JP2021500169A - 振動発生器を備えた注射デバイス - Google Patents

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Abstract

本発明は注射デバイスに関する。注射デバイスは、バレルとバレル内に受けられるプランジャとを有するシリンジを受けるように構成されている、ハウジングを含む。注射デバイスは、前記シリンジがハウジング内に受けられるときにバレルおよびプランジャの少なくとも一方を振動させるように動作可能な振動発生器を更に含む。本発明はまた、注射デバイスから薬剤を投薬する方法にも関する。【選択図】図2

Description

本発明は注射デバイスに、および注射デバイスから薬剤を投薬する方法に関する。
患者の注射部位に薬剤を投薬するための、自己注射器などの注射デバイスが、当技術分野で知られている。そのような注射デバイスは典型的には、薬剤を受けるためのバレルとバレルの一方の端部にある針とを有する、シリンジを含む。シリンジは、バレル内に受けられるプランジャと、薬剤が投薬されるようにバレル内でプランジャを移動させるためのばねと、を更に含む。
薬剤を投薬するために、針は最初に、注射部位から患者の体内へと挿入される。次いでばねの力によってバレル内でプランジャを摺動させて、薬剤をバレルから針の中へと押し出し、薬剤を注射部位へと送達する。プランジャは、薬剤がプランジャとバレルの間で漏れないように、バレルに対して漏れの無い封止部を形成しなければならない。
バレル内でプランジャを移動させて薬剤を投薬するためにプランジャに及ぼさねばならない力の大きさを小さくすることが、有利である。これは、前記力によりプランジャを移動させるために必要なばねのサイズが小さくなり、したがって注射デバイスのサイズおよび重量が低減されるからである。
改善された注射デバイスおよび注射デバイスから薬剤を投薬する方法を提供することが、本発明の目的である。
本発明によれば、注射デバイスであって:バレルおよびバレル内に受けられるプランジャを有するシリンジを受けるように構成されている、ハウジングと;前記シリンジがハウジング内に受けられるときにバレルおよびプランジャの少なくとも一方を振動させるように動作可能な振動発生器と、を含む、注射デバイス、が提供される。
有利には、バレルおよび/またはプランジャの振動により、バレルとプランジャの間の摩擦および接触時間の低減が可能になる。バレルとプランジャの間の摩擦および接触時間が低減されることは、プランジャをバレルに対して移動させて薬剤を投薬するために必要な力が小さくなることを意味する。したがって、注射デバイスをより小さくおよびより軽くすることができる、ならびに/または、薬剤を投薬するのにかかる時間を短くすることができる。
振動発生器は、バレルを振動させるように動作可能であり得る。
別法として、または加えて、振動発生器は、プランジャを振動させるように動作可能であり得る。ある実施形態では、振動発生器は、前記シリンジがハウジング内に受けられるときにプランジャと係合状態になり、その結果、プランジャを振動させるように振動発生器が動作可能となるように、構成されている。ある実施形態では、振動発生器はプランジャに取り付けられて、このプランジャと係合している。別の実施形態では、振動発生器はプランジャに取り付けられていないが、プランジャと係合状態になるようにプランジャと接触している、たとえばプランジャに押し付けるように保持されている。
ある実施形態では、プランジャは、シリンジから薬剤を投薬するようにバレル内で可動であり、振動発生器は、薬剤の投薬中にプランジャと共に移動するように構成されている。
ある実施形態では、プランジャはピストンとプランジャロッドとを含み、振動発生器は、ピストンおよびプランジャロッドの少なくとも一方を振動させるように動作可能である。
ある実施形態では、振動発生器は圧電トランスデューサを含む。
ある実施形態では、バレルは固有周波数(eigenfrequency/natural frequency)を有し、振動発生器は、前記バレルおよびプランジャの少なくとも一方を前記固有周波数とは異なる周波数で、場合により前記固有周波数よりも大きな周波数で、振動させるように動作可能である。
ある実施形態では、振動発生器は、前記バレルおよびプランジャの少なくとも一方を、100から3000Hzの範囲内の周波数で振動させるように動作可能である。この周波数の範囲は、プランジャとバレルの間の摩擦を有利に低減すると同時に、使用者が振動を感じることも低減することが分かっている。
注射デバイスは、振動発生器を動作させるために使用者が起動させることができるアクチュエータを更に含み得る。アクチュエータはたとえば、スイッチまたはボタンを含み得る。ある実施形態では、注射デバイスは、前記シリンジがハウジング内に受けられるときに、プランジャをバレルに対して移動させてバレルに収容されている薬剤を投薬するように構成されている薬剤投薬機構を更に含み、薬剤投薬機構はアクチュエータの起動によって動作する。
注射デバイスは、振動発生器に電力を供給するように構成されているエネルギー貯蔵部を更に含み得る。
ある実施形態では、注射デバイスは、前記シリンジがハウジング内に受けられるときに前記シリンジの針を覆うように構成されている、キャップを更に含む。キャップはハウジングに着脱自在に取り付け可能であってもよい。
ある実施形態では、ハウジングは、シリンジがハウジング内に受けられるときにシリンジのバレルの全体を収容する。ある実施形態では、シリンジのバレルの軸方向の全長がハウジング内に収容される。
ある実施形態では、振動発生器はハウジング内に受けられる。
注射デバイスはハウジング内に受けられるシリンジを更に含んでもよく、シリンジはバレルとバレル内に受けられるプランジャとを含む。1つのそのような実施形態では、バレルは薬剤を収容する。
ある実施形態では、注射デバイスは自己注射器である。
ある実施形態では、注射デバイスであって:バレルおよびバレル内に受けられるプランジャを有するシリンジを受けるように構成されている、ハウジングと;前記シリンジがハウジング内に受けられるときにプランジャと係合状態になり、その結果、プランジャを振動させるように振動発生器が動作可能となるように構成されている、振動発生器と、を含む、注射デバイス、が提供される。
本発明によれば、注射デバイスから薬剤を投薬する方法であって、注射デバイスは薬剤を収容しているバレルおよびバレル内に受けられるプランジャを有するシリンジを含み、方法は:バレルおよびプランジャの少なくとも一方を振動させることと;プランジャに力を及ぼしてバレル内でプランジャを摺動させることと、を含む、方法、もまた提供される。
ある実施形態では、方法は、振動発生器を使用してバレルおよびプランジャの少なくとも一方を振動させることを含む。振動発生器は、プランジャを振動させるためにプランジャと係合していてもよい。
本発明のこれらのおよび他の態様は、以下に記載する実施形態から明らかになり、これらを参照して説明されるであろう。
ここで本発明の実施形態について、以下の添付の図面を参照して、単なる例として記載する。
本発明を具現化した自己注射器の概略側面図であり、自己注射器のハウジングにはキャップが取り付けられている。 キャップがハウジングから取り外されている、図1Aの自己注射器の概略側面図である。 本発明の第1の実施形態に係る自己注射器の概略断面図である。 本発明の第2の実施形態に係る自己注射器の概略断面図である。 本発明の第3の実施形態に係る自己注射器の概略断面図である。
本明細書において記載するような薬物送達デバイスは、患者に薬剤を注射するように構成することができる。たとえば、送達は、皮下、筋肉内、または静脈内であり得る。かかるデバイスは、患者、または看護師もしくは医師などの介護者によって操作される可能性があり、様々なタイプの安全シリンジ、ペン型注射器、または自動注射器を含み得る。デバイスは、使用前にシールされたアンプルに穿孔する必要のある、カートリッジベースのシステムを含み得る。これら様々なデバイスを用いて送達される薬剤の体積は、約0.5mlから約2mlまでの範囲であり得る。更に別のデバイスは、「大きな」体積の薬剤(典型的には約2mlから約10ml)を送達するためにある時間(たとえば、約5、15、30、60、または120分)の間患者の皮膚に接着されるように構成された、大容積デバイス(「LVD(large volume device)」)またはパッチポンプを含み得る。
特定の薬剤と組み合わせて、ここに記載されているデバイスを、要求される仕様内で動作するようにカスタマイズしてもよい。たとえば、デバイスを、ある時間(たとえば、自己注射器では約3から約20秒、LVDでは約10分から約60分)内で薬剤を注射するようにカスタマイズしてもよい。他の仕様としては、不快感が低レベルもしくは最小レベルであること、または、人間要素、保管期限、使用期限、生体適合性、環境的配慮、等に関連する特定の条件を挙げることができる。このような多様性は、薬物の粘度が約3cPから約50cPまでの範囲にわたることなど、様々な要因に起因して生じる可能性がある。その結果、薬物送達デバイスは多くの場合、約25から約31ゲージのサイズの中空の針を含むことになる。一般的なサイズは17および29ゲージである。
本明細書に記載する送達デバイスはまた、1つまたはそれ以上の自動化された機能も含み得る。たとえば、針の挿入、薬剤の注射、および針の引き戻しのうちの1つまたはそれ以上を自動化できる。1つまたはそれ以上の自動化工程のためのエネルギーを、1つまたはそれ以上のエネルギー源によって供給できる。エネルギー源としては、たとえば、機械的な、空圧式の、化学的な、または電気的なエネルギーを挙げることができる。たとえば、機械的なエネルギー源としては、ばね、てこ、エラストマー、またはエネルギーを貯蔵もしくは解放するための他の機械的機構を挙げることができる。1つまたはそれ以上のエネルギー源を、単一のデバイス内に組み合わせることができる。デバイスは更に、ギア、弁、またはエネルギーをデバイスの1つもしくはそれ以上の構成要素の動きに変換するための他の機構を含み得る。
自動注射器の1つまたはそれ以上の自動化された機能は、起動機構を介してそれぞれ起動することができる。かかる起動機構は、アクチュエータ、たとえばボタン、レバー、ニードルスリーブ、または他の起動構成要素のうちの、1つまたはそれ以上を含み得る。自動化された機能の起動は、1工程のまたは複数工程のプロセスであってもよい。すなわち、使用者は、自動化された機能を実行させるために、1つまたはそれ以上の起動構成要素を起動させる必要があり得る。たとえば、1工程のプロセスでは、薬剤の注射を実行するために、使用者がニードルスリーブを自身の体に押し付けてもよい。他のデバイスでは、自動化された機能を複数工程で起動する必要があり得る。たとえば、注射を実行するために、使用者がボタンの押下およびニードルシールドの引き戻しを行う必要のある場合がある。
加えて、自動化された機能の起動により、1つまたはそれ以上の後続の自動化された機能を起動させ、これにより起動シークエンスを形成してもよい。たとえば、第1の自動化された機能の起動により、針の挿入、薬剤の注射、および針の引き戻しのうちの、少なくとも2つを起動させてもよい。デバイスによっては、1つまたはそれ以上の自動化された機能を行わせるために、工程の特定のシークエンスを要求する場合もある。またデバイスによっては、独立した複数の工程のシークエンスで動作してもよい。
一部の送達デバイスは、安全シリンジ、ペン型注射器、または自動注射器の、1つまたはそれ以上の機能を含み得る。たとえば、送達デバイスは、薬剤を自動的に注射するように構成された(自動注射器において典型的に見られるような)機械的なエネルギー源と、(ペン型注射器において典型的に見られるような)用量設定機構と、を含み得る。
本開示のいくつかの実施形態によれば、例示的な薬物送達デバイス10が、図1Aおよび図1Bに示されている。デバイス10は、上記したように、患者の体内に薬剤を注射するように構成されている。デバイス10は、注射される薬剤を含むリザーバ(たとえばシリンジ)を典型的には含んでいる、ハウジング11と、送達プロセスの1つまたはそれ以上の工程を容易にするために必要となる構成要素と、を含む。デバイス10はまた、ハウジング11に取り外し可能に装着できる、キャップ組立体12も含み得る。通常は、デバイス10が操作可能となる前に、使用者がハウジング11からキャップ12を取り外さなければならない。
示されているように、ハウジング11は実質的に円筒形であり、長手方向軸A−Aに沿って実質的に一定の直径を有する。ハウジング11は、遠位領域Dおよび近位領域Pを有する。「遠位」という用語は、注射の部位に相対的により近い位置を指し、「近位」という用語は、注射部位から相対的により遠く離れた位置を指す。
デバイス10はまた、ハウジング11に対するスリーブ19の動きが可能となるようにハウジング11に結合された、ニードルスリーブ19も含み得る。たとえば、スリーブ19は、長手方向軸A−Aと平行な長手方向に移動可能である。具体的には、近位方向へのスリーブ19の動きにより、針17がハウジング11の遠位領域Dから延びることが可能になる。
針17の挿入は、いくつかの機構を介して行うことができる。たとえば、針17はハウジング11に対して固定的に位置付けることができ、最初は延ばしたニードルスリーブ19内に位置付けることができる。スリーブ19の遠位端を患者の身体に当接させて置き、ハウジング11を遠位方向に移動させることによる、スリーブ19の近位方向への動きによって、針17の遠位端が現れることになる。このような相対的な動きにより、針17の遠位端が患者の体内に延びることが可能になる。このような挿入は「手動の」挿入と呼称されるが、それは、針17が、患者がスリーブ19をハウジング11に対して手動で動かすのを介して、手動で挿入されるからである。
挿入の別の形態は「自動化された」ものであり、この場合、針17がハウジング11に対して移動する。かかる挿入は、スリーブ19の動きによって、またはたとえばボタン13などの別の形態の起動によって、トリガすることができる。図1Aおよび図1Bに示すように、ボタン13は、ハウジング11の近位端に位置付けられている。ただし他の実施形態では、ボタン13をハウジング11の側面上に位置付けることができる。
他の手動のまたは自動化された機能としては、薬物の注射もしくは針の引き戻し、または両方を挙げることができる。注射は、栓またはピストン14がシリンジ18内の近位位置からシリンジ18内のより遠位の位置へと移動されて、シリンジ18から針17に薬剤が押し通されるプロセスである。いくつかの実施形態では、デバイス10が起動される前に、駆動ばね(図示せず)が圧縮されている。駆動ばねの近位端をハウジング11の近位領域P内に固定することができ、駆動ばねの遠位端を、ピストン14の近位表面に圧縮力を加えるように構成することができる。起動後、駆動ばねに貯蔵されているエネルギーの少なくとも一部を、ピストン14の近位表面に加えることができる。この圧縮力は、ピストン14に対して、これが遠位方向に移動するように作用し得る。このような遠位方向への動きはシリンジ18内の液体薬剤を圧縮するように作用し、これを針17から押し出す。
注射後、スリーブ19またはハウジング11内に針17を引き戻すことができる。引き戻しは、使用者が患者の体からデバイス10を取り外す際に、スリーブ19が遠位方向に移動するときに生じ得る。これが生じ得るのは、針17がハウジング11に対して固定的に位置付けられたままであるからである。スリーブ19の遠位端が針17の遠位端を通り過ぎて、針17が覆われると、スリーブ19をロックすることができる。このようなロックは、ハウジング11に対するスリーブ19のいかなる近位方向への動きもロックすることを含み得る。
針17がハウジング11に対して移動される場合は、針の引き戻しは別の形態となり得る。このような動きは、ハウジング11内のシリンジ18がハウジング11に対して近位方向に移動される場合に生じ得る。この近位方向への動きは、遠位領域D内に位置付けられた引き戻しばね(図示せず)を使用することによって達成可能である。圧縮された引き戻しばねは、起動時、シリンジ18にこれを近位方向に移動させるのに十分な力を供給することができる。十分な引き戻し後、ロッキング機構を用いて、針17とハウジング11との間のどのような相対的な動きもロックすることができる。更に、デバイス10のボタン13または他の構成要素を、必要に応じてロックすることができる。
図2を参照すると、本発明の第1の実施形態に係る注射デバイス20が示されている。注射デバイス20は、図1Aおよび図1Bに関連して上記した自己注射器10と類似したいくつかの構成を有する、自己注射器20の形態であり、同様の構成では参照符号は同じままである。
注射デバイス20は、ハウジング21と、ハウジング21の遠位領域Dに着脱自在に取り付け可能なキャップ22と、を含む。
ハウジング21内にはシリンジ23が配設されている。シリンジ23はバレル24とプランジャ25とを含む。バレル24は円筒形の周壁26を含む。バレル24から薬剤を投薬するために、シリンジ23の針端部23Aに針17が位置付けられている。
プランジャ25は、ピストン28と、一方の端部がプピストン28に連結されているランジャロッド29と、を含む。ピストン28はバレル24内に受けられ、(図2に示す)第1の位置から第2の位置(図示せず)へと摺動可能である。ピストン28が第1の位置にあるとき、ピストン28はシリンジ23の針端部23Aから離間され、その結果、これらの間に薬剤が充填されるチャンバが形成される。ピストン28が第2の位置へと移動されるとき、ピストン28はシリンジ23の針端部23Aに向かって摺動して、薬剤をバレル24から針17の中へと押し出す。
注射デバイス20は、ピストン28を第1の位置から第2の位置へと移動させるように構成されている、薬剤送達機構30を更に含む。薬剤送達機構30は、付勢部材31とラッチ32とを含む。付勢部材31はばね31の形態である。ただし代替の実施形態では、たとえば圧縮されるかまたは緊張付与されてピストン28を第2の位置に向けて付勢する弾性材料の一部など、異なるタイプの付勢部材31を実装してもよいことを理解されたい。
ばね31の第1の端部は、ハウジング21にその近位領域Pに向けて連結されている。ばね31の第2の端部は、プランジャロッド29に連結されている。ばね31は、ピストン28が第1の位置にあるときに圧縮されて、ピストン28をハウジング21の遠位領域Dに向けて付勢するプランジャロッド29に、力を及ぼすようになっている。その結果、ピストン28はばね31によって第2の位置へと付勢される。
ラッチ32は最初は、ピストン28が第1の位置に保持されるように、プランジャロッド29をばね31の力に逆らって保持するように構成されている。ラッチ32は、本実施形態ではボタンを含む、アクチュエータ(図示せず)に連結されている。アクチュエータはハウジング21上に設けられており、これを使用者が押すことでラッチ32を解放することができ、その結果、ばね31の力によりピストン28がシリンジ23の針端部23Aに向かって摺動して、針17から薬剤が投薬される。
注射デバイス20は、振動発生器33とエネルギー源34とを更に含む。
振動発生器33は圧電トランスデューサ33の形態である。圧電トランスデューサ33は、バレル24の周壁26の外側表面に取り付けられている。本実施形態では、圧電トランスデューサ33は、シリンジ23の針端部23Aの近くに位置付けられている。ただし、圧電トランスデューサ33を別法としてバレル24の別の部分に、たとえば、シリンジ23の針端部23Aに、またはバレル24の周壁26のハウジング21の近位領域Pにより近い部分に取り付けてもよいことを理解されたい。ある実施形態では、圧電トランスデューサ33は、バレル24の周壁26の内側表面に取り付けられている。
エネルギー源34はハウジング21内に配設されており、振動発生器33に電力を供給するように構成されている。エネルギー源34はバッテリ35と制御回路36とを含む。
エネルギー源34は、電圧の変化する信号を圧電トランスデューサ33に供給して圧電トランスデューサ33の形状を繰り返し変化させ、このことにより圧電トランスデューサ33が振動し、次いで圧電トランスデューサ33がバレル24の周壁26を振動させるように、構成されている。本実施形態では、バッテリ35は、ケーブル37を介して圧電トランスデューサ33に出力される波形を生成する制御回路36に、電力を供給する。
ある実施形態では、制御回路36は波形発生器を含み、たとえば、矩形波、正弦波、または三角波を出力するように構成することができる。バッテリ35は定電圧DC信号を出力することができ、制御回路36はこれを、圧電トランスデューサ33に電力を供給する変動電圧DC信号へと変換するように構成することができる。いくつかの実施形態では、制御回路36は、たとえば発振器、インバータ、または他の波形発生器を含む。ただし、他の形態のパワーエレクトロニクスもまた、圧電トランスデューサ33の振動を誘起する信号を圧電トランスデューサ33に供給できることを理解されたい。ある代替の実施形態では、バッテリ35は省略されており、代わりに圧電トランスデューサ33は、圧電トランスデューサ33を振動させるための外部電源、たとえば波形発生器またはAC電源に、電気的に連結されている。
薬剤を患者に送達するために、最初にハウジング21からキャップ22が取り外され、その結果、ニードルスリーブ19がハウジング21の遠位領域Dから突出して、針17をシールドする。次いでニードルスリーブ19の遠位端が患者の注射部位に押し付けられ、その結果、ニードルスリーブ19がハウジング21内へと後退し、針17が注射部位に入る。
その後患者はアクチュエータ(図示せず)を押す。このことによりエネルギー源34が圧電トランスデューサ33に電力を供給し、その結果、圧電トランスデューサ33が振動し始め、このことによりバレル24の周壁26が振動する。ある実施形態では、アクチュエータの押下によって、エネルギー源34を圧電トランスデューサ33に電気的に連結するためのスイッチ(図示せず)が閉じる。別の実施形態では、アクチュエータの押下によって制御回路36が作動し、その結果、制御回路36から、圧電素子33の振動を誘起するための電圧の変化する信号が出力される。
患者がアクチュエータを押すと、ラッチ32も解放され、その結果、圧縮されているばね31がピストンロッド29に力を及ぼして、バレル24内でピストン28をシリンジ23の針端部23Aに向けて摺動させる。第1の位置から第2の位置へと向かうバレル24内でのピストン28の動きによって、バレル24中の薬剤が針17から出て患者の注射部位に流入する。
圧電素子33によって誘起されたバレル24の振動によって、バレル24とピストン28の間の摩擦および接触時間が低減される。バレル24とピストン28の間の摩擦の低減は、バレル24とピストン28の間の動摩擦が、バレル24が振動していないときにこれらの間に存在する静摩擦よりも小さいことに起因している。
バレル24とピストン28の間の摩擦および接触時間が低減されることは、バレル24内でピストン28を摺動させて薬剤を投薬するために必要な力が小さくなることを意味する。したがって、注射デバイス20がバレル24を振動させる振動発生器33を含まなかった場合よりも、ばね31、およびしたがって注射デバイス20を、より小さくおよびより軽くすることができる。
別法として、ばね31が同じサイズに維持される場合には、薬剤を投薬するためにかかる時間の継続はより短くなるが、これは、バレル24とピストン28の間の摩擦および接触時間が低減される結果、プランジャロッド29に加わる所与の力に対して、バレル24内でピストン28が第1の位置から第2の位置へと移動するのにかかる時間が短くなるからである。
上記した実施形態では、圧電トランスデューサ33はバレル24に取り付けられており、バレル24は、針17からの薬剤の投薬中にエネルギー源34に対して移動しない。したがって、圧電トランスデューサ33とエネルギー源34の間のケーブル37を使用した安定した電気的連結を維持するのが、比較的容易である。
ここで図3を参照すると、本発明の第2の実施形態に係る注射デバイス40が示されている。注射デバイス40は、図2に関連して上記した自己注射器20と類似した構成を有する、自己注射器40の形態であり、同様の構成では参照符号は同じままである。違いは、第1の実施形態の自己注射器20の振動発生器33が省略され、代替の振動発生器43に置き換えられていることである。
振動発生器43は圧電トランスデューサ43の形態である。圧電トランスデューサ43はプランジャ25に取り付けられている。より具体的には、圧電トランスデューサ43は、プランジャ25のピストン28に取り付けられている。本実施形態では、ピストン28は中央凹部28Aを含み、圧電トランスデューサ43は凹部28A内に位置付けられている。ただし、別法として圧電トランスデューサ43をピストン28の別の部分に取り付けてもよく、たとえば、圧電トランスデューサ43をピストン28の端部に取り付けてもよい、またはピストン28の材料に埋め込んでもよいことを理解されたい。ある実施形態では、圧電トランスデューサ43はピストン28に接着されるか、またはこれに締まり嵌めによって取り付けられる。ある実施形態では、プランジャロッド29は圧電トランスデューサ43に力を及ぼして、圧電トランスデューサ43をピストン28に当接させて保持する。
図2に関連して上記した第1の実施形態の注射デバイス20と同様に、エネルギー源34は、圧電トランスデューサ43に電圧の変化する信号を供給して、圧電トランスデューサ43の振動を誘起するように構成されている。ただし、第2の実施形態の圧電トランスデューサ43の配置に起因して、圧電トランスデューサ43の振動により、ピストン28が振動する。
患者に薬剤を送達するために、ハウジング21からキャップ22が取り外され、ニードルスリーブ19の遠位端が患者の注射部位に押し付けられ、その結果、ニードルスリーブ19がハウジング21内へと後退し、針17が注射部位に入る。
その後患者はアクチュエータ(図示せず)を押す。このことによりエネルギー源34が圧電トランスデューサ43に電力を供給し、その結果、圧電トランスデューサ43が振動し始め、その結果、ピストン28の振動がもたらされる。患者がアクチュエータを起動することにより、ラッチ32も解放され、その結果、圧縮されているばね31がピストンロッド29に力を及ぼして、バレル24内でピストン28をシリンジ23の針端部23Aに向けて摺動させる。その結果、針17を介して患者の注射部位に薬剤が投薬される。
圧電トランスデューサ43によって誘起されたピストン28の振動によって、バレル24とピストン28の間の摩擦および接触時間が低減される。第1の実施形態に関連して上記したように、バレル24とピストン28の間の摩擦および接触時間が低減されることは、バレル24内でピストン28を摺動させて薬剤を投薬するために必要な力が小さくなることを意味する。したがって、注射デバイス40が振動発生器43を含まなかった場合よりも、ばね31、およびしたがって注射デバイス40を、より小さくおよびより軽くすることができる。別法として、プランジャロッド29に同じ大きさの力が加わるように、ばね31を同じサイズに維持することができ、この場合、バレル24とピストン28の間の摩擦および接触時間が低減されることにより、ピストン28が第1の位置から第2の位置へと移動するのにかかる時間の低減、およびしたがって薬剤送達流量の増加がもたらされることになる。
第2の実施形態では、圧電トランスデューサ43はピストン28を振動させるように配置されている。このことにより、バレル24内のピストン28の位置に関係なく、バレル24とピストン28の間の摩擦および接触時間の低減が比較的一定である、という技術的利点が得られる。比較すると、上記した第1の実施形態の注射デバイス20のバレル24とピストン28の間の摩擦および接触時間の低減のレベルは、バレル24内でのピストン28の位置に依存する。これは、薬剤を投薬するためにバレル24内でピストン28が第1の位置から離れるように摺動するとき、ピストン28が振動する圧電トランスデューサ33に近付き、その結果、バレル24とピストン28の間の摩擦および接触時間が変化するからである。反対に、第2の実施形態の注射デバイス40によりこの問題が緩和されるが、これは、バレル24内でのピストン28の位置に関わらず、圧電素子43とピストン28とバレル24の周壁26の間の距離が一定のままだからである。
ここで図4を参照すると、本発明の第3の実施形態に係る注射デバイス50が示されている。注射デバイス50は、図2に関連して上記した自己注射器20と類似した構成を有する、自己注射器50の形態であり、同様の構成では参照符号は同じままである。違いは、第1の実施形態の自己注射器20の振動発生器33が省略され、代替の振動発生器53に置き換えられていることである。
振動発生器53は圧電トランスデューサ53の形態である。圧電トランスデューサ53はプランジャ25に取り付けられている。より具体的には、圧電トランスデューサ53は、プランジャ25のプランジャロッド29に取り付けられている。本実施形態では、プランジャロッド29は中央凹部29Aを含み、圧電トランスデューサ53は凹部29A内に位置付けられている。ただし、圧電トランスデューサ53を別法としてプランジャロッド29の別の部分に取り付けてもよいことを理解されたい。たとえば、圧電トランスデューサ53をプランジャロッド29の近位端もしくは遠位端に取り付けてもよく、またはプランジャロッド29の材料に埋め込んでもよい。ある実施形態では、圧電トランスデューサ53はプランジャロッド29に接着されるか、またはこれに締まり嵌めによって取り付けられる。ある実施形態では、圧電トランスデューサ53はプランジャロッド29の周面の外部に設けられる。
図2に関連して上記した第1の実施形態の注射デバイス20と同様に、エネルギー源34は、圧電トランスデューサ53に電圧の変化する信号を供給して、圧電トランスデューサ53の振動を誘起するように構成されている。ただし、第3の実施形態の圧電トランスデューサ53の位置に起因して、圧電トランスデューサ53の振動により、プランジャロッド29が振動する。ピストン28はプランジャロッド29の遠位端に取り付けられており、したがって、プランジャロッド29の振動によりピストン28の振動が引き起こされる。プランジャロッド29を介したピストン28への振動の伝達を促進するために、プランジャロッド29を剛性の材料、たとえば、プラスチック、ガラス、または金属で製造してもよい。
患者に薬剤を送達するために、ハウジング21からキャップ22が取り外され、次いでニードルスリーブ19の遠位端が患者の注射部位に押し付けられ、その結果、ニードルスリーブ19がハウジング21内へと後退し、針17が注射部位に入る。
その後患者はアクチュエータ(図示せず)を押す。このことによりエネルギー源34が圧電トランスデューサ53に電力を供給し、その結果、圧電トランスデューサ53が振動し始め、その結果、プランジャロッド29、およびしたがってピストン28の振動がもたらされる。患者がアクチュエータを押すことにより、ラッチ32も解放され、その結果、圧縮されているばね31がピストンロッド29に力を及ぼして、バレル24内でピストン28をシリンジ23の針端部23Aに向けて摺動させる。その結果、針17を介して患者の注射部位に薬剤が投薬される。
プランジャロッド29、およびしたがってピストン28の振動によって、バレル24とピストン28の間の摩擦および接触時間が低減される。第1および第2の実施形態に関連して上記したように、バレル24とピストン28の間の摩擦および接触時間が低減される結果、バレル24内でピストン28を摺動させて薬剤を投薬するために必要な力が小さくなる。したがって、注射デバイス50が振動発生器53を含まなかった場合よりも、ばね31、およびしたがって注射デバイス50を、より小さくおよびより軽くすることができる。別法として、プランジャロッド29に同じ大きさの力が加わるように、ばね31を同じサイズに保つことができ、この場合、バレル24とピストン28の間の摩擦および接触時間の低減により、薬剤送達流量が増加する。
第2の実施形態では、圧電トランスデューサ53はプランジャロッド29を振動させるように配置されており、次いでプランジャロッド29がピストン28を振動させる。このことにより、バレル24内のピストン28の位置に関係なく、バレル24とピストン28の間の摩擦および接触時間の低減が比較的一定である、という技術的利点がもたらされる。比較すると、上記した第1の実施形態の注射デバイス20のバレル24とピストン28の間の摩擦および接触時間の低減のレベルは、バレル24内でのピストン28の位置に依存する。上で検討したように、これは、薬剤を投薬するために第1の実施形態のピストン28がバレル24内で摺動して第1の位置から離れるとき、ピストン28が圧電トランスデューサ33に近付き、その結果、バレル24とピストン28の間の摩擦および接触時間が変化するからである。反対に、第3の実施形態の注射デバイス50によりこの問題が緩和されるが、これは、バレル24内でのピストン28の位置に関わらず、ピストン28と圧電トランスデューサ53の間の距離が一定のままだからである。
更に、プランジャロッド29を振動させるように圧電トランスデューサ53が配置されていることにより、バレル24またはピストン28を修正する必要無く、注射デバイス50を既存のシリンジ23と共に容易に使用できる、という利点がもたらされる。たとえば、ハウジング21は、針17を含むシリンジ23と薬剤を含むバレル24とピストン28とを挿入することを可能にするための、開口部を含んでもよい。次いで圧電トランスデューサ53が取り付けられているプランジャロッド29をピストン28と接触させ、その結果、注射デバイス50は、ハウジング21からキャップ22を取り外せば薬剤を送達できる状態になる。
振動発生器33、43、53によって誘起される振動は、針17および/またはハウジング21を介して運ばれて、患者がこれらの振動を感じることになる。このことを防止または緩和するために、上記した実施形態では、振動発生器33、43、53は、100Hzよりも大きい周波数で振動するように構成されている。振動の周波数が100Hzよりも大きいとき、その振動はそれほど容易には患者に感知されないことが分かっている。ある実施形態では、振動発生器33、43、53は、3000Hz未満の周波数で振動するように構成されている。ある実施形態では、振動発生器33、43、53は、100から3000Hzの範囲内の周波数で振動するように構成されている。ただし、代替の実施形態(図示せず)では振動発生器は異なる周波数で振動するように構成されていることを理解されたい。
いくつかの実施形態では、振動発生器33、43、53は、バレル24の固有周波数とは異なる周波数で振動するように構成されている。このことは、振動発生器33、43、53を動作させているときにバレル24が損傷するのを防止するのに役立つ。1つのそのような実施形態では、振動発生器33、43、53は、バレル24の固有周波数よりも大きい周波数で振動するように構成されている。
バレル24の固有周波数はたとえば、20から150Hzの範囲内であってもよい。たとえば、ある実施形態では、バレル24は1mlの容量および70Hzの固有周波数を有する。バレル24の固有周波数は、バレル24の容量および更にバレル24の製造に使用される材料によって、決まることになる。一般に、バレルは、容量が大きいほど固有周波数が小さくなる。
上記した実施形態では、振動発生器33、43、53は、圧電素子33、43、53の形態である。ただし、異なるタイプの振動発生器33、43、53もまた本発明の範囲内に属することが意図されていることを理解されたい。ある実施形態(図示せず)では、振動発生器は、重りが同心に取り付けられているロータを含む、電気モータを有する。ロータを回転させることで重りが同心の回転径路に沿って移動し、このことにより振動が生じる。振動の周波数はロータの回転の速さによって決まる。
別の実施形態(図示せず)では、振動発生器は、反復運動するように駆動されて振動を誘起する、直動アクチュエータを含む。直動アクチュエータを、注射デバイスの部材、たとえばバレルまたはプランジャに当接して反復運動するように駆動して、注射デバイスの前記部材を振動させてもよい。ある実施形態では、直動アクチュエータは、ラックギアと係合するピニオンギアを駆動する、電気モータを含む。電気モータは、ピニオンギアを第1の回転方向および第2の回転方向に交互に回転させ、ラックギアを反復運動するように駆動して、振動を生じさせる。別の実施形態(図示せず)では、直動アクチュエータは直動ソレノイドを含む。直動ソレノイドは、反復運動するように駆動されて、振動を生じさせる。
いくつかの実施形態(図示せず)では、エネルギー源は代わりに、振動発生器に電力供給するためにクランクによって回転させることができるダイナモを含む。別法として、振動発生器を幹線電源に連結してもよい。
上記した実施形態では、圧電トランスデューサ33、43、53は、ケーブル37を介してエネルギー源34に電気的に連結されている。ただし、代替の実施形態(図示せず)では、圧電トランスデューサは代わりに、プリント回路基板(PCB)を介して、または注射デバイスの構成要素のうちの1つもしくはそれ以上を導電性にすることによって、エネルギー源に電気的に連結されている。たとえば、圧電トランスデューサがピストンに取り付けられている場合には、ケーブルをピストンに電気的に連結するために、導電材料で製造されるプランジャロッドにケーブルを連結してもよい。
上記した注射デバイス20、40、50の第1、第2、および第3の実施形態では、振動発生器33、43、53は、バレル24、ピストン28、およびプランジャロッド29のうちの1つにのみ取り付けられている。ただし、代替の実施形態(図示せず)では、注射デバイスは、バレルおよび/またはプランジャに取り付けられている複数の振動発生器を含んでもよい。たとえば、バレルに第1の振動発生器を取り付けてもよく、ピストンに第2の振動発生器を取り付けてもよい。
上記した実施形態では、振動発生器33、43、53はバレル24に、またはプランジャ25のピストン28もしくはプランジャロッド29に、直接取り付けられている。ただし、代替の実施形態(図示せず)では、バレルまたはプランジャの振動を誘起するために振動を伝達する注射デバイスの別の部分に、振動発生器を取り付けてもよいことを理解されたい。
いくつかの実施形態では、注射デバイス20、40、50のバレル24は、粘度の高い薬剤を収容する。粘度の高い薬剤では、薬物送達時間が長くなるおよび/または薬剤を針17から押し出すためにピストン28に及ぼさなければならない力が大きくなる可能性があることが分かっている。本発明の振動発生器33、43、53により、注射時間および/または薬剤を投薬するためにピストンに及ぼさなければならない力が低減される。したがって、本発明は、高粘度の薬剤の送達に関連する薬物送達時間の増大および/または送達力の増大を緩和するのに役立つ。いくつかの実施形態では、薬剤は6cPよりも大きい粘度を有する。薬剤は、10cP、20cP、30cP、40cP、または50cPよりも大きい粘度を有してもよい。ただし、本発明が上で検討した粘度とは異なる粘度を有する薬剤と共に使用するのにも適していることを理解されたい。
上記した実施形態では、注射デバイス20、40、50は、振動発生器を動作させるためにまた薬剤の送達を開始するために押されるボタンの形態の、アクチュエータ(図示せず)を含む。代替の実施形態では、アクチュエータは、たとえばスイッチまたはレバーの形態である、代替の構成を含む。ある実施形態(図示せず)では、ニードルスリーブはアクチュエータを含む。したがって、ニードルスリーブが患者の注射部位に押し付けられると、振動発生器が動作するおよび/または注射部位へと送達されるように針を通して薬剤が投薬される。ある実施形態では、注射デバイスのハウジングからキャップを取り外したときに、振動発生器が動作する。たとえば、注射デバイスは、ハウジングからキャップが取り外されたときに閉じられて振動発生器を動作させる、スイッチを含んでもよい。ある実施形態(図示せず)では、注射デバイスは、振動発生器を動作させるために起動することのできる第1のアクチュエータと、薬剤を投薬するために起動することのできる第2のアクチュエータと、を含む。
上記した実施形態では、針17はハウジング21に対して固定的に位置付けられており、最初はニードルスリーブ19内に位置付けられている。スリーブ19の遠位端を患者の身体に当接させて置き、ハウジング21を遠位方向に移動させることによる、ニードルスリーブ19の近位方向への動きによって、針17の遠位端が現れることになる。図1Aおよび図1Bに関連して上で検討したように、そのような相対的な動きによって針17の遠位端が患者の身体内へと延び、そのような挿入は「手動の」挿入と呼称されるが、それは、針17が、患者がハウジング21をニードルスリーブ19に対して手動で動かすのを介して、手動で挿入されるからである。ただし、代替の実施形態(図示せず)では、挿入は、注射部位に入るために針がハウジングに対して移動するように「自動化」されている。そのような挿入は、ニードルスリーブの動きによって、または別の形態の起動によって、たとえば、振動発生器および薬物送達を制御するアクチュエータがもしくは更なるアクチュエータが制御することによって、トリガすることができる。
上記した実施形態では、注射デバイス20、40、50は、自己注射器20、40、50の形態である。ただし、代替の実施形態では、注射デバイスは異なる形態の薬物送達システム、たとえば大容積デバイス(LVD)を含んでもよいことを理解されたい。
本明細書で使用する用語「薬物」または「薬剤」は、1つまたはそれ以上の薬学的に活性な化合物を説明するために本明細書において使用される。以下に説明されるように、薬物または薬剤は、1つまたはそれ以上の疾患を処置するための、さまざまなタイプの製剤の少なくとも1つの低分子もしくは高分子、またはその組み合わせを含むことができる。例示的な薬学的に活性な化合物は、低分子;ポリペプチド、ペプチド、およびタンパク質(たとえばホルモン、成長因子、抗体、抗体フラグメント、および酵素);炭水化物および多糖類;ならびに核酸、二本鎖または一本鎖DNA(裸およびcDNAを含む)、RNA、アンチセンスDNAおよびRNAなどのアンチセンス核酸、低分子干渉RNA(siRNA)、リボザイム、遺伝子、およびオリゴヌクレオチドを含むことができる。核酸は、ベクター、プラスミド、またはリポソームなどの分子送達システムに組み込むことができる。これらの薬物の1つまたはそれ以上の混合物もまた、企図される。
用語「薬物送達デバイス」は、薬物をヒトまたは動物の体内に投薬するように構成されたあらゆるタイプのデバイスまたはシステムを包含するものである。限定されることなく、薬物送達デバイスは、注射デバイス(たとえばシリンジ、ペン型注射器、自動注射器、大容量デバイス、ポンプ、かん流システム、または眼内、皮下、筋肉内、もしくは血管内送達にあわせて構成された他のデバイス)、皮膚パッチ(たとえば、浸透圧性、化学的、マイクロニードル)、吸入器(たとえば鼻用または肺用)、埋め込み(たとえば、コーティングされたステント、カプセル)、または胃腸管用の供給システムとすることができる。ここに説明される薬物は、針、たとえば小ゲージ針を含む注射デバイスで特に有用であることができる。
薬物または薬剤は、薬物送達デバイスで使用するように適用された主要パッケージまたは「薬物容器」内に含むことができる。薬物容器は、たとえば、カートリッジ、シリンジ、リザーバ、または1つまたはそれ以上の薬学的に活性な化合物の保存(たとえば短期または長期保存)に適したチャンバを提供するように構成された他の容器とすることができる。たとえば、一部の場合、チャンバは、少なくとも1日(たとえば1日から少なくとも30日まで)の間薬物を保存するように設計することができる。一部の場合、チャンバは、約1ヶ月から約2年の間薬物を保存するように設計することができる。保存は、室温(たとえば約20℃)または冷蔵温度(たとえば約−4℃から約4℃まで)で行うことができる。一部の場合、薬物容器は、薬物製剤の2つまたはそれ以上の成分(たとえば薬物および希釈剤、または2つの異なるタイプの薬物)を別々に、各チャンバに1つずつ保存するように構成された二重チャンバカートリッジとすることができ、またはこれを含むことができる。そのような場合、二重チャンバカートリッジの2つのチャンバは、ヒトまたは動物の体内に投薬する前、および/または投薬中に薬物または薬剤の2つまたはそれ以上の成分間で混合することを可能にするように構成することができる。たとえば、2つのチャンバは、これらが(たとえば2つのチャンバ間の導管によって)互いに流体連通し、所望の場合、投薬の前にユーザによって2つの成分を混合することを可能にするように構成することができる。代替的に、またはこれに加えて、2つのチャンバは、成分がヒトまたは動物の体内に投薬されているときに混合することを可能にするように構成することができる。
本明細書において説明される薬物送達デバイスおよび薬物は、数多くの異なるタイプの障害の処置および/または予防に使用することができる。例示的な障害は、たとえば、糖尿病、または糖尿病性網膜症などの糖尿病に伴う合併症、深部静脈血栓塞栓症または肺血栓塞栓症などの血栓塞栓症を含む。さらなる例示的な障害は、急性冠症候群(ACS)、狭心症、心筋梗塞、がん、黄斑変性症、炎症、枯草熱、アテローム性動脈硬化症および/または関節リウマチである。
糖尿病または糖尿病に伴う合併症の処置および/または予防のための例示的な薬物は、インスリン、たとえばヒトインスリン、またはヒトインスリン類似体もしくは誘導体、グルカゴン様ペプチド(GLP−1)、GLP−1類似体もしくはGLP−1受容体アゴニスト、またはその類似体もしくは誘導体、ジペプチジルペプチダーゼ−4(DPP4)阻害剤、または薬学的に許容される塩もしくはその溶媒和物、またはそれらの任意の混合物を含む。本明細書において使用される用語「誘導体」は、元の物質と構造的に十分同様のものであり、それによって同様の機能または活性(たとえば治療効果性)を有することができる任意の物質を指す。
例示的なインスリン類似体は、Gly(A21),Arg(B31),Arg(B32)ヒトインスリン(インスリングラルギン);Lys(B3),Glu(B29)ヒトインスリン;Lys(B28),Pro(B29)ヒトインスリン;Asp(B28)ヒトインスリン;B28位におけるプロリンがAsp、Lys、Leu、Val、またはAlaで置き換えられており、B29位において、LysがProで置き換えられていてもよいヒトインスリン;Ala(B26)ヒトインスリン;Des(B28−B30)ヒトインスリン;Des(B27)ヒトインスリンおよびDes(B30)ヒトインスリンである。
例示的なインスリン誘導体は、たとえば、B29−N−ミリストイル−des(B30)ヒトインスリン;B29−N−パルミトイル−des(B30)ヒトインスリン;B29−N−ミリストイルヒトインスリン;B29−N−パルミトイルヒトインスリン;B28−N−ミリストイルLysB28ProB29ヒトインスリン;B28−N−パルミトイル−LysB28ProB29ヒトインスリン;B30−N−ミリストイル−ThrB29LysB30ヒトインスリン;B30−N−パルミトイル−ThrB29LysB30ヒトインスリン;B29−N−(N−パルミトイル−γ−グルタミル)−des(B30)ヒトインスリン;B29−N−(N−リトコリル−γ−グルタミル)−des(B30)ヒトインスリン;B29−N−(ω−カルボキシヘプタデカノイル)−des(B30)ヒトインスリン、およびB29−N−(ω−カルボキシヘプタデカノイル)ヒトインスリンである。例示的なGLP−1、GLP−1類似体およびGLP−1受容体アゴニストは、たとえば:リキシセナチド(Lixisenatide)/AVE0010/ZP10/リキスミア(Lyxumia)、エキセナチド(Exenatide)/エクセンディン−4(Exendin−4)/バイエッタ(Byetta)/ビデュリオン(Bydureon)/ITCA650/AC−2993(アメリカドクトカゲの唾液腺によって産生される39アミノ酸ペプチド)、リラグルチド(Liraglutide)/ビクトザ(Victoza)、セマグルチド(Semaglutide)、タスポグルチド(Taspoglutide)、シンクリア(Syncria)/アルビグルチド(Albiglutide)、デュラグルチド(Dulaglutide)、rエクセンディン−4、CJC−1134−PC、PB−1023、TTP−054、ラングレナチド(Langlenatide)/HM−11260C、CM−3、GLP−1エリゲン、ORMD−0901、NN−9924、NN−9926、NN−9927、ノデキセン(Nodexen)、ビアドール(Viador)−GLP−1、CVX−096、ZYOG−1、ZYD−1、GSK−2374697、DA−3091、MAR−701、MAR709、ZP−2929、ZP−3022、TT−401、BHM−034、MOD−6030、CAM−2036、DA−15864、ARI−2651、ARI−2255、エキセナチド(Exenatide)−XTENおよびグルカゴン−Xtenである。
例示的なオリゴヌクレオチドは、たとえば:家族性高コレステロール血症の処置のためのコレステロール低下アンチセンス治療薬である、ミポメルセン(mipomersen)/キナムロ(Kynamro)である。
例示的なDPP4阻害剤は、ビルダグリプチン(Vildagliptin)、シタグリプチン(Sitagliptin)、デナグリプチン(Denagliptin)、サキサグリプチン(Saxagliptin)、ベルベリン(Berberine)である。
例示的なホルモンは、ゴナドトロピン(フォリトロピン、ルトロピン、コリオンゴナドトロピン、メノトロピン)、ソマトロピン(ソマトロピン)、デスモプレシン、テルリプレシン、ゴナドレリン、トリプトレリン、ロイプロレリン、ブセレリン、ナファレリン、およびゴセレリンなどの、脳下垂体ホルモンまたは視床下部ホルモンまたは調節性活性ペプチドおよびそれらのアンタゴニストを含む。
例示的な多糖類は、グルコサミノグリカン、ヒアルロン酸、ヘパリン、低分子量ヘパリン、もしくは超低分子量ヘパリン、またはそれらの誘導体、または上述の多糖類の硫酸化形態、たとえば、ポリ硫酸化形態、および/または、薬学的に許容されるそれらの塩を含む。ポリ硫酸化低分子量ヘパリンの薬学的に許容される塩の例としては、エノキサパリンナトリウムがある。ヒアルロン酸誘導体の例としては、HylanG−F20/Synvisc、ヒアルロン酸ナトリウムがある。
本明細書において使用する用語「抗体」は、免疫グロブリン分子またはその抗原結合部分を指す。免疫グロブリン分子の抗原結合部分の例は、抗原を結合する能力を保持するF(ab)およびF(ab’)2フラグメントを含む。抗体は、ポリクローナル、モノクローナル、組換え型、キメラ型、非免疫型またはヒト化、完全ヒト型、非ヒト型(たとえばマウス)、または一本鎖抗体とすることができる。いくつかの実施形態では、抗体はエフェクター機能を有し、補体を固定することができる。いくつかの実施形態では、抗体は、Fc受容体と結合する能力が低く、または結合することはできない。たとえば、抗体は、アイソタイプもしくはサブタイプ、抗体フラグメントまたは変異体とすることができ、Fc受容体との結合を支持せず、たとえば、これは、突然変異したまたは欠失したFc受容体結合領域を有する。
用語「フラグメント」または「抗体フラグメント」は、全長抗体ポリペプチドを含まないが、抗原と結合することができる全長抗体ポリペプチドの少なくとも一部分を依然として含む、抗体ポリペプチド分子(たとえば、抗体重鎖および/または軽鎖ポリペプチド)由来のポリペプチドを指す。抗体フラグメントは、全長抗体ポリペププチドの切断された部分を含むことができるが、この用語はそのような切断されたフラグメントに限定されない。本発明に有用である抗体フラグメントは、たとえば、Fabフラグメント、F(ab’)2フラグメント、scFv(一本鎖Fv)フラグメント、直鎖抗体、二重特異性、三重特異性、および多重特異性抗体(たとえば、ダイアボディ、トリアボディ、テトラボディ)などの単一特異性または多重特異性抗体フラグメント、ミニボディ、キレート組換え抗体、トリボディまたはバイボディ、イントラボディ、ナノボディ、小モジュラー免疫薬(SMIP)、結合ドメイン免疫グロブリン融合タンパク質、ラクダ化抗体、およびVHH含有抗体を含む。抗原結合抗体フラグメントのさらなる例は、当技術分野で知られている。
用語「相補性決定領域」または「CDR」は、特異的抗原認識を仲介する役割を主に担う重鎖および軽鎖両方のポリペプチドの可変領域内の短いポリペプチド配列を指す。用語「フレームワーク領域」は、CDR配列ではなく、CDR配列の正しい位置決めを維持して抗原結合を可能にする役割を主に担う重鎖および軽鎖両方のポリペプチドの可変領域内のアミノ酸配列を指す。フレームワーク領域自体は、通常、当技術分野で知られているように、抗原結合に直接的に関与しないが、特定の抗体のフレームワーク領域内の特定の残基が、抗原結合に直接的に関与することができ、またはCDR内の1つまたはそれ以上のアミノ酸が抗原と相互作用する能力に影響を与えることができる。
例示的な抗体は、アンチPCSK−9mAb(たとえばアリロクマブ(Alirocumab))、アンチIL−6mAb(たとえばサリルマブ(Sarilumab))、およびアンチIL−4mAb(たとえばデュピルマブ(Dupilumab))である。
本明細書において説明される化合物は、(a)化合物または薬学的に許容されるその塩、および(b)薬学的に許容される担体を含む医薬製剤において使用することができる。化合物はまた、1つまたはそれ以上の他の医薬品有効成分を含む医薬製剤、または存在する化合物またはその薬学的に許容される塩が唯一の有効成分である医薬製剤において使用することもできる。したがって、本開示の医薬製剤は、本明細書において説明される化合物および薬学的に許容される担体を混合することによって作られる任意の製剤を包含する。
本明細書において説明される任意の薬物の薬学的に許容される塩もまた、薬物送達デバイスにおける使用に企図される。薬学的に許容される塩は、たとえば酸付加塩および塩基性塩である。酸付加塩は、たとえば、HClまたはHBr塩である。塩基性塩は、たとえば、アルカリもしくはアルカリ土類金属、たとえばNa+、もしくはK+、もしくはCa2+、またはアンモニウムイオンN+(R1)(R2)(R3)(R4)(式中、R1からR4は互いに独立して:水素、場合により置換されたC1〜C6−アルキル基、場合により置換されたC2〜C6−アルケニル基、場合により置換されたC6〜C10−アリル基、または場合により置換されたC6〜C10−ヘテロアリール基を意味する)から選択されるカチオンを有する塩である。薬学的に許容される塩のさらなる例は、当業者に知られている。
薬学的に許容される溶媒和物は、たとえば、水和物またはメタノラート(methanolate)またはエタノラート(ethanolate)などのアルカノラート(alkanolate)である。
本明細書に記載する物質、調合物、装置、方法、システム、および実施形態の様々な構成要素の修正(追加および/または削除)を、本発明の最大限の精神および範囲から逸脱することなく行うことができ、そこにはかかる修正形態およびそのありとあらゆる等価物が包含されていることを、当業者は理解するであろう。

Claims (18)

  1. 注射デバイスであって:
    バレルおよび該バレル内に受けられるプランジャを有するシリンジを受けるように構成されている、ハウジングと;
    前記シリンジがハウジング内に受けられるときにバレルおよびプランジャの少なくとも一方を振動させるように動作可能な振動発生器と、を含む、前記注射デバイス。
  2. 振動発生器はバレルを振動させるように動作可能である、請求項1に記載の注射デバイス。
  3. 振動発生器はプランジャを振動させるように動作可能である、請求項1または請求項2に記載の注射デバイス。
  4. プランジャはピストンとプランジャロッドとを含み、振動発生器はピストンおよびプランジャロッドの少なくとも一方を振動させるように動作可能である、請求項3に記載の注射デバイス。
  5. 振動発生器は、前記シリンジがハウジング内に受けられるときにプランジャと係合状態になり、その結果、プランジャを振動させるように振動発生器が動作可能となるように構成されている、請求項3または請求項4に記載の注射デバイス。
  6. プランジャは、シリンジから薬剤を投薬するようにバレル内で可動であり、振動発生器は薬剤の投薬中にプランジャと共に移動するように構成されている、請求項3〜5のいずれか1項に記載の注射デバイス。
  7. 振動発生器は圧電トランスデューサを含む、請求項1〜6のいずれか1項に記載の注射デバイス。
  8. バレルは固有周波数を有し、振動発生器は前記バレルおよびプランジャの少なくとも一方を前記固有周波数とは異なる周波数で、場合により前記固有周波数よりも大きな周波数で、振動させるように動作可能である、請求項1〜7のいずれか1項に記載の注射デバイス。
  9. 振動発生器は、前記バレルおよびプランジャの少なくとも一方を100から3000Hzの範囲内の周波数で振動させるように動作可能である、請求項1〜8のいずれか1項に記載の注射デバイス。
  10. 振動発生器を動作させるために使用者が起動させることができるアクチュエータを更に含む、請求項1〜9のいずれか1項に記載の注射デバイス。
  11. 前記シリンジがハウジング内に受けられるときに、プランジャをバレルに対して移動させてバレルに収容されている薬剤を投薬するように構成されている薬剤投薬機構を更に含み、ここで、該薬剤投薬機構はアクチュエータの起動によって動作する、請求項10に記載の注射デバイス。
  12. 振動発生器に電力を供給するように構成されているエネルギー貯蔵部を更に含む、請求項1〜11のいずれか1項に記載の注射デバイス。
  13. 前記シリンジがハウジング内に受けられるときに前記シリンジの針を覆うように構成されているキャップを更に含む、請求項1〜12のいずれか1項に記載の注射デバイス。
  14. ハウジングは、シリンジがハウジング内に受けられるときにシリンジのバレルの全体を収容する、請求項1〜13のいずれか1項に記載の注射デバイス。
  15. 振動発生器はハウジング内に受けられる、請求項1〜14のいずれか1項に記載の注射デバイス。
  16. ハウジング内に受けられるシリンジを更に含み、ここで、該シリンジはバレルと該バレル内に受けられるプランジャとを含み、バレルは薬剤を収容する、請求項1〜15のいずれか1項に記載の注射デバイス。
  17. 自己注射器である、請求項1〜16のいずれか1項に記載の注射デバイス。
  18. 注射デバイスから薬剤を投薬する方法であって、注射デバイスは薬剤を収容するバレルおよび該バレル内に受けられるプランジャを有するシリンジを含み:
    バレルおよびプランジャの少なくとも一方を振動させることと;
    プランジャに力を及ぼしてバレル内でプランジャを摺動させることと、を含む、前記方法。
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