JP2021512170A - Cdk4/6キナーゼ阻害剤を標的とする結晶形 - Google Patents
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Abstract
Description
本開示は、CDK4/6キナーゼを標的とする阻害剤の結晶形及びその調製方法に関し、そして該結晶形を含む医薬組成物、そして細胞中のCDK4/6キナーゼの活性を低減又は阻害するため並びにCDK4/6キナーゼ媒介性がんに関連する疾患を治療及び/又は予防するためのかかる化合物の使用にも関する。
式(I)の化合物の化学名は5−((4−エチルピペラジン−1−イル)メチル)−N−(5−フルオロ−4−(4−フルオロ−1−イソプロピル−2−メチル−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−6−イル)ピリジン−2−イル)ピリミジン−2−アミン(以下、「式(I)の化合物」と称される)であり、これは特許出願第PCT/CN2014/095615号に記載されており、サイクリン依存性キナーゼ4/6(CDK4/6)キナーゼを標的とする阻害剤として作用する。研究により、細胞周期に関与するCDKアイソフォームの中で、CDK4/6が代替不能な役割を果たすことが示されている。がん関連の細胞周期変異は、主にG1期及びG1/S期の移行過程に存在する。CDK4/6及びサイクリンDから形成された複合体は、抗がん遺伝子Rbのリン酸化によりpRbを形成して、結合した転写因子E2Fを放出する結果となり、S期開始に関連する遺伝子の転写を引き起こし、それにより細胞がチェックポイントを通過することを促進し、G1期からS期に移行する。ヒト腫瘍の約80%は、サイクリンD−CDK4/6−INK4−Rb経路中に異常を示す。この経路の変化はG1期の加速をもたらし、腫瘍細胞は加速された様式で増殖し、従って生存の優位性を獲得する。従って、この経路における介入は治療戦略になり、CDK4/6は新しい抗腫瘍標的になった。CDK4/6には、次の2つの側面で抗腫瘍標的としての利点がある:(1)殆どの増殖性細胞の増殖はCDK2又はCDK4/6に依存する;しかしながら、CDK4/6阻害剤は、骨髄抑制及び腸管反応等の「汎CDK阻害剤」の細胞毒性を示さない。(2)臨床前実験により、サイクリンDのレベルが増大するか、又はP16INK4aが細胞中で不活性化される場合、薬物に対する細胞の感受性が増大し得、腫瘍細胞は正常細胞に比べて上記の現象を示すため、薬物の標的化能がある程度増大することが示されている。
本開示は、対象にするCDK4/6キナーゼ阻害剤としての、式(I)で表される5−((4−エチルピペラジン−1−イル)メチル)−N−(5−フルオロ−4−(4−フルオロ−1−イソプロピル−2−メチル−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−6−イル)ピリジン−2−イル)ピリミジン−2−アミンの結晶形Aに関する。本開示は、結晶形Aを調製するための方法、結晶形Aを含有する医薬組成物、そして細胞中のCDK4/6キナーゼの活性を低減又は阻害するため、並びにCDK4/6キナーゼ媒介性がんに関連する疾患を治療及び/又は予防するためのかかる化合物の使用にも関する。
式(I)の化合物を有機溶媒中に溶解させること、次いで撹拌すること、及び沈殿した固体を回収することを含む、方法も提供する。
式(I)の化合物を有機溶媒中に溶解させ、それを、化合物が溶解するまで、撹拌しながら60〜100℃に加熱すること;
0〜25℃に冷却し、一定の温度で1〜24時間撹拌すること;及び
沈殿した固体を回収すること、
を含む。
式(I)の化合物を有機溶媒中に溶解させ、それを、化合物が溶解するまで、撹拌しながら60〜100℃に加熱すること;
30〜55℃に冷却して固体を沈殿させること;
0〜25℃に冷却し、一定の温度で1〜24時間撹拌すること;及び
沈殿した固体を回収し、乾燥させること、
を含む。
式(I)の化合物を有機溶媒中に溶解させ、それを、70〜100℃に加熱すること;
化合物の溶解後、50〜75℃に冷却し、種結晶を加え、一定温度に保ち、固体を沈殿させること;及び
0〜25℃に徐々に冷却し、一定の温度に保ち、沈殿した固体を回収し、乾燥させて結晶形Aを得ること、
を含む。
式(I)の化合物を有機溶媒中に溶解させ、それを、70〜100℃に加熱すること;化合物の溶解後及び50〜65℃への冷却後、種結晶を加え、一定の温度に保つこと;固体の出現時に、0〜25℃に徐々に冷却し、一定の温度に保つこと;吸引により濾過し、乾燥させて結晶形Aを得ること、であって、種結晶が、結晶形A又は結晶形Aの調製中の乾燥前の固体から選択され、及び種結晶と式(I)の化合物の質量比は、0.1%〜3%、好ましくは0.1%〜0.2%、0.2%〜0.5%、0.5%〜1%、1%〜1.5%、1.5%〜2%、2%〜2.5%、又は2.5%〜3%であることを含む。
(1)脂肪族アルコール溶媒、脂環式アルコール溶媒及び芳香族アルコール溶媒から選択されるアルコール溶媒であって、該脂肪族アルコール溶媒が、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、イソブタノール、tert−ブタノール、sec−ブタノール、n−ペンタノール、n−ヘキサノール、エチレングリコール、プロピレングリコール又はグリセロールから選択され;該脂環式アルコール溶媒が、シクロペンタノール、シクロペンチルメタノール、シクロヘキサノール、シクロヘキシルメタノール又はシクロヘキシルエタノールから選択され;及び該芳香族アルコール溶媒が、ベンジルアルコール、フェニルエタノール又はフェニルプロパノールから選択される溶媒;
(2)脂肪族ケトン溶媒及び環式ケトン溶媒から選択されるケトン溶媒であって、該脂肪族ケトン溶媒が、メチルエチルケトン、メチルイソプロピルケトン、アセトン、メチルブタノン又はメチルイソブチルケトンから選択され;及び該環式ケトン溶媒が、シクロプロパノン、シクロヘキサノン、イソホロン又はN−メチルピロリドンから選択される、溶媒;
(3)アセトニトリル又はプロピオニトリルから選択されるニトリル溶媒;
(4)脂肪族エーテル溶媒及び環式エーテル溶媒から選択されるエーテル溶媒であって、該脂肪族エーテル溶媒が、ジエチルエーテル、ジプロピルエーテル、ジイソプロピルエーテル、メチルtert−ブチルエーテル、エチルブチルエーテル、エチルtert−ブチルエーテル、ジブチルエーテル又はジペンチルエーテルから選択され、及び該環式エーテル溶媒が、エチレンオキシド、1,2−プロピレンオキシド、テトラヒドロフラン、2−メチルフラン、ジオキソラン又は1,4−ジオキサンから選択される、溶媒;
(5)ホルムアミド、N、N−ジメチルホルムアミド、N、N−ジメチルアセトアミド、N、N−ジメチルプロピオンアミド又はN、N−ジエチルプロピオンアミドから選択されるアミド溶媒;並びに
(6)ジメチルスルホキシド、ジエチルスルホキシド又はベンジルフェニルスルホキシドから選択されるスルホキシド溶媒、
のうちの1、又は2以上の任意の組み合わせ、から選択される溶媒中に溶解させられる。
(1)操作が容易で、工業生産に好適な調製方法であること;
(2)良好な外観、流動性、圧縮性を示し、製造、検出、製剤の調製、輸送及び保管に便利であること;
(3)高純度であり、残留溶媒が少なく、溶解度が高く、安定性が良好で、品質管理が容易であること;
(4)CDK4/6キナーゼに対する良好な阻害活性を示し、インビボでの良好な曝露及び/又は生物学的利用能を示すこと;並びに
(5)インビボ及びインビトロで良好な効力を示し、CDK4/6キナーゼ媒介性がんに関連する疾患の治療及び/又は予防に有用であること、
が挙げられる。
本明細書に記載の図面は、本開示の更なる理解を提供するために用いられ、本願の一部を構成し、本開示の例示的な実施例及びその記載は、本開示を説明するために用いられ、本開示の過度の限定を構成しない。図面においては:
本開示の実質的な内容は、本開示の特定の実施例と併せて以下で更に説明される。以下の実施例は、本開示を説明するためにのみ用いられるが、本発明の保護の範囲を限定するものではないことを理解されたい。以下の実施例においては、特定の条件が示されない場合、それらは従来の条件又は製造元の推奨に従って行なわれる。用いられる薬物又は試薬の製造元が示されない場合、それらはすべて市販されている従来の製品である。
式(I)の化合物の結晶形Aについての調製方法
調製方法I:5.0gの式(I)の化合物を取り、75mLのアセトンを加え、式(I)の化合物を磁気撹拌下で溶解させ、白色の固体が直ちに沈殿し、5時間撹拌後、それを吸引により濾過して白色粉末を得、それを減圧下35℃で16時間乾燥させて、XRPD試験により結晶形Aと同定された固体を得た。
1)種結晶の調製:40gの式(I)の化合物及び300gのn−ペンタノールを取り、そして75℃に加熱した;R=300回転/分の撹拌パドル回転速度で約0.5時間後、原料が溶解し始めた;完全に溶解して透明になった後、原料を更に75℃で0.5時間保持した。撹拌速度をR=150回転/分に低下させ、透明な溶液を約0.5時間以内に55℃に急冷した。55℃に到達後、撹拌速度をR=300回転/分に上昇させ、系を更に9℃/時間で5℃に冷却し、徐々に混濁し、固体が沈殿した。5℃に到達後、系を2時間一定温度に保ち、吸引により濾過して固体、即ち種結晶を得た。
用いた装置:Bruker D2 X線粉末回折計。
X線反射パラメータ:Cu、Kα;入口スリット:0.6mm;発散スリット:1mm;スキャンモード:連続;スキャン範囲:3.0〜45.0°;サンプリング間隔:0.02°;間隔あたりのスキャン時間:19.8秒;及び検出器の角度:2.0°。
式(I)の化合物の結晶形Aの固体状態の熱的特性は、示差走査熱量測定(DSC)により研究される。
用いた機器:TAから購入したQ2000示差走査熱量計。
測定条件:50ml/分で窒素パージし、25℃から220℃の間で10℃/分の加熱速度でデータを収集し、それを、吸熱ピークを下向きにしてプロットする。
測定結果:式(I)の化合物の結晶形Aは、195℃から215℃の範囲内に吸熱ピークを示し、示差走査熱量測定図は図2に示す通りである。
用いた機器:TAから購入したQ50熱重量分析装置。
試験条件:60ml/分で窒素パージし、室温と350℃の間で10℃/分の加熱速度でデータを収集する。
測定結果:式(I)の化合物の結晶形Aは、0℃〜250℃の範囲内で明らかな重量損失を示さず、そのTG曲線は図2に示す通りである。
核磁気分析(1H−NMR)
機器:Bruker Advance III 400;溶媒:重水素化DMSO。
測定結果:式(I)の化合物の結晶形Aの1H−NMRは、図3に示す通りである。
実験例1 結晶形Aの性質の調査
1)安定性試験
試験物:上記の調製方法I、II、III又はIVに従って調製された式(I)の化合物の結晶形A。
実験方法:試験物を高湿度(25℃/相対湿度92.5%又は40℃/相対湿度75%)条件下又は60℃条件下に10日間置き、サンプルをそれぞれ5日目及び10日目に採取した;10日間、光(4500 LX±500 LX)条件下に置き、10日目にサンプルを採取して、類縁物質とXRPDについて試験し、それを0日目のサンプルと比較した。
類縁物質:中国薬局方、2015年版、第II巻、付録V D高速液体クロマトグラフィーに従って測定。
XRPD測定:中国薬局方、2015年版、第IV巻、0451 X線回折法に従って測定。
式(I)の化合物の結晶形Aに関する安定性実験の結果は、表1に示す通りである。
試験物:
特許出願第PCT/CN 2014/095615号の明細書中の実施例1の調製方法に従って調製された式(I)の化合物。
上記の調製方法I、II、III又はIVに従って調製された式(I)の化合物の結晶形A。
測定方法:中国薬局方、2015年版、第IV巻、一般原則、9103 医薬品の吸湿性試験の指針に従って測定。
吸湿性実験の結果については、表2を参照。
試験物:上記の調製方法I、II、III又はIVに従って調製された式(I)の化合物の結晶形A。
試薬:Tween 80及び超純水。
機器及び装置:レーザー粒度分析装置、及びサンプル分散機。
測定方法:
適量の試験物をとり、0.1mLの1%Tween 80溶液を加えて表面張力を低下させ、分散剤として水を用いて均一に分散した懸濁液を調製した。それをサンプル分散装置に入れ、撹拌速度を2000rpmに調整し、7KHzの超音波周波数で2分間超音波処理を行い、測定を行った。
実験結果:
式(I)の化合物の結晶形Aの粒度分布は以下の通りである:サンプルの10%が2.501μm以下であり、50%が10.432μm以下であり、及び90%が59.852μm以下である。
試験物:特許出願第PCT/CN 2014/095615号の明細書中の実施例1の調製方法に従って調製された式(I)の化合物(即ち、非晶形)。
試験物を25℃/相対湿度92.5%又は60℃の条件下に10日間置き、それぞれ5日目及び10日目にサンプリングした;試験物を光(4500 LX±500 LX)又は40℃/相対湿度75%の条件下に10日間置き、10日目にサンプリングして、類縁物質とXRPDについて試験し、0日目のサンプルと比較した。
類縁物質:中国薬局方、2015年版、第II巻、付録V D 高速液体クロマトグラフィーに従って測定。
XRPD測定:中国薬局方、2015年版、第IV巻、0451 X線回折法。
式(I)の化合物の非晶形に関する安定性実験の結果は、表3に示す通りである。
10日間60℃又は光条件下に置いた後、結晶形Aの外観、類縁物質、及びXRPD等の特性に明らかな変化はなかったが、非晶形には、光条件下で最大10.54%の類縁物質があった。
試験物:上記の調製方法I、II、III又はIVに従って調製された式(I)の化合物の結晶形A;及び特許出願第PCT/CN 2014/095615号の明細書中の実施例1の調製方法に従って調製された式(I)の化合物の非晶形。
実験方法:
式(I)の化合物の結晶形A及び非晶形の適切な量をそれぞれ原料として取り、別々に打錠し、錠剤の重量を固定し、錠剤の厚さ(打錠力)を調整し、錠剤の硬度を測定した。錠剤の厚さによる錠剤硬度の変化を調査し、圧縮性を比較した。
実験結果については、表4を参照。
試験物:上記の調製方法I、II、III又はIVに従って調製された式(I)の化合物の結晶形A;及び特許出願第PCT/CN 2014/095615号の明細書における実施例1の調製方法に従って調製された式(I)の化合物の非晶形。
実験方法:
40mgの結晶形A及び40mgの非晶形を取り、それぞれ同じタイプ及び量の補助剤に加え、それを錠剤に圧縮した。崩壊及び溶解を以下の条件下で調査した。
溶解方法:パドル法(中国薬局方、2015年版、第IV巻、0931溶解及び放出測定方法、方法II);培地:0.2%SDS水溶液;及び回転速度:50回転/分。
実験結果については、表5及び6を参照。
Claims (17)
- Cu−Kα線を用いて、2θ角度として表される、6.6±0.2°、8.7±0.2°、10.0±0.2°、10.9±0.2°、13.2±0.2°、15.7±0.2°、16.4±0.2°、17.4±0.2°、20.1±0.2°、20.6±0.2°、及び30.4±0.2°での特徴的なピークを含むX線粉末回折パターンを特徴とする、請求項1の結晶形A。
- Cu−Kα線を用いて、2θ角度として表される、6.6±0.2°、8.7±0.2°、10.0±0.2°、10.9±0.2°、13.2±0.2°、15.7±0.2°、16.4±0.2°、16.7±0.2°、17.4±0.2°、19.3±0.2°、20.1±0.2°、20.6±0.2°、22.2±0.2°、23.3±0.2°、24.0±0.2°、25.9±0.2°、28.1±0.2°、及び30.4±0.2°での特徴的なピークを含むX線粉末回折パターンを特徴とする、請求項1又は2の結晶形A。
- 実質的に図1に示される、Cu−Kα線を用いて得られるX線粉末回折パターンを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項の結晶形A。
- 約195℃〜215℃での吸熱ピークを含む示差走査熱量測定(DSC)図を特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項の結晶形A。
- 205±3℃での吸熱ピークを含む示差走査熱量測定(DSC)図を特徴とする、請求項1〜5のいずれか1項の結晶形A。
- 実質的に図2に示される示差走査熱量測定(DSC)図を特徴とする、請求項1〜6のいずれか1項の結晶形A。
- 請求項1〜7のいずれか1項の式(I)の化合物の結晶形Aを調製するための方法であって:
式(I)の化合物を有機溶媒中に溶解させること、
撹拌すること、及び
沈殿した固体を回収すること
を含む、方法。 - 式(I)の化合物を有機溶媒中に溶解させ、それを、該化合物が溶解するまで、撹拌しながら60℃〜100℃に加熱すること;
0℃〜25℃に冷却し、一定温度で1〜24時間撹拌すること;及び
沈殿した固体を回収すること、
を含み、
好ましくは:
式(I)の化合物を有機溶媒中に溶解させ、それを、該化合物が溶解するまで、撹拌しながら60℃〜100℃に加熱すること;
30℃〜55℃に冷却して固体を沈殿させること;
0℃〜25℃に冷却し、一定温度で1〜24時間撹拌すること;及び
沈殿した固体を回収し、乾燥させること、
を含み、並びに
好ましくは:
式(I)の化合物を有機溶媒中に溶解させ、それを、60℃〜100℃に加熱し、該化合物が溶解するまで撹拌し、更に撹拌し、0℃〜25℃に冷却して固体を沈殿させ、一定温度に保ち、1〜24時間撹拌し、吸引により濾過し、乾燥させて結晶形Aを得ること
を含む、請求項8の方法。 - 請求項1〜7のいずれか1項の式(I)の化合物の結晶形Aを調製するための方法であって:
式(I)の化合物を有機溶媒中に溶解させ、それを、70℃〜100℃に加熱すること;
該化合物の溶解後、50℃〜75℃に冷却し、種結晶を加え、一定温度に保ち、固体を沈殿させること;及び
0℃〜25℃に徐々に冷却し、一定の温度に保ち、沈殿した固体を回収し、乾燥させて結晶形Aを得ることであって、
種結晶が、式(I)の化合物の結晶形A又は式(I)の化合物の結晶形Aの調製中に沈殿した固体であり、及び
好ましくは、加えられる種結晶の量が、式(I)の化合物の質量の0.1%〜3%、例、0.1%〜0.2%、0.2%〜0.5%、0.5%〜1%、1%〜1.5%、1.5%〜2%、2%〜2.5%又は2.5%〜3%であること、
を含み、
好ましくは:
式(I)の化合物を有機溶媒中に溶解させ、それを、70℃〜100℃に加熱すること;該化合物の溶解後、50〜65℃に冷却し、種結晶を加え、一定の温度に保つこと;固体の出現時に、0〜25℃に徐々に冷却し、一定の温度に保つこと;吸引により濾過し、乾燥させて結晶形Aを得ることであって、該種結晶が、結晶形A又は結晶形Aの調製中の乾燥前の固体、から選択され、及び該種結晶と式(I)の化合物との質量比は、0.1%〜3%、好ましくは0.1%〜0.2%、0.2%〜0.5%、0.5%〜1%、1%〜1.5%、1.5%〜2%、2%〜2.5%、又は2.5%〜3%であることを含む、方法。 - 請求項8〜10のいずれか1項の結晶形Aを調製するための方法であって、
有機溶媒が、以下の溶媒:
(1)脂肪族アルコール溶媒、脂環式アルコール溶媒及び芳香族アルコール溶媒から選択されるアルコール溶媒であって、該脂肪族アルコール溶媒が、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、イソブタノール、tert−ブタノール、sec−ブタノール、n−ペンタノール、n−ヘキサノール、エチレングリコール、プロピレングリコール又はグリセロールから選択され;該脂環式アルコール溶媒が、シクロペンタノール、シクロペンチルメタノール、シクロヘキサノール、シクロヘキシルメタノール又はシクロヘキシルエタノールから選択され;及び該芳香族アルコール溶媒が、ベンジルアルコール、フェニルエタノール又はフェニルプロパノールから選択される、溶媒;
(2)脂肪族ケトン溶媒及び脂環式ケトン溶媒から選択されるケトン溶媒であって、該脂肪族ケトン溶媒が、メチルエチルケトン、メチルイソプロピルケトン、アセトン、メチルブタノン又はメチルイソブチルケトンから選択され;及び該脂環式ケトン溶媒が、シクロプロパノン、シクロヘキサノン、イソホロン又はN−メチルピロリドンから選択される、溶媒;
(3)アセトニトリル又はプロピオニトリルから選択されるニトリル溶媒;
(4)脂肪族エーテル溶媒及び脂環式エーテル溶媒から選択されるエーテル溶媒であって、該脂肪族エーテル溶媒が、ジエチルエーテル、ジプロピルエーテル、ジイソプロピルエーテル、メチルtert−ブチルエーテル、エチルブチルエーテル、エチルtert−ブチルエーテル、ジブチルエーテル又はジペンチルエーテルから選択され、及び該脂環式エーテル溶媒が、エチレンオキシド、1,2−プロピレンオキシド、テトラヒドロフラン、2−メチルフラン、ジオキソラン又は1,4−ジオキサンから選択される、溶媒;
(5)ホルムアミド、N、N−ジメチルホルムアミド、N、N−ジメチルアセトアミド、N、N−ジメチルプロピオンアミド又はN、N−ジエチルプロピオンアミドから選択されるアミド溶媒;並びに
(6)ジメチルスルホキシド、ジエチルスルホキシド又はベンジルフェニルスルホキシドから選択されるスルホキシド溶媒、
のうちの1又は2以上の任意の組み合わせから選択され、
好ましくは、有機溶媒がアルコール溶媒又はケトン溶媒であり、及び
好ましくは、有機溶媒が、アセトン、イソプロパノール、ブタノール及びn−ペンタノールから選択される、方法。 - 請求項1〜7のいずれか1項の式(I)の化合物の結晶形A、並びに場合により1以上の医薬的な担体及び/又は希釈剤を含む医薬組成物。
- 医薬組成物が、メトトレキサート、カペシタビン、ゲムシタビン、ドキシフルリジン、ペメトレキセド二ナトリウム、パゾパニブ、イマチニブ、エルロチニブ、ラパチニブ、ゲフィチニブ、バンデタニブ、ハーセプチン、ベバシズマブ、リツキシマブ、トラスツズマブ、パクリタキセル、ビノレルビン、ドセタキセル、ドキソルビシン、ヒドロキシカンプトテシン、マイトマイシン、エピルビシン、ピラルビシン、ブレオマイシン、レトロゾール、タモキシフェン、フルベストラント、トリプトレリン、フルタミド、ロイプロレリン、アナストロゾール、イホスファミド、ブスルファン、シクロホスファミド、カルムスチン、ニムスチン、セムスチン、ナイトロジェンマスタード、メルファラン、クロラムブシル、カルボプラチン、シスプラチン、オキサリプラチン、ロバプラチン、トポテカン、カンプトテシン、ヒカムチン、エベロリムス、シロリムス、テムシロリムス、6−メルカプトプリン、6−チオグアニン、アザチオプリン、マイシンD、ダウノルビシン、アミシン、ミトキサントロン、ブレノキサン、プリカマイシン及びアミノグルテチミドのうちの1以上から選択される1以上の追加の抗腫瘍剤及び/又は免疫抑制剤を更に含む、請求項12の医薬組成物。
- 被験体におけるCDK4/6キナーゼ媒介性がんに関連する疾患を治療及び/又は予防するための医薬の調製における、請求項1〜7のいずれか1項の式(I)の化合物の結晶形Aの使用。
- CDK4/6キナーゼ媒介性がんに関連する疾患の治療及び/又は予防を、それを必要とする哺乳動物においてするための方法であって、それを必要とする哺乳動物に治療的及び/又は予防的有効量の請求項1〜7のいずれか1項の式(I)の化合物の結晶形A又は請求項12及び13のいずれか1項の医薬組成物を投与することを含む、方法。
- CDK4/6キナーゼ媒介性がんに関連する疾患を治療及び/又は予防するための医薬における使用ための、請求項1〜7のいずれか1項の式(I)の化合物の結晶形A。
- CDK4/6キナーゼ媒介性がんに関連する疾患が、脳腫瘍、肺がん、扁平上皮がん、膀胱がん、胃がん、卵巣がん、腹膜がん、膵臓がん、乳がん、頭頸部がん、子宮頸がん、子宮内膜がん、直腸がん、肝臓がん、腎臓がん、食道腺がん、食道扁平上皮がん、前立腺がん、女性生殖管がん、上皮内がん、リンパ腫、神経線維腫症、甲状腺がん、骨がん、皮膚がん、脳がん、結腸がん、精巣がん、消化管間質腫瘍、前立腺腫瘍、肥満細胞腫、多発性骨髄腫、黒色腫、神経膠腫、肉腫から選択される、請求項14の使用、請求項15の疾患の治療及び/又は予防をするための方法又は請求項15の式(I)の化合物の結晶形A。
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