本書では、特定の例及び実施形態の態様及び特徴が論じられる/説明される。特定の例及び実施形態のいくつかの態様及び特徴は、従来、具現化されている場合もあり、それらについては、簡略化のために、詳細に論じる/説明することはしない。したがって、詳細には説明されない、本書で論じられる装置及び方法の態様及び特徴は、そのような態様及び特徴を具現化するための任意の従来技術に従って具現化することができることは理解されよう。
本開示はエアロゾル供給システムに関し、より詳細には、基体材料を燃焼するのではなく加熱することで1つ又は複数の化合物を放出するように構成された加熱製品に関する。基体材料はエアロゾル化可能材料であり、これは、例えば、タバコの場合もあるし、他の非タバコ製品の場合もあり、非タバコ製品はニコチンを含む場合もあるし、含まない場合もある。本書でエアロゾル生成材料と呼ばれることもある基体材料は、例えば、加熱される、照射される、又は任意の他の方法でエネルギーを加えられると、エアロゾルを生成することができる材料である。基体材料は、固体又はゲルの形態であってもよく、それらはニコチン及び/又は香味料を含んでもよいし含まなくてもよい。いくつかの実施形態では、基体材料は、グリセロール、プロピレングリコール、トリアセチン、又はジエチレングリコールなどの蒸気又はエアロゾル生成剤又は保湿剤を含んでもよい。本書では、用語「香料」及び「香味料」は、成人消費者用の製品において所望の味又は香りを生成するために(現地の規制によって許可される場合に)使用することができる材料を指す。
本開示は、エアロゾル供給デバイスとともに使用するためのエアロゾル生成品の識別に関する。エアロゾル生成品は、固体又はゲルのエアロゾル化可能材料を備え、8〜12回の吸引/パフの場合があるセッション時間に対して十分なエアロゾルを供給するように一般に構成される。ただし、いくつかの実施態様では、そのときの用途に応じて20又は30回のパフまで可能な場合がある。エアロゾル生成品は、消費されると処分され、新しいエアロゾル生成品と交換される。エアロゾル生成品は、使用可能なパフ1回当たりの物品のコストを低減するために、少数の比較的安価な構成要素を含む。
エアロゾル生成品は、識別子を保存するように構成されたデータ保存ユニットを備える。エアロゾル生成品がエアロゾル供給デバイスに配置され/結合されると、識別子は、エアロゾル供給デバイスによって読み取ることができ、したがって、エアロゾル供給デバイスは、エアロゾル生成品が取り付けられたことに気づくことができる。これによって、エアロゾル供給デバイスは、デバイスとともに使用されるエアロゾル生成品に対応することが可能になり、このことは、エアロゾル生成品を加熱する方法を変更すること、又はエアロゾル生成品を加熱してもよいかどうかを含むことができる。データ保存ユニットの使用は多くの利点を有する。これによって、エアロゾル生成品は、見た目は他のものと同じであるが、識別子で特定のエアロゾル生成品と関連付けることができる。これらの識別子は、適切な読取器によってのみ読み取る/解釈することができる(例えば、読取器又は人間によって読み取ることができる視覚的な印とは異なる)。さらに、データ保存ユニットの使用は、データを安全に保存することができ、いくつかの場合には、模造エアロゾル生成品が純正の識別子を備える可能性を減らすために暗号化することさえ可能であることを意味する。
図1は、本開示の原理によるエアロゾル生成品10の例の概略斜視図である。エアロゾル生成品10は、エアロゾル化可能材料12と、基層14と、吸い口16と、データ保存ユニット18とを備える。
図1に示すように、エアロゾル生成品10は概ね円筒形である。エアロゾル生成品10の大きさは、(x方向に沿う)長さが約7cmで、(y/z方向に沿う)直径が約0.8cmであるが、異なる実施態様では、エアロゾル生成品10は、異なる寸法及び形状を有してもよい。エアロゾル生成品10は、使用者が吸引するためのエアロゾルを生成するように意図されている。
エアロゾル生成品10は、本例では、再生タバコとして与えられているエアロゾル化可能材料12を含むが、他の実施態様では、上記の固体又はゲルのエアロゾル化可能材料のいずれもエアロゾル化可能材料12として使用することができることは理解されるべきである。エアロゾル化可能材料(本例では再生タバコ)の形成及び加工は本開示の主題ではなく、したがって、本書ではさらに論じない。本例では、再生タバコは、概ねロッド状/円筒状要素に形成され、再生タバコのロッド12の外面の周りに基層14が巻かれる。この例の基層14は紙から作られているが、他の実施態様では、厚紙又は金属箔(例えば、アルミニウム箔)などの他の材料も使用されてもよい。この例では、基層14は、再生タバコ12と外部環境との間の物理的な遮蔽体として働き、以って、使用者によるエアロゾル生成品10の取扱いが改善される。さらに、基層14は、再生タバコ12の円筒状ロッド形状を保つための外側ラップとして働くことができる。
円筒状ロッドは、近位端10a及び遠位端10bを有する。本例では、吸い口16は近位端10aに位置する。吸い口16は、使用者の唇と係り合うエアロゾル生成品10の部分である。言い換えれば、下でさらに説明するように、使用者は、エアロゾル生成品10の使用時に吸い口16の周りに唇を置く。いくつかの実施態様では、基層14は、上下に(すなわち、物品10の半径方向に)積み重ねられた複数の副層から形成されてもよい。この場合、副層のうちの少なくとも1つは、エアロゾル生成品10の全長を延在し、エアロゾル化可能材料12及び吸い口16の両方の周りに巻かれて、吸い口16をエアロゾル生成品10の近位端10aに保持する。吸い口16は、通気性のある任意の適切な多孔質材料、例えば、酢酸セルロース、スポンジなどフィルター材料から形成することができる。しかしながら、吸い口16は任意選択的なものであり、いくつかの実施態様では、吸い口16が省かれることは理解されるべきである。
エアロゾル生成品10は、この実施態様では、エアロゾル生成品10の外面に配置されたデータ保存ユニット18をさらに含む。より詳細には、データ保存ユニット18は、基層14の外面に配置される。本実施態様では、データ保存ユニット18は、様々な回路を有するほぼ立方体の箱であり、データを保存するために適切な複数のトランジスタを含むことができる。データ保存ユニット18は、基層14の外面に、例えば適切な接着剤で貼り付けられる。しかしながら、他の実施態様では、データ保存ユニット18は、層14の外面に対向するようにエアロゾル生成品10内に配置されてもよい。例えば、データ保存ユニット18は、基層14の2つの副層の間に配置されてもよく、又は、エアロゾル形成材料12又は吸い口16に埋め込まれてもよい。いくつかのさらなる実施態様では、データ保存ユニット18は、エアロゾル生成品10の構成要素、例えば層14と一体的に形成されてもよい。データ保存ユニット18は、例えば、層14の製造時に一体的に形成されてもよい。データ保存ユニット18は、エアロゾル生成品10の識別情報に関する識別子を保存するように構成される。下でより詳細にこれを説明する。図1にはデータ保存ユニット18は1つだけ示されているが、エアロゾル生成品10は、それぞれが識別子を有する1つ又は複数のデータ保存ユニット18を備えることができることは理解されるべきである(各データ保存ユニットに対して同じ識別子のこともあるし、異なる識別子、例えば、2つ以上の異なる識別子のこともある)。
図2は、本開示の原理によるエアロゾル供給システム20の概略断面図である。エアロゾル供給システム20は、エアロゾル供給デバイス30(本書ではデバイス部30と呼ぶこともある)に加えて、図1のエアロゾル生成品10を含む。エアロゾル供給デバイス30は、ハウジング32と、電源電池34と、制御回路36と、図1のエアロゾル生成品10を受け入れるような大きさの受入部38と、この例では、受入部38と隣り合って配置され、受入部38の内面の少なくとも一部分を形成するヒーター40の形態を採る気化器と、データ読取器42とを含む。
図2は、図の右側に示された参照座標に関して説明されるが、この参照座標は任意であり、エアロゾル供給デバイス30の構成要素の様々な向き及び位置を説明するために任意の他の参照座標を用いることができることは理解されるべきである。
エアロゾル供給デバイス30は、デバイス30の外面を画定するハウジング32を含む。この例のハウジング32はほぼ立方体で、x方向の高さが約10cm、y方向の幅が約5cm、z方向の厚さが約2〜3cmである。ハウジングの角は、この例では、わずかに丸められて、よりなめらかな外観とより人間工学的なデザインを与えている。しかしながら、他の実施態様では、ハウジング32は異なる形状/大きさを採ってもよいことは理解されるべきである。
ハウジング32の内側には電源電池34が設けられる。電源電池34は、この例では、リチウムイオン電池などの再充電可能なバッテリーであり、デバイス30が外部電源に適切に結合されると再充電することができる。電源電池34は、デバイス30の使用時に、制御回路36に、及び、最終的にはヒーター40に電力を供給するように構成される。制御回路36は、図2に示すようにワイヤ34aなどの任意の適切な形態の電気結合を介して電源電池34に結合される。
制御回路36は、デバイス30のいくつかの機能を制御することを担当する。例えば、制御回路36は、ヒーター40への電力供給、(例えば、ハウジング32に配置されたUSB/マイクロUSBポートを用いた外部電源との接続による、又は、誘導に基づく充電機構による)外部電源から電源電池34の充電、或いは、ホストコンピュータ(例えば、個人のPC、スマートフォンなど)へのデータ通信などの任意の他の機能を制御することができる。制御回路36は、この制御機能を実現するために、(マイクロ)コントローラ、プロセッサ、ASIC、又は類似の形態の制御チップを含むことができる。さらに、制御回路は、プリント回路基板(PCB:printed circuit board)に形成又は搭載されてもよい。制御回路36によって与えられる機能は複数の回路盤、及び/又はPCBに搭載されない構成要素に分割されてもよく、これらの追加の構成要素及び/又はPCBはハウジング内に適宜配置することができることにも留意されたい。例えば、バッテリー32の(再)充電機能を制御するための制御回路の機能は、放電を制御するための(すなわち、ヒーターに電力を供給するための)機能から分けて(例えば異なるPCBに)設けられてもよい。
デバイス30は、エアロゾル生成品10の少なくとも一部分を受け入れるような大きさの受入部38をさらに含む。この例の受入部は、エアロゾル生成品10の長さの約3分の2の距離、例えば5cmだけx方向に延在する円筒状凹部として形成される。エアロゾル生成品10は、受入部38にまず遠位端10bが挿入される。完全に挿入されたとき、エアロゾル生成品10の遠位端は受入部38の底部に載っており、(任意選択の吸い口16を含む)近位端10aは、ハウジング32の表面からある距離突出しており、例えば、この例では、エアロゾル生成品10の約2cmが、ハウジング32の表面から露出される/突出する。このように、吸い口16は、エアロゾル生成品10が受入部38に挿入されたとき、使用者に提供される。
受入部38を取り囲んでヒーター40が設けられる。この例では、ヒーター40は、受入部38が中を通る環状のヒーター40(すなわち中空円筒状要素)である。より詳細には、この例では、環状のヒーターの内面は、受入部38の内面の一部を形成する。この構成は、エアロゾル生成品10の表面に近接してヒーターを設けることができることを意味し、これは、ヒーター40からエアロゾル生成品10への熱伝達効率を改善することができることを意味する。この例のヒーター40は、電流が通過すると熱を発生する電気抵抗材料、例えばニクロム(NiCr)から形成される、又は少なくともそれを含む。電源電池34からヒーター40への電力の供給は、上記のように、制御回路36によって制御される。ヒーター40は、図2に示すように、導電性ワイヤ40aなど、任意の適切な形態の電気結合によって制御回路36に結合される。
使用者が吸引するためのエアロゾルを生成するために、使用者はまず、エアロゾル生成品10を受入部38に入れなければならない。その後、デバイス30を作動させて、エアロゾル供給システム20は、電源電池34からヒーター40に電力を供給し始める。図示の例では、これは、ハウジング32の表面の設けられた使用者作動ボタン(図示せず)を使用することによって達成される。例えば、ボタンが一度押されると、制御回路36は、ヒーター40に所定の時間(例えば、セッションの間、2〜3分など)、電力を供給する。それに従って、電力がヒーター40に供給されると、ヒーター40の温度が上昇する。続いて、これは、受入部38内のエアロゾル生成品10を加熱し、より重要なことに、受入部38内のエアロゾル化可能材料12を加熱して蒸気又はエアロゾルを生成する。エアロゾル化可能材料12は加熱されるが燃やされない/燃焼しないことに気づくことは重要である。いくつかの実施態様では、加熱中のエアロゾル化可能材料の温度は150〜300℃の間であるが、正確な温度は、加熱されるエアロゾル化可能材料のタイプ及びエアロゾル生成品10の構成によることは理解されるべきである。使用者は、吸い口16の周りに唇を置いて吸引して、デバイス30の外側から空気入口(図示せず)を経て、受入部38の開口を通り、そしてエアロゾル生成品10を通るように(例えば、エアロゾル化可能材料12の中を概ねエアロゾル生成品10の長手方向軸線に沿って)空気を吸い込む。エアロゾル生成品10に沿って吸い込まれた空気は、エアロゾル化可能材料12が加熱されたときに材料12から放出された気化粒子を集めてエアロゾルを形成し、このエアロゾルは、次いで、エアロゾル生成品10に沿って流れ、吸い口16を通った後、使用者の口/肺に入る。
一般に、エアロゾル生成品10は、約8〜12回の使用者の吸引に等しいセッションを続けるのに十分なエアロゾル化可能材料を備える。エアロゾル化可能材料12の正確な量は、デバイス30がエアロゾル化可能材料を加熱するように構成される方法に加えて、エアロゾル化可能材料12のタイプによる。使用者がセッションを終了すると(すなわち、エアロゾル化可能材料が消費されると)、使用者はエアロゾル生成品10を取り外して処分する。新たなセッションを始めるために、使用者は、新しいエアロゾル生成品10を挿入する。
上記のように、本開示によるエアロゾル生成品10は、データ保存ユニット18を含み、一方、デバイス30はデータ読取器42を含む。データ保存ユニット18は、エアロゾル生成品10を同定する識別子を保存するように構成される。データ読取器42は、データ保存ユニット18を読み取って、それから識別子を得るように構成される。データ読取器42は、任意の適切なデータ接続によって、例えば導電性ワイヤ42aによってコントロールユニットに結合され、識別子を示す信号を制御回路36に送るように構成される。下でより詳細に説明するように、制御回路36は、エアロゾル生成品10の識別子を示す信号を受け取り、その識別子に基づいてデバイス30に動作を実行させるように構成される。
本例のデータ保存ユニット18は、識別子のデジタル表示(例えば、128ビットの識別符号)を保存するように構成される。例えば、識別子は2進シーケンス又は16進シーケンスの形態であってもよい。
この例では、データ保存ユニット18はプログラム可能であり、これは、データ保存ユニット18内に識別子をプログラムすることができることを意味する。すなわち、2つのエアロゾル生成品10に対するデータ保存ユニットは構造的には同じであってもよいが、異なる識別子をそれに応じて保存するようにプログラムすることができる。プログラミングは、エアロゾル生成品10の製造前に、製造時に、又は製造後に実行することができる。これは、特に、エアロゾル生成品に(又はエアロゾル生成品内に)データ保存ユニット18を適用する際、製造工程を簡素化することができる。データ保存ユニット18は、ライトワンス型データ保存ユニット18(例えば、追記型(WORM:write once read many)データ保存ユニット18)であってもよい。すなわち、データ保存ユニット18は一度(すなわち、識別子が適用されるときに)書き込むことができ、その後、再び書き込むことは容易にはできない。他の実施態様では、データ保存ユニット18は、そのときの用途に応じて、書き換え可能(すなわち、複数回書き込むことができる)であってもよい。
識別子は、エアロゾル生成品を同定するために設けられる。これは、エアロゾル生成品10のエアロゾル化可能材料12のタイプに基づくものであってもよい。これに代えて、又はこれに加えて、識別子は、エアロゾル生成品10の(地理的及び/又は製造)供給源を同定してもよい。これに代えて、又はこれに加えて、識別子は、エアロゾル生成品10を一意的に同定してもよい。
一実施態様では、識別子は、基体材料及び/又は香料及び/又はエアロゾル化可能材料の強さに関係付けられる。図3は、デジタル識別子を含む例示的な表を示す。図3は、非網羅的なものであり、可能な識別子を単に例示的に示したものであることは理解されるべきである。図示の例では、エアロゾル生成品10は、テキスト識別子(すなわち、「名前」欄)と関連付けることができる。この例では、各名前は、説明を容易にするために、エアロゾル生成品10内のエアロゾル化可能材料12を記述したものであるが、任意の他の命名規則を使用することができることは理解されるべきである。図3では、各エアロゾル化可能材料12は、まず、エアロゾル化される基体材料(例えば、タバコ(再生タバコなど)、又はゲル)、次いで、基体材料の香味(例えば、タバコ香味、サクランボ香味、イチゴ香味など)、次いで、基体材料中に存在するニコチンなどの活性物質の強さ(ここでは、弱、中、又は強として特徴付けられており、中は、弱よりも活性物質の濃度が高く、強よりも低い)によって記述される。
この例によれば、各デジタル識別子(すなわち2進コード)は、上記のカテゴリーのそれぞれと関連付けられた2進コードを合成したものである。例えば、エアロゾル化される材料は、タバコに対して「01」、ゲルに対して「10」として表すことができる。香味は、タバコ香味に対して「000」、サクランボに対して「111」、及びイチゴに対して「101」などとして表すことができる。強さは、弱に対して「01」、中に対して「10」、及び強に対して「11」として表すことができる。したがって、エアロゾル生成品10の識別子をデジタル的にコード化するために7桁の2進コードを生成することができる。例えば、強さが中のタバコ香味の再生タバコのエアロゾル生成品10に対しては、データ保存ユニット18に保存される識別子は「0100010」である。
上記は、エアロゾル生成品10の特性をデジタル的に同定する単なる1つの方法であることは理解されるべきである。例えば、いくつかの実施態様では、デバイス30は、1つの基体材料、例えばタバコだけで運用するように構成されてもよく、及び/又は、エアロゾル生成品10は、1つの基体材料だけを用いて製造されてもよく、このような場合には、最初の2桁の2進数をやめる/省くことができる。他の例では、2進コードはランダムに生成されて、エアロゾル生成品10の様々なエアロゾル化可能材料12に割り当てられてもよい。
識別子の特定の形態に関係なく、識別子がデータ読取器42によって読み取られると、識別子を示す信号が制御回路36に送られる。例えば、識別子を示す信号は、識別子の2進コードを反映する変調信号であってもよい。制御回路36によって受け取られると、制御回路36は、信号を解釈して、この識別子に基づいて動作を実行するように構成される。いくつかの場合、制御回路36は、(例えば、この識別子を制御回路36内の1つ又は複数の保存された識別子と比較することによって、又は、この識別子を遠隔の識別子データベースに対して比較することによって)この識別子が認証された物品のものであるかどうかを判定するように構成されてもよい。他の場合には、制御回路36は、これに加えて、又はこれに代えて、エアロゾル生成品10の特定のタイプ、例えば、強さが中のタバコ香味の再生タバコのエアロゾル生成品10を表しているものとしてこの識別子を解釈する。この例の制御回路36は、複数の既定の動作モードを保存するメモリを含み、制御回路36は、識別子に基づいて既定の動作モードのうちの1つを選択するように構成される。これには、例えば、様々な加熱プロファイル(すなわち、温度対時間のプロファイル)が含まれてもよい。可能な識別子のそれぞれは、エアロゾル生成品10を使用するときに使用者に特定の経験を送出するように構成することができる特定の加熱プロファイルに関連付けられる。したがって、識別子を受け取ると、制御回路36は、特定のエアロゾル生成品10に対して適すると思われる加熱プロファイルを選択することができ、次いで、この加熱プロファイルに従ってエアロゾル生成品を加熱することに進む。受け取った識別子に基づいて加熱プロファイル以外の他の動作パラメータ、例えば圧力降下(デバイスへの空気入口の大きさを変えることによって制御される)も変えることができることは理解されるべきである。他の例では、識別子が純正品として確認されると(例えば、その識別子が制御回路36のメモリに存在していれば、それは純正品と思われる)、制御回路36は、エアロゾル生成品10の加熱を自動的に始めることができる。言い換えれば、この実施態様では、物品が同定されると、制御回路は、使用者からのいかなるさらなる入力なしに、物品を加熱し始めるように構成される。これは、識別子が純正品として確認されるとすぐに、又は所定の遅れ時間後に行われる場合である。このように動作すると、使用者が物品を吸引する前に、又は使用者の入力が受け取られるまでにエアロゾル生成品10の温度を上げることができ、したがって、使用者の入力(例えば、ボタンを押す、又はデバイスを吸引する)とエアロゾルを受け取ることとの間に必要な時間を短縮することができる。
異なるタイプのエアロゾル生成品10のそれぞれに対して異なる識別子が与えられることを説明してきたが、いくつかの識別子は複数のタイプのエアロゾル生成品10に対して使用することができることは理解されるべきである。これは特に、エアロゾル生成品10が異なるエアロゾル化可能材料12を含んでいるにもかかわらず、エアロゾル化可能材料12が同じ加熱プロファイルに従って加熱される場合である。この場合、エアロゾル生成品は、共通の特性を有するグループにグループ分けされてもよい。例えば、タバコサクランボ中とタバコイチゴ中が同じ態様で加熱することができるとした場合、これらのエアロゾル生成品は、単一のグループにグループ分けされて同じ識別子を割り当てることができる。すなわち、この識別子は、このエアロゾル生成品10が特定のグループのエアロゾル生成品10に属すると同定する。
別の実施態様では、エアロゾル化可能材料のタイプに基づいて識別子を与える代わりに、識別子はエアロゾル生成品10の供給源に基づいて与えられる。例えば、各エアロゾル生成品10は、物品10の供給源を示す識別子を備えることができる。これは、(各製造者が独自の識別子を有するように)物品が特定の製造者による製造であることを示す識別子であってもよく、(各バッチが独自の識別子を有するように)物品10の特定のバッチが独自の識別子を備えてもよい。これに代えて、又はこれに加えて、各エアロゾル生成品10は独自の識別子(すなわち、単一の物品10にのみ使用される識別子)を備えてもよい。
これらの実施態様では、デバイス30は、識別子が純正品の識別子であると考えられるときのみ、動作するように構成されてもよい。例えば、特定の製造者によって製造されたすべてのエアロゾル生成品10が識別子を含む場合、データ読取器42はその識別子を読み込んで、制御回路36にその識別子を示す信号を与えるとき、制御回路36は、受け取った識別子を(この場合)前もって得られた参照識別子と比較するように構成される。これら2つが一致した場合、制御回路36はヒーター40に電力を供給してエアロゾル生成品10を加熱するように構成される。逆に、受け取った識別子が参照識別子と一致しなかった場合、制御回路36はヒーター40に電力を供給しないように構成される。すなわち、エアロゾル生成品10が、一致する識別子を含んでいなことが分かった場合、デバイス30はエアロゾル化可能材料をエアロゾル化しないように構成される。同じ制御機構は、エアロゾル生成品10のバッチ、又は個々のエアロゾル生成品10に対して存在し得るが、受け取った識別子が照合される参照識別子の数は、物品10のグループに対するよりも個々の物品に対する方が多い。
上記は概して、エアロゾル化可能材料のタイプに関する識別子と供給源に関する識別子を別々のものとして説明したが、当業者であれば、これら2つのタイプの識別子を組み合わせて単一の識別子にすることができることは理解するであろうことは理解されるべきである。さらに、独自の識別子はまた、エアロゾル化可能材料のタイプ及び/又はエアロゾル生成品の供給源に関する情報を含むことができる。
本例では、エアロゾル生成品10が受入部38に挿入されると、データ保存ユニット18はデータ読取器42によって読み取られる。データ読取器42は、読取動作を定期的に実行するように制御回路36によって制御することができる。データ保存ユニット18が存在する、又はデータ読取器42の範囲内にある場合、データ読取器42はデータ保存ユニット18から識別子を得、続いて、その識別子を示す信号を制御回路36に送る。或いは、データ読取器42は、使用者が(例えば、押しボタンによって)デバイス30を作動させたときに読み取るように制御されてもよく、これは、特定の状況でのみ読取器42を作動させるので、電力消費全体を低減することができる。
上記では、特定の場合、識別子が、予め保存された識別子又は参照識別子と一致しない場合、エアロゾル供給デバイス30は、エアロゾル化可能材料12をエアロゾル化しないように制御することができることを説明したが、デバイス30は、データ読取器42が識別子を読み取ることができない場合でさえ、エアロゾル化可能材料12をエアロゾル化できないことも理解されるべきである。例えば、使用者が、データ保存ユニット18を含まないエアロゾル生成品10を受入部38に挿入した場合、データ読取器42は識別子を読み取らず、制御回路36は識別子を受け取ることができない。この場合、デバイス30は、使用者が作動ボタンを押し下げた場合でさえ、電力をヒーター40に供給しないように構成される。さらに、いくつかの実施態様では、読み取り動作を始めてから所定の時間間隔以内、例えば1分以内に識別子を読み取らなかった場合、コントロールユニットは、バッテリー電力を消費しないようにスイッチを切る又は低電力モードに入るように構成することができる。
いくつかの例では、デバイス30は、受入部38に挿入されたエアロゾル生成品10から識別子が読み取られたかどうかを使用者に示すインジケータ(ライト又はディスプレーなど)を含んでもよい。使用者が純正の物品10(すなわち、純正である識別子を有するデータ保存ユニット18を含む物品10)を挿入したが、データ読取器42がデータ保存ユニット18を読み取ることができなかった場合、識別子を読み取ることができなかったという指示は、例えば、使用者にデータ保存ユニット18をデータ読取器42の近くに持ってくるように長手方向軸線周りにエアロゾル生成品10を回転するように促す。
図2に戻って参照すると、データ保存ユニット18は、エアロゾル生成品10の直接加熱されない部分に設けられ、特に、データ保存ユニット18はヒーター40の上方に配置される。エアロゾル生成品10が受入部38に挿入されたとき、環状のヒーター40は、概ね、ヒーター40によって取り囲まれたエアロゾル生成品10の直接領域を加熱する。熱はエアロゾル生成品10の軸方向に沿って移動することができるが、これらの領域は、ヒーター40自体によって直接加熱されない。したがって、データ保存ユニット18は、ヒーター40によって直接加熱されないこれらの領域に配置される。すなわち、データ保存ユニットは、ヒーター40によって加熱されるエアロゾル生成品10の領域に隣り合って設けられる。これは、データ保存ユニット18へのヒーター40の影響を実質的に低減する(すなわち、ヒーター40によってデータ保存ユニット18に損傷を与える可能性を低減する)助けになることができ、熱に強くない(したがってコスト効率の高い)データ保存ユニット18の使用を可能にすることもできる。
概して、上記のデータ保存ユニット18は識別子を保存するために電源を必要としない、すなわち、識別子は永久メモリに書き込まれる。しかしながら、いくつかの実施態様では、データ保存ユニット18は、電源(これは、データ保存ユニット18の一部分として一体形成されてもよいし、別々に設けられてデータ保存ユニット18と係合してもよい)を備えてもよく、これは、識別子がデータ保存ユニット18に書き込まれると、不揮発性メモリに電力を供給する。電源供給がエアロゾル生成品10の寿命を定めることができるので、これは有利となり得る(下のより詳細な議論を参照のこと)。
図4及び図5は、データ保存ユニット及びデータ読取器のより詳細な実施態様を、特に、データ保存ユニットとデータ読取器との間の結合に関して、概略的に示している。
図4は、エアロゾル供給デバイス130によって電子的に読み取られるように構成されたデータ保存ユニット118を有するエアロゾル生成品110の概略図である。
エアロゾル生成品110は上記のエアロゾル生成品10と実質的に同じであり、ここでは、類似の特徴を論じることはしない。エアロゾル生成品110は、上記のデータ保存ユニット18と大まかには類似しているデータ保存ユニット118を含むが、図4では、データ保存ユニット118は、1つ又は複数の導電トレース119に結合されている。導電トレース119は、一端でデータ保存ユニット118に接続し、他端では露出されている。この例では、各導電トレース119はそれぞれ、エアロゾル生成品10の周囲の約3分の1であり、データ保存ユニット118から両方向に延在する。したがって、トレース119は、エアロゾル生成品10の外周の約3分の2を覆う。使用される導電トレース119の数は、使用されるデータ保存ユニット118のタイプによる(例えば、データ保存ユニット118を読み取り/データ保存ユニット118に書き込みをするのに必要な入力及び出力の数に基づく)。
デバイス130は上記のデバイス30と実質的に同じである。しかしながら、この例の受入部138は、制御回路136に結合された導電接点141を含む。電気トレース119の露出した端部は、エアロゾル生成品110が受入部138に挿入されたときに導電接点141と電気的に接触するように配置される。これによって、データ保存ユニット118から電気トレース119及び導電接点141を経て制御回路136に信号を伝えることができる。
この構成では、制御回路36は、上記のデータ読取器42の機能を果たすように構成される。特に、制御回路136は、データ保存ユニット118を読み取ってその中に保存された識別子を得るように構成される。これを達成する正確な方法は、使用されるデータ保存ユニット118のタイプ、並びに、読み取りのために電流がデータ保存ユニット118の中を通ることをデータ保存ユニット118が必要とする(その場合、制御回路136は、電流をデータ保存ユニット118に通して識別子を得るように構成される)かどうか、又は電流がデータ保存ユニット118の中を通ることをデータ保存ユニット118が必要としない(その場合、接点119と141が結合されたとき、識別子は制御回路136に送られる)かどうかによる。
この構成では、識別子は、エアロゾル生成品110とエアロゾル供給デバイス130の受入部138との間の直接的な電気接続によって受け取られる。
図示の実施態様では、データ保存ユニット118及び電気トレース119はエアロゾル生成品110の表面に設けられる。しかしながら、他の実施態様では、データ保存ユニット118及び電気トレース119の少なくとも一部分は、エアロゾル生成品110の最も外側の表面の下(例えば、エアロゾル化可能材料の内部、又は基層の副層間)に設けられてもよい。これは、特に、使用者によるエアロゾル生成品110の取扱い時に、データ保存ユニット118、並びにトレース119とデータ保存ユニット118との間の接続部を保護する助けになり得る。しかしながら、このような実施態様では、データ保存ユニット118と複数の電気接点141との間の電気的な接触を達成するために、電気トレース119の少なくとも一部は露出される(すなわち、エアロゾル生成品110の最も外側の表面に設けられる)ことは理解されるべきである。
いくつかの実施態様では、電気トレース119及びデータ保存ユニット118は、エアロゾル生成品110の基層に直接印刷される。電子回路の印刷は、エアロゾル生成品110の組立時(すなわち、基層がエアロゾル化可能材料の周りに巻かれる前)に、又はエアロゾル生成品110が形成された後に(すなわち、基層の湾曲した/巻かれた表面への印刷)実施されてもよい。データ保存ユニット118は、概して、独立した内蔵型ユニット(すなわち、回路を含むハウジング)として説明されてきたが、データ保存ユニット118自体は、エアロゾル生成品110の基層に直接印刷することができるいくつかの相互接続された電気構成要素から形成されてもよいことは理解されるべきである。
エアロゾル生成品110の基層に導電構成要素を直接印刷することによって、データ保存ユニット118を別のエアロゾル生成品(例えば模造品)に移そうとするいかなる試みも、データ保存ユニット118及び/又は電気トレース119に損傷をもたらし、その結果、データ保存ユニット118を模造品に移すことはうまくいかない(又は、不可能でさえある)。これは、高度に調整された環境で製造されていない可能性がある模造品を改造してエアロゾル供給デバイス130とともに使用することを防ぐ際に特に有用である。さらに、製造時に異なるパターンで電子機器を印刷することができる(したがって異なる識別子を保存することができる)。
図5は、エアロゾル供給デバイス230によって無線で読み取られるように構成されたデータ保存ユニット218を有するエアロゾル生成品210の概略図である。
エアロゾル生成品210は上記のエアロゾル生成品10と実質的に同じであり、ここでは、類似の特徴を論じることはしない。エアロゾル生成品210は、上記のデータ保存ユニット18と大まかには類似した態様で動作するデータ保存ユニット218を含むが、図5では、データ保存ユニット218は、アンテナ/送信器219に電気的に結合される。送信器219は、データ保存ユニット218から識別子を示す信号を無線で送信するように構成される。送信器219は、任意の適切な材料から形成されてもよい(例えば、送信器は金属片であってもよい)。送信器219は、物品210の外面、例えば層14に形成されてもよい。さらに、いくつかの例では、送信器219とデータ保存ユニット218との間を電気的に接触させるために、データ保存ユニット218は、送信機219の上に直接配置されてもよい(これらの場合、送信器219は、データ保存ユニット218の対応する寸法とは異なる寸法、すなわちより大きな寸法を有してもよい)。したがって、データ保存ユニット218は、送信器219によって送信することができる適切な無線信号を形成することができるように適切な電気構成要素を備えることができる。例えば、データ保存ユニット218は、送信器219に結合された集積回路(IC:integrated circuit)の一部を形成してもよい。この場合、ICの機能は、送信器219によって送信するのに適切な無線信号を生成することである。この例のICの残りの部分は全体的に、コントローラ/コントロールユニットと呼ぶことができ、したがって、ICの様々な機能(信号生成を含む)を制御するように構成されてもよい。
デバイス230は、上記のデバイス30と実質的に同じである。しかしながら、デバイス230は、制御回路236に接続された無線受信器242を備える。送信器219によって無線で送信された識別子を示す信号を受信器242が受信するように構成されるという点で、無線受信器242は上記のデータ読取器42の機能を実行する。無線受信器242によって受信されると、識別子を示す信号は制御回路236に行き、制御回路236は、(上記のように)識別子に基づいてデバイス230の動作の態様を変更するように構成される。
データ保存ユニット218及び送信器219は、任意の適切な送信プロトコルを用いた任意の適切な方法で識別子を示す信号を送信するように構成される。いくつかの実施態様では、データ保存ユニット218と送信器219とは、一体化された構成要素、例えば、識別子を示す無線周波数(RF:radio frequency)信号(又は変調RF信号)を送信するように構成されたRFIDタグを形成する。データ保存ユニット218及び送信器219は、共通の基板(例えば半導体チップ)上に形成されてもよい。これらの例では、無線受信器242は無線RF受信器であり、特定のRF周波数を受信するように同調することができる。例えば、RF信号は、極超短波(UHF:Ultra High Frequency、約300〜3,000MHz)、超短波(VHF:Very High Frequency、約30〜300MHz)、短波(HF:High Frequency、3〜30MHz)、中波(MF:Medium Frequency、約300〜3,000kHz)、又は長波(LF:Low Frequency、約30〜300kHz)域の信号で生成されてもよい。いくつかの実施態様では、RF周波数は、2.3〜2.5GHz域、例えば2.45GHzである。しかしながら、ブルートゥース(BlueTooth)(登録商標)などの他の無線ベースのシステム、及び/又は上記とは異なる他の無線周波数もまた、本開示の原理に従って使用することができることは理解されるべきである。
いくつかの実施態様では、電源(図示せず)がエアロゾル生成品210に設けられる。電源は、エアロゾル生成品210に個別に取り付けられ、データ保存ユニット218/送信器219に結合された独立した構成要素として設けられてもよく、又は、電源は、データ保存ユニット218及び/又は送信器219と一体的に設けられてもよい(例えば、ICが電源を備えてもよい)。この場合、コントローラは、エアロゾル生成品210がデバイス230の受入部238に配置されているかどうかにかかわらず、識別子を定期的に送信するようにプログラムされてもよい(或いは、コントローラは、下でより詳細に説明するように、受信した信号に対応して識別子を送信するように構成されてもよい)。
この構成は、エアロゾル生成品210の商品コストを上昇させることがあるが、エアロゾル生成品210に対して(電源の容量及びコントローラ/送信器219の電力消費に応じて)定まった寿命を提供することができる。したがって、電源が十分使い尽くされると、信号強度が弱くなりすぎて受信器242によって識別子を受信することができなくなる、又は、コントローラは機能を停止し、したがって信号の送信を止める。これは、識別子を制御回路236が受け取ることができず、したがってエアロゾル生成品210は、デバイス230で使用することができないことを意味する。言い換えれば、電源を含めることは、物品210を製造してからの使用可能な期間を定めることができる。
いくつかのさらなる実施態様では、送信器219及び受信器242の両方は、トランシーバーとして働くように構成される(すなわち、それら両方が、送受信機能を有する)。これらの実施態様では、エアロゾル生成品210は、デバイス230によって送信された要求信号がトランシーバー219によって受信されるまで、識別子(又は、識別子を示す信号)を送信しないように構成される。言い換えれば、デバイス230は、識別子の要求を示す要求信号をトランシーバー242によって定期的に送信するように構成される。特定の時間間隔内で識別子が受信されなければ、デバイス230は要求信号を再送することができる。エアロゾル生成品210は、要求信号を受信し、要求信号を受信すると、次いで、トランシーバー219によって識別子(又は、識別子を示す信号)を送信する。この構成は、適切なときにのみにエアロゾル生成品が識別子を送信することを確実にして、電力要件をさらに下げることができる。デバイス230は、識別子がトランシーバー242によって受信されるときまで、エアロゾル生成品210のエアロゾル化可能材料をエアロゾル化しないように構成される。
他の実施態様では、エアロゾル生成品210は無線受電モジュール(図示せず)を備える。無線受電モジュールは、例えば、誘導、又は無線電力転送の任意の他の適切な形態によって、デバイス230によって無線で送られる電力を受け取るように構成される。無線受電モジュールは、データ保存ユニット218及び/又は送信器219と一体的に設けられてもよく、又は、無線受電モジュールは、データ保存ユニット218に電子的に結合された別個の構成要素として設けられてもよい。すなわち、無線受電モジュールはICの一部を形成してもよい。いくつかの例では、デバイス230は、これに対応して無線送電器(図示せず)を備える。したがって、無線送電器は、エアロゾル生成品210の無線受電モジュールに無線で電力を送るように構成される。無線送電器は、任意の適切な機構に従って電力を送るように構成することができ、例えば、無線送電器は2.45GHzのRF周波数を送ってもよい。送電器及び送信器219は同じか、又は異なる周波数で動作してもよいことに留意されたい。電力を受け取ると、前述のように、前記の回路によって、データ保存ユニット218に保存された識別子を送信器219によって送信することができる。このような構成は、エアロゾル生成品210の外部(又は、エアロゾル生成品210とは別個)の電源からの受電に応答してのみ識別子が送信されるので、受動的(又は、識別子の受動的送信)と呼ばれることがある。
さらなる実施態様では、データ保存ユニット218及び送信器219は、本書では小型ICチップと呼ばれる比較的小さなサイズの集積回路を形成することができる。例えば、小型ICチップの面積は、6.25mm2より小さい、1mm2より小さい、又は0.1mm2より小さいことがある。単なる例として、小型ICチップは、1.0mm×1.0mm以下、0.75mm×0.75mm以下、又は0.5mm×0.5mm以下の広さを有することがある。いくつかの実施態様では、小型ICチップの大きさは、0.05mm×0.05mmほど小さいことさえある。小型ICチップの厚さは、小型ICチップの構造、又は小型ICチップに含まれる構成要素によるが、例として、厚さは1.0mm以下、0.5mm以下、又は0.1mm以下のことがある。いくつかの実施態様では、厚さは0.005mmほど薄いことがある。概して、小型ICチップの構成は、(小型ICチップの外部に、又は小型ICチップの一部として)いかなる電源も設けられない場合(電源を設けると一般に小型ICチップのサイズが大きくなる)に特に適することがある。言い換えれば、概して、このような小さなサイズは、受動的な小型ICチップにおいて達成可能な場合がある。このような小型ICチップの適切な例としては、日立製作所(日本、東京)によって開発されたRFID DUST、又はImpinj Inc.(米国、ワシントン)製造のMonza 4 RFIDチップが含まれる。
ICチップの読み取り範囲(それより遠くなると受信器が識別子を受信できなくなる送信器219と受信器242との間の距離)は、送信器219及び/又は無線受電モジュールの大きさに依存することがある。読み取り範囲はまた、角度位置に関して不均一なことがある(すなわち、読み取り範囲は向きに依存する場合がある)。本実施態様の読み取り範囲は、所望の任意の値を採ることができるが、物品210と受信器242は一般的に、互いに近接して配置されるので、いくつかの実施態様では、読み取り範囲は、30cm以下、20cm以下、又は10cm以下、又は1cm以下のことがある。このような読み取り範囲は、一体化された送信器を有するICチップを用いて一般に可能である(すなわち、この場合、送信器は、ICチップ全体の大きさと同等、又はそれより小さい大きさのものである)。
小型ICチップを設けることは、エアロゾル生成品210を形成する構成要素に小型ICチップを一体化することを可能にする。例えば、1つ又は複数の小型ICチップは、基層14(例えば、基層14を形成する紙材料)、又は、いくつかの場合には、エアロゾル生成品210のエアロゾル化可能材料12にさえ一体的に形成することができる/埋め込むことができる。上記のように、エアロゾル生成品210は、(紙などの)基層14を含んでもよく、この基層14内に小型ICチップを埋め込むことができる。したがって、製造時、基層14は、エアロゾル生成品210を形成する他の構成要素(例えば、エアロゾル形成材料12)とともに加工されてエアロゾル生成品210を形成することができる。いくつかの実施態様では、層14は、埋め込まれた小型ICチップを含むチップペーパーであり、この場合、層14は、知られている技法により/知られている機械を使って、ボビン化(すなわち、紙14のボビン/スプールに形成)され、次いで、それを使ってエアロゾル生成品10を生産することができる。すなわち、本開示の一態様は、エアロゾル生成品を形成するための構成要素であり、この場合、この構成要素は一体化されたデータ保存ユニットを含む。小型ICチップは、輪転グラビア印刷などの印刷法によって層14と一体化されてもよいが、当業者であれば、他の印刷/製造技法も可能であることは認識するであろう。いくつかの実施態様では、小型ICチップは、層14の形成前に、層14を形成するために使用されるパルプに混合されてもよい。いくつかの例では、層14は、エアロゾル形成材料12及び/又はフィルター16の周りに巻かれると、またいくつかの場合には、接着されると、小型ICチップは、エアロゾル生成品210がデバイス230に挿入されたときに受信器242によって読み取られるのに適切な位置に配置される。これに代えて、又はこれに加えて、1つ又は複数の小型ICチップは、エアロゾル化可能材料の製造時(例えば、再生タバコシート製造工程時)にエアロゾル化可能材料12内に小型ICチップを埋め込むことによって、又は、エアロゾル化可能材料12の形成時(例えば、物品210製作工程時に、流れ作業でシートを再生タバコロッド要素に形成するとき)に小型ICチップを適用することによって、物品210のエアロゾル化可能材料12に埋め込むことができる。
或いは、1つ又は複数の小型ICチップは、例えば、適切なコーティング材料に小型ICチップ(複数可)を埋め込み、続いて、基層14にコーティングすることによって基層14の表面に適用することができる、又はエアロゾル化可能材料12が所望の形状に形成され/形作られればエアロゾル化可能材料12に適用することができる。コーティングは、物品210全体に亘って適用され、又は、一部分(例えば、物品210の遠位端10bよりも近位端10aに近い部分、又はその逆、或いは中間部分)のみに適用されてもよい。これに関しては、コーティングは、スラリー、例えば、コーティング材料及び1つ又は複数の小型ICチップを含むスラリーとして形成されてもよく、次いで、これは、基層14に適用される(しかしながら、物品210の製造に応じて、コーティングを適用する他の技法も用いることができる)。コーティングは、基層14の表面に適用されてもよく、物品210の組立前又は組立後に適用されてもよいことも理解されるべきである。コーティング材料は、液体接着剤を含んでもよく、いくつかの実施態様では、液体接着剤は、エアロゾル生成品210の製造時(例えば、層14をエアロゾル形成材料12及び/又はフィルター16の周りに巻くとき)に層14に適用されてもよい。例えば、小型ICチップを含む液体接着剤は、層14の端部同士を接着してもよい。したがって、本開示の一態様はエアロゾル形成物品を含み、このエアロゾル形成物品では、物品を形成する基層が1つ又は複数の小型ICチップを含む接着剤を使って接着される。
図6は、エアロゾル生成品10、110、210から使用者が吸引するためのエアロゾルを生成するための例示的な方法を示す。
本方法は、使用者がエアロゾル生成品10をエアロゾル供給デバイス30の受入部38に挿入するステップS1から始まる。このステップの前に、(該当する場合には)前のエアロゾル生成品が取り除かれてもよい。
エアロゾル生成品10が受入部38に挿入されると、読み取り動作が作動する。上記のように、これは、使用者がエアロゾル供給デバイス30の外側ハウジングのボタンを起動することによって起こすことができ、その時点で、データ読取器42は、データ保存ユニット18を読み取り始める、又はデータ読取器42は、定期的にデータ読み取り動作を実行してもよい(この場合、ステップS2は、必ずしも、ステップS1とステップS3との間にのみ存在する必要はなく、ステップS1の前に定期的に存在してもよい)。
ステップS3において、制御回路は、識別子が制御回路36によって受け取られたかどうか(すなわち、データ読取器42が識別子を読み取ったかどうか)を判定する。yesであれば、本方法は、制御回路36がデバイス30の動作の態様を変更するステップS4に進む。上記のように、これは、(識別子が純正の識別子である場合)加熱動作を始める、又はエアロゾル生成品10を加熱する方法を変更するという意味の場合もある。
或いは、ステップS3において判定がnoであれば、本方法は、ステップS5及びステップS2において読み取り手順を繰り返すように進む。読み取り動作が定期的な読み取り動作の場合、ステップS3からステップS4へ移行するときには、定期的な読み取りは、設定期間中、例えば、セッション期間中(例えば5〜10分間)、一時的に停止されてもよい。例えば、使用者がデバイス30のハウジングのボタンを起動すると、ステップS2における読み取り動作が初めて実行され、識別子が最初のうち、受け取られなかった場合、本方法は、識別子が読み取られるときまで、ステップS2の読み取り動作の別な段階を作動させるように進む。
いくつかの場合、(識別子が存在しないので)識別子は読み取られず、その場合には、既定の回数の読み取り動作の後(又は、最初の読み取り動作から所定の時間後)、デバイス30は、(例えば、LEDなどのインジケータによって)識別子を読み取ることができないことを示すように構成されてもよい。
このように、使用者が吸引するためのエアロゾルを生成するためのエアロゾル供給システムが説明されてきた。本システムは、固体又はゲルであるエアロゾル化可能材料を備えるエアロゾル生成品と、エアロゾル生成品を受け入れるように構成された受入部を有し、使用時に、エアロゾル化可能材料からエアロゾルを生成するように構成されたコントロールユニットとを備える。エアロゾル生成品は、エアロゾル生成品を同定する識別子を保存するように構成されたデータ保存ユニットを含む。コントロールユニットは、データ保存ユニットから識別子を受け取り、受け取った識別子に基づいてコントロールユニットに動作を実行させるように構成される。
上記は、全般的に、円筒状ロッドの形態のエアロゾル生成品10、110、210について説明してきたが、エアロゾル生成品10、110、210は所望の任意の形態を採ることができることは理解されるべきである。例えば、エアロゾル生成品は、エアロゾル化可能材料12が基層14の表面に設けられた(例えば、層14にコーティングされた)、平坦な(すなわち、巻かれていない)基層14を備えてもよい。そのときの用途に応じて、他の形状のエアロゾル生成品もまた可能となる場合がある。したがって、受入部38、138、238は、エアロゾル生成品を受け入れる大きさにしてもよいこともまた理解されるべきである。エアロゾル生成品10、138、238はまた、さやの形態で、例えば、空気が通ることができる空気孔を有するプラスチックのかご/ハウジングにエアロゾル化可能材料12が収められて提供することができる。
上記は、全般的に、基層14を含むエアロゾル生成品10、110、210について説明してきたが、エアロゾル生成品10、110、210の基層14は、エアロゾル生成材料12が基層14から取り外されるように、エアロゾル生成材料から分離されてもよいことは理解されるべきである。この例では、エアロゾル化可能材料は、使用者によるエアロゾル化可能材料の取扱いを可能とする態様でエアロゾル化可能材料を保持するように構成された支持部材を含んでもよく、例えば、支持部材は、紙又は厚紙の管であってもよい。取外し可能な基層14は、複数のエアロゾル化可能材料とともに機能を果たすことができ、データ保存ユニットを含む。すなわち、基層14はデータ保存ユニットを含むが、エアロゾル化可能材料の複数の部分を取外し可能に含む、又はそれらに取外し可能に結合することができる。基層14は、エアロゾル化可能材料ほど頻繁には取り換えられることはなく、すなわち、基層14は、複数の吸引セッションに対して使用することができる。ここで、1回の吸引セッションは、エアロゾル化可能材料の一部分からエアロゾルを生成することに相当する。紙、厚紙、金属、プラスチックなどの任意の適切な材料から形成することができる基層14は、デバイスに挿入されるスリーブとして働き、エアロゾル化可能材料の各部分を受け入れるように構成される。このような構成に対して、識別子をエアロゾル化可能材料のあらゆる部分に設けるよりもそれぞれのスリーブ上又はスリーブ内に設けることの方が容易で費用効果を高くすることができる。
上記は、ヒーター40がエアロゾル生成品の外周を取り囲むシステムについて説明してきたが、ヒーターは、エアロゾル生成品と一体的に、又はエアロゾル生成品内に設けられてもよいこともまた理解されるべきである。例えば、エアロゾル生成品は、エアロゾル化可能材料に近接して設けられたサセプタ材料(例えば軟鋼)を備えてもよい。エアロゾル供給デバイスは、ヒーター40の代わりに、サセプタ材料に侵入して加熱することができる変動磁場を生成する誘導作用のコイルを備える。任意の適切な加熱機構(又は、より一般的には、エアロゾル化機構)を本開示とともに用いることができることは理解されるべきである。
上記は、データ保存ユニットが、物品10を同定するための識別子を保存し、コントロールユニットに動作を実行させるシステムについて説明してきたが、データ保存ユニット18はまた、追加のデータを保存するように構成されてもよいことは理解されるべきである。例えば、データ保存ユニット18は、バッチ番号、製造番号、製造データなどの物品10に関する他の情報又はパラメータを保存するように構成されてもよい。他の実施態様では、データ保存ユニット18は、加熱プロファイル、又は加熱プロファイルに関するパラメータなどの追加の情報を保存するように構成されてもよい。例えば、この場合、識別子が送られると、加熱プロファイルもまたデバイスに送ることができ、したがって、デバイスは、送られたプロファイルに従って消耗可能物を加熱することができる。この場合、識別子は、物品10を認証するためだけに用いることができ、必ずしも、エアロゾル生成材料12の香料/タイプを指示する必要はない。
上記の実施形態は、いくつかの点で、いくつかの特定の例示的なエアロゾル供給システムに注目したが、同じ原理を他の技術を使ったエアロゾル供給システムに対して適用することができることは理解されよう。すなわち、エアロゾル供給システムの様々な態様が機能する特定の方法は、本書で説明した例の基本的な原理に直接関係しない。
様々な課題に対処し、技術を進歩させるため、本開示は、特許請求する発明(複数可)を実施することが可能な様々な実施形態を例示的に示している。本開示の利点及び特徴は、実施形態のうちの代表的な例にすぎず、すべての利点や特徴を網羅したものでもなければ、他の利点や特徴を排除するものでもない。これらは、特許請求される発明(複数可)の理解と教示を助けるためだけに提示されている。本開示の利点、実施形態、例、機能、特徴、構造、及び/又は他の側面は、特許請求の範囲によって規定された通りに本開示を限定するもの、或いは特許請求の範囲の均等物を制限するものと考えるべきではなく、特許請求の範囲から逸脱することなく他の実施形態を利用し、変形を施すことができることを理解されたい。様々な実施形態が、本書で詳細に説明されたもの以外の、開示された要素、構成部品、特徴、部品、ステップ、手段などの様々な組合せを適切に備えてもよく、それらのみから構成されてもよく、或いは実質的にそれらから構成されてもよく、したがって、特許請求の範囲に明記されている以外の組合せで従属請求項の特徴を独立請求項の特徴と組み合わせてもよいことは理解されよう。本開示は、現在は特許請求されていないが将来特許請求される可能性のある他の発明を含む可能性がある。