図1は第1の実施例における画像形成装置の概略側断面図である。
図1において、画像形成装置1は、電子写真方式により現像剤を用いて画像を形成する印刷装置であり、本実施例ではカラー印刷が可能なプリンタである。また、本実施例で用いている現像剤は、非磁性1成分負帯電性のトナーである。
画像形成装置1は、画像形成ユニット2Y、2M、2C、2Kと、転写ローラ8Y、8M、8C、8Kと、トナーカートリッジ14Y、14M、14C、14Kと、加熱ローラ17と、加圧ローラ18と、転写ベルトユニット19と、給紙カセット20と、給紙ローラ21と、搬送ローラ22と、排出ローラ28と、スタッカ部29と、濃度センサ65とを有している。
画像形成部としての画像形成ユニット2Y、2M、2C、2Kは、それぞれイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の色のトナーを有しており、トナーカートリッジ14Y、14M、14C、14Kから各色に対応したトナーが補給され、トナー像を形成するものである。
また、画像形成ユニット2Y、2M、2C、2Kは画像形成装置1から各々着脱自在となっている。画像形成ユニット2Y、2M、2C、2Kは、この順に1列に配列されており、画像形成ユニット2Kが最下流側に位置している。
また、画像形成ユニット2Y、2M、2C、2Kは、その中に含むトナー以外は同一の構成であるため、以下、画像形成ユニット2と略記することがある。なお、画像形成ユニット2の構成については後述する。
転写ローラ8Y、8M、8C、8Kは、後述するベルト27を挟んで感光体ドラム3Y、3M、3C、3Kと対向するようにそれぞれ配設され、感光体ドラム3の表面に形成された現像剤像(トナー像)を媒体Pに転写するものである。転写ローラ8Y、8M、8C、8Kは、後述する転写ベルトユニット19の一部を構成する。また、転写ローラ8Y、8M、8C、8Kは、同一の構成であるため、以下、転写ローラ8と略記することがある。
現像材収容体としてのトナーカートリッジ14Y、14M、14C、14Kは、画像形成装置1に対して着脱自在であり、トナーを収容するものである。また、トナーカートリッジ14Y、14M、14C、14Kは、その中に含むトナー以外は同一の構成であるため、以下、トナーカートリッジ(TC)14と略記することがある。
また、トナーカートリッジ14(図2中点線で囲んだ部分)は、未使用トナーを収容する未使用トナー室54と、廃トナーを収容する廃トナー室55との2室を備えている。なお、未使用トナー室54と廃トナー室55は壁で仕切られ、未使用トナー室54内の未使用トナーと廃トナー室55内の廃トナーが混合することはない。
また、トナーカートリッジ14内には、廃トナー搬送部材B31が設けられている。クリーニングブレード9により感光体ドラム3から除去された廃現像剤は、廃トナー搬送部材A30、図示せぬ搬送部材、廃トナー搬送部材B31により搬送され、最終的に廃トナー室55に収容される。それぞれの搬送部材には、例えばスパイラル形状のものが使用される。
加熱ローラ17および加圧ローラ18は、各画像形成ユニット2Y、2M、2C、2Kから媒体Pに転写された現像剤像を媒体Pに加熱・加圧によって定着するものである。
転写ベルトユニット19は、画像形成装置1から着脱自在であり、各画像形成ユニット2Y、2M、2C、2Kの下側に配設され、媒体Pを保持して搬送するものである。
また、転写ベルトユニット19は、転写駆動ローラ23と、転写従動ローラ24と、ベルト27と、転写クリーニングブレード25と、ベルト廃トナー収容部26とを有している。
転写駆動ローラ23は、後述するベルト駆動モータ33から得られるモータ駆動力により回転し、図中矢印Aで示す方向にベルト27を回転搬送するものである。
ベルト27は、媒体Pを静電吸着し、転写駆動ローラ23および転写従動ローラ24に回転可能に張架されることで、媒体Pを図中矢印Aで示す方向に搬送させるものである。
給紙カセット20は、記録媒体(例えば印刷用紙)Pを搭載して保持するものである。
給紙ローラ21は、給紙カセット20に保持された媒体Pを一枚ずつ搬送路に送り出すものである。
搬送ローラ22は、給紙ローラ21により送り出された媒体Pを画像形成ユニット2Y、2M、2C、2Kに向けて搬送するものである。
転写クリーニングブレード25は、転写ベルトユニット19の下部にベルト27の外周面に接するように配設され、ベルト27の外周面に残る現像剤を除去するものである。
ベルト廃トナー収容部26は、転写クリーニングブレード25により掻き取られたトナーを収容するものである。
排出ローラ28は、定着された媒体Pを装置外部に排出するものである。
スタッカ部29は、装置外部に排出された媒体Pを積載するものである。
センサ部65は、転写ベルトユニット19のベルト27に対向するように配設され、濃度補正実施時に濃度を検出するものである。
図2は第1の実施例における画像形成ユニットの概略側断面図である。
図2において、画像形成ユニット2は、感光体ドラム3と、帯電ローラ4と、帯電クリーニングローラ5と、LEDヘッド6と、現像ローラ7と、クリーニングブレード9と、供給ローラ10と、撹拌バー11と、現像ブレード12と、除電光13と、現像トナー槽15と、トナーロー検知バー16とを有している。
潜像担持体としての感光体ドラム3は、円筒状であり、その表面に静電潜像が形成されるものである。感光体ドラム3は、後述するドラム駆動モータ34から得られるモータ駆動力により一方向(ここでは反時計回り)に回転する。なお、本実施例では、感光体ドラム3は導電性支持体の表面に感光層を設けて構成される。
また、感光体ドラム3の周囲には、帯電ローラ4と、LEDヘッド6と、現像ローラ7とが配置されている。
帯電部材としての帯電ローラ4は、後述する帯電ローラ用電源35から所定のバイアス電圧を付与され、感光体ドラム3の回転に伴って従動回転し、感光体ドラム3の表面を均一に帯電するものである。本実施例では、帯電ローラ4は、金属製のシャフトに半導電性弾性層を形成したものである。
帯電クリーニングローラ5は、帯電ローラ4に接触して配置され、帯電ローラ4の回転に伴って従動回転あるいは周速差をつけて回転し、帯電ローラ4に付着するトナー及びトナーの外添剤を掻き取るものである。
露光部材としてのLEDヘッド6は、主走査方向(感光体ドラム3の回転軸方向)に配列された複数の発光素子であるLED(Light Emitthing Diode)とロッドレンズアレイとを有し、印刷データに応じて発光する発光素子の光をロッドレンズアレイによって感光体ドラム3上に結像することにより、感光体ドラム3の帯電された表面を露光し、静電潜像を形成するものである。
現像剤担持体としての現像ローラ7は、後述する現像ローラ用電源36から所定のバイアス電圧を付与され、感光体ドラム3との接触部で感光体ドラム3と同一方向に回転し、感光体ドラム3の表面に形成された静電潜像にトナーを付着させて現像するものである。本実施例では、現像ローラ7は金属製のシャフトに半導電性弾性層を形成したものである。
また、現像ローラ7の回転方向における感光体ドラム3との接触部より下流側に、供給ローラ10と現像ブレード12がこの順番に配置されている。
転写ローラ8は、後述する転写ローラ用電源38から所定のバイアス電圧を付与され、感光体ドラム3の表面に形成された現像剤像としてのトナー像を媒体Pに転写するものである。
また、転写ローラ8は、画像形成ユニット2と転写ベルトユニット19とが画像形成装置1に組み込まれるとき、感光体ドラム3がベルト27と接触することで、ベルト27を挟んで感光体ドラム3の反対側に配設された状態になる。
クリーニングブレード9は、感光体ドラム3の回転方向における転写ローラ8よりも下流側に配設され、感光体ドラム3に接触しており、転写後に感光体ドラム3の表面に残存する現像剤を除去するものである。本実施例では、クリーニングブレード9は、ポリウレタンゴムからなるブレードである。なお、クリーニングブレード9の下に、廃トナー搬送部材A30が設けられている。
現像剤供給部材としての供給ローラ10は、後述する供給ローラ用電源37から所定のバイアス電圧を付与され、現像ローラ7との接触部で現像ローラ7とは逆方向に回転し、現像ローラ7の表面にトナーを供給するものである。本実施例では、供給ローラ10は金属製のシャフトに発泡性シリコンゴム層を形成したものである。
撹拌部材としての撹拌バー11は、現像トナー槽15に設けられ、現像トナー槽15のトナーを撹拌するものである。
また、撹拌バー11は、供給ローラ10の上部に設けられたクランク形状のものであり、回転駆動することにより供給ローラ10の周辺のトナーを撹拌したり、現像ローラ7方向へのトナー搬送を助けたりするものである。
現像剤規制部材としての現像ブレード12は、現像ローラ7の表面を押圧するように配置され、この押圧力により現像ローラ7上の現像剤層(トナー層)の厚さを規制し、現像ローラ7上にトナー薄層を形成するものである。
また、現像ブレード12は、後述する供給ローラ用電源37から所定のバイアス電圧を付与される。本実施例では、現像ブレード12は主走査方向に長い長尺上の板状部材を屈曲させて形成しており、材料としてはステンレスを使用している。また、その屈曲部が現像ローラ7表面を押圧するようにしている。
除電光13は、感光体ドラム3の回転方向におけるクリーニングブレード9よりも下流側に感光体ドラム3と非接触で配設され、感光体ドラム3の残電荷を除去するものである。
また、除電光13は、例えばLEDにより構成される。
現像剤格納部としての現像トナー槽15は、トナーを格納(貯蔵)するものである。
現像剤量検知手段としてのトナーロー検知バー16は、現像剤収容部内の撹拌バー11よりも上部の位置に設けられ、現像トナー槽(現像剤収容部)15内のトナー残量(トナーレベル)とトナーロー検知バー16の設置高さの高低の位置関係により異なる動作をすることで、トナー残量を検知するものである。なお、具体的なトナー残量の検知方法については後述する。
図3は第1の実施例における画像形成装置の制御構成を示すブロック図である。
図3において、画像形成装置1は、印刷制御部39と、高圧制御部40と、露光制御部41と、除電光用電源42と、定着制御部43と、駆動制御部44と、判定部45と、ユーザーインターフェース部46と、表示部47と、印刷データ受信部48と、印刷データ変換部49と、ドラム回転数計測部50と、ヘッド発光数計測部51と、計算部52と、記憶部53と、濃度センサ65とを有している。
印刷制御部39は、CPU(Central Processing Unit)等の制御手段を備え、メモリ等の記憶部に記憶された制御プログラム(ソフトウェア)に基づいて画像形成装置1全体の動作を制御するものである。
また、印刷制御部39は、トナーロー以降において形成されたトナー像の印刷duty(デューティー)に応じてdutyフラグを立て、そのフラグを記憶部53に記憶させるものである。
また、印刷制御部39は、dutyフラグに応じて、撹拌バー11による撹拌動作の時間(撹拌時間)を変化させる。
印字率としての印刷dutyは、A4用紙1枚印刷あたりの印字率を示す。
例えば、1枚印刷時のドットカウントが(792/5)ドットカウントであった場合の印刷dutyは、(792/5)/(792/5)/1=1%duty、3枚印刷時のドットカウントが9504ドットカウントであった場合の印刷dutyは、9504/(792/5)/3=20%dutyのように計算される。
すなわち、印刷dutyは、トナー像が形成され得る全画素数に対するトナー像が形成された画像数の割合を示す。
高圧制御部40は、帯電ローラ4に所定の電圧を印加する帯電ローラ用電源35、現像ローラ7に所定の電圧を印加する現像ローラ用電源36、供給ローラ10と現像ブレード12とに所定の電圧を印加する供給ローラ用電源37、および転写ローラ8に所定の電圧を印加する転写ローラ用電源38を統括して制御するものである。
露光制御部41は、LEDヘッド6の発光を制御するものである。
除電光用電源42は、除電光13を発光するのに所定の電圧を印加するものである。
定着制御部43は、加熱ローラ17と加圧ローラ18の動作を制御するものである。
駆動制御部44は、給紙ローラ21と搬送ローラ22を駆動する搬送駆動モータ32、転写駆動ローラ23を駆動するベルト駆動モータ33、および感光体ドラム3を駆動するドラム駆動モータ34を制御するものである。
判定部45は、トナーロー検知バー16の検出信号に基づいて、現像トナー槽15に格納されたトナーの残量が規定量以下になっているか否かを判定、すなわちトナーロー(T/L)か否かを判定するものである。なお、具体的なトナーローの判定方法については後述する。
ユーザーインターフェース部46は、表示部を制御するものである。
表示部47は、トナーロー検知バー16の検出信号に基づいてユーザーにトナーカートリッジ14の交換タイミングを表示するものである。
印刷データ受信部48は、外部装置、例えばパーソナルコンピュータなどから印刷データを受信するものである。
印刷データ変換部49は、印刷データ受信部48が受信した印刷データを、LEDヘッド6に対するヘッド発光命令データに変換するものである。
潜像担持体回転数計測手段としてのドラム回転数計測部50は、感光体ドラム3の回転数を計測するものである。
発光数計測手段としてのヘッド発光数計測部51は、LEDヘッド6のヘッド発光命令データに対応する発光素子の発光数を計測するものである。
計算手段としての計算部52は、ドラム回転数計測部50およびヘッド発光数計測部51の各測定結果に基づいて、所定の間の印刷dutyを計算するものである。
記憶部53は、ドラム回転数計測部50とヘッド発光計測部51の計測結果と計算部52の計算結果とを記憶するものである。
濃度センサ65は、濃度補正時にベルト27上に出力された濃度パッチの濃度を読んで検出するものである。
次に、トナーロー検知バー16によるトナー残量の検知方法について説明する。
図4は第1の実施例におけるトナーロー検知バーの構成を説明する図である。
図4において、トナーロー検知バー16は、クランクバー56と、駆動ギア57と、スリットディスク58とから構成されている。
クランクバー56の一方の端部には駆動ギア57が接続されている。
駆動ギア57の内部には突起部59があり、駆動ギア57の回転に従って突起部59がクランクバー56端部と接触して押すことにより、クランクバー56は回転する。
また、スリットディスク58には、図示するようにスリット60が設けられている。スリット60は、クランクバー56の凸部と逆側、すなわちクランクバー56の凸部が下側を向いているときスリット60が上側を向くように設けられている。
図示せぬモータからの伝達系による駆動で駆動ギア57、突起部59が一緒に一定速度で回転する。また、突起部59がクランクバー56を押すことによってクランクバーの回転力が得られ、クランクバー56とスリットディスク58が一緒に回転することができる。
図5は第1の実施例におけるトナーロー検知バーの動作を説明する図である。
図5中(a)〜(g)は、駆動ギア57の断面を後述する各状態に対して示したものである。また、曲線の矢印は、駆動ギア57の回転方向を、ブロック矢印は動作の順番を示す。
図5において、状態(a)では、クランクバー56が下死点にあり、突起部59がクランクバー56に接触して押し出す。その後、状態(b)を経由して、状態(c)にてクランクバー56は上死点に到達する。
状態(c)に示すようなクランクバー56が回転の上死点に到達した状態以降では、クランクバー56は突起部59から離れて自重落下可能な構造となっているため、状態(c)以降の動作は、クランクバー56がトナーに埋もれているか否かで動作が分かれる。
クランクバー56がトナーに埋もれている場合は、状態(d)、状態(e)、状態(a)のように、クランクバー56の回転は突起部59の回転に追従する。
クランクバー56がトナーに埋もれていない場合は、状態(f)のように、クランクバー56はバー自身の自重により下死点まで落下する。その後状態(g)、状態(a)に示すように、突起部59が下位置に至るまでクランクバー56は下死点で静止したままとなる。
ここには図示しないが、トナーの上面レベル(液位)がクランクバー56の回転領域内すなわち、上死点と下死点の間にあった場合、状態(c)以降において、クランクバー56は上死点からトナーの上面レベルまで自重落下し、突起部59がクランクバー56に追いつくまでクランクバーはトナーの上面レベルで静止したままとなる。突起部59がクランクバー56に追いついたら、再び突起部59がクランクバー56に接触して押し出し、状態(a)に戻る。
次に、上述したような動作を行うトナーロー検知バー16からの信号を受け、トナーの残量が規定量以下の残量レベルであるか否かの検知を行う判定部45について説明する。
図6は第1の実施例における判定部45の構成を説明する図である。
図6において、判定部45は、フォトセンサー発光部61と、フォトセンサー受光部62と、準透明な樹脂で成型された発光部側導光路63と、受光部側導光路64とから構成されている。
発光部側導光路63は、一方の端部がスリットディスク58のディスク面の表面に対向して設けられ、もう一方の端部がフォトセンサー発光部61に対向して設けられている。
受光部側導光路64は、一方の端部がスリットディスク58のディスク面の裏面に対向して設けられ、もう一方の端部がフォトセンサー受光部62に対向して設けられている。
なお、導光路63、64の設置高さは、クランクバー56の回転が下死点にある場合、すなわちスリット60が上側にある場合にフォトセンサー受光部62がフォトセンサー発光部61からの光を受けることができるように設定される。
このとき、クランクバー56の回転が下死点にない場合は、スリットディスク58のスリット60の位置が導光路63、64の位置から外れることによりフォトセンサー発光部61からの光が遮断されるため、フォトセンサー受光部62はフォトセンサー発光部61からの光を受光することができない。
上述した構成の作用について説明する。
画像形成装置が行う印刷処理を図1〜図3に基づいて説明する。
画像形成装置1の印刷制御部39は、図示せぬパーソナルコンピュータ等の上位装置から印刷データ受信部48で印刷データを受信すると、印刷処理を開始する。
印刷制御部39は、駆動制御部44よりドラム駆動モータ34を駆動させ感光体ドラム3に回転駆動力を与え、感光体ドラム3を図2中矢印の向きに一定の周速度で回転させる。
感光体ドラム3の回転による駆動力は図示せぬギア列によって伝達され、現像ローラ7、供給ローラ10、撹拌バー11およびトナーロー検知バー16がそれぞれ図2中矢印Aの向きに回転し、後述の動作でクリーニングブレード9によりかき取られた廃現像剤は廃トナー搬送部材A30により搬送される。廃トナー搬送部材A30により搬送された廃現像剤は、その後図示せぬ搬送部材により運ばれ、廃トナー搬送部材B31に渡されたのち、最終的には廃トナー室55に収容される。
帯電ローラ4はこれらの駆動ギアと連結されておらず、感光体ドラム3と連れ周りで図2中矢印の向きに回転する。このとき、感光体ドラム3の表面に接触もしくは圧接して設けられた帯電ローラ4に対し、帯電ローラ用電源35から直流電圧が印加され、感光体ドラム3の表面は一様または均一に帯電される。
本実施例では、感光体ドラム3のアルミ素管を接地しており、帯電ローラ4に直流電圧を−1000V印加することで、感光体ドラム3の表面は−500V程度に帯電される。
次に、帯電された感光体ドラム3の表面に対し、ヘッド発光命令データに対応した光がLEDヘッド6から照射され、感光体ドラム3上に静電潜像が形成される。本実施例では、露光された部分の感光体ドラム3上の電位は−50V程度になる。
さらに、感光体ドラム3上の静電潜像がトナーにより現像され、感光体ドラム3上にトナー像が形成される。本実施例では、現像ローラ7には、現像ローラ用電源36より直流電圧−200Vが印加されている。また、薄層化された現像ローラ7上でのトナー層の電位は−50V程度となる。
トナー薄層の電位と現像ローラ7に印加される電圧との合計が、感光体ドラム3上の露光部分の電位を越えるため、感光体ドラム3上の露光部分はトナーで現像される。
トナー薄層の電位と現像ローラ7に印加される電圧との合計は感光体ドラム3の未露光部分の電位を越えないため、感光体ドラム3上の未露光部分はトナーで現像されない。
一方、駆動制御部44を介して搬送駆動モータ32に接続されている給紙ローラ21を回転させ、給紙カセット20から媒体Pを1枚ずつ分離して搬送路に送り出す。
搬送駆動モータ32に接続されている搬送ローラ22の回転により、媒体Pは転写ベルトユニット19の上部に搬送される。さらに、駆動制御部44よりベルト駆動モータ33を駆動させ転写駆動ローラ23に回転駆動力を与え、ベルト27が図1中矢印Aの向きに回転する。媒体Pはベルト27に吸着保持され、ベルト27の回転移動により搬送され、画像形成ユニット2Yの下に向かう。
感光体ドラム3に対向して設けられた転写ローラ8には、転写ローラ用電源38より直流電圧+2000Vが印加されている。
転写ローラ8(+2000V)と感光体ドラム3の素管(接地されている)との間に生じる電界により、感光体ドラム3上に形成されたトナー像が媒体P上に転写される。
ベルト27の回転により、媒体Pはまず画像形成ユニット2Yの下を通過する際にYのトナー像が転写される。その後、画像形成ユニット2M、2C、2Kの下を通過するたびに、M、C、Kのトナー像が媒体P上に順に転写される。ブラックの画像形成ユニット2Kを通過した後の媒体P上には、最大でY、M、C、K、4色のトナー像が重ね合わせられる。
その後、媒体Pはさらに定着器を構成する加熱ローラ17と加圧ローラ18の間を通過し、熱及び圧力により、媒体P上のトナーが溶融して媒体Pの繊維間に浸透し、トナー像の媒体Pへの定着が行われる。トナー像が定着された媒体Pは、排出ローラ28により排出され、スタッカ部29に積載される。
また、転写後の感光体ドラム3上には若干量のトナーが残留する場合があるが、この残留トナー(廃現像剤)は、クリーニングブレード9により除去される。ここで、廃現像剤や外添剤の一部がクリーニングブレード9をすり抜けてしまい、帯電ローラ4に巻きついてしまう場合があるが、これらは帯電クリーニングローラ5により除去される。
さらに、除電光13が発光し感光体ドラム3に照射されることにより、感光体ドラム3上の未露光電荷が除去される。電荷が除去された感光体ドラム3の表面は、再び帯電ローラ4により帯電される。このようにして感光体ドラム3は繰り返し画像形成に利用される。
さらに、転写後のベルト27上には若干量のトナーが残留する場合があるが、この残留トナーは、転写クリーニングブレード25により除去される。転写クリーニングブレード25により除去されたトナーは、図示せぬベルト廃トナー搬送部材、例えばスパイラルやパドルにより搬送され、ベルト廃トナー収容部26に回収される。このようにしてベルト27は繰り返し画像形成に利用される。
ここで、画像形成ユニット内で行われる動作を説明する。
現像ローラ7、供給ローラ10は、前述のように感光体ドラム3の回転駆動力を得て図2中矢印Aの向きに回転している。
現像トナー槽15に貯蔵されているトナーは、供給ローラ10の回転によって、現像ローラ7へ送られる。供給ローラ10と現像ローラ7は、その接触部において逆向きに回転しているため、トナーを摩擦で負に帯電させる。
現像ローラ7へ送られたトナーは、現像ローラ7の回転により現像ブレード12との接触部を通過する際、現像ローラ7と現像ブレード12とにより摩擦帯電されながら薄層化される。本実施例では、供給ローラ用電源37より直流電圧−300Vが供給ローラ10と現像ブレード12に印加されている。
その後、薄層化された現像ローラ7上のトナーは、感光体ドラム3上に形成された静電潜像に対応して現像され、静電潜像は現像剤像(トナー像)となる。
次に、本実施例における印刷処理時のトナー残量判定について図7を参照しながら説明する。なお、図7は第1の実施例におけるフォトセンサー受光部が検知した信号の波形の
説明図である。
本実施例で用いるフォトセンサーは、発光部からの光を受光部が受けた場合、「透過」状態となり、この間、「OFF信号」として0Vを出力する。一方、発光部からの光を受光部が受けていない場合、「非透過」状態となり、「ON信号」として5Vを出力する。
そこで、判定部45は、OFF信号の長さでトナー残量を検知し、OFF信号の長さが閾値以上となった場合に、トナー残量が規定量以下である「トナーロー」状態と判定する。
具体的に、印刷処理時において、図示せぬギア列によって感光ドラム3の駆動が伝達されてクランクバー56の駆動ギア57が回転すると、突起部59がクランクバー56端部と接触して押すことによりクランクバー56は回転するが、現像トナー槽15内のトナー残量が規定量よりも多い場合、例えばクランクバー56がトナー内に埋没しているような場合は、回転時にトナーからの抵抗を受けるので、回転の上死点に至っても、クランクバー56は先述のような自重回転ができず、駆動ギア57の突起部59から押されることにより、駆動ギア57の回転速度と同速度で回転する。
従って、フォトセンサー受光部62がフォトセンサー発光部61からの光を受けて、OFF信号を出力する時間は、スリットディスク58のスリット60が、駆動ギア57の回転速度と同速度で導光路63、64の間を通過する時間のみとなる。この状態が図7に実線で示すトナーフルの状態である。
一方、現像トナー槽15内のトナー残量が減少すると、クランクバー56の近傍にトナーは存在しなくなる。この場合は、クランクバー56が回転時にトナーからの抵抗を受けなくなるので、先述の様に回転の上死点に至ると、クランクバー56は自重回転し、駆動ギア57による回転時よりも早く下死点に至り、駆動ギア57の回転によって突起部59が再びクランクバー56に接触するまでは、クランクバー56は下死点にとどまるため、この間は、フォトセンサー受光部62はフォトセンサー発光部61からの光を受けるOFF信号を出力し続ける時間が長くなる。
トナー残量が回転の下死点よりも下回るまでの間は、トナー残量が少ないほど1周期におけるOFF信号を出力する時間は長くなるが、本実施例では、駆動ギア57の回転周期Tの0.46倍を閾値とした。すなわち、OFF信号の長さが0.46Tよりも長い状態が図7に点線で示すトナーローの状態である。
そこで、本実施例では、判定部45は、OFF信号(トナーロー検知バー16の検出信号)の長さが閾値以上であることを連続で2回以上検知した場合にトナーロー(現像トナー槽15に格納されたトナーの残量が規定量以下)と判定し、トナーカートリッジ14の交換を促す文言を表示部47に表示する。
なお、トナーカートリッジ14の交換を促す文言が表示部47に表示されても、そのことで印刷処理がすぐに停止するわけではない。次にトナーエンプティ(T/E)であると印刷制御部39により判定されるまでの間、印刷処理が可能である。トナーエンプティ(T/E)であると印刷制御部39により判定されると印刷処理は停止し、トナーカートリッジ14が交換されない限り印刷処理を再開できない。
画像形成装置1は、トナーカートリッジ14の交換を受け付ける。
画像形成装置1は、交換されたトナーカートリッジ14からトナーが補給されたとき、撹拌動作(空回し)を行うことで、現像トナー槽15内のトナー特性の変化による濃度ムラの発生を抑制する。
ここで、トナーカートリッジ14交換後に行われる空回し時間は、以下の式(1)に示すように2つの項の和で表すことができる。
空回し時間=(トナー搬送および供給時間)+トナーの撹拌時間・・・(1)
式(1)中(トナー搬送および供給時間)は、トナーロー検知バー16の設置高さが同じである限り、印刷デューティーによってトナー供給量や供給時間は変わらないため、空回し時間が増えることによって変わっているのは撹拌時間である。
以下、撹拌時間を空回し時間として説明する。
なお、本実施例では、トナーロー検知として自由落下式回転バーを用いる方法を説明したが、それに限定されず透過型光学検知を用いた方法でもよい。
さらに、画像形成装置1は、撹拌動作の後に濃度補正を実施する。
次に、画像形成装置が行う撹拌処理を図8の第1の実施例における撹拌処理の流れを示すフローチャートの図中Sで表すステップに従って図1から図7を参照しながら説明する。
S101:印刷制御部39は、判定部45によりトナーローであるか否かを判定し、トナーローと判定する場合はステップS102へ移行し、トナーローと判定しない場合は印刷処理を継続する。
S102:印刷制御部39は、表示部47にトナーカートリッジ14交換を促すメッセージを表示する。
S103:印刷制御部39は、ドラム回転数計測部50およびヘッド発光数計測部51によりドラムカウントおよびドットカウントの計測を開始する。
ドラムカウントとは、感光体ドラム3の回転数(印刷距離)の測定値であり、感光体ドラム3が回転する限りカウントアップしていく。本実施例では、A4用紙(横210mm × 縦297mm)1枚印刷時に1ドラムカウント進むものとする。
また、ドットカウントとは、LEDヘッド6で印刷パターンに合わせたドット形成を行う際のドット点灯数であり、点灯するたびにカウントアップしていく。本実施例では、A4用紙の余白を除く印刷領域をベタ印刷する場合においてその領域のうちの5%面積をLEDヘッドが発光する場合を792ドットカウントと定義する。
本実施例では、ドラムカウントおよびドットカウントのトナーロー以降の累積値を記憶部53に記憶させるが、トナーカートリッジ14交換実施時にそれらの累積値はゼロにリセットされる。
S104:印刷制御部39は、計算部52により計算された印刷デューティー(duty)に応じて高duty、中duty、低dutyの各dutyフラグを立て、そのフラグを記憶部53に記憶させる。
このとき、計算部52は、トナーローが判定されてからトナーカートリッジ14が交換されるまでの間のドラムカウント、ドットカウント、すなわち、記憶部53に記憶されているドラムカウント、ドットカウントに基づいて、印刷dutyを計算する。なお、印刷dutyの計算をトナーロー以降のカウントによって行う理由は後述する。
印刷dutyは、記憶部53に記憶されているドラムカウントとドットカウントとに基づいて以下の式(1)により計算する。
印刷duty=ドットカウント/(792/5)/ドラムカウント・・・(1)
上述した式により算出された印刷dutyは、トナー補給前のトナーローが判定されてからトナーカートリッジ14が交換されるまでの間に形成されたトナー像の印字率を示す。
本実施例では、トナーローが判定されてからトナーカートリッジ14が交換されるまでの間、すなわち現像トナー槽15に格納されたトナーの残量が規定量以下になってからトナーが補給され判定部45がトナーフルを判定するときまでの間を所定の間として定義する。
また、印刷制御部39は、計算部52の計算結果に応じて、印刷dutyが20%以上の高dutyの場合は第1の印字率として高dutyフラグを立て、印刷dutyが1%以下の低dutyの場合は第2の印字率として低dutyフラグを立て、それ以外の場合に中dutyフラグを立てるものとする。
このように、印刷制御部39は、トナー補給前の所定の間に形成されたトナー像の印刷dutyに応じて、高duty、中duty、低dutyの各dutyフラグを立て、そのフラグを記憶部53に記憶させる。
なお、本実施例では、高dutyを印刷dutyが20%以上、低dutyを印刷dutyが1%以下として説明するが、それに限定されない。
S105:印刷制御部39は、トナーカートリッジ14が交換されたか否かを判定し、交換されたと判定する場合はステップS108へ移行し、交換されていないと判定する場合はステップS106へ移行する。
なお、トナーカートリッジ14の交換の検出は、トナーカートリッジ14に接触や非接触のタグを持たせ、そのタグにトナーカートリッジ14の固有識別情報を記憶させておき、装置側でタグ情報を読み込んだ時にトナーカートリッジ14の固有識別情報が変わったことを検出することによって行ってもよい。
S106:印刷制御部39は、トナーエンプティ(T/E)か否かを判定する。
本実施例におけるトナーエンプティの判定基準は、ステップS103で計測を開始したドットカウントの値が118800(A4、5%デューティー、150枚)を超えた場合としている。トナーエンプティであると判定する場合はステップS107へ移行し、トナーエンプティでないと判定する場合はステップS104へ移行する。
S107:印刷制御部39は、印刷を強制終了し、ユーザーによるトナーカートリッジ14の交換を受け付ける。
ここで、dutyフラグの更新は、トナーカートリッジ14が交換されるまで繰り返し行われる。判定タイミングは、例えば、印刷データが1枚分であれば1枚印刷後、印刷データが10枚分であれば10枚連続後、印刷データが100枚分のように量が多い場合であれば50枚連続印刷ごとに判定して50枚目と100枚目で判定を行うなどの方法をとることができる。
S108:印刷制御部39は、トナーカートリッジ14の交換終了後、ドラム回転数計測部50およびヘッド発光数計測部51によるドラムカウントおよびドットカウントの計測を終了する。
このとき、記憶部53には、トナーローが判定されてからトナーカートリッジ14が交換されるまでの間のドラムカウント、ドットカウント累積値、dutyフラグが記憶されている。
S109:印刷制御部39は、表示部47のトナーカートリッジ14交換を促すメッセージを非表示にする。
S110:印刷制御部39は、記憶部53に記憶されているdutyフラグが高dutyフラグ(第1の印字率)であるか否かを判定し、高dutyフラグであると判定する場合はステップS111へ移行し、高dutyフラグでないと判定する場合はステップS112へ移行する。
S111:印刷制御部39は、トナーカートリッジ14交換後の撹拌動作を短時間(本実施例では40秒)行う。
S112:印刷制御部39は、記憶部53に記憶されているdutyフラグが低dutyフラグ(第2の印字率)であるか否かを判定し、低dutyフラグであると判定する場合はステップS114へ移行し、低dutyフラグでないと判定する場合はステップS113へ移行する。
S113:印刷制御部39は、トナーカートリッジ14交換後の撹拌動作を中時間(2分30秒)行う。
S114:印刷制御部39は、トナーカートリッジ14交換後の撹拌動作を長時間(3分)行う。
S115:印刷制御部39は、ステップS111、S113、S114の撹拌動作がそれぞれ終わった後、濃度補正を実施する。
濃度補正は、画像形成ユニット2Y、2M、2C、2Kのうち少なくともトナーカートリッジ14交換を行った画像形成ユニット2に対して濃度パッチを現像し、ベルト27上に転写して、濃度センサ65で濃度パッチの濃度を測定し、濃度測定値が規定範囲であれば終了する。濃度パッチの濃度が規定範囲内でなければ高圧制御部40や露光制御部41によって、濃度パッチの濃度が規定範囲内になるようバイアス調整やヘッド光量調整を行う。
このように、印刷制御部39は、画像形成ユニット2にトナーカートリッジ14からトナーが補給されたとき、トナー補給前の所定の間に形成されたトナー像の印刷dutyが高duty(第1の印字率)である場合、高duty(第1の印字率)よりも低い低duty(第2の印字率)である場合よりも撹拌バー11による撹拌時間を短くする。
次に、トナーカートリッジ14交換後の撹拌時間と濃度ムラレベルの関係について図9を参照しながら説明する。なお、図9は第1の実施例におけるトナーカートリッジ14交換後の撹拌時間と濃度ムラレベルの関係を説明する図である。また、トナー補給前の所定の間の印刷dutyが低dutyの場合と高dutyの場合とについて示す。
ここで、濃度ムラレベルとは、濃度ムラの見え方を目視によって10段階のレベル判定をしたもので、レベル10が濃度ムラなし、レベル1が濃度ムラの程度が最も悪いことを示す。本実施例では、レベル7を、濃度ムラOKのレベルとした。
また、濃度ムラ発生の状態とは、全面ベタ印刷した場合に本来濃度が均一になるにも関わらず、濃度の濃い場所と薄い場所が現れている状態をさしている。
また、濃度ムラの発生する原因には、トナーカートリッジ14を新品に交換した際、現像トナー槽15内に残っているトナーの特性と、交換後の新品トナーカートリッジ14から現像トナー槽15へ供給されるトナーの特性とが異なっており、これらのトナーが十分に混合されていない場合があり、その場合は以降の印刷で濃度ムラが目立ってしまう。
また、濃度ムラレベルは、図9に示すように、トナー補給前の所定の間の印刷dutyが高dutyの場合よりも低dutyの場合に悪くなる。
これは、低duty印刷では、現像されないトナーが現像トナー槽15内で撹拌される機会が増え、要素部材間やトナー同士間での摩擦や圧力によってトナー特性の変化が大きくなることから、現像トナー槽15内に残っているトナーの特性と、交換後の新品トナーカートリッジ14から現像トナー槽15へ供給されるトナーの特性差が大きくなるのに対し、高duty印刷では、現像トナー槽15内でのトナー特性変化が小さいうちに消費されることから、現像トナー槽15内に残っているトナーの特性と、交換後の新品トナーカートリッジ14から現像トナー槽15へ供給されるトナーの特性差が小さいからである。
特に、低duty印刷におけるこのトナーの特性変化は、トナーロー判定以降で顕著になる。トナーロー判定以前ではトナーの特性変化があってもトナー特性変化の起こっていないトナーと撹拌混合されることで、現像トナー槽15内の平均的なトナー特性変化がほとんどないと見なせるのに対し、トナーロー判定以降ではそれ以上トナーカートリッジ14から現像トナー槽15へのトナー供給はなされず、現像トナー槽15内にトナー特性変化の起こっていないトナーの量が少なくなっており、トナーの撹拌混合を行ってもトナー特性変化の影響が強く残ってしまうためである。
従って、本実施例では、図8中ステップS104における印刷dutyの計算にトナーロー以降のカウントを用いるようにしている。これにより、その後のステップS111、S113、S114にて撹拌時間を適切に設定することができる。
図9において、トナー補給前の所定の間の印刷dutyが低dutyの場合および高dutyの場合のいずれも、トナーカートリッジ14交換後の撹拌時間を増やすことで濃度ムラは改善する。
これは、現像トナー槽15内に残っている特性変化の大きいトナーがトナーカートリッジ14から現像トナー槽15へ供給される未使用トナーの中で撹拌混合されることで、撹拌時間の増加にともなって現像トナー槽15内の平均的なトナー特性変化の影響が小さくなっていくためである。
トナー補給前の所定の間の印刷dutyが低dutyの場合と高dutyの場合とでは、現像トナー槽15内に存在する特性変化の大きいトナーの量は低dutyの場合の方が多く、濃度ムラレベルも低dutyの場合の方が低い。
従って、濃度ムラレベルが良好(OK)になるまでに必要な撹拌時間は、低dutyの場合の方が高dutyの場合より長くなる。
すなわち、トナーカートリッジ14の交換により画像形成ユニット2にトナーが補給されたとき、トナー補給前の所定の間に形成されたトナー像の印刷dutyが低duty(第2の印字率)の場合は、高duty(第1の印字率)の場合よりも撹拌時間が長くなる。
また、トナーカートリッジ14の交換により画像形成ユニット2にトナーが補給されたとき、トナー補給前の所定の間に形成されたトナー像の印刷dutyが高duty(第1の印字率)の場合は、低duty(第2の印字率)の場合よりも撹拌時間が短くなる。
比較例の画像形成装置では、トナーエンプティでのトナーカートリッジ14交換後に撹拌動作を行い、その後に濃度補正を実施している。
また、比較例の画像形成装置では、印刷dutyによらず1分間の撹拌動作が行われるため、トナーカートリッジ14交換前に低duty印刷が行われていた場合はトナーカートリッジ14交換後のイメージドラムユニット(ID)内の残トナーとトナーカートリッジ14内の未使用トナーの特性差が大きく、トナーが均一に混ざりきらず濃度ムラの異常(NG)が発生する場合があった。
一方、トナーカートリッジ14交換前に高duty印刷が行われていた場合は、濃度ムラレベルが良好(OK)であったが、トナーカートリッジ14交換後のID内の残トナーとトナーカートリッジ14内の未使用トナーの特性差がほぼなく、長時間の撹拌動作が必要ないのにも関わらず、余分な撹拌時間を確保しているため、撹拌時間の増加やIDカウントが増加する場合があった。
そこで、本実施例では、トナー補給前の所定の間の印刷dutyが低dutyの場合は撹拌時間を3分とし、高dutyの場合は撹拌時間を40秒とすることで、低dutyおよび高dutyの濃度ムラレベルがいずれもが良好となった。また、高dutyの場合の撹拌時間を比較例よりも短縮することができた。
すなわち、高dutyの場合の撹拌時間を低dutyの場合より短くすることにより、IDカウントを減少させて印刷動作に関わらないダウンタイムを軽減することができる。
従って、本実施例では、撹拌動作の過不足を抑制することができる。
このように、第1の実施例では、トナーカートリッジ14の交換により画像形成ユニット2にトナーが補給されたとき、トナー補給前の所定の間に形成されたトナー像の印刷dutyが高duty(第1の印字率)である場合、高duty(第1の印字率)よりも低い低duty(第2の印字率)である場合よりも撹拌バー11の撹拌時間を短くすることにより、撹拌動作の過不足を抑制することができる。
また、トナー補給前の所定の間に高duty(第1の印字率)印刷が行われた場合の撹拌時間を短くした場合であっても、画像形成ユニット2内トナーとトナーカートリッジ14内トナーの特性差が低duty印刷が行われた場合に比べ小さいため、トナーカートリッジ14交換前後のトナー特性差による濃度ムラの発生を軽減し、かつ、撹拌時間やIDカウントの無駄な増加を抑制することができる。
また、トナー補給前の所定の間に低duty(第2の印字率)印刷が行われた場合の撹拌時間を長くすることにより、トナーをよく撹拌し未使用トナーの中に低dutyのトナーを均一化させてトナーカートリッジ14交換前後のトナーの特性差を抑制し、濃度ムラの発生を軽減することができる。
さらに、濃度補正実施の際の濃度パッチの濃度ムラが軽減されているため、濃度センサの濃度パッチの読み取り濃度が安定するようになり、一定の濃度を安定して出力することができる。
以上説明したように、第1の実施例では、トナーカートリッジの交換により画像形成ユニットにトナーが補給されたとき、撹拌動作の過不足を抑制することができるという効果が得られる。
また、濃度ムラの発生を抑制し、かつ、撹拌時間やIDカウントの無駄な増加を抑制することができるという効果が得られる。
さらに、一定の濃度を安定して出力することができるという効果が得られる。