JP2021516906A - Rfid及びセンサ用途のためのsawタグ用複合基板 - Google Patents

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Abstract

本発明は、弾性波伝搬基板(202)と、相互嵌合櫛形電極(216)を含む少なくとも1つのトランスデューサ構造(204)と、少なくとも1つの反射手段であって、少なくとも1つの反射器(206、208、210)を含む、少なくとも1つの反射手段と、を備える表面弾性波タグデバイスに関し、弾性波伝搬基板(202)がベース基板(226)及び圧電層(224)を含む複合基板(202)であり、ベース基板(226)に対する圧電層(224)の結晶方位が、圧電層(224)内部での、弾性波に対応する伝播方向へのせん断波の伝播を可能にするようなものである、ことを特徴とする。本発明は、物理量決定デバイス及びそのような表面弾性波タグデバイス(200)の製造方法にも関する。【選択図】 図2

Description

本発明は、RFID及びセンサ用途のための表面弾性波タグデバイスに関し、より詳細には、表面弾性波タグデバイスのための複合基板に関する。
表面弾性波(SAW)タグデバイスは、1980年代後半から高周波識別デバイス(RFID)タグとして使用されてきた。最新技術によると、SAWタグデバイスは、単一のトランスデューサ及びトランスデューサの片側に様々な遅延で配置された一組の反射器、並びにアンテナを有する圧電基板を備える。入射RF信号は、SAWタグに取り付けられたアンテナによって捕捉され、SAWタグをアクティブにし、SAWタグデバイスの反射応答として再送信される。
この種のデバイスの設計について考慮すべき性能指数は、電気機械結合係数k 、動作周波数の温度安定性、及びブラッグ条件での反射器の反射係数である。
SAWタグデバイスは、(YXI)/128°によって与えられる結晶方位のバルク圧電ニオブ酸リチウム(LiNbO)の表面を進むレイリー波の使用に依存している。電気機械結合係数k が5〜6%の場合、この構成により、数cm〜数メートルの距離で遠隔問い合わせすることができる、2.45GHzを中心とする周波数帯で動作するSAWタグを生成することが可能になる。
しかし、バルクのニオブ酸リチウムでレイリー波を使用すると、6%を超える電気機械結合係数k を得ることができず、したがって、デバイスに問い合わせることができる距離が制限される。
さらに、ニオブ酸リチウムは、実際には、遅延の温度係数(TCD)に対して最小約70ppm/Kの強い温度ドリフトを示し、これにより、温度以外の任意の他の物理的パラメータを測定するセンサとして使用することができるアーキテクチャを実現することが困難になる。
本発明の目的は、RFID及びセンサ用途のための、特に温度以外の物理的パラメータを測定するための改善された性能を有する、複合基板上に堆積させた表面弾性波(SAW)タグデバイスを提供することによって、前述した欠点を克服することである。
本発明の目的は、弾性波伝搬基板と、相互嵌合櫛形電極を含む、基板上に設けられた少なくとも1つのトランスデューサ構造と、少なくとも1つの反射手段であって、弾性波の伝播方向に、少なくとも1つのトランスデューサ構造に対して距離を置いて配置された少なくとも1つの反射器を含む、少なくとも1つの反射手段と、を備える、表面弾性波タグデバイスによって達成され、弾性波伝播基板がベース基板及び圧電層を含む複合基板であり、ベース基板に対する圧電層の結晶方位が、圧電層内部での、弾性波に対応する伝搬方向へのせん断波の伝搬を可能にするようなものである、ことを特徴とする。
このようなデバイスでは、ベース基板に対する圧電層の相対的な結晶方位に起因して、せん断波が圧電層内を伝播する支配的な波であり、最新技術のSAWタグデバイスのようなレイリー波ではない。せん断波の温度安定性は、提案された複合基板を使用すると、バルクLiNbOのレイリー波の温度安定性と比較して改善されるため、温度の測定に加えて、力、圧力などの機械的パラメータの測定にSAWタグデバイスの適用を拡張することが可能になる。さらに、考慮される複合基板におけるせん断波モードは、バルクLiNbOのレイリー波モードと比較して、より強い電気機械結合係数k を呈し、ベース基板に対する圧電層のこのような相対的な結晶方位を使用することにより、約2倍〜約5倍の電気機械結合係数k の増加ももたらされる。したがって、遠隔問い合わせのための距離を増大させたSAWタグデバイスを得ることが可能である。
本発明の変形形態によると、複合基板の圧電層は、タンタル酸リチウム(LiTaO)又はニオブ酸リチウム(LiNbO)とすることができる。
本発明の変形形態によると、圧電層は、ニオブ酸リチウムLiNbOであり、ベース基板に対する圧電層の結晶方位は、標準規格IEEE 1949 Std−176に準拠して(YXI)/θであり、θは、180°を法として0°〜100°、特に0°〜50°、又は140°〜180°の間に含まれる結晶方位の角度である。この特定の結晶方位の範囲では、せん断波モードは、圧電層の内部を進み、4000m/秒以上の高速伝播速度及び約65ppm/Kの絶対最大TCF値、並びに20%を超えるk 値を観察することができる。一般に、せん断波モードは、SAWタグの動作を可能にするのに十分な大きさの電気機械結合係数k を呈するが、これに対して、(YXI)/128°の方位に近いカット角度だけがこの目的のためにレイリー波を利用することを可能にする。したがって、[0°〜100°]及び[140°〜180°]の範囲のカット角度は、せん断波モードの使用に有利であり、レイリー波は、[100°〜180°]の範囲の任意の結晶カットを使用して利用することができる。
本発明の変形形態によると、圧電層は、タンタル酸リチウム(LiTaO)であり、ベース基板に対する圧電層の結晶方位は、標準規格IEEE 1949 Std−176に準拠して(YXI)/θであり、θは、180°を法として−30°〜90°、特に0°〜90°の間に含まれる結晶方位の角度である。この特定の範囲の結晶方位では、せん断波モードがレイリーモードよりも支配的であり、約4000m/秒の高速伝播速度と、−20ppm/K未満に含まれるTCFと、約3%〜12%のk 値と、を観察することができる。特に、20°〜60°の間に含まれるθの範囲に対して、さらに特に、180°を法として、36°程度又は42°程度のθに対して、TCFは、ゼロに近くなり得る。
本発明の変形形態によると、複合基板のベース基板は、シリコンである。圧電層をシリコンに転写するには、圧電ソース基板にイオン注入を使用して転写される層を規定し、ソース基板をシリコン基板に取り付け、熱処理又は機械的処理によって層を転写するスマートカット(SmartCut)(商標)のような大量生産方法を使用することができる。代替として、ダイヤモンド、サファイア、炭化ケイ素、溶融石英、又は石英結晶などのベース基板を使用することができる。複合基板のベース基板は、層状シリコン−絶縁体−シリコン基板に対応するシリコンオンインシュレータ基板(SOI)とすることができ、絶縁層は、SiO層とすることができることが好ましい。
本発明の変形形態によると、ベース基板は、シリカとタングステン、又はシリカと窒化ケイ素、又はシリカと窒化アルミニウムなどの交互に並んだ低/高音響インピーダンス層から構成されたブラッグミラーを含むこともできる。ブラッグミラーは、モードの放射された部分を圧電層に向けて反射することができ、デバイス構造に機械的安定性を追加することもできるため、ベース基板に向かうエネルギー損失を減少させる。
本発明の変形形態によると、ベース基板の少なくとも一部は、変形可能であってもよい。したがって、例えば、反射されたせん断波の飛行時間の差につながる圧力又は振動などの、変形から生じる機械的パラメータを測定することができるSAWタグデバイスを有することが可能である。
本発明の変形形態によると、反射手段の少なくとも1つの反射器は、1つ又は複数の金属ストリップを含み、前記金属ストリップは、互いに接続されていてもよく、又は接地に接続されていてもよい。前述したように金属ストリップを接続することにより、モノリシック(YXI)/128°LiNbO上のレイリー波の最先技術の状況とは対照的に、ブラッグ条件での反射器の反射係数が改善される。ブラッグ条件での反射器の反射係数の改善により、結果としてトランスデューサ構造による反射波の検出がより良好になる。したがって、最新技術のSAWタグデバイスと比較して、改善された応答信号を有するSAWタグデバイスを得ることが可能になる。
本発明の変形形態によると、少なくとも1つが前述したようなものである、2つ以上のSAWタグデバイスを備える物理量決定デバイスは、2つ以上のSAWタグデバイスのトランスデューサ構造に接続された、1つのみのタグアンテナをさらに備えることができる。本デバイスは、2つ以上のパラメータを測定することができ、これらのパラメータを1つのアンテナのみを使用して送信することができる。1つのアンテナのみを使用することにより、構造が単純化される。
本発明の変形形態によると、物理量決定デバイスに含まれる2つ以上のSAWタグデバイスのうちの1つのSAWタグデバイスは、表面弾性波共振器とすることができ、SAWタグデバイスのうちの少なくとも1つは、前述したようなものとすることができる。この物理量決定デバイスでは、SAW共振器により、物理パラメータの測定が行われるデバイスの識別が可能になる。SAW共振器により識別が可能になり、SAWタグデバイスのうちの少なくとも1つにより、例えば、温度又は圧力などの物理量の測定が可能になる。
本発明の変形形態によると、物理量決定デバイスの表面弾性波共振器は、物理量決定デバイスの表面弾性波タグデバイスのうちの少なくとも1つに対して、それらが2つの異なる表面弾性波伝播方向を有するように配置することができる。表面弾性波共振器の表面弾性波伝搬方向は、圧電層の結晶軸のうちの1つに平行であり、表面弾性波タグデバイスのうちの少なくとも1つの表面弾性波伝搬方向と角度ψをなすことが好ましい。その結果、角度ψは、表面弾性波共振器が物理量決定デバイスの所望の用途に必要な弾性波のタイプを生成することができるように、選択することができる。どちらのデバイスも、同じタイプの弾性波を使用することができ、両方とも、せん断波であるか、又はレイリー波であるか、或いは圧電層の配向及び選択された伝播方向によって可能になる任意の他のタイプの弾性波である。
本発明の変形形態では、表面弾性波共振器は、レイリー波を使用するように構成することができ、物理量決定デバイスの表面弾性波タグデバイスのうちの少なくとも1つは、せん断波を使用するように構成することができる。したがって、表面弾性波共振器が識別を行うことができ、表面弾性波タグデバイスのうちの少なくとも1つが測定を行うことができる。
本発明の変形形態によると、物理量決定デバイスは、温度及び/又は圧力及び/又は力を測定するように構成され、並びに/或いは識別を可能にするように構成されている。したがって、1つのSAWデバイスにおいて、デバイスの識別を可能にし、デバイスの物理パラメータのうちの1つ又は複数を測定することが可能になる。
本発明の目的は、a)ベース基板上に圧電層を設けるステップと、b)圧電層上にトランスデューサ構造を設けるステップと、を含む、SAWタグデバイスを製造する方法によっても達成され、ステップa)において、圧電層は、ベース基板に対する圧電層の結晶方位が、弾性波に対応するせん断波の伝播を可能にするようなものであるように設けられる。例えばスマートカット(商標)技術を使用した層転写を用いることができる。
本発明の変形形態によると、上述したSAWタグデバイスの製造方法は、ベース基板を薄くするステップをさらに含む。例えば、ベース基板の薄化は、振動質量又は膜を生み出すことができる。この構成では、SAWタグデバイスは、力又は変形を測定することができる。
本発明の変形形態によると、ベース基板を薄くするステップは、圧電層が取り付けられている表面の反対側の表面の一部を薄くするステップを含む。したがって、SAWタグデバイスは、SAWタグデバイスが変形に対して敏感になるように、ベース基板の薄くなった部分の真上に配置することができる。
本発明の変形形態によると、ベース基板を薄くするステップは、湿式若しくは乾式のエッチング、研削又は化学機械研磨によって行われる。
本発明の変形形態によると、ベース基板は、半導体オンインシュレータ(SOI)基板とすることができ、半導体オンインシュレータ(SOI)基板の絶縁体層は、ベース基板を薄くするステップに対するエッチストップとして機能することができる。このようなSOI基板をベース基板として使用することにより、ベース基板の裏面のエッチングされた部分の厚さを正確に制御することが可能になる。
本発明は、添付の図面と併せて以下の説明を参照することによって理解することができ、参照番号は、本発明の特徴を識別している。
最新技術による表面弾性波タグデバイスを示す図である。 本発明の第1の実施形態による表面弾性波タグデバイスを示す図である。 圧電層とベース基板との間に100nmのSiO層を有する、本発明による複合基板を使用する表面弾性波タグデバイスの特性を示す図である。 圧電層とベース基板との間に100nmのSiO層を有する、本発明による複合基板を使用する表面弾性波タグデバイスの特性を示す図である。 本発明による複合基板に対する、X軸上の結晶方位角度θ及びY軸上の伝搬角度ψの関数としてプロットされたビームステアリング効果ηと電気機械結合係数k の値を示す図である。 本発明の第2の実施形態による2つの表面弾性波タグデバイスを備える物理量決定デバイスを示す図である。 本発明による表面弾性波タグデバイス及びSAW共振器デバイスを備える、本発明の第3の実施形態による物理量決定デバイスを示す図である。 本発明の第4の実施形態による2つの表面弾性波タグデバイスを備える物理量決定デバイスを示す図である。 本発明による表面弾性波タグデバイスを製造するための方法のステップの概略図である。 本発明の別の実施形態による表面弾性波タグデバイスを製造するための方法のステップの概略図である。
図1は、最新技術による表面弾性波タグデバイス100を示す。
SAWタグデバイス100は、トランスデューサ構造104を有する基板102と、図1に示すような伝播方向Xに、トランスデューサ構造104の片側に様々な遅延で配置された一組の反射器106、108、及び110と、を備える。これらの反射器106、108、及び110は、1つ又は複数のアルミニウムストリップ112を含む。SAWタグデバイスは、トランスデューサ構造104に接続されたアンテナ114も備える。
トランスデューサ構造104は、それぞれが複数の電極フィンガ120、122をそれぞれ含む、2つの相互嵌合櫛形電極116及び118を含む。
トランスデューサ構造104が設けられる基板102は、図1に示されるように結晶軸X、Y、及びZを有する圧電バルク材料である。例として本明細書に記載される圧電バルク材料102は、特に結晶カット(YXI)/128°又はYZを有するニオブ酸リチウムLiNbOであってもよい。
反射器に基づくSAWタグデバイス100の動作原理が図1に概略的に示されている。遠隔読み取り器124は、トランスデューサ構造104に直接接続されたタグアンテナ114によって受信される電磁要求パルス126を放射する。トランスデューサ構造104は、電磁信号126を表面弾性レイリー波128に変換し、この表面弾性レイリー波128が、図1に示される圧電材料102の結晶方向Xに沿って、基板102の表面に沿って伝搬する。
次いで、表面弾性波128は、基板102上のトランスデューサ構造104から所定の位置に配置された反射器106、108、及び110によって部分的に反射130、134、138され、部分的に透過132、136される。トランスデューサ構造104に戻る反射された表面弾性波130、134、及び138は、反射器106、108、110の位置に基づいたコードを担持する。この符号化方法は、反射パルスの時間遅延に基づいている。反射された表面弾性波130、134、及び138がトランスデューサ構造104に戻ると、音響信号は、電気的形態に再変換され、タグアンテナ114によって再送信される。次いで、応答信号が読み取り器124によって検出され、復号化される。
SAWタグデバイスは、圧電材料の結晶方向Xの伝播方向に伝播する表面弾性波としてレイリー波を使用する。
SAWタグデバイスは、遠隔問い合わせすることができるセンサとして使用され、物理量の無線測定を提供する。この物理量が何であれ、絶対物理量の測定を保証するために、又はセンサに影響を与える相関する外部摂動を抑制するために、差動測定を実施するのが好ましい。
多くの環境パラメータの変化に対するSAWセンサの感度のために、センサにおいてある種の基準信号又はセンサシステムにおいて1つ若しくは複数の基準デバイスを使用するのが通例であった。
SAWタグデバイスの熱ドリフトは、数10ppm/Kであるため、SAWタグデバイスを使用して力、圧力などの機械的パラメータを測定する場合、SAWタグデバイスによってアクセス可能な全体の測定値からこの大きさを減算するために、温度を測定する必要がある。
図2は、本発明による表面弾性波タグデバイスを示す。
SAWタグデバイス200は、トランスデューサ構造204、特に1つトランスデューサ構造のみを有する基板202と、図2に示すように伝播方向Xに、トランスデューサ構造204の片側に、様々な遅延で配置された一組の反射器206、208、及び210と、を備える。これらの反射器206、208、及び210は、通常、1つ又は複数の金属ストリップ212、例えば、アルミニウムストリップを含む。SAWタグデバイス200は、トランスデューサ構造204に接続されたアンテナ214も備える。
変形形態では、反射器206、208、及び210は、トランスデューサ構造204の両側に配置することもできる。別の変形形態では、反射器の組は、より多い又はより少ない反射器を含み、各反射器は、より多い又はより少ない金属ストリップ212を有することができる。
本発明の変形形態では、反射器の金属ストリップ212は、互いに接続されていても、及び/又は短絡されていてもよい。これにより、モノリシック(YXI)/128°LiNbO上のレイリー波の最新技術の状況とは対照的に、ブラッグ条件での反射器の反射係数の改善がもたらされる。ブラッグ条件では、電気的及び機械的負荷に起因する反射波は、ブラッグ条件での反射器の反射係数の改善により、結果としてトランスデューサ構造204による反射波の検出がより良好になるように同相である。
トランスデューサ構造204は、それぞれが複数の電極フィンガ220、222をそれぞれ含む2つの相互嵌合櫛形電極216及び218を含む。
従来技術とは対照的に、トランスデューサ構造204が設けられる基板202は、複合基板である。複合基板202は、ベース基板226の上に形成された結晶軸X、Y、及びZを有する圧電材料224の層を含む。
本実施形態の圧電層224は、ニオブ酸リチウムLiNbO、好ましくは、標準規格IEEE 1949 Std−176に準拠して(YXI)/θとして定義されるベース基板に対する結晶方位を有し、0°<θ<100°又は140°<θ<180°のLiNbOであり、又はタンタル酸リチウムLiTaO、好ましくは、標準規格IEEE 1949 STD−176に準拠して(YXI)/θとして定義されるベース基板に対する結晶方位を有し、θが30°〜90°であるLiTaOである。圧電層224は、好ましくは単結晶である。
ベース基板226上に形成された圧電層224の厚さは、1波長λ以下のオーダであり、特に約2μm以下、特にλ/4、さらに特にλ/10のオーダである。ここで、1波長λは、ブラッグ条件に対して定義されるように、トランスデューサ構造204の機械的周期の2倍である。ベース基板226の厚さtは、その熱膨張を圧電層224に課し(impose)、温度変化に対するトランスデューサの感度を低下させるように、圧電層224の厚さよりも大きくなければならない。好ましい状況は、圧電層224の厚さよりも少なくとも10倍、特に50100倍大きいベース基板226の厚さに相当し、これは、250〜500μmに等しいベース基板の厚さに相当する。
本発明の第1の実施形態で使用されるベース基板226は、シリコン基板である。シリコン基板の配向は、例えば(110)、(111)、又は(001)などの他の結晶方位と比較して弾性波伝搬速度がより高いために、好ましくは(100)であるが、これらの他の結晶方位も使用することができる。Siの温度膨張係数は、2.6ppm/℃近辺にあるため、SAWタグデバイスの組み合わされた温度膨張係数は、一般に、圧電層224の厚さ及び接合界面228における応力レベルに応じて、2.6ppm/℃から、使用される圧電材料224の温度膨張係数までの範囲内にある。複合基板202の温度膨張係数を効果的に低下させることにより、トランスデューサ構造204の周波数の温度係数(TCF)の低下がもたらされる。圧電層224の熱膨張よりも小さく、最大で10倍小さい、又はそれ以上に小さい熱膨張を呈し、したがって、全体的な複合熱膨張を課し、TCFの低減と同様に最適なTCF制御をもたらすベース基板226を使用することも有利である。
前述したように、ベース基板226に異なる材料を使用することによって、設計の柔軟性を向上させることができる。シリコンの代わりに、ダイヤモンド、サファイア、炭化ケイ素、窒化アルミニウム、溶融石英、又は石英結晶などの高い弾性波伝搬速度を有する他の基板材料、より一般的には、4500m/秒以上の低速せん断バルク波速度(SSBW速度)を呈する任意の材料を選択することができる。低速せん断バルク波速度は、ベース基板の配向に敏感であり、例えば、(111)シリコンに対しては、その速度は、約4500m/秒であるのに対し、(100)シリコンに対しては、その速度は、約5700m/秒である。
また、シリコンよりも熱膨張が小さい材料、すなわち、例えば、一部のアモルファス石英組成物、又はパイレックスガラス、又はマイカ、又は炭化ケイ素は、結果として得られるデバイスのTCFを制御するためのベース基板として有利に使用することができる。
本発明の変形形態では、ベース基板は、圧電材料の最上層の近くにトラップリッチ層をさらに含むことができ、前記トラップリッチ層は、ベース基板の絶縁性能を改善し、例えば、多結晶シリコン、アモルファスシリコン、又は多孔質シリコンなどの、多結晶材料、アモルファス材料、又は多孔質材料のうちの少なくとも1つによって形成することができるが、本発明は、そのような材料に限定されない。
変形形態では、ベース基板は、半導体オンインシュレータ(SOI)基板であってもよい。シリコンオンインシュレータ基板(SOI)は、層状シリコン−絶縁体−シリコン基板に相当する。絶縁層は、SiO層とすることができる。
本実施形態では、圧電材料層224のベース基板226への取り付けを改善するために、圧電層224とベース基板226との間の表面228に薄いSiO層230が設けられている。SiO層230は、100nmの厚さであるが、変形形態では、SiO層230の厚さは、変化してもよく、100nmよりも厚くても薄くてもよく、特に10nm〜6μmの間で変化してもよい。誘電体SiO層230の存在は、電気化学結合係数k 、複合基板202の温度安定性、並びに波の位相速度を変更することができる。この影響は、層の厚さに依存し、例えば、SiO層の厚さを増加させると、波の位相速度が低下する。したがって、SiO層230の厚さは、SAWタグデバイスの所望の用途にとって必要な電気化学結合係数k 、複合基板202の温度安定性、及び波の位相速度を得るために、複合基板202の特性を最適化するパラメータを表す。
1%〜25%以上の強い結合と、周波数の温度係数TCFが異なる材料の組合せによる温度安定性と、高い弾性波伝搬速度と、の組合せを有する複合基板202により、SAWタグデバイス200の性能が向上する。
さらに、本実施形態では、そして本発明によると、ベース基板226に対する圧電材料層224の相対的な結晶方位に起因して、せん断波が圧電層224の結晶方向Xに伝播する支配的な波であり、最新技術のSAWタグデバイスのようなレイリー波ではない。複合基板202上のせん断波の温度安定性は、モノリシック(YXI)/128°LiNbO上のレイリー波の温度安定性よりも優れているため、温度の測定に加えて、力、圧力などの機械的パラメータの測定にSAWタグデバイスの適用を拡張することが可能になる。
さらに、LiTaO層に基づく複合基板上のせん断波モードは、5.8%程度の電気機械結合係数k を有するモノリシック(YXI)/128°LiNbOのレイリー波モードと比較して、10%を超えるより強い電気機械結合係数k を呈することができる。例えば、圧電材料層としてベース基板に対してLiTaO(YXI)/42°の結晶方位を使用すると、11.3%程度のより強い電気機械結合係数k が達成され、電気機械結合係数k が約2倍増加することになる。LiNbOベースの複合ウエハについては、20%を超える電気機械結合係数k を達成することでき、したがって約5倍の電気機械結合の増加を達成することができる。電気機械結合のこの増加により、遠隔問い合わせの距離が増加したSAWタグデバイスがもたらされる。
最後に、本発明による複合基板上のせん断波モードは、モノリシック(YXI)/128°LiNbO上のレイリー波モードよりも約5〜10%速い、4000m/秒を上回る又はそれに類似した速度で伝播し、これは、モノリシック(YXI)/128°LiNbOではなく、LiTaO/シリコンベース基板の複合基板を使用すると、所与の周波数、例えば2.45GHzの場合、SAWタグデバイスの電極フィンガの幅がより大きくなるため、技術的な製造上の観点から有利である。
図3a及び図3bは、シリコンベース基板、厚さ100nmのSiO誘電体層、及び厚さ500nmの圧電層を有する複合基板のレイリーモード並びに純粋なせん断波モードの分散曲線を示す。
図3aの場合、圧電材料としてLiNbOが使用されているが、図3bについては、LiTaOが使用されている。動作周波数は、2.45GHzである。
図3a及び図3bは、それぞれ、せん断モード及びレイリーモードの両方について、左のY軸にガイド波の位相速度(m/秒)を、右のY軸に電気機械結合係数k (%)及びTCF(ppm/K)の値を、X軸のベース基板に対する圧電層のカットの回転角度θの関数としてプロットしている。
図3aからわかるように、ニオブ酸リチウムの場合、実質的にすべてのせん断モードは、SAWタグデバイスの用途に適した電気機械結合係数k の値を有している。ニオブ酸リチウムを用いたせん断波を使用するための好ましい構成は、50〜65ppm/Kの間に含まれるTCFの最大絶対値、すなわち、50ppm/Kを超えるTCDを利用するために、0°〜100°又は140°〜180°のカット角度に対応する。基本的な対称性の理由から、波の特性は、角度θ(X軸の周りの回転)に対して180°ごとに同一であることがわかることに留意されたい。実際、SAWタグデバイスの動作は、これらの構成の最大電気機械結合係数k が20%よりも大きいことを考えると、0°〜+50°の角度θで使用する必要がある。
圧電材料のX結晶軸方向に沿ったせん断波の伝播軸の使用は、せん断波に対して、電気機械結合係数k が最大になるため、好ましいが、レイリー波に対しては、このような構成では、波面方向とエネルギー方向との差であるビームステアリング効果が発生しない。しかしながら、対応する電気機械結合係数k が5%を超え、特に3%以上であることを条件として、他の伝搬方向は、SAWタグ用途に依然として使用可能である。
図3bからわかるように、タンタル酸リチウムのレイリーモードは、3%を超える電気機械結合係数k に達していない。一方、電気機械結合係数k が3%〜12%の場合、純粋なせん断波は、180°を法として角度範囲−30°/+90°で利用可能である。
さらに、角度範囲0°〜+90°では、20ppm/K未満のTCFの絶対値が達成され、これは、圧力や、応力の組合せ(トルク、加速度、力、振動など)を含む任意のパラメータなどの、温度とは異なる物理的パラメータの測定に適した値である。これらの結晶カット構成は、温度に関連しないあらゆる用途に特に有利であると思われる。
θが20°〜60°の間に含まれ、特にθが36°に等しく、したがって(YXI)/36°カットのタンタル酸リチウムの(YXIt)/θカットについては、TCFは、ゼロに近いことが、さらにわかる。
さらに、TCFは、角度範囲−30°/0°において温度の測定に適合していることがわかる。
タンタル酸リチウムは、−50〜+5ppm/Kの「調整可能な」温度感度をさらに呈し、その自由度を利用することができる。ニオブ酸リチウムは、これとは対照的に、絶対値で50ppm/Kを超えるTCFを示す。
熱の影響を受けにくい、又は影響さえ受けない基板にアクセスすることができるという事実により、物理量、特に機械的特性を簡単かつ効率的な方法で測定することができる。センサが熱の影響を受けない場合、機械的特性の測定において熱変動によって引き起こされる干渉が低減する。したがって、図1のような最新技術によるSAWセンサを使用する場合のように、関心のある機械的特性の測定値を取得することが、より簡単かつより効率的になる。
図4は、SiOオンシリコン基板上のタンタル酸リチウムについて、ビームステアリング効果η及び電気機械結合係数k の値を、X軸にプロットされた結晶方位の角度θ及びY軸にプロットされた伝播角度ψの関数として示す。
スカラー機械的変位場を呈するせん断波については、任意の伝播方向を考慮することができる。しかしながら、X軸などの結晶方向に沿って伝播するとすぐに、せん断場とサジタル変位場との間の混合を示すビームステアリングが生じる。それにもかかわらず、ゼロビームステアリング角とともに3%を超える電気機械結合係数k を達成することができる結晶カットファミリが存在する。
図4によると、この結晶方位領域は、(YXwIt)/Φ/θ/ψによって定義され、Φ=0°、80°<θ<150°、50°<ψ<80°である。この領域では、結合係数は、ゼロに近いか又は等しいビームステアリング角で、7.0%を超えることがある。
せん断波に対しては、X軸に沿った伝播方向を使用して、電気機械結合係数k を最大化することができる。
図5aは、本発明の第2の実施形態による2つの表面弾性波タグデバイスを備える物理量決定デバイスを示す。
図5aに示す物理量決定デバイス300は、本発明による2つの表面弾性波タグデバイス302及び304を備える。物理量決定デバイス300は、様々な物理パラメータ、例えば、温度及び圧力を測定することができるマルチ物理センサに相当する。
変形形態では、物理量決定デバイス300は、本発明による3つ以上の表面弾性波タグデバイスを備えることができる。
2つの表面弾性波タグデバイス302及び304のそれぞれは、トランスデューサ構造306と、図5aに示すように、伝播方向Xにトランスデューサ構造306の片側に様々な遅延で配置された一組の反射器308、310、及び312と、を含む。反射器308、310、及び312は、トランスデューサ構造306の両側に配置することもできる。トランスデューサ構造306は、それぞれが複数の電極フィンガ318を含む2つの相互嵌合櫛形電極314及び316を備える。反射器308、310、及び312は、通常、1つ又は数個の金属ストリップ320を含む。
SAWタグデバイスは、トランスデューサ構造306に接続されたアンテナ322も備える。本実施形態では、アンテナ322は、2つのSAWタグデバイス302、304の両方のトランスデューサ構造306に実際に接続している。本発明の一態様によると、いくつのSAWタグデバイス302、304が使用されるかとは無関係に、1つのアンテナ322のみが使用される。本発明の他の一態様によると、各SAWタグデバイスは、問い合わせ距離を有利にするために、それ自体のアンテナに結合されてもよい。
本実施形態では、2つの表面弾性波タグデバイス302及び304は、互いに接続されている。接続は、直列又は並列のいずれかとすることができる。変形形態では、それらは、互いに接続されていなくてもよい。
本実施形態では、2つの表面弾性波タグデバイス302及び304は、同じ構造を有し、これは、それらのトランスデューサ構造306、反射器308、310、及び312、並びにそれらの設計が同じ寸法を有することを意味する。本実施形態の変形形態では、これらは、意図された用途に適合するように異なる寸法を有することもできる。
トランスデューサ構造306、並びに反射器308、310、及び312が設けられている基板324は、第1の実施形態の複合基板202と同じであり、したがって、その特徴については再び詳細に説明しないが、その説明については上記を参照されたい。
本実施形態では、2つの表面弾性波タグデバイス302及び304は両方とも、温度又は機械的量などの物理量をそれぞれ決定するためのセンサとして使用することができる。
物理量決定デバイス300では、ベース基板226に対する圧電層224の相対的な結晶方位に起因して、せん断波が圧電層224内を伝播する支配的な波である。せん断波の温度安定性は、従来技術のデバイスで使用されるようなレイリー表面波の温度安定性よりも優れているため、SAWタグデバイスの適用を、温度以外のパラメータ、特に力、圧力などの機械的パラメータの測定に拡張することが可能になる。
さらに、例えば、複合基板上のLiTaO(YXI)/42°上でせん断波を使用した場合、得られる電気機械結合係数k は、約11.3%であり、これは、モノリシック(YXI)/128°のLiNbO上でレイリー波を使用した場合の約2倍の大きさに相当し、これらの最新技術のデバイスでは5.8%程度の電気機械結合係数k が得られている。LiNbOベースの複合ウエハに対しては、角度θが[0°〜50°]の範囲で定義される(YXI)/θのLiNbOカットを考慮すると、20%を超える電気機械結合係数k を達成することができ、これは、上述したような最新技術のデバイスの約5倍の大きさに相当する。この結果、両方のSAWタグデバイスを1つのアンテナのみに結合させることが可能になり、これは、上述したレイリー波を使用している場合には、少なくとも極めて不利である。実際、レイリー波の場合、結合係数が低いため、エネルギー損失が大きくなる。したがって、物理量決定デバイス300の設計は、より簡単になり、その適用可能性を拡張する。
図5bは、本発明の第3の実施形態による、2つの表面弾性波タグデバイスを備える物理量決定デバイスを示し、それらのうちの少なくとも1つが本発明によるものである。
図5bに示す物理量決定デバイス400は、第2の実施形態の物理量決定デバイス300と同様に、2つの表面弾性波タグデバイス402及び404を備え、相違点は、表面弾性波タグデバイス402の一方をセンサとして使用することができ、もう一方の表面弾性波タグデバイス404を識別のために使用することができるということである。したがって、物理量決定デバイス400は、1つの基板424のみを使用して、識別及び測定活動の両方を提供することができる。
物理量決定デバイス400の基板424は、第1の実施形態の複合基板202と同じであり、したがって、その特徴については再度詳細に説明しないが、その説明については上記を参照されたい。
変形形態では、物理量決定デバイス400は、本発明による3つ以上の表面弾性波タグデバイスを備えることができ、それらのうちの1つは、識別のために使用され、他は、センサとして使用される。
SAWタグデバイス404又は共振器が識別を可能にし、SAWタグデバイス402が物理量、例えば温度の測定を可能にする。SAW共振器は、一般に、共振周波数を測定パラメータとして使用するが、SAWタグセンサは、遅延線の時間遅延又は圧縮された信号応答を、測定量を示すためのパラメータとして使用する。
SAWタグデバイス402及びSAW共振器404は、異なる周波数で、例えば、SAWタグデバイスに対しては2.45GHz、及びSAW共振器デバイスに対しては434又は866MHzで動作することができる。共振器及び遅延は、原理的に同じ性能指数を必要としないため、両方のデバイスは、同じベース基板226上に作製することができ、異なるタイプのモードを使用することができる。例えば、SAWタグデバイス402は、6%を超える電気機械結合係数k を有するせん断波を使用することができ、一方、SAW共振器デバイス404は、0.1〜0.5%の範囲の電気機械結合係数を有するレイリー波を使用することができる。2つのSAWデバイス402、404は、図4bに示すように、特定の伝播方向、例えば、SAWタグデバイス402に対してはLiTaO(YXI)/42°、及びSAW共振器デバイス404のレイリー波に対してはLiTaO(YXIt)/42°/90°を利用することができる。
本実施形態では、SAWタグデバイス402及びSAW共振器デバイス404は、異なる構造を有し、これは、それらのトランスデューサ構造406、408それぞれと、反射器410、412、及び414とが、異なる設計及び/又は寸法を有することを意味する。本実施形態の変形形態では、これらは、意図された用途に適合するように同じ寸法及び/又は設計を有することもできる。
本実施形態では、トランスデューサ構造406、408、並びに反射器410、412、及び414は、第2の実施形態のトランスデューサ構造306、並びに反射器310、312及び314と同じ特徴、すなわち、相互嵌合櫛形電極314及び316、電極フィンガ318、並びに金属ストリップ320を有し、より詳細についてはそれらの上記の説明を参照されたい。
図5bでは、SAWタグデバイス402の弾性波の伝搬方向は、複合基板424の圧電層224の結晶方向Xに沿っており、一方、SAW共振器デバイス404の弾性波の伝搬方向は、圧電層224の結晶方向Xと比較して角度ψだけ回転している。標準規格IEEE 1949 Std−176に準拠して、複合基板424の圧電層224のカットは、SAWタグデバイス402に対しては(YXI)/θ、及びSAW共振デバイス404に対しては(YXIt)/θ/ψとして定義される。
図5bでは、角度ψは、90°の値を有するが、本実施形態の変形形態では、用途に必要なSAW共振器デバイス404によって生成される弾性波のタイプに応じて、ψの別の値を使用することができる。
図5bでは、90°の角度ψは、SAWタグデバイス402がせん断波を使用し、一方、SAW共振器デバイス404がレイリー波を使用するという結果をもたらす。本実施形態の変形形態では、SAWタグ402及び共振器404デバイスは両方とも、同じタイプの弾性波を使用することができ、両方ともせん断波であるか、又はレイリー波であるか、又は選択された圧電層224の配向によって可能になる任意の他のタイプの弾性波である。
SAW共振器デバイス404がSAWタグデバイス402に対して90°の角度ψで配置されているということは、SAW共振器デバイス402のトランスデューサ構造406、並びに反射器410、412、及び414も、SAW共振器デバイス404のトランスデューサ構造408、並びに反射器410、412、及び414に対して90°の角度ψで配置されていることを意味する。
SAWタグデバイス402及びSAW共振器デバイス404は、同じアンテナ422に接続されている。本実施形態の変形形態では、各SAWデバイス402、404は、それ自体のアンテナを有することができる。
SAWタグデバイス402とSAW共振器デバイス404も互いに接続されている。接続は、共振器がSAWタグよりも低い周波数で動作すると仮定すると、高周波での共振器の寄与に依存する。この場合、SAWタグデバイスは、共振器の純粋なコンデンサとして振る舞い、並列又は直列に接続することができるが、最も好ましくは直列であり、そうでなければ、共振器の容量よりも本質的にはるかに大きいSAWタグデバイスの容量が、共振器の電気機械結合を無効にすることになる。
各SAWデバイス402、404がそれ自体のアンテナを有する変形形態では、SAWタグデバイス402及びSAW共振器デバイス404は、それらが同じ帯域/周波数動作を共有しないため、独立して機能することもできる。
図5bでは、デバイスは両方とも同じ圧電材料224上に作製されているが、本実施形態の変形形態では、SAWタグデバイス402は、第1の圧電材料を含むことができ、SAW共振器デバイス404は、第2の圧電材料を含むことができ、第1及び第2の圧電材料は両方とも、同じベース基板226の上にある。
図5cは、本発明の第4の実施形態による2つの表面弾性波タグデバイスを備える物理量決定デバイスを示す。
図5cに示す物理量決定デバイス500は、第2の実施形態の物理量決定デバイス300と同様に、2つの表面弾性波タグデバイス302及び304を備えており、したがって、その特徴については再び詳細に説明しないが、その説明については上記を参照されたい。
変形形態では、物理量決定デバイス500は、本発明による3つ以上の表面弾性波タグデバイスを備えることができる。
トランスデューサ構造306、並びに反射器308、310、及び312が設けられている物理量決定デバイス500の基板502は、第1の実施形態の複合基板202と同じであり、したがって、その特徴については再び詳細に説明しないが、その説明については上記を参照されたい。
物理量決定デバイス500は、物理量決定デバイス500の側断面図において、図5cに示すように、ベース基板504をくり抜いて、表面弾性波タグデバイスの一方の下に特定の厚さの材料のみを残すように、物理量決定デバイス500の複合基板502のベース基板504を部分的に薄くすることができるという点で、第2実施形態の物理量決定デバイス300とは異なる。
圧電材料506及びベース基板504に応じて、ベース基板504は、図5cに示すように、その表面508の薄化プロセスによってくり抜かれ、SAWタグデバイス304の下に厚さtのベース基板504のみを残すことができる。図5cでは、ベース基板504の表面508は、SiO層512を介して圧電材料506がベース基板504に取り付けられている表面510の反対側の表面である。この種のアーキテクチャを使用して、温度変動を補償することができ、したがってデバイスの温度に対する感度を下げることができる。
さらに、シリコンベース基板504を、その表面508で薄くすることができるという事実により、ベース基板504の領域514の結果として生じる厚さを、振動、圧力などに反応するのに十分に薄くすることができるため、シリコンベース基板504の領域514を変形可能にすることができる。
領域514は、圧電層506の上に設けられた2つの表面弾性波タグデバイス302又は304の一方の下に位置する。図5cでは、ベース基板504の薄化領域514は、表面弾性波タグデバイス302の下にのみ位置している。
変形形態では、薄化領域514は、2つの反射器の間、すなわち、308と310との間、最終的には310と312との間のベース基板524に配置することもできる。
したがって、SAWタグデバイス302の下のベース基板504の薄化領域514の存在により、SAWタグデバイス302を、圧力、振動などの機械的パラメータを測定するために使用することができる。ベース基板504の薄化領域514の振動又は圧力の変化は、反射器によって反射されるモードの時間遅延の変動につながる。時間遅延のこれらの変動は、SAWタグデバイス302のトランスデューサ構造によって検出され、振動又は圧力パラメータを測定することを可能にする。
変形形態によると、ベース基板の表面の薄化は、物理量測定デバイスのセンサとして機能するSAWタグデバイスのそれぞれの下で行うことができる。図4bに示すような物理量測定デバイスの構成も利用することができる。
図6は、図5cに示すような、本発明による表面弾性波タグデバイスを製造するための方法のステップの概略図を示す。
本方法は、複合基板604を形成するためにベース基板602上に厚さtを有する圧電層600を設けるステップa)を含む。
本発明による複合基板604を実現するために、プロセスのステップa)において、ベース基板602が用意される。ベース基板602は、シリコンベース基板、或いはダイヤモンド、サファイア、炭化シリコン、窒化アルミニウム、溶融石英、又は石英結晶などの、高い弾性波伝搬速度を有する任意の他の基板材料である。
圧電層600は、単結晶ニオブ酸リチウム(LiNbO)又はタンタル酸リチウム(LiTaO)のいずれかである。ベース基板602上に形成された圧電層600の厚さtは、波長λのオーダであり、特に波長よりも小さく、例えばλ/4、又はさらにλ/10、さらに特に0.5μmである。
複合基板602では、ステップa)に示すように、圧電層600は、圧電層600が、ベース基板602に対して、弾性波に対応するせん断波の伝播を可能にするような結晶方位を有するように設けられている。
圧電材料層600がニオブ酸リチウムLiNbOである場合、ベース基板602に対する圧電材料LiNbOの結晶方位は、標準規格IEEE 1949 STD−176に準拠して(YXI)/θであり、θは、180°を法として、0°〜100°、特に0°〜50°、又は140°〜180°の間に含まれる結晶方位の角度である。
タンタル酸リチウムLiTaOが圧電材料層600として使用される場合、ベース基板602に対する圧電材料LiTaOの結晶方位は、標準IEEE 1949 Std−176に準拠して(YXI)/θであり、θは、180°を法として、−30°〜90°、特に20°〜60°の間に含まれる結晶方位の角度である。
圧電層600を設ける前に、ベース基板602の上に薄い100nmのSiO層606が設けられ、取り付けを改善する。SiO層は、Siベース基板602上に自然に存在してもよく、又は堆積技法を使用して形成されてもよい。
取り付け前に、取り付けが行われる圧電層600の側面及び/又はベース基板602の側面608の研磨などの、追加の処理ステップを追加することができる。
ベース層602の上に圧電層600を設けることは、層転写プロセス、例えば、SmartCut(商標)プロセスを使用して実現することができる。層転写プロセスの間、転写される層を含むソース基板は、好ましくは接合によってハンドル基板に取り付けられる。熱処理及び/又は機械的処理に続いて、圧電層600が所定の分割ゾーンで剥離され、以て、ハンドル基板、ここではベース基板602上に転写される。
ステップb)によると、トランスデューサ構造610は、層堆積ステップとパターニングステップの組合せを使用して、圧電層600上に形成される。図2からわかるように、トランスデューサ構造610は、それぞれが複数の電極手段612及び614をそれぞれ含む2つの相互嵌合櫛形電極を含む。相互嵌合櫛形電極並びにそれらのそれぞれの電極手段612及び614は、導電性金属、例えばアルミニウム、又はアルミニウム合金、又はタングステンで形成される。
本方法は、層堆積ステップとパターニングステップの組合せを使用して、圧電層600上に一組の反射器616、618、及び620を形成するステップも含む。反射器616、618、及び620は、通常、1つ又は複数の金属ストリップ622、例えばアルミニウムを含み、トランスデューサ構造610の片側、ここでは図5の伝播方向xの右側に位置する。これらの反射器は、トランスデューサ構造610から所定の距離に配置される。
SAWタグデバイス624に使用される層、それらの材料、それらの厚さ、及び結晶方位の選択は、所定の電気機械結合係数k 、所定の周波数温度係数TCF、及び圧電層600内を進む音響せん断波の弾性波伝搬速度を達成するように行われる。
本方法は、アンテナを形成するステップも含む。
上述したように、2つ以上のSAWタグデバイスを圧電層600上に設けることができる。これらは、すべて同時に製造することができる。
図5による実施形態を達成するために、本方法は、ベース基板602を薄くするステップc)をさらに含む。
本発明の変形形態によると、ベース基板602を薄くするステップc)は、圧電層600がSiO層606を介してベース基板602に取り付けられている表面608の反対側のベース基板602の表面628を、トランスデューサ構造610と反射器616、618、及び620との間に位置する寸法Rによって規定される領域630にわたって薄くするステップ626を含む。薄化は、深掘り反応性イオンエッチングなどの乾式エッチング技法、又はKOH若しくはTMAHエッチングなどの湿式エッチングプロセス、研削、化学機械研磨、或いは任意の他の機械的プロセスによって達成することができる。マスク又は保護層632を、ベース基板602の側面628上に使用して、エッチングされるベース基板602の寸法Rの領域630を規定することができる。このマスク又は保護層632は、その後、薄化ステップの後、又は製造プロセスの終了時に除去することができる。
図6dに示す薄化の結果、ベース基板602の薄化領域636の厚さtは、ベース基板602の残りの部分の厚さtよりも小さくなる。薄化ステップ626は、ベース基板602の寸法Rの領域636の、結果として生じる厚さtを振動、圧力、又は力などの下で変形させるのに十分な薄さにすることができるため、変形可能なベース基板602の領域636を提供する。
図6dの最終的な表面弾性波タグデバイス638に示すように、ベース基板602の表面628の薄化ステップ626は、ベース基板602の表面628の寸法Rの領域636にわたって行うことができる。しかし、この薄化ステップにより、結果として、Rが、薄化ステップ626が行われる領域の寸法Rよりも小さいか又は大きく、厚さtがtよりも小さい、寸法Rのベース基板602の領域636を得ることができる。したがって、ベース基板602の領域636は、tとtとの間で変化する厚さを有することができる。
変形形態では、薄化領域636は、2つの反射器の間、すなわち308と310との間、最終的には618と620との間のベース基板602に配置することもできる。
図6dでは、最終的な表面弾性波タグデバイス638の場合、周辺部のベース基板602の厚さtは、ベース基板602の中心の厚さtよりも大きい。したがって、領域636内のベース基板602の残りの材料が温度挙動を課すため、温度の影響とは無関係に測定を行うための所望の温度安定性を依然として達成することができる。
複合基板604上に2つ以上のSAWタグデバイスを使用する場合に、物理量測定デバイスが少なくとも2つのSAWタグデバイス又はそれらの一部のみを含む場合、ベース基板602の表面628の薄化ステップ626は、物理量測定デバイスのセンサとして機能するSAWタグデバイスのそれぞれの下で行うことができる。
図7は、本発明の別の実施形態による表面弾性波タグデバイスを製造するための方法のステップの概略図を示す。
本方法は、図6に示す方法に基づいているが、表面弾性波タグデバイス用のベース基板602の代わりに、シリコンオンインシュレータ(SOI)ベース基板704が使用されている。したがって、図7a〜図7dに示すステップは、図6a〜図6dに示すステップに対応する。
複合基板700は、ベース基板704の上に形成された圧電材料702の層を含み、ベース基板704は、シリコンオンインシュレータ基板(SOI)である。シリコンオンインシュレータ基板(SOI)は、層状のシリコン−絶縁体−シリコン基板に相当する。絶縁層706は、SiO層とすることができる。絶縁層706は、ベース基板704の表面708から深さdに配置されている。
薄い100nmのSiO層710が、圧電層702を設ける前の表面712において、ベース基板704の上に設けられ、取り付けを改善する。SiO層は、Siベース基板704上に自然に存在してもよく、又は堆積技術を使用して形成されてもよい。
ベース基板704を薄くするステップc)626の間、絶縁層706は、有利には、領域636におけるエッチングされたベース基板704の厚さhが、ベース基板704の絶縁層706の位置深さdに対応するように、エッチストップとして機能してもよい。絶縁層706の存在は、所望の膜の厚さtを制御及び達成することを可能にする。
このようなSOI基板をベース基板704として使用することにより、最終的なSAWタグデバイス718のための、シリコン基板の裏面にエッチングされる膜の厚さtの正確な制御が可能になる。
本発明によると、少なくとも3%の、最大20%以上の所定のレベルの電気機械結合係数k を提供する複合基板604、700を得ることができ、4000m/秒程度〜最大7000m/秒の伝播速度及び−50〜+5ppm/Kの間に含まれる調整可能な温度安定性を達成することができる。このような複合基板の場合、約2倍〜最大約5倍の電気機械結合係数k の増加、したがって、レイリーモードを使用するデバイスよりも本発明によるせん断波モードを使用して、デバイスを遠隔問い合わせする距離の増加を観察することができる。このような複合基板を使用すると、バルク圧電基板と比較して、SAWタグデバイスの設計及び性能、並びにその適用範囲を改善することができる。
本発明のいくつかの実施形態が記載された。それにもかかわらず、以下の特許請求の範囲から逸脱することなく、様々な変更及び改良を行うことができることを理解されたい。

Claims (19)

  1. 弾性波伝搬基板(202、324、424、502、604、700)と、相互嵌合櫛形電極(216、218、316、318)を含む、前記基板(202、324、424、502、604、700)上に設けられた少なくとも1つのトランスデューサ構造(204、306、308、610)と、少なくとも1つの反射手段であって、弾性波の伝搬方向に、前記少なくとも1つのトランスデューサ構造(204、306、308、610)に対して距離を置いて配置された少なくとも1つの反射器(206、208、210、308、310、312、616、618、620)を含む、少なくとも1つの反射手段と、
    を備える、表面弾性波タグデバイスにおいて、
    前記弾性波伝搬基板(202、324、424、502、604、700)が、ベース基板(226、504、602、704)及び圧電層(224、506、600、702)を含む複合基板(202、324、424、502、604、700)であり、
    前記ベース基板(226、504、602、704)に対する前記圧電層(224、506、600、702)の結晶方位が、前記圧電層(224、506、600、702)内部での、前記弾性波に対応する伝播方向へのせん断波の伝播を可能にするようなものである、
    ことを特徴とする、表面弾性波タグデバイス。
  2. 前記圧電層(224、506、600、702)がタンタル酸リチウムLiTaO又はニオブ酸リチウムLiNbOである、請求項1に記載の表面弾性波タグデバイス。
  3. 前記圧電層(224、506、600、702)がニオブ酸リチウムLiNbOであり、前記ベース基板(226、506、600、704)に対する前記圧電層(224、506、600、702)の前記結晶方位が標準規格IEEE 1949 Std−176に準拠して(YXI)/θであり、θが、180°を法として0°〜100°、特に0°〜50°、又は140°〜180°の間に含まれる前記結晶方位の角度である、請求項2に記載の表面弾性波タグデバイス。
  4. 前記圧電層(224、506、600、702)がタンタル酸リチウムLiTaOであり、前記ベース基板(226、504、602、704)に対する前記圧電層(224、506、600、702)の前記結晶方位が、標準規格IEEE 1949 Std−176に準拠して(YXI)/θであり、θが、180°を法として−30°〜90°、特に20°〜60°の間に含まれる、さらに特に36°程度又は42°程度の前記結晶方位の角度である、請求項2に記載の表面弾性波タグデバイス。
  5. 前記複合基板(202、324、424、502、604、700)の前記ベース基板(226、504、602、704)がシリコン、ダイヤモンド、サファイア、炭化ケイ素、溶融石英、又は石英結晶のうちの1つである、請求項1〜4のいずれか一項に記載の表面弾性波タグデバイス。
  6. 前記ベース基板(226、504、602、704)の少なくとも一部(514、636)が変形可能である、請求項1〜5のいずれか一項に記載の表面弾性波タグデバイス。
  7. 前記反射手段の前記少なくとも1つの反射器(206、208、210、308、310、312、616、618、620)が1つ又は複数の金属ストリップ(212、320、622)を含み、前記金属ストリップ(212、320、622)が互いに接続される、又は接地されている。請求項1〜6のいずれか一項に記載の表面弾性波タグデバイス。
  8. 少なくとも1つが請求項1〜7のいずれか一項に記載のものである、2つ以上の表面弾性波タグデバイス(200、302、304、402、404、638、718)を含む物理量決定デバイス。
  9. 前記2つ以上の表面弾性波タグデバイス(200、302、304、402、404、638、718)の前記トランスデューサ構造(204、306、406、408、610)に接続された、1つのみのタグアンテナ(214、322、422)をさらに備える、請求項8に記載の物理量決定デバイス。
  10. 前記表面弾性波タグデバイス(200、302、304、402、404、638、718)のうちの1つが表面弾性波共振器(404)であり、前記表面弾性波タグデバイス(200、302、304、402、638、718)のうちの少なくとも1つが請求項1〜7のいずれか一項に記載のものである、請求項8又は9に記載の物理量決定デバイス。
  11. 前記表面弾性波共振器(404)が、前記表面弾性波タグデバイス(200、302、304、402、404、638、718)のうちの少なくとも1つに対して、それらが2つの異なる表面弾性波伝搬方向を有するように配置されている、請求項10に記載の物理量決定デバイス。
  12. 前記表面弾性波共振器(404)が、その表面弾性波伝搬方向が、前記圧電層(224、506、600、702)の結晶軸のうちの1つに平行であり、前記表面弾性波タグデバイス(200、302、304、402、638、718)のうちの少なくとも1つの前記表面弾性波伝搬方向と角度ψをなすように、前記表面弾性波タグデバイス(200、302、304、402、638、718)のうちの前記少なくとも1つに対して配置されている、請求項10又は11に記載の物理量決定デバイス。
  13. 前記表面弾性波共振器(404)がレイリー波を使用するように構成され、前記表面弾性波タグデバイス(200、302、304、402、638、718)の少なくとも1つがせん断波を使用するように構成されている、請求項10〜12のいずれか一項に記載の物理量決定デバイス。
  14. 温度及び/又は圧力及び/又は力を測定するように構成され、並びに/或いは識別を可能にするように構成されている、請求項8〜13のいずれか一項に記載の物理量決定デバイス。
  15. a)ベース基板上に圧電層を設けるステップと、
    b)前記圧電層上にトランスデューサ構造を設けるステップと、
    を含み、
    ステップa)において、前記ベース基板に対する前記圧電層の結晶方位が弾性波に対応するせん断波の伝播を可能にするように、前記圧電層が設けられる、
    請求項1〜7のいずれか一項に記載の表面弾性波タグデバイスの製造方法。
  16. 前記ベース基板を薄くするステップをさらに含む、請求項15に記載の表面弾性波タグデバイスの製造方法。
  17. 前記ベース基板を薄くする前記ステップが、前記圧電層が取り付けられている表面の反対側の表面の一部を薄くするステップを含む、請求項16に記載の表面弾性波タグデバイスの製造方法。
  18. 前記ベース基板を薄くする前記ステップが、エッチング、研削、又は化学機械研磨を含む、請求項16に記載の表面弾性波タグデバイスの製造方法。
  19. 前記ベース基板が、半導体オンインシュレータ(SOI)基板であり、前記半導体オンインシュレータ(SOI)基板の絶縁層が前記ベース基板を薄くする前記ステップに対するエッチストップとして機能する、請求項16〜18のいずれか一項に記載の表面弾性波タグデバイスの製造方法。
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