JP2021516535A - 低pHを有する風味付けされた物品 - Google Patents

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Abstract

本明細書に提示される様々な態様は、風味付けされた物品の味覚プロファイルを改善するための、該風味付けされた物品におけるシクロヘキサンカルボン酸の使用に関する。

Description

関連出願の相互参照
本出願は、2018年3月22日に出願された米国仮特許出願第62/646,651号および2018年4月10日に出願された欧州特許出願第18166487.1号に対する優先権を主張し、その内容全体を本明細書に援用するものとする。
発明の分野
本明細書に提示される様々な態様は、風味付けされた物品の味覚プロファイルを改善するための、該風味付けされた物品におけるシクロヘキサンカルボン酸の使用に関する。
背景
風味改良剤とは、風味付けされた物品の本来の風味を補足、増強または改良するために添加される物質である。風味とは、味、匂いまたは香りの知覚と化学的感覚因子との組み合わせと定義される。風味の知覚とは、口腔および鼻腔の双方における受容体の化学的刺激の結果である。基本的な味は、甘味、酸味、塩味および苦味である。もう1つの基本的な味として説明される旨味は、風味プロファイルの他の成分および構成要素の味覚効果を高める。旨味や特定の三叉神経効果を含むこれらの基本的な味は、口腔内で知覚される。香りとは、消費される前の食品から発する匂い、または製品を噛んで飲み込むときに知覚される風味である。
望ましい風味および/または香りを増強させることによって、または望ましくない属性をマスキングもしくは排除することによって製品の受容性を高めるために、食品(飲料を含む)、パーソナルまたは家庭用ケア製品、医薬製剤または他の組成物に、風味および/または香り改良剤を添加することができる。摂取可能な食品、機能性食品および医薬品、ならびにオーラルおよびパーソナルケア製品(例えば、マウスウォッシュ、練り歯磨き、化粧品、香水など)または家庭、企業などの中およびその周辺において見ることのできる製品の味および/または香りを変更するために、風味改良剤を使用することができる。
食品の品質を改善し、このような製品に新しく異なる風味および香りの感覚を付与することが、長年にわたって目標とされてきた。貯蔵寿命が比較的長いと予想される食品の商業的生産では、加工条件、貯蔵条件の使用および/または食品組成物に望ましくない異味を生じ得る成分の添加がしばしば必要となる。味覚の問題に対する一般的な解決策は、原料および製造のコストが高いために効果的でないことがよくある。風味改良剤を使用することで、食品組成物中の望ましくない異味を排除または大幅に低減させるとともに、食品の全体的な味覚を改善し、かつ/または新しくかつ斬新な味体験を提供することができる。
例えば、食品安全性の理由から、多くの風味付けされた物品は、低pH(pH約2.6〜4.6)を有することが要求される。このpHは、強い酸味を付与する食品酸(無機酸および有機酸)を添加することにより達成される。酸味および苦味をマスキングする現在の方法には、糖分(甘味の風味付けされた物品の場合)または塩分(塩味を有する物品の場合)の添加が含まれるが、これは望ましくない場合がある。
したがって、食品に風味の改良および斬新さを提供し、好ましくはこれらの有益性に健康的でかつコスト効率良く寄与し得る風味改良剤を提供することが望ましいであろう。
図1に、コーヒー生豆抽出物300ppm(シクロヘキサンカルボン酸を該抽出物の50%含有)を含有するグレープフルーツ果汁を含むベースと、グレープフルーツ果汁を単独で含む対応する対照試料との、官能プロファイルを示す。 図2に、コーヒー生豆抽出物300ppm(シクロヘキサンカルボン酸を該抽出物の50%含有)を含有するクランベリー果汁を含むベースと、クランベリー果汁を単独で含む対応する対照試料との、官能プロファイルを示す。 図3に、コーヒー生豆抽出物300ppm(シクロヘキサンカルボン酸を該抽出物の50%含有)を含有するトマト果汁を含むベースと、トマト果汁を単独で含む対応する対照試料との、官能プロファイルを示す。
概要
本明細書に提示される一態様は、風味付けされた物品の苦味を低減もしくはマスキングするかまたは風味付けされた物品の味覚プロファイルを改善する方法であって、前記風味付けされた物品に、嗅覚および/または味覚的に有効な量の少なくとも1つのシクロヘキサンカルボン酸を添加するステップを含む、方法を提供する。
本明細書に提示される一態様は、風味付けされた物品の甘味を増強させ、かつ/または甘味プロファイルを改善する方法であって、前記風味付けされた物品に、嗅覚および/または味覚的に有効な量の少なくとも1つのシクロヘキサンカルボン酸を添加するステップを含む、方法を提供する。
本明細書に提示される一態様は、風味付けされた物品の酸味プロファイルを増強または改善する方法であって、前記風味付けされた物品に、嗅覚および/または味覚的に有効な量の少なくとも1つのシクロヘキサンカルボン酸を添加するステップを含む、方法を提供する。
一態様において、酸味プロファイルの増強または改善は、風味付けされた物品の酸味の低減である。
一態様において、苦味の低減もしくはマスキングまたは味覚プロファイルの改善は、風味付けされた物品の異味の低減である。
一態様において、風味付けされた物品は、天然および/または人工甘味料を含む。
一態様において、甘味の増強は、風味付けされた物品の甘味プロファイルの改善である。
一態様において、嗅覚および/または味覚的に有効な量の少なくとも1つのシクロヘキサンカルボン酸は、風味付けされた物品のpHを低下させる。
一態様において、少なくとも1つのシクロヘキサンカルボン酸は、コーヒー生豆抽出物、スイカズラ花抽出物およびトチュウ樹皮抽出物からなる群から選択される植物抽出物から得られる。
一態様において、少なくとも1つのシクロヘキサンカルボン酸は、5−カフェオイルキナ酸(5−CQA)、3−カフェオイルキナ酸(3−CQA)、4−カフェオイルキナ酸(4−CQA)、3,4−ジカフェオイルキナ酸(3,4−diCQA)、3,5−ジカフェオイルキナ酸(3,5−diCQA)、4,5−ジカフェオイルキナ酸(4,5−diCQA)、3−フェルロイルキナ酸(3−FQA)、4−フェルロイルキナ酸(4−FQA)、5−フェルロイルキナ酸(5−FQA)、3−p−クマロイルキナ酸(3−p−CoQA)、4−p−クマロイルキナ酸(4−p−CoQA)、5−p−クマロイルキナ酸(3−p−CoQA)、3,4−カフェオイルフェルロイルキナ酸(3,4−CFQA)、3,4−フェルロイルカフェオイルキナ酸(3,4−FCQA)、3,5−カフェオイルフェルロイルキナ酸(3,5−CFQA)、3,5−フェルロイルカフェオイルキナ酸(3,4−FCQA)、4,5−カフェオイルフェルロイルキナ酸(4,5−CFQA)、4,5−フェルロイルカフェオイルキナ酸(4,5−FCQA)およびそれらの組み合わせからなる群から選択される。
一態様において、少なくとも1つのシクロヘキサンカルボン酸は、5−カフェオイルキナ酸である。
一態様において、嗅覚および/または味覚的に有効な量の少なくとも1つのシクロヘキサンカルボン酸は、風味付けされた物品中に50〜1000ppm存在する。
詳細な説明
以下の説明では、実施可能な特定の実施形態を参照するが、これは例示的に示されるものである。これらの実施形態は、当業者が本明細書に記載される本発明を実施できるように詳細に記載されており、また、他の実施形態を利用することができ、かつ本明細書に提示される態様の範囲から逸脱することなく論理的変更を加えてよいことが理解されるべきである。したがって、以下の例示的な実施形態の説明は、限定的な意味で解釈されるべきではなく、本明細書に提示される様々な態様の範囲は、添付の特許請求の範囲によって定められるものである。
要約は、読み手が、米国特許法施行規則第1.72条第(b)項に準拠して技術的開示の本質および要旨を迅速に確認し得るために提供されるものである。要約は、クレームの範囲または意味を解釈または限定するために使用されるものではないことを理解して提出される。
驚くべきことに、風味付けされた物品に少なくとも1つのシクロヘキサンカルボン酸を添加することで、風味付けされた物品の苦味を低減もしくはマスキングするかまたは風味付けされた物品の味覚プロファイルを改善することができることが判明した。
本明細書で使用する場合に、「嗅覚および/または味覚的に有効な量」という用語は、少なくとも1つのシクロヘキサンカルボン酸が風味付けされた物品中に存在する場合の、該風味付けされた物品の苦味を低減もしくはマスキングするかまたは該風味付けされた物品の味覚プロファイルを改善する該シクロヘキサンカルボン酸の量を指す。また、本明細書で使用する場合に、「嗅覚および/または味覚的に有効な量」という用語は、少なくとも1つのシクロヘキサンカルボン酸が風味付けされた物品中に存在する場合の、該風味付けされた物品の甘味を増強させる該シクロヘキサンカルボン酸の量を指す。また、本明細書で使用する場合に、「嗅覚および/または味覚的に有効な量」という用語は、少なくとも1つのシクロヘキサンカルボン酸が風味付けされた物品中に存在する場合の、該風味付けされた物品の酸味プロファイルを増強または改善する該シクロヘキサンカルボン酸の量を指す。
いくつかの態様において、少なくとも1つのシクロヘキサンカルボン酸は、果物(例えば、リンゴ、アプリコット、ブラックベリー、ブルーベリー、チェリー、柑橘系果物、桃、梨、プラムおよびイチゴ)、植物の葉(例えば、ブルーベリー、マテ、ステビアまたはトチュウ葉)、野菜(例えば、アーティチョーク、芽キャベツ、キャベツ、ニンジン、ナス、ケール、ピーマン、ジャガイモおよびトマト)および他の植物(例えば竹、コーヒー豆、スイカズラ花、ヒマワリの種およびイェルバ・マテ)といった様々な植物から得られた抽出物を含み得る。
植物抽出物は、商業的に入手することも、例えばFarah et al., J. Nutr. December 2008, vol. 138 no. 12, 2309−2315またはUpadhyay et al., Crit. Rev. Food. Sci. Nutr., 2013, Vol. 53, 968−984またはLi et al., Medicinal Plant, 2014, Vol. 5, 4−7に記載されているような当該技術分野で公知の手順に従って単離または生成することも可能である。
したがって、本明細書に提示されるいくつかの態様は、風味付けされた物品の苦味を低減もしくはマスキングするかまたは風味付けされた物品の味覚プロファイルを改善する方法であって、前記方法は、前記風味付けされた物品に植物抽出物を添加するステップを含み、前記植物抽出物は、少なくとも1つのシクロヘキサンカルボン酸を含み、前記植物抽出物を、前記風味付けされた物品中に嗅覚および/または味覚的に有効な量の少なくとも1つのシクロヘキサンカルボン酸をもたらすのに十分な量で添加する、方法を提供する。
あるいは本明細書に提示されるいくつかの態様は、風味付けされた物品の苦味を低減もしくはマスキングするかまたは風味付けされた物品の味覚プロファイルを改善する方法であって、前記風味付けされた物品に、嗅覚および/または味覚的に有効な量の少なくとも1つのシクロヘキサンカルボン酸を添加するステップを含む、方法を提供する。
いくつかの態様において、嗅覚および/または味覚的に有効な量の少なくとも1つのシクロヘキサンカルボン酸は、風味付けされた物品の渋味を低減させる。
いくつかの態様において、苦味の低減もしくはマスキングまたは味覚プロファイルの改善は、風味付けされた物品の異味の低減であり、風味付けされた物品は、天然および/または人工甘味料を含む。
いくつかの態様において、嗅覚的に有効な量の少なくとも1つのシクロヘキサンカルボン酸は、風味付けされた物品の苦味を低減もしくはマスキングするかまたは風味付けされた物品の味覚プロファイルを改善するのに必要となり得る砂糖および/または人工甘味料の量を低減させる。
いくつかの態様において、風味付けされた物品の苦味を低減もしくはマスキングするかまたは風味付けされた物品の味覚プロファイルを改善するのに必要となり得る砂糖および/または人工甘味料の量は、1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、11%、12%、13%、14%、15%、16%、17%、18%、19%、20%、21%、22%、23%、24%、25%、26%、27%、28%、29%、30%、31%、32%、33%、34%、35%、36%、37%、38%、39%、40%、41%、42%、43%、44%、45%、46%、47%、48%、49%、50%またはそれを上回る分だけ低減される。
いくつかの態様において、嗅覚的に有効な量の少なくとも1つのシクロヘキサンカルボン酸は、風味付けされた物品の苦味を低減もしくはマスキングするかまたは風味付けされた物品の味覚プロファイルを改善するのに必要となり得る食塩の量を低減させる。
いくつかの態様において、風味付けされた物品の苦味を低減もしくはマスキングするかまたは風味付けされた物品の味覚プロファイルを改善するのに必要となり得る食塩の量は、1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、11%、12%、13%、14%、15%、16%、17%、18%、19%、20%、21%、22%、23%、24%、25%、26%、27%、28%、29%、30%、31%、32%、33%、34%、35%、36%、37%、38%、39%、40%、41%、42%、43%、44%、45%、46%、47%、48%、49%、50%またはそれを上回る分だけ低減される。
本明細書に提示されるいくつかの態様は、風味付けされた物品の甘味を増強させる方法であって、前記方法は、前記風味付けされた物品に植物抽出物を添加するステップを含み、前記植物抽出物は、少なくとも1つのシクロヘキサンカルボン酸を含み、前記植物抽出物を、前記風味付けされた物品中に嗅覚および/または味覚的に有効な量の少なくとも1つのシクロヘキサンカルボン酸をもたらすのに十分な量で添加する、方法を提供する。
あるいは本明細書に提示されるいくつかの態様は、風味付けされた物品の甘味を増強させる方法であって、前記方法は、前記風味付けされた物品に、嗅覚および/または味覚的に有効な量の少なくとも1つのシクロヘキサンカルボン酸を添加するステップを含む、方法を提供する。
いくつかの態様において、風味付けされた物品の甘味の増強は、風味付けされた物品の甘味プロファイルの改善である。いくつかの態様において、甘味プロファイルは、官能パネルにより決定され、甘味プロファイルは、甘味強度と残存する甘味との比と定義される。
例として、例えばステビアのようないくつかの甘味料は、スクロースに比べて望ましくない異味を有する。いくつかの態様において、一部の食品酸は、望ましくない異味を増強させる場合がある。したがって、嗅覚および/または味覚的に有効な量の少なくとも1つのシクロヘキサンカルボン酸は、例えばステビアなどの甘味料の望ましくない異味を低減またはマスキングする。
本明細書に提示されるいくつかの態様は、風味付けされた物品の酸味プロファイルを増強または改善する方法であって、前記方法は、前記風味付けされた物品に植物抽出物を添加するステップを含み、前記植物抽出物は、少なくとも1つのシクロヘキサンカルボン酸を含み、前記植物抽出物を、前記風味付けされた物品中に嗅覚および/または味覚的に有効な量の少なくとも1つのシクロヘキサンカルボン酸をもたらすのに十分な量で添加する、方法を提供する。
あるいは本明細書に提示されるいくつかの態様は、風味付けされた物品の酸味プロファイルを増強または改善する方法であって、前記方法は、前記風味付けされた物品に、嗅覚および/または味覚的に有効な量の少なくとも1つのシクロヘキサンカルボン酸を添加するステップを含む、方法を提供する。
いくつかの態様において、酸味プロファイルの増強または改善は、風味付けされた物品の酸味の低減である。
いくつかの態様において、嗅覚および/または味覚的に有効な量の少なくとも1つのシクロヘキサンカルボン酸は、風味付けされた物品の渋味を低減させる。
いくつかの態様において、植物抽出物は、コーヒー生豆抽出物、スイカズラ花抽出物およびトチュウ樹皮抽出物からなる群から選択される。
いくつかの態様において、少なくとも1つのシクロヘキサンカルボン酸は、5−カフェオイルキナ酸(5−CQA)、3−カフェオイルキナ酸(3−CQA)、4−カフェオイルキナ酸(4−CQA)、3,4−ジカフェオイルキナ酸(3,4−diCQA)、3,5−ジカフェオイルキナ酸(3,5−diCQA)、4,5−ジカフェオイルキナ酸(4,5−diCQA)、3−フェルロイルキナ酸(3−FQA)、4−フェルロイルキナ酸(4−FQA)、5−フェルロイルキナ酸(5−FQA)、3−p−クマロイルキナ酸(3−p−CoQA)、4−p−クマロイルキナ酸(4−p−CoQA)、5−p−クマロイルキナ酸(3−p−CoQA)、3,4−カフェオイルフェルロイルキナ酸(3,4−CFQA)、3,4−フェルロイルカフェオイルキナ酸(3,4−FCQA)、3,5−カフェオイルフェルロイルキナ酸(3,5−CFQA)、3,5−フェルロイルカフェオイルキナ酸(3,4−FCQA)、4,5−カフェオイルフェルロイルキナ酸(4,5−CFQA)、4,5−フェルロイルカフェオイルキナ酸(4,5−FCQA)およびそれらの組み合わせからなる群から選択され、これをモデル系において試験することも可能である。いくつかの態様において、少なくとも1つのシクロヘキサンカルボン酸は、エナンチオマーもしくはジアステレオ異性体またはそれらの混合物の形態であってよい。
いくつかの態様において、嗅覚および/または味覚的に有効な量のシクロヘキサンカルボン酸は、風味付けされた物品中に50〜1000ppm存在する。いくつかの態様において、嗅覚および/または味覚的に有効な量のシクロヘキサンカルボン酸は、風味付けされた物品中に50〜900ppm存在する。いくつかの態様において、嗅覚および/または味覚的に有効な量のシクロヘキサンカルボン酸は、風味付けされた物品中に50〜800ppm存在する。いくつかの態様において、嗅覚および/または味覚的に有効な量のシクロヘキサンカルボン酸は、風味付けされた物品中に50〜700ppm存在する。いくつかの態様において、嗅覚および/または味覚的に有効な量のシクロヘキサンカルボン酸は、風味付けされた物品中に50〜600ppm存在する。いくつかの態様において、嗅覚および/または味覚的に有効な量のシクロヘキサンカルボン酸は、風味付けされた物品中に50〜500ppm存在する。いくつかの態様において、嗅覚および/または味覚的に有効な量のシクロヘキサンカルボン酸は、風味付けされた物品中に50〜400ppm存在する。いくつかの態様において、嗅覚および/または味覚的に有効な量のシクロヘキサンカルボン酸は、風味付けされた物品中に50〜300ppm存在する。いくつかの態様において、嗅覚および/または味覚的に有効な量のシクロヘキサンカルボン酸は、風味付けされた物品中に50〜200ppm存在する。いくつかの態様において、嗅覚および/または味覚的に有効な量のシクロヘキサンカルボン酸は、風味付けされた物品中に50〜100ppm存在する。いくつかの態様において、嗅覚および/または味覚的に有効な量のシクロヘキサンカルボン酸は、風味付けされた物品中に50〜90ppm存在する。いくつかの態様において、嗅覚および/または味覚的に有効な量のシクロヘキサンカルボン酸は、風味付けされた物品中に50〜80ppm存在する。いくつかの態様において、嗅覚および/または味覚的に有効な量のシクロヘキサンカルボン酸は、風味付けされた物品中に50〜70ppm存在する。いくつかの態様において、嗅覚および/または味覚的に有効な量のシクロヘキサンカルボン酸は、風味付けされた物品中に50〜60ppm存在する。
いくつかの態様において、嗅覚および/または味覚的に有効な量のシクロヘキサンカルボン酸は、風味付けされた物品中に60〜1000ppm存在する。いくつかの態様において、嗅覚および/または味覚的に有効な量のシクロヘキサンカルボン酸は、風味付けされた物品中に70〜1000ppm存在する。いくつかの態様において、嗅覚および/または味覚的に有効な量のシクロヘキサンカルボン酸は、風味付けされた物品中に80〜1000ppm存在する。いくつかの態様において、嗅覚および/または味覚的に有効な量のシクロヘキサンカルボン酸は、風味付けされた物品中に90〜1000ppm存在する。いくつかの態様において、嗅覚および/または味覚的に有効な量のシクロヘキサンカルボン酸は、風味付けされた物品中に100〜1000ppm存在する。いくつかの態様において、嗅覚および/または味覚的に有効な量のシクロヘキサンカルボン酸は、風味付けされた物品中に200〜1000ppm存在する。いくつかの態様において、嗅覚および/または味覚的に有効な量のシクロヘキサンカルボン酸は、風味付けされた物品中に300〜1000ppm存在する。いくつかの態様において、嗅覚および/または味覚的に有効な量のシクロヘキサンカルボン酸は、風味付けされた物品中に400〜1000ppm存在する。いくつかの態様において、嗅覚および/または味覚的に有効な量のシクロヘキサンカルボン酸は、風味付けされた物品中に500〜1000ppm存在する。いくつかの態様において、嗅覚および/または味覚的に有効な量のシクロヘキサンカルボン酸は、風味付けされた物品中に600〜1000ppm存在する。いくつかの態様において、嗅覚および/または味覚的に有効な量のシクロヘキサンカルボン酸は、風味付けされた物品中に700〜1000ppm存在する。いくつかの態様において、嗅覚および/または味覚的に有効な量のシクロヘキサンカルボン酸は、風味付けされた物品中に800〜1000ppm存在する。いくつかの態様において、嗅覚および/または味覚的に有効な量のシクロヘキサンカルボン酸は、風味付けされた物品中に900〜1000ppm存在する。
いくつかの態様において、嗅覚および/または味覚的に有効な量のシクロヘキサンカルボン酸は、風味付けされた物品中に、50ppm、または60ppm、または70ppm、または80ppm、または90ppm、または100ppm、または200ppm、または300ppm、または400ppm、または500ppm、または600ppm、または700ppm、または800ppm、または900ppm、または1000ppm存在する。
いくつかの態様において、嗅覚および/または味覚的に有効な量のシクロヘキサンカルボン酸は、風味付けされた物品のpHを低下させる。
風味付けされた物品のpHを、7未満のpHに低下させることができる、例えば、風味付けされた物品のpHを、6.5、または6、または5.5、または5、または4.5、または4、または3.5、または3、または2.5、または2のpHに低下させることができる。
いくつかの態様において、風味付けされた物品のpHを、2.5のpHに低下させることができる。
いくつかの態様において、pHの低下は、風味付けされた物品の貯蔵寿命を延長させる。
いくつかの態様において、嗅覚および/または味覚的に有効な量の少なくとも1つのシクロヘキサンカルボン酸は、風味付けされた物品の口当たりの改善または増強を付与する。
シクロヘキサンカルボン酸
いくつかの態様において、シクロヘキサンカルボン酸は、クロロゲン酸である。本明細書で使用する場合に、「クロロゲン酸」という用語は、植物材料中に見られるフェノール酸を指す。クロロゲン酸は、キナ酸のアシル基の性質、数および位置によって分類できる。
本発明のシクロヘキサンカルボン酸は、商業的に入手することも、例えばSefkow(Eur. J. Org. Chem. 2001, 1137−1141)により記載されたような当該技術分野で公知の手順に従って合成することも、例えば果物(例えば、リンゴ、アプリコット、ブラックベリー、ブルーベリー、チェリー、柑橘系果物、桃、梨、プラムおよびイチゴ)、植物の葉(例えば、ブルーベリー、マテ、ステビアまたはトチュウ葉)、野菜(例えば、アーティチョーク、芽キャベツ、キャベツ、ニンジン、ナス、ケール、ピーマン、ジャガイモおよびトマト)および他の植物(例えば竹、コーヒー豆、スイカズラ花、ヒマワリの種およびイェルバ・マテ)といった様々な植物から得ることも可能である。
いくつかの態様において、シクロヘキサンカルボン酸は、国際公開第2002/100192号に開示されているシクロヘキサンカルボン酸から選択される。
いくつかの態様において、シクロヘキサンカルボン酸は、国際公開第2016/209664号に開示されているシクロヘキサンカルボン酸から選択される。
いくつかの態様において、シクロヘキサンカルボン酸は、米国特許第6632459号明細書に開示されているシクロヘキサンカルボン酸から選択される。
いくつかの態様において、少なくとも1つのシクロヘキサンカルボン酸は、5−カフェオイルキナ酸(5−CQA)、3−カフェオイルキナ酸(3−CQA)、4−カフェオイルキナ酸(4−CQA)、3,4−ジカフェオイルキナ酸(3,4−diCQA)、3,5−ジカフェオイルキナ酸(3,5−diCQA)、4,5−ジカフェオイルキナ酸(4,5−diCQA)、3−フェルロイルキナ酸(3−FQA)、4−フェルロイルキナ酸(4−FQA)、5−フェルロイルキナ酸(5−FQA)、3−p−クマロイルキナ酸(3−p−CoQA)、4−p−クマロイルキナ酸(4−p−CoQA)、5−p−クマロイルキナ酸(3−p−CoQA)、3,4−カフェオイルフェルロイルキナ酸(3,4−CFQA)、3,4−フェルロイルカフェオイルキナ酸(3,4−FCQA)、3,5−カフェオイルフェルロイルキナ酸(3,5−CFQA)、3,5−フェルロイルカフェオイルキナ酸(3,4−FCQA)、4,5−カフェオイルフェルロイルキナ酸(4,5−CFQA)、4,5−フェルロイルカフェオイルキナ酸(4,5−FCQA)およびそれらの組み合わせからなる群から選択される。いくつかの態様において、少なくとも1つのシクロヘキサンカルボン酸は、エナンチオマーもしくはジアステレオ異性体またはそれらの混合物の形態であってよい。
いくつかの態様において、少なくとも1つのシクロヘキサンカルボン酸は、5−カフェオイルキナ酸である。
いくつかの態様において、少なくとも1つのシクロヘキサンカルボン酸は、コーヒー生豆から精製される。コーヒー生豆からシクロヘキサンカルボン酸を精製する方法、およびコーヒー生豆から抽出されたシクロヘキサンカルボン酸を含む組成物の例は、Del Rio et al.,Nutrients 2(8):820−833(2010)に開示されている。
風味付けされた物品
少なくとも1つシクロヘキサンカルボン酸を、風味付けされた物品に直接添加することができる。あるいは少なくとも1つのシクロヘキサンカルボン酸を、風味付けされた物品の特定の成分と予め混合することも可能である。例えば、少なくとも1つのシクロヘキサンカルボン酸を、風味付けされた物品に酸味を付与する成分と混合することができ、これをその後、風味付けされた物品の残りの成分に添加することができる。
風味付けされた物品には、例えば、食品(例えば、飲料)、甘味料、例えば天然甘味料または人工甘味料、医薬組成物、栄養補助食品、機能性食品、歯科衛生用組成物および化粧品が包含される。風味付けされた物品はさらに、少なくとも1つの風味料を含み得る。
いくつかの態様において、少なくとも1つの風味料はさらに、風味付けされた物品の味覚プロファイルまたは味覚属性を変更することができる。
いくつかの態様において、風味付けされた物品は、これらに限定されるものではないが例えば、果物、野菜、果汁、肉製品、例えばハム、ベーコンおよびソーセージ、卵製品、果実濃縮物、ゼラチンおよびゼラチン様製品、例えばジャム、ゼリー、プレザーブなど、乳製品、例えばアイスクリーム、サワークリームおよびシャーベット、アイシング、シロップ、例えば糖蜜、トウモロコシ、小麦、ライ麦、大豆、オート麦、米および大麦製品、ナッツおよびナッツ製品、ケーキ、クッキー、菓子、例えばキャンディー、ガム、果実風味が付けられたドロップおよびチョコレート、チューインガム、ミント、クリーム、パイおよびパンを包含する食品である。
いくつかの態様において、食品は飲料であり、これらに限定されるものではないが例えば、果汁、果汁を含有する飲料、コーヒー、紅茶、炭酸入り清涼飲料、例えばコーラ(COKE)およびペプシ(PEPSI)、非炭酸清涼飲料および他の果実飲料、スポーツドリンク、例えばゲータレード(GATORADE)、ならびにアルコール飲料、例えばビール、ワインおよび蒸留酒である。
風味付けされた物品には、調製済みの包装製品、例えば、水での再構成時に非炭酸飲料が生成される粒状のフレーバーミックス、インスタントプリンミックス、インスタントのコーヒーおよび紅茶、コーヒーホワイトナー、麦芽乳ミックス、ペットフード、家畜用飼料、タバコ、ならびにベーキング用途の材料、例えばパン、クッキー、ケーキ、パンケーキ、ドーナツなどの製造用の粉末状ベーキングミックスも包含され得る。
風味付けされた物品には、スクロースをほとんどまたはまったく含有しないダイエット用または低カロリーの食品および飲料も包含され得る。風味付けされた物品には、香辛料、例えばハーブ、スパイスおよび調味料、風味増強剤(例えば、グルタミン酸一ナトリウム)、ダイエット用甘味料および液体甘味料も包含され得る。
いくつかの態様において、風味付けされた物品は、医薬組成物、栄養補助食品、機能性食品、歯科衛生用組成物または化粧品である。
歯科衛生用組成物は当該技術分野で公知であり、これらに限定されるものではないが例えば、練り歯磨き、マウスウォッシュ、プラークリンス、デンタルフロス、歯痛緩和剤(例えば、ANBESOL)などが包含される。いくつかの態様において、歯科衛生用組成物は、1つの天然甘味料を含む。いくつかの態様において、歯科衛生用組成物は、2つ以上の天然甘味料を含む。いくつかの態様において、歯科衛生用組成物は、スクロースおよびコーンシロップ、またはスクロースおよびアスパルテームを含む。
いくつかの態様において、化粧品には、これらに限定されるものではないが例えば、顔用クリーム、口紅、リップグロスなどが包含される。本開示で使用される他の適切な化粧品には、リップバーム、例えばチャップスティック(CHAPSTICK)またはバーツビーズワックスリップバーム(BURT’S BEESWAX Lip Balm)が包含される。
本発明につき最良の形態を説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
例1:純度95%のステビオール配糖体の溶液を含むモデル系における酸味マスキング剤としてのシクロヘキサンカルボン酸の官能評価
純度95%のステビオール配糖体の溶液を含むモデル系:純度95%のステビオール配糖体400ppmの溶液を準備した。この溶液のアリコートにクロロゲン酸(CGA)を添加し、pHを記録した。結果を以下の表に示す。
Figure 2021516535
このアリコートをさらに味見して、種々のpHレベルでの純度95%のステビオール配糖体の溶液の酸味に対するクロロゲン酸の効果を評価した。表に報告されているデータは、クロロゲン酸が、純度95%のステビオール配糖体の溶液のpHを用量依存的に低下させ得ることを示している。しかし、純度95%のステビオール配糖体の溶液の酸味の増加は報告されなかった。
別個の実験において、クロロゲン酸が、純度95%のステビオール配糖体と500ppmのクエン酸との溶液のpHを低下させる能力を試験した。結果を以下の表に報告する。
Figure 2021516535
これらのデータは、クロロゲン酸が溶液のpHを低下させることができなかったことを示している。これは、500ppmのクエン酸の添加によって生じたものである。
上記の表に列挙した試料の官能プロファイルも評価し、結果を以下の表に示す。
Figure 2021516535
クロロゲン酸は、クエン酸の酸味を低減させ、かつ試料の口当たりおよびシロップ/キャンディ状の特性(砂糖様の味を連想させる)を改善することが判明した。さらに、甘味強度と残存する甘味との比(試料の甘味プロファイルの指標であり、比が高いほど甘味プロファイルが良好であることを示す)に関して、これらのデータは、クロロゲン酸100〜200ppmの添加によって、純度95%のステビオール配糖体の溶液の甘味プロファイルが改善されたことを示唆している。
例2:ココナツジュースを含むモデル系における酸味マスキング剤としてのシクロヘキサンカルボン酸の官能評価
ココナツジュースを含むモデル系:ココナツジュースを含むモデル系と対照試料とを、以下の表に記載の処方にしたがって生成した。
Figure 2021516535
この溶液のアリコートにクロロゲン酸(CGA)を添加し、pHを記録した。このアリコートをさらに味見して、官能特性に対するクロロゲン酸の効果を評価した。結果を以下の表に示す。
Figure 2021516535
この官能パネルは、30人の被験者を含んでいた。官能性の結果を以下の表に報告する。
Figure 2021516535
これらのデータは、クロロゲン酸が、同一のpHを有する対照試料と比較して、口当たりを顕著に高め、かつ酸味を低減させることを示唆している。
例3:様々な果汁を含むモデル系における酸味マスキング剤としてのシクロヘキサンカルボン酸を含むコーヒー生豆抽出物の官能評価
様々な果汁を含むモデル系:果汁およびコーヒー生豆抽出物を含むモデル系と、対照試料とを、以下の表に記載の処方にしたがって生成した。
Figure 2021516535
このアリコートを味見して、試料の官能特性に対するコーヒー生豆抽出物の効果を評価した。結果を以下の表および図1〜3に示す。
Figure 2021516535
これらのデータは、シクロヘキサンカルボン酸を含むコーヒー生豆抽出物がグレープフルーツ果汁ベースの渋味および苦味を顕著に低減させると同時に、グレープフルーツ果汁ベースの甘味を増強させたことを示唆している。同様にこれらのデータは、シクロヘキサンカルボン酸を含むコーヒー生豆抽出物がクランベリー果汁ベースの渋味を顕著に低減させ、かつクランベリー果汁ベースの風味強度を高めたことを示唆している。さらにこれらのデータは、シクロヘキサンカルボン酸を含むコーヒー生豆抽出物が、トマト果汁ベースの風味強度を高めたことを示唆している。
本明細書全体を通して引用された刊行物は、その内容全体が本明細書に援用される。本発明の様々な態様を、例および好ましい実施形態を参照して上記で説明したが、本発明の範囲は、前述の説明によってではなく、特許法の原則に基づいて適切に解釈される以下の特許請求の範囲によって定められるものと理解されたい。

Claims (13)

  1. 風味付けされた物品の苦味を低減もしくはマスキングするかまたは風味付けされた物品の味覚プロファイルを改善する方法であって、前記風味付けされた物品に、嗅覚および/または味覚的に有効な量の少なくとも1つのシクロヘキサンカルボン酸を添加するステップを含む、方法。
  2. 風味付けされた物品の甘味を増強させる方法であって、前記風味付けされた物品に、嗅覚および/または味覚的に有効な量の少なくとも1つのシクロヘキサンカルボン酸を添加するステップを含む、方法。
  3. 風味付けされた物品の酸味プロファイルを増強または改善する方法であって、前記風味付けされた物品に、嗅覚および/または味覚的に有効な量の少なくとも1つのシクロヘキサンカルボン酸を添加するステップを含む、方法。
  4. 前記苦味の低減もしくはマスキングまたは味覚プロファイルの改善が、前記風味付けされた物品の異味の低減である、請求項1記載の方法。
  5. 前記風味付けされた物品が、天然および/または人工甘味料を含む、請求項4記載の方法。
  6. 前記甘味の増強が、前記風味付けされた物品の甘味プロファイルの改善である、請求項2記載の方法。
  7. 前記嗅覚および/または味覚的に有効な量の少なくとも1つのシクロヘキサンカルボン酸が、前記風味付けされた物品のpHを低下させる、請求項1から6までのいずれか1項記載の方法。
  8. 前記嗅覚および/または味覚的に有効な量の少なくとも1つのシクロヘキサンカルボン酸が、前記風味付けされた物品の渋味を低減させる、請求項1から7までのいずれか1項記載の方法。
  9. 前記嗅覚および/または味覚的に有効な量の少なくとも1つのシクロヘキサンカルボン酸が、前記風味付けされた物品の口当たりを増強または改善する、請求項1から8までのいずれか1項記載の方法。
  10. 前記少なくとも1つのシクロヘキサンカルボン酸が、コーヒー生豆抽出物、スイカズラ花抽出物およびトチュウ樹皮抽出物からなる群から選択される植物抽出物から得られる、請求項1から9までのいずれか1項記載の方法。
  11. 前記少なくとも1つのシクロヘキサンカルボン酸が、5−カフェオイルキナ酸(5−CQA)、3−カフェオイルキナ酸(3−CQA)、4−カフェオイルキナ酸(4−CQA)、3,4−ジカフェオイルキナ酸(3,4−diCQA)、3,5−ジカフェオイルキナ酸(3,5−diCQA)、4,5−ジカフェオイルキナ酸(4,5−diCQA)、3−フェルロイルキナ酸(3−FQA)、4−フェルロイルキナ酸(4−FQA)、5−フェルロイルキナ酸(5−FQA)、3−p−クマロイルキナ酸(3−p−CoQA)、4−p−クマロイルキナ酸(4−p−CoQA)、5−p−クマロイルキナ酸(3−p−CoQA)、3,4−カフェオイルフェルロイルキナ酸(3,4−CFQA)、3,4−フェルロイルカフェオイルキナ酸(3,4−FCQA)、3,5−カフェオイルフェルロイルキナ酸(3,5−CFQA)、3,5−フェルロイルカフェオイルキナ酸(3,4−FCQA)、4,5−カフェオイルフェルロイルキナ酸(4,5−CFQA)、4,5−フェルロイルカフェオイルキナ酸(4,5−FCQA)およびそれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項1から10までのいずれか1項記載の方法。
  12. 前記少なくとも1つのシクロヘキサンカルボン酸が、5−カフェオイルキナ酸である、請求項1から11までのいずれか1項記載の方法。
  13. 前記嗅覚および/または味覚的に有効な量の少なくとも1つのシクロヘキサンカルボン酸が、前記風味付けされた物品中に50〜1000ppm存在する、請求項1から12までのいずれか1項記載の方法。
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