JP2021512136A - 縮合環化合物 - Google Patents

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Abstract

本発明は、本明細書で更に詳述されるように、Rasタンパク質の阻害に使用される、式(I)の縮合環化合物、及び、これらの化合物を含む組成物、及び、それらを投与することによる治療方法に関する。【選択図】なし

Description

関連出願の相互参照
本出願は、2018年11月9日に出願された国際出願シリアル番号第PCT/CN2018/114788号に対する優先権を主張し、その全体が参照により本明細書に組み込まれている。
本発明は、K−Ras、H−Ras、及びN−RasなどのRasタンパク質の阻害に使用される、本明細書で更に詳細に述べる、式(I)の縮合環化合物、及び、これらの化合物を含む組成物、及び、これらを投与することによる治療方法に関する。
Rasは、中枢増殖シグナル伝達経路のヌクレオチド依存性スイッチとして機能する、小型のGTP結合タンパク質である。細胞外シグナルに応答して、Rasは、グアニンヌクレオチド交換因子(GEF)、特にSOS1タンパク質により触媒されて、GDP結合(RasGDP)状態からGTP結合(RasGTP)状態に転換される。活性のRasGTPは、その多様な増殖刺激機能を、Raf、PI3K、及びRalグアニンヌクレオチド解離刺激因子を含むエフェクターとの、直接的な相互作用を通して媒介する。次に、Rasの固有のGTPase活性がGTPをGDPに加水分解し、Rasのシグナル伝達を終わらせる。Ras GTPase活性は、ニューロファイブロミン1腫瘍抑制因子を含む、GTPase活性化タンパク質(ギャップ)との相互作用により更に加速することができる。
変異体RasはGTPase活性が低下しており、これはRasの活性化構造を持続させ、これによって、Ras依存性のシグナル伝達、及び癌細胞生残又は増殖を促進する。GAPと相互作用する、又はGTPを転換してGDPに戻す能力に影響を及ぼす、Rasの変異により、タンパク質の持続した活性化がもたらされ、結果的に、増殖及び分裂を続けさせるように伝えるシグナルの持続がもたらされる。これらのシグナルは細胞増殖及び分裂をもたらすため、過剰に活性のRASシグナル伝達は最終的に、癌をもたらす可能性がある。RASの主な3つのアイソフォーム(H−Ras、N−Ras、又はK−Ras)遺伝子のいずれか1つにおける変異は、ヒトの腫瘍形成において一般的な事象である。3つのRasアイソフォーム(K、N、及びH)の中で、K−Rasが最も頻繁に変異する。
最も一般的なK−Ras変異は、Pループの残基G12及びG13にて、並びに、残基Q61にて見出される。G12Cは、K−Ras遺伝子で頻繁に見られる変異である(システインに対するグリシン−12)。G12D及びG13Dは、他の頻繁に見られる変異である。癌におけるRasの変異は、予後不良と関連付けられている。マウスにおける発癌性Rasの不活性化は、腫瘍の縮小をもたらす。したがって、Rasは例外的に重要な、腫瘍学的標的であると幅広く考えられている。
一態様において、本開示は、式(I)の化合物、
Figure 2021512136
又はその薬学的に許容される塩に関する。
[式中、
、R、R、R、R、X、Y、U、V、W、及びnは、本明細書で定義されるとおりである。]
本開示の別の態様は、式(II)の化合物、
Figure 2021512136
又はその薬学的に許容される塩を含む。
[式中、R、R、R、R、R、R、R、X、Y、U、V、W、及びnは、本明細書で定義されるとおりである。]
式(III)の化合物、
Figure 2021512136
又はその薬学的に許容される塩もまた開示される。
[式中、R、R、R、R、R10、X、Y、U、V、W、及びnは、本明細書で定義されるとおりである。]
別の態様では、本開示は、式(IV)の化合物、
Figure 2021512136
又はその薬学的に許容される塩に関する。
[式中、R、R11、X、Y、U、V、W、及びnは、本明細書で定義されるとおりである。]
本発明の化合物又はその薬学的に許容される塩と、薬学的に許容される賦形剤とを含む医薬組成物もまた提供する。
別の態様は、癌の治療を必要とする個体に、治療に有効な量の本発明の化合物又はその薬学的に許容される塩を投与することを含む、癌の治療方法を含む。
別の態様は、変異K−Ras G12Cタンパク質の活性の制御方法であって、変異タンパク質を本発明の化合物又はその薬学的に許容される塩と反応させることを含む、方法を含む。
別の態様は、K−Ras G12C変異により媒介される疾患の治療を必要とする個体における、当該疾患の治療方法であって、個体が変異を有するか否かを測定することと、個体が変異を有すると測定された場合、その個体に、治療に有効な量の本発明の医薬組成物を投与することと、を含む方法を含む。
別の態様は、腫瘍転移の阻害方法であって、治療に有効な量の本発明の医薬組成物を、腫瘍転移の阻害を必要とする個体に投与することを含む、方法を含む。
発明の詳細な説明
定義
用語「ハロゲン」又は「ハロ」は、F、Cl、Br、又はIを意味する。更に、「ハロアルキル」などの用語は、モノハロアルキル及びポリハロアルキルを含むことを意味する。
用語「アルキル」とは、一価の飽和直鎖又は分枝鎖炭化水素基を意味する。一例では、アルキル基は、1〜18個の炭素原子(C1〜18)である。別の例において、アルキル基はC1〜12、C1〜10、C1〜8、C1〜6、C1〜5、C1〜4、又はC1〜3である。アルキル基の例としては、メチル(Me−CH)、エチル(Et、−CHCH)、1−プロピル(n−Pr、n−プロピル、−CHCHCH)、2−プロピル(i−Pr、i−プロピル、−CH(CH)、1−ブチル(n−Bu、n−ブチル、−CHCHCHCH)、2−メチル−1−プロピル(i−Bu、i−ブチル、−CHCH(CH)、2−ブチル(s−Bu、s−ブチル、−CH(CH)CHCH)、2−メチル−2−プロピル(t−Bu、t−ブチル、−C(CH)、1−ペンチル(n−ペンチル、−CHCHCHCHCH)、2−ペンチル(−CH(CH)CHCHCH)、3−ペンチル(−CH(CHCH)、2−メチル−2−ブチル(−(C(CHCHCH)、3−メチル−2−ブチル(−CH(CH)CH(CH)、3−メチル−1−ブチル(−CHCHCH(CH)、2−メチル−1−ブチル(−CHCH(CH)CHCH)、1−ヘキシル(−CHCHCHCHCHCH)、2−ヘキシル(−CH(CH)CHCHCHCH)、3−ヘキシル(−CH(CHCH)(CHCHCH))、2−メチル−2−ペンチル(−C(CHCHCHCH)、3−メチル−2−ペンチル(−CH(CH)CH(CH)CHCH)、4−メチル−2−ペンチル(−CH(CH)CHCH(CH)、3−メチル−3−ペンチル(−C(CH)(CHCH)、2−メチル−3−ペンチル(−CH(CHCH)CH(CH)、2,3−ジメチル−2−ブチル(−C(CHCH(CH)、3,3−ジメチル−2−ブチル(−CH(CH)C(CH)、1−ヘプチル及び1−オクチルが挙げられる。
用語「アミノ」とは、−NHを意味する。
用語「アルキルアミノ」とは、−NH−アルキルを意味する。
用語「ジアルキルアミノ」とは、−N(アルキル)を意味する。
用語「オキソ」とは、=Oを意味する。
用語「カルボキシ」とは、−C(=O)OHを意味する。
用語「カルバモイル」とは、−C(=O)NHを意味する。
用語「アルカノイル」とは、−C(=O)−アルキルを意味する。
用語「ヒドロキシアルカノイル」とは、−C(=O)−ヒドロキシアルキルを意味する。
用語「アルカノイルアミノ」とは、−NH−C(=O)−アルキルを意味する。
用語「アルコキシ」とは、−O−アルキルを意味する。
用語「アルコキシアルキル」とは、1つのアルコキシ置換基で置換されたアルキルを意味する。
用語「ジアルキルアミノシクロプロピル」とは、1つのジアルキルアミノ置換基で置換されたシクロプロピルを意味する。
用語「アルキルスルファニル」とは、−S(=O)−アルキルを意味する。
用語「アルキルスルホニル」とは、−S(=O)−アルキルを意味する。
用語「アルキルスルホニルアミノ」とは、−NH−S(=O)−アルキルを意味する。
用語「アルキルチオ」とは、−S−アルキルを意味する。
用語「ハロアルキルチオ」とは、−S−ハロアルキルを意味する。
用語「アミノアルキル」とは、1つのアミノ置換基で置換されたアルキルを意味する。
用語「カルバモイルアルキル」とは、1つのカルバモイル置換基で置換されたアルキルを意味する。
用語「カルボキシアルキル」とは、1つのカルボキシ置換基で置換されたアルキルを意味する。
用語「シアノ」又は「ニトリル」とは、−C≡N、又は−CNを意味する。
用語「シアノアルキル」とは、1つのシアノ置換基で置換されたアルキルを意味する。
用語「ハロアルコキシ」とは、−O−ハロアルキルを意味する。
用語「ヘテロシクリルアミノ」とは、−NH−ヘテロシクリルを意味する。
用語「ヒドロキシ」とは、−OHを意味する。
用語「ヒドロキシアルキル」とは、1つのヒドロキシ置換基で置換されたアルキルを意味する。
用語「アルケニル」とは、少なくとも1個の炭素−炭素二重結合を有する、直鎖又は分枝鎖の一価の炭化水素を意味し、「シス」及び「トランス」配置、又は代替的に「E」及び「Z」配置を有する基を含む。一例では、アルケニル基は、2〜18個の炭素原子(C2〜18)である。別の例において、アルケニル基は、C2〜12、C2〜10、C2〜8、C2〜6、又はC2〜3である。例としては、エテニル又はビニル(−CH=CH)、プロプ−1−エニル(−CH=CHCH)、プロプ−2−エニル(−CHCH=CH)、2−メチルプロプ−1−エニル、ブタ−1−エニル、ブタ−2−エニル、ブタ−3−エニル、ブタ−1,3−ジエニル、2−メチルブタ−1,3−ジエン、ヘキサ−1−エニル、ヘキサ−2−エニル、ヘキサ−3−エニル、ヘキサ−4−エニル、及びヘキサ−1,3−ジエニルが挙げられるが、これらに限定されない。
用語「アルキニル」とは、少なくとも1つの炭素−炭素三重結合を有する、直鎖又は分枝鎖の一価炭化水素基を意味する。一例では、アルキニル基は、2〜18個の炭素原子(C2〜18)である。別の例において、アルキニル基は、C2〜12、C2〜10、C2〜8、C2〜6、又はC2〜3である。例としては、エチニル(−C≡CH)、プロプ−1−イニル(−C≡CCH)、プロプ−2−イニル(プロパルギル、−CHC≡CH)、ブタ−1−イニル、ブタ−2−イニル、及びブタ−3−イニルが挙げられるが、これらに限定されない。
用語「アルキレン」とは、親アルカンの同一又は2つの異なる炭素原子から、2つの水素原子を取り除くことで誘導される2つの一価のラジカル中心を有する、飽和、分枝鎖、又は直鎖炭化水素基を意味する。一例において、二価のアルキレン基は、1〜18個の炭素原子(C1〜18)である。一例において、二価のアルキレン基はC1〜12、C1〜10、C1〜8、C1〜6、C1〜5、C1〜4、又はC1〜3である。例示的なアルキレン基としては、メチレン(−CH−)、1,1−エチル(−CH(CH)−)、1,2−エチル(−CHCH−)、1,1−プロピル(−CH(CHCH)−)、2,2−プロピル(−(C(CH−)、1,2−プロピル(−CH(CH)CH−)、1,3−プロピル(−CHCHCH−)、1,1−ジメチルエタ−1,2−イル(−(C(CHCH−)、1,4−ブチル(−CHCHCHCH−)などが挙げられる。
用語「アリール」とは、1つ以上の基に縮合しているかどうかに関係なく、指定の数の炭素原子、又は、数が指定されていない場合は、最大で14個の炭素原子を有する炭素環式芳香族基を意味する。一例としては、6〜14個の炭素原子を有するアリール基が挙げられる。別の例としては、6〜10個の炭素原子を有するアリール基が挙げられる。アリール基の例としては、フェニル、ナフチル、ビフェニル、フェナントレニル、ナフサセニル、1,2,3,4−テトラヒドロナフタレニル、1H−インデニル、2,3−ジヒドロ−1H−インデニルなど(例えば、Lang’s Handbook of Chemistryが挙げられる(Dean,J.A.,ed.)13th ed.Table 7−2[1985])を参照のこと)。具体的なアリールはフェニルである。
用語「シクロアルキル」とは、飽和炭化水素環基を意味する。シクロアルキルには、単、二、三環式、スピロ、及び架橋型の飽和環系を包含する。一例では、シクロアルキル基は3〜12個の炭素原子(C3〜12)である。他の例では、シクロアルキルはC3〜7、C3〜8、C3〜10、又はC5〜10である。他の例では、単環としてのシクロアルキル基は、C3〜8、C3〜6、又はC5〜6である。別の例において、二環としてのシクロアルキル基はC〜C12である。別の例において、スピロ系としてのシクロアルキル基はC5〜12である。単環式シクロアルキルの例としては、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロへプチル、シクロオクチル、シクロノニル、シクロデシル、シクロウンデシル、及びシクロドデシルが挙げられる。7〜12個の環原子を有する二環式シクロアルキルの例示的な配置としては、[4,4]、[4,5]、[5,5]、[5,6]、又は[6,6]環系が挙げられるが、これらに限定されない。例示的な架橋二環式シクロアルキルとしては、ビシクロ[2.2.1]ヘプタン、ビシクロ[2.2.2]オクタン、及びビシクロ[3.2.2]ノナンが挙げられるが、これらに限定されない。スピロシクロアルキルの例としては、スピロ[2.2]ペンタン、スピロ[2.3]ヘキサン、スピロ[2.4]ヘプタン、スピロ[2.5]オクタン、及びスピロ[4.5]デカンが挙げられる。
用語「シクロアルケニル」とは、少なくとも1個の炭素−炭素二重結合を有する、非芳香族の炭化水素環基を意味する。シクロアルケニルには、単、二、三環式、スピロ、又は架橋した、飽和環系を包含する。単環式シクロアルケニルの例としては、1−シクロペント−1−エニル、1−シクロペント−2−エニル、1−シクロペント−3−エニル、1−シクロヘキス−1−エニル、1−シクロヘキス−2−エニル、1−シクロヘキス−3−エニル、及びシクロヘキサジエニルが挙げられる。7〜12個の環原子を有する二環式シクロアルケニルの例示的配置としては、[4,4]、[4,5]、[5,5]、[5,6]、又は[6,6]環系が挙げられるが、これらに限定されない。例示的な架橋二環式シクロアルケニルとしては、ビシクロ[2.2.1]ヘプテン、ビシクロ[2.2.2]オクテン、及びビシクロ[3.2.2]ノネンが挙げられるが、これらに限定されない。スピロシクロアルキルの例としては、スピロ[2.2]ペンテン、スピロ[2.3]ヘキセン、スピロ[2.4]ヘプテン、スピロ[2.5]オクテン、及びスピロ[4.5]デセンが挙げられる。
用語「複素環基」、「複素環式」、「複素環」、「ヘテロシクリル」、又は「ヘテロシクロ」は同じ意味で用いられ、環原子は炭素であり、環又は環系の中の少なくとも1つの原子は、窒素、硫黄、又は酸素から選択されるヘテロ原子である、3〜20個の環原子を有する、任意の単、二、三環式、スピロ又は架橋式の飽和、部分飽和、又は不飽和非芳香族環系を意味する。環系のいずれかの環原子がヘテロ原子である場合、その系は、分子の残部への環系の結合点に関係なく、複素環である。一例では、ヘテロシクリルは3〜11個の環原子(「員」)を含み、環原子が炭素であり、環又は環系の中の少なくとも1つの原子が、窒素、硫黄、又は酸素から選択されるヘテロ原子である、単環、二環、三環式、スピロ、及び架橋式環系を含む。他の例において、ヘテロシクリルは4〜10、又は5〜10個の環原子を含む。一例において、ヘテロシクリルは1〜4個のヘテロ原子を含む。一例において、ヘテロシクリルは1〜3個のヘテロ原子を含む。別の例において、ヘテロシクリルは、窒素、硫黄、又は酸素から選択される1〜2、1〜3、又は1〜4個のヘテロ原子を有する3〜7員の単環を含む。別の例において、ヘテロシクリルは、窒素、硫黄、又は酸素から選択される1〜2、1〜3、又は1〜4個のヘテロ原子を有する4〜6員の単環を含む。別の例において、ヘテロシクリルは3員の単環を含む。別の例において、ヘテロシクリルは4員の単環を含む。別の例において、ヘテロシクリルは5〜6員の単環を含む。いくつかの実施形態では、ヘテロシクロアルキルは少なくとも1つの窒素を含む。一例において、ヘテロシクリル基は0〜3個の二重結合を含む。任意の窒素又は硫黄ヘテロ原子は任意に酸化されていてもよく(例えばNO、SO、SO)、任意の窒素ヘテロ原子は任意に四級化されていてもよい(例えば[NRCl、[NROH)。例示的な複素環は、オキシラニル、アジリジニル、チイラニル、アゼチジニル、オキセタニル、チエタニル、1,2−ジチエタニル、1,3−ジチエタニル、ピロリジニル、ジヒドロ−1H−ピロリル、ジヒドロフラニル、テトラヒドロフラニル、ジヒドロチエニル、テトラヒドロチエニル、イミダゾリジニル、ピペリジニル、ピペラジニル、イソキノリニル、テトラヒドロイソキノリニル、モルホリニル、チオモルフォリニル、1,1−ジオキソ−チオモルフォリニル、ジヒドロピラニル、テトラヒドロピラニル、ヘキサヒドロチオピラニル、ヘキサヒドロピリミジニル、オキサジナニル、チアジナニル、チオキサニル、ホモピペラジニル、ホモピペリジニル、アゼパニル、オキセパニル、チエパニル、オキサゼピニル、オキサゼパニル、ジアゼパニル、1,4−ジアゼパニル、ジアゼピニル、チアゼピニル、チアゼパニル、テトラヒドロチオピラニル、オキサゾリジニル、チアゾリジニル、イソチアゾリジニル、1,1−ジオキソイソチアゾリジノニル、1,1−ジオキソイソチアゾリル、オキサゾリジノニル、イミダゾリジノニル、4,5,6,7−テトラヒドロ[2H]インダゾリル、テトラヒドロベンゾイミダゾリル、4,5,6,7−テトラヒドロベンゾ[d]イミダゾリル、チアジニル、オキサジニル、チアジアジニル、オキサジアジニル、ジチアジニル、ジオキサジニル、オキサチアジニル、チアトリアジニル、オキサトリアジニル、ジチアジアジニル、イミダゾリニル、ジヒドロピリミジル、テトラヒドロピリミジル、1−ピロリニル、2−ピロリニル、3−ピロリニル、インドリニル、チアピラニル、2H−ピラニル、4H−ピラニル、ジオキサニル、1,3−ジオキソラニル、ピラゾリニル、ピラゾリジニル、ジチアニル、ジチオラニル、ピリミジノニル、ピリミジンジオニル、ピリミジン−2,4−ジオニル、ピペラジノニル、ピペラジンジオニル、ピラゾリジニルイミダゾリニル、3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキサニル、3,6−ジアザビシクロ[3.1.1]ヘプタニル、6−アザビシクロ[3.1.1]ヘプタニル、3−アザビシクロ[3.1.1]ヘプタニル、3−アザビシクロ[4.1.0]ヘプタニル、アザビシクロ[2.2.2]ヘキサニル、2−アザビシクロ[3.2.1]オクタニル、8−アザビシクロ[3.2.1]オクタニル、2−アザビシクロ[2.2.2]オクタニル、8−アザビシクロ[2.2.2]オクタニル、7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプタン、アザスピロ[3.5]ノナニル、アザスピロ[2.5]オクタニル、アザスピロ[4.5]デカニル、1−アザスピロ[4.5]デカン−2−オニル、アザスピロ[5.5]ウンデカニル、テトラヒドロインドリル、オクタヒドロインドリル、テトラヒドロイソインドリル、テトラヒドロインダゾリル、1,1−ジオキソヘキサヒドロチオピラニルである。
用語「メチルヘテロシクリル」とは、メチル基で置換されたヘテロシクリルを意味する。
用語「ヘテロアリール」とは、窒素、酸素、及び硫黄から選択される1〜4個のヘテロ原子を含有する任意の単、二、又は三環式芳香環系を意味し、例示的実施形態においては、少なくとも1つのヘテロ原子は窒素である。例えば、Lang’s Handbook of Chemistry(Dean,J.A.,ed.)13th ed.Table 7−2 [1985]を参照のこと。この定義には、上記ヘテロアリール環のいずれかがアリール環に縮合しており、アリール環又はヘテロアリール環が分子の残部に結合している、任意の二環式基が含まれる。一実施形態では、ヘテロアリールは、1つ以上の環原子が窒素、硫黄、又は酸素である5〜6員の単環式芳香族基を含む。例示的なヘテロアリール基としては、チエニル、フリル、イミダゾリル、ピラゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、オキサゾリル、イソキサゾリル、トリアゾリル、チアジアゾリル、オキサジアゾリル、テトラゾリル、チアトリアゾリル、オキサトリアゾリル、ピリジル、ピリミジル、ピラジニル、ピリダジニル、トリアジニル、テトラジニル、テトラゾロ[1,5−b]ピリダジニル、イミダゾル[1,2−a]ピリミジニル及びプリニル、並びにベンゾ縮合誘導体、例えばベンズオキサゾリル、ベンゾフリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾチアジアゾリル、ベンゾトリアゾリル、ベンゾイミダゾリル、インダゾリル、及びインドリルが挙げられる。
特定の実施形態では、ヘテロシクリル基又はヘテロアリール基は、ヘテロシクリル基又はヘテロアリール基の炭素原子の位置にて結合されている。例えば、炭素結合ヘテロシクリル基としては、ピリジン環の2、3、4、5若しくは6位、ピリダジン環の3、4、5若しくは6位、ピリミジン環の2、4、5若しくは6位、ピラジン環の2、3、5若しくは6位、フラン、テトラヒドロフラン、チオフラン、チオフェン、ピロール、若しくはテトラヒドロピロール環の2、3、4若しくは5位、オキサゾール、イミダゾール、若しくはチアゾール環の2、4若しくは5位、イソオキサゾール、ピラゾール、若しくはイソチアゾール環の3、4若しくは5位、アジリジン環の2若しくは3位、アゼチジン環の2、3若しくは4位、キノリン環の2、3、4、5、6、7若しくは8位、又はイソキノリン環の1、3、4、5、6、7若しくは8位における結合配置が挙げられる。
特定の実施形態において、ヘテロシクリル基又はヘテロアリール基はN結合している。例えば、窒素結合ヘテロシクリル又はヘテロアリール基としては、アジリジン、アゼチジン、ピロール、ピロリジン、2−ピロリン、3−ピロリン、イミダゾール、イミダゾリジン、2−イミダゾリン、3−イミダゾリン、ピラゾール、ピラゾリン、2−ピラゾリン、3−ピラゾリン、ピペリジン、ピペラジン、インドール、インドリン、1H−インダゾールの1位、イソインドール又はイソインドリンの2位、モルホリンの4位、及び、カルバゾール、又はβ−カルボリンの9位における結合が挙げられる。
「縮合した」とは、1つ以上の原子(例えば、炭素又は窒素原子)を、本発明の化合物中に存在する環状構造と共有する、本明細書で記載される任意の環状構造を意味する。
用語「アシル」とは、式−C(=O)−R(式中、Rは水素、アルキル、シクロアルキル、アリール、又はヘテロシクリルなどの置換基であり、アルキル、シクロアルキル、アリール、及びヘテロシクリルは本明細書で定義されるとおりである)により表される置換基を含有するカルボニルを意味する。アシル基としては、アルカノイル(例えばアセチル)、アロイル(例えばベンゾイル)、及びヘテロアロイル(例えばピリジノイル)が挙げられる。
用語「ハロアルキル」とは、1つ以上の水素がハロゲンにより置換されているアルキル鎖を意味する。ハロアルキルの例としては、トリフルオロメチル、ジフルオロメチル、及びフルオロメチルがある。
特に断りのない限り、用語「本発明の化合物(compound(s)of the invention/compound(s)of the present invention」などは、式(I)、式(II)、式(III)、式(IV)、式(Ia)〜(Ik)、及び本明細書の表に列挙される化合物(その立体異性体(アトロプ異性体を含む)、幾何異性体、互変異性体、アイソトープ、及び塩類(例えば薬学的に許容される塩類)を含む)を含む。
別に明記されない限り、用語「任意に置換された」とは、ある基が置換されていなくてもよく、又は、その基に関して列挙された1つ以上(例えば、0、1、2、3、4、又は5個、又はそれ以上、又はこれらの任意の範囲変数)の置換基(該置換基は同一であっても異なっていてもよい)により、置換されていてもよいことを意味する。一実施形態では、任意に置換された基は、1つの置換基を有する。別の実施形態では、任意に置換された基は、2つの置換基を有する。別の実施形態では、任意に置換された基は、3つの置換基を有する。別の実施形態では、任意に置換された基は、4つの置換基を有する。別の実施形態では、任意に置換された基は、5つの置換基を有する。
本明細書で使用する場合、化学構造中の結合に交差する波線
Figure 2021512136
は、化学構造中にて、波状の結合が分子の残部、又は分子の断片の残部に結合する、原子の結合点を示す。
特定の実施形態において、二価の基は総じて、具体的な結合構造なしで記載される。別段定めがない限り、総体的な記載は、両方の結合構造を含むように意味されると理解されている。例えば、基R−R−Rにおいて、基Rが−CHC(O)−として記載される場合、別段定めがない限り、この基は、R−CHC(O)−R及びR−C(O)CH−Rの両方として結合可能であると理解される。
用語「薬学的に許容される」とは、動物、例えばヒトに適切に投与された場合に、副反応、アレルギー反応、又は他の副作用を生み出さない、分子要素及び組成物を意味する。
本発明の化合物は、薬学的に許容される塩などの塩の形態であることができる。「薬学的に許容される塩」には、酸付加塩と塩基付加塩の両方が含まれる。「薬学的に許容される酸付加塩」とは、塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、炭酸、リン酸などの無機酸と共に形成される、遊離塩基の生物学的有効性及び性質を保持し、かつ生物学的又は別様において望ましい塩を意味し、有機酸は、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、グリコール酸、グルコン酸、乳酸、ピルビン酸、シュウ酸、リンゴ酸、マレイン酸、マロン酸、コハク酸、フマル酸、酒石酸、クエン酸、アスパラギン酸、アスコルビン酸、グルタミン酸、アントラニル酸、安息香酸、ケイ皮酸、マンデル酸、エンボニン酸、フェニル酢酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、サリチル酸などの有機酸の脂肪族、脂環式、芳香族、芳香脂肪族、複素環式、カルボン酸、及びスルホン酸の部類から選択することができる。
用語「薬学的に許容される塩基付加塩」としては、ナトリウム、カリウム、リチウム、アンモニウム、カルシウム、マグネシウム、鉄、亜鉛、銅、マンガン、アルミニウム塩などの無機塩基に由来する塩が挙げられる。具体的な塩基付加塩は、アンモニウム塩、カリウム塩、ナトリウム塩、カルシウム塩、及びマグネシウム塩である。薬学的に許容される有機無毒性塩基に由来する塩としては、一級、二級、及び三級アミン、天然に存在する置換アミン、環式アミン、及び塩基性イオン交換樹脂を含む置換アミン、例えばイソプロピルアミン、トリメチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、エタノールアミン、2−ジエチルアミノエタノール、トロメタミン、ジシクロヘキシルアミン、リジン、アルギニン、ヒスチジン、カフェイン、プロカイン、ヒドラバミン、コリン、ベタイン、エチレンジアミン、グルコサミン、メチルグルカミン、テオブロミン、プリン、ピペラジン、ピペリジン、N−エチルピペリジン、ポリアミン樹脂などの塩が挙げられる。具体的な有機無毒性塩基としては、イソプロピルアミン、ジエチルアミン、エタノールアミン、トロメタミン、ジシクロヘキシルアミン、コリン、及びカフェインが挙げられる。
いくつかの実施形態では、塩は、塩酸塩、臭化水素酸塩、トリフルオロ酢酸塩、硫酸塩、リン酸塩、酢酸塩、フマル酸塩、マレイン酸塩、酒石酸塩、乳酸塩、クエン酸塩、ピルビン酸塩、コハク酸塩、シュウ酸塩、メタンスルホン酸塩、p−トルエンスルホン酸塩、重硫酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、エタンスルホン酸塩、マロン酸塩、キシナホ酸塩、アスコルビン酸塩、オレイン酸塩、ニコチン酸塩、サッカリン酸塩、アジピン酸塩、ギ酸塩、グリコール酸塩、パルミチン酸塩、L−乳酸塩、D−乳酸塩、アスパラギン酸塩、リンゴ酸塩、L−酒石酸塩、D−酒石酸塩、ステアリン酸塩、フロ酸塩(例えば、2−フロ酸塩又は3−フロ酸塩)、ナパジシル酸塩(ナフタレン−1,5−ジスルホン酸塩、又はナフタレン−1(スルホン酸)−5−スルホン酸塩)、エジシル酸塩(エタン−1,2−ジスルホン酸塩、又はエタン−1−(スルホン酸)−2−スルホン酸塩)、イソチオン酸塩(2−ヒドロキシエチルスルホン酸塩)、2−メシチレンスルホン酸塩、2−ナフタレンスルホン酸塩、2,5−ジクロロベンゼンスルホン酸塩、D−マンデル酸塩、L−マンデル酸塩、ケイ皮酸塩、安息香酸塩、アジピン酸塩、エシル酸塩、マロン酸塩、メシチル酸塩(2−メシチレンスルホン酸塩)、ナプシル酸塩(2−ナフタレンスルホン酸塩)、カンシル酸塩(カンファー10−スルホン酸塩、例えば(1S)−(+)−10−カンファー−スルホン酸塩)、グルタミン酸塩、グルタル酸塩、馬尿酸(2−(ベンゾイルアミノ)酢酸塩)、オロチン酸塩、キシル酸塩(p−キシレン−2−スルホン酸塩)、及びパモ酸塩(2,2’−ジヒドロキシ−1,1’−ジナフチルメタン−3,3’−ジカルボン酸塩)から選択される。
「滅菌」製剤は、無菌であるか、又は全ての生存微生物及びそれらの胞子を含まない。
用語「立体異性体」とは、同一の化学構造を有しながら、空間での原子又は基の配置に関しては異なる化合物を意味する。立体異性体としては、ジアステレオマー、エナンチオマー、配座異性体などが挙げられる。
「キラル」という用語は、鏡像パートナーの重ね合せできない特性を有する分子を指し、一方で「アキラル」という用語は、それらの鏡像パートナーと重ね合せできる分子を指す。
用語「ジアステレオマー」とは、2つ以上のキラル中心を有し、その分子が互いに鏡像ではない立体異性体を意味する。ジアステレオマーは異なる物理的性質、例えば融点、沸点、分光特性、又は生物活性を有する。ジアステレオマーの混合物は、電気泳動などの高解像度分析手順、及びHPLCなどのクロマトグラフィーの下で分離することができる。
用語「エナンチオマー」とは、互いに重ね合わせできない鏡像である、ある化合物の2つの立体異性体を意味する。
本明細書で使用する立体化学の定義及び慣例は通常、S.P.Parker,Ed.,McGraw−Hill Dictionary of Chemical Terms(1984)McGraw−Hill Book Company,New York;及びEliel,E.and Wilen,S.,“Stereochemistry of Organic Compounds,”John Wiley&Sons,Inc.,New York,1994に従う。多くの有機化合物は、光学的に活性な形態で存在する、すなわち、それらは、平面偏光の面を回転させる能力を有する。光学活性化合物を説明する際、接頭辞D及びL、又はR及びSは、そのキラル中心(複数可)を中心とした分子の絶対配置を表すために使用される。接頭辞d及びl又は(+)及び(−)は、化合物による平面偏光の回転の表示を指定するために用いられ、(−)又はlは、化合物が左旋性であることを意味する。接頭辞が(+)又はdの化合物は、右旋性である。所与の化学構造について、これらの立体異性体は、互いに鏡像であることを除き、同一である。特定の立体異性体はまた、エナンチオマーとも称され、そのような異性体の混合物は、エナンチオマー混合物と呼ばれることがある。エナンチオマーの50:50混合物は、ラセミ混合物又はラセミ体と称され、これらは、化学反応又はプロセスにおいて立体選択又は立体特異性が存在していない場合に生じ得る。「ラセミ混合物」及び「ラセミ体」という用語は、光学活性がない2つの鏡像異性体種の等モル混合物を指す。
用語「互変異性体」又は「互変異性形態」とは、低エネルギーバリアにより相互転換可能な、異なるエネルギーを持つ構造異性体を意味する。例えば、プロトン互変異性体(プロトトロピー互変異性体としても知られる)は、ケト−エノール及びイミン−エナミン異性化など、プロトンの転位を介した相互転換を含む。原子価互変異性体は、結合電子のいくつかの再編成による相互転換を含む。
「アトロプ異性体」とは、単結合の周りの立体障害を受ける回転により生じる立体異性体であり、立体ひずみ又は他の因子に依るエネルギー差が、個々の配座異性体の単離を可能にするのに十分高い、回転に対するバリアを生み出す。
本発明の特定の化合物は、非溶媒和形態、及び、水和形態を含む溶媒和形態で存在することができる。「溶媒和物」とは、1つ以上の溶媒分子及び本発明の化合物の会合物又は複合体を意味する。溶媒和物を形成する溶媒の例としては、水、イソプロパノール、エタノール、メタノール、DMSO、酢酸エチル、酢酸、及びエタノールアミンが挙げられる。本発明の特定の化合物は、複数の結晶形態又は非晶質形態で存在することができる。概して、全ての物理的形態は、本発明の範囲内であることが意図される。「水和物」という用語は、溶媒分子が水である複合体を指す。
「代謝物」とは、明記した化合物又はその塩の、体内での代謝を通して産生される生成物を意味する。このような生成物は例えば、投与した化合物の酸化、還元、加水分解、アミド化、アミド分解、エステル化、脱エステル化、酵素切断などによりもたらされることができる。
代謝生成物は典型的には、本発明の化合物の放射性標識した(例えば、14C又はH)アイソトープを準備し、アイソトープをラット、マウス、モルモット、サルなどの動物、又はヒトに検出可能な用量(例えば、約0.5mg/kg超)で投与し、十分な時間(典型的には、約30秒〜30時間)によって代謝を発生させ、尿、血液、又は他の生体サンプルから、その転換生成物を単離することにより識別される。これらの生成物は、標識されているため、容易に単離される(他は、代謝物中で生存するエピトープを結合することが可能な抗体の使用により単離される)。代謝物の構造は、従来の様式、例えば、MS、LC/MS、又はNMR分析により決定される。一般に、代謝物の分析は、当業者に周知の従来の薬物代謝研究と同じ方法で行われる。代謝物生成物は、さもなければインビボで見出されない限り、本発明の化合物の治療投薬の診断アッセイに有用である。
本明細書に記載される発明は、1つ以上の原子が、通常自然にて見出される原子質量又は質量数とは異なる、原子質量又は質量数を有する原子により置き換えられているという事実に関して、本明細書で引用されたものに同一である、本発明の同位体標識された化合物もまた包含する。指定の任意の特定の原子又は元素の全ての同位体は、本発明の化合物及びそれらの用途の範囲内に企図される。本発明の化合物に組み込むことができる例示的なアイソトープとしては、水素、炭素、窒素、酸素、リン、硫黄、フッ素、塩素、及びヨウ素のアイソトープ、例えばH、H、11C、13C、14C、13N、15N、15O、17O、18O、32P、33P、35S、18F、36Cl、123I、及び125Iが挙げられる。本発明の、特定の同位体標識された化合物(例えば、H及び14Cで標識された化合物)は、化合物及び/又は基質組織分配アッセイにて有用である。トリチウム標識(H)及び炭素14(14C)アイソトープは、調製及び検出可能性の容易さから、有用である。更に、重水素(すなわち、H)のようなより重い同位体での置換は、より高い代謝安定性(例えば、インビボ半減期の延長又は必要用量の低減)から得られる特定の治療上の利点をもたらす場合があり、したがって、いくつかの環境において好ましい場合がある。15O、13N、11C、及び18Fなどの陽電子放出アイソトープは、基質受容体占有率を調査するための陽電子放出型断層撮影(PET)調査に有用である。本発明の同位体標識された化合物は概して、同位体標識していない試薬を、同位体標識した試薬で置き換えて、本明細書の以下に記載の実施例に記載されている手順に類似した手順に従うことにより準備することができる。
本明細書で使用する場合、用語「アミノ保護基」とは、アミノ基をブロック又は保護するために一般的に用いられる基の誘導体を意味する。一方で、反応は化合物の別の官能基にて行われる。このような保護基の例としては、カルバメート、アミド、アルキル及びアリール基、並びにイミン、並びに、取り除いて所望のアミン基を再生成できる多くのN−ヘテロ原子誘導体が挙げられる。具体的なアミノ保護基は、Pmb(p−メトキシベンジル)、Boc(tert−ブチルオキシカルボニル)、Fmoc(9−フルオレニルメチルオキシカルボニル)、及びCbz(カルボベンジルオキシ)である。これらの基の更なる例は、T.W.Greene and P.G.M.Wuts,“Protecting Groups in Organic Synthesis,3rd ed.,John Wiley&Sons,Inc.,1999に見出される。用語「保護アミノ」とは、上記アミノ保護基の1つで置換されたアミノ基を意味する。
本明細書で使用する場合、用語「カルボキシ保護基」とは、分子の他の位置における、後続反応の条件に対して安定した基を意味し、分子の残部を破壊することなく、適切な箇所にて取り除かれ、非保護カルボキシ基を得ることができる。カルボキシ保護基の例としては、エステル基及びヘテロシクリル基が挙げられる。カルボン酸基のエステル誘導体を使用して、カルボン酸基をブロック又は保護することができる。一方で、反応は化合物の別の官能基にて行われる。このようなエステル基の例としては、置換ベンジルを含む置換アリールアルキル、例えば4−ニトロベンジル、4−メトキシベンジル、3,4−ジメトキシベンジル、2,4−ジメトキシベンジル、2,4,6−トリメトキシベンジル、2,4,6−トリメチルベンジル、ペンタメチルベンジル、3,4−メチレンジオキシベンジル、ベンズヒドリル、4,4’−ジメトキシベンズヒドリル、2,2’,4,4’−テトラメトキシベンズヒドリル、アルキル又は置換アルキルエステル、例えばメチル、エチル、t−ブチルアリル又はt−アミル、トリフェニルメチル(トリチル)、4−メトキシトリチル、4,4’−ジメトキシトリチル、4,4’,4’’−トリメトキシトリチル、2−フェニルプロパ−2−イル、チオエステル、例えばt−ブチルチオエステル、シリルエステル、例えばトリメチルシリル、t−ブチルジメチルシリルエステル、フェナシル、2,2,2−トリクロロエチル、β−(トリメチルシリル)エチル、β−(ジ(n−ブチル)メチルシリル)エチル、p−トルエンスルホニルエチル、4−ニトロベンジルスルホニルエチル、アリル、シンナミル、1−(トリメチルシリルメチル)プロパ−1−エン−3−イル、及び同様の部分が挙げられる。カルボキシ保護基の別の例は、1,3−オキサゾールなどのヘテロシクリル基である。これらの基の更なる例は、T.W.Greene and P.G.M.Wuts,“Protecting Groups in Organic Synthesis,3rd ed.,John Wiley&Sons,Inc.,1999に見出される。用語「保護カルボキシ」とは、上記カルボキシ保護基の1つで置換されたカルボキシ基を意味する。
本発明の化合物は、1つ以上の不斉炭素原子を含有してよい。したがって、化合物はジアステレオマー、エナンチオマー、又はこれらの混合物として存在することができる。化合物の合成には、出発物質として、又は中間体として、ラセミ化合物、ジアステレオマー、又はエナンチオマーを用いることができる。特定のジアステレオマー化合物の混合物を、クロマトグラフ法又は結晶化法により、1つ以上の特定のジアステレオマーに分離、又は濃縮することができる。同様に、同じ技術、又は当該技術分野において公知の他の技術を使用して、エナンチオ混合物を分離、又は鏡像異性的に濃縮することができる。非対称性炭素又は窒素原子のそれぞれは、R又はS構成中に存在することができ、これらの構成の両方は本発明の範囲内である。
本明細書に示す構造において、任意の具体的なキラル原子の立体化学が特定されていない場合、全ての立体異性体が本発明の化合物として想到され、含まれる。立体化学が、具体的な構成を表す実線の楔、又は破線により明記される場合、その立体異性体はそのように明記され、定義される。別途記載のない限り、実線の楔、又は破線が使用される場合、相対立体化学が意図される。
別の態様は、放出され、例えば、加水分解されて、生理的条件下にて本発明の化合物を得る、既知のアミノ保護基及びカルボキシ保護基を含む、本発明の化合物のプロドラッグを含む。
用語「プロドラッグ」とは、親薬剤と比べると患者にはさほど有効ではなく、かつ、酵素又は加水分解により活性化される、又はより活性の親形態に転換されることができる、薬学的活性物質の前駆体又は誘導体形態を意味する。例えば、Wilman,“Prodrugs in Cancer Chemotherapy” Biochemical Society Transactions,14,pp.375−382,615th Meeting Belfast(1986)、及びStella et al.,“Prodrugs:A Chemical Approach to Targeted Drug Delivery,” Directed Drug Delivery,Borchardt et al.,(ed.),pp.247−267,Humana Press(1985)を参照のこと。プロドラッグとしては、ホスフェート含有プロドラッグ、チオホスフェート含有プロドラッグ、サルフェート含有プロドラッグ、ペプチド含有プロドラッグ、D−アミノ酸改変プロドラッグ、グリコシル化プロドラッグ、β−ラクタム含有プロドラッグ、任意に置換されたフェノキシアセトアミド含有プロドラッグ又は任意に置換されたフェニルアセトアミド含有プロドラッグ、並びに、5−フルオロシトシン及び5−フルオロウリジンプロドラッグが挙げられるが、これらに限定されない。
具体的なプロドラッグの部類は、アミノ、アミジノ、アミノアルキレンアミノ、イミノアルキレンアミノ、又はグアニジノ基の窒素原子が、ヒドロキシ基、−CO−R、−CO−OR、又は、−CO−O−R−O−CO−R(式中、Rは一価若しくは二価の基、例えばアルキル、アルキレン、若しくはアリールである)、又は、式−C(O)−O−CP1P2−ハロアルキル(式中、P1及びP2は同一であるか又は異なり、水素、アルキル、アルコキシ、シアノ、ハロゲン、アルキル、又はアリールである)を有する基で置換されている化合物である。特定の実施形態では、窒素原子は、本発明の化合物のアミジノ基の窒素原子のうちの1つである。プロドラッグは、本発明の化合物を、活性化した基、例えばアシル基と反応させて、例えば、化合物中の窒素原子を、活性化したアシル基の例示的なカルボニルに結合させることにより調製することができる。活性化カルボニル化合物の例は、カルボニル基に結合した脱離基を含有する化合物であり、例えば、ハロゲン化アシル、アシルアミン、アシルピリジニウム塩、アシルアルコキシド、アシルフェノキシド(例えばp−ニトロフェノキシアシル、ジニトロフェノキシアシル、フルオロフェノキシアシル、及びジフルオロフェノキシアシル)が挙げられる。反応は通常、約−78℃〜約50℃などの温度にて、不活性溶媒中で実施される。反応は、無機塩基、例えば炭酸カリウム若しくは重炭酸ナトリウム、又は有機塩基、例えば、ピリジン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリエタノールアミンなどを含むアミンの存在下でもまた実施することができる。
更なる種類のプロドラッグもまた、包含される。例えば、本発明の化合物の遊離カルボキシル基は、アミド又はアルキルエステルとして誘導体化され得る。別の例として、遊離ヒドロキシ基を含む本発明の化合物は、Fleisher,D.et al.,(1996)Improved oral drug delivery:solubility limitations overcome by the use of prodrugs(Advanced Drug Delivery Reviews,19:115)に概略されているように、ヒドロキシ基を、限定されないが、リン酸エステル、ヘミサクシネート、ジメチルアミノアセテート、又はホスホリルオキシメチルオキシカルボニル基などの基に転換することにより、プロドラッグとして誘導体化することができる。ヒドロキシ基のカルバメートプロドラッグ、スルホネートエステル及びサルフェートエステルであるため、ヒドロキシ及びアミノ基のカルバメートプロドラッグも含まれる。アシル基が、任意で、エーテル、アミン及びカルボン酸官能基を含むが、これらに限定されない基で置換されるアルキルエステルであり得るか、又はアシル基が上述のようにアミノ酸エステルである場合の、(アシルオキシ)メチル及び(アシルオキシ)エチルエーテルとしてのヒドロキシ基の誘導体化も包含される。この種のプロドラッグは、J.Med.Chem.,(1996),39:10に記載されている。より具体的な例としては、アルコール基の水素原子を、(C1〜6)アルカノイルオキシメチル、1−((C1〜6)アルカノイルオキシ)エチル、1−メチル−1((C1〜6)アルカノイルオキシ)エチル、(C1〜6)アルコキシカルボニルオキシメチル、N−(C1〜6)アルコキシカルボニルアミノメチル、サクシノイル、(C1〜6)アルカノイル、αアミノ(C1〜4)アルカノイル、アリールアシル及びαアミノアシル、又はαアミノアシル−αアミノアシル(各αアミノアシル基は、天然に存在するL−アミノ酸、P(O)(OH)、−P(O)(O(C1〜6)アルキル)、又はグリコシル(炭水化物のヘミアセタール形態のヒドロキシル基を除去することにより生じる基から独立して選択される)などの基で置き換えることが挙げられる。
用語「脱離基」とは、化学反応において、第1の反応物質から置き換えられた、化学反応におけるその第1の反応物質の一部を意味する。脱離基の例としては、ハロゲン原子、アルコキシ、及びスルホニルオキシ基が挙げられるが、これらに限定されない。例示的なスルホニルオキシ基としては、アルキルスルホニルオキシ基(例えば、メチルスルホニルオキシ(メシレート基)及びトリフルオロメチルスルホニルオキシ(トリフレート基))、並びに、アリールスルホニルオキシ基(例えば、p−トルエンスルホニルオキシ(トシレート基)及びp−ニトロスルホニルオキシ(ノシレート基))が挙げられるが、これらに限定されない。
「対象」、「個体」、又は「患者」は、脊椎動物である。特定の実施形態において、脊椎動物は哺乳類である。哺乳類としては、家畜(ウシなど)、スポーツ動物、ペット(モルモット、ネコ、イヌ、ウサギ、及びウマなど)、霊長類、マウス及びラットが挙げられるが、これらに限定されない。特定の実施形態において、哺乳類はヒトである。本明細に記載の化合物を患者に投与することを含む実施形態において、患者は典型的には、化合物の投与を必要としている。
用語「阻害する」及び「低減する」、又はこれらの用語のあらゆる変形は、所望の結果を達成するための、測定可能なあらゆる低減又は完全な阻害を含む。例えば、約、最大で約、又は少なくとも約5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、99%、又はそれ以上、又はこれらの任意の範囲変数の減少、通常と比較しての活性の低下が存在し得る。
「治療に有効な量」とは、(i)特定の病気、状態、若しくは疾患を治療若しくは予防する、又は、(ii)特定の病気、状態、若しくは疾患の1つ以上の症状を弱める、改善する、若しくは取り除く、かつ任意に、(iii)本明細書で記載される特定の病気、状態、若しくは疾患の1つ以上の症状の開始を防止する若しくは遅延させる式(I)、式(II)、式(III)、若しくは式(IV)、又はその薬学的に許容される塩の化合物などの、本発明の化合物の量を意味する。癌の場合、治療に有効な量の薬剤は、癌細胞の数を減少させる、腫瘍サイズを低下させる、癌細胞の、末梢性臓器への湿潤を阻害する(即ち、ある低度遅くする、かつ、好ましくは停止させる)、腫瘍転移を阻害する(即ち、ある低度遅くする、かつ、好ましくは停止させる)、腫瘍増殖をある低度阻害する、又は、癌と関連する1つ以上の症状をある低度軽減することができる。薬剤が、存在する癌細胞の増殖を防止し得る、又はこれを殺傷する程度にまで、薬剤は細胞増殖抑制的、又は細胞毒性的であることができる。癌療法に関して、有効性は、例えば、病気進行までの時間(TTP)の評価、又は奏効率(RR)の決定によって、測定することができる。
「治療」(及び、「治療する」又は「治療すること」などの変形)は、治療されている個体又は細胞の自然経過を変えるための臨床的介入を意味し、臨床的病状の予防のため、又はその過程において実施することができる。治療の所望の効果としては、疾患の発生又は再発の防止、症状の緩和、病気の、あらゆる直接的又は間接的な病理学的結果の減少、病気の安定した(即ち、悪化しない)状態、病気進行速度の低下、病状の回復又は緩和、治療を受けない場合に予想される生存と比較して、生存が延びること、及び寛解又は改善された予後が挙げられる。いくつかの実施形態では、本発明の化合物は、病気若しくは疾患の進展を遅延させるために、又は、病気若しくは疾患の進行を遅くするために使用される。治療が必要な対象としては、状態若しくは疾患を既に有する対象、及び、状態若しくは疾患を(例えば、遺伝の変異により)有する傾向にある対象、又は、状態若しくは疾患を予防する必要がある対象が挙げられる。
「治療効果」という用語が本明細書で使用される場合、上述した治療的効果、及び/又は予防的効果を包含する。予防的効果としては、病気又は状態の出現を遅延させる又は除去すること、病気又は状態の症状の開始を遅延させる又は除去すること、病気又は状態の進行を遅くする、停止させる、又は逆転すること、又はこれらの任意の組み合わせが挙げられる。
用語「同時投与」、「〜と組み合わせて投与される」、及びこれらの文法的等価物は、本明細書で使用する場合、2つ以上の作用物質を、ヒトを含む動物に投与して、両方の作用物質及び/又はその代謝物が、同時に対象に存在することを包含する。同時投与には、別の組成物の同時投与、別の組成物の、異なる時間における投与、又は、両方の作用物質が存在する組成物の投与が含まれる。
用語「アンタゴニスト」及び「阻害剤」は同じ意味で用いられ、K−Ras、H−Ras、又はN−Ras G12Cなどのタンパク質の活性又は発現を阻害するかどうかにより、標的タンパク質の生物学的機能を阻害する能力を有する化合物を意味する。したがって、用語「アンタゴニスト」及び「阻害剤」は、標的タンパク質の生物学的役割の文脈において定義される。本明細書において好ましいアンタゴニストは特異的に標的と相互作用する(例えば、標的に結合する)一方、標的タンパク質がその要素であるシグナル伝達経路の他の要素と相互作用することにより、標的タンパク質の生物活性を阻害する化合物もまた、この定義内に具体的に含められる。アンタゴニストにより阻害される好ましい生物活性は、腫瘍の進展、増殖、又は拡大と関連している。
本明細書で使用する場合、用語「アゴニスト」とは、標的タンパク質の活性又は発現を阻害するかどうかにより、標的タンパク質の生物学的機能を開始する又は向上させる能力を有する化合物を意味する。
したがって、用語「アゴニスト」は、標的ポリペプチドの生物学的役割の文脈で定義される。本明細書において好ましいアゴニストは特異的に標的と相互作用する(例えば、標的に結合する)一方、標的ポリペプチドがその要素であるシグナル伝達経路の他の要素と相互作用することにより、標的ポリペプチドの生物活性を開始する、又は向上させる化合物もまた、この定義内に具体的に含められる。
用語「癌」及び「癌性」、「新生物」、並びに「腫瘍」、並びに関連する用語は、典型的には細胞の無秩序な成長によって特徴付けられる、哺乳動物における生理学的状態を指すか、又はこの状態を説明するものである。「腫瘍」は、1つ以上の癌性細胞を含む。癌の例としては、癌腫、芽腫、肉腫、セミノーマ、グリア芽腫、黒色腫、白血病、及び骨髄又はリンパ系悪性腫瘍が挙げられる。このような癌のより具体的な例としては、扁平上皮細胞癌(例えば上皮扁平上皮細胞癌)、並びに肺癌(小細胞肺癌、非小細胞肺癌(「NSCLC」)、肺腺癌、及び肺扁平上皮癌など)が挙げられる。他の癌としては、皮膚癌、ケラトアカントーマ、濾胞性癌腫、毛様細胞性白血病、口腔癌、咽頭(口頭)癌、唇癌、舌癌、口癌、唾液腺癌、食道癌、喉頭癌、肝細胞癌、胃癌(gastric)、胃癌(stomach)、胃腸癌、小腸癌、大腸癌、膵臓癌、子宮頸癌、卵巣癌、肝癌、膀胱癌、肝癌、乳癌、結腸癌、直腸癌、結腸直腸癌、泌尿生殖器癌、胆道癌、甲状腺癌、乳頭癌、肝癌、子宮体癌、子宮癌、唾液腺癌、腎臓癌又は腎癌、前立腺癌、精巣癌、外陰癌、腹膜癌、肛門癌、陰茎癌、骨癌、多発性骨髄腫、B細胞リンパ腫、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)、中枢神経系、脳癌、頭頸癌、ホジキン病、及び関連する転移が挙げられる。腫瘍性疾患の例としては、真性赤血球増加症などの骨髄増殖性疾患、本態性血小板増加症、原発性骨髄線維症などの骨髄線維症、及び慢性骨髄性白血病(CML)が挙げられる。
「化学療法剤」とは、所与の疾患、例えば癌又は炎症性疾患の治療に有用な作用物質である。化学療法剤の例は当該技術分野において公知であり、参照により本明細書に組み込まれている、米国特許出願公開第2010/0048557号に記載されているものなどの例が挙げられる。更に、化学療法剤としては、化学療法剤のいずれかの薬学的に許容される塩、酸、又は誘導体、及び、これらの2つ以上の組み合わせが挙げられる。
他に別段の断りがない限り、本明細書中に示す構造はまた、1つ以上の同位体濃縮原子が存在するという点でのみ異なる化合物を含むことを意図する。本発明の化合物に組み込むことができる例示的なアイソトープとしてはそれぞれ、水素、炭素、窒素、酸素、リン、硫黄、フッ素、塩素、及びヨウ素のアイソトープ、例えばH、H、11C、13C、14C、13N、15N、15O、17O、18O、32P、33P、35S、18F、36Cl、123I、及び125Iが挙げられる。同位体標識した化合物(例えば、H及び14Cで標識した化合物)は、化合物又は基質組織分配アッセイにおいて有用であることができる。トリチウム標識(即ち、H)及び炭素14(即ち14C)アイソトープは、調製及び検出可能性の容易さから、有用であることができる。更に、より重い同位体、例えば重水素(すなわち、H)などによる置換を行うと代謝安定性がより高くなり、結果として特定の治療的利点が得られ得る(例えばインビボ半減期が長くなるかあるいは必要な投薬量が少なくなる)。いくつかの実施形態では、本発明の化合物中において、1個以上の炭素原子が13C又は14C濃縮炭素により置き換えられる。15O、13N、11C、及び18Fなどの陽電子放出アイソトープは、基質受容体占有率を調査するための陽電子放出型断層撮影(PET)調査に有用である。同位体標識された化合物は概して、同位体標識していない試薬を、同位体標識した試薬で置き換えて、本明細書に記載のスキーム又は実施例に記載されている手順に類似した手順に従うことにより準備することができる。
本発明の一実施形態に関して論じられるあらゆる限定は、本発明の任意の他の実施形態に適用され得ることが具体的に想到される。更に、本発明の任意の化合物又は組成物を、本発明の任意の方法で使用することができ、本発明の任意の方法を使用して、本発明の任意の化合物又は組成物を生成又は利用することができる。
用語「又は」の使用は、代替物のみを指すか、又は代替物が相互排他的であることを指すことが明示的に指示されない限り、本開示が、代替物のみ、そして「及び/又は」を指す定義を支持するにも関わらず、「及び/又は」を意味する。
本出願を通して、用語「約」は、値が、その値を測定するために使用されるデバイス又は方法に関する誤差の標準偏差を含むことを示すために使用される。
本明細書で使用する場合、別様において明確に示されない限り、「a」又は「an」は、1つ以上を意味する。本明細書で使用する場合、「別の」とは、少なくとも第2、又はそれ以上を意味する。
本明細書で使用する表題は、構成上の目的のためだけのものであることが意図される。
RAS阻害剤
一態様において、本発明は、G12C、G12D、又はG13D変異体のK−Ras、H−Ras、又はN−Rasタンパク質に選択的に結合可能な、かつ/又はこれらを制御することができる化合物を提供する。
上記のように、本発明の一態様は、式(I)の化合物、
Figure 2021512136
又はその薬学的に許容される塩を含む。
[式中、
は、K−Ras G12C変異タンパク質の12位において、システイン残基と共有結合を形成可能な求電子部分であり、
は、H、OH、NH、ハロ、C1〜6アルキル、C1〜6ハロアルキル、シクロプロピル、及び−NHR(式中、RはC1〜6アルキル、C1〜6アルコキシ、C1〜6アルカノイル、C1〜6ヒドロキシアルカノイル、C1〜6シアノアルキル、C1〜6アルキルアミノ、−(C1〜6アルキレニル)NH(CH)−(C1〜6)アルキレニル)N(CH、及び−(C1〜3)アルキレニル(3〜7員ヘテロシクリル)からなる群から選択される)からなる群から選択され、
及びRはそれぞれ、H、NH、ハロ、C1〜6アルキル、C1〜6ハロアルキル、C1〜6アルコキシ、C1〜6ハロアルコキシ、C1〜6アルキルチオ、C1〜6ハロアルキルチオ、C1〜6アルキルアミノ、及びシクロプロピルからなる群から独立して選択され、
はH、NH、ハロ、C1〜6アルキル、C1〜6ハロアルキル、C1〜6アルコキシ、C1〜6ハロアルコキシ、C1〜6アルキルチオ、C1〜6ハロアルキルチオ、C1〜6アルキルアミノ、及びC3〜7シクロアルキルからなる群から選択され、
式中、R、R、R、及びRのうちの少なくとも1つはH以外であるか、又は
及びR、R及びR、又はR及びRは、それぞれが結合する原子と共に、それぞれが1〜4個の置換基(ここで、各置換基は独立して、OH、NH、ハロ、C1〜3アルキル、C1〜3ハロアルキル、C1〜3アルコキシ、及びC1〜3ハロアルコキシからなる群から選択される)で任意に置換されている、C3〜7シクロアルキル、3〜7員ヘテロシクロアルキル、C6〜14アリール、又は5〜10員ヘテロアリールを形成し、
Xはそれぞれが任意に1〜4個の置換基(ここで、各置換基は独立して、OH、NH、ハロ、シアノ、カルボキシ、カルバモイル、C1〜6アルキル、C1〜6アミノアルキル、C1〜6カルバモイルアルキル、C1〜6カルボキシアルキル、C1〜6シアノアルキル、C1〜6ハロアルキル、C1〜6ヒドロキシアルキル、及び4〜7員ヘテロシクリルからなる群から選択され、2つのジェミナル置換基は一緒になってC3〜7スピロシクロアルキル又は4〜7員スピロヘテロシクリルを形成してもよい)で任意に置換されている、NH、C1〜6アルコキシ、C1〜6アルキル、C1〜6アルキルアミノ、C1〜6アルキルスルファニル、C1〜6アルキルスルホニル、C1〜6アルキルチオ、C3〜7シクロアルキル、4〜7員ヘテロシクリル、及び4〜7員ヘテロシクリルアミノからなる群から選択され、
Yは、−L−Y又はYからなる群から選択され、
はH、NH、ハロ、シアノ、カルバモイル、C2〜6アルケニル、C1〜6アルコキシ、C1〜6アルキル、1〜4個のY1a置換基で任意に置換されている4〜10員ヘテロシクリルで置換されたC1〜6アルキル、C1〜6ジアルキルアミノ置換基で置換されたC1〜6アルキル、C1〜6ジアルキルアミノシクロプロピルで置換されたC1〜6アルキル、C1〜6アルキルスルファニル、C1〜6アルキルスルホニル、C1〜6アルキルチオ、C2〜6アルキニル、C1〜6アルキルアミノ、C6〜14アリール、C1〜6アルキルで置換されたC6〜14アリール、C1〜6アミノアルキル、C1〜6カルバモイルアルキル、C1〜6カルボキシアルキル、C1〜6シアノアルキル、C3〜7シクロアルキル、C1〜6ジアルキルアミノで置換されたC3〜7シクロアルキル、C1〜6ハロアルコキシ、C1〜6ハロアルキル、5〜10員ヘテロアリール、4〜10員ヘテロシクリル、メチル、ヒドロキシ、及びオキソで置換された4〜10員ヘテロシクリルからなる群から選択され、
各Y1aは独立して、ハロ、C1〜6アルキル、C1〜6アルコキシ、3〜7員ヘテロシクリル、C1〜6アルコキシC1〜6アルキル、C1〜6ハロアルキル、オキソ、ヒドロキシ、NH、シアノ、C1〜6カルボキシアルキル、C1〜6シアノアルキル、C1〜6ヒドロキシアルキル、及びC1〜6ハロアルコキシからなる群から選択され、
Lは結合、O、S、及びN(L)からなる群から選択され、
は水素及びC1〜3アルキルからなる群から選択され、
UはC(R6a)であり、
VはC(R6b)であり、
WはC(R6c)又はNであり、
6a、R6b、及びR6cのそれぞれは独立して、H、OH、NH、ハロ、シアノ、カルバモイル、C2〜6アルケニル、C1〜6アルコキシ、C1〜6アルキル、4〜10員ヘテロシクリル置換基で置換されたC1〜6アルキル、C1〜6アルキルスルファニル、C1〜6アルキルスルホニル、C1〜6アルキルチオ、C1〜6ハロアルキルチオ、C2〜6アルキニル、C1〜6アルキルアミノ、C6〜14アリール、C1〜6アミノアルキル、C1〜6カルバモイルアルキル、C1〜6カルボキシアルキル、C1〜6シアノアルキル、C3〜7シクロアルキル、C1〜6ハロアルコキシ、C1〜6ハロアルキル、5〜10員ヘテロアリール、及び4〜10員ヘテロシクリルからなる群から選択され、
nは0、1及び2からなる群から選択される。]
式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩のいくつかの実施形態に従うと、Rは、K−Ras G12C変異タンパク質の12位において、システイン残基と共有結合を形成可能な求電子部分である。
式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩のいくつかの実施形態に従うと、Rは、H−Ras G12C変異タンパク質の12位において、システイン残基と共有結合を形成可能な求電子部分である。
式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩のいくつかの実施形態に従うと、Rは、N−Ras G12C変異タンパク質の12位において、システイン残基と共有結合を形成可能な求電子部分である。
の上の定義において、システイン残基と共有結合を形成することができる求電子部分は、K−Ras G12Cアルキル化研究、及び均一系時間分解蛍光(HTRF)アッセイにより測定される。K−Ras遺伝子のG12C変異は、12番目のアミノ酸における、グリシンからシステインへのアミノ酸の変化である。本開示に従った化合物を、本明細書の以下の他の箇所にて更に詳述するように、HTRFアッセイ及びK−Ras G12Cアルキル化アッセイを使用して発見し、その後、NMR分光法を使用して、分子がG12Cに結合する特異性を確認した。
別の態様において、本発明は式(II)の化合物、
Figure 2021512136
又はその薬学的に許容される塩を含む。
[式中、
は、H、OH、NH、ハロ、C1〜6アルキル、C1〜6ハロアルキル、シクロプロピル、及び−NHR(式中、RはC1〜6アルキル、C1〜6アルコキシ、C1〜6アルカノイル、C1〜6ヒドロキシアルカノイル、C1〜6シアノアルキル、C1〜6アルキルアミノ、−(C1〜6アルキレニル)NH(CH)−(C1〜6)アルキレニル)N(CH、及び−(C1〜3)アルキレニル(3〜7員ヘテロシクリル)からなる群から選択される)からなる群から選択され、
及びRはそれぞれ、H、NH、ハロ、C1〜6アルキル、C1〜6ハロアルキル、C1〜6アルコキシ、C1〜6ハロアルコキシ、C1〜6アルキルチオ、C1〜6ハロアルキルチオ、C1〜6アルキルアミノ、及びシクロプロピルからなる群から独立して選択され、
はH、NH、ハロ、C1〜6アルキル、C1〜6ハロアルキル、C1〜6アルコキシ、C1〜6ハロアルコキシ、C1〜6アルキルチオ、C1〜6ハロアルキルチオ、C1〜6アルキルアミノ、及びC3〜7シクロアルキルからなる群から選択され、
式中、R、R、R、及びRのうちの少なくとも1つはH以外であるか、又は
及びR、R及びR、又はR及びRは、それぞれが結合する原子と共に、それぞれが1〜4個の置換基(ここで、各置換基は独立して、OH、NH、ハロ、C1〜3アルキル、C1〜3ハロアルキル、C1〜3アルコキシ、及びC1〜3ハロアルコキシからなる群から選択される)で任意に置換されている、C3〜7シクロアルキル、3〜7員ヘテロシクロアルキル、C6〜14アリール、又は5〜10員ヘテロアリールを形成し、
はH、シアノ、及びハロからなる群から選択され、R及びRはそれぞれ、H、C1〜6アルキル、C1〜6ハロアルキル、C1〜6ヒドロキシアルキル、シアノ、及びハロからなる群から独立して選択される(C1〜6アルキルは、メタンスルホニル(メシル)、p−トルエンスルホニル(トシル)、アルキル又はアリールスルホネート脱離基、C1〜6アルカノイルアミノ、C1〜6アルコキシ、C1〜6アルキルアミノ、C1〜6アルキルスルホニルアミノ、C6〜12ジアルキルアミノ、及びC1〜6ハロアルコキシからなる群から選択される1つの置換基で任意に置換されている)、
又は
及びRは共に、それらが結合している炭素との間で三重結合を形成する、又は、R及びRは、それらがそれぞれ結合している炭素と共に、1つ又は2つのハロ置換基で任意に置換されているC3〜7シクロアルケニルを形成し、RはH、C1〜6アルキル、C1〜6ハロアルキル、シアノ、及びハロからなる群から選択され(C1〜6アルキルは、C1〜6アルカノイルアミノ、C1〜6アルコキシ、C1〜6アルキルアミノ、C1〜6アルキルスルホニルアミノ、C6〜12ジアルキルアミノ、及びC1〜6ハロアルコキシからなる群から選択される1つの置換基で任意に置換されている)、
Xはそれぞれが任意に1〜4個の置換基(ここで、各置換基は独立して、OH、NH、ハロ、シアノ、カルボキシ、カルバモイル、C1〜6アルキル、C1〜6アミノアルキル、C1〜6カルバモイルアルキル、C1〜6カルボキシアルキル、C1〜6シアノアルキル、C1〜6ハロアルキル、C1〜6ヒドロキシアルキル、及び4〜7員ヘテロシクリルからなる群から選択され、2つのジェミナル置換基は一緒になってC3〜7スピロシクロアルキル又は4〜7員スピロヘテロシクリルを形成してもよい)で任意に置換されている、NH、C1〜6アルコキシ、C1〜6アルキル、C1〜6アルキルアミノ、C1〜6アルキルスルファニル、C1〜6アルキルスルホニル、C1〜6アルキルチオ、C3〜7シクロアルキル、4〜7員ヘテロシクリル、及び4〜7員ヘテロシクリルアミノからなる群から選択され、
Yは、−L−Y又はYからなる群から選択され、
はH、NH、ハロ、シアノ、カルバモイル、C2〜6アルケニル、C1〜6アルコキシ、C1〜6アルキル、1〜4個のY1a置換基で任意に置換されている4〜10員ヘテロシクリルで置換されたC1〜6アルキル、C1〜6ジアルキルアミノ置換基で置換されたC1〜6アルキル、C1〜6ジアルキルアミノシクロプロピルで置換されたC1〜6アルキル、C1〜6アルキルスルファニル、C1〜6アルキルスルホニル、C1〜6アルキルチオ、C2〜6アルキニル、C1〜6アルキルアミノ、C6〜14アリール、C1〜6アルキルで置換されたC6〜14アリール、C1〜6アミノアルキル、C1〜6カルバモイルアルキル、C1〜6カルボキシアルキル、C1〜6シアノアルキル、C3〜7シクロアルキル、C1〜6ジアルキルアミノで置換されたC3〜7シクロアルキル、C1〜6ハロアルコキシ、C1〜6ハロアルキル、5〜10員ヘテロアリール、4〜10員ヘテロシクリル、メチル、ヒドロキシ、及びオキソで置換された4〜10員ヘテロシクリルからなる群から選択され、
各Y1aは独立して、ハロ、C1〜6アルキル、C1〜6アルコキシ、3〜7員ヘテロシクリル、C1〜6アルコキシC1〜6アルキル、C1〜6ハロアルキル、オキソ、ヒドロキシ、NH、シアノ、C1〜6カルボキシアルキル、C1〜6シアノアルキル、C1〜6ヒドロキシアルキル、及びC1〜6ハロアルコキシからなる群から選択され、
Lは結合、O、S、及びN(L)からなる群から選択され、
は水素及びC1〜3アルキルからなる群から選択され、
UはC(R6a)であり、
VはC(R6b)であり、
WはC(R6c)又はNであり、
6a、R6b、及びR6cのそれぞれは独立して、H、OH、NH、ハロ、シアノ、カルバモイル、C2〜6アルケニル、C1〜6アルコキシ、C1〜6アルキル、4〜10員ヘテロシクリル置換基で置換されたC1〜6アルキル、C1〜6アルキルスルファニル、C1〜6アルキルスルホニル、C1〜6アルキルチオ、C1〜6ハロアルキルチオ、C2〜6アルキニル、C1〜6アルキルアミノ、C6〜14アリール、C1〜6アミノアルキル、C1〜6カルバモイルアルキル、C1〜6カルボキシアルキル、C1〜6シアノアルキル、C3〜7シクロアルキル、C1〜6ハロアルコキシ、C1〜6ハロアルキル、5〜10員ヘテロアリール、及び4〜10員ヘテロシクリルからなる群から選択され、
nは0、1及び2からなる群から選択される。]
別の態様において、本発明は式(III)の化合物、
Figure 2021512136
又はその薬学的に許容される塩を含む。
[式中、
は、H、OH、NH、ハロ、C1〜6アルキル、C1〜6ハロアルキル、シクロプロピル、及び−NHR(式中、RはC1〜6アルキル、C1〜6アルコキシ、C1〜6アルカノイル、C1〜6ヒドロキシアルカノイル、C1〜6シアノアルキル、C1〜6アルキルアミノ、−(C1〜6アルキレニル)NH(CH)−(C1〜6)アルキレニル)N(CH、及び−(C1〜3)アルキレニル(3〜7員ヘテロシクリル)からなる群から選択される)からなる群から選択され、
及びRはそれぞれ、H、NH、ハロ、C1〜6アルキル、C1〜6ハロアルキル、C1〜6アルコキシ、C1〜6ハロアルコキシ、C1〜6アルキルチオ、C1〜6ハロアルキルチオ、C1〜6アルキルアミノ、及びシクロプロピルからなる群から独立して選択され、
はH、NH、ハロ、C1〜6アルキル、C1〜6ハロアルキル、C1〜6アルコキシ、C1〜6ハロアルコキシ、C1〜6アルキルチオ、C1〜6ハロアルキルチオ、C1〜6アルキルアミノ、及びC3〜7シクロアルキルからなる群から選択され、
式中、R、R、R、及びRのうちの少なくとも1つはH以外であるか、又は
及びR、R及びR、又はR及びRは、それぞれが結合する原子と共に、それぞれが1〜4個の置換基(ここで、各置換基は独立して、OH、NH、ハロ、C1〜3アルキル、C1〜3ハロアルキル、C1〜3アルコキシ、及びC1〜3ハロアルコキシからなる群から選択される)で任意に置換されている、C3〜7シクロアルキル、3〜7員ヘテロシクロアルキル、C6〜14アリール、又は5〜10員ヘテロアリールを形成し、
10はR10a及び−C(O)−R10aからなる群から選択され、
10aはオキシラニル及びアジリジニルからなる群から選択され、
Xはそれぞれが任意に1〜4個の置換基(ここで、各置換基は独立して、OH、NH、ハロ、シアノ、カルボキシ、カルバモイル、C1〜6アルキル、C1〜6アミノアルキル、C1〜6カルバモイルアルキル、C1〜6カルボキシアルキル、C1〜6シアノアルキル、C1〜6ハロアルキル、C1〜6ヒドロキシアルキル、及び4〜7員ヘテロシクリルからなる群から選択され、2つのジェミナル置換基は一緒になってC3〜7スピロシクロアルキル又は4〜7員スピロヘテロシクリルを形成してもよい)で任意に置換されている、NH、C1〜6アルコキシ、C1〜6アルキル、C1〜6アルキルアミノ、C1〜6アルキルスルファニル、C1〜6アルキルスルホニル、C1〜6アルキルチオ、C3〜7シクロアルキル、4〜7員ヘテロシクリル、及び4〜7員ヘテロシクリルアミノからなる群から選択され、
Yは、−L−Y又はYからなる群から選択され、
はH、NH、ハロ、シアノ、カルバモイル、C2〜6アルケニル、C1〜6アルコキシ、C1〜6アルキル、1〜4個のY1a置換基で任意に置換されている4〜10員ヘテロシクリルで置換されたC1〜6アルキル、C1〜6ジアルキルアミノ置換基で置換されたC1〜6アルキル、C1〜6ジアルキルアミノシクロプロピルで置換されたC1〜6アルキル、C1〜6アルキルスルファニル、C1〜6アルキルスルホニル、C1〜6アルキルチオ、C2〜6アルキニル、C1〜6アルキルアミノ、C6〜14アリール、C1〜6アルキルで置換されたC6〜14アリール、C1〜6アミノアルキル、C1〜6カルバモイルアルキル、C1〜6カルボキシアルキル、C1〜6シアノアルキル、C3〜7シクロアルキル、C1〜6ジアルキルアミノで置換されたC3〜7シクロアルキル、C1〜6ハロアルコキシ、C1〜6ハロアルキル、5〜10員ヘテロアリール、4〜10員ヘテロシクリル、メチル、ヒドロキシ、及びオキソで置換された4〜10員ヘテロシクリルからなる群から選択され、
各Y1aは独立して、ハロ、C1〜6アルキル、C1〜6アルコキシ、3〜7員ヘテロシクリル、C1〜6アルコキシC1〜6アルキル、C1〜6ハロアルキル、オキソ、ヒドロキシ、NH、シアノ、C1〜6カルボキシアルキル、C1〜6シアノアルキル、C1〜6ヒドロキシアルキル、及びC1〜6ハロアルコキシからなる群から選択され、
Lは結合、O、S、及びN(L)からなる群から選択され、
は水素及びC1〜3アルキルからなる群から選択され、
UはC(R6a)であり、
VはC(R6b)であり、
WはC(R6c)又はNであり、
6a、R6b、及びR6cのそれぞれは独立して、H、OH、NH、ハロ、シアノ、カルバモイル、C2〜6アルケニル、C1〜6アルコキシ、C1〜6アルキル、4〜10員ヘテロシクリル置換基で置換されたC1〜6アルキル、C1〜6アルキルスルファニル、C1〜6アルキルスルホニル、C1〜6アルキルチオ、C1〜6ハロアルキルチオ、C2〜6アルキニル、C1〜6アルキルアミノ、C6〜14アリール、C1〜6アミノアルキル、C1〜6カルバモイルアルキル、C1〜6カルボキシアルキル、C1〜6シアノアルキル、C3〜7シクロアルキル、C1〜6ハロアルコキシ、C1〜6ハロアルキル、5〜10員ヘテロアリール、及び4〜10員ヘテロシクリルからなる群から選択され、
nは0、1及び2からなる群から選択される。]
式(I)、式(II)、若しくは式(III)の化合物又はその薬学的に許容される塩のいくつかの実施形態に従うと、RはNH及び−NHRからなる群から選択され、RはC1〜6アルキルである。
式(I)、式(II)、若しくは式(III)の化合物又はその薬学的に許容される塩のいくつかの実施形態に従うと、RはNHである。式(I)、式(II)、若しくは式(III)の化合物又はその薬学的に許容される塩の一実施形態において、Rは−NHRであり、式中RはC1〜6アルキル又はC1〜6アルコキシである。式(I)、式(II)、若しくは式(III)の化合物又はその薬学的に許容される塩の別の実施形態において、Rは−NHRであり、式中、RはC(O)CH、C(O)CHOH、CH(CH、CHCN、又はCHである。
式(I)、式(II)、若しくは式(III)の化合物又はその薬学的に許容される塩のいくつかの実施形態に従うと、R及びRは独立して、H、ハロ、C1〜6アルキル、C1〜6ハロアルキル、及びシクロプロピルからなる群から選択される。式(I)、式(II)、若しくは式(III)の化合物又はその薬学的に許容される塩の一実施形態において、RはC1〜3アルキル(例えばメチル若しくはエチル)、又はC1〜3ハロアルキル(例えば−CF若しくは−CHCF)である。式(I)、式(II)、若しくは式(III)の化合物又はその薬学的に許容される塩の別の実施形態において、Rは水素である。式(I)、式(II)、若しくは式(III)の化合物又はその薬学的に許容される塩の一実施形態において、Rは水素、ハロ、C1〜3アルキル、C1〜3ハロアルキル、又はシクロプロピルである。式(I)、式(II)、若しくは式(III)の化合物又はその薬学的に許容される塩の別の実施形態において、Rは水素又はハロである。式(I)、式(II)、若しくは式(III)の化合物又はその薬学的に許容される塩の別の実施形態において、RはC1〜3アルキル(例えばメチル又はエチル)である。式(I)、式(II)、若しくは式(III)の化合物又はその薬学的に許容される塩の別の実施形態において、Rはメチルである。式(I)、式(II)、若しくは式(III)の化合物又はその薬学的に許容される塩の更なる別の実施形態において、Rは−CFである。式(I)、式(II)、若しくは式(III)の化合物又はその薬学的に許容される塩の別の実施形態において、Rは水素である。
式(I)、式(II)、若しくは式(III)の化合物又はその薬学的に許容される塩のいくつかの実施形態に従うと、RはH、ハロ、C1〜6アルキル、C1〜6ハロアルキル、C1〜6ハロアルコキシ、C1〜6アルキルアミノ、及びC3〜7シクロアルキルからなる群から選択される。式(I)、式(II)、若しくは式(III)の化合物又はその薬学的に許容される塩の一実施形態において、RはC1〜6ハロアルキルである。式(I)、式(II)、若しくは式(III)の化合物又はその薬学的に許容される塩の別の実施形態において、RはC1〜3ハロアルキルである。式(I)、式(II)、若しくは式(III)の化合物又はその薬学的に許容される塩の別の実施形態において、RはC1〜3アルキルである。式(I)、式(II)、若しくは式(III)の化合物又はその薬学的に許容される塩の別の実施形態において、RはC1〜3ハロアルコキシである。式(I)、式(II)、若しくは式(III)の化合物又はその薬学的に許容される塩の更なる別の実施形態において、RはH、CH、CHF、CF、OCF、CHCF、ハロ、又はシクロプロピルである。式(I)、式(II)、若しくは式(III)の化合物又はその薬学的に許容される塩の更なる別の実施形態において、RはCFである。
式(I)、式(II)、若しくは式(III)の化合物又はその薬学的に許容される塩の別の実施形態において、RはCFであり、RはNHである。
式(I)、式(II)、若しくは式(III)の化合物又はその薬学的に許容される塩の別の実施形態において、RはNHであり、RはC1〜3アルキルであり、RはCFである。
式(I)、式(II)、若しくは式(III)の化合物又はその薬学的に許容される塩のいくつかの実施形態に従うと、Rはシクロプロピルである。
式(I)、式(II)、若しくは式(III)の化合物又はその薬学的に許容される塩のいくつかの実施形態に従うと、R、R、R、及びRの少なくとも2つはH以外である。
式(I)、式(II)、若しくは式(III)の化合物又はその薬学的に許容される塩のいくつかの実施形態に従うと、R、R、R、及びRの少なくとも3つはH以外である。
式(I)、式(II)、若しくは式(III)の化合物又はその薬学的に許容される塩のいくつかの実施形態に従うと、R及びRは、それぞれが結合する原子と共に、それぞれが1〜4個の置換基(ここで、各置換基は独立して、OH、NH、ハロ、C1〜3アルキル、C1〜3ハロアルキル、C1〜3アルコキシ、及びC1〜3ハロアルコキシからなる群から選択される)で任意に置換されている、C3〜7シクロアルキル、3〜7員ヘテロシクロアルキル、C6〜14アリール、又は5〜10員ヘテロアリールを形成する。
式(I)、式(II)、若しくは式(III)の化合物又はその薬学的に許容される塩のいくつかの実施形態に従うと、R及びRは、それらがそれぞれ結合している原子と共に、1〜4個の置換基(ここで、各置換基は独立して、OH、NH、ハロ、C1〜3アルキル、C1〜3ハロアルキル、C1〜3アルコキシ、及びC1〜3ハロアルコキシからなる群から選択される)で任意に置換されているC6〜14アリールを形成する。
式(I)、式(II)、若しくは式(III)の化合物又はその薬学的に許容される塩のいくつかの実施形態に従うと、R及びR5は、それらがそれぞれ結合している原子と共に、1〜4個の置換基(ここで、各置換基は独立して、OH、NH、ハロ、C1〜3アルキル、C1〜3ハロアルキル、C1〜3アルコキシ、及びC1〜3ハロアルコキシからなる群から選択される)で任意に置換されているCアリールを形成する。式(I)、式(II)、若しくは式(III)の化合物又はその薬学的に許容される塩のいくつかの実施形態に従うと、Cアリールは置換されていない。
式(I)、式(II)、若しくは式(III)の化合物又はその薬学的に許容される塩のいくつかの実施形態に従うと、Cアリールは1〜4個の置換基(ここで、各置換基は独立してハロである)で置換されている。
式(I)、式(II)、若しくは式(III)の化合物又はその薬学的に許容される塩のいくつかの実施形態に従うと、Yは−L−Yである。式(I)、式(II)、若しくは式(III)の化合物又はその薬学的に許容される塩の一実施形態において、LはO又はN(L)である。式(I)、式(II)、若しくは式(III)の化合物又はその薬学的に許容される塩の別の実施形態において、LはOである。式(I)、式(II)、若しくは式(III)の化合物又はその薬学的に許容される塩の一実施形態において、YはC2〜6アルケニル、C1〜6アルキル、又は4〜10員ヘテロシクリル若しくはメチルヘテロシクリル置換基で置換されたC1〜6アルキルである。式(I)、式(II)、若しくは式(III)の化合物又はその薬学的に許容される塩の別の実施形態において、YはC1〜6アルキル、又は4〜10員ヘテロシクリル若しくはメチルヘテロシクリル置換基で置換されたC1〜6アルキルである。式(I)、式(II)、若しくは式(III)の化合物又はその薬学的に許容される塩の更なる別の実施形態において、Yは、4〜10員ヘテロシクリル若しくはメチルヘテロシクリル置換基で置換されたC1〜6アルキルである。式(I)、式(II)、若しくは式(III)の化合物又はその薬学的に許容される塩の別の実施形態において、Yは、4〜10員ヘテロシクリル又はメチルヘテロシクリル置換基(ヘテロシクリル又はメチルヘテロシクリル置換基は少なくとも1つの窒素ヘテロ原子を含む)で置換されたC1〜6アルキルである。一実施形態では、ヘテロシクリル又はメチルヘテロシクリル置換基はピロリジニル部分である。一実施形態では、ピロリジニルはFで置換されている。一実施形態では、ヘテロシクリル及びメチルヘテロシクリル部分はそれぞれ独立して、OH、NH、ハロ、シアノ、C1〜6アルキル、C1〜6カルボキシアルキル、C1〜6シアノアルキル、C1〜6ハロアルキル、又はC1〜6ヒドロキシアルキルからなる群から選択される1〜3個の置換基で任意に置換されている。
式(I)、式(II)、若しくは式(III)の化合物又はその薬学的に許容される塩の一実施形態において、Yは
Figure 2021512136
である。一実施形態では、Yは
Figure 2021512136
である。式(I)、式(II)、若しくは式(III)の化合物又はその薬学的に許容される塩の別の実施形態において、Yは
Figure 2021512136
である。式(I)、式(II)、若しくは式(III)の化合物又はその薬学的に許容される塩の更なる別の実施形態において、Yは
Figure 2021512136
である。式(I)、式(II)、若しくは式(III)の化合物又はその薬学的に許容される塩の更なる別の実施形態において、Yは
Figure 2021512136
である。
式(I)、式(II)、若しくは式(III)の化合物又はその薬学的に許容される塩のいくつかの実施形態に従うと、R6aは水素、ハロ、又はC1〜3アルキルである。式(I)、式(II)、若しくは式(III)の化合物又はその薬学的に許容される塩のいくつかの実施形態に従うと、R6bは水素、ハロ、C1〜3アルキル、C1〜3ハロアルキル、C1〜3アルコキシ、又はシクロプロピルである。式(I)、式(II)、若しくは式(III)の化合物又はその薬学的に許容される塩の一実施形態において、R6bは水素、ハロ、又はC1〜3ハロアルキルである。式(I)、式(II)、若しくは式(III)の化合物又はその薬学的に許容される塩の別の実施形態において、R6bはハロ又はC1〜3ハロアルキルである。別の実施形態では、R6bはハロ(例えばCl又はF)である。式(I)、式(II)、若しくは式(III)の化合物又はその薬学的に許容される塩の更なる別の実施形態において、R6bはClである。別の実施形態では、R6bはCF又はCHFである。式(I)、式(II)、若しくは式(III)の化合物又はその薬学的に許容される塩のいくつかの実施形態に従うと、R6cは水素又はハロである。式(I)、式(II)、若しくは式(III)の化合物又はその薬学的に許容される塩の一実施形態において、R6cは水素である。一実施形態では、R6cはハロである。式(I)、式(II)、若しくは式(III)の化合物又はその薬学的に許容される塩の一実施形態において、R6b及びR6cは独立してハロである。別の実施形態では、R6bはハロであり、R6cは水素である。
本明細書において、式(I)、式(II)、若しくは式(III)の化合物又はその薬学的に許容される塩を更に提供する。
[式中、
Yは
Figure 2021512136
であり、Xは
Figure 2021512136
であり、RはNHであり、Rは水素であり、Rは水素又はC1〜3メチルであり、RはCFである。]
式(I)、式(II)、若しくは式(III)、又はその薬学的に許容される塩の実施形態に従うと、化合物は、以下に示す表1の化合物又はその薬学的に許容される塩からなる群から選択される。
表1。本開示の例示的な化合物。このような化合物の塩もまた想到される。このような化合物の調製については、実施例のセクションを参照のこと。実施例にて明示的に記載されている調製の詳細を有しない化合物は、当該技術分野において一般的に既知の方法を使用して、本明細書において提供する他の化合物に関する調製の詳細を変更することにより、調製することができる。
Figure 2021512136
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Figure 2021512136
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別の実施形態では、式(I)、式(II)、若しくは式(III)の化合物又はその薬学的に許容される塩のいくつかの実施形態に従うと、
は、H、OH、NH、ハロ、C1〜6アルキル、C1〜6ハロアルキル、シクロプロピル、及び−NHR(式中、Rは直鎖C1〜6アルキル、C1〜6アルコキシ、C1〜6アルカノイル、C1〜6ヒドロキシアルカノイル、C1〜6シアノアルキル、C1〜6アルキルアミノ、−(C1〜6アルキレニル)NH(CH)−(C1〜6)アルキレニル)N(CH、及び−(C1〜3)アルキレニル(3〜7員ヘテロシクリル)からなる群から選択される)からなる群から選択され、
及びRはそれぞれ、H、NH、ハロ、C1〜6アルキル、C1〜6ハロアルキル、C1〜6アルコキシ、C1〜6ハロアルコキシ、C1〜6アルキルチオ、C1〜6ハロアルキルチオ、及びC1〜6アルキルアミノからなる群から独立して選択され、
はH、Cl、Br、I、NH、C1〜6アルキル、C1〜6ハロアルキル、C1〜6アルコキシ、C1〜6ハロアルコキシ、C1〜6アルキルチオ、C1〜6ハロアルキルチオ、C1〜6アルキルアミノ、及びC3〜7シクロアルキルからなる群から選択され、
、R、R、及びRの少なくとも2つはH以外であるか、又は
及びR、R及びR、又はR及びRは、それぞれが結合する原子と共に、それぞれが1〜4個の置換基(ここで、各置換基は独立して、OH、NH、ハロ、C1〜3アルキル、C1〜3ハロアルキル、及びC1〜3ハロアルコキシからなる群から選択される)で任意に置換されている、C3〜7シクロアルキル、3〜7員ヘテロシクロアルキル、又はC6〜14アリールを形成し、
Xはそれぞれが任意に1〜4個の置換基(ここで、各置換基は独立して、OH、NH、ハロ、シアノ、カルボキシ、カルバモイル、C1〜6アルキル、C1〜6アミノアルキル、C1〜6カルバモイルアルキル、C1〜6カルボキシアルキル、C1〜6シアノアルキル、C1〜6ハロアルキル、C1〜6ヒドロキシアルキル、及び4〜7員ヘテロシクリルからなる群から選択され、2つのジェミナル置換基は一緒になってC3〜7スピロシクロアルキル又は4〜7員スピロヘテロシクリルを形成してもよい)で任意に置換されている、NH、C1〜6アルコキシ、C1〜6アルキル、C1〜6アルキルアミノ、C1〜6アルキルスルファニル、C1〜6アルキルスルホニル、C1〜6アルキルチオ、C3〜7シクロアルキル、4〜7員ヘテロシクリル、及び4〜7員ヘテロシクリルアミノからなる群から選択され、
Yは、−L−Y又はYからなる群から選択され、
はH、NH、ハロ、シアノ、カルバモイル、C2〜6アルケニル、C1〜6アルコキシ、C1〜6アルキル、1〜4個のY1a置換基で任意に置換されている4〜10員ヘテロシクリルで置換されたC1〜6アルキル、C1〜6ジアルキルアミノ置換基で置換されたC1〜6アルキル、C1〜6ジアルキルアミノシクロプロピルで置換されたC1〜6アルキル、C1〜6アルキルスルファニル、C1〜6アルキルスルホニル、C1〜6アルキルチオ、C2〜6アルキニル、C1〜6アルキルアミノ、C6〜14アリール、C1〜6アルキルで置換されたC6〜14アリール、C1〜6アミノアルキル、C1〜6カルバモイルアルキル、C1〜6カルボキシアルキル、C1〜6シアノアルキル、C3〜7シクロアルキル、C1〜6ジアルキルアミノで置換されたC3〜7シクロアルキル、C1〜6ハロアルコキシ、C1〜6ハロアルキル、5〜10員ヘテロアリール、4〜10員ヘテロシクリル、メチル、ヒドロキシ、及びオキソで置換された4〜10員ヘテロシクリルからなる群から選択され、
各Y1aは独立して、ハロ、C1〜6アルキル、C1〜6アルコキシ、3〜7員ヘテロシクリル、C1〜6アルコキシC1〜6アルキル、C1〜6ハロアルキル、オキソ、ヒドロキシ、NH、シアノ、C1〜6カルボキシアルキル、C1〜6シアノアルキル、C1〜6ヒドロキシアルキル、及びC1〜6ハロアルキルからなる群から選択され、
Lは結合、O、S、及びN(L)からなる群から選択され、
は水素及びC1〜3アルキルからなる群から選択され、
UはC(R6a)であり、
VはC(R6b)であり、
WはC(R6c)又はNであり、
6a、R6b、及びR6cのそれぞれは独立して、H、OH、NH、ハロ、シアノ、カルバモイル、C2〜6アルケニル、C1〜6アルコキシ、C1〜6アルキル、4〜10員ヘテロシクリル置換基で置換されたC1〜6アルキル、C1〜6アルキルスルファニル、C1〜6アルキルスルホニル、C1〜6アルキルチオ、C1〜6ハロアルキルチオ、C2〜6アルキニル、C1〜6アルキルアミノ、C6〜14アリール、C1〜6アミノアルキル、C1〜6カルバモイルアルキル、C1〜6カルボキシアルキル、C1〜6シアノアルキル、C3〜7シクロアルキル、C1〜6ハロアルコキシ、C1〜6ハロアルキル、5〜10員ヘテロアリール、及び4〜10員ヘテロシクリルからなる群から選択され、
nは0、1及び2からなる群から選択される。]
式(I)、式(II)、若しくは式(III)の化合物又はその薬学的に許容される塩の実施形態に従うと、R及びR、R及びR、又はR及びRは、それぞれが結合する原子と共に環を形成するとき、環を形成しない置換基は、式(I)に関して上で説明したとおりに定義されることと理解されなければならない。
別の態様において、本発明は式(IV)の化合物、
Figure 2021512136
又はその薬学的に許容される塩を含む。
[式中、
は、K−Ras G12C変異タンパク質の12位において、システイン残基と共有結合を形成可能な求電子部分であり、
Xはそれぞれが任意に1〜4個の置換基(ここで、各置換基は独立して、OH、NH、ハロ、シアノ、カルボキシ、カルバモイル、C1〜6アルキル、C1〜6アミノアルキル、C1〜6カルバモイルアルキル、C1〜6カルボキシアルキル、C1〜6シアノアルキル、C1〜6ハロアルキル、C1〜6ヒドロキシアルキル、及び4〜7員ヘテロシクリルからなる群から選択され、2つのジェミナル置換基は一緒になってC3〜7スピロシクロアルキル又は4〜7員スピロヘテロシクリルを形成してもよい)で任意に置換されている、NH、C1〜6アルコキシ、C1〜6アルキル、C1〜6アルキルアミノ、C1〜6アルキルスルファニル、C1〜6アルキルスルホニル、C1〜6アルキルチオ、C3〜7シクロアルキル、4〜7員ヘテロシクリル、及び4〜7員ヘテロシクリルアミノからなる群から選択され、
Yは、−L−Y又はYからなる群から選択され、
はH、NH、ハロ、シアノ、カルバモイル、C2〜6アルケニル、C1〜6アルコキシ、C1〜6アルキル、1〜4個のY1a置換基で任意に置換されている4〜10員ヘテロシクリルで置換されたC1〜6アルキル、C1〜6ジアルキルアミノ置換基で置換されたC1〜6アルキル、C1〜6ジアルキルアミノシクロプロピルで置換されたC1〜6アルキル、C1〜6アルキルスルファニル、C1〜6アルキルスルホニル、C1〜6アルキルチオ、C2〜6アルキニル、C1〜6アルキルアミノ、C6〜14アリール、C1〜6アルキルで置換されたC6〜14アリール、C1〜6アミノアルキル、C1〜6カルバモイルアルキル、C1〜6カルボキシアルキル、C1〜6シアノアルキル、C3〜7シクロアルキル、C1〜6ジアルキルアミノで置換されたC3〜7シクロアルキル、C1〜6ハロアルコキシ、C1〜6ハロアルキル、5〜10員ヘテロアリール、4〜10員ヘテロシクリル、メチル、ヒドロキシ、及びオキソで置換された4〜10員ヘテロシクリルからなる群から選択され、
各Y1aは独立して、ハロ、C1〜6アルキル、C1〜6アルコキシ、3〜7員ヘテロシクリル、C1〜6アルコキシC1〜6アルキル、C1〜6ハロアルキル、オキソ、ヒドロキシ、NH、シアノ、C1〜6カルボキシアルキル、C1〜6シアノアルキル、C1〜6ヒドロキシアルキル、及びC1〜6ハロアルキルからなる群から選択され、
Lは結合、O、S、及びN(L)からなる群から選択され、
は水素及びC1〜3アルキルからなる群から選択され、
UはC(R6a)であり、
VはC(R6b)であり、
WはC(R6c)又はNであり、
6a、R6b、及びR6cのそれぞれは独立して、H、OH、NH、ハロ、シアノ、カルバモイル、C2〜6アルケニル、C1〜6アルコキシ、C1〜6アルキル、4〜10員ヘテロシクリル置換基で置換されたC1〜6アルキル、C1〜6アルキルスルファニル、C1〜6アルキルスルホニル、C1〜6アルキルチオ、C1〜6ハロアルキルチオ、C2〜6アルキニル、C1〜6アルキルアミノ、C6〜14アリール、C1〜6アミノアルキル、C1〜6カルバモイルアルキル、C1〜6カルボキシアルキル、C1〜6シアノアルキル、C3〜7シクロアルキル、C1〜6ハロアルコキシ、C1〜6ハロアルキル、5〜10員ヘテロアリール、及び4〜10員ヘテロシクリルからなる群から選択され、
nは0、1及び2からなる群から選択され、
11は、
Figure 2021512136
Figure 2021512136
からなる群から選択される。]
式(I)、式(II)、式(III)、若しくは式(IV)の化合物又はその薬学的に許容される塩のいくつかの実施形態に従うと、YはYであり、YはH、C1〜6アルキル、及びC1〜6ハロアルキルからなる群から選択される。
式(I)、式(II)、式(III)、若しくは式(IV)の化合物又はその薬学的に許容される塩のいくつかの実施形態に従うと、YはHである。
式(I)、式(II)、式(III)、若しくは式(IV)の化合物又はその薬学的に許容される塩のいくつかの実施形態に従うと、Yは−L−Yであり、LはO及びN(L)からなる群から選択され、LはHであり、YはC1〜6アルキル、メチルヘテロシクリル置換基で置換されたC1〜6アルキル、及びC1〜6ジアルキルアミノ置換基で置換されたC1〜6アルキルである。
式(I)、式(II)、式(III)、若しくは式(IV)の化合物又はその薬学的に許容される塩のいくつかの実施形態に従うと、Yは単環式アリール又は単環式ヘテロアリールである。
式(I)、式(II)、式(III)、若しくは式(IV)の化合物又はその薬学的に許容される塩のいくつかの実施形態に従うと、Yは−L−Yであり、LはO及びN(L)からなる群から選択され、LはHであり、YはC1〜6アルキル、1〜4個のY1a置換基で任意に置換されている4〜10員ヘテロシクリルで置換されたC1〜6アルキル、C1〜6ジアルキルアミノ置換基で置換されたC1〜6アルキル、C1〜6ジアルキルアミノシクロプロピルで置換されたC1〜6アルキル、C1〜6ジアルキルアミノで置換されたC3〜7シクロアルキル、及び、メチルで置換された4〜10員ヘテロシクリルからなる群から選択され、各Y1aは独立して、ハロ、C1〜6アルキル、C1〜6アルコキシ、3〜7員ヘテロシクリル、C1〜6アルコキシC1〜6アルキル、C1〜6ハロアルキル、オキソ、ヒドロキシ、NH、シアノ、C1〜6カルボキシアルキル、C1〜6シアノアルキル、C1〜6ヒドロキシアルキル、及びC1〜6ハロアルコキシからなる群から選択される。
式(I)、式(II)、式(III)、若しくは式(IV)の化合物又はその薬学的に許容される塩のいくつかの実施形態に従うと、Yは−L−Yであり、LはN(L)であり、LはHであり、YはC1〜6アルキル、又はC1〜6ジアルキルアミノ置換基で置換されたC1〜6アルキルである。
式(I)、式(II)、式(III)、若しくは式(IV)の化合物又はその薬学的に許容される塩のいくつかの実施形態に従うと、Yは−L−Yであり、LはOであり、Yは1〜4個のY1a置換基で任意に置換されている4〜10員ヘテロシクリルで置換されたC1〜6アルキル、C1〜6ジアルキルアミノ置換基で置換されたC1〜6アルキル、C1〜6ジアルキルアミノシクロプロピルで置換されたC1〜6アルキル、C1〜6ジアルキルアミノで置換されたC3〜7シクロアルキル、及び、メチルで置換された4〜10員ヘテロシクリルからなる群から選択され、各Y1aは独立して、ハロ、C1〜6アルキル、C1〜6アルコキシ、3〜7員ヘテロシクリル、C1〜6アルコキシC1〜6アルキル、C1〜6ハロアルキル、オキソ、ヒドロキシ、NH、シアノ、C1〜6カルボキシアルキル、C1〜6シアノアルキル、C1〜6ヒドロキシアルキル、及びC1〜6ハロアルコキシからなる群から選択される。
式(I)、式(II)、式(III)、若しくは式(IV)の化合物又はその薬学的に許容される塩のいくつかの実施形態に従うと、Yは−L−Yであり、LはO及びN(L)からなる群から選択され、LはHであり、Yは、4〜10員のメチルヘテロシクリル置換基で置換されたC1〜6アルキルである。
式(I)、式(II)、式(III)、若しくは式(IV)の化合物又はその薬学的に許容される塩のいくつかの実施形態に従うと、Yは
Figure 2021512136
Figure 2021512136
からなる群から選択される。
式(I)、式(II)、式(III)、若しくは式(IV)の化合物又はその薬学的に許容される塩のいくつかの実施形態に従うと、Yは
Figure 2021512136
である。
式(I)、式(II)、式(III)、若しくは式(IV)の化合物又はその薬学的に許容される塩の一実施形態において、Yは
Figure 2021512136
である。式(I)、式(II)、式(III)、若しくは式(IV)の化合物又はその薬学的に許容される塩の別の実施形態において、Yは
Figure 2021512136
である。式(I)、式(II)、式(III)、若しくは式(IV)の化合物又はその薬学的に許容される塩の更に別の実施形態において、Yは
Figure 2021512136
である。式(I)、式(II)、式(III)、若しくは式(IV)の化合物又はその薬学的に許容される塩の更に別の実施形態において、Yは
Figure 2021512136
である。
式(I)、式(II)、式(III)、若しくは式(IV)の化合物又はその薬学的に許容される塩のいくつかの実施形態に従うと、R6aはHである。
式(I)、式(II)、式(III)、若しくは式(IV)の化合物又はその薬学的に許容される塩のいくつかの実施形態に従うと、R6bはH、ハロ、C1〜6アルコキシ、C1〜6アルキルスルホニル、C1〜6ハロアルキル、C3〜7シクロアルキル、C1〜6ハロアルキルチオ、及び4〜10員ヘテロシクリルからなる群から選択される。
式(I)、式(II)、式(III)、若しくは式(IV)の化合物又はその薬学的に許容される塩のいくつかの実施形態に従うと、R6bはH、ハロ、C1〜3ハロアルキルからなる群から選択される。
式(I)、式(II)、式(III)、若しくは式(IV)の化合物又はその薬学的に許容される塩のいくつかの実施形態に従うと、WはC(R6c)であり、R6cはH及びハロからなる群から選択される。
式(I)、式(II)、式(III)、若しくは式(IV)の化合物又はその薬学的に許容される塩のいくつかの実施形態に従うと、WはC(R6c)であり、R6cはハロである。
式(I)、式(II)、式(III)、若しくは式(IV)の化合物又はその薬学的に許容される塩のいくつかの実施形態に従うと、R6a、R6b、及びR6cは、単環式アリール及び単環式ヘテロアリールからなる群から独立して選択される。
式(I)、式(II)、式(III)、若しくは式(IV)の化合物又はその薬学的に許容される塩のいくつかの実施形態に従うと、Xは、それぞれが任意に1〜4個の置換基(ここで、各置換基は独立して、OH、NH、ハロ、シアノ、カルボキシ、カルバモイル、C1〜6アルキル、C1〜6ハロアルキル、及び4〜7員ヘテロシクリルからなる群から選択される)で任意に置換されている、C3〜7シクロアルキル、4〜7員ヘテロシクリル、又は4〜7員ヘテロシクリルアミノである。式(I)、式(II)、式(III)、若しくは式(IV)の化合物又はその薬学的に許容される塩の一実施形態において、Xは、それぞれが任意に1〜4個の置換基(ここで、各置換基は独立して、OH、NH、ハロ、シアノ、C1〜6アルキル、及びC1〜6ハロアルキルからなる群から選択される)で任意に置換されている、C3〜7シクロアルキル又は4〜7員ヘテロシクリルである。式(I)、式(II)、式(III)、若しくは式(IV)の化合物又はその薬学的に許容される塩の別の実施形態において、Xは、それぞれが任意に1〜4個の置換基(ここで、各置換基は独立して、OH、NH、ハロ、シアノ、C1〜6アルキル、及びC1〜6ハロアルキルからなる群から選択される)で任意に置換されている、ピペラジニル又はアゼチジニル部分である。式(I)、式(II)、式(III)、若しくは式(IV)の化合物又はその薬学的に許容される塩の更に別の実施形態において、Xは、任意に1〜4個の置換基(ここで、各置換基は独立してハロ、シアノ、C1〜3アルキル、及びC1〜3ハロアルキルからなる群から独立して選択される)で任意に置換されているピペラジニル部分である。
式(I)、式(II)、式(III)、若しくは式(IV)の化合物又はその薬学的に許容される塩のいくつかの実施形態に従うと、Xは4〜7員ヘテロシクリルである。
式(I)、式(II)、式(III)、若しくは式(IV)の化合物又はその薬学的に許容される塩のいくつかの実施形態に従うと、Xは、1〜4個の置換基(ここで、各置換基は独立してシアノ、C1〜6アルキル、C1〜6シアノアルキル、及びC1〜6ハロアルキルからなる群から選択される)で置換された4〜7員ヘテロシクリルである。
式(I)、式(II)、式(III)、若しくは式(IV)の化合物又はその薬学的に許容される塩のいくつかの実施形態に従うと、Xは
Figure 2021512136
からなる群から選択される。
式(I)、式(II)、式(III)、若しくは式(IV)の化合物又はその薬学的に許容される塩のいくつかの実施形態に従うと、Xは
Figure 2021512136
からなる群から選択される。
式(I)、式(II)、式(III)、若しくは式(IV)の化合物又はその薬学的に許容される塩のいくつかの実施形態に従うと、Xは
Figure 2021512136
からなる群から選択される。
式(I)、式(II)、式(III)、若しくは式(IV)の化合物又はその薬学的に許容される塩のいくつかの実施形態に従うと、Xは
Figure 2021512136
である。
式(I)、式(II)、式(III)、若しくは式(IV)の化合物又はその薬学的に許容される塩の別の実施形態において、Xは
Figure 2021512136
である。
式(I)、式(II)、式(III)、若しくは式(IV)の化合物又はその薬学的に許容される塩の別の実施形態において、Xは
Figure 2021512136
である。
式(IV)の化合物又はその薬学的に許容される塩のいくつかの実施形態に従うと、R11
Figure 2021512136
である。
式(IV)の化合物又はその薬学的に許容される塩のいくつかの実施形態に従うと、R11
Figure 2021512136
である。
式(IV)の化合物又はその薬学的に許容される塩のいくつかの実施形態に従うと、R11
Figure 2021512136
である。
式(I)、式(II)、式(III)、若しくは式(IV)の化合物又はその薬学的に許容される塩のいくつかの実施形態に従うと、nは0である。
式(I)、若しくは式(IV)の化合物又はその薬学的に許容される塩のいくつかの実施形態に従うと、R
Figure 2021512136
からなる群から選択される。
[式中、
12はC1〜6アルカノイル、C1〜6アルキル、及びC1〜6アルキルスルホニルからなる群から選択され、
13はH、C1〜6アルキル、及びC1〜6ハロアルキルからなる群から選択され、
13aはハロであり、
14はハロである。]
式(I)、若しくは式(IV)の化合物又はその薬学的に許容される塩のいくつかの実施形態に従うと、R
Figure 2021512136
からなる群から選択される。
式(I)、若しくは式(IV)の化合物又はその薬学的に許容される塩のいくつかの実施形態に従うと、R
Figure 2021512136
である。
式(I)、若しくは式(IV)の化合物又はその薬学的に許容される塩のいくつかの実施形態に従うと、R
Figure 2021512136
である。
式(I)、若しくは式(IV)の化合物又はその薬学的に許容される塩のいくつかの実施形態に従うと、R
Figure 2021512136
である。
式(I)、若しくは式(IV)の化合物又はその薬学的に許容される塩のいくつかの実施形態に従うと、R
Figure 2021512136
である。
式(II)の化合物又はその薬学的に許容される塩のいくつかの実施形態に従うと、RはH、シアノ、及びハロからなる群から選択され、R及びRはそれぞれ、H、C1〜6アルキル、C1〜6ハロアルキル、C1〜6ヒドロキシアルキル、シアノ、及びハロからなる群から独立して選択される(C1〜6アルキルは、メタンスルホニル(メシル)、p−トルエンスルホニル(トシル)、アルキル又はアリールスルホネート脱離基、C1〜6アルカノイルアミノ、C1〜6アルコキシ、C1〜6アルキルアミノ、C1〜6アルキルスルホニルアミノ、C6〜12ジアルキルアミノ、及びC1〜6ハロアルコキシからなる群から選択される1つの置換基で任意に置換されている)。
式(II)の化合物又はその薬学的に許容される塩のいくつかの実施形態に従うと、R及びRは共に、それらが結合している炭素との間で三重結合を形成する、又は、R及びRは、それらがそれぞれ結合している炭素と共に、1つ又は2つのハロ置換基で任意に置換されているC3〜7シクロアルケニルを形成し、RはH、C1〜6アルキル、C1〜6ハロアルキル、シアノ、及びハロからなる群から選択される(C1〜6アルキルは、C1〜6アルカノイルアミノ、C1〜6アルコキシ、C1〜6アルキルアミノ、C1〜6アルキルスルホニルアミノ、C6〜12ジアルキルアミノ、及びC1〜6ハロアルコキシからなる群から選択される1つの置換基で任意に置換されている)。
式(II)の化合物又はその薬学的に許容される塩のいくつかの実施形態に従うと、R、R、及びRはそれぞれHである。
式(III)の化合物又はその薬学的に許容される塩のいくつかの実施形態に従うと、R10は−C(O)−R10aであり、R10aはオキシラニルである。
式(III)の化合物又はその薬学的に許容される塩のいくつかの実施形態に従うと、R10は−C(O)−R10aであり、R10aはアジリジニルである。
式(I)の化合物のいくつかの実施形態に従うと、化合物は
Figure 2021512136
Figure 2021512136
からなる群から選択される式、又はその薬学的に許容される塩を有する。
式(Ia)、(Ib)、(Ic)、(Id)、(Ie)、(If)、(Ig)、(Ih)、(Ij)、(Ik)、若しくは(Il)の化合物又はその薬学的に許容される塩の一実施形態において、Yは
Figure 2021512136
である。式(Ia)、(Ib)、(Ic)、(Id)、(Ie)、(If)、(Ig)、(Ih)、(Ij)、(Ik)、若しくは(Il)の化合物又はその薬学的に許容される塩の一実施形態において、Yは
Figure 2021512136
である。式(Ia)、(Ib)、(Ic)、(Id)、(Ie)、(If)、(Ig)、(Ih)、(Ij)、(Ik)、若しくは(Il)の化合物又はその薬学的に許容される塩の一実施形態において、Yは
Figure 2021512136
である。式(Ia)、(Ib)、(Ic)、(Id)、(Ie)、(If)、(Ig)、(Ih)、(Ij)、(Ik)、若しくは(Il)の化合物又はその薬学的に許容される塩の一実施形態において、Yは
Figure 2021512136
である。式(Ia)、(Ib)、(Ic)、(Id)、(Ie)、(If)、(Ig)、(Ih)、(Ij)、(Ik)、若しくは(Il)の化合物又はその薬学的に許容される塩の更に別の実施形態において、Yは
Figure 2021512136
である。
式(I)の化合物のいくつかの実施形態に従うと、化合物は式(Ia)若しくは(Ic)、又はその薬学的に許容される塩を有する。
式(I)の化合物のいくつかの実施形態に従うと、化合物は式(Ib)若しくは(Il)、又はその薬学的に許容される塩を有する。
式(I)の化合物のいくつかの実施形態に従うと、化合物は式(Ia)、又はその薬学的に許容される塩を有する。
式(I)の化合物のいくつかの実施形態に従うと、化合物は式(Ib)、又はその薬学的に許容される塩を有する。
式(I)の化合物のいくつかの実施形態に従うと、化合物は式(Ic)、又はその薬学的に許容される塩を有する。
式(I)の化合物のいくつかの実施形態に従うと、化合物は式(Il)、又はその薬学的に許容される塩を有する。
式(IV)の化合物又はその薬学的に許容される塩のいくつかの実施形態に従うと、化合物は
Figure 2021512136
からなる群から選択される式、又はその薬学的に許容される塩を有する。
式(IV)の化合物のいくつかの実施形態に従うと、化合物は式(IVa)、(IVb)、(IVd)、若しくは(IVg)の化合物又はその薬学的に許容される塩を含む。式(IV)の化合物のいくつかの実施形態に従うと、化合物は式(IVa)若しくは(IVb)の化合物又はその薬学的に許容される塩を含む。式(IV)の化合物のいくつかの実施形態に従うと、化合物は式(IVd)若しくは(IVg)の化合物又はその薬学的に許容される塩を含む。
式(I)、(II)、(III)、又は(IV)の化合物の一実施形態において、化合物は、本明細書の表1に説明されるとおりの化合物、又はその薬学的に許容される塩である。
式(I)、(II)、(III)、又は(IV)の化合物の別の実施形態において、化合物は、化合物9、化合物17a、化合物17b、化合物18a、化合物18b、化合物19、化合物44、化合物83a、化合物83b、化合物83c、化合物83d、若しくは化合物69、又はその薬学的に許容される塩に対応する化合物である。
一実施形態において、化合物は化合物9である。一実施形態において、化合物は化合物17aである。一実施形態において、化合物は化合物17bである。一実施形態において、化合物は化合物18aである。一実施形態において、化合物は化合物18bである。一実施形態において、化合物は化合物19である。一実施形態において、化合物は化合物83aである。一実施形態において、化合物は化合物83bである。一実施形態において、化合物は化合物83cである。一実施形態において、化合物は化合物83dである。一実施形態において、化合物は化合物69である。
式(I)の実施形態に従うと、化合物は表1の化合物1、5、7〜10、13〜15、17a、17b、18a、18b、19〜33、35、40〜41、43〜45、46a、46b、47〜58、59a、59b、60〜61、62a、62b、63a、63b、64a、64b、65、66、67a、67b、68a、68b、69〜74、75a、75b、76、77、78a、78b、79a、79b、80、81a、81b、82a、82b、83a、83b、83c、83d、84a、84b、及び85〜97、又はその薬学的に許容される塩からなる群から選択される。式(I)の別の実施形態に従うと、化合物は表1の化合物1、5、7〜10、13〜15、17a、17b、18a、18b、19〜33、35、40−41、43〜45、46a、46b、及び47〜54、又はその薬学的に許容される塩からなる群から選択される。式(I)の他の実施形態に従うと、化合物は表1の化合物55〜58、59a、59b、60〜61、62a、62b、63a、63b、64a、64b、65、66、67a、67b、68a、68b、69〜74、75a、75b、76、77、78a、78b、79a、79b、80、81a、81b、82a、82b、83a、83b、83c、83d、84a、84b、及び85〜97からなる群から選択される。
本発明の化合物(例えば式(I)、(II)、(III)、若しくは(IV)の化合物)、又はそれらの薬学的に許容される塩は、1つ以上の不斉中心を含有することができる。それ故、絶対立体化学の観点から、(R)−若しくは(S)−として、又はアミノ酸に関しては(D)−若しくは(L)−として定義される、エナンチオマー、ジアステレオマー、及び他の立体異性形態が生じ得る。したがって、実施形態は、可能性のあるこのような全ての異性体類、並びにこれらのラセミ形態及び光学的に純粋な形態を含む。光学的に活性名(+)及び(−)、(R)−及び(S)−、又は(D)−及び(L)−異性体は、キラルシントン若しくはキラル試薬を使用して調製することができる、又は、従来の技術、例えばクロマトグラフィー及び分別結晶法を使用して分割することができる。個々のエナンチオマーを調製/分離するための従来技術としては、光学的に純粋な好適な前駆体からのキラル合成、又は、例えばキラル高圧液体クロマトグラフィー(HPLC)を使用した、ラセミ化合物(若しくは塩若しくは誘導体のラセミ化合物)の分割が挙げられる。本明細書で記載される化合物が、オレフィン性二重結合、又は幾何学的非対称性による他の中心を含有する場合、そして、別段定めがない限り、その化合物はE及びZ幾何異性体の両方を含有するものと意図される。同様に、全ての互変異性形態もまた含まれることが意図される。
本発明の実施形態は、本発明の化合物の回転異性体及び構造上制限された状態の全ての様式を含む。立体ひずみ又は他の因子によるエネルギー差が、個別の配座異性体の分離を行うには十分に高い、回転に対するバリアを作成する、単結合を中心にする回転制限が原因で生じる立体異性体であるアトロプ異性体もまた含まれる。例として、本発明の特定の化合物は、アトロプ異性体の混合物として存在してもよく、又は、1つのアトロプ異性体の存在に対して精製若しくは濃縮されていてもよい。
いくつかの実施形態では、式(I)の化合物はアトロプ異性体の混合物である。他の実施形態では、式(I)の化合物は実質的に精製されたアトロプ異性体である。いくつかの実施形態では、式(I)の化合物は実質的に精製されたR−アトロプ異性体である。いくつかの他の実施形態では、式(I)の化合物は実質的に精製されたR−アトロプ異性体である。
RAS阻害剤の合成
本開示の化合物を、以下に図示及び記載する、説明用の合成反応スキームに示す様々な方法により作製することができる。これらの化合物を調製するのに使用する出発物質及び試薬は一般に、Aldrich Chemical Co.などの市販の業者から入手可能であるか、Fieser and Fieser’s Reagents for Organic Synthesis;Wiley&Sons:New York,vol.1−21;R.C.LaRock,Comprehensive Organic Transformations,2nd edition Wiley−VCH,New York 1999;Comprehensive Organic Synthesis,B.Trost and I.Fleming(Eds.)vol.1−9 Pergamon,Oxford,1991;Comprehensive Heterocyclic Chemistry,A.R.Katritzky and C.W.Rees(Eds.)Pergamon,Oxford 1984,vol.1−9;Comprehensive Heterocyclic Chemistry II,A.R.Katritzky and C.W.Rees(Eds)Pergamon,Oxford 1996,vol.1−11;及びOrganic Reactions,Wiley&Sons:New York,1991,vol.1−40などの参照文献に説明されている手順に従い、当業者に知られている方法により調製されるかのいずれかである。以下の合成反応は、本発明の化合物を合成可能ないくつかの方法を単に例示するものであり、これらの合成反応スキームに様々な変更を加えることができ、本明細書に含有される開示を参照する当業者に示唆されるであろう。
例示目的のために、以下の反応スキームは、本発明の化合物及び鍵となる中間体の合成のための経路を提供する。個々の反応工程のより詳細な説明に関しては、以下の実施例セクションを参照のこと。当業者は、他の合成経路を使用可能であることを理解するであろう。いくつかの具体的な出発物質及び試薬をスキームに記載し、以下で論じるものの、他の出発物質及び試薬を置き換えて、様々な誘導体又は反応条件を提供することができる。更に、以下に記載の方法で調製される化合物の多くは更に、当業者に周知の従来の化学現象を使用して、本開示の観点から改変することができる。
合成反応スキームの出発物質及び中間体は、濾過、蒸留、結晶化、クロマトグラフィーなどを含むがこれらに限定されない、従来技術を使用する場合に、単離及び所望により精製することができる。このような物質は、物理的定数及びスペクトルデータを含む従来の手段を使用して同定することができる。
別様に明記されない限り、本明細書で記載される反応は、不活性雰囲気下、大気圧にて、約−78℃〜約150℃、より好ましくは約0℃〜約125℃、及び最も好ましくは、そして従来的にはおよそ室温(又は周囲温度)、すなわち約20℃の範囲の反応温度にて、実施されるのが好ましい。
以下のスキームにおいて、化合物のいくつかを、一般化した置換基と共に記載する。しかし、置換基の性質を変えて、本発明で想到される様々な化合物を得ることができることを当業者は速やかに理解するであろう。更に、反応条件は例示的なものであり、代替条件がよく知られている。以下の実施例における反応順序は、特許請求の範囲に説明する本発明の範囲を限定することを意味するものではない。
記載する化学反応を速やかに適合して、本発明の他の化合物を調製することができることを、当業者は認識するであろう。例えば、本発明に従った非例示的な化合物の合成は、当業者に明らかな変更を行うことにより、例えば、介在基を適切に保護することにより、記載されているもの以外の、当該技術分野において公知の他の好適な試薬を使用することにより、又は、反応条件にルーチン的な変更を加えることにより、上手く実施することができる。あるいは、本明細書にて開示した、又は当該技術分野において公知の他の反応は、本発明の他の化合物を調製するための適応性を有するものとして認識されるであろう。
RAS阻害剤による治療方法、及びRAS阻害剤の使用方法
本開示の化合物は、Ras阻害剤として有用である。一態様では、本開示の化合物はK−Ras阻害剤として有用である。別の態様においては、本開示の化合物はN−Ras阻害剤として有用である。別の態様においては、本開示の化合物はH−Ras阻害剤として有用である。したがって、一実施形態において、エクスビボ細胞などの細胞を、本発明の化合物又はその薬学的に許容される塩と接触させて、細胞内でのRas活性(例えば、K−Ras、H−Ras、及び/又はN−Ras活性)を阻害する方法を提供する。本明細書で記載される治療方法は、特定の実施形態において、本明細書で記載される化合物又はその薬学的に許容される塩を投与する前に、G12 Ras変異の有無を測定することを更に含むことができると理解されている。
患者における、Ras(例えばK−Ras、H−Ras、及び/又はN−Ras)の阻害に応答する病気又は状態の重症度の予防、治療、又は低下方法であって、患者に治療に有効な量の本発明の化合物又はその薬学的に許容される塩を投与することを含む方法を更に提供する。
一態様では、本開示は、患者における、K−Rasの阻害に応答する病気又は状態の重症度の予防、治療、又は低下方法であって、患者に治療に有効な量の本発明の化合物又はその薬学的に許容される塩を投与することを含む方法に関する。
一態様では、本開示は、患者における、H−Rasの阻害に応答する病気又は状態の重症度の予防、治療、又は低下方法であって、患者に治療に有効な量の本発明の化合物又はその薬学的に許容される塩を投与することを含む方法に関する。
一態様では、本開示は、患者における、N−Rasの阻害に応答する病気又は状態の重症度の予防、治療、又は低下方法であって、患者に治療に有効な量の本発明の化合物又はその薬学的に許容される塩を投与することを含む方法に関する。
患者における癌の治療方法であって、患者に治療に有効な量の本発明の化合物又はその薬学的に許容される塩を投与することを含む方法もまた提供する。
治療を必要とする患者における、Ras(例えばK−Ras、H−Ras、及び/又はN−Ras)の阻害方法であって、患者に治療に有効な量の本発明の化合物又はその薬学的に許容される塩を投与することを含む方法もまた提供する。
一態様において、本開示は治療を必要とする患者における、K−Rasの阻害方法であって、患者に治療に有効な量の本発明の化合物又はその薬学的に許容される塩を投与することを含む方法に関する。
一態様において、本開示は治療を必要とする患者における、H−Rasの阻害方法であって、患者に治療に有効な量の本発明の化合物又はその薬学的に許容される塩を投与することを含む方法に関する。
一態様において、本開示は治療を必要とする患者における、N−Rasの阻害方法であって、患者に治療に有効な量の本発明の化合物又はその薬学的に許容される塩を投与することを含む方法に関する。
治療に有効な量の本発明の化合物又はその薬学的に許容される塩と、薬学的に許容される賦形剤とを含む医薬組成物もまた提供する。このような化合物を含む医薬組成物を含む、本発明の化合物を、本明細書に記載される方法において使用することができる。
本開示の実施形態は、細胞を、治療に有効な量の本明細書にて開示した1つ以上の化合物又はその薬学的に許容される塩と接触させることを含む、Rasが媒介する細胞のシグナル伝達の阻害方法を提供する。Rasが媒介するシグナル伝達の阻害は、当該技術分野において公知の様々な方法により評価し、実証することができる。非限定例としては、(a)RasのGTPase活性の低下、(b)GTP結合親和性の低下若しくはGDP結合親和性の増加、(c)GTPのKoffの増加若しくはGDPのKoffの低下、(d)pMEK量の低下といった、Ras経路の下流におけるシグナル伝達分子の量の低下、及び/又は(e)Ras複合体の、Rafを含むがこれに限定されない下流シグナル伝達分子への結合の低下を示すことが挙げられる。キット及び市販されているアッセイを、上記の1つ以上を測定するために利用することができる。
実施形態は、本発明の化合物又は医薬組成物を使用して、G12C K−Ras変異、G12C H−Ras変異、及び/又はG12C N−Ras変異が関係する状態(例えば癌)を含むがこれらに限定されない病気状態を治療する方法もまた提供する。
いくつかの実施形態では、本発明は、疾患の治療を必要とする対象における疾患の治療方法であって、対象がK−Ras、H−Ras、又はN−Ras G12C変異を有するか否かを測定することと、対象がK−Ras、H−Ras、又はN−Ras G12C変異を有すると測定された場合、対象に、治療に有効な量の本発明の少なくとも1つの化合物又はその薬学的に許容される塩を投与することと、を含む方法を提供する。
K−Ras、H−Ras、又はN−Ras G12C変異は、血液学的悪性腫瘍(例えば血液、骨髄、及び/又はリンパ節に影響を及ぼす癌)においてもまた同定されている。したがって、特定の実施形態は、開示した本発明の化合物又はその薬学的に許容される塩(例えば、医薬組成物の形態)を、血液学的悪性腫瘍の治療を必要とする患者に投与することに関する。このような悪性腫瘍としては、白血病及びリンパ腫が挙げられるが、これらに限定されない。例えば、本明細書にて開示する化合物は、急性リンパ性白血病(ALL)、急性骨髄性白血病(AML)、慢性リンパ性白血病(CLL)、小リンパ球性リンパ腫(SLL)、慢性骨髄性白血病(CML)、急性単球性白血病(AMoL)、及び/又は他の白血病などの病気の治療のために使用することができる。別の実施形態において、本発明の化合物又はその薬学的に許容される塩は、ホジキンリンパ腫又は非ホジキンリンパ腫の全ての亜型などの、リンパ腫の治療に有用である。
腫瘍又は癌がG12C K−Ras、H−Ras、又はN−Ras変異を含むか否かを測定することは、K−Ras、H−Ras、若しくはN−Rasタンパク質をコードするヌクレオチド配列を評価することにより、K−Ras、H−Ras、若しくはN−Rasタンパク質のアミノ酸配列を評価することにより、又は、推定されるK−Ras、H−Ras、若しくはN−Ras変異タンパク質の特性を評価することにより、実施することができる。野生型ヒトK−Ras(例えば寄託番号NP203524)、H−Ras(例えば寄託番号NP001123914)、及びN−Ras(例えば寄託番号NP002515)の配列が、当技術分野において既知である。
K−Ras、H−Ras、又はN−Rasヌクレオチド配列における変異の検出方法は当業者に知られている。これらの方法としては、ポリメラーゼ連鎖反応−制限酵素断片長多型(PCR−RFLP)アッセイ、ポリメラーゼ連鎖反応−一本鎖高次構造多型(PCR−SSCP)アッセイ、リアルタイムPCRアッセイ、PCR配列決定、変異対立遺伝子PCR増幅(MASA)アッセイ、直接配列決定、プライマー伸長反応、電気泳動、オリゴヌクレオチドライゲーションアッセイ、ハイブリダイゼーションアッセイ、TaqManアッセイ、SNPジェノタイピングアッセイ、高解像度融解アッセイ、及びマイクロアレイ分析が挙げられるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、リアルタイムPCRにより、サンプルのG12C K−Ras、H−Ras、又はN−Ras変異を評価する。リアルタイムPCRにおいて、K−Ras、H−Ras、又はN−Ras G12C変異に対して特異的な蛍光プローブを使用する。変異が存在する場合、プローブが結合し、蛍光が検出される。いくつかの実施形態では、K−Ras、H−Ras、又はN−Ras遺伝子内の特定の領域(例えばエクソン2及び/又はエクソン3)の直接配列決定方法を使用してK−Ras、H−Ras、又はN−Ras G12C変異を同定する。本方法は、配列決定した領域内の、全ての可能性のある変異を識別する。
K−Ras、H−Ras、又はN−Rasタンパク質における変異の検出方法は、当業者に知られている。これらの方法としては、変異タンパク質に対して特異的な結合剤(例えば抗体)を使用したK−Ras、H−Ras、又はN−Ras変異の検出、タンパク質電気泳動及びウェスタンブロッティング、並びに直接ペプチド配列決定が挙げられるが、これらに限定されない。腫瘍又は癌がG12C K−Ras、H−Ras、又はN−Ras変異を含むか否かの測定方法には、様々なサンプルを使用することができる。いくつかの実施形態では、サンプルは腫瘍又は癌を有する対象から採取される。いくつかの実施形態では、サンプルは新鮮な腫瘍/癌サンプルである。いくつかの実施形態では、サンプルは凍結された腫瘍/癌サンプルである。いくつかの実施形態では、サンプルはホルマリン固定パラフィン包埋サンプルである。いくつかの実施形態では、サンプルは細胞可溶化物に処理される。いくつかの実施形態では、サンプルはDNA又はRNAに処理される。
実施形態は、哺乳類における増殖過剰疾患の治療方法であって、上記哺乳類に、治療に有効な量の本発明の化合物又はその薬学的に許容される塩を投与することを含む、方法にも関する。いくつかの実施形態では、上記方法は、急性骨髄性白血病、青年期の癌、小児期副腎皮質癌腫、AIDS関連癌(例えばリンパ腫及びカポジ肉腫)、肛門癌、虫垂癌、星状膠細胞腫、非典型的な非定型奇形/ラブドイド腫瘍、基底細胞癌、胆管癌、膀胱癌、骨肉腫、脳幹神経膠腫、脳腫瘍、乳癌、気管支腫瘍、バーキットリンパ腫、カルチノイド腫瘍、胎児性腫瘍、胚細胞腫瘍、原発性リンパ腫、子宮頸癌、小児期癌、脊索腫、心臓腫瘍、慢性リンパ性白血病(CLL)、慢性骨髄性白血病(CML)、慢性骨髄増殖性疾患、大腸癌、結腸直腸癌、頭蓋咽頭腫、皮膚T細胞リンパ腫、非浸潤性乳管癌(DCIS)、胎児性腫瘍、CNS癌、子宮体癌、脳室上衣腫、食道癌、鼻腔神経芽細胞腫、ユーイング肉腫、頭蓋外胚細胞腫瘍、性腺外胚細胞腫瘍、眼癌、骨の線維性組織球腫、胆嚢癌、胃癌、消化管カルチノイド腫瘍、消化管間質腫瘍(GIST)、胚細胞腫瘍、妊娠栄養膜腫瘍、毛様細胞性白血病、頭頸癌、心臓癌、肝癌、ホジキンリンパ腫、下咽頭癌、眼内黒色腫、島細胞腫瘍、膵臓神経内分泌腫瘍、腎臓癌、喉頭癌、唇癌及び口腔癌、非浸潤性小葉癌(LCIS)、肺癌、リンパ腫、潜在原発性の転移性扁平頸部癌、正中線路癌腫、口癌、多発性内分泌腺腫瘍形成症候群、多発性骨髄腫/形質細胞腫瘍、菌状息肉症、骨髄異形成症候群、骨髄異形成/骨髄増殖性腫瘍形成、多発性骨髄腫、メルケル細胞癌、悪性中皮腫、骨の悪性線維性組織球腫及び骨肉腫、鼻腔及び副鼻腔癌、鼻咽頭癌、神経芽細胞腫、非ホジキンリンパ腫、非小細胞肺癌(NSCLC)、口腔癌、口咽頭癌、卵巣癌、膵臓癌、乳頭腫症、傍神経節腫、副甲状腺癌、陰茎癌、咽頭癌、胸膜肺芽腫、原発性中枢神経系(CNS)リンパ腫、前立腺癌、直腸癌、移行性細胞癌、網膜芽細胞腫、横紋筋肉腫、唾液腺癌、皮膚癌、小細胞肺癌、小腸癌、軟部組織の肉腫、T細胞リンパ腫、精巣癌、咽喉癌、胸腺腫及び胸腺癌腫、甲状腺癌、腎盂及び尿管の移行性細胞癌、栄養膜腫瘍、小児期の異常癌、尿道癌、子宮肉腫、膣癌、外陰癌、又はウイルス誘発性癌などの癌の治療に関する。いくつかの実施形態では、上記方法は、皮膚の良性過形成(例えば乾癬)、再狭窄、又は良性前立腺過形成(BPH)などの非癌性増殖過剰疾患の治療に関する。
ある種の特定の実施形態において、本発明は、肺癌の治療方法に関し、方法は、治療に有効な量の本発明の化合物又はその薬学的に許容される塩(又はこれらを含む医薬組成物)を、治療を必要とする対象に投与することを含む。特定の実施形態において、肺癌は、非小細胞肺癌(NSCLC)、例えば腺癌、扁平上皮細胞肺癌、又は大細胞肺癌である。別の実施形態において、肺癌は小細胞肺癌である。開示された化合物で治療可能な他の肺癌としては、腺腫瘍、カルチノイド腫瘍、及び未分化癌腫が挙げられるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、本発明は、細胞内でのK−Ras、H−Ras、又はN−Ras G12C活性の阻害方法であって、上記細胞を、上記細胞内でのK−Ras、H−Ras、又はN−Ras G12Cの活性を阻害するのに十分な量の本発明の化合物又はその薬学的に許容される塩と接触させることによる阻害方法を提供する。いくつかの実施形態では、本発明は、組織内でのK−Ras、H−Ras、又はN−Ras G12C活性の阻害方法であって、上記組織を、上記組織内でのK−Ras、H−Ras、又はN−Ras G12Cの活性を阻害するのに十分な量の本発明の化合物又はその薬学的に許容される塩と接触させることによる阻害方法を提供する。
いくつかの実施形態では、本発明は、生命体内でのK−Ras、H−Ras、又はN−Ras G12C活性の阻害方法であって、上記生命体を、上記生命体内でのK−Ras、H−Ras、又はN−Ras G12Cの活性を阻害するのに十分な量の本発明の化合物又はその薬学的に許容される塩と接触させることによる阻害方法を提供する。いくつかの実施形態では、本発明は、動物内でのK−Ras、H−Ras、又はN−Ras G12C活性の阻害方法であって、上記動物を、上記動物内でのK−Ras、H−Ras、又はN−Ras G12Cの活性を阻害するのに十分な量の本発明の化合物又はその薬学的に許容される塩と接触させることによる阻害方法を提供する。いくつかの実施形態では、本発明は、哺乳類内でのK−Ras、H−Ras、又はN−Ras G12C活性の阻害方法であって、上記哺乳類を、上記哺乳類内でのK−Ras、H−Ras、又はN−Ras G12Cの活性を阻害するのに十分な量の本発明の化合物又はその薬学的に許容される塩と接触させることによる阻害方法を提供する。いくつかの実施形態では、本発明は、ヒト内でのK−Ras、H−Ras、又はN−Ras G12C活性の阻害方法であって、上記ヒトを、上記ヒト内でのK−Ras、H−Ras、又はN−Ras G12Cの活性を阻害するのに十分な量の本発明の化合物又はその薬学的に許容される塩と接触させることによる阻害方法を提供する。別の実施形態において、本発明は、病気の治療を必要とする対象における、K−Ras、H−Ras、又はN−Ras G12C活性により媒介される、病気の治療方法を提供する。
いくつかの実施形態では、本発明は、癌の治療を必要とする個体に、治療に有効な量の本発明の化合物又はその薬学的に許容される塩、又は本発明の医薬組成物を投与することを含む、癌の治療方法を提供する。いくつかの実施形態では、個体はヒトである。いくつかの実施形態では、投与することは経口経路を介する。いくつかの実施形態では、投与することは注射を介する。いくつかの実施形態では、癌はK−Ras G12C、H−Ras G12C、又はN−Ras G12C変異により媒介される。いくつかの実施形態では、癌はK−Ras G12C変異により媒介される。いくつかの実施形態では、癌は血液学的癌、膵癌、MYH随伴ポリポーシス、結腸直腸癌、又は肺癌である。一実施形態では、癌は肺癌、結腸直腸癌、虫垂癌、又は膵癌である。一実施形態において、癌は結腸直腸癌である。別の実施形態において、癌は膵癌である。いくつかの実施形態では、癌は肺腺癌である。
いくつかの実施形態では、本発明は、K−Ras G12C、H−Ras G12C、及びN−Ras G12Cからなる群から選択される変異タンパク質の活性を制御する方法であって、変異タンパク質を本発明の化合物又はその薬学的に許容される塩と反応させることを含む方法を提供する。
いくつかの実施形態では、本発明は、細胞集団の増殖の阻害方法であって、細胞集団を本発明の化合物又はその薬学的に許容される塩と接触させることを含む方法を提供する。いくつかの実施形態では、増殖の阻害は、細胞集団の細胞生存能の低下として測定される。
いくつかの実施形態では、本発明は、疾患の治療を必要とする対象における、K−Ras G12C、H−Ras G12C、及びN−Ras G12Cからなる群から選択される変異により媒介される疾患の治療方法であって、個体が変異を有するか否かを測定することと、個体が変異を有する場合、個体に、治療に有効な量の本発明の化合物又はその薬学的に許容される塩、又は本発明の医薬組成物を投与することを含む、方法を提供する。いくつかの実施形態では、疾患はK−Ras G12C変異により媒介される。いくつかの実施形態では、疾患は癌である。いくつかの実施形態では、癌は血液学的癌、膵癌、MYH随伴ポリポーシス、結腸直腸癌、又は肺癌である。一実施形態では、癌は肺癌、結腸直腸癌、虫垂癌、又は膵癌である。一実施形態において、癌は結腸直腸癌である。別の実施形態において、癌は膵癌である。いくつかの実施形態では、癌は肺腺癌である。
いくつかの実施形態では、本発明は、標識されたK−Ras G12C、H−Ras G12C、又はN−Ras G12C変異タンパク質の調製方法であって、K−Ras G12C、H−Ras G12C、又はN−Ras G12C変異タンパク質を本発明の化合物又はその薬学的に許容される塩と反応させて、標識されたK−Ras G12C、H−Ras G12C、又はN−Ras G12C変異タンパク質を得ることを含む方法を提供する。
いくつかの実施形態では、本発明は、腫瘍転移の阻害を必要とする個体に、治療に有効な量の本発明の化合物又はその薬学的に許容される塩、又は本発明の医薬組成物を、腫瘍転移の阻害を必要とする個体に投与することを含む、腫瘍転移の阻害方法を提供する。
いくつかの実施形態では、本発明は、癌を治療するための薬剤の製造における、本発明の化合物又はその薬学的に許容される塩の使用を提供する。いくつかの実施形態では、薬剤は経口投与用に製剤化される。いくつかの実施形態では、薬剤は注射用に製剤化される。いくつかの実施形態では、癌はK−Ras G12C、H−Ras G12C、又はN−Ras G12C変異により媒介される。いくつかの実施形態では、癌はK−Ras G12C変異により媒介される。いくつかの実施形態では、癌はH−Ras G12C変異により媒介される。いくつかの実施形態では、癌はN−Ras G12C変異により媒介される。いくつかの実施形態では、癌は血液学的癌、膵癌、MYH随伴ポリポーシス、結腸直腸癌、又は肺癌である。一実施形態では、癌は肺癌、結腸直腸癌、虫垂癌、又は膵癌である。一実施形態において、癌は結腸直腸癌である。別の実施形態において、癌は膵癌である。いくつかの実施形態では、癌は肺腺癌である。いくつかの実施形態では、本発明は、腫瘍転移を阻害するための薬剤の製造における、本発明の化合物又はその薬学的に許容される塩の使用を提供する。
いくつかの実施形態では、本発明は、治療法によるヒト又は動物の体の治療方法に使用するための、本発明の化合物又はその薬学的に許容される塩、又は本発明の医薬組成物を提供する。いくつかの実施形態では、本発明は、癌の治療方法で使用するための、本発明の化合物又はその薬学的に許容される塩、又は本発明の医薬組成物を提供する。いくつかの実施形態では、癌はK−Ras G12C、H−Ras G12C、又はN−Ras G12C変異により媒介される。いくつかの実施形態では、癌はK−Ras G12C変異により媒介される。いくつかの実施形態では、癌はH−Ras G12C変異により媒介される。いくつかの実施形態では、癌はN−Ras G12C変異により媒介される。いくつかの実施形態では、癌は血液学的癌、膵癌、MYH随伴ポリポーシス、結腸直腸癌、又は肺癌である。一実施形態では、癌は肺癌、結腸直腸癌、虫垂癌、又は膵癌である。一実施形態において、癌は結腸直腸癌である。別の実施形態において、癌は膵癌である。いくつかの実施形態では、癌は肺腺癌である。いくつかの実施形態では、本発明は、腫瘍転移の阻害方法で使用するための、本発明の化合物又はその薬学的に許容される塩、又は本発明の医薬組成物を提供する。
本明細書において、肺癌を有する患者における肺癌の治療方法であって、治療に有効な量の、本明細書で記載される化合物又はその薬学的に許容される塩(又はこれらを含む医薬組成物)を患者に投与することを含む方法を更に提供する。一実施形態では、肺癌は非小細胞肺癌(NSCLC)である。NSCLCは例えば、腺癌、扁平上皮細胞肺癌、又は大細胞肺癌であることができる。別の実施形態において、肺癌は小細胞肺癌である。更に別の実施形態において、肺癌は腺腫瘍、カルチノイド腫瘍、又は未分化癌腫である。肺癌はI期又はII期の肺癌であることができる。一実施形態において、肺癌はIII期又はIV期の肺癌であることができる。本明細書において提供する方法としては、1Lの治療法として化合物を投与することを挙げられる。一実施形態では、肺癌はG12C KRas変異を含む。
本明細書において、依然として更に、膵癌を有する患者における膵癌の治療方法であって、治療に有効な量の、本明細書で記載される化合物又はその薬学的に許容される塩を患者に投与することを含む方法を提供する。一実施形態では、患者は以前に放射線、及び1つ以上の化学療法剤で治療を受けている。一実施形態では、膵癌は0期、I期、又はII期である。別の実施形態では、膵癌はIII期又はIV期である。一実施形態では、膵癌はG12C KRas変異を含む。
本明細書において、依然として更に、大腸癌を有する患者における大腸癌の治療方法であって、治療に有効な量の、本明細書で記載される化合物又はその薬学的に許容される塩を患者に投与することを含む方法を提供する。一実施形態では、大腸癌はI期又はII期である。別の実施形態では、大腸癌はIII期又はIV期である。一実施形態では、大腸癌はG12C KRas変異を含む。
更に、アゴニストG12C変異KRas媒介癌である腫瘍の治療方法を本明細書で提供する。このような方法の一実施形態において、方法は、
a. 癌の疑いがあると診断された患者から採取したサンプルにおける、KRas G12C変異の有無を測定することと、
b. 患者に、治療に有効な量の、本明細書で記載される化合物又はその薬学的に許容される塩を投与することと、
c. を含む。
このような方法の一実施形態において、患者は、本明細書で記載される癌を有すると診断される。このような方法の別の実施形態において、サンプルは、対象から採取した腫瘍サンプルである。このような一実施形態において、サンプルは、あらゆる治療法の投与前に採取される。このような別の実施形態において、サンプルは、本明細書で記載される化合物またはその薬学的に許容される塩の投与前、及び、別の化学療法剤の投与後に採取される。このような方法の別の実施形態において、本明細書で記載される化合物又はその薬学的に許容される塩は、本明細書において提供されるとおりに(例えば経口)投与される。
用量及び投与
本発明は、治療に有効な量の本発明の化合物又はその薬学的に許容される塩、及び少なくとも1つの治療上不活性な賦形剤を含有する医薬組成物又は薬剤、並びに、このような組成物及び薬剤を調製するための本発明の化合物の使用方法を提供する。
それ故、一実施形態は、治療に有効な量の本発明の化合物又はその薬学的に許容される塩を含む、医薬組成物を含む。更なる実施形態は、薬学的に許容される賦形剤を含む医薬組成物と共に、治療に有効な量の本発明の化合物又はその薬学的に許容される塩を含む。
一例では、所望の純度を有する、治療に有効な量の本発明の化合物又はその薬学的に許容される塩を、生理学的に許容される賦形剤、即ち、周囲温度及び適切なpHにおける剤形で用いられる用量及び濃度において、レシピエントに対して無毒性である賦形剤と混合することにより、製剤化することができる。製剤のpHは主に、特定の使用及び化合物の濃度に左右されるが、典型的には、約3〜約8のどこかの範囲に収まる。一例では、本発明の化合物又はその薬学的に許容される塩は、アセテート緩衝液中でpH5にて製剤化される。別の実施形態において、本発明の化合物又はその薬学的に許容される塩は、滅菌されている。本発明の化合物又はその薬学的に許容される塩は、例えば固体若しくは非晶質組成物として、凍結乾燥した製剤として、又は水溶液として保存することができる。
組成物は、良好な医事に合わせた様式で製剤化、投薬、及び投与される。本文脈で考慮すべき要因としては、治療される特定の疾患、疾患の重症度、治療される特定の患者、個々の患者の臨床状態、疾患の原因、作用物質の送達部位、投与方法、投与スケジュール、及び医師に公知の他の要因が挙げられる。投与される本発明の化合物又はその薬学的に許容される塩の「治療に有効な量」は、このようなことを考慮して管理され、K−Ras、H−Ras、及び/又はN−Ras活性を阻害するのに必要な最小量である。典型的には、このような量は、通常の細胞、又は患者全体に毒性である量を下回り得る。
適用のための薬学的組成物(又は製剤)は、薬物を投与するために使用される方法に応じて多様な方法で包装されてもよい。一般的に、分配用物品は、薬学的製剤をその中に適した形態で配置した容器を含む。好適な容器は、当業者に周知であり、ボトル(プラスチック及びガラス)、小袋、アンプル、プラスチックバッグ、金属シリンダーなどの材料が挙げられる。容器はまた、パッケージの内容物への不用意なアクセスを防止するための不正開封防止アセンブリを含んでもよい。加えて、容器は、容器の内容物について記載するラベルを、容器上に配置することができる。ラベルはまた、適切な注意書き含んでいてもよい。
徐放性調製物を調製してもよい。徐放性調製物の好適例としては、マトリックスが造形物、例えばフィルム又はマイクロカプセルである、治療に有効な量の本発明の化合物又はその薬学的に許容される塩を含有する固体疎水性ポリマーの半透性マトリックスが挙げられる。持続放出性マトリックスの例には、ポリエステル、ヒドロゲル(例えば、ポリ(2−ヒドロキシエチル−メタクリレート)、又はポリ(ビニルアルコール))、ポリラクチド、L−グルタミン酸とγ−L−グルタミン酸エチルとのコポリマー、非分解性エチレン酢酸ビニル、LUPRON DEPOT(商標)などの分解性の乳酸−グリコール酸コポリマー(乳酸−グリコール酸コポリマー及び酢酸ロイプロリドから構成される注射用ミクロスフェア)、並びにポリ−D−(−)−3−ヒドロキシ酪酸が挙げられる。
ヒト患者を治療するための用量は、約0.01mg〜約1000mgの本発明の化合物又はその薬学的に許容される塩の範囲で変動し得る。例えば、成人したヒトの治療において、1日当たり0.01〜1000mg、0.5〜100mg、1〜1〜50mg、及び1日当たり5〜40mgの用量が、いくつかの実施形態で使用される用量の例である。例示的な用量は、1日当たり10〜30mgである。正確な用量は、投与経路、化合物が投与される形態、治療される対象、治療される対象の体重、並びに、主治医の好み及び経験に左右されるであろう。用量は、特定の化合物の吸収、分布、代謝、及び排泄を含む、薬物動態学及び薬力学的性質に応じて1日1回(QD)、1日2回(BID)、又はより頻繁に投与することができる。加えて、毒性因子は、用量及び投与レジメンに影響を及ぼし得る。経口投与されるとき、丸薬、カプセル、又は錠剤を、明記された時間周期で毎日、又はそれより間隔を開けて経口摂取してよい。このレジメンは、所定回数の治療サイクルの間繰り返すことができる。
治療に有効な量の本発明の化合物又はその薬学的に許容される塩は、経口投与、局所投与(頬及び舌下を含む)、直腸投与、膣内投与、経皮投与、非経口投与、皮下投与、腹腔内投与、肺内投与、皮内投与、髄腔内投与、硬膜外及び経鼻投与、並びに、局所治療で望ましい場合、病巣内投与を含む任意の好適な方法により、投与することができる。非経口輸注としては、筋肉内、静脈内、動脈内、腹腔内、又は皮下投与が挙げられる。
治療に有効な量の本発明の化合物又はその薬学的に許容される塩は、任意の便利な投与形態、例えば錠剤、粉末、カプセル、溶液、分散液、懸濁液、シロップ剤、スプレー、座薬、ゲル、エマルション、貼付剤などで、投与されることができる。このような組成物は、医薬品における従来の構成成分、例えば希釈剤、担体、pH調整剤、甘味料、充填剤、及び更なる活性剤を含有することができる。
典型的な製剤は、治療に有効な量の本発明の化合物又はその薬学的に許容される塩と、賦形剤とを混合することにより調製される。好適な賦形剤としては、担体(例えば微結晶セルロース、ラクトース、マンニトール)、溶媒(例えば液体ポリエチレングリコール)、乳化剤及び分散剤又は湿潤剤(例えばドデシル硫酸ナトリウム、ポリオキシソルビタンオレエート)、結合剤(例えばポリビニルピロリドン)、合成及び天然ポリマー(例えばアルブミン)、安定剤(例えば酸化防止剤、例えばアスコルビン酸)、着色剤(例えば無機顔料、例えば酸化鉄)、並びに味及び/又は匂い補正薬が挙げられ、当業者に周知であり、例えばAnsel,H.C.,et al.,Ansel’s Pharmaceutical Dosage Forms and Drug Delivery Systems.Philadelphia:Lippincott,Williams&Wilkins,2004;Gennaro,Alfonso R.,et al.Remington:The Science and Practice of Pharmacy.Philadelphia:Lippincott,Williams&Wilkins,2000;及びRowe,R.C.,Handbook of Pharmaceutical Excipients,Chicago,Pharmaceutical Press,2005に詳細に記載されている。製剤は、1つ以上の緩衝剤、界面活性剤、潤滑剤、懸濁化剤、防腐剤、不透明化剤、滑剤、加工助剤、甘味料、香料、香料添加剤、希釈剤、及び、薬物(即ち、本発明の化合物若しくはその医薬組成物)の上品な見栄えを付与する、又は、薬学製品(即ち薬剤)の製造を補助する、他の既知の添加剤もまた含むことができる。
特定の実施形態において、経口使用のための医薬品は、1つ以上の固体賦形剤を、1つ以上の本明細書で記載される化合物と混合し、任意に、得られた混合物を研磨し、顆粒の混合物を、所望する場合好適な助剤を添加した後加工し、錠剤又は糖衣核を得ることにより得られる。好適な賦形剤は特に、ラクトース、スクロース、マンニトール、若しくはソルビトールを含む、糖類などの充填剤;セルロース調製物(例えば、トウモロコシデンプン、小麦デンプン、コメデンプン、バレイショデンプン、ゼラチン、トラガカントゴム、メチルセルロース、微結晶セルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウムなど);又はその他の賦形剤(PVP若しくはポビドン)若しくはリン酸カルシウムである。特定の実施形態において、崩壊剤が所望により添加される。崩壊剤としては、単に例として、架橋クロスカルメロースナトリウム、ポリビニルピロリドン、寒天、又はアルギン酸、若しくは、アルギン酸ナトリウムなどのその塩が挙げられる。
一実施形態では、糖衣核及び錠剤などの用量剤形は、1つ以上の好適なコーティング剤とともに提供される。特定の実施形態において、濃縮糖溶液は、用量剤形をコーティングするために使用される。糖溶液は任意に、単に例として、アラビアゴム、タルク、ポリビニルピロリドン、カーボポールゲル、ポリエチレングリコール、及び/又は二酸化チタン、ラッカー溶液、並びに好適な有機溶媒又は溶媒混合液などの追加の構成成分を含有する。染料及び/又は顔料もまた任意に、識別のためにコーティング剤に添加される。更に、染料及び/又は顔料は任意に、活性化合物の用量の異なる組み合わせを識別するために利用される。
特定の実施形態において、治療に有効な量の、本明細書で記載される化合物の少なくとも1つは、他の経口用量剤形に製剤化される。経口用量剤形としては、ゼラチン製のプッシュフィットカプセル、並びに、ゼラチン及び可塑剤(例えばグリセロール又はソルビトール)製の、封止ソフトカプセルが挙げられる。特定の実施形態において、プッシュフィットカプセルは、1つ以上の充填剤との混合体の有効成分を含有する。充填剤としては、単に例として、ラクトース、デンプンなどの結合剤、及び/又はタルク若しくはステアリン酸マグネシウムなどの潤滑剤、及び任意に、安定剤を含む。別の実施形態において、ソフトカプセルは、好適な液体に溶解又は懸濁した、1つ以上の活性化合物を含有する。好適な液体としては、単に例として、1つ以上の脂肪族油、流動パラフィン、又は液体ポリエチレングリコールを含む。加えて、安定剤が任意に添加される。
別の実施形態において、治療に有効な量の、本明細書で記載される化合物の少なくとも1つが、頬又は舌下投与のために製剤化される。頬又は舌下投与に好適な製剤としては、単に例として、錠剤、ロゼンジ、又はゲルが挙げられる。更に他の実施形態では、本明細書で記載される化合物は、ボーラス注射又は連続点滴に好適な製剤を含む、非経口投与のために製剤化される。特定の実施形態において、注射用製剤は、単位用量剤形にて(例えばアンプルにて)、又は複数回投与用容器にて提示される。防腐剤は任意に、注射製剤に添加される。更に他の実施形態では、医薬組成物は、油性又は水性ビヒクル内での滅菌懸濁液、溶液、又はエマルションといった、非経口注射に好適な形態に製剤化される。非経口注射製剤は任意に、懸濁化剤、安定化剤、及び/又は分散剤などの製剤化剤を含有する。特定の実施形態において、非経口的投与用の薬学的配合物としては、水溶性形態の、活性化合物の水溶液が挙げられる。更なる実施形態において、本発明の化合物又はその薬学的に許容される塩の懸濁液は、適切な油性注射懸濁液として調製される。本明細書に記載する医薬組成物で使用するための好適な親油性溶媒又はビヒクルとしては、単に例として、ゴマ油などの脂肪性油、又は、オレイン酸エチル若しくはトリグリセリドなどの合成脂肪酸エステル、又はリポソームが挙げられる。特定の実施形態において、水性注射懸濁液は、ナトリウムカルボキシメチルセルロース、ソルビトール、又はデキストランなどの、懸濁液の粘度を増加させる物質を含有する。任意に、懸濁液は、化合物の溶解度を増加させて高濃度溶液の調製を可能にする、好適な安定剤又は作用物質を含有する。あるいは、他の実施形態において、活性成分は、好適なビヒクル、例えば滅菌した発熱性物質除去水との構成のために、使用前に粉末形態である。
特定の実施形態において、医薬組成物は、活性化合物を調製物に加工するのを容易にする、薬学的に使用可能な1つ以上の生理学的に許容される賦形剤及び助剤を使用して、任意の従来の方法で製剤化される。適切な製剤は、選択する投与経路によって変わる。あらゆる製薬上許容できる技術及び賦形剤を、任意に好適に使用する。治療に有効な量の本発明の化合物又はその薬学的に許容される塩を含む医薬組成物は、単に例として、従来の混合、溶解、顆粒化、糖衣作製、湿式粉砕、乳化、カプセル化、封入、又は圧縮プロセスの手段といった従来の方法で製造される。
医薬組成物は、少なくとも1つの薬学的に許容される賦形剤と、活性成分としての、本明細書で記載される治療に有効な量の本発明の化合物又はその薬学的に許容される塩とを含む。活性成分は遊離酸若しくは遊離塩基形態である、又は、薬学的に許容される塩形態である。更に、本明細書に記載する方法及び医薬組成物は、N−オキシド、結晶形(多形体としても知られている)、及び、同じ種類の活性を有するこれらの化合物の活性化代謝物の使用を含む。本明細書で記載される化合物に全ての互変異性体は、本明細書で提示される化合物の範囲に含まれる。更に、本明細書で記載される化合物は、薬学的に許容される溶媒(例えば水、エタノールなど)との、非溶媒和及び溶媒和形態を包含する。本明細書で提示される化合物の溶媒和形態もまた、本明細書にて開示されていると考えられる。更に、医薬組成物は任意に、保存剤、安定化剤、湿潤化剤、若しくは乳化剤、溶液促進剤、浸透圧を制御するための塩、緩衝剤、及び/又は、その他の治療上価値のある物質などの、他の医薬品又は薬学的作用物質を含む。
本明細書で記載される治療に有効な量の本発明の化合物又はその薬学的に許容される塩を含む組成物の製造法としては、本発明の化合物又はその薬学的に許容される塩を、1つ以上の不活性な薬学的に許容される賦形剤と共に製剤化して、固体、半固体、又は液体を形成することが挙げられる。固体組成物としては、粉末、錠剤、分散性顆粒、カプセル、カシェ剤、及び座薬が挙げられるが、これらに限定されない。液体組成物としては、化合物が溶解した溶液、化合物を含むエマルション、又は、本明細書で開示した化合物を含むリポソーム、ミセル、若しくはナノ粒子を含有する溶液が挙げられる。半固体組成物としては、ゲル、懸濁液、及びクリームが挙げられるが、これらに限定されない。本明細書で記載した医薬組成物の形態としては、溶液又は懸濁液、使用前に液体中の溶液若しくは懸濁液に、又はエマルションとして好適な固体状態が挙げられる。これらの組成物は任意に、微量の無毒性補助物質、例えば湿潤剤又は乳化剤、pH緩衝剤などもまた含有する。
いくつかの実施形態では、治療に有効な量の本発明の化合物又はその薬学的に許容される塩を含む医薬組成物は説明上、作用物質が溶液中、懸濁液中、又はこれら両方の中に存在する液体の形態を取る。典型的には、組成物が溶液又は懸濁液として投与されるとき、作用物質の第1の部分は溶液中に存在し、作用物質の第2の部分は微粒子形態、液体マトリックス内の懸濁液にて存在する。いくつかの実施形態では、液体組成物はゲル製剤を含む。他の実施形態では、液体組成物は水性である。
特定の実施形態において有用な水性懸濁液は、沈殿防止剤としての1つ以上のポリマーを含有する。有用なポリマーとしては、セルロース系ポリマーなどの水溶性ポリマー(例えばヒドロキシプロピルメチルセルロース)、及び、非水溶性ポリマー(例えば架橋型カルボキシル含有ポリマー)が挙げられる。本明細書で記載した特定の医薬組成物は、例えば、カルボキシメチルセルロース、カルボマー(アクリル酸ポリマー)、ポリ(メチルメタクリレート)、ポリアクリルアミド、ポリカルボフィル、アクリル酸/アクリル酸ブチルコポリマー、アルギン酸ナトリウム、及びデキストランから選択される粘膜付着性ポリマーを含む。
有用な医薬組成物はまた、任意に、本発明の化合物又はその薬学的に許容される塩の溶解度に関して有用な可溶化剤を含む。用語「可溶化剤」としては、一般に、作用物質のミセル溶液又は真溶液の形成をもたらす作用物質が挙げられる。許容される特定の非イオン性界面活性剤、例えばポリソルベート80は、眼科領域にて許容されるグリコール、ポリグリコール、例えばポリエチレングリコール400、及びグリコールエーテルであるため、可溶化剤として有用である。
更に、有用な医薬組成物は任意に、酢酸、ホウ酸、クエン酸、乳酸、リン酸、及び塩酸などの酸;水酸化ナトリウム、リン酸ナトリウム、ホウ酸ナトリウム、クエン酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、乳酸ナトリウム、及びトリス−ヒドロキシメチルアミノメタンなどの塩基;並びに、シトレート/デキストロース、重炭酸ナトリウム、及び塩化アンモニウムなどの緩衝剤を含む、1つ以上のpH調整剤又は緩衝剤を含む。このような酸、塩基、及び緩衝剤は、許容される範囲にて組成物のpHを維持するのに必要な量で含まれる。
更に、有用な組成物はまた、任意に、組成物の浸透圧を許容される範囲にするのに必要な量で、1つ以上の塩も含む。このような塩としては、ナトリウム、カリウム、又はアンモニウムカチオンを有し、塩素、クエン酸、アスコルビン酸、ホウ酸、リン酸、重炭酸、硫酸、チオ硫酸、又は亜硫酸水素アニオンを有するものが挙げられ、好適な塩としては塩化ナトリウム、塩化カリウム、チオ硫酸ナトリウム、亜硫酸水素ナトリウム、及び硫酸アンモニウムが挙げられる。
他の医薬組成物は任意に、細菌活性を阻害する1つ以上の防腐剤を含む。好適な防腐剤としては、メルフェン及びチオマーサルなどの水銀含有物質;安定化した二酸化塩素;並びに、塩化ベンザルコニウム、臭化セチルトリメチルアンモニウム、及び塩化セチルピリジニウムなどの第四級アンモニウム化合物が挙げられる。
更に別の有用な組成物としては、物理的安定性を向上させるため、又は他の目的のための、1つ以上の界面活性剤が挙げられる。好適な非イオン性界面活性剤としては、ポリオキシエチレン脂肪酸グリセリド及び植物油、例えばポリオキシエチレン(60)硬化ヒマシ油;並びに、ポリオキシエチレンアルキルエーテル及びアルキルフェニルエーテル、例えばオクトキシノール10、オクトキシノール40が挙げられる。
更に別の有用な組成物としては、必要な場合に化学的安定性を向上させるための、1つ以上の酸化防止剤が挙げられる。好適な酸化防止剤としては、単に例として、アスコルビン酸及びメタ重亜硫酸ナトリウムが挙げられる。
特定の実施形態において、水性懸濁液組成物は、単回投与式の再密閉不可能な容器にパッケージされる。あるいは複数回投与式の再密閉可能な容器を使用し、この場合、組成物中に防腐剤を含めるのが典型的である。
代替実施形態において、疎水性薬学的化合物用の他のデリバリーシステムが用いられる。リポソーム及びエマルションが、本明細書で有用な送達用ビヒクル又は賦形剤の例である。特定の実施形態において、N−メチルピロリドンなどの有機溶媒もまた用いられる。更なる実施形態において、本明細書で記載される化合物は、治療剤を含有する固体疎水性ポリマーの半透性マトリックスといった、徐放性システムを使用して送達される。様々な徐放性物質が、本明細書にて有用である。いくつかの実施形態では、徐放性カプセルは化合物を、数週間から最大100日を超えるまで放出する。
本発明は更に、上で定義した少なくとも1つの活性成分と、活性成分用の獣医用賦形剤を共に含む、獣医用組成物を提供する。獣医用賦形剤は、組成物を投与する目的のために有用な物質であり、別様においては、獣医学の技術分野にて不活性であるか又は許容され、かつ活性成分と適合性のある、固体、液体、又は気体物質であることができる。これらの獣医用組成物は、非経口で、経口で、又は任意の他の所望の経路によって投与されてもよい。
併用療法
本発明の化合物又はその薬学的に許容される塩は、本明細書で記載される病気又は疾患の治療のために、単独で、又は、他の治療剤と組み合わせて使用することができる。薬学的に組み合わせた製剤又は投与レジメンの第2の化合物は、好ましくは、互いに悪影響を与えないように、本発明の化合物又はその薬学的に許容される塩に対して相補的な活性を有する。併用療法は「相乗作用」を提供し、「相乗的な」、すなわち、共に使用される活性成分が化合物を別個に使用することからもたらされる効果の合計より大きい場合に達成される効果を証明し得る。
併用療法は同時レジメン、又は逐次レジメンとして投与することができる。逐次的に投与される場合、組み合わせは、2つ以上の投与において投与される。併用投与としては、別個の製剤又は単一の薬学的製剤を使用する共投与、及びいずれかの順番での連続投与が挙げられ、好ましくは、両方の(又は全ての)活性剤が同時にその生物学的活性を発揮する時間があることが好ましい。
それ故、本発明に従った併用療法は、本発明の化合物又はその薬学的に許容される塩の投与、及び、少なくとも1つの別の治療法の使用を含む。本発明の化合物又はその薬学的に許容される塩、及びに他の薬学的活性剤の量、並びに相対的な投与のタイミングは、所望の組み合わせの治療効果を達成するために選択される。
方法の様々な実施形態において、追加の治療剤は、上皮成長因子受容体(EGFR)阻害剤、ホスファチジルイノシトールキナーゼ(PI3K)阻害剤、インスリン様成長因子受容体(IGF1R)阻害剤、Janusキナーゼ(JAK)阻害剤、Metキナーゼ阻害剤、SRCファミリーキナーゼ阻害剤、マイトジェン活性化タンパク質キナーゼ(MEK)阻害剤、細胞外シグナル制御キナーゼ(ERK)阻害剤、トポイソメラーゼ阻害剤(イリノテカンなど、若しくはエトポシドなど、若しくはドキソルビシンなど)、タキサン(パクリタキセル及びドセタキセルを含む抗微小管阻害剤など)、代謝拮抗剤(5−FUなど、若しくはゲムシタビンなど)、又はアルキル化剤(シスプラチンなど、若しくはシクロホスファミドなど)、又はタキサンである。
いくつかの実施形態では、追加の治療剤はエルロチニブなど、又はアファチニブなどの、上皮成長因子受容体(EGFR)阻害剤である。いくつかの実施形態では、追加の治療剤はイレッサである。いくつかの実施形態では、追加の治療剤はセツキシマブ(エルビタックス)又はパニツムマブ(ベクティビックス)などのモノクローナル抗体である。いくつかの実施形態では、GFR阻害剤は二重又は汎HER阻害剤である。別の実施形態において、追加の治療薬はホスファチジルイノシトール−3−キナーゼ(PI3K)阻害剤、例えばGDC−0941、MLN1117、BYL719(アルペリシブ)又はBKM120(ブパルリシブ)である。GDC−0941は、2−(1H−インダゾール−4−イル)−6−(4−メタンスルホニル−ピペラジン−1−イルメチル)−4−モルホリン−4−イル−チエノ[3,2−d]ピリミジン、又はその塩(例えばビスメシレート塩)を意味する。
更に異なる実施形態において、追加の治療剤はインスリン様成長因子受容体(IGF1R)阻害剤である。例えば、いくつかの実施形態では、インスリン様成長因子受容体(IGF1R)阻害剤はNVP−AEW541である。他の実施形態では、追加の治療剤はIGOSI−906(リンシチニブ)、BMS−754807である。又は、他の実施形態において、追加の治療剤はIGF1Rに特異的な中和モノクローナル抗体、例えばAMG−479(ガニツマブ)、CP−751、871(フィジツムマブ)、IMC−A12(シクスツムマブ)、MK−0646(ダロツズマブ)、又はR−1507(ロバツムマブ)である。
他のいくつかの実施形態において、追加の治療剤はJanusキナーゼ(JAK)阻害剤である。いくつかの実施形態では、追加の治療剤はCYT387、GLPG0634、バリシチニブ、レスタウルチニブ、モメロチニブ、パクリチニブ、ルキソリチニブ、又はTG101348である。
他のいくつかの実施形態において、追加の治療剤は抗グリピカン3抗体である。いくつかの実施形態では、抗グリピカン3抗体はコドリツズマブである。
他のいくつかの実施形態において、追加の治療薬は抗体薬剤抱合体(ADC)である。いくつかの実施形態では、ADCはポラツズマブベトチン、RG7986、RG7882、RG6109、又はRO7172369である。
他のいくつかの実施形態において、追加の治療剤はMDM2アンタゴニストである。いくつかの実施形態では、MDM2アンタゴニストはイダサヌツリンである。
他のいくつかの実施形態において、追加の治療剤はCD40に対するアゴニスト抗体である。いくつかの実施形態では、CD40に対するアゴニスト抗体はセリクレルマブ(RG7876)である。
他のいくつかの実施形態において、追加の治療剤は二重特異性抗体である。いくつかの実施形態では、二重特異性抗体はRG7828(BTCT4465A)、RG7802、RG7386(FAP−DR5)、RG6160、RG6026、ERY974、又は抗−HER2/CD3である。
他のいくつかの実施形態において、追加の治療剤は標的化された免疫サイトカインである。いくつかの実施形態では、標的化された免疫サイトカインはRG7813又はRG7461である。
他のいくつかの実施形態において、追加の治療剤は、コロニー刺激因子1受容体(CSF−1R)を標的化する抗体である。いくつかの実施形態では、CSF−1R抗体はエマクツズマブである。
他のいくつかの実施形態において、追加の治療剤は個人化された癌ワクチンである。いくつかの実施形態では、個人化された癌ワクチンはRG6180である。
他のいくつかの実施形態において、追加の治療剤はBET(ブロモドメイン及び末端外ファミリー)タンパク質(BRD2/3/4/T)の阻害剤である。いくつかの実施形態では、BET阻害剤はRG6146である。
他のいくつかの実施形態において、追加の治療剤はTIGITに結合するように設計された抗体である。いくつかの実施形態では、抗TIGIT抗体はRG6058(MTIG7192A)である。
他のいくつかの実施形態において、追加の治療剤は選択性エストロゲン受容体分解剤(SERD)である。他のいくつかの実施形態において、SERDはRG6047(GDC−0927)又はRG6171(GDC−9545)である。
他のいくつかの実施形態において、追加の治療剤は、クリゾチニブ、ティバンチニブ、AMG337、カボザンチニブ、又はフォレチニブである。その他の実施形態では、追加の治療剤は、オナルツブマブなどの、メチオニンに対する中和モノクローナル抗体である。
更なる実施形態において、追加の治療剤はSRCファミリー非チロシンキナーゼ阻害剤である。例えば、いくつかの実施形態では、追加の治療剤は、SRCファミリー非受容体型チロシンキナーゼのサブファミリーの阻害剤である。本態様の例示的な阻害剤としては、ダサチニブが挙げられる。これに関する他の例としては、ポナチニブ、サラカチニブ、及びボスチニブが挙げられる。
更に異なる実施形態において、追加の治療剤は、マイトジェン活性化タンパク質キナーゼ(MEK)阻害剤である。これらの実施形態のいくつかにおいて、マイトジェン活性化タンパク質キナーゼ(MEK)阻害剤はトラメチニブ、セルメチニブ、COTELLIC(登録商標)(コビメチニブ)、PD0325901、又はRO5126766である。その他の実施形態では、MEK阻害剤は、トラメチニブとしても知られている、GSK−1120212である。
更に異なる実施形態において、追加の治療剤は、細胞外シグナル制御キナーゼ(ERK)阻害剤である。これらの実施形態のいくつかにおいて、マイトジェン活性化タンパク質キナーゼ(MEK)阻害剤は、SCH722984又はGDC−0994である。
他の実施形態では、プロテインキナーゼ阻害剤はタセリシブ、イパタセリチブ、GDC−0575、GDC−5573(HM95573)、RG6114(GDC−0077)、CKI27、アファチニブ、アキシチニブ、アテゾリズマブ、ベバシズマブ、ボスツチニブ、セツキシマブ、クリゾチニブ、ダサチニブ、エルロチニブ、フォスタマチニブ、ゲフィチニブ、イマチニブ、ラパチニブ、レンバチニブ、イブルチニブ、ニロチニブ、パニツムマブ、パゾパニブ、ペガプタニブ、ラニビズマブ、ルキソリチニブ、ソラフェニブ、スニチニブ、SU6656、トラスツズマブ、トファシチニブ、バンデタニブ、又はベムラフェニブである。依然として更なる実施形態において、追加の治療剤はトポイソメラーゼ阻害剤である。これらの実施形態のいくつかにおいて、トポイソメラーゼ阻害剤はイリノテカンである。いくつかの更なる実施形態において、追加の治療剤はタキサンである。例示的なタキサンとしては、タキソール及びドセタキセルが挙げられる。
上記の追加の治療剤に加えて、他の化学療法が現在、当該技術分野において公知であり、本発明の化合物と組み合わせて使用することができる。いくつかの実施形態では、化学療法は、分裂抑制剤、アルキル化剤、代謝拮抗薬、挿入抗生物質、成長因子阻害剤、細胞周期阻害剤、酵素、トポイソメラーゼ阻害剤、生体応答調節剤、抗ホルモン、血管新生阻害剤、及び抗アンドロゲン剤からなる群から選択される。
非限定例は、化学療法剤、細胞毒性剤、Gleevec(登録商標)(メシル酸イマチニブ)、Velcade(登録商標)(ボルテゾミブ)、カソデックス(ビカルタミド)、Iressa(登録商標)(ゲフィチニブ)、及びアドリアマイシンなどの非ペプチド低分子、加えて、化学療法剤の宿主である。化学療法剤の非限定例としては、チオテパ及びシクロスホスファミド(CYTOXAN(商標))などのアルキル化剤;ブスルファン、インプロスルファン、及びピポスルファンなどのアルキルスルホネート;ベンゾドーパ、カルボコン、メツレドーパ、及びウレドーパなどのアジリジン;アルトレタミン、トリエチレンメラミン、トリエチレンホスホラミド、トリエチレンチオホスホラミド、及びトリメチロールメラミンを含むエチレンイミン及びメチルメラミン;クロラムブシル、クロルナファジン、シクロホスファミド、エストラムスチン、イホスファミド、メクロレタミン、メクロレタミンオキシド塩酸塩、メルファラン、ノベンビチン、フェネステリン、プレドニマスチン、トロホスファミド、ウラシルマスタードなどのナイトロジェンマスタード;カルマスティン、クロロゾトシン、フォテムスチン、ロムスチン、ニムスチン、ラニムスチンなどのニトロソウレア;アクラシノマイシン、アクチノマイシン、アントラマイシン、アザセリン、ブレオマイシン、カクチノマイシン、カリケアマイシン、カラビシン、カルミノマイシン、カルジノフィリン、Casodex(商標)、クロモマイシン、ダクチノマイシン、ダウノルビシン、デトルビシン、6−ジアゾ−5−オキソ−L−ノルロイシン、ドキソルビシン、エピルビシン、エソルビシン、イダルビシン、マルセロマイシン、マイトマイシン、マイコフェノール酸、ノガラマイシン、オリボマイシン、ペプロマイシン、ポトフィロマイシン、ピューロマイシン、ケラマイシン、ロドルビシン、ストレプトニグリン、ストレプトゾシン、ツベルシジン、ウベニメクス、ジノスタチン、ゾルビシンなどの抗生物質;メトトレキサート及び5−フルオロウラシル(5−FU)などの代謝拮抗薬;デノプテリン、メトトレキサート、プテロプテリン、トリメトレキセートなどの葉酸類似体;フルダラビン、6−メルカプトプリン、チアミプリン、チオグアニンなどのプリン類似体;アンシタビン、アザシチジン、6−アザウリジン、カルモフール、シタラビン、ジデオキシウリジネン、ドキシフルリジン、エノシタビン、フロクシウリジンなどのピリミジン類似体;カルステロン、プロピオン酸ドロモスタノロン、エピチオスタノール、メピチオスタン、テストラクトンなどのアンドロゲン;アミノグルテチミド、マイトテイン、トリロスタンなどの抗副腎剤;フォリン酸などの葉酸補充剤;アセグラトン;アルドホスファミドグリコシド;アミノレブリン酸;アムサクリン;ベストラブシル;ビサントレン;エダトレキサート;デフォファミン;デメコルチン;ジアジクオン;エルフォミチン;エリプチニウムアセテート;エトグルシド;硝酸ガリウム;ヒドロキシウレア;レンチナン;ロニダミン;ミトグアゾン;マイトキサントロン;モピダモール;ニトラクリン;ペントスタチン;フェナメット;ピラルビシン;ポドフィリン酸;2−エチルヒドラジド;プロカルバジン;多糖類K;ラゾキサン;シゾフィラン;スピロゲルマニウム;テヌアゾン酸;トリアジクオン;2,2’,2’’−トリクロロトリエチルアミン;ウレタン;ビンデシン;ダカルバジン;マンノムスチン;ミトブロニトール;ミトラクトール;ピポブロマン;ガシトシン;アラビノシド(「Ara−C」);シクロホスファミド;チオテパ;タキサン(例えばパクリタキセル(TAXOL(商標)、Bristol−Myers Squibb Oncology,Princeton,N.J.)及びドセタキセル(TAXOTERE(商標)、Rhone−Poulenc Rorer,Antony,France));レチノイン酸;エスペラミシン;カペシタビン;並びに、上記のいずれかの製薬上許容できる塩、酸、又は誘導体が挙げられる。好適な化学療法細胞調節剤としては、例えば、タモキシフェン(Nolvadex(商標))、ラロキシフェン、アロマターゼ阻害4(5)イミダゾール、4−ヒドロキシタモキシフェン、トリオキシフェン、ケオキシフェン、LY117018、オナプリストン、及びトレミフェン(フェアストン);フルタミド、ニルタミド、ビカルタミド、ロイプロリド、及びゴセレリンなどの抗アンドロゲン剤;クロラムブシル;ゲムシタビン;6−チオグアニン;メルカプトプリン;メトトレキサート;シスプラチン及びカルボプラチンなどの白金類似体;ビンブラスチン;白金;エトポシド(VP−16);イホスファミド;マイトマイシンC;マイトキサントロン;ビンクリスチン;ビノレルビン;ナベルビン;ノバントロン;テニポシド;ダウノマイシン;アミノプテリン;Xeloda(商標);イバンドロネート;カンプトテシン−11(CPT−11);トポイソメラーゼ阻害剤RFS 2000;並びにジフルオロメチルオルニチン(DMFO)を含む抗エストロゲン剤などの、腫瘍におけるホルモン作用を調節又は阻害する作用を持つ抗ホルモン剤もまた挙げられる。所望される場合、本発明の化合物又は医薬組成物を、Herceptin(登録商標)、Avastin(登録商標)、Gazyva(登録商標)、Tecentriq(登録商標)、Alecensa(登録商標)、Perjeta(登録商標)、Venclexta(商標)、Erbitux(登録商標)、Rituxan(登録商標)、Taxol(登録商標)、Arimidex(登録商標)、Taxotere(登録商標)、ABVD、AVICINE、アバゴボマブ、アクリジンカルボキサミド、アデカツムマブ、17−N−アリルアミノ−17−デメトキシゲルダナマイシン、アルファラジン、アルボシジブ、3−アミノピリジン−2−カルボキシアルデヒドチオセミカルバゾン、アモナフィド、アントラセンジオン、抗CD22免疫毒素、抗腫瘍薬、腫瘍発生阻止性薬草、アパジクオン、アチプリモド、アザチオプリン、ベロテカン、ベンダムスチン、BIBW 2992、ビリコダール、ブロスタリシン、ブリオスタチン、ブチオニンスルホキシミン、CBV(化学療法)、カリクリン、細胞周期非特異的抗悪性腫瘍薬、ジクロロ酢酸、ディスコデルモライド、エルサミトルシン、エノシタビン、エポチロン、エリブリン、エベロリムス、エキサテカン、エキスリンド、フェルギノール、フォロデシン、フォスフェストール、ICE化学療法レジメン、IT−101、イメキソン、イミキモド、インドロカルバゾール、イロフルベン、ラニキダール、ラロタキセル、レナリドミド、ルカンソン、ルルトテカン、マフォスファミド、ミトゾロミド、ナフォキシミド、ネダプラチン、オラパリブ、オルタタキセル、PAC−1、ポーポー、ピキサントロン、プロテアソーム阻害剤、レベッカマイシン、レシキモド、ルビテカン、SN−38、サリノスポラミドA、サパシタビン、スタンフォードV、スワインソニン、タラポルフィン、タリキダール、テガフール−ウラシル、テモダール、テセタキセル、トリプラチンテトラニトレート、トリス(2−クロロエチル)アミン、トロキサシタビン、ウラムスチン、バジメザン、ビンフルニン、ZD6126、又はゾスキダールなどの一般に処方される抗癌薬と組み合わせて使用することができる。
化合物及び追加の治療剤を投与する正確な方法は、当業者には明らかであろう。いくつかの例示的な実施形態において、化合物及び追加の治療剤は同時投与される。他の実施形態では、化合物及び追加の治療剤は個別に投与される。
いくつかの実施形態では、化合物及び追加の治療剤は、第2剤と共に同時に、又は個別に投与される。この、組み合わせでの投与としては、同一の用量剤形での2つの作用物質の同時投与、個別の用量剤形での同時投与、及び個別投与を挙げることができる。即ち、本明細書で記載される化合物、及び追加の治療剤のいずれかを、同一の用量剤形にて共に製剤化して、同時投与することができる。あるいは、本明細書で記載される化合物、及び追加の治療剤のいずれかを同時投与することができ、この場合、両方の作用物質が個別の製剤に存在する。別の代替形態において、化合物は、本明細書で記載される追加の治療剤のいずれかの直後に投与することができる、又は、その逆の順序で投与することができる。個別投与プロトコールのいくつかの実施形態では、本明細書で記載される化合物、及び追加の治療剤のいずれかは、数分の間隔、又は数時間の間隔、又は数日の間隔で投与される。
製品
本発明の別の実施形態において、上記の病気及び疾患の治療に有用な物質を含有する製品、又は「キット」を提供する。一実施形態では、キットは、本発明の化合物又はその薬学的に許容される塩を含む容器を含む。本キットは、容器上の、又は容器に関連したラベル又は添付文書を更に含んでもよい。「添付文書」という用語は、そのような治療薬の適応症、使用法、投薬量、投与、禁忌症についての情報、及び/又はその使用に関する警告を含有する、治療薬の商用のパッケージに通例含まれる指示書を指すように使用される。好適な容器としては例えば、瓶、バイアル、シリンジ、ブリスターパックなどが挙げられる。容器は、ガラス又はプラスチックなど様々な材料から形成され得る。容器は、状態の治療に効果的な本発明の化合物又はその薬学的に許容される塩、又はその製剤を保持することができ、かつ、滅菌点検口を有することができる(例えば、容器は静注液バッグ又は皮下注射針で貫通可能なストッパを有するバイアルであることができる)。組成物中の少なくとも1つの活性剤は、本発明の化合物又はその薬学的に許容される塩である。あるいは、又は更に、製品は、注射用静菌水(BWFI)、リン酸塩緩衝生理食塩水、リンゲル液、又はデキストロース溶液などの薬学希釈剤を含む第2の容器を更に含むことができる。製品は、他の緩衝剤、希釈剤、フィルター、針、及びシリンジを含む、商業的観点及びユーザの観点から望ましい他の材料を更に含み得る。
別の実施形態において、キットは、本発明の化合物又はその薬学的に許容される塩の固体経口用形態(例えば錠剤又はカプセル)の送達に好適である。そのようなキットは、多数の単位用量を含むことができる。そのようなキットの例は「ブリスターパック」である。ブリスターパックは包装業界において既知であり、薬学単位用量剤形の包装に幅広く使用されている。
追加の実施形態
追加の実施形態を、本明細書の以下に提供する。
実施形態1:式(I)の化合物:
Figure 2021512136
又はその薬学的に許容される塩。
[式中、
は、K−Ras G12C変異タンパク質の12位において、システイン残基と共有結合を形成可能な求電子部分であり、
は、H、OH、NH、ハロ、C1〜6アルキル、C1〜6ハロアルキル、シクロプロピル、及び−NHR(式中、RはC1〜6アルキル、C1〜6アルコキシ、C1〜6アルカノイル、C1〜6ヒドロキシアルカノイル、C1〜6シアノアルキル、C1〜6アルキルアミノ、−(C1〜6アルキレニル)NH(CH)−(C1〜6)アルキレニル)N(CH、及び−(C1〜3)アルキレニル(3〜7員ヘテロシクリル)からなる群から選択される)からなる群から選択され、
及びRはそれぞれ、H、NH、ハロ、C1〜6アルキル、C1〜6ハロアルキル、C1〜6アルコキシ、C1〜6ハロアルコキシ、C1〜6アルキルチオ、C1〜6ハロアルキルチオ、C1〜6アルキルアミノ、及びシクロプロピルからなる群から独立して選択され、
はH、NH、ハロ、C1〜6アルキル、C1〜6ハロアルキル、C1〜6アルコキシ、C1〜6ハロアルコキシ、C1〜6アルキルチオ、C1〜6ハロアルキルチオ、C1〜6アルキルアミノ、及びC3〜7シクロアルキルからなる群から選択され、
式中、R、R、R、及びRのうちの少なくとも1つはH以外であるか、又は
及びR、R及びR、又はR及びRは、それぞれが結合する原子と共に、それぞれが1〜4個の置換基(ここで、各置換基は独立して、OH、NH、ハロ、C1〜3アルキル、C1〜3ハロアルキル、C1〜3アルコキシ、及びC1〜3ハロアルコキシからなる群から選択される)で任意に置換されている、C3〜7シクロアルキル、3〜7員ヘテロシクロアルキル、C6〜14アリール、又は5〜10員ヘテロアリールを形成し、
Xはそれぞれが任意に1〜4個の置換基(ここで、各置換基は独立して、OH、NH、ハロ、シアノ、カルボキシ、カルバモイル、C1〜6アルキル、C1〜6アミノアルキル、C1〜6カルバモイルアルキル、C1〜6カルボキシアルキル、C1〜6シアノアルキル、C1〜6ハロアルキル、C1〜6ヒドロキシアルキル、及び4〜7員ヘテロシクリルからなる群から選択され、2つのジェミナル置換基は一緒になってC3〜7スピロシクロアルキル又は4〜7員スピロヘテロシクリルを形成してもよい)で任意に置換されている、NH、C1〜6アルコキシ、C1〜6アルキル、C1〜6アルキルアミノ、C1〜6アルキルスルファニル、C1〜6アルキルスルホニル、C1〜6アルキルチオ、C3〜7シクロアルキル、4〜7員ヘテロシクリル、及び4〜7員ヘテロシクリルアミノからなる群から選択され、
Yは、−L−Y又はYからなる群から選択され、
はH、NH、ハロ、シアノ、カルバモイル、C2〜6アルケニル、C1〜6アルコキシ、C1〜6アルキル、1〜4個のY1a置換基で任意に置換されている4〜10員ヘテロシクリルで置換されたC1〜6アルキル、C1〜6ジアルキルアミノ置換基で置換されたC1〜6アルキル、C1〜6ジアルキルアミノシクロプロピルで置換されたC1〜6アルキル、C1〜6アルキルスルファニル、C1〜6アルキルスルホニル、C1〜6アルキルチオ、C2〜6アルキニル、C1〜6アルキルアミノ、C6〜14アリール、C1〜6アルキルで置換されたC6〜14アリール、C1〜6アミノアルキル、C1〜6カルバモイルアルキル、C1〜6カルボキシアルキル、C1〜6シアノアルキル、C3〜7シクロアルキル、C1〜6ジアルキルアミノで置換されたC3〜7シクロアルキル、C1〜6ハロアルコキシ、C1〜6ハロアルキル、5〜10員ヘテロアリール、4〜10員ヘテロシクリル、メチル、ヒドロキシ、及びオキソで置換された4〜10員ヘテロシクリルからなる群から選択され、
各Y1aは独立して、ハロ、C1〜6アルキル、C1〜6アルコキシ、3〜7員ヘテロシクリル、C1〜6アルコキシC1〜6アルキル、C1〜6ハロアルキル、オキソ、ヒドロキシ、NH、シアノ、C1〜6カルボキシアルキル、C1〜6シアノアルキル、C1〜6ヒドロキシアルキル、及びC1〜6ハロアルコキシからなる群から選択され、
Lは結合、O、S、及びN(L)からなる群から選択され、
は水素及びC1〜3アルキルからなる群から選択され、
UはC(R6a)であり、
VはC(R6b)であり、
WはC(R6c)又はNであり、
6a、R6b、及びR6cのそれぞれは独立して、H、OH、NH、ハロ、シアノ、カルバモイル、C2〜6アルケニル、C1〜6アルコキシ、C1〜6アルキル、4〜10員ヘテロシクリル置換基で置換されたC1〜6アルキル、C1〜6アルキルスルファニル、C1〜6アルキルスルホニル、C1〜6アルキルチオ、C1〜6ハロアルキルチオ、C2〜6アルキニル、C1〜6アルキルアミノ、C6〜14アリール、C1〜6アミノアルキル、C1〜6カルバモイルアルキル、C1〜6カルボキシアルキル、C1〜6シアノアルキル、C3〜7シクロアルキル、C1〜6ハロアルコキシ、C1〜6ハロアルキル、5〜10員ヘテロアリール、及び4〜10員ヘテロシクリルからなる群から選択され、
nは0、1及び2からなる群から選択される。]
実施形態2:式(II)を有する実施形態1に記載の化合物:
Figure 2021512136
又はその薬学的に許容される塩。
[式中、
は、H、OH、NH、ハロ、C1〜6アルキル、C1〜6ハロアルキル、シクロプロピル、及び−NHR(式中、RはC1〜6アルキル、C1〜6アルコキシ、C1〜6アルカノイル、C1〜6ヒドロキシアルカノイル、C1〜6シアノアルキル、C1〜6アルキルアミノ、−(C1〜6アルキレニル)NH(CH)−(C1〜6)アルキレニル)N(CH、及び−(C1〜3)アルキレニル(3〜7員ヘテロシクリル)からなる群から選択される)からなる群から選択され、
及びRはそれぞれ、H、NH、ハロ、C1〜6アルキル、C1〜6ハロアルキル、C1〜6アルコキシ、C1〜6ハロアルコキシ、C1〜6アルキルチオ、C1〜6ハロアルキルチオ、C1〜6アルキルアミノ、及びシクロプロピルからなる群から独立して選択され、
はH、NH、ハロ、C1〜6アルキル、C1〜6ハロアルキル、C1〜6アルコキシ、C1〜6ハロアルコキシ、C1〜6アルキルチオ、C1〜6ハロアルキルチオ、C1〜6アルキルアミノ、及びC3〜7シクロアルキルからなる群から選択され、
式中、R、R、R、及びRのうちの少なくとも1つはH以外であるか、又は
及びR、R及びR、又はR及びRは、それぞれが結合する原子と共に、それぞれが1〜4個の置換基(ここで、各置換基は独立して、OH、NH、ハロ、C1〜3アルキル、C1〜3ハロアルキル、C1〜3アルコキシ、及びC1〜3ハロアルコキシからなる群から選択される)で任意に置換されている、C3〜7シクロアルキル、3〜7員ヘテロシクロアルキル、C6〜14アリール、又は5〜10員ヘテロアリールを形成し、
はH、シアノ、及びハロからなる群から選択され、R及びRはそれぞれ、H、C1〜6アルキル、C1〜6ハロアルキル、C1〜6ヒドロキシアルキル、シアノ、及びハロからなる群から独立して選択される(C1〜6アルキルは、メタンスルホニル(メシル)、p−トルエンスルホニル(トシル)、アルキル又はアリールスルホネート脱離基、C1〜6アルカノイルアミノ、C1〜6アルコキシ、C1〜6アルキルアミノ、C1〜6アルキルスルホニルアミノ、C6〜12ジアルキルアミノ、及びC1〜6ハロアルコキシからなる群から選択される1つの置換基で任意に置換されている)、
又は
及びRは共に、それらが結合している炭素との間で三重結合を形成する、又は、R及びRは、それらがそれぞれ結合している炭素と共に、1つ又は2つのハロ置換基で任意に置換されているC3〜7シクロアルケニルを形成し、RはH、C1〜6アルキル、C1〜6ハロアルキル、シアノ、及びハロからなる群から選択され(C1〜6アルキルは、C1〜6アルカノイルアミノ、C1〜6アルコキシ、C1〜6アルキルアミノ、C1〜6アルキルスルホニルアミノ、C6〜12ジアルキルアミノ、及びC1〜6ハロアルコキシからなる群から選択される1つの置換基で任意に置換されている)、
Xはそれぞれが任意に1〜4個の置換基(ここで、各置換基は独立して、OH、NH、ハロ、シアノ、カルボキシ、カルバモイル、C1〜6アルキル、C1〜6アミノアルキル、C1〜6カルバモイルアルキル、C1〜6カルボキシアルキル、C1〜6シアノアルキル、C1〜6ハロアルキル、C1〜6ヒドロキシアルキル、及び4〜7員ヘテロシクリルからなる群から選択され、2つのジェミナル置換基は一緒になってC3〜7スピロシクロアルキル又は4〜7員スピロヘテロシクリルを形成してもよい)で任意に置換されている、NH、C1〜6アルコキシ、C1〜6アルキル、C1〜6アルキルアミノ、C1〜6アルキルスルファニル、C1〜6アルキルスルホニル、C1〜6アルキルチオ、C3〜7シクロアルキル、4〜7員ヘテロシクリル、及び4〜7員ヘテロシクリルアミノからなる群から選択され、
Yは、−L−Y又はYからなる群から選択され、
はH、NH、ハロ、シアノ、カルバモイル、C2〜6アルケニル、C1〜6アルコキシ、C1〜6アルキル、1〜4個のY1a置換基で任意に置換されている4〜10員ヘテロシクリルで置換されたC1〜6アルキル、C1〜6ジアルキルアミノ置換基で置換されたC1〜6アルキル、C1〜6ジアルキルアミノシクロプロピルで置換されたC1〜6アルキル、C1〜6アルキルスルファニル、C1〜6アルキルスルホニル、C1〜6アルキルチオ、C2〜6アルキニル、C1〜6アルキルアミノ、C6〜14アリール、C1〜6アルキルで置換されたC6〜14アリール、C1〜6アミノアルキル、C1〜6カルバモイルアルキル、C1〜6カルボキシアルキル、C1〜6シアノアルキル、C3〜7シクロアルキル、C1〜6ジアルキルアミノで置換されたC3〜7シクロアルキル、C1〜6ハロアルコキシ、C1〜6ハロアルキル、5〜10員ヘテロアリール、4〜10員ヘテロシクリル、メチル、ヒドロキシ、及びオキソで置換された4〜10員ヘテロシクリルからなる群から選択され、
各Y1aは独立して、ハロ、C1〜6アルキル、C1〜6アルコキシ、3〜7員ヘテロシクリル、C1〜6アルコキシC1〜6アルキル、C1〜6ハロアルキル、オキソ、ヒドロキシ、NH、シアノ、C1〜6カルボキシアルキル、C1〜6シアノアルキル、C1〜6ヒドロキシアルキル、及びC1〜6ハロアルコキシからなる群から選択され、
Lは結合、O、S、及びN(L)からなる群から選択され、
は水素及びC1〜3アルキルからなる群から選択され、
UはC(R6a)であり、
VはC(R6b)であり、
WはC(R6c)又はNであり、
6a、R6b、及びR6cのそれぞれは独立して、H、OH、NH、ハロ、シアノ、カルバモイル、C2〜6アルケニル、C1〜6アルコキシ、C1〜6アルキル、4〜10員ヘテロシクリル置換基で置換されたC1〜6アルキル、C1〜6アルキルスルファニル、C1〜6アルキルスルホニル、C1〜6アルキルチオ、C1〜6ハロアルキルチオ、C2〜6アルキニル、C1〜6アルキルアミノ、C6〜14アリール、C1〜6アミノアルキル、C1〜6カルバモイルアルキル、C1〜6カルボキシアルキル、C1〜6シアノアルキル、C3〜7シクロアルキル、C1〜6ハロアルコキシ、C1〜6ハロアルキル、5〜10員ヘテロアリール、及び4〜10員ヘテロシクリルからなる群から選択され、
nは0、1及び2からなる群から選択される。]
実施形態3:式(III)を有する実施形態1に記載の化合物:
Figure 2021512136
又はその薬学的に許容される塩。
[式中、
は、H、OH、NH、ハロ、C1〜6アルキル、C1〜6ハロアルキル、シクロプロピル、及び−NHR(式中、RはC1〜6アルキル、C1〜6アルコキシ、C1〜6アルカノイル、C1〜6ヒドロキシアルカノイル、C1〜6シアノアルキル、C1〜6アルキルアミノ、−(C1〜6アルキレニル)NH(CH)−(C1〜6)アルキレニル)N(CH、及び−(C1〜3)アルキレニル(3〜7員ヘテロシクリル)からなる群から選択される)からなる群から選択され、
及びRはそれぞれ、H、NH、ハロ、C1〜6アルキル、C1〜6ハロアルキル、C1〜6アルコキシ、C1〜6ハロアルコキシ、C1〜6アルキルチオ、C1〜6ハロアルキルチオ、C1〜6アルキルアミノ、及びシクロプロピルからなる群から独立して選択され、
はH、NH、ハロ、C1〜6アルキル、C1〜6ハロアルキル、C1〜6アルコキシ、C1〜6ハロアルコキシ、C1〜6アルキルチオ、C1〜6ハロアルキルチオ、C1〜6アルキルアミノ、及びC3〜7シクロアルキルからなる群から選択され、
式中、R、R、R、及びRのうちの少なくとも1つはH以外であるか、又は
及びR、R及びR、又はR及びRは、それぞれが結合する原子と共に、それぞれが1〜4個の置換基(ここで、各置換基は独立して、OH、NH、ハロ、C1〜3アルキル、C1〜3ハロアルキル、C1〜3アルコキシ、及びC1〜3ハロアルコキシからなる群から選択される)で任意に置換されている、C3〜7シクロアルキル、3〜7員ヘテロシクロアルキル、C6〜14アリール、又は5〜10員ヘテロアリールを形成し、
10はR10a及び−C(O)−R10aからなる群から選択され、
10aはオキシラニル及びアジリジニルからなる群から選択され、
Xはそれぞれが任意に1〜4個の置換基(ここで、各置換基は独立して、OH、NH、ハロ、シアノ、カルボキシ、カルバモイル、C1〜6アルキル、C1〜6アミノアルキル、C1〜6カルバモイルアルキル、C1〜6カルボキシアルキル、C1〜6シアノアルキル、C1〜6ハロアルキル、C1〜6ヒドロキシアルキル、及び4〜7員ヘテロシクリルからなる群から選択され、2つのジェミナル置換基は一緒になってC3〜7スピロシクロアルキル又は4〜7員スピロヘテロシクリルを形成してもよい)で任意に置換されている、NH、C1〜6アルコキシ、C1〜6アルキル、C1〜6アルキルアミノ、C1〜6アルキルスルファニル、C1〜6アルキルスルホニル、C1〜6アルキルチオ、C3〜7シクロアルキル、4〜7員ヘテロシクリル、及び4〜7員ヘテロシクリルアミノからなる群から選択され、
Yは、−L−Y又はYからなる群から選択され、
はH、NH、ハロ、シアノ、カルバモイル、C2〜6アルケニル、C1〜6アルコキシ、C1〜6アルキル、1〜4個のY1a置換基で任意に置換されている4〜10員ヘテロシクリルで置換されたC1〜6アルキル、C1〜6ジアルキルアミノ置換基で置換されたC1〜6アルキル、C1〜6ジアルキルアミノシクロプロピルで置換されたC1〜6アルキル、C1〜6アルキルスルファニル、C1〜6アルキルスルホニル、C1〜6アルキルチオ、C2〜6アルキニル、C1〜6アルキルアミノ、C6〜14アリール、C1〜6アルキルで置換されたC6〜14アリール、C1〜6アミノアルキル、C1〜6カルバモイルアルキル、C1〜6カルボキシアルキル、C1〜6シアノアルキル、C3〜7シクロアルキル、C1〜6ジアルキルアミノで置換されたC3〜7シクロアルキル、C1〜6ハロアルコキシ、C1〜6ハロアルキル、5〜10員ヘテロアリール、4〜10員ヘテロシクリル、メチル、ヒドロキシ、及びオキソで置換された4〜10員ヘテロシクリルからなる群から選択され、
各Y1aは独立して、ハロ、C1〜6アルキル、C1〜6アルコキシ、3〜7員ヘテロシクリル、C1〜6アルコキシC1〜6アルキル、C1〜6ハロアルキル、オキソ、ヒドロキシ、NH、シアノ、C1〜6カルボキシアルキル、C1〜6シアノアルキル、C1〜6ヒドロキシアルキル、及びC1〜6ハロアルコキシからなる群から選択され、
Lは結合、O、S、及びN(L)からなる群から選択され、
は水素及びC1〜3アルキルからなる群から選択され、
UはC(R6a)であり、
VはC(R6b)であり、
WはC(R6c)又はNであり、
6a、R6b、及びR6cのそれぞれは独立して、H、OH、NH、ハロ、シアノ、カルバモイル、C2〜6アルケニル、C1〜6アルコキシ、C1〜6アルキル、4〜10員ヘテロシクリル置換基で置換されたC1〜6アルキル、C1〜6アルキルスルファニル、C1〜6アルキルスルホニル、C1〜6アルキルチオ、C1〜6ハロアルキルチオ、C2〜6アルキニル、C1〜6アルキルアミノ、C6〜14アリール、C1〜6アミノアルキル、C1〜6カルバモイルアルキル、C1〜6カルボキシアルキル、C1〜6シアノアルキル、C3〜7シクロアルキル、C1〜6ハロアルコキシ、C1〜6ハロアルキル、5〜10員ヘテロアリール、及び4〜10員ヘテロシクリルからなる群から選択され、
nは0、1及び2からなる群から選択される。]
実施形態4:RがNH及び−NHRからなる群から選択され、RがC1〜6アルキルである、実施形態1〜3のいずれか1つに記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
実施形態5:RがNHである、実施形態1〜4のいずれか1つに記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
実施形態6:R及びRが独立して、H、ハロ、C1〜6アルキル、C1〜6ハロアルキル、及びシクロプロピルからなる群から選択される、実施形態1〜5のいずれか1つに記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
実施形態7:RがH、ハロ、C1〜6アルキル、C1〜6ハロアルキル、C1〜6ハロアルコキシ、C1〜6アルキルアミノ、及びC3〜7シクロアルキルからなる群から選択される、実施形態1〜6のいずれか1つに記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
実施形態8:RがC1〜3ハロアルキルである、実施形態1〜7のいずれか1つに記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
実施形態9:RがCFであり、RがNHである、実施形態1〜7のいずれか1つに記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
実施形態10:Rがシクロプロピルである、実施形態1〜7のいずれか1つに記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
実施形態11:R及びRは、それぞれが結合する原子と共に、それぞれが1〜4個の置換基(ここで、各置換基は独立して、OH、NH、ハロ、C1〜3アルキル、C1〜3ハロアルキル、C1〜3アルコキシ、及びC1〜3ハロアルコキシからなる群から選択される)で任意に置換されている、C3〜7シクロアルキル、3〜7員ヘテロシクロアルキル、C6〜14アリール、又は5〜10員ヘテロアリールを形成する、実施形態1〜5のいずれか1つに記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
実施形態12:R及びRは、それぞれが結合する原子と共に、それぞれが1〜4個の置換基(ここで、各置換基は独立して、OH、NH、ハロ、C1〜3アルキル、C1〜3ハロアルキル、C1〜3アルコキシ、及びC1〜3ハロアルコキシからなる群から選択される)で任意に置換されているC6〜14アリールを形成する、実施形態11に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
実施形態13:R及びRは、それぞれが結合する原子と共に、それぞれが1〜4個の置換基(ここで、各置換基は独立して、OH、NH、ハロ、C1〜3アルキル、C1〜3ハロアルキル、C1〜3アルコキシ、及びC1〜3ハロアルコキシからなる群から選択される)で任意に置換されているCアリールを形成する、実施形態12に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
実施形態14:Cアリールが置換されていない、実施形態13に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
実施形態15:Cアリールが1〜4個の置換基(ここで、各置換基は独立してハロである)で置換されている、実施形態13に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
実施形態16:
が、H、OH、NH、ハロ、C1〜6アルキル、C1〜6ハロアルキル、シクロプロピル、及び−NHR(式中、Rは直鎖C1〜6アルキル、C1〜6アルコキシ、C1〜6アルカノイル、C1〜6ヒドロキシアルカノイル、C1〜6シアノアルキル、C1〜6アルキルアミノ、−(C1〜6アルキレニル)NH(CH)−(C1〜6)アルキレニル)N(CH、及び−(C1〜3)アルキレニル(3〜7員ヘテロシクリル)からなる群から選択される)からなる群から選択され、
及びRがそれぞれ、H、NH、ハロ、C1〜6アルキル、C1〜6ハロアルキル、C1〜6アルコキシ、C1〜6ハロアルコキシ、C1〜6アルキルチオ、C1〜6ハロアルキルチオ、及びC1〜6アルキルアミノからなる群から独立して選択され、
がH、Cl、Br、I、NH、C1〜6アルキル、C1〜6ハロアルキル、C1〜6アルコキシ、C1〜6ハロアルコキシ、C1〜6アルキルチオ、C1〜6ハロアルキルチオ、C1〜6アルキルアミノ、及びC3〜7シクロアルキルからなる群から選択され、
、R、R、及びRの少なくとも2つがH以外であるか、又は
及びR、R及びR、又はR及びRは、それぞれが結合する原子と共に、それぞれが1〜4個の置換基(ここで、各置換基は独立して、OH、NH、ハロ、C1〜3アルキル、C1〜3ハロアルキル、及びC1〜3ハロアルコキシからなる群から選択される)で任意に置換されている、C3〜7シクロアルキル、3〜7員ヘテロシクロアルキル、又はC6〜14アリールを形成し、
Xはそれぞれが任意に1〜4個の置換基(ここで、各置換基は独立して、OH、NH、ハロ、シアノ、カルボキシ、カルバモイル、C1〜6アルキル、C1〜6アミノアルキル、C1〜6カルバモイルアルキル、C1〜6カルボキシアルキル、C1〜6シアノアルキル、C1〜6ハロアルキル、C1〜6ヒドロキシアルキル、及び4〜7員ヘテロシクリルからなる群から選択され、2つのジェミナル置換基は一緒になってC3〜7スピロシクロアルキル又は4〜7員スピロヘテロシクリルを形成してもよい)で任意に置換されている、NH、C1〜6アルコキシ、C1〜6アルキル、C1〜6アルキルアミノ、C1〜6アルキルスルファニル、C1〜6アルキルスルホニル、C1〜6アルキルチオ、C3〜7シクロアルキル、4〜7員ヘテロシクリル、及び4〜7員ヘテロシクリルアミノからなる群から選択され、
Yが、−L−Y又はYからなる群から選択され、
がH、NH、ハロ、シアノ、カルバモイル、C2〜6アルケニル、C1〜6アルコキシ、C1〜6アルキル、1〜4個のY1a置換基で任意に置換されている4〜10員ヘテロシクリルで置換されたC1〜6アルキル、C1〜6ジアルキルアミノ置換基で置換されたC1〜6アルキル、C1〜6ジアルキルアミノシクロプロピルで置換されたC1〜6アルキル、C1〜6アルキルスルファニル、C1〜6アルキルスルホニル、C1〜6アルキルチオ、C2〜6アルキニル、C1〜6アルキルアミノ、C6〜14アリール、C1〜6アルキルで置換されたC6〜14アリール、C1〜6アミノアルキル、C1〜6カルバモイルアルキル、C1〜6カルボキシアルキル、C1〜6シアノアルキル、C3〜7シクロアルキル、C1〜6ジアルキルアミノで置換されたC3〜7シクロアルキル、C1〜6ハロアルコキシ、C1〜6ハロアルキル、5〜10員ヘテロアリール、4〜10員ヘテロシクリル、メチル、ヒドロキシ、及びオキソで置換された4〜10員ヘテロシクリルからなる群から選択され、
各Y1aが独立して、ハロ、C1〜6アルキル、C1〜6アルコキシ、3〜7員ヘテロシクリル、C1〜6アルコキシC1〜6アルキル、C1〜6ハロアルキル、オキソ、ヒドロキシ、NH、シアノ、C1〜6カルボキシアルキル、C1〜6シアノアルキル、C1〜6ヒドロキシアルキル、及びC1〜6ハロアルコキシからなる群から選択され、
Lが結合、O、S、及びN(L)からなる群から選択され、
が水素及びC1〜3アルキルからなる群から選択され、
UがC(R6a)であり、
VがC(R6b)であり、
WがC(R6c)又はNであり、
6a、R6b、及びR6cのそれぞれが独立して、H、OH、NH、ハロ、シアノ、カルバモイル、C2〜6アルケニル、C1〜6アルコキシ、C1〜6アルキル、4〜10員ヘテロシクリル置換基で置換されたC1〜6アルキル、C1〜6アルキルスルファニル、C1〜6アルキルスルホニル、C1〜6アルキルチオ、C1〜6ハロアルキルチオ、C2〜6アルキニル、C1〜6アルキルアミノ、C6〜14アリール、C1〜6アミノアルキル、C1〜6カルバモイルアルキル、C1〜6カルボキシアルキル、C1〜6シアノアルキル、C3〜7シクロアルキル、C1〜6ハロアルコキシ、C1〜6ハロアルキル、5〜10員ヘテロアリール、及び4〜10員ヘテロシクリルからなる群から選択され、
nは0、1及び2からなる群から選択される、実施形態1〜3のいずれか1つに記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
実施形態17:式(IV)を有する式(I)の化合物:
Figure 2021512136
又はその薬学的に許容される塩。
[式中、
は、K−Ras G12C変異タンパク質の12位において、システイン残基と共有結合を形成可能な求電子部分であり、
Xはそれぞれが任意に1〜4個の置換基(ここで、各置換基は独立して、OH、NH、ハロ、シアノ、カルボキシ、カルバモイル、C1〜6アルキル、C1〜6アミノアルキル、C1〜6カルバモイルアルキル、C1〜6カルボキシアルキル、C1〜6シアノアルキル、C1〜6ハロアルキル、C1〜6ヒドロキシアルキル、及び4〜7員ヘテロシクリルからなる群から選択され、2つのジェミナル置換基は一緒になってC3〜7スピロシクロアルキル又は4〜7員スピロヘテロシクリルを形成してもよい)で任意に置換されている、NH、C1〜6アルコキシ、C1〜6アルキル、C1〜6アルキルアミノ、C1〜6アルキルスルファニル、C1〜6アルキルスルホニル、C1〜6アルキルチオ、C3〜7シクロアルキル、4〜7員ヘテロシクリル、及び4〜7員ヘテロシクリルアミノからなる群から選択され、
Yは、−L−Y又はYからなる群から選択され、
はH、NH、ハロ、シアノ、カルバモイル、C2〜6アルケニル、C1〜6アルコキシ、C1〜6アルキル、1〜4個のY1a置換基で任意に置換されている4〜10員ヘテロシクリルで置換されたC1〜6アルキル、C1〜6ジアルキルアミノ置換基で置換されたC1〜6アルキル、C1〜6ジアルキルアミノシクロプロピルで置換されたC1〜6アルキル、C1〜6アルキルスルファニル、C1〜6アルキルスルホニル、C1〜6アルキルチオ、C2〜6アルキニル、C1〜6アルキルアミノ、C6〜14アリール、C1〜6アルキルで置換されたC6〜14アリール、C1〜6アミノアルキル、C1〜6カルバモイルアルキル、C1〜6カルボキシアルキル、C1〜6シアノアルキル、C3〜7シクロアルキル、C1〜6ジアルキルアミノで置換されたC3〜7シクロアルキル、C1〜6ハロアルコキシ、C1〜6ハロアルキル、5〜10員ヘテロアリール、4〜10員ヘテロシクリル、メチル、ヒドロキシ、及びオキソで置換された4〜10員ヘテロシクリルからなる群から選択され、
各Y1aが独立して、ハロ、C1〜6アルキル、C1〜6アルコキシ、3〜7員ヘテロシクリル、C1〜6アルコキシC1〜6アルキル、C1〜6ハロアルキル、オキソ、ヒドロキシ、NH、シアノ、C1〜6カルボキシアルキル、C1〜6シアノアルキル、C1〜6ヒドロキシアルキル、C1〜6ハロアルコキシからなる群から選択され、
Lは結合、O、S、及びN(L)からなる群から選択され、
は水素及びC1〜3アルキルからなる群から選択され、
UはC(R6a)であり、
VはC(R6b)であり、
WはC(R6c)又はNであり、
6a、R6b、及びR6cのそれぞれは独立して、H、OH、NH、ハロ、シアノ、カルバモイル、C2〜6アルケニル、C1〜6アルコキシ、C1〜6アルキル、4〜10員ヘテロシクリル置換基で置換されたC1〜6アルキル、C1〜6アルキルスルファニル、C1〜6アルキルスルホニル、C1〜6アルキルチオ、C1〜6ハロアルキルチオ、C2〜6アルキニル、C1〜6アルキルアミノ、C6〜14アリール、C1〜6アミノアルキル、C1〜6カルバモイルアルキル、C1〜6カルボキシアルキル、C1〜6シアノアルキル、C3〜7シクロアルキル、C1〜6ハロアルコキシ、C1〜6ハロアルキル、5〜10員ヘテロアリール、及び4〜10員ヘテロシクリルからなる群から選択され、
nは0、1及び2からなる群から選択され、
11は、
Figure 2021512136
Figure 2021512136
からなる群から選択される。]
実施形態18:YがYであり、YがH、C1〜6アルキル、及びC1〜6ハロアルキルからなる群から選択される、実施形態1〜17のいずれか1つに記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
実施形態19:
Yが−L−Yであり、
LがO及びN(L)からなる群から選択され、
がHであり、
がC1〜6アルキル、1〜4個のY1a置換基で任意に置換されている4〜10員ヘテロシクリルで置換されたC1〜6アルキル、C1〜6ジアルキルアミノ置換基で置換されたC1〜6アルキル、C1〜6ジアルキルアミノシクロプロピルで置換されたC1〜6アルキル、C1〜6ジアルキルアミノで置換されたC3〜7シクロアルキル、及び、メチルで置換された4〜10員ヘテロシクリルからなる群から選択され、
各Y1aが独立して、ハロ、C1〜6アルキル、C1〜6アルコキシ、3〜7員ヘテロシクリル、C1〜6アルコキシC1〜6アルキル、C1〜6ハロアルキル、オキソ、ヒドロキシ、NH、シアノ、C1〜6カルボキシアルキル、C1〜6シアノアルキル、C1〜6ヒドロキシアルキル、及びC1〜6ハロアルコキシからなる群から選択される、
実施形態1〜17のいずれか1つに記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
実施形態20:LがN(L)であり、LがHであり、YがC1〜6アルキル、又はC1〜6ジアルキルアミノ置換基で置換されたC1〜6アルキルである、実施形態19に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
実施形態21:
LがOであり、
が、1〜4個のY1a置換基で任意に置換されている4〜10員ヘテロシクリルで置換されたC1〜6アルキル、C1〜6ジアルキルアミノ置換基で置換されたC1〜6アルキル、C1〜6ジアルキルアミノシクロプロピルで置換されたC1〜6アルキル、C1〜6ジアルキルアミノで置換されたC3〜7シクロアルキル、及び、メチルで置換された4〜10員ヘテロシクリルからなる群から選択され、
各Y1aが独立して、ハロ、C1〜6アルキル、C1〜6アルコキシ、3〜7員ヘテロシクリル、C1〜6アルコキシC1〜6アルキル、C1〜6ハロアルキル、オキソ、ヒドロキシ、NH、シアノ、C1〜6カルボキシアルキル、C1〜6シアノアルキル、C1〜6ヒドロキシアルキル、及びC1〜6ハロアルコキシからなる群から選択される、
実施形態19に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
実施形態22:Yが、4〜10員のメチルヘテロシクリル置換基で置換されたC1〜6アルキルである、実施形態19に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
実施形態23:Yが
Figure 2021512136
Figure 2021512136
からなる群から選択される、実施形態19に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
実施形態24:Yが
Figure 2021512136
である、実施形態23に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
実施形態25:R11
Figure 2021512136
である、実施形態17〜24のいずれか1つに記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
実施形態26:R11
Figure 2021512136
である、実施形態17〜25のいずれか1つに記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
実施形態27:R11
Figure 2021512136
である、実施形態17〜25のいずれか1つに記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
実施形態28:R6aがHである、実施形態1〜27のいずれか1つに記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
実施形態29:R6bがH、ハロ、C1〜6アルコキシ、C1〜6アルキルスルホニル、C1〜6ハロアルキル、C3〜7シクロアルキル、C1〜6ハロアルキルチオ、及び4〜10員ヘテロシクリルからなる群から選択される、実施形態1〜28のいずれか1つに記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
実施形態30:R6bが水素、ハロ、又はC1〜3ハロアルキルである、実施形態1〜28のいずれか1つに記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
実施形態31:WがC(R6c)であり、R6cが水素又はハロである、実施形態1〜30のいずれか1つに記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
実施形態32:WがC(R6c)であり、R6cがハロである、実施形態1〜31のいずれか1つに記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
実施形態33:Xが4〜7員ヘテロシクリルである、実施形態1〜32のいずれか1つに記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
実施形態34:Xが1〜4個の置換基(ここで、各置換基は、独立してシアノ、C1〜6アルキル、C1〜6シアノアルキル、及びC1〜6ハロアルキルからなる群から選択される)で置換された4〜7員ヘテロシクリルである、実施形態1〜32のいずれか1つに記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
実施形態35:Xが
Figure 2021512136
からなる群から選択される、実施形態1〜32のいずれか1つに記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
実施形態36:Xが
Figure 2021512136
からなる群から選択される、実施形態1〜32のいずれか1つに記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
実施形態37:Xが
Figure 2021512136
からなる群から選択される、実施形態1〜32のいずれか1つに記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
実施形態38:Xが
Figure 2021512136
である、実施形態1〜32のいずれか1つに記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
実施形態39:nが0である、実施形態1〜38のいずれか1つに記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
実施形態40:R
Figure 2021512136
からなる群から選択される、実施形態1若しくは17に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
[式中、
12はC1〜6アルカノイル、C1〜6アルキル、及びC1〜6アルキルスルホニルからなる群から選択され、
13はH、C1〜6アルキル、及びC1〜6ハロアルキルからなる群から選択され、
13aはハロであり、
14はハロである。]
実施形態41:R
Figure 2021512136
からなる群から選択される、実施形態40に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
実施形態42:R
Figure 2021512136
である、実施形態41に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
実施形態43:RがH、シアノ、及びハロからなる群から選択され、R及びRがそれぞれ、H、C1〜6アルキル、C1〜6ハロアルキル、C1〜6ヒドロキシアルキル、シアノ、及びハロからなる群から独立して選択される(C1〜6アルキルは、メタンスルホニル(メシル)、p−トルエンスルホニル(トシル)、アルキル又はアリールスルホネート脱離基、C1〜6アルカノイルアミノ、C1〜6アルコキシ、C1〜6アルキルアミノ、C1〜6アルキルスルホニルアミノ、C6〜12ジアルキルアミノ、及びC1〜6ハロアルコキシからなる群から選択される1つの置換基で任意に置換されている)、実施形態2に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
実施形態44:
Figure 2021512136
Figure 2021512136
又はその薬学的に許容される塩からなる群から選択される式を有する、実施形態1若しくは17に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
実施形態45:式(Ib)又は(Il)からなる群から選択される式を有する、実施形態44に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
実施形態46:式(IV)の化合物が
Figure 2021512136
Figure 2021512136
からなる群から選択される式を含む、実施形態17〜41のいずれか1つに記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
実施形態47:式(IV)の化合物が式(IVa)、(IVb)、(IVd)、若しくは(IVg)の化合物又はその薬学的に許容される塩を含む、実施形態46に記載の化合物。
実施形態48:式(IV)の化合物が式(IVa)若しくは(IVb)の化合物又はその薬学的に許容される塩を含む、実施形態46に記載の化合物。
実施形態49:式(IV)の化合物が式(IVd)若しくは(IVg)の化合物又はその薬学的に許容される塩を含む、実施形態46に記載の化合物。
実施形態50:R及びRは共に、それらが結合している炭素との間で三重結合を形成する、又は、R及びRは、それらがそれぞれ結合している炭素と共に、1つ又は2つのハロ置換基で任意に置換されているC3〜7シクロアルケニルを形成し、RはH、C1〜6アルキル、C1〜6ハロアルキル、シアノ、及びハロからなる群から選択される(C1〜6アルキルは、C1〜6アルカノイルアミノ、C1〜6アルコキシ、C1〜6アルキルアミノ、C1〜6アルキルスルホニルアミノ、C6〜12ジアルキルアミノ、及びC1〜6ハロアルコキシからなる群から選択される1つの置換基で任意に置換されている)、実施形態2に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
実施形態51:R、R、及びRがそれぞれHである、実施形態2に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
実施形態52:表1に提供するとおりの化合物又はその薬学的に許容される塩。
実施形態53:実施形態1〜52のいずれか1つに記載の化合物又はその薬学的に許容される塩と、薬学的に許容される賦形剤とを含む医薬組成物。
実施形態54:医薬組成物が経口投与用に製剤化される、実施形態53に記載の医薬組成物。
実施形態55:医薬組成物が注射用に製剤化される、実施形態53に記載の医薬組成物。
実施形態56:癌の治療を必要とする個体に、治療に有効な量の、実施形態1〜52のいずれか1つに記載の化合物、若しくはその薬学的に許容される塩、又は実施形態53〜55のいずれか1つに記載の医薬組成物を投与することを含む、癌の治療方法。
実施形態57:個体がヒトである、実施形態56に記載の方法。
実施形態58:投与することが経口経路を介する、実施形態55又は56に記載の方法。
実施形態59:投与することが注射を介する、実施形態55又は56に記載の方法。
実施形態60:癌がK−Ras G12C変異により媒介される、実施形態56〜59のいずれか1つに記載の方法。
実施形態61:癌が血液学的癌、膵癌、MYH随伴ポリポーシス、結腸直腸癌、又は肺癌である、実施形態56〜60のいずれか1つに記載の方法。
実施形態62:癌が肺腺癌である、実施形態56〜61のいずれか1つに記載の方法。
実施形態63:K−Ras G12C変異タンパク質の活性の制御方法であって、変異タンパク質と、実施形態1〜52のいずれか1つに記載の化合物又はその薬学的に許容される塩と反応させることを含む方法。
実施形態64:細胞集団の増殖の阻害方法であって、細胞集団を、実施形態1〜52のいずれか1つに記載の化合物又はその薬学的に許容される塩と反応させることを含む方法。
実施形態65:増殖の阻害が、細胞集団の細胞生存能の低下として測定される、実施例64に記載の方法。
実施形態66:K−Ras G12C変異により媒介される疾患の治療を必要とする個体における、K−Ras G12C変異により媒介される疾患の治療方法であって、
個体が変異を有するか否かを測定することと、
個体が変異を有すると測定された場合、個体に、治療に有効な量の、実施形態1〜52のいずれか1つに記載の化合物、若しくはその薬学的に許容される塩、又は実施形態53〜55のいずれか1つに記載の医薬組成物を投与することと、
を含む方法。
実施形態67:疾患が癌である、実施形態66に記載の方法。
実施形態68:癌が血液学的癌、膵癌、MYH随伴ポリポーシス、結腸直腸癌、又は肺癌である、実施形態67に記載の方法。
実施形態69:癌が肺癌、結腸直腸癌、虫垂癌、又は膵癌である、実施形態66に記載の方法。
実施形態70:癌が肺腺癌である、実施形態66〜69のいずれか1つに記載の方法。
実施形態71:標識されたK−Ras G12C変異タンパク質の調製方法であって、K−Ras G12C変異タンパク質を、実施形態1〜52のいずれか1つに記載の標識された化合物又はその薬学的に許容される塩と反応させて、標識されたK−Ras G12C変異タンパク質を得ることを含む方法。
実施形態72:腫瘍転移の阻害を必要とする個体に、治療に有効な量の、実施形態1〜52のいずれか1つに記載の化合物、若しくはその薬学的に許容される塩、又は実施形態53〜55のいずれか1つに記載の医薬組成物を、腫瘍転移の阻害を必要とする個体にを投与することを含む、腫瘍転移の阻害方法。
実施形態73:癌を治療するための薬剤の製造における、実施形態1〜52のいずれか1つに記載の化合物又はその薬学的に許容される塩の使用。
実施形態74:薬剤が経口投与用に製剤化される、実施形態73に記載の使用。
実施形態75:薬剤が注射用に製剤化される、実施形態73に記載の使用。
実施形態76:癌がK−Ras G12C変異により媒介される、実施形態73〜75のいずれか1つに記載の使用。
実施形態77:癌が血液学的癌、膵癌、MYH随伴ポリポーシス、結腸直腸癌、又は肺癌である、実施形態73〜76のいずれか1つに記載の使用。
実施形態78:癌が肺癌、結腸直腸癌、虫垂癌、又は膵癌である、実施形態73〜76のいずれか1つに記載の使用。
実施形態79:癌が肺腺癌である、実施形態73〜78のいずれか1つに記載の使用。
実施形態80:腫瘍転移を阻害するための薬剤の製造における、実施形態1〜52のいずれか1つに記載の化合物又はその薬学的に許容される塩の使用。
実施形態81:治療法によるヒト又は動物の体の治療方法に使用するための、実施形態1〜52のいずれか1つに記載の化合物、若しくはその薬学的に許容される塩、又は実施形態53〜55のいずれか1つに記載の医薬組成物。
実施形態82:癌の治療方法で使用するための、実施形態1〜52のいずれか1つに記載の化合物、若しくはその薬学的に許容される塩、又は実施形態53〜55のいずれか1つに記載の医薬組成物。
実施形態83:癌がK−Ras G12C変異により媒介される、実施形態82に記載の化合物、その薬学的に許容される塩、又は医薬組成物。
実施形態84:癌が血液学的癌、膵癌、MYH随伴ポリポーシス、結腸直腸癌、又は肺癌である、実施形態82又は83に記載の化合物、その薬学的に許容される塩、又は医薬組成物。
実施形態85:癌が肺癌、結腸直腸癌、虫垂癌、又は膵癌である、実施形態82又は83に記載の化合物、その薬学的に許容される塩、又は医薬組成物。
実施形態86:癌が肺腺癌である、実施形態82〜85のいずれか1つに記載の化合物、その薬学的に許容される塩、又は医薬組成物。
実施形態87:腫瘍転移の阻害方法で使用するための、実施形態1〜52のいずれか1つに記載の化合物、若しくはその薬学的に許容される塩、又は実施形態53〜55のいずれか1つに記載の医薬組成物。
以下の実施例では、本発明の範囲内の化合物の調製、及び生物学的評価について記載する。これらの実施例、及びそれらに続く調製は、本発明をより明確に理解して実施することを当業者が可能にするために提供される。これらは本発明の範囲を制限されるものとして考えられるべきではなく、単に例示的、及びそれらを代表するものとして理解されるべきである。
以下の略語を、実施例では使用する:
ACN−アセトニトリル
AcO−酢酸アセチル
BINAP−(+/−)−2,2’−ビス(ジフェニルホスフィノ)−1,1’−ビナフチル
BocO−ジ−tert−ブチルジカーボネート
BOP−(ベンゾトリアゾール−1イルオキシ)トリス(ジメチルアミノ)ホスホニウムヘキサフルオロホスフェート
CHTi(O−Pr)−メチルチタン(IV)トリイソプロポキシド
DBU−1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン
DCE−1,2−ジクロロエタン
DCM−ジクロロメタン
DIEA又はDIPEA−N,N−ジイソプロピルエチルアミン
DMA−N,N−ジメチルアセトアミド
DMAc−N,N−ジメチルアセトアミド
DMAP−4−ジメチルアミノピリジン
DMF−N,N−ジメチルホルムアミド
DMSO−ジメチルスルホキシド
EA−酢酸エチル
EtOAc−酢酸エチル
EtOH−エタノール
HATU−2(7−アザベンゾチアゾール−1−イル)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート
HFIP−ヘキサフルオロイソプロパノール
HOAc−酢酸
iPrOAc−酢酸イソプロピル
KF−フッ化カリウム
KOAc−酢酸カリウム
LDA−リチウムジイソプロピルアミド
LiHMDS リチウムビス(トリメチルシリル)アミド
mCPBA−3−クロロペルオキシ安息香酸
MeCN−アセトニトリル
MeI−ヨードメタン
MeOH−メタノール
MeONa−ナトリウムメトキシド又はナトリウムメタノレート
MTBE−メチルtert−ブチルエーテル
MW−電子レンジ
NaBH(OAc)−トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム
NIS−N−ヨードスクシンイミド
P(Cy)又はPCy−トリシクロヘキシルホスフィン
P(t−Bu)HBF−トリ−tert−ブチルホスホニウムテトラフルオロボレート
Pd/C−パラジウム炭素
Pd(dba)−トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)
Pd(dba)CHCl−トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)クロロホルム
Pd(dppf)Cl・CHCl−ジクロロメタンと錯体化した、[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)、又はジクロロ[1,1−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]パラジウム(II)
Pd(PPh−テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)
Pd(PPhCl−ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)ジクロリド
PE−石油エーテル
PMBCl−4−メトキシベンジルクロリド
pTsA−p−トルエンスルホン酸
r.t.−室温
Sn(n−Bu)−ヘキサブチルジスズ
TBSCl−tert−ブチルジメチルシリルクロリド又はtert−ブチルジメチルクロロシラン
[Rh(COD)Cl]−クロロ(1,5−シクロオクタジエン)ロジウム(I)二量体
TEA−トリエチルアミン
TFA−トリフルオロ酢酸又は2,2,2−トリフルオロ酢酸
THF−テトラヒドロフラン
THP−テトラヒドロピラン
TsOH−p−トルエンスルホン酸
化合物の実施例
中間体1:tert−ブチル4−(7−ブロモ−6−クロロキナゾリン−4−イル)ピペラジン−1−カルボキシレート
中間体の、tert−ブチル4−(7−ブロモ−6−クロロキナゾリン−4−イル)ピペラジン−1−カルボキシレートを、以下の合成スキームに従い調製した。
Figure 2021512136
工程1:7−ブロモ−4,6−ジクロロキナゾリン
Figure 2021512136
塩化チオニルの7−ブロモ−6−クロロ−3,4−ジヒドロキナゾリン−4−オン(330g、1.28mol)溶液(4.0L)に、N,N−ジメチルホルムアミド(4mL)を添加した。混合物を12時間、80℃で撹拌した。完了後、得られた混合物を真空下にて濃縮し、7−ブロモ−4,6−ジクロロキナゾリン(350g、粗製物)を黄色固体として得た。LCMS(ESI,m/z):277.1 [M+H]
工程2:tert−ブチル4−(7−ブロモ−6−クロロキナゾリン−4−イル)ピペラジン−1−カルボキシレート
Figure 2021512136
7−ブロモ−4,6−ジクロロキナゾリン(330g、1.20mol)、tert−ブチルピペラジン−1−カルボキシレート(340g、1.80mol、1.50当量)及びDIPEA(586mL、3.60mol)の1,4−ジオキサン溶液(3.0L)を、60分間110℃で撹拌した。完了後、固体をフィルタにかけ収集し、PE(500mL)及び水(500mL)で洗浄した後、乾燥させてtert−ブチル4−(7−ブロモ−6−クロロキナゾリン−4−イル)ピペラジン−1−カルボキシレート(446g、87.4%)を淡黄色固体として得た。
1H NMR(400 MHz,CDCl)δ 8.71(s,1H),8.22(s,1H),7.95(s,1H),3.76(dd,J=6.2,3.7 Hz,4H),3.65(dd,J=6.4,3.8 Hz,4H),1.50(s,9H).LCMS(ESI,m/z):429.2 [M+H]
中間体2:2((2R)−5−メチルピペリジン−2−イル)アセトニトリル
中間体化合物の2((2R)−5−メチルピペリジン−2−イル)アセトニトリルを、以下の反応スキームに従い調製した。
Figure 2021512136
工程1:tert−ブチル(2−((4−メトキシベンジル)アミノ)プロピル)カルバメート
Figure 2021512136
tert−ブチルN−(2−アミノプロピル)カルバメート(8.3g、47.6mmol)及びp−アニスアルデヒド(5.8mL、47.6mmol)の、1,2−ジクロロエタン溶液(175mL)に、トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(15g、71.5mmol)を添加した。反応混合物を室温で18時間撹拌した。反応物をDCMで希釈した後、飽和NaCOで洗浄した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させてフィルタにかけ、ロータリーエバポレーターで濃縮した。粗生成物を、シリカフラッシュクロマトグラフィー(iPrOAc/Hepで溶出)により精製し、tert−ブチル(2−((4−メトキシベンジル)アミノ)プロピル)カルバメート(10.2g、71%)を得た。LCMS(ESI,m/z):295.5 [M+H]
工程2:tert−ブチル(E)−(2−((3−シアノアリル)(4−メトキシベンジル)アミノ)プロピル)カルバメート
Figure 2021512136
tert−ブチル(2−((4−メトキシベンジル)アミノ)プロピル)カルバメート(2.9g、9.8mmol)、(E)−4−ブロモブタ−2−エンニトリル(1.2mg、8.22mmol)、及び炭酸ナトリウム(2.8g、26.3mmol)のエタノール溶液(30mL)を、50℃で18時間撹拌した。反応物を濃縮した後、EtOAcで希釈した。有機層を水で洗浄した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させてフィルタにかけ、ロータリーエバポレーターで濃縮した。粗生成物をシリカフラッシュクロマトグラフィー(iPrOAc/Hepで溶出)(次いで、MeOH/DCMで溶出)により精製し、tert−ブチル(E)−(2−((3−シアノアリル)(4−メトキシベンジル)アミノ)プロピル)カルバメートを得た。LCMS(ESI,m/z):360.6 [M+H]
工程3:2−((2R)−4−(4−メトキシベンジル)−5−メチルピペラジン−2−イル)アセトニトリル及び2−((2S)−4−(4−メトキシベンジル)−5−メチルピペラジン−2−イル)アセトニトリル
Figure 2021512136
tert−ブチル(E)−(2−((3−シアノアリル)(4−メトキシベンジル)アミノ)プロピル)カルバメート(2.3g、6.4mmol)の、ヘキサフルオロ−2−プロパノール(75mL、49.3mmol)の5%トリフルオロ酢酸溶液を、室温で18時間撹拌した。反応物を濃縮した後、1,4−ジオキサン(80mL)及びトリエチルアミン(5.75mL、41.1mmol)を添加した。反応混合物を室温で60分間撹拌した。粗生成物を濃縮し、HPLC(NHOH 5〜50%)により精製し、2−((2R)−4−(4−メトキシベンジル)−5−メチルピペラジン−2−イル)アセトニトリル(1.05g、49%)をHPLCピーク1として得、2−((2S)−4−(4−メトキシベンジル)−5−メチルピペラジン−2−イル)アセトニトリル(0.76g、35%)をHPLCピーク2として得た。立体化学を任意に割り当てた。LCMS(ESI,m/z):260.1 [M+H]
工程4:2−((2R)−5−メチルピペラジン−2−イル)アセトニトリル及び2−((2S)−5−メチルピペラジン−2−イル)アセトニトリル
Figure 2021512136
2−((2R)−4−(4−メトキシベンジル)−5−メチルピペラジン−2−イル)アセトニトリル(600mg、2.313mmol)のジクロロメタン溶液(10mL)に、トリフルオロ酢酸(17.5mL、231.3mmol)を添加した。反応混合物を50℃で48時間撹拌した。反応物を濃縮し、粗生成物を次工程に移した。LCMS(ESI,m/z):140.1 [M+H]
中間体3:tert−ブチル4−(7−(6−(ビス(4−メトキシベンジル)アミノ)−3−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル)−6−クロロ−2−フルオロキナゾリン−4−イル)ピペラジン−1−カルボキシレート
化合物tert−ブチル 4−(7−(6−(ビス(4−メトキシベンジル)アミノ)−3−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル)−6−クロロ−2−フルオロキナゾリン−4−イル)ピペラジン−1−カルボキシレートを、以下の合成スキームに従い調製した:
Figure 2021512136
工程1:2−アミノ−4−ブロモ−5−クロロ−ベンズアミド
Figure 2021512136
2−アミノ−4−ブロモ−5−クロロ安息香酸(10.0g、39.92mmol)、N,N−ジイソプロピルエチルアミン(15.45g、119.77mmol)、及び塩化アンモニウム(6.41g、119.77mmol)の、N,N−ジメチルホルムアミド溶液(50mL)を、室温にて5分間撹拌した。次にHATU(18.22g、47.91mmol)を添加し、室温にて2時間撹拌した。完了後、反応を水でクエンチした。反応混合物をフィルタにかけ、濾塊を収集して真空下にて乾燥させ、2−アミノ−4−ブロモ−5−クロロ−ベンズアミド(8g、32.0mmol、収率80.3%)を黄色固体として得た。LCMS(ESI,m/z):248.9 [M+H]
工程2:7−ブロモ−2,6−ジクロロ−キナゾリン−4−オール
Figure 2021512136
2−アミノ−4−ブロモ−5−クロロ−ベンズアミド(20.0g、80.16mmol)の1,4−ジオキサン溶液(100mL)に、続けて、撹拌をしながらチオホスゲン(20.3g、176.52mmol)を滴加した。得られた溶液を1時間室温にて撹拌した後、1時間105℃にて撹拌した。完了後、得られた溶液を真空下にて濃縮した。有機層をジエチルエーテルで洗浄し、7−ブロモ−2,6−ジクロロ−キナゾリン−4−オール(20g、68.043mmol、収率84.9%)を褐色固体として得た。LCMS(ESI,m/z):292.9 [M+H]
工程3:tert−ブチル4−(7−ブロモ−2,6−ジクロロ−キナゾリン−4−イル)ピペラジン−1−カルボキシレート
Figure 2021512136
7−ブロモ−2,6−ジクロロ−キナゾリン−4−オール(15.0g、51.03mmol)、メタンスルホン酸無水物(35.6g、204.11mmol)、及びN,N−ジイソプロピルエチルアミン(26.3g、203.88mmol)のジクロロメタン溶液(200mL)を、25℃にて0.5時間撹拌した。次に、tert−ブチル1−ピペラジンカルボキシレート(14.2g、76.24mmol)及びN,N−ジイソプロピルエチルアミン(13.2g、102.33mmol)を添加し、25℃にて2時間撹拌した。完了後、得られた溶液を酢酸エチルで希釈し、水で洗浄した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、真空下にて濃縮した。酢酸エチル/石油エーテル(1/6)で溶出するシリカゲルフラッシュクロマトグラフィーにより残留物を精製し、tert−ブチル4−(7−ブロモ−2,6−ジクロロ−キナゾリン−4−イル)ピペラジン−1−カルボキシレート(13g、28.13mmol、収率55.1%)を黄色固体として得た。LCMS(ESI,m/z):461.0 [M+H]
工程4:tert−ブチル4−(7−ブロモ−6−クロロ−2−フルオロ−キナゾリン−4−イル)ピペラジン−1−カルボキシレート
Figure 2021512136
tert−ブチル4−(7−ブロモ−2,6−ジクロロ−キナゾリン−4−イル)ピペラジン−1−カルボキシレート(15.6g、33.75mmol)及びKF(40.0g、688.47mmol)のジメチルスルホキシド(100mL)溶液を、140℃にて4時間撹拌した。完了後、反応系を室温まで冷却し、水で希釈し酢酸エチルで抽出した。次に有機層を合わせ、ブラインで洗浄し無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、真空下にて濃縮した。石油エーテル/酢酸エチル(3/1)で溶出するシリカゲルフラッシュクロマトグラフィーにより残留物を精製し、tert−ブチル4−(7−ブロモ−6−クロロ−2−フルオロ−キナゾリン−4−イル)ピペラジン−1−カルボキシレート(10g、22.44mmol、収率66.5%)を黄色固体として得た。LCMS(ESI,m/z):445.0 [M+H]
工程5:tert−ブチル4−(7−(6−(ビス(4−メトキシベンジル)アミノ)ピリジン−2−イル)−6−クロロ−2−フルオロキナゾリン−4−イル)ピペラジン−1−カルボキシレート
Figure 2021512136
窒素下にて、tert−ブチル4−(7−ブロモ−6−クロロ−2−フルオロ−キナゾリン−4−イル)ピペラジン−1−カルボキシレート(50.0g、104.66mmol)、(6−(ビス(4−メトキシフェニル)アミノ)ピリジン−2−イル)ボロン酸(90.0g、229.44mmol)、リン酸カリウム(45.0g、212.26mmol)、及び1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン−パラジウム(II)ジクロリド(11.5g、15.73mmol)のテトラヒドロフラン溶液(1.5L)及び水溶液(300mL)を、65℃にて3時間撹拌した。完了後、得られた溶液を酢酸エチルで希釈し、水で洗浄した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、真空下にて濃縮した。酢酸エチル/石油エーテル(1/6)で溶出するシリカゲルフラッシュクロマトグラフィーにより残留物を精製しtert−ブチル、4−(7−(6−(ビス(4−メトキシベンジル)アミノ)ピリジン−2−イル)−6−クロロ−2−フルオロキナゾリン−4−イル)ピペラジン−1−カルボキシレート(52g、69.77mmol、66.7%収率)を黄色固体として得た。LCMS(ESI,m/z):713.3 [M+H]
工程6:tert−ブチル4−(7−(6−(ビス(4−メトキシベンジル)アミノ)−3−ヨードピリジン−2−イル)−6−クロロ−2−フルオロキナゾリン−4−イル)ピペラジン−1−カルボキシレート
Figure 2021512136
tert−ブチル4−(7−(6−(ビス(4−メトキシベンジル)アミノ)ピリジン−2−イル)−6−クロロ−2−フルオロキナゾリン−4−イル)ピペラジン−1−カルボキシレート(9.61g、12.9mmol)、N−ヨードスクシンイミド(14.45g、64.49mmol)、及びp−トルエンスルホン酸(0.09g、0.52mmol)のアセトニトリル溶液(180mL)を、25℃にて24時間撹拌した。完了後、得られた溶液を酢酸エチルで希釈し、ブラインで洗浄した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、真空下にて濃縮した。酢酸エチル/石油エーテル(1/7)で溶出するシリカゲルフラッシュクロマトグラフィーにより残留物を精製し、tert−ブチル4−(7−(6−(ビス(4−メトキシベンジル)アミノ)−3−ヨードピリジン−2−イル)−6−クロロ−2−フルオロキナゾリン−4−イル)ピペラジン−1−カルボキシレート(7.71g、8.85mmol、収率68.6%)を黄色固体として得た。LCMS(ESI,m/z):839.2 [M+H]
工程7:tert−ブチル4−(7−(6−(ビス(4−メトキシベンジル)アミノ)−3−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル)−6−クロロ−2−フルオロキナゾリン−4−イル)ピペラジン−1−カルボキシレート
Figure 2021512136
tert−ブチル4−(7−(6−(ビス(4−メトキシベンジル)アミノ)−3−ヨードピリジン−2−イル)−6−クロロ−2−フルオロキナゾリン−4−イル)ピペラジン−1−カルボキシレート(15.35g、17.62mmol)及びヨウ化銅(I)(40.17g、211.44mmol)のN,N−ジメチルアセトアミド溶液(380mL)に、メチル2,2−ジフルオロ−2−(フルオロスルホニル)アセテート(84.63g、440.51mmol)を添加し、90℃にて6時間撹拌した。完了後、得られた溶液を酢酸エチルで希釈し、ブラインで洗浄した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、真空下にて濃縮した。酢酸エチル/石油エーテル(1/5)で溶出するシリカゲルフラッシュクロマトグラフィーにより残留物を精製し、tert−ブチル4−(7−(6−(ビス(4−メトキシベンジル)アミノ)−3−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル)−6−クロロ−2−フルオロキナゾリン−4−イル)ピペラジン−1−カルボキシレート(11.8g、14.51mmol、収率82.3%)を黄色固体として得た。LCMS(ESI,m/z):781.3 [M+H]
中間体4:tert−ブチル4−(7−ブロモ−2,6−ジクロロ−キナゾリン−4−イル)ピペラジン−1−カルボキシレート
化合物tert−ブチル4−(7−ブロモ−2,6−ジクロロ−キナゾリン−4−イル)ピペラジン−1−カルボキシレートを、以下の合成スキームに従い調製した。
Figure 2021512136
工程1:7−ブロモ−6−クロロ−1,2,3,4−テトラヒドロキナゾリン−2,4−ジオン
Figure 2021512136
3000mLの丸底フラスコに、2−アミノ−4−ブロモ−5−クロロ安息香酸(200g、0.8mol)及び尿素(720g、12mol)を入れた。得られた溶液を160℃にて12時間撹拌した。混合物を80℃に冷却し、水でクエンチした後、5〜10分間還流させた。混合物を室温まで冷却し、沈殿物を形成させた。固体をフィルタにかけて収集し、HOで洗浄し、オーブン下で乾燥させ、200g(90%)の粗7−ブロモ−6−クロロ−1,2,3,4−テトラヒドロキナゾリン−2,4−ジオンを黄色固体として得た。粗物質を、更に精製することなく次工程に進めた。
工程2:7−ブロモ−2,4,6−トリクロロキナゾリン
Figure 2021512136
7−ブロモ−6−クロロ−1,2,3,4−テトラヒドロキナゾリン−2,4−ジオン(200g、0.72mol)及びN,N−ジメチルアニリン(264g、2.16mol)のPOCl溶液(750mL)を、120℃にて8時間撹拌し、真空下にて濃縮し、更に精製することなく次工程に進めた。
工程3:tert−ブチル4−(7−ブロモ−2,6−ジクロロ−キナゾリン−4−イル)ピペラジン−1−カルボキシレート(中間体4)
Figure 2021512136
7−ブロモ−2,4,6−トリクロロキナゾリン(200g、0.64mol)、tert−ブチルピペラジン−1−カルボキシレート(178g、0.92mol)、及びDIEA(3当量)の1,4−ジオキサン溶液(2000mL)を、25℃にて8時間撹拌した。得られた溶液を2000mLの水で希釈した後、3×3000mLの酢酸エチルで抽出した。合わせた有機層をブラインで洗浄し(1×100mL)、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、真空下にて濃縮した。酢酸エチル/石油エーテル(1:10)で溶出するシリカゲルカラムにより残留物を精製し、126g(43%)のtert−ブチル4−(7−ブロモ−2,6−ジクロロ−キナゾリン−4−イル)ピペラジン−1−カルボキシレートを黄色固体として得た。
1H NMR(400 MHz,DMSO−d)δ 8.20−8.14(m,1H),8.16−8.10(m,1H),3.95−3.87(m,4H),3.60−3.52(m,4H),1.44(s,9H).LCMS(ESI,m/z):461.1 [M+H]
中間体5:tert−ブチル(S)−4−(7−ブロモ−2,6−ジクロロキナゾリン−4−イル)−3−メチルピペラジン−1−カルボキシレート
Figure 2021512136
化合物tert−ブチル(S)−4−(7−ブロモ−2,6−ジクロロキナゾリン−4−イル)−3−メチルピペラジン−1−カルボキシレート(中間体5)を、工程3において、tert−ブチル(S)−3−メチルピペラジン−1−カルボキシレートを、tert−ブチルピペラジン−1−カルボキシレートの代わりに使用したことを除き、中間体4で説明した手順に従い調製した。
実施例1:1−[4−[7−(3−アミノ−1−イソキノリル)−6−クロロ−キナゾリン−4−イル]ピペラジン−1−イル]プロプ−2−エン−1−オン
化合物1−[4−[7−(3−アミノ−1−イソキノリル)−6−クロロ−キナゾリン−4−イル]ピペラジン−1−イル]プロプ−2−エン−1−オンを、以下の合成スキームに従い調製した。
Figure 2021512136
工程1:tert−ブチル4−(6−クロロ−7−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)キナゾリン−4−イル)ピペラジン−1−カルボキシレート
Figure 2021512136
tert−ブチル4−(7−ブロモ−6−クロロキナゾリン−4−イル)ピペラジン−1−カルボキシレート(550mg、1.29mmol)及びビス(ピナコラト)ジボロン(733mg、2.83mmol)の1,4−ジオキサン溶液(25.0mL)に、酢酸カリウム(189.3mg、0.121ml、1.929mmol)及び[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)(95.0mg、0.129mmol)を添加した。反応混合物を脱気した後、85℃にて18時間加熱した。反応物をセライトを通してフィルタにかけ、粗生成物をシリカフラッシュクロマトグラフィー(MeOH/DCMで溶出)により精製し、tert−ブチル4−(6−クロロ−7−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)キナゾリン−4−イル)ピペラジン−1−カルボキシレート(514mg、84%)を得た。LCMSはボロン酸の質量を示す。LCMS(ESI,m/z):393.1 [M+H]
工程2:tert−ブチル4−(7−(3−アミノイソキノリン−1−イル)−6−クロロキナゾリン−4−イル)ピペラジン−1−カルボキシレート
Figure 2021512136
1−ブロモイソキノリン−3−アミン(196mg、0.85mmol)、tert−ブチル4−[6−クロロ−7−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)キナゾリン−4−イル]ピペラジン−1−カルボキシレート(270mg、0.57mmol)、炭酸セシウム(371mg、1.14mmol)、及び[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)ジクロロメタン付加化合物(47mg、0.057mmol)の、アセトニトリル(6mL)と水(3mL、157.8mmol)の溶液を脱気した。反応混合物を90℃にて5時間加熱した。反応物をセライトを通してフィルタにかけ、粗生成物をシリカフラッシュクロマトグラフィー(MeOH/DCMで溶出)により精製して、235mgのtert−ブチル4−(7−(3−アミノイソキノリン−1−イル)−6−クロロキナゾリン−4−イル)ピペラジン−1−カルボキシレートを黄色固体として得た。LCMS(ESI,m/z):491.2 [M+H]
工程3:1−(6−クロロ−4−(ピペラジン−1−イル)キナゾリン−7−イル)イソキノリン−3−アミン
Figure 2021512136
tert−ブチル4−[7−(3−アミノ−1−イソキノリル)−6−クロロ−キナゾリン−4−イル]ピペラジン−1−カルボキシレート(235mg、0.48mmol)の1,4−ジオキサン溶液(2.0mL)に、1,4−ジオキサン(1.2mL、4.8mmol)中の塩酸(4mol/L)を添加した。反応混合物を室温で18時間撹拌した。反応物を濃縮して、136mgの粗製物の1−(6−クロロ−4−(ピペラジン−1−イル)キナゾリン−7−イル)イソキノリン−3−アミンを得た。粗生成物を、精製することなく次工程に使用した。LCMS(ESI,m/z):391.1 [M+H]
工程4:1−[4−[7−(3−アミノ−1−イソキノリル)−6−クロロ−キナゾリン−4−イル]ピペラジン−1−イル]プロプ−2−エン−1−オン
Figure 2021512136
1−(6−クロロ−4−(ピペラジン−1−イル)キナゾリン−7−イル)イソキノリン−3−アミン(136mg、0.35mmol)及びアクリル酸(0.026mL、0.383mmol)のN,N−ジメチルホルムアミド溶液(3.5mL)に、N,N−ジイソプロピルエチルアミン(0.30mL、1.74mmol)及びHATU(203mg、0.52mmol)を添加した。反応混合物を室温で15分間撹拌した。反応を水でクエンチし、EtOAcで抽出した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させてフィルタにかけ、ロータリーエバポレーターで濃縮した。粗生成物をシリカフラッシュクロマトグラフィー(MeOH/DCMで溶出)により精製した後、逆相HPLCに通し、8mgの1−(4−(7−(3−アミノイソキノリン−1−イル)−6−クロロキナゾリン−4−イル)ピペラジン−1−イル)プロパ−2−エン−1−オンを白色固体として得た。
実施例1:H NMR(400 MHz,DMSO−d)δ 8.70(s,1H),8.21(s,1H),7.84(s,1H),7.63(dd,J=8.5,1.0 Hz,1H),7.47(ddd,J=8.3,6.6,1.2 Hz,1H),7.25(dq,J=8.5,0.9 Hz,1H),7.07(ddd,J=8.5,6.7,1.2 Hz,1H),6.85(dd,J=16.7,10.4 Hz,1H),6.75(d,J=0.9 Hz,1H),6.18(dd,J=16.7,2.4 Hz,1H),6.10(s,2H),5.75(dd,J=10.4,2.4 Hz,1H),4.01−3.73(m,8H).LCMS(ESI,m/z):445.1 [M+H]
実施例2:1−[4−[6−クロロ−7−(3−メチル−2−ピリジル)キナゾリン−4−イル]ピペラジン−1−イル]プロプ−2−エン−1−オン
Figure 2021512136
実施例2の工程2において、市販されている2−ブロモ−3−メチルピリジンを、1−ブロモイソキノリン−3−アミンの代替試薬として使用したことを除き、実施例1と同様の手順
実施例2:H NMR(400 MHz,DMSO−d)δ 8.69(s,1H),8.51(ddd,J=4.8,1.6,0.7 Hz,1H),8.19(s,1H),7.81(ddd,J=7.8,1.7,0.8 Hz,1H),7.76(s,1H),7.42(dd,J=7.7,4.7 Hz,1H),6.84(dd,J=16.7,10.4 Hz,1H),6.18(dd,J=16.7,2.4 Hz,1H),5.74(dd,J=10.4,2.4 Hz,1H),3.95−3.75(m,8H),2.14(d,J=0.8 Hz,3H).LCMS(ESI,m/z):394.1 [M+H]
実施例3:1−[4−[7−(6−アミノ−1,7−ナフチリジン−8−イル)−6−クロロ−キナゾリン−4−イル]ピペラジン−1−イル]プロプ−2−エン−1−オン
Figure 2021512136
実施例3の工程2において、市販されている8−ブロモ−1,7−ナフチリジン−6−アミンを、代替試薬として1−ブロモイソキノリン−3−アミンの代わりに使用したことを除き、実施例1と同様の手順
実施例3:H NMR(400 MHz,DMSO−d)δ 8.69(s,1H),8.44(dd,J=4.0,1.6 Hz,1H),8.14(s,1H),8.07(dd,J=8.6,1.6 Hz,1H),7.84(s,1H),7.44(dd,J=8.5,4.0 Hz,1H),6.84(dd,J=16.7,10.5 Hz,1H),6.75(s,1H),6.32(s,2H),6.18(dd,J=16.7,2.4 Hz,1H),5.75(dd,J=10.5,2.3 Hz,1H),3.85(d,J=43.6 Hz,8H).LCMS(ESI,m/z):446.1 [M+H]
実施例4:1−[4−[7−(3−アミノ−2,6−ナフチジン−1−イル)−6−クロロ−キナゾリン−4−イル]ピペラジン−1−イル]プロプ−2−エン−1−オン
Figure 2021512136
実施例4の工程2において、市販されている1−ブロモ−2,6−ナフチリジン−3−アミンを、代替試薬として1−ブロモイソキノリン−3−アミンの代わりに使用したことを除き、実施例1と同様の手順
実施例4:H NMR(400 MHz,DMSO−d)δ 9.13(d,J=1.1 Hz,1H),8.71(s,1H),8.23(s,1H),8.09(d,J=5.9 Hz,1H),7.89(s,1H),7.09(dt,J=5.9,1.1 Hz,1H),6.88(t,J=1.1 Hz,1H),6.87−6.79(m,1H),6.49(s,2H),6.18(dd,J=16.7,2.4 Hz,1H),5.75(dd,J=10.4,2.4 Hz,1H),3.99−3.74(m,8H).LCMS(ESI,m/z):446.1 [M+H]
実施例5:1−[4−[7−(3−アミノ−5−クロロ−1−イソキノリル)−6−クロロ−キナゾリン−4−イル]ピペラジン−1−イル]プロプ−2−エン−1−オン
Figure 2021512136
実施例5の工程2において、市販されている1−ブロモ−5−クロロ−イソキノリン−3−アミンを、代替試薬として1−ブロモイソキノリン−3−アミンの代わりに使用したことを除き、実施例1と同様の手順
実施例5:H NMR(400 MHz,DMSO−d)δ 8.70(s,1H),8.22(s,1H),7.88(s,1H),7.67(dd,J=7.4,1.1 Hz,1H),7.25(dt,J=8.5,1.0 Hz,1H),7.03(dd,J=8.5,7.3 Hz,1H),6.98(d,J=1.0 Hz,1H),6.85(dd,J=16.7,10.5 Hz,1H),6.49(s,2H),6.18(dd,J=16.7,2.4 Hz,1H),5.75(dd,J=10.5,2.4 Hz,1H),3.99−3.75(m,8H).LCMS(ESI,m/z):479.1 [M+H]
実施例6:1−[4−[7−(3−アミノ−6−メトキシ−1−イソキノリル)−6−クロロ−キナゾリン−4−イル]ピペラジン−1−イル]プロプ−2−エン−1−オン
Figure 2021512136
実施例6の工程2において、市販されている1−ブロモ−6−メトキシイソキノリン−3−アミンを、代替試薬として1−ブロモイソキノリン−3−アミンの代わりに使用したことを除き、実施例1と同様の手順
実施例6:H NMR(400 MHz,DMSO−d)δ 8.69(s,1H),8.19(s,1H),7.80(s,1H),7.14(d,J=9.2 Hz,1H),6.98(d,J=2.4 Hz,1H),6.84(dd,J=16.7,10.5 Hz,1H),6.74−6.63(m,2H),6.18(dd,J=16.7,2.4 Hz,1H),6.03(s,2H),5.75(dd,J=10.4,2.4 Hz,1H),3.78−3.99(m,11H).LCMS(ESI,m/z):475.1 [M+H]
実施例7:(S)−1−(4−(7−(3−アミノイソキノリン−1−イル)−6−クロロ−8−フルオロキナゾリン−4−イル)ピペラジン−1−イル)プロプ−2−エン−1−オン
化合物(S)−1−(4−(7−(3−アミノイソキノリン−1−イル)−6−クロロ−8−フルオロキナゾリン−4−イル)ピペラジン−1−イル)プロプ−2−エン−1−オンを、以下の合成スキームに従い調製した。
Figure 2021512136
工程1:1−(トリブチルスタンニル)イソキノリン−3−アミン
Figure 2021512136
1−ブロモイソキノリン−3−アミン(500mg、2.17mmol)、ビス(トリブチルスズ)(1.21mL、2.39mmol)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)(205mg、0.217mmol)、トリシクロヘキシルホスフィン(122mg、0.435mmol)、及び塩化リチウム(460mg、10.9mmol)の1,4−ジオキサン溶液(10mL)を脱気した。反応混合物を115℃にて18時間撹拌した。反応物をセライトを通してフィルタにかけた。粗生成物を次工程で使用した。LCMS(ESI,m/z):434.1 [M+H]
工程2:tert−ブチル4−(7−(3−アミノイソキノリン−1−イル)−6−クロロ−8−フルオロキナゾリン−4−イル)ピペラジン−1−カルボキシレート
Figure 2021512136
1−トリブチルスタンニルイソキノリン−3−アミン(300mg、0.693mmol)、tert−ブチル4−(7−ブロモ−6−クロロ−8−フルオロ−キナゾリン−4−イル)ピペラジン−1−カルボキシレート(617mg、1.39mmol)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(80.0mg、0.069mmol)、ヨウ化第一銅(39.6mg、0.21mmol)、及び塩化リチウム(124mg、2.77mmol)のN,N−ジメチルホルムアミド溶液(14mL)を脱気した。反応混合物を電子レンジで、150℃にて15分間加熱した。反応混合物をセライトを通してフィルタにかけ、濃縮した。粗生成物を濃縮し、シリカフラッシュクロマトグラフィー(MeOH/DCMで溶出)により精製して、tert−ブチル4−(7−(3−アミノイソキノリン−1−イル)−6−クロロ−8−フルオロキナゾリン−4−イル)ピペラジン−1−カルボキシレート(94mg、27%)を得た。LCMS(ESI,m/z):444.9 [M+H]
工程3:1−(6−クロロ−8−フルオロ−4−(ピペラジン−1−イル)キナゾリン−7−イル)イソキノリン−3−アミン
Figure 2021512136
tert−ブチル4−[7−(3−アミノ−1−イソキノリル)−6−クロロ−8−フルオロ−キナゾリン−4−イル]ピペラジン−1−カルボキシレート(410mg、0.806mmol)の1,4−ジオキサン溶液(3.0mL)に、1,4−ジオキサン(2.0mL、8.1mmol)中の塩酸(4mol/L)を添加した。反応混合物を室温で18時間撹拌した。反応物を濃縮して、329mgの粗製物の1−(6−クロロ−8−フルオロ−4−(ピペラジン−1−イル)キナゾリン−7−イル)イソキノリン−3−アミンを得た。粗生成物を、精製することなく次工程に使用した。LCMS(ESI,m/z):409.1 [M+H]
工程4:(S)−1−(4−(7−(3−アミノイソキノリン−1−イル)−6−クロロ−8−フルオロキナゾリン−4−イル)ピペラジン−1−イル)プロプ−2−エン−1−オン
Figure 2021512136
1−(6−クロロ−8−フルオロ−4−ピペラジン−1−イル−キナゾリン−7−イル)イソキノリン−3−アミン(329mg、0.805mmol)、及びN,N−ジイソプロピルエチルアミン(0.70mL、4.02mmol)のジクロロメタン溶液(8.0mL)に、アクリル酸(0.061mL、0.885mmol)及びHATU(468.3mg、1.21mmol)を0℃にて添加した。反応混合物を0℃にて10分間撹拌した。反応を水でクエンチし、EtOAcで抽出した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させてフィルタにかけ、ロータリーエバポレーターで濃縮した。粗生成物をシリカフラッシュクロマトグラフィー(MeOH/DCMで溶出)により精製して1−(4−(7−(3−アミノイソキノリン−1−イル)−6−クロロ−8−フルオロキナゾリン−4−イル)ピペラジン−1−イル)プロプ−2−エン−1−オンを得、キラルSFC精製に通して、30.6mgの(S)−1−(4−(7−(3−アミノイソキノリン−1−イル)−6−クロロ−8−フルオロキナゾリン−4−イル)ピペラジン−1−イル)プロプ−2−エン−1−オンを白色固体として得た(収率8.2%)。
実施例7:H NMR(400 MHz,DMSO−d)δ 8.73(s,1H),8.08(d,J=1.5 Hz,1H),7.65(dt,J=8.7,0.9 Hz,1H),7.49(ddd,J=8.3,6.7,1.2 Hz,1H),7.25(dt,J=8.6,1.0 Hz,1H),7.09(ddd,J=8.5,6.7,1.1 Hz,1H),6.84(dd,J=16.7,10.4 Hz,1H),6.79(d,J=0.9 Hz,1H),6.24−6.08(m,3H),5.75(dd,J=10.4,2.4 Hz,1H),4.04−3.90(m,4H),3.90−3.74(m,4H).LCMS(ESI,m/z):463.1 [M+H]
実施例8:(R)−1−(4−(7−(3−アミノイソキノリン−1−イル)−6−クロロ−8−フルオロキナゾリン−4−イル)ピペラジン−1−イル)プロプ−2−エン−1−オン
Figure 2021512136
1−(4−(7−(3−アミノイソキノリン−1−イル)−6−クロロ−8−フルオロキナゾリン−4−イル)ピペラジン−1−イル)プロプ−2−エン−1−オンのキラル分離により、実施例8を得た。
実施例8:H NMR(400 MHz,DMSO−d)δ 8.73(s,1H),8.08(d,J=1.5 Hz,1H),7.65(dt,J=8.5,0.9 Hz,1H),7.49(ddd,J=8.3,6.7,1.2 Hz,1H),7.25(dt,J=8.6,1.0 Hz,1H),7.09(ddd,J=8.5,6.7,1.2 Hz,1H),6.84(dd,J=16.7,10.5 Hz,1H),6.80−6.76(m,1H),6.23−6.10(m,3H),5.75(dd,J=10.5,2.4 Hz,1H),4.05−3.90(m,4H),3.82(d,J=29.0 Hz,4H).LCMS(ESI,m/z):463.1 [M+H]
実施例9:(S)−1−(4−(7−(6−アミノ−3−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル)−6−クロロ−8−フルオロキナゾリン−4−イル)ピペラジン−1−イル)プロプ−2−エン−1−オン
Figure 2021512136
実施例9の工程1において、市販されている6−クロロ−5−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−アミンを、代替試薬として1−ブロモイソキノリン−3−アミンの代わりに使用したことを除き、実施例7と同様の手順
実施例9:H NMR(400 MHz,DMSO−d)δ 8.70(s,1H),8.01(d,J=1.5 Hz,1H),7.84(d,J=8.9 Hz,1H),7.00(s,2H),6.82(dd,J=16.7,10.4 Hz,1H),6.69−6.61(m,1H),6.17(dd,J=16.7,2.4 Hz,1H),5.74(dd,J=10.4,2.4 Hz,1H),3.92(t,J=5.2 Hz,4H),3.84(s,2H),3.77(s,2H).LCMS(ESI,m/z):481.1 [M+H]
実施例10:(R)−1−(4−(7−(6−アミノ−3−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル)−6−クロロ−8−フルオロキナゾリン−4−イル)ピペラジン−1−イル)プロプ−2−エン−1−オン
Figure 2021512136
実施例10の工程1において、市販されている6−クロロ−5−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−アミンを、代替試薬として1−ブロモイソキノリン−3−アミンの代わりに使用したことを除き、実施例7と同様の手順
実施例10:H NMR(400 MHz,DMSO−d)δ 8.70(s,1H),8.01(d,J=1.6 Hz,1H),7.84(d,J=8.9 Hz,1H),7.00(s,2H),6.82(dd,J=16.7,10.4 Hz,1H),6.69−6.61(m,1H),6.17(dd,J=16.7,2.4 Hz,1H),5.74(dd,J=10.4,2.4 Hz,1H),3.91(dd,J=6.5,4.0 Hz,4H),3.84(s,2H),3.77(s,2H).LCMS(ESI,m/z):481.1 [M+H]
実施例11:1−(4−(7−(6−アミノ−3−フルオロ−4−メチルピリジン−2−イル)−6−クロロキナゾリン−4−イル)ピペラジン−1−イル)プロプ−2−エン−1−オン
化合物1−(4−(7−(6−アミノ−3−フルオロ−4−メチルピリジン−2−イル)−6−クロロキナゾリン−4−イル)ピペラジン−1−イル)プロプ−2−エン−1−オンを、以下の合成スキームに従い調製した:
Figure 2021512136
工程1:2−(5−フルオロ−4−メチルピリジン−2−イル)イソインドリン−1,3−ジオン
Figure 2021512136
2−アミノ−5−フルオロ−4−ピコリン(500mg、3.77mmol)及び無水フタル酸(836mg、5.65mmol)の酢酸溶液(9.5mL)を、90℃にて18時間加熱した。反応を飽和重炭酸ナトリウムでクエンチした後、EtOAcで抽出した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させてフィルタにかけ、ロータリーエバポレーターで濃縮した。粗生成物をシリカフラッシュクロマトグラフィー(iPrOAc/Hepで溶出)により精製し、2−(5−フルオロ−4−メチルピリジン−2−イル)イソインドリン−1,3−ジオン(834mg、86.5%)を得た。LCMS(ESI,m/z):257.1 [M+H]
工程2:2−(6−クロロ−5−フルオロ−4−メチルピリジン−2−イル)イソインドリン−1,3−ジオン
Figure 2021512136
2−(5−フルオロ−4−メチルピリジン−2−イル)イソインドリン−1,3−ジオン(964mg、3.76mmol)のジクロロメタン溶液(37mL)に、3−クロロペルオキシ安息香酸(1.30g、7.53mmol)を添加した。反応混合物を室温で18時間撹拌した。反応を飽和Na水溶液でクエンチし、EtOAcで抽出した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、フィルタにかけてロータリーエバポレーターを通して濃縮し、2−(1,3−ジオキソイソインドリン−2−イル)−5−フルオロ−4−メチルピリジン1−オキシド(945mg、92.3%)を得た。
2−(1,3−ジオキソイソインドリン−2−イル)−5−フルオロ−4−メチルピリジン1−オキシド(550mg、2.02mmol)のオキシ塩化リン(5.0mL、50.51mmol)溶液を80℃まで2時間加熱した。氷水及び飽和NaHCOで反応をクエンチし、続いてEtOAcで抽出した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させてフィルタにかけ、ロータリーエバポレーターで濃縮した。粗生成物をシリカフラッシュクロマトグラフィー(iPrOAc/Hepで溶出)により精製し、2−(6−クロロ−5−フルオロ−4−メチルピリジン−2−イル)イソインドリン−1,3−ジオン(234mg、39.8%)を得た。LCMS(ESI,m/z):290.9 [M+H]
工程3:6−クロロ−5−フルオロ−N,N−ビス(4−メトキシベンジル)−4−メチルピリジン−2−アミン
Figure 2021512136
2−(6−クロロ−5−フルオロ−4−メチルピリジン−2−イル)イソインドリン−1,3−ジオン(633mg、2.18mmol)の、メタノール(3.1mL)中のアンモニア(7mol/L)溶液を45℃にて5時間撹拌した。固体をフィルタにかけて、136mgの粗製物の6−クロロ−5−フルオロ−4−メチルピリジン−2−アミンを得た。粗生成物を、精製することなく次工程に使用した。LCMS(ESI,m/z):161.1 [M+H]
6−クロロ−5−フルオロ−4−メチル−ピリジン−2−アミン(250mg、1.56mmol)のN,N−ジメチルアセトアミド溶液(6.0mL)に、0℃にて油(75.0mg、1.87mmol)中の水素化ナトリウム(60質量%)を添加した。反応物を0℃にて30分間撹拌した後、4−メトキシベンジルクロリド(0.24mL、1.71mmol)を滴加した。反応混合物を室温で18時間撹拌した。反応を水でクエンチし、EtOAcで抽出した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させてフィルタにかけ、ロータリーエバポレーターで濃縮した。粗生成物をシリカフラッシュクロマトグラフィー(iPrOAc/Hepにより溶出)により精製し、6−クロロ−5−フルオロ−N,N−ビス(4−メトキシベンジル)−4−メチルピリジン−2−アミン(521mg、83.4%)を得た。LCMS(ESI,m/z):401.9 [M+H]
工程4:tert−ブチル4−(7−(6−(ビス(4−メトキシベンジル)アミノ)−3−フルオロ−4−メチルピリジン−2−イル)−6−クロロキナゾリン−4−イル)ピペラジン−1−カルボキシレート
Figure 2021512136
tert−ブチル4−[6−クロロ−7−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)キナゾリン−4−イル]ピペラジン−1−カルボキシレート(250mg、0.527mmol)、6−クロロ−5−フルオロ−N,N−ビス(4−メトキシベンジル)−4−メチルピリジン−2−アミン(190.0mg、0.474mmol)、ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(ii)ジクロリド(37.3mg、0.053mmol)、及びフッ化カリウム(92mg、1.58mmol)のアセトニトリル(5.0mL)及び水(1.0mL)の懸濁液を脱気した。反応混合物を電子レンジで、125℃にて30分間加熱した。反応物を、セライトを通してフィルタにかけた。粗生成物をシリカフラッシュクロマトグラフィー(MeOH/DCMで溶出)により精製し、tert−ブチル4−(7−(6−(ビス(4−メトキシベンジル)アミノ)−3−フルオロ−4−メチルピリジン−2−イル)−6−クロロキナゾリン−4−イル)ピペラジン−1−カルボキシレート(145mg、38.6%)を得た。LCMS(ESI,m/z):657.1 [M+H]
工程5:6−(6−クロロ−4−(ピペラジン−1−イル)キナゾリン−7−イル)5−フルオロ−4−メチルピリジン−2−アミン
Figure 2021512136
tert−ブチル4−(7−(6−(ビス(4−メトキシベンジル)アミノ)−3−フルオロ−4−メチルピリジン−2−イル)−6−クロロキナゾリン−4−イル)ピペラジン−1−カルボキシレート(200mg、0.280mmol)のジクロロメタン溶液(3.0mL)に、トリフルオロ酢酸(0.106mL、1.40mmol)を添加した。反応混合物を室温で18時間撹拌した。反応物を濃縮し、EtOAcで希釈した。溶液を飽和NaHCO3で洗浄した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、フィルタにかけてロータリーエバポレーターを通して濃縮し、105mgの粗製物の6−(6−クロロ−4−(ピペラジン−1−イル)キナゾリン−7−イル)5−フルオロ−4−メチルピリジン−2−アミンを得た。粗生成物を、精製することなく次工程に使用した。LCMS(ESI,m/z):373.1 [M+H]
工程6:1−(4−(7−(6−アミノ−3−フルオロ−4−メチルピリジン−2−イル)−6−クロロキナゾリン−4−イル)ピペラジン−1−イル)プロプ−2−エン−1−オン
Figure 2021512136
6−(6−クロロ−4−ピペラジン−1−イル−キナゾリン−7−イル)−5−フルオロ−4−メチル−ピリジン−2−アミン(210mg、0.563mmol)及びN,N−ジイソプロピルエチルアミン(0.50mL、2.82mmol)のジクロロメタン溶液(5.5mL)に、アクリル酸(0.042mL、0.620mmol)及びHATU(328mg、0.845mmol)を0℃にて添加した。反応混合物を0℃にて10分間撹拌した。反応を水でクエンチし、EtOAcで抽出した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させてフィルタにかけ、ロータリーエバポレーターで濃縮した。粗生成物をシリカフラッシュクロマトグラフィー(MeOH/DCMで溶出)により精製した後、逆相HPLCに通し、1−(4−(7−(6−アミノ−3−フルオロ−4−メチルピリジン−2−イル)−6−クロロキナゾリン−4−イル)ピペラジン−1−イル)プロプ−2−エン−1−オン(54.1mg、20.7%)を得た。
実施例11:H NMR(400 MHz,DMSO−d)δ 8.67(s,1H),8.14(s,1H),7.81(s,1H),6.83(dd,J=16.7,10.4 Hz,1H),6.45(dd,J=4.7,1.0 Hz,1H),6.17(dd,J=16.7,2.4 Hz,1H),5.93(s,2H),5.74(dd,J=10.4,2.4 Hz,1H),3.91−3.73(m,8H),2.21(dd,J=1.7,0.9 Hz,3H).LCMS(ESI,m/z):427.1 [M+H]
実施例12:(R)−1−(4−(7−(6−アミノ−3−フルオロ−4−メチルピリジン−2−イル)−6−クロロ−2−((2−フルオロ−3−ヒドロキシ−3−メチルブチル)アミノ)キナゾリン−4−イル)ピペラジン−1−イル)プロプ−2−エン−1−オン
化合物(R)−1−(4−(7−(6−アミノ−3−フルオロ−4−メチルピリジン−2−イル)−6−クロロ−2−((2−フルオロ−3−ヒドロキシ−3−メチルブチル)アミノ)キナゾリン−4−イル)ピペラジン−1−イル)プロプ−2−エン−1−オンを、以下の合成スキームに従い調製した。
Figure 2021512136
工程1:tert−ブチル(R)−4−(7−ブロモ−6−クロロ−2−((2−フルオロ−3−ヒドロキシ−3−メチルブチル)アミノ)キナゾリン−4−イル)ピペラジン−1−カルボキシレート
Figure 2021512136
tert−ブチル4−(7−ブロモ−2,6−ジクロロ−キナゾリン−4−イル)ピペラジン−1−カルボキシレート(中間体4)(500mg、1.08mmol)及び(3R)−4−アミノ−3−フルオロ−2−メチル−ブタン−2−オールヒドロクロリド(375mg、2.38mmol)の2−プロパノール溶液(10.0mL)に、N,N−ジイソプロピルエチルアミン(1.90mL、10.8mmol)を添加した。反応混合物を65℃にて18時間撹拌した。反応物を濃縮し、粗生成物をシリカフラッシュクロマトグラフィー(MeOH/DCMで溶出)により精製して、tert−ブチル(R)−4−(7−ブロモ−6−クロロ−2−((2−フルオロ−3−ヒドロキシ−3−メチルブチル)アミノ)キナゾリン−4−イル)ピペラジン−1−カルボキシレート(558mg、94.3%)を得た。LCMS(ESI,m/z):548.1 [M+H]
工程2:tert−ブチル(R)−4−(6−クロロ−2−((2−フルオロ−3−ヒドロキシ−3−メチルブチル)アミノ)−7−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)キナゾリン−4−イル)ピペラジン−1−カルボキシレート
Figure 2021512136
tert−ブチル(R)−4−(7−ブロモ−6−クロロ−2−((2−フルオロ−3−ヒドロキシ−3−メチルブチル)アミノ)キナゾリン−4−イル)ピペラジン−1−カルボキシレート(100mg、0.183mmol)及びビス(ピナコラト)ジボロン(142mg、0.549mmol)の1,4−ジオキサン溶液(3.5mL)に、酢酸カリウム(54mg、0.548mmol)及び1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン−パラジウム(II)ジクロリドジクロロメタン錯体(9.0mg、0.0091mmol)を添加した。反応混合物を脱気した後、125℃にて1時間撹拌した。反応物をセライトを通してフィルタにかけて濃縮し、108mgの粗製物のtert−ブチル(R)−4−(6−クロロ−2−((2−フルオロ−3−ヒドロキシ−3−メチルブチル)アミノ)−7−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)キナゾリン−4−イル)ピペラジン−1−カルボキシレートを得た。粗物質を、精製することなく次工程に使用した。LCMS(ESI,m/z):595.1 [M+H]
工程3:(R)−2−((6−(4−(4−(tert−ブトキシカルボニル)ピペラジン−1−イル)−6−クロロ−2−((2−フルオロ−3−ヒドロキシ−3−メチルブチル)アミノ)キナゾリン−7−イル)−5−フルオロ−4−メチルピリジン−2−イル)カルボニル)安息香酸
Figure 2021512136
tert−ブチル(R)−4−(6−クロロ−2−((2−フルオロ−3−ヒドロキシ−3−メチルブチル)アミノ)−7−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)キナゾリン−4−イル)ピペラジン−1−カルボキシレート(108mg、0.182mmol)、2−(6−クロロ−5−フルオロ−4−メチル−2−ピリジル)イソインドリン−1,3−ジオン(74.0mg、0.255mmol)、ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)ジクロリド(13.0mg、0.0182mmol)、及びフッ化カリウム(42.0mg、0.727mmol)のアセトニトリル(2.0mL)及び水(0.5mL)の溶液を、脱気した。反応混合物を電子レンジで、125℃にて30分間加熱した。反応物を、セライトを通してフィルタにかけた。粗生成物をシリカフラッシュクロマトグラフィー(MeOH/DCMで溶出)により精製し、(R)−2−((6−(4−(4−(tert−ブトキシカルボニル)ピペラジン−1−イル)−6−クロロ−2−((2−フルオロ−3−ヒドロキシ−3−メチルブチル)アミノ)キナゾリン−7−イル)−5−フルオロ−4−メチルピリジン−2−イル)カルボニル)安息香酸(38mg、28.2%)を得た。LCMS(ESI,m/z):741.1 [M+H]
工程4:(R)−4−((7−(6−アミノ−3−フルオロ−4−メチルピリジン−2−イル)−6−クロロ−4−(ピペラジン−1−イル)キナゾリン−2−イル)アミノ)−3−フルオロ−2−2−メチルブタン−2−オール
Figure 2021512136
(R)−2−((6−(4−(4−(tert−ブトキシカルボニル)ピペラジン−1−イル)−6−クロロ−2−((2−フルオロ−3−ヒドロキシ−3−メチルブチル)アミノ)キナゾリン−7−イル)−5−フルオロ−4−メチルピリジン−2−イル)カルボニル)安息香酸(270mg、0.365mmol)及びN,N−ジイソプロピルエチルアミン(0.32mL、1.80mmol)のジクロロメタン溶液(3.5mL)に、HATU(212.0mg、0.547mmol)を添加した。反応混合物を室温で18時間撹拌した。反応を水でクエンチし、EtOAcで抽出した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させてフィルタにかけ、ロータリーエバポレーターで濃縮した。粗生成物をシリカフラッシュクロマトグラフィー(MeOH/DCMで溶出)により精製し、tert−ブチル4−[6−クロロ−7−[6−(1,3−ジオキソイソインドリン−2−イル)−3−フルオロ−4−メチル−2−ピリジル]−2−[[(2R)−2−フルオロ−3−ヒドロキシ−3−メチル−ブチル]アミノ]キナゾリン−4−イル]ピペラジン−1−カルボキシレート(151mg、57.3%)を得た。LCMS(ESI,m/z):723.1 [M+H]
tert−ブチル4−[6−クロロ−7−[6−(1,3−ジオキソイソインドリン−2−イル)−3−フルオロ−4−メチル−2−ピリジル]−2−[[(2R)−2−フルオロ−3−ヒドロキシ−3−メチル−ブチル]アミノ]キナゾリン−4−イル]ピペラジン−1−カルボキシレート(190mg、0.263mmol)の、メタノール(1.90mL、13.2mmol)中のアンモニア(7mol/L)溶液を、45℃にて2時間撹拌した。反応物を濃縮し、粗生成物を更に精製することなく次工程に移した。
tert−ブチル4−[7−(6−アミノ−3−フルオロ−4−メチル−2−ピリジル)−6−クロロ−2−[[(2R)−2−フルオロ−3−ヒドロキシ−3−メチル−ブチル]アミノ]キナゾリン−4−イル]ピペラジン−1−カルボキシレート(156mg、0.263mmol)の1,4−ジオキサン溶液(1.0mL)に、1,4−ジオキサン(0.65mL、2.63mmol)中の塩酸(4mol/L)を添加した。反応混合物を室温で18時間撹拌した。反応物を濃縮し、129mgの粗(R)−4−((7−(6−アミノ−3−フルオロ−4−メチルピリジン−2−イル)−6−クロロ−4−(ピペラジン−1−イル)キナゾリン−2−イル)アミノ)−3−フルオロ−2−2−メチルブタン−2−オールを得た。粗生成物を、精製することなく次工程に使用した。LCMS(ESI,m/z):493.1 [M+H]
工程5:(R)−1−(4−(7−(6−アミノ−3−フルオロ−4−メチルピリジン−2−イル)−6−クロロ−2−((2−フルオロ−3−ヒドロキシ−3−メチルブチル)アミノ)キナゾリン−4−イル)ピペラジン−1−イル)プロプ−2−エン−1−オン
Figure 2021512136
(R)−4−((7−(6−アミノ−3−フルオロ−4−メチルピリジン−2−イル)−6−クロロ−4−(ピペラジン−1−イル)キナゾリン−2−イル)アミノ)−3−フルオロ−2−2−メチルブタン−2−オール(129mg、0.262mmol)及びN,N−ジイソプロピルエチルアミン(0.23mL、1.31mmol)のジクロロメタン溶液(2.5mL)に、アクリル酸(0.020mL、0.290mmol)及びHATU(153mg、0.393mmol)を0℃にて添加した。反応混合物を0℃にて10分間撹拌した。反応を水でクエンチし、EtOAcで抽出した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させてフィルタにかけ、ロータリーエバポレーターで濃縮した。粗生成物をシリカフラッシュクロマトグラフィー(MeOH/DCMで溶出)により精製した後、逆相HPLCに通し、(R)−1−(4−(7−(6−アミノ−3−フルオロ−4−メチルピリジン−2−イル)−6−クロロ−2−((2−フルオロ−3−ヒドロキシ−3−メチルブチル)アミノ)キナゾリン−4−イル)ピペラジン−1−イル)プロプ−2−エン−1−オン(25mg、17.3%)を得た。
実施例12:H NMR(400 MHz,DMSO−d)δ 7.84(s,1H),7.25(d,J=58.3 Hz,2H),6.84(dd,J=16.7,10.5 Hz,1H),6.41(dd,J=4.7,1.0 Hz,1H),6.16(dd,J=16.7,2.4 Hz,1H),5.88(s,2H),5.73(dd,J=10.4,2.4 Hz,1H),4.77(s,1H),4.36(s,1H),3.90−3.59(m,10H),2.19(dd,J=1.7,0.8 Hz,3H),1.20−1.09(m,6H).LCMS(ESI,m/z):526.2 [M+H]
実施例13:1−(4−(7−(6−アミノ−3,4−ジメチルピリジン−2−イル)−6−クロロキナゾリン−4−イル)ピペリジン−1−イル)プロプ−2−エン−1−オン
Figure 2021512136
実施例12の工程1において、市販されている4,5−ジメチルピリジン−2−アミンを、代替試薬として2−アミノ−5−フルオロ−4−ピコリンの代わりに使用したことを除き、実施例11と同様の手順。
実施例13:H NMR(400 MHz,DMSO−d)δ 8.66(s,1H),8.12(s,1H),7.64(s,1H),6.83(dd,J=16.7,10.5 Hz,1H),6.40−6.36(m,1H),6.17(dd,J=16.7,2.4 Hz,1H),5.79−5.69(m,3H),3.90−3.74(m,8H),2.18(d,J=0.8 Hz,3H),1.83(s,3H).LCMS(ESI,m/z):423.1 [M+H]
実施例14:1−(4−(7−(6−アミノ−3−クロロ−4−メチルピリジン−2−イル)−6−クロロキナゾリン−4−イル)ピペラジン−1−イル)プロプ−2−エン−1−オン
Figure 2021512136
実施例13の工程1において、市販されている2−アミノ−5−クロロ−4−ピコリンを、代替試薬として2−アミノ−5−フルオロ−4−ピコリンの代わりに使用したことを除き、実施例11と同様の手順。
実施例14:H NMR(400 MHz,DMSO−d)δ 8.67(s,1H),8.14(s,1H),7.72(s,1H),6.83(dd,J=16.7,10.5 Hz,1H),6.51(d,J=0.9 Hz,1H),6.23−6.14(m,3H),5.74(dd,J=10.4,2.4 Hz,1H),3.83(dd,J=39.2,5.3 Hz,8H),2.28(d,J=0.7 Hz,3H).LCMS(ESI,m/z):443.1 [M+H]
実施例15:1−(4−(7−(6−アミノ−3−メチルピリジン−2−イル)−6−クロロキナゾリン−4−イル)ピペラジン−1−イル)プロプ−2−エン−1−オン
Figure 2021512136
工程1:tert−ブチル4−(7−(6−アミノ−3−メチルピリジン−2−イル)−6−クロロキナゾリン−4−イル)ピペラジン−1−カルボキシレート
Figure 2021512136
窒素下にて、tert−ブチル4−[6−クロロ−7−(テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)キナゾリン−4−イル]ピペラジン−1−カルボキシレート(2.5g、5.2mmol)、6−ブロモ−5−メチルピリジン−2−アミン(1g、5.3mmol)、1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン−パラジウム(II)ジクロリドジクロロメタン錯体(432mg、0.52mmol)、水酸化ナトリウム(430mg、10.75mmol)の、1,4−ジオキサン(15mL)及び水(2mL)の溶液を、2時間100℃にて撹拌した。完了後、溶液を水(30mL)で希釈し、酢酸エチルで抽出し(3×50mL)、有機層を合わせた。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、真空下にて濃縮した。残留物をジクロロメタン/メタノール(10/1)で溶出するシリカゲルカラムにアプライし、1.6g(67%)のtert−ブチル4−[7−(6−アミノ−3−メチルピリジン−2−イル)−6−クロロキナゾリン−4−イル]ピペラジン−1−カルボキシレート(1.6g、3.5mmol、収率67%)を黄色油として得た。LC−MS(ESI,m/z):455.2 [M+H]
工程2:6−(6−クロロ−4−(ピペラジン−1−イル)キナゾリン−7−イル)−5−メチルピリジン−2−アミン
Figure 2021512136
tert−ブチル4−[7−(6−アミノ−3−メチルピリジン−2−イル)−6−クロロキナゾリン−4−イル]ピペラジン−1−カルボキシレート(1.5g、3.29mmol)及びトリフルオロ酢酸(1.12g、9.82mmol)のジクロロメタン溶液(20mL)を3時間25℃にて、撹拌した。完了後、得られた混合物を真空下にて濃縮し、1.8g(粗製物)の6−[6−クロロ−4−(ピペラジン−1−イル)キナゾリン−7−イル]−5−メチルピリジン−2−アミンを褐色油として得、これを更に精製することなく次工程で使用した。LC−MS(ESI,m/z):355.1 [M+H]
工程3:1−[4−[7−(6−アミノ−3−メチルピリジン−2−イル)−6−クロロキナゾリン−4−イル]ピペラジン−1−イル]プロプ−2−エン−1−オン
Figure 2021512136
6−[6−クロロ−4−(ピペラジン−1−イル)キナゾリン−7−イル]−5−メチルピリジン−2−アミン(600mg、1.69mmol)、プロプ−2−エン酸(140mg、1.94mmol)、HATU(1.3g、3.41mmol)、N,N−ジイソプロピルエチルアミン(877mg、6.78mmol)のジクロロメタン溶液(20mL)を2時間25℃にて撹拌した。完了後、溶液を水(5mL)でクエンチし、ジクロロメタン(50mL)で希釈してブラインで洗浄した(3×10mL)。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、真空下にて濃縮した。粗生成物を以下の条件;カラム:CHIRALPAK IE、2*25cm、5um;移動相A:MTBE(10mM NH−メタノール)−HPLC、移動相B:メタノール−HPLC;流速:20mL/分;勾配:27分で15Bから15B;220/254nm;RT1:17.672;RT2:23.294により更に単離し、1−[4−[7−(6−アミノ−3−メチルピリジン−2−イル)−6−クロロキナゾリン−4−イル]ピペラジン−1−イル]プロプ−2−エン−1−オン(20.2mg、0.048mmol、収率3%)を白色固体として得た。LC−MS(ESI,m/z):409.1 [M+H]
実施例15:H NMR(400 MHz,メタノール−d,ppm)δ 8.68(s,1H),8.23(s,1H),7.76(s,1H),7.48(dd,J=8.4,0.4 Hz,1H),6.88−6.81(m,1H),6.66(d,J=8.4 Hz,1H),6.29(dd,J=16.8,2.0 Hz,1H),5.83(dd,J=10.8,2.0 Hz,1H),4.02(s,4H),3.94(s,4H),2.00(s,3H).
実施例16:N−(6−[6−クロロ−4−[4−(プロプ−2−エノイル)ピペラジン−1−イル]キナゾリン−7−イル]−5−メチルピリジン−2−イル)アセトアミド
Figure 2021512136
工程1:N−(6−[6−クロロ−4−[4−(プロプ−2−エノイル)ピペラジン−1−イル]キナゾリン−7−イル]−5−メチルピリジン−2−イル)アセトアミド
Figure 2021512136
1−[4−[7−(6−アミノ−3−メチルピリジン−2−イル)−6−クロロキナゾリン−4−イル]ピペラジン−1−イル]プロプ−2−エン−1−オン(300mg、0.73mmol)、酢酸アセチル(112mg、1.09mmol)、トリエチルアミン(221mg、2.18mmol)のジクロロメタン溶液(20mL)を9時間、25℃にて撹拌した。完了後、溶液を水(5mL)でクエンチし、ジクロロメタン(50mL)で希釈してブラインで洗浄した(3×10mL)。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、真空下にて濃縮した。粗生成物を以下の条件;カラム:CHIRALPAK IE、2*25cm、5um;移動相A:MTBE(10mM NH−メタノール)−HPLC、移動相B:メタノール−HPLC;流速:20mL/分;勾配:27分で15Bから15B;220/254nm;RT1:17.672;RT2:23.294により更に単離し、N−(6−[6−クロロ−4−[4−(プロプ−2−エノイル)ピペラジン−1−イル]キナゾリン−7−イル]−5−メチルピリジン−2−イル)アセトアミド(10.2mg、0.023mmol、収率3%)を白色固体として得た。LC−MS(ESI,m/z):451.2 [M+H]
実施例16:H NMR(400 MHz,メタノール−d,ppm)δ 8.68(s,1H),8.22(s,1H),8.13−8.08(m,1H),7.76−7.74(m,2H),6.86−6.79(m,1H),6.27(dd,J=16.8,2.0 Hz,1H),5.80(dd,J=14.4,2.0 Hz,1H),4.00(s,4H),3.92(s,4H),2.16(s,3H),2.13(s,3H).
実施例17a及び17b:1−((S)−4−((R)−7−(6−アミノ−4−メチル−3−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル)−6−クロロ−8−フルオロ−2−(((S)−1−メチルピロリジン−2−イル)メトキシ)キナゾリン−4−イル)−3−メチルピペラジン−1−イル)プロプ−2−エン−1−オン(実施例17a)及び1−((S)−4−((S)−7−(6−アミノ−4−メチル−3−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル)−6−クロロ−8−フルオロ−2−(((S)−1−メチルピロリジン−2−イル)メトキシ)キナゾリン−4−イル)−3−メチルピペラジン−1−イル)プロプ−2−エン−1−オン(実施例17b)
Figure 2021512136
工程1:6−ブロモ−N,N−ビス(4−メトキシベンジル)−4−メチルピリジン−2−アミン
Figure 2021512136
6−ブロモ−4−メチルピリジン−2−アミン(30.0g、160mmol)のN,N−ジメチルホルムアミド溶液(500mL)に、水素化ナトリウム(19.0g、792mmol)を0℃にてゆっくり添加し、25℃にて1時間撹拌した。次に、4−メトキシベンジルクロリド(56.0g、359mmol)を反応系に添加し、25℃にて2時間撹拌した。完了後、反応系を飽和塩化アンモニウム溶液(500mL)でクエンチし、酢酸エチル(2.5L)で希釈した。混合物をブラインで洗浄し(5×500mL)、有機層を合わせてNaSOで乾燥させ、真空下にて蒸発させた。残留物を、石油エーテル/酢酸エチル(15%)で溶出しながらシリカゲルカラムにアプライし、6−ブロモ−N,N−ビス(4−メトキシベンジル)−4−メチルピリジン−2−アミン(60g、140mmol、収率87.5%)をオフホワイト固体として得た。LC−MS:(ESI,m/z):427.1 [M+H]
工程2:N,N−ビス[(4−メトキシフェニル)メチル]−4−メチル−6−トリブチルスタンニル−ピリジン−2−アミン
Figure 2021512136
窒素下にて、6−ブロモ−N,N−ビス[(4−メトキシフェニル)メチル]−4−メチル−ピリジン−2−アミン(35.0g、82mmol)、ヘキサブチルジスズ(143.0g、247mmol)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(7.53g、8.2mmol)、トリシクロヘキシルホスフィン(4.6g、16.4mmol)、及び塩化リチウム(17.3g、412mmol)の1,4−ジオキサン溶液(220mL)を、110℃で5時間撹拌した。完了後、反応系を真空下にて濃縮した。残留物を、石油エーテル/酢酸エチル(10/1)で溶出するシリカゲルフラッシュクロマトグラフィーにより精製し、N,N−ビス[(4−メトキシフェニル)メチル]−4−メチル−6−トリブチルスタンニル−ピリジン−2−アミン(45g、71mmol、収率86.2%)を赤色油として得た。LC−MS:(ESI,m/z):639.3 [M+H]
工程3:2−アミノ−4−ブロモ−5−クロロ−3−フルオロ−安息香酸
Figure 2021512136
2−アミノ−4−ブロモ−3−フルオロ−安息香酸(100.0g、427mmol)及びN−クロロコハク酸イミド(66.0g、494mmol)のN,N−ジメチルホルムアミド溶液(1L)を、80℃にて2時間撹拌した。完了後、系を水(2.0L)に注ぎ、多量の固体を沈殿させた。次に、フィルタに通した後、固体を収集した。固体を温水(1L)で洗浄した。次に、固体を赤外線ランプの下で乾燥させて、2−アミノ−4−ブロモ−5−クロロ−3−フルオロ−安息香酸(100g、373mmol、収率87.2%)をオフホワイト固体として得た。LC−MS:(ESI,m/z):265.9 [M−H]
工程4:7−ブロモ−6−クロロ−8−フルオロキナゾリン−2,4(1H,3H)−ジオン
Figure 2021512136
2−アミノ−4−ブロモ−5−クロロ−3−フルオロ−安息香酸(120.0g、447mmol)の尿素溶液(806.0g、13.4mol)を200℃にて、1.5時間撹拌した。完了後、反応系を80℃まで冷却し、水(1.5L)を系に、20分間撹拌しながら添加した。フィルタに通した後、固体を収集して温水(1L)で洗浄した。次に、固体を赤外線ランプの下で乾燥させ、7−ブロモ−6−クロロ−8−フルオロキナゾリン−2,4(1H,3H)−ジオン(120g、409mmol、収率91.5%)を淡褐色固体として得た。LC−MS:(ESI,m/z):290.9 [M−H]
工程5:tert−ブチル(3S)−4−(7−ブロモ−2,6−ジクロロ−8−フルオロキナゾリン−4−イル)−3−メチルピペラジン−1−カルボキシレート
Figure 2021512136
7−ブロモ−6−クロロ−8−フルオロ−キナゾリン−2,4−ジオール(65.0g、222mmol)及びDMF(500.0mg、6.85mmol)のPOCl溶液(1.0L)を、110℃にて60時間撹拌した。出発物質が完全になった後、得られた混合物を真空下にて濃縮した。次に、1,4−ジオキサン(1.0L)、N,N−ジイソプロピルエチルアミン(286.0g、2217mmol)、及びtert−ブチル(3S)−3−メチル−1−ピペラジンカルボキシレート(90.0g、449mmol)を反応系に添加し、25℃にて1時間撹拌した。完了後、溶媒を真空下にて濃縮した。残留物を、石油エーテル/酢酸エチル(20%)で溶出するシリカゲルフラッシュクロマトグラフィーにより精製し、tert−ブチル(3S)−4−(7−ブロモ−2,6−ジクロロ−8−フルオロキナゾリン−4−イル)−3−メチルピペラジン−1−カルボキシレート(65g、132mmol、収率59.4%)を黄色固体として得た。LC−MS:(ESI,m/z):493.0 [M+H]
工程6:tert−ブチル(3S)−4−(7−ブロモ−6−クロロ−2,8−ジフルオロキナゾリン−4−イル)−3−メチルピペラジン−1−カルボキシレート
Figure 2021512136
tert−ブチル(3S)−4−(7−ブロモ−2,6−ジクロロ−8−フルオロキナゾリン−4−イル)−3−メチルピペラジン−1−カルボキシレート(30.0g、61mmol)及びフッ化カリウム(71.0g、1224mmol)のN,N−ジメチルアセトアミド溶液(300mL)を、120℃にて18時間撹拌した。完了後、反応系を室温まで冷却した。次に、酢酸エチル(1.5L)を系に添加し、混合物を水で洗浄した(3×500mL)。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、真空下にて濃縮した。残留物を、石油エーテル/酢酸エチル(20%)で溶出するシリカゲルフラッシュクロマトグラフィーにより精製し、tert−ブチル(3S)−4−(7−ブロモ−6−クロロ−2,8−ジフルオロキナゾリン−4−イル)−3−メチルピペラジン−1−カルボキシレート(23g、48mmol、収率79.3%)を黄色固体として得た。LC−MS:(ESI,m/z):477.0 [M+H]
工程7:tert−ブチル(3S)−4−(7−(6−(ビス(4−メトキシベンジル)アミノ)−4−メチルピリジン−2−イル)−6−クロロ−2,8−ジフルオロキナゾリン−4−イル)−3−メチルピペラジン−1−カルボキシレート
Figure 2021512136
窒素下にて、tert−ブチル(3S)−4−(7−ブロモ−6−クロロ−2,8−ジフルオロキナゾリン−4−イル)−3−メチルピペラジン−1−カルボキシレート(23.0g、48mmol)、N,N−ビス[(4−メトキシフェニル)メチル]−4−メチル−6−トリブチルスタンニル−ピリジン−2−アミン(62.0g、97mmol)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(11.2g、9.7mmol)、ヨウ化第一銅(2.8g、15mmol)、及び塩化リチウム(5.0g、119mmol)の1,4−ジオキサン溶液(320mL)を、120℃にて16時間撹拌した。完了後、反応系を水(100mL)で希釈し、酢酸エチル(100mL)で抽出した。次に有機層を合わせ、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ真空下にて濃縮した。残留物を、石油エーテル/酢酸エチル(30%)で溶出するシリカゲルフラッシュクロマトグラフィーにより精製し、tert−ブチル(3S)−4−(7−(6−(ビス(4−メトキシベンジル)アミノ)−4−メチルピリジン−2−イル)−6−クロロ−2,8−ジフルオロキナゾリン−4−イル)−3−メチルピペラジン−1−カルボキシレート(18.5g、25mmol、収率51.6%)を黄色固体として得た。LC−MS:(ESI,m/z):745.3 [M+H]
工程8:tert−ブチル(3S)−4−(7−(6−(ビス(4−メトキシベンジル)アミノ)−3−ヨード−4−メチルピリジン−2−イル)−6−クロロ−2,8−ジフルオロキナゾリン−4−イル)−3−メチルピペラジン−1−カルボキシレート
Figure 2021512136
tert−ブチル(3S)−4−(7−(6−(ビス(4−メトキシベンジル)アミノ)−4−メチルピリジン−2−イル)−6−クロロ−2,8−ジフルオロキナゾリン−4−イル)−3−メチルピペラジン−1−カルボキシレート(18.5g、25mmol)、p−トルエンスルホン酸(171.0mg、0.99mmol)、及びN−ヨードスクシンイミド(28.0g、125mmol)のN,N−ジメチルホルムアミド溶液(350mL)を、25℃にて5時間撹拌した。完了後、反応系を酢酸エチル(1.5L)で希釈し、飽和チオ硫酸ナトリウム溶液で洗浄した(4×350mL)。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、真空下にて濃縮した。残留物を、石油エーテル/酢酸エチル(25%)で溶出するシリカゲルフラッシュクロマトグラフィーにより精製し、tert−ブチル(3S)−4−(7−(6−(ビス(4−メトキシベンジル)アミノ)−3−ヨード−4−メチルピリジン−2−イル)−6−クロロ−2,8−ジフルオロキナゾリン−4−イル)−3−メチルピペラジン−1−カルボキシレート(16g、18.4mmol、収率74%)を黄色固体として得た。LC−MS:(ESI,m/z):871.2 [M+H]
工程9:tert−ブチル(3S)−4−(7−(6−(ビス(4−メトキシベンジル)アミノ)−4−メチル−3−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル)−6−クロロ−2,8−ジフルオロキナゾリン−4−イル)−3−メチルピペラジン−1−カルボキシレート<u>
Figure 2021512136
窒素下にて、tert−ブチル(3S)−4−(7−(6−(ビス(4−メトキシベンジル)アミノ)−3−ヨード−4−メチルピリジン−2−イル)−6−クロロ−2,8−ジフルオロキナゾリン−4−イル)−3−メチルピペラジン−1−カルボキシレート(16.0g、18.4mmol)、メチル2,2−ジフルオロ−2−(フルオロスルホニル)アセテート(88.3g、460mmol)、及びヨウ化第一銅(42.0g、221mmol)のN,N−ジメチルアセトアミド溶液(400mL)を、90℃にて18時間撹拌した。完了後、反応系を酢酸エチル(2.0L)で希釈し、ブラインで洗浄した(4×350mL)。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、真空下にて濃縮した。残留物を、石油エーテル/酢酸エチル(30%)で溶出するシリカゲルフラッシュクロマトグラフィーにより精製し、tert−ブチル(3S)−4−(7−(6−(ビス(4−メトキシベンジル)アミノ)−4−メチル−3−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル)−6−クロロ−2,8−ジフルオロキナゾリン−4−イル)−3−メチルピペラジン−1−カルボキシレート(12.2g、15mmol、収率81.7%)を黄色固体として得た。LC−MS:(ESI,m/z):813.3 [M+H]
工程10:tert−ブチル(3S)−4−(7−(6−(ビス(4−メトキシベンジル)アミノ)−4−メチル−3−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル)−6−クロロ−8−フルオロ−2−(((S)−1−メチルピロリジン−2−イル)メトキシ)キナゾリン−4−イル)−3−メチルピペラジン−1−カルボキシレート<u>
Figure 2021512136
(S)−(1−メチルピロリジン−2−イル)メタノール(4.32g、37.5mmol)のテトラヒドロフラン溶液(300mL)に、水素化ナトリウム(2.1g、87.5mmol)を0℃にてゆっくりと加え、1時間25℃にて撹拌した。次に、tert−ブチル(3S)−4−(7−(6−(ビス(4−メトキシベンジル)アミノ)−4−メチル−3−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル)−6−クロロ−2,8−ジフルオロキナゾリン−4−イル)−3−メチルピペラジン−1−カルボキシレート(12.2g、15mmol)を反応系に添加し、25℃にて1時間撹拌した。完了後、反応系をメタノール(50mL)でクエンチした。次に、混合物を真空下にて濃縮し、残留物を、ジクロロメタン/メタノール(6/94)で溶出するシリカゲルフラッシュクロマトグラフィーにより精製して、tert−ブチル(3S)−4−(7−(6−(ビス(4−メトキシベンジル)アミノ)−4−メチル−3−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル)−6−クロロ−8−フルオロ−2−(((S)−1−メチルピロリジン−2−イル)メトキシ)キナゾリン−4−イル)−3−メチルピペラジン−1−カルボキシレート(8.6g、9.5mmol、収率63.1%)を褐色固体として得た。LC−MS:(ESI,m/z):908.4 [M+H]
工程11:6−(6−クロロ−8−フルオロ−4−((S)−2−メチルピペラジン−1−イル)−2−(((S)−1−メチルピロリジン−2−イル)メトキシ)キナゾリン−7−イル)−4−メチル−5−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−アミン<u>
Figure 2021512136
tert−ブチル(3S)−4−(7−(6−(ビス(4−メトキシベンジル)アミノ)−4−メチル−3−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル)−6−クロロ−8−フルオロ−2−(((S)−1−メチルピロリジン−2−イル)メトキシ)キナゾリン−4−イル)−3−メチルピペラジン−1−カルボキシレート(8.6g、9.5mmol)のトリフルオロ酢酸溶液(100mL)を、50℃にて4時間撹拌した。完了後、反応系を真空下にて濃縮した。残留物をジクロロメタン(50mL)で溶解させ、N,N−ジイソプロピルエチルアミンによりpHを9に調節した。真空下にて濃縮した後、残留物を以下の条件:カラム:C18シリカゲル;移動相A:水、B:ACN、Bの割合(30分で5%〜40%);検出器:UV 254nmで直接、逆相クロマトグラフィーにより精製し、6−(6−クロロ−8−フルオロ−4−((S)−2−メチルピペラジン−1−イル)−2−(((S)−1−メチルピロリジン−2−イル)メトキシ)キナゾリン−7−イル)−4−メチル−5−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−アミン(3.5g、6.17mmol、収率65.1%)を黄色固体として得た。LC−MS:(ESI,m/z):568.2 [M+H]
工程12:1−((S)−4−((R)−7−(6−アミノ−4−メチル−3−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル)−6−クロロ−8−フルオロ−2−(((S)−1−メチルピロリジン−2−イル)メトキシ)キナゾリン−4−イル)−3−メチルピペラジン−1−イル)プロプ−2−エン−1−オン(実施例17a)、及び1−((S)−4−((S)−7−(6−アミノ−4−メチル−3−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル)−6−クロロ−8−フルオロ−2−(((S)−1−メチルピロリジン−2−イル)メトキシ)キナゾリン−4−イル)−3−メチルピペラジン−1−イル)プロプ−2−エン−1−オン(実施例17b)<u>
Figure 2021512136
6−(6−クロロ−8−フルオロ−4−((S)−2−メチルピペラジン−1−イル)−2−(((S)−1−メチルピロリジン−2−イル)メトキシ)キナゾリン−7−イル)−4−メチル−5−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−アミン(2.5g、4.4mmol)及びN,N−ジイソプロピルエチルアミン(2.9g、22.5mmol)のジクロロメタン溶液(120mL)に、塩化アクリロイル(359.0mg、3.97mmol)を−78℃にて添加し、−78℃にて25分間撹拌した。水により反応をクエンチし、ジクロロメタンで抽出した。有機層を合わせた。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、真空下にて濃縮した。残留物を、以下の条件:カラム:C18シリカゲル;移動相A:水、B:ACN、Bの割合(30分で5%〜60%);検出器:UV 254nmで直接、逆相クロマトグラフィーにより精製し、1−[(3S)−4−[7−[6−アミノ−4−メチル−3−(トリフルオロメチル)−2−ピリジル]−6−クロロ−8−フルオロ−2−[[(2S)−1−メチルピロリジン−2−イル]メトキシ]キナゾリン−4−イル]−3−メチル−ピペラジン−1−イル]プロプ−2−エン−1−オン(1.3g、2.09mmol、収率47.5%)を褐色固体として得た。ジアステレオ異性体の混合物を、以下の条件:カラム:CHIRALPAK IC−3 0.46*5Cm 3um;移動相:(ヘキサン:ジクロロメタン=3:1)(0.1%DEA):EtOH=50:50;検出器:254nm;流速:1.0ml/分;温度:25℃で分取キラルHPLCにより分離し、657.7mgの1−((S)−4−((R)−7−(6−アミノ−4−メチル−3−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル)−6−クロロ−8−フルオロ−2−(((S)−1−メチルピロリジン−2イル)メトキシ)キナゾリン−4−イル)−3−メチルピペラジン−1−イル)プロプ−2−エン−1−オン(実施例17a)を白色固体として、そして、352.1mgの1−((S)−4−((S)−7−(6−アミノ−4−メチル−3−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル)−6−クロロ−8−フルオロ−2−(((S)−1−メチルピロリジン−2−イル)メトキシ)キナゾリン−4−イル)−3−メチルピペラジン−1−イル)プロプ−2−エン−1−オン(実施例17b)を白色固体として得た。
実施例17a:LC−MS:(ESI,m/z):622.2 [M+H]H NMR:(400 MHz,CDCl,ppm)δ 7.64(s,1H),6.70−6.55(m,1H),6.48(s,1H),6.42−6.35(m,1H),5.82−5.75(m,1H),4.90−4.79(m,2H),4.78−4.40(m,3H),4.35−4.28(m,1H),4.18−4.00(m,1H),3.99−3.76(m,1H),3.72−3.45(m,2H),3.31−2.98(m,2H),2.81−2.70(m,1H),2.55−2.45(m,6H),2.35−2.25(m,1H),2.11−2.01(m,1H),1.95−1.72(m,3H),1.36−1.34(m,3H).
実施例17b:LC−MS:(ESI,m/z):622.2 [M+H]H NMR:(400 MHz,CDCl,ppm)δ 7.63(s,1H),6.70−6.55(m,1H),6.50(s,1H),6.42−6.35(m,1H),5.82−5.75(m,1H),4.85−4.70(m,2H),4.78−4.68(m,2H),4.65−4.55(m,1H),4.50−4.40(m,1H),4.30−4.10(m,1H),4.05−3.75(m,1H),3.80−3.76(m,2H),3.25−3.08(m,2H),2.85−2.75(m,1H),2.60−2.45(m,6H),2.40−2.25(m,1H),2.15−2.05(m,1H),1.95−1.72(m,3H),1.45−1.32(m,3H).
実施例18a及び18b:(E)−1−((S)−4−((R)−7−(6−アミノ−4−メチル−3−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル)−6−クロロ−8−フルオロ−2−(((S)−1−メチルピロリジン−2−イル)メトキシ)キナゾリン−4−イル)−3−メチルピペラジン−1−イル)−4−フルオロブタ−2−エン−1−オン、及び(E)−1−((S)−4−((S)−7−(6−アミノ−4−メチル−3−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル)−6−クロロ−8−フルオロ−2−(((S)−1−メチルピロリジン−2−イル)メトキシ)キナゾリン−4−イル)−3−メチルピペラジン−1−イル)−4−フルオロブタ−2−エン−1−オン
Figure 2021512136
6−[6−クロロ−8−フルオロ−4−[(2S)−2−メチルピペラジン−1−イル]−2−[[(2S)−1−メチルピロリジン−2−イル]メトキシ]キナゾリン−7−イル]−4−メチル−5−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−アミン(500mg、0.88mmol)、HATU(401mg、1.06mmol)、及びN,N−ジイソプロピルエチルアミン(228mg、0.96mmol)のジクロロメタン溶液(25mL)に、(E)−4−フルオロブタ−2−エン酸(100mg、3.97mmol)を25℃にて添加し、混合物溶液を0.5時間撹拌した。完了後、水により反応をクエンチし、ジクロロメタンで抽出した。有機層を合わせた。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、真空下にて濃縮した。残留物を、以下の条件:カラム:C18シリカゲル;移動相A:水、B:ACN、Bの割合(30分で5%〜60%);検出器:UV 254nmで直接、逆相クロマトグラフィーにより精製し、(E)−1−((S)−4−((R)−7−(6−アミノ−4−メチル−3−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル)−6−クロロ−8−フルオロ−2−(((S)−1−メチルピロリジン−2−イル)メトキシ)キナゾリン−4−イル)−3−メチルピペラジン−1−イル)−4−フルオロブタ−2−エン−1−オンと(E)−1−((S)−4−((S)−7−(6−アミノ−4−メチル−3−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル)−6−クロロ−8−フルオロ−2−(((S)−1−メチルピロリジン−2−イル)メトキシ)キナゾリン−4−イル)−3−メチルピペラジン−1−イル)−4−フルオロブタ−2−エン−1−オンの混合物(130mg、0.20mmol、収率23%)を白色固体として得た。ジアステレオ異性体の混合物を、以下の条件:カラム:CHIRAL Cellulose−SB、カラムサイズ:0.46*10cm;3um:移動相;ヘキサン:EtOH=50:50;流速:1.0mL/分;温度:25℃で分取キラルHPLCにより分離し、32mgの(E)−1−((S)−4−((R)−7−(6−アミノ−4−メチル−3−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル)−6−クロロ−8−フルオロ−2−(((S)−1−メチルピロリジン−2−イル)メトキシ)キナゾリン−4−イル)−3−メチルピペラジン−1−イル)−4−フルオロブタ−2−エン−1−オンを白色固体として、及び、29.9mgの(E)−1−((S)−4−((S)−7−(6−アミノ−4−メチル−3−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル)−6−クロロ−8−フルオロ−2−(((S)−1−メチルピロリジン−2−イル)メトキシ)キナゾリン−4−イル)−3−メチルピペラジン−1−イル)−4−フルオロブタ−2−エン−1−オンを白色固体として得た。
実施例18a:LC−MS:(ESI,m/z):654.2 [M+H]HNMR:(400 MHz,DMSO−d,ppm)δ 7.82(s,1H),6.85(s,2H),6.83−6.68(m,2H),6.50(s,1H),5.20(d,J=2.8 Hz,1H),5.08(d,J=2.8 Hz,1H),4.75(s,1H),4.41−4.23(m,2H),4.19−3.94(m,3H),3.73−3.65(m,1H),3.43−3.07(m,2H),2.96−2.93(m,1H),2.60−2.50(m,1H),2.37−2.36(m,6H),2.18(dd,J=16.4,8.0 Hz,1H),1.99−1.90(m,1H),1.72−1.59(m,3H),1.27(t,J=6.8 Hz,3H).
実施例18b:LC−MS:(ESI,m/z):654.2 [M+H]HNMR:(400 MHz,DMSO−d,ppm)δ 7.80(s,1H),6.85(s,2H),6.83−6.68(m,2H),6.50(s,1H),5.20(d,J=2.8 Hz,1H),5.08(d,J=2.8 Hz,1H),4.71(s,1H),4.39−4.23(m,2H),4.20−3.93(m,3H),3.70−3.60(m,1H),3.51−3.09(m,2H),2.96−2.93(m,1H),2.60−2.52(m,1H),2.37−2.36(m,6H),2.18(dd,J=16.4,8.0 Hz,1H),1.99−1.90(m,1H),1.72−1.59(m,3H),1.30(t,J=8.0 Hz,3H).
実施例19:1−((3S)−4−(7−(6−アミノ−4−メチル−3−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル)−6−クロロ−8−フルオロキナゾリン−4−イル)−3−メチルピペラジン−1−イル)プロパ−2−エン−1−オン
Figure 2021512136
工程1:tert−ブチル4−[7−[6−[ビス[(4−メトキシフェニル)メチル]アミノ]−4−メチル−2−ピリジル]−6−クロロ−8−フルオロ−キナゾリン−4−イル]ピペラジン−1−カルボキシレート
Figure 2021512136
窒素下にて、N,N−ビス[(4−メトキシフェニル)メチル]−4−メチル−6−トリブチルスタンニル−ピリジン−2−アミン(4.0g、6.27mmol)及びtert−ブチル4−[7−[6−[ビス[(4−メトキシフェニル)メチル]アミノ]−4−メチル−2−ピリジル]−6−クロロ−8−フルオロ−キナゾリン−4−イル]ピペラジン−1−カルボキシレート(2.31g、5.02mmol)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0.72g、0.63mmol)、塩化リチウム(0.66g、15.69mmol)、並びにヨウ化第一銅(0.12g、0.63mmol)の1,4−ジオキサン溶液(100mL)を、120℃にて3時間撹拌した。完了後、溶液を水(200mL)で希釈し、完了後で抽出した(3×50mL)。次に有機層を合わせ、無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。有機層を真空下にて濃縮し、残留物を、酢酸エチル/石油エーテル(1/20)で溶出するシリカゲルフラッシュクロマトグラフィーにより精製してtert−ブチル4−[7−[6−[ビス[(4−メトキシフェニル)メチル]アミノ]−4−メチル−2−ピリジル]−6−クロロ−8−フルオロ−キナゾリン−4−イル]ピペラジン−1−カルボキシレート(1.1g、1.54mmol、収率24.6%)を黄色油として得た。LC−MS(ESI,m/z):713.3 [M+H]
工程2:tert−ブチル(3S)−4−[7−[6−[ビス[(4−メトキシフェニル)メチル]アミノ]−3−ヨード−4−メチル−2−ピリジル]−6−クロロ−8−フルオロ−キナゾリン−4−イル]−3−メチル−ピペラジン−1−カルボキシレート
Figure 2021512136
tert−ブチル4−[7−[6−[ビス[(4−メトキシフェニル)メチル]アミノ]−4−メチル−2−ピリジル]−6−クロロ−8−フルオロ−キナゾリン−4−イル]ピペラジン−1−カルボキシレート(2g、3mmol)及びN−ヨードスクシンイミド(1g、3.00mmol)のアセトニトリル溶液(200mL)を、50℃にて4時間撹拌した。完了後、溶液を水(30mL)で希釈し、酢酸エチルで抽出し(4×50mL)、有機層を合わせた。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、真空下にて濃縮した。残留物を、酢酸エチル/石油エーテル(1/20)で溶出するシリカゲルフラッシュクロマトグラフィーにより精製し、tert−ブチル(3S)−4−[7−[6−[ビス[(4−メトキシフェニル)メチル]アミノ]−3−ヨード−4−メチル−2−ピリジル]−6−クロロ−8−フルオロ−キナゾリン−4−イル]−3−メチル−ピペラジン−1−カルボキシレート(1.3g、1.55mmol、収率656.5%)を黄色油として得た。LC−MS(ESI,m/z):839.2 [M+H]+.
工程3:tert−ブチル(3S)−4−[7−[6−[ビス[(4−メトキシフェニル)メチル]アミノ]−4−メチル−3−(トリフルオロメチル)−2−ピリジル]−6−クロロ−8−フルオロ−キナゾリン−4−イル]−3−メチル−ピペラジン−1−カルボキシレート
Figure 2021512136
窒素下にて、tert−ブチル(3S)−4−[7−[6−[ビス[(4−メトキシフェニル)メチル]アミノ]−4−メチル−3−(トリフルオロフェニル)−2−ピリジル]−6−クロロ−8−フルオロ−キナゾリン−4−イル]−3−メチル−ピペラジン−1−カルボキシレート(0.1g、0.12mmol)、(1,10−フェナンスロリン)(トリフルオロメチル)銅(I)(0.73g、2.34mmol)、及びヨウ化第一銅(0.45g、2.34mmol)のN,N−ジメチルホルムアミド溶液(5mL)を、50℃で5時間撹拌した。完了後、溶液を水(30mL)で希釈し、酢酸エチルで抽出し(4×350mL)て、有機層を合わせた。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、真空下にて濃縮した。残留物を、酢酸エチル/石油エーテル(1/5)で溶出するシリカゲルフラッシュクロマトグラフィーにより精製し、tert−ブチル(3S)−4−[7−[6−[ビス[(4−メトキシフェニル)メチル]アミノ]−4−メチル−3−(トリフルオロメチル)−2−ピリジル]−6−クロロ−8−フルオロ−キナゾリン−4−イル]−3−メチル−ピペラジン−1−カルボキシレート(60mg、0.075mmol、収率64.4%)を黄色固体として得た。LC−MS(ESI,m/z):781.3 [M+H]
工程4:6−[6−クロロ−8−フルオロ−4−[(2S)−2−メチルピペラジン−1−イル]キナゾリン−7−イル]−4−メチル−5−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−アミン
Figure 2021512136
tert−ブチル(3S)−4−[7−[6−[ビス[(4−メトキシフェニル)メチル]アミノ]−4−メチル−3−(トリフルオロメチル)−2−ピリジル]−6−クロロ−8−フルオロ−キナゾリン−4−イル]−3−メチル−ピペラジン−1−カルボキシレート(0.1g、0.13mmol)のトリフルオロ酢酸溶液(5.0mL)を、50℃にて3時間撹拌した。完了後、溶液を水(30mL)で希釈し、酢酸エチルで抽出し(3×50mL)、有機層を合わせた。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、真空下にて濃縮した。残留物を、メタノール/ジクロロメタン(1/9)で溶出するシリカゲルフラッシュクロマトグラフィーにより精製し、6−[6−クロロ−8−フルオロ−4−[(2S)−2−メチルピペラジン−1−イル]キナゾリン−7−イル]−4−メチル−5−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−アミン(40mg、0.08mmol、収率69.9%)を黄色油として得た。LC−MS(ESI,m/z):441.1 [M+H]
工程5:1−((3S)−4−(7−(6−アミノ−4−メチル−3−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル)−6−クロロ−8−フルオロキナゾリン−4−イル)−3−メチルピペラジン−1−イル)プロパ−2−エン−1−オン
Figure 2021512136
6−[6−クロロ−8−フルオロ−4−[(2S)−2−メチルピペラジン−1−イル]キナゾリン−7−イル]−4−メチル−5−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−アミン(0.04g、0.09mmol)及びHATU(0.07g、0.18mmol)、N,N−ジイソプロピルエチルアミン(0.03g、0.26mmol)のジクロロメタン溶液(3mL)を、−78℃にて0.5時間撹拌した。次にアクリル酸(0.01g、0.13mmol)を添加し、−78℃にて4時間撹拌した。完了後、溶液を水(30mL)で希釈し、酢酸エチルで抽出し(3×50mL)、有機層を合わせた。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、真空下にて濃縮した。粗生成物を、以下の条件:カラム:CHIRALPAK IE、2*25cm、5um;移動相A:MTBE(10mM NH−メタノール)−HPLC、移動相B:メタノール−HPLC;流速:20mL/分;勾配:27分で15B〜15B;220/254nm;RT1:17.672;RT2:23.294で分取HPLCにより更に単離し、1−[(3S)−4−[7−[6−アミノ−4−メチル−3−(トリフルオロメチル)−2−ピリジル]−6−クロロ−8−フルオロ−キナゾリン−4−イル]−3−メチル−ピペラジン−1−イル]プロプ−2−エン−1−オン(10mg、0.019mmol、収率22.3%)を白色固体として得た。LC−MS(ESI,m/z):509.1 [M+H]
実施例19:H NMR(400 MHz,メタノール−d,ppm)δ 8.67(s,1H),7.92(s,1H),6.89−6.82(m,1H),6.62(s,1H),6.32−6.26(m,1H),5.83−5.80(m,1H),4.56−4.39(m,1H),4.38−4.30(m,1H),4.20−4.02(m,1H),3.80−3.52(m,2H),3.33−3.30(m,1H),3.22−3.13(m,1H),2.45(s,3H),1.42(d,J=1.6 Hz,3H).
実施例20:1−[4−[7−[6−アミノ−3−(トリフルオロメチル)−2−ピリジル]−6−(アゼチジン−1−イル)キナゾリン−4−イル]ピペラジン−1−イル]プロプ−2−エン−1−オン
Figure 2021512136
工程1:tert−ブチル4−[6−(アゼチジン−1−イル)−7−ブロモ−キナゾリン−4−イル]ピペラジン−1−カルボキシレート
Figure 2021512136
窒素下にて、tert−ブチル4−(7−ブロモ−6−ヨード−キナゾリン−4−イル)ピペラジン−1−カルボキシレート(5.5g、10.59mmol)、アゼチジン(1.2g、21.19mmol)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(609.15mg、1.06mmol)、キサントホス(1.22g、2.12mmol)、及び炭酸セシウム(6.9g、21.19mmol)の1,4−ジオキサン溶液(20mL)を、80℃にて2時間撹拌した。完了後、溶液を酢酸エチル(200mL)で希釈し、ブライン(50mL)で洗浄した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、真空下にて濃縮した。残留物を、酢酸エチル/石油エーテル(45/55)で溶出するシリカゲルフラッシュクロマトグラフィーにより精製し、tert−ブチル4−[6−(アゼチジン−1−イル)−7−ブロモ−キナゾリン−4−イル]ピペラジン−1−カルボキシレート(1.0g、2.24mmol、収率21.1%)を黄色固体として得た。LC−MS(ESI,m/z):448.1 [M+H]
工程2:tert−ブチル4−[6−(アゼチジン−1−イル)−7−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)キナゾリン−4−イル]ピペラジン−1−カルボキシレート
Figure 2021512136
窒素下にて、tert−ブチル4−[6−(アゼチジン−1−イル)−7−ブロモ−キナゾリン−4−イル]ピペラジン−1−カルボキシレート(1.0g、2.23mmol)、ビス(ピナコラト)ジボロン(5.66g、22.3mmol)、1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン−パラジウム(II)ジクロリドジクロロメタン錯体(182.0mg、0.22mmol)、及び酢酸カリウム(437.15mg、4.46mmol)の1,4−ジオキサン溶液(15mL)を、80℃で3時間撹拌した。完了後、溶液をジクロロメタン(100mL)で希釈した。フィルタにかけた後、濾液を減圧下にて濃縮した。残留物を石油エーテル(100mL)で溶解した。フィルタにかけた後、濾塊を、酢酸エチル/石油エーテル(1/1)で溶出するシリカゲルフラッシュクロマトグラフィーにより精製し、tert−ブチル4−[6−(アゼチジン−1−イル)−7−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)キナゾリン−4−イル]ピペラジン−1−カルボキシレート(500mg、1.01mmol、収率45.3%)を黄色固体として得た。LC−MS(ESI,m/z):496.3 [M+H]
工程3:tert−ブチル4−[7−[6−アミノ−3−(トリフルオロメチル)−2−ピリジル]−6−(アゼチジン−1−イル)キナゾリン−4−イル]ピペラジン−1−カルボキシレート
Figure 2021512136
窒素下にて、tert−ブチル4−[6−(アゼチジン−1−イル)−7−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)キナゾリン−4−イル]ピペラジン−1−カルボキシレート(500.0mg、1.01mmol)、6−ブロモ−5−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−アミン(243.24mg、1.01mmol)、ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)クロリド(70.85mg、0.10mmol)、及びフッ化カリウム(117.07mg、2.02mmol)のアセトニトリル(10mL)及び水(2mL)の溶液を、80℃にて2時間撹拌した。完了後、溶液を真空下にて濃縮した。残留物を、メタノール/ジクロロメタン(3/97)で溶出するシリカゲルフラッシュクロマトグラフィーにより精製し、tert−ブチル4−[7−[6−アミノ−3−(トリフルオロメチル)−2−ピリジル]−6−(アゼチジン−1−イル)キナゾリン−4−イル]ピペラジン−1−カルボキシレート(280mg、0.53mmol、収率52.4%)を黄色固体として得た。LC−MS(ESI,m/z):530.2 [M+H]
工程4:6−[6−(アゼチジン−1−イル)−4−ピペラジン−1−イル−キナゾリン−7−イル]−5−(トリフルオロメチル)ピペリジン−2−アミン
Figure 2021512136
tert−ブチル4−[7−[6−アミノ−3−(トリフルオロメチル)−2−ピリジル]−6−(アゼチジン−1−イル)キナゾリン−4−イル]ピペラジン−1−カルボキシレート(200.0mg、0.38mmol)及びシリカゲル(1.0g)のトルエン溶液(20mL)を110℃にて12時間撹拌した。完了後、溶液を真空下にて濃縮した。残留物を、メタノール/ジクロロメタン(1/9)で溶出するシリカゲルフラッシュクロマトグラフィーにより精製し、6−[6−(アゼチジン−1−イル)−4−ピペラジン−1−イル−キナゾリン−7−イル]−5−(トリフルオロメチル)ピペリジン−2−アミン(150mg、0.35mmol、収率92.5%)を黄色固体として得た。LC−MS(ESI,m/z):430.2 [M+H]
工程5:1−[4−[7−[6−アミノ−3−(トリフルオロメチル)−2−ピリジル]−6−(アゼチジン−1−イル)キナゾリン−4−イル]ピペラジン−1−イル]プロプ−2−エン−1−オン
Figure 2021512136
6−[6−(アゼチジン−1−イル)−4−ピペラジン−1−イル−キナゾリン−7−イル]−5−(トリフルオロメチル)ピペリジン−2−アミン(150.0mg、0.35mmol)、アクリル酸(25.17mg、0.35mmol)、HATU(159.37mg、0.42mmol)、及びN,N−ジイソプロピルエチルアミン(45mg、0.35mmol)のジクロロメタン溶液(10mL)を、25℃にて1時間撹拌した。完了後、溶液をジクロロメタンで希釈し、ブラインで洗浄した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、真空下にて濃縮した。残留物を、アセトニトリル/水(1/1)で溶出する逆相カラムにより精製し、1−[4−[7−[6−アミノ−3−(トリフルオロメチル)−2−ピリジル]−6−(アゼチジン−1−イル)キナゾリン−4−イル]ピペラジン−1−イル]プロプ−2−エン−1−オン(5.9mg、収率3.5%)を黄色固体として得た。LC−MS(ESI,m/z):484.2 [M+H]
実施例20:H NMR(300 MHz,メタノール−d,ppm)δ 8.50(s,1H),7.83(d,J=9.0 Hz,1H),7.54(s,1H),6.91−6.82(m,1H),6.75−6.70(m,2H),6.30(dd,J=16.8,2.0 Hz,1H),5.83(dd,J=10.6,2.0 Hz,1H),3.99−3.81(m,8H),3.78−3.61(m,4H),2.29−2.19(m,2H).
実施例21:1−(4−(7−(6−アミノ−3−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル)−6−(1,1−ジフルオロエチル)キナゾリン−4−イル)ピペラジン−1−イル)プロプ−2−エン−1−オン
Figure 2021512136
工程1:tert−ブチル4−(6−アセチル−7−ブロモキナゾリン−4−イル)ピペラジン−1−カルボキシレート
Figure 2021512136
窒素下にて、tert−ブチル4−(7−ブロモ−6−ヨード−キナゾリン−4−イル)ピペラジン−1−カルボキシレート(1.8g、3.47mmol)、トリブチル(1−エトキシビニル)スズ(2.5g、6.93mmol)、ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)クロリド(243.4mg、0.35mmol)の1,4−ジオキサン溶液(40mL)を、65℃にて30時間撹拌した。完了後、溶液に塩酸(40mL、2M)を添加し25℃にて0.5時間撹拌した。次に、溶媒を真空下にて濃縮した。残留物を水(40mL)で溶解させ、炭酸カリウムにより得られる溶液のpHを9に調節した。次に、ジ−tert−ブチルジカーボネート(1.67g、7.61mmol)を添加して、溶液を25℃にて2時間撹拌した。完了後、溶液を酢酸エチル(100mL)で抽出し、有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、真空下にて濃縮した。残留物を、アセトニトリル/水(1:1)で溶出する逆相により精製し、tert−ブチル4−(6−アセチル−7−ブロモキナゾリン−4−イル)ピペラジン−1−カルボキシレート(1.0g、2.30mmol、収率66.3%)を黄色油として得た。LC−MS:(ESI,m/z):435.1,437.1 [M+H]
工程2:tert−ブチル4−[7−ブロモ−6−(1,1−ジフルオロエチル)キナゾリン−4−イル]ピペラジン−1−カルボキシレート
Figure 2021512136
tert−ブチル4−(6−アセチル−7−ブロモキナゾリン−4−イル)ピペラジン−1−カルボキシレート(1.2g、2.8mmol)のジエチルアミノサルファートリフルオリド(3.6mL、27.6mmol)のクロロホルム溶液(30mL)を、25℃にて36時間撹拌した。完了後、溶液を水(5mL)でクエンチし、真空下にて濃縮した。残留物を、アセトニトリル/水(5/1)による逆相カラムにより精製し、tert−ブチル4−[7−ブロモ−6−(1,1−ジフルオロエチル)キナゾリン−4−イル]ピペラジン−1−カルボキシレート(570mg、1.2mmol、収率45.2%)を淡褐色固体として得た。LC−MS:(ESI,m/z):457.1,459.1 [M+H]
工程3:tert−ブチル4−[6−(1,1−ジフルオロエチル)−7−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)キナゾリン−4−イル]ピペラジン−1−カルボキシレート
Figure 2021512136
窒素下にて、95℃にて4時間、tert−ブチル4−[7−ブロモ−6−(1,1−ジフルオロエチル)キナゾリン−4−イル]ピペラジン−1−カルボキシレート(550.0mg、1.2mmol)、ビス(ピナコラト)ジボロン(1.5g、6.0mmol)、1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン−パラジウム(II)ジクロリドジクロロメタン錯体(88.0mg、0.1mmol)、酢酸カリウム(353.6mg、3.6mmol)のトルエン溶液(20.0mL)。完了後、溶液を真空下にて濃縮した。残留物を、アセトニトリル/水(4/1)で溶出する逆相により精製し、tert−ブチル4−[6−(1,1−ジフルオロエチル)−7−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)キナゾリン−4−イル]ピペラジン−1−カルボキシレート(350.0mg、0.7mmol、収率57.7%)を淡黄色の油として得た。LC−MS:(ESI,m/z):505.3 [M+H]
工程4:tert−ブチル4−[7−[6−アミノ−3−(トリフルオロメチル)−2−ピリジル]−6−(1,1−ジフルオロエチル)キナゾリン−4−イル]ピペラジン−1−カルボキシレート
Figure 2021512136
窒素下にて、tert−ブチル4−[6−(1,1−ジフルオロエチル)−7−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)キナゾリン−4−イル]ピペラジン−1−カルボキシレート(350.0mg、0.7mmol)、6−ブロモ−5−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−アミン(167.2mg、0.7mmol)、炭酸カリウム(287.3mg、2.1mmol)、及びビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)クロリド(48.7mg、0.1mmol)の、アセトニトリル(20mL)及び水(2mL)の溶液を、4時間95℃にて撹拌した。完了後、溶液を真空下にて濃縮した。残留物を、アセトニトリル/水(6:1)で溶出する逆相により精製し、tert−ブチル4−[7−[6−アミノ−3−(トリフルオロメチル)−2−ピリジル]−6−(1,1−ジフルオロエチル)キナゾリン−4−イル]ピペラジン−1−カルボキシレート(170mg、0.3mmol、収率45.5%)を淡褐色油として得た。LC−MS:(ESI,m/z):539.2 [M+H]
工程5:6−[6−(1,1−ジフルオロエチル)−4−ピペラジン−1−イル−キナゾリン−7−イル]−5−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−アミン
Figure 2021512136
tert−ブチル4−[7−[6−アミノ−3−(トリフルオロメチル)−2−ピリジル]−6−(1,1−ジフルオロエチル)キナゾリン−4−イル]ピペラジン−1−カルボキシレート(160.0mg、0.3mmol)のジクロロメタン(10mL)及びトリフルオロ酢酸(2mL)の溶液を、25℃にて3時間撹拌した。完了後、溶液を真空下にて濃縮し、6−[6−(1,1−ジフルオロエチル)−4−ピペラジン−1−イル−キナゾリン−7−イル]−5−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−アミン(170mg、粗製物)を淡褐色油として得、これを精製することなく次工程で使用した。LC−MS:(ESI,m/z):439.2 [M+H]
工程6:1−[4−[7−[6−アミノ−3−(トリフルオロメチル)−2−ピリジル]−6−(1,1−ジフルオロエチル)キナゾリン−4−イル]ピペラジン−1−イル]プロプ−2−エン−1−オン
Figure 2021512136
6−[6−(1,1−ジフルオロエチル)−4−ピペラジン−1−イル−キナゾリン−7−イル]−5−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−アミン(160.0mg、0.4mmol)、HATU(346.9mg、0.9mmol)、アクリル酸(52.6mg、0.7mmol)、及びN,N−ジイソプロピルエチルアミン(235.4mg、1.8mmol)のジクロロメタン溶液(10mL)を、−78℃にて1.0時間撹拌した。完了後、溶液を水(5mL)でクエンチした。得られた溶液をジクロロメタンで抽出し(3×20mL)、有機層を合わせた。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、真空下にて濃縮した。残留物を、アセトニトリル/水(6/1)で溶出する逆相により精製し、100mgの粗生成物を得た。次に、粗生成物を分取HPLCにより精製し、1−(4−(7−(6−アミノ−3−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル)−6−(1,1−ジフルオロエチル)キナゾリン−4−イル)ピペラジン−1−イル)プロプ−2−エン−1−オン(22.1mg、0.04mmol、収率12.3%)をオフホワイト固体として得た。LC−MS:(ESI,m/z):493.2 [M+H]
実施例21:H NMR(400 MHz,メタノール−d,ppm)δ 8.69(s,1H),8.26(s,1H),7.78(d,J=7.2 Hz,1H),7.67(s,1H),6.84(dd,J=16.8,10.4 Hz,1H),6.67(d,J=8.8 Hz,1H),6.29(dd,J=16.8,2.0 Hz,1H),5.82(dd,J=10.4,2.0 Hz,1H),4.15−4.00(m,4H),3.99−3.86(m,4H),2.02(dd,J=19.2,18.4 Hz,3H).
実施例22:4−[7−[6−アミノ−4−メチル−3−(トリフルオロメチル)−2−ピリジル]−6−クロロ−キナゾリン−4−イル]−1−プロプ−2−エノイル−ピペリジン−4−カルボニトリル
Figure 2021512136
工程1:7−ブロモ−4,6−ジクロロキナゾリン
Figure 2021512136
7−ブロモ−6−クロロ−3H−キナゾリン−4−オン(50g、38.5mmol)、N,N−ジメチルホルムアミド(1.0mL)の塩化チオニル(500mL、192.7mmol)溶液を、80℃にて3時間撹拌した。完了後、溶液を真空下にて濃縮した。次に残留物を、酢酸エチル/石油エーテル(1/10)で溶出するシリカゲルフラッシュクロマトグラフィーにより精製し、7−ブロモ−4,6−ジクロロ−キナゾリン(26g、収率98%)を白色固体として得た。
工程2:工程2:7−tert−ブチル4−(7−ブロモ−6−クロロ−キナゾリン−4−イル)−4−シアノ−ピペリジン−1−カルボキシレート
Figure 2021512136
窒素下にて、1−Boc−4−シアノピペリジン(18.9g、90.0mmol)及び7−ブロモ−4,6−ジクロロ−キナゾリン(5.0g、18.0mmol)の無水トルエン溶液(100mL)に、TMPMgClLiCl(54.0mL、54.0mmol、THF中に1.0M)を−78℃にて0.5時間撹拌した。完了後、溶液を水(50mL)でクエンチして酢酸エチルで抽出し(3×100mL)、有機層を合わせた。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、真空下にて濃縮した。残留物を、酢酸エチル/石油エーテル(1/2)で溶出するフラッシュクロマトグラフィーにより精製し、粗生成物を得た。次に粗物質を、アセトニトリル/水(7/3)で溶出する逆相クロマトグラフィーにより再精製し、tert−ブチル4−(7−ブロモ−6−クロロ−キナゾリン−4−イル)−4−シアノ−ピペリジン−1−カルボキシレート(1.6g、3.5mmol、収率19.7%)を得た。LC−MS:(ESI,m/z):451.0 [M+H]
工程3:tert−ブチル4−[6−クロロ−7−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル−2−イル)キナゾリン−4−イル]−4−シアノ−ピペリジン−1−カルボキシレート<u>
Figure 2021512136
窒素下にて、tert−ブチル4−(7−ブロモ−6−クロロ−キナゾリン−4−イル)−4−シアノ−ピペリジン−1−カルボキシレート(1.0g、2.2mmol)、ビス(ピナコラト)ジボロン(2.8g、11.1mmol)、1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン−パラジウム(II)ジクロリドジクロロメタン(310.4mg、0.4mmol)、及び酢酸カリウム(650.8mg、6.6mmol)の1,4−ジオキサン溶液(30mL)を、110℃にて2時間撹拌した。完了後、溶液を水(30mL)で希釈し、ジクロロメタンで抽出し(3×50mL)て、有機層を合わせた。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、真空下にて濃縮した。残留物を、アセトニトリル/水(7/3)で溶出する逆相クロマトグラフィーにより精製し、tert−ブチル4−[6−クロロ−7−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル−2−イル)キナゾリン−4−イル]−4−シアノ−ピペリジン−1−カルボキシレート(300mg、0.6mmol、収率27.2%)をオフホワイト固体として得た。LC−MS:(ESI,m/z):499.2 [M+H]
工程4:tert−ブチル4−[7−[6−アミノ−4−メチル−3−(トリフルオロメチル)−2−ピリジル]−6−クロロ−キナゾリン−4−イル]−4−シアノ−ピペリジン−1−カルボキシレート
Figure 2021512136
窒素下にて、tert−ブチル4−[6−クロロ−7−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル−2−イル)キナゾリン−4−イル]−4−シアノ−ピペリジン−1−カルボキシレート(200.0mg、0.48mmol)、6−ブロモ−4−メチル−5−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−アミン(134.7mg、0.5mmol)、ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)クロリド(33.7mg、0.05mmol)、フッ化カリウム(83.5mg、1.4mmol)のアセトニトリル(10mL)及び水(1mL)の溶液を、80℃にて1時間撹拌した。完了後、溶液を水(20mL)で希釈し、ジクロロメタンで抽出し(3×50mL)て、有機層を合わせた。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、真空下にて濃縮した。残留物を、石油エーテル/酢酸エチル(2/1)で溶出するシリカゲルカラムにより精製し、tert−ブチル4−[7−[6−アミノ−4−メチル−3−(トリフルオロメチル)−2−ピリジル]−6−クロロ−キナゾリン−4−イル]−4−シアノ−ピペリジン−1−カルボキシレート(140mg、0.26mmol、収率53.3%)を白色固体として得た。LC−MS:(ESI,m/z):547.2 [M+H]
工程5:4−(7−(6−アミノ−4−メチル−3−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル)−6−クロロキナゾリン−4−イル)ピペリジン−4−カルボニトリル−2,2,2−トリフルオロアセテート
Figure 2021512136
tert−ブチル4−[7−[6−アミノ−4−メチル−3−(トリフルオロメチル)−2−ピリジル]−6−クロロ−キナゾリン−4−イル]−4−シアノ−ピペリジン−1−カルボキシレート(140.0mg、0.26mmol)のジクロロメタン(5mL)及びトリフルオロ酢酸(0.5mL)の溶液を、25℃にて3時間撹拌した。完了後、溶液を真空下にて濃縮して150mgの粗製物を得、精製することなく次工程で使用した。LC−MS:(ESI,m/z):447.1 [M+H]
工程6:4−[7−[6−アミノ−4−メチル−3−(トリフルオロメチル)−2−ピリジル]−6−クロロ−キナゾリン−4−イル]−1−プロプ−2−エノイル−ピペリジン−4−カルボニトリル
Figure 2021512136
アクリル酸(32.3mg、0.5mmol)、HATU(85.1mg、0.2mmol)、N,N−ジイソプロピルエチルアミン(86.6mg、0.7mmol)、及び4−(7−(6−アミノ−4−メチル−3−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル)−6−クロロキナゾリン−4−イル)ピペリジン−4−カルボニトリル2,2,2−トリフルオロアセテートのジクロロメタン溶液(5mL)を25℃にて20分間撹拌した。完了後、溶液を水(30mL)でクエンチして、ジクロロメタンで抽出し(3×30mL)、有機層を合わせた。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、真空下にて濃縮した。残留物を、ジクロロメタン/メタノール(1/49)で溶出するシリカゲルフラッシュクロマトグラフィーにより精製し、粗生成物を得た。次に粗物質を、アセトニトリル/水(6/1)で溶出する逆相により精製し、4−[7−[6−アミノ−4−メチル−3−(トリフルオロメチル)−2−ピリジル]−6−クロロ−キナゾリン−4−イル]−1−プロプ−2−エノイル−ピペリジン−4−カルボニトリル(2.1mg、0.0042mmol、収率1.9%)を白色固体として得た。LC−MS:(ESI,m/z):501.1 [M+H]
実施例22H NMR(400 MHz,メタノール−d,ppm)δ 9.34(s,1H),8.87(s,1H),8.02(s,1H),6.91−6.87(m,1H),6.63(s,1H),6.27(dd,J=16.8,2.0 Hz,1H),5.82(dd,J=10.8,2.0 Hz,1H),4.82−4.78(m,1H),4.65(m,1H),4.44−4.35(m,1H),3.81−3.72(m,1H),3.40−3.35(m,1H),2.69−2.60(m,2H),2.48(s,3H),2.45−2.35(m,1H).
実施例23:4−[7−[6−アミノ−4−メチル−3−(トリフルオロメチル)−2−ピリジル]−6−クロロ−キナゾリン−4−イル]−1−(シクロブテン−1−カルボニル)ピペラジン−2−カルボニトリル
Figure 2021512136
工程1:シクロブテン−1−カルボニルクロリド
Figure 2021512136
シクロブテン−1−カルボン酸(300.0mg、3.1mmol)、N,N−ジメチルホルムアミド(22.3mg、0.3mmol)のジクロロメタン溶液(20mL)を、0℃にて0.5時間撹拌した。次に、シュウ酸クロリド(582.3mg、4.6mmol)を添加し、0℃にて3時間撹拌した。完了後、溶液を真空下にて濃縮して350mgの粗生成物を得、次工程で直接使用した。
工程2:4−[7−[6−アミノ−4−メチル−3−(トリフルオロメチル)−2−ピリジル]−6−クロロ−キナゾリン−4−イル]−1−(シクロブテン−1−カルボニル)ピペラジン−2−カルボニトリル
Figure 2021512136
4−[7−[6−アミノ−4−メチル−3−(トリフルオロメチル)−2−ピリジル]−6−クロロ−キナゾリン−4−イル]ピペラジン−2−カルボニトリル(150.0mg、0.3mmol)及びトリエチルアミン(507.4mg、5.0mmolのジクロロメタン溶液25mLを、25℃にて0.5時間撹拌した。次に、シクロブテン−1−カルボニルクロリド(195.2mg、粗製物)を添加し、25℃にて16時間撹拌した。メタノールで反応をクエンチした。完了後、溶液を真空下にて濃縮した。残留物を、以下の条件:カラム:XBridge Shield RP18 OBD Column 30*150mm、5um;相A:水(10mmol/L NHHCO)、相B:ACN;流速:60mL/分、RT:6.15分で分取HPLCにより精製し、4−[7−[6−アミノ−4−メチル−3−(トリフルオロメチル)−2−ピリジル]−6−クロロ−キナゾリン−4−イル]−1−(シクロブテン−1−カルボニル)ピペラジン−2−カルボニトリル(50.6mg、0.0958mmol、収率28.6%)を淡黄色固体として得た。LC−MS:(ESI,m/z):528.1 [M+H]
実施例23H NMR(300 MHz,CDCl,ppm)δ 8.88(s,1H),8.15(d,J=12.3 Hz,1H),7.91(s,1H),6.69(d,J=0.9 Hz,1H),6.51(s,1H),5.82(s,1H),4.85(s,2H),4.47(dd,J=13.8,7.8 Hz,2H),4.28(d,J=12.9 Hz,1H),3.88(s,1H),3.40(t,J=15.8 Hz,1H),3.32−3.14(m,1H),2.94(s,2H),2.66−2.57(m,2H),2.51(s,3H).
実施例24:4−[7−[6−アミノ−4−メチル−3−(トリフルオロメチル)−2−ピリジル]−6−クロロ−キナゾリン−4−イル]−1−(オキシラン−2−カルボニル)ピペラジン−2−カルボニトリル
Figure 2021512136
工程1:tert−ブチル4−[7−[6−アミノ−4−メチル−3−(トリフルオロメチル)−2−ピリジル]−6−クロロ−キナゾリン−4−イル]ピペラジン−1−カルボキシレート
Figure 2021512136
窒素下にて、tert−ブチル4−[6−クロロ−7−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)キナゾリン−4−イル]ピペラジン−1−カルボキシレート(4.3g、9.0mmol)、6−クロロ−4−メチル−5−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−アミン(1.5g、7.2mmol)、ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)クロリド(504.1mg、0.7mmol)、フッ化カリウム(1.6g、26.9mmol)のアセトニトリル(15mL)及び水(1.5mL)の溶液を、100℃にて18時間撹拌した。完了後、溶液を真空下にて濃縮した。残留物を、酢酸エチル/石油エーテル(10/1)で溶出するシリカゲルフラッシュクロマトグラフィーにより精製し、tert−ブチル4−[7−[6−アミノ−4−メチル−3−(トリフルオロメチル)−2−ピリジル]−6−クロロ−キナゾリン−4−イル]ピペラジン−1−カルボキシレート(2.8g、5.4mmol、収率59.8%)を淡褐色固体として得た。LC−MS:(ESI,m/z):523.2 [M+H]
工程2:7−[6−アミノ−4−メチル−3−(トリフルオロメチル)−2−ピリジル]−6−クロロ−キナゾリン−4−オール
Figure 2021512136
tert−ブチル4−[7−[6−アミノ−4−メチル−3−(トリフルオロメチル)−2−ピリジル]−6−クロロ−キナゾリン−4−イル]ピペラジン−1−カルボキシレート(2.5g、4.8mmol)、水酸化ナトリウム(573.7mg、14.3mmol)の、エタノール(30mL)及び水(10mL)の溶液を、40℃にて16時間撹拌した。完了後、溶液を真空下にて濃縮した。残留物を、酢酸エチル/石油エーテル(1/1)で溶出するシリカゲルフラッシュクロマトグラフィーにより精製し、7−[6−アミノ−4−メチル−3−(トリフルオロメチル)−2−ピリジル]−6−クロロ−キナゾリン−4−オール(1.5g、4.2mmol、収率88.5%)を淡黄色固体得た。LC−MS:(ESI,m/z):355.0 [M+H]
工程3:4−[7−[6−アミノ−4−メチル−3−(トリフルオロメチル)−2−ピリジル]−6−クロロ−キナゾリン−4−イル]ピペラジン−2−カルボニトリル
Figure 2021512136
ピペラジン−2−カルボニトリルジヒドロクロリド(3.6mg、19.7mmol)、7−[6−アミノ−4−メチル−3−(トリフルオロメチル)−2−ピリジル]−6−クロロ−キナゾリン−4−オール(1.4g、4.0mmol)、BOP(1.0g、23.7mmol)、N,N−ジイソプロピルエチルアミン(5.1g、39.5mmol)のジクロロメタン溶液(50mL)を、25℃にて18時間撹拌した。完了後、溶液を真空下にて濃縮した。残留物を、ジクロロメタン/メタノール(10/1)で溶出するシリカゲルフラッシュクロマトグラフィーにより精製し、4−[7−[6−アミノ−4−メチル−3−(トリフルオロメチル)−2−ピリジル]−6−クロロ−キナゾリン−4−イル]ピペラジン−2−カルボニトリル(950mg、2.1mmol、収率53.7%)を黄色固体として得た。LC−MS:(ESI,m/z):448.1 [M+H]
工程4:4−[7−[6−アミノ−4−メチル−3−(トリフルオロメチル)−2−ピリジル]−6−クロロ−キナゾリン−4−イル]−1−(オキシラン−2−カルボニル)ピペラジン−2−カルボニトリル
Figure 2021512136
4−[7−[6−アミノ−4−メチル−3−(トリフルオロメチル)−2−ピリジル]−6−クロロ−キナゾリン−4−イル]ピペラジン−2−カルボニトリル(300.0mg、0.7mmol)、オキシラン−2−カルボン酸(88.5mg、1.0mmol)、BOP(592.6mg、1.3mmol)、N,N−ジイソプロピルエチルアミン(432.1mg、3.4mmol)のN,N−ジメチルホルムアミド溶液(20mL)を、25℃にて24時間撹拌した。完了後、溶液を水(40mL)でクエンチし、ジクロロメタンで抽出した(3×100mL)。合わせた有機層をブライン(50mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させてフィルタにかけ、濾液を真空下にて濃縮した。残留物を、ジクロロメタン/メタノール(10/1)で溶出するシリカゲルフラッシュクロマトグラフィーにより精製し、220mgの粗生成物を得た。粗生成物を、以下の条件:カラム:X Bridge C18、19*150mm、5um;移動相A:水/0.05% NHHCO;移動相B:ACN;(条件);検出器:UV 254nmで分取HPLCにより精製した。白色固体として4−[7−[6−アミノ−4−メチル−3−(トリフルオロメチル)−2−ピリジル]−6−クロロ−キナゾリン−4−イル]−1−(オキシラン−2−カルボニル)ピペラジン−2−カルボニトリル(10.6mg、0.02mmol、収率3.1%)。LC−MS:(ESI,m/z):518.1 [M+H]
実施例24:H NMR(300 MHz,CDCl,ppm)δ 8.90(s,1H),8.21−8.09(m,1H),7.91(s,1H),6.50(s,1H),5.85−5.75(m,1H),4.82(s,2H),4.47−4.21(m,3H),4.05−3.95(m,1H),3.73(t,J=3.4 Hz,1H),3.59−3.09(m,4H),2.51(s,3H).
実施例25:1−[4−[7−[6−アミノ−3−(トリフルオロメチル)−2−ピリジル]−6−クロロ−キナゾリン−4−イル]−2−(トリフルオロメチル)ピペラジン−1−イル]プロプ−2−エン−1−オン
Figure 2021512136
工程1:1−[4−[7−[6−アミノ−3−(トリフルオロメチル)−2−ピリジル]−6−クロロ−キナゾリン−4−イル]−2−(トリフルオロメチル)ピペラジン−1−イル]プロプ−2−エン−1−オン
Figure 2021512136
6−[6−クロロ−4−[3−(トリフルオロメチル)ピペラジン−1−イル]キナゾリン−7−イル]−5−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−アミン(200.0mg、0.4mmol)及び塩化アクリロイル(45.6mg、0.5mmol)、ピリジン(0.07mL、0.8mmol)のN,N−ジメチルホルムアミド溶液(3mL)を、0℃にて3時間撹拌した。完了後、溶液を水(10mL)でクエンチし、ジクロロメタンで抽出した(3×20mL)。合わせた有機層をブライン(10mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させてフィルタにかけ、濾液を真空下にて濃縮した。残留物を、メタノール/ジクロロメタン(1/10)で溶出するシリカゲルフラッシュクロマトグラフィーにより精製し、1−[4−[7−[6−アミノ−3−(トリフルオロメチル)−2−ピリジル]−6−クロロ−キナゾリン−4−イル]−2−(トリフルオロメチル)ピペラジン−1−イル]プロプ−2−エン−1−オン(19.4mg、0.04mmol、収率8.7%)を白色固体として得た。LC−MS(ESI,m/z):531.1 [M+H]
実施例25:H NMR(300 MHz,DMSO−d,ppm)δ 8.73(s,1H),8.10(s,1H),7.86−7.75(m,2H),6.96(s,2H),6.93−6.88(m,1H),6.63(d,0.9 Hz,1H),6.27(t,J=12 Hz,1H),5.90−5.80(m,1H),5.50−5.38(m,1H),4.55−4.20(m,3H),3.90−3.68(m,2H),3.56−3.40(m,1H).
実施例26:1−(4−[7−[6−アミノ−4−メチル−3−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル]−6−クロロキナゾリン−4−イル]ピペラジン−1−イル)−2−フルオロプロプ−2−エン−1−オン
Figure 2021512136
工程1:1−(4−[7−[6−アミノ−4−メチル−3−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル]−6−クロロキナゾリン−4−イル]ピペラジン−1−イル)−2−フルオロプロプ−2−エン−1−オン
Figure 2021512136
6−[6−クロロ−4−(ピペラジン−1−イル)キナゾリン−7−イル]−4−メチル−5−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−アミン(240.0mg、0.6mmol)、2−フルオロプロプ−2−エン酸(60mg、0.7mmol)、HATU(260mg、0.7mmol)、N,N−ジイソプロピルエチルアミン(150mg、1.2mmol)のジクロロメタン溶液(10mL)を、30分間−78℃にて撹拌した。完了後、溶液を水(20mL)でクエンチし、ジクロロメタンで抽出した(3×30mL)。合わせた有機層をブライン(20mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させてフィルタにかけ、濾液を真空下にて濃縮した。残留物を、ジクロロメタン/メタノール(10/1)で溶出するシリカゲルカラムにアプライし、108mg(38%)の1−(4−[7−[6−アミノ−4−メチル−3−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル]−6−クロロキナゾリン−4−イル]ピペラジン−1−イル)−2−フルオロプロプ−2−エン−1−オンを、白色固体として得た。LC−MS:(ESI,m/z)495.1 [M+H]
実施例26:H NMR(400 MHz,メタノール−d,ppm)δ 8.68(s,1H),8.18(s,1H),7.71(s,1H),6.61(s,1H),5.38−5.32(dd,J=18.8,3.6 Hz,1H),5.29−5.25(dd,J=13.2,4.0 Hz,1H),4.09−3.96(m,4H),3.92(s,4H),2.47(s,3H).
実施例27:1−[4−[7−(3−アミノ−8−フルオロ−1−イソキノリル)−6−クロロ−8−フルオロ−キナゾリン−4−イル]ピペラジン−1−イル]プロプ−2−エン−1−オン
Figure 2021512136
工程1:tert−ブチル4−(6−クロロ−8−フルオロ−7−(トリブチルスタンニル)キナゾリン−4−イル)ピペラジン−1−カルボキシレート
Figure 2021512136
窒素下にて、tert−ブチル4−(7−ブロモ−6−クロロ−8−フルオロキナゾリン−4−イル)ピペラジン−1−カルボキシレート(2.0g、4.5mmol)、ヘキサブチルジスズ(5.2g、9.0mmol)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(413mg、0.45mmol)、トリシクロヘキシルホスフィン(230mg、0.9mmol)、及び塩化リチウム(565mg、13.5mmol)の1,4−ジオキサン溶液(20mL)を、110℃にて5時間撹拌した。完了後、反応系を真空下にて濃縮した。残留物を、石油エーテル/酢酸エチル(10/1)で溶出するシリカゲルフラッシュクロマトグラフィーにより精製し、tert−ブチル4−(6−クロロ−8−フルオロ−7−(トリブチルスタンニル)キナゾリン−4−イル)ピペラジン−1−カルボキシレート(1.5g、2.3mmol)を赤色油として得た。LC−MS:(ESI,m/z):657.2 [M+H]
工程2:tert−ブチル4−(7−(3−アミノ−8−フルオロイソキノリン−1−イル)−6−クロロ−8−フルオロキナゾリン−4−イル)ピペラジン−1−カルボキシレート<u>
Figure 2021512136
窒素下にて、tert−ブチル4−(6−クロロ−8−フルオロ−7−(トリブチルスタンニル)キナゾリン−4−イル)ピペラジン−1−カルボキシレート(500mg、0.76mmol)、1−ブロモ−8−フルオロイソキノリン−3−アミン(183mg、0.76mmol)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(88mg、0.076mmol)、ヨウ化第一銅(14.4mg、0.076mmol)、及び塩化リチウム(96mg、2.28mmol)の1,4−ジオキサン溶液(5mL)を、120℃にて16時間撹拌した。完了後、反応系を水(10mL)で希釈し、酢酸エチル(3×20mL)で抽出した。次に有機層を合わせ、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ真空下にて濃縮した。残留物を、石油エーテル/酢酸エチル(2/1)で溶出するシリカゲルフラッシュクロマトグラフィーにより精製し、tert−ブチル4−(7−(3−アミノ−8−フルオロイソキノリン−1−イル)−6−クロロ−8−フルオロキナゾリン−4−イル)ピペラジン−1−カルボキシレート(40mg、0.076mmol、収率10%)を黄色固体として得た。LC−MS:(ESI,m/z):527.2 [M+H]
工程3:1−(6−クロロ−8−フルオロ−4−(ピペラジン−1−イル)キナゾリン−7−イル)−8−フルオロイソキノリン−3−アミン<u>
Figure 2021512136
tert−ブチル4−(7−(3−アミノ−8−フルオロイソキノリン−1−イル)−6−クロロ−8−フルオロキナゾリン−4−イル)ピペラジン−1−カルボキシレート(60mg、0.1mmol)、トリフルオロ酢酸(1.0mL)のジクロロメタン溶液(5.0mL)を、30分間25℃にて撹拌した。完了後、溶液を真空下にて濃縮した。次に、残留物をジクロロメタン(10mL)に溶解させ、N,N−ジイソプロピルエチルアミンにより、得られる溶液のpH値をpH=8に調節し、真空下にて濃縮した。残留物を、ジクロロメタン/メタノール(10/1)で溶出するシリカゲルカラムにアプライし、30mgの1−(6−クロロ−8−フルオロ−4−(ピペラジン−1−イル)キナゾリン−7−イル)−8−フルオロイソキノリン−3−アミンを得た。LC−MS:(ESI,m/z):427.1 [M+H]
工程4:1−[4−[7−(3−アミノ−8−フルオロ−1−イソキノリル)−6−クロロ−8−フルオロ−キナゾリン−4−イル]ピペラジン−1−イル]プロプ−2−エン−1−オン<u>
Figure 2021512136
1−(6−クロロ−8−フルオロ−4−ピペラジン−1−イル−キナゾリン−7−イル)−8−フルオロ−イソキノリン−3−アミン(30.0mg、0.07mmol)、アクリル酸(5.1mg、0.07mmol)、N,N−ジイソプロピルエチルアミン(18.1mg、0.14mmol)、及び(32.1mg、0.08mmol)のジクロロメタン溶液(2mL)を、−78℃にて30分間撹拌した。完了後、反応を水(20mL)でクエンチし、酢酸エチルで抽出した(3×50mL)。溶媒を真空下にて濃縮した。残留物を、メタノール/ジクロロメタン(4/96)で溶出するシリカゲルフラッシュクロマトグラフィーにより精製し、50mgの粗製物を得た。次に、粗生成物を以下の条件で分取HPLCにより精製し、1−[4−[7−(3−アミノ−8−フルオロ−1−イソキノリル)−6−クロロ−8−フルオロ−キナゾリン−4−イル]ピペラジン−1−イル]プロプ−2−エン−1−オン(4.2mg、0.0087mmol、収率12.4%)を白色固体として得た。
分取HPLC条件:カラム:XBridge Prep C18 OBD Column、5um、19*150mm;移動相A:水(10MMOL/L NH4HCO3)、移動相B:ACN;流速:20mL/分;勾配:7分で35%B〜49%B;254/220nm;Rt:5.68分
実施例27:LC−MS:(ESI,m/z):481.1 [M+H]H NMR(300 MHz,DMSO−d,ppm)δ 8.71(s,1H),8.04(s,1H),7.51−7.45(m,2H),6.87−6.80(m,3H),6.41(d,J=5.2 Hz,2H),6.18(d,J=16.4,2.0 Hz,1H),5.75(dd,J=10.4,2.4 Hz,1H),3.94−3.77(m,8H).
実施例28:1−[4−[7−[6−アミノ−3−(トリフルオロメチル)−2−ピリジル−6−メチルスルホニル−キナゾリン−4−イル]ピペラジン−1−イル]プロプ−2−エン−1−オン
Figure 2021512136
工程1:tert−ブチル4−[7−[6−アミノ−3−(トリフルオロメチル)−2−ピリジル]−6−メチルスルホニル−キナゾリン−4−イル]ピペラジン−1−カルボキシレート
Figure 2021512136
窒素下にて、tert−ブチル4−[7−[6−アミノ−3−(トリフルオロメチル)−2−ピリジル]−6−クロロ−キナゾリン−4−イル]ピペラジン−1−カルボキシレート(1.0g、1.96mmol)、メタンスルフィン酸ナトリウム(810.3mg、7.86mmol)、及びヨウ化銅(I)(74.8mg、0.39mmol)のジメチルスルホキシド溶液(20mL)を、10時間80℃にて撹拌した。完了後、反応混合物を水(100mL)で希釈し、酢酸エチルで抽出した(3×150mL)。有機層を収集し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させて真空下にて濃縮した。残留物を、メタノール/ジクロロメタン(4/96)で溶出するシリカゲルフラッシュクロマトグラフィーにより精製し、tert−ブチル4−[7−[6−アミノ−3−(トリフルオロメチル)−2−ピリジル]−6−メチルスルホニル−キナゾリン−4−イル]ピペラジン−1−カルボキシレート(250mg、0.45mmol、収率23%)を黄色固体として得た。LC−MS(ESI,m/z):553.2 [M+H]
工程2:6−(6−メチルスルホニル−4−ピペラジン−1−イル−キナゾリン−7−イル)−5−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−アミン
Figure 2021512136
tert−ブチル4−[7−[6−アミノ−3−(トリフルオロメチル)−2−ピリジル]−6−メチルスルホニル−キナゾリン−4−イル]ピペラジン−1−カルボキシレート(240.0mg、0.43mmol)及びトリフルオロ酢酸(1mL)のジクロロメタン溶液5mLを、25℃にて1時間撹拌した。完了後、得られた溶液を真空下にて濃縮した。残留物をジクロロメタン(5mL)で溶解させ、N,N−ジイソプロピルエチルアミンにより得られる溶液のpHをpH=9に調節した。真空下にて濃縮した後、残留物を、水/アセトニトリル(62/38)で溶出する逆相カラムにより精製し、6−(6−メチルスルホニル−4−ピペラジン−1−イル−キナゾリン−7−イル)−5−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−アミン(150mg、0.33mmol、収率76.3%)を黄色固体として得た。LC−MS(ESI,m/z):453.1 [M+H]
工程3:1−[4−[7−[6−アミノ−3−(トリフルオロメチル)−2−ピリジル−6−メチルスルホニル−キナゾリン−4−イル]ピペラジン−1−イル]プロプ−2−エン−1−オン
Figure 2021512136
6−(6−メチルスルホニル−4−ピペラジン−1−イル−キナゾリン−7−イル)−5−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−アミン(140.0mg、0.31mmol)、HATU(141.2mg、0.37mmol)、アクリル酸(22.3mg、0.31mmol)、及びN,N−ジイソプロピルエチルアミン(0.11mL、0.62mmol)のジクロロメタン溶液5mLを、−78℃にて1時間撹拌した。完了後、水(20mL)で反応をクエンチし、ジクロロメタンで抽出した(3×50mL)。有機層を収集し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させて真空下にて濃縮した。残留物を、水/アセトニトリル(75/25)で溶出する逆相カラムにより精製し、1−[4−[7−[6−アミノ−3−(トリフルオロメチル)−2−ピリジル−6−メチルスルホニル−キナゾリン−4−イル]ピペラジン−1−イル]プロプ−2−エン−1−オン(20.5mg、0.0405mmol、収率13.1%)を白色固体として得た。LC−MS(ESI,m/z):507.1 [M+H]
実施例28:H NMR(300 MHz,DMSO−d,ppm)δ 8.74(s,1H),8.68(s,1H),7.79(d,J=9.0 Hz,1H),7.66(s,1H),6.89(s,2H),6.86−6.80(m,1H),6.60(d,J=8.1 Hz,1H),6.19(dd,J=16.8,2.4 Hz,1H),5.75(dd,J=10.5,2.4 Hz,1H),4.05(m,4H),3.86−3.72(m,4H),3.42(s,3H).
実施例29:1−[4−[7−[6−アミノ−3−(トリフルオロメチル)−2−ピリジル]−6−シクロプロピル−キナゾリン−4−イル]ピペラジン−1−イル]プロプ−2−エン−1−オン
Figure 2021512136
1−[4−[7−[6−アミノ−3−(トリフルオロメチル)−2−ピリジル]−6−シクロプロピル−キナゾリン−4−イル]ピペラジン−1−イル]プロプ−2−エン−1−オン
Figure 2021512136
6−(6−シクロプロピル−4−ピペラジン−1−イル−キナゾリン−7−イル)−5−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−アミン(50.0mg、0.12mmol)、アクリル酸(8.7mg、0.12mmol)、HATU(45.87mg、0.12mmol)、N,N−ジイソプロピルエチルアミン(15.6mg、0.12mmol)のジクロロメタン溶液(10mL)を、20分間−78℃にて撹拌した。完了後、水(20mL)で反応をクエンチし、ジクロロメタンで抽出した(3×50mL)。有機層を収集し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させて真空下にて濃縮した。残留物を、ジクロロメタン/メタノール(4/96)で溶出するシリカゲルカラムにアプライし、粗製物を得た。次に粗生成物を、水/アセトニトリル(3/2)で溶出する逆相クロマトグラフィーにより精製し、1−[4−[7−[6−アミノ−3−(トリフルオロメチル)−2−ピリジル]−6−シクロプロピル−キナゾリン−4−イル]ピペラジン−1−イル]プロプ−2−エン−1−オン(2.8mg、0.006mmol、収率5%)を白色固体として得た。LC−MS:(ESI,m/z):469.2 [M+H]
実施例29:H NMR(300 MHz,メタノール−d,ppm)δ 8.62(s,1H),7.85(d,J=8.7 Hz,1H),7.63(d,J=11.4 Hz,2H),6.85(dd,J=16.8,10.6 Hz,1H),6.71(d,J=9.0 Hz,1H),6.29(dd,J=16.8,2.0 Hz,1H),5.82(dd,J=10.6,1.9 Hz,1H),3.94(s,8H),1.82(t,J=5.8 Hz,1H),0.97−0.83(m,3H),0.71(d,J=5.6 Hz,1H).
実施例30:1−(4−[7−[6−アミノ−4−メチル−3−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル]−6−クロロ−2−(トリフルオロメチル)キナゾリン−4−イル]ピペラジン−1−イル)プロプ−2−エン−1−オン
Figure 2021512136
工程1:7−ブロモ−6−クロロ−2−(トリフルオロメチル)キナゾリン−4(3H)−オン<u>
Figure 2021512136
2−アミノ−4−ブロモ−5−クロロ安息香酸(10g、39.9mmol)の、クロロホルム(100mL)とN,N−ジイソプロピルエチルアミン(7.5mL)の混合物の溶液に、0℃にてトリフルオロ無水酢酸(84g、399.2mmol)を添加した。添加の完了後、反応混合物を加熱還流させ、ここで、3時間撹拌した。次に、反応混合物を室温まで冷却し、濃縮して粗物質を得た。粗物質を、アンモニアガスで飽和させたクロロホルム(100mL)に溶解させた後、室温にて2時間撹拌した。完了後、混合物を真空下にて濃縮し、得られた固体を水(100mL)で洗浄した。フィルタにかけた後、濾塊を収集して、トルエンからの再結晶により2.1g(16%)の7−ブロモ−6−クロロ−2−(トリフルオロメチル)キナゾリン−4(3H)−オンを黄色固体として得た。LC−MS:(ESI,m/z):326.9 [M+H]
工程2:tert−ブチル4−(7−ブロモ−6−クロロ−2−(トリフルオロメチル)キナゾリン−4−イル)ピペリジン−1−カルボキシレート
Figure 2021512136
7−ブロモ−6−クロロ−2−(トリフルオロメチル)キナゾリン−4(3H)−オン(4.0g、12.2mmol、1.00当量)、tert−ブチルピペラジン−1−カルボキシレート(4.6g、24.4mmol)、BOP(8.1g、18.3mmol)、及びN,N−ジイソプロピルエチルアミン(4.7g、36.5mmol)のクロロホルム溶液(100mL)を、15時間80℃にて撹拌した。完了後、溶液を真空下にて濃縮した。残留物を、酢酸エチル/石油エーテル(1/2)で溶出するシリカゲルカラムにより精製し、5.2g(85%)のtert−ブチル4−(7−ブロモ−6−クロロ−2−(トリフルオロメチル)キナゾリン−4−イル)ピペリジン−1−カルボキシレートを淡黄色固体として得た。LC−MS:(ESI,m/z):495.0 [M+H]
工程3:tert−ブチル4−(6−クロロ−7−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−2−(トリフルオロメチル)キナゾリン−4−イル)ピペラジン−1−カルボキシレート
Figure 2021512136
窒素下にて、tert−ブチル4−(7−ブロモ−6−クロロ−2−(トリフルオロメチル)キナゾリン−4−イル)ピペリジン−1−カルボキシレート(3.0g、6.0mmol)、ビス(ピナコラト)ジボロン(7.6g、30.3mmol、1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン−パラジウム(II)ジクロリドジクロロメタン錯体(490.2mg、0.6mmol)、及び酢酸カリウム(1.8g、18.0mmol)の1,4−ジオキサン溶液(50mL)を、80℃にて2時間撹拌した。完了後、得られた溶液をジクロロメタン(50mL)で希釈し、フィルタにかけた。フィルタを収集し、真空下にて濃縮した。固体を石油エーテルで洗浄し(3×30mL)、フィルタにかけて収集して、2.0の粗製物(純度80%)のtert−ブチル4−(6−クロロ−7−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−2−(トリフルオロメチル)キナゾリン−4−イル)ピペラジン−1−カルボキシレートをオフホワイト固体として得た。LC−MS:(ESI,m/z):543.2 [M+H]
工程4:tert−ブチル4−[7−[6−アミノ−4−メチル−3−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル]−6−クロロ−2−(トリフルオロメチル)キナゾリン−4−イル]ピペラジン−1−カルボキシレート
Figure 2021512136
窒素下にて、tert−ブチル4−[6−クロロ−7−(テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−2−(トリフルオロメチル)キナゾリン−4−イル]ピペラジン−1−カルボキシレート(1.0gの粗製物、純度80%、1.5mmol)、6−クロロ−4−メチル−5−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−アミン(300mg、1.4mmol)、ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)クロリド(50mg、0.07mmol)、フッ化カリウム(250mg、4.3mmol)の、アセトニトリル(4mL)及び水(1mL)の溶液を、30分間100℃にて撹拌した。完了後、得られた溶液を水(50mL)で希釈し、酢酸エチルで抽出した(3×50mL)。次に有機層を合わせ、ブラインで洗浄し(3×20mL)、無水硫酸ナトリウムで乾燥させて真空下にて濃縮した。残留物を、酢酸エチル/石油エーテル(1/2)で溶出するシリカゲルカラムにより精製し、400mg(46%)のtert−ブチル4−[7−[6−アミノ−4−メチル−3−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル]−6−クロロ−2−(トリフルオロメチル)キナゾリン−4−イル]ピペラジン−1−カルボキシレートをオフホワイト固体として得た。LC−MS:(ESI,m/z):591.2 [M+H]
工程5:6−[6−クロロ−4−(ピペラジン−1−イル)−2−(トリフルオロメチル)キナゾリン−7−イル]−4−メチル−5−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−アミン
Figure 2021512136
tert−ブチル4−[7−[6−アミノ−4−メチル−3−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル]−6−クロロ−2−(トリフルオロメチル)キナゾリン−4−イル]ピペラジン−1−カルボキシレート(490mg、0.8mmol)の、ジクロロメタン(5mL)及びトリフルオロ酢酸(5mL)溶液を、30分間25℃にて撹拌した。完了後、得られた溶液を真空下にて濃縮した。残留物をジクロロメタン(5mL)で溶解させ、N,N−ジイソプロピルエチルアミンにより得られる溶液のpHをpH=9に調節した。真空下にて濃縮した後、残留物を、ジクロロメタン/メタノール(85/15)で溶出するシリカゲルカラムにより精製し、230mg(57%)の6−[6−クロロ−4−(ピペラジン−1−イル)−2−(トリフルオロメチル)キナゾリン−7−イル]−4−メチル−5−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−アミンを淡褐色固体として得た。LC−MS:(ESI,m/z):491.1 [M+H]
工程6:1−(4−[7−[6−アミノ−4−メチル−3−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル]−6−クロロ−2−(トリフルオロメチル)キナゾリン−4−イル]ピペラジン−1−イル)プロプ−2−エン−1−オン
Figure 2021512136
6−[6−クロロ−4−(ピペラジン−1−イル)−2−(トリフルオロメチル)キナゾリン−7−イル]−4−メチル−5−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−アミン(210mg、0.4mmol)、プロプ−2−エン酸(40mg、0.6mmol)、HATU(200mg、0.5mmol)、及びN,N−ジイソプロピルエチルアミン(300mg、2.3mmol)のジクロロメタン溶液(5mL)を、30分間−78℃にて撹拌した。完了後、水(20mL)で溶液をクエンチし、ジクロロメタンで抽出した(3×50mL)。有機層を収集し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させて真空下にて濃縮した。次に残留物を、水/アセトニトリル(3/2)で溶出する逆相クロマトグラフィーにより精製し、49.6mg(21%)の1−(4−[7−[6−アミノ−4−メチル−3−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル]−6−クロロ−2−(トリフルオロメチル)キナゾリン−4−イル]ピペラジン−1−イル)プロプ−2−エン−1−オンを白色固体として得た。LC−MS:(ESI,m/z):545.1 [M+H]
実施例30:H NMR(300 MHz,DMSO−d,ppm)δ 8.24(s,1H),7.78(s,1H),6.85−6.78(m,3H),6.49(s,1H),6.22−6.15(m,1H),5.78−5.72(m,1H),4.08−4.00(m,4H),3.88−3.70(m,4H),2.37(s,3H).
実施例31:1−(4−[7−[6−アミノ−4−メチル−3−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル]−6−クロロ−2−(メチルアミノ)キナゾリン−4−イル]ピペラジン−1−イル)プロプ−2−エン−1−オン
Figure 2021512136
工程1:tert−ブチル4−[7−ブロモ−6−クロロ−2−(メチルアミノ)キナゾリン−4−イル]ピペラジン−1−カルボキシレート
Figure 2021512136
tert−ブチル4−(7−ブロモ−2,6−ジクロロキナゾリン−4−イル)ピペラジン−1−カルボキシレート(3g、6.5mmol)、メチルアミン塩酸塩(900mg、13.3mmol)、炭酸カリウム(2.3g、16.6mmol)、N,N−ジメチルアセトアミド(60mL)を、12時間100℃にて撹拌した。完了後、溶液を水(150mL)で希釈し、酢酸エチルで抽出した(3×150mL)。次に、有機層を合わせてブラインで洗浄した3×100mL)。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、真空下にて濃縮した。残留物を、ジクロロメタン/メタノール(10/1)で溶出するシリカゲルカラムにアプライし、1.5g(51%)のtert−ブチル4−[7−ブロモ−6−クロロ−2−(メチルアミノ)キナゾリン−4−イル]ピペラジン−1−カルボキシレートを得た。LC−MS:(ESI,m/z):456.1 [M+H]
工程2:tert−ブチル4−[6−クロロ−2−(メチルアミノ)−7−(テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)キナゾリン−4−イル]ピペラジン−1−カルボキシレート
Figure 2021512136
窒素下にて、tert−ブチル4−[7−ブロモ−6−クロロ−2−(メチルアミノ)キナゾリン−4−イル]ピペラジン−1−カルボキシレート(500mg、1.1mmol)、ビス(ピナコラト)ジボロン(1.4g、5.5mmol)、酢酸カリウム(323.1mg、3.3mmol)、1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン−パラジウム(II)ジクロリドジクロロメタン錯体(89.8mg、0.1mmol)の1,4−ジオキサン溶液(20mL)を、マイクロ波放射により2時間、80℃にて照射した。完了後、得られた溶液をジクロロメタン(20mL)で希釈し、フィルタにかけた。フィルタを収集し、真空下にて濃縮した。固体を石油エーテルで洗浄し(3×30mL)、フィルタにかけて収集して、600mg(粗製物)のtert−ブチル4−(6−クロロ−2−(メチルアミノ)−7−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)キナゾリン−4−イル)ピペラジン−1−カルボキシレートを得た。LC−MS:(ESI,m/z):504.2 [M+H]
工程3:tert−ブチル4−[7−[6−アミノ−4−メチル−3−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル]−6−クロロ−2−(メチルアミノ)キナゾリン−4−イル]ピペラジン−1−カルボキシレート
Figure 2021512136
窒素下にて、tert−ブチル4−(6−クロロ−2−(メチルアミノ)−7−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)キナゾリン−4−イル)ピペラジン−1−カルボキシレート(500mg、1.0mmol)、ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)クロリド(69.8mg、0.1mmol)、フッ化カリウム(115.5mg、2.0mmol)、及び6−クロロ−4−メチル−5−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−アミン(229.9mg、1.1mmol)のアセトニトリル(10mL)及び水(2mL)の溶液を、1時間110℃にて撹拌した。完了後、得られた溶液を水(50mL)で希釈し、完了後で抽出した(3×50mL)。次に有機層を合わせ、ブラインで洗浄し(3×20mL)、無水硫酸ナトリウムで乾燥させて真空下にて濃縮した。残留物を、ジクロロメタン/メタノール(10/1)で溶出するシリカゲルカラムにアプライし、300mg(55%)のtert−ブチル4−[7−[6−アミノ−4−メチル−3−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル]−6−クロロ−2−(メチルアミノ)キナゾリン−4−イル]ピペラジン−1−カルボキシレートを得た。LC−MS:(ESI,m/z):552.2 [M+H]
工程4:7−[6−アミノ−4−メチル−3−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル]−6−クロロ−N−メチル−4−(ピペラジン−1−イル)キナゾリン−2−アミン
Figure 2021512136
tert−ブチル4−[7−[6−アミノ−4−メチル−3−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル]−6−クロロ−2−(メチルアミノ)キナゾリン−4−イル]ピペラジン−1−カルボキシレート(110mg、0.2mmol)の、ジクロロメタン(5mL)及びトリフルオロ酢酸(1mL)の溶液を30分間25℃にて撹拌した。完了後、得られた溶液を真空下にて濃縮し、110mg(粗製物)の7−[6−アミノ−4−メチル−3−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル]−6−クロロ−N−メチル−4−(ピペラジン−1−イル)キナゾリン−2−アミンを暗赤色固体として得、精製することなく次工程で使用した。LC−MS:(ESI,m/z):452.1 [M+H]
工程5:1−(4−[7−[6−アミノ−4−メチル−3−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル]−6−クロロ−2−(メチルアミノ)キナゾリン−4−イル]ピペラジン−1−イル)プロプ−2−エン−1−オン
Figure 2021512136
7−[6−アミノ−4−メチル−3−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル]−6−クロロ−N−メチル−4−(ピペラジン−1−イル)キナゾリン−2−アミン(110mgの粗製物)、プロプ−2−エン酸(17.5mg、0.2mmol)、HATU(92.6mg、0.2mmol)、及びN,N−ジイソプロピルエチルアミン(125.6mg、1.0mmol)のジクロロメタン溶液(10mL)を、30分間−78℃にて撹拌した。完了後、水(20mL)で溶液をクエンチし、ジクロロメタンで抽出した(3×50mL)。有機層を収集し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させて真空下にて濃縮した。残留物を、ジクロロメタン/メタノール(10/1)で溶出するシリカゲルカラムにアプライし、粗生成物を得た。次に粗生成物を、以下の条件:カラム:XSelect CSH Prep C18 OBD Column、5um、19*150mm;移動相A:水(0.05%TFA)、移動相B:ACN;流速:20mL/分;勾配:7分で15%B〜58%B;254/220nm;Rt:6.15分で分取HPLCにより精製し、32.8mg(27%)の1−(4−[7−[6−アミノ−4−メチル−3−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル]−6−クロロ−2−(メチルアミノ)キナゾリン−4−イル]ピペラジン−1−イル)プロプ−2−エン−1−オンを白色固体として得た。LC−MS:(ESI,m/z):506.2 [M+H]
実施例31:H NMR(300 MHz,メタノール−d,ppm)δ 8.16(s,1H),7.59−7.25(m,1H),6.79(dd,J=16.8,10.5 Hz,1H),6.65(s,1H),6.30(dd,J=16.5,1.8 Hz,1H),5.82(dd,J=10.8,2.1 Hz,1H),4.27(s,4H),3.94(s,4H),3.09(s,3H),2.45(s,3H).
実施例32:1−(4−[7−[6−アミノ−4−メチル−3−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル]−6−クロロ−2−メチルキナゾリン−4−イル]ピペラジン−1−イル)プロプ−2−エン−1−オン
Figure 2021512136
工程1:7−ブロモ−6−クロロ−2−メチル−3,4−ジヒドロキナゾリン−4−オン
Figure 2021512136
2−アミノ−4−ブロモ−5−クロロ安息香酸(10g、39.9mmol)及び酢酸アセチル(50mL)の溶液を3時間、130℃にて撹拌した。完了後、得られる溶液を濃縮した。次に、残留物を、アンモニアガスで飽和したクロロホルム(100mL)に溶解させた後、2時間80℃にて撹拌した。完了後、得られる溶液を真空下にて濃縮し、得られた固体を水(100mL)で洗浄した。フィルタにかけた後、濾塊を収集して、トルエンからの再結晶を続けて、8.4g(77%)の7−ブロモ−6−クロロ−2−メチル−3,4−ジヒドロキナゾリン−4−オンを黄色固体として得た。LC−MS:(ESI,m/z):272.9 [M+H]
工程2:tert−ブチル4−(7−ブロモ−6−クロロ−2−メチルキナゾリン−4−イル)ピペラジン−1−カルボキシレート
Figure 2021512136
7−ブロモ−6−クロロ−2−メチル−3,4−ジヒドロキナゾリン−4−オン(1g、3.66mmol)、tert−ブチルピペラジン−1−カルボキシレート(1.37g、7.36mmol)、BOP(2.45g、5.54mmol)、N,N−ジイソプロピルエチルアミン(1.8mL、10.89mmol)のクロロホルム溶液(30mL)を、15時間8℃にて撹拌した。完了後、溶液を真空下にて濃縮した。残留物を、酢酸エチル/石油エーテル(1/2)で溶出するシリカゲルカラムにより精製し、850mg(53%)のtert−ブチル4−(7−ブロモ−6−クロロ−2−メチルキナゾリン−4−イル)ピペラジン−1−カルボキシレートを淡黄色固体として得た。LC−MS:(ESI,m/z):441.1 [M+H]
工程3:tert−ブチル4−[6−クロロ−2−2−メチル−7−(テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)キナゾリン−4−イル]ピペラジン−1−カルボキシレート
Figure 2021512136
窒素下にて、tert−ブチル4−(7−ブロモ−6−クロロ−2−メチルキナゾリン−4−イル)ピペラジン−1−カルボキシレート(2g、4.5mmol)、ビス(ピナコラト)ジボロン(3.3g、13.0mmol)、酢酸カリウム(1.3g、13.6mmol、3.0当量)、及び1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン−パラジウム(II)ジクロリドジクロロメタン錯体(196mg、0.24mmol)の1,4−ジオキサン溶液(30mL)を、12時間80℃にて撹拌した。完了後、得られた溶液をジクロロメタン(30mL)で希釈し、フィルタにかけた。フィルタを収集し、真空下にて濃縮した。固体を石油エーテルで洗浄し(3×30mL)、フィルタにかけて収集し、1.9gの粗製物(純度85%)のtert−ブチル4−[6−クロロ−2−2−メチル−7−(テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)キナゾリン−4−イル]ピペラジン−1−カルボキシレートを褐色固体として得た。LC−MS:(ESI,m/z):489.2 [M+H]
工程4:tert−ブチル4−[7−[6−アミノ−4−メチル−3−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル]−6−クロロ−2−メチルキナゾリン−4−イル]ピペラジン−1−カルボキシレート
Figure 2021512136
窒素下にて、tert−ブチル4−[6−クロロ−2−2−メチル−7−(テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)キナゾリン−4−イル]ピペラジン−1−カルボキシレート(1g、2.1mmol)、6−クロロ−4−メチル−5−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−アミン(430mg、2.04mmol)、ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)クロリド(144mg、0.2mmol)、及びフッ化カリウム(195mg、3.4mmol)のアセトニトリル(20mL)及び水(4mL)の溶液を、1時間100℃にて撹拌した。完了後、得られた溶液を水(100mL)で希釈し、完了後で抽出した(3×100mL)。次に有機層を合わせ、ブラインで洗浄し(3×30mL)、無水硫酸ナトリウムで乾燥させて真空下にて濃縮した。残留物を、ジクロロメタン/メタノール(20/1)で溶出するシリカゲルカラムにより精製し、460mg(42%)のtert−ブチル4−[7−[6−アミノ−4−メチル−3−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル]−6−クロロ−2−メチルキナゾリン−4−イル]ピペラジン−1−カルボキシレートを淡黄色固体として得た。LC−MS:(ESI,m/z):537.2 [M+H]
工程5:6−[6−クロロ−2−メチル−4−(ピペラジン−1−イル)キナゾリン−7−イル]−4−メチル−5−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−アミン
Figure 2021512136
tert−ブチル4−[7−[6−アミノ−4−メチル−3−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル]−6−クロロ−2−メチルキナゾリン−4−イル]ピペラジン−1−カルボキシレート(350mg、0.65mmol)のトリフルオロ酢酸(3mL)及びジクロロメタン(10mL)溶液を、30分間室温にて撹拌した。完了後、得られた溶液を真空下にて濃縮し、700mg(粗製物)の6−[6−クロロ−2−メチル−4−(ピペラジン−1−イル)キナゾリン−7−イル]−4−メチル−5−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−アミンを褐色固体として得た。LC−MS:(ESI,m/z):437.1 [M+H]
工程6:1−(4−[7−[6−アミノ−4−メチル−3−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル]−6−クロロ−2−メチルキナゾリン−4−イル]ピペラジン−1−イル)プロプ−2−エン−1−オン
Figure 2021512136
6−[6−クロロ−2−メチル−4−(ピペラジン−1−イル)キナゾリン−7−イル]−4−メチル−5−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−アミン(285mg、粗製物)、プロプ−2−エン酸(94mg、1.30mmol)、HATU(370mg、1.0mmol)、及びN,N−ジイソプロピルエチルアミン(2mL)のジクロロメタン溶液(15mL)を、30分間−78℃にて撹拌した。完了後、水(20mL)で溶液をクエンチし、ジクロロメタンで抽出した(3×50mL)。有機層を収集し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させて真空下にて濃縮した。残留物を、ジクロロメタン/メタノール(20/1)で溶出するシリカゲルカラムにより精製し、粗生成物を得た。粗生成物を、以下の条件:カラム:X Bridge C18、19*150mm、5um;移動相A:水/0.05%TFA、移動相B:ACN;流速:20mL/分;Gradient:10分で30%B〜70%B;254nmで分取HPLCにより精製し、79.2mg(12%)の1−(4−[7−[6−アミノ−4−メチル−3−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル]−6−クロロ−2−メチルキナゾリン−4−イル]ピペラジン−1−イル)プロプ−2−エン−1−オンを得た。LC−MS:(ESI,m/z):491.1 [M+H]
実施例32:H NMR(300 MHz,メタノール−d,ppm)δ 8.12(s,1H),7.62(s,1H),6.84(dd,J=16.8,10.6 Hz,1H),6.64−6.57(m,1H),6.29(dd,J=16.8,2.0 Hz,1H),5.82(dd,J=10.6,2.0 Hz,1H),3.98−3.89(m,8H),2.63(s,3H),2.46(s,3H).
実施例33:1−(4−[7−[6−アミノ−3−メチル−4−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル]−6−クロロキナゾリン−4−イル]ピペラジン−1−イル)プロプ−2−エン−1−オン
Figure 2021512136
工程1:1−(4−[7−[6−アミノ−3−メチル−4−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル]−6−クロロキナゾリン−4−イル]ピペラジン−1−イル)プロプ−2−エン−1−オン
Figure 2021512136
6−[6−クロロ−4−(ピペラジン−1−イル)キナゾリン−7−イル]−5−メチル−4−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−アミン(290.0mg、0.7mmol)、HATU(312.9mg、0.8mmol)、N,N−ジイソプロピルエチルアミン(177.3mg、1.4mmol)、プロプ−2−エン酸(49.4mg、0.7mmol)のジクロロメタン溶液(10mL)を、1時間−78℃にて撹拌した。完了後、水(20mL)で溶液をクエンチし、ジクロロメタンで抽出した(3×50mL)。有機層を収集し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させて真空下にて濃縮した。粗生成物を、アセトニトリル/水(3/7)で溶出する逆相カラムにより精製し、50.8mg(16%)の1−(4−[7−[6−アミノ−3−メチル−4−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル]−6−クロロキナゾリン−4−イル]ピペラジン−1−イル)プロプ−2−エン−1−オンを白色固体として得た。LC−MS:(ESI,m/z):477.1 [M+H]+.
実施例33:H NMR(300 MHz,DMSO−d,ppm)8.68(s,1H),8.17(s,1H),7.76(s,1H),6.89−6.70(m,2H),6.50(s,2H),6.21−6.15(m,1H),5.78−5.72(m,1H),3.88−3.78(m,8H),1.99(s,3H)
実施例34:1−(4−(7−(6−アミノ−4−シクロプロピル−3−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル)−6−クロロキナゾリン−4−イル)ピペラジン−1−イル)プロプ−2−エン−1−オン
Figure 2021512136
工程1:2,6−ジクロロ−4−シクロプロピルピリジン
Figure 2021512136
窒素下にて、2,6−ジクロロ−4−ヨードピリジン(3.6g、13.2mmol)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(1.5g、1.3mmol)の無水THF溶液(30mL)に、ブロモ(シクロプロピル)亜鉛溶液(26.4mL、26.4mmol、THF中に1.0M)を添加し、溶液を1時間25℃にて撹拌した。完了後、水(20mL)で溶液をクエンチし、ジクロロメタンで抽出した(3×50mL)。有機層を収集し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させて真空下にて濃縮した。粗生成物を、石油エーテル/酢酸エチル(10/1)で溶出するシリカゲルカラムにアプライし、2.2g(79%)の2,6−ジクロロ−4−シクロプロピルピリジンを橙色固体として得た。LC−MS:(ESI,m/z):188.0 [M+H]
工程2:6−クロロ−4−シクロプロピルピリジン−2−アミン
Figure 2021512136
窒素下にて、2,6−ジクロロ−4−シクロプロピルピリジン(1.2g、6.4mmol)、ジフェニルメタンイミン(1.16g、6.4mmol)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウムクロロホルム錯体(662mg、0.64mmol)、キサントホス(370mg、0.64mmol)、炭酸セシウム(4.2g、12.8mmol)の1,4−ジオキサン溶液(25mL)を、2時間90℃にて撹拌した。完了後、溶液を水(50mL)で希釈し、酢酸エチルで抽出した(3×50mL)。有機層を収集し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、真空下で濃縮した。残留物を塩化水素(10mL、1,4−ジオキサン中に3M)で溶解させ、1時間25℃にて撹拌した。完了後、溶液を真空下にて濃縮した。次に、残留物をジクロロメタン(50mL)で溶解させ、N,N−ジイソプロピルエチルアミンにより、得られる溶液のpHを9に調節した。次に、得られる溶液を真空下にて濃縮し、残留物を、酢酸エチル/石油エーテル(1/3)で溶出するシリカゲルカラムにより精製して、690mg(64%)の6−クロロ−4−シクロプロピルピリジン−2−アミンを白色固体として得た。LC−MS:(ESI,m/z):169.0 [M+H]
工程3:6−クロロ−4−シクロプロピル−5−ヨードピリジン−2−アミン
Figure 2021512136
6−クロロ−4−シクロプロピルピリジン−2−アミン(690mg、4.1mmol)、N−ヨードスクシンイミド(1.2g、5.3mmol)のアセトニトリル溶液(10mL)を、1時間50℃にて撹拌した。完了後、溶液を飽和チオ硫酸ナトリウム溶液(50mL)で洗浄し、酢酸エチルで抽出した(4×50mL)。次に有機層を合わせ、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ真空下にて濃縮した。残留物を、酢酸エチル/石油エーテル(1/4)で溶出するシリカゲルカラムにアプライし、950mg(79%)の6−クロロ−4−シクロプロピル−5−ヨードピリジン−2−アミンを褐色固体として得た。LC−MS:(ESI,m/z):294.9 [M+H]
工程4:6−クロロ−4−シクロプロピル−5−ヨード−N,N−ビス(4−メトキシベンジル)ピリジン−2−アミン
Figure 2021512136
6−クロロ−4−シクロプロピル−5−ヨードピリジン−2−アミン(690mg、2.3mmol)、炭酸カリウム(1.3g、9.4mmol)、1−(クロロメチル)−4−メトキシベンゼン(1.5g、9.6mmol)、ヨウ化カリウム(200mg、1.2mmol)のN,N−ジメチルホルムアミド溶液(5mL)を、2時間110℃にて撹拌した。完了後、溶液を水(25mL)で希釈し、酢酸エチルで抽出した(3×30mL)。有機層を合わせ、無水硫酸ナトリウムで乾燥させて真空下にて濃縮した。残留物を、酢酸エチル/石油エーテル(3/97)で溶出するシリカゲルカラムにアプライし、1.2g(96%)の6−クロロ−4−シクロプロピル−5−ヨード−N,N−ビス[(4−メトキシフェニル)メチル]ピリジン−2−アミンを無色の油として得た。LC−MS:(ESI,m/z):535.1 [M+H]
工程5:6−クロロ−4−シクロプロピル−N,N−ビス(4−メトキシベンジル)−5−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−アミン
Figure 2021512136
窒素下にて、6−クロロ−4−シクロプロピル−5−ヨード−N,N−ビス[(4−メトキシフェニル)メチル]ピリジン−2−アミン(1.2g、2.2mmol)、メチル2,2−ジフルオロ−2−(フルオロスルホニル)アセテート(960mg、4.9mmol)、及びヨウ化第一銅(880mg、4.621mmol)のN,N−ジメチルホルムアミド溶液(10mL)を、1時間100℃にて撹拌した。完了後、溶液を水(25mL)で希釈し、酢酸エチルで抽出した(3×30mL)。有機層を合わせ、無水硫酸ナトリウムで乾燥させて真空下にて濃縮した。残留物を、酢酸エチル/石油エーテル(3/97)で溶出するシリカゲルカラムにアプライし、1.0g(93%)の6−クロロ−4−シクロプロピル−N,N−ビス[(4−メトキシフェニル)メチル]−5−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−アミンを淡黄色の油として得た。LC−MS:(ESI,m/z):477.1 [M+H]
工程6:tert−ブチル4−(7−(6−(ビス(4−メトキシベンジル)アミノ)−4−シクロプロピル−3−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル)−6−クロロキナゾリン−4−イル)ピペラジン−1−カルボキシレート
Figure 2021512136
窒素下にて、tert−ブチル4−(6−クロロ−7−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)キナゾリン−4−イル)ピペラジン−1−カルボキシレート(500mg、1.05mmol)、6−クロロ−4−シクロプロピル−N,N−ビス[(4−メトキシフェニル)メチル]−5−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−アミン(553mg、1.16mmol)、ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)クロリド(77.2mg、0.1mmol)、フッ化カリウム(122mg、2.1mmol)の、アセトニトリル(10mL)及び水(1mL)の溶液を、30分間100℃にて撹拌した。完了後、得られた溶液を水(50mL)で希釈し、完了後で抽出した(3×50mL)。次に有機層を合わせ、ブラインで洗浄し(3×20mL)、無水硫酸ナトリウムで乾燥させて真空下にて濃縮した。残留物を、酢酸エチル/石油エーテル(1/2)で溶出するシリカゲルカラムにより精製し、491mg(59%)のtert−ブチル4−(7−(6−(ビス(4−メトキシベンジル)アミノ)−4−シクロプロピル−3−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル)−6−クロロキナゾリン−4−イル)ピペラジン−1−カルボキシレートをオフホワイト固体として得た。LC−MS:(ESI,m/z):789.3 [M+H]
工程7:6−(6−クロロ−4−(ピペラジン−1−イル)キナゾリン−7−イル)−4−シクロプロピル−5−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−アミン
Figure 2021512136
tert−ブチル4−(7−(6−(ビス(4−メトキシベンジル)アミノ)−4−シクロプロピル−3−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル)−6−クロロキナゾリン−4−イル)ピペラジン−1−カルボキシレート(491mg、0.62mmol)のジクロロメタン(5mL)及びトリフルオロ酢酸(5mL)溶液を、30分間25℃にて撹拌した。完了後、得られた溶液を真空下にて濃縮した。残留物をジクロロメタン(5mL)で溶解させ、N,N−ジイソプロピルエチルアミンにより得られる溶液のpHをpH=9に調節した。真空下にて濃縮した後、残留物を、ジクロロメタン/メタノール(83/17)で溶出するシリカゲルカラムにより精製し、205mg(74%)の6−(6−クロロ−4−(ピペラジン−1−イル)キナゾリン−7−イル)−4−シクロプロピル−5−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−アミンを淡褐色固体として得た。LC−MS:(ESI,m/z):449.1 [M+H]
工程8:1−(4−(7−(6−アミノ−4−シクロプロピル−3−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル)−6−クロロキナゾリン−4−イル)ピペラジン−1−イル)プロプ−2−エン−1−オン
Figure 2021512136
6−(6−クロロ−4−(ピペラジン−1−イル)キナゾリン−7−イル)−4−シクロプロピル−5−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−アミン(205mg、0.46mmol)、プロプ−2−エン酸(33mg、0.46mmol)、HATU(210mg、0.55mmol)、及びN,N−ジイソプロピルエチルアミン(89mg、0.69mmol)のジクロロメタン溶液(10mL)を、30分間−78℃にて撹拌した。完了後、水(30mL)で溶液をクエンチし、ジクロロメタンで抽出した(3×50mL)。有機層を収集し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させて真空下にて濃縮した。次に残留物を、水/アセトニトリル(3/2)で溶出する逆相クロマトグラフィーにより精製し、49.6mg(21%)の1−(4−[7−[6−アミノ−4−メチル−3−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル]−6−クロロ−2−(トリフルオロメチル)キナゾリン−4−イル]ピペラジン−1−イル)プロプ−2−エン−1−オンを白色固体として得た。LC−MS:(ESI,m/z):503.1 [M+H]
実施例34:H NMR(400 MHz,CDCl,ppm)δ 8.75(s,1H),8.09(s,1H),7.97(s,1H),6.75−6.65(m,1H),6.42−6.37(m,1H),6.22(s,1H),5.81(dd,J=7.2,2.4 Hz,1H),4.98(s,1H),4.05−3.80(m,8H),2.19(s,1H),1.25(s,1H),1.14−1.07(m,2H),0.88(s,2H).
実施例35:1−(4−[7−[6−アミノ−3−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル]−6−クロロキナゾリン−4−イル]ピペラジン−1−イル)プロプ−2−エン−1−オン
Figure 2021512136
工程1:tert−ブチル4−[7−[6−アミノ−3−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル]−6−クロロキナゾリン−4−イル]ピペラジン−1−カルボキシレート
Figure 2021512136
6−クロロ−5−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−アミン(400.0mg、2.04mmol)、tert−ブチル4−[6−クロロ−7−(テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)キナゾリン−4−イル]ピペラジン−1−カルボキシレート(1.00g、2.11mmol)、1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン−パラジウム(II)ジクロリドジクロロメタン錯体(164.1mg、0.20mmol)、及びKPO(848.0mg、3.99mmol)の、1,4−ジオキサン(8mL)及び水(0.5mL)を、60分間100℃にて撹拌した。完了後、得られた溶液を濃縮し、ジクロロメタン(150mL)で希釈して水で洗浄し(80mL×3)、無水硫酸ナトリウムで乾燥させて真空下にて濃縮した。残留物を、ジクロロメタン/メタノール(20/1)で溶出するシリカゲルカラムにより精製し、200.0mg(19%)のtert−ブチル4−[7−[6−アミノ−3−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル]−6−クロロキナゾリン−4−イル]ピペラジン−1−カルボキシレートを黄色固体として得た。LC−MS(ESI,m/z):509.2 [M+H]
工程2:6−[6−クロロ−4−(ピペラジン−1−イル)キナゾリン−7−イル]−5−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−アミン
Figure 2021512136
tert−ブチル4−[7−[6−アミノ−3−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル]−6−クロロキナゾリン−4−イル]ピペラジン−1−カルボキシレート(500.0mg、0.98mmol)の、トリフルオロ酢酸(3mL)及びジクロロメタン(10mL)溶液を60分間室温で撹拌した。完了後、得られる溶液を濃縮した。これにより、600.0mg(粗製物)の6−[6−クロロ−4−(ピペラジン−1−イル)キナゾリン−7−イル]−5−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−アミンを褐色油として得た。LC−MS(ESI,m/z):409.1 [M+H]
工程3:1−(4−[7−[6−アミノ−3−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル]−6−クロロキナゾリン−4−イル]ピペラジン−1−イル)プロプ−2−エン−1−オン
Figure 2021512136
プロプ−2−エン酸(10.0mg、0.14mmol)、6−[6−クロロ−4−(ピペラジン−1−イル)キナゾリン−7−イル]−5−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−アミン(60.0mg、0.15mmol)、HATU(56.0mg、0.15mmol)、及びN,N−ジイソプロピルエチルアミン(1mL、5.69mmol)のジクロロメタン溶液(5mL)を、30分間室温で撹拌した。完了後、得られた溶液を濃縮してジクロロメタン(150mL)で希釈し、ブラインで洗浄し(40mL×3)、無水硫酸ナトリウムで乾燥させて真空下にて濃縮した。残留物を、ジクロロメタン/メタノール(20/1)で溶出するシリカゲルカラムにより精製した。生成物を、以下の条件でHPLCにより調製した:Column:X Bridge C18、19*150mm、5um;移動相A:水/0.05%TFA、移動相B:ACN;流速:20mL/分;勾配:10分で30%B〜70%B;254nm。これにより、9.7mg(15%)の1−(4−[7−[6−アミノ−3−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル]−6−クロロキナゾリン−4−イル]ピペラジン−1−イル)プロプ−2−エン−1−オンを白色固体として得た。LC−MS(ESI,m/z):463.1 [M+H]
実施例35:H NMR(300 MHz,DMSO−d6,ppm)δ 8.68(s,1H),8.14(s,1H),7.81(d,J=8.9 Hz,1H),7.72(s,1H),6.95(s,2H),6.84(dd,J=16.5,10.2 Hz,1H),6.62(d,J=9.0 Hz,1H),6.18(dd,J=16.8,2.4 Hz,1H),5.75(dd,J=10.5,2.4 Hz,1H),3.87−3.79(m,8H).
実施例36:N−(1−(4−(4−アクリロイルピペラジン−1−イル)−6−クロロキナゾリン−7−イル)イソキノリン−3−イル)シクロプロパンカルボキサミド
Figure 2021512136
工程1:N−(1−(4−(4−アクリロイルピペラジン−1−イル)−6−クロロキナゾリン−7−イル)イソキノリン−3−イル)シクロプロパンカルボキサミド
Figure 2021512136
1−(4−(7−(3−アミノイソキノリン−1−イル)−6−クロロキナゾリン−4−イル)ピペラジン−1−イル)プロパ−2−エン−1−オン(160mg、0.36mmol)、ピリジン(57mg、0.72mmol)のジクロロメタン溶液(10mL)に、シクロプロパンカルボニルクロリド(41mg、0.4mmol)を添加した後、この溶液を30分間25℃にて撹拌した。完了後、得られる溶液を水(30mL)でクエンチし、ジクロロメタンで抽出して(3×30mL)ブラインで洗浄し(3×10mL)、無水硫酸ナトリウムで乾燥させて真空下にて濃縮した。残留物を、ジクロロメタン/メタノール(20/1)で溶出するシリカゲルカラムにアプライし、粗生成物を得た。粗生成物を、以下の条件:カラム、XBridge Shield RP18 OBD Column、5um、19*150mm;移動相、水(0.05%NH3水)及びACN(10%ACN:10分間で最大45%);検出器、UV 254/220nmで分取HPLCにより精製した。これにより、53.9mg(29.3%)のN−(1−(4−(4−アクリロイルピペラジン−1−イル)−6−クロロキナゾリン−7−イル)イソキノリン−3−イル)シクロプロパンカルボキサミドが白色固体として得られた。LC−MS(ESI,m/z):513.2 [M+H]
実施例36:H NMR(300 MHz,メタノール−d4,ppm)δ 8.71(s,1H),8.55(s,1H),8.31(s,1H),7.95−7.92(m,2H),7.74−7.69(m,1H),7.55(d,J=8.4 Hz,1H),7.47−7.42(m,1H),6.85(dd,J=16.8,10.8 Hz,1H),6.30(dd,J=16.8,1.8 Hz,1H),5.83(dd,J=10.6,1.9 Hz,1H),4.08−4.04(m,4H),3.98−3.92(m,4H),1.95−1.92(m,1H),1.05−1.01(m,2H),0.94−0.89(m,2H).
実施例37:N−(1−[6−クロロ−4−[4−(プロプ−2−エノイル)ピペラジン−1−イル]キナゾリン−7−イル]イソキノリン−3−イル)−2−ヒドロキシアセトアミド
Figure 2021512136
工程1:N−(1−ブロモイソキノン−3−イル)−2−クロロアセトアミド
Figure 2021512136
1−ブロモイソキノリン−3−アミン(200.0mg、0.9mmol)及びピリジン(100.0mg、1.3mmol)のジクロロメタン溶液(5mL)に、2−クロロアセチル塩素(150.0mg、1.3mmol)を添加した。得られた溶液を30分間0℃にて撹拌し、真空下にて濃縮した。残留物を、酢酸エチル/石油エーテル(5/1)で溶出するシリカゲルカラムにアプライし、210.0mg(78%)のN−(1−ブロモイソキノン−3−イル)−2−クロロアセトアミドを淡黄色固体として得た。LC−MS(ESI,m/z):299.0 [M+H]
工程2:2−((1−ブロモイソキノリン−3−イル)アミノ)−2−オキソエチルアセテート<u>
Figure 2021512136
N−(1−ブロモイソキノン−3−イル)−2−クロロアセトアミド(150.0mg、0.50mmol)及び酢酸カリウム(75.0mg、0.76mmol)のN,N−ジメチルホルムアミド溶液(5mL)を、2時間100℃にて撹拌した。完了後、得られる溶液を室温まで冷却し、水(50mL)で希釈した。フィルタにかけた後、固体を収集して真空下にて乾燥させ、120mg(66%)の2−((1−ブロモイソキノリン−3−イル)アミノ)−2−オキソエチルアセテートを白色固体として得た。LC−MS(ESI,m/z):323.0 [M+H]
工程3:tert−ブチル4−[6−クロロ−7−[3−(2−ヒドロアセトアミド)イソキノリン−1−イル]キナゾリン−4−イル]ピペラジン−1−カルボキシレート
Figure 2021512136
窒素下にて、2−((1−ブロモイソキノリン−3−イル)アミノ)−2−オキソエチルアセテート(150.0mg、0.46mmol)、tert−ブチル4−[6−クロロ−7−(テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)キナゾリン−4−イル]ピペラジン−1−カルボキシレート(250.0mg、0.53mmol)、1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン−パラジウム(II)ジクロリドジクロロメタン錯体(75.0mg、0.10mmol)、及び炭酸セシウム(400.0mg、1.20mmol)の、水(1mL)及びアセトニトリル(5mL)の溶液を、30分間80℃にて撹拌した。完了後、得られる溶液を濃縮し、150mLのジクロロメタンで希釈して水で洗浄し(3×80mL)、無水硫酸ナトリウムで乾燥させて真空下にて濃縮した。残留物を、ジクロロメタン/メタノール(20/1)で溶出するシリカゲルカラムにより精製し、200.0mg(78%)のtert−ブチル4−[6−クロロ−7−[3−(2−ヒドロアセトアミド)イソキノリン−1−イル]キナゾリン−4−イル]ピペラジン−1−カルボキシレートを淡黄色固体として得た。LC−MS(ESI,m/z):549.2 [M+H]
工程4:N−[1−[6−クロロ−4−(ピペラジン−1−イル)キナゾリン−7−イル]イソキノリン−3−イル]−2−ヒドロキシアセトアミド
Figure 2021512136
tert−ブチル4−[6−クロロ−7−[3−(2−ヒドロアセトアミド)イソキノリン−1−イル]キナゾリン−4−イル]ピペラジン−1−カルボキシレート(200.0mg、0.36mmol)の、ジクロロメタン(5mL)及びトリフルオロ酢酸(3mL)の溶液を、1時間25℃にて撹拌した。完了後、溶液を真空下にて濃縮した。次に、残留物をジクロロメタン(20mL)に溶解させ、N,N−ジイソプロピルエチルアミンにより、得られる溶液のpH値を8に調節し、真空下にて濃縮した。残留物を、ジクロロメタン/メタノール(85/15)で溶出するシリカゲルカラムにアプライし、100.0mg(61%)のN−[1−[6−クロロ−4−(ピペラジン−1−イル)キナゾリン−7−イル]イソキノリン−3−イル]−2−ヒドロキシアセトアミドを淡黄色固体として得た。LC−MS(ESI,m/z):449.1 [M+H]
工程5:N−(1−[6−クロロ−4−[4−(プロプ−2−エノイル)ピペラジン−1−イル]キナゾリン−7−イル]イソキノリン−3−イル)−2−ヒドロキシアセトアミド
Figure 2021512136
N−[1−[6−クロロ−4−(ピペラジン−1−イル)キナゾリン−7−イル]イソキノリン−3−イル]−2−ヒドロキシアセトアミド(50.0mg、0.10mmol)及びN,N−ジイソプロピルエチルアミン(1mL)のTHF溶液(5mL)に、プロプ−2−エノイルクロリド(11.0mg、0.10mmol)を添加し、30分間−78℃にて撹拌した。完了後、水(30mL)で溶液をクエンチし、ジクロロメタンで抽出した(3×50mL)。有機層を収集し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させて真空下にて濃縮した。残留物を、以下の条件:カラム、XBridge Shield RP18 OBD Column、5um、19*150mm;移動相、水(0.05%NH3水)及びACN(20% ACN、7分間で最大45%)で分取HPLCにより精製した。これにより、6.0mg(11%)のN−(1−[6−クロロ−4−[4−(プロプ−2−エノイル)ピペラジン−1−イル]キナゾリン−7−イル]イソキノリン−3−イル)−2−ヒドロキシアセトアミドを白色固体として得た。LC−MS(ESI,m/z):503.2 [M+H]
実施例37:H NMR(300 MHz,メタノール−d4,ppm):δ 8.71(d,J=4.6 Hz,2H),8.33(s,1H),8.01(d,J=8.4 Hz,1H),7.95(s,1H),7.80−7.74(m,1H),7.60−7.57(m,1H),7.53−7.47(m,1H),6.86(dd,J=16.8,10.6 Hz,1H),6.31(dd,J=16.8,1.9 Hz,1H),5.84(dd,J=10.6,2.0 Hz,1H),4.23(s,2H),4.10−4.06(m,4H),3.99−3.94(m,4H).
実施例38:1−[4−(6−クロロ−7−[3−[(プロパン−2−イル)アミノ]イソキノリン−1−イル]キナゾリン−4−イル)ピペラジン−1−イル]プロプ−2−エン−1−オン
Figure 2021512136
工程1:tert−ブチル4−(6−クロロ−7−[3−[(プロパン−2−イル)アミノ]イソキノリン−1−イル]キナゾリン−4−イル)ピペラジン−1−カルボキシレート
Figure 2021512136
tert−ブチル4−[7−(3−アミノイソキノリン−1−イル)−6−クロロキナゾリン−4−イル]ピペラジン−1−カルボキシレート(400.0mg、0.82mmol)、AcOH(1mL、17.45mmol)、プロパン−2−オン(60.0mg、1.00mmol)のジクロロメタン溶液(5mL)にNaBH(OAc)(500mg、2.4mmol)を添加し、2時間25℃にて撹拌した。完了後、得られた溶液をジクロロメタン(150mL)で希釈して水で洗浄し(80mL×3)、無水硫酸ナトリウムで乾燥させて真空下にて濃縮した。残留物を、ジクロロメタン/メタノール(20/1)で溶出するシリカゲルカラムにより精製し、350mg(81%)のtert−ブチル4−(6−クロロ−7−[3−[(プロパン−2−イル)アミノ]イソキノリン−1−イル]キナゾリン−4−イル)ピペラジン−1−カルボキシレートを黄色固体として得た。LC−MS(ESI,m/z):533.2 [M+H]
工程2:1−[6−クロロ−4−(ピペラジン−1−イル)キナゾリン−7−イル]−N−(プロパン−2−イル)イソキノリン−3−アミン
Figure 2021512136
tert−ブチル4−(6−クロロ−7−[3−[(プロパン−2−イル)アミノ]イソキノリン−1−イル]キナゾリン−4−イル)ピペラジン−1−カルボキシレート(350.0mg、0.66mmol)の、TFA(2mL)及びジクロロメタン(10mL)の溶液を1時間25℃にて撹拌した。完了後、溶液を真空下にて濃縮した。次に、残留物をジクロロメタン(10mL)に溶解させ、N,N−ジイソプロピルエチルアミンにより、得られる溶液のpH値をpH=8に調節し、真空下にて濃縮した。残留物を、ジクロロメタン/メタノール(85/15)で溶出するシリカゲルカラムにアプライし、230.0mg(81%)の1−[6−クロロ−4−(ピペラジン−1−イル)キナゾリン−7−イル]−N−(プロパン−2−イル)イソキノリン−3−アミンを黄色固体として得た。LC−MS(ESI,m/z):433.2 [M+H]
工程3:1−[4−(6−クロロ−7−[3−[(プロパン−2−イル)アミノ]イソキノリン−1−イル]キナゾリン−4−イル)ピペラジン−1−イル]プロプ−2−エン−1−オン
Figure 2021512136
1−[6−クロロ−4−(ピペラジン−1−イル)キナゾリン−7−イル]−N−(プロパン−2−イル)イソキノリン−3−アミン(200.0mg、0.46mmol)のTHF溶液(5mL)に、N,N−ジイソプロピルエチルアミン(120.0mg、0.93mmol)及びプロプ−2−エノイルクロリド(42.0mg、0.46mmol)を添加し、60分間−78℃にて撹拌した。完了後、水(30mL)で溶液をクエンチし、ジクロロメタンで抽出した(3×50mL)。有機層を収集し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させて真空下にて濃縮した。残留物を、ジクロロメタン/メタノール(10:1)で溶出するシリカゲルカラムにアプライした。生成物を、以下の条件:カラム、XBridge Shield RP18 OBD Column、5um、19*150mm;移動相、水(0.05% NH3水)及びACN(28.0% ACN、7分間で最大70.0%);検出器、UV 220nmで分取HPLCにより精製した。これにより、10.3mg(4.6%)の1−[4−(6−クロロ−7−[3−[(プロパン−2−イル)アミノ]イソキノリン−1−イル]キナゾリン−4−イル)ピペラジン−1−イル]プロプ−2−エン−1−オンを得た。LC−MS(ESI,m/z):487.2 [M+H]
実施例38:H NMR(400 MHz,CDCl,ppm)δ 8.80(s,1H),8.18−8.06(s,2H),7.64(d,J=8.4 Hz,1H),7.52−7.47(m,1H),7.35−7.33(m,1H),7.13−7.11(m,1H),6.66−6.59(m,2H),6.39(dd,J=16.8,1.8 Hz,1H),5.80(dd,J=10.5,1.8 Hz,1H),3.95−3.82(m,9H),1.35−1.34(m,6H).
実施例39:2−[(1−[6−クロロ−4−[4−(プロプ−2−エノイル)ピペラジン−1−イル]キナゾリン−7−イル]イソキノリン−3−イル)アミノ]アセトニトリル
Figure 2021512136
工程1:tert−ブチルN−(1−[6−クロロ−4−[4−(プロプ−2−エノイル)ピペラジン−1−イル]キナゾリン−7−イル]イソキノリン−3−イル)−N−(シアノメチル)カルバメート
Figure 2021512136
窒素下にて、[6−クロロ−4−[4−(プロプ−2−エノイル)ピペラジン−1−イル]キナゾリン−7−イル]ボロン酸(200.0mg、0.58mmol)、tert−ブチルN−(1−ブロモイソキノリン−3−イル)−N−(シアノメチル)カルバメート(167.0mg、0.46mmol)、1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン−パラジウム(II)ジクロリドジクロロメタン錯体(47.0mg、0.06mmol)、及び炭酸セシウム(373.0mg、1.14mmol)のアセトニトリル溶液(5mL)を、マイクロ波放射で1.5時間80℃にて照射した。完了後、得られた溶液をジクロロメタン(150mL)で希釈して水で洗浄し(80mL×3)、無水硫酸ナトリウムで乾燥させて真空下にて濃縮した。残留物を、ジクロロメタン/メタノール(20/1)で溶出するカラムにより精製し、150mg(45%)のtert−ブチルN−(1−[6−クロロ−4−[4−(プロプ−2−エノイル)ピペラジン−1−イル]キナゾリン−7−イル]イソキノリン−3−イル)−N−(シアノメチル)カルバメートを黄色固体として得た。LC−MS(ESI,m/z):584.2 [M+H]
工程2:2−[(1−[6−クロロ−4−[4−(プロプ−2−エノイル)ピペラジン−1−イル]キナゾリン−7−イル]イソキノリン−3−イル)アミノ]アセトニトリル
Figure 2021512136
tert−ブチルN−(1−[6−クロロ−4−[4−(プロプ−2−エノイル)ピペラジン−1−イル]キナゾリン−7−イル]イソキノリン−3−イル)−N−(シアノメチル)カルバメート(200.0mg、0.34mmol)及びシリカゲル(205.0mg、3.41mmol)のトルエン溶液(3mL)を、2時間80℃にて撹拌した。完了後、得られた溶液を真空下にて濃縮した。残留物を、メタノール/ジクロロメタン(1/10)で溶出するシリカゲルカラムにアプライし、15.7mg(9%)の2−[(1−[6−クロロ−4−[4−(プロプ−2−エノイル)ピペラジン−1−イル]キナゾリン−7−イル]イソキノリン−3−イル)アミノ]アセトニトリルを黄色固体として得た。LC−MS(ESI,m/z):484.2 [M+H]
実施例39:H NMR(400 MHz,メタノール−d4,ppm)δ 8.71(s,1H),8.31(s,1H),7.93(s,1H),7.77(d,J=8.4 Hz,1H),7.58(ddd,J=8.3,6.7,1.2 Hz,1H),7.45−7.42(m,1H),7.23(ddd,J=8.4,6.8,1.2 Hz,1H),7.03(s,1H),6.86(dd,J=16.8,10.6 Hz,1H),6.31(dd,J=16.8,1.9 Hz,1H),5.84(dd,J=10.6,1.9 Hz,1H),4.44(d,J=1.9 Hz,2H),4.09−4.06(m,4H),3.97−3.95(m,4H).
実施例40:1−(4−[7−[6−アミノ−3−(トリフルオロメトキシ)ピリジン−2−イル]−6−クロロキナゾリン−4−イル]ピペラジン−1−イル)プロプ−2−エン−1−オン
Figure 2021512136
工程1:3−(ブロモジフルオロメトキシ)−2−クロロ−6−ヨードピリジン
Figure 2021512136
2−クロロ−6−ヨードピリジン−3−オール(2.0g、7.8mmol)のN,N−ジメチルホルムアミド溶液(15mL)に水素化ナトリウム(1.0g、41.7mmol)、続いて、ジブロモジフルオロメタン(5.0g、23.8mmol)のN,N−ジメチルホルムアミド溶液(10mL)を添加し、3時間25℃にて添加した。完了後、水(50mL)を添加して、得られた溶液をクエンチし、ジクロロメタンで抽出し(100mL×3)、水で洗浄し(100mL×3)、無水硫酸ナトリウムで乾燥させて真空下にて濃縮した。残留物をシリカゲルカラムにアプライし、石油エーテルで溶出して精製し、1.8g(60%)の3−(ブロモジフルオロメトキシ)−2−クロロ−6−ヨードピリジンを淡黄色の油として得た。LC−MS(ESI,m/z):383.8 [M+H]
工程2:2−クロロ−6−ヨード−3(トリフルオロメトキシ)ピリジン
Figure 2021512136
窒素下にて、3−(ブロモジフルオロメトキシ)−2−クロロ−6−ヨードピリジン(1.8g、4.7mmol)のジクロロメタン溶液(10mL)にテトラフルオロホウ酸銀(2.00g、10.30mmol)を添加し、16時間−78℃にて撹拌した。固体をフィルタにかけて、濾液を真空下にて濃縮し、1.0g(粗製物)の2−クロロ−6−ヨード−3(トリフルオロメトキシ)ピリジンを淡黄色の油として得た。LC−MS(ESI,m/z):323.9 [M+H]
工程3:N−(6−クロロ−5−(トリフルオロメトキシ)ピリジン−2−イル)アセトアミド
Figure 2021512136
窒素下にて、2−クロロ−6−ヨード−3(トリフルオロメトキシ)ピリジン(500.0mg、1.50mmol)、アセトアミド(100.0mg、1.7mmol)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム付加化合物(80.0mg、0.1mmol)、キサントホス(90.0mg、0.2mmol)、及び炭酸セシウム(1.0g、3.1mmol)の1,4−ジオキサン溶液(5mL)を、20分間50℃にて撹拌した。完了後、得られた溶液を酢酸エチル(200mL)で希釈してブラインで洗浄し(80mL×3)、無水硫酸ナトリウムで乾燥させて真空下にて濃縮した。残留物を、酢酸エチル/石油エーテル(93/7)で溶出するシリカゲルカラムにアプライし、300.0mg(76%)のN−[6−クロロ−5−(トリフルオロメトキシ)ピリジン−2−イル]アセトアミドを淡褐色固体として得た。LC−MS(ESI,m/z):255.0 [M+H]
工程4:tert−ブチル4−[6−クロロ−7−[6−アセトアミド−3−(トリフルオロメトキシ)ピリジン−2−イル]キナゾリン−4−イル]ピペラジン−1−カルボキシレート
Figure 2021512136
窒素下にて、N−[6−クロロ−5−(トリフルオロメトキシ)ピリジン−2−イル]アセトアミド(200.0mg、0.79mmol)、tert−ブチル4−[6−クロロ−7−(テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)キナゾリン−4−イル]ピペラジン−1−カルボキシレート(400.0mg、0.84mmol)、ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)クロリド(40.0mg、0.06mmol)、及びフッ化カリウム(100.0mg、1.70mmol)の、アセトニトリル(5mL)及び水(1mL)の溶液を20分間80℃にて撹拌した。完了後、得られた溶液を酢酸エチル(200mL)で希釈して水で洗浄し(80mL×3)、無水硫酸ナトリウムで乾燥させて真空下にて濃縮した。残留物を、ジクロロメタン/メタノール(97/3)で溶出するシリカゲルカラムにアプライし、420mg(94%)のtert−ブチル4−[6−クロロ−7−[6−アセトアミド−3−(トリフルオロメトキシ)ピリジン−2−イル]キナゾリン−4−イル]ピペラジン−1−カルボキシレートを淡黄色固体として得た。LC−MS(ESI,m/z):567.2 [M+H]
工程5:6−[6−クロロ−4−(ピペラジン−1−イル)キナゾリン−7−イル]−5−(トリフルオロメトキシ)ピリジン−2−アミン
Figure 2021512136
4−[6−クロロ−7−[6−アセトアミド−3−(トリフルオロメトキシ)ピリジン−2−イル]キナゾリン−4−イル]ピペラジン−1−カルボキシレート(400.0mg、0.70mmol)の塩酸溶液(5mL、メタノール中に3M)を、2時間室温で撹拌した。完了後、得られた溶液を真空下にて濃縮した。残留物を水(2mL)で溶解させ、炭酸カリウム飽和溶液により、得られる溶液のpHを10に調節した。次に、混合物をn−ブタノールで抽出し(60mL×3)、真空下にて濃縮した。残留物を、ジクロロメタン/メタノール(9:1)で溶出するシリカゲルカラムにアプライし、150.0mg(50%)の6−[6−クロロ−4−(ピペラジン−1−イル)キナゾリン−7−イル]−5−(トリフルオロメトキシ)ピリジン−2−アミンを淡黄色固体として得た。LC−MS(ESI,m/z):425.1 [M+H]
工程6:1−(4−[7−[6−アミノ−3−(トリフルオロメトキシ)ピリジン−2−イル]−6−クロロキナゾリン−4−イル]ピペラジン−1−イル)プロプ−2−エン−1−オン
Figure 2021512136
6−[6−クロロ−4−(ピペラジン−1−イル)キナゾリン−7−イル]−5−(トリフルオロメトキシ)ピリジン−2−アミン(100.0mg、0.24mmol)、HATU(150.0mg、0.39mmol)、プロプ−2−エン酸(20.0mg、0.28mmol)、及びN,N−ジイソプロピルエチルアミン(100.0mg、0.80mmol)のジクロロメタン溶液(10mL)を、30分間25℃にて撹拌した。完了後、水(20mL)で溶液をクエンチし、ジクロロメタンで抽出した(3×30mL)。有機層を収集し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させて真空下にて濃縮した。残留物を、ジクロロメタン/メタノール(20/1)で溶出するシリカゲルカラムにアプライし、68.0mg(60%)の1−(4−[7−[6−アミノ−3−(トリフルオロメトキシ)ピリジン−2−イル]−6−クロロキナゾリン−4−イル]ピペラジン−1−イル)プロプ−2−エン−1−オンを白色固体として得た。LC−MS(ESI,m/z):479.1 [M+H]
実施例40:H NMR(300 MHz,メタノール−d4,ppm)δ 8.68(s,1H),8.22(s,1H),7.85(s,1H),7.64−7.55(m,1H),6.84(dd,J=16.8,10.6 Hz,1H),6.74(d,J=9.1 Hz,1H),6.29(dd,J=16.8,2.0 Hz,1H),5.82(dd,J=10.7,2.0 Hz,1H),4.04−4.00(m,4H),3.95−3.92(m,4H).
実施例41:1−(4−[7−[6−アミノ−3−(ジフルオロメチル)ピリジン−2−イル]−6−クロロキナゾリン−4−イル]ピペラジン−1−イル)プロプ−2−エン−1−オン
Figure 2021512136
工程1:2,6−ジクロロ−3−(ジフルオロメチル)ピリジン
Figure 2021512136
2,6−ジクロロピリジン−3−カルバルデヒド(20.00g、113.64mmol)のジクロロメタン溶液(100mL)に、三フッ化ジエチルアミノ硫黄(55.27g、342.86mmol)を添加し、60分間0℃にて撹拌した。完了後、400mLの炭酸ナトリウム飽和水溶液を添加して反応をクエンチし、ジクロロメタンで抽出し(200mL×3)、無水硫酸ナトリウムで乾燥させて真空下にて濃縮した。残留物を、酢酸エチル/石油エーテル(1:10)で溶出するシリカゲルカラムにアプライし、15.7g(70%)の2,6−ジクロロ−3−(ジフルオロメチル)ピリジンを無色の油として得た。LC−MS(ESI,m/z):198.0 [M+H]
工程2:6−クロロ−5−(ジフルオロメチル)−N−[(4−メトキシフェニル)メチル]ピリジン−2−アミン
Figure 2021512136
(4−メトキシフェニル)メタンアミン(459.0mg、3.35mmol)及び2,6−ジクロロ−3−(ジフルオロメチル)ピリジン(600.0mg、3.03mmol)のn−ブタノール溶液(5mL)を、60分間100℃にて撹拌した。完了後、得られた溶液を真空下にて濃縮した。残留物を、酢酸エチル/石油エーテル(1/5)で溶出するシリカゲルカラムにアプライし、100.0mg(10%)の6−クロロ−5−(ジフルオロメチル)−N−[(4−メトキシフェニル)メチル]ピリジン−2−アミンを黄色固体として得た。LC−MS(ESI,m/z):299.1 [M+H]
工程3:tert−ブチル4−[6−クロロ−7−[3−(ジフルオロメチル)−6−[[(4−メトキシフェニル)メチル]アミノ]ピリジン−2−イル]キナゾリン−4−イル]ピペラジン−1−カルボキシレート
Figure 2021512136
窒素下にて、6−クロロ−5−(ジフルオロメチル)−N−[(4−メトキシフェニル)メチル]ピリジン−2−アミン(300.0mg、1.00mmol)、フッ化カリウム(116.2mg、2.00mmol)、tert−ブチル4−[6−クロロ−7−(テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)キナゾリン−4−イル]ピペラジン−1−カルボキシレート(568.0mg、1.20mmol)、及びビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)クロリド(70.7mg、0.10mmol)の、アセトニトリル(5mL)及び水(1mL)の溶液を、60分間110℃にて撹拌した。得られた混合物を真空下にて濃縮し、酢酸エチル(200mL)で抽出してブラインで洗浄し(50mL×3)、無水硫酸ナトリウムで乾燥させて真空下にて濃縮した。残留物を、酢酸エチル/石油エーテル(1/5)で溶出するシリカゲルカラムにアプライし、280.0mg(46%)のtert−ブチル4−[6−クロロ−7−[3−(ジフルオロメチル)−6−[[(4−メトキシフェニル)メチル]アミノ]ピリジン−2−イル]キナゾリン−4−イル]ピペラジン−1−カルボキシレートを白色固体として得た。LC−MS(ESI,m/z):611.2 [M+H]
工程4:6−[6−クロロ−4−(ピペラジン−1−イル)キナゾリン−7−イル]−5−(ジフルオロメチル)ピリジン−2−アミン
Figure 2021512136
tert−ブチル4−[6−クロロ−7−[3−(ジフルオロメチル)−6−[[(4−メトキシフェニル)メチル]アミノ]ピリジン−2−イル]キナゾリン−4−イル]ピペラジン−1−カルボキシレート(280.0mg、0.46mmol)の、ジクロロメタン(2mL)及びトリフルオロ酢酸(2mL)の溶液を、60分間40℃にて撹拌した。完了後、得られた溶液を真空下にて濃縮した。残留物を水(2mL)で溶解させ、炭酸カリウム飽和溶液により、得られる溶液のpHを10に調節した。次に、混合物を酢酸エチルで抽出し(50mL×3)、無水硫酸ナトリウムで乾燥させて真空下にて濃縮した。残留物を、酢酸エチル/石油エーテル(1/5)で溶出するシリカゲルカラムにアプライし、150.0mg(84%)の6−[6−クロロ−4−(ピペラジン−1−イル)キナゾリン−7−イル]−5−(ジフルオロメチル)ピリジン−2−アミンを白色固体として得た。LC−MS(ESI,m/z):391.1 [M+H]
工程5:1−(4−[7−[6−アミノ−3−(ジフルオロメチル)ピリジン−2−イル]−6−クロロキナゾリン−4−イル]ピペラジン−1−イル)プロプ−2−エン−1−オン
Figure 2021512136
6−[6−クロロ−4−(ピペラジン−1−イル)キナゾリン−7−イル]−5−(ジフルオロメチル)ピリジン−2−アミン(100.0mg、0.26mmol)、N,N−ジイソプロピルエチルアミン(33.0mg、0.26mmol)、HATU(97.44mg、0.26mmol)、及びプロプ−2−エン酸(18.48mg、0.26mmol)のジクロロメタン溶液(5mL)を、60分間0℃にて撹拌した。完了後、水(30mL)で溶液をクエンチし、ジクロロメタンで抽出した(3×50mL)。有機層を収集し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させて真空下にて濃縮した。残留物を、メタノール/ジクロロメタン(1/10)で溶出するシリカゲルカラムにアプライし、粗生成物を得た。次に粗生成物を、アセトニトリル/水(3/7)で溶出する逆相カラムにより精製し、3.2mg(3%)の1−(4−[7−[6−アミノ−3−(ジフルオロメチル)ピリジン−2−イル]−6−クロロキナゾリン−4−イル]ピペラジン−1−イル)プロプ−2−エン−1−オンを白色固体として得た。LC−MS(ESI,m/z):445.1 [M+H]
実施例41:H NMR(300 MHz,メタノール−d4,ppm)δ 8.68(s,1H),8.22(s,1H),7.81−7.78(m,2H),6.87−6.73(m,2H),6.53−6.16(m,2H),5.81(dd,J=10.6,1.9 Hz,1H),4.03−3.99(m,4H),3.93−3.91(m,4H).
実施例42:1−[4−[7−(6−アミノ−3−メタンスルホニルピリジン−2−イル)−6−クロロキナゾリン−4−イル]ピペラジン−1−イル]プロプ−2−エン−1−オン
Figure 2021512136
工程1:2,6−ジクロロ−3−(メチルスルファニル)ピリジン
Figure 2021512136
窒素下にて、2,6−ジクロロピリジン(10.00g、67.57mmol)のテトラヒドロフラン溶液(200mL)にn−ブチルリチウム(35.0mL、81.96mmol:ヘキサン中の2.5M溶液)を添加し、1時間−78℃にて撹拌した。次に(メチルジスルファニル)メタン(6.50g、69.00mmol)を−78℃にてゆっくりと添加し、5時間室温で撹拌した。完了後、得られた溶液を塩化アンモニウム飽和溶液によりクエンチし、真空下にて濃縮してジクロロメタン(200mL)で希釈し、水で洗浄して(80mL×3)、無水硫酸ナトリウムで乾燥させて真空下にて濃縮した。残留物を、酢酸エチル/石油エーテル(1/5)で溶出するシリカゲルカラムにアプライし、5.0g(38%)の2,6−ジクロロ−3−(メチルスルファニル)ピリジンを黄色油として得た。LC−MS(ESI,m/z):194.0 [M+H]
工程2:2,6−ジクロロ−3−メタンスルホニルピリジン
Figure 2021512136
2,6−ジクロロ−3−(メチルスルファニル)ピリジン(1.00g、5.15mmol)のジクロロメタン溶液(10mL)にm−クロロ−ペルオキシ安息香酸(3.50g、20.28mmol)を添加し12時間室温で撹拌した。完了後、得られた混合物を亜硫酸ナトリウム飽和溶液(40mL)によりクエンチし、ジクロロメタンで抽出した(80mL×3)。次に有機層を収集し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させて真空下にて濃縮した。これにより、1.6g(粗製物)の2,6−ジクロロ−3−メタンスルホニルピリジンを黄色固体として得た。LC−MS(ESI,m/z):225.9 [M+H]
工程3:6−クロロ−5−メタンスルホニルピリジン−2−アミン
Figure 2021512136
アンモニア下にて、2,6−ジクロロ−3−メタンスルホニルピリジン(1.80g、7.96mmol)のn−ブタノール溶液(20mL)を、1時間90℃にて撹拌した。得られた混合物を真空下にて濃縮し、1.50g(粗製物)の6−クロロ−5−メタンスルホニルピリジン−2−アミンを黄色固体として得た。LC−MS(ESI,m/z):207.0 [M+H]
工程4:tert−ブチル4−[7−(6−アミノ−3−メタンスルホニルピリジン−2−イル)−6−クロロキナゾリン−4−イル]ピペラジン−1−カルボキシレート
Figure 2021512136
窒素下にて、tert−ブチル4−[6−クロロ−7−(テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)キナゾリン−4−イル]ピペラジン−1−カルボキシレート(400.0mg、0.84mmol)、6−クロロ−5−メタンスルホニルピリジン−2−アミン(200.0mg、0.97mmol)、1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン−パラジウム(II)ジクロリド(80.0mg、0.10mmol)、及び炭酸ナトリウム(200.0mg、1.89mmol)の、ジオキサン(10mL)及び水(2mL)の溶液を、1時間100℃にて撹拌した。完了後、得られた混合物をジクロロメタン(100mL)で希釈し、ブラインで洗浄した(30mL×3)。次に、有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させて真空下にて濃縮した。残留物を、ジクロロメタン/メタノール(96/4)で溶出するシリカゲルカラムにアプライし、250mg(57%)のtert−ブチル4−[7−(6−アミノ−3−メタンスルホニルピリジン−2−イル)−6−クロロキナゾリン−4−イル]ピペラジン−1−カルボキシレートを黄色固体として得た。LC−MS(ESI,m/z):519.2 [M+H]
工程5:6−[6−クロロ−4−(ピペラジン−1−イル)キナゾリン−7−イル]−5−メタンスルホニルピリジン−2−アミン
Figure 2021512136
tert−ブチル4−[7−(6−アミノ−3−メタンスルホニルピリジン−2−イル)−6−クロロキナゾリン−4−イル]ピペラジン−1−カルボキシレート(240.0mg、0.46mmol)の、ジクロロメタン(10mL)及びトリフルオロ酢酸(3mL)溶液を、2時間室温で撹拌した。完了後、得られた混合物を真空下にて濃縮した。これにより、200mg(粗製物)の6−[6−クロロ−4−(ピペラジン−1−イル)キナゾリン−7−イル]−5−メタンスルホニルピリジン−2−アミンを黄色油として得た。LC−MS(ESI,m/z):419.1 [M+H]
工程6:1−[4−[7−(6−アミノ−3−メタンスルホニルピリジン−2−イル)−6−クロロキナゾリン−4−イル]ピペラジン−1−イル]プロプ−2−エン−1−オン
Figure 2021512136
6−[6−クロロ−4−(ピペラジン−1−イル)キナゾリン−7−イル]−5−メタンスルホニルピリジン−2−アミン(100.0mg、粗製物)、HATU(110.0mg、0.29mmol)、プロプ−2−エン酸(20.0mg、0.28mmol)、及びN,N−ジイソプロピルエチルアミン(60mg、0.46mmol)のジクロロメタン溶液(5mL)を、30分間室温で撹拌した。完了後、水(20mL)で溶液をクエンチし、ジクロロメタンで抽出した(3×30mL)。有機層を収集し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させて真空下にて濃縮した。残留物を、ジクロロメタン/メタノール(10/1)で溶出するシリカゲルカラムにアプライし、40mgの粗生成物を得た。粗生成物を、以下の条件:カラム、XBridge Shield RP18 OBD Column、5um、19*150mm;移動相、水(0.05% NH3水)及びACN(28.0% ACN、7分間で最大70.0%);検出器、UV 220nmで分取HPLCにより精製した。これにより、2.6mg(2%)の1−[4−[7−(6−アミノ−3−メタンスルホニルピリジン−2−イル)−6−クロロキナゾリン−4−イル]ピペラジン−1−イル]プロプ−2−エン−1−オンが得られた。LC−MS(ESI,m/z):473.1 [M+H]
実施例42:H NMR(300 MHz,メタノール−d4,ppm)δ 8.68(s,1H),8.17(s,1H),8.07(d,J=9.0 Hz,1H),7.84(s,1H),6.84(dd,J=16.8,10.6 Hz,1H),6.76(d,J=9.0 Hz,1H),6.29(dd,J=16.8,2.0 Hz,1H),5.82(dd,J=10.6,2.0 Hz,1H),4.05−3.92(m,8H),2.99(s,3H).
実施例43:1−(4−[7−[6−アミノ−3−(2,2,2−トリフルオロエチル)ピリジン−2−イル]−6−クロロキナゾリン−4−イル]ピペラジン−1−イル)プロプ−2−エン−1−オン
Figure 2021512136
工程1:3−(ブロモメチル)−2,6−ジクロロピリジン
Figure 2021512136
2,6−ジクロロ−3−メチルピリジン(3.00g、18.52mmol)、2,2’−アゾビス(イソブチロニトリル)(300.0mg、1.83mmol)、及びN−ブロモスクシンイミド(3.50g、19.44mmol)の1,2−ジクロロエタン溶液(20mL)を、12時間80℃にて撹拌した。完了後、得られた混合物をジクロロメタン(200mL)で希釈し、ブラインで洗浄して(80mL×3)、無水硫酸ナトリウムで乾燥させて真空下にて濃縮した。残留物を、石油エーテル/酢酸エチル(10/1)で溶出するシリカゲルカラムにアプライし、2.5g(56%)の3−(ブロモメチル)−2,6−2,6−ジクロロピリジンを白色固体として得た。LC−MS(ESI,m/z):239.9 [M+H]
工程2:2,6−ジクロロ−3−(2,2,2−トリフルオロエチル)ピリジン
Figure 2021512136
窒素下にて、3−(ブロモメチル)−2,6−2,6−ジクロロピリジン(1.00g、4.15mmol)、メチル2,2−ジフルオロ−2−(フルオロスルホニル)アセテート(1.00g、5.21mmol)、及びヨウ化第一銅(79.05mg、0.42mmol)のN,N−ジメチルホルムアミド溶液(15mL)を、2時間110℃にて撹拌した。完了後、得られた混合物をジクロロメタン(100mL)で希釈し、ブラインで洗浄した(20mL×3)。有機層を収集し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させて真空下にて濃縮した。残留物を、石油エーテル:酢酸エチル(50:1)で溶出するシリカゲルカラムにアプライし、560.0mg(59%)の2,6−ジクロロ−3−(2,2,2−トリフルオロエチル)ピリジンを黄色油として得た。LC−MS(ESI,m/z):230.0 [M+H]
工程3:tert−ブチルN−[6−クロロ−5−(2,2,2−トリフルオロエチル)ピリジン−2−イル]カルバメート
Figure 2021512136
窒素下にて、2,6−ジクロロ−3−(2,2,2−トリフルオロエチル)ピリジン(560.0mg、2.44mmol)、tert−ブチルカルバメート(570.4mg、4.87mmol)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム付加化合物(126.0mg、0.12mmol)、キサントホス(140.9mg、0.24mmol)、及び炭酸セシウム(1.59g、4.87mmol)の1,4−ジオキサン溶液(20mL)を、1時間110℃にて撹拌した。完了後、得られた混合物を酢酸エチル(200mL)で希釈し、ブラインで洗浄した(80mL×3)。有機層を収集し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させて真空下にて濃縮した。残留物を、石油エーテル/酢酸エチル(50/1)で溶出するシリカゲルカラムにアプライし、230.0mg(30%)のtert−ブチルN−[6−クロロ−5−(2,2,2−トリフルオロエチル)ピリジン−2−イル]カルバメートを白色固体として得た。LC−MS(ESI,m/z):311.1 [M+H]
工程4:tert−ブチル4−[7−(6−[[(tert−ブトキシ)カルボニル]アミノ]−3−(2,2,2−トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル)−6−クロロキナゾリン−4−イル]ピペラジン−1−カルボキシレート
Figure 2021512136
tert−ブチルN−[6−クロロ−5−(2,2,2−トリフルオロエチル)ピリジン−2−イル]カルバメート(200.0mg、0.64mmol)、tert−ブチル4−[6−クロロ−7−(テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)キナゾリン−4−イル]ピペラジン−1−カルボキシレート(305.6mg、0.64mmol)、ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)クロリド(49.7mg、0.07mmol)、及びフッ化カリウム(112.2mg、1.93mmol)の、アセトニトリル(10mL)及び水(1mL)の溶液を30分間110℃にて撹拌した。完了後、得られた混合物を真空下にて濃縮した。残留物を、ジクロロメタン/メタノール(20/1)で溶出するシリカゲルカラムにアプライし、200.0mg(50%)のtert−ブチル4−[7−(6−[[(tert−ブトキシ)カルボニル]アミノ]−3−(2,2,2−トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル)−6−クロロキナゾリン−4−イル]ピペラジン−1−カルボキシレートを黄色油として得た。LC−MS(ESI,m/z):623.2 [M+H]
工程5:6−[6−クロロ−4−(ピペラジン−1−イル)キナゾリン−7−イル]−5−(2,2,2−トリフルオロエチル)ピリジン−2−アミン
Figure 2021512136
tert−ブチル4−[7−(6−[[(tert−ブトキシ)カルボニル]アミノ]−3−(2,2,2−トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル)−6−クロロキナゾリン−4−イル]ピペラジン−1−カルボキシレート(100.0mg、0.16mmol)の、トリフルオロ酢酸(2mL)及びジクロロメタン(10mL)の溶液を2時間25℃にて撹拌した。完了後、得られた混合物を真空下にて濃縮し、100mg(粗製物)の6−[6−クロロ−4−(ピペラジン−1−イル)キナゾリン−7−イル]−5−(2,2,2−トリフルオロエチル)ピリジン−2−アミンを黄色油として得た。LC−MS(ESI,m/z):423.1 [M+H]
工程6:1−(4−[7−[6−アミノ−3−(2,2,2−トリフルオロエチル)ピリジン−2−イル]−6−クロロキナゾリン−4−イル]ピペラジン−1−イル)プロプ−2−エン−1−オン
Figure 2021512136
6−[6−クロロ−4−(ピペラジン−1−イル)キナゾリン−7−イル]−5−(2,2,2−トリフルオロエチル)ピリジン−2−アミン(60.0mg、組成物)、プロプ−2−エン酸(10.2mg、0.14mmol)、HATU(64.7mg、0.17mmol)、及びN,N−ジイソプロピルエチルアミン(36.7mg、0.28mmol)のジクロロメタン溶液(4mL)を、30分間−78℃にて撹拌した。完了後、溶液を水(20mL)でクエンチし、ジクロロメタンで抽出した(3×20mL)。有機層を収集し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させて真空下にて濃縮した。残留物を、ジクロロメタン/メタノール(10/1)で溶出するシリカゲルカラムにアプライし、22.0mg(33%)の1−(4−[7−[6−アミノ−3−(2,2,2−トリフルオロエチル)ピリジン−2−イル]−6−クロロキナゾリン−4−イル]ピペラジン−1−イル)プロプ−2−エン−1−オンを白色固体として得た。LC−MS(ESI,m/z):477.1 [M+H]
実施例43:H NMR(300 MHz,CDCl,ppm)δ 8.80(s,1H),8.01(s,1H),7.97(s,1H),7.62(d,J=9.0 Hz,1H),6.70(d,J=8.6 Hz,1H),6.64(dd,J=16.8,10.5 Hz,1H),6.40(dd,J=16.8,1.9 Hz,1H),5.80(dd,J=10.5,1.9 Hz,1H),5.12(brs,2H),3.94−3.85(m,8H),3.34−2.99(m,2H).
実施例44:1−(4−[7−[6−アミノ−4−メチル−3−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル]−6−クロロキナゾリン−4−イル]ピペラジン−1−イル)プロプ−2−エン−1−オン
Figure 2021512136
工程1:tert−ブチル4−[7−[6−アミノ−4−メチル−3−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル]−6−クロロキナゾリン−4−イル]ピペラジン−1−カルボキシレート
Figure 2021512136
窒素下にて、6−クロロ−4−メチル−5−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−アミン(2.00g、9.50mmol)、tert−ブチル4−[6−クロロ−7−(テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)キナゾリン−4−イル]ピペラジン−1−カルボキシレート(5.40g、11.42mmol)、ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)クロリド(666.6mg、0.95mmol)、及びフッ化カリウム(1.60g、28.50mmol)の、アセトニトリル(50mL)及び水(5mL)の溶液を、30分間100℃にて撹拌した。完了後、固体を濾別した。得られた混合物をジクロロメタン(200mL)で希釈し、ブラインで洗浄して(80mL×3)、無水硫酸ナトリウムで乾燥させて真空下にて濃縮した。残留物を、ジクロロメタン/メタノール(10/1)で溶出するシリカゲルカラムにアプライし、3.1g(62%)のtert−ブチル4−[7−[6−アミノ−4−メチル−3−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル]−6−クロロキナゾリン−4−イル]ピペラジン−1−カルボキシレートを黄色固体として得た。LC−MS(ESI,m/z):523.2 [M+H]
工程2:6−[6−クロロ−4−(ピペラジン−1−イル)キナゾリン−7−イル]−4−メチル−5−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−アミン
Figure 2021512136
tert−ブチル4−[7−[6−アミノ−4−メチル−3−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル]−6−クロロキナゾリン−4−イル]ピペラジン−1−カルボキシレート(4.00g、7.67mmol)の、トリフルオロ酢酸(20mL)及びジクロロメタン(100mL)の溶液を1時間25℃にて撹拌した。完了後、得られた混合物を真空下にて濃縮し、4.10g(粗製物)の6−[6−クロロ−4−(ピペラジン−1−イル)キナゾリン−7−イル]−4−メチル−5−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−アミンを黄色油として得た。H NMR(400 MHz,メタノール−d,ppm)δ 8.70(s,1H),8.09(s,1H),7.68(s,1H),6.61(s,1H),3.95−3.81(m,4H),3.10−3.00(m,4H),2.46(s,3H)LC−MS(ESI,m/z):423.1 [M+H]
工程3:1−(4−[7−[6−アミノ−4−メチル−3−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル]−6−クロロキナゾリン−4−イル]ピペラジン−1−イル)プロプ−2−エン−1−オン
Figure 2021512136
6−[6−クロロ−4−(ピペラジン−1−イル)キナゾリン−7−イル]−4−メチル−5−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−アミン(3.00g、7.10mmol)、プロプ−2−エン酸(600.3mg、8.33mmol)、HATU(4.20g、11.05mmol)、及びN,N−ジイソプロピルエチルアミン(4.60g、35.47mmol)のジクロロメタン溶液(50mL)を、30分間−78℃にて撹拌した。完了後、溶液を水(50mL)でクエンチし、ジクロロメタンで抽出した(3×80mL)。有機層を収集し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させて真空下にて濃縮した。残留物を、ジクロロメタン/メタノール(20/1)で溶出するシリカゲルカラムにアプライし、粗生成物を得た。次に、粗生成物を逆相クロマトグラフィー(アセトニトリル0〜40/0.1%の重炭酸アンモニウム水溶液)により精製し、2.1g(62%)の1−(4−[7−[6−アミノ−4−メチル−3−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル]−6−クロロキナゾリン−4−イル]ピペラジン−1−イル)プロプ−2−エン−1−オンを白色固体として得た。LC−MS(ESI,m/z):477.1 [M+H]
実施例44:H NMR(300 MHz,メタノール−d,ppm)δ 8.67(s,1H),8.18(s,1H),7.71(s,1H),6.84(dd,J=16.8,10.6 Hz,1H),6.61(m,1H),6.29(dd,J=16.8,2.0 Hz,1H),5.82(dd,J=10.6,2.0 Hz,1H),4.03−3.91(m,8H),2.48−2.46(m,3H).
実施例45:1−(4−[7−[6−アミノ−3−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル]−6−クロロ−2−[[2−(ジメチルアミノ)エチル]アミノ]キナゾリン−4−イル]ピペラジン−1−イル)プロプ−2−エン−1−オン・トリフルオロ酢酸塩
Figure 2021512136
工程1:tert−ブチル4−(7−ブロモ−6−クロロ−2−[[2−(ジメチルアミノ)エチル]アミノ]キナゾリン−4−イル)ピペラジン−1−カルボキシレート
Figure 2021512136
tert−ブチル4−(7−ブロモ−2,6−ジクロロキナゾリン−4−イル)ピペラジン−1−カルボキシレート(4.00g、8.65mmol)、N,N−ジイソプロピルエチルアミン2.20g、17.38mmol)、及び(2−アミノエチル)ジメチルアミン(3.80g、43.40mmol)の2−プロパノール溶液(10mL)を、3日間25℃にて撹拌した。完了後、得られた混合物を真空下にて濃縮し、2.70g(粗製物)のtert−ブチル4−(7−ブロモ−6−クロロ−2−[[2−(ジメチルアミノ)エチル]アミノ]キナゾリン−4−イル)ピペラジン−1−カルボキシレートを固体として得た。LC−MS(ESI,m/z):513.1 [M+H]
工程2:tert−ブチル4−(7−ブロモ−2−[[(tert−ブトキシ)カルボニル][2−(ジメチルアミノ)エチル]アミノ]−6−クロロキナゾリン−4−イル)ピペラジン−1−カルボキシレート
Figure 2021512136
tert−ブチル4−(7−ブロモ−6−クロロ−2−[[2−(ジメチルアミノ)エチル]アミノ]キナゾリン−4−イル)ピペラジン−1−カルボキシレート(2.70g、粗製物)、ジ−tert−ブチルジカーボネート(1.70g、7.88mmol)、及びN,N−ジイソプロピルエチルアミン(1.40g、10.52mmol)のジクロロメタン溶液(10mL)を、1時間25℃にて撹拌した。完了後、得られた混合物をジクロロメタン(200mL)で希釈し、ブラインで洗浄して(80mL×3)、無水硫酸ナトリウムで乾燥させて真空下にて濃縮した。残留物を、ジクロロメタン/メタノール(10/1)で溶出するシリカゲルカラムにアプライし、1.50g(46%)のtert−ブチル4−(7−ブロモ−2−[[(tert−ブトキシ)カルボニル][2−(ジメチルアミノ)エチル]アミノ]−6−クロロキナゾリン−4−イル)ピペラジン−1−カルボキシレートを黄色固体として得た。LC−MS(ESI,m/z):613.2 [M+H]
工程3:tert−ブチル4−(2−[[(tert−ブトキシ)カルボニル][2−(ジメチルアミノ)エチル]アミノ]−6−クロロ−7−(テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)キナゾリン−4−イル)ピペラジン−1−カルボキシレート
Figure 2021512136
窒素下にて、tert−ブチル4−(7−ブロモ−2−[[(tert−ブトキシ)カルボニル][2−(ジメチルアミノ)エチル]アミノ]−6−クロロキナゾリン−4−イル)ピペラジン−1−カルボキシレート(500.0mg、0.81mmol)、4,4,5,5−テトラメチル−2−(テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−1,3,2−ジオキサボロラン(1.00g、4.08mmol)、及び1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン−パラジウム(II)ジクロリド(66.7mg、0.09mmol)、酢酸カリウム(240.2mg、2.45mmol)の1,4−ジオキサン溶液(10mL)を、マイクロ波放射で2時間80℃にて照射した。完了後、得られた混合物をジクロロメタン(200mL)で希釈し、ブラインで洗浄した(80mL×3)。次に、有機層を収集し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させて真空下にて濃縮し、480mg(粗製物)のtert−ブチル4−(2−[[(tert−ブトキシ)カルボニル][2−(ジメチルアミノ)エチル]アミノ]−6−クロロ−7−(テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)キナゾリン−4−イル)ピペラジン−1−カルボキシレートを暗赤色固体として得た。LC−MS(ESI,m/z):661.4 [M+H]
工程4:tert−ブチル4−[7−[6−アミノ−3−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル]−2−[[(tert−ブトキシ)カルボニル][2−(ジメチルアミノ)メチル]アミノ]−6−クロロキナゾリン−4−イル]ピペラジン−1−カルボキシレート
Figure 2021512136
窒素下にて、tert−ブチル4−(2−[[(tert−ブトキシ)カルボニル][2−(ジメチルアミノ)エチル]アミノ]−6−クロロ−7−(テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)キナゾリン−4−イル)ピペラジン−1−カルボキシレート(500.0mg、0.76mmol)、フッ化カリウム(88.0mg、1.52mmol)、ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)クロリド(53.18mg、0.08mmol)、及び6−クロロ−5−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−アミン(178.0mg、0.91mmol)の、アセトニトリル(10mL)及び水(2mL)の溶液を60分間110℃にて撹拌した。完了後、得られた混合物を真空下にて濃縮した。残留物を、ジクロロメタン/メタノール(10:1)で溶出するシリカゲルカラムにアプライし、200.0mg(38%)のtert−ブチル4−[7−[6−アミノ−3−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル]−2−[[(tert−ブトキシ)カルボニル][2−(ジメチルアミノ)メチル]アミノ]−6−クロロキナゾリン−4−イル]ピペラジン−1−カルボキシレートを黒色固体として得た。LC−MS(ESI,m/z):695.3 [M+H]
工程5:6−(6−クロロ−2−[[2−(ジメチルアミノ)エチル]アミノ]−4−(ピペラジン−1−イル)キナゾリン−7−イル)−5−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−アミン
Figure 2021512136
tert−ブチル4−[7−[6−アミノ−3−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル]−2−[[(tert−ブトキシ)カルボニル][2−(ジメチルアミノ)メチル]アミノ]−6−クロロキナゾリン−4−イル]ピペラジン−1−カルボキシレート(200.0mg、0.29mmol)の、ジクロロメタン(8mL)及びトリフルオロ酢酸(2mL)の溶液を30分間25℃にて撹拌した。完了後、得られた混合物を真空下にて濃縮し、200.0mg(粗製物)の6−(6−クロロ−2−[[2−(ジメチルアミノ)エチル]アミノ]−4−(ピペラジン−1−イル)キナゾリン−7−イル)−5−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−アミンを得た。LC−MS(ESI,m/z):495.2 [M+H]
工程6:1−(4−[7−[6−アミノ−3−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル]−6−クロロ−2−[[2−(ジメチルアミノ)エチル]アミノ]キナゾリン−4−イル]ピペラジン−1−イル)プロプ−2−エン−1−オン・トリフルオロ酢酸塩
Figure 2021512136
6−(6−クロロ−2−[[2−(ジメチルアミノ)エチル]アミノ]−4−(ピペラジン−1−イル)キナゾリン−7−イル)−5−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−アミン(150.0mg、0.30mmol)、HATU(138.4mg、0.36mmol)、N,N−ジイソプロピルエチルアミン(469.8mg、3.63mmol)、及びプロプ−2−エン酸(21.9mg、0.30mmol)のジクロロメタン溶液(10mL)を、30分間−78℃にて撹拌した。完了後、水(60mL)で反応をクエンチし、ジクロロメタンで抽出して(100mL×3)、無水硫酸ナトリウムで乾燥させて真空下にて濃縮した。残留物を、ジクロロメタン/メタノール(10/1)で溶出するシリカゲルカラムにアプライし、粗生成物を得た。次に粗生成物を、以下の条件:カラム:XSelect CSH Prep C18 OBD Column、5um、19*150mm;移動相A:水(0.05%TFA)、移動相B:ACN;流速:20mL/分;勾配:7分で15%B〜26%B;254/220nm;Rt:5.92分で分取HPLCにより精製し、22.5mg(11%)の1−(4−[7−[6−アミノ−3−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル]−6−クロロ−2−[[2−(ジメチルアミノ)エチル]アミノ]キナゾリン−4−イル]ピペラジン−1−イル)プロプ−2−エン−1−オン・トリフルオロ酢酸を白色固体として得た。LC−MS(ESI,m/z):549.2 [M+H]
実施例45:H NMR(300 MHz,メタノール−d,ppm)δ 8.22(s,1H),7.85(d,J=9.0 Hz,1H),7.56(s,1H),6.84−6.75(m,2H),6.31(dd,J=16.8,1.9 Hz,1H),5.84(dd,J=10.6,1.9 Hz,1H),4.31(brs,4H),4.04−3.92(m,6H),3.49(t,J=5.9 Hz,2H),2.99(s,6H).
実施例46a:(2S)−4−[7−[6−アミノ−3−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル]−6−クロロキナゾリン−4−イル]−1−(2−フルオロプロプ−2−エノイル)ピペラジン−2−カルボニトリル
実施例46b:(2R)−4−[7−[6−アミノ−3−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル]−6−クロロキナゾリン−4−イル]−1−(2−フルオロプロプ−2−エノイル)ピペラジン−2−カルボニトリル
Figure 2021512136
工程1:7−[6−アミノ−3−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル]−6−クロロ−3,4−ジヒドロキナゾリン−4−オン
Figure 2021512136
tert−ブチル4−[7−[6−アミノ−3−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル]−6−クロロキナゾリン−4−イル]ピペラジン−1−カルボキシレート(500.0mg、0.98mmol)及び水酸化ナトリウム(80.0mg、2.00mmol)の、エタノール(10mL)及び水(1mL)の溶液を2時間80℃にて撹拌した。完了後、1,4−ジオキサン溶液中にて塩酸により、得られた溶液のpHを7.0に調節し、真空下にて濃縮した。残留物を、ジクロロメタン/メタノール(10:1)で溶出するシリカゲルカラムにより精製し、150.0mg(45%)の7−[6−アミノ−3−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル]−6−クロロ−3,4−ジヒドロキナゾリン−4−オンを白色固体として得た。LC−MS(ESI,m/z):341.0 [M+H]
工程2:4−[7−[6−アミノ−3−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル]−6−クロロキナゾリン−4−イル]ピペラジン−2−カルボニトリル
Figure 2021512136
ピペラジン−2−カルボニトリル(94.0mg、0.85mmol)、7−[6−アミノ−3−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル]−6−クロロ−3,4−ジヒドロキナゾリン−4−オン(150.0mg、0.44mmol)、BOP(234.0mg、0.53mmol)、及びN,N−ジイソプロピルエチルアミン(0.4mL、2.42mmol)のジクロロメタン溶液(10mL)を、12時間室温で撹拌した。完了後、得られた溶液を濃縮してジクロロメタン(150mL)で希釈し、ブラインで洗浄し(50mL×3)、無水硫酸ナトリウムで乾燥させて真空下にて濃縮した。残留物を、ジクロロメタン/メタノール(10/1)で溶出するシリカゲルカラムにより精製し、70.0mg(37%)の4−[7−[6−アミノ−3−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル]−6−クロロキナゾリン−4−イル]ピペラジン−2−カルボニトリルを白色固体として得た。LC−MS(ESI,m/z):434.1 [M+H]
工程3:(2S)−4−[7−[6−アミノ−3−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル]−6−クロロキナゾリン−4−イル]−1−(2−フルオロプロプ−2−エノイル)ピペラジン−2−カルボニトリル及び
(2R)−4−[7−[6−アミノ−3−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル]−6−クロロキナゾリン−4−イル]−1−(2−フルオロプロプ−2−エノイル)ピペラジン−2−カルボニトリル
Figure 2021512136
4−[7−[6−アミノ−3−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル]−6−クロロキナゾリン−4−イル]ピペラジン−2−カルボニトリル(70.0mg、0.16mmol)、2−フルオロプロプ−2−エン酸(15.0mg、0.17mmol)、BOP(85.0mg、0.19mmol)、及びN,N−ジイソプロピルエチルアミン(62.0mg、0.48mmol)のジクロロメタン溶液(5mL)を、60分間室温で撹拌した。完了後、水(20mL)で溶液をクエンチし、ジクロロメタンで抽出した(3×30mL)。有機層を収集し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させて真空下にて濃縮した。残留物を、ジクロロメタン/メタノール(10:1)で溶出するシリカゲルカラムにより精製し、粗生成物を得た。次に、粗生成物を以下の条件:カラム:X Bridge C18、19*150mm、5um;移動相A:水/0.05%TFA、移動相B:ACN;流速:20mL/分;勾配:10分で30%B〜70%B;254nmで分取HPLCにより調製した。生成物を、以下の条件:カラム、CHIRAL ART Cellulose−SB、2*25cm、5um;移動相、ヘキサン−−HPLC及びエタノール−HPLC(10分でホールド40%エタノール−−HPLC);検出器、UV 220/254nmでキラル分取HPLC(分取HPLC−009)により精製した。これにより、5.6mg(7%)の(2S)−4−[7−[6−アミノ−3−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル]−6−クロロキナゾリン−4−イル]−1−(2−フルオロプロプ−2−エノイル)ピペラジン−2−カルボニトリル(推定)を白色固体として(LC−MS(ESI,m/z):506.1 [M+H])、及び6.0mg(7%)の(2R)−4−[7−[6−アミノ−3−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル]−6−クロロキナゾリン−4−イル]−1−(2−フルオロプロプ−2−エノイル)ピペラジン−2−カルボニトリルを白色固体(LC−MS(ESI,m/z):506.1 [M+H])として得た。
実施例46a:H NMR(400 MHz,メタノール−d,ppm)δ 8.79(s,1H),8.31(d,J=1.8 Hz,1H),7.85−7.83(m,2H),6.74(dd,J=8.9,0.9 Hz,1H),5.67(brs,1H),5.55(dd,J=4.0,1.3 Hz,1H),5.45−5.40(m,1H),4.71(dq,J=14.1,2.3 Hz,1H),4.52−4.47(m,1H),4.38−4.34(m,1H),3.83(brs,1H),3.72(ddd,J=13.9,10.2,3.6 Hz,1H),3.54−3.43(m,1H).
実施例46b:H NMR(400 MHz,メタノール−d,ppm)δ 8.79(s,1H),8.31(d,J=1.8 Hz,1H),7.85−7.83(m,2H),6.74(dd,J=8.9,0.9 Hz,1H),5.67(brs,1H),5.55(dd,J=4.0,1.3 Hz,1H),5.45−5.40(m,1H),4.71(dq,J=14.1,2.3 Hz,1H),4.52−4.47(m,1H),4.38−4.34(m,1H),3.83(brs,1H),3.72(ddd,J=13.9,10.2,3.6 Hz,1H),3.54−3.43(m,1H).
実施例47:1−[4−[7−(6−アミノ−3−シクロプロピルピリジン−2−イル)−6−メトキシキナゾリン−4−イル]ピペラジン−1−イル]プロプ−2−エン−1−オン
Figure 2021512136
工程1:tert−ブチル4−(7−ブロモ−6−メトキシキナゾリン−4−イル)ピペラジン−1−カルボキシレート
Figure 2021512136
7−ブロモ−6−メトキシ−3,4−ジヒドロキナゾリン−4−オン(5.00g、19.60mmol)、tert−ブチルピペラジン−1−カルボキシレート(7.30g、39.19mmol)、BOP(17.30g、39.21mmol)、及びN,N−ジイソプロピルエチルアミン(5.07g、39.23mmol)のアセトニトリル溶液(120mL)を、4時間25℃にて撹拌した。完了後、得られた混合物を真空下にて濃縮し、酢酸エチル(150mL)で希釈してブラインで洗浄し(40mL×3)、無水硫酸ナトリウムで乾燥させて真空下にて濃縮した。残留物を、石油エーテル/酢酸エチル(1/1)で溶出するシリカゲルカラムにアプライした。これにより、5.00g(60%)のtert−ブチル4−(7−ブロモ−6−メトキシキナゾリン−4−イル)ピペラジン−1−カルボキシレートが得られた。LC−MS(ESI,m/z):506.1 [M+H]
工程2:tert−ブチル4−[6−メトキシ−7−(テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)キナゾリン−4−イル]ピペラジン−1−カルボキシレート
Figure 2021512136
窒素下にて、tert−ブチル4−(7−ブロモ−6−メトキシキナゾリン−4−イル)ピペラジン−1−カルボキシレート(2.00g、4.73mmol)、4,4,5,5−テトラメチル−2−(テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−1,3,2−ジオキサボロラン(4.80g、18.90mmol)、1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン−パラジウム(II)ジクロリド(139.3mg、0.24mmol)、酢酸カリウム(927.4mg、9.45mmol)の1,4−ジオキサン溶液(100mL)を、2時間80℃にて撹拌した。完了後、得られた溶液を濃縮して酢酸エチル(150mL)で希釈し、ブラインで洗浄し(40mL×3)、無水硫酸ナトリウムで乾燥させて真空下にて濃縮した。残留物を、ジクロロメタン/メタノール(10/1)で溶出するシリカゲルカラムにアプライした。これにより、700.0mg(31%)のtert−ブチル4−[6−メトキシ−7−(テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)キナゾリン−4−イル]ピペラジン−1−カルボキシレートを黄色固体として得た。LC−MS(ESI,m/z):471.3 [M+H]
工程3:tert−ブチル4−[7−(6−アミノ−3−シクロプロピルピリジン−2−イル)−6−メトキシキナゾリン−4−イル]ピペラジン−1−カルボキシレート
Figure 2021512136
窒素下にて、tert−ブチル4−[6−メトキシ−7−(テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)キナゾリン−4−イル]ピペラジン−1−カルボキシレート(200.0mg、0.43mmol)、6−クロロ−5−シクロプロピルピリジン−2−アミン(71.6mg、0.43mmol)、Pd(dba)(19.5mg、0.02mmol)、トリシクロヘキシルホスフィン(12.0mg、0.04mmol)、及び炭酸カリウム(117.5mg、0.85mmol)の、ジオキサン(5mL)及び水(1mL)の溶液を、30分間110℃にて撹拌した。完了後、得られた混合物を真空下にて濃縮した。残留物を、ジクロロメタン/メタノール(20/1)で溶出するシリカゲルカラムにアプライした。これにより、100.0mg(49%)のtert−ブチル4−[7−(6−アミノ−3−シクロプロピルピリジン−2−イル)−6−メトキシキナゾリン−4−イル]ピペラジン−1−カルボキシレートをオフホワイトの油として得た。LC−MS(ESI,m/z):477.3 [M+H]
工程4:5−シクロプロピル−6−[6−メトキシ−4−(ピペラジン−1−イル)キナゾリン−7−イル]ピリジン−2−アミン
Figure 2021512136
tert−ブチル4−[7−(6−アミノ−3−シクロプロピルピリジン−2−イル)−6−メトキシキナゾリン−4−イル]ピペラジン−1−カルボキシレート(100.0mg、0.21mmol)の、トリフルオロ酢酸(2mL)及びジクロロメタン(10mL)溶液を1時間25℃にて撹拌した。完了後、得られた混合物を真空下にて濃縮した。これにより、100mg(粗製物)5−シクロプロピル−6−[6−メトキシ−4−(ピペラジン−1−イル)キナゾリン−7−イル]ピリジン−2−アミンを黄色油として得た。LC−MS(ESI,m/z):377.2 [M+H]
工程5:1−[4−[7−(6−アミノ−3−シクロプロピルピリジン−2−イル)−6−メトキシキナゾリン−4−イル]ピペラジン−1−イル]プロプ−2−エン−1−オン
Figure 2021512136
5−シクロプロピル−6−[6−メトキシ−4−(ピペラジン−1−イル)キナゾリン−7−イル]ピリジン−2−アミン(50.0mg、0.13mmol)、プロプ−2−エン酸(10.0mg、0.14mmol)、HATU(60.6mg、0.16mmol)、及びN,N−ジイソプロピルエチルアミン(20.6mg、0.16mmol)のジクロロメタン溶液(5mL)を、1時間−78℃にて撹拌した。完了後、得られる溶液をでクエンチしてジクロロメタン(150mL)で希釈し、ブラインで洗浄して(40mL×3)、無水硫酸ナトリウムで乾燥させて真空下にて濃縮した。残留物を、ジクロロメタン/メタノール(10/1)で溶出するシリカゲルカラムにアプライした。これにより、19.6mg(34%)の1−[4−[7−(6−アミノ−3−シクロプロピルピリジン−2−イル)−6−メトキシキナゾリン−4−イル]ピペラジン−1−イル]プロプ−2−エン−1−オンを白色固体として得た。LC−MS(ESI,m/z):431.2 [M+H]
実施例47:H NMR(300 MHz,Chloroform−d)δ 8.77(s,1H),7.91(s,1H),7.22−7.18(m,2H),6.66(dd,J=16.8,10.5 Hz,1H),6.56(d,J=8.5 Hz,1H),6.38(dd,J=16.8,1.9 Hz,1H),5.79(dd,J=10.5,1.9 Hz,1H),4.65(brs,2H),3.92−3.78(m,11H),1.65−1.55(m,1H),0.69−0.66(m,2H),0.55−0.49(m,2H).
実施例481−[4−[7−(3−アミノ−8−フルオロイソキノリン−1−イル)−6−クロロキナゾリン−4−イル]ピペラジン−1−イル]プロプ−2−エン−1−オン
Figure 2021512136
工程1:メチル2−シアノ−2−(2−シアノ−3−フルオロフェニル)アセテート
Figure 2021512136
2,6−ジフルオロベンゾニトリル(10.00g、71.89mmol)、メチル2−シアノアセテート(7.50g、75.69mmol)、及び炭酸カリウム(20.00g、144.71mmol)のDMSO溶液(50mL)を、12時間室温で撹拌した。完了後、得られた溶液を水(100mL)で希釈した。固体をフィルタにかけて収集した。これにより、11.5g(73%)のメチル2−シアノ−2−(2−シアノ−3−フルオロフェニル)アセテートを黄色固体として得た。LC−MS(ESI,m/z):219.0 [M+H]
工程2:2−(シアノメチル)−6−フルオロベンゾニトリル
Figure 2021512136
メチル2−シアノ−2−(2−シアノ−3−フルオロフェニル)アセテート(1.00g、4.58mmol)のDMSO溶液(8mL)、及び塩酸(6M)(2mL)を、12時間70℃にて撹拌した。完了後、得られる溶液のpHを、炭酸ナトリウム溶液でpH=9.0に調節した。固体をフィルタにかけて収集した。これにより、700.0mg(95%)の2−(シアノメチル)−6−フルオロベンゾニトリルを灰色固体として得た。LC−MS(ESI,m/z):161.0 [M+H]
工程3:1−ブロモ−8−フルオロイソキノリン−3−アミン
Figure 2021512136
2−(シアノメチル)−6−フルオロベンゾニトリル(3.00g、18.73mmol)のHBr/AcOH(40%)溶液(15mL)を、30分間0℃にて撹拌した。完了後、炭酸ナトリウム飽和水溶液で、得られた溶液のpHをpH=8.0に調節した。固体をフィルタにかけて収集した。これにより、1.70gの(38%)の1−ブロモ−8−フルオロイソキノリン−3−アミンを淡黄色固体として得た。LC−MS(ESI,m/z):241.0 [M+H]
工程4:tert−ブチル4−[7−(3−アミノ−8−フルオロイソキノリン−1−イル)−6−クロロキナゾリン−4−イル]ピペラジン−1−カルボキシレート
Figure 2021512136
4−[6−クロロ−7−(テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)キナゾリン−4−イル]ピペラジン−1−カルボキシレート(1.2g、2.48mmol)、1−ブロモ−8−フルオロイソキノリン−3−アミン(600.0mg、2.49mmol)、Pd(dppf)Cl(183.0mg、0.25mmol)、及びKPO(1.00g、4.71mmol)の、アセトニトリル(10mL)及び水(0.2mL)の懸濁液を、60分間100℃にて撹拌した。完了後、得られた溶液を濃縮して酢酸エチル(250mL)で希釈し、ブラインで洗浄し(80mL×3)、無水硫酸ナトリウムで乾燥させて真空下にて濃縮した。残留物を、ジクロロメタン/メタノール(10/1)で溶出するシリカゲルカラムにより精製し、200.0mg(9%)のtert−ブチル4−[7−(3−アミノ−8−フルオロイソキノリン−1−イル)−6−クロロキナゾリン−4−イル]ピペラジン−1−カルボキシレートを茶色固体として得た。LC−MS(ESI,m/z):509.2 [M+H]
工程5:1−[6−クロロ−4−(ピペラジン−1−イル)キナゾリン−7−イル]−8−フルオロイソキノリン−3−アミン
Figure 2021512136
tert−ブチル4−[7−(3−アミノ−8−フルオロイソキノリン−1−イル)−6−クロロキナゾリン−4−イル]ピペラジン−1−カルボキシレート(200.0mg、0.39mmol)の、トリフルオロ酢酸(2mL)及びジクロロメタン(6mL)の溶液を60分間室温で撹拌した。完了後、得られた溶液を真空下にて濃縮した。これにより、300mg(粗製物)の1−[6−クロロ−4−(ピペラジン−1−イル)キナゾリン−7−イル]−8−フルオロイソキノリン−3−アミンを褐色油として得た。LC−MS(ESI,m/z):409.2 [M+H]
工程6:1−[4−[7−(3−アミノ−8−フルオロイソキノリン−1−イル)−6−クロロキナゾリン−4−イル]ピペラジン−1−イル]プロプ−2−エン−1−オン
Figure 2021512136
1−[6−クロロ−4−(ピペラジン−1−イル)キナゾリン−7−イル]−8−フルオロイソキノリン−3−アミン(100.0mg、粗製物)、プロプ−2−エン酸(53.0mg、0.73mmol)、HATU(109.0mg、0.29mmol)、及びN,N−ジイソプロピルエチルアミン(155.0mg、1.20mmol)のジクロロメタン溶液(5mL)を、30分間−78℃にて撹拌した。完了後、得られる溶液を水(1mL)でクエンチし、ジクロロメタン(150mL)で希釈してブラインで洗浄し(40mL×3)、無水硫酸ナトリウムで乾燥させて真空下にて濃縮した。残留物を、以下の条件:カラム:X Bridge C18、19*150mm、5um;移動相A:水/0.05%TFA、移動相B:ACN;流速:20mL/分;勾配:10分で30%B〜70%B;254nmで分取HPLCにより精製した。これにより、9.1mg(8%)の1−[4−[7−(3−アミノ−8−フルオロイソキノリン−1−イル)−6−クロロキナゾリン−4−イル]ピペラジン−1−イル]プロプ−2−エン−1−オンを淡黄色固体として得た。LC−MS(ESI,m/z):463.1 [M+H]
実施例48:H NMR(300 MHz,DMSO−d,ppm)δ 8.69(s,1H),8.14(s,1H),7.83(s,1H),7.49−7.40(m,2H),6.89−6.76(m,3H),6.35(s,2H),6.18(dd,J=16.7,2.4 Hz,1H),5.75(dd,J=10.4,2.4 Hz,1H),3.88(brs,6H),3.79(brs,2H).
実施例49:1−[4−[7−(3−アミノ−7−フルオロイソキノリン−1−イル)−6−クロロキナゾリン−4−イル]ピペラジン−1−イル]プロプ−2−エン−1−オン
Figure 2021512136
工程1:1−[4−[7−(3−アミノ−7−フルオロイソキノリン−1−イル)−6−クロロキナゾリン−4−イル]ピペラジン−1−イル]プロプ−2−エン−1−オン
Figure 2021512136
1−[6−クロロ−4−(ピペラジン−1−イル)キナゾリン−7−イル]−7−フルオロイソキノリン−3−アミン(100.0mg、0.24mmol)、HATU(111.6mg、0.29mmol)、N,N−ジイソプロピルエチルアミン(63.2mg、0.49mmol)、及びプロプ−2−エン酸(17.6mg、0.25mmol)のジクロロメタン溶液(5mL)を、30分間室温で撹拌した。完了後、得られる溶液を水(1mL)でクエンチし、ジクロロメタン(150mL)で希釈してブラインで洗浄し(40mL×3)、無水硫酸ナトリウムで乾燥させて真空下にて濃縮した。残留物を、以下の条件:カラム:X Bridge C18、19*150mm、5um;移動相A:水/0.05%TFA、移動相B:ACN;流速:20mL/分;勾配:10分で30%B〜70%B;254nmで分取HPLCにより精製した。これにより、3.8mg(3%)の1−[4−[7−(3−アミノ−7−フルオロイソキノリン−1−イル)−6−クロロキナゾリン−4−イル]ピペラジン−1−イル]プロプ−2−エン−1−オンが得られた。LC−MS(ESI,m/z):463.1 [M+H]
実施例49:H NMR(300 MHz,メタノール−d4,ppm)δ 8.70(s,1H),8.31(s,1H),7.90(s,1H),7.73(dd,J=9.2,5.4 Hz,1H),7.42−7.35(m,1H),6.99−6.93(m,2H),6.85(dd,J=16.8,10.6 Hz,1H),6.29(dd,J=16.8,1.9 Hz,1H),5.82(dd,J=10.6,2.0 Hz,1H),4.09−4.04(m,4H),3.96−3.93(m,4H).
実施例50:1−(3−[7−[6−アミノ−3−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル]−6−クロロキナゾリン−4−イル]アゼチジン−1−イル)プロプ−2−エン−1−オン
Figure 2021512136
工程1:tert−ブチル3−(7−ブロモ−6−クロロキナゾリン−4−イル)アゼチジン−1−カルボキシレート
Figure 2021512136
窒素下にて、7−ブロモ−4,6−ジクロロキナゾリン(6.00g、21.59mmol)、[1−[(tert−ブトキシ)カルボニル]アゼチジン−3−イル](ヨード)亜鉛(30mL、15.49mmol)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム付加化合物(998.0mg、0.96mmol)、及びトリ−2−フリルホスフィン(500.0mg、2.15mmol)のN,N−ジメチルホルムアミド溶液(30mL)を、30分間室温で撹拌した。完了後、得られる溶液を水(100mL)で希釈し、酢酸エチルで抽出して(100mL×3)、ブラインで洗浄し(100mL×3)、無水硫酸ナトリウムで乾燥させて真空下にて濃縮した。残留物を、酢酸エチル/石油エーテル(1/5)で溶出するシリカゲルカラムにアプライし、3.3g(42%)のtert−ブチル3−(7−ブロモ−6−クロロキナゾリン−4−イル)アゼチジン−1−カルボキシレートを淡黄色固体として得た。LC−MS(ESI,m/z):398.0 [M+H]
工程2:tert−ブチル3−[6−クロロ−7−(テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)キナゾリン−4−イル]アゼチジン−1−カルボキシレート
Figure 2021512136
窒素下にて、tert−ブチル3−(7−ブロモ−6−クロロキナゾリン−4−イル)アゼチジン−1−カルボキシレート(2.00g、5.02mmol)、1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン−パラジウム(II)ジクロリド(400.6mg、0.55mmol)、酢酸カリウム(1.48g、15.08mmol)、及び4,4,5,5−テトラメチル−2−(テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−1,3,2−ジオキサボロラン(3.88g、15.28mmol)の1,4−ジオキサン溶液(30mL)を2時間80℃にて撹拌した。完了後、得られた溶液を真空下にて濃縮し、ジクロロメタン(150mL)で希釈した。フィルタにかけた後、濾液を収集し、真空下にて濃縮して石油エーテルで洗浄した(10mL×3)。これにより、1.4g(粗製物)のtert−ブチル3−[6−クロロ−7−(テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)キナゾリン−4−イル]アゼチジン−1−カルボキシレートを褐色固体として得た。LC−MS(ESI,m/z):446.2 [M+H]
工程3:tert−ブチル3−[7−[6−アミノ−3−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル]−6−クロロキナゾリン−4−イル]アゼチジン−1−カルボキシレート
Figure 2021512136
窒素下にて、tert−ブチル3−[6−クロロ−7−(テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)キナゾリン−4−イル]アゼチジン−1−カルボキシレート(1.40g、3.14mmol)、ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)クロリド(220.5mg、0.31mmol)、フッ化カリウム(380.0mg、6.54mmol)、及び6−クロロ−5−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−アミン(620.0mg、3.15mmol)の、アセトニトリル(20mL)及び水(5mL)の溶液を60分間110℃にて撹拌した。完了後、得られた溶液を酢酸エチル(200mL)で希釈してブラインで洗浄し(80mL×3)、無水硫酸ナトリウムで乾燥させて真空下にて濃縮した。残留物を、ジクロロメタン/メタノール(10/1)で溶出するシリカゲルカラムにアプライした。これにより、600.0mg(40%)のtert−ブチル3−[7−[6−アミノ−3−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル]−6−クロロキナゾリン−4−イル]アゼチジン−1−カルボキシレートを暗赤色固体として得た。LC−MS(ESI,m/z):480.1 [M+H]
工程4:6−[4−(アゼチジン−3−イル)−6−クロロキナゾリン−7−イル]−5−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−アミン
Figure 2021512136
tert−ブチル3−[7−[6−アミノ−3−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル]−6−クロロキナゾリン−4−イル]アゼチジン−1−カルボキシレート(300.0mg、0.63mmol)の、トリフルオロ酢酸(5mL)及びジクロロメタン(15mL)の溶液を20分間25℃にて撹拌した。完了後、得られた溶液を真空下にて濃縮した。これにより、320mg(粗製物)の6−[4−(アゼチジン−3−イル)−6−クロロキナゾリン−7−イル]−5−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−アミンを暗赤色固体として得た。LC−MS(ESI,m/z):380.1 [M+H]
工程5:1−(3−[7−[6−アミノ−3−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル]−6−クロロキナゾリン−4−イル]アゼチジン−1−イル)プロプ−2−エン−1−オン
Figure 2021512136
6−[4−(アゼチジン−3−イル)−6−クロロキナゾリン−7−イル]−5−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−アミン(300.0mg、0.79mmol)、HATU(300.8mg、0.79mmol)、N,N−ジイソプロピルエチルアミン(408.4mg、3.16mmol)、及びプロプ−2−エン酸(57.0mg、0.79mmol)のジクロロメタン溶液(15mL)を、60分間−78℃にて撹拌した。完了後、得られる溶液を水(1mL)でクエンチし、ジクロロメタン(200mL)で希釈してブラインで洗浄し(80mL×3)、無水硫酸ナトリウムで乾燥させて真空下にて濃縮した。残留物を、ジクロロメタン/メタノール(10:1)で溶出するシリカゲルカラムにアプライした。次に粗生成物を、以下の条件:カラム:XBridge Prep OBD C18 Column 30×150mm 5um;移動相A:水(10MMOL/L NH4HCO3)、移動相B:ACN;流速:60mL/分;勾配:7分で20%B〜50%B;254/220nm;Rt:6.62分で分取HPLCにより精製し、141.2mg(41%)の1−(3−[7−[6−アミノ−3−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル]−6−クロロキナゾリン−4−イル]アゼチジン−1−イル)プロプ−2−エン−1−オンを白色固体として得た。LC−MS(ESI,m/z):434.1 [M+H]
実施例50:H NMR(300 MHz,メタノール−d4,ppm)δ 9.33(s,1H),8.33(s,1H),7.98(s,1H),7.82(d,J=8.9 Hz,1H),6.73(dd,J=9.0,1.1 Hz,1H),6.47−6.38(m,1H),6.29(dd,J=17.0,2.1 Hz,1H),5.78(ddd,J=10.2,2.3,1.0 Hz,1H),5.00−4.88(m,2H),4.84−4.76(m,1H),4.64−4.50(m,2H).
実施例51:1−[4−[7−[6−アミノ−3−(2,2,2−トリフルオロエチル)−2−ピリジル]−6−クロロ−キナゾリン−4−イル]ピペラジン−1−イル]プロプ−2−エン−1−オン
Figure 2021512136
工程1:tert−ブチルN−−[6−クロロ−5−(2,2,2−トリフルオロエチル)−2−ピリジル]カルバメート
Figure 2021512136
6−クロロ−5−(2,2,2−トリフルオロエチル)ピリジン−2−カルボン酸(300.0mg、1.25mmol)、ジフェニルホスホニルアジド(0.27mL、1.25mmol)、及びトリエチルアミン(0.17mL、1.25mmol)の2−メチル−1−プロパノール溶液(10mL)を、85℃にて2時間撹拌した。完了後、溶媒を真空下にて濃縮した。残留物を、石油エーテル/酢酸エチル(90/10)で溶出するシリカゲルフラッシュクロマトグラフィーにより精製し、tert−ブチルN−−[6−クロロ−5−(2,2,2−トリフルオロエチル)−2−ピリジル]カルバメート(100.0mg、0.32mmol、収率25.7%)を黄色油として得た。LC−MS(ESI,m/z):311.1 [M+H]
工程2:tert−ブチル4−[7−[6−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−3−(2,2,2−トリフルオロエチル)−2−ピリジル]−6−クロロ−キナゾリン−4−イル]ピペラジン−1−カルボキシレート
Figure 2021512136
窒素下にて、tert−ブチル4−[6−クロロ−7−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)キナゾリン−4−イル]ピペラジン−1−カルボキシレート(183.4mg、0.39mmol)、tert−ブチルN−[6−クロロ−5−(2,2,2−トリフルオロエチル)−2−ピリジル]カルバメート(100.0mg、0.32mmol)、ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(ii)ジクロリド(22.7mg、0.03mmol)、及びフッ化カリウム(56.0mg、0.97mmol)の、アセトニトリル(3mL)及び水(0.5mL)の溶液を110℃にて20分間撹拌した。完了後、得られる溶液をジクロロメタン(200mL)で希釈し、ブラインで洗浄して(80mL×3)無水硫酸ナトリウムで乾燥させて真空下にて濃縮した。残留物を、ジクロロメタン/メタノール(95/5)で溶出するシリカゲルフラッシュクロマトグラフィーにより精製し、tert−ブチル4−[7−[6−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−3−(2,2,2−トリフルオロエチル)−2−ピリジル]−6−クロロ−キナゾリン−4−イル]ピペラジン−1−カルボキシレート(80mg、0.13mmol、収率39.9%)を固体として得た。LC−MS(ESI,m/z):623.1 [M+H]
工程3:6−(6−クロロ−4−ピペラジン−1−イル−キナゾリン−7−イル)−5−(2,2,2−トリフルオロエチル)ピリジン−2−アミン
Figure 2021512136
tert−ブチル4−[7−[6−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−3−(2,2,2−トリフルオロエチル)−2−ピリジル]−6−クロロ−キナゾリン−4−イル]ピペラジン−1−カルボキシレート(50.0mg、0.08mmol)の、TFA(2mL)及びジクロロメタン(10mL)の溶液を25℃にて3時間撹拌した。完了後、溶媒を真空下にて濃縮した。物質を、更に精製することなく次工程に進めた。LC−MS(ESI,m/z):423.1 [M+H]
工程4:1−[4−[7−[6−アミノ−3−(2,2,2−トリフルオロエチル)−2−ピリジル]−6−クロロ−キナゾリン−4−イル]ピペラジン−1−イル]プロプ−2−エン−1−オン
Figure 2021512136
6−(6−クロロ−4−ピペラジン−1−イル−キナゾリン−7−イル)−5−(2,2,2−トリフルオロエチル)ピリジン−2−アミン(50.0mg、0.12mmol)、アクリル酸(8.5mg、0.12mmol)、HATU(54.0mg、0.14mmol)、及びN,N−ジイソプロピルエチルアミン(22.9mg、0.18mmol)のジクロロメタン溶液(5mL)を、−78℃にて30分間撹拌した。完了後、得られる溶液を水(1mL)でクエンチし、ジクロロメタン(200mL)で希釈してブラインで洗浄し(80mL×3)、無水硫酸ナトリウムで乾燥させて真空下にて濃縮した。残留物を、ジクロロメタン/メタノール(95/5)で溶出するシリカゲルフラッシュクロマトグラフィーにより精製し、1−[4−[7−[6−アミノ−3−(2,2,2−トリフルオロエチル)−2−ピリジル]−6−クロロ−キナゾリン−4−イル]ピペラジン−1−イル]プロプ−2−エン−1−オン(7.6mg、収率13.5%)を白色固体として得た。LC−MS(ESI,m/z):477.1 [M+H]
実施例51:H NMR(300 MHz,メタノール−d4,ppm)δ 8.68(s,1H),8.24(s,1H),7.80(s,1H),7.62(d,J=8.6 Hz,1H),6.84(dd,J=16.8,10.6 Hz,1H),6.72(d,J=8.7 Hz,1H),6.29(dd,J=16.8,2.0 Hz,1H),5.82(dd,J=10.6,2.0 Hz,1H),4.06−4.01(m,4H),3.98−3.93(m,4H),3.43−3.36(m,1H),3.16−3.00(m,1H).
実施例52:1−[4−[7−[6−アミノ−4−エチル−3−(トリフルオロメチル)−2−ピリジル]−6−クロロ−キナゾリン−4−イル]ピペラジン−1−イル]プロプ−2−エン−1−オン
Figure 2021512136
工程1:2,6−ジクロロ−4−エチルピリジン
Figure 2021512136
窒素下にて、2,6−ジクロロ−4−ヨードピリジン(10.00g、36.51mmol)、トリエチルボラン(36.0mL、36.00mmol)、1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン−パラジウム(II)ジクロリド(2.67g、3.65mmol)、及び炭酸カリウム(10.00g、72.36mmol)のN,N−ジメチルホルムアミド溶液(80mL)を、60分間80℃にて撹拌した。完了後、得られる溶液を水(100mL)で希釈し、酢酸エチルで抽出して(150mL×3)、ブラインで洗浄し(150mL×3)、無水硫酸ナトリウムで乾燥させて真空下にて濃縮した。残留物を、酢酸エチル/石油エーテル(3/97)で溶出するシリカゲルカラムにアプライし、6.3g(98%)の2,6−ジクロロ−4−エチルピリジンを固体として得た。LC−MS(ESI,m/z):176.0 [M+H]
工程2:tert−ブチルN−(6−クロロ−4−エチルピリジン−2−イル)カルバメート
Figure 2021512136
2,6−ジクロロ−4−エチルピリジン(3.00g、17.04mmol)、tert−ブチルカルバメート(2.20g、18.78mmol)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム−クロロホルム付加化合物(880.0mg、0.85mmol)、キサントホス(985.0mg、1.70mmol)、及び炭酸セシウム(11.00g、33.76mmol)の1,4−ジオキサン溶液(50mL)を、60分間90℃にて撹拌した。完了後、得られる溶液を真空下にて濃縮し、ジクロロメタン(200mL)で希釈してブラインで洗浄し(80mL×3)、無水硫酸ナトリウムで乾燥させて真空下にて濃縮した。残留物を、酢酸エチル/石油エーテル(1/10)で溶出するシリカゲルカラムにアプライした。これにより、3.3g(69%)のtert−ブチルN−(6−クロロ−4−エチルピリジン−2−イル)カルバメートを固体として得た。LC−MS(ESI,m/z):257.1 [M+H]
工程3:6−クロロ−4−エチルピリジン−2−アミン
Figure 2021512136
tert−ブチルN−(6−クロロ−4−エチルピリジン−2−イル)カルバメート(3.00g、11.68mmol)の、トリフルオロ酢酸(20mL)及びジクロロメタン(70mL)の溶液を60分間25℃にて撹拌した。完了後、得られる溶液を真空下にて濃縮し、水(30mL)で希釈し、得られた溶液のpHを、炭酸ナトリウム飽和水溶液で7.0に調節して酢酸エチルで抽出し(100mL×3)、無水硫酸ナトリウムで乾燥させて真空下にて濃縮した。残留物を、酢酸エチル/石油エーテル(1/3)で溶出するシリカゲルカラムにアプライし、1.52g(83%)の6−クロロ−4−エチルピリジン−2−アミンを固体として得た。LC−MS(ESI,m/z):157.0 [M+H]
工程4:6−クロロ−4−メチル−5−イソピリジン−2−アミン
Figure 2021512136
6−クロロ−4−エチルピリジン−2−アミン(1.50g、9.58mmol)、及びNIS(2.16g、9.60mmol)のアセトニトリル溶液(70mL)を、2時間25℃にて撹拌した。完了後、得られる溶液を真空下にて濃縮し、ジクロロメタン(200mL)で希釈してブラインで洗浄し(80mL×3)、無水硫酸ナトリウムで乾燥させて真空下にて濃縮した。残留物を、酢酸エチル/石油エーテル(1/10)で溶出するシリカゲルカラムにアプライし、1.73g(64%)の6−クロロ−4−メチル−5−イソピリジン−2−アミンを固体として得た。LC−MS(ESI,m/z):282.9 [M+H]
工程5:6−クロロ−4−エチル−5−ヨード−N,N−ビス[(4−メトキシフェニル)メチル]ピリジン−2−アミン
Figure 2021512136
6−クロロ−4−メチル−5−イソピリジン−2−アミン(1.05g、3.72mmol)、1−(クロロメチル)−4−メトキシベンゼン(1.75g、11.17mmol)、及び水素化ナトリウム(270.0mg、11.25mmol)のN,N−ジメチルホルムアミド(15.00mL)溶液を、60分間25℃にて撹拌した。完了後、得られる溶液を塩化アンモニウム飽和溶液でクエンチして酢酸エチルで抽出し(100mL×3)、ブラインで洗浄して(80mL×3)、無水硫酸ナトリウムで乾燥させて真空下にて濃縮した。残留物を、酢酸エチル/石油エーテル(1/10)で溶出するシリカゲルカラムにアプライし、1.10g(57%)の6−クロロ−4−エチル−5−ヨード−N,N−ビス[(4−メトキシフェニル)メチル]ピリジン−2−アミンを固体として得た。LC−MS(ESI,m/z):523.1 [M+H]
工程6:6−クロロ−4−エチル−N,N−ビス[(4−メトキシフェニル)メチル]−5−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−アミン
Figure 2021512136
6−クロロ−4−エチル−5−ヨード−N,N−ビス[(4−メトキシフェニル)メチル]ピリジン−2−アミン(1.20g、2.30mmol)、ヨウ化銅(I)(0.87g、4.60mmol)、及びメチル2,2−ジフルオロ−2−(フルオロスルホニル)アセテート(0.58mL、4.59mmol)のN,N−ジメチルホルムアミド溶液(10mL)を、90℃にて2時間撹拌した。完了後、得られる溶液を水(50mL)で希釈し、酢酸エチルで抽出して(100mL×3)、ブラインで洗浄し(80mL×3)、無水硫酸ナトリウムで乾燥させて真空下にて濃縮した。残留物を、酢酸エチル/石油エーテル(1/10)で溶出するシリカゲルカラムにアプライして、0.70g(70%)の6−クロロ−4−エチル−N,N−ビス[(4−メトキシフェニル)メチル]−5−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−アミンを得た。LC−MS(ESI,m/z):465.1 [M+H]
工程7:6−クロロ−4−エチル−5−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−アミン
Figure 2021512136
6−クロロ−4−エチル−N,N−ビス[(4−メトキシフェニル)メチル]−5−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−アミン(1.20g、2.58mmol)の、ジクロロメタン(10mL)及びトリフルオロ酢酸(10mL)の溶液を40℃にて2時間撹拌した。完了後、得られる溶液を真空下にて濃縮して水(50mL)で希釈し、得られた溶液のpHを炭酸ナトリウム飽和水溶液でpH=8に調節して酢酸エチルで抽出し(100mL×3)、ブラインで洗浄して(80mL×3)無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、真空下にて濃縮した。残留物を、石油エーテル/酢酸エチル(1/10)で溶出するシリカゲルフラッシュクロマトグラフィーにより精製し、0.59g(89.6%)の6−クロロ−4−エチル−5−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−アミンを得た。LC−MS(ESI,m/z):225.0 [M+H]
工程8:tert−ブチル4−[7−[6−アミノ−4−エチル−3−(トリフルオロメチル)−2−ピリジル]−6−クロロ−キナゾリン−4−イル]ピペラジン−1−カルボキシレート
Figure 2021512136
窒素下にて、6−クロロ−4−エチル−5−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−アミン(560.0mg、2.49mmol)、tert−ブチル4−[6−クロロ−7−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)キナゾリン−4−イル]ピペラジン−1−カルボキシレート(1.42g、2.99mmol)、ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)ジクロリド(175.5mg、0.25mmol)、及びフッ化カリウム(289.7mg、4.99mmol)の、アセトニトリル(10mL)及び水(2mL)の溶液を90℃にて1時間撹拌した。完了後、得られる溶液を真空下にて濃縮し、ジクロロメタン(200mL)で希釈してブラインで洗浄し(80mL×3)、無水硫酸ナトリウムで乾燥させて真空下にて濃縮した。残留物を、メタノール/ジクロロメタン(1/20)で溶出するシリカゲルフラッシュクロマトグラフィーにより精製し、250.0mg(18.7%)のtert−ブチル4−[7−[6−アミノ−4−エチル−3−(トリフルオロメチル)−2−ピリジル]−6−クロロ−キナゾリン−4−イル]ピペラジン−1−カルボキシレートを得た。LC−MS(ESI,m/z):537.2 [M+H]
工程9:6−(6−クロロ−4−ピペラジン−1−イル−キナゾリン−7−イル)−4−エチル−5−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−アミン
Figure 2021512136
tert−ブチル4−[7−[6−アミノ−4−エチル−3−(トリフルオロメチル)−2−ピリジル]−6−クロロ−キナゾリン−4−イル]ピペラジン−1−カルボキシレート(250.0mg、0.47mmol)の、ジクロロメタン(10mL)及びトリフルオロ酢酸(2mL)の溶液を25℃にて0.5時間撹拌した。完了後、得られる溶液を真空下にて濃縮して水(50mL)で希釈し、得られた溶液のpHを炭酸ナトリウム飽和水溶液でpH=8に調節して酢酸エチルで抽出し(100mL×3)、ブラインで洗浄して(80mL×3)無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、真空下にて濃縮した。残留物を、メタノール/ジクロロメタン(1/5)で溶出するシリカゲルフラッシュクロマトグラフィーにより精製し、142.0mg(70%)の6−(6−クロロ−4−ピペラジン−1−イル−キナゾリン−7−イル)−4−エチル−5−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−アミンを得た。LC−MS(ESI,m/z):437.1 [M+H]
工程10:1−[4−[7−[6−アミノ−4−エチル−3−(トリフルオロメチル)−2−ピリジル]−6−クロロ−キナゾリン−4−イル]ピペラジン−1−イル]プロプ−2−エン−1−オン
Figure 2021512136
6−(6−クロロ−4−ピペラジン−1−イル−キナゾリン−7−イル)−4−エチル−5−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−アミン(211.0mg、0.48mmol)、アクリル酸(0.05mL、0.72mmol)、N,N−ジイソプロピルエチルアミン(1.0mL、5.74mmol)、及びHATU(220.4mg、0.58mmol)のジクロロメタン溶液(7mL)を、−78℃にて0.5時間撹拌した。完了後、得られる溶液をジクロロメタン(200mL)で希釈し、ブラインで洗浄して(80mL×3)無水硫酸ナトリウムで乾燥させて真空下にて濃縮した。残留物を、ジクロロメタン/メタノール(10/1)で溶出するシリカゲルフラッシュクロマトグラフィーにより精製し、48.4mg(20.1%)の1−[4−[7−[6−アミノ−4−エチル−3−(トリフルオロメチル)−2−ピリジル]−6−クロロ−キナゾリン−4−イル]ピペラジン−1−イル]プロプ−2−エン−1−オンを得た。LC−MS(ESI,m/z):491.1 [M+H]
実施例52:H NMR(400 MHz,DMSO−d6,ppm)δ 8.67(s,1H),8.11(s,1H),7.65(s,1H),6.88−6.81(m,3H),6.54(s,1H),6.18(dd,J=16.7,2.4 Hz,1H),5.75(dd,J=10.4,2.4 Hz,1H),3.86(brs,7H),3.78(brs,1H),2.74−2.68(m,2H),1.24(t,J=7.4 Hz,3H).
実施例53:1−(4−[6−クロロ−7−[6−(メチルアミノ)−3−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル]キナゾリン−4−イル]ピペラジン−1−イル)プロプ−2−エン−1−オン
Figure 2021512136
工程1:tert−ブチルN−[(tert−ブトキシ)カルボニル]−N−[6−クロロ−5−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル]カルバメート
Figure 2021512136
6−クロロ−5−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−アミン(1.04g、5.29mmol)、ジ−tert−ブチルジカーボネート(2.30g、10.54mmol)、トリエチルアミン(1.55g、15.32mmol)、及び4−ジメチルアミノピリジン(70mg、0.57mmol)のジクロロメタン溶液(6mL)を、120分間60℃にて撹拌した。完了後、得られた溶液を酢酸エチル(200mL)で希釈して水で洗浄し(80mL×3)、無水硫酸ナトリウムで乾燥させて真空下にて濃縮した。残留物を、石油エーテル/酢酸エチル(0〜20%)で溶出するシリカゲルカラムにアプライし、1.37g(65%)のtert−ブチルN−[(tert−ブトキシ)カルボニル]−N−[6−クロロ−5−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル]カルバメートを固体として得た。LC−MS(ESI,m/z):397.1 [M+H]
工程2:tert−ブチルN−[6−クロロ−5−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル]カルバメート
Figure 2021512136
tert−ブチルN−[(tert−ブトキシ)カルボニル]−N−[6−クロロ−5−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル]カルバメート(1.37g、3.45mmol)及び水酸化ナトリウム(848.0mg、21.20mmol)の、水(7mL)及びテトラヒドロフラン(7mL)の溶液を120分間70℃にて撹拌した。完了後、HCl/1,4−ジオキサンで、得られた溶液のpHをpH=7.0に調節し、酢酸エチル(200mL)で希釈して水で洗浄し(80mL×3)、無水硫酸ナトリウムで乾燥させて真空下にて濃縮した。残留物を、石油エーテル/酢酸エチル(0〜30%)で溶出するシリカゲルカラムにアプライし、523.0mg(70%)のtert−ブチルN−[6−クロロ−5−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル]カルバメートを固体として得た。LC−MS(ESI,m/z):297.1 [M+H]
工程3:tert−ブチルN−[6−クロロ−5−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル]−N−メチルカルバメート
Figure 2021512136
tert−ブチルN−[6−クロロ−5−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル]カルバメート(1.00g、3.37mmol)のN,N−ジメチルホルムアミド溶液(11mL)に、水素化ナトリウム(206.0mg、8.58mmol)を添加して5分間0℃にて撹拌した。次に、ヨードメタン(1.00g、7.04mmol)を添加して30分間0℃にて撹拌した。完了後、得られる溶液を塩化アンモニウム飽和溶液でクエンチし、(80mL×3)で抽出して(80mL×3)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させて真空下にて濃縮した。残留物を、石油エーテル/酢酸エチル(0〜30%)で溶出するシリカゲルカラムにアプライし、1.00g(95%)のtert−ブチルN−[6−クロロ−5−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル]−N−メチルカルバメートを固体として得た。LC−MS(ESI,m/z):311.1 [M+H]
工程4:tert−ブチル4−[7−(6−[[(tert−ブトキシ)カルボニル](メチル)アミノ]−3−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル)−6−クロロキナゾリン−4−イル]ピペラジン−1−カルボキシレート
Figure 2021512136
窒素下にて、tert−ブチルN−[6−クロロ−5−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル]−N−メチルカルバメート(200.0mg、0.64mmol)、tert−ブチル4−[6−クロロ−7−(テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)キナゾリン−4−イル]ピペラジン−1−カルボキシレート(360.0mg、0.76mmol)、ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)クロリド(45.0mg、0.064mmol)、及びフッ化カリウム(120.0mg、2.07mmol)の、アセトニトリル(3mL)及び水(0.6mL)の溶液を30分間80℃にて撹拌した。完了後、得られる溶液を酢酸エチル(200mL)で抽出し、水で洗浄して(80mL×3)、無水硫酸ナトリウムで乾燥させて真空下にて濃縮した。残留物を、ジクロロメタン/メタノール(0〜10%)で溶出するシリカゲルカラムにアプライし、380mg(95%)のtert−ブチル4−[7−(6−[[(tert−ブトキシ)カルボニル](メチル)アミノ]−3−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル)−6−クロロキナゾリン−4−イル]ピペラジン−1−カルボキシレートを固体として得た。LC−MS(ESI,m/z):623.2 [M+H]
工程5:6−[6−クロロ−4−(ピペラジン−1−イル)キナゾリン−7−イル]−N−メチル−5−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−アミン
Figure 2021512136
tert−ブチル4−[7−(6−[[(tert−ブトキシ)カルボニル](メチル)アミノ]−3−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル)−6−クロロキナゾリン−4−イル]ピペラジン−1−カルボキシレート(380.0mg、0.61mmol)の、トリフルオロ酢酸(3mL)及びジクロロメタン(10mL)の溶液を30分間25℃にて撹拌した。完了後、得られた溶液を真空下にて濃縮し、450.0mg(粗製物)の6−[6−クロロ−4−(ピペラジン−1−イル)キナゾリン−7−イル]−N−メチル−5−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−アミンを褐色油として得た。LC−MS(ESI,m/z):523.2 [M+H]
工程6:1−(4−[6−クロロ−7−[6−(メチルアミノ)−3−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル]キナゾリン−4−イル]ピペラジン−1−イル)プロプ−2−エン−1−オン
Figure 2021512136
6−[6−クロロ−4−(ピペラジン−1−イル)キナゾリン−7−イル]−N−メチル−5−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−アミン(420.0mg、0.99mmol)、プロプ−2−エン酸(97.0mg、1.35mmol)、HATU(410.0mg、1.08mmol)、及びN,N−ジイソプロピルエチルアミン(1mL、6.05mmol)のジクロロメタン溶液(10mL)を、30分間−78℃にて撹拌した。完了後、得られる溶液を水(1mL)でクエンチし、ジクロロメタン(200mL)で希釈して水で洗浄し(80mL×3)、無水硫酸ナトリウムで乾燥させて真空下にて濃縮した。残留物を、ジクロロメタン/メタノール(0〜10%)で溶出するシリカゲルカラムにアプライし、40.1mg(8%)の1−(4−[6−クロロ−7−[6−(メチルアミノ)−3−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル]キナゾリン−4−イル]ピペラジン−1−イル)プロプ−2−エン−1−オンを固体として得た。LC−MS(ESI,m/z):477.1 [M+H]
実施例53:H NMR(400 MHz,メタノール−d4,ppm)δ 8.68(s,1H),8.20(s,1H),7.80−7.76(m,2H),6.85(dd,J=16.8,10.6 Hz,1H),6.65(dd,J=9.0,0.9 Hz,1H),6.30(dd,J=16.8,1.9 Hz,1H),5.83(dd,J=10.6,2.0 Hz,1H),4.03−4.01(m,4H),3.96−3.91(m,4H),2.91(s,3H).
実施例54:1−[(3S)−4−[7−[6−アミノ−3−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル]−6−クロロキナゾリン−4−イル]−3−メチルピペラジン−1−イル]プロプ−2−エン−1−オン
Figure 2021512136
工程1:7−ブロモ−4,6−ジクロロキナゾリン
Figure 2021512136
7−ブロモ−6−クロロ−3,4−ジヒドロキナゾリン−4−オン(10.00g、38.54mmol)の塩化チオニル溶液(40mL)にN,N−ジメチルホルムアミド(0.2mL)を添加し、3時間90℃にて撹拌した。完了後、得られた溶液を真空下にて濃縮した。これにより、11.00g(粗製物)の7−ブロモ−4,6−ジクロロキナゾリンを白色固体として得た。LC−MS(ESI,m/z):276.9 [M+H]
工程2:tert−ブチル(3S)−4−(7−ブロモ−6−クロロキナゾリン−4−イル)−3−メチルピペラジン−1−カルボキシレート
Figure 2021512136
7−ブロモ−4,6−ジクロロキナゾリン(10.00g、35.98mmol)、tert−ブチル(3S)−3−メチルピペラジン−1−カルボキシレート(10.90g、54.424mmol)、及びN,N−ジイソプロピルエチルアミン(9.3g、71.96mmol)の1,4−ジオキサン溶液(50mL)を、1時間90℃にて撹拌した。完了後、得られる溶液を真空下にて濃縮し、ジクロロメタン(300mL)で希釈してブラインで洗浄し(80mL×3)、無水硫酸ナトリウムで乾燥させて真空下にて濃縮した。残留物を、ジクロロメタン/メタノール(20/1)で溶出するシリカゲルフラッシュクロマトグラフィーにより精製し、10.00g(63%)のtert−ブチル(3S)−4−(7−ブロモ−6−クロロキナゾリン−4−イル)−3−メチルピペラジン−1−カルボキシレートを黄色固体として得た。LC−MS(ESI,m/z):441.1 [M+H]
工程3:tert−ブチル(3S)−4−[6−クロロ−7−(テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)キナゾリン−4−イル]−3−メチルピペラジン−1−カルボキシレート
Figure 2021512136
窒素下にて、tert−ブチル(3S)−4−(7−ブロモ−6−クロロキナゾリン−4−イル)−3−メチルピペラジン−1−カルボキシレート(1.00g、2.26mmol)、4,4,5,5−テトラメチル−2−(テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−1,3,2−ジオキサボロラン(1.73g、6.81mmol)、1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン−パラジウム(II)ジクロリドジクロロメタン錯体(186.0mg、0.23mmol)、及び酢酸カリウム(450mg、4.585mmol)の1,4−ジオキサン溶液(8mL)を、1時間90℃にて撹拌した。完了後、得られる溶液をジクロロメタン(200mL)で希釈し、ブラインで洗浄して(80mL×3)無水硫酸ナトリウムで乾燥させて真空下にて濃縮した。残留物を、水:アセトニトリル(5%〜60%)で逆相にアプライした。これにより、1.2g(36%)のtert−ブチル(3S)−4−[6−クロロ−7−(テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル−2)キナゾリン−4−イル]−3−メチルピペラジン−1−カルボキシレートを白色固体として得た。LC−MS(ESI,m/z):489.2 [M+H]
工程4:tert−ブチル(3S)−4−[7−[6−アミノ−3−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル]−6−クロロキナゾリン−4−イル]−3−メチルピペラジン−1−カルボキシレート
Figure 2021512136
窒素下にて、tert−ブチル(3S)−4−[6−クロロ−7−(テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)キナゾリン−4−イル]−3−メチルピペラジン−1−カルボキシレート(800.0mg、1.64mmol)、6−クロロ−5−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−アミン(257.0mg、1.31mmol)、ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)クロリド(115.0mg、0.16mmol)、及びフッ化カリウム(190.0mg、3.27mmol)の、アセトニトリル(6mL)及び水(1mL)の溶液を1時間110℃にて撹拌した。完了後、得られる溶液をジクロロメタン(200mL)で希釈し、ブラインで洗浄して(80mL×3)無水硫酸ナトリウムで乾燥させて真空下にて濃縮した。残留物を、メタノール/ジクロロメタン(1/20)で溶出するシリカゲルカラムにアプライし、80.0mg(9%)のtert−ブチル(3S)−4−[7−[6−アミノ−3−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル]−6−クロロキナゾリン−4−イル]−3−メチルピペラジン−1−カルボキシレートを黄色固体として得た。LC−MS(ESI,m/z):523.2 [M+H]
工程5:6−[6−クロロ−4−[(2S)−2−メチルピペラジン−1−イル]キナゾリン−7−イル]−5−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−アミン
Figure 2021512136
tert−ブチル(3S)−4−[7−[6−アミノ−3−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル]−6−クロロキナゾリン−4−イル]−3−メチルピペラジン−1−カルボキシレート(100.0mg、0.19mmol)の、トリフルオロ酢酸(1mL)及びジクロロメタン(3mL)溶液を1時間室温で撹拌した。完了後、得られる溶液を真空下にて濃縮し、水(50mL)で希釈し、得られた溶液のpHを、炭酸ナトリウム飽和水溶液で8に調節して酢酸エチルで抽出し(100mL×3)、無水硫酸ナトリウムで乾燥させて真空下にて濃縮した。これにより、90mg(粗製物)の6−[6−クロロ−4−[(2S)−2−メチルピペラジン−1−イル]キナゾリン−7−イル]−5−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−アミンを灰色固体として得た。LC−MS(ESI,m/z):423.1 [M+H]
工程6:1−[(3S)−4−[7−[6−アミノ−3−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル]−6−クロロキナゾリン−4−イル]−3−メチルピペラジン−1−イル]プロプ−2−エン−1−オン
Figure 2021512136
6−[6−クロロ−4−[(2S)−2−メチルピペラジン−1−イル]キナゾリン−7−イル]−5−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−アミン(200.0mg、0.47mmol)、プロプ−2−エン酸(41.0mg、0.57mmol)、HATU(270.0mg、0.71mmol)、及びN,N−ジイソプロピルエチルアミン(122.0mg、0.94mmol)のジクロロメタン溶液(5mL)を、30分間−78℃にて撹拌した。完了後、得られる溶液を水(1mL)でクエンチし、ジクロロメタン(200mL)で希釈してブラインで洗浄し(80mL×3)、無水硫酸ナトリウムで乾燥させて真空下にて濃縮した。残留物を、ジクロロメタン/メタノール(20/1)で溶出するシリカゲルカラムにアプライした。生成物を、以下の条件で分取HPLCにより調製した:カラム:X Bridge C18、19*150mm、5um;移動相A:水/0.05%TFA、移動相B:ACN;流速:20mL/分;勾配:10分で30%B〜70%B;254nmで分取HPLCにより調製した。これにより、30.5mg(14%)の1−[(3S)−4−[7−[6−アミノ−3−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル]−6−クロロキナゾリン−4−イル]−3−メチルピペラジン−1−イル]プロプ−2−エン−1−オンを白色固体として得た。LC−MS(ESI,m/z):477.1 [M+H]
実施例54:H NMR(400 MHz,メタノール−d4,ppm)δ 8.69(s,1H),8.12(s,1H),7.84(d,J=8.9 Hz,1H),7.77(s,1H),6.92−6.80(m,1H),6.74(dd,J=8.9,0.8 Hz,1H),6.31(dd,J=16.9,5.7 Hz,1H),5.84(dd,J=10.7,1.9 Hz,1H),4.59−4.41(m,1H),4.34−4.29(m,1H),4.23−4.05(m,1H),3.85−3.60(m,2H),3.39−3.37(m,1H),3.26−3.19(m,1H),1.44(d,J=6.8 Hz,3H).
実施例55:2−[4−[7−[6−アミノ−4−メチル−3−(トリフルオロメチル)−2−ピリジル]−6−クロロ−2−[[(2S)−1−メチルピロリジン−2−イル]メトキシ]キナゾリン−4−イル]−1−(2−フルオロプロプ−2−エノイル)ピペラジン−2−イル]アセトニトリル
Figure 2021512136
工程1:tert−ブチル4−(7−ブロモ−2,6−ジクロロキナゾリン−4−イル)−2−(シアノメチル)ピペラジン−1−カルボキシレート
Figure 2021512136
7−ブロモ−2,4,6−トリクロロキナゾリン(536.5mg、1.67mmol)の1,4−ジオキサン溶液(7.5ml)に、N,N−ジイソプロピルエチルアミン(1.00ml、6.00mmol)及び2−ピペラジン−2−イルアセトニトリルジヒドロクロリド(300mg、1.50mmol)を添加した。反応混合物を60℃にて1時間撹拌した。反応混合物を室温まで冷却した後4−ジメチルアミノピリジン(37.5mg、0.303mmol)及びジ−tert−ブチルジカーボネート(1022mg、4.54mmol)を添加した。反応混合物を室温で18時間撹拌した。水で反応をクエンチし、EtOAcで抽出した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させてフィルタにかけ、ロータリーエバポレーターで濃縮した。粗生成物を、シリカフラッシュクロマトグラフィー(MeOH/DCMで溶出)により精製してtert−ブチル4−(7−ブロモ−2,6−ジクロロキナゾリン−4−イル)−2−(シアノメチル)ピペラジン−1−カルボキシレート(562mg、74%)を得た。LCMS(ESI,m/z):501.9 [M+H]
工程2:tert−ブチル4−(7−ブロモ−6−クロロ−2−(((S)−1−メチルピロリジン−2−イル)メトキシ)キナゾリン−4−イル)−2−(シアノメチル)ピペラジン−1−カルボキシレート
Figure 2021512136
[(2S)−1−メチルピロリジン−2−イル]メタノール(0.334mL、2.70mmol)のテトラヒドロフラン溶液(18mL)に、油(108mg、2.70mmol)中の水素化ナトリウム(60質量%)を室温で添加した後、20分間撹拌した。反応物を0℃まで冷却し、tert−ブチル4−(7−ブロモ−2,6−ジクロロキナゾリン−4−イル)−2−(シアノメチル)ピペラジン−1−カルボキシレート(450mg、0.90mmol)のテトラヒドロフラン溶液(3mL)を添加した。反応物を室温まで温め、1時間撹拌した。反応混合物を水でクエンチし、EtOAcで抽出した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させてフィルタにかけ、ロータリーエバポレーターで濃縮した。粗生成物を、シリカフラッシュクロマトグラフィー(MeOH/DCMで溶出)により精製し、tert−ブチル4−(7−ブロモ−6−クロロ−2−(((S)−1−メチルピロリジン−2−イル)メトキシ)キナゾリン−4−イル)−2−(シアノメチル)ピペラジン−1−カルボキシレート(224mg、43%)を得た。LCMS(ESI,m/z):579.1 [M+H]
工程3:tert−ブチル4−(6−クロロ−2−(((S)−1−メチルピロリジン−2−イル)メトキシ)−7−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)キナゾリン−4−イル)−2−(シアノメチル)ピペラジン−1−カルボキシレート
Figure 2021512136
tert−ブチル4−(7−ブロモ−6−クロロ−2−(((S)−1−メチルピロリジン−2−イル)メトキシ)キナゾリン−4−イル)−2−(シアノメチル)ピペラジン−1−カルボキシレート(220mg、0.379mmol)及びビス(ピナコラト)ジボロン(147mg、0.570mmol)の1,4−ジオキサン溶液(7.0mL)に、酢酸カリウム(55.9mg、0.570mmol)及び[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)ジクロロメタン錯体(28.0mg、0.038mmol)を添加した。反応混合物を脱気した後、95℃にて2時間加熱した。反応物を、セライトを通してフィルタにかけて濃縮し、tert−ブチル4−(6−クロロ−2−(((S)−1−メチルピロリジン−2−イル)メトキシ)−7−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)キナゾリン−4−イル)−2−(シアノメチル)ピペラジン−1−カルボキシレートを得た。粗生成物を次工程に移した。LCMS(ESI,m/z):545.1 [M+H](LCMSはボロン酸の質量を表す)。
工程4:tert−ブチル4−(7−(6−アミノ−4−メチル−3−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル)−6−クロロ−2−(((S)−1−メチルピロリジン−2−イル)メトキシ)キナゾリン−4−イル)−2−(シアノメチル)ピペリジン−1−カルボキシレート
Figure 2021512136
tert−ブチル4−(6−クロロ−2−(((S)−1−メチルピロリジン−2−イル)メトキシ)−7−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)キナゾリン−4−イル)−2−(シアノメチル)ピペラジン−1−カルボキシレート(240mg、0.383mmol)、6−ブロモ−4−メチル−5−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−アミン(195.0mg、0.766mmol)、ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)ジクロリド(27.0mg、0.038mmol)、フッ化カリウム(223mg、3.83mmol)の、1,4−ジオキサン(7.0mL)及び水(3.5mL)の懸濁液を脱気した。反応混合物を電子レンジにより、125℃にて25分間加熱した。反応物をセライトに通してフィルタにかけた。粗生成物を、シリカフラッシュクロマトグラフィー(MeOH/DCMで溶出)により精製し、tert−ブチル4−(7−(6−アミノ−4−メチル−3−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル)−6−クロロ−2−(((S)−1−メチルピロリジン−2−イル)メトキシ)キナゾリン−4−イル)−2−(シアノメチル)ピペラジン−1−カルボキシレート(112mg、43%)を得た。LCMS(ESI,m/z):675.4 [M+H]
工程5:2−(4−(7−(6−アミノ−4−メチル−3−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル)−6−クロロ−2−(((S)−1−メチルピロリジン−2−イル)メトキシ)キナゾリン−4−イル)ピペラジン−2−イル)アセトニトリル
Figure 2021512136
tert−ブチル4−(7−(6−アミノ−4−メチル−3−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル)−6−クロロ−2−(((S)−1−メチルピロリジン−2−イル)メトキシ)キナゾリン−4−イル)−2−(シアノメチル)ピペラジン−1−カルボキシレート(112mg、0.166mmol)の、ヘキサフルオロイソプロパノールの5%トリフルオロ酢酸溶液(2.509mL、1.66mmol)を、室温で4時間撹拌した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させてフィルタにかけ、ロータリーエバポレーターで濃縮した。反応物を濃縮して粗生成物をHPLCにより精製し、2−(4−(7−(6−アミノ−4−メチル−3−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル)−6−クロロ−2−(((S)−1−メチルピロリジン−2−イル)メトキシ)キナゾリン−4−イル)ピペラジン−2−イル)アセトニトリル(50mg、52%)を得た。LCMS(ESI,m/z):575.2 [M+H]
工程6:2−[4−[7−[6−アミノ−4−メチル−3−(トリフルオロメチル)−2−ピリジル]−6−クロロ−2−[[(2S)−1−メチルピロリジン−2−イル]メトキシ]キナゾリン−4−イル]−1−(2−フルオロプロプ−2−エノイル)ピペラジン−2−イル]アセトニトリル
Figure 2021512136
2−(4−(7−(6−アミノ−4−メチル−3−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル)−6−クロロ−2−(((S)−1−メチルピロリジン−2−イル)メトキシ)キナゾリン−4−イル)ピペラジン−2−イル)アセトニトリル(60mg、0.10mmol)、2−フルオロプロプ−2−エノイルオキシナトリウム(14mg、0.13mmol)、及びN,N−ジイソプロピルエチルアミン(0.09mL、0.52mmol)のN,N−ジメチルホルムアミド溶液(2.0mL)にHATU(83.5mg、0.21mmol)を0℃で添加し、20分間撹拌した。水で反応をクエンチし、EtOAcで抽出した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させてフィルタにかけ、ロータリーエバポレーターで濃縮した。粗生成物をHPLC(FA5〜50%、15分)により精製し、2−[4−[7−[6−アミノ−4−メチル−3−(トリフルオロメチル)−2−ピリジル]−6−クロロ−2−[[(2S)−1−メチルピロリジン−2−イル]メトキシ]キナゾリン−4−イル]−1−(2−フルオロプロプ−2−エノイル)ピペラジン−2−イル]アセトニトリル(34mg、50%)を得た。
実施例55:H NMR(400 MHz,DMSO−d6)δ 8.17−8.06(m,1H),7.42(d,J=3.2 Hz,1H),6.77(d,J=2.9 Hz,2H),6.46(s,1H),5.48−5.18(m,2H),4.86(s,1H),4.36(dt,J=11.3,5.7 Hz,1H),4.21(qd,J=10.4,9.0,6.0 Hz,3H),3.11−2.93(m,2H),2.63(s,1H),2.40−2.34(m,6H),2.23(q,J=8.4 Hz,2H),2.02−1.88(m,1H),1.67(tdd,J=16.1,9.6,4.8 Hz,3H).LCMS(ESI,m/z):647.3 [M+H]
実施例56:2−[4−[7−[6−アミノ−4−メチル−3−(トリフルオロメチル)−2−ピリジル]−6−クロロ−2−[[(2S,4R)−4−フルオロ−1−メチル−ピロリジン−2−イル]メトキシ]キナゾリン−4−イル]−1−(2−フルオロプロプ−2−エノイル)ピペラジン−2−イル]アセトニトリル
Figure 2021512136
実施例56の工程2において、((2S,4R)−4−フルオロ−1−メチルピロリジン−2−イル)メタノールを、代替試薬として[(2S)−1−メチルピロリジン−2−イル]メタノールの代わりに使用したことを除いて、実施例55と同じ手順に従い実施例56を調製した。
実施例56:H NMR(400 MHz,DMSO−d6)δ 8.10(d,J=3.9 Hz,1H),7.43(d,J=3.1 Hz,1H),6.77(d,J=2.8 Hz,2H),6.46(s,1H),5.41(dd,J=18.0,4.1 Hz,1H),5.37−5.08(m,2H),4.39(ddd,J=11.5,7.6,4.7 Hz,1H),4.25(ddq,J=24.9,12.6,5.3 Hz,3H),2.92(dd,J=10.2,5.3 Hz,2H),2.40(s,3H),2.38−2.33(m,3H),2.22−2.04(m,1H),1.91(dddd,J=33.6,14.8,9.8,5.9 Hz,1H).LCMS(ESI,m/z):665.3 [M+H]
実施例57:1−[4−[7−[6−アミノ−4−メチル−3−(トリフルオロメチル)−2−ピリジル]−6−クロロ−2−[[(2S)−1−メチルピロリジン−2−イル]メトキシ]キナゾリン−4−イル]−2−(フルオロメチル)ピペラジン−1−イル]−2−フルオロ−プロプ−2−エン−1−オン
Figure 2021512136
実施例57の工程1において、tert−ブチル2−(フルオロメチル)ピペラジン−1−カルボキシレートヒドロクリロドを、代替試薬として2−ピペラジン−2−イルアセトニトリルジヒドロクロリドの代わりに使用したことを除いて、実施例55と同じ手順に従い実施例57を調製した。
実施例57:H NMR(400 MHz,DMSO−d6)δ 8.04(d,J=1.5 Hz,1H),7.42(d,J=1.7 Hz,1H),6.78(d,J=2.9 Hz,2H),6.46(s,1H),5.43−5.18(m,2H),4.74(d,J=43.0 Hz,3H),4.43−4.12(m,5H),2.99−2.93(m,1H),2.63−2.53(m,1H),2.36(s,6H),2.18(q,J=8.6 Hz,1H),2.01−1.89(m,1H),1.74−1.56(m,4H).LCMS(ESI,m/z):640.3 [M+H]
実施例58:2−[(2R)−4−[7−[6−アミノ−4−メチル−3−(トリフルオロメチル)−2−ピリジル]−6−クロロ−2−[[(2S,4R)−4−フルオロ−1−メチル−ピロリジン−2−イル]メトキシ]キナゾリン−4−イル]−1−(2−フルオロプロプ−2−エノイル)−5−メチル−ピペラジン−2−イル]アセトニトリル:
Figure 2021512136
実施例58の工程1において、2−((2R)−5−メチルピペラジン−2−イル)アセトニトリル(中間体2)を2−ピペラジン−2−イルアセトニトリルジヒドロクロリドの代わりに使用し、実施例58の工程2において、[(2S)−1−メチルピロリジン−2−イル]メタノールの代わりに、((2S,4R)−4−フルオロ−1−メチルピロリジン−2−イル)メタノールを代替試薬として使用したことを除いて、実施例55と同じ手順に従い実施例58を作製した。
実施例58:H NMR(400 MHz,DMSO−d6)δ 8.08(d,J=10.5 Hz,1H),7.43(d,J=2.5 Hz,1H),6.77(s,2H),6.46(d,J=1.5 Hz,1H),5.49−4.92(m,4H),4.64(s,1H),4.38(dt,J=10.6,5.1 Hz,1H),4.34−4.22(m,1H),4.21−3.93(m,2H),3.71(d,J=29.2 Hz,2H),3.53−3.37(m,2H),3.07−2.84(m,2H),2.40(dd,J=2.4,1.1 Hz,4H),2.38−2.34(m,3H),2.13(ddd,J=25.1,10.7,4.0 Hz,1H),2.02−1.80(m,1H),1.15(d,J=8.5 Hz,3H).LCMS(ESI,m/z):679.3 [M+H]
実施例59a及び59b:1−((S)−4−((R)−7−(6−アミノ−4−メチル−3−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル)−8−フルオロ−2−(((S)−1−メチルピロリジン−2−イル)メトキシ)−6−((トリフルオロメチル)チオ)キナゾリン−4−イル)−3−メチルピペラジン−1−イル)プロプ−2−エン−1−オン(実施例59a)及び1−((S)−4−((S)−7−(6−アミノ−4−メチル−3−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル)−8−フルオロ−2−(((S)−1−メチルピロリジン−2−イル)メトキシ)−6−((トリフルオロメチル)チオ)キナゾリン−4−イル)−3−メチルピペラジン−1−イル)プロプ−2−エン−1−オン(実施例59b)
Figure 2021512136
工程1:2−アミノ−4−ブロモ−3−フルオロ−5−ヨード安息香酸
Figure 2021512136
2−アミノ−4−ブロモ−3−フルオロ安息香酸(31.0g、132.47mmol)及びN−ヨードスクシンイミド(32.86g、146.05mmol)のN,N−ジメチルホルムアミド溶液(100mL)を、80℃にて2時間撹拌した。LC−MSは、所望の生成物の形成を示した。得られた溶液を水(2L)で希釈してフィルタにかけ、固体を収集して水で洗浄して2−アミノ−4−ブロモ−3−フルオロ−5−ヨード−安息香酸(45g、125.03mmol、収率94.4%)を黄色固体として得た。LC−MS:(ESI,m/z):357.9 [M−H]
工程2:7−ブロモ−8−フルオロ−6−ヨードキナゾリン−2,4(1H,3H)−ジオン
Figure 2021512136
尿素(352.0g、5860.8mmol)及び2−アミノ−4−ブロモ−3−フルオロ−5−ヨード安息香酸(44.0g、122.25mmol)の溶液を、200℃で1時間撹拌した。LC−MSは、所望の生成物の形成を示した。反応物を80℃まで冷却した後、水で希釈した。フィルタにかけた後、固体を収集して水(約50℃)で洗浄して、7−ブロモ−8−フルオロ−6−ヨードキナゾリン−2,4(1H,3H)−ジオン(45g、116.9mmol、収率95.6%)を黄色固体として得た。LC−MS:(ESI,m/z):382.8 [M−H]
工程3:7−ブロモ−2,4−ジクロロ−8−フルオロ−6−ヨードキナゾリン
Figure 2021512136
7−ブロモ−8−フルオロ−6−ヨードキナゾリン−2,4(1H,3H)−ジオン(1.0g、2.6mmol)及びN,N−ジメチルアニリン(0.99mL、7.79mmol)のオキシ塩化リン溶液(10mL、107.28mmol)を80℃にて2時間撹拌した。完了したら、粗生成物を次工程にて直接使用した。
工程4:tert−ブチル(S)−4−(7−ブロモ−2−クロロ−8−フルオロ−6−ヨードキナゾリン−4−イル)−3−メチルピペラジン−1−カルボキシレート
Figure 2021512136
7−ブロモ−2,4−ジクロロ−8−フルオロ−6−ヨードキナゾリン(2.2g、5.22mmol)、及びN,N−ジイソプロピルエチルアミン(4.58mL、26.31mmol)の1,4−ジオキサン溶液(20mL)を、25℃にて2分間撹拌した。tert−ブチル(3S)−3−メチル−1−ピペラジンカルボキシレート(3.1g、15.48mmol)を添加して、25℃にて1時間撹拌した。完了したら、反応物を真空下にて濃縮して、残留物を、石油エーテル/酢酸エチル(85:15)で溶出するシリカゲルフラッシュクロマトグラフィーにより精製し、tert−ブチル(S)−4−(7−ブロモ−2−クロロ−8−フルオロ−6−ヨードキナゾリン−4−イル)−3−メチルピペラジン−1−カルボキシレート(700mg、1.1953mmol、収率22.9%)を黄色固体として得た。LC−MS:(ESI,m/z):584.9 [M+H]
工程5:tert−ブチル(S)−4−(7−ブロモ−2,8−ジフルオロ−6−ヨードキナゾリン−4−イル)−3−メチルピペラジン−1−カルボキシレート
Figure 2021512136
tert−ブチル(S)−4−(7−ブロモ−2−クロロ−8−フルオロ−6−ヨードキナゾリン−4−イル)−3−メチルピペラジン−1−カルボキシレート(5.0g、8.54mmol)及びフッ化カリウム(2.5g、43.03mmol)のN,N−ジメチルアセトアミド溶液(10mL)を、120℃にて2時間撹拌した。完了したら、溶液を酢酸エチルで希釈して水で洗浄した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、真空下にて濃縮した。残留物を、石油エーテル/酢酸エチル(9:1)で溶出するシリカゲルフラッシュクロマトグラフィーにより精製し、tert−ブチル(S)−4−(7−ブロモ−2,8−ジフルオロ−6−ヨードキナゾリン−4−イル)−3−メチルピペラジン−1−カルボキシレート(3.1g、5.4mmol、収率63.8%)を黄色固体として得た。LC−MS:(ESI,m/z):569.0 [M+H]
工程6:tert−ブチル(S)−4−(7−ブロモ−2,8−ジフルオロ−6−((トリフルオロメチル)チオ)キナゾリン−4−イル)−3−メチルピペラジン−1−カルボキシレート
Figure 2021512136
窒素下にて、tert−ブチル(S)−4−(7−ブロモ−2,8−ジフルオロ−6−ヨードキナゾリン−4−イル)−3−メチルピペラジン−1−カルボキシレート(1.0g、1.76mmol)、ヨウ化銅(I)(3400mg、17.85mmol)、及びトリフルオロメタンチオール銀(I)(1.1g、5.26mmol)のN,N−ジメチルホルムアミド溶液(10mL)を、90℃にて2時間、マイクロ波の元で撹拌した。完了したら、残余部分を、メタノール/水(97:3)で溶出するC18ゲルフラッシュクロマトグラフィーにより精製し、tert−ブチル(S)−4−(7−ブロモ−2,8−ジフルオロ−6−((トリフルオロメチル)チオ)キナゾリン−4−イル)−3−メチルピペラジン−1−カルボキシレートを得た。LC−MS:(ESI,m/z):543.1 [M+H]
工程7:tert−ブチル(S)−4−(7−(6−(ビス(4−メトキシベンジル)アミノ)−4−メチルピリジン−2−イル)−2,8−ジフルオロ−6−((トリフルオロメチル)チオ)キナゾリン−4−イル)−3−メチルピペラジン−1−カルボキシレート
Figure 2021512136
窒素下にて、tert−ブチル(S)−4−(7−ブロモ−2,8−ジフルオロ−6−((トリフルオロメチル)チオ)キナゾリン−4−イル)−3−メチルピペラジン−1−カルボキシレート(2.0g、3.68mmol)、N,N−ビス[(4−メトキシフェニル)メチル]−4−メチル−6−トリブチルスタンニル−ピリジン−2−アミン(3.5g、5.49mmol)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(2.1g、1.82mmol)、ヨウ化銅(I)(400mg、2.1mmol)、及び塩化リチウム(400.0mg、9.22mmol)の1,4−ジオキサン溶液(20mL)を添加し、90℃にて16時間撹拌した。完了したら、反応物をフィルタにかけ、濾液を酢酸エチルで希釈して水で洗浄した。有機層を減圧下にて濃縮した。残留物を、石油エーテル/酢酸エチル(80:20)で溶出するシリカゲルフラッシュクロマトグラフィーにより精製し、tert−ブチル(S)−4−(7−(6−(ビス(4−メトキシベンジル)アミノ)−4−メチルピリジン−2−イル)−2,8−ジフルオロ−6−((トリフルオロメチル)チオ)キナゾリン−4−イル)−3−メチルピペラジン−1−カルボキシレート(1.6g、1.9mmol、収率53.6%)を黄色油として得た。LC−MS:(ESI,m/z):811.3 [M+H]
工程8:tert−ブチル(3S)−4−(7−(6−(ビス(4−メトキシベンジル)アミノ)−3−ヨード−4−メチルピリジン−2−イル)−2,8−ジフルオロ−6−((トリフルオロメチル)チオ)キナゾリン−4−イル)−3−メチルピペラジン−1−カルボキシレート
Figure 2021512136
tert−ブチル(S)−4−(7−(6−(ビス(4−メトキシベンジル)アミノ)−4−メチルピリジン−2−イル)−2,8−ジフルオロ−6−((トリフルオロメチル)チオ)キナゾリン−4−イル)−3−メチルピペラジン−1−カルボキシレート(3.7g、4.56mmol)、N−ヨードスクシンイミド(1.25g、5.59mmol)、及びp−トルエンスルホン酸一水和物(44.0mg、0.23mmol)のN,N−ジメチルホルムアミド溶液(20mL)を、25℃にて1時間撹拌した。完了したら、溶液を酢酸エチルで希釈して分液漏斗に移し、水で洗浄した。有機層を合わせて無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、真空下にて濃縮した。残留物を、石油エーテル/酢酸エチル(75:25)で溶出するシリカゲルフラッシュクロマトグラフィーにより精製し、tert−ブチル(3S)−4−(7−(6−(ビス(4−メトキシベンジル)アミノ)−3−ヨード−4−メチルピリジン−2−イル)−2,8−ジフルオロ−6−((トリフルオロメチル)チオ)キナゾリン−4−イル)−3−メチルピペラジン−1−カルボキシレートを(1.1g、1.1mmol、収率25.7%)を黄色油として得た。LC−MS:(ESI,m/z):937.1 [M+H]
工程9:tert−ブチル(3S)−4−(7−(6−(ビス(4−メトキシベンジル)アミノ)−4−メチル−3−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル)−2,8−ジフルオロ−6−((トリフルオロメチル)チオ)キナゾリン−4−イル)−3−メチルピペラジン−1−カルボキシレート
Figure 2021512136
窒素下にて、tert−ブチル(3S)−4−(7−(6−(ビス(4−メトキシベンジル)アミノ)−3−ヨード−4−メチルピリジン−2−イル)−2,8−ジフルオロ−6−((トリフルオロメチル)チオ)キナゾリン−4−イル)−3−メチルピペラジン−1−カルボキシレート(200.0mg、0.21mmol)、メチル2,2−ジフルオロ−2−(フルオロスルホニル)アセテート(1000.0mg、5.21mmol)、及びヨウ化銅(I)(404mg、2.12mmol)のN,N−ジメチルアセトアミド溶液(10mL)を添加し、90℃にて2時間撹拌した。完了したら、反応物をフィルタにかけ、濾液を減圧下にて濃縮して、酢酸エチルで抽出して水で洗浄した。有機層を合わせて無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、真空下にて濃縮した。残留物を、石油エーテル/酢酸エチル(80:20)で溶出するシリカゲルフラッシュクロマトグラフィーにより精製し、tert−ブチル(3S)−4−(7−(6−(ビス(4−メトキシベンジル)アミノ)−4−メチル−3−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル)−2,8−ジフルオロ−6−((トリフルオロメチル)チオ)キナゾリン−4−イル)−3−メチルピペラジン−1−カルボキシレート(160mg、0.18mmol、収率85.3%)を黄色油として得た。LC−MS:(ESI,m/z):879.2 [M+H]
工程10:tert−ブチル(3S)−4−(7−(6−(ビス(4−メトキシベンジル)アミノ)−4−メチル−3−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル)−8−フルオロ−2−(((S)−1−メチルピロリジン−2−イル)メトキシ)−6−((トリフルオロメチル)チオ)キナゾリン−4−イル)−3−メチルピペラジン−1−カルボキシレート
Figure 2021512136
水素化ナトリウム(165.0mg、4.12mmol)のテトラヒドロフラン溶液(50mL)を、25℃にて5分間撹拌した。N−メチル−l−プロリノール(412.5mg、3.58mmol)を添加し、25℃にて10分間撹拌した。次に、tert−ブチル(3S)−4−(7−(6−(ビス(4−メトキシベンジル)アミノ)−4−メチル−3−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル)−2,8−ジフルオロ−6−((トリフルオロメチル)チオ)キナゾリン−4−イル)−3−メチルピペラジン−1−カルボキシレート(1650.0mg、1.88mmol)を添加して、25℃にて10分間撹拌した。完了したら、反応物を濃縮して、粗製物のtert−ブチル(3S)−4−(7−(6−(ビス(4−メトキシベンジル)アミノ)−4−メチル−3−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル)−8−フルオロ−2−(((S)−1−メチルピロリジン−2−イル)メトキシ)−6−((トリフルオロメチル)チオ)キナゾリン−4−イル)−3−メチルピペラジン−1−カルボキシレート(1.5g、1.54mmol、収率82%)を得た。これを更に精製することなく、次工程にて使用した。LC−MS:(ESI,m/z):974.4 [M+H]
工程11:6−(8−フルオロ−4−((S)−2−メチルピペラジン−1−イル)−2−(((S)−1−メチルピロリジン−2−イル)メトキシ)−6−((トリフルオロメチル)チオ)キナゾリン−7−イル)−4−メチル−5−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−アミン
Figure 2021512136
tert−ブチル(3S)−4−(7−(6−(ビス(4−メトキシベンジル)アミノ)−4−メチル−3−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル)−8−フルオロ−2−(((S)−1−メチルピロリジン−2−イル)メトキシ)−6−((トリフルオロメチル)チオ)キナゾリン−4−イル)−3−メチルピペラジン−1−カルボキシレート(1.3g、1.33mmol)の2,2,2−トリフルオロ酢酸溶液(20mL)を、60℃にて16時間撹拌した。完了したら、反応物を濃縮した。残留物を、メタノール/水(25/75)及び(60/40)で溶出するシリカゲルフラッシュクロマトグラフィーにより精製し、6−(8−フルオロ−4−((S)−2−メチルピペラジン−1−イル)−2−(((S)−1−メチルピロリジン−2−イル)メトキシ)−6−((トリフルオロメチル)チオ)キナゾリン−7−イル)−4−メチル−5−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−アミン(410mg、0.6mmol、収率48.5%)を黄色油として得た。LC−MS:(ESI,m/z):634.2 [M+H]
工程12:1−((S)−4−((R)−7−(6−アミノ−4−メチル−3−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル)−8−フルオロ−2−(((S)−1−メチルピロリジン−2−イル)メトキシ)−6−((トリフルオロメチル)チオ)キナゾリン−4−イル)−3−メチルピペラジン−1−イル)プロプ−2−エン−1−オン(実施例59a)及び1−((S)−4−((S)−7−(6−アミノ−4−メチル−3−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル)−8−フルオロ−2−(((S)−1−メチルピロリジン−2−イル)メトキシ)−6−((トリフルオロメチル)チオ)キナゾリン−4−イル)−3−メチルピペラジン−1−イル)プロプ−2−エン−1−オン(実施例59b)
Figure 2021512136
N,N−ジイソプロピルエチルアミン(288.0mg、2.23mmol)及び6−(8−フルオロ−4−((S)−2−メチルピペラジン−1−イル)−2−(((S)−1−メチルピロリジン−2−イル)メトキシ)−6−((トリフルオロメチル)チオ)キナゾリン−7−イル)−4−メチル−5−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−アミン(720.0mg、1.14mmol)のジクロロメタン溶液(50mL)を、−78℃にて5分間撹拌した。次に、塩化アクリロイル(108.0mg、1.19mmol)を添加して、反応物を−78℃にて30分間撹拌した。完了したら、メタノールで反応をクエンチしてジクロロメタンで希釈した。得られた混合物を分液漏斗に注ぎ、水で洗浄した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、真空下にて濃縮した。残留物を、アセトニトリル/水(65:35)で溶出するC18ゲルフラッシュクロマトグラフィーにより精製し、粗生成物を得た。粗生成物を分取HPLC(カラム:Xselect CSH OBD Column 30*150mm 5um,n;移動相A:水(0.1%FA)、移動相B:ACN;流速:60mL/分)により精製した。得られた生成物を、キラル分取HPLC(カラム:CHIRALPAK IC、2*25cm、5um;移動相A:ヘキサン:DCM=3:1(10mM NH−MeOH)−−HPLC、移動相B:EtOH−−HPLC;流速:15mL/分)により精製し、1−((S)−4−((R)−7−(6−アミノ−4−メチル−3−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル)−8−フルオロ−2−(((S)−1−メチルピロリジン−2−イル)メトキシ)−6−((トリフルオロメチル)チオ)キナゾリン−4−イル)−3−メチルピペラジン−1−イル)プロプ−2−エン−1−オンを白色固体として、及び1−((S)−4−((S)−7−(6−アミノ−4−メチル−3−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル)−8−フルオロ−2−(((S)−1−メチルピロリジン−2−イル)メトキシ)−6−((トリフルオロメチル)チオ)キナゾリン−4−イル)−3−メチルピペラジン−1−イル)プロプ−2−エン−1−オン(44.5mg、0.06mmol、収率5.7%)を白色固体として得た。
実施例59a:LC−MS:(ESI,m/z):688.2 [M+H]H NMR(300 MHz,DMSO,ppm)δ 8.12(d,J=21 Hz,1H),6.84(s,3H),6.50(s,1H),6.18(d,J=36.0 Hz,1H),5.75(dd,J=2.4,10.2 Hz,1H),4.75−4.63(m,1H),4.47−4.00(m,5H),3.67−3.55(m,2H),3.25−3.16(m,1H),3.02−2.92(m,1H),2.66−2.55(m,1H),2.38(s,6H),2.25−2.15(m,1H),2.02−1.85(m,1H),1.75−1.55(m,3H),1.45−1.26(m,3H).キラルHPLC:CHIRALPAK IC−3(0.46*5cm;3um);254nmにて検出;n−ヘキサン/ジクロロメタン=3/1(0.1%ジエチルアミン);流速=1.0mL/分;保持時間:0.9分(速いピーク)。
実施例59b:LC−MS:(ESI,m/z):688.2 [M+H]H NMR(300 MHz,DMSO,ppm)δ 8.13(s,1H),6.92−6.84(m,3H),6.51(s,1H),6.20(d,J=30.0 Hz,1H),5.75(dd,J=2.4,10.2 Hz,1H),4.75(s,1H),4.45−4.35(m,1H),4.30−3.90(m,4H),3.80−3.55(m,2H),3.28−3.04(m,1H),3.01−2.90(m,1H),2.65−2.55(m,1H),2.43−2.31(m,6H),2.23−2.11(m,1H),2.04−1.87(m,1H),1.75−1.55(m,3H),1.34(d,J=6.6 Hz,3H).キラルHPLC:CHIRALPAK IC−3(0.46*5cm;3um);254nmにて検出;n−ヘキサン/ジクロロメタン=3/1(0.1%ジエチルアミン);流速=1.0mL/分;保持時間:1.8分(遅いピーク)。
実施例60:1−[(3S,5S)−4−[7−[6−アミノ−4−メチル−3−(トリフルオロメチル)−2−ピリジル]−6−クロロ−キナゾリン−4−イル]−3,5−ジメチル−ピペラジン−1−イル]プロプ−2−エン−1−オン
Figure 2021512136
工程1:tert−ブチル(3S,5S)−4−(7−ブロモ−6−クロロ−キナゾリン−4−イル)−3,5−ジメチル−ピペラジン−1−カルボキシレート
Figure 2021512136
7−ブロモ−4,6−ジクロロ−キナゾリン(実施例22、工程1を参照のこと)(1.0g、3.6mmol)、tert−ブチル(3S,5S)−3,5−ジメチルピペラジン−1−カルボキシレート(1.1g、5.4mmol)、及び炭酸ナトリウム(1.1g、10.7mmol)の、ジメチルスルホキシド(10mL)中での混合物を60℃にて16時間撹拌した。完了したら、減圧下にて反応物を濃縮した。残留物を、石油エーテル/酢酸エチル(9:1)で溶出するシリカゲルフラッシュクロマトグラフィーにより精製し、tert−ブチル(3S,5S)−4−(7−ブロモ−6−クロロ−キナゾリン−4−イル)−3,5−ジメチル−ピペラジン−1−カルボキシレート(0.50g、1.0mmol、収率30.5%)を黄色油として得た。LC−MS:(ESI,m/z):455.1 [M+H]
工程2:tert−ブチル(3S,5S)−4−[6−クロロ−7−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)キナゾリン−4−イル]−3,5−ジメチル−ピペラジン−1−カルボキシレート
Figure 2021512136
窒素下にて、tert−ブチル(3S,5S)−4−(7−ブロモ−6−クロロ−キナゾリン−4−イル)−3,5−ジメチル−ピペラジン−1−カルボキシレート(900.0mg、1.9mmol)、ビス(ピナコラト)ジボロン(5.0g、19.7mmol)、[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)ジクロロメタン(144.3mg、0.20mmol)、及び酢酸カリウム(387.0mg、3.9mmol)の1,4−ジオキサン溶液(90mL)を、80℃にて1時間撹拌した。完了したら、反応物をフィルタにかけて、得られた固体をヘキサンで洗浄した。粗生成物を次工程にて直接使用した。LC−MS:(ESI,m/z):503.3 [M+H]
工程3:tert−ブチル(3S,5S)−4−[7−[6−アミノ−4−メチル−3−(トリフルオロメチル)−2−ピリジル]−6−クロロ−キナゾリン−4−イル]−3,5−ジメチル−ピペラジン−1−カルボキシレート
Figure 2021512136
tert−ブチル(3S,5S)−4−[6−クロロ−7−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)キナゾリン−4−イル]−3,5−ジメチル−ピペラジン−1−カルボキシレート(1.0g、1.9mmol)、6−ブロモ−4−メチル−5−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−アミン(1.0g、3.9mmol)、フッ化カリウム(230.6mg、3.9mmol)、及びビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)クロリド(139.4mg、0.2mmol)の、アセトニトリル(10mL)及び水(2mL)の溶液を80℃にて1時間、窒素下にて撹拌した。完了したら、反応物をジクロロメタンで希釈して水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。混合物を濃縮し、残留物を、ジクロロメタン/メタノール(20:1)で溶出するシリカゲルフラッシュクロマトグラフィーにより精製して、tert−ブチル(3S,5S)−4−[7−[6−アミノ−4−メチル−3−(トリフルオロメチル)−2−ピリジル]−6−クロロ−キナゾリン−4−イル]−3,5−ジメチル−ピペラジン−1−カルボキシレート(300mg、0.5mmol、収率27.4%)を褐色固体として得た。LC−MS:(ESI,m/z):551.2 [M+H]
工程4:1−[(3S,5S)−4−[7−[6−アミノ−4−メチル−3−(トリフルオロメチル)−2−ピリジル]−6−クロロ−キナゾリン−4−イル]−3,5−ジメチル−ピペラジン−1−イル]プロプ−2−エン−1−オン
Figure 2021512136
tert−ブチル(3S,5S)−4−[7−[6−アミノ−4−メチル−3−(トリフルオロメチル)−2−ピリジル]−6−クロロ−キナゾリン−4−イル]−3,5−ジメチル−ピペラジン−1−カルボキシレート(300.0mg、0.5mmol)のジクロロメタン溶液(6mL)に、トリフルオロ酢酸(1.2mL、15.7mmol)を添加した。反応物を25℃にて30分間撹拌し、濃縮した。得られた混合物をジクロロメタン(6mL)で希釈し、これにN,N−ジイソプロピルエチルアミン(343.3mg、2.6mmol)を添加した。塩化アクリロイル(48.1mg、0.5mmol)を−78℃にて添加し、反応物を30分間撹拌した。完了したら、反応物を濃縮し、残留物を、ジクロロメタン/メタノール(20:1)で溶出するシリカゲルフラッシュクロマトグラフィーにより精製して粗固体を得た。粗生成物を分取HPLCにより精製し、1−[(3S,5S)−4−[7−[6−アミノ−4−メチル−3−(トリフルオロメチル)−2−ピリジル]−6−クロロ−キナゾリン−4−イル]−3,5−ジメチル−ピペラジン−1−イル]プロプ−2−エン−1−オン(90.1mg、0.18mmol、収率33.5%)を白色固体として得た。粗生成物を分取HPLC(カラム:XBridge Prep C18 OBD Column 19×150mm 5um;移動相A:Water(10mmol/L NHHCO)、移動相B:ACN;流速:60mL/分)により精製した。
実施例60:1H NMR(400 MHz,DMSO−d6,ppm)δ 8.97(d,J=4.9 Hz,1H),8.22(d,J=5.2 Hz,1H),7.79(d,J=5.3 Hz,1H),6.97−6.71(m,3H),6.55−6.46(m,1H),6.20(dd,J=16.7,2.4 Hz,1H),5.75(dd,J=10.4,2.4 Hz,1H),4.15−3.89(m,4H),3.65(s,2H),2.38(d,J=2.5 Hz,3H),1.01(d,J=6.4 Hz,6H).LC−MS:(ESI,m/z):505.1 [M+H]
実施例61:1−((S)−4−(7−(6−アミノ−4−メチル−3−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル)−6−クロロ−2−(((S)−1−メチルピロリジン−2−イル)メトキシ)キナゾリン−4−イル)−3−メチルピペラジン−1−イル)プロプ−2−エン−1−オン
Figure 2021512136
工程1:tert−ブチル(S)−4−(7−ブロモ−6−クロロ−2−(((S)−1−メチルピロリジン−2−イル)メトキシ)キナゾリン−4−イル)−3−メチルピペラジン−1−カルボキシレート
Figure 2021512136
水素化ナトリウム(1.01g、42.00mmol)を、(S)−(1−メチルピロリジン−2−イル)メタノール(4.84g、42.00mmol)のN,N−ジメチルホルムアミド溶液(40mL)に添加し、0℃にて5分間撹拌した。次に、tert−ブチル(S)−4−(7−ブロモ−2,6−ジクロロキナゾリン−4−イル)−3−メチルピペラジン−1−カルボキシレート(中間体5)(10.00g、21.00mmol)を添加し、得られた混合物を0℃にて1時間撹拌した。完了したら、塩化アンモニウム水溶液で反応物をクエンチして水で希釈し、酢酸エチルで抽出して水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させて濃縮した。残留物をジクロロメタン/メタノール(20:1)で溶出するシリカゲルクロマトグラフィーにより精製し、tert−ブチル(S)−4−(7−ブロモ−6−クロロ−2−(((S)−1−メチルピロリジン−2−イル)メトキシ)キナゾリン−4−イル)−3−メチルピペラジン−1−カルボキシレート(10.50g、17.98mmol、収率85.6%)を黄色油として得た。LCMS:(ESI,m/z):556.4 [M+H]
工程2:4−((S)−4−(tert−ブトキシカルボニル)−2−メチルピペラジン−1−イル)−6−クロロ−2−(((S)−1−メチルピロリジン−2−イル)メトキシ)キナゾリン−7−イルボロン酸
Figure 2021512136
tert−ブチル(S)−4−(7−ブロモ−6−クロロ−2−(((S)−1−メチルピロリジン−2−イル)メトキシ)キナゾリン−4−イル)−3−メチルピペラジン−1−カルボキシレート(2.00g、3.60mmol、ビス(ピナコラト)ジボロン(2.75g、10.81mmol)、酢酸カリウム(1.06g、10.81mmol)、及び[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)ジクロロメタン錯体(0.27g、0.36mmol)の1,4−ジオキサン溶液(15mL)を、80℃にて2時間、窒素下にて撹拌した。完了したら、得られた溶液を濃縮して、ジクロロメタンで希釈しフィルタにかけた。濾液を真空下にて濃縮し、4−((S)−4−(tert−ブトキシカルボニル)−2−メチルピペラジン−1−イル)−6−クロロ−2−(((S)−1−メチルピロリジン−2−イル)メトキシ)キナゾリン−7−イルボロン酸(3.00g、粗製物)を黒色油として得た。粗生成物を次工程にて直接使用した。LCMS:(ESI,m/z):520.2 [M+H]
工程3:tert−ブチル(S)−4−(7−(6−アミノ−4−メチル−3−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル)−6−クロロ−2−(((S)−1−メチルピロリジン−2−イル)メトキシ)キナゾリン−4−イル)−3−メチルピペラジン−1−カルボキシレート
Figure 2021512136
4−((S)−4−(tert−ブトキシカルボニル)−2−メチルピペラジン−1−イル)−6−クロロ−2−(((S)−1−メチルピロリジン−2−イル)メトキシ)キナゾリン−7−イルボロン酸(2.20g、2.12mmol)、6−ブロモ−4−メチル−5−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−アミン(0.54g、2.12mmol)、フッ化カリウム(0.25g、4.23mmol)、及びビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)ジクロリド(0.15g、0.21mmol)の、アセトニトリル(35mL)及び水(7mL)の混合溶媒での溶液を、80℃にて2時間、窒素下にて撹拌した。完了したら、得られた溶液をジクロロメタンで希釈して水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させて濃縮した。残留物を、ジクロロメタン/メタノール(10:1)で溶出するシリカゲルカラムにより精製し、tert−ブチル(S)−4−(7−(6−アミノ−4−メチル−3−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル)−6−クロロ−2−(((S)−1−メチルピロリジン−2−イル)メトキシ)キナゾリン−4−イル)−3−メチルピペラジン−1−カルボキシレート(0.50g、0.72mmol、収率34.2%)を褐色固体として得た。LCMS:(ESI,m/z):650.3 [M+H]
工程4:1−((S)−4−(7−(6−アミノ−4−メチル−3−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル)−6−クロロ−2−(((S)−1−メチルピロリジン−2−イル)メトキシ)キナゾリン−4−イル)−3−メチルピペラジン−1−イル)プロプ−2−エン−1−オン
Figure 2021512136
tert−ブチル(S)−4−(7−(6−アミノ−4−メチル−3−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル)−6−クロロ−2−(((S)−1−メチルピロリジン−2−イル)メトキシ)キナゾリン−4−イル)−3−メチルピペラジン−1−カルボキシレート(0.30g、0.46mmol)及びトリフルオロ酢酸(0.6mL、7.79mmol)のジクロロメタン溶液(3mL)を、25℃にて1時間撹拌した。完了したら、反応混合物を濃縮してジクロロメタンで希釈し、N,N−ジイソプロピルエチルアミンによりpHが7より大きくなるように調節した。次に、塩化アクリロイル(0.03g、0.37mmol)を添加して、反応物を−78℃にて1時間撹拌した。完了したら、得られた溶液を水で希釈してジクロロメタンで抽出し、硫酸ナトリウムで乾燥させて濃縮した。粗生成物を分取HPLCにより精製し、1−((S)−4−(7−(6−アミノ−4−メチル−3−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル)−6−クロロ−2−(((S)−1−メチルピロリジン−2−イル)メトキシ)キナゾリン−4−イル)−3−メチルピペラジン−1−イル)プロプ−2−エン−1−オン(28.7mg、0.05mmol、収率15.1%)を白色固体として得た。LCMS:(ESI,m/z):604.2 [M+H].分取HPLC条件:カラム:XBridge Prep C18 OBD Column;移動相A:水、B:アセトニトリル、Bの割合(7分で33%〜50%);検出器:UV 254nm。
実施例61:H NMR(300 MHz,DMSO−d6,ppm)δ 7.94(d,J=3.9 Hz,1H),7.41(s,1H),6.95−6.72(m,3H),6.47(s,1H),6.18(d,J=18.3 Hz,1H),5.75(d,J=10.5,2.4 Hz,1H),4.70(s,1H),4.46−4.31(m,2H),4.31−3.92(m,4H),3.73−3.51(m,2H),3.01−2.91(m,1H),2.64−2.53(m,1H),2.36(s,6H),2.25−2.12(m,1H),2.00−1.90(m,1H),1.77−1.56(m,3H),1.26(d,J=6.0 Hz,3H).
実施例62a及び62b:1−((S)−4−((R)−6−クロロ−8−フルオロ−7−(4−メチル−6−(メチルアミノ)−3−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル)−2−(((S)−1−メチルピロリジン−2−イル)メトキシ)キナゾリン−4−イル)−3−メチルピペラジン−1−イル)プロプ−2−エン−1−オン(実施例62a)及び1−((S)−4−((S)−6−クロロ−8−フルオロ−7−(4−メチル−6−(メチルアミノ)−3−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル)−2−(((S)−1−メチルピロリジン−2−イル)メトキシ)キナゾリン−4−イル)−3−メチルピペラジン−1−イル)プロプ−2−エン−1−オン(実施例62b)(2つのアトロプ異性体)
Figure 2021512136
工程1:tert−ブチル(S)−4−(6−クロロ−2,8−ジフルオロ−7−(6−((4−メトキシベンジル)(メチル)アミノ)−4−メチルピリジン−2−イル)キナゾリン−4−イル)−3−メチルピペラジン−1−カルボキシレート
Figure 2021512136
N−[(4−メトキシフェニル)メチル]−N,4−ジメチル−6−トリブチルスタンニル−ピリジン−2−アミン(5.5g、10.35mmol)、tert−ブチル(3S)−4−(7−ブロモ−6−クロロ−2,8−ジフルオロ−キナゾリン−4−イル)−3−メチル−ピペラジン−1−カルボキシレート(2.47g、5.17mmol)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(1.2g、1.03mmol)、ヨウ化第一銅(296.1mg、1.55mmol)、及び塩化リチウム(548.4mg、12.94mmol)の1,4−ジオキサン溶液(100mL)を、一晩150℃にて、窒素下にて撹拌した。反応物を濃縮し、残留物を、石油エーテル/酢酸エチル(7/3)で溶出するシリカゲルフラッシュクロマトグラフィーにより精製して、tert−ブチル(S)−4−(6−クロロ−2,8−ジフルオロ−7−(6−((4−メトキシベンジル)(メチル)アミノ)−4−メチルピリジン−2−イル)キナゾリン−4−イル)−3−メチルピペラジン−1−カルボキシレート(2.2g、3.48mmol、収率67.2%)を黄色固体として得た。LC−MS:(ESI,m/z):639.3 [M+H]
工程2:tert−ブチル(3S)−4−(6−クロロ−2,8−ジフルオロ−7−(3−ヨード−6−((4−メトキシベンジル)(メチル)アミノ)−4−メチルピリジン−2−イル)キナゾリン−4−イル)−3−メチルピペラジン−1−カルボキシレート
Figure 2021512136
tert−ブチル(S)−4−(6−クロロ−2,8−ジフルオロ−7−(6−((4−メトキシベンジル)(メチル)アミノ)−4−メチルピリジン−2−イル)キナゾリン−4−イル)−3−メチルピペラジン−1−カルボキシレート(2.22g、3.48mmol)、N−ヨードスクシンイミド(1.57g、6.96mmol)、及びp−トルエンスルホン酸(129.5mg、0.75mmol)の溶液を、N,N−ジメチルホルムアミド(100mL)に溶解させて、一晩室温で撹拌した。反応混合物を水で希釈し、酢酸エチルで抽出した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させて真空下にて濃縮した。残留物を、石油エーテル/酢酸エチル(75/25)で溶出するシリカゲルフラッシュクロマトグラフィーにより精製し、tert−ブチル(3S)−4−(6−クロロ−2,8−ジフルオロ−7−(3−ヨード−6−((4−メトキシベンジル)(メチル)アミノ)−4−メチルピリジン−2−イル)キナゾリン−4−イル)−3−メチルピペラジン−1−カルボキシレート(1.53g、2.00mmol、収率57.5%)を黄色固体として得た。LC−MS:(ESI,m/z):765.1 [M+H]
工程3:tert−ブチル(3S)−4−(6−クロロ−2,8−ジフルオロ−7−(6−((4−メトキシベンジル)(メチル)アミノ)−4−メチル−3−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル)キナゾリン−4−イル)−3−メチルピペラジン−1−カルボキシレート
Figure 2021512136
メチル2,2−ジフルオロ−2−(フルオロスルホニル)アセテート(4.39g、22.85mmol)、tert−ブチル(3S)−4−(6−クロロ−2,8−ジフルオロ−7−(3−ヨード−6−((4−メトキシベンジル)(メチル)アミノ)−4−メチルピリジン−2−イル)キナゾリン−4−イル)−3−メチルピペラジン−1−カルボキシレート(3.5g、4.57mmol)、及びヨウ化第一銅(870.0mg、4.57mmol)のN,N−ジメチルホルムアミド溶液(70mL)を6時間90℃にて、窒素下にて撹拌した。反応物を水で希釈し、酢酸エチルで抽出した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濃縮した。残留物を、石油エーテル/酢酸エチル(75/25)で溶出するシリカゲルフラッシュクロマトグラフィーにより精製し、tert−ブチル(3S)−4−(6−クロロ−2,8−ジフルオロ−7−(6−((4−メトキシベンジル)(メチル)アミノ)−4−メチル−3−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル)キナゾリン−4−イル)−3−メチルピペラジン−1−カルボキシレート(2.5g、3.54mmol、収率77.5%)を黄色固体として得た。LC−MS:(ESI,m/z):707.3 [M+H]
工程4:tert−ブチル(3S)−4−(6−クロロ−8−フルオロ−7−(6−((4−メトキシベンジル)(メチル)アミノ)−4−メチル−3−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル)−2−(((S)−1−メチルピロリジン−2−イル)メトキシ)キナゾリン−4−イル)−3−メチルピペラジン−1−カルボキシレート
Figure 2021512136
N−メチル−l−プロリノール(70mg、0.57mmol)のテトラヒドロフラン溶液(3mL)に、水素化ナトリウム(23mg、0.57mmol、鉱油の60%分散体)を0℃にて添加した。反応物を0.5時間撹拌した。得られた混合物にtert−ブチル(3S)−4−(6−クロロ−2,8−ジフルオロ−7−(6−((4−メトキシベンジル)(メチル)アミノ)−4−メチル−3−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル)キナゾリン−4−イル)−3−メチルピペラジン−1−カルボキシレート(0.2g、0.28mmol)を添加し、反応物を室温で更に0.5時間撹拌した。反応を水でクエンチし、酢酸エチルで抽出した。次に、有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させて濃縮した。残留物を、石油エーテル/酢酸エチル(30%)で溶出するシリカゲルフラッシュクロマトグラフィーにより精製し、tert−ブチル(3S)−4−(6−クロロ−8−フルオロ−7−(6−((4−メチルベンジル)(メチル)アミノ)−4−メチル−3−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル)−2−(((S)−1−メチルピロリジン−2−イル)メトキシ)キナゾリン−4−イル)−3−メチルピペラジン−1−カルボキシレート(100mg、0.12mmol、収率44.1%)を黄色固体として得た。LCMS(ESI,m/z):802.1 [M+H]
工程5:6−(6−クロロ−8−フルオロ−4−((S)−2−メチルピペラジン−1−イル)−2−(((S)−1−メチルピロリジン−2−イル)メトキシ)キナゾリン−7−イル)−N,4−ジメチル−5−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−アミン
Figure 2021512136
tert−ブチル(3S)−4−(6−クロロ−8−フルオロ−7−(6−((4−メチルベンジル)(メチル)アミノ)−4−メチル−3−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル)−2−(((S)−1−メチルピロリジン−2−イル)メトキシ)キナゾリン−4−イル)−3−メチルピペラジン−1−カルボキシレート(2.1g、2.66mmol)のトリフルオロ酢酸溶液(40mL)を、50℃にて2時間撹拌した。反応溶液を濃縮し、残留物を、メタノール/ジクロロメタン(2/10)で溶出するシリカゲルフラッシュクロマトグラフィーにより精製し、6−(6−クロロ−8−フルオロ−4−((S)−2−メチルピペラジン−1−イル)−2−(((S)−1−メチルピロリジン−2−イル)メトキシ)キナゾリン−7−イル)−N,4−ジメチル−5−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−アミン(1.2g、2.11mmol、収率79.3%)を黄色固体として得た。LCMS(ESI,m/z):582.1 [M+H]
工程6:1−((S)−4−((R)−6−クロロ−8−フルオロ−7−(4−メチル−6−(メチルアミノ)−3−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル)−2−(((S)−1−メチルピロリジン−2−イル)メトキシ)キナゾリン−4−イル)−3−メチルピペラジン−1−イル)プロプ−2−エン−1−オン(実施例62a)及び1−((S)−4−((S)−6−クロロ−8−フルオロ−7−(4−メチル−6−(メチルアミノ)−3−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル)−2−(((S)−1−メチルピロリジン−2−イル)メトキシ)キナゾリン−4−イル)−3−メチルピペラジン−1−イル)プロプ−2−エン−1−オン(実施例62b)(2つのアトロプ異性体)
Figure 2021512136
6−(6−クロロ−8−フルオロ−4−((S)−2−メチルピペラジン−1−イル)−2−(((S)−1−メチルピロリジン−2−イル)メトキシ)キナゾリン−7−イル)−N,4−ジメチル−5−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−アミン(400.0mg、0.69mmol)及びN,N−ジイソプロピルエチルアミン(177.3mg、1.37mmol)のジクロロメタン溶液(10mL)を、−78℃にて撹拌した。反応物に塩化アクリロイル(62mg、0.69mmol)を添加し、混合物を−78℃にて2時間撹拌した。反応を水でクエンチし、酢酸エチルで抽出した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濃縮した。残留物を分取HPLC(カラム、CHIRAL ART Cellulose−SB、2*25cm、5um;移動相、ヘキサン−−HPLC及びエタノール−HPLC(40%エタノール−−10分間HPLCで保持);検出器、UV 220/254nm)により単離し、表題化合物を得た。表題化合物の立体化学は、有効性に基づき割り当てた。
実施例62a:1−((S)−4−((R)−6−クロロ−8−フルオロ−7−(4−メチル−6−(メチルアミノ)−3−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル)−2−(((S)−1−メチルピロリジン−2−イル)メトキシ)キナゾリン−4−イル)−3−メチルピペラジン−1−イル)プロプ−2−エン−1−オン(70.9mg、0.11mmol、収率16.2%、白色固体)。H NMR(400 MHz,メタノール−d,ppm)δ 7.84(d,J=1.7 Hz,1H),6.93−6.76(m,1H),6.53(s,1H),6.31(d,J=16.8 Hz,1H),5.87−5.79(m,1H),4.59−4.38(m,3H),4.28−4.22(m,2H),4.20−4.15(m,2H),4.05(d,J=14.1 Hz,1H),3.76−3.72(m,1H),3.61(s,1H),3.40(s,3H),3.23−3.20(m,1H),3.15−3.08(m,3H),2.89(s,3H),2.81−2.73(m,1H),2.54−2.50(m,1H),2.49−2.44(m,3H),1.43(s,3H).
実施例62b:1−((S)−4−((S)−6−クロロ−8−フルオロ−7−(4−メチル−6−(メチルアミノ)−3−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル)−2−(((S)−1−メチルピロリジン−2−イル)メトキシ)キナゾリン−4−イル)−3−メチルピペラジン−1−イル)プロプ−2−エン−1−オン(65.1mg、0.10mmol、収率14.9%、白色固体)。H NMR(300 MHz,メタノール−d)δ 7.84(d,J=1.7 Hz,1H),6.85(d,J=10.7 Hz,1H),6.53(s,1H),6.31(d,J=17.5 Hz,1H),5.83(d,J=10.6 Hz,1H),4.51−4.48(m,3H),4.31(d,J=13.9 Hz,2H),4.05(d,J=13.2 Hz,1H),3.76(d,J=14.0 Hz,2H),3.18−3.09(m,1H),2.88(s,4H),2.56(s,4H),2.46(s,3H),2.45−2.34(m,2H),1.92−1.73(m,3H),1.45(d,J=6.8 Hz,3H).LC−MS:(ESI,m/z):636.1 [M+H]
実施例63a及び63b:1−((S)−4−((R)−7−(3−アミノイソキノリン−1−イル)−6−クロロ−8−フルオロ−2−(((S)−1−メチルピロリジン−2−イル)メトキシ)キナゾリン−4−イル)−3−メチルピペラジン−1−イル)プロプ−2−エン−1−オン(実施例63a)及び1−((S)−4−((S)−7−(3−アミノイソキノリン−1−イル)−6−クロロ−8−フルオロ−2−(((S)−1−メチルピロリジン−2−イル)メトキシ)キナゾリン−4−イル)−3−メチルピペラジン−1−イル)プロプ−2−エン−1−オン(実施例63b)
Figure 2021512136
工程1:tert−ブチル(S)−4−(7−ブロモ−6−クロロ−8−フルオロ−2−(((S)−1−メチルピロリジン−2−イル)メトキシ)キナゾリン−4−イル)−3−メチルピペラジン−1−カルボキシレート
Figure 2021512136
N−メチル−l−プロリノール(3.5g、30.39mmol)及び炭酸カリウム(5.6g、40.58mmol)のジメチルスルホキシド溶液(20mL)を、90℃にて0.5時間撹拌した。次に、tert−ブチル(S)−4−(7−ブロモ−6−クロロ−2,8−ジフルオロキナゾリン−4−イル)−3−メチルピペラジン−1−カルボキシレート(10.0g、20.24mmol)を添加し、90℃にて1時間撹拌した。完了したら反応混合物を水で希釈した。得られた溶液をジクロロメタンで抽出し、水で洗浄した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、真空下にて濃縮した。残留物を、ジクロロメタン/メタノール(94:6)で溶出するシリカゲルフラッシュクロマトグラフィーにより精製し、tert−ブチル(S)−4−(7−ブロモ−6−クロロ−8−フルオロ−2−(((S)−1−メチルピロリジン−2−イル)メトキシ)キナゾリン−4−イル)−3−メチルピペラジン−1−カルボキシレート(6.5g、11.3mmol、収率56.1%)を黄色油として得た。LC−MS:(ESI,m/z):572.1 [M+H]
工程2:tert−ブチル(S)−4−(6−クロロ−8−フルオロ−2−(((S)−1−メチルピロリジン−2−イル)メトキシ)−7−(トリブチルスタンニル)キナゾリン−4−イル)−3−メチルピペラジン−1−カルボキシレート
Figure 2021512136
tert−ブチル(S)−4−(7−ブロモ−6−クロロ−8−フルオロ−2−(((S)−1−メチルピロリジン−2−イル)メトキシ)キナゾリン−4−イル)−3−メチルピペラジン−1−カルボキシレート(1.0g、1.75mmol)、ヘキサブチルジスズ(2.9g、8.85mmol)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム−クロロホルム付加化合物(181.0mg、0.1700mmol)、トリシクロヘキシルホスフィン(100.0mg、0.3600mmol)、及び塩化リチウム(189.0mg、4.35mmol)の1,4−ジオキサン溶液(100mL)を、105℃にて2時間、窒素下にて撹拌した。完了したら反応混合物をジクロロメタンで希釈した。得られた溶液を水で洗浄した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、真空下にて濃縮した。残留物を、メタノール/水(19:1)で溶出するC18ゲルフラッシュクロマトグラフィーにより精製し、tert−ブチル(S)−4−(6−クロロ−8−フルオロ−2−(((S)−1−メチルピロリジン−2−イル)メトキシ)−7−(トリブチルスタンニル)キナゾリン−4−イル)−3−メチルピペラジン−1−カルボキシレート(340mg、0.4mmol、収率24.9%)を褐色固体として得た。LC−MS:(ESI,m/z):784.3 [M+H]
工程3:tert−ブチル(3S)−4−(7−(3−アミノイソキノリン−1−イル)−6−クロロ−8−フルオロ−2−(((S)−1−メチルピロリジン−2−イル)メトキシ)キナゾリン−4−イル)−3−メチルピペラジン−1−カルボキシレート
Figure 2021512136
tert−ブチル(S)−4−(6−クロロ−8−フルオロ−2−(((S)−1−メチルピロリジン−2−イル)メトキシ)−7−(トリブチルスタンニル)キナゾリン−4−イル)−3−メチルピペラジン−1−カルボキシレート(212.5mg、0.27mmol)、1−ブロモイソキノリン−3−アミン(50.0mg、0.2200mmol)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(130.0mg、0.1100mmol)、ヨウ化銅(I)(22.5mg、0.1200mmol)、及び(22.5mg、0.5200mmol)のN,N−ジメチルホルムアミド溶液(5mL)を、90℃にて1時間、窒素下にて撹拌した。完了したら、溶液を濃縮して、残留物を、メタノール/水(97:3)で溶出するC18ゲルフラッシュクロマトグラフィーにより精製して、tert−ブチル(3S)−4−(7−(3−アミノイソキノリン−1−イル)−6−クロロ−8−フルオロ−2−(((S)−1−メチルピロリジン−2−イル)メトキシ)キナゾリン−4−イル)−3−メチルピペラジン−1−カルボキシレート(100mg、0.15mmol、収率70.1%)を黄色固体として得た。LC−MS:(ESI,m/z):636.2 [M+H]
工程4:1−(6−クロロ−8−フルオロ−4−((S)−2−メチルピペラジン−1−イル)−2−(((S)−1−メチルピロリジン−2−イル)メトキシ)キナゾリン−7−イル)イソキノリン−3−アミン
Figure 2021512136
tert−ブチル(3S)−4−(7−(3−アミノイソキノリン−1−イル)−6−クロロ−8−フルオロ−2−(((S)−1−メチルピロリジン−2−イル)メトキシ)キナゾリン−4−イル)−3−メチルピペラジン−1−カルボキシレート(600.0mg、0.94mmol)の、ジクロロメタン(20mL)及びトリフルオロ酢酸(10mL、129.8mmol)の溶液を、25℃にて1時間撹拌した。完了後、反応物を濃縮して、残留物を、メタノール/水(40:60)で溶出するC18ゲルフラッシュクロマトグラフィーにより精製し、1−(6−クロロ−8−フルオロ−4−((S)−2−メチルピペラジン−1−イル)−2−(((S)−1−メチルピロリジン−2−イル)メトキシ)キナゾリン−7−イル)イソキノリン−3−アミン(410mg、0.76mmol、収率81.1%)を黄色固体として得た。LC−MS:(ESI,m/z):536.2 [M+H]
工程5:1−((S)−4−((R)−7−(3−アミノイソキノリン−1−イル)−6−クロロ−8−フルオロ−2−(((S)−1−メチルピロリジン−2−イル)メトキシ)キナゾリン−4−イル)−3−メチルピペラジン−1−イル)プロプ−2−エン−1−オン(実施例63a)及び1−((S)−4−((S)−7−(3−アミノイソキノリン−1−イル)−6−クロロ−8−フルオロ−2−(((S)−1−メチルピロリジン−2−イル)メトキシ)キナゾリン−4−イル)−3−メチルピペラジン−1−イル)プロプ−2−エン−1−オン(実施例63b)
Figure 2021512136
1−(6−クロロ−8−フルオロ−4−((S)−2−メチルピペラジン−1−イル)−2−(((S)−1−メチルピロリジン−2−イル)メトキシ)キナゾリン−7−イル)イソキノリン−3−アミン(410.0mg、0.76mmol)及びN,N−ジイソプロピルエチルアミン(0.13mL、0.77mmol)のジクロロメタン溶液(10mL)を、−78℃にて5分間撹拌した。次に、塩化アクリロイル(76.0mg、0.84mmol)を添加して、−78℃にて30分間撹拌した。完了後、水で反応をクエンチし、反応物を濃縮した。残留物を、メタノール/水(9:1)で溶出するC18ゲルフラッシュクロマトグラフィーにより精製し、分取HPLC(カラム:Xcelect CSH F−pheny OBD Column 19*250mm、5um;移動相A:水(10mmol/L NHHCO)、移動相B:メタノール;流速:25mL/分)により、更に精製した。生成物を、キラル分取HPLC(カラム:CHIRALPAK IC、2*25cm、5um;移動相A:ヘキサン:DCM=1:1(10mM NH3−MeOH)−−HPLC、移動相B:EtOH−−HPLC;流速:18mL/分)により精製した。残留物を凍結乾燥させ、1−((S)−4−((R)−7−(3−アミノイソキノリン−1−イル)−6−クロロ−8−フルオロ−2−(((S)−1−メチルピロリジン−2−イル)メトキシ)キナゾリン−4−イル)−3−メチルピペラジン−1−イル)プロプ−2−エン−1−オン(実施例63)(39.7mg、0.06mmol、収率8.8%)を黄色固体として、及び、1−((S)−4−((S)−7−(3−アミノイソキノリン−1−イル)−6−クロロ−8−フルオロ−2−(((S)−1−メチルピロリジン−2−イル)メトキシ)キナゾリン−4−イル)−3−メチルピペラジン−1−イル)プロプ−2−エン−1−オン(実施例63b)(47.0mg、0.079mmol、収率10.4%)を黄色固体として得た。
実施例63a:LC−MS:(ESI,m/z):590.2 [M+H],1H NMR(300 MHz,CDCl3,ppm)δ 7.74(s,1H),7.64(d,J=8.4 Hz,1H),7.54−7.49(m,1H),7.39(d,J=8.4 Hz,1H),7.28−7.15(m,1H),6.88(s,1H),6.69−6.55(m,1H),6.39(dd,J=1.8,16.5 Hz,1H),5.79(dd,J=1.8,10.5 Hz,1H),4.90−4.70(m,1H),4.67−4.50(m,3H),4.39−4.27(m,1H),4.23−4.11(m,1H),4.05−3.85(m,1H),3.72−3.41(m,2H),3.40−2.95(m,2H),2.82−2.75(m,1H),2.52(s,3H),2.42−1.95(m,3H),1.95−1.69(m,3H),1.50−1.25(m,3H).キラルHPLC:CHIRALPAK IG−3(0.46*5cm;3um);254nmにて検出;(n−ヘキサン/ジクロロメタン=1/1)(0.1%ジエチルアミン)/エタノール=1/1;流速=1.0mL/分;保持時間:1.5分(速いピーク)
実施例63b:LC−MS:(ESI,m/z):590.2 [M+H]H NMR(300 MHz,CDCl,ppm)δ 7.73(s,1H),7.65(d,J=8.1 Hz,1H),7.55−7.50(m,1H),7.40(d,J=8.4 Hz,1H),7.21−7.18(m,1H),6.89(s,1H),6.78−6.50(m,1H),6.40(dd,J=2.1,16.8 Hz,1H),5.80(d,J=11.1 Hz,1H),4.80−4.67(m,1H),4.65−4.45(m,3H),4.45−4.32(m,1H),4.32−4.17(m,1H),4.12−3.75(m,1H),3.78−3.43(m,2H),3.30−3.00(m,2H),2.97−2.70(m,1H),2.55(s,3H),2.45−2.30(m,1H),2.17−2.03(m,1H),1.99−1.66(m,4H),1.54−1.35(m,3H).キラルHPLC:CHIRALPAK IG−3(0.46*5cm;3um);254nmにて検出;(n−ヘキサン/ジクロロメタン=1/1)(0.1%ジエチルアミン)/エタノール=1/1;流速=1.0mL/分;保持時間:2.5分(遅いピーク)
実施例64a及び64b:(S)−5−((((S)−4−((S)−4−アクリロイル−2−メチルピペラジン−1−イル)−7−(6−アミノ−4−メチル−3−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル)−6−クロロ−8−フルオロキナゾリン−2−イル)オキシ)メチル)−1−メチルピロリジン−2−オン(実施例64a)及び(S)−5−((((R)−4−((S)−4−アクリロイル−2−メチルピペラジン−1−イル)−7−(6−アミノ−4−メチル−3−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル)−6−クロロ−8−フルオロキナゾリン−2−イル)オキシ)メチル)−1−メチルピロリジン−2−オン(実施例64b)(2つのアトロプ異性体)
Figure 2021512136
工程1:(5S)−5−[[tert−ブチル(ジメチル)シリル]オキシメチル]ピロリジン−2−オン
Figure 2021512136
(5S)−5−(ヒドロキシメチル)−2−ピロリジノン(15.0g、130.29mmol)、イミダゾール(17.74g、260.58mmol)、及びtert−ブチルジメチルシリルクロリド(29.31g、195.43mmol)のジクロロメタン溶液(300mL)を25℃にて1時間撹拌した。完了したら、反応物を濃縮し、残留物を、ジクロロメタン/メタノール(97/3)で溶出するシリカゲルフラッシュクロマトグラフィーにより生成し、25g(83.6%)の(5S)−5−[[tert−ブチル(ジメチル)シリル]オキシメチル]ピロリジン−2−オンを無色の油として得た。LC−MS:(ESI,m/z):230.1 [M+H]
工程2:(5S)−5−[[tert−ブチル(ジメチル)シリル]オキシメチル]−1−メチル−ピロリジン−2−オン
Figure 2021512136
(5S)−5−[[tert−ブチル(ジメチル)シリル]オキシメチル]ピロリジン−2−オン(18.0g、78.47mmol)のテトラヒドロフラン溶液(300mL)に、水素化ナトリウム(10.99g、274.64mmol、鉱油の60%分散体)を添加し、25℃にて10分間撹拌した。次に、ヨードメタン(22.29g、156.94mmol)を添加して、25℃にて1時間撹拌した。完了したら、得られる溶液を水でクエンチし、混合物を濃縮した。残留物を、ジクロロメタン/メタノール(20/1)で溶出するシリカゲルフラッシュクロマトグラフィーにより精製し、10g(52.4%)の(5S)−5−[[tert−ブチル(ジメチル)シリル]オキシメチル]−1−メチル−ピロリジン−2−オンを無色の油として得た。LC−MS:(ESI,m/z):244.1 [M+H]
工程3:(5S)−5−(ヒドロキシメチル)−1−メチル−ピロリジン−2−オン
Figure 2021512136
(5S)−5−[[tert−ブチル(ジメチル)シリル]オキシメチル]−1−メチル−ピロリジン−2−オン(1.06g、4.35mmol)のHCl/ジオキサン溶液(30mL、4.35mmol)を、25℃にて2時間撹拌した。完了したら、反応物を濃縮し、重炭酸ナトリウム水溶液により、pHを7〜8に調節した。反応物を濃縮し、得られた混合物を、ジクロロメタン/メタノール(95/5)で溶出するシリカゲルフラッシュクロマトグラフィーにより精製して550mg(97.8%)の(5S)−5−(ヒドロキシメチル)−1−メチル−ピロリジン−2−オンを黄色油として得た。LC−MS:(ESI,m/z):130.1 [M+H]
工程4:tert−ブチル(3S)−4−[7−[6−[ビス[(4−メトキシフェニル)メチル]アミノ]−4−メチル−3−(トリフルオロメチル)−2−ピリジル]−6−クロロ−8−フルオロ−2−[[(2S)−1−メチル−5−オキソ−ピロリジン−2−イル]メトキシ]キナゾリン−4−イル]−3−メチル−ピペラジン−1−カルボキシレート
Figure 2021512136
(5S)−5−(ヒドロキシメチル)−1−メチル−ピロリジン−2−オン(0.54g、4.18mmol)のテトラヒドロフラン溶液(8mL)に水素化ナトリウム(292.65mg、7.32mmol、鉱油の60%分散体)を0℃にて添加し、25℃にて1時間撹拌した。次に、tert−ブチル(3S)−4−[7−[6−[ビス[(4−メトキシフェニル)メチル]アミノ]−4−メチル−3−(トリフルオロフェニル)−2−ピリジル]−6−クロロ−2,8−ジフルオロ−キナゾリン−4−イル]−3−メチル−ピペラジン−1−カルボキシレート(実施例17a/17bの工程9を参照のこと)(1.7g、2.09mmol)を添加し、25℃にて1時間撹拌した。完了したら反応物を水でクエンチし、ジクロロメタンで抽出した。次に、有機層を合わせて水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させて濃縮した。残留物を、ジクロロメタン/メタノール(95/5)で溶出するシリカゲルフラッシュクロマトグラフィーにより精製し、1.676g(86.9%)のtert−ブチル(3S)−4−[7−[6−[ビス[(4−メトキシフェニル)メチル]アミノ]−4−メチル−3−(トリフルオロメチル)−2−ピリジル]−6−クロロ−8−フルオロ−2−[[(2S)−1−メチル−5−オキソ−ピロリジン−2−イル]メトキシ]キナゾリン−4−イル]−3−メチル−ピペラジン−1−カルボキシレートを黄色固体として得た。LC−MS:(ESI,m/z):922.3 [M+H]
工程5:(5S)−5−[[7−[6−アミノ−4−メチル−3−(トリフルオロメチル)−2−ピリジル]−6−クロロ−8−フルオロ−4−[(2S)−2−メチルピペラジン−1−イル]キナゾリン−2−イル]オキシメチル]−1−メチル−ピロリジン−2−オン
Figure 2021512136
tert−ブチル(3S)−4−[7−[6−[ビス[(4−メトキシフェニル)メチル]アミノ]−4−メチル−3−(トリフルオロメチル)−2−ピリジル]−6−クロロ−8−フルオロ−2−[[(2S)−1−メチル−5−オキソ−ピロリジン−2−イル]メトキシ]キナゾリン−4−イル]−3−メチル−ピペラジン−1−カルボキシレート(1.63g、1.77mmol)のトリフルオロ酢酸溶液(8mL)を、50℃にて24時間撹拌した。完了したら、反応物を濃縮した。N,N−ジイソプロピルエチルアミンでpHを8に調節した。残留物を、逆相クロマトグラフィー(カラム、C18シリカゲル;移動相A:水、B:アセトニトリル、Bの割合(30分で5%〜70%);検出器、UV 254nm)により精製し、785mg(76.1%)の(5S)−5−[[7−[6−アミノ−4−メチル−3−(トリフルオロメチル)−2−ピリジル]−6−クロロ−8−フルオロ−4−[(2S)−2−メチルピペラジン−1−イル]キナゾリン−2−イル]オキシメチル]−1−メチル−ピロリジン−2−オンを淡黄色固体として得た。LC−MS:(ESI,m/z):582.2 [M+H]
工程6:(S)−5−((((S)−4−((S)−4−アクリロイル−2−メチルピペラジン−1−イル)−7−(6−アミノ−4−メチル−3−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル)−6−クロロ−8−フルオロキナゾリン−2−イル)オキシ)メチル)−1−メチルピロリジン−2−オン(実施例64a)及び(S)−5−((((R)−4−((S)−4−アクリロイル−2−メチルピペラジン−1−イル)−7−(6−アミノ−4−メチル−3−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル)−6−クロロ−8−フルオロキナゾリン−2−イル)オキシ)メチル)−1−メチルピロリジン−2−オン(実施例64b)(2つのアトロプ異性体)
Figure 2021512136
(5S)−5−[[7−[6−アミノ−4−メチル−3−(トリフルオロメチル)−2−ピリジル]−6−クロロ−8−フルオロ−4−[(2S)−2−メチルピペラジン−1−イル]キナゾリン−2−イル]オキシメチル]−1−メチル−ピロリジン−2−オン(463.0mg、0.80mmol)及びN,N−ジイソプロピルエチルアミン(513.13mg、3.98mmol)のジクロロメタン溶液(12mL)に、塩化アクリロイル(57.6mg、0.6400mmol)を−78℃にて添加し、−78℃にて1時間撹拌した。完了したら、反応物を水によりクエンチし、ジクロロメタンで抽出した。有機層を合わせ、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、真空下で濃縮した。残留物を逆相クロマトグラフィー(カラム、C18シリカゲル;移動相A:水、B:アセトニトリル、Bの割合(30分で5%〜70%);検出器、UV 254nm)により精製し、251mgの粗生成物を白色固体として得た。ジアステレオ異性体の混合物を、分取キラルHPLC(カラム、CHIRALPAK IE−3 0.46*5cm 3um;移動相、(ヘキサン:ジクロロメタン=3:1)(0.1%DEA):EtOH=50:50;検出器、254nm;流速、1.0ml/分;温度:25℃により精製し、96.5mg(19.1%)の(S)−5−((((S)−4−((S)−4−アクリロイル−2−メチルピペラジン−1−イル)−7−(6−アミノ−4−メチル−3−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル)−6−クロロ−8−フルオロキナゾリン−2−イル)オキシ)メチル)−1−メチルピロリジン−2−オンを白色固体として、及び、95.1mg(18.8%)の(S)−5−((((R)−4−((S)−4−アクリロイル−2−メチルピペラジン−1−イル)−7−(6−アミノ−4−メチル−3−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル)−6−クロロ−8−フルオロキナゾリン−2−イル)オキシ)メチル)−1−メチルピロリジン−2−オンを白色固体として得た。LC−MS:(ESI,m/z):636.2 [M+H]
実施例64a:H NMR(400 MHz,メタノール−d,ppm)δ 7.85(d,J=1.6 Hz,1H),6.92−6.77(m,1H),6.62(s,1H),6.30(dd,J=16.8,3.2 Hz,1H),5.82(dd,J=10.8,8.8 Hz,1H),4.82−4.78(m,1H),4.52−4.48(m,2H),4.31−4.28(m,1H),4.28−4.01(m,2H),3.87−3.52(m,2H),3.40−3.44(m,1H),3.32−3.17(m,1H),2.92(s,3H),2.61−2.58(m,1H),2.46(d,J=1.2 Hz,3H),2.37−2.27(m,2H),2.10−2.05(m,1H),1.43(d,J=6.8 Hz,3H).LC−MS:(ESI,m/z):636.2 [M+H]キラルHPLC:CHIRALPAK IE−3(0.46*5cm;3um);254nmにて検出;ヘキサン:DCM=3:1)(0.1%DEA):EtOH=50:50;流速=1mL/分;保持時間:1.74分(速いピーク)。
実施例64b:H NMR(400 MHz,メタノール−d,ppm)δ 7.85(d,J=1.6 Hz,1H),6.92−6.77(m,1H),6.62(s,1H),6.30(dd,J=16.8,3.2 Hz,1H),5.81(dd,J=10.8,8.8 Hz,1H),4.85−4.77(m,1H),4.53−4.49(m,2H),4.31−4.28(m,1H),4.28−4.01(m,2H),3.87−3.52(m,2H),3.36−3.34(m,1H),3.30−3.17(m,1H),2.92(s,3H),2.61−2.58(m,1H),2.46(d,J=1.2 Hz,3H),2.37−2.27(m,2H),2.11−2.05(m,1H),1.43(d,J=6.8 Hz,3H).LC−MS:(ESI,m/z):636.2 [M+H]キラルHPLC:CHIRALPAK IE−3(0.46*5cm;3um);254nmにて検出;ヘキサン:DCM=3:1)(0.1%DEA):EtOH=50:50;流速=1mL/分;保持時間:3.48分(遅いピーク)
実施例65:(E)−1−((S)−4−(7−(6−アミノ−4−メチル−3−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル)−6−クロロ−2−(((S)−1−メチルピロリジン−2−イル)メトキシ)キナゾリン−4−イル)−3−メチルピペラジン−1−イル)−4,4−ジフルオロブタ−2−エン−1−オン
Figure 2021512136
tert−ブチル(S)−4−(7−(6−アミノ−4−メチル−3−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル)−6−クロロ−2−(((S)−1−メチルピロリジン−2−イル)メトキシ)キナゾリン−4−イル)−3−メチルピペラジン−1−カルボキシレート(実施例61、工程3を参照のこと)(0.29g、0.53mmol)及びトリフルオロ酢酸(0.6mL、7.79mmol)のジクロロメタン溶液(3mL)を、25℃にて1時間撹拌した。完了したら、反応混合物を濃縮した。得られた混合物をジクロロメタン(3mL)に溶解させ、N,N−ジイソプロピルエチルアミン(0.18mL、1.05mmol)、(E)−4,4−ジフルオロブタ−2−エン酸(0.07g、0.58mmol)、及び2−(7−アザベンゾチアゾール−1−イル)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート(0.26g、0.69mmol)を添加した。混合物を25℃にて1時間撹拌した。完了したら、得られた溶液を水で希釈してジクロロメタンで抽出し、硫酸ナトリウムで乾燥させて真空下にて濃縮した。残留物を、ジクロロメタン/メタノール(10/1)で溶出するシリカゲルカラムにより精製し、生成物を得た。粗生成物を分取HPLCにより精製し、23mgの(E)−1−((S)−4−(7−(6−アミノ−4−メチル−3−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル)−6−クロロ−2−(((S)−1−メチルピロリジン−2−イル)メトキシ)キナゾリン−4−イル)−3−メチルピペラジン−1−イル)−4,4−ジフルオロブタ−2−エン−1−オンを白色固体として得た。LCMS:(ESI,m/z):654.3 [M+H].分取HPLC条件:カラム:XBridge Shield RP18 OBD Column;移動相A:水、B:アセトニトリル、Bの割合(7分で40%〜62%);検出器、UV 220nm。
実施例65:H NMR(400 MHz,DMSO−d6,ppm)δ 7.94(t,J=7.2 Hz,1H),7.41(s,1H),7.23−7.08(m,1H),6.78(s,2H),6.69−6.62(m,1H),6.53−6.45(m,1H),4.84−4.63(m,1H),4.43−4.22(m,2H),4.19−3.98(m,3H),3.98−3.80(m,1H),3.78−3.42(m,2H),3.28−3.08(m,1H),2.97−2.92(m,1H),2.63−2.55(m,1H),2.41−2.33(m,6H),2.18(q,J=8.4 Hz,1H),2.01−1.92(m,1H),1.73−1.58(m,3H),1.35−1.23(m,3H).
実施例66:1−[(3S)−4−[7−[6−アミノ−4−メチル−3−(トリフルオロメチル)−2−ピリジル]−6−クロロ−2−[2−(ジメチルアミノ)シクロペントキシ]キナゾリン−4−イル]−3−メチル−ピペラジン−1−イル]プロプ−2−エン−1−オン
Figure 2021512136
工程1:2−(ジメチルアミノ)シクロペンタン−1−オール
Figure 2021512136
2−アミノシクロペンタン−1−オール(5.0g、49.4mmol)の溶液に、ギ酸(10mL)を室温で、窒素下にて添加した。ホルムアルデヒド(2.8g)を添加し、反応物を100℃にて2時間撹拌した。反応物を室温まで冷却して水で希釈し、重炭酸ナトリウムにより溶液のpHを9に調節した。得られた混合物をジクロロメタンで抽出し、有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させて濃縮して2−(ジメチルアミノ)シクロペンタン−1−オール(5g、粗製物)を黄色油として得、これを精製することなく次工程で使用した。LC−MS:(ESI,m/z):129.2 [M+H]
工程2:tert−ブチル(3S)−4−(7−ブロモ−6−クロロ−2−((2−(ジメチルアミノ)シクロペンチル)オキシ)キナゾリン−4−イル)−3−メチルピペラジン−1−カルボキシレート
Figure 2021512136
2−(ジメチルアミノ)シクロペンタン−1−オール(1.0g、7.7mmol)のN,N−ジメチルアセトアミド溶液(30mL)に、水素化ナトリウム(584mg、14.6mmol、鉱油の60%分散体)を室温で添加した。得られた溶液を30分間、室温で撹拌した。次に、tert−ブチル(3S)−4−(7−ブロモ−2,6−ジクロロ−キナゾリン−4−イル)−3−メチル−ピペラジン−1−カルボキシレート(中間体5)(2.0g、4.2mmol)を添加し、40℃にて2時間撹拌した。反応を水でクエンチし、酢酸エチルで抽出した。次に、有機層を合わせて無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濃縮した。残留物を、酢酸エチル/石油エーテル(1/8)で溶出するシリカゲルフラッシュクロマトグラフィーにより精製し、tert−ブチル(3S)−4−(7−ブロモ−6−クロロ−2−((2−(ジメチルアミノ)シクロペンチル)オキシ)キナゾリン−4−イル)−3−メチルピペラジン−1−カルボキシレート(2g、3.52mmol、収率83%)を黄色固体として得た。LC−MS:(ESI,m/z):568.9 [M+H]
工程3:tert−ブチル(3S)−4−(6−クロロ−2−((2−(ジメチルアミノ)シクロペンチル)オキシ)−7−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)キナゾリン−4−イル)−3−メチルピペラジン−1−カルボキシレート
Figure 2021512136
tert−ブチル(3S)−4−(7−ブロモ−6−クロロ−2−((2−(ジメチルアミノ)シクロペンチル)オキシ)キナゾリン−4−イル)−3−メチルピペラジン−1−カルボキシレート(2.0g、3.52mmol)、ビス(ピナコラト)ジボロン(8.0g、31.3mmol)、ジクロロ[1,1−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]パラジウム(II)(256mg、0.35mmol)、及び酢酸カリウム(1400mg、10.9mmol)の1,4−ジオキサン溶液(20mL)を、80℃にて2時間、窒素下にて撹拌した。反応混合物を酢酸エチル(100mL)で希釈し、水で洗浄して(3×100mL)、tert−ブチル(3S)−4−(6−クロロ−2−((2−(ジメチルアミノ)シクロペンチル)オキシ)−7−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)キナゾリン−4−イル)−3−メチルピペラジン−1−カルボキシレート(1g、1.6mmol、収率5.2%)を黄色固体として得た。LC−MS:(ESI,m/z):616.0 [M+H]
工程4:tert−ブチル(3S)−4−(7−(6−アミノ−3−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル)−6−クロロ−2−((2−(ジメチルアミノ)シクロペンチル)オキシ)キナゾリン−4−イル)−3−メチルピペラジン−1−カルボキシレート
Figure 2021512136
tert−ブチル(3S)−4−(6−クロロ−2−((2−(ジメチルアミノ)シクロペンチル)オキシ)−7−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)キナゾリン−4−イル)−3−メチルピペラジン−1−カルボキシレート(1000mg、1.8mmol)、6−ブロモ−4−メチル−5−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−アミン(500mg、1.9mmol)、Pd(PPh3)2Cl2(120mg、0.2mmol)、及びフッ化カリウム(300mg、6.5mmol)の、アセトニトリル(10mL)及び水(1mL)の溶液を80℃にて3時間、窒素下にて撹拌した。反応混合物をジクロロメタン(50mL)で希釈した。混合物をセライトパッドを通してフィルタにかけ、濾液を真空下にて濃縮した。残留物を、メチルアルコール/ジクロロメタン(1:13)で溶出するシリカゲルフラッシュクロマトグラフィーにより精製し、tert−ブチル(3S)−4−(7−(6−アミノ−3−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル)−6−クロロ−2−((2−(ジメチルアミノ)シクロペンチル)オキシ)キナゾリン−4−イル)−3−メチルピペラジン−1−カルボキシレート(200mg、0.2mmol、収率14.5%)を黄色固体として得た。LC−MS:(ESI,m/z):650.1 [M+H]
工程5:6−[6−クロロ−2−[2−(ジメチルアミノ)シクロメトキシ]−4−[(2S)−2−メチルピペラジン−1−イル]キナゾリン−7−イル]−4−メチル−5−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−アミン
Figure 2021512136
tert−ブチル(3S)−4−(7−(6−アミノ−3−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル)−6−クロロ−2−((2−(ジメチルアミノ)シクロペンチル)オキシ)キナゾリン−4−イル)−3−メチルピペラジン−1−カルボキシレート(200mg、0.3mmol)の、2,2,2−トリフルオロ酢酸(5mL)及びジクロロメタン(20mL)の溶液を室温で1時間撹拌した。溶媒を真空下にて濃縮し、6−[6−クロロ−2−[2−(ジメチルアミノ)シクロメトキシ]−4−[(2S)−2−メチルピペラジン−1−イル]キナゾリン−7−イル]−4−メチル−5−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−アミン(150mg、0.3mmol、収率79.5%)を黄色固体として得た。LC−MS:(ESI,m/z):564.1 [M+H]
工程6:1−[(3S)−4−[7−[6−アミノ−4−メチル−3−(トリフルオロメチル)−2−ピリジル]−6−クロロ−2−[2−(ジメチルアミノ)シクロペントキシ]キナゾリン−4−イル]−3−メチル−ピペラジン−1−イル]プロプ−2−エン−1−オン
Figure 2021512136
6−[6−クロロ−2−[2−(ジメチルアミノ)シクロメトキシ]−4−[(2S)−2−メチルピペラジン−1−イル]キナゾリン−7−イル]−4−メチル−5−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−アミン(250mg、0.4mmol)の、ジクロロメタン(5mL)及びDIEA(171mg、1.3mmol)の溶液に塩化アクリロイル(32mg、0.3mmol)を−78℃にて1時間添加した。溶媒を真空下にて濃縮した。残留物を分取HPLCにより精製し、1−[(3S)−4−[7−[6−アミノ−4−メチル−3−(トリフルオロメチル)−2−ピリジル]−6−クロロ−2−[2−(ジメチルアミノ)シクロペントキシ]キナゾリン−4−イル]−3−メチル−ピペラジン−1−イル]プロプ−2−エン−1−オン(32mg、0.1mmol、収率11.6%)を白色固体として得た。
実施例66:H NMR(400 MHz,DMSO−d6,ppm)δ 7.93(s,1H),7.42(d,J=3.4 Hz,1H),6.89−6.80(m,1H),6.77(s,2H),6.46(s,1H),6.19(d,J=16.4 Hz,1H),5.75(dd,J=10.4,2.4 Hz,1H),5.40(s,1H),4.70(s,1H),4.40−4.19(m,1H),4.15−3.89(m,2H),3.62−3.40(m,2H),3.25−3.05(m,2H),2.40−2.25(m,8H),2.13−1.97(m,3H),1.68−1.52(s,4H),1.39−1.25(m,3H).LC−MS:(ESI,m/z):618.2 [M+H]
実施例67a及び67b:1−((S)−4−((R)−7−(3−アミノ−4−フルオロイソキノリン−1−イル)−6−クロロ−8−フルオロ−2−(((S)−1−メチルピロリジン−2−イル)メトキシ)キナゾリン−4−イル)−3−メチルピペラジン−1−イル)プロプ−2−エン−1−オン(実施例67a)及び1−((S)−4−((S)−7−(3−アミノ−4−フルオロイソキノリン−1−イル)−6−クロロ−8−フルオロ−2−(((S)−1−メチルピロリジン−2−イル)メトキシ)キナゾリン−4−イル)−3−メチルピペラジン−1−イル)プロプ−2−エン−1−オン(実施例67b)(2つのアトロプ異性体)
Figure 2021512136
工程1:tert−ブチル(3S)−4−(7−(3−アセトアミド−4−フルオロイソキノリン−1−イル)−6−クロロ−8−フルオロ−2−(((S)−1−メチルピロリジン−2−イル)メトキシ)キナゾリン−4−イル)−3−メチルピペラジン−1−カルボキシレート
Figure 2021512136
tert−ブチル(S)−4−(6−クロロ−8−フルオロ−2−(((S)−1−メチルピロリジン−2−イル)メトキシ)−7−(トリブチルスタンニル)キナゾリン−4−イル)−3−メチルピペラジン−1−カルボキシレート(実施例63a/63b、工程2を参照のこと)(138.0mg、0.18mmol)、N−(1−ブロモ−4−フルオロ−3−イソキノリル)アセトアミド(50.0mg、0.18mmol)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(102.0mg、0.09mmol)、ヨウ化銅(I)(17.0mg、0.09mmol)、及び塩化リチウム(19.0mg、0.4400mmol)の N,N−ジメチルホルムアミド溶液(2mL)を、105℃にて16時間、窒素下にて撹拌した。完了したら、反応物をフィルタにかけ、濾液を酢酸エチルで希釈して水で洗浄した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濃縮した。残留物を、ジクロロメタン/メタノール(92:8)で溶出するシリカゲルフラッシュクロマトグラフィーにより精製し、tert−ブチル(3S)−4−(7−(3−アセトアミド−4−フルオロイソキノリン−1−イル)−6−クロロ−8−フルオロ−2−(((S)−1−メチルピロリジン−2−イル)メトキシ)キナゾリン−4−イル)−3−メチルピペラジン−1−カルボキシレート(60mg、0.08mmol、収率48.8%)を黄色油として得た。LC−MS:(ESI,m/z):696.3 [M+H]
工程2:N−(1−(6−クロロ−8−フルオロ−4−((S)−2−メチルピペラジン−1−イル)−2−(((S)−1−メチルピロリジン−2−イル)メトキシ)キナゾリン−7−イル)−4−フルオロイソキノリン−3−イル)アセトアミド
Figure 2021512136
tert−ブチル(3S)−4−(7−(3−アセトアミド−4−フルオロイソキノリン−1−イル)−6−クロロ−8−フルオロ−2−(((S)−1−メチルピロリジン−2−イル)メトキシ)キナゾリン−4−イル)−3−メチルピペラジン−1−カルボキシレート(800.0mg、1.15mmol)の、2,2,2−トリフルオロ酢酸(10mL)及びジクロロメタン(10mL)溶液を25℃にて1時間撹拌した。完了したら、反応物を濃縮し、得られた残留物を、メタノール/水(3:7)で溶出するC18ゲルフラッシュクロマトグラフィーにより精製してN−(1−(6−クロロ−8−フルオロ−4−((S)−2−メチルピペラジン−1−イル)−2−(((S)−1−メチルピロリジン−2−イル)メトキシ)キナゾリン−7−イル)−4−フルオロイソキノリン−3−イル)アセトアミド(500mg、0.83mmol、収率73%)を黄色固体として得た。LC−MS:(ESI,m/z):596.2 [M+H]
工程3:1−(6−クロロ−8−フルオロ−4−((S)−2−メチルピペラジン−1−イル)−2−(((S)−1−メチルピロリジン−2−イル)メトキシ)キナゾリン−7−イル)−4−フルオロイソキノリン−3−アミン
Figure 2021512136
N−(1−(6−クロロ−8−フルオロ−4−((S)−2−メチルピペラジン−1−イル)−2−(((S)−1−メチルピロリジン−2−イル)メトキシ)キナゾリン−7−イル)−4−フルオロイソキノリン−3−イル)アセトアミド(400.0mg、0.67mmol)の、メチルアルコール(20mL)及び塩酸(1mL、10mmol)の溶液を25℃にて16時間撹拌した。完了したら、溶液を真空下にて濃縮した。1−(6−クロロ−8−フルオロ−4−((S)−2−メチルピペラジン−1−イル)−2−(((S)−1−メチルピロリジン−2−イル)メトキシ)キナゾリン−7−イル)−4−フルオロイソキノリン−3−アミン(350mg、0.63mmol、収率94.1%)の粗生成物を、更に精製することなく次工程にて直接使用した。LC−MS:(ESI,m/z):554.3 [M+H]
工程4:1−((S)−4−((R)−7−(3−アミノ−4−フルオロイソキノリン−1−イル)−6−クロロ−8−フルオロ−2−(((S)−1−メチルピロリジン−2−イル)メトキシ)キナゾリン−4−イル)−3−メチルピペラジン−1−イル)プロプ−2−エン−1−オン(実施例67a)及び1−((S)−4−((S)−7−(3−アミノ−4−フルオロイソキノリン−1−イル)−6−クロロ−8−フルオロ−2−(((S)−1−メチルピロリジン−2−イル)メトキシ)キナゾリン−4−イル)−3−メチルピペラジン−1−イル)プロプ−2−エン−1−オン(実施例67b)(2つのアトロプ異性体)
Figure 2021512136
1−(6−クロロ−8−フルオロ−4−((S)−2−メチルピペラジン−1−イル)−2−(((S)−1−メチルピロリジン−2−イル)メトキシ)キナゾリン−7−イル)−4−フルオロイソキノリン−3−アミン(220.0mg、0.4000mmol)及びN,N−ジイソプロピルエチルアミン(1mL、5.74mmol)のジクロロメタン溶液(20mL)を、−78℃にて5分間撹拌した。次に、塩化アクリロイル(36.0mg、0.4000mmol)を添加し、反応物を−78℃にて更に30分間撹拌した。反応物を濃縮し、残留物を、アセトニトリル/水(7:3)で溶出するC18ゲルフラッシュクロマトグラフィーにより精製して粗生成物を得た。生成物を、キラル分取HPLC(カラム:CHIRALPAK IC、2*25cm、5um;移動相A:ヘキサン:DCM=1:1(10mM NH−MeOH)−−HPLC、移動相B:EtOH−−HPLC;流速:17mL/分により精製し、1−((S)−4−((R)−7−(3−アミノ−4−フルオロイソキノリン−1−イル)−6−クロロ−8−フルオロ−2−(((S)−1−メチルピロリジン−2−イル)メトキシ)キナゾリン−4−イル)−3−メチルピペラジン−1−イル)プロプ−2−エン−1−オン(36.9mg、0.060mmol、収率15.3%)を白色固体として得、1−((S)−4−((S)−7−(3−アミノ−4−フルオロイソキノリン−1−イル)−6−クロロ−8−フルオロ−2−(((S)−1−メチルピロリジン−2−イル)メトキシ)キナゾリン−4−イル)−3−メチルピペラジン−1−イル)プロプ−2−エン−1−オン(41.4mg、0.068mmol、収率17.1%)を白色固体として得た。
実施例67a:LC−MS:(ESI,m/z):608.2 [M+H]H NMR(300 MHz,DMSO,ppm)δ 8.01−7.74(m,2H),7.73−7.60(m,1H),7.40−7.30(m,1H),7.25−7.17(m,1H),6.75−7.00(m,1H),6.33(s,2H),6.22−6.09(m,1H),5.74(dd,J=2.4,10.5 Hz,1H),4.80(s,1H),4.42−3.95(m,5H),3.87−3.37(m,2H),3.29−3.02(m,1H),2.98−2.83(m,1H),2.68−2.54(m,1H),2.32(s,3H),2.19−2.09(m,1H),2.00−1.85(m,1H),1.70−1.52(m,3H),1.38−1.25(m,3H).キラルHPLC:CHIRALPAK IC−3(0.46*5cm;3um);254nmにて検出;(n−ヘキサン/ジクロロメタン=1/1)(0.1%ジエチルアミン)/エタノール=1/1;流速=1.0mL/分;保持時間:1.4分(速いピーク)。
実施例67b:LC−MS:(ESI,m/z):608.2 [M+H]H NMR(300 MHz,DMSO,ppm)δ 8.05−7.75(m,2H),7.73−7.53(m,1H),7.51−7.30(m,1H),7.27−7.10(m,1H),7.00−6.6.63(m,1H),6.33(s,2H),6.22−6.15(d,J=21,1H),5.74(dd,J=2.4,10.5 Hz,1H),4.80(s,1H),4.42−3.95(m,5H),3.87−3.37(m,2H),3.29−3.02(m,1H),2.98−2.83(m,1H),2.68−2.54(m,1H),2.32(s,3H),2.19−2.09(m,1H),2.01−1.87(m,1H),1.80−1.53(m,3H),1.33−1.17(m,3H).キラルHPLC:CHIRALPAK IC−3(0.46*5cm;3um);254nmにて検出;(n−ヘキサン/ジクロロメタン=1/1)(0.1%ジエチルアミン)/エタノール=1/1;流速=1.0mL/分;保持時間:2.4分(遅いピーク)。
実施例68a及び68b:1−((S)−4−((R)−7−(6−アミノ−4−メチル−3−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル)−6−クロロ−8−フルオロ−2−(((S)−1−メチルピロリジン−2−イル)メトキシ)キナゾリン−4−イル)−3−メチルピペラジン−1−イル)−2−フルオロプロプ−2−エン−1−オン(実施例68a)及び1−((S)−4−((S)−7−(6−アミノ−4−メチル−3−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル)−6−クロロ−8−フルオロ−2−(((S)−1−メチルピロリジン−2−イル)メトキシ)キナゾリン−4−イル)−3−メチルピペラジン−1−イル)−2−フルオロプロプ−2−エン−1−オン(実施例68b)(2つのアトロプ異性体)
Figure 2021512136
6−[6−クロロ−8−フルオロ−4−[(2S)−2−メチルピペラジン−1−イル]−2−[[(2S)−1−メチルピロリジン−2−イル]メトキシ]キナゾリン−7−イル]−4−メチル−5−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−アミン(実施例17、工程11を参照のこと)(450.0mg、0.79mmol)、2−フルオロアクリル酸(64.21mg、0.71mmol)、HATU(451.85mg、1.19mmol)、及びN,N−ジイソプロピルエチルアミン(408.8mg、3.17mmol)のジクロロメタン溶液(4mL)を、25℃にて1時間撹拌した。完了したら、反応物をジクロロメタンで希釈し、水で洗浄した。次に、有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させて濃縮した。残留物を逆相クロマトグラフィー(カラム、C18シリカゲル;移動相A:水、B:アセトニトリル、Bの割合(30分で5%〜70%);検出器、UV 254nm)により精製し、150mgの1−[(3S)−4−[7−[6−アミノ−4−メチル−3−(トリフルオロメチル)−2−ピリジル]−6−クロロ−8−フルオロ−2−[[(2S)−1−メチルピロリジン−2−イル]メトキシ]キナゾリン−4−イル]−3−メチル−ピペラジン−1−イル]−2−フルオロ−プロプ−2−エン−1−オンを白色固体として得た。粗生成物を分取HPLC(カラム、XBridge Prep C18 OBD Column19*15mm 5umC−0013;移動相A:水に10mmol HCOOH、B:ACN及びBの割合(7分で51%〜73%);検出器、UV 254nm)により直接精製し、粗生成物(130mg)を白色固体として得た。ジアステレオ異性体の混合物を分取キラル(カラム、CHIRALPAK IC−3 0.45*5cm 3um;移動相、(ヘキサン:ジクロロメタン=3:1)(0.1%DEA):EtOH=50:50;検出器、254nm;流速、1.0ml/分;温度:25℃)により分離し、32mg(6.3%)の1−((S)−4−((R)−7−(6−アミノ−4−メチル−3−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル)−6−クロロ−8−フルオロ−2−(((S)−1−メチルピロリジン−2−イル)メトキシ)キナゾリン−4−イル)−3−メチルピペラジン−1−イル)−2−フルオロプロプ−2−エン−1−オン(1.01分にて)を白色固体として、及び48mg(9.5%)の1−((S)−4−((S)−7−(6−アミノ−4−メチル−3−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル)−6−クロロ−8−フルオロ−2−(((S)−1−メチルピロリジン−2−イル)メトキシ)キナゾリン−4−イル)−3−メチルピペラジン−1−イル)−2−フルオロプロプ−2−エン−1−オン(1.41分にて)を白色固体として得た。LC−MS:(ESI,m/z):640.2 [M+H]
実施例68a:H NMR(400 MHz,DMSO−d,ppm)δ 7.81(s,1H),6.85(s,2H),6.49(s,1H),5.37−5.20(m,2H),4.76(s,1H),4.39(dd,J=10.8,6.0 Hz,1H),4.18−4.11(m,3H),4.11−3.93(m,1H),3.91−3.69(m,2H),3.20−3.03(m,1H),2.96−2.92(m,1H),2.60−2.57(m,1H),2.37−2.35(m,6H),2.19−2.14(m,1H),1.96−1.92(m,1H),1.70−1.62(m,3H),1.28(d,J=6.8 Hz,3H).LC−MS:(ESI,m/z):640.2 [M+H]キラルHPLC:CHIRALPAK IC−3(0.46*5cm;3um);254nmにて検出;ヘキサン:DCM=3:1)(0.1%DEA):EtOH=50:50;流速=1mL/分;保持時間:1.00分(速いピーク)。
実施例68b:H NMR(400 MHz,DMSO−d,ppm)δ 7.79(s,1H),6.84(s,2H),6.49(s,1H),5.37−5.19(m,2H),4.73(s,1H),4.37(dd,J=10.8,6.0 Hz,1H),4.18−4.01(m,3H),4.01−3.79(m,1H),3.79−3.66(m,2H),3.31−3.03(m,1H),2.96−2.92(m,1H),2.59−2.56(m,1H),2.37−2.35(m,6H),2.18−2.14(m,1H),1.97−1.93(m,1H),1.70−1.62(m,3H),1.31(d,J=6.8 Hz,3H).LC−MS:(ESI,m/z):640.2 [M+H]キラルHPLC:CHIRALPAK IC−3(0.46*5cm;3um);254nmにて検出;ヘキサン:DCM=3:1)(0.1%DEA):EtOH=50:50;流速=1mL/分;保持時間:1.41分(遅いピーク)。
実施例69:1−[(3S)−4−[7−[6−アミノ−4−メチル−3−(トリフルオロメチル)−2−ピリジル]−6−クロロ−8−フルオロ−2−[[(2S,4R)−4−フルオロ−1−メチル−ピロリジン−2−イル]メトキシ]キナゾリン−4−イル]−3−メチル−ピペラジン−1−イル]プロプ−2−エン−1−オン
Figure 2021512136
工程1:tert−ブチル(3S)−4−(7−(6−(ビス(4−メトキシベンジル)アミノ)−4−メチル−3−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル)−6−クロロ−8−フルオロ−2−(((2S,4R)−4−フルオロ−1−メチルピロリジン−2−イル)メトキシ)キナゾリン−4−イル)−3−メチルピペラジン−1−カルボキシレート
Figure 2021512136
[(2S,4R)−4−フルオロ−1−メチル−ピロリジン−2−イル]メタノール(300mg、2.2mmol)のテトラヒドロフラン溶液(20mL)に水素化ナトリウム(206mg、1.9mmol)を室温で添加した。得られた溶液を30分間、室温で撹拌した。次に、tert−ブチル(3S)−4−[7−[6−[ビス[(4−メトキシフェニル)メチルアミノ]−4−メチル−3−(トリフルオロメチル)−2−ピリジル]−6−クロロ−2,8−ジフルオロ−キナゾリン−4−イル]−3−メチル−ピペラジン−1−カルボキシレート(実施例17a/17bの工程9を参照のこと)(1.6g、1.9mmol)を添加し、室温で更に1時間撹拌した。反応物を水でクエンチした。得られた溶液を酢酸エチルで抽出し(3×100mL)、有機層を合わせた。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、真空下にて濃縮した。残留物を、石油エーテル/酢酸エチル(30%)で溶出するシリカゲルフラッシュクロマトグラフィーにより精製し、tert−ブチル(3S)−4−(7−(6−(ビス(4−メトキシベンジル)アミノ)−4−メチル−3−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル)−6−クロロ−8−フルオロ−2−(((2S,4R)−4−フルオロ−1−メチルピロリジン−2−イル)メトキシ)キナゾリン−4−イル)−3−メチルピペラジン−1−カルボキシレート(900mg、0.8mmol、収率44.4%)を黄色固体として得た。LC−MS:(ESI,m/z):926.4 [M+H]
工程2:1−[(3S)−4−[7−[6−アミノ−4−メチル−3−(トリフルオロメチル)−2−ピリジル]−6−クロロ−8−フルオロ−2−[[(2S,4R)−4−フルオロ−1−メチル−ピロリジン−2−イル]メトキシ]キナゾリン−4−イル]−3−メチル−ピペラジン−1−イル]プロプ−2−エン−1−オン
Figure 2021512136
tert−ブチル(3S)−4−(7−(6−(ビス(4−メトキシベンジル)アミノ)−4−メチル−3−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル)−6−クロロ−8−フルオロ−2−(((2S,4R)−4−フルオロ−1−メチルピロリジン−2−イル)メトキシ)キナゾリン−4−イル)−3−メチルピペラジン−1−カルボキシレート(900mg、0.9mmol)の2,2,2−トリフルオロ酢酸溶液(10mL)を、50℃にて5時間撹拌した。反応物を濃縮し、6−[6−クロロ−8−フルオロ−2−[[(2S,4R)−4−フルオロ−1−メチル−ピロリジン−2−イル]メトキシ]−4−[(2S)−2−メチルピペラジン−1−イル]キナゾリン−7−イル]−4−メチル−5−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−アミン(500mg、0.7mmol、収率79%)を黄色固体として得た。次に、6−[6−クロロ−8−フルオロ−2−[[(2S,4R)−4−フルオロ−1−メチル−ピロリジン−2−イル]メトキシ]−4−[(2S)−2−メチルピペラジン−1−イル]キナゾリン−7−イル]−4−メチル−5−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−アミン(500mg、0.7mmol)及びN,N−ジイソプロピルエチルアミン(1.2g、2.7mmol)のジクロロメタン溶液(30mL)に塩化アクリロイル(70mg、0.7mmol)を−78℃にて添加した。得られた溶液を1時間−78℃にて撹拌し、水でクエンチしてジクロロメタン(3×100mL)で抽出した。有機層を合わせて濃縮し、残留物を分取HPLC(カラム、CHIRALPAK IC−3 0.46*5cm 3um;移動相、(ヘキサン:DCM=3:1)(0.1%DEA):EtOH=50:50;検出器、254nm;流速、1.0ml/分;温度:25℃)により精製し、1−[(3S)−4−[7−[6−アミノ−4−メチル−3−(トリフルオロメチル)−2−ピリジル]−6−クロロ−8−フルオロ−2−[[(2S,4R)−4−フルオロ−1−メチル−ピロリジン−2−イル]メトキシ]キナゾリン−4−イル]−3−メチル−ピペラジン−1−イル]プロプ−2−エン−1−オン(53mg、0.1mmol、収率9.5%)(1.058分にて)を得た。LC−MS:(ESI,m/z):640.2 [M+H]
実施例69:H NMR(400 MHz,DMSO−d,ppm)δ 7.80(s,1H),6.85(s,3H),6.50(s,1H),6.25−6.12(m,1H),5.74(dd,J=10.4,2.4 Hz,1H),5.19(d,J=56.6 Hz,1H),4.71(s,1H),4.51−4.19(m,3H),4.19−3.91(m,2H),3.61(d,J=12.3 Hz,2H),3.45(m,J=25.6,11.5,5.3 Hz,1H),3.25−3.02(m,1H),2.93(dd,J=10.1,5.3 Hz,1H),2.42−2.34(m,7H),2.24−2.05(m,1H),1.92(m,J=33.7,14.9,10.0,6.0 Hz,1H),1.30(d,J=6.6 Hz,3H).
実施例70:(S)−1−(4−(7−(6−アミノ−3−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル)−6−クロロ−2−((1−メチルピロリジン−2−イル)メトキシ)キナゾリン−4−イル)ピペラジン−1−イル)プロプ−2−エン−1−オン
Figure 2021512136
工程1:tert−ブチル(S)−4−(7−(6−(ビス(4−メトキシベンジル)アミノ)−3−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル)−6−クロロ−2−((1−メチルピロリジン−2−イル)メトキシ)キナゾリン−4−イル)ピペラジン−1−カルボキシレート
Figure 2021512136
N−メチル−l−プロリノール(45.0mg、0.39mmol)のテトラヒドロフラン溶液(5mL)に水素化ナトリウム(22.0mg、0.54mmol、鉱油の60%分散体)を添加し、混合物を25℃にて5分間撹拌した。次に、tert−ブチル4−(7−(6−(ビス(4−メトキシベンジル)アミノ)−3−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル)−6−クロロ−2−フルオロキナゾリン−4−イル)ピペラジン−1−カルボキシレート(中間体3)(200.0mg、0.26mmol)を添加し、25℃にて1時間撹拌した。反応溶液を水でクエンチし、酢酸エチルで抽出した。次に、有機層を合わせて無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濃縮した。残留物を、石油エーテル/酢酸エチル(7/3)で溶出するシリカゲルフラッシュクロマトグラフィーにより精製し、tert−ブチル(S)−4−(7−(6−(ビス(4−メトキシベンジル)アミノ)−3−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル)−6−クロロ−2−((1−メチルピロリジン−2−イル)メトキシ)キナゾリン−4−イル)ピペラジン−1−カルボキシレート(210mg、0.24mmol、収率93.4%)を得た。LC−MS:(ESI,m/z):862.2 [M+H]
工程2:(S)−6−(6−クロロ−2−((1−メチルピロリジン−2−イル)メトキシ)−4−(ピペラジン−1−イル)キナゾリン−7−イル)−5−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−アミン
Figure 2021512136
tert−ブチル(S)−4−(7−(6−(ビス(4−メトキシベンジル)アミノ)−3−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル)−6−クロロ−2−((1−メチルピロリジン−2−イル)メトキシ)キナゾリン−4−イル)ピペラジン−1−カルボキシレート(200.0mg、0.2300mmol)のトリフルオロ酢酸溶液(5mL)を、50℃にて2時間撹拌した。完了後、溶媒を真空下にて濃縮した。残留物を、アセトニトリル/水(7/3)で溶出するC18ゲルフラッシュクロマトグラフィーにより精製し、(S)−6−(6−クロロ−2−((1−メチルピロリジン−2−イル)メトキシ)−4−(ピペラジン−1−イル)キナゾリン−7−イル)−5−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−アミン(90mg、0.17mmol、収率74.3%)を黄色油として得た。LC−MS:(ESI,m/z):522.2 [M+H]
工程3:(S)−1−(4−(7−(6−アミノ−3−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル)−6−クロロ−2−((1−メチルピロリジン−2−イル)メトキシ)キナゾリン−4−イル)ピペラジン−1−イル)プロプ−2−エン−1−オン
Figure 2021512136
(S)−6−(6−クロロ−2−((1−メチルピロリジン−2−イル)メトキシ)−4−(ピペラジン−1−イル)キナゾリン−7−イル)−5−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−アミン(100.0mg、0.19mmol)及びN,N−ジイソプロピルエチルアミン(1.0mL、5.74mmol)のジクロロメタン溶液(10mL)を、−78℃にて5分間撹拌した。次に、塩化アクリロイル(17.0mg、0.19mmol)を添加して、−78℃にて30分間撹拌した。完了後、溶媒を真空下にて濃縮した。粗生成物を分取HPLCにより精製し、(S)−1−(4−(7−(6−アミノ−3−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル)−6−クロロ−2−((1−メチルピロリジン−2−イル)メトキシ)キナゾリン−4−イル)ピペラジン−1−イル)プロプ−2−エン−1−オン(19.3mg、0.034mmol、収率17.5%)を白色固体として得た。LC−MS:(ESI,m/z):576.2 [M+H]
実施例70:H NMR(400 MHz,DMSO−d,ppm)δ 8.04(s,1H),7.78(d,J=8.8 Hz,1H),7.46(s,1H),6.90(s,2H),6.82(dd,J=10.0,16.4 Hz,1H),6.60(d,J=8.8 Hz,1H),6.17(dd,J=2.4,16.8 Hz,1H),5.74(dd,J=2.0,10.4 Hz,1H),4.36−4.33(m,1H),4.19−4.15(m,1H),3.85−3.77(m,8H),2.96−2.95(m,1H),2.68−2.65(s,1H),2.35(s,3H),2.19−2.13(m,1H),1.97−1.88(m,1H),1.68−1.60(m,3H).LC−MS:(ESI,m/z):576.2 [M+H]
実施例71:1−(4−(7−(6−アミノ−3−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル)−6−クロロ−2−(((2S,4R)−4−エトキシ−1−メチルピロリジン−2−イル)メトキシ)キナゾリン−4−イル)ピペラジン−1−イル)プロプ−2−エン−1−オン
Figure 2021512136
工程1:((2S,4R)−4−エトキシ−1−メチルピロリジン−2−イル)メタノール
Figure 2021512136
(2S,4R)−1−tert−ブトキシカルボニル−4−エトキシ−ピロリジン−2−カルボン酸(600.0mg、2.31mmol)のテトラヒドロフラン溶液(10mL)を、室温で5分間撹拌した。次に、水素化リチウムアルミニウム(352.0mg、9.26mmol)を添加し、25℃にて6時間撹拌した。反応物を水でクエンチし、水及び酢酸エチルで抽出した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、真空下にて濃縮して((2S,4R)−4−エトキシ−1−メチルピロリジン−2−イル)メタノール(150mg、粗製物)を黄色油として得た。LC−MS:(ESI,m/z):160.1 [M+H]
工程2:tert−ブチル4−(7−(6−(ビス(4−メトキシベンジル)アミノ)−3−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル)−6−クロロ−2−(((2S,4R)−4−エトキシ−1−メチルピロリジン−2−イル)メトキシ)キナゾリン−4−イル)ピペラジン−1−カルボキシレート
Figure 2021512136
((2S,4R)−4−エトキシ−1−メチルピロリジン−2−イル)メタノール(84.0mg、0.53mmol)のテトラヒドロフラン溶液(10mL)に水素化ナトリウム(21.6mg、0.54mmol、鉱油の60%分散体)を添加し、混合物を25℃にて30分間撹拌した。次に、tert−ブチル4−(7−(6−(ビス(4−メトキシベンジル)アミノ)−3−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル)−6−クロロ−2−フルオロキナゾリン−4−イル)ピペラジン−1−カルボキシレート(中間体3)(200.0mg、0.26mmol)を添加し、25℃にて6時間撹拌した。反応を水でクエンチし、酢酸エチルで抽出した。次に、有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させて濃縮した。残留物を、石油エーテル/酢酸エチル(4/1)で溶出するシリカゲルフラッシュクロマトグラフィーにより精製し、tert−ブチル4−(7−(6−(ビス(4−メトキシベンジル)アミノ)−3−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル)−6−クロロ−2−(((2S,4R)−4−エトキシ−1−メチルピロリジン−2−イル)メトキシ)キナゾリン−4−イル)ピペラジン−1−カルボキシレート(160mg、0.18mmol、収率67.7%)を黄色固体として得た。LC−MS:(ESI,m/z):906.4 [M+H]
工程3:6−(6−クロロ−2−(((2S,4R)−4−エトキシ−1−メチルピロリジン−2−イル)メトキシ)−4−(ピペラジン−1−イル)キナゾリン−7−イル)−5−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−アミン
Figure 2021512136
tert−ブチル4−(7−(6−(ビス(4−メトキシベンジル)アミノ)−3−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル)−6−クロロ−2−(((2S,4R)−4−エトキシ−1−メチルピロリジン−2−イル)メトキシ)キナゾリン−4−イル)ピペラジン−1−カルボキシレート(150.0mg、0.17mmol)のトリフルオロ酢酸溶液(20mL)を、50℃にて6時間撹拌した。反応物を濃縮し、残留物を、アセトニトリル/水(7/3)で溶出するC18フラッシュクロマトグラフィーにより精製し、工程3:6−(6−クロロ−2−(((2S,4R)−4−エトキシ−1−メチルピロリジン−2−イル)メトキシ)−4−(ピペラジン−1−イル)キナゾリン−7−イル)−5−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−アミン(80mg、0.14mmol、収率85.4%)をオフホワイト固体として得た。LC−MS:(ESI,m/z):566.2 [M+H]
工程4:1−(4−(7−(6−アミノ−3−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル)−6−クロロ−2−(((2S,4R)−4−エトキシ−1−メチルピロリジン−2−イル)メトキシ)キナゾリン−4−イル)ピペラジン−1−イル)プロプ−2−エン−1−オン
Figure 2021512136
6−(6−クロロ−2−(((2S,4R)−4−エトキシ−1−メチルピロリジン−2−イル)メトキシ)−4−(ピペラジン−1−イル)キナゾリン−7−イル)−5−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−アミン(70.1mg、0.12mmol)及びN,N−ジイソプロピルエチルアミン(48.1mg、0.37mmol)のジクロロメタン溶液(10mL)を、−78℃にて5分間撹拌した。次に、塩化アクリロイル(12.0mg、0.13mmol)を反応系に滴加し、−78℃にて30分間撹拌した。完了後、反応物を水でクエンチし濃縮した。残留物を分取HPLCにより精製し、1−(4−(7−(6−アミノ−3−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル)−6−クロロ−2−(((2S,4R)−4−エトキシ−1−メチルピロリジン−2−イル)メトキシ)キナゾリン−4−イル)ピペラジン−1−イル)プロプ−2−エン−1−オン(32.9mg、0.053mmol、収率42.9%)を白色固体として得た。
実施例71:H NMR(300 MHz,メタノール−d,ppm)δ 8.09(s,1H),7.80(d,J=9.0 Hz,1H),7.54(s,1H),6.89−6.77(m,1H),6.71−6.66(m,1H),6.31−6.25(m,1H),5.86−5.75(m,1H),4.52−4.48(m,2H),4.10(s,1H),3.98(s,4H),3.93(s,4H),3.56−3.36(m,3H),3.17(s,1H),2.60(s,3H),2.56−2.47(m,1H),2.12(s,1H),2.00(d,J=8.2 Hz,1H),1.18(t,J=7.0 Hz,3H).LC−MS:(ESI,m/z):620.3 [M+H]
実施例72:(S)−1−(4−(7−(6−アミノ−3−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル)−6−クロロ−2−((4−メチル−4−アザスピロ[2.4]−ヘプタン−5−イル)メトキシ)キナゾリン−4−イル)ピペラジン−1−イル)プロプ−2−エン−1−オン
Figure 2021512136
工程1:(S)−5−(((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)メチル)−4−メチル−4−アザスピロ[2.4]ヘプタン
Figure 2021512136
(S)−5−(((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)メチル)−1−メチルピロリジン−2−オン(実施例64a及び64bの工程2を参照のこと)(3.0g、12.32mmol)のテトラヒドロフラン溶液にCH(40mL)Ti(Oi−Pr)(13.96g、49.3mmol)を25℃にて、窒素下にて添加した。得られた溶液を0.5時間撹拌した。エチルマグネシウムブロミド(13.14g、98.6mmol)を0℃にて添加し、25℃にて6時間撹拌した。完了したら、溶液を水でクエンチしてジクロロメタンで抽出した。有機層を収集し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させて真空下にて濃縮した。残留物を、石油エーテル/酢酸エチル(7/1)で溶出するシリカゲルカラムにアプライし、(S)−5−(((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)メチル)−4−メチル−4−アザスピロ[2.4]ヘプタン(1.5g、5.87mmol、収率47.6%)を黄色油として得た。LC−MS:(ESI,m/z):256.2 [M+H]
工程2:(S)−(4−メチル−4−アザスピロ[2.4]ヘプタン−5−イル)メタノール
Figure 2021512136
(S)−5−(((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)メチル)−4−メチル−4−アザスピロ[2.4]ヘプタン(1.4g、5.48mmol)のHCl/1,4−ジオキサン溶液(20mL)を、50℃にて6時間撹拌した。完了したら、溶液を水でクエンチしてジクロロメタンで抽出した。有機層を収集し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させて濃縮した。残留物を、石油エーテル/酢酸エチル(5/1)で溶出するシリカゲルカラムにアプライし、(S)−(4−メチル−4−アザスピロ[2.4]ヘプタン−5−イル)メタノール(300mg、2.12mmol、収率38.8%)を黄色油として得た。LC−MS:(ESI,m/z):142.1 [M+H]+
工程3:tert−ブチル(S)−4−(7−(6−(ビス(4−メトキシベンジル)アミノ)−3−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル)−6−クロロ−2−((4−メチル−4−アザスピロ[2.4]ヘプタン−5−イル)メトキシ)キナゾリン−4−イル)ピペラジン−1−カルボキシレート
Figure 2021512136
(S)−(4−メチル−4−アザスピロ[2.4]ヘプタン−5−イル)メタノール(148.0mg、1.05mmol)及び水素化ナトリウム(60%)(50.0mg、2.08mmol)のテトラヒドロフラン溶液(10mL)を、25℃にて0.5時間撹拌した。次に、tert−ブチル4−(7−(6−(ビス(4−メトキシベンジル)アミノ)−3−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル)−6−クロロ−2−フルオロキナゾリン−4−イル)ピペラジン−1−カルボキシレート(中間体3)(200.0mg、0.26mmol)を添加して、25℃にて6時間撹拌した。完了したら、溶液を水でクエンチしてジクロロメタンで抽出した。有機層を収集し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させて真空下にて濃縮した。残留物を、石油エーテル/酢酸エチル(8/1)で溶出するシリカゲルカラムにアプライし、tert−ブチル(S)−4−(7−(6−(ビス(4−メトキシベンジル)アミノ)−3−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル)−6−クロロ−2−((4−メチル−4−アザスピロ[2.4]ヘプタン−5−イル)メトキシ)キナゾリン−4−イル)ピペラジン−1−カルボキシレート(96mg、0.11mmol、収率41.5%)を黄色固体として得た。LC−MS:(ESI,m/z):888.5 [M+H]
工程4:(S)−6−(6−クロロ−2−((4−メチル−4−アザスピロ[2.4]ヘプタン−5−イル)メトキシ)−4−(ピペラジン−1−イル)キナゾリン−7−イル)−5−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−アミン
Figure 2021512136
tert−ブチル(S)−4−(7−(6−(ビス(4−メトキシベンジル)アミノ)−3−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル)−6−クロロ−2−((4−メチル−4−アザスピロ[2.4]ヘプタン−5−イル)メトキシ)キナゾリン−4−イル)ピペラジン−1−カルボキシレート(80.0mg、0.09mmol)の2,2,2−トリフルオロ酢酸溶液(10mL)を、50℃にて5時間撹拌した。完了したら、溶液を水でクエンチしてジクロロメタンで抽出した。有機層を収集し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させて真空下にて濃縮した。残留物を、ジクロロメタン/メタノール(7/1)で溶出するシリカゲルカラムにアプライし、(S)−6−(6−クロロ−2−((4−メチル−4−アザスピロ[2.4]ヘプタン−5−イル)メトキシ)−4−(ピペラジン−1−イル)キナゾリン−7−イル)−5−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−アミン(40mg、0.073mmol、収率81.1%)を得た。LC−MS:(ESI,m/z):548.2 [M+H]
工程5:(S)−1−(4−(7−(6−アミノ−3−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル)−6−クロロ−2−((4−メチル−4−アザスピロ[2.4]ヘプタン−5−イル)メトキシ)キナゾリン−4−イル)ピペラジン−1−イル)プロプ−2−エン−1−オン
Figure 2021512136
(S)−6−(6−クロロ−2−((4−メチル−4−アザスピロ[2.4]ヘプタン−5−イル)メトキシ)−4−(ピペラジン−1−イル)キナゾリン−7−イル)−5−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−アミン(30.0mg、0.05mmol)及びN,N−ジイソプロピルエチルアミン(22.0mg、0.17mmol)のジクロロメタン溶液(10mL)を、−78℃にて5分間撹拌した。次に、塩化アクリロイル(5.0mg、0.06mmol)を添加し、−78℃にて0.5時間撹拌した。完了したら、溶液を水でクエンチしてジクロロメタンで抽出した。有機層を収集し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させて真空下にて濃縮した。残留物を分取HPLCにより精製し、(S)−1−(4−(7−(6−アミノ−3−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル)−6−クロロ−2−((4−メチル−4−アザスピロ[2.4]ヘプタン−5−イル)メトキシ)キナゾリン−4−イル)ピペラジン−1−イル)プロプ−2−エン−1−オン(10.8mg、0.018mmol、収率32.8%)を白色固体として得た。LC−MS:(ESI,m/z):602.3 [M+H].分取HPLC条件:カラム:XBridge Shield RP18 OBD Column;移動相A:水、B:アセトニトリル、Bの割合(7分で40%〜 62%);検出器、UV 220nm。
実施例72:H NMR(400 MHz,CDCl,ppm)δ 7.89(s,1H),7.82(d,J=8.7 Hz,1H),7.68(s,1H),6.72−6.50(m,2H),6.48−6.23(m,1H),5.89−5.68(m,1H),5.03−4.82(m,2H),4.56(s,1H),4.34(s,1H),4.02−3.73(m,8H),3.17(s,1H),2.24(s,3H),2.20−2.11(m,1H),2.01−1.89(m,1H),1.89−1.72(m,2H),0.91(s,1H),0.67(s,1H),0.52(s,1H),0.31(s,1H).
実施例73:1−(4−(7−(6−アミノ−3−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル)−6−クロロ−2−((4,4−ジフルオロ−1,2−ジメチルピロリジン−2−イル)メトキシ)キナゾリン−4−イル)ピペラジン−1−イル)プロプ−2−エン−1−オン
Figure 2021512136
工程1:1−(tert−ブチル)2−メチル4,4−ジフルオロ−2−メチルピロリジン−1,2−ジカルボキシレート
Figure 2021512136
1−tert−ブチル2−メチル(2S)−4,4−ジフルオロピリジン−1,2−ジカルボキシレート(3.0g、11.31mmol)及びリチウムジイソプロピルアミド(6.8mL、13.57mmol、テトラヒドロフラン中に2M)のテトラヒドロフラン溶液(25mL)を、−78℃にて0.5時間、窒素下にて撹拌した。ヨードメタン(2.09g、14.7mmol)を反応系に滴加し、−78℃にて5時間撹拌した。完了したら、溶液を水で希釈し、酢酸エチルで抽出した。有機層を収集し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、真空下で濃縮した。所望の1−(tert−ブチル)2−メチル4,4−ジフルオロ−2−メチルピロリジン−1,2−ジカルボキシレート(2.6g、9.3097mmol、収率82.3%)を得た。LC−MS:(ESI,m/z):280.1 [M+H]
工程2:(4,4−ジフルオロ−1,2−ジメチルピロリジン−2−イル)メタノール
Figure 2021512136
1−(tert−ブチル)2−メチル4,4−ジフルオロ−2−メチルピロリジン−1,2−ジカルボキシレート(2.5g、8.95mmol)のテトラヒドロフラン溶液(25mL)を、25℃にて0.5時間撹拌した。次に、リチウムアルミニウム水素化物(1.36g、35.81mmol)を反応系に添加し、25℃にて5時間撹拌した。完了したら、溶液を水で希釈し、酢酸エチルで抽出した。有機層を収集し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させて濃縮して、粗生成物の(4,4−ジフルオロ−1,2−ジメチル−ピロリジン−2−イル)メタノール(1.3g、7.87mmol、収率87.9%)を得た。LC−MS:(ESI,m/z):166.1 [M+H]
工程3:tert−ブチル4−(7−(6−(ビス(4−メトキシベンジル)アミノ)−3−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル)−6−クロロ−2−((4,4−ジフルオロ−1,2−ジメチルピロリジン−2−イル)メトキシ)キナゾリン−4−イル)ピペラジン−1−カルボキシレート
Figure 2021512136
(4,4−ジフルオロ−1,2−ジメチル−ピロリジン−2−イル)メタノール(130.0mg、0.79mmol)のテトラヒドロフラン溶液(20mL)を、25℃にて0.5時間撹拌した。水素化ナトリウム(19.0mg、0.79mmol)を添加し、25℃にて0.5時間撹拌した後、tert−ブチル4−(7−(6−(ビス(4−メトキシベンジル)アミノ)−3−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル)−6−クロロ−2−フルオロキナゾリン−4−イル)ピペラジン−1−カルボキシレート(中間体3)(400.0mg、0.52mmol)を添加して、25℃にて5時間撹拌した。完了したら、溶液を水でクエンチして酢酸エチルで抽出した。有機層を収集し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させて真空下にて濃縮した。残留物を、石油エーテル/酢酸エチル(9:1)で溶出するシリカゲルフラッシュクロマトグラフィーにより精製し、tert−ブチル4−(7−(6−(ビス(4−メトキシベンジル)アミノ)−3−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル)−6−クロロ−2−((4,4−ジフルオロ−1,2−ジメチルピロリジン−2−イル)メトキシ)キナゾリン−4−イル)ピペラジン−1−カルボキシレート(286mg、0.31mmol、収率60.1%)を黄色固体として得た。LC−MS:(ESI,m/z):912.4 [M+H]
工程4:6−(6−クロロ−2−((4,4−ジフルオロ−1,2−ジメチルピロリジン−2−イル)メトキシ)−4−(ピペラジン−1−イル)キナゾリン−7−イル)−5−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−アミン
Figure 2021512136
tert−ブチル4−(7−(6−(ビス(4−メトキシベンジル)アミノ)−3−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル)−6−クロロ−2−((4,4−ジフルオロ−1,2−ジメチルピロリジン−2−イル)メトキシ)キナゾリン−4−イル)ピペラジン−1−カルボキシレート(276.0mg、0.30mmol)の2,2,2−トリフルオロ酢酸溶液(25mL)を、50℃にて8時間撹拌した。完了したら、溶液を水でクエンチして酢酸エチルで抽出した。有機層を収集し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させて真空下にて濃縮した。残留物を、ジクロロメタン/メタノール(97:3)で溶出するシリカゲルフラッシュクロマトグラフィーにより精製し、6−(6−クロロ−2−((4,4−ジフルオロ−1,2−ジメチルピロリジン−2−イル)メトキシ)−4−(ピペラジン−1−イル)キナゾリン−7−イル)−5−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−アミン(120mg、0.21mmol、収率69.4%)を黄色固体として得た。LC−MS:(ESI,m/z):572.2 [M+H]
工程5:1−(4−(7−(6−アミノ−3−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル)−6−クロロ−2−((4,4−ジフルオロ−1,2−ジメチルピロリジン−2−イル)メトキシ)キナゾリン−4−イル)ピペラジン−1−イル)プロプ−2−エン−1−オン
Figure 2021512136
6−(6−クロロ−2−((4,4−ジフルオロ−1,2−ジメチルピロリジン−2−イル)メトキシ)−4−(ピペラジン−1−イル)キナゾリン−7−イル)−5−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−アミン(110.0mg、0.19mmol)及びN,N−ジイソプロピルエチルアミン(75.0mg、0.58mmol)のジクロロメタン溶液(10mL)を、−78℃にて5分間撹拌した。次に、塩化アクリロイル(18.0mg、0.20mmol)を反応系に滴加して、−78℃にて30分間撹拌した。完了したら、溶液を水でクエンチしてジクロロメタンで抽出した。有機層を収集し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させて真空下にて濃縮した。残留物を分取HPLCにより精製し、1−(4−(7−(6−アミノ−3−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル)−6−クロロ−2−((4,4−ジフルオロ−1,2−ジメチルピロリジン−2−イル)メトキシ)キナゾリン−4−イル)ピペラジン−1−イル)プロプ−2−エン−1−オン(54.5mg、0.09mmol、収率45.3%)を白色固体として得た。
実施例73:LC−MS:(ESI,m/z):626.2 [M+H]H NMR(300 MHz,メタノール−d)δ 8.09(s,1H),7.80(d,J=9 Hz,1H),7.55(s,1H),6.91−6.75(m,1H),6.70(d,J=9 Hz,1H),6.34−6.18(m,1H),5.86−5.74(m,1H),4.49−4.31(m,2H),4.06−3.84(m,8H),3.43−3.32(m,1H),3.22−3.01(m,1H),2.69−2.45(m,1H),2.39(s,3H),2.30−2.12(m,1H),1.26(s,3H).
実施例74:1−[4−[7−[6−アミノ−3−(トリフルオロメチル)−2−ピリジル]−6−クロロ−2−[1−メチル−1−[(2S)−1−メチルピロリジン−2−イル]エトキシ]キナゾリン−4−イル]ピペラジン−1−イル]プロプ−2−エン−1−オン
Figure 2021512136
工程1:2−[(2S)−1−メチルピロリジン−2−イル]プロパン−2−オール
Figure 2021512136
2−[(2S)−ピロリジン−2−イル]プロパン−2−オール(1.0g、7.74mmol)を0.2mLのギ酸に0℃にて添加し、これを0.15mLの40%ホルムアルデヒド水溶液に添加した。混合物を120℃にて24時間還流させた。完了したら、混合物を5N塩酸で酸性化し、蒸発させた。残留物を最低量の水に溶解させて水酸化ナトリウムで飽和させ、クロロホルムで抽出した。合わせた抽出物を炭酸カリウムで乾燥させ、真空下にて濃縮した。残留物を、ジクロロメタン/メタノール(96/4)で溶出するシリカゲルフラッシュクロマトグラフィーにより精製し、510mg(46%)の2−[(2S)−1−メチルピロリジン−2−イル]プロパン−2−オールを黄褐色固体として得た。LC−MS:(ESI,m/z):144.3 [M+H]
工程2:tert−ブチル(S)−4−(7−(6−(ビス(4−メトキシベンジル)アミノ)−3−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル)−6−クロロ−2−((2−(1−メチルピロリジン−2−イル)プロパン−2−イル)オキシ)キナゾリン−4−イル)ピペラジン−1−カルボキシレート
Figure 2021512136
2−[(2S)−1−メチルピロリジン−2−イル]プロパン−2−オール(112.01mg、0.78mmol)のN,N−ジメチルホルムアミド溶液(22mL)に、水素化ナトリウム(125.13mg、3.13mmol、鉱油の60%分散体)を0℃にて添加し、25℃にて1時間撹拌した。次に、tert−ブチル4−(7−(6−(ビス(4−メトキシベンジル)アミノ)−3−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル)−6−クロロ−2−フルオロキナゾリン−4−イル)ピペラジン−1−カルボキシレート(中間体3)(300.0mg、0.39mmol)を添加し、25℃にて1時間撹拌した。完了したら、得られた溶液を水でクエンチしてジクロロメタンで抽出した。次に有機層を合わせ、水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させて真空下にて濃縮した。残留物を、ジクロロメタン/メタノール(4%)で溶出するシリカゲルフラッシュクロマトグラフィーにより精製し、105mg(30.2%)のtert−ブチル(S)−4−(7−(6−(ビス(4−メトキシベンジル)アミノ)−3−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル)−6−クロロ−2−((2−(1−メチルピロリジン−2−イル)プロパン−2−イル)オキシ)キナゾリン−4−イル)ピペラジン−1−カルボキシレートを白色固体として得た。LC−MS:(ESI,m/z):890.4 [M+H]
工程3:(S)−6−(6−クロロ−2−((2−(1−メチルピロリジン−2−イル)プロパン−2−イル)オキシ)−4−(ピペラジン−1−イル)キナゾリン−7−イル)−5−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−アミン
Figure 2021512136
tert−ブチル(S)−4−(7−(6−(ビス(4−メトキシベンジル)アミノ)−3−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル)−6−クロロ−2−((2−(1−メチルピロリジン−2−イル)プロパン−2−イル)オキシ)キナゾリン−4−イル)ピペラジン−1−カルボキシレート(96.0mg、0.11mmol)のトリフルオロ酢酸溶液(21mL、0.11mmol)を、50℃にて5時間撹拌した。完了したら、反応物を濃縮した。残留物を次の反応で使用した。LC−MS:(ESI,m/z):550.4 [M+H]
工程4:1−[4−[7−[6−アミノ−3−(トリフルオロメチル)−2−ピリジル]−6−クロロ−2−[1−メチル−1−[(2S)−1−メチルピロリジン−2−イル]エトキシ]キナゾリン−4−イル]ピペラジン−1−イル]プロプ−2−エン−1−オン
Figure 2021512136
(S)−6−(6−クロロ−2−((2−(1−メチルピロリジン−2−イル)プロパン−2−イル)オキシ)−4−(ピペラジン−1−イル)キナゾリン−7−イル)−5−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−アミン(59.0mg、0.11mmol)及びN,N−ジイソプロピルエチルアミン(55.35mg、0.43mmol)のジクロロメタン溶液(19mL)に、塩化アクリロイル(6.8mg、0.08mmol)を−78℃にて添加し、−78℃にて1時間撹拌した。完了したら、得られた溶液を水でクエンチしてジクロロメタンで抽出した。次に有機層を合わせ、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ真空下にて濃縮した。残留物を逆相クロマトグラフィー(カラム、C18シリカゲル;移動相A:水、B:アセトニトリル、Bの割合(30分で5%〜70%);検出器、UV 254nm)により精製し、粗生成物を得た。粗生成物を分取HPLC(カラム、XBridge Prep C18 OBD Column19*15mm 5umC−0013;移動相A:10mmol重炭酸アンモニウム水溶液、B:ACN及びBの割合(7分で51%〜73%);検出器、UV 254nm)により直接精製し、8mg(12.3%)の1−[4−[7−[6−アミノ−3−(トリフルオロメチル)−2−ピリジル]−6−クロロ−2−[1−メチル−1−[(2S)−1−メチルピロリジン−2−イル]エトキシ]キナゾリン−4−イル]ピペラジン−1−イル]プロプ−2−エン−1−オンを白色固体として得た。LC−MS:(ESI,m/z):604.4 [M+H]
実施例74:H NMR(400 MHz,DMSO−d,ppm)δ 8.00(s,1H),7.77(d,J=9.2 Hz,1H),7.43(s,1H),6.88−6.78(m,3H),6.59(d,J=8.8 Hz,1H),6.16(dd,J=16.4,2.0 Hz,1H),5.73(dd,J=10.8,2.4 Hz,1H),3.83−3.79(m,8H),3.12−3.09(m,1H),2.98−2.96(m,1H),2.37(d,J=9.6 Hz,3H),2.29−2.24(m,1H),1.90−1.84(m,1H),1.71−1.58(m,3H),1.57−1.52(m,6H).LC−MS:(ESI,m/z):604.4 [M+H]
実施例75a及び75b:(R)−1−(4−(7−(6−アミノ−3−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル)−6−クロロ−2−((1−ペチルアゼチジン−2−イル)メトキシ)キナゾリン−4−イル)ピペラジン−1−イル)プロプ−2−エン−1−オン(実施例75a)及び(S)−1−(4−(7−(6−アミノ−3−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル)−6−クロロ−2−((1−ペチルアゼチジン−2−イル)メトキシ)キナゾリン−4−イル)ピペラジン−1−イル)プロプ−2−エン−1−オン(実施例75b)
Figure 2021512136
工程1:tert−ブチル4−[7−[6−[ビス[(4−メトキシフェニル)メチル]アミノ]−3−(トリフルオロメチル)−2−ピリジル]−6−クロロ−2−[(1−メチルアゼチジン−2−イル)メトキシ]キナゾリン−4−イル]ピペラジン−1−カルボキシレート
Figure 2021512136
(1−メチルアゼチジン−2−イル)メタノール(39.5mg、0.3mmol)及び水素化ナトリウム(純度60%)(23.4mg、0.5mmol)のN,N−ジメチルホルムアミド溶液(2mL)を、0℃にて30分間撹拌した。次に、tert−ブチル4−(7−(6−(ビス(4−メトキシベンジル)アミノ)−3−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル)−6−クロロ−2−フルオロキナゾリン−4−イル)ピペラジン−1−カルボキシレート(中間体3)(150.0mg、0.2mmol)を添加し、室温で2時間撹拌した。完了したら、反応を飽和塩化アンモニウムでクエンチした。得られた溶液を酢酸エチルで抽出した、有機層を合わせた。残留物を、ジクロロメタン/メタノール(10/1)で溶出するシリカゲルフラッシュクロマトグラフィーにより精製し、tert−ブチル4−[7−[6−[ビス[(4−メトキシフェニル)メチル]アミノ]−3−(トリフルオロメチル)−2−ピリジル]−6−クロロ−2−[(1−メチルアゼチジン−2−イル)メトキシ]キナゾリン−4−イル]ピペラジン−1−カルボキシレート(120.0mg、0.1mmol、収率72%)を黄色液体として得た。LC−MS:(ESI,m/z):848.3 [M+H]
工程2:(R)−1−(4−(7−(6−アミノ−3−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル)−6−クロロ−2−((1−ペチルアゼチジン−2−イル)メトキシ)キナゾリン−4−イル)ピペラジン−1−イル)プロプ−2−エン−1−オン(実施例75a)及び(S)−1−(4−(7−(6−アミノ−3−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル)−6−クロロ−2−((1−ペチルアゼチジン−2−イル)メトキシ)キナゾリン−4−イル)ピペラジン−1−イル)プロプ−2−エン−1−オン(実施例75b)
Figure 2021512136
tert−ブチル4−[7−[6−[ビス[(4−メトキシフェニル)メチル]アミノ]−3−(トリフルオロメチル)−2−ピリジル]−6−クロロ−2−[(1−メチルアゼチジン−2−イル)メトキシ]キナゾリン−4−イル]ピペラジン−1−カルボキシレート(100.0mg、0.1mmol)のトリフルオロ酢酸(2.6mL、35.3mmol)溶液を、50℃にて12時間撹拌した。完了したら、反応物を濃縮した。得られた混合物をジクロロメタン(1mL)に再度溶解させ、N,N−ジイソプロピルエチルアミン(76.1mg、0.5mmol)及び塩化アクリロイル(17.8mg、0.2mmol)を続けて添加した。反応物を−78℃にて0.5時間撹拌した。得られる溶液を水でクエンチし、ジクロロメタンで抽出した。有機層を収集し濃縮して、ジクロロメタン/メタノール(10/1)で溶出するシリカゲルフラッシュクロマトグラフィーにより精製して粗生成物を得た。粗生成物を分取HPLC(カラム:XBridge Prep OBD C18 Column、30×150mm 5um;移動相A:水(10mmol/L NHHCO)、移動相B:ACN;流速:60mL/分)により精製し、ジアステレオ異性体を無色の油として得た。ジアステレオ異性体を分取キラルHPLC(カラム:CHIRALPAK IE−3、4.6*50mm 3um;移動相A:(ヘキサン:DCM=3:1)(0.1%DEA):IPA=80:20)により精製し、(R)−1−(4−(7−(6−アミノ−3−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル)−6−クロロ−2−((1−ペチルアゼチジン−2−イル)メトキシ)キナゾリン−4−イル)ピペラジン−1−イル)プロプ−2−エン−1−オン(実施例75a)(6.1mg、0.01mmol、収率5.5%)を白色固体として、及び(S)−1−(4−(7−(6−アミノ−3−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル)−6−クロロ−2−((1−ペチルアゼチジン−2−イル)メトキシ)キナゾリン−4−イル)ピペラジン−1−イル)プロプ−2−エン−1−オン(実施例75b)(6.6mg、0.01mmol、収率6%)を白色固体として得た。
実施例75a:LC−MS:(ESI,m/z):562.2 [M+H]H NMR(300 MHz,DMSO−d,ppm)δ 8.05(s,1H),7.78(d,J=8.7 Hz,1H),7.47(s,1H),6.91(s,2H),6.82(dd,J=16.5,10.2 Hz,1H),6.60(d,J=8.7 Hz,1H),6.17(dd,J=16.8,2.4 Hz,1H),5.74(dd,J=10.5,2.4 Hz,1H),4.33(d,J=5.4 Hz,2H),3.85−3.77(m,8H),2.82−2.72(m,1H),2.29(s,3H),2.02−1.93(m,2H),1.26−1.23(m,2H).キラルHPLC:カラム:CHIRALPAK IE−3、4.6*50mm 3um;254nmにて検出;(ヘキサン:DCM=3:1)(0.1%DEA):IPA=80:20;流速:1mL/分;保持時間:3.723分;(速いピーク)。
実施例75b:LC−MS:(ESI,m/z):562.2 [M+H]H NMR(300 MHz,DMSO−d,ppm)δ 8.04(s,1H),7.78(d,J=8.7 Hz,1H),7.46(s,1H),6.91−6.78(m,3H),6.60(d,J=8.7 Hz,1H),6.17(dd,J=16.8,2.4 Hz,1H),5.74(dd,J=10.5,2.4 Hz,1H),4.30(d,J=5.4 Hz,2H),3.85−3.77(m,8H),2.78−2.70(m,1H),2.25(s,3H),2.01−1.87(m,2H),1.26−1.23(m,2H).キラルHPLC:カラム:CHIRALPAK IE−3、4.6*50mm 3um;254nmにて検出;(ヘキサン:DCM=3:1)(0.1%DEA):IPA=80:20;流速:1mL/分;保持時間:4.650分;(遅いピーク)。
実施例76:1−(4−(7−(6−アミノ−3−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル)−6−クロロ−2−(2−(3−(フルオロメチル)アゼチジン−1−イル)エトキシ)キナゾリン−4−イル)ピペラジン−1−イル)プロプ−2−エン−1−オン
Figure 2021512136
工程1:tert−ブチル4−(7−(6−(ビス(4−メトキシベンジル)アミノ)−3−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル)−6−クロロ−2−(2−(3−(フルオロメチル)アゼチジン−1−イル)エトキシ)キナゾリン−4−イル)ピペラジン−1−カルボキシレート
Figure 2021512136
2−[3−(フルオロメチル)アゼチジン−1−イル]エタノール(70.0mg、0.5300mmol)及び水素化ナトリウム(20.0mg、0.5mmol、純度60%)のテトラヒドロフラン溶液(5mL)を添加し、25℃にて5分間撹拌した。次に、tert−ブチル4−(7−(6−(ビス(4−メトキシベンジル)アミノ)−3−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル)−6−クロロ−2−フルオロキナゾリン−4−イル)ピペラジン−1−カルボキシレート(中間体3)(200.0mg、0.26mmol)を添加し、25℃にて30分間撹拌した。完了したら、溶液を真空下にて濃縮し粗生成物を得た。粗生成物を次工程にて直接使用した。LC−MS:(ESI,m/z):880.3 [M+H]
工程2:6−(6−クロロ−2−(2−(3−(フルオロメチル)アゼチジン−1−イル)エトキシ)−4−(ピペラジン−1−イル)キナゾリン−7−イル)−5−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−アミン
Figure 2021512136
tert−ブチル4−(7−(6−(ビス(4−メトキシベンジル)アミノ)−3−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル)−6−クロロ−2−(2−(3−(フルオロメチル)アゼチジン−1−イル)エトキシ)キナゾリン−4−イル)ピペラジン−1−カルボキシレート(241.0mg、0.27mmol)の2,2,2−トリフルオロ酢酸溶液(10mL)を、50℃にて2時間撹拌した。完了したら、反応物を濃縮した。残留物を、メタノール/水(25:75)で溶出するC18ゲルフラッシュクロマトグラフィーにより精製し、6−(6−クロロ−2−(2−(3−(フルオロメチル)アゼチジン−1−イル)エトキシ)−4−(ピペラジン−1−イル)キナゾリン−7−イル)−5−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−アミン(140mg、0.25mmol、収率94.7%)を黄色固体として得た。LC−MS:(ESI,m/z):540.2 [M+H]
工程3:1−(4−(7−(6−アミノ−3−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル)−6−クロロ−2−(2−(3−(フルオロメチル)アゼチジン−1−イル)エトキシ)キナゾリン−4−イル)ピペラジン−1−イル)プロプ−2−エン−1−オン
Figure 2021512136
6−(6−クロロ−2−(2−(3−(フルオロメチル)アゼチジン−1−イル)エトキシ)−4−(ピペラジン−1−イル)キナゾリン−7−イル)−5−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−アミン(140.0mg、0.26mmol)及びN,N−ジイソプロピルエチルアミン(0.09mL、0.52mmol)のジクロロメタン溶液(10mL)を、−78℃にて5分間撹拌した。次に、塩化アクリロイル(24.0mg、0.27mmol)を添加し、−78℃にて1時間撹拌した。完了したら、反応物を濃縮した。残留物を、アセトニトリル/水(25:75)で溶出するC18ゲルフラッシュクロマトグラフィーにより精製し、粗生成物を得た。粗生成物を分取HPLC(カラム:Xselect CSH OBD Column 30*150mm 5um、n;移動相A:水(0.1%FA)、移動相B:ACN;流速:60mL/分)により精製し、1−(4−(7−(6−アミノ−3−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル)−6−クロロ−2−(2−(3−(フルオロメチル)アゼチジン−1−イル)エトキシ)キナゾリン−4−イル)ピペラジン−1−イル)プロプ−2−エン−1−オン・ギ酸塩(16.8mg、0.026mmol、収率10.1%)
実施例76:LC−MS:(ESI,m/z):594.2 [M+H]H NMR(300 MHz,DMSO,ppm)δ 8.04(s,1H),7.78(d,J=9.0 Hz,1H),7.46(s,1H),7.00−6.67(m,3H),6.60(d,J=8.7 Hz,1H),6.17(dd,J=2.1,16.5 Hz,1H),5.74(dd,J=2.1,10.5 Hz,1H),4.58(d,J=6.3 Hz,1H),4.42(d,J=6.3 Hz,1H),4.31−4.15(m,2H),3.93−3.70(m,8H),3.32−3.29(m,2H),3.02−2.93(m,2H),2.83−2.66(m,3H).
実施例77:1−[4−[7−[6−アミノ−3−(トリフルオロメチル)−2−ピリジル]−6−クロロ−2−[[(2R,3S)−3−フルオロ−1−メチル−ピロリジン−2−イル]メトキシ]キナゾリン−4−イル]ピペラジン−1−イル]プロプ−2−エン−1−オン
Figure 2021512136
工程1:[(2R,3S)−3−フルオロ−1−メチル−ピロリジン−2−イル]メタノール
Figure 2021512136
リチウムアルミニウム水素化物(146.63mg、3.86mmolを(2R,3S)−1−tert−ブトキシカルボニル−3−フルオロ−ピロリジン−2−カルボン酸(450.0mg、1.93mmol)のテトラヒドロフラン溶液(18mL)に0℃で添加した。反応物を次に、60℃まで1.5時間加熱した。反応物を冷却して水でクエンチし、フィルタにかけて濃縮した。残留物を、ジクロロメタン/メタノール(96/4)で溶出するシリカゲルフラッシュクロマトグラフィーにより精製し、80mg(31%)の[(2R,3S)−3−フルオロ−1−メチル−ピロリジン−2−イル]メタノールを黄色油として得た。LC−MS:(ESI,m/z):134.3 [M+H]
工程2:tert−ブチル4−[7−[6−[ビス[(4−メトキシフェニル)メチル]アミノ]−3−(トリフルオロメチル)−2−ピリジル]−6−クロロ−2−[[(2R,3S)−3−フルオロ−1−メチル−ピロリジン−2−イル]メトキシ]キナゾリン−4−イル]ピペラジン−1−カルボキシレート
Figure 2021512136
[(2R,3S)−3−フルオロ−1−メチル−ピロリジン−2−イル]メタノール(138.85mg、1.04mmol)のテトラヒドロフラン溶液(12mL)に水素化ナトリウム(166.84mg、4.17mmol)を0℃にて添加した。反応物を25℃まで温め、1時間撹拌した。次に、tert−ブチル4−(7−(6−(ビス(4−メトキシベンジル)アミノ)−3−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル)−6−クロロ−2−フルオロキナゾリン−4−イル)ピペラジン−1−カルボキシレート(中間体3)(400.0mg、0.52mmol)を添加し、25℃にて1時間撹拌した。完了したら反応物を水でクエンチし、ジクロロメタンで抽出した。有機層を合わせて水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させて真空下にて濃縮した。残留物を、石油エーテル/酢酸エチル(1/1)で溶出するシリカゲルフラッシュクロマトグラフィーにより精製し、69mg(15%)のtert−ブチル4−[7−[6−[ビス[(4−メトキシフェニル)メチル]アミノ]−3−(トリフルオロメチル)−2−ピリジル]−6−クロロ−2−[[(2R,3S)−3−フルオロ−1−メチル−ピロリジン−2−イル]メトキシ]キナゾリン−4−イル]ピペラジン−1−カルボキシレートを黄色固体として得た。LC−MS:(ESI,m/z):880.5 [M+H]
工程3:6−[6−クロロ−2−[[(2R,3S)−3−フルオロ−1−メチル−ピロリジン−2−イル]メトキシ]−4−ピペラジン−1−イル−キナゾリン−7−イル]−5−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−アミン
Figure 2021512136
tert−ブチル4−[7−[6−[ビス[(4−メトキシフェニル)メチル]アミノ]−3−(トリフルオロメチル)−2−ピリジル]−6−クロロ−2−[[(2R,3S)−3−フルオロ−1−メチル−ピロリジン−2−イル]メトキシ]キナゾリン−4−イル]ピペラジン−1−カルボキシレート(61.0mg、0.07mmol)のトリフルオロ酢酸(16mL)を、50℃にて3時間撹拌した。完了したら、反応物を濃縮した。N,N−ジイソプロピルエチルアミンでpHを10に調節した。残留物を逆相クロマトグラフィー(カラム、C18シリカゲル;移動相A:水、B:MeCN、Bの割合(30分で5%〜70%);検出器、UV 254nm)により精製し、37mgの6−[6−クロロ−2−[[(2R,3S)−3−フルオロ−1−メチル−ピロリジン−2−イル]メトキシ]−4−ピペラジン−1−イル−キナゾリン−7−イル]−5−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−アミンを淡黄色固体として得た。LC−MS:(ESI,m/z):540.3 [M+H]
工程4:1−[4−[7−[6−アミノ−3−(トリフルオロメチル)−2−ピリジル]−6−クロロ−2−[[(2R,3S)−3−フルオロ−1−メチル−ピロリジン−2−イル]メトキシ]キナゾリン−4−イル]ピペラジン−1−イル]プロプ−2−エン−1−オン
Figure 2021512136
6−[6−クロロ−2−[[(2R,3S)−3−フルオロ−1−メチル−ピロリジン−2−イル]メトキシ]−4−ピペラジン−1−イル−キナゾリン−7−イル]−5−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−アミン(37.0mg、0.07mmol)及びN,N−ジイソプロピルエチルアミン(35.36mg、0.27mmol)のジクロロメタン(4.6mL)溶液に、塩化アクリロイル(3.72mg、0.04mmol)を−78℃に添加し、−78℃にて1時間撹拌した。完了したら、反応物を水によりクエンチし、ジクロロメタンで抽出した。有機層を合わせ、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、真空下で濃縮した。粗生成物を分取HPLC(カラム、XBridge Prep C18 OBD Column19*15mm 5umC−0013;移動相A:TFA水溶液、B:ACN、及びBの割合(7分で51%〜73%);検出器、UV 254nm)により直接精製し、7.5mg(18.4%)の1−[4−[7−[6−アミノ−3−(トリフルオロメチル)−2−ピリジル]−6−クロロ−2−[[(2R,3S)−3−フルオロ−1−メチル−ピロリジン−2−イル]メトキシ]キナゾリン−4−イル]ピペラジン−1−イル]プロプ−2−エン−1−オンを白色固体として得た。LC−MS:(ESI,m/z):594.2 [M+H]
実施例77:H NMR(400 MHz,DMSO−d,ppm)δ 8.05(s,1H),7.78(d,J=8.0 Hz,1H),7.46(s,1H),6.91(s,2H),6.98−6.78(m,1H),6.59(d,J=8.8,1H),6.17(dd,J=16.8,2.0 Hz,1H),5.74(dd,J=8.8,2.0 Hz,1H),5.09(d,J=52.0,1H),4.39−4.35(m,1H),4.15−4.13(m,1H),3.90−3.86(m,6H),3.76(s,2H),2.94(d,J=6.8,1H),2.84−2.75(m,1H),2.49−2.43(m,4H),1.96−1.90(m,2H).LC−MS:(ESI,m/z):594.2 [M+H]
実施例78a:1−(4−(7−(6−アミノ−3−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル)−6−クロロ−2−(((1S,2S,5R)−3−メチル−3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2−イル)メトキシ)キナゾリン−4−イル)ピペラジン−1−イル)プロプ−2−エン−1−オン
Figure 2021512136
工程1:((1S,2S,5R)−3−メチル−3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2−イル)メタノール
Figure 2021512136
(1S,2S,5R)−3−(tert−ブトキシカルボニル)−3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2−カルボン酸(200.0mg、0.88mmol)のテトラヒドロフラン溶液(10mL)を、25℃にて0.5時間撹拌した。次に、リチウムアルミニウム水素化物(67.0mg、1.77mmol)を添加し、25℃にて6時間撹拌した。完了したら、反応物を水でクエンチし、酢酸エチルで抽出した。有機層を収集して無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、真空下にて濃縮して((1S,2S,5R)−3−メチル−3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2−イル)メタノール(90mg、0.71mmol、収率80.4%)を得、これを直接次工程に移した。LC−MS:(ESI,m/z):128.1 [M+H]
工程2:tert−ブチル4−(7−(6−(ビス(4−メトキシベンゾイル)アミノ)−3−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル)−6−クロロ−2−(((1S,2S,5R)−3−メチル−3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2−イル)メトキシ)キナゾリン−4−イル)ピペラジン−1−カルボキシレート
Figure 2021512136
((1S,2S,5R)−3−メチル−3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2−イル)メタノール(100.0mg、0.7900mmol)及び水素化ナトリウム(32.0mg、1.33mmol)のテトラヒドロフラン溶液(10mL)を、0℃にて0.5時間撹拌した。次に、tert−ブチル4−(7−(6−(ビス(4−メトキシベンジル)アミノ)−3−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル)−6−クロロ−2−フルオロキナゾリン−4−イル)ピペラジン−1−カルボキシレート(中間体3)(200.0mg、0.26mmol)を添加し、反応物を25℃にて3時間撹拌した。完了したら、反応物を水でクエンチし、酢酸エチルで抽出した。有機層を収集し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させて濃縮した。残留物を、ジクロロメタン/メタノール(97:3)で溶出するシリカゲルフラッシュクロマトグラフィーにより精製し、tert−ブチル4−(7−(6−(ビス(4−メトキシベンゾイル)アミノ)−3−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル)−6−クロロ−2−(((1S,2S,5R)−3−メチル−3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2−イル)メトキシ)キナゾリン−4−イル)ピペラジン−1−カルボキシレート(56mg、0.06mmol、収率24.6%)を黄色固体として得た。LC−MS:(ESI,m/z):874.4 [M+H]
工程3:6−(6−クロロ−2−(((1S,2S,5R)−3−メチル−3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2−イル)メトキシ)−4−(ピペラジン−1−イル)キナゾリン−7−イル)−5−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−アミン
Figure 2021512136
tert−ブチル4−(7−(6−(ビス(4−メトキシベンゾイル)アミノ)−3−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル)−6−クロロ−2−(((1S,2S,5R)−3−メチル−3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2−イル)メトキシ)キナゾリン−4−イル)ピペラジン−1−カルボキシレート(83.0mg、0.09mmol)の2,2,2−トリフルオロ酢酸溶液(10mL)を、50℃にて5時間撹拌した。反応物を濃縮して、6−(6−クロロ−2−(((1S,2S,5R)−3−メチル−3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2−イル)メトキシ)−4−(ピペラジン−1−イル)キナゾリン−7−イル)−5−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−アミン(25mg、0.05mmol、収率89%)を得た。LC−MS:(ESI,m/z):534.2 [M+H]
工程4:1−(4−(7−(6−アミノ−3−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル)−6−クロロ−2−(((1S,2S,5R)−3−メチル−3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2−イル)メトキシ)キナゾリン−4−イル)ピペラジン−1−イル)プロプ−2−エン−1−オン
Figure 2021512136
6−(6−クロロ−2−(((1S,2S,5R)−3−メチル−3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2−イル)メトキシ)−4−(ピペラジン−1−イル)キナゾリン−7−イル)−5−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−アミン(50.0mg、0.09mmol)及びN,N−ジイソプロピルエチルアミン(37.0mg、0.29mmol)のジクロロメタン溶液(10mL)を、−78℃にて5分間撹拌した。次に、塩化アクリロイル(9.0mg、0.10mmol)を添加し、混合物を−78℃にて0.5時間撹拌した。完了したら溶液を水(2mL)でクエンチし、ジクロロメタンで抽出した(3×5mL)。有機層を収集して無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、真空下にて濃縮した。粗生成物を分取HPLC(カラム:Xselect CSH OBD Column 30*150mm 5um、n;移動相A:水(0.1%FA)、移動相B:ACN;流速:60mL/分)により更に単離し、1−(4−(7−(6−アミノ−3−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル)−6−クロロ−2−(((1S,2S,5R)−3−メチル−3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2−イル)メトキシ)キナゾリン−4−イル)ピペラジン−1−イル)プロプ−2−エン−1−オン(15.2mg、0.03mmol、収率46%)を白色固体として得た。
実施例78a:LC−MS:(ESI,m/z):588.3 [M+H]H NMR(300 MHz,メタノール−d,ppm)δ 8.09(s,1H),7.80(d,J=9 Hz,1H),7.54(s,1H),6.83(dd,J=16.8,10.8 Hz,1H),6.71(d,J=8.7,1H),6.29(dd,J=16.8,2.1 Hz,1H),5.82(dd,J=10.5,1.8 Hz,1H),4.62−4.51(m,1H),4.48−4.33(m,1H),4.05−3.86(m,8H),3.13(d,J=9 Hz,1H),3.01−2.92(m,1H),2.58(dd,J=9,3.9 Hz,1H),2.43(s,3H),1.76−1.61(m,1H),1.58−1.39(m,1H),0.82−0.63(m,1H),0.45−0.26(m,1H).
実施例78b:1−(4−(7−(6−アミノ−3−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル)−6−クロロ−2−(((1R,2S,5S)−3−メチル−3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2−イル)メトキシ)キナゾリン−4−イル)ピペラジン−1−イル)プロプ−2−エン−1−オン
Figure 2021512136
工程1:((1R,2S,5S)−3−メチル−3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2−イル)メタノール
Figure 2021512136
(1R,2S,5S)−3−(tert−ブトキシカルボニル)−3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2−カルボン酸(200.0mg、0.88mmol)のテトラヒドロフラン溶液(10mL)を、25℃にて5分間撹拌した。次に、リチウムアルミニウム水素化物(67.0mg、1.77mmol)を添加し、25℃にて6時間撹拌した。完了したら、溶液を水でクエンチして酢酸エチルで抽出した。有機層を収集して無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、真空下にて濃縮して((1R,2S,5S)−3−メチル−3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2−イル)メタノール(86mg、0.68mmol、収率76.8%)を得、更に精製することなく次工程に移した。LC−MS:(ESI,m/z):128.1 [M+H]
工程2:tert−ブチル4−(7−(6−(ビス(4−メトキシベンジル)アミノ)−3−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル)−6−クロロ−2−(((1R,2S,5S)−3−メチル−3−アザビシクロ[3.1.0]ヘプタン−2−イル)メトキシ)キナゾリン−4−イル)ピペラジン−1−カルボキシレート
Figure 2021512136
((1R,2S,5S)−3−メチル−3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2−イル)メタノール(100.0mg、0.79mmol)及び水素化ナトリウム(32.0mg、1.33mmol)のテトラヒドロフラン溶液(10mL)を、0℃にて0.5時間撹拌した。次に、tert−ブチル4−(7−(6−(ビス(4−メトキシベンジル)アミノ)−3−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル)−6−クロロ−2−フルオロキナゾリン−4−イル)ピペラジン−1−カルボキシレート(中間体3)(200.0mg、0.26mmol)を添加して、反応物を25℃にて3時間撹拌した。反応物を濃縮し、残留物を、ジクロロメタン/メタノール(97:3)で溶出するシリカゲルクロマトグラフィーにより精製してtert−ブチル4−(7−(6−(ビス(4−メトキシベンジル)アミノ)−3−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル)−6−クロロ−2−(((1R,2S,5S)−3−メチル−3−アザビシクロ[3.1.0]ヘプタン−2−イル)メトキシ)キナゾリン−4−イル)ピペラジン−1−カルボキシレート(93mg、0.11mmol、収率40.8%)を黄色固体として得た。LC−MS:(ESI,m/z):874.4 [M+H]
工程3:6−(6−クロロ−2−(((1R,2S,5S)−3−メチル−3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2−イル)メトキシ)−4−(ピペラジン−1−イル)キナゾリン−7−イル)−5−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−アミン
Figure 2021512136
tert−ブチル4−(7−(6−(ビス(4−メトキシベンジル)アミノ)−3−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル)−6−クロロ−2−(((1R,2S,5S)−3−メチル−3−アザビシクロ[3.1.0]ヘプタン−2−イル)メトキシ)キナゾリン−4−イル)ピペラジン−1−カルボキシレート(83.0mg、0.09mmol)の2,2,2−トリフルオロ酢酸溶液(10mL)を、50℃にて5時間撹拌した。反応物を濃縮し、6−(6−クロロ−2−(((1R,2S,5S)−3−メチル−3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2−イル)メトキシ)−4−(ピペラジン−1−イル)キナゾリン−7−イル)−5−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−アミン(40mg、0.09mmol、収率70.2%)を得た。LC−MS:(ESI,m/z):534.2 [M+H]
工程4:1−(4−(7−(6−アミノ−3−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル)−6−クロロ−2−(((1R,2S,5S)−3−メチル−3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2−イル)メトキシ)キナゾリン−4−イル)ピペラジン−1−イル)プロプ−2−エン−1−オン
Figure 2021512136
6−(6−クロロ−2−(((1R,2S,5S)−3−メチル−3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2−イル)メトキシ)−4−(ピペラジン−1−イル)キナゾリン−7−イル)−5−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−アミン(50.0mg、0.09mmol)及びN,N−ジイソプロピルエチルアミン(37.0mg、0.29mmol)のジクロロメタン溶液(10mL)を、−78℃にて0.5時間撹拌した。次に、塩化アクリロイル(10mg、0.10mmol)を添加し、−78℃にて0.5時間撹拌した。完了したら、溶液を水でクエンチしてジクロロメタンで抽出した。有機層を収集し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させて濃縮した。粗生成物を更に、分取HPLC(カラム:Xselect CSH OBD Column 30*150mm 5um,n;移動相A:水(0.1%FA)、移動相B:ACN;流速:60mL/分)で精製し、1−(4−(7−(6−アミノ−3−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル)−6−クロロ−2−(((1R,2S,5S)−3−メチル−3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2−イル)メトキシ)キナゾリン−4−イル)ピペラジン−1−イル)プロプ−2−エン−1−オン(15.4mg、0.026mmol、収率37.8%)を白色固体として得た。
実施例78b:LC−MS:(ESI,m/z):588.2 [M+H]H NMR(400 MHz,メタノール−d,ppm)δ 8.11(s,1H),7.82(d,J=8.9 Hz,1H),7.57(s,1H),6.83(dd,J=10.8,10.4 Hz,1H),6.72(d,J=8.8 Hz,1H),6.29(dd,J=16.8,1.6 Hz,1H),5.82(dd,J=10.6,2 Hz,1H),4.72−4.56(m,1H),4.55−4.37(m,1H),4.14−3.68(m,8H),3.29−3.13(m,2H),2.79(d,J=9.6 Hz,1H),2.54(s,3H),1.68−1.52(m,2H),0.83−0.69(m,1H),0.63−0.47(m,1H).
実施例79a及び79b:(R)−1−(4−(7−(6−アミノ−3−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル)−6−クロロ−2−((1−(ジメチルアミノ)プロパン−2−イル)オキシ)キナゾリン−4−イル)ピペラジン−1−イル)プロプ−2−エン−1−オン及び(S)−1−(4−(7−(6−アミノ−3−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル)−6−クロロ−2−((1−(ジメチルアミノ)プロパン−2−イル)オキシ)キナゾリン−4−イル)ピペラジン−1−イル)プロプ−2−エン−1−オン
Figure 2021512136
工程1:tert−ブチル4−(7−(6−(ビス(4−メトキシベンジル)アミノ)−3−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル)−6−クロロ−2−((1−(ジメチルアミノ)プロパン−2−イル)オキシ)キナゾリン−4−イル)ピペラジン−1−カルボキシレート
Figure 2021512136
1−ジメチルアミノ−2−プロパノール(40.0mg、0.39mmol)及び水素化ナトリウム(10.0mg、0.4200mmol、純度60%)のテトラヒドロフラン溶液(10mL)を、25℃にて15分間撹拌した。次に、tert−ブチル4−(7−(6−(ビス(4−メトキシベンジル)アミノ)−3−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル)−6−クロロ−2−フルオロキナゾリン−4−イル)ピペラジン−1−カルボキシレート(中間体3)(200.0mg、0.26mmol)を添加し、25℃にて2時間撹拌した。完了したら、反応物を濃縮した。粗生成物を、精製することなく次工程にて直接使用した。LC−MS:(ESI,m/z):850.2 [M+H]
工程2:6−(6−クロロ−2−((1−(ジメチルアミノ)プロパン−2−イル)オキシ)−4−(ピペラジン−1−イル)キナゾリン−7−イル)−5−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−アミン
Figure 2021512136
tert−ブチル4−(7−(6−(ビス(4−メトキシベンジル)アミノ)−3−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル)−6−クロロ−2−((1−(ジメチルアミノ)プロパン−2−イル)オキシ)キナゾリン−4−イル)ピペラジン−1−カルボキシレート(243.0mg、0.29mmol)の2,2,2−トリフルオロ酢酸溶液(10mL)を、50℃にて2時間撹拌した。完了したら、反応物を真空下にて濃縮して、得られた生成物を次工程にて直接使用した。LC−MS:(ESI,m/z):510.2 [M+H]
工程3:(R)−1−(4−(7−(6−アミノ−3−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル)−6−クロロ−2−((1−(ジメチルアミノ)プロパン−2−イル)オキシ)キナゾリン−4−イル)ピペラジン−1−イル)プロプ−2−エン−1−オン及び(S)−1−(4−(7−(6−アミノ−3−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル)−6−クロロ−2−((1−(ジメチルアミノ)プロパン−2−イル)オキシ)キナゾリン−4−イル)ピペラジン−1−イル)プロプ−2−エン−1−オン
Figure 2021512136
6−(6−クロロ−2−((1−(ジメチルアミノ)プロパン−2−イル)オキシ)−4−(ピペラジン−1−イル)キナゾリン−7−イル)−5−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−アミン(60.0mg、0.12mmol)及びN,N−ジイソプロピルエチルアミン(0.06mL、0.35mmol)のジクロロメタン溶液(5mL)を、−78℃にて5分間撹拌した。次に、塩化アクリロイル(11.0mg、0.12mmol)を添加して、−78℃にて30分間撹拌した。完了したら、反応物を濃縮して粗生成物を得た。粗生成物を分取HPLC(カラム:Xselect CSH OBD Column 30*150mm 5um,n;移動相A:水(0.1%FA)、移動相B:ACN;流速:60mL/分)により精製した。得られた生成物をキラル分取HPLC(カラム:CHIRALPAK IC、2*25cm,5um;移動相A:ヘキサン:DCM=3:1(10mM NH−MeOH)−−HPLC、移動相B:MeOH−−HPLC;流速:18mL/分)により精製し、1−[4−[7−[6−アミノ−3−(トリフルオロメチル)−2−ピリジル]−6−クロロ−2−[(1S)−2−(ジメチルアミノ)−1−メチル−エトキシ]キナゾリン−4−イル]ピペラジン−1−イル]プロプ−2−エン−1−オン(8.1mg、0.014mmol、収率12.2%)を白色固体として、及び1−[4−[7−[6−アミノ−3−(トリフルオロメチル)−2−ピリジル]−6−クロロ−2−[(1R)−2−(ジメチルアミノ)−1−メチル−エトキシ]キナゾリン−4−イル]ピペラジン−1−イル]プロプ−2−エン−1−オン(9.5mg、0.016mmol、収率14.3%)を白色固体として得た。
実施例79a:LC−MS:(ESI,m/z):564.2 [M+H]H NMR(400 MHz,DMSO,ppm)δ 8.03(s,1H),7.79(d,J=8.0,1H),7.43(s,1H),6.89(s,2H),6.89−6.72(m,1H),6.58(d,J=12.0,1H),6.17(dd,J=2.4,16.8 Hz,1H),5.74(dd,J=2.4,10.4 Hz,1H),5.41−5.23(m,1H),3.95−3.62(m,8H),2.60−2.51(m,1H),2.40−2.31(m,1H),2.19(s,6H),1.35−1.20(m,3H).キラルHPLC:CHIRALPAK IC−3(0.46*5cm;3um);254nmにて検出;(n−ヘキサン/ジクロロメタン=3/1)(0.1%ジエチルアミン)/メタノール=7/3;流速=1.0mL/分;保持時間:2.2分(速いピーク)。
実施例79b:LC−MS:(ESI,m/z):564.2 [M+H]H NMR(400 MHz,DMSO,ppm)δ 8.03(s,1H),7.78(d,J=8.8,1H),7.43(s,1H),6.89(s,2H),6.85−6.72(m,1H),6.60(d,J=8.8,1H),6.17(dd,J=2.4,16.8 Hz,1H),5.74(dd,J=2.4,10.4 Hz,1H),5.41−5.23(m,1H),3.93−3.65(m,8H),2.64−2.54(m,1H),2.40−2.28(m,1H),2.19(s,6H),1.40−1.29(m,3H).キラルHPLC:CHIRALPAK IC−3(0.46*5cm;3um);254nmにて検出;(n−ヘキサン/ジクロロメタン=3/1)(0.1%ジエチルアミン)/メタノール=7/3;流速=1.0mL/分;保持時間:3.0分(遅いピーク)。
実施例80:1−(4−(7−(6−アミノ−3−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル)−6−クロロ−2−((5−(メトキシメチル)−1−メチルピロリジン−2−イル)メトキシ)キナゾリン−4−イル)ピペラジン−1−イル)プロプ−2−エン−1−オン
Figure 2021512136
工程1:(1−メチルピロリジン−2,5−ジイル)ジメタノール
Figure 2021512136
tert−ブチル2,5−ビスヒドロキシメチル)ピロリジン−1−カルボキシレート(1500.0mg、6.49mmol)及びリチウムアルミニウム水素化物(369.0mg、9.72mmol)のテトラヒドロフラン溶液(60mL)を、25℃にて8時間撹拌した。完了したら、反応物を濃縮した。残留物を、メタノール/ジクロロメタン(1:4)で溶出するシリカゲルフラッシュクロマトグラフィーにより精製し、(1−メチルピロリジン−2,5−ジイル)ジメタノール(500mg、3.44mmol、収率53.1%)を無色の油として得た。LC−MS:(ESI,m/z):146.2 [M+H]
工程2:tert−ブチル4−(7−(6−(ビス(4−メトキシベンジル)アミノ)−3−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル)−6−クロロ−2−((5−(ヒドロキシメチル)−1−メチルピロリジン−2−イル)メトキシ)キナゾリン−4−イル)ピペラジン−1−カルボキシレート
Figure 2021512136
(1−メチルピロリジン−2,5−ジイル)ジメタノール(76.0mg、0.52mmol)及び水素化ナトリウム(40.0mg、1mmol)のテトラヒドロフラン溶液(20mL)を、25℃にて10分間撹拌した。次に、tert−ブチル4−(7−(6−(ビス(4−メトキシベンジル)アミノ)−3−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル)−6−クロロ−2−フルオロキナゾリン−4−イル)ピペラジン−1−カルボキシレート(200.0mg、0.26mmol)を添加して、25℃にて2時間撹拌した。完了後、反応物を水でクエンチして濃縮した。残留物を、メタノール/ジクロロメタン(5:95)で溶出するシリカゲルフラッシュクロマトグラフィーにより精製し、tert−ブチル4−(7−(6−(ビス(4−メトキシベンジル)アミノ)−3−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル)−6−クロロ−2−((5−(ヒドロキシメチル)−1−メチルピロリジン−2−イル)メトキシ)キナゾリン−4−イル)ピペラジン−1−カルボキシレート(120mg、0.13mmol、収率51.4%)を黄色固体として得た。LC−MS:(ESI,m/z):892.4 [M+H]
工程3:tert−ブチル4−(7−(6−(ビス(4−メトキシベンジル)アミノ)−3−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル)−6−クロロ−2−((5−(メトキシメチル)−1−メチルピロリドン−2−イル)メトキシ)キナゾリン−4−イル)ピペラジン−1−カルボキシレート
Figure 2021512136
tert−ブチル4−(7−(6−(ビス(4−メトキシベンジル)アミノ)−3−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル)−6−クロロ−2−((5−(ヒドロキシメチル)−1−メチルピロリジン−2−イル)メトキシ)キナゾリン−4−イル)ピペラジン−1−カルボキシレート(100.0mg、0.11mmol)及び水素化ナトリウム(9.0mg、0.23mmol)のテトラヒドロフラン溶液(10mL)を、40℃にて5分間撹拌した。次に、ヨードメタン(32.0mg、0.23mmol)を添加し、40℃にて2時間撹拌した。完了したら、反応物を濃縮し、残留物を、アセトニトリル/水(97:3)で溶出するC18ゲルフラッシュクロマトグラフィーにより精製し、tert−ブチル4−(7−(6−(ビス(4−メトキシベンジル)アミノ)−3−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル)−6−クロロ−2−((5−(メトキシメチル)−1−メチルピロリドン−2−イル)メトキシ)キナゾリン−4−イル)ピペラジン−1−カルボキシレート(50mg、0.055mmol、収率49.2%)を黄色固体として得た。LC−MS:(ESI,m/z):906.4 [M+H]
工程4:6−(6−クロロ−2−((5−(メトキシメチル)−1−メチルピロリジン−2−イル)メトキシ)−4−(ピペラジン−1−イル)キナゾリン−7−イル)−5−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−アミン
Figure 2021512136
tert−ブチル4−(7−(6−(ビス(4−メトキシベンジル)アミノ)−3−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル)−6−クロロ−2−((5−(メトキシメチル)−1−メチルピロリドン−2−イル)メトキシ)キナゾリン−4−イル)ピペラジン−1−カルボキシレート(10.0mg、0.01mmol)の2,2,2−トリフルオロ酢酸溶液(0.8mL)を、50℃にて2時間撹拌した。完了したら、反応物を濃縮して粗生成物を次で直接使用した。LC−MS:(ESI,m/z):566.3 [M+H]
工程5:1−(4−(7−(6−アミノ−3−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル)−6−クロロ−2−((5−(メトキシメチル)−1−メチルピロリジン−2−イル)メトキシ)キナゾリン−4−イル)ピペラジン−1−イル)プロプ−2−エン−1−オン
Figure 2021512136
6−(6−クロロ−2−((5−(メトキシメチル)−1−メチルピロリジン−2−イル)メトキシ)−4−(ピペラジン−1−イル)キナゾリン−7−イル)−5−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−アミン(100.0mg、0.17mmol)及びN,N−ジイソプロピルエチルアミン(0.06mL、0.33mmol)のジクロロメタン溶液(10mL)を、−78℃にて5分間撹拌した。次に、塩化アクリロイル(15.0mg、0.17mmol)を添加して、−78℃にて30分間撹拌した。完了したら、反応物を水でクエンチして濃縮した。得られた残留物を、アセトニトリル/水(95:5)で溶出するC18ゲルフラッシュクロマトグラフィーにより精製し、粗生成物を得た。粗生成物を分取HPLC(カラム:XBridge Prep OBD C18 Column、30×150mm 5um;移動相A:水(10mmol/L NHHCO)、移動相B:ACN;流速:60mL/分)により精製し、1−(4−(7−(6−アミノ−3−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル)−6−クロロ−2−((5−(メトキシメチル)−1−メチルピロリジン−2−イル)メトキシ)キナゾリン−4−イル)ピペラジン−1−イル)プロプ−2−エン−1−オンギ酸塩(34.4mg、0.051mmol、収率30.2%)を白色固体として得た。
実施例80:LC−MS:(ESI,m/z):620.4 [M+H]H NMR(300 MHz,MeOD,ppm)δ 8.09(s,1H),7.80(d,J=8.7 Hz,1H),7.54(s,1H),6.82(dd,J=10.5,16.8 Hz,1H),6.70(d,J=8.4 Hz,1H),6.27(dd,J=1.8,16.8 Hz,1H),5.80(dd,J=1.8,10.5 Hz,1H),4.59−4.45(m,2H),4.10−3.89(m,10H),3.54−3.41(m,2H),3.39(s,3H),2.78−2.53(m,3H),2.20−1.87(m,2H),1.83−1.59(m,2H).S
実施例81a及び81b:1−((S)−4−((R)−7−(6−アミノ−4−メチル−3−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル)−6,8−ジフルオロ−2−(((2S,4R)−4−フルオロ−1−メチルピロリジン−2−イル)メトキシ)キナゾリン−4−イル)−3−メチルピペラジン−1−イル)プロプ−2−エン−1−オン(実施例81a)及び1−((S)−4−((S)−7−(6−アミノ−4−メチル−3−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル)−6,8−ジフルオロ−2−(((2S,4R)−4−フルオロ−1−メチルピロリジン−2−イル)メトキシ)キナゾリン−4−イル)−3−メチルピペラジン−1−イル)プロプ−2−エン−1−オン(実施例81b)(2つのアトロプ異性体)
Figure 2021512136
工程1:3−ブロモ−2,4−ジフルオロ−6−ヨードアミン
Figure 2021512136
3−ブロモ−2,4−ジフルオロアミン(10.0g、48.08mmol)及び硫酸銀(14.98g、48.32mmol)及びヨウ素(13.5g、53.15mmol)のエタノール溶液200mLを、20℃にて4時間撹拌した。反応物をフィルタにかけ、濾液をシリカゲルで濃縮した。得られた混合物を、石油エーテルで溶出するフラッシュクロマトグラフィーにより精製し、3−ブロモ−2,4−ジフルオロ−6−ヨードアミン(15g、44.92mmol、収率93.4%)を褐色固体として得た。LC−MS:(ESI,m/z):333.9 [M+H]
工程2:メチル2−アミノ−4−ブロモ−3.5−ジフルオロベンゾエート
Figure 2021512136
一酸化炭素下にて、3−ブロモ−2,4−ジフルオロ−6−ヨードアミン(15.0g、44.92mmol)及び1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン−パラジウム(II)ジクロリドジクロロメタン錯体(3.3g、4.51mmol)のメタノール溶液(500mL)を、25℃にて5分間撹拌した。次に、トリエチルアミン(21mL、314.47mmol)を添加し、25℃にて8時間撹拌した。溶媒を濃縮して、残留物を、石油エーテル/酢酸エチル(3/97)で溶出するシリカゲルフラッシュクロマトグラフィーにより精製し、メチル2−アミノ−4−ブロモ−3,5−ジフルオロ−ベンゾエート(8.6g、32.3mmol)を淡黄色固体として得た。LC−MS:(ESI,m/z):266.0 [M+H]
工程3:7−ブロモ−6,8−ジフルオロキナゾリン−2,4−ジオール
Figure 2021512136
メチル2−アミノ−4−ブロモ−3,5−ジフルオロ−ベンゾエート(15.0g、56.4mmol)及びNaOH(4.5g、112.8mmol)の、水(300mL)及びメタノール(300mL)の溶液を25℃にて3時間撹拌した。メチル2−アミノ−4−ブロモ−3,5−ジフルオロ−ベンゾエートがなくなった後、反応系をジエチルエーテルで洗浄した。次に、HOAc(30mL、56.4mmol)で溶液のpHを4に調節した。得られる溶液にKOCN(11.4g、140.53mmol)を添加し、40℃にて3時間撹拌した。この操作を、中間体の大部分がLCMS上に形成されるまで3回繰り返した。次に、NaOH(90g、2256mmol)を添加して、室温で2時間撹拌した。完了後、濃塩酸で、反応系のpHを4に調節した。フィルタにかけた後固体を収集し、水で洗浄して7−ブロモ−6,8−ジフルオロキナゾリン−2,4−ジオール(5g、18.049mmol、収率32%)を赤色固体として得た。LC−MS:(ESI,m/z):276.9 [M+H]
工程4:7−ブロモ−2,4−ジクロロ−6,8−ジフルオロキナゾリン
Figure 2021512136
7−ブロモ−6,8−ジフルオロ−キナゾリン−2,4−ジオール(5.0g、18.05mmol)のPOCl溶液(150mL)を、120℃にて5分間撹拌した。次に、N,N−ジイソプロピルエチルアミン(46.7g、361.0mmol)を添加し、120℃にて3時間撹拌した。完了後、溶媒を真空下にて濃縮し、7−ブロモ−2,4−ジクロロ−6,8−ジフルオロ−キナゾリン(4g、黄色油、粗製物)を得、更に精製することなく次工程で使用した。LC−MS:(ESI,m/z):312.9 [M+H]
工程5:tert−ブチル(S)−4−(7−ブロモ−2−クロロ−6,8−ジフルオロキナゾリン−4−イル)−3−メチルピペラジン−1−カルボキシレート
Figure 2021512136
7−ブロモ−2,4−ジクロロ−6,8−ジフルオロ−キナゾリン(4g、粗製物)のジクロロメタン溶液(120mL)に、N,N−ジイソプロピルエチルアミン(10mL)を添加し、得られる溶液を20℃にて5分間撹拌した。その後、tert−ブチル(S)−3−メチルピペラジン−1−カルボキシレート(5.96g、29.8mmol)を添加して、反応物を20℃にて5時間撹拌した。完了後、得られる溶液をブラインで洗浄した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濃縮した。残留物を、石油エーテル/酢酸エチル(1/4)で溶出するシリカゲルフラッシュクロマトグラフィーにより精製し、tert−ブチル(S)−4−(7−ブロモ−2−クロロ−6,8−ジフルオロキナゾリン−4−イル)−3−メチルピペラジン−1−カルボキシレート(4.6g、9.6mmol、収率65%)を黄色固体として得た。LC−MS:(ESI,m/z):477.0 [M+H]+
工程6:tert−ブチル(S)−4−(7−ブロモ−2,6,8−トリフルオロキナゾリン−4−イル)−3−メチルピペラジン−1−カルボキシレート
Figure 2021512136
tert−ブチル(S)−4−(7−ブロモ−2−クロロ−6,8−ジフルオロキナゾリン−4−イル)−3−メチルピペラジン−1−カルボキシレート(1.0g、2.1mmol)及びフッ化カリウム(2.5g、43.0mmol)のDMSO(25mL)混合物を、120℃にて2時間、窒素下にて撹拌した。反応物をフィルタにかけ、濾液を酢酸エチルで希釈してブラインで洗浄し、乾燥させて濃縮した。残留物を、石油エーテル/酢酸エチル(10/1)で溶出するシリカゲルフラッシュクロマトグラフィーにより精製し、tert−ブチル(S)−4−(7−ブロモ−2,6,8−トリフルオロキナゾリン−4−イル)−3−メチルピペラジン−1−カルボキシレート(600mg、1.3mmol、収率62.1%)を白色固体として得た。LC−MS:(ESI,m/z):461.1 [M+H]+
工程7:tert−ブチル(S)−4−(7−(6−(ビス(4−メトキシベンジル)アミノ)−4−メチルピリジン−2−イル)−2,6,8−トリフルオロキナゾリン−4−イル)−3−メチルピペラジン−1−カルボキシレート
Figure 2021512136
tert−ブチル(S)−4−(7−ブロモ−2,6,8−トリフルオロキナゾリン−4−イル)−3−メチルピペラジン−1−カルボキシレート(500.0mg、1.08mmol)、(6−(ビス(4−メトキシベンジル)アミノ)−4−メチルピリジン−2−イル)ボロン酸(850.0mg、2.17mmol)、1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン−パラジウム(II)ジクロリドジクロロメタン錯体(90.0mg、0.11mmol)の、テトラヒドロフラン(30mL)及び水(6mL)の溶液に、リン酸カリウム(460.0mg、2.17mmol)を65℃にて、窒素下にて添加した。得られた溶液を65℃にて3時間撹拌した。反応物を濃縮し、残留物を、石油エーテル/酢酸エチル(9/1)で溶出するシリカゲルフラッシュクロマトグラフィーにより精製して、tert−ブチル(S)−4−(7−(6−(ビス(4−メトキシベンジル)アミノ)−4−メチルピリジン−2−イル)−2,6,8−トリフルオロキナゾリン−4−イル)−3−メチルピペラジン−1−カルボキシレート(650mg、0.89mmol、収率82.3%)を黄色固体として得た。LC−MS:(ESI,m/z):729.3 [M+H]+.
工程8:tert−ブチル(3S)−4−(7−(6−(ビス(4−メトキシベンジル)アミノ)−3−ヨード−4−メチルピリジン−2−イル)−2,6,8−トリフルオロキナゾリン−4−イル)−3−メチルピペラジン−1−カルボキシレート
Figure 2021512136
tert−ブチル(S)−4−(7−(6−(ビス(4−メトキシベンジル)アミノ)−4−メチルピリジン−2−イル)−2,6,8−トリフルオロキナゾリン−4−イル)−3−メチルピペラジン−1−カルボキシレート(500.0mg、0.69mmol)及びp−トルエンスルホン酸(12.0mg、0.07mmol)のN,N−ジメチルホルムアミド溶液(10mL)を、25℃にて5分間撹拌した。次に、NIS(309.0mg、1.37mmol)を添加して、25℃にて3時間撹拌した。反応物を水でクエンチし、ジクロロメタンで抽出した。次に有機層を合わせ、水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させて真空下にて濃縮した。残留物を、石油エーテル/酢酸エチル(30/1)で溶出するシリカゲルフラッシュクロマトグラフィーにより精製し、tert−ブチル(3S)−4−(7−(6−(ビス(4−メトキシベンジル)アミノ)−3−ヨード−4−メチルピリジン−2−イル)−2,6,8−トリフルオロキナゾリン−4−イル)−3−メチルピペラジン−1−カルボキシレート(200mg、0.23mmol、収率34.1%)を黄色固体として得た。LC−MS:(ESI,m/z):855.2 [M+H]
工程9:tert−ブチル(3S)−4−(7−(6−(ビス(4−メトキシベンジル)アミノ)−4−メチル−3−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル)−2,6,8−トリフルオロキナゾリン−4−イル)−3−メチルピペラジン−1−カルボキシレート
Figure 2021512136
tert−ブチル(3S)−4−(7−(6−(ビス(4−メトキシベンジル)アミノ)−3−ヨード−4−メチルピリジン−2−イル)−2,6,8−トリフルオロキナゾリン−4−イル)−3−メチルピペラジン−1−カルボキシレート(500.0mg、0.59mmol)及びCuI(450.0mg、2.36mmol)のN,N−ジメチルアセトアミド溶液(20mL)を、25℃にて5分間撹拌した。次に、メチル2,2−ジフルオロ−2−(フルオロスルホニル)アセテート(1130.0mg、5.88mmol)を添加して、90℃にて3時間、窒素下にて撹拌した。反応物を濃縮して、残留物を、石油エーテル/酢酸エチル(20/1)で溶出するシリカゲルフラッシュクロマトグラフィーにより精製し、tert−ブチル(3S)−4−(7−(6−(ビス(4−メトキシベンジル)アミノ)−4−メチル−3−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル)−2,6,8−トリフルオロキナゾリン−4−イル)−3−メチルピペラジン−1−カルボキシレート(430mg、0.54mmol、収率92.2%)を黄色固体として得た。LC−MS:(ESI,m/z):797.3 [M+H]
工程10:tert−ブチル(3S)−4−(7−(6−(ビス(4−メトキシベンジル)アミノ)−4−メチル−3−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル)−6,8−ジフルオロ−2−(((2S,4R)−4−フルオロ−1−メチルピロリジン−2−イル)メトキシ)キナゾリン−4−イル)−3−メチルピペラジン−1−カルボキシレート
Figure 2021512136
((2S,4R)−4−フルオロ−1−メチルピロリジン−2−イル)メタノール(168.0mg、1.26mmol)、及びNaH(101.6mg、2.54mmol、鉱油の60%分散体)のテトラヒドロフラン溶液(20mL)を、25℃にて0.5時間撹拌した。次に、tert−ブチル(3S)−4−(7−(6−(ビス(4−メトキシベンジル)アミノ)−4−メチル−3−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル)−2,6,8−トリフルオロキナゾリン−4−イル)−3−メチルピペラジン−1−カルボキシレート(500.0mg、0.63mmol)を添加して、25℃にて2時間撹拌した。反応物を水でクエンチし、ジクロロメタンで抽出した。次に有機層を合わせ、水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させて真空下にて濃縮した。残留物を、石油エーテル/酢酸エチル(4/1)で溶出するシリカゲルフラッシュクロマトグラフィーにより精製し、tert−ブチル(3S)−4−(7−(6−(ビス(4−メトキシベンジル)アミノ)−4−メチル−3−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル)−6,8−ジフルオロ−2−(((2S,4R)−4−フルオロ−1−メチルピロリジン−2−イル)メトキシ)キナゾリン−4−イル)−3−メチルピペラジン−1−カルボキシレート(350mg、0.38mmol、収率61.3%)を黄色固体として得た。LC−MS:(ESI,m/z):910.4 [M+H]
工程11:6−(6,8−ジフルオロ−2−(((2S,4R)−4−フルオロ−1−メチルピロリジン−2−イル)メトキシ)−4−((S)−2−メチルピペラジン−1−イル)キナゾリン−7−イル)−4−メチル−5−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−アミン
Figure 2021512136
tert−ブチル(3S)−4−(7−(6−(ビス(4−メトキシベンジル)アミノ)−4−メチル−3−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル)−6,8−ジフルオロ−2−(((2S,4R)−4−フルオロ−1−メチルピロリジン−2−イル)メトキシ)キナゾリン−4−イル)−3−メチルピペラジン−1−カルボキシレート(350.0mg、0.38mmol)のトリフルオロ酢酸溶液(10mL)を、50℃にて6時間撹拌した。完了後、溶媒を真空下にて濃縮し、6−(6,8−ジフルオロ−2−(((2S,4R)−4−フルオロ−1−メチルピロリジン−2−イル)メトキシ)−4−((S)−2−メチルピペラジン−1−イル)キナゾリン−7−イル)−4−メチル−5−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−アミン(200mg、粗製物)を、精製することなく次工程で使用した。LC−MS:(ESI,m/z):570.2 [M+H]+
工程12:1−((S)−4−((R)−7−(6−アミノ−4−メチル−3−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル)−6,8−ジフルオロ−2−(((2S,4R)−4−フルオロ−1−メチルピロリジン−2−イル)メトキシ)キナゾリン−4−イル)−3−メチルピペラジン−1−イル)プロプ−2−エン−1−オン(実施例81a)及び1−((S)−4−((S)−7−(6−アミノ−4−メチル−3−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル)−6,8−ジフルオロ−2−(((2S,4R)−4−フルオロ−1−メチルピロリジン−2−イル)メトキシ)キナゾリン−4−イル)−3−メチルピペラジン−1−イル)プロプ−2−エン−1−オン(実施例81b)(2つのアトロプ異性体)
Figure 2021512136
6−(6,8−ジフルオロ−2−(((2S,4R)−4−フルオロ−1−メチルピロリジン−2−イル)メトキシ)−4−((S)−2−メチルピペラジン−1−イル)キナゾリン−7−イル)−4−メチル−5−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−アミン(400.0mg、0.70mmol)及びDIEA(274.0mg、2.12mmol)のジクロロメタン溶液(40mL)を、−78℃にて5分間撹拌した。次に、塩化アクリロイル(64.0mg、0.71mmol)を添加し、−78℃にて0.5時間撹拌した。完了後、溶液を水でクエンチし、真空下にて濃縮した。残留物を、連続分取HPLC及びキラルHPLCにより精製し、表題化合物を得た。表題化合物の立体化学は、有効性に基づき割り当てた。
実施例81a:1−((S)−4−((R)−7−(6−アミノ−4−メチル−3−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル)−6,8−ジフルオロ−2−(((2S,4R)−4−フルオロ−1−メチルピロリジン−2−イル)メトキシ)キナゾリン−4−イル)−3−メチルピペラジン−1−イル)プロプ−2−エン−1−オン(67.7mg、0.11mmol、収率15.5%、白色固体)。H NMR(300 MHz,メタノール−d,ppm)δ 7.53(dd,J=9.9,8.1 Hz,1H),6.89−6.72(m,1H),6.60(s,1H),6.31−6.25(m,1H),5.81(dd,J=18,10.5 Hz,1H),5.35−5.03(m,1H),4.81(s,1H),4.64−4.31(m,3H),4.31−3.94(m,2H),3.82−3.45(m,3H),3.28−3.06(m,2H),2.73−2.62(m,1H),2.55(s,3H),2.45(d,J=1.5,3H),2.32−2.20(m,1H),2.17−1.98(m,1H),1.40(d,J=6.6 Hz,3H).LC−MS:(ESI,m/z):624.3 [M+H].キラルHPLC:カラム:CHIRALPAK IE−3、4.6*50mm 3um;移動相:(ヘキサン:DCM=3:1)(0.1%DEA):EtOH=80:20、流速:1.0mL/分;保持時間:1.836分(速いピーク)。
実施例81b:1−((S)−4−((S)−7−(6−アミノ−4−メチル−3−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル)−6,8−ジフルオロ−2−(((2S,4R)−4−フルオロ−1−メチルピロリジン−2−イル)メトキシ)キナゾリン−4−イル)−3−メチルピペラジン−1−イル)プロプ−2−エン−1−オン H NMR(300 MHz,メタノール−d,ppm)δ7.53(dd,J=9.9,8.1 Hz,1H),6.94−6.71(m,1H),6.60(s,1H),6.38−6.20(m,1H),5.81(dd,J=18,10.5 Hz,1H),5.45−5.03(m,1H),4.81(s,1H),4.64−4.31(m,3H),4.31−3.94(m,2H),3.82−3.45(m,3H),3.28−3.06(m,2H),2.79−2.60(m,1H),2.55(s,3H),2.45(d,J=1.5,3H),2.39−2.20(m,1H),2.17−1.78(m,1H),1.40(d,J=6.6 Hz,3H).LC−MS:(ESI,m/z):624.3 [M+H].キラルHPLC:カラム:CHIRALPAK IE−3、4.6*50mm 3um;移動相:(ヘキサン:DCM=3:1)(0.1%DEA):EtOH=80:20、流速:1.0mL/分;保持時間:2.322分(速いピーク)。
実施例82a及び82b:1−((S)−4−((R)−7−(6−アミノ−4−メチル−3−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル)−6−クロロ−8−フルオロ−2−(((2S,4R)−4−フルオロ−1−メチルピロリジン−2−イル)メトキシ)キナゾリン−4−イル)−3−メチルピペラジン−1−イル)−2−フルオロプロプ−2−エン−1−オン(実施例82a)及び1−((S)−4−((S)−7−(6−アミノ−4−メチル−3−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル)−6−クロロ−8−フルオロ−2−(((2S,4R)−4−フルオロ−1−メチルピロリジン−2−イル)メトキシ)キナゾリン−4−イル)−3−メチルピペラジン−1−イル)−2−フルオロプロプ−2−エン−1−オン(実施例82b)
Figure 2021512136
6−[6−クロロ−8−フルオロ−2−[[(2S,4R)−4−フルオロ−1−メチル−ピロリジン−2−イル]メトキシ]−4−[(2S)−2−メチルピペラジン−1−イル]キナゾリン−7−イル]−4−メチル−5−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−アミン(実施例69の工程2における中間体として作製)(0.6g、1.02mmol)、2−フルオロアクリル酸(0.09g、1.02mmol)、HATU(0.58g、1.54mmol)、及びN,N−ジイソプロピルエチルアミン(397mg、3.07mmol)のジクロロメタン溶液(5mL)を、室温で2時間撹拌した。完了したら、反応混合物を水で希釈し、ジクロロメタンで抽出した。次に、有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させて濃縮した。粗生成物を分取HPLC及びキラルHPLCにより精製し、1−((S)−4−((R)−7−(6−アミノ−4−メチル−3−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル)−6−クロロ−8−フルオロ−2−(((2S,4R)−4−フルオロ−1−メチルピロリジン−2−イル)メトキシ)キナゾリン−4−イル)−3−メチルピペラジン−1−イル)−2−フルオロプロプ−2−エン−1−オン(55.2mg、0.084mmol、収率8.2%)及び1−((S)−4−((S)−7−(6−アミノ−4−メチル−3−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル)−6−クロロ−8−フルオロ−2−(((2S,4R)−4−フルオロ−1−メチルピロリジン−2−イル)メトキシ)キナゾリン−4−イル)−3−メチルピペラジン−1−イル)−2−フルオロプロプ−2−エン−1−オン(42.8mg、0.065mmol、収率6.4%)を黄色固体として得た。LCMS(ESI,m/z):658.3 [M+H].分取HPLC条件:カラム:XBridge Shield RP18 OBD Column、30*150mm,5um;移動相A:水(10mmol/L NHHCO)、移動相B:ACN;流速:60mL/分。キラルHPLC CHIRALPAK IC、3*25cm、5um;移動相A:ヘキサン:DCM=3:1(10mM NH−MeOH)−−HPLC、移動相B:EtOH−−HPLC;流速:2mL/分。
実施例82aH NMR(300 MHz,メタノール−d4,ppm)δ 7.82(s,1H),6.60(s,1H),5.42−5.02(m,3H),4.82(s,1H),4.50(d,J=5.0 Hz,2H),4.42−3.93(m,3H),3.86−3.39(m,4H),3.21−3.00(m,1H),2.77−2.51(s,4H),2.51−2.39(m,3H),2.38−1.92(m,2H),1.43(d,J=6.7 Hz,3H).
実施例82bH NMR(300 MHz,メタノール−d4,ppm)δ 7.82(s,1H),6.60(s,1H),5.51−5.00(m,3H),4.82(s,1H),4.50(d,J=5.0 Hz,2H),4.46−3.93(m,3H),3.88−3.39(m,4H),3.26−3.00(m,1H),2.78−2.51(m,4H),2.51−2.40(m,3H),2.40−1.90(m,2H),1.43(d,J=6.7 Hz,3H).
実施例83a、83b、83c、及び83d:
2−((R)−4−((S)−7−(6−アミノ−4−メチル−3−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル)−6−クロロ−8−フルオロ−2−(((2S,4R)−4−フルオロ−1−メチルピロリジン−2−イル)メトキシ)キナゾリン−4−イル)−1−(2−フルオロアクリロイル)ピペラジン−2−イル)アセトニトリル(実施例83a);
2−((S)−4−((S)−7−(6−アミノ−4−メチル−3−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル)−6−クロロ−8−フルオロ−2−(((2S,4R)−4−フルオロ−1−メチルピロリジン−2−イル)メトキシ)キナゾリン−4−イル)−1−(2−フルオロアクリロイル)ピペラジン−2−イル)アセトニトリル(実施例83b);
2−((R)−4−((R)−7−(6−アミノ−4−メチル−3−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル)−6−クロロ−8−フルオロ−2−(((2S,4R)−4−フルオロ−1−メチルピロリジン−2−イル)メトキシ)キナゾリン−4−イル)−1−(2−フルオロアクリロイル)ピペラジン−2−イル)アセトニトリル(実施例83c);及び
2−((S)−4−((R)−7−(6−アミノ−4−メチル−3−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル)−6−クロロ−8−フルオロ−2−(((2S,4R)−4−フルオロ−1−メチルピロリジン−2−イル)メトキシ)キナゾリン−4−イル)−1−(2−フルオロアクリロイル)ピペラジン−2−イル)アセトニトリル(実施例83d)
Figure 2021512136
工程1:tert−ブチル4−(7−ブロモ−2,6−ジクロロ−8−フルオロキナゾリン−4−イル)−2−(シアノメチル)ピペラジン−1−カルボキシレート
Figure 2021512136
7−ブロモ−2,6−ジクロロ−8−フルオロキナゾリン−4(3H)−オン(3.9g、12.5mmol)及びN,N−ジイソプロピルエチルアミン(6.5g、50.3mmol)のジクロロメタン溶液(80mL)を、20℃にて5分間撹拌した。メタンスルホン酸無水物(8.8g、50.3mmol)を添加し、得られた混合物を20℃にて20分間撹拌した。2−ピペラジン−2−イルアセトニトリル(5.0g、40.0mmol)及びN,N−ジイソプロピルエチルアミン(9.7g、75.5mmol)を次に添加し、混合物を20℃にて、更に1時間撹拌した。所望の生成物への転換が完了したら、ジ−tert−ブチルジカルボネート(32.7g、150mmol)を添加して、混合物を20℃にて2時間撹拌した。反応物を分液漏斗に注ぎ、ブラインで洗浄した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濃縮した。残留物を、石油エーテル/酢酸エチル(1/4)で溶出するフラッシュクロマトグラフィーにより精製し、tert−ブチル4−(7−ブロモ−2,6−ジクロロ−8−フルオロ−キナゾリン−4−イル)−2−(シアノメチル)ピペラジン−1−カルボキシレート(4.9g、9.4mmol、収率75.5%)を黄色固体として得た。LC−MS:(ESI,m/z):518.0,520.0 [M+H]
工程2:tert−ブチル4−(7−ブロモ−6−クロロ−2,8−ジフルオロ−キナゾリン−4−イル)−2−(シアノメチル)ピペラジン−1−カルボキシレート
Figure 2021512136
tert−ブチル4−(7−ブロモ−2,6−ジクロロ−8−フルオロ−キナゾリン−4−イル)−2−(シアノメチル)ピペラジン−1−カルボキシレート(9.7g、18.7mmol)及びフッ化カリウム(43.7g、752.6mmol)のDMA溶液(200mL)を、120℃にて3時間撹拌した。反応物をフィルタにかけて酢酸エチル(1L)で希釈し、ブラインで洗浄した(200mL*5)。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濃縮した。残留物を、石油エーテル/酢酸エチル(1/5)で溶出するシリカゲルフラッシュクロマトグラフィーにより精製し、tert−ブチル4−(7−ブロモ−6−クロロ−2,8−ジフルオロ−キナゾリン−4−イル)−2−(シアノメチル)ピペラジン−1−カルボキシレート(6.6g、13.1mmol、収率70.3%)を黄色固体として得た。LC−MS:(ESI,m/z):502.0,504.0 [M+H]
工程3:tert−ブチル4−[7−[6−[ビス[(4−メトキシフェニル)メチル]アミノ]−4−メチル−2−ピリジル]−6−クロロ−2,8−ジフルオロ−キナゾリン−4−イル]−2−(シアノメチル)ピペラジン−1−カルボキシレート
Figure 2021512136
tert−ブチル4−(7−ブロモ−6−クロロ−2,8−ジフルオロ−キナゾリン−4−イル)−2−(シアノメチル)ピペラジン−1−カルボキシレート(5.5g、10.9mmol)、[6−[ビス[(4−メトキシフェニル)メチル]アミノ]−4−メチル−2−ピリジル]ボロン酸(12.0g、30.6mmol)、1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン−パラジウム(II)ジクロリドジクロロメタン錯体(1.32g、1.8mmol)、及びリン酸カリウム(5.12g、24.1mmol)の、テトラヒドロフラン(400mL)及び水(80mL)の溶液を65℃にて2時間、窒素下にて撹拌した。反応混合物をフィルタにかけて濾液をジクロロメタン(500mL)で希釈し、ブラインで洗浄した(50mL×5)。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濃縮した。残留物を、石油エーテル/酢酸エチル(1/3)で溶出するシリカゲルフラッシュクロマトグラフィーにより精製し、tert−ブチル4−[7−[6−[ビス[(4−メトキシフェニル)メチル]アミノ]−4−メチル−2−ピリジル]−6−クロロ−2,8−ジフルオロ−キナゾリン−4−イル]−2−(シアノメチル)ピペラジン−1−カルボキシレート(5g、6.5mmol、収率59.3%)を黄色固体として得た。LC−MS:(ESI,m/z):770.3 [M+H]
工程4:tert−ブチル4−[7−[6−[ビス[(4−メトキシフェニル)メチル]アミノ]−3−ヨード−4−メチル−2−ピリジル]−6−クロロ−2,8−ジフルオロ−キナゾリン−4−イル]−2−(シアノメチル)ピペラジン−1−カルボキシレート
Figure 2021512136
tert−ブチル4−[7−[6−[ビス[(4−メトキシフェニル)メチル]アミノ]−4−メチル−2−ピリジル]−6−クロロ−2,8−ジフルオロ−キナゾリン−4−イル]−2−(シアノメチル)ピペラジン−1−カルボキシレート(5.0g、6.5mmol)及び(2.7g、16.3mmol)及びヨウ素(4.97g、19.57mmol)のN,N−ジメチルホルムアミド溶液(50mL)を、20℃にて4時間撹拌した。反応物をフィルタにかけた。濾液を酢酸エチル(250mL)で希釈して飽和チオ硫酸ナトリウム溶液で洗浄した(100mL×5)。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、真空下にて濃縮した。残留物を、石油エーテル/酢酸エチル(1/3)で溶出するシリカゲルフラッシュクロマトグラフィーにより精製し、tert−ブチル4−[7−[6−[ビス[(4−メトキシフェニル)メチル]アミノ]−3−ヨード−4−メチル−2−ピリジル]−6−クロロ−2,8−ジフルオロ−キナゾリン−4−イル]−2−(シアノメチル)ピペラジン−1−カルボキシレート(4.8g、5.4mmol、収率82.5%)を黄色固体として得た。LC−MS:(ESI,m/z):896.2 [M+H]
工程5:tert−ブチル4−[7−[6−[ビス[(4−メトキシフェニル)メチル]アミノ]−4−メチル−3−(トリフルオロメチル)−2−ピリジル]−6−クロロ−2,8−ジフルオロ−キナゾリン−4−イル]−2−(シアノメチル)ピペラジン−1−カルボキシレート
Figure 2021512136
tert−ブチル4−[7−[6−[ビス[(4−メトキシフェニル)メチル]アミノ]−3−ヨード−4−メチル−2−ピリジル]−6−クロロ−2,8−ジフルオロ−キナゾリン−4−イル]−2−(シアノメチル)ピペラジン−1−カルボキシレート(2.5g、2.8mmol)及びメチル2,2−ジフルオロ−2−(フルオロスルホニル)アセテート(13.4g、69.8mmol)及びヨウ化第一銅(5.3g、27.9mmol)のN,N−ジメチルアセトアミド溶液(80mL)を、90℃にて6時間撹拌した。反応物をフィルタにかけた。濾液を酢酸エチル(400mL)で希釈し、ブラインで洗浄した(100mL×5)。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濃縮した。残留物を、石油エーテル/酢酸エチル(1/3)で溶出するシリカゲルフラッシュクロマトグラフィーにより精製し、tert−ブチル4−[7−[6−[ビス[(4−メトキシフェニル)メチル]アミノ]−4−メチル−3−(トリフルオロメチル)−2−ピリジル]−6−クロロ−2,8−ジフルオロ−キナゾリン−4−イル]−2−(シアノメチル)ピペラジン−1−カルボキシレート(2.2g、2.6mmol、収率94.1%)を黄色固体として得た。LC−MS:(ESI,m/z):838.4 [M+H]
工程6:tert−ブチル4−[7−[6−[ビス[(4−メトキシフェニル)メチル]アミノ]−4−フルオロ−3−(トリフルオロメチル)−2−ピリジル]−6−クロロ−8−フルオロ−2−[[(2S,4R)−4−フルオロ−1−メチル−ピロリジン−2−イル]メトキシ]キナゾリン−4−イル]−2−プロプ−2−イニル−ピペラジン−1−カルボキシレート
Figure 2021512136
[(2S,4R)−4−フルオロ−1−メチル−ピロリジン−2−イル]メタノール(420.37mg、3.16mmol)のテトラヒドロフラン溶液(43mL)に、水素化ナトリウム(180.39mg、4.51mmol、鉱油の60%分散体)を0℃にて添加し、25℃にて1時間撹拌した。次に、tert−ブチル4−[7−[6−[ビス[(4−メトキシフェニル)メチル]アミノ]−4−メチル−3−(トリフルオロメチル)−2−ピリジル]−6−クロロ−2,8−ジフルオロ−キナゾリン−4−イル]−2−(シアノメチル)ピペラジン−1−カルボキシレート(944.0mg、1.13mmol)を添加し、25℃にて1時間撹拌した。完了したら反応物を水でクエンチし、ジクロロメタンで抽出した。次に、有機層を合わせて水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させて濃縮した。残留物を、ジクロロメタン/メタノール(4%)で溶出するシリカゲルフラッシュクロマトグラフィーにより精製し、tert−ブチル4−[7−[6−[ビス[(4−メトキシフェニル)メチル]アミノ]−4−フルオロ−3−(トリフルオロメチル)−2−ピリジル]−6−クロロ−8−フルオロ−2−[[(2S,4R)−4−フルオロ−1−メチル−ピロリジン−2−イル]メトキシ]キナゾリン−4−イル]−2−プロプ−2−イニル−ピペラジン−1−カルボキシレート(929mg、0.98mmol、収率86.3%)を黄色固体として得た。LC−MS:(ESI,m/z):951.3 [M+H]
工程7:2−[4−[7−[6−アミノ−4−メチル−3−(トリフルオロメチル)−2−ピリジル]−6−クロロ−8−フルオロ−2−[[(2S,4R)−4−フルオロ−1−メチル−ピロリジン−2−イル]メトキシ]キナゾリン−4−イル]ピペラジン−2−イル]アセトニトリル
Figure 2021512136
tert−ブチル4−[7−[6−[ビス[(4−メトキシフェニル)メチル]アミノ]−4−フルオロ−3−(トリフルオロメチル)−2−ピリジル]−6−クロロ−8−フルオロ−2−[[(2S,4R)−4−フルオロ−1−メチル−ピロリジン−2−イル]メトキシ]キナゾリン−4−イル]−2−プロプ−2−イニル−ピペラジン−1−カルボキシレート(909.0mg、0.96mmol)のトリフルオロ酢酸(91mL、0.96mmol)溶液を、50℃にて3時間撹拌した。完了したら、反応物を濃縮して、残留物をジクロロメタンで溶解し、N,N−ジイソプロピルエチルアミンでpHを10に調節した。混合物を濃縮し、残留物を逆相クロマトグラフィー(カラム、C18シリカゲル;移動相A:水、B:MeCN、Bの割合(30分で5%〜70%);検出器、UV 254nm)により精製して、2−[4−[7−[6−アミノ−4−メチル−3−(トリフルオロメチル)−2−ピリジル]−6−クロロ−8−フルオロ−2−[[(2S,4R)−4−フルオロ−1−メチル−ピロリジン−2−イル]メトキシ]キナゾリン−4−イル]ピペラジン−2−イル]アセトニトリル(373mg、0.61mmol、63.9%)を白色固体として得た。LC−MS:(ESI,m/z):611.2 [M+H]
工程8:2−((R)−4−((S)−7−(6−アミノ−4−メチル−3−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル)−6−クロロ−8−フルオロ−2−(((2S,4R)−4−フルオロ−1−メチルピロリジン−2−イル)メトキシ)キナゾリン−4−イル)−1−(2−フルオロアクリロイル)ピペラジン−2−イル)アセトニトリル(実施例83a);2−((S)−4−((S)−7−(6−アミノ−4−メチル−3−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル)−6−クロロ−8−フルオロ−2−(((2S,4R)−4−フルオロ−1−メチルピロリジン−2−イル)メトキシ)キナゾリン−4−イル)−1−(2−フルオロアクリロイル)ピペラジン−2−イル)アセトニトリル(実施例83b);2−((R)−4−((R)−7−(6−アミノ−4−メチル−3−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル)−6−クロロ−8−フルオロ−2−(((2S,4R)−4−フルオロ−1−メチルピロリジン−2−イル)メトキシ)キナゾリン−4−イル)−1−(2−フルオロアクリロイル)ピペラジン−2−イル)アセトニトリル(実施例83c);及び2−((S)−4−((R)−7−(6−アミノ−4−メチル−3−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル)−6−クロロ−8−フルオロ−2−(((2S,4R)−4−フルオロ−1−メチルピロリジン−2−イル)メトキシ)キナゾリン−4−イル)−1−(2−フルオロアクリロイル)ピペラジン−2−イル)アセトニトリル(実施例83d)
Figure 2021512136
2−[4−[7−[6−アミノ−4−メチル−3−(トリフルオロメチル)−2−ピリジル]−6−クロロ−8−フルオロ−2−[[(2S,4R)−4−フルオロ−1−メチル−ピロリジン−2−イル]メトキシ]キナゾリン−4−イル]ピペラジン−2−イル]アセトニトリル(373.0mg、0.61mmol)、N,N−ジイソプロピルエチルアミン(393.75mg、3.05mmol)、HATU(232.12mg、0.61mmol)、及び2−フルオロアクリル酸(71.46mg、0.79mmol)の、ジクロロメタン(10mL)及びN,N−ジメチルホルムアミド(0.5mL)溶液を25℃にて1時間撹拌した。完了したら、得られた反応物を濃縮した。粗生成物を、分取HPLC(カラム、XBridge Prep C18 OBD Column19*15mm 5umC−0013;移動相A:FA水溶液に1mmol、B:ACN及びBの割合(7分で51%〜73%);検出器、UV 254nm)により直接精製し、480mgの2−(4−(7−(6−アミノ−4−メチル−3−(トリフルオロフェニル)ピリジン−2−イル)−6−クロロ−8−フルオロ−2−(((2S,4R)−4−フルオロ−1−メチルピロリジン−2−イル)メトキシ)キナゾリン−4−イル)−1−(2−フルオロアクリロイル)ピペラジン−2−イル)アセトニトリルを白色固体として得た。生成物を、以下の条件でキラル分取HPLC(カラム、CHIRALPAK IE−3 4.6*50mm 3um;移動相、ヘキサン(0.1%DEA):EtOH=50:50;検出器、254nm;流速、1.0mL/分;温度:25℃)及び(カラム、CHIRAL Cellulose−SB4.6*100mm 3um;移動相、MtBE(0.1%DEA):EtOH=70:30;検出器、254nm;流速、1.0ml/分;温度:25℃)で更に精製し、表題化合物を得た。表題化合物の立体化学は、有効なデータに基づき割り当てた。
実施例83a:2−((R)−4−((S)−7−(6−アミノ−4−メチル−3−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル)−6−クロロ−8−フルオロ−2−(((2S,4R)−4−フルオロ−1−メチルピロリジン−2−イル)メトキシ)キナゾリン−4−イル)−1−(2−フルオロアクリロイル)ピペラジン−2−イル)アセトニトリル;(62.4mg、0.09mmol、収率15%、白色固体)。H NMR(400 MHz,メタノール−d,ppm)δ 7.96(d,J=1.6 Hz,1H),6.62(s,1H),5.42−5.12(m,3H),5.11−4.90(m,1H),4.58−4.40(m,4H),4.35−4.01(m,1H),3.91−3.59(m,3H),3.57−3.46(m,1H),3.18−3.07(m,3H),2.73−2.62(m,1H),2.57(s,3H),2.46(d,J=1.2 Hz,3H),2.36−2.25(m,1H),2.12−1.96(m,1H).LC−MS:(ESI,m/z):683.3 [M+H].キラルHPLC:CHIRAL Cellulose−SB、4.6*100mm、3um;214nmにて検出;MtBE(0.1%DEA):EtOH=70:30;流速=1mL/分;保持時間:2.041分(最初のピーク)。
実施例83b:2−((S)−4−((S)−7−(6−アミノ−4−メチル−3−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル)−6−クロロ−8−フルオロ−2−(((2S,4R)−4−フルオロ−1−メチルピロリジン−2−イル)メトキシ)キナゾリン−4−イル)−1−(2−フルオロアクリロイル)ピペラジン−2−イル)アセトニトリル(64mg、0.09mmol、収率15.3%、白色固体)。H NMR(400 MHz,メタノール−d,ppm)δ 7.96(d,J=1.6 Hz,1H),6.62(s,1H),5.42−5.12(m,3H),5.11−4.92(m,1H),4.53−4.40(m,4H),4.38−4.00(m,1H),3.89−3.59(m,3H),3.62−3.46(m,1H),3.19−3.13(m,2H),3.09−3.03(m,1H),2.73−2.62(m,1H),2.57(s,3H),2.46(d,J=1.6 Hz,3H),2.33−2.18(m,1H),2.15−1.91(m,1H).LC−MS:(ESI,m/z):683.3 [M+H].キラルHPLC:CHIRAL Cellulose−SB、4.6*100mm、3um;214nmにて検出;MtBE(0.1%DEA):EtOH=70:30;流速=1mL/分;保持時間:2.704分(2番目のピーク)。
実施例83c:2−((R)−4−((R)−7−(6−アミノ−4−メチル−3−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル)−6−クロロ−8−フルオロ−2−(((2S,4R)−4−フルオロ−1−メチルピロリジン−2−イル)メトキシ)キナゾリン−4−イル)−1−(2−フルオロアクリロイル)ピペラジン−2−イル)アセトニトリル(40.2mg、0.0589mmol、収率9.6%、白色固体)。H NMR(400 MHz,メタノール−d,ppm)δ 7.96(d,J=1.6 Hz,1H),6.62(s,1H),5.42−5.11(m,3H),5.08−4.93(m,1H),4.66−4.39(m,4H),4.38−4.10(m,1H),3.89−3.49(m,4H),3.19−3.04(m,3H),2.76−2.63(m,1H),2.59(s,3H),2.46(d,J=1.2 Hz,3H),2.33−2.26(m,1H),2.16−1.98(m,1H).LC−MS:(ESI,m/z):683.3 [M+H].キラルHPLC:CHIRALPAK IE−3、4.6*50mm、3um;254nmにて検出;ヘキサン(0.1%DEA):EtOH=50:50;流速=1mL/分;保持時間:2.395分(3番目のピーク)。
実施例83d:2−((S)−4−((R)−7−(6−アミノ−4−メチル−3−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル)−6−クロロ−8−フルオロ−2−(((2S,4R)−4−フルオロ−1−メチルピロリジン−2−イル)メトキシ)キナゾリン−4−イル)−1−(2−フルオロアクリロイル)ピペラジン−2−イル)アセトニトリル。(92.1mg、0.13mmol、収率22.1%、白色固体)。H NMR(400 MHz,メタノール−d,ppm)δ 7.96(d,J=1.6 Hz,1H),6.62(s,1H),5.43−5.14(m,3H),5.11−4.91(m,1H),4.62−4.40(m,4H),4.37−3.98(m,1H),3.90−3.47(m,4H),3.22−3.05(m,3H),2.89−2.69(m,1H),2.61(s,3H),2.46(d,J=4.0 Hz,3H),2.39−2.28(m,1H),2.15−1.99(m,1H).LC−MS:(ESI,m/z):683.3 [M+H].キラルHPLC:CHIRALPAK IE−3、4.6*50mm、3um;254nmにて検出;ヘキサン(0.1%DEA):EtOH=50:50;流速=1mL/分;保持時間:3.052分(4番目のピーク)。
実施例84a及び84b:1−((S)−4−((R)−7−(6−アミノ−3,4−ジメチルピリジン−2−イル)−6−クロロ−8−フルオロ−2−(((2S,4R)−4−フルオロ−1−メチルピロリジン−2−イル)メトキシ)キナゾリン−4−イル)−3−メチルピロリジン−1−イル)プロプ−2−エン−1−オン(実施例84a)及び1−((S)−4−((S)−7−(6−アミノ−3,4−ジメチルピリジン−2−イル)−6−クロロ−8−フルオロ−2−(((2S,4R)−4−フルオロ−1−メチルピロリジン−2−イル)メトキシ)キナゾリン−4−イル)−3−メチルピペラジン−1−イル)プロプ−2−エン−1−オン(実施例84b)(2つのアトロプ異性体)
Figure 2021512136
工程1:tert−ブチル(3S)−4−[7−[6−[ビス[(4−メトキシフェニル)メチル]アミノ]−3,4−ジメチル−2−ピリジル]−6−クロロ−2,8−ジフルオロ−キナゾリン−4−イル]−3−メチル−ピペラジン−1−カルボキシレート
Figure 2021512136
tert−ブチル(3S)−4−[7−[6−[ビス[(4−メトキシフェニル)メチル]アミノ]−3−ヨード−4−メチル−2−ピリジル]−6−クロロ−2,8−ジフルオロ−キナゾリン−4−イル]−3−メチル−ピペラジン−1−カルボキシレート(4.00g、4.5mmol)及びビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)クロリド(321.8mg、0.4mmol)の1,4−ジオキサン溶液(40mL)を、25℃にて5分間、窒素下にて撹拌した。次に、ジメチル亜鉛のトルエン溶液(1.2M)(7.6mL、9.1mmol)を添加し、50℃にて20時間撹拌した。完了したら、反応物を水でクエンチし、酢酸エチルで抽出して無水硫酸ナトリウムで乾燥させて濃縮した。残留物を、石油エーテル/酢酸エチル(10/1)で溶出するシリカゲルフラッシュクロマトグラフィーにより精製し、tert−ブチル(3S)−4−[7−[6−[ビス[(4−メトキシフェニル)メチル]アミノ]−3,4−ジメチル−2−ピリジル]−6−クロロ−2,8−ジフルオロ−キナゾリン−4−イル]−3−メチル−ピペラジン−1−カルボキシレート(3.00g、3.9mmol、収率86.1%)を黄色油として得た。LCMS(ESI,m/z):759.3 [M+H]
工程2:tert−ブチル(3S)−4−[7−[6−[ビス[(4−メトキシフェニル)メチル]アミノ]−3,4−ジメチル−2−ピリジル]−6−クロロ−8−フルオロ−2−[[(2S,4R)−4−フルオロ−1−メチル−ピロリジン−2−イル]メトキシ]キナゾリン−4−イル]−3−メチル−ピペラジン−1−カルボキシレート
Figure 2021512136
[(2S,4R)−4−フルオロ−1−メチル−ピロリジン−2−イル]メタノール(1052.2mg、7.9mmol)のテトラヒドロフラン溶液(30mL)を、0℃にて2分間撹拌した。次に、水素化ナトリウム(純度60%)(632.1mg、15.8mmol)を添加して、0℃にて10分間撹拌した。次に、tert−ブチル(3S)−4−[7−[6−[ビス[(4−メトキシフェニル)メチル]アミノ]−3,4−ジメチル−2−ピリジル]−6−クロロ−2,8−ジフルオロ−キナゾリン−4−イル]−3−メチル−ピペラジン−1−カルボキシレート(3.0g、3.9mmol)を添加し、25℃にて1時間撹拌した。完了したら、反応物を飽和塩化アンモニウムでクエンチし、酢酸エチルで抽出して無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、真空下にて濃縮した。残留物を、ジクロロメタン/メタノール(10/1)で溶出するシリカゲルフラッシュクロマトグラフィーにより精製し、tert−ブチル(3S)−4−[7−[6−[ビス[(4−メトキシフェニル)メチル]アミノ]−3,4−ジメチル−2−ピリジル]−6−クロロ−8−フルオロ−2−[[(2S,4R)−4−フルオロ−1−メチル−ピロリジン−2−イル]メトキシ]キナゾリン−4−イル]−3−メチル−ピペラジン−1−カルボキシレート(2.4g、2.7mmol、収率69.6%)を黄色固体として得た。LCMS(ESI,m/z):872.4 [M+H]
工程3:6−[6−クロロ−8−フルオロ−2−[[(2S,4R)−4−フルオロ−1−メチル−ピロリジン−2−イル]メトキシ]−4−[(2S)−2−メチルピペラジン−1−イル]キナゾリン−7−イル]−4,5−ジメチル−ピリジン−2−アミン
Figure 2021512136
tert−ブチル(3S)−4−[7−[6−[ビス[(4−メトキシフェニル)メチル]アミノ]−3,4−ジメチル−2−ピリジル]−6−クロロ−8−フルオロ−2−[[(2S,4R)−4−フルオロ−1−メチル−ピロリジン−2−イル]メトキシ]キナゾリン−4−イル]−3−メチル−ピペラジン−1−カルボキシレート(2.4g、2.7mmol)のトリフルオロ酢酸(9g、82.5mmol)溶液を、50℃にて1時間撹拌した。完了したら、反応物を濃縮した。残留物を、アセトニトリル/水(40:60)で溶出するシリカゲルフラッシュクロマトグラフィーにより精製し、6−[6−クロロ−8−フルオロ−2−[[(2S,4R)−4−フルオロ−1−メチル−ピロリジン−2−イル]メトキシ]−4−[(2S)−2−メチルピペラジン−1−イル]キナゾリン−7−イル]−4,5−ジメチル−ピリジン−2−アミン(1.2g、2.2mmol、収率82%)を黄色固体として得た。LCMS(ESI,m/z):532.2 [M+H]
工程4:1−((S)−4−((R)−7−(6−アミノ−3,4−ジメチルピリジン−2−イル)−6−クロロ−8−フルオロ−2−(((2S,4R)−4−フルオロ−1−メチルピロリジン−2−イル)メトキシ)キナゾリン−4−イル)−3−メチルピロリジン−1−イル)プロプ−2−エン−1−オン(実施例84a)及び1−((S)−4−((S)−7−(6−アミノ−3,4−ジメチルピリジン−2−イル)−6−クロロ−8−フルオロ−2−(((2S,4R)−4−フルオロ−1−メチルピロリジン−2−イル)メトキシ)キナゾリン−4−イル)−3−メチルピペラジン−1−イル)プロプ−2−エン−1−オン(実施例84b)(2つのアトロプ異性体)
Figure 2021512136
6−[6−クロロ−8−フルオロ−2−[[(2S,4R)−4−フルオロ−1−メチル−ピロリジン−2−イル]メトキシ]−4−[(2S)−2−メチルピペラジン−1−イル]キナゾリン−7−イル]−4,5−ジメチル−ピリジン−2−アミン(900.0mg、1.6mmol)、アクリル酸(97.5mg、1.3mmol)、及びN,N−ジイソプロピルエチルアミン(654.6mg、5.0mmol)のジクロロメタン(9mL)溶液を、−78℃にて2分間撹拌した。次に、HATU(643.2mg、1.6mmol)を−78℃にて1時間添加した。完了したら、反応物を水でクエンチし、酢酸エチルで抽出して無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、真空下にて濃縮した。残留物を、ジクロロメタン/メタノール(10/1)で溶出するシリカゲルフラッシュクロマトグラフィーにより精製し、197mgの粗固体を得た。粗生成物を分取HPLC(カラム:XBridge Prep OBD C18 Column、30×150mm 5um;移動相A:水(10mmol/L NHHCO)移動相B:ACN;流速:60mL/分)により精製し、117mgの所望の生成物を得た。得られた固体をキラル分取HPLC(カラム、Column,CHIRALPAK IC−3、0.46*5cm;3um;移動相:MtBE(0.3%IPアミン):MeOH=50:50;検出器、UV 254nm)により精製した。速いピークは1.142分にて得られた。遅いピークは1.629分にて得られた。1−((S)−4−((R)−7−(6−アミノ−3,4−ジメチルピリジン−2−イル)−6−クロロ−8−フルオロ−2−(((2S,4R)−4−フルオロ−1−メチルピロリジン−2−イル)メトキシ)キナゾリン−4−イル)−3−メチルピロリジン−1−イル)プロプ−2−エン−1−オン(38mg、0.06mmol、収率3.8%)を白色固体として、及び1−((S)−4−((S)−7−(6−アミノ−3,4−ジメチルピリジン−2−イル)−6−クロロ−8−フルオロ−2−(((2S,4R)−4−フルオロ−1−メチルピロリジン−2−イル)メトキシ)キナゾリン−4−イル)−3−メチルピペラジン−1−イル)プロプ−2−エン−1−オン(35.1mg、0.06mmol、収率3.5%)を白色固体として得た。
実施例84a:H NMR(300 MHz,DMSO−d,ppm)δ 7.82(s,1H),6.92−6.74(m,1H),6.39(s,1H),6.26−6.11(m,1H),5.81−5.66(m,3H),5.18(d,J=56.2 Hz,1H),4.75(s,1H),4.50−4.23(m,3H),4.19−3.91(m,2H),3.74−3.38(m,3H),3.26−2.85(m,2H),2.44−2.29(m,4H),2.24−2.05(m,4H),2.03−1.87(m,1H),1.81(s,3H),1.28(d,J=6.5 Hz,3H).LCMS(ESI,m/z):586.3 [M+H]キラルHPLC:カラム:CHIRALPAK IC−3、4.6*50mm 3um;254nmにて検出;MtBE(0.3%IPアミン):MeOH=50:50;流速:1mL/分;保持時間:1.136分;(速いピーク)。
実施例84b:H NMR(300 MHz,DMSO−d,ppm)δ 7.82(s,1H),6.95−6.74(m,1H),6.39(s,1H),6.25−6.11(m,1H),5.84−5.65(m,3H),5.19(d,J=56.1 Hz,1H),4.74(s,1H),4.49−4.22(m,3H),4.21−3.88(m,2H),3.74−3.53(m,2H),3.50−3.38(m,2H),3.25−3.01(m,1H),3.03−2.86(m,1H),2.41(s,3H),2.20(s,3H),2.13−1.87(m,2H),1.83(s,3H),1.30(d,J=6.5 Hz,3H).LCMS(ESI,m/z):586.3 [M+H]キラルHPLC:カラム:CHIRALPAK IC−3、4.6*50mm 3um;254nmにて検出;MtBE(0.3%IPアミン):MeOH=50:50;流速:1mL/分;保持時間:1.629分;(遅いピーク)。
実施例85:(E)−1−((S)−4−((R)−7−(6−アミノ−4−メチル−3−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル)−6−クロロ−8−フルオロ−2−(((S)−1−メチルピロリジン−2−イル)メトキシ)キナゾリン−4−イル)−3−メチルピペラジン−1−イル)−4−ヒドロキシブタ−2−エン−1−オン
Figure 2021512136
6−((R)−6−クロロ−8−フルオロ−4−((S)−2−メチルピペラジン−1−イル)−2−(((S)−1−メチルピロリジン−2−イル)メトキシ)キナゾリン−7−イル)−4−メチル−5−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−アミン(実施例17a/17bの工程11を参照のこと)(156.0mg、0.27mmol)、4−ヒドロキシ−ブタ−2−エン酸(42.06mg、0.41mmol)、N,N−ジイソプロピルエチルアミン(141.72mg、1.1mmol)、及びHATU(156.64mg、0.4100mmol)のジクロロメタン溶液(6.5mL)を、25℃にて1時間撹拌した。完了したら、反応物をジクロロメタンで希釈し、ブラインで洗浄した。次に、有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させて濃縮した。残留物を逆相クロマトグラフィー(カラム、C18シリカゲル;移動相A:水、B:MeCN、Bの割合(30分で5%〜70%);検出器、UV 254nm)により精製し、117mg(65.3%)の、所望のアトロプ異性体の(E)−1−((S)−4−((R)−7−(6−アミノ−4−メチル−3−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル)−6−クロロ−8−フルオロ−2−(((S)−1−メチルピロリジン−2−イル)メトキシ)キナゾリン−4−イル)−3−メチルピペラジン−1−イル)−4−ヒドロキシブタ−2−エン−1−オンを、白色固体として得た。
実施例85:LC−MS:(ESI,m/z):652.3 [M+H]HNMR:(400 MHz,DMSO−d,ppm)δ 7.83(s,1H),6.83−6.79(m,3H),6.64−6.55(m,1H),6.50(s,1H),5.03−5.01(m,1H),4.76(s,1H),4.47−4.23(m,3H),4.15−3.88(m,4H),3.65−3.30(m,3H),3.24−2.98(m,2H),2.90−2.68(m,1H),2.49−2.44(m,3H),2.37−2.32(m,3H),1.99−1.91(m,1H),1.72−1.65(m,3H),1.27(s,3H).
実施例86:(E)−1−((S)−4−((R)−7−(6−アミノ−4−メチル−3−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル)−6−クロロ−8−フルオロ−2−(((S)−1−メチルピロリジン−2−イル)メトキシ)キナゾリン−4−イル)−3−メチルピペラジン−1−イル)−4−クロロブタ−2−エン−1−オン
Figure 2021512136
所望のアトロプ異性体の6−((R)−6−クロロ−8−フルオロ−4−((S)−2−メチルピペラジン−1−イル)−2−(((S)−1−メチルピロリジン−2−イル)メトキシ)キナゾリン−7−イル)−4−メチル−5−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−アミン(実施例17a/17bの工程11を参照のこと)(108.0mg、0.190mmol)、(E)−4−クロロブタ−2−エン酸(20.63mg、0.1700mmol)、N,N−ジイソプロピルエチルアミン(98.11mg、0.7600mmol)、及びHATU(108.44mg、0.2900mmol)のジクロロメタン溶液(2mL)を、25℃にて1時間撹拌した。完了したら、反応物を水で洗浄し、ジクロロメタンで抽出した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、真空下にて濃縮した。残留物を逆相クロマトグラフィー(カラム、C18シリカゲル;移動相A:水、B:MeCN、Bの割合(30分で5%〜70%);検出器、UV 254nm)により精製し、白色固体を得た。粗生成物を分取HPLC(カラム、XBridge Prep C18 OBD Column19*15mm 5umC−0013;移動相A:0.1%mmol FA水溶液、B:ACN、及びBの割合(7分で51%〜73%);検出器、UV 254nm)により精製し、44mg(34.5%)の(E)−1−((S)−4−((R)−7−(6−アミノ−4−メチル−3−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル)−6−クロロ−8−フルオロ−2−(((S)−1−メチルピロリジン−2−イル)メトキシ)キナゾリン−4−イル)−3−メチルピペラジン−1−イル)−4−クロロブタ−2−エン−1−オンを白色固体として得た。
実施例86:LC−MS:(ESI,m/z):670.3 [M+H]HNMR:(400 MHz,DMSO−d,ppm)δ 8.18(s,1H),7.82(s,1H),6.83−6.71(m,3H),6.49(s,1H),4.90−4.75(m,1H),4.40−4.30(m,3H),4.30−4.06(m,3H),4.01−3.88(m,1H),3.67−3.55(m,2H),3.13−3.15(m,1H),3.05−2.93(m,1H),2.61−2.56(m,1H),2.43−2.26(m,6H),2.19−2.15(m,1H),1.97−1.93(m,1H),1.70−1.62(m,3H),1.28−1.25(m,3H).
実施例87:1−[4−[7−[6−アミノ−3−(トリフルオロメチル)−2−ピリジル]−6−クロロ−2−[[(2S)−1−(オキセタン−3−イル)ピロリジン−2−イル]メトキシ]キナゾリン−4−イル]ピペラジン−1−イル]プロプ−2−エン−1−オン
Figure 2021512136
工程1:tert−ブチル−ジメチル−[[(2S)−1−(オキセタン−3−イル)ピロリジン−2−イル]メトキシ]シラン
Figure 2021512136
tert−ブチル−ジメチル−[[(2S)−ピロリジン−2−イル]メトキシ]シラン(1600.0mg、7.43mmol)、3−オキセタノン(2700.0mg、37.47mmol)、及びシアノ水素化ホウ素ナトリウム(500.0mg、7.94mmol)のメチルアルコール(10mL)混合物を、50℃にて4時間撹拌した。得られた溶液を水で希釈し、ジクロロメタンで抽出して有機層を合わせた。得られた混合物を分取HPLCにより精製し、tert−ブチル−ジメチル−[[(2S)−1−(オキセタン−3−イル)ピロリジン−2−イル]メトキシ]シラン(1200mg、4.41mmol、収率59.5%)を黄色油として得た。LC−MS:(ESI,m/z):272.2 [M+H]
工程2:[(2S)−1−(オキセタン−3−イル)ピロリジン−2−イル]メタノール
Figure 2021512136
tert−ブチル−ジメチル−[[(2S)−1−(オキセタン−3−イル)ピロリジン−2−イル]メトキシ]シラン(1800.0mg、6.63mmol)のトリフルオロ酢酸(3mL、40.39mmol)の混合物を3時間50℃にて撹拌した。完了したら、N,N−ジイソプロピルエチルアミンでpHを約8.0に調節した。粗生成物を分取HPLCにより精製し、[(2S)−1−(オキセタン−3−イル)ピロリジン−2−イル]メタノール(880mg、5.57mmol、収率84.4%)を黄色油として得た。LC−MS:(ESI,m/z):158.1 [M+H]
工程3:tert−ブチル4−[7−[6−[ビス[(4−メトキシフェニル)メチル]アミノ]−3−(トリフルオロメチル)−2−ピリジル]−6−クロロ−2−[[(2S)−1−(オキセタン−3−イル)ピロリジン−2−イル]メトキシ]キナゾリン−4−イル]ピペラジン−1−カルボキシレート
Figure 2021512136
水素化ナトリウム(36.0mg、1.5mmol)のテトラヒドロフラン(3mL)混合物に[(2S)−1−(オキセタン−3−イル)ピロリジン−2−イル]メタノール(90.0mg、0.57mmol)を添加し、混合物を15分間0℃にて撹拌した。次に、tert−ブチル4−(7−(6−(ビス(4−メトキシベンジル)アミノ)−3−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル)−6−クロロ−2−フルオロキナゾリン−4−イル)ピペラジン−1−カルボキシレート(中間体3)(300.0mg、0.39mmol)を添加して、2時間室温で撹拌した。完了したら反応物を飽和塩化アンモニウムでクエンチし、ジクロロメタンで抽出した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させて真空下にて濃縮し、粗生成物を得て、次工程にて直接使用した。LC−MS:(ESI,m/z):904.4 [M+H]
工程4:6−[6−クロロ−2−[[(2S)−1−(オキセタン−3−イル)ピロリジン−2−イル]メトキシ]−4−ピペラジン−1−イル−キナゾリン−7−イル]−5−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−アミン
Figure 2021512136
tert−ブチル4−[7−[6−[ビス[(4−メトキシフェニル)メチル]アミノ]−3−(トリフルオロメチル)−2−ピリジル]−6−クロロ−2−[[(2S)−1−(オキセタン−3−イル)ピロリジン−2−イル]メトキシ]キナゾリン−4−イル]ピペラジン−1−カルボキシレート(250.0mg、0.28mmol)のトリフルオロ酢酸(3mL、40.39mmol)混合物を3時間50℃にて撹拌した。N,N−ジイソプロピルエチルアミンで、反応混合物をpH8に調節した。得られた溶液を水で希釈して、ジクロロメタンで抽出した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、真空下にて濃縮して6−[6−クロロ−2−[[(2S)−1−(オキセタン−3−イル)ピロリジン−2−イル]メトキシ]−4−ピペラジン−1−イル−キナゾリン−7−イル]−5−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−アミン(150mg、0.27mmol、収率96.2%)を粗生成物として得た。粗製物を、精製することなく次工程にて直接使用した。LC−MS:(ESI,m/z):564.2 [M+H]
工程5:1−[4−[7−[6−アミノ−3−(トリフルオロメチル)−2−ピリジル]−6−クロロ−2−[[(2S)−1−(オキセタン−3−イル)ピロリジン−2−イル]メトキシ]キナゾリン−4−イル]ピペラジン−1−イル]プロプ−2−エン−1−オン
Figure 2021512136
[(2S)−1−(オキセタン−3−イル)ピロリジン−2−イル]メタノール(60.0mg、0.11mmol)のジクロロメタン(1mL)混合物に、N,N−ジイソプロピルエチルアミン(25.0mg、0.19mmol)、6−[6−クロロ−2−[[(2S)−1−(オキセタン−3−イル)ピロリジン−2−イル]メトキシ]−4−ピペラジン−1−イル−キナゾリン−7−イル]−5−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−アミン(60.0mg、0.11mmol)を添加し、混合物を0.5時間−78℃にて撹拌した。完了したら、有機層を濃縮して粗生成物を分取HPLC(カラム:Xselect CSH F−Phenyl OBDカラム、19*250、5um;移動相A:水(10mmol/L NHHCO)、移動相B:EtOH;流速:25mL/分)により精製し、1−[4−[7−[6−アミノ−3−(トリフルオロメチル)−2−ピリジル]−6−クロロ−2−[[(2S)−1−(オキセタン−3−イル)ピロリジン−2−イル]メトキシ]キナゾリン−4−イル]ピペラジン−1−イル]プロプ−2−エン−1−オン(14.2mg、0.023mmol、収率21.6%)を白色固体として得た。
実施例87:LC−MS:(ESI,m/z):618.3 [M+H]H NMR(300 MHz,DMSO−d,ppm)δ 8.05(s,1H),7.78(d,J=8.9 Hz,1H),7.48(d,J=2.3 Hz,1H),6.98−6.75(m,3H),6.60(d,J=8.8 Hz,1H),6.17(dd,J=16.7,2.4 Hz,1H),5.74(dd,J=10.4,2.4 Hz,1H),4.65−4.15(m,2H),3.95−3.60(m,10H),3.29−3.07(m,3H),2.97−2.69(m,1H),2.65−2.55(m,1H),2.18−2.01(m,1H),1.77−1.46(m,3H),1.38−1.13(m,1H).
実施例88:1−(4−(7−(6−アミノ−3−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル)−6−クロロ−2−((1−(ジメチルアミノ)シクロプロピル)メトキシ)キナゾリン−4−イル)ピペラジン−1−イル)プロプ−2−エン−1−オン
Figure 2021512136
工程1:(1−アミノシクロプロピル)メタノール
Figure 2021512136
tert−ブチル(1−(ヒドロキシメチル)シクロプロピル)カルバメート(10.0g、53.41mmol)のテトラヒドロフラン溶液(100mL)に、塩酸(200mL、テトラヒドロフランに2M)を添加した。混合物を25℃にて16時間撹拌した。完了したら、反応物を濃縮して、ジクロロメタン/メタノール(4:1)で溶出するシリカゲルを使用するフラッシュクロマトグラフィーにより精製し、(1−アミノシクロプロピル)メタノール(4g、45.9mmol、収率86%)を白色固体として得た。LC−MS:(ESI,m/z):88.3 [M+H]
工程2:(1−(ジメチルアミノ)シクロプロピル)メタノール
Figure 2021512136
(1−アミノシクロプロピル)メタノール(500.0mg、5.74mmol)、ホルムアルデヒド(16.7mL、66.6mmol)、及びギ酸(500.0mg、10.86mmol)の溶液を、100℃にて8時間撹拌した。完了したら、反応物を濃縮して水酸化ナトリウムを添加し、pHを13に調節した。残留物を、メタノール/ジクロロメタン(3:7)で溶出するシリカゲルフラッシュクロマトグラフィーにより精製し、(1−(ジメチルアミノ)シクロプロピル)メタノール(150mg、1.3mmol、収率22.7%)を無色の油として得た。LC−MS:(ESI,m/z):116.2 [M+H]
工程3:tert−ブチル4−(7−(6−(ビス(4−メトキシベンジル)アミノ)−3−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル)−6−クロロ−2−((1−(ジメチルアミノ)シクロプロピル)メトキシ)キナゾリン−4−イル)ピペラジン−1−カルボキシレート
Figure 2021512136
(1−(ジメチルアミノ)シクロプロピル)メタノール(60mg、0.50mmol)及び水素化ナトリウム(25.0mg、1.1mmol)のテトラヒドロフラン溶液(10mL)を、40℃にて5分間撹拌した。次に、tert−ブチル4−(7−(6−(ビス(4−メトキシベンジル)アミノ)−3−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル)−6−クロロ−2−フルオロキナゾリン−4−イル)ピペラジン−1−カルボキシレート(中間体3)(200.0mg、0.3mmol)を添加し、40℃にて1時間撹拌した。完了したら、反応物を濃縮してtert−ブチル4−(7−(6−(ビス(4−メトキシベンジル)アミノ)−3−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル)−6−クロロ−2−((1−(ジメチルアミノ)シクロプロピル)メトキシ)キナゾリン−4−イル)ピペラジン−1−カルボキシレート(250mg、0.17mmol、収率56.7%、純度60%)を黄色油として得、これを次工程にて直接使用した。LC−MS:(ESI,m/z):862.4 [M+H]
工程4:6−(6−クロロ−2−((1−(ジメチルアミノ)シクロプロピル)メトキシ)−4−(ピペラジン−1−イル)キナゾリン−7−イル)−5−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−アミン
Figure 2021512136
tert−ブチル4−(7−(6−(ビス(4−メトキシベンジル)アミノ)−3−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル)−6−クロロ−2−((1−(ジメチルアミノ)シクロプロピル)メトキシ)キナゾリン−4−イル)ピペラジン−1−カルボキシレート(250mg、0.17mmol、純度60%)の、2,2,2−トリフルオロ酢酸(5mL)及びジクロロメタン(15mL)の溶液を、50℃にて2時間撹拌した。反応物を濃縮し、得られた混合物を、メタノール/水(3:7)で溶出するC18ゲルフラッシュクロマトグラフィーにより精製して、6−(6−クロロ−2−((1−(ジメチルアミノ)シクロプロピル)メトキシ)−4−(ピペラジン−1−イル)キナゾリン−7−イル)−5−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−アミン(80mg、0.15mmol、収率90.3%)を黄色固体として得た。LC−MS:(ESI,m/z):522.3 [M+H]
工程5:1−(4−(7−(6−アミノ−3−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル)−6−クロロ−2−((1−(ジメチルアミノ)シクロプロピル)メトキシ)キナゾリン−4−イル)ピペラジン−1−イル)プロプ−2−エン−1−オン
Figure 2021512136
6−(6−クロロ−2−((1−(ジメチルアミノ)シクロプロピル)メトキシ)−4−(ピペラジン−1−イル)キナゾリン−7−イル)−5−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−アミン(30.0mg、0.057mmol)、N,N−ジイソプロピルエチルアミン(10.0mg、0.077mmol)、及びジクロロメタン(5mL)を−78℃にて5分間撹拌した。次に、塩化アクリロイル(5.2mg、0.06mmol)を添加して、−78℃にて30分間撹拌した。反応物を濃縮して、アセトニトリル/水(7:3)で溶出するC18ゲルフラッシュクロマトグラフィーにより精製し、粗生成物を得た。粗生成物を分取HPLC(カラム:XBridge Prep OBD C18 Column、30×150mm 5um;移動相A:水(10mmol/L NHHCO)、移動相B:ACN;流速:60mL/分)により精製し、1−(4−(7−(6−アミノ−3−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル)−6−クロロ−2−((1−(ジメチルアミノ)シクロプロピル)メトキシ)キナゾリン−4−イル)ピペラジン−1−イル)プロプ−2−エン−1−オン(17.3mg、0.03mmol、収率52.3%)を白色固体として得た。
実施例88:LC−MS:(ESI,m/z):576.2 [M+H]H NMR(300 MHz,DMSO,ppm)δ 8.04(s,1H),7.77(d,J=9.0 Hz,1H),7.43(s,1H),6.87(s,2H),6.79(dd,J=12.0,18.0 Hz,1H),6.58(d,J=9.0 Hz,1H),6.15(dd,J=3.0,18.0 Hz,1H),5.72(dd,J=3.0,9.0 Hz,1H),4.40(dd,J=12.0,27.0 Hz,2H),3.93−3.80(m,6H),3.81−3.72(m,2H),2.34(s,6H),0.75−0.53(m,4H).
実施例89:1−[4−[7−[6−アミノ−3−(トリフルオロメチル)−2−ピリジル]−6−クロロ−2−[[(2S,4R)−4−フルオロ−1−(2−メトキシエチル)ピロリジン−2−イル]メトキシ]キナゾリン−4−イル]ピペラジン−1−イル]プロプ−2−エン−1−オン
Figure 2021512136
工程1:メチル(2S,4R)−4−フルオロピリジン−2−カルボキシレート
Figure 2021512136
1−(tert−ブチル)2−メチル(2S,4R)−4−フルオロピリジン−1,2−ジカルボキシレート(5.0g、20.22mmol)のトリフルオロ酢酸溶液(192mL)を、25℃にて1時間撹拌した。完了したら、溶媒を濃縮した。N,N−ジイソプロピルエチルアミンでpHを10に調節し、混合物を濃縮して後続反応で直接使用した。LC−MS:(ESI,m/z):148.0 [M+H]
工程2:メチル(2S,4R)−4−フルオロ−1−(2−メトキシエチル)ピロリジン−2−カルボキシレート
Figure 2021512136
メチル(2S,4R)−4−フルオロピリジン−2−カルボキシレート(2.8g、19.03mmol)、2−ブロモエチルメチルエーテル(5.82g、41.86mmol)、及び炭酸カリウム(5.78g、41.86mmol)のN,N−ジメチルホルムアミド溶液(40.8mL)を、50℃にて4時間撹拌した。完了したら、反応物を水でクエンチし、酢酸エチルで抽出した。次に有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させて、真空下にて濃縮した。残留物を次の反応で使用した。LC−MS:(ESI,m/z):206.1 [M+H]
工程3:[(2S,4R)−4−フルオロ−1−(2−メトキシエチル)ピロリジン−2−イル]メタノール
Figure 2021512136
メチル(2S,4R)−4−フルオロ−1−(2−メトキシエチル)ピロリジン−2−カルボキシレート(1.45g、7.07mmol)のテトラヒドロフラン溶液(14mL)を0℃にて撹拌した。水素化リチウムアルミニウム(0.54g、14.13mmol)を添加して、反応物を25℃にて1時間撹拌した。反応物を水(0.5mL)、水酸化ナトリウム溶液(15%)(0.5mL)、水(1.5mL)でクエンチし、0℃にて1時間撹拌した。混合物をメタノール(50mL)で希釈し、25℃にて30分間撹拌した。混合物を次にフィルタにかけ、濃縮した。得られた油をジクロロメタンに溶解させて無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、フィルタにかけて濃縮して粗生成物を得、これを更に、次工程に移した。LC−MS:(ESI,m/z):178.3 [M+H]
工程4:tert−ブチル4−[7−[6−[ビス[(4−メトキシフェニル)メチル]アミノ]−3−(トリフルオロメチル)−2−ピリジル]−6−クロロ−2−[[(2S,4R)−4−フルオロ−1−(2−メトキシエチル)ピロリジン−2−イル]メトキシ]キナゾリン−4−イル]ピペラジン−1−カルボキシレート
Figure 2021512136
[(2S,4R)−4−フルオロ−1−(2−メトキシエチル)ピロリジン−2−イル]メタノール(250.86mg、1.42mmol)のテトラヒドロフラン溶液(27.84mL)に、水素化ナトリウム(188.74mg、4.72mmol、鉱油の60%分散体)を0℃にて添加し、25℃にて1時間撹拌した。tert−ブチル4−(7−(6−(ビス(4−メトキシベンジル)アミノ)−3−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル)−6−クロロ−2−フルオロキナゾリン−4−イル)ピペラジン−1−カルボキシレート(中間体3)(362.0mg、0.4700mmol)を添加し、反応物を25℃にて1時間撹拌した。反応物を水でクエンチし、ジクロロメタンで抽出した。有機層を収集し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させて濃縮した。残留物を逆相クロマトグラフィー(カラム、C18シリカゲル;移動相A:水、B:MeCN、Bの割合(30分で5%〜70%);検出器、UV 254nm)により精製し、180mg(41.3%)のtert−ブチル4−[7−[6−[ビス[(4−メトキシフェニル)メチル]アミノ]−3−(トリフルオロメチル)−2−ピリジル]−6−クロロ−2−[[(2S,4R)−4−フルオロ−1−(2−メトキシエチル)ピロリジン−2−イル]メトキシ]キナゾリン−4−イル]ピペラジン−1−カルボキシレートを黄色固体として得た。LC−MS:(ESI,m/z):924.5 [M+H]
工程5:6−[6−クロロ−2−[[(2S,4R)−4−フルオロ−1−(2−メトキシエチル)ピロリジン−2−イル]メトキシ]−4−ピペラジン−1−イル−キナゾリン−7−イル]−5−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−アミン
Figure 2021512136
tert−ブチル4−[7−[6−[ビス[(4−メトキシフェニル)メチル]アミノ]−3−(トリフルオロメチル)−2−ピリジル]−6−クロロ−2−[[(2S,4R)−4−フルオロ−1−(2−メトキシエチル)ピロリジン−2−イル]メトキシ]キナゾリン−4−イル]ピペラジン−1−カルボキシレート(164.0mg、0.18mmol)のトリフルオロ酢酸溶液(23mL)を、50℃にて5時間撹拌した。完了したら、反応物を濃縮した。N,N−ジイソプロピルエチルアミンでpHを10に調節した。残留物を逆相クロマトグラフィー(カラム、C18シリカゲル、移動相A、水:B:MeCN、Bの割合(30分で5%〜70%);検出器、UV 254nm)により精製し、60mg(57.9%)の6−[6−クロロ−2−[[(2S,4R)−4−フルオロ−1−(2−メトキシエチル)ピロリジン−2−イル]メトキシ]−4−ピペラジン−1−イル−キナゾリン−7−イル]−5−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−アミンを黄色固体として得た。LC−MS:(ESI,m/z):584.2 [M+H]
工程6:1−[4−[7−[6−アミノ−3−(トリフルオロメチル)−2−ピリジル]−6−クロロ−2−[[(2S,4R)−4−フルオロ−1−(2−メトキシエチル)ピロリジン−2−イル]メトキシ]キナゾリン−4−イル]ピペラジン−1−イル]プロプ−2−エン−1−オン
Figure 2021512136
6−[6−クロロ−2−[[(2S,4R)−4−フルオロ−1−(2−メトキシエチル)ピロリジン−2−イル]メトキシ]−4−ピペラジン−1−イル−キナゾリン−7−イル]−5−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−アミン(48.0mg、0.0800mmol)及びN,N−ジイソプロピルエチルアミン(42.41mg、0.3300mmol)のジクロロメタン溶液(4mL)に、塩化アクリロイル(4.46mg、0.0500mmol)を−78℃にて添加し、−78℃にて1時間撹拌した。反応物を水でクエンチし、ジクロロメタンで抽出した。次に、有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させて濃縮した。粗生成物を分取HPLC(カラム、XBridge Prep C18 OBD Column19*15mm 5umC−0013;移動相A:重炭酸アンモニウム及びNH・HO(水中)、B:ACN、及びBの割合(7分で51%〜73%);検出器、UV 254nm)により直接精製し、17mg(32.4%)の1−[4−[7−[6−アミノ−3−(トリフルオロメチル)−2−ピリジル]−6−クロロ−2−[[(2S,4R)−4−フルオロ−1−(2−メトキシエチル)ピロリジン−2−イル]メトキシ]キナゾリン−4−イル]ピペラジン−1−イル]プロプ−2−エン−1−オンを白色固体として得た。LC−MS:(ESI,m/z):638.2 [M+H]
実施例89:H NMR(400 MHz,DMSO−d,ppm)δ 8.04(s,1H),7.77(d,J=9.2 Hz,1H),7.46(s,1H),6.89(s,2H),6.86−6.72(m,1H),6.59(d,J=8.8 Hz,1H),6.19(d,J=2.4 Hz,1H),5.73(dd,J=12.4,2.0 Hz,1H),5.18(d,J=48 Hz,1H),4.43−4.31(m,1H),4.30−4.18(m,1H),3.98−3.58(m,8H),3.52−3.42(m,1H),3.41−3.37(m,2H),3.22−3.13(m,4H),3.13−3.05(m,1H),2.72−2.57(m,2H),2.21−2.09(m,1H),1.98−1.78(m,1H).LC−MS:(ESI,m/z):638.2 [M+H]
実施例90:1−[4−[7−[6−アミノ−3−(トリフルオロメチル)−2−ピリジル]−6−クロロ−2−[[(2S,4R,5S)−4−フルオロ−1,5−ジメチル−ピロリジン−2−イル]メトキシ]キナゾリン−4−イル]ピペラジン−1−イル]プロプ−2−エン−1−オン
Figure 2021512136
工程1:[(2S,4R,5S)−4−フルオロ−1,5−ジメチル−ピロリジン−2−イル]メタノール
Figure 2021512136
水素化リチウムアルミニウム(310mg、8.1mmol)を、(2S,4R,5S)−1−tert−ブトキシカルボニル−4−フルオロ−5−メチル−ピロリジン−2−カルボン酸(1.0g、4.0mmol)のテトラヒドロフラン溶液(25mL)に、0℃で添加した。次に、反応物を60℃まで1.5時間撹拌した。完了したら、反応物を水でクエンチした。フィルタにかけた後、濾液を減圧下にて濃縮した。残留物を、ジクロロメタン/メタノール(96/4)で溶出するシリカゲルフラッシュクロマトグラフィーにより精製し、139mg(15%)の[(2S,4R,5S)−4−フルオロ−1,5−ジメチル−ピロリジン−2−イル]メタノールを黄色固体として得た。LC−MS:(ESI,m/z):148.3 [M+H]
工程2:tert−ブチル4−[7−[6−[ビス[(4−メトキシフェニル)メチル]アミノ]−3−(トリフルオロメチル)−2−ピリジル]−6−クロロ−2−[[(2S,4R,5S)−4−フルオロ−1,5−ジメチル−ピロリジン−2−イル]メトキシ]キナゾリン−4−イル]ピペラジン−1−カルボキシレート
Figure 2021512136
[(2S,4R,5S)−4−フルオロ−1,5−ジメチル−ピロリジン−2−イル]メタノール(95.9mg、0.66mmol)のテトラヒドロフラン溶液(8mL)に水素化ナトリウム(62.56mg、1.56mmol)を0℃で添加し、混合物を30分撹拌した。tert−ブチル4−(7−(6−(ビス(4−メトキシベンジル)アミノ)−3−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル)−6−クロロ−2−フルオロキナゾリン−4−イル)ピペラジン−1−カルボキシレート(中間体3)(200.0mg、0.26mmol)を添加し、25℃にて1時間撹拌した。反応物を水でクエンチし、ジクロロメタンで抽出した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濃縮した。残留物を、ジクロロメタン/メタノール(97/3)で溶出するシリカゲルフラッシュクロマトグラフィーにより精製し、170mg(72.9%)のtert−ブチル4−[7−[6−[ビス[(4−メトキシフェニル)メチル]アミノ]−3−(トリフルオロメチル)−2−ピリジル]−6−クロロ−2−[[(2S,4R,5S)−4−フルオロ−1,5−ジメチル−ピロリジン−2−イル]メトキシ]キナゾリン−4−イル]ピペラジン−1−カルボキシレートを黄色固体として得た。LC−MS:(ESI,m/z):894.5 [M+H]
工程3:6−[6−クロロ−2−[[(2S,4R,5S)−4−フルオロ−1,5−ジメチル−ピロリジン−2−イル]メトキシ]−4−ピペラジン−1−イル−キナゾリン−7−イル]−5−(トリフルオロメトキシ)ピリジン−2−アミン
Figure 2021512136
tert−ブチル4−[7−[6−[ビス[(4−メトキシフェニル)メチル]アミノ]−3−(トリフルオロメチル)−2−ピリジル]−6−クロロ−2−[[(2S,4R,5S)−4−フルオロ−1,5−ジメチル−ピロリジン−2−イル]メトキシ]キナゾリン−4−イル]ピペラジン−1−カルボキシレート(170.0mg、0.19mmol)のトリフルオロ酢酸溶液(26mL)を、50℃にて3時間撹拌した。完了したら、反応物を濃縮した。N,N−ジイソプロピルエチルアミンでpHを10に調節した。残留物を逆相クロマトグラフィー(カラム、C18シリカゲル;移動相A:水、B:MeCN、Bの割合(30分で5%〜70%);検出器、UV 254nm)により精製し、105mgの6−[6−クロロ−2−[[(2S,4R,5S)−4−フルオロ−1,5−ジメチル−ピロリジン−2−イル]メトキシ]−4−ピペラジン−1−イル−キナゾリン−7−イル]−5−(トリフルオロメトキシ)ピリジン−2−アミンを淡黄色固体を得た。LC−MS:(ESI,m/z):554.2 [M+H]
工程4:1−[4−[7−[6−アミノ−3−(トリフルオロメチル)−2−ピリジル]−6−クロロ−2−[[(2S,4R,5S)−4−フルオロ−1,5−ジメチル−ピロリジン−2−イル]メトキシ]キナゾリン−4−イル]ピペラジン−1−イル]プロプ−2−エン−1−オン
Figure 2021512136
6−[6−クロロ−2−[[(2S,4R,5S)−4−フルオロ−1,5−ジメチル−ピロリジン−2−イル]メトキシ]−4−ピペラジン−1−イル−キナゾリン−7−イル]−5−(トリフルオロメトキシ)ピリジン−2−アミン(105.0mg、0.19mmol)及びN,N−ジイソプロピルエチルアミン(122.25mg、0.95mmol)のジクロロメタン溶液(12mL)に塩化アクリロイル(10.29mg、0.11mmol)を−78℃にて添加し、混合物を1時間撹拌した(−78℃)。反応物を水でクエンチし、ジクロロメタンで抽出した。次に有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濃縮した。残留物を逆相クロマトグラフィー(カラム、C18シリカゲル、移動相A:水、B:MeCN、Bの割合(40%);検出器、UV 254nm)により精製し、粗生成物を得てこれを分取HPLC(カラム、XBridge Prep C18 OBD Column19*15mm 5umC−0013;移動相A:FA水溶液、B:ACN、及びBの割合(7分で51%〜73%);検出器、UV 254nm)により精製して、25mg(21.7%)の1−[4−[7−[6−アミノ−3−(トリフルオロメチル)−2−ピリジル]−6−クロロ−2−[[(2S,4R,5S)−4−フルオロ−1,5−ジメチル−ピロリジン−2−イル]メトキシ]キナゾリン−4−イル]ピペラジン−1−イル]プロプ−2−エン−1−オンを白色固体として得た。LC−MS:(ESI,m/z):608.2 [M+H]
実施例90:H NMR(400 MHz,メタノール−d,ppm)δ 8.10(s,1H),7.81(d,J=8.0 Hz,1H),7.55(s,1H),6.86−6.79(m,1H),6.71(d,J=8.8 Hz,1H),6.29(dd,J=8.4,2.0 Hz,1H),5.82(dd,J=10.4,1.6 Hz,1H),4.88−4.62(m,1H),4.54−4.44(m,2H),4.00−3.93(m,8H),3.15−3.11(m,1H),2.75−2.62(m,1H),2.51(s,3H),2.26−1.98(m,2H),1.21(d,J=6.4 Hz,3H).LC−MS:(ESI,m/z):608.2 [M+H]
実施例91:1−[4−[7−[6−アミノ−3−(トリフルオロメチル)−2−ピリジル]−6−クロロ−2−[[(2S)−1−(2−メトキシメチル)ピロリジン−2−イル]メトキシ]キナゾリン−4−イル]ピペラジン−1−イル]プロプ−2−エン−1−オン
Figure 2021512136
工程1:tert−ブチル−ジメチル−[[(2S)−ピロリジン−2−イル]メトキシ]シラン
Figure 2021512136
L−プロリノール(20g、197.73mmol)、イミダゾール(4g、587.54mmol)のテトラヒドロフラン(200mL)混合物にtert−ブチルジメチルクロロシラン(45g、298.57mmol)を添加し、混合物を2時間室温で撹拌した。完了したら、得られた溶液を水で希釈し、ジクロロメタンで抽出して有機層を合わせた。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させて濃縮し、粗生成物を得て、これを精製することなく、次工程にて直接使用した。LC−MS:(ESI,m/z):216.2 [M+H]
工程2:tert−ブチル−[[(2S)−1−(2−メトキシエチル)ピロリジン−2−イル]メトキシ]−ジメチル−シラン
Figure 2021512136
tert−ブチル−ジメチル−[[(2S)−ピロリジン−2−イル]メトキシ]シラン(3.8g、13.93mmol)、2−ブロモエチルメチルエーテル(3.85g、27.7mmol)、及び炭酸カリウム(5.77g、41.81mmol)のN,N−ジメチルホルムアミド(30mL)混合物を、室温で2時間撹拌した。完了したら、反応物を水で希釈して、ジクロロメタンで抽出した。有機層をブラインで洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させて濃縮し、粗生成物を得た。粗製物を、精製することなく次工程にて直接使用した。LC−MS:(ESI,m/z):274.2 [M+H]
工程3:[(2S)−1−(2−メトキシエチル)ピロリジン−2−イル]メタノール
Figure 2021512136
tert−ブチル−[[(2S)−1−(2−メトキシエチル)ピロリジン−2−イル]メトキシ]−ジメチル−シラン(2.0g、7.31mmol)のトリフルオロ酢酸(2.mL、26.93mmol)混合物を、4時間50℃にて撹拌した。反応混合物を、N,N−ジイソプロピルエチルアミンでpH8に調節した。粗生成物を分取HPLCにより精製し、[(2S)−1−(2−メトキシエチル)ピロリジン−2−イル]メタノール(800mg、5.0mmol、収率68.7%)を黄色油として得た。LC−MS:(ESI,m/z):160.1 [M+H]
工程4:tert−ブチル4−[7−[6−[ビス[(4−メトキシフェニル)メチル]アミノ]−3−(トリフルオロメチル)−2−ピリジル]−6−クロロ−2−[[(2S)−1−(2−メトキシエチル)ピロリジン−2−イル]メトキシ]キナゾリン−4−イル]ピペラジン−1−カルボキシレート
Figure 2021512136
[(2S)−1−(2−メトキシエチル)ピロリジン−2−イル]メタノール(62.0mg、0.39mmol)のテトラヒドロフラン溶液(1mL)に水素化ナトリウム(20.0mg、0.83mmol)を添加し、0℃にて15分間撹拌した。次に、tert−ブチル4−(7−(6−(ビス(4−メトキシベンジル)アミノ)−3−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル)−6−クロロ−2−フルオロキナゾリン−4−イル)ピペラジン−1−カルボキシレート(中間体3)(200.0mg、0.26mmol)を添加し、室温で2時間撹拌した。反応物を水でクエンチし、ジクロロメタンで抽出した。有機層を濃縮して、ジクロロメタン/メタノール(19:1)で溶出するシリカゲルフラッシュクロマトグラフィーにより精製し、tert−ブチル4−[7−[6−[ビス[(4−メトキシフェニル)メチル]アミノ]−3−(トリフルオロメチル)−2−ピリジル]−6−クロロ−2−[[(2S)−1−(2−メトキシエチル)ピロリジン−2−イル]メトキシ]キナゾリン−4−イル]ピペラジン−1−カルボキシレート(120mg、0.125mmol、収率50.8%)を黄色固体として得た。LC−MS:(ESI,m/z):906.4 [M+H]
工程5a:6−[6−クロロ−2−[[(2S)−1−(2−メトキシエチル)ピロリジン−2−イル]メトキシ]−4−ピペラジン−1−イル−キナゾリン−7−イル]−5−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−アミン
Figure 2021512136
tert−ブチル4−[7−[6−[ビス[(4−メトキシフェニル)メチル]アミノ]−3−(トリフルオロメチル)−2−ピリジル]−6−クロロ−2−[[(2S)−1−(2−メトキシエチル)ピロリジン−2−イル]メトキシ]キナゾリン−4−イル]ピペラジン−1−カルボキシレート(150.0mg、0.17mmol)にトリフルオロ酢酸(1mL、13.23mmol)を添加した。混合物を2時間50℃にて撹拌した。反応混合物を、N,N−ジイソプロピルエチルアミンでpH8に調節した。粗生成物を、メタノール/水(3/1)で溶出するシリカゲルフラッシュクロマトグラフィーにより精製し、6−[6−クロロ−2−[[(2S)−1−(2−メトキシエチル)ピロリジン−2−イル]メトキシ]−4−ピペラジン−1−イル−キナゾリン−7−イル]−5−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−アミン(80mg、0.14mmol、収率85.4%)を黄色油として得た。LC−MS:(ESI,m/z):566.2 [M+H]
工程5b:1−[4−[7−[6−アミノ−3−(トリフルオロメチル)−2−ピリジル]−6−クロロ−2−[[(2S)−1−(2−メトキシメチル)ピロリジン−2−イル]メトキシ]キナゾリン−4−イル]ピペラジン−1−イル]プロプ−2−エン−1−オン
Figure 2021512136
6−[6−クロロ−2−[[(2S)−1−(2−メトキシエチル)ピロリジン−2−イル]メトキシ]−4−ピペラジン−1−イル−キナゾリン−7−イル]−5−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−アミン(80.0mg、0.14mmol)及びN,N−ジイソプロピルエチルアミン(54mg、0.42mmol)のジクロロメタン(1mL)混合物に塩化アクリロイル(14.0mg、0.15mmol)を添加し、混合物を0.5時間−78℃にて撹拌した。粗生成物を分取HPLC(カラム:XBridge Prep OBD C18 Column、19*250mm,5um;移動相A:水(10mmol/L NHHCO)、移動相B:MeOH−−HPLC;流速:25mL/分)により精製して、1−[4−[7−[6−アミノ−3−(トリフルオロメチル)−2−ピリジル]−6−クロロ−2−[[(2S)−1−(2−メトキシメチル)ピロリジン−2−イル]メトキシ]キナゾリン−4−イル]ピペラジン−1−イル]プロプ−2−エン−1−オン(15.1mg、0.024mmol、収率17.2%)を白色固体として得た。
実施例91:LC−MS:(ESI,m/z):620.3 [M+H]H NMR(300 MHz,DMSO−d,ppm)δ 8.04(s,1H),7.78(d,J=8.9 Hz,1H),7.46(s,1H),6.96−6.74(m,3H),6.60(d,J=8.8 Hz,1H),6.17(dd,J=16.6,2.4 Hz,1H),5.74(dd,J=10.4,2.4 Hz,1H),4.38−4.27(m,1H),4.15−3.99(m,1H),3.94−3.70(m,8H),3.42(t,J=6.2 Hz,3H),3.21(s,3H),3.09−2.95(m,2H),2.84(s,1H),2.31−2.18(m,1H),1.95−1.80(m,1H),1.75−1.54(m,3H).
実施例92:1−[4−[7−[6−アミノ−3−(トリフルオロメチル)−2−ピリジル]−6−クロロ−2−[[(2S,4R)−4−(ジフルオロメトキシ)−1−メチル−ピロリジン−2−イル]メトキシ]キナゾリン−4−イル]ピペラジン−1−イル]プロプ−2−エン−1−オン
Figure 2021512136
工程1:1−(tert−ブチル)2−メチル(2S,4R)−4−(ジフルオロメトキシ)ピロリジン−1,2−ジカルボキシレート
Figure 2021512136
窒素下にて、1−(tert−ブチル)2−メチル(2S,4R)−4−ヒドロキシピロリジン−1,2−ジカルボキシレート(4.8g、19.57mmol)のアセトニトリル溶液(66mL)に、ヨウ化第一銅(0.74g、3.91mmol)を25℃にて添加し、50℃にて撹拌した。次に、ジフルオロ(フルオロスルホニル)酢酸(4.18g、23.48mmol)のアセトニトリル溶液(19.8mL)を添加し、50℃にて1時間撹拌した。反応物を濃縮し、残留物を酢酸エチル中でスラリー化した。フィルタにかけた後、濾液を減圧下にて濃縮した。残留物を次の反応で使用した。LC−MS:(ESI,m/z):296.3 [M+H]
工程2:((2S,4R)−4−(ジフルオロメトキシ)−1−メチルピロリジン−2−イル)メタノール
Figure 2021512136
1−(tert−ブチル)2−メチル(2S,4R)−4−(ジフルオロメトキシ)ピロリジン−1,2−ジカルボキシレート(5.0g、16.93mmol)のテトラヒドロフラン溶液(66mL)に、水素化リチウムアルミニウム(1.29g、33.87mmol)を0℃にて添加し、60℃にて30分間撹拌した。反応物を水でクエンチし、フィルタにかけた。濾液を、ジクロロメタン/メタノール(96/4)を用いるシリカゲルフラッシュクロマトグラフィーにより濃縮し、320mg(10.4%)の((2S,4R)−4−(ジフルオロメトキシ)−1−メチルピロリジン−2−イル)メタノールを黄色油として得た。LC−MS:(ESI,m/z):182.3 [M+H]
工程3:tert−ブチル4−[7−[6−[ビス[(4−メトキシフェニル)メチル]アミノ]−3−(トリフルオロメチル)−2−ピリジル]−6−クロロ−2−[[(2S,4R)−4−(ジフルオロメトキシ)−1−メチル−ピロリジン−2−イル]メトキシ]キナゾリン−4−イル]ピペラジン−1−カルボキシレート
Figure 2021512136
[(2S,4R)−4−(ジフルオロメトキシ)−1−メチル−ピロリジン−2−イル]メタノール(183.02mg、1.01mmol)のテトラヒドロフラン(16.5mL)溶液に水素化ナトリウム(80.81mg、2.02mmol、鉱油の60%分散体)を0℃にて添加し、25℃にて1時間撹拌した。次に、tert−ブチル4−(7−(6−(ビス(4−メトキシベンジル)アミノ)−3−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル)−6−クロロ−2−フルオロキナゾリン−4−イル)ピペラジン−1−カルボキシレート(中間体3)(310.0mg、0.40mmol)を添加し、25℃にて1時間撹拌した。反応物を水でクエンチし、ジクロロメタンで抽出した。次に有機層を合わせ、水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させて真空下にて濃縮した。残留物を、ジクロロメタン/メタノール(96/4)で溶出するシリカゲルフラッシュクロマトグラフィーにより精製し、245mg(65.3%)のtert−ブチル4−[7−[6−[ビス[(4−メトキシフェニル)メチル]アミノ]−3−(トリフルオロメチル)−2−ピリジル]−6−クロロ−2−[[(2S,4R)−4−(ジフルオロメトキシ)−1−メチル−ピロリジン−2−イル]メトキシ]キナゾリン−4−イル]ピペラジン−1−カルボキシレートを黄色固体として得た。LC−MS:(ESI,m/z):928.5 [M+H]
工程4:6−[6−クロロ−2−[[(2S,4R)−4−(ジフルオロメトキシ)−1−メチル−ピロリジン−2−イル]メトキシ]−4−ピペラジン−1−イル−キナゾリン−7−イル]−5−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−アミン
Figure 2021512136
tert−ブチル4−[7−[6−[ビス[(4−メトキシフェニル)メチル]アミノ]−3−(トリフルオロメチル)−2−ピリジル]−6−クロロ−2−[[(2S,4R)−4−(ジフルオロメトキシ)−1−メチル−ピロリジン−2−イル]メトキシ]キナゾリン−4−イル]ピペラジン−1−カルボキシレート(229.0mg、0.25mmol)のトリフルオロ酢酸溶液(29mL)を50℃にて3時間撹拌した。反応物を濃縮し、N,N−ジイソプロピルエチルアミンでpHを約10に調節して、混合物を濃縮した。残留物を、逆相クロマトグラフィー(カラム、C18シリカゲル;移動相A:水、B:MeOH、Bの割合(30分で5%〜70%);検出器、UV 254nm)により精製し、93mgの6−[6−クロロ−2−[[(2S,4R)−4−(ジフルオロメトキシ)−1−メチル−ピロリジン−2−イル]メトキシ]−4−ピペラジン−1−イル−キナゾリン−7−イル]−5−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−アミンを黄色固体として得た。LC−MS:(ESI,m/z):588.4 [M+H]
工程5:1−[4−[7−[6−アミノ−3−(トリフルオロメチル)−2−ピリジル]−6−クロロ−2−[[(2S,4R)−4−(ジフルオロメトキシ)−1−メチル−ピロリジン−2−イル]メトキシ]キナゾリン−4−イル]ピペラジン−1−イル]プロプ−2−エン−1−オン
Figure 2021512136
6−[6−クロロ−2−[[(2S,4R)−4−(ジフルオロメトキシ)−1−メチル−ピロリジン−2−イル]メトキシ]−4−ピペラジン−1−イル−キナゾリン−7−イル]−5−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−アミン(87.0mg、0.15mmol)及び N,N−ジイソプロピルエチルアミン(95.44mg、0.74mmol)のジクロロメタン溶液(14.5mL)に、塩化アクリロイル(10.71mg、0.12mmol)を−78℃にて添加し、−78℃にて1時間撹拌した。完了したら、得られた溶液を水でクエンチしてジクロロメタンで抽出した。次に、有機層を合わせて水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させて濃縮した。残留物を逆相クロマトグラフィー(カラム、C18シリカゲル;移動相A:水、B:MeCN、Bの割合(40%);検出器、UV 254nm)により精製した。混合物を分取HPLC(カラム、XBridge Prep C18 OBD Column19*15mm 5umC−0013;移動相A:TFA水溶液、B:ACN、及びBの割合(7分で51%〜73%);検出器、UV 254nm)により再精製し、30mg(31.6%)の1−[4−[7−[6−アミノ−3−(トリフルオロメチル)−2−ピリジル]−6−クロロ−2−[[(2S,4R)−4−(ジフルオロメトキシ)−1−メチル−ピロリジン−2−イル]メトキシ]キナゾリン−4−イル]ピペラジン−1−イル]プロプ−2−エン−1−オンを白色固体として得た。LC−MS:(ESI,m/z):642.1 [M+H]
実施例92:H NMR(400 MHz,メタノール−d,ppm)δ 8.14(s,1H),7.82(d,J=8.8 Hz,1H),7.57(s,1H),6.86−6.79(m,1H),6.73−6.71(m,1H),6.52(s,1H),6.33−6.27(m,1H),5.82(dd,J=10.4,1.6 Hz,1H),4.99−4.98(m,1H),4.77−4.73(m,1H),4.63−4.58(m,1H),3.98(d,J=3.6 Hz,8H),3.83−3.79(m,2H),3.17−3.14(m,1H),2.93(s,3H),2.43−2.33(m,2H).LC−MS:(ESI,m/z):642.1 [M+H]
実施例93:1−((3S)−4−(7−(6−アミノ−4−メチル−3−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル)−6−クロロ−8−フルオロ−2−(((S)−ピロリジン−2−イル)メトキシ)キナゾリン−4−イル)−3−メチルピペラジン−1−イル)プロプ−2−エン−1−オン
Figure 2021512136
工程1:tert−ブチル(3S)−4−(7−(6−(ビス(4−メトキシベンジル)アミノ)−4−メチル−3−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル)−2−(((S)−1−(tert−ブトキシカルボニル)ピロリジン−2−イル)メトキシ)−6−クロロ−8−フルオロキナゾリン−4−イル)−3−メチルピペラジン−1−カルボキシレート
Figure 2021512136
tert−ブチル(S)−2−(ヒドロキシメチル)ピロリジン−1−カルボキシレート(149.0mg、0.74mmol)及び水素化ナトリウム(30.0mg、0.75mmol、鉱油の60%分散体)のテトラヒドロフラン溶液(10mL)を25℃にて0.5時間撹拌した。次に、tert−ブチル(3S)−4−(7−(6−(ビス(4−メトキシベンジル)アミノ)−4−メチル−3−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル)−6−クロロ−2,8−ジフルオロキナゾリン−4−イル)−3−メチルピペラジン−1−カルボキシレート(実施例17a/17bの工程9を参照のこと)(300.0mg、0.37mmol)を添加し、25℃にて3時間撹拌した。反応物を水でクエンチし、ジクロロメタンで抽出した。有機層を合わせ、ブラインで洗浄して無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、真空下にて濃縮した。残留物を、石油エーテル/酢酸エチル(10/1)で溶出するシリカゲルフラッシュクロマトグラフィーにより精製し、tert−ブチル(3S)−4−(7−(6−(ビス(4−メトキシベンジル)アミノ)−4−メチル−3−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル)−2−(((S)−1−(tert−ブトキシカルボニル)ピロリジン−2−イル)メトキシ)−6−クロロ−8−フルオロキナゾリン−4−イル)−3−メチルピペラジン−1−カルボキシレート(298mg、0.30mmol、収率81.2%)を黄色固体として得た。LC−MS:(ESI,m/z):994.4 [M+H]
工程2:6−(6−クロロ−8−フルオロ−4−((S)−2−メチルピペラジン−1−イル)−2−(((S)−ピロリジン−2−イル)メトキシ)キナゾリン−7−イル)−4−メチル−5−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−アミン
Figure 2021512136
tert−ブチル(3S)−4−(7−(6−(ビス(4−メトキシベンジル)アミノ)−4−メチル−3−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル)−2−(((S)−1−(tert−ブトキシカルボニル)ピロリジン−2−イル)メトキシ)−6−クロロ−8−フルオロキナゾリン−4−イル)−3−メチルピペラジン−1−カルボキシレート(283.0mg、0.28mmol)のトリフルオロ酢酸溶液(10mL)を、50℃にて6時間撹拌した。反応物を濃縮した。残留物を、ジクロロメタン/メタノール(20/1)で溶出するシリカゲルフラッシュクロマトグラフィーにより精製し、6−(6−クロロ−8−フルオロ−4−((S)−2−メチルピペラジン−1−イル)−2−(((S)−ピロリジン−2−イル)メトキシ)キナゾリン−7−イル)−4−メチル−5−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−アミン(140mg、0.25mmol、収率88.8%)を黄色固体として得た。LC−MS:(ESI,m/z):554.2 [M+H]
工程3:1−((3S)−4−(7−(6−アミノ−4−メチル−3−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル)−6−クロロ−8−フルオロ−2−(((S)−ピロリジン−2−イル)メトキシ)キナゾリン−4−イル)−3−メチルピペラジン−1−イル)プロプ−2−エン−1−オン
Figure 2021512136
6−(6−クロロ−8−フルオロ−4−((S)−2−メチルピペラジン−1−イル)−2−(((S)−ピロリジン−2−イル)メトキシ)キナゾリン−7−イル)−4−メチル−5−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−アミン(70.0mg、0.13mmol)及びN,N−ジイソプロピルエチルアミン(49.0mg、0.38mmol)のジクロロメタン溶液(10mL)を、−78℃にて5分間撹拌した。次に、塩化アクリロイル(12.0mg、0.13mmol)を添加し、−78℃にて0.5時間撹拌した。完了後、溶液を真空下にて濃縮した。残留物を分取HPLCにより精製し、1−((3S)−4−(7−(6−アミノ−4−メチル−3−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル)−6−クロロ−8−フルオロ−2−(((S)−ピロリジン−2−イル)メトキシ)キナゾリン−4−イル)−3−メチルピペラジン−1−イル)プロプ−2−エン−1−オン(4.3mg、0.0071mmol、収率5.6%)を白色固体として得た。
実施例93:H NMR(400 MHz,メタノール−d,ppm)δ 7.67(d,J=1.6 Hz,1H),6.92−6.73(m,1H),6.60(s,1H),6.29(d,J=18.0 Hz,1H),5.87−5.76(m,1H),4.69(s,1H),4.54(d,J=16.2 Hz,1H),4.41−4.23(m,1H),4.22−3.96(m,2H),3.95−3.81(m,1H),3.80−3.52(m,6H),2.46(s,3H),2.28−1.77(m,4H),1.37(d,J=6.6 Hz,3H).LC−MS:(ESI,m/z):608.2 [M+H]
実施例94:(S)−1−(4−(7−(6−アミノ−3−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル)−6−クロロ−2−((1−(2,2−ジフルオロエチル)ピロリジン−2−イル)メトキシ)キナゾリン−4−イル)ピペラジン−1−イル)プロプ−2−エン−1−オン
Figure 2021512136
工程1:(S)−2,2−ジフルオロ−1−(2−(ヒドロキシメチル)ピロリジン−1−イル)エタン−1−オン
Figure 2021512136
(S)−ピロリジン−2−イルメタノール(5.0g、49.4mmol)、2,2−ジフルオロ酢酸(7.1g、74.1mmol)、HATU(28.2g、74.1mmol)、及びN,N−ジイソプロピルエチルアミン(19.1g、148.3mmol)のジクロロメタン溶液(50mL)を、20℃にて1時間撹拌した。反応混合物を飽和塩化ナトリウム(200mL)で洗浄し、乾燥させ(NaSO)てフィルタにかけ、濃縮して(S)−2,2−ジフルオロ−1−(2−(ヒドロキシメチル)ピロリジン−1−イル)エタン−1−オン(8.0g、44.7mmol、収率90.3%)を褐色油として得た。LC−MS:(ESI,m/z):178.1 [M−H]
工程2:(S)−(1−(2,2−ジフルオロエチル)ピロリジン−2−イル)メタノール
Figure 2021512136
(S))−2,2−ジフルオロ−1−(2−(ヒドロキシメチル)ピロリジン−1−イル)エタン−1−オン(5.0g、27.9mmol)及びリチウムアルミニウム水素化物(4.2g、111.6mmol)のテトラヒドロフラン溶液(40mL)を、20℃にて1時間撹拌した。反応物を塩化アンモニウム水溶液(40mL)でクエンチした。混合物をフィルタにかけ、濾液をジクロロメタンで抽出した(5×40mL)。有機層を合わせ、硫酸ナトリウムで乾燥させて濃縮し、(S)−(1−(2,2−ジフルオロエチル)ピロリジン−2−イル)メタノール(380mg、2.3005mmol、収率8.2%)を黄色固体として得た。LC−MS:(ESI,m/z):166.1 [M+H]
工程3:tert−ブチル(S)−4−(7−(6−(ビス(4−メトキシベンジル)アミノ)−3−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル)−6−クロロ−2−((1−(2,2−ジフルオロエチル)ピロリジン−2−イル)メトキシ)キナゾリン−4−イル)ピペラジン−1−カルボキシレート
Figure 2021512136
水素化ナトリウム(124.0mg、3.1mmol)を、(S)−(1−(2,2−ジフルオロエチル)ピロリジン−2−イル)メタノール(320.0mg、1.9mmol)のテトラヒドロフラン溶液(8mL)に添加した。次に、tert−ブチル4−(7−(6−(ビス(4−メトキシベンジル)アミノ)−3−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル)−6−クロロ−2−フルオロキナゾリン−4−イル)ピペラジン−1−カルボキシレート(中間体3)(297mg、0.4mmol)を添加し、反応物を25℃にて1時間撹拌した。反応物を塩化アンモニウム水溶液(20mL)でクエンチし、ジクロロメタンで抽出した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させて、真空下にて濃縮した。残留物を、ジクロロメタン/メタノール(10/1)を用いるシリカゲルフラッシュクロマトグラフィーにより精製し、tert−ブチル(S)−4−(7−(6−(ビス(4−メトキシベンジル)アミノ)−3−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル)−6−クロロ−2−((1−(2,2−ジフルオロエチル)ピロリジン−2−イル)メトキシ)キナゾリン−4−イル)ピペラジン−1−カルボキシレート(320mg、0.35mmol、収率18.1%)を黄色固体として得た。LC−MS:(ESI,m/z):912.3 [M+H]
工程4:(S)−1−(4−(7−(6−アミノ−3−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル)−6−クロロ−2−((1−(2,2−ジフルオロエチル)ピロリジン−2−イル)メトキシ)キナゾリン−4−イル)ピペラジン−1−イル)プロプ−2−エン−1−オン
Figure 2021512136
tert−ブチル(S)−4−(7−(6−(ビス(4−メトキシベンジル)アミノ)−3−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル)−6−クロロ−2−((1−(2,2−ジフルオロエチル)ピロリジン−2−イル)メトキシ)キナゾリン−4−イル)ピペラジン−1−カルボキシレート(150.0mg、0.16mmol)のトリフルオロ酢酸溶液(16mL)を50℃にて12時間撹拌し、濃縮した。次に、得られた油をジクロロメタン(9mL)に溶解させて、N,N−ジイソプロピルエチルアミン(424.0mg、3.3mmol)を添加した。塩化アクリロイル(13.0mg、0.14mmol)を得られた混合物に−78℃で添加し、反応物を15分間撹拌した。反応物を飽和塩化アンモニウム(30mL)でクエンチした。反応物をジクロロメタンで抽出し(5×25mL)、有機層を合わせた。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、フィルタにかけて濃縮した。粗生成物を分取HPLCにより精製し、(S)−1−(4−(7−(6−アミノ−3−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル)−6−クロロ−2−((1−(2,2−ジフルオロエチル)ピロリジン−2−イル)メトキシ)キナゾリン−4−イル)ピペラジン−1−イル)プロプ−2−エン−1−オン(33.9mg、0.05mmol、32.9%収率)を白色固体として得た。LC−MS(ESI,m/z):626.3 [M+H]
実施例94:H NMR(400 MHz,DMSO−d,ppm)δ 8.04(s,1H),7.78(d,J=8.8 Hz,1H),7.46(s,1H),6.90(s,2H),6.82(dd,J=10.4,10.8 Hz,1H),6.60(d,J=8.8 Hz,1H),6.24−5.88(m,2H),5.79−5.68(m,1H),4.38−4.24(m,1H),4.20−4.07(m,1H),3.92−3.68(m,8H),3.39−3.21(m,1H),3.16−3.06(m,1H),3.05−2.95(m,1H),2.90−2.74(m,1H),2.45−2.37(m,1H),1.98−1.86(m,1H),1.79−1.68(m,2H),1.67−1.56(m,1H).
実施例95:1−(4−(7−(6−アミノ−3−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル)−6−クロロ−2−(((2S,4R)−4−メトキシ−1−(2−メトキシエチル)ピロリジン−2−イル)メトキシ)キナゾリン−4−イル)ピペラジン−1−イル)プロプ−2−エン−1−オン
Figure 2021512136
工程1:1−(tert−ブチル)2−メチル(2S,4R)−4−メトキシピロリジン−1,2−ジカルボキシレート
Figure 2021512136
1−(tert−ブチル)2−メチル(2S,4R)−4−ヒドロキシピロリジン−1,2−ジカルボキシレート(30.0g、122.3mmol)及び水素化ナトリウム(5.88g、245mmol)のテトラヒドロフラン溶液(1.3L)を、20℃にて0.5時間撹拌した。ヨードメタン(34.74g、244.7mmol)を添加し、反応物を20℃にて1時間撹拌した。反応物を塩化アンモニウム水溶液(300mL)でクエンチした。得られた混合物を酢酸エチルで抽出し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させてフィルタにかけ、濃縮して1−(tert−ブチル)2−メチル(2S,4R)−4−メトキシピロリジン−1,2−ジカルボキシレート(22g、84.8mmol、収率69.4%)を褐色油として得た。LC−MS:(ESI,m/z):260.3 [M+H]
工程2:メチル(2S,4R)−4−メトキシピロリジン−2−カルボキシレート
Figure 2021512136
1−(tert−ブチル)2−メチル(2S,4R)−4−メトキシピロリジン−1,2−ジカルボキシレート(30.0g、115.7mmol)及び塩化水素の1,4−ジオキサン溶液(200mL)を、20℃にて1.5時間撹拌した。混合物を真空下にて濃縮し、メチル(2S,4R)−4−メトキシピロリジン−2−カルボキシレート(12g、75.4mmol)を褐色固体として得た。LC−MS:(ESI,m/z):160.2 [M+H]
工程3:メチル(2S,4R)−4−メトキシ−1−(2−メトキシエチル)ピロリジン−2−カルボキシレート
Figure 2021512136
メチル(2S,4R)−4−メトキシピロリジン−2−カルボキシレート(5.0g、31.4mmol)及び1−ブロモ−2−メトキシエタン(6.51g、46.8mmol)及び炭酸セシウム(20.5g、62.9mmol)のアセトニトリル溶液(150mL)を、80℃にて2時間撹拌した。フィルタにかけた後、濾液を減圧下にて濃縮して、メチル(2S,4R)−4−メトキシ−1−(2−メトキシエチル)ピロリジン−2−カルボキシレート(4.4g、20.252mmol、収率64.5%)を褐色油として得た。LC−MS:(ESI,m/z):218.3 [M+H]
工程4:((2S,4R)−4−メトキシ−1−(2−メトキシエチル)ピロリジン−2−イル)メタノール
Figure 2021512136
メチル(2S,4R)−4−メトキシ−1−(2−メトキシエチル)ピロリジン−2−カルボキシレート(2.0g、9.2mmol)及びリチウムアルミニウム水素化物(700.0mg、18.42mmol)のテトラヒドロフラン溶液(40mL)を、20℃にて1時間撹拌した。反応物を塩化アンモニウム水溶液でクエンチし、酢酸エチルで抽出した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させて濃縮し、((2S,4R)−4−メトキシ−1−(2−メトキシエチル)ピロリジン−2−イル)メタノール(750mg、3.963mmol、収率43.1%)を褐色油として得た。LC−MS(ESI,m/z):190.3 [M+H]
工程5:tert−ブチル4−(7−(6−(ビス(4−メトキシベンジル)アミノ)−3−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル)−6−クロロ−2−(((2S,4R)−4−メトキシ−1−(2−メトキシエチル)ピロリジン−2−イル)メトキシ)キナゾリン−4−イル)ピペラジン−1−カルボキシレート
Figure 2021512136
((2S,4R)−4−メトキシ−1−(2−メトキシエチル)ピロリジン−2−イル)メタノール(650.0mg、3.4mmol)の、テトラヒドロフラン(20mL)溶液、及び水素化ナトリウム(275.0mg、6.9mmol)を0℃にて添加した。得られた溶液を20℃にて0.5時間撹拌した。次に、tert−ブチル4−(7−(6−(ビス(4−メトキシベンジル)アミノ)−3−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル)−6−クロロ−2−フルオロキナゾリン−4−イル)ピペラジン−1−カルボキシレート(中間体3)(300.0mg、0.39mmol)を添加し、20℃にて1時間撹拌した。反応物を塩化アンモニウム水溶液(15mL)でクエンチした。得られた混合物を酢酸エチルで抽出した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濃縮した。残留物を、ジクロロメタン/メチルアルコール(10/1)で溶出するシリカゲルフラッシュクロマトグラフィーにより精製し、tert−ブチル4−(7−(6−(ビス(4−メトキシベンジル)アミノ)−3−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル)−6−クロロ−2−(((2S,4R)−4−メトキシ−1−(2−メトキシエチル)ピロリジン−2−イル)メトキシ)キナゾリン−4−イル)ピペラジン−1−カルボキシレート(240mg、0.26mmol、収率7.5%)を褐色固体として得た。LC−MS(ESI,m/z):936.6 [M+H]
工程6:6−(6−クロロ−2−(((2S,4R)−4−メトキシ−1−(2−メトキシエチル)ピロリジン−2−イル)メトキシ)−4−(ピペラジン−1−イル)キナゾリン−7−イル)−5−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−アミン
Figure 2021512136
tert−ブチル4−(7−(6−(ビス(4−メトキシベンジル)アミノ)−3−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル)−6−クロロ−2−(((2S,4R)−4−メトキシ−1−(2−メトキシエチル)ピロリジン−2−イル)メトキシ)キナゾリン−4−イル)ピペラジン−1−カルボキシレート(230.0mg、0.250mmol)の2,2,2−トリフルオロ酢酸溶液(50mL)を、50℃にて4時間撹拌した。得られた混合物をフィルタにかけ、濾液を濃縮して6−(6−クロロ−2−(((2S,4R)−4−メトキシ−1−(2−メトキシエチル)ピロリジン−2−イル)メトキシ)−4−(ピペラジン−1−イル)キナゾリン−7−イル)−5−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−アミン(120mg、0.20mmol、収率81.9%)を褐色固体として得た。LC−MS(ESI,m/z):596.2 [M+H]
工程7:1−(4−(7−(6−アミノ−3−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル)−6−クロロ−2−(((2S,4R)−4−メトキシ−1−(2−メトキシエチル)ピロリジン−2−イル)メトキシ)キナゾリン−4−イル)ピペラジン−1−イル)プロプ−2−エン−1−オン
Figure 2021512136
6−(6−クロロ−2−(((2S,4R)−4−メトキシ−1−(2−メトキシエチル)ピロリジン−2−イル)メトキシ)−4−(ピペラジン−1−イル)キナゾリン−7−イル)−5−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−アミン(110mg、0.18mmol及びN,N−ジイソプロピルエチルアミン(71.0mg、0.55mmol)のジクロロメタン溶液(10mL)を、−78℃にて5分間撹拌した。塩化アクリロイル(15.0mg、0.17mmol)を添加し、混合物を−78℃にて15分間撹拌した。反応物を塩化アンモニウム水溶液(5mL)でクエンチした。得られた溶液をジクロロメタンで抽出し(5×8mL)、有機層を合わせた。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、フィルタにかけて濃縮した。粗生成物を分取HPLCにより精製し、1−(4−(7−(6−アミノ−3−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル)−6−クロロ−2−(((2S,4R)−4−メトキシ−1−(2−メトキシエチル)ピロリジン−2−イル)メトキシ)キナゾリン−4−イル)ピペラジン−1−イル)プロプ−2−エン−1−オン(22.2mg、0.034mmol、収率18.5%)を白色固体として得た。LC−MS(ESI,m/z):650.4 [M+H]
実施例95:H NMR(400 MHz,メタノール−d)δ 8.10(s,1H),7.80(d,J=8.8 Hz,1H),7.57(m,1H),6.87−6.76(m,1H),6.70(d,J=8.8 Hz,1H),6.31−6.23(m,1H),5.84−5.77(m,1H),4.63−4.48(m,2H),4.05−3.99(m,5H),3.92(s,4H),3.66−3.36(m,5H),3.33(s,5H),3.29(d,J=1.2 Hz,1H),3.05−2.78(m,2H),2.55−1.88(m,2H).
実施例96:1−[4−[7−[6−アミノ−3−(トリフルオロメチル)−2−ピリジル]−6−クロロ−2−[[(4R)−4−フルオロ−1,2−ジメチル−ピロリジン−2−イル]メトキシ]キナゾリン−4−イル]ピペラジン−1−イル]プロプ−2−エン−1−オン
Figure 2021512136
工程1:1−(tert−ブチル)2−メチル(4R)−4−フルオロ−2−メチルピロリジン−1,2−ジカルボキシレート
Figure 2021512136
1−(tert−ブチル)2−メチル(4R)−4−フルオロピリジン−1,2−ジカルボキシレート(5.00g、20.22mmol)のテトラヒドロフラン溶液(19mL)にリチウムジイソプロピルアミド(12.1mL、24.27mmol、テトラヒドロフランに2.0M)を添加し、−78℃にて1時間撹拌した。ヨードメタン(4.31g、30.33mmol)を−78℃にて添加し、反応物を25℃にて1時間撹拌した。反応物を濃縮して、粗生成物を次の反応で使用した。LC−MS:(ESI,m/z):206.1 [M−55]
工程2:[(4R)−4−フルオロ−1,2−ジメチル−ピロリジン−2−イル]メタノール
Figure 2021512136
1−(tert−ブチル)2−メチル(4R)−4−フルオロ−2−メチルピロリジン−1,2−ジカルボキシレート(4.00g、粗製物)のテトラヒドロフラン溶液(75mL)に水素化リチウムアルミニウム(1.45g、38.27mmol)を0℃にて添加し、25℃にて1時間撹拌した。反応物を水でクエンチし、フィルタにかけて濾液を濃縮した。得られた混合物を、ジクロロメタン/メタノール(96/4)で溶出するシリカゲルフラッシュクロマトグラフィーにより精製し、700mg(31.1%)の[(4R)−4−フルオロ−1,2−ジメチル−ピロリジン−2−イル]メタノールを黄色油として得た。LC−MS:(ESI,m/z):148.1 [M+H]
工程3:tert−ブチル4−[7−[6−[ビス[(4−メトキシフェニル)メチル]アミノ]−3−(トリフルオロメチル)−2−ピリジル]−6−クロロ−2−[[(4R)−4−フルオロ−1,2−ジメチル−ピロリジン−2−イル]メトキシ]キナゾリン−4−イル]ピペラジン−1−カルボキシレート
Figure 2021512136
[(4R)−4−フルオロ−1,2−ジメチル−ピロリジン−2−イル]メタノール(479.6mg、3.26mmol)のテトラヒドロフラン溶液(14mL)に、水素化ナトリウム(208.5mg、5.21mmol、鉱油の60%分散体)を0℃にて添加し、25℃にて1時間撹拌した。次に、tert−ブチル4−(7−(6−(ビス(4−メトキシベンジル)アミノ)−3−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル)−6−クロロ−2−フルオロキナゾリン−4−イル)ピペラジン−1−カルボキシレート(中間体3)(500.0mg、0.65mmol)を添加し、25℃にて1時間撹拌した。反応物を水でクエンチし、ジクロロメタンで抽出した。次に、有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させてフィルタにかけ、濃縮した。残留物を、ジクロロメタン/メタノール(96/4)で溶出するシリカゲルフラッシュクロマトグラフィーにより精製し、450mg(80%)のtert−ブチル4−[7−[6−[ビス[(4−メトキシフェニル)メチル]アミノ]−3−(トリフルオロメチル)−2−ピリジル]−6−クロロ−2−[[(4R)−4−フルオロ−1,2−ジメチル−ピロリジン−2−イル]メトキシ]キナゾリン−4−イル]ピペラジン−1−カルボキシレートを黄色油として得た。LC−MS:(ESI,m/z):894.5 [M+H]
工程4:6−[6−クロロ−2−[[(4R)−4−フルオロ−1,2−ジメチル−ピロリジン−2−イル]メトキシ]−4−ピペラジン−1−イル−キナゾリン−7−イル]−5−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−アミン
Figure 2021512136
tert−ブチル4−[7−[6−[ビス[(4−メトキシフェニル)メチル]アミノ]−3−(トリフルオロメチル)−2−ピリジル]−6−クロロ−2−[[(4R)−4−フルオロ−1,2−ジメチル−ピロリジン−2−イル]メトキシ]キナゾリン−4−イル]ピペラジン−1−カルボキシレート(420.0mg、0.47mmol)のトリフルオロ酢酸溶液(42mL)を、50℃にて3時間撹拌した。完了したら、反応物を濃縮した。N,N−ジイソプロピルエチルアミンでpHを10に調節し、混合物を濃縮した。粗製物を精製することなく、次の反応で使用した。LC−MS:(ESI,m/z):554.2 [M+H]
工程5:1−[4−[7−[6−アミノ−3−(トリフルオロメチル)−2−ピリジル]−6−クロロ−2−[[(4R)−4−フルオロ−1,2−ジメチル−ピロリジン−2−イル]メトキシ]キナゾリン−4−イル]ピペラジン−1−イル]プロプ−2−エン−1−オン
Figure 2021512136
6−[6−クロロ−2−[[(4R)−4−フルオロ−1,2−ジメチル−ピロリジン−2−イル]メトキシ]−4−ピペラジン−1−イル−キナゾリン−7−イル]−5−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−アミン(160.0mg、0.29mmol)及びN,N−ジイソプロピルエチルアミン(149.03mg、1.16mmol)のジクロロメタン(14.76mL)に塩化アクリロイル(18.3mg、0.20mmol)を−78℃にて添加し、−78℃にて1時間撹拌した。反応物を水でクエンチし、ジクロロメタンで抽出した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濃縮した。残留物を逆相クロマトグラフィー(カラム、C18シリカゲル;移動相A:水、B:アセトニトリル、Bの割合(30分で5%〜70%);検出器、UV 254nm)により精製した。得られた混合物を分取HPLC(カラム、XBridge Prep C18 OBD Column19*15mm 5umC−0013;移動相A:10mmol/L NHHCO水溶液、B:ACN、及びBの割合(7分で51%〜73%);検出器、UV 254nm)により直接再精製し、47mg(26.8%)の1−[4−[7−[6−アミノ−3−(トリフルオロメチル)−2−ピリジル]−6−クロロ−2−[[(4R)−4−フルオロ−1,2−ジメチル−ピロリジン−2−イル]メトキシ]キナゾリン−4−イル]ピペラジン−1−イル]プロプ−2−エン−1−オンを白色固体として得た。LC−MS:(ESI,m/z):608.2 [M+H]
実施例96:H NMR(400 MHz,DMSO−d,ppm)δ 8.04(s,1H),7.78(d,J=8.8 Hz,1H),7.47(s,1H),6.90(s,2H),6.85−6.82(m,1H),6.59(d,J=8.8 Hz,1H),6.19(d,J=2.4 Hz,1H),5.73(dd,J=10.4,2.4 Hz,1H),5.26(d,J=56 Hz,1H),4.26−4.16(m,2H),3.88−3.85(m,6H),3.85−3.70(m,2H),3.07−2.99(m,1H),2.91−2.78(m,1H),2.27(s,3H),2.19−2.00(m,2H),1.02(s,3H).LC−MS:(ESI,m/z):608.2 [M+H]
実施例97:1−((S)−4−((R)−7−(6−アミノ−4−メチル−3−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル)−6−クロロ−8−フルオロ−2−((2−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−5−イル)オキシ)キナゾリン−4−イル)−3−メチルピペラジン−1−イル)プロプ−2−エン−1−オン
Figure 2021512136
工程1:2−メチル−3,4−ジヒドロ−1H−イソキノリン−5−オール
Figure 2021512136
1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−5−オール(1.0g、6.7mmol)及びホルムアルデヒド(0.4g、13.4mmol)のMeOH溶液(10mL)を、25℃にて10分間撹拌した。次に、シアノ水素化ホウ素ナトリウム(1.3g、20.1mmol)を添加し、25℃にて30分間撹拌した。完了したら、混合物を濃縮した。残留物を、ジクロロメタン/メタノール(10:1)で溶出するシリカゲルフラッシュクロマトグラフィーにより精製し、2−メチル−3,4−ジヒドロ−1H−イソキノリン−5−オール(0.8g、4.5mmol、収率67.3%)を白色固体として得た。LCMS(ESI,m/z):164.2 [M+H]
工程2:tert−ブチル(S)−4−((R)−7−(6−(ビス(4−メトキシベンジル)アミノ)−4−メチル−3−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル)−6−クロロ−8−フルオロ−2−((2−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−5−イル)オキシ)キナゾリン−4−イル)−3−メチルピペラジン−1−カルボキシレート
Figure 2021512136
2−メチル−3,4−ジヒドロ−1H−イソキノリン−5−オール(0.8g、4.92mmol)及び水素化ナトリウム(0.4g、9.84mmol)のN,N−ジメチルホルムアミド溶液(20mL)を、室温で20分間撹拌した。次に、tert−ブチル(S)−4−((R)−7−(6−(ビス(4−メトキシベンジル)アミノ)−4−メチル−3−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル)−6−クロロ−2,8−ジフルオロキナゾリン−4−イル)−3−メチルピペラジン−1−カルボキシレート(実施例17a/17bの工程9を参照のこと)(2.0g、2.46mmol)を添加し、60℃にて30分間撹拌した。反応物を水(10mL)でクエンチし、ジクロロメタン(100mL)で希釈した。有機層を水で洗浄し(30mL×3)、無水硫酸ナトリウムで乾燥させて濃縮した。残留物を、ジクロロメタン/メタノール(10:1)で溶出するシリカゲルフラッシュクロマトグラフィーにより精製し、tert−ブチル(S)−4−((R)−7−(6−(ビス(4−メトキシベンジル)アミノ)−4−メチル−3−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル)−6−クロロ−8−フルオロ−2−((2−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−5−イル)オキシ)キナゾリン−4−イル)−3−メチルピペラジン−1−カルボキシレート(0.8g、0.77mmol、収率31.3%)を白色固体として得た。LCMS(ESI,m/z):956.3 [M+H]
工程3:6−((R)−6−クロロ−8−フルオロ−2−((2−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−5−イル)オキシ)−4−((S)−2−メチルピペラジン−1−イル)キナゾリン−7−イル)−N,N−ビス(4−メトキシベンジル)−4−メチル−5−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−アミン
Figure 2021512136
tert−ブチル(S)−4−((R)−7−(6−(ビス(4−メトキシベンジル)アミノ)−4−メチル−3−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル)−6−クロロ−8−フルオロ−2−((2−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−5−イル)オキシ)キナゾリン−4−イル)−3−メチルピペラジン−1−カルボキシレート(0.8g、0.78mmol)のトリフルオロ酢酸溶液(10mL)を、50℃にて5時間撹拌した。濃縮したら、N,N−ジイソプロピルエチルアミン(10mL)でpHを約7に調節した。得られた残留物を、逆相クロマトグラフィー(アセトニトリル0〜40/水溶液)により精製し、6−((R)−6−クロロ−8−フルオロ−2−((2−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−5−イル)オキシ)−4−((S)−2−メチルピペラジン−1−イル)キナゾリン−7−イル)−N,N−ビス(4−メトキシベンジル)−4−メチル−5−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−アミン(0.23g、0.34mmol、収率43.8%)を白色固体として得た。LCMS(ESI,m/z):616.2 [M+H]
工程4:1−((S)−4−((R)−7−(6−アミノ−4−メチル−3−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル)−6−クロロ−8−フルオロ−2−((2−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−5−イル)オキシ)キナゾリン−4−イル)−3−メチルピペラジン−1−イル)プロプ−2−エン−1−オン
Figure 2021512136
6−((R)−6−クロロ−8−フルオロ−2−((2−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−5−イル)オキシ)−4−((S)−2−メチルピペラジン−1−イル)キナゾリン−7−イル)−N,N−ビス(4−メトキシベンジル)−4−メチル−5−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−アミン(0.23g、0.37mmol)及びN,N−ジイソプロピルエチルアミン(0.1g、0.75mmol)のジクロロメタン溶液(5mL)を、−78℃にて2分間撹拌した。次に、塩化アクリロイル(0.03g、0.37mmol)を添加して、−78℃にて20分間撹拌した。反応物を水(5mL)でクエンチした。反応混合物をジクロロメタン(50mL)で希釈し、水で洗浄した(20mL×3)。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濃縮した。残留物を、ジクロロメタン/メタノール(10:1)で溶出するシリカゲルフラッシュクロマトグラフィーにより精製し、粗生成物を得た。混合物を、キラル分取HPLC(カラム:CHIRAL ART Cellulose−SB、2*25cm、5um;移動相A:ヘキサン(8mmol/Lのアンモニア・メタノール)、移動相B:EtOH;流速:18mL/分)により精製し、1−((S)−4−((R)−7−(6−アミノ−4−メチル−3−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル)−6−クロロ−8−フルオロ−2−((2−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−5−イル)オキシ)キナゾリン−4−イル)−3−メチルピペラジン−1−イル)プロプ−2−エン−1−オン(38.9mg、0.0575mmol、収率15.4%)を6.942分にて得た。LCMS(ESI,m/z):670.3 [M+H]
実施例97:1H NMR(400 MHz,DMSO−d,ppm)7.84(s,1H),7.19(t,J=7.8 Hz,1H),6.99(t,J=8.5 Hz,2H),6.87(s,2H),6.83−6.74(m,1H),6.50(s,1H),6.22−6.12(m,1H),5.78−5.70(m,1H),4.54(d,J=29.3 Hz,1H),4.30−3.86(m,3H),3.55(td,J=24.5,23.0,13.2 Hz,4H),3.24−3.02(m,1H),2.60(d,J=6.0 Hz,2H),2.57−2.52(m,2H),2.37(d,J=2.3 Hz,3H),2.32(s,3H),1.19(t,J=5.8 Hz,3H).
実施例1〜97のデータを表2にまとめる。
Figure 2021512136
Figure 2021512136
Figure 2021512136
Figure 2021512136
Figure 2021512136
Figure 2021512136
Figure 2021512136
Figure 2021512136
Figure 2021512136
Figure 2021512136
Figure 2021512136
Figure 2021512136
Figure 2021512136
Figure 2021512136
Figure 2021512136
Figure 2021512136
Figure 2021512136
Figure 2021512136
Figure 2021512136
Figure 2021512136
Figure 2021512136
Figure 2021512136
生物学的実施例
K−Ras G12C、SOS1、Raf RBDの、GTP交換の阻害に関する均質時間分解蛍光(HTRF)アッセイ
ヌクレオチド交換の阻害に関する化合物の潜在能を測定するために、様々な濃度でK−Ras G12Cをインキュベートした(反応では25nM、最終は12.5nM)。室温で18時間経った後、SOS1 GTP 交換因子(交換中は1.67nM、最終は1.25nM)を添加し、GTPへのヌクレオチド交換を開始した(交換中は200μM、最終は150μM)。それぞれ50nM、1nM、及び12.5nMにおける、C−Raf、並びにHTRF検出抗体Tb−抗FLAG及びD2−抗his(Cis−Bio)に由来するRas結合ドメインを添加することにより、GTP交換の度合いを評価した。2時間後、Envisionプレートリーダー(Perkin Elmer)にて、励起320nmで665nm〜615nmの比を測定した。
20mMのHEPES、150nMのNaCl、1mMのMgCl2、0.1%のBSA、0.03%のTween−20、及び1mMのDTTを含有する緩衝液において、最終の反応体積は、ProxiPlate−384F Plus(Perkin Elmer)内で20μlであった。K−Ras G12C(残基2〜188)及びSOS1(残基564〜1049)は、N末端に6−Hisを有し、Raf−RBD構築物(RAF1の残基51〜186)はN末端にFlagタグを有した。全ての構築物はE.coliで発現し、タグと、精製中に使用されなかった対象のタンパク質との間に、Tev切断部位を有した。HTRFデータを下表3に示す。
K−Ras G12Cの細胞アルキル化におけるウェスタンブロットアッセイ
HCC1171細胞を、10%FBSを補充したRPMI1640で維持した。細胞を、96ウェルプレートに20,000細胞/ウェルでプレーティングし、翌日化合物を細胞に添加した。37℃で18時間経った後、細胞を、0.5%SDS及びプロテアーゼ/ホスファターゼ阻害剤カクテル含有のRIPA緩衝液(Sigma R0278)にて溶解させた。混合して細胞溶解を完了可能にした後、溶解物を遠心分離によりきれいにし、その後20μlを各ウェルから移して、充填緩衝液及び還元剤と合わせた。10分間95℃で加熱した後、15μlの各サンプルを4〜20%トリス−グリシンゲルにロードし、110Vにて165分間、SDS−PAGEランニング緩衝液中で電気泳動した。ゲルをニトロセルロース膜に打ちし、1時間ブロックして一晩4℃にて、K−Rasに対する一次抗体(ポリクローナルProteintech 12063−1−AP)で染色した。次に、膜を完全に洗浄し、抗ウサギIRDye 800CW(LI−COR 926−32211)により1時間、室温で対比染色した。最後の洗浄の後に、膜をLI−COR Odyssey CLxにて、中程度の解像度でイメージングした。アルキル化K−Rasは、未改質K−Rasからの電気泳動シフトにより目視可能であった。この影響を定量化するために、LICORソフトウェアを使用して、各ウェルのアルキル化及び未アルキル化バンド上で長方形を描き、これらのバンドのそれぞれにおける合計の蛍光強度(FI)を測定した。次に、以下の式を使用してアルキル化割合を計算した:各ウェルに関して、FI(アルキル化)/FI(アルキル化)+FI(未アルキル化)*100。
7箇所での用量反応曲線を使用して、各化合物に関してIC50を測定した。
細胞のアルキル化データを下表3に示す。
表3は、上記のHTRF及びウェスタンブロットアッセイの結果を示す。
表3.
Figure 2021512136
Figure 2021512136
Figure 2021512136
ND=未測定
全血安定度アッセイ
全血安定度アッセイを、薬剤最終濃度が1μMの新鮮な血液を用いて実施した。薬剤血液混合物を、37℃にて180分間インキュベートした。例示的化合物の半減期を、表4に記載する。
表4.
Figure 2021512136
K−Ras G12C生存能及び選択性3D培養CTGアッセイ
増殖評価により、生存能における化合物の影響、及び癌細胞株由来のK−Ras G12Cに対する特異性を評価することができる。増殖評価を、3Dステロイドの増殖を刺激するために、超低結合プレートにおける3つのG12C由来(H358、HCC1171、及びHCC1792)、並びに2つの非G12C由来(PC−9、及びA427)株を使用して実施した。1日目に、50μlの、10%FBS及び2mMのL−グルタミンを補充した、RPMI1640培地中の384ウェルの黒色透明丸底超低結合プレート(Corning 3830)に、ウェルあたり1000個の細胞を播種した。翌日、20uMで開始する用量反応滴定を使用し、最終のDMSO量定数を0.3%に維持しながら、様々な濃度の化合物を添加した。化合物を添加した7日後、細胞を溶解し、放出したATPの量に比例しルシフェラーゼシグナルを生成する、40μlのCTG 3D試薬(Promega G9683)を添加することにより、目視可能な細胞の量を測定する。プレートを25分間激しく振盪する。次に、プレートを更に10分間インキュベートした。次に、プレートを簡単に遠心分離にかけた後、Envisionプレートリーダー(Perkin Elmer)にてルミネセンスを読み取った。DMSOのみで処理したウェルからのルミネセンスを使用して、全増殖を測定し、1uMのスタウロスポリンを使用して、100%阻害を測定する。
前述の明細書、又は以下の特許請求の範囲に、具体的な形態で、又は開示した機能、若しくは開示した結果を得るための方法若しくはプロセスを適宜実施するための手段の観点から表現した特徴は、個別に、又はそのような特徴の任意の組み合わせで、様々な形態において、本発明を実現するために利用することができる。
前述の発明は、明確化及び理解のための例示及び実施例により、ある程度詳細に記載されている。当業者には、添付の特許請求の範囲の範囲内において、変更及び修正を実施することが可能であることが明らかであろう。それ故、上記明細書は例示的なものであり、制限を加えることを意図するものではないことが理解されなければならない。それ故、本発明の範囲は上記明細書を参照して決定されるべきではなく、代わりに、以下の添付の特許請求の範囲を参照して、その特許請求の範囲が権利を受ける等価物の全範囲と共に決定されるべきである。
本明細書で言及される特許、公開出願、及び科学文献は、当業者の知識を確立し、それぞれが具体的かつ個別であるかのように、同程度までそれら全体が参照により、本明細書に組み込まれている。

Claims (87)

  1. 式(I)の化合物:
    Figure 2021512136
    又はその薬学的に許容される塩。
    [式中、
    は、K−Ras G12C変異タンパク質の12位において、システイン残基と共有結合を形成可能な求電子部分であり、
    は、H、OH、NH、ハロ、C1〜6アルキル、C1〜6ハロアルキル、シクロプロピル、及び−NHR(式中、RはC1〜6アルキル、C1〜6アルコキシ、C1〜6アルカノイル、C1〜6ヒドロキシアルカノイル、C1〜6シアノアルキル、C1〜6アルキルアミノ、−(C1〜6アルキレニル)NH(CH)−(C1〜6)アルキレニル)N(CH、及び−(C1〜3)アルキレニル(3〜7員ヘテロシクリル)からなる群から選択される)からなる群から選択され、
    及びRはそれぞれ、H、NH、ハロ、C1〜6アルキル、C1〜6ハロアルキル、C1〜6アルコキシ、C1〜6ハロアルコキシ、C1〜6アルキルチオ、C1〜6ハロアルキルチオ、C1〜6アルキルアミノ、及びシクロプロピルからなる群から独立して選択され、
    はH、NH、ハロ、C1〜6アルキル、C1〜6ハロアルキル、C1〜6アルコキシ、C1〜6ハロアルコキシ、C1〜6アルキルチオ、C1〜6ハロアルキルチオ、C1〜6アルキルアミノ、及びC3〜7シクロアルキルからなる群から選択され、
    式中、R、R、R、及びRのうちの少なくとも1つはH以外であるか、又は
    及びR、R及びR、又はR及びRは、それぞれが結合する原子と共に、それぞれが1〜4個の置換基(ここで、各置換基は独立して、OH、NH、ハロ、C1〜3アルキル、C1〜3ハロアルキル、C1〜3アルコキシ、及びC1〜3ハロアルコキシからなる群から選択される)で任意に置換されている、C3〜7シクロアルキル、3〜7員ヘテロシクロアルキル、C6〜14アリール、又は5〜10員ヘテロアリールを形成し、
    Xはそれぞれが任意に1〜4個の置換基(ここで、各置換基は独立して、OH、NH、ハロ、シアノ、カルボキシ、カルバモイル、C1〜6アルキル、C1〜6アミノアルキル、C1〜6カルバモイルアルキル、C1〜6カルボキシアルキル、C1〜6シアノアルキル、C1〜6ハロアルキル、C1〜6ヒドロキシアルキル、及び4〜7員ヘテロシクリルからなる群から選択され、2つのジェミナル置換基は一緒になってC3〜7スピロシクロアルキル又は4〜7員スピロヘテロシクリルを形成してもよい)で任意に置換されている、NH、C1〜6アルコキシ、C1〜6アルキル、C1〜6アルキルアミノ、C1〜6アルキルスルファニル、C1〜6アルキルスルホニル、C1〜6アルキルチオ、C3〜7シクロアルキル、4〜7員ヘテロシクリル、及び4〜7員ヘテロシクリルアミノからなる群から選択され、
    Yは、−L−Y又はYからなる群から選択され、
    はH、NH、ハロ、シアノ、カルバモイル、C2〜6アルケニル、C1〜6アルコキシ、C1〜6アルキル、1〜4個のY1a置換基で任意に置換されている4〜10員ヘテロシクリルで置換されたC1〜6アルキル、C1〜6ジアルキルアミノ置換基で置換されたC1〜6アルキル、C1〜6ジアルキルアミノシクロプロピルで置換されたC1〜6アルキル、C1〜6アルキルスルファニル、C1〜6アルキルスルホニル、C1〜6アルキルチオ、C2〜6アルキニル、C1〜6アルキルアミノ、C6〜14アリール、C1〜6アルキルで置換されたC6〜14アリール、C1〜6アミノアルキル、C1〜6カルバモイルアルキル、C1〜6カルボキシアルキル、C1〜6シアノアルキル、C3〜7シクロアルキル、C1〜6ジアルキルアミノで置換されたC3〜7シクロアルキル、C1〜6ハロアルコキシ、C1〜6ハロアルキル、5〜10員ヘテロアリール、4〜10員ヘテロシクリル、メチル、ヒドロキシ、及びオキソで置換された4〜10員ヘテロシクリルからなる群から選択され、
    各Y1aは独立して、ハロ、C1〜6アルキル、C1〜6アルコキシ、3〜7員ヘテロシクリル、C1〜6アルコキシC1〜6アルキル、C1〜6ハロアルキル、オキソ、ヒドロキシ、NH、シアノ、C1〜6カルボキシアルキル、C1〜6シアノアルキル、C1〜6ヒドロキシアルキル、及びC1〜6ハロアルコキシからなる群から選択され、
    Lは結合、O、S、及びN(L)からなる群から選択され、
    は水素及びC1〜3アルキルからなる群から選択され、
    UはC(R6a)であり、
    VはC(R6b)であり、
    WはC(R6c)又はNであり、
    6a、R6b、及びR6cのそれぞれは独立して、H、OH、NH、ハロ、シアノ、カルバモイル、C2〜6アルケニル、C1〜6アルコキシ、C1〜6アルキル、4〜10員ヘテロシクリル置換基で置換されたC1〜6アルキル、C1〜6アルキルスルファニル、C1〜6アルキルスルホニル、C1〜6アルキルチオ、C1〜6ハロアルキルチオ、C2〜6アルキニル、C1〜6アルキルアミノ、C6〜14アリール、C1〜6アミノアルキル、C1〜6カルバモイルアルキル、C1〜6カルボキシアルキル、C1〜6シアノアルキル、C3〜7シクロアルキル、C1〜6ハロアルコキシ、C1〜6ハロアルキル、5〜10員ヘテロアリール、及び4〜10員ヘテロシクリルからなる群から選択され、
    nは0、1及び2からなる群から選択される。]
  2. 式(II)を有する請求項1に記載の化合物:
    Figure 2021512136
    又はその薬学的に許容される塩。
    [式中、
    は、H、OH、NH、ハロ、C1〜6アルキル、C1〜6ハロアルキル、シクロプロピル、及び−NHR(式中、RはC1〜6アルキル、C1〜6アルコキシ、C1〜6アルカノイル、C1〜6ヒドロキシアルカノイル、C1〜6シアノアルキル、C1〜6アルキルアミノ、−(C1〜6アルキレニル)NH(CH)−(C1〜6)アルキレニル)N(CH、及び−(C1〜3)アルキレニル(3〜7員ヘテロシクリル)からなる群から選択される)からなる群から選択され、
    及びRはそれぞれ、H、NH、ハロ、C1〜6アルキル、C1〜6ハロアルキル、C1〜6アルコキシ、C1〜6ハロアルコキシ、C1〜6アルキルチオ、C1〜6ハロアルキルチオ、C1〜6アルキルアミノ、及びシクロプロピルからなる群から独立して選択され、
    はH、NH、ハロ、C1〜6アルキル、C1〜6ハロアルキル、C1〜6アルコキシ、C1〜6ハロアルコキシ、C1〜6アルキルチオ、C1〜6ハロアルキルチオ、C1〜6アルキルアミノ、及びC3〜7シクロアルキルからなる群から選択され、
    式中、R、R、R、及びRのうちの少なくとも1つはH以外であるか、又は
    及びR、R及びR、又はR及びRは、それぞれが結合する原子と共に、それぞれが1〜4個の置換基(ここで、各置換基は独立して、OH、NH、ハロ、C1〜3アルキル、C1〜3ハロアルキル、C1〜3アルコキシ、及びC1〜3ハロアルコキシからなる群から選択される)で任意に置換されている、C3〜7シクロアルキル、3〜7員ヘテロシクロアルキル、C6〜14アリール、又は5〜10員ヘテロアリールを形成し、
    はH、シアノ、及びハロからなる群から選択され、R及びRはそれぞれ、H、C1〜6アルキル、C1〜6ハロアルキル、C1〜6ヒドロキシアルキル、シアノ、及びハロからなる群から独立して選択される(C1〜6アルキルは、メタンスルホニル(メシル)、p−トルエンスルホニル(トシル)、アルキル又はアリールスルホネート脱離基、C1〜6アルカノイルアミノ、C1〜6アルコキシ、C1〜6アルキルアミノ、C1〜6アルキルスルホニルアミノ、C6〜12ジアルキルアミノ、及びC1〜6ハロアルコキシからなる群から選択される1つの置換基で任意に置換されている)、
    又は
    及びRは共に、それらが結合している炭素との間で三重結合を形成する、又は、R及びRは、それらがそれぞれ結合している炭素と共に、1つ又は2つのハロ置換基で任意に置換されているC3〜7シクロアルケニルを形成し、RはH、C1〜6アルキル、C1〜6ハロアルキル、シアノ、及びハロからなる群から選択され(C1〜6アルキルは、C1〜6アルカノイルアミノ、C1〜6アルコキシ、C1〜6アルキルアミノ、C1〜6アルキルスルホニルアミノ、C6〜12ジアルキルアミノ、及びC1〜6ハロアルコキシからなる群から選択される1つの置換基で任意に置換されている)、
    Xはそれぞれが任意に1〜4個の置換基(ここで、各置換基は独立して、OH、NH、ハロ、シアノ、カルボキシ、カルバモイル、C1〜6アルキル、C1〜6アミノアルキル、C1〜6カルバモイルアルキル、C1〜6カルボキシアルキル、C1〜6シアノアルキル、C1〜6ハロアルキル、C1〜6ヒドロキシアルキル、及び4〜7員ヘテロシクリルからなる群から選択され、2つのジェミナル置換基は一緒になってC3〜7スピロシクロアルキル又は4〜7員スピロヘテロシクリルを形成してもよい)で任意に置換されている、NH、C1〜6アルコキシ、C1〜6アルキル、C1〜6アルキルアミノ、C1〜6アルキルスルファニル、C1〜6アルキルスルホニル、C1〜6アルキルチオ、C3〜7シクロアルキル、4〜7員ヘテロシクリル、及び4〜7員ヘテロシクリルアミノからなる群から選択され、
    Yは、−L−Y又はYからなる群から選択され、
    はH、NH、ハロ、シアノ、カルバモイル、C2〜6アルケニル、C1〜6アルコキシ、C1〜6アルキル、1〜4個のY1a置換基で任意に置換されている4〜10員ヘテロシクリルで置換されたC1〜6アルキル、C1〜6ジアルキルアミノ置換基で置換されたC1〜6アルキル、C1〜6ジアルキルアミノシクロプロピルで置換されたC1〜6アルキル、C1〜6アルキルスルファニル、C1〜6アルキルスルホニル、C1〜6アルキルチオ、C2〜6アルキニル、C1〜6アルキルアミノ、C6〜14アリール、C1〜6アルキルで置換されたC6〜14アリール、C1〜6アミノアルキル、C1〜6カルバモイルアルキル、C1〜6カルボキシアルキル、C1〜6シアノアルキル、C3〜7シクロアルキル、C1〜6ジアルキルアミノで置換されたC3〜7シクロアルキル、C1〜6ハロアルコキシ、C1〜6ハロアルキル、5〜10員ヘテロアリール、4〜10員ヘテロシクリル、メチル、ヒドロキシ、及びオキソで置換された4〜10員ヘテロシクリルからなる群から選択され、
    各Y1aは独立して、ハロ、C1〜6アルキル、C1〜6アルコキシ、3〜7員ヘテロシクリル、C1〜6アルコキシC1〜6アルキル、C1〜6ハロアルキル、オキソ、ヒドロキシ、NH、シアノ、C1〜6カルボキシアルキル、C1〜6シアノアルキル、C1〜6ヒドロキシアルキル、及びC1〜6ハロアルコキシからなる群から選択され、
    Lは結合、O、S、及びN(L)からなる群から選択され、
    は水素及びC1〜3アルキルからなる群から選択され、
    UはC(R6a)であり、
    VはC(R6b)であり、
    WはC(R6c)又はNであり、
    6a、R6b、及びR6cのそれぞれは独立して、H、OH、NH、ハロ、シアノ、カルバモイル、C2〜6アルケニル、C1〜6アルコキシ、C1〜6アルキル、4〜10員ヘテロシクリル置換基で置換されたC1〜6アルキル、C1〜6アルキルスルファニル、C1〜6アルキルスルホニル、C1〜6アルキルチオ、C1〜6ハロアルキルチオ、C2〜6アルキニル、C1〜6アルキルアミノ、C6〜14アリール、C1〜6アミノアルキル、C1〜6カルバモイルアルキル、C1〜6カルボキシアルキル、C1〜6シアノアルキル、C3〜7シクロアルキル、C1〜6ハロアルコキシ、C1〜6ハロアルキル、5〜10員ヘテロアリール、及び4〜10員ヘテロシクリルからなる群から選択され、
    nは0、1及び2からなる群から選択される。]
  3. 式(III)を有する請求項1に記載の化合物:
    Figure 2021512136
    又はその薬学的に許容される塩。
    [式中、
    は、H、OH、NH、ハロ、C1〜6アルキル、C1〜6ハロアルキル、シクロプロピル、及び−NHR(式中、RはC1〜6アルキル、C1〜6アルコキシ、C1〜6アルカノイル、C1〜6ヒドロキシアルカノイル、C1〜6シアノアルキル、C1〜6アルキルアミノ、−(C1〜6アルキレニル)NH(CH)−(C1〜6)アルキレニル)N(CH、及び−(C1〜3)アルキレニル(3〜7員ヘテロシクリル)からなる群から選択される)からなる群から選択され、
    及びRはそれぞれ、H、NH、ハロ、C1〜6アルキル、C1〜6ハロアルキル、C1〜6アルコキシ、C1〜6ハロアルコキシ、C1〜6アルキルチオ、C1〜6ハロアルキルチオ、C1〜6アルキルアミノ、及びシクロプロピルからなる群から独立して選択され、
    はH、NH、ハロ、C1〜6アルキル、C1〜6ハロアルキル、C1〜6アルコキシ、C1〜6ハロアルコキシ、C1〜6アルキルチオ、C1〜6ハロアルキルチオ、C1〜6アルキルアミノ、及びC3〜7シクロアルキルからなる群から選択され、
    式中、R、R、R、及びRのうちの少なくとも1つはH以外であるか、又は
    及びR、R及びR、又はR及びRは、それぞれが結合する原子と共に、それぞれが1〜4個の置換基(ここで、各置換基は独立して、OH、NH、ハロ、C1〜3アルキル、C1〜3ハロアルキル、C1〜3アルコキシ、及びC1〜3ハロアルコキシからなる群から選択される)で任意に置換されている、C3〜7シクロアルキル、3〜7員ヘテロシクロアルキル、C6〜14アリール、又は5〜10員ヘテロアリールを形成し、
    10はR10a及び−C(O)−R10aからなる群から選択され、
    10aはオキシラニル及びアジリジニルからなる群から選択され、
    Xはそれぞれが任意に1〜4個の置換基(ここで、各置換基は独立して、OH、NH、ハロ、シアノ、カルボキシ、カルバモイル、C1〜6アルキル、C1〜6アミノアルキル、C1〜6カルバモイルアルキル、C1〜6カルボキシアルキル、C1〜6シアノアルキル、C1〜6ハロアルキル、C1〜6ヒドロキシアルキル、及び4〜7員ヘテロシクリルからなる群から選択され、2つのジェミナル置換基は一緒になってC3〜7スピロシクロアルキル又は4〜7員スピロヘテロシクリルを形成してもよい)で任意に置換されている、NH、C1〜6アルコキシ、C1〜6アルキル、C1〜6アルキルアミノ、C1〜6アルキルスルファニル、C1〜6アルキルスルホニル、C1〜6アルキルチオ、C3〜7シクロアルキル、4〜7員ヘテロシクリル、及び4〜7員ヘテロシクリルアミノからなる群から選択され、
    Yは、−L−Y又はYからなる群から選択され、
    はH、NH、ハロ、シアノ、カルバモイル、C2〜6アルケニル、C1〜6アルコキシ、C1〜6アルキル、1〜4個のY1a置換基で任意に置換されている4〜10員ヘテロシクリルで置換されたC1〜6アルキル、C1〜6ジアルキルアミノ置換基で置換されたC1〜6アルキル、C1〜6ジアルキルアミノシクロプロピルで置換されたC1〜6アルキル、C1〜6アルキルスルファニル、C1〜6アルキルスルホニル、C1〜6アルキルチオ、C2〜6アルキニル、C1〜6アルキルアミノ、C6〜14アリール、C1〜6アルキルで置換されたC6〜14アリール、C1〜6アミノアルキル、C1〜6カルバモイルアルキル、C1〜6カルボキシアルキル、C1〜6シアノアルキル、C3〜7シクロアルキル、C1〜6ジアルキルアミノで置換されたC3〜7シクロアルキル、C1〜6ハロアルコキシ、C1〜6ハロアルキル、5〜10員ヘテロアリール、4〜10員ヘテロシクリル、メチル、ヒドロキシ、及びオキソで置換された4〜10員ヘテロシクリルからなる群から選択され、
    各Y1aは独立して、ハロ、C1〜6アルキル、C1〜6アルコキシ、3〜7員ヘテロシクリル、C1〜6アルコキシC1〜6アルキル、C1〜6ハロアルキル、オキソ、ヒドロキシ、NH、シアノ、C1〜6カルボキシアルキル、C1〜6シアノアルキル、C1〜6ヒドロキシアルキル、及びC1〜6ハロアルコキシからなる群から選択され、
    Lは結合、O、S、及びN(L)からなる群から選択され、
    は水素及びC1〜3アルキルからなる群から選択され、
    UはC(R6a)であり、
    VはC(R6b)であり、
    WはC(R6c)又はNであり、
    6a、R6b、及びR6cのそれぞれは独立して、H、OH、NH、ハロ、シアノ、カルバモイル、C2〜6アルケニル、C1〜6アルコキシ、C1〜6アルキル、4〜10員ヘテロシクリル置換基で置換されたC1〜6アルキル、C1〜6アルキルスルファニル、C1〜6アルキルスルホニル、C1〜6アルキルチオ、C1〜6ハロアルキルチオ、C2〜6アルキニル、C1〜6アルキルアミノ、C6〜14アリール、C1〜6アミノアルキル、C1〜6カルバモイルアルキル、C1〜6カルボキシアルキル、C1〜6シアノアルキル、C3〜7シクロアルキル、C1〜6ハロアルコキシ、C1〜6ハロアルキル、5〜10員ヘテロアリール、及び4〜10員ヘテロシクリルからなる群から選択され、
    nは0、1及び2からなる群から選択される。]
  4. がNH及び−NHRからなる群から選択され、RがC1〜6アルキルである、請求項1〜3のいずれか一項に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
  5. がNHである、請求項1〜4のいずれか一項に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
  6. 及びRが独立して、H、ハロ、C1〜6アルキル、C1〜6ハロアルキル、及びシクロプロピルからなる群から選択される、請求項1〜5のいずれか一項に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
  7. がH、ハロ、C1〜6アルキル、C1〜6ハロアルキル、C1〜6ハロアルコキシ、C1〜6アルキルアミノ、及びC3〜7シクロアルキルからなる群から選択される、請求項1〜6のいずれか一項に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
  8. がC1〜3ハロアルキルである、請求項1〜7のいずれか一項に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
  9. がCFであり、RがNHである、請求項1〜7のいずれか一項に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
  10. がシクロプロピルである、請求項1〜7のいずれか一項に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
  11. 及びRは、それぞれが結合する原子と共に、それぞれが1〜4個の置換基(ここで、各置換基は独立して、OH、NH、ハロ、C1〜3アルキル、C1〜3ハロアルキル、C1〜3アルコキシ、及びC1〜3ハロアルコキシからなる群から選択される)で任意に置換されている、C3〜7シクロアルキル、3〜7員ヘテロシクロアルキル、C6〜14アリール、又は5〜10員ヘテロアリールを形成する、請求項1〜5のいずれか一項に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
  12. 及びRは、それぞれが結合する原子と共に、それぞれが1〜4個の置換基(ここで、各置換基は独立して、OH、NH、ハロ、C1〜3アルキル、C1〜3ハロアルキル、C1〜3アルコキシ、及びC1〜3ハロアルコキシからなる群から選択される)で任意に置換されているC6〜14アリールを形成する、請求項11に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
  13. 及びRは、それぞれが結合する原子と共に、それぞれが1〜4個の置換基(ここで、各置換基は独立して、OH、NH、ハロ、C1〜3アルキル、C1〜3ハロアルキル、C1〜3アルコキシ、及びC1〜3ハロアルコキシからなる群から選択される)で任意に置換されているCアリールを形成する、請求項12に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
  14. アリールが置換されていない、請求項13に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
  15. アリールが1〜4個の置換基(ここで、各置換基は独立してハロである)で置換されている、請求項13に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
  16. が、H、OH、NH、ハロ、C1〜6アルキル、C1〜6ハロアルキル、シクロプロピル、及び−NHR(式中、Rは直鎖C1〜6アルキル、C1〜6アルコキシ、C1〜6アルカノイル、C1〜6ヒドロキシアルカノイル、C1〜6シアノアルキル、C1〜6アルキルアミノ、−(C1〜6アルキレニル)NH(CH)−(C1〜6)アルキレニル)N(CH、及び−(C1〜3)アルキレニル(3〜7員ヘテロシクリル)からなる群から選択される)からなる群から選択され、
    及びRがそれぞれ、H、NH、ハロ、C1〜6アルキル、C1〜6ハロアルキル、C1〜6アルコキシ、C1〜6ハロアルコキシ、C1〜6アルキルチオ、C1〜6ハロアルキルチオ、及びC1〜6アルキルアミノからなる群から独立して選択され、
    がH、Cl、Br、I、NH、C1〜6アルキル、C1〜6ハロアルキル、C1〜6アルコキシ、C1〜6ハロアルコキシ、C1〜6アルキルチオ、C1〜6ハロアルキルチオ、C1〜6アルキルアミノ、及びC3〜7シクロアルキルからなる群から選択され、
    、R、R、及びRの少なくとも2つがH以外であるか、又は
    及びR、R及びR、又はR及びRは、それぞれが結合する原子と共に、それぞれが1〜4個の置換基(ここで、各置換基は独立して、OH、NH、ハロ、C1〜3アルキル、C1〜3ハロアルキル、及びC1〜3ハロアルコキシからなる群から選択される)で任意に置換されている、C3〜7シクロアルキル、3〜7員ヘテロシクロアルキル、又はC6〜14アリールを形成し、
    Xはそれぞれが任意に1〜4個の置換基(ここで、各置換基は独立して、OH、NH、ハロ、シアノ、カルボキシ、カルバモイル、C1〜6アルキル、C1〜6アミノアルキル、C1〜6カルバモイルアルキル、C1〜6カルボキシアルキル、C1〜6シアノアルキル、C1〜6ハロアルキル、C1〜6ヒドロキシアルキル、及び4〜7員ヘテロシクリルからなる群から選択され、2つのジェミナル置換基は一緒になってC3〜7スピロシクロアルキル又は4〜7員スピロヘテロシクリルを形成してもよい)で任意に置換されている、NH、C1〜6アルコキシ、C1〜6アルキル、C1〜6アルキルアミノ、C1〜6アルキルスルファニル、C1〜6アルキルスルホニル、C1〜6アルキルチオ、C3〜7シクロアルキル、4〜7員ヘテロシクリル、及び4〜7員ヘテロシクリルアミノからなる群から選択され、
    Yが、−L−Y又はYからなる群から選択され、
    がH、NH、ハロ、シアノ、カルバモイル、C2〜6アルケニル、C1〜6アルコキシ、C1〜6アルキル、1〜4個のY1a置換基で任意に置換されている4〜10員ヘテロシクリルで置換されたC1〜6アルキル、C1〜6ジアルキルアミノ置換基で置換されたC1〜6アルキル、C1〜6ジアルキルアミノシクロプロピルで置換されたC1〜6アルキル、C1〜6アルキルスルファニル、C1〜6アルキルスルホニル、C1〜6アルキルチオ、C2〜6アルキニル、C1〜6アルキルアミノ、C6〜14アリール、C1〜6アルキルで置換されたC6〜14アリール、C1〜6アミノアルキル、C1〜6カルバモイルアルキル、C1〜6カルボキシアルキル、C1〜6シアノアルキル、C3〜7シクロアルキル、C1〜6ジアルキルアミノで置換されたC3〜7シクロアルキル、C1〜6ハロアルコキシ、C1〜6ハロアルキル、5〜10員ヘテロアリール、4〜10員ヘテロシクリル、メチル、ヒドロキシ、及びオキソで置換された4〜10員ヘテロシクリルからなる群から選択され、
    各Y1aが独立して、ハロ、C1〜6アルキル、C1〜6アルコキシ、3〜7員ヘテロシクリル、C1〜6アルコキシC1〜6アルキル、C1〜6ハロアルキル、オキソ、ヒドロキシ、NH、シアノ、C1〜6カルボキシアルキル、C1〜6シアノアルキル、C1〜6ヒドロキシアルキル、及びC1〜6ハロアルコキシからなる群から選択され、
    Lが結合、O、S、及びN(L)からなる群から選択され、
    が水素及びC1〜3アルキルからなる群から選択され、
    UがC(R6a)であり、
    VがC(R6b)であり、
    WがC(R6c)又はNであり、
    6a、R6b、及びR6cのそれぞれが独立して、H、OH、NH、ハロ、シアノ、カルバモイル、C2〜6アルケニル、C1〜6アルコキシ、C1〜6アルキル、4〜10員ヘテロシクリル置換基で置換されたC1〜6アルキル、C1〜6アルキルスルファニル、C1〜6アルキルスルホニル、C1〜6アルキルチオ、C1〜6ハロアルキルチオ、C2〜6アルキニル、C1〜6アルキルアミノ、C6〜14アリール、C1〜6アミノアルキル、C1〜6カルバモイルアルキル、C1〜6カルボキシアルキル、C1〜6シアノアルキル、C3〜7シクロアルキル、C1〜6ハロアルコキシ、C1〜6ハロアルキル、5〜10員ヘテロアリール、及び4〜10員ヘテロシクリルからなる群から選択され、
    nが0、1及び2からなる群から選択される、
    請求項1〜3のいずれか一項に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
  17. 式(IV):を有する式(I)の化合物
    Figure 2021512136
    又はその薬学的に許容される塩。
    [式中、
    は、K−Ras G12C変異タンパク質の12位において、システイン残基と共有結合を形成可能な求電子部分であり、
    Xはそれぞれが任意に1〜4個の置換基(ここで、各置換基は独立して、OH、NH、ハロ、シアノ、カルボキシ、カルバモイル、C1〜6アルキル、C1〜6アミノアルキル、C1〜6カルバモイルアルキル、C1〜6カルボキシアルキル、C1〜6シアノアルキル、C1〜6ハロアルキル、C1〜6ヒドロキシアルキル、及び4〜7員ヘテロシクリルからなる群から選択され、2つのジェミナル置換基は一緒になってC3〜7スピロシクロアルキル又は4〜7員スピロヘテロシクリルを形成してもよい)で任意に置換されている、NH、C1〜6アルコキシ、C1〜6アルキル、C1〜6アルキルアミノ、C1〜6アルキルスルファニル、C1〜6アルキルスルホニル、C1〜6アルキルチオ、C3〜7シクロアルキル、4〜7員ヘテロシクリル、及び4〜7員ヘテロシクリルアミノからなる群から選択され、
    Yは、−L−Y又はYからなる群から選択され、
    はH、NH、ハロ、シアノ、カルバモイル、C2〜6アルケニル、C1〜6アルコキシ、C1〜6アルキル、1〜4個のY1a置換基で任意に置換されている4〜10員ヘテロシクリルで置換されたC1〜6アルキル、C1〜6ジアルキルアミノ置換基で置換されたC1〜6アルキル、C1〜6ジアルキルアミノシクロプロピルで置換されたC1〜6アルキル、C1〜6アルキルスルファニル、C1〜6アルキルスルホニル、C1〜6アルキルチオ、C2〜6アルキニル、C1〜6アルキルアミノ、C6〜14アリール、C1〜6アルキルで置換されたC6〜14アリール、C1〜6アミノアルキル、C1〜6カルバモイルアルキル、C1〜6カルボキシアルキル、C1〜6シアノアルキル、C3〜7シクロアルキル、C1〜6ジアルキルアミノで置換されたC3〜7シクロアルキル、C1〜6ハロアルコキシ、C1〜6ハロアルキル、5〜10員ヘテロアリール、4〜10員ヘテロシクリル、メチル、ヒドロキシ、及びオキソで置換された4〜10員ヘテロシクリルからなる群から選択され、
    各Y1aが独立して、ハロ、C1〜6アルキル、C1〜6アルコキシ、3〜7員ヘテロシクリル、C1〜6アルコキシC1〜6アルキル、C1〜6ハロアルキル、オキソ、ヒドロキシ、NH、シアノ、C1〜6カルボキシアルキル、C1〜6シアノアルキル、C1〜6ヒドロキシアルキル、C1〜6ハロアルコキシからなる群から選択され、
    Lは結合、O、S、及びN(L)からなる群から選択され、
    は水素及びC1〜3アルキルからなる群から選択され、
    UはC(R6a)であり、
    VはC(R6b)であり、
    WはC(R6c)又はNであり、
    6a、R6b、及びR6cのそれぞれは独立して、H、OH、NH、ハロ、シアノ、カルバモイル、C2〜6アルケニル、C1〜6アルコキシ、C1〜6アルキル、4〜10員ヘテロシクリル置換基で置換されたC1〜6アルキル、C1〜6アルキルスルファニル、C1〜6アルキルスルホニル、C1〜6アルキルチオ、C1〜6ハロアルキルチオ、C2〜6アルキニル、C1〜6アルキルアミノ、C6〜14アリール、C1〜6アミノアルキル、C1〜6カルバモイルアルキル、C1〜6カルボキシアルキル、C1〜6シアノアルキル、C3〜7シクロアルキル、C1〜6ハロアルコキシ、C1〜6ハロアルキル、5〜10員ヘテロアリール、及び4〜10員ヘテロシクリルからなる群から選択され、
    nは0、1及び2からなる群から選択され、
    11は、
    Figure 2021512136
    Figure 2021512136
    からなる群から選択される。]
  18. YがYであり、YがH、C1〜6アルキル、及びC1〜6ハロアルキルからなる群から選択される、請求項1〜17のいずれか一項に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
  19. Yが−L−Yであり、
    LがO及びN(L)からなる群から選択され、
    がHであり、
    がC1〜6アルキル、1〜4個のY1a置換基で任意に置換されている4〜10員ヘテロシクリルで置換されたC1〜6アルキル、C1〜6ジアルキルアミノ置換基で置換されたC1〜6アルキル、C1〜6ジアルキルアミノシクロプロピルで置換されたC1〜6アルキル、C1〜6ジアルキルアミノで置換されたC3〜7シクロアルキル、及び、メチルで置換された4〜10員ヘテロシクリルからなる群から選択され、
    各Y1aが独立して、ハロ、C1〜6アルキル、C1〜6アルコキシ、3〜7員ヘテロシクリル、C1〜6アルコキシC1〜6アルキル、C1〜6ハロアルキル、オキソ、ヒドロキシ、NH、シアノ、C1〜6カルボキシアルキル、C1〜6シアノアルキル、C1〜6ヒドロキシアルキル、及びC1〜6ハロアルコキシからなる群から選択される、
    請求項1〜17のいずれか一項に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
  20. LがN(L)であり、LがHであり、YがC1〜6アルキル、又はC1〜6ジアルキルアミノ置換基で置換されたC1〜6アルキルである、請求項19に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
  21. LがOであり、
    が、1〜4個のY1a置換基で任意に置換されている4〜10員ヘテロシクリルで置換されたC1〜6アルキル、C1〜6ジアルキルアミノ置換基で置換されたC1〜6アルキル、C1〜6ジアルキルアミノシクロプロピルで置換されたC1〜6アルキル、C1〜6ジアルキルアミノで置換されたC3〜7シクロアルキル、及び、メチルで置換された4〜10員ヘテロシクリルからなる群から選択され、
    各Y1aが独立して、ハロ、C1〜6アルキル、C1〜6アルコキシ、3〜7員ヘテロシクリル、C1〜6アルコキシC1〜6アルキル、C1〜6ハロアルキル、オキソ、ヒドロキシ、NH、シアノ、C1〜6カルボキシアルキル、C1〜6シアノアルキル、C1〜6ヒドロキシアルキル、及びC1〜6ハロアルコキシからなる群から選択される、
    請求項19に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
  22. が、4〜10員のメチルヘテロシクリル置換基で置換されたC1〜6アルキルである、請求項19に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
  23. Yが
    Figure 2021512136
    Figure 2021512136
    からなる群から選択される、
    請求項19に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
  24. Yが
    Figure 2021512136
    である、請求項23に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
  25. 11
    Figure 2021512136
    である、請求項17〜24のいずれか一項に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
  26. 11
    Figure 2021512136
    である、請求項17〜25のいずれか一項に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
  27. 11
    Figure 2021512136
    である、請求項17〜26のいずれか一項に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
  28. 6aがHである、請求項1〜27のいずれか一項に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
  29. 6bがH、ハロ、C1〜6アルコキシ、C1〜6アルキルスルホニル、C1〜6ハロアルキル、C3〜7シクロアルキル、C1〜6ハロアルキルチオ、及び4〜10員ヘテロシクリルからなる群から選択される、請求項1〜28のいずれか一項に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
  30. 6bが水素、ハロ、又はC1〜3ハロアルキルである、請求項1〜28のいずれか一項に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
  31. WがC(R6c)であり、R6cが水素又はハロである、請求項1〜30のいずれか一項に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
  32. WがC(R6c)であり、R6cがハロである、請求項1〜31のいずれか一項に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
  33. Xが4〜7員ヘテロシクリルである、請求項1〜32のいずれか一項に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
  34. Xが1〜4個の置換基(ここで、各置換基は独立してシアノ、C1〜6アルキル、C1〜6シアノアルキル、及びC1〜6ハロアルキルからなる群から選択される)で置換された4〜7員ヘテロシクリルである、請求項1〜32のいずれか一項に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
  35. Xが
    Figure 2021512136
    からなる群から選択される、請求項1〜32のいずれか一項に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
  36. Xが
    Figure 2021512136
    からなる群から選択される、請求項1〜32のいずれか一項に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
  37. Xが
    Figure 2021512136
    からなる群から選択される、請求項1〜32のいずれか一項に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
  38. Xが
    Figure 2021512136
    である、請求項1〜32のいずれか一項に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
  39. nが0である、請求項1〜38のいずれか一項に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。

  40. Figure 2021512136
    からなる群から選択される、請求項1又は17に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
    [式中、
    12はC1〜6アルカノイル、C1〜6アルキル、及びC1〜6アルキルスルホニルからなる群から選択され、
    13はH、C1〜6アルキル、及びC1〜6ハロアルキルからなる群から選択され、
    13aはハロであり、
    14はハロである。]

  41. Figure 2021512136
    からなる群から選択される、請求項40に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。

  42. Figure 2021512136
    である、請求項41に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
  43. がH、シアノ、及びハロからなる群から選択され、R及びRがそれぞれ、H、C1〜6アルキル、C1〜6ハロアルキル、C1〜6ヒドロキシアルキル、シアノ、及びハロからなる群から独立して選択される(ここで、C1〜6アルキルは、メタンスルホニル(メシル)、p−トルエンスルホニル(トシル)、アルキル又はアリールスルホネート脱離基、C1〜6アルカノイルアミノ、C1〜6アルコキシ、C1〜6アルキルアミノ、C1〜6アルキルスルホニルアミノ、C6〜12ジアルキルアミノ、及びC1〜6ハロアルコキシからなる群から選択される1つの置換基で任意に置換されている)、請求項2に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
  44. Figure 2021512136
    Figure 2021512136
    又はその薬学的に許容される塩からなる群から選択される式を有する、請求項1又は17に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
  45. 式(Ib)又は(Il)からなる群から選択される式を有する、請求項44に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
  46. 式(IV)の化合物が
    Figure 2021512136
    からなる群から選択される式を含む、請求項17〜41のいずれか一項に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
  47. 式(IV)の化合物が式(IVa)、(IVb)、(IVd)、若しくは(IVg)の化合物を含む、請求項46に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
  48. 式(IV)の化合物が式(IVa)若しくは(IVb)の化合物を含む、請求項46に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
  49. 式(IV)の化合物が式(IVd)若しくは(IVg)の化合物を含む、請求項46に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
  50. 及びRは共に、それらが結合している炭素との間で三重結合を形成する、又は、R及びRは、それらがそれぞれ結合している炭素と共に、1つ又は2つのハロ置換基で任意に置換されているC3〜7シクロアルケニルを形成し、RはH、C1〜6アルキル、C1〜6ハロアルキル、シアノ、及びハロからなる群から選択される(ここで、C1〜6アルキルは、C1〜6アルカノイルアミノ、C1〜6アルコキシ、C1〜6アルキルアミノ、C1〜6アルキルスルホニルアミノ、C6〜12ジアルキルアミノ、及びC1〜6ハロアルコキシからなる群から選択される1つの置換基で任意に置換されている)、請求項2に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
  51. 、R、及びRがそれぞれHである、請求項2に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
  52. 表1に提供するとおりの化合物又はその薬学的に許容される塩。
  53. 請求項1〜52のいずれか一項に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩と、薬学的に許容される賦形剤とを含む、医薬組成物。
  54. 前記医薬組成物が経口投与用に製剤化される、請求項53に記載の医薬組成物。
  55. 前記医薬組成物が注射用に製剤化される、請求項53に記載の医薬組成物。
  56. 癌の治療を必要とする個体に、治療に有効な量の、請求項1〜52のいずれか一項に記載の化合物、若しくはその薬学的に許容される塩、又は請求項53〜55のいずれか一項に記載の医薬組成物を投与することを含む、癌の治療方法。
  57. 前記個体がヒトである、請求項56に記載の方法。
  58. 前記投与することが経口経路を介する、請求項55又は56に記載の方法。
  59. 前記投与することが注射を介する、請求項55又は56に記載の方法。
  60. 前記癌がK−Ras G12C変異により媒介される、請求項56〜59のいずれか一項に記載の方法。
  61. 前記癌が血液学的癌、膵癌、MYH随伴ポリポーシス、結腸直腸癌、又は肺癌である、請求項56〜60のいずれか一項に記載の方法。
  62. 前記癌が肺腺癌である、請求項56〜61のいずれか一項に記載の方法。
  63. K−Ras G12C変異タンパク質の活性の制御方法であって、前記変異タンパク質を、請求項1〜52のいずれか一項に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩と反応させることを含む方法。
  64. 細胞集団の増殖の阻害方法であって、前記細胞集団を、請求項1〜52のいずれか一項に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩と反応させることを含む方法。
  65. 前記増殖の阻害が、前記細胞集団の細胞生存能の低下として測定される、請求項64に記載の方法。
  66. K−Ras G12C変異により媒介される疾患の治療を必要とする個体における、K−Ras G12C変異により媒介される疾患の治療方法であって、
    前記個体が変異を有するか否かを測定することと、
    前記個体が変異を有すると測定された場合、前記個体に、治療に有効な量の、請求項1〜52のいずれか一項に記載の化合物、若しくはその薬学的に許容される塩、又は請求項53〜55のいずれか一項に記載の医薬組成物を投与することと、
    を含む、方法。
  67. 前記疾患が癌である、請求項66に記載の方法。
  68. 前記癌が血液学的癌、膵癌、MYH随伴ポリポーシス、結腸直腸癌、又は肺癌である、請求項67に記載の方法。
  69. 前記癌が肺癌、結腸直腸癌、虫垂癌、又は膵癌である、請求項66に記載の方法。
  70. 前記癌が肺腺癌である、請求項66〜69のいずれか一項に記載の方法。
  71. 標識されたK−Ras G12C変異タンパク質の調製方法であって、K−Ras G12C変異タンパク質を、請求項1〜52のいずれか一項に記載の標識された化合物又はその薬学的に許容される塩と反応させて、前記標識されたK−Ras G12C変異タンパク質を得ることを含む方法。
  72. 腫瘍転移の阻害を必要とする個体に、治療に有効な量の、請求項1〜52のいずれか一項に記載の化合物、若しくはその薬学的に許容される塩、又は請求項53〜55のいずれか一項に記載の医薬組成物を、腫瘍転移の阻害を必要とする個体に投与することを含む、腫瘍転移の阻害方法。
  73. 癌を治療するための薬剤の製造における、請求項1〜52のいずれか一項に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩の使用。
  74. 前記薬剤が経口投与用に製剤化される、請求項73に記載の使用。
  75. 前記薬剤が注射用に製剤化される、請求項73に記載の使用。
  76. 前記癌がK−Ras G12C変異により媒介される、請求項73〜75のいずれか一項に記載の使用。
  77. 前記癌が血液学的癌、膵癌、MYH随伴ポリポーシス、結腸直腸癌、又は肺癌である、請求項73〜76のいずれか一項に記載の使用。
  78. 前記癌が肺癌、結腸直腸癌、虫垂癌、又は膵癌である、請求項73〜76のいずれか一項に記載の使用。
  79. 前記癌が肺腺癌である、請求項73〜78のいずれか一項に記載の使用。
  80. 腫瘍転移を阻害するための薬剤の製造における、請求項1〜52のいずれか一項に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩の使用。
  81. 治療法によるヒト又は動物の体の治療方法に使用するための、請求項1〜52のいずれか一項に記載の化合物、若しくはその薬学的に許容される塩、又は請求項53〜55のいずれか一項に記載の医薬組成物。
  82. 癌の治療方法で使用するための、請求項1〜52のいずれか一項に記載の化合物、若しくはその薬学的に許容される塩、又は請求項53〜55のいずれか一項に記載の医薬組成物。
  83. 前記癌がK−Ras G12C変異により媒介される、請求項82に記載の化合物、その薬学的に許容される塩、又は医薬組成物。
  84. 前記癌が血液学的癌、膵癌、MYH随伴ポリポーシス、結腸直腸癌、又は肺癌である、請求項82又は83に記載の化合物、その薬学的に許容される塩、又は医薬組成物。
  85. 前記癌が肺癌、結腸直腸癌、虫垂癌、又は膵癌である、請求項82又は83に記載の化合物、その薬学的に許容される塩、又は医薬組成物。
  86. 前記癌が肺腺癌である、請求項82〜85のいずれか一項に記載の化合物、その薬学的に許容される塩、又は医薬組成物。
  87. 腫瘍転移の阻害方法で使用するための、請求項1〜52のいずれか一項に記載の化合物、若しくはその薬学的に許容される塩、又は請求項53〜55のいずれか一項に記載の医薬組成物。
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