JP2021197888A - 回転電機用の絶縁シート - Google Patents
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Abstract
【課題】回転電機のコアに対して、コアの形状に折り曲げた状態で、コアに挿入したとしても、発泡樹脂層の一部が削れることを防止することができる回転電機用の絶縁シートを提供する。【解決手段】絶縁シート20は、回転電機100を構成するステータコア10に対して、ステータコア10の端面側から、ステータコア10の形状に折り曲げた状態で、ステータコアに挿入される。絶縁シート20は、絶縁基材21と、発泡剤を含有した樹脂からなる発泡樹脂層22と、発泡剤を含有していない樹脂からなる非発泡樹脂層23と、絶縁シート20の厚さ方向に積層したものであり、絶縁シート20の少なくとも一方側の表面に、非発泡樹脂層23が形成されている。非発泡樹脂層23がステータコア10(スロット13)の壁面に面して配置されるように、絶縁シート20が折り曲げられている。【選択図】図6
Description
本発明は、発電機やモータ等に用いる回転電機用の絶縁シートに係り、特に、ステータコアのスロット内で、コイル巻線との間に位置する回転電機用の絶縁シートに関する。
従来、この種の回転電機のステータに用いられる絶縁シートは、ステータコアのスロット内で、コイル巻線との間に位置し、ステータコアの内周面とコイル巻線とを電気的に絶縁しつつ、スロット内でコイル巻線を固定するものである(例えば、特許文献1参照)。絶縁シートの両面には、発泡樹脂層が形成されており、回転電機の回転軸方向と直交するステータコアの両端面側に、発泡樹脂で覆われていない部分を有している。また、この他にも、磁石埋め込み型のロータを製造する際には、絶縁シートは、永久磁石を覆うように折り曲げた状態で、ロータコアのスロットに挿入される。このように、回転電機を構成するロータコアまたはステータコアのいずれか一方のコアに絶縁シートが挿入される。
しかしながら、回転電機のコアに対して、ロータの回転軸と直交するコアの端面側から、コアの形状に折り曲げた状態で挿入する際に、コアの壁面または角部に発泡樹脂層が接触し、発泡樹脂層の一部が削れることがある。これにより、絶縁シートの発泡樹脂層の発泡機能が損なわれることがある。
本発明は、このような問題に鑑みてなされたものであって、回転電機のコアに対して、コアの形状に折り曲げた状態で、コアに挿入したとしても、発泡樹脂層の一部が削れることを防止することができる回転電機用の絶縁シートを提供することにある。
前記目的を達成すべく、本発明に係る回転電機用の絶縁シートは、回転電機を構成するロータコアまたはステータコアの少なくとも一方のコアに対して、ロータの回転軸と直交する前記コアの端面側から、コアの形状に折り曲げた状態で、前記コアに挿入される絶縁シートであって、前記絶縁シートは、絶縁基材と、発泡剤を含有した樹脂からなる発泡樹脂層と、発泡剤を含有していない樹脂からなる非発泡樹脂層と、を少なくとも一層ずつ前記絶縁シートの厚さ方向に積層したものであり、前記絶縁シートの少なくとも一方側の表面に、前記非発泡樹脂層が形成されており、前記非発泡樹脂層が前記コアの壁面に面して配置されるように、前記絶縁シートが折り曲げられていることを特徴とする。
本発明の回転電機用の絶縁シートによれば、絶縁シートは、ロータコアまたはステータコアの少なくとも一方のコアに配置されるため、絶縁シートの絶縁性を確保することができる。さらに、非発泡樹脂層がコアの壁面に面して配置されるように、絶縁シートが折り曲げられているので、ロータの回転軸と直交するコアの端面側から、コアの形状に折り曲げた状態で挿入する際に、絶縁シートがコアに接触したとしても、絶縁シートの発泡樹脂層および絶縁基材は、非発泡樹脂層によって保護されている。これにより、絶縁シートの挿入時に、発泡樹脂層の一部が削れることを防止することができる。さらに、絶縁シートをコア内に挿入した後には、加熱により発泡樹脂層がさらに発泡するため、絶縁シートを膨張させ、コアに形成された隙間を埋めることができる。
以下、本発明に係る回転電機用の絶縁シートの一実施形態を図面に基づき詳細に説明する。第1実施形態では、絶縁シートをステータに適用した一例を説明し、第2実施形態では、絶縁シートをロータに適用した一例を説明する。
〔第1実施形態〕
なお、図1〜3において、回転軸方向Zは、ステータコアの環状中心孔の中心軸に沿う方向であり、第2実施形態のロータにおいては、ロータの中心軸(回転電機の回転軸)に相当する。また、径方向Rは、回転軸方向Zに垂直な面内で中心軸を通る放射状の方向であり、中心軸側に向かう方向が内周側であり、反対側が外周側であり、周方向θは中心軸を中心として円周方向に沿った方向である。
なお、図1〜3において、回転軸方向Zは、ステータコアの環状中心孔の中心軸に沿う方向であり、第2実施形態のロータにおいては、ロータの中心軸(回転電機の回転軸)に相当する。また、径方向Rは、回転軸方向Zに垂直な面内で中心軸を通る放射状の方向であり、中心軸側に向かう方向が内周側であり、反対側が外周側であり、周方向θは中心軸を中心として円周方向に沿った方向である。
図1〜3において、モータや発電機等の回転電機100を構成するステータ1は、ステータコア10を備えており、ステータコア10は円環状のヨーク部11と、ヨーク部11の内周面からヨーク部の内径側に延在する複数のティース12、12…と、を備えている。そして、隣接する複数のティース間の空間が複数のスロット13、13…となっている。ステータ1は、複数のティース12、12…と、各ティース12に巻回され各スロット13内に配置されるコイル巻線15、15…と、各スロット13の内壁面と各コイル巻線15との間に位置する絶縁シート20、20…と、を備えている。なお、ティース12とスロット13の数は同数であり、図ではその一部を略示している。
ステータコア10の複数のティース12、12…は、ヨーク部11から径方向Rに沿ってヨーク部の中心に向かって延在している。ヨーク部11は、周方向θに沿って円環状に形成されている。複数のティース12、12…の内周側の面は湾曲面で形成され、湾曲面で囲まれた内周空間は、第2実施形態で説明するロータ3が配置される空間である。
ステータコア10は、円環状の磁性体薄板を所定枚数で回転電機の回転軸方向Zに沿って積層された積層体であり、磁性体薄板の両面には電気的な絶縁処理が施され、磁性体薄板の材質としては、珪素鋼板の一種である電磁鋼板などが用いられる。ステータコア10は、前記のように磁性体薄板を積層したものに限らず、磁性粉末を一体化成形したものを用いてもよい。
各スロット13は、図3に示すように、径方向Rに沿って対向する側壁面13a、13aは平行面で形成され、内周側の間隔と外周側の間隔が同じに形成されている。これに対して、各ティース12は、外周側の周方向θの肉厚が大きく、内周側のθ方向の肉厚が小さく、内周側に向けて先細に形成されている。そして、各ティース12の内周側の端部には、各スロット13のスロット幅を縮めるように周方向θに沿って対向して突出部13b、13bが形成され、突出部13b、13b間がステータコア10の内周側の開口部14となっている。
コイル巻線15、15…は、複数のティース12、12…に巻回され、複数のスロット13、13…内に配置されている。図1(b)に示すように、コイル巻線15は、ステータコア10の両端面側に巻回部15aでティース12を巻回するようになっている。コイル巻線15は、三相の分布巻コイルの場合、1つの相巻線が複数のスロット13に跨ってティース12に巻回されて形成される。コイル巻線15は、平角導線を各ティース12に巻回して形成され、コイル巻線15には隣接するティース12を飛ばして、例えば2つ先のティースに分布巻で結線するようになっており、例えばu相、v相、w層の3相のコイルで形成されている。
以下に、絶縁シート20、20…について以下に説明する。絶縁シート20、20…は、複数のスロット13、13…の内周面とコイル巻線15、15…との間に位置し、ステータコア10とコイル巻線15との間を電気的に絶縁するシート材である。
具体的には、図4に示すように、絶縁シート20は、ステータコア10のスロット13の形状に折り曲げた状態で、ステータコア10に対して、ロータの回転軸方向Zと直交するステータコア10の端面10a側から、ステータコア10のスロット13に挿入される。図5(a)に示すように、絶縁シート20は、矩形状のシートを、回転軸方向Zの方向に沿った折り曲げ線Lで、コイル巻線15、15を包むようにロの字状に折り曲げた形状であってもよい。さらに、図5(b)に示すように、絶縁シート20は、矩形状のシートを、回転軸方向Zの方向に沿った折り曲げ線Lで、1つのスロット13を形成する側壁面13aに沿うようにコの字状に折り曲げた形状であってもよい。
図6に示すように、絶縁シート20は、絶縁基材21と、発泡剤を含有した樹脂からなる発泡樹脂層22と、発泡剤を含有していない樹脂からなる非発泡樹脂層23と、を少なくとも一層ずつ絶縁シート20の厚さ方向に積層したものである。本実施形態では、絶縁シート20の一方側の表面に、非発泡樹脂層23が形成され、その他方の表面に、発泡樹脂層22が形成されている。本実施形態では、絶縁シート20は、非発泡樹脂層23がステータコア10のスロット13の側壁面(壁面)13aに面して配置されるように、絶縁シート20が折り曲げられている。したがって、絶縁シート20は、発泡樹脂層22が、コイル巻線15に面して配置されるように折り曲げられることになる。
絶縁シート20を形成する絶縁基材21としては、たとえば厚さが数10μm程度の電気的に絶縁性を有した基材である。絶縁基材21の材料としては、ポリスチレン(PS)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリイミド(PI)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、耐熱アミラド、などを挙げることができる。絶縁基材21には、セルロース、アラミド繊維、ポリフェニレンサルファイド樹脂など不織布層が補強層として、さらに設けられていてもよい。
発泡樹脂層22は、接着性を有し、加熱により発泡する層であり、エポキシ樹脂、フェノール樹脂等の未硬化の熱硬化性樹脂に発泡剤を含有した層である。本実施形態では、発泡樹脂層22は、絶縁基材21の片側の表面全体に形成されているが、たとえば、加熱により発泡することから、スロット13から発泡樹脂がはみ出すことを抑えるべく、絶縁基材21の周縁に沿って、発泡樹脂層22を設けなくてもよい。
発泡樹脂層22は、発泡剤を含有しており、加熱されることで膨張し、ステータコア10のスロット13とコイル巻線15とのクリアランスに充填され、コイル巻線15をステータコア10に固定する機能を有する。発泡樹脂層22は、加熱によって膨張し、その後に硬化するものが用いられ、例えば加熱によって厚さが数倍になるものが好ましい。発泡剤は、発泡ビーズの形態では発泡樹脂層22に含まれていてもよい。
発泡樹脂層22は、加熱されて膨張し、スロット13とコイル巻線15との間の隙間を塞ぐため、振動等が加わっても、ステータコア10に対するコイル巻線15の振動を防止し、回転電機の故障等を回避することができる。
非発泡樹脂層23は、接着性を有した層であり、エポキシ樹脂、フェノール樹脂等の未硬化の熱硬化性樹脂が好ましく、発泡剤を含有していない。したがって、非発泡樹脂層23は、加熱により発泡せず、硬化する。
発泡樹脂層22と非発泡樹脂層23は、たとえば、ロール状に巻かれた絶縁基材21の表面に、塗布により形成してもよい。また、この他にも、たとえば、発泡樹脂層22または非発泡樹脂層23が形成された離形シートを絶縁基材21に貼り合わせてもよい。
本実施形態の回転電機100(ステータ1)用の絶縁シート20の使用方法について以下に説明する。本実施形態では、ステータコア10のスロット13にコイル巻線15の導線を挿入し、ティース12にコイル巻線15を巻回してステータ1を作製する。
本実施形態では、まず、絶縁シート20を、図5(a)または図5(b)に示す形状に折り曲げる。ここで、折り曲げられた状態の絶縁シート20の外側の層(最外層)は、折り曲げ時に最大の引張応力が作用するところ、この層には、非発泡樹脂層23を配置したので、発泡樹脂層22に比べて、絶縁シート20の強度低下を抑えることができる。
このようにして、折り曲げた状態の絶縁シート20を、スロット13の内部空間に回転軸方向Zに沿って挿入する。絶縁シート20は、非発泡樹脂層23がステータコア10のスロット13を形成する側壁面13aに面して配置されるように、折り曲げられている。これにより、ロータの回転軸と直交するステータコア10の端面側から、ステータコア10の形状に折り曲げた状態で挿入する際に、絶縁シート20がステータコア10に接触したとしても、絶縁シート20の発泡樹脂層22は、ステータコア10により削り取られること無く、非発泡樹脂層23によって保護されている。
このようにして、スロット13の内部空間に、スロット13の形状に折り曲げた状態の絶縁シート20で、ステータコア10との絶縁を確保し、ティース12にコイル巻線15を巻回する。このあと、絶縁シート20を加熱すると、図7(a)および(b)に示すように、発泡樹脂層22は膨張する。発泡樹脂層22は、削り取られずに、スロット13内に配置されるため、加熱により発泡樹脂層22を安定して発泡させることができる。この結果、絶縁シート20を膨張させ、スロット13とコイル巻線15との間の隙間を塞ぐことができる。このような結果、振動等が加わっても、ステータコア10に対するコイル巻線15の振動を防止し、回転電機の故障等を回避することができる。さらに、発泡樹脂層22はコイル巻線15に接着され、非発泡樹脂層23は、スロット13の側壁面13aに接着される。
本実施形態では、図6に示すように、絶縁シート20は、その一方の面に、発泡樹脂層22が形成され、その他方の面に、非発泡樹脂層23が形成されるように、絶縁基材21に、発泡樹脂層22と非発泡樹脂層23を積層した。しかしながら、図8および図9に示すように、絶縁シート20の両面に、非発泡樹脂層23、23を形成し、これらの内部に、絶縁基材21および発泡樹脂層22を設けてもよい。
たとえば、図8では、絶縁シート20の両面に、非発泡樹脂層23、23を形成し、非発泡樹脂層23、23に挟み込まれるように、両面に絶縁基材21、21を形成した発泡樹脂層22が積層されている。図9では、発泡樹脂層22の一方側にのみ、絶縁基材21が設けられており、絶縁基材21の表面に、発泡樹脂および非発泡樹脂を順に塗布する(塗り分ける)ことにより、絶縁基材21の一方側の表面に、発泡樹脂層22、非発泡樹脂層23を順次積層することができる。
図8および図9に示すように、絶縁シート20の両面に、非発泡樹脂層23、23を形成することにより、絶縁シート20の非発泡樹脂層23が、ステータコア10およびコイル巻線15により削り取られることなく、発泡樹脂層22を安定して発泡させることができる。
〔第2実施形態〕
図10および図11に示すIPMモータ(回転電機)100を構成するロータ3(以下、ロータ3という)は、回転電機のロータであり、複数の円形の電磁鋼板などの鋼板30a、30a…が積層され、これらがかしめ等で連結固定されることでロータコア30が形成されている。ロータコア30の軸中心には平面視で円形の回転シャフト用スロット31が貫通して開設され、このスロット31に回転シャフト32が挿入され配設されている。ロータコア30の外周部には、回転シャフト32の軸方向に沿って永久磁石34用のスロット33、33…が貫通して開設され、各スロット33には、永久磁石34が挿入されている。各永久磁石34は絶縁シート20で覆われた状態で、スロット33内に埋設されている。
図10および図11に示すIPMモータ(回転電機)100を構成するロータ3(以下、ロータ3という)は、回転電機のロータであり、複数の円形の電磁鋼板などの鋼板30a、30a…が積層され、これらがかしめ等で連結固定されることでロータコア30が形成されている。ロータコア30の軸中心には平面視で円形の回転シャフト用スロット31が貫通して開設され、このスロット31に回転シャフト32が挿入され配設されている。ロータコア30の外周部には、回転シャフト32の軸方向に沿って永久磁石34用のスロット33、33…が貫通して開設され、各スロット33には、永久磁石34が挿入されている。各永久磁石34は絶縁シート20で覆われた状態で、スロット33内に埋設されている。
本実施形態では、各スロット33は平面視で矩形であり、隣接する2つのスロット33、33が平面視で略V字状に開設され、平面視で矩形の2つの永久磁石34、34が挿入されて1つの磁極を構成している。ロータコア30には、全体で16個のスロット33、33…に、16個の永久磁石34、34…が挿入されて、合わせて8つの磁極がロータコア30の外周部に形成されている。
永久磁石34としては、希土類金属を含有する磁石が用いられている。希土類磁石としては、ネオジウム磁石、サマリウムコバルト磁石等の永久磁石を用いることが好ましい。なお、永久磁石34は希土類金属を含有する磁石に限られるものでなく、フェライト磁石、アルニコ磁石等、適宜の磁石を用いてもよい。
図11(a)に示すように、永久磁石34には、折り曲げ線Lで絶縁シート20を折り曲げることにより、絶縁シート20が被覆されている。絶縁シート20は、図12に示すように、絶縁基材21と、発泡剤を含有した樹脂からなる発泡樹脂層22と、発泡剤を含有していない樹脂からなる非発泡樹脂層23と、を絶縁シート20の厚さ方向に積層したシートであり、第1実施形態に係る絶縁シート20の各層と同じ材料からなってもよく、絶縁基材21が絶縁性の不織布からなってもよい。
本実施形態では、絶縁シート20の一方側の表面に、非発泡樹脂層23が形成されており、その他方側の表面に、発泡樹脂層22が形成されている。非発泡樹脂層23がロータコア30の壁面(すなわち、スロット33の壁面)に面して配置されるように、絶縁シート20が折り曲げられている。したがって、絶縁シート20の発泡樹脂層22が、永久磁石34に面して配置されている。
本実施形態の回転電機100のロータ3用の絶縁シート20の使用方法について以下に説明する。本実施形態では、ロータコア30のスロット33に、絶縁シート20が被覆された永久磁石34を挿入することで、ロータ3を作製する。
本実施形態では、まず、絶縁シート20を、図11(a)に示す永久磁石24の形状に折り曲げる。ここで、折り曲げられた状態の絶縁シート20の外側の層(最外層)は、折り曲げ時に最大の引張応力が作用するところ、この層には、非発泡樹脂層23を配置したので、発泡樹脂層22に比べて、絶縁シート20の強度低下を抑えることができる。
図11(b)に示すように、円筒状のロータコア30の端面側から折り曲げた状態の絶縁シート20を永久磁石34と共に、スロット33の内部空間に挿入する。絶縁シート20は、非発泡樹脂層23がロータコア30のスロット33を形成する壁面に面して配置されるように、折り曲げられている。これにより、ロータコア30の端面側から、ロータコア30の形状に折り曲げた状態で挿入する際に、絶縁シート20がロータコア30に接触したとしても、絶縁シート20の発泡樹脂層22は、ロータコア30により削り取られること無く、非発泡樹脂層23によって保護されている。
このあと、絶縁シート20を加熱すると、発泡樹脂層22は膨張する。発泡樹脂層22は非発泡樹脂層23によって保護され、削り取られずに、スロット33内に配置されるため、加熱により発泡樹脂層22を安定して発泡させることができる。この結果、絶縁シート20を膨張させ、スロット33と永久磁石34との間の隙間を塞ぐことができる。このような結果、ロータコア30に対して永久磁石34を安定して配置することができる。
本実施形態では、図12に示すように、絶縁シート20は、その一方の面に、発泡樹脂層22が形成され、その他方の面に、非発泡樹脂層23が形成されるように、絶縁基材21に、発泡樹脂層22と非発泡樹脂層23を積層した。しかしながら、図8および図9に示すように、絶縁シート20の両面に、非発泡樹脂層23、23を形成し、これらの内部に、絶縁基材21および発泡樹脂層22を設けてもよい。
以上、本発明の一実施形態について詳述したが、本発明は、前記の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の精神を逸脱しない範囲で、種々の設計変更を行うことができるものである。
1:ステータ、3:ロータ、10:ステータコア(コア)、11:ヨーク部、12:ティース、13:スロット、14:ステータコアの開口部、15:コイル巻線、20:絶縁シート、21:絶縁基材、22:発泡樹脂層、23:非発泡樹脂層、30:ロータコア(コア)、100:回転電機
Claims (1)
- 回転電機を構成するロータコアまたはステータコアの少なくとも一方のコアに対して、ロータの回転軸と直交する前記コアの端面側から、コアの形状に折り曲げた状態で、前記コアに挿入される絶縁シートであって、
前記絶縁シートは、絶縁基材と、発泡剤を含有した樹脂からなる発泡樹脂層と、発泡剤を含有していない樹脂からなる非発泡樹脂層と、を少なくとも一層ずつ前記絶縁シートの厚さ方向に積層したものであり、
前記絶縁シートの少なくとも一方側の表面に、前記非発泡樹脂層が形成されており、
前記非発泡樹脂層が前記コアの壁面に面して配置されるように、前記絶縁シートが折り曲げられていることを特徴とする回転電機用の絶縁シート。
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