JP2021522271A - 虚弱および加齢を改善するための方法 - Google Patents

虚弱および加齢を改善するための方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2021522271A
JP2021522271A JP2020560271A JP2020560271A JP2021522271A JP 2021522271 A JP2021522271 A JP 2021522271A JP 2020560271 A JP2020560271 A JP 2020560271A JP 2020560271 A JP2020560271 A JP 2020560271A JP 2021522271 A JP2021522271 A JP 2021522271A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
cancer
patient
age
frailty
tlr5 agonist
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2020560271A
Other languages
English (en)
Other versions
JPWO2019209949A5 (ja
Inventor
チェルノヴァ,オルガ
Original Assignee
ゲノム プロテクション,インコーポレイテッド
ゲノム プロテクション,インコーポレイテッド
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by ゲノム プロテクション,インコーポレイテッド, ゲノム プロテクション,インコーポレイテッド filed Critical ゲノム プロテクション,インコーポレイテッド
Publication of JP2021522271A publication Critical patent/JP2021522271A/ja
Publication of JPWO2019209949A5 publication Critical patent/JPWO2019209949A5/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K38/00Medicinal preparations containing peptides
    • A61K38/16Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof
    • A61K38/164Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof from bacteria
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P19/00Drugs for skeletal disorders
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P1/00Drugs for disorders of the alimentary tract or the digestive system
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P39/00General protective or antinoxious agents

Landscapes

  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Veterinary Medicine (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Public Health (AREA)
  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Animal Behavior & Ethology (AREA)
  • Pharmacology & Pharmacy (AREA)
  • Bioinformatics & Cheminformatics (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Nuclear Medicine, Radiotherapy & Molecular Imaging (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • General Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Gastroenterology & Hepatology (AREA)
  • Immunology (AREA)
  • Proteomics, Peptides & Aminoacids (AREA)
  • Epidemiology (AREA)
  • Toxicology (AREA)
  • Physical Education & Sports Medicine (AREA)
  • Medicines That Contain Protein Lipid Enzymes And Other Medicines (AREA)
  • Peptides Or Proteins (AREA)

Abstract

提供される様々な態様および実施形態は、加齢性疾患または障害を治療するための方法、および/または患者において虚弱を治療または防止するための方法である。ある実施形態では、本方法は、組換えTLR5アゴニスト(例えば、フラジェリンベースの剤)を投与することを含む。
【選択図】図1

Description

本開示は、加齢性疾患を治療するための、および/または虚弱を改善するための組成物および方法に関する。
関連出願の相互参照
この出願は、2018年4月24日に出願された米国仮出願第62/662,028号の利益を主張し、その全内容は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
電子的に提出されたテキストファイルの説明
本明細書と共に電子的に提出したテキストファイルの内容は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる:配列表のコンピュータ可読形式のコピー(ファイル名:「GPI−002PC_ST25.txt」;作成日:2019年4月24日;ファイルサイズ:59.9KB)。
哺乳動物の加齢は、体細胞におけるDNA損傷の蓄積、慢性全身性炎症の増加、および損傷した細胞の除去における免疫系の有効性の低下に関連する。
フラジェリン由来のTLR5アゴニストは、様々な疾患の治療法として開発されている。例えば、エントリモドは、医療用放射線対策として現在開発されている天然TLR5アゴニストであるフラジェリンの薬理学的に有用な誘導体である。エントリモドは、その放射線防護活性に加えて、前臨床癌モデルにおいて免疫療法活性を示した。
現在、加齢の予防および治療のために、医学において従来使用されている薬物または治療はない。カロリーの制限による健康的な生活および寿命の延長が報告されている。ラパマイシンなどのmTOR阻害剤を使用して、同様の効果が達成され得る。しかし、いずれも長期にわたって適用する必要がある。したがって、加齢に伴う虚弱の進行プロセス(自然に発生し、かつ例えば癌治療によって加速される)を減速させることができる薬剤が必要である。
したがって、本発明は、特定の態様において、患者における虚弱を改善もしくは低減する、かつ/または治療もしくは防止する方法を提供し、本方法は、虚弱の治療または防止を望んでいる、または必要としている患者を特定すること、およびその患者に組換えTLR5アゴニストを投与することを含み、ここで組換えTLR5アゴニストは、病原性タンパク質抗原に融合されない。
いくつかの実施形態では、虚弱は加齢に関連している。いくつかの実施形態では、虚弱は、主要な生理学的機能の欠陥の蓄積、再生能力の低下、創傷治癒の障害、および加齢性疾患のリスクの上昇を含む。例えば、いくつかの実施形態では、虚弱は、自然な加齢または加速された加齢に関連している。虚弱は、当業者に公知である任意の数の指標または試験に従って測定できる。例えば、そのような指数の1つである生理学的虚弱指数(PFI)は、握力、収縮期血圧、拡張期血圧、血流量、血中好中球の数、血中好中球の割合、血中単球の数、血中単球の割合、リンパ球の数、赤血球の数、ヘモグロビン値、ヘマトクリット値、平均赤血球容積、平均赤血球ヘモグロビン値、平均赤血球ヘモグロビン濃度およびケラチノサイト由来サイトカインレベルから選択される1つ以上のパラメータの測定を含む。任意の1個体における参照標準からの逸脱は欠陥として公知であり、個体の全体的な平均PFIスコアは、測定されたパラメータの総数に対する欠陥の比率である。
いくつかの実施形態では、本発明は、患者のPFIスコアの低下によって測定されるように、患者の虚弱を改善もしくは低減し、かつ/または治療もしくは防止する方法を提供する。いくつかの実施形態では、患者の虚弱を改善もしくは低減し、かつ/または治療もしくは防止するための本発明の方法および組成物は、患者が、本発明のTLR5アゴニストを投与されなかった場合よりも遅い速度でスコアが上昇するように、経時的にPFIスコアを維持することを含む。本発明のいくつかの実施形態では、患者のPFIスコアは、時間の経過と共にほぼ同じ状態を維持する。さらなる実施形態では、本発明の方法は、自然な加齢および/または加速された加齢(例えば、癌または癌治療によって誘発される加速された加齢)に関連する細胞老化および免疫老化の減少をもたらす。
別の態様では、本発明は、患者において加齢性疾患または障害を治療または防止する方法を提供し、本方法は、加齢性疾患または障害の治療または防止を望んでいる、または必要としている患者を特定すること、この患者に組換えTLR5アゴニストを投与することを含み、ここで組換えTLR5アゴニストは、病原性タンパク質抗原に融合されない。いくつかの実施形態では、加齢性疾患または障害は、細胞老化または免疫老化の増加を特徴とする。
いくつかの実施形態では、加齢性疾患または障害は、加齢の加速、循環器疾患、脳血管障害、末梢血管疾患、心臓拡張機能障害、良性前立腺肥大症、大動脈瘤、肺気腫、アテローム性動脈硬化症、糖尿病、肺線維症、失明、認知症、アルツハイマー病、腎機能障害、変形性関節症、低悪性度の慢性無菌炎症、椎間板ヘルニア、虚弱、脱毛、難聴、視力喪失、筋肉疲労、皮膚の状態、皮膚母斑、しわの多い皮膚、色素沈着過剰、傷跡、ケロイド、酒さ、白斑、尋常性魚鱗癬、皮膚筋炎、日光角化症、およびサルコペニアから選択される。
特定の実施形態では、本発明の方法は、加速された加齢を治療または防止することを含む。いくつかの実施形態では、加速された加齢は、早老症またはその症状であり、これらに限定されないが、ハッチンソン−ギルフォード早老症候群(HGPS)、ウェルナー症候群(WS)、ブルーム症候群(BS)、ロスムンド・トムソン症候群(RTS)、コケイン症候群(CS)、色素性乾皮症(XP)、トリコチオジストロフィー(TTD)、色素性乾皮症−コケイン症候群(XP−CS)の合併症、または拘束性皮膚障害(RD)を含む。これらの疾患または障害の1つを有する対象は、典型的には、寿命(すなわち、生存期間)が短縮される。
さらなる実施形態において、加速された加齢は、癌または癌治療によって誘発される。例えば、本発明によって、自然な加齢プロセスにおいて加速を誘発する癌治療は、放射線療法、ホルモン、チロシンキナーゼ阻害剤、アントラサイクリン、アルキル化剤、トポイソメラーゼ阻害剤、代謝拮抗剤/細胞毒性薬物、BRAF阻害剤、抗腫瘍抗生物質、イソキノロリンアルカロイド、Bcl−2阻害剤、造血細胞移植(HCT)、テロメラーゼ阻害剤、ヌクレオシドアナログ逆転写酵素阻害剤、DNA架橋剤、リボヌクレオチドレダクターゼ阻害剤、微小管阻害剤、およびmiRNAからなる1つ以上の治療法から選択されることが企図される。
いくつかの実施形態では、そのために加速された加齢を誘発し得る治療を患者が受ける、任意の癌が企図される。一実施形態では、そのために患者が治療を受ける癌は、血液癌である。さらに、いくつかの実施形態では、患者は、小児期に癌治療を受けた。
さらなる実施形態では、組換えTLR5アゴニストは、患者が癌治療を受けた後、少なくとも1週間、または少なくとも1ヶ月間、または少なくとも6ヶ月間、または少なくとも1年間、または少なくとも2年間、または少なくとも3年間、または少なくとも4年間、または少なくとも5年間患者に投与される。いくつかの実施形態において、患者は、もはや癌を有しないか、または患者は、組換えTLR5アゴニストが投与される時点で寛解している。
実施形態の前述の特徴は、添付の図面を参照して、以下の詳細な説明を参照することによって、より容易に理解されるであろう。
NIHスイス雄マウスおよび雌マウスの寿命および暦年齢による加齢。A.NIHスイス雄マウスおよび雌マウスのカプランマイヤー生存曲線(n=79/群)。統計的に有意な性差は検出されず、平均生存期間は、それぞれ雄で89.13+3.49週、雌で96.95+2.99週(p=0.368、ログランク検定)であった。B.異なる年齢の経時的加齢のNIHスイス雄マウスおよびメスマウス用に作成した生理学的虚弱指数(PFI)。PFIにおける年齢依存性の上昇は、いずれの性別のマウスにおいても観察された健康欠陥の蓄積を反映している。 フラジェリン治療の実験スケジュールの概略図。各実験群において、雄および雌は、5日間連続で毎日皮下注射された短期コースのフラジェリン(1mg/注射)を:群1は55週齢で、群2は44週齢で受け、群3は18週齢および84週齢で2コース受けた。PFIを、マウスが26、52、78、104、および120週齢に達したときに評価した。 55週齢でのフラジェリン投与の5日間の単一コース(実験群1)は、NIHスイス雄マウスの平均生存率を89+7.9週から112.3+9.2週に延長した。雌マウスの生存率への影響は検出されなかった。生理学的虚弱指数を、104週齢および120週齢で雄マウスおよび雌マウス用に作成した。存命中の早い段階でのフラジェリンの5日間の注射コースは、雌マウスではなく雄マウスのPFIを有意に減少させた。 実験群1からのマウスにおける生理学的虚弱指数の動的変化。104週齢で、フラジェリン治療を受けた雄群での平均PFI(破線)は、55週齢での治療時から33%増加し、対照マウス(実線)では、それは着実に100%増加した。雌では、いかなる影響も観察されなかった。 実験群2からのマウスにおける生理学的虚弱指数の動的変化。44週齢でマウスにフラジェリンを注射した。78週齢および104週齢で評価した平均PFIは、フラジェリン治療を受けた雄群(破線)では、治療時からほとんど変化がないことを示し、対照マウスでは、それは200%を超えて着実に増加した(実線)。雌では、いかなる影響も観察されなかった。 実験群3からのマウスにおける生理学的虚弱指数の動的変化。18週齢および84週齢でマウスにフラジェリンを2回注射した。52週齢、78週齢、88週齢、および104週齢で4回評価した平均PFIは、対照マウス(実線)と比較して、フラジェリン治療雄群(破線)における有意に小さな増加を示した。雌では、いかなる影響も観察されなかった。 ラパタール(ナノ配合された水溶性ラパマイシン、Comasら、Aging(Albany NY)10:715−22(2012)を参照)の慢性投与は、NIHスイス雌マウスの生存期間を延長するが、NIHスイス雄マウスの生存期間は延長しない。89週齢で飲料水中のラパタールの投与を開始したマウスのカプランマイヤー生存曲線。ラパマイシンの慢性投与は、雌マウスの生存期間を114.4+3.1から127.3+3.1週間に延長する(p=0.01、カプランマイヤーログランク検定)。 NIHスイスマウスの治療および評価のタイムラインの概略図(縮尺どおりではない)。「エントリモド」矢印は、エントリモド治療(または対照群のPBS治療)の時期を示し、「PFI」矢印は、PFI決定の時期を示す。 「高齢」マウスの寿命に対するエントリモド治療の効果。カプランマイヤー生存曲線を、113週齢(矢印)でエントリモド(5μg/マウス;暗い線)またはPBS(明るい線)の5日間のSQ注射を受けたNIHスイス雄マウスおよび雌マウスの群について示す。 「中年」マウスの寿命に対するエントリモド治療の効果。カプランマイヤー生存曲線を、55週齢(矢印)でエントリモド(5μg/マウス;暗い線)またはPBS(明るい線)の5日間のSQ注射を受けたNIHスイス雄マウスおよび雌マウスの群について示す。 「若年」マウスの寿命に対するエントリモド治療の効果。カプランマイヤー生存曲線を、18週齢および84週齢(矢印)およびエントリモド(5μg/マウス;暗い線)またはPBS(明るい線)の5日間のSQ注射を受けたNIHスイス雄マウスおよび雌マウスの群について示す。 112週齢でのエントリモドによるNIHスイスマウスの治療は、128週齢で測定した平均PFIに対しいかなる影響もなかった。各群について評価された動物の数を、棒グラフ内に白で示す。 55週齢でのエントリモドによるNIHスイスマウスの治療は、雌ではなく雄において104週齢および120週齢でPFIの低下をもたらした。各群について評価された動物の数を、棒グラフ内に白で示す。 18週齢および84週齢でエントリモド治療を受けた後のNIHスイス雄マウスおよび雌マウスにおけるPFIの変化のダイナミクス。平均PFIを、エントリモド治療(黒丸)およびPBS治療(灰色の円)のマウス群について、18週齢、52週齢、84週齢、および104週齢で測定した。治療の時期を、矢印で示す。
この本開示のいくつかの態様および実施形態は、少なくとも部分的に、病原性タンパク質抗原に融合されないTLR5アゴニスト(例えば、組換えフラジェリンおよび/またはエントリモドなどのフラジェリンベースの剤)が、例えば、虚弱を改善するかつ/または治療もしくは防止すること、かつ/または加齢性疾患もしくは障害を治療もしくは防止すること、かつ/または加齢(加速された加齢を含む)を防止することもしくは減速させることにおいて有効であり得るという所見に基づく。
加齢プロセスは、すべての主要な生理学的機能の欠陥の段階的な蓄積、再生能力の低下、創傷治癒の障害、および癌、2型糖尿病、関節炎、アルツハイマー病、およびパーキンソン病、アテローム性動脈硬化症などの加齢性疾患または障害のリスクの上昇によって示される。累積的に、これらすべてのイベントは、虚弱の段階的な増大として説明でき、いわゆる「虚弱指数」によって測定される。加齢に伴う虚弱の増大は、化学療法および放射線による癌治療を受けたヒトまたは動物において促進され得、これは加速された加齢と解釈され得る。
理論に束縛されることを望むものではないが、本発明は、自然な加齢の進行、ならびに例えば癌治療によって加速される加齢を、べん毛を有する細菌による感染に応答する天然の自然免疫機構の活性化によって劇的に減速させ得ることを企図する。べん毛は、フラジェリンと名付けられたタンパク質により構築される活発な動きのための細胞小器官である。身体におけるこうした細菌の存在は、Toll様受容体5(TLR5)と呼ばれる細胞表面受容体によって認識される。TLR5へのTLR5アゴニスト(例えばフラジェリンまたはフラジェリンベースの剤(エントリモドなど))の結合は、生理学的応答を引き起こし、虚弱の獲得の減速、ならびに治療された有機体の健康および生活の質の改善として現われる有機体への長期的な影響を有する複数の生物活性因子(サイトカイン、ケモカインなど)の産生を伴う、免疫系の全身的な動員をもたらす。TLR5を活性化できるフラジェリンまたはその誘導体による治療は、自然な加齢ならびに癌治療および他の種類の毒化によって引き起こされる早期の加速された加齢を防止し、治療するためのアプローチとして計画することができる。
加齢は、時間と共に進行する哺乳類生物の段階的な全身性の病理学的変化である。これは、複数の臓器および組織の機能における複数の欠陥の蓄積ならびに再生能力の低下に関連し、加齢性慢性疾患または障害(アテローム性動脈硬化症、糖尿病、肺線維症、失明、認知症、腎機能障害、変形性関節症、および低悪性度の慢性無菌炎症など)、ならびに本明細書で企図される他の加齢性疾患および障害の発症をもたらす。これらの状態は、虚弱、認知障害、および不動を含む老年症候群の段階的な発症と一致することが多い。加齢は、自然で不可避のプロセスである。加齢の根本的な原因は依然として議論の余地があるが、加齢の2つの特徴であるDNA損傷の増加および全身性の無菌性慢性炎症の発症は、一般的に普遍的なものとして受け入れられており、いずれも加齢に伴う病状の主な寄与因子と考えられている。
様々な実施形態において、本発明は、加齢、またはその複数の欠陥の原因を減少させる方法を提供する。様々な実施形態において、本発明は、DNA損傷の量または細胞内の影響を低減する方法を提供する。様々な実施形態において、本発明は、全身性の無菌性慢性炎症の量または細胞内の影響を低減する方法を提供する。
様々な実施形態において、本発明は、例えば高齢の対象において機能的に低下され得る、損傷した細胞の細胞クリアランスを改善する方法を提供する。
様々な実施形態において、本発明は、例えば、老化を減少、停止、または遅延させることにより、細胞老化を治療または防止することに関する。任意の特定の理論に拘束されることを意図することなく、細胞の加齢(老化)は、特に細胞周期が遮断されるときに、mTOR経路などのシグナル伝達経路の過剰刺激および過剰活性化によって引き起こされ、細胞の超活性化および機能亢進をもたらすと考えられている。次に、このことが、二次信号の耐性および代償的無能を引き起こす。細胞の機能亢進および信号耐性の両方が、加齢(無臨床損傷)および加齢性疾患または障害(臨床損傷)として現われる臓器損傷(遠隔臓器でなど)を引き起こし、最終的には生物の死をもたらす。細胞加齢マーカーの非限定的な例としては、細胞肥大、増殖能の永久的な喪失、平坦で腫大化した(large−flat)細胞形態およびbeta−Gal染色が挙げられる。様々な実施形態において、本発明は、細胞加齢のマーカーのいずれかを調節することに関する。
虚弱および虚弱指数
様々な実施形態において、本発明は、患者において虚弱を改善もしくは低減する、かつ/または治療もしくは防止する方法を提供し、本方法は、虚弱の治療または防止を望んでいる、または必要としている患者を特定すること、およびその患者に組換えTLR5アゴニストを投与することを含み、ここで組換えTLR5アゴニストは、病原性タンパク質抗原に融合されていない。
いくつかの実施形態では、虚弱は、主要な生理学的機能の欠陥の蓄積、再生能力の低下、創傷治癒の障害、および加齢性疾患のリスクの上昇を含む。例えば、いくつかの実施形態では、虚弱は、自然な加齢または加速された加齢に関連している。虚弱は、当業者に公知である任意の数の指標または試験に従って測定できる。例えば、そのような指数の1つである生理学的虚弱指数(PFI)は、握力、収縮期血圧、拡張期血圧、血流量、血中好中球の数、血中好中球の割合、血中単球の数、血中単球の割合、リンパ球の数、赤血球の数、ヘモグロビン値、ヘマトクリット値、平均赤血球容積、平均赤血球ヘモグロビン値、平均赤血球ヘモグロビン濃度およびケラチノサイト由来サイトカインレベルから選択される1つ以上のパラメータの測定を含む。任意の1個体における参照標準からの逸脱は、欠陥として公知であり、その個体の全体的な平均PFIスコアは、測定されたパラメータの総数に対する欠陥の比率である。
虚弱は、ストレス因子に対する虚弱およびストレスに耐える能力の低下として現われる場合がある。例えば、Buchner and Wagner(1992 Clin Geriatr Med.1992 Feb;8(1):1−17)の開示は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。虚弱は、恒常性メカニズム(例えば、相互接続性および/またはフィードバックまたはフィードフォワード)の複雑性の喪失として現われる場合もある。例えば、Lipsitz(2002 J Gerontol A Biol Sci Med Sci.2002 Mar;57(3):B115−25の開示は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。虚弱はまた、Bortz 2002,J Gerontol A Biol Sci Med Sci.2002 May;57(5):M283−8に記載のとおり(参照によりその全体が本明細書に組み込まれる)、生物を介するエネルギーの流れを使用しないことおよび/またはそれらの流れの減少として現われる場合がある。虚弱は、Ferrucci 2005 J.Gerontol.A Biol.Sci.Med.Sci.60,56(参照によりその全体が本明細書に組み込まれる)に記載のとおり、恒常性調節不全として現われる場合もある。
ヒトおよび動物における欠陥および虚弱の加齢に伴う蓄積を定量的に評価するためのいくつかの包括的なアプローチがある。個々の生物は、それらの健康状態および加齢速度が均一でない。このような不均一性を説明するために、虚弱指数(FI)が数値スコアとして導入されており、それは、本研究で検討した欠陥の総数に対するヒトに存在する欠陥の比率である。FIの変化は、個々の加齢の比率を特徴づける。同様のアプローチが実験動物にも適用されている。虚弱指数は、「生物学的年齢」および生活の質の低下を示す一般的な健康低下の程度の、信頼でき、広く受け入れられている尺度と考えられる。
特定の態様および実施形態では、本明細書で提供されるものは、患者において虚弱を改善および/または治療もしくは防止するための方法、ならびに/または虚弱指数を低下させるための方法を含む。虚弱は、当技術分野で公知である多くの方法のいずれかで評価できる。例えば、虚弱および虚弱を評価する/インデックス付けする方法は、Hubbardら、Ageing,2008年11月に電子公開、115−118ページ;Cesariら、Age and Ageing,43:10−12,2014;およびMohler etal,Experimental Gerontology,54:6−13,2014に記載されており、これらはすべて、参照により本明細書に組み込まれる。
様々な実施形態において、虚弱指数は、参照により本明細書に組み込まれる米国特許出願公開第2015/0285823号に記載されるように計算される。例えば、虚弱指数の決定の説明が提供される。虚弱指数は、暦年齢が必ずしも生物学的年齢を反映するものではないという概念に対処するために、同じ暦年齢の生物の虚弱範囲への適合を評価するために開発された。16項目のパラメータ(体重、握力、血圧、全血球計算、サイトカイン値分析の測定値を含む)に基づいて、FIは、測定された欠陥の総数の比率として計算され、0(欠陥なし=適合)と1(すべての欠陥が存在する=虚弱)のFIのスコアを割り当てられる。したがって、FIが高いほど、生物の健康状態が悪いことを示す。この点で、FIは、同じ暦年齢の「虚弱」範囲の生物への「適合」を評価するための有用なツールとして提供される。
特定の実施形態では、本発明の方法は、Antochら、Aging.2017;9:1−12(参照によりその全体が本明細書に組み込まれる)に記載のとおり、生理学的虚弱指数(PFI)に従って測定されるように、対象における虚弱を低減させるかまたは防止する。例えば、PFIは、若年の参照対象を参照して個々の対象について決定できる。各対象について、様々なパラメータが測定される。これらのパラメータとしては、年齢、体重、握力、および拡張期血圧を含む非侵襲的測定が挙げられる。追加の血液化学測定値(白血球数、好中球数、好中球の割合、リンパ球の割合、単球の割合、好酸球の割合、赤血球数、ヘモグロビン値、ヘマトクリット値、平均赤血球容積、平均赤血球ヘモグロビン値、平均赤血球ヘモグロビン濃度、血小板数、および平均血小板容積を含む)も決定され得る。各パラメータについて、中央値および標準偏差が計算される。任意の単一のパラメータにおいて複数の標準偏差(STDEV)が中央値とは異なる対象は、参照群から除外される。高齢の対象について測定された各パラメータ値を、参照群の対応する値と比較し、任意のスコアを割り当てる。差が1STDEV未満である値に、スコア0(欠陥がなく、参照群の範囲内)を割り当てる。差が1STDEVである値は、0.25(最小の欠陥)としてスコア付けする。参照群の対応する値との差が2STDEVのみである値は、0.5としてスコア付けし、差が3STDEVのみである値は、0.75としてスコア付けする。値が3STDEVを超える場合、1(極度の欠陥)としてスコア付けする。個々の対象が表した欠陥の数は、測定されたパラメータの総数の比率として計算され、生理学的虚弱指数(PFI)と呼ばれる。
いくつかの実施形態では、本発明の方法は、PFIによって測定されるとおり、対象において虚弱を低減させるかもしくは改善する、かつ/または治療もしくは防止する。例えば、虚弱を低減させるかもしくは改善する、かつ/または治療もしくは防止するために組換えTLR5アゴニストを対象に投与することは、低下されたPFIスコアをもたらし得る。いくつかの実施形態では、対象のPFIスコアは、少なくとも5%、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、または少なくとも100%低下される。いくつかの実施形態では、対象のPFIスコアは、約25%〜75%、約25%〜50%、または約50%〜75%低下される。いくつかの実施形態では、対象のPFIスコアは、0.9、0.85、0.8、0.75、0.7、0.65、0.6、0.55、0.5、0.45、0.4、0.35、0.3、0.25、0.2、0.15、0.1、または0.5程度に低下される。
さらに、欠陥の蓄積としての虚弱は、Rockwoodら、J Gerontol A Biol Sci Med Sci.2007 Jul;62(7):722−727(参照によりその全体が組み込まれる)に記載のとおり、ロックウッド虚弱指数によって測定できる。実施形態では、本方法は、ロックウッド虚弱指数によって評価されるように、虚弱を低減させるかまたは防止する。
複数の生理学的系にわたる累積的な低下によって生じる予備力の低下である生物学的症候群としての虚弱は、Friedら、J Gerontol A Biol Sci Med Sci.2001 Mar;56(3):M146−56(参照によりその全体が組み込まれる)に記載の虚弱スコアによって測定できる。Fried虚弱スコアは、10ポンド(4.5kg)を超える体重減少、握力に関連する弱さ;自己申告による倦怠感;歩行速度15フィート(4.57メートル)、および週あたりの身体活動の量(Kcal)などの、様々なパラメータを測定する、物理的虚弱表現型(PFP)を含む。Fried虚弱スコアは、0(虚弱でない)、1〜2(中程度の虚弱)、および3以上(虚弱)のスコアを組み込む。様々な実施形態では、本発明の方法は、Fried虚弱スコアによって測定されるとおり、対象において虚弱を低減させるかもしくは改善する、かつ/または治療もしくは防止する。例えば、虚弱を低減させるもしくは改善する、かつ/または治療もしくは防止するために組換えTLR5アゴニストを対象に投与することは、3から2へ、3から1へ、3から0へ、2から1へ、2から0へ、または1から0へ低下されたFried虚弱スコアをもたらし得る。さらに、いくつかの実施形態では、虚弱を低減させるもしくは改善する、かつ/または治療もしくは防止するために組換えTLR5アゴニストを対象に投与することは、対象のFried虚弱スコアの上昇をなくす。
虚弱は、Abellean Van Kanら、J Am Med Dir Assoc.2008 Feb;9(2):71−2.doi:10.1016/j.jamda.2007.11.005(参照によりその全体が組み込まれる)に記載のフレイルスケールによっても測定できる。フレイルスケールで測定されるパラメータとしては、疲労の持続;耐性(1回の階段を上る能力);歩行(1ブロック歩く能力);5つ以上の病気;および5%以上の体重減少が挙げられる。フレイル虚弱コアは、0(虚弱でない)、1〜2(中程度の虚弱)、および3以上(虚弱)のスコアを組み込む。様々な実施形態において、本発明の方法は、フレイルスケールスコアによって測定されるように、対象において虚弱を低減させるかまたは改善する。例えば、虚弱を減少させるまたは改善するために組換えTLR5アゴニストを対象に投与することは、3から2へ、3から1へ、3から0へ、2から1へ、2から0へ、または1から0へ低下されたフレイルスケールスコアをもたらし得る。さらに、いくつかの実施形態では、虚弱を低減させるもしくは改善する、かつ/または治療もしくは防止するために組換えTLR5アゴニストを対象に投与することは、対象のフレイルスケールスコアの上昇をなくす。
いくつかの実施形態では、本明細書において提供される方法は、少なくとも1つの認められている虚弱の尺度を使用して虚弱指数を改善する(もしくは低下させる)か、または虚弱における減少を遅延させるかまたは減速させる。いくつかの実施形態では、本明細書において提供される方法は、虚弱指数(FI)、生理学的虚弱指数(PFI)、Fried虚弱スコア、ロックウッド虚弱指数、フレイルスケール、および改訂虚弱指数(modified frailty index)から選択される少なくとも1つの認められている虚弱の尺度を使用して、虚弱指数を改善する(もしくは減少させる)か、または虚弱における減少を遅延させるかまたは減速させる。
いくつかの実施形態では、虚弱は、除脂肪体重の低下、弱化、倦怠感、エネルギー消費の低下、および/または歩行速度の低下を含む。実施形態では、本方法は、除脂肪体重の低下、弱化、倦怠感、エネルギー消費の低下、および/または歩行速度の低下の1つ以上の発症または進行を低減するかまたは防止する。
加齢性疾患および障害
本発明は、病原性タンパク質抗原に融合されていない組換えTLR5アゴニストを投与することを含む方法を企図する。様々な実施形態において、組換えTLR5アゴニストは、加齢性疾患または障害を有する患者において細胞老化を減少させる。
いくつかの実施形態では、疾患は、癌、加齢性疾患、タバコ関連疾患、または皮膚のしわである。
例えば、いくつかの実施形態では、本明細書で提供される方法は、アルツハイマー病、II型糖尿病、黄斑変性症、慢性炎症に基づく病状(例えば、関節炎)などの加齢性疾患もしくは障害を防止もしくは治療するため、かつ/または加齢に関連することが知られている癌種(例えば、前立腺癌、黒色腫、肺癌、結腸癌など)の発症を防止するためであり、かつ/または加齢化組織(例えば、皮膚または前立腺)の機能および形態を回復する目的として、かつ/または蓄積された老化細胞によって損なわれた組織の形態を改善する目的として(例えば、色素性皮膚病変の美容的治療)、かつ/または放射線療法もしくは化学療法による癌治療の結果を改善する目的として、かつ/または休眠中の癌細胞を排除することにより癌患者における再発および転移性疾患を防止することを目的としている。本開示は、ヒトおよび非ヒト動物の疾患ならびに加齢および加齢性障害の予防および/または治療に好適である。
様々な例において、本開示は、これに限定されないが、アルツハイマー病、II型糖尿病、黄斑変性症、または慢性炎症、必ずしもこれらに限定されないが関節炎を含む、加齢性疾患または障害を有するまたは発症するリスクがあることが疑われる個体を治療する方法に関する。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の方法、または心血管疾患もしくは心障害、炎症性疾患または障害、肺疾患または肺障害、神経疾患または神経障害、代謝性疾患または障害、皮膚疾患または皮膚障害、加齢性疾患または障害、早期老化疾患または障害、および睡眠障害を有するか、または有するリスクがあると特定された患者の治療のための方法。
特定の態様および実施形態で本明細書において提供される方法は、加齢に伴う変性障害の治療または防止に適用可能である。より具体的には、本明細書で提供される方法は、1)脂肪組織が失われる率を低下させること、2)筋繊維の直径が減少する速度を低下させること、および3)皮膚の張りが時間の経過と共に悪化する速度を低下させることにおいて改善をもたらし得る。これらの影響は、高齢のレシピエント、すなわち51歳以上のレシピエント、特に65歳、70歳、75歳以上などの61歳以上のレシピエントでより劇的に見られ得る。また、候補となるレシピエントとしては、喫煙者および使用者、アルコールおよび麻薬の乱用者、日焼け愛好家など、彼らのライフスタイルが加齢を促進する効果を課す、レシピエントが挙げられる。
様々な実施形態において、本方法によって治療される特定の状態および疾患または障害は、サルコペニアを含む。サルコペニアはまず、筋肉繊維の脂肪への置換、線維症の増加、筋肉代謝の変化、酸化ストレス、および神経筋接合部の変性などの要因によって引き起こされる、筋肉組織の「質」の低下と共に、筋萎縮(筋肉サイズの減少)を特徴とする。これらの変化は、組み合わさって、筋肉機能の進行性の喪失および虚弱をもたらす。
本発明の方法によって治療される他の状態は、様々な実施形態において、白内障、ならびに皮膚のしわおよび変色、ならびに全体的な皮膚の張りなどのいわゆる「加齢の兆候」を含む。本方法による治療は、皮膚の張りを支える脂肪および筋肉が減少する速度を低下させると予想され、その結果、皮膚のしわも減少するか、遅延するか、または消失する。治療はまた、白内障が眼内に生じる速度に利点を有すると予想される。
加速された加齢(癌およびプロセロイド症候群)
いくつかの実施形態では、本発明は、対象において加速された加齢を低下させるための方法を提供する。例えば、いくつかの実施形態において、本発明は、組換えTLR5アゴニスト、例えば、フラジェリンまたはフラジェリンベースの剤(エントリモドなど)を対象または患者に投与して、癌および/または癌治療または早老症に関連する加齢の加速を低下させる。
遺伝毒性のある医学的治療または環境への若年の個体の曝露は、上に列挙されかつ加速された加齢と見なされる複数の加齢性状態の早期発症の高リスクに関連づけられている。
このタイプの最も一般的な治療法の1つは、癌治療である。癌治療は、多くの場合、ヒトおよび動物の遺伝毒性ストレスへの曝露を伴い、多数の正常細胞に損傷したDNAを残し、老化細胞の蓄積および慢性全身性炎症の獲得を誘発する。これらの状態は、甲状腺機能の異常、骨塩密度の低下および骨粗鬆症の増加、不妊、組織再生の障害、心毒性、肺線維症および慢性無菌炎症などの、自然な加齢に一般的に関連する複数の疾患または障害のリスクを高める。
様々な実施形態では、治療対象の癌は、基底細胞癌、胆道癌;膀胱癌;骨肉腫;脳および中枢神経系癌;乳癌;腹膜癌;子宮頸癌;絨毛癌;結腸直腸癌;結合組織癌;消化器系癌;子宮内膜癌;食道癌;眼癌;頭頸部癌;胃癌(消化器癌など);膠芽腫;肝癌;肝細胞癌;上皮内新生物;腎臓癌または腎癌;喉頭癌;白血病;肝癌;肺癌(例えば、小細胞肺癌、非小細胞肺癌、肺腺癌、肺扁平上皮癌);黒色腫;骨髄腫;神経芽細胞腫;口腔癌(唇、舌、口、および咽頭);卵巣癌;膵癌;前立腺癌;網膜芽細胞腫;横紋筋肉腫;直腸癌;呼吸器系癌;唾液腺癌;肉腫;皮膚癌;扁平上皮癌;胃癌;精巣腫瘍;甲状腺癌;子宮癌または子宮内膜癌;泌尿器系癌;外陰癌;ホジキンリンパ腫および非ホジキンリンパ腫などのリンパ腫、ならびにB細胞リンパ腫(低悪性度/濾胞性非ホジキンリンパ腫(NHL)など);小リンパ球性(SL)NHL;中悪性度/濾胞性NHL;中悪性度びまん性NHL;高悪性度免疫芽球性NHL;高悪性度リンパ芽球性NHL;高悪性度非切断小細胞NHL;巨大腫瘤性NHL;マントル細胞リンパ腫;AIDS関連リンパ腫;およびワルデンストレームマクログロブリン血症;慢性リンパ性白血病(CLL);急性リンパ芽球性白血病(ALL);有毛細胞白血病;慢性骨髄芽球性白血病;ならびに他の癌腫および肉腫;および移植後リンパ増殖性疾患(PTLD)、ならびに母斑症、浮腫(例えば、脳腫瘍に関連するもの)に関連する異常な血管増殖、ならびにメイグズ症候群から選択される。
癌生存者における加齢の加速は、小児期に癌に対して治療が奏功した個体で特によく報告されている。実際に、小児癌の治療を受けた成人は、心血管、肺、肝臓、腎、および性腺の機能障害、二次性悪性新生物などの慢性的な健康状態の早期発症のリスクが高く、死亡率が高い。20代の生存者における慢性疾患の発症率は、50代の同胞の発症率とほぼ同じである。認知機能障害および筋力の低下などの、他の加齢に伴う状態の発症率の上昇も、小児癌生存者の間で報告されており、予想よりも数十年早く現われる。この研究および他の研究は、小児癌の一部の生存者が、高齢者に見られるものと一致する生理学的虚弱表現型を有することを示唆する。造血細胞移植(HCT)生存者の生理学的虚弱も、加速された加齢を示唆し、早期死亡の予測因子である。虚弱率は、HCT生存者の方が同胞よりも8倍高かった。移植後少なくとも10年のHCTの生存者では、重度の/生命を脅かす/致命的な状態の15年の累積発生率は41%であった。
様々な実施形態では、本発明の方法は、早期の加齢または加速された加齢を治療または防止することを含む。いくつかの実施形態では、加速された加齢は、これらに限定されないが、ハッチンソン−ギルフォード早老症候群(HGPS)、ウェルナー症候群(WS)、ブルーム症候群(BS)、ロスムンド・トムソン症候群(RTS)、コケイン症候群(CS)、色素性乾皮症(XP)、トリコチオジストロフィー(TTD)、色素性乾皮症−コケイン症候群(XP−CS)の合併症、または拘束性皮膚障害(RD)を含む、早老症のいずれか1つの症状である。これらの疾患または障害の1つを有する対象は典型的には、寿命(すなわち、生存期間)が短縮されている。
様々な実施形態では、本発明の方法は、対象における炎症のレベルを調節する(例えば、増大または減少させる)。「炎症」は、感染、発熱、および外傷を含む、身体にかかる様々な急性ストレスに対する正常な応答である。他の種類の炎症としては、組織内および全身の血漿中に見られる炎症誘発性サイトカインのレベルの上昇が挙げられる。炎症は、感染症と関連する可能性があるが、身体的外傷、風邪、放射線による火傷、熱性物質または腐食性物質、化学的刺激物、細菌またはウイルス性病原体、局所的な酸素欠乏(虚血)、または再灌流(虚血組織への酸素の突然の再注入)を含む、事実上あらゆる種類の外傷または脅威に応答して生じる。これは、発赤、熱、腫れ、および疼痛などの典型的な症状を含み、炎症を起こした臓器または組織の機能低下を伴い得る。これは、外傷または脅威が検出された部位に存在し得る有害な剤と戦う傾向があり得るか、または元の場所に外傷または脅威を封じ込める、急速に広がらないようにする傾向があり得る、いくつかの影響を伴う一般的な反応である。炎症は、有害な刺激を排除または中和し、組織の完全性を回復することを目的とした自己防衛反応である。末梢炎症と同様に、神経炎症は、有害なプロセスになり得、それが多くの中枢神経系障害の病因に寄与し得ることが現在広く受け入れられている。CNS炎症は一般に、ミエリン鞘の喪失または軸索の喪失を含む、ある程度の組織損傷に関連しており、ヒトMS患者における中心的なテーマである。炎症のレベルは、C反応性タンパク質(CRP)と呼ばれる特定の化合物について簡単な血液検査を実施することによって定量化できる。
様々な実施形態では、本発明の方法は、対象における非感染症(sterile)慢性全身性炎症のレベルを低下させる。「炎症性老化(inflammaging)」と名付けられた「無菌性の慢性全身性炎症」は、加齢の特徴である。慢性炎症は、心臓、脳、および腎臓などの臓器系に時間の経過と共に損傷を引き起こし、障害または早死をもたらす。これらの臓器に供給する血管は炎症に対して脆弱であり、血管壁が厚くなり、血液通路(blood passageway)が狭くなる。時間の経過と共に測定されるCRPレベルの上昇は、ヒトにおける慢性炎症の指標である。研究は、CRPレベルの上昇が、心臓発作および脳卒中のリスクの上昇と相関していることを示している。加齢は、環境因子、遺伝因子、後成的因子、および確率的因子の組み合わせから生じる複雑なプロセスである。慢性的な炎症誘発性の状態は、加齢の蔓延する特徴である。明白な感染がない場合に発生するこの低悪性度の慢性全身性炎症(無菌性炎症)は、「炎症性老化」と定義されており、高齢者における罹患率および死亡率の重大な危険因子を表す。Prattichizzoらは(Inflammaging”as a Druggable Target:A Senescence−Associated Secretory Phenotype−Centered View of Type 2 Diabetes)Oxid Med Cell Longev.2016で、およびNasiらは(Aging and inflammation in patients with HIV infection)、Clin Exp Immunol.2016 May20で、加齢と炎症との関係を調査している。
様々な実施形態では、本発明の方法は、対象における加齢性疾患または障害を治療または防止する。「加齢性疾患または障害」という用語は、これらに限定されないが、癌、代謝性疾患、心血管疾患、タバコ関連疾患、または皮膚のしわなどの成人における疾患または障害を含む。癌としては、これらに限定されないが、前立腺癌、結腸癌、肺癌、頭頸部扁平上皮癌、食道癌、肝細胞癌、胃癌、膵癌、卵巣癌、または乳癌が挙げられる。加齢性疾患もしくは障害またはタバコ関連性疾患もしくは障害としては、心血管疾患、脳血管疾患、末梢血管疾患、アルツハイマー病、骨関節炎、心臓拡張機能障害、良性前立腺肥大症、大動脈瘤、または気腫が挙げられる。
様々な実施形態では、本発明の方法は、対象における若返りを媒介する。「若返り」という用語は、加齢の進行を低減または防止すること、および/または加齢性疾患または障害の進行を低減または防止することの結果を指す。「若返り」という用語は、例えば、筋肉の持久力または筋力の改善、耐糖能の改善、全身性または局所性炎症性サイトカインの存在の減少、ミトコンドリア機能の改善、および細胞の加齢表現型に関与するエピジェネティックな修飾の消去など、虚弱指数のパラメータおよび/または加齢細胞表現型の他のマーカーまたは加齢性疾患または障害状態のマーカーを改善するプロセスを指す。いくつかの実施形態では、高齢マウスの脂肪組織マクロファージ(ATM)中で発現が増加していると特定されたマーカー(Garg,S.KらCrit Rev Immunol.2014;34(1):1−14):CD11c、CD206、Mgl1、IL−6、TNF−α、Nos2、Ccr−7、IL−12、Arg1、Ccl−2、Ccr−1、Ccr−5、Ccr−9、Mcp−1、Cxcr−3、IL−1βの少なくとも1つの発現の喪失または減少も、若返りの兆候と見なされる場合がある。
生存期間
いくつかの実施形態では、本発明は、対象の寿命または生存期間を延長させるための方法を提供する。例えば、いくつかの実施形態では、本発明は、寿命または生存期間を延長させるための、患者への組換えTLR5アゴニスト、例えば、フラジェリンまたはフラジェリンベースの剤(エントリモドなど)の投与に関する。
例えば、本発明は、本明細書に記載の組換えTLR5アゴニストを投与されていない対象と比較して、かつ/または本明細書に記載の平均余命計算値と比較して、対象の寿命または生存期間を、少なくとも約5年、少なくとも約10年、少なくとも約15年、少なくとも約20年、または少なくとも約25年延長させ得る。さらに、本発明の様々な実施形態は、対象における細胞老化および/または免疫老化を低減または減少させる方法を企図する。
様々な実施形態において、寿命または生存期間の延長は、同等の集団と比較して評価される。例えば、寿命または生存期間の延長は、あるコホートに対し評価され、例えばコホートLEBは、実際の出生コホート(すべての個体が特定の年に生まれた)の平均寿命であり、または期間に対し評価され、例えば期間LEBは、出生から死亡まで、特定の年に観察された死亡率にさらされていると想定される仮想コホートの平均寿命である。こうした評価は、当技術分野における生存期間および/または寿命に関する様々な報告に関連して行われ得る(例えば、World Health Organization(WHO)の健康状態統計:死亡率)。いくつかの実施形態では、本発明の方法は、同等の集団と比較して予想されるものよりも延長された寿命または生存期間をもたらす。いくつかの実施形態では、本発明の方法は、当技術分野における生存期間および/または寿命に関する様々な報告と比較して(例えば、World Health Organization(WHO)の健康状態統計:死亡率)、予想されるものよりも延長された寿命または生存期間をもたらす。
さらなる実施形態では、寿命または生存期間の延長は、1つ以上の保険数理生命表(例えば、Life Tables For The United States Social Security Area 1900−2100(Actuarial Study No.120,Bell and Miller))を参照して評価される。いくつかの実施形態では、本発明の方法は、1つ以上の保険数理生命表と比較して予想されるものよりも延長された寿命または生存期間をもたらす。
対象
本明細書で提供される方法は、ヒトおよび非ヒト哺乳動物を含む、哺乳動物である患者に使用できる。本発明の方法を使用して治療される非ヒト哺乳動物としては、飼われている動物(すなわち、イヌ、ネコ、マウス、げっ歯類、およびウサギ)および農業動物(ウシ、ウマ、ヒツジ、ブタ)が挙げられる。様々な例において、化合物または組成物が投与される個体は、加齢性疾患または障害のリスクがあるか、その疑いがあるか、またはそのように診断された個体である。
本発明の様々な実施形態では、患者は、若年のヒト、中年のヒト、または高齢のヒトである。例えば、いくつかの実施形態では、患者は、約18〜約35歳、または約18〜約30歳、または約18〜約25歳、または約18〜約20歳である。いくつかの実施形態では、患者は、約36〜約55歳、約40〜約55歳、約45〜約55歳、約36〜約50歳、約36〜約45歳、約36〜約40歳、約40〜約50歳、約45〜約55歳である。いくつかの実施形態では、患者は、約56歳〜約85歳、約60歳〜約85歳、または約65歳〜約85歳、約70歳〜約85歳、約75歳〜約85歳、または80歳〜約85歳、または56歳〜約80歳、または56歳〜約75歳、または56歳〜約70歳、または56歳〜約65歳、または56歳〜約60歳、または約60歳〜約80歳、または約65歳〜約75歳である。
いくつかの実施形態では、患者は、約1歳、または約2歳、または約3歳、または約4歳、または約5歳、または約6歳、または約7歳、または約8歳、または約9歳、または約10歳、または約11歳、または約12歳、または約13歳、または約14歳、または約15歳、または約16歳、または約17歳、または約18歳、または約19歳、または約20歳、または約21歳、または約22歳、または約23歳、または約24歳、または約25歳、または約26歳、または約27歳、または約28歳、または約29歳、または約30歳、または約31歳、または約32歳、または約33歳、または約34歳、または約35歳、または約36歳、または約37歳、または約38歳、または約39歳、または約40歳、または約41歳、または約42歳、または約43歳、または約44歳、または約45歳、または約46歳、または約47歳、または約48歳、または約49歳、または約50歳、または約51歳、または約52歳、または約53歳、または約54歳、または約55歳、または約56歳、または約57歳、または約58歳、または約59歳、または約60歳、または約61歳、または約62歳、または約63歳、または約64歳、または約65歳、または約66歳、または約67歳、または約68歳、または約69歳、または約70歳、または約71歳、または約72歳、または約73歳、または約74歳、または約75歳、または約76歳、または約77歳、または約78歳、または約79歳、または約80歳、または約81歳、または約82歳、または約83歳、または約84歳、または約85歳である。いくつかの実施形態では、患者は少なくとも55歳である。
当業者は、「若年の」、「中年の」、および「高齢の」の定義に関する年齢範囲は、他の要因の中でもとりわけ、地理的地域に基づいて変化し得ると考えるであろう。Petry,Gerontologist 2002 Feb;42(1):92−9は、加齢関連の定義を記載しており、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
実施形態では、患者の生物学的性別は雄または雌である。実施形態では、患者の生物学的性別は雄である。実施形態では、患者の生物学的性別は雌である。
いくつかの実施形態では、患者の生物学的性別は雄であり、患者は中年(例えば、約36〜約55歳、約40〜約55歳、約45〜約55歳、約36〜約50歳、約36〜約45歳、約36〜約40歳、約40〜約50歳、約45〜約55歳)である。いくつかの実施形態では、本方法は、例えば、中年の男性患者に適用できる場合、1つ以上の虚弱および加齢性疾患または障害を防止するか、それらの重症度を低下させる。
本発明の様々な実施形態では、対象は患者である。いくつかの実施形態では、患者は中年のヒトである。例えば、いくつかの実施形態では、患者は約35歳〜55歳である。さらなる実施形態では、患者の生物学的性別は男性である。
本明細書で提供される方法のいくつかの実施形態では、患者は哺乳動物である。本明細書で提供される方法のいくつかの実施形態では、患者はヒトである。本明細書で提供される方法のある実施形態では、患者は男性である。
TLR5アゴニストおよびその誘導体
Toll様受容体(TLR)は、細胞の自然免疫応答の開始において中心的な役割を果たす。TLRは、感染性因子上に発現する病原体関連分子パターン(PAMP)を認識し、効果的な免疫の発達に必要なサイトカインの産生を仲介する。ヒトには10個のTLR遺伝子があり、マウスには12個のTLR遺伝子がある。特に、Toll様受容体5(TLR5)は、細菌のフラジェリンを認識する膜貫通タンパク質であり、腸粘膜で高度に発現される。脊椎動物は、自然免疫の自然防御機構の活性化および動員を目的としたシグナル伝達イベントのカスケードをトリガーするフラジェリンとTLR5との特異性の高い相互作用によって活性化されるシグナル伝達を介して、潜在的に病原性のべん毛を有する細菌の存在を認識する。薬理学的に有用なフラジェリン誘導体であるエントリモド(CBLB502)によるTLR5の活性化は、致死的な全身照射から動物を保護できた。
本明細書で使用される場合、「TLR5アゴニスト」という用語は、TLR5を介する通常のシグナル伝達を選択的に活性化または増加させる化合物またはペプチドを指す。本発明のいくつかの実施形態では、TLR5アゴニストは組換え型である。いくつかの実施形態において、TLR5アゴニストは、約10−7M未満、または10−8M未満;または10−9M未満;または10−10M未満;または10−10M未満;または10−11M未満のEC50を有する。ある実施形態では、本明細書で提供されるTLR5アゴニストは、Lu Y.,ら、Biotechnol.Bioeng.110、2073−2085(2013)およびin Lu and Swartz,Sci Rep 6:18379(2016)、または同様のTLR5生物活性アッセイに記載される、HEK−Blue(商標)−hTLR5細胞(Invivogen)を使用するフラジェリン生物活性アッセイにおいて、約10−7M未満、または10−8M未満;または10−9M未満;または10−10M未満;または10−10M未満;または10−11M未満のEC50を有する。
いくつかの実施形態では、本明細書で提供される病原性タンパク質に融合されていないTLR5アゴニストは、フラジェリンベースの剤である。本明細書で使用される場合、「フラジェリン」という用語は、様々なグラム陽性またはグラム陰性細菌種に含まれるフラジェリンポリペプチドを意味する。22の細菌種からのフラジェリンのヌクレオチドおよびアミノ酸配列が米国特許公開第2003/0044429号(参照によりその全体が本明細書に組み込まれる)の図7に提供されている。したがって、種間の配列の差が、用語の意味に含まれる。特定の実施形態では、本開示によるフラジェリンベースの剤は、米国特許公開第2003/0044429号の図7に提供される22の細菌種由来のフラジェリンの1つ以上と少なくとも80%の同一性、または少なくとも85%の同一性、または少なくとも90%の同一性、または少なくとも95%の同一性、または少なくとも少なくとも97%の同一性、または少なくとも98%の同一性、または少なくとも99%の同一性、または100%の同一性を有するアミノ酸配列を含む。21の細菌由来の保存的アミノ末端およびカルボキシ末端のアミノ酸配列(TLR5活性にとって重要である)が、米国特許第8,007,812号(参照によりその全体が本明細書に組み込まれる)の図24Aおよび図24Bに提供される。
特定の実施形態では、本開示によるフラジェリンベースの剤は、フラジェリンタンパク質の断片またはフラジェリンベースの剤を含む。いくつかの実施形態では、フラジェリンベースの剤またはその断片は、TLR5アゴニストとしての活性を有する。様々な実施形態では、
いくつかの実施形態では、TLR5アゴニストは、サルモネラ菌フラジェリンタンパク質、例えば、組換えサルモネラ菌フラジェリンタンパク質である。いくつかの実施形態では、TLR5アゴニストは、サルモネラ菌ダブリンフラジェリンタンパク質、例えば、組換えサルモネラ菌ダブリンフラジェリンタンパク質である。様々な実施形態では、サルモネラ菌ダブリンフラジェリンタンパク質は、以下に示すように、配列番号27のアミノ酸配列を有する:
MAQVINTNSLSLLTQNNLNKSQSSLSSAIERLSSGLRINSAKDDAAGQAIANRFTSNIKGLTQASRNANDGISIAQTTEGALNEINNNLQRVRELSVQATNGTNSDSDLKSIQDEIQQRLEEIDRVSNQTQFNGVKVLSQDNQMKIQVGANDGETITIDLQKIDVKSLGLDGFNVNGPKEATVGDLKSSFKNVTGYDTYAAGADKYRVDINSGAVVTDAAAPDKVYVNAANGQLTTDDAENNTAVDLFKTTKSTAGTAEAKAIAGAIKGGKEGDTFDYKGVTFTIDTKTGDDGNGKVSTTINGEKVTLTVADIATGAADVNAATLQSSKNVYTSVVNGQFTFDDKTKNESAKLSDLEANNAVKGESKITVNGAEYTANATGDKITLAGKTMFIDKTASGVSTLINEDAAAAKKSTANPLASIDSALSKVDAVRSSLGAIQNRFDSAITNLGNTVTNLNSARSRIEDADYATEVSNMSKAQILQQAGTSVLAQANQVPQNVLSLLR(配列番号27)。
いくつかの実施形態において、本発明は、配列番号27に対して、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約87%、少なくとも約90%、少なくとも約93%、少なくとも約95%、または少なくとも約96%、または少なくとも約97%、または少なくとも約98%、または少なくとも約99%、または100%の配列同一性を有するアミノ酸配列を有するポリペプチドを含むTLR5アゴニストの使用を企図する。様々な実施形態において、アミノ酸配列を有するポリペプチドは、Hisタグを含まない。
本明細書で提供される方法のいくつかの実施形態では、病原性タンパク質抗原に融合されていないTLR5アゴニストは、エントリモド(CBLB502)である。エントリモド(CBLB502)は、フラジェリン関連ポリペプチドである(例えば、米国特許公開第2003/0044429号の図7を参照されたい(その内容は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる)。本明細書で使用される場合、「エントリモド」(別名「CBLB502」)は、以下に示す、WIPO国際特許出願公開第2016/109002号(参照によりその全体が本明細書に組み込まれる)の配列番号1の配列を有するポリペプチドを指す。
MRGSHHHHHHGMASMTGGQQMGRDLYDDDDKDPMAQVINTNSLSLLTQNNLNKSQSSLSSAIERLSSGLRINSAKDDAAGQAIANRFTSNIKGLTQASRNANDGISIAQTTEGALNEINNNLQRVRELSVQATNGTNSDSDLKSIQDEIQQRLEEIDRVSNQTQFNGVKVLSQDNQMKIQVGANDGETITIDLQKIDVKSLGLDGFNVNSPGISGGGGGILDSMGTLINEDAAAAKKSTANPLASIDSALSKVDAVRSSLGAIQNRFDSAITNLGNTVTNLNSARSRIEDADYATEVSNMSKAQILQQAGTSVLAQANQVPQNVLSLLR(配列番号1)。
いくつかの実施形態において、本発明は、配列番号1に対して、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約87%、少なくとも約90%、少なくとも約93%、少なくとも約95%、または少なくとも約96%、または少なくとも約97%、または少なくとも約98%、または少なくとも約99%、または100%の配列同一性を有するアミノ酸配列を有するポリペプチドを含むTLR5アゴニストの使用を企図する。様々な実施形態において、アミノ酸配列を有するポリペプチドは、Hisタグを含まない。
本明細書で提供される態様および実施形態のいくつかの実施形態では、病原性タンパク質に融合されていないTLR5アゴニストは、CBLB502−S33ML(国際公開第2016/019034号の配列番号35)、CBLB502−485CT(CBLB533、国際公開第2016/019034号の配列番号71)、CBLB502−S33MX(CBLB543、国際公開第2016/019034号の配列番号150)、CBLB502−S33(国際公開第2016/019034号の配列番号17)、国際公開第2016/019034号の突然変異体33ML(国際公開第2016/019034号の配列番号42)(以下にそれぞれ示すように、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる)の1つ以上と少なくとも80%の同一性、または少なくとも85%の同一性、または少なくとも90%の同一性、または少なくとも95%の同一性、または少なくとも97%の同一性、または少なくとも98%の同一性、または少なくとも99%の同一性、または100%の同一性を有するアミノ酸配列を有するポリペプチドを含む、フラジェリンベースの薬剤である。
CBLB502−S33ML(国際公開第2016/019034号の配列番号35)
MSGLRINSAKDDAAGQAIANRFTSNIKGLTQASRNANDGISIAQTTEGALNEINNNLQRVRELSVQATNGTNSDSDLKSIQDEIQQRLEEIDRVSNQTQFNGVKVLSQDNQMKIQVGANDGETITIDLQKIDVKSLGLDGFNVNSPGISGGGGGILDSMGTLINEDAAAAKKSTANPLASIDSALSKVDAVRSSLGAIQNRFDSAITNLGNTVTNLNSARSRIEDADYATEVSNMSKAQILQQAGTSVLAQANQVPQNVLSLLVPRGSHHHHHHG(配列番号2);
CBLB502−485CT(CBLB533、国際公開第2016/019034号の配列番号71)
MSGLRINSAKDDAAGQAIANRFTSNIKGLTQASRNANDGISIAQTTEGALNEINNNLQRVRELSVQATNGTNSDSDLKSIQDEIQQRLEEIDRVSNQTQFNGVKVLSQDNQMKIQVGANDGETITIDLQKIDVKSLGLDGFNVNSPGSTANPLASIDSALSKVDAVRSSLGAIQNRFDSAITNLGNTVTNLNSARSRIEDADYATEVSNMSKAQILQQAGLVPRGSHHHHHHG(配列番号3);
CBLB502−S33MX(CBLB543、国際公開第2016/019034号の配列番号150)
MSGLRINSAKDDAAGQAIANRFTSNIKGLTQASRNAADGISIAQTTEGALNEINNNLQRVRELSVQATAGANADAALKAIQAEIQQRLEEIDRVSQQTQAAAVKVLSQDNAMAIQVGANDGAAITIDLQKIDVKSLGLDGFNVNSPGSTANPLASIDSALSKVDAVRSSLGAIQNRFDSAITNLGNTVTNLNSARSRIEDADYATEVSQMSKAQILQQAGTSVLAQANQVPQNVLSLLVPRGSHHHHHHG(配列番号4);
CBLB502−S33(国際公開第2016/019034号の配列番号17)
MRGSHHHHHHGMASMTGGQQMGRDLYDLVPRGSAKDPSGLRINSAKDDAAGQAIANRFTSNIKGLTQASRNANDGISIAQTTEGALNEINNNLQRVRELSVQATNGTNSDSDLKSIQDEIQQRLEEIDRVSNQTQFNGVKVLSQDNQMKIQVGANDGETITIDLQKIDVKSLGLDGFNVNSPGISGGGGGILDSMGTLINEDAAAAKKSTANPLASIDSALSKVDAVRSSLGAIQNRFDSAITNLGNTVTNLNSARSRIEDADYATEVSNMSKAQILQQAGTSVLAQANQVPQNVLSLLR(配列番号5);および
変異体33ML(国際公開第2016/019034号の配列番号42)
MSGLRINSAKDDAAGQAIANRFTSNIKGLTQASRNANDGISIAQTTEGALNEINNNLQRVRELSVQATNGTNSDSDLKSIQDEIQQRLEEIDRVSNQTQFNGVKVLSQDNQMKIQVGANDGETITIDLQKIDVKSLGLDGFNVNSPGSTANPLASIDSALSKVDAVRSSLGAIQNRFDSAITNLGNTVTNLNSARSRIEDADYATEVSNMSKAQILQQAGTSVLAQANQVPQNVLSLLVPRGSHHHHHHG(配列番号6)。
いくつかの実施形態において、本発明は、配列番号2〜6の1つ以上に対して、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約87%、少なくとも約90%、少なくとも約93%、少なくとも約95%、または少なくとも約96%、または少なくとも約97%、または少なくとも約98%、または少なくとも約99%、または100%の配列同一性を有するアミノ酸配列を有するポリペプチドを含むTLR5アゴニストの使用を企図する。様々な実施形態において、アミノ酸配列を有するポリペプチドは、Hisタグを含まない。
本明細書で提供される態様および実施形態のいくつかの実施形態では、病原性タンパク質に融合されないTLR5アゴニストは、以下にそれぞれ示すように、国際公開第2016/019134号(参照によりその全体が本明細書に組み込まれる)の配列番号243〜252の1つ以上と少なくとも80%の同一性、または少なくとも85%の同一性、または少なくとも90%の同一性、または少なくとも95%の同一性、または少なくとも97%の同一性、または少なくとも98%の同一性、または少なくとも99%の同一性、または100%の同一性を有するアミノ酸配列を有するポリペプチドを含むフラジェリンベースの剤である。
国際公開第2016/019134号の配列番号243
MGHHHHHHSGMEEFNMRINTNVAAMNTYSRLTAANTAKSNSLAKLSSGLRINKAGDDAAGLAISEKMKSQIGGLTQAKRNAQDGISLVQTAEGALNETHSILERMRDLAVQGSNGTLTSSDRGSINKELKALHQELTRISNTTEFNTQKLFSQTKQKSVTFTFQIGANAGQTLSVAITAMSGEALLVSTDAKFSLNAAGTNAGAMIKSIDAAIAKVSDQRADLGAVQNRLEHTINNLTATNENLSDANSRIRDVDMAEEMMTFTKSNILSQAATSMLAQANAMPNSVLNLLQG(配列番号7);
国際公開第2016/019134号の配列番号244
MGHHHHHHSGMRINHNISALNAWRNIDQTQYSMSKTLERLSSGLRINRAGDDAAGLAISEKMRGQIKGLNMAIKNAQDAISLIQTAEGALTEVHSILQRMRELAVQAASDTNTNVDREQIQKEIDQLREEIDRIARTTEFNTKKLLDGKLEGFRSQVDAKVVTGGNINVQLGTVSSKAVEGTYVIEVGAAERAIMVVDAAIHRVSTARAALGAIQNRLEHTISNLGVAAENLTAAESRIRDADMAKEMMEFTKQQILLQSSMAMLAQSNTLPQNVLQLMR(配列番号8);
国際公開第2016/019134号の配列番号245
MGHHHHHHSGLNMAIKNAQDAISLIQTAEGALTEVHSILQRMRELAVQAASDTNTNVDREQIQKEIDQLREEIDRIARTTEFNTKKLLDGKLEGFRSQVDAKVVTGGNINVQLGTVSSKAVEGTYVIEVGAAERAIMVVDAAIHRVSTARAALGAIQNRLEHTISNLG(配列番号9);
国際公開第2016/019134号の配列番号246
MGHHHHHHSGMSLRINNNIEALNAWRALNSTSNALQKSMEKLSSGLRINRAGDDAAGLAISEKLRAQIRGLNQAIRNAQDGISLIQTAEGGLSEIQNILQRMRELGVQAANGTLNNQDISAITTELNQLFNEIDRIAGATEFNTKNLLAVSTGLVVTLQVGANAGQVIAFTIDNAGTASLGLSSADLAINDNASASAFISKVDSALQKVSTYRANLGSIQNRLEHTIANLGIASENLSASESRIRDVDMAAEMMNFTKNQILQQAGVAILAQANQAPQAVLQLLR(配列番号10);
国際公開第2016/019134号の配列番号247
MGHHHHHHSGLNQAIRNAQDGISLIQTAEGGLSEIQNILQRMRELGVQAANGTLNNQDISAITTELNQLFNEIDRIAGATEFNTKNLLAVSTGLVVTLQVGANAGQVIAFTIDNAGTASLGLSSADLAINDNASASAFISKVDSALQKVSTYRANLGSIQNRLEHTIANLG(配列番号11);
国際公開第2016/019134号の配列番号248
MGHHHHHHSGLNQAIRNAQDGISLIQTAEGGLSEIQNILQRMRELGVQAANGTLNNQDISAITTELNQLFNEIDRIAGATEFNTKNLLAAGTASLGLSSADLAINDNASASAFISKVDSALQKVSTYRANLGSIQNRLEHTIANLG(配列番号12);
国際公開第2016/019134号の配列番号249
MGHHHHHHSASAFISKVDSALQKVSTYRANLGSIQNRLEHTIANLGPDGLNQAIRNAQDGISLIQTAEGGLSEIQNILQRMRELGVQAANGTLNNQDISAITTELNQLFNEIDRIA(配列番号13);
国際公開第2016/019134号の配列番号250
MGHHHHHHSNNQDISAITTELNQLFNEIDRIAGATGSGGLSEIQNILQRMRELGVQAANGTLNGGSASAFISKVDSALQKVSTYRANLGSIQNRLEHTIANLG(配列番号14);
国際公開第2016/019134号の配列番号251
MGHHHHHHSGLAQASRNAQDAISIAQTAEGALDETQSILQRVRELGVQGANGTLTADDINALQAEVDQLIAEIDRIAGATEFNTQNLLDGSFTTKAFQVGANSGQNMTLTIGKMDTTTLGLSSADLAINDNAFANGAISTVDSALQKVSAERAKLGAIQNRLEHTIANLG(配列番号15);および
国際公開第2016/019134号の配列番号252
MGHHHHHHSGLAQASRQAQDAISIAQTAEGALDETQSILQRVRELGVQGADGTLTADDIDALQAEVDQLIAEIDRIAGATEFATQKLLDGSFTTKAFQVGAASGQDVTLTIGKVDTTTLGLSSADLAIDSAAFADGAISTVDSALQKVSAERAKLGAIQNRLEHTIAQLG(配列番号16)。
いくつかの実施形態において、本発明は、配列番号7〜16の1つ以上に対して、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約87%、少なくとも約90%、少なくとも約93%、少なくとも約95%、または少なくとも約96%、または少なくとも約97%、または少なくとも約98%、または少なくとも約99%、または100%の配列同一性を有するアミノ酸配列を有するポリペプチドを含むTLR5アゴニストの使用を企図する。様々な実施形態において、アミノ酸配列を有するポリペプチドは、Hisタグを含まない。
本明細書で提供される態様および実施形態のいくつかの実施形態では、病原性タンパク質に融合されないTLR5アゴニストは、以下にそれぞれ示すように、国際公開第2006/069198号(参照によりその全体が本明細書に組み込まれる)の配列番号10、12、30、32、34、36、38、40、42、または44の1つ以上と少なくとも80%の同一性、または少なくとも85%の同一性、または少なくとも90%の同一性、または少なくとも95%の同一性、または少なくとも97%の同一性、または少なくとも98%の同一性、または少なくとも99%の同一性、または100%の同一性を有するアミノ酸配列を有するポリペプチドを含むフラジェリンベースの剤である。
国際公開第2006/069198号の配列番号10
MRGSHHHHHHGMASMTGGQQMGRDLYDDDDKDPMAQVINTNSLSLLTQNNLNKSQSSLSSAIERLSSGLRINSAKDDAAGQAIANRFTSNIKGLTQASRNANDGISIAQTTEGALNEINNNLQRVRELSVQATNGTNSDSDLKSIQDEIQQRLEEIDRVSNQTQFNGVKVLSQDNQMKIQVGANDGETITIDLQKIDVKSLGLDGFNVNSPGISGGGGGILDSMGTLINEDAAAAKKSTANPLASIDSALSKVDAVRSSLGAIQNRFDSAITNL(配列番号17);
国際公開第2006/069198号の配列番号12
MRGSHHHHHHGMASMTGGQQMGRDLYDDDDKDPFTSNIKGLTQASRNANDGISIAQTTEGALNEINNNLQRVRELSVQATNGTNSDSDLKSIQDEIQQRLEEIDRVSNQTQFNGVKVLSQDNQMKIQVGANDGETITIDLQKIDVKSLGLDGFNVNSPGISGGGGGILDSMGTLINEDAAAAKKSTANPLASIDSALSKVDAVRSSLGAIQNRFDSAITNLGNTVTNLNSARSRIEDADYATEVSNMSKAQILQQAGTSVLAQANQVPQNVLSLLR(配列番号17);
国際公開第2006/069198号の配列番号30
MRGSHHHHHHGMASMTGGQQMGRDLYDDDDKDPMAQVINTNSLSLLTQNNLNKSQSSLSSAIERLSSGLRINSAKDDAAGQAIANRFTSNIKGLTQASRNANDGISIAQTTEGALNEINNNLQRVRELSVQATNGTNSDSDLKSIQDEIQQRLEEIDRVSNQTQFNGVKVLSQDNQMKIQVGANDGETITIDLQKIDVKSLGLIPGISGGGGGILDSMGTLINEDAAAAKKSTANPLASIDSALSKVDAVRSSLGAIQNRFDSAITNLGNTVTNLNSARSRIEDADYATEVSNMSKAQILQQAGTSVLAQANQVPQNVLSLLR(配列番号17);
国際公開第2006/069198号の配列番号32
MRGSHHHHHHGMASMTGGQQMGRDLYDDDDKDPFTSNIKGLTQASRNANDGISIAQTTEGALNEINNNLQRVRELSVQATNGTNSDSDLKSIQDEIQQRLEEIDRVSNQTQFNGVKVLSQDNQMKIQVGANDGETITIDLQKIDVKSLGLIPGISGGGGGILDSMGTLINEDAAAAKKSTANPLASIDSALSKVDAVRSSLGAIQNRFDSAITNLGNTVTNLNSARSRIEDADYATEVSNMSKAQILQQAGTSVLAQANQVPQNVLSLLR(配列番号17);
国際公開第2006/069198号の配列番号34
MRGSHHHHHHGMASMTGGQQMGRDLYDDDDKDPMAQVINTNSLSLLTQNNLNKSQSSLSSAIERLSSGLRINSAKDDAAGQAIANRFTSNIKGLTQASRNANDGISIAQTTEGALNEINNNLQRVRELSVQATNGTNSDSDLKSIQDEIQQRLEEIDRVSNQTQFNGVKVLSQDNQMKIQVGANDGETITIDLQKIIPGISGGGGGILDSMGTLINEDAAAAKKSTANPLASIDSALSKVDAVRSSLGAIQNRFDSAITNLGNTVTNLNSARSRIEDADYATEVSNMSKAQILQQAGTSVLAQANQVPQNVLSLLR(配列番号17);
国際公開第2006/069198号の配列番号36
MRGSHHHHHHGMASMTGGQQMGRDLYDDDDKDPFTSNIKGLTQASRNANDGISIAQTTEGALNEINNNLQRVRELSVQATNGTNSDSDLKSIQDEIQQRLEEIDRVSNQTQFNGVKVLSQDNQMKIQVGANDGETITIDLQKIIPGISGGGGGILDSMGTLINEDAAAAKKSTANPLASIDSALSKVDAVRSSLGAIQNRFDSAITNLGNTVTNLNSARSRIEDADYATEVSNMSKAQILQQAGTSVLAQANQVPQNVLSLLR(配列番号17);
国際公開第2006/069198号の配列番号38
MRGSHHHHHHGMASMTGGQQMGRDLYDDDDKDPMAQVINTNSLSLLTQNNLNKSQSSLSSAIERLSSGLRINSAKDDAAGQAIANRFTSNIKGLTQASRNANDGISIAQTTEGALNEINNNLQRVRELSVQATNGTNSDSDLKSIQDEIQQRLEEIDRVSNQTQFNGVKVLSQDNQMKIQVGANDGETITIDLQKIDVKSLGLIPGISGGGGGILDSMGTLINEDAAAAKKSTANPLASIDSALSKVDAVRSSLGAIQNRFDSAITNL(配列番号17);
国際公開第2006/069198号の配列番号40
MRGSHHHHHHGMASMTGGQQMGRDLYDDDDKDPMAQVINTNSLSLLTQNNLNKSQSSLSSAIERLSSGLRINSAKDDAAGQAIANRFTSNIKGLTQASRNANDGISIAQTTEGALNEINNNLQRVRELSVQATNGTNSDSDLKSIQDEIQQRLEEIDRVSNQTQFNGVKVLSQDNQMKIQVGANDGETITIDLQKIIPGISGGGGGILDSMGTLINEDAAAAKKSTANPLASIDSALSKVDAVRSSLGAIQNRFDSAITNL(配列番号17);
国際公開第2006/069198号の配列番号42
MRGSHHHHHHGMASMTGGQQMGRDLYDDDDKDPMAQVINTNSLSLLTQNNLNKSQSSLSSAIERLSSGLRINSAKDDAAGQAIANRFTSNIKGLTQASRNANDGISIAQTTEGALNEINNNLQRVRELSVQATNGTNSDSDLKSIQDEIQQRLEEIDRVSNQIPGISGGGGGILDSMGTLINEDAAAAKKSTANPLASIDSALSKVDAVRSSLGAIQNRFDSAITNLGNTVTNLNSARSRIEDADYATEVSNMSKAQILQQAGTSVLAQANQVPQNVLSLLR(配列番号17);および
国際公開第2006/069198号の配列番号44
MRGSHHHHHHGMASMTGGQQMGRDLYDDDDKDPFTSNIKGLTQASRNANDGISIAQTTEGALNEINNNLQRVRELSVQATNGTNSDSDLKSIQDEIQQRLEEIDRVSNQIPGISGGGGGILDSMGTLINEDAAAAKKSTANPLASIDSALSKVDAVRSSLGAIQNRFDSAITNLGNTVTNLNSARSRIEDADYATEVSNMSKAQILQQAGTSVLAQANQVPQNVLSLLR(配列番号17)。
いくつかの実施形態において、本発明は、配列番号17〜26の1つ以上に対して、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約87%、少なくとも約90%、少なくとも約93%、少なくとも約95%、または少なくとも約96%、または少なくとも約97%、または少なくとも約98%、または少なくとも約99%、または100%の配列同一性を有するアミノ酸配列を有するポリペプチドを含むTLR5アゴニストの使用を企図する。様々な実施形態において、アミノ酸配列を有するポリペプチドは、Hisタグを含まない。
いくつかの実施形態において、本明細書に記載のTLR5アゴニストおよび/またはフラジェリンベースの剤に融合されない病原性タンパク質抗原の例としては、肺炎連鎖球菌の表面タンパク質A(PspA)および肺炎球菌表面タンパク質A(PsaA)のαヘリックスドメイン、インフルエンザウイルスのサブユニット血球凝集素(HA)およびノイラミニダーゼ(NA)、ならびに重症急性呼吸器症候群ウイルス(SARSウイルス)のスパイク(S)タンパク質が挙げられる。
投与量、投与および医薬配合物
実施形態において、TLR5アゴニストの医薬調製物は、様々な方法で使用され、いくつかの実施形態において、それは単位剤形であり得る。こうした形態では、調製物は、適切な量の活性成分を含む単位用量に細分される。単位剤形は、パッケージ化された調製物であり得、パッケージは、パケット化された錠剤、カプセル、およびバイアルまたはアンプル中の粉末などの、個別の量の調製物を含む。また、単位剤形は、カプセル、錠剤、カシェ、またはトローチ自体であってよく、またはパッケージ化形態のこれらのいずれかの適切な数であってよい。組成物は、所望であれば、他の適合性のある治療剤を含んでもよい。いくつかの医薬調製物は、徐放性配合物中で本開示の化合物を送達できる。
本発明によるTLR5アゴニストの場合、剤形は、任意により液体剤形であり得る。溶液は、ヒドロキシプロピルセルロースなどの界面活性剤またはポリソルベートなどの乳化剤と適切に混合された水中で調製できる。分散液は、グリセロール、液体ポリエチレングリコール、DMSO、およびアルコールの有無にかかわらずそれらの混合物、および油中で調製できる。通常の保管条件および使用条件下で、これらの調製物は、微生物の成長を防ぐための防腐剤を含む。適切な配合物の選択および調製のための従来の手順および成分は、例えば、Remington’s Pharmaceutical Sciences(2003−第20版)および1999年発行のUnited States Pharmacopeia:The National Formulary(USP 24 NF19)に記載されている。配合物は、これらに限定されないが、緩衝剤、抗酸化剤、安定剤、担体、希釈剤、およびpH調整剤などの賦形剤を任意により含む。注射用途に好適である医薬形態としては、滅菌水溶液または分散液、および滅菌注射溶液または分散液の即時調製のための滅菌粉末が挙げられる。許容される担体、賦形剤、または安定剤は、使用される投与量および濃度でレシピエントにとって無毒であり、リン酸塩、クエン酸塩、他の有機酸などの緩衝液;アスコルビン酸およびメチオニンを含む抗酸化剤;防腐剤(オクタデシルジメチルベンジル塩化アンモニウムなど;塩化ヘキサメトニウム;塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム;フェノール、ブチル、またはベンジルアルコール;メチルまたはプロピルパラベンなどのアルキルパラベン;カテコール;レゾルシノール;シクロヘキサノール;3−ペンタノール;およびm−クレゾール);低分子量(約10残基未満)のポリペプチド;血清、アルブミン、ゼラチン、免疫グロブリンなどのタンパク質;ポリビニルピロリドンなどの親水性ポリマー;グリシン、グルタミン、アスパラギン、ヒスチジン、アルギニン、またはリジンなどのアミノ酸;単糖、二糖、およびグルコース、マンノース、またはデキストリンを含む他の炭水化物;EDTAなどのキレート剤;ショ糖、マンニトール、トレハロースまたはソルビトールなどの糖;ナトリウムなどの塩形成対イオン;金属錯体(例えば、Zn−タンパク質複合体);および/またはTWEEN、PLURONICSもしくはポリエチレングリコール(PEG)などの非イオン性界面活性剤を含む。
治療において、TLR5アゴニストの用量は、任意により、対象の体重の約0.0001mg/kg〜約100mg/kg、約0.01mg/kg〜約5mg/kg、約0.15mg/kg〜約3mg/kg、0.5mg/kg〜約2mg/kgおよび約1mg/kg〜約2mg/kgの範囲である。他の実施形態では、用量は、対象の体重の約100mg/kg〜約5g/kg、約500mg/kg〜約2mg/kg、および約750mg/kg〜約1.5g/kgの範囲である。例えば、疾患または障害の種類および重症度に応じて、約1mg/kg〜15mg/kg(例えば、0.1〜20mg/kg)の剤が、例えば、1回以上の別々の投与によるか、または持続注入によるかにかかわらず、患者への投与のための候補投与量である。典型的な1日投与量は、上記の要因に応じて、約1mg/kg〜100mg/kg以上の範囲である。状態に応じて、数日以上の反復投与では、疾患または障害の症状の望ましい抑制が生じるまで治療を継続する。しかし、他の投与レジメンが有用である場合もある。単位用量は、例えば、約5mg〜500mgの範囲、例えば、50mg、100mg、150mg、200mg、250mgおよび300mgであり得る。治療法の進行を、従来の技術およびアッセイによって監視する。
いくつかの実施形態では、TLR5アゴニスト、例えば、フラジェリンまたはフラジェリンベースの剤(エントリモドなど)は、約1μg/kg未満、例えば、約0.35〜約0.75μg/kgまたは約0.40〜約0.60μg/kgの有効量(または用量)でヒト患者に投与される。いくつかの実施形態では、フラジェリンまたはフラジェリンベースの剤(エントリモドなど)の用量は、約0.35μg/kg、または約0.40μg/kg、または約0.45μg/kg、または約0.50μg/kg、または約0.55μg/kg、または約0.60μg/kg、または約0.65μg/kg、または約0.70μg/kg、または約0.75μg/kg、または約0.80μg/kg、または約0.85μg/kg、または約0.90μg/kg、または約0.95μg/kgまたは約1μg/kgである。様々な実施形態では、フラジェリンまたはフラジェリンベースの剤(エントリモドなど)の絶対用量は、約2μg/対象〜約45μg/対象、または約5μg/対象〜約40μg/対象、または約10μg/対象〜約30μg/対象、または約15μg/対象〜約25μg/対象である。いくつかの実施形態では、フラジェリンまたはフラジェリンベースの剤(エントリモドなど)の絶対用量は、約20μg、または約30μg、または約40μgである。
様々な実施形態において、TLR5アゴニスト、例えば、フラジェリンまたはフラジェリンベースの剤(エントリモドなど)の用量は、ヒト患者の体重によって決定され得る。フラジェリンまたはフラジェリンベースの剤(エントリモドなど)の用量は、約0〜約5kg(例えば、約0kg、もしくは約1kg、もしくは約2kg、もしくは約3kg、もしくは約4kg、もしくは約5kg)の小児ヒト患者に対し約2μg、または約6〜約8kg(例えば、約6kg、もしくは約7kg、もしくは約8kg)の小児ヒト患者に対し約3μg、または、約9〜約13kg(例えば、9kg、もしくは約10kg、もしくは約11kg、もしくは約12kg、もしくは約13kg)の小児ヒト患者に対し約5μg、または、約14〜約20kg(例えば、約14kg、もしくは約16kg、もしくは約18kg、もしくは約20kg)の小児ヒト患者に対し約8μg、または、約21〜約30kg(例えば、約21kg、もしくは約23kg、もしくは約25kg、もしくは約27kg、もしくは約30kg)の小児ヒト患者に対し約12μg、または、約31〜約33kg(例えば、約31kg、もしくは約32kg、もしくは約33kg)の小児ヒト患者に対し約13μg、または、約34〜約50kg(例えば、約34kg、もしくは約36kg、もしくは約38kg、もしくは約40kg、もしくは約42kg、もしくは約44kg、もしくは約46kg、もしくは約48kg、もしくは約50kg)の成人患者に対し約20μg、または、約51〜約75kg(例えば、約51kg、もしくは約55kg、もしくは約60kg、もしくは約65kg、もしくは約70kg、もしくは約75kg)の成人ヒト患者に対し約30μg、または、約114kgを超える(例えば、約114kg、もしくは約120kg、もしくは約130kg、もしくは約140kg、もしくは約150kg)成人患者に対し約45μgである。
ある実施形態では、TLR5アゴニスト、例えば、本明細書で提供される方法によるフラジェリンまたはフラジェリンベースの剤(エントリモドなど)は、皮下(s.c.)、静脈内(i.v.)、筋肉内(i.m.)、鼻腔内または局所的に投与される。本明細書に記載のフラジェリンまたはフラジェリンベースの剤(エントリモドなど)の投与は、独立して、1日1〜4回、または1ヶ月に1〜4回、または1年に1〜6回、または2年、3年、4年または5年に1回であり得る。投与は、1日または1ヶ月、2ヶ月、3ヶ月、6ヶ月、1年、2年、3年の期間であり得、またヒト患者の生涯中でさえあり得る。投与量は、単回投与としてまたは複数回投与に分割して投与されてよい。いくつかの実施形態では、フラジェリンまたはフラジェリンベースの剤(エントリモドなど)は、約1回〜約3回(例えば、1回、または2回または3回)投与される。いくつかの実施形態では、フラジェリンまたはフラジェリンベースの剤(エントリモドなど)は、1回投与される。
本明細書で提供される方法のいくつかの実施形態では、TLR5アゴニスト、例えば、TLR5アゴニスト、フラジェリンまたはフラジェリンベースの剤(エントリモドなど)は、1つ以上のサイクルで投与される。本明細書で提供される方法の特定の実施形態では、TLR5アゴニスト、例えば、フラジェリンまたはフラジェリンベースの剤(エントリモドなど)は、1回以上のサイクルで投与され、サイクルは、1回/日、1日間、または2日間1回/日、または3日間1回/日を、または4日間1回/日、または5日間1回/日患者に投与することを伴う。本明細書で提供される方法の特定の実施形態では、TLR5アゴニスト、例えば、フラジェリンまたはフラジェリンベースの剤(エントリモドなど)は、本明細書で提供される1つ以上のサイクルで投与され、1年に5サイクル以下が投与されるか、または、1年に3サイクル以下が投与されるか、または、1年に2サイクル以下が投与される。
TLR5アゴニストの様々な投与態様、例えば、本明細書では、フラジェリンまたはフラジェリンベースの剤(エントリモドなど)が、企図される。一実施形態では、TLR5アゴニスト、例えば、フラジェリンまたはフラジェリンベースの剤(エントリモドなど)は非経口的投与される。いくつかの実施形態において、TLR5アゴニスト、例えば、フラジェリンまたはフラジェリンベースの剤(エントリモドなど)は、注射、例えば、筋肉内注射によって投与される。いくつかの実施形態において、TLR5アゴニスト、例えば、フラジェリンまたはフラジェリンベースの剤(エントリモドなど)は、単回筋肉内注射によって投与される。いくつかの実施形態では、投与は、本明細書に記載のキットを使用して(例えば、単位剤形、例えば、事前に装填された(別名、事前に投与または事前に充填された)シリンジまたはペン針注射器(注射ペン)を介して)達成される。
キット
本発明は、本明細書に記載の任意の剤の投与を簡素化できるキットを提供する。本発明の例示的なキットは、単位剤形で本明細書に記載の任意の組成物を含む。一実施形態では、単位剤形は、本明細書に記載の任意の剤および薬学的に許容される担体、希釈剤、賦形剤、またはビヒクルを含む、無菌であり得るプレフィルドシリンジなどの容器である。キットは、本明細書に記載の任意の剤の使用を指示するラベルまたは印刷された説明書をさらに含んでよい。キットは、開瞼器(lid speculum)、局所麻酔薬、および投与場所用の洗浄剤を含んでもよい。キットはまた、本明細書に記載の1つ以上の追加の剤をさらに含んでもよい。一実施形態では、キットは、有効量の本発明の組成物および有効量の本明細書に記載されるような別の組成物を含有する容器を含む。
定義
本明細書に記載の剤に関して、用語「調節する」および「調節剤」は、応答の上方制御(すなわち、活性化または刺激)または下方制御(すなわち、阻害または抑制)を指す。「調節剤」は、調節する剤、化合物、または分子であり、例えば、アゴニスト、アンタゴニスト、アクチベータ、刺激剤、抑制剤、または阻害剤であり得る。本明細書で使用される「阻害する」、「低下させる」、除去するという用語は、発現、活性または症状におけるあらゆる阻害、低下、減少、抑制、下方制御、または防止を指し、これらの用語は、活性または症状の部分的なまたは完全な阻害を含む。部分的阻害は、例えば、阻害されていない発現、活性または症状の95%未満、90%未満、85%未満、80%未満、75%未満、70%未満、65%未満、60%未満、55%未満、50%未満、45%未満、40%未満、35%未満、30%未満、25%未満、20%未満、15%未満、10%未満、または5%未満である発現、活性または症状のレベルを意味し得る。「排除する」または「根絶する」という用語は、活性または症状の完全な低下を示す。
本明細書で使用される場合、「障害」または「疾患」という用語は、機能のあらゆる混乱または異常、病的な身体的または精神的状態を指す。DorlandのIllustrated Medical Dictionary(W.B.Saunders Co.第27版、1988年)を参照されたい。
本明細書で使用される場合、任意の疾患または障害の「治療すること(treating)」または「治療(treatment)」という用語は、一実施形態では、疾患または障害を改善すること(すなわち、疾患の発現またはその臨床症状の少なくとも1つを減速させるか、阻止するか、または減少させること)を指す。別の実施形態では、「治療すること」または「治療」は、少なくとも1つの物理的パラメータ(患者によって識別不可能であり得るものなど)を軽減または改善することを指す。さらに別の実施形態では、「治療すること」または「治療」は、物理的に、(例えば、識別可能な症状の安定化)、生理学的に、(例えば、物理的パラメータの安定化)、またはその両方のいずれかで、疾患または障害を調節することを指す。さらに別の実施形態では、「治療すること」または「治療」は、疾患または障害の発症または発現または進行を防止または遅延させることを指す。
本明細書で使用される場合、「異常な」という用語は、正常な活性または特徴とは異なる活性または特徴を指す。本明細書で使用される場合、「異常な活性」という用語は、野生型もしくは天然の遺伝子もしくはタンパク質の活性とは異なるか、または健康な対象における遺伝子もしくはタンパク質の活性とは異なる活性を指す。異常な活性は、通常の活性よりも強くても、弱くてもよい。一実施形態では、「異常な活性」は、遺伝子から転写されたmRNAの異常(過剰なまたは過少のいずれかの)産生を含む。別の実施形態では、「異常な活性」は、遺伝子からのポリペプチドの異常な(過剰なまたは過少のいずれかの)産生を含む。別の実施形態では、異常な活性は、mRNAまたはポリペプチドの正常レベルと約15%、約25%、約35%、約50%、約65%、約85%、約100%以上異なるmRNAまたはポリペプチドのレベルを指す。いくつかの実施形態では、mRNAまたはポリペプチドの異常なレベルは、mRNAまたはポリペプチドの正常レベルよりも高くても低くてもよい。さらに別の実施形態では、異常な活性は、野生型タンパク質の正常な活性とは異なるタンパク質の機能的活性を指す。いくつかの実施形態では、異常な活性は、正常な活性よりも強くても弱くてもよい。いくつかの実施形態では、異常な活性は、対応する遺伝子中の突然変異によるものであり、突然変異は、遺伝子のコード領域または転写プロモーター領域などの非コード領域にあり得る。突然変異は、置換、欠失、挿入であり得る。
本明細書で使用される「治療有効量」は、細胞、細胞集団、組織、個体、患者などにおいて少なくとも1つの所望の変化を引き起こす化合物または組成物(本明細書に記載されるなどの)の量を意味する。いくつかの実施形態では、本明細書で使用される治療有効量は、疾患もしくは障害もしくは状態におけるまたは本明細書に記載の疾患もしくは障害もしくは状態の1つ以上の特徴における臨床的に有意な変化を防止するかもしくはそれらをもたらす(例えば、少なくとも約30パーセント、少なくとも約50パーセント、または少なくとも約90パーセント減少させる)化合物または組成物(本明細書に記載されるなどの)の量を意味する。
実施例
本開示は、以下の実施例においてさらに説明される。これらは、特許請求の範囲に記載のあらゆる本発明(複数可)の範囲を限定するものではない。
実施例1:TLR5の薬理学的刺激は、生活の質を改善し虚弱を減少させる
この実施例は、加齢に関連する虚弱を防止し健康的な寿命(「健康期間」)および寿命(「生存期間」)を延長するための薬理学的なフラジェリンベースの剤と、その使用方法について記載する。
前臨床加齢モデル。生理学的機能の大部分の一般的な低下、再生能力、創傷治癒の障害、様々な疾患または障害のリスクの段階的な上昇、すべての哺乳動物の生涯の間に起こる非感染性全身性炎症の増加は、虚弱として累積的に定義される症状の組み合わせをもたらす。任意の特定の病状によって誘発または加速されない健康な動物およびヒトにおいて観察される虚弱の増大は、暦年齢による加齢(chronological aging)と呼ばれる。この状態の重症度は時間と共に大きくなり、生物が、その自然な遺伝的に決定された生存期間に近い年齢に近づくと、重篤な重症度に達する。実験用マウスの暦年齢による加齢は、老年学の分野で一般に使用される、ヒトの加齢の幅広く許容されているモデルである。ほとんどの系統のマウスの自然な生存期間は、約2年である。各系統は、加齢性疾患または障害の一般的なスペクトルによって特性が決定され、これらは、主要な死因となり、加齢の他の徴候を危険な状態にし虚弱の研究を複雑にし得る現象になる。この因子の影響を最小限に抑えるために、ある特定の病状に対する遺伝的素因が生来それほどない非近交系NIHスイスマウスを、研究に使用した。加齢に伴う虚弱以外の健康リスク(感染、中毒、外傷、ストレスなど)のリスクを最小限に抑えた条件下で維持される両方の性別のNIHスイスマウスの寿命の特徴を明らかにした。これらの条件は、Department of Laboratory Animals of Roswell Park Cancer Instituteで提供され、ここで動物が、NIHの動物福祉ガイドラインに従って飼育される。これらの条件下では、動物は、それらの自然の生存期間を完全に実現しかつ自然の暦年齢による加齢の内因性プロセスを反映する虚弱により死亡する最大の可能性を有する(図1)。このモデルの妥当性は、図7に示すように、寿命を調節することが知られている因子の生物学的効果を明らかにするその能力によって確認された。mTOR阻害剤ラパマイシンによるマウスの治療は、マウスの生存期間を延長することが示された。実際に、mTOR阻害剤であるラパマイシンによる治療の結果は、フラジェリンまたはエントリモドの投与に関して示された結果の正反対の効果を有するようである。
生物学的年齢の客観的な定量的評価を、加齢に伴う欠陥の蓄積の規模を反映するパラメータである、いわゆる「虚弱指数」(FI)の決定によって行った。生殖器クリニックで一般的に使用されるFIを、実験動物に適合させ、複数の測定可能な生理学的および生化学的パラメータの健康な若い動物のパラメータからの偏差の程度の関数として、各動物について計算した。結果として得られる数値は、「生理学的虚弱指数(PFI)」と呼ばれ、生存と共に徐々に上昇し、動物の生物学的年齢を反映する。PFIは、「0」(欠陥なし、参照群の範囲内)〜「1」(極度の欠陥)のスコアとして表される。
サルモネラ菌のフラジェリン。細菌べん毛の主成分である、細菌タンパク質であるフラジェリンは、自然免疫受容体TLR5の唯一の既知のアゴニストである。サルモネラフラジェリンを、以前に記載されるとおり(Burdelya,L.G.らAn Agonist of Toll−Like Receptor 5 Has Radioprotective Activity in Mouse and Primate Models.Science 320,226−230(2008年))大腸菌において組換えタンパク質として合成し、Hisタグ用のNi含有カラムでアフィニティ精製した後、他の精製ステップ(例えば、エンドトキシンを除去するためのポリミキシンカラム)で精製した。得られた産物の品質を、個々のTLRを発現する一群のレポーター細胞株を含む一連の機能アッセイを使用して制御した。TLR5を発現する細胞でのみNF−κBシグナル伝達を活性化でき、他のTLRではできなかった。フラジェリンを、深く凍結したアリコートとして溶液中で保存する。
実験デザインおよび理論的根拠。動物を、温度、昼夜の切り替え、健康的なバランスの取れた食餌、飲料水、無菌食品および空気への常時アクセスの厳しく制御された条件下で維持した。それらのPFIを、動物の生涯において指示される時点で測定した(図2)。個々のPFIが典型的な範囲にある雄および雌を等しい比で含む3つの群を、それらの生涯の様々な時期において他の群から分離し、短期コースのフラジェリンs.c.注射(1日1回(1μg/注射)、5日間連続)を行った。対照動物は、ビヒクル(生理食塩水)注射を受けた。注射の具体的な時期を図2に示す。2つの群が1コース(生後44週と55週)を受け、1群が2コース(18週および84週齢)のフラジェリンを受けた。PFIを、後で決定し、動物を、死ぬまで毎日モニターした。NIHスイスマウスにおけるTLR5シグナル伝達の機能性は、本発明者らの以前の実験において確立され、そこでTLR5アゴニスト(フラジェリンおよびその薬理学的誘導体エントリモド)は、動物を致死的な全身照射から保護できると示された。この実験デザインを、PFIとして決定されるマウスの生物学的年齢に対するフラジェリンによる治療の長期的な効果を明らかにするために選択した。また、このデザインは、TLR5アゴニストに対する生物応答の性差を検出することも可能にした。
マウスの暦年齢による加齢に対するフラジェリン治療の効果。図2に概略的に記載した3つの独立した実験の結果を、図3〜6に示す。これらはいずれも、フラジェリン治療を受けた群におけるPFIの上昇の実質的な減速を示す。この効果は、雄のマウスに限定され、雌では見られなかった。エストロゲン受容体およびエストラジオールが、TLR5の発現およびフラジェリンに対するTLR5依存性応答を調節するという報告がある。
例えば、図3は、1日5回のs.c.注射(フラジェリン1μg/マウス)による56週齢のNIHスイス雄の治療が、ほぼ1年後の104週齢で大幅に低いPFIに変換されることを示す。差は統計的に有意である(p=0.04)。この効果を、図4にグラフで示す。104週で、フラジェリン治療雄群(破線)の平均PFIは、55週での治療時から33%上昇したが、対照マウスでは着実に100%上昇した(実線)。その結果、治療を受けた雄の群は、ビヒクル治療を受けた対照と比較して、寿命の延長を示した(22週の平均生存期間、または対照より20%長い)。上記はいずれも、雌群では観察されなかった。
PFIに対するフラジェリン治療の同様の性別特異的効果が、実験群2および3で観察された(図5、6)。重要なことに、対照マウスとフラジェリン治療マウスの間のPFIの動的差は、観察期間全体において拡大し続け、TLR5アゴニストによる1週間の治療が治療1年後でも依然として目に見える長期的な生理学的効果を有したことを示した。
実施例2:虚弱指数を改善するためのエントリモドの投与。
動物の寿命(生存期間)および全体的な健康(健康期間)に対するエントリモド治療の効果を評価するために、雄および雌のNIHスイスマウスに異なる年齢(「高齢」(112週齢)、「中年」(55週)、「若年」(18週))でエントリモド(5μg/マウス、SQ)を毎日5回注射した。「若年」で治療された群は、84週で2ラウンド目の治療を受けた。対照群は、エントリモドの代わりにPBSのSQ注射を受けた、性別および年齢が一致しているマウスで構成された。実験デザインを図8に示す。マウスを、実験中標準条件下で収容し、死亡率および罹患率をモニターした。生存を、生存期間の指標として記録した。さらに、治療後の様々な時点で(図8を参照)、健康寿命の定量的指標としてPFIを決定するための試験を行った。
治療されたマウスを、標準収容条件下で自然に加齢させ、それらの寿命を、IACUC承認の加齢動物エンドポイント基準に基づき記録した。図9〜11は、試験を行った年齢群における生存期間に対するエントリモドによる治療の影響を示す。中年の雄のマウスは、生存期間の延長を示した。
加齢プロセスの読み取りは、絶対生存期間または寿命のみでなく、個体の全体的な健康状態に基づく「健康期間」も含む。健康期間に対するエントリモド治療の潜在的な効果を、治療されたNIHスイスマウスについて、図8に示される治療後の時間での生理学的虚弱指数(PFI)を決定することにより評価した。PFIは、試験群と参照群の間の生理学的パラメータの比較に基づく定量的尺度である。図12に示すように、「老年」(112週)で治療され約4ヶ月後(128週)に評価されたマウスの対照群とエントリモド治療群の間でPFI中央値に差はなかった。同様の結果が、雄および雌で得られた。これらのデータは、高齢動物の治療は、すでに動物が複数の健康欠陥を得ているため、加齢プロセスの速度を減速できないという仮説(理論に拘束されることを望むものではない)と一致する。
対照的に、エントリモドによる中年の(55週齢)マウスの治療は、雄でのみであるが、104週および120週でPFIにより測定した場合、加齢に対して有益な効果を有した(図13)。PFI中央値は、104週間の評価時点で、PBS治療を受けた対照群に対して、エントリモド治療を受けた雄において有意に低かった。同じ傾向が120週で観察された。104週齢または120週齢でのいずれかで評価した場合、55週齢においてエントリモドにより治療したまたはPBSにより治療した雌の群で検出されたPFI中央値に、差はなかった(図13)。同様の性差が、若年(18週)で治療を受け、その後の84週において2回目の治療を受けたマウスにおいて観察された(実験デザインについては図8を参照)。中年(55週)で評価した場合、雄または雌のいずれについても、エントリモド治療群およびPBS治療群間で、PFI中央値に差はなかった(図14)。しかし、中年(84週)において2回目の治療を受けた後、104週での評価時に、PFI中央値は、対応するPBS治療群と比較して、エントリモド治療を受けた雄において有意に低かった。これらのマウスはまた、84週において、PFIの顕著な減少を示した。55週齢で治療されたマウスにおいて観察されたものと同様に(図13)、18週齢および84週齢でのエントリモド治療の有益な効果は、雄マウスでのみ検出された。
要約すると、これらの結果は、単回の5日間のエントリモドによる治療コースが、中年期(本発明者らの実験では55〜84週齢)に治療が行われた場合にのみ、および雄でのみ、より高齢のマウスの健康状態を有意に改善したことを示す。
実施例3:虚弱指数を改善するための患者へのエントリモドの投与。
66歳の男性患者を、虚弱指数(FI)、生理学的虚弱指数(PFI)、Fried虚弱スコア、ロックウッド虚弱指数、フレイルスケール、または改訂虚弱指数を使用して決定された、虚弱指数の減少の最近の履歴を有すると特定する。3連続日ごとに1日あたり1回のエントリミドを投与することを含む単一サイクルを、患者に投与する。患者の虚弱指数を、虚弱指数(FI)、生理学的虚弱指数(PFI)、Fried虚弱スコア、ロックウッド虚弱指数、フレイルスケール、または改訂虚弱指数を使用して、エントリミド投与後にモニターする。エントリミド投与後に、患者の虚弱指数の低下が低減されるか、または虚弱指数が改善される。
実施例4:白血病治療を受けた小児患者へのエントリモドの投与。
以前に白血病のための化学療法により治療された6歳の男性の癌生存者患者を特定する。3連続日ごとに1日1回のエントリミドの投与を含む1サイクルを、患者に投与し、2回目の同一のエントリミドサイクルを、6ヶ月後に投与する。患者の虚弱指数を、エントリミド投与後にモニターし、加速された加齢は、患者で観察されない。
本開示を、特定の実施形態を参照して特に示し、説明してきたが、当業者であれば、本明細書に、開示の本開示の趣旨および範囲から逸脱することなく、形態および詳細の様々な変更を行い得ることを理解する。
本明細書で参照されるすべての参考文献は、それらの全体が組み込まれる。本発明の様々な実施形態は、この段落の後の段落に(および本出願の末尾に提供される実際の請求項の前に)列挙する潜在的な請求項によって特徴付けられ得る。これらの潜在的な請求項は、この出願の書面による説明の一部に含まれる。したがって、以下の潜在的な請求項の主題は、本出願または本出願に基づいて優先権を主張する任意の出願を含む後の手続において実際の請求項として提示され得る。こうした潜在的な請求項を含むことは、実際の請求項が潜在的な請求項の主題を網羅していないことを意味すると解釈されるべきではない。したがって、これらの潜在的な請求項を後の手続で提示しないという決定は、主題の寄付原則として解釈されるべきではない。
上記の本発明の実施形態は、単に例示することを意図するものであり、多くの変形および修正が当業者には明らかであろう。そのようなすべての変形および修正は、添付の特許請求の範囲で定義される本発明の範囲内にあることが意図される。
本書で使用されるように、すべての見出しは単に編成上のものであり、いかなる方法においても開示を制限することを意図するものではない。個々の章の内容は、すべての章に等しく適用され得る。

Claims (52)

  1. 患者において虚弱を治療または防止する方法であって、
    (a)虚弱の治療または防止を所望するまたは必要としている患者を特定することと、
    (b)前記患者に組換えTLR5アゴニストを投与することであって、前記TLR5アゴニストが、病原性タンパク質抗原に融合されない、投与すること
    を含む、方法。
  2. 虚弱が、主要な生理学的機能における欠陥の蓄積、再生能力の低下、損なわれた創傷治癒および/または加齢性疾患または障害の増大されたリスクを含む、請求項1に記載の方法。
  3. 虚弱が、生理学的虚弱指数に従って測定される、請求項1または2のいずれか一項に記載の方法。
  4. 前記生理学的虚弱指数(PFI)が、握力、収縮期血圧、拡張期血圧、血流量、血中好中球の数、血中好中球の割合、血中単球の数、血中単球の割合、リンパ球の数、赤血球の数、ヘモグロビン値、ヘマトクリット値、平均赤血球容積、平均赤血球ヘモグロビン値、平均赤血球ヘモグロビン濃度およびケラチノサイト由来サイトカインレベルから選択される1つ以上のパラメータの評価を含む、請求項3に記載の方法。
  5. 前記TLR5アゴニストが、フラジェリンまたはその誘導体である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。
  6. 前記TLR5アゴニストが、配列番号1に対して少なくとも95%の配列同一性を有するアミノ酸配列を有するポリペプチドを含む、請求項5に記載の方法。
  7. 前記TLR5アゴニストが、配列番号1であるアミノ酸配列を有するポリペプチドを含む、請求項6に記載の方法。
  8. 前記TLR5アゴニストが、配列番号2〜27の1つに対して少なくとも95%の配列同一性を有するアミノ酸配列を有するポリペプチドを含む、請求項5に記載の方法。
  9. 前記TLR5アゴニストが、配列番号2〜27の1つのアミノ酸配列を有するポリペプチドを含む、請求項8に記載の方法。
  10. 前記患者の生理学的虚弱指数が、約25%〜約75%低下される、請求項1〜9のいずれか一項に記載の方法。
  11. 前記患者の生理学的虚弱指数が、少なくとも約75%、または約50%、または約35%、または約25%低下される、請求項10に記載の方法。
  12. 前記虚弱が、加齢と関連する、請求項10に記載の方法。
  13. 前記患者が、中年である、請求項1〜12のいずれか一項に記載の方法。
  14. 前記患者が、約36歳〜約55歳である、請求項13に記載の方法。
  15. 前記患者が、高齢である、請求項1〜14のいずれか一項に記載の方法。
  16. 前記患者が、約56歳〜約85歳である、請求項15に記載の方法。
  17. 前記患者の生物学的性別が、男性である、請求項1〜16のいずれか一項に記載の方法。
  18. 前記患者の生物学的性別が、女性である、請求項1〜17のいずれか一項に記載の方法。
  19. 患者において加齢性疾患または障害を治療または防止する方法であって、
    (a)加齢性疾患または障害の治療または防止を所望するかまたは必要としている患者を特定することと、
    (b)前記患者に組換えTLR5アゴニストを投与することであって、前記TLR5アゴニストが、病原性タンパク質抗原に融合されない、投与すること
    を含む、方法。
  20. 前記加齢性疾患または障害が、増大された細胞老化を特徴とする、請求項19に記載の方法。
  21. 前記加齢性疾患または障害が、加速された加齢、循環器疾患、脳血管障害、末梢血管疾患、心臓拡張機能障害、良性前立腺肥大症、大動脈瘤、肺気腫、アテローム性動脈硬化症、糖尿病、肺線維症、失明、認知症、アルツハイマー病、腎機能障害、変形性関節症、低悪性度の慢性無菌炎症、椎間板ヘルニア、虚弱、脱毛、難聴、視力喪失、筋肉疲労、皮膚の状態、皮膚母斑、しわの多い皮膚、色素沈着過剰、傷跡、ケロイド、酒さ、白斑、尋常性魚鱗癬、皮膚筋炎、日光角化症、およびサルコペニアから選択される、請求項19または20に記載の方法。
  22. 前記加齢性疾患または障害が、加速された加齢である、請求項21に記載の方法。
  23. 前記加速された加齢が、早老症候群、またはその症状である、請求項22に記載の方法。
  24. 前記早老症が、ハッチンソン−ギルフォード早老症候群(HGPS)、ウェルナー症候群(WS)、ブルーム症候群(BS)、ロスムンド・トムソン症候群(RTS)、コケイン症候群(CS)、色素性乾皮症(XP)、トリコチオジストロフィー(TTD)、色素性乾皮症−コケイン症候群(XP−CS)の合併症、および拘束性皮膚障害(RD)から選択される、請求項23に記載の方法。
  25. 前記加速された加齢が、癌または癌治療によって誘発される、請求項22に記載の方法。
  26. 前記癌治療が、放射線療法、ホルモン療法、チロシンキナーゼ阻害剤、アントラサイクリン、アルキル化剤、トポイソメラーゼ阻害剤、代謝拮抗剤/細胞毒性薬物、BRAF阻害剤、抗腫瘍抗生物質、イソキノロリンアルカロイド、Bcl−2阻害剤、造血細胞移植(HCT)、テロメラーゼ阻害剤、ヌクレオシドアナログ逆転写酵素阻害剤、DNA架橋剤、リボヌクレオチドレダクターゼ阻害剤、微小管阻害剤、およびmiRNAの1つ以上から選択される、請求項25に記載の方法。
  27. 前記患者が、以前に癌に罹患していた、請求項25または26に記載の方法。
  28. 前記患者が、癌生存者である、請求項27に記載の方法。
  29. 前記癌生存者が、癌治療を完了しておりかつ活動性疾患の明らかなエビデンスを有しない、請求項28に記載の方法。
  30. 前記癌が、基底細胞癌、胆道癌;膀胱癌;骨肉腫;脳および中枢神経系の癌;乳癌;腹膜癌;子宮頸癌;絨毛癌;結腸直腸癌;結合組織癌;消化器系癌;子宮内膜癌;食道癌;眼癌;頭頸部癌;胃癌(消化器癌を含む);膠芽腫;肝癌;肝細胞癌;上皮内新生物;腎臓癌または腎癌;喉頭癌;白血病;肝癌;肺癌(例えば、小細胞肺癌、非小細胞肺癌、肺腺癌、および肺扁平上皮癌);黒色腫;骨髄腫;神経芽細胞腫;口腔癌(唇、舌、口、および咽頭);卵巣癌;膵癌;前立腺癌;網膜芽細胞腫;横紋筋肉腫;直腸癌;呼吸器系癌;唾液腺癌;肉腫;皮膚癌;扁平上皮癌;胃癌;精巣腫瘍;甲状腺癌;子宮癌または子宮内膜癌;泌尿器系癌;外陰癌;ホジキンリンパ腫および非ホジキンリンパ腫を含むリンパ腫、ならびにB細胞リンパ腫(低悪性度/濾胞性非ホジキンリンパ腫(NHL)を含む);小リンパ球性(SL)NHL;中悪性度/濾胞性NHL;中悪性度びまん性NHL;高悪性度免疫芽球性NHL;高悪性度リンパ芽球性NHL;高悪性度非切断小細胞NHL;巨大腫瘤性NHL;マントル細胞リンパ腫;AIDS関連リンパ腫;およびワルデンストレームマクログロブリン血症;慢性リンパ性白血病(CLL);急性リンパ芽球性白血病(ALL);有毛細胞白血病;慢性骨髄芽球性白血病;ならびに他の癌腫および肉腫;および移植後リンパ増殖性疾患(PTLD)、ならびに母斑症、浮腫(例えば、脳腫瘍に関連するもの)に関連する異常な血管増殖、ならびにメイグズ症候群である、請求項25〜29のいずれか一項に記載の方法。
  31. 前記患者が、中年である、請求項19〜30のいずれか一項に記載の方法。
  32. 前記患者が、約36歳〜約55歳である、請求項31に記載の方法。
  33. 前記患者が、高齢である、請求項19〜30のいずれか一項に記載の方法。
  34. 前記患者が、約56歳〜約85歳である、請求項33に記載の方法。
  35. 前記患者が、約18歳より前に、約16歳より前に、約14歳より前に、約12歳より前に、約10歳より前に、約8歳より前に、約6歳より前に、約4歳より前に、または約2歳より前に前記癌治療を受けた、請求項25〜34のいずれか一項に記載の方法。
  36. 前記TLR5アゴニストが、前記患者が前記癌治療を受けた後で少なくとも1週間、または少なくとも1ヶ月間、または少なくとも6ヶ月間、または少なくとも1年間、または少なくとも2年間、または少なくとも3年間、または少なくとも4年間、または少なくとも5年間前記患者に投与される、請求項25〜35のいずれか一項に記載の方法。
  37. 前記患者が、もはや癌を有していないかまたは前記患者が、前記TLR5アゴニストが投与される時点で寛解している、請求項25〜36のいずれか一項に記載の方法。
  38. 前記患者に前記TLR5アゴニストを投与することが、細胞老化を減少させることにより前記加齢性疾患または障害を治療または防止する、請求項19〜37のいずれか一項に記載の方法。
  39. 前記TLR5アゴニストが、フラジェリンまたはその誘導体である、請求項19〜38のいずれか一項に記載の方法。
  40. 前記TLR5アゴニストが、配列番号1に対して少なくとも95%の配列同一性を有するアミノ酸配列を有するポリペプチドを含む、請求項39に記載の方法。
  41. 前記TLR5アゴニストが、配列番号1であるアミノ酸配列を有するポリペプチドを含む、請求項40に記載の方法。
  42. 前記TLR5アゴニストが、配列番号2〜27の1つに対して少なくとも95%の配列同一性を有するアミノ酸配列を有するポリペプチドを含む、請求項39に記載の方法。
  43. 前記TLR5アゴニストが、配列番号2〜27の1つであるアミノ酸配列を有するポリペプチドを含む、請求項42に記載の方法。
  44. 前記患者の生物学的性別が、男性である、請求項19〜43のいずれか一項に記載の方法。
  45. 前記患者の生物学的性別が、女性である、請求項19〜43のいずれか一項に記載の方法。
  46. 前記TLR5アゴニストが、1つ以上のサイクルで投与される、請求項1〜45のいずれか一項に記載の方法。
  47. 前記サイクルが、1日1回を1日、1日1回を2日間、1日1回を3日間、1日1回を4日間、または1日1回を5日間患者に投与することを伴う、請求項46に記載の方法。
  48. 5サイクル以下、または3サイクル以下、または2サイクル以下が、年あたり投与される、請求項47に記載の方法。
  49. 虚弱の治療または防止における使用のためのTLR5アゴニスト。
  50. 虚弱の治療または防止のための医薬品の製造におけるTLR5アゴニストの使用。
  51. 加齢性疾患または障害の治療または防止における使用のためのTLR5アゴニスト。
  52. 加齢性疾患または障害の治療または防止のための医薬品の製造におけるTLR5アゴニストの使用。
JP2020560271A 2018-04-24 2019-04-24 虚弱および加齢を改善するための方法 Pending JP2021522271A (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US201862662028P 2018-04-24 2018-04-24
US62/662,028 2018-04-24
PCT/US2019/028911 WO2019209949A1 (en) 2018-04-24 2019-04-24 Methods for improving frailty and aging

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2021522271A true JP2021522271A (ja) 2021-08-30
JPWO2019209949A5 JPWO2019209949A5 (ja) 2022-05-02

Family

ID=68295813

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2020560271A Pending JP2021522271A (ja) 2018-04-24 2019-04-24 虚弱および加齢を改善するための方法

Country Status (8)

Country Link
US (1) US20210236594A1 (ja)
JP (1) JP2021522271A (ja)
CN (1) CN112203675A (ja)
AU (1) AU2019261592A1 (ja)
CA (1) CA3097989A1 (ja)
EA (1) EA202092530A1 (ja)
SG (1) SG11202010485VA (ja)
WO (1) WO2019209949A1 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CA3148988A1 (en) * 2019-08-02 2021-02-11 The General Hospital Corporation Targeting the gastrointestinal barrier to treat age-related disorders
WO2022093763A1 (en) * 2020-10-29 2022-05-05 Edifice Health, Inc. Methods and compositions for diagnosing and treating frailty

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007513183A (ja) * 2003-12-02 2007-05-24 クリーブランド クリニック ファウンデイション フラジェリンを使用して放射線から保護する方法
US20160083437A1 (en) * 2012-11-30 2016-03-24 Industry Foundation Of Chonnam National University Composition comprising recombinant fusion protein of pathogenic antigen protein and flagellin of vibrio vulnificus for preventing, alleviating, or treating aging
JP2017523180A (ja) * 2014-07-30 2017-08-17 クリーブランド バイオラブズ,インコーポレイテッド フラジェリンベースの薬剤および効果的なワクチン接種を含めた使用

Family Cites Families (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US8580321B2 (en) * 2003-12-02 2013-11-12 The Cleveland Clinic Foundation Method for reducing the effects of chemotherapy using flagellin related polypeptides
US8007812B2 (en) * 2004-12-22 2011-08-30 Cleveland Clinic Foundation Flagellin related polypeptides and uses thereof
KR20070095338A (ko) * 2004-12-24 2007-09-28 가부시끼가이샤 하야시바라 세이부쓰 가가꾸 겐꾸조 간기능 개선제
WO2007133076A2 (en) * 2006-05-15 2007-11-22 Erasmus Mc Mannitol and/or proline for prevention and treatment of ageing related symptoms
WO2016109002A2 (en) * 2014-10-16 2016-07-07 Cleveland Biolabs, Inc. Methods and compositions for the treatment of radiation-related disorders

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007513183A (ja) * 2003-12-02 2007-05-24 クリーブランド クリニック ファウンデイション フラジェリンを使用して放射線から保護する方法
US20160083437A1 (en) * 2012-11-30 2016-03-24 Industry Foundation Of Chonnam National University Composition comprising recombinant fusion protein of pathogenic antigen protein and flagellin of vibrio vulnificus for preventing, alleviating, or treating aging
JP2017523180A (ja) * 2014-07-30 2017-08-17 クリーブランド バイオラブズ,インコーポレイテッド フラジェリンベースの薬剤および効果的なワクチン接種を含めた使用

Non-Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Title
EXPERIMENTAL & MOLECULAR MEDICINE, vol. 49, no. 9, JPN6023020005, 2017, pages 373, ISSN: 0005216589 *
EXPERIMENTAL GERONTOLOGY, vol. 87, JPN6023020004, 2017, pages 160 - 167, ISSN: 0005216588 *
PLOS ONE, vol. 9, no. 1, JPN6023020003, 2014, pages 85587, ISSN: 0005216590 *

Also Published As

Publication number Publication date
CN112203675A (zh) 2021-01-08
US20210236594A1 (en) 2021-08-05
WO2019209949A1 (en) 2019-10-31
EA202092530A1 (ru) 2021-02-01
SG11202010485VA (en) 2020-11-27
CA3097989A1 (en) 2019-10-31
AU2019261592A1 (en) 2020-11-19
EP3784263A1 (en) 2021-03-03

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Roy et al. Sphingosine 1-phosphate receptor modulators for multiple sclerosis
Odaira et al. Mechanisms underpinning AMP-activated protein kinase-related effects on behavior and hippocampal neurogenesis in an animal model of depression
Xue et al. Aryl hydrocarbon receptor regulates pancreatic IL-22 production and protects mice from acute pancreatitis
Dutra Kinin receptors: Key regulators of autoimmunity
JP2017200927A (ja) ラキニモドおよびフマル酸ジメチルを併用した多発性硬化症の治療
JP2017081930A (ja) ラキニモドおよび酢酸グラチラマーを組み合わせた多発性硬化症の治療
US20140178366A1 (en) Preselection of subjects for therapeutic treatment based on hypoxic status
EA033573B1 (ru) Комбинированное лечение меланомы, включающее введение кобиметиниба и вемурафениба
HUE032754T2 (en) CSF-1R inhibitors for the treatment of brain tumors
TWI794885B (zh) 全身紅斑性狼瘡之治療
JP7001599B2 (ja) 急性骨髄性白血病の処置のためのダクチノマイシン組成物および方法
BR112019017851A2 (pt) método para tratar câncer em um indivíduo que precisa do mesmo, método para identificar um indivíduo que tem um câncer como um candidato para o tratamento com um antagonista de smarca2, método para identificar uma célula cancerosa como sensível ao tratamento com um antagonista de smarca2, antagonista de smarca2 para uso no tratamento de câncer em um indivíduo que precisa do mesmo, antagonista de smarca2 para uso como um medicamento no tratamento de câncer em um indivíduo que precisa do mesmo e uso do antagonista de smarca2 na fabricação de um medicamento no tratamento de câncer em um indivíduo que precisa do mesmo
WO2019126739A1 (en) Pyrvinium pamoate anti-cancer therapies
KR20200014790A (ko) 난소암의 치료에 사용되는 티노스타무스틴
ES2655291T3 (es) Uso de cladribina para tratar neuromielitis óptica
US20170326200A1 (en) Method of Treating Prader-Willi Syndrome
JP2006519823A (ja) 疼痛治療のための化合物
KR20180004818A (ko) 염증성 장 질환의 치료를 위한 모델, 방법 및 조성물
JP2021522271A (ja) 虚弱および加齢を改善するための方法
Li et al. Deletion of Mst1 attenuates neuronal loss and improves neurological impairment in a rat model of traumatic brain injury
US11464786B2 (en) CXCR7 inhibitors for the treatment of cancer
US20130289023A1 (en) Method for treating brain tumor
DK2735316T3 (en) New therapeutic approaches to treat neuroinflammatory conditions
JP2013535694A (ja) 神経病理学的疾患の検出および調節におけるtam受容体およびtam受容体リガンド
KR101901001B1 (ko) PPAR-β 길항제를 포함하는 항암 효과 증진용 약학적 조성물

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20210115

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20220421

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20220421

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20230523

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20231212