JP2021504699A - 多相電流測定装置及び多相電流測定の方法 - Google Patents

多相電流測定装置及び多相電流測定の方法 Download PDF

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Abstract

本発明は、N>2であるN個の導電体(12)を有する多導体電流システムの電流を測定するための測定方法及び多相電流測定装置(10、20、30、40、50、60)であって、隣接する導電体(12)の導体電流の間の測定面における磁場の強さの差を測定するためN−1個の磁気抵抗勾配センサ(14)を含むものに関する。2つの隣接する導電体(12)のDC磁場成分を補償するため、さらなる導電体(12)の少なくとも1つにおける少なくとも1つのバイパス導体(16)が、それぞれの磁気抵抗勾配センサ(14)に対して配置されるということが提案される。方法において、2つの隣接する導電体(12)の導体電流のDC磁場成分を抑えるため、少なくとも1つのさらなる導電体(12)のバイパス電流、好ましくはすべてのさらなる導電体(12)のバイパス電流を磁気抵抗勾配センサ(14)の測定面において対称にバイパス導体(16)によってガイドする。【選択図】図5

Description

本発明は、特に高電流測定のための、N>2であるN個の導電体及びN−1個の磁気抵抗勾配センサを有する多導体電流システムの電流を測定するための電流測定装置と、関連する測定方法とに関する。
磁気抵抗勾配センサによって、隣接する導電体の導体電流の間の測定面における磁場の強さの差を測定する方法及び多相電流測定装置は先行技術から既に知られている。
特許文献1及び特許文献2はそれゆえ、N個の導体における電流をN−1個の磁気抵抗勾配センサで測定可能である方法及び多相電流測定装置を記載している。電流測定装置の小型構造はこのようにして得ることができ、導電体及びN−1個の勾配センサでのそれぞれの隣接する導電体同士の間の勾配磁場測定に基づいて、全電流を測定可能である。このため、本発明の基礎ともなる示差電流測定の原理をより詳細に説明する上述の文献の開示内容が明示的に参照される。
特許文献1は、n個の導体における電流を測定する方法と該方法を行う装置とを記載する。n個の導体における電流はn−1個の磁気抵抗センサで測定され、センサは、導体電流又は複数の導体電流によって生じる磁場の強さの差を測定するためのグラジオメータとして構成される。
特許文献3は、多導体システムの導体電流を測定するための方法及び装置を記載する。該方法は、多導体システムの合計磁場におけるベクトルの磁場の強さを機器により検出することに基づくものである。個々の導体電流は、測定した磁場の強さに基づいて計算される。該方法を行うための測定装置は、導体の数に相当する多数のセンサを含む、又は3相システムの場合にまた、3導体システムに近接して合計磁場において且つ磁気シールドデバイス内に配置されるとともに、評価デバイスに接続される2つのセンサのみを含む。
しかしながら、特に導電体につき数百アンペアに達し得る高電流を測定する際、先行技術の電流測定装置はエラーを生じやすいということが、実際の使用において分かっている。ゆえに、上述の文献に公開されている電流測定装置が、例えば3導体システムにおいて600Aのピークを超える電流の測定に適用されるとき、高いレベルの不正確性が起こる、つまり、上述の方法が、電流位相につき>100〜500Aのピークの電流の電流測定には実質的に使用不可能であるということを意味する。この理由は、実際に使用するために測定装置をできるだけ小型にしようとするためである。例えば図1に示されるもののようなそうした非常に小型の電流測定装置において、個々の導電体12同士の間隔が小さいので、2個の導電体において同じ方向に向く電流によって生じる、隣接する導電体12の間のDC磁場は、勾配センサ14の動作点を非線形特性曲線範囲にシフトさせて、明らかな電流測定の歪み及び不正確性が100Aのピークより高い高電流において生じるようになる。
一方、個々の導電体同士の間隔が大きくなると、勾配磁場は小さくなり、これが不正確な測定結果をもたらす。これはまた、設置スペースを大きく増加させることになり、測定領域の拡張は多くの用途において問題外のことである。
最大DC磁場は、隣接する導電体の間に配置される勾配センサを伴う隣接する導電体が同じ方向における同一強度の電流を通電するとき、常に生じる。DC磁場が明らかに磁場勾配を超える場合、勾配センサの特性曲線は、電流勾配が正確に測定できない非線形範囲にシフトし得る。特に3相以上の回転磁場印加において、これは所定期間に2回以上生じ得る。DC磁場の効果を補償するため閉ループ制御によって逆磁場を生じさせる補償デバイスは、上述の高電流値において十分な補正を行うことができず、測定結果において非線形の歪みが生じるようになる。
上述の先行技術の背景に対して、磁気抵抗勾配センサがN−1個の勾配センサによってN個の導電体における電流測定に適用され、特定の電流強度が過剰である場合、多相電流システムにおける高電流印加では使用不可能にする歪みが生じ得るという問題が生じる。
独国特許出願公開第19748550号明細書 欧州特許第0874244号明細書 欧州特許出願公開第0597404号明細書
ゆえに、本発明の目的は、高電流印加においてもなお小型構造の電流測定装置で正確かつ精密な電流測定を可能にするように、上述の問題を解決すること、及び先行技術の電流測定装置を改善することである。
この目的は、独立請求項における電流測定装置及び電流測定方法によって達成される。
本発明の有利な実施形態は、従属項の記載事項である。
本発明は、N>2であるN個の導電体を有する多導体電流システムの電流を測定するための多相電流測定装置であって、隣接する導電体の導体電流の間の測定面における磁場の強さの差を測定するためN−1個の磁気抵抗勾配センサを含むものに基づく。
2つの隣接する導電体のDC磁場成分を補償するため、さらなる導電体の少なくとも1つにおける少なくとも1つのバイパス導体が、それぞれの磁気抵抗勾配センサに対して配置されるということが提案される。
つまり、複数の導電体を有し、磁気抵抗勾配センサがそれぞれ2つの隣接する導電体の間に配置される、それ自体は既知の多相電流測定装置が提案される。勾配センサは、2つの隣接する導電体の間の差分磁場を測定する。同一の大きさのDC電流が2つの導電体において同じ方向に流れる場合、勾配磁場は測定されない。異なる強度の電流又は異なる方向の電流が2つの導電体の間において流れる場合、対応してより高い差分磁場が測定される。そうした電流測定装置動作の基本モードは先行技術において既に知られている。
2つの隣接する導電体の高電流において及び同一の向きの高電流成分の場合では、少なくとも、DC磁場成分が平行相電流の差分磁場成分より明らかに大きいとき、磁場勾配を生じないが、勾配センサの線形動作点を非線形範囲に変位させることが可能な、高DC磁場が勾配センサにおいて得られる。非線形の歪みを補償するため、勾配センサに隣接せずさらに離れて配置される少なくとも1つのさらなる導電体の少なくとも1つのバイパス導体が、2つの隣接する導電体における生じたDC磁場成分をそのようにして補償することができるように、勾配センサの領域にガイドされる、ということを本発明は提供する。
例えば3相システムにおいて、厳密に同一の大きさ且つ同じ方向の電流が、図3に示されるように、30°及び210°の位相角の2つの電流位相L1及びL2の間に生じ得る。これらの位相角において、2つの電流位相L1及びL2の間に配置される勾配センサは、センサの線形動作範囲を非線形の歪み範囲にシフトし得る高DC磁場成分(コモンモード成分)を受け得る。このように、高電流測定は、例えば数百アンペアのピークより高くなる、特に600Aのピークより高くなり得る高電流において行うことが実質的に不可能である。キルヒホッフの第1法則に従ってすべての電流の合計がゼロになるので、これらの位相点において、反対の電流が同時に他方の導電体に流れ、合計ですべてのDC磁場成分が互いに釣り合うように、同様にそこに(反対に向く)DC磁場成分を生じさせる。少なくとも1つ、特にすべての残りの導電体がバイパス導体を勾配センサ近傍にもたらす場合、勾配センサの優勢なDC磁場を明らかに小さくすることが可能であるので、線形動作範囲を維持する。ゆえに、高電流成分でも線形の歪みなく正確に測定可能である。
多相電流測定装置の有利な一実施形態において、少なくとも1つのバイパス導体又はバイパス導体の群が、磁気抵抗勾配センサの測定面に対して対称に配置されることができる。このようにして、少なくとも1つのバイパス導体又はバイパス導体の群によって生じたバイパス磁場が磁気抵抗勾配センサの勾配測定信号を生じさせないということを確実にすることができる。磁気抵抗勾配センサは、一般に、勾配磁場、すなわち2つの空間画定可能な領域の間で作用する磁場のずれを測定可能である2つの空間画定可能な領域を特定することができるように構成される。そこに隣接して、測定面における空間領域を画定可能であり、該空間領域は磁気抵抗センサの勾配領域に対して対称に位置するため、勾配センサが任意の差を測定できない。これにより、対称磁場が勾配センサの勾配測定信号に作用しない測定面の「中立」領域が生じる。本発明は、勾配領域において作用する2つの導電体間に存在する磁場におけるDC磁場成分の抑制に関するので、測定面のこの「中立」領域における勾配磁場のDC成分を小さくする、すなわち磁気抵抗勾配センサの測定面に対して対称に、バイパス導体を配置することは特に有利である。このように、そこで作用する磁場は勾配測定信号に変化をもたらさないが、勾配領域に位置する2つの導電体の間に生じる磁場のDC磁場成分を除去する又はDC磁場成分の大きさを小さくするように作用する。このように、測定信号全体に影響を及ぼすことなく、DC磁場成分を小さくして、ゆえに勾配センサの測定範囲を線形範囲に移動させることができる。
有利な一実施形態において、導電体のバイパス導体を通過可能な導電体の導体電流における電流成分は、特にバイパス導体によってバイパスされる導電体の部分の断面の縮小、絶縁領域、及び/又は抵抗領域によって調節することができる。電流が2つの隣接する導電体の間における勾配磁場のDC磁場成分を小さくするために用いられるバイパス導体を流れる電流を適切に調節する目的で、バイパス導体の電流量を定めること、特に所定の高電流測定範囲に対してキャリブレーションを行うことは有利である。このため、電流電荷は、その電流がバイパス導体に導かれるとともに、そこに配置される勾配センサの領域において、隣接する導電体の1つに通電する、導電体の導体部分における抵抗に影響を及ぼすことで定めることができる。バイパス導体を流れる電流成分に直接的に作用するこの抵抗への影響は、例えば、バイパス導体によってバイパスされる導電体の断面を小さくすることで得られ得る。また、例えばバイパス導体によってバイパスされる領域においてプレス加工する又は材料を除去することで、絶縁領域を提供することも可能である。さらに、この領域に抵抗の高い材料、例えば銅ではなくアルミニウム又はバイパス導体よりわずかに小さいコンダクタンスを有する適切な合金を使用して、導体部分を流れるのではなくバイパス導体を流れる電流の比率を調節できるようにすることが可能である。一般に、バイパス導体の電流強度は、バイパス導体によってパイパスされる導電体の一部の電流強度より明らかに小さい。例えば、導電体によってガイドされる電流の20%、好ましくは10%以下が、バイパス導体にガイドされることができる。ゆえに、バイパス導体によってバイパスされる導電体の領域における抵抗のわずかな増加のみが要求される。
さらに有利な実施形態において、電流測定装置のすべての磁気抵抗勾配センサは、導電体の長手方向に対して直交する軸に沿って配置することができる。この実施形態において、直交軸は、多相システムが含むすべての導電体を横切り得る。この直交軸に沿って、勾配センサは、それぞれ2つの導電体の間に隣接して互いに平行に配置される。これにより、互いに隣接して位置するとともに、互いに直接隣接する2つの導電体とそれぞれ重なり合うすべての磁場勾配センサの対称構造がもたらされる。すべての磁場勾配センサは、導電体に対して垂直に向く軸に沿って配置されるので、同一の条件を得ることができる。
上述の実施形態の他に、磁気抵抗勾配センサが導電体の長手方向に対してオフセットして配置されることが同様に有利である。上述の実施形態において、つまり、それぞれ直接ではなく隣接する導電体のバイパス導体が、それぞれ磁場勾配センサの下方に直交軸に沿って延出する必要があるという問題が生じる。このため、互いに頻回重なり合うバイパス導体となり、バイパス導体の多層構造又は複雑な導電体レイアウトが要求される。バイパス導体の重なり合いは、導電体の長手方向に対してオフセットされる勾配センサ配置によって避けることが可能である。これは、実際に導電体の長手方向において電流測定装置を空間的に延出させるものだが、より小型の構造が得られ、バイパス導体レイアウトの多層構造が避けられる。
このように、2つの上述の実施形態は、小型の設計、又は複雑な構造且つ対称の実施形態のいずれかのために選択され、ゆえに用途分野に対応して構成されることができる。
本発明の有利な一実施形態において、勾配センサは絶縁体層の上方に、導電体及び/又はバイパス導体は絶縁体層の下方に配置することができ、バイパス導体の給電体好ましくは絶縁体層の上方にガイドされる。このさらなる態様は、少なくとも2層の構造の電流測定装置を提案し、絶縁体層、例えばPCB又は他の絶縁体層が使用され、その下側に導電体をガイドすることができる。また、磁気抵抗勾配センサの下方に位置するバイパス導体は絶縁体層の下方にガイドされることができる。それぞれ2つの隣接する導電体の間に配置され、そのそれぞれの領域において導電体と平行な少なくとも1つのバイパス導体がガイドされる勾配センサは、絶縁体層の上方に配置される。バイパス導体は、さらなる直接ではなく隣接する導電体に電気的に接続される。このさらなる導電体の給電体は、例えば絶縁体層の上方にガイドされることができ、技術的に従来のものである2層の構造のPCBを使用可能である。これにより、安価で技術的に容易く製造可能な多相電流測定装置がもたらされる。
さらに好ましい実施形態において、バイパス導体の給電体は、磁気抵抗勾配センサの測定面及び導電体の下方及び/又は上方の異なる導電面に延びることができ、バイパス導体は、実質的に導電体の平面に導電体と平行に延びる。この実施形態は、導電体及びバイパス導体の双方が同じ平面に且つ互いに平行に延びるということを提案する。実質的に導電体及びバイパス導体に対して垂直に配置され得る給電体は、測定面の下方又は上方の異なる導電面に配置されることができ、ゆえにさらに、例えば、導電体の下方及び/又は導電体の上方に、例えば勾配センサの高さで、配置されることができる。つまり、すべての勾配センサが導電体に対して直交する軸に沿って配置されるとき特に使用され得る多層構造が提案され、これは、その場合少なくとも2つ以上のバイパス導体が給電体に接触し、給電体はそれぞれさらなるバイパス導体と交差するためである。このように、2層、3層、又は多層の構造の電流測定装置は小型設計を得るために適切であり得る。多層構造のさらなる利点は、このように磁場勾配センサから離れた給電体からもたらされ、その寄生的磁場は、勾配センサの測定値において小さい影響を及ぼし得る。
さらなる有利な実施形態において、複数のバイパス導体は、磁気抵抗勾配センサの測定面に対して水平方向又は垂直方向に隣接して配置されることができる。磁気抵抗勾配センサの測定面は、その間で勾配磁場が測定される2つの平行にガイドされた導電体がガイドされる平面である。また、バイパス導体は好ましくはこの測定面にガイドされるが、バイパス導体は勾配センサによって検出される勾配領域に対して対称配置で位置する。この実施形態は、N>3の導電体を有する多相電流測定装置の場合、該装置に対して、少なくとも2つ以上のバイパス導体がそれぞれの勾配センサに必要であり、該バイパス導体は互いに水平方向若しくは垂直方向に隣接して又は同心円状に配置され、この測定面に関して勾配センサに対して対称に配置されることができるということを提案する。このように、DC磁場成分を種々のバイパス導体によって補償することができるように、バイパス導体は、勾配センサの下方でその中立測定領域において、互いに隣接して平行に、又は互いに積み重ねて、又は多層同軸配置の形態で、測定面にガイドすることができるということが提案される。このように、補償磁場はバイパス導体によって生じ、これは、平行の隣接するバイパス導体を流れる、直接ではなく隣接する導電体の種々のバイパス電流によって生じる。これらの導体は、測定面内において又は測定面の中立領域において同軸状に、互いに平行に延出することができる。勾配センサのセンサ中立領域において合計磁場を生じさせるため、互いに同心円状に、すなわち例えば多層同軸ケーブルの形態のように、バイパス導体をガイドすることが好ましくは考えられ得る。
さらなる有利な実施形態において、磁気抵抗勾配センサは、好ましくは調節可能な磁場補償デバイスを含むことができる。このため、勾配センサが、バイパス導体に加えて、2つの導体の間のDC磁場成分を除去できるように制御可能補償電流の印加によって測定値信号及びDC磁場成分にいわば作用する中立補償磁場を勾配センサにおいて得ることを可能にするアクティブ磁場補償デバイスを含むことが考えられる。このように、バイパス導体に加えて、勾配センサは、DC磁場成分による測定値範囲の補償に関してアクティブに動作することができ、この目的において補償磁場の閉ループ制御が望ましい。磁場補償デバイスが、DC磁場、又は多相電流システムのシステム周波数に基づく時間可変磁場をも生じさせることはここで有利であり得る。さらに、磁場補償デバイスは、電流測定において生じる歪み及び不正確性がなく種々の桁の電流もまた精密に測定できるように、測定値範囲を適応させることができて、高ダイナミックレンジの電流測定が行われるようになる。
有利な一実施形態において、導電体及び/又はバイパス導体は、磁束方向を事前に定めるため、個々に又は共にフェライト構造に含まれることができる。フェライト構造は、ここで、少なくとも所々に導電体及び/又はバイパス導体を封入し、目的を持ってその磁場を勾配センサの測定領域にガイドし、それが3相を超える多相電流システムの空間的に分布したバイパス導体に精密に存在し、バイパス導体の磁場が磁場勾配センサの勾配中立領域にガイドされ、寄生磁場からの遮蔽が得られるようになる。また、漂遊磁場が除去されて、それによって磁場の正確性が明らかに増大し、測定の正確性が向上するようになる。
有利な一実施形態は、3つの導電体及び2つの磁気抵抗勾配センサを含むことができる。このように、特に、それぞれわずか1つのバイパス導体が2つの勾配センサの1つの下方にガイドされる3相システムのための電流測定装置を設計することが提案される。これは構造簡易化をもたらすものであり、バイパス導体は、厳密に磁場中立中間領域において勾配センサにおいて対称に配置されることができ、高電流の3相システムにおいてDC磁場成分を良好に補償することができるようになる。
独立の態様は、好ましくは上述のような多相電流測定装置を使用する多相電流測定の方法を提案し、N−1個の磁気抵抗勾配センサは、N>2であるN個の導電体の導体電流を測定するために使用され、それぞれ測定面を有する1つの磁気抵抗勾配センサは、隣接する導電体の導体電流の間の測定面における磁場の強さの差を測定するため2つの隣接する導電体の間に配置される。方法は、磁気抵抗勾配センサの測定面に対して対称に、少なくとも1つのさらなる導電体のバイパス電流、好ましくはすべてのさらなる導電体のバイパス電流を通過させることによって、2つの隣接する導電体の導体電流のDC磁場成分を抑えることを提案する。
したがって、本発明は、1つ以上のバイパス電流を、多相システムに関与するすべてのさらなる導電体から、実質的に勾配センサにおける対称軸に対応する勾配センサの測定値中立領域に通過させて、バイパス電流によって生じるバイパス磁場が勾配効果を有さないようにするということを提案する。ゆえに、勾配センサの測定結果は、バイパス電流によって影響を受けない。同一の大きさ及び同一の方向を有する高DC成分が、勾配センサによって検知される2つの隣接する導電体において生じる場合、これらの電流の合計が、多相電流システムに関与する残りの導電体に流れ戻る。関与するさらなる導体におけるすべてのバイパス電流の磁場の組合せから形成されて生じるバイパス電流は、このDC磁場を補償して、勾配センサが高DC磁場に暴露されないようにする。ゆえに、構造的に簡易な方法で、高電流印加におけるDC磁場成分を避けて、提案する多相電流測定装置の精密な測定を行うことができるようにすることが可能である。
測定方法の有利なさらなる態様において、バイパス電流の大きさは、バイパス導体によってバイパスされる導電体の部分の抵抗を変えることで調節することができる。この調節は、例えば断面縮小、種々の抵抗率を有する種々の材料の使用、又はより小さい抵抗率を有するバイパス導体の使用によって得られ得る、抵抗を変えることで得ることができる。これらの導体の1つを流れる全電流に対するバイパス電流の比率は、ここで、理想的に生じるDC磁場成分が十分に抑えられるように、調節することができる。このため、抵抗の変化がもととする所定の電流範囲を適応させることが考えられ得る。抵抗の変化は調節することができ、例えば、測定値範囲を最適に設定するように、構造的手段を使用して、バイパス導体によってバイパスされる部分における断面の増大若しくは縮小又は抵抗の増大又は低下によって抵抗を調節することができる。例えば、電圧依存抵抗器、すなわちバリスタの使用が考えられ得る。抵抗の変化は、ここで、バイパス導体が導電体を流れる電流の数パーセントのみを引き受けるので数パーセントであるのみである、又は抵抗の大きな違いがあり得る。
さらなる有利な実施形態において、磁気抵抗勾配センサはそれぞれ、測定範囲キャリブレーションのために調節可能な磁場補償デバイスを有する。好ましくはDC磁場の除去のため閉ループ制御に基づく磁場補償デバイスの支援により、勾配センサの動作点を決定する所定の主な磁場を調節するということが可能である。測定範囲キャリブレーションの結果として、磁場補償デバイスは調節可能な磁場を生じさせることができ、電流測定装置を種々の電流測定範囲に対して調節することができるようになる。
有利には、バイパス電流は、導体電流の20%未満、好ましくは10%未満、特に5%未満になるということが分かっている。そうした少量の電流を考慮すると、バイパス導体は比較的小さい断面を有することができ、高通電容量を有する必要はなく、絶縁ギャップ及び材料が対応してより小さい寸法のものであり得るようになる。つまり、構造的に簡易で安価に製造可能な電流測定装置を提供することができる。
さらなる利点はこの図面の説明によって明らかになる。図面は本発明の例の実施形態を示す。図面、発明の詳細な説明、及び特許請求の範囲は、組み合せた多数の特徴を包含する。また、当業者は、便宜的に、特徴を個々に考慮し、それらをさらなる意味ある組合せにする。
図1は、先行技術の3相電流測定装置における構成の平面模式図である。 図2は、3相システムの典型的な電流プロファイルを示す。 図3は、図2の電流プロファイルにおいて電流位相L1及びL2の間に得られる勾配及びDC磁場成分を示す。 図4は、模式形態における勾配センサのセンサ感応勾配領域及びセンサ中立領域を示す。 図5は、本発明における電流測定装置の第1実施形態を示す。 図6は、図5に示す電流測定装置の断面図を示す。 図7は、本発明における電流測定装置のさらなる実施形態を示す。 図8a及び図8bは、図7に示す電流測定装置の各種変形の断面図を示す。 図9は、本発明における電流測定装置のさらなる例の実施形態を示す。 図10は、本発明における電流測定装置のさらなる例の実施形態を示す。 図11は、本発明における4相電流測定装置の例の実施形態を示す。 図12は、本発明における6相電流測定装置の例の実施形態の断面図を示す。 図13は、図12に示す6相電流測定装置の実施形態の部分図を示す。 図14は、図12に示す6相電流測定装置の変形の部分図を示す。
図面において、同一要素は同じ参照符号で表される。図面は例を示すのみであり、限定するものとして理解されるべきではない。
図1は、先行技術より知られる3相電流測定装置100を示す。電流測定装置100は、それぞれ3相電流システムにおける電流位相L1、L2、及びL3を通電させる3つの平行にガイドされた導電体12を含む。2つの導電体12、L1−L2の間の勾配磁場を測定する磁気抵抗勾配センサ14、S1は、相電流L1を通電する導電体12と相電流L2を通電する導電体12との間に挿入される。位相勾配L2−L3を測定するさらなる勾配センサ14、S2は、位相L2及びL3を通電する2つの導電体12の間に挟まれる。
勾配センサ14、S1、S2による2つの磁場勾配の測定に基づいて、3つの導電体12における全電流を測定するため十分に知られている方法を使用することが可能であり、これは、2つの勾配値がそれぞれ電流位相L1、L2、及びL3のI、I、及びIの相電流における差に比例するためである。このように、2つの勾配センサS1、S2の2つの勾配値Us1及びUs2は、相電流から得られ、
式中、K、Kは、電流の差の強さに対する勾配センサ測定値の関係を示す比例定数であり、キルヒホッフの法則を考慮し、
未知数I、I、及びIを含む3つの式が得られ、式中、
及び
の勾配センサの測定値の合計及び差の計算によって、
の条件で、
はK=Kに等しい、すなわち同一の磁場勾配センサが使用されるという仮定のもと、以下の式が得られる。
3つの電流位相L1、L2、及びL3のそれぞれの導体電流I、I、及びIは、さらなる適切な計算によって容易く得られる。
N>3の多相システムにおいて、方程式系は、線形及び正の定義方程式系を得るように多次元的に適切に拡張することができ、それぞれ、個々の導体電流が、2つの隣接する電流の間の磁場勾配を測定することで明確に決定できるようになる。
所定の磁場範囲内で、使用される勾配センサ14、S1、S2は線形プロファイルを有する、すなわちセンサ測定値の大きさが、隣接する導電体の間の電流の差に線形に対応する。しかしながら、大きいDC成分が双方の導電体に流れている場合、勾配センサの測定点は、比例が優勢でない、又は、勾配センサの磁気抵抗特性が飽和するため勾配がまったく測定できなくなる、非線形範囲にシフトする。このように、高電流印加の正確な測定は、図1に示す先行技術より知られる電流測定装置を使用して行うことができなかった。
図2は、3つの電流位相L1、L2、及びL3の3つの電流I、I、及びIを伴う、3相システムの典型的な正弦波プロファイルを示す。それぞれの電流は、隣接する電流に対して120°オフセットされる。
図3は、図1のセンサS1、14に関して、電流位相L1及びL2の間に形成される勾配磁場だけでなく、それぞれ同じ方向に通電する電流から生じるDC磁場成分も示す。電流位相L1及びL2に関してDC成分の最大はそれぞれ30°及び210°で得られるということが明らかである。高DC磁場はこれらの領域において生じ、センサS1、14がこれらの2つの導電体の間で正確に勾配をほぼ測定できなくなるようになる。これは、特に数百アンペアピークに達し得る電流において歪み、そして不正確性を生じ、特に、図1に示す実施形態を使用する600Aピークを伴う配置では、任意の使用可能な測定結果を得ることができない。
図4は、本発明がもとにしているタイプの勾配センサS、14の測定領域の模式図である。測定センサ14は、2つの勾配領域42a及び42bを含む空間測定領域を画定する。領域42a及び42bにわたる磁場はセンサS、14によって検出され、その差は勾配値としてセンサSによって出力される。センサSの空間的広がりに対して対称に配置される「中立」領域44はそれらの間に配置され、その領域において、磁場成分はセンサ値に明らかな作用をもたらさない。これは、いわば、センサ値に影響を及ぼさない対称に形成された磁場が通過することができるセンサ値中立領域である。高DC磁場が勾配領域42a及び42bにおいて優勢である場合、センサSは勾配の僅かな差をほぼ検出できなくなる。反対の磁場を、補償の目的で中立領域44にガイドすることができ、磁場は、勾配領域42a及び42bの双方において優勢な高DC成分を補償するように設計される。これにより、勾配センサSにおける線形動作範囲を再度得ることができ、勾配領域42a及び42bの間の勾配における差の正確な測定を行うことができるようになる。
図5は、3相印加のための本発明における電流測定装置の第1の例の実施形態10を示す。3つの電流位相L1、L2、及びL3は、3つの平行にガイドされた導電体12に通電する。勾配センサ14、S1、S2は、2つの隣接する導電体12の間にそれぞれ配置される。勾配センサ14が配置される導電体部分32は、バイパス導体16によってバイパスされる。バイパス導体16は、導電体12から直角に出て、それぞれの隣接する導電体12の下方又は上方を通り、それぞれの直接ではなく隣接する導電体のペア12の勾配センサ14における中立領域44を貫通する導電体12の経路と平行なバイパス導体部分16に切り替わる、2つの給電体18を含む。このように、導電体L2及びL3の間の磁場勾配に影響を及ぼす電流位相L1の電流成分は、勾配センサS2、14下方の中立領域44において中央に通電する。一方、2つの電流位相L1及びL2の磁場勾配に影響を及ぼす位相L3のバイパス電流は、勾配センサS1、14の中立領域44を通過する。バイパス導体16はそれぞれ勾配センサ14の中立領域44に延出するので、そこを通電する電流はセンサ値に影響を及ぼさない。隣接する導電体12の最大DC磁場は、隣接する導電体12において電流がそれぞれ同じ強度及び同じ方向を有する場合に生じる。これは、例えば、図3に示されるように位相角30°及び210°の電流位相L1及びL2において同様である。これらの時点で、電流は第3のバーL3、12において最大限に反対方向に向く。このように、第3の相L3の電流の一部は、勾配センサ14の下方のバイパス導体16に通電し、同等の大きさだが反対方向に向くものであるDC磁場を生じる。勾配センサ14下方のバイパス導体の対称配置に関して、勾配磁場はバイパス導体16によって生じないが、勾配センサ14の線形動作点が得られる。
図5は、図6に断面模式図として示されるA−A断面を含む。明らかに、勾配センサ14は、絶縁体層22、例えばプリント回路基板(PCB)に配置される。直交軸A−Aの領域においてそれぞれ電流位相成分L1−L1´、L2、及びL3−L3´を通電させる導電体12は、絶縁体層下方に延出する。他の電流位相成分L1´及びL3´は、それぞれの勾配センサ14に対して対称に配置されるバイパス導体16にガイドされる。これらは、隣接する導電体の高DC成分の場合に逆磁場を発生させるため補償磁場を生じ、勾配センサ14の線形動作範囲を維持する。給電体18は、絶縁体層22下方の2つの水平方向に隣接する層にガイドされ、それぞれ中間導電体12をバイパスする。
図7は、3相電流測定装置のさらなる例の実施形態20を示す。図5に示す実施形態10と対照的に、2つの勾配センサ14は導電体12のレイアウトに対して直交する軸に沿わずに配置され、導電体12の長手方向にオフセットされる。これは、バイパス導体16及び2つのバイパスの給電体18が交差しないが互いに別れてガイドされることを可能にする。このように、電流測定装置20は導電体12の長手方向に拡張するが、給電体18が任意のさらなるバイパス導体16と交差する必要がなく多層構造を避けられるので構造的複雑性は少なくなる。このようにして、簡易な構造を得ることができる。このように、バイパス導体16によってバイパスされる導電体のそれぞれの領域32は、互いに長手方向にオフセットされる。
図8aは、図7に示される直交する断面図用線A−Aの断面模式図を示す。バイパス導体16は、導電体L3の部分L3´を通電する給電体18によって供給され、導電体L3が電流L3−L3´のみを通電するようになる。
あるいは、図8bは、給電体18を絶縁体層22の上側において絶縁体層22のビアによってガイドすることができて、2層の絶縁体層22のみが使用され、電流測定装置の多層構造を避けられるようになるということを示す。そうした変形は図6において同様に想定されることができ、2つの給電体18の1つが導電体22の上方にガイドされる。このようにして、電流測定装置を形成するように通電部品を両側にコーティングした又は両側に実装したプリント回路基板を製造するため、比較的安価な製造方法が使用され得る。
図9は、3相電流測定装置のさらなる例の実施形態40を示し、その構造は図5に示す実施形態10に基づくものである。それとは異なり、バイパス導体16によってバイパスされるそれぞれの導電体12の領域32の断面収縮部が存在し、導電体の断面が小さくなった領域24を得るようにする。導電体領域を小さくすることでこの領域における実効抵抗をわずかに増加させて、バイパス導体16にガイドされる電流成分量をこのようにして調節することができるようになる。一般に、導電体12に通電する電流の20%以下、好ましくは10%、特に5%をバイパス導体にガイドすると十分である。
あるいは、図10は、例えばバイパス導体32によってパイパスされる領域においてわずかに高い抵抗を有する材料を使用することで抵抗領域26が提供される電流測定装置のさらなる例の実施形態40を示す。このようにして、例えば銅ではなくアルミニウムが使用される、又はわずかに高い抵抗を有する混合合金が使用される抵抗領域が形成されて、所定の電流成分がバイパス導体16にガイドされることができるようになる。あるいは、導電体12における所定の配分電流が得られるように、より高い導電性を有する材料からバイパス導体16を形成するということが考えられ、バイパス導体における電流の流れは、導電体12にガイドされる全電流に対する百分率において調節することができる。
図11は、本発明におけるさらなる例の実施形態として4相電流測定装置50を示す。この目的のため4つの隣接する導電体12が提供される。それぞれの導電体12は電流位相L1、L2、L3、及びL4を通電する。勾配センサ14、S1、S2、及びS3は、2つの隣接する導電体12の間にそれぞれ設けられる。それぞれの勾配センサ14は、2つの隣接する導電体12の間の勾配磁場を測定する。DC磁場成分を補償するため、それぞれの隣接していない導電体12のバイパス導体16が必要とされ、図示されるレイアウトに配置することができる。この例では、勾配センサ14は、導電体12の経路に対して直交する軸上に配置される。あるいはまた、バイパス導体16が頻回重なり合わず、導電体レイアウトを構造的に簡易に実現することができるように、互いに勾配センサ14をオフセットすることも考えられる。電流位相L3及びL4のバイパス導体16は、このように、勾配センサ14、S1を通るようにガイドされる。電流位相L1及びL4のバイパス導体16は、このように、勾配センサ14、S2を通るようにガイドされる。電流位相L1及びL2のバイパス導体16は、このように、勾配センサ14、S3を通るようにガイドされる。4相システムは、例えば特別な用途に使用することができ、5相、6相、又は多相のシステムを作製するため自在に拡大することができる。
図12は、6相システムのさらなる例の実施形態60における断面図を示し、6つの電流位相L1〜L6が絶縁体層22の下方にガイドされ、5つの勾配センサ14、S1〜S5がそれぞれ導電体12同士の間に配置される。他の直接ではなく隣接する導電体12からの4つのバイパス導体16は、このように、それぞれの勾配センサ14の中立領域44に配置される。勾配センサS1を一例とすると、これらは符号L31、L41、L51、及びL61で示され、導体L3、L4、L5、及びL6のバイパス電流を通電する。このように、勾配センサ14の中立領域にガイドされるバイパス導体の群28が得られる。
図13及び図14は、図12の実施形態60においてバイパス導体16が勾配センサ14の中立領域44にどのようにガイドされ得るかの種々の実施形態を示す。図12において、バイパス導体16は測定面において互いに水平方向に隣接してガイドされるが、図13に示されるように、中立測定面において互いに垂直にも積み重ねられ得、又は図14に示されるように、多層同軸ケーブルのように、互いに同心円状にガイドされ得る。このように、DC磁場はそれぞれの勾配センサ14の中立領域44に空間的に集中して、高電流における多相印加でも勾配センサ14の線形測定範囲を得て、正確な測定を行うことができるようになる。
本発明は、特に3相システム、またN>3の多相システムのため、その反対の位相のためそれぞれ勾配センサによって検出されない位相の電流が、隣接する導電体におけるDC磁場を生じる電流の間の[磁場成分]を補償するように使用されるということを提案する。電流のごく一部がバイパス導体によって他の位相から引き出され、隣接する導電体の位相同士の間の勾配センサの直下に対称的に中央に通電する。磁場勾配は、電流測定装置が長手方向に小さい設置面積を必要とするように、導体バーと同じ軸に対して直交して配置されることができる。3導体システムにおいて、中央電流バーL2における電流は小さくならず、2つの外側電流バーがそれぞれ、バイパス導体における補償磁場としてガイドされるバイパス導体によってバイパスされる領域における小さい電流を通電させる。全電流を計算するため、小さい勾配磁場とは、上述の方程式系を解くときにこれらの個々の電流が対応する係数とともに考慮される必要があるということを意味する。
他の変形において、勾配センサは、バイパス導体が交差しないように、長手方向に互いにオフセットされることができる。結果的に長手方向における導体バーのより大きい設置面積が必要とされるが、バイパス導体のレイアウトに関してより小型の設計を得ることができ、ハードウエアを実現する際の構造的複雑性を極力少なくすることができる。また、これらの場合にセンサ毎の小さい勾配磁場を考慮する必要はなく、これは、バイパス電流がそこで分流されないので全電流が隣接する導電体の間をそれぞれ流れるためである。結果として、上述の記載に基づく計算仕様が簡易化される。
本発明により、導電体につき数百アンペアピークの高電流印加という目的を持って、及びさらに勾配センサの線形変調範囲を得るため、3相又はさらに多相の電流測定装置の使用が可能になる。そして、提案する電流測定装置は、高いものでも任意の電流負荷に使用することができ、先行技術に対して大きい有利性をもたらすものである。
10 電流測定装置の第1の例の実施形態
12 導電体
14 磁気抵抗勾配センサ
16 バイパス導体
18 バイパス導体の給電体
20 電流測定装置の第2の例の実施形態
22 絶縁体層
24 断面縮小導電体領域
26 抵抗領域/絶縁領域
28 バイパス導体の群
30 電流測定装置の第3の例の実施形態
32 バイパス導体によってバイパスされる導電体部分
40 電流測定装置の第4の例の実施形態
42 勾配領域
44 中立領域
50 電流測定装置の第5の例の実施形態
60 電流測定装置の第6の例の実施形態
100 先行技術の電流測定装置

Claims (15)

  1. N>2であるN個の導電体(12)を有する多導体電流システムの電流を測定するための多相電流測定装置(10、20、30、40、50、60)であって、隣接する導電体(12)の導体電流の間の測定面における磁場の強さの差を測定するためのN−1個の磁気抵抗勾配センサ(14)を含み、さらなる前記導電体(12)の少なくとも1つにおける少なくとも1つのバイパス導体(16)は、2つの前記隣接する導電体(12)のDC磁場成分を補償するためそれぞれの前記磁気抵抗勾配センサ(14)に対して配置される、多相電流測定装置(10、20、30、40、50、60)。
  2. 前記少なくとも1つのバイパス導体(16)又はバイパス導体(16)の群(28)は、前記少なくとも1つのバイパス導体(16)又は前記バイパス導体(16)の群(28)によって生じたバイパス磁場が前記磁気抵抗勾配センサ(14)の勾配測定信号を生じさせないように、前記磁気抵抗勾配センサ(14)の前記測定面に対して対称に配置される、請求項1に記載の多相電流測定装置(10、20、30、40、50、60)。
  3. 導電体(12)のバイパス導体(16)を通過可能な前記導電体(12)の導体電流における電流成分は、特に前記バイパス導体(16)によってバイパスされる前記導電体(12)の部分(32)の断面の縮小(24)、絶縁領域及び/又は抵抗領域(26)によって調節される、請求項1又は2に記載の多相電流測定装置(10、20、30、40、50、60)。
  4. すべての前記磁気抵抗勾配センサ(14)は、前記導電体(12)の長手方向に対して直交する軸に沿って配置される、請求項1〜3の1項に記載の多相電流測定装置(10、20、30、40、50、60)。
  5. 前記磁気抵抗勾配センサ(14)は、前記導電体(12)の長手方向に対してオフセットして配置される、請求項1〜3の1項に記載の多相電流測定装置(10、20、30、40、50、60)。
  6. 前記磁気抵抗勾配センサ(14)は絶縁体層(22)の上方に配置され、前記導電体(12)及び前記バイパス導体(16)は前記絶縁体層(22)の下方に配置され、前記バイパス導体(16)の少なくとも1つの給電体(18)は好ましくは前記絶縁体層(22)の上方にガイドされる、請求項1〜5の1項に記載の多相電流測定装置(10、20、30、40、50、60)。
  7. 前記バイパス導体(16)の前記給電体(18)は、前記磁気抵抗勾配センサ(14)の前記測定面及び前記導電体(12)の下方及び/又は上方の異なる導電面に延び、前記バイパス導体(16)は、実質的に前記導電体(12)の平面に前記導電体(12)と平行に延びる、請求項1〜6の1項に記載の多相電流測定装置(10、20、30、40、50、60)。
  8. 複数のバイパス導体(16)は、前記磁気抵抗勾配センサ(14)の前記測定面に対して水平方向又は垂直方向に隣接して配置される、又は前記磁気抵抗勾配センサ(14)の前記測定面において同心円状に配置される、請求項1〜7の1項に記載の多相電流測定装置(10、20、30、40、50、60)。
  9. 前記磁気抵抗勾配センサ(14)は好ましくは調節可能な磁場補償デバイスを含む、請求項1〜8の1項に記載の多相電流測定装置(10、20、30、40、50、60)。
  10. 前記導電体(12)及び/又は前記バイパス導体(16)は、磁束方向を事前に定めるため、個々に又は共にフェライト構造に含まれる、請求項1〜9の1項に記載の多相電流測定装置(10、20、30、40、50、60)。
  11. 3つの導電体(12)及び2つの磁気抵抗勾配センサ(14)が含まれる、請求項1〜10の1項に記載の多相電流測定装置(10、20、30、40、50、60)。
  12. 請求項1〜11の1項に記載の多相電流測定装置(10、20、30、40、50、60)を好ましくは使用する多相電流測定の方法であって、N−1個の磁気抵抗勾配センサ(14)は、N>2であるN個の導電体の導体電流を測定するために使用され、それぞれ測定面を有する1つの磁気抵抗勾配センサ(14)は、隣接する導電体(12)の導体電流の間の測定面における磁場の強さの差を測定するため2つの隣接する導電体(12)の間に配置され、前記2つの隣接する導電体(12)の前記導体電流におけるDC磁場成分は、前記磁気抵抗勾配センサ(14)の前記測定面に対して対称に、少なくとも1つのさらなる導電体(12)のバイパス電流、好ましくはすべてのさらなる導電体(12)のバイパス電流を通過させることによって抑えられる、方法。
  13. 前記バイパス電流の大きさは、前記バイパス導体(16)によってバイパスされる導電体(12)の部分(32)における抵抗を変えることで調節される、請求項12に記載の方法。
  14. 前記磁気抵抗勾配センサ(14)の磁場補償デバイスは測定範囲キャリブレーションのために調節可能である、請求項12又は13に記載の方法。
  15. 前記バイパス電流は、前記導体電流の20%未満、好ましくは10%未満、特に5%未満になる、請求項12〜14の1項に記載の方法。

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