JP2021515109A - 積層造形用の生体適合性チタン合金 - Google Patents

積層造形用の生体適合性チタン合金 Download PDF

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Abstract

質量%で、15.0〜35.0%のニオブ、0.0〜7.5%のモリブデン、0.0〜20.0%のタンタル、0〜7.0%のジルコニウム、0〜6.0%のスズ、0.0〜2.0%のハフニウム、0.0〜0.5%のアルミニウム、0.0〜0.5%のバナジウム、0.0〜0.5%の鉄、0.0〜0.5%のクロム、0.0〜0.5%のコバルト、0.0〜0.5%のニッケル、0.0〜1.0%のケイ素、0.0〜0.2%のホウ素、0.0〜0.5%のカルシウム、0.0〜0.5%の炭素、0.0〜0.5%のマンガン、0.0〜0.5%の金、0.0〜0.5%の銀、0.0〜0.5%の酸素、0.0〜0.5%の水素、0.0〜0.5%の窒素、0.0〜0.5%のパラジウム、0.0〜0.5%のランタンを備え、残部がチタンと不可避的不純物であるチタン基合金組成物であって、ニオブ、モリブデン、タンタル、ジルコニウムおよびスズの質量%をそれぞれNb、Mo、Ta、ZrおよびSnとすると、以下の式を満たす、チタン基合金組成物。0.0175Nb+0.0183Mo+0.03Ta+0.0116Zr+0.1Sn>1.0

Description

本発明は、現在の合金よりも著しく改善された生体適合性、ならびに強度および靭性において改善された微細構造を有する、改良された積層造形性のために設計されたチタン基合金組成物に関する。さらに、合金は、割れ感受性、凝固範囲、および微細構造安定性に関して、同等のグレードの合金に匹敵するかまたはそれ以上の成形性ウィンドウを示す。
新しい合金の設計プロセスでは、動作条件での機械的性能も重視されている。
生物医学的な構成部品の製造に使用できるTi合金の典型的な組成の例を、表1に示す。表1は、生物医学的用途のために商業的に使用されているチタン合金の公称組成(重量%)である。
Figure 2021515109
本発明の目的は、積層造形に適した合金、好ましくは、表1に記載された従来の生物医学的チタン合金と比較して改善された積層造形性を有する合金を提供することである。
好ましくは、合金は、(主に不活性でかつ骨成長を促進する元素を含むことによる)改善された生体適合性および/または(非定常な凝固挙動及び相構造の比較による)改善された製造性を有する。
本発明によれば、質量%で、15.0〜35.0%のニオブ、0.0〜7.5%のモリブデン、0.0から20.0%のタンタル、0〜7.0%のジルコニウム、0〜6.0%のスズ、0.0〜2.0%のハフニウム、0.0〜0.5%のアルミニウム、0.0〜0.5%のバナジウム、0.0〜0.5%の鉄、0.0〜0.5%のクロム、0.0〜0.5%のコバルト、0.0〜0.5%のニッケル、0.0〜1.0%のケイ素、0.0〜0.2%のホウ素、0.0〜0.5%のカルシウム、0.0〜0.5%の炭素、0.0〜0.5%のマンガン、0.0〜0.5%の金、0.0〜0.5%の銀、0.0〜0.5%の酸素、0.0〜0.5%の水素、0.0〜0.5%の窒素、0.0〜0.5%のパラジウム、0.0〜0.5%のランタンを備え、残部がチタンと不可避的不純物であるチタン基合金組成物であって、Nb、Mo、Ta、ZrおよびSnが、質量%で、ニオブ、モリブデン、タンタル、ジルコニウムおよびスズの量をそれぞれ表すとき、0.0175Nb+0.0183Mo+0.03Ta+0.0116Zr+0.1Sn>1.0を満たすことを特徴とする、チタン基合金組成物が提供される。
この組成物は、生体適合性と、製造時の割れ感受性と、使用温度での最適な機械的性能と、凝固時の安定した微細構造と、の間の良好なバランスを提供する。
本発明の一実施形態では、チタン合金は、7.0%以下のモリブデン、好ましくは6.0%以下のモリブデン、より好ましくは5.0以下のモリブデンを備える。この合金は、積層造形性に関する特性が向上している。これは、凝固範囲が狭くなり、マルテンサイト開始温度が低くなるからである。モリブデンは、これらの特性に悪影響を与える。
本発明の一実施形態では、チタン合金は、1.5%以上、好ましくは2.5%以上のモリブデンを備える。 モリブデンは、成長制限係数が高いため(そして結果として微細な構造になるため)、有益である。この量のモリブデンはまた、小さい質量%の合金元素を使用する間、組成物のマルテンサイト開始温度を低下させる。1.5%以上の低レベルのモリブデンでさえ、この点で重要な効果があり、低いマルテンサイト開始温度を達成するためにモリブデンを使用することは、有効性が低いβ相安定化元素である他の候補合金元素よりも好まれる。
一実施形態では、ジルコニウム、スズ、モリブデン、タンタル、ニオブの量(質量%)をそれぞれZr、Sn、Mo、Ta、Nbとすると、チタン合金は以下の式を満たす。
0.0375Nb+0.033Mo+0.0167Ta+0.05Zr+0.267-(0.13Sn-0.516)2>1.0
このような合金では、割れ感受性係数が改善されており、これは、積層造形性が改善されていることを意味する。
一実施形態では、合金は、以下の式を満たす。
0.0178Nb+0.0143Mo+0.0243Ta+0.0285Sn<1.0
このような合金は、溶融温度が低いため、粉末加工が容易である。
一実施形態では、合金は、以下の式を満たす。
0.0298Nb+0.0272Mo+0.0246Ta+0.0376Zr+0.0259Sn>1.0
このような合金は、生体適合性が改善されている。
一実施形態では、合金は、以下の式を満たす。
75>883-150Fe-49Mo-17Nb-12Ta-7Zr-3Sn<250
このような合金は、製造プロセスを損なわないマルテンサイト開始温度を有しているが、強度、形状記憶効果を追加し、合金の剛性を下げるために使用され得る。
一実施形態では、合金は、2.5>0.042Nb+0.06Mo+0.05Ta+0.03Zr+0.1Sn>1.0を満たす。このような合金は、レーザー加工において望ましい、最適な凍結範囲を有している。
本発明の一実施形態では、チタン合金は、17.5%以上のニオブ、好ましくは20.0%以上のニオブ、より好ましくは22.5%以上のニオブを備える。ニオブが多いほど、割れ感受性係数が低くなり、積層造形性が優れたものとなる。また、ニオブは結合次数を増加させるため、弾性率が低下する。
本発明の一実施形態では、チタン合金は、32.5%以下のニオブ、好ましくは30.0%以下のニオブ、より好ましくは27.5%以下のニオブを備える。ニオブの量を減らすことにより、合金のコストを下げるとともに、強度と、粉末の製造容易性と、を向上させることができる。
本発明の一実施形態では、チタン合金は、17.5%以下のタンタル、より好ましくは15.0%以下のタンタルを備える。Taの量が多いと、特に元素から直接溶解する場合に、インゴットの製造が困難になる可能性がある。これにより、さらに、合金のコストが削減されるとともに、タンタルが非常に高い溶融温度を有するため、溶融合金の製造プロセスが容易となる。
本発明の一実施形態では、チタン合金は、5.0%以上のタンタル、好ましくは7.5%以上のタンタル、より好ましくは10.0%以上のタンタル、最も好ましくは12.5%以上のタンタルを備える。このような合金は、結合次数が高く、良好な生体適合性と低い剛性を示す。
本発明の一実施形態では、チタン合金は、6.0%以下のジルコニウム、好ましくは5.5%以下のジルコニウム、より好ましくは5.0%以下のジルコニウム、さらにより好ましくは4.5%以下のジルコニウムを備える。ジルコニウムを少なくすると、合金のコストが下がり、粉末の加工性のためにチタンの量が増える。
本発明の一実施形態では、チタン合金は、1.0%以上のジルコニウム、好ましくは1.5%以上のジルコニウム、より好ましくは2.0%以上のジルコニウムを備える。ジルコニウム含有量を増やすと、(固溶化および結晶粒微細化により)強度が向上し、最適な製造のための凝固範囲を大幅に増やすことなく剛性を低下させることができる。ジルコニウムはまた、生体適合性を有利に改善し、E. L. Pang et al. “The effect of zirconium on the omega phase in Ti-24Nb [0-8] Zr alloys”、Acta Materialia、Vol.153、pp 62-70に記載されているように、機械的特性および超弾性/形状記憶挙動に有害であるオメガ相の形成を阻害する。
モリブデンの最小レベル(1.5%)とジルコニウムの最小レベル(1.0%)の組み合わせは、特に好ましい。これは、このような合金は、(少量のβ相安定化元素を必要とする一方)低温でマルテンサイト相を形成するとともに、Zr添加に起因して、プロセス中におけるオメガ相の形成を回避することができる。1.0%より高いレベルのジルコニウムおよび/または1.5%より高いレベルのモリブデンがさらに好ましい。これにより、合金をさらに準安定化し、合金の微細構造の安定性を向上させるだけでなく、生体適合性を高めることができる。
本発明の一実施形態では、チタン合金は、以下の式を満たす。
250≧883-150Fe質量%-96Cr質量%-49Mo質量%-37V質量%-17Nb質量%-12Ta質量%-7Zr質量%+15Al質量%
好ましくは、以下の式を満たす。
225≧883-150Fe質量%-96Cr質量%-49Mo質量%-37V質量%-17Nb質量%-12Ta質量%-7Zr質量%-3Sn質量%+15Al質量%
より好ましくは、以下の式を満たす。
200≧883-150Fe質量%-96Cr質量%-49Mo質量%-37V質量%-17Nb質量%-12Ta質量%-7Zr質量%-3Sn質量%+15Al質量%
ここで、Fe、Cr、Mo、V、Nb、Ta、Zr、SnおよびAlは、それぞれ、鉄、クロム、モリブデン、バナジウム、ニオブ、タンタル、ジルコニウム、スズおよびアルミニウムの量(質量%)を表す。このような合金は、製造中に発生する熱サイクルにおいて脆いマルテンサイト相が形成されるため、製造プロセスを損なう可能性が低い。マルテンサイト開始温度が低いほど良好であり、マルテンサイト開始温度は225℃以下、さらにより好ましくは200℃以下が望ましい。
本発明の一実施形態では、チタン合金は、以下の式を満たす。
75≦883-150Fe質量%-96Cr質量%-49Mo質量%-37V質量%-17Nb質量%-12Ta質量%-7Zr質量%-3Sn質量%+15Al質量%≦250
ここで、Fe、Cr、Mo、V、Nb、Ta、Zr、Sn及びAlは、それぞれ、鉄、クロム、モリブデン、バナジウム、ニオブ、タンタル、ジルコニウム、スズ、およびアルミニウムの量(質量%)を表す。マルテンサイト変態は低温で起こるため、このような合金は製造プロセスを損なう可能性が低い。さらに、このような合金は室温でマルテンサイト相を有するため、強度、形状記憶効果が向上し、見かけの剛性がさらに低下する可能性が大きくなる。
本発明の一実施形態では、チタン合金は、50.0質量%以上のチタン、好ましくは52.5質量%以上のチタン、より好ましくは55.0質量%以上のチタンを備える。このような合金の粉末は、化学的均一性が高く、偏析が少ないため、製造が容易である。
本発明の一実施形態では、チタン合金は、6.5%以下のスズ、好ましくは6.0%以下のスズ、好ましくは5.5%以下のスズを備える。これにより、合金のα安定性が最小限に抑えられ、マルテンサイト開始温度が範囲内に留まり、割れ感受性が低くなる。
本発明の一実施形態では、チタン合金は、2.0%以上のスズ、好ましくは3.0%以上のスズ、より好ましくは4.0%以上のスズを備える。これにより、合金の強度が向上するとともに剛性が低下し、割れ感受性が最適に近くなる。
本発明の一実施形態では、チタン合金は、以下の式を満たす。
Figure 2021515109
ここで、Al、SnおよびZrは、それぞれ、アルミニウム、スズおよびジルコニウムの量(質量%)を表す。このような合金では、室温で出現する可能性のあるα相の強度が高い。Alは制限されているため、SnおよびZrを、1.0〜2.5質量%の間のAl相当値(質量%)で添加する必要がある。
本発明の一実施形態では、チタン合金は、0.1質量%以上のハフニウム、好ましくは0.5質量%以上のハフニウムを備える。これにより、硬度が増加して耐摩耗性が向上する。
本発明の一実施形態では、アルミニウム、バナジウム、鉄、クロム、コバルト、ニッケルおよびマンガンのそれぞれの質量%の合計は、1.0質量%以下、好ましくは0.5質量%以下である。このような合金は、生体適合性の低い低レベルの元素を有する。
本明細書における「を備える」との用語は、組成物を100%として、追加の成分の存在を排斥することでパーセンテージを100%にしていることを示すために用いられる。特に明記しない限り、すべての量は質量%として表される。
本発明について、単なる例示を通じて、添付図面を参照しながら、さらに十分に説明する。
図1は、さまざまな合金元素の生体適合性を示す。 図2は、チタン基合金組成が決定されるプロセスを示すフロー図である。 図3Aは、Ti-Nb-Mo-Ta-Zr系における割れ感受性係数(CSF)の等値線図を示す。 図3Bは、Ti-Nb-Mo-Ta-Zr系における割れ感受性係数(CSF)の等値線図を示す。 図4は、Ti-Nb-Mo-Ta-Zr系におけるシェイル(Scheil)凝固(凍結)範囲の等値線図を示す。 図5は、Ti-Nb-Mo-Ta-Zr系におけるコストの等値線図を示す。 図6は、Ti-Nb-Mo-Ta-Zr系におけるマルテンサイト開始温度の等値線図を示す。 図7は、Ti-Nb-Mo-Ta-Zr系における結合次数の等値線図を示す。 図8Aは、Ti-Nb-Mo-Ta-Zr系における成長制限係数(GRF)の等値線図を示す。 図8Bは、Ti-Nb-Mo-Ta-Zr系における成長制限係数(GRF)の等値線図を示す。 図9は、Ti-Nb-Mo-Ta-Zr系における溶融温度の等値線図を示す。 図10は、提案されたメリット指数に対する各元素の効果を定性的に示す。 図11は、現在の合金に匹敵するかまたはそれより優れたメリット指数を有する合金領域を特定するために使用される制約を示す。 図12は、いくつかの選択されたTi-Nb-Mo-Ta系における、凝固範囲の等値線図に対する、Sn及びZrの影響を示す。 図13は、いくつかの選択されたTi-Nb-Mo-Ta系における、割れ感受性係数の等値線図に対する、Sn及びZrの影響を示す。 図14は、いくつかの選択されたTi-Nb-Mo-Ta系における、成長制限係数の等値線図に対する、SnおよびZrの影響を示す。 図15Aは、いくつかの選択されたTi-Nb-Mo-Ta系における、溶融温度の等値線図に対する、SnおよびZrの影響を示す。 図15Bは、いくつかの選択されたTi-Nb-Mo-Ta系における、溶融温度の等値線図に対する、SnおよびZrの影響を示す。 図16は、いくつかの選択されたTi-Nb-Mo-Ta系における、マルテンサイト開始温度の等値線図に対する、SnおよびZrの影響を示す。 図17は、いくつかの選択されたTi-Nb-Mo-Ta系における、原材料コストの等値線図に対する、SnおよびZrの影響を示す。 図18は、いくつかの選択されたTi-Nb-Mo-Ta系における、結合次数の等値線図に対する、SnおよびZrの影響を示す。 図19は、いくつかの選択されたTi-Nb-Mo-Ta系における、アルミニウム相当値の等値線図に対する、SnおよびZrの影響を示す。 図20は、閾値の方程式によって制約された、最適な合金領域を示す。 図21Aは、実施例およびベースライン合金のそれぞれに対する閾値方程式の値を示す。 図21Bは、実施例およびベースライン合金のそれぞれに対する閾値方程式の値を示す。 図22は、凝固範囲対成長制限係数の散布図を示す。黒でハイライトされた領域は、最適な設計領域を示す。ラベル付きのデータポイントは、文献の合金に対応する。灰色の部分は、残りのテスト組成物を示す。 図23は、凝固範囲対割れ感受性係数の散布図を示す。黒でハイライトされた領域は、最適な設計領域を示す。ラベル付きのデータポイントは、文献の合金に対応する。灰色の部分は、残りのテスト組成物を示す。 図24は、割れ感受性対成長制限係数の散布図を示す。黒でハイライトされた領域は、最適な設計領域を示す。ラベル付きのデータポイントは、文献の合金に対応する。灰色の部分は、残りのテスト組成物を示す。 図25は、成長制限係数対他のメリット指数の散布図を示す。黒でハイライトされた領域は、最適な設計領域を示す。ラベル付きのデータポイントは、文献の合金に対応する。灰色の部分は、残りのテスト組成物を示す。 図26は、割れ感受性係数対他のメリット指数の散布図を示す。黒でハイライトされた領域は、最適な設計領域を示す。ラベル付きのデータポイントは、文献の合金に対応する。灰色の部分は、残りのテスト組成物を示す。
従来、チタン基合金は、経験主義に基づき設計されてきた。したがって、チタン基合金の化学的組成物は、限られた量の材料の小規模処理と、挙動についてのその後の特性分析と、を含む時間のかかる高価な実験開発によって特定されてきた。その後、最良の、またはもっとも望ましい特性の組み合わせを示すことを見出された合金組成物が採用される。考え得る合金元素群が多数存在することは、これらの合金が完全には最適化されておらず、より改良された合金が存在する可能性が高いことを示している。
チタン合金では、一般的に、機械的強度を向上させるためのα安定化元素としてアルミニウム(Al)が添加される。ただし、アルミニウムは神経関連疾患と関連付けられている。一般的に、脆い金属間化合物を形成することなく機械的強度を高めるために、β安定化元素としてバナジウム(V)が添加される。Vはβ相で固溶する。しかし、Vは、身体に毒性と発がん性の影響を与えると考えられている。β安定化元素としては、ニッケル(Ni)、コバルト(Co)、鉄(Fe)及びクロム(Cr)も添加される。ただし、これらはすべて生体適合性が低く、身体機能に対する有害反応に関連していると考えられている。したがって、合金が備えるAl、V、Ni、Co、Mn、FeおよびCrのそれぞれの最大量は、0.5%であり、好ましくは、Al、V、Ni、Co、Mn、FeおよびCrを、それぞれ0.2%以下とする。これらの元素とホウ素の合計は1.0%以下であり、好ましくは0.5%以下である。
カルシウムと炭素はそれぞれ0.5%までのレベルで存在してもよい。このレベルで合金の特性を大きく変えることは想定されていない。
酸素、窒素、水素は、合金の特性を大幅に低下させることなく、それぞれ0.5質量%までの濃度で合金に存在してもよい。 酸素は合金の強度を大幅に改善するが、多量に含有すると、合金が示す形状記憶効果に悪影響を与える可能性がある。同じことが金、銀、およびパラジウムにも当てはまり、それらはそれぞれ、0.5質量%までの量で存在してもよい。これらは、生体適合性を高め、感染(infection)を減らすために添加され得る。ランタンは、凝固中の微細構造をさらに改善するために、(Bと同様に)0.5質量%までの量で添加してもよい。
生体適合性のある純チタンは、以下で説明する凝固特性(特に割れ感受性係数、CSF)が不十分である。したがって、本発明では合金元素を添加して、合金の積層造形性を改善する。この合金は、人や動物の体内に配置される物品(補綴装置、整形外科用インプラント、特に骨インプラントおよび/または人工関節を含む)に使用することを目的としているため、高い生体適合性とオッセオインテグレーションを有することが示されている、いわゆる「バイタル(vital)」元素を、主にまたは排他的に使用して、チタン合金の望ましい特性を実現することが望ましい。図1は、Design and mechanical properties of new β type titanium alloys for implant materials. Materials Science and Engineering: A. 1998(Kuroda D, Niinomi M, Morinaga M, Kato Y, Yashiro T.)から得られたさまざまな合金元素の生体適合性などを示すグラフである。
本発明の合金では、ニオブ(Nb)がβ安定化元素として使用され、合金の弾性率を低下させる。タンタル(Ta)も、β安定化元素として使用され、金属への骨の成長を促進する。ジルコニウム(Zr)は、弾性率をさらに下げるためにTiの代わりに使用される。NbおよびTaと組み合わせて、Zrはβ安定化元素として機能する。
本発明において、モリブデン(Mo)は、製造中の特性を改善するための強力なβ安定化元素として使用される。Moはいわゆる「バイタル」元素ではないが、Tiと組み合わせても、合金の生体適合性を低下させず、身体に悪影響を及ぼさないことが示されている(Nunome et. al. In vitro evaluation of biocompatibility of Ti-Mo-Sn-Zr superelastic alloy, Journal of Biomaterials Applications, 2015 参照)。
スズ(Sn)は、合金の剛性を低下させ、強度を増大させるために使用される。Snはα安定化元素であるため、Snの量はSn≦7.0質量%、好ましくは6.0%以下、より好ましくは5.5%以下に制限される。一実施形態では、剛性を低減し、強度を増大させ、最適な割れ感受性を得るために、少なくとも2.5%以上のSnが添加される。より好ましくは、さらに剛性を低減して強度を高めるために、3.0%以上のスズを添加する。本発明では、SnをZrの代替に用いることができると想定される。剛性を低下させ、かつ強度を高めるには、最低4.0%のスズが望ましい。
本発明の一実施形態では、チタン合金は、以下の式を満たす。
Figure 2021515109
スズおよびZrは、交換可能であり、上述の式に示すように1.0%以上(Al相当値)の好ましい量で存在する場合、合金の強度を高め、全体的な剛性を低下させるとともに、生体適合性を向上させる。2.5%(Al相当値)の好ましい最大量で存在する場合、最終的な組成で純粋なチタンを最低52.5%維持しつつTa、Nb、およびMoが追加する生体適合性の利点を確保するとともに、凝固範囲を許容範囲内に留めることができる。
合金の硬度を上げるために、任意でハフニウム(Hf)を使用できる。しかしながら、Hfは非常に高価な元素であり、その使用は、本発明ではHf≦2.0質量%に制限される。好ましくは、Hfは、コストを低く抑えるために、1.0%以下のレベルで存在する。(耐摩耗性を改善するために)高硬度が重要である用途では、Hfは0.1%以上、より好ましくは0.5%以上の量で存在することができる。
本明細書において、チタンベースの生体適合性合金の新たなグレードの特定に用いられる、モデルに基づく手法を説明する。これは、「合金設計」(ABD)法と呼ばれる。この手法には、非常に広範な組成領域に亘って設計関連特性を推定するための計算材料モデルのフレームワークが利用される。図2は、この手法の種々のステップを示したものである。原則的に、この合金設計ツールにより、いわゆる逆問題が解決可能となる。すなわち、指定された一連の設計制約を最も満足する、最適な合金組成を特定できる。
設計過程の第1ステップは、元素表と、その元素表に付随した組成制限の上限及び下限と、を規定することである。本発明においては、「合金設計領域」と呼ばれる、各元素を添加する際の元素ごとの組成制限が考慮される。この組成制限については、表2に詳述されている。表2に、「ABD」法を用いて調査された合金設計領域(質量%)を示す。
Figure 2021515109
第2ステップは、特定の合金組成物の相図及び熱力学的特性を計算するための、熱力学的計算に基づいて行われる。これは、CALPHAD法(CALculate PHAse Diagram)と呼ばれることが多い。これらの計算は、新しい合金の最適な相構造が発見される温度で行われる。
第3段階には、積層造形および生物医学的目的のために望ましい微細構造を有する合金組成物を特定することが含まれる。チタン合金の場合、積層造形による成形性は、合金の溶接性に直接関係している。チタン合金では、溶接性は、最初の例では、α相とβ相との比率の観点から、微細構造と相関関係がある。α合金に近い合金の場合、溶接性は良好あり、これらの合金は通常、焼きなまし状態で溶接される。α/β合金の場合、溶接性は、存在するβ相の量に依存する。最も強力なβ安定化合金は通常、溶接中に脆化する(高いβ含有量を有する合金は、めったに溶接されない)。例外はTi-6Al-4Vで、溶接性が良く、熱処理後の機械的特性も良好である。準安定β合金は、良好な溶接性を有し、溶接後も良好な機械的特性を保持し、後熱処理の必要がない。生物医学の分野では、弾性率が低い(骨の弾性率に近い)合金を設計し、生体適合性とオッセオインテグレーションを改善する合金元素を使用する必要がある。準安定β合金(BCC)は、α合金およびβ合金(HCP + BCC)と比較して、弾性率を大幅に低下させることが示される。さらに、Nb、Zr、およびTa(すべてβ安定化元素)を使用することにより、チタン合金の生体適合性とオッセオインテグレーションを改善することが知られている。したがって、本明細書で説明する目的のためには、いわゆる「バイタル」元素を使用する準安定β合金を設計することが望ましい。
したがって、モデルは、最も生体適合性があり、最適な積層造形性のために安定したβ微細構造を形成する傾向があり、かつ、良好なオッセオインテグレーション及び低応力遮蔽のために低い弾性率を有する、設計領域内のすべての組成物を特定する。さらに、溶融温度や合金元素の量など、均一で化学的に均質な粉末粒子を得るために重要な要素も、設計プロセスに加重される。
第4段階では、データセット内に残った特定された合金組成物について、メリット指数が推定される。これらの例には、マルテンサイト変態メリット指数(変態が開始する温度を表す)、弾性率と骨成長適合性(組成物の結合次数に関連)、製造性(凍結範囲と、非定常な凝固挙動及び合金の相割合の関数である、合金の割れに対する感受性と、に関連)、及び粉末加工性(溶融温度と合金内のチタン量に関連)が含まれる。
最初のメリット指数は、骨適合性メリット指数である。これは、細胞が金属界面に成長する速度をハイライトする。Okazaki and Tetsuya. (1998), Corrosion resistance, mechanical properties: corrosion fatigue strength and cytocompatibility of new Ti alloys without Al and V. Biomaterialsには、骨の成長が合金の結合次数と相関することが示されている。したがって、メリット指数は、以下の混合物のルールを使用して計算される。
Figure 2021515109
ここで、xiは元素iの濃度を表し、Boiは元素のi番目の結合次数の値を表す。さらに、このメリット指数は、(細胞毒性の測定値を与える)不動態化の臨界電流密度及び合金の弾性率の近似値も測定する。結合次数を上げることにより、細胞毒性と弾性剛性の両方が低下する(Brown SA, Lemons JE (1996) Medical Applications of Titanium and Its Alloys: The Material and Biological Issues参照)。表3は、各元素の結合次数を示す。
Figure 2021515109
2番目のメリット指数は、マルテンサイト相を形成する合金の感受性に関係する。このメリット指数は、Suresh Neelakantana, Prediction of the martensite start temperature for β titanium alloys as a function of composition, 60 Scripta Materialia 611 (2009)に開示されているマルテンサイト開始温度モデルを使用する。マルテンサイト開始温度(℃)は、合金組成物の関数として、以下のように計算される。
Ms = 883-150Fe質量%-96Cr質量%-49Mo質量%-37V質量%-17Nb質量%-12Ta質量%-7Zr質量%-3Sn質量%+15Al質量%
マルテンサイト開始温度が周辺温度より低い場合、マルテンサイト相は微細構造レベルでは存在しない。マルテンサイト相は硬くて脆く、製造プロセス中の熱ひずみがこの脆い相を割るのに十分なほど高い場合、マルテンサイト相が合金の割れ感受性に影響を与える可能性がある。マルテンサイト開始温度の好ましい上限は、相変態が製造プロセスに影響を与えないように定義されている(250℃以下)。マルテンサイトの開始温度をさらに下げることで、マルテンサイト形成の可能性を低減する。したがって、マルテンサイト開始温度は225℃以下が好ましく、最も望ましい合金のマルテンサイト開始温度は200℃以下である。下限も定義されている。使用温度を超えるマルテンサイト変態により、強度、形状記憶効果を追加し、合金の剛性をさらに下げることができる(75℃以上)。最適なマルテンサイト開始温度は、75〜200℃であると考えられる。
3番目のメリット指数は、凍結範囲である。凍結範囲は、事実上、2相液体+β相領域の温度範囲である。
このメリット指数は、ThermoCalcのシェイル(Scheil)熱力学計算を使用して計算され、合金の非定常な凝固経路を提供する。凝固範囲が拡大すると、レーザー加工中に、熱間割れと下層の再溶融が増加する可能性がある。したがって、液体から固体への転移が起こる温度範囲を監視することが望ましい。最も重要な係数ではないが、凝固範囲を最小限に抑え、少なくとも文献に記載されている合金に匹敵した値とすることが望ましい。
4番目のメリット指数は、割れ感受性係数(CSF)である。これは、液体の最後の10%を凝固するのに必要な時間と、40%の固形分率から90%の固形分率になるまでに必要な時間と、の関数として計算される。凝固時間の推定を容易にするために、凝固は一定の温度低下率で発生すると想定されている。凝固の最後の瞬間に熱間割れのリスクが高いと想定されているため、凝固プロセスのその部分の時間を最小限に抑えることを目標とする。CSFは、以下の式で計算される。
Figure 2021515109
ここで、time(fsolid)は、固体の特定の体積分率に到達するのに必要な時間を表す。
5番目のメリット指数は、成長制限係数(GRF)である。それを導き出す方法論は、T. E. Quested, A. T. Dinsdale & A. L. Greer, Thermodynamic Modeling of Growth-Restriction Effects in Aluminum Alloys, 53 Acta Materialia 1323 (2005)に記載されている。一般に、大きな成長制限係数を有する合金は、凝固中に溶質原子を排斥する傾向があることが認められている。溶質原子は、積層造形に有益な、より微細な粒子サイズの微細構造に変換される。GRFは、以下の式に従って、過冷却に関する固体の割合の導関数として計算される。
Figure 2021515109
ここで、fsは固体の割合を表し、ΔTsは溶質の過冷却を表す。これは、0.1未満の固形分率について、固形分率の関数として温度プロファイルに適合する線形回帰の傾きを計算することにより、シェイル分析を使用して概算することができる。詳細については、前述の科学文献を参照されたい。
6番目のメリット指数は、粉末の加工性である。粉末製造プロセスを促進し、最適な元素均質化を得るためには、溶融温度と合金元素の量を最小限に抑える必要がある。したがって、6番目の指数について、融点の温度が計算され、これは望ましくは1900℃未満である。6番目のメリット指数は、合金元素の量も制限する。好ましくは、最終的な組成物に含まれる純粋なチタンは、少なくとも50.0質量%である。粉末加工を容易にするために、最終的な組成物に含まれるチタンを、少なくとも52.5質量%に維持することが望ましく、少なくとも55.0質量%に維持することが好ましいと考えられている。存在するチタンが少なすぎると、(インゴットの微粒化によって生成される)粉末の加工が困難になると考えられている。つまり、正しい組成のインゴットが微粒化したときに、チタンが少なすぎると、偏析が引き起こされる可能性があるが、この偏析の発生は、融点にも関連している。微粒化された粉末は、その後、積層造形用の選択的レーザー溶融(SLM)装置に供給される。
上記のABD法を使用して、本発明の合金組成物を特定した。この合金の設計意図は、同等のグレードの合金に匹敵するかそれ以上の剛性、強度、製造性、加工性、細胞毒性、オッセオインテグレーションの組み合わせを示す新しいチタン合金の組成を特定することである。新しい合金の設計では、合金のコストも考慮されている。コストは、合金に含まれる各元素の量(2018年の価格を使用)に基づく。
文献に記載された合金の材料特性を、表4に列挙する。この材料特性は、ABD法を用いて求められた。これらの合金について列挙された、予測される特性との関連を踏まえ、新しい合金の設計が検討された。この方法は、GRFの最高値から最低値まで、及びCSCの最低値から最高値までのそれぞれの範囲において、異なる特性をターゲットとする9つの最適化された合金組成物を提案するために使用された。表5に記載の公称組成を有する最適化された合金の、計算された材料特性についても、記載されている。これらの合金は、本願発明にしたがう。
表4は、「合金設計」ソフトウェアで作成された、計算された相割合及びメリット指数を示す。表4には、表1に列挙されている、4つの一般的に使用されている生物医学的Ti合金と、表5に列挙されている新しい合金の公称組成と、の結果も示されている。
Figure 2021515109
表5は、最適な製造特性を有する新たな生物医学的合金の公称組成を示す。
Figure 2021515109
チタン合金の積層造形特性を改善するために重要な特性は、低い割れ感受性係数(CSF)、つまり4番目のメリット指数である。図3および13は、モリブデン、ニオブ、タンタル、ジルコニウムおよびスズの量の変化が割れ感受性係数に及ぼす影響を示す。すべての元素の影響は肯定的であるが、ニオブとスズの影響が最も強い。
チタン合金の積層造形特性を改善するためのもう1つの重要な特性は、高い成長制限係数(GRF)である。図8および14は、モリブデン、ニオブ、タンタル、ジルコニウムおよびスズの量の変化が成長制限係数に及ぼす影響を示す。すべての元素の影響は肯定的であるが、ニオブ、モリブデン及びスズの影響が強い(スズはこれらの中で最も強い)。
理解されるように、最小の割れ感受性係数は、約20.0%以上のニオブ、少量のモリブデン、及び大量のタンタルまたはジルコニウムで達成される。逆に、図4の等値線図からわかるように、ニオブの量が増えると、凝固(凍結)範囲が大きくなるという悪影響を与える可能性がある。コスト(図5)とともに、マルテンサイト開始温度を望ましい範囲(図6)未満に下げる有害な影響と、チタンの最小量を可能な限り高く保つことと、は、合金が35.0%以下のニオブを含む場合に特性の最良のバランスが達成されることを意味する。Nbの上限を35.0%に設定することにより、溶融温度を制限範囲内に保つとともに、肯定的な他の効果を有する、重要な他の合金元素を添加することができる。ただし、十分に低いCSF値を達成するために、最低15.0%のニオブが必要である。
ニオブは、少なくとも17.5質量%添加されることが望ましい。これにより、さらに低いCSF、すなわち優れた積層造形特性を達成する。好ましい実施形態において、ニオブは、少なくとも20.0%またはさらに22.5%の量で添加される。これにより、さらにCSFを低減することができる。一実施形態では、ニオブは、32.5%以下に制限される。これにより、費用を削減し、粉末の製造性を容易にし、強度を高め、凝固範囲を減らす一方で、許容可能なCSFレベルを維持することができる。さらに好ましい実施形態では、ニオブは30.0質量%以下またはさらに27.5質量%以下に制限される。これにより、その強度と、出発粉末の製造の容易さと、を向上させながら、合金のコストをさらに低減することができる。
例2は、他の例よりも著しく高いマルテンサイト開始温度を有する。 ただし、例2では、ニオブとモリブデンのレベルを低く抑えながら、許容可能な成長制限係数を達成している。そのような合金の利点は、TaおよびZrのレベルを高めることにより、良好な生体適合性効果がもたらされる可能性があるということである。ただし、インゴットの作成が最も難しく(Taが非常に多い)、GRFが他の例より低い。
一般的に、スズの量を約4.5〜5.0%とすることにより、割れ感受性係数を最低値とすることができる(図13を参照)。スズの量が5.0%を超えると、CSFが悪化し始める。スズが約6.5%になると、割れ感受性の値が制限の限界に達する傾向がある。さらに、大量のスズは、合金の結合次数を低下させる傾向がある。図18に示すように、好ましい合金領域では、スズの量を7.0%とすると、結合次数の値が低くなりすぎる傾向がある。したがって、スズの上限は、Sn=6.0%で課せられる。最適なCSF値に近づけるために、スズを、好ましくは5.5%未満、より好ましくは5.0%未満の量で存在させる。好ましい実施形態では、マルテンサイト開始温度および存在するα相の量が大幅に増加することを回避するために、スズの量を4.5質量%以下とする。さらに、スズを添加することによって合金の溶融温度を下げることができるが、これは有益である。好ましい実施形態では、スズの量を2.0質量%以上とする。これにより、強度を加えて剛性を下げることができるが、より重要なことには、成長制限を高め(図14)、割れ感受性を低下させる。好ましくは、スズは3.0%以上の量で存在する。より好ましくは、スズは4.0%以上の量で存在する。
図7に示す結合次数の等値線図からわかるように、タンタルは結合次数の有利な増加に対して強い影響を与える。これは、細胞増殖を促し、毒性の低下を示す。一方、タンタルは、合金のコスト(図5)、凝固範囲の増加による製造性の低下(図4)、及びマルテンサイト開始温度の低下による強度の低下の点で、有害である(図6)。ただし、マルテンサイト開始温度に対するこの悪影響は、それほど強くない。タンタルは、合金の溶融温度も上昇させる(図9)。融点を十分に低く保つために、Taの上限を20.0%とする。タンタルの最大量は、17.5%以下(例えば、好ましくは15.0%以下または12.5%以下のタンタル)とすることが望ましい。これにより、(チタンの量が増え、微粒化時における偏析の可能性を低めることができるため)微粒化された合金の製造性を助けることができるとともに、合金の材料コストを大幅に削減することができる。
表3に示される最も性能の高い既存の合金に匹敵する結合次数を達成するために、タンタルの量は、好ましくは5.0%以上、より好ましくは7.5%以上である。タンタルの最小量を10.0質量%以上、さらには12.5%以上に増やすことで、結合次数をさらに高めることができる。しかしながら、所望の特性の組み合わせに応じて、タンタルを含有させないこともできる。
モリブデンは、マルテンサイト開始温度を下げるのに強い効果があるため、純粋なチタンの含有量を高く保ちながら合金をβ安定化させる(図6)。モリブデンは、成長制限係数を増やすこと(図8)と、割れ感受性係数をある程度下げること(図3)と、において重要である。ただし、モリブデンには、全体的な凝固範囲を拡大する効果がある(図4)。それにもかかわらず、モリブデンは既知の結晶粒微細化剤および強力なβ安定化剤であるため、高チタン含有量の合金を製造することができる(これにより、粉末加工の容易さと化学的均質性が向上する)。ニオブおよびタンタルと同様、望ましくないことに、モリブデンは溶融温度を上昇させる(図9)。したがって、モリブデンの適切なレベルは、7.5質量%以下であることが分かった。GRFに対するその有益な効果のために、モリブデンは、少なくとも1.5重量%以上の量で含有されることが好ましい。モリブデンは、7.0質量%以下の量で存在することが望ましい。これにより、凝固範囲の増加に対するモリブデンの影響を低減し、マルテンサイト開始温度の範囲を所望の範囲内に留めることができる。同じ理由で、モリブデンのレベルを、6.0%以下または5.0%以下とすることがさらに望ましい。一方、モリブデンの量を、2.5質量%以上、好ましくは3.5質量%以上とすることが有利である。これにより、ニオブの量をさらに増加させることなく、GRFを高く維持することができる。
図3〜6の等値線図は、ジルコニウムの効果が、コストに関連する有害な方法を除いて、他の合金元素ほど強くないことを示している(図5)。ジルコニウムは、溶融温度(図9)またはマルテンサイト開始温度(図6)にほとんど影響を与えず、CSFに対する影響(図3)は、Nb、Mo、およびTaよりも弱いことがわかる。ただし、Zrは、生体適合性を向上させる一方、Tiの代わりになることが知られている。さらに、Zrは、剛性を低下させ(結合次数を大幅に増加させる(図7を参照))、固溶および結晶粒微細化によって強度を向上させる(ZrはGRFを増加させる(図8参照))。ただし、大量のZrは、割れ感受性に悪影響を及ぼすことが示されている(図3参照)。上記を念頭に置いて、特にその既知の生体適合性(図1を参照)と強度向上効果のために、少量のジルコニウムを添加してもよい。しかしながら、低い割れ感受性係数を維持するために、ジルコニウムの適切な最大量は、好ましくは6.0質量%以下、さらには5.5%以下である。ただし、特に積層造形特性を犠牲にして強力な合金を所望する場合、ジルコニウムは7.0%以下まで許容される。Zrの量を制限すると、Ti含有量が高くなり、凝固範囲が低くなる(図4)。さらに、CSFへの影響がNb、TaおよびMoほど有益ではないため、Zrは少量に制限される。好ましい実施形態では、合金は、4.5%以下のジルコニウム、好ましくは4.0%以下または3.5%以下のジルコニウムを備える。これにより、割れ感受性を低くすることができる。好ましい実施形態では、結合次数を増加させ、成長制限係数を増加させ、さらに強度を加えるために、最小量を1.0%以上とすることが望ましい。より好ましくは、結合次数をさらに増加させ、成長制限係数をさらに増加させ、強度を加えるために、1.5%以上または2.0%以上とする。
図20は、合金の好ましい要件と、最適な合金空間を特定するために得られた一連の線形化された制限と、をまとめたものである。
図20は、好ましい範囲内に存する組成のプロットを示しており、合金のさらなる制限を示すために単に使用される。結果として、1番目から6番目のメリット指数の最良の組み合わせが得られる。
合金の元素範囲(Nbが15〜35、Moが0〜7.5、Taが0〜20.0、Zrが0〜7.0およびSnが0〜6.0)内で有効な次の7つの関係を決定するために、メリット指数の計算結果に対して回帰分析を行った。合金の主な要件として、少なくとも150の成長制限係数(GRF)が選択された。これは、表4の従来の合金のいずれかによって達成されたGRFよりも大きい。5番目のメリット指数に関連して前述したように、成長制限係数を高めることは、積層造形性にとって有益である。図8より、調査された合金領域は、(表4に示されるように)先行技術の合金よりも大きい成長制限係数を有する合金をもたらすことが明らかとなった。合金領域の元素範囲内で、以下の方程式(式2)が満たされる場合、150を超える成長制限係数を達成できることが、分析によって示された。
0.0175Nb+0.0183Mo+0.03Ta+0.0116Zr+0.1Sn>1.0
好ましくは、0.0175Nb+0.0183Mo+0.03Ta+0.0116Zr+0.1Sn>1.1
より好ましくは、0.0175Nb+0.0183Mo+0.03Ta+0.0116Zr+0.1Sn>1.2
ここで、Nb、Mo、Ta、ZrおよびSnはそれぞれ、ニオブ、モリブデン、タンタル、ジルコニウムおよびスズの量(質量%)を表す。成長制限係数がさらに大きいことが好ましい。すなわち、上記に示されるように、式2の左辺の合計が1.1より大きいことが好ましく、さらにより好ましくは1.2より大きい。表5に示すように、すべての合金例の成長制限係数は180を超え、上記の合計は少なくとも1.28である。この点において、最も性能の良い合金の成長制限係数は、200を超える。これは、成長制限係数が大きければ大きいほど、積層造形性が優れたものとなるため、好ましい。この方程式は、図20に、式2としてマークされている。
以下の方程式は、図20における線1を表す。
Figure 2021515109
この基準を満たすことで、アルミニウムと同等の元素を十分に持つことによる強度のメリットを享受することができる。これは、アルミニウム自体の生体適合性が低く、アルミニウムが制限されていることによる。許容されるアルミニウムのレベルが低いため、この方程式からアルミニウムを除外することも可能である。
4番目のメリット指数(割れ感受性係数)は、図20で3aおよび3bとしてマークされた2つの方程式で表される。図3からわかるように、考慮された設計領域では、最小の割れ感受性係数が合金設計領域に存在し、その関係は線形ではない。したがって、2つの線形方程式を使用して、所望の領域をモデル化する。これらの式は、図20で3aとして示される、0.0375Nb+0.033Mo+0.0167Ta+0.05Zr+0.267-(0.13Sn-0.516)2>1.0と、図20で方程式3bとして示されるZr>4である。これらの方程式は、割れ感受性係数が0.33以下であるという要件で生成され、この割れ感受性係数は、表5に示す従来の合金の大半よりも低いことがわかる。好ましくは、割れ感受性の値は、0.3よりも低く、または0.28でさえある。これらの場合、式3aが1.17より高い値を取ることが望ましいが、式3aが1.1より高い場合、割れ感受性係数が非常に低くなり、わずかに好ましくない。表5に示すように、例示の合金6〜9は、0.3よりも低い割れ感受性を有し、したがって、従来のすべての合金よりも良好である。式3aを使用すると、これらの合金の例は1.17より大きい値を取るが、これは、式3aの値が大きいほど、積層造形処理中における割れに対する耐性が高くなるため、好ましい。
6番目のメリット指数は、0.0178Nb+0.0143Mo+0.0243Ta+0.0285Sn<1.0という方程式(式4)でモデル化され、図20の線4として示されている。この方程式を満たす合金の融点は、1900℃未満である。
最初のメリット指数は、望ましくは2.85を超える結合次数を有する合金である。この要件は、以下の方程式(式5)を満たす合金によって満たされる。
0.0298Nb+0.0272Mo+0.0246Ta+0.0376Zr+0.0259Sn>1.0
ここで、Zr、Nb、Mo、Ta、及びSnは、それぞれ、ジルコニウム、ニオブ、モリブデン、タンタルおよびスズの量(質量%)を表す。このような合金は、表4に示されるように、従来の合金に匹敵する結合順序を有する。この方程式は、図20の線5として示されている。これらの合金は、生体適合性を改善して弾性率を低くするのに十分な、高い結合次数を有する。式5の合計が1.1より大きい場合、結合次数はさらに高くなるが、これは望ましい。
2番目のメリット指数、つまりマルテンサイト相に対する感受性は、Msの式に関して既に説明された。図20に示されている構成要素について、同じ線が図20にプロットされている。所望のマルテンサイト開始温度の上限と下限(250℃と75℃)を示す線6と7が図20にプロットされており、式は次のとおりである。
75>883-150Fe-49Mo-17Nb-12Ta-7Zr-3Sn<250
225℃及び220℃における望ましい最大許容マルテンサイト開始レベルは、図20にはプロットされていないが、図16より、合金元素の許容量に対するこのような好ましい制限の効果を、確認することができる。
3番目のメリット指数、つまり凍結範囲も、250℃未満の望ましい範囲でプロットされる。凍結範囲は、(範囲の上端が)図20の線8としてプロットされる。図20のすべての合金の凍結範囲は、範囲の下限より大きい。これは以下の方程式(式8)に従う。
2.5>0.042Nb+0.06Mo+0.05Ta+0.03Zr+0.1Sn>1.0
この式8は、最適な凝固範囲を有する合金を特定する。この凝固範囲は、積層造形時に最適な層の接着を可能にするのに十分高く、熱間割れのリスクを低く維持するのに十分低い。
図22〜26は、モデルが実行された範囲(表2)における合金のメリット指数の範囲と、同じグラフにおいて番号が付けられてプロットされた既存の合金の特性と、を(図11によって制限されるように)プロットされた発明範囲の領域とともに示す。理解されるように、本発明の合金は、他の点で最も適切な既存の合金よりも改善された特性を有する。
ケイ素とホウ素の量は、熱力学計算からではなく、「ケイ素とホウ素が、強度と耐クリープ性を高めて合金の延性を向上させる」という知識に基づいて添加される。したがって、0.2質量%のホウ素及び1.0質量%のケイ素まで許容される。

Claims (28)

  1. 質量%で、15.0〜35.0%のニオブ、0.0〜7.5%のモリブデン、0.0〜20.0%のタンタル、0〜7.0%のジルコニウム、0〜6.0%のスズ、0.0〜2.0%のハフニウム、0.0〜0.5%のアルミニウム、0.0〜0.5%のバナジウム、0.0〜0.5%の鉄、0.0〜0.5%のクロム、0.0〜0.5%のコバルト、0.0〜0.5%のニッケル、0.0〜1.0%のケイ素、0.0〜0.2%のホウ素、0.0〜0.5%のカルシウム、0.0〜0.5%の炭素、0.0〜0.5%のマンガン、0.0〜0.5%の金、0.0〜0.5%の銀、0.0〜0.5%の酸素、0.0〜0.5%の水素、0.0〜0.5%の窒素、0.0〜0.5%のパラジウム、0.0〜0.5%のランタンを備え、残部がチタンと不可避的不純物であるチタン基合金組成物であって、
    ニオブ、モリブデン、タンタル、ジルコニウムおよびスズの質量%をそれぞれNb、Mo、Ta、ZrおよびSnとすると、以下の式を満たす、チタン基合金組成物。
    0.0175Nb+0.0183Mo+0.03Ta+0.0116Zr+0.1Sn>1.0
  2. モリブデンを、質量%で、7.0%以下、好ましくは6.0%以下、より好ましくは5.0以下備える、請求項1に記載のチタン基合金組成物。
  3. モリブデンを、質量%で、1.5%以上、好ましくは2.5%以上備える、請求項1または2に記載のチタン基合金組成物。
  4. ジルコニウム、スズ、モリブデン、タンタル、ニオブの質量%をそれぞれZr、Sn、Mo、Ta、Nbとすると、以下の式を満たす、請求項1ないし3のいずれか1つに記載のチタン基合金組成物。
    0.0375Nb+0.033Mo+0.0167Ta+0.05Zr+0.267-(0.13Sn-0.516)2>1.0
    好ましくは、
    0.0375Nb+0.033Mo+0.0167Ta+0.05Zr+0.267-(0.13Sn-0.516)2>1.1
  5. スズを、質量%で、5.5%以下、好ましくは5.0%以下、より好ましくは4.75%以下備える、請求項1ないし4のいずれか1つに記載のチタン基合金組成物。
  6. スズを、質量%で、2.0%以上、好ましくは3.0%以上、より好ましくは4.0%以上備える、請求項1ないし5のいずれか1つに記載のチタン基合金組成物。
  7. ジルコニウムを、質量%で、6.0%以下、好ましくは5.5%以下、より好ましくは4.5%以下、さらにより好ましくは4.0%以下、最も好ましくは3.5%以下備える、請求項1ないし6のいずれか1つに記載のチタン基合金組成物。
  8. ジルコニウムを、質量%で、1.0%以上、好ましくは1.5%以上、より好ましくは2.0%以上備える、請求項1ないし7のいずれか1つに記載のチタン基合金組成物。
  9. アルミニウム、スズおよびジルコニウムの質量%をそれぞれAl、Sn、Zrとすると、以下の関係性を満たす、請求項1ないし8のいずれか1つに記載のチタン基合金組成物。
    Figure 2021515109
  10. ニオブを、質量%で、17.5%以上、好ましくは20.0%以上、より好ましくは22.5%以上備える、請求項1ないし9のいずれか1つに記載のチタン基合金組成物。
  11. ニオブを、質量%で、32.5%以下、好ましくは30.0%以下、より好ましくは27.5%以下備える、請求項1ないし10のいずれか1つに記載のチタン基合金組成物。
  12. タンタルを、質量%で、17.5%以下、好ましくは15.0%以下、より好ましくは12.5%以下備える、請求項1ないし11のいずれか1つに記載のチタン基合金組成物。
  13. タンタルを、質量%で、5.0%以上、好ましくは7.5%以上、より好ましくは10.0%以上、最も好ましくは12.5%以上備える、請求項1ないし12のいずれか1つに記載のチタン基合金組成物。
  14. 鉄、クロム、モリブデン、バナジウム、ニオブ、タンタル、ジルコニウム、スズおよびアルミニウムの質量%をそれぞれ、Fe、Cr、Mo、V、Nb、Ta、Zr、SnおよびAlとすると、以下の式を満たす、請求項1ないし13のいずれか1つに記載のチタン基合金組成物。
    250≧883-150Fe質量%-96Cr質量%-49Mo質量%-37V質量%-17Nb質量%-12Ta質量%-7Zr質量%-3Sn質量%+15Al質量%
    好ましくは、
    225≧883-150Fe質量%-96Cr質量%-49Mo質量%-37V質量%-17Nb質量%-12Ta質量%-7Zr質量%-3Sn質量%+15Al質量%
    より好ましくは、
    200≧883-150Fe質量%-96Cr質量%-49Mo質量%-37V質量%-17Nb質量%-12Ta質量%-7Zr質量%-3Sn質量%+15Al質量%
  15. 鉄、クロム、モリブデン、バナジウム、ニオブ、タンタル、ジルコニウム、スズおよびアルミニウムの質量%をそれぞれ、Fe、Cr、Mo、V、Nb、Ta、Zr、SnおよびAlとすると、以下の式を満たす、請求項1ないし14のいずれか1つに記載のチタン基合金組成物。
    75≦883-150Fe質量%-96Cr質量%-49Mo質量%-37V質量%-17Nb質量%-12Ta質量%-7Zr質量%-3Sn質量%+15Al質量%≦250
  16. チタンを、質量%で、50.0%以上、好ましくは52.5%以上、より好ましくは55.0%以上備える、請求項1ないし15のいずれか1つに記載のチタン基合金組成物。
  17. ハフニウムを、質量%で、1.0%以下備える、請求項1ないし16のいずれか1つに記載のチタン基合金組成物。
  18. ハフニウムを、質量%で、0.1%以上、好ましくは0.5%以上備える、請求項1ないし17のいずれか1つに記載のチタン基合金組成物。
  19. 質量%で、0.0〜0.2%のアルミニウム、0.0〜0.2%のバナジウム、0.0〜0.2%の鉄、0.0〜0.2%のクロム、0.0〜0.2%のコバルト、0.0〜0.2%のニッケル及び0.0〜0.2%のマンガンを備える、請求項1ないし18のいずれか1つに記載のチタン基合金組成物。
  20. アルミニウム、バナジウム、鉄、クロム、コバルト、ニッケル、マンガン及びホウ素のそれぞれの質量%の合計は、1.0質量%以下、好ましくは0.5質量%以下である、請求項1ないし19のいずれか1つに記載のチタン基合金組成物。
  21. モリブデン、ニオブ、タンタル及びスズの質量%をそれぞれMo、Nb、Ta、Snとすると、以下の式を満たす、請求項1ないし20のいずれか1つに記載のチタン基合金組成物。
    0.0178Nb+0.0143Mo+0.0243Ta+0.0285Sn<1.0
  22. ジルコニウム、ニオブ、モリブデン、タンタル、スズの質量%をそれぞれZr、Nb、Mo、Ta、Snとすると、以下の式を満たす、請求項1ないし21のいずれか1つに記載のチタン基合金組成物。
    0.0298Nb+0.0272Mo+0.0246Ta+0.0376Zr+0.0259Sn>1.0
    好ましくは、
    0.0298Nb+0.0272Mo+0.0246Ta+0.0376Zr+0.0259Sn>1.1
  23. モリブデン、ニオブ、タンタル、ジルコニウム及びスズの質量%をそれぞれMo、Nb、Ta、Zr、Snとすると、以下の式を満たす、請求項1ないし22のいずれか1つに記載のチタン基合金組成物。
    2.5>0.042Nb+0.06Mo+0.05Ta+0.03Zr+0.1Sn
  24. モリブデン、ニオブ、タンタル、ジルコニウム及びスズの質量%をそれぞれMo、Nb、Ta、Zr、Snとすると、以下の式を満たす、請求項1ないし23のいずれか1つに記載のチタン基合金組成物。
    0.042Nb+0.06Mo+0.05Ta+0.03Zr+0.1Sn>1.0
  25. ニオブ、モリブデン、タンタル、ジルコニウム及びスズの質量%をそれぞれNb、Mo、Ta、Zr、Snとすると、以下の式を満たす、請求項1ないし24のいずれか1つに記載のチタン基合金組成物。
    0.0175Nb+0.0183Mo+0.03Ta+0.0116Zr+0.1Sn>1.1
    好ましくは、
    0.0175Nb+0.0183Mo+0.03Ta+0.0116Zr+0.1Sn>1.2
  26. 請求項1ないし25のいずれか1つに記載のチタン基合金から作られる、インプラントまたは補綴装置。
  27. 請求項1ないし25のいずれか1つに記載のチタン基合金を用いて、物品の積層造形を行う方法。
  28. 前記物品が、インプラントまたは補綴装置である、請求項27に記載の方法。
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