JP2021519334A - ジヒドロオロト酸デヒドロゲナーゼを阻害するための組成物および方法 - Google Patents

ジヒドロオロト酸デヒドロゲナーゼを阻害するための組成物および方法 Download PDF

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Abstract

本発明は、ジヒドロオロト酸デヒドロゲナーゼの阻害剤(DHODH)を含有し、患者のジヒドロオロト酸(DHO)レベルの持続的な上昇を促進する治療組成物を提供する。その組成物は、調節されないDHODH活性と関連する障害、例えば急性骨髄性白血病を処置するのに有用である。本発明はまた、DHODH阻害剤を含有する組成物の治療有効用量を決定する方法を提供する。本発明はさらに、DHODH阻害剤として有用な2−(2’−ハロ−1−1’−ビフェニル−4−イル)−キノリンカルボン酸の合成方法を提供する。

Description

関連出願の相互参照
本願は、それぞれの内容が参照により本明細書に組み込まれる、2018年3月26日出願の米国仮出願番号第62/648,320号、2018年4月10日出願の米国仮出願番号第62/655,407号、および2018年6月8日出願の米国仮出願番号第62/682,440号の利益および優先権を主張するものである。
発明の分野
本発明は、一般に、治療組成物および方法に関する。
背景
増殖がん細胞は、それらの高い増殖速度を裏付けるように追加の栄養を必要とするので、正常な分化細胞と比較して実質的に異なる代謝的必要性を示す。がん細胞代謝の標的化の成功は、細胞が生合成に必須の経路への栄養素をどのように制御し、消費するかについての正確な理解の改善から具体化される。すべてのがん細胞がこの代謝変化に頼るので、これらの変化した経路は、強力な治療標的となる。しかし、正常増殖細胞とがん細胞との間の治療域の発見は、これらの細胞の代謝要件が類似しているため、未だ大きな困難である。したがって、代謝経路を標的にするわずかな分子しか、がん処置の形態として確立されていない。
ブレキナルは、代謝経路、特にピリミジンのデノボ生合成を標的にすることができる薬物の例である。しかしこの薬物は、適切な治療域内では送達できなかったため、これまで成功していない。
概要
本発明は、ブレキナルが、最適な酵素阻害を達成するように投与されてこなかったためにこれまで成功しなかったと認識している。本発明は、ターゲットエンゲージメントの高感度マーカーである代謝産物を使用して患者の用量を調節して、閾値を超える最適時間(治療域)を得ることによって、その問題を解決する。従来の手法とは異なり、特許請求される本発明は、薬物代謝の代わりにターゲットエンゲージメントの測定に基づく。その方式では、ブレキナルの適切な投与を達成して、患者への有害な毒性副作用を引き起こすことなくがん細胞を死滅させる。
ピリミジンのデノボ生合成は、核酸合成に必須の代謝経路である。ほとんどの細胞は、サルベージ経路を介して現在ある経路を再利用することによってヌクレオチドの必要性を満たすが、活性化されたT細胞および他の急速に増殖する細胞、すなわちがん細胞は、デノボヌクレオチド合成に高度に依存する。ジヒドロオロト酸デヒドロゲナーゼ(DHODH)は、ピリミジンのデノボ生合成経路における4番目の律速酵素であり、真核生物のミトコンドリア内膜内に見出される唯一の酵素である。この酵素を阻害すると、細胞のピリミジンプールがかなり低減し、最終的には細胞が増殖できなくなる。
本発明の態様は、投与前のジヒドロオロト酸(DHO)のトラフレベルを測定し、そのレベルを使用して用量を調整することによって達成される。ブレキナルの歴史的研究では、薬物動態パラメータに高い変動性があった。これを克服するために、これまでの薬物開発者は、用量を調整する1つのやり方として血漿ブレキナルレベルを使用したが、薬物の最適な用量およびスケジュールを見つけることができなかった。一部の患者では、ブレキナルは急速に代謝され、酵素阻害(およびDHO)の閾値を超えるのに十分な時間はなく、したがって用量が少なくなり過ぎて、安全ではあるがいかなる治療効果ももたらさない。ブレキナルは、治療効果を達成するためにより高用量で投与されると、その薬物濃度により閾値を超えるのに時間がかかりすぎて、健康な細胞内に毒性作用を引き起こすことが観察されている。
本発明は、DHOレベルの測定により、ブレキナルのターゲットエンゲージメントの正確な指針が提供されると認識している。ターゲットエンゲージメントを正確に知ることにより、治療域内で投与を維持するブレキナルの適切な用量を達成することができる。
このことを理解した上で、本発明はさらに、ブレキナル、より一般的にはジヒドロオロト酸デヒドロゲナーゼの阻害剤が、ある特定のがん、例えば急性骨髄性白血病(AML)を処置するために使用できると認識している。世界中で百万を超える人がAMLに罹患している。AMLは、症例の大部分が不治であり、米国ではがんによる死亡率の1.8%を占める。ここ数十年で、AMLの症例を診断し、分類する能力は進歩してきたが、AMLの処置の進歩はそれよりも遅れており、AML症例の90%は40年以上変わっていない治療戦略を用いて処置されている。
本発明の洞察により、このようながんを処置するための新しい組成物および方法が提供される。主に、DHODHは、すべての白血病細胞に存在する(必須酵素)。白血病細胞と正常細胞との間の代謝的感度の差(すなわち「代謝的治療域」)は、処置の機会を提供する。本発明の組成物は、白血病細胞と正常細胞との間の分化促進効果および忍容性(より低い用量で長期間の曝露)を活用するための新規な投与スケジュールで、ジヒドロオロト酸デヒドロゲナーゼの阻害剤(例えば、ブレキナル)を使用する。DHODH阻害剤の量をDHOレベルと結びつけることによって、組成物により、医師は、医薬品有効成分(API)とその標的の関与に基づいて、薬物の投与量を決定することができる。結果的に、組成物は、白血病細胞を飢餓させ、他の細胞に害を及ぼし得るより多量の投与の必要性を回避するのに十分なレベルで、APIへの長期曝露を達成するように最適化される。本発明はまた、DHODH阻害剤を含有する組成物の治療有効用量を決定する方法を提供する。
本発明の組成物および方法は、AMLに加えて、調節されないまたは過度のDHODH活性と関連する任意の疾患、例えばAML、関節炎および多発性硬化症を処置するのに、より広範に有用である。特に、組成物は、DHODHの持続的な阻害を必要とする疾患を処置するのに有用である。例えば、近年の研究では、DHODH阻害剤であるブレキナルは、AMLのマウスモデルにおいて血漿中に高レベルの化合物が長期間維持された場合に初めて、白血病を引き起こす細胞活性を低減することが示されている。
また本発明の組成物および方法により、医師は、個々の患者に合わせて投与レジメンを調整することができる。所与の薬物の代謝および排除の速度は、患者ごとに変わるので、APIのターゲットエンゲージメントの度合いは、同じ薬物および投与量を受け取った患者ごとに異なる。しかし、DHOレベルは、あらゆる患者の間でDHODH阻害の普遍的な指標となる。したがって、個々の患者のDHOレベルをモニタリングすることによって、薬物の用量を調整して、ケースバイケースに基づいて所望のレベルのDHODH阻害を達成することができる。
ある態様では、本発明は、DHOレベルを、72時間を超える期間にわたって対象における閾値レベルを超えて上昇させるまたは維持する、治療有効量のDHODHの阻害剤を含有する組成物を提供する。
ある態様では、本発明は、対象に少なくとも約25ng/mLのDHOレベルをもたらす治療有効量のDHODHの阻害剤を含有する組成物を提供する。
ある態様では、本発明は、DHOレベルを、72時間を超える期間にわたって対象における閾値レベルを超えて上昇させるまたは維持する、治療有効量のDHODHの阻害剤を含有する経口製剤を提供する。
DHOの閾値レベルは、対象から得られた試料中で測定することができる。試料は、体液試料であってよい。例えば、体液は、血漿、血液、血清、尿、汗、唾液、間質液、糞、または痰であってよい。
DHOの閾値レベルは、障害を有する対象に治療利益をもたらす、DHODH阻害剤に必要な最小レベルであってよい。例えば、閾値レベルは、約10ng/mL、約20ng/mL、約50ng/mL、約100ng/mL、約150ng/mL、約200ng/mL、約250ng/mL、約300ng/mL、約350ng/mL、約400ng/mL、約450ng/mL、約500ng/mL、約550ng/mL、約600ng/mL、約650ng/mL、約700ng/mL、約750ng/mL、約800ng/mL、約850ng/mL、約900ng/mL、約950ng/mL、約1000ng/mL、約1250ng/ml、約1500ng/ml、約1750ng/ml、約2000ng/ml、約2500ng/ml、約3000ng/ml、約3500ng/ml、約4000ng/ml、約4500ng/ml、約5000ng/ml、約6000ng/ml、約8000ng/ml、約10,000ng/ml、約12,000ng/ml、約15,000ng/ml、約20,000ng/ml、約25,000ng/ml、約30,000ng/ml、約40,000ng/ml、約50,000ng/ml、約75,000ng/ml、約100,000ng/ml、約150,000ng/ml、約200,000ng/ml、約300,000ng/ml、または約400,000ng/mlであってよい。
DHOの閾値レベルは、対象がDHODH阻害剤の1つまたは複数の副作用を経験するレベルを超える最大レベルであってよい。例えば、閾値レベルは、約100ng/mL、約150ng/mL、約200ng/mL、約250ng/mL、約300ng/mL、約350ng/mL、約400ng/mL、約450ng/mL、約500ng/mL、約550ng/mL、約600ng/mL、約650ng/mL、約700ng/mL、約750ng/mL、約800ng/mL、約850ng/mL、約900ng/mL、約950ng/mL、約1000ng/mL、約1250ng/ml、約1500ng/ml、約1750ng/ml、約2000ng/ml、約2500ng/ml、約3000ng/ml、約3500ng/ml、約4000ng/ml、約4500ng/ml、約5000ng/ml、約6000ng/ml、約8000ng/ml、約10,000ng/ml、約12,000ng/ml、約15,000ng/ml、約20,000ng/ml、約25,000ng/ml、約30,000ng/ml、約40,000ng/ml、約50,000ng/ml、約75,000ng/ml、約100,000ng/ml、約150,000ng/ml、約200,000ng/ml、約300,000ng/ml、約400,000ng/ml、または約500,000ng/mlであってよい。
DHOの閾値レベルは、ある範囲の値であってよい。例えば、閾値レベルは、約100ng/mL〜約200ng/mL、約150ng/mL〜約200ng/mL、約150ng/mL〜約250ng/mL、約200ng/mL〜約250ng/mL、または約200ng/mL〜約300ng/mLであってよい。
DHODH阻害剤は、DHODHの活性を阻害する任意の薬剤であってよい。DHODH阻害剤は、小分子、タンパク質、ペプチド、抗体、またはポリペプチドであってよい。DHODH阻害剤は、ブレキナル、レフルノミド、またはテリフルノミドであってよい。ブレキナルは、治療組成物に適した修飾形態であってよい。例えば、DHODH阻害剤は、ブレキナルアナログ、ブレキナル誘導体、ブレキナルプロドラッグ、ブレキナルのミセル製剤、またはブレキナル塩、例えばナトリウム塩であってよい。
組成物は、DHODH阻害剤を規定量で含有することができる。例えば、組成物は、ブレキナルナトリウムを、約400mg/m、約450mg/m、約500mg/m、約550mg/m、約600mg/m、約650mg/m、約700mg/m、約750mg/m、または約800mg/mで含有することができる。組成物は、ブレキナルの別の形態を、ブレキナルナトリウムに等価な量の、約400mg/m、約450mg/m、約500mg/m、約550mg/m、約600mg/m、約650mg/m、約700mg/m、約750mg/m、または約800mg/mで含有することができる。
組成物は、特定の経路を介する投与のために製剤化することができる。例えば、組成物は、経口で、静脈内に、経腸で、非経口で、皮膚に、頬側に、局所に、経皮で、注射により、皮下に、鼻に、肺に、または埋込式医療デバイスを用いてもしくはその上に投与するために製剤化することができる。
組成物は、第2の治療剤を含有することができる。第2の治療剤は、DHODH以外の標的を阻害することができる。例えば、第2の薬剤は、グルタミナーゼ、PI3K経路、またはオロチジン5’−一リン酸(OMP)デカルボキシラーゼを阻害することができる。
DHODH阻害剤の治療有効量は、対象のDHOレベルを上昇させまたは維持して、対象の障害の1つまたは複数の徴候または症状を寛解、低減、または排除するのに十分な量であってよい。DHODH阻害剤の治療有効量は、対象のDHOレベルを、閾値レベル、例えば前述の閾値レベルを超えて上昇させるまたは維持するのに十分な量であってよい。DHODH阻害剤の治療有効量は、対象のDHOレベルを、ある期間、例えば72時間、84時間、96時間、5日間、6日間、7日間、10日間、2週間、またはそれよりも長い期間にわたって上昇させるまたは維持するのに十分な量であってよい。
DHODH阻害剤の治療有効量は、対象に副作用を生じさせない量であり得る。例えば、DHODH阻害剤の治療有効量は、対象に、血液障害、悪心、嘔吐、口内炎、粘膜炎、皮膚発疹、静脈炎、光線過敏性反応、血管神経性浮腫、および炎症を生じた皮膚の局所的続発性色素過剰の1つまたは複数を生じさせない量であり得る。
組成物は、単一の単位投与量として提供することができる。組成物は、分割投与量として提供することができる。
ある態様では、本発明は、障害を処置するために対象に提供されるDHODH阻害剤の治療有効用量を決定する方法を提供する。治療有効用量は、障害の少なくとも1つの徴候または症状が低減または排除される程度まで、DHODHを阻害する。その方法は、対象からの試料中で測定されたDHOレベルに基づいて、DHODH阻害剤の治療有効用量を決定するステップを含む。
DHODH阻害剤の治療有効用量は、DHOレベルを、72時間を超える期間にわたって、対象から得られた試料中の閾値レベルを超えて上昇させるまたは維持する用量であってよい。その閾値レベルは、任意の閾値レベル、例えば前述の閾値レベルであってよい。試料は、任意の試料、例えば前述の試料であってよい。
ある態様では、本発明は、DHODH阻害剤の投与レジメンを現在受けている対象の障害を処置するために、投与レジメンを調整する方法を提供する。その方法は、対象からの試料中の測定されたジヒドロオロト酸(DHO)レベルに関する情報を受け取るステップと、受け取った情報を、測定されたDHOレベルとDHODH阻害剤の推奨された投与量調整との関連を提供する参照と比較するステップと、対象におけるDHODH阻害剤の量が障害の少なくとも1つの徴候または症状を低減または排除するのに十分であることを示す閾値レベルを超えて上昇または維持されるDHOレベルを、投与レジメンにおけるDHODH阻害剤の次の用量がもたらすように、DHODH阻害剤の投与レジメンを調整するステップとを含む。
DHODH阻害剤の治療有効用量を決定する方法、またはDHODH阻害剤の投与レジメンを調整する方法において、DHODH阻害剤は、任意のDHODH阻害剤、例えば前述のDHODH阻害剤であってよい。
障害は、DHODH阻害剤が治療利益をもたらすはずの任意の疾患、障害、または状態であってよい。例えば、障害は、がん、例えば白血病(例えば、急性骨髄性白血病)もしくは前立腺がん、または自己免疫疾患、例えば多発性硬化症もしくは関節炎(例えば、関節リウマチまたは乾癬性関節炎)であってよい。
その方法は、治療有効用量のDHODH阻害剤が対象に提供されるべきである時点を決定するステップを含むことができる。その方法は、対象にDHODH阻害剤を治療有効用量で提供するステップを含むことができる。
推奨された投与量調整は、投与量を増加させること、投与量を低減すること、または投与量を変更しないことであってよい。推奨は、投与量を増加するべきまたは低減するべき値を含むことができる。
対象からの試料中の測定されたDHOレベルに関する情報は、対象から得られた1つの試料から測定されたレベル、または対象から得られた複数の試料から測定されたレベルを含むことができる。情報は、各試料が対象から得られたときを示す時点を含むことができる。
投与レジメンは、任意の方式で調整することができる。例えば、投与レジメンは、用量、用量を送達するための時間、またはそれらの両方を調整することによって調整することができる。その調整は、用量を送達するための時点を決定することを含むことができる。
その方法は、対象にDHODH阻害剤を決定された用量で提供するステップを含むことができる。DHODH阻害剤は、経口で、静脈内に、経腸で、非経口で、皮膚に、頬側に、局所に、経皮で、注射により、皮下に、鼻に、肺に、または埋込式医療デバイスを用いてもしくはその上に提供することができる。DHODH阻害剤は、単一の単位投与量として提供することができ、または分割投与量として提供することができる。
ある態様では、本発明は、2−(2’−ハロ−1−1’−ビフェニル−4−イル)−キノリンカルボン酸を作製する方法を提供する。その方法は、以下の反応:
Figure 2021519334
に従って、式(I)の化合物を式(II)の化合物と共に、塩基を含有する混合物中でインキュベートするステップと、その混合物に酸を添加し、それによって式(III)の化合物を生成するステップとを含み、
[式中、
、R、R、およびRは、独立に、H、F、Cl、Br、I、CH、CF、SCHまたはCHCHであり、R、R、R、およびRの少なくとも2つは、Hであり、
は、H、1〜3個の炭素原子を有するアルコキシ、または1〜2個の炭素原子を有するアルキルであり、
およびRは、独立に、H、F、Cl、Br、1〜5個の炭素原子を有するアルキル、NO、OH、CFまたはOCHであり、
Xは、ハロゲンである]、
インキュベートするステップは、
約5:1〜約8:1のモル比の塩基と式(II)の化合物を含有する混合物を、約60℃〜約70℃の温度でインキュベートすること、および
混合物を約15時間〜約30時間インキュベートすること
の少なくとも1つを含む。
インキュベートするステップは、約5:1〜約8:1のモル比の塩基と式(II)の化合物を含有する混合物を使用して、混合物を約60℃〜約70℃の温度でインキュベートすること、および混合物を約15時間〜約30時間インキュベートすることの1つまたは複数を含むことができる。
その方法は、最小収率の式(III)の化合物を含むことができる。例えば、式(III)の化合物の収率は、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、または少なくとも95%であってよい。
塩基は、任意の適切な塩基であってよい。例えば、塩基は、KOH、NaOH、またはNHOHであってよい。
アルコールは、任意の適切なアルコールであってよい。例えば、アルコールは、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、ブタノール、2−メチル−1−プロパノール、またはペンタノールであってよい。
酸は、任意の適切な酸であってよい。例えば、酸は、HClまたは酢酸であってよい。
式(III)の化合物は、ブレキナルであってよい。式(III)の化合物は、式(IV):
Figure 2021519334
によって表される構造を有することができる。
図1は、同じ投与レジメンにしたがってブレキナルの単回用量を受けた3名の患者におけるブレキナルおよびDHOのレベルを示す一連のグラフである。
図2は、同じ投与レジメンにしたがってブレキナルの複数回用量を受けた3名の患者におけるブレキナルおよびDHOのレベルを示す一連のグラフである。 図2は、同じ投与レジメンにしたがってブレキナルの複数回用量を受けた3名の患者におけるブレキナルおよびDHOのレベルを示す一連のグラフである。 図2は、同じ投与レジメンにしたがってブレキナルの複数回用量を受けた3名の患者におけるブレキナルおよびDHOのレベルを示す一連のグラフである。
図3は、本発明の実施形態による患者に対するDHODH阻害剤の用量を決定する例を例示するフローチャートである。
図4は、毎週2回投与した場合の対象の血漿中のブレキナルの経時的な濃度を例示する散布図である。
図5は、経口剤形と比較したブレキナルのIV製剤の生物学的利用能を例示する散布図である。
図6は、50mg/kg用量でのマウスにおけるブレキナルの濃度を経時的に例示する散布図である。
図7は、表5に報告されたランダムながん患者および健康な患者におけるベースラインDHOレベルを例示する散布図である。
図8は、DHOレベルの関数としての、代謝経路を標的にする薬物、例えばブレキナルの治療利益を示すグラフである。
詳細な説明
本発明は、患者におけるジヒドロオロト酸デヒドロゲナーゼ(DHODH)の持続的な阻害を促進する組成物および方法を提供する。DHODH阻害剤は、がんおよび自己免疫疾患の処置に潜在的に有用な薬物である。しかし、治療利益を達成するための一部のDHODH阻害剤の投与は、健康な細胞にとって毒性となる用量を回避する必要があるので困難を伴う。患者に治療利益を提供するためには、DHODHの持続的な阻害が必要とされるが、過度の阻害は、正常組織にとって有害であり、重篤な副作用をもたらす。本発明は、所与の患者におけるDHODH阻害剤の投与量が患者の体内のターゲットエンゲージメントに基づいて決定される組成物および方法を提供することによって、この問題を克服する。ターゲットエンゲージメントは、患者から得られた試料におけるDHODHのための基質であるジヒドロオロト酸(DHO)の測定されたレベルからアセスメントされる。DHODH阻害剤の投与をDHOレベルと結びつけることによって、本発明の組成物および方法は、投与の精度をより高くすることができる。結果的に、健康な細胞および組織に過度の害を引き起こすことなく、DHODHの阻害を長引かせることができる。
本発明の組成物および方法は、がん、例えば急性骨髄性白血病(AML)、および自己免疫疾患、例えば関節炎、および多発性硬化症を含めた、調節されないまたは過度のDHODH活性と関連する疾患を処置するのに有用である。DHODH阻害剤は、このような疾患の処置について既に調査されているが、DHODH阻害剤の狭い治療域により、現在まで治療剤としてのそれらの実用性が制限されてきた。本発明の組成物および方法は、強力なDHODH阻害剤、例えばブレキナルの治療上の潜在性を引き出す。
本発明はまた、ブレキナルおよび関連化合物を合成するための方法を提供する。合成方法は、反応条件、例えば化学量論比、温度、および時間を最適化することによって、優れた収率の所望の生成物を生成する。
DHODH阻害剤のためのターゲットエンゲージメントの指標としてのDHO
本発明の方法は、対象から得られた試料中の測定されたDHOレベルに基づいて、DHODH阻害剤を含有する薬物の投与量を決定するステップを含む。DHOは、ピリミジン合成経路における中間体である。ピリミジン生合成は、以下に示される通り、グルタミンをウリジン一リン酸に変換する一連の段階的酵素反応を伴う。
Figure 2021519334
ヌクレオチド合成経路は、治療的に特に興味深い。がん細胞の高い増殖速度により、ヌクレオチド合成経路への需要が高まる。結果的に、このような経路において機能する酵素は、抗悪性腫瘍薬物の有用な標的である。具体的には、ヌクレオチド合成に必要な酵素を阻害する薬物は、がんを処置するために調査されてきた。したがって、ヌクレオチド合成経路における代謝産物レベルは、このような薬物におけるAPIが、それらの標的にin vivoで関与する程度を評価するのに有用である。
ピリジン合成経路における酵素のいくつかは、薬物または薬物候補の標的である。例えば、以下の酵素の阻害剤が、治療剤として調査されてきた。カルバモイルリン酸からカルバモイルアスパラギン酸への変換を触媒するアスパラギン酸カルバモイルトランスフェラーゼ(アスパラギン酸トランスカルバモイラーゼまたはATCaseとしても公知である)、ジヒドロオロト酸(DHO)からオロト酸への変換を触媒するジヒドロオロト酸デヒドロゲナーゼ(DHODH)、およびオロチジン一リン酸(OMP)からウリジン一リン酸(UMP)への変換を触媒するOMPデカルボキシラーゼ(OMPD)。
本発明の一要素は、DHOの実用性を、DHODH阻害剤によるターゲットエンゲージメントの指標として認識することである。DHOの1つの利点は、細胞膜がその分子に透過性であるということである。DHODHは、細胞内のミトコンドリア内膜に局在して、酵素活性の直接測定を困難にする。しかし、DHODHが阻害されると蓄積するDHOは、細胞から出て血中に拡散し、それによって容易にサンプリングすることができる。本発明の別の洞察は、DHOが、代謝産物レベルが確実に測定され得るのに十分に安定であるということである。これまでDHOは、周囲温度で正確に定量するには不安定すぎるとみなされており、したがってDHODH阻害の指標としては適していないとみなされた。しかし、本明細書で提供される方法は、血漿試料中のDHOの検出を可能にする。したがって、血液または血液生成物中のDHOのレベルを分析することによって、DHODH阻害剤のターゲットエンゲージメントを容易にアセスメントすることができる。
試料中のDHOレベルの測定
本発明の方法は、試料中の測定されたDHOレベルの分析を含む。その方法は、DHOの測定を含むことができる。
一部の実施形態では、DHOは、必要に応じて液体クロマトグラフィーと組み合わせて、質量分析によって測定される。分子は、当技術分野で公知の任意の方法、例えばアンビエントイオン化、化学イオン化(CI)、脱離エレクトロスプレーイオン化(DESI)、電子衝撃(EI)、エレクトロスプレーイオン化(ESI)、高速原子衝撃(FAB)、フィールドイオン化、レーザーイオン化(LIMS)、マトリックス支援レーザー脱離イオン化(MALDI)、ペーパースプレーイオン化、プラズマおよびグロー放電、プラズマ脱離イオン化(PD)、共鳴イオン化(RIMS)、二次イオン化(SIMS)、スパークソース、または熱イオン化(TIMS)によって、質量分析のためにイオン化することができる。質量分析の方法は、当技術分野で公知であり、例えば、そのそれぞれの内容が参照により本明細書に組み込まれる米国特許第8,895,918号、米国特許第9,546,979号、米国特許第9,761,426号、Hoffman and Stroobant, Mass Spectrometry: Principles and Applications (2nd ed.). John Wiley and Sons (2001), ISBN 0-471-48566-7、Dass, Principles and practice of biological mass spectrometry, New York: John Wiley (2001) ISBN 0-471-33053-1、およびLee, ed., Mass Spectrometry Handbook, John Wiley and Sons, (2012) ISBN: 978-0-470-53673-5に記載されている。
ある特定の実施形態では、試料は、分離システムの使用を必要とすることなく、直接的にイオン化することができる。他の実施形態では、質量分析は、イオン種を分解し、特定するための方法と共に実施される。適切な方法には、クロマトグラフィー、キャピラリー電気泳動質量分析、およびイオンモビリティが含まれる。クロマトグラフィー法には、ガスクロマトグラフィー、液体クロマトグラフィー(LC)、高圧液体クロマトグラフィー(HPLC)、および逆相液体クロマトグラフィー(RPLC)が含まれる。好ましい実施形態では、液体クロマトグラフィー−質量分析(LC−MS)が使用される。クロマトグラフィーおよび質量分析を接続する方法は、当技術分野で公知であり、例えば、その内容が参照により本明細書に組み込まれるHolcapek and Brydwell, eds. Handbook of Advanced Chromatography/Mass Spectrometry Techniques, Academic Press and AOCS Press (2017), ISBN 9780128117323、Pitt, Principles and Applications of Liquid Chromatography-Mass Spectrometry in Clinical Biochemistry, The Clinical Biochemist Reviews. 30(1): 19-34 (2017) ISSN 0159-8090、Niessen, Liquid Chromatography-Mass Spectrometry, Third Edition. Boca Raton: CRC Taylor & Francis. pp. 50-90. (2006) ISBN 9780824740825、Ohnesorge et al., Quantitation in capillary electrophoresis-mass spectrometry, Electrophoresis. 26 (21): 3973-87 (2005) doi:10.1002/elps.200500398、Kolch et al., Capillary electrophoresis-mass spectrometry as a powerful tool in clinical diagnosis and biomarker discovery, Mass Spectrom Rev. 24 (6): 959-77. (2005) doi:10.1002/mas.20051、Kanu et al., Ion mobility-mass spectrometry, Journal of Mass Spectrometry, 43 (1): 1-22 (2008) doi:10.1002/jms.1383に記載されている。
試料は、試験される個体の任意の臓器または組織から得ることができ、ただし試料は、液体形態で得られるか、または液体形態になるように事前処置され得る。試料は、例えばそれに限定されるものではないが、血液試料、尿試料、血清試料、精液試料、喀痰試料、リンパ液試料、脳脊髄液試料、血漿試料、膿汁試料、羊水試料、体液試料、糞便試料、生検試料、針穿刺吸引生検試料、スワブ試料、含漱液試料、がん試料、腫瘍試料、組織試料、細胞試料、滑液試料、痰試料、唾液試料、汗試料、またはこのような試料の組合せであってよい。試料はまた、例えば、均質化、超音波処理、ピペット粉砕、細胞溶解等によって液体形態になるように処置されている、固体または半固体試料、例えば組織試料、糞試料、または糞便試料であってよい。本明細書に記載される方法では、試料は、血漿、血清、全血、または喀痰由来の試料であることが好ましい。
試料は、DHOの安定性を保存する温度制御環境で維持することができる。例えば、DHOは、低温でより安定であり、高い安定性は、試料からのこの代謝産物の分析を促進する。したがって、試料は、4℃、−20℃、または−80℃で保存することができる。
一部の実施形態では、試料は、細胞または他の生物学的微粒子を除去するために処置される。血液または他の試料から細胞を除去するための方法は、当技術分野で周知であり、それには、例えば遠心分離、沈降、限外濾過、免疫選択等が含まれ得る。
対象は、動物(例えば哺乳動物、例えばヒト)であってよい。対象は、小児、新産児、新生児、乳児、小児、青年、プレティーン、ティーンエイジャー、成人、または高齢患者であってよい。対象は、クリティカルケア、集中治療、新生児集中治療、小児集中治療、冠疾患集中治療、心臓胸部集中治療(cardiothoracic care)、外科集中治療、内科集中治療、長期集中治療、手術室、救急車、野戦病院、または病院外フィールドの状況にあってよい。
試料は、DHODH阻害剤を対象に投与する前または投与した後に、個体から得ることができる。例えば、試料は、DHODH阻害剤投与の1時間前、2時間前、4時間前、6時間前、8時間前、12時間前、24時間前、36時間前、2日前、3日前、4日前、5日前、6日前、7日前もしくはそれよりも前に得ることができ、またはDHODH阻害剤投与の1時間後、2時間後、4時間後、6時間後、8時間後、12時間後、24時間後、36時間後、2日後、3日後、4日後、5日後、6日後、7日後もしくはそれよりも後に得ることができる。
投与レジメンの決定
本発明の方法は、DHODH阻害剤の投与レジメンを対象に合わせて決定するステップを含む。投与レジメンは、用量、すなわち投与されるべき薬剤の量を含むことができる。投与レジメンは、対象にある用量のDHODH阻害剤を投与するための時点を含むことができる。投与レジメンは、対象から得られた試料中の1つまたは複数の測定されたDHOレベルに基づいて決まるので、個々の対象、例えば患者に合わせて調整される。結果的に、本発明の方法は、薬物動態特性、すなわち対象によるAPIの代謝、および薬力学的特性、APIのその標的に対する効果の個体間の変動性を考慮に入れる、カスタマイズされた投与レジメンを提供する。
投与レジメンは、対象から得られた試料中の測定されたDHOレベルを、測定されたレベルと薬剤の推奨された投与量調整との間の関連を提供する参照と比較することによって決定することができる。例えば、参照は、対象におけるDHODH阻害剤の投与とDHOレベルとの間の関係を提供することができる。その関係は、公知の用量およびDHODH阻害剤の投与時間、ならびに1つまたは複数のその後の時点で測定されたDHOレベルから経験的に決定することができる。参照は、測定されたDHODH阻害剤レベルまたはDHODH阻害剤の代謝産物レベルと、測定されたDHOレベルとの間の関係を含むことができる。
次に、測定されたDHOレベルと参照との比較から、投与レジメンを決定することができる。投与レジメンは、DHODH阻害剤の投与量、その投与量を投与するための時間、またはそれらの両方を含むことができる。投与レジメンは、新規に決定することができ、または以前の投与レジメンの調整、例えば投与量、その投与量の投与間の間隔もしくはそれらの両方の調整を含むことができる。
投与レジメンは、DHODH阻害剤を、治療効果を達成する量で対象に送達するように設計される。治療効果は、疾患、障害、または状態の徴候または症状であってよい。治療効果は、代謝経路における酵素の阻害であってよく、または代謝経路における酵素阻害の指標の変化であってよい。指標は、経路におけるDHOであってよく、治療効果は、DHOレベルの増加または低減であってよい。治療効果は、がん細胞の数の低減、がん細胞の増殖の低減、前がん性細胞、例えば骨髄芽球の分化の増加、がんの完全寛解、不完全な血液学的回復を伴う完全寛解、形態的無白血病状態(stat)、または部分寛解であってよい。骨髄芽球の分化の増加は、CD14の発現、CD11bの発現、核形態、および細胞質顆粒の1つまたは複数によってアセスメントすることができる。
投与レジメンは、DHOレベルが、ある特定の効果を達成するために必要な最小閾値を超えて上昇または維持されるようにすることができる。例えば、投与レジメンは、DHOレベルを、ある一定期間、対象における閾値レベルを超えて上昇させるまたは維持することができる。その期間は、最短期間、最長期間、またはそれらの両方を含むことができる。例えば、投与レジメンは、DHOレベルを、少なくとも6時間、12、時間、24時間、少なくとも48時間、少なくとも72時間、少なくとも84時間、少なくとも96時間、少なくとも5日間、少なくとも6日間、少なくとも7日間、少なくとも10日間、少なくとも2週間、またはそれよりも長期間にわたって閾値レベルを超えて上昇させるまたは維持することができる。投与レジメンは、DHOレベルを、24時間以下、36時間以下、48時間以下、60時間以下、72時間以下、84時間以下、96時間以下、5日間以下、6日間以下、7日間以下、10日間以下、または2週以下にわたって閾値レベルを超えて上昇させるまたは維持することができる。投与レジメンは、DHOレベルを、少なくとも72時間、ただし96時間以下、少なくとも72時間、ただし5日間以下、少なくとも72時間、ただし6日間以下、少なくとも72時間、ただし7日間以下、少なくとも96時間、ただし7日間以下にわたって閾値レベルを超えて上昇させるまたは維持することができる。
投与レジメンは、DHOレベルが、毒性と関連する最大閾値を超えず、またはそれ未満に維持されるようにすることができる。最大閾値を超えるDHOレベルは、そのDHODH阻害剤が、対象において有害事象を引き起こしているか、または引き起こす可能性があることを示すことができる。例えばそれに限定されるものではないが、有害事象には、腹痛、貧血、食欲不振、血液障害、便秘、下痢、消化不良、疲労、発熱、顆粒球減少症、頭痛、感染、白血球減少症、粘膜炎、悪心、注射部位の疼痛、静脈炎、光線過敏、発疹、傾眠、口内炎、血小板減少症、および嘔吐が含まれる。
投与レジメンは、DHOレベルを、ある一定期間、閾値レベルを超えて上昇させるまたは維持するための、1つまたは複数のその後の用量を投与するための時点を含むことができる。その後の用量を投与するための時点は、初期時点に対する時点であってよい。例えば、その後の用量を投与するための時点は、前回の用量が投与された時点または対象から試料が得られた時点に対する時点であってよい。
投与レジメンは、用量を投与するためのスケジュールを含むことができる。例えば用量は、定期的に、例えば24時間ごと、36時間ごと、48時間ごと、60時間ごと、72時間ごと、84時間ごと、96時間ごと、5日ごと、6日ごと、毎週、2週ごと、3週ごと、または4週ごとに投与することができる。あるいは、用量は、正確な一定間隔を必要としないスケジュールに従って投与することができる。例えば、用量は、週1回、週2回、週3回、週4回、1ヵ月に1回、1ヵ月に2回、1ヵ月に3回、1ヵ月に4回、1ヵ月に5回、または1ヵ月に6回投与することができる。
DHODH阻害剤、例えばブレキナル、例えばブレキナルナトリウムをヒト対象に投与するための投与レジメンは、例えばそれに限定されるものではないが、以下の通りであってよい。100mg/mで静脈内投与により毎週2回、125mg/mで静脈内投与により毎週2回、150mg/mで静脈内投与により毎週2回、200mg/mで静脈内投与により毎週2回、250mg/mで静脈内投与により毎週2回、275mg/mで静脈内投与により毎週2回、300mg/mで静脈内投与により毎週2回、350mg/mで静脈内投与により毎週2回、400mg/mで静脈内投与により毎週2回、425mg/mで静脈内投与により毎週2回、450mg/mで静脈内投与により毎週2回、500mg/mで静脈内投与により毎週2回、550mg/mで静脈内投与により毎週2回、600mg/mで静脈内投与により毎週2回、650mg/mで静脈内投与により毎週2回、700mg/mで静脈内投与により毎週2回、750mg/mで静脈内投与により毎週2回、800mg/mで静脈内投与により毎週2回;100mg/mで静脈内投与により72時間ごと、125mg/mで静脈内投与により72時間ごと、150mg/mで静脈内投与により72時間ごと、200mg/mで静脈内投与により72時間ごと、250mg/mで静脈内投与により72時間ごと、275mg/mで静脈内投与により72時間ごと、300mg/mで静脈内投与により72時間ごと、350mg/mで静脈内投与により72時間ごと、400mg/mで静脈内投与により72時間ごと、425mg/mで静脈内投与により72時間ごと、450mg/mで静脈内投与により72時間ごと、500mg/mで静脈内投与により72時間ごと、550mg/mで静脈内投与により72時間ごと、600mg/mで静脈内投与により72時間ごと、650mg/mで静脈内投与により72時間ごと、700mg/mで静脈内投与により72時間ごと、750mg/mで静脈内投与により72時間ごと、800mg/mで静脈内投与により72時間ごと;100mg/mで静脈内投与により84時間ごと、125mg/mで静脈内投与により84時間ごと、150mg/mで静脈内投与により84時間ごと、200mg/mで静脈内投与により84時間ごと、250mg/mで静脈内投与により84時間ごと、275mg/mで静脈内投与により84時間ごと、300mg/mで静脈内投与により84時間ごと、350mg/mで静脈内投与により84時間ごと、400mg/mで静脈内投与により84時間ごと、425mg/mで静脈内投与により84時間ごと、450mg/mで静脈内投与により84時間ごと、500mg/mで静脈内投与により84時間ごと、550mg/mで静脈内投与により84時間ごと、600mg/mで静脈内投与により84時間ごと、650mg/mで静脈内投与により84時間ごと、700mg/mで静脈内投与により84時間ごと、750mg/mで静脈内投与により84時間ごと、800mg/mで静脈内投与により84時間ごと;100mg/mで静脈内投与により96時間ごと、125mg/mで静脈内投与により96時間ごと、150mg/mで静脈内投与により96時間ごと、200mg/mで静脈内投与により96時間ごと、250mg/mで静脈内投与により96時間ごと、275mg/mで静脈内投与により96時間ごと、300mg/mで静脈内投与により96時間ごと、350mg/mで静脈内投与により96時間ごと、400mg/mで静脈内投与により96時間ごと、425mg/mで静脈内投与により96時間ごと、450mg/mで静脈内投与により96時間ごと、500mg/mで静脈内投与により96時間ごと、550mg/mで静脈内投与により96時間ごと、600mg/mで静脈内投与により96時間ごと、650mg/mで静脈内投与により96時間ごと、700mg/mで静脈内投与により96時間ごと、750mg/mで静脈内投与により96時間ごと、800mg/mで静脈内投与により96時間ごと;100mg/mで経口投与により毎週2回、125mg/mで経口投与により毎週2回、150mg/mで経口投与により毎週2回、200mg/mで経口投与により毎週2回、250mg/mで経口投与により毎週2回、275mg/mで経口投与により毎週2回、300mg/mで経口投与により毎週2回、350mg/mで経口投与により毎週2回、400mg/mで経口投与により毎週2回、425mg/mで経口投与により毎週2回、450mg/mで経口投与により毎週2回、500mg/mで経口投与により毎週2回、550mg/mで経口投与により毎週2回、600mg/mで経口投与により毎週2回、650mg/mで経口投与により毎週2回、700mg/mで経口投与により毎週2回、750mg/mで経口投与により毎週2回、800mg/mで経口投与により毎週2回;100mg/mで経口投与により72時間ごと、125mg/mで経口投与により72時間ごと、150mg/mで経口投与により72時間ごと、200mg/mで経口投与により72時間ごと、250mg/mで経口投与により72時間ごと、275mg/mで経口投与により72時間ごと、300mg/mで経口投与により72時間ごと、350mg/mで経口投与により72時間ごと、400mg/mで経口投与により72時間ごと、425mg/mで経口投与により72時間ごと、450mg/mで経口投与により72時間ごと、500mg/mで経口投与により72時間ごと、550mg/mで経口投与により72時間ごと、600mg/mで経口投与により72時間ごと、650mg/mで経口投与により72時間ごと、700mg/mで経口投与により72時間ごと、750mg/mで経口投与により72時間ごと、800mg/mで経口投与により72時間ごと;100mg/mで経口投与により84時間ごと、125mg/mで経口投与により84時間ごと、150mg/mで経口投与により84時間ごと、200mg/mで経口投与により84時間ごと、250mg/mで経口投与により84時間ごと、275mg/mで経口投与により84時間ごと、300mg/mで経口投与により84時間ごと、350mg/mで経口投与により84時間ごと、400mg/mで経口投与により84時間ごと、425mg/mで経口投与により84時間ごと、450mg/mで経口投与により84時間ごと、500mg/mで経口投与により84時間ごと、550mg/mで経口投与により84時間ごと、600mg/mで経口投与により84時間ごと、650mg/mで経口投与により84時間ごと、700mg/mで経口投与により84時間ごと、750mg/mで経口投与により84時間ごと、800mg/mで経口投与により84時間ごと;100mg/mで経口投与により96時間ごと、125mg/mで経口投与により96時間ごと、150mg/mで経口投与により96時間ごと、200mg/mで経口投与により96時間ごと、250mg/mで経口投与により96時間ごと、275mg/mで経口投与により96時間ごと、300mg/mで経口投与により96時間ごと、350mg/mで経口投与により96時間ごと、400mg/mで経口投与により96時間ごと、425mg/mで経口投与により96時間ごと、450mg/mで経口投与により96時間ごと、500mg/mで経口投与により96時間ごと、550mg/mで経口投与により96時間ごと、600mg/mで経口投与により96時間ごと、650mg/mで経口投与により96時間ごと、700mg/mで経口投与により96時間ごと、750mg/mで経口投与により96時間ごと、または800mg/mで経口投与により96時間ごと。
代謝産物の最小および最大閾値レベルは、様々な因子、例えば対象のタイプ、代謝産物、治療剤、および試料のタイプに応じて変わる。最小および最大閾値レベルは、例えば濃度単位で絶対的に、またはベースラインもしくは参照値に対する比で相対的に表すことができる。例えば、最小閾値(患者が用量増加または追加の用量を受け取ることができる値未満)は、処置前のDHOレベルまたはベースラインレベルからの増加に関して算出することもできる。
ヒト血漿試料中のDHOの最小閾値レベルは、約0ng/ml、約10ng/mL、約20ng/mL、約50ng/mL、約100ng/mL、約150ng/mL、約200ng/mL、約250ng/mL、約300ng/mL、約350ng/mL、約400ng/mL、約450ng/mL、約500ng/mL、約550ng/mL、約600ng/mL、約650ng/mL、約700ng/mL、約750ng/mL、約800ng/mL、約850ng/mL、約900ng/mL、約950ng/mL、約1000ng/mL、約1250ng/ml、約1500ng/ml、約1750ng/ml、約2000ng/ml、約2500ng/ml、約3000ng/ml、約3500ng/ml、約4000ng/ml、約4500ng/ml、約5000ng/ml、約6000ng/ml、約8000ng/ml、約10,000ng/ml、約12,000ng/ml、約15,000ng/ml、約20,000ng/ml、約25,000ng/ml、約30,000ng/ml、約40,000ng/ml、約50,000ng/ml、約75,000ng/ml、約100,000ng/ml、約150,000ng/ml、約200,000ng/ml、約300,000ng/ml、または約400,000ng/mlであってよい。最小閾値は、先に列挙した値の間に該当する任意の値を含むことができる。したがって、最小閾値は、0ng/ml〜400,00ng/mlの間の任意の値を含むことができる。
ヒト血漿試料中のDHOの最大閾値レベルは、約50ng/mL、約100ng/mL、約150ng/mL、約200ng/mL、約250ng/mL、約300ng/mL、約350ng/mL、約400ng/mL、約450ng/mL、約500ng/mL、約550ng/mL、約600ng/mL、約650ng/mL、約700ng/mL、約750ng/mL、約800ng/mL、約850ng/mL、約900ng/mL、約950ng/mL、約1000ng/mL、約1250ng/ml、約1500ng/ml、約1750ng/ml、約2000ng/ml、約2500ng/ml、約3000ng/ml、約3500ng/ml、約4000ng/ml、約4500ng/ml、約5000ng/ml、約6000ng/ml、約8000ng/ml、約10,000ng/ml、約12,000ng/ml、約15,000ng/ml、約20,000ng/ml、約25,000ng/ml、約30,000ng/ml、約40,000ng/ml、約50,000ng/ml、約75,000ng/ml、約100,000ng/ml、約150,000ng/ml、約200,000ng/ml、約300,000ng/ml、約400,000ng/ml、または約500,000ng/mlであってよい。最大閾値は、先に列挙した値の間に該当する任意の値を含むことができる。したがって、最大閾値は、50ng/ml〜500,00ng/mlの間の任意の値を含むことができる。
DHOの最小閾値は、ベースラインレベルの約1.5倍、ベースラインレベルの約2倍、ベースラインレベルの約2.5倍、ベースラインレベルの約3倍、ベースラインレベルの約4倍、ベースラインレベルの約5倍、ベースラインレベルの約10倍、ベースラインレベルの約20倍、ベースラインレベルの約50倍、ベースラインレベルの約100倍、ベースラインレベルの約200倍、ベースラインレベルの約500倍、ベースラインレベルの約1000倍、ベースラインレベルの約2000倍、またはベースラインレベルの約5000倍であってよい。最小閾値は、先に列挙した値の間に該当する任意の比を含むことができる。したがって、最小閾値は、ベースラインレベルの1.5倍〜ベースラインレベルの5000倍の間の任意の比であってよい。
DHOの最大閾値は、ベースラインレベルの約2倍、ベースラインレベルの約2.5倍、ベースラインレベルの約3倍、ベースラインレベルの約4倍、ベースラインレベルの約5倍、ベースラインレベルの約10倍、ベースラインレベルの約20倍、ベースラインレベルの約50倍、ベースラインレベルの約100倍、ベースラインレベルの約200倍、ベースラインレベルの約500倍、ベースラインレベルの約1000倍、ベースラインレベルの約2000倍、ベースラインレベルの約5000倍、またはベースラインレベルの約10,000倍であってよい。最大閾値は、先に列挙した値の間に該当する任意の比を含むことができる。したがって、最大閾値は、ベースラインレベルの2倍〜ベースラインレベルの10,000倍の間の任意の比であってよい。
DHODH阻害剤は、任意のDHODH阻害剤、例えば下記のDHODH阻害剤であってよい。
DHODH阻害剤の投与では、DHODH阻害剤の製剤を考慮に入れることができる。例えば、ブレキナル、レフルノミドおよびテリフルノミドなどのDHODH阻害剤は、プロドラッグ、アナログ、誘導体、または塩として提供することができる。前述の化学的形態のいずれも、薬学的に許容される製剤、例えばミセル製剤で提供することができる。
DHODH阻害剤の投与量はまた、対象のタイプおよび投与経路などの因子に応じて決まる。投与量は、所与のタイプの対象および投与経路のためのある範囲内に収まることができ、または投与量は、所与のタイプの対象および投与経路のための指定量によって調整され得る。例えば、対象、例えばヒトまたはマウスへの経口または静脈内投与のためのブレキナルの投与量は、約1mg/kg、約2mg/kg、約5mg/kg、約7.5mg/kg、約10mg/kg、約15mg/kg、約20mg/kg、約25mg/kg、約50mg/kg、約75mg/kg、または約100mg/kgであってよい。対象、例えばヒトまたはマウスへの経口または静脈内投与のためのブレキナルの投与量は、約1mg/kg、約2mg/kg、約5mg/kg、約7.5mg/kg、約10mg/kg、約15mg/kg、約20mg/kg、約25mg/kg、または約50mg/kgまで調整することができる。動物対象、例えばヒトまたはマウスへの経口または静脈内投与のためのブレキナルの投与量は、約50mg/m、約100mg/m、約200mg/m、約300mg/m、約350mg/m、約400mg/m、約500mg/m、約600mg/m、約700mg/m、約800mg/m、または約1000mg/mであってよい。動物対象、例えばヒトまたはマウスへの経口または静脈内投与のためのブレキナルの投与量は、約50mg/m、約100mg/m、約200mg/m、約300mg/m、約350mg/m、または約400mg/mまで調整することができる。
図1は、同じ投与レジメンに従って単一用量のブレキナルを受け取った3人の患者におけるブレキナルおよびDHOのレベルを示す一連のグラフである。左のグラフは患者番号1のものであり、中央のグラフは患者番号2のものであり、右のグラフは患者番号3のものである。ブレキナルレベルは、濃い緑色で示され、DHOレベルは、赤色で示されている。ブレキナルの代謝は、患者番号1では平均よりも速く、患者番号2では平均であり、患者番号3では平均よりも遅い。DHODHの阻害により、DHODHの基質であるDHOが蓄積する。しかし、ブレキナルレベルの分析だけでは、ブレキナルの有効性は完全には示されない。DHOレベルの分析により、ターゲットエンゲージメントがより正確に提示されるので、DHOは優れたバイオマーカーである。
図2は、同じ投与レジメンに従って複数用量のブレキナルを受け取った3人の患者におけるブレキナルおよびDHOのレベルを示す一連のグラフである。上のグラフは患者番号2のものであり、中央のグラフは患者番号1のものであり、下のグラフは患者番号3のものである。ブレキナルレベルは、濃い緑色で示され、DHOレベルは、赤色で示されており、破線は、それを超えるとブレキナルがDHODHを十分に阻害する閾値レベルを表す。患者番号2、すなわち平均的なブレキナル代謝速度を有する患者では、投与レジメンは、短い回復期間が散在する、持続的なDHODH阻害の期間を提供する。この投与レジメンは、DHODH阻害が長引くことにより、ウリジン飢餓に対して敏感な白血病細胞を死滅させると同時に、回復期間により、ピリミジンが適切に供給されて正常細胞の生存が支援されるので、患者番号2にとって最適である。しかし、患者番号1では、DHODH阻害の期間は、白血病細胞を死滅させるのに十分ではなく、したがって、この投与レジメンは治療利益をもたらさない。それとは逆に、患者番号3では、第2の用量およびその後の用量のブレキナルは、前回の投与後からDHODH活性が十分に修復されるのを待たずに提供され、ピリミジンプールは、正常細胞の生存を支援するのに適切には修復されない。結果的に、この投与レジメンは、患者番号3にとって毒性を有する。
図3は、本発明の一実施形態に従って患者のためのDHODH阻害剤の用量を決定する一例を例示する流れ図である。事前処置DHOレベルは、患者のDHOベースラインを決定するために測定される。患者は、出発用量を2週間与えられ、有害事象(AE)の存在について調査される。有害事象が生じた場合、その後の投与を差し控え、7日間以内に有害事象から回復するかどうかを観察する。有害事象から回復したら、投与量を75mg/mまで低減し、投与を再開する。有害事象が生じない場合、DHOレベルを投与後84時間で分析する。DHOレベルが100ng/mL未満である場合、ブレキナルの投与量を、最大投与量の800mg/mを超えないように150mg/mまで増加させる。DHOレベルが100ng/mLまたはベースラインの2倍を超えたら、その投与を2週間維持する。そのプロセスは、有害事象を伴わずに閾値レベルを超えるDHOレベルの持続的上昇を達成するように投与を最適化するために、反復することができる。
その方法は、個体のための治療剤の投与に関する指針を提供するのに有用である。したがって、その方法は、このような指針の提供を望む任意の関係者によって実施され得る。例えばそれに限定されるものではないが、その方法は、臨床実験室;医師もしくは他の医療専門家;治療剤の供給者もしくは製造者;医師、クリニック、病院もしくは他の医療サービス提供者に分析サービスを提供する組織;またはヘルスケアコンサルタントによって実施され得る。
DHODHの阻害によって処置することができる障害
本発明の方法は、障害を処置または防止するためにDHODHの活性を変える薬物(drugs that affect that alter)の投与量を決定するのに有用である。障害は、DHODH阻害が治療利益をもたらす任意の疾患、障害、または状態であってよい。
例えばそれに限定されるものではないが、本発明の方法によって処置され得る1つの障害は、急性骨髄性白血病(AML)である。AMLでは、分化の初期段階で停止された骨髄芽球が、制御が効かない方式で増殖し、骨髄内の他の血液細胞の発達を妨害する。ピリミジン合成に関与する酵素であるジヒドロオロト酸デヒドロゲナーゼ(DHODH)の阻害剤は、骨髄芽球の分化を引き起こし、それらが白血病を引き起こす活性を防止する。AMLにおけるDHODHの役割は、その内容が参照により本明細書に組み込まれるSykes et al., Inhibition of Dihydroorotate Dehydrogenase Overcomes Differentiation Blockade in Acute Myeloid Leukemia, Cell 167, 171-186, September 22, 2016; dx.doi.org/10.1016/j.cell.2016.08.057に記載されている。
AMLを処置するためのDHODH阻害剤の使用は、正確な投与レジメンを必要とする。DHODHの過度の阻害を回避するために注意を払わなければならない。DHODHは必須酵素であり、DHODHにおけるホモ接合性劣性変異は、多臓器機能不全によって特徴付けられる障害であるミラー症候群を引き起こす。AMLのマウスモデルでは、高用量のDHODH阻害剤ブレキナルを毎日投与すると、体重減少、貧血、および血小板減少症が生じる。それと同時に、マウスAMLモデルにおいて治療効果をもたらすのに十分な期間にわたってDHODHを阻害するには、ブレキナルへの持続的曝露が必要である。いかなる理論にも拘泥するものではないが、マウスモデルおよびヒトの両方のAMLの処置におけるブレキナルの狭い治療域に関する1つの仮説は、悪性細胞がDHODH阻害に対して感受性の増加を示すということである。特に、正常細胞は、がん細胞の代謝的必要性が増加することに起因してがん細胞を死滅させるヌクレオチド飢餓が生じる期間に、耐えることができる。
DHODH阻害の狭い治療域は、他の障害にも同様に適用される。例えば、ブレキナルは、固形腫瘍である悪性腫瘍の処置について評価されており、5日間にわたって投与した後、3週間隔てるか、または3週間にわたって週1回投与した後、1週間隔てると、無効になることが見出された。それぞれの内容が参照により本明細書に組み込まれる、Arteaga, C.L. et al. (1989) Phase I clinical and pharmacokinetic trial of Brequinar sodium (DuP 785; NSC 368390) Cancer Res. 49, 4648-4653、Burris, H.A., et al. (1998) Pharmacokinetic and phase I studies of brequinar (DUP 785; NSC 368390) in combination with cisplatin in patients with advanced malignancies, Invest. New Drugs 16, 19-27、Noe, D.A., et al. (1990) Phase I and pharmacokinetic study of brequinar sodium (NSC 368390), Cancer Res. 50, 4595-4599、Schwartsmann, G. et al. (1990) Phase I study of Brequinar sodium (NSC 368390) in patients with solid malignancies, Cancer Chemother. Pharmacol. 25, 345-351を参照されたい。しかし、ブレキナルは、薬物がDHODHを持続的に阻害する方式で投与される場合、他のがんの処置に有効となり得る。
前述の例は、単に例示目的で提供され、本発明の方法は、測定されたDHOレベルがターゲットエンゲージメントをアセスメントするために使用され得る任意の障害または疾患の処置のために使用できると理解される。障害は、DHODHの阻害が治療利益となる障害であってよい。障害は、がんであってよい。がんには、固形腫瘍または血液腫瘍が含まれ得る。がんは、急性リンパ芽球性白血病(ALL)、成人T細胞白血病/リンパ腫(ATLL)、膀胱がん、乳がん、例えばトリプルネガティブ乳がん(TNBC)、神経膠腫、頭頸部がん、白血病、例えばAML、肺がん、例えば小細胞肺がんおよび非小細胞肺がん、リンパ腫、多発性骨髄腫、神経芽細胞腫、骨肉腫、卵巣がん、前立腺がん、または腎細胞がんであってよい。障害は、遺伝的変異、例えば代謝経路への依存を増加させる、例えばグルタミンへの「嗜癖」を増加させるMYC増幅またはPTEN喪失を有することができる。障害は、炎症性または自己免疫性障害、例えば関節炎、肝炎、慢性閉塞性肺疾患、多発性硬化症、または腱炎であってよい。障害は、精神医学的障害、例えば不安、ストレス、強迫性障害、うつ病、パニック障害、精神病、嗜癖、アルコール依存症、注意欠陥多動障害、広場恐怖症、統合失調症、または社会恐怖症であってよい。障害は、神経学的または疼痛障害、例えばてんかん、脳卒中、不眠症、ジスキネジア(diskinesia)、末梢性神経障害性疼痛、慢性侵害受容性疼痛、幻肢痛、求心路遮断痛、炎症性疼痛、関節痛、創傷疼痛、術後疼痛、または再発性頭痛、食欲障害、または運動活性障害であってよい。障害は、神経変性障害、例えばアルツハイマー病、パーキンソン病、またはハンチントン病であってよい。
障害は、疾患、障害、または状態を有する患者のクラスまたはサブセットを含むことができる。例えば、AMLの症例は、細胞学的、遺伝的、および他の基準に基づいて分類され、AML処置戦略は、その分類に応じて変わる。1つのAML分類システムが世界保健機関(WHO)によって提供されている。WHO分類システムは、表1に提供されるAMLのサブタイプを含み、その内容が参照により本明細書に組み込まれるFalini B, et al. (October 2010) "New classification of acute myeloid leukemia and precursor-related neoplasms: changes and unsolved issues" Discov Med. 10 (53): 281-92, PMID 21034669に記載されている。
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AMLの代替分類スキームは、French−American−British(FAB)分類システムである。FAB分類システムは、表2に提供されるAMLのサブタイプを含み、それぞれの内容が参照により本明細書に組み込まれる、Bennett JM, et al. (August 1976). "Proposals for the classification of the acute leukaemias. French-American-British (FAB) co-operative group" Br. J. Haematol. 33 (4): 451-8, doi:10.1111/j.1365-2141.1976.tb03563.x. PMID 188440、およびBennett JM, et al. (June 1989) "Proposals for the classification of chronic (mature) B and T lymphoid leukaemias. French-American-British (FAB) Cooperative Group" J. Clin. Pathol. 42 (6): 567-84, doi:10.1136/jcp.42.6.567, PMC 1141984, PMID 2738163に記載されている。
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障害は、患者の亜集団を含むことができる。例えば、患者は、小児、新産児、新生児、乳児、小児、青年、プレティーン、ティーンエイジャー、成人、または高齢であってよい。患者は、クリティカルケア、集中治療、新生児集中治療、小児集中治療、冠疾患集中治療、心臓胸部集中治療、外科集中治療、内科集中治療、長期集中治療、手術室、救急車、野戦病院、または病院外フィールドの状況にあってよい。
DHODH阻害剤の用量の提供
本発明の方法は、前述の通り決定された投与レジメンまたは投与量に従って、対象にDHODH阻害剤を提供するステップを含むことができる。対象へのDHODH阻害剤の提供は、DHODH阻害剤を対象に投与することを含むことができる。用量は、単一単位として、または複数単位で投与することができる。DHODH阻害剤は、任意の適切な手段によって投与することができる。例えばそれに限定されるものではないが、DHODH阻害剤は、経口で、静脈内に、経腸で、非経口で、皮膚に、頬側に、局所に、経皮で、注射により、静脈内に、皮下に、鼻に、肺に、または埋込式医療デバイス(例えば、ステントまたは薬物溶出ステントまたはバルーン等価物)を用いてもしくはその上に投与することができる。
一部の実施形態では、その方法は、対象からの試料中のDHOレベルをアセスメントするステップと、そのレベルが、投与を保証する、かつ/または特定のレベルもしくは特定の量の投与を保証する閾値範囲内にあるかどうか(例えば、最小閾値を超え、かつ/または潜在的毒性閾値未満である)を決定するステップとを含む。
その方法は、血漿DHOレベルが決定され、それが所定の閾値(例えば、所定の潜在的毒性閾値および/または所定の潜在的有効閾値)未満である対象に、少なくとも1つの用量のDHODH阻害剤を投与するステップを含むことができる。一部の実施形態では、所定の閾値は、対象について決定されたベースラインに対する、その対象におけるDHODHの阻害パーセントを反映している。一部の実施形態では、ベースラインは、アッセイによって決定される。
例えば、一部の実施形態では、DHODHの阻害を有効閾値に維持するために、複数用量のDHODH阻害剤を投与することができる。一部の実施形態では、DHODH阻害剤の投与は、異なる時間および異なる量で行うことができる。本開示は、DHODHの阻害を、処置中ずっと有効閾値またはそれを超える一貫したレベルに維持することができる方法を包含する。一部の実施形態では、DHODHの阻害量は、対象の血漿中のDHOの量によって測定される。
一部の実施形態では、2つ以上の用量のDHODH阻害剤が、対象に投与される。一部の実施形態では、その方法は、少なくとも1つの用量を投与した後の対象の血漿DHOレベルを再決定するステップをさらに含む。一部の実施形態では、対象の血漿DHOレベルは、各投与後に再決定される。一部の実施形態では、その方法は、対象の血漿DHOレベルが再び決定された後(例えば、最初の用量または前回の用量を投与した後)、それが所定の閾値未満である場合に、少なくとも1つのさらなる用量のDHODH阻害剤を投与するステップをさらに含む。対象の血漿DHOレベルが所定の閾値を超えると決定される場合、投与を中断することができる。したがって、一部の実施形態では、対象の血漿DHOレベルが再び所定の閾値未満であると決定されるまで、さらなる用量のDHODH阻害剤は投与されない。
その方法は、DHODH阻害剤を細胞致死レベルまたはそれに近い投与量レベルで対象に投与するステップを含むことができる。このような投与量は、低レベルでのその後の投与で、または投与を中断することによって補うことができる。例えば、一部の実施形態では、本開示は、ジヒドロオロト酸デヒドロゲナーゼ阻害剤を、それを必要としている対象に投与する方法であって、少なくとも第1の相および第2の相によって特徴付けられるレジメンに従って、複数の用量のDHODH阻害剤を投与するステップを含み、第1の相が、細胞致死レベルの少なくとも1つのボーラス用量のDHODH阻害剤の投与を含み、第2の相が、ボーラス用量よりも低い少なくとも1つの用量の投与、またはDHODH阻害剤を投与しないことのいずれかを含む、方法を提供する。
一部の実施形態では、DHODH阻害剤は、第2の相中に投与されない。一部の実施形態では、第2の相は、ウリジンレスキュー治療の投与を含む。一部の実施形態では、ボーラス用量は、細胞致死用量であるか、またはそれを含む。一部の実施形態では、細胞致死用量は、標的細胞(例えば、がん細胞)に加えて、正常(例えば、非がん性)細胞にアポトーシスを引き起こすのに十分なDHODH阻害剤の量である。
一部の実施形態では、第1の相および第2の相は、それぞれDHODH阻害剤を投与することを含む。一部の実施形態では、第1の相および第2の相は、異なる時間に行われる。一部の実施形態では、第1の相および第2の相は、異なる日に行われる。一部の実施形態では、第1の相は、4日未満の期間にわたって継続される。一部の実施形態では、第1の相は、DHODH阻害剤を投与した後、DHODH阻害剤を投与しない期間を含む。一部の実施形態では、DHODH阻害剤を投与しない期間は、第1の相中の投与後、3〜7日間である。一部の実施形態では、第1の相は、2つ以上の用量を投与することを含む。
一部の実施形態では、DHODH阻害剤は、第2の相中に投与される。一部の実施形態では、DHODH阻害剤は、第2の相中に細胞致死レベル以下で投与される。一部の実施形態では、第1の相は、第2の相の後に反復される。一部の実施形態では、第1の相および第2の相の両方が反復される。
一部の実施形態では、本開示は、DHODH阻害剤を、多相プロトコールに従ってそれを必要としている対象に投与する方法であって、少なくとも1つの用量のDHODH阻害剤が対象に投与される第1の相、および少なくとも1つの用量のDHODH阻害剤が対象に投与される第2の相を含み、第2の相で投与される1つまたは複数の用量が、第1の相で投与される用量(複数可)と比較して、第2の相の他の用量に対して量および/またはタイミングが異なる、方法を提供する。
一部の実施形態では、DHOレベルは、第1の相と第2の相との間で対象からの試料で決定される。一部の実施形態では、試料は、血漿試料である。一部の実施形態では、DHOレベルが決定された後に投与される少なくとも1つの用量のタイミングまたは量は、DHOレベルが決定される前に投与される少なくとも1つの用量のタイミングまたは量とは異なる。
一部の実施形態では、患者に投与されるDHODH阻害剤の量は、対象の血漿中のDHOレベルに関して調整される。例えば、一部の実施形態では、第1の用量は、第1の相で投与される。一部の実施形態では、DHOレベルは、第1の用量の投与後の期間に決定される。
一部の実施形態では、DHOレベルが所定のレベル未満である場合、第2の用量またはその後の用量で投与されるDHODH阻害剤の量が増加され、かつ/または投与間の間隔が低減される。例えば、このような一部の実施形態では、投与されるDHODH阻害剤の量は、例えば100mg/mまで増加させることができる。一部の実施形態では、第2の用量またはその後の用量で投与されるDHODH阻害剤の量は、150mg/mまで増加させる。一部の実施形態では、第2の用量またはその後の用量で投与されるDHODH阻害剤の量は、200mg/mまで増加させる。一部の実施形態では、投与されるDHODH阻害剤の量は、対象に投与された異なる量の過去の投与の間で観察されたDHOレベルの変化に基づいて決定された調整量まで増加させすることができる。
一部の実施形態では、DHOレベルが所定のレベルを超える場合、第2の用量またはその後の用量で投与される薬剤の量は、最初の用量または前回の用量で投与された量と同じであり、かつ/または投与間の間隔が同じである。
一部の実施形態では、DHOレベルが所定のレベルを超える場合、第2の用量またはその後の用量で投与されるDHODH阻害剤の量は低減され、かつ/または投与間の間隔が増加する。例えば、このような一部の実施形態では、投与されるDHODH阻害剤の量は、例えば50mg/mまで低減することができる。一部の実施形態では、DHOレベルが所定のレベルを超える場合、第2の用量またはその後の用量で投与されるDHODH阻害剤の量は、75mg/mまで低減される。一部の実施形態では、DHOレベルが所定のレベルを超える場合、第2の用量またはその後の用量で投与されるDHODH阻害剤の量は、100mg/mまで低減される。一部の実施形態では、投与されるDHODH阻害剤の量は、対象に投与された異なる量の過去の投与の間で観察されたDHOレベルの変化に基づいて決定された調整量によって低減することができる。
一部の実施形態では、本開示は、初期用量のDHODH阻害剤を既に受け取った患者にその後の用量のDHODH阻害剤を投与する方法であって、患者が、初期用量の投与後にDHOレベルをアセスメントされており、その後の用量が、初期用量とは異なる、方法を提供する。その後の用量は、その用量に含まれるDHODH阻害剤の量、その後の用量の直前もしくは直後に対する時間間隔、またはそれらの組合せにおいて、初期用量とは異なっていてよい。その後の投与におけるDHODH阻害剤の量は、初期用量未満であってよい。
その方法は、複数用量のDHODH阻害剤を、互いに2日間よりも長く8日間よりも短い期間を隔てて投与するステップを含むことができる。例えば、その期間は、約3日間であってよい。
一部の実施形態では、DHOレベルは、各用量を投与する前に対象からの試料で決定され、投与は、決定されたDHOレベルが所定の閾値を超える場合には遅延またはスキップされる。例えば、DHOレベルは、DHODH阻害剤の投与の約12時間後、約24時間後、約36時間後、約48時間後、約60時間後、約72時間後、約84時間後、または約96時間後に決定することができる。
その方法は、DHODH阻害剤の投与間で患者のDHOレベルを測定した試験で承認されたレジメンに従って、DHODH阻害剤を投与するステップを含むことができる。そのレジメンは、毒性閾値未満および最小閾値を超えるDHODH阻害度を示すことが決定された範囲内にDHOレベルを維持するように、試験において量およびタイミングが決定された複数用量を含むことができる。そのレジメンは、1つまたは複数の用量のDHODH阻害剤を投与した後、対象におけるDHOレベルを決定することを含むことができる。
一部の実施形態では、レジメンは、確立されたパターンの用量が第1の期間にわたって投与される投与サイクルを含む。一部の実施形態では、レジメンは、複数の投与サイクルを含む。一部の実施形態では、レジメンは、DHODH阻害剤がサイクル間で投与されない休薬期間を含む。
DHODH阻害剤を含有する組成物
本発明の組成物は、DHODH阻害剤を含む。いくつかのDHODH阻害剤は、当技術分野で公知である。例えば、DHODHの阻害剤には、ブレキナル、レフルノミド、およびテリフルノミドが含まれる。ブレキナルは、系統名6−フルオロ−2−(2’−フルオロ−1,1’ビフェニル−4−イル)−3−メチル−4−キノリンカルボン酸を有し、以下の構造
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を有する。
ブレキナルおよび関連化合物は、例えば、その内容が参照により本明細書に組み込まれる米国特許第4,680,299号および同第5,523,408号に記載されている。白血病を処置するためのブレキナルの使用は、例えば、その内容が参照により本明細書に組み込まれる米国特許第5,032,597号および国際公開第2017/037022号に記載されている。レフルノミド、N−(4’−トリフルオロメチルフェニル)−5−メチルイソオキサゾール−4−カルボキサミド(I)は、例えば、その内容が参照により本明細書に組み込まれる米国特許第4,284,786号に記載されている。テリフルノミド、2−シアノ−3−ヒドロキシ−N−[4−(トリフルオロメチル)フェニル]−2−ブテナミドは、例えば、その内容が参照により本明細書に組み込まれる米国特許第5,679,709号に記載されている。
DHODH阻害剤は、プロドラッグ、アナログ、誘導体、または塩として提供することができる。DHODH阻害剤は、ミセル製剤で提供することができる。
プロドラッグ、アナログ、誘導体、およびその塩を含めたDHODH阻害剤は、医薬組成物として提供することができる。医薬組成物は、例えば、錠剤、トローチ剤、ロゼンジ剤、迅速融解剤(fast-melt)、水性もしくは油性懸濁剤、分散散剤もしくは分散顆粒剤、乳剤、硬カプセル剤もしくは軟カプセル剤、シロップ剤、またはエリキシル剤として、経口使用に適した形態であってよい。経口使用を企図された組成物は、医薬組成物を製造するために当技術分野で公知の任意の方法に従って調製することができ、このような組成物は、薬学的に優れた口当たりの良い調製物を提供するために、甘味剤、香味剤、着色剤および保存剤から選択される1つまたは複数の薬剤を含有することができる。錠剤は、化合物を、錠剤の製造に適した非毒性の薬学的に許容される賦形剤との混合物に含有する。これらの賦形剤は、例えば、不活性希釈剤、例えば炭酸カルシウム、炭酸ナトリウム、ラクトース、リン酸カルシウムまたはリン酸ナトリウム、造粒剤および崩壊剤、例えばトウモロコシデンプンまたはアルギン酸、結合剤、例えばデンプン、ゼラチンまたはアカシア、ならびに滑沢剤、例えばステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸またはタルクであってよい。
錠剤は、コーティングされていなくてよく、または胃内での崩壊および胃腸管のより下部での吸収を遅延させ、それによってより長期間にわたって持続作用をもたらすための公知の技術によってコーティングされていてもよい。例えば、時間遅延材料、例えばモノステアリン酸グリセリルまたはジステアリン酸グリセリルを用いることができる。錠剤はまた、放出を制御するための浸透圧性の治療用錠剤を形成するために、米国特許第4,256,108号、同第4,166,452号および同第4,265,874号に記載されている技術によってコーティングすることができる。化合物の調製および投与は、それぞれの内容が参照により本明細書に組み込まれる米国特許第6,214,841号および米国特許出願第2003/0232877号に論じられている。
経口使用のための製剤は、化合物が、不活性な固体希釈剤、例えば炭酸カルシウム、リン酸カルシウムもしくはカオリンと混合される硬ゼラチンカプセル剤として、または化合物が、水もしくは油性媒体、例えばピーナッツ油、流動パラフィンもしくはオリーブ油と混合される軟ゼラチンカプセル剤として提示することもできる。
化合物の胃腸管での加水分解の制御が求められる代替の経口製剤は、制御放出製剤を使用して達成することができ、本発明の化合物は、腸溶コーティングで被包される。
水性懸濁剤は、化合物を、水性懸濁剤の製造に適した賦形剤との混合物に含有することができる。このような賦形剤は、懸濁化剤、例えばカルボキシメチルセルロースナトリウム、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、アルギン酸ナトリウム、ポリビニルピロリドン、トラガカントガムおよびアカシアガム;分散剤または湿潤剤、例えば天然に存在するホスファチド、例えばレシチンまたはアルキレンオキシドと脂肪酸との縮合生成物、例えば、ポリオキシエチレンステアレート、またはエチレンオキシドと長鎖脂肪族アルコールとの縮合生成物、例えばヘプタデカエチレンオキシセタノール、またはエチレンオキシドと脂肪酸およびヘキシトールから誘導された部分エステルとの縮合生成物、例えばポリオキシエチレンと脂肪酸およびヘキシトール無水物から誘導された部分エステルとの縮合生成物、例えばポリオキシエチレンソルビタンモノオレエートである。水性懸濁剤は、1つまたは複数の防腐剤、例えばp−ヒドロキシ安息香酸エチルもしくはp−ヒドロキシ安息香酸n−プロピル、1つまたは複数の着色剤、1つまたは複数の香味剤、および1つまたは複数の甘味剤、例えばスクロースもしくはサッカリンを含有することもできる。
油性懸濁剤は、化合物を、植物油、例えば、ラッカセイ油、オリーブ油、ゴマ油もしくはヤシ油、または鉱物油、例えば流動パラフィンに懸濁させることによって製剤化することができる。油性懸濁剤は、増粘剤、例えば蜜蝋、固形パラフィンまたはセチルアルコールを含有することができる。口当たりの良い経口調製物を提供するために、前述のものなどの甘味剤および香味剤を添加することができる。これらの組成物は、抗酸化剤、例えばアスコルビン酸を添加することによって保存することができる。
水を添加することによって水性懸濁剤を調製するのに適した分散散剤および分散顆粒剤は、化合物を、分散剤または湿潤剤、懸濁化剤および1つまたは複数の防腐剤との混合物で提供する。適切な分散剤または湿潤剤および懸濁化剤は例示されており、例えば甘味剤、香味剤および着色剤が存在してもよい。
医薬組成物は、水中油エマルジョンの形態であってもよい。油相は、植物油、例えばオリーブ油もしくはラッカセイ油、または鉱物油、例えば流動パラフィン、またはこれらの混合物であってよい。適切な乳化剤は、天然に存在するガム、例えばアカシアガムまたはトラガカントガム、天然に存在するホスファチド、例えば大豆、レシチン、ならびに脂肪酸およびヘキシトール無水物から誘導されたエステルまたは部分エステル、例えばソルビタンモノオレエート、および前記部分エステルとエチレンオキシドとの縮合生成物、例えばポリオキシエチレンソルビタンモノオレエートであってよい。エマルジョンは、甘味剤および香味剤を含有することもできる。
シロップ剤およびエリキシル剤は、甘味剤、例えばグリセロール、プロピレングリコール、ソルビトールまたはスクロースを用いて製剤化することができる。このような製剤は、粘滑剤、防腐剤、ならびに香味および/または着色のための剤を含有することもできる。医薬組成物は、注射可能な滅菌水性または油性懸濁剤の形態であってよい。この懸濁剤は、先に列挙されている適切な分散剤または湿潤剤および懸濁化剤を使用して、公知の技術に従って製剤化することができる。注射可能な滅菌調製物は、例えば1,3−ブタンジオール中の溶液としての、非毒性の非経口的に許容される希釈剤または溶媒中の注射可能な滅菌液剤または懸濁剤であってもよい。用いることができる許容されるビヒクルおよび溶媒には、水、リンガー溶液および等張塩化ナトリウム溶液が含まれる。さらに、無菌固定油は、従来、溶媒または懸濁化媒体として用いられている。この目的では、合成モノ−またはジ−グリセリドを含めた任意の無刺激性の固定油を用いることができる。さらに、脂肪酸、例えばオレイン酸は、注射剤の調製に用いられる。
医薬組成物は、他の薬学的に許容される担体、例えば糖、例えばラクトース、グルコースおよびスクロース;デンプン、例えばトウモロコシデンプンおよびバレイショデンプン;セルロースおよびその誘導体、例えばカルボキシメチルセルロースナトリウム、エチルセルロースおよび酢酸セルロース;粉末化トラガカント;麦芽;ゼラチン;タルク;賦形剤、例えばカカオバターおよび坐剤ワックス;油、例えばピーナッツ油、綿実油、ベニバナ油、ゴマ油、オリーブ油、トウモロコシ油および大豆油;グリコール、例えばプロピレングリコール;ポリオール、例えばグリセリン(グリセロール)、エリスリトール、キシリトール、ソルビトール、マンニトールおよびポリエチレングリコール;エステル、例えばオレイン酸エチルおよびラウリン酸エチル;寒天;緩衝剤、例えば水酸化マグネシウムおよび水酸化アルミニウム;アルギン酸;発熱物質を含まない水;等張食塩水;リンゲル溶液;エチルアルコール;pH緩衝液;ポリエステル、ポリカーボネートおよび/またはポリ酸無水物;ならびに医薬製剤において用いられる他の非毒性の適合性物質を含むことができる。薬学的に許容される担体は、被包コーティングであってよい。例えば、被包コーティングは、カラゲニン、酢酸フタル酸セルロース、酢酸コハク酸セルロース、酢酸トリメット酸セルロース、コラーゲン、ゼラチン、酢酸ヒドロキシプロピルメチルセルロース、メチルアクリレート−メタクリル酸コポリマー、ポリビニルアセテートフタレートセラック、アルギン酸ナトリウム、デンプン、またはゼインを含有することができる。
プロドラッグ、アナログ、およびその誘導体を含めたN−アシルエタノールアミド化合物は、薬学的に許容される塩、例えば非毒性の酸付加塩として提供することができ、それらは、無機酸、例えば塩酸、臭化水素酸、リン酸、硫酸および過塩素酸を用いて、または有機酸、例えば酢酸、マレイン酸、酒石酸、クエン酸、コハク酸もしくはマロン酸を用いて、または当技術分野で使用される他の方法、例えばイオン交換を使用することによって形成されたアミノ基の塩である。一部の実施形態では、薬学的に許容される塩には、それに限定されるものではないが、アジピン酸塩、アルギン酸塩、アスコルビン酸塩、アスパラギン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、安息香酸塩、重硫酸塩、ホウ酸塩、酪酸塩、ショウノウ酸塩、カンファースルホン酸塩、クエン酸塩、シクロペンタンプロピオン酸塩、ジグルコン酸塩、ドデシル硫酸塩、エタンスルホン酸塩、ギ酸塩、フマル酸塩、グルコヘプタン酸塩、グリセロリン酸塩、グルコン酸塩、ヘミ硫酸塩、ヘプタン酸塩、ヘキサン酸塩、ヨウ化水素酸塩、2−ヒドロキシ−エタンスルホン酸塩、ラクトビオン酸塩、乳酸塩、ラウリン酸塩、ラウリル硫酸塩、リンゴ酸塩、マレイン酸塩、マロン酸塩、メタンスルホン酸塩、2−ナフタレンスルホン酸塩、ニコチン酸塩、硝酸塩、オレイン酸塩、シュウ酸塩、パルミチン酸塩、パモ酸塩、ペクチン酸塩、過硫酸塩、3−フェニルプロピオン酸塩、リン酸塩、ピクリン酸塩、ピバル酸塩、プロピオン酸塩、ステアリン酸塩、コハク酸塩、硫酸塩、酒石酸塩、チオシアン酸塩、p−トルエンスルホン酸塩、ウンデカン酸塩、吉草酸塩等が含まれる。他の薬学的に許容される塩は、例えば、Remington, The Science and Practice of Pharmacy(2000年、第20版)に見出すことができる。代表的なアルカリまたはアルカリ土類金属塩として、ナトリウム、リチウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム等が挙げられる。一部の実施形態では、薬学的に許容される塩は、アルカリ塩である。一部の実施形態では、薬学的に許容される塩は、ナトリウム塩である。一部の実施形態では、薬学的に許容される塩は、アルカリ土類金属塩である。一部の実施形態では、薬学的に許容される塩には、適切な場合、非毒性アンモニウム、第四級アンモニウム、ならびに対イオン、例えばハロゲン化物イオン、水酸化物イオン、カルボン酸イオン、硫酸イオン、リン酸イオン、硝酸イオン、1〜6個の炭素原子を有するアルキルイオン、スルホン酸イオンおよびアリールスルホン酸イオンを使用して形成されたアミンカチオンが含まれる。
ブレキナルおよび関連化合物の合成
本発明は、2−(2’−ハロ−1−1’−ビフェニル−4−イル)−キノリンカルボン酸、例えばブレキナルを作製する方法を提供する。その方法は、以下の反応:
Figure 2021519334
に従って、式(I)の化合物を式(II)の化合物と共に、塩基を含有する混合物中でインキュベートするステップと、その混合物に酸を添加し、それによって式(III)の化合物を生成するステップとを含み、
[式中、
、R、R、およびRは、独立に、H、F、Cl、Br、I、CH、CF、SCHまたはCHCHであり、R、R、R、およびRの少なくとも2つは、Hであり、
は、H、1〜3個の炭素原子を有するアルコキシ、または1〜2個の炭素原子を有するアルキルであり、
およびRは、独立に、H、F、Cl、Br、1〜5個の炭素原子を有するアルキル、NO、OH、CFまたはOCHであり、
Xは、ハロゲンである]、
インキュベートするステップは、
約5:1〜約8:1のモル比の塩基と式(II)の化合物を含有する混合物を、約60℃〜約70℃の温度でインキュベートすること、および
混合物を約15時間〜約30時間インキュベートすること
の少なくとも1つを含む。
本発明の洞察は、第1のステップの条件を最適化することにより、すなわち式(I)および式(II)の化合物を塩基の存在下でインキュベートすることにより、生成物の収率が改善するということである。非常に重要な1つの変数は、式(II)の化合物に対する塩基のモル比である。このモル比を最適化することにより、より高い収率が達成される。例えば、塩基と式(II)の化合物のモル比は、約5:1〜約8:1、約6.5:1〜約7.5:1、または約7:1であってよい。
任意の適切な塩基を使用することができる。好ましくは、塩基は、KOH、NaOH、およびNHOHである。
任意の適切なアルコールを使用することができる。例えば、アルコールは、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、ブタノール、2−メチル−1−プロパノール、またはペンタノールであってよい。
インキュベーションステップにおける別の重要な変数は、温度である。反応が生じるためには最小限の温度が必要であるが、温度が高すぎると、望ましくない副産物の生成が増加する。したがって、温度は、約60℃〜約70℃、約60℃〜約65℃、または約60℃であってよい。
インキュベーションステップにおける別の重要な変数は、期間である。反応が生じるためには最小限の時間が必要であるが、過度のインキュベーション時間により、望ましくない副産物の生成をもたらす。したがって、インキュベーションの長さは、約15時間〜約30時間、約15時間〜約25時間、または約15時間〜約20時間であってよい。
先に概説される反応は、前述の通り最適化された式(II)の化合物に対する塩基のモル比、前述の通り最適化された温度、および前述の通り最適化されたインキュベーション時間の1つまたは複数を使用して実施することができる。したがって、反応は、前述の最適化された変数の1つ、2つまたは3つを含むことができる。
酸添加ステップのための酸は、任意の適切な酸であってよい。例えば、酸は、HClまたは酢酸であってよい。
その方法は、最小収率の式(III)の化合物を提供することができる。例えば、式(III)の化合物の収率は、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、または少なくとも95%であってよい。
式(III)の化合物は、ブレキナルであってよい。式(III)の化合物は、式(IV):
Figure 2021519334
によって表される構造を有することができる。
腫瘍特性のアセスメント
本発明はまた、腫瘍に対するDHODH阻害剤の効果をin vivoによりリアルタイムでアセスメントするための方法を提供する。このようなin vivo分析から得られた情報は、投与レジメンを決定または調整するために使用することができる。
腫瘍に対する薬剤の効果をアセスメントするための一様式は、薬剤によって活性が変えられる経路、例えば前述の経路および薬剤を介する代謝産物のフラックスを腫瘍内でモニタリングすることである。in vivo代謝経路の活性は、例えば、それぞれの内容が参照により本明細書に組み込まれる、Miloushev, VZ et al., Hyperpolarization MRI: Preclinical Models and Potential Applications in Neuroradiology, Top Magn Reson Imaging 2016 Feb; 25(1): 31-37, doi: 10.1097/RMR.0000000000000076, PMID: 26848559、Di Gialleonardo, D, et al., The Potential of Metabolic Imaging, Semin Nucl Med. 2016 Jan; 46(1): 28-39, doi: 10.1053/j.semnuclmed.2015.09.004, PMID: 26687855、およびCho, et al., Noninvasive Interrogation of Cancer Metabolism with Hyperpolarized 13C MRI J Nucl Med 2017; 58:1201-1206, DOI: 10.2967/jnumed.116.182170に記載されている通り、過分極磁気共鳴画像法によってリアルタイムで分析することができる。
簡潔には、その方法は、磁気共鳴によって画像化することができる同位体標識された代謝産物を対象に注射し、体内の同位体の移動を追跡することを必然的に伴う。代謝産物は、13Cなどの炭素または15Nなどの窒素の同位体が富化されている、ピリミジン合成経路における中間体などの炭素含有分子であってよい。治療剤は、代謝産物が通過する経路における酵素を阻害する薬剤であってよい。分析は、対象が治療剤を提供された場合の標識代謝産物の代謝を、同じ対象または類似の特徴を有する異なる対象のいずれかの未処置対象における代謝と比較することを含むことができる。その方法は、腫瘍細胞におけるある特定の代謝経路、例えばピリミジン合成経路を介してフラックスが増加することに起因して、腫瘍の分析に有用である。例えば、腫瘍を有する対象は、グルタミンフラックスが増加しているかもしれず(同位体標識されたグルタミンによって決定される)、DHODH阻害剤、例えばブレキナル、および同位体標識されたDHOを与えることができる。DHODH阻害のレベルが高い場合、代謝産物の蓄積は、腫瘍部位で検出することができる。
腫瘍に対する薬剤の効果をin vivoによりリアルタイムでアセスメントするための別のやり方は、腫瘍の酸素化を分析することである。多くの固形腫瘍は、血管系が腫瘍細胞の急速な成長ペースについていけないため、酸素化が低下した領域を含有する。腫瘍細胞は、血液供給が不十分である場合にも増殖し続けるためには、しばしばそれらの代謝を変えて、グルコース代謝からより多くのエネルギーを引き出し、酸素にはあまり依存しなくなる。腫瘍を含有する組織の酸素化レベルを測定する方法は、当技術分野で公知であり、例えばそれぞれの内容が参照により本明細書に組み込まれる、Zhao, D., et al., Measuring changes in tumor oxygenation, Methods Enzymol. 2004;386:378-418, doi.org/10.1016/S0076-6879(04)86018-X、およびH Rundqvist and RS Johnson, Tumour oxygenation: implications for breast cancer prognosis, Intern Med 2013; 274: 105-112, doi: 10.1111/joim.12091に記載されている。
一部の実施形態では、腫瘍酸素化は、電子常磁性共鳴画像法(EPR)によって測定することができる。EPRは、当技術分野で公知であり、例えばそれぞれの内容が参照により本明細書に組み込まれる、Abramovic Z., et al., (eds) 11th Mediterranean Conference on Medical and Biomedical Engineering and Computing 2007. IFMBE Proceedings, vol 16. Springer, Berlin, Heidelberg, doi.org/10.1007/978-3-540-73044-6_116, ISBN 978-3-540-73043-9、およびMatsumoto, et al., Low-field paramagnetic resonance imaging of tumor oxygenation and glycolytic activity in mice, J. Clin. Invest. 118:1965-1973 (2008) doi:10.1172/JCI34928に記載されている。
代謝産物レベルを迅速にアセスメントするためのデバイス
本発明はまた、目的の代謝産物、例えばDHOのレベルを迅速に測定するためのデバイスまたはアッセイを含む。患者からの血漿は、血漿中の代謝産物レベルを決定する目的でアッセイされる。記載されるアッセイでは、公知の活性を有する規定レベルの標的酵素が添加される。アッセイでは、比色変化、競合アッセイ、または本分野で公知の他の技術によって血漿中に存在する代謝産物の量を定量する。一実施形態では、その目的は、ブレキナルの投与後のDHOの量を定量することである。患者の血漿検体が収集される。血漿は、規定量のDHODHを含有するアッセイで実施される。患者のDHOは、アッセイにおいて着色DHOと競合し、血漿中のDHOレベルの尺度として読み取ることができる色の変化を引き起こすことができる。別の実施形態では、基質およびDHODHは、採血管内で凍結乾燥させることができる。チューブに引き入れた血液は、DHOが特定の閾値未満であるか、その閾値であるか、またはその閾値を超えるかを決定するために、目に見える色の変化をもたらすことができる。これにより、必要に応じて用量の迅速な調整のために代謝産物レベルの診療現場でのモニタリングが可能になるはずである。
通知のためのデバイス
本発明はまた、投与レジメン、例えばDHODH阻害剤の投与量、用量を投与するためのタイミング、用量調整を決定するために代謝産物を収集するためのタイミングもしくはそれらの任意の組合せ、または投与レジメンの調整に関して対象に通知するためのデバイスを含む。そのデバイスは、メモリユニットに接続されたプロセッサを含む。メモリユニットは、プロセッサに、DHODH阻害剤の用量に関するデータを受け取らせ、試験した代謝産物の実験室または診療現場での分析からデータを収集させ、投与レジメンに関する通知または投与レジメンの変更を生成させ、対象にリマインダを出力させる。
プロセッサが受け取るデータは、対象に提供されたDHODH阻害剤の用量に関する任意の情報を含有することができる。例えば、データは、DHODH阻害剤に関する情報、例えばDHODH阻害剤の名称、DHODH阻害剤の分類、対象に提供されたDHODH阻害剤の用量または量、濃度、製剤等を含むことができる。データは、投与経路、例えば経口または静脈内投与を含むことができる。データは、曜日、日付、時、分、秒、タイムゾーン、または任意の他の時間的構成要素を含めて、用量がいつ対象に投与されるかを含むことができる。データは、対象に投与された複数用量のDHODH阻害剤に関する情報を含むことができる。データは、対象に投与された複数の薬剤に関する情報を含むことができる。データは、代謝産物レベルおよび特定の閾値に達したかどうかを含むことができる。
通知は、投与レジメンまたはその調整に関する対象への任意のタイプのリマインダを含むことができる。例えば、通知は、DHODH阻害剤の次の用量を投与するための時間、DHODH阻害剤の次の用量の投与量、またはそれらの2つの組合せを含むことができる。通知は、前述のパラメータのいずれかの調整を含むことができる。通知は、絶対的または相対的に提供された情報を含むことができる。例えば通知は、前回の投与の後、ある一定時間において、例えば72時間で次の用量が提供されるべきであることを示す時間的構成要素を含むことができ、または通知は、次の用量を投与するための目標時間および/もしくは日付を示すことができる。通知は、投与量を、例えば75ng/mLまで増加させた規定量により、例えば50%まで増加した相対量により調整されるべきであることを示すことができる。投与レジメンまたは投与レジメンの調整は、前述の通り対象から得られた試料中の測定されたDHOレベルに基づいて行われる。通知はまた、歴史的な薬物および代謝産物レベルの傾向分析、疾患の変化、または代替採血スケジュールのための新しい証拠に基づいて、代謝産物を分析するための追加の血液採取の時間を推奨することができる。デバイスは、対象が知覚することができる任意の方式の通知を提供することができる。例えば、通知の出力には、可聴シグナル、視覚的シグナル、触覚シグナル、振動、またはそれらの任意の組合せが含まれ得る。
デバイスは、デバイスのコンポーネント、例えばディスプレイに通知を出力することができ、またはリモートデバイスに通知を出力することができる。デバイスは、第三者、例えば医療従事者、例えば医師、看護師、または他の実務者に通知を出力することができる。
メモリユニットは、プロセッサに追加のプロセスを実施させることができる。例えば、プロセッサは、前述の通り、投与レジメンまたは投与レジメンの調整を決定することができる。
プロセッサは、対象がDHODH阻害剤に抵抗性を生じたかまたは生じているかどうかを決定するために、メモリユニットに保存された情報を使用することができる。DHODH阻害剤への対象の抵抗性は、同じ効果、例えばDHOレベルを達成するための用量投与の時点間の間隔が、治療過程にわたって小さくなっている場合、すなわち対象がより頻繁な投与を必要としている場合に顕在化する場合がある。DHODH阻害剤への対象の抵抗性は、治療過程にわたって、同じ効果、例えばDHOレベルを達成するために、より高い投与量が必要とされる場合に顕在化する場合がある。したがって、プロセッサは、DHODH阻害剤を投与するための時点間の間隔が変化していること、例えば治療過程にわたってより小さくもしくはより大きくなっていること、投与量が変化していること、例えば治療過程にわたって増加させるもしくは低減していること、またはそれらの2つの組合せを決定することができる。
プロセッサは、対象に投与レジメンの推奨される調整を出力することができる。推奨される調整は、第2の治療剤またはさらなるDHODH阻害剤の投与を含むことができる。
デバイスは、携帯型または装着型電子デバイス、例えば電話、時計、ベルト、アームバンド、レッグバンド、衣料品、手持ち式デバイス等、またはそれらの一部であってよい。
合成致死性
本発明の方法は、ある代謝経路に特異的に依存している腫瘍における、その代謝経路の活性を変える薬剤を提供することを含む投与レジメンを決定するステップを含む。例えば、第1の経路の活性に影響を及ぼす変異を担持している腫瘍細胞は、第1の経路の変えられた活性を相殺するまたはそれに対抗する第2の経路の活性により大きく依存し得る。したがって、第2の経路の活性の変化は、正常細胞にとってではなく腫瘍細胞にとって致命的となり得、この現象は合成致死性と呼ばれる。DHODH阻害剤、例えばブレキナルが合成致死性となり得る、経路が変えられた腫瘍の例として、低ホスファターゼおよびテンシンホモログ(PTEN)、Mycタンパク質ファミリーメンバー増幅、Notchタンパク質ファミリーメンバー変異、およびRasタンパク質ファミリーメンバーの活性化変異を有する腫瘍が挙げられる。
自己免疫毒性のための組合せ治療
本発明の方法は、前述の通りのDHODH阻害剤を、1つまたは複数の他の治療剤と組み合わせて提供することを含む投与レジメンを決定するステップを含む。その方法はまた、両方の治療剤を、このような組合せの投与レジメンで提供するステップを含むことができる。
本発明の方法は、前述の通り代謝経路の活性を変える薬剤を、1つまたは複数の他の治療剤と組み合わせて提供することを含む投与レジメンを決定するステップを含む。その方法はまた、両方の治療剤を、このような組合せの投与レジメンで提供するステップを含むことができる。
組合せ治療は、例えば、自己免疫毒性およびサイトカイン関連毒性を処置するのに有用である。自己免疫毒性は、標的にされた腫瘍関連抗原が非悪性組織上に発現する場合、宿主組織に対する抗原に特異的な攻撃から生じ得る。自己免疫毒性は、免疫腫瘍学(IO)治療に起因する免疫活性化の増加に起因して生じ得る。自己免疫毒性は、既存の自己免疫疾患、例えば関節リウマチ、炎症性腸疾患、および乾癬を有する患者に、優先的に影響を及ぼし得る。
サイトカイン放出症候群(CRS)
サイトカイン関連毒性は、サイトカイン放出症候群(CRS)またはサイトカインストームとも呼ばれ、高レベルの免疫活性化の結果として生じる非抗原特異的毒性である。IOを使用して臨床利益を得るのに必要な免疫活性化の度合いは、典型的に、自然免疫活性化中に生じる免疫活性化レベルを上回る。IO治療が効力および有効性を増加させてきたため、CRSは、解決を必要とする問題としてますます認識されている。
CRSは、多数のリンパ球(B細胞、T細胞、および/またはナチュラルキラー細胞)および/または骨髄細胞(マクロファージ、樹状細胞、および単球)が活性化され、IL−1ベータ、TNFアルファ、IFNベータ、IFNガンマ、IL−6、およびIL−8を含めた炎症性サイトカインを放出する場合において、臨床的に観察される。CRSは、組織特異的でなく、したがって正常組織(issue)との反応性を引き起こす、過剰活性化T細胞応答によって引き起こされる。これにより、高レベルのCD4 T−ヘルパー細胞サイトカインが生成され、または正常組織内の細胞溶解性CD8 T細胞の遊走が増加する。Weber, J. S., et al., "Toxicities of Immunotherapy for the Practitioner," Journal of Clinical Oncology, 33, no. 18 (June 2015) 2092-2099。症状の発症は、IO治療の投与後、数分から数時間の期間内に生じ得る。症状発症のタイミングおよびCRS重症度は、誘導薬剤および得られた免疫細胞活性化の規模に応じて変わり得る。CRSは、重篤な臓器損傷および不全をもたらすおそれがあり、このような傷害には、肺浸潤、肺傷害、急性呼吸窮迫症候群、心機能不全、血管原性ショック、神経毒性、播種性血管内凝固(DIC)、肝不全、または腎不全が含まれる。
CRSは、HSCT、がんワクチン(単独または養子T細胞治療との組合せのいずれか)、mAbs、およびCAR−T細胞を含めたIO治療の投与後に報告されている。CRSは、大規模介入および生命維持を必要とする一部の患者では潜在的に生命を脅かす毒性となる。患者は、神経損傷を経験しており、かつ/または死亡している。免疫細胞ベースの治療への応答におけるCRSの診断および管理は、臨床パラメータおよび症状に基づいて日常的に行われる。Leeらは、以下の表3に示される改訂されたCRS等級付けシステムを記載している。Lee, D. et al. (2014) Blood 124(2): 188-195。
Figure 2021519334
標準処置は、免疫抑制薬物(例えば、抗サイトカイン抗体、例えばトシリズマブおよびコルチコステロイド)を用いる注意深い支持療法および処置を伴う。CRSの管理は、IO処置の有効性の確保と釣り合わなければならない。初期のおよび/または積極的な免疫抑制は、CRSを軽減し得るが、その治療の有効性を制限する場合もある。CRSは、実際に有効な処置に必要となり得ると報告されている。CRS管理の目的は、それを完全に抑制することではなく、任意の抗腫瘍効果を最大限にしながら生命を脅かす毒性を防止することである。Lee, D. et al. (2014) Blood 124(2): 188-195。
免疫腫瘍学治療
本開示は特に、免疫腫瘍学(IO)処置の安全性を改善すると同時に、有効性を維持する方法に関する。がんまたは自己免疫疾患は、正常な免疫系の機能不全の結果とみなすことができる。IOの目的は、障害の処置をもたらす、患者自身の免疫系を利用することである。IO処置には、造血幹細胞移植(HSCT)、がんワクチン、モノクローナル抗体(mAbs)、および養子T細胞免疫療法が含まれ得る。
組合せ治療の例
本発明の組成物は、DHODH阻害剤を、1つまたは複数の他の治療剤と組み合わせて含むことができる。組合せの投与レジメンに使用することができる治療剤の例を、以下に記載する。
代謝経路を標的にする薬剤
第2の治療剤またはさらなる治療剤は、ピリミジン合成経路とは異なる代謝経路を標的にすることができる。例えば、第2の薬剤は、グルタミナーゼ、PI3K経路、またはオロチジン5’−一リン酸(OMP)デカルボキシラーゼを阻害することができる。
CAR T細胞治療
養子T細胞免疫療法は、天然T細胞または操作されたT細胞のいずれかを用いて実施することができる。操作されたT細胞には、それらの表面上にキメラ抗原受容体(CAR)を発現するように操作されているT細胞(CAR−T細胞)が含まれ得る。
自己由来養子細胞移植は、患者の免疫細胞を収集し、改変し、戻すことを含み、様々なタイプのがんの処置に有望な免疫治療手法を提供する。典型的に、白血球は、通常、十分に確立された密度バリア遠心分離によって単離され、Tリンパ球は、しばしばインターロイキン−2の免疫調節作用に頼る細胞培養法を使用して、ex vivoで拡大増殖させられる。細胞は、拡大増殖したら(once expanded)、活性化状態で患者(patent)に静脈内投与される。このような細胞は、エフェクターT細胞と呼ばれる。さらに、抗CD3抗体および抗CD28抗体の組合せは、T細胞の培養による増殖を促進するための、適切な共刺激の合図を伴う抗原提示の代替として使用することができる。
T細胞について、CD4およびCD8T細胞受容体(TCR)単独の関与は、休止しているナイーブT細胞またはメモリーT細胞の持続的活性化を誘導するには不十分である。完全に機能的な増殖性T細胞の活性化は、コンピテント抗原提示細胞(APC)からの第2の共刺激シグナルを必要とする。
共刺激は、T細胞上の共刺激細胞表面受容体であるCD28と、APC表面上の対抗受容体、例えばCD80および/またはCD86との相互作用によって自然に達成される。APCは、T細胞の抗原依存性活性化のために使用することもできる。APCは、寛容原性(toleragenic)T細胞ではなく機能的活性化を誘導するために、それらの表面上に共刺激分子も発現しなくてはならない。このようなAPCは、T細胞の増殖を刺激し、サイトカインの生成を誘導し、T細胞と直接相互作用すると細胞溶解性Tリンパ球(CTL)の標的として作用することができる。
近年、T細胞は、それらの表面上に、キメラ抗原受容体(CAR)と呼ばれる人工T細胞受容体を生成するように遺伝子操作されてきた。CARにより、T細胞は、標的にされた腫瘍細胞上に見出される、事前に選択された特異的なタンパク質または抗原を認識することができる。CAR−T細胞は、実験室で培養し、拡大増殖させ、次にネイティブT細胞の養子移植について記載されているものと同様にして患者に再注入することができる。CARは、CAR T細胞を、CARが特異的である抗原を発現する標的細胞に向かわせる。CAR T細胞は、標的に結合し、刺激ドメインの操作によってCAR T細胞を活性化する。一部の実施形態では、刺激ドメインは、CD28、OX40、CD27、CD2、CD5、ICAM−1、LFA−1(CD11a/CD18)、4−1BB、またはそれらの組合せから選択される。
CARは、任意の腫瘍抗原に特異的であってよい。一部の実施形態では、CARは、腫瘍抗原に特異的な細胞外結合ドメインを含む。一部の実施形態では、腫瘍抗原は、TSHR、CD19、CD123、CD22、CD30、CD171、CS−1、CLL−1、CD33、EGFRvIII、GD2、GD3、BCMA、Tn Ag、PSMA、ROR1、FLT3、FAP、TAG72、CD38、CD44v6、CEA、EPCAM、B7H3、KIT、IL−13Ra2、メソセリン、IL−11Ra、PSCA、PRSS21、VEGFR2、ルイスY、CD24、PDGFR−ベータ、SSEA−4、CD20、葉酸受容体アルファ、ERBB2(Her2/neu)、MUC1、EGFR、NCAM、プロスターゼ、PAP、ELF2M、エフリンB2、IGF−1受容体、CAIX、LMP2、gp100、bcr−abl、チロシナーゼ、EphA2、フコシルGM1、sLe、GM3、TGS5、HMWMAA、o−アセチル−GD2、葉酸受容体ベータ、TEM1/CD248、TEM7R、CLDN6、GPRC5D、CXORF61、CD97、CD179a、ALK、ポリシアル酸、PLAC1、GloboH、NY−BR−1、UPK2、HAVCR1、ADRB3、PANX3、GPR20、LY6K、OR51E2、TARP、WT1、NY−ESO−1、LAGE−la、MAGE−A1、レグマイン、HPV E6,E7、MAGE Al、ETV6−AML、精子タンパク質17、XAGE1、Tie 2、MAD−CT−1、MAD−CT−2、Fos関連抗原1、p53、p53変異体、プロステイン、サバイビンおよびテロメラーゼ、PCTA−l/ガレクチン8、メランA/MART1、Ras変異体、hTERT、肉腫転座ブレイクポイント、ML−IAP、ERG(TMPRSS2 ETS融合遺伝子)、NA17、PAX3、アンドロゲン受容体、サイクリンB1、MYCN、RhoC、TRP−2、CYP1B1、BORIS、SART3、PAX5、OY−TES1、LCK、AKAP−4、SSX2、RAGE−1、ヒトテロメラーゼ逆転写酵素、RU1、RU2、腸管カルボキシルエステラーゼ、mut hsp70−2、CD79a、CD79b、CD72、LAIR1、FCAR、LILRA2、CD300LF、CLEC12A、BST2、EMR2、LY75、GPC3、FCRL5、ならびにIGLL1から選択される。
一部の実施形態では、CARは、腫瘍を標的にする抗体に特異的な細胞外結合ドメインを含む。一部の実施形態では、腫瘍を標的にする抗体に特異的な細胞外結合ドメインは、腫瘍を標的にする抗体のFc部分に結合する。一部の実施形態では、腫瘍を標的にする抗体に特異的な細胞外結合ドメインは、Fc受容体またはそのFc結合部分を含む。一部の実施形態では、Fc受容体は、Fc−ガンマ受容体、Fc−アルファ受容体、またはFcイプシロン受容体である。一部の実施形態では、細胞外結合ドメインは、CD16(例えば、CD16AまたはCD16B)、CD32(例えば、CD32A、またはCD32B)、またはCD64(例えば、CD64A、CD64B、またはCD64C)の細胞外リガンド結合ドメインであってよい。
一部の実施形態では、CARは、膜貫通ドメインを含む。一部の実施形態では、膜貫通ドメインは、CD8α、CD8β、4−1BB、CD28、CD34、CD4、FcεRIγ、CD16(例えば、CD16AまたはCD16B)、OX40、CD3ζ CD3ε、CD3γ、CD3δ、TCRα、CD32(例えば、CD32AまたはCD32B)、CD64(例えば、CD64A、CD64B、またはCD64C)、VEGFR2、FAS、およびFGFR2B、またはそれらの組合せから選択される。一部の実施形態では、膜貫通ドメインは、CD8αではない。一部の実施形態では、膜貫通ドメインは、天然に存在しない疎水性タンパク質セグメントである。
一部の実施形態では、CARは、T細胞活性化のための共刺激ドメインを含む。一部の実施形態では、共刺激ドメインは、CD28、OX40、CD27、CD2、CD5、ICAM−1、LFA−1(CD11a/CD18)、4−1BB、GITR、HVEM、TIM1、LFA1もしくはCD2、その機能的断片、またはそれらの組合せから選択される。一部の実施形態では、CARは、2つまたはそれよりも多い共刺激ドメインを含む。一部の実施形態では、2つまたはそれよりも多い共刺激ドメインは、CD28、OX40、CD27、CD2、CD5、ICAM−1、LFA−1(CD11a/CD18)、4−1BB、GITR、HVEM、TIM1、LFA1、またはCD2から選択される。
サイトカイン放出症候群(CRS)は、CAR−T細胞治療の、共通の潜在的に致死性の合併症である。サイトカイン放出症候群は、典型的に、現代の免疫療法、例えばCAR−T細胞移植を使用して臨床利益を媒介する必要がある、高レベルのCAR−T細胞拡大増殖および免疫活性化の結果として生じ得る非抗原特異的な毒性である。症状発症のタイミングおよびCRS重症度は、誘導薬剤および免疫細胞活性化の規模に応じて変わる。症状発症は、典型的に、T細胞注入の数日後から時として数週間後に生じるが、これはin vivoでの最大T細胞拡大増殖と同時に起こる。
近年、がんのためのCAR−T治療後のCRSの発症および重症度は、腫瘍負荷が大きい患者でより大きいことが報告されている。このことは、いかなる理論にも拘泥するものではないが、養子移植した拡大増殖している活性化CAR−T細胞集団による炎症促進性サイトカイン、例えばTNF−αの産生の発現に起因すると考えられる。CAR−T治療後のCRSは、高いIFNγ、IL−6およびTNF−αレベルと一貫して関連しており、IL−2、顆粒球マクロファージ−コロニー刺激因子(GM−CSF)、IL−10、IL−8、IL−5、およびフラクタルカイン(fracktalkine)の増加も報告されている。
がんワクチン
一部の実施形態では、免疫腫瘍学治療は、がんワクチンである。がんワクチンは、抗腫瘍抗体を生成するように患者の免疫系を刺激し、それによって免疫系にがん性細胞を標的にし、破壊させることができる、免疫原性組成物である。一部の実施形態では、がんワクチンは、ペプチドワクチンである。一部の実施形態では、がんワクチンは、コンジュゲートワクチンである。
一部の実施形態では、がんワクチンは、養子T細胞治療と併用される。一部の実施形態では、がんワクチンは、腫瘍特異的T細胞を患者から得、それを単離し、ex vivoで拡大増殖させ、次に患者に投与した後に患者に投与される。一部の実施形態では、腫瘍特異的T細胞のex vivo拡大増殖により、ワクチン接種単独によって得ることができるものよりも多くの数の、がん性細胞を攻撃し死滅させることができるT細胞を得る方法が提供される。一部の実施形態では、養子T細胞治療は、腫瘍浸潤性リンパ球の培養を含む。一部の実施形態では、1つの特定のT細胞またはクローンを単離し、ex vivoで拡大増殖させた後、患者に投与する。一部の実施形態では、T細胞は、がんワクチンを受け取った患者から得られる。
単独での、または養子T細胞移植と組み合わされるがんワクチンの投与は、CRSをもたらすことが報告されている。
ヒト幹細胞移植(HSCT)
HSCTは、骨髄または免疫系が欠損した患者において造血機能を再確立するための幹細胞移植である。一部の実施形態では、幹細胞は自己由来である。一部の実施形態では、幹細胞は同種異系である。一部の実施形態では、移植は、静脈内注入によって実施される。
一部の実施形態では、自己由来HSCTは、多発性骨髄腫、非ホジキンリンパ腫、ホジキン病、急性骨髄性白血病、神経芽細胞腫、胚細胞腫瘍、自己免疫障害(例えば、全身性エリテマトーデス[SLE]、全身性硬化症)、またはアミロイドーシスを処置するために使用することができる。
一部の実施形態では、同種異系HSCTは、急性骨髄性白血病、急性リンパ芽球性白血病、慢性骨髄性白血病、慢性リンパ球性白血病、骨髄増殖性疾患、骨髄異形成症候群、多発性骨髄腫、非ホジキンリンパ腫、ホジキン病、再生不良性貧血、赤芽球ろう、発作性夜間血色素尿症、ファンコニ貧血、重症型サラセミア、鎌状赤血球貧血、重症複合免疫不全症(SCID)、ウィスコット−アルドリッチ症候群、血球貪食性リンパ組織球症、先天性代謝異常、表皮水疱症、重症先天性好中球減少症、シュワックマン−ダイアモンド症候群、ダイアモンド−ブラックファン貧血、または白血球粘着不全を処置するために使用することができる。
一部の実施形態では、幹細胞は、患者への投与に合うドナーから得られる。一部の実施形態では、ドナーは、患者の一卵性双生児である。一部の実施形態では、ドナーは、患者の適合血縁ドナーである。一部の実施形態では、ドナーは、患者の適合非血縁ドナーである。一部の実施形態では、ドナーは、患者の不適合血縁ドナーである。一部の実施形態では、ドナーは、患者のハプロタイプ一致である。
一部の実施形態では、幹細胞は、骨髄、末梢血、または臍帯血から得られる。
HSCTは、移植片対宿主病(GvHD)をもたらすおそれがあり、これはHSCTを受ける患者の罹患率および死亡率の依然として主な原因になっている。防止戦略および移植後の免疫抑制戦略は進歩してきたが、すべてのHSCT患者の20〜50%が、少なくとも中程度のGvHDを経験すると推定されている。炎症性サイトカイン放出、例えばCRSは、急性GvHDの主要メディエーターである可能性があり、T細胞の活性化は、この複雑なプロセスにおける1つのステップである。Ball, L. M. & Egeler, R. M., "Acute GvHD: pathogenesis and classification," Bone Marrow Transplantation (2008) 41, S58-S64。Bouchlaka, M. N., "Immunotherapy following hematopoietic stem cell transplantation: potential for synergistic effects," Immunotherapy. 2010 May; 2(3): 399-418。
モノクローナル抗体(mAb)
モノクローナル抗体は、様々ながんの処置において有用である。mAbがん処置は、がん性細胞を攻撃する自然免疫系機能を利用する。腫瘍抗原に特異的なmAbの投与は、免疫系によって破壊するための腫瘍細胞を標的にするのに有用となり得る。ある場合には、mAbは、がん細胞の溶解を引き起こし、がん細胞の成長/複製を遮断し、血管新生を防止し、チェックポイント阻害剤として作用し、ある場合には腫瘍抗原に結合するように作用すると同時に、特異的免疫細胞を活性化することもできる。一部の実施形態では、モノクローナル抗体は、単一特異性である。一部の実施形態では、モノクローナル抗体は、二重特異性である。一部の実施形態では、モノクローナル抗体は、チェックポイント阻害剤である。一部の実施形態では、mAbは、CAR−T治療と組み合わせて使用することができる。
T細胞表面受容体は、治療用モノクローナル抗体によって活性化される場合、CRSを引き起こすおそれがある。一部の実施形態では、CRSを誘発し得る抗体には、抗CD3抗体、抗CD20抗体、抗CD28抗体、抗CTLA−4抗体、抗PD−1抗体、および抗PD−L1抗体が含まれる。一部の実施形態では、CRSを誘発し得る抗体には、アレムツズマブ、ムロモナブ−CD3、リツキシマブ、トシツズマブ(tosituzumab)、CP−870,893、LO−CD2a/BTI−322、TGN1412、ペンブロリズマブ、ニボルマブ、およびイピリムマブが含まれる。
(実施例1)
血漿中のブレキナルレベルを決定する
図4は、毎週2回投与した場合の対象の血漿中のブレキナルの経時的な濃度を例示する散布図である。
図5は、経口剤形と比較したブレキナルのIV製剤の生物学的利用能を例示する散布図である。
対象の血漿中のDHO濃度は、血漿中のDHODH阻害剤の濃度と相関する。本明細書に提供されるように、一部の実施形態では、開示される方法は、血漿中のDHO濃度が少なくとも特定の有効閾値または潜在的毒性閾値未満(すなわち、所定のレベル)のいずれかである場合にDHODH阻害剤を投与するステップを提供する。
図6は、50mg/kg用量でのマウスにおけるブレキナルの濃度を経時的に例示する散布図である。破線は、約100ng/mL濃度のDHOが、約84時間において血漿中に残っていることを例示している。
(実施例2)
ブレキナルを受けた対象において観察された有害事象
ブレキナルを、用量中央値1200mg/m(範囲588〜3110)で、患者当たりの投与回数の中央値4(範囲1〜24)で対象209名に週1回静脈内投与した。対象の3%よりも多くに観察された有害事象を下記表4に報告する:
Figure 2021519334
(実施例3)
標準としてDHOを使用する血漿試料中のDHOレベルを決定する
分析前に、血漿試料を、50kD Amicon限外濾過膜による遠心分離によって除タンパクする。10μLの血漿試料を、5μLの(S)−4,5−ジヒドロオロト−4,5,6−カルボキシ−13C4酸(13C4−DHO)の標準溶液でスパイクし、次いで、35μLの0.1%(w/w)ギ酸で希釈する。試料を、逆相4μm C18カラム(Synergy Hydro RP−80A、3μm、150×3mm;Phenomenex、Australia)に注入する。クロマトグラフィーを、溶媒A(5mM酢酸アンモニウム水溶液、0.05%(w/v)ギ酸)および溶媒B(メタノール中の0.05%(w/v)ギ酸)を使用して、A:B 98:2(v/v)から85:15(v/v)まで11分間にわたって、40:60(v/v)まで1分間の線形勾配溶出で、全流速0.3mL/分で、30℃で実行し、その後、さらに6分間平衡化する初期条件に戻す。
タンデム質量分析(LC/MS/MS)を、Turbo−V−Sprayソースを備えたApplied Biosystems API 4000 QTRAP質量分析計を使用しガス温度を500℃に設定して実行する。ソースは、実行中(18分)にイオン化極性を切り替える(+5000V〜−4000Vの間)エレクトロスプレーインターフェース(ESI)を動作した。溶離液を、DHOおよび内部標準の特定のイオントランジションによってモニタリングする。全てのデータを、Applied Biosystemsソフトウェアを使用して定量する。
(実施例4)
標準としてオロチン酸を使用する血漿試料中のDHO酸レベルを決定する
分析前に、血漿試料を、50kD Amicon限外濾過膜による遠心分離によって除タンパクする。10μLの血漿試料を、5μLの15N2−オロチン酸の標準溶液でスパイクし、次いで、35μLの0.1%(w/w)ギ酸で希釈する。試料を、逆相4μm C18カラム(Synergy Hydro RP−80A、3μm、150×3mm;Phenomenex、Australia)に注入する。クロマトグラフィーを、溶媒A(5mM酢酸アンモニウム水溶液、0.05%(w/v)ギ酸)および溶媒B(メタノール中の0.05%(w/v)ギ酸)を使用して、A:B 98:2(v/v)から85:15(v/v)まで11分間にわたって、40:60(v/v)まで1分間の線形勾配溶出で、全流速0.3mL/分で、30℃で実行し、その後、さらに6分間平衡化する初期条件に戻す。
タンデム質量分析(LC/MS/MS)を、Turbo−V−Sprayソースを備えたApplied Biosystems API 4000 QTRAP質量分析計を使用しガス温度を500℃に設定して実行する。ソースは、実行中(18分)にイオン化極性を切り替える(+5000V〜−4000Vの間)エレクトロスプレーインターフェース(ESI)を動作した。溶離液を、DHOおよび内部標準の特定のイオントランジションによってモニタリングする。全てのデータを、Applied Biosystems SCIEX Multiquantソフトウェアを使用して定量した。
(実施例5)
健康な対象およびがん患者におけるDHOレベルの決定
ヒトK2EDTA血漿試料中のジヒドロオロト酸濃度を、タンデム質量分析検出(LC−MS/MS)を用いる逆相高速液体クロマトグラフィーによって決定した。血漿試料(50μL)を、内部標準(IS)として使用した水中5μLの(S)−4,5−ジヒドロオロト−4,5,6−カルボキシ−13C4酸(13C4−DHO)の1.0μg/mL溶液でスパイクし、次いでアセトニトリル(200μL)と5分間激しく混合した。遠心分離(12,000rpm、5分)後、150μLの上清をあらかじめ調整したWaters(Milford、MA)Oasis MAX固相抽出カートリッジ(1cc、30mg)に適用した。カートリッジを水およびメタノールで逐次洗浄した後、メタノール中50μLの1%(体積/体積)ギ酸(1mL)で分析物を溶出した。溶離液を窒素ストリーム下で蒸発させ、水中の1%(体積/体積)ギ酸中で再構成させた。溶液を、琥珀色のオートサンプラーバイアル内に置かれた円錐底インサート(conical bottom insert)に移し、密封した。溶液の10μLアリコートを、AQ C18ガードカートリッジ(4.0mm×3.0mm i.d.)が前にあるPhenomenex(Torrance、CA)Synergi 4μm Hydro−RP 80A HPLCカラム(250mm×3.0mm i.d.)に注入し、水中の0.05%(体積/体積)ギ酸で構成される均一濃度の移動相を流速0.5mL/分で使用して分離した。エレクトロスプレーイオン化インターフェースを用いるAgilent Technologies(Santa Clara、CA)モデルG6410B三連四重極質量分析計を検出に使用した。窒素を、噴霧ガス(30p.s.i.)および乾燥ガス(10L/分、350℃)として使用した。1,500Vの転送キャピラリー電位で、ジヒドロオロト酸(dihydroorotic acid)についてm/z 157→113転移およびISについてm/z 161→117転移からの負イオンを多重反応モニタリング(滞留時間、150ミリ秒;断片化電位、70V;衝突エネルギー、4V;衝突セル加速器電圧、4V)によって測定した。定量は、ピーク面積を提供する両方の転移について抽出されたイオンクロマトグラムを積分することと、各試料について分析物ピーク面積のISピーク面積に対する比を算出することとに基づいた。
表5は、ある特定のランダムながん患者由来試料、健康な対象由来試料およびマウス由来試料のDHO濃度のデータを提供する。
Figure 2021519334
表6は、DHO酸濃度を測定した匿名のがん患者20名の患者データを提供する。
Figure 2021519334
Figure 2021519334
表7は、がん患者20名の組からの血漿試料中の内在性DHO酸ベースライン濃度を提供する。
Figure 2021519334
図7は、表5に報告されたランダムながん患者および健康な患者におけるベースラインDHOレベルを例示する散布図である。
(実施例6)
難治性固形腫瘍を有する患者においてブレキナルについて以前に試験した臨床的投与レジメン
以前の臨床的投与レジメンは、患者の難治性固形腫瘍の処置における使用についてブレキナルをアセスメントした。例えば、Arteagaは、「毎日1回のi.v.ボーラスを28日間毎に5日間にわたって反復した」ブレキナルの投与について報告した。Arteaga, et al., "Phase I clinical and pharmacokinetic trial of Brequinar sodium (DuP 785; NSC368390)," Cancer Res., 49(16):4648-4653 (August 15, 1989)。具体的には、Arteagaは、難治性固形腫瘍を有する患者45名(男性31名および女性14名)に、「36〜300mg/m/日×5回の範囲の投与量で107コースの処置」を投与した。これら患者の報告されている年齢の中央値は、58歳(範囲30〜74歳)であり;南西部腫瘍学グループパフォーマンスステイタスの中央値は1になる(範囲、0〜3)と報告された。Arteagaは、「毎日×5回のi.v.スケジュールの場合、第2相評価に対するブレキナルの推奨される用量が、危険性が低い患者で250mg/mであり、危険性が高い患者で135mg/mである」ことを見出した。
Burrisは、「シスプラチンと組み合わせたブレキナルの薬物動態および毒性を調査すること」を報告しており、ここで、患者は、シスプラチンの3週毎の投与と組み合わせて毎週のブレキナルで最初に処置された。Burris, et al., "Pharmacokinetic and phase I studies of brequinar (DUP 785; NSC368390) in combination with cisplatin in patients with advanced malignancies," Invest. New Drugs, 16(1):19-27 (1998)を参照されたい。Burrisは、「毒性のため、スケジュールは、ブレキナルが1、8、15日目に、シスプラチンが1日目に与えられる28日サイクルに修正される」ことを見出だした。患者合計24名(男性16名、女性8名;年齢の中央値57歳;パフォーマンスステイタスの中央値1)が、69コースの療法を受けた。シスプラチン/ブレキナル用量、それぞれ50/500、50/650、50/860、60/860、75/650および75/860mg/mの6つの用量レベルを調査した。Burrisは、「総用量75mg/mのシスプラチン(1日目)が、個々の薬物動態パラメータの大幅な修正なしに650mg/mのブレキナル(1、8および15日目)と共に投与され得る」と結論付けた。
Noeは、「(ブレキナルの)in vitroおよびin vivo研究は、腫瘍成長阻害の達成における長期の薬物曝露の優位性を実証し、この第1相研究は、4週間毎に反復される5日間の短い、毎日のi.v.注入によるブレキナルナトリウムの投与を評価した」と報告した。Noe, et al., "Phase I and pharmacokinetic study of brequinar sodium (NSC368390)," Cancer Res., 50(15):4595-4599 (1990)を参照されたい。Noeは、「36〜300mg/mの範囲の用量で薬物を受けた対象54名」を調査した。Noeは、その「(毎日の、5回の)スケジュールにおける最大耐用量が300mg/mであった」ことおよび「推奨される第2相用量が250mg/mである」ことを見出した。Noeは、「1日目の動態パラメータおよび薬物治療の第1のサイクルの間に起こる毒性の薬力学的分析が、粘膜炎と用量、AUCおよびピークブレキナル濃度間;白血球減少症とAUCおよびピーク薬物濃度間;ならびに血小板減少症とベータ排出速度間で有意な相関をはっきりと示した」と結論付けた。
Schwartsmannは、「3週間毎の「短期静脈内(i.v.)注入によるブレキナルナトリウムの110コースを受けた」患者43名におけるブレキナルの投与」を報告した。Schwartsmann, et al., "Phase I study of Brequinar sodium (NSC 368390) in patients with solid malignancies," Cancer Chemother. Pharmacol., 25(5):345-351 (1990)を参照されたい。Schrwatsmannは、最初「改変フィボナッチスキーム」の用量漸増に基づいたが、PKデータが利用可能になった後は薬理学的誘導用量漸増(pharmacologically guided dose escalation)に依拠し、「用量漸増が、毒性レベルでの臨床的判断に基づいて適用された」ことを述べている。Swchwartsmannは、「危険性が高いおよび低い患者の最大耐用量が、それぞれ1,500および2,250mg/mであった。1つの複雑な応答が、甲状腺の乳頭状癌を有する患者において観察された。第2相研究で推奨される用量は、3週間毎に1時間のi.v.注入によって危険性の高いおよび低い患者に与えられるブレキナルナトリウムが、それぞれ1,200および1,800mg/mである」と報告した。
(実施例7)
本開示による例示的な臨床的投与
組み入れ基準
以下は、提案された臨床試験において対象に提案された組み入れ基準である:
・意欲的であり、試験のために書面によるインフォームドコンセントを提供できる。
・病理学的に確認された、再発したまたは難治性の急性骨髄性白血病を有する成人、年齢18歳およびそれよりも年上。
・インフォームドコンセントに署名する日に≧年齢18歳
・ECOGパフォーマンスステイタス0〜2。
・心駆出率≧40%
・適切な肝機能(基礎となる白血病と関係するとみなされない限り)
・直接ビリルビン≦2×ULN
・ALT≦3×ULN
・AST≦3×ULN
・コッククロフト−ゴールト方程式に基づいてクレアチニンクリアランス≧30mL/分により記録される適切な腎機能
急速増殖性疾患の非存在下、前回の白血病指向療法から研究開始時までの間隔は、細胞毒性または非細胞毒性(免疫療法)薬剤の場合、少なくとも7日間になる。ハイドレア(hydrea)は、急速増殖性疾患を有する患者の場合、第1の用量の前、最長48時間許容される。
発育中のヒト胎児に対するブレキナルの効果は、知られていない。このため、妊娠可能な女性および男性は、研究登録前および研究参加期間中に適切な避妊(ホルモンまたはバリア法による避妊;禁欲)を使用することに同意しなければならない。女性またはその相手がこの研究に参加している間に、その女性が妊娠するまたは妊娠していると思われる場合、女性は彼女を処置している医師に直ちに通知するべきである。このプロトコールによって処置または登録される男性も、研究前、研究参加期間中、およびブレキナル投与の完了後90日間、適切な避妊を使用することに同意しなければならない。
男性対象は、最初の研究薬投与から研究薬の最後の用量後90日間まで精子提供を控えることに同意しなければならない。
除外基準
以下は、研究において対象を除外するために提案された除外基準である。
・白血球数>25×109個/L(注:ヒドロキシウレアは、この基準を満たすことを容認される)。
・研究処置の容認できない危険性に参加者をさらす可能性があるあらゆる同時制御の効かない臨床的に重大な医学的状態、検査所見の異常、または精神病。
・Fridericiaの式(QTcF)を使用するQTc間隔が≧470ミリ秒。脚ブロックおよびQTc間隔の延長を有する参加者は、メディカルモニターとの議論後に適格になり得る。
・他の化学療法剤または抗白血病剤の使用は、以下の例外を除いて研究の間許可されない:
・予防的使用または制御されたCNS白血病の維持のための髄腔内化学療法。
・ヒドロキシウレアの使用は、参加者にとって最大の利益になる場合には療法の最初の2週間可能な場合があり、メディカルモニターによって承認される。
・幹細胞移植後6ヵ月未満のAMLの再発。
・等価用量のプレドニゾン≧0.5mg/kg/日または全身性コルチコステロイド以外の療法(例えば、シクロスポリンもしくは他のカルシニューリン阻害剤またはGVHDに使用される他の免疫抑制剤)を必要とする移植片対宿主病(GVHD)の存在。
・AMLの活動型脳脊髄障害。
・急性前骨髄球性白血病(APL)の診断
・臨床的に活動性のB型肝炎(HBV)またはC型肝炎(HCV)感染。
・経口研究薬の吸収を妨げる可能性がある重度の胃腸または代謝状態
・活動性でないまたは少なくとも5年間安定であり続ける場合を除き、過去の悪性腫瘍。処置済みの非黒色腫皮膚がん、in situ癌または頸部上皮内新生物を有する参加者は、状態に対する根治的処置が完了している場合、無疾患期間に関係なく適格である。再発性または進行性疾患の証拠がない臓器限局性前立腺がんを有する参加者は、ホルモン療法が開始されている、または悪性腫瘍が外科的に除去されているもしくは根治的放射線療法で処置されている場合には適格である。
・授乳中の女性または尿妊娠検査陽性であり妊娠可能な女性(WoCBP)。
用量レベル
提案された投与レベルを、以下に提供する:
患者は、3.5日間毎に投与される。事象のスケジュール例を表8に報告する。
Figure 2021519334
Figure 2021519334
Figure 2021519334
別の例としての投与概要である:
Figure 2021519334
投与順序(すなわち3.5日毎)は、本臨床試験内における予備的有効性、毒性およびPKデータの再考後に改訂されることになる。用量レベル0で処置した患者からのPKデータを使用して予想される最小有効用量を評価して、必要な場合、以降の用量レベルコホートにおいて用量およびスケジュールを調整する。
(実施例8)
DHOレベルに基づいて最適化された投与量
図8は、DHOのレベルに応じてDHODHを阻害するブレキナルなどの薬物の治療利益を示すグラフである。グラフの左側において、DHOのレベルは最小閾値未満であり、薬物のターゲットエンゲージメントは治療効果を有するには不十分である。グラフの灰色領域において、DHOのレベルは最小閾値を超えるが、最大閾値未満であり、したがって薬物はその標的に十分に関与して治療効果をもたらしたが、健康な細胞に有害な効果を引き起こさなかった。グラフの右側において、DHOのレベルは最大閾値を超え、薬物の効果は健康な細胞に害を引き起こす。治療利益と代謝産物レベルの関係に基づく投与レジメンの調整について表9に例示する。
Figure 2021519334
(実施例9)
AMLを有する患者に対するブレキナル含有組成物の効果
ブレキナルを含有する組成物による効果を、急性骨髄性白血病(AML)を有する第1の患者に対して分析した。用量の組成物の投与後、患者は、24時間未満に1,600ng/mLのDHO血漿レベル閾値を達成し、84時間その閾値を超えたままであった。この患者は、骨髄芽球数の減少、髄外造血の改善、および末梢芽球におけるより多くの分化への移行によって示されるように正の応答を示した。
(実施例10)
AMLを有する患者に対するブレキナル含有組成物の効果
ブレキナルを含有する組成物の効果を、AMLを有する第2の患者に対して分析した。用量の組成物の投与後、患者は、24時間未満に(in less 24 hours)2,900ng/mLのDHO血漿レベル閾値を達成し、84時間その閾値を超えたままであった。この患者は、末梢芽球のより多くの分化と共に、末梢芽球の低下および絶対好中球数の増加を伴う疾患に対して正の応答を示した。
(実施例11)
AMLを有する患者に対するブレキナル含有組成物の効果
ブレキナルを含有する組成物の効果を、AMLを有する第2の患者に対して分析した。用量の組成物の投与後、患者は、2時間未満に133ng/mLのDHO血漿レベル閾値を達成し、84時間その閾値を超えたままであった。この患者は、末梢芽球の分化に向かう傾向によって示されるように正の応答を示した。
参照による組み込み
特許、特許出願、特許公報、学術誌、書籍、論文、ウェブコンテンツなどの他の文書の参照および引用が、本開示の全体を通じてなされている。そのような文書全ては、全ての目的のためにその全体において参照により本明細書に組み込まれる。
均等物
本発明の様々な修正および多くのさらなるその実施形態は、本明細書に示され、記載されるそれらに加えて、本明細書に引用されている科学および特許文献の参照を含めた本文書の完全な内容から当業者に明らかになる。本明細書中の主題は、その様々な実施形態およびその均等物における本発明の実践に適合され得る重要な情報、例証およびガイダンスを含有する。

Claims (8)

  1. 2−(2’−ハロ−1−1’−ビフェニル−4−イル)−キノリンカルボン酸を作製する方法であって、
    式(I)の化合物を式(II)の化合物と共に、塩基を含む混合物中でインキュベートするステップと、
    前記混合物に酸を添加し、それによって、以下の反応:
    Figure 2021519334
    に従って式(III)の化合物を生成するステップとを含み、
    [R、R、R、およびRは、独立に、H、F、Cl、Br、I、CH、CF、SCHまたはCHCHであり、R、R、R、およびRの少なくとも2つは、Hであり、
    は、H、1〜3個の炭素原子を有するアルコキシ、または1〜2個の炭素原子を有するアルキルであり、
    およびRは、独立に、H、F、Cl、Br、1〜5個の炭素原子を有するアルキル、NO、OH、CFまたはOCHであり、
    Xは、ハロゲンである]
    前記インキュベートするステップが、
    約5:1〜約8:1のモル比の前記塩基と前記式(II)の化合物とを含む前記混合物を、約60℃〜約70℃の温度でインキュベートすること、および
    前記混合物を約15時間〜約30時間インキュベートすること
    の少なくとも1つを含む、方法。
  2. 前記インキュベートするステップが、前記混合物を約60℃〜約70℃の温度でインキュベートすることを含む、請求項1に記載の方法。
  3. 前記インキュベートするステップが、約5:1〜約8:1のモル比の前記塩基と前記式(II)の化合物とを含む前記混合物を含む、請求項1に記載の方法。
  4. 前記インキュベートするステップが、前記混合物を約15時間〜約30時間インキュベートすることを含む、請求項1に記載の方法。
  5. 前記式(III)の化合物の収率が、少なくとも80%である、請求項1に記載の方法。
  6. 前記塩基が、KOH、NaOH、およびNHOHからなる群から選択される、請求項1に記載の方法。
  7. 前記酸が、HClまたは酢酸のいずれかから選択される、請求項1に記載の方法。
  8. 前記式(III)の化合物が、式(IV):
    Figure 2021519334
    によって表される構造を有する、請求項1に記載の方法。
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