JP2021523140A - Nkg2d、cd16、及び腫瘍関連抗原に結合するタンパク質 - Google Patents
Nkg2d、cd16、及び腫瘍関連抗原に結合するタンパク質 Download PDFInfo
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Abstract
NKG2D受容体、CD16、及びP−カドヘリンに結合する多重特異性結合タンパク質、ならびにがんの治療に有用な薬学的組成物及び治療法。本発明は、がん細胞上のP−カドヘリン(CDH3)に結合し、かつナチュラルキラー細胞上のNKG2D受容体及びCD16受容体に結合する多重特異性結合タンパク質を提供する。ある特定の実施形態では、これらのタンパク質は、ヒトにおけるNK細胞、ならびに齧歯類及び/またはカニクイザルなどの他の種におけるNK細胞を刺激し得る。
【選択図】図40A
【選択図】図40A
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関連出願の相互参照
本出願は、2018年5月7日に出願された米国仮特許出願第62/667,844号の利益及びそれに対する優先権を主張する。
本出願は、2018年5月7日に出願された米国仮特許出願第62/667,844号の利益及びそれに対する優先権を主張する。
配列表
本出願は、ASCII形式で電子的に提出された配列表を含み、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。2019年4月30日に作成された上記ASCIIコピーは、DFY−054WO_SL.txtという名称であり、152,838バイトのサイズである。
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本発明は、P−カドヘリン(CDH3)、NKG2D、及びCD16に結合する多重特異性結合タンパク質に関する。
がんは、この疾患を治療するために文献に報告されている相当な研究努力及び科学的進歩にもかかわらず、深刻な健康問題であり続けている。最も頻繁に診断されるがんのうちのいくつかには、前立腺癌、乳癌、及び肺癌が含まれる。前立腺癌は、男性におけるがんの最も一般的な形態である。乳癌は、依然として女性における死亡の主な原因である。これらのがんの現在の治療選択肢は、全ての患者に有効ではない、及び/またはかなりの有害な副作用を有し得る。既存の治療選択肢を使用して他の種類のがんを治療することも依然として困難である。
がん免疫療法は、特異性が高く、患者自身の免疫系を使用してがん細胞の破壊を促進し得るため、望ましい。二重特異性T細胞エンゲージャーなどの融合タンパク質は、腫瘍細胞及びT細胞に結合して腫瘍細胞の破壊を促進する、文献に記載されているがん免疫療法である。ある特定の腫瘍関連抗原及びある特定の免疫細胞に結合する抗体が文献に記載されている。例えば、WO2016/134371及びWO2015/095412を参照されたい。
ナチュラルキラー(NK)細胞は、先天性免疫系の構成要素であり、循環リンパ球のおよそ15%を占める。NK細胞は、実質的に全ての組織に浸潤し、元来、前感作を必要とすることなく腫瘍細胞を有効に殺傷するそれらの能力を特徴とした。活性化されたNK細胞は、細胞傷害性T細胞と同様の手段により、すなわち、パーフォリン及びグランザイムを含有する細胞溶解性顆粒を介して、かつ死受容体経路を介して標的細胞を殺傷する。活性化されたNK細胞は、標的組織への他の白血球の動員を促進するIFN−γ及びケモカインなどの炎症性サイトカインも分泌する。
NK細胞は、それらの表面上の様々な活性化受容体及び阻害受容体を介してシグナルに応答する。例えば、NK細胞が健康な自己細胞に遭遇した場合、それらの活性は、キラー細胞免疫グロブリン様受容体(KIR)の活性化により阻害される。あるいは、NK細胞が外来細胞またはがん細胞に遭遇した場合、それらは、それらの活性化受容体(例えば、NKG2D、天然細胞傷害性受容体(NCR)、DNAXアクセサリー分子1(DNAM1))により活性化される。NK細胞は、それらの表面上のCD16受容体を介していくつかの免疫グロブリンの定常領域によっても活性化される。活性化に対するNK細胞の全体的な感受性は、刺激性及び阻害性シグナルの合計に依存する。
P−カドヘリン(CDH3)は、5つの細胞外カドヘリンリピート、膜貫通領域、及び高度に保存された細胞質尾部から成るカルシウム依存性細胞間接着糖タンパク質である。これは、細胞分化、細胞形状、細胞極性、成長、及び移動に重要な、胚発生及び成体組織構造の維持に関与するいくつかの細胞恒常性プロセスを調節する。P−カドヘリンは、表皮基底層、乳房、及び前立腺、ならびに中皮、卵巣、子宮頸部、毛包、及び角膜内皮などのいくつかの成体組織に存在し、通常、E−カドヘリンと共発現される。P−カドヘリン発現のアップレギュレーションは、食道癌、膵臓癌、膀胱癌、前立腺癌、胃癌、肺癌、子宮内膜癌、卵巣癌、子宮頸部癌、頭頸部癌、及び乳癌、ならびに結腸直腸癌、子宮頸部腺癌、黒色腫、ならびに皮膚の基底細胞癌及び扁平上皮癌で報告されている。
本発明は、上記のがんの治療を改善するある特定の利点を提供する。
本発明は、上記のがんの治療を改善するある特定の利点を提供する。
本発明は、がん細胞上のP−カドヘリン(CDH3)に結合し、かつナチュラルキラー細胞上のNKG2D受容体及びCD16受容体に結合する多重特異性結合タンパク質を提供する。ある特定の実施形態では、これらのタンパク質は、ヒトにおけるNK細胞、ならびに齧歯類及び/またはカニクイザルなどの他の種におけるNK細胞を刺激し得る。本発明の様々な態様及び実施形態が以下にさらに詳細に説明される。
したがって、本発明のある特定の実施形態は、NKG2Dに結合する第1の抗原結合部位、P−カドヘリンに結合する第2の抗原結合部位、抗体断片結晶化可能(Fc)ドメイン、CD16に結合するのに十分なその一部、またはCD16に結合する第3の抗原結合部位を組み込むタンパク質を提供する。
これらの抗原結合部位は各々、抗体重鎖可変ドメイン及び抗体軽鎖可変ドメイン(例えば、抗体と同様に配置されているか、または一緒に融合してscFvを形成する)を組み込み得るか、またはこれらの抗原結合部位のうちの1つ以上が、シングルドメイン抗体、例えば、ラクダ科動物抗体などのVHH抗体または軟骨魚に見られる抗体等のVNAR抗体であり得る。
ある特定の実施形態では、本発明は、ナチュラルキラー細胞上のNKG2D受容体及びCD16受容体に結合し、かつがん細胞上のP−カドヘリンに結合する多重特異性結合タンパク質であって、NKG2D結合部位が、配列番号1、配列番号41、配列番号49、配列番号57、配列番号59、配列番号61、配列番号69、配列番号77、配列番号85、配列番号158、配列番号162、配列番号166、配列番号170、配列番号174、配列番号178、及び配列番号93から選択されるアミノ酸配列と少なくとも90%同一の重鎖可変ドメインを含む、多重特異性結合タンパク質を提供する。
ある特定の実施形態では、NKG2Dに結合する第1の抗原結合部位は、例えば、配列番号1と少なくとも90%(例えば、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%)同一のアミノ酸配列を有することにより、及び/または配列番号1のCDR1配列(配列番号105または配列番号142)、CDR2配列(配列番号106)、及びCDR3配列(配列番号107または配列番号143)と同一のアミノ酸配列を組み込むことにより、配列番号1に関連する重鎖可変ドメインを組み込み得る。配列番号1に関連する重鎖可変ドメインは、様々な軽鎖可変ドメインと結合して、NKG2D結合部位を形成することができる。例えば、配列番号1に関連する重鎖可変ドメインを組み込む第1の抗原結合部位は、配列番号2、4、6、8、10、12、14、16、18、20、22、24、26、28、30、32、34、36、及び40に関連する配列のうちのいずれか1つから選択される軽鎖可変ドメインをさらに組み込み得る。例えば、第1の抗原結合部位は、配列番号1と少なくとも90%(例えば、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%)同一のアミノ酸配列を有する重鎖可変ドメインと、配列番号2、4、6、8、10、12、14、16、18、20、22、24、26、28、30、32、34、36、及び40から選択される配列のうちのいずれか1つと少なくとも90%(例えば、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%)同一のアミノ酸配列を有する軽鎖可変ドメインとを組み込む。
あるいは、ある特定の実施形態では、第1の抗原結合部位は、配列番号41に関連する重鎖可変ドメイン及び配列番号42に関連する軽鎖可変ドメインを組み込み得る。例えば、第1の抗原結合部位の重鎖可変ドメインは、配列番号41と少なくとも90%(例えば、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%)同一であり得る、及び/または配列番号41のCDR1配列(配列番号43または配列番号144)、CDR2配列(配列番号44)、及びCDR3配列(配列番号45または配列番号145)と同一のアミノ酸配列を組み込み得る。同様に、第2の抗原結合部位の軽鎖可変ドメインは、配列番号42と少なくとも90%(例えば、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%)同一であり得る、及び/または配列番号42のCDR1配列(配列番号46)、CDR2配列(配列番号47)、及びCDR3配列(配列番号48)と同一のアミノ酸配列を組み込み得る。
ある特定の実施形態では、第1の抗原結合部位は、配列番号49に関連する重鎖可変ドメイン及び配列番号50に関連する軽鎖可変ドメインを組み込み得る。例えば、第1の抗原結合部位の重鎖可変ドメインは、配列番号49と少なくとも90%(例えば、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%)同一であり得る、及び/または配列番号49のCDR1配列(配列番号51または配列番号146)、CDR2配列(配列番号52)、及びCDR3配列(配列番号53または配列番号147)配列と同一のアミノ酸配列を組み込み得る。同様に、第2の抗原結合部位の軽鎖可変ドメインは、配列番号50と少なくとも90%(例えば、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%)同一であり得る、及び/または配列番号50のCDR1配列(配列番号54)、CDR2配列(配列番号55)、及びCDR3配列(配列番号56)と同一のアミノ酸配列を組み込み得る。
あるいは、第1の抗原結合部位は、例えば、それぞれ、配列番号57と少なくとも90%(例えば、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%)同一のアミノ酸配列及び配列番号58と少なくとも90%(例えば、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%)同一のアミノ酸配列を有することにより、配列番号57に関連する重鎖可変ドメイン及び配列番号58に関連する軽鎖可変ドメインを組み込み得る。
別の実施形態では、第1の抗原結合部位は、配列番号59に関連する重鎖可変ドメイン及び配列番号60に関連する軽鎖可変ドメインを組み込み得る。例えば、第1の抗原結合部位の重鎖可変ドメインは、配列番号59と少なくとも90%(例えば、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%)同一であり得る、及び/または配列番号59のCDR1配列(配列番号108)、CDR2配列(配列番号109)、及びCDR3配列(配列番号110)と同一のアミノ酸配列を組み込み得る。同様に、第2の抗原結合部位の軽鎖可変ドメインは、配列番号60と少なくとも90%(例えば、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%)同一であり得る、及び/または配列番号60のCDR1配列(配列番号111)、CDR2配列(配列番号112)、及びCDR3配列(配列番号113)と同一のアミノ酸配列を組み込み得る。
いくつかの実施形態では、第1の抗原結合部位は、例えば、それぞれ、配列番号101と少なくとも90%(例えば、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%)同一のアミノ酸配列及び配列番号102と少なくとも90%(例えば、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%)同一のアミノ酸配列を有することにより、配列番号101に関連する重鎖可変ドメイン及び配列番号102に関連する軽鎖可変ドメインを組み込み得る。いくつかの実施形態では、第1の抗原結合部位は、例えば、それぞれ、配列番号103と少なくとも90%(例えば、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%)同一のアミノ酸配列及び配列番号104と少なくとも90%(例えば、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%)同一のアミノ酸配列を有することにより、配列番号103に関連する重鎖可変ドメイン及び配列番号104に関連する軽鎖可変ドメインを組み込み得る。
いくつかの実施形態では、NKG2Dに結合する第1の抗原結合部位は、配列番号61に関連する重鎖可変ドメイン及び配列番号62に関連する軽鎖可変ドメインを組み込み得る。例えば、第1の抗原結合部位の重鎖可変ドメインは、配列番号61と少なくとも90%(例えば、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%)同一であり得る、及び/または配列番号61のCDR1配列(配列番号63または配列番号148)、CDR2配列(配列番号64)、及びCDR3配列(配列番号65または配列番号149)と同一のアミノ酸配列を組み込み得る。同様に、第2の抗原結合部位の軽鎖可変ドメインは、配列番号62と少なくとも90%(例えば、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%)同一であり得る、及び/または配列番号62のCDR1配列(配列番号66)、CDR2配列(配列番号67)、及びCDR3配列(配列番号68)と同一のアミノ酸配列を組み込み得る。いくつかの実施形態では、第1の抗原結合部位は、配列番号69に関連する重鎖可変ドメイン及び配列番号70に関連する軽鎖可変ドメインを組み込み得る。例えば、第1の抗原結合部位の重鎖可変ドメインは、配列番号69と少なくとも90%(例えば、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%)同一であり得る、及び/または配列番号69のCDR1配列(配列番号71または配列番号150)、CDR2配列(配列番号72)、及びCDR3配列(配列番号73または配列番号151)と同一のアミノ酸配列を組み込み得る。同様に、第2の抗原結合部位の軽鎖可変ドメインは、配列番号70と少なくとも90%(例えば、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%)同一であり得る、及び/または配列番号70のCDR1配列(配列番号74)、CDR2配列(配列番号75)、及びCDR3配列(配列番号76)と同一のアミノ酸配列を組み込み得る。
いくつかの実施形態では、第1の抗原結合部位は、配列番号77に関連する重鎖可変ドメイン及び配列番号78に関連する軽鎖可変ドメインを組み込み得る。例えば、第1の抗原結合部位の重鎖可変ドメインは、配列番号77と少なくとも90%(例えば、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%)同一であり得る、及び/または配列番号77のCDR1配列(配列番号79または配列番号152)、CDR2配列(配列番号80)、及びCDR3配列(配列番号81または配列番号153)と同一のアミノ酸配列を組み込み得る。同様に、第2の抗原結合部位の軽鎖可変ドメインは、配列番号78と少なくとも90%(例えば、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%)同一であり得る、及び/または配列番号78のCDR1配列(配列番号82)、CDR2配列(配列番号83)、及びCDR3配列(配列番号84)と同一のアミノ酸配列を組み込み得る。
いくつかの実施形態では、第1の抗原結合部位は、配列番号85に関連する重鎖可変ドメイン及び配列番号86に関連する軽鎖可変ドメインを組み込み得る。例えば、第1の抗原結合部位の重鎖可変ドメインは、配列番号85と少なくとも90%(例えば、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%)同一であり得る、及び/または配列番号85のCDR1配列(配列番号87または配列番号154)、CDR2配列(配列番号88)、及びCDR3配列(配列番号89または配列番号155)と同一のアミノ酸配列を組み込み得る。同様に、第2の抗原結合部位の軽鎖可変ドメインは、配列番号86と少なくとも90%(例えば、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%)同一であり得る、及び/または配列番号86のCDR1配列(配列番号90)、CDR2配列(配列番号91)、及びCDR3配列(配列番号92)と同一のアミノ酸配列を組み込み得る。
いくつかの実施形態では、第1の抗原結合部位は、配列番号158に関連する重鎖可変ドメイン及び配列番号86に関連する軽鎖可変ドメインを組み込み得る。例えば、第1の抗原結合部位の重鎖可変ドメインは、配列番号158と少なくとも90%(例えば、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%)同一であり得る、及び/または配列番号158のCDR1配列(配列番号87または配列番号159)、CDR2配列(配列番号88)、及びCDR3配列(配列番号160または配列番号161)と同一のアミノ酸配列を組み込み得る。同様に、第2の抗原結合部位の軽鎖可変ドメインは、配列番号86と少なくとも90%(例えば、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%)同一であり得る、及び/または配列番号86のCDR1配列(配列番号90)、CDR2配列(配列番号91)、及びCDR3配列(配列番号92)と同一のアミノ酸配列を組み込み得る。
いくつかの実施形態では、第1の抗原結合部位は、配列番号162に関連する重鎖可変ドメイン及び配列番号86に関連する軽鎖可変ドメインを組み込み得る。例えば、第1の抗原結合部位の重鎖可変ドメインは、配列番号162と少なくとも90%(例えば、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%)同一であり得る、及び/または配列番号162のCDR1配列(配列番号87または配列番号163)、CDR2配列(配列番号88)、及びCDR3配列(配列番号164または配列番号165)と同一のアミノ酸配列を組み込み得る。同様に、第2の抗原結合部位の軽鎖可変ドメインは、配列番号86と少なくとも90%(例えば、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%)同一であり得る、及び/または配列番号86のCDR1配列(配列番号90)、CDR2配列(配列番号91)、及びCDR3配列(配列番号92)と同一のアミノ酸配列を組み込み得る。
いくつかの実施形態では、第1の抗原結合部位は、配列番号166に関連する重鎖可変ドメイン及び配列番号86に関連する軽鎖可変ドメインを組み込み得る。例えば、第1の抗原結合部位の重鎖可変ドメインは、配列番号166と少なくとも90%(例えば、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%)同一であり得る、及び/または配列番号166のCDR1配列(配列番号87または配列番号167)、CDR2配列(配列番号88)、及びCDR3配列(配列番号168または配列番号169)と同一のアミノ酸配列を組み込み得る。同様に、第2の抗原結合部位の軽鎖可変ドメインは、配列番号86と少なくとも90%(例えば、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%)同一であり得る、及び/または配列番号86のCDR1配列(配列番号90)、CDR2配列(配列番号91)、及びCDR3配列(配列番号92)と同一のアミノ酸配列を組み込み得る。
いくつかの実施形態では、第1の抗原結合部位は、配列番号170に関連する重鎖可変ドメイン及び配列番号86に関連する軽鎖可変ドメインを組み込み得る。例えば、第1の抗原結合部位の重鎖可変ドメインは、配列番号170と少なくとも90%(例えば、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%)同一であり得る、及び/または配列番号170のCDR1配列(配列番号87または配列番号171)、CDR2配列(配列番号88)、及びCDR3配列(配列番号172または配列番号173)と同一のアミノ酸配列を組み込み得る。同様に、第2の抗原結合部位の軽鎖可変ドメインは、配列番号86と少なくとも90%(例えば、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%)同一であり得る、及び/または配列番号86のCDR1配列(配列番号90)、CDR2配列(配列番号91)、及びCDR3配列(配列番号92)と同一のアミノ酸配列を組み込み得る。
いくつかの実施形態では、第1の抗原結合部位は、配列番号174に関連する重鎖可変ドメイン及び配列番号86に関連する軽鎖可変ドメインを組み込み得る。例えば、第1の抗原結合部位の重鎖可変ドメインは、配列番号174と少なくとも90%(例えば、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%)同一であり得る、及び/または配列番号174のCDR1配列(配列番号87または配列番号175)、CDR2配列(配列番号88)、及びCDR3配列(配列番号176または配列番号177)と同一のアミノ酸配列を組み込み得る。同様に、第2の抗原結合部位の軽鎖可変ドメインは、配列番号86と少なくとも90%(例えば、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%)同一であり得る、及び/または配列番号86のCDR1配列(配列番号90)、CDR2配列(配列番号91)、及びCDR3配列(配列番号92)と同一のアミノ酸配列を組み込み得る。
いくつかの実施形態では、第1の抗原結合部位は、配列番号178に関連する重鎖可変ドメイン及び配列番号86に関連する軽鎖可変ドメインを組み込み得る。例えば、第1の抗原結合部位の重鎖可変ドメインは、配列番号178と少なくとも90%(例えば、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%)同一であり得る、及び/または配列番号178のCDR1配列(配列番号87または配列番号179)、CDR2配列(配列番号88)、及びCDR3配列(配列番号180または配列番号181)と同一のアミノ酸配列を組み込み得る。同様に、第2の抗原結合部位の軽鎖可変ドメインは、配列番号86と少なくとも90%(例えば、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%)同一であり得る、及び/または配列番号86のCDR1配列(配列番号90)、CDR2配列(配列番号91)、及びCDR3配列(配列番号92)と同一のアミノ酸配列を組み込み得る。
いくつかの実施形態では、第1の抗原結合部位は、配列番号93に関連する重鎖可変ドメイン及び配列番号94に関連する軽鎖可変ドメインを組み込み得る。例えば、第1の抗原結合部位の重鎖可変ドメインは、配列番号93と少なくとも90%(例えば、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%)同一であり得る、及び/または配列番号93のCDR1配列(配列番号95または配列番号156)、CDR2配列(配列番号96)、及びCDR3配列(配列番号97または配列番号157)と同一のアミノ酸配列を組み込み得る。同様に、第2の抗原結合部位の軽鎖可変ドメインは、配列番号94と少なくとも90%(例えば、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%)同一であり得る、及び/または配列番号94のCDR1配列(配列番号98)、CDR2配列(配列番号99)、及びCDR3配列(配列番号100)と同一のアミノ酸配列を組み込み得る。
ある特定の実施形態では、第2の抗原結合部位は、P−カドヘリンに結合し得、配列番号114に関連する重鎖可変ドメイン及び配列番号118に関連する軽鎖可変ドメインを任意に組み込み得る。例えば、第2の抗原結合部位の重鎖可変ドメインは、配列番号114と少なくとも90%(例えば、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%)同一であり得る、及び/または配列番号114のCDR1配列(配列番号115)、CDR2配列(配列番号116)、及びCDR3配列(配列番号117)と同一のアミノ酸配列を組み込み得る。同様に、第2の抗原結合部位の軽鎖可変ドメインは、配列番号118と少なくとも90%(例えば、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%)同一であり得る、及び/または配列番号118のCDR1配列(配列番号119)、CDR2配列(配列番号120)、及びCDR3配列(配列番号121)と同一のアミノ酸配列を組み込み得る。
あるいは、P−カドヘリンに結合する第2の抗原結合部位は、配列番号122に関連する重鎖可変ドメイン及び配列番号126に関連する軽鎖可変ドメインを任意に組み込み得る。例えば、第2の抗原結合部位の重鎖可変ドメインは、配列番号122と少なくとも90%(例えば、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%)同一であり得る、及び/または配列番号122のCDR1配列(配列番号123)、CDR2配列(配列番号124)、及びCDR3配列(配列番号125)と同一のアミノ酸配列を組み込み得る。同様に、第2の抗原結合部位の軽鎖可変ドメインは、配列番号126と少なくとも90%(例えば、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%)同一であり得る、及び/または配列番号126のCDR1配列(配列番号127)、CDR2配列(配列番号128)、及びCDR3配列(配列番号129)と同一のアミノ酸配列を組み込み得る。
あるいは、P−カドヘリンに結合する第2の抗原結合部位は、配列番号130に関連する重鎖可変ドメイン及び配列番号134に関連する軽鎖可変ドメインを任意に組み込み得る。例えば、第2の抗原結合部位の重鎖可変ドメインは、配列番号130と少なくとも90%(例えば、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%)同一であり得る、及び/または配列番号130のCDR1配列(配列番号131または配列番号182)、CDR2配列(配列番号132または配列番号183)、及びCDR3配列(配列番号133または配列番号184)と同一のアミノ酸配列を組み込み得る。同様に、第2の抗原結合部位の軽鎖可変ドメインは、配列番号134と少なくとも90%(例えば、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%)同一であり得る、及び/または配列番号134のCDR1配列(配列番号135または配列番号185)、CDR2配列(配列番号136または配列番号186)、及びCDR3配列(配列番号137または配列番号187)と同一のアミノ酸配列を組み込み得る。
あるいは、P−カドヘリンに結合する第2の抗原結合部位は、配列番号188に関連する重鎖可変ドメイン及び配列番号192に関連する軽鎖可変ドメインを任意に組み込み得る。例えば、第2の抗原結合部位の重鎖可変ドメインは、配列番号188と少なくとも90%(例えば、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%)同一であり得る、及び/または配列番号188のCDR1配列(配列番号189)、CDR2配列(配列番号190)、及びCDR3配列(配列番号191)と同一のアミノ酸配列を組み込み得る。同様に、第2の抗原結合部位の軽鎖可変ドメインは、配列番号192と少なくとも90%(例えば、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%)同一であり得る、及び/または配列番号192のCDR1配列(配列番号193)、CDR2配列(配列番号194)、及びCDR3配列(配列番号195)と同一のアミノ酸配列を組み込み得る。
あるいは、P−カドヘリンに結合する第2の抗原結合部位は、配列番号196に関連する重鎖可変ドメイン及び配列番号200に関連する軽鎖可変ドメインを任意に組み込み得る。例えば、第2の抗原結合部位の重鎖可変ドメインは、配列番号196と少なくとも90%(例えば、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%)同一であり得る、及び/または配列番号196のCDR1配列(配列番号197)、CDR2配列(配列番号198)、及びCDR3配列(配列番号199)と同一のアミノ酸配列を組み込み得る。同様に、第2の抗原結合部位の軽鎖可変ドメインは、配列番号200と少なくとも90%(例えば、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%)同一であり得る、及び/または配列番号200のCDR1配列(配列番号201)、CDR2配列(配列番号202)、及びCDR3配列(配列番号203)と同一のアミノ酸配列を組み込み得る。
あるいは、P−カドヘリンに結合する第2の抗原結合部位は、配列番号204に関連する重鎖可変ドメイン及び配列番号208に関連する軽鎖可変ドメインを任意に組み込み得る。例えば、第2の抗原結合部位の重鎖可変ドメインは、配列番号204と少なくとも90%(例えば、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%)同一であり得る、及び/または配列番号204のCDR1配列(配列番号205)、CDR2配列(配列番号206)、及びCDR3配列(配列番号207)と同一のアミノ酸配列を組み込み得る。同様に、第2の抗原結合部位の軽鎖可変ドメインは、配列番号208と少なくとも90%(例えば、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%)同一であり得る、及び/または配列番号208のCDR1配列(配列番号209)、CDR2配列(配列番号210)、及びCDR3配列(配列番号211)と同一のアミノ酸配列を組み込み得る。
あるいは、P−カドヘリンに結合する第2の抗原結合部位は、配列番号212に関連する重鎖可変ドメイン及び配列番号216に関連する軽鎖可変ドメインを任意に組み込み得る。例えば、第2の抗原結合部位の重鎖可変ドメインは、配列番号212と少なくとも90%(例えば、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%)同一であり得る、及び/または配列番号212のCDR1配列(配列番号213)、CDR2配列(配列番号214)、及びCDR3配列(配列番号215)と同一のアミノ酸配列を組み込み得る。同様に、第2の抗原結合部位の軽鎖可変ドメインは、配列番号216と少なくとも90%(例えば、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%)同一であり得る、及び/または配列番号216のCDR1配列(配列番号217)、CDR2配列(配列番号218)、及びCDR3配列(配列番号219)と同一のアミノ酸配列を組み込み得る。
あるいは、P−カドヘリンに結合する第2の抗原結合部位は、配列番号220に関連する重鎖可変ドメイン及び配列番号224に関連する軽鎖可変ドメインを任意に組み込み得る。例えば、第2の抗原結合部位の重鎖可変ドメインは、配列番号220と少なくとも90%(例えば、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%)同一であり得る、及び/または配列番号220のCDR1配列(配列番号221)、CDR2配列(配列番号222)、及びCDR3配列(配列番号223)と同一のアミノ酸配列を組み込み得る。同様に、第2の抗原結合部位の軽鎖可変ドメインは、配列番号224と少なくとも90%(例えば、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%)同一であり得る、及び/または配列番号224のCDR1配列(配列番号225)、CDR2配列(配列番号120)、及びCDR3配列(配列番号226)と同一のアミノ酸配列を組み込み得る。
あるいは、P−カドヘリンに結合する第2の抗原結合部位は、配列番号227に関連する重鎖可変ドメイン及び配列番号229に関連する軽鎖可変ドメインを任意に組み込み得る。例えば、第2の抗原結合部位の重鎖可変ドメインは、配列番号227と少なくとも90%(例えば、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%)同一であり得る、及び/または配列番号227のCDR1配列(配列番号221)、CDR2配列(配列番号222)、及びCDR3配列(配列番号228)と同一のアミノ酸配列を組み込み得る。同様に、第2の抗原結合部位の軽鎖可変ドメインは、配列番号229と少なくとも90%(例えば、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%)同一であり得る、及び/または配列番号229のCDR1配列(配列番号225)、CDR2配列(配列番号120)、及びCDR3配列(配列番号226)と同一のアミノ酸配列を組み込み得る。
ある特定の実施形態では、第2の抗原結合部位は、P−カドヘリンに結合し得、それぞれ、配列番号114及び118、122及び126、130及び134、188及び192、196及び200、204及び208、212及び216、220及び224、及び227及び229から選択される重鎖可変ドメイン配列及び軽鎖可変ドメイン配列のCDR1、CDR2、及びCDR3配列を含む。
いくつかの実施形態では、第2の抗原結合部位は、第1の抗原結合部位に存在する軽鎖可変ドメインのアミノ酸配列と同一のアミノ酸配列を有する軽鎖可変ドメインを組み込む。
いくつかの実施形態では、本タンパク質は、CD16に結合するのに十分な抗体Fcドメインの一部を組み込み、抗体Fcドメインは、ヒンジドメイン及びCH2ドメイン、及び/またはヒトIgG抗体のアミノ酸配列234〜332と少なくとも90%同一のアミノ酸配列を含む。
ある特定の実施形態では、本タンパク質は、がんに関連する任意の抗原を含む、腫瘍関連抗原に結合する第4の抗原結合部位をさらに組み込む。第4の抗原結合部位は、ヒト上皮成長因子受容体2(HER2)、CD20、CD33、B細胞成熟抗原(BCMA)、前立腺特異的膜抗原(PSMA)、デルタ様標準Notchリガンド3(DLL3)、ガングリオシドGD2(GD2)、CD123、アノクタミン−1(Ano1)、メソテリン、炭酸脱水酵素IX(CAIX)、腫瘍関連カルシウムシグナル伝達物質2(TROP2)、癌胎児性抗原(CEA)、クローディン−18.2、受容体チロシンキナーゼ様オーファン受容体1(ROR1)、栄養膜糖タンパク質(5T4)、糖タンパク質非転移性黒色腫タンパク質B(GPNMB)、葉酸受容体−アルファ(FR−アルファ)、妊娠関連血漿タンパク質A(PAPP−A)、CD37、上皮細胞接着分子(EpCAM)、CD2、CD19、CD30、CD38、CD40、CD52、CD70、CD79b、fms様チロシンキナーゼ3(FLT3)、グリピカン3(GPC3)、B7ホモログ6(B7H6)、C−ケモカイン受容体4型(CCR4)、C−X−Cモチーフケモカイン受容体4(CXCR4)、受容体チロシンキナーゼ様オーファン受容体2(ROR2)、CD133、HLAクラスI組織適合抗原、アルファ鎖E(HLA−E)、上皮成長因子受容体(EGFR/ERBB1)、インスリン様成長因子1−受容体(IGF1R)、ヒト上皮成長因子受容体3(HER3)/ERBB3、ヒト上皮成長因子受容体4(HER4)/ERBB4、ムチン1(MUC1)、チロシンタンパク質キナーゼMET(cMET)、シグナル伝達リンパ球性活性化分子F7(SLAMF7)、前立腺幹細胞抗原(PSCA)、MHCクラスIポリペプチド関連配列A(MICA)、MHCクラスIポリペプチド関連配列B(MICB)、TNF関連アポトーシス誘導リガンド受容体1(TRAILR1)、TNF関連アポトーシス誘導リガンド受容体2(TRAILR2)、黒色腫関連抗原3(MAGE−A3)、Bリンパ球抗原B7.1(B7.1)、Bリンパ球抗原B7.2(B74.2)、細胞傷害性Tリンパ球関連タンパク質4(CTLA4)、プログラム細胞死タンパク質1(PD1)、プログラム細胞死1リガンド1(PD−L1)、またはがん細胞上で発現されるCD25抗原に結合し得る。
本明細書に記載のタンパク質のうちのいずれか1つを含む製剤、それらのタンパク質を発現する1つ以上の核酸を含む細胞、及びそれらのタンパク質を使用して腫瘍細胞死を増強する方法も提供される。
本発明の別の態様は、患者におけるがんを治療する方法を提供する。この方法は、それを必要とする患者に、本明細書に記載の多重特異性結合タンパク質の治療有効量を投与することを含む。P−カドヘリン標的多重特異性結合タンパク質を使用して治療されるがんには、例えば、食道癌、膵臓癌、膀胱癌、前立腺癌、胃癌、肺癌、子宮内膜癌、卵巣癌、子宮頸癌、頭頸部癌、乳癌、結腸直腸癌、子宮頸部腺癌、黒色腫、ならびに皮膚の基底細胞癌及び扁平上皮癌が含まれる。
本発明の別の態様は、患者におけるがんを治療する方法を提供する。この方法は、それを必要とする患者に、本明細書に記載の多重特異性結合タンパク質の治療有効量を投与することを含む。P−カドヘリン標的多重特異性結合タンパク質を使用して治療されるがんには、例えば、食道癌、膵臓癌、膀胱癌、前立腺癌、胃癌、肺癌、子宮内膜癌、卵巣癌、子宮頸癌、頭頸部癌、乳癌、結腸直腸癌、子宮頸部腺癌、黒色腫、ならびに皮膚の基底細胞癌及び扁平上皮癌が含まれる。
本発明は、がん細胞上のP−カドヘリン(CDH3)に結合し、かつナチュラルキラー細胞上のNKG2D受容体及びCD16受容体に結合する多重特異性結合タンパク質を提供する。ある特定の実施形態では、多重特異性結合タンパク質は、腫瘍関連抗原に結合する追加の抗原結合部位をさらに含む。
本発明は、がんの治療などの目的のために、かかる多重特異性結合タンパク質を含む薬学的組成物、ならびにかかる多重特異性結合タンパク質及び薬学的組成物を使用する治療法を提供する。本発明の様々な態様をいくつかの区分に分けて以下に記載するが、1つの特定の区分に記載される本発明の態様は、任意の特定の区分に限定されるものではない。
本発明の理解を容易にするために、いくつかの用語及び語句が以下に定義される。
本明細書で使用される「a」及び「an」という用語は、文脈が不適切でない限り、「1つ以上」を意味し、複数形を含む。
本明細書で使用される場合、「抗原結合部位」という用語は、抗原結合に関与する免疫グロブリン分子の一部分を指す。ヒト抗体において、抗原結合部位は、重鎖(「H」)及び軽鎖(「L」)のN末端可変(「V」)領域のアミノ酸残基によって形成される。重鎖及び軽鎖のV領域内の3つの高度に分岐した伸長部は、「超可変領域」と称され、これらは、「フレームワーク領域」または「FR」として既知のより保存された隣接伸長部間に挟まれている。したがって、「FR」という用語は、免疫グロブリンにおける超可変領域間及びそれらに隣接して天然に見られるアミノ酸配列を指す。ヒト抗体分子において、軽鎖の3つの超可変領域及び重鎖の3つの超可変領域は、三次元空間で互いに対して配置されて、抗原結合表面を形成する。抗原結合表面は、結合した抗原の三次元表面に相補的であり、重鎖及び軽鎖の各々の3つの超可変領域は、「相補性決定領域」または「CDR」と称される。ラクダ及び軟骨魚などのある特定の動物では、抗原結合部位は、「シングルドメイン抗体」を提供する単一抗体鎖によって形成される。抗原結合部位は、単一ポリペプチドにおいて重鎖可変ドメインを軽鎖可変ドメインに連結するためのペプチドリンカーを使用して、インタクト抗体に、抗原結合表面を保持する抗体の抗原結合断片に、またはscFvなどの組換えポリペプチドに存在し得る。
本明細書で使用される「腫瘍関連抗原」という用語は、がんに関連するタンパク質、糖タンパク質、ガングリオシド、炭水化物、または脂質を含むが、これらに限定されない任意の抗原を意味する。かかる抗原は、腫瘍関連血管、細胞外マトリックス、間葉間質、または免疫浸潤物などの悪性細胞上でまたは腫瘍微小環境において発現され得る。
本明細書で使用される場合、「対象」及び「患者」という用語は、本明細書に記載の方法及び組成物によって治療される生物を指す。かかる生物には、好ましくは、哺乳動物(例えば、マウス、サル、ウマ、ウシ、ブタ、イヌ、ネコなど)が含まれるが、これらに限定されず、より好ましくは、ヒトが含まれる。
本明細書で使用される場合、「有効量」という用語は、有益なまたは所望の結果を達成するのに十分な化合物(例えば、本発明の化合物)の量を指す。有効量は、1回以上の投与、適用、または投薬量で投与され得、特定の製剤または投与経路に限定されるようには意図されていない。本明細書で使用される場合、「治療する」という用語は、例えば、状態、疾患、障害などを緩和、軽減、調節、改善、もしくは除去する、それらの改善をもたらす、またはその症状を改善する任意の効果を含む。
本明細書で使用される場合、「薬学的組成物」という用語は、組成物をインビボまたはエクスビボでの診断的または治療的使用に特に好適なものにする、活性剤と不活性または活性担体との組み合わせを指す。
本明細書で使用される場合、「薬学的に許容される担体」という用語は、リン酸緩衝生理食塩水溶液、水、エマルション(例えば、油/水エマルションまたは水/油エマルションなど)、及び様々な種類の湿潤剤等の標準の薬学的担体のうちのいずれかを指す。これらの組成物は、安定剤及び防腐剤も含み得る。担体、安定剤、及びアジュバントの例については、例えば、Remington’s Pharmaceutical Sciences,15th Ed.,Mack Publishing Co.,Easton,PA(1975)を参照されたい。
本明細書で使用される場合、「薬学的に許容される塩」という用語は、対象に投与すると、本発明の化合物またはその活性代謝物もしくは残留物を提供することができる、本発明の化合物の任意の薬学的に許容される塩(例えば、酸または塩基)を指す。当業者に知られているように、本発明の化合物の「塩」は、無機または有機酸及び塩基に由来し得る。例示の酸には、塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、過塩素酸、フマル酸、マレイン酸、リン酸、グリコール酸、乳酸、サリチル酸、コハク酸、トルエン−p−スルホン酸、酒石酸、酢酸、クエン酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、ギ酸、安息香酸、マロン酸、ナフタレン−2−スルホン酸、ベンゼンスルホン酸などが含まれるが、これらに限定されない。本発明の化合物及びそれらの薬学的に許容される酸付加塩を得る際の中間体として有用な塩の調製において、シュウ酸などの他の酸(それら自体は薬学的に許容されない)が用いられ得る。
例示の塩基には、アルカリ金属(例えば、ナトリウム)水酸化物、アルカリ土類金属(例えば、マグネシウム)水酸化物、アンモニア、及び式NW4 +の化合物(式中、WはC1−4アルキルである)などが含まれるが、これらに限定されない。
例示の塩には、酢酸塩、アジピン酸塩、アルギン酸塩、アスパラギン酸塩、安息香酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、重硫酸塩、酪酸塩、クエン酸塩、樟脳塩、カンファースルホン酸塩、シクロペンタンプロピオン酸塩、ジグルコン酸塩、ドデシル硫酸塩、エタンスルホン酸塩、フマル酸塩、フルコヘプタン酸塩、グリセロリン酸塩、半硫酸塩、ヘプタン酸塩、ヘキサン酸塩、塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、2−ヒドロキシエタンスルホン酸塩、乳酸塩、マレイン酸塩、メタンスルホン酸塩、2−ナフタレンスルホン酸塩、ニコチン酸塩、シュウ酸塩、パルモ酸塩、ペクチン酸塩、過硫酸塩、フェニルプロピオン酸塩、ピクリン酸塩、ピバル酸塩、プロピオン酸塩、コハク酸塩、酒石酸塩、チオシアン酸塩、トシル酸塩、ウンデカン酸塩などが含まれるが、これらに限定されない。塩の他の例には、Na+、NH4 +、及びNW4 +(式中、WはC1−4アルキル基である)などの好適なカチオンと化合された本発明の化合物のアニオンが含まれる。
治療的使用のために、本発明の化合物の塩は、薬学的に許容されるものとして企図される。しかしながら、薬学的に許容されない酸及び塩基の塩も、例えば、薬学的に許容される化合物の調製または精製において使用され得る。
本明細書全体を通して、組成物が特定の成分を有する、含む(including)、または含む(comprising)といわれる場合、またはプロセス及び方法が特定の工程を有する、含む(including)、または含む(comprising)といわれる場合、加えて、列挙された成分から本質的になる、またはそれらからなる本発明の組成物が存在すること、及び列挙された処理工程から本質的になる、またはそれらからなる本発明によるプロセス及び方法が存在することが企図される。
一般事項として、パーセンテージを特定する組成物は、別途特定されない限り、重量による。さらに、変数が定義を伴わない場合、その変数の以前の定義が優先される。
I.タンパク質
本発明は、ナチュラルキラー細胞上のNKG2D受容体及びCD16受容体に結合し、かつがん細胞上のP−カドヘリンに結合する多重特異性結合タンパク質を提供する。多重特異性結合タンパク質は、本明細書に記載の薬学的組成物及び治療法に有用である。ナチュラルキラー細胞上のNKG2D受容体及びCD16受容体への多重特異性結合タンパク質の結合により、P−カドヘリン抗原を発現する腫瘍細胞の破壊に対するナチュラルキラー細胞の活性が増強される。P−カドヘリン発現細胞への多重特異性結合タンパク質の結合は、がん細胞をナチュラルキラー細胞に近接させ、これにより、ナチュラルキラー細胞によるがん細胞の直接及び間接的な破壊が促進される。いくつかの例示の多重特異性結合タンパク質のさらなる説明が以下に提供される。
本発明は、ナチュラルキラー細胞上のNKG2D受容体及びCD16受容体に結合し、かつがん細胞上のP−カドヘリンに結合する多重特異性結合タンパク質を提供する。多重特異性結合タンパク質は、本明細書に記載の薬学的組成物及び治療法に有用である。ナチュラルキラー細胞上のNKG2D受容体及びCD16受容体への多重特異性結合タンパク質の結合により、P−カドヘリン抗原を発現する腫瘍細胞の破壊に対するナチュラルキラー細胞の活性が増強される。P−カドヘリン発現細胞への多重特異性結合タンパク質の結合は、がん細胞をナチュラルキラー細胞に近接させ、これにより、ナチュラルキラー細胞によるがん細胞の直接及び間接的な破壊が促進される。いくつかの例示の多重特異性結合タンパク質のさらなる説明が以下に提供される。
多重特異性結合タンパク質の第1の成分は、NK細胞、γδT細胞、及びCD8+αβ T細胞を含み得るが、これらに限定されない、NKG2D受容体発現細胞に結合する。NKG2D結合時に、多重特異性結合タンパク質は、ULBP6及びMICAなどの天然リガンドがNKG2Dに結合してNKG2D受容体を活性化することを阻止し得る。
ある特定の実施形態では、多重特異性結合タンパク質の第2の成分は、P−カドヘリン発現細胞に結合する。P−カドヘリン発現細胞は、例えば、食道癌、膵臓癌、膀胱癌、前立腺癌、胃癌、肺癌、子宮内膜癌、卵巣癌、子宮頸癌、頭頸部癌、乳癌、結腸直腸癌、子宮頸部腺癌、黒色腫、ならびに皮膚の基底細胞癌及び扁平上皮細胞癌に見られ得るが、これらに限定されない。
多重特異性結合タンパク質の第3の成分は、ナチュラルキラー細胞、マクロファージ、好中球、好酸球、マスト細胞、及び濾胞樹状細胞を含む白血球の表面上のFc受容体であるCD16を発現する細胞に結合する。
本明細書に記載の多重特異性結合タンパク質は、様々な形式をとり得る。例えば、ヘテロ二量体多重特異性タンパク質の1つの形式は、第1の免疫グロブリン重鎖、第1の免疫グロブリン軽鎖、第2の免疫グロブリン重鎖、及び第2の免疫グロブリン軽鎖を含む(図1)。第1の免疫グロブリン重鎖は、第1のFc(ヒンジ−CH2−CH3)ドメイン、第1の重鎖可変ドメイン、及び任意に第1のCH1重鎖ドメインを含む。第1の免疫グロブリン軽鎖は、第1の軽鎖可変ドメイン及び第1の軽鎖定常ドメインを含む。第1の免疫グロブリン軽鎖は、第1の免疫グロブリン重鎖と一緒になって、NKG2Dに結合する抗原結合部位を形成する。第2の免疫グロブリン重鎖は、第2のFc(ヒンジ−CH2−CH3)ドメイン、第2の重鎖可変ドメイン、及び任意に第2のCH1重鎖ドメインを含む。第2の免疫グロブリン軽鎖は、第2の軽鎖可変ドメイン及び第2の軽鎖定常ドメインを含む。ある特定の実施形態では、第2の免疫グロブリン軽鎖は、第2の免疫グロブリン重鎖と一緒になって、P−カドヘリンに結合する抗原結合部位を形成する。第1のFcドメイン及び第2のFcドメインは一緒に、CD16に結合することができる(図1)。いくつかの実施形態では、第1の免疫グロブリン軽鎖は、第2の免疫グロブリン軽鎖と同一である。
別の例示の形式は、第1の免疫グロブリン重鎖、第2の免疫グロブリン重鎖、及び免疫グロブリン軽鎖を含むヘテロ二量体多重特異性抗体を含む(図2)。第1の免疫グロブリン重鎖は、対になってNKG2DまたはP−カドヘリンに結合する重鎖可変ドメイン及び軽鎖可変ドメインから成る一本鎖可変断片(scFv)にリンカーまたは抗体ヒンジのいずれかを介して融合した第1のFc(ヒンジ−CH2−CH3)ドメインを含む。第2の免疫グロブリン重鎖は、第2のFc(ヒンジ−CH2−CH3)ドメイン、第2の重鎖可変ドメイン、及び任意にCH1重鎖ドメインを含む。免疫グロブリン軽鎖は、軽鎖可変ドメイン及び軽鎖定常ドメインを含む。第2の免疫グロブリン重鎖は、免疫グロブリン軽鎖と対になり、NKG2DまたはP−カドヘリンに結合する。第1のFcドメイン及び第2のFcドメインは一緒に、CD16に結合することができる(図2)。
1つ以上の追加の結合モチーフが、任意にリンカー配列を介して、定常領域CH3ドメインのC末端に融合し得る。ある特定の実施形態では、抗原結合部位は、一本鎖またはジスルフィド安定化可変領域(scFv)であり得るか、または四価もしくは二価分子を形成し得る。
ある特定の実施形態では、多重特異性結合タンパク質は、IgG様形状を維持する三官能性二重特異性抗体であるトリオマブ形態(例えば、図20に表される多重特異性結合タンパク質)である。このキメラ二重特異性抗体は、2つの親抗体に由来する2つの半抗体(各々1つの軽鎖及び1つの重鎖を有する)から成る。トリオマブ形態は、ラット抗体半分及びマウス抗体半分から成るヘテロ二量体であり得る。
いくつかの実施形態では、多重特異性結合タンパク質は、ノブ・イントゥ・ホール(KiH)技術を組み込むKiH共通軽鎖(LC)形態(例えば、図21に表される多重特異性結合タンパク質)である。KiH共通LC形態は、第1の標的に結合するFab、第2の標的に結合するFab、及びヘテロ二量体化変異によって安定化されたFcドメインを含むヘテロ二量体である。これらの2つのFabは各々、重鎖及び軽鎖を含み、各Fabの重鎖は互いに異なり、各それぞれの重鎖と対をなす軽鎖は、両方のFabに共通である。
KiH技術は、CH3ドメインを操作して各重鎖に「ノブ」または「ホール」のいずれかを作製して、ヘテロ二量体化を促進することを含む。1つのCH3ドメイン(CH3A)への「ノブ」の導入は、小さい残基の大きい残基での置換(例えば、EU番号付けにおけるT366WCH3A)を含む。「ノブ」を収容するために、相補的な「ホール」表面がノブに最も近い隣接残基をより小さい残基で置き換える(例えば、T366S/L368A/Y407VCH3B)ことによって他方のCH3ドメイン(CH3B)に導入される。「ホール」変異は、構造誘導ファージライブラリスクリーニングによって最適化された(Atwell S.,et al.(1997)J.Mol.Biol.;270(1):26−35.)。KiH FcバリアントのX線結晶構造(Elliott J.M.,et al.(2014)J.Mol.Biol.;426(9):1947−57.、Mimoto F.et al.(2014)Mol.Immunol.;58(1):132−8.)は、CH3ドメイン間のコア界面における立体相補性によって推進される疎水性相互作用によりヘテロ二量体化が熱力学的に好まれる一方で、ノブ−ノブ界面及びホール−ホール界面は、それぞれ、優位な相互作用の立体障害及び立体崩壊のため、ホモ二量体化を好まないことを実証した。
いくつかの実施形態では、多重特異性結合タンパク質は、2つのモノクローナル抗体の標的結合ドメインと、柔軟性な天然に存在するリンカーとを含む四価IgG様分子である、二重可変ドメイン免疫グロブリン(DVD−Ig(商標))形態(例えば、図22)である。DVD−Ig(商標)形態は、抗原1を標的とするFab可変ドメインのN末端に融合した抗原2を標的とする可変ドメインを含むホモ二量体である。図22に示される代表的な多重特異性結合タンパク質は、修飾されていないFcを含む。
いくつかの実施形態では、多重特異性結合タンパク質は、直交Fab界面(直交Fab)形態(例えば、図23に表される多重特異性結合タンパク質)である。直交Fab IgGアプローチ(Lewis S.M.,et al.(2014)Nat.Biotechnol.;32(2):191−8.)では、構造に基づく領域設計は、他方のFabに変化を加えることなく、一方のFabのみにLC及びHCVH−CH1界面で相補的変異を導入する。
いくつかの実施形態では、多重特異性結合タンパク質は、二機能性Ig形態(例えば、図24に表される多重特異性結合タンパク質)である。
いくつかの実施形態では、多重特異性結合タンパク質は、標的1及び標的2に結合する2つの異なるFabと、Fcドメインとを含むヘテロダイマーである、静電ステアリング(ES)形態(例えば、図25に表される多重特異性結合タンパク質)である。ヘテロ二量体化は、Fcドメインにおける静電的ステアリング変異によって確実にされる。
いくつかの実施形態では、多重特異性結合タンパク質は、制御されたFab−アーム交換(cFAE)形態(例えば、図26に表される多重特異性結合タンパク質)である。cFAE形態は、標的1及び標的2に結合する2つの異なるFabを含む二重特異性ヘテロ二量体であり、LC−HC対(半分子)が別の分子由来のLC−HC対と交換されている。ヘテロ二量体化は、Fcにおける変異によって確実にされる。
いくつかの実施形態では、多重特異性結合タンパク質は、鎖交換操作ドメイン(SEED)ボディ形態(例えば、図27に表される多重特異性結合タンパク質)である。SEEDプラットフォームは、天然抗体の治療的用途を拡大するために非対称二重特異性抗体様分子を生成するように設計された。このタンパク質操作プラットフォームは、保存されたCH3ドメイン内の免疫グロブリンクラスの構造的に関連する配列を交換すること(例えば、IgA CH3ドメイン配列のセグメントとIgG CH3ドメイン配列のセグメントを交互に繰り返すこと)に基づく。SEED設計は、ヘテロ二量体の効率的な生成を可能にする一方で、SEED CH3ドメインのホモ二量体化を好まない。(Muda M.et al.(2011)Protein Eng.Des.Sel.;24(5):447−54.)。
いくつかの実施形態では、多重特異性結合タンパク質は、LuZ−Y形態(例えば、図28に表される多重特異性結合タンパク質)である。LuZ−Y形態は、Fcドメインに融合している、標的1及び標的2に結合する2つの異なるscFabを含むヘテロ二量体である。ヘテロ二量体化は、FcドメインのC末端に融合したロイシンジッパーモチーフの導入により確実にされる(Wranik,BJ.et al.(2012)J.Biol.Chem.;287:43331−9)。
いくつかの実施形態では、多重特異性結合タンパク質は、Cov−X−Body形態(例えば、図29に表される多重特異性結合タンパク質)である。二重特異性CovX−Bodyは、各Fabアームに共有結合したファーマコフォアペプチドヘテロ二量体を有する足場抗体を含み、ペプチドヘテロ二量体の一方の分子が第1の標的に結合し、ペプチドヘテロ二量体の他方の分子が第2の標的に結合し、これらの2つの分子がアゼチジノンリンカーによって連結されている。ファーマコフォアが機能的活性に関与している一方で、抗体足場は長い半減期及びIg様分布を付与する。ファーマコフォアは、化学的に最適化され得るか、または他のファーマコフォアで置き換えられて、最適化されたまたは特有の二重特異性抗体を生成し得る。(Doppalapudi V.R.et al.(2010)PNAS;107(52);22611−22616.)。
いくつかの実施形態では、多重特異性結合タンパク質は、ヘテロ二量体化変異によって安定化されたFcドメインに融合した2つの異なるFabを含むヘテロ二量体である、γ−Body形態(例えば、図30に表される多重特異性結合タンパク質)である。標的1に結合する第1のFabはカッパLCを含み、標的2に結合する第2のFabはラムダLCを含む。図30Aは、κλ−Bodyの1つの形態の例示の図であり、図30Bは、別のκλ−Bodyの例示の図である。
いくつかの実施形態では、多重特異性結合タンパク質は、ワンアーム一本鎖(OAsc)−Fab形態(例えば、図31に表される多重特異性結合タンパク質)である。Fcドメインに融合している、標的1に結合するFab及び標的2に結合するscFabを含むOAsc−Fabヘテロ二量体である。ヘテロ二量体化は、Fcドメインにおける変異によって確実にされる。
いくつかの実施形態では、多重特異性結合タンパク質は、DuetMab形態(例えば、図32に表される多重特異性結合タンパク質)である。DuetMab形態は、標的1及び標的2に結合する2つの異なるFab、ならびにヘテロ二量体化変異によって安定化されたFcドメインを含むヘテロ二量体である。これらの2つの異なるFabは、正しいLCとHCとの対合を確実にする異なるS−S架橋を含む。
いくつかの実施形態では、多重特異性結合タンパク質は、CrossmAb形態(例えば、図33に表される多重特異性結合タンパク質)である。CrossmAb形態は、標的1及び標的2に結合する2つの異なるFab、ならびにヘテロ二量体化変異によって安定化されたFcドメインを含むヘテロ二量体である。CLドメイン及びCH1ドメインならびにVHドメイン及びVLドメインは切り替えられ、例えば、CH1はVLとインラインで融合している一方で、CLはVHとインラインで融合している。
いくつかの実施形態では、多重特異性結合タンパク質は、Fit−Ig形態(例えば、図34に表される多重特異性結合タンパク質)である。Fit−Ig形態は、標的1に結合するFabのHCのN末端に融合した標的2に結合するFabを含むホモ二量体である。図34の代表的な多重特異性結合タンパク質は、修飾されていないFcドメインを含む。
表1は、組み合わせてNKG2Dに結合し得る重鎖可変ドメイン及び軽鎖可変ドメインのペプチド配列を列記する。別途指示されない限り、表1に提供されるCDR配列は、Kabatに基づいて決定されている。NKG2D結合ドメインは、NKG2Dに対するそれらの結合親和性が異なり得るが、それにもかかわらず、それらは全てヒトNKG2D及びNK細胞を活性化する。
あるいは、配列番号101によって表される重鎖可変ドメインは、US9,273,136に例証されるように、配列番号102によって表される軽鎖可変ドメインと対合されて、NKG2Dに結合し得る抗原結合部位を形成し得る。
配列番号101
QVQLVESGGGLVKPGGSLRLSCAASGFTFSSYGMHWVRQAPGKGLEWVAFIRYDGSNKYYADSVKGRFTISRDNSKNTLYLQMNSLRAEDTAVYYCAKDRGLGDGTYFDYWGQGTTVTVSS
配列番号102
QSALTQPASVSGSPGQSITISCSGSSSNIGNNAVNWYQQLPGKAPKLLIYYDDLLPSGVSDRFSGSKSGTSAFLAISGLQSEDEADYYCAAWDDSLNGPVFGGGTKLTVL
配列番号101
QVQLVESGGGLVKPGGSLRLSCAASGFTFSSYGMHWVRQAPGKGLEWVAFIRYDGSNKYYADSVKGRFTISRDNSKNTLYLQMNSLRAEDTAVYYCAKDRGLGDGTYFDYWGQGTTVTVSS
配列番号102
QSALTQPASVSGSPGQSITISCSGSSSNIGNNAVNWYQQLPGKAPKLLIYYDDLLPSGVSDRFSGSKSGTSAFLAISGLQSEDEADYYCAAWDDSLNGPVFGGGTKLTVL
あるいは、配列番号103によって表される重鎖可変ドメインは、US7,879,985に例証されるように、配列番号104によって表される軽鎖可変ドメインと対合されて、NKG2Dに結合し得る抗原結合部位を形成し得る。
配列番号103
QVHLQESGPGLVKPSETLSLTCTVSDDSISSYYWSWIRQPPGKGLEWIGHISYSGSANYNPSLKSRVTISVDTSKNQFSLKLSSVTAADTAVYYCANWDDAFNIWGQGTMVTVSS
配列番号104
EIVLTQSPGTLSLSPGERATLSCRASQSVSSSYLAWYQQKPGQAPRLLIYGASSRATGIPDRFSGSGSGTDFTLTISRLEPEDFAVYYCQQYGSSPWTFGQGTKVEIK
配列番号103
QVHLQESGPGLVKPSETLSLTCTVSDDSISSYYWSWIRQPPGKGLEWIGHISYSGSANYNPSLKSRVTISVDTSKNQFSLKLSSVTAADTAVYYCANWDDAFNIWGQGTMVTVSS
配列番号104
EIVLTQSPGTLSLSPGERATLSCRASQSVSSSYLAWYQQKPGQAPRLLIYGASSRATGIPDRFSGSGSGTDFTLTISRLEPEDFAVYYCQQYGSSPWTFGQGTKVEIK
一態様では、本開示は、ナチュラルキラー細胞上のNKG2D受容体及びCD16受容体、ならびに抗原P−カドヘリン(CDH3)に結合する多重特異性結合タンパク質を提供する。表2は、組み合わせてP−カドヘリン(CDH3)に結合し得る重鎖可変ドメイン及び軽鎖可変ドメインのいくつかの例示の配列を列記する。以下の表2に列記され、かつ対応する特許及び刊行物に記載されている重鎖及び軽鎖可変ドメインアミノ酸配列のCDR配列は、参照により本明細書に組み込まれる。別途指示されない限り、表2に提供されるCDR配列は、Kabatに基づいて決定されている。
あるいは、P−カドヘリンに結合することができる新規の抗原結合部位は、配列番号138(CDH3アイソフォーム1前駆体)、配列番号139(CDH3アイソフォーム2前駆体)、または配列番号140(CDH3アイソフォーム3前駆体)によって定義されるアミノ酸配列への結合についてスクリーニングすることによって特定され得る。
配列番号138
MGLPRGPLASLLLLQVCWLQCAASEPCRAVFREAEVTLEAGGAEQEPGQALGKVFMGCPGQEPALFSTDNDDFTVRNGETVQERRSLKERNPLKIFPSKRILRRHKRDWVVAPISVPENGKGPFPQRLNQLKSNKDRDTKIFYSITGPGADSPPEGVFAVEKETGWLLLNKPLDREEIAKYELFGHAVSENGASVEDPMNISIIVTDQNDHKPKFTQDTFRGSVLEGVLPGTSVMQVTATDEDDAIYTYNGVVAYSIHSQEPKDPHDLMFTIHRSTGTISVISSGLDREKVPEYTLTIQATDMDGDGSTTTAVAVVEILDANDNAPMFDPQKYEAHVPENAVGHEVQRLTVTDLDAPNSPAWRATYLIMGGDDGDHFTITTHPESNQGILTTRKGLDFEAKNQHTLYVEVTNEAPFVLKLPTSTATIVVHVEDVNEAPVFVPPSKVVEVQEGIPTGEPVCVYTAEDPDKENQKISYRILRDPAGWLAMDPDSGQVTAVGTLDREDEQFVRNNIYEVMVLAMDNGSPPTTGTGTLLLTLIDVNDHGPVPEPRQITICNQSPVRQVLNITDKDLSPHTSPFQAQLTDDSDIYWTAEVNEEGDTVVLSLKKFLKQDTYDVHLSLSDHGNKEQLTVIRATVCDCHGHVETCPGPWKGGFILPVLGAVLALLFLLLVLLLLVRKKRKIKEPLLLPEDDTRDNVFYYGEEGGGEEDQDYDITQLHRGLEARPEVVLRNDVAPTIIPTPMYRPRPANPDEIGNFIIENLKAANTDPTAPPYDTLLVFDYEGSGSDAASLSSLTSSASDQDQDYDYLNEWGSRFKKLADMYGGGEDD
配列番号139
MGLPRGPLASLLLLQVCWLQCAASEPCRAVFREAEVTLEAGGAEQEPGQALGKVFMGCPGQEPALFSTDNDDFTVRNGETVQERRSLKERNPLKIFPSKRILRRHKRDWVVAPISVPENGKGPFPQRLNQLKSNKDRDTKIFYSITGPGADSPPEGVFAVEKETGWLLLNKPLDREEIAKYELFGHAVSENGASVEDPMNISIIVTDQNDHKPKFTQDTFRGSVLEGVLPGTSVMQVTATDEDDAIYTYNGVVAYSIHSQEPKDPHDLMFTIHRSTGTISVISSGLDREKVPEYTLTIQATDMDGDGSTTTAVAVVEILDANDNAPMFDPQKYEAHVPENAVGHEVQRLTVTDLDAPNSPAWRATYLIMGGDDGDHFTITTHPESNQGILTTRKGLDFEAKNQHTLYVEVTNEAPFVLKLPTSTATIVVHVEDVNEAPVFVPPSKVVEVQEGIPTGEPVCVYTAEDPDKENQKISYRILRDPAGWLAMDPDSGQVTAVGTLDREDEQFVRNNIYEVMVLAMDNGSPPTTGTGTLLLTLIDVNDHGPVPEPRQITICNQSPVRQVLNITDKDLSPHTSPFQAQLTDDSDIYWTAEVNEEGDTVVLSLKKFLKQDTYDVHLSLSDHGNKEQLTVIRATVCDCHGHVETCPGPWKGGFILPVLGAVLALLFLLLVLLLLVRKKRKIKEPLLLPEDDTRDNVFYYGEEGGGEEDQDYDITQLHRGLEARPEVVLRNDVAPTIIPTPMYRPRPANPDEIGNFIIEGRGERGSQRGNGGLQLARGRTRRS
配列番号140
MGCPGQEPALFSTDNDDFTVRNGETVQERRSLKERNPLKIFPSKRILRRHKRDWVVAPISVPENGKGPFPQRLNQLKSNKDRDTKIFYSITGPGADSPPEGVFAVEKETGWLLLNKPLDREEIAKYELFGHAVSENGASVEDPMNISIIVTDQNDHKPKFTQDTFRGSVLEGVLPGTSVMQVTATDEDDAIYTYNGVVAYSIHSQEPKDPHDLMFTIHRSTGTISVISSGLDREKVPEYTLTIQATDMDGDGSTTTAVAVVEILDANDNAPMFDPQKYEAHVPENAVGHEVQRLTVTDLDAPNSPAWRATYLIMGGDDGDHFTITTHPESNQGILTTRKGLDFEAKNQHTLYVEVTNEAPFVLKLPTSTATIVVHVEDVNEAPVFVPPSKVVEVQEGIPTGEPVCVYTAEDPDKENQKISYRILRDPAGWLAMDPDSGQVTAVGTLDREDEQFVRNNIYEVMVLAMDNGSPPTTGTGTLLLTLIDVNDHGPVPEPRQITICNQSPVRQVLNITDKDLSPHTSPFQAQLTDDSDIYWTAEVNEEGDTVVLSLKKFLKQDTYDVHLSLSDHGNKEQLTVIRATVCDCHGHVETCPGPWKGGFILPVLGAVLALLFLLLVLLLLVRKKRKIKEPLLLPEDDTRDNVFYYGEEGGGEEDQDYDITQLHRGLEARPEVVLRNDVAPTIIPTPMYRPRPANPDEIGNFIIENLKAANTDPTAPPYDTLLVFDYEGSGSDAASLSSLTSSASDQDQDYDYLNEWGSRFKKLADMYGGGEDD
配列番号138
MGLPRGPLASLLLLQVCWLQCAASEPCRAVFREAEVTLEAGGAEQEPGQALGKVFMGCPGQEPALFSTDNDDFTVRNGETVQERRSLKERNPLKIFPSKRILRRHKRDWVVAPISVPENGKGPFPQRLNQLKSNKDRDTKIFYSITGPGADSPPEGVFAVEKETGWLLLNKPLDREEIAKYELFGHAVSENGASVEDPMNISIIVTDQNDHKPKFTQDTFRGSVLEGVLPGTSVMQVTATDEDDAIYTYNGVVAYSIHSQEPKDPHDLMFTIHRSTGTISVISSGLDREKVPEYTLTIQATDMDGDGSTTTAVAVVEILDANDNAPMFDPQKYEAHVPENAVGHEVQRLTVTDLDAPNSPAWRATYLIMGGDDGDHFTITTHPESNQGILTTRKGLDFEAKNQHTLYVEVTNEAPFVLKLPTSTATIVVHVEDVNEAPVFVPPSKVVEVQEGIPTGEPVCVYTAEDPDKENQKISYRILRDPAGWLAMDPDSGQVTAVGTLDREDEQFVRNNIYEVMVLAMDNGSPPTTGTGTLLLTLIDVNDHGPVPEPRQITICNQSPVRQVLNITDKDLSPHTSPFQAQLTDDSDIYWTAEVNEEGDTVVLSLKKFLKQDTYDVHLSLSDHGNKEQLTVIRATVCDCHGHVETCPGPWKGGFILPVLGAVLALLFLLLVLLLLVRKKRKIKEPLLLPEDDTRDNVFYYGEEGGGEEDQDYDITQLHRGLEARPEVVLRNDVAPTIIPTPMYRPRPANPDEIGNFIIENLKAANTDPTAPPYDTLLVFDYEGSGSDAASLSSLTSSASDQDQDYDYLNEWGSRFKKLADMYGGGEDD
配列番号139
MGLPRGPLASLLLLQVCWLQCAASEPCRAVFREAEVTLEAGGAEQEPGQALGKVFMGCPGQEPALFSTDNDDFTVRNGETVQERRSLKERNPLKIFPSKRILRRHKRDWVVAPISVPENGKGPFPQRLNQLKSNKDRDTKIFYSITGPGADSPPEGVFAVEKETGWLLLNKPLDREEIAKYELFGHAVSENGASVEDPMNISIIVTDQNDHKPKFTQDTFRGSVLEGVLPGTSVMQVTATDEDDAIYTYNGVVAYSIHSQEPKDPHDLMFTIHRSTGTISVISSGLDREKVPEYTLTIQATDMDGDGSTTTAVAVVEILDANDNAPMFDPQKYEAHVPENAVGHEVQRLTVTDLDAPNSPAWRATYLIMGGDDGDHFTITTHPESNQGILTTRKGLDFEAKNQHTLYVEVTNEAPFVLKLPTSTATIVVHVEDVNEAPVFVPPSKVVEVQEGIPTGEPVCVYTAEDPDKENQKISYRILRDPAGWLAMDPDSGQVTAVGTLDREDEQFVRNNIYEVMVLAMDNGSPPTTGTGTLLLTLIDVNDHGPVPEPRQITICNQSPVRQVLNITDKDLSPHTSPFQAQLTDDSDIYWTAEVNEEGDTVVLSLKKFLKQDTYDVHLSLSDHGNKEQLTVIRATVCDCHGHVETCPGPWKGGFILPVLGAVLALLFLLLVLLLLVRKKRKIKEPLLLPEDDTRDNVFYYGEEGGGEEDQDYDITQLHRGLEARPEVVLRNDVAPTIIPTPMYRPRPANPDEIGNFIIEGRGERGSQRGNGGLQLARGRTRRS
配列番号140
MGCPGQEPALFSTDNDDFTVRNGETVQERRSLKERNPLKIFPSKRILRRHKRDWVVAPISVPENGKGPFPQRLNQLKSNKDRDTKIFYSITGPGADSPPEGVFAVEKETGWLLLNKPLDREEIAKYELFGHAVSENGASVEDPMNISIIVTDQNDHKPKFTQDTFRGSVLEGVLPGTSVMQVTATDEDDAIYTYNGVVAYSIHSQEPKDPHDLMFTIHRSTGTISVISSGLDREKVPEYTLTIQATDMDGDGSTTTAVAVVEILDANDNAPMFDPQKYEAHVPENAVGHEVQRLTVTDLDAPNSPAWRATYLIMGGDDGDHFTITTHPESNQGILTTRKGLDFEAKNQHTLYVEVTNEAPFVLKLPTSTATIVVHVEDVNEAPVFVPPSKVVEVQEGIPTGEPVCVYTAEDPDKENQKISYRILRDPAGWLAMDPDSGQVTAVGTLDREDEQFVRNNIYEVMVLAMDNGSPPTTGTGTLLLTLIDVNDHGPVPEPRQITICNQSPVRQVLNITDKDLSPHTSPFQAQLTDDSDIYWTAEVNEEGDTVVLSLKKFLKQDTYDVHLSLSDHGNKEQLTVIRATVCDCHGHVETCPGPWKGGFILPVLGAVLALLFLLLVLLLLVRKKRKIKEPLLLPEDDTRDNVFYYGEEGGGEEDQDYDITQLHRGLEARPEVVLRNDVAPTIIPTPMYRPRPANPDEIGNFIIENLKAANTDPTAPPYDTLLVFDYEGSGSDAASLSSLTSSASDQDQDYDYLNEWGSRFKKLADMYGGGEDD
Fcドメイン内では、CD16結合は、ヒンジ領域及びCH2ドメインによって媒介される。例えば、ヒトIgG1内では、CD16との相互作用は、主に、CH2ドメイン内のアミノ酸残基Asp265〜Glu269、Asn297〜Thr299、Ala327〜Ile332、Leu234〜Ser239、及び炭水化物残基N−アセチル−D−グルコサミンに焦点を合わせられている(例えば、Sondermann P.,et al.(2000)Nature;406(6793):267−273.を参照のこと)。既知のドメインに基づいて、変異は、ファージディスプレイライブラリまたは酵母表面ディスプレイcDNAライブラリなどを使用することによって、CD16に対する結合親和性を増強または低減するように選択され得るか、または相互作用の既知の三次元構造に基づいて設計され得る。
ヘテロ二量体抗体重鎖のアセンブリは、同じ細胞で2つの異なる抗体重鎖配列を発現させることによって達成され得、これは、ヘテロ二量体のアセンブリのみならず、各抗体重鎖のホモ二量体のアセンブリももたらし得る。ヘテロ二量体の優先的アセンブリの促進は、US13/494870、US16/028850、US11/533709、US12/875015、US13/289934、US14/773418、US12/811207、US13/866756、US14/647480、US14/830336に示されるように、各抗体重鎖定常領域のCH3ドメインに異なる変異を組み込むことによって達成され得る。例えば、変異は、ヒトIgG1に基づいて、かつ第1のポリペプチド及び第2のポリペプチド内にアミノ酸置換の別個の対を組み込む(これらの2つの鎖が互いに選択的にヘテロ二量体化することを可能にする)ことによって、CH3ドメインに加えられ得る。以下に例証されるアミノ酸置換の位置はすべて、Kabatと同様のEUインデックスに従って番号付けされている。
1つのシナリオでは、第1のポリペプチドにおけるアミノ酸置換は、元のアミノ酸を、アルギニン(R)、フェニルアラニン(F)、チロシン(Y)、またはトリプトファン(W)から選択されるより大きいアミノ酸で置き換え、第2のポリペプチドにおける少なくとも1つのアミノ酸置換は、元のアミノ酸(複数可)を、アラニン(A)、セリン(S)、スレオニン(T)、またはバリン(V)から選択されるより小さいアミノ酸(複数可)で置き換え、これにより、より大きいアミノ酸置換(突起)がより小さいアミノ酸置換(空洞)の表面にフィットするようになる。例えば、一方のポリペプチドがT366W置換を組み込み得、他方のポリペプチドが、T366S、L368A、及びY407Vを含む3つの置換を組み込み得る。
本発明の抗体重鎖可変ドメインは、任意に、CH1ドメインの有無にかかわらず、ヒンジドメイン、CH2ドメイン、及びCH3ドメインを含むIgG定常領域などの抗体定常領域と少なくとも90%同一のアミノ酸配列に結合され得る。いくつかの実施形態では、定常領域のアミノ酸配列は、ヒトIgG1定常領域、IgG2定常領域、IgG3定常領域、またはIgG4定常領域などのヒト抗体定常領域と少なくとも90%同一である。いくつかの他の実施形態では、定常領域のアミノ酸配列は、ウサギ、イヌ、ネコ、マウス、またはウマなどの別の哺乳動物由来の抗体定常領域と少なくとも90%同一である。例えば、Q347、Y349、L351、S354、E356、E357、K360、Q362、S364、T366、L368、K370、N390、K392、T394、D399、S400、D401、F405、Y407、K409、T411、及び/またはK439において、ヒトIgG1定常領域と比較して1つ以上の変異が定常領域に組み込まれ得る。例示的な置換には、例えば、Q347E、Q347R、Y349S、Y349K、Y349T、Y349D、Y349E、Y349C、T350V、L351K、L351D、L351Y、S354C、E356K、E357Q、E357L、E357W、K360E、K360W、Q362E、S364K、S364E、S364H、S364D、T366V、T366I、T366L、T366M、T366K、T366W、T366S、L368E、L368A、L368D、K370S、N390D、N390E、K392L、K392M、K392V、K392F、K392D、K392E、T394F、T394W、D399R、D399K、D399V、S400K、S400R、D401K、F405A、F405T、Y407A、Y407I、Y407V、K409F、K409W、K409D、T411D、T411E、K439D、及びK439Eが含まれ得る。
ある特定の実施形態では、ヒトIgG1定常領域のCH1に組み込まれ得る変異は、アミノ酸V125、F126、P127、T135、T139、A140、F170、P171、及び/またはV173にあり得る。ある特定の実施形態では、ヒトIgG1定常領域のCκに組み込まれ得る変異は、アミノ酸E123、F116、S176、V163、S174、及び/またはT164にあり得る。
あるいは、少なくとも1つのアミノ酸置換は、以下の表7における組の置換から選択され得、ここで、第1ポリペプチドの列に示される位置(複数可)は、任意の既知の負に荷電したアミノ酸によって置き換えられ、第2のポリペプチドの列に示される位置(複数可)は、任意の既知の正に荷電したアミノ酸によって置き換えられる。
あるいは、少なくとも1つのアミノ酸置換は、以下の表8における組の置換から選択され得、ここで、第1ポリペプチドの列に示される位置(複数可)は、任意の既知の負に荷電したアミノ酸によって置き換えられ、第2のポリペプチドの列に示される位置(複数可)は、任意の既知の正に荷電したアミノ酸によって置き換えられる。
あるいは、または加えて、ヘテロ多量体タンパク質の構造的安定性は、第1のポリペプチド鎖または第2のポリペプチド鎖のいずれかにS354Cを導入し、反対側のポリペプチド鎖にY349Cを導入して、2つのポリペプチドの界面内に人工ジスルフィド架橋を形成することによって増加し得る。
いくつかの実施形態では、抗体定常領域の一方のポリペプチド鎖のアミノ酸配列は、T366位でIgG1定常領域のアミノ酸配列とは異なり、抗体定常領域の他方のポリペプチド鎖のアミノ酸配列は、T366、L368、及びY407からなる群から選択される1つ以上の位置でIgG1定常領域のアミノ酸配列とは異なる。
いくつかの実施形態では、抗体定常領域の一方のポリペプチド鎖のアミノ酸配列は、T366、L368、及びY407からなる群から選択される1つ以上の位置でIgG1定常領域のアミノ酸配列とは異なり、抗体定常領域の他方のポリペプチド鎖の配列は、T366位でIgG1定常領域のアミノ酸配列とは異なる。
いくつかの実施形態では、抗体定常領域の一方のポリペプチド鎖のアミノ酸配列は、E357、K360、Q362、S364、L368、K370、T394、D401、F405、及びT411からなる群から選択される1つ以上の位置でIgG1定常領域のアミノ酸配列とは異なり、抗体定常領域の他方のポリペプチド鎖のアミノ酸配列は、Y349、E357、S364、L368、K370、T394、D401、F405、及びT411からなる群から選択される1つ以上の位置でIgG1定常領域のアミノ酸配列とは異なる。
いくつかの実施形態では、抗体定常領域の一方のポリペプチド鎖のアミノ酸配列は、Y349、E357、S364、L368、K370、T394、D401、F405、及びT411からなる群から選択される1つ以上の位置でIgG1定常領域のアミノ酸配列とは異なり、抗体定常領域の他方のポリペプチド鎖のアミノ酸配列は、E357、K360、Q362、S364、L368、K370、T394、D401、F405、及びT411からなる群から選択される1つ以上の位置でIgG1定常領域のアミノ酸配列とは異なる。
いくつかの実施形態では、抗体定常領域の一方のポリペプチド鎖のアミノ酸配列は、L351、D399、S400、及びY407からなる群から選択される1つ以上の位置でIgG1定常領域のアミノ酸配列とは異なり、抗体定常領域の他方のポリペプチド鎖のアミノ酸配列は、T366、N390、K392、K409、及びT411からなる群から選択される1つ以上の位置でIgG1定常領域のアミノ酸配列とは異なる。
いくつかの実施形態では、抗体定常領域の一方のポリペプチド鎖のアミノ酸配列は、T366、N390、K392、K409、及びT411からなる群から選択される1つ以上の位置でIgG1定常領域のアミノ酸配列とは異なり、抗体定常領域の他方のポリペプチド鎖のアミノ酸配列は、L351、D399、S400、及びY407からなる群から選択される1つ以上の位置でIgG1定常領域のアミノ酸配列とは異なる。
いくつかの実施形態では、抗体定常領域の一方のポリペプチド鎖のアミノ酸配列は、Q347、Y349、K360、及びK409からなる群から選択される1つ以上の位置でIgG1定常領域のアミノ酸配列とは異なり、抗体定常領域の他方のポリペプチド鎖のアミノ酸配列は、Q347、E357、D399、及びF405からなる群から選択される1つ以上の位置でIgG1定常領域のアミノ酸配列とは異なる。
いくつかの実施形態では、抗体定常領域の一方のポリペプチド鎖のアミノ酸配列は、Q347、E357、D399、及びF405からなる群から選択される1つ以上の位置でIgG1定常領域のアミノ酸配列とは異なり、抗体定常領域の他方のポリペプチド鎖のアミノ酸配列は、Y349、K360、Q347、及びK409からなる群から選択される1つ以上の位置でIgG1定常領域のアミノ酸配列とは異なる。
いくつかの実施形態では、抗体定常領域の一方のポリペプチド鎖のアミノ酸配列は、K370、K392、K409、及びK439からなる群から選択される1つ以上の位置でIgG1定常領域のアミノ酸配列とは異なり、抗体定常領域の他方のポリペプチド鎖のアミノ酸配列は、D356、E357、及びD399からなる群から選択される1つ以上の位置でIgG1定常領域のアミノ酸配列とは異なる。
いくつかの実施形態では、抗体定常領域の一方のポリペプチド鎖のアミノ酸配列は、D356、E357、及びD399からなる群から選択される1つ以上の位置でIgG1定常領域のアミノ酸配列とは異なり、抗体定常領域の他方のポリペプチド鎖の配列は、K370、K392、K409、及びK439からなる群から選択される1つ以上の位置でIgG1定常領域のアミノ酸配列とは異なる。
いくつかの実施形態では、抗体定常領域の一方のポリペプチド鎖のアミノ酸配列は、L351、E356、T366、及びD399からなる群から選択される1つ以上の位置でIgG1定常領域のアミノ酸配列とは異なり、抗体定常領域の他方のポリペプチド鎖のアミノ酸配列は、Y349、L351、L368、K392、及びK409からなる群から選択される1つ以上の位置でIgG1定常領域のアミノ酸配列とは異なる。
いくつかの実施形態では、抗体定常領域の一方のポリペプチド鎖のアミノ酸配列は、Y349、L351、L368、K392、及びK409からなる群から選択される1つ以上の位置でIgG1定常領域のアミノ酸配列とは異なり、抗体定常領域の他方のポリペプチド鎖のアミノ酸配列は、L351、E356、T366、及びD399からなる群から選択される1つ以上の位置でIgG1定常領域のアミノ酸配列とは異なる。
いくつかの実施形態では、抗体定常領域の一方のポリペプチド鎖のアミノ酸配列は、S354C置換がIgG1定常領域のアミノ酸配列とは異なり、抗体定常領域の他方のポリペプチド鎖のアミノ酸配列は、Y349C置換がIgG1定常領域のアミノ酸配列とは異なる。
いくつかの実施形態では、抗体定常領域の一方のポリペプチド鎖のアミノ酸配列は、Y349C置換がIgG1定常領域のアミノ酸配列とは異なり、抗体定常領域の他方のポリペプチド鎖のアミノ酸配列は、S354C置換がIgG1定常領域のアミノ酸配列とは異なる。
いくつかの実施形態では、抗体定常領域の一方のポリペプチド鎖のアミノ酸配列は、K360E及びK409W置換がIgG1定常領域のアミノ酸配列とは異なり、抗体定常領域の他方のポリペプチド鎖のアミノ酸配列は、Q347R、D399V、及びF405T置換がIgG1定常領域のアミノ酸配列とは異なる。
いくつかの実施形態では、抗体定常領域の一方のポリペプチド鎖のアミノ酸配列は、Q347R、D399V、及びF405T置換がIgG1定常領域のアミノ酸配列とは異なり、抗体定常領域の他方のポリペプチド鎖のアミノ酸配列は、K360E及びK409W置換がIgG1定常領域のアミノ酸配列とは異なる。
いくつかの実施形態では、抗体定常領域の一方のポリペプチド鎖のアミノ酸配列は、T366W置換がIgG1定常領域のアミノ酸配列とは異なり、抗体定常領域の他方のポリペプチド鎖のアミノ酸配列は、T366S、T368A、及びY407V置換がIgG1定常領域のアミノ酸配列とは異なる。
いくつかの実施形態では、抗体定常領域の一方のポリペプチド鎖のアミノ酸配列は、T366S、T368A、及びY407V置換がIgG1定常領域のアミノ酸配列とは異なり、抗体定常領域の他方のポリペプチド鎖のアミノ酸配列は、T366W置換がIgG1定常領域のアミノ酸配列とは異なる。
いくつかの実施形態では、抗体定常領域の一方のポリペプチド鎖のアミノ酸配列は、T350V、L351Y、F405A、及びY407V置換がIgG1定常領域のアミノ酸配列とは異なり、抗体定常領域の他方のポリペプチド鎖のアミノ酸配列は、T350V、T366L、K392L、及びT394W置換がIgG1定常領域のアミノ酸配列とは異なる。
いくつかの実施形態では、抗体定常領域の一方のポリペプチド鎖のアミノ酸配列は、T350V、T366L、K392L、及びT394W置換がIgG1定常領域のアミノ酸配列とは異なり、抗体定常領域の他方のポリペプチド鎖のアミノ酸配列は、T350V、L351Y、F405A、及びY407V置換がIgG1定常領域のアミノ酸配列とは異なる。
上述の多重特異性結合タンパク質は、当業者に周知の組換えDNA技術を使用して作製され得る。例えば、第1の免疫グロブリン重鎖をコードする第1の核酸配列は、第1の発現ベクターにクローニングされ得、第2の免疫グロブリン重鎖をコードする第2の核酸配列は、第2の発現ベクターにクローニングされ得、免疫グロブリン軽鎖をコードする第3の核酸配列は、第3の発現ベクターにクローニングされ得、第1の発現ベクター、第2の発現ベクター、及び第3の発現ベクターは、宿主細胞に一緒に安定的にトランスフェクトされて、多量体タンパク質を産生し得る。
多重特異性タンパク質の最も高い収率を達成するために、第1の発現ベクター、第2の発現ベクター、及び第3の発現ベクターの異なる比率が探索されて、宿主細胞へのトランスフェクションのための最適な比率を決定することができる。トランスフェクション後、単一クローンが、限界希釈、ELISA、フローサイトメトリー、顕微鏡法、またはClonepixなどの当該技術分野で既知の方法を使用して、細胞バンク生成のために単離され得る。
クローンは、バイオリアクタースケールアップに好適な条件下で培養され、多重特異性タンパク質の発現を維持し得る。多重特異性タンパク質は、遠心分離、深層濾過、細胞溶解、均質化、凍結融解、親和性精製、ゲル濾過、イオン交換クロマトグラフィー、疎水性相互作用交換クロマトグラフィー、及び混合モードクロマトグラフィーを含む当該技術分野で既知の方法を使用して単離及び精製され得る。
II.多重特異性タンパク質の特徴
本明細書に記載の多重特異性結合タンパク質は、NKG2D結合部位、CD16結合部位、及びP−カドヘリン結合部位を含む。いくつかの実施形態では、多重特異性結合タンパク質は、NK細胞などのNKG2D及び/またはCD16を発現する細胞と、P−カドヘリンを発現する腫瘍細胞とに同時に結合する。NK細胞への多重特異性タンパク質の結合は、がん細胞の破壊に向けてNK細胞の活性を増強することができる。
本明細書に記載の多重特異性結合タンパク質は、NKG2D結合部位、CD16結合部位、及びP−カドヘリン結合部位を含む。いくつかの実施形態では、多重特異性結合タンパク質は、NK細胞などのNKG2D及び/またはCD16を発現する細胞と、P−カドヘリンを発現する腫瘍細胞とに同時に結合する。NK細胞への多重特異性タンパク質の結合は、がん細胞の破壊に向けてNK細胞の活性を増強することができる。
ある特定の実施形態では、本明細書に記載の多重特異性結合タンパク質は、同じP−カドヘリン結合部位を有する対応するモノクローナル抗体と同様の親和性でP−カドヘリンに結合する。ある特定の実施形態では、本明細書に記載の多重特異性結合タンパク質は、同じP−カドヘリン結合部位を有する対応するモノクローナル抗体よりも、P−カドヘリンを発現する腫瘍細胞の殺傷に効果的である。
ある特定の実施形態では、NKG2D結合部位及びP−カドヘリン結合部位を含む本明細書に記載の多重特異性結合タンパク質は、P−カドヘリンを発現する腫瘍細胞と共培養されると、初代ヒトNK細胞を活性化する。NK細胞活性化は、CD107a発現、脱顆粒、及びIFN−γサイトカイン産生の増加を特徴とする。さらに、同じP−カドヘリン結合部位を有する対応するモノクローナル抗体と比較して、本明細書に記載の多重特異性結合タンパク質は、P−カドヘリンを発現する細胞の存在下でヒトNK細胞の優れた活性化を示し得る。
ある特定の実施形態では、NKG2D結合ドメイン及びP−カドヘリン結合部位を含む本明細書に記載の多重特異性結合タンパク質は、P−カドヘリンを発現する腫瘍細胞の存在下で静止しているIL−2活性化ヒトNK細胞の活性化を増強する。
ある特定の実施形態では、同じP−カドヘリン結合部位を有する対応するモノクローナル抗体と比較して、本明細書に記載の多重特異性結合タンパク質は、P−カドヘリンの中程度または低い発現を有する腫瘍細胞に対してより高い細胞傷害性活性を有し得る。
III.治療的用途
本発明は、本明細書に記載の多重特異性結合タンパク質及び/または本明細書に記載の薬学的組成物を使用してがんを治療するための方法を提供する。これらの方法を使用して、P−カドヘリンを発現する様々ながんを治療することができる。治療される例示のがんは、胃癌、結腸直腸癌、膵臓癌、乳癌、子宮内膜癌、肺癌、前立腺癌、膀胱癌、子宮頸癌、頭頸部癌、卵巣癌、食道癌、腎癌、肝臓癌、精巣癌、口腔癌、多発性骨髄腫、白血病、急性骨髄性白血病、黒色腫、皮膚の基底細胞癌及び扁平上皮癌、神経膠腫、ユーイング肉腫、カポシ肉腫、及び中皮腫であり得る。
本発明は、本明細書に記載の多重特異性結合タンパク質及び/または本明細書に記載の薬学的組成物を使用してがんを治療するための方法を提供する。これらの方法を使用して、P−カドヘリンを発現する様々ながんを治療することができる。治療される例示のがんは、胃癌、結腸直腸癌、膵臓癌、乳癌、子宮内膜癌、肺癌、前立腺癌、膀胱癌、子宮頸癌、頭頸部癌、卵巣癌、食道癌、腎癌、肝臓癌、精巣癌、口腔癌、多発性骨髄腫、白血病、急性骨髄性白血病、黒色腫、皮膚の基底細胞癌及び扁平上皮癌、神経膠腫、ユーイング肉腫、カポシ肉腫、及び中皮腫であり得る。
いくつかの他の実施形態では、治療される例示のがんは、末端性黒子性黒色腫、光線性角化症、急性リンパ芽球性白血病、急性リンパ球性白血病、急性骨髄性白血病、腺癌、腺様嚢胞癌、腺肉腫、腺扁平上皮癌、肛門管癌、未分化大細胞リンパ腫、血管免疫芽球性T細胞リンパ腫、血管肉腫、肛門直腸癌、星状細胞腫瘍、バルトリン腺癌、基底細胞癌(例えば、皮膚)、B細胞リンパ腫、胆道癌、膀胱癌、骨癌、骨髄癌、脳癌、乳癌、気管支癌、気管支腺癌、バーキット白血病、カルチノイド、子宮頸癌、胆管癌、軟骨肉腫、脈絡叢乳頭腫/癌、慢性リンパ球性白血病、慢性骨髄性白血、慢性好中球性白血病、明細胞癌、結腸癌、結腸直腸癌、結合組織癌、皮膚T細胞リンパ腫、嚢胞腺腫、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫、消化器系癌、十二指腸癌、内分泌系癌、内胚葉洞腫瘍、子宮内膜癌/過形成、子宮内膜間質肉腫、類内膜腺癌、内皮細胞癌、腸症型T細胞リンパ腫、上衣癌、上皮細胞癌、食道癌、ユーイング肉腫、節外性辺縁帯B細胞リンパ腫、節外性ナチュラルキラー/T細胞リンパ腫、眼及び眼窩癌、女性生殖器癌、限局性結節性過形成、濾胞性リンパ腫、胆嚢癌、胃前庭部癌、胃癌、胃底部癌、ガストリノーマ、膠芽細胞腫、神経膠腫、グルカゴノーマ、ヘアリー細胞白血病、頭頸部癌、心臓癌、血管芽細胞腫、血管内皮腫、血管腫、血液腫瘍、肝細胞腺腫、肝腺腫症、肝細胞癌、肝胆道癌、ホジキン病、回腸癌、インスリノーマ、上皮内新形成、上皮内扁平上皮新形成、肝内胆管癌、浸潤性扁平上皮癌、空腸癌、関節癌、カポジ肉腫、腎臓癌、大細胞癌、大腸癌、平滑筋肉腫、悪性黒子型黒色腫、白血病、肝臓癌、肺癌、リンパ腫、リンパ形質細胞性リンパ腫、男性生殖器癌、悪性黒色腫、悪性中皮腫腫瘍、マントル細胞リンパ腫、辺縁帯B細胞リンパ腫、髄芽腫、髄様上皮腫、黒色腫、髄膜癌、中皮癌、中皮腫、転移性癌、口腔癌(mouth cancer)、粘液性類表皮癌、多発性骨髄腫、筋肉癌、骨髄異形成新生物、骨髄増殖性新生物、鼻道癌、神経系癌、神経芽細胞腫、神経上皮腺癌、節性辺縁帯B細胞リンパ腫、結節性黒色腫、非上皮性皮膚癌、非ホジキンリンパ腫、燕麦細胞癌、乏突起膠細胞癌、口腔癌(oral cavity cancer)、骨肉腫、卵巣癌、膵臓癌、乳頭状漿液性腺癌、耳下腺癌、骨盤癌、陰茎癌、末梢性T細胞リンパ腫、咽頭癌、下垂体腫瘍、形質細胞腫、前駆Tリンパ芽球性リンパ腫、中枢神経系原発リンパ腫、縦隔原発B細胞リンパ腫、前立腺癌、偽肉腫、肺芽腫、直腸癌、腎臓癌、腎細胞癌、呼吸器系癌、網膜芽細胞腫、横紋筋肉腫、肉腫、漿液性癌、副鼻腔癌、皮膚癌、小細胞癌、小腸癌、小リンパ球性リンパ腫、平滑筋癌、軟部組織癌、ソマトスタチン分泌腫瘍、脊椎癌、脾性辺縁帯B細胞リンパ腫、扁平上皮癌(例えば、皮膚)、横紋筋癌、皮下脂肪織炎様T細胞リンパ腫、亜中皮癌、表在拡大型黒色腫、T細胞白血病、T細胞リンパ腫、睾丸癌、甲状腺癌、舌癌、未分化癌、尿管癌、尿道癌、膀胱癌、子宮癌、子宮体癌、ブドウ膜黒色腫、膣癌、疣状癌、VIP産生腫瘍、外陰癌、高分化癌、またはウィルムス腫瘍であり得る。
IV.併用療法
本発明の別の態様は、併用療法を提供する。本明細書に記載の多重特異性結合タンパク質は、がんを治療するための追加の治療薬と組み合わせて使用され得る。
本発明の別の態様は、併用療法を提供する。本明細書に記載の多重特異性結合タンパク質は、がんを治療するための追加の治療薬と組み合わせて使用され得る。
がんの治療における併用療法の一環として使用され得る例示の治療薬には、例えば、放射線、マイトマイシン、トレチノイン、リボムスチン、ゲムシタビン、ビンクリスチン、エトポシド、クラドリビン、ミトブロニトール、メトトレキサート、ドキソルビシン、カルボコン、ペントスタチン、ニトラクリン、ジノスタチン、セトロレリクス、レトロゾール、ラルチトレキセド、ダウノルビシン、ファドロゾール、フォテムスチン、チマルファシン、ソブゾキサン、ネダプラチン、シタラビン、ビカルタミド、ビノレルビン、ベスナリノン、アミノグルテチミド、アムサクリン、プログルミド、酢酸エリプチニウム、ケタンセリン、ドキシフルリジン、エトレチナート、イソトレチノイン、ストレプトゾシン、ニムスチン、ビンデシン、フルタミド、ドロゲニル、ブトシン、カルモフール、ラゾキサン、シゾフィラン、カルボプラチン、ミトラクトール、テガフール、イフォスファミド、プレドニムスチン、ピシバニル、レバミソール、テニポシド、インプロスルファン、エノシタビン、リスリド、オキシメトロン、タモキシフェン、プロゲステロン、メピチオスタン、エピチオスタノール、フォルメスタン、インターフェロン−アルファ、インターフェロン−2アルファ、インターフェロンベータ、インターフェロンガンマ、コロニー刺激因子−1、コロニー刺激因子−2、デニロイキン・ディフティトックス、インターロイキン−2、黄体形成ホルモン放出因子、及び同族受容体への異なる結合及び増加または減少した血清半減期を呈し得る前述の薬剤の変形が含まれる。
がんの治療における併用療法の一環として使用され得る追加のクラスの薬剤は、免疫チェックポイント阻害剤である。例示の免疫チェックポイント阻害剤には、(i)細胞傷害性Tリンパ球関連抗原4(CTLA4)、(ii)プログラム細胞死タンパク質1(PD1)、(iii)PDL1、(iv)LAG3、(v)B7−H3、(vi)B7−H4、及び(vii)TIM3のうちの1つ以上を阻害する薬剤が含まれる。CTLA4阻害剤であるイピリムマブは、黒色腫の治療薬として米国食品医薬品局によって承認されている。
がんの治療における併用療法の一環として使用され得るさらに他の薬剤は、非チェックポイント標的(例えば、ハーセプチン)を標的とするモノクローナル抗体薬剤及び非細胞傷害性剤(例えば、チロシンキナーゼ阻害剤)である。
抗がん剤のさらに他のカテゴリーには、例えば、(i)ALK阻害剤、ATR阻害剤、A2Aアンタゴニスト、塩基除去修復阻害剤、Bcr−Ablチロシンキナーゼ阻害剤、ブルトンチロシンキナーゼ阻害剤、CDC7阻害剤、CHK1阻害剤、サイクリン依存性キナーゼ阻害剤、DNA−PK阻害剤、DNA−PK及びmTORの両方の阻害剤、DNMT1阻害剤、DNMT1阻害剤+2−クロロ−デオキシアデノシン、HDAC阻害剤、ヘッジホッグシグナル伝達経路阻害剤、IDO阻害剤、JAK阻害剤、mTOR阻害剤、MEK阻害剤、MELK阻害剤、MTH1阻害剤、PARP阻害剤、ホスホイノシチド3−キナーゼ阻害剤、PARP1及びDHODHの両方の阻害剤、プロテアソーム阻害剤、トポイソメラーゼII阻害剤、チロシンキナーゼ阻害剤、VEGFR阻害剤、及びWEE1阻害剤、(ii)OX40、CD137、CD40、GITR、CD27、HVEM、TNFRSF25、またはICOSアゴニスト、及び(iii)IL−12、IL−15、GM−CSF、及びG−CSFから選択されるサイトカインから選択される阻害剤が含まれる。
本発明のタンパク質は、原発病変の外科的除去を補助するものとしても使用され得る。
多重特異性結合タンパク質及び追加の治療薬の量、ならびに相対的な投与タイミングは、所望の併用療法効果を達成するために選択され得る。例えば、併用療法の投与を必要とする患者に併用療法を投与する場合、併用における治療薬、またはそれらの治療薬を含む薬学的組成物(複数可)は、例えば、順次に、同時発生的に、一緒に、同時になどの任意の順序で投与され得る。さらに、例えば、多重特異性結合タンパク質は、追加の治療薬(複数可)がその予防的または治療的効果を発揮している間に投与され得、またはその逆も同様であり得る。
V.薬学的組成物
本開示は、本明細書に記載のタンパク質の治療有効量を含む薬学的組成物も特色とする。本組成物は、様々な薬物送達系での使用のために製剤化され得る。1つ以上の生理学的に許容される賦形剤または担体も適切な製剤化のために本組成物に含まれ得る。本開示における使用に好適な製剤は、Remington’s Pharmaceutical Sciences,17th Ed.Mack Publishing Company,Easton,PA(1985)に記載されている。薬物送達のための方法の簡潔な総説については、例えば、Langer T.(1990)Science;249(4976):1527−1533を参照されたい。
本開示は、本明細書に記載のタンパク質の治療有効量を含む薬学的組成物も特色とする。本組成物は、様々な薬物送達系での使用のために製剤化され得る。1つ以上の生理学的に許容される賦形剤または担体も適切な製剤化のために本組成物に含まれ得る。本開示における使用に好適な製剤は、Remington’s Pharmaceutical Sciences,17th Ed.Mack Publishing Company,Easton,PA(1985)に記載されている。薬物送達のための方法の簡潔な総説については、例えば、Langer T.(1990)Science;249(4976):1527−1533を参照されたい。
本開示の静脈内薬物送達製剤は、バッグ、ペン、またはシリンジに収容され得る。ある特定の実施形態では、バッグは、管及び/または針を含むチャネルに接続され得る。ある特定の実施形態では、製剤は、凍結乾燥製剤または液体製剤であり得る。ある特定の実施形態では、製剤は、冷凍乾燥(凍結乾燥)され、約12〜60個のバイアル内に収容され得る。ある特定の実施形態では、製剤は、冷凍乾燥され得、45mgの冷凍乾燥製剤が1つのバイアル内に収容され得る。ある特定の実施形態では、約40mg〜約100mgの冷凍乾燥製剤が1つのバイアル内に収容され得る。ある特定の実施形態では、静脈内薬物製剤中のタンパク質の治療用量を得るために、12、27、または45個のバイアルからの冷凍乾燥製剤が組み合わせられる。ある特定の実施形態では、製剤は、液体製剤であり、約250mg/バイアル〜約1000mg/バイアルとして保管され得る。ある特定の実施形態では、製剤は、液体製剤であり、約600mg/バイアルとして保管され得る。ある特定の実施形態では、製剤は、液体製剤であり、約250mg/バイアルとして保管され得る。
本開示は、緩衝溶液中に多重特異性タンパク質の治療有効量を含む液体水性薬学的製剤で存在し得る。
本明細書に開示される組成物は、従来の滅菌技法によって滅菌され得るか、または滅菌濾過され得る。結果として生じた水溶液は、そのまま使用するために包装され得るか、または凍結乾燥され得、凍結乾燥された調製物は、投与前に滅菌水性担体と組み合わせられる。調製物のpHは、典型的には、3〜11、より好ましくは5〜9または6〜8、最も好ましくは7〜7.5などの7〜8である。結果として生じた固体形態の組成物は、各々前述の薬剤(複数可)の固定量を収容する複数の単回用量単位に包装され得る。固体形態の組成物は、自在量用の容器に包装される場合もある。
ある特定の実施形態では、本開示は、マンニトール、クエン酸一水和物、クエン酸ナトリウム、リン酸二ナトリウム二水和物、リン酸二水素ナトリウム二水和物、塩化ナトリウム、ポリソルベート80、水、及び水酸化ナトリウムと組み合わせて、本開示の多重特異性タンパク質を含む、保管期間が延長された製剤を提供する。
ある特定の実施形態では、pH緩衝溶液中に本開示のタンパク質を含む水性製剤が調製される。本発明の緩衝液は、約4〜約8、例えば、約4.5〜約6.0、または約4.8〜約5.5の範囲のpHを有し得るか、または約5.0〜約5.2のpHを有し得る。上記のpHに対して中間の範囲も本開示の一部であるよう意図されている。例えば、上記の値のうちのいずれかの組み合わせを上限値及び/または下限値として使用する値の範囲が含まれるよう意図されている。pHをこの範囲内で制御する緩衝液の例には、酢酸塩(例えば、酢酸ナトリウム)、コハク酸塩(例えば、コハク酸ナトリウム)、グルコン酸塩、ヒスチジン、クエン酸塩、及び他の有機酸緩衝液が含まれる。
ある特定の実施形態では、製剤は、約4〜約8の範囲のpHを維持するためにクエン酸塩及びリン酸塩を含有する緩衝系を含む。ある特定の実施形態では、pH範囲は、約4.5〜約6.0、または約4.8〜約5.5、または約5.0〜約5.2のpH範囲であり得る。ある特定の実施形態では、緩衝系は、クエン酸一水和物、クエン酸ナトリウム、リン酸二ナトリウム二水和物、及び/またはリン酸二水素ナトリウム二水和物を含む。ある特定の実施形態では、緩衝系は、約1.3mg/mLのクエン酸(例えば、1.305mg/mL)、約0.3mg/mLのクエン酸ナトリウム(例えば、0.305mg/mL)、約1.5mg/mLのリン酸二ナトリウム二水和物(例えば、1.53mg/mL)、約0.9mg/mLのリン酸二水素ナトリウム二水和物(例えば、0.86mg/mL)、及び約6.2mg/mLの塩化ナトリウム(例えば、6.165mg/mL)を含む。ある特定の実施形態では、緩衝系は、1〜1.5mg/mLのクエン酸、0.25〜0.5mg/mLのクエン酸ナトリウム、1.25〜1.75mg/mLのリン酸二ナトリウム二水和物、0.7〜1.1mg/mLのリン酸二水素ナトリウム二水和物、及び6.0〜6.4mg/mLの塩化ナトリウムを含む。ある特定の実施形態では、製剤のpHは、水酸化ナトリウムで調整される。
等張化剤として作用し、かつ抗体を安定化させ得るポリオールも本明細書に記載の製剤に含まれ得る。ポリオールは、製剤の所望の等張性に応じて変化し得る量で製剤に添加される。ある特定の実施形態では、水性製剤は、等張性であり得る。添加されるポリオールの量は、ポリオールの分子量に応じて変化する場合もある。例えば、二糖(トレハロースなど)と比較して、より少ない量の単糖(例えば、マンニトール)が添加され得る。ある特定の実施形態では、等張化剤として製剤中で使用され得るポリオールは、マンニトールである。ある特定の実施形態では、マンニトールの濃度は、約5〜約20mg/mLであり得る。ある特定の実施形態では、マンニトールの濃度は、約7.5〜15mg/mLであり得る。ある特定の実施形態では、マンニトールの濃度は、約10〜14mg/mLであり得る。ある特定の実施形態では、マンニトールの濃度は、約12mg/mLであり得る。ある特定の実施形態では、ポリオールソルビトールが製剤に含まれ得る。
洗剤または界面活性剤も本発明の製剤に添加され得る。例示の洗剤には、ポリソルベート(例えば、ポリソルベート20、80など)またはポロキサマー(例えば、ポロキサマー188)等の非イオン性洗剤が含まれる。添加される洗剤の量は、それが製剤化された抗体の凝集を減少させる及び/または製剤中の微粒子の形成を最小限に抑える及び/または吸着を減少させるような量である。ある特定の実施形態では、製剤は、ポリソルベートである界面活性剤を含み得る。ある特定の実施形態では、製剤は、洗剤であるポリソルベート80またはTween 80を含み得る。Tween 80は、ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノオレエートを説明するために使用される用語である(例えば、Fiedler H.P.,Lexikon der Hifsstoffe fur Pharmazie,Kosmetik und andrenzende Gebiete,4th Ed.,Editio Cantor,Aulendorf,Germany(1996)を参照のこと)。ある特定の実施形態では、製剤は、約0.1mg/mL〜約10mg/mLまたは約0.5mg/mL〜約5mg/mLのポリソルベート80を含み得る。ある特定の実施形態では、約0.1%ポリソルベート80が製剤に添加され得る。
ある特定の実施形態では、本開示の多量特異性タンパク質産物は、液体製剤として製剤化される。液体製剤は、ゴム栓で閉鎖され、かつアルミニウム圧着シール閉鎖材で密封されたUSP/Ph EurのいずれかのI型50Rバイアル中に10mg/mLの濃度で存在し得る。栓は、USP及びPh Eurに準拠したエラストマーで作製され得る。ある特定の実施形態では、バイアルは、60mLの抽出可能な体積を可能にするために、61.2mLの多重特異性タンパク質産物溶液で充填され得る。ある特定の実施形態では、液体製剤は、0.9%生理食塩水溶液で希釈され得る。
ある特定の実施形態では、本開示の液体製剤は、安定化レベルで糖と組み合わせて10mg/mLの濃度の溶液として調製され得る。ある特定の実施形態では、液体製剤は、水性担体中で調製され得る。ある特定の実施形態では、安定剤は、静脈内投与に望ましくないまたは好適ではない粘度をもたらし得る量を超えない量で添加され得る。ある特定の実施形態では、糖は、二糖、例えば、スクロースであり得る。ある特定の実施形態では、液体製剤は、緩衝剤、界面活性剤、及び防腐剤のうちの1つ以上も含み得る。
ある特定の実施形態では、液体製剤のpHは、薬学的に許容される酸及び/または塩基の添加によって設定され得る。ある特定の実施形態では、薬学的に許容される酸は、塩酸であり得る。ある特定の実施形態では、塩基は、水酸化ナトリウムであり得る。
凝集に加えて、脱アミド化は、発酵、収集/細胞浄化、精製、薬物物質/薬物製品保管、及び試料分析中に生じ得るペプチド及びタンパク質の一般的な産物変化である。生理学的条件下では、脱アミド化は、タンパク質のアスパラギン残基からのアンモニア(NH3)の欠失であり、その結果、質量が17ダルトン減少し、スクシンイミド中間体が形成される。その後のスクシンイミドの加水分解により、質量が18ダルトン増加し、アスパラギン酸またはイソアスパラギン酸が形成される。脱アミド化の速度に影響を及ぼすパラメータには、pH、温度、溶媒誘電率、イオン強度、一次配列、局所ポリペプチド立体配座、及び三次構造が含まれる。ペプチド鎖内のAsnに隣接するアミノ酸残基も脱アミド化速度に影響を及ぼし得、例えば、Asn残基に続くGly残基及びSer残基は、脱アミド化に対する感受性を高める。
ある特定の実施形態では、本開示の液体製剤は、タンパク質産物の脱アミノ化を防止するためのpH及び湿度条件下で保存され得る。
本明細書における目的とする水性担体は、薬学的に許容され(すなわち、ヒトへの投与に安全及び非毒性である)、かつ液体製剤の調製に有用なものである。例示的な担体には、注射用滅菌水(SWFI)、注射用静菌水(BWFI)、pH緩衝溶液(例えば、リン酸緩衝生理食塩水)、滅菌生理食塩水、リンゲル溶液、またはデキストロース溶液が含まれる。
細菌作用を減少させるために、防腐剤が本明細書の製剤に任意に添加され得る。防腐剤の添加は、例えば、複数回使用(複数回用量)製剤の製造を容易にし得る。
静脈内(IV)製剤は、特定の場合、例えば、患者が移植後に病院で全ての薬物をIV経路で受けている場合に好ましい投与経路であり得る。ある特定の実施形態では、液体製剤は、投与前に0.9%塩化ナトリウム溶液で希釈される。ある特定の実施形態では、注射用に希釈された薬物製品は、等張性であり、静脈内注入による投与に好適である。
ある特定の実施形態では、塩または緩衝液成分は、約10mM〜約200mMの量で添加され得る。塩及び/または緩衝液は、薬学的に許容され、「塩基形成」金属またはアミンを有する様々な既知の酸(無機及び有機)に由来する。ある特定の実施形態では、緩衝液は、リン酸緩衝液であり得る。ある特定の実施形態では、緩衝液は、グリシン酸、炭酸、クエン酸緩衝液であり得、この場合、ナトリウム、カリウム、またはアンモニウムイオンが対イオンとして機能し得る。
細菌作用を減少させるために、防腐剤が本明細書の製剤に任意に添加され得る。防腐剤の添加は、例えば、複数回使用(すなわち、複数回用量)製剤の製造を容易にし得る。
本明細書における目的とする水性担体は、薬学的に許容され(すなわち、ヒトへの投与に安全及び非毒性である)、かつ液体製剤の調製に有用なものである。例示的な担体には、SWFI、BWFI、pH緩衝溶液(例えば、リン酸緩衝生理食塩水)、滅菌生理食塩水、リンゲル溶液、またはデキストロース溶液が含まれる。
本開示は、タンパク質及び凍結乾燥保護剤(lyoprotectant)を含む凍結乾燥製剤中に存在し得る。凍結乾燥保護剤は、糖、例えば、二糖であり得る。ある特定の実施形態では、凍結乾燥保護剤は、スクロースまたはマルトースであり得る。凍結乾燥製剤は、緩衝剤、界面活性剤、増量剤、及び/または防腐剤のうちの1つ以上も含み得る。
凍結乾燥薬物製品の安定化に有用なスクロースまたはマルトースの量は、少なくとも1:2のタンパク質のスクロースまたはマルトースに対する重量比であり得る。ある特定の実施形態では、タンパク質のスクロースまたはマルトースに対する重量比は、1:2〜1:5であり得る。
ある特定の実施形態では、凍結乾燥前の凍結乾燥製剤のpHは、薬学的に許容される酸及び/または塩基の添加によって設定され得る。ある特定の実施形態では、薬学的に許容される酸は、塩酸であり得る。ある特定の実施形態では、薬学的に許容される塩基は、水酸化ナトリウムであり得る。
凍結乾燥前に、本開示のタンパク質を含む溶液のpHは、6〜8に調整され得る。ある特定の実施形態では、凍結乾燥薬物製品のpH範囲は、7〜8であり得る。
ある特定の実施形態では、塩または緩衝液成分は、10mM〜200mMの量で添加され得る。塩及び/または緩衝液は、薬学的に許容され、「塩基形成」金属またはアミンを有する様々な既知の酸(無機及び有機)に由来する。ある特定の実施形態では、緩衝液は、リン酸緩衝液であり得る。ある特定の実施形態では、緩衝液は、グリシン酸、炭酸、クエン酸緩衝液であり得、この場合、ナトリウム、カリウム、またはアンモニウムイオンが対イオンとして機能し得る。
ある特定の実施形態では、「増量剤」が凍結乾燥製剤に添加され得る。「増量剤」とは、凍結乾燥混合物に質量を加え、かつ凍結乾燥ケーキの物理的構造に寄与する(例えば、開放細孔構造を維持する本質的に均一な凍結乾燥ケーキの製造を容易にする)化合物である。例示的な増量剤には、マンニトール、グリシン、ポリエチレングリコール、及びソルビトールが含まれる。本発明の凍結乾燥製剤は、かかる増量剤を含み得る。
細菌作用を減少させるために、防腐剤が本明細書の凍結乾燥製剤に任意に添加され得る。防腐剤の添加は、例えば、複数回使用(すなわち、複数回用量)製剤の製造を容易にし得る。
ある特定の実施形態では、凍結乾燥薬物製品は、水性担体で再構成され得る。本明細書における目的とする水性担体は、凍結乾燥後に薬学的に許容され(例えば、ヒトへの投与に安全及び非毒性である)、かつ再構成された液体製剤の調製に有用なものである。例示的な希釈剤には、SWFI、BWFI、pH緩衝液(例えば、リン酸緩衝生理食塩水)、滅菌生理食塩水、リンゲル溶液、またはデキストロース溶液が含まれる。
ある特定の実施形態では、本開示の凍結乾燥薬物製品は、SWFI(USP)または注射用0.9%塩化ナトリウム(USP)のいずれかで再構成される。再構成中に、凍結乾燥粉末が溶液中に溶解する。
ある特定の実施形態では、本開示の凍結乾燥タンパク質製品は、SWFI中で約4.5mLに構成され、0.9%生理食塩水(塩化ナトリウム溶液)で希釈される。
本発明の薬学的組成物中の活性成分の実際の投薬量レベルは、患者に毒性を与えることなく、特定の患者、組成物、及び投与様式に所望の治療反応を達成するのに有効な活性成分の量を得るように変更され得る。
具体的な用量は、患者毎に均一の用量、例えば、50〜5000mgのタンパク質であり得る。あるいは、患者の用量は、患者のおよその体重または表面積に対して調整され得る。適切な投薬量を決定する際の他の要因には、治療または予防される疾患または状態、疾患の重症度、投与経路、ならびに患者の年齢、性別、及び医学的状態が含まれ得る。治療に適切な投薬量を決定するのに必要な計算のさらなる微調整は、特に本明細書に開示される投薬量情報及びアッセイに照らして、当業者によって慣習的になされ得る。投薬量は、適切な用量応答データと併せて使用される投薬量を決定するための既知のアッセイの使用によっても決定され得る。個々の患者の投薬量は、疾患の進行を監視しながら調整され得る。有効濃度に到達するか、またはそれを維持するように投薬量が調整される必要があるかを確認するために、患者における標的可能な構築物または複合体の血中濃度が測定され得る。薬理ゲノミクスを使用して、どの標的可能な構築物及び/または複合体、ならびにそれらの投薬量が、所与の個体に有効である可能性が最も高いかを決定することができる(例えば、Schmitz et al.(2001)Clinica Chimica Acta;308:43−53,2001、Steimer et al.(2001)Clinica Chimica Acta308:33−41を参照のこと)。
概して、体重に基づく投薬量は、約0.01μg〜約100mg/kg体重、例えば、約0.01μg〜約100mg/kg体重、約0.01μg〜約50mg/kg体重、約0.01μg〜約10mg/kg体重、約0.01μg〜約1mg/kg体重、約0.01μg〜約100μg/kg体重、約0.01μg〜約50μg/kg体重、約0.01μg〜約10μg/kg体重、約0.01μg〜約1μg/kg体重、約0.01μg〜約0.1μg/kg体重、約0.1μg〜約100mg/kg体重、約0.1μg〜約50mg/kg体重、約0.1μg〜約10mg/kg体重、約0.1μg〜約1mg/kg体重、約0.1μg〜約100μg/kg体重、約0.1μg〜約10μg/kg体重、約0.1μg〜約1μg/kg体重、約1μg〜約100mg/kg体重、約1μg〜約50mg/kg体重、約1μg〜約10mg/kg体重、約1μg〜約1mg/kg体重、約1μg〜約100μg/kg体重、約1μg〜約50μg/kg体重、約1μg〜約10μg/kg体重、約10μg〜約100mg/kg体重、約10μg〜約50mg/kg体重、約10μg〜約10mg/kg体重、約10μg〜約1mg/kg体重、約10μg〜約100μg/kg体重、約10μg〜約50μg/kg体重、約50μg〜約100mg/kg体重、約50μg〜約50mg/kg体重、約50μg〜約10mg/kg体重、約50μg〜約1mg/kg体重、約50μg〜約100μg/kg体重、約100μg〜約100mg/kg体重、約100μg〜約50mg/kg体重、約100μg〜約10mg/kg体重、約100μg〜約1mg/kg体重、約1mg〜約100mg/kg体重、約1mg〜約50mg/kg体重、約1mg〜約10mg/kg体重、約10mg〜約100mg/kg体重、約10mg〜約50mg/kg体重、または約50mg〜約100mg/kg体重である。
用量は、1日回以上、週回以上、月回以上、もしくは年1回以上、またはさらに2〜20年に1回与えられ得る。当業者であれば、体液または組織中の標的可能な構築物または複合体の測定された滞留時間及び濃度に基づいて、投薬の繰り返し速度を容易に推定することができる。本発明の投与は、静脈内、動脈内、腹腔内、筋肉内、皮下、胸膜内、髄腔内、腔内投与、カテーテルを介した灌流による投与、または直接病巣内注射による投与であり得る。これは、1日1回以上、週1回以上、月1回以上、及び年1回以上投与され得る。
上記の記述は、本発明の複数の態様及び実施形態を説明している。本特許出願は、これらの態様及び実施形態の全ての組み合わせ及び順列を具体的に企図する。
ここで概して記載されている本発明は、本発明のある特定の態様及び実施形態を例証する目的のみのために含まれており、本発明を限定するようには意図されていない以下の実施例を参照することにより、より容易に理解されるであろう。
実施例1−NKG2D結合ドメインはNKG2Dに結合する
NKG2D結合ドメインは精製された組換えNKG2Dに結合する
ヒト、マウス、またはカニクイザルNKG2D細胞外ドメインの核酸配列を、ヒトIgG1のFcドメインをコードする核酸配列と融合させ、発現させる哺乳類細胞に導入した。精製後、NKG2D−Fc融合タンパク質をマイクロプレートのウェルに吸着させた。ウェルをウシ血清アルブミンでブロックして非特異的結合をブロックした後、NKG2D結合ドメインを滴定し、NKG2D−Fc融合タンパク質を事前に吸着させたウェルに添加した。一次抗体の結合を、西洋ワサビペルオキシダーゼにコンジュゲートされ、かつヒトカッパ軽鎖を特異的に認識してFc交差反応性を回避する二次抗体を使用して検出した。ワサビペルオキシダーゼの基質である3,3’,5,5’−テトラメチルベンジジン(TMB)をウェルに添加して結合シグナルを可視化し、その吸光度を450nMで測定し、540nMで補正した。NKG2D結合ドメインクローン、アイソタイプ対照、または陽性対照(配列番号101〜104から選択される重鎖可変ドメイン及び軽鎖可変ドメイン、または抗マウスNKG2DクローンMI−6及びCX−5(eBioscience,San Diego,CA)を含む)を各ウェルに添加した。
NKG2D結合ドメインは精製された組換えNKG2Dに結合する
ヒト、マウス、またはカニクイザルNKG2D細胞外ドメインの核酸配列を、ヒトIgG1のFcドメインをコードする核酸配列と融合させ、発現させる哺乳類細胞に導入した。精製後、NKG2D−Fc融合タンパク質をマイクロプレートのウェルに吸着させた。ウェルをウシ血清アルブミンでブロックして非特異的結合をブロックした後、NKG2D結合ドメインを滴定し、NKG2D−Fc融合タンパク質を事前に吸着させたウェルに添加した。一次抗体の結合を、西洋ワサビペルオキシダーゼにコンジュゲートされ、かつヒトカッパ軽鎖を特異的に認識してFc交差反応性を回避する二次抗体を使用して検出した。ワサビペルオキシダーゼの基質である3,3’,5,5’−テトラメチルベンジジン(TMB)をウェルに添加して結合シグナルを可視化し、その吸光度を450nMで測定し、540nMで補正した。NKG2D結合ドメインクローン、アイソタイプ対照、または陽性対照(配列番号101〜104から選択される重鎖可変ドメイン及び軽鎖可変ドメイン、または抗マウスNKG2DクローンMI−6及びCX−5(eBioscience,San Diego,CA)を含む)を各ウェルに添加した。
アイソタイプ対照が組換えNKG2D−Fcタンパク質への最小限の結合を示した一方で、陽性対照は、組換え抗原に最も強く結合した。全てのクローンによって産生されたNKG2D結合ドメインは、クローンによって親和性が異なるが、ヒト、マウス、及びカニクイザル組換えNKG2D−Fcタンパク質にわたって結合することを実証した。概して、各抗NKG2Dクローンは、ヒト(図3)及びカニクイザル(図4)組換えNKG2D−Fcに同様の親和性で結合したが、マウス(図5)組換えNKG2D−Fcにはより低い親和性で結合した。
NKG2D結合ドメインはNKG2Dを発現する細胞に結合する
EL4マウスリンパ腫細胞株を、ヒトまたはマウスNKG2D−CD3ゼータシグナル伝達ドメインキメラ抗原受容体を発現するように操作した。EL4細胞上に発現した細胞外NKG2Dを染色するために、NKG2D結合クローン、アイソタイプ対照、または陽性対照を100nMの濃度で使用した。抗体結合を、フルオロフォアコンジュゲート抗ヒトIgG二次抗体を使用して検出した。細胞をフローサイトメトリーによって分析し、バックグラウンドに対する倍率(FOB)を、親EL4細胞と比較したNKG2D発現細胞の平均蛍光強度(MFI)を使用して計算した。
EL4マウスリンパ腫細胞株を、ヒトまたはマウスNKG2D−CD3ゼータシグナル伝達ドメインキメラ抗原受容体を発現するように操作した。EL4細胞上に発現した細胞外NKG2Dを染色するために、NKG2D結合クローン、アイソタイプ対照、または陽性対照を100nMの濃度で使用した。抗体結合を、フルオロフォアコンジュゲート抗ヒトIgG二次抗体を使用して検出した。細胞をフローサイトメトリーによって分析し、バックグラウンドに対する倍率(FOB)を、親EL4細胞と比較したNKG2D発現細胞の平均蛍光強度(MFI)を使用して計算した。
NKG2D結合ドメインは、ヒト及びマウスNKG2Dを発現するEL4細胞に結合した全てのクローンによって産生された。陽性対照抗体(配列番号101〜104から選択される重鎖可変ドメイン及び軽鎖可変ドメイン、または抗マウスNKG2DクローンMI−6及びCX−5(eBioscience,San Diego,CA)を含む)は、最良のFOB結合シグナルを提供した。各クローンのNKG2D結合親和性は、ヒトNKG2D(図6)及びマウスNKG2D(図7)を発現する細胞間で同様であった。
実施例2−NKG2D結合ドメインは天然リガンドのNKG2Dへの結合を阻害する
ULBP−6との競合
組換えヒトNKG2D−Fcタンパク質をマイクロプレートのウェルに吸着させ、ウェルをウシ血清アルブミンでブロックして非特異的結合を減少させた。飽和濃度のULBP−6−His−ビオチンをウェルに添加し、その後、NKG2D結合ドメインクローンを添加した。2時間インキュベートした後、ウェルを洗浄し、NKG2D−Fc被覆ウェルに結合したままのULBP−6−His−ビオチンを、西洋ワサビペルオキシダーゼにコンジュゲートされたストレプトアビジン及びTMB基質によって検出した。吸光度を450nMで測定し、540nMで補正した。バックグラウンドを差し引いた後、NKG2D結合ドメインのNKG2D−Fcタンパク質への特異的結合を、ウェル中のNKG2D−Fcタンパク質への結合が阻害されたULBP−6−His−ビオチンの割合から計算した。陽性対照抗体(配列番号101〜104から選択される重鎖可変ドメイン及び軽鎖可変ドメインを含む)及び様々なNKG2D結合ドメインがULBP−6のNKG2Dへの結合を阻害した一方で、アイソタイプ対照は、ULBP−6との競合をほとんど示さなかった(図8)。
ULBP−6との競合
組換えヒトNKG2D−Fcタンパク質をマイクロプレートのウェルに吸着させ、ウェルをウシ血清アルブミンでブロックして非特異的結合を減少させた。飽和濃度のULBP−6−His−ビオチンをウェルに添加し、その後、NKG2D結合ドメインクローンを添加した。2時間インキュベートした後、ウェルを洗浄し、NKG2D−Fc被覆ウェルに結合したままのULBP−6−His−ビオチンを、西洋ワサビペルオキシダーゼにコンジュゲートされたストレプトアビジン及びTMB基質によって検出した。吸光度を450nMで測定し、540nMで補正した。バックグラウンドを差し引いた後、NKG2D結合ドメインのNKG2D−Fcタンパク質への特異的結合を、ウェル中のNKG2D−Fcタンパク質への結合が阻害されたULBP−6−His−ビオチンの割合から計算した。陽性対照抗体(配列番号101〜104から選択される重鎖可変ドメイン及び軽鎖可変ドメインを含む)及び様々なNKG2D結合ドメインがULBP−6のNKG2Dへの結合を阻害した一方で、アイソタイプ対照は、ULBP−6との競合をほとんど示さなかった(図8)。
ULBP−6配列は配列番号141によって表される。
MAAAAIPALLLCLPLLFLLFGWSRARRDDPHSLCYDITVIPKFRPGPRWCAVQGQVDEKTFLHYDCGNKTVTPVSPLGKKLNVTMAWKAQNPVLREVVDILTEQLLDIQLENYTPKEPLTLQARMSCEQKAEGHSSGSWQFSIDGQTFLLFDSEKRMWTTVHPGARKMKEKWENDKDVAMSFHYISMGDCIGWLEDFLMGMDSTLEPSAGAPLAMSSGTTQLRATATTLILCCLLIILPCFILPGI(配列番号141)
MAAAAIPALLLCLPLLFLLFGWSRARRDDPHSLCYDITVIPKFRPGPRWCAVQGQVDEKTFLHYDCGNKTVTPVSPLGKKLNVTMAWKAQNPVLREVVDILTEQLLDIQLENYTPKEPLTLQARMSCEQKAEGHSSGSWQFSIDGQTFLLFDSEKRMWTTVHPGARKMKEKWENDKDVAMSFHYISMGDCIGWLEDFLMGMDSTLEPSAGAPLAMSSGTTQLRATATTLILCCLLIILPCFILPGI(配列番号141)
MICAとの競合
組換えヒトMICA−Fcタンパク質をマイクロプレートのウェルに吸着させ、ウェルをウシ血清アルブミンでブロックして非特異的結合を減少させた。NKG2D−Fc−ビオチンをウェルに添加し、その後、NKG2D結合ドメインを添加した。インキュベート及び洗浄後、MICA−Fc被覆ウェルに結合したままのNKG2D−Fc−ビオチンを、ストレプトアビジン−HRP及びTMB基質を使用して検出した。吸光度を450nMで測定し、540nMで補正した。バックグラウンドを差し引いた後、NKG2D結合ドメインのNKG2D−Fcタンパク質への特異的結合を、MICA−Fc被覆ウェルへの結合が阻害されたNKG2D−Fc−ビオチンの割合から計算した。陽性対照抗体(配列番号101〜104から選択される重鎖可変ドメイン及び軽鎖可変ドメインを含む)及び様々なNKG2D結合ドメインがMICAのNKG2Dへの結合を阻害した一方で、アイソタイプ対照は、MICAとの競合をほとんど示さなかった(図9)。
組換えヒトMICA−Fcタンパク質をマイクロプレートのウェルに吸着させ、ウェルをウシ血清アルブミンでブロックして非特異的結合を減少させた。NKG2D−Fc−ビオチンをウェルに添加し、その後、NKG2D結合ドメインを添加した。インキュベート及び洗浄後、MICA−Fc被覆ウェルに結合したままのNKG2D−Fc−ビオチンを、ストレプトアビジン−HRP及びTMB基質を使用して検出した。吸光度を450nMで測定し、540nMで補正した。バックグラウンドを差し引いた後、NKG2D結合ドメインのNKG2D−Fcタンパク質への特異的結合を、MICA−Fc被覆ウェルへの結合が阻害されたNKG2D−Fc−ビオチンの割合から計算した。陽性対照抗体(配列番号101〜104から選択される重鎖可変ドメイン及び軽鎖可変ドメインを含む)及び様々なNKG2D結合ドメインがMICAのNKG2Dへの結合を阻害した一方で、アイソタイプ対照は、MICAとの競合をほとんど示さなかった(図9)。
Rae−1デルタとの競合
組換えマウスRae−1デルタ−Fc(R&D Systems、Minneapolis,MN)をマイクロプレートのウェルに吸着させ、ウェルをウシ血清アルブミンでブロックして非特異的結合を減少させた。マウスNKG2D−Fc−ビオチンをウェルに添加し、その後、NKG2D結合ドメインを添加した。インキュベート及び洗浄後、Rae−1デルタ−Fc被覆ウェルに結合したままのNKG2D−Fc−ビオチンを、ストレプトアビジン−HRP及びTMB基質を使用して検出した。吸光度を450nMで測定し、540nMで補正した。バックグラウンドを差し引いた後、NKG2D結合ドメインのNKG2D−Fcタンパク質への特異的結合を、Rae−1デルタ−Fc被覆ウェルへの結合が阻害されたNKG2D−Fc−ビオチンの割合から計算した。陽性対照(配列番号101〜104から選択される重鎖可変ドメイン及び軽鎖可変ドメイン、または抗マウスNKG2DクローンMI−6及びCX−5(eBioscience,San Diego,CA)を含む)及び様々なNKG2D結合ドメインクローンがRae−1デルタのマウスNKG2Dへの結合を阻害した一方で、アイソタイプ対照抗体は、Rae−1デルタとの競合をほとんど示さなかった(図10)。
組換えマウスRae−1デルタ−Fc(R&D Systems、Minneapolis,MN)をマイクロプレートのウェルに吸着させ、ウェルをウシ血清アルブミンでブロックして非特異的結合を減少させた。マウスNKG2D−Fc−ビオチンをウェルに添加し、その後、NKG2D結合ドメインを添加した。インキュベート及び洗浄後、Rae−1デルタ−Fc被覆ウェルに結合したままのNKG2D−Fc−ビオチンを、ストレプトアビジン−HRP及びTMB基質を使用して検出した。吸光度を450nMで測定し、540nMで補正した。バックグラウンドを差し引いた後、NKG2D結合ドメインのNKG2D−Fcタンパク質への特異的結合を、Rae−1デルタ−Fc被覆ウェルへの結合が阻害されたNKG2D−Fc−ビオチンの割合から計算した。陽性対照(配列番号101〜104から選択される重鎖可変ドメイン及び軽鎖可変ドメイン、または抗マウスNKG2DクローンMI−6及びCX−5(eBioscience,San Diego,CA)を含む)及び様々なNKG2D結合ドメインクローンがRae−1デルタのマウスNKG2Dへの結合を阻害した一方で、アイソタイプ対照抗体は、Rae−1デルタとの競合をほとんど示さなかった(図10)。
実施例3−NKG2D結合ドメインクローンはNKG2Dを活性化する
ヒト及びマウスNKG2Dの核酸配列を、CD3ゼータシグナル伝達ドメインをコードする核酸配列と融合させて、キメラ抗原受容体(CAR)構築物を得た。その後、NKG2D−CAR構築物を、Gibsonアセンブリを使用してレトロウイルスベクターにクローニングし、レトロウイルス産生のためにexpi293細胞にトランスフェクションした。EL4細胞を、NKG2D−CARを含むウイルスに8μg/mLポリブレンと一緒に感染させた。感染の24時間後、EL4細胞におけるNKG2D−CARの発現レベルをフローサイトメトリーによって分析し、細胞表面上に高レベルのNKG2D−CARを発現するクローンを選択した。
ヒト及びマウスNKG2Dの核酸配列を、CD3ゼータシグナル伝達ドメインをコードする核酸配列と融合させて、キメラ抗原受容体(CAR)構築物を得た。その後、NKG2D−CAR構築物を、Gibsonアセンブリを使用してレトロウイルスベクターにクローニングし、レトロウイルス産生のためにexpi293細胞にトランスフェクションした。EL4細胞を、NKG2D−CARを含むウイルスに8μg/mLポリブレンと一緒に感染させた。感染の24時間後、EL4細胞におけるNKG2D−CARの発現レベルをフローサイトメトリーによって分析し、細胞表面上に高レベルのNKG2D−CARを発現するクローンを選択した。
NKG2D結合ドメインがNKG2Dを活性化するかを決定するために、それらをマイクロプレートのウェルに吸着させ、NKG2D−CAR EL4細胞をブレフェルジン−A及びモネンシンの存在下で4時間にわたって抗体断片被覆ウェル上で培養した。NKG2D活性化の指標である細胞内TNF−α産生をフローサイトメトリーによってアッセイした。TNF−α陽性細胞の割合を陽性対照で処理した細胞に対して正規化した。全てのNKG2D結合ドメインは、ヒトNKG2D(図11)及びマウスNKG2D(図12)の両方を活性化した。
実施例4−NKG2D結合ドメインはNK細胞を活性化する
初代ヒトNK細胞
密度勾配遠心分離を使用して末梢血単核細胞(PBMC)をヒト末梢血バフィーコートから単離した。PBMCからの磁気ビーズを用いたネガティブ選択を使用してNK細胞(CD3−CD56+)を単離し、単離したNK細胞の純度は、典型的には、95%超であった。その後、単離したNK細胞を、100ng/mLのIL−2を含む培地中で24〜48時間培養した後、それらを、NKG2D結合ドメインを吸着させたマイクロプレートのウェルに移し、フルオロフォアコンジュゲート抗CD107a抗体、ブレフェルジン−A、及びモネンシンを含む培地中で培養した。培養後、CD3、CD56、及びIFNγに対するフルオロフォアコンジュゲート抗体を使用してNK細胞をフローサイトメトリーによってアッセイした。CD3−CD56+細胞におけるCD107a及びIFN−γ染色を分析して、NK細胞活性化を評価した。CD107a/IFNγ二重陽性細胞の増加は、1つの受容体ではなく2つの活性化受容体の結合によるより良好なNK細胞活性化を示す。NKG2D結合ドメイン及び陽性対照(例えば、配列番号101または配列番号103によって表される重鎖可変ドメイン、及び配列番号102または配列番号104によって表される軽鎖可変ドメイン)は、アイソタイプ対照よりも高い割合のNK細胞がCD107a+及びIFNγ+になることを示した(図13及び図14は、各々NK細胞調製のために異なるドナーのPBMCを使用した2つの独立した実験からのデータを表す)。
初代ヒトNK細胞
密度勾配遠心分離を使用して末梢血単核細胞(PBMC)をヒト末梢血バフィーコートから単離した。PBMCからの磁気ビーズを用いたネガティブ選択を使用してNK細胞(CD3−CD56+)を単離し、単離したNK細胞の純度は、典型的には、95%超であった。その後、単離したNK細胞を、100ng/mLのIL−2を含む培地中で24〜48時間培養した後、それらを、NKG2D結合ドメインを吸着させたマイクロプレートのウェルに移し、フルオロフォアコンジュゲート抗CD107a抗体、ブレフェルジン−A、及びモネンシンを含む培地中で培養した。培養後、CD3、CD56、及びIFNγに対するフルオロフォアコンジュゲート抗体を使用してNK細胞をフローサイトメトリーによってアッセイした。CD3−CD56+細胞におけるCD107a及びIFN−γ染色を分析して、NK細胞活性化を評価した。CD107a/IFNγ二重陽性細胞の増加は、1つの受容体ではなく2つの活性化受容体の結合によるより良好なNK細胞活性化を示す。NKG2D結合ドメイン及び陽性対照(例えば、配列番号101または配列番号103によって表される重鎖可変ドメイン、及び配列番号102または配列番号104によって表される軽鎖可変ドメイン)は、アイソタイプ対照よりも高い割合のNK細胞がCD107a+及びIFNγ+になることを示した(図13及び図14は、各々NK細胞調製のために異なるドナーのPBMCを使用した2つの独立した実験からのデータを表す)。
初代マウスNK細胞
脾臓をC57Bl/6マウスから得て、70μmの細胞ストレーナーを通して粉砕して単一細胞懸濁液を得た。細胞をペレット状にし、ACK溶解緩衝液(Thermo Fisher Scientific番号A1049201(Carlsbad,CA)、155mM塩化アンモニウム、10mM重炭酸カリウム、0.01mM EDTA)中に再懸濁して赤血球を除去した。残存した細胞を100ng/mLのhIL−2と72時間培養した後、収集し、NK細胞単離のために調製した。その後、磁気ビーズを用いたネガティブ枯渇技法を使用してNK細胞(CD3−NK1.1+)を脾臓細胞から単離し、典型的には90%超の純度を有するNK細胞集団を産出した。精製したNK細胞を100ng/mLのmIL−15を含む培地中で48時間培養した後、それらを、NKG2D結合ドメインを吸着させたマイクロプレートのウェルに移し、フルオロフォアコンジュゲート抗CD107a抗体、ブレフェルジン−A、及びモネンシンを含む培地中で培養した。NKG2D結合ドメイン被覆ウェル中での培養後、CD3、NK1.1、及びIFN−γに対するフルオロフォアコンジュゲート抗体を使用してNK細胞をフローサイトメトリーによってアッセイした。CD3−NK1.1+細胞におけるCD107a及びIFN−γ染色を分析して、NK細胞活性化を評価した。CD107a/IFN−γ二重陽性細胞の増加は、1つの受容体ではなく2つの活性化受容体の係合によるより良好なNK細胞活性化を示す。NKG2D結合ドメイン及び陽性対照(抗マウスNKG2DクローンMI−6及びCX−5(eBioscience,San Diego,CA)から選択される)は、アイソタイプ対照よりも高い割合のNK細胞がCD107a+及びIFN−γ+になることを示した(図15及び図16は、各々NK細胞調製のために異なるマウスを使用した2つの独立した実験からのデータを表す)。
脾臓をC57Bl/6マウスから得て、70μmの細胞ストレーナーを通して粉砕して単一細胞懸濁液を得た。細胞をペレット状にし、ACK溶解緩衝液(Thermo Fisher Scientific番号A1049201(Carlsbad,CA)、155mM塩化アンモニウム、10mM重炭酸カリウム、0.01mM EDTA)中に再懸濁して赤血球を除去した。残存した細胞を100ng/mLのhIL−2と72時間培養した後、収集し、NK細胞単離のために調製した。その後、磁気ビーズを用いたネガティブ枯渇技法を使用してNK細胞(CD3−NK1.1+)を脾臓細胞から単離し、典型的には90%超の純度を有するNK細胞集団を産出した。精製したNK細胞を100ng/mLのmIL−15を含む培地中で48時間培養した後、それらを、NKG2D結合ドメインを吸着させたマイクロプレートのウェルに移し、フルオロフォアコンジュゲート抗CD107a抗体、ブレフェルジン−A、及びモネンシンを含む培地中で培養した。NKG2D結合ドメイン被覆ウェル中での培養後、CD3、NK1.1、及びIFN−γに対するフルオロフォアコンジュゲート抗体を使用してNK細胞をフローサイトメトリーによってアッセイした。CD3−NK1.1+細胞におけるCD107a及びIFN−γ染色を分析して、NK細胞活性化を評価した。CD107a/IFN−γ二重陽性細胞の増加は、1つの受容体ではなく2つの活性化受容体の係合によるより良好なNK細胞活性化を示す。NKG2D結合ドメイン及び陽性対照(抗マウスNKG2DクローンMI−6及びCX−5(eBioscience,San Diego,CA)から選択される)は、アイソタイプ対照よりも高い割合のNK細胞がCD107a+及びIFN−γ+になることを示した(図15及び図16は、各々NK細胞調製のために異なるマウスを使用した2つの独立した実験からのデータを表す)。
実施例5−NKG2D結合ドメインは標的腫瘍細胞に対する細胞傷害性を増強する
ヒト及びマウスの初代NK細胞活性化アッセイは、NKG2D結合ドメインとのインキュベート後のNK細胞上の細胞傷害性マーカーの増加を実証する。これが腫瘍細胞溶解の増加につながるかに取り組むために、各NKG2D結合ドメインを単一特異性抗体に発展させた細胞ベースのアッセイを利用した。Fc領域を1つの標的アームとして使用し、Fab領域(NKG2D結合ドメイン)を別の標的アームとして機能させて、NK細胞を活性化した。ヒト起源であり、かつ高レベルのFc受容体を発現するTHP−1細胞を腫瘍標的として使用し、Perkin Elmer DELFIA(登録商標)細胞傷害性キット(Waltham,MA)を使用した。THP−1細胞をBATDA試薬で標識し、105細胞/mLで培養培地中に再懸濁した。その後、標識したTHP−1細胞をNKG2D抗体と組み合わせ、マイクロタイタープレートのウェル中でマウスNK細胞を37℃で3時間単離した。インキュベート後、20μLの培養上清を除去し、200μLのユーロピウム溶液と混合し、暗所で15分間振盪しながらインキュベートした。時間分解蛍光モジュール(励起337nm、発光620nm)を備えたPHERAStar(登録商標)プレートリーダーによって蛍光を経時的に測定し、特異的溶解をキットの指示に従って計算した。
ヒト及びマウスの初代NK細胞活性化アッセイは、NKG2D結合ドメインとのインキュベート後のNK細胞上の細胞傷害性マーカーの増加を実証する。これが腫瘍細胞溶解の増加につながるかに取り組むために、各NKG2D結合ドメインを単一特異性抗体に発展させた細胞ベースのアッセイを利用した。Fc領域を1つの標的アームとして使用し、Fab領域(NKG2D結合ドメイン)を別の標的アームとして機能させて、NK細胞を活性化した。ヒト起源であり、かつ高レベルのFc受容体を発現するTHP−1細胞を腫瘍標的として使用し、Perkin Elmer DELFIA(登録商標)細胞傷害性キット(Waltham,MA)を使用した。THP−1細胞をBATDA試薬で標識し、105細胞/mLで培養培地中に再懸濁した。その後、標識したTHP−1細胞をNKG2D抗体と組み合わせ、マイクロタイタープレートのウェル中でマウスNK細胞を37℃で3時間単離した。インキュベート後、20μLの培養上清を除去し、200μLのユーロピウム溶液と混合し、暗所で15分間振盪しながらインキュベートした。時間分解蛍光モジュール(励起337nm、発光620nm)を備えたPHERAStar(登録商標)プレートリーダーによって蛍光を経時的に測定し、特異的溶解をキットの指示に従って計算した。
NKG2Dに対する天然リガンドである陽性対照ULBP−6は、マウスNK細胞によるTHP−1標的細胞の特異的溶解の増加を示した。NKG2D抗体がTHP−1標的細胞の特異的溶解も増加させた一方で、アイソタイプ対照抗体は、減少した特異的溶解を示した。点線は、抗体を添加していないマウスNK細胞によるTHP−1細胞の特異的溶解を示す(図17)。
実施例6−NKG2D抗体は高い熱安定性を有する
NKG2D結合ドメインの融解温度を、示差走査蛍光定量法を使用してアッセイした。NKG2D結合ドメインの推定された見かけの融解温度は、典型的なIgG1抗体と比較して高かった(図18)。
NKG2D結合ドメインの融解温度を、示差走査蛍光定量法を使用してアッセイした。NKG2D結合ドメインの推定された見かけの融解温度は、典型的なIgG1抗体と比較して高かった(図18)。
実施例7−NKG2D及びCD16の架橋によるヒトNK細胞の相乗的活性化
初代ヒトNK細胞活性化アッセイ
密度勾配遠心分離を使用して末梢血単核細胞(PBMC)をヒト末梢血バフィーコートから単離した。ネガティブ選択磁気ビーズ(StemCell Technologies,Vancouver,Canada、カタログ番号17955)を使用してNK細胞をPBMCから精製した。NK細胞は、フローサイトメトリーによって決定される、90%超のCD3−CD56+であった。その後、細胞を100ng/mLのhIL−2(PeproTech,Inc.,Rocky Hill,NJ、カタログ番号200−02)を含む培地中で48時間増殖させた後、活性化アッセイに使用した。抗体を100μLの滅菌リン酸緩衝生理食塩水(PBS)中2μg/mL(抗CD16、BioLegend,San Diego,CA、カタログ番号302013)及び5μg/mL(抗NKG2D、R&D Systems,Minneapolis,MN、カタログ番号MAB139)の濃度で96ウェル平底プレート上に4℃で一晩被覆し、その後、ウェルを完全に洗浄して過剰な抗体を除去した。脱顆粒の評価のために、IL−2活性化NK細胞を、100ng/mLのhIL2及び1μg/mLのAPCコンジュゲート抗CD107a mAb(BioLegend、カタログ番号328619)を補充した培地中に5×105細胞/mLで再懸濁した。その後、1×105細胞/ウェルを抗体被覆プレートに添加した。タンパク質輸送阻害剤ブレフェルジンA(BFA、BioLegend.San Diego,CA、カタログ番号420601)及びモネンシン(BioLegend,San Diego,CA、カタログ番号420701)を、それぞれ、1:1000及び1:270の最終希釈で添加した。プレーティングした細胞を5%CO2中37℃で4時間インキュベートした。IFN−γの細胞内染色について、NK細胞を抗CD3(BioLegend,San Diego,CA、カタログ番号300452)及び抗CD56 mAb(BioLegend,San Diego,CA、カタログ番号318328)で標識し、その後、固定及び透過処理し、抗IFN−γ mAb(BioLegend,San Diego,CA、カタログ番号506507)で標識した。NK細胞を、生存CD56+CD3−細胞上でゲーティングした後、フローサイトメトリーによってCD107a及びIFN−γの発現について分析した。
初代ヒトNK細胞活性化アッセイ
密度勾配遠心分離を使用して末梢血単核細胞(PBMC)をヒト末梢血バフィーコートから単離した。ネガティブ選択磁気ビーズ(StemCell Technologies,Vancouver,Canada、カタログ番号17955)を使用してNK細胞をPBMCから精製した。NK細胞は、フローサイトメトリーによって決定される、90%超のCD3−CD56+であった。その後、細胞を100ng/mLのhIL−2(PeproTech,Inc.,Rocky Hill,NJ、カタログ番号200−02)を含む培地中で48時間増殖させた後、活性化アッセイに使用した。抗体を100μLの滅菌リン酸緩衝生理食塩水(PBS)中2μg/mL(抗CD16、BioLegend,San Diego,CA、カタログ番号302013)及び5μg/mL(抗NKG2D、R&D Systems,Minneapolis,MN、カタログ番号MAB139)の濃度で96ウェル平底プレート上に4℃で一晩被覆し、その後、ウェルを完全に洗浄して過剰な抗体を除去した。脱顆粒の評価のために、IL−2活性化NK細胞を、100ng/mLのhIL2及び1μg/mLのAPCコンジュゲート抗CD107a mAb(BioLegend、カタログ番号328619)を補充した培地中に5×105細胞/mLで再懸濁した。その後、1×105細胞/ウェルを抗体被覆プレートに添加した。タンパク質輸送阻害剤ブレフェルジンA(BFA、BioLegend.San Diego,CA、カタログ番号420601)及びモネンシン(BioLegend,San Diego,CA、カタログ番号420701)を、それぞれ、1:1000及び1:270の最終希釈で添加した。プレーティングした細胞を5%CO2中37℃で4時間インキュベートした。IFN−γの細胞内染色について、NK細胞を抗CD3(BioLegend,San Diego,CA、カタログ番号300452)及び抗CD56 mAb(BioLegend,San Diego,CA、カタログ番号318328)で標識し、その後、固定及び透過処理し、抗IFN−γ mAb(BioLegend,San Diego,CA、カタログ番号506507)で標識した。NK細胞を、生存CD56+CD3−細胞上でゲーティングした後、フローサイトメトリーによってCD107a及びIFN−γの発現について分析した。
受容体組み合わせの相対的効力を調査するために、NKG2DまたはCD16の架橋及びプレート結合刺激による両受容体の共架橋を行った。
図19に示されるように、IL−2活性化NK細胞のCD107a及び細胞内IFN−γの発現を、抗CD16、抗NKG2D、またはそれらの両方のモノクローナル抗体の組み合わせで4時間プレート結合刺激した後に分析した。CD16とNKG2Dとの組み合わせ刺激により、(点線によって表される)CD16のみまたはNKG2Dのみの個々の刺激の相加的効果を超える割合のCD107a+細胞(図19A)及びIFNγ+細胞(図19B)がもたらされた。同様に、CD16とNKG2Dとの組み合わせ刺激により、各受容体のみの個々の相加的効果と比較してより高い割合のCD107a+IFNγ+二重陽性細胞がもたらされた(図19C)。棒グラフは、平均(n=2)±標準偏差を示し、5体の異なる健常ドナーを使用した5つの独立した実験を代表するものである。
実施例8−P−カドヘリン(CDH3)を発現する細胞に結合する多重特異性結合タンパク質及びモノクローナル抗体の評価
ヒトP−カドヘリン(CDH3)発現がん細胞株であるHCT116、H1975、及びCAL27を使用して、配列番号196と同一の重鎖可変ドメイン配列及び配列番号200と同一の軽鎖可変ドメイン配列を含むP−カドヘリン(CDH3)結合部位を有する多重特異性結合タンパク質(D153 DB)、または配列番号188と同一の重鎖可変ドメイン配列及び配列番号192と同一の軽鎖可変ドメイン配列を含むP−カドヘリン(CDH3)結合部位を有する多重特異性結合タンパク質(TSP7 DB)の腫瘍抗原結合を評価した。同じP−カドヘリン(CDH3)結合部位を有する多重特異性結合タンパク質または対応するモノクローナル抗体(mAb)を希釈し、細胞とインキュベートした。結合を、フルオロフォアコンジュゲート抗ヒトIgG二次抗体を使用して検出した。細胞をフローサイトメトリーによって分析し、結合をヒト組換えIgG1染色対照に対して正規化した平均蛍光強度(MFI)として表し、バックグラウンドに対する倍率(FOB)値を得た。
ヒトP−カドヘリン(CDH3)発現がん細胞株であるHCT116、H1975、及びCAL27を使用して、配列番号196と同一の重鎖可変ドメイン配列及び配列番号200と同一の軽鎖可変ドメイン配列を含むP−カドヘリン(CDH3)結合部位を有する多重特異性結合タンパク質(D153 DB)、または配列番号188と同一の重鎖可変ドメイン配列及び配列番号192と同一の軽鎖可変ドメイン配列を含むP−カドヘリン(CDH3)結合部位を有する多重特異性結合タンパク質(TSP7 DB)の腫瘍抗原結合を評価した。同じP−カドヘリン(CDH3)結合部位を有する多重特異性結合タンパク質または対応するモノクローナル抗体(mAb)を希釈し、細胞とインキュベートした。結合を、フルオロフォアコンジュゲート抗ヒトIgG二次抗体を使用して検出した。細胞をフローサイトメトリーによって分析し、結合をヒト組換えIgG1染色対照に対して正規化した平均蛍光強度(MFI)として表し、バックグラウンドに対する倍率(FOB)値を得た。
図35A〜Cに示されるように、配列番号196と同一の重鎖可変ドメイン配列及び配列番号200と同一の軽鎖可変ドメイン配列を含む抗P−カドヘリンmAb(D153wt mAb)、及び同じP−カドヘリン結合Fabを有する抗P−カドヘリン多重特異性結合タンパク質(D153 DB)は、P−カドヘリン発現ヒト非小細胞肺癌細胞(H1975、図35A)、ヒト結腸直腸癌細胞(HCT116、図35B)、及びヒト舌扁平上皮癌細胞(CAL27、図35C)に同様の用量応答で結合する。全体的な結合シグナルは、対応するmAbと比較して、多重特異性結合タンパク質が高かった。
同様に、図36A〜Cに示されるように、配列番号188と同一の重鎖可変ドメイン配列及び配列番号192と同一の軽鎖可変ドメイン配列を含む抗P−カドヘリンmAb(TSP7wt mAb)、及び同じP−カドヘリン結合Fabを有する抗P−カドヘリン多重特異性結合タンパク質(TSP7 DB)は、P−カドヘリン発現H1975細胞(図36A)、HCT116細胞(図36B)、及びCAL27細胞(図36C)に同様の用量応答で結合する。
実施例9−多重特異性結合タンパク質によるP−カドヘリン(CDH3)+標的細胞の増強されたNK細胞媒介溶解
KHYG1−CD16V細胞を、CD16の高親和性V158対立遺伝子をKHYG1細胞で異所的に発現させることによって産生した。細胞を、10%熱不活性化ウシ胎児血清、1X GlutaMAX(商標)(Life Technologies,Carlsbad,CA)、100U/mLペニシリンストレプトマイシン、50μM β−メルカプトエタノール、及び100ng/mL IL2を補充したRPMI1650培地中で維持した。細胞を、IL2を含まない培地中で一晩インキュベートした後、細胞傷害性アッセイに使用した。
KHYG1−CD16V細胞を、CD16の高親和性V158対立遺伝子をKHYG1細胞で異所的に発現させることによって産生した。細胞を、10%熱不活性化ウシ胎児血清、1X GlutaMAX(商標)(Life Technologies,Carlsbad,CA)、100U/mLペニシリンストレプトマイシン、50μM β−メルカプトエタノール、及び100ng/mL IL2を補充したRPMI1650培地中で維持した。細胞を、IL2を含まない培地中で一晩インキュベートした後、細胞傷害性アッセイに使用した。
密度勾配遠心分離を使用してPBMCをヒト末梢血バフィーコートから単離した。単離したPBMCを洗浄し、NK細胞の単離のために調製した。磁気ビーズを用いたネガティブ選択を使用してNK細胞を単離した。NK細胞は、フローサイトメトリーによって決定される、90%超のCD3−CD56+であった。単離したNK細胞を、サイトカインを含まない培地中で一晩インキュベートした後、細胞傷害性アッセイに使用した。
DELFIA細胞傷害性アッセイ:
P−カドヘリン発現ヒトがん細胞株を培養物から収集した。細胞をPBSで洗浄し、106細胞/mLで成長培地中に再懸濁して、製造業者の指示に従ってBATDA試薬(Perkin Elmer,Waltham,MA、カタログ番号AD0116)で標識した。標識後、細胞をPBSで3回洗浄し、5×104細胞/mLで培養培地中に再懸濁し、100μLのBATDA標識細胞を96ウェルプレートの各ウェルに添加した。指定したウェルを標的細胞からの自然放出のために保存し、全ての他のウェルを1%Triton−Xの添加によって標的細胞の最大溶解のために調製した。
P−カドヘリン発現ヒトがん細胞株を培養物から収集した。細胞をPBSで洗浄し、106細胞/mLで成長培地中に再懸濁して、製造業者の指示に従ってBATDA試薬(Perkin Elmer,Waltham,MA、カタログ番号AD0116)で標識した。標識後、細胞をPBSで3回洗浄し、5×104細胞/mLで培養培地中に再懸濁し、100μLのBATDA標識細胞を96ウェルプレートの各ウェルに添加した。指定したウェルを標的細胞からの自然放出のために保存し、全ての他のウェルを1%Triton−Xの添加によって標的細胞の最大溶解のために調製した。
希釈したP−カドヘリンmAbまたは抗P−カドヘリンデュオボディ(duobody)多重特異性結合タンパク質50μLを指定したウェルに添加した。KHYG1−CD16Vまたは精製した初代NK細胞を培養物から収集し、洗浄し、1×105〜2.0×106細胞/mLの濃度で培養培地中に再懸濁した。KHYG1−CD16Vまたは初代NK細胞懸濁液50μLを96ウェルプレートの指定したウェルに添加して合計200μLの培養体積にし、10:1のエフェクターの標的細胞に対する比率を達成した。プレートを5%CO2、37℃で2〜4時間インキュベートした後、アッセイを開発した。
共培養後、細胞を200×Gで5分間の遠心分離によってペレット状にした。20μLの培養上清を清潔なマイクロプレートに移し、200μLの室温のユーロピウム溶液を各ウェルに添加した。マイクロプレートを光から保護し、プレート振盪機上で、250rpmで15分間インキュベートした。マイクロプレートをSpectraMax i3X機器(Molecular Devices,San Jose,CA)で読み取った。特異的溶解%を以下のように計算した。
特異的溶解%=[(実験的放出−自然放出)/(最大放出−自然放出)]×100%
特異的溶解%=[(実験的放出−自然放出)/(最大放出−自然放出)]×100%
図37に示されるように、抗P−カドヘリン多重特異性結合タンパク質は、ヒトがん細胞に対するKHYG1−CD16V媒介細胞傷害性を刺激した。図37Aは、配列番号196と同一の重鎖可変ドメイン配列及び配列番号200と同一の軽鎖可変ドメイン配列を含むP−カドヘリン(CDH3)結合部位を有する多重特異性結合タンパク質(D153 DB)がH1975がん細胞に対するKHYG1−CD16V媒介細胞傷害性を刺激したことを示す。同様に、図37Bは、配列番号188と同一の重鎖可変ドメイン配列及び配列番号192と同一の軽鎖可変ドメイン配列を含むP−カドヘリン(CDH3)結合部位を有する多重特異性結合タンパク質(TSP7 DB)がH1975がん細胞に対するKHYG1−CD16V媒介細胞傷害性を刺激したことを示す。図37Cは、配列番号196と同一の重鎖可変ドメイン配列及び配列番号200と同一の軽鎖可変ドメイン配列を含むP−カドヘリン(CDH3)結合部位を有する多重特異性結合タンパク質(D153 DB)がCAL27がん細胞に対するKHYG1−CD16V媒介細胞傷害性を刺激したことを示す。同様に、図37Dは、配列番号188と同一の重鎖可変ドメイン配列及び配列番号192と同一の軽鎖可変ドメイン配列を含むP−カドヘリン(CDH3)結合部位を有する多重特異性結合タンパク質(TSP7 DB)がCAL27がん細胞に対するKHYG1−CD16V媒介細胞傷害性を刺激したことを示す。
抗P−カドヘリンデュオボディ多重特異性結合タンパク質が標的細胞溶解を刺激した一方で、同じP−カドヘリン結合部位を有する対応するmAbはいずれの細胞傷害性活性も呈しなかった(図37A〜D)。
図38、39、40、及び41に示されるように、配列番号196と同一の重鎖可変ドメイン配列及び配列番号200と同一の軽鎖可変ドメイン配列を含むP−カドヘリン(CDH3)結合部位を有する多重特異性結合タンパク質(D153 DB)は、P−カドヘリン発現ヒトがん細胞に対する細胞傷害性を刺激した。図38は、抗P−カドヘリン多重特異性結合タンパク質(D153 DB)が、P−カドヘリン発現H1975ヒトがん細胞に対する、ドナー47897(図38A)、ドナー59165(図38B)、及びドナー48892(図38C)から単離された初代ヒトNK細胞の細胞傷害性活性を刺激したことを示す。同様に、図39は、抗P−カドヘリン多重特異性結合タンパク質(D153 DB)が、P−カドヘリン発現DU145ヒトがん細胞に対する、ドナー47897(図39A)及びドナー45054(図39B)から単離された初代ヒトNK細胞の細胞傷害性活性を刺激したことを示す。図40は、抗P−カドヘリン多重特異性結合タンパク質(D153 DB)が、P−カドヘリン発現H1650ヒトがん細胞に対する、ドナー47897(図40A)及びドナー45054(図40B)から単離された初代ヒトNK細胞の細胞傷害性活性も刺激したことを示す。図41は、抗P−カドヘリン多重特異性結合タンパク質(D153 DB)が、それぞれ、P−カドヘリン発現CAL27ヒトがん細胞及びHCC1954ヒトがん細胞に対する、ドナー59165(図41A)及びドナー47897(図41B)から単離された初代ヒトNK細胞の細胞傷害性活性も刺激したことを示す。
同様に、図42A〜Cに示されるように、配列番号188と同一の重鎖可変ドメイン配列及び配列番号192と同一の軽鎖可変ドメイン配列を含むP−カドヘリン(CDH3)結合部位を有する多重特異性結合タンパク質(TSP7 DB)は、P−カドヘリン発現H1975(図42A)、H1650(図42B)、及びHCC1954(図42C)ヒトがん細胞に対するドナー精製初代ヒトNK細胞の細胞傷害性活性を刺激した。
両方の抗P−カドヘリン多重特異性結合タンパク質が、同じP−カドヘリン結合部位を有する対応するmAbよりも効果的に標的がん細胞の溶解を刺激した。
参照による組み込み
本明細書で参照される特許文献及び科学論文の各々の全開示は、全ての目的のために参照により組み込まれる。
本明細書で参照される特許文献及び科学論文の各々の全開示は、全ての目的のために参照により組み込まれる。
等価物
本発明は、その趣旨または本質的特徴から逸脱することなく、他の特定の形態で具現化され得る。したがって、前述の実施形態は、本明細書に記載の本発明を限定するのではなく、全ての点で例証であるとみなされるべきである。それ故に、本発明の範囲は、前述の記述ではなく添付の特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲の等価性の意味及び範囲内に入る全ての変更がそこに包含されるよう意図されている。
本発明は、その趣旨または本質的特徴から逸脱することなく、他の特定の形態で具現化され得る。したがって、前述の実施形態は、本明細書に記載の本発明を限定するのではなく、全ての点で例証であるとみなされるべきである。それ故に、本発明の範囲は、前述の記述ではなく添付の特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲の等価性の意味及び範囲内に入る全ての変更がそこに包含されるよう意図されている。
Claims (44)
- (a) NKG2Dに結合する第1の抗原結合部位と、
(b) P−カドヘリンに結合する第2の抗原結合部位と、
(c) CD16に結合するのに十分な抗体Fcドメインもしくはその一部、またはCD16に結合する第3の抗原結合部位と、を含む、タンパク質。 - 前記第1の抗原結合部位が、ヒト、非ヒト霊長類、及び齧歯類におけるNKG2Dに結合する、請求項1に記載のタンパク質。
- 前記第1の抗原結合部位が、重鎖可変ドメイン及び軽鎖可変ドメインを含む、請求項1または2に記載のタンパク質。
- 前記重鎖可変ドメイン及び前記軽鎖可変ドメインが、同じポリペプチド上に存在する、請求項3に記載のタンパク質。
- 前記第2の抗原結合部位が、重鎖可変ドメイン及び軽鎖可変ドメインを含む、請求項3または4に記載のタンパク質。
- 前記第2の抗原結合部位の前記重鎖可変ドメイン及び前記軽鎖可変ドメインが、同じポリペプチド上に存在する、請求項5に記載のタンパク質。
- 前記第1の抗原結合部位の前記軽鎖可変ドメインが、前記第2の抗原結合部位の前記軽鎖可変ドメインのアミノ酸配列と同一のアミノ酸配列を有する、請求項5または6に記載のタンパク質。
- 前記第1の抗原結合部位が、配列番号1、配列番号41、配列番号49、配列番号57、配列番号59、配列番号61、配列番号69、配列番号77、配列番号85、配列番号158、配列番号162、配列番号166、配列番号170、配列番号174、配列番号178、及び配列番号93から選択されるアミノ酸配列と少なくとも90%同一の重鎖可変ドメインを含む、請求項1〜7のいずれか1項に記載のタンパク質。
- 前記第1の抗原結合部位が、配列番号41と少なくとも90%同一の重鎖可変ドメイン及び配列番号42と少なくとも90%同一の軽鎖可変ドメインを含む、請求項1〜7のいずれか1項に記載のタンパク質。
- 前記第1の抗原結合部位が、配列番号49と少なくとも90%同一の重鎖可変ドメイン及び配列番号50と少なくとも90%同一の軽鎖可変ドメインを含む、請求項1〜7のいずれか1項に記載のタンパク質。
- 前記第1の抗原結合部位が、配列番号57と少なくとも90%同一の重鎖可変ドメイン及び配列番号58と少なくとも90%同一の軽鎖可変ドメインを含む、請求項1〜7のいずれか1項に記載のタンパク質。
- 前記第1の抗原結合部位が、配列番号59と少なくとも90%同一の重鎖可変ドメイン及び配列番号60と少なくとも90%同一の軽鎖可変ドメインを含む、請求項1〜7のいずれか1項に記載のタンパク質。
- 前記第1の抗原結合部位が、配列番号61と少なくとも90%同一の重鎖可変ドメイン及び配列番号62と少なくとも90%同一の軽鎖可変ドメインを含む、請求項1〜7のいずれか1項に記載のタンパク質。
- 前記第1の抗原結合部位が、配列番号69と少なくとも90%同一の重鎖可変ドメイン及び配列番号70と少なくとも90%同一の軽鎖可変ドメインを含む、請求項1〜7のいずれか1項に記載のタンパク質。
- 前記第1の抗原結合部位が、配列番号77と少なくとも90%同一の重鎖可変ドメイン及び配列番号78と少なくとも90%同一の軽鎖可変ドメインを含む、請求項1〜7のいずれか1項に記載のタンパク質。
- 前記第1の抗原結合部位が、配列番号85、配列番号158、配列番号162、配列番号166、配列番号170、配列番号174、または配列番号178と少なくとも90%同一の重鎖可変ドメイン、及び配列番号86と少なくとも90%同一の軽鎖可変ドメインを含む、請求項1〜7のいずれか1項に記載のタンパク質。
- 前記第1の抗原結合部位が、配列番号93と少なくとも90%同一の重鎖可変ドメイン及び配列番号94と少なくとも90%同一の軽鎖可変ドメインを含む、請求項1〜7のいずれか1項に記載のタンパク質。
- 前記第1の抗原結合部位が、配列番号101と少なくとも90%同一の重鎖可変ドメイン及び配列番号102と少なくとも90%同一の軽鎖可変ドメインを含む、請求項1〜7のいずれか1項に記載のタンパク質。
- 前記第1の抗原結合部位が、配列番号103と少なくとも90%同一の重鎖可変ドメイン及び配列番号104と少なくとも90%同一の軽鎖可変ドメインを含む、請求項1〜7のいずれか1項に記載のタンパク質。
- 前記第1の抗原結合部位が、シングルドメイン抗体である、請求項1または2に記載のタンパク質。
- 前記シングルドメイン抗体が、VHH断片またはVNAR断片である、請求項20に記載のタンパク質。
- 前記第2の抗原結合部位が、重鎖可変ドメイン及び軽鎖可変ドメインを含む、請求項1〜2または20〜21のいずれか1項に記載のタンパク質。
- 前記第2の抗原結合部位の前記重鎖可変ドメイン及び前記軽鎖可変ドメインが、同じポリペプチド上に存在する、請求項22に記載のタンパク質。
- 前記第2の抗原結合部位の前記重鎖可変ドメインが、配列番号114と少なくとも90%同一のアミノ酸配列を含み、前記第2の抗原結合部位の前記軽鎖可変ドメインが、配列番号118と少なくとも90%同一のアミノ酸配列を含む、請求項1〜23のいずれか1項に記載のタンパク質。
- 前記第2の抗原結合部位の前記重鎖可変ドメインが、配列番号122と少なくとも90%同一のアミノ酸配列を含み、前記第2の抗原結合部位の前記軽鎖可変ドメインが、配列番号126と少なくとも90%同一のアミノ酸配列を含む、請求項1〜23のいずれか1項に記載のタンパク質。
- 前記第2の抗原結合部位の前記重鎖可変ドメインが、配列番号130と少なくとも90%同一のアミノ酸配列を含み、前記第2の抗原結合部位の前記軽鎖可変ドメインが、配列番号134と少なくとも90%同一のアミノ酸配列を含む、請求項1〜23のいずれか1項に記載のタンパク質。
- 前記第2の抗原結合部位の前記重鎖可変ドメインが、配列番号188と少なくとも90%同一のアミノ酸配列を含み、前記第2の抗原結合部位の前記軽鎖可変ドメインが、配列番号192と少なくとも90%同一のアミノ酸配列を含む、請求項1〜23のいずれか1項に記載のタンパク質。
- 前記第2の抗原結合部位の前記重鎖可変ドメインが、配列番号196と少なくとも90%同一のアミノ酸配列を含み、前記第2の抗原結合部位の前記軽鎖可変ドメインが、配列番号200と少なくとも90%同一のアミノ酸配列を含む、請求項1〜23のいずれか1項に記載のタンパク質。
- 前記第2の抗原結合部位の前記重鎖可変ドメインが、配列番号204と少なくとも90%同一のアミノ酸配列を含み、前記第2の抗原結合部位の前記軽鎖可変ドメインが、配列番号208と少なくとも90%同一のアミノ酸配列を含む、請求項1〜23のいずれか1項に記載のタンパク質。
- 前記第2の抗原結合部位の前記重鎖可変ドメインが、配列番号212と少なくとも90%同一のアミノ酸配列を含み、前記第2の抗原結合部位の前記軽鎖可変ドメインが、配列番号216と少なくとも90%同一のアミノ酸配列を含む、請求項1〜23のいずれか1項に記載のタンパク質。
- 前記第2の抗原結合部位の前記重鎖可変ドメインが、配列番号220と少なくとも90%同一のアミノ酸配列を含み、前記第2の抗原結合部位の前記軽鎖可変ドメインが、配列番号224と少なくとも90%同一のアミノ酸配列を含む、請求項1〜23のいずれか1項に記載のタンパク質。
- 前記第2の抗原結合部位の前記重鎖可変ドメインが、配列番号227と少なくとも90%同一のアミノ酸配列を含み、前記第2の抗原結合部位の前記軽鎖可変ドメインが、配列番号229と少なくとも90%同一のアミノ酸配列を含む、請求項1〜23のいずれか1項に記載のタンパク質。
- 前記第2の抗原結合部位が、それぞれ、配列番号114及び118、122及び126、130及び134、188及び192、196及び200、204及び208、212及び216、220及び224、及び227及び229からなる群から選択される重鎖可変ドメイン及び軽鎖可変ドメイン配列のCDR1、CDR2、及びCDR3配列を含む、請求項1〜23のいずれか1項に記載のタンパク質。
- 前記第2の抗原結合部位が、シングルドメイン抗体である、請求項1〜4または8〜21のいずれか1項に記載のタンパク質。
- 前記第2の抗原結合部位が、VHH断片またはVNAR断片である、請求項34に記載のタンパク質。
- 前記タンパク質が、CD16に結合するのに十分な抗体Fcドメインの一部を含み、前記抗体Fcドメインが、ヒンジドメイン及びCH2ドメインを含む、請求項1〜35のいずれか1項に記載のタンパク質。
- 前記抗体Fcドメインが、ヒトIgG1抗体のヒンジドメイン及びCH2ドメインを含む、請求項36に記載のタンパク質。
- 前記抗体Fcドメインが、ヒトIgG1抗体のアミノ酸234〜332と少なくとも90%同一のアミノ酸配列を含む、請求項36または37に記載のタンパク質。
- 前記Fcドメインが、ヒトIgG1のFcドメインと少なくとも90%同一のアミノ酸配列を含み、Q347、Y349、L351、S354、E356、E357、K360、Q362、S364、T366、L368、K370、N390、K392、T394、D399、S400、D401、F405、Y407、K409、T411、K439からなる群から選択される1つ以上の位置が異なる、請求項38に記載のタンパク質。
- 請求項1〜39のいずれか1項に記載のタンパク質と、薬学的に許容される担体と、を含む、製剤。
- 請求項1〜39のいずれか1項に記載のタンパク質をコードする1つ以上の核酸を含む、細胞。
- 腫瘍細胞死を増強する方法であって、腫瘍細胞及びナチュラルキラー細胞を請求項1〜39のいずれか1項に記載のタンパク質の有効量に曝露することを含む、前記方法。
- がんを治療する方法であって、患者に、請求項1〜39のいずれか1項に記載のタンパク質または請求項40に記載の製剤の有効量を投与することを含む、前記方法。
- 前記タンパク質の前記第2の抗原結合部位がP−カドヘリンに結合し、治療される前記がんが、食道癌、膵臓癌、膀胱癌、前立腺癌、胃癌、肺癌、子宮内膜癌、卵巣癌、子宮頸癌、頭頸部癌、乳癌、結腸直腸癌、子宮頸部腺癌、黒色腫、ならびに皮膚の基底細胞癌及び扁平上皮癌からなる群から選択される、請求項43に記載の方法。
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