモノマーを共重合するための共重合プロセスでエチレン系ポリマーを生成するために一般的に使用される。典型的なチーグラーーナッタ触媒を用いて行われるこれらの共重合プロセスでは、ポリマーの平均分子量は、重合温度が上昇するにつれて急速に減少する。しかしながら、溶液重合プロセスでの高い重合温度は、生成スループットを増加させ、優れた光学系およびdart/引き裂きバランスなどの望ましいポリマー特性を有するエチレン系ポリマーを生成する。チーグラーーナッタ触媒の分子量能力を増加することにより、新しい生成物を作製する能力を拡大することができ、より高い重合温度での重合を可能にすることができる。
本開示は、増加した分子量能力を呈するチーグラーーナッタ型の不均一プロ触媒および触媒系を対象とする。本明細書に開示の触媒系は、不均一プロ触媒と、助触媒とを含み得る。不均一プロ触媒は、チタン種と、予め形成された塩化マグネシウム(MgCl)支持体と、塩素化剤と、供与体化合物とを含み得る。供与体化合物は、構造式(L)M(Y)(XRを有する金属−配位子錯体であり得、式中、Mが、金属カチオンであり、各Lが、中性配位子または(=O)であり、Yが、ハロゲン化物または(CーC20)アルキルであり、各XRが、アニオン性配位子であり、Xが、ヘテロ原子またはヘテロ原子含有官能基であり、Rが、(C−C20)ヒドロカルビルまたは(C−C20)ヘテロヒドロカルビルであり、nが、0(ゼロ)、1、または2であり、mが、0(ゼロ)、1、2、3、または4であり、bが、1、2、3、4、5、または6である。金属−配位子錯体は、全体的に電荷が中性であり得る。予め形成されたMgCl支持体は、グラム当たり少なくとも100平方メートルの比表面積(m/g)を有し得る。金属−配位子錯体供与体化合物は、不均一プロ触媒に組み込まれてもよいか、または予め形成された不均一プロ触媒に添加して、予め形成された不均一プロ触媒を修飾して、不均一プロ触媒を生成してもよい。いくつかの実施形態では、触媒系が予め形成された不均一プロ触媒、助触媒、および金属−配位子錯体を含むように、金属−配位子錯体は、外部供与体として触媒系に組み込まれてもよい。
エチレンおよび任意選択的に1つ以上のαーオレフィンコモノマーを、本明細書に開示の実施形態による不均一プロ触媒および任意選択的に助触媒を含む触媒系と接触させて、エチレン系ポリマーを形成することを含む、重合プロセスについても開示する。本明細書に開示の触媒系の存在下で生成されるエチレン系ポリマーは、増加した分子量、増加した高密度画分、および任意選択的なコモノマーの減少した含有量を呈し得る。
いくつかの実施形態では、不均一プロ触媒を生成するためのプロセスは、予め形成されたMgCl支持体を調製することと、MgCl支持体を塩素化剤と接触させてMgCl支持体を調整することと、調整されたMgCl支持体をチタン種と接触させることと、調整されたMgCl支持体およびチタン種を含むスラリーを供与体化合物と接触させることと、を含み得る。予め形成されたMgCl支持体は、炭化水素希釈剤中のアルキルマグネシウム化合物溶液と塩化物源との反応生成物であり得る。いくつかの実施形態では、炭化水素希釈剤は、MgCl支持体から分離されない。他の実施形態では、炭化水素希釈剤は、MgCl支持体から分離され得る。予め形成されたMgCl支持体の調製は、本明細書で以下に記載されるように、予め形成されたMgCl支持体を作製するのに好適な条件下で、有機マグネシウム化合物または有機マグネシウム化合物を含む錯体を、金属または非金属塩化物などの塩化化合物と反応させることを含み得る。有機マグネシウム化合物および/または錯体の例としては、限定されないが、マグネシウムCーCアルキルおよびアリール、マグネシウムアルコキシドおよびアリールオキシド、カルボキシル化マグネシウムアルコキシド、ならびにカルボキシル化マグネシウムアリールオキシド、またはこれらの組み合わせを挙げることができる。いくつかの実施形態では、有機マグネシウム化合物としては、マグネシウムCーCアルキル、マグネシウムCーCアルコキシド、またはこれらの組み合わせを挙げることができる。いくつかの実施形態では、有機マグネシウム化合物は、ブチルエチルマグネシウムなどのアルキルマグネシウム化合物であり得る。
有機マグネシウム化合物または錯体は、不活性炭化水素希釈剤などの炭化水素希釈剤に可溶性であり得る。炭化水素希釈剤の例としては、限定されないが、液化エタン、プロパン、イソブタン、nーブタン、nーヘキサン、様々な異性体ヘキサン、イソオクタン、5〜20個の炭素原子を有するアルカンのパラフィン混合物、シクロヘキサン、メチルシクロペンタン、ジメチルシクロヘキサン、ドデカン、ケロセン、ナフタなどの飽和または芳香族炭化水素で構成される工業用溶媒、およびそれらの組み合わせを挙げることができる。いくつかの実施形態では、炭化水素希釈剤は、オレフィン化合物および他の不純物を実質的に含み得ない。本明細書で使用される場合、成分を「実質的に含まない」という用語は、組成物が、0.1重量%未満の成分(例えば、不純物、化合物、元素など)を含むことを意味する。いくつかの実施形態では、炭化水素希釈剤は、約ー50℃〜約200℃の範囲の沸点を有し得る。いくつかの実施形態では、炭化水素希釈剤としては、イソパラフィン溶媒を挙げることができる。イソパラフィン溶媒の例としては、限定されないが、ExxonMobileから入手可能なISOPAR(商標)合成パラフィン溶媒(例えば、ISOPAR(商標)Eパラフィン溶媒)、およびShell Chemicalsから入手可能な特殊沸点(SBP)溶媒(例えば、SBP100/140高純度脱芳香族炭化水素溶媒)を挙げることができる。炭化水素希釈剤の他の例としては、エチルベンゼン、クメン、デカリン、およびそれらの組み合わせを挙げることができる。
いくつかの実施形態では、予め形成されたMgCl支持体を調製するプロセスは、有機マグネシウム化合物を炭化水素希釈剤に分散させて、溶液またはスラリーを形成することを含み得る。炭化水素希釈剤中の有機メグネシウム(organomegnesium)化合物の濃度は十分であり得るので、塩化化合物と有機マグネシウム化合物とを組み合わせると、過剰量の炭化水素希釈剤を使用せずに、得られたスラリーが、MgCl支持体の効率的な生成を提供するのに十分な濃度の有機マグネシウム化合物を含むことができる。有機マグネシウム化合物の濃度は、合成中および合成後にスラリーを適切に混合/撹拌、または流体輸送することができないほど高くあってはならない。炭化水素希釈剤に分散された有機マグネシウム化合物の溶液またはスラリーを塩化化合物と接触させて、MgCl支持体を生成することができる。塩化化合物は、金属または非金属の塩化物であり得る。例えば、いくつかの実施形態では、塩化化合物は、塩化水素ガスであり得る。いくつかの実施形態では、有機マグネシウム化合物の溶液またはスラリーと塩化化合物とは、ー25℃〜100℃、または0℃〜50℃の温度で接触され得る。いくつかの実施形態では、有機マグネシウム化合物の溶液またはスラリーと金属または非金属塩化物とは、1時間〜12時間、または4時間〜6時間の間接触され得る。
塩化化合物と有機マゲシウム(organomagesium)化合物との反応は、炭化水素希釈剤に分散されたMgCl粒子を含むMgClスラリーであり得る、予め形成されたMgCl支持体を生成することができる。いくつかの実施形態では、MgClスラリーは、0.05mol/L〜10.0mol/L、または約0.2mol/LのMgClの濃度を有し得る。予め形成されたMgCl支持体は、少なくとも100m/gの比表面積を有し得る。例えば、いくつかの実施形態では、予め形成されたMgCl支持体は、100m〜1000m/g、200m/g〜800m/g、または300m/g〜700m/gの平均表面積を有し得る。
いくつかの実施形態では、予め形成されたMgCl支持体は、予め形成されたMgCl支持体を少なくとも100℃の温度で少なくとも30分間熱処理することによってさらに処理して、炭化水素希釈剤に分散された熱処理されたMgCl支持体を生成してもよい。例えば、いくつかの実施形態では、炭化水素希釈剤に分散されたMgCl粒子を含む、予め形成されたMgCl支持体を、100℃以上、120℃以上、130℃以上、150℃以上、またはさらに190℃以上の温度で熱処理して、予め形成されたMgCl支持体を生成してもよい。いくつかの実施形態では、MgClスラリーを、100℃〜500℃、100℃〜300℃、100℃〜200℃、120℃〜500℃、120℃〜300℃、120℃〜200℃、130℃〜500℃、130℃〜300℃、130℃〜200℃、150℃〜500℃、150℃〜300℃、150℃〜200℃、190℃〜500℃、または190℃〜300℃の温度で熱処理して、熱処理されたMgCl支持体を生成してもよい。いくつかの実施形態では、MgClスラリーは、熱処理中に2つ以上の異なる温度で熱処理され得る。
予め形成されたMgCl支持体を、30分(0.5時間)以上、1時間以上、2時間以上、3時間以上、6時間以上、または10時間以上の時間の間熱処理して、熱処理されたMgCl支持体を生成してもよい。例えば、いくつかの実施形態では、予め形成されたMgCl支持体を、0.5時間〜240時間、0.5時間〜120時間、0.5時間〜48時間、0.5時間〜24時間、1時間〜240時間、1時間〜120時間、1時間〜48時間、1時間〜24時間、2時間〜240時間、2時間〜120時間、2時間〜48時間、2時間〜24時間、3時間〜240時間、3時間〜120時間、3時間〜48時間、3時間〜24時間、6時間〜240時間、6時間〜120時間、6時間〜48時間、6時間〜24時間、10時間〜240時間、10時間〜120時間、10時間〜48時間、または10時間〜24時間の間熱処理して、熱処理されたMgCl支持体を生成してもよい。いくつかの実施形態では、熱処理温度が200℃超のとき、処理時間は、30分未満、または10分未満に低減してもよい。
いくつかの実施形態では、予め形成されたMgCl支持体を熱処理することは、MgClスラリーを撹拌することを含み得る。MgClスラリーの撹拌は、MgClスラリーを少なくとも100℃の温度で少なくとも30分間熱処理するのと同時に実施され得る。いくつかの実施形態では、MgClスラリーは、最大1000回転/分(rpm)、最大100rpm、1rpm〜1000rpm、または1rpm〜100rpmの速度で撹拌され得る。いくつかの実施形態では、MgCl支持体を熱処理することは、不活性雰囲気中でMgClを熱処理することを含み得る。「不活性雰囲気」とは、MgCl支持体または不均一プロ触媒の任意の他の成分と反応しない化合物および/またはガスからなる雰囲気を指す。例えば、MgCl支持体の熱処理は、例えば、MgClと反応しない窒素またはアルゴンなどの不活性ガスの存在下で行われ得る。
いくつかの実施形態では、熱処理されたMgCl支持体は、予め形成されたMgCl支持体を熱処理した生成物であり得る。熱処理されたMgCl支持体は、炭化水素希釈剤に分散された熱処理されたMgCl粒子を含み得る。理論に拘束されることを意図するものではなく、MgCl支持体を熱処理することにより、MgCl粒子の表面形態および表面積を変更することができると考えられる。熱処理から生じるMgClの表面形態および表面積に生じる変化は、オレフィンを重合するための不均一プロ触媒の活性を変更し、不均一プロ触媒の重合挙動、ならびに得られるポリマーの分子量および組成を変化させることができる。いくつかの実施形態では、熱処理の後、熱処理されたMgCl支持体は、50m/g〜1000m/g、200m/g〜1000m/g、または400m/g〜1000m/gの平均表面積を有し得る。いくつかの実施形態では、熱処理されたMgCl支持体は、約400m/gの平均表面積を有し得る。
予め形成されたMgCl支持体の調製に続いて、予め形成されたMgCl支持体を、塩素化剤と接触させてもよい。塩素化剤は、構造式A(Cl)(R3−xまたはSi(Cl)(R4ーyを有し得、式中、Aが、ホウ素、アルミニウム、ガリウム、インジウム、およびテルルからなる群から選択される元素であり、Rが、(C−C30)ヒドロカルビルであり、xが、1、2、または3であり、yが、1、2、3、または4である。いくつかの実施形態では、Aは、アルミニウムであり得る。いくつかの実施形態では、塩素化剤は、構造式Al(Cl)(R3ーxまたは構造式Si(Cl)(R4ーyを有し得、式中、Rが、(C−C30)ヒドロカルビルであり、xが、1、2、または3であり、yが、1、2、3、または4である。いくつかの実施形態では、塩素化剤は、三塩化アルミニウム、二塩化メチルアルミニウム、塩化ジメチルアルミニウム、二塩化エチルアルミニウム、塩化ジエチルアルミニウム、エチルアルミニウムセスキクロリド、二塩化イソブチルアルミニウム、塩化ジイソブチルアルミニウム、nーヘキシルアルミニウムジクロリド、ジーnーヘキシルアルミニウムクロリド、nーオクチルアルミニウムジクロリド、ジーnーオクチルアルミニウムクロリド、ボロントリクロリド、フェニルボロンジクロリド、ジシクロヘキシルボロンクロリド、四塩化ケイ素、メチルトリクロロシラン、ジメチルクロロシラン、クロロトリメチルシラン、エチルートリクロロシラン、ジクロロジエチルシラン、クロロトリエチルシラン、nープロピルトリクロロシラン、ジクロロジ(nープロピル)シラン、クロロトリ(nープロピル)シラン、イソプロピルトリクロロシラン、ジクロロジイソプロピルシラン、クロロトリイソプロピルシラン、nーブチルトリクロロシラン、ジクロロジ(nーブチル)シラン、クロロトリ(nーブチル)シラン、イソブチルトリクロロシラン、ジクロロジイソブチルシラン、クロロトリイソブチルシラン、シクロペンチルトリクロロシラン、ジクロロジシクロペンチルシラン、nーヘキシルトリクロロシラン、シクロヘキシルートリクロロシラン、ジクロロジシクロヘキシルシラン、またはこれらの組み合わせから選択され得る。いくつかの実施形態では、塩素化剤は、二塩化エチルアルミニウム、塩化ジエチルアルミニウム、エチルアルミニウムセスキクロリド、二塩化イソブチルアルミニウム、および塩化ジイソブチルアルミニウムから選択され得る。
予め形成されたMgCl支持体は、予め形成されたMgCl支持体を調整するのに十分な条件下で、塩素化剤と接触させてもよい。例えば、予め形成されたMgCl支持体は、0℃〜50℃、0℃〜35℃、25℃〜50℃、または25℃〜35°Cの温度で塩素化剤と接触させてもよい。予め形成されたMgCl支持体は、そのような温度で、4時間〜24時間、4時間〜12時間、6時間〜24時間、または6時間〜12時間の間、塩素化剤と接触させてもよい。いかなる理論にも拘束されることを意図するものではなく、予め形成されたMgCl支持体を塩素化剤と接触させることによって予め形成されたMgCl支持体を調整することは、チタン種などの追加の金属の、例えば予め形成されたMgClを支持体上への吸着を促進または向上することができると考えられる。また、不均一プロ触媒に塩素化剤を含めることにより、塩化物ではない任意のTiおよびMg化合物を塩化チタンおよびMgClに変換することができる。不均一プロ触媒は、MgClを調整するのに十分な量の塩素化剤を含み得る。いくつかの実施形態では、不均一プロ触媒は、金属−配位子錯体供与体化合物を塩素化するのに十分に過剰な塩化物を生じる量よりも少ない量の塩素化剤を含み得る。いくつかの実施形態では、不均一プロ触媒は、0.05:1〜2:1、0.05:1〜1:1、0.05:1〜0.5:1、0.05:1〜0.3:1、0.07:1〜2:1、0.07:1〜1:1、0.07:1〜0.5:1、0.07:1〜0.3:1、0.1:1〜2:1、0.1:1〜1:1、0.1:1〜0.5:1、または0.1:1〜0.3:1の不均一プロ触媒中の塩素化剤対MgClのモル比を含み得る。
塩素化剤によって調整された、予め形成されたMgCl支持体を、チタン種と接触させてもよい。チタン種は、プロ触媒に組み込まれた後、助触媒で活性化されると触媒活性を有する任意のチタン化合物またはチタン錯体になることができる。例えば、いくつかの実施形態では、チタン種としては、ハロゲン化チタン、チタンアルコキシド、またはそれらの組み合わせを挙げることができる。いくつかの実施形態では、チタン種は、TiCl4ーc(ORまたはTiCl3ーd(ORであり、式中、Rが、(C−C20)ヒドロカルビルであり、cが、0、1、2、3、または4であり、dが、0、1、2、または3である。例えば、いくつかの実施形態では、チタン種としては、限定されないが、四塩化チタン(IV)(TiCl)、三塩化チタン(III)(TiCl)、二塩化ジエトキシチタン(IV)(TiCl(OC)、二塩化ジイソプロポキシチタン(IV)((TiCl(OーiーC)、二塩化ジーnーブトキシチタン(IV)(TiCl(OーnーC)、二塩化ジイソブトキシチタン(IV)(TiCl(OーiーC)、塩化トリイソプロポキシチタン(IV)(TiCl(OーiーC)、トリーnーブトキシチタン(IV)クロリド(TiCl(OーnーC)、塩化トリイソブトキシチタン(IV)(TiCl(OーiーC)、チタン(IV)テトライソプロポキシド(Ti(OPr)、あるいは(Ti(OーiーC)、チタン(IV)エトキシド(Ti(OC)、チタン(IV)nーブトキシド(Ti(OーnーC)、チタン(IV)イソブトキシド(Ti(OーiーC)、チタン(IV)2ーエチルヘキソキシド(ethylhexoxide)(Ti(OCHCH(C)(C)))、ジクロロビス(2,2,6,6ーテトラメチルー3,5ーヘプタンジオナト)チタン(IV)、トリス(2,2,6,6ーテトラメチルー3,5ーヘプタンジオナト)チタン(III)、テトラクロロビス(テトラヒドロフラン)チタン(IV)、トリクロロトリス(テトラヒドロフラン)チタン(III)、三塩化メチルチタン(IV)、またはこれらの組み合わせを挙げることができる。いくつかの実施形態では、チタン種は、四塩化チタン(IV)またはチタン(IV)テトライソプロポキシド(Ti(OPr))であり得る。
塩素化剤によって調整された予め形成されたMgCl支持体は、スラリーを形成するのに十分な条件下で、チタン種と接触させてもよく、このスラリー中でチタン種の少なくとも一部分が予め形成されたMgCl支持体上に吸着される。例えば、いくつかの実施形態では、塩素化剤によって調整された予め形成されたMgCl支持体は、0℃〜50℃、0℃〜35℃、25℃〜50℃、または25℃〜35℃の温度でチタン種と接触させてもよい。いくつかの実施形態では、塩素化剤によって調整された予め形成されたMgCl支持体は、そのような温度で、1分〜72時間、0.5時間〜24時間、1時間〜12時間、1時間〜6時間、3時間〜72時間、3時間〜24時間、3時間〜12時間、6時間〜72時間、6時間〜24時間、または6時間〜12時間の間、チタン種と接触させてもよい。いくつかの実施形態では、不均一プロ触媒は、0.005:1〜0.25:1、0.005:1〜0.15:1、0.005:1〜0.07:1、0.01:1〜0.25:1、0.01:1〜0.15:1、0.01:1〜0.07:1、0.05:1〜0.25:1、0.05:1〜0.15:1、または0.05:1〜0.07:1の不均一プロ触媒中のチタン種対MgClのモル比を含み得る。
不均一プロ触媒を調製することは、予め形成されたMgCl支持体、塩素化剤、およびチタン種を含むスラリーを、供与体化合物と接触させて不均一プロ触媒を生成することをさらに含み得る。電子供与体化合物とは、2対の電子の組を電子受容体(通常は金属原子)に供与することが可能な官能基を含有する有機分子を指す。いくつかの実施形態では、供与体化合物は、金属−配位子錯体であり得る。理論に拘束されることを意図するものではなく、金属−配位子錯体(L)M(Y)(XRは、錯体中のヘテロ原子(複数可)から利用可能な孤立電子対(複数可)により、電子供与体分子のように機能することができると考えられる。前述のように、金属−配位子錯体は、構造式(L)M(Y)(XRを有し得、式中、Mが、金属カチオンであり、各Lが、中性配位子または(=O)であり、各Yが、ハロゲン化物または(CーC20)アルキルであり、各XRが、アニオン性配位子であり、Xが、ヘテロ原子であるか、またはヘテロ原子含有官能基を含有し、Rが、(C−C20)ヒドロカルビルまたは(C−C20)ヘテロヒドロカルビルであり、nが、0(ゼロ)、1、または2であり、mが、0、1、2、3、または4であり、bが、1、2、3、4、5、または6である。金属−配位子錯体は、全体的に電荷が中性であり得る。いくつかの実施形態では、金属−配位子錯体は、本明細書で前述した炭化水素希釈剤などの炭化水素溶媒に可溶性であり得る。例えば、いくつかの実施形態では、金属−配位子錯体は、予め形成されたMgCl支持体のMgClスラリーを生成するために使用される炭化水素希釈剤に可溶性であり得る。いかなる理論にも拘束されることを意図するものではなく、MgClスラリーの炭化水素溶媒に可溶性であることにより、スラリー中の金属−配位子錯体のより良好な分散が得られ、MgCl表面上での金属−配位子錯体とチタン種との間の相互作用が促進されると考えられる。
いくつかの実施形態では、金属カチオンMは、ランタニドおよびアクチニドを含む遷移金属カチオンであり得る。例えば、いくつかの実施形態では、Mは、任意の酸化状態の、セリウム、クロム、コバルト、銅、鉄、ランタン、マンガン、ネオジム、ニッケル、ニオブ、サマリウム、スカンジウム、タンタル、チタン、タングステン、バナジウム、イットリウム、亜鉛、もしくはジルコニウム、またはこれらの組み合わせから選択され得る。あるいは、いくつかの実施形態では、金属カチオンMは、主族金属カチオンであり得る。主族金属カチオンとは、IUPAC周期表の元素の1、2、および13〜16族からの金属/半金属を含む、カチオンを指す。例えば、いくつかの実施形態では、金属カチオンMとしては、限定されないが、任意の酸化状態の、カルシウム、マグネシウム、アルミニウム、ガリウム、インジウム、タリウム、またはスズを挙げることができる。いくつかの実施形態では、Mは、バナジウム、チタン、クロム、スカンジウム、ジルコニウム、ニオブ、マグネシウム、カルシウム、またはこれらの組み合わせから選択され得る。
いくつかの実施形態では、1つ、または2つ以上のLが、中性配位子であり得る。いくつかの実施形態では、1つ、または2つ以上のLとしては、アンモニア、ニトリル、ピリジン、アミン、ホスフィン、またはこれらの組み合わせなどの、酸素含有、窒素含有、またはリン含有化合物を含む、中性配位子を挙げることができる。中性配位子の例としては、限定されないが、エーテル、ケトン、エステル、アミン、ピリジン、ホスフィン、ホスファイト、他の中性配位子、またはこれらの組み合わせを挙げることができる。いくつかの実施形態では、1つ、または2つ以上のLは、オキソ基(=O)であり得る。いくつかの実施形態では、Xは、酸素であり得る。いくつかの実施形態では、Xは、カルボキシレート基(ーOC(=O)ー)であり得る。
いくつかの実施形態では、金属−配位子錯体は、金属アルコキシドまたは金属オキシアルコキシドであり得る。いくつかの実施形態では、金属−配位子錯体は、構造式M(ORを有する金属アルコキシドであり得、式中、Mが、金属カチオンであり、eが、2、3、4、5、または6であり、Rが、(C−C20)ヒドロカルビルもしくは(C−C20)ヘテロヒドロカルビル、またはそのハロゲン化誘導体である。他の実施形態では、金属配位子錯体は、構造式M(=O)(ORを有する金属オキシアルコキシドであり得、式中、Mが、金属カチオンであり、fが、1、2、3、または4であり、Rが、(C−C20)ヒドロカルビルもしくは(C−C20)ヘテロヒドロカルビル、またはそのハロゲン化誘導体である。いくつかの実施形態では、金属−配位子錯体としては、バナジウム(V)オキシトリエトキシド、バナジウム(V)オキシトリーnープロポキシド(VO(OPr))、バナジウム(V)オキシトリーnーブトキシド(VO(OBu))、バナジウム(V)オキシトリイソプロポキシド(VO(OPr))、チタン(IV)テトライソプロポキシド(Ti(OPr))、チタン(IV)エトキシド、二塩化ジエトキシチタン(IV)、二塩化ジイソプロポキシチタン(IV)、二塩化ジーnーブトキシチタン(IV)、二塩化ジイソブトキシチタン(IV)、塩化トリイソプロポキシチタン(IV)、塩化トリーnーブトキシチタン(IV)、塩化トリイソブトキシチタン(IV)、チタン(IV)テトライソプロポキシド(Ti(OPr))、チタン(IV)nーブトキシド、チタン(IV)イソブトキシド、チタン(IV)2ーエチルヘキソキシド、ニオブ(V)nーブトキシド、タンタル(V)nーブトキシド、スカンジウム(III)イソプロポキシド、イットリウム(III)nーブトキシド、ランタン(III)イソプロポキシド、サマリウム(III)イソプロポキシド、モリブデン(V)エトキシド、鉄(III)エトキシド、セリウム(IV)イソプロポキシド、アルミニウムイソプロポキシド、またはそれらの組み合わせのうちの少なくとも1つを挙げることができる。
いくつかの実施形態では、金属−配位子錯体は、金属カルボキシレートまたは金属オキシカルボキシレートであり得る。いくつかの実施形態では、金属−配位子錯体は、構造式M(OCを有する金属カルボキシレートであり得、式中、Rが、(C−C20)ヒドロカルビルまたは(C−C20)ヘテロヒドロカルビルであり、gが、2、3、4、5、または6である。いくつかの実施形態では、金属−配位子錯体は、構造式M(=O)(OC(O)Rを有する金属オキシカルボキシレートであり得、式中、Rが、(C−C20)ヒドロカルビルまたは(C−C20)ヘテロヒドロカルビルであり、hが、1、2、3、または4である。いくつかの実施形態では、金属−配位子錯体としては、チタン(IV)2ーエチルヘキサノエート、酢酸バナジル、バナジウム(IV)オキシドステアレート、クロム(III)2ーエチルヘキサノエート、マンガン(II)2ーエチルヘキサノエート、鉄2ーエチルヘキサノエート、コバルト(II)2ーエチルヘキサノエート、ナフテン酸ニッケル(II)、ニッケル(II)2ーエチルヘキサノエート、銅(II)2ーエチルヘキサノエート、ナフテン酸銅(II)、亜鉛2ーエチルヘキサノエート、ネオジム(III)2ーエチルヘキサノエート、ネオジム(III)ネオデカノエート、ジルコニウム(IV)2ーエチルヘキサノエート、マグネシウム2ーエチルヘキサノエート、カルシウム(II)2ーエチルヘキサノエート、ナフテン酸カルシウム(II)、またはそれらの組み合わせのうちの少なくとも1つを挙げることができる。ナフテン酸塩とは、ナフテン酸の金属塩を指す。ナフテン酸は、脂環式カルボン酸の混合物であり、式C2(nーz)(式中、nが、5〜30であり、zが、0〜4である)によって表すことができる。ナフテン酸は、原油から単離することができる。
いくつかの実施形態では、例えば、予め形成されたMgCl支持体上にチタン種を吸着させた後、前述の金属−配位子錯体などの供与体化合物を、炭化水素希釈剤に分散された予め形成されたMgCl支持体成分、チタン種、および塩素化剤を含むスラリーと組み合わせて、不均一プロ触媒を生成してもよい。いくつかの実施形態では、金属−配位子錯体を、予め形成されたMgCl支持体、チタン種、および塩素化剤のスラリーと組み合わせ、0.5分〜10分の期間の間混合し、直後に助触媒を添加し、重合反応を行ってもよい。いくつかの実施形態では、金属−配位子錯体を、予め形成されたMgCl支持体、チタン種、および塩素化剤のスラリーと組み合わせ、10分超の間混合し、その後助触媒を添加し、重合反応を行ってもよい。不均一プロ触媒は、0.1:1〜10:1、0.5:1〜5:1、1:1〜1:3、1:1〜1:2.5、1:1〜1:2、1:1.5〜1:3、1:1.5〜1:2.5、1:1.5〜1:2、または1:2〜1:3の金属−配位子錯体(すなわち、供与体化合物)対不均一プロ触媒中のチタン種のモル比を有し得る。
いくつかの実施形態では、不均一プロ触媒は、任意選択的に、1つ以上の第2の遷移金属を含んでもよく、第2の金属のうちの少なくとも一部分が、予め形成されたMgCl支持体上に吸着されて、多金属不均一プロ触媒を生成する。第2の遷移金属は、ジルコニウム、ハフニウム、バナジウム、スカンジウム、ニオブ、タンタル、クロム、モリブデン、およびタングステンから独立して選択することができる。いくつかの実施形態では、第2の遷移金属は、ジルコニウム、ハフニウム、バナジウム、およびクロムから独立して選択することができる。これらの第2の遷移金属は、当業者に既知の多様な方式のうちのいずれかで、不均一プロ触媒に組み込むことができるが、一般に、例えば、適切な炭化水素希釈剤などの液相中でのチタン種を含む予め形成されたMgCl支持体と選択された第2の遷移金属(複数可)との間の接触は、第2の遷移金属(複数可)を確実に堆積させて多金属不均一プロ触媒を形成するのに好適であり得る。いくつかの実施形態では、第2の遷移金属は、金属−配位子錯体の前に不均一プロ触媒に組み込まれ得る。
理論に拘束されることを意図するものではなく、過剰の塩素化剤Al(Cl)(R3−xまたはSi(Cl)(R4−yの存在下で、構造式(L)M(Y)(XRを有する金属−配位子錯体の一部分は塩素化され、電子供与体としての効果を失う場合がある。したがって、チタン種がTiCl4ーc(ORまたはTiCl3ーd(ORであるいくつかの実施形態では、塩素化剤(Al(Cl)(R3−xおよび/またはSi(Cl)(R4−y)中のClの総量対不均一プロ触媒中のORおよびXRの総量(例えば、ORおよびXRの合計)のモル比は、0.33〜1.45、0.40〜1.14、または0.50〜0.94である。
いくつかの実施形態では、金属−配位子錯体が、金属アルコキシド、金属オキシアルコキシド、金属カルボキシレート、金属オキシカルボキシレート、またはこれらの化合物のハロゲン化誘導体であり、金属−配位子錯体が、Ti種または第2の遷移金属と同じであるとき、金属−配位子錯体は、同じTi化合物または第2の遷移金属の同じ化合物を含む予め形成されたプロ触媒に添加してもよい。例えば、Ti(OPr)が、予め形成された不均一プロ触媒中でTi種として使用され、金属−配位子錯体としても使用されるとき、金属−配位子錯体供与体としてのTi(OPr)を、Ti種としてTi(OPr)を使用して生成された予め形成された不均一プロ触媒に添加してもよい。別の実施形態では、VO(OPr)が第2の遷移金属ならびに金属−配位子錯体として使用されるとき、金属−配位子錯体供与体としてのVO(OPr)を、第2の遷移金属としてVO(OPr)を使用して作製された予め形成された不均一プロ触媒に添加してもよい。
前述のように、いくつかの実施形態では、不均一プロ触媒は、予め形成された不均一プロ触媒と、金属−配位子錯体とを含み得る。本開示で使用される場合、「予め形成された不均一プロ触媒」という用語は、重合および共重合反応を触媒するための触媒活性を有することがすでに決定されている既存の機能的チーグラーーナッタプロ触媒組成物、および助触媒と組み合わせると活性になる共重合反応を指す。いくつかの実施形態では、予め形成された不均一プロ触媒は、少なくともチタン種と、MgCl支持体とを含み得る。例えば、いくつかの実施形態では、予め形成された不均一プロ触媒がTiClおよびMgCl支持体を含むように、チタン種は、四塩化チタン(TiCl)であり得る。いくつかの実施形態では、予め形成された不均一プロ触媒がTi(OPr)およびMgCl支持体を含むように、チタン種は、チタンテトライソプロポキシド(Ti(OPr))であり得る。Ti(OPr)の少なくとも一部分は、塩素化剤によって塩素化されると、塩化Ti(複数可)に変換され得ることが理解される。いくつかの実施形態では、予め形成された不均一プロ触媒としては、少なくともTiClおよびMgCl支持体を含み、助触媒との組み合わせると活性になる、任意の市販のチーグラーーナッタプロ触媒を挙げることができる。
不均一プロ触媒は、金属−配位子錯体を予め形成された不均一プロ触媒と接触させることによって調製することができる。例えば、いくつかの実施形態では、不均一プロ触媒を調製するためのプロセスは、チタン種とMgCl支持体とを含む、予め形成された不均一プロ触媒を提供することを含み得る。このプロセスは、さらに塩素化することなく、予め形成された不均一プロ触媒を金属−配位子錯体と接触させることをさらに含み得る。理論に拘束されることを意図するものではなく、さらなる塩素化は、金属−配位子錯体を塩化化合物(複数可)に変換し、したがって電子供与体としてのその効果を減少させる場合があると考えられる。
いくつかの実施形態では、不均一プロ触媒は、予め形成された不均一プロ触媒と、金属−配位子錯体とを含み得、予め形成された不均一プロ触媒が、チタン種(四塩化チタンなど)と、MgCl支持体とを含む。これらの実施形態では、金属−配位子錯体を予め形成された不均一プロ触媒に添加することにより、予め形成された不均一プロ触媒を修飾して、より高いMwおよび高密度画分、ならびに低減されたコモノマー重量パーセントを有するエチレン系ポリマーを生成することが可能である、本開示の不均一プロ触媒を生成することができる。予め形成された不均一プロ触媒と金属−配位子錯体との接触は、多種多様な条件下で行うことができる。そのような条件としては、例えば、窒素、アルゴン、または他の不活性ガスなどの不活性雰囲気下で、0℃〜100℃、0℃〜80℃、15℃〜80℃、15℃〜60℃、15℃〜50℃、または20℃〜50℃の温度で、予め形成された不均一プロ触媒と金属−配位子錯体とを接触させることを含み得る。接触させた後、炭化水素可溶性成分を炭化水素不溶性成分から分離する必要はない。助触媒と接触させて触媒系を形成する前の、予め形成された不均一プロ触媒と金属−配位子錯体との間の接触時間は、10分以上、0.5時間以上、1時間以上、24時間以上、168時間以上、または700時間以上であり得る。金属−配位子錯体の効果は、経時的にわずかにまたはゆるやかに変化し得ると考えられる。しかしながら、これらの影響は、長期間にわたって残る。金属−配位子錯体(すなわち、供与体化合物)対予め形成された不均一プロ触媒中のチタン種のモル比は、0.1:1〜10:1、0.5:1〜5:1、1:1〜1:3、1:1〜1:2.5、1:1〜1:2、1:1.5〜1:3、1:1.5〜1:2.5、1:1.5〜1:2、または1:2〜1:3であり得る。
不均一プロ触媒は、不均一プロ触媒を助触媒と接触させることによって活性化することができる。助触媒としては、アルミニウムのアルキルまたはハロアルキル、アルミノキサン、アルキルアルミニウムアルコキシド、ハロゲン化アルキルアルミニウム、グリニャール試薬、アルカリ金属水素化アルミニウム、金属アルキル、アルカリ金属水素化ホウ素、水素化アルカリ金属、水素化アルカリ土類金属などの少なくとも1つの有機金属化合物を挙げることができる。いくつかの実施形態では、助触媒は、有機アルミニウム化合物であり得る。いくつかの実施形態では、助触媒は、アルキルアルミニウム、ハロアルキルアルミニウム、ハロゲン化アルキルアルミニウム、およびそれらの混合物から選択され得る。いくつかの実施形態では、助触媒は、トリエチルアルミニウム、トリメチルアルミニウム、トリーnーブチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、トリーnーヘキシルアルミニウム、トリーnーオクチルアルミニウム、ジエチルアルミニウムクロリド、メチルアルミノキサン(MAO)、修飾メチルアルミノキサン(MMAO)、ジエチルアルミニウムエトキシド、およびこれらの混合物から選択され得る。前述のように、触媒系は、不均一プロ触媒と、助触媒とを含み得る。触媒系の調製は、不均一プロ触媒を助触媒と接触させることを含み得る。
不均一プロ触媒および助触媒の反応からの触媒系の形成は、重合反応器に入れる直前、または重合前に、その場で(適所で)実行され得る。したがって、触媒系を調製するための不均一プロ触媒と助触媒(または予め形成された不均一プロ触媒、金属−配位子錯体、および助触媒)との接触は、多種多様な条件下で行うことができる。そのような条件は、例えば、窒素、アルゴンまたは他の不活性ガスなどの不活性雰囲気下で、0℃〜250℃、0℃〜200℃、15℃〜250℃、15℃〜200℃、15℃〜50℃、または150℃〜250℃の温度で不均一プロ触媒と助触媒とを接触させることを含み得る。触媒反応生成物(すなわち、触媒系)の調製では、炭化水素可溶性成分を炭化水素不溶性成分から分離する必要はない。重合反応前の不均一プロ触媒と助触媒との間の接触時間は、0分超〜10日、0分超〜60分、0分超〜5分、0.1分〜5分、0.1分〜2分、または1分〜24時間であり得る。これらの条件の様々な組み合わせが用いられてもよい。いくつかの実施形態では、触媒系は、0.5:1〜50:1、3:1〜20:1、3:1〜15:1、3:1〜10:1、3:1〜8:1、5:1〜20:1、5:1〜15:1、5:1〜10:1、8:1〜20:1、または8:1〜15:1の助触媒対不均一プロ触媒中のチタン種のモル比を有し得る。
いくつかの実施形態では、金属−配位子錯体は、不均一プロ触媒に組み込まれる代わりに、外部供与体化合物として使用されてもよい。例えば、いくつかの実施形態では、触媒系は、本明細書で前述の予め形成された不均一プロ触媒と、金属−配位子錯体と、助触媒とを含み得る。触媒系は、予め形成された不均一プロ触媒、金属−配位子錯体、および助触媒を接触させることによって調製することができる。例えば、金属−配位子錯体が外部供与体化合物として用いられるとき、触媒系を重合反応器システムに導入する直前に、金属−配位子錯体を予め形成された不均一プロ触媒および助触媒と組み合わせてもよい。いくつかの実施形態では、本明細書で前述の予め形成された不均一プロ触媒、金属−配位子錯体、および助触媒を同時に、および別々に反応器に添加することができる。これらの実施形態では、予め形成された不均一プロ触媒と金属−配位子錯体との間の接触は、重合反応器内で行われる。
不均一プロ触媒および助触媒を含む触媒系が調製されると、触媒系は、オレフィンを重合するための重合または共重合プロセスで使用することができる。例えば、いくつかの実施形態では、触媒系を重合または共重合プロセスで利用して、線状低密度ポリエチレン(LLDPE)などのエチレン系ポリマーおよび他のエチレン系ポリマーを作製することができる。いくつかの実施形態では、重合または共重合プロセスは、エチレンおよび任意選択的に1つ以上のαーオレフィンコモノマーを、不均一プロ触媒および任意選択的に助触媒を含む触媒系と接触させて、エチレン系ポリマーを形成することを含み得る。オレフィン重合/共重合反応は、反応媒体中で行われてもよい。反応媒体は、イソパラフィン、脂肪族炭化水素、または本開示で前述の他の炭化水素希釈剤のうちのいずれかなどの炭化水素希釈剤であり得る。オレフィンの重合/共重合プロセスは、不均一プロ触媒、または予め形成された不均一プロ触媒、および金属−配位子錯体、および助触媒を含む触媒系の存在下で、オレフィンまたは複数のオレフィンの組み合わせを反応媒体と接触させることを含み得る。条件は任意の好適なものであってもよく、例えば水素などの分子量調節剤も反応容器内に存在して、望ましくない高分子量ポリマーの形成を抑制させてもよい。
本明細書に開示の触媒系の存在下で任意のエチレン重合または共重合反応システムを用いて、エチレン系ポリマーを生成することができる。そのようなエチレン重合または共重合反応システムとしては、限定されないが、スラリー相重合プロセス、溶液相重合プロセス、気相重合プロセス、およびこれらの組み合わせを挙げることができる。重合または共重合プロセスは、1つ以上の従来の反応器で実施されてもよく、それらの例としては、限定されないが、並列または直列の、ループ反応器、撹拌槽型反応器、流動床反応器、バッチ反応器、および/またはこれらの任意の組み合わせを挙げることができる。いくつかの実施形態では、重合プロセスは、直列、並列、またはこれらの組み合わせの2つ以上の反応器で実施され得る。他の実施形態では、重合プロセスは、単一の反応器で行われ得る。重合プロセスは、バッチ重合プロセスまたは連続重合プロセスであり得る。例えば、いくつかの実施形態では、重合プロセスは、撹拌槽型反応器で行われ得るバッチ重合プロセスであり得る。いくつかの実施形態では、重合プロセスは、連続溶液重合反応器で行われる重合反応など、連続的であり得る。いくつかの実施形態では、重合プロセスは、直列の2つの連続溶液重合反応器で実施することができ、1つ以上の分子触媒を第1の反応器に充填してもよく、本明細書に開示の触媒系を第2の反応器に充填してもよい。いくつかの実施形態では、重合プロセスは、直列の2つの連続溶液重合反応器で実施することができ、本明細書に開示の触媒系を第1の反応器で使用してもよく、1つ以上のメタロセンまたは分子触媒を第2の反応器で使用してもよい。いくつかの実施形態では、重合プロセスは、本明細書に開示の触媒系および1つの他の重合触媒系が存在する反応器を含み得る。他の触媒系としては、任意のチーグラーーナッタ触媒および任意の分子触媒を挙げることができる。分子触媒は、メタロセンなどの明確に定義される分子構造を有する遷移金属錯体プロ触媒を含む、重合触媒系である。他の実施形態では、重合プロセスは、2つ以上の重合工程を含み得る。これらの実施形態では、本明細書に開示の不均一プロ触媒を含む触媒系は、任意の1つ以上の重合工程に使用され得る。
本明細書に開示の触媒系を利用する重合/共重合プロセスから生成されるポリマーは、エチレン、プロピレン、または4ーメチルー1ーペンテンなどのCーC20アルファーオレフィンのホモポリマーであり得る。いくつかの実施形態では、不均一プロ触媒の存在下で生成されるポリマーとしては、エチレンまたはプロピレンと、少なくとも1つ以上のアルファオレフィンコモノマーとのコポリマーを挙げることができる。いくつかの実施形態では、ポリマーは、他の不飽和コモノマーと組み合わせた、エチレンと、上のCーC20アルファーオレフィンのうちの少なくとも1つとのコポリマーなどの、エチレン系ポリマーであり得る。いくつかの実施形態では、コモノマーは、20個以下の炭素原子を有するαーオレフィンコモノマーであり得る。例えば、いくつかの実施形態では、αーオレフィンコモノマーは、3〜20個の炭素原子、3〜10個の炭素原子、または3〜8個の炭素原子を有し得る。例示的なαーオレフィンコモノマーとしては、限定されないが、プロピレン、1ーブテン、1ーペンテン、1ーヘキセン、1ーヘプテン、1ーオクテン、1ーノネン、1ーデセン、および4ーメチルー1ーペンテンを挙げることができる。いくつかの実施形態では、エチレン系ポリマーとしては、1ーブテン、1ーヘキセン、および1ーオクテンからなる群から選択されるαーオレフィンコモノマーを挙げることができる。いくつかの実施形態では、本明細書に開示の触媒系の存在下で生成されるエチレン系ポリマーは、エチレンモノマー単位と、1ーブテン、1ーヘキセン、1ーオクテン、またはこれらの組み合わせから選択されるコモノマー単位とのコポリマーであり得る。
本明細書に記載の触媒系を利用する重合/共重合プロセスでは、重合は、選択されたαーオレフィンモノマー(例えば、エチレンおよび/または1つもしくは2つ以上のαーオレフィンコモノマー)を含有する重合反応器に、触媒量の触媒系を添加することによって、またはその逆で添加することによって、効果的になる。重合反応器は、50℃〜300℃の温度に維持され得る。例えば、いくつかの実施形態では、重合反応器は、50℃〜230℃、50℃〜200℃、100℃〜300℃、100℃〜230℃、100℃〜200℃、または60℃〜120℃の温度に維持され得る。いくつかの非限定的な実施形態では、反応物、触媒系、またはその両方は、5分〜4時間、5分〜20分、または0.5時間〜4時間の重合反応器内での滞留時間を有し得る。より長いまたはより短い滞留時間が、代替的に用いられてもよい。一般に、湿気および酸素の不在下で、かつ触媒系の存在下で重合を実行することが望ましい。触媒系の量は、エチレン系ポリマーの所望の生産性(例えば、収率)を提供するのに十分であり得るが、触媒系の量に高額な費用がかかるほど多くなくてもよい。しかしながら、最も有利な触媒濃度は、温度、圧力、溶媒、および触媒毒の存在などの重合条件に依存することが理解される。
いくつかの実施形態では、重合/共重合プロセスは、150〜3,000psig(1.0〜20.7MPa)、250〜1,000psig(1.7〜6.9MPa)、または450〜800psig(3.1〜5.5MPa)の圧力などの比較的低い圧力で行うことができる。しかしながら、本明細書に記載の触媒系の存在下での重合/共重合は、大気圧から、重合装置の能力(例えば、圧力定格)によって決定される圧力までの圧力で行うことができる。
いくつかの実施形態では、重合/共重合プロセスは、不活性有機希釈剤、過剰のモノマー、またはその両方であり得る担体を含み得る。ポリマーによる担体の過飽和は、一般に、重合/共重合プロセス中に回避することができる。触媒系が枯渇する前にポリマーによる担体のそのような飽和が起こる場合、触媒系の十分な効率が実現されない場合がある。いくつかの実施形態では、重合/共重合プロセスは、担体/希釈剤中のポリマーの量を、ポリマーの過飽和濃度よりも低い濃度に維持するのに十分な条件で操作され得る。例えば、いくつかの実施形態では、重合/共重合プロセスは、反応混合物の総重量に基づいて、担体/希釈剤中のポリマーの量を30重量パーセント(重量%)未満に維持するのに十分な条件下で操作され得る。いくつかの実施形態では、重合/共重合プロセスは、温度制御を維持し、重合ゾーン全体を通して重合反応の均一性を向上するために、反応混合物を混合または撹拌することを含み得る。比較的活性な触媒とのより迅速な反応などを含むいくつかの実施形態では、重合/共重合プロセスは、希釈剤が含まれる場合、還流モノマーおよび希釈剤を含み得、それにより、反応熱の少なくとも一部を除去する。いくつかの実施形態では、熱伝達装置(例えば、熱交換器、冷却ジャケット、または他の熱伝達手段)は、重合の発熱の少なくとも一部分を除去するために提供され得る。
いくつかの実施形態では、重合/共重合プロセスに添加される反応混合物は、反応器の安定性を維持し、触媒効率を高めるのに十分な量のエチレンモノマーを含み得る。いくつかの実施形態では、反応混合物は、1:2〜1:8、1:2〜1:5、1:3〜1:8、または1:3〜1:5の希釈剤対エチレンモノマーのモル比を有し得る。いくつかの実施形態では、過剰のエチレンモノマーの一部分を重合プロセスから排出して、反応器内のエチレンモノマーの濃度を維持することができる。
いくつかの実施形態では、重合/共重合プロセスは、反応中に水素ガスを反応混合物と接触させることを含み得る。水素ガスは、エチレン系ポリマーの分子量を低減するように、ならびにエチレン系ポリマーの超高分子量分子の形成を低減するように動作可能であり得る。いくつかの実施形態では、反応混合物中の水素ガスの濃度は、モノマー1モル当たり0.001モル〜1モルの水素に維持され得、モノマーとしては、エチレンモノマーおよび任意の任意選択的なαーオレフィンコモノマーが挙げられる。水素は、モノマー流とともに、別個の水素供給流として、またはその両方で重合反応器に添加することができる。水素は、モノマーを重合反応器に添加する前、最中、および/または後に重合反応器に添加され得る。いくつかの実施形態では、水素は、触媒系の添加前または添加中に添加され得る。いくつかの実施形態では、重合/共重合プロセスは、水素ガスを導入することなく行われ得る。
得られるエチレン系ポリマーは、未反応のモノマー、コモノマー、希釈剤、またはその両方を排出することによって、重合混合物から回収することができる。いくつかの実施形態では、不純物のさらなる除去は必要でない場合がある。得られるエチレン系ポリマーは、少量の触媒残留物を含有し得る。得られるポリマーは、さらに溶融スクリーニングされ得る。例えば、エチレン系ポリマーは、押出機で溶融され、次いで、2μm〜約400μmのミクロン保持サイズを有する、複数の直列に位置付けられた1つ以上の活性スクリーンを通過し得る。溶融スクリーニング中、エチレン系ポリマーの質量流量は、5lb/時/in〜約100lb/時/inであり得る。
本明細書に開示の触媒系で生成され得られるエチレン系ポリマーは、金属−配位子錯体供与体化合物を含まないがその他は同じである比較プロ触媒で作製された比較ポリマーと比較して、増加したMw、増加したHDF、およびアルファーオレフィンコモノマーの減少した重量パーセントを呈し得る。本明細書に開示の不均一プロ触媒および触媒系の増加した分子量能力は、重合/共重合プロセスをより高いプロセス温度で行うことを可能にし得、これにより、より低いプロセス温度で作製されたポリマーと比較して、重合/共重合プロセスがより高い生成スループット率で光学特性および/またはdart衝撃/引き裂きバランスなどの改善された特性を有するエチレン系ポリマーを生成することを可能にし得る。加えて、本明細書に開示の触媒系は、本明細書に開示の触媒系が、高分子量および低コモノマー含有量を有するポリマー成分を生成する、二峰性ポリマーの生成のための分子触媒系と一緒に使用することができる。
エチレン系ポリマーは、50重量パーセント未満の1つ以上のαーオレフィンコモノマーに由来する単位を含み得る。50重量パーセント未満からの全ての個々の値および部分範囲が、本明細書に含まれ開示される。例えば、いくつかの実施形態では、エチレン系ポリマーは、30重量%以下、20重量%以下、15重量%以下、10重量%以下、8重量%以下、5重量%以下、または3重量%以下の1つ以上のαーオレフィンコモノマーに由来する単位を含み得る。エチレン系ポリマーは、エチレンに由来する少なくとも50重量パーセント(重量%)の単位を含み得る。少なくとも50〜100重量%の全ての個々の値および部分範囲が本明細書に含まれ、本明細書に開示される。例えば、いくつかの実施形態では、エチレン系ポリマーは、70重量%〜100重量%、80重量%〜100重量%、85重量%〜100重量%、90重量%〜100重量%、95重量%〜100重量%、またはさらには97重量%〜100重量のエチレン由来の単位を含み得る。
本明細書に開示の触媒系の存在下で生成されるエチレン系ポリマーは、他のポリマーおよび/または添加剤などの追加の成分をさらに含み得る。添加剤の例は、限定されないが、帯電防止剤、色向上剤、染料、潤滑剤、充填剤、顔料、一次酸化防止剤、二次酸化防止剤、加工助剤、紫外線安定剤、およびこれらの組み合わせを含み得る。いくつかの実施形態では、Ciba Geigyから入手可能なIRGAFOS(商標)168およびIRGANOX(商標)1010などの酸化防止剤を使用して、エチレン系ポリマー組成物を熱および/または酸化分解から保護することができる。エチレン系ポリマーは、任意の量の添加剤を含有し得る。例えば、いくつかの実施形態では、エチレン系ポリマーは、そのような添加剤を含むエチレン系ポリマー組成物の総重量に基づいて、0.0重量%〜10.0重量%、0.0重量%〜7.0重量%、0.0重量%〜5.0重量%、0.0重量%〜3.0重量%、0.0重量%〜2.0重量%、0.0重量%〜1.0重量%、またはさらには0.0重量%〜0.5重量%の添加剤を含み得る。
本明細書に開示の触媒系の存在下で生成されるエチレン系ポリマーは、特定の実施形態では、LLDPEだけでなく、高密度ポリエチレン(HDPE)、プラストマー、中密度ポリエチレン、およびポリプロピレンコポリマーを含む多種多様な生成物に含まれ得る。これらおよび他の用途のために、エチレン系ポリマーの平均分子量および高密度画分の増加に起因して、全体的な品質が向上することを示す物品を調製することができる。ポリマーの有用な形成操作としては、フィルム、シート、パイプおよび繊維の押出および共押出を挙げることができるが、これらに限定されず、ならびにブロー成形、射出成形、および回転成形が実行され得る。フィルムは、共押出または積層によって形成されたインフレーションまたはキャストフィルムを含み得、収縮フィルム、クリングフィルム、延伸フィルム、封止フィルム、配向フィルム、軽食包装、重包装袋、食料品袋、焼成および冷凍食品包装、医療用包装、工業用ライナ、農業用フィルム用途、ならびに、例えば、食品接触および非食品接触用途における膜として有用であり得る。繊維は、フィルタ、おむつ布地、医療用衣類、およびジオテキスタイルを作製するための織布および不織布の形態で使用するための溶融紡糸、溶液紡糸、およびメルトブロー繊維操作を含み得る。押出物品は、医療用チューブ、ワイヤおよびケーブルのコーティング、ジオメンブレン、および池用ライナを含み得る。成形物品は、ボトル、タンク、大型中空物品、硬質食品容器、および玩具の形態の単層および多層構造を含有し得る。
試験方法
比表面積
MgCl支持体の比表面積は、ブルナウアー、エメット、テラー(BET)表面積法によって測定された。MicromeriticsによるTristar 3020表面積分析器を使用した。溶媒を除去するために、30mLのMgClのスラリーを濾過し、次いで、30mLのヘキサン中に再スラリー化した。得られたスラリーを不活性雰囲気下で再度濾過し、追加のヘキサンで洗浄した。このプロセスを1回繰り返して、MgClのフィルタケーキを得た。残留溶媒を真空下でフィルタケーキから除去した。フィルタケーキは、MicromeriticsによるVac Prep 061で、0.5インチ(1.27cm)の試料チューブおよび真空乾燥させたMgClの試料0.2gをTransealストッパー付きの不活性雰囲気下で管に装填することにより、不活性試料保護用に設計されたTransealストッパーを使用してさらに乾燥させた。試料チューブは、窒素パージしながらVac Prep061ユニットに接続した。Transealストッパーを開くことにより試料チューブを真空処理し、真空にしたチューブをアルミニウムチューブプロテクター付きの加熱ブロックに配置した。VacPrep061ユニットでの真空下で、試料を110℃で3時間乾燥させた。その後、窒素を試料チューブに導入した。乾燥させた試料を室温まで冷却し、その後試料チューブをVacPrep061ユニットから外して、完全に乾燥させた試料を得た。不活性雰囲気下で、0.1500〜0.2000gの完全に乾燥させた試料をチューブフィラーロッド付きの清浄な試料チューブに移した。次いで、試料チューブをTransealストッパーで密封し、表面積測定のためにTristar3020機器に接続した。データの取得には、QUICKSTART法を使用した。
密度
密度はASTM D792に従って測定し、グラム/立方センチメートル(g/ccまたはg/cm)で報告する。
メルトインデックス
メルトインデックス(I)は、ASTM D1238に従って、190℃および荷重2.16kgの条件下で測定する。メルトフローインデックス(I)は、CEAST 7026またはInstron MF20機器を用いて取得された。機器は、ASTM D1238、方法EおよびNに従った。メルトインデックス(I)は、10分当たりの溶出グラム数(g/10分)で報告する。メルトインデックスIを、ポリマーの特徴評価のために使用した。一般に、より高いI値は、より低いMwと相関し得る。
ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)
クロマトグラフィーシステムは、Precision Detectors(現在はAgilent Technologies)二角レーザ光散乱(LS)検出器モデル2040に結合された内部IR5赤外検出器(IR5)を備える、PolymerChar GPCーIR(Valencia、Spain)高温GPCクロマトグラフからなる。全ての光散乱測定について、15度角を測定目的で使用する。オートサンプラのオーブン区画を160℃に設定し、カラム区画を150℃に設定した。使用したカラムは、3つのAgilent「Mixed B」30cm、20ミクロンの直線状混合床カラムであった。使用したクロマトグラフィー溶媒は、1,2,4ートリクロロベンゼンであり、200ppmのブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)を含有していた。溶媒源は、窒素注入された。使用した注入量は、200マイクロリットル(μL)であり、流量は、1.0ミリリットル/分(mL/分)であった。
GPCカラムセットの較正は、580〜8,400,000の範囲の分子量を有する少なくとも20の狭い分子量分布のポリスチレン標準を用いて実施し、個々の分子量の間に少なくとも10の間隔を空けて、6つの「カクテル」混合物中に該標準を配置した。標準は、Agilent Technologiesから購入した。1,000,000以上の分子量については50ミリリットルの溶媒中0.025グラムで、また1,000,000未満の分子量については50ミリリットルの溶媒中0.05グラムでポリスチレン標準を調製した。ポリスチレン標準を、摂氏80度(℃)で30分間穏やかに撹拌しながら溶解させた。ポリスチレン標準ピーク分子量を、等式1(EQU.1)を使用してポリエチレン分子量に変換した(Williams and Ward,J.Polym.Sci.,Polym.Let.,6,621(1968)に記載の通り):
Figure 2021525292
式中、Mは分子量であり、Aは0.4315の値を有し、Bは1.0に等しい。
第5次多項式を使用して、それぞれのポリエチレン同等較正点にあてはめた。NIST標準NBS1475が52,000Mwで得られるように、カラム分解能およびバンドの広がり効果を補正するために、Aに対してわずかな調整(約0.415〜0.44)を行った。
GPCカラムセットの総プレート計数を、(50ミリリットルのTCB中0.04gで調製し、穏やかに撹拌しながら20分間溶解させた)エイコサンで実施した。プレート計数(等式2(EQU.2))および対称性(等式3(EUQ.3))を、200マイクロリットル注入で、以下の等式に従って測定した:
Figure 2021525292
式中、RVはミリリットルでの保持体積であり、ピーク幅はミリリットルであり、ピーク最大値はピークの最大高さであり、1/2高さはピーク最大値の1/2の高さである。
Figure 2021525292
式中、RVは、ミリリットルでの保持体積であり、ピーク幅は、ミリリットルであり、ピーク最大値は、ピークの最大位置であり、1/10の高さは、ピーク最大値の1/10の高さであり、後方ピークは、ピーク最大値よりも後の保持体積でのピークテールを指し、前方ピークは、ピーク最大値よりも前の保持体積でのピークフロントを指す。クロマトグラフィーシステムのプレート計数は、24,000超であるべきであり、対称性は、0.98〜1.22であるべきである。
試料は、PolymerChar「Instrument Control」ソフトウェアを用いて半自動で調製された:2mg/mLを試料の標的重量とし、PolymerChar高温オートサンプラを介して、予め窒素をスパージしたセプタキャップ付バイアルに溶媒(200ppmのBHTを含有)を添加した。160℃の「低速」振盪下で2時間の間、試料を溶解させた。
Mn(GPC)、Mw(GPC)、およびMz(GPC)の計算は、PolymerChar GPCOne(商標)ソフトウェアを使用して以下の等式4〜6(EQU.4、EQU.5、およびEQU.6)に従ってPolymerChar GPCーIRクロマトグラフの内部IR5検出器(測定チャネル)を使用したGPC結果、等間隔のデータ収集点(i)でのベースラインを差し引いたIRクロマトグラム、および等式1の点(i)の狭い標準較正曲線から得られるポリエチレン同等分子量に基づいた。
Figure 2021525292
経時的な偏差を監視するために、PolymerChar GPCーIRシステムで制御されたマイクロポンプを介して各試料に流量マーカー(デカン)を導入した。この流量マーカ(FM)は、試料(RV(FM試料))内のそれぞれのデカンピークのRVを、狭い標準較正(RV(FM較正済み))内のデカンピークのRVと一致させることによって、各試料のポンプ流量(流量(公称))を直線的に補正するために使用した。次いで、デカンマーカピークのいかなる時間変化も、ラン全体の流量(流量(実効))の線形シフトに関連すると仮定する。流量マーカーピークのRV測定の最高精度を促進するために、最小二乗フィッティングルーチンを使用して、流量マーカー濃度クロマトグラムのピークを二次方程式に適合する。次いで、二次方程式の一次導関数を使用して、真のピーク位置を求める。流量マーカーピークに基づいてシステムを較正した後、(狭い標準較正に関して)有効流量を等式7(EQU.7)のように計算する。流量マーカーピークの処理は、PolymerChar GPCOne(商標)ソフトウェアにより行われた。許容可能な流量補正は、実効流量が公称流量の+/ー2%以内となるべきものである。
Figure 2021525292
IR5検出器比の較正は、ホモポリマー(0SCB/1000個の総C)からおよそ50SCB/1000個の総C(式中、総C=主鎖中の炭素+分岐中の炭素)までの範囲の既知の短鎖分岐(SCB)頻度(13C NMR法で測定される)の少なくとも10個のエチレン系ポリマー標準(ポリエチレンホモポリマーおよびエチレン/オクテンコポリマー)を使用して実施された。各標準は、GPCーLALLSによって判定されたように、36,000g/モル〜126,000g/モルの重量平均分子量(Mw)を有した。各標準は、GPCによって判定されたように、2.0〜2.5の分子量分布(Mw/Mn)を有した。コポリマー標準のポリマー特性の例を表Aに示す。
Figure 2021525292
「IR5メチルチャネルセンサのベースラインを差し引いた面積応答」対「IR5測定チャネルセンサのベースラインを差し引いた面積応答」の「IR5面積比(または「IR5メチルチャネル面積/IR5測定チャネル面積」)」(PolymerCharによって供給される標準フィルタおよびフィルタホイール:部品番号IR5_FWM01はGPCーIR機器の一部として含まれる)を、「コポリマー」標準の各々について計算した。コモノマー重量%度数対「IR5面積比」の線形回帰は、次の等式8(EQU.8)の形態で構築された。
Figure 2021525292
各クロマトグラフスライスで決定された分子量によりコモノマー終端(メチル)と有意なスペクトルの重複がある場合、コモノマー重量%データの末端基補正は、終端メカニズムの知識を用いて行うことができる。
HDF(高密度画分)の測定
改善されたコモノマー含有量分布(iCCD)分析は、IRー5検出器(PolymerChar、Spain)と二角光散乱検出器モデル2040(Precision検出器、現在はAgilent Technologies)を備えるCrystallization Elution Fractionation機器(CEF)(PolymerChar、Spain)を用いて実施された。検出器オーブン内のIRー5検出器の直前に、10cm(長さ)×1/4インチ(ID)(0.635cm ID)のステンレス鋼に20〜27ミクロンのガラス(MoSCi Corporation、USA)を充填したガードカラムを取り付けた。オルトジクロロベンゼン(ODCB、99%無水グレードまたはテクニカルグレード)を使用した。EMD Chemicalsからシリカゲル40(粒子サイズ0.2〜0.5mm、カタログ番号10181ー3)を入手した(ODCB溶媒を前に乾燥するために使用してもよい)。CEF機器は、Nパージ能力を備えるオートサンプラを装備する。ODCBを、使用前に1時間、乾燥窒素(N)でパージする。試料調製は、160℃で1時間振盪しながら、オートサンプラを4mg/mLで用いて(特に指定のない限り)行う。注入量は、300μLであった。iCCDの温度プロファイルは、3℃/分で105℃〜30℃での結晶化、30℃で2分間の熱平衡(2分間に設定された可溶性画分溶出時間を含む)、3℃/分で30℃〜140℃での溶出、であった。結晶化中の流量は、0.0ml/分である。溶出中の流量は、0.50ml/分である。データは、1つのデータ点/秒で収集した。
iCCDカラムには、金でコーティングされたニッケル粒子(Bright 7GNM8ーNiS、Nippon Chemical Industrial Co.)を15cm(長さ)×1/4インチ(ID)(0.635cm)のステンレスチューブに充填した。カラムの充填および調整は、参考文献(Cong,R;Parrott,A.;Hollis,C.;Cheatham,M.WO2017/040127A1)によるスラリー法を用いた。TCBスラリーを充填した最終圧力は、150バールであった。
カラム温度較正は、標準物質の線形ホモポリマーポリエチレン(コモノマー含量がゼロ、メルトインデックス(I)が1.0、多分散度M/Mが従来のゲル浸透クロマトグラフィーで約2.6、1.0mg/mL)およびODCB中のエイコサン(2mg/mL)の混合物を使用して実施された。iCCD温度較正は、4工程から構成される:(1)測定されたエイコサンのピーク溶出温度から30.00℃を差し引いた、温度オフセットとして定義される、遅延体積を計算すること;(2)溶出温度の温度オフセットをiCCD生温度データから差し引くこと。ここで、この温度オフセットは、溶出温度、溶出流量などの実験条件の関数であることが留意される;(3)線状ホモポリマーポリエチレンリファレンスが101.0℃でピーク温度を有し、エイコサンが30.0℃のピーク温度を有するように、30.00℃〜140.00℃の範囲にわたる溶出温度を変換する線形較正直線を作成すること;(4)30℃で等温的に測定された可溶性画分について、30.0℃未満の溶出温度では、参考文献(Cerk and Cong et al.,US9,688,795)に従って3℃/分の溶出加熱速度を使用することによって直線的に外挿されること。
iCCDのコモノマー含量対溶出温度は、12の標準物質(エチレンホモポリマーおよびシングルサイトメタロセン触媒で作製されたエチレンーオクテンランダムコポリマー、35,000〜128,000の範囲のエチレン当量平均分子量を有する)を使用して構築された。これらの標準物質は全て、4mg/mLで以前に指定したものと同じ方式で分析した。線形回帰を使用したオクテンモル%の関数としての報告された溶出ピーク温度のモデリングにより、R2が0.978である等式9(EQU.9)のモデルが得られた。
Figure 2021525292
樹脂全体に対して、23.0℃〜115℃の範囲の溶出温度(温度較正は上記で指定)で全てのクロマトグラムを積分するように積分ウィンドウが設定される。樹脂の高密度画分(HDF)の重量パーセントは、次の等式10(EQU.10)によって定義する:
Figure 2021525292
触媒効率
触媒効率(「Eff」)は、不均一プロ触媒中に使用されるTi1g当たりの、重合中に消費されるエチレンの量(エチレン(g)/Ti(g))に基づいて計算される。Tiのグラム数とは、チタン種に起因するTiのグラム数を指し、電子供与体化合物(金属−配位子錯体)に起因するTiを含まない。
本開示の実施形態は、以下の実施例によってさらに明確化される。次の実施例は、本質的に例示を意図するものであり、先行する開示の範囲または添付の特許請求の範囲を限定するものではないことが理解されるべきである。
実施例A:実施例1〜12および比較例1〜3の予め形成されたプロ触媒組成物の調製。
実施例Aでは、塩化マグネシウム、塩素化剤、およびチタン種を含む予め形成されたプロ触媒組成物スラリーを、実施例1〜12および比較例1〜3で使用するために調製した。ヘプタン中20重量%のnーブチルエチルマグネシウム溶液を、不活性した炭化水素希釈剤としてのExxonMobile CorporationからのISOPAR(商標)Eイソパラフィン溶媒中0.20Mの濃度に希釈した。30℃での撹拌下で、Cl/Mgモル比が2.04(Cl mol/Mg mol)に達するまで、塩酸(HCl)を0.2Mのnーブチルエチルマグネシウム溶液にゆっくりと添加した。反応混合物の温度は、反応全体を通して30℃±3℃に維持された。液体希釈剤からMgCl固体を分離することなく、塩化マグネシウム(MgCl)スラリーを得た。
30℃で撹拌しながら、EADC/Mg比が0.3(EADC mol/Mg mol)に達するまで、ヘプタン中15%の二塩化エチルアルミニウム(EADC)の溶液をMgClスラリーにゆっくりと添加した。添加中、反応混合物の温度を30℃±3℃に維持した。混合物を、30℃で4時間熟成させた。
その後、30℃で撹拌しながら、Ti/Mg比が0.075(Ti mol/Mg mol)に達するまで、ヘプタン中51%のチタン(IV)イソプロポキシドの溶液を混合物にゆっくりと添加した。添加中、反応混合物の温度を30℃±3℃に維持した。混合物を、30℃で少なくとも8時間再び熟成させた。ISOPAR(商標)Eパラフィン溶媒を使用して、プロ触媒配合濃度を調整した。実施例Aの予め形成されたプロ触媒組成物の最終Ti濃度は、炭化水素希釈剤中0.12Mであった。実施例Aの予め形成されたプロ触媒組成物は、40/12/3のMgCl対EADC対Ti(すなわち、MgCl/EADC/Ti)のモル比を有した。
比較例1〜3:供与体化合物として金属−配位子錯体を含まない触媒系の存在下でのバッチ共重合。
比較例1、2、および3(CE1、CE2、CE3)では、エチレンモノマーおよび1ーオクテンコモノマーのバッチ反応器共重合は、供与体化合物としての金属−配位子錯体を含まない比較プロ触媒として実施例Aの予め形成されたプロ触媒組成物を使用して、1ガロンの撹拌反応器で実施した。250グラム(g)の1ーオクテン(C8)および1330gのISOPAR(商標)Eイソパラフィン溶媒(1ーオクテンコモノマーおよび溶媒を含めて1580gの総量)を反応器に充填した。反応器を190℃まで加熱し、次いで40ミリモル(mmol)の水素の存在下で、エチレンで飽和させた。
CE1では、金属−配位子錯体を含む供与体化合物を使用しなかった。実施例Aで調製した予め形成されたプロ触媒組成物およびトリエチルアルミニウム(TEA)を含む助触媒溶液の量を、オーバーヘッドショットタンク内で約2分間混合し、その後反応器に注入した。CE1では、反応混合物が1.5マイクロモル(μmol)のチタンのチタン充填量を含むように、実施例Aからのある量の予め形成されたプロ触媒組成物を添加し、反応混合物中のTEA対Tiのモル比が10mol/molであるように、ある量のTEAを添加した。
CE2およびCE3では、反応混合物が4.0μmolのチタンのチタン充填量を含むように、実施例Aのある量の予め形成されたプロ触媒組成物を添加し、反応混合物中のTEA対Tiのモル比が15mol/molであるように、ある量のTEAを添加した。
反応器の圧力は、エチレン流で450ポンド/平方インチ(psi)(3102.6キロパスカル(kPa)、ここでは1psi=6.895kPa)に維持して、重合中のエチレン消費を補填した。10分の反応時間の後、反応器の底部弁を開き、反応器の内容物をガラスケトルに移した。その後、混合物をMylar平皿に注ぎ、冷却し、ドラフトチャンバ内に一晩放置して、蒸発を介して溶媒の大部分を除去した。次いで、比較例1〜3のエチレン系ポリマーを真空オーブンで乾燥させた。
CE1〜CE3の比較触媒系を、触媒効率(Cat.Eff.)、生成されたエチレン系ポリマーの重量平均分子量(Mw)、および生成されたエチレン系ポリマーのコモノマー重量パーセント(C8重量%)について、本明細書に記載の試験方法に従って評価し、結果を以下の表1、2、および3にそれぞれ報告する。
実施例1〜3:金属−配位子錯体供与体化合物としてチタンテトライソプロポキシドを含む不均一プロ触媒の存在下でのバッチ共重合。
実施例1〜3(E1、E2、およびE3)では、エチレンモノマーおよび1ーオクテンコモノマーのバッチ反応器共重合は、実施例Aの予め形成されたプロ触媒を、チタンテトライソプロポキシド(Ti(OPr))を含む金属−配位子錯体供与体化合物と接触させることによって調製された不均一プロ触媒を使用して、1ガロンの撹拌反応器で実施した。まず、250グラム(g)の1ーオクテンおよび1330gのISOPAR(商標)Eイソパラフィン溶媒(1ーオクテンコモノマーおよび溶媒を含めて1580gの総量)を反応器に充填した。反応器を190℃まで加熱し、次いで40mmolの水素の存在下で、エチレンで飽和させた。
次いで、実施例Aからの予め形成されたプロ触媒組成物を金属−配位子錯体と接触させることによって、不均一プロ触媒を調製した。実施例1〜3では、金属−配位子錯体供与体化合物として、Ti(OPr)を使用した。ISOPAR(商標)Eイソパラフィン溶媒中のTi(OPr)の溶液を、ある量の実施例Aの予め形成されたプロ触媒組成物に添加した。実施例1〜3の各々の予め形成されたプロ触媒中のチタン種の量と比較したTi(OPr)の量を、供与体/Tiのモル比として表1に提供する。
実施例1および2では、Ti(OPr)溶液を、実施例Aの予め形成されたプロ触媒組成物に添加し、約2分間混合して、不均一プロ触媒を調製した。次いでTEA助触媒溶液を不均一プロ触媒に添加し、内容物を約2分間混合した。次いで不均一プロ触媒とTEAとの混合物を含む触媒系を、反応器に注入した。実施例3では、Ti(OPr)供与体化合物を、実施例Aの予め形成されたプロ触媒組成物に添加し、混合物を24時間熟成させて、不均一プロ触媒を生成した。実施例1〜3の各々の触媒系中の実施例Aの予め形成されたプロ触媒における、Ti充填量、TEA対Tiのモル比、および供与体化合物対Tiのモル比を表1に提供する。実施例全体を通して使用されるように、Ti充填量とは、予め形成されたプロ触媒組成物中のチタン種からのTiの量を指し、金属−配位子錯体電子供与体化合物として添加されたTiを含まない。加えて、TEA対Tiのモル比とは、TEA対予め形成された不均一プロ触媒のチタン種からのTiの比を指し、これは金属−配位子錯体電子供与体化合物として添加されたTiを含まない。
反応器の圧力は、エチレン流で450psi(3102.6kPa)に維持して、共重合中のエチレン消費を補填した。10分の反応時間の後、反応器の底部弁を開き、反応器の内容物をガラスケトルに移した。その後、混合物をMylar平皿に注ぎ、冷却し、ドラフトチャンバ内に一晩放置して、蒸発を介して溶媒の大部分を除去した。次いで、エチレン系ポリマーを真空オーブンで乾燥させた。
エチレン系ポリマーを生成するための実施例1〜3の触媒系を、触媒効率(Cat.Eff.)、生成されたエチレン系ポリマーの重量平均分子量(GPCによるMw)、および生成されたエチレン系ポリマーのコモノマー重量パーセント(GPCによるC8重量%)について、本明細書に記載の試験方法に従って評価し、結果を以下の表1に報告する。表1のΔ(Mw)およびΔ(C8重量%)はそれぞれ、比較例CE1に対するE1〜E3の各々のMwおよびC8重量%の変化である。
Figure 2021525292
表1に示されるように、電子供与体としての金属−配位子錯体Ti(OPr)の重合反応への導入により、CE1のMwと比較して、E1〜E3のエチレン系ポリマーにMwの少なくとも19%の有意な増加を生じた。また、電子供与体としてのTi(OPr)の導入により、CE1のポリマーと比較して、E1〜E3のエチレン系ポリマー中で少なくとも18%以上のコモノマー含有量の実質的な低減が生じた。
表1の結果はまた、E2の供与体の量をE1と比較して増加させることにより、E1のエチレン系ポリマーと比較して、E2のエチレン系ポリマーのMwが増加し、コモノマー含有量が減少したことを示す。さらに、金属−配位子錯体(例えば、Ti(OPr))は、様々な方式で重合反応に導入することができる。例えば、E3は、金属−配位子錯体(例えば、Ti(OPr))を不均一プロ触媒に組み込み、一定期間熟成させた後、重合反応の直前に助触媒と組み合わせてもよいことを実証している。E3のエチレン系ポリマーは、CE1の比較触媒で生成されたポリマー、および供与体化合物を予め形成されたプロ触媒と約2分間接触させたE1で生成されたポリマーと比較して、より高いMwおよびより低いコモノマー含有量を呈した。
実施例4〜8:金属−配位子錯体供与体化合物としてバナジウムオキシイソプロポキシドを含む不均一プロ触媒の存在下でのバッチ共重合。
実施例4〜8(E4、E5、E6、E7、およびE8)では、バナジウムオキシイソプロポキシド(VO(OPr))を不均一プロ触媒中の金属−配位子錯体供与体化合物として使用した。実施例1〜3に関連するが、金属−配位子錯体としてTi(OPr)の代わりにVO(OPr)を用いて、前述したプロセスに従って、実施例4〜8の共重合反応を行った。
実施例4〜8では、ISOPAR(商標)Eイソパラフィン溶媒中のVO(OPr)溶液を、実施例Aの予め形成されたプロ触媒組成物に添加して、不均一プロ触媒を生成した。実施例Aの予め形成されたプロ触媒組成物中のチタン種の量と比較した、実施例4〜8の各々の不均一プロ触媒のVO(OPr)の量を、供与体/Tiのモル比として表2に提供する。
実施例4〜8では、VO(OPr)溶液を実施例Aの予め形成されたプロ触媒組成物に添加し、約2分間混合して不均一プロ触媒を生成し、直後にTEA助触媒を添加し、触媒系を反応器に注入した。
エチレン系ポリマーを生成するための実施例4〜8の触媒系の各々を、触媒効率(Cat.Eff.)、生成されたエチレン系ポリマーのMw、および生成されたエチレン系ポリマーのC8重量%について、本明細書に記載の試験方法に従って評価した。実施例4〜8およびCE2の結果を、以下の表2に報告する。実施例4では、C8重量%は決定されなかった。表2のΔ(Mw)およびΔ(C8重量%)は、実施例4〜8の各々とCE2との比較として計算する。
Figure 2021525292
表2の結果によって示されるように、VO(OPr)もまた、触媒系の電子供与体化合物として使用して、触媒系から作製されたエチレン系ポリマーのMwを増加させ、コモノマー含有量を低減することができる。表2に示されるように、E4〜E8の触媒系は各々、CE2のエチレン系ポリマーのMwよりも少なくとも5%高いMwを有するエチレン系ポリマーを生成した。VO(OPr)供与体化合物を有するE5〜E8の触媒系もまた、C8重量%の低減を生じた。E5〜E8の触媒系は、CE2のエチレン系ポリマーのコモノマー重量パーセントよりも少なくとも17%低いコモノマー重量パーセントを呈するエチレン系ポリマーを生成した。
VO(OPr)供与体化合物は、低い供与体/Ti比で触媒効率を増加することもできる。例えば、E4〜E6では、触媒効率は、2.0以下の供与体/Ti比でVO(OPr)に対して、少なくとも0.50×10であり、これは、供与体化合物を含まないCE2の触媒系の効率よりも高かった。2.0以下の供与体/Ti比を有するE4〜E6の触媒系の触媒効率はまた、同じ供与体/Ti比を有するが、供与体化合物としてTi(OPr)を利用するE1〜E3の触媒系の効率(表1)よりも実質的に高かった。
実施例9〜12:金属−配位子錯体供与体化合物としてバナジウムオキシプロポキシドを含む不均一プロ触媒の存在下でのバッチ共重合。
実施例9〜12(E9、E10、E11、およびE12)では、バナジウムオキシプロポキシド(VO(OPr))を不均一プロ触媒中の金属−配位子錯体供与体化合物として使用した。実施例E4〜E8に関連するが、金属−配位子錯体としてVO(OPr)の代わりにVO(OPr)を用いて、前述したプロセスに従って、実施例E9〜E12の共重合反応を行った。実施例E9〜E12では、ISOPAR(商標)Eイソパラフィン溶媒中のVO(OPr)溶液を、実施例Aの予め形成されたプロ触媒組成物に添加して、不均一プロ触媒を生成した。不均一プロ触媒中のチタン種の量と比較した、実施例E9〜E12の各々のVO(OPr)の量を、供与体/Tiのモル比として表3に提供する。
実施例E9〜E12では、VO(OPr)溶液を実施例Aの予め形成されたプロ触媒組成物に添加し、約2分間混合して不均一プロ触媒を調製し、直後にTEA助触媒を添加し、触媒系を反応器に注入した。エチレン系ポリマーを生成するためのE9〜E12の触媒系を、触媒効率(Cat.Eff.)、生成されたエチレン系ポリマーのMw、および生成されたエチレン系ポリマーのC8重量%について、本明細書に記載の試験方法に従って評価した。E9〜E12およびCE3の結果を、以下の表3に報告する。表3のΔ(Mw)およびΔ(C8重量%)は、E9〜E12の各々とCE3との比較として計算する。
Figure 2021525292
同じ供与体/Ti比でVO(OPr)を含有する不均一プロ触媒(表2のE4〜E8)で生成されたエチレン系ポリマーと比較して、VO(OPr)を含有する不均一プロ触媒(表3のE9〜E12)で生成されたエチレン系ポリマーの、Mwのより高い増加およびC8重量%のより高い低減によって示されるように、VO(OPr)は、VO(OPr)よりも強力な電子供与体化合物であり得る。VO(OPr)供与体化合物は、低い供与体/Ti比で触媒効率を増加することもできる。例えば、1.0の供与体/Ti比でVO(OPr)を有するE9の触媒系の触媒効率は、0.60×10であり、これは、CE3の触媒系の触媒効率よりも実質的に高かった。
比較例4:金属−配位子錯体供与体化合物を含まない触媒系の存在下での連続共重合。
比較例4(CE4)では、金属−配位子錯体供与体化合物を含まない比較触媒系を用いた連続溶液重合プロセスで、エチレン系ポリマーの連続共重合を行った。連続溶液重合プロセスは、液体で満たした、断熱性の、連続撹拌槽反応器(CSTR)である反応器を含んだ。反応器は、全ての溶媒、モノマー、コモノマー、水素、および触媒系成分供給物の独立制御を含んだ。溶媒、モノマー、コモノマー、および水素を含む反応器への総供給流は、総供給流を反応器に導入する前に、総供給流を熱交換器に通すことによって温度制御した。反応器への総供給流は、一箇所で反応器に注入した。触媒系成分を、他の供給物とは別個に重合反応器に注入した。反応器内の撹拌機を使用して、反応物を連続的に混合した。油浴により、反応器温度制御の追加の微調整を提供した。
エチレンモノマー、1ーオクテンコモノマー、およびプロセス溶媒(Shell ChemicalsによるSBP100/140)は、反応器に導入する前にモレキュラーシーブで精製した。水素は、モレキュラーシーブで乾燥させた。モノマー、溶媒、およびコモノマーの供給流は、機械式コンプレッサーを介して、反応圧力よりも高い圧力に加圧した。次いで、モノマー流、コモノマー流、溶媒流、および水素流を組み合わせ、反応器に導入した。触媒系の個々の成分は、精製された溶媒/希釈剤を用いて手動でバッチ式に希釈し、反応圧力よりも高い圧力に加圧した。CE4の比較触媒系は、実施例Aの予め形成されたプロ触媒組成物および助触媒としてTEAを含んだ。CE4では、実施例Aの予め形成されたプロ触媒組成物に金属−配位子錯体供与体化合物を添加しなかった。全ての反応供給流量を質量流量計で測定し、計量ポンプを用いて独立して制御した。CE4の反応器条件を、以下の表4に提供する。
水の添加および水との反応により触媒系を失活させるゾーンに、最終反応器流出物を送った。触媒の失活に続いて、エチレン系ポリマーが非ポリマー流(例えば、過剰のモノマーまたはコモノマー、溶媒、触媒など)から除去される脱揮発システムに、反応器流出物を送った。非ポリマー流をシステムから除去し、単離されたポリマー溶融物をペレット化し収集した。CE4の比較触媒系を、触媒効率(Cat.Eff.)について評価し、CE4で生成されたエチレン系ポリマーを、密度、メルトインデックス(I)、Mw、およびC8重量%について、本明細書に記載の試験方法に従って評価した。CE4の結果を、以下の表4に提供する。
実施例13および14:金属−配位子錯体供与体化合物を含む不均一プロ触媒の存在下での連続共重合。
実施例13および14(E13およびE14)では、本開示の実施形態に従って、金属−配位子錯体供与体化合物を含む不均一プロ触媒を用いる連続溶液重合プロセスで、エチレン系ポリマーの共重合を行った。E13およびE14のエチレン系ポリマーは、CE4で前述した溶液重合プロセスに従って作製された。E13およびE14では、実施例Aの金属−配位子錯体および予め形成されたプロ触媒組成物を静的ミキサに供給し、約2分間混合して、不均一プロ触媒を調製した。
E13では、金属−配位子錯体は、バナジウムオキシプロポキシド(VO(OPr))であり、供与体/Ti比は、2.32であり、TEA/Ti比は8.00であった。E14では、使用した金属−配位子錯体は、チタンイソプロポキシド(Ti(OPr))であり、供与体/Ti比(すなわち、供与体対実施例Aの予め形成されたプロ触媒組成物からのTiの比)は、1.70であり、TEA/Ti比(すなわち、TEA対実施例Aの予め形成されたプロ触媒組成物からのTiの比)は、7.82であった。E13およびE14のプロセス条件を、以下の表4に提供する。E13およびE14の触媒系を、触媒効率(Cat.Eff.)について評価し、E13およびE14で生成されたエチレン系ポリマーを、密度、メルトインデックス(I)、Mw、およびC8重量%について、本明細書に記載の方法に従って評価した。結果を以下の表4に示す。表4のΔ(Mw)およびΔ(C8重量%)は、E13およびE14とCE4との比較として計算される。
Figure 2021525292
表4に示されるように、同様の反応条件下での連続溶液重合反応では、E13およびE14のように、不均一プロ触媒に金属−配位子錯体を含めることにより、CE4の比較触媒系で生成されたエチレン系ポリマーと比較して、より高いMwおよびより低いC8重量%を有するエチレン系ポリマーが生成された。
実施例B:実施例15〜17および比較例5の熱処理されたMgCl成分を含む、予め形成された不均一プロ触媒の調製。
実施例Bでは、実施例15〜18の触媒系に組み込むために、熱処理されたMgCl成分を組み込んだ予め形成された不均一プロ触媒を合成した。まず、ISOPAR(商標)Eイソパラフィン溶液中でブチルエチルマグネシウムを塩酸塩ガスと反応させて、0.20MのMgClスラリーを生成することを介して、MgCl粒子を合成することによって、MgCl成分を生成した。MgClスラリーを窒素パージしたグローブボックスに保管および取り扱って、湿気および酸素からの汚染を回避した。5.9リットル(L)のParr反応器を使用して、MgClスラリーを熱処理した。MgClが空気または湿気にさらされないように、気密性に設計された移送容器を介して、2LのMgClスラリーを反応器に充填した。反応器ラインのパージおよび分離に、N雰囲気を使用した。次いで、反応器を190℃の加熱ジャケットで1時間加熱した。反応器の加熱は、ステップコントローラによって約1時間の傾斜時間(室温から190℃)に制御した。指定された加熱時間の後、反応器を約3時間で室温まで冷却させた。加熱プロセス中、反応器の内容物を100rpmで撹拌した。温度の変動は、±2℃以内に制御した。反応器を室温まで冷却した後、熱処理されたMgClを含むスラリーを、気密性移送容器を備えるグローブボックスに送り戻し、空気および/または湿気への曝露を防いだ。
次いで、熱処理されたMgClを含有するスラリーを使用して、実施例Bの予め形成された不均一プロ触媒を生成した。二塩化エチルアルミニウム(EADC、Aldrich、ヘキサン中1.0M)(塩素化剤)、およびチタンテトライソプロポキシド(Ti(OPr)、Aldrich、ISOPAR(商標)Eイソパラフィン溶媒中0.125M)(チタン種)を、熱処理されたMgClを含有するスラリーに連続的に添加することを介して、次のプロセスに従って、Nパージしたグローブボックス内で、実施例Bの予め形成された不均一プロ触媒を生成した。実施例Bの予め形成された不均一プロ触媒については、10ミリリットル(mL)の熱処理されたMgClスラリーを、蓋をしたガラスバイアル内で一定の撹拌下で維持した。1日目に、0.301mLの1.0MのEADC溶液を熱処理されたMgClスラリーに添加し、熱処理されたMgCl成分およびEADCを含む得られたスラリーを一晩撹拌し続けた。2日目に、0.603mLの0.125MのTi(OPr)溶液を添加し、得られたスラリーを一晩撹拌し続けた。3日目に、実施例Bの予め形成された不均一プロ触媒の使用準備が整った。実施例Bの予め形成された不均一プロ触媒は、6:40のEADC対MgClのモル比(すなわち、40モルのMgClごとに6モルのEADC)、および1.5:40のTi対MgClのモル比(すなわち、40モルのMgClごとに1.5モルのTi(OPr))を含んだ。
実施例C:比較例5〜9の熱処理されていないMgClを含む比較用の予め形成されたプロ触媒の調製。
MgClを熱処理することなく、実施例Cの比較用の予め形成されたプロ触媒を生成した。まず、ISOPAR(商標)Eイソパラフィン溶液中でブチルエチルマグネシウムを塩酸塩ガスと反応させて、0.20MのMgClスラリーを生成することを介して、MgCl粒子を合成することによって、実施例Cの比較用の予め形成されたプロ触媒を生成した。MgClスラリーを窒素パージしたグローブボックスに保管および取り扱って、湿気および酸素からの汚染を回避した。MgClスラリーを熱処理しなかった。
二塩化エチルアルミニウム(EADC、Aldrich、ヘキサン中1.0M)(塩素化剤)、およびチタンテトライソプロポキシド(Ti(OPr)、Aldrich、ISOPAR(商標)Eイソパラフィン溶媒中0.125M)(チタン種)を、MgClスラリーに連続的に添加することを介して、次のプロセスに従って、Nパージしたグローブボックス内で、実施例Cの比較用の予め形成された不均一プロ触媒を生成した。実施例Cの比較用の予め形成されたプロ触媒については、10ミリリットル(mL)のMgClスラリー(熱処理せず)を、蓋をしたガラスバイアル内で一定の撹拌下で維持した。
1日目に、0.600mLの1.0MのEADC溶液をMgClスラリーに添加し、MgCl成分およびEADCを含む得られたスラリーを一晩撹拌し続けた。2日目に、1.199mLの0.125MのTi(OPr)溶液を添加し、得られたスラリーを一晩撹拌し続けた。3日目に、実施例Cの比較用の予め形成されたプロ触媒の使用準備が整った。実施例Cの比較用の予め形成されたプロ触媒は、12:40のEADC対MgClのモル比(すなわち、40モルのMgClごとに12モルのEADC)、および3.0:40のTi対MgClのモル比(すなわち、40モルのMgClごとに3モルのTi(OPr))を含んだ。
実施例15〜18:実施例Bの予め形成された不均一プロ触媒から生成された不均一プロ触媒の存在下でのバッチ共重合。
実施例15〜17(E15、E16、およびE17)では、熱処理されたMgClおよび金属配位子錯体供与体化合物を有する実施例Bの予め形成された不均一プロ触媒を含む不均一プロ触媒の存在下で、エチレンおよび1ーオクテンのバッチ共重合を行った。2LのParrバッチ反応器で、バッチ共重合を行った。反応器を、電気加熱マントルによって加熱し、水を使用する内部蛇行冷却コイルによって冷却した。触媒失活溶液(BASFからのIRGAFOS(登録商標)有機ホスファイト加工安定剤、BASFからのIRGANOX(登録商標)酸化防止剤、およびトルエンの混合物5mL)を事前に充填したステンレス鋼ダンプポットに反応器の内容物を空けるための、ダンプバルブを反応器の底部に取り付けた。連続的なNパージ下で、ダンプポットをブローダウンタンクに排出した。共重合または触媒補給に使用される全ての溶媒は、不純物を除去するために精製カラムに通した。溶媒を2つのカラム(1つ目はA2アルミナを含有し、2つ目はアルミナ上に還元銅(Q5反応物)を含有する)に通した。エチレンは、2つのカラム(1つ目はA204アルミナおよび4Åモレキュラーシーブを含有し、2つ目はQ5反応物を含有する)に通した。Nは、A204アルミナ、4Åモレキュラーシーブ、およびQ5反応物を含有する単一のカラムに通した。まず、664gのISOPAR(商標)E溶媒および134±2gの1ーオクテンを別個のタンクから反応器に充填し、Ashcroft差圧セルの充填設定点まで充填した。次いで、水素溶媒添加後に14.8±0.3mmolの水素を添加し、反応器を190℃まで加熱した。次いで、反応温度が反応圧力(すなわち、475psi)に達したときに、次いで56±1gのエチレンを反応器に添加した。重合反応中のさらなるエチレン添加量は、マイクローモーション流量計によって監視した。
実施例Bの予め形成された不均一プロ触媒および炭化水素希釈剤中の金属−配位子錯体溶液を5mLのガラスバイアルにピペットで入れて、E15〜E17の不均一プロ触媒を生成した。E15の不均一プロ触媒は、金属−配位子錯体として1モル当量のバナジウムオキシプロポキシド(VO(OPr))を含んだ。E16の不均一プロ触媒は、金属−配位子錯体として2モル当量の(VO(OPr))を含んだ。E17の不均一プロ触媒は、金属−配位子錯体として3モル当量のチタンテトライソプロポキシド(Ti(OPr))を含んだ。
次いで、E15〜E17の各々の不均一プロ触媒を、18ゲージの針を備える20mLシリンジに取り込んだ。バイアルを溶媒ですすぎ、すすぎ液もシリンジに取り込んだ。両端が隔膜で密封されたバイアルを使用してグローブボックスの外のバッチ反応器に輸送するために、シリンジに蓋をした。
溶媒中のTEAの助触媒溶液を別のシリンジに取り込んだ。触媒系溶液(不均一プロ触媒およびTEA)を別個のシリンジに入れ、調製から数分以内に注入した。不均一プロ触媒を2番目に調製したが、最初に注入し、TEA溶液を3回すすいだ(2.5、2.5、5mL)。
触媒系成分を、N流下で反応器に取り付けたショットタンクに注入した。2つの溶液の混合物をショットタンク内で5分間維持し、反応器設定点に達した後、次いで150psiの差圧下で反応器に導入した。金属−配位子錯体供与体化合物およびTEA助触媒の量は、実施例Bの予め形成された不均一プロ触媒に存在するTiの量(すなわち、1.4μmol)に基づいて設定し、以下の表5に提供する。
触媒系の注入後、反応を開始してエチレン系ポリマーを生成した。分析用の反応混合物を、溶媒除去のためにステンレス鋼パンに収集した。反応器を、140℃〜160℃の温度の850gのISOPAR(商標)E溶媒で2回洗浄した。最初の洗浄液を収集し、反応混合物と組み合わせた。各実施例のエチレン系ポリマー試料を一晩風乾させて溶媒の大部分を除去し、次いでN下で真空オーブンに入れて、捕捉されている溶媒をさらに除去した。真空オーブンは、次を行うように設計した:5分の窒素フローおよび40Torrまでの真空を3サイクルし、1℃/分で80℃まで温度上昇させ、真空下で3時間保持し、次いで140℃まで昇温し、4時間保持する。次いで、E15〜E17の冷却されたエチレン系ポリマーを、本明細書に記載の試験方法に従って、Mw、メルトインデックスI、高密度画分の重量パーセント(HDF重量%)、およびC8重量%について分析した。結果を以下の表5に示す。
比較例5および6:実施例Cおよび実施例Bの予め形成された不均一プロ触媒の存在下でのバッチ共重合。
比較例5および6(CE5およびCE6)では、金属配位子錯体を含まない予め形成されたプロ触媒を使用して、エチレンおよび1ーオクテンのバッチ共重合を行った。CE5では、熱処理されたMgClを有する実施例Bの予め形成された不均一プロ触媒を使用して、共重合を行った。CE6では、熱処理されていないMgClを含む実施例Cの比較用の予め形成されたプロ触媒を用いて、共重合を行った。CE5およびCE6のバッチ共重合は、E15〜E17で前述したプロセスに従って行った。CE5およびCE6では、金属−配位子錯体は、予め形成されたプロ触媒に添加しなかった。CE5およびCE6の各々の予め形成されたプロ触媒を、供与体化合物としての金属−配位子錯体を添加せずに、ショットタンクに注入した。CE5およびCE6のエチレン系ポリマーを収集し、本明細書に記載の試験方法に従って、Mw、メルトインデックスI、HDF、およびC8重量%について評価した。結果を表5に示す。
実施例15〜17(E15〜E17)と比較例5および6(CE5およびCE6)との比較
E15〜17、CE5、およびCE6の触媒系の組成パラメーター、ならびにE15〜17、CE5、およびCE6で生成されたエチレン系ポリマーのMw、I、HDF、およびC8重量%を以下の表5に提供する。表5のΔ(Mw)、Δ(HDF)、およびΔ(C8重量%)は、E15〜E17とCE5〜CE6の各々との比較として計算する。表5の反応器内のTi充填量とは、予め形成されたプロ触媒に関連するTiの量を指し、電子供与体化合物によって寄与されるTiの量は含まない。
Figure 2021525292
CE5で使用した実施例Bの予め形成された不均一プロ触媒などの熱処理されたMgClを含む予め形成されたプロ触媒の存在下での重合により、熱処理されていないMgClを含む比較用の予め形成されたプロ触媒(例えば、CE6で使用した実施例Cの比較用の予め形成されたプロ触媒)の存在下で生成されたエチレン系ポリマーと比較して、より高いMw、より高いHDF、低減されたメルトインデックス(I)、および低減されたコモノマー含有量(C8重量%)を呈するエチレン系ポリマーを生成することができることを、CE5とCE6との間の比較は、実証している。例えば、触媒系CE5が、触媒系CE6よりも低いTi/Mgモル比(0.0375対0.075)を有する場合でさえも、CE5のエチレン系ポリマーは、CE6のエチレン系ポリマーと比較して、Mwの25%増加、HDFの161%増加、Iの43%低減、C8重量%の28%低減を呈した。
チーグラーーナッタ触媒では、より低いレベルのTiを含有する触媒は、通常、より低いMw、より低いHDF、より高いI、およびより高いC8重量%を有する(コ)ポリマーを生成すると予想される。
さらに、不均一プロ触媒中に供与体化合物としてVO(OPr)金属−配位子錯体を含むことにより、金属−配位子錯体供与体化合物を含まない実施例Bの予め形成された不均一プロ触媒で生成されたエチレン系ポリマーと比較して、エチレン系ポリマーのMwおよびHDFを増加させ、IおよびC8重量%を低減することができることを、CE5に対するE15およびE16の比較は実証している。不均一プロ触媒中のVO(OPr)金属−配位子錯体対チタン種のより高いモル比(すなわち、供与体/Tiモル比)により、得られるエチレン系ポリマーのMwおよびHDFをさらに増加させ、IおよびC8重量%を減少させることができることを、E16に対するE15の比較は実証している。供与体化合物としてのTi(OPr)金属−配位子錯体を、熱処理されたMgClと組み合わせて不均一プロ触媒中に使用することもまた、予め形成された不均一プロ触媒に供与体化合物としてTi(OPr)金属−配位子錯体を含むことなく生成されたエチレン系ポリマー(CE5)と比較して、エチレン系ポリマー(E17)のMwおよびHDFを増加させ、IおよびC8重量%を減少することができることを、CE5に対するE17の比較は実証している。
実施例D:実施例18および19の熱処理されたMgCl成分を含む、予め形成された不均一プロ触媒の調製。
実施例Dでは、実施例18および19の触媒系に組み込むために、熱処理されたMgCl成分を組み込んだ予め形成された不均一プロ触媒を合成した。実施例Dの予め形成された不均一プロ触媒は、実施例Bで前述したプロセスに従って生成した。熱処理されたMgClスラリー、EADC、およびTi(OPr)の相対量は、実施例Dの不均一プロ触媒が、40:12:3のモル比の熱処理されたMgCl対EADC対Ti(OPr)(すなわち、40モルのMgClごとに12モルのEADC、および40モルのMgClごとに3.0モルのTi(OPr))を有するように変更した。
実施例E:実施例20および21の熱処理されたMgCl成分を含む、予め形成された不均一プロ触媒の調製。
実施例Eでは、実施例20および21の触媒系に組み込むために、熱処理されたMgCl成分を組み込んだ予め形成された不均一プロ触媒を合成した。実施例Eの予め形成された不均一プロ触媒は、実施例Bで前述したプロセスに従って生成した。熱処理されたMgClスラリー、EADC、およびTi(OPr)の相対量は、実施例Eの予め形成された不均一プロ触媒が、40:6.8:1.7のモル比の熱処理されたMgCl対EADC対Ti(OPr)(すなわち、40モルのMgClごとに6.8モルのEADC、および40モルのMgClごとに1.7モルのTi(OPr))を有するように変更した。
実施例18〜21:金属−配位子錯体供与体化合物を含む不均一プロ触媒の存在下でのバッチ共重合。
実施例18〜21(E18、E19、E20、およびE21)では、供与体化合物として金属−配位子錯体を添加した実施例DまたはEの予め形成された不均一プロ触媒のうちの1つを含む触媒系の存在下で、エチレンおよび1ーオクテンのバッチ共重合を行った。E18、E19、E20、およびE21の各々の金属−配位子錯体供与体化合物および開始時の予め形成された不均一プロ触媒を、以下の表6に提供する。E18〜E21の触媒系の金属−配位子錯体対予め形成された不均一プロ触媒中のTiのモル比も、以下の表6に提供する。E18〜E21では、TEA対予め形成されたプロ触媒中のTiのモル比は、15:1であった。
E18〜E21では、250gの1ーオクテンおよび1330gのISPOAR(商標)Eイソパラフィン溶媒(総充填量1580g)を充填した1ガロンの撹拌反応器で、エチレンおよび1ーオクテンの共重合バッチを実施した。反応器を190℃まで加熱し、次いで40mmolの水素の存在下で、エチレンで飽和させた。実施例Dまたは実施例Eの予め形成された不均一プロ触媒に金属−配位子錯体を添加し、2分間混合することによって、不均一プロ触媒を調製した。
E18およびE20では、チタンテトライソプロポキシド(Ti(OPr))を金属−配位子錯体として使用した。E19およびE21では、バナジウムオキシブトキシド(VO(OBu))を金属−配位子錯体として使用した。E18〜E21の各々について触媒系の金属−配位子錯体対予め形成された不均一プロ触媒からのTiのモル比を、以下の表6に提供する。
不均一プロ触媒(金属−配位子錯体を含む)およびTEA助触媒溶液を別個にシリンジに取り、E15〜E17で前述したようにオーバーヘッドショットタンクに注入した。各実施例では、不均一プロ触媒およびTEA助触媒を含む触媒系を、ショットタンク内で約2分間混合した後、反応器に注入した。反応器の圧力は、エチレン流で450psi(3102kPa)に維持して、重合中のエチレン消費を補填した。10分の反応時間の後、反応器の底部弁を開き、内容物をガラスケトルに移した。混合物をガラスケトルからMylar平皿に注ぎ、冷却し、ドラフトチャンバ内に一晩放置して、蒸発を介して溶媒の大部分を除去した。次いで、得られたエチレン系ポリマーを真空オーブンで乾燥させた。
実施例22〜23:金属−配位子錯体供与体化合物と組み合わせた、実施例Cの予め形成された不均一プロ触媒の存在下でのバッチ共重合。
実施例22〜23(E22およびE23では、熱処理されていないMgClを含む実施例Cの予め形成された不均一プロ触媒に添加した、供与体化合物としての金属−配位子錯体を含む不均一プロ触媒の存在下で、エチレンおよび1ーオクテンのバッチ共重合を行った。E22では、チタンテトライソプロポキシド(Ti(OPr))を金属−配位子錯体として添加した。E23では、バナジウムオキシブトキシド(VO(OBu))を金属−配位子錯体として添加した。E22およびE23の触媒系の金属−配位子錯体対(予め形成された不均一プロ触媒からの)Tiのモル比を、以下の表6に提供する。E22およびE23の共重合は、E18〜E21で前述したプロセスに従って行った。
比較実施例7および8:金属−配位子錯体供与体化合物を含まない実施例DおよびEの予め形成された不均一プロ触媒の存在下でのバッチ共重合。
比較例7〜8(CE7およびCE8)では、熱処理されたMgClを有する実施例DまたはEの予め形成された不均一プロ触媒のうちの1つを含む触媒系の存在下で、エチレンおよび1ーオクテンのバッチ共重合を行った。触媒系に金属−配位子錯体を添加せずに、CE7およびCE8の共重合を行った。CE7の共重合は、実施例Dの予め形成された不均一プロ触媒を用いて行い、CE8の共重合は、実施例Eの予め形成された不均一プロ触媒を用いて行った。CE7およびCE8の共重合は、金属−配位子錯体を不均一プロ触媒中に含まないことを除いてE18〜E21で前述したプロセスに従って行った。
比較例9:実施例Cの予め形成された不均一プロ触媒の存在下でのバッチ共重合。
比較例9(CE9)では、熱処理されたMgClを有さない実施例Cの予め形成されたプロ触媒組成物を含む比較用の予め形成されたプロ触媒を含む触媒系の存在下で、エチレンおよび1ーオクテンのバッチ共重合を行った。CE9の共重合は、金属−配位子錯体をプロ触媒に添加せずに行った。金属−配位子錯体を不均一プロ触媒中に含まないことを除いて、E18〜E21で前述したプロセスに従って、CE9の共重合を行った。
実施例E18〜E23および比較例CE7〜CE9のエチレン系ポリマーの評価および比較。
E18〜E23およびCE7〜CE9の共重合から収集したエチレン系ポリマーを、Mw、C8重量%、およびHDFについて、本明細書に記載の試験方法に従って評価し、結果を以下の表6に提供する。表6のE18、E19、E20、E21、E22、E23、CE7、およびCE8のΔ(Mw)、Δ(C8重量%)、およびΔ(HDF)は、CE9からの変化として計算した。
Figure 2021525292
熱処理されたMgClを含む予め形成された不均一プロ触媒(CE7およびCE8)の存在下で、エチレン系ポリマーを生成することにより、熱処理されたMgClを含まない比較用の予め形成されたプロ触媒(CE9)で調製されたエチレン系ポリマーと比較して、エチレン系ポリマーのMwを増加させ、HDFを増加させ、C8重量%を減少させることができることを、CE7、CE8、およびCE9のエチレン系ポリマーの比較は実証している。
不均一プロ触媒(E22およびE23)中に供与体化合物として金属−配位子錯体を含むことにより、同じ反応器プロセス条件下で、供与体化合物として金属−配位子錯体含まない比較用のプロ触媒(CE9)で調製されたエチレン系ポリマーと比較して、エチレン系ポリマーのMwを増加させ、HDF重量%を増加させ、C8重量%を減少させることができることを、E22およびE23のエチレン系ポリマーのCE9のエチレン系ポリマーとの比較は実証している。エチレン系ポリマーのMwおよびHDF重量%の増加、ならびにC8重量%の減少は、MgCl成分を熱処理せずに、不均一プロ触媒に供与体化合物として金属−配位子錯体を含めることにより達成することができる。
金属−配位子錯体供与体化合物としてのTi(OPr)と組み合わせた、熱処理されたMgClを有する不均一プロ触媒(E18)は、CE9のエチレン系ポリマー、ならびにE22(熱処理されたMgClを含まない、(Ti(OPr)金属−配位子錯体)、およびCE7(金属−配位子錯体供与体化合物を含まない、熱処理されたMgCl)のエチレン系ポリマーと比較して、より高いMw、より高いHDF重量%、および低減されたC8重量%を有するエチレン系ポリマーを生成することを、E18、E22、CE7、およびCE9のエチレン系ポリマーの比較は実証している。したがって、熱処理されたMgClおよび金属−配位子錯体の両方を不均一プロ触媒に含めることにより、不均一プロ触媒中に、熱処理されたMgCl、または金属−配位子錯体のいずれかを含むが、両方を含まないことと比較して、エチレン系ポリマーのより高く増加したMwおよびHDF重量%、ならびにより大きく減少したC8重量%を提供することができる。E20では、エチレン系ポリマーは、実施例Eの予め形成されたプロ触媒に基づく不均一触媒の存在下で生成され、これは、E18で使用した実施例Dの予め形成されたプロ触媒(40/12/3のMgCl/EADC/Ti)と比較して、EADCおよびTiのより少ない含有量(40/6.8/1.7のMgCl/EADC/Ti)を有した。エチレン系ポリマーのMwおよびHDFの増加、ならびにC8重量%の減少は、不均一プロ触媒が、より低い量のEADC(塩素化剤)およびTi(チタン種)を配合しているときでさえも、Ti(OPr)金属−配位子錯体と組み合わせた、熱処理されたMgClを含めることにより達成することができることを、E20、E22、CE8、およびCE9のエチレン系ポリマーの比較は実証している。
金属−配位子錯体供与体化合物としてのVO(OBu)と組み合わせた、熱処理されたMgClを含む不均一プロ触媒(E19)は、CE9のエチレン系ポリマー、ならびにE23(熱処理されたMgClを含まない、(VO(OBu)金属−配位子錯体)、およびCE7(金属−配位子錯体供与体化合物を含まない、熱処理されたMgCl)のエチレン系ポリマーと比較して、より高いMw、より高いHDF重量%、および低減されたC8重量%を有するエチレン系ポリマーを生成することを、E19、E23、CE7、およびCE9のエチレン系ポリマーの比較は実証している。E21では、エチレン系ポリマーは、実施例Eの予め形成されたプロ触媒を含む不均一触媒の存在下で生成され、これは、E19で使用した実施例Dの予め形成されたプロ触媒(40/12/3のMgCl/EADC/Ti)と比較して、EADCおよびTiのより低減されたモル比(40/6.8/1.7のMgCl/EADC/Ti)を有した。エチレン系ポリマーのMwおよびHDFの増加、ならびにC8重量%の減少は、不均一プロ触媒が、より低い量のEADCおよびTiを配合しているときでさえも、VO(OBu)金属−配位子錯体と組み合わせた、熱処理されたMgClを含めることにより達成することができることを、E21、E23、CE8、およびCE9のエチレン系ポリマーの比較は実証している。
本開示の第1の態様では、不均一プロ触媒は、チタン種と、少なくとも100m/gの比表面積を有する予め形成されたMgCl支持体と、塩素化剤と、金属−配位子錯体と、を含み得る。塩素化剤は、構造式Al(Cl)(R3−xまたはSi(Cl)(R4−yを有し得、式中、Rが、(C−C30)ヒドロカルビルであり、xが、1、2、または3であり、yが、1、2、3、または4である。金属−配位子錯体は、構造式(L)M(Y)(XRを有し得、式中、Mが、金属カチオンであり、各Lが、中性配位子または(=O)であり、各Yが、ハロゲン化物または(C−C20)アルキルであり、各XRが、アニオン性配位子であり、Xが、ヘテロ原子またはヘテロ原子含有官能基であり、Rが、(C−C20)ヒドロカルビルまたは(C−C20)ヘテロヒドロカルビルであり、nが、0、1、または2であり、mが、0、1、2、3、または4であり、bが、1、2、3、4、5、または6であり、金属−配位子錯体は、全体的に電荷が中性である。
本開示の第2の態様は、塩素化剤が、二塩化エチルアルミニウム、塩化ジエチルアルミニウム、エチルアルミニウムセスキクロリド、二塩化イソブチルアルミニウム、塩化ジイソブチルアルミニウム、およびそれらの組み合わせから選択される、こぶしの態様を含み得る。
本開示の第3の態様は、チタン種が、TiCl4ーc(ORまたはTiCl3ーd(ORであり、式中、Rが、(C−C20)ヒドロカルビルであり、cが、0、1、2、3、または4であり、dが、0、1、2、または3である、第1または第2の態様のいずれかを含み得る。
本開示の第4の態様は、塩素化剤中の塩素の総量対不均一プロ触媒中のORおよびXRの合計量のモル比が、0.33〜1.45である、第3の態様を含み得る。
本開示の第5の態様は、チタン種が、TiCl、TiCl、TiCl(OC、TiCl(OーiーC、TiCl(OーnーC、TiCl(OーiーC、TiCl(OーiーC、TiCl(OーnーC、TiCl(OーiーC、Ti(OC、Ti(OーiーC、Ti(OーnーC、Ti(OーiーC、およびTi(OCHCH(C)(C))から選択される、第1〜第4の態様のいずれかを含み得る。
本開示の第6の態様は、MgCl支持体が、炭化水素希釈剤中のアルキルマグネシウム化合物溶液と、炭化水素希釈剤を分離しない塩化物源との反応生成物である、第1〜第5の態様のいずれかを含み得る。
本開示の第7の態様は、金属−配位子錯体が、MgCl支持体の炭化水素希釈剤に少なくとも部分的に可溶性である、第6の態様を含み得る。
本開示の第8の態様は、不均一プロ触媒中の塩素化剤対MgClのモル比が、0.05:1〜2:1である、第1〜第7の態様のいずれかを含み得る。
本開示の第9の態様は、不均一プロ触媒中のチタン種対MgClのモル比が、0.005:1〜0.25:1である、第1〜第8の態様のいずれかを含み得る。
本開示の第10の態様では、不均一プロ触媒は、チタン種と、MgCl支持体とを含む、予め形成された不均一プロ触媒を含み得る。不均一プロ触媒は、構造式(L)M(Y)(XRを有する金属−配位子錯体をさらに含み得、式中、Mが、金属カチオンであり、各Lが、中性配位子または(=O)であり、各Yが、ハロゲン化物または(C−C20)アルキルであり、各XRが、アニオン性配位子であり、Xが、ヘテロ原子またはヘテロ原子含有官能基であり、Rが、(C−C20)ヒドロカルビルまたは(C−C20)ヘテロヒドロカルビルであり、nが、0、1、または2であり、mが、0、1、2、3、または4であり、bが、1、2、3、4、5、または6であり、金属−配位子錯体は、全体的に電荷が中性である。
本開示の第11の態様は、金属−配位子錯体が、構造式M(ORを有する金属アルコキシドであり、式中、eが、2、3、4、5、または6である、第1〜第10の態様のいずれかを含み得る。
本開示の第12の態様は、金属−配位子錯体が、構造式M(=O)(ORを有する金属オキシアルコキシドであり、式中、fが、1、2、3、または4である、第1〜第10の態様のいずれかを含み得る。
本開示の第13の態様は、Mが、遷移金属カチオンである、第1〜第12の態様のいずれかを含み得る。
本開示の第14の態様は、Mが、主族金属カチオンである、第1〜第12の態様のいずれかを含み得る。
本開示の第15の態様は、Mが、バナジウム、チタン、スカンジウム、ジルコニウム、ニオブ、マグネシウム、またはカルシウムである、第1〜第12の態様のいずれかを含み得る。
本開示の第16の態様は、金属−配位子錯体が、バナジウム(V)オキシトリプロポキシド、バナジウム(V)オキシトリブトキシド、バナジウム(V)オキシトリイソプロポキシド、チタン(IV)イソプロポキシド、チタン(IV)エトキシド、またはそれらの組み合わせのうちの少なくとも1つを含む、第1〜第13の態様のいずれかを含み得る。
本開示の第17の態様は、プロ触媒が、追加の遷移金属化合物をさらに含む、第1〜第16の態様のいずれかを含み得る。
本開示の第18の態様は、追加の遷移金属化合物が、ジルコニウム、ハフニウム、バナジウム、およびクロムから独立して選択され得る、第17の態様を含み得る。
本開示の第19の態様は、不均一プロ触媒が、塩化マグネシウムを100℃超の温度および少なくとも30分の処理時間で熱処理して、塩化マグネシウム成分を形成し、次いで塩化マグネシウム成分をチタン種と接触させることを含むプロセスによって調製され得る、第1〜第18の態様のいずれかを含み得る。
本開示の第20の態様は、第1〜第19の態様のいずれかを含み得、第1〜第19の態様のいずれかに記載の不均一プロ触媒、および有機アルミニウム化合物を含む助触媒を含み得る、オレフィン重合のための触媒系に関する。
本開示の第21の態様では、オレフィン重合のための触媒系は、チタン種と、MgCl支持体とを含む、予め形成された不均一プロ触媒を含み得る。触媒系は、構造式(L)M(Y)(XRを有する金属−配位子錯体をさらに含み得、式中、Mが、金属カチオンであり、各Lが、中性配位子または(=O)であり、各Yが、ハロゲン化物または(C−C20)アルキルであり、各XRが、アニオン性配位子であり、Xが、ヘテロ原子またはヘテロ原子含有官能基であり、Rが、(C−C20)ヒドロカルビルまたは(C−C20)ヘテロヒドロカルビルであり、nが、0、1、または2であり、mが、0、1、2、3、または4であり、bが、1、2、3、4、5、または6であり、金属−配位子錯体は、全体的に電荷が中性である。触媒系は、有機アルミニウム化合物を含む助触媒をさらに含み得る。
本開示の第22の態様は、助触媒が、アルキルアルミニウム、ハロアルキルアルミニウム、ハロゲン化アルキルアルミニウム、およびそれらの組み合わせから選択される、第21の態様を含み得る。
本開示の第23の態様は、重合プロセスが、エチレンおよび任意選択的に1つ以上のαーオレフィンコモノマーを、第20〜第22の態様のうちのいずれか1つによる触媒系と接触させることを含み得る、第20〜第22の態様のいずれかを含み得る。
本開示の第24の態様は、重合プロセスが、溶液重合プロセスである、第23の態様を含み得る。
本開示の第25の態様では、不均一プロ触媒を調製するためのプロセスは、塩化マグネシウム成分を、塩素化剤、チタン種、および金属−配位子錯体と接触させることを含み得る。塩化マグネシウム成分は、少なくとも100m/gの比表面積を有する予め形成されたMgCl支持体であり得る。塩素化剤は、構造式Al(Cl)(R3−xまたはSi(Cl)(R4−yを有し得、式中、Rが、(C−C30)ヒドロカルビルであり、xが、1、2、または3であり、yが、1、2、3、または4である。金属−配位子錯体は、構造式(L)M(Y)(XRを有し得、式中、Mが、金属カチオンであり、各Lが、中性配位子または(=O)であり、各Yが、ハロゲン化物または(C−C20)アルキルであり、各XRが、アニオン性配位子であり、Xが、ヘテロ原子またはヘテロ原子含有官能基であり、Rが、(C−C20)ヒドロカルビルまたは(C−C20)ヘテロヒドロカルビルであり、nが、0、1、または2であり、mが、0、1、2、3、または4であり、bが、1、2、3、4、5、または6であり、金属−配位子錯体は、全体的に電荷が中性である。
本開示の第26の態様では、不均一プロ触媒を調製するプロセスは、さらに塩素化することなく成分(1)と(2)とを接触させることを含み得る。成分(1)は、チタン種と、MgCl支持体とを含む、予め形成された不均一プロ触媒であり得る。成分(2)は、構造式(L)M(Y)(XRを有する金属−配位子錯体であり得、式中、Mが、金属カチオンであり、各Lが、中性配位子または(=O)であり、各Yが、ハロゲン化物または(C−C20)アルキルであり、各XRが、アニオン性配位子であり、Xが、ヘテロ原子またはヘテロ原子含有官能基であり、Rが、(C−C20)ヒドロカルビルまたは(C−C20)ヘテロヒドロカルビルであり、nが、0、1、または2であり、mが、0、1、2、3、または4であり、bが、1、2、3、4、5、または6であり、金属−配位子錯体は、全体的に電荷が中性である。
本開示の第27の態様は、金属−配位子錯体が、炭化水素溶液中にある、第25または第26の態様のいずれかを含み得る。
本開示の第28の態様は、第25〜第22の態様のいずれかを含み得、塩化マグネシウムを100℃超の温度で少なくとも30分の処理時間で熱処理することをさらに含む。
特許請求された主題の趣旨および範囲から逸脱することなく、本明細書で記載される実施形態に様々な修正および変更を加え得ることが当業者には明らかであろう。したがって、そのような修正および変更が添付の特許請求の範囲およびそれらの同等物の範囲内に入る限り、本明細書は、本明細書に記載される様々な実施形態の修正および変更を包含することが意図される。

Claims (20)

  1. 不均一プロ触媒であって、
    チタン種と、
    少なくとも100m/gの比表面積を有する予め形成されたMgCl支持体と、
    構造式Al(Cl)(R3−xまたはSi(Cl)(R4−yを有する塩素化剤であって、式中、
    が、(CーC30)ヒドロカルビルであり、
    xが、1、2、または3であり、
    yが、1、2、3、または4である、塩素化剤と、
    構造式(L)M(Y)(XRを有する金属−配位子錯体であって、
    Mが、金属カチオンであり、
    各Lが、中性配位子または(=O)であり、
    各Yが、ハロゲン化物または(C−C20)アルキルであり、
    各XRが、アニオン性配位子であって、Xが、ヘテロ原子またはヘテロ原子含有官能基であり、Rが、(C−C20)ヒドロカルビルまたは(C−C20ヘテロヒドロカルビルである、アニオン性配位子であり、
    nが、0、1または2であり、
    mが、0、1、2、3、または4であり、
    bが、1、2、3、4、5、または6である、金属−配位子錯体と、を含み、
    前記金属−配位子錯体が、全体的に電荷が中性である、不均一プロ触媒。
  2. 前記塩素化剤が、二塩化エチルアルミニウム、塩化ジエチルアルミニウム、エチルアルミニウムセスキクロリド、二塩化イソブチルアルミニウム、塩化ジイソブチルアルミニウム、およびそれらの組み合わせから選択される、請求項1に記載の不均一プロ触媒。
  3. 前記チタン種が、TiCl4ーc(ORまたはTiCl3ーd(ORであり、式中、Rが、(C−C20)ヒドロカルビルであり、cが、0、1、2、3、または4であり、dが、0、1、2、または3である、請求項1または2のいずれかに記載の不均一プロ触媒。
  4. 前記塩素化剤中の塩素の総量対前記不均一プロ触媒中のORおよびXRの合計量のモル比が、0.33〜1.45である、請求項3に記載の不均一プロ触媒。
  5. 前記チタン種が、TiCl、TiCl、TiCl(OC、TiCl(OーiーC、TiCl(OーnーC、TiCl(OーiーC、TiCl(OーiーC、TiCl(OーnーC、TiCl(OーiーC、Ti(OC、Ti(OーiーC、Ti(OーnーC、Ti(OーiーC、およびTi(OCHCH(C)(C))から選択される、請求項1〜4のいずれかに記載の不均一プロ触媒。
  6. 前記MgCl支持体が、炭化水素希釈剤中のアルキルマグネシウム化合物溶液と、前記炭化水素希釈剤を分離しない塩化物源との反応生成物である、請求項1〜5のいずれかに記載の不均一プロ触媒。
  7. 前記不均一プロ触媒中の前記塩素化剤対MgClのモル比が、0.05:1〜2:1である、請求項1〜6のいずれかに記載の不均一プロ触媒。
  8. 前記不均一プロ触媒中の前記チタン種対MgClのモル比が、0.005:1〜0.25:1である、請求項1〜7のいずれかに記載の不均一プロ触媒。
  9. 不均一プロ触媒であって、
    予め形成された不均一プロ触媒であって、
    チタン種、および
    MgCl支持体を含む、予め形成された不均一プロ触媒と、
    構造式(L)M(Y)(XRを有する金属−配位子錯体であって、
    式中、Mが、金属カチオンであり、
    各Lが、中性配位子または(=O)であり、
    各Yが、ハロゲン化物または(C−C20)アルキルであり、
    各XRが、アニオン性配位子であって、Xが、ヘテロ原子またはヘテロ原子含有官能基であり、Rが、(C−C20)ヒドロカルビルまたは(C−C20)ヘテロヒドロカルビルである、アニオン性配位子であり、
    nが、0、1または2であり、
    mが、0、1、2、3、または4であり、
    bが、1、2、3、4、5、または6である、金属−配位子錯体と、を含み、
    前記金属−配位子錯体が、全体的に電荷が中性である、不均一プロ触媒。
  10. 前記金属−配位子錯体が、構造式M(OR(式中、eが、2、3、4、5、または6である)を有する金属アルコキシド、または構造式M(=O)(OR(式中、fが、1、2、3、または4である)を有する金属オキシアルコキシドである、請求項1〜9のいずれかに記載の不均一プロ触媒。
  11. Mが、バナジウムカチオン、チタンカチオン、スカンジウムカチオン、ジルコニウムカチオン、ニオブカチオン、マグネシウムカチオン、またはカルシウムカチオンのうちの少なくとも1つから選択される、請求項1〜10のいずれかに記載の不均一プロ触媒。
  12. 前記金属−配位子錯体が、バナジウム(V)オキシトリプロポキシド、バナジウム(V)オキシトリブトキシド、バナジウム(V)オキシトリイソプロポキシド、チタン(IV)イソプロポキシド、チタン(IV)エトキシド、またはそれらの組み合わせのうちの少なくとも1つを含む、請求項1〜11のいずれかに記載の不均一プロ触媒。
  13. 塩化マグネシウムを100℃超の温度および少なくとも30分の処理時間で熱処理して、前記塩化マグネシウム成分を形成し、次いで前記塩化マグネシウム成分を前記チタン種と接触させることを含むプロセスによって調製される、請求項1〜12のいずれかに記載の不均一プロ触媒。
  14. オレフィン重合のための触媒系であって、
    請求項1〜13のいずれかに記載の不均一プロ触媒と、
    有機アルミニウム化合物を含む助触媒と、を含む、触媒系。
  15. 前記助触媒が、アルキルアルミニウム、ハロアルキルアルミニウム、ハロゲン化アルキルアルミニウム、およびそれらの組み合わせから選択される、請求項14に記載の触媒系。
  16. エチレンおよび任意選択的に1つ以上のαーオレフィンコモノマーを、請求項14または15のいずれかに記載の触媒系と接触させることを含む、重合プロセス。
  17. 前記重合プロセスが、溶液重合プロセスである、請求項16に記載の重合プロセス。
  18. 不均一プロ触媒を調製するためのプロセスであって、塩化マグネシウム成分を、塩素化剤、チタン種、および金属−配位子錯体と接触させることを含み、
    前記塩化マグネシウム成分が、少なくとも100m/gの比表面積を有する予め形成されたMgCl支持体であり、
    前記塩素化剤が、構造式Al(Cl)(R3−xまたはSi(Cl)(R4−yを有し、式中、
    が、(CーC30)ヒドロカルビルであり、
    xが、1、2、または3であり、
    yが、1、2、3、または4であり、
    前記金属−配位子錯体が、構造式(L)M(Y)(XRを有し、式中、
    Mが、金属カチオンであり、
    各Lが、中性配位子または(=O)であり、
    各Yが、ハロゲン化物または(C−C20)アルキルであり、
    各XRが、アニオン性配位子であって、Xが、ヘテロ原子またはヘテロ原子含有官能基であり、Rが、(C−C20)ヒドロカルビルまたは(C−C20ヘテロヒドロカルビルである、アニオン性配位子であり、
    nが、0、1または2であり、
    mが、0、1、2、3、または4であり、
    bが、1、2、3、4、5、または6であり、
    前記金属−配位子錯体が、全体的に電荷が中性である、プロセス。
  19. 不均一プロ触媒を調製するプロセスであって、さらに塩素化することなく、成分(1)と(2)とを接触させることを含み、
    成分(1)が、予め形成された不均一プロ触媒であって、
    チタン種と、
    MgCl支持体と、を含む、予め形成された不均一プロ触媒であり、
    成分(2)が、構造式(L)M(Y)(XRを有する金属−配位子錯体であって、
    Mが、金属カチオンであり、
    各Lが、中性配位子または(=O)であり、
    各Yが、ハロゲン化物または(C−C20)アルキルであり、
    各XRが、アニオン性配位子であって、Xが、ヘテロ原子またはヘテロ原子含有官能基であり、Rが、(C−C20)ヒドロカルビルまたは(C−C20ヘテロヒドロカルビルである、アニオン性配位子であり、
    nが、0、1または2であり、
    mが、0、1、2、3、または4であり、
    bが、1、2、3、4、5、または6である、金属−配位子錯体であり、
    前記金属−配位子錯体が、全体的に電荷が中性である、プロセス。
  20. 前記塩化マグネシウムを、100℃超の温度で少なくとも30分の処理時間で熱処理することをさらに含む、請求項18〜19のいずれかに記載のプロセス。
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