JP2021516428A - 金属超伝導ワイヤのための拡散障壁 - Google Patents

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Abstract

本明細書では、金属超伝導ワイヤのための拡散障壁が記載される。種々の実施形態では、超伝導ワイヤは、内部拡散に抵抗し、優れた機械的強度をワイヤに提供する、Nb合金またはNb−Ta合金から成る拡散障壁を組み込む。拡散障壁は、典型的には、Cuワイヤマトリクスの少なくとも一部と超伝導フィラメントとの間に、および/または超伝導フィラメントと、付加的機械的強度のために超伝導体ワイヤ内に、および/またはその周囲に組み込まれる安定化要素との間に、配置される。

Description

(関連出願)
本願は、その開示全体が、参照することによって本明細書に組み込まれる、2018年3月7日に出願された、米国仮特許出願第62/639,530号の利益および優先権を主張する。
種々の実施形態では、本発明は、相互拡散の防止のために拡散障壁を組み込む、超伝導ワイヤの形成および処理に関する。
超伝導材料は、その特徴的な臨界温度を下回って冷却されたとき、電気抵抗を呈さない。窒素の77K沸点よりも高い臨界温度を有する、高温超伝導体材料が識別されているが、これらの材料は、多くの場合、エキゾチック(例えば、ペロブスカイトセラミック)であり、処理することが困難であり、高磁場用途のために不適切である。したがって、ワイヤおよびコイルおよびそれらの束を要求する、実践的な超伝導用途に関して、金属超伝導体Nb−TiおよびNbSnが、最も多くの場合、利用される。これらの材料は、77Kを下回る臨界温度を有するが、これらの材料を処理する(例えば、ワイヤに引き伸ばす)ことの相対的容易性、および高電流および高磁場において動作するそれらの能力が、それらの広範な使用をもたらしている。
典型的金属超伝導ワイヤは、銅(Cu)導電性マトリクス内に埋め込まれる、超伝導相の複数の撚線(または「フィラメント」)を特徴とする。Nb−Tiは、細いワイヤになるように直接引き伸ばすために十分に延性であるが、その適用性は、典型的には、約8テスラを下回る強度を有する磁場を特徴とする用途に限定される。NbSnは、ワイヤ引伸変形に耐えることができない、脆性金属間相であり、したがって、典型的には、拡散熱処理を介したワイヤ引伸後に形成される。NbSn超伝導材料は、典型的には、少なくとも20テスラまでの強度を有する磁場を特徴とする用途で使用され得る。したがって、いくつかの異なる技法が、NbSnベースの超伝導ワイヤを加工するために利用されている。例えば、「ブロンズプロセス」では、大型複合物が、NbロッドおよびNbロッドを囲繞するCu−Sn合金ロッド(例えば、13〜15%のSnを含む)から加工される。これらの材料が延性であるため、複合物は、好適な直径まで引き伸ばされてもよく、次いで、引き伸ばされた複合物が、焼鈍される。熱処理が、相互拡散およびNbとCu−Snとの間の界面におけるNbSn相の形成をもたらす。NbSnベースの超伝導ワイヤを形成するための他のプロセスもまた、同様に、ワイヤ引伸後の脆性NbSn相の形成を伴う。例えば、純粋なSnまたはCuまたはMgを伴うSn合金が、初期複合物の内部に組み込まれ、引伸後に焼鈍されてもよい。代替として、Nbフィラメントが、Cuマトリクス内に埋め込まれ、ワイヤに引き伸ばされてもよい。結果として生じるワイヤが、続いて、Snでコーティングされてもよい。コーティングされたワイヤが、加熱され、最終的にNbフィラメントと反応してNbSn相を形成する、Sn−Cu相を形成する。
上記で詳述される技法は、多数の異なる用途に利用される金属超伝導ワイヤの成功した加工をもたらしているが、結果として生じるワイヤは、多くの場合、不十分な電気性能を呈する。典型的超伝導ワイヤは、産業システム内での取扱および組込のために十分な延性を伴うワイヤを提供する、CuまたはCu含有安定剤内に埋め込まれる、その周囲に配置される、および/またはそれによって囲繞される、上記で説明されるNbSnまたはNb−Tiフィラメントの多くを含有する。本安定剤は、それ自体が超伝導性ではないが、Cuの高導電性は、ワイヤの満足の行く全体的電気性能を可能にすることができる。残念ながら、超伝導フィラメントからの種々の元素(例えば、Sn)が、Cuベースの安定剤の部分と反応し、ワイヤ全体の全体的導電性に悪影響を及ぼす低導電性相を形成し得る。拡散障壁が、超伝導フィラメントから安定剤を遮蔽するために利用されているが、これらの障壁は、非一様な断面積を有する傾向があり、拡散障壁および安定剤の共処理中の非一様な変形に起因して、局所的に破裂さえし得る。そのような拡散障壁は、単純に、より厚く作製され得るが、そのような解決策は、拡散障壁材料自体のより低い伝導性に起因して、ワイヤの全体的導電性に影響を及ぼす。例えば、新しい粒子加速器および衝突器等の最先端および将来の用途に関して、磁石が、既存のワイヤ能力を超えて設計されており、そのようなワイヤは、15テスラにおいて2,000A/mmを上回る非銅臨界電流密度を要求するであろう。拡散障壁が非銅断片の一部であるため、いかなる障壁材料の体積も最小限にすることが、重要である一方で、いかなる強度利益も、有利である。
前述に照らして、ワイヤの全体的断面積の有意な量を占有しないように、一様に薄いままである一方で、安定剤または種々の元素(例えば、Cu)を伴う、有害な反応を実質的に防止する、金属超伝導ワイヤのための改良された拡散障壁の必要性がある。
本発明の種々の実施形態によると、超伝導ワイヤおよび/またはその前駆体(例えば、ワイヤを形成するために利用される複合フィラメント)は、ニオブ(Nb)合金を含む、本質的にそれから成る、またはそれから成る、1つ以上の拡散障壁を特徴とする。拡散障壁は、典型的には、Cuワイヤマトリクスの少なくとも一部と超伝導フィラメントとの間に、および/または超伝導フィラメントと、付加的機械的強度のために超伝導体ワイヤ内に、および/またはその周囲に組み込まれる安定化要素との間に、配置される。本発明の実施形態によると、モノフィラメントはそれぞれ、Cuベースの(例えば、Cuまたはブロンズ(Cu−Sn))マトリクス内のNbベースのコアを含み、本質的にそれから成り、またはそれから成ってもよく、モノフィラメントの積層アセンブリは、Cuベースのマトリクス内に配置され、複合フィラメントを形成するように引き伸ばされてもよい。したがって、複合フィラメントはそれぞれ、Cuベースのマトリクス内の複数のNbベースのモノフィラメントを含む、本質的にそれから成る、またはそれから成ってもよい。本発明の実施形態による拡散障壁は、複合フィラメントが最終的なワイヤを形成するように積み重ねられるときに、各複合フィラメントの周囲に配置されてもよく、および/または拡散障壁は、複合フィラメントのスタックの周囲に、かつ複合フィラメントのスタックと外側Cu安定剤またはマトリクスとの間に配置されてもよい。
種々の実施形態では、複合フィラメントは、Cuベースのマトリクス(例えば、Cuベースの管)内に配置され、超伝導ワイヤ(またはその前駆体)に引き伸ばされ、熱処理される。複合フィラメントのうちの1つ以上のものは、それら自体がその中に拡散障壁を組み込んでもよく、および/または拡散障壁は、超伝導ワイヤのCuベースのマトリクス内に、かつ複合フィラメントの周囲に配置されてもよい。種々の実施形態では、拡散障壁は、例えば、0.1%〜20%のW、0.2%〜15%のW、0.2%〜12%のW、0.2%〜10%のW、0.2%〜8%のW、または0.2%〜5%のWを含む、Nb−W合金を含む、本質的にそれから成る、またはそれから成る。例えば、拡散障壁は、Nbと、約11%〜12%のWとの合金(すなわち、Nb−12W)またはNbと、約5%〜6%のWとの合金(すなわち、Nb−6W)、またはNbと、約2.5%〜3%のWとの合金(すなわち、Nb−3W)を含む、本質的にそれから成る、またはそれから成ってもよい。種々の実施形態では、拡散障壁は、その中に1つ以上の付加的合金化元素、例えば、Ru、Pt、Pd、Rh、Os、Ir、Mo、Re、および/またはSi等の合金化元素を伴う、Nb−W合金(例えば、Nb−12W、Nb−6W、またはNb−3W)を含む、本質的にそれから成る、またはそれから成る。そのような合金化元素は、最大で重量比5%またはさらに最大で重量比10%(例えば、0.05%〜10%、0.05%〜5%、0.1%〜3%、0.2%〜2%、0.2%〜1%、または0.2%〜0.5%)の濃度で、個別に、または集合的に、拡散障壁の中に存在し得る。本発明の種々の実施形態では、これらの付加的合金化元素のうちの1つ以上のものを組み込む、Nb−W合金で形成された溶接は、そのような溶接の中心に向かって、より等軸である、粒状構造を有してもよく、したがって、拡散障壁として使用するためにこれらの材料で形成された溶接管は、ワイヤ加工中に小さいサイズまで引き伸ばされたときに、優れた機械的性質および処理可能性を呈し得る。
本発明の種々の実施形態によると、拡散障壁は、W、Ru、Pt、Pd、Rh、Os、Ir、Mo、Re、および/またはSi等の1つ以上の合金化元素を含んでもよい。そのような合金化元素は、個別に、または集合的に、重量比最大5%またはさらに重量比最大10%(例えば、0.05%〜10%、0.05%〜5%、0.1%〜3%、0.2%〜2%、0.2%〜1%、または0.2%〜0.5%)の濃度で拡散障壁内に存在してもよい。種々の実施形態では、本発明の実施形態による、フィラメントおよび/または拡散障壁は、Mg、B、Fe、Al、および/またはNiが実質的になくてもよい。
本発明の種々の実施形態では、拡散障壁は、Nbおよびタンタル(Ta)の両方と、W等の1つ以上の合金化元素とを含有する、合金または混合物を含む、それから本質的に成る、またはそれから成ってもよい。例えば、拡散障壁は、上記に列挙された合金化元素のうちの1つ以上のものの有無にかかわらず、Nb、Ta、および約2.5〜3原子%のWの合金(すなわち、Nb−Ta−3W)を含む、それから本質的に成る、またはそれから成ってもよい。種々の実施形態では、拡散障壁は、例えば、0.2〜12原子%の濃度内のWを含有する、Nb−Ta−W合金を含む、それから本質的に成る、またはそれから成ってもよい。本発明の実施形態による拡散障壁は、少なくとも1%のTa、少なくとも5%のTa、少なくとも8%のTa、少なくとも10%のTa、少なくとも15%のTa、少なくとも20%のTa、少なくとも25%のTa、少なくとも30%のTa、少なくとも35%のTa、少なくとも40%のTa、または少なくとも45%のTaを含んでもよい。本発明の実施形態による拡散障壁は、最大で50%のTa、最大で45%のTa、最大で40%のTa、最大で35%のTa、最大で30%のTa、最大で25%のTa、最大で20%のTa、最大で15%のTa、最大で10%のTa、最大で5%のTa、または最大で2%のTaを含んでもよい。
本発明の実施形態による拡散障壁は、Nb(またはNbおよびTa)と、Wの代わりに(またはそれに加え)、1つ以上の合金化元素とを含有する、合金または混合物を含む、それから本質的に成る、またはそれから成ってもよい。例えば、そのような合金化元素は、Cおよび/またはNを含んでもよい。本明細書では、Wを含有する拡散障壁合金の言及は、Wの代わりに、またはそれに加え、Cおよび/またはN等の合金化元素を含有する、合金を包含するものと理解される。
本発明の実施形態によるNb合金拡散障壁はまた、少なくとも部分的に、低酸素含有量および/または高レベルの純度に起因して、有利な延性を呈し得る。例えば、本発明の実施形態による拡散障壁は、500ppm未満、200ppm未満、100ppm未満、またはさらに50ppm未満の酸素含有量を有する。酸素含有量は、少なくとも0.5ppm、少なくとも1ppm、少なくとも2ppm、または少なくとも5ppmであってもよい。加えて、または代替として、本発明の実施形態による拡散障壁は、99.9%を超過する、またはさらに99.99%を超過する、純度を有し得る。
有利なこととして、本発明の実施形態によるNb合金拡散障壁は、従来の拡散障壁材料と比較すると、微細化された粒状構造(例えば、小さい平均粒径)を有し、これは、超伝導ワイヤ内の拡散障壁の変形および処理が、拡散障壁を破裂させ、ワイヤの性質を損ない得る、局所的菲薄化を伴わずに、略一様であることを可能にする。拡散障壁の小さい粒径(例えば、20μm未満、10μm未満、5μm未満、1〜20μm、または5〜15μm)は、合金化元素の存在に起因し、したがって、本発明の実施形態による拡散障壁は、微細化された粒状構造を生産するための付加的処理(例えば、3軸鍛造等の鍛造、熱処理等)を必要としない。したがって、全体的製造費用および複雑性が、本発明による拡散障壁の使用を介して、低減され得る。
本発明の実施形態による拡散障壁の優れた粒状構造および/または機械的性質は、拡散障壁が、ワイヤの断面(すなわち、通電)面積の過剰な量を占有することなく、超伝導ワイヤ内の有害な拡散からの保護を提供することを可能にする。(対照的に、より劣った機械的性質および/またはあまり微細化されていない粒状構造を伴う種々の他の拡散障壁の使用は、最終的なワイヤの延性、導電性、および/または種々の他の性質に悪影響を及ぼすであろう、より大型の障壁の使用を要求するであろう。)本発明の実施形態によるワイヤは、それらの臨界温度を下回って、良好な高磁場高電流超伝導性質を留保しながら、Cuマトリクスとの相互拡散を殆どまたは全く呈さない。
Nb合金拡散障壁の使用は、有利なこととして、より少ない超伝導ワイヤの断面しか、拡散障壁によって占有されないことを可能にし、したがって、より多くの断面が、通電超伝導フィラメントによって占有され得る。しかしながら、本発明の実施形態による拡散障壁材料はまた、有利なこととして、それらの臨界温度を下回って、良好な高磁場高電流超伝導性質を留保しながら、付加的機械的強度を超伝導ワイヤに提供する。種々の実施形態では、ワイヤの機械的強度が、ワイヤの電気性能を損なうことなく、および/またはワイヤおよび/またはそのフィラメント内に亀裂または破砕を引き起こすことなく、または別様にその機械的安定性を損なうことなく、ワイヤ(例えば、巻線、コイル巻等)の機械的変形を促進し得る。種々の実施形態では、拡散障壁は、集合的に、または個別に、最終的なワイヤの断面積の少なくとも0.5%、少なくとも1%、少なくとも2%、少なくとも3%、少なくとも4%、少なくとも5%、または少なくとも7%を占有してもよい。種々の実施形態では、拡散障壁は、集合的に、または個別に、最終的なワイヤの断面積の20%未満、15%未満、12%未満、10%未満、9%未満、または8%未満、7%未満、6%未満、5%未満、4%未満、3%未満、2%未満を占有してもよい。このようにして、超伝導ワイヤ内の拡散障壁は、種々の実施形態によると、(例えば、ワイヤおよび/またはフィラメントの任意の熱処理後に)少なくとも75MPa、少なくとも100MPa、またはさらに150Mpaの最小降伏強度を伴うワイヤを提供する。代わりに、または加えて、種々の実施形態による、1つ以上の拡散障壁を含有するワイヤは、少なくとも250MPa、少なくとも300MPa、またはさらに少なくとも350MPaの最大引張強度を呈する。種々の実施形態では、拡散障壁は、集合的に、または個別に、最終的なワイヤの断面積の25%を上回って、および/または最終的なワイヤの断面積の35%未満または30%未満を占有してもよい。本発明の実施形態によるワイヤの降伏強度および最大引張強度等の機械的性質は、ASTM E8/E8M−15a,Standard Test Methods for Tension Testing of Metallic Materials, ASTM International, West Conshohocken, PA, 2015(その開示全体は、参照することによって本明細書に組み込まれる)に従って測定され得る。
本発明の実施形態による超伝導ワイヤの増進された機械的強度は、有利なこととして、そのようなワイヤが、高磁場強度における動作中にワイヤに及ぼされるローレンツ力に耐えることを可能にする。当技術分野で公知であるように、磁石巻線内の「自己場」は、中心線磁場よりも高く、最内巻線において最高である。加えて、磁場を作成するために要求される電流は、磁石内の全てのワイヤの中で同一である。ローレンツ力は、F=B×I(すなわち、電流に掛け合わせられた磁場)であり、生成された場は、電流Iに正比例し、したがって、力は、電流の二乗に比例する。例えば、ローレンツ力は、8テスラと比較して、16テスラにおいて4倍より高いであろう。したがって、印加された磁場が、大きさが増加されると、(外積関係を介して、電流および場の両方に垂直な)力に耐えるためのワイヤの機械的強度もまた同様に、より高くなければならない。本発明の実施形態による超伝導ワイヤは、有利なこととして、少なくとも2テスラ、少なくとも5テスラ、少なくとも8テスラ、またはさらに少なくとも10テスラの強度、すなわち、少なくとも20,000ガウス、少なくとも50,000ガウス、少なくとも80,000ガウス、またはさらに少なくとも100,000ガウスの磁束密度を有する、磁場を利用する用途のために展開され得る。
加えて、本発明の実施形態による拡散障壁は、Nbを含むため、種々の実施形態では、拡散障壁の一部は、有利なこととして、ワイヤ加工プロセスの間(例えば、1つ以上の熱処理/焼鈍ステップの間)、(例えば、SnまたはTiと)反応し、最終的なワイヤの超伝導的伝導性に寄与する、超伝導相(例えば、NbSnまたはNb−Ti)を形成し得る。そのような実施形態では、拡散障壁の厚さは、典型的には、拡散障壁(または少なくともその中のNb)全体が反応することを防止するために十分に大きく、したがって、拡散障壁の残りの未反応部分は、相互拡散に対する抵抗だけではなく、また、増加された機械的強度(例えば、W等の合金化元素の存在に起因して)も提供する。種々の実施形態では、拡散障壁の反応部分は、したがって、環状(または拡散障壁の形状を模倣する他の形状)反応領域として、ワイヤ内に存在する。種々の実施形態では、非Nb合金化元素(例えば、Ta、W等)は、反応して、反応領域内の超伝導相を形成し得ず、したがって、それらの元素は、反応の間、拡散障壁の反応部分から排出され得る。したがって、拡散障壁の反応部分と拡散障壁の未反応の残りの部分との間の界面には、そのような非Nb元素の1つ以上のもの(またはさらに全て)は、拡散障壁の反応部分と反対の部分内のものより高い濃度で存在してもよい。他の実施形態では、拡散障壁の未反応の残りの部分は、反応に先立って(例えば、拡散障壁がワイヤ加工プロセスの間に導入されたとき)存在した1つ以上のそのような非Nb元素より高い濃度を含有する。したがって、拡散障壁の一部が、反応し、超伝導相を形成し、残りの拡散障壁の厚さが、低減された後でも、その中の1つ以上の非Nb元素のより高い濃度は、その低減された厚さにもかかわらず、残りのより薄い拡散障壁の機械的強度および/または拡散抵抗を増加させ得る。
種々の実施形態では、拡散障壁は、その中の層のうちの1つ以上のものが、本明細書に詳述されるようなNb合金を含む、それから本質的に成る、またはそれから成り、1つ以上の他の層が、Nb(またはより低い濃度の非Nb合金化元素のうちの1つ以上のものを含有するNb合金;本明細書では、「Nb層」または「Nbの層」の言及は、そのような層を含む)を含む、それから本質的に成る、またはそれから成る、多層環状構造であってもよい。例えば、拡散障壁は、Nb合金の外側層によって囲繞されるNbの内側層、またはその逆のものを含む、それから本質的に成る、またはそれから成ってもよい。別の実施形態では、拡散障壁は、Nbの内側層とNbの外側層との間に挟入される、Nb合金の層を含む、それから本質的に成る、またはそれから成ってもよい。本明細書に詳述されるように、熱処理の間、拡散障壁のNb層の全部または一部は、超伝導相に変換されてもよい一方、Nb合金層は、未変換のままである。
本発明の実施形態はまた、ワイヤ自体内に、および/またはワイヤを形成するために利用される複合フィラメント内に、安定化要素を組み込んでもよい。例えば、本発明の実施形態は、その開示全体が参照することによって本明細書に組み込まれる、2016年7月8日に出願された米国特許出願第15/205,804号(「第‘804号出願」)に説明されるように、Ta、Ta合金(例えば、Ta−3W等のTaおよびWの合金)、またはHf、Ti、Zr、Ta、V、Y、Mo、またはWのうちの1つ以上のものとのNbの合金を含む、本質的にそれから成る、またはそれから成る、安定化要素を組み込んでもよい。本発明による超伝導ワイヤでは、安定化要素は、典型的には、その間の1つ以上の拡散障壁を介して、モノフィラメントおよび/または複合フィラメントから分離される。
ある側面では、本発明の実施形態は、外側ワイヤマトリクスと、ワイヤマトリクス内に配置される拡散障壁と、拡散障壁によって囲繞され、拡散障壁によって外側ワイヤマトリクスから分離される、複数の複合フィラメントとを含む、本質的にそれらから成る、またはそれらから成る、超伝導ワイヤを特徴とする。外側ワイヤマトリクスは、Cuを含む、本質的にそれから成る、またはそれから成る。拡散障壁は、Nb−W合金(例えば、0.1%〜20%のWまたは0.2%〜12%のWまたは0.2%〜10%のWを含有するNb合金)またはNb−Ta−W合金を含む、本質的にそれから成る、またはそれから成る。複合フィラメントのうちの1つ以上のものまたはさらにそれぞれは、(i)複数のモノフィラメントと、(ii)複数のモノフィラメントを囲繞するクラッディングとを含む、本質的にそれらから成る、またはそれらから成る。複合フィラメントクラッディングは、Cuを含む、本質的にそれから成る、またはそれから成ってもよい。モノフィラメントのうちの1つ以上のものまたはさらにそれぞれは、コアと、コアを囲繞するクラッディングとを含む、本質的にそれらから成る、またはそれらから成る。モノフィラメントコアは、Nbを含む、本質的にそれから成る、またはそれから成ってもよい。モノフィラメントクラッディングは、Cuを含む、本質的にそれから成る、またはそれから成ってもよい。拡散障壁は、超伝導ワイヤの軸方向寸法を通して延在する。
本発明の実施形態は、種々の組み合わせのうちのいずれかで、以下のうちの1つ以上のものを含んでもよい。拡散障壁は、ワイヤの断面の約20%未満、ワイヤの断面の約15%未満、ワイヤの断面の約10%未満、またはワイヤの断面の約5%未満を占有してもよい。拡散障壁は、ワイヤの断面の約1%を上回って、ワイヤの断面の約2%を上回って、ワイヤの断面の約5%を上回って、ワイヤの断面の約8%を上回って、またはワイヤの断面の約10%を上回って占有してもよい。ワイヤは、拡散障壁に近接して配置される(例えば、その片側または両側に、例えば、複合フィラメントと拡散障壁との間に配置される)、環状領域または層を含んでもよく、環状領域の少なくとも一部は、Nbベースの超伝導相(例えば、Nb−Tiおよび/またはNbSn)を含む、それから本質的に成る、またはそれから成ってもよい。環状領域の一部は、拡散障壁のものと異なる組成物を有する、Nb合金またはNb−Ta合金を含む、それから本質的に成る、またはそれから成ってもよい。環状領域は、拡散障壁に共形化し、および/またはそれと直接機械的に接触してもよい。
モノフィラメントのうちの1つ以上のものまたはさらにそれぞれのコアは、Nbと、Ti、Zr、Hf、Ta、Y、またはLaのうちの1つ以上のものとを含有する、合金、疑似合金、または混合物(例えば、Nb−Ti)を含む、本質的にそれから成る、またはそれから成ってもよい。モノフィラメントのうちの1つ以上のものまたはさらにそれぞれのコアは、NbSnを含む、本質的にそれから成る、またはそれから成ってもよい。拡散障壁は、Nb−3WまたはNb−6WまたはNb−12Wを含む、本質的にそれから成る、またはそれから成ってもよい。拡散障壁は、加えて、Ru、Pt、Pd、Rh、Os、Ir、Mo、Re、またはSiから成る群から選択される、1つ以上の合金化元素を含有してもよい。拡散障壁の断面厚さおよび/または断面積は、ワイヤの厚さに沿って略一定であり得る。複合フィラメントのうちの1つ以上のものまたはさらにそれぞれは、六角形の断面形状を有してもよい(すなわち、ワイヤの軸方向寸法と垂直な断面において)。モノフィラメントのうちの1つ以上のものまたはさらにそれぞれは、六角形の断面形状を有してもよい(すなわち、ワイヤの軸方向寸法と垂直な断面において)。
ワイヤは、複数の複合フィラメント内に配置され、拡散障壁によって囲繞される、安定化要素を含んでもよい。安定化要素は、0.1%〜20%のWまたは0.2%〜12%のWまたは0.2%〜10%のWを含有するCuおよび/またはTa合金を含む、本質的にそれから成る、またはそれから成ってもよい。安定化要素の少なくとも一部は、実質的に超伝導ワイヤの中心コアに位置してもよい。安定化要素は、ワイヤの断面の約20%未満、ワイヤの断面の約15%未満、ワイヤの断面の約10%未満、またはワイヤの断面の約5%未満を占有してもよい。安定化要素は、ワイヤの断面の約1%を上回って、ワイヤの断面の約2%を上回って、ワイヤの断面の約5%を上回って、ワイヤの断面の約8%を上回って、またはワイヤの断面の約10%を上回って占有してもよい。
別の側面では、本発明の実施形態は、ワイヤマトリクスと、ワイヤマトリクス内に埋め込まれる複数の複合フィラメントとを含む、本質的にそれらから成る、またはそれらから成る、超伝導ワイヤ を特徴とする。ワイヤマトリクスは、Cuを含む、本質的にそれから成る、またはそれから成る。複合フィラメントのうちの1つ以上のものまたはさらにそれぞれは、(i)複数のモノフィラメントと、(ii)複合フィラメントの軸方向寸法を通して延在し、複数のモノフィラメントを囲繞する、拡散障壁と、(iii)拡散障壁を囲繞するクラッディングであって、拡散障壁は、複数のモノフィラメントからクラッディングを分離する、クラッディングとを含み、本質的にそれらから成り、またはそれらから成る。複合フィラメント拡散障壁は、Nb−W合金またはNb−Ta−W(例えば、0.1%〜20%のWまたは0.2%〜12%のWまたは0.2%〜10%のWを含有するNb合金またはNb−Ta合金)を含む、本質的にそれから成る、またはそれから成る。複合フィラメントクラッディングは、Cuを含む、本質的にそれから成る、またはそれから成る。モノフィラメントのうちの1つ以上のものまたはさらにそれぞれは、コアと、コアを囲繞するクラッディングとを含む、本質的にそれらから成る、またはそれらから成る。モノフィラメントコアは、Nbを含む、本質的にそれから成る、またはそれから成ってもよい。モノフィラメントクラッディングは、Cuを含む、本質的にそれから成る、またはそれから成ってもよい。
本発明の実施形態は、種々の組み合わせのうちのいずれかで、以下のうちの1つ以上のものを含んでもよい。拡散障壁は、集合的に、ワイヤの断面の約20%未満、ワイヤの断面の約15%未満、ワイヤの断面の約10%未満、またはワイヤの断面の約5%未満を占有してもよい。拡散障壁は、集合的に、ワイヤの断面の約1%を上回って、ワイヤの断面の約2%を上回って、ワイヤの断面の約5%を上回って、ワイヤの断面の約8%を上回って、またはワイヤの断面の約10%を上回って占有してもよい。ワイヤは、少なくとも1つの拡散障壁に近接して配置される(例えば、その片側または両側に、例えば、モノフィラメントと複合フィラメントのうちの少なくとも1つの拡散障壁との間に配置される)、環状領域または層を含んでもよく、環状領域の少なくとも一部は、Nbベースの超伝導相(例えば、Nb−Tiおよび/またはNbSn)を含む、それから本質的に成る、またはそれから成ってもよい。環状領域の一部は、拡散障壁のものと異なる組成物を有する、Nb合金またはNb−Ta合金を含む、それから本質的に成る、またはそれから成ってもよい。環状領域は、拡散障壁に共形化し、および/またはそれと直接機械的に接触してもよい。
モノフィラメントのうちの1つ以上のものまたはさらにそれぞれのコアは、Nbと、Ti、Zr、Hf、Ta、Y、またはLaのうちの1つ以上のものとを含有する、合金、疑似合金、または混合物(例えば、Nb−Ti)を含む、本質的にそれから成る、またはそれから成ってもよい。モノフィラメントのうちの1つ以上のものまたはさらにそれぞれのコアは、NbSnを含む、本質的にそれから成る、またはそれから成ってもよい。拡散障壁は、Nb3W、Nb−6W、またはNb−12Wを含む、本質的にそれから成る、またはそれから成ってもよい。拡散障壁は、加えて、Ru、Pt、Pd、Rh、Os、Ir、Mo、Re、またはSiから成る群から選択される、1つ以上の合金化元素を含有してもよい。拡散障壁の断面厚さおよび/または断面積は、ワイヤの厚さに沿って略一定であり得る。複合フィラメントのうちの1つ以上のものまたはさらにそれぞれは、六角形の断面形状を有してもよい(すなわち、ワイヤの軸方向寸法と垂直な断面において)。モノフィラメントのうちの1つ以上のものまたはさらにそれぞれは、六角形の断面形状を有してもよい(すなわち、ワイヤの軸方向寸法と垂直な断面において)。
ワイヤは、複数の複合フィラメント内に配置される、安定化要素を含んでもよい。安定化要素は、0.1%〜20%のWまたは0.2%〜12%のWまたは0.2%〜10%のWを含有するCuおよび/またはTa合金を含む、本質的にそれから成る、またはそれから成ってもよい。安定化要素の少なくとも一部は、実質的に超伝導ワイヤの中心コアに位置してもよい。安定化要素は、ワイヤの断面の約20%未満、ワイヤの断面の約15%未満、ワイヤの断面の約10%未満、またはワイヤの断面の約5%未満を占有してもよい。安定化要素は、ワイヤの断面の約1%を上回って、ワイヤの断面の約2%を上回って、ワイヤの断面の約5%を上回って、ワイヤの断面の約8%を上回って、またはワイヤの断面の約10%を上回って占有してもよい。
さらに別の側面では、本発明の実施形態は、内側ワイヤ安定化マトリクスと、ワイヤ安定化マトリクスの周囲に配置される拡散障壁と、拡散障壁の周囲に配置され、拡散障壁によってワイヤ安定化マトリクスから分離される、複数の複合フィラメントとを含む、本質的にそれらから成る、またはそれらから成る、超伝導ワイヤを特徴とする。ワイヤ安定化マトリクスは、Cuを含む、本質的にそれから成る、またはそれから成る。拡散障壁は、Nb−W合金またはNb−Ta−W合金(例えば、0.1%〜20%のWまたは0.2%〜12%のWまたは0.2%〜10%のWを含有するNb合金またはNb−Ta合金)を含む、本質的にそれから成る、またはそれから成る。複合フィラメントのうちの1つ以上のものまたはさらにそれぞれは、(i)複数のモノフィラメントと、(ii)(iii)複数のモノフィラメントを囲繞するクラッディングとを含む、本質的にそれらから成る、またはそれらから成る。複合フィラメントクラッディングは、Cuを含む、本質的にそれから成る、またはそれから成る。拡散障壁は、ワイヤの軸方向寸法を通して延在する。
本発明の実施形態は、種々の組み合わせのうちのいずれかで、以下のうちの1つ以上のものを含んでもよい。拡散障壁は、ワイヤの断面の約20%未満、ワイヤの断面の約15%未満、ワイヤの断面の約10%未満、またはワイヤの断面の約5%未満を占有してもよい。拡散障壁は、ワイヤの断面の約1%を上回って、ワイヤの断面の約2%を上回って、ワイヤの断面の約5%を上回って、ワイヤの断面の約8%を上回って、またはワイヤの断面の約10%を上回って占有してもよい。ワイヤは、拡散障壁に近接して配置される(例えば、その片側または両側に、例えば、複合フィラメントと拡散障壁との間に配置される)、環状領域または層を含んでもよく、環状領域の少なくとも一部は、Nbベースの超伝導相(例えば、Nb−Tiおよび/またはNbSn)を含む、それから本質的に成る、またはそれから成ってもよい。環状領域の一部は、拡散障壁のものと異なる組成物を有する、Nb合金またはNb−Ta合金を含む、それから本質的に成る、またはそれから成ってもよい。環状領域は、拡散障壁に共形化し、および/またはそれと直接機械的に接触してもよい。
モノフィラメントのうちの1つ以上のものまたはさらにそれぞれのコアは、Nbと、Ti、Zr、Hf、Ta、Y、またはLaのうちの1つ以上のものとを含有する、合金、疑似合金、または混合物(例えば、Nb−Ti)を含む、本質的にそれから成る、またはそれから成ってもよい。モノフィラメントのうちの1つ以上のものまたはさらにそれぞれのコアは、NbSnを含む、本質的にそれから成る、またはそれから成ってもよい。拡散障壁は、Nb−3WまたはNb−6WまたはNb−12Wを含む、本質的にそれから成る、またはそれから成ってもよい。拡散障壁は、加えて、Ru、Pt、Pd、Rh、Os、Ir、Mo、Re、またはSiから成る群から選択される、1つ以上の合金化元素を含有してもよい。拡散障壁の断面厚さおよび/または断面積は、ワイヤの厚さに沿って略一定であり得る。複合フィラメントのうちの1つ以上のものまたはさらにそれぞれは、六角形の断面形状を有してもよい(すなわち、ワイヤの軸方向寸法と垂直な断面において)。モノフィラメントのうちの1つ以上のものまたはさらにそれぞれは、六角形の断面形状を有してもよい(すなわち、ワイヤの軸方向寸法と垂直な断面において)。
ワイヤは、複数の複合フィラメント内に、または内側ワイヤ安定化マトリクス内に、またはそれに近接して配置される、安定化要素を含んでもよい。安定化要素は、0.1%〜20%のWまたは0.2%〜12%のWまたは0.2%〜10%のWを含有するCuおよび/またはTa合金を含む、本質的にそれから成る、またはそれから成ってもよい。安定化要素の少なくとも一部は、実質的に超伝導ワイヤの中心コアに位置してもよい。安定化要素は、ワイヤの断面の約20%未満、ワイヤの断面の約15%未満、ワイヤの断面の約10%未満、またはワイヤの断面の約5%未満を占有してもよい。安定化要素は、ワイヤの断面の約1%を上回って、ワイヤの断面の約2%を上回って、ワイヤの断面の約5%を上回って、ワイヤの断面の約8%を上回って、またはワイヤの断面の約10%を上回って占有してもよい。
これらおよび他の目的は、本明細書に開示される本発明の利点および特徴とともに、以下の説明、付随する図面、および請求項の参照を通して、より明白となるであろう。さらに、本明細書に説明される種々の実施形態の特徴は、相互排他的ではなく、種々の組み合わせおよび順列で存在し得ることを理解されたい。本明細書で使用されるように、用語「約」および「実質的に」は、±10%、いくつかの実施形態では、±5%を意味する。用語「本質的に〜から成る」は、本明細書で別様に定義されない限り、機能に寄与する他の材料を除外することを意味する。それでもなお、そのような他の材料は、集合的に、または個別に、微量で存在し得る。例えば、本質的に複数の金属から成る構造は、概して、これらの金属のみと、化学分析を介して検出可能であり得るが、機能に寄与しない(かつ、例えば、5ppm、2ppm、1ppm、0.5ppm、または0.1ppm未満の濃度で存在し得る)、非意図的な不純物のみ(金属または非金属であり得る)とを含むであろう。本明細書で使用されるように、「本質的に少なくとも1つの金属から成る」は、1つの金属または2つ以上の金属の混合物を指すが、金属と、酸素、ケイ素、または窒素等の非金属元素または化学種との間の化合物(例えば、金属窒化物、金属ケイ化物、または金属酸化物)を指さない。そのような非金属元素または化学種は、例えば、不純物として、集合的に、または個別に、微量で存在し得る。
図面では、同様の参照記号は、概して、異なる図の全体を通して同一の部品を指す。また、図面は、必ずしも一定の縮尺ではなく、代わりに、概して、本発明の原理を例証することを重視している。以下の説明では、本発明の種々の実施形態は、以下の図面を参照して説明される。
図1Aは、本発明の種々の実施形態による、モノフィラメントを形成するために利用される、管の概略断面図である。 図1Bは、本発明の種々の実施形態による、モノフィラメントを形成するために利用される、ロッドの概略断面図である。 図1Cは、本発明の種々の実施形態による、複合フィラメントを形成するために利用される、モノフィラメントの概略断面図である。 図2Aは、本発明の種々の実施形態による、複合フィラメントを形成するために利用される、管の概略断面図である。 図2Bは、本発明の種々の実施形態による、複合フィラメント内に拡散障壁を形成するために利用される、管の概略断面図である。 図2Cは、本発明の種々の実施形態による、複合フィラメントを形成するために利用される、モノフィラメントのスタックの概略断面図である。 図2Dは、本発明の種々の実施形態による、加工の初期段階における、複合フィラメントの概略断面図である。 図2Eは、本発明の種々の実施形態による、超伝導ワイヤを形成するために利用される、複合フィラメントの概略断面図である。 図3Aは、本発明の種々の実施形態による、安定化要素を形成するために利用される、管の概略断面図である。 図3Bは、本発明の種々の実施形態による、安定化要素を形成するために利用される、ロッドの概略断面図である。 図3Cは、本発明の種々の実施形態による、安定化された複合フィラメントおよび/または超伝導ワイヤを形成するために利用される、安定化要素の概略断面図である。 図3Dは、本発明の種々の実施形態による、安定化要素を組み込む、複合フィラメントの概略断面図である。 図4Aは、本発明の種々の実施形態による、超伝導ワイヤを形成するために利用される、管の概略断面図である。 図4Bは、本発明の種々の実施形態による、超伝導ワイヤを形成するために利用される、複合フィラメントのスタックの概略断面図である。 図4Cは、本発明の種々の実施形態による、超伝導ワイヤ内に拡散障壁を形成するために利用される、管の概略断面図である。 図4Dは、本発明の種々の実施形態による、加工の初期段階における、超伝導ワイヤの概略断面図である。 図4Eは、本発明の種々の実施形態による、超伝導ワイヤの概略断面図である。 図4Fは、本発明の種々の実施形態による、加工の初期段階における、安定化された超伝導ワイヤの概略断面図である。 図4Gは、本発明の種々の実施形態による、安定化された超伝導ワイヤの概略断面図である。 図5は、本発明の種々の実施形態による、Cu内側安定剤および安定剤の周囲に配置される拡散障壁を特徴とする、超伝導ワイヤの断面顕微鏡写真である。 図6は、本発明の種々の実施形態による、Cu外側マトリクスおよび外側マトリクスとワイヤフィラメントとの間に配置される拡散障壁を特徴とする、超伝導ワイヤの断面顕微鏡写真である。
図1A−1Cは、例示的モノフィラメント100の構成要素およびそれらの構成成分を描写する。本発明の実施形態によると、ロッド105が、CuまたはCu合金(例えば、ブロンズ)を含む、本質的にそれから成る、またはそれから成る、管110内に配置される。ロッド105の組成は、最終的なワイヤにおいて所望される特定の金属超伝導体に基づいて選択され得る。例えば、ロッド105は、Nb、Ti、Nb−Ti、またはその合金を含む、本質的にそれから成る、またはそれから成ってもよい。他の実施例では、ロッド105は、Ti、Zr、Hf、Ta、Y、またはLaのうちの1つ以上のものと合金化されるNbを含む、本質的にそれから成る、またはそれから成ってもよい。そのような合金化元素が、例えば、0.2%〜10%(例えば、0.2%〜5%または0.5%〜1%)の濃度で、個別に、または集合的に、ロッド105内に(したがって、モノフィラメント100のコア内に)存在し得る。種々の実施形態では、管110(および/または本明細書に説明される任意の他の管)は、金属シートをロッド105の周囲に巻着させることによって形成されてもよい。そのような実施形態では、シートの端部は、重複してもよい。管110で被覆されたロッド105は、続いて、例えば、0.5インチ〜1.5インチまでその直径を縮小するように引き伸ばされてもよい。被覆ロッドは、複数の段階で引き伸ばされてもよく、例えば、歪み緩和のために、引き伸ばすステップのうちのいずれかまたはそれぞれの間および/または後に熱処理されてもよい。いったん引き伸ばされると、被覆ロッドは、他のモノフィラメントとの効率的な積層のために成形されるモノフィラメント100を加工するために、成形ダイを通して引き伸ばされてもよい。例えば、図1Cに示されるように、六角ダイが、六角形の断面を有するモノフィラメント100を形成するために利用されてもよい。他の実施形態では、モノフィラメントが、例えば、正方形、長方形、三角形等の他の断面を有してもよい。図1Cに示されるように、モノフィラメント100は、典型的には、実質的に均一な組成物を有する、単一円筒形コアの周囲に配置され、それを囲繞する、単一環状クラッディングを含む、それから本質的に成る、またはそれから成る。したがって、本発明の実施形態による超伝導ワイヤの領域は、複数のクラッディングを含有し、分離された円筒形コアは、複数の「モノフィラメント」または単一「複合フィラメント」に対応する。
いったんモノフィラメント100が加工されると、他のモノフィラメント100もまた、同一の様式で加工されてもよい、または1つ以上のモノフィラメント100が、複数の断片に分割されてもよい。複数のモノフィラメントが、複合フィラメントの少なくとも一部を形成するように、ともに積み重ねられてもよい。図2A−2Eは、複合フィラメント200の種々の構成要素およびアセンブリを描写する。図2Cに示されるように、複数のモノフィラメント100が、続いて、複合フィラメント200のコアの少なくとも一部になるであろう配列にともに積み重ねられてもよい。図2Cは、19本の異なるモノフィラメント100の積層を描写するが、本発明の実施形態は、より多いまたは少ないモノフィラメント100を含んでもよい。モノフィラメント100の積層アセンブリは、CuまたはCu合金(例えば、ブロンズ)を含む、本質的にそれから成る、またはそれから成る、管205内に配置されてもよい。図2Bに示されるように、管210が、管205内に、かつモノフィラメント100のスタックの周囲に配置されてもよい。本管210は、最終的な複合フィラメントの中で拡散障壁215になり、モノフィラメント100と、結果として生じる複合フィラメントの外側マトリクス220になる管205の材料との間で、相互拡散を妨害する、または実質的に防止する。したがって、管210は、Nb−W(例えば、Nb−12WまたはNb−6WまたはNb−3W)またはNb−Ta−W(例えば、Nb−Ta−12WまたはNb−Ta−6WまたはNb−Ta−3W)等のNb合金またはNb−Ta合金を含む、本質的にそれから成る、またはそれから成ってもよい。モノフィラメント100が、管205および管210内に配置される前および/または後に、モノフィラメント100、管205、および/または管210は、例えば、表面酸化物および/または他の汚染物質を除去するように、(例えば、1つ以上の酸を含む、本質的にそれから成る、またはそれから成る洗浄剤を介して)洗浄および/またはエッチングされてもよい。
管210は、拡散障壁内に配置される1つ以上の他の合金化元素との純NbまたはNb−Ta合金の合金化を介して加工されてもよい。例えば、NbおよびWの合金を含む、本質的にそれから成る、またはそれから成る拡散障壁(したがって、管210)に関して、NbおよびWが、電子ビーム溶解および/またはアーク溶解等のプロセスを介して、所望の量でともに合金化されてもよい。同様に、Nb、Ta、およびWの合金を含む、それから本質的に成る、またはそれから成る、拡散障壁(したがって、管210)に関して、Nb、Ta、およびWは、電子ビーム溶解および/またはアーク溶解等のプロセスを介して、所望の量でともに合金化されてもよい。結果として生じる材料は、シートに加工されてもよく、シートは、例えば、圧延、深絞り、押出、ピルガ圧延等によって、管に形成されてもよい。
図2Dに示されるように、管205および管210が、例えば、スエージング、押出、および/または圧延によって、モノフィラメント100上に圧密されてもよい。被覆積層モノフィラメント100は、積層アセンブリの中の種々のモノフィラメント100の間の接合を助長するように焼鈍されてもよい。例えば、被覆積層モノフィラメントは、約0.5時間〜約3時間(例えば、約1時間)の時間にわたって約300℃〜約500℃(例えば、約400℃)の温度で焼鈍されてもよい。有利なこととして、モノフィラメント100と外側マトリクス220との間の拡散障壁215の存在は、マトリクス220のCuとモノフィラメント100との間の拡散を実質的に防止し、それによって、低い導電性(例えば、Cuおよび/またはマトリクス220の材料よりも低い導電性)を有する金属相の形成を防止する。拡散障壁215はまた、特に、ワイヤにおける超伝導相の反応性形成のために利用される長時間高温熱処理後に、外側マトリクス220および/またはモノフィラメント100のものと比較した、その優れた機械的性質(例えば、強度、降伏強度、引張強度、剛性、ヤング係数等)を考慮すると、付加的機械的強度を最終的なワイヤに提供する。
結果として生じるアセンブリは、その直径を縮小するように、1回以上引き伸ばされもよく、続いて、効率的な積層のために構成される断面形状を伴う複合フィラメント200を提供するために、成形ダイを通して引き伸ばされてもよい。例えば、図2Eに示されるように、六角ダイが、六角形の断面を有する複合フィラメント200を形成するために利用されてもよい。他の実施形態では、複合フィラメント200は、例えば、正方形、長方形、三角形、円形、非真円形、楕円形等の他の断面を有してもよい。種々の実施形態では、処理および成形後の複合フィラメント200の断面サイズおよび/または形状は、サイズが縮小される(すなわち、図2Cに示される)前に初期積層アセンブリで利用されるモノフィラメント100の断面サイズおよび/または形状に等しい。(管210の組み込みに起因する拡散障壁215が、可変断面厚さを有するものとして図2Dおよび2Eで描写されているが、本発明の種々の実施形態では、拡散障壁215は、その円周の周囲に略一様な断面厚さを有し、拡散障壁215は、図5および6に示されるように、断面内で環状リング(例えば、その内側のフィラメント(または他の構造)の周囲に緊密に配置されるリング)の形態を有してもよく、本発明の実施形態による、環状断面を有する拡散障壁は、概して、ワイヤの軸方向寸法に沿って延在する円筒形の形態を有する。)
本発明の実施形態による超伝導ワイヤはまた、さらなる機械的強度を提供しながら、ワイヤの引伸可能性および/または電気性能を損なわない、安定化要素を組み込んでもよい。図3A−3Cは、モノフィラメント100に関して上記で詳述されるものに類似する方法を介した安定化要素300の加工を描写する。本発明の実施形態によると、ロッド305が、CuまたはCu合金を含む、本質的にそれから成る、またはそれから成る、管310内に配置される。ロッド305は、モノフィラメント100を加工するために利用されるロッド105のものを上回る機械的強度(例えば、引張強度、降伏強度等)を有する、1つ以上の金属を含む、本質的にそれから成る、またはそれから成ってもよい。例えば、ロッド305は、TaまたはTa合金(例えば、Ta−3W等のTa−W合金)、NbまたはNb合金(例えばNb−12W、Nb−6W、またはNb−3W等の、Nb−W合金)、Nb−Ta合金、Hf、Ti、Zr、Ta、V、Y、Mo、またはW等の1つ以上の付加的合金化元素を含有する、Nb−Ta合金、または拡散障壁に好適であるような本明細書に開示される任意の他の材料を含む、本質的にそれから成る、またはそれから成ってもよい。他の実施形態では、ロッド305は、実質的に純Nbを上回る機械的強度を有する、Nb合金を含む、本質的にそれから成る、またはそれから成ってもよい。例えば、本発明の実施形態による、ロッド305(したがって、安定化要素)は、Hf、Ti、Zr、Ta、V、Y、Mo、またはWのうちの1つ以上のものとのNbの合金を含む、本質的にそれから成る、またはそれから成ってもよい。例えば、本発明の実施形態による、安定化要素は、約10%のHfと、約0.7%〜1.3%のTiと、約0.7%のZrと、約0.5%のTaと、約0.5%のWと、残りのNbとを含む、NbC103合金を含む、本質的にそれから成る、またはそれから成ってもよい。他の実施形態では、安定化要素は、NbB66合金および/またはNbB77合金を含む、本質的にそれから成る、またはそれから成ってもよい。
管310で被覆されたロッド305は、続いて、例えば、0.5インチ〜1.5インチまでその直径を縮小するように引き伸ばされてもよい。被覆ロッドは、複数の段階で引き伸ばされてもよく、例えば、歪み緩和のために、引き伸ばすステップのうちのいずれかまたはそれぞれの間および/または後に熱処理されてもよい。いったん引き伸ばされると、被覆ロッドは、モノフィラメント100および/または複合フィラメント200との効率的な積層のために成形される安定化要素300を加工するために、成形ダイを通して引き伸ばされてもよい。例えば、図3Cに示されるように、六角ダイが、六角形の断面を有する安定化要素300を形成するために利用されてもよい。他の実施形態では、安定化要素300は、例えば、正方形、長方形、三角形等の他の断面を有してもよい。種々の実施形態では、安定化要素300は、モノフィラメント100および/または複合フィラメント200の断面サイズおよび/または形状と略同一である断面サイズおよび/または形状を有してもよい。
いったん加工されると、1つ以上の安定化要素300は、モノフィラメント100のスタックの中に挿入されてもよく、結果として生じるアセンブリは、拡散障壁材料およびマトリクス材料で囲繞され、引き伸ばされ、随意に、図3Dに示されるように、モノフィラメント100および安定化要素300と外側マトリクス220との間に拡散障壁215を組み込む、安定化された複合フィラメント315(例えば、図2A−2Eを参照して上記で説明されるような)を形成するように成形されてもよい。本発明の種々の実施形態では、複合フィラメントは、その間の相互拡散を妨害する、または実質的に防止するために、安定化要素300と残りのモノフィラメント100との間に拡散障壁を含んでもよい。種々の実施形態では、安定化要素300は、例えば、CuまたはCu合金を含む、本質的にそれから成る、またはそれから成る、内部安定化マトリクスと置換され、またはそれを補完されてもよく、そのような領域は、1つ以上の拡散障壁を介してモノフィラメント100から分離されてもよい。図3Dは、モノフィラメント100のうちの1つのものと実質的に同一である断面積を有するように、安定化要素300を描写するが、本発明の種々の実施形態では、安定化要素300は、単一モノフィラメント100のものより大きい断面積を有する。例えば、安定化要素300の断面積は、モノフィラメント100の断面積の少なくとも1.5倍、少なくとも2倍、少なくとも3倍、少なくとも4倍、少なくとも5倍、または少なくとも6倍であってもよい。
安定化要素および拡散障壁を組み込む本発明の実施形態では、付加的な機械的強度を付与するワイヤの断面積の量は、拡散障壁と安定化要素との間で有益に分割されてもよい。すなわち、1つ以上の安定化要素によって占有されるワイヤの断面積が多いほど、各拡散障壁が、ワイヤの種々の部分の間の拡散を妨害する、または実質的に排除するために十分な厚さを有する限り、ワイヤのより少ない断面積が拡散障壁によって占有される必要がある。逆に、本発明の実施形態による拡散障壁の使用は、依然として、所望の機械的強度(および/または他の機械的性質)をワイヤに付与しながら、それら自体が集合的にワイヤのより少ない断面積を占有する、1つ以上の安定化要素の使用を可能にする。種々の実施形態では、拡散障壁は、集合的に、ワイヤの断面積の少なくとも1%、少なくとも2%、少なくとも3%、少なくとも4%、または少なくとも5%を占有してもよい。種々の実施形態では、拡散障壁は、集合的に、ワイヤの断面積の15%未満、12%未満、10%未満、9%未満、8%未満、7%未満、6%未満、または5%未満を占有してもよい。安定化要素を特徴とする本発明の実施形態では、安定化要素および拡散障壁は、集合的に、ワイヤの断面積の25%未満、20%未満、15%未満、または10%未満を占有してもよい。安定化要素自体は、ワイヤの断面積の15%未満または10%未満(例えば、約2%〜約8%または約5%〜約15%)を占有してもよい。安定化要素は、ワイヤの断面積の少なくとも2%、少なくとも3%、少なくとも5%、または少なくとも8%を占有してもよい。
1つ以上の複合フィラメント200、315内に組み込まれることに加えて、またはその代わりに、本発明の実施形態による拡散障壁は、有利なこととして、超伝導ワイヤ内の相互拡散を妨害する、または実質的に防止するように、外側安定化マトリクス(および/またはワイヤの中心に近接する内側安定化マトリクスおよび/または安定剤)と複合フィラメントとの間に配置されてもよい。すなわち、超伝導ワイヤおよび/またはワイヤプリフォームは、複合フィラメント200、安定化された複合フィラメント315、および/またはそれら自体の拡散障壁を欠く複合フィラメントのアセンブリの周囲に配置される拡散障壁を利用して、加工されてもよい。図4A−4Eは、例示的超伝導ワイヤ400の加工の種々の段階を描写する。図4Bに示されるように、それら自体の内部拡散障壁をそれぞれ欠く、複数の複合フィラメント405は、続いて、超伝導ワイヤ400のコアの少なくとも一部になるであろう配列にともに積み重ねられてもよい。各複合フィラメント405は、例えば、上記で詳述される複合フィラメント200と同様であるが、加工中に管210の使用から生じる拡散障壁215の組み込みを伴わず、加工されてもよい。他の実施形態では、複合フィラメントのスタックは、複合フィラメント405の有無別に、複合フィラメント200、複合フィラメント315、および/またはそれらの混合物を含む、またはそれから成ってもよい。図4Bは、18本の異なる複合フィラメント405の積層を描写するが、本発明の実施形態は、より多いまたは少ない複合フィラメントを含んでもよい。
複合フィラメントの積層アセンブリは、CuまたはCu合金を含む、本質的にそれから成る、またはそれから成る、管410内に配置されてもよい。加えて、図4Cに示されるように、管210は、複合フィラメントの積層アセンブリの周囲に、かつ管410内に配置されてもよく、したがって、最終的なワイヤの中に拡散障壁を形成してもよい。複合フィラメントが、管510および管210内に配置される前および/または後に、複合フィラメント、管210、および/または管410は、例えば、表面酸化物および/または他の汚染物質を除去するように、(例えば、1つ以上の酸を含む、本質的にそれから成る、またはそれから成る洗浄剤を介して)洗浄および/またはエッチングされてもよい。図4Dに示されるように、管410および管210は、例えば、スエージング、押出、および/または圧延によって、複合フィラメント上に圧密されてもよく、管210は、拡散障壁415になってもよく、管410は、外側マトリクス420になってもよい。被覆積層複合フィラメントは、積層アセンブリの中の種々の複合フィラメントの間の接合を助長するように焼鈍されてもよい。例えば、被覆スタックは、約0.5時間〜約3時間(例えば、約1時間)の時間にわたって約300℃〜約500℃(例えば、約400℃)の温度で焼鈍されてもよい。有利なこととして、複合フィラメント405と外側マトリクス420との間の拡散障壁415の存在は、マトリクス420のCuと複合フィラメント405との間の拡散を実質的に防止し、それによって、低い導電性(例えば、Cuおよび/またはマトリクス420の材料よりも低い導電性)を有する金属相の形成を防止する。結果として生じるアセンブリは、図4Eに示されるように、その直径を縮小するように、1回以上引き伸ばされもよい。引き伸ばす前または後に、超伝導ワイヤ400は、例えば、残留応力を緩和する、および/またはその中の再結晶を助長するように焼鈍されてもよい。
図4Fおよび4Gに示されるように、類似方法論が、1つ以上の拡散障壁415および1つ以上の安定化要素300を組み込む、安定化された超伝導体ワイヤ425を加工するために、利用されてもよい。例えば、積層複合フィラメントのアセンブリが、それぞれ、1つ以上の安定化要素300に適応するように定寸および成形される、1つ以上の空隙をその内側に画定してもよい。複合フィラメントが管410および管210内に配置される前または後に、1つ以上の安定化要素300が、図4Fに示されるように、空隙のそれぞれの内側に配置されてもよい。結果として生じるアセンブリは、図4Gに示されるように、例えば、引伸および/または押出によって、その直径を縮小させてもよい。種々の実施形態では、拡散障壁は、特に、安定化要素がCuを含む、本質的にそれから成る、またはそれから成る、実施形態では、ワイヤまたはワイヤプリフォーム内で安定化要素300とフィラメントとの間に配置されてもよい。例えば、所望の拡散障壁材料の管は、ワイヤプリフォームアセンブリが組み立てられるときに安定化要素の周囲に配置されてもよく、アセンブリ全体が、所望のワイヤ寸法まで引き伸ばされてもよい。図4Fおよび4Gは、実質的に複合フィラメントの積層アセンブリの中心に配置された単一の安定化要素300を有する、超伝導ワイヤ425を描写するが、本発明の実施形態によると、1つ以上の安定化要素300は、中心に配置された安定化要素300に加えて、またはその代わりに、積層アセンブリ内の他の場所に配置されてもよい。図4Fおよび4Gは、複合フィラメント405のうちの1つのものと実質的に同一である断面積を有するように、安定化要素300を描写するが、本発明の種々の実施形態では、安定化要素300は、単一複合フィラメント405のものより大きい断面積を有する。例えば、安定化要素300の断面積は、複合フィラメント405の断面積の少なくとも1.5倍、少なくとも2倍、少なくとも3倍、少なくとも4倍、少なくとも5倍、または少なくとも6倍であってもよい。
種々の実施形態では、超伝導ワイヤ400、425は、その内側の拡散障壁415を欠いており、したがって、管210は、その形成に利用されず、個々の複合フィラメントのうちの1つ以上のものの中の拡散障壁215は、相互拡散を妨害する、または実質的に防止するために利用される。他の実施形態では、図4D−4Gに示されるように、個々の複合フィラメント405は、その内側の拡散障壁を欠き得、拡散障壁415は、超伝導ワイヤ400、425内に存在する。そのような実施形態では、管110および/または205は、有利なこととして、後続の熱処理中にフィラメントのNbと反応し、超伝導相(例えば、NbSn)を形成するSnを、その内側に組み込んでもよい。他の実施形態では、拡散障壁415が、拡散障壁215に加えて、個々の複合フィラメント内に存在する。
種々の実施形態では、超伝導ワイヤ400、超伝導ワイヤ425、複合フィラメント4015、複合フィラメント200、および/または安定化された複合フィラメント315は、直径縮小のために、および/またはそれらの構成要素の間の接合を助長するように、ワイヤ引伸ステップに先立って機械的に処理されてもよい。例えば、超伝導ワイヤ400、超伝導ワイヤ425、複合フィラメント4015、複合フィラメント200、および/または安定化された複合フィラメント315は、最終引伸ステップに先立って、押出、スエージング、および/または圧延されてもよい。種々の実施形態では、超伝導ワイヤ400、超伝導ワイヤ425、複合フィラメント4015、複合フィラメント200、および/または安定化された複合フィラメント315は、歪み緩和のために、複数の異なる引伸ステップのそれぞれの間および/または後に、熱処理されてもよい。例えば、引伸ステップのうちの1つ以上のものの間および/または後に、超伝導ワイヤ400、超伝導ワイヤ425、複合フィラメント4015、複合フィラメント200、および/または安定化された複合フィラメント315は、例えば、約20時間〜約40時間の期間にわたって約360℃〜約420℃の温度で焼鈍されてもよい。
本発明の種々の実施形態では、超伝導ワイヤ400または超伝導ワイヤ425は、その内側のフィラメントの臨界温度を下回って冷却され、電流を伝導するために利用されてもよい。いくつかの実施形態では、複数の超伝導ワイヤ400および/または超伝導ワイヤ425は、単一の超伝導ケーブルを形成するように、ともにコイル状に巻かれる。
いくつかの超伝導ワイヤ400、425(例えば、Nb−Ti含有フィラメントを組み込むもの)が、超伝導用途で直接利用されてもよいが、種々の他の超伝導ワイヤ400、425のための加工プロセスは、超伝導相の一部を組み込むための1つ以上のステップを組み込んでもよい。例えば、NbSn超伝導相は、いったん形成されると、典型的には、脆性であり、さらに引き伸ばされない、または別様に損傷を伴わずに機械的に変形されない場合がある。したがって、本発明の実施形態は、相互から分離したNbおよびSnを組み込む、超伝導ワイヤ400、425を加工するために利用されてもよく、いったんワイヤ400、425が殆どまたは完全に加工されると、ワイヤ400、425は、NbおよびSnを相互拡散し、その内側で超伝導NbSn相を形成するように焼鈍されてもよい。例えば、引き伸ばされたワイヤは、例えば、約30時間〜約200時間の期間にわたって約600℃〜約700℃の温度で焼鈍されてもよい。種々の実施形態では、Cuベースの管110、205、または310のうちの1つ以上のものが、その内側にSnを組み込んでもよく、例えば、管のうちの1つ以上のものが、Cu−Sn合金(例えば、13〜15%のSnを含む)を含む、本質的にそれから成る、またはそれから成ってもよい。そのような材料は、延性であり、本明細書で詳述されるような種々のフィラメントおよびワイヤの加工を可能にする。その後、ワイヤ400、425は、焼鈍されてもよく、相互拡散および少なくともNbとCu−Snとの間の界面における超伝導NbSn相の形成をもたらす。
他の実施形態では、純SnまたはSn合金(例えば、Cuまたはマグネシウム(Mg)を伴うSn合金)は、複合フィラメント200、安定化された複合フィラメント315、および/またはワイヤ400、425を形成するために利用されるスタックのうちの1つ以上のものの内側に(例えば、ロッドまたは管の形態で)組み込まれてもよく、本明細書で詳述されるような複合フィラメント200、安定化された複合フィラメント315、および/またはワイヤ400、425の形成後、焼鈍ステップが、超伝導NbSn相を形成するように実施されてもよい。
種々の実施形態では、ワイヤ内の1つ以上の拡散障壁の一部内の少なくともNbは、上記に説明されるように反応し、超伝導相を形成し、拡散障壁の本反応部分は、したがって、動作の間、ワイヤの超伝導的伝導性に寄与し得る。例えば、拡散障壁の内側または外側部分は、例えば、SnまたはSn合金と反応し、ワイヤのフィラメントから形成されるものと実質的に同じまたは類似する超伝導相を形成してもよい。そのような実施形態では、拡散障壁の厚さは、典型的には、拡散障壁の全体が、反応し、超伝導相を形成しないように十分に大きい。したがって、拡散障壁の少なくとも一部は、未反応のままであって、本明細書に説明されるように、相互拡散への抵抗およびワイヤへの機械的強度に寄与する。種々の実施形態では、拡散障壁は、本明細書に詳述されるように、Nbを含む、それから本質的に成る、またはそれから成る1つ以上の環状層と、Nb合金またはNb−Ta合金を含む、それから本質的に成る、またはそれから成る1つ以上の環状層とを含有する、多層構造であってもよい。合金層は、拡散抵抗の大部分を提供し得る一方、Nb層の少なくとも一部は、熱処理の間、(例えば、Cuマトリクス内の周囲Snと)反応し、超伝導相の一部と成り得る。例えば、拡散障壁は、2つの異なるNb層間に挟入される合金層を含む、それから本質的に成る、またはそれから成ってもよい。別の実施例では、内側Nb層は、外側合金層によって囲繞される、またはその逆であってもよい。
図5は、本発明の実施形態による、拡散障壁を組み込む超伝導ワイヤ500の断面図である。示されるように、拡散障壁510は、ワイヤ500のCu安定化コア520と、Nbベースのフィラメント540を含有する外側ブロンズマトリクス530との間に配置される。図6は、本発明の実施形態による、拡散障壁を組み込む別の超伝導ワイヤ600の断面図である。示されるように、拡散障壁610は、ワイヤ600のコアにおける内側Sb−Cu−Nbベースのフィラメント620と外側Cu安定剤630との間に配置される。
(実施例)
一連の実験が、著しく引き伸ばされた超伝導ワイヤにおける処理性、したがって、拡散障壁として使用するための好適性の観点から、Nb−W合金材料を評価するために実施された。材料の加工は、ボタン炉内における3つの異なるNb−W合金の溶解から開始した。3つの異なるサンプルは、2.9重量パーセントのW、5.7重量パーセントのW、および11.4重量パーセントのWを有しており、3つ全てのボタンは、加工後、680.4グラムの重量であった。中心区分が、帯のこ上での切断およびやすりを用いたバリ取りを介して、ボタンのそれぞれから抽出された。各区分の厚さが、測定され、一連の圧延実験のための開始厚として利用された。サンプルは、公称5%通過スケジュールにおいて、圧延機上で圧延された。周期的に、圧延の間、サンプルの厚さが、測定され、各サンプルの一部が、硬度試験のために抽出された。中間焼鈍または他の処理は、サンプル上で実施されなかった。圧延実験の結果は、下記の表1に示され、これは、厚さおよび対応する面積の低減(ROA)を報告する。
Figure 2021516428
続いて、圧延されたサンプルの硬度が、Wilson Wolpert Instruments(Aachen, Germany)から利用可能な401 MVD Knoop/Vickers Microindentation Tester上で0.5kgのVickers試験力(HV)を使用する、Vickers硬度試験を使用して評価された。各サンプルは、硬度試験に先立って、研磨および搭載された。3回の測定が、ASTM E384規格(ASTM International(West Conshohocken, PA)(その開示全体は、参照することによって本明細書に組み込まれる))に準拠して、136°角錐形ダイヤモンド圧子を使用して、各サンプル上で実施され、平均および標準偏差が、計算された。硬度試験の結果は、下記の表2−4に報告される。
Figure 2021516428
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Figure 2021516428
Figure 2021516428
Figure 2021516428
Figure 2021516428
上記のデータ表上に示されるように、試験されたサンプルの3つ全てが、70%を超えるROA値まで冷間加工を介して処理されたとき、良好な延性を呈した。測定された挙動は、純ニオブサンプルによって呈されるものに類似し、最先端超伝導ワイヤにおける拡散障壁としての使用のためのこれらのサンプル合金の好適性を示す。各合金の硬度は、予期されるように、増加されたW含有量および増加されたROAの関数として、若干増加したが、サンプルは全て、試験された全ての条件において、良好な延性を呈した。サンプルのいずれも、試験手順において利用される冷間加工によって亀裂せず、または別用に損傷されず、全てのサンプルは、試験の間、非常に均一に変形した。
本明細書で採用される用語および表現は、限定ではなく、説明の用語および表現として使用され、そのような用語および表現の使用には、示され、説明される特徴、またはその部分のいかなる均等物も除外するという意図はない。加えて、本発明のある実施形態を説明してきたが、本明細書に開示される概念を組み込む他の実施形態も、本発明の精神および範囲から逸脱することなく使用され得ることが、当業者に明白であろう。故に、説明される実施形態は、あらゆる点で制限的ではなく、例証的にすぎないと見なされるものである。

Claims (44)

  1. 拡散抵抗および機械的強度を保有する超伝導ワイヤであって、前記超伝導ワイヤは、
    Cuを含む外側ワイヤマトリクスと、
    拡散障壁であって、前記拡散障壁は、前記ワイヤマトリクス内に配置され、0.1%〜20%のWを含有するNb合金または0.1%〜20%のWを含有するNb−Ta合金を含む、拡散障壁と、
    複数の複合フィラメントであって、前記複数の複合フィラメントは、前記拡散障壁によって囲繞され、前記拡散障壁によって前記外側ワイヤマトリクスから分離される、複数の複合フィラメントと
    を備え、
    各複合フィラメントは、(i)複数のモノフィラメントと、(ii)前記複数のモノフィラメントを囲繞するCuを含むクラッディングとを含み、
    各モノフィラメントは、Nbを含むコアと、前記コアを囲繞し、Cuを含むクラッディングとを含み、
    前記拡散障壁は、前記超伝導ワイヤの断面積の1%〜20%を占有し、
    前記拡散障壁は、前記超伝導ワイヤの軸方向寸法を通して延在する、超伝導ワイヤ。
  2. 前記複合フィラメントと前記拡散障壁との間に配置されるNbベースの超伝導相を含む環状領域をさらに備える、請求項1に記載のワイヤ。
  3. 前記環状領域は、NbSnを含む、請求項2に記載のワイヤ。
  4. 前記環状領域は、前記拡散障壁に共形化し、それと接触する、請求項2に記載のワイヤ。
  5. 前記拡散障壁は、前記超伝導ワイヤの断面積の1%〜10%を占有する、請求項1に記載のワイヤ。
  6. 前記拡散障壁は、前記超伝導ワイヤの断面積の2%〜10%を占有する、請求項1に記載のワイヤ。
  7. 前記拡散障壁は、前記超伝導ワイヤの断面積の3%〜10%を占有する、請求項1に記載のワイヤ。
  8. 各モノフィラメントの前記コアは、Ti、Zr、Hf、Ta、Y、またはLaのうちの少なくとも1つと合金化されるNbを含む、請求項1に記載のワイヤ。
  9. 各モノフィラメントの前記コアは、NbSnを含む、請求項1に記載のワイヤ。
  10. 前記拡散障壁は、Nb−6WまたはNb−Ta−3Wを含む、請求項1に記載のワイヤ。
  11. 前記拡散障壁は、加えて、Ru、Pt、Pd、Rh、Os、Ir、Mo、Re、またはSiから成る群から選択される1つ以上の合金化元素を含有する、請求項1に記載のワイヤ。
  12. 前記複合フィラメントはそれぞれ、六角形の断面形状を有する、請求項1に記載のワイヤ。
  13. 前記モノフィラメントはそれぞれ、六角形の断面形状を有する、請求項1に記載のワイヤ。
  14. 前記複数の複合フィラメント内に配置され、前記拡散障壁によって囲繞される安定化要素をさらに含み、前記安定化要素は、0.1%〜20%のWを含有するTa合金、0.1%〜20%のWを含有するNb合金、または0.1%〜20%のWを含有するNb−Ta合金を含む、請求項1に記載のワイヤ。
  15. 前記超伝導ワイヤの降伏強度は、少なくとも100MPaである、請求項1に記載のワイヤ。
  16. 拡散抵抗および機械的強度を保有する超伝導ワイヤであって、前記超伝導ワイヤは、
    Cuを含むワイヤマトリクスと、
    前記ワイヤマトリクス内に埋め込まれる複数の複合フィラメントと
    を備え、
    各複合フィラメントは、(i)複数のモノフィラメントと、(ii)拡散障壁であって、前記拡散障壁は、0.1%〜20%のWを含有するNb合金または0.1%〜20%のWを含有するNb−Ta合金を含み、前記複合フィラメントの軸方向寸法を通して延在し、前記複数のモノフィラメントを囲繞する、拡散障壁と、(iii)前記拡散障壁を囲繞するCuを含むクラッディングであって、前記拡散障壁は、前記複数のモノフィラメントから前記クラッディングを分離する、クラッディングとを含み、
    前記拡散障壁は、集合的に、前記超伝導ワイヤの断面積の1%〜20%を占有し、
    各モノフィラメントは、Nbを含むコアと、前記コアを囲繞し、Cuを含むクラッディングとを含む、超伝導ワイヤ。
  17. 前記モノフィラメントと前記複合フィラメントのうちの少なくとも1つの拡散障壁との間に配置され、Nbベースの超伝導相を含む環状領域をさらに備える、請求項16に記載のワイヤ。
  18. 前記環状領域は、NbSnを含む、請求項17に記載のワイヤ。
  19. 前記環状領域は、前記拡散障壁に共形化し、それと接触する、請求項17に記載のワイヤ。
  20. 前記拡散障壁は、集合的に、前記超伝導ワイヤの断面積の1%〜10%を占有する、請求項16に記載のワイヤ。
  21. 前記拡散障壁は、集合的に、前記超伝導ワイヤの断面積の2%〜10%を占有する、請求項16に記載のワイヤ。
  22. 前記拡散障壁は、集合的に、前記超伝導ワイヤの断面積の3%〜10%を占有する、請求項16に記載のワイヤ。
  23. 各モノフィラメントの前記コアは、Ti、Zr、Hf、Ta、Y、またはLaのうちの少なくとも1つと合金化されるNbを含む、請求項16に記載のワイヤ。
  24. 各モノフィラメントの前記コアは、NbSnを含む、請求項16に記載のワイヤ。
  25. 前記拡散障壁は、Nb−6WまたはNb−Ta−3Wを含む、請求項16に記載のワイヤ。
  26. 前記拡散障壁は、加えて、Ru、Pt、Pd、Rh、Os、Ir、Mo、Re、またはSiから成る群から選択される1つ以上の合金化元素を含有する、請求項16に記載のワイヤ。
  27. 前記超伝導ワイヤの降伏強度は、少なくとも100MPaである、請求項16に記載のワイヤ。
  28. 前記複合フィラメントはそれぞれ、六角形の断面形状を有する、請求項16に記載のワイヤ。
  29. 前記モノフィラメントはそれぞれ、六角形の断面形状を有する、請求項16に記載のワイヤ。
  30. 前記複数の複合フィラメント内に配置される安定化要素をさらに含み、前記安定化要素は、0.1%〜20%のWを含有するTa合金、0.1%〜20%のWを含有するNb合金、または0.1%〜20%のWを含有するNb−Ta合金を含む、請求項16に記載のワイヤ。
  31. 拡散抵抗および機械的強度を保有する超伝導ワイヤであって、前記超伝導ワイヤは、
    Cuを含む内側ワイヤ安定化マトリクスと、
    拡散障壁であって、前記拡散障壁は、前記ワイヤ安定化マトリクスの周囲に配置され、0.1%〜20%のWを含有するNb合金または0.1%〜20%のWを含有するNb−Ta合金を含む、拡散障壁と、
    複数の複合フィラメントであって、前記複数の複合フィラメントは、前記拡散障壁の周囲に配置され、前記拡散障壁によって、前記ワイヤ安定化マトリクスから分離される、複数の複合フィラメントと
    を備え、
    各複合フィラメントは、(i)複数のモノフィラメントと、(ii)前記複数のモノフィラメントを囲繞するCuを含むクラッディングとを含み、
    各モノフィラメントは、Nbを含むコアと、前記コアを囲繞し、Cuを含むクラッディングとを含み、
    前記拡散障壁は、前記超伝導ワイヤの断面積の1%〜20%を占有し、
    前記拡散障壁は、前記ワイヤの軸方向寸法を通して延在する、超伝導ワイヤ。
  32. 前記複合フィラメントと前記拡散障壁との間に配置され、Nbベースの超伝導相を含む環状領域をさらに備える、請求項31に記載のワイヤ。
  33. 前記環状領域は、NbSnを含む、請求項32に記載のワイヤ。
  34. 前記環状領域は、前記拡散障壁に共形化し、それと接触する、請求項32に記載のワイヤ。
  35. 前記拡散障壁は、前記超伝導ワイヤの断面積の1%〜10%を占有する、請求項31に記載のワイヤ。
  36. 前記拡散障壁は、前記超伝導ワイヤの断面積の2%〜10%を占有する、請求項31に記載のワイヤ。
  37. 前記拡散障壁は、前記超伝導ワイヤの断面積の3%〜10%を占有する、請求項31に記載のワイヤ。
  38. 各モノフィラメントの前記コアは、Ti、Zr、Hf、Ta、Y、またはLaのうちの少なくとも1つと合金化されるNbを含む、請求項31に記載のワイヤ。
  39. 各モノフィラメントの前記コアは、NbSnを含む、請求項31に記載のワイヤ。
  40. 前記拡散障壁は、Nb−6WまたはNb−Ta−3Wを含む、請求項31に記載のワイヤ。
  41. 前記拡散障壁は、加えて、Ru、Pt、Pd、Rh、Os、Ir、Mo、Re、またはSiから成る群から選択される1つ以上の合金化元素を含有する、請求項31に記載のワイヤ。
  42. 前記超伝導ワイヤの降伏強度は、少なくとも100MPaである、請求項31に記載のワイヤ。
  43. 前記複合フィラメントはそれぞれ、六角形の断面形状を有する、請求項31に記載のワイヤ。
  44. 前記モノフィラメントはそれぞれ、六角形の断面形状を有する、請求項31に記載のワイヤ。
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