JP2021524465A - Trpv1モジュレーションに使用するためのカンナビノイド及び/又はテルペン - Google Patents

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Abstract

少なくとも1つのカンナビノイド及び/又はテルペン化合物を投与することによってTRPV1イオンチャネルの活性化をモジュレートする方法を記載する。【選択図】図3A

Description

関連出願の相互参照
本出願は、2018年5月22日出願の米国特許仮出願第62/674,843号、2018年11月20日出願の同第62/769,743号、及び2019年5月17日出願の同第62/849,719号の利益を主張する。これらの出願の内容はそれぞれ、参照により本明細書に組み込まれる。
発明の分野
本発明は、TRPV1モジュレーションに使用するためのカンナビノイド及び/又はテルペンに関する。
一過性受容器スーパーファミリー(TRP)のチャネル、例えばTRPV1、TRPM8及びTRPA1は、カルシウム及びナトリウムを哺乳類における様々な細胞型に伝える非選択的なカチオンチャネルである。それらは感覚ニューロン上に存在するものであり、侵害模倣である植物二次代謝産物(例えば、カプサイシン)並びにさもなければ辛味及び模倣の灼熱又は冷却感覚である化合物(例えば、アリシン、シンナムアルデヒド、メントール)に対する分子レベルでの応答性のために、侵害受容において役割をもつと最初に同定された。
TRPV1イオンチャネルは、ある特定のタイプの疼痛に関与することが知られており、カプサイシンベースの局所鎮痛薬の分子標的である。それは心肥大にも関係づけられており、TRPV1アゴニスト、例えばカプサイシン並びにアンタゴニスト、例えばBCTC及びカプサゼピンの投与によって、心肥大を処置する方法が記載されている。米国特許第9,084,786号を参照のこと。
TRPV1活性化及び失活をモジュレートする新たな化合物を見出す必要性が存在する。そのような新たな化合物は、慢性炎症性疼痛状態、末梢神経障害、心血管疾患、膀胱炎、喘息、及び難聴を含めてTRPV1チャネルと関連する様々な疾患を処置する、新規でより効果的な方法を提供する。
少なくとも1つのカンナビノイド又はテルペン化合物を投与することによってTRPV1イオンチャネルの活性化をモジュレートする方法を本明細書で提供する。
一態様において、TRPV1チャネル透過性をモジュレートする方法であって、TRPV1発現細胞を所定のTRPV1状態関連アゴニスト特性を有する少なくとも1つの化合物と外部接触させるステップを含む、方法を本明細書で提供する。いくつかの実施形態において、この方法は、所定のTRPV1状態関連アゴニスト特性を有する少なくとも1つの化合物を選択する先行ステップをさらに含む。一実施形態において、TRPV1を異なるアゴニストで、前処理、一次処置、及び/又は二次処置を含めて所定の時間経過にわたって処置間に休薬期間を設けて又は設けずにモジュレートする能力を、治療上最適化し得る。様々な実施形態において、前記少なくとも1つの化合物は、複数の化合物であり、複数の化合物のそれぞれは、異なるTRPV1状態関連アゴニスト特性を有する。
いくつかの実施形態において、所定の特性は、イオン選択性である。一実施形態において、イオン選択性は、Na+及びCa2+イオンの相対的透過である。一実施形態において、イオン選択性は、Ca2+フラックスの大きさである。一実施形態において、イオン選択性は、Na+選択性である。一実施形態において、イオン選択性は、Ca2+選択性である。一実施形態において、所定の特性は、細孔拡張状態である。一実施形態において、所定の特性は、TRPV1チャネル活性化プロファイルである。別の実施形態において、所定の特性は、TRPV1チャネル不活性化プロファイルである。一実施形態において、所定の特性は、TRPV1誘導性イオン電流の大きさである。一実施形態において、所定の特性は、TRPV1チャネル活性化反応速度である。一実施形態において、所定の特性は、TRPV1チャネル不活性化反応速度である。一実施形態において、所定の特性は、カルシウム依存性不活性化である。一実施形態において、所定の特性は、カルシウム非依存性不活性化である。
様々な実施形態において、前記少なくとも1つの化合物の少なくとも1つは、カンナビノイドである。一実施形態において、カンナビノイドは、カンナビノール(CBN)である。別の実施形態において、カンナビノイドは、カンナビジオール(CBD)である。一実施形態において、カンナビノイドは、カンナビゲロール(CBG)である。一実施形態において、カンナビノイドは、カンナビジバリン(CBDV)である。
様々な実施形態において、前記少なくとも1つの化合物の少なくとも1つは、テルペンである。一実施形態において、テルペンは、ミルセンである。一実施形態において、テルペンは、リモネンである。一実施形態において、テルペンは、リナロールである。一実施形態において、テルペンは、フィトールである。一実施形態において、テルペンは、ネロリドールである。一実施形態において、テルペンは、ピネンである。
様々な実施形態において、細胞を接触させることにより、接触した細胞が死滅する。いくつかの実施形態において、細胞を接触させることにより、接触した細胞が死滅しない。様々な実施形態において、接触をインビボで行う。
様々な実施形態において、細胞をTRPV1状態関連アゴニストと接触させることにより、カルシウム依存性細胞内シグナル伝達経路が誘導される。一実施形態において、シグナル伝達経路によって、二次メディエーターの分泌が起きる。一実施形態において、シグナル伝達経路によって、酵素活性化が起きる。いくつかの実施形態において、シグナル伝達経路によって、遺伝子発現が起きる。一実施形態において、シグナル伝達経路によって、遺伝子制御が起きる。一実施形態において、シグナル伝達経路によって、細胞増殖が起きる。一実施形態において、シグナル伝達経路によって、細胞死が起きる。一実施形態において、シグナル伝達経路によって、細胞複製が起きる。一実施形態において、シグナル伝達経路によって、細胞運動が起きる。
本明細書で記載されている別の態様において、少なくとも1つの化合物は、医薬組成物として製剤化され、方法は、医薬組成物をそれを必要とする対象に投与するステップをさらに含む。いくつかの実施形態において、対象は、TRPV1介在性疼痛を有する。他の実施形態において、対象は、TRPV1介在性心肥大を有する。別の実施形態において、対象は、TRPV1介在性喘息を有する。別の実施形態において、対象は、TRPV1介在性難聴を有する。別の実施形態において、対象は、TRPV1介在性膀胱炎を有する。別の実施形態において、対象は、TRPV1介在性喘息を有する。別の実施形態において、対象は、TRPV1介在性難聴を有する。別の実施形態において、対象は、TRPV1介在性膀胱炎を有する。
別の態様において、疼痛を処置する方法であって、疼痛を有する対象に、所定のTRPV1状態関連アゴニスト特性を有する少なくとも1つの化合物を含む医薬組成物の有効量を投与するステップを含み、少なくとも1つの化合物が対象の疼痛感覚を起こす要因になっているTRPV1発現細胞と外部接触する、方法を本明細書で提供する。
別の態様において、心肥大を処置する方法であって、心肥大を有する対象に、所定のTRPV1状態関連アゴニスト特性を有する少なくとも1つの化合物を含む医薬組成物の有効量を全身投与するステップを含み、少なくとも1つの化合物がTRPV1発現心細胞と外部接触する、方法を本明細書で提供する。
別の態様において、喘息を処置する方法であって、喘息を有する対象に、所定のTRPV1状態関連アゴニスト特性を有する少なくとも1つの化合物を含む医薬組成物の有効量を全身投与するステップを含み、少なくとも1つの化合物がTRPV1発現感覚ニューロン細胞と外部接触する、方法を本明細書で提供する。様々な実施形態において、感覚ニューロンは、平滑筋細胞、血管、気管、気管支、又は肺胞を神経支配する。
別の態様において、抗腫瘍薬での処置に関連した難聴を処置する方法であって、難聴を有する対象に、所定のTRPV1状態関連アゴニスト特性を有する少なくとも1つの化合物を含む医薬組成物の有効量を全身投与するステップを含み、少なくとも1つの化合物がTRPV1発現感覚ニューロンと外部接触する、方法を本明細書で提供する。一実施形態において、抗腫瘍薬は、シスプラチンである。一実施形態において、感覚ニューロンは、コルチ器に存在する。別の実施形態において、感覚ニューロンは、内耳のらせん神経節細胞に存在する。
別の態様において、膀胱炎を処置する方法であって、膀胱炎を有する対象に、所定のTRPV1状態関連アゴニスト特性を有する少なくとも1つの化合物を含む医薬組成物の有効量を全身投与するステップを含み、少なくとも1つの化合物が、膀胱又は尿道を神経支配するTRPV1発現感覚ニューロンと外部接触する、方法を本明細書で提供する。
本発明のこれらの及び他の特徴、態様、及び利点は、以下の説明及び添付図面に関してよりよく理解されるであろう。
図1A:TRPV1チャネルタンパク質をトランスフェクトされたHEK細胞におけるカプサイシン(Cap)活性化電流を示す図である。電流は、トランスフェクトされなかった野生型(WT)HEK細胞において活性化されない。図1B:線形遷移を起こす電流-電圧(IV)関係を示す図である。カプサイシン適用の初期段階で、チャネルは外向き整流性である(開口チャネル状態1;図1B、曲線1及び2)が、時間と共にIV関係が線形になり、チャネルが開口している細孔拡張状態(状態2;図1B、曲線3)に遷移したことを示している。 図2A〜2B:内部の10mM BAPTA及び150nM Ca2+の存在下(図2A)又は非存在下(図2B)にTRPV1チャネルタンパク質をトランスフェクトされたHEK細胞におけるカプサイシン(Cap)活性化電流を示す図である。図2C〜2D:カプサイシン誘導活性化後のチャネルの2つの状態:開口チャネル状態1(図2C)及び開口している拡張状態2(図2D)を示す図である。状態1及び状態2は両方とも、TRPV1チャネルの周知のブロッカーであるカプサゼピン(CPZ)によってブロックすることができる。 図3A〜3D:対照緩衝剤、50μMカンナビジオール(CBD)、又は1μMカプサイシン(Cap)とのインキュベーション後のTRPV1の活性化を示す図である。図3Aは、それぞれ離散データ点で計測された電流測定値を示す。図3B〜3Dは、3種のインキュベーションの電流-電圧関係(IV)を示す。各IV曲線は、TRPV1チャネル選択性を図示するように選択した。対照(図3B)及びCBD(図3C)IV曲線は外向き整流性であり、わずかに負電位で逆転する(状態1)。対照的に、カプサイシンのIV曲線は線形化され、TRPV1細孔拡張状態への遷移のために0mVの近くで逆転する(状態2、図3D)。 図4A〜4D:対照緩衝剤、50μMカンナビノール(CBN)、又は1μMカプサイシン(Cap)とのインキュベーション後のTRPV1の活性化を示す図である。図4Aは、それぞれ離散データ点で計測された電流測定値を示す。図4B〜4Cは、対照、CBN及びカプサイシンについて選択されたデータ点からプロットされたIV関係の3組を示す。対照(図4B)及びCBN(図4C)IV曲線は、内向き電流が外向き電流より小さい外向き整流性関係を示す。対照的に、カプサイシン適用後の線形化されたIV曲線(図4D)は、内向き電流振幅が外向き電流振幅に近いことを示す。 図5A〜5D:10μM CBNとのインキュベーションによって、状態1から状態2への部分状態遷移が起きることを示す図である。カプサイシン刺激は、拡張チャネル状態2を示す線形IV曲線を示す。 図6A〜6D:対照緩衝剤、50μMカンナビジバリン(CBDV)、又は1μMカプサイシン(Cap)とのインキュベーション後のTRPV1の活性化を示す図である。図6Aは、それぞれ離散データ点で計測された電流測定値を示す。図6B〜6Cは、対照、CBDV及びカプサイシンについて選択されたデータ点からプロットされたIV関係の3組を示す。対照(図6B)及びCBDV(図6C)は、TRPV1チャネルの状態1を図示する。一方、カプサイシンは、IVを内向き電流と外向き電流との線形関係に変換する(図6D)。 図7A〜7D:対照緩衝剤、50μMカンナビゲロール(CBG)、及び1μMカプサイシンとのインキュベーション後のTRPV1の活性化を示す図である。図7Aは、それぞれ離散データ点で計測された電流測定値を示す。図7B〜7Cは、対照、CBG及びカプサイシンについて選択されたデータ点からプロットされたIV関係の3組を示す。対照(図7B)及びCBG(図7C)は、TRPV1チャネルの状態1を図示する。一方、カプサイシンは、IVを内向き電流と外向き電流との線形関係に変換する(7D)。 図8A〜8C:ミルセン(M)の量の増加と共にインキュベーション後のTRPV1イオンチャネル活性化を示す図である。図8Aは、5μMミルセンへの曝露後の離散データ点における電流測定値を示す。図8Bは、10μMミルセンへの曝露後の離散データ点における電流測定値を示す。図8Cは、150μMミルセンへの曝露後の離散データ点における電流測定値を示す。 図9A〜9E:5μMミルセン(M)及び1μMカプサイシン(Cap)とのインキュベーション後のTRPV1の活性化を示す図である。図9A及び9Bは、ミルセン及びカプサイシン添加の前後における細胞の内向き及び外向きイオン電流(nA)を示す。図9Bは、ミルセン誘導性応答をさらに示すための図9Aの拡大図である。図9C〜9Eは、ミルセン若しくはカプサイシンが添加される前(図9C)、又は5μMミルセン(図9D)若しくは1μMカプサイシン(図9E)が添加された後の細胞の電流/電圧関係曲線を示す。 図10A〜10D:対照緩衝剤、50μMミルセン、及び1μMカプサイシンとのインキュベーション後のTRPV1の活性化を示す図である。図10Aは、それぞれ離散データ点で計測された電流測定値を示す。図10B〜10Cは、対照、ミルセン、及びカプサイシンについて選択されたデータ点からプロットされたIV関係の3組を示す。対照(図10B)及びミルセン(図10C)は、TRPV1チャネルの状態1を図示する。一方、カプサイシンは、IVを内向き電流と外向き電流との線形関係に変換する(図10D)。 図11A〜11C:対照緩衝剤、150μMミルセン、及び1μMカプサイシンとのインキュベーション後のTRPV1の活性化を示す図である。図11Aは、それぞれ離散データ点で計測された電流測定値を示す。図11B〜11Cは、対照、ミルセン、及びカプサイシンについて選択されたデータ点からプロットされたIV関係の3組を示す。対照(図11B)及びミルセン(図11C)は、TRPV1チャネルの状態1を図示する。一方、カプサイシンは、IVを内向き電流と外向き電流との線形関係に変換する(図11D)。 図12A〜12I:TRPV1のCa2+用量依存的不活性化を示す図である。図12Aは、10μMミルセンの外部インキュベーション、続いて1μMカプサイシンの適用を行った、0mM内部カルシウムにおける電流発達グラフを示す。図12Bは、10μMミルセンの外部インキュベーション後の抽出された電流/電圧関係を示す。図12Cは、1μMカプサイシンの適用後の抽出された電流/電圧関係を示す。図12Dは、10μMミルセンの外部インキュベーション、続いて1μMカプサイシンの適用を行った、180mM内部カルシウムにおける電流発達グラフを示す。図12Eは、10μMミルセンの外部インキュベーション後の抽出された電流/電圧関係を示す。図12Fは、1μMカプサイシンの適用後の抽出された電流/電圧関係を示す。図12Gは、10μMミルセンの外部インキュベーション、続いて1μMカプサイシンの適用を行った、620mM内部カルシウムにおける電流発達グラフを示す。図12Hは、10μMミルセンの外部インキュベーション後の抽出された電流/電圧関係を示す。図12Iは、1μMカプサイシンの適用後の抽出された電流/電圧関係を示す。内部(サイトゾル)カルシウムの濃度(0、180nM、及び620nM)を高めると、10μMミルセンの外部インキュベーション及びその後の1μMカプサイシンの適用によって活性化されるTRPV1電流ピーク振幅が低減される。さらに、内部カルシウムレベルを高めると、ミルセンによる下降相又は不活性化反応速度に対する効果の方が小さく、カプサイシンによって誘導される不活性化に対する効果の方が強い。 図13A〜13F:TRPV1のCa2+用量依存的不活性化を示す図である。図13Aは、50μM CBNの外部インキュベーションを行った、0mM内部カルシウムにおける電流発達グラフを示す。図13Bは、50μM CBN単独、50μM CBN及び1μMカプサイシン、並びに1μMカプサイシン単独の外部インキュベーションを行った、0mM内部カルシウムにおける電流発達グラフを示す。図13Cは、50μM CBNの外部インキュベーションを行った、180mM内部カルシウムにおける電流発達グラフを示す。図13Dは、50μM CBN単独、50μM CBN及び1μMカプサイシン、及び1μMカプサイシン単独の外部インキュベーションを行った、180mM内部カルシウムにおける電流発達グラフを示す。図13Eは、50μM CBNの外部インキュベーションを行った、620mM内部カルシウムにおける電流発達グラフを示す。図13Fは、50μM CBN単独、50μM CBN及び1μMカプサイシン、及び1μMカプサイシン単独の外部インキュベーションを行った、620mM内部カルシウムにおける電流発達グラフを示す。内部(サイトゾル)カルシウムの濃度(0、180nM、及び620nM)を高めると、50μM CBN単独、50μM CBN及び1μMカプサイシン、及び1μMカプサイシン単独の外部インキュベーションによって活性化されるTRPV1電流ピーク振幅が低減される。結果は、図12A〜12Iと似ている。CBNは、ピーク電流振幅を低減したが、不活性化又は下降相反応速度に及ぼす効果が強くなかった。CBNとカプサイシンの混合物と比べて、0nM 内部Ca2+により、下降相反応速度又は不活性化が除去された。対照的に、620nMの高い内部Ca2+は、電流振幅の著しい低減及び不活性化反応速度の加速を示した。 10μMのアルファ-ビサボロール(bisabool)、アルファ-ピネン、ミルセン、カンフェン、リナロール、オシメン、フムレン、ベータ-カリオフィレン、ベータ-ピネン、リモネン、又はネロリドールでの処置後のHEK-TRPV1細胞系におけるTRPV1を介したカルシウム流入を示す図である。 図15A〜D:カルシウム流入アッセイにおける10μMミルセンのTRPA1(図15A)、TRPM8(図15B)、TRPV1(図15C)、又はTRPV2(図15D)に対する効果を示す図である。 図16A〜H:それぞれカンナビジオール(図16A)、カンナビノール(図16B)、カンナビジバリン(cannabividarin)(図16C)、カンナビジゲロール(図16D)、カンナビゲロール酸(図16E)、カンナビクロメン(図16F)、カンナビジオール酸(図16G)、及びカプサイシン(図16H)による、HEK-TRPV1過剰発現細胞におけるカルシウムフラックスの惹起を示す図である。カンナビゲロール及びカンナビノールは、カルシウムフラックスを惹起しなかった。 図17A〜D:カプサイシン及びカンナビノイド誘導コンダクタンスのカプサゼピン(CPZ)に対する感受性を示す図である。50nMカプサイシンで刺激され、次に10μM CPZを適用したHEK-TRVP1において、それぞれ、図17Aは電流発達グラフを示す図であり、図17Bは抽出された電流/電圧関係を提供する。30μMカンナビジオール(cannabidol)(CBD)で刺激されたHEK-TRVP1において、それぞれ、図17Cは電流発達グラフを示し、図17Dは抽出された電流/電圧関係を提供する。記録用溶液は、内部及び外部でCa 0であり、n決定子は、5〜6パッチであった。図17A及び17Cの電流発達グラフは、-80mV及び+80mVの電圧における電流を抽出することによって作成した。 図18A〜C:CBD(黒丸)、CBDV(白丸)、CBN(アスタリスク)、及びCBG(バツ)の様々な用量で120秒間曝露したHEK-TRPV1の電流発達グラフを示す図である。図18Aは、個々のカンナビノイドを30μMで投与した結果を示す。図18Bは、個々のカンナビノイドを50μMで投与した結果を示す。図18Cは、個々のカンナビノイドを150μMで投与した結果を示す。 図19A〜L:CBD、CBDV、CBN、及びCBGの様々な用量で120秒間曝露したHEK-TRPV1の個々の電流発達グラフを示す図である。図19A〜Cは、CBDをそれぞれ30μM(図19A)、50μM(図19B)、及び150μM(図19C)で投与されたHEK-TRVP1の電流発達グラフを示す。図19D〜Fは、CBDVをそれぞれ30μM(図19D)、50μM(図19E)、及び150μM(図19F)で投与されたHEK-TRVP1の電流発達グラフを示す。図19G〜Iは、CBNをそれぞれ30μM(図19G)、50μM(図19H)、及び150μM(図19I)で投与されたHEK-TRVP1の電流発達グラフを示す。図19J〜Lは、CBGをそれぞれ30μM(図19J)、50μM(図19K)、及び150μM(図19L)で投与されたHEK-TRVP1の電流発達グラフを示す。 図20A〜D:図20A〜Lに示すデータからのImaxデータのヒストグラムを示す図である。図20Aは、10μMで投与されたカンナビノイドのImaxデータを示す。図20Bは、30μMで投与されたカンナビノイドのImaxデータを示す。図20Cは、50μMで投与されたカンナビノイドのImaxデータを示す。図20Dは、150μMで投与されたカンナビノイドのImaxデータを示す。記録条件は、NaR、非緩衝内部カルシウム(FCa)を含むCa 1mMであり、n決定子は、5パッチから10パッチまで、図20A〜Dによって示されるように様々であった。 図21A〜D:TRPV1に対するCBD(図21A)、CBDV(図21B)、CBN(図21C)、及びCBG(図21D)の用量応答及びEC50計算値を示す図である。 図22A〜C:内部及び外部カルシウムレベルのCBD誘導TRPV1電流への影響を示す図である。具体的には、図22A〜Cは、それぞれ0mM(赤色)、1mM(黒色)、及び3mM(青色)の外部カルシウム濃度であり、内部カルシウム濃度を0nM(図22A)、180nM(図22B)に緩衝し、フラックス(FCa、カルシウム不含)(図22C)より決定して、30μMでのCBDの正規化電流発達グラフ(Imaxの百分率)を示す。 図23A〜D:それぞれ0nM(図23A)、180nM(図23B)、620nM(図23C)、及びFCa(図23D)の異なる内部Ca2+濃度で、一定の外部カルシウムにおけるCBD応答を示す図である。 図24A〜D:それぞれ0nM(図24A)、180nM(図24B)、620nM(図24C)、及びFCa(図24D)の異なる内部Ca2+濃度で、一定の外部カルシウムにおけるCBN応答を示す図である。 図25A〜B:異なるCBD濃度で、一定の外部カルシウム濃度、及び0nM内部Ca2+濃度における応答の比較を示す図である。図25Aは、30μM CBD濃度での結果を示す。図25Bは、150μM CBD濃度での結果を示す。 図26A〜Bは、異なるCBD濃度で、一定の外部カルシウム濃度、及び180nM内部Ca2+濃度における応答の比較を示す。図26A:30μM CBD濃度での結果を示す図である。図26B:150μM CBD濃度での結果を示す図である。 図27A〜B:異なるCBDV濃度で、一定の外部カルシウム濃度、及び0nM内部Ca2+濃度における応答の比較を示す図である。図27Aは、30μM CBDV濃度での結果を示す。図27Bは、150μM CBDV濃度での結果を示す。 図28A〜B:異なるCBDV濃度で、一定の外部カルシウム濃度、及び180nM内部Ca2+濃度における応答の比較を示す図である。図28Aは、30μM CBDV濃度での結果を示す。図28Bは、150μM CBDV濃度での結果を示す。 図29A〜C:カプサイシンに応答してのTRPV1による細孔拡張状態の用量依存的達成を示す図である。具体的には、図29A〜Cは、それぞれ30nM(図29A)、100nM(図29B)、及び500nM(図29C)の濃度のカプサイシンについて用量/電流振幅の増加と共に整流状態から非整流状態への遷移を示す電流発達グラフ及び抽出されたI/V曲線を示す図である。 線形化されたI/V関係は、Na電流振幅の増加を示すことによって細孔拡張状態と一致することを示す図である。 図31A〜C:それぞれ30nM(図31A)、100nM(図31B)、及び500nM(図31C)の濃度のカプサイシンについて電流発達グラフ及び抽出された電流/電圧関係を示す図である。これらの数字は、いくらかの細孔拡張(N-メチル-D-グルカミン透過)が最低のカプサイシン用量でさえ存在するということを示唆する。 図32A〜C:様々な濃度のカプサイシンの存在下に、それぞれ60秒(図32A)、90秒及び120秒(図32B)、並びに105秒及び180秒(図32C)の異なる時間におけるナトリウム及びN-メチル-D-グルカミン(NMDG)透過のImaxヒストグラムを示す図である。別個の状態が存在することを示している。 図33A〜D:それぞれ0時間(図33A)、8時間(図33B)、10時間(図33C)、及び13時間(図33D)の様々なテトラサイクリン誘導期間後における30μMでのCBDの電流発達グラフを示す図である。 図33A〜Dに示した結果のImaxヒストグラムを示す図である。 それぞれ50μM及び1μMの濃度のCBD及びカプサイシンによって誘発される電流を示す図である。25時間の誘導時間をとることができ、CBDを50μMで投与し、次にカプサイシンを1μMで投与した。 図36A〜C:対照(図36A)、CBDを50μMで360秒(図36B)、及びカプサイシンを1μMで360秒(図36C)のI/V関係を示す図である。 それぞれ50μM及び1μMの濃度のCBDV及びカプサイシンによって誘発される電流を示す図である。25時間の誘導時間をとることができ、CBDVを50μMで投与し、次にカプサイシンを1μMで投与した。 図38A〜C:対照(図38A)、CBDVを50μMで180秒(図38B)、及びカプサイシンを1μMで360秒(図38C)のI/V関係を示す図である。 それぞれ50μM及び1μMの濃度のCBG及びカプサイシンによって誘発される電流を示す図である。25時間の誘導時間をとることができ、CBGを50μMで投与し、次にカプサイシンを1μMで投与した。 図40A〜C:対照(図40A)、CBGを50μMで180秒(図40B)、及びカプサイシンを1μMで360秒(図40C)のI/V関係を示す図である。 図41A〜G:侵害受容性TRPV2を過剰発現する細胞における様々なカンナビノイド、例えばCBD(図41A)、CBN(図41B)、CBDV(図41C)、CBC(図41D)、CBDA(図41E)、CBG(図41F)、及びCBGA(図41G)の応答を示す図である。 図42A〜G:侵害受容性TRPM8を過剰発現する細胞における様々なカンナビノイド、例えばCBD(図42A)、CBN(図42B)、CBDV(図42C)、CBC(図42D)、CBDA(図42E)、CBG(図42F)、及びCBGA(図42G)の応答を示す図である。 図43A〜G:侵害受容性TRPA1を過剰発現する細胞における様々なカンナビノイド、例えばCBD(図43A)、CBN(図43B)、CBDV(図43C)、CBC(図43D)、CBDA(図43E)、CBG(図43F)、及びCBGA(図43G)の応答を示す図である。
定義
特許請求の範囲及び明細書において使用される用語は、別段の指定がない限り以下に記載するように定義される。
「ミルセン」(同義語として「β-ミルセン」)は、7-メチル-3-メチリデンオクタ-1,6-ジエンである。
「テルペン」は、アルファ-ビサボロール(α-ビサボロール)、アルファ-フムレン(α-フムレン)、アルファ-ピネン(α-ピネン)、ベータ-カリオフィレン(β-カリオフィレン)、ミルセン、(+)-ベータ-ピネン(β-ピネン)、カンフェン、リモネン、リナロール、フィトール、及びネロリドールを意味する。
「状態関連特性」は、TRPV1イオンチャネルの開口状態の化学又は物理的特性を意味する。例示的な状態関連特性としては、1価若しくは2価のイオン選択性若しくは非選択性、電流整流プロファイル、イオンチャネル活性化プロファイル、イオンチャネル失活プロファイル、イオンチャネル活性化反応速度、イオンチャネル失活反応速度、イオンフラックス、開口状態選択性、又はTRPV1イオン電流の大きさ若しくは振幅が挙げられるが、これらに限定されない。
化合物の「TRPV1状態関連アゴニスト特性」は、化合物が、TRPV1チャネルのある状態から別の状態への変化を変更若しくは誘導すること、又はチャネルを第2の状態への遷移なしに特定の非拡張状態に維持することを含めて、チャネルの少なくとも1つの状態関連特性をモジュレートすることによって、TRPV1チャネル透過性をモジュレートする能力を意味する。
「薬学的に活性な成分」(同義語として、医薬品活性成分)は、薬物製品の製造において使用されるためのものであるいずれかの物質又は物質の混合物を意味し、薬物の生産において使用される場合、薬物製品の活性成分になる。そのような物質は、疾患の診断、治癒、緩和、処置若しくは防止において薬理活性若しくは他の直接の効果を与え、又は身体の構造及び機能に影響を及ぼすためのものである。そのような物質又は物質の混合物は、好ましくは米国連邦食品・医薬品・化粧品法の第501条(a)(2)(B)に従う医薬品適正製造基準(CGMP)規制に応じて生成される。
薬学的に活性な成分は、Δ9-テトラヒドロカンナビノールを0.3%(w/w)未満含有する場合「THCを実質的に含まない」。医薬組成物は、Δ9-テトラヒドロカンナビノールを0.3%(w/v)未満含有する場合「THCを実質的に含まない」。
「アサ(Cannabis sativa)抽出物」は、アサ植物材料から流体及び/又は気体抽出、例えばCO2を用いる超臨界流体抽出法(SFE)によって得られる組成物である。アサ抽出物は、典型的にはミルセン、カンナビノイド、及びテルペンを含有し、さらにはフィトカンナビノイド及び他の二次代謝産物も含有することができる。
「疼痛障害」としては、疼痛を疾患の症状の1つとして引き起こす様々な疾患が挙げられ、筋挫傷、捻挫、関節炎又は他の関節痛、青あざ、背部痛、線維筋痛、子宮内膜症、手術後の疼痛、糖尿病性ニューロパチー、三叉神経痛、帯状疱疹後神経痛、群発頭痛、乾癬、過敏性腸症候群、慢性間質性膀胱炎、外陰部痛、外傷、筋骨格障害、帯状疱疹、鎌状赤血球症、心疾患、がん、脳卒中、又は化学療法若しくは放射線照射が原因である口内炎に関連している疾患を含むがこれらに限定されない。
「処置」、「処置すること」などという用語は、本明細書で所望の薬理学的及び/又は生理学的効果を得ることを一般に意味するように用いられている。効果は、疾患、状態、又はその症状の完全な又は部分的な防止の点から予防的効果でもよく、並びに/或いは疾患若しくは状態及び/又は逆効果、例えば疾患若しくは状態に起因すると考えられる症状の部分的な又は完全な治癒の点から治療的効果でもよい。本明細書で用いられている「処置」は、哺乳類、特にヒトの疾患又は状態のいかなる処置をも包含し、(a)疾患又は状態に罹りやすくなり得るが、罹っているとはまだ診断されていない対象において疾患又は状態が発生するのを防止すること、(b)疾患若しくは状態を阻害する(例えば、その発症を抑制する)こと、或いは(c)疾患若しくは状態を軽減する(例えば、疾患又は状態の退行を引き起こし、1つ以上の症状の改善をもたらす)ことを含む。いかなる状態における改善も、当技術分野において公知である標準方法及び技法に従って容易に評価することができる。方法によって処置される対象の集団には、望ましくない状態又は疾患に苦しむ対象、及び状態又は疾患の発症のリスクがある対象が含まれる。
「治療有効用量」又は「治療有効量」という用語は、所望の効果を狙って投与され、所望の効果を生じる用量又は量を意味する。正確な用量又は量は、処置の目的に依存することになり、公知の技法を使用して当業者により確かめることができる(例えば、Lloyd (2012年)、The Art, Science and Technology of Pharmaceutical Compounding、第4版を参照のこと)。治療有効量は、予防を治療とみなすことができるので「予防有効量」とすることができる。
「十分な量」という用語は、所望の効果を生じるのに十分な量を意味する。
「改善」という用語は、病状、例えば免疫障害の処置におけるいかなる治療上有益な結果をも指し、その予防、重症度若しくは進行の低減、寛解、又は治癒を含む。「インサイチュ」という用語は、生体から離れて、例えば組織培養において増殖する生細胞において起こるプロセスを指す。
「インビボ」という用語は、生体において起こるプロセスを指す。
本明細書で用いられている「哺乳類」という用語は、ヒトも非ヒトも包含し、ヒト、非ヒト霊長類、イヌ、ネコ、マウス、ウシ、ウマ、及びブタが挙げられるが、これらに限定されない。
他の解釈上の慣例
明細書及び添付の特許請求の範囲において使用されるように、単数形「a」、「an」及び「the」は、文脈上からそうでないことがはっきりしていない限り、複数の指示物を含むことに留意しなければならない。
本明細書に記載される範囲は、記載された終点を含めて範囲内の値のすべての省略表現であると理解される。例えば、1〜50の範囲は、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、及び50からなる群からの任意の数、数の組合せ、又は下位の範囲を含むと理解される。
別段の指示がない限り、1個以上の立体中心を有する化合物への言及は、その各立体異性体及び立体異性体のすべての組合せを意図する。
TRPV1活性化をモジュレートする方法
本発明者らは、様々なカンナビノイド及びテルペンがTRPV1にアゴニスト効果を
有すること、各化合物のアゴニスト効果を、TRPV1発現細胞の電気生理学的分析により、互いに区別できることも、現在の治療用途において主要なTRPV1アゴニストであるカプサイシンの効果と区別できることも発見した。したがって、これらの化合物を単独で又は互いに組み合わせて、カプサイシン又は他の適切な化合物と使用して、TRPV1透過性をモジュレートすることができる。本発明者らのデータは、望ましい治療特性をもつTRPV1アゴニスト及びアゴニスト混合物の選択のための多変数モデルを支持する。方法により、電流振幅、イオン透過特性、及び活性化/不活性化反応速度の所望の範囲によって特徴づけられる製剤のオーダーメードの設計が可能になる。これらのアゴニスト又はアゴニスト混合物は、それらの所定のTRPV1状態関連アゴニスト特性に基づいて、TRPV1の急性的活性化、慢性適用によるTRPV1の脱感作、又はその両方が治療的効果で行われるように選択することができる。
したがって、第1の態様において、TRPV1チャネル透過性をモジュレートする方法が提示される。この方法は、TRPV1発現細胞を所定のTRPV1状態関連アゴニスト特性を有する少なくとも1つの化合物と外部接触させるステップを含む。いくつかの実施形態において、この方法は、所定のTRPV1状態関連アゴニスト特性を有する化合物を選択する先行ステップをさらに含む。いくつかの実施形態において、少なくとも1つの化合物は、複数の化合物を含み、複数の化合物のそれぞれが、異なるTRPV1状態関連特性を有する。
いくつかの実施形態において、所定の特性は、イオン選択性である。一実施形態において、イオン選択性は、Na+及びCa2+イオンの相対的透過である。一実施形態において、イオン選択性は、Ca2+フラックスの大きさである。一実施形態において、イオン選択性は、Na+選択性である。一実施形態において、イオン選択性は、Ca2+選択性である。一実施形態において、所定の特性は、細孔拡張状態である。一実施形態において、所定の特性は、TRPV1チャネル活性化プロファイルである。別の実施形態において、所定の特性は、TRPV1チャネル不活性化プロファイルである。一実施形態において、所定の特性は、TRPV1誘導性イオン電流の大きさである。一実施形態において、所定の特性は、TRPV1チャネル活性化反応速度である。一実施形態において、所定の特性は、TRPV1チャネル不活性化反応速度である。一実施形態において、所定の特性は、カルシウム依存性不活性化である。一実施形態において、所定の特性は、カルシウム非依存性不活性化である。
様々な実施形態において、細胞を少なくとも1つの化合物と接触させることにより、接触した細胞が死滅する。様々な実施形態において、細胞を接触させることにより、接触した細胞が死滅しない。いくつかの実施形態において、接触をインビボで行う。
様々な実施形態において、細胞をTRPV1状態関連アゴニストと接触させることにより、カルシウム依存性細胞内シグナル伝達経路が誘導される。一実施形態において、シグナル伝達経路によって、二次メディエーターの分泌が起きる。一実施形態において、シグナル伝達経路によって、酵素活性化が起きる。いくつかの実施形態において、シグナル伝達経路によって、遺伝子発現が起きる。一実施形態において、シグナル伝達経路によって、遺伝子制御が起きる。一実施形態において、シグナル伝達経路によって、細胞増殖が起きる。一実施形態において、シグナル伝達経路によって、細胞死が起きる。一実施形態において、シグナル伝達経路によって、細胞複製が起きる。一実施形態において、シグナル伝達経路によって、細胞運動が起きる。
様々な実施形態において、方法は、所定のTRPV1状態関連アゴニスト特性を有する少なくとも1つの化合物を含む医薬組成物を投与するステップをさらに含む。
化合物
少なくとも1つの化合物は、カンナビノイドでも、テルペンでもよい。
様々な実施形態において、少なくとも1つの化合物はカンナビノイドである。一実施形態において、カンナビノイドは、カンナビノール(CBN)である。一実施形態において、カンナビノイドは、カンナビジオール(CBD)である。一実施形態において、カンナビノイドは、カンナビゲロール(CBG)である。一実施形態において、カンナビノイドは、カンナビジバリン(CBDV)である。
様々な実施形態において、少なくとも1つの化合物は、テルペンである。一実施形態において、テルペンは、ミルセンである。一実施形態において、テルペンは、リモネンである。一実施形態において、テルペンは、リナロールである。一実施形態において、テルペンは、フィトールである。一実施形態において、テルペンは、ピネンである。一実施形態において、テルペンは、ネロリドールである。
医薬組成物
別の態様において、医薬組成物が提供される。医薬組成物は、所定のTRPV1状態関連アゴニスト特性を有する少なくとも1つの化合物及び薬学的に許容される担体又は希釈剤を含む。医薬組成物の文脈の中で、所定のTRPV1状態関連アゴニスト特性を有する少なくとも1つの化合物は、組成物の医薬品活性成分である。
薬学的に活性な成分の含有量
典型的な実施形態において、活性成分は、医薬組成物中に少なくとも0.01mg/ml、少なくとも0.1mg/ml、少なくとも0.5mg/ml、又は少なくとも1mg/mlの濃度で存在する。ある特定の実施形態において、活性成分は、医薬組成物中に少なくとも1mg/ml、2mg/ml、3mg/ml、4mg/ml、5mg/ml、10mg/ml、15mg/ml、20mg/ml、又は25mg/mlの濃度で存在する。ある特定の実施形態において、活性成分は、医薬組成物中に少なくとも30mg/ml、35mg/ml、40mg/ml、45mg/ml又は50mg/mlの濃度で存在する。
一般剤形(Formulation Generally)
医薬組成物は、液剤、油剤、乳剤、ゲル剤、コロイド剤、エアロゾル剤又は固形剤を含めて、ヒト又は動物用医薬に適しているいかなる形もとることができる。
医薬組成物は、経腸及び非経口投与経路を含めて、ヒト又は動物用医薬に適している任意の投与経路による投与用に製剤化することができる。
様々な実施形態において、医薬組成物は吸入投与用に製剤化される。これらの実施形態のいくつかにおいて、医薬組成物は、気化器による投与用に製剤化される。これらの実施形態のいくつかにおいて、医薬組成物は、ネブライザーによる投与用に製剤化される。これらの実施形態のいくつかにおいて、医薬組成物は、エアロゾル発生器による投与用に製剤化される。
様々な実施形態において、医薬組成物は、経口投与、口腔投与、又は舌下投与用に製剤化される。
いくつかの実施形態において、医薬組成物は、静脈内、筋肉内、又は皮下投与用に製剤化される。
いくつかの実施形態において、医薬組成物は、髄腔内又は脳室内投与用に製剤化される。
いくつかの実施形態において、医薬組成物は、局所投与用に製剤化される。
吸入投与に適応する薬理学的組成物
いくつかの実施形態において、気化器、ネブライザー、又はエアロゾル発生器による医薬組成物の投与に適応する、本明細書に記載されている医薬組成物の単位剤形が提供される。いくつかの実施形態において、剤形は、バイアル剤、アンプル剤であり、使用者による開封を可能にするために場合によって割線が付されている。特定の実施形態において、ネブライザーは、ジェットネブライザー又は超音波ネブライザーである。
吸入可能な組成物は、一般に水性溶液で、例えば鼻又は肺スプレー剤として投与される。液体を鼻スプレー剤として分注する好ましいシステムが、米国特許第4,511,069号に開示されている。そのような製剤は、好都合なことに本発明による組成物を水に溶解して、水性溶液を生成し、その溶液を無菌にすることによって調製し得る。製剤は、多回用量容器、例えば米国特許第4,511,069号に開示された密封した分注システムで提示してもよい。他の好適な鼻スプレー送達システムは、Transdermal Systemic Medication、Y. W. Chien編、Elsevier Publishers社、New York、1985年;M. Naefら、Development and pharmacokinetic characterization of pulmonal and intravenous delta-9-tetrahydrocannabinol (THC) in humans、J. PHARM. SCI. 93, 1176〜84頁(2004年);並びに米国特許第4,778,810号;同第6,080,762号;同第7,052,678号;及び同第8,277,781号に記載されている(それぞれ参照により本明細書に組み込まれる)。追加のエアロゾル送達形態としては、医薬品用溶媒、例えば水、エタノール、又はその混合物に溶解又は懸濁した生物学的活性物質を送達する、例えば圧縮空気ネブライザー、ジェットネブライザー、超音波ネブライザー、及びピエゾネブライザーを挙げることができる。
粘膜製剤は、例えば、生物学的活性物質を、鼻腔内送達に適切な粒径の又は適切な粒径範囲内の乾燥した、通常凍結乾燥された形で含む乾燥粉末製剤として投与される。鼻又は肺の通路内における沈着に適している最小粒径は、約0.5ミクロンの空気力学的質量中央等価径(MMEAD)、通常は約1ミクロンのMMEAD、より典型的には約2ミクロンのMMEADであることが多い。鼻の通路内における沈着に適している最大粒径は、約10ミクロンのMMEAD、通常は約8ミクロンのMMEAD、より典型的には約4ミクロンのMMEADであることが多い。これらの粒径範囲内の鼻腔内吸入粉末剤は、様々な通常の技法、例えばジェット微粉砕、スプレー乾燥、溶媒沈澱、超臨界流体凝縮などにより生成することができる。適切なMMEADのこれらの乾燥粉末については、肺又は鼻吸入時に患者の呼吸に頼って、粉末(power)をエアロゾル化量に分散させる通常の乾燥粉末吸入器(DPI)を介して患者に投与することができる。或いは、乾燥粉末については、外部電源を使用して、粉末をエアロゾル化量に分散させる空気支援デバイス、例えばピストンポンプを介して投与してもよい。
経口/口腔/舌下投与に適応する薬理学的組成物
経口、口腔又は舌下投与用の製剤は、カプセル剤、カシェ剤、丸剤、錠剤、ロゼンジ剤(フレーバー付き基剤、通常スクロース及びアカシア又はトラガカントを使用)、散剤、顆粒剤の形態であり、又は水性若しくは非水性液体中の液剤若しくは懸濁剤として、又は水中油型若しくは油中水型の液体乳剤として、又はエリキシル剤若しくはシロップ剤として、又はパステル剤(不活性な基剤、例えばゼラチン及びグリセリン、又はスクロース及びアカシアを使用)として、及び/又は洗口剤としてなどであり得、それぞれが、活性成分として対象のポリペプチド治療剤の所定量を含有する。懸濁剤は、活性化合物に加えて、懸濁化剤、例えばエトキシ化イソステアリルアルコール、ポリオキシエチレンソルビトール、及びソルビタンエステル、微結晶セルロース、メタ水酸化アルミニウム、ベントナイト、寒天及びトラガカント、並びにその混合物を含有し得る。
経口、口腔又は舌下投与用の固体剤形(カプセル剤、錠剤、丸剤、糖衣錠、散剤、顆粒剤など)において、1つ以上の治療剤を、1つ以上の薬学的に許容される担体、例えばクエン酸ナトリウム若しくはリン酸二カルシウム、及び/又は以下のいずれかと混合してもよい:(1)充填剤又は増量剤、例えばデンプン、ラクトース、スクロース、グルコース、マンニトール、及び/又はケイ酸、(2)結合剤、例えばカルボキシメチルセルロース、アルギネート、ゼラチン、ポリビニルピロリドン、スクロース、及び/又はアカシア、(3)保水剤、例えばグリセロール、(4)崩壊剤、例えば寒天、炭酸カルシウム、ジャガイモ又はタピオカデンプン、アルギン酸、ある特定のシリケート、及び炭酸ナトリウム、(5)溶解遅延剤、例えばパラフィン、(6)吸収促進剤、例えば第四級アンモニウム化合物、(7)湿潤剤、例えばセチルアルコール及びグリセロールモノステアレート、(8)吸収剤、例えばカオリン及びベントナイト粘土、(9)滑沢剤、例えばタルク、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、固体ポリエチレングリコール、ラウリル硫酸ナトリウム、及びその混合物、並びに(10)着色剤。カプセル剤、錠剤及び丸剤の場合、医薬組成物は、緩衝剤も含んでもよい。同様のタイプの固体組成物は、ラクトース又は乳糖、並びに高分子量ポリエチレングリコールなどのような賦形剤を使用する軟及び硬ゼラチンカプセル剤中の充填剤としても使用してもよい。経口投与用の液体剤形としては、薬学的に許容される乳濁液、マイクロエマルション、溶液、懸濁液、シロップ、及びエリキシルが挙げられる。活性成分に加えて、液体剤形は、当技術分野においてよく使用される不活性な希釈剤、例えば水又は他の溶媒、可溶化剤及び乳化剤、例えばエチルアルコール、イソプロピルアルコール、炭酸エチル、酢酸エチル、ベンジルアルコール、安息香酸ベンジル、プロピレングリコール、1,3-ブチレングリコール、油(特に、綿実、落花生、トウモロコシ、胚芽、オリーブ、ヒマシ、及びゴマ油)、グリセロール、テトラヒドロフリルアルコール、ポリエチレングリコール、及びソルビタン脂肪酸エステル、並びにその混合物を含有してもよい。不活性な希釈剤以外に、経口組成物は、助剤、例えば湿潤剤、乳化及び懸濁化剤、甘味剤、矯味剤、着色剤、賦香剤、並びに保存剤も含むことができる。
注射に適応する薬理学的組成物
静脈内、筋肉内、若しくは皮下注射、又は苦痛の部位における注射の場合、活性成分は、パイロジェンフリーであり、好適なpH、等張性及び安定性を有する非経口的に許容される水性溶液の形態である。当業者は、例えば、等張ビヒクル、例えば塩化ナトリウム注射液、リンゲル注射液、乳酸リンゲル注射液を使用して好適な溶液を調製することがよくできる。保存剤、安定剤、緩衝剤、抗酸化剤及び/又は他の添加剤を必要に応じて含めることができる。
様々な実施形態において、単位剤形は、バイアル剤、アンプル剤、ボトル剤、又はプレフィルド注射器である。いくつかの実施形態において、単位剤形は、0.01mg、0.1mg、0.5mg、1mg、2.5mg、5mg、10mg、12.5mg、25mg、50mg、75mg、又は100mgのカンナビノイド組成物を含有する。いくつかの実施形態において、単位剤形は、125mg、150mg、175mg、又は200mgのカンナビノイド組成物を含有する。いくつかの実施形態において、単位剤形は、250mgのカンナビノイド組成物を含有する。
典型的な実施形態において、単位剤形の医薬組成物は、液体の形態である。様々な実施形態において、単位剤形は、0.1mL〜50mlの医薬組成物を含有する。いくつかの実施形態において、単位剤形は、1ml、2.5ml、5ml、7.5ml、10ml、25ml、又は50mlの医薬組成物を含有する。
特定の実施形態において、単位剤形は、1mlのカンナビノイド組成物を0.01mg/ml、0.1mg/ml、0.5mg/ml、又は1mg/mlの濃度で含有するバイアル剤である。いくつかの実施形態において、単位剤形は、2mlのカンナビノイド組成物を0.01mg/ml、0.1mg/ml、0.5mg/ml、又は1mg/mlの濃度で含有するバイアル剤である。
いくつかの実施形態において、単位剤形の医薬組成物は、可溶化に適している固体、例えば凍結乾燥物の形態である。
皮下、皮内、又は筋肉内投与に適している単位剤形実施形態としては、プレローディング注射器、自動注入装置、及びオートインジェクトペンが挙げられ、それぞれが、以上に記載されている医薬組成物の所定量を含有する。
様々な実施形態において、単位剤形は、注射器及び医薬組成物の所定量を備えたプレローディング注射器である。ある特定のプレローディング注射器実施形態において、注射器は、皮下投与に適応する注射器である。ある特定の実施形態において、注射器は、自己投与に適した注射器である。特定の実施形態において、プレローディング注射器は、単回使用注射器である。
様々な実施形態において、プレローディング注射器は、約0.1mL〜約0.5mLの医薬組成物を含有する。ある特定の実施形態において、注射器は、約0.5mLの医薬組成物を含有する。具体的な実施形態において、注射器は、約1.0mLの医薬組成物を含有する。特定の実施形態において、注射器は、約2.0mLの医薬組成物を含有する。
ある特定の実施形態において、単位剤形はオートインジェクトペンである。オートインジェクトペンは、本明細書に記載される医薬組成物を含有するオートインジェクトペンを含む。いくつかの実施形態において、オートインジェクトペンは、医薬組成物の所定容積を送達する。他の実施形態において、オートインジェクトペンは、使用者によって設定された医薬組成物の容積を送達するように構成されている。
様々な実施形態において、オートインジェクトペンは、約0.1mL〜約5.0mLの医薬組成物を含有する。具体的な実施形態において、オートインジェクトペンは、約0.5mLの医薬組成物を含有する。特定の実施形態において、オートインジェクトペンは、約1.0mLの医薬組成物を含有する。他の実施形態において、オートインジェクトペンは、約5.0mLの医薬組成物を含有する。
局所投与に適応する薬理学的組成物
局所投与用の医薬組成物及び製剤としては、経皮パッチ剤、軟膏剤、ローション剤、クリーム剤、ゲル剤、ドロップ剤、坐剤、スプレー剤、液剤及び粉末剤を挙げ得る。通常の医薬用担体、水性、粉末又は油性基剤、増粘剤などが必要であり、又は望ましいことがある。コーティングされたコンドーム、手袋なども有用であり得る。好適な局所製剤としては、本発明において特色をなすカンナビノイド含有複合混合物が局所送達剤、例えば脂質、リポソーム、脂肪酸、脂肪酸エステル、ステロイド、キレート剤及び界面活性剤と混合されているものが挙げられる。好適な脂質及びリポソームは、中性(例えば、ジオレオイルホスファチジルDOPEエタノールアミン、ジミリストイルホスファチジルコリンDMPC、ジステアロイルホスファチジルコリン)、陰性(例えば、ジミリストイルホスファチジルグリセロールDMPG)及びカチオン性(例えば、ジオレオイルテトラメチルアミノプロピルDOTAP及びジオレオイルホスファチジルエタノールアミンDOTMA)を含む。本発明において特色をなすカンナビノイド含有複合混合物はリポソーム内にカプセル化されてもよく、又は複合体をそのリポソーム、特にカチオン性リポソームに形成してもよい。或いは、カンナビノイド含有複合混合物を複合体化して、脂質、特にカチオン性脂質にしてもよい。好適な脂肪酸及びエステルとしては、アラキドン酸、オレイン酸、エイコサン酸、ラウリン酸、カプリル酸、カプリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、リノール酸、リノレン酸、ジカプレート、トリカプレート、モノオレイン、ジラウリン、グリセリル1-モノカプレート、1-ドデシルアザシクロヘプタン-2-オン、アシルカルニチン、アシルコリン、又はC1〜10アルキルエステル(例えば、イソプロピルミリステートIPM)、モノグリセリド、ジグリセリド、又はその薬学的に許容される塩が挙げられるが、これらに限定されない。
用量範囲
インビボ及び/又はインビトロアッセイを、使用の最適用量範囲を特定する助けとなるように場合によって使用してもよい。製剤中で使用される正確な用量は、投与経路及び状態の重篤度にも依存することになり、開業医の判断及び対象それぞれの状況に従って決定されるべきである。有効用量は、インビトロ又は動物モデル試験系に由来する用量応答曲線から外挿によって求めてもよい。
単位剤形
医薬組成物は、好都合なことに単位剤形で提示してもよい。
単位剤形は、典型的には医薬組成物の1つ以上の具体的な投与経路に適応する。
様々な実施形態において、単位剤形は、吸入投与に適応する。これらの実施形態のいくつかにおいて、単位剤形は、気化器による投与に適応する。これらの実施形態のいくつかにおいて、単位剤形は、ネブライザーによる投与に適応する。これらの実施形態のいくつかにおいて、単位剤形は、エアロゾル発生器による投与に適応する。
様々な実施形態において、単位剤形は、経口投与、口腔投与、又は舌下投与に適応する。
いくつかの実施形態において、単位剤形は、静脈内、筋肉内、又は皮下投与に適応する。
いくつかの実施形態において、単位剤形は、髄腔内又は脳室内投与に適応する。
いくつかの実施形態において、医薬組成物は、局所投与用に製剤化される。
担体材料と組み合わせて、単一剤形を生成することができる活性成分の量は、一般に治療的効果を生じる化合物の量である。
処置方法
他の態様において、処置方法が提供される。
ある一連の実施形態において、疼痛を処置する方法が提供される。この方法は、疼痛を有する対象に、所定のTRPV1状態関連アゴニスト特性を有する少なくとも1つの化合物を含む医薬組成物の有効量を投与するステップを含み、少なくとも1つの化合物が対象の疼痛感覚を起こす要因になっているTRPV1発現細胞と外部接触する。
別の一連の実施形態において、心肥大を処置する方法が提供される。この方法は、心肥大を有する対象に、所定のTRPV1状態関連アゴニスト特性を有する少なくとも1つの化合物を含む医薬組成物の有効量を全身投与するステップを含み、少なくとも1つの化合物がTRPV1発現心細胞と外部接触する。
好適な化合物は、参照により本明細書に組み込まれるセクション5.3.1に上記されている。好適な医薬組成物は、参照により本明細書に組み込まれるセクション5.4に上記されている。
[実施例]
以下は、本発明を実施する具体的な実施形態の例である。実施例は、例示の目的で提示されているのすぎず、決して本発明の範囲を限定するものではない。使用される数(例えば、量、温度など)に関して正確度を確実にする試みが行われているが、もちろんいくらかの実験誤差及び偏差を考慮するべきである。
本発明の実施では、別段の指示がない限り、タンパク質化学、生化学、組換えDNA技法及び薬理学の通常の方法を当業者の技能範囲内で使用する。そのような技法は、文献で十分に説明されている。例えば、T.E. Creighton、Proteins: Structures and Molecular Properties (W.H. Freeman and Company社、1993年);A.L. Lehninger、Biochemistry (Worth Publishers, Inc.社、現行版(current addition));Sambrookら、Molecular Cloning: A Laboratory Manual (第2版、1989年);Methods In Enzymology (S. Colowick及びN. Kaplan編、Academic Press, Inc.社);Remington's Pharmaceutical Sciences、第18版(Easton, Pennsylvania: Mack Publishing Company社、1990年);Carey 及びSundberg、Advanced Organic Chemistry、第3版(Plenum Press社)、A巻及びB巻(1992年)を参照のこと。
方法
細胞培養:
HEK TRexTRPV1を、DMEM、10%ウシ胎仔血清、2mM Lグルタミン、10μg/mlブラストサイジン(Calbiochem社、San Diego CA)、400μg/mlゼオシン(InvivoGen社、San Diego CA)中で16〜24時間培養し、1μg/mlテトラサイクリンを使用して、指示された導入遺伝子発現が誘導された。別段の指示がない限り、誘導なしのTRPV1の基底発現がこれらの研究に十分であり、必要なら、トランスフェクトされていないHEKと比較を行った。ヒトTRPV2、ヒトTRPA1及びヒトTRPM8を過剰発現するHEKTRex293をSB Drug Discovery社(Glasgow, Scotland)から入手し、上記のように培養した。カンナビノイド及びテルペンは、TRPV1イオンチャネルタンパク質をトランスフェクトされたHEK細胞においてアッセイした。これらの細胞をHEK293-V1細胞と呼ぶ。
化学物質、試薬及び刺激:
一般的な化学物質は、VWR社(West Chester, PA)及びSigma Aldrich社(St. Louis, MO)から入手した。PMA及びイオノマイシンは、Calbiochem社(Gibbstown, NJ)から入手した。IgE抗DNPは、Sigma社から、KLH-DNPは、Calbiochem社から入手した。カプサイシン及びカプサゼピンは、Sigma Aldrich社から入手した。カンナビジバリン(CBDV)、カンナビクロメン(CBC)、カンナビジオール(CBD)、カンナビジオール酸(CBDA)、カンナビゲロール(CBG)、カンナビゲロール酸(CBGA)、カンナビノール(CBN)は、Sigma Aldrich社から入手した。
カルシウムアッセイ(バルク法):
細胞を洗浄し、以下の組成(単位mM)の標準改変リンゲル液:NaCl 145、KCl 2.8、CsCl 10、CaCl2 10、MgCl2 2、グルコース 10、Hepes・NaOH 10、pH7.4、330mOsm中で、0.2マイクロモル濃度のFluo-4と共に37℃で30分間インキュベートした。細胞を96ウェルのプレートに50,000細胞/ウェルで移し、指示の通り刺激した。Flexstation 3(Molecular Devices社、Sunnydale, USA)を使用して、カルシウムシグナルを取得した。SoftMax(登録商標) Pro 5(Molecular Devices社)を使用して、データを分析した。指示されている場合、名目上カルシウム不含の外部状態を、1mM EGTAを含有する0mM CaCl2リンゲル液の調製によって達成した。
パッチクランプ法:
この技法を使用して、HEK293-V1からのイオン電流を研究する。細胞膜の両端間電圧は制御され、電圧の変化に伴うイオン電流が測定される。マイクロピペットチップを直径数マイクロメートル引き、次にチップを加熱して、平滑面を創出する。その平滑面は、細胞膜と高抵抗性シールを形成することを支援する。この高抵抗性シールを得るために、マイクロピペットを細胞膜に押しつけ、吸引する。次いで、膜はガラス表面に溶融し、ギガオームの範囲の高抵抗性を生じる。これにより、膜パッチの両端又は細胞全体の両端で測定されたイオン電流を電子的に単離することが可能になる。
電気生理:
パッチクランプ実験を21〜25℃にてホールセル構成で行った。パッチピペットは、2〜3MΩの抵抗を有した。PatchMasterソフトウェア(HEKA社、Lambrecht, Germany)を用いて、EPC-9増幅器を制御して、データを取得した。-100〜100mVの電圧範囲に及ぶ50msの電圧ランプは、500ms〜180秒(3分間)にわたって0.5Hzの速度で0mVの保持電位から送達された。電圧を10mVの液間電位に対して補正した。電流を2.9kHzでフィルタリングし、100μsの間隔でデジタル化した。容量性電流を決定し、各電圧ランプ前に補正した。所与の電位に対する電流の発生は、-80mV〜+80mVの電圧で電流振幅を測定することによって個々のランプ電流の記録から抽出された。FitMaster(HEKA社、Lambrecht, Germany)及びIgorPro(WaveMetrics社、Lake Oswego, OR, USA)を用いて、データを分析した。適用可能な場合、平均データの統計誤差が、n決定子で平均値±s.e.mとして与えられる。活性化電流振幅は、pA/pFではなくnAにより分析される。この決定は、チャネルのTRPV1トランスフェクションに起因する高電流振幅(1〜6nA)のために行われた。また、パッチするために選択される細胞サイズは、9〜12pFの範囲であった。nA及びpA/pFにおける分析を比較し、有意差は、主としてnA範囲における一貫した細胞サイズ選択及び高電流振幅によって見出されなかった。
パッチクランプ記録では、140 NaCl、1 CaCl2、2 MgCl2、2.8 KCl、11 グルコース、10 HEPES-NaOH(単位mM)を含有するpH7.2及び容量オスモル濃度300mOsmolの標準ナトリウムベース外部リンゲル液中で、HEK293細胞を維持した。外部カルシウム(Ca)のTRPV1不活性化反応速度に及ぼす効果を評価するために、0、1、及び3mMを含めて異なるレベルのCaを試験した。0の外部Caを用いた実験において、EGTA 10mMを添加し、Na濃度を130mMまで下げて、標準浸透圧条件を300mOsmolで維持した。急速な外部溶液適用及び交換では、本発明者らは、1つのパッチ内で溶液交換を可能にする4本のクライオチューブを含むSmartSquirt送達システム(Auto-Mate Scientific社、San Francisco CA, USA)を使用した。このシステムは、ValveLink TTLインターフェースを電子弁とEPC10増幅器(HEKA社、Lambrecht, Germany)の間に含むものであった。この電子配置により、PatchMasterソフトウェア(HEKA社、Lambrecht, Germany)を介してプログラム制御可能な溶液変化が可能になった。
サイトゾルを、140 Cs-グルタメート、8 NaCl、1 MgCl2、3 MgATP、10 HEPES-CsOH(単位mM)を含有する細胞内パッチピペット溶液で灌流した。ピペット溶液のpHをpH7.2に調整し、容量オスモル濃度を300mOsmolで測定した。WebMaxCを備えた計算機(http://www.stanford.edu/~cpatton/webmaxcS.htm)を使用して、サイトゾル中の遊離非緩衝Caのレベルを調整した。サイトゾル[Ca2+]iを、WebMaxCで本文に示すように計算して、10mM Cs-BAPTA及びそれぞれCa 4.5mM又は7.4mMで180nM及び620nMに緩衝した。10mM Cs-BAPTAを添加する場合はいつでも、本発明者らは、外部Cs-グルタメートを140mMから120mMに下げて、一貫したオスモル濃度を300mOsmolで維持した。実験の目的が、(結果でFcaと確認された)BAPTA及びCaを両方除外した非緩衝Caの使用を必要とした場合、この緩衝化の欠如により、主として外部Caのサイトゾルへの透過によって決定された内部Caの自由な蓄積が可能になった。
溶液:
ラットTRPV1を過剰発現させる単一のHEK293細胞におけるパッチクランプ実験を介して、チャネル電流を評価した。140mM NaCl、1mM CaCl2、2mM MgCl2、2.8mM KCl、11mM グルコース、及び10mM HEPES-NaOHを含有するpH7.2及び容量オスモル濃度300mOsmolのナトリウムベース細胞外リンゲル液中で、HEK293細胞を維持した。細胞のサイトゾルを、140mM Cs-グルタメート、8mM NaCl、1mM MgCl2、3mM MgATP、及び10mM HEPES-CsOHを含有する細胞内パッチピペット溶液で灌流した。標準内部Ca2+濃度を、4mM Ca2+及び10mM BAPTAで180nMに緩衝した。WebMaxCを備えた計算機(http://www.stanford.edu/~cpatton/webmaxcS.htm)を使用して、遊離非緩衝Ca2+のレベルを調整した。最終溶液のpHをpH7.2に調整し、容量オスモル濃度を300mOsmolで測定した。カンナビノイド、テルペン、又はカプサイシンを上記の外部溶液に添加することによって、TRPV1電流を活性化した。
SmartSquirt送達システム(Auto-Mate Scientific社、San Francisco)を用いて、急速な細胞外液適用及び交換を行った。システムは、ValveLink TTLインターフェースを電子弁とEPC-9増幅器(HEKA社、Lambrecht, Germany)の間に含む。この電子配置により、PatchMasterソフトウェア(HEKA社、Lambrecht, Germany)を介してプログラム制御可能な溶液変化が可能になる。
分析
結果を一般に平均値+標準偏差として示す。電気生理の結果のエラーバーは、標準誤差(SEM)を示す。スチューデントのt検定又はANOVAに基づいて、統計学的有意差を決定した。各グラフにおいてデータ点に隣接して、有意差を以下の通り記録した:シングルアスタリスク、p<0.05;ダブルアスタリスク、p<0.01;トリプルアスタリスク、p<0.001;符号なし、p>0.05。実験はすべて少なくとも3のnである。
[実施例1]
カプサイシンのTRPV1状態関連アゴニスト特性
いくつかの先行研究から、TRPV1は、疼痛過敏の機序に寄与し得るチャネル特性の動的変化を起こすことができるということが示唆される。チャネル特性の動的変化により、本発明者らは、TRPV1イオンチャネルのイオン選択性を指す。生物物理学的には、イオン選択性は、選択されたイオン種に対して高透過を有するチャネルの能力を指す。標準的なイオンチャネルのイオン選択性は、様々な生理的条件下で変化すると考えられていない。この理解は、TRPV1に関する最近の研究によって検証され、特定のイオンに対するその選択性は開口細孔(状態1)から拡張細孔(状態2)に変化することができる。状態1において、チャネルは、Na+及びCa2+の両方に対してイオン非選択的及び透過性である。アゴニストであるカプサイシンへの曝露によって、状態2に拡張する細孔が生じ、細孔は、大きなカチオン、例えばN-メチル-D-グルカミン(NMDG)の透過を可能にすることに加えて、Ca2+及びNa+イオンの高フラックスを可能にする。
この知見を確認するために、本発明者らは、野生型及びTRPV1トランスフェクトHEK細胞に関するホールセルパッチクランプ実験を行った。内部カルシウムを150μMに緩衝した。細胞を10μMカプサイシンと共に59秒間インキュベートした。緩衝剤を、60秒にカプサイシンを含有しない洗浄緩衝液(図1A)で置き換えた。カプサイシン誘導電流は、カプサイシンの除去(「洗浄」によって示される)時にベースラインに戻った。イオンチャネル電圧は、野生型細胞において見られなかった。それは、カプサイシンによって誘導される電圧が外因性TRPV1チャネルによるものであったことを示している。
電圧ランプが12秒、20秒、及び30秒に行われた(図1Aの矢印1、2、及び3、結果を図1Bに示す)。カプサイシン適用の初期段階に、チャネルは開口状態(状態2、図1B、ライン1及び2)であるが、時間と共に、IV関係は線形になった。それは、チャネルが拡張状態への遷移を起こしたことを示している(状態2、図1B、ライン3)。
次に、カプサイシンによるTRPV1活性化の動的選択性を評価した(図2A〜2D)。細胞を、内部の10mM BAPTA及び150nMCa2+の存在下又は非存在下に10μMカプサイシンと共にインキュベートした。BAPTAは、細胞内カルシウムキレート剤である。
各実験において、電圧ランプが70秒に行われ(図2A及び2Bの矢印)、関連IV曲線を図2C及び2Dに示す。内部BAPTA及びCa2+の存在下に、カプサイシンは、Na+イオン選択的TRPV1活性化を誘導し(状態1、図2A及び2C)、一方内部BAPTA及びCa2+の非存在下に、カプサイシンはCa2+イオン選択TRPV1活性化を誘導した(状態2、図2B及び2C)。両実験において、公知のTRPV1阻害剤であるカプサゼピン(CPZ)の添加によって、急速なTRPV1チャネル失活が生じた。それは、TRPV1阻害剤が状態1及び状態2の活性化を両方ブロックすることができることを示している。これらの結果から、実験データは、TRPV1チャネルの特定の活性化によるものであって、細胞の膜完全性の破壊によるものではないことも示される。
カプサイシンに曝露すると、TRPV1チャネルは状態2に移り、電流振幅は減少した。これは、脱感作と呼ばれる現象である。脱感作は、細胞内カルシウムレベルを増加させるために細胞外カルシウムの高透過を必要とする。外部カルシウムレベルを下げること又は内部カルシウムを低レベルに緩衝することによって、脱感作を低減する又は不要にすることができる。
[実施例2]
カンナビノイド及びミルセンのTRPV1状態関連アゴニスト特性
次に、様々なカンナビノイド又はテルペンがイオン選択TRPV1活性化を誘導する能力、及び状態1又は状態2の状態の得られたTRPV1活性化を評価した。様々な濃度のカンナビノイド又はテルペンをパッチクランプしたHEK293-V1細胞の細胞外液にデータ点60で添加することによって、TRPV1チャネルを活性化した。カンナビノイド又はテルペン溶液を、TRPV1活性化の陽性対照として1μMカプサイシンを含有する緩衝剤によってデータ点121で置き換えた。内向き及び外向き電流発達を時間と共に示す。各データ点(DP)は約2秒に相当する。
カンナビジオール
カンナビジオール(CBD)は、カプサイシンの適用によって誘導される7〜8nAの持続電流と比べて、4〜6nAの持続内向き電流を誘導した(図3A)。CBD及びカプサイシンは両方とも、内向き電流より小さい振幅で外向き電流も誘導した。
次に、CBD及びカプサイシン誘導電流と実験電圧との関係を分析した。電圧ランプがデータ点1、120、及び180で行われ(図3A、矢印1〜3)、IV関係をCBD及びカプサイシンの添加の前後に評価した(図3B〜D)。図3Bは、リンゲル液の存在下における細胞のならし電流(図3Aの「1」)を示す。図3Cは、CBD誘導TRPV1活性化(図3Aの「2」)を示す。図3Dは、カプサイシン誘導TRPV1活性化(図3Aの「3」)を示す。非処置細胞及びCBD誘導TRPV1活性化後のIV曲線は、非拡張TRPV1(状態1)と一致する外向き整流性IV曲線を有する。これらの条件下で、内向き電流は外向き電流より小さい。対照的に、カプサイシンのIV曲線は、TRPV1が拡張状態(状態2)に遷移することによって線形である。これらの状態では、内向き電流の振幅は、外向き電流の振幅に近い。
カンナビノール
カンナビノール(CBN)は、カプサイシンの適用によって誘導される7〜8nA持続電流と比べて、0.5〜2nAの内向き電流を誘導した(図4A)。CBNは、内向き電流より小さい振幅で外向き電流も誘導した。CBN誘導電流は、カプサイシン及びCBDによって誘導されるTRPV1持続電流とは対照的に急速に不活性化していた。
CBDと同様に、CBN及びカプサイシン誘導電流と実験電圧との関係を分析した。電圧ランプがデータ点1、60、及び180で行われ(図4A、矢印1〜3)、IV関係をCBN及びカプサイシンの添加の前後に評価した(図4B〜D)。図4Bは、リンゲル液の存在下における細胞のならし電流(図4Aの「1」)を示す。図4Cは、CBN誘導TRPV1活性化(図4Aの「2」)を示す。図4Dは、カプサイシン誘導TRPV1活性化(図4Aの「3」)を示す。CBN実験と同様に、非処置細胞及びCBN誘導TRPV1活性化後のIV曲線は、非拡張TRPV1(状態1)と一致する外向き整流性IV曲線を有する。
10μM CBNは、50μM CBNと比べて、内向き及び外向き電流の大きさが大きかった(図5A)。興味深いことに、TRPV1イオンチャネルの活性化の状態1から状態2への遷移は、CBNの濃度が低いほど明らかである。IV曲線において見られるように、非誘導細胞のIV曲線の外向き整流性形状(図5Aの矢印1、及び図5B)は、10μM CBN適用後により線形になり(図5Aの矢印2、及び図5C)、カプサイシン添加後に完全に線形である(図5Aの矢印3、及び図5D)。
カンナビジバリン
カンナビジバリン(CBDV)は、カプサイシンの適用によって誘導される7〜8nAの持続電流と比べて、2〜3nAの持続内向き電流を誘導した(図6A)。CBDVは、内向き電流より小さい振幅で外向き電流も誘導した。CBD及びカプサイシンのように、CBDV誘導電流は持続電流であり、CBNによって誘導される電流より大きかった。
他のカンナビノイドと同様に、CBDV及びカプサイシン誘導電流と実験電圧との関係を分析した。電圧ランプがデータ点1、90、及び180で行われ(図6A、矢印1〜3)、IV関係をCBDV及びカプサイシンの添加の前後に評価した(図6B〜D)。図6Bは、リンゲル液の存在下における細胞のならし電流(図6Aの「1」)を示す。図6Cは、CBDV誘導TRPV1活性化(図6Aの「2」)を示す。図6Dは、カプサイシン誘導TRPV1活性化(図6Aの「3」)を示す。CBN及びCBDの実験と同様に、非処置細胞及びCBDV誘導TRPV1活性化後のIV曲線は、非拡張TRPV1(状態1)と一致する外向き整流性IV曲線を有する。
カンナビゲロール
カンナビゲロール(CBG)は、カプサイシンの適用によって誘導される7〜8nAの持続電流と比べて、4〜5nAの持続内向き電流を誘導した(図7A)。CBGは、内向き電流より小さい振幅で外向き電流も誘導した。CBD、CBDV、及びカプサイシンのように、CBG誘導電流は持続電流であり、CBNによって誘導される電流より大きかった。
他のカンナビノイドと同様に、CBG及びカプサイシン誘導電流と実験電圧との関係を分析した。電圧ランプがデータ点1、120、及び180で行われ(図7A、矢印1〜3)、IV関係をCBG及びカプサイシンの添加の前後に評価した(図7B〜D)。図7Bは、リンゲル液の存在下における細胞のならし電流(図7Aの「1」)を示す。図7Cは、CBG誘導TRPV1活性化(図7Aの「2」)を示す。図7Dは、カプサイシン誘導TRPV1活性化(図7Aの「3」)を示す。CBN、CBD、及びCBDVの実験と同様に、非処置細胞及びCBG誘導TRPV1活性化後のIV曲線は、非拡張TRPV1(状態1)と一致する外向き整流性IV曲線を有する。
ミルセン
最初に、様々な濃度のミルセンをTRPV1活性化について評価した。図8A〜8Cに示すように、ミルセンはTRPV1活性化において用量依存的応答を誘導した。この図において、各データ点(DP)は約1秒に相当する。5μM(図8A)、10μM(図8B)、及び150μM(図8C)ミルセンは、1μMカプサイシンの適用によって誘導される4〜10nAの電流(図示せず)と比べて、0.5〜2.2nAの電流を誘導した。ミルセンの用量を増加することによって、内向き整流性非選択的カチオン電流が生じ、活性化電流振幅(図8A〜8C)及びカルシウムフラックス(図12A〜12I)に依存した形式で不活性化した。50μMミルセン、次に1μMカプサイシンを用いたTRPV1活性化の誘導を図10A〜Dに示す。150μMミルセンを使用した同様の実験を図11A〜11Cに示す。
図9Aは、ミルセン適用後に1μMカプサイシンを添加した点以外は図8Aと同じ実験を示す。図9Aは、6つの独立した実験の平均の内向き及び外向き電流を示す。5μMミルセンは、時間と共に約0.5nAの内向き電流を誘導し、1μMカプサイシンは、約9nAの内向き電流を誘導した。ミルセン及びカプサイシンは両方とも、内向き電流より小さい振幅で外向き電流も誘導した。図9Bは、ミルセン誘導電流の拡大図を示す。CBNのように、ミルセン誘導電流は、CBD、CBDV、CBG、及びカプサイシンによって誘導されるTRPV1持続電流とは対照的に急速に不活性化していた。
カンナビノイド実験と同様に、ミルセン及びカプサイシン誘導電流と実験電圧との関係を分析した。電圧ランプがデータ点1、59、119、及び179で行われ(図9A、矢印1〜4IV)、IV関係をミルセン及びカプサイシンの添加の前後に評価した(図9C〜E)。図9Cは、リンゲル液の存在下における細胞のならし電流(図9Aの「1IV」)及び早期電流発達(図9Aの「2IV」)を示す。図9Dは、ミルセン誘導TRPV1活性化(図9Aの「3IV」)を示す。図9Eは、カプサイシン誘導TRPV1活性化(図9Aの「4IV」)を示す。同様のIV曲線が、50μMミルセン(図10B〜10D、図10Cがミルセン誘導IV曲線である)及び150μMミルセン(図11B〜11C、11Bがミルセン誘導IV曲線である)について観察された。
結論
カプサイシンは、TRPV1活性化及び疼痛脱感作の治療標準である。しかし、局所疼痛処置としてカプサイシンの治療適用によって、脱感作より前に高レベルの初期不快感が生じることは公知である。これらの研究において、カプサイシンへの曝露により、TRPV1チャネルが数秒以内に状態2の拡張チャネルに活性化される。一方、TRPV1のカンナビノイド及びテルペンであるミルセンへの曝露により、チャネルがまず状態1に活性化される。興味深いことに、CBD、CBN、CBDV、CBG、及びミルセン誘導TRPV1活性化及び不活性化プロファイルには反応速度の差異がある。これらの差は、所定のカンナビノイド若しくはテルペン、又はカンナビノイド若しくはテルペンの組合せをTRPV1発現細胞に適用することによって、特定のTRPV1活性化又は不活性化プロファイルを選択的に誘導し得ることを示唆する。さらに、カンナビノイド及びテルペンのみ、非選択的状態1のTRPV1活性化を誘導したが、依然としてカプサイシンの電流振幅応答と同様の電流振幅応答を誘導した。したがって、これらの化合物は、TRPV1を拡張状態2の形式で活性化する現行のカプサイシン処置レジメンとは対照的に、TRPV1を非拡張状態1の形式で活性化する治療代替物をより多く提供し得る。
[実施例3]
内部Ca2+濃度のTRPV1活性化に対する役割
TRPV1の活性化及び不活性化動態に対する内部カルシウムの役割を調査するために、本発明者らは、次にHEK239-V1細胞の内部Ca2+を変更し、ミルセン(図12A〜12I)及びカンナビノール(CBN、図13A〜13F)の適用後のTRPV1活性化を測定した。0nM、180nM、又は620nM Ca2+及び10mM BAPTAを補充した上記の細胞内パッチピペット溶液で、細胞を灌流した。
ミルセン誘導TRPV1活性化に対するCa2+の役割
10μMミルセン(図12A〜12I)を、データ点60で細胞に添加し、データ点120で1μMカプサイシンを含有する緩衝剤で置き換えた。サイトゾルCa2+の濃度を増加すると、10μMミルセンの外部適用及びその後のカプサイシンの適用によって活性化されるTRPV1V1電流ピーク振幅が低減された。さらに、内部カルシウムレベルを高めると、ミルセンによる下降相又は不活性化反応速度に対する効果の方が小さく、カプサイシンによって誘導される不活性化に対する効果の方が強い。
電圧ランプがデータ点65及び125で行われ(図12A、12D、及び12G、矢印1及び2)、IV関係をミルセン及びカプサイシンの添加後に評価した。図12B及び12Cは、0nM Ca2+の存在下におけるミルセン(図12B)及びカプサイシン(図12C)IV曲線を示す。図8E及び8Fは、180nM Ca2+の存在下におけるミルセン(図12E)及びカプサイシン(図12F)IV曲線を示す。図12H及び12Iは、620nM Ca2+の存在下におけるミルセン(図12H)及びカプサイシン(図12I)IV曲線を示す。
CBN誘導TRPV1活性化に対するCa2+の役割
50μM CBN(図13A〜13F)を、データ点60で細胞に添加し、データ点120で50μM CBN及び1μMカプサイシンを含有する緩衝剤を補充し、データ点150で1μMカプサイシンを含有する緩衝剤で置き換えた。CBNは、ピーク電流振幅を低減したが、不活性化又は下降相反応速度に及ぼす効果が強くなかった。CBN及びカプサイシンの混合適用と比べて、0nM Ca2+内部適用により、下降相反応速度又は不活性化が除去された。対照的に、620nMの高い内部Ca2+は、電流振幅の著しい低減及び不活性化反応速度の加速を示した。
[実施例4]
テルペンに応答してのTRPV1を介したカルシウムフラックス
米国特許出願第15/986,316号に記載されている細胞培養系を使用して、様々なテルペンに対してのTRPV1を介したカルシウム応答を試験した。HEK293細胞系に、pcDNA6TR(Invitrogen社、CA)プラスミド(テトラサイクリン感受性TRExリプレッサータンパク質をコードする)を安定的にトランスフェクトし、DMEM+10%ウシ胎仔血清(55℃で1時間不活性化)+2mMグルタミン中で、加湿された5%CO2雰囲気中、37℃で維持した。10μg/mlブラストサイジン(Sigma社、St Louis, MO)中での連続培養によって、TRex 293細胞にかかる選択圧力を維持した。
TRPV1の誘導性発現を伴うTRex HEK293細胞の産生には、親細胞を、pcDNA4TOベクター中のラットTRPV1 cDNAを用いて電気穿孔し、400μg/mlゼオシン(Invitrogen社、CA)の存在下に希釈を制限することによってクローン細胞系を選択した。TRPV1発現は、1μg/mlテトラサイクリンを37℃で16時間使用して誘導した。安定な系は、抗FLAGウェスタンブロットを使用して、誘導性タンパク質発現のためにスクリーニングし、誘導性発現を確認した。
TRPV1を介したカルシウム応答を細胞培養系におけるカルシウムアッセイにより試験した。細胞を洗浄し、以下の組成の標準改変リンゲル液(単位mM): NaCl 145、KCl 2.8、CsCl 10、CaCl2 10、MgCl2 2、グルコース 10、Hepes・NaOH 10、pH7.4、330mOsm中で、0.2μM fluo-4アセトキシメチルエステル(「Fluo-4」)と共に37℃で30分間インキュベートした。細胞を96ウェルのプレートに50,000細胞/ウェルで移し、指示の通り刺激した。使用したテルペンは、アルファ-ビサボロール、アルファ-ピネン、ミルセン、カンフェン、リナロール、オシメン、フムレン、ベータ-カリオフィレン、ベータ-ピネン、リモネン、及びネロリドールであった。テルペンをDMSOで希釈し、ウェルに添加して、最終濃度10μMとした。ビヒクル(DMSO)単独を陰性対照として実行し、テルペントレースから減じた。Flexstation 3(Molecular Devices社、Sunnydale, USA)を使用して、カルシウムシグナルを取得した。SoftMax(登録商標) Pro 5(Molecular Devices社)を使用して、データを分析した。
図14は、TRPV1を介したカルシウム流入に及ぼす様々なテルペンの効果を示す。ミルセン処置により、カルシウムフラックスの最大量が生じ、ネロリドールにより、短時間の初期カルシウムフラックスが生じた。残りのテルペンであるアルファ-ビサボロール、アルファ-ピネン、カンフェン、リナロール、オシメン、フムレン、ベータ-カリオフィレン、ベータ-ピネン、及びリモネンは、ビヒクル単独と比べて、カルシウムフラックスをほとんどから全く生じなかった。
[実施例5]
ミルセンのTRPチャネルに及ぼす効果
次に、様々なTRPチャネルを活性化するミルセンの効果を検出した。先に記載したように、HEK293細胞に、TRPA1、TRPM8、及びTRPV2を安定的にトランスフェクトした。これらのTRPチャネルはTRPV1に加えて、感覚ニューロン束に関連している。
TRPA1、TRPM8、TRPV2、及びTRPV1を介したカルシウム応答を細胞培養系におけるカルシウムアッセイにより試験した。細胞を洗浄し、以下の組成の標準改変リンゲル液(単位mM): NaCl 145、KCl 2.8、CsCl 10、CaCl2 10、MgCl2 2、グルコース 10、Hepes・NaOH 10、pH7.4、330mOsm中で、0.2μM fluo-4アセトキシメチルエステル(「Fluo-4」)と共に37℃で30分間インキュベートした。細胞を96ウェルのプレートに50,000細胞/ウェルで移し、DMSOで希釈した10μMミルセンで刺激した。ビヒクル(DMSO)を陰性対照として使用した。各細胞系について、ビヒクルトレースをミルセントレースから減じた。
図15A〜Dに示すように、ミルセンは、TRPV1を過剰発現する細胞のみを活性化した(図15C)が、TRPA1(図15A)、TRPM8(図15B)、又はTRPV2(図15D)を発現する細胞を活性化しなかった。それは、ミルセンがTRPV1-チャネル特異的活性化因子であることを示している。
[実施例6]
カンナビノイドによって惹起されるHEK-TRPV1を過剰発現する細胞におけるカルシウムフラックス
HEK-TRPV1を過剰発現する細胞において、様々なカンナビノイドに応答してのカルシウムフラックスを研究した。
図16A〜Hに示すように、様々なカンナビノイドはカンナビゲロール及びカンナビノールを除いて、HEK-TRPV1を過剰発現する細胞においてCa2+フラックスを惹起することができた。様々なカンナビノイドの単回投与(濃度10μM)への比較応答が、1mM外部Ca2+の存在下に行われた。これらは、集団ベース、又はバルクCa2+の測定であり、各トレースは、1試料当たり100,000細胞の三重反復試験の平均を表す。大抵の場合、これらの応答は、TRPV1の過剰発現に依存し、WT HEK293は、カンナビジバリン及びカンナビゲロール酸にわずかに応答したと認められている。比較のために、図16Hは、カプサイシンについての応答を示す。カンナビノイド化合物のそれぞれについて、集団レベルにおける用量応答を行った。投与濃度30〜50μMにおけるCBGは、小さいカルシウムフラックスを模倣した。濃度30〜50μMにおけるCBNは、小さく一過性のカルシウムフラックスを惹起した。この系における検出可能なカルシウム応答の下限は、10〜100nM(CBDV、CBGA)から1〜10μMまで様々であった。
[実施例7]
カプサゼピンの存在下にカプサイシン(Capsaisin)及びCBDによって誘発されるTRPV1コンダクタンス
カプサイシン及びCBDに応答してのTRPV1コンダクタンスを、カプサゼピンの存在下に試験した。
ホールセルパッチクランプ法実験を使用して、TRPV1コンダクタンスに及ぼすカプサイシン及びCBDの効果を最初に試験した。HEK-TRVP1発現系の適合度をTRPV1コンダクタンスの検出のために検証した。図17A及び17Bに示されるように、濃度50nMにおけるカプサイシン(Cap)を60秒間適用した場合、外向き整流性TRPV1電流が記録され、濃度10μMにおけるカプサゼピン(CPZ)の適用によっては、内向き及び外向きの両電流がその後の30秒の適用の間に低減した。さらに、図17C及び17Dに示されるように、濃度30μMにおけるCBDがTRPV1過剰発現系に適用された場合、外向き整流性電流が記録され、続いて30秒後にCPZ適用により低減した。これらのデータは、この発現系が、カプサイシン及びカンナビノイド、例えばCBDの両方に応答するTRPV1電流を報告していることを検証した。
[実施例8]
CBD、CBN、CBDV、及びCBGによって惹起される多様なTRPV1活性化応答
カンナビノイド、すなわちCBD、CBN、CBDV、及びCBGの異なる濃度に応答してのTRPV1の活性化を研究した。
様々な濃度(30μM、50μM、及び150μM)のCBD、CBDV、CBN、及びCBGに応答してのTRPV1の電流発達グラフを図18A〜Cに示す。これらの応答を非緩衝内部及び外部Ca2+濃度下で測定した。この非緩衝条件によって、外部Ca2+のサイトゾルへの透過によって決定される内部Ca2+の自由な蓄積が可能になった。カンナビノイド適用を介してのTRPV1の活性化及び失活の反応速度は、CBD、CBDV、CBN、及びCBGについてそれぞれ図19A〜Lに示す個々のImaxグラフによって示されるように、カンナビノイドの用量及びタイプによって影響される。図からわかるように、濃度が30μMから50μM、150μMに増加するにつれて、活性化及び失活の両方の速度が加速した。活性化反応速度は、最大電流ピークに到達するのにかかる時間が加速され、ピーク電流で費やされた時間量が少なくなったことも示した。さらに、図20A〜Dは、使用された各カンナビノイドについて投与濃度によって達成されたImaxを示す。これらの結果から、達成された最大電流は、投与濃度及びカンナビノイド種に応じて1〜4nAに及ぶ典型的なImaxを有する異なるカンナビノイド間で異なっていることが示された。
[実施例9]
TRPV1のカンナビノイド活性化のEC50測定
CBD、CBDV、CBN、及びCBGについて、TRPV1の活性化のEC50を計算した。
図21A〜Dに示し、表1にまとめたように、CBD、CBBV、CBN、及びCBGについて、投与1回当たりのImax及び平均Imaxを測定し、これらのデータを使用して、対応するEC50値を計算及び生成した。
Figure 2021524465
[実施例10]
TRPV1のカンナビノイド調節の外部及び内部カルシウム濃度の依存
最初に、図22A〜Cに示すように、内部カルシウムレベルを(休止サイトゾルレベルに近い)一定濃度180nM、濃度0nMに緩衝し、又は内部カルシウムレベルを非緩衝状態(Fca)にしておきながら、CBD応答の外部カルシウムレベルへの依存性を研究した。また、3つの内部緩衝条件のそれぞれの下に0、1又は3mMにおける外部カルシウムを用いて電流Imaxの時間経過も示す。いかなる一定の内部カルシウム条件下でも、外部カルシウム濃度は、TRPV1応答の活性化時間及び不活性化反応速度に影響した。例えば、図22Aは、外部カルシウム濃度が低下すると、カルシウムイオンの通電寄与のために活性化反応速度が遅くなり、最大電流が一旦得られると不活性化がはるかに遅くなることを示す。対照的に、外部カルシウム濃度を1mMから3mMに増加させると、活性化反応速度に及ぼす効果は示されなかったが、不活性化反応速度の加速が生じた。さらに、図22Bは、一定の内部カルシウム濃度180nM、及び各パネルについて一定の外部カルシウムの、Imaxに正規化したデータを示す。これらのデータは、ナトリウム/カルシウムイオンの混合物ではなくナトリウム(0 Ca外部、0 Ca内部)がTRPV1の非選択的カチオンチャネルを流れている場合の電流発達における差を強調している。
図23A〜Dに示すように、カルシウムの緩衝なしで、外部カルシウム濃度の増加により、活性化反応速度が加速され、次に不活性化反応速度が速くなるという仮説も示された。さらに、CBD及びCBNへの応答の反応速度の成形に及ぼす内部カルシウム濃度の効果も探求された。図23A〜D及び図24A〜Dに示すように、一定の外部カルシウム条件及び各カンナビノイドの投与濃度の下で、内部カルシウム濃度が(Ca 0nMからCa 180nM、620nM、及び非緩衝Fcaに)高くなると、達成された最大電流は低くなり、発達した電流の不活性化が速くなった。確認されたサイトゾルカルシウム依存性のTRPV1不活性化も重要であった。図23A〜Dに示されるように、CBDは漸進的電流発達を引き起こし、内部カルシウムが0超に緩衝される場合のみ不活性化した。さらに、内部カルシウム濃度が620nMに緩衝された場合、TRPV1チャネルは完全に不活性化された。一方、図24A〜Dに示すように、CBNは、TRPV1の異なる提示をもたらし、それは、迅速に活性化したが、おそらくチャネルを介して入るカルシウムの量との関係でより遅い反応速度プロファイルによって急速に不活性化した。しかし、それぞれ620nM内部又は非緩衝カルシウム濃度のCBD及びCBNについて図23C〜D及び図24C〜Dでわかるように、場合によっては、不活性化は、電流発達をしのぐように思われ、不活性化及びチャネルのフラックスの取り消しにつながる。さらに、低及び高用量で、CBD及びCBDVへの応答に及ぼす内部カルシウム濃度の効果を研究した。結果をそれぞれ図25A〜B、図26A〜B、図27A〜B、及び図28A〜Bに示す。同様に、高用量のカンナビノイドは、サイトゾル中のカルシウムの利用可能性の上昇に伴ってより速く不活性化した。この実施例で論じたように、TRPV1の生理的特性のCBD誘導調節の結果を表2にまとめる。
Figure 2021524465
[実施例10]
TRPV1のカンナビノイド調節及びカプサイシン応答の差
TRPV1は、2つの状態のチャネルである。カプサイシン活性化下では、TRPV1が整流性状態を急速に通過し、次に小さいカチオン、例えばナトリウムから大きいカチオン、例えばN-メチル-D-グルカミン(NMDG)までを含めて線形I/V関係及び高透過性レベルによって特徴づけられる非整流性細孔拡張状態が達成される。この細孔拡張は、チャネルのカプサイシンに対する持続的及び高透過特性をもたらし、これらは、拘束されないカルシウム及びナトリウムの流入によるニューロンの活性化及びニューロンの最終的脱感作を御する重要な特性である。したがって、カンナビジオールに応答してのTRPV1の2つの状態の挙動を試験した。最初に、カプサイシンを用いてTRPV1の2つの状態の性質を決定した。図29A〜C及び図30に示すように、低(30nM)及び中(100nM)用量のカプサイシンによって、整流性電流が生じたが、より高い濃度(500nM)では生じなかった。一方、図29A〜Cに示すように、電流の拡張及び非拡張状態は両方とも、カプサゼピンに感受性を示した。さらに、図31A〜C及び図32は、チャネルの整流性が減少し、それによって拡張状態を達成するTRPV1に導かれたときのN-メチル-D-グルカミン(NMDG)の透過の増加を示した。これは、線形化I/V関係が実は拡張又はNMDG浸透性状態のマーカーであることをさらに示す。
次に、CBDに応答してのTRPV1の状態遷移を探索した。図33〜36に示すように、高度に達成されたImax及び誘導時間において、TRPV1電流は整流性で、カプサゼピンに感受性のままであった。さらに、電流が約10nAで達成された場合でさえ、CBD投与に応答しての細孔拡張状態への遷移はなかった。誘導時間が0〜25時間で、CBD投与濃度が最大で150μMの場合でさえ、線形非整流性電流が発達することを引き起こすCBDの記録は、大きな遮断電流をもつ細胞において1回観察されただけであった。同様に、CBG及びCBDVについて細孔拡張状態の達成の欠如も観察され、図37〜40Cに示した。
[実施例11]
異なるTRPチャネルでのカンナビノイド応答
この実施例は、様々なカンナビノイドのTRPV2、TRPM8、及びTRPA1チャネルにおける異なる応答を示す。
特定のTRPチャネルを標的とする、又は1つより多いチャネルタイプを共標的とする異なるカンナビノイドの可能性は、疼痛の処置及び管理の潜在的な治療選択肢である。TRPV2、TRPM8、及びTRPA1の過剰発現系に及ぼす様々なカンナビノイドの影響の比較を並行して、各トレースを用いた測定が1試料当たり100,000細胞を3回繰り返した平均を表すバルクカルシウムアッセイ下に行った。図41〜43に示し、表3にまとめたように、所与のカンナビノイドに対するチャネルタイプ間においてより単一のチャネルタイプでのカンナビノイド間において応答性にはっきりとした差がある。
Figure 2021524465
これらのデータを、以上に論じたTRPV1の結果と組み合わせると、治療戦略の合理的な設計の基礎を応答反応速度、脱感作及び受容体選択性に基づいて提供することができる。
参照による組込み
本出願に引用されたすべての刊行物、特許、特許出願及び他の文献は、あらゆる目的においてそれらの全体が参照により、それぞれ個々の刊行物、特許、特許出願又は他の文献が個別にすべての目的で参照により組み込まれるように指示されているかのように同じ程度に本明細書に組み込まれる。
均等物
様々な具体的な実施形態を例示及び説明してきたが、上記の明細書は限定的なものでない。様々な変更を本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく行うことができると認識されている。多くの変形は、本明細書を検討すれば当業者には明らかになるであろう。

Claims (57)

  1. TRPV1チャネル透過性をモジュレートする方法であって、
    TRPV1発現細胞を所定のTRPV1状態関連アゴニスト特性を有する少なくとも1つの化合物と外部接触させるステップを含む、
    前記方法。
  2. 所定のTRPV1状態関連アゴニスト特性を有する少なくとも1つの化合物を選択する先行ステップをさらに含む、請求項1に記載の方法。
  3. 前記少なくとも1つの化合物が、複数の化合物であり、複数の化合物のそれぞれが、異なるTRPV1状態関連アゴニスト特性を有する、請求項1又は2に記載の方法。
  4. 所定の特性が、イオン選択性である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
  5. イオン選択性が、Ca2+選択性である、請求項4に記載の方法。
  6. イオン選択性が、Na+選択性である、請求項4に記載の方法。
  7. 所定の特性が、電流整流である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
  8. 所定の特性が、選択されたTRPV1チャネル活性化プロファイルである、請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
  9. 所定の特性が、選択されたTRPV1チャネル不活性化プロファイルである、請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
  10. 所定の特性が、TRPV1誘導性イオン電流の大きさである、請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
  11. 前記少なくとも1つの化合物の少なくとも1つが、カンナビノイドである、請求項1〜10のいずれか一項に記載の方法。
  12. カンナビノイドが、カンナビノール(CBN)である、請求項11に記載の方法。
  13. カンナビノイドが、カンナビジオール(CBD)である、請求項11に記載の方法。
  14. カンナビノイドが、カンナビゲロール(CBG)である、請求項11に記載の方法。
  15. カンナビノイドが、カンナビジバリン(CBDV)である、請求項11に記載の方法。
  16. 前記少なくとも1つの化合物の少なくとも1つが、テルペンである、請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
  17. テルペンが、ミルセンである、請求項16に記載の方法。
  18. テルペンが、リモネンである、請求項16に記載の方法。
  19. テルペンが、リナロールである、請求項16に記載の方法。
  20. テルペンが、フィトールである、請求項16に記載の方法。
  21. テルペンが、ネロリドールである、請求項16に記載の方法。
  22. テルペンが、ピネンである、請求項16に記載の方法。
  23. 細胞を接触させることにより、接触した細胞が死滅する、請求項1〜22のいずれか一項に記載の方法。
  24. 細胞を接触させることにより、接触した細胞が死滅しない、請求項1〜22のいずれか一項に記載の方法。
  25. 接触をインビボで行う、請求項1〜24のいずれか一項に記載の方法。
  26. 少なくとも1つの化合物が、医薬組成物として製剤化され、方法が、医薬組成物をそれを必要とする対象に投与するステップをさらに含む、請求項25に記載の方法。
  27. 対象が、TRPV1介在性疼痛を有する、請求項26に記載の方法。
  28. 対象が、TRPV1介在性心肥大を有する、請求項26に記載の方法。
  29. 疼痛を処置する方法であって、
    疼痛を有する対象に、所定のTRPV1状態関連アゴニスト特性を有する少なくとも1つの化合物を含む医薬組成物の有効量を投与するステップを含み、
    少なくとも1つの化合物が対象の疼痛感覚を起こす要因になっているTRPV1発現細胞と外部接触する、
    前記方法。
  30. 心肥大を処置する方法であって、
    心肥大を有する対象に、所定のTRPV1状態関連アゴニスト特性を有する少なくとも1つの化合物を含む医薬組成物の有効量を全身投与するステップを含み、
    少なくとも1つの化合物がTRPV1発現心細胞と外部接触する、
    前記方法。
  31. 所定のTRPV1状態関連アゴニスト特性を有する少なくとも1つの化合物を選択する先行ステップをさらに含む、請求項29又は30に記載の方法。
  32. 前記少なくとも1つの化合物が、複数の化合物であり、複数の化合物のそれぞれが、異なるTRPV1状態関連アゴニスト特性を有する、請求項1又は2に記載の方法。
  33. 所定の特性が、イオン選択性である、請求項29〜32のいずれか一項に記載の方法。
  34. イオン選択性が、Ca2+選択性である、請求項33に記載の方法。
  35. イオン選択性が、Na+選択性である、請求項33に記載の方法。
  36. 所定の特性が、電流整流である、請求項29〜32のいずれか一項に記載の方法。
  37. 所定の特性が、選択されたTRPV1チャネル活性化プロファイルである、請求項29〜32のいずれか一項に記載の方法。
  38. 所定の特性が、選択されたTRPV1チャネル不活性化プロファイルである、請求項29〜32のいずれか一項に記載の方法。
  39. 所定の特性が、TRPV1誘導性イオン電流の大きさである、請求項29〜32のいずれか一項に記載の方法。
  40. 前記少なくとも1つの化合物の少なくとも1つが、カンナビノイドである、請求項29〜39のいずれか一項に記載の方法。
  41. カンナビノイドが、カンナビノール(CBN)である、請求項40に記載の方法。
  42. カンナビノイドが、カンナビジオール(CBD)である、請求項40に記載の方法。
  43. カンナビノイドが、カンナビゲロール(CBG)である、請求項40に記載の方法。
  44. カンナビノイドが、カンナビジバリン(CBDV)である、請求項40に記載の方法。
  45. 前記少なくとも1つの化合物の少なくとも1つが、テルペンである、請求項29〜32のいずれか一項に記載の方法。
  46. テルペンが、ミルセンである、請求項45に記載の方法。
  47. テルペンが、リモネンである、請求項45に記載の方法。
  48. テルペンが、リナロールである、請求項45に記載の方法。
  49. テルペンが、フィトールである、請求項45に記載の方法。
  50. テルペンが、ネロリドールである、請求項45に記載の方法。
  51. テルペンが、ピネンである、請求項45に記載の方法。
  52. 細胞を接触させることにより、接触した細胞が死滅する、請求項29〜51のいずれか一項に記載の方法。
  53. 細胞を接触させることにより、接触した細胞が死滅しない、請求項29〜51のいずれか一項に記載の方法。
  54. 接触をインビボで行う、請求項29〜53のいずれか一項に記載の方法。
  55. 少なくとも1つの化合物が、医薬組成物として製剤化され、方法が、医薬組成物をそれを必要とする対象に投与するステップをさらに含む、請求項54に記載の方法。
  56. 対象が、TRPV1介在性疼痛を有する、請求項55に記載の方法。
  57. 対象が、TRPV1介在性心肥大を有する、請求項55に記載の方法。
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