JP2021505544A - 眼線維症の処置のためのmiR29模倣物 - Google Patents
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Abstract
眼線維症および眼の線維化状態に関連する眼疾患または障害の処置における使用のための、miR−29の二本鎖の化学的に修飾されたオリゴヌクレオチド模倣物を本明細書において提供する。一局面では、被験体における眼線維症を処置する方法が提供され、この方法は、治療有効量のmiR−29模倣化合物を被験体に投与することを含み、上記miR−29模倣化合物が、(a)成熟miR−29a配列、成熟miR−29b配列または成熟miR−29c配列を含む23〜26リボヌクレオチドの第1の鎖;および(b)上記第1の鎖に実質的に相補的な配列を含み、少なくとも1つの修飾されたヌクレオチドを有する22〜23リボヌクレオチドの第2の鎖を含み、上記第1の鎖が、上記第2の鎖に対して3’ヌクレオチドオーバーハングを有し、上記眼線維症が、網膜線維症、角膜線維症、結膜線維症または線維柱帯の線維症を含む。
Description
関連出願の相互参照
本出願は、2018年7月6日に出願された米国仮特許出願第62/694,936号および2017年11月30日に出願された米国仮特許出願第62/593,198号の利益を主張し、この両方は、それらの全体が、これにより参照により本明細書に組み込まれる。
本出願は、2018年7月6日に出願された米国仮特許出願第62/694,936号および2017年11月30日に出願された米国仮特許出願第62/593,198号の利益を主張し、この両方は、それらの全体が、これにより参照により本明細書に組み込まれる。
マイクロRNA(miRNA)は、小さく、既知の配列を含むという点で、治療介入点としていくつかの利点を有する。単一のmiRNAは生物学的経路内の多数の標的mRNAを制御することができるので、miRNAの調節により、遺伝子ネットワーク全体に影響を与え、複雑な疾患表現型を改変することが可能になる(van Rooij & Olson, 2012)。
眼のホメオスタシスは、正常な脈管構造および細胞外マトリクスの存在に依存する。このようなホメオスタシスが、例えば、感染症、炎症または代謝病によって破壊されると、視覚機能が損なわれる。これらの状態の最終結果は、多くの場合、線維症である。線維症によって引き起こされる眼における高秩序組織構造の破壊は、視線の機械的破壊および/または生物学的な機能不全をもたらし得る(Friedlander M., Journal of Clinical Investigation. 2007;117(3):576-586)。
眼の線維化状態を有効に処置することができる介入に対する満たされていない医学的必要性が存在する。本明細書において、この必要性に対処する方法および組成物を提供する。
眼の線維化状態を有効に処置することができる介入に対する満たされていない医学的必要性が存在する。本明細書において、この必要性に対処する方法および組成物を提供する。
Friedlander M.、Journal of Clinical Investigation.(2007)117(3):576〜586
本明細書において、眼の線維化状態の処置のための二本鎖RNAのmiR−29模倣化合物(模倣物)を提供する。
第1の態様では、本開示は、被験体における眼線維症を処置する方法であって、治療有効量のmiR−29模倣化合物を被験体に投与することを含み、miR−29模倣化合物が、成熟miR−29a配列、成熟miR−29b配列または成熟miR−29c配列を含む23〜26リボヌクレオチドの第1の鎖;および第1の鎖に実質的に相補的な配列を含み、少なくとも1つの修飾されたヌクレオチドを有する22〜23リボヌクレオチドの第2の鎖を含み、第1の鎖が、第2の鎖に対して3’ヌクレオチドオーバーハングを有する、方法を提供する。一部の実施形態では、眼線維症は、網膜線維症、角膜線維症、結膜線維症または線維柱帯の線維症を含む。
一部の実施形態では、眼線維症は、糖尿病性網膜症、細菌感染症、ウイルス感染症、真菌感染症、アメーバ感染症、眼外傷、角膜化学熱傷、熱による角膜熱傷、翼状片、緑内障、外科手術による外傷、フックス角膜内皮ジストロフィー(FECD)および前部増殖性硝子体網膜症(前部PVR)からなる群より選択される眼疾患または障害から生じる。
第2の態様では、本開示は、被験体における眼疾患または障害を処置する方法であって、治療有効量のmiR−29模倣化合物を被験体に投与することを含み、miR−29模倣化合物が、成熟miR−29a配列、成熟miR−29b配列または成熟miR−29c配列を含む23〜26リボヌクレオチドの第1の鎖;および第1の鎖に実質的に相補的な配列を含み、少なくとも1つの修飾されたヌクレオチドを有する22〜23リボヌクレオチドの第2の鎖を含み、第1の鎖が、第2の鎖に対して3’ヌクレオチドオーバーハングを有する、方法を提供する。一部の実施形態では、眼疾患または障害は、糖尿病性網膜症、細菌感染症、ウイルス感染症、真菌感染症、アメーバ感染症、眼外傷、角膜化学熱傷、熱による角膜熱傷、翼状片、緑内障、外科手術による外傷、フックス角膜内皮ジストロフィー(FECD)および前部増殖性硝子体網膜症(前部PVR)からなる群より選択される。
一部の実施形態では、眼疾患または障害は、網膜線維症、角膜線維症、結膜線維症または線維柱帯の線維症からなる群より選択される眼線維症を含む。
一部の実施形態では、miR−29模倣化合物は、イオン導入、結膜下注射、翼状片への注射、線維柱帯ブレブの部位での注射、腱下注射(sub−tendon injection)、硝子体内注射を介して、前房内に(intracamerally)、または局所的に投与される。
一部の実施形態では、眼線維症は増殖性硝子体網膜症を含む。
一部の実施形態では、眼線維症は、糖尿病性網膜症に関連する網膜線維症を含む。
一部の実施形態では、眼線維症は、抗VEGF処置に関連する網膜線維症を含む。
一部の実施形態では、眼線維症は、角膜の濁りまたは角膜瘢痕を含む。
一部の実施形態では、眼線維症は角膜熱傷から生じる。
一部の実施形態では、眼線維症は翼状片から生じる。
一部の実施形態では、眼線維症はフックス角膜内皮ジストロフィー(FECD)から生じる。
一部の実施形態では、眼線維症は緑内障から生じる。
一部の実施形態では、眼線維症は線維柱帯ブレブを含む。
一部の実施形態では、miR−29模倣化合物は角膜に局所的に投与される。
一部の実施形態では、miR−29模倣化合物は、液滴製剤で、角膜に局所的に投与される。
一部の実施形態では、miR−29模倣化合物は、1日1回、1日2回、1日3回または1日4回、角膜に局所的に投与される。
一部の実施形態では、miR−29模倣化合物は、最大で1週間、最大で2週間、最大で3週間、最大で4週間、または最大で28日間、定期的に、局所的に投与される。
一部の実施形態では、miR−29模倣化合物は、液滴製剤で投与される。
一部の実施形態では、miR−29模倣化合物は、週に1回、硝子体内注射を介して投与される。
一部の実施形態では、miR−29模倣化合物は、1か月間、定期的に、硝子体内注射を介して投与される。
一部の実施形態では、miR−29模倣化合物は表2中に提示される。
一部の実施形態では、COL1A1、COL1A2、COL3A1、COL4A3、COL5A2、COL11A1、FN1、MMP2、CTGF、TGFB2および/またはTGFB3の発現が低下する。
一部の実施形態では、第1の鎖は、配列番号2、18〜21または31〜34から選択される配列を含み、第2の鎖は、配列番号1、8〜10、13〜17または28〜30から選択される配列を含む。
一部の実施形態では、miR−29模倣化合物は、成熟miR−29b配列を含む約23〜約26リボヌクレオチドの第1の鎖であって、配列番号2、18〜21および31〜34から選択される配列を含む第1の鎖;ならびに第1の鎖に実質的に相補的な配列を含み、少なくとも1つの修飾されたヌクレオチドを有する約22〜約25リボヌクレオチドの第2の鎖を含み、第1の鎖が、第2の鎖に対して3’ヌクレオチドオーバーハングを有する。
一部の実施形態では、miR−29模倣化合物は、成熟miR−29b配列を含む約23〜約26リボヌクレオチドの第1の鎖;および第1の鎖に実質的に相補的な配列を含み、少なくとも1つの修飾されたヌクレオチドを有する約22〜約25リボヌクレオチドの第2の鎖を含み、第1の鎖が、第2の鎖に対して3’ヌクレオチドオーバーハングを有し、第2の鎖が、配列番号1、8〜10、13〜17および28〜30から選択される配列を含む。
一部の実施形態では、第1の鎖は、配列番号19の配列を含み、第2の鎖は、配列番号1の配列を含む。
一部の実施形態では、第1の鎖は、配列番号19の配列を含み、第2の鎖は、配列番号15の配列を含む。
一部の実施形態では、第1の鎖は成熟miR−29a配列を含む。
一部の実施形態では、miR−29模倣化合物は表1中に提示される。
一部の実施形態では、第1の鎖は、配列番号6、7または27の配列を含み、第2の鎖は、配列番号3〜5または11から選択される配列を含む。
一部の実施形態では、第1の鎖は成熟miR−29c配列を含む。
一部の実施形態では、miR−29模倣化合物は表3中に提示される。
一部の実施形態では、第1の鎖は、配列番号25、26または35の配列を含み、第2の鎖は、配列番号22〜24または12から選択される配列を含む。
一部の実施形態では、治療有効量のmiR−29模倣化合物は医薬組成物に含まれる。
一部の実施形態では、被験体はヒトである。
一部の実施形態では、被験体は糖尿病を患っている。
一部の実施形態では、被験体は糖尿病性網膜症を患っている。
一部の実施形態では、被験体は加齢性黄斑変性症(AMD)を患っている。
一部の実施形態では、被験体は滲出型加齢性黄斑変性症(滲出型AMD)を患っている。
一部の実施形態では、被験体は抗VEGF治療を受けている。
本明細書において、眼の線維化状態、例えば、網膜線維症、角膜線維症、結膜線維症または線維柱帯の線維症の処置のための、二本鎖RNAのmiR−29模倣化合物(模倣物)を提供する。
マイクロRNA模倣化合物
本開示によるマイクロRNA模倣化合物は、第1の鎖および第2の鎖を含み、第1の鎖は、成熟miR−29a配列、成熟miR−29b配列または成熟miR−29c配列を含み、第2の鎖は、第1の鎖と実質的に相補的な配列を含み、少なくとも1つの修飾されたヌクレオチドを有する。本開示全体を通して、「マイクロRNA模倣化合物」という用語は、「promiR−29」、「miR−29アゴニスト」、「マイクロRNAアゴニスト」、「マイクロRNA模倣物」、「miRNA模倣物」または「miR−29模倣物」という用語と互換的に使用され得、「第1の鎖」という用語は、「アンチセンス鎖」または「ガイド鎖」という用語と互換的に使用され得、「第2の鎖」という用語は、「センス鎖」または「パッセンジャー鎖」という用語と互換的に使用され得る。
本開示によるマイクロRNA模倣化合物は、第1の鎖および第2の鎖を含み、第1の鎖は、成熟miR−29a配列、成熟miR−29b配列または成熟miR−29c配列を含み、第2の鎖は、第1の鎖と実質的に相補的な配列を含み、少なくとも1つの修飾されたヌクレオチドを有する。本開示全体を通して、「マイクロRNA模倣化合物」という用語は、「promiR−29」、「miR−29アゴニスト」、「マイクロRNAアゴニスト」、「マイクロRNA模倣物」、「miRNA模倣物」または「miR−29模倣物」という用語と互換的に使用され得、「第1の鎖」という用語は、「アンチセンス鎖」または「ガイド鎖」という用語と互換的に使用され得、「第2の鎖」という用語は、「センス鎖」または「パッセンジャー鎖」という用語と互換的に使用され得る。
一部の実施形態では、マイクロRNA模倣化合物の第1の鎖は、成熟miR−29a、成熟miR−29bまたは成熟miR−29cの配列を含む約23〜約26ヌクレオチドを含み、第2の鎖は、第1の鎖と、部分的、実質的または完全に相補的な配列を含む約22〜約23ヌクレオチドを含む。各種の実施形態では、第1の鎖は、約23、24、25または26ヌクレオチドを含んでいてもよく、第2の鎖は、約22または23ヌクレオチドを含んでいてもよい。
マイクロRNA模倣化合物の第1の鎖および第2の鎖を形成するヌクレオチドは、リボヌクレオチド、デオキシリボヌクレオチド、修飾されたヌクレオチド、およびこれらの組合せを含んでいてもよい。ある特定の実施形態では、マイクロRNA模倣化合物の第1の鎖および第2の鎖は、リボヌクレオチドおよび/または修飾されたリボヌクレオチドを含む。「修飾されたヌクレオチド」という用語は、修飾されていないヌクレオチドと比較して、核酸塩基および/または糖部分が修飾されているヌクレオチドを意味する。
ある特定の実施形態では、マイクロRNA模倣化合物は、その配列が成熟miR−29a配列、成熟miR−29b配列もしくは成熟miR−29c配列のすべてまたは部分と同一である、第1の鎖またはアンチセンス鎖、およびその配列が第1の鎖の配列と約70%〜約100%相補的である第2の鎖またはセンス鎖を有する。一部の実施形態では、miRNA模倣化合物の第1の鎖は、成熟した天然に存在するmiR−29a配列、miR−29b配列またはmiR−29c配列の配列全体と、間のすべての整数を含めて、少なくとも約75%、80%、85%、90%、95%または100%同一である。ある特定の実施形態では、第1の鎖は、マウス、ヒトもしくはラットの、miR−29a配列、miR−29b配列またはmiR−29c配列などの、成熟した天然に存在するmiRNAの配列と、約90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%もしくは100%同一であるか、または少なくとも約90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%同一である。あるいは、第1の鎖は、配列アラインメントアルゴリズムおよび当技術分野で周知の方法によって比較して、成熟した天然に存在するmiRNAと共通する、20、21、22または23のヌクレオチド位置を含み得る。
第1の鎖が、天然に存在するヌクレオチドの代わりに修飾されたヌクレオチドを含む場合であっても、第1の鎖の配列は、成熟miR−29a、成熟miR−29bまたは成熟miR−29cの配列と同一であると考えられることが理解される。例えば、成熟した天然に存在するmiRNA配列が、特定の位置にシチジンヌクレオチドを含む場合、模倣化合物の第1の鎖は、対応する位置に2’−フルオロ−シチジンなどの修飾されたシチジンヌクレオチドを含んでいてもよく、または、成熟した天然に存在するmiRNA配列が特定の位置にウリジンヌクレオチドを含む場合、模倣化合物の第1の鎖のmiRNA領域は、対応する位置に2’−フルオロ−ウリジン、2’−O−メチル−ウリジン、5−フルオロウラシルまたは4−チオウラシルなどの修飾されたウリジンヌクレオチドを含んでいてもよい。したがって、修飾されたヌクレオチドが、成熟した天然に存在するmiRNA配列に存在するヌクレオチドと同じ塩基対合能を有する限り、第1の鎖の配列は、成熟した天然に存在するmiRNA配列と同一であると考えられる。一部の実施形態では、第1の鎖は、5’末端残基の修飾を含んでいてもよい。例えば、第1の鎖は、5’末端モノホスフェートを有していてもよい。一部の他の実施形態では、第1の鎖は、5’末端モノホスフェートを含有しない。
一部の実施形態では、マイクロRNA模倣物の第2の鎖は、第1の鎖の配列と部分的に相補的である。例えば、第2の鎖の配列は、第1の鎖の配列と、間のすべての値を含めて、少なくとも約70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%または99%相補的である。一部の他の実施形態では、第2の鎖は、第1の鎖の配列と実質的に相補的である。例えば、第2の鎖は、第1の鎖の配列と、間のすべての値を含めて、少なくとも約85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%または99%相補的である。さらに一部の他の実施形態では、第2の鎖の配列は、第1の鎖と完全に相補的であってもよい。ある特定の実施形態では、第2の鎖の相補的な領域の約19、20、21、22または23ヌクレオチドが、第1の鎖と相補的であってもよい。
第2の鎖が、天然に存在するヌクレオチドの代わりに修飾されたヌクレオチドを含む場合であっても、第2の鎖の配列は、第1の鎖と相補的であると考えられることが理解される。例えば、第1の鎖の配列が特定の位置にグアノシンヌクレオチドを含む場合、第2の鎖は、対応する位置に2’−O−メチル−シチジンなどの修飾されたシチジンヌクレオチドを含んでいてもよい。
一部の実施形態では、第2の鎖は、第1の鎖に対して、約1つ、2つ、3つ、4つ、5つまたは6つのミスマッチを含む。すなわち、第1の鎖および第2の鎖の間で最大で1つ、2つ、3つ、4つ、5つまたは6つまでのヌクレオチドは、相補的でなくてもよい。一部の実施形態では、ミスマッチは連続しておらず、第2の鎖全体を通して分布している。別の実施形態では、ミスマッチは連続しており、バルジが作りだされていてもよい。一部の実施形態では、第2の鎖は、第1の鎖に対して、3つのミスマッチを含有する。ある特定の実施形態では、miR−29a模倣物またはmiR−29c模倣物の第2の鎖は、第1の鎖に対して、(第2の鎖の)3’末端から4位、13位および/または16位にミスマッチを含有する。一部の実施形態では、miR−29b模倣物の第2の鎖は、第1の鎖に対して、(第2の鎖の)3’末端から4位、13位および/または16位にミスマッチを含有する。別の実施形態では、miR−29b模倣物の第2の鎖は、第1の鎖に対して、(第2の鎖の)3’末端から4位、9位、10位、11位、13位および/または16位にミスマッチを含有する。
一部の実施形態では、模倣化合物の第1の鎖および/または第2の鎖は、鎖の5’末端または3’末端にオーバーハングを含んでいてもよい。ある特定の実施形態では、第1の鎖は、3’オーバーハング、すなわち、第2の鎖に対して2重鎖領域を越えて伸長した一本鎖領域を含む。第1の鎖の3’オーバーハングは、約1ヌクレオチド〜約4ヌクレオチドの範囲であってもよい。ある特定の実施形態では、第1の鎖の3’オーバーハングは、1つまたは2つのヌクレオチドを含んでいてもよい。一部の実施形態では、第1の鎖に3’オーバーハングを含むヌクレオチドは、ホスホロチオエート結合によって結合される。第1の鎖に3’オーバーハングを含むヌクレオチドは、リボヌクレオチド、デオキシリボヌクレオチド、修飾されたヌクレオチドまたはこれらの組合せを含んでいてもよい。ある特定の実施形態では、第1の鎖中の3’オーバーハングは、2つのリボヌクレオチドを含む。一部の実施形態では、第1の鎖の3’オーバーハングは、ホスホロチオエート結合を通して結合した2つのウリジンヌクレオチドを含む。一部の実施形態では、第1の鎖はオーバーハングを含有していなくてもよい。
一部の実施形態では、本開示のmiR−29模倣物の第2の鎖/センス鎖中のヌクレオチドは、ホスホジエステル結合によって結合され、第1の鎖/アンチセンス鎖中のヌクレオチドは、ホスホロチオエート結合を介して互いに結合する3’末端における最後の3ヌクレオチドを除いて、ホスホジエステル結合によって結合される。
各種の実施形態では、本開示のmiR−29模倣物は、修飾されたヌクレオチドを含む。例えば、一部の実施形態では、模倣物の第1の鎖は、1つまたは複数の2’−フルオロヌクレオチドを含む。別の実施形態では、第1の鎖は、いかなる修飾されたヌクレオチドも含んでいなくてもよい。一部の実施形態では、第2の鎖は、1つまたは複数の2’−O−メチルで修飾されたヌクレオチドを含む。
各種の実施形態では、本開示によるmiR−29模倣物は、下記の表に列挙される第1の鎖および第2の鎖を含む。修飾の説明を表4に提示する。これらのmiR−29模倣物は、国際公開第2016/040373号に前に記載されており、したがって、この出願は、2016年3月17日に公開されたMontgomeryらによる国際公開第2016/040373号を、その全体を本明細書に参照により組み込む。
ある特定の実施形態では、miR−29a模倣物は、配列番号27を含む第1の鎖、および配列番号5を含む第2の鎖を含む。他の実施形態では、miR−29a模倣物は、配列番号7を含む第1の鎖、および配列番号5を含む第2の鎖を含む。
一部の実施形態では、miR−29b模倣物は、配列番号19を含む第1の鎖、および配列番号1を含む第2の鎖を含む。一部の他の実施形態では、miR−29b模倣物は、配列番号2を含む第1の鎖、および配列番号1を含む第2の鎖を含む。さらに一部の他の実施形態では、miR−29b模倣物は、配列番号19を含む第1の鎖、および配列番号15を含む第2の鎖を含む。さらに一部の他の実施形態では、miR−29b模倣物は、配列番号33を含む第1の鎖、および配列番号1を含む第2の鎖を含む。さらに一部の他の実施形態では、miR−29b模倣物は、配列番号34を含む第1の鎖、および配列番号1を含む第2の鎖を含む。さらに一部の他の実施形態では、miR−29b模倣物は、配列番号19を含む第1の鎖、および配列番号30を含む第2の鎖を含む。
ある特定の実施形態では、miR−29c模倣物は、配列番号35を含む第1の鎖、および配列番号24を含む第2の鎖を含む。他の実施形態では、miR−29c模倣物は、配列番号26を含む第1の鎖、および配列番号24を含む第2の鎖を含む。
ある特定の実施形態では、miR−29模倣化合物は、
(a)成熟miR−29a配列、成熟miR−29b配列または成熟miR−29c配列を含む23〜26リボヌクレオチドの第1の鎖;および
(b)第1の鎖に実質的に相補的な配列を含み、少なくとも1つの修飾されたヌクレオチドを有する22〜23リボヌクレオチドの第2の鎖を含み、第1の鎖が、第2の鎖に対して3’ヌクレオチドオーバーハングを有する。
(a)成熟miR−29a配列、成熟miR−29b配列または成熟miR−29c配列を含む23〜26リボヌクレオチドの第1の鎖;および
(b)第1の鎖に実質的に相補的な配列を含み、少なくとも1つの修飾されたヌクレオチドを有する22〜23リボヌクレオチドの第2の鎖を含み、第1の鎖が、第2の鎖に対して3’ヌクレオチドオーバーハングを有する。
ある特定の実施形態では、miR−29模倣化合物は、
(c)成熟miR−29b配列を含む約23〜約26リボヌクレオチドの第1の鎖であって、配列番号2、18〜21および31〜34から選択される配列を含み第1の鎖;ならびに
(d)第1の鎖に実質的に相補的な配列を含み、少なくとも1つの修飾されたヌクレオチドを有する約22〜約25リボヌクレオチドの第2の鎖を含み、第1の鎖が、第2の鎖に対して3’ヌクレオチドオーバーハングを有する。
(c)成熟miR−29b配列を含む約23〜約26リボヌクレオチドの第1の鎖であって、配列番号2、18〜21および31〜34から選択される配列を含み第1の鎖;ならびに
(d)第1の鎖に実質的に相補的な配列を含み、少なくとも1つの修飾されたヌクレオチドを有する約22〜約25リボヌクレオチドの第2の鎖を含み、第1の鎖が、第2の鎖に対して3’ヌクレオチドオーバーハングを有する。
ある特定の実施形態では、miR−29模倣化合物は、
(a)成熟miR−29b配列を含む約23〜約26リボヌクレオチドの第1の鎖;および
(b)第1の鎖に実質的に相補的な配列を含み、少なくとも1つの修飾されたヌクレオチドを有する約22〜約25リボヌクレオチドの第2の鎖を含み、第1の鎖が、第2の鎖に対して3’ヌクレオチドオーバーハングを有し、第2の鎖が、配列番号1、8〜10、13〜17および28〜30から選択される配列を含む。
(a)成熟miR−29b配列を含む約23〜約26リボヌクレオチドの第1の鎖;および
(b)第1の鎖に実質的に相補的な配列を含み、少なくとも1つの修飾されたヌクレオチドを有する約22〜約25リボヌクレオチドの第2の鎖を含み、第1の鎖が、第2の鎖に対して3’ヌクレオチドオーバーハングを有し、第2の鎖が、配列番号1、8〜10、13〜17および28〜30から選択される配列を含む。
本開示のマイクロRNA模倣化合物において使用され得る修飾されたヌクレオチドは、塩基修飾または置換を有するヌクレオチドを含むことができる。RNA中の天然の塩基または修飾されていない塩基は、プリン塩基のアデニン(A)およびグアニン(G)、ならびにピリミジン塩基のシトシン(C)およびウラシル(U)である(DNAはチミン(T)を有する)。対照的に、修飾された塩基は、複素環塩基部分とも称され、5−メチルシトシン(5−me−C)、5−ヒドロキシメチルシトシン、キサンチン、ヒポキサンチン、2−アミノアデニン、アデニンおよびグアニンの6−メチルおよび他のアルキル誘導体、アデニンおよびグアニンの2−プロピルおよび他のアルキル誘導体、2−チオウラシル、2−チオチミンおよび2−チオシトシン、5−ハロウラシルおよびシトシン、5−プロピニルウラシルおよびシトシンおよびピリミジン塩基の他のアルキニル誘導体、6−アゾウラシル、シトシンおよびチミン、5−ウラシル(シュードウラシル)、4−チオウラシル、8−ハロ、8−アミノ、8−チオール、8−チオアルキル、8−ヒドロキシルおよび他の8−置換アデニンおよびグアニン、5−ハロ(5−ブロモ、5−トリフルオロメチルおよび他の5−置換ウラシルおよびシトシンを含む)、7−メチルグアニンおよび7−メチルアデニン、2−F−アデニン、2−アミノ−アデニン、8−アザグアニンおよび8−アザアデニン、7−デアザグアニンおよび7−デアザアデニンならびに3−デアザグアニンおよび3−デアザアデニンなどの、他の合成核酸塩基および天然核酸塩基が挙げられる。
一部の実施形態では、マイクロRNA模倣化合物は、修飾された糖部分を有するヌクレオチドを有し得る。代表的な修飾された糖としては、炭素環式または非環式の糖、それらの2’位、3’位もしくは4’位の1つまたは複数に置換基を有する糖、および糖の1つまたは複数の水素原子の代わりに置換基を有する糖が挙げられる。ある特定の実施形態では、糖は、2’位に置換基を有することによって修飾される。追加の実施形態では、糖は、3’位に置換基を有することによって修飾される。他の実施形態では、糖は、4’位に置換基を有することによって修飾される。糖が、これらの位置の2つ以上に修飾を有していてもよいこと、または、RNA分子が、1つの位置に糖修飾を有する1つもしくは複数のヌクレオチドを有していてもよく、異なる位置に糖修飾を有する1つもしくは複数のヌクレオチドも有していてもよいことも意図される。
miRNA模倣化合物において意図される糖修飾としては、限定されるものではないが、OH;F;O−、S−もしくはN−アルキル;O−、S−もしくはN−アルケニル;O−、S−もしくはN−アルキニル;またはO−アルキル−O−アルキルから選択される置換基が挙げられ、アルキル、アルケニルおよびアルキニルは、置換もしくは無置換の、C1〜C10アルキルまたはC2〜C10アルケニルおよびC2〜C10アルキニルであってもよい。
一部の実施形態では、miRNA模倣化合物は、以下から選択される糖置換基を有する:C1〜C10低級アルキル、置換低級アルキル、アルケニル、アルキニル、アルカリール、アラルキル、O−アルカリールまたはO−アラルキル、SH、SCH3、Cl、Br、CN、OCN、CF3、OCF3、SOCH3、SO2CH3、ONO2、NO2、N3、NH2、ヘテロシクロアルキル、ヘテロシクロアルカリール、アミノアルキルアミノ、または同様の置換基。一部の実施形態では、修飾は、2’−メトキシエトキシ(2’−O−CH2CH2OCH3、これは、2’−O−(2−メトキシエチル)または2’−MOEとしても公知である)、すなわち、アルコキシアルコキシ基を含む。別の修飾は、2’−ジメチルアミノオキシエトキシ、すなわち、2’−DMAOEおよび2’−ジメチルアミノエトキシエトキシとしても公知のO(CH2)2ON(CH3)2基(当技術分野において2’−O−ジメチル−アミノ−エトキシ−エチルまたは2’−DMAEOEとしても公知)、すなわち、2’−O−CH2−O−CH2−N(CH3)2を含む。
2’位(2’−)における糖置換基は、アラビノ(上)位、またはリボ(下)位にあってもよい。1つの2’−アラビノ修飾は、2’−Fである。他の同様の修飾はまた、糖部分における他の位置、特に3’末端ヌクレオシドまたは2’−5’結合オリゴヌクレオチドにおける糖の3’位、および5’末端ヌクレオチドの5’位に行われてもよい。
ある特定の実施形態では、糖修飾は、2’−O−アルキル(例えば、2’−O−メチル、2’−O−メトキシエチル)、2’−ハロ(例えば、2’−フルオロ、2’−クロロ、2’−ブロモ)、および4’チオ修飾である。例えば、一部の実施形態では、miR−29a模倣化合物、miR−29b模倣化合物、またはmiR−29c模倣化合物の第1の鎖は、1つまたは複数の2’フルオロヌクレオチドを含む。別の実施形態では、模倣化合物の第1の鎖は、修飾されたヌクレオチドを有さない。さらに別の実施形態では、miR−29a模倣化合物、miR−29b模倣化合物、またはmiR−29c模倣化合物の第2の鎖は、1つまたは複数の2’−O−メチル修飾されたヌクレオチドを含む。
本開示のマイクロRNA模倣化合物の第1の鎖および第2の鎖はまた、1つもしくは複数のホスホロチオエート結合、モルホリノ結合、またはホスホノカルボキシレート結合などの主鎖の修飾を含むことができる(例えば、それらの全体が参照により本明細書に組み込まれる、米国特許第6,693,187号および米国特許第7,067,641号を参照されたい)。例えば、一部の実施形態では、第1の鎖に3’オーバーハングを含むヌクレオチドは、ホスホロチオエート結合によって結合される。
一部の実施形態では、マイクロRNA模倣化合物は、in vivoにおける送達および安定性を容易にするために、ステロイド(コレステロール)、ビタミン、脂肪酸、炭水化物もしくは配糖体、ペプチド、または他の低分子リガンドなどの担体分子とコンジュゲートする。好ましくは、担体分子は、マイクロRNA模倣化合物の第2の鎖と、その3’末端または5’末端で、リンカーまたはスペーサー基を通して付着する。各種の実施形態では、担体分子は、コレステロール、コレステロール誘導体、コール酸またはコール酸誘導体である。その全体が参照により本明細書に組み込まれる米国特許第7,202,227号に開示されている担体分子の使用も想定される。ある特定の実施形態では、担体分子は、コレステロールであり、これは、第2の鎖の3’末端または5’末端に、少なくとも6炭素リンカーを通して付着する。一部の実施形態では、担体分子は、第2の鎖の3’末端に、6または9炭素リンカーを通して付着する。一部の実施形態では、リンカーは、切断可能なリンカーである。各種の実施形態では、リンカーは、実質的に直鎖状の炭化水素部分を含む。炭化水素部分は、約3〜約15個の炭素原子を含んでいてもよく、エーテル結合またはチオエーテル結合などの、比較的非極性の基を通してコレステロールとコンジュゲートしていてもよい。ある特定の実施形態では、炭化水素リンカー/スペーサーは、必要に応じて置換されたC2〜C15の飽和または不飽和炭化水素鎖(例えば、アルキレンまたはアルケニレン)を含む。その全体が参照により本明細書に組み込まれる米国付与前公開第2012/0128761号に記載されている種々のリンカー/スペーサー基を、本開示において使用することができる。
使用の方法
各種の実施形態では、本開示は、それを必要とする被験体における眼の線維化状態を、処置する、回復させる、または予防する方法であって、治療有効量の、本明細書に記載のmiR−29a模倣物、miR−29b模倣物および/またはmiR−29c模倣物の少なくとも1つを被験体に投与することを含む、方法を提供する。ある特定の眼以外の線維化状態の処置におけるmiR−29アゴニストの使用は、その全体がこれにより参照により本明細書に組み込まれる米国特許第8,440,636号に記載されている。
各種の実施形態では、本開示は、それを必要とする被験体における眼の線維化状態を、処置する、回復させる、または予防する方法であって、治療有効量の、本明細書に記載のmiR−29a模倣物、miR−29b模倣物および/またはmiR−29c模倣物の少なくとも1つを被験体に投与することを含む、方法を提供する。ある特定の眼以外の線維化状態の処置におけるmiR−29アゴニストの使用は、その全体がこれにより参照により本明細書に組み込まれる米国特許第8,440,636号に記載されている。
本開示のmiR−29模倣物を使用して処置され得る眼の線維化状態としては、限定されるものではないが、網膜線維症、角膜線維症、結膜線維症または線維柱帯の線維症が挙げられる。一部の実施形態では、眼線維症は増殖性硝子体網膜症を含む。一部の実施形態では、眼線維症は、糖尿病性網膜症に関連する網膜線維症を含む。一部の実施形態では、眼線維症は、抗VEGF処置に関連する網膜線維症を含む。一部の実施形態では、眼線維症は、例えば、レーザー屈折矯正角膜切除術(PRK)または外傷後の、角膜の濁りまたは角膜瘢痕を含む。一部の実施形態では、眼線維症はPRKから生じる。一部の実施形態では、眼線維症は外傷から生じる。一部の実施形態では、眼線維症は感染症から生じる。一部の実施形態では、眼線維症は、細菌感染症、ウイルス感染症、真菌感染症またはアメーバ感染症から生じる。一部の実施形態では、眼線維症は角膜移植から生じる。一部の実施形態では、眼線維症は角膜熱傷を含む。一部の実施形態では、角膜熱傷は熱による角膜熱傷を含む。一部の実施形態では、角膜熱傷は角膜化学熱傷を含む。一部の実施形態では、眼線維症は翼状片を含む。一部の実施形態では、眼線維症は緑内障を含む。一部の実施形態では、眼線維症は、ブレブの不全をもたらし得(外科的に生じさせた線維柱帯ブレブの部位で線維症を妨げて、それが封じられ閉じられるのを防げる)、緑内障の再発につながる、外科的に生じさせたブレブ(本明細書において、線維柱帯ブレブと称する)の線維症である。一部の実施形態では、眼線維症はフックス角膜内皮ジストロフィー(FECD)を含む。一部の実施形態では、眼線維症は前部増殖性硝子体網膜症(前部PVR)を含む。
一部の実施形態では、本開示は、被験体における眼疾患または障害を処置する方法であって、治療有効量のmiR−29模倣化合物を被験体に投与することを含み、miR−29模倣化合物が、成熟miR−29a配列、成熟miR−29b配列または成熟miR−29c配列を含む23〜26リボヌクレオチドの第1の鎖;および第1の鎖に実質的に相補的な配列を含み、少なくとも1つの修飾されたヌクレオチドを有する22〜23リボヌクレオチドの第2の鎖を含み、第1の鎖が、第2の鎖に対して3’ヌクレオチドオーバーハングを有し、眼疾患または障害が、糖尿病性網膜症、細菌感染症、ウイルス感染症、真菌感染症、アメーバ感染症、眼外傷、角膜化学熱傷、熱による角膜熱傷、翼状片、緑内障、外科手術による外傷、フックス角膜内皮ジストロフィー(FECD)および前部増殖性硝子体網膜症(前部PVR)からなる群より選択される、方法を提供する。一部の実施形態では、眼疾患または障害は、網膜線維症、角膜線維症、結膜線維症または線維柱帯の線維症からなる群より選択される眼線維症を含む。
一部の実施形態では、本開示のmiR−29模倣物の投与は、被験体の細胞中で、1つもしくは複数の細胞外マトリクス遺伝子の発現または活性を低下させる。別の実施形態では、本開示のmiR−29模倣物の投与は、被験体の細胞中で、1つもしくは複数のコラーゲン合成遺伝子の発現または活性を低下させる。さらに別の実施形態では、miR−29模倣物の投与は、皮膚の発生、角膜の発生、表皮の発生、外胚葉の発生、筋線維芽細胞の活性化および細胞のホメオスタシスに関与する、1つもしくは複数の遺伝子の発現または活性を上方制御する。各種の遺伝子の発現または活性が本開示のmiR−29模倣物によって制御される被験体の細胞としては、線維芽細胞、角膜実質細胞、表皮細胞、上皮細胞および内皮細胞が挙げられる。一部の実施形態では、miR−29模倣物の投与は、COL1A1、COL1A2、COL3A1、COL4A3、COL5A2、COL11A1、FN1、MMP2、CTGF、TGFB2および/またはTGFB3の発現を低下させる。一部の実施形態では、miR−29模倣物の投与は、線維症に関連する炎症反応を下方制御する。一部の実施形態では、miR−29模倣物の投与は、線維症の患者におけるIL−12、IL−4、GCSFおよびTNF−αなどの炎症促進性サイトカインのレベルを低下させる。一部の実施形態では、miR−29模倣物の投与は、線維症の組織または器官における好中球、リンパ球、単球およびマクロファージなどの免疫エフェクター細胞の浸潤を低下させる。一部の実施形態では、miR−29模倣物の投与は、上皮間葉転換を低下または阻害する。一部の実施形態では、miR−29模倣物の投与は、筋線維芽細胞の分化を低下または阻害する。
ある特定の実施形態では、本開示は、眼細胞中で細胞外マトリクス遺伝子を制御する方法であって、細胞を本開示のmiR−29模倣物と接触させることを含む、方法を提供する。一部の実施形態では、本開示は、眼細胞中でコラーゲン合成遺伝子を制御する方法であって、眼細胞を本開示のmiR−29模倣物と接触させることを含む、方法を提供する。処置または接触の際に、miR−29模倣物は、細胞外マトリクス遺伝子もしくはコラーゲン合成遺伝子の発現または活性を低下させる。
本明細書で使用される場合、「被験体」または「患者」という用語は、限定されないが、ヒトおよび他の霊長類(例えば、チンパンジー、ならびに他の類人猿およびサル種)、家畜(例えば、ウシ、ヒツジ、ブタ、ヤギおよびウマ)、飼い馴らされた哺乳動物(例えば、イヌおよびネコ)、実験動物(例えば、ウサギ、マウス、ラットおよびモルモットなどのげっ歯類)、ならびに鳥類(例えば、ニワトリ、シチメンチョウおよび他の家禽類、アヒル、ガチョウなどの飼い馴らされた鳥類、野生鳥類および狩猟鳥類)を含む、任意の脊椎動物を指す。一部の実施形態では、被験体は哺乳動物である。他の実施形態では、被験体はヒトである。
一部の実施形態では、被験体は糖尿病を患っている。一部の実施形態では、被験体は糖尿病性網膜症を患っている。一部の実施形態では、被験体は加齢性黄斑変性症(AMD)を患っている。一部の実施形態では、被験体は滲出型加齢性黄斑変性症(滲出型AMD)を患っている。一部の実施形態では、被験体は、網膜線維症を起こす抗VEGF治療による糖尿病性網膜症について処置されている。一部の実施形態では、本開示は、それを必要とする被験体における糖尿病性網膜症のために使用される処置に関連する糖尿病性網膜症および/または網膜線維症を処置する方法であって、本開示のmiR−29模倣物を被験体に投与することを含む、方法を提供する。一部の実施形態では、本開示は、それを必要とする被験体における糖尿病性網膜症を処置する方法であって、抗VEGF治療も被験体に投与しながら、同時、逐次的または断続的に、本開示のmiR−29模倣物を被験体に投与することを含む、方法を提供する。一部の実施形態では、miR−29模倣物および抗VEGF治療は、硝子体内注射によって同時投与される。抗VEGF処置による糖尿病性網膜症の処置は、抗VEGF処置の反復注射が必要であってもよい。本発明のmiR−29模倣物と抗VEGF治療の同時投与は、抗VEGF処置の単回もしくは反復注射に起因する、眼への損傷(限定されないが、眼線維症を含む)を、阻害、緩和または予防し得る。一部の実施形態では、本開示のmiR−29模倣物は、他の眼治療薬と同時投与される。本発明のmiR−29模倣物と他の眼治療薬の同時投与は、眼治療の単回もしくは反復注射に起因する、眼への損傷(限定されないが、眼線維症を含む)を、阻害、緩和または予防し得る。本開示の例示的な抗VEGF処置としては、限定されないが、抗VEGF抗血清、可溶性VEGF受容体、抗VEGFアプタマー、VEGFR1中和抗血清、抗VEGFポリクローナル抗体、抗VEGFモノクローナル抗体、および抗VEGF二重特異性抗体または多重特異性抗体が挙げられる。さらなる例示的な抗VEGF処置としては、限定されないが、ベバシズマブ(Avastin)(フルオロウラシルおよびロイコボリンと組み合わせてもよい);ラニビズマブ(Lucentis)、アフリベルセプト、ziv−アフリベルセプトまたはブロルシズマブが挙げられる。
一部の実施形態では、本開示は、抗体、低分子薬物、生物学的薬物、アプタマーまたはウイルス(例えば、ウイルスベクター)による眼への処置に対して続発性の眼線維症を、処置、予防、減少または軽減する方法を提供する。一部の実施形態では、本開示は、眼の手術を行う方法であって、眼の手術の前、間または後に、miR−29模倣物を投与することを含む、方法を提供する。一部の実施形態では、眼の手術は、レーザーによる眼の手術(例えば、LASIK)を含む。一部の実施形態では、眼の手術は、近視、遠視および乱視の矯正のための屈折矯正手術を含む。一部の実施形態では、眼の手術は、レーザー屈折矯正角膜切除術(PRK)を含む。一部の実施形態では、眼の手術は、網膜剥離の修復を含む。本開示のmiR−29模倣物の投与は、限定されないが、高度異常、ドライアイ、ハロー、びまん性層状角膜炎、角膜瘢痕、前房内上皮増殖、脈絡膜血管新生、ぶどう膜炎および飛蚊症を含む、眼の手術の副作用を低下させる。一部の実施形態では、本開示は、眼の傷害を処置する方法であって、眼の傷害の1時間、2時間、5時間、10時間または24時間で、miR−29模倣物を投与することを含む、方法を提供する。一部の実施形態では、眼の傷害は、外傷性または偶発的な眼の傷害である。
本開示は、miR−29アゴニスト(例えば、薬物またはmiR−29模倣物)による眼線維症の処置の有効性を評価するための方法も提供する。例えば、一部の実施形態では、処置の有効性を評価するための方法は、miR−29模倣物による処置の前に被験体の眼細胞における1つまたは複数の遺伝子の発現のレベルを決定するステップであって、1または複数の遺伝子が、miR−29によって調節される遺伝子のセットから選択されるステップ、miR−29模倣物による処置の後に被験体の細胞/線維化組織における同じ1つまたは複数の遺伝子の発現レベルを決定するステップ、および処置の前後の発現レベルに基づいて、処置が効果があるか、効果が少ないか、または効果がないかを決定するステップとを含む。別の実施形態では、処置の前後の遺伝子の発現における、少なくとも1倍、1.5倍、2倍、2.5倍、3倍、3.5倍または4倍の差は、処置が有効であることを示す。
医薬組成物
本開示は、本開示によるmiR−29a、miR−29bおよび/もしくはmiR−29cの治療有効量の1つまたは複数のマイクロRNA模倣化合物、あるいはその薬学的に許容される塩、および薬学的に許容される担体または賦形剤を含む医薬組成物も提供する。
本開示は、本開示によるmiR−29a、miR−29bおよび/もしくはmiR−29cの治療有効量の1つまたは複数のマイクロRNA模倣化合物、あるいはその薬学的に許容される塩、および薬学的に許容される担体または賦形剤を含む医薬組成物も提供する。
一部の実施形態では、医薬組成物は、治療有効量のmiR−29a模倣化合物および薬学的に許容される担体または賦形剤を含み、模倣化合物の第1の鎖は成熟miR−29a配列を含み、第2の鎖は第1の鎖と実質的に相補的である。別の実施形態では、医薬組成物は、治療有効量のmiR−29b模倣化合物および薬学的に許容される担体または賦形剤を含み、模倣化合物の第1の鎖は成熟miR−29b配列を含み、第2の鎖は第1の鎖と実質的に相補的である。さらに別の実施形態では、医薬組成物は、治療有効量のmiR−29c模倣化合物および薬学的に許容される担体または賦形剤を含み、模倣化合物の第1の鎖は成熟miR−29c配列を含み、第2の鎖は第1の鎖と実質的に相補的である。
一部の実施形態では、医薬組成物は、治療有効量の少なくとも2つの本開示のマイクロRNA模倣化合物、および薬学的に許容される担体または賦形剤を含む。例えば、医薬組成物は、miR−29a模倣物およびmiR−29b模倣物の組合せ;miR−29a模倣物およびmiR−29c模倣物の組合せ;またはmiR−29b模倣物およびmiR−29c模倣物の組合せを含んでいてもよい。あるいは、組成物は、同じマイクロRNAの2つの模倣物を含んでいてもよい。さらに一部の他の実施形態では、本開示は、治療有効量の3つの本開示のマイクロRNA模倣化合物、および薬学的に許容される担体または賦形剤を含む医薬組成物を提供する。例えば、医薬組成物は、miR−29a模倣物、miR−29b模倣物およびmiR−29c模倣物の組合せを含んでいてもよい。
医薬組成物が少なくとも2つの本開示によるマイクロRNA模倣化合物を含む一部の実施形態では、第1および第2の模倣化合物、または第1、第2および第3の模倣化合物は、等モル濃度で存在していてもよい。約1:2、1:3、1:4、1:5、1:2:1、1:3:1、1:4:1、1:2:3、1:2:4などの他の混合比も、miR−29a模倣化合物、miR−29b模倣化合物、およびmiR−29c模倣化合物の少なくとも2つを含む医薬組成物を調製するために想定される。
本開示の活性化合物および組成物は、古典的な医薬調製物を含んでいてもよい。本開示によるこれらの組成物の投与は、標的組織がその経路を介して利用可能である限り、任意の一般的な経路を介していてもよい。
本開示の別の実施形態では、本明細書に記載のmiR−29模倣物を含む組成物は、コンタクトレンズ、スポンジまたは他の材料などの医療デバイス用のコーティングとして製剤化されてもよい。
滅菌注射用溶液は、適量の活性化合物を、所望の任意の他の成分(例えば、上記で列挙する通り)と一緒に溶媒に組み入れ、続いて濾過滅菌することによって調製してもよい。一般に、分散物は、各種の滅菌された活性成分を、基本の分散媒、および例えば上記で列挙されている所望の他の成分を含有する、滅菌ビヒクルに組み入れることによって調製される。
本開示の組成物は、一般に、中性または塩の形態で製剤化することができる。薬学的に許容される塩としては、例えば、無機酸(例えば、塩酸またはリン酸)、または有機酸(例えば、酢酸、シュウ酸、酒石酸、マンデル酸など)に由来する酸付加塩(タンパク質の遊離アミノ基と形成される)が挙げられる。タンパク質の遊離カルボキシル基と形成される塩は、無機塩基(例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化アンモニウム、水酸化カルシウムまたは水酸化第二鉄)または有機塩基(例えば、イソプロピルアミン、トリメチルアミン、ヒスチジン、プロカインなど)に由来するものであり得る。
製剤化の際に、溶液は、好ましくは、投薬製剤と適合する様式で、治療的に有効であるような量で投与される。製剤は、注射用溶液、局所溶液、薬物放出デバイスまたは他のコーティングされた血管デバイスなどの各種の剤形で容易に投与することができる。詳細な実施形態では、miR−29模倣化合物は、イオン導入、結膜下注射、翼状片への注射、線維柱帯ブレブの部位での注射、腱下注射、硝子体内注射を介した、前房内または局所的投与のために製剤化される。
コロイド分散系、例えば、高分子複合体、ナノカプセル、マイクロスフェア、ビーズならびに水中油型エマルジョン、ミセル、混合ミセル、リポソームおよびエキソソームを含む脂質に基づく系を、miR−29a模倣化合物、miR−29b模倣化合物および/またはmiR−29c模倣化合物のための送達ビヒクルとして使用してもよい。一部の実施形態では、本開示のmiR−29模倣物は、リポソーム粒子に製剤化してもよい。
本開示の核酸を標的組織に送達するために適切である市販の脂肪エマルジョンとしては、Intralipid(登録商標)、Liposyn(登録商標)、Liposyn(登録商標)II、Liposyn(登録商標)III、Nutrilipidおよび他の同様の脂質エマルジョンが挙げられる。in vivoでの送達ビヒクルとしての使用のための好ましいコロイド系は、リポソーム(すなわち、人工の膜小胞)である。このような系の調製および使用は当技術分野において周知である。例示的な製剤は、米国特許第5,981,505号;米国特許第6,217,900号;米国特許第6,383,512号;米国特許第5,783,565号;米国特許第7,202,227号;米国特許第6,379,965号;米国特許第6,127,170号;米国特許第5,837,533号;米国特許第6,747,014号;および国際公開第03/093449号にも開示されており、これらはそれらの全体が参照により本明細書に組み込まれる。
ある特定の実施形態では、送達のために使用されるリポソームは、米国付与前公開第20110076322号に詳細に記載されている、SMARTICLES(登録商標)(Marina Biotech,Inc.)のような両性リポソームである。SMARTICLES(登録商標)上の表面電荷は完全に可逆的であり、これは、それらを核酸の送達のために特に適切なものにする。SMARTICLES(登録商標)は、注射を介して送達することができ、安定なままであり得、凝集体を含まず、かつ細胞膜を横切って核酸を送達することができる。
一部の実施形態では、本開示のマイクロRNA模倣化合物または医薬組成物は、眼送達のために製剤化され、粉末、水溶液または点眼剤の形態であり得る。固形製剤は、ラクトースまたはデキストランなどの賦形剤を含有していてもよい。液体製剤は、エアロゾル、滴剤または定量噴霧剤の形態における使用のための水性または油性溶液であってもよい。
一部の実施形態では、製剤は、リポソーム製剤、ナノ懸濁製剤またはマイクロ懸濁製剤である。
一部の実施形態では、医薬組成物は、治療有効量のmiR−29a模倣化合物および薬学的に許容される担体を含み、薬学的に許容される担体は、注射用蒸留水(WFI)、0.9%(w/v)の塩化ナトリウム、5mMのリン酸緩衝液、10mMのリン酸緩衝液、25mMのリン酸緩衝液、50mMのリン酸緩衝液、85mMのリン酸緩衝液および100mMのリン酸緩衝液から選択される。一部の実施形態では、医薬組成物は、治療有効量のmiR−29a模倣化合物および薬学的に許容される担体を含み、薬学的に許容される担体は、注射用蒸留水(WFI)、10mMのリン酸緩衝液および85mMのリン酸緩衝液から選択される。
一部の実施形態では、医薬組成物は、治療有効量のmiR−29b模倣化合物および薬学的に許容される担体を含み、薬学的に許容される担体は、注射用蒸留水(WFI)、0.9%(w/v)の塩化ナトリウム、5mMのリン酸緩衝液、10mMのリン酸緩衝液、25mMのリン酸緩衝液、50mMのリン酸緩衝液、85mMのリン酸緩衝液および100mMのリン酸緩衝液から選択される。一部の実施形態では、医薬組成物は、治療有効量のmiR−29b模倣化合物および薬学的に許容される担体を含み、薬学的に許容される担体は、注射用蒸留水(WFI)、10mMのリン酸緩衝液および85mMのリン酸緩衝液から選択される。
一部の実施形態では、医薬組成物は、治療有効量のmiR−29c模倣化合物および薬学的に許容される担体を含み、薬学的に許容される担体は、注射用蒸留水(WFI)、0.9%(w/v)の塩化ナトリウム、5mMのリン酸緩衝液、10mMのリン酸緩衝液、25mMのリン酸緩衝液、50mMのリン酸緩衝液、85mMのリン酸緩衝液および100mMのリン酸緩衝液から選択される。一部の実施形態では、医薬組成物は、治療有効量のmiR−29c模倣化合物および薬学的に許容される担体を含み、薬学的に許容される担体は、注射用蒸留水(WFI)、10mMのリン酸緩衝液および85mMのリン酸緩衝液から選択される。
一部の実施形態では、医薬組成物は、0.2mg/mL〜200mg/mLのmiR−29模倣物を含む。一部の実施形態では、医薬組成物は、0.2mg/mL〜10mg/mL、10mg/mL〜50mg/mL、50mg/mL〜90mg/mLまたは90mg/mL〜120mg/mLのmiR−29模倣物を含む。一部の実施形態では、医薬組成物は、0.2mg/mL〜1mg/mL、1mg/mL〜5mg/mL、5mg/mL〜10mg/mL、10mg/mL〜20mg/mL、20mg/mL〜30mg/mL、30mg/mL〜40mg/mL、40mg/mL〜50mg/mL、50mg/mL〜60mg/mL、60mg/mL〜70mg/mL、70mg/mL〜90mg/mLまたは90mg/mL〜120mg/mLのmiR−29模倣物を含む。一部の実施形態では、医薬組成物は、少なくとも約0.3mg/mL、少なくとも約0.5mg/mL、少なくとも約1mg/mL、少なくとも約2mg/mL、少なくとも約3mg/mL、少なくとも約4mg/mL、少なくとも約5mg/mL、少なくとも約7mg/mL、少なくとも約10mg/mL、少なくとも約20mg/mL、少なくとも約30mg/mL、少なくとも約40mg/mLまたは少なくとも約50mg/mLのmiR−29模倣物を含む。
一部の実施形態では、医薬組成物は、約100mg/mL、約70mg/mL、約35mg/mL、約7mg/mL、約3.5mg/mL、約0.7mg/mLまたは0.35mg/mLのmiR−29模倣物を含む。一部の実施形態では、医薬組成物は、約70mg/mLのmiR−29模倣物を含む。一部の実施形態では、医薬組成物は、約35mg/mLのmiR−29模倣物を含む。
一部の実施形態では、医薬組成物は4〜9のpHを有する。一部の実施形態では、医薬組成物は、約4、約4.5、約5、約5.5、約6、約6.5、約7、約7.5、約8、約8.5または約9のpHを有する。
一部の実施形態では、医薬組成物は、併用療法として製剤化される。一部の実施形態では、医薬組成物は、本開示のmiR−29模倣物、および限定されないが、ベバシズマブ(Avastin)、ラニビズマブ(Lucentis)、アフリベルセプト、ziv−アフリベルセプトまたはブロルシズマブの1つまたは複数を含む、1つまたは複数の抗VEGF処置を含む。一部の実施形態では、併用療法は眼科用製剤である。一部の実施形態では、併用療法は、硝子体内注射のために製剤化される。一部の実施形態では、併用療法は、フルオロウラシルおよびロイコボリンの1つまたは両方をさらに含む。一部の実施形態では、医薬組成物は、本開示のmiR−29模倣物、および1つまたは複数の抗VEGF低分子薬物、例えば、PF−00337210を含む。
一部の実施形態では、医薬組成物は、本開示のmiR−29模倣物、および1つまたは複数のがん治療薬を含む。例えば、本開示は、本開示のmiR−29模倣物および製剤化されたリツキシマブを含む医薬組成物を提供する。一部の実施形態では、本開示は、眼内リンパ腫の処置または予防における使用のための医薬組成物を提供する。
一部の実施形態では、医薬組成物は抗生物質を含む。抗生物質は、眼内炎または眼の他の感染性疾患の予防のための、抗VEGF処置および本開示のmiR−29模倣物との3剤の組合せとして提供されてもよい。一部の実施形態では、本開示は、本開示のmiR−29模倣物、および1つまたは複数の抗生物質、抗真菌剤、抗細菌剤もしくは抗ウイルス剤を含む医薬組成物を提供する。
一部の実施形態では、本開示の医薬組成物は、2、3、4、5、6、7、8、9、10またはそれよりも多くの本開示のmiR−29模倣物を含む。一部の実施形態では、医薬組成物は、1つまたは複数の本開示のmiR−29模倣物、および限定されないが、本明細書に開示されるもの以外のmiR−29模倣物を含む、1つもしくは複数の他のマイクロRNAまたはマイクロRNA模倣物を含む。
一部の実施形態では、本開示は、眼への治療剤の注射の前、間または後に、定期的に投与される、糖尿病性網膜症、AMDまたは滲出型AMDのための処置を受けている被験体における使用のための医薬組成物を提供する。本開示のmiR−29模倣物、または本開示のmiR−29模倣物を含む医薬組成物は、必要に応じて点眼薬として、必要に応じて使用のための指示が添付された、医療用または家庭用のキットで供給されてもよい。
当業者は、送達ビヒクルを安定にし、標的の眼細胞による取り込みを可能にするために、適切な塩および緩衝液を利用することを望む場合がある。本開示の水性組成物は、薬学的に許容される担体または水性媒体中に溶解または分散されたmiR−29模倣物(例えば、リポソームまたは他の複合体)を含む有効量の送達ビヒクルを含む。「薬学的に許容される」または「薬理学的に許容される」という語句は、動物またはヒトに投与された場合に、有害な反応、アレルギー性反応または他の都合が悪い反応を生じさせない、分子実体および組成物を指す。本明細書で使用される場合、「薬学的に許容される担体」としては、ヒトに投与するために適切な医薬品などの医薬品の製剤化における使用のために許容される、溶媒、緩衝液、溶液、分散媒、コーティング、抗細菌剤および抗真菌剤、等張化剤、ならびに吸収遅延剤などが挙げられる。薬学的に活性な物質のためのそのような媒体および薬剤の使用は、当技術分野において周知である。任意の従来の媒体または薬剤が、本開示の活性成分と不適合性である場合を除いて、治療用組成物中でのその使用が意図される。組成物のポリヌクレオチドを不活化しなければ、補足的な活性成分を組成物に組み入れることもできる。
投与および投薬
本明細書において提供される場合、1つまたは複数のmiR−29模倣化合物は、眼線維症の処置のために投与される。一部の実施形態では、miR−29模倣化合物は、被験体の眼/眼細胞に直接投与される。一部の実施形態では、miR−29模倣化合物は、末梢に投与される。一部の実施形態では、miR−29模倣化合物は、イオン導入、結膜下注射、翼状片への注射、線維柱帯ブレブの部位での注射、腱下注射、硝子体内注射を介して、前房内に、または局所的に投与される。
本明細書において提供される場合、1つまたは複数のmiR−29模倣化合物は、眼線維症の処置のために投与される。一部の実施形態では、miR−29模倣化合物は、被験体の眼/眼細胞に直接投与される。一部の実施形態では、miR−29模倣化合物は、末梢に投与される。一部の実施形態では、miR−29模倣化合物は、イオン導入、結膜下注射、翼状片への注射、線維柱帯ブレブの部位での注射、腱下注射、硝子体内注射を介して、前房内に、または局所的に投与される。
一部の実施形態では、医薬組成物は、滴剤、軟膏または懸濁剤を含む。一部の実施形態では、本開示は、投与の経路を含む、miR−29模倣物、またはmiR−29模倣物を含む医薬組成物を投与する方法であって、投与の経路が、局所投与、眼を薬物溶出コンタクトレンズと接触させること、結膜下注射、ブレブ内注射、前房内注射、前房内デポー剤(例えば、シリコンまたは他の材料の薬物包埋「シード」)、硝子体内注射、硝子体内デポー剤(例えば、シリコンまたは他の材料の薬物包埋「シード」)、およびイオン導入から選択される、方法を提供する。
一部の実施形態では、本開示は、角膜線維症を処置する方法であって、局所投与もしくは眼を薬物溶出コンタクトレンズと接触させることを含めて、miR−29模倣物、またはmiR−29模倣物を含む医薬組成物を投与することを含む、方法を提供する。一部の実施形態では、医薬組成物は滴剤である。
一部の実施形態では、本開示は、翼状片を処置する方法であって、局所投与もしくは結膜下注射を含めて、miR−29模倣物、またはmiR−29模倣物を含む医薬組成物を投与することを含む、方法を提供する。一部の実施形態では、医薬組成物は滴剤である。
一部の実施形態では、本開示は、線維柱帯切除術のブレブを処置する方法であって、ブレブ内注射、結膜下注射もしくは局所投与を含めて、miR−29模倣物、またはmiR−29模倣物を含む医薬組成物を投与することを含む、方法を提供する。一部の実施形態では、医薬組成物は滴剤である。
一部の実施形態では、本開示は、緑内障を処置する方法であって、結膜下注射、前房内注射もしくは前房内デポー剤を含めて、miR−29模倣物、またはmiR−29模倣物を含む医薬組成物を投与することを含む、方法を提供する。一部の実施形態では、前房内デポー剤は、シリコンまたは他の薬学的に許容される材料の薬物包埋「シード」を含む。
一部の実施形態では、本開示は、網膜線維症を処置する方法であって、硝子体内注射、硝子体内デポー剤もしくはイオン導入を含めて、miR−29模倣物、またはmiR−29模倣物を含む医薬組成物を投与することを含む、方法を提供する。一部の実施形態では、硝子体内デポー剤は、シリコンまたは他の薬学的に許容される材料の薬物包埋シードを含む。
一部の実施形態では、本開示の1つまたは複数のマイクロRNA模倣化合物は、同時であるが、別の組成物で投与されてもよく、同時とは、模倣化合物が、例えば、互いに約5分、10分、20分または30分以内の短い期間内に与えられることを指す。一部の他の実施形態では、miR−29a模倣化合物、miR−29b模倣化合物、および/またはmiR−29c模倣化合物は、異なる時に、別の組成物で投与されてもよい。
本開示は、追加の治療剤を、miR−29a模倣化合物、miR−29b模倣化合物、および/またはmiR−29c模倣化合物と一緒に投与することができる実施形態も包含する。一部の実施形態では、追加の治療剤は、第2の抗線維化剤である。追加の治療剤は、同時であるが別の製剤で投与されてもよく、逐次的に投与されてもよい。他の実施形態では、追加の治療剤は、miR−29a模倣化合物、miR−29b模倣化合物、および/またはmiR−29c模倣化合物の投与の前後の異なる時に投与されてもよい。臨床適用が意図される場合、医薬組成物は、意図された適用に適した形態で調製される。一般に、これは、発熱物質、ならびにヒトまたは動物に有害であり得る他の不純物を本質的に含まない組成物を調製することを伴い得る。
一部の例示的な実施形態では、miR−29模倣化合物は、角膜に局所的に投与される。一部の例示的な実施形態では、miR−29模倣化合物は、例えば液滴製剤で、角膜に局所的に投与される。一部の実施形態では、miR−29模倣化合物は、例えば1日2回、または例えば1日4回、角膜に局所的に投与される。一部の実施形態では、miR−29模倣化合物は、例えば1日4回、角膜に局所的に投与される。
一部の例示的な実施形態では、miR−29模倣化合物は、最大で1週間、定期的に、局所的に投与される。一部の例示的な実施形態では、miR−29模倣化合物は、最大で4週間、定期的に、局所的に投与される。一部の例示的な実施形態では、miR−29模倣化合物は、1日2回、局所的に投与される。一部の例示的な実施形態では、miR−29模倣化合物は、1日2回、最大で4週間、局所的に投与される。一部の例示的な実施形態では、miR−29模倣化合物は、最大で28日間、定期的に、局所的に投与される。一部の例示的な実施形態では、miR−29模倣化合物は、1日2回、最大で28日間、局所的に投与される。本開示全体を通して、1日1回、1日2回などの用語は、片側または両側投与の頻度を指し、すなわち、「1日2回」は、1つの眼に1日に2回または2つの眼に1日に2回のいずれかを指し、両方の眼に1日あたり1回投与することを指さないことが理解される。一般に、本開示の組成物は、両方の眼の処置が所望される場合、両側に投与され、1つの眼のみの処置が望まれる場合、片側に投与され、例えば、左の眼のみの眼の傷害の処置のためには、本開示の組成物は、左にのみ正しく投与される。
一部の例示的な実施形態では、miR−29模倣化合物は、液滴製剤で投与される。
一部の例示的な実施形態では、miR−29模倣化合物は、週に1回、硝子体内注射を介して投与される。
一部の例示的な実施形態では、miR−29模倣化合物は、1か月間、定期的に、硝子体内注射を介して投与される。
本開示は、ウイルス遺伝子送達によってmiR−29模倣物を投与するための、ベクター、医薬組成物および方法をさらに提供する。一部の実施形態では、ウイルスベクターは、レンチウイルスベクター、アデノウイルスベクターまたはアデノ随伴ウイルス(AAV)ベクターを含む。AAVベクターを介したヒト身体へのmiR−29模倣物の送達は、例えば、Heller et al. JCI Insight. 2017 May 4; 2(9): e93309、および国際公開第2017181011号に記載されており、これらのそれぞれは、その全体が本明細書に組み込まれる。AAVベクターは、例えば、Lebherz et al. J Gene Med. 2008 Apr; 10(4): 375-382に記載されているような、改善された眼の遺伝子移入のための血清型の使用によって、眼における使用のために適合し得る。
本開示は、本明細書に記載の治療用のmir−29模倣物および組成物を含むキットをさらに提供する。本開示は、本明細書に記載の治療用組成物またはキットのいずれか1つを含む製造品も提供する。製造品の例は、バイアル(例えば、密封されたバイアル)を含む。
実施形態の列挙
実施形態1.被験体における眼線維症を処置する方法であって、治療有効量のmiR−29模倣化合物を被験体に投与することを含み、miR−29模倣化合物が、
(a)成熟miR−29a配列、成熟miR−29b配列または成熟miR−29c配列を含む23〜26リボヌクレオチドの第1の鎖;および
(b)第1の鎖に実質的に相補的な配列を含み、少なくとも1つの修飾されたヌクレオチドを有する22〜23リボヌクレオチドの第2の鎖
を含み、第1の鎖が、第2の鎖に対して3’ヌクレオチドオーバーハングを有し、
眼線維症が、網膜線維症、角膜線維症、結膜線維症または線維柱帯の線維症を含む、方法。
実施形態1.被験体における眼線維症を処置する方法であって、治療有効量のmiR−29模倣化合物を被験体に投与することを含み、miR−29模倣化合物が、
(a)成熟miR−29a配列、成熟miR−29b配列または成熟miR−29c配列を含む23〜26リボヌクレオチドの第1の鎖;および
(b)第1の鎖に実質的に相補的な配列を含み、少なくとも1つの修飾されたヌクレオチドを有する22〜23リボヌクレオチドの第2の鎖
を含み、第1の鎖が、第2の鎖に対して3’ヌクレオチドオーバーハングを有し、
眼線維症が、網膜線維症、角膜線維症、結膜線維症または線維柱帯の線維症を含む、方法。
実施形態2.眼線維症が、糖尿病性網膜症、細菌感染症、ウイルス感染症、真菌感染症、アメーバ感染症、眼外傷、角膜化学熱傷、熱による角膜熱傷、翼状片、緑内障、外科手術による外傷、フックス角膜内皮ジストロフィー(FECD)および前部増殖性硝子体網膜症(前部PVR)からなる群より選択される眼疾患または障害から生じる、実施形態1に記載の方法。
実施形態3.被験体における眼疾患または障害を処置する方法であって、治療有効量のmiR−29模倣化合物を被験体に投与することを含み、miR−29模倣化合物が、
(a)成熟miR−29a配列、成熟miR−29b配列または成熟miR−29c配列を含む23〜26リボヌクレオチドの第1の鎖;および
(b)第1の鎖に実質的に相補的な配列を含み、少なくとも1つの修飾されたヌクレオチドを有する22〜23リボヌクレオチドの第2の鎖
を含み、第1の鎖が、第2の鎖に対して3’ヌクレオチドオーバーハングを有し、
眼疾患または障害が、糖尿病性網膜症、細菌感染症、ウイルス感染症、真菌感染症、アメーバ感染症、眼外傷、角膜化学熱傷、熱による角膜熱傷、翼状片、緑内障、外科手術による外傷、フックス角膜内皮ジストロフィー(FECD)および前部増殖性硝子体網膜症(前部PVR)からなる群より選択される、方法。
(a)成熟miR−29a配列、成熟miR−29b配列または成熟miR−29c配列を含む23〜26リボヌクレオチドの第1の鎖;および
(b)第1の鎖に実質的に相補的な配列を含み、少なくとも1つの修飾されたヌクレオチドを有する22〜23リボヌクレオチドの第2の鎖
を含み、第1の鎖が、第2の鎖に対して3’ヌクレオチドオーバーハングを有し、
眼疾患または障害が、糖尿病性網膜症、細菌感染症、ウイルス感染症、真菌感染症、アメーバ感染症、眼外傷、角膜化学熱傷、熱による角膜熱傷、翼状片、緑内障、外科手術による外傷、フックス角膜内皮ジストロフィー(FECD)および前部増殖性硝子体網膜症(前部PVR)からなる群より選択される、方法。
実施形態4.眼疾患または障害が、網膜線維症、角膜線維症、結膜線維症または線維柱帯の線維症からなる群より選択される眼線維症を含む、実施形態3に記載の方法。
実施形態5.miR−29模倣化合物が、イオン導入、結膜下注射、翼状片への注射、線維柱帯ブレブの部位での注射、腱下注射、硝子体内注射を介して、前房内に、または局所的に投与される、実施形態1〜4のいずれか一項に記載の方法。
実施形態6.眼線維症が増殖性硝子体網膜症を含む、実施形態1、2または4のいずれか一項に記載の方法。
実施形態7.眼線維症が、糖尿病性網膜症に関連する網膜線維症を含む、実施形態1、2または4のいずれか一項に記載の方法。
実施形態8.眼線維症が、抗VEGF処置に関連する網膜線維症を含む、実施形態7に記載の方法。
実施形態9.眼線維症が、角膜の濁りまたは角膜瘢痕を含む、実施形態1、2または4のいずれか一項に記載の方法。
実施形態10.眼線維症が角膜熱傷から生じる、実施形態1〜4のいずれか一項に記載の方法。
実施形態11.眼線維症が翼状片から生じる、実施形態1〜4のいずれか一項に記載の方法。
実施形態12.眼線維症がフックス角膜内皮ジストロフィー(FECD)から生じる、実施形態1〜4のいずれか一項に記載の方法。
実施形態13.眼線維症が緑内障から生じる、実施形態1〜4のいずれか一項に記載の方法。
実施形態14.眼線維症が線維柱帯ブレブを含む、実施形態1〜13のいずれか一項に記載の方法。
実施形態15.miR−29模倣化合物が角膜に局所的に投与される、実施形態1〜14のいずれか一項に記載の方法。
実施形態16.miR−29模倣化合物が、液滴製剤で、角膜に局所的に投与される、実施形態15に記載の方法。
実施形態17.miR−29模倣化合物が、1日1回、1日2回、1日3回または1日4回、角膜に局所的に投与される、実施形態15〜16のいずれか一項に記載の方法。
実施形態18.miR−29模倣化合物が、最大で1週間、最大で2週間、最大で3週間、最大で4週間、または最大で28日間、定期的に、局所的に投与される、実施形態15〜16のいずれか一項に記載の方法。
実施形態19.miR−29模倣化合物が、液滴製剤で投与される、実施形態1〜14のいずれか一項に記載の方法。
実施形態20.miR−29模倣化合物が、週に1回、硝子体内注射を介して投与される、実施形態1〜14のいずれか一項に記載の方法。
実施形態21.miR−29模倣化合物が、1か月間、定期的に、硝子体内注射を介して投与される、実施形態1〜14のいずれか一項に記載の方法。
実施形態23.miR−29模倣化合物が表2中に提示される、実施形態1〜22のいずれか一項に記載の方法。
実施形態22.COL1A1、COL1A2、COL3A1、COL4A3、COL5A2、COL11A1、FN1、MMP2、CTGF、TGFB2および/またはTGFB3の発現が低下する、実施形態1〜21のいずれか一項に記載の方法。
実施形態24.第1の鎖が、配列番号2、18〜21または31〜34から選択される配列を含み、第2の鎖が、配列番号1、8〜10、13〜17または28〜30から選択される配列を含む、実施形態1〜22のいずれか一項に記載の方法。
実施形態25.miR−29模倣化合物が、
(a)成熟miR−29b配列を含む約23〜約26リボヌクレオチドの第1の鎖であって、配列番号2、18〜21および31〜34から選択される配列を含む第1の鎖;ならびに
(b)第1の鎖に実質的に相補的な配列を含み、少なくとも1つの修飾されたヌクレオチドを有する約22〜約25リボヌクレオチドの第2の鎖
を含み、第1の鎖が、第2の鎖に対して3’ヌクレオチドオーバーハングを有する、実施形態1〜22のいずれか一項に記載の方法。
(a)成熟miR−29b配列を含む約23〜約26リボヌクレオチドの第1の鎖であって、配列番号2、18〜21および31〜34から選択される配列を含む第1の鎖;ならびに
(b)第1の鎖に実質的に相補的な配列を含み、少なくとも1つの修飾されたヌクレオチドを有する約22〜約25リボヌクレオチドの第2の鎖
を含み、第1の鎖が、第2の鎖に対して3’ヌクレオチドオーバーハングを有する、実施形態1〜22のいずれか一項に記載の方法。
実施形態26.miR−29模倣化合物が、
(a)成熟miR−29b配列を含む約23〜約26リボヌクレオチドの第1の鎖;および
(b)第1の鎖に実質的に相補的な配列を含み、少なくとも1つの修飾されたヌクレオチドを有する約22〜約25リボヌクレオチドの第2の鎖
を含み、第1の鎖が、第2の鎖に対して3’ヌクレオチドオーバーハングを有し、第2の鎖が、配列番号1、8〜10、13〜17および28〜30から選択される配列を含む、実施形態1〜22のいずれか一項に記載の方法。
(a)成熟miR−29b配列を含む約23〜約26リボヌクレオチドの第1の鎖;および
(b)第1の鎖に実質的に相補的な配列を含み、少なくとも1つの修飾されたヌクレオチドを有する約22〜約25リボヌクレオチドの第2の鎖
を含み、第1の鎖が、第2の鎖に対して3’ヌクレオチドオーバーハングを有し、第2の鎖が、配列番号1、8〜10、13〜17および28〜30から選択される配列を含む、実施形態1〜22のいずれか一項に記載の方法。
実施形態27.第1の鎖が、配列番号19の配列を含み、第2の鎖が、配列番号1の配列を含む、実施形態1〜22のいずれか一項に記載の方法。
実施形態28.第1の鎖が、配列番号19の配列を含み、第2の鎖が、配列番号15の配列を含む、実施形態1〜22のいずれか一項に記載の方法。
実施形態29.第1の鎖が成熟miR−29a配列を含む、実施形態1〜22のいずれか一項に記載の方法。
実施形態30.miR−29模倣化合物が表1中に提示される、実施形態1〜22のいずれか一項に記載の方法。
実施形態31.第1の鎖が、配列番号6、7または27の配列を含み、第2の鎖が、配列番号3〜5または11から選択される配列を含む、実施形態1〜22のいずれか一項に記載の方法。
実施形態32.第1の鎖が成熟miR−29c配列を含む、実施形態1〜22のいずれか一項に記載の方法。
実施形態33.miR−29模倣化合物が表3中に提示される、実施形態1〜22のいずれか一項に記載の方法。
実施形態34.第1の鎖が、配列番号25、26または35の配列を含み、第2の鎖が、配列番号22〜24または12から選択される配列を含む、実施形態1〜22のいずれか一項に記載の方法。
実施形態35.治療有効量のmiR−29模倣化合物が医薬組成物に含まれる、実施形態1〜34のいずれか一項に記載の方法。
実施形態36.被験体がヒトである、実施形態1〜35のいずれか一項に記載の方法。
実施形態37.被験体が糖尿病を患っている、実施形態36に記載の方法。
実施形態38.被験体が糖尿病性網膜症を患っている、実施形態36または37に記載の方法。
実施形態39.被験体が加齢性黄斑変性症(AMD)を患っている、実施形態36または37に記載の方法。
実施形態40.被験体が滲出型加齢性黄斑変性症(滲出型AMD)を患っている、実施形態39に記載の方法。
実施形態41.被験体が抗VEGF治療を受けている、実施形態1〜40のいずれか一項に記載の方法。
本開示は、以下のさらなる実施例によってさらに説明し、これは、限定するものとして解釈されるべきではない。当業者は、本開示に照らして、開示される特定の実施形態に対して多くの変更を行うことができ、依然として、本開示の精神および範囲から逸脱することなく同様または類似の結果を得ることができることを理解するべきである。
本開示全体を通して参照されるすべての特許および非特許文献は、すべての目的に関してそれらの全体が参照により本明細書に組み込まれる。
(実施例1:角膜のアルカリ熱傷後のmiR−29b模倣物の導入)
アルカリ熱傷は角膜への損傷の代表である。これは、とりわけ、ウイルス感染症、細菌感染症、真菌感染症、神経栄養性角膜炎、無菌性角膜炎、角膜外傷、および手術によって誘導される上皮破壊の代表である。アルカリ熱傷は、熱傷の7〜14日後に細胞外マトリクス分子の発現の上方制御、ならびに熱傷の10〜14日後に肉眼的および組織学的の両方で角膜の濁りおよび瘢痕の出現を伴う、信頼できる経時変化を有することが知られている。
アルカリ熱傷は角膜への損傷の代表である。これは、とりわけ、ウイルス感染症、細菌感染症、真菌感染症、神経栄養性角膜炎、無菌性角膜炎、角膜外傷、および手術によって誘導される上皮破壊の代表である。アルカリ熱傷は、熱傷の7〜14日後に細胞外マトリクス分子の発現の上方制御、ならびに熱傷の10〜14日後に肉眼的および組織学的の両方で角膜の濁りおよび瘢痕の出現を伴う、信頼できる経時変化を有することが知られている。
方法
アルカリ熱傷:8〜10週齢の雄スプラーグドーリーラットを、イソフルランで麻酔し、0.5%のプロパラカイン塩酸塩点眼液を、局所麻酔のために適用した。動物あたり1つの角膜を、0.5Nまたは1NのNaOHの10秒間の適用によるアルカリ熱傷、続いて生理食塩水のすすぎに供した。抗生物質の軟膏を、その後、感染症の予防のために、1日2回適用した。アルカリ熱傷を、熱傷の時にフルオレセイン染色によって、および/または熱傷の発生6時間後に組織学的に(ヘマトキシリンおよびエオシン染色)によって、動物のサブセットにおいて確認した。
アルカリ熱傷:8〜10週齢の雄スプラーグドーリーラットを、イソフルランで麻酔し、0.5%のプロパラカイン塩酸塩点眼液を、局所麻酔のために適用した。動物あたり1つの角膜を、0.5Nまたは1NのNaOHの10秒間の適用によるアルカリ熱傷、続いて生理食塩水のすすぎに供した。抗生物質の軟膏を、その後、感染症の予防のために、1日2回適用した。アルカリ熱傷を、熱傷の時にフルオレセイン染色によって、および/または熱傷の発生6時間後に組織学的に(ヘマトキシリンおよびエオシン染色)によって、動物のサブセットにおいて確認した。
miR−29b模倣物の局所投与:生理食塩水または二本鎖miR−29b模倣物(配列番号1/配列番号19)を、液滴製剤(1滴あたり10μL、滅菌生理食塩水中に1または70mg/mLのmiR−29b模倣物)でラットの角膜に局所的に投与した。滴剤を、1日4回で1日間、または1日2回で1〜28日間、適用した。フルオレセインイソチオシアネート(FITC)標識化オリゴの取り込み/分布を、共焦点顕微鏡によって評価した。
miR−29標的発現:総RNAを、Trizol(Life Technologies)を使用して、7日間、10日間または14日間の生理食塩水またはmiR−29b模倣物処置で処置されたアルカリ熱傷のラット角膜から抽出した。miR−29標的およびmiR−29b模倣物の薬力学的バイオマーカー(COL1A1、COL1A2、COL5A2、COL11A1、MMP2、TGFB2および/またはFN1)の発現を、7日目、10日目および14日目にqRT−PCRにより評価した(Life Technologiesからの試薬)。薬物動態を、経時的に、全組織ホモジネートからの定量的RT−PCRによって評価した。
組織病理学:4日間、7日間、10日間もしくは14日間、生理食塩水またはmiR−29b模倣物で処置されたアルカリ熱傷を受けた角膜を、ホルマリン固定し、パラフィン包埋した。角膜上皮および角膜実質の厚さを、ヘマトキシリンおよびエオシン染色された切片からキャプチャーされた20倍の画像を使用して(Aperio ImageScopeソフトウェアを使用して)評価し、アルファ−平滑筋アクチン(α−SMA)陽性の筋線維芽細胞を、抗α−SMA抗体で染色されたスライド、およびヘマトキシリン対比染色による比色定量用基質から定量化した(分析はImageJソフトウェアで行った)。
臨床評価:10日間、14日間、21日間または28日間、生理食塩水またはmiR−29b模倣物で処置されたアルカリ熱傷を受けた角膜を、1〜5のスケールを使用して、角膜の濁りまたは角膜瘢痕について臨床的に評価し、ここで、1は正常な透明な角膜を表し、5は重度の瘢痕および/または濁りを有する角膜を表す(1=なし、2=最小、3=軽度、4=中程度、5=重度)。
これらの方法を複数の研究にわたって繰り返した。
結果
アルカリ熱傷を、1NのNaOHの投与によってラットあたり1つの眼に発生させた(図1A)。局所的に適用されたFITC−miR−29b模倣物(1mg/mL)は、アルカリ熱傷を受けたラット角膜のすべての層に取り込まれ、角膜実質および角膜内皮が最も強く染色された(図1B)。同じ視野のDAPI核染色も示す(図1C)。
アルカリ熱傷を、1NのNaOHの投与によってラットあたり1つの眼に発生させた(図1A)。局所的に適用されたFITC−miR−29b模倣物(1mg/mL)は、アルカリ熱傷を受けたラット角膜のすべての層に取り込まれ、角膜実質および角膜内皮が最も強く染色された(図1B)。同じ視野のDAPI核染色も示す(図1C)。
生理食塩水またはmiR−29b模倣物(70mg/mL)を、角膜のアルカリ熱傷の発生後、1〜28日間、局所(点眼)適用により、ラットに1日2回投与した。眼を最後の点眼剤の適用の6時間後に採取し、miR−29bをqRT−PCRによって定量化した。内因性のmiR−29bレベルは、熱傷後大きく変化しなかった。反対に、miR−29b模倣物で処置された眼は、miR−29b模倣物処置の後、miR−29bレベルの実質的な増加を示し、最大の取り込みは熱傷の発生直後に見られ(内因性を1717倍上回る)、より少ない取り込みは角膜上皮の再建後に見られる(7日目に内因性を14倍上回る)(図2A)。別の研究において、追加の時点で評価され(図2B)、同様の結果であった(検出されたmiR−29bレベルは、10日目に内因性を11倍上回り、28日目に内因性を1.7倍上回る)。
発現の減少(p=0.0831)が、7日目に、miR−29b模倣物の処置で、複数のmiR−29b標的遺伝子について見られた(図3A)。別の研究において、追加の時点で、遺伝子を評価した(図3B〜3D)。3つのパネルは、それぞれ、7日目、10日目および14日目の時点からのデータを示す。
傷害の4日後〜14日後の間に採取された角膜の組織病理学は、miR−29b模倣物が、生理食塩水で処置された対照の熱傷を受けた眼に対して、上皮の厚さを増加させ、実質の厚さを減少させたことを示した(図4A〜4B)。それぞれのパネルの破線は、正常な熱傷を受けていないラットの角膜の厚さを表す。
アルファ−平滑筋アクチン(α−SMA)についての免疫組織化学分析を14日目に行い、α−SMA染色の減少が、生理食塩水で処置された熱傷を受けた眼と比較して、miR−29b模倣物で処理された熱傷を受けた眼において観察された(図5A)。データを図5Bにおいてグラフ化する。
角膜瘢痕および濁りを、2つの別の研究において臨床的に評価し、miR−29b模倣物による処置は、両方の研究における生理食塩水処置と比較して、アルカリ熱傷を受けた眼の角膜瘢痕および濁りの程度を有意に低下させることが分かった(図6Aおよび図6B)。
(実施例2:miR−29b模倣物の生体内分布)
方法
ラット硝子体内投与:ラットをイソフルランで麻酔し、プロパラカインおよび生理食塩水またはmiR−29b模倣物を、硝子体に注射した(5μL、滅菌生理食塩水中に2.5または70mg/mLのmiR−29b模倣物)。硝子体内注射を眼あたり1回行った。
方法
ラット硝子体内投与:ラットをイソフルランで麻酔し、プロパラカインおよび生理食塩水またはmiR−29b模倣物を、硝子体に注射した(5μL、滅菌生理食塩水中に2.5または70mg/mLのmiR−29b模倣物)。硝子体内注射を眼あたり1回行った。
miR−29標的およびmiR−29b模倣物の薬力学的バイオマーカー(COL1A1、COL1A2、COL5A2、COL11A1、MMP2、TGFB2)の発現を、qRT−PCRにより評価した(Life Technologiesからの試薬)。薬物動態を、経時的に、全組織ホモジネートからの定量的RT−PCRによって評価した。
結果
FITC−miR−29b模倣物(2.5mg/mL)は、硝子体内注射後、RPE層を含むラットの網膜のすべての層に取り込まれた(図7Aおよび図7C)。同じ切片のDAPI核染色を図7Bおよび図7Dに示す。
FITC−miR−29b模倣物(2.5mg/mL)は、硝子体内注射後、RPE層を含むラットの網膜のすべての層に取り込まれた(図7Aおよび図7C)。同じ切片のDAPI核染色を図7Bおよび図7Dに示す。
生理食塩水またはmiR−29b模倣物(70mg/mL)を、傷害を受けていないラットの眼に硝子体内注射した。網膜およびRPE/強膜/脈絡膜を注射適用の1日後〜7日後の間にそれぞれの眼から解剖し、miR−29bをqRT−PCRによって定量化した。miR−29bは、miR−29b模倣物で処置された眼において非常に高レベルで検出され(網膜において内因性を13753倍上回り、RPE/強膜/脈絡膜において内因性を8595倍上回る)、7日目の時点まで持続した(網膜において内因性を1727倍上回り、RPE/強膜/脈絡膜において内因性を1343倍上回る)(図8Aおよび図8B)。
(実施例3:増殖性硝子体網膜症(PVR)におけるmiR−29b模倣物の導入)
色素沈着したニュージーランドウサギは、結膜線維芽細胞の硝子体内注射の後、線維化応答を有することが知られており、原発性網膜剥離を生じさせる必要性なく、ヒト増殖性硝子体網膜症を再現する。
色素沈着したニュージーランドウサギは、結膜線維芽細胞の硝子体内注射の後、線維化応答を有することが知られており、原発性網膜剥離を生じさせる必要性なく、ヒト増殖性硝子体網膜症を再現する。
方法
雄および雌の色素沈着したニュージーランドウサギ(1.64〜2.25kg)をケタミン/キシラジンで麻酔し、0.5%のプロパラカイン塩酸塩点眼液を、局所麻酔のために適用した。動物あたり1つの眼に、硝子体内に、平衡塩溶液(BSS)に懸濁されたおよそ5×10^5のウサギ結膜線維芽細胞を100μLで1回注射した。
雄および雌の色素沈着したニュージーランドウサギ(1.64〜2.25kg)をケタミン/キシラジンで麻酔し、0.5%のプロパラカイン塩酸塩点眼液を、局所麻酔のために適用した。動物あたり1つの眼に、硝子体内に、平衡塩溶液(BSS)に懸濁されたおよそ5×10^5のウサギ結膜線維芽細胞を100μLで1回注射した。
ウサギをケタミン/キシラジンで麻酔し、プロパラカインおよびBSSまたはmiR−29b模倣物を、硝子体に注射した(100μL、BSS中に10mg/mLのmiR−29b模倣物)。硝子体内注射を1か月間、週に1回行った。FITC標識化オリゴの取り込み/分布を、共焦点顕微鏡によって評価した。
miR−29標的発現:総RNAを、Trizol(Life Technologies)を使用して、BSSまたはmiR−29b模倣物(10mg/mL)で処置されたウサギ網膜から抽出した。miR−29標的およびmiR−29b模倣物の薬力学的バイオマーカー(COL1A1、COL1A2、MMP2、TGFB2)の発現を、qRT−PCRにより評価した(Life Technologiesからの試薬)。薬物動態を、経時的に、全組織ホモジネートからの定量的RT−PCRによって評価した。
結果
miR−29b模倣物(10mg/mL)またはBSSを、増殖性硝子体網膜症の代表である、ウサギ結膜線維芽細胞(RCF)の同種移植を受けたウサギの眼への毎週の硝子体内注射により投与した。総RNAを、RCF注射の1か月後および最後の注射の1週間後に採取された網膜から単離し、miR−29b標的遺伝子の発現を、qRT−PCRによって定量化した。miR−29b模倣物は、複数のmiR−29b標的遺伝子の発現を有意に(p<0.05)抑制した(図9A)。
miR−29b模倣物(10mg/mL)またはBSSを、増殖性硝子体網膜症の代表である、ウサギ結膜線維芽細胞(RCF)の同種移植を受けたウサギの眼への毎週の硝子体内注射により投与した。総RNAを、RCF注射の1か月後および最後の注射の1週間後に採取された網膜から単離し、miR−29b標的遺伝子の発現を、qRT−PCRによって定量化した。miR−29b模倣物は、複数のmiR−29b標的遺伝子の発現を有意に(p<0.05)抑制した(図9A)。
(実施例4:糖尿病性網膜症におけるmiR−29b模倣物の導入)
ストレプトゾトシンで処置されたラットは、長期にわたる高血糖症を伴うコントロールされていないI型糖尿病の代表であり、糖尿病の約10週後に網膜に線維化変化を有することが示されている。これは、非ヒト霊長類などの大型動物の使用を必要とすることなく、糖尿病性網膜症の分子的および組織学的変化を再現する。
ストレプトゾトシンで処置されたラットは、長期にわたる高血糖症を伴うコントロールされていないI型糖尿病の代表であり、糖尿病の約10週後に網膜に線維化変化を有することが示されている。これは、非ヒト霊長類などの大型動物の使用を必要とすることなく、糖尿病性網膜症の分子的および組織学的変化を再現する。
方法
糖尿病性網膜症:糖尿病を、IP注射による65mg/kgのストレプトゾトシンの投与によって、雄スプラーグドーリーラット(251〜315g)において誘導した。注射の72時間後、ラットは、それらの空腹時血糖値が>300mg/dLであった場合に糖尿病と確認された。ラットは、飲用のための0.9%の生理食塩水、皮下液、および血糖値を350〜650mg/dLの範囲に維持しながら動物の健康を維持するために必要な長時間作用型インスリンを含む栄養サポートを与えられた。糖尿病のラットは、合計で11週間維持した。
糖尿病性網膜症:糖尿病を、IP注射による65mg/kgのストレプトゾトシンの投与によって、雄スプラーグドーリーラット(251〜315g)において誘導した。注射の72時間後、ラットは、それらの空腹時血糖値が>300mg/dLであった場合に糖尿病と確認された。ラットは、飲用のための0.9%の生理食塩水、皮下液、および血糖値を350〜650mg/dLの範囲に維持しながら動物の健康を維持するために必要な長時間作用型インスリンを含む栄養サポートを与えられた。糖尿病のラットは、合計で11週間維持した。
ラット硝子体内投与:ラットをイソフルランで麻酔し、プロパラカインおよび生理食塩水またはmiR−29b模倣物を、硝子体に注射した(5μL、滅菌生理食塩水中に2.5または70mg/mLのmiR−29b模倣物)。硝子体内注射を眼あたり週に1回、3週間行った。
miR−29標的発現:総RNAを、Trizol(Life Technologies)を使用して、BSSまたはmiR−29b模倣物(70mg/mL)で処置されたラット網膜から抽出した。miR−29標的およびmiR−29b模倣物の薬力学的バイオマーカー(COL1A1、COL1A2、COL3A1、COL4A3、CTGF、MMP2、TGFB2)の発現を、qRT−PCRにより評価した(Life Technologiesからの試薬)。薬物動態を、経時的に、全組織ホモジネートからの定量的RT−PCRによって評価した。
結果
miR−29b模倣物(70mg/mL)または生理食塩水を、糖尿病性網膜症のモデルである持続した高血糖症を有するラットの眼への毎週の硝子体内注射によって投与した。総RNAを、糖尿病の誘導の11週間後および最後の注射の1週間後に採取された網膜から単離し、miR−29b標的遺伝子の発現を、qRT−PCRによって定量化した。miR−29b模倣物は、このモデルにおいて、複数のmiR−29b標的遺伝子の発現を有意に(p<0.001)抑制した(図9B)。
miR−29b模倣物(70mg/mL)または生理食塩水を、糖尿病性網膜症のモデルである持続した高血糖症を有するラットの眼への毎週の硝子体内注射によって投与した。総RNAを、糖尿病の誘導の11週間後および最後の注射の1週間後に採取された網膜から単離し、miR−29b標的遺伝子の発現を、qRT−PCRによって定量化した。miR−29b模倣物は、このモデルにおいて、複数のmiR−29b標的遺伝子の発現を有意に(p<0.001)抑制した(図9B)。
(実施例5:ヒト網膜色素上皮(RPE)細胞におけるmiR−29b模倣物のトランスフェクション)
方法
in vitro評価:ヒト人工多能性幹細胞由来網膜色素上皮細胞(iPS−RPE、Cellular Dynamics)および初代ヒトRPE細胞(hRPE、Lonza)を製造者の指示の通り成長させた。RPE細胞を、組換えヒトTGF−β1(TGF−β1、Peprotech)で処置し、および/またはDharmafect1トランスフェクション試薬を使用してmiR−29b模倣物で能動的にトランスフェクトした。総RNAを、RNeasyキット(Qiagen)またはTrizol(Life Technologies)を使用して、TGF−β1処置またはトランスフェクションの48時間後に単離し、miR−29標的遺伝子(COL1A1、COL1A2、COL3A1、FN1)の発現を、qRT−PCRにより評価した(Life Technologiesからの試薬)。
方法
in vitro評価:ヒト人工多能性幹細胞由来網膜色素上皮細胞(iPS−RPE、Cellular Dynamics)および初代ヒトRPE細胞(hRPE、Lonza)を製造者の指示の通り成長させた。RPE細胞を、組換えヒトTGF−β1(TGF−β1、Peprotech)で処置し、および/またはDharmafect1トランスフェクション試薬を使用してmiR−29b模倣物で能動的にトランスフェクトした。総RNAを、RNeasyキット(Qiagen)またはTrizol(Life Technologies)を使用して、TGF−β1処置またはトランスフェクションの48時間後に単離し、miR−29標的遺伝子(COL1A1、COL1A2、COL3A1、FN1)の発現を、qRT−PCRにより評価した(Life Technologiesからの試薬)。
結果
TGF−β1(0.5〜5ng/mL)を添加し、miR−29b模倣物(0.5〜25nM)を、iPS−RPE細胞(図10Aおよび図10B)またはhRPE細胞(図10C)に能動的にトランスフェクトした。総RNAを処置の48時間後に抽出し、miR−29b標的遺伝子の発現を、qRT−PCRにより定量化した。両方の細胞系において、TGF−β1処置は、複数のmiR−29b標的遺伝子の発現を有意に上方制御した。加えて、miR−29b模倣物は、TGF−β1処置の存在および非存在下で、複数のmiR−29b標的遺伝子の発現を抑制した。
TGF−β1(0.5〜5ng/mL)を添加し、miR−29b模倣物(0.5〜25nM)を、iPS−RPE細胞(図10Aおよび図10B)またはhRPE細胞(図10C)に能動的にトランスフェクトした。総RNAを処置の48時間後に抽出し、miR−29b標的遺伝子の発現を、qRT−PCRにより定量化した。両方の細胞系において、TGF−β1処置は、複数のmiR−29b標的遺伝子の発現を有意に上方制御した。加えて、miR−29b模倣物は、TGF−β1処置の存在および非存在下で、複数のmiR−29b標的遺伝子の発現を抑制した。
Claims (41)
- 被験体における眼線維症を処置する方法であって、治療有効量のmiR−29模倣化合物を被験体に投与することを含み、前記miR−29模倣化合物が、
(a)成熟miR−29a配列、成熟miR−29b配列または成熟miR−29c配列を含む23〜26リボヌクレオチドの第1の鎖;および
(b)前記第1の鎖に実質的に相補的な配列を含み、少なくとも1つの修飾されたヌクレオチドを有する22〜23リボヌクレオチドの第2の鎖
を含み、前記第1の鎖が、前記第2の鎖に対して3’ヌクレオチドオーバーハングを有し、
前記眼線維症が、網膜線維症、角膜線維症、結膜線維症または線維柱帯の線維症を含む、方法。 - 前記眼線維症が、糖尿病性網膜症、細菌感染症、ウイルス感染症、真菌感染症、アメーバ感染症、眼外傷、角膜化学熱傷、熱による角膜熱傷、翼状片、緑内障、外科手術による外傷、フックス角膜内皮ジストロフィー(FECD)および前部増殖性硝子体網膜症(前部PVR)からなる群より選択される眼疾患または障害から生じる、請求項1に記載の方法。
- 被験体における眼疾患または障害を処置する方法であって、治療有効量のmiR−29模倣化合物を前記被験体に投与することを含み、前記miR−29模倣化合物が、
(a)成熟miR−29a配列、成熟miR−29b配列または成熟miR−29c配列を含む23〜26リボヌクレオチドの第1の鎖;および
(b)前記第1の鎖に実質的に相補的な配列を含み、少なくとも1つの修飾されたヌクレオチドを有する22〜23リボヌクレオチドの第2の鎖
を含み、前記第1の鎖が、前記第2の鎖に対して3’ヌクレオチドオーバーハングを有し、
前記眼疾患または障害が、糖尿病性網膜症、細菌感染症、ウイルス感染症、真菌感染症、アメーバ感染症、眼外傷、角膜化学熱傷、熱による角膜熱傷、翼状片、緑内障、外科手術による外傷、フックス角膜内皮ジストロフィー(FECD)および前部増殖性硝子体網膜症(前部PVR)からなる群より選択される、方法。 - 前記眼疾患または障害が、網膜線維症、角膜線維症、結膜線維症または線維柱帯の線維症からなる群より選択される眼線維症を含む、請求項3に記載の方法。
- 前記miR−29模倣化合物が、イオン導入、結膜下注射、翼状片への注射、線維柱帯ブレブの部位での注射、腱下注射、硝子体内注射を介して、前房内に、または局所的に投与される、請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。
- 前記眼線維症が増殖性硝子体網膜症を含む、請求項1、2または4のいずれか一項に記載の方法。
- 前記眼線維症が、糖尿病性網膜症に関連する網膜線維症を含む、請求項1、2または4のいずれか一項に記載の方法。
- 前記眼線維症が、抗VEGF処置に関連する網膜線維症を含む、請求項1、2または4のいずれか一項に記載の方法。
- 前記眼線維症が、角膜の濁りまたは角膜瘢痕を含む、請求項1、2または4のいずれか一項に記載の方法。
- 前記眼線維症が角膜熱傷から生じる、請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。
- 前記眼線維症が翼状片から生じる、請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。
- 前記眼線維症がフックス角膜内皮ジストロフィー(FECD)から生じる、請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。
- 前記眼線維症が緑内障から生じる、請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。
- 前記眼線維症が線維柱帯ブレブを含む、請求項1〜13のいずれか一項に記載の方法。
- 前記miR−29模倣化合物が角膜に局所的に投与される、請求項1〜14のいずれか一項に記載の方法。
- 前記miR−29模倣化合物が、液滴製剤で、前記角膜に局所的に投与される、請求項15に記載の方法。
- 前記miR−29模倣化合物が、1日1回、1日2回、1日3回または1日4回、前記角膜に局所的に投与される、請求項15〜16のいずれか一項に記載の方法。
- 前記miR−29模倣化合物が、最大で1週間、最大で2週間、最大で3週間、最大で4週間、または最大で28日間、定期的に、局所的に投与される、請求項15〜16のいずれか一項に記載の方法。
- 前記miR−29模倣化合物が、液滴製剤で投与される、請求項1〜14のいずれか一項に記載の方法。
- 前記miR−29模倣化合物が、週に1回、硝子体内注射を介して投与される、請求項1〜14のいずれか一項に記載の方法。
- 前記miR−29模倣化合物が、1か月間、定期的に、硝子体内注射を介して投与される、請求項1〜14のいずれか一項に記載の方法。
- COL1A1、COL1A2、COL3A1、COL4A3、COL5A2、COL11A1、FN1、MMP2、CTGF、TGFB2および/またはTGFB3の発現が低下する、請求項1〜21のいずれか一項に記載の方法。
- 前記miR−29模倣化合物が表2中に提示される、請求項1〜22のいずれか一項に記載の方法。
- 前記第1の鎖が、配列番号2、18〜21または31〜34から選択される配列を含み、前記第2の鎖が、配列番号1、8〜10、13〜17または28〜30から選択される配列を含む、請求項1〜22のいずれか一項に記載の方法。
- 前記miR−29模倣化合物が、
(a)成熟miR−29b配列を含む約23〜約26リボヌクレオチドの第1の鎖であって、配列番号2、18〜21および31〜34から選択される配列を含む第1の鎖;ならびに
(b)前記第1の鎖に実質的に相補的な配列を含み、少なくとも1つの修飾されたヌクレオチドを有する約22〜約25リボヌクレオチドの第2の鎖
を含み、前記第1の鎖が、前記第2の鎖に対して3’ヌクレオチドオーバーハングを有する、請求項1〜22のいずれか一項に記載の方法。 - 前記miR−29模倣化合物が、
(a)成熟miR−29b配列を含む約23〜約26リボヌクレオチドの第1の鎖;および
(b)前記第1の鎖に実質的に相補的な配列を含み、少なくとも1つの修飾されたヌクレオチドを有する約22〜約25リボヌクレオチドの第2の鎖
を含み、前記第1の鎖が、前記第2の鎖に対して3’ヌクレオチドオーバーハングを有し、前記第2の鎖が、配列番号1、8〜10、13〜17および28〜30から選択される配列を含む、請求項1〜22のいずれか一項に記載の方法。 - 前記第1の鎖が、配列番号19の配列を含み、前記第2の鎖が、配列番号1の配列を含む、請求項1〜22のいずれか一項に記載の方法。
- 前記第1の鎖が、配列番号19の配列を含み、前記第2の鎖が、配列番号15の配列を含む、請求項1〜22のいずれか一項に記載の方法。
- 前記第1の鎖が成熟miR−29a配列を含む、請求項1〜22のいずれか一項に記載の方法。
- 前記miR−29模倣化合物が表1中に提示される、請求項1〜22のいずれか一項に記載の方法。
- 前記第1の鎖が、配列番号6、7または27の配列を含み、前記第2の鎖が、配列番号3〜5または11から選択される配列を含む、請求項1〜22のいずれか一項に記載の方法。
- 前記第1の鎖が、成熟miR−29c配列を含む、請求項1〜22のいずれか一項に記載の方法。
- 前記miR−29模倣化合物が表3中に提示される、請求項1〜22のいずれか一項に記載の方法。
- 前記第1の鎖が、配列番号25、26または35の配列を含み、前記第2の鎖が、配列番号22〜24または12から選択される配列を含む、請求項1〜22のいずれか一項に記載の方法。
- 治療有効量の前記miR−29模倣化合物が医薬組成物に含まれる、請求項1〜34のいずれか一項に記載の方法。
- 前記被験体がヒトである、請求項1〜35のいずれか一項に記載の方法。
- 前記被験体が糖尿病を患っている、請求項36に記載の方法。
- 前記被験体が糖尿病性網膜症を患っている、請求項36または37に記載の方法。
- 前記被験体が加齢性黄斑変性症(AMD)を患っている、請求項36または37に記載の方法。
- 前記被験体が滲出型加齢性黄斑変性症(滲出型AMD)を患っている、請求項39に記載の方法。
- 前記被験体が抗VEGF治療を受けている、請求項38に記載の方法。
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