JP2021195699A - 高密度化炭素繊維不織布およびその製造方法 - Google Patents

高密度化炭素繊維不織布およびその製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2021195699A
JP2021195699A JP2020115221A JP2020115221A JP2021195699A JP 2021195699 A JP2021195699 A JP 2021195699A JP 2020115221 A JP2020115221 A JP 2020115221A JP 2020115221 A JP2020115221 A JP 2020115221A JP 2021195699 A JP2021195699 A JP 2021195699A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
carbon fiber
liquid
fibers
density
woven fabric
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2020115221A
Other languages
English (en)
Inventor
克広 白波瀬
Katsuhiro Shirahase
健史 藤本
Takeshi Fujimoto
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
ORIBESUTO KK
ORIENTAL ASBEST
Original Assignee
ORIBESUTO KK
ORIENTAL ASBEST
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by ORIBESUTO KK, ORIENTAL ASBEST filed Critical ORIBESUTO KK
Priority to JP2020115221A priority Critical patent/JP2021195699A/ja
Publication of JP2021195699A publication Critical patent/JP2021195699A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Nonwoven Fabrics (AREA)
  • Paper (AREA)

Abstract

【課題】 本発明は、通常の湿式抄造法を用いながら、従来に無い高密度化された炭素繊維不織布およびその製造方法を提供することを目的とする。【解決手段】 本発明は、高密度化炭素繊維不織布およびその製造方法において、湿式抄造法による炭素繊維製造の際に、第1工程が少なくとも増粘剤および水を混合してなる液体を準備する工程、第2工程が前記液体に高フィブリル化繊維を液体総質量に対して0.001から0.1質量%(乾燥質量)となるように分散する工程、第3工程が前記第2工程で得られた液体に炭素繊維を分散する工程、第4工程が前記第3工程で得られた液体を湿式抄造法する工程であり、第1工程から第4工程からなる製造方法にて製造することにより、従来では困難であった高密度化の炭素繊維不織布およびその製造方法を提供できる。【選択図】なし

Description

本発明は、炭素繊維不織布およびその製造方法において、従来の湿式抄造法を用いながら、特別な設備や方法によらず、炭素繊維不織布製造時において、炭素繊維を分散させるために準備された液体に高フィブリル化繊維を分散することにより、より高密度化された炭素繊維不織布およびその製造方法を提供することを目的とする。
昨今、紙や不織布の品質に関する課題の1つとして、密度のコントロールが求められている。本発明はその中でも特に炭素繊維不織布の高密度化を図る技術である。従来の製紙業界における炭素繊維不織布の高密度化は、乾式抄造法であれば炭化させた高分子系繊維と不織布等をニードルパンチで一体化し、焼結させることで高密度炭素繊維不織布の製造を実現している。(特許文献1参照)また、湿式抄造法を用いた場合には、炭素短繊維及び超極細アクリロニトリル系繊維を含有する抄紙スラリーから抄造ウエッブを形成する工程を繰り返して、多層化された抄造ウエッブを製造し、さらに多層化された抄造ウエッブにウォータージェットパンチングすることによって多層化された抄造ウエッブを交絡一体化することにより、高密度の炭素繊維不織布を製造している。(特許文献2参照)
しかしながら、前記のような高密度化を成功させた不織布については、様々な問題点があり、多種多様な用途に使用する高密度炭素繊維不織布として満足できるものでは無く、特にCCコンポジット基材用途においては充分な性能を得ているとは言えない。例えば、特許文献1のような乾式炭素不織布では、PAN系炭素繊維のような剛直な繊維を使用すると、ニードルパンチング加工で炭素繊維が折れたり、傷が入ったりするため、不織布に対する物理的強度が低下するという問題がある。不織布の強度低下を防ぐために、綿状のピッチ系炭素繊維を使用することが考えられるが、綿状のピッチ系炭素繊維を使用すると炭素繊維不織布の目開きが小さくなり、CCコンポジット基材のような樹脂含浸加工を行う用途では樹脂含浸速度が遅くなり、加工効率が悪くなってしまう。また、湿式抄造法での多層化湿式ウエッブをウォータージェットパンチングする製造方法は、剛直なPAN系炭素繊維を使用でき、目開きが大きく、高密度なものとなるため、前記の樹脂含浸加工に有利となるが、湿式ウエッブ多層化工程とウォータージェットパンチング工程を湿式抄紙機に別途設置する必要があり、製造コストが高くなってしまう。
特開平05−033249号公報 特開2012−162835号公報
本発明は、段落「0002」や段落「0003」に記載されている炭素繊維不織布の高密度化抄造法に関する特有の問題点に対して、様々な用途に使用される高密度炭素繊維不織布として充分な性能がありながら、さらにウォータージェットパンチングなどの特殊な設備等を使用することなく、通常の湿式抄造法を用いながら、従来に無い高密度化された炭素繊維不織布およびその製造方法を提供することを目的とする。
湿式抄造法により製造される炭素繊維不織布において、第1工程が少なくとも増粘剤および水を混合してなる液体を準備する工程、第2工程が前記液体に高フィブリル化繊維を前記液体の総質量に対して0.001から0.1質量%となるように分散する工程、第3工程が前記第2工程で得られた液体に炭素繊維を分散する工程、第4工程が前記第3工程で得られた液体を湿式抄造する工程であり、第1工程から第4工程からなる製造方法により製造されたことを特徴とする高密度化炭素繊維不織布(請求項1)。請求項1に記載の炭素繊維不織布において、前記高フィブリル化繊維が機械的および/または化学的にフィブリル化してなる有機繊維および/または無機繊維であることを特徴とする高密度化炭素繊維不織布(請求項2)。請求項1乃至2の何れか1項に記載の炭素繊維不織布において、前記炭素繊維不織布全体の乾燥質量に対する炭素繊維の乾燥質量の組成比が10から98質量%であることを特徴とする高密度化炭素繊維不織布(請求項3)。請求項1から3の何れか1項に記載の炭素繊維不織布において、高フィブリル化繊維および炭素繊維以外の繊維を含有することを特徴とする高密度化炭素繊維不織布(請求項4)。湿式抄造法により製造される炭素繊維不織布の製造方法において、第1工程が少なくとも増粘剤および水を混合してなる液体を準備する工程、第2工程が前記液体に高フィブリル化繊維を前記液体の総質量に対して0.001から0.1質量%となるように分散する工程、第3工程が前記第2工程で得られた液体に炭素繊維を分散する工程、第4工程が前記第3工程で得られた液体を湿式抄造する工程であり、第1工程から第4工程からなることを特徴とする高密度化炭素繊維不織布の製造方法(請求項5)。請求項5に記載の炭素繊維不織布の製造方法において、前記高フィブリル化繊維が機械的および/または化学的にフィブリル化してなる有機繊維および/または無機繊維であることを特徴とする高密度化炭素繊維不織布の製造方法(請求項6)。請求項5乃至6の何れかに1項に記載の炭素繊維不織布の製造方法において、前記炭素繊維不織布全体の乾燥質量に対する炭素繊維の乾燥質量の組成比が10〜98質量%であることを特徴とする高密度化炭素繊維不織布の製造方法(請求項7)。請求項5から7の何れかに1項に記載の炭素繊維不織布の製造方法において、高フィブリル化繊維および炭素繊維以外の繊維を含有することを特徴とする高密度化炭素繊維不織布の製造方法(請求項8)。
本発明は、炭素繊維不織布およびその製造方法において、高フィブリル化繊維が一定量の範囲で分散された液体に炭素繊維を分散したものを湿式抄造することにより、通常の湿式抄造法にて簡便に製造可能で、且つ従来に無い高密度化された炭素繊維不織布およびその製造方法を実現することができた。
以下に詳細を説明する。本発明者らは、段落「0005」に記載の課題について検討した結果、第1工程が少なくとも増粘剤および水を混合してなる液体を準備する工程、第2工程が前記液体に高フィブリル化繊維を前記液体の総質量に対して0.001から0.1質量%となるように分散する工程、第3工程として前記第2工程で得られた液体に炭素繊維を分散する工程、第4工程が前記第3工程で得られた液体を湿式抄造法により製造する工程であり、第1工程から第4工程により製造される炭素繊維不織布は、通常の湿式抄造法を用いて不織布化した場合と比較して高密度となり、従来に無い高密度化された炭素繊維不織布が製造可能であることを見出した。尚、本発明における高密度化炭素繊維不織布およびその製造方法において、高密度化炭素繊維不織布の定義は本発明に記載された測定方法による密度測定値が0.1g/cm以上のものとする。
高密度化される理由として、第1に、高フィブリル化繊維は繊維フィブリルが表面に多数存在し、液体中で炭素繊維に物理的に絡み合い、繊維同士が密な凝集状態を生成して炭素繊維不織布を高密度化させる。第2に、従来の湿式抄造法による製造方法では、増粘剤よび水を混合してなる液体に炭素繊維と高フィブリル化繊維を同時に分散させるので、炭素繊維不織布中の高フィブリル化繊維量が安定しないことが多い。すなわち、湿式抄造法においては、抄網工程での湿紙(湿紙とは湿潤状態の不織布シートを意味する。)形成の際、脱水された液体は抄網の網目より流下し、回収され、再度炭素繊維の分散液体となるが、このとき、一部の高フィブリル化繊維が液体と共に抄網網目より流下してしまう。液体と共に流下される高フィブリル化繊維の量は、生産開始からの時間経過や抄網劣化による網目のサイズ変化などの影響により通常変動する。このため、製造される炭素繊維不織布中の高フィブリル化繊維量も変動し、密度が安定しにくくなり、所望の高密度炭素繊維不織布が得られることが困難となる。しかし、本発明のように、炭素繊維を分散させるために準備される液体として、高フィブリル化繊維が一定量の範囲で分散している状態としておけば、抄網工程での湿紙形成の際、抄網網目より液体と共に流下する高フィブリル化繊維量が変動せず、抄網工程で形成された湿紙に残留する高フィブリル化繊維量が安定する。このため、本発明の炭素繊維不織布およびその製造方法においては、安定して高密度化された不織布を得られるものとなる。
本発明に記載の高密度化炭素繊維不織布およびその製造方法において、前記炭素不織布に使用される炭素繊維については、従来公知のものを全て使用できる。すなわち、ポリアクリロニトリルを原料とするPAN系炭素繊維、ピッチを原料とするピッチ系炭素繊維の何れも使用可能であり、再生炭素繊維も使用できる。尚、再生炭素繊維とは、炭素繊維強化樹脂複合体から熱処理法、焼結法、過熱法、過熱水蒸気法等の再生処理方法により、樹脂を除去することによって得られる炭素繊維が再生炭素繊維である。また、繊維径や繊維長についても湿式抄造法で使用可能であれば制限されないが、繊維径は3から20μm径の範囲のものが好ましく、繊維長は1から30mm長の範囲が好ましい。特に、液体中での分散性や再凝集性を考慮すると、繊維径は5から10μm径のものがより好ましく、繊維長は3から12mm長ものがより好ましい。さらに、前記に挙げられた炭素繊維を2種以上混合使用しても良く、混合率は任意とできるが、本発明の高密度炭素繊維不織布としての性能を損なうものとはならないことは言うまでもない。
前記炭素繊維不織布中の炭素繊維の含有量として、前記炭素繊維不織布全体の乾燥質量に対して炭素繊維の乾燥質量比率が10から98質量%の範囲であれば問題無く、高密度化を行うことができる。本発明では80から90質量%の含有量の範囲のものが特に好ましく製造できる。
本発明に記載の高密度化炭素繊維不織布およびその製造方法において使用される高フィブリル化繊維は湿式抄造法で使用可能なものは、有機繊維、無機繊維を問わず全て使用できる。有機繊維としては、例えば、天然パルプ繊維やレーヨン等のセルロース系のものを始め、アラミド、ポリエステル、アクリル、ポリエチレン、ポリプロピレン等の合成繊維系などが挙げられる。また、無機繊維としては、例えば、鉱物を溶解、吹き飛ばすことにより製造されるガラスウール、マイクロガラスウール、シリカウール、ロックウール、セラミックウール等の綿状の人造無機繊維が挙げられる。尚、前記の高フィブリル化繊維としては、前記に挙げられた有機繊維や無機繊維を2種以上使用でき、有機繊維と無機繊維の混合使用も可能である。
さらに、フィブリル化の方法としては、機械的製法や化学的製法という従来公知の方法により製造したものを全て使用できる。機械的製法で言えば、天然パルプ繊維をリファイナー、ボールミル、ホモジナイザー、水中カウンターコリジョン法用装置、超音波破砕機などで叩解したものが良く、化学的製法で言えば、せん断凝固法や噴射凝固法により製造されるアラミド、ポリエチレン、ポリプロピレン等の合成パルプが好ましく使用できる。さらに、化学的製法で製造したものに機械的製法を施したものは、適切なフィブリル化を実現できる場合があり、化学的製法で製造したものに機械的製法を施したものを使用することも可能である。
本発明の高密度化炭素繊維不織布およびその製造方法において、段落「0012」および段落「0013」に記載の高フィブリル化繊維については、第1工程で準備される少なくとも増粘剤および水を混合してなる液体の総質量に対し、乾燥質量として0.001から0.1質量%の範囲で分散された状態となる。湿式抄造法の観点から言えば、高フィブリル化繊維の量が多いと、抄網工程での湿紙形成時に抄網網目からの液体の脱水・流下がしにくくなり、抄速低下などの生産効率ダウンにつながるため、好ましくは0.001から0.08質量%、より好ましくは0.001から0.007質量%の範囲で分散された状態が良い。
本発明に記載の高密度化炭素繊維不織布およびその製造方法において、高フィブリル化繊維および炭素繊維以外の繊維として、湿式抄造法で使用できる無機繊維や有機繊維を含有できる。無機繊維としては、ガラス繊維、鉱物繊維(セピオライト、ロックウール等)、生体溶解性繊維などが挙げられる。また、有機繊維としては、天然系セルロース繊維(木材パルプ、綿など)や合成繊維(ポリエステル繊維、ポリプロピレン繊維、アラミド繊維、ビニロン繊維など)が挙げられる。前記の無機繊維や有機繊維を2種以上のものを含有でき、無機繊維と有機繊維を混合して含有することでも差し支えないことは言うまでもない。前記の無機繊維や有機繊維の含有量は、高密度化炭素繊維不織布としての性能、品質、生産効率を損なわない限りにおいて含有できるが、好ましくは、前記炭素繊維不織布全体の乾燥質量に対して、乾燥質量比として0から20質量%の範囲となる。
本発明に記載の高密度化炭素繊維不織布およびその製造方法において、炭素繊維不織布の繊維同士を固定する成分としてバインダーを使用できる。バインダーは湿式抄造法に使用できるものは全て使用できる。バインダーの状態としては、固体状、液状に制限されず、固形状のものとしては粒状や繊維状のものが使用できる。液状のものとしては、水溶液、ディスパージョン、エマルジョンのものを使用できる。バインダーの材質としては、各種の天然系、合成樹脂系の他、無機系のものが使用できる。例えば、天然系のものでは澱粉等が挙げられ、合成樹脂系としては、ポリビニルアルコール樹脂、酢酸ビニル樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂などが挙げられる。さらに無機系のものとしては、アルミナやシリカなどのコロイダルディスパージョンなども挙げられる。本発明に記載の高密度炭素繊維不織布およびその製造方法においては、ポリビニルアルコール樹脂からなる繊維状バインダーがマイグレーションを起こしにくく、炭素繊維不織布の層内部を均一に固定化し易く、高密度化を促進できるため、好ましい態様となる。
本発明に記載の高密度化炭素繊維不織布およびその製造方法において、第1工程で水に混合する増粘剤は、湿式抄造法で従来公知に使用されている増粘剤であれば、全てのものを使用できる。増粘剤としては、例えば、アクリル酸系、アクリルアミド系、エチレンオキサイド系、ポリエチレングリコール系などの合成樹脂タイプがあり、セルロース系、トロロアオイなどの天然系高分子タイプも挙げられる。
本発明に記載の高密度化炭素繊維不織布およびその製造方法において、第1工程で増粘剤と混合する水は、湿式抄造法で通常使用される水、「分子式 HO」で表される物質であり、例えば、井水、工業用水、水道水、イオン交換水、蒸留水などが挙げられる。
本発明に記載の高密度化炭素繊維不織布およびその製造方法における製造方法としては、一般的に湿式抄造法と呼ばれる従来公知の抄造方法が採用される。本発明では、段落「0006」に記載されている第1工程から第3工程にあるように、炭素繊維、炭素繊維以外の繊維、必要に応じて固体状バインダーを添加し、高フィブリル化繊維を分散してなる液体中にて均一になるように分散させた液体を抄網上に流下させ、脱水し、湿紙を得る。得られた湿紙を乾燥させて不織布とする。場合により、湿紙に液状バインダーを付与(含浸・塗布)した後、乾燥させて不織布としても良い。また、前記にある各繊維および必要に応じて添加される固体状バインダーからなる液体については、液状バインダーを添加した後、定着剤によりバインダー分を各繊維に定着させてフロック化し、このフロック分散液体を抄網上に流下、脱水、乾燥させ、不織布化することもできる。
本発明の高密度化炭素繊維不織布およびその製造方法において、炭素繊維不織布の生産性、性能、品質向上のために、分散剤、消泡剤、定着剤、凝集剤等の薬剤を添加することもできる。前記薬剤は、湿式抄造法における従来公知のものを使用できる。
本発明の高密度化炭素繊維不織布およびその製造方法においては、段落「0006」および段落「0019」に記載された通りに湿式抄造法が採用されるが、従来公知の湿式抄紙機が全て使用できる。例えば、長網抄網機、ツインワイヤー抄網機、ハイブリッド抄網機、円網抄網機、ヤンキー抄紙機、各種のコンビネーション抄紙機などの抄紙機を使用できる。
さらに、段落「0019」の記載において、各繊維および必要に応じて添加される固体状バインダーからなる液体を抄網上に流下、脱水して得られる湿紙の乾燥方法であるが、従来公知の湿式抄紙機に備えられているものは全て使用できる。例えば、エアスルー乾燥機、ヤンキードライヤー、多筒式シリンダードライヤー、サクションドラム式ドライヤー、遠赤外線方式ドライヤー等が挙げられる。尚、湿紙に液状バインダーを付与する製造方法であれば、乾燥機に入る湿紙の水分量が多くなるため、エアスルー乾燥機が好ましい。湿紙が液状バインダーを各繊維に定着させてなるフロックより形成される場合であれば、プレスロール等で加圧脱水され、湿紙の水分量が比較的少ないためヤンキードライヤーや多筒式シリンダードライヤーが好ましい。
以下において、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。尚、以下の実施例および比較例における質量%および坪量は、全て乾燥質量を基準とし、質量%は炭素繊維不織布の乾燥質量全体に対する乾燥質量比率を示す。また、粘度は、日本工業規格 JIS8803:2011に準拠し、BL型粘度計を使用して測定した。(測定条件 回転ローター:No.1; 回転速度:60rpm; 液温:25℃)
増粘剤としてポリアクリル酸ナトリウム(日本触媒株式会社 アクアリック(登録商標)H−IH−G)を井水に溶解し、粘度が3から4mPa・sの範囲となるような液体を準備し、準備された液体に高フィブリル化繊維として微小繊維状セルロース繊維(ダイゼルファインケム株式会社 セリッシュ(登録商標)KY−100G)を0.001質量%(液体総量に対する乾燥質量)となるように分散した。前記の高フィブリル化繊維を分散した液体にPAN系炭素繊維85質量%、熱可塑性樹脂繊維5質量%を均一に分散した。前記の各繊維を分散して得られた液体について、湿式抄網機の抄網に流下、脱水し、湿紙を形成後、湿紙にバインダーとしてアクリル樹脂エマルジョン10質量%を付与、乾燥して炭素繊維不織布を得た。目標坪量は100g/mであり、密度が0.160g/cmという高密度の炭素繊維不織布となった。
増粘剤としてポリアクリル酸ナトリウム(日本触媒株式会社 アクアリック(登録商標)H−IH−G)を井水に溶解し、粘度が3から4mPa・sの範囲となるような液体を準備し、準備された液体に高フィブリル化繊維として微小繊維状セルロース繊維(ダイゼルファインケム株式会社 セリッシュ(登録商標)KY−100G)を0.050質量%(液体総量に対する乾燥質量)となるように分散した。前記の高フィブリル化繊維を分散した液体にPAN系炭素繊維85質量%、熱可塑性樹脂繊維5質量%を均一に分散した。前記の各繊維を分散して得られた液体について、湿式抄網機の抄網に流下、脱水し、湿紙を形成後、湿紙にバインダーとしてアクリル樹脂エマルジョン10質量%を付与、乾燥して炭素繊維不織布を得た。目標坪量は100g/mであり、密度が0.184g/cmという高密度の炭素繊維不織布となった。
増粘剤としてポリアクリル酸ナトリウム(日本触媒株式会社 アクアリック(登録商標)H−IH−G)を井水に溶解し、粘度が3から4mPa・sの範囲となるような液体を準備し、準備された液体に高フィブリル化繊維として微小繊維状セルロース繊維(ダイゼルファインケム株式会社 セリッシュ(登録商標)KY−100G)を0.1質量%(液体総量に対する乾燥質量)となるように分散した。前記の高フィブリル化繊維を分散した液体にPAN系炭素繊維85質量%、熱可塑性樹脂繊維5質量%を均一に分散した。前記の各繊維を分散して得られた液体について、湿式抄網機の抄網に流下、脱水し、湿紙を形成後、湿紙にバインダーとしてアクリル樹脂エマルジョン10質量%を付与、乾燥して炭素繊維不織布を得た。目標坪量は100g/mであり、密度が0.211g/cmという高密度の炭素繊維不織布となった。
増粘剤としてポリアクリル酸ナトリウム(日本触媒株式会社 アクアリック(登録商標)H−IH−G)を井水に溶解し、粘度が3から4mPa・sの範囲となるような液体を準備し、準備された液体に高フィブリル化繊維として微小繊維状アラミド繊維(ダイゼルファインケム株式会社 ティアラ(登録商標)KY−400S)を0.005質量%(液体総量に対する乾燥質量)となるように分散した。前記の高フィブリル化繊維を分散した液体にPAN系炭素繊維85質量%、熱可塑性樹脂繊維5質量%を均一に分散した。前記の各繊維を分散して得られた液体について、湿式抄網機の抄網に流下、脱水し、湿紙を形成後、湿紙にバインダーとしてアクリル樹脂エマルジョン10質量%を付与、乾燥して炭素繊維不織布を得た。目標坪量は100g/mであり、密度が0.145g/cmという高密度の炭素繊維不織布となった。
増粘剤としてポリアクリル酸ナトリウム(日本触媒株式会社 アクアリック(登録商標)H−IH−G)を井水に溶解し、粘度が3から4mPa・sの範囲となるような液体を準備し、準備された液体に高フィブリル化繊維としてポリオレフィン多分岐繊維(三井化学株式会社 SWP(登録商標) EST−8)を0.003質量%(液体総量に対する乾燥質量)となるように分散した。前記の高フィブリル化繊維を分散した液体にPAN系炭素繊維85質量%、熱可塑性樹脂繊維5質量%を均一に分散した。前記の各繊維を分散して得られた液体について、湿式抄網機の抄網に流下、脱水し、湿紙を形成後、湿紙にバインダーとしてアクリル樹脂エマルジョン10質量%を付与、乾燥して炭素繊維不織布を得た。目標坪量は100g/mであり、密度が0.151g/cmという高密度の炭素繊維不織布となった。
比較例1
増粘剤としてポリアクリル酸ナトリウム(日本触媒株式会社 アクアリック(登録商標)H−IH−G)を井水に溶解し、粘度が3から4mPa・sとなるような液体を準備した。準備された液体にPAN系炭素繊維85質量%、熱可塑性樹脂繊維5質量%を均一に分散した。前記の各繊維を分散して得られた液体について、湿式抄網機の抄網に流下、脱水し、湿紙を形成後、湿紙にバインダーとしてアクリル樹脂エマルジョン10質量%を付与、乾燥して炭素繊維不織布を得た。目標坪量は100g/mであり、密度は0.096g/cmとなった。
比較例2
増粘剤としてポリエチレンオキサイド(明成化学工業株式会社 アルコックス(登録商標) E−45)を井水に溶解し、粘度が3から4mPa・sとなるような液体を準備した。準備された液体にPAN系炭素繊維85質量%、熱可塑性樹脂繊維5質量%を均一に分散した。前記の各繊維を分散して得られた液体について、湿式抄網機の抄網に流下、脱水し、湿紙を形成後、湿紙にバインダーとしてアクリル樹脂エマルジョン10質量%を付与、乾燥して炭素繊維不織布を得た。目標坪量は100g/mであり、密度は0.092g/cmとなった。
実施例及び比較例で実施された高密度化評価については、以下の試験方法で行った。
<高密度化の評価>
段落「0024」から段落「0030」で得られた炭素繊維不織布については、日本工業規格「紙及び板紙−厚さ及び密度の試験方法 P−8118:2014」に準拠して、坪量および厚みを測定し、密度を得た。坪量および厚みの測定条件は以下の通りである。
厚さ:1/10mの大きさの炭素繊維不織布4枚について、株式会社小野測器製DG−925のデジタル厚さ計(荷重110g、面径10mmΦ、面圧13.7KPa、厚さ0.001mmより読み取り可能なもの)にてのデジタル厚み計を用いて1枚につき6点測定し、4枚の平均値と測定した。
坪量:1/10mの大きさの炭素繊維不織布4枚について、デジタル秤量計(0.01g単位まで計測可能なもの)を使用し、各々秤量し10倍した値を坪量とし、4枚の平均値として測定した。
密度:前記の測定された厚さ(mm)を坪量(g/m)で除し、さらに1000で除した数値を密度(g/cm)とした。
上記の実施例及び比較例で作製した繊維紙に対して求めた密度値の結果を以下の表1に示す。
Figure 2021195699
Figure 2021195699
本発明は、様々な炭素不織布を使用する分野(電子機器材料、電気機器材料、建築材料、自動車材料、航空機材料、宇宙開発材料)に大きな影響を与えるものであり、高密度化することにより、例えば、CCコンポジットのように樹脂と炭素不織布を複合化する場合により効率的に行うことができる。

Claims (8)

  1. 湿式抄造法により製造される炭素繊維不織布において、第1工程が少なくとも増粘剤および水を混合してなる液体を準備する工程、第2工程が前記液体に高フィブリル化繊維を前記液体の総質量に対して0.001から0.1質量%となるように分散する工程、第3工程が前記第2工程で得られた液体に炭素繊維を分散する工程、第4工程が前記第3工程で得られた液体を湿式抄造する工程であり、第1工程から第4工程からなる製造方法により製造されたことを特徴とする高密度化炭素繊維不織布。
  2. 請求項1に記載の炭素繊維不織布において、前記高フィブリル化繊維が機械的および/または化学的にフィブリル化してなる有機繊維および/または無機繊維であることを特徴とする高密度化炭素繊維不織布。
  3. 請求項1乃至2の何れか1項に記載の炭素繊維不織布において、前記炭素繊維不織布全体の乾燥質量に対する炭素繊維の乾燥質量の組成比が10から98質量%であることを特徴とする高密度化炭素繊維不織布。
  4. 請求項1から3の何れか1項に記載の炭素繊維不織布において、高フィブリル化繊維および炭素繊維以外の繊維を含有することを特徴とする高密度化炭素繊維不織布。
  5. 湿式抄造法により製造される炭素繊維不織布の製造方法において、第1工程が少なくとも増粘剤および水を混合してなる液体を準備する工程、第2工程が前記液体に高フィブリル化繊維を前記液体の総質量に対して0.001から0.1質量%となるように分散する工程、第3工程が前記第2工程で得られた液体に炭素繊維を分散する工程、第4工程が前記第3工程で得られた液体を湿式抄造する工程であり、第1工程から第4工程からなることを特徴とする高密度化炭素繊維不織布の製造方法。
  6. 請求項5に記載の炭素繊維不織布の製造方法において、前記高フィブリル化繊維が機械的および/または化学的にフィブリル化してなる有機繊維および/または無機繊維であることを特徴とする高密度化炭素繊維不織布の製造方法。
  7. 請求項5乃至6の何れかに1項に記載の炭素繊維不織布の製造方法において、前記炭素繊維不織布全体の乾燥質量に対する炭素繊維の乾燥質量の組成比が10〜98質量%であることを特徴とする高密度化炭素繊維不織布の製造方法。
  8. 請求項5から7の何れかに1項に記載の炭素繊維不織布の製造方法において、高フィブリル化繊維および炭素繊維以外の繊維を含有することを特徴とする高密度化炭素繊維不織布の製造方法。
JP2020115221A 2020-06-09 2020-06-09 高密度化炭素繊維不織布およびその製造方法 Pending JP2021195699A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2020115221A JP2021195699A (ja) 2020-06-09 2020-06-09 高密度化炭素繊維不織布およびその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2020115221A JP2021195699A (ja) 2020-06-09 2020-06-09 高密度化炭素繊維不織布およびその製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2021195699A true JP2021195699A (ja) 2021-12-27

Family

ID=79197512

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2020115221A Pending JP2021195699A (ja) 2020-06-09 2020-06-09 高密度化炭素繊維不織布およびその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2021195699A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6042936A (en) Microsphere containing circuit board paper
JP5638001B2 (ja) セルロースナノファイバー
CN1942629A (zh) 芳纶纸掺合物
JPH0260795B2 (ja)
CN105951524A (zh) 纳米机油滤纸及其制备方法
JP6976767B2 (ja) 炭素短繊維湿式不織布及び炭素短繊維強化樹脂組成物
JP2017174928A (ja) 固体電解コンデンサ用セパレータ
JP2021195699A (ja) 高密度化炭素繊維不織布およびその製造方法
JP7252435B2 (ja) 疎水性ナノファイバーを含有してなる低密度化繊維紙の製造方法
JP7211701B2 (ja) 炭素短繊維湿式不織布及び炭素繊維強化樹脂
WO1999015730A1 (en) Foam process web manufacture of filter or other papers from mechanical pulp
CN105937193A (zh) 纳米机空滤纸及其制备方法
CN105780596A (zh) 纳米柴油滤纸及其制备方法
JP2020158912A (ja) 炭素短繊維湿式不織布及び炭素繊維強化樹脂
EP1963567A2 (en) Pipd paper and components made therefrom
CN113430865B (zh) 一种高强度高导电性合成纤维/石墨烯复合纸及其制备方法
JP2020040268A (ja) 炭素繊維不織布複合体
JP7211791B2 (ja) 炭素短繊維湿式不織布及び炭素繊維強化樹脂
JP6963954B2 (ja) 湿式不織布の製造方法
JP2022070291A (ja) 炭素繊維含有湿式不織布
JP7030472B2 (ja) 炭素短繊維湿式不織布
JP2019157315A (ja) 炭素繊維不織布及び複合体
JP2023016362A (ja) 成形体の製造方法
JPS62191600A (ja) 不織布の製造方法
JPH0316436B2 (ja)

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20230425

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20240112

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20240206

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20240319