JP2021503611A - 充填レベルを監視するための装置を有する流体容器 - Google Patents

Abstract

本発明は、流体容器（１）内の内室（３）内に配置された、流体の充填レベルを監視するための装置（２）を有する流体容器（１）であって、装置（２）は、その位置が流体容器（１）内の流体の充填レベルと相関関係にある磁石要素（５）を有する直線的に移動可能な位置センサ（４）と、磁石要素（５）の位置に依存して少なくとも１つの電気信号を発生させる信号ユニット（６）を有するものに関する。測定装置（２）の機能範囲が拡張されているにもかかわらず軽量かつコンパクトに形成することができる改善された流体容器（１）を提供するために、本発明により、信号ユニット（６）が、磁石要素（５）の位置を検出するために少なくとも１つのホール素子（１１）を備えること、が提案される。

Description

本発明は、流体の充填レベルを監視するための装置を有する流体容器に関する。

充填された流体の充填レベルを監視するための装置を有する流体容器は、多様な形成で知られており、広く普及している。

独国特許出願公開第１０ ２０１０ ０４２ ６４６号明細書から、例えば自動車ブレーキシステムのブレーキ液リザーバとして形成された流体容器が知られている。この流体容器は、充填されたブレーキ液の最低充填レベルを検知するための装置を有する。このため、装置は、リング磁石によって起動されてその際に回路を閉じる安価で信頼性の高いリードスイッチを有する信号ユニットを備える。リードスイッチは、垂直なシリンダ状のガイドチューブ内に、容器内の許容最低充填レベルの高さのところに配置されている。リング磁石は、リング状のフロート内に収容され、このフロートと共に、ガイドチューブの周囲に配置されかつこのガイドチューブに沿って案内される１つの位置センサを構成する。リードスイッチは、所定の閾値を超える磁場強度にデジタルでのみ反応し、それにより、唯一の厳密な評価ポイントを提供する。しかしながら、普通に使用可能な磁石の磁場は、メインローブ以外に、リードスイッチも起動し得る空間的に位置ズレしたサイドローブも構成する。従って、誤スイッチングを回避するために、位置センサの移動の自由は、その可能な移動区間の意味で、適当なストッパによって強く限定され、下のストッパは、監視すべき充填レベルも確定する。従って、測定ポイントは、構造的に限定されており、後から変更すること、校正すること、又は適合させることができない。

パッド摩耗を補償するため、構造に起因して、ブレーキ液は、ブレーキ液リザーバからホイールブレーキに移動され、それにより、ブレーキ液リザーバ内の充填レベルが低下する。同様に、特に温度又は空気湿度のような環境の影響が、充填高さの自然な変動を惹起する。それにもかかわらず所定の時間又は区間の間、ブレーキの安全が保証される必要があるので、スイッチング位置の下の流体容器内に、ブレーキ液のバックアップストックが運ばれ、それにより、流体容器の寸法は、必要な取付けスペースのために拡大されて不利である。

更に、機能性の監視は、改善の要ありと見なされる。従って、例えば位置センサのブロック又は引掛りは、確実には検知することはできない。同様に、周知の装置では、例えばブレーキ回路の全損時のような極端なリークしか信号で伝えることができない。これに対して、忍び寄るリークは、長時間検知されないままになり得る。

独国特許出願公開第１０ ２０１０ ０４２ ６４６号明細書

従って、前記欠点を回避し得る信頼性の高い充填レベルの監視装置を有する改善された流体容器を提案するとの課題がある。

この課題は、本発明によれば、請求項１による特徴の組合せを有する流体容器によって解決される。従属請求項は、本発明によれば、別の有利な実施形態及び発展形を提案する。同様に、本発明による装置の操作時に機能を拡張するための方法が提案される。

本発明は、信号ユニットが、磁石要素の位置を検出するために少なくとも１つのホール素子を備えること、を企図する。磁場強度に対する出力電圧の比例性のため、位置センサの位置は、厳密なスイッチングポイントにおいてではなく、拡張された検出区間内で検出することが、加えて連続的に決定することができる。同様に、リークは、検出区間内の位置センサの位置変化により検知することができる。例えば、充填高さは、車両の停止中又は始動時に決定し、例えばパッド摩耗通告のような別の情報と比較することができ、それに基づいて、予期しない偏差が生じた時に早期に対応することができる。

同様に、例えば製造誤差を補償するために、充填レベルを監視するための装置をソフトウエアにより校正すること、バリエーションを形成すること、又は温度に起因する充填レベル変動を補償することが可能になる。

本発明の有利な発展形によれば、信号ユニットが、実質的にガイドチューブ内に配置され、位置センサが、同じガイドチューブに沿って案内され、実質的に流体容器の底まで移動可能であり得る。

これにより、流体容器内の実際に残容量の確実な測定が実行可能である。リザーブストックは、著しく削減すること又は完全になくすことができる。これにより、僅かな流体しか運ぶ必要がなく、容器寸法は、低減することができる。より僅かな流体ストックに基づいて、ハウジングの機械的負荷が軽減され、これにより、肉厚は、省材料及び省コストでも低減することができる。重量は、低減される。

第１の本発明による実施形態によれば、拡張された位置センサの移動区間及び測定装置の検出区間を実現するため、ガイドチューブは、実質的に流体容器の底まで延在するように形成することができる。従って、本発明の利点は、ハウジングの特に簡単な構造により達成される。

第２本発明による実施形態によれば、流体容器の底に、ガイドチューブの方向に延在する突起を設けることができ、この突起も、位置センサを案内するために適当であり、ガイドチューブと共に、流体容器の底までの位置センサの支障のない可動性を可能にする。これにより、ガイドチューブの長さは、剛性の利点により振動の傾向が低減されて、機能の欠点及び移動区間の低減なく短く保つことがでる。同様に、特に大きい充填高さを、より簡単に克服することができる。

有利な発展形によれば、効果的に組立て時に自動的に位置センサを正確に案内するための突起とガイドチューブの同軸の整列を達成するために、ガイドチューブと突起の間に、嵌合式の調心装置を設けることができる。

更に、本発明は、磁石要素の磁場が、少なくとも１つのメインローブと少なくとも１つのサイドローブを備え、これらローブが、ホール素子内に異なる出力電圧を惹起し、電子評価ユニットが設けられ、この電子評価ユニットが、メインローブ及び／又はサイドローブによってホール素子内に惹起された出力電圧に基づいて検出区間内の位置センサの一義的な位置を決定すること、を企図するが、これにより、位置センサの位置の連続的な監視が、任意の主要事象と中間状況の決定により可能にされる。これにより得られた結果と、例えば空間的な車両位置又はブレーキパッド摩耗のような他の事象とのクロスチェックにより、最も確実な測定装置の妥当性チェックと位置センサ又は信号ユニットのような個々の構成要素機能チェックを、車両操作時に自律的に実現することができる。

好ましくは、本発明による測定装置、特にホール素子の技術的な特性、数及び必要であれば分布は、検出区間が、１０ｍｍ超に、特に２０ｍｍ超になるように設けられ、特に好ましくは流体容器の実現可能な充填高さ全体にわたって延在するように設計されているべきである。これにより、流体容器の内容量は、効果的に利用することができ、リークだけでなく、過充填も適時に検知し、適当な対抗措置を導入することができる。

特に効果的で有利には、高められた機能性と低減された寸法の利点を効果的に利用するために、流体容器は、油圧自動車ブレーキスステムのブレーキ液リザーバとして使用することができる。しかしながら、例えば自動車の窓又はカメラのクリーニングシステム用の洗浄液容器のような他の適用のシナリオも可能である。

更に、本発明は、本発明による流体容器を操作するための機能範囲が高められた有利な方法を企図する。

第１の本発明による方法によれば、位置センサの位置は、規則的な時間間隔で、特に連続的に決定し、経験値又はモデル計算に基づいて期待される充填レベル値と比較することができる。充填レベル減少の方向の漸進的な偏差が確定された場合、流体のリークが推定され、対応付けられた警告措置及び／又は対抗措置が導入される。この方法により、測定された充填レベル値が、例えば測定されたパッド摩耗値とクロスチェックされた時は、忍び寄るリークの早期の検知以外に、測定装置の妥当性チェックも実行することができる。

第２の本発明による方法によれば、走行モード時の位置センサの位置は、規則的な時間間隔で、特に連続的に決定し、例えばヨーレートセンサにより確定可能な車両の空間的な加速値との相関関係を点検することができる。測定された位置が、期待される位置から複数倍異なる場合、位置センサの正常な移動の自由の妨害−例えば傾斜、引掛り、異物の付着等−が想定され、対応付けられた警告措置及び／又は対抗措置が導入される。

以下で、本発明の詳細及び利点を図の説明により詳細に説明する。この場合、一般的なブレーキブースタの一般に知られた側面及び機能の説明は、ほとんど省略し、発明に重要な詳細だけを取り扱う。

以下の図は、個々に、ブレーキ液リザーバの例を断面図で概略的に著しく簡略化して示す。

信号ユニット内にリードスイッチを有する周知の一般的な流体容器 信号ユニット内にホール素子を有し、底まで延在するガイドチューブを有する流体容器の第１の本発明による実施形態 信号ユニット内にホール素子を有し、底からガイドチューブまで延在するセンサ要素を更に案内するための突起を有する流体容器の第２の本発明による実施形態

・図１

周知の流体容器１は、流体を充填可能なハウジング１９を備える。油圧インターフェース２３，２３’は、ハウジング１９の内室３をここに示してないブレーキシステムと接続し、流体循環を可能にする。ブレーキシステムの確実な機能のため、流体の最低量が必要であり、この最低量は、容器１９の性質及び場合によってはハウジング１９内の所定の安全率に依存して最低充填レベルを規定する。

ハウジング１９の内室３内に、垂直な整向でガイドチューブ７が配置されている。ガイドチューブ７内に、リードスイッチ２２を有する信号ユニット６が収容されている。リードスイッチ２２は、その位置によりスイッチングポイント１７を規定し、このスイッチングポイントは、構造設計により監視すべき最低充填レベルの高さのところに設けられている。

ガイドチューブ７に沿って、位置センサ４が案内されている。位置センサ４は、流体表面に浮かぶリング状のフロートとして形成されており、従って、その位置により現在の充填レベルを示す。位置センサ４内に、リング状の磁石要素５が配置されている。磁石要素５は、永久磁石として形成され、囲帝の磁場１２を発生させ、この磁場は、不均一に形成され、ここでは著しく簡略化されて大きいメインローブ１３とメインローブ１３から空間的に離間された小さいサイドローブ１４，１４’によって図示されている。磁場１２は、リードスイッチ２２を、回路が閉じられ、それにより警告信号が発生されるスイッチングされた状態へもたらす。

最低充填レベルの下に流体が減少した後でも警告信号が発せられていることを保証するために、位置センサ４の下方への移動は、ハウジング１９の底８に形成された下のストッパ２０によって制限される。サイドローブ１４による誤スイッチングを防止するために、位置センサ４の上方への移動は、上のストッパ２１によって制限されている。従って、上のストッパ２１と下のストッパ２０の間のガイドチューブ７に沿った間隔が、センサ要素４の移動区間を規定する。

・図２

図２には、流体容器１の第１の本発明による実施形態が簡略化して図示されている。前記周知の実施形態と違って、信号ユニット６は、ガイドチューブ７内に配置されたホール素子１１を有する。ハイドチューブ７は、流体容器１のハウジング１９の底８まで達するように延長されて設計されている。加えて、移動を制限するストッパ２０，２１がなく、それにより、位置センサ４の移動区間１８は、流体容器１の可能な充填高さ全体にわたって拡大される。

周知のように、電流が流れるホール素子は、磁束密度と電流の積に比例した出力電圧を発生させる。これにより、ホール素子は、リードスイッチとは違ってアナログ特性を備える。磁石要素５により発生される磁場１２のメインローブ及びサイドローブ１３，１４，１４’の磁束密度が一定で周知であるので、出力電圧の高さ及びその時間的変化から、拡大された検出区間１６内のホール素子１１からの磁石要素５の距離とその移動方向及び移動速度を算出することができる。この目的のため、本発明による測定装置には、電子評価ユニット１５が付設されており、この電子評価ユニットは、信号ユニット６を制御し、電流を供給し、出力電圧を評価する。検出区間１６は、必要及び構成要素構成に応じて１０ｍｍ超とすることができる。好ましくは、検出区間１６は、２０ｍｍ超であり、理想的には、検出区間は、流体容器１の充填高さ全体にわたって延在する。

流体容器１の要件及び構造に応じて、ホール素子１１は、検出区間１６が充填高さの所望の領域を、好ましくは可能な充填高さ全体をカバーするように位置決めすることができる。必要時、本発明内で、例えば１つのホール素子１１の到達範囲が十分でない時に検出区間１６を更に拡大するために、複数のホール素子１１を互いに離間して異なる高さ位置に配置することができる。同様に、本発明内で、フェイルセイフを高めるために複数のホール素子を冗長的に同じ高さ位置に配置することも考えられる。

・図３

図３には、流体容器１の第２の本発明による実施形態が図示されている。図２による実施形態とは違って、ガイドチューブ７は、短縮して形成されている。同時に、底８からガイドチューブ７の方向に、位置センサ４を更に案内するために底８まで設けられた突起９が隆起する。

ガイドチューブ７の確実な組立て及び位置センサ４の支障のない案内のため、ガイドチューブ７と突起９の間に嵌合式の調心装置１０が設けられており、この調心装置が、ガイドチューブ７の組立て時に強制的に両者の互いに同軸の整列を保証する。

示したこの実施形態の場合、調心装置１０は、突起９の端部の円錐形の凸部として形成されており、この隆起が、ガイドチューブ７端部の相補的な凹部内に係合する。調心装置１０の他の機能同等のバリエーションも、本発明内で当然許容可能である。

１ 流体容器
２ 測定装置
３ 内室
４ 位置センサ
５ 磁石要素
６ 信号ユニット
７ ガイドチューブ
８ 底
９ 突起
１０ 調心装置
１１ ホール素子
１２ 磁場
１３ メインローブ
１４ サイドローブ
１５ 評価ユニット
１６ 検出区間
１７ スイッチングポイント
１８ 移動区間
１９ ハウジング
２０ 下のストッパ
２１ 上のストッパ
２２ リードスイッチ
２３ インターフェース

Claims (10)

1. 流体容器（１）内の内室（３）内に配置された、流体の充填レベルを監視するための装置（２）を有する流体容器（１）であって、装置（２）は、その位置が流体容器（１）内の流体の充填レベルと相関関係にある磁石要素（５）を有する直線的に移動可能な位置センサ（４）と、磁石要素（５）の位置に依存して少なくとも１つの電気信号を発生させる信号ユニット（６）を有するものにおいて、
   信号ユニット（６）が、磁石要素（５）の位置を検出するために少なくとも１つのホール素子（１１）を備えること、を特徴とする流体容器（１）。
2. 位置センサ（４）が、ガイドチューブ（７）に沿って案内されており、信号ユニット（５）が、実質的にガイドチューブ（７）内に配置され、位置センサ（４）が、実質的に流体容器（１）の底（８）まで移動可能であること、を特徴とする請求項１に記載の流体容器（１）。
3. ガイドチューブ（７）が、実質的に流体容器（１）の底（８）まで延在していること、を特徴とする請求項２に記載の流体容器（１）。
4. 流体容器（１）の底（８）からガイドチューブ（７）の方向に、位置センサ（４）を案内するために設けられた突起（９）が延在していること、を特徴とする請求項２に記載の流体容器（１）。
5. ガイドチューブ（７）と突起（９）の間に、ガイドチューブ（７）を突起（９）と強制的に同軸に整列させるための嵌合式の調心装置（１０）が設けられていること、を特徴とする請求項４に記載の流体容器（１）。
6. 磁石要素（５）の磁場（１２）が、少なくとも１つのメインローブ（１３）と少なくとも１つのサイドローブ（１４，１４’）を備え、これらローブが、ホール素子（１１）内に異なる出力電圧を惹起し、電子評価ユニット（１５）が設けられ、この電子評価ユニットが、メインローブ及び／又はサイドローブ（１３，１４．１４’）によってホール素子（１１）内に惹起された出力電圧に基づいて検出区間（１６）内の位置センサ（４）の一義的な位置を決定すること、を特徴とする請求項１に記載の流体容器（１）。
7. 検出区間（１６）が、１０ｍｍ超に、好ましくは２０ｍｍ超になるように設けられていること、を特徴とする請求項６に記載の流体容器（１）。
8. 流体容器（１）が、油圧自動車ブレーキスステムのブレーキ液リザーバとして形成されていること、を特徴とする請求項１〜７の少なくとも１項に記載の流体容器（１）。
9. 請求項８に記載の流体容器（１）の装置（２）を操作するための方法において、
   位置センサ（４）の位置が、規則的な時間間隔で、特に連続的に決定され、環境条件を考慮して正常に機能する自動車ブレーキシステムに基づいて決定された期待される充填レベル値と比較され、充填レベル減少の方向の漸進的な偏差が確定された場合、流体のリークが推定され、対応付けられた警告措置及び／又は対抗措置が導入されること、を特徴とする方法。
10. 請求項８に記載の流体容器（１）の装置（２）を操作するための方法において、
    走行モード時の位置センサ（４）の位置が、規則的な時間間隔で、特に連続的に決定され、車両の空間的な加速値との相関関係を点検され、期待される位置からの偏差が複数倍の場合、位置センサ（４）の正常な移動の自由の妨害が推定され、対応付けられた警告措置及び／又は対抗措置が導入されること、を特徴とする方法。

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