JP2021501336A - 血小板活性化を伴わないヘパリンベースの血液サンプラー - Google Patents

血小板活性化を伴わないヘパリンベースの血液サンプラー Download PDF

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Abstract

本発明は、血液ガス、基礎代謝パネルパラメータ分析のためだけでなく、血小板数及び/又は白血球数、例えば、3分類又は5分類にも使用できる血液サンプラー及び血液サンプルの調製に関する。血液サンプルは、血液ガス及び基礎代謝パネルパラメータの決定のための少なくとも1つの抗凝固剤と、少なくとも1つの抗血小板剤とを含む。【選択図】図1

Description

本発明は、診断用血液サンプル分析の分野に関する。
血液検査へ迅速にアクセスすることが、急性疾患の診断及び治療の中心になっている。酸素化状態及び酸−塩基バランスは、動脈血ガス(BG)分析によって決定され、現代のクリティカルケアにおけるエビデンスに基づく治療アルゴリズムの中心的な部分を構成する。更に、クリティカルケア試験を目的としたデバイスは、例えば、電解質、腎機能(クレアチニン)、炎症(C反応性タンパク質)及び心臓のバイオマーカーの評価を可能にする。
基礎代謝パネル(BMP)は、ヒトの腎臓の状態や、それらの電解質及び酸/塩基バランス、並びにそれらの血糖値を検査するために使用され、これらは全てヒトの代謝に関係する。BMPは、入院患者、並びに高血圧症及び低カリウム血症などの特定の既知の症状を有する人々をモニタリングするためにも使用できる。
更に、白血球(WBC)数は、個別の疾患に対する重要なバイオマーカーであり、特異なWBC数は、5つの異なる種類の血液細胞(「5分類」又は「5分画」)、すなわち好中球、リンパ球、単球、好酸球、及び好塩基球に更に区別することができる。あるいは、WBCは、顆粒球(一群として報告される好中球、好塩基球、及び好酸球)、リンパ球及び単球に分けることができる(「3分類」又は「3分画」)。各々は、パーセンテージとして報告される。パーセンテージの変化は、病的な症状を示し得る。
更に、血小板(栓球とも呼ばれる)は、別のパラメータとして計数されてもよい。血小板は、正常な血液凝固に不可欠な細胞の小さな断片である。血小板数は、血餅形成の問題を引き起こし得る様々な疾患及び症状をスクリーニング又は診断するために使用され得る。ほんの数例を挙げると、出血性障害、骨髄疾患、又は過度の凝固障害の精密検査の一部として使用され得る。
試験は、基礎症状のある人々、又は血小板に影響を及ぼすことが知られている薬剤による治療を受けている人々のモニタリングツールとして使用され得る。また、血小板障害の治療を受けている人々をモニタリングして、治療が有効であるかどうかを判断するためにも使用され得る。
しかしながら、通常、上記のパラメータの診断測定のために、血液サンプルを別々に調製する必要がある。例えば、BG及びBMPパラメータ分析の場合、標準的な抗凝固剤はヘパリンである。ヘパリンは、血液凝固を防止するが、血小板(栓球)の活性化及び凝集は防止せず、血小板凝集体の形成をもたらす。したがって、ヘパリンは現在、WBC、血小板、3分類又は5分類、赤血球(RBC)濃度、ヘマトクリット値、ヘモグロビン濃度、及びRBCの記述パラメータを含む、全血球計算(CBC)分析には使用されていない。ヘパリン添加血中の測定された血小板数は、特に最先端の自動血液分析器を使用した場合、単一血小板と凝集した血小板血餅とを区別することが不可能であり、過小評価される。代わりに、血小板凝集体は、血液学的分析器によって白血球として誤分類される場合があり、そのため誤って高いWBC数が得られ、無効な診断又はフラグ及びエラーメッセージにより、結果が使用不可能となる可能性がある。
エチレンジアミン四酢酸(EDTA)は、二ナトリウム塩、二カリウム塩又は三カリウム塩のいずれかとして、血液学において概ね使用される標準的な抗凝固剤である。EDTAの使用は、全血球計算を得るのに安全で信頼できることが概ね認められている。加えて、EDTA塩は、血液塗抹標本の標準的な染色プロトコルと適合性がある、すなわち当該プロトコルに干渉しない。EDTA依存性偽性血小板減少症の問題が生じる場合、クエン酸塩が代替抗凝固剤として使用される。しかしながら、EDTA又はクエン酸塩は、これらの抗凝固剤が電解質測定に強く干渉するため、BG及びBMPパラメータ分析に使用することはできない。例えば、EDTA及びクエン酸塩は、Ca2+との錯体を形成することでCa2+測定に干渉し、これらの抗凝固剤は、自動分析器のカルシウムセンサを破壊することさえある。
現在、血液学分析、特にCBCは、EDTA又はクエン酸塩で抗凝固処理した血液サンプルで実施され、ヘパリン添加血液サンプルでは実施されない。その結果、CBC、BG、及びBMPパラメータの包括的分析は、従来、別々の異なる抗凝固処理血液サンプルを用いて別々の計器で実施する必要がある。
Schnuff−Wernet et al.(Br.J.Haematol.162,684,2013)は、MgSOを、偽性血小板減少症患者の血液サンプル用抗凝固剤として、EDTA又はクエン酸塩の代わりに使用できることを記載している。
米国特許出願公開第2010/0280412号は、血液凝固因子Xa阻害剤、及びヒト血液の抗凝固のための方法であって、血中カルシウム濃度が同じままであり、トロンビンが形成されず、栓球機能が影響を受けない方法を開示している。
米国特許第6,880,384(B2)号は、血液ガスパラメータ、代謝パラメータ及び電解質を測定するための自動血液分析器、並びに血液サンプル及び撹拌要素を含む血液サンプラーを記載している。
上記に照らして、BG、BMP、血小板、及びWBC数に使用して、全てのパラメータを、同じ自動血液分析器及び同じ血液サンプルを使用して決定することを可能とし得る単一の血液サンプルを提供する必要がある。これは、上記の様々な血液パラメータを決定するために、複数の血液サンプルを採取する必要があるという患者の負担を低減するであろう。
したがって、本発明の目的は、BG、BMP及び血小板数並びに任意にWBC(又はCBC)数の「3−in−1」分析に使用され得る血液分析用血液サンプルを調製する方法を提供することである。
本発明の更なる目的は、BG、BMP及び血小板数並びに任意にWBC(又はCBC)数の「3−in−1」分析に使用され得る血液分析用の上記血液サンプルを調製するための好適な手段を提供することである。
本発明の目的は、血液サンプルを調製するためのin vitro方法であって、血液が、
a)血液ガス及び基礎代謝パネルパラメータの決定のための少なくとも1つの抗凝固剤、及び
b)少なくとも1つの抗血小板剤
と組み合わされる、in vitro方法によって解決される。
本発明の目的は、
a)患者から血液サンプラーに血液を採取する工程
を含む、血液分析サンプルを調製する方法であって、
血液サンプラーが、BG及びBMPパラメータ分析の決定のための少なくとも1つの抗凝固剤と、少なくとも1つの抗血小板剤と、を含む、方法によっても解決される。
更に、本発明の目的は、
a)上記により得られた血液サンプル中のBG、BMPパラメータ及び/又は血小板数を決定する工程、
を含む、血液サンプル中の血液ガス及びBMPパラメータの決定並びに血小板計数のためのin vitro方法によって解決される。
更に、本発明は、BG及びBMPパラメータの決定のための少なくとも1つの抗凝固剤と、BG及びBMPパラメータ分析並びに血小板計数用血液サンプルの調製のための少なくとも1つの抗血小板剤との、好ましくは血液サンプラーにおける使用に関する。
別の態様では、本発明の目的は、血液と、BG及びBMPパラメータ分析決定のための少なくとも1つの抗凝固剤と、BG、BMPパラメータ及び/又は血小板数の分析のための少なくとも1つの抗血小板剤と、を含む血液サンプラーの使用によって解決される。
更に、本発明の目的は、
a)BG及びBMPパラメータ分析のための少なくとも1つの抗凝固剤と、
b)少なくとも1つの抗血小板剤と、
を含む血液サンプラーによって解決される。
本発明は、血液サンプルを調製するためのin vitro方法であって、血液が、a)BG及びBMPパラメータの決定のための少なくとも1つの抗凝固剤、及びb)少なくとも1つの抗血小板剤と組み合わされる、in vitro方法に関する。驚くべきことに、本発明の方法に従って調製された血液サンプルは、BG及びBMPパラメータ分析並びに血小板計数に好適であることが判明した。したがって、本発明の発明的方法の1つの利点は、1つの血液サンプルで「3−in−1」分析が可能になることである。好ましい実施形態では、血液サンプルは、更にWBC数に好適である。したがって、本発明の方法によって得られた血液サンプルは、好ましくは、BG及びBMPパラメータ分析、並びに全血球計算(CBC)に好適である。
別の態様では、本発明は、
a)患者から血液サンプラーに血液を採取する工程
を含む、血液分析サンプルを調製する方法であって、
血液サンプラーが、血液ガス及びBMPパラメータ分析の決定のための少なくとも1つの抗凝固剤と、少なくとも1つの抗血小板剤と、を含む、方法に関する。血液分析サンプルは、好ましくは、例えば、約450mLの血液となり得る供血用に得た血液サンプルと比較して、比較的低い(すなわち小さい)量の血液を含む。好ましい実施形態では、患者から採取された血液サンプルは、約20μL〜約10mL、好ましくは約35μL〜約10mL、より好ましくは50μL〜約5mL、更により好ましくは約0.5〜約2mLを含有する。
更に、本発明は、
a)上記方法により得られた血液サンプル中のBG、BMPパラメータ及び/又は血小板数を決定する工程、
を含む、血液サンプル中の血液ガス及びBMPパラメータ並びに血小板数を決定するためのin vitro方法にも関する。本発明の方法の1つの利点は、上記の全てのパラメータが1つのサンプルから測定できることである。好ましい実施形態では、本方法は、WBC数を決定する工程を更に含む。
好ましい実施形態では、BG及びBMPパラメータ及び血小板数の決定は、自動血液分析器で実施される。好適な血液分析器は、例えば、米国特許第5,564,419号又は同第6,880,384号に記載されている。
血液サンプルは、典型的には全血である。血液は、静脈血又は動脈血のいずれかであってもよい。血液は動脈血であることが好ましい。しかしながら、本発明の方法が、救急部門の現場において血液サンプルを調製するために使用される場合、静脈血の使用が好ましい場合がある。
一実施形態では、血液は、毛細管血であってもよい。この実施形態は、血液サンプルが新生児から得られる場合に特に好ましい。
好ましい実施形態では、血液サンプルの血液は、特定の種類の血液細胞、例えば、洗浄血小板の集団の精製画分ではない。
上記の本発明の方法の好ましい実施形態では、BG及びBMPパラメータの決定のための少なくとも1つの抗凝固剤は、間接因子Xa阻害剤又は直接因子Xa阻害剤、又はこれらの組み合わせからなる群から選択される。
好ましい実施形態では、抗凝固剤は、ヘパリネート若しくはヘパリノイド、又はこれらの組み合わせの群から選択される。ヘパリネートの好ましい実施形態は、ヘパリン、例えば、未分画高分子量ヘパリン(HMWH)、低分子量ヘパリン(LMWH)、例えばベミパリン、セルトパリン、ダルテパリン、エノキサパリン、ナドロパリン、パルナパリン、レビパリン、チンザパリン;及びフォンダパリナックス、イドラパリナックスなどのオリゴ糖である。ヘパリノイドの好ましい実施形態は、ダナパロイド、デルマタン硫酸、及びスロデキシドを含む。
直接因子Xa阻害剤の好ましい実施形態は、アピキサバン、ベトリキサバン、ダレキサバン、エドキサバン、オタミキサバン、及びリバロキサバンを含む。
好ましい実施形態では、BG及びBMPパラメータ分析に好適な少なくとも1つの抗凝固剤はヘパリンを含む。上記のように、ヘパリンは、BG及びBMPパラメータ分析のための標準的な抗凝固剤である。ヘパリンは、血栓症につながるプロセスである凝固を阻害する天然由来の多糖類である。天然ヘパリンは、様々な長さ又は分子量の分子鎖からなる。ヘパリンは、抗凝固薬(血液希釈剤)としても使用される。ヘパリンは、酵素阻害剤の抗トロンビンIII(AT)に結合し、立体構造変化を引き起こし、その結果、反応性部位ループのフレキシビリティの増加によるその活性化をもたらす。次いで、活性化されたATは、トロンビン、因子Xa、及び他のプロテアーゼを不活性化する。
好ましい実施形態では、抗凝固剤は、電解質バランスヘパリン(「バランスヘパリン」とも呼ばれる)である。ヘパリンは、正に帯電した電解質に結合することが知られており、これは電解質の測定に干渉し得る。電解質バランスヘパリンの製剤は、ヘパリンのリチウム、亜鉛、ナトリウム、カリウム又はアンモニウム塩を含むことが好ましい。好ましい実施形態では、電解質バランスヘパリンの製剤は、リチウムヘパリン及びナトリウムヘパリンを含む。
別の実施形態では、抗凝固剤ヘパリンは、ヒトヘパリン、ブタヘパリン又は合成ヘパリンである。好ましい実施形態では、抗凝固剤は、ブタヘパリンである。
別の好ましい実施形態では、抗凝固剤は、未分画ヘパリンである。
好ましい実施形態では、抗凝固剤(例えばヘパリン)の最終濃度は、約10IU/mL〜約200IU/mL、好ましくは約20IU/mL〜約100IU/mLである。特に好ましい実施形態では、抗凝固剤(例えばヘパリン)の最終濃度は、約60IU/mLである。
一実施形態では、本発明に従って使用されるBG及びBMPパラメータの決定のための少なくとも1つの抗凝固剤は、血液と組み合わされたときに、「液体ヘパリン」とも呼ばれる液体形態であってもよく、又は乾燥形態、例えば、乾燥バランスヘパリンであってもよい。少なくとも1つの抗凝固剤の乾燥形態の一例は、凍結乾燥抗凝固剤、例えば凍結乾燥されたヘパリン又は凍結乾燥バランスヘパリンである。
一実施形態では、BG及びBMPパラメータの決定のための少なくとも1つの抗凝固剤は、血液と組み合わせたときに凍結乾燥形態である。
別の好ましい実施形態では、少なくとも1つの抗血小板剤は、糖タンパク質IIb/IIIa阻害剤、ADP受容体/P2Y12阻害剤、プロスタグランジン類似体、COX阻害剤、トロンボキサン阻害剤、ホスホジエステラーゼ阻害剤、クロリクロメン、ジタゾール、ボラパキサル(vorapraxar)、又はこれらの組み合わせからなる群から選択される。
糖タンパク質IIb/IIIaは、インテグリンαIIbβ3としても知られ、血小板上に見出されるインテグリン複合体である。これはフィブリノーゲン及びフォン・ヴィレブランド(von Willebrand)因子の受容体であり、血小板活性化を助ける。糖タンパク質IIb/IIIa阻害剤は、心臓発作又は脳卒中のリスクを低下させるための取り組みにおいて血液凝固を防止するために使用できる。糖タンパク質IIb/IIIaの例としては、限定するものではないが、アブシキマブ、エプチフィバチド(インテグリンとも呼ばれる)、オルボフィバン、ロトラフィバン、ロキシフィバン、シブラフィバン、及びチロフィバン(アグラスタットとも呼ばれる)又はこれらの塩が挙げられる。好ましい糖タンパク質IIb/IIIa阻害剤は、エプチフィバチド及びチロフィバン又はこれらの塩である。
アデノシン二リン酸(ADP)受容体/P2Y12阻害剤は、急性冠症候群の治療に使用される、又は血栓塞栓症、心筋梗塞、又は脳卒中のリスクがある患者における予防として使用される、抗血小板剤の薬剤クラスである。その作用機序は、P2Y12タンパク質への拮抗にあり、したがってP2Y12受容体へのADPの結合を防止する。これにより、血小板の凝集を減少し、血栓形成を阻害する。P2Y12受容体は、血小板に見出される表面結合タンパク質である。これらは、Gタンパク質結合プリン受容体(GPCR)に属し、ADPの化学受容体である。ADP受容体/P2Y12阻害剤の例としては、限定するものではないが、クロピドグレル、プラスグレル及びチクロピジンなどのチエノピリジン、又はこれらの塩;並びにカングレロール、エリノグレル、チカグレロル、スラミンナトリウム及び2−MeSAMPなどのヌクレオチド/ヌクレオシド類似体/受容体アンタゴニストが挙げられる。チエノピリジンは、in vitroでADP受容体/P2Y12阻害活性を示さないプロドラッグであるため、好ましさがより低い、本発明によるADP受容体/P2Y12阻害剤である。したがって、ヌクレオチド/ヌクレオシド類似体/受容体アンタゴニスト、例えば、カングレロール、エリノグレル、チカグレロル、又はこれらの塩、スラミンナトリウム及び2−MeSAMPは、本発明による好ましいADP受容体/P2Y12阻害剤である。
プロスタグランジンは、血小板凝集を誘発又は阻害し、血管を収縮〜拡張し得る。プロスタグランジン類似体は、プロスタグランジン受容体に結合する薬剤の1クラスである。例としては、ベラプロスト、イロプロスト(ZK36374としても知られる)、プロスタサイクリン、エポプロステノール、及びトレプロスチニルが挙げられるが、これらに限定されない。
シクロオキシゲナーゼ(COX)は、公式にはプロスタグランジン−エンドペルオキシドシンターゼ(PTGS)として知られ、トロンボキサン及びプロスタグランジンなどのプロスタノイドの形成に関与する酵素である。COX阻害剤の例としては、限定するものではないが、アセチルサリチル酸、アロキシプリン、カルバサラートカルシウム、イブプロフェン、トリフルサル(trifusal)、スルフィンピラゾン、及びニトロアスピリン(NCX−4016)が挙げられる。
トロンボキサンは、エイコサノイドとして知られる脂質ファミリーのメンバーである。2つの主なトロンボキサンは、トロンボキサンA2及びトロンボキサンB2である。トロンボキサンの際立った特徴は、6員エーテル含有環である。トロンボキサンは、血餅形成におけるその役割から名付けられている。トロンボキサン−Aシンターゼは、血小板中に見出される酵素であり、アラキドン酸誘導体プロスタグランジンHをトロンボキサンに変換する。トロンボキサン阻害剤は、ジピリダモール(dtritriipyridamole)、ピコタミド、テルボグレル、ダルトロバン、セラトロダスト、SQ−29548及びラマトロバンなどのトロンボキサンシンターゼ阻害剤;並びにテルボグレル及びテルトロバンなどのトロンボキサン受容体アンタゴニストを含む。
ホスホジエステラーゼは、ホスホジエステル結合を切断する酵素である。ホスホジエステラーゼ酵素(PDE)は、多くの場合、その固有の組織分布、構造特性、及び機能特性から、薬理学的阻害のための標的である。ホスホジエステラーゼの阻害剤は、ホスホジエステラーゼによるcAMP又はcGMPの分解を阻害することによって、cAMP又はcGMPによって媒介される生理学的プロセスの効果を延長又は増強することができる。PDE阻害剤は、肺動脈高血圧症、冠状動脈性心疾患、認知症、鬱病、喘息、COPD、マラリアなどの原虫感染症、及び統合失調症などの分野における新たな潜在的治療薬として識別されている。更に、環状アデノシン3’,5’−一リン酸(cAMP)及び環状グアノシン3’,5’−一リン酸(cGMP)は、基本的な血小板機能に対して強力な阻害活性を有する2つの重要な細胞内セカンドメッセンジャーである。PDEは、cAMP及びcGMPの加水分解を触媒することによって、環状ヌクレオチドの細胞内濃度を制限し、それにより血小板機能を調節する。したがって、PDEの阻害は、強い血小板阻害効果を及ぼし得る(Gresele et al.Br.J.Clin.Pharmacol.2011 Oct;72(4):634−46)。PDEの例としては、限定するものではないが、シロスタゾール、ジピリダモール、トリフルサル、ミルリノン、アナグレリド及びテオフィリンが挙げられる。
上記群のうちの1つに属することが知られていない抗血小板薬としては、限定するものではないが、クロリクロメン、ジタゾール、ボラパキサル、及びL−アルギニン、又はこれらの塩が挙げられる。
クロリクロメンは、血栓塞栓性障害の治療に使用される血管拡張活性を有する抗血小板薬である。
ジタゾールは、フェニルブタゾンと同様の鎮痛及び解熱活性を有する非ステロイド性抗炎症剤である。更に、ジタゾールは、スペイン及びポルトガルでAgeroplas(登録商標)の商品名で販売されている血小板凝集阻害剤である。
ボラパキサルは、以前はSCH530348として知られ、天然産物ヒムバシンをベースとするトロンビン受容体(プロテアーゼ活性化受容体、PAR−1)アンタゴニストである。
経口L−アルギニンは、一酸化窒素経路によって血小板凝集を阻害することが示されている(Adams et al.,J.Am.Coll.Cardiol.1995 Oct;26(4):1054−61)。
少なくとも1つの抗血小板剤は、糖タンパク質IIb/IIIa阻害剤、ADP受容体/P2Y12阻害剤、プロスタグランジン類似体、クロリクロメン、ジタゾール、ボラパキサル、又はこれらの組み合わせからなる群から選択されることが好ましい。
別の好ましい実施形態では、少なくとも1つの抗血小板剤は、糖タンパク質IIb/IIIa阻害剤、プロスタグランジン類似体、クロリクロメン、ジタゾール、ボラパキサル、又はこれらの組み合わせからなる群から選択される。
別の好ましい実施形態では、少なくとも1つの抗血小板剤は、糖タンパク質IIb/IIIa阻害剤及びプロスタグランジン類似体からなる群から選択される。
好ましい実施形態では、少なくとも1つの抗血小板剤は、プロスタグランジン類似体を含む。
更に別の好ましい実施形態では、少なくとも1つの抗血小板剤は、アブシキマブ、エプチフィバチド、オルボフィバン、ロトラフィバン、ロキシフィバン、シブラフィバン、及びチロフィバン又はこれらの塩からなる群から選択される糖タンパク質IIb/IIIa阻害剤である。好ましい実施形態では、少なくとも1つの抗血小板剤は、エプチフィバチド及び/又はチロフィバン又はこれらの塩を含む。好ましい実施形態では、エプチフィバチドは、エプチフィバチド酢酸塩として使用される。チロフィバンは、チロフィバン塩酸塩、より好ましくは、塩酸チロフィバン一水和物塩として使用されることも好ましい。
更に別の好ましい実施形態では、少なくとも1つの抗血小板剤は、ベラプロスト、イロプロスト、プロスタサイクリン、エポプロステノール、トレプロスチニル又はこれらの塩からなる群から選択されるプロスタグランジン類似体である。
特に好ましい実施形態では、少なくとも1つの抗血小板剤は、エプチフィバチド、チロフィバン、イロプロスト、これらの塩、又はこれらの組み合わせを含む。
少なくとも1つの抗血小板剤は、イロプロストを含むことが特に好ましい。イロプロストは、BG、BMP及び血小板数のための血液サンプルの調製に好適であるだけでなく、驚くべきことに、白血球活性化を阻害し、血液サンプル中のWBC凝集が非常に少ないことも見出されたため、抗血小板剤として特に好ましい。
別の実施形態では、少なくとも1つの抗血小板剤は、ADP受容体/P2Y12阻害剤を含み、ADP受容体/P2Y12阻害剤は、ヌクレオチド/ヌクレオシド類似体/受容体アンタゴニストである。ADP受容体/P2Y12阻害剤は、カングレロール、エリノグレル、チカグレロル、又はこれらの塩、スラミンナトリウム、2−MeSAMPからなる群から選択されることが好ましい。
別の好ましい実施形態では、本発明の方法は、MgSO、EDTA又はクエン酸塩を血液サンプルの血液と組み合わせる工程を含まない。これらの抗凝固剤は、BG及びBMPパラメータ分析用の血液サンプルの調製に適さない。
別の好ましい実施形態では、本発明の方法は、血液サンプルを混合する工程を更に含む。血液サンプルの混合は、そうしなければ血液サンプルが凝固若しくは沈降し得るか、又はサンプルが分析前に血液サンプル中の空気と反応し得ることから、有利である。混合は、例えば、撹拌によって行われてもよい。混合は、血液サンプルを繰り返し反転させることによって、又は水平に回転させることによって手動で行われてもよい。更に、撹拌要素も血液サンプルに含まれてよい。次いで、例えば、米国特許第6,880,384(B2)号に記載されているような運動手段を使用して、サンプルを撹拌してもよい。血液サンプルの混合は、抗凝固剤、例えばヘパリンの溶解を促進し、沈殿を防止する。抗凝固剤が適切に溶解されていない場合、微小の血餅の形成をもたらす可能性があり、これは結果にバイアスを生じ、及び/又は分析器を損傷させ得る。沈降は、サンプルの不均質性及び誤った分析結果をもたらし得る。
別の態様では、本発明はまた、
a)上記のBG及びBMPパラメータ分析のための少なくとも1つの抗凝固剤と、
b)上記の少なくとも1つの抗血小板剤と、
を含む血液サンプラーに関する。
血液サンプラーは、上記の本発明の方法を実施するために使用され得る。BG及びBMPパラメータ分析のための少なくとも1つの抗凝固剤は、液体形態で血液サンプラー内に存在してもよく、又は乾燥製剤中に存在してもよい。
一実施形態では、血液サンプラーは、BG及びBMPパラメータの決定のための少なくとも1つの抗凝固剤及び/又は少なくとも1つの抗血小板剤を含む、更なる要素を含む。例えば、更なる要素は、「ヘパリンブリック(heparin brick)」について知られているように、「ブリック」であってもよい。この文脈において「ブリック」とは、少なくとも1つの抗凝固剤が不活性充填材料の「パフ」内で調製されたことを意味し、このパフは溶解し、ヘパリンは、適切な混合によりサンプル全体に分散され、パフは製造中に分与されて、各サンプラー内に再現可能な量のヘパリンを送達することができる。このようなブリックの一例は、例えば、BG及びBMPパラメータの決定のための少なくとも1つの抗凝固剤及び/又は少なくとも1つの抗血小板剤に浸漬されたセルロース片である。しかしながら、BG及びBMPパラメータの決定のための少なくとも1つの抗凝固剤及び/又は少なくとも1つの抗血小板剤を、血液と接触したときに放出し得る他の更なる要素、例えば、内部サンプラー表面上に噴霧された血液サンプラー壁面コーティングマトリックスも可能である。
一実施形態では、血液サンプラーは、プラスチック又はガラスから構成される。
別の好ましい実施形態では、血液サンプラーは、サンプラーキャップを備える。サンプラーキャップは、血液サンプラーの開放端、例えばシリンジの先端部、又は毛細管若しくは試験管の開放端に接続されるキャップである。BG分析結果にバイアスを生じ得る周囲とのガス交換は、サンプラーキャップを使用することによって回避され得る。好適なサンプラーキャップは、例えば、国際公開第2004/000412号に記載されている。
別の好ましい実施形態では、血液サンプラーは撹拌要素を含む。撹拌要素は、球形要素又は丸みを帯びた端部を有する円筒形要素であることが好ましい。撹拌要素がボールの形態を有することが特に好ましい。ボールは、例えば、鋼又はプラスチックで作製されていてもよい。
別の実施形態では、撹拌要素は、不活性材料のコーティングを含む。不活性材料は、好ましくは血液分析に干渉しないか、又は実質的に干渉しない。例えば、不活性材料は、金、白金、パラジウム、又はロジウムからなる群から選択されてもよい。好ましい実施形態では、不活性材料は金である。
特に好ましい実施形態では、撹拌要素は、金コーティングされたボール、好ましくは金コーティングされた鋼製ボールである。
一実施形態では、撹拌要素は、米国特許第6,880,384(B2)号に記載の撹拌要素である。
撹拌要素の運動もまた、米国特許第6,880,384(B2)号に記載されている。したがって、撹拌要素は、運動手段、例えば機械的手段によって動かされることが好ましい。運動手段は、サンプルハンドラー及び/又はサンプラーベッドを動かす(例えば傾斜又は回転する)ためのロボットアーム又は支持部であってもよく、これにより、任意のサンプラー内に保持された撹拌要素を、重力を用いて動かすことができる。
好ましい実施形態では、血液サンプラーは、20μL〜約10mL、好ましくは約35μL〜約10mL、より好ましくは50μL〜約5mL、更により好ましくは約0.5〜約2mLの血液量で充填されてもよい。
別の態様では、本発明は、血液ガス及びBMPパラメータの決定のための少なくとも1つの抗凝固剤と、血液ガス及びBMP分析並びに血小板計数用血液サンプルの調製のための少なくとも1つの抗血小板剤と、の使用に関する。BG及びBMPパラメータの決定のための少なくとも1つの抗血小板剤及び少なくとも1つの抗凝固剤は、上記のとおりである。好ましい実施形態では、血液サンプルは、血液サンプラー内で調製される。
更に別の態様では、本発明は、血液ガス及びBMPパラメータ分析の決定のための少なくとも1つの抗凝固剤と、血液ガス、BMPパラメータ及び/又は血小板数の分析のための少なくとも1つの抗血小板剤と、を含む血液サンプラーの使用に関する。血液サンプラー、BG及びBMPパラメータの決定のための少なくとも1つの抗血小板剤及び少なくとも1つの抗凝固剤は、上記のとおりである。好ましい実施形態では、血液サンプラーは血液を更に含む。
本明細書で使用するとき、用語「パラメータ」は、血液サンプルに関する臨床情報の任意の部分を意味する。
本明細書で使用するとき、「血液ガスパラメータ」における「血液ガス」という用語は、血液のガスのパラメータを指し、血液、典型的には動脈血に溶解した特定のガス(例えば、酸素及び二酸化炭素)の量を含む。血液ガスパラメータとしては、pH、pCO、pO、酸素飽和(sO)、総ヘモグロビンの濃度(ctHb又はtHb)、オキシヘモグロビンの割合(FOHb又はOHb)、カルボキシヘモグロビンの割合(FCOHb又はCOHb)、メトヘモグロビンの割合(FHHb又はMetHb)、デオキシヘモグロビンの割合(FHHb又はRHb)、及び胎児ヘモグロビンの割合(FHbF)が挙げられる。「血液ガス分析に好適な血液サンプル」は、血液サンプルが少なくとも1つの血液ガスパラメータを測定するために使用され得るが、好ましくは、pH、pCO、pO、ctHb、FOHb、FCOHb、FMetHb,FHHb、及びFHbFの全ての血液ガスパラメータを測定するのに好適であることを意味する。少なくともpH、tHb、FCOHb、及びFMetHbを測定できることが好ましい場合がある。
本明細書で使用するとき、用語「基本代謝パネルパラメータ分析」における「基本代謝パネル」は、特に電解質における生化学的血液パラメータ、すなわち、Na、K、Cl、HCO 、尿素、クレアチニン、グルコース(glu)、Ca2+、ラクテート(lac)及び全ビリルビン(tBil)の濃度を指す。したがって、「BMPパラメータ分析に好適な血液サンプル」は、上記BMPパラメータの少なくとも1つであるが、好ましくは全てを決定するために使用できる血液サンプルである。少なくともNa、K、Cl、Ca2+、glu、lac及びtBilを測定できることが好ましい場合がある。
本明細書で使用するとき、用語「血小板計数」又は「血小板数を決定すること」は、患者の血液中の血小板数を決定する診断試験を意味する。血小板は、栓球とも呼ばれ、骨髄中で産生され、血液凝固のプロセスに関与する小さい円盤形状の血液細胞である。通常、1マイクロリットルの血液中に150,000〜450,000の血小板が存在する。低い血小板数又は異常な形状の血小板は、出血性障害に関連する。高い血小板数は、骨髄の障害を示す場合がある。
本明細書で使用するとき、「少なくとも1つの抗凝固剤」又は「少なくとも1つの抗血小板剤」における「少なくとも1つ」という用語は、1種の薬剤のみ又は異なる複数の薬剤、例えば異なる複数の抗凝固剤が、サンプル中に存在し得ることを意味する。好ましい実施形態では、「少なくとも1つの」は、「1つの」種類の薬剤、例えば、1種類の抗凝固剤、例えばヘパリンを意味する。
本明細書で使用するとき、用語「抗凝固剤」は、血液の凝固、すなわち、フィブリン重合、したがってフィブリン血餅形成をもたらす凝固カスケードを防止又は低減する物質を意味する。抗凝固剤は、したがって、初期血小板凝集後に凝固因子によって凝固カスケードを阻害することによって凝固時間を延長する。
本明細書で使用するとき、「BG及びBMPパラメータの決定のための抗凝固剤」という用語は、物質が血液サンプル中の抗凝固物質として好適であり、その結果血液サンプルをBG及びBMPパラメータの分析に使用できることを意味する。一部の抗凝固剤(例えばEDTA)は、例えば、抗凝固剤がCa2+との錯体を形成し、その結果、カルシウム濃度を、血液サンプル中で確実に決定することができないことなどから、BG及びBMPパラメータの決定には不適切であることが知られている。したがって、EDTAは、BG及びBMPパラメータの決定のための抗凝固剤ではない。
本明細書で使用するとき、用語「抗血小板剤」は、血小板凝集を減少させ、及び/又は血栓形成を阻害する物質、すなわち、血液凝固の初期血小板凝集を阻害する物質を意味する。したがって、抗血小板剤は、フィブリン繊維、他の細胞外マトリックス成分に付着すること又は血小板凝集体へと凝集することができる活性化血小板を生じる血小板活性化カスケードに干渉する。凝固カスケード及び血小板凝集カスケードは、トロンビンなどのいくつかのタンパク質が両方のカスケードにおいて役割を果たし得る場合であっても、2つの別個のカスケードであることが強調される。抗血小板薬は、血小板活性化に関与するプロセスを可逆的又は不可逆的に阻害することができ、その結果、血小板が互い及び損傷した血管内種皮に付着する傾向、又は血液サンプラー材料などの異物表面に付着する傾向が減少する。
本明細書で使用するとき、用語「血液サンプル」又は「血液分析サンプル」は、診断又は分析目的に好適な血液のサンプルを指す。したがって、血液サンプルは、比較的少量の血液(20μL〜10mLの血液)を含み、すなわち、例えば、供血に必要な量(最大で約450mLの血液)を含まない。「BG及びBMPパラメータ分析並びに血小板計数に好適な血液サンプル」は、血液サンプルがBG、BMPパラメータの決定、並びに血小板計数の実施に使用するのに好適であり、抗凝固剤及び/又は抗血小板剤が、パラメータのうちの1つの決定に干渉しないか、又は少なくとも実質的に干渉しないことを意味する。
本明細書で使用するとき、用語「血液サンプラー」は、シリンジ、毛細管、又は試験管などの血液採取のためのデバイス、例えば、PICOシリンジ(Radimeter Medical ApS)、真空試験管、又は血液サンプリング用に指定された同様の装置などの吸引サンプラー又は自動吸引サンプラーを意味する。
本明細書で使用するとき、用語「白血球数」は、患者の血液のサンプル中の白血球数を計数する診断試験を意味する。平均正常範囲は、血液1μL当たり3,500〜10,500個の白血球である。
本明細書で使用するとき、用語「全血球計算(complete cell count)」は、白血球数、血小板数、及び3分類(3分画)又は5分類(5分画)のいずれかを含む診断試験を意味する。全血球計算は、患者の血液のサンプルの赤血球数を含まない。
本明細書で使用するとき、「実質的に干渉しない」とは、最大干渉の割合が5未満、好ましくは2.5未満、より好ましくは1以下であることを意味する。
本明細書で使用するとき、用語「約」は、本出願の数値の文脈において、例えば、「約10mL」において、「約」の直後に列挙された値が、例えば、測定誤差などによる正確な数値からのわずかな偏差も含むことを意味する。好ましい実施形態では、用語「約」は、用語「約」の直後に列挙された値の15%以内(±15%)の値を意味し、この範囲内の任意の数値、この範囲の上限(すなわち、+15%)に等しい値、及びこの範囲の下限(すなわち、−15%)に等しい値を含む。例えば、語句「約100」は、85及び115を含む85〜115の任意の数値を包含する(ただし、「約100%」は常に100%の上限を有し、例外である)。一態様では、「約」は、±10%、更により好ましくは±5%、更により好ましくは±1%又は±1%未満を意味する。
総じて、本発明は、好ましくは、少なくとも1つの抗血小板剤又はBG及びBMPパラメータの決定のための少なくとも1つの抗凝固剤などの開示された試薬の全ての塩を含むが、ただしこれらの塩が血液分析に干渉しない又は実質的に干渉しないことを条件とする。塩の例としては、無機及び有機酸付加塩及び塩基性塩が挙げられる。塩としては、限定するものではないが、セシウム塩などの金属塩、リチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩又はマグネシウム塩などのアルカリ塩、トリエチルアミン塩、ピリジン塩、ピコリン塩、エタノールアミン塩、トリエタノールアミン塩、ジシクロヘキシルアミン塩、N,N’ジベンジルエチレンジアミン塩などの有機アミン塩;シトレート、タータレート、マレエート、フマレート、マンデレート、アセテート、ジクロロアセテート、トリフルオロアセテート、ジクロロアセテート、トリフルオロアセテート、オキサレート、ホルメートなどの無機酸塩、メタンスルホネート、ベンゼンスルホネート、p−トルエンスルホネートなどのスルホン酸塩;並びにアルギネート、グルタメートなどのアミノ酸塩が挙げられる。酸付加塩としては、限定するものではないが、塩酸、フマル酸、マレイン酸、コハク酸、酢酸、クエン酸酒石酸、リン酸、シュウ酸、ジクロロ酢酸などが挙げられる。
液体ヘパリンのみ(LiHep、金コーティング(Au)ボールなし、穏やかな手動混合)、SAMミキサーで混合したPICO70(PicoSAM)、EDTA抗凝固剤、液体ヘパリン又は完全PicoSAMと2種類の濃度の抗血小板薬(エプチフィバチド、チロフィバン、又はイロプロスト)との組み合わせを含んだPICO70サンプラーで採取した血液中で定量化した、単一血小板数及び血小板凝集体の数。3つの抗血小板薬は、単一血小板数を示し、標準的なEDTA抗凝固処理血液と同程度に凝集体を全く又はほとんど示さない。 液体ヘパリンのみ(LiHep、Auボールなし、穏やかな手動混合)、SAMミキサーで混合したPICO70(PicoSAM)、EDTA抗凝固剤、液体ヘパリン又は完全PicoSAMと2種類の濃度の抗血小板薬(MgSO)との組み合わせを含んだPICO70サンプラーで採取した血液中で定量化した、単一血小板数及び血小板凝集体の数。 液体ヘパリンのみ(LiHep、Auボールなし、穏やかな手動混合)、SAMミキサーで混合したPICO70(PicoSAM)、EDTA抗凝固剤、液体ヘパリン又は完全PicoSAMと2種類の濃度の抗血小板薬(チクロピジン)との組み合わせを含んだPICO70サンプラーで採取した血液中で定量化した、単一血小板数及び血小板凝集体の数。 液体ヘパリンのみ(LiHep、Auボールなし、穏やかな手動混合)、SAMミキサーで混合したPICO70(PicoSAM)、EDTA抗凝固剤、液体ヘパリン又は完全PicoSAMと2種類の濃度の抗血小板薬(L−アルギニン)との組み合わせを含んだPICO70サンプラーで採取した血液中で定量化した、単一血小板数及び血小板凝集体の数。 液体ヘパリンのみ(LiHep、Auボールなし、穏やかな手動混合)、SAMミキサーで混合したPICO70(PicoSAM)、EDTA抗凝固剤、液体ヘパリン又は完全PicoSAMと2種類の濃度の抗血小板薬(ジピリダモール)との組み合わせを含んだPICO70サンプラーで採取した血液中で定量化した、単一血小板数及び血小板凝集体の数。 (A)ヘパリン及び(B)EDTAで抗凝固処理した血液サンプルの顕微鏡画像。EDTAは血小板活性化を防止して血液サンプル中の単一血小板を維持し、一方でヘパリンは、他のアゴニスト又は異物によって誘導される血小板凝集を可能にするか、又は増強さえもする。ヘパリンのこの効果は、(C)20μMのエプチフィバチドをヘパリンに添加したときの顕微鏡画像では観察されない。 染色/溶血試薬と手動混合した血液サンプル。カバーガラス上の湿式マウント内で調製された染色WBC(白血球)及び血小板を、40x対物レンズを使用したLeica顕微鏡で明視野モードにて撮像した。(A)血小板との相互作用を示す白血球の例。 染色/溶血試薬と手動混合した血液サンプル。カバーガラス上の湿式マウント内で調製された染色WBC(白血球)及び血小板を、40x対物レンズを使用したLeica顕微鏡で明視野モードにて撮像した。(B)白血球凝集体の例。
実施例1 ヘパリン及び異なる抗血小板剤を使用した血小板凝集の分析
各実験は、1つの抗血小板薬候補を試験する1名の供血者からの血液を用いて、別々の日に実施した。各実験では、PICO70シリンジサンプラー(Radiometer Medical ApS)を、サンプル採取直前に準備した。「LiHep」(液体ヘパリン)条件については、PICO70サンプラーは金ボール及びヘパリンブリックのない空の状態とし、ヘパリンリチウム(Celsus Laboratories)及びヘパリンナトリウム(Celsus Laboratories)を含むバランスヘパリン水溶液(Celsus Laboratories)(最終ヘパリン濃度60IU/mL血液)15μlと試験薬剤の溶媒15μlとを添加した。「PicoSAM」条件については、未改変のPICO70サンプラー(金ボール及びヘパリンブリックを有する)を使用し、それぞれの試験薬剤の溶媒15μlを添加した。「LiHep xxx薬剤」条件については、PICO70サンプラーを、LiHepの場合に記載したように空にし、液体バランスヘパリン(最終ヘパリン濃度60IU/mL血液)15μlと、溶解した試験薬剤15μlとを添加した。「PicoSAM xxx薬剤」条件については、未改変のPICO70サンプラー(金ボール及びヘパリンブリックを有する)を使用し、溶解した試験薬剤15μlを添加した。試験された抗血小板薬候補及び対応する溶媒は、エプチフィバチドアセテート(Sigma、SML1042;生理食塩水に溶解、最終濃度5及び20μM)、MgSO(Sigma、M7506;生理食塩水に溶解、最終濃度3及び12mM)、チロフィバン塩酸塩一水和物(Sigma、SML0246;1:200 DMSO生理食塩水溶液に溶解、最終濃度0.5及び1μM)、イロプロスト(Sigma、SML1651;1:1000又は1:10000でエタノール生理食塩水溶液に溶解、最終濃度10及び100nM(後で1μM))、チクロピジン塩酸塩(生理食塩水に溶液、最終濃度60及び600μM)、L−アルギニン(Sigma、A5006;生理食塩水に溶解、最終濃度600μM及び6mM)及びジピリダモール(Sigma,D9766;1:10又は1:100でDMSO生理食塩水溶液に溶解、最終濃度10及び100μM)であった。EDTA管(KEDTAがスプレーコーティングされたBDバキュテイナー、10ml)及びPICO70シリンジサンプラーの全ての条件の2連サンプルを、封止VTC(ベント機能付きチップキャップ)を使用して、翼状針を介して静脈血を採取し、他の方法では自動吸引のPICO70サンプラーに1.5mLの静脈全血を充填することによって充填した。採取後直ちにサンプラーを8回反転させて、サンプルの適切な抗凝固を確実とした。血液サンプルは、サンプル採取後15分間、手で穏やかに混合(金ボールなしのサンプラー)するか、又はSAMミキサー(Radiometer Medical ApS)で混合した。混合したサンプルを、直ちに10%ホルマリン溶液(血液のホルマリン中に1:1希釈)で少なくとも10分間固定し、更に血小板希釈液に1:10で希釈して、赤血球(RBC)を溶血し、血球計を使用して手動血小板数を評価した。単一血小板(凝集していない)の手動血小板数、血小板凝集体の数及び可能であれば血小板凝集体のサイズ(凝集体中の血小板の数)を、10x及び20x位相差空気対物レンズを有するLeica750顕微鏡を使用して、血球計内の血小板を計数することによって、各サンプル2連で定量化した。単一血小板数を、液体ヘパリン及び又は溶解した薬剤溶液での希釈について調節して、単一血小板濃度を計算した。
エプチフィバチド、チロフィバン、及びイロプロストは、「LiHep」及び「PicoSAM」参照と比較して血小板凝集体の形成を低減した(図1参照)。
MgSOも、血小板凝集体の形成を低減した(図2参照)。
チクロピジンLiHepは、EDTA基準と比較して同様の単一血小板数を示し、LiHep及びPicoSAM対照と比較してわずかに減少した凝集体数を示した(図3参照)。L−アルギニンは、EDTA対照と比較して、血小板数の減少及び血小板凝集体数の増加を示したが、なおもLiHep及びPicoSAM対照よりもわずかに高い血小板数を示した(図4参照)。
ジピリダモール、ホスホジエステラーゼ阻害剤及びトロンボキサン阻害剤は、LiHep及びPicoSAM対照と比較してわずかに高い血小板数を示した(図5参照)。
実施例2 ヘパリン添加血及びEDTA処理血液を用いた血小板凝集研究
実施例1に記載したように、採取し、混合し、及び10%ホルマリン溶液で固定した静脈血サンプルを使用して、スライドガラス上に湿式マウントを調製し、カバーガラスで覆った。次いで、固定された血液細胞の湿式マウントサンプルを、40x位相差空気対物レンズを使用してLeica 750顕微鏡で撮像した。ヘパリン添加血中の凝集血小板に対して、EDTA抗凝固処理血中及びヘパリン添加血(例えば、エプチフィバチド)中の非凝集単一血小板が、大量のRBCの間に見られる。
結果を図6に示す。ヘパリン添加血は、EDTAを用いて調製された血液サンプル中、又はヘパリン及びエプチフィバチドなどの抗血小板薬を用いて調製された血液サンプル中には見られない血小板凝集体を示した。
実施例3 染色された血液サンプルの湿式マウント画像
静脈血サンプルを、実施例1に記載のように採取及び混合し、染色された湿式マウント画像を作成するために使用した。血液サンプルを染色及び溶血剤(それぞれメチレンブルー及びデオキシコール酸)と混合し、水浴中で47℃にて30秒間インキュベートした。次いで、染色及び溶血した血液サンプルを、スライドガラス上の湿式マウントサンプルに調製し、カバーガラスで覆った。次いで、40xの空気対物レンズを明視野モードで使用して、染色されたサンプルの画像をLeica 750顕微鏡で取得した。画像処理ソフトウェア(FIJI、ImageJ)を使用して、画像から代表的な染色WBCの関心領域(ROI)を選択した。
PicoSAMサンプル(抗血小板薬を含まないヘパリン添加血)は、多数の凝集血小板(小さく、丸みを帯びた細胞)を示した。
1μMのチロフィバン又は20μMのエプチフィバチドを有するPicoSAMサンプルは、単一血小板を示したが、血小板衛星現象(satellinism)、すなわちWBCへの血小板結合を示した。これは例えば、図7Aに示されている。更に、図7Bに示すように、WBC凝集体も観察された。
100nMのイロプロストを有するPicoSAMサンプル(又はバランスLiHep及び100nMイロプロストを有するサンプル)は、血小板衛星現象又はWBC凝集体ではない単一血小板を示した。EDTA抗凝固処理血液を使用して、同じ結果を得た。
実施例4 EDTA基準サンプルと比較した、イロプロストヘパリンサンプルの単血小板濃度
手動血小板数
実施例1に記載のようにサンプルを調製した。
ABX血小板数
上記のように採取し、15分後に混合した血液サンプルを、自動血液分析器(Horiba、ABX Pentra 60C+)(ABX)を用いて、WBC濃度を含む5分画の全血球計算(CBC)、血小板濃度、平均血小板容積(MPV)、好中球、リンパ球、単球、好酸球及び好塩基球の濃度及び割合、RBC濃度、ヘマトクリット値、ヘモグロビン濃度、RBC記述パラメータ(MCV、MCH、MCHC、RDW)について評価した。数名の供血者からサンプルを調製した。測定した血小板濃度を使用して、イロプロストヘパリンサンプル(PICO70サンプラー内)及びEDTA抗凝固処理サンプルと比較した。フローシステムの剪断力により弱く凝集された血小板は、ある程度脱凝集され得るが、ABX分析器は、血小板が凝集している場合には血小板濃度を過小評価する可能性がある。対照として、血小板凝集体のないEDTAサンプルを、自動ABX血小板濃度の測定の基準測定値として使用する。
1名の供血者について、PicoSAM 100nMイロプロストサンプルの血小板数を、基準としてのEDTAサンプルと比較したときの平均性能は、手動計数の場合97%であった。
8名の供血者について、PicoSAM 1μMイロプロストサンプルの血小板数を、基準としてのEDTAサンプルと比較したときの平均性能は、手動計数の場合93%であった。
それぞれのPicoSAMサンプル、すなわち、イロプロストを含まないがヘパリンを含むサンプルは、対照的に、EDTA基準と比較して40%未満の性能を示した。
7名の供血者について、PicoSAM 1μMイロプロストサンプルの血小板数を、基準としてのEDTAサンプルと比較したときの平均性能は、ABX血小板数の場合97%であった。
表1は、両方の種類の血小板計数(手動及びABX血小板計数)を実施した供血者サンプルの血小板数の結果を示す。
実施例5 ABL90パラメータに対する抗血小板薬干渉試験
各実験について、1名の供血者からの血液を用いて別々の日に実施した。各実験では、3つのPICO70シリンジサンプラー(Radiometer Medical ApS)(改変なし、金ボール及びヘパリンブリックを収容)を準備した。1つのPICO70を未改変で使用し(Ctrl)、1つのPICO70に15μlの溶解抗血小板薬を充填して、示された血液サンプル中最終濃度に達した。第3のPICO70サンプラーに15μlの溶媒(試験した抗血小板薬を溶解するために使用される特定の溶媒:基準サンプル)を充填した。静脈血サンプルを、翼状針及び封止されたベント機能付きチップキャップ(VTC)を介してPICO70シリンジサンプラーに採取し、自動吸引式PICO70サンプラーに1.5mlの全血を充填した。採取後直ちにサンプラーを8回反転させて、サンプルの適切なヘパリン化を確実とした。この血液サンプルをSAMミキサー(Radiometer Medical ApS)で混合し、血液採取後15分間の均質かつ再現可能な混合を確保するために金コーティングした鋼製ボールを血液サンプル中で動かし、ABL90血液ガス分析器(Radiometer Medical ApS)で分析した。血液サンプルの均質混合を測定中維持するためにサンプルを穏やかに手動反転し、サンプルを交互に(Ctr、基準サンプル、薬剤サンプル)各々5回測定(5連の測定)した。全ての計算値を表3に記載する。その後、血液サンプルを遠心分離して血漿画分を分離した。全サンプルの血漿を、ABL90装置で交互に3連で測定し、血漿中の遊離ヘモグロビン濃度を評価した。評価は、全血液サンプルにおける赤血球(RBC)の不確定な溶血の可溶性を示す。溶血されたサンプルは、例えば、K濃度の測定値に対する干渉を示す。
測定されたパラメータを表2に記載する。
計算実施方法に関する術語を表3に記載し、測定されたサンプルに関する術語を表4に記載する。
成人の基準範囲及び実施例で許容される最大干渉を表5に示す。
測定結果(最大干渉の割合として)を表6に要約する。
エプチフィバチド、チロフィバン、及びイロプロストは、評価したABLパラメータに対する干渉を示さなかったのに対し、MgSOは、複数のパラメータ(pH、N、K、Ca2+、Cl、及びLac)について干渉(差分割合最大干渉>2)を示す。
したがって、エプチフィバチド、チロフィバン、及びイロプロストは、血液ガス及び基礎代謝パネルパラメータの測定に使用されるヘパリン添加血に添加して、試験濃度において安全なはずである。

Claims (20)

  1. 血液ガス及び基礎代謝パネル(BMP)パラメータ分析並びに血小板計数に好適な血液サンプルを調製するためのin vitro方法であって、血液が、
    a)血液ガス及び基礎代謝パネルパラメータの決定のための少なくとも1つの抗凝固剤、及び
    b)少なくとも1つの抗血小板剤
    と組み合わされる、in vitro方法。
  2. a)患者から血液を血液サンプラーに採取する工程
    を含む、血液分析サンプルを調製する方法であって、前記血液サンプラーが、血液ガス及びBMPパラメータ分析の決定のための少なくとも1つの抗凝固剤と、少なくとも1つの抗血小板剤と、を含む、方法。
  3. a)請求項1又は2に記載の方法によって得られた血液サンプル中の血液ガス、BMPパラメータ及び/又は血小板数を決定する工程を含む、血液サンプル中の血液ガス及びBMPパラメータ並びに血小板数を決定するためのin vitro方法。
  4. 前記少なくとも1つの抗凝固剤がヘパリンである、請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
  5. 前記少なくとも1つの抗血小板剤が、糖タンパク質IIb/IIIa阻害剤、ADP受容体/P2Y12阻害剤、プロスタグランジン類似体、COX阻害剤、トロンボキサン阻害剤、ホスホジエステラーゼ阻害剤、クロリクロメン、ジタゾール、ボラパキサル、又はこれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。
  6. 前記少なくとも1つの抗血小板剤が、糖タンパク質IIb/IIIa阻害剤及びプロスタグランジン類似体からなる群から選択される、請求項1〜5のいずれか一項に記載の方法。
  7. 前記少なくとも1つの抗血小板剤が、
    i)アブシキマブ、エプチフィバチド、オルボフィバン、ロトラフィバン、ロキシフィバン、シブラフィバン、及びチロフィバン若しくはこれらの塩からなる群から選択される糖タンパク質IIb/IIIa阻害剤;又は
    ii)ベラプロスト、イロプロスト、プロスタサイクリン、エポプロステノール、トレプロスチニル若しくはこれらの塩からなる群から選択されるプロスタグランジン類似体
    である、請求項1〜6のいずれか一項に記載の方法。
  8. 前記少なくとも1つの抗血小板剤が、エプチフィバチド、チロフィバン、イロプロスト、これらの塩、又はこれらの組み合わせを含む、請求項1〜7のいずれか一項に記載の方法。
  9. 前記少なくとも1つの抗血小板剤が、イロプロストを含む、請求項1〜8のいずれか一項に記載の方法。
  10. 前記方法が、前記血液サンプルを混合する更なる工程を含む、請求項1〜9のいずれか一項に記載の方法。
  11. 血液ガス及びBMPパラメータの決定のための少なくとも1つの抗凝固剤と、血液ガス及びBMP分析並びに血小板計数用血液サンプルの調製のための少なくとも1つの抗血小板剤と、の使用。
  12. 血液ガス及びBMPパラメータ分析の決定のための少なくとも1つの抗凝固剤と、血液ガス、BMPパラメータ及び/又は血小板数の分析のための少なくとも1つの抗血小板剤と、を含む、血液サンプラーの使用。
  13. a)血液ガス及びBMPパラメータ分析のための少なくとも1つの抗凝固剤と、
    b)少なくとも1つの抗血小板剤と、
    を含む血液サンプラー。
  14. 血液ガス及びBMPパラメータ分析のための前記少なくとも1つの抗凝固剤がヘパリンであり、及び/又は前記少なくとも1つの抗血小板剤が、糖タンパク質IIb/IIIa阻害剤、ADP受容体/P2Y12阻害剤、プロスタグランジン類似体、COX阻害剤、トロンボキサン阻害剤、ホスホジエステラーゼ阻害剤、クロリクロメン、ジタゾール、ボラパキサル、又はこれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項13に記載の血液サンプラー。
  15. 前記少なくとも1つの抗血小板剤が、糖タンパク質IIb/IIIa阻害剤及びプロスタグランジン類似体からなる群から選択される、請求項13又は14に記載の血液サンプラー。
  16. 前記少なくとも1つの抗血小板剤が、エプチフィバチド、チロフィバン、イロプロスト、これらの塩、又はこれらの組み合わせを含む、請求項13〜15のいずれか一項に記載の血液サンプラー。
  17. 前記少なくとも1つの抗血小板剤が、イロプロストを含む、請求項13〜16のいずれか一項に記載の血液サンプラー。
  18. 前記血液サンプラーが撹拌要素を含む、請求項13〜17のいずれか一項に記載の血液サンプラー。
  19. 前記撹拌要素が、球形要素又は丸みを帯びた端部を有する円筒形要素である、請求項18に記載の血液サンプラー。
  20. 前記血液サンプラーが、血液ガス及びBMPパラメータの決定のための前記少なくとも1つの抗凝固剤及び/又は少なくとも1つの抗血小板剤を含む少なくとも1つの更なる要素を含む、請求項13〜19のいずれか一項に記載の血液サンプラー。
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