JP2021196440A - 負帯電性トナー - Google Patents

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Abstract

【課題】トナー融着物の発生及び濃度段差を抑制し、転写工程における画像濃度安定性を高レベルで両立できる負帯電性トナーを提供する。【解決手段】結着樹脂を含有するトナー粒子と、樹脂微粒子及び無機微粒子Aを含有する有機無機複合微粒子と、を含有する負帯電性トナーであって、有機無機複合微粒子は正帯電性であり、有機無機複合微粒子は樹脂微粒子に無機微粒子Aの少なくとも一部が埋め込まれた構造を有し、有機無機複合微粒子の個数平均粒径Dbが50nm〜350nmであり、有機無機複合微粒子の表面には無機微粒子Aに由来する凸部が複数存在する、負帯電性トナー。【選択図】なし

Description

本開示は、電子写真方式、静電記録方式及び静電印刷方式などに用いられる負帯電性トナーに関する。
電子写真方式では、帯電工程及び露光工程を経て、像保持体の表面に画像情報として静電荷像を形成する。その後、該静電荷像に対し、帯電したトナーによりトナー像を形成し(現像工程)、このトナー像を記録媒体に転写した後(転写工程)、トナー像を記録媒体に定着する。これらの工程を経て、画像情報を出力物として画像形成する。そして、再度のトナー像の形成前に、転写工程で転写しきれなかったトナーをブレード等によりクリーニングすることで(クリーニング工程)、画像情報に忠実な画像形成を連続的に行うことができる。
近年、電子写真方式のフルカラー複写機が広く普及するに従い、更なる高速化、高画質化はもちろんのこと、省エネルギー性能など維持費用等の付加的な性能の向上も要求されている。
具体的な高画質化対応策としては、ドット再現性を高めるため、小粒径のトナーが求められている。しかし、トナーが小粒径化すると、上記のクリーニング工程において、トナーがすり抜けやすくなる。トナーがすり抜けやすくなると、クリーニングブレードと像保持体との摺擦で誘起される発熱により、トナーが像保持体上で融着してしまう場合がある。特に高速になるほど、発熱量が大きくなるため、像保持体上に形成されるトナー融着物由来の画像不良が起こりやすい。
クリーニング工程においてトナーのすり抜けを抑制する方法として、特許文献1では、トナー粒子に特定の無機微粒子を外添処理したトナーを用いることが提案されている。
さらに,特許文献2では、クリーニング性能を改善する方法として、トナー粒子に金属石鹸粒子を外添処理したトナーを用いることが提案されている。
特開2017―198917号公報 特開2014―66784号公報
本発明者らが特許文献1に記載のトナーを検討したところ、以下のことがわかった。
特許文献1に記載のトナーを用いる画像形成装置は、クリーニング工程において、トナー粒子から遊離した無機微粒子がクリーニングブレード近傍で凝集し、無機微粒子から形成される無機微粒子層を形成することができる。その結果、クリーニングブレードと像保持体との摺擦により熱を生じる部位とクリーニングブレードで堰き止められているトナーとの距離がある程度存在することで、トナーの溶融変形を抑制し、トナーのすり抜けを抑制することができる。
しかしながら、連続的に同一の画像(例えば非全面のベタ画像)を形成した後に前記同一の画像とは異なるハーフトーン画像を形成した際に、前記同一の画像における画像部と非画像部とで濃度段差のある画像不良がハーフトーン画像上に形成される場合があった。この理由として、本発明者らは以下のように考えている。
特許文献1に記載の無機微粒子は、トナーと同様に負帯電性を有しているため、現像工
程において、像保持体上の画像部と非画像部とで、供給される無機微粒子の量が異なる。トナー粒子から遊離した無機微粒子はトナーよりも粒径が小さいため、クリーニングブレードですべて堰き止められることはなく、一部の無機微粒子はクリーニングブレードをすり抜けてしまう。無機微粒子が多く供給される画像部のほうが、非画像部よりも多くの無機微粒子がすり抜けるため、露光工程後に画像部となる部分と非画像部となる部分の帯電量が、クリーニングブレードをすり抜けた無機微粒子に起因して帯電工程の前から不均一となる。そのため、露光工程後に画像部となる部分と非画像部となる部分で像保持体上の帯電工程後の帯電量に差が生じ、前記の画像不良が起こってしまう。
また、前記のように、現像工程において、像保持体上の画像部と非画像部とで供給される無機微粒子の量が異なるため、特に無機微粒子の供給量が少ない非画像部において、無機微粒子層を形成することが困難となる。そのため、無機微粒子の添加量を少なくすると、非画像部領域において特に顕著にトナーの融着物が発生する。一方、添加量を多くすると、像保持体上の画像部と非画像部との無機微粒子の供給量に差に由来した画像不良がさらに顕著となる。
また、本発明者らが特許文献2に記載のトナーを検討したところ、以下のことがわかった。
特許文献2に記載のトナーは、トナー粒子に添加した金属石鹸粒子がクリーニングブレードと像保持体との間で潤滑剤として作用し、摩擦係数を低減させることができる。その結果、クリーニングブレードと像保持体との摺擦で誘起される発熱量が低減し、像保持体上に形成されるトナー融着物を抑制することができる。
しかしながら、上記潤滑性を維持し続けるためには、トナー粒子の表面に一定量以上の金属石鹸粒子が存在する必要がある。一般に金属石鹸粒子は、ステアリン酸亜鉛などに代表されるように、長鎖脂肪族カルボン酸と多価金属イオンで形成されている。低分子である長鎖脂肪族カルボン酸部位は、ヤング率が低く、塑性変形しやすいため、無機微粒子の金属石鹸粒子への埋没が起きやすく、トナー粒子の表面の金属石鹸粒子の量が減少しやすい。そのため、金属石鹸粒子の潤滑剤としての作用が無機微粒子によって損なわれやすく、転写工程における画像濃度低下などの画像不良が起こる場合があった。
以上のことから、トナーのクリーニング工程におけるトナー融着物の発生の抑制と、連続的に同一の画像(例えば非全面のベタ画像)を形成した後に前記同一の画像とは異なるハーフトーン画像を形成した際に生じる濃度段差の抑制と、転写工程における画像濃度安定性の向上と、を両立することは困難である。優れた画質を示した上で、高速機においても、安定性の高い画像を連続的に出力しつづけることができる負帯電性トナーの開発が急務となっている。
本開示の負帯電性トナーは、
結着樹脂を含有するトナー粒子と、
樹脂微粒子及び無機微粒子Aを含有する有機無機複合微粒子と、
を含有する負帯電性トナーであって、
該有機無機複合微粒子は、正帯電性であり、
該有機無機複合微粒子は、該樹脂微粒子に該無機微粒子Aの少なくとも一部が埋め込まれた構造を有し、
該有機無機複合微粒子の個数平均粒径Dbが、50nm以上350nm以下であり、
該有機無機複合微粒子の表面には、該無機微粒子Aに由来する凸部が複数存在する
ことを特徴とする。
本開示によれば、トナーのクリーニング工程における像保持体上に形成されるトナー融
着物の発生を抑制し、連続的に同一の画像(例えば非全面のベタ画像)を形成した後に前記同一の画像とは異なるハーフトーン画像を形成した際においても濃度段差が生じることを抑制し、転写工程における画像濃度安定性を高レベルで両立できる負帯電性トナーを提供することができる。
熱球形化処理装置の概略図。
本開示において、数値範囲を表す「XX以上YY以下」や「XX〜YY」の記載は、特に断りのない限り、端点である下限及び上限を含む数値範囲を意味する。
本開示の負帯電性トナーは、
結着樹脂を含有するトナー粒子と、
樹脂微粒子及び無機微粒子Aを含有する有機無機複合微粒子と、
を含有する負帯電性トナーであって、
該有機無機複合微粒子は、正帯電性であり、
該有機無機複合微粒子は、該樹脂微粒子に該無機微粒子Aの少なくとも一部が埋め込まれた構造を有し、
該有機無機複合微粒子の個数平均粒径Dbが、50nm以上350nm以下であり、
該有機無機複合微粒子の表面には、該無機微粒子Aに由来する凸部が複数存在する
ことを特徴とする。
上述のように、特許文献1に記載のような無機微粒子を含有したトナーは、トナーのクリーニング工程における像保持体上に形成されるトナー融着物の発生の抑制と、連続的に同一の画像を形成した後に前記同一の画像とは異なるハーフトーン画像を形成した際に、前記同一の画像における画像部と非画像部とで濃度段差のある画像不良の抑制の両立に関し、改善の余地があった。本発明者らが鋭意検討したところ、像保持体上に供給する無機微粒子量を制御する方法として一般に知られる、トナー中の含有量やトナーへの固着率などを増減させても、前記課題のトレードオフからは脱却できなかった。
そこで、本発明者らは、トナー粒子と外添剤微粒子とを含有するトナーを使用した際に、クリーニングブレードにおいて前記微粒子により形成される層の大きさや空隙率、微粒子同士の付着力を詳細に分析し、トナー融着物の発生に対する影響を検証した。その結果、トナー融着物の発生に対する影響は、発熱部との距離に寄与する層の大きさだけではなく、微粒子層の空隙率や微粒子同士の付着力が重要であることが分かった。これは、クリーニングブレードにおいて形成される微粒子層に、転写しなかったトナーが突入してくる際に、微粒子層の空隙率や微粒子間の付着力が高くなると微粒子層が破壊されにくく、層の大きさを維持しやすくなることが要因であることを見出した。
また、次に、クリーニングブレード通過前後において像保持体上に存在する前記微粒子の個数を画像部と非画像部とで詳細に分析比較し、連続的に同一の画像を形成した後に前記同一の画像とは異なるハーフトーン画像を形成した際に発生する画像部と非画像部との濃度段差に対する影響を検証した。その結果、画像部と非画像部との濃度段差に対する影響は、クリーニングブレード通過後に像保持体上に存在する微粒子の、画像部と非画像部での個数差に依存することが分かった。つまり、画像部は一定量のトナーが供給され続けてくるため、トナー中に含有される微粒子がクリーニングブレードをすり抜けてくる頻度が大きくなり、結果、クリーニングブレード通過後の、画像部と非画像部における微粒子数に差が生じてしまう。
以上の要因分析から、トナーに含有する微粒子を制御することで、前記微粒子からなる微粒子層の空隙率や微粒子間付着力を制御し、さらに前記微粒子の帯電性をトナーとは逆
極性に制御することで、現像工程において像保持体上に供給する微粒子数の差を、画像部と非画像部で抑えることができるため、前述のトレードオフを脱却できることを見出した。
本開示のトナーは、結着樹脂を含有するトナー粒子と、樹脂微粒子及び無機微粒子Aを含有する有機無機複合微粒子と、を含有する負帯電性トナーである。該有機無機複合微粒子は、正帯電性である。すなわち、該有機無機複合微粒子は、トナーとは逆極性の帯電性を有している。その結果、クリーニングブレード通過後の画像部と非画像部における微粒子数の差が抑制され、連続的に同一の画像を形成した後に前記同一の画像とは異なるハーフトーン画像を形成した際に発生する画像部と非画像部との濃度段差が発生しなくなる。
該無機微粒子Aは特に限定されるものではないが、トナー粒子の表面との付着性の点から、シリカ、酸化チタン及びアルミナからなる群より選ばれる少なくとも1の無機酸化物粒子であることが好ましく、シリカであることがより好ましい。
有機無機複合微粒子の表面には、無機微粒子Aに由来する凸部が複数存在する。また、有機無機複合微粒子は、樹脂微粒子に無機微粒子Aの少なくとも一部が埋め込まれた構造を有する。かかる構成とすることで、有機無機複合微粒子がクリーニングブレードにおいて微粒子層を形成する際に、複数存在する無機微粒子Aに由来する凸部が有機無機複合微粒子間でかみ合うことで、空隙率を低下させることができる。また、樹脂微粒子に無機微粒子Aの少なくとも一部が埋め込まれた構造を有することから、部分的に樹脂同士による強い付着力を発現させることができる。その結果、クリーニングブレードにおいて形成される微粒子層の空隙率が低下し、且つ微粒子間が強い付着力を有するため、転写しなかったトナーが突入してくる際に、微粒子層が破壊されることなく、微粒子層の大きさを維持することができる。その結果、トナー融着物の発生を大幅に改善することができる。
さらに、有機無機複合微粒子の表面に存在する凸部は、無機微粒子Aに由来する。該凸部がヤング率の高い無機微粒子Aにより形成されることで、連続使用時に現像器内における負荷を受けても凸部の形状が変化しにくくなる。その結果として、所望の空隙率や微粒子間の付着力を、安定的に維持し続けることができる。
樹脂微粒子100質量部に対する無機微粒子Aの含有量は、15質量部〜75質量部であることが好ましい。
ここで、有機無機複合微粒子ではなく、無機微粒子Aに由来する凸部を有しない単なる樹脂微粒子をトナーに用いた場合は、微粒子間で高い付着力は得られるものの、凸部に由来した所望の空隙率が得られないため、トナー融着物の発生を抑制できない。また、凸部がないものとして考えられるものとして、無機微粒子Aが、樹脂微粒子内部に完全に埋め込まれたものがあるが、同様に理由によりトナー融着物の発生を抑制できない。一方で、有機無機複合微粒子ではなく、非球形のシリカなどの無機微粒子をトナーに用いた場合、形状によっては所望の空隙率を得られる場合もあるが、微粒子間での高い付着力を発現させることができないため、トナー融着物の発生を抑制できない。
有機無機複合微粒子は、個数平均粒径Dbが50nm以上350nm以下である。有機無機複合微粒子の個数平均粒径Dbが50nm以上であると、クリーニングブレードをすり抜ける微粒子の個数を減らすことができるため、クリーニングブレードで形成される有機無機複合微粒子層が大きくなり、トナー融着物の発生を抑制できる。一方、有機無機複合微粒子の個数平均粒径が350nm以下であると、トナー粒径との差分が十分あることで、有機無機複合微粒子がトナーを突き上げながらクリーニングブレード近傍への到達することができるため、有機無機複合微粒子層へのトナーの混入を抑制することができる。
有機無機複合微粒子の個数平均粒径Dbは、好ましくは60nm〜300nmであり、より好ましくは80nm〜200nmである。
有機無機複合微粒子の個数平均粒径Dbは、以下の方法で測定する。
有機無機複合微粒子の個数平均粒径Dbの測定は、走査型電子顕微鏡「S−4800」(商品名;日立製作所製)を用いて行う。有機無機複合微粒子が外添されたトナーを観察して、最大20万倍に拡大した視野において、ランダムに100個の有機無機複合微粒子の一次粒子の長径を測定して個数平均粒径(D1)を求める。観察倍率は、有機無機複合微粒子の大きさによって適宜調整する。有機無機複合微粒子は窒素原子を含有するビニル系単量体に由来するモノマーユニットを含有することから、エネルギー分散型X線分析装置で窒素元素を同定することで有機無機複合微粒子を同定する。
(1)試料作製
試料台(アルミニウム試料台15mm×6mm)に導電性ペーストを薄く塗り、その上にトナーを吹きつける。さらにエアブローして、余分なトナーを試料台から除去し十分乾燥させる。試料台を試料ホルダにセットし、試料高さゲージにより試料台高さを36mmに調節する。
(2)S−4800観察条件設定
S−4800の筐体に取り付けられているアンチコンタミネーショントラップに液体窒素を溢れるまで注入し、30分間置く。S−4800の「PC−SEM」を起動し、フラッシング(電子源であるFEチップの清浄化)を行う。画面上のコントロールパネルの加速電圧表示部分をクリックし、[フラッシング]ボタンを押し、フラッシング実行ダイアログを開く。フラッシング強度が2であることを確認し、実行する。フラッシングによるエミッション電流が20μA〜40μAであることを確認する。試料ホルダをS−4800筐体の試料室に挿入する。コントロールパネル上の[原点]を押し試料ホルダを観察位置に移動させる。
加速電圧表示部をクリックしてHV設定ダイアログを開き、加速電圧を[1.1kV]、エミッション電流を[20μA]に設定する。オペレーションパネルの[基本]のタブ内にて、信号選択を[SE]に設置し、SE検出器を[上(U)]および[+BSE]を選択し、[+BSE]の右の選択ボックスで[L.A.100]を選択し、反射電子像で観察するモードにする。同じくオペレーションパネルの[基本]のタブ内にて、電子光学系条件ブロックのプローブ電流を[Normal]に、焦点モードを[UHR]に、WDを[4.5mm]に設定する。コントロールパネルの加速電圧表示部の[ON]ボタンを押し、加速電圧を印加する。
(3)焦点調整
操作パネルのフォーカスつまみ[COARSE]を回転させ、ある程度焦点が合ったところでアパーチャアライメントの調整を行う。コントロールパネルの[Align]をクリックし、アライメントダイアログを表示し、[ビーム]を選択する。操作パネルのSTIGMA/ALIGNMENTつまみ(X,Y)を回転し、表示されるビームを同心円の中心に移動させる。次に[アパーチャ]を選択し、STIGMA/ALIGNMENTつまみ(X,Y)を一つずつ回し、像の動きを止める又は最小の動きになるように合わせる。アパーチャダイアログを閉じ、オートフォーカスで、ピントを合わせる。その後、倍率を80,000(80k)倍に設定し、上記と同様にフォーカスつまみ、STIGMA/ALIGNMENTつまみを使用して焦点調整を行い、再度オートフォーカスでピントを合わせる。この操作を再度繰り返し、ピントを合わせる。ここで、観察面の傾斜角度が大きいと個数平均粒径Dbの測定精度が低くなりやすいので、ピント調整の際に観察面全体のピントが同時に合うものを選ぶことで、表面の傾斜が極力無いものを選択して解析する。
(4)画像保存
ABCモードで明るさ合わせを行い、サイズ640ピクセル×480ピクセルで写真撮影して保存する。この画像ファイルを用いて下記の解析を行う。トナー一個に対して写真を1枚撮影し、少なくともトナー25個について画像を得る。
(5)画像解析
トナー表面上の少なくとも100個の有機無機複合微粒子について粒径を測定して、個数平均粒径を求める。画像解析ソフトImage−Pro Plus ver.5.0を用いて、上述した手法で得た画像を2値化処理することで有機無機複合微粒子の個数平均粒径を算出する。有機無機複合微粒子の粒径測定に際しては、有機無機複合微粒子の最大径を測定する。また、該最大径は、無機微粒子Aに由来する凸部を含めて測定する。
少なくとも25個のトナーについて同様の操作を繰り返し、個数平均粒径の平均値を求め、有機無機複合微粒子の個数平均粒径Dbとする。
なお、有機無機複合微粒子と、有機無機複合微粒子以外の外添剤と、は以下の方法により区別する。
上記(5)で得られた2値化画像において、無機物である無機微粒子Aに由来する部位と、有機物である樹脂微粒子に由来する部位とで画像のコントラスト差が生じているものを本開示の有機無機複合微粒子とし、該コントラスト差が生じていないものを有機無機複合微粒子以外の外添剤として区別する。
有機無機複合微粒子の表面に存在する無機微粒子Aに由来する凸部の個数平均高さは、5nm以上40nm以下であることが好ましい。
有機無機複合微粒子の表面に存在する無機微粒子Aに由来する凸部の個数平均高さが5nm以上であると、微粒子同士が歯車のようにかみ合うようになるため、クリーニング部における前記微粒子からなる微粒子層の空隙率を制御することができるため、像保持体上に形成されるトナー融着物の発生を抑制できる。
有機無機複合微粒子の表面に存在する無機微粒子Aに由来する凸部の個数平均高さが40nm以下であると、微粒子同士が歯車のようにかみ合った際の微粒子間付着力が高くなりすぎないよう制御することができる。これにより有機無機複合微粒子が表面に付着した際のトナー間同士の付着力を低減することができるため、転写特性が向上する。
有機無機複合微粒子の表面に存在する無機微粒子Aに由来する凸部の個数平均高さは、より好ましくは5nm〜30nmであり、さらに好ましくは10nm〜30nmである。
有機無機複合微粒子の表面に存在する無機微粒子Aに由来する凸部の個数平均高さは、以下の方法で測定する。
トナーに含まれる有機無機複合微粒子を後述する方法で分離した後、有機無機複合微粒子を透過型電子顕微鏡(商品名「H7500」;日立製作所製)で撮影する。無機物である無機微粒子Aに由来する部位と、有機物である樹脂微粒子に由来する部位とで画像のコントラスト差が出ることを利用し、無機微粒子Aに由来する凸部の個数平均高さを測定する。100個の有機無機複合微粒子についてそれぞれ1個の有機無機複合微粒子の表面に存在する無機微粒子Aに由来する凸部の高さを計測し、その平均値を該凸部の個数平均高さとする。高さを測定する凸部は、各有機無機複合微粒子の存在する無機微粒子Aに由来する凸部のうち、外郭が最も明瞭なものとする。
粒子径が5〜50nmの有機無機複合微粒子は50万倍、50nmを超えて500nmまでの有機無機複合微粒子は5万倍の倍率で観察する。
トナーに含まれる有機無機複合微粒子は、下記の方法で分離する。
(1)トナー5gをサンプル瓶に入れ、メタノールを200ml加える。
(2)超音波洗浄機で5分間試料を分散させて外添剤を分離させる。
(3)吸引ろ過(10μmメンブランフィルター)してトナー粒子と外添剤を分離する。(4)上記(2)、(3)を所望のサンプル量が得られるまで行う。
上記操作により、有機無機複合微粒子を含む外添剤がトナーから単離される。この回収された水溶液を遠心分離器にかけ、各外添剤を比重ごとに分離、回収する。次いで、溶媒を除去し真空乾燥機で十分に乾燥し、観察を行う。
該有機無機複合微粒子は、樹脂微粒子を含有する。該樹脂微粒子は、ビニル系樹脂を含
有することが好ましい。
該ビニル系樹脂は、窒素原子を含有するビニル系単量体に由来するモノマーユニットを含有することが好ましい。該窒素原子を含有するビニル系単量体は、アミノ基、アミド基、イミド基、4級アンモニウム塩基、ウレタン結合、ウレア結合及び含窒素複素環からなる群より選択される少なくとも一を有することが好ましい。
ここで、モノマーユニットとは、重合体中の単量体物質の反応した形態をいう。例えば、ポリマー中のビニル系モノマーが重合した主鎖中の、炭素‐炭素結合1区間を1ユニットとする。
窒素原子を含有するビニル系単量体としては、アミノ基、アミド基、イミド基、4級アンモニウム塩基、ウレタン結合、ウレア結合及び含窒素複素環からなる群より選択される少なくとも一を有していれば、公知の単量体を用いる事ができる。かかる単量体に由来するモノマーユニットをビニル系樹脂が含有する事で、有機無機複合微粒子を、負帯電性のトナーとは逆極性である正帯電性に制御しやすくなる。その結果、トナー現像工程において像保持体上に供給する有機無機複合微粒子の、画像部と非画像部での個数差を抑制することができるため、連続的に同一の画像を形成した後に前記同一の画像とは異なるハーフトーン画像を形成した際においても、前記同一の画像における画像部と非画像部とで生じる濃度段差をより抑制することができる。
なお、上記官能基を有する単量体に由来するモノマーユニットを含有しない場合であっても、例えば、樹脂微粒子が公知の正帯電性荷電制御剤を含有することなどによって有機無機複合微粒子を正帯電性に制御することができる。
該正帯電性荷電制御剤としては、具体的には、グアニジン化合物、イミダゾール化合物、四級アンモニウム塩、四級アンモニウム塩を有する界面活性剤などの化合物が挙げられる。
窒素原子を含有するビニル系単量体としては、例えば以下の単量体を挙げることができる。
アミノエチルアクリレート、アミノエチルメタクリレート、ジメチルアミノエチルアクリレート、ジメチルアミノエチルメタクリレート、ジエチルアミノエチルアクリレート、ジエチルアミノエチルメタクリレート、N,N−ジメチルアミノスチレン、メチルα−アセトアミノアクリレート、N−アリールフェニレンジアミンなどのアミノ基含有ビニル系単量体;
アクリルアミド、メタクリルアミド、N−メチルアクリルアミド、N−メチルメタクリルアミド、N−ブチルアクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、N,N’−メチレン−ビスアクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、N,N−ジベンジルアクリルアミド、メタクリルホルムアミド、N−メチル−N−ビニルアセトアミド、N−ビニルピロリドンなどのアミド基含有ビニル系単量体。
N−(4−ビニルフェニル)マレインイミド、N−ビニルマレインイミドなどのイミド基含有ビニル系単量体。
N−ビニル−N、N’−トリメチレンウレアなどのウレア結合を有するビニル系単量体。
4ービニルピリジン、2ービニルピリジン、ビニルイミダゾール、N−ビニルピロール、N−ビニルチオピロリドン、9−ビニルカルバゾール、4−メチル−5−ビニルチアゾール、1−ビニルインドールなどの、含窒素複素環を有するビニル系単量体。
トリメチルビニルアンモニウムブロマイド、トリエチルビニルアンモニウムクロライド、トリメチレンビニルアンモニウムブロマイドなどの4級アンモニウム塩基を有するビニル系単量体。
ここで、4級アンモニウム塩基を有するビニル系単量体とは、以下の一般式で表される構造をいう。
Figure 2021196440

式中、R〜Rはそれぞれ独立して、アルキル基、アルケニル基、アリール基などの任意の置換基を示し(ただしR〜Rの少なくとも一はビニル基を含む)、Xは、塩素イオン、臭素イオンなどの任意の陰イオンを示す。
更に、ウレタン結合及び窒素原子を含有するビニル系単量体は、例えば、ウレタン基とアクリル基を有するウレタンアクリレートのオリゴマーを用いる事ができる。具体的な化合物としては、例えば2−[[(ブチルアミノ)カルボニル]オキシ]エチルアクリレートなどが挙げられる。
ビニル系樹脂は、窒素原子を含有するビニル系単量体以外のその他の単量体に由来するモノマーユニットを含有してもよい。その他の単量体としては、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メトキシスチレン、p−ヒドロキシスチレン、p−アセトキシスチレン、ビニルトルエン、エチルスチレン、フェニルスチレン、ベンジルスチレンなどのスチレン系モノマー;メチルアクリレート、エチルアクリレート、ブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、ブチルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレートなどの不飽和カルボン酸のアルキルエステル(該アルキルの炭素数が1以上18以下);酢酸ビニルなどのビニルエステル系単量体;ビニルメチルエーテルのようなビニルエーテル系単量体;塩化ビニルのようなハロゲン元素含有ビニル系単量体;ブタジエン、イソブチレンなどのジエン系単量体が挙げられる。
これらの単量体は、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
前記窒素原子を含有するビニル系単量体は、アミノエチルメタクリレート、アミノエチルアクリレート、メタクリルアミド、アクリルアミド、N−ビニルマレインイミド、4−ビニルピリジン、トリメチルビニルアンモニウムブロマイド、N−ビニル−N,N’−トリメチレンウレア及び2−[[(ブチルアミノ)カルボニル]オキシ]エチルアクリレートからなる群から選択される少なくとも一の単量体であってもよい。
また、アミノ基、アミド基、イミド基、4級アンモニウム塩基、ウレタン結合、ウレア結合及び含窒素複素環からなる群より選択される少なくとも一を有する、窒素原子を含有するビニル系単量体に由来するモノマーユニットとしては、例えば以下のようなものが挙げられる。
Figure 2021196440
ビニル系樹脂中の窒素原子を含有するビニル系単量体に由来するモノマーユニットの含有割合は、5質量%〜30質量%であることが好ましい。ビニル系樹脂中の窒素原子を含有するビニル系単量体に由来するモノマーユニットの含有割合が5質量%以上であると、有機無機複合微粒子を正帯電性により制御しやすくなる。また、ビニル系樹脂中の窒素原子を含有するビニル系単量体に由来するモノマーユニットの含有割合が30質量%以下であると、負帯電トナーの帯電量の低下を抑制することができる。
ビニル系樹脂中の窒素原子を含有するビニル系単量体に由来するモノマーユニットの含有割合は、好ましくは7質量%〜20質量%である。
ビニル系樹脂中の窒素原子を含有するビニル系単量体に由来するモノマーユニットの含有割合は、以下の方法で測定する。
50mL容量のバイアルに「コンタミノンN」(非イオン界面活性剤、陰イオン界面活性剤、有機ビルダーからなるpH7の精密測定器洗浄用中性洗剤の10質量%水溶液20gを秤量し、トナー1gと混合する。
いわき産業(株)製「KM Shaker」(model:V.SX)にセットし、speedを50に設定して30秒間振とうする。
その後、磁性トナーの場合は、ネオジム磁石を用いてトナー粒子を拘束した状態で、上澄み液に移行した有機無機複合微粒子を分離させ、得られた有機無機複合微粒子の分散液をエバポレーターにより水を除去し、有機無機複合微粒子とコンタミノンNの混合物を得
る。
なお、非磁性トナーの場合は、遠心分離機(H−9R;株式会社コクサン社製)(1000rpmにて5分間)にて、トナー粒子と上澄み液に移行した有機無機複合微粒子を分離し、同様に、得られた有機無機複合微粒子の分散液をエバポレーターにより水を除去し、有機無機複合微粒子とコンタミノンNの混合物を得る。
得られた混合物を十分に真空乾燥した後、核磁気共鳴分光分析(H−NMR)[400MHz、CDCl、室温(25℃)]により測定することで、ビニル系単量体の構造と構成比を同定し、算出する。
測定装置:FT NMR装置 JNM−EX400(日本電子社製)
測定周波数:400MHz
パルス条件:5.0μs
周波数範囲:10500Hz
積算回数:64回
有機無機複合微粒子の含有量は、トナー粒子100質量部に対し、0.1質量部以上10質量部以下であることが好ましい。
トナー粒子100質量部に対する有機無機複合微粒子の含有量が0.1質量部以上であると、有機無機複合微粒子がクリーニング部で微粒子層を効率よく形成することができるため、像保持体上に形成されるトナー融着物の発生をより抑制できる。トナー粒子100質量部に対する有機無機複合微粒子の含有量が10質量部以下であると、トナー粒子の表面が露出し、定着性を向上させることができる。
有機無機複合微粒子の含有量は、トナー粒子100質量部に対し、0.5質量部以上5質量部以下であることがより好ましい。
有機無機複合微粒子のトナー粒子100質量部に対する含有量は、1質量部=1gとして、以下のように求める。
50mL容量のバイアルに「コンタミノンN」(非イオン界面活性剤、陰イオン界面活性剤、有機ビルダーからなるpH7の精密測定器洗浄用中性洗剤の10質量%水溶液20gを秤量し、トナー1gと混合する。
得られた混合液をいわき産業(株)製「KM Shaker」(model:V.SX)にセットし、speedを50に設定して30秒間振とうする。これにより、有機無機複合微粒子の固着状態によっては、有機無機複合微粒子がトナー粒子表面から、分散液側へ移行する。
その後、磁性トナーの場合は、ネオジム磁石を用いてトナー粒子を拘束した状態で、上澄み液に移行した有機無機複合微粒子を分離させ、沈殿しているトナー粒子を真空乾燥(40℃/24時間)することで乾固させて、サンプルAを得る。また、上澄み液はナス型フラスコに移し、エバポレーターにより水を除去する。これを真空乾燥した後、サンプルBの質量を精密天秤で測定する。
なお、非磁性トナーの場合は、遠心分離機(H−9R;株式会社コクサン社製)(1000rpmにて5分間)にて、トナー粒子と上澄み液に移行した有機無機複合微粒子を分離し、トナーを真空乾燥(40℃/24時間)することで乾固させて、サンプルAを得て、上澄み液も同様の方法でサンプルBの質量を測定する。
得られたサンプルA,Bの質量及び後述する固着率から、下記式を用いて有機無機複合微粒子のトナー粒子100質量部に対する含有量を求める
(有機無機複合微粒子のトナー粒子100質量部に対する含有量)=
(サンプルBの質量(g)−2(g))/(固着率)×1/(サンプルAの質量(g))×100
式中の固着率は後述する方法により算出することができる。
有機無機複合微粒子のトナー粒子に対する固着率は、クリーニング部で適正な微粒子層
を形成し、像保持体上に形成されるトナー融着物の発生を抑制できる観点から、30個数%以上90個数%以下であることが好ましく、40個数%〜80個数%であることがより好ましい。該固着率は、外添工程の処理時間、撹拌回転数、撹拌羽形状、邪魔板の位置や角度により制御することができる。
有機無機複合微粒子のトナー粒子に対する固着率は、以下のように求める。
50mL容量のバイアルに「コンタミノンN」(非イオン界面活性剤、陰イオン界面活性剤、有機ビルダーからなるpH7の精密測定器洗浄用中性洗剤の10質量%水溶液20gを秤量し、トナー1gと混合する。
いわき産業(株)製「KM Shaker」(model:V.SX)にセットし、speedを50に設定して30秒間振とうする。これにより、有機無機複合微粒子の固着状態によっては、有機無機複合微粒子がトナー粒子表面から、分散液側へ移行する。
その後、磁性トナーの場合は、ネオジム磁石を用いてトナー粒子を拘束した状態で、上澄み液に移行した有機無機複合微粒子を分離させ、沈殿しているトナーを真空乾燥(40℃/24時間)することで乾固させて、サンプルとする。
なお、非磁性トナーの場合は、遠心分離機(H−9R;株式会社コクサン社製)(1000rpmにて5分間)にて、トナーと上澄み液に移行した有機無機複合微粒子を分離し、トナーを真空乾燥(40℃/24時間)することで乾固させて、サンプルとする。
上記処理を施していない未処理トナー及び乾固したサンプル(上記処理を施したトナー)をそれぞれ走査型電子顕微鏡により観察し、トナー粒子表面に固着している有機無機複合微粒子をカウントして、以下の式により固着率とする。
固着率(%)=乾固したサンプルの有機無機複合微粒子数/未処理トナーの有機無機複合微粒子数×100
なお、カウントする有機無機複合微粒子の数は、未処理トナー及び乾固したサンプルに対して、トナー各100個ずつ測定して平均した値を用いる。また、有機無機複合微粒子と、有機無機複合微粒子以外の外添剤と、は以下の方法により区別する。
有機無機複合微粒子の個数平均粒径Dbの測定方法で得られた2値化画像において、無機物である無機微粒子Aに由来する部位と、有機物である樹脂微粒子に由来する部位とで画像のコントラスト差が生じているものを本開示の有機無機複合微粒子とし、該コントラスト差が生じていないものを有機無機複合微粒子以外の外添剤として区別する。
有機無機複合微粒子は、例えば、国際公開第2013/063291号の実施例の記載に従って製造することができる。国際公開第2013/063291号の実施例の記載に従って有機無機複合微粒子を製造する場合、例えば、無機微粒子Aを形成し得る金属酸化物と、樹脂微粒子を形成し得る重合性単量体と、を含有するエマルションを生成した後、該重合性単量体を重合させることによって有機無機複合微粒子を製造することができる。
有機無機複合微粒子の個数平均粒径Dbや無機微粒子Aに由来する凸部の個数平均高さは、有機無機複合微粒子に使用する無機微粒子Aの粒径や、無機微粒子Aと樹脂の量比を変えることで調整することができる。
有機無機複合微粒子は、疎水化処理によって疎水化度を制御することができる。疎水化度を制御することにより、有機無機複合微粒子の帯電性が向上し、画像部、非画像部に微粒子を適正に現像し、供給することができる。有機無機複合微粒子を疎水化処理する場合、その方法としては、特に制限されず、公知の方法を用いることができるが、有機無機複合微粒子を疎水化処理剤で処理する方法が好ましい。
疎水化処理剤としては、具体的に、メチルトリクロロシラン、ジメチルジクロロシラン、トリメチルクロロシラン、フェニルトリクロロシラン、ジフェニルジクロロシラン、t−ブチルジメチルクロロシラン、ビニルトリクロロシランなどのクロロシラン類;テトラメトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、フェニルトリ
メトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、o−メチルフェニルトリメトキシシラン、p−メチルフェニルトリメトキシシラン、n−ブチルトリメトキシシラン、i−ブチルトリメトキシシラン、ヘキシルトリメトキシシラン、オクチルトリメトキシシラン、デシルトリメトキシシラン、ドデシルトリメトキシシラン、テトラエトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、i−ブチルトリエトキシシラン、デシルトリエトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−クロロプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルメチルジメトキシシランなどのアルコキシシラン類;ヘキサメチルジシラザン、ヘキサエチルジシラザン、へキサプロピルジシラザン、ヘキサブチルジシラザン、ヘキサペンチルジシラザン、ヘキサヘキシルジシラザン、ヘキサシクロヘキシルジシラザン、ヘキサフェニルジシラザン、ジビニルテトラメチルジシラザン、ジメチルテトラビニルジシラザンなどのシラザン類;ジメチルシリコーンオイル、メチルハイドロジェンシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイル、アルキル変性シリコーンオイル、クロロアルキル変性シリコーンオイル、クロロフェニル変性シリコーンオイル、脂肪酸変性シリコーンオイル、ポリエーテル変性シリコーンオイル、アルコキシ変性シリコーンオイル、カルビノール変性シリコーンオイル、アミノ変性シリコーンオイル、フッ素変性シリコーンオイル、及び、末端反応性シリコーンオイルのシリコーンオイル;ヘキサメチルシクロトリシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、ヘキサメチルジシロキサン、オクタメチルトリシロキサンなどのシロキサン類;脂肪酸及びその金属塩として、ウンデシル酸、ラウリン酸、トリデシル酸、ドデシル酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ペンタデシル酸、ステアリン酸、ヘプタデシル酸、アラキン酸、モンタン酸、オレイン酸、リノール酸、アラキドン酸などの長鎖脂肪酸、前記脂肪酸と亜鉛、鉄、マグネシウム、アルミニウム、カルシウム、ナトリウム、リチウムなどの金属との塩が挙げられる。
これらの中でも、アルコキシシラン類、シラザン類、ストレートシリコーンオイルは、疎水化処理を実施しやすいため、好ましく用いられる。これらの疎水化処理剤は、1種を単独で用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。
トナーは、結着樹脂を含有するトナー粒子と、上記有機無機複合微粒子と、を含有する負帯電性トナーである。
トナー粒子は、結着樹脂、必要に応じて着色剤、離型剤などを含有した粒子である。
<結着樹脂>
結着樹脂として、例えば、下記の重合体などを用いることが可能である。
ポリスチレン、ポリ−p−クロルスチレン、ポリビニルトルエンなどのスチレン及びその置換体の単重合体;スチレン−p−クロルスチレン共重合体、スチレン−ビニルトルエン共重合体、スチレン−ビニルナフタレン共重合体などのスチレン及びその置換体の共重合体;スチレン−アクリル酸エステル共重合体、スチレン−メタクリル酸エステル共重合体などのスチレン−(メタ)アクリル系共重合樹脂;ポリエステル樹脂;ポリエステル樹脂とスチレン−(メタ)アクリル系共重合樹脂が混合、又は両者が一部反応したハイブリッド樹脂;ポリ塩化ビニル;フェノール樹脂;天然樹脂変性フェノール樹脂;天然樹脂変性マレイン酸樹脂;アクリル樹脂;メタクリル樹脂;ポリ酢酸ビニル樹脂;シリコーン樹脂;ポリウレタン樹脂;ポリアミド樹脂;フラン樹脂;エポキシ樹脂;キシレン樹脂;ポリエチレン樹脂;ポリプロピレン樹脂など。
その中でも、ポリエステル樹脂、スチレン−(メタ)アクリル系共重合樹脂、及びポリエステル樹脂とスチレン−(メタ)アクリル系共重合樹脂が結合(例えば共有結合)した
ハイブリッド樹脂からなる群から選択される少なくとも一の樹脂を含むことが好ましくポリエステル樹脂を含むことがより好ましい。
ポリエステル樹脂、スチレン−(メタ)アクリル系共重合樹脂、及びポリエステル樹脂とスチレン−(メタ)アクリル系共重合樹脂が結合(例えば共有結合)したハイブリッド樹脂からなる群から選択される少なくとも一の樹脂(好ましくはポリエステル樹脂)の含有量は、低温定着性の観点から、結着樹脂中50質量%〜100質量%(より好ましくは80質量%〜100質量%)であることが好ましい。
なお、トナー粒子中の結着樹脂の含有量は、70質量%〜95質量%であることが好ましい。
ポリエステル樹脂に用いられるモノマーとしては、多価アルコール(2価又は3価以上のアルコール)と、多価カルボン酸(2価又は3価以上のカルボン酸)、その酸無水物又はその低級アルキルエステルとを用いることができる。なかでも、3価以上の多官能化合物を使用することが好ましい。従って、ポリエステル樹脂の原料モノマーとして、3価以上のカルボン酸、その酸無水物又はその低級アルキルエステル、及び3価以上のアルコールからなる群から選択される少なくとも一の化合物を用いることが好ましい。
ポリエステル樹脂に用いられる多価アルコールモノマーとしては、例えば以下の多価アルコールモノマーを使用することができる。
2価のアルコールモノマーとしては、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、水素化ビスフェノールA、式(A)で表されるビスフェノール及びその誘導体、
Figure 2021196440
(式中、Rはエチレン又はプロピレン基であり、x及びyはそれぞれ0以上の整数であり、かつ、x+yの平均値は0以上10以下である。)、及び
式(B)で示されるジオール類が挙げられる。
Figure 2021196440

(式中、R’は
Figure 2021196440

を示し、
x’,y’は0以上の整数であり、かつ、x’+y’の平均値は0〜10である。)
3価以上のアルコールモノマーとしては、例えば、ソルビトール、1,2,3,6−ヘ
キサンテトロール、1,4−ソルビタン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリペンタエリスリトール、1,2,4−ブタントリオール、1,2,5−ペンタントリオール、グリセロール、2−メチルプロパントリオール、2−メチル−1,2,4−ブタントリオール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、1,3,5−トリヒドロキシメチルベンゼンが挙げられる。
これらのうち、好ましくはグリセロール、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトールが用いられる。これらの2価のアルコール及び3価以上のアルコールは、1種単独で又は2種以上を併用して用いることができる。
ポリエステル樹脂に用いられる多価カルボン酸モノマーとしては、以下の多価カルボン酸モノマーを使用することができる。
2価のカルボン酸モノマーとしては、例えば、マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、イタコン酸、グルタコン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、コハク酸、アジピン酸、セバチン酸、アゼライン酸、マロン酸、n−ドデセニルコハク酸、イソドデセニルコハク酸、n−ドデシルコハク酸、イソドデシルコハク酸、n−オクテニルコハク酸、n−オクチルコハク酸、イソオクテニルコハク酸、イソオクチルコハク酸、これらの酸の無水物及びこれらの低級アルキルエステルが挙げられる。これらのうち、マレイン酸、フマル酸、テレフタル酸、n−ドデセニルコハク酸及びアジピン酸が好ましく用いられる。
3価以上のカルボン酸、その酸無水物又はその低級アルキルエステルとしては、例えば、1,2,4−ベンゼントリカルボン酸、2,5,7−ナフタレントリカルボン酸、1,2,4−ナフタレントリカルボン酸、1,2,4−ブタントリカルボン酸、1,2,5−ヘキサントリカルボン酸、1,3−ジカルボキシル−2−メチル−2−メチレンカルボキシプロパン、1,2,4−シクロヘキサントリカルボン酸、テトラ(メチレンカルボキシル)メタン、1,2,7,8−オクタンテトラカルボン酸、ピロメリット酸、エンポール三量体酸、これらの酸無水物又はこれらの低級アルキルエステルが挙げられる。
これらのうち、特に1,2,4−ベンゼントリカルボン酸、すなわちトリメリット酸又はその誘導体が、安価で、反応制御が容易であるため、好ましく用いられる。これらの2価のカルボン酸等及び3価以上のカルボン酸は、1種単独で又は2種以上を併用して用いることができる。
ポリエステル樹脂の製造方法については、特に制限されるものではなく、公知の方法を用いることができる。例えば、前述のアルコールモノマー及びカルボン酸モノマーを同時に仕込み、エステル化反応又はエステル交換反応、及び縮合反応を経て重合し、ポリエステル樹脂を製造することができる。また、重合温度は、特に制限されないが、180℃以上290℃以下の範囲が好ましい。ポリエステル樹脂の重合に際しては、例えば、チタン系触媒、スズ系触媒、酢酸亜鉛、三酸化アンチモン、二酸化ゲルマニウムなどの重合触媒を用いることができる。特に、結着樹脂は、スズ系触媒及びチタン系触媒からなる群から選択される少なくとも一の触媒を使用して重合されたポリエステル樹脂がより好ましい。
トナー粒子には、ワックスを用いてもよい。ワックスとしては、例えば以下のものが挙げられる。
低分子量ポリエチレン、低分子量ポリプロピレン、アルキレン共重合体、マイクロクリスタリンワックス、パラフィンワックス、フィッシャートロプシュワックスのような炭化水素系ワックス;酸化ポリエチレンワックスのような炭化水素系ワックスの酸化物又はそれらのブロック共重合物;カルナバワックスのような脂肪酸エステルを主成分とするワックス類;脱酸カルナバワックスのような脂肪酸エステル類を一部又は全部を脱酸化したもの。さらに、以下のものが挙げられる。
パルミチン酸、ステアリン酸、モンタン酸のような飽和直鎖脂肪酸類;ブラシジン酸、エレオステアリン酸、バリナリン酸のような不飽和脂肪酸類;ステアリルアルコール、アラルキルアルコール、ベヘニルアルコール、カルナウビルアルコール、セリルアルコール
、メリシルアルコールのような飽和アルコール類;ソルビトールのような多価アルコール類;パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、モンタン酸のような脂肪酸類と、ステアリルアルコール、アラルキルアルコール、ベヘニルアルコール、カルナウビルアルコール、セリルアルコール、メリシルアルコールのようなアルコール類とのエステル類;リノール酸アミド、オレイン酸アミド、ラウリン酸アミドのような脂肪酸アミド類;メチレンビスステアリン酸アミド、エチレンビスカプリン酸アミド、エチレンビスラウリン酸アミド、ヘキサメチレンビスステアリン酸アミドのような飽和脂肪酸ビスアミド類;エチレンビスオレイン酸アミド、ヘキサメチレンビスオレイン酸アミド、N,N’ジオレイルアジピン酸アミド、N,N’ジオレイルセバシン酸アミドのような不飽和脂肪酸アミド類;m−キシレンビスステアリン酸アミド、N,N’ジステアリルイソフタル酸アミドのような芳香族系ビスアミド類;ステアリン酸カルシウム、ラウリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸マグネシウムのような脂肪族金属塩(一般に金属石けんといわれているもの);脂肪族炭化水素系ワックスにスチレンやアクリル酸のようなビニル系モノマーを用いてグラフト化させたワックス類;ベヘニン酸モノグリセリドのような脂肪酸と多価アルコールの部分エステル化物;植物性油脂の水素添加によって得られるヒドロキシル基を有するメチルエステル化合物。
これらのワックスの中でも、低温定着性、定着分離性を向上させるという観点で、パラフィンワックス、フィッシャートロプシュワックスのような炭化水素系ワックス、もしくはカルナバワックスのような脂肪酸エステル系ワックスが好ましい。耐ホットオフセット性がより向上する点で、炭化水素系ワックスがより好ましい。
ワックスは、結着樹脂100質量部あたり3質量部以上8質量部以下で使用されることが好ましい。
また、示差走査熱量測定(DSC)装置で測定される昇温時の吸熱曲線において、ワックスの最大吸熱ピークのピーク温度としては45℃以上140℃以下であることが好ましい。ワックスの最大吸熱ピークのピーク温度が上記範囲内であるとトナーの保存性と耐ホットオフセット性を両立できるため好ましい。
<着色剤>
トナー粒子は、着色剤を含有していてもよい。着色剤としては、以下のものが挙げられる。
黒色着色剤としては、カーボンブラック;イエロー着色剤、マゼンタ着色剤及びシアン着色剤とを用いて黒色に調色したものが挙げられる。着色剤には、顔料を単独で使用してもよく、染料と顔料とを併用してもよい。
マゼンタトナー用顔料としては、例えば以下のものが挙げられる。C.I.ピグメントレッド1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、21、22、23、30、31、32、37、38、39、40、41、48:2、48:3,48:4、49、50、51、52、53、54、55、57:1、58、60、63、64、68、81:1、83、87、88、89、90、112、114、122、123、146、147、150、163、184、202、206、207、209、238、269、282;C.I.ピグメントバイオレット19;C.I.バットレッド1、2、10、13、15、23、29、35。
マゼンタトナー用染料としては、例えば以下のものが挙げられる。C.I.ソルベントレッド1、3、8、23、24、25、27、30、49、81、82、83、84、100、109、121;C.I.ディスパースレッド9;C.I.ソルベントバイオレット8、13、14、21、27;C.I.ディスパーバイオレット1のような油溶染料、C.I.ベーシックレッド1、2、9、12、13、14、15、17、18、22、23、24、27、29、32、34、35、36、37、38、39、40;C.I.ベーシックバイオレット1、3、7、10、14、15、21、25、26、27、28のような塩基性染料。
シアントナー用顔料としては、例えば以下のものが挙げられる。C.I.ピグメントブ
ルー2、3、15:2、15:3、15:4、16、17;C.I.バットブルー6;C.I.アシッドブルー45、フタロシアニン骨格にフタルイミドメチル基を1〜5個置換した銅フタロシアニン顔料。
シアントナー用染料としては、例えばC.I.ソルベントブルー70が挙げられる。
イエロートナー用顔料としては、例えば以下のものが挙げられる。C.I.ピグメントイエロー1、2、3、4、5、6、7、10、11、12、13、14、15、16、17、23、62、65、73、74、83、93、94、95、97、109、110、111、120、127、128、129、147、151、154、155、168、174、175、176、180、181、185;C.I.バットイエロー1、3、20。
イエロートナー用染料としては、例えばC.I.ソルベントイエロー162が挙げられる。
これらの着色剤は、1種単独または2種以上を混合して用いることができ、さらには固溶体の状態で用いることができる。着色剤は、色相角、彩度、明度、耐光性、OHP透明性、及びトナー粒子への分散性の点から選択される。
着色剤の含有量は、結着樹脂100質量部に対して0.1質量部以上30.0質量部以下であることが好ましい。
<荷電制御剤>
トナー粒子は、必要に応じて荷電制御剤を含有することもできる。該荷電制御剤としては、公知のものが使用できるが、例えば3,5−ジ−t−ブチルサリチル酸アルミニウム化合物(商品名ボントロンE88、オリエント化学工業(株)製)などを使用することができる。
荷電制御剤の含有量は、結着樹脂100質量部に対して0.01質量部〜3.0質量部であることが好ましい。
<トナー粒子の製造方法>
トナー粒子を製造する方法としては、特に限定されず、公知の懸濁重合法、溶解懸濁法、乳化凝集法又は粉砕法を採用することができる。
以下、粉砕法でのトナー製造手順の一例について説明する。
原料混合工程では、トナー粒子を構成する材料として、例えば、結着樹脂、並びに必要に応じてワックス、着色剤、及び荷電制御剤などの他の成分を所定量秤量して配合し、混合する。混合装置の一例としては、ダブルコン・ミキサー、V型ミキサー、ドラム型ミキサー、スーパーミキサー、ヘンシェルミキサー、ナウタミキサ、メカノハイブリッド(日本コークス工業株式会社製)などが挙げられる。
次に、混合した材料を溶融混練して、結着樹脂中に材料を分散させる。その溶融混練工程では、加圧ニーダー、バンバリィミキサーのようなバッチ式練り機や、連続式の練り機を用いることができ、連続生産できる優位性から、1軸又は2軸押出機が主流となっている。
1軸又は2軸押出機としては、例えば、KTK型2軸押出機(神戸製鋼所社製)、TEM型2軸押出機(東芝機械社製)、PCM混練機(池貝鉄工製)、2軸押出機(ケイ・シー・ケイ社製)、コ・ニーダー(ブス社製)、ニーデックス(日本コークス工業株式会社製)などが挙げられる。さらに、溶融混練することによって得られる樹脂組成物は、2本ロールなどで圧延され、冷却工程で水などによって冷却してもよい。
ついで、樹脂組成物の冷却物は、粉砕工程で所望の粒径にまで粉砕される。粉砕工程では、例えば、クラッシャー、ハンマーミル、フェザーミルのような粉砕機で粗粉砕する。その後、例えば、クリプトロンシステム(川崎重工業社製)、スーパーローター(日清エンジニアリング社製)、ターボ・ミル(ターボ工業製)やエアージェット方式による微粉砕機で微粉砕する。
その後、必要に応じて慣性分級方式のエルボージェット(日鉄鉱業社製)、遠心力分級
方式のターボプレックス(ホソカワミクロン社製)、TSPセパレータ(ホソカワミクロン社製)、ファカルティ(ホソカワミクロン社製)のような分級機や篩分機を用いて分級する。
その後、必要に応じて加熱によるトナー粒子の表面処理を行ってもよい。例えば、図1で表される表面処理装置を用いて、熱風により表面処理を行うこともできる。以下に、図1で表される表面処理装置を用いて、熱風によりトナー粒子の表面処理を行う方法の一例について説明する。
原料定量供給手段1により定量供給された混合物は、圧縮気体流量調整手段2により調整された圧縮気体によって、原料供給手段の鉛直線上に設置された導入管3に導かれる。導入管を通過した混合物は、原料供給手段の中央部に設けられた円錐状の突起状部材4により均一に分散され、放射状に広がる8方向の供給管5に導かれ熱処理が行われる処理室6に導かれる。
このとき、処理室に供給された混合物は、処理室内に設けられた混合物の流れを規制するための規制手段9によって、その流れが規制される。このため処理室に供給された混合物は、処理室内を旋回しながら熱処理された後、冷却される。
供給された混合物を熱処理するための熱風は、熱風供給手段7から供給され、分配部材12により均一に分配され、熱風供給手段出口11の方向に向けて、熱風を旋回させるための旋回部材13により、処理室内に熱風を螺旋状に旋回させて導入される。その構成としては、熱風を旋回させるための旋回部材13が、複数のブレードを有しており、その枚数や角度により、熱風の旋回を制御することができる。処理室内に供給される熱風は、熱風供給手段7の出口部における温度が100℃〜300℃であることが好ましい。熱風供給手段の出口部における温度が上記の範囲内であれば、混合物を加熱しすぎることによるトナー粒子の融着や合一を防止することが可能となる。
さらに熱処理された熱処理トナー粒子は冷風供給手段8(8−1,8−2,8−3)から供給される冷風によって冷却される。冷風供給手段8から供給される冷風の温度は−20℃〜30℃であることが好ましい。冷風の温度が上記の範囲内であれば、熱処理トナー粒子を効率的に冷却することができ、混合物の均一な球形化処理を阻害することなく、熱処理トナー粒子の融着や合一を防止することができる。冷風の絶対水分量は、0.5g/m以上15.0g/m以下であることが好ましい。
次に、冷却された熱処理トナー粒子は、処理室の下端にある回収手段10によって回収される。なお、回収手段の先にはブロワー(不図示)が設けられ、それにより吸引搬送される構成となっている。
また、粉体粒子供給口14は、供給された混合物の旋回方向と熱風の旋回方向が同方向になるように設けられており、表面処理装置の回収手段10は、旋回された粉体粒子の旋回方向を維持するように、処理室の外周部に設けられている。さらに、冷風供給手段8から供給される冷風は、装置外周部から処理室内周面に、水平かつ接線方向から供給されるよう構成されている。
粉体供給口から供給されるトナー粒子の旋回方向、冷風供給手段から供給された冷風の旋回方向、熱風供給手段から供給された熱風の旋回方向がすべて同方向である。そのため、処理室内で乱流が起こらず、装置内の旋回流が強化され、トナー粒子に強力な遠心力がかかり、トナー粒子の分散性が更に向上するため、合一粒子の少ない、形状の揃ったトナー粒子を得ることができる。
その後、必要に応じて分級を行ってもよい。例えば、慣性分級方式のエルボージェット(日鉄鉱業(株)製)を用いることができる。
熱処理トナー粒子の表面に、所望量(トナー粒子100質量部に対して、好ましくは0.1質量部〜10質量部、より好ましくは0.5質量部〜5質量部)の有機無機複合微粒子を外添処理する。
外添処理する方法としては、ダブルコン・ミキサー、V型ミキサー、ドラム型ミキサー
、スーパーミキサー、ヘンシェルミキサー、ナウタミキサ、メカノハイブリッド(日本コークス工業株式会社製)、ノビルタ(ホソカワミクロン株式会社製)等の混合装置を外添機として用いて、撹拌・混合する方法が挙げられる。その際、必要に応じて、流動化剤などの有機無機複合微粒子以外の外添剤を外添処理してもよい。
二成分系現像剤は、本開示のトナー及び磁性キャリアを含有する。
該磁性キャリアとしては、例えば、酸化鉄;鉄、リチウム、カルシウム、マグネシウム、ニッケル、銅、亜鉛、コバルト、マンガン、クロム、及び希土類のような金属粒子、それらの合金粒子、それらの酸化物粒子;フェライトなどの磁性体;磁性体と、この磁性体を分散した状態で保持するバインダー樹脂とを含有する磁性体分散樹脂キャリア(いわゆる樹脂キャリア);など、一般に公知のものを使用できる。
<ピーク分子量Mpの測定方法>
結着樹脂のピーク分子量(Mp)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)を用い、以下のように測定する。
ゲルクロマトグラフ用のo−ジクロロベンゼンに、特級2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール(BHT)を濃度が0.10質量/体積%となるように添加し、室温で溶解する。サンプルビンに結着樹脂と上記のBHTを添加したo−ジクロロベンゼンとを入れ、150℃に設定したホットプレート上で加熱し、結着樹脂を溶解する。結着樹脂が溶けたら、予め加熱しておいたフィルターユニットに入れ、本体に設置する。フィルターユニットを通過させたものをGPCサンプルとする。なお、サンプル溶液は、濃度が約0.15質量%となるように調整する。このサンプル溶液を用いて、以下の条件で測定する。
装置:HLC−8121GPC/HT(東ソー社製)
検出器:高温用RI
カラム:TSKgel GMHHR−H HT 2連(東ソー社製)
温度:135.0℃
溶媒:ゲルクロマトグラフ用o−ジクロロベンゼン
(BHT 0.10質量/体積%添加)
流速:1.0ml/min
注入量:0.4ml
結着樹脂の分子量の算出にあたっては、標準ポリスチレン樹脂(例えば、商品名「TSKスタンダード ポリスチレン F−850、F−450、F−288、F−128、F−80、F−40、F−20、F−10、F−4、F−2、F−1、A−5000、A−2500、A−1000、A−500」、東ソ−社製)を用いて作成した分子量校正曲線を使用し、ピーク値を算出する。
<軟化点Tm及びガラス転移温度Tgの測定方法>
結着樹脂の軟化点Tmの測定は、定荷重押し出し方式の細管式レオメータ「流動特性評価装置 フローテスターCFT−500D」(島津製作所社製)を用いて行う。なお、CFT−500Dは、上部からピストンによって一定荷重を加えつつ、シリンダに充填した測定試料を昇温させながら溶融してシリンダ底部の細管孔から押し出し、この際のピストンの降下量(mm)と温度(℃)から流動曲線をグラフ化できる装置である。
「流動特性評価装置 フローテスターCFT−500D」に付属のマニュアルに記載の「1/2法における溶融温度」を軟化点(Tm)とする。
なお、1/2法における溶融温度とは、次のようにして算出されたものである。
まず、流出が終了した時点におけるピストンの降下量(流出終了点、Smaxとする)と、流出が開始した時点におけるピストンの降下量(最低点、Sminとする)との差の1/2を求める(これをXとする。X=(Smax−Smin)/2)。そして、ピストンの降下量がXとSminの和となるときの流動曲線の温度を、1/2法における溶融温
度とする。
測定試料は、約1.2gの結着樹脂を、25℃の環境下で、錠剤成型圧縮機(例えば、標準手動式ニュートンプレス NT−100H、エヌピーエーシステム社製)を用いて約10MPaで、約60秒間圧縮成型し、直径約8mmの円柱状としたものを用いる。測定における具体的な操作は、装置に付属のマニュアルに従って行う。
CFT−500Dの測定条件は、以下の通りである。
試験モード:昇温法
開始温度:60℃
到達温度:200℃
測定間隔:1.0℃
昇温速度:4.0℃/min
ピストン断面積:1.000cm
試験荷重(ピストン荷重):5.0kgf
予熱時間:300秒
ダイの穴の直径:1.0mm
ダイの長さ:1.0mm
結着樹脂のガラス転移温度Tgは、示差走査熱量計(DSC/メトラートレド製:DSC822/EK90)を用いて測定する。具体的には、試料0.01g〜0.02gをアルミパンに計量し、200℃まで昇温し、その温度から降温速度10℃/minで0℃まで冷却したサンプルを、再度昇温速度10℃/minで昇温しながら熱量測定を行う。次いで、得られたDSC曲線より、低温側のベースラインを高温側に延長した直線と、ガラス転移の階段状変化部分の曲線のこう配が最大になるような点で引いた接線との交点の温度をガラス転移温度とする。
以下、本開示を実施例および比較例を用いてさらに詳細に説明するが、本開示の態様はこれらに限定されない。なお、実施例および比較例における部数は特に断りが無い場合、すべて質量基準である。
<結着樹脂;ポリエステル樹脂の製造例>
・ポリオキシプロピレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン:
73.8部(0.19モル;多価アルコール総モル数に対して100.0mol%)
・テレフタル酸:
12.5部(0.08モル;多価カルボン酸総モル数に対して48.0mol%)
・アジピン酸:
7.8部(0.05モル;多価カルボン酸総モル数に対して34.0mol%)
・チタンテトラブトキシド(エステル化触媒):0.5部
冷却管、攪拌機、窒素導入管、及び、熱電対のついた反応槽に、上記材料を秤量した。次にフラスコ内を窒素ガスで置換した後、撹拌しながら徐々に昇温し、200℃の温度で撹拌しつつ、2時間反応させた。
さらに、反応槽内の圧力を8.3kPaに下げ、1時間維持した後、160℃まで冷却し、大気圧に戻した(第1反応工程)。
・トリメリット酸:
5.9部(0.03モル;多価カルボン酸総モル数に対して18.0mol%)
・tert−ブチルカテコール(重合禁止剤):0.1部
その後、上記材料を加え、反応槽内の圧力を8.3kPaに下げ、温度200℃に維持したまま、15時間反応させ、ASTM D36−86に従って測定した軟化点が120℃の温度に達したのを確認してから温度を下げて反応を止め、(第2反応工程)、結着樹
脂を得た。得られた結着樹脂は、ピーク分子量Mpが10000、軟化点Tmが110℃、ガラス転移温度Tgが60℃であった。
<有機無機複合微粒子1〜13の製造例>
有機無機複合微粒子1〜13としては、16.5gのメタクリルオキシプロピル−トリメトキシシラン(MPS)を表1に示すビニル系樹脂に置き換え、コロイダルシリカの含有量を表1に示す割合に変更したこと以外は国際公開第2013/063291号の実施例1にしたがって製造した。なお、有機無機複合微粒子1〜13はいずれも、正帯電性であり、樹脂微粒子に無機微粒子Aの少なくとも一部が埋め込まれた構造を有し、該有機無機複合微粒子の表面は無機微粒子Aに由来する凸部が複数存在するものであった。有機無機複合微粒子1〜13の物性を表1に示す。
Figure 2021196440
<無機微粒子1の製造例>
個数平均粒径が100nm、BET比表面積が35m/gのシリカ微粒子の基材に50cStのシリコーンオイルで表面処理を行い、無機微粒子1を得た。無機微粒子1は、負帯電性であり、樹脂微粒子に無機微粒子Aの少なくとも一部が埋め込まれた構造を有さず、表面に無機微粒子Aに由来する凸部が存在しないものであった。
<無機微粒子2の製造例>
個数平均粒径が100nm、BET比表面積が35m/gのシリカ微粒子の基材に50cStのアミノ変性シリコーンオイルで表面処理を行い、無機微粒子2を得た。無機微粒子2は、正帯電性であり、樹脂微粒子に無機微粒子Aの少なくとも一部が埋め込まれた構造を有さず、表面に無機微粒子Aに由来する凸部が存在しないものであった。
<樹脂微粒子1の製造例>
・スチレン 85部
・n−ブチルアクリレート 10部
・ジビニルベンゼン 5部
上記の各材料を混合してモノマー溶液を調製した。アニオン性界面活性剤(第一工業製薬社製:ネオゲンRK)3部をイオン交換水400部に溶解した水溶液と、前記モノマー溶液とを二口フラスコに投入し、ホモジナイザー(IKA社製:ウルトラタラックスT50)を用いて、回転数10000r/minにて撹拌し、乳化を行った。その後、フラスコ内を窒素置換し、ゆっくり撹拌しながらウォーターバス中で内容物が70℃になるまで
加熱した後、過硫酸アンモニウム3部を溶解したイオン交換水7部を投入し、重合を開始した。8時間反応を継続した後、反応液を室温まで冷却した。得られた微粒子の水分散液に10質量%のNaCl水溶液を50部混合し、樹脂微粒子を塩析させた後、水で複数回洗浄後、ろ過、乾燥し、樹脂微粒子1を得た。
樹脂微粒子1は、負帯電性であり、樹脂微粒子に無機微粒子Aの少なくとも一部が埋め込まれた構造を有さず、表面に無機微粒子Aに由来する凸部が存在しないものであった。
<樹脂微粒子2の製造例>
・スチレン 85部
・アミノエチルメタクリレート 10部
・ジビニルベンゼン 5部
上記の各材料を混合してモノマー溶液を調製した。アニオン性界面活性剤(第一工業製薬社製:ネオゲンRK)3部をイオン交換水400部に溶解した水溶液と、前記モノマー溶液とを二口フラスコに投入し、ホモジナイザー(IKA社製:ウルトラタラックスT50)を用いて、回転数10000r/minにて撹拌し、乳化を行った。その後、フラスコ内を窒素置換し、ゆっくり撹拌しながらウォーターバス中で内容物が70℃になるまで加熱した後、過硫酸アンモニウム3部を溶解したイオン交換水7部を投入し、重合を開始した。8時間反応を継続した後、反応液を室温まで冷却した。得られた微粒子の水分散液に10質量%のNaCl水溶液を50部混合し、樹脂微粒子を塩析させた後、水で複数回洗浄後、ろ過、乾燥し、樹脂微粒子2を得た。
樹脂微粒子2は、正帯電性であり、樹脂微粒子に無機微粒子Aの少なくとも一部が埋め込まれた構造を有さず、表面に無機微粒子Aに由来する凸部が存在しないものであった。
<トナー1の製造例>
・結着樹脂 100部
・フィッシャートロプシュワックス(最大吸熱ピークのピーク温度90℃) 4部
・3,5−ジ−t−ブチルサリチル酸アルミニウム化合物(ボントロンE88 オリエント化学工業(株)製) 0.3部
・カーボンブラック 10部
上記材料をヘンシェルミキサー(FM−75型、三井鉱山(株)製)を用いて、回転数1500rpm、回転時間5minで混合した後、温度130℃に設定した二軸混練機(PCM−30型、株式会社池貝製)にて混練した。得られた混練物を冷却し、ハンマーミルにて1mm以下に粗粉砕し、粗砕物を得た。得られた粗砕物を、機械式粉砕機(T−250、ターボ工業(株)製)にて微粉砕した。さらにファカルティ(F−300、ホソカワミクロン社製)を用い、分級を行い、トナー粒子を得た。運転条件は、分級ローター回転数を11000rpm、分散ローター回転数を7200rpmとした。
上記工程後、図1で示す表面処理装置によって熱処理を行い、熱処理トナー粒子を得た。運転条件はフィード量=5kg/hrとし、熱風温度=160℃、熱風流量=6m/min.、冷風温度=−5℃、冷風流量=4m/min.、ブロワー風量=20m/min.、インジェクションエア流量=1m/min.とした。
得られた熱処理トナー粒子を、慣性分級方式のエルボージェット(日鉄鉱業(株)製)を用い、運転条件はフィード量=5kg/hrとし、F分級エッジ(微粉分級エッジ)を3〜5mm、G分級エッジ(粗粉分級エッジ)を最大にして閉じ、所望の粒度分布および中心粒径が得られるように調整した。
・熱処理トナー粒子: 100部
・有機無機複合微粒子1: 1.0部
上記材料をヘンシェルミキサー(FM−75型、三井三池化工機(株)製)で回転数1900rpm、回転時間3minで混合し、トナー1を得た。
<トナー2〜21の製造例>
トナー1の製造例において、有機無機複合微粒子、無機微粒子又は樹脂微粒子の種類、添加部数、固着率(外添条件を表2のように調整)を表2のように変更した以外は同様の操作を行い、トナー2〜21を得た。物性を表2に示す。
Figure 2021196440
<磁性コア粒子の製造例>
・工程1(秤量・混合工程):
Fe 62.7部
MnCO 29.5部
Mg(OH) 6.8部
SrCO 1.0部
上記材料を上記組成比となるようにフェライト原材料を秤量した。その後、直径1/8インチのステンレスビーズを用いた乾式振動ミルで5時間粉砕・混合した。
・工程2(仮焼成工程):
得られた粉砕物をローラーコンパクターにて、約1mm角のペレットにした。このペレットを目開き3mmの振動篩にて粗粉を除去し、次いで目開き0.5mmの振動篩にて微粉を除去した後、バーナー式焼成炉を用いて、窒素雰囲気下(酸素濃度0.01体積%)で、温度1000℃で4時間焼成し、仮焼フェライトを作製した。得られた仮焼フェライトの組成は、下記の通りである。
(MnO)(MgO)(SrO)(Fe
上記式において、a=0.257、b=0.117、c=0.007、d=0.393・工程3(粉砕工程):
得られた仮焼フェライトをクラッシャーで0.3mm程度に粉砕した後に、直径1/8インチのジルコニアビーズを用い、仮焼フェライト100部に対し、水を30部加え、湿式ボールミルで1時間粉砕した。得られたスラリーを、直径1/16インチのアルミナビーズを用いた湿式ボールミルで4時間粉砕し、フェライトスラリー(仮焼フェライトの微粉砕品)を得た。
・工程4(造粒工程):
フェライトスラリーに、仮焼フェライト100部に対して分散剤としてポリカルボン酸アンモニウム1.0部、バインダーとしてポリビニルアルコール2.0部を添加し、スプレードライヤー(製造元:大川原化工機)で、球状粒子に造粒した。得られた粒子を粒度調整した後、ロータリーキルンを用いて、650℃で2時間加熱し、分散剤やバインダーの有機成分を除去した。
・工程5(焼成工程):
焼成雰囲気をコントロールするために、電気炉にて窒素雰囲気下(酸素濃度1.00体積%)で、室温から温度1300℃まで2時間で昇温し、その後、温度1150℃で4時間焼成した。その後、4時間をかけて、温度60℃まで降温し、窒素雰囲気から大気に戻し、温度40℃以下で取り出した。
・工程6(選別工程):
凝集した粒子を解砕した後に、磁力選鉱により低磁力品をカットし、目開き250μmの篩で篩分して粗大粒子を除去し、体積分布基準の50%粒径(D50)37.0μmの磁性コア粒子を得た。
<コート樹脂の調製>
シクロヘキシルメタクリレートモノマー 26.8質量%
メチルメタクリレートモノマー 0.2質量%
メチルメタクリレートマクロモノマー 8.4質量%
(片末端にメタクリロイル基を有する重量平均分子量5000のマクロモノマー)
トルエン 31.3質量%
メチルエチルケトン 31.3質量%
アゾビスイソブチロニトリル 2.0質量%
上記材料のうち、シクロヘキシルメタクリレートモノマー、メチルメタクリレートモノマー、メチルメタクリレートマクロモノマー、トルエン、メチルエチルケトンを、還流冷却器、温度計、窒素導入管及び攪拌装置を取り付けた四つ口のセパラブルフラスコに入れ、窒素ガスを導入して充分に窒素雰囲気にした。その後、80℃まで加温し、アゾビスイソブチロニトリルを添加して5時間還流し重合させた。得られた反応物にヘキサンを注入して共重合体を沈殿析出させ、沈殿物を濾別後、真空乾燥して被覆樹脂を得た。
次いで、30部のコート樹脂を、トルエン40部及びメチルエチルケトン30部に溶解させて、重合体溶液(固形分30質量%)を得た。
<コート樹脂溶液1の調製>
重合体溶液(樹脂固形分濃度30%) 33.3質量%
トルエン 66.4質量%
カーボンブラックRegal330(キャボット製) 0.3質量%
(一次粒径25nm、窒素吸着比表面積94m/g、DBP吸油量75mL/100g)
を、直径0.5mmのジルコニアビーズを用いて、ペイントシェーカーで1時間分散した。得られた分散液を、5.0μmのメンブランフィルターで濾過し、コート樹脂溶液を得た。
<磁性キャリアの製造例>
(樹脂被覆工程):
常温で維持されている真空脱気型ニーダーに、磁性コア粒子及びコート樹脂溶液を投入した(コート樹脂溶液の投入量は、100部の磁性コア粒子に対して樹脂成分として2.5部になる量)。投入後、回転速度30rpmで15分間撹拌し、溶媒が一定以上(80質量%)揮発した後、減圧混合しながら80℃まで昇温し、2時間かけてトルエンを留去した後冷却した。得られた磁性キャリアを、磁力選鉱により低磁力品を分別し、開口70μmの篩を通した後、風力分級器で分級し、体積分布基準の50%粒径(D50)38.2μmの磁性キャリアを得た。
<二成分系現像剤1の製造例>
92.0部の磁性キャリアと8.0部のトナー1をV型混合機(V−20、セイシン企業製)により混合し、二成分系現像剤1を得た。
<二成分系現像剤2〜21の製造例>
二成分系現像剤1の製造例において、トナーの種類を表3のように変更する以外は同様の操作を行い、二成分系現像剤2〜21を得た。
<実施例1>
上記二成分系現像剤1を下記画像形成装置の現像器に投入し、補給ボトル中に上記トナー1を投入し、後述の評価を行った。
[クリーニング評価:像保持体上に形成されるトナー融着物の発生個数評価]
画像形成装置として、キヤノン製デジタル商業印刷用プリンターimageRUNNER ADVANCE C5560の改造機を用いた。装置の改造点としては、定着温度、プロセススピード、現像剤担持体の直流電圧VDC、静電潜像担持体の帯電電圧Vおよびレーザーパワーを自由に設定できるように変更した。また、クリーニングブレードは、静電潜像担持体表面に対して、当接角26°、当接圧0.294N/cm(30g/cm)となるように設定した静電潜像担持体を用意し、評価を行った。
画像出力評価は、所望の画像比率のFFh画像(ベタ画像)を出力し、FFh画像のトナーの載り量が所望になるようにVDC、Vおよびレーザーパワーを調整して、後述の評価を行った。FFhとは、256階調を16進数で表示した値であり、00hが256階調の1階調目(白地部)であり、FFhが256階調の256階調目(ベタ部)である。出力画像としては、前記ベタ画像の画像面積が50%面積(A4紙)となる画像を連続的に10万枚出力した。
紙:CS−680(68.0g/m)(キヤノンマーケティングジャパン株式会社)
評価画像:上記A4用紙の50面積%にFFh画像
Vback:150V(現像剤担持体の直流電圧VDC、静電潜像担持体の帯電電圧Vおよびレーザーパワーにより調整)
試験環境:高温高湿環境(温度40℃/湿度80%RH)
定着温度:180℃
プロセススピード:435mm/sec
出力枚数:10万枚
連続プリント終了後、静電潜像担持体表面をデジタルハイビジョンマイクロスコープVQ−7000(キーエンス社製)で観察する(倍率300倍)。視野中のトナー融着物が
発生している個所をマーキングし、面積を求め、視野中に融着が発生している面積比率を求める。これを静電潜像担持体全面で20視野観察し、その平均値を融着発生率とした。この評価を3回行い、その平均値からランクを求めた。評価のランク分けは以下のように行った。評価結果を表3に示す。結果がA〜Cであった場合、効果が得られているものとして評価した。
(評価基準)
A:融着発生率1%未満
B:融着発生率1%以上5%未満
C:融着発生率5%以上10%未満
D:融着発生率10%以上
[濃度段差の評価]
上記と同一設定条件にしたキヤノン製デジタル商業印刷用プリンターimageRUNNER ADVANCE C5560の改造機を用いて、以下の方法で評価を行った。画像出力評価は、FFh画像(ベタ画像)をA4紙上に幅3cmの縦帯で1000枚連続出力する。その後、BB画像(ハーフトーン画像)をA4紙上に画像面積が100%面積で10枚連続出力した際のハーフトーン画像上に形成される濃度段差(前工程の縦帯部と非縦帯部の位置に相当する部位の差)を検証した。
紙:CS−680(68.0g/m)(キヤノンマーケティングジャパン株式会社)
評価画像:上記記載
Vback:150V(現像剤担持体の直流電圧VDC、静電潜像担持体の帯電電圧Vおよびレーザーパワーにより調整)
試験環境:高温高湿環境(温度23℃/湿度15%RH)
定着温度:180℃
プロセススピード:435mm/sec
出力枚数:上記記載
ハーフトーン画像上の濃度段差は、反射濃度計RD918(マクベス社製)を用いて画像濃度評価を行い、以下の評価基準でランク分けを行った。評価結果を表3に示す。結果がA〜Cであった場合、効果が得られているものとして評価した。
(評価基準)
A:濃度差が0.03未満
B:濃度差が0.03以上0.05未満
C:濃度差が0.05以上0.07未満
D:濃度差が0.07以上
<転写効率の評価>
上記と同一設定条件にしたキヤノン製デジタル商業印刷用プリンターimageRUNNER ADVANCE C5560の改造機を用いて、以下の通紙条件で評価を行った。
紙:CS−680(68.0g/m)(キヤノンマーケティングジャパン株式会社)
評価画像:上記A4用紙の1面積%にFFh画像
Vback:150V(現像剤担持体の直流電圧VDC、静電潜像担持体の帯電電圧Vおよびレーザーパワーにより調整)
試験環境:高温高湿環境(温度30℃/湿度80%RH)
定着温度:180℃
プロセススピード:377mm/sec
出力枚数:3万枚
画像のトナーの載量を0.6mg/cmとなるように現像電圧を調整したのち、耐久初期にベタ画像、5万枚後に上記トナーの載り量の画像を出力し、画像形成時の静電潜像担持体上の転写残トナーを、透明なポリエステル製の粘着テープによりテーピングしては
ぎ取り、はぎ取った粘着テープを紙上に貼ったものの濃度から、粘着テープのみを紙上に貼ったものの濃度を差し引いた濃度をそれぞれ算出した。そして、耐久初期の濃度と5万枚耐久後の濃度の値から、以下のようにして判定した。なお、濃度は前記したX−Riteカラー反射濃度計(500シリーズ)で測定した。
評価結果を表3に示す。結果がA〜Cであった場合、効果が得られているものとして評価した。
(評価基準)
A:濃度変化が0.05未満
B:濃度差が0.05以上0.10未満
C:濃度差が0.10以上0.15未満
D:濃度差が0.15以上
<実施例2〜16、及び、比較例1〜5>
二成分系現像剤2〜21を用いた以外は、実施例1と同様にして評価を行った。評価結果を表3に示す。
Figure 2021196440
1.原料定量供給手段、2.圧縮気体流量調整手段、3.導入管、4.突起状部材、5.供給管、6.処理室、7.熱風供給手段、8(8−1,8−2,8−3).冷風供給手段、9.規制手段、10.回収手段、11.熱風供給手段出口、12.分配部材、13.旋回部材、14.粉体粒子供給口

Claims (7)

  1. 結着樹脂を含有するトナー粒子と、
    樹脂微粒子及び無機微粒子Aを含有する有機無機複合微粒子と、
    を含有する負帯電性トナーであって、
    該有機無機複合微粒子は、正帯電性であり、
    該有機無機複合微粒子は、該樹脂微粒子に該無機微粒子Aの少なくとも一部が埋め込まれた構造を有し、
    該有機無機複合微粒子の個数平均粒径Dbが、50nm以上350nm以下であり、
    該有機無機複合微粒子の表面には、該無機微粒子Aに由来する凸部が複数存在する
    ことを特徴とする、負帯電性トナー。
  2. 前記樹脂微粒子が、ビニル系樹脂を含有し、
    該ビニル系樹脂は、窒素原子を含有するビニル系単量体に由来するモノマーユニットを含有し、
    該窒素原子を含有するビニル系単量体は、アミノ基、アミド基、イミド基、4級アンモニウム塩基、ウレタン結合、ウレア結合及び含窒素複素環からなる群より選択される少なくとも一を有する、請求項1に記載の負帯電性トナー。
  3. 前記ビニル系樹脂中の前記窒素原子を含有するビニル系単量体に由来するモノマーユニットの含有割合が、5質量%〜30質量%である、請求項2記載の負帯電性トナー。
  4. 前記窒素原子を含有するビニル系単量体が、アミノエチルメタクリレート、アミノエチルアクリレート、メタクリルアミド、アクリルアミド、N−ビニルマレインイミド、4−ビニルピリジン、トリメチルビニルアンモニウムブロマイド、N−ビニル−N,N’−トリメチレンウレア及び2−[[(ブチルアミノ)カルボニル]オキシ]エチルアクリレートからなる群から選択される少なくとも一の単量体を含む、請求項2又は3に記載の負帯電性トナー。
  5. 前記有機無機複合微粒子の含有量が、前記トナー粒子100質量部に対し、0.1質量部以上10質量部以下である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の負帯電性トナー。
  6. 前記有機無機複合微粒子の前記トナー粒子に対する固着率が、30個数%以上90個数%以下である、請求項1〜5のいずれか1項に記載の負帯電性トナー。
  7. 前記凸部の個数平均高さが、5nm以上40nm以下であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の負帯電性トナー。
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