JP2021506870A - 液相の存在下でのアルコールの酸化によるα,β不飽和アルデヒドの製造方法 - Google Patents

液相の存在下でのアルコールの酸化によるα,β不飽和アルデヒドの製造方法 Download PDF

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Abstract

液相の存在下でのアルコールの酸化によるα,β不飽和アルデヒドの製造方法。【選択図】なし

Description

本発明は、液相の存在下でのアルコールの酸化によって、α,β不飽和アルデヒド、例えば特に、プレナール(3-メチル-2-ブテナール)を製造する方法に関する。より具体的には、本発明は、液相及び触媒の存在下でのアルコールの酸化によって、α,β不飽和アルデヒド、例えば、特にプレナール(3-メチル-2-ブテナール)を製造する方法であって、液相が液相の総重量に基づいて少なくとも25重量%(weight-%)の水を含有し、酸化剤が酸素であり、触媒が支持体上に触媒活性金属を含む、方法に関する。
プレナールは、特にシトラールのようなテルペン系香料の製造、及びビタミンEのようなビタミンの製造のための重要な化学中間体であり、従って技術的及び経済的に大いに重要である。
プレナールを製造する最も一般的な手順ではプレノール(3-メチル-2-ブテン-1-オール)又はイソプレノール(3-メチル-3-ブテン-1-オール)を出発化合物として使用する。例えば、欧州特許第0 881 206号には、銀触媒を用いて気相中でこれらの出発化合物を酸素により酸化することが記載されている。このアプローチの選択率は、例えば国際公開第2008/037693号に開示されているように触媒系を更に開発することによって改善することができよう。しかし、充分な転化率及び選択率を得るためには、短い接触時間を維持したまま約360℃の温度で気相手順を進める必要がある。これは、一方では適切な反応性を確保するために、他方では敏感な反応物質及び生成物の分解反応を阻止するために必要とされる。これらの条件は費用がかかる設備を用いることによって初めて達成することができる。
有機溶媒を用いた液相中での酸化によりα,β不飽和アルデヒドを製造する方法が、Tetrahedron, Vol 9 (1960), 67-75、Adv. Synth. Catal. 345 (2003), 517-523並びにGreen Chemistry, 2 (2000), 279-282に開示されている。
Chem. Commun. (2008), 3181-3183には、水中での酸素によるベンジルアルコール及びシンナミルアルコールの酸化が記載されている。Catalysis Today 121 (2007), 13-21には酸素による置換ベンジルアルコールの酸化が記載されている。Chem. Commun. (2007), 4375-4377には水及び酸素の存在下でのシンナミルアルコールからケイ皮酸への酸化並びにベンジルアルコールから安息香酸への酸化が開示されている。Catalysis Today 57 (2000) 127-141には5-ヒドロキシメチルフルフラールの酸化並びにシンナミルアルコールの酸化が記載されている。特開2010-202555号公報には酸素を酸化剤として用いた液相中での3つの群のアルコールから対応するアルデヒドへの酸化が記載されている。これらの文献のいずれも、本発明によるα,β不飽和アルデヒドの製造方法を開示していない。
国際公開第99/18058号には、溶媒の不在下でのヘキサノールのような第一級アルコールの好気的酸化方法が開示されている。
Chem. Commun. (2007) 4399-4400には、有機溶媒のない条件下Pt黒触媒の存在下で酸化剤として水性過酸化水素を用いた高収率でのα,β不飽和アルデヒドの形成が記載されている。表1にはアルコールのリストに対してこの反応が開示されており、エントリー7には5%過酸化水素を酸化剤として、Pt黒を触媒として用いた3-メチル-2-ブテノールから3-メチル-2-ブテナールへの酸化が開示されている。3-メチル-2-ブテナールは91%の収率で得られる。エントリー4にはこの反応がシンナミルアルコールに対して開示されている。4399頁左欄でこの文書は過酸化水素を酸化剤として使用する必要性を明確に述べている“H2O2を使用しない場合(空気雰囲気下)、シンナムアルデヒドは10%未満の収率で得られた(Without the use of H2O2 (under an air atmosphere), cinnamaldeyde was obtained in only < 10% yield.")。脚注12で、この文献は以前の研究を要約している“シンナミルアルコールのO2(または空気)によるシンナムアルデヒドへの酸化が報告されているが、高収率と選択性を達成するには有機溶媒及び/又は塩基が必要である(Although the oxidation of cinnamyl alcohol to cinnamaldehyde with O2 (or air) has been reported, organic solvents and/or base are necessary to achieve high yield and selectivity.")。
Chem. Commun. (2007) 4399-4400は、触媒の存在下水性液相中で酸化剤として水性過酸化水素を用いた酸化によるプレノールからプレナールへの収率91%での製造方法を開示しているので、最も近い従来技術と考えられる。この文献は、α,β不飽和アルデヒドを製造する方法において酸素又は空気を酸化剤として使用することを明白に阻止していることに留意すべきである。
本発明の目的は、式(I)のα,β不飽和アルデヒド、特にプレナールを製造する簡単で効率的な方法であって、工業規模の製造に適した方法を提供することであった。この方法は取り扱いが容易であるべきであり、製造されるアルデヒドの高い収率及び高い選択率を保証するべきであり、それ故対応する酸への過酸化を回避するべきである。また、毒性又は高価な試薬の使用が回避されるべきである。更に、方法は高い空時収量(STY)を可能にするべきであり、これは主として工業規模の方法における経済上の適合性から重要である。空時収量(STY)は反応の1時間での反応容積当たりの生成物の量として定義され、g/l/hで表される。反応容積は、反応が起こる反応器の容積である。反応が円筒状の反応器で行われる場合、反応容積は反応が起こる円筒状の反応器の容積である。特に興味深いのは、少なくとも40%、好ましくは少なくとも50%の転化率が達成される反応時間で高い空時収量が可能になる方法である。その上、アルデヒドの容易な回収が可能になる方法を提供することが望まれた。
また、方法は高い比活性(SA)が可能でなければならず、これは主として工業規模の方法における経済的適合性から重要である。比活性(SA)は反応の1時間での触媒活性金属の単位量当たり得られる生成物の量として定義され、g/g/hで表される。特に興味深いのは、少なくとも40%、好ましくは少なくとも50%の転化率が達成される反応時間で高い比活性が可能になる方法である。
欧州特許第0 881 206号 国際公開第2008/037693号 特開2010-202555号公報 国際公開第99/18058号
Tetrahedron, Vol 9 (1960), 67-75 Adv. Synth. Catal. 345 (2003), 517-523 Green Chemistry, 2 (2000), 279-282 Chem. Commun. (2008), 3181-3183 Catalysis Today 121 (2007), 13-21 Chem. Commun. (2007), 4375-4377 Catalysis Today 57 (2000) 127-141 Chem. Commun. (2007) 4399-4400
この度、この目的が、触媒の存在下及び液相の存在下での酸化により達成されることが見出され、ここで液相は、20℃、1バールで決定される、液相の総重量に基づいて少なくとも25重量%の水を含有し、酸素が酸化剤として使用され、触媒は支持体上に触媒活性金属を含む。
驚くべきことに、式(I)のα,β不飽和アルデヒドが、本発明の方法により優れた収率及び選択率で得ることができるということが判明した。本発明の方法は更に一連の利点を伴う。本発明の方法は、温度及び圧力の両方の穏やかな条件下、中程度の量〜低量の触媒を必要とするだけで、高い収率で式(I)のα,β不飽和アルデヒドの製造を可能にする。本方法は有機溶媒なしか又は低量の有機溶媒で行うことができ、それ故環境的に問題のある廃棄物流を回避又は最小にすることができる。本方法はまた所望のアルデヒドの簡単な単離も可能にする。本発明の方法では、従来技術の方法で可能な比活性より高い比活性を達成することができる。
Chem. Commun. (2007) 4399-4400に記載されている方法と対照的に、過酸化水素を使用する必要がなく、同時に収率の増大が得られる。
従って、本発明は、触媒の存在下及び液相の存在下での一般式(II)のアルコールの酸化による一般式(I)のα,β不飽和アルデヒドの製造方法であって、
Figure 2021506870
[式中、R1、R2及びR3は、互いに独立して、水素;NO2、CN、ハロゲン、C1-C6アルコキシ、(C1-C6-アルコキシ)カルボニル、C1-C6アシル、C1-C6アシルオキシ及びアリールから選択される1、2、3、又は4個の同一又は異なる置換基を場合により有していてもよいC1-C6-アルキル;並びにNO2、CN、ハロゲン、C1-C6アルコキシ、(C1-C6-アルコキシ)カルボニル、C1-C6アシル、C1-C6アシルオキシ及びアリールから選択される1、2、3、又は4個の同一又は異なる置換基を場合により有していてもよいC2-C6-アルケニルから選択される]
Figure 2021506870

[式中、R1、R2及びR3は上記の意味を有する]
液相が、20℃の温度及び1バールの圧力で決定される、液相の総重量に基づいて少なくとも25重量%の水を含有し、
酸化剤が酸素であり、
触媒が支持体上に触媒活性金属を含み、触媒活性金属が主に触媒の外殻に位置する、方法に関する。
従って、本発明は、触媒の存在下及び液相の存在下での一般式(II)のアルコールの酸化による一般式(I)のα,β不飽和アルデヒドの製造方法であって、
Figure 2021506870

[式中、R1、R2及びR3は、互いに独立して、水素;NO2、CN、ハロゲン、C1-C6アルコキシ、(C1-C6-アルコキシ)カルボニル、C1-C6アシル、C1-C6アシルオキシ及びアリールから選択される1、2、3、又は4個の同一又は異なる置換基を場合により有していてもよいC1-C6-アルキル;並びにNO2、CN、ハロゲン、C1-C6アルコキシ、(C1-C6-アルコキシ)カルボニル、C1-C6アシル、C1-C6アシルオキシ及びアリールから選択される1、2、3、又は4個の同一又は異なる置換基を場合により有していてもよいC2-C6-アルケニルから選択される]
Figure 2021506870

[式中、R1、R2及びR3は上記の意味を有する]
液相が、20℃の温度及び1バールの圧力で決定される、液相の総重量に基づいて少なくとも25重量%の水を含有し、
酸化剤が酸素であり、
a)支持体を準備し、
b)金属化合物を準備し、
c)支持体上に金属化合物を析出させ、
d)場合により、そうして得られた触媒前駆体をか焼し、
e)触媒前駆体を、好ましくは還元剤の溶液による触媒前駆体の処理により、還元し、
f)場合により、触媒を回収する
ことによって得られる触媒が使用される、方法に関する。
図1は実施例C6の触媒中のPt分布を示す。 図2は実施例C6の触媒中のPt分布を示す。Y-軸はEDXで測定した重量%での局所Pt-濃度を示し、X-軸は測定が行われた位置を示す。距離は図1の点線に沿って取り、ゼロ点は左側にある。
一般的な定義:
本発明との関連で、一般的に使用されている用語は、他に述べない限り、以下の通り定義される。
接頭辞Cx-Cyは特定の場合の可能な炭素原子の数を示す。
アルキル及びそれから誘導された、例えばアルコキシ、アシル、アシルオキシ等の基の中の全てのアルキル部分もまた、Cx-Cyで示されるようにx〜y個の炭素原子を有する飽和の直鎖又は分岐した炭化水素基を指す。
したがって用語C1-C4-アルキルは、1〜4個の炭素原子を含む直鎖又は分岐したアルキル基、例えばメチル、エチル、プロピル、1-メチルエチル(イソプロピル)、ブチル、1-メチル-プロピル(sec-ブチル)、2-メチルプロピル(イソブチル)又は1,1-ジメチルエチル(tert-ブチル)を示す。
用語C1-C6-アルキルは、1〜6個の炭素原子を含む直鎖又は分岐したアルキル基、例えばメチル、エチル、プロピル、1-メチルエチル、ブチル、1-メチルプロピル、2-メチルプロピル、1,1-ジメチルエチル、ペンチル、1-メチルブチル、2-メチルブチル、3-メチルブチル、2,2-ジメチルプロピル、1-エチルプロピル、ヘキシル、1,1-ジメチルプロピル、1,2-ジメチルプロピル、1-メチルペンチル、2-メチルペンチル、3-メチルペンチル、4-メチルペンチル、1,1-ジメチルブチル、1,2-ジメチルブチル、1,3-ジメチルブチル、2,2-ジメチルブチル、2,3-ジメチルブチル、3,3-ジメチルブチル、1-エチルブチル、2-エチルブチル、1,1,2-トリメチルプロピル、1,2,2-トリメチルプロピル、1-エチル-1-メチルプロピル及び1-エチル-2-メチルプロピルを示す。
用語アルケニルは、Cx-Cyで示されるようにx〜y個の炭素原子を有し、任意の所望の位置に二重結合を有するモノ-又はポリ-、特にモノ不飽和の、直鎖又は分岐した炭化水素基、例えばC1-C6-アルケニル、好ましくはC2-C6-アルケニル、例えばエテニル、1-プロペニル、2-プロペニル、1-メチルエテニル、1-ブテニル、2-ブテニル、3-ブテニル、1-メチル-1-プロペニル、2-メチル-1-プロペニル、1-メチル-2-プロペニル、2-メチル-2-プロペニル、1-ペンテニル、2-ペンテニル、3-ペンテニル、4-ペンテニル、1-メチル-1-ブテニル、2-メチル-1-ブテニル、3-メチル-1-ブテニル、1-メチル-2-ブテニル、2-メチル-2-ブテニル、3-メチル-2-ブテニル、1-メチル-3-ブテニル、2-メチル-3-ブテニル、3-メチル-3-ブテニル、1,1-ジメチル-2-プロペニル、1,2-ジメチル-1-プロペニル、1,2-ジメチル-2-プロペニル、1-エチル-1-プロペニル、1-エチル-2-プロペニル、1-ヘキセニル、2-ヘキセニル、3-ヘキセニル、4-ヘキセニル、5-ヘキセニル、1-メチル-1-ペンテニル、2-メチル-1-ペンテニル、3-メチル-1-ペンテニル、4-メチル-1-ペンテニル、1-メチル-2-ペンテニル、2-メチル-2-ペンテニル、3-メチル-2-ペンテニル、4-メチル-2-ペンテニル、1-メチル-3-ペンテニル、2-メチル-3-ペンテニル、3-メチル-3-ペンテニル、4-メチル-3-ペンテニル、1-メチル-4-ペンテニル、2-メチル-4-ペンテニル、3-メチル-4-ペンテニル、4-メチル-4-ペンテニル、1,1-ジメチル-2-ブテニル、1,1-ジメチル-3-ブテニル、1,2-ジメチル-1-ブテニル、1,2-ジメチル-2-ブテニル、1,2-ジメチル-3-ブテニル、1,3-ジメチル-1-ブテニル、1,3-ジメチル-2-ブテニル、1,3-ジメチル-3-ブテニル、2,2-ジメチル-3-ブテニル、2,3-ジメチル-1-ブテニル、2,3-ジメチル-2-ブテニル、2,3-ジメチル-3-ブテニル、3,3-ジメチル-1-ブテニル、3,3-ジメチル-2-ブテニル、1-エチル-1-ブテニル、1-エチル-2-ブテニル、1-エチル-3-ブテニル、2-エチル-1-ブテニル、2-エチル-2-ブテニル、2-エチル-3-ブテニル、1,1,2-トリメチル-2-プロペニル、1-エチル-1-メチル-2-プロペニル、1-エチル-2-メチル-1-プロペニル及び1-エチル-2-メチル-2-プロペニルを示す。
用語置換基は、NO2、CN、ハロゲン、C1-C6アルコキシ、(C1-C6-アルコキシ)カルボニル、C1-C6アシル、C1-C6アシルオキシ及びアリールからなる群から選択される基を示す。
用語ハロゲンは、各々の場合にフッ素、臭素、塩素又はヨウ素、特にフッ素、塩素又は臭素を示す。
用語アルコキシは、酸素原子を介して分子の残部に結合した、1〜6個の(C1-C6-アルコキシ)又は1〜4個の(C1-C4-アルコキシ)炭素原子を含む直鎖又は分岐した飽和アルキル基、例えばメトキシ、エトキシ、n-プロポキシ、1-メチルエトキシ(イソプロポキシ)、n-ブチルオキシ、1-メチルプロポキシ(sec-ブチルオキシ)、2-メチルプロポキシ(イソブチルオキシ)及び1,1-ジメチルエトキシ(tert-ブチルオキシ)を示す。
用語(C1-C6-アルコキシ)カルボニルは、カルボニル基を介して分子の残部に結合した、1〜6個の炭素原子を有するアルコキシ基を示す。その例は、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、プロポキシカルボニル、イソプロポキシカルボニル、n-ブトキシカルボニル、sec-ブトキシカルボニル、イソブトキシカルボニル及びtert-ブトキシカルボニル、n-ペンチルオキシカルボニル並びにn-ヘキシルオキシカルボニルである。
用語C1-C6アシルは、カルボニル基を介して分子の残部に結合した、1〜6個の炭素原子を含む直鎖又は分岐した飽和アルキル基を示す。その例は、ホルミル、アセチル、プロピオニル、2-メチルプロピオニル、3-メチルブタノイル、ブタノイル、ペンタノイル、ヘキサノイルである。
用語C1-C6アシルオキシは、酸素原子を介して分子の残部に結合したC1-C6アシル基を示す。その例は、アセトキシ、プロピオニルオキシ、ブタノイルオキシ、ペンタノイルオキシ、ヘキサノイルオキシである。
用語アリールは、6〜14個の炭素原子を有する炭素環式の芳香族基を示す。その例は、フェニル、ナフチル、フルオレニル、アズレニル、アントラセニル及びフェナントレニルを含む。アリールは好ましくはフェニル又はナフチル、特にフェニルである。
選択性は、生成した一般式(I)のα,β不飽和アルデヒドのモル数を、消費された一般式(II)のアルコールのモル数で割った値と定義される。生成した一般式(I)のα,β不飽和アルデヒド及び消費された一般式(II)のアルコールの量は実験欄に定義されているGC分析によって容易に決定することができる。
用語「行う」及び「実施する」は同意語として使用される。
本発明に係る反応物質及び生成物並びに方法の好ましい実施形態に関して、特にいろいろな反応物質及び生成物の可変物並びに方法の反応条件の好ましい意味に関して以下になされる所見は、単独で、又は特に任意の考えられる互いとの組合せで適用される。
一般式(II)のアルコール
本発明の方法の反応物質は一般式(II)のアルコールである。
Figure 2021506870

[式中、R1、R2及びR3は、互いに独立して、
水素;
C1-C6-アルキル(NO2、CN、ハロゲン、C1-C6アルコキシ、(C1-C6-アルコキシ)カルボニル、C1-C6アシル、C1-C6アシルオキシ及びアリールから選択される1、2、3、又は4個の同一又は異なる置換基を場合により有していてもよい);並びに
C2-C6-アルケニル(NO2、CN、ハロゲン、C1-C6アルコキシ、(C1-C6-アルコキシ)カルボニル、C1-C6アシル、C1-C6アシルオキシ及びアリールから選択される1、2、3、又は4個の同一又は異なる置換基を場合により有していてもよい);
から選択される]
用語「反応物質」及び「一般式(II)のアルコール」は同意語として使用される。用語アルコールは1種のアルコール並びに1種より多くの式(II)のアルコールの混合物を包含する。
本発明の1つの実施形態において、R3がHである一般式(II)のアルコールが使用される。
本発明の1つの実施形態において、R1、R2及びR3が互いに独立してH、C1-C6-アルキル及びC2-C6-アルケニルからなる群から選択される一般式(II)のアルコールが使用される。
本発明の1つの実施形態において、R1、R2及びR3が互いに独立してH、C1-C6-アルキル及びC2-C4-アルケニルからなる群から選択される一般式(II)のアルコールが使用される。
本発明の1つの実施形態において、R1、R2及びR3が互いに独立してH、C1-C4-アルキル及びC2-C6-アルケニルからなる群から選択される一般式(II)のアルコールが使用される。
本発明の1つの実施形態において、R1、R2及びR3が互いに独立してH、C1-C4-アルキル及びC2-C4-アルケニルからなる群から選択される一般式(II)のアルコールが使用される。
本発明の1つの実施形態において、R1、R2及びR3が互いに独立してH、CH3及びC2H5からなる群から選択される一般式(II)のアルコールが使用される。
本発明の1つの実施形態において、R1、R2及びR3が互いに独立してH及びCH3からなる群から選択される一般式(II)のアルコールが使用される。
本発明の1つの実施形態において、R1がHであり、R2及びR3がCH3である一般式(II)のアルコールが使用される。
本発明の1つの実施形態において、R3がHであり、R1及びR2がCH3である一般式(II)のアルコール(=3-メチル-2-ブテン-1-オール、プレノール)が使用される。
本発明の1つの実施形態において、R1がCH3であり、R3がHであり、R2がC6-アルケニルである、好ましくは1-メチル-1-ペンテニル、2-メチル-1-ペンテニル、3-メチル-1-ペンテニル、4-メチル-1-ペンテニル、1-メチル-2-ペンテニル、2-メチル-2-ペンテニル、3-メチル-2-ペンテニル、4-メチル-2-ペンテニル、1-メチル-3-ペンテニル、2-メチル-3-ペンテニル、3-メチル-3-ペンテニル、4-メチル-3-ペンテニル、1-メチル-4-ペンテニル、2-メチル-4-ペンテニル、3-メチル-4-ペンテニル、4-メチル-4-ペンテニル、1,1-ジメチル-2-ブテニル、1,1-ジメチル-3-ブテニル、1,2-ジメチル-1-ブテニル、1,2-ジメチル-2-ブテニル、1,2-ジメチル-3-ブテニル、1,3-ジメチル-1-ブテニル、1,3-ジメチル-2-ブテニル、1,3-ジメチル-3-ブテニル、2,2-ジメチル-3-ブテニル、2,3-ジメチル-1-ブテニル、2,3-ジメチル-2-ブテニル、2,3-ジメチル-3-ブテニル、3,3-ジメチル-1-ブテニル、3,3-ジメチル-2-ブテニル、1-エチル-1-ブテニル、1-エチル-2-ブテニル、1-エチル-3-ブテニル、2-エチル-1-ブテニル、2-エチル-2-ブテニル、2-エチル-3-ブテニル、1,1,2-トリメチル-2-プロペニル、1-エチル-1-メチル-2-プロペニル、1-エチル-2-メチル-1-プロペニル及び1-エチル-2-メチル-2-プロペニルである一般式(II)のアルコールが使用される。アルケニル部分の各二重結合は互いに独立してE-又はZ-配置で存在することができる。
本発明の1つの実施形態において、R2がCH3であり、R3がHであり、R1がC6-アルケニルである、好ましくは1-メチル-1-ペンテニル、2-メチル-1-ペンテニル、3-メチル-1-ペンテニル、4-メチル-1-ペンテニル、1-メチル-2-ペンテニル、2-メチル-2-ペンテニル、3-メチル-2-ペンテニル、4-メチル-2-ペンテニル、1-メチル-3-ペンテニル、2-メチル-3-ペンテニル、3-メチル-3-ペンテニル、4-メチル-3-ペンテニル、1-メチル-4-ペンテニル、2-メチル-4-ペンテニル、3-メチル-4-ペンテニル、4-メチル-4-ペンテニル、1,1-ジメチル-2-ブテニル、1,1-ジメチル-3-ブテニル、1,2-ジメチル-1-ブテニル、1,2-ジメチル-2-ブテニル、1,2-ジメチル-3-ブテニル、1,3-ジメチル-1-ブテニル、1,3-ジメチル-2-ブテニル、1,3-ジメチル-3-ブテニル、2,2-ジメチル-3-ブテニル、2,3-ジメチル-1-ブテニル、2,3-ジメチル-2-ブテニル、2,3-ジメチル-3-ブテニル、3,3-ジメチル-1-ブテニル、3,3-ジメチル-2-ブテニル、1-エチル-1-ブテニル、1-エチル-2-ブテニル、1-エチル-3-ブテニル、2-エチル-1-ブテニル、2-エチル-2-ブテニル、2-エチル-3-ブテニル、1,1,2-トリメチル-2-プロペニル、1-エチル-1-メチル-2-プロペニル、1-エチル-2-メチル-1-プロペニル及び1-エチル-2-メチル-2-プロペニルである一般式(II)のアルコールが使用される。アルケニル部分の各二重結合は互いに独立してE-又はZ-配置で存在することができる。
本発明の1つの実施形態において、一般式(II)のアルコールは(2E)-3,7-ジメチルオクタ-2,6-ジエン-1-オール、(2Z)-3,7-ジメチルオクタ-2,6-ジエン-1-オール、3-メチルブト-2-エン-1-オール、(E)-2-メチルブト-2-エン-1-オール及び(Z)-2-メチルブト-2-エン-1-オールからなる群から選択される。
本発明の1つの実施形態において一般式(II)のアルコールは3-メチルブト-2-エン-1-オールである。一般式(II)のアルコールが3-メチルブト-2-エン-1-オールである場合、本発明はまた、2-メチル-3-ブテン-2-オール(ジメチルビニルカルビノール、DMVC)が、反応に加えられ、その後3-メチルブト-2-エン-1-オールに異性化される実施形態も包含する。
本発明の1つの実施形態において、一般式(II)のアルコールは(2E)-3,7-ジメチルオクタ-2,6-ジエン-1-オール及び(2Z)-3,7-ジメチルオクタ-2,6-ジエン-1-オールの混合物である。
一般式(I)のα,β不飽和アルデヒド
本発明の方法の生成物は一般式(I)のα,β不飽和アルデヒドである。
Figure 2021506870

[式中、R1、R2及びR3は互いに独立して、
水素; NO2、CN、ハロゲン、C1-C6アルコキシ、(C1-C6-アルコキシ)カルボニル、C1-C6アシル、C1-C6アシルオキシ及びアリールから選択される1、2、3、又は4個の同一又は異なる置換基を場合により有していてもよいC1-C6-アルキル;並びにNO2、CN、ハロゲン、C1-C6アルコキシ、(C1-C6-アルコキシ)カルボニル、C1-C6アシル、C1-C6アシルオキシ及びアリールから選択される1、2、3、又は4個の同一又は異なる置換基を場合により有していてもよいC2-C6-アルケニル
から選択される]
用語「生成物」及び「一般式(I)のα,β不飽和アルデヒド」は同意語として使用されている。用語「アルデヒド」は1種のアルデヒド並びに1種より多くの式(I)のアルデヒドの混合物を包含する。
液相
驚くべきことに、本発明の方法は液相の存在下で実施することができるということが判明し、ここで液相は、20℃の温度及び1バールの圧力で決定される、液相の総重量に基づいて少なくとも25重量%の水を含有する。
本発明の方法は液相の存在下で行われる。液相は、20℃及び1バールの圧力で液体である、反応の全ての成分からなる。
本発明の方法でいう液相の全ての重量%は、20℃の温度及び1バールの圧力で決定される液相の総重量に基づく。
本発明の方法は液相と固体触媒との相間(不均一触媒法)で行われる。
固体触媒は20℃の温度及び1バールの圧力で液体でなく、従って定義により液相の重量%に含まれない。
液相は1つ以上、例えば2つ又は3つの異なる液相からなることができる。液相の数は当業者が、例えば一般式(II)のアルコールの選択及び濃度又は任意選択の溶媒に応じて選ぶことができる。
本発明の方法は1つの液相からなる液相の存在下で行うことができる(単相系)。本発明の方法は1つより多く、例えば2つ、3つ又はそれ以上の異なる液相からなる液相の存在下で行うことができる(多相系)。
本発明の方法が1つの液相からなる液相の存在下で行われる場合、液相は、20℃の温度及び1バールの圧力で決定される、少なくとも25重量%の水を含有する。
本発明の方法が1つより多くの液相からなる液相の存在下で行われる場合、少なくとも1つの異なる液相は、20℃の温度及び1バールの圧力で決定される、少なくとも25重量%の水を含有する。
本発明の1つの実施形態において、本発明の方法は、2つ又は3つの異なる液相からなる液相の存在下で実施することができ、ここで各々の異なる液相は、20℃の温度及び1バールの圧力で決定される、この異なる液相の総重量に基づいて少なくとも25重量%の水を含有する。
液相の含水率は、例えば、水を加えることにより(例えば、液相が水性相である場合)、又は水及び/又は溶媒及び/又は可溶化剤を加えることにより(例えば、液相が、例えば水性相に溶けない反応物質及び/又は生成物を含む非水性相である場合)調節することができる。
液相の含水率に対する以下の好ましい範囲は、少なくとも1つ又は各々の異なる液相に対して適切に適用される。
本発明の好ましい実施形態において、方法は、少なくとも30重量%、好ましくは少なくとも40重量%、より好ましくは少なくとも50重量%の水を含有する液相中で実施される。更なる実施形態において、方法は、少なくとも60重量%、好ましくは少なくとも70重量%、より好ましくは少なくとも80重量%、より好ましくは少なくとも90重量%、より好ましくは少なくとも95重量%の水を含有する液相中で実施することができる。本発明の1つの実施形態によると、方法は、99.5重量%の水を含有する液相中で実施することができる。水の全ての重量%は液相(又は1つより多くの液相が存在する場合、少なくとも1つ若しくは各々の異なる液相)の総重量に基づく。
本発明の1つの実施形態において、各々の異なる液相は、この異なる液相の総重量に基づいて少なくとも25重量%の水を含有する。水の重量%は20℃の温度及び1バールの圧力で決定される。
溶媒
本発明の方法は、反応物質、生成物、水及び酸化剤から実質的になる液相の存在下で行うことができる。
本発明の方法は、反応物質、生成物、水及び酸化剤から実質的になる液相の存在下で不均一触媒法として行うことができる。
これらの実施形態において、液相は溶媒を含有しない。
用語「溶媒」は、20℃の温度及び1バールの圧力で液体であり、それ故に液相の一部である、反応物質、生成物、水及び、場合により存在する酸化剤又は場合により存在する触媒以外のあらゆる成分を包含する。
従って、本発明の利点の1つは、本方法が、液相の総重量に対して75重量%未満、好ましくは70重量%未満の溶媒を含む液相の存在下で実施することができるということである。
溶媒を使用する場合、適切な溶媒は反応物質、生成物、触媒、酸化剤及び反応条件に応じて選択することができる。用語「溶媒」は1種又は1種より多くの溶媒を包含する。
液相の溶媒含量に対する以下の好ましい範囲は、液相(単相系の場合)又は少なくとも1つの異なる液相(多相系の場合)に対して適用される。
本発明の好ましい実施形態において、方法は、液相(単相系の場合)又は少なくとも1つの異なる液相(多相系の場合)の総重量に対して70重量%未満、好ましくは60重量%未満、好ましくは50重量%未満、好ましくは40重量%未満、好ましくは30重量%未満、より好ましくは20重量%未満、より好ましくは10重量%未満の溶媒を含有する液相で実施される。
有利なことに、本発明の方法は、液相(単相系の場合)又は少なくとも1つの異なる液相(多相系の場合)の総重量に対して5重量%未満の溶媒を含有する液相の存在下で実施することができる。本発明の1つの実施形態において、方法は、3重量%未満、好ましくは1重量%未満の溶媒を含有する液相の存在下で実施される。本発明の1つの実施形態において、方法は、溶媒を含有しない液相の存在下で実施される。
溶媒を使用する場合、適切な溶媒は、例えばプロトン性又は非プロトン性の溶媒である。
溶媒を使用する場合、一般式(II)のアルコールの反応に対して非プロトン性の有機溶媒を使用するのが有利であることが判明した。
溶媒を使用する場合、50℃以上、例えば50〜200℃の範囲、特に65℃以上、例えば65〜180℃の範囲、特に80℃以上、例えば80〜160℃の範囲の沸点を有する溶媒が好ましい。
本発明で有用な非プロトン性の有機溶媒としては、例えば、脂肪族炭化水素、例えばヘキサン、ヘプタン、オクタン、ノナン、デカン及び石油エーテル、芳香族炭化水素、例えばベンゼン、トルエン、キシレン及びメシチレン、脂肪族C3-C8-エーテル、例えば1,2-ジメトキシエタン(DME)、ジエチレングリコールジメチルエーテル(ジグリム)、ジエチルエーテル、ジプロピルエーテル、メチルイソブチルエーテル、tert-ブチルメチルエーテル及びtert-ブチルエチルエーテル、ジメトキシメタン、ジエトキシメタン、ジメチレングリコールジメチルエーテル、ジメチレングリコールジエチルエーテル、トリメチレングリコールジメチルエーテル、トリメチレングリコールジエチルエーテル、テトラメチレングリコールジメチルエーテル、脂環式炭化水素、例えばシクロヘキサン及びシクロヘプタン、脂環式C3-C6-エーテル、例えばテトラヒドロフラン(THF)、テトラヒドロピラン、2-メチルテトラヒドロフラン、3-メチルテトラヒドロフラン、1,3-ジオキソラン、及び1,4-ジオキサン、1,3,5-トリオキサン、短鎖ケトン、例えばアセトン、エチルメチルケトン及びイソブチルメチルケトン、C3-C6-エステル、例えば酢酸メチル、酢酸エチル、プロピオン酸メチル、シュウ酸ジメチル、メトキシ酢酸メチルエステル、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ジ酢酸エチレングリコール及びジ酢酸ジエチレングリコール、C3-C6-アミド、例えばジメチルホルムアミド(DMF)及びジメチルアセトアミド及びN-メチルピロリドン(NMP)、ジメチルスルホキシド(DMSO)、C3-C6-ニトリル、例えばアセトニトリル、プロピオニトリル又はこれらの溶媒の互いの混合物がある。
本発明の1つの実施形態によると、上述の非プロトン性溶媒のうち50℃以上、例えば50〜200℃の範囲、中でも65℃以上、例えば65〜180℃の範囲、特に80℃以上、例えば80〜160℃の範囲の沸点を有するものが好ましい。
より好ましくは溶媒は、使用する場合、1,2-ジメトキシエタン(DME)、ジエチレングリコールジメチルエーテル(ジグリム)、ジエトキシメタン、ジメチレングリコールジメチルエーテル、トリメチレングリコールジメチルエーテル、テトラメチレングリコールジメチルエーテル、1,3-ジオキソラン、1,4-ジオキサン、1,3,5-トリオキサン、ジメチルアセトアミド、酢酸メチル、シュウ酸ジメチル、メトキシ酢酸メチルエステル、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ジ酢酸エチレングリコール及びジ酢酸ジエチレングリコール、トルエン、キシレン、メシチレン、C7-C10-アルカン、例えばオクタン又はノナン、THF、1,4-ジオキサン及びこれらの混合物からなる群から選択され、特にトルエン、オルト-キシレン、メタ-キシレン、パラ-キシレン及びメシチレンから選択される。
好ましい実施形態において、溶媒は、使用する場合、20℃で150g/lより大きい水溶解度を有する溶媒から選択される。好ましい実施形態において、溶媒は、使用する場合、20℃で100ミリバール以下の蒸気圧を有する溶媒から選択される。
好ましい実施形態において、溶媒は、使用する場合、ジエチレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル及びジメチルアセトアミド、一般式(III)H3C-O-(CH2O)n-CH3のポリオキシメチレンジメチルエーテル(式中、n=3〜8)、シュウ酸ジメチル、メトキシ酢酸メチルエステル、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ジ酢酸エチレングリコール及びジ酢酸ジエチレングリコールからなる群から選択される。
本発明の方法の好ましい実施形態において、反応物質及び生成物は、液相の総重量に基づいて1〜75重量%未満、好ましくは1〜70重量%、好ましくは1〜50重量%、好ましくは液相の総重量に基づいて2〜45重量%、より好ましくは液相の総重量に基づいて3〜40重量%存在する。
液相が1つより多くの異なる相からなる場合、反応物質及び生成物は、好ましくは、少なくとも1つの異なる液相中に、少なくとも1つの異なる液相の総重量に基づいて1〜75重量%未満、好ましくは1〜70重量%、好ましくは1〜50重量%、好ましくは2〜45重量%、より好ましくは3〜40重量%存在する。
液相が1つより多くの異なる相からなる場合、反応物質及び生成物は、好ましくは、各々の異なる液相中に、各々の異なる液相の総重量に基づいて1〜75重量%未満、好ましくは1〜70重量%、好ましくは1〜50重量%、好ましくは2〜45重量%、より好ましくは3〜40重量%存在する。
酸化剤
本発明の方法は、酸素を酸化剤として実施される。酸素は希釈しないで、又は希釈して使用することができる。酸素はN2、Ar又はCO2のような他の不活性ガスで、例えば空気の形態に希釈することができる。本発明の好ましい実施形態において、酸素は希釈しないで使用される。
触媒
本発明の方法は不均一触媒法として実施される。そのような不均一触媒法において、触媒及び反応物質/生成物は、互いに接触している異なる相にある。反応物質/生成物は液相にあり、一方触媒は少なくとも一部は固相にある。反応は液相と固相との相間で起こる。
本発明の方法は、支持体上に少なくとも1種の触媒活性金属を含む触媒の存在下で行われる。本発明の方法において触媒活性金属は周期律表の第8、9、10及び11族(IUPAC命名法による)から選択される元素から選択することができる。周期律表の第8、9、10及び11族の元素は鉄、コバルト、ニッケル、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、オスミウム、イリジウム、白金、銅、銀及び金を含む。
好ましい実施形態において、触媒活性金属は周期律表の第10及び11族(IUPAC命名法による)の元素から選択される。
好ましい実施形態において、触媒活性金属は白金、パラジウム及び金からなる群から選択される元素から選択される。
本発明の好ましい実施形態において触媒活性金属は白金である。
触媒は場合により、触媒活性金属の活性を増強する1種以上のいわゆる促進剤を含むことができる。そのような促進剤の例はビスマス(Bi)、アンチモン(Sb)、鉛(Pb)、カドミウム(Cd)、スズ(Sn)、テルル(Te)、セリウム(Ce)、セレン(Se)又はタリウム(Tl)である。
好ましい実施形態において、触媒は、ビスマス(Bi)、アンチモン(Sb)、鉛(Pb)、カドミウム(Cd)、スズ(Sn)及びテルル(Te)からなる群から選択される少なくとも1種の促進剤を含む。好ましい実施形態において、触媒はビスマス(Bi)、鉛(Pb)及びカドミウム(Cd)からなる群から選択される少なくとも1種の促進剤を含む。好ましい実施形態において、触媒はビスマス(Bi)を含む。
促進剤は、例えば、金属、硝酸塩、酢酸塩、硫酸塩、クエン酸塩、酸化物、水酸化物又は塩化物及びこれらの混合物として使用することができる。
好ましい実施形態において、触媒活性金属は白金であり、促進剤はビスマスである。
促進剤を使用する場合、触媒活性金属と促進剤の適切なモル比は1:0.01〜1:10、好ましくは1:0.5〜1:5、より好ましくは1:0.1〜1:3の範囲である。
促進剤は例えば、支持体上に存在することができ、又は別途方法に加えることができる。
用語「支持体上」は、触媒活性金属及び/又は促進剤が支持体の外面上及び/又は支持体の内面上に位置することができることを包含する。殆どの場合、触媒活性金属及び/又は促進剤は支持体の外面上及び支持体の内面上に位置する。
触媒は触媒活性金属、支持体及び場合により促進剤を含む。
本発明の1つの実施形態において、方法はバッチ法として行われ、触媒活性金属と一般式(II)のアルコールとのモル比は0.0001:1〜1:1の範囲、より好ましくは0.001:1〜0.1:1の範囲、更により好ましくは0.001:1〜0.01:1の範囲である。
本発明の1つの実施形態において、方法は連続法として行われ、触媒充填量(一般式(II)のアルコールの総量/反応器内の触媒活性金属の総量/時間単位(time unit)として定義される)は触媒活性金属1g当たり毎時一般式(II)のアルコール0.01〜100gの範囲、より好ましくは触媒活性金属1g当たり毎時一般式(II)のアルコール0.1〜20gの範囲である。
本発明の1つの実施形態において、方法は連続法として行われ、触媒充填量(一般式(II)のアルコールの総量/反応器内の触媒活性金属の総量/時間単位として定義される)は触媒活性金属1g当たり毎時一般式(II)のアルコール30〜40000gの範囲、より好ましくは1000〜9000gの範囲、より好ましくは1200〜5000g、好ましくは1500〜4000gの範囲、好ましくは触媒活性金属1g当たり毎時一般式(II)のアルコール1650〜3500gの範囲である。
支持体は、例えば粉末、成形体又はメッシュ、例えば酸素の存在下で焼き戻された鉄-クロム-アルミニウム(FeCrAl)のメッシュ(商標Kanthal(登録商標)で市販されている)であることができる。
好ましい実施形態において、触媒活性金属は粉末及び成形体からなる群から選択される。粉末の形態の支持体を使用する場合、そのような粉末は通常1〜200μm、好ましくは1〜100μmの範囲の粒径を有する。成形体は、例えば押出、プレス又は打錠により得ることができ、例えばストランド、中空ストランド、円筒、タブレット、リング、球状粒子、三葉形、星又は球のような任意の形状であることができる。成形体の典型的な寸法は0.5mm〜250mmの範囲である。
好ましい実施形態において、支持体は0.5〜20mm、好ましくは0.5〜10mm、より好ましくは0.7〜5mm、より好ましくは1〜2.5mm、好ましくは1.5〜2.0mmの直径を有する。
好ましい実施形態において、支持体は押出により得られ、ストランド又は中空ストランドの形態である。1つの実施形態において、支持体は1〜10mm、好ましくは1.5〜5mmのストランド直径で使用される。1つの実施形態において、支持体は2〜250mm、好ましくは2〜100mm、好ましくは2〜25mm、より好ましくは5〜10mmのストランド長さで使用される。1つの実施形態において、支持体は1〜2mmのストランド直径及び2〜10mmのストランド長さで使用される。
好ましい実施形態において、触媒活性金属は支持体上で使用され、支持体は炭素質及び酸化物材料からなる群から選択される。
適切な支持体材料は、例えば炭素質又は酸化物材料である。好ましい炭素質支持体は活性炭である。炭素質支持体材料の表面積は好ましくは少なくとも200m2/g、好ましくは少なくとも300m2/gである。炭素質支持体を使用する場合少なくとも300m2/gの表面積の活性炭が好ましい。好ましい実施形態において、触媒活性金属(好ましくは白金)は活性炭支持体上で、好ましくは少なくとも300m2/gの表面積の活性炭支持体と共に使用される。
酸化物支持体を使用する場合、次の元素の酸化物を使用することができる:Al、Si、Ce、Zr、Ti、V、Cr、Zn、Mg。本発明はまた2種以上の元素を含む混合酸化物の使用も包含する。本発明の1つの実施形態において(Al/Si)、(Mg/Si)及び(Zn/Si)混合酸化物からなる群から選択される混合酸化物が支持体として使用される。好ましい実施形態において、酸化アルミニウム及び二酸化ケイ素からなる群から選択される酸化物支持体が使用される。アルファ酸化アルミニウム(α-Al2O3)、ベータ酸化アルミニウム(β-Al2O3)、ガンマ酸化アルミニウム(γ-Al2O3)、デルタ酸化アルミニウム(δ-Al2O3)、エータ酸化アルミニウム(η-Al2O3)、テータ酸化アルミニウム(θ-Al2O3)、カイ酸化アルミニウム(χ-Al2O3)、カッパ酸化アルミニウム(κ-Al2O3)及びこれらの混合物のような任意の相の酸化アルミニウムを使用することができる。用語ベータ酸化アルミニウム(β-Al2O3)は化合物Na2O・11Al2O3を記載する。
好ましい実施形態において、酸化物支持体はアルファ酸化アルミニウム(α-Al2O3)、ベータ酸化アルミニウム(β-Al2O3)、ガンマ酸化アルミニウム(γ-Al2O3)、デルタ酸化アルミニウム(δ-Al2O3)、及びテータ酸化アルミニウム(θ-Al2O3)からなる群から選択される。
好ましい実施形態において、酸化物支持体はアルファ酸化アルミニウム(α-Al2O3)、ベータ酸化アルミニウム(β-Al2O3)及びガンマ酸化アルミニウム(γ-Al2O3)からなる群から選択される。1つの実施形態において、酸化物支持体はガンマ酸化アルミニウム(γ-Al2O3)である。
市販のガンマ酸化アルミニウム(γ-Al2O3)は、500〜700℃の温度、好ましくは550℃〜600℃の温度で処理して全部のAl2O3が確実にガンマ-相になるようにすることができる。
1つの実施形態において酸化物支持体は0.1〜500m2/gのBET-表面積(BET、Brunnauer-Emmet-Teller、DIN 66131に従って77KでのN2吸着により決定される)を有することができる。好ましくは酸化物支持体は少なくとも0.1m2/g、好ましくは少なくとも1m2/g、好ましくは少なくとも10m2/g、より好ましくは少なくとも30m2/g、より好ましくは少なくとも50m2/g、より好ましくは少なくとも75m2/g、好ましくは少なくとも100m2/g、好ましくは少なくとも150m2/g、特に好ましくは少なくとも200m2/gのBET-表面積を有する。
更なる実施形態において、酸化物支持体は1m2/g〜50m2/gのBET-表面積を有する。更なる実施形態において、酸化物支持体は10m2/g〜300m2/g、好ましくは20〜100m2/gのBET-表面積を有する。更なる実施形態において、酸化物支持体は100m2/g〜300m2/g、好ましくは150〜300m2/gのBET-表面積を有する。
好ましい実施形態において、支持体は100〜300m2/gのBET-表面積を有するAl2O3である。
1つの実施形態において、触媒は支持体上に白金を含む。
1つの実施形態において、触媒は支持体上に白金を含み、ここで支持体は炭素質及び酸化物材料から選択される。
1つの実施形態において、触媒は支持体上に白金を含み、ここで支持体は炭素質及び酸化物材料から選択され、酸化物材料はAl、Ce、Zr、Ti、V、Cr、Zn及びMgからなる群から選択される元素の酸化物からなる群から選択される。
1つの実施形態において、触媒は支持体上に白金を含み、ここで支持体は炭素質材料及び酸化物材料から選択され、酸化物はAl、Ce、Zr及びTiからなる群から選択される元素の酸化物からなる群から選択される。
好ましい実施形態において、触媒は炭素上の白金(Pt/C)及び酸化アルミニウム上の白金(Pt/Al2O3)からなる群から選択される。
好ましい実施形態において、触媒は酸化アルミニウム上に白金を含み、ここで酸化アルミニウムはアルファ酸化アルミニウム(α-Al2O3)、ベータ酸化アルミニウム(β-Al2O3)、ガンマ酸化アルミニウム(γ-Al2O3,)、デルタ酸化アルミニウム(δ-Al2O3)、エータ酸化アルミニウム(η-Al2O3)、テータ酸化アルミニウム(θ-Al2O3)、カイ酸化アルミニウム(χ-Al2O3)及びカッパ酸化アルミニウム(κ-Al2O3)からなる群から選択される。
触媒の触媒活性金属の含量は通常0.1〜20重量%、好ましくは0.1〜15重量%の範囲、好ましくは0.5〜10重量%の範囲である。
触媒は、例えば、金属化合物を最初に支持体上に析出させた後触媒活性金属に還元する析出還元法により製造することができる。還元は、あらゆる公知の方法を用いて、例えば気相又は液相で実施することができる。
本発明の好ましい実施形態において、
a)支持体を準備し、
b)金属化合物を準備し、
c)金属化合物を支持体上に析出させ、
d)場合により、そうして得られた触媒前駆体をか焼し、
e)触媒前駆体を還元し、
f)場合により、触媒を回収する
ことによって得ることができる触媒が使用される。
本発明の好ましい実施形態において、触媒は、
a)支持体を準備し、
b)金属化合物を準備し、
c)金属化合物を支持体上に析出させ、
d)場合により、そうして得られた触媒前駆体をか焼し、
e)触媒前駆体を還元し、
f)場合により触媒を回収する
ことによって得られる触媒が使用される。
ステップa)支持体を準備する
適切な支持体は、例えば粉末若しくは成形体の形態の支持体を直接反応容器に加えることにより、又は(支持体が粉末の形態である場合)支持体をスラリーとして提供することによって準備される。
ステップb)金属化合物を準備する
金属化合物は触媒活性金属の前駆体である。触媒活性金属は金属化合物の還元によって得られる。
金属化合物は溶液として、例えば金属化合物の水溶性塩の水溶液として、又は非水溶液として使用することができる。金属化合物はまた、溶解してない金属化合物が液相中に分散しているコロイドとして使用することもできる。
好ましい実施形態において、金属化合物は塩として使用される。塩の溶解性に応じて、水溶液又は非水溶液を使用することができる。
金属化合物の適切な塩としては、硝酸塩、酢酸塩、硫酸塩、クエン酸塩、酸化物、水酸化物及び塩化物並びにこれらの組合せがある。好ましくは水溶性塩が使用される。
好ましい実施形態において、金属化合物は白金塩からなる群から選択される。白金塩の溶解性に応じて、白金塩の水溶液又は非水溶液を使用することができる。適切な白金塩の例はH2PtCl6、Pt(NH3)2(NO3)2、Pt(NO2)2(NH3)2/NH4OH、Pt(NO3)2、白金水酸化物、例えばPt(OH)2、Pt(OH)4、若しくはH2Pt(OH)6(これらは全てアミン、例えばモノエタノールアミン中で安定化することができる)、PtO2、ビス(2,4-ペンタンジオナト)白金(II)=Pt(C5H7O2)2、K2PtCl4、NaPtCl4、(NH4)2PtCl4である。
好ましい実施形態において、白金塩はH2PtCl6、Pt(NH3)2(NO3)2、Pt(NO2)2(NH3)2/NH4OH及びPt(NO3)2からなる群から選択される。
一般に、析出ステップc)は還元ステップe)の前に実施される。本発明は、触媒活性金属がその場で金属化合物から還元され、次いで支持体上に析出することができる実施形態も包含する。
促進剤を使用する場合は、例えば促進剤化合物として使用することができ、その後(酸化及び/又は還元により)促進剤に変換される。促進剤化合物は溶液として、例えば促進剤化合物の水溶性塩の水溶液として、又は促進剤化合物の非水溶液として使用することができる。促進剤化合物はまた、溶解してない促進剤化合物が液相中に分散しているコロイドとして使用することもできる。
促進剤化合物の適切な塩としては、硝酸塩、酢酸塩、硫酸塩、クエン酸塩、酸化物、水酸化物及び塩化物並びにこれらの組合せがある。好ましくは水溶性塩が使用される。
促進剤化合物を使用する場合、金属化合物に加えることができる。この実施形態において、金属化合物及び促進剤化合物は一緒に支持体上に析出させられる。代わりの実施形態において、金属化合物及び促進剤化合物は別々に支持体上に析出させることができる。
1以上の析出ステップの後、促進剤化合物及び金属化合物の両方が促進剤及び触媒活性金属に変換される。
好ましい実施形態において、促進剤化合物はBi塩、Cd塩及びPb塩からなる群から選択される。
ステップc)析出ステップ
支持体上への金属化合物の析出は、任意の公知の方法を用いて、例えば、化学若しくは物理蒸着により、又は支持体を金属化合物と接触させ混合すること(=浸漬)により、又は金属化合物を支持体上に噴霧することにより実施することができる。
好ましい実施形態において、析出は浸漬及び/又は噴霧により実施される。
析出を浸漬又は噴霧により実施する場合、金属化合物は、溶液として、又はコロイドとして、又は浸漬若しくは噴霧の間にその場で生成するコロイドとして使用することができる。浸漬又は噴霧による析出は1〜100℃の温度で実施することができる。析出ステップが実施されるpH値は使用する金属化合物に応じて選ぶことができる。析出は0.1〜24時間、通常0.5〜2時間実施することができる。析出はいろいろな圧力で、例えば1〜1000ミリバール(大気圧)の圧力で実施することができ、適切な圧力は例えば50ミリバール、70ミリバール、100ミリバール、250ミリバール、500ミリバール又は大気圧である。そうして得られた触媒前駆体は、場合により、還元ステップの前に乾燥及び/又はか焼することができる。
析出ステップを浸漬又は噴霧により実施する場合、金属化合物の溶液又はコロイドの容積は理想的には、支持体の細孔容積の少なくとも90%、好ましくは100%が溶液又はコロイドで満たされるように選ばれる(いわゆる「インシピエントウェットネス(incipient-wetness)」法)。金属化合物の濃度は理想的には、析出及び還元後に触媒活性金属の所望の含量を有する触媒が得られるように選ばれる。
析出ステップは1つのステップで、又は多数の連続したステップで行うことができる。析出ステップはまた噴霧及び浸漬の組合せとして実施することもできる。
触媒前駆体は次いでろ過及び/又は遠心分離のような適切な分離手段により回収することができる。触媒前駆体は次いで、好ましくは400μS/cm未満、好ましくは200μS/cm未満の伝導率が得られるまで水で洗浄することができる。
1つの実施形態において、乾燥ステップ及び/又はか焼ステップd)を析出ステップc)の後に実施することができる。
か焼ステップd)は普通の炉、例えば回転炉、チャンバー炉、トンネル炉又はベルトか焼炉で実施することができる。
か焼ステップd)は200℃以上〜1150℃、好ましくは250〜900℃、好ましくは280℃〜800℃、より好ましくは500〜800℃、好ましくは300℃〜700℃の温度で実施することができる。か焼は0.5〜20時間、好ましくは0.5〜10時間、好ましくは0.5〜5時間行うのが適切である。
ステップd)における触媒前駆体のか焼は主として、支持体上に析出させた金属化合物(及び存在するならば促進剤化合物)を安定化し、所望でない成分を除去する目的に役立つ。
ステップe)還元ステップ
そうして得られた触媒前駆体は次に、例えば気体による処理により(気相還元)又は触媒前駆体の還元剤溶液による処理(液相還元)により還元することができる。
触媒前駆体の気相還元は触媒前駆体を水素及び/又はCOで処理することによって実施することができる。水素及び/又はCOは、更に、例えばヘリウム、ネオン若しくはアルゴン、N2、CO2のような少なくとも1種の不活性ガス及び/又はメタン、エタン、プロパン及び/又はブタンのような低級アルカンを含むことができる。好ましくはN2が不活性ガスとして使用される。気相還元は30℃〜200℃、好ましくは50℃〜180℃、より好ましくは60〜130℃の温度で実施することができる。通常気相還元は1〜24時間、好ましくは3〜20時間、より好ましくは6〜14時間の期間にわたって実施される。
触媒前駆体の液相還元は触媒前駆体を還元剤の溶液で処理することにより実施される。適切な還元剤は第四級アルキルアンモニウム塩;ギ酸;ギ酸の塩、例えばギ酸ナトリウム、ギ酸カリウム、ギ酸リチウム又はギ酸アンモニウム;クエン酸;クエン酸の塩、例えばクエン酸ナトリウム、クエン酸カリウム、クエン酸リチウム、クエン酸アンモニウム;アスコルビン酸;アスコルビン酸の塩、例えばアスコルビン酸ナトリウム、アスコルビン酸カリウム、アスコルビン酸リチウム(lithium ascorbate)及びアスコルビン酸アンモニウム(ammonium ascorbate);酒石酸;酒石酸の塩、例えば酒石酸ナトリウム、酒石酸カリウム、酒石酸リチウム(lithium tartrate)及び酒石酸アンモニウム;シュウ酸;シュウ酸の塩、例えばシュウ酸カリウム、シュウ酸ナトリウム、シュウ酸リチウム及びシュウ酸アンモニウム;炭酸水素アンモニウム(NH4HCO3);ヒドロキシルアミン;次亜リン酸;次亜リン酸塩、例えば、次亜リン酸ナトリウム(NaH2PO2);亜硫酸ナトリウム(Na2SO3);ヒドラジン;フェニルヒドラジン;C1〜C4アルコール、例えばメタノール、エタノール、1-プロパノール、2-プロパノール、1-ブタノール、イソ-ブタノール(2-メチル-1-プロパノール)、2-ブタノール;ジオール;ポリオール;還元糖、例えばグルコース、フルクトース;水素化ホウ素、例えばLiBH4、NaBH4、NaBH3CN、KBH4、LiBH(C2H5)3;ジボラン(B2H6);水素化アルミニウムリチウム(LiAlH4);ホルムアルデヒド;N-ビニルピロリドン(NVP)、ポリビニル-ピロリドン(PVP);フェノール;チオシアン酸ナトリウム;硫酸鉄(II);ナトリウムアマルガム;亜鉛水銀アマルガム(zinc mercury amalgam)である。
液相還元は、10〜95℃、好ましくは50〜90℃の温度で実施することができる。還元ステップのpHは、使用する還元剤に応じて選ぶことができる。
好ましい実施形態において、還元ステップは、還元剤の溶液による触媒前駆体の処理によって実施される。
好ましい実施形態において、還元ステップは、還元剤の溶液による触媒前駆体の処理によって実施され、ここで還元剤は第四級アルキルアンモニウム塩;ギ酸;ギ酸の塩、例えばギ酸ナトリウム、ギ酸カリウム、ギ酸リチウム又はギ酸アンモニウム;クエン酸;クエン酸の塩、例えばクエン酸ナトリウム、クエン酸カリウム、クエン酸リチウム、クエン酸アンモニウム;アスコルビン酸;アスコルビン酸の塩、例えばアスコルビン酸ナトリウム、アスコルビン酸カリウム、アスコルビン酸リチウム(lithium ascorbate)及びアスコルビン酸アンモニウム(ammonium ascorbate);酒石酸;酒石酸の塩、例えば酒石酸ナトリウム、酒石酸カリウム、酒石酸リチウム(lithium tartrate)及び酒石酸アンモニウム;シュウ酸;シュウ酸の塩、例えばシュウ酸カリウム、シュウ酸ナトリウム、シュウ酸リチウム及びシュウ酸アンモニウム;炭酸水素アンモニウム(NH4HCO3);ヒドロキシルアミン;次亜リン酸;次亜リン酸塩、例えば、次亜リン酸ナトリウム(NaH2PO2);亜硫酸ナトリウム(Na2SO3);ヒドラジン;フェニルヒドラジン;C1〜C4アルコール、例えばメタノール、エタノール、1-プロパノール、2-プロパノール、1-ブタノール、イソ-ブタノール(2-メチル-1-プロパノール)、2-ブタノール;ジオール;ポリオール;還元糖、例えばグルコース、フルクトース;水素化ホウ素、例えばLiBH4、NaBH4、NaBH3CN、KBH4、LiBH(C2H5)3;ジボラン(B2H6);水素化アルミニウムリチウム(LiAlH4);ホルムアルデヒド;N-ビニルピロリドン(NVP)、ポリビニル-ピロリドン(PVP);フェノール;チオシアン酸ナトリウム;硫酸鉄(II);ナトリウムアマルガム;亜鉛水銀アマルガム(zinc mercury amalgam)からなる群から選択される。
好ましい実施形態において、還元ステップは還元剤の溶液による触媒前駆体の処理によって実施され、ここで還元剤はギ酸ナトリウム、クエン酸ナトリウム、アスコルビン酸ナトリウム、ポリオール、還元糖、ホルムアルデヒド、メタノール、エタノール及び2-プロパノールからなる群から選択される。
触媒はその後、適切な分離手段、例えばろ過及び/又は遠心分離によって回収することができる。通例、触媒は、好ましくは400μS/cm未満、好ましくは200μS/cm未満の伝導率が得られるまで水により洗浄される。
乾燥ステップは、例えばステップc)の後及び/又はステップe)の後に実施することができる。ステップc)で得られた触媒前駆体又はステップe)で得られた触媒の乾燥は一般に60℃以上、好ましくは80℃以上、より好ましくは100℃以上の温度で実施することができる。乾燥は、例えば120℃から200℃までの温度で実施することができる。乾燥は通常実質的に全ての水が蒸発するまで実施される。一般的な乾燥時間は1〜30時間までの範囲であり、乾燥温度に依存する。乾燥ステップは真空の使用により速めることができる。
触媒活性金属は支持体上に均等に分布させることができるか、又は支持体上に不均等に分布させることができる。触媒活性金属は、例えば、支持体の芯又は定義された層に集中させることができる。触媒活性金属は部分的若しくは完全に支持体の内面に位置することができ、又は部分的若しくは完全に支持体の外面に位置することができる。
触媒活性金属が完全に支持体の内面に位置する場合、触媒の外面は支持体の外面と同一である。
触媒活性金属の分布は走査電子顕微鏡法(SEM)及びエネルギー分散X線分光法(EDXS)で決定することができる。分布は、例えば触媒の横断面を作成することによって決定することができる。触媒が球である場合横断面は球の中心を通って作成することができる。触媒がストランドである場合、横断面は、ストランドの軸に対して直角にストランドを切断することによって作成することができる。後方散乱電子(BSE)を介して触媒内の触媒活性金属の分布を可視化することができる。次いで触媒活性金属の量は、通常20kVの加速電圧を使用するEDXSによって定量化することができる。
本発明の好ましい実施形態においては、触媒活性金属が触媒の外殻に位置する触媒が使用される。この実施形態において触媒活性金属は主に触媒の外殻に配置されている。
1つの実施形態において、触媒の外殻は、触媒の外面から、触媒の外面からXの深さまでのスペースであり、ここでXは触媒の外面から触媒の中心までの距離の15%である。例えば、球であって直径が1.5mmである触媒を使用する場合、外殻は外面から、外面から112.5μmの深さまでのスペースである。
1つの実施形態において、触媒の外殻は、触媒の外面から、触媒の外面からXの深さまでのスペースであり、Xは触媒の外面から触媒の中心までの距離の30%である。例えば、球であって1.5mmの直径を有する触媒を使用する場合、外殻は外面から、外面から225μmの深さまでのスペースである。
1つの実施形態において、触媒の外殻は、触媒の外面から、触媒の外面から100μmの深さまでのスペースである。
1つの実施形態において、外殻は触媒の外面から、触媒の外面から400μm、好ましくは300μm、好ましくは200μmの深さまでのスペースである。
好ましい実施形態において、少なくとも50重量%、好ましくは少なくとも70重量%、好ましくは少なくとも80重量%、好ましくは少なくとも90重量%、好ましくは少なくとも95重量%の触媒活性金属が触媒の外殻に位置しており、ここで触媒の外殻は、触媒の外面から、触媒の外面からXの深さまでのスペースであり、Xは触媒の外面から触媒の中心までの距離の15%である。
好ましい実施形態において、少なくとも70重量%、好ましくは少なくとも80重量%、好ましくは少なくとも90重量%、好ましくは少なくとも95重量%の触媒活性金属が触媒の外殻に位置しており、ここで触媒の外殻は、触媒の外面から、触媒の外面からXの深さまでのスペースであり、Xは触媒の外面から触媒の中心までの距離の30%である。
本発明の更なる実施形態において、少なくとも50重量%、好ましくは少なくとも70重量%、好ましくは少なくとも80重量%、好ましくは少なくとも90重量%、好ましくは少なくとも95重量%の触媒活性金属が触媒の外殻に位置しており、ここで触媒の外殻は、触媒の外面から、触媒の外面から100μmの深さまでのスペースである。
本発明の更なる実施形態において、少なくとも70重量%、好ましくは少なくとも80重量%、好ましくは少なくとも90重量%、好ましくは少なくとも95重量%の触媒活性金属が触媒の外殻に位置しており、ここで触媒の外殻は、触媒の外面から、触媒の外面から400μmの深さ、好ましくは300μmの深さ、好ましくは200μmの深さまでのスペースである。
本発明の更なる実施形態において、触媒活性金属の分散度が平均して10%〜100%、好ましくは30%〜95%の範囲である(DIN 66136-3に従ってCO-収着で決定される)触媒が使用される。
触媒活性金属が触媒の外殻に位置する触媒は例えば上記の析出還元法によって得ることができる。触媒活性金属の触媒の外殻への分布は、例えば析出法の選択及び/又は析出パラメーター、例えば温度、pH及び時間並びにこれらのパラメーターの組合せの選択により達成することができる。製造のいろいろな方法の記載は、例えば"Handbook of Heterogeneous Catalysis", edited by G. Ertl, H. Knozinger, J. Weitkamp, Vol 1. Wiley-VCH, 1997. Chapter 2, part 2.2.1.1. Impregnation and Ion Exchange, authors M. Che, O. Clause, and Ch. Marcilly, p. 315-340に見ることができる。
促進剤は、支持体上に均等に分布させることができるか、又は支持体上に不均等に分布させることができる。好ましい実施形態において、促進剤は触媒活性物質と同じように支持体上に分布させる。
本発明の1つの実施形態は、触媒の存在下及び液相の存在下での一般式(II)のアルコールの酸化による一般式(I)のα,β不飽和アルデヒドの製造方法であって、
Figure 2021506870

[式中、R1、R2及びR3は、互いに独立して、水素;NO2、CN、ハロゲン、C1-C6アルコキシ、(C1-C6-アルコキシ)カルボニル、C1-C6アシル、C1-C6アシルオキシ及びアリールから選択される1、2、3、又は4個の同一又は異なる置換基を場合により有していてもよいC1-C6-アルキル;並びにNO2、CN、ハロゲン、C1-C6アルコキシ、(C1-C6-アルコキシ)カルボニル、C1-C6アシル、C1-C6アシルオキシ及びアリールから選択される1、2、3、又は4個の同一又は異なる置換基を場合により有していてもよいC2-C6-アルケニルから選択される]
Figure 2021506870

[式中、R1、R2及びR3は上記の意味を有する]
液相が、20℃の温度及び1バールの圧力で決定される、液相の総重量に基づいて少なくとも25重量%の水を含有し、
酸化剤が酸素であり、
触媒が支持体上に触媒活性金属を含み、
少なくとも50重量%、好ましくは少なくとも70重量%、好ましくは少なくとも80重量%、好ましくは少なくとも90重量%、好ましくは少なくとも95重量%の触媒活性金属が触媒の外殻に位置しており、触媒の外殻が、触媒の外面から、触媒の外面からXの深さまでのスペースであり、Xが触媒の外面から触媒の中心までの距離の15%である、方法に関する。
本発明の1つの実施形態は、触媒の存在下及び液相の存在下での一般式(II)のアルコールの酸化による一般式(I)のα,β不飽和アルデヒドの製造方法であって、
Figure 2021506870

[式中、R1、R2及びR3は、互いに独立して、水素;NO2、CN、ハロゲン、C1-C6アルコキシ、(C1-C6-アルコキシ)カルボニル、C1-C6アシル、C1-C6アシルオキシ及びアリールから選択される1、2、3、又は4個の同一又は異なる置換基を場合により有していてもよいC1-C6-アルキル;並びにNO2、CN、ハロゲン、C1-C6アルコキシ、(C1-C6-アルコキシ)カルボニル、C1-C6アシル、C1-C6アシルオキシ及びアリールから選択される1、2、3、又は4個の同一又は異なる置換基を場合により有していてもよいC2-C6-アルケニルから選択される]
Figure 2021506870

[式中、R1、R2及びR3は上記の意味を有する]
液相が、20℃の温度及び1バールの圧力で決定される、液相の総重量に基づいて少なくとも25重量%の水を含有し、
酸化剤が酸素であり、
触媒が支持体上に触媒活性金属を含み、
少なくとも70重量%、好ましくは少なくとも80重量%、好ましくは少なくとも90重量%、好ましくは少なくとも95重量%の触媒活性金属が触媒の外殻に位置しており、触媒の外殻が、触媒の外面から、触媒の外面からXの深さまでのスペースであり、Xが触媒の外面から触媒の中心までの距離の30%である、方法に関する。
本発明の1つの実施形態は、触媒の存在下及び液相の存在下での一般式(II)のアルコールの酸化による一般式(I)のα,β不飽和アルデヒドの製造方法であって、
Figure 2021506870

[式中、R1、R2及びR3は、互いに独立して、水素;NO2、CN、ハロゲン、C1-C6アルコキシ、(C1-C6-アルコキシ)カルボニル、C1-C6アシル、C1-C6アシルオキシ及びアリールから選択される1、2、3、又は4個の同一又は異なる置換基を場合により有していてもよいC1-C6-アルキル;並びにNO2、CN、ハロゲン、C1-C6アルコキシ、(C1-C6-アルコキシ)カルボニル、C1-C6アシル、C1-C6アシルオキシ及びアリールから選択される1、2、3、又は4個の同一又は異なる置換基を場合により有していてもよいC2-C6-アルケニルから選択される]
Figure 2021506870

[式中、R1、R2及びR3は上記の意味を有する]
液相が、20℃の温度及び1バールの圧力で決定される、液相の総重量に基づいて少なくとも25重量%の水を含有し、
酸化剤が酸素であり、
触媒が支持体上に触媒活性金属を含み、
少なくとも50重量%、好ましくは少なくとも70重量%、好ましくは少なくとも80重量%、好ましくは少なくとも90重量%、好ましくは少なくとも95重量%の触媒活性金属が触媒の外殻に位置しており、触媒の外殻が、触媒の外面から、触媒の外面から100μmの深さまでのスペースである、方法に関する。
本発明の1つの実施形態は、触媒の存在下及び液相の存在下での一般式(II)のアルコールの酸化による一般式(I)のα,β不飽和アルデヒドの製造方法であって、
Figure 2021506870

[式中、R1、R2及びR3は、互いに独立して、水素;NO2、CN、ハロゲン、C1-C6アルコキシ、(C1-C6-アルコキシ)カルボニル、C1-C6アシル、C1-C6アシルオキシ及びアリールから選択される1、2、3、又は4個の同一又は異なる置換基を場合により有していてもよいC1-C6-アルキル;並びにNO2、CN、ハロゲン、C1-C6アルコキシ、(C1-C6-アルコキシ)カルボニル、C1-C6アシル、C1-C6アシルオキシ及びアリールから選択される1、2、3、又は4個の同一又は異なる置換基を場合により有していてもよいC2-C6-アルケニルから選択される]
Figure 2021506870

[式中、R1、R2及びR3は上記の意味を有する]
液相が、20℃の温度及び1バールの圧力で決定される、液相の総重量に基づいて少なくとも25重量%の水を含有し、
酸化剤が酸素であり、
触媒が支持体上に触媒活性金属を含み、
少なくとも70重量%、好ましくは少なくとも80重量%、好ましくは少なくとも90重量%、好ましくは少なくとも95重量%の触媒活性金属が触媒の外殻に位置しており、触媒の外殻が、触媒の外面から、触媒の外面から400μmの深さまで、好ましくは300μmの深さまで、好ましくは200μmの深さまでのスペースである、方法に関する。
処理モード
以下に記載される処理モードの実施形態は上に記載した全ての方法で適切に適用することができる。
本発明の方法はこのような反応に一般的な反応容器で実施することができ、この反応は連続式、半バッチ式又はバッチ式モードに設定可能である。一般に、個々の反応は大気圧下で実施される。しかし、方法は減圧下又は加圧下で実施してもよい。
本発明の方法は圧力下、好ましくは1バール以上〜15バール(絶対圧)、好ましくは1バール以上〜10バール(絶対圧)の圧力下で実施することができる。
本発明の方法は0.1〜15バール、好ましくは0.2〜10バール、好ましくは0.2〜8バール、より好ましくは0.2〜5バール、より好ましくは1〜3、好ましくは1〜2.5、より好ましくは1.2〜2バールの酸素の分圧で実施することができる。
本発明の好ましい実施形態において方法はバッチ法として行われる。本発明の好ましい実施形態において方法は半バッチ法として行われる。本発明の好ましい実施形態において方法は連続法として行われる。
本発明の好ましい実施形態において方法は固定床触媒を用いて行われる。本発明の方法が固定床触媒を用いて行われる場合、適切な固定床反応器は、トリクルベッド反応器、バブルパック反応器(bubble-packed reactor)、多管式反応器及びプレート式反応器からなる群から選択することができる。
本発明の方法は1つの固定床反応器で行うことができるか、又は好ましくは1つより多く、好ましくは2つより多く、より好ましくは3つより多く、好ましくは3〜5つの固定床反応器で行うことができる。1つ以上の固定床反応器は直列又は並列に配置することができる。
本発明の方法は、触媒の単位重量(kg)当たりの方法供給材料の単位時間当たりの質量流(kg/h)として定義される重量空間速度(WHSV)の一般的な値で行うことができる。方法は、例えば、1〜20000、好ましくは10〜10000、好ましくは20〜5000、好ましくは20〜500、より好ましくは50〜100kg/kg/hのWHSV値で実施することができる。
本発明の方法は熱交換を伴うか又は伴わない1つ以上の固定床反応器で行うことができる。本発明の1つの実施形態において、固定床反応器は1つ、幾つか又は全ての固定床反応器で一定の温度が保たれるように作動させることができる。本発明の1つの実施形態において、固定床反応器は、規定された温度勾配が加熱又は除熱なしに1つ、幾つか又は全ての固定床反応器で維持されるように作動させることができる。本発明の1つの実施形態において、固定床反応器は、規定された温度プロフィールが内部又は外部の加熱又は除熱有りで1つ、幾つか又は全ての固定床反応器で維持される温度制御プロフィールで作動させることができる。
本発明の好ましい実施形態において方法は固定床触媒を用いてトリクルベッド反応器で行われる。本発明の1つの実施形態において、方法は、直列又は並列、好ましくは直列に配置された1つより多く、好ましくは2つより多く、より好ましくは3つより多くのトリクルベッド反応器で行われる。1つの実施形態において、方法は直列に配置された3〜5つのトリクルベッド反応器で行われる。1つの実施形態において、トリクルベッド反応器の1つ以上、好ましくは各々が液体の再循環流を備えることができる。
トリクルベッド反応器の好ましい実施形態において、反応の成分は反応器に同時に入れることができ、これは液相及び酸化剤の酸素を含む気相が反応器の同じ側、好ましくは反応器の頂部に入れられることを意味する。
本発明の1つの実施形態において方法は固定床触媒を用いてバブルパック反応器で行われる。本発明の1つの実施形態において、方法は、直列又は並列に、好ましくは直列に配置された1つより多く、好ましくは2つより多く、より好ましくは3つより多くのバブルパック反応器で行われる。1つの実施形態において、方法は直列に配置された3〜5つのバブルパック反応器で行われる。
バブルパック反応器の1つの実施形態において、反応の成分は反応器に同時に入れることができ、これは液相及び酸化剤の酸素を含む気相が反応器の同じ側に、好ましくは反応器の底部に入れられることを意味する。バブルパック反応器の1つの実施形態において、反応の成分は反応器に向流として入れることができ、これは液相及び酸化剤の酸素を含む気相が反応器の反対側で入れられることを意味する。1つの実施形態において、液相は反応器の底部で反応器に入れられ、酸化剤として酸素を含む気相は反応器の頂部で入れられる。1つの実施形態において、液相は反応器の頂部で反応器に入れられ、酸化剤として酸素を含む気相は反応器の底部で入れられる。
本発明の好ましい実施形態において方法はスラリー法として行われる。方法は撹拌槽反応器又はスラリー気泡塔としてスラリーに基づく系で行うことができる。
反応は、一般式(II)のアルコール、水、触媒、酸化剤及び例えば1種以上の溶媒のような任意成分を適切な反応条件下で接触させることにより行われる。
これらの成分は原則としていかなる所望の順序でも互いに接触させることができる。例えば、一般式(II)のアルコールを、適切であれば水又は溶媒に溶解又は分散した形態で、最初に仕込んで触媒と混ぜることができ、又は逆に、触媒系を最初に仕込み、一般式(II)のアルコール及び水と混ぜることができる。或いは、これらの成分はまた反応容器に同時に加えることもできる。
バッチ式スラリー法の一例として、触媒、反応物質、水、及び場合により溶媒を投入した撹拌槽反応器を使用することができる。反応器は次いで酸素で加圧される。その後反応は所望の転化が達成されるまで実施される。
バッチ式スラリー法の一例として、触媒、適切であれば水又は溶媒に溶解した又は分散した形態の反応物質、水及び場合により1種以上の溶媒を投入した撹拌槽反応器を使用することができる。反応器は次いで酸素で加圧される。その後反応は所望の転化が達成されるまで実施される。
半バッチ法の一例として、触媒、反応物質、水、及び場合により溶媒を投入した撹拌槽反応器を使用することができる。その後、所望の転化が達成されるまで酸素を連続的に反応器に供給する。半バッチ法のもう1つ別の例として、トリクルベッド反応器内の固定床触媒を使用することができる。次いで反応物質、場合により溶媒を含む水の溶液を触媒上のループにポンプで供給する。酸素を連続流として反応器に通す。本発明の1つの実施形態において酸素は過剰に加えることができ、その過剰分はオフガスに放出され、或いは酸素は消費された酸素を補充するのに必要な量で加えることができる。
連続式スラリー法の一例として、触媒が存在する連続式撹拌槽反応器を使用することができる。反応物質、場合により溶媒を含む水、及び酸化剤の溶液を連続的に加える。酸素は過剰に加えることができ、次いでオフガスを連続的に取り出すことができる。代わりの実施形態において、酸素は、消費された酸素を補充する量で加えることができる。液体の反応生成物は、触媒を反応器内に保つためにフィルターに通して連続的に取り出すことができる。
連続式固定床法の更なる例において、反応物質の溶液及び酸化剤の両方を、触媒を含有するトリクルベッド反応器に連続的に供給する。この場合、反応物質及び/又は酸素の所望の転化率を達成するために、気体及び/又は液体を一部又は全部反応器に再循環させることが可能である。
好ましい実施形態において、本発明の方法は連続モードで行われる。
驚くべきことに、本発明の方法により、(一般式(II)のアルコールを基準にして)90%超、好ましくは93%超、好ましくは95%超、好ましくは97%超、より好ましくは99%超の範囲のα,β不飽和アルデヒドの選択率が得られることが判明した。
好ましくは、本発明の方法は、10〜99.99%の範囲、好ましくは30〜95%の範囲、最も好ましくは50〜80%の範囲の一般式(II)のアルコールの転化率が得られるまで行われる。
好ましくは、本発明の方法は、1〜250℃の範囲、好ましくは5〜150℃の範囲、好ましくは20〜100℃の範囲、より好ましくは25℃〜80℃の範囲、好ましくは30〜70℃の範囲、より好ましくは35〜50℃の範囲の温度で実施される。本発明の1つの実施形態において、方法は40〜80℃の範囲の温度で実施される。
得られる粗生成物は蒸留又はクロマトグラフィー又は組合せ手段を始めとする慣用の精製手段に供してもよい。式(I)の化合物の精製に適した蒸留装置には、例えば、蒸留塔、例えば場合によりバブルキャップトレイ、篩板、シーブトレイ、パッケージ若しくはフィラー物質を備えた段塔、又は回転バンド蒸留塔、例えば薄膜蒸発器、流下膜式蒸発器、強制循環型蒸発器、ワイプ薄膜(Sambay)蒸発器、等及びこれらの組合せがある。
[実施例‐触媒の調製]
[実施例C1]
ステップa):支持体:50gの酸化アルミニウム(ガンマ-Al2O3ストランド、平均直径1.5mm(Exacer s.r.l. Italyから市販されている))を550℃に4時間加熱し、550℃で1時間維持した。
ステップb): 6.68gの10重量%硝酸中15.4wt.%のPt(NO3)2溶液及び1.29gのBi(NO3)3を95.21gの水に室温で加えた。
ステップc):フラスコにステップa)で得られ、ステップb)で得られたPt/Bi溶液に浸した50gの酸化アルミニウムを入れ、0.5時間70ミリバールで撹拌し、その間混合物を80℃に加熱した。80℃で30分以内に溶媒を除いた。
乾燥を、ロータリーエバポレータにおいて60分80℃で実施した。
ステップd):そうして得られた触媒前駆体をマッフル炉に入れ、5時間かけて450℃に加熱した。450℃の温度を1時間維持した。
ステップe):触媒前駆体の還元を、還元剤の溶液による触媒前駆体の処理によって実施した。ステップd)で得られた50gの触媒前駆体を400gの水に加え、60℃に加熱した。ギ酸ナトリウム水溶液を調製し(34.87gのギ酸ナトリウム(97%)プラス88.38gの水)、10分間にわたって触媒前駆体に滴下して加えた。反応混合物を60℃で140分維持した後N2下で室温に放冷した。
触媒をろ過により回収し、170μS/cm未満の伝導率まで水で洗浄し、その後80℃で4時間乾燥した。
こうして得られた触媒は1.4重量%のPt含量及び1:0.5のPt:Biのモル比を示した。触媒活性金属Ptの分布をストランドの横断面のSEM-EDXSで決定したところ、Ptの大部分が触媒の外面から100μm以内に位置していた。
[実施例C2]
ステップc)を以下のように変更して実施例C1を繰り返した。
ステップc):フラスコに、ステップa)で得られ、ステップb)で得られたPt/Bi溶液に浸した50gの酸化アルミニウムを入れ、10分間70ミリバールで撹拌した。触媒前駆体をろ過により回収した。
そうして得られた触媒は1.4重量%のPt含量及び1:0.5のPt:Biのモル比を示した。触媒活性金属Ptの分布をストランドの横断面のSEM-EDXSで決定したところ、Ptの大部分が触媒の外面から100μm以内に位置していた。
[実施例C3]
ステップa):支持体:50gの酸化アルミニウム(ガンマAl2O3ストランド、直径1.5mm(Exacer s.r.l. Italyから市販されている))を550℃に4時間加熱し、550℃で1時間維持した。
ステップb):6.63gの10重量%硝酸中15.4重量%Pt(NO3)2溶液及び5.09gのBi(NO3)3を29.6gの水に室温で加えた。
ステップc):フラスコにステップa)で得られた50gの酸化アルミニウムを入れ、70ミリバールで回転させた。ステップb)で得られたPt/Bi溶液を滴下漏斗により噴射ノズルに加え、支持体上に噴霧した。析出ステップを混合しながら30分間室温で行った。乾燥をロータリーエバポレータにおいて60分間80℃で実施した。
ステップd):そうして得られた触媒前駆体をマッフル炉に入れ、5時間かけて450℃に加熱した。450℃の温度を1時間維持した。
ステップe):触媒前駆体の還元を、還元剤の溶液による触媒前駆体の処理によって実施した。50gの触媒前駆体を400gの水に加え、60℃に加熱した。ギ酸ナトリウム水溶液を調製し(34.87gのギ酸ナトリウム(97%)プラス88.38gの水)、15分にわたって触媒前駆体に滴下して加えた。反応混合物を60℃で120分間維持した後N2下で室温まで放冷した。
触媒をろ過により回収し、170μS/cm未満の伝導率まで水で洗浄し、続いて80℃で4時間乾燥した。
そうして得られた触媒は1.6重量%のPt含量及び1:2のPt:Biのモル比を示した。触媒活性金属Ptの分布をストランドの横断面のSEM-EDXSで決定したところ、Ptの大部分が触媒の外面から100μm以内に位置していた。
[実施例C4]
ステップb)に次の変更を加えて実施例C3を繰り返した:(5.09gの代わりに)2.55gのBi(NO3)3を溶液に加えた。
そうして得られた触媒は1.6重量%のPt含量及び1:1のPt:Biのモル比を示した。触媒活性金属Ptの分布をストランドの横断面のSEM-EDXSで決定したところ、Ptの大部分が触媒の外面から100μm以内に位置していた。
[実施例C5]
ステップb)に次の変更を加えて実施例C3を繰り返した:(5.09gの代わりに)1.27gのBi(NO3)3を溶液に加えた。
そうして得られた触媒は1.6重量%のPt含量及び1:0.5のPt:Biのモル比を示した。触媒活性金属Ptの分布をストランドの横断面のSEM-EDXSで決定したところ、Ptの大部分が触媒の外面から400μm以内に位置していた。
[実施例C6]
ステップa):40gのガンマ-酸化アルミニウム(ストランド、直径1.5mm)を550℃に4時間加熱し、550℃で1時間維持した。
ステップb):10重量%硝酸中15.7wt.%Pt(NO3)2溶液を調製した。
ステップc):回転板に、ステップa)で得られた40gの酸化アルミニウムを入れ、回転させ、100℃に加熱した。15.95gの10重量%硝酸中15.7wt.%Pt(NO3)2溶液を支持体上に噴射ノズルで1時間6分以内噴霧した。添加が完了した後混合物を高温の回転板上で更に10分間回転させ、その後乾燥した。
ステップd):そうして得られた触媒前駆体をマッフル炉に入れ、3時間かけて450℃に加熱した。450℃の温度を1時間維持した。
ステップe):触媒前駆体の還元を、還元剤の溶液による触媒前駆体の処理によって実施した。41.97gの触媒前駆体を399.94gの水に加え、60℃に加熱した。ギ酸ナトリウム水溶液を調製し(29.32gのギ酸ナトリウムプラス74.13gの水)、15分間にわたり触媒前駆体に滴下して加えた。反応混合物を60℃で120分維持した後N2下で室温まで放冷した。
触媒をろ過により回収し、132.5μS/cm未満の伝導率まで水で洗浄し、その後80℃で4.5時間乾燥した。
そうして得られた触媒は2.6重量%のPt含量を示した。触媒活性金属Ptの分布をストランドの横断面のSEM-EDXSで決定したところ、Ptの大部分が触媒の表面から100μm以内に位置していた。
図1及び図2は実施例C6の触媒中のPt分布を示す。
図2:Y-軸はEDXで測定した重量%での局所Pt-濃度を示し、X-軸は測定が行われた位置を示す。距離は図1の点線に沿って取り、ゼロ点は左側にある。

Claims (10)

  1. 触媒の存在下及び液相の存在下での一般式(II)のアルコールの酸化による一般式(I)のα,β不飽和アルデヒドの製造方法であって、
    Figure 2021506870

    [式中、R1、R2及びR3は、互いに独立して、水素;NO2、CN、ハロゲン、C1-C6アルコキシ、(C1-C6-アルコキシ)カルボニル、C1-C6アシル、C1-C6アシルオキシ及びアリールから選択される1、2、3、又は4個の同一又は異なる置換基を場合により有していてもよいC1-C6-アルキル;並びにNO2、CN、ハロゲン、C1-C6アルコキシ、(C1-C6-アルコキシ)カルボニル、C1-C6アシル、C1-C6アシルオキシ及びアリールから選択される1、2、3、又は4個の同一又は異なる置換基を場合により有していてもよいC2-C6-アルケニルから選択される]
    Figure 2021506870
    [式中、R1、R2及びR3は上記の意味を有する]
    液相が、20℃の温度及び1バールの圧力で決定される、液相の総重量に基づいて少なくとも25重量%の水を含有し、
    酸化剤が酸素であり、
    触媒が支持体上に触媒活性金属を含み、触媒活性金属が主に触媒の外殻に位置する、方法。
  2. 触媒の存在下及び液相の存在下での一般式(II)のアルコールの酸化による一般式(I)のα,β不飽和アルデヒドの製造方法であって、
    Figure 2021506870
    [式中、R1、R2及びR3は、互いに独立して、水素;NO2、CN、ハロゲン、C1-C6アルコキシ、(C1-C6-アルコキシ)カルボニル、C1-C6アシル、C1-C6アシルオキシ及びアリールから選択される1、2、3、又は4個の同一又は異なる置換基を場合により有していてもよいC1-C6-アルキル;並びにNO2、CN、ハロゲン、C1-C6アルコキシ、(C1-C6-アルコキシ)カルボニル、C1-C6アシル、C1-C6アシルオキシ及びアリールから選択される1、2、3、又は4個の同一又は異なる置換基を場合により有していてもよいC2-C6-アルケニルから選択される]
    Figure 2021506870
    [式中、R1、R2及びR3は上記の意味を有する]
    液相が、20℃の温度及び1バールの圧力で決定される、液相の総重量に基づいて少なくとも25重量%の水を含有し、
    酸化剤が酸素であり、
    a)支持体を準備し、
    b)金属化合物を準備し、
    c)金属化合物を支持体上に析出させ、
    d)場合により、そうして得られた触媒前駆体をか焼し、
    e)触媒前駆体を、好ましくは還元剤の溶液による触媒前駆体の処理により、還元し、
    f)場合により、触媒を回収する
    ことによって得ることができる触媒が使用される、方法。
  3. R1、R2又はR3が互いに独立してH及びCH3から選択される式(II)のアルコールを使用する、請求項1又は2に記載の方法。
  4. R3がHであり、R2及びR1がCH3である式(II)のアルコールを使用する、請求項1から3のいずれか一項に記載の方法。
  5. 液相が、液相の総重量に基づいて少なくとも50重量%、好ましくは少なくとも70重量%の水を含有する、請求項1から4のいずれか一項に記載の方法。
  6. 20℃〜100℃の温度、好ましくは20℃〜70℃の温度で酸化を行う、請求項1から5のいずれか一項に記載の方法。
  7. 0.2〜8バールの酸素分圧で酸化を行う、請求項1から6のいずれか一項に記載の方法。
  8. 触媒活性金属が、白金、パラジウム及び金からなる群から選択される元素、好ましくは白金から選択される、請求項1から7のいずれか一項に記載の方法。
  9. 支持体が、炭素質材料及び酸化物材料からなる群から選択される、請求項1から8のいずれか一項に記載の方法。
  10. 支持体が、アルファ酸化アルミニウム(α-Al2O3)、ベータ酸化アルミニウム(β-Al2O3)及びガンマ酸化アルミニウム(γ-Al2O3)からなる群から選択される、請求項1から9のいずれか一項に記載の方法。
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